JP2004001915A - エレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フラットロープを利用してかごや釣合重りのデッドスペースを有効利用すると共に、装置の小型化を図る。
【解決手段】エレベータかご1と釣合重り2とを連係するフラットロープ3を巻上機構4に巻回し、該巻上機構4を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させる。前記かごの外周に配設されたかご枠6の上側枠部9の両枠材9a、9a間に、前記フラットロープを挿通する空間部9bを形成すると共に、巻上機構を上側枠部の下部側に取り付け、巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして釣合重りに連係させた。巻上機構の上面と前記上側枠部との間に、防振ラバー22,23を介装した。
【選択図】 図1
【解決手段】エレベータかご1と釣合重り2とを連係するフラットロープ3を巻上機構4に巻回し、該巻上機構4を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させる。前記かごの外周に配設されたかご枠6の上側枠部9の両枠材9a、9a間に、前記フラットロープを挿通する空間部9bを形成すると共に、巻上機構を上側枠部の下部側に取り付け、巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして釣合重りに連係させた。巻上機構の上面と前記上側枠部との間に、防振ラバー22,23を介装した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人や荷物を昇降移動させるエレベータ装置に関し、とりわけ、かごと釣合重りを連係するロープをフラットロープとしたエレベータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、エレベータ装置の昇降路内を昇降するかごと巻上機構を連係するロープは、一般にストランド構成によるシール形やフィラー形、あるいは、より方、素線の強度などによって種々の分類に仕分けされており、これらは強度やトラクションシーブとの接触面積との関係からいずれも横断面がほぼ円形状(丸形)に形成されている。
【0003】
ところが、近時、トラクションシーブの薄型化やトラクションシーブとの摩擦力の強化などの要請から、いわゆるフラット形のロープが提供されている。
【0004】
このフラットロープを用いた従来のエレベータ装置としては、例えば特表2001−524060号公報に記載されているものがある。
【0005】
これは、昇降路内のガイドレールに沿って走行するエレベータかごと釣合重りが懸垂ロープによって支持され、この懸垂ロープは、少なくともエレベータかごの上方位置に設けられた転向プーリを介して釣合重りへ送られるようになっている。また、一端部がエレベータかごの下部に結合された別のフラットロープが、釣合重りの下部へ少なくとも1つの転向プーリを介して送られるようになっている。このフラットロープは、合成樹脂製の被膜を有する耐荷重性の繊維材で形成されていると共に、昇降路下部のピット室に設けられた巻上機構のトラクションシーブに巻回されている。
【0006】
したがって、巻上機構を駆動させてトラクションシーブを正逆回転駆動させることにより、フラットロープを摩擦抵抗力によって上下に送り出してエレベータかごを各転向プーリを介して昇降路内で昇降させるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のエレベータ装置にあっては、フラットロープを用いているものの、このフラットロープを単にエレベータかごの下部と釣合重りの下部を巻上機構を介して連係しているのに過ぎず、かかるフラットロープの技術的な特徴を有効に発揮させるフラットロープのローピング技術や、巻上機構や釣合重りのレイアウト技術構成などについては具体的に考慮されていない。
【0008】
そこで、本発明は、フラットロープを用いたエレベータ装置において、該フラットロープの特徴を生かした巻上機構などの特異な配置構成などを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、かごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、前記かごの周囲に配設されたかご枠の上側枠部に、前記フラットロープを挿通する空間部を形成すると共に、前記巻上機構を前記上側枠部の下部側に取り付け、該巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして前記釣合重りに連係させたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記巻上機構と前記上側枠部との間に、防振部材を介装したことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明にあっては、前記釣合重りは、外周に矩形状の重り枠を有すると共に、該重り枠の上側枠部の内部を中空状に形成し、該空間部内にシーブを回転自在に支持することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、エレベータのかごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、前記釣合重りは、外周に矩形状の重り枠を有すると共に、該重り枠の上側枠部に、前記フラットロープを挿通する空間部を形成すると共に、前記巻上機構を前記上側枠部の下面側に配置し、該巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして前記かごに連係させたことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の発明は、エレベータのかごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、前記かごの外周に配設されたかご枠の上側枠部に、前記フラットロープが巻回されるシーブを設けると共に、該シーブを上側枠部に対して首振り自在に設けたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエレベータ装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。この各実施形態では、いわゆるトラクション方式を用いたものに適用されている。
