JP2004001959A - Part exfoliating method and device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リサイクルまたはリユースのために、被着体上に貼り付けられた発泡ウレタンやプラスチックフィルムなどの部品を剥離する部品剥離方法および部品剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被着体表面に貼り付けられたステッカやラベルを剥がしたり、または被着体表面に付着した汚れを除去したりするための剥離工具が知られている。このような剥離工具として、曲面等をなす被着体の面形状に倣うよう工夫されたものが提案されている。例えば、特許第3107751号には、ビンの直径に近似した平面凹状刃部が形成された剥離工具が、特公平7−1088号公報には、弾性を有する幅広の金属板の前端部が凹線状に形成された剥離工具がそれぞれ開示されている。
【0003】
また、被着体表面に傷をつけないよう工夫された剥離工具も提案されている。例えば、特開平7−239553号公報には、ローレットに複数の爪状突起を形成し、1つの爪状突起を基板表面に当接することで別の最下点の突起を被着体に当てずにカバーフィルムのみを剥離するようにした剥離工具が、特開平9−173995号公報には、支持用の硬質板と汚れ除去用の軟質板とを備える剥離工具がそれぞれ開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、両面テープ等で貼られた部品を剥離爪(スクレーパ)を用いて剥がす場合、部品端部に剥離爪の一辺を突き当てるとともに、剥離爪を被着体に軽く押し付けながら被着体表面に沿って滑らせたり、または剥離爪で端部だけをめくり、そのめくり部をペンチ等で挟んで引っ張りながら部品の剥離作業を行うのが一般的である。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、部品を剥がすことはできても、部品が剥がされた被着面上に粘着剤が残って、いわゆる糊残りが生じたり、また被着面上に粘着剤が引き伸ばされたような痕が残ったりして、被着体を再利用するには品質上問題がある。
【0006】
糊残りの発生原因は、凝集力<界面接着力のとき凝集破壊が起きて、この破壊によって寸断された残留粘着剤が生じるためである。すなわち、図19に示すように、被着体1から部品2を剥がすときに、粘着剤3が伸びて糸を引くような曳糸性が見られ、糸曳きは瞬間的に部品2の粘着面側または被着体1の界面側に引き戻される。このとき被着体1の界面側だと糊残り4なる。また、図20に示すように、糸曳き状態のまま剥離爪5を被着体1の表面に強制的に押し付けると、引き伸ばされたような糊残り6が起きる。剥離爪5の剥がしでは引き伸ばされたような糊残り6がよく見られる。
【0007】
なお、部品剥離後に、ブラスト洗浄処理、溶剤洗浄処理、または超音波洗浄処理等を施せば糊残りは解消されるが、これらの処理では、被着体を傷つけたり、作業負荷増大または洗浄液による環境への影響が懸念される。
【0008】
本発明の課題は、糊残りの発生を回避できる部品剥離方法および部品剥離装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは剥離爪を用いての剥離において、高速度カメラによる観察実験により引き伸ばされた状態の糊が被着体に擦りつけられている現象を観察した。一方、この観察によって、図1に示すような現象を発見した。すなわち、剥離爪を移動させて剥がすときの部品から剥離爪が受ける反力によって、剥離爪が自然に浮き上がり、剥離爪先端部と被着体との間に隙間が形成される場合があるが、その隙間によって上記糸曳きからの戻り現象がスムーズに行われる、つまり被着体に擦り付けられる前に糸曳き状態が引き戻されるチャンス(時間)が与えられるという効果である。
【0010】
本発明は、上記現象に着目して、この現象を積極的に利用した点に特徴がある。具体的に説明すると、剥離爪で部品を剥がす際に、▲1▼部品に剥離爪が接触する接触位置を被着体の被着面から所定量の隙間を維持し、▲2▼前記接触位置から下後方に被着体と剥離爪が接触しない所定量以上の空間(糸曳き空間)を確保することであり、これによって品質のよい部品剥がしが実現できる。
【0011】
請求項1に記載の発明は、部品が貼り付けられた被着体に剥離爪を押し当て被着体表面上で前記剥離爪を移動させることにより、前記被着体から前記部品を剥がす部品剥離方法であって、前記剥離爪の先端部を前記被着体表面から所定量上方の位置で前記部品に接触させ、かつその接触位置下後方では前記被着体表面と前記剥離爪との間に所定量の隙間を確保しながら、前記剥離爪を移動させることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記剥離爪として、先端部底面に段差が形成された剥離爪を用いることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記剥離爪として、前記部品に接触して反力を受け、先端部が前記被着体から離れる方向に弾性変形する剥離爪を用いることを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、被着体上に貼り付けられた部品表面を押さえ付けながら被着体表面上で剥離爪を移動させることにより、前記被着体から前記部品を剥がす部品剥離方法であって、前記剥離爪の先端部を前記被着体表面から所定量上方の位置で前記部品に接触させ、前記被着体表面と前記剥離爪との間に所定量の隙間を確保しながら、前記剥離爪を移動させることを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は4において、前記被着体表面から前記所定量上方の位置までの距離は、前記部品を前記被着体表面に貼り付け固定した粘着剤層の厚さに略等しいことを特徴としている。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は4において、前記隙間は、数十μm〜約百μmであることを特徴としている。
【0017】
請求項7に記載の発明は、先端に剥離爪を有し、部品が貼り付けられた被着体に押し当てられて被着体表面上を移動することにより、前記剥離爪によって前記被着体から前記部品を剥がす剥離ユニットであって、前記剥離爪には、前記被着体から前記部品を剥がすときに部品に接触する先端部底面に段差が形成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記隙間は、数十μm〜約百μmであることを特徴としている。
【0019】
請求項9に記載の発明は、先端に剥離爪を有し、部品が貼り付けられた被着体に押し当てられて被着体表面上を移動することにより、前記剥離爪によって前記被着体から前記部品を剥がす剥離ユニットであって、前記剥離爪は弾性体で形成され、前記被着体から前記部品を剥がすときに該部品に接触して反力を受け、先端部が前記被着体から離れる方向に弾性変形して、前記被着体との間に隙間を形成することを特徴としている。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項7又は9において、前記剥離爪には、前記被着体への押し当て面に、被着体とのすべり性を良くするすべり部材が設けられていることを特徴としている。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項7又は9において、前記剥離爪には、前記被着体への押し当て面に、球体またはコロからなる転がり機構が設けられていることを特徴としている。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれか1項において、前記剥離爪には、前記部品との接触面側に、剥がした部品の剥離爪への粘着を防止する非粘着部材が設けられていることを特徴としている。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項7〜12のいずれか1項において、前記被着体表面との隙間を調節する隙間調節手段が設けられていることを特徴としている。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項13において、前記隙間調節手段は、前記部品剥がれ時の反力による前記剥離爪先端部の弾性変形を考慮して、初期の隙間量を設定することを特徴としている。
【0025】
請求項15に記載の発明は、請求項7〜13のいずれか1項において、前記部品の剥がし時に、前記剥離爪と協働して前記部品の一部を挟持する挟持手段を有することを特徴としている。
【0026】
請求項16に記載の発明は、先端に剥離爪を有し、被着体に貼り付けられた部品表面を押し付けて該部品上を移動することにより、前記剥離爪によって前記被着体から前記部品を剥がす剥離ユニットであって、前記剥離爪は、前記被着体表面との間に所定の隙間を確保して配置されることを特徴としている。
【0027】
請求項17に記載の発明は、請求項16において、前記隙間は、数十μm〜約百μmであることを特徴としている。
【0028】
請求項18に記載の発明は、請求項16項において、前記剥離爪には、前記部品との接触面側に、剥がした部品の剥離爪への粘着を防止する非粘着部材が設けられていることを特徴としている。
【0029】
請求項19に記載の発明は、請求項16又は18において、前記被着体表面との隙間を調節する隙間調節手段が設けられていることを特徴としている。
【0030】
請求項20に記載の発明は、請求項19において、前記隙間調節手段は、前記部品剥がれ時の反力による前記剥離爪先端部の弾性変形を考慮して、初期の隙間量を設定することを特徴としている。
【0031】
請求項21に記載の発明は、請求項16〜19のいずれか1項において、前記部品の剥がし時に、前記剥離爪と協働して前記部品の一部を挟持する挟持手段を有することを特徴としている。
【0032】
請求項22に記載の発明は、部品が貼り付けられた被着体が載置された載置台と、先端に剥離爪を有する剥離ユニットと、前記剥離ユニットが取り付けられ、前記載置台上の被着体に前記剥離爪を押し付けながら剥離爪を被着体表面上で移動させるツール駆動手段と、を備えた部品剥離装置であって、前記剥離ユニットとして、請求項7〜15のいずれか1項に記載の剥離ユニットを搭載したことを特徴としている。
