【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム合金の連続鋳造方法に関し、さらに詳しくは、大気雰囲気における鋳造であっても、酸化物の生成および水素の吸収を抑制できるとともに、含有成分の蒸発および鋳片表面の酸化を抑制できる連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム合金は高温での反応性が高く、酸化しやすく、また水素を吸収しやすいことから、マグネシウム合金を連続鋳造する場合に、その溶湯を大気雰囲気中に曝すと、酸化が促進して酸化物が生成したり、溶湯中に酸素および水素が吸収されて酸素濃度および水素濃度が上昇する。このようにマグネシウム合金中の酸素濃度および水素濃度が上昇すると、連続鋳造鋳片に気孔が生成したり、材料としての機械的性質が低下する。
【0003】
このような理由から、従来のマグネシウム合金の連続鋳造においては、比重の大きなSF6ガスやSF6とCO2との混合ガスなどの保護ガス雰囲気下で鋳造を行うとともに、溶湯の酸化防止策として湯面上にフラックスを散布する方法がとられてきた。しかし、このような鋳造方法は、設備上の問題の他に、鋳造されるマグネシウム合金の品質確保、フラックス除去および廃棄作業の面で多くの問題を抱えている。
例えば、SF6ガスやSF6とCO2との混合ガスなどの保護ガス雰囲気下で鋳造する場合には、保護ガス雰囲気を保持するために連続鋳造設備を納めるチャンバーが必要となったり、保護ガスを連続的に供給する設備が必要となる。このようなチャンバーの設置には多額の設備費および維持費が必要であり、また、保護ガスを連続的に供給する場合は保護ガスの費用も嵩む。また、溶融したマグネシウム合金中の蒸気圧の高い成分が蒸発し、マグネシウム合金中の成分割合が変化するという問題がある。
【0004】
また、SF6ガスは、地球温暖化の効果が極めて高いことから、環境対策上使用すべきではなく、さらに、SF6ガスは腐食性が強いことから、設備および建屋の防食対策も必要となる。もちろん、作業者の健康を害するという問題もある。しかも、マグネシウム合金は、その含有成分が蒸発しやすいことから、真空雰囲気下での連続鋳造は困難である。
フラックスを用いて鋳造する場合には、使用するフラックスに費用を要するのみならず、フラックスの散布作業および除去作業にコストが嵩むと同時に、使用後のフラックスの廃棄処分に不備があると、環境悪化の原因になるという問題がある。さらに、鋳片の品質面においては、フラックスの除去が不完全であると、これがマグネシウム合金の鋳片および製品中に巻き込まれて欠陥となる。なお、フラックスには連続鋳造時の潤滑剤としての作用も必要であり、そのためには、融点をマグネシウム合金の注湯温度よりも低くする必要がある。融点を低下させるためには、フラックス成分としてフッ素、塩素、ナトリウム、カリウムなどを含有させることが効果的であるが、これらの成分は、溶融マグネシウム合金中に溶け込むと、製品の特性を著しく悪化させるため、このようなフラックスを連続鋳造に使用することは困難である。
さらに、鋳造用鋳型内でマグネシウム合金の凝固シェルが形成されると、鋳型と凝固シェルとの間に隙間が発生し、この隙間に大気、あるいは鋳型下方で冷却に使用した冷却水が高温の鋳片と接触して発生した水蒸気が侵入する。このように大気あるいは水蒸気が鋳型と鋳片との間の隙間に侵入すると、鋳片の表面が酸化する。鋳片の表面に生成した酸化層は、鋳片の全面にわたって均一ではなく、局所的に酸化の進行した箇所も存在して不均一な班状となることから、そのまま、圧延などの後工程に送ることはできない。このため、酸化層を除去する工程が必要となるとともに、除去設備も必要となり、製造コストおよび設備コストの上昇を招く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述したマグネシウム合金の連続鋳造における問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、保護ガス雰囲気、さらには大気雰囲気で溶解する場合であっても、湯面にフラックスを散布する必要がなく、歩留りおよび品質に優れたマグネシウム合金鋳片および製品を得ることができる連続鋳造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するため、種々の条件におけるマグネシウム合金の連続鋳造試験結果に基づいて、歩留りおよび品質に優れた鋳片の製造方法につき検討を実施し、以下の知見を得た。
【0007】
(a)マグネシウム合金の連続鋳造時に、その溶湯を大気に接触させると、酸化物の生成や、溶湯中の酸素濃度および水素濃度の上昇を招く。
【0008】
(b)上記(a)による品質低下を防止するためには、大気と遮断した状態でマグネシウム合金を連続鋳造する必要があり、そのためには鋳型内溶湯の湯面を覆う蓋あるいは湯面を覆う浸漬ノズルを設けることが有効である。