【0015】
すなわち、図1〜図3は本発明の第1の実施形態にかかるエレベータ装置を示し、昇降路の内部にガイドレール(図示せず)を介して昇降自在に設けられたエレベータかご1と、同じく昇降路内に別のガイドレール(図示せず)を介して前記エレベータかご1と相対的に昇降する釣合重り2と、該両者1,2を連係する撓み変形自在な扁平状のフラットロープ3と、該フラットロープ3を前後に送り出して前記エレベータかご1を釣合重り2との相対関係で昇降させる巻上機構4とから主として構成されている。
【0016】
前記エレベータかご1は、ボックス状を呈し、前面にかご用扉5が設けられていると共に、外周に矩形状の金属製のかご枠6が取り付けられている。このかご枠6は、エレベータかご1の底壁1a下面を支持する長方板状の下側枠部7と、該下側枠部7の両端部からエレベータかご1の両側に立ち上がった板状の両側枠部8,8と、該両側枠部8,8の両上端部に結合する水平な上側枠部9とを備え、前記両側枠部8,8のほぼ中央位置両側には、下端部が前記底壁1aに所定間隔を置いて結合された一対の梁部材10,10の上端部が結合されている。
【0017】
また、前記上側枠部9は、前記両側枠部8,8の上端部を挟み込むような形で溶接固定された横断面ほぼコ字形状の一対の枠材9a、9aからなり、したがって、その両枠材9a、9aの間に比較的狭い上下に貫通した空間部9bが形成されている。
【0018】
一方、前記釣合重り2は、ほぼ矩形状の重り枠11と、該重り枠11内に積み重ねられた複数のウエイト板11aとからなり、前記重り枠11は、ウエイト板11aを積み重ね載置する下枠部12と、該下枠部12の両端部から立ち上がった両側枠部13,13と、該両側枠部13,13の上端部間に設けられた上枠部14とから構成されている。
【0019】
また、前記上枠部14は、前記両側枠部13,13の上端部を挟み込むような形で溶接固定された細長い平板状の一対の枠材14a、14aとからなり、したがって、その両枠材14a、14aの間に空間部14bが形成されている。
【0020】
さらに、該空間部14b内には、一対の軸受プレート20、20間にプーリ21が回転自在に支持されている。
【0021】
前記フラットロープ3は、合成樹脂製の扁平な本体の内部に、複数本をまとめた複数束の金属繊維材を内部長手方向に埋設されてなり、延び方向の強度など予め計算により求めて設計されている。また、外周面には、自在な撓み変形を確保するために幅方向に沿って浅い細溝が形成されている。
【0022】
前記巻上機構4は、図1〜図3に示すように、駆動モータ15と、該駆動モータ15の駆動軸15aに取り付けられたトラクションシーブ16と、前記駆動軸15aの先端部を軸受けする軸受部17とを直列に配置構成されており、前記上側枠部9の長手方向のほぼ中央下部に、それぞれが両枠材9a、9a間の空間部9bに臨んで配置されている。また、前記駆動モータ15と軸受部17は、各枠材9a、9aの下面にそれぞれ細長い支持板18,19を介してボルトによって跨って固定されていると共に、各支持板18,19と駆動モータ15及び軸受部17の台座部との間には、防振部材である板状の防振ラバー22、23が介装されている。なお、前記トラクションシーブ16は、外周が防塵用のカバー28によって覆われている。
【0023】
そして、前記フラットロープ3は、そのローピング構成が、図1に示すように、昇降路内に設けられたヒッチプレート24にシャックルロッド引き止め部を介して係止された一端部3aから前記空間部9b内を通ってトラクションシーブ16に掛けられ、さらに昇降路の上部に設けられた2つの転向プーリ25,26を介してさらに前記釣合重り2の上枠部14の空間部14bを通ってプーリ21に巻回されて、この他端部3bが別のヒッチプレート27にシャックルロッド引き止め部を介して止められている。
【0024】
したがって、この実施形態によれば、駆動モータ15を回転駆動させことにより、トラクションシーブ16が回転してフラットロープ3との間の摩擦抵抗によって該フラットロープ3を一方向へ送り出す。すなわち、このフラットロープ3にトラクションシーブ16によりいずれか一方への送り出し力が作用すると、該フラットロープ3は各転向プーリ25,26及びプーリ21を回転させながら釣合重り2をエレベータかご1と相対的に上昇あるいは下降させる。
【0025】
そして、本実施形態では、フラットロープ3の薄肉化を利用して上側枠部9の比較的狭い空間部9b内に挿通することが可能になることから、巻上機構4を上側枠部9の下面に配置することができる。したがって、巻上機構4を、フラットロープ3の引っ張り方向と反対側の設置スペースの狭い位置に配設できることから、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープ3を介して上側枠部9に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構4の安定した取り付けが可能になる。
【0026】
しかも、巻上機構4は、前述のように、上側枠部9の空間部9bに臨んで配置されていることから、図3に示すように、エレベータかご1の昇降中に前記空間部9b内を通過する走行風(図中矢印)が巻上機構4の駆動モータ15などに当たって該駆動モータ15等を十分に冷却する。このため、駆動モータ15の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構4全体のコンパクト化が図れる。
【0027】
また、巻上機構4と上側枠部9との間には、防振ラバー22,23が介装されていることから、この防振ラバー22,23により巻上機構4の駆動振動が効果的に吸収されて、エレベータかご1内への振動騒音の発生が防止される。