【0033】
請求項23に記載の発明は、部品が貼り付けられた被着体が載置された載置台と、先端に剥離爪を有する剥離ユニットと、前記剥離ユニットが取り付けられ、前記被着体に貼り付けられた前記部品を押し付けながら前記剥離爪を被着体表面上で移動させるツール駆動手段と、を備えた部品剥離装置であって、前記剥離ユニットとして、請求項16〜21のいずれか1項に記載の剥離ユニットを搭載したことを特徴としている。
【0034】
請求項24に記載の発明は、部品が貼り付けられた被着体が載置された載置台と、先端に剥離爪を有する剥離ユニットと、前記剥離ユニットが取り付けられ、前記載置台上の被着体と前記剥離爪との間に隙間を維持しながら剥離爪を被着体表面上で移動させるツール駆動手段と、を備えた部品剥離装置であって、前記被着体との距離を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した距離データに基づいて、前記被着体と前記剥離爪との間の隙間量を所定の値に制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0035】
請求項25に記載の発明は、請求項22〜24のいずれか1項において、前記ツール駆動手段は、前記剥離爪の移動速度を変化させる機能を有することを特徴としている。
【0036】
請求項26に記載の発明は、請求項22〜24のいずれか1項において、前記載置台には、前記被着体を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴としている。
【0037】
請求項27に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品剥離方法によって、部品が剥がされて再使用されることを特徴とした被着体である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0039】
(実施の形態1)
[対象部品の構成]
本実施の形態においては、被着体およびその上に貼り付けられた部品として、例えば以下の2種類を対象にしている。
【0040】
その第1は、図2に示すように、被着体11上に部品12が粘着剤13によって貼り付けられたもので、被着体11としてはABS等の樹脂ケースが、部品12および粘着剤13としては、ラベルや片面粘着テープ(紙、ビニール、セロハン等の片面に粘着層を有するもの)がある。
【0041】
また第2は、被着体11上に部品15が両面テープ16によって貼り付けられたものであり、部品15としては発泡ウレタンやPETフィルムなどがある。なお、両面テープ16は、粘着層16A、基材16Bおよび粘着層16Cからなっている。
【0042】
[装置構成]
本実施の形態は、部品を樹脂成形ケースから剥離する装置としての適用例である。本実施の形態における部品剥離装置を図4に示す。この部品剥離装置には、制御部21が格納された基台本体22の上に多関節ロボット23が設置されている。
【0043】
多関節ロボット23は、水平面内で矢印A方向に回動自在な水平回動部24と、水平回転部24上に設けられ垂直面内で矢印B方向に回動自在な垂直回動部25と、垂直回動部25の上部に固定され矢印C方向に伸縮自在な水平腕部26と、水平腕部26の先端に取り付けられた剥離爪ユニット27とを備えている。制御部21は動作プログラムを内蔵し、また教示位置データに基づいて、水平回動部24、垂直回動部25、水平腕部26、剥離爪ユニット27に制御信号を送り、各部の位置および速度を制御する。本実施の形態では、水平回動部24、垂直回動部25および水平腕部26がツール駆動手段を構成している。また以降の説明では、矢印C方向のうち左向きを前方、右向きを後方とする。
【0044】
基台本体22の上には載置台28が設けられ、この載置台28の上に、図2または図3に示した対象部品が載置される。載置台28の周囲には、図示してないがクランプ機構が設けられ、載置台28上には対象部品が着脱可能に載置される。
【0045】
剥離爪ユニット27は、図5に示すように、水平腕部26の先端に取り付けられるツール取付部31と、ツール取付部31に下側に前方へ傾斜して設けられたツール支持体32と、ツール支持体32の下端部に固定された剥離爪33とを備えている。また、ツール支持体32にはクランプ爪34が矢印D方向に回動自在に取り付けられている。
【0046】
また、図4に示すように、基台本体22内には部品投入口29を有する部品回収部30が設けられている。この部品回収部30は、被着体から剥がされた部品の一部または全体が、クランプ爪34と剥離爪33とに挟持された状態で部品投入口29の上方まで搬送され、部品投入口29から回収するためのものである。
【0047】
多関節ロボット23は、水平回動部24、垂直回動部25、水平腕部26を駆動しながら、剥離爪ユニット27の剥離爪33が部品に接触する位置を被着体面から所定の隙間を維持して、所定の長さの空間を確保しながら被着体の部品貼付面に倣わせて部品を剥がす。このような多関節ロボット23を用いると、図2や図3に示した被着体が多少傾斜して載置されても、また被着体の側面に部品が貼り付けられていても、被着体から部品を容易に剥がすことができ、被着体の姿勢に対する自由度が高くなる。また、剥離爪ユニット27内にはエアシリンダ(図示省略)が設けられ、被着体上の部品を剥離爪33で剥がすときには、剥離爪33は前記エアシリンダによる押圧力を受けて、被着体表面を押さえ付けるようになっている。
【0048】
また、多関節ロボット23には、部品を剥がす時に剥離爪33が部品から受ける反力に負けないように、剥離爪ユニット27の位置(剥離爪33と被着体11との隙間)を一定にさせるための手段が設けられている。部品を剥がす時、剥離爪33先端は、図6に示すように、部品12(部品15の場合もあるが、以降、部品12として説明する)から上方向の反力fzと接線方向の反力fxを受ける。部品12の剥がれやすさ、変形しやすさによるが、部品12が発泡ウレタンテープの場合、上方向の反力fzは5kgf程度を適正値としている。本実施の形態では、剥離爪33がエアシリンダで押圧されており、エアシリンダのストロークの範囲内で、押圧力安定化効果(押付力が過大になったり過小になるのを防止できる効果)が得られる。もちろん簡易的にバネ等の付勢力で剥離爪33を押圧するよう構成しても、上記反力に負けないという最低限の機能は得られる。
【0049】
さらに、載置台28下側の基台本体22内には、ハロゲンランプ等の被着体加熱部35が搭載され、樹脂ケース等の被着体の裏面を加熱するようになっている。被着体加熱部35も制御部21により制御され、被着体表面が50〜60℃程度になるように調整される。このように、部品の表面(上面)からではなく裏面から加熱した方が粘着層に温度差ができ、界面側で剥がれやすくなる。
【0050】
[剥離爪の構造]
剥離爪33には、図7に示すように、移動方向に沿って前側(部品との接触面側)の底面に段差33Aが形成され、この段差33Aにより、剥離爪33と被着体11表面との間に隙間G1が形成され、さらに前方側に糸曳き空間S1が形成されている。また、剥離爪33には、段差33Aよりも後方側に押し当て部33Bが設けられ、この押し当て部33Bは被着体11へ押し当てられている。ここでは、剥離爪33は硬質プラスチック(例えばベスペル)など単一の部材を加工して得たものである。
【0051】
剥離爪33には、移動方向に沿って前方側下端に剥離爪部aが形成され、部品との接触は剥離爪部aで行われる。剥離爪部aの幅(紙面垂直方向の幅)は部品のどちらか一辺の幅以上あることが好ましいが、幅広部品に対しては部品の角から剥がして対応する。剥離爪部aは断面に力を直接与えることができればよい。対象部品により反力を受けるが、剥離爪部aの角度θ1を刃物のように鋭く薄くすると撓んで所定の隙間が得られにくい。本実施の形態では角度θ1は45〜90度程度のあまり鋭くない鋭角とした。また、剥離爪部aは剥がし時の反力で変形したり、破損したりしないような硬さが要求される。本実施の形態では硬質プラスチックとしたが金属等の部材でも良い。
【0052】
また、図9に示すように、剥離爪33の前側表面(部品との接触面)33Cおよび先端部底面33Dには非粘着部材37が設けられている。これにより、剥離爪33の前側表面33Cにおける粘着面の流れをスムーズにすることができる。部品は剥がれ時に上方向に向かうため、剥離爪33の前側表面33Cは剥がれた粘着剤が擦られるように触れる場所となる。剥がれた部品の粘着面が前側表面33Cに貼りついたり、引っ掛かったりすると、反力が過大になるなどトラブルの原因となる。本実施の形態では、前側表面33Cに離形材をコーティングした非粘着加工を施した。微視的に凹凸加工を施し、さらにテフロン(登録商標)系のコーティング材などを塗布した。なお、図9において、矢印Dは粘着剤の動きを示している。
【0053】
押し当て部33Bは被着体11に直接押し当てられ、強く押し付けられる。この押し当て部33Bは、基本的には部品12が剥がれた後に被着体11上を通過するので、押し当て部33Bによって糸曳き中の糊を引き伸ばすことはない。押し当て部33Bの少なくとも表面は、被着体11に傷がつかないように、すべり性のよいテフロン(登録商標)系樹脂などのすべり部材38からなる。または押し当て部33Bの表面には、すべり部材38が貼り付けられている。
【0054】
隙間G1は数十μm〜約百μmのオーダである。隙間G1は部品12を固定している粘着層13(または両面テープ16)の幅より少し小さいことが好ましい。なお、厚さが0.1mm程度の両面テープ16で貼られた部品15を剥がす場合は、0.1mm以下である必要がある(両面テープ基材と粘着層は通常は剥がれないように強固に接合されているので、0.1mm以下で十分)。
【0055】
図7において、段差33Aと押し当て部33Bとの交点bから剥離爪部aまでの距離L1は、糸曳きの逃がしとして確保する必要がある。糸曳きの長さ以上必要であるが通常数ミリもあれば十分である。糸曳きの長さは粘着剤の特性や、剥がす速度、温度によって変化する。
【0056】
なお、本実施の形態では、剥離爪33全体を一体的に形成したが、段差33Aの所で前後2つに分けて加工し、その後、一体化して形成してもよい。
【0057】
[動作フロー]