【0009】
(c)鋳型内のメニスカス下で凝固シェルが形成されると、鋳片と鋳型内壁との間に隙間が生じて、鋳片の冷却速度が低下し、鋳片の表面は高温状態に維持される。この高温状態の鋳片に大気あるいは水蒸気が接触すると、鋳片の表面が酸化し、品質が低下するとともに、この酸化層の除去コストが発生する。
【0010】
(d)上記(c)による品質低下およびコストの上昇を防止するためには、鋳片と鋳型内壁との間の隙間部をシールすることが有効である。
【0011】
本発明は、上記の(a)〜(d)の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(6)に示すマグネシウム合金の連続鋳造方法にある。
【0012】
(1)鋳型内に浸漬ノズルを用いてマグネシウム合金の溶湯を供給し、浸漬ノズルと鋳型内壁との間の溶湯表面を蓋を用いて覆うマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法。
【0013】
(2)鋳型内のマグネシウム合金の溶湯表面を覆う広範囲型浸漬ノズルを用いて鋳型内にマグネシウム合金の溶湯を供給するマグネシウム合金溶湯の連続鋳造方法。
【0014】
(3)前記(1)または(2)に記載された連続鋳造方法において、蓋、浸漬ノズルおよび広範囲型浸漬ノズルの1つ以上に加熱手段を設け、マグネシウム合金溶湯を加熱することが好ましい。
【0015】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載された連続鋳造方法において、ノズル先端部を、蓋または広範囲型浸漬ノズルと鋳型内壁との隙間部に向けたガス噴出ノズルを設け、該ガス噴出ノズルから不活性ガスを噴出させることが好ましい。
(5)前記(1)〜(3)のいずれかに記載された連続鋳造方法において、蓋または広範囲型浸漬ノズルと鋳型内壁との隙間部にシール用治具を設け、前記隙間部をシールすることが好ましい。
(6)前記(5)に記載された連続鋳造方法において、鋳型下端部の鋳型と鋳片との隙間部にシール用治具を設け、前記隙間部をシールすることが好ましい。
【0016】
本発明において、「マグネシウム合金」は、マグネシウムの純金属、およびマグネシウムに合金元素が添加されたマグネシウム合金の何れをも含む。
【0017】
「溶湯表面を覆う」とは、蓋または広範囲型浸漬ノズルにより溶湯表面の全体を覆う場合はもちろんのこと、両者を併用し、例えば、広範囲型浸漬ノズルにより覆った以外の残りの溶湯表面を蓋により覆うなど、蓋および広範囲型浸漬ノズルの各々は溶湯を部分的に覆う場合をも意味する。
「加熱」とは、蓋、浸漬ノズルおよび広範囲型浸漬ノズルの1つまたは2つ以上を加熱し、マグネシウム合金の地金が蓋、浸漬ノズル、または広範囲型浸漬ノズルに付着・固化するのを防止することを意味する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の内容についてさらに詳しく説明する型
【0019】
マグネシウムおよびマグネシウム合金の溶湯からはマグネシウム合金成分の蒸気が発生しやすい。これを抑制するためにフラックスを用いた場合にはフラックスの巻き込みによる製品品質の低下が著しいこと、保護ガスを用いた場合には環境悪化の問題があることなどから、前記合金溶湯の鋳造には本発明の連続鋳造方法が適している。
【0020】
本発明の連続鋳造方法は、マグネシウム合金の溶湯よりも融点が高く、同溶湯と反応しない素材で構成される蓋あるいは広範囲型浸漬ノズルを用い、鋳型内の溶湯と大気との接触を防止しつつ鋳造することを基本的特徴としている。
【0021】
溶湯を覆う蓋、浸漬ノズルおよびシール用治具の材料は、マグネシウム合金よりも融点が高く、かつ、マグネシウム合金と反応しない材質のものが良く、鋼製あるいはフェライト系ステンレス鋼が望ましい。
【0022】
蓋の固定は、鋳型への固定、浸漬ノズルへの固定、または鋳型と浸漬ノズルとの双方への固定のいずれの方式であっても良い。また、マグネシウム合金溶湯の湯面レベルの変動に応じて高さ方向に位置をスライドさせる方式のものであっても良い。
【0023】
シール用治具の固定は、鋳型への固定、蓋への固定、または鋳型と蓋の双方への固定のいずれの方式であっても良い。
【0024】
前述のとおり、マグネシウム合金を連続鋳造する場合には、その溶湯が大気に接触すると、鋳型内の湯面を通してマグネシウム合金溶湯の酸化、水素の吸収および合金成分の蒸発が起こることから、これを防止するためには、大気と接触する湯面をなくする必要がある。このため、湯面に蓋を設けるかあるいは湯面を覆う浸漬ノズルを用いることによって、大気と湯面との接触を防止することが可能となる。
【0025】
その際に、鋳型と蓋の縁部との隙間、または鋳型と広範囲型浸漬ノズルの縁部との隙間は、1mm以下とするのが望ましい。