【0028】
さらに、この実施形態では、フラットロープ3を用いたことから、前述のように、前記釣合重り2側のプーリ21の外径を十分に小さくすることができるので、該プーリ21を上枠部14の断面積の小さな空間部14b内に取り付けることが可能になる。このため、かかるデッドスペースの有効利用が図れると共に、釣合重り2全体のコンパクト化が図れる。
【0029】
なお、前記フラットロープ3は、図面上は1本掛けになっているが、平行な2本あるいは3本掛け又はそれ以上であってもよい。
【0030】
図4〜図6は本発明の第2の実施形態を示し、フラットロープ3のローピング構成は第1の実施形態と同様であるが、巻上機構4を釣合重り2側に取り付けたものである。
【0031】
すなわち、巻上機構4は、図5及び図6に示すように、釣合重り2の前記上枠部14の長手方向のほぼ中央下部に、それぞれが両枠材14a、14a間の空間部14bに臨んで長手方向に沿って配置されている。また、前記駆動モータ15と軸受部17は、それぞれの台座が両枠材14a、14aの下面に跨いで取り付けられた支持板29を介してボルトによって固定されている。なお、トラクションシーブ16の外周には防塵カバー27が被嵌されている。
【0032】
一方、エレベータかご1側は、図4に示すように、前記上側枠部9の長手方向のほぼ中央位置に、転向シーブ30が取り付けられている。この転向シーブ30は、両枠材9a、9aの空間部9bを上下に貫通配置された支持軸31と、両枠材9a、9aの下面に跨って溶接固定されて、前記支持軸31の上端部と下端部を回転自在に支持する支持プレート32と、前記支持軸31の上端部に設けられたほぼコ字形状の軸受部33内に回転自在に支持されて、前記フラットロープ3が下方から巻回されたプーリ本体34とから主として構成されている。したがって、このプーリ本体34は、支持軸31を介して首振り自在、つまり転向自在になっている。
【0033】
また、その他の転向プーリ25,26などの配置構成などは第1の実施形態と同様である。
したがって、この実施形態によれば、フラットロープ3の薄肉化を利用して釣合重り2の上枠部14の比較的狭い空間部14b内に挿通することが可能になることから、巻上機構4を上枠部14の下面に配置することができる。したがって、巻上機構4を、フラットロープ3の引っ張り方向と反対側の設置スペースの狭い位置に配設できることから、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープ3を介して上枠部14に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構4の安定した取り付けが可能になる。
【0034】
しかも、巻上機構4は、前述のように、上枠部14の空間部14bに臨んで配置されていることから、図6に示すように、エレベータかご1の昇降中に前記空間部14b内を通過する走行風(図中矢印)が巻上機構4の駆動モータ15などに当たって該駆動モータ15等を十分に冷却する。このため、駆動モータ15の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構4全体のコンパクト化が図れる。
【0035】
また、転向シーブ30は、シーブ本体34が支持軸31を介して転向自在になっていることから、釣合重り2をエレベータかご1の背面側ばかりか側面側に自由に配置することが可能になる。したがって、昇降路の投影面積の形状に応じた設計の自由度が向上すると共に、釣合重り2のいずれの配置に拘わらず、各構成部品を共通化することができることから、コストの低減化が図れる。
【0036】
図7〜図10は第3の実施形態を示し、フラットロープ3のローピング構成を変更すると共に、巻上機構4を釣合重り2の両側枠部13,13間に配置した。
【0037】
すなわち、エレベータかご1は、図7Aに示すように、かご枠6の上側枠部9がパイプ状に形成されていると共に、図8及び図9に示すように、底壁1aを支持する下側枠部7の後部に横断面コ字形状の保持部材35が下側枠部7と平行に配設固定され、この保持部材35の突出した両端部にそれぞれプーリ36,37が回転自在に保持されている。
【0038】
また、昇降路の上部位置に固定されたチャンネル材38の所定位置にプーリ39が回転自在に支持されていると共に、図7Bに示すように、チャンネル材38の一端部に別のプーリ40が回転自在に保持されている。
【0039】
一方、釣合重り2側では、図7Bに示すように、両側枠部13,13間の上側枠部14近傍に保持枠部41が介設されていると共に、該保持枠部41の下部に前記巻上機構4が取り付けられている。すなわち、保持枠部41は、図10にも示すように比較的細長い金属材で形成されて、両端部が両側枠部13,13の間に挟持された状態で固定されている。そして、この長手方向のほぼ中央位置の下面に駆動モータ15とトラクションシーブ16及び軸受部17が直列に配置されており、駆動モータ15と軸受部17が所定のボルトによって固定されている。また、前記トラクションシーブ16は、その直径が保持枠部41の幅よりも大きく設定されてフラットロープ3が保持枠部41の外側に位置するようになっている。
【0040】
そして、フラットロープ3は、ローピング構成が図7A、Bに示すように、一端部3aが前記上側枠部14の一方の枠材14aの内面側に止着されて、ここから空間部14b内を通って前記プーリ40に掛けられ、さらにトラクションシーブ16の下部に掛けられている。また、ここから上方へ回されて前記プーリ39を経て、さらに前記保持部材35の各プーリ36,37に下方から掛け回されて垂直上方へ延びた他端部3bが前記チャンネル材38の他端部に所定シャックルロッド引き止め部に止着されている。
【0041】
このように、本実施形態によれば、フラットロープ3の特徴を生かして巻上機構4を保持枠部41の面積の狭い下部に配置することができることから、釣合重り2のデッドスペースの有効利用が可能になる。
【0042】