上記構成において、制御部21は予めプログラミングされていたフローに従い、各部に制御信号を出力して、以下のように動作させる。
(a)剥離爪33の先端(剥離爪部a)が、図10(a)のように、部品12の端部から少し離れた位置になるように位置決めし、矢印Eのように押し当て部33Bを被着体11上面に押し付ける。
(b)次に、図10(b)のように、剥離爪33を被着体11表面に沿って矢印Fのように平行移動させ、部品12の剥がし動作を開始する。
(c)部品12が長い場合は、図10(c)のように、剥離爪33とクランプ爪34で部品12の端部を挟持し、この状態で剥離爪33を矢印Gのように斜め上方へ移動させて、ピール剥離後回収する。
【0058】
本実施の形態では、剥がした部品12は部品回収部33に回収されるが、次工程において作業者あるいは別装置で、剥がした部品12を把持するようにして完全に除去しても良い。
【0059】
[本実施の形態の効果]
本実施の形態によれば、被着体11表面に剥離爪33を押し当てて、部品12の一側端部から他側に向かって被着面に倣うように剥離爪33を移動させるだけで、適正な隙間G1と糸曳き空間S1とを確保することができる。また、隙間G1を確保することにより、確実に糸が部品12の粘着層13側に戻っていくようになった。よって、剥がれ時に発生する粘着剤の糸曳きを押しつぶすことなく、高品質に剥がすことができる。
【0060】
表1に隙間と糊残りの官能検査における合否結果を示す。樹脂ケースに両面テープ(0.1mm厚程度)で発泡ウレタン部品を貼り付けて、長期間放置したときの評価結果である。発泡ウレタン部品は、通常、糊残りが多い部品である。ただし、設定した隙間について反力による剥離爪の浮きは補正していない。
【0061】
【表1】
【0062】
表1中、○は糊残り無しまたは小(斑点状)を、△は糊残り大を、×は引き伸ばし有りを、―は剥がし残しをそれぞれ示している。
【0063】
上記結果より、隙間が小さすぎると、糸曳き部に作用してしまい、糊残りが起きる。一方、隙間が大きすぎると、乗り越えやすくなり、剥がし残しが多くなることが確認できた。
【0064】
また、表1は隙間とツール移動速度との関係も示している。剥離爪33の倣い動作の動作速度は粘着剤の種類、粘弾性特性によって変わってくる。粘着剤が弾性の特性があらわれる剥離速度以上となると、粘着剤が凝集破壊を起こしにくくなるので、糊残りしにくい。粘着剤の特性にもよるが本実施の形態では10mm/s以上に設定している。
【0065】
なお、本実施の形態では、剥離爪33が多関節ロボット23に組み込まれた部品剥離装置として説明してきたが、本発明の剥離爪33は工具として使用することも可能である。この場合は、図5において、剥離爪33とツール支持体32とを有し、ツール支持体32に作業者が把持するための柄を取り付ければよい。そして、作業者は隙間確保のための位置を気にしなくても、柄を持ってある力以上に工具を被着体に押しつけて倣わせるだけで、部品剥離装置の場合と同様に、高品質の部品剥がしの作業が実現できる。
【0066】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では、図11に示すように、剥離爪40の底面にホルダ部材41が固定され、このホルダ部材41に複数個の球体(又はコロ)42が回転自在に埋め込まれている。球体(又はコロ)42の下部はホルダ41の底面から一部露出している。球体(又はコロ)42は、接地が安定するよう、少なくとも3個以上設けられ、かつ1列に並ばない配置とされている。
【0067】
ホルダ部材41と球体(又はコロ)42が設けられているので、剥離爪40の底面と被着体11表面との間には隙間G2が形成されている。この隙間G2は、数十μm〜約百μmのオーダである。また、剥離爪40の前側表面40Aおよび先端部底面40Bには非粘着部材37が設けられている。
【0068】
粘着剤の凝集力が弱い場合は、被着体11上に点状の糊が残る場合があるが、本実施の形態では、球体(又はコロ)42からなる転がり機構により、残った糊を転がって乗り越えるようになるため、残った糊を引き伸ばすことはない。
【0069】
なお、押し当て部の幅を縦長にして、進行方向の接触面積を狭くしても近い効果が得られる。接触面積が小さくなると押し付け力が集中するため傷つきやすくなるが、被着体11が硬い部材やマテリアルリサイクルのときには適している。
【0070】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態では、図12(a)に示すように、部品剥離を行っていない通常時には底面が被着体11表面に密着する剥離爪50が設けられている。部品剥がし時に剥離爪先端部と部品との接触部においては、図6で説明したように、剥離爪が斜め上方に持ち上がるような反力を受ける。そこで本実施の形態では、剥離爪50を所定の弾性率を有する材質で形成し、部品剥離時には、図12(b)に示すように、剥離爪50の先端部が上方に弾性変形して、剥離爪50先端部と被着体11表面との間に隙間G3が形成されるようにしている。また、剥離爪50先端からの所定距離L2は、糸曳きの逃がしとして確保されている。なお、本実施の形態では、剥離爪50の底面には段差は形成されていない。
【0071】
剥離爪50は、硬質プラスチック等の単一の部材でよい。本実施の形態では、反力2〜5kgfに対して隙間G3が0.04〜0.08mm程度となる特性を有するものを選んだ。また、剥離爪50の先端部には非粘着加工、後方底面にはすべり部材をコーティングした。
【0072】
本実施の形態によれば、上述の実施の形態と同様、被着体11から部品12を剥がしても、糊残りが生じるのを防ぐことができる。また、適正隙間量を得るためには安定した反力にする必要があるが、本実施の形態では、構造が簡単な剥離爪50によって安定した反力を得ることが可能である。
【0073】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態では、図13に示すように、被着体11表面ではなく部品12の表面を押さえ付けながら部品12を剥がすようにしている。すなわち、本実施の形態における剥離爪ユニット60は、ツール取付部61と、ツール取付部61に下側に設けられた平板状のツール支持体62と、剥離爪移動方向に沿ってツール支持体32の底面前方側に固定された押し当て部63と、剥離爪移動方向に沿ってツール支持体32の底面後方側に固定された剥離爪64とを備えている。この剥離ユニット60は、図4に示した多関節ロボット23の水平腕部26先端に取り付けられる。
【0074】
押し当て部63は剥離爪移動方向に沿って剥離爪64の上斜め前方に配置されているので、押し当て部63底面と剥離爪64底面との間には段差D4が生じ、またこの段差D4により、被着体11表面と剥離爪64との間には必要な隙間G4が形成されている(隙間G4=部品厚H4−段差D4)。この隙間G4は数十μm〜約百μmのオーダである。また、押し当て部63と剥離爪64との間には間隙部66が形成されている。さらに、剥離爪64の先端部から後方には被着体11が配置されていないので、必要な糸曳き空間は確保されている。
【0075】
上記構成において、制御部21(図4参照)は予めプログラミングされていたフローに従い、各部に制御信号を出力して、以下のように動作させる。
(a)剥離爪64先端が部品12端部から少し離れた位置になるように位置決めし、同時に押し当て部63で部品12上面を押さえ付ける。
(b)次に、剥離ユニット60を部品12表面に沿って矢印のように平行移動させ、部品12の剥がし動作を開始する。
(c)剥がした部品12を図示していないチャック機構で把持して回収する。
【0076】
本実施の形態では、押し当て部63は部品12に押し当てられ、被着体11に直接触れないので、被着体11を傷つけることはない。また押し当て部12によって糸曳き中の糊を引き伸ばすこともない。なお、押し当て部63の底面は、部品12に対して摩擦係数の小さい材質にするとすべり性が良くなる。
【0077】
また、本実施の形態1〜3では、押し当て部が剥離爪本体に形成されているために、図13のように被着体11と部品12のそれぞれの端面が一致している場合は部品を剥がすことが困難であるが、本実施の形態では、押し当て部材63と剥離爪64が別個に設けられた構成であるから、被着体11と部品12のそれぞれの端面が一致していても容易に部品を剥がすことができる。
【0078】
本実施の形態は、ラベルやPETフィルムテープなど比較的厚さが一定で、部品表面が平坦で滑りやすい部品に適している。
【0079】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態は、樹脂成形ケースから部品を剥がす装置としての適用例であり、図14に示すように、隙間量調節部70が設けられている。多部品を連続して剥がすなど部品によって最適隙間量が異なる場合に、隙間を調節する機能が求められる。また、図15に示すように、剥がれ時の反力fzによる剥離爪部先端の変形が原因で、適正隙間からズレが生じる場合がある。
【0080】
本実施の形態では、図14に示すように、ツール支持体71の下部には押し当て部72が設けられ、この押し当て部72の側方にリニアスライダ73を介して剥離爪74が取り付けられ、押し当て部72下部と剥離爪74との間に隙間量調節部70が介在されている。
【0081】
隙間量調節部70としては積層構造のピエゾアクチュエータを用いることができる。ピエゾに電圧を与え、厚さを変化させると、リニアスライダ73等に沿って剥離爪74が上下に移動する。
【0082】
さらに別形態として、ピエゾアクチュエータの代わりにカム機構、リニアスライダの組合せを利用して構成しても良い。この場合、カムが回転すると剥離爪74が上下にリニアスライダ73に沿って押し出される。手動で変更することも可能である。
【0083】
本実施の形態における制御部の構成を図16に示す。制御部75には、メモリ76、データ入力部77、操作・表示部78、中央処理装置79、隙間量調節信号出力部80、ロボット制御部81が設けられている。そして、データ入力部77には力センサ82が、隙間量調節信号出力部80には隙間量調節部70が、ロボット制御部81には多関節ロボット23がそれぞれ接続されている。力センサ82は、剥離爪74もしくはツール支持体71に取り付けられている。
【0084】