また、溶湯湯面を覆う蓋、浸漬ノズル、広範囲型浸漬ノズルの1つ以上を加熱することにより、マグネシウム合金溶湯が地金としてこれらに付着し、固化することを防止することができる。これらを加熱する際の加熱温度は、マグネシウム合金の固相線温度以上で、(液相線温度+100℃)以下の温度範囲とすることが望ましい。
【0026】
本発明の連続鋳造方法では、マグネシウム合金溶湯の酸化や水素の吸収および合金成分の蒸発を防止できることから、フラックスや保護ガスの使用が不要となる。このため、フラックスのコストが削減できるだけでなく、フラックスの散布作業および除去作業のコストも不要となり、さらに、使用後のフラックスの廃棄処分も要しない。また、保護ガスのコストが不要となるだけでなく、環境面および健康面の問題も発生しない。しかも、フラックスの巻き込みによる欠陥の発生という製品品質面への影響の懸念もなくなる。
また、鋳片表面に生成した酸化層の除去が不要となり、この除去工程で発生する酸化物の廃棄処分も不要となる。
【0027】
図1は、溶湯表面を蓋により覆う本発明に係る連続鋳造方法を示す模式図である。タンディッシュ1内のマグネシウム合金溶湯は、浸漬ノズル2を経由して連続鋳造鋳型3内に供給される。マグネシウム合金溶湯の湯面は蓋4により覆われ、湯面と大気雰囲気とは遮断されている。鋳型内の溶湯8は、鋳型内壁近傍から凝固して凝固シェル9を形成し、下方に引き抜かれて鋳片10を形成する。
なお、浸漬ノズルおよび/または蓋を加熱する場合は、加熱装置であるシースヒーター5を設置し、熱電対6による温度測定結果に基づいて温度調整を行うことができる。なお、その他の加熱手段としては、蓋および浸漬ノズルを鋼製で構成する場合には、高周波誘導加熱なども適用することができ、これらを適宜選択して用いればよい。
【0028】
また、蓋と鋳型内壁との隙間部に不活性ガスを供給する場合は、不活性ガス噴出ノズル7を設置し、前記隙間部に不活性ガスを噴出する。
【0029】
図2は、加熱装置を設けた広範囲型浸漬ノズルを用い、浸漬ノズルと鋳型内壁との隙間部に向けたガス噴出ノズルから不活性ガスを噴出させる本発明に係る連続鋳造方法を示す模式図である。マグネシウム合金溶湯は、広範囲型浸漬ノズル21により鋳型内に供給される。
【0030】
広範囲型浸漬ノズルを加熱する場合は、前記図1の場合と同様に、シースヒーター5を設置し、熱電対6による温度測定結果に基づいて温度調整を行うことができる。
【0031】
また、広範囲型浸漬ノズルと鋳型内壁との隙間部に不活性ガスを供給する場合は、不活性ガス噴出ノズル7を設置し、前記隙間部に不活性ガスを噴出する。不活性ガスの流量は、鋳型の大きさ、隙間部の大きさなどに応じて決定すれば良いが、0.1〜5リットル/分程度が望ましい。
図3は、溶湯表面を覆う蓋と鋳型内壁との隙間部および鋳片と鋳型下端部の鋳型内壁との隙間部をシールする本発明に係る連続鋳造方法を示す模式図である。溶湯の湯面を覆う蓋4と鋳型内面との隙間部にはシール用治具11が、また、鋳型下端部内壁と鋳片との隙間部にはシール用治具12が設置されており、それぞれ、隙間部からの大気や水蒸気の侵入を防止する。なお、シール用治具11については、鋳型内面との間を、また、シール用治具12については、鋳片表面との間を摺動できる構造とするのが良い。
【0032】
【実施例】
本発明のマグネシウム合金の連続鋳造方法の効果を確認するため、本発明例1〜3の試験および比較例1の試験を行った。
〔本発明例1〕
試験条件:
1)マグネシウム合金:Mg−3%Al−1%Zn(融点632℃)
2)注湯温度:750℃、
3)雰囲気 :大気雰囲気中、
4)鋳型材質:SUS430、
5)鋳型サイズ(内寸):幅700mm×厚み30mm×高さ200mm、
6)浸漬ノズルの材質:SUS430、
7)浸漬ノズルのサイズ:外径20mm×肉厚2mm、
8)蓋の材質:SUS430、
9)蓋のサイズ:幅方向699mm×厚み方向29mm(鋳型内寸より1mm小)、
10)浸漬ノズル、蓋の加熱方法:シース・ヒーター加熱、
11)浸漬ノズル、蓋の加熱温度:750℃、
12)鋳片引き抜き速度:0.5m/min、
13)鋳片引き抜き条件:間欠式。
図1に示す方法により本発明の連続鋳造試験を行った。溶融マグネシウム合金をタンディッシュ1から浸漬ノズル2を介して連続鋳造鋳型3内へ供給した。鋳型内の湯面を覆う蓋4は、湯面に接触あるいは湯面の一部に浸漬させるように高さの調節を行い、浸漬ノズルに設置した。浸漬ノズルおよび蓋には加熱用のシースヒーター5が付設されている。ヒーターの温度は熱電対6により測定し、制御した。また、蓋と鋳型内壁との隙間部からマグネシウム合金溶湯中へ酸素および水素が侵入するのを防止するため、不活性ガス噴出ノズル7を設置し、アルゴンガスを噴出させたに
【0033】