また、エレベータかご1のかご枠6は、上側枠部9が単純なパイプ状に形成されていることから、該上側枠部9の製造が容易になる共に、かご1の上部スペースが小さくなり、これによって昇降路の長さを小さくすることができる。
【0043】
また、フラットロープ3を、1:3のローピングとなるように掛けられることから駆動モータ の軸荷重を1/3にできるので巻上機構4をさらに小型軽量化にできる。
【0044】
さらに、エレベータかご1側の転向シーブ30の転向構成は、前述の他に図11及び図12に示すように、エレベータかご1の上側枠部9に取り付けられた巻上機構4を転向させることも可能である。
【0045】
すなわち、上側枠部9の空間部9b内を貫通した支持軸42と、両枠材9a、9aの下面に跨って溶接固定されて、前記支持軸42の下端部を回転自在に支持する支持プレート43と、前記支持軸42の上端部に設けられたベースプレート44とを備え、前記支持プレート43を貫通した支持軸42の下端部はナット45によって固定されていると共に、該ナット45と支持プレート43との間に防振ラバー46が介装されている。
【0046】
そして、前記ベースプレート44の上面に前記巻上機構4が載置固定さえており、したがって、該巻上機構4は全体が支持軸42を介して転向可能になっている。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、フラットロープの薄肉化を利用して巻上機構を上側枠部の下面に配置することができるので、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープを介して上側枠部に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構の安定した取り付けが可能になる。
【0048】
しかも、巻上機構は、上側枠部の空間部に臨んで配置されていることから、エレベータかごの昇降中に前記空間部内を通過する走行風が巻上機構に当たって該巻上機構を十分に冷却する。このため、巻上機構の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構全体のコンパクト化が図れる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、巻上機構と上側枠部との間に、防振ラバーを介装したため、この防振ラバーにより巻上機構の駆動振動が効果的に吸収されて、かご内への振動騒音の伝播を抑制することができる。
【0050】
請求項3に記載の発明によれば、フラットロープを用いたことから、釣合重り側のプーリの外径を十分に小さくすることができるので、該プーリ上側枠部の断面積の小さな空間部内に取り付けることが可能になる。このため、かかるデッドスペースの有効利用が図れると共に、釣合重り全体のコンパクト化が図れる。
【0051】
請求項4に記載の発明によれば、フラットロープの薄肉化を利用することによって巻上機構を釣合重りの上側枠部の比較的狭い下面に配置することができる。したがって、巻上機構を、フラットロープの引っ張り方向と反対側の設置スペースの狭い位置に配設できることから、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープを介して上側枠部に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構の安定した取り付けが可能になる。
【0052】
しかも、巻上機構は、上側枠部の空間部に臨んで配置されていることから、エレベータかごの昇降中に前記空間部内を通過する走行風が巻上機構に当たって該巻上機構を十分に冷却する。このため、巻上機構の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構全体のコンパクト化が図れる。
【0053】
請求項5に記載の発明によれば、転向シーブは、転向自在になっていることから、釣合重りをエレベータかごの背面側ばかりか側面側に自由に配置することが可能になる。したがって、昇降路の投影面積の形状に応じた設計の自由度が向上すると共に、釣合重りのいずれの配置に拘わらず、各構成部品を共通化することができることから、コストの低減化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すエレベータ装置の斜視図。
【図2】同実施形態に供される巻上機構の取り付け状態を示す要部断面図。
【図3】同実施形態に供される巻上機構の側面図。
【図4】第2の実施形態を示すエレベータ装置の斜視図。
【図5】同実施形態に供される巻上機構の取り付け状態を示す要部断面図。
【図6】同実施形態に供される巻上機構の側面図。
【図7】Aは第3の実施形態を示すエレベータかご側を示す斜視図、Bは同釣合重り側を示す斜視図。
【図8】本実施形態のエレベータかご側の下部を示す正面図。
【図9】同エレベータかご側の下部の一方側を示す断面図。
【図10】同釣合重り側の巻上機構の取り付け状態を示す正面図。
【図11】エレベータかご側に取り付けられた巻上機構の転向構造を示す部分斜視図。
【図12】同巻上機構の転向構造を示す部分正面図。
【符号の説明】
1…エレベータかご
2…釣合重り
3…フラットロープ
4…巻上機構
6…かご枠
9…上側枠部
9a、9a…両枠材
9b…空間部
11…重り枠
14…上枠部
14a、14a…枠材
14b…空間部
15…駆動モータ
16…トラクションシーブ
17…軸受部
22,23…防振ラバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、人や荷物を昇降移動させるエレベータ装置に関し、とりわけ、かごと釣合重りを連係するロープをフラットロープとしたエレベータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、エレベータ装置の昇降路内を昇降するかごと巻上機構を連係するロープは、一般にストランド構成によるシール形やフィラー形、あるいは、より方、素線の強度などによって種々の分類に仕分けされており、これらは強度やトラクションシーブとの接触面積との関係からいずれも横断面がほぼ円形状(丸形)に形成されている。