メモリ76には、部品の種類、特に粘着テープ厚さに応じた適正な隙間量と、剥がし時の部品毎の反力による隙間の推定ズレ量とが予め記憶されている。部品毎の初期隙間は、まず粘着テープ厚さが設定され、反力に対応した推定ズレ量分だけ小さくなるように中央処理部79で補正される。この補正された初期隙間値が隙間量調節信号出力部80から出力される。
【0085】
ここで、推定ズレ量の修正方法について説明する。力センサ82により反力を測定して、入力されたデータ信号から中央演算部79で反力を演算する。予め記憶されている推定ズレ量(補正値)を再修正するように隙間量調節信号を出力し、隙間が変更される。これにより、力センサ82によって反力を精度よく測定でき、推定でしかなかった初期隙間量を再修正できるので更に精度が向上する。
【0086】
本実施の形態の動作フローは、実施の形態1の場合とほとんど同じだが、(a)のフローの前に隙間量調整信号を出力し、初期の隙間G5’から最適な隙間G5への調節動作が行われる。
【0087】
本実施の形態によれば、部品の種類によって隙間の最適値が異なっている場合でも、容易に最適値に設定することが可能となり、多種多様な部品に対応できるとともに、効率的に部品を剥がすことが可能となる。
【0088】
また、弾性変形による最適値からの隙間量のズレを補正することができるので、より高品質に部品剥がしを行うことができる。
【0089】
さらに、反力の違いにより補正値を変えることができるので、より多種多様な部品剥がしに対応でき効率がよい。
【0090】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態は、樹脂成形ケースから部品を剥がす装置としての適用例であり、図17に示すように、ギャップ量検出部90が設けられている。このギャップ量検出部90は、下部に剥離爪91が取り付けられたツール支持体92の近傍に配置されている。
【0091】
本実施の形態では、剥離爪91底面は被着体11表面には接触しておらず、また剥離爪91には押し当て部も形成されていない。剥離爪91底面が被着体11表面に接触していないので、必要な糸曳き空間は確保されている。
【0092】
剥離爪91先端部の角度θ2は45〜90度程度である。本実施の形態では、剥離爪91の材質は剛性の高い金属、セラミックなどを採用している。また、ギャップ量検出部90は反射型の変位レーザ計等で構成され、ギャップ量検出部90と被着体11表面との変位を計測する。その計測データは制御部へ送られる。
【0093】
本実施の形態における制御部の構成を図18に示す。制御部93には、メモリ76、データ入力部77、操作・表示部78、中央処理装置79、隙間量調節信号出力部80、ツール移動手段制御部94が設けられている。そして、データ入力部77にはギャップ量検出部90が、隙間量調節信号出力部80には隙間量調節部70が、ツール移動手段制御部94にはツール移動手段95がそれぞれ接続されている。
【0094】
上記構成において、剥離爪91は、被着体11の面形状に倣って一定の隙間G6を維持するように移動する。面形状は予めデータとして記憶されており、隙間分オフセットするように経路が生成される。このとき、ギャップ量検出部90で検出した変位データから隙間G6の変動を演算する。そして、ツール移動制御手段から送出される(高さ方向の)制御信号によりミクロンオーダーで位置補正している。
【0095】
本実施の形態によれば、一定の隙間G6を維持することにより、剥離爪91を被着体11表面に押し付けなくても、浮かせた状態で移動させることが可能になるので、被着体11に傷がつきにくい。
【0096】
また、部品を剥がす場合に、被着体11表面は変形などにより変化するが、隙間量を正確に計測しながら、適性隙間量に補正することが可能になるので、より安定した剥がし作業を行うことができる。
【0097】
なお、本実施の形態には、段差を有する剥離爪(実施の形態1)や弾性を有する剥離爪(実施の形態3)も適用可能である。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、剥離爪による剥がしが、所定の糸曳き空間を確保したまま、所定の隙間を維持して剥がしが進行するので、剥離爪によって粘着剤は糸曳き途中で分断したり引き伸ばされたりすることはなく、糸曳きが終了して粘着面に戻される機会を確実に増やすことができる。結果的に糊残りの少ない品質のよい剥離が可能となる。
【0099】
請求項2,7に記載の発明によれば、被着体に押し付けるだけで被着体との間に所定の隙間が得られ、移動させても糸曳き空間を確保したまま隙間を維持することができる。
【0100】
請求項3,9に記載の発明によれば、被着体に押し付けて移動させるだけ被着体との間に所定の隙間が得られ、また糸曳き空間も確保できる。
【0101】
請求項4,16に記載の発明によれば、上記と同様、部品上面に押し付けて移動させるだけで被着体との間に所定の隙間が得られ、糸曳き空間も確保できる。特に部品と被着体の端部位置が一致または極めて近い場合でも対応できる。
【0102】
請求項5に記載の発明によれば、粘着剤層の厚さに略等しくすることにより、剥離爪による剥がしにおいて、確実に糸曳き空間を確保できるとともに、乗り上げによる剥がしミスも発生しない。
【0103】
請求項6,8,17に記載の発明によれば、糊残りの少ない品質のよい剥離が可能となる。
【0104】
請求項10に記載の発明によれば、剥離爪と被着体との摩擦抵抗が小さくなり、剥離爪を倣い移動させるための装置の負荷、または作業者の負荷を軽減することができる。また、被着体を再使用するに当たって被着体表面を傷つけないで剥がすことができる。
【0105】
請求項11に記載の発明によれば、被着体との摩擦抵抗が小さくなるため、倣い移動させる負荷が軽減できる。特に被着体に押し付ける場合には、剥離によって少し糊が残っていても、糊を引き伸ばすことなく乗り越えることができるため、より高品質な剥がしができる。
【0106】
請求項12,18に記載の発明によれば、非粘着部材を設けることにより、せん断方向の動き(すべり性)がよくなる。これにより粘着剤の流れが滑らかになるため、特に糸曳きが開放され粘着層側へ戻る作用がスムーズに行われるため、安定した剥がしができる。
【0107】
請求項13,19に記載の発明によれば、部品種類によって隙間の最適値が異なる場合にも、容易に変更にすることが可能となる。よって、多種多様部品に対応でき、効率的な剥がしが可能となる。
【0108】
請求項14,20に記載の発明によれば、弾性変形による最適値からのズレを補正することができるので、より高品質に剥がすことができる。また、反力の違いにより補正値を変えることができるので、より多種多様な剥がしに対応でき効率がよい。
【0109】
請求項15,21に記載の発明によれば、部品の一部が剥がれれば、剥がれ部を挟持して、剥離ユニットを斜め上方へ移動させることにより、連続動作で剥離することができる。長尺部品や、倣い動作が難しい曲面剥離に対応できる。
【0110】
請求項22,23に記載に発明によれば、剥離ユニット移動中も安定した保持力または押し付け力を得ることができるので、効率的に安定した剥離作業ができる。
【0111】
請求項24に記載の発明によれば、剥離ユニットを所定の経路に移動させて部品を剥がす場合に、被着体表面は変形などにより変化するが、隙間を正確に計測しながら経路を適性値に補正することが可能になるので、より安定した剥がし品質を得ることができる。また、反力に負けないような保持力で保持することができるので、剥離ユニットを被着体に押し付けなくても浮かせた状態でも隙間を維持した剥離が可能になり、被着体に傷がつきにくい。よって剛性の高い剥離爪を使うことができる。
【0112】
請求項25に記載の発明によれば、粘着剤は粘性から弾性へ特性変化する剥離速度があるが、剥がし速度が安定するよう制御することにより、より糊残りの少ない剥がし品質が得られる。
【0113】
請求項26に記載の発明によれば、貼り付け面側の温度が高くなると粘着剤と被着体との接着力が下がるため、糸曳き状態から開放されるときに界面よりも剥がれた面へ引き戻される確率が高くなり、より糊残りの少ない高品質な剥がしができる。
【0114】
請求項27に記載の発明によれば、部品剥がし時に被着体には傷がつきにくいので、その被着体を有効に再利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明した図である。
【図2】対象部品の構成を示した図である。
【図3】他の対象部品の構成を示した図である。
【図4】本発明の部品剥離装置の斜視図である。
【図5】剥離ユニットの構成図である。
【図6】剥離爪に加わる反力を説明した図である。
【図7】実施の形態1による剥離爪の構成図である。
【図8】図7に示した剥離爪の斜視図である。
【図9】剥離動作の説明図である。
【図10】動作フローを示しており、(a)は剥がし動作直前の様子を、(b)は剥がし動作中の様子を、(c)はクランプ機構で挟持して剥がしている様子をそれぞれ示した図である。
【図11】実施の形態2による剥離爪の構成図である。
【図12】実施の形態3による剥離爪を示しており、(a)は剥がし動作を行っていないときの様子を、(b)は剥がし動作中の様子をそれぞれ示した図である。
【図13】実施の形態4による剥離爪ユニットの構成図である。
【図14】実施の形態5による剥離爪ユニットの構成図である。
【図15】剥がし動作中に加わる反力によって剥離爪が変位する様子を示した図である。
【図16】実施の形態5における制御部の構成図である。
【図17】実施の形態6による剥離爪ユニットの構成図である。
【図18】実施の形態6における制御部の構成図である。
【図19】剥がし時に糊残りが生じる現象を説明した図である。
【図20】剥がし時に引き伸ばした状態の糊残りが生じる現象を説明した図である。
【符号の説明】
11 被着体
12 部品
13 粘着層(又は粘着剤)
16 両面テープ
21 制御部
23 多関節ロボット
28 載置台
33,40,50,64,74,91 剥離爪
34 クランプ爪
37 非粘着部材
38 すべり部材
42 球体(又はコロ)
70 隙間量調節部