本発明例1の連続鋳造方法においては、後述する比較例1の試験結果を基準の1.0とした場合、蒸気発生率は、0.035であり、鋳型内湯面からの合金成分の蒸発は、ほとんどなかった。酸素および水素の含有量は、それぞれ、溶解前の原料中で0.003質量%であったものが、鋳造後の鋳片中で0.005質量%となった程度であり、酸素および水素の吸収もほとんど発生せず、また、鋳片の表面に酸化層の形成もない高品質の連続鋳造鋳片を製造することができた。なお、後述する比較例1の試験結果を基準の1.0とした場合、操業コストは0.1であり、良好であった。
〔本発明例2〕
試験条件:
1)マグネシウム合金、注湯温度、雰囲気、鋳型材質、鋳型サイズ、浸漬ノズルの材質、浸漬ノズルの加熱方法、浸漬ノズルの加熱温度、引き抜き速度、および引き抜き条件:前記本発明例1と同一、
2)浸漬ノズルの形状とサイズ:湯面近傍で下広がり、幅方向699mm×厚み方向29mm(鋳型内寸より1mm小)、
図2に示す方法により本発明の連続鋳造試験を行った。溶融マグネシウム合金をタンディッシュから広範囲型浸漬ノズル21を介して連続鋳造鋳型内へ供給した。広範囲型浸漬ノズルには加熱用のシースヒーター5が付設されている。また、広範囲型浸漬ノズルと鋳型内壁との隙間部からマグネシウム合金溶湯中へ酸素および水素が侵入するのを防止するため、不活性ガス噴出ノズルからアルゴンガスを噴出させた。
【0034】
本発明例2の連続鋳造方法においては、比較例1の試験結果を基準の1.0とした場合、蒸気発生率は、0.035であり、鋳型内湯面からの合金成分の蒸発は、ほとんどなかった。酸素および水素の含有量は、それぞれ、溶解前の原料中で0.003質量%であったものが、鋳造後の鋳片中で0.005質量%となった程度であり、酸素および水素の吸収もほとんど発生せず、また、鋳片の表面に酸化層の形成もない高品質の連続鋳造鋳片を製造することができた。なお、比較例1の試験結果を基準の1.0とした場合、操業コストは0.1であり、良好であった。
〔本発明例3〕
試験条件:
1)マグネシウム合金、注湯温度、雰囲気、鋳型材質、浸漬ノズルの材質、蓋の材質、浸漬ノズルと蓋の加熱方法、浸漬ノズルと蓋の加熱温度、引き抜き速度、および引き抜き条件:前記の本発明例1と同一、
2)鋳型サイズ:幅700mm×厚み30mm×高さ200mm、
3)蓋のサイズ:幅方向690mm×厚み方向20mm(鋳型内寸より10mm小)、
4)シール用治具(湯面側):SUS430、厚み0.5mm、バネ形状で蓋に固定、
5)シール用治具(鋳型下端):SUS430、厚み0.5mm、バネ形状で鋳型に固定。
【0035】
図3に示す方法により本発明の連続鋳造試験を行った。溶融マグネシウム合金が浸漬ノズルを介して連続鋳造鋳型に供給される。浸漬ノズルの周囲には蓋が取り付けられ、この蓋と鋳型の間には、シール用治具11が設置されて、大気の侵入を防止している。また、鋳型下端位置には、鋳型3と鋳片10との隙間部13に大気あるいは水蒸気が侵入するのを防止するため、シール用治具12が取り付けられている。
【0036】
本発明例3の連続鋳造方法においては、比較例1の試験結果を基準の1.0とした場合、蒸気発生率は、0であり、鋳型内湯面からの合金成分の蒸発はなかった。酸素および水素の含有量は、それぞれ、溶解前の原料中で0.003質量%であったものが、鋳造後の鋳片中で0.004質量%となった程度であり、酸素および水素の吸収もほとんど発生せず、また、鋳片の表面に酸化層の形成もない高品質の連続鋳造鋳片を製造することができた。なお、比較例1の試験結果を基準の1.0とした場合、操業コストは0.01であり、極めて良好であった。
〔比較例1〕
試験条件:
1)マグネシウム合金:Mg−3%Al−1%Zn(融点632℃)
2)注湯温度:750℃、
3)雰囲気:大気雰囲気中、
4)鋳型材質:SUS430、
5)鋳型サイズ(内寸):幅700mm×厚み30mm×高さ200mm、
6)浸漬ノズルの材質:SUS430、
7)浸漬ノズルのサイズ:外径20mm×肉厚2mm、
8)蓋の使用:なし、
9)浸漬ノズルの加熱:なし、
10)鋳片引き抜き速度:0.5m/min、
11)鋳片引き抜き条件:間欠式。
図4に示す方法により、比較例の連続鋳造試験を行った。鋳型内の湯面全体にS6ガス71を供給して鋳造を行った。鋳型内の湯面近傍で発生するマグネシウム蒸気などの気体の熱対流により、保護ガスが湯面の全体を覆わなくなる場合が発生し、合金成分が多量に蒸発した。また、大気と接触して酸化物が生成し、これが連続鋳造鋳片の表面および表皮下に巻き込まれて欠陥となり、製品鋳片とはならなかった。なお、鋳片には多量の酸素および水素が吸収されており、その含有量は、それぞれ、溶解前の原料中で0.003質量%であったものが、それぞれ、0.05質量%および0.08質量%に達していた。また、鋳片表面に酸化物層が斑状に発生したため、この除去作業も行った。
【0037】
【発明の効果】