【0003】
ところが、近時、トラクションシーブの薄型化やトラクションシーブとの摩擦力の強化などの要請から、いわゆるフラット形のロープが提供されている。
【0004】
このフラットロープを用いた従来のエレベータ装置としては、例えば特表2001−524060号公報に記載されているものがある。
【0005】
これは、昇降路内のガイドレールに沿って走行するエレベータかごと釣合重りが懸垂ロープによって支持され、この懸垂ロープは、少なくともエレベータかごの上方位置に設けられた転向プーリを介して釣合重りへ送られるようになっている。また、一端部がエレベータかごの下部に結合された別のフラットロープが、釣合重りの下部へ少なくとも1つの転向プーリを介して送られるようになっている。このフラットロープは、合成樹脂製の被膜を有する耐荷重性の繊維材で形成されていると共に、昇降路下部のピット室に設けられた巻上機構のトラクションシーブに巻回されている。
【0006】
したがって、巻上機構を駆動させてトラクションシーブを正逆回転駆動させることにより、フラットロープを摩擦抵抗力によって上下に送り出してエレベータかごを各転向プーリを介して昇降路内で昇降させるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のエレベータ装置にあっては、フラットロープを用いているものの、このフラットロープを単にエレベータかごの下部と釣合重りの下部を巻上機構を介して連係しているのに過ぎず、かかるフラットロープの技術的な特徴を有効に発揮させるフラットロープのローピング技術や、巻上機構や釣合重りのレイアウト技術構成などについては具体的に考慮されていない。
【0008】
そこで、本発明は、フラットロープを用いたエレベータ装置において、該フラットロープの特徴を生かした巻上機構などの特異な配置構成などを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、かごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、前記かごの周囲に配設されたかご枠の上側枠部に、前記フラットロープを挿通する空間部を形成すると共に、前記巻上機構を前記上側枠部の下部側に取り付け、該巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして前記釣合重りに連係させたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記巻上機構と前記上側枠部との間に、防振部材を介装したことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明にあっては、前記釣合重りは、外周に矩形状の重り枠を有すると共に、該重り枠の上側枠部の内部を中空状に形成し、該空間部内にシーブを回転自在に支持することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、エレベータのかごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、前記釣合重りは、外周に矩形状の重り枠を有すると共に、該重り枠の上側枠部に、前記フラットロープを挿通する空間部を形成すると共に、前記巻上機構を前記上側枠部の下面側に配置し、該巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして前記かごに連係させたことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の発明は、エレベータのかごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、前記かごの外周に配設されたかご枠の上側枠部に、前記フラットロープが巻回されるシーブを設けると共に、該シーブを上側枠部に対して首振り自在に設けたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエレベータ装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。この各実施形態では、いわゆるトラクション方式を用いたものに適用されている。
【0015】
すなわち、図1〜図3は本発明の第1の実施形態にかかるエレベータ装置を示し、昇降路の内部にガイドレール(図示せず)を介して昇降自在に設けられたエレベータかご1と、同じく昇降路内に別のガイドレール(図示せず)を介して前記エレベータかご1と相対的に昇降する釣合重り2と、該両者1,2を連係する撓み変形自在な扁平状のフラットロープ3と、該フラットロープ3を前後に送り出して前記エレベータかご1を釣合重り2との相対関係で昇降させる巻上機構4とから主として構成されている。
【0016】
前記エレベータかご1は、ボックス状を呈し、前面にかご用扉5が設けられていると共に、外周に矩形状の金属製のかご枠6が取り付けられている。このかご枠6は、エレベータかご1の底壁1a下面を支持する長方板状の下側枠部7と、該下側枠部7の両端部からエレベータかご1の両側に立ち上がった板状の両側枠部8,8と、該両側枠部8,8の両上端部に結合する水平な上側枠部9とを備え、前記両側枠部8,8のほぼ中央位置両側には、下端部が前記底壁1aに所定間隔を置いて結合された一対の梁部材10,10の上端部が結合されている。
【0017】
また、前記上側枠部9は、前記両側枠部8,8の上端部を挟み込むような形で溶接固定された横断面ほぼコ字形状の一対の枠材9a、9aからなり、したがって、その両枠材9a、9aの間に比較的狭い上下に貫通した空間部9bが形成されている。
【0018】
一方、前記釣合重り2は、ほぼ矩形状の重り枠11と、該重り枠11内に積み重ねられた複数のウエイト板11aとからなり、前記重り枠11は、ウエイト板11aを積み重ね載置する下枠部12と、該下枠部12の両端部から立ち上がった両側枠部13,13と、該両側枠部13,13の上端部間に設けられた上枠部14とから構成されている。
【0019】