90 ギャップ量検出部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a component peeling method and a component peeling apparatus for peeling a component such as urethane foam or a plastic film attached to an adherend for recycling or reuse.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art A peeling tool for peeling a sticker or a label attached to an adherend surface or removing dirt attached to an adherend surface is known. As such a peeling tool, a tool designed to follow the surface shape of an adherend having a curved surface or the like has been proposed. For example, Japanese Patent No. 3107751 discloses a peeling tool in which a flat concave blade portion approximate to the diameter of a bottle is formed, and Japanese Patent Publication No. 7-1088 discloses a wide metal plate having elasticity with a concave front end. A stripping tool formed in a shape is disclosed.
[0003]
In addition, a peeling tool devised so as not to damage the surface of the adherend has been proposed. For example, JP-A-7-239553 discloses a method in which a plurality of claw-shaped projections are formed on a knurl, and one claw-shaped projection is brought into contact with the substrate surface so that another projection at the lowest point does not contact the adherend. Japanese Unexamined Patent Application Publication No. 9-173995 discloses a peeling tool that peels off only the cover film, and includes a hard plate for supporting and a soft plate for removing dirt.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, when peeling a part pasted with double-sided tape or the like using a peeling claw (scraper), one side of the peeling nail is pressed against the edge of the part, and the peeling nail is lightly pressed against the adherend while being pressed against the adherend surface. It is common practice to perform the stripping operation while sliding along or turning only the end with a stripping claw, and pulling the flipped section with pliers or the like.
[0005]
However, in the above-described conventional technique, even though the component can be peeled off, the adhesive remains on the adhered surface from which the component has been peeled, so-called glue residue occurs, or the adhesive is stretched on the adhered surface. There is a quality problem in reusing the adherend, for example, due to the remaining marks.
[0006]
The cause of the adhesive residue is that cohesive failure occurs when cohesive force <interfacial adhesive force, and this destruction generates a fragmented residual adhesive. That is, as shown in FIG. 19, when the
[0007]
The adhesive residue can be eliminated by performing blast cleaning, solvent cleaning, or ultrasonic cleaning after the parts have been peeled off. However, these processes may damage the adherend, increase the work load, or cause environmental problems caused by the cleaning liquid. There is a concern about the impact on
[0008]
An object of the present invention is to provide a component peeling method and a component peeling device that can avoid generation of adhesive residue.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors observed a phenomenon in which the stretched glue was rubbed against the adherend by an observation experiment using a high-speed camera during peeling using a peeling nail. On the other hand, through this observation, a phenomenon as shown in FIG. 1 was discovered. That is, due to the reaction force received by the peeling claw from the component when the peeling claw is moved and peeled, the peeling claw naturally lifts up, and a gap may be formed between the peeling claw tip and the adherend. The gap has an effect that the return phenomenon from the stringing is smoothly performed, that is, a chance (time) that the stringing state is returned before being rubbed against the adherend is provided.
[0010]
The present invention is characterized in that it focuses on the above phenomenon and actively utilizes this phenomenon. More specifically, when the component is peeled off with the peeling claw, (1) the contact position where the peeling claw contacts the component is maintained at a predetermined gap from the adherend surface of the adherend, and (2) the contact position. A space (stringing space) of a predetermined amount or more at which the adherend and the peeling claw do not come into contact with each other below and from behind is ensured, whereby high-quality component peeling can be realized.
[0011]
The invention according to
[0012]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, a peeling claw having a step formed on a bottom surface of a distal end portion is used as the peeling claw.