本発明のマグネシウム合金の連続鋳造方法によれば、大気雰囲気であっても、マグネシウム合金から発生する合金成分の蒸発を防止できるとともに、マグネシウム合金の溶湯中での酸化物の生成や酸素および水素の吸収が防止でき、また、鋳片表面の酸化を抑制でき、表面品質および内部品質の優れたマグネシウム合金の連続鋳造鋳片の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶湯表面を蓋により覆う本発明に係る連続鋳造方法を示す模式図である。
【図2】加熱装置を設けた広範囲型浸漬ノズルを用い、浸漬ノズルと鋳型内壁との隙間部に向けたガス噴出ノズルから不活性ガスを噴出させる本発明に係る連続鋳造方法を示す模式図である。
【図3】溶湯表面を覆う蓋と鋳型内壁との隙間部および鋳片と鋳型下端部の鋳型内壁との隙間部をシールする本発明に係る連続鋳造方法を示す模式図である。
【図4】従来の連続鋳造方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1:タンディッシュ、
2:浸漬ノズル、
21:広範囲型浸漬ノズル、
3:連続鋳造鋳型、
4:蓋、
5:加熱装置(シースヒーター)、
6:熱電対、
7:不活性ガス噴出ノズル、
8:マグネシウム合金溶湯、
9:マグネシウム合金の凝固シェル、
10:マグネシウム合金鋳片、
11:蓋と鋳型内壁との隙間部のシール用治具、
12:鋳型下端部内壁と鋳片との隙間部のシール用治具、
13:隙間部。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a continuous casting method of a magnesium alloy, and more specifically, can suppress generation of oxides and absorption of hydrogen, and control evaporation of contained components and oxidation of a slab surface, even in casting in an air atmosphere. It relates to a possible continuous casting method.
[0002]
[Prior art]
Magnesium alloys have high reactivity at high temperatures, are easily oxidized, and easily absorb hydrogen, so when continuously casting a magnesium alloy, exposing the molten metal to the atmosphere promotes oxidation and oxides. Is generated or oxygen and hydrogen are absorbed in the molten metal, so that the oxygen concentration and the hydrogen concentration increase. When the oxygen concentration and the hydrogen concentration in the magnesium alloy increase in this way, pores are generated in the continuous cast slab, and the mechanical properties of the material decrease.
[0003]
For this reason, in the conventional continuous casting of magnesium alloy, casting is performed in a protective gas atmosphere such as SF 6 gas having a large specific gravity or a mixed gas of SF 6 and CO 2, and at the same time, as a measure for preventing oxidation of molten metal. A method of spraying a flux on a hot water surface has been adopted. However, such a casting method has many problems in terms of ensuring the quality of the magnesium alloy to be cast, removing flux, and discarding work, in addition to problems in facilities.