また、前記上枠部14は、前記両側枠部13,13の上端部を挟み込むような形で溶接固定された細長い平板状の一対の枠材14a、14aとからなり、したがって、その両枠材14a、14aの間に空間部14bが形成されている。
【0020】
さらに、該空間部14b内には、一対の軸受プレート20、20間にプーリ21が回転自在に支持されている。
【0021】
前記フラットロープ3は、合成樹脂製の扁平な本体の内部に、複数本をまとめた複数束の金属繊維材を内部長手方向に埋設されてなり、延び方向の強度など予め計算により求めて設計されている。また、外周面には、自在な撓み変形を確保するために幅方向に沿って浅い細溝が形成されている。
【0022】
前記巻上機構4は、図1〜図3に示すように、駆動モータ15と、該駆動モータ15の駆動軸15aに取り付けられたトラクションシーブ16と、前記駆動軸15aの先端部を軸受けする軸受部17とを直列に配置構成されており、前記上側枠部9の長手方向のほぼ中央下部に、それぞれが両枠材9a、9a間の空間部9bに臨んで配置されている。また、前記駆動モータ15と軸受部17は、各枠材9a、9aの下面にそれぞれ細長い支持板18,19を介してボルトによって跨って固定されていると共に、各支持板18,19と駆動モータ15及び軸受部17の台座部との間には、防振部材である板状の防振ラバー22、23が介装されている。なお、前記トラクションシーブ16は、外周が防塵用のカバー28によって覆われている。
【0023】
そして、前記フラットロープ3は、そのローピング構成が、図1に示すように、昇降路内に設けられたヒッチプレート24にシャックルロッド引き止め部を介して係止された一端部3aから前記空間部9b内を通ってトラクションシーブ16に掛けられ、さらに昇降路の上部に設けられた2つの転向プーリ25,26を介してさらに前記釣合重り2の上枠部14の空間部14bを通ってプーリ21に巻回されて、この他端部3bが別のヒッチプレート27にシャックルロッド引き止め部を介して止められている。
【0024】
したがって、この実施形態によれば、駆動モータ15を回転駆動させことにより、トラクションシーブ16が回転してフラットロープ3との間の摩擦抵抗によって該フラットロープ3を一方向へ送り出す。すなわち、このフラットロープ3にトラクションシーブ16によりいずれか一方への送り出し力が作用すると、該フラットロープ3は各転向プーリ25,26及びプーリ21を回転させながら釣合重り2をエレベータかご1と相対的に上昇あるいは下降させる。
【0025】
そして、本実施形態では、フラットロープ3の薄肉化を利用して上側枠部9の比較的狭い空間部9b内に挿通することが可能になることから、巻上機構4を上側枠部9の下面に配置することができる。したがって、巻上機構4を、フラットロープ3の引っ張り方向と反対側の設置スペースの狭い位置に配設できることから、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープ3を介して上側枠部9に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構4の安定した取り付けが可能になる。
【0026】
しかも、巻上機構4は、前述のように、上側枠部9の空間部9bに臨んで配置されていることから、図3に示すように、エレベータかご1の昇降中に前記空間部9b内を通過する走行風(図中矢印)が巻上機構4の駆動モータ15などに当たって該駆動モータ15等を十分に冷却する。このため、駆動モータ15の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構4全体のコンパクト化が図れる。
【0027】
また、巻上機構4と上側枠部9との間には、防振ラバー22,23が介装されていることから、この防振ラバー22,23により巻上機構4の駆動振動が効果的に吸収されて、エレベータかご1内への振動騒音の発生が防止される。
【0028】
さらに、この実施形態では、フラットロープ3を用いたことから、前述のように、前記釣合重り2側のプーリ21の外径を十分に小さくすることができるので、該プーリ21を上枠部14の断面積の小さな空間部14b内に取り付けることが可能になる。このため、かかるデッドスペースの有効利用が図れると共に、釣合重り2全体のコンパクト化が図れる。
【0029】
なお、前記フラットロープ3は、図面上は1本掛けになっているが、平行な2本あるいは3本掛け又はそれ以上であってもよい。
【0030】
図4〜図6は本発明の第2の実施形態を示し、フラットロープ3のローピング構成は第1の実施形態と同様であるが、巻上機構4を釣合重り2側に取り付けたものである。
【0031】
すなわち、巻上機構4は、図5及び図6に示すように、釣合重り2の前記上枠部14の長手方向のほぼ中央下部に、それぞれが両枠材14a、14a間の空間部14bに臨んで長手方向に沿って配置されている。また、前記駆動モータ15と軸受部17は、それぞれの台座が両枠材14a、14aの下面に跨いで取り付けられた支持板29を介してボルトによって固定されている。なお、トラクションシーブ16の外周には防塵カバー27が被嵌されている。
【0032】
一方、エレベータかご1側は、図4に示すように、前記上側枠部9の長手方向のほぼ中央位置に、転向シーブ30が取り付けられている。この転向シーブ30は、両枠材9a、9aの空間部9bを上下に貫通配置された支持軸31と、両枠材9a、9aの下面に跨って溶接固定されて、前記支持軸31の上端部と下端部を回転自在に支持する支持プレート32と、前記支持軸31の上端部に設けられたほぼコ字形状の軸受部33内に回転自在に支持されて、前記フラットロープ3が下方から巻回されたプーリ本体34とから主として構成されている。したがって、このプーリ本体34は、支持軸31を介して首振り自在、つまり転向自在になっている。
【0033】
また、その他の転向プーリ25,26などの配置構成などは第1の実施形態と同様である。