[0013]
According to a third aspect of the present invention, in the first aspect, as the peeling claw, a peeling claw that receives a reaction force in contact with the component and elastically deforms in a direction in which a tip portion separates from the adherend is used. Features.
[0014]
The invention according to claim 4 is a component peeling method of peeling the component from the adherend by moving a peeling claw on the surface of the adherend while holding down the surface of the component adhered on the adherend. The tip of the peeling claw is brought into contact with the component at a position that is a predetermined amount above the surface of the adherend, while securing a gap of a predetermined amount between the surface of the adherend and the peeling claw. The peeling claw is moved.
[0015]
According to a fifth aspect of the present invention, in the first or fourth aspect, a distance from the surface of the adherend to a position above the predetermined amount is a pressure-sensitive adhesive layer in which the component is attached and fixed to the surface of the adherend. It is characterized by being substantially equal in thickness.
[0016]
According to a sixth aspect of the present invention, in the first or fourth aspect, the gap is several tens μm to about 100 μm.
[0017]
The invention according to
[0018]
According to an eighth aspect of the present invention, in the seventh aspect, the gap is several tens μm to about 100 μm.
[0019]
The invention according to claim 9 has an exfoliating claw at a tip end, and the adherend is moved by the exfoliating claw by being pressed against the adherend to which a component is attached and moving on the surface of the adherend. A peeling unit that peels off the part from the body, wherein the peeling claw is formed of an elastic body, and when the part is peeled off from the adherend, the peeling claw comes into contact with the part and receives a reaction force. Elastically deform in a direction away from the object to form a gap between the substrate and the adherend.
[0020]
According to a tenth aspect of the present invention, in the seventh or ninth aspect, the peeling claw is provided on a surface pressed against the adherend with a sliding member for improving the slipperiness with the adherend. It is characterized by:
[0021]
The invention according to
[0022]
According to a twelfth aspect of the present invention, in any one of the seventh to eleventh aspects, the peeling nail has a non-adhesive surface on a contact surface side with the component to prevent the peeled component from sticking to the peeling nail. A member is provided.
[0023]
According to a thirteenth aspect of the present invention, in any one of the seventh to twelfth aspects, a gap adjusting means for adjusting a gap with the surface of the adherend is provided.
[0024]
According to a fourteenth aspect of the present invention, in the thirteenth aspect, the gap adjusting means sets an initial gap amount in consideration of elastic deformation of the tip of the peeling claw due to a reaction force at the time of peeling the component. Features.
[0025]
According to a fifteenth aspect of the present invention, in any one of the seventh to thirteenth aspects, there is provided a holding means for holding a part of the component in cooperation with the peeling claw when the component is peeled off. And
[0026]
The invention according to
[0027]
According to a seventeenth aspect, in the sixteenth aspect, the gap is several tens μm to about one hundred μm.
[0028]
According to an eighteenth aspect of the present invention, in the sixteenth aspect, the peeling claw is provided with a non-adhesive member on the contact surface side with the component to prevent the peeled component from sticking to the peeling claw. It is characterized by:
[0029]
The invention according to claim 19 is characterized in that, in
[0030]
According to a twentieth aspect, in the nineteenth aspect, the gap adjusting means sets an initial gap amount in consideration of elastic deformation of the tip of the peeling claw due to a reaction force at the time of peeling of the component. Features.
[0031]
According to a twenty-first aspect of the present invention, in any one of the sixteenth to nineteenth aspects, there is provided a holding means for holding a part of the component in cooperation with the peeling claw when the component is peeled off. And
[0032]
According to a twenty-second aspect of the present invention, there is provided a mounting table on which an adherend to which a component is attached is mounted, a peeling unit having a peeling claw at a tip, and the peeling unit being attached to the mounting table. 16. A component peeling device comprising: tool driving means for moving the peeling claw on the surface of the adherend while pressing the peeling nail against the body, wherein the peeling unit is any one of
[0033]
According to a twenty-third aspect of the present invention, there is provided a mounting table on which an adherend to which a component is attached is placed, a peeling unit having a peeling claw at a tip, and the peeling unit is attached, and is attached to the adherend. 22. A component peeling device comprising: tool driving means for moving the peeling claw on the surface of the adherend while pressing the attached component, wherein the peeling unit is any one of
[0034]
According to a twenty-fourth aspect of the present invention, there is provided a mounting table on which an adherend to which a component is attached is mounted, a peeling unit having a peeling claw at a tip, and the peeling unit being attached, A tool driving unit that moves the peeling claw on the surface of the adherend while maintaining a gap between the body and the peeling claw, and detects a distance to the adherend. And a control means for controlling a gap amount between the adherend and the peeling claw to a predetermined value based on the distance data detected by the detection means.
[0035]
According to a twenty-fifth aspect of the present invention, in any one of the twenty-second to twenty-fourth aspects, the tool driving means has a function of changing a moving speed of the peeling claw.
[0036]
According to a twenty-sixth aspect of the present invention, in any one of the twenty-second to twenty-fourth aspects, the mounting table is provided with heating means for heating the adherend.
[0037]
According to a twenty-seventh aspect of the present invention, there is provided an adherend wherein components are peeled off and reused by the component peeling method according to any one of the first to sixth aspects.
[0038]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0039]
(Embodiment 1)
[Configuration of target parts]
In the present embodiment, for example, the following two types are targeted as the adherend and the components attached thereon.
[0040]
First, as shown in FIG. 2, a
[0041]
Second, a
[0042]
[Device configuration]
This embodiment is an example of application as an apparatus for peeling a part from a resin molded case. FIG. 4 shows a component peeling apparatus according to the present embodiment. In this component peeling apparatus, an articulated
[0043]
The articulated
[0044]
A mounting table 28 is provided on the
[0045]
As shown in FIG. 5, the peeling
[0046]
As shown in FIG. 4, a
[0047]
The articulated
[0048]
Further, the position of the peeling claw unit 27 (the gap between the peeling
[0049]
Further, an
[0050]
[Structure of peeling nail]
As shown in FIG. 7, the peeling
[0051]
The peeling
[0052]
As shown in FIG. 9, a
[0053]
The
[0054]
The gap G1 is on the order of several tens μm to about 100 μm. The gap G1 is preferably slightly smaller than the width of the adhesive layer 13 (or the double-sided tape 16) fixing the
[0055]
In FIG. 7, the distance L1 from the intersection point b between the
[0056]
In the present embodiment, the entire peeling
[0057]
[Operation flow]
In the above configuration, the
(A) As shown in FIG. 10A, the tip of the peeling claw 33 (peeling claw part a) is positioned so as to be slightly away from the end of the
(B) Next, as shown in FIG. 10B, the peeling
(C) When the
[0058]
In the present embodiment, the peeled
[0059]
[Effects of the present embodiment]
According to the present embodiment, it is only necessary to press the peeling
[0060]
Table 1 shows the pass / fail results in the sensory test of the gap and the adhesive residue. This is an evaluation result when a urethane foam part is attached to a resin case with a double-sided tape (about 0.1 mm thick) and left for a long time. Urethane foam parts are usually parts with a large amount of adhesive residue. However, floating of the peeling claw due to the reaction force is not corrected for the set gap.
[0061]
[Table 1]
[0062]
In Table 1, ○ indicates no adhesive residue or small (spotted), Δ indicates large adhesive residue, X indicates stretching, and-indicates peeling residue.
[0063]
According to the above results, if the gap is too small, it acts on the stringing portion and glue remains. On the other hand, it was confirmed that if the gap was too large, it was easy to get over, and the peeling residue increased.
[0064]
Table 1 also shows the relationship between the gap and the tool moving speed. The operation speed of the copying operation of the peeling
[0065]
In the present embodiment, the peeling
[0066]
(Embodiment 2)
Next, a second embodiment of the present invention will be described. In the present embodiment, as shown in FIG. 11, a
[0067]
Since the
[0068]
When the cohesive force of the pressure-sensitive adhesive is weak, dot-like glue may remain on the
[0069]
It should be noted that a similar effect can be obtained even if the width of the pressing portion is made vertically long and the contact area in the traveling direction is reduced. When the contact area is small, the pressing force is concentrated, and the contact area is easily damaged. However, this is suitable when the
[0070]
(Embodiment 3)
Next, a third embodiment of the present invention will be described. In the present embodiment, as shown in FIG. 12A, a peeling
[0071]
The peeling
[0072]
According to the present embodiment, similarly to the above-described embodiment, even when the
[0073]
(Embodiment 4)
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described. In the present embodiment, as shown in FIG. 13, the
[0074]
Since the
[0075]
In the above configuration, the control unit 21 (see FIG. 4) outputs a control signal to each unit according to a previously programmed flow and operates as follows.