For example, when casting is performed under a protective gas atmosphere such as SF 6 gas or a mixed gas of SF 6 and CO 2 , a chamber containing a continuous casting facility is required to maintain the protective gas atmosphere, or a protective gas atmosphere is required. A facility for continuously supplying is required. The installation of such a chamber requires a large amount of equipment and maintenance costs, and the cost of the protective gas increases when the protective gas is continuously supplied. Further, there is a problem that a component having a high vapor pressure in the molten magnesium alloy evaporates, and a component ratio in the magnesium alloy changes.
[0004]
Further, SF 6 gas, since it is very high effect of global warming, should not be used on environmental, further, since SF 6 gas is highly corrosive, is also required equipment and buildings corrosion protection . Of course, there is also the problem of harming the worker's health. In addition, continuous casting in a vacuum atmosphere is difficult because the components of the magnesium alloy are easily evaporated.
When casting with flux, not only is the cost of the used flux expensive, but also the cost of spreading and removing the flux is increased, and at the same time, there is an inadequate disposal of the used flux. There is a problem that causes. Further, in terms of the quality of the slab, if the flux is not completely removed, the flux is caught in the magnesium alloy slab and the product, resulting in a defect. The flux also needs to act as a lubricant at the time of continuous casting, and for that purpose, the melting point must be lower than the pouring temperature of the magnesium alloy. In order to lower the melting point, it is effective to include fluorine, chlorine, sodium, potassium, etc. as flux components, but these components, when dissolved in the molten magnesium alloy, significantly deteriorate the properties of the product. Therefore, it is difficult to use such a flux for continuous casting.
Further, when a solidified shell of the magnesium alloy is formed in the casting mold, a gap is generated between the mold and the solidified shell, and the gap or the cooling water used for cooling below the mold is filled in the gap. Water vapor generated by contact with the pieces enters. When the air or water vapor enters the gap between the mold and the slab, the slab surface is oxidized. The oxidized layer formed on the surface of the slab is not uniform over the entire surface of the slab, and there is a locally oxidized portion, which results in a nonuniform patch-like shape. I can't send it. For this reason, a step of removing the oxide layer is required, and a removing facility is also required, which causes an increase in manufacturing cost and facility cost.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described problems in the continuous casting of magnesium alloys, and the problem is that the flux is sprayed on the surface of the molten metal even when melting is performed in a protective gas atmosphere, or even in an air atmosphere. It is an object of the present invention to provide a continuous casting method capable of obtaining a magnesium alloy slab and a product excellent in yield and quality without the necessity of performing the method.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, the present inventors conducted a study on a method for manufacturing a slab excellent in yield and quality based on continuous casting test results of magnesium alloys under various conditions, and obtained the following findings. Obtained.
[0007]
(A) During continuous casting of a magnesium alloy, if the molten metal is brought into contact with the atmosphere, formation of oxides and an increase in the oxygen concentration and the hydrogen concentration in the molten metal are caused.
[0008]
(B) In order to prevent the deterioration in quality due to the above (a), it is necessary to continuously cast a magnesium alloy in a state of being shielded from the atmosphere. It is effective to provide an immersion nozzle.
[0009]
(C) When a solidified shell is formed under the meniscus in the mold, a gap is formed between the slab and the inner wall of the mold, the cooling speed of the slab is reduced, and the surface of the slab is maintained at a high temperature. You. When air or water vapor comes into contact with the slab in the high temperature state, the surface of the slab is oxidized, the quality is reduced, and the cost of removing the oxide layer is generated.
[0010]
(D) In order to prevent the quality deterioration and the cost increase due to the above (c), it is effective to seal the gap between the slab and the inner wall of the mold.
[0011]
The present invention has been completed based on the above findings (a) to (d), and the gist of the invention resides in the following magnesium alloy continuous casting methods (1) to (6).
[0012]
(1) A continuous casting method of a magnesium alloy melt in which a melt of a magnesium alloy is supplied into a mold using an immersion nozzle and the surface of the melt between the immersion nozzle and the inner wall of the mold is covered with a lid.
[0013]
(2) A continuous casting method of a magnesium alloy melt in which a magnesium alloy melt is supplied into a mold using a wide-area immersion nozzle that covers the surface of the magnesium alloy melt in the mold.
[0014]
(3) In the continuous casting method described in the above (1) or (2), it is preferable that heating means is provided in at least one of the lid, the immersion nozzle, and the wide-area immersion nozzle to heat the magnesium alloy melt.