したがって、この実施形態によれば、フラットロープ3の薄肉化を利用して釣合重り2の上枠部14の比較的狭い空間部14b内に挿通することが可能になることから、巻上機構4を上枠部14の下面に配置することができる。したがって、巻上機構4を、フラットロープ3の引っ張り方向と反対側の設置スペースの狭い位置に配設できることから、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープ3を介して上枠部14に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構4の安定した取り付けが可能になる。
【0034】
しかも、巻上機構4は、前述のように、上枠部14の空間部14bに臨んで配置されていることから、図6に示すように、エレベータかご1の昇降中に前記空間部14b内を通過する走行風(図中矢印)が巻上機構4の駆動モータ15などに当たって該駆動モータ15等を十分に冷却する。このため、駆動モータ15の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構4全体のコンパクト化が図れる。
【0035】
また、転向シーブ30は、シーブ本体34が支持軸31を介して転向自在になっていることから、釣合重り2をエレベータかご1の背面側ばかりか側面側に自由に配置することが可能になる。したがって、昇降路の投影面積の形状に応じた設計の自由度が向上すると共に、釣合重り2のいずれの配置に拘わらず、各構成部品を共通化することができることから、コストの低減化が図れる。
【0036】
図7〜図10は第3の実施形態を示し、フラットロープ3のローピング構成を変更すると共に、巻上機構4を釣合重り2の両側枠部13,13間に配置した。
【0037】
すなわち、エレベータかご1は、図7Aに示すように、かご枠6の上側枠部9がパイプ状に形成されていると共に、図8及び図9に示すように、底壁1aを支持する下側枠部7の後部に横断面コ字形状の保持部材35が下側枠部7と平行に配設固定され、この保持部材35の突出した両端部にそれぞれプーリ36,37が回転自在に保持されている。
【0038】
また、昇降路の上部位置に固定されたチャンネル材38の所定位置にプーリ39が回転自在に支持されていると共に、図7Bに示すように、チャンネル材38の一端部に別のプーリ40が回転自在に保持されている。
【0039】
一方、釣合重り2側では、図7Bに示すように、両側枠部13,13間の上側枠部14近傍に保持枠部41が介設されていると共に、該保持枠部41の下部に前記巻上機構4が取り付けられている。すなわち、保持枠部41は、図10にも示すように比較的細長い金属材で形成されて、両端部が両側枠部13,13の間に挟持された状態で固定されている。そして、この長手方向のほぼ中央位置の下面に駆動モータ15とトラクションシーブ16及び軸受部17が直列に配置されており、駆動モータ15と軸受部17が所定のボルトによって固定されている。また、前記トラクションシーブ16は、その直径が保持枠部41の幅よりも大きく設定されてフラットロープ3が保持枠部41の外側に位置するようになっている。
【0040】
そして、フラットロープ3は、ローピング構成が図7A、Bに示すように、一端部3aが前記上側枠部14の一方の枠材14aの内面側に止着されて、ここから空間部14b内を通って前記プーリ40に掛けられ、さらにトラクションシーブ16の下部に掛けられている。また、ここから上方へ回されて前記プーリ39を経て、さらに前記保持部材35の各プーリ36,37に下方から掛け回されて垂直上方へ延びた他端部3bが前記チャンネル材38の他端部に所定シャックルロッド引き止め部に止着されている。
【0041】
このように、本実施形態によれば、フラットロープ3の特徴を生かして巻上機構4を保持枠部41の面積の狭い下部に配置することができることから、釣合重り2のデッドスペースの有効利用が可能になる。
【0042】
また、エレベータかご1のかご枠6は、上側枠部9が単純なパイプ状に形成されていることから、該上側枠部9の製造が容易になる共に、かご1の上部スペースが小さくなり、これによって昇降路の長さを小さくすることができる。
【0043】
また、フラットロープ3を、1:3のローピングとなるように掛けられることから駆動モータ の軸荷重を1/3にできるので巻上機構4をさらに小型軽量化にできる。
【0044】
さらに、エレベータかご1側の転向シーブ30の転向構成は、前述の他に図11及び図12に示すように、エレベータかご1の上側枠部9に取り付けられた巻上機構4を転向させることも可能である。
【0045】
すなわち、上側枠部9の空間部9b内を貫通した支持軸42と、両枠材9a、9aの下面に跨って溶接固定されて、前記支持軸42の下端部を回転自在に支持する支持プレート43と、前記支持軸42の上端部に設けられたベースプレート44とを備え、前記支持プレート43を貫通した支持軸42の下端部はナット45によって固定されていると共に、該ナット45と支持プレート43との間に防振ラバー46が介装されている。
【0046】
そして、前記ベースプレート44の上面に前記巻上機構4が載置固定さえており、したがって、該巻上機構4は全体が支持軸42を介して転向可能になっている。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、フラットロープの薄肉化を利用して巻上機構を上側枠部の下面に配置することができるので、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープを介して上側枠部に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構の安定した取り付けが可能になる。
【0048】
しかも、巻上機構は、上側枠部の空間部に臨んで配置されていることから、エレベータかごの昇降中に前記空間部内を通過する走行風が巻上機構に当たって該巻上機構を十分に冷却する。このため、巻上機構の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構全体のコンパクト化が図れる。
【0049】
請求項2に記載の発明によれば、巻上機構と上側枠部との間に、防振ラバーを介装したため、この防振ラバーにより巻上機構の駆動振動が効果的に吸収されて、かご内への振動騒音の伝播を抑制することができる。