(A) Positioning is performed so that the tip of the peeling
(B) Next, the peeling
(C) The separated
[0076]
In the present embodiment, the
[0077]
Further, in the first to third embodiments, since the pressing portion is formed on the peeling claw main body, if the end faces of the
[0078]
This embodiment is suitable for a component having a relatively constant thickness, such as a label or a PET film tape, having a flat surface and a slippery component.
[0079]
(Embodiment 5)
Next, a fifth embodiment of the present invention will be described. This embodiment is an example of application as an apparatus for peeling a component from a resin molded case, and as shown in FIG. 14, a gap
[0080]
In the present embodiment, as shown in FIG. 14, a
[0081]
As the
[0082]
As still another form, a combination of a cam mechanism and a linear slider may be used instead of the piezo actuator. In this case, when the cam rotates, the peeling
[0083]
FIG. 16 shows the configuration of the control unit in the present embodiment. The
[0084]
The
[0085]
Here, a method of correcting the estimated shift amount will be described. The reaction force is measured by the
[0086]
The operation flow of the present embodiment is almost the same as that of the first embodiment, except that a gap amount adjustment signal is output before the flow of (a), and the adjustment operation from the initial gap G5 ′ to the optimum gap G5. Is performed.
[0087]
According to the present embodiment, even when the optimum value of the gap differs depending on the type of component, it is possible to easily set the optimum value, and it is possible to cope with a wide variety of components and to efficiently remove the component. It becomes possible.
[0088]
In addition, since the deviation of the gap amount from the optimum value due to the elastic deformation can be corrected, the components can be peeled with higher quality.
[0089]
Further, since the correction value can be changed depending on the difference in the reaction force, it is possible to cope with a wider variety of component peeling, and the efficiency is high.
[0090]
(Embodiment 6)
Next, a sixth embodiment of the present invention will be described. This embodiment is an example of application as an apparatus for peeling a component from a resin molded case, and is provided with a gap
[0091]
In the present embodiment, the bottom surface of the peeling
[0092]
The angle θ2 of the tip of the peeling
[0093]
FIG. 18 shows the configuration of the control unit in the present embodiment. The
[0094]
In the above configuration, the peeling
[0095]
According to the present embodiment, by maintaining the constant gap G6, it becomes possible to move the peeling
[0096]
Also, when the component is peeled, the surface of the
[0097]
In this embodiment, a peeling claw having a step (Embodiment 1) and an elastic peeling claw (Embodiment 3) are also applicable.
[0098]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, since the peeling by the peeling nail proceeds while maintaining the predetermined stringing space and maintaining the predetermined gap, the peeling nail adheres. The agent is not divided or stretched in the course of stringing, and it is possible to surely increase the chance that the stringing is completed and returned to the adhesive surface. As a result, good quality peeling with little adhesive residue is possible.
[0099]
According to the invention as set forth in
[0100]
According to the third and ninth aspects of the present invention, a predetermined gap can be obtained between the object and the object only by pressing the object and moving the object, and a stringing space can be secured.
[0101]
According to the inventions described in
[0102]
According to the fifth aspect of the present invention, by making the thickness substantially equal to the thickness of the pressure-sensitive adhesive layer, it is possible to reliably secure a stringing space in peeling by the peeling claw, and to prevent a peeling error due to riding up.
[0103]
According to the inventions described in claims 6, 8, and 17, high-quality peeling with little adhesive residue can be performed.
[0104]
According to the invention as set forth in claim 10, the frictional resistance between the peeling claw and the adherend is reduced, and the load on the apparatus for following and moving the peeling claw or the load on the worker can be reduced. Further, when the adherend is reused, it can be peeled off without damaging the surface of the adherend.
[0105]
According to the eleventh aspect, since the frictional resistance with the adherend is reduced, the load of the copying movement can be reduced. In particular, when pressing against an adherend, even if a small amount of glue remains due to peeling, the glue can be overcome without stretching the glue, so that higher quality peeling can be achieved.
[0106]
According to the twelfth and eighteenth aspects, the provision of the non-adhesive member improves the movement in the shearing direction (slipperiness). Thereby, the flow of the pressure-sensitive adhesive becomes smooth, and in particular, the action of releasing the stringing and returning to the pressure-sensitive adhesive layer side is performed smoothly, so that stable peeling can be performed.
[0107]
According to the thirteenth and nineteenth aspects, even when the optimum value of the gap differs depending on the type of component, it is possible to easily change the gap. Therefore, it is possible to cope with various kinds of parts, and it is possible to efficiently peel off.
[0108]
According to the inventions set forth in claims 14 and 20, deviation from an optimum value due to elastic deformation can be corrected, so that higher quality peeling can be achieved. Further, since the correction value can be changed depending on the difference in the reaction force, it is possible to cope with a wider variety of peeling, and the efficiency is good.
[0109]
According to the invention as set forth in
[0110]
According to the invention described in
[0111]
According to the invention described in
[0112]
According to the invention described in
[0113]
According to the invention as set forth in
[0114]
According to the twenty-seventh aspect, since the adherend is hardly damaged when the component is peeled off, the adherend can be effectively reused.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating the principle of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a configuration of a target component.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of another target component.
FIG. 4 is a perspective view of the component peeling device of the present invention.
FIG. 5 is a configuration diagram of a peeling unit.
FIG. 6 is a diagram illustrating a reaction force applied to a peeling claw.
FIG. 7 is a configuration diagram of a peeling nail according to the first embodiment.
FIG. 8 is a perspective view of the peeling nail shown in FIG. 7;
FIG. 9 is an explanatory diagram of a peeling operation.
FIGS. 10A and 10B show an operation flow, in which FIG. 10A shows a state immediately before the peeling operation, FIG. 10B shows a state during the peeling operation, and FIG. FIG.
FIG. 11 is a configuration diagram of a peeling claw according to a second embodiment.
12A and 12B show a peeling claw according to the third embodiment, in which FIG. 12A shows a state when a peeling operation is not performed, and FIG. 12B shows a state during a peeling operation.
FIG. 13 is a configuration diagram of a peeling claw unit according to a fourth embodiment.
FIG. 14 is a configuration diagram of a peeling claw unit according to a fifth embodiment.
FIG. 15 is a diagram showing a state in which a peeling claw is displaced by a reaction force applied during a peeling operation.
FIG. 16 is a configuration diagram of a control unit according to the fifth embodiment.
FIG. 17 is a configuration diagram of a peeling claw unit according to a sixth embodiment.
FIG. 18 is a configuration diagram of a control unit according to the sixth embodiment.
FIG. 19 is a diagram illustrating a phenomenon in which adhesive residue occurs when peeling is performed.
FIG. 20 is a diagram illustrating a phenomenon in which glue remains in a stretched state at the time of peeling.
[Explanation of symbols]
11 adherend
12 Parts
13 Adhesive layer (or adhesive)
16 Double-sided tape
21 Control unit
23 Articulated Robot
28 Mounting table
33, 40, 50, 64, 74, 91 Peeling nails
34 Clamp Claw
37 Non-adhesive members
38 Sliding member
42 sphere (or roller)
70 Clearance adjustment unit
90 Gap amount detector
Claims (27)
前記剥離爪の先端部を前記被着体表面から所定量上方の位置で前記部品に接触させ、かつその接触位置下後方では前記被着体表面と前記剥離爪との間に所定量の隙間を確保しながら、前記剥離爪を移動させることを特徴とする部品剥離方法。A component peeling method of peeling the component from the adherend by pressing the peeling nail against the adherend to which the component is attached and moving the peel nail on the adherend surface,
The tip of the peeling claw is brought into contact with the component at a position that is a predetermined amount above the surface of the adherend, and a gap of a predetermined amount is formed between the surface of the adherend and the peeling claw below and behind the contact position. A component peeling method, wherein the peeling claw is moved while securing.
前記剥離爪として、先端部底面に段差が形成された剥離爪を用いることを特徴とする部品剥離方法。The component peeling method according to claim 1,
A component peeling method, wherein a peeling nail having a step formed on a bottom surface of a tip portion is used as the peeling nail.