[0015]
(4) In the continuous casting method according to any one of the above (1) to (3), a gas jet nozzle having a nozzle tip directed toward a gap between a lid or a wide-area immersion nozzle and a mold inner wall is provided, Preferably, an inert gas is ejected from the gas ejection nozzle.
(5) In the continuous casting method according to any one of (1) to (3), a sealing jig is provided in a gap between the lid or the wide-area immersion nozzle and the inner wall of the mold to seal the gap. Is preferred.
(6) In the continuous casting method described in (5), it is preferable that a sealing jig is provided in a gap between the mold and the slab at the lower end of the mold to seal the gap.
[0016]
In the present invention, the “magnesium alloy” includes both a pure metal of magnesium and a magnesium alloy in which an alloy element is added to magnesium.
[0017]
"Covering the surface of the molten metal" means not only covering the entire surface of the molten metal with a lid or a wide-area immersion nozzle, but also using both together, for example, covering the remaining surface of the molten metal except for the area covered with the wide-area immersion nozzle. Each of the lid and the wide-area immersion nozzle also partially covers the molten metal.
"Heating" means heating one or more of the lid, immersion nozzle and wide-area immersion nozzle to prevent the magnesium alloy metal from sticking and solidifying to the lid, immersion nozzle or wide-area immersion nozzle Means to do.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A mold for explaining the content of the present invention in more detail
From the molten magnesium and magnesium alloy, the vapor of the magnesium alloy component is likely to be generated. When flux is used to suppress this, the product quality is significantly reduced due to the entrainment of the flux, and when a protective gas is used, there is a problem of environmental deterioration. The continuous casting method of the present invention is suitable.
[0020]
The continuous casting method of the present invention employs a lid or a wide-range immersion nozzle having a melting point higher than that of the molten magnesium alloy and not reacting with the molten metal, while preventing contact between the molten metal in the mold and the atmosphere. It has a basic feature of casting.
[0021]
The material for the lid, the immersion nozzle and the sealing jig for covering the molten metal is preferably a material having a higher melting point than the magnesium alloy and not reacting with the magnesium alloy, and is preferably made of steel or ferritic stainless steel.
[0022]
The lid may be fixed to the mold, fixed to the immersion nozzle, or fixed to both the mold and the immersion nozzle. Further, a type in which the position is slid in the height direction according to the change in the level of the molten magnesium alloy may be used.
[0023]
The fixing jig may be fixed to the mold, fixed to the lid, or fixed to both the mold and the lid.
[0024]
As described above, in the case of continuous casting of a magnesium alloy, if the molten metal comes into contact with the atmosphere, oxidation of the molten magnesium alloy, absorption of hydrogen, and evaporation of alloy components will occur through the surface of the molten metal in the mold. To do so, it is necessary to eliminate the surface of the hot water that comes into contact with the atmosphere. For this reason, it is possible to prevent contact between the atmosphere and the metal surface by providing a lid on the metal surface or using an immersion nozzle that covers the metal surface.
[0025]
At this time, the gap between the mold and the edge of the lid or the gap between the mold and the edge of the wide-area immersion nozzle is desirably 1 mm or less.
Further, by heating at least one of the lid, the immersion nozzle, and the wide-area immersion nozzle that covers the surface of the molten metal, it is possible to prevent the magnesium alloy molten metal from adhering to the metal and solidifying. It is desirable that the heating temperature at the time of heating these is not lower than the solidus temperature of the magnesium alloy and not higher than (liquidus temperature + 100 ° C.).
[0026]
In the continuous casting method of the present invention, since the oxidation of the molten magnesium alloy, the absorption of hydrogen, and the evaporation of the alloy components can be prevented, the use of a flux or a protective gas becomes unnecessary. For this reason, not only can the cost of the flux be reduced, but also the cost of the work of spraying and removing the flux is not required, and the disposal of the used flux is not required. Further, not only is the cost of protective gas unnecessary, but also there is no environmental or health problem. In addition, there is no concern about the influence on the product quality, such as the occurrence of defects due to the inclusion of the flux.
Further, it is not necessary to remove the oxide layer generated on the slab surface, and it is not necessary to dispose of the oxide generated in this removing step.
[0027]
FIG. 1 is a schematic view showing a continuous casting method according to the present invention in which the surface of a molten metal is covered with a lid. The molten magnesium alloy in the tundish 1 is supplied into the continuous casting mold 3 via the immersion nozzle 2. The surface of the molten magnesium alloy is covered with a lid 4 and the surface of the magnesium alloy is isolated from the atmosphere. The molten metal 8 in the mold solidifies from the vicinity of the inner wall of the mold to form a solidified shell 9 and is drawn downward to form a slab 10.