【0050】
請求項3に記載の発明によれば、フラットロープを用いたことから、釣合重り側のプーリの外径を十分に小さくすることができるので、該プーリ上側枠部の断面積の小さな空間部内に取り付けることが可能になる。このため、かかるデッドスペースの有効利用が図れると共に、釣合重り全体のコンパクト化が図れる。
【0051】
請求項4に記載の発明によれば、フラットロープの薄肉化を利用することによって巻上機構を釣合重りの上側枠部の比較的狭い下面に配置することができる。したがって、巻上機構を、フラットロープの引っ張り方向と反対側の設置スペースの狭い位置に配設できることから、デッドスペースの有効利用が可能になると共に、フラットロープを介して上側枠部に対して押し付ける方向へ取り付けられるので、巻上機構の安定した取り付けが可能になる。
【0052】
しかも、巻上機構は、上側枠部の空間部に臨んで配置されていることから、エレベータかごの昇降中に前記空間部内を通過する走行風が巻上機構に当たって該巻上機構を十分に冷却する。このため、巻上機構の外周に冷却用フィンなどの冷却装置を設ける必要がなくなり、この点で巻上機構全体のコンパクト化が図れる。
【0053】
請求項5に記載の発明によれば、転向シーブは、転向自在になっていることから、釣合重りをエレベータかごの背面側ばかりか側面側に自由に配置することが可能になる。したがって、昇降路の投影面積の形状に応じた設計の自由度が向上すると共に、釣合重りのいずれの配置に拘わらず、各構成部品を共通化することができることから、コストの低減化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すエレベータ装置の斜視図。
【図2】同実施形態に供される巻上機構の取り付け状態を示す要部断面図。
【図3】同実施形態に供される巻上機構の側面図。
【図4】第2の実施形態を示すエレベータ装置の斜視図。
【図5】同実施形態に供される巻上機構の取り付け状態を示す要部断面図。
【図6】同実施形態に供される巻上機構の側面図。
【図7】Aは第3の実施形態を示すエレベータかご側を示す斜視図、Bは同釣合重り側を示す斜視図。
【図8】本実施形態のエレベータかご側の下部を示す正面図。
【図9】同エレベータかご側の下部の一方側を示す断面図。
【図10】同釣合重り側の巻上機構の取り付け状態を示す正面図。
【図11】エレベータかご側に取り付けられた巻上機構の転向構造を示す部分斜視図。
【図12】同巻上機構の転向構造を示す部分正面図。
【符号の説明】
1…エレベータかご
2…釣合重り
3…フラットロープ
4…巻上機構
6…かご枠
9…上側枠部
9a、9a…両枠材
9b…空間部
11…重り枠
14…上枠部
14a、14a…枠材
14b…空間部
15…駆動モータ
16…トラクションシーブ
17…軸受部
22,23…防振ラバー
Claims (5)
- かごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、
前記かごの周囲に配設されたかご枠の上側枠部に、前記フラットロープを挿通する空間部を形成すると共に、前記巻上機構を前記上側枠部の下部側に取り付け、該巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして前記釣合重りに連係させたことを特徴とするエレベータ装置。 - 前記巻上機構と前記上側枠部との間に、防振部材を介装したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
- 前記釣合重りは、外周に矩形状の重り枠を有すると共に、該重り枠の上側枠部の内部を中空状に形成し、該空間部内にプーリを回転自在に支持することを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
- エレベータのかごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、
前記釣合重りは、外周に矩形状の重り枠を有すると共に、該重り枠の上側枠部に、前記フラットロープを挿通する空間部を形成すると共に、前記巻上機構を前記上側枠部の下面側に配置し、該巻上機構に巻回されたフラットロープを前記空間部から引きだして前記かごに連係させたことを特徴とするエレベータ装置。 - エレベータのかごと釣合重りとを連係するフラットロープを巻上機構に巻回し、該巻上機構を回転駆動することにより前記かごを昇降路内で昇降移動させるエレベータ装置であって、
前記かごの外周に配設されたかご枠の上側枠部に、前記フラットロープが巻回されるシーブを設けると共に、該シーブを上側枠部に対して首振り自在に設けたことを特徴とするエレベータ装置。
Priority Applications (1)
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JP2002157248A JP2004001915A (ja) | 2002-05-30 | 2002-05-30 | エレベータ装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008254834A (ja) * | 2007-04-02 | 2008-10-23 | Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd | 油圧エレベータの主ロープ交換方法及びそれに用いる主ロープ交換用滑車治具 |
CN103787175A (zh) * | 2014-01-28 | 2014-05-14 | 永大电梯设备(中国)有限公司 | 一种1比1绕绳比的无机房电梯装置 |
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-
2002
- 2002-05-30 JP JP2002157248A patent/JP2004001915A/ja not_active Withdrawn
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