前記剥離爪として、前記部品に接触して反力を受け、先端部が前記被着体から離れる方向に弾性変形する剥離爪を用いることを特徴とする部品剥離方法。The component peeling method according to claim 1,
A component peeling method, wherein a peeling nail that receives a reaction force in contact with the component and that is elastically deformed in a direction in which a tip portion separates from the adherend is used as the peeling claw.
前記剥離爪の先端部を前記被着体表面から所定量上方の位置で前記部品に接触させ、前記被着体表面と前記剥離爪との間に所定量の隙間を確保しながら、前記剥離爪を移動させることを特徴とする部品剥離方法。A component peeling method for peeling the component from the adherend by moving a peeling claw on the surface of the adherend while holding down the surface of the component attached to the adherend,
The tip of the peeling claw is brought into contact with the component at a position above the surface of the adherend by a predetermined amount, and a gap of a predetermined amount is secured between the surface of the adherend and the peeling claw. A component peeling method, comprising: moving a component.
前記被着体表面から前記所定量上方の位置までの距離は、前記部品を前記被着体表面に貼り付け固定した粘着剤層の厚さに略等しいことを特徴とする部品剥離方法。The component peeling method according to claim 1 or 4,
A component peeling method, wherein a distance from the surface of the adherend to a position above the predetermined amount is substantially equal to a thickness of an adhesive layer on which the component is attached and fixed to the surface of the adherend.
前記隙間は、数十μm〜約百μmであることを特徴とする部品剥離方法。The component peeling method according to claim 1 or 4,
The method according to claim 1, wherein the gap is several tens of micrometers to about one hundred micrometers.
前記剥離爪には、前記被着体から前記部品を剥がすときに部品に接触する先端部底面に段差が形成されていることを特徴とする剥離ユニット。A peeling unit that has a peeling claw at the tip and peels the component from the adherend by the peeling claw by being pressed against the adherend to which the component is attached and moving on the surface of the adherend. hand,
A peeling unit, wherein a step is formed on the bottom surface of the distal end portion of the peeling claw that contacts the component when the component is peeled from the adherend.
前記隙間は、数十μm〜約百μmであることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 7,
The peeling unit, wherein the gap has a size of several tens μm to about 100 μm.
前記剥離爪は弾性体で形成され、前記被着体から前記部品を剥がすときに該部品に接触して反力を受け、先端部が前記被着体から離れる方向に弾性変形して、前記被着体との間に隙間を形成することを特徴とする剥離ユニット。A peeling unit that has a peeling claw at the tip and peels the component from the adherend by the peeling claw by being pressed against the adherend to which the component is attached and moving on the surface of the adherend. hand,
The peeling claw is formed of an elastic body. When the part is peeled from the adherend, the peeling claw comes into contact with the part and receives a reaction force, and the distal end portion is elastically deformed in a direction away from the adherend, and the peeling claw is elastically deformed. A peeling unit characterized by forming a gap between the body and the body.
前記剥離爪には、前記被着体への押し当て面に、被着体とのすべり性を良くするすべり部材が設けられていることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 7 or 9,
The peeling unit is characterized in that the peeling claw is provided with a sliding member on a surface pressed against the adherend so as to improve a sliding property with the adherend.
前記剥離爪には、前記被着体への押し当て面に、球体またはコロからなる転がり機構が設けられていることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 7 or 9,
The peeling unit is characterized in that the peeling claw is provided with a rolling mechanism made of a sphere or a roller on a surface pressed against the adherend.
前記剥離爪には、前記部品との接触面側に、剥がした部品の剥離爪への粘着を防止する非粘着部材が設けられていることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to any one of claims 7 to 11,
A peeling unit, wherein the peeling claw is provided with a non-adhesive member for preventing the peeled part from sticking to the peeling claw, on a contact surface side with the component.
前記被着体表面との隙間を調節する隙間調節手段が設けられていることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to any one of claims 7 to 12,
A peeling unit provided with a gap adjusting means for adjusting a gap with the surface of the adherend.
前記隙間調節手段は、前記部品剥がれ時の反力による前記剥離爪先端部の弾性変形を考慮して、初期の隙間量を設定することを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 13,
The peeling unit, wherein the gap adjusting means sets an initial gap amount in consideration of elastic deformation of the tip of the peeling claw due to a reaction force when the component is peeled off.
前記部品の剥がし時に、前記剥離爪と協働して前記部品の一部を挟持する挟持手段を有することを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to any one of claims 7 to 13,
A peeling unit, comprising: holding means for holding a part of the component in cooperation with the peeling claw when the component is peeled off.
前記剥離爪は、前記被着体表面との間に所定の隙間を確保して配置されることを特徴とする剥離ユニット。A peeling unit that has a peeling claw at the tip and moves on the component by pressing the surface of the component attached to the adherend, thereby peeling the component from the adherend by the peeling claw,
The peeling unit is characterized in that the peeling claw is arranged so as to secure a predetermined gap with the surface of the adherend.
前記隙間は、数十μm〜約百μmであることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 16,
The peeling unit, wherein the gap has a size of several tens μm to about 100 μm.
前記剥離爪には、前記部品との接触面側に、剥がした部品の剥離爪への粘着を防止する非粘着部材が設けられていることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 16,
A peeling unit, wherein the peeling claw is provided with a non-adhesive member for preventing the peeled part from sticking to the peeling claw, on a contact surface side with the component.
前記被着体表面との隙間を調節する隙間調節手段が設けられていることを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 16 or 18,
A peeling unit provided with a gap adjusting means for adjusting a gap with the surface of the adherend.
前記隙間調節手段は、前記部品剥がれ時の反力による前記剥離爪先端部の弾性変形を考慮して、初期の隙間量を設定することを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to claim 19,
The peeling unit, wherein the gap adjusting means sets an initial gap amount in consideration of elastic deformation of the tip of the peeling claw due to a reaction force when the component is peeled off.
前記部品の剥がし時に、前記剥離爪と協働して前記部品の一部を挟持する挟持手段を有することを特徴とする剥離ユニット。The peeling unit according to any one of claims 16 to 19,
A peeling unit, comprising: holding means for holding a part of the component in cooperation with the peeling claw when the component is peeled off.
前記剥離ユニットとして、請求項7〜15のいずれか1項に記載の剥離ユニットを搭載したことを特徴とする部品剥離装置。A mounting table on which an adherend to which components are attached is mounted, a peeling unit having a peeling claw at the tip, and the peeling unit is attached, and the peeling claw is pressed against the adherend on the mounting table. A tool driving means for moving the peeling claw on the surface of the adherend, and a component peeling device comprising:
A component peeling apparatus comprising the peeling unit according to claim 7, as the peeling unit.
前記剥離ユニットとして、請求項16〜21のいずれか1項に記載の剥離ユニットを搭載したことを特徴とする部品剥離装置。A mounting table on which an adherend to which a component is attached is placed, a peeling unit having a peeling claw at a tip, and the peeling unit is attached, and the pressing unit presses the component attached to the adherend. A tool driving means for moving the peeling claw on the surface of the adherend, and a component peeling device comprising:
A component peeling device, comprising the peeling unit according to any one of claims 16 to 21 as the peeling unit.
前記被着体との距離を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した距離データに基づいて、前記被着体と前記剥離爪との間の隙間量を所定の値に制御する制御手段とを備えたことを特徴とする部品剥離装置。A mounting table on which an adherend to which components are attached is mounted, a peeling unit having a peeling claw at a tip, and the peeling unit is attached, and a space between the adherend on the mounting table and the peeling claw; A tool driving means for moving the peeling claw on the surface of the adherend while maintaining a gap in the component peeling device,
Detecting means for detecting a distance to the adherend, and control means for controlling a gap amount between the adherend and the peeling claw to a predetermined value based on distance data detected by the detecting means; A component peeling device comprising:
前記ツール駆動手段は、前記剥離爪の移動速度を変化させる機能を有することを特徴とする部品剥離装置。The component peeling device according to any one of claims 22 to 24,
The component peeling device, wherein the tool driving unit has a function of changing a moving speed of the peeling claw.
前記載置台には、前記被着体を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする部品剥離装置。The component peeling device according to any one of claims 22 to 24,
The component peeling device, wherein the mounting table is provided with heating means for heating the adherend.
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