In addition, when heating the immersion nozzle and / or the lid, a sheath heater 5 as a heating device is installed, and the temperature can be adjusted based on the temperature measurement result by the thermocouple 6. In addition, when the lid and the immersion nozzle are made of steel, high-frequency induction heating or the like can be applied as other heating means, and these may be appropriately selected and used.
[0028]
When supplying an inert gas to the gap between the lid and the inner wall of the mold, an inert gas jet nozzle 7 is provided to jet the inert gas into the gap.
[0029]
FIG. 2 is a schematic diagram showing a continuous casting method according to the present invention in which an inert gas is ejected from a gas ejection nozzle directed to a gap between the immersion nozzle and the mold inner wall using a wide-area immersion nozzle provided with a heating device. is there. The molten magnesium alloy is supplied into the mold by the wide-area immersion nozzle 21.
[0030]
When heating the wide-area immersion nozzle, the sheath heater 5 is installed and the temperature can be adjusted based on the result of temperature measurement by the thermocouple 6, as in the case of FIG.
[0031]
When supplying an inert gas to the gap between the wide-area immersion nozzle and the inner wall of the mold, an inert gas ejection nozzle 7 is provided to eject the inert gas into the gap. The flow rate of the inert gas may be determined according to the size of the mold, the size of the gap, and the like, but is preferably about 0.1 to 5 liters / minute.
FIG. 3 is a schematic view showing a continuous casting method according to the present invention for sealing a gap between a lid covering the surface of a molten metal and a mold inner wall and a gap between a cast piece and a mold inner wall at a lower end of the mold. A sealing jig 11 is provided in a gap between the lid 4 covering the surface of the molten metal and the inner surface of the mold, and a sealing jig 12 is provided in a gap between the inner wall of the lower end of the mold and the slab. Each prevents entry of air or water vapor from the gap. The sealing jig 11 preferably has a structure capable of sliding between the inner surface of the mold and the sealing jig 12 preferably has a structure capable of sliding between the casting jig surface.
[0032]
【Example】
In order to confirm the effect of the continuous casting method of the magnesium alloy of the present invention, tests of Examples 1 to 3 of the present invention and a test of Comparative Example 1 were performed.
[Example 1 of the present invention]
Test condition:
1) Magnesium alloy: Mg-3% Al-1% Zn (melting point 632 ° C)
2) Pouring temperature: 750 ° C,
3) Atmosphere: In air atmosphere,
4) Mold material: SUS430,
5) Mold size (inner dimension): width 700 mm x thickness 30 mm x height 200 mm,
6) Material of immersion nozzle: SUS430,
7) Size of immersion nozzle: outer diameter 20 mm x wall thickness 2 mm
8) Material of lid: SUS430,
9) Lid size: 699 mm in width direction × 29 mm in thickness direction (1 mm smaller than mold inner size)
10) Immersion nozzle, lid heating method: sheath heater heating,
11) Heating temperature of immersion nozzle and lid: 750 ° C,
12) Slab drawing speed: 0.5 m / min,
13) Slab pull-out condition: intermittent type.
The continuous casting test of the present invention was performed by the method shown in FIG. The molten magnesium alloy was supplied from the tundish 1 through the immersion nozzle 2 into the continuous casting mold 3. The height of the lid 4 for covering the surface of the molten metal in the mold was adjusted so as to be in contact with the surface of the molten metal or to be immersed in a part of the surface of the molten metal. A sheath heater 5 for heating is attached to the immersion nozzle and the lid. The temperature of the heater was measured with a thermocouple 6 and controlled. In order to prevent oxygen and hydrogen from entering the magnesium alloy melt from the gap between the lid and the inner wall of the mold, an inert gas jet nozzle 7 was installed to discharge argon gas.
In the continuous casting method of Example 1 of the present invention, when the test result of Comparative Example 1 described later was set to 1.0 as a reference, the steam generation rate was 0.035, and the evaporation of the alloy component from the molten metal surface in the mold was , Almost never. The content of oxygen and hydrogen was about 0.003% by mass in the raw material before melting, but about 0.005% by mass in the cast slab, respectively. A high-quality continuous cast slab having almost no absorption and having no oxide layer formed on the surface of the slab could be produced. In addition, when the test result of Comparative Example 1 described later was set to 1.0 as a reference, the operation cost was 0.1, which was favorable.
[Example 2 of the present invention]
Test condition:
1) Magnesium alloy, pouring temperature, atmosphere, mold material, mold size, material of immersion nozzle, heating method of immersion nozzle, heating temperature of immersion nozzle, drawing speed, and drawing conditions: same as Example 1 of the present invention,
2) Shape and size of the immersion nozzle: spread downward near the surface of the molten metal, 699 mm in the width direction x 29 mm in the thickness direction (1 mm smaller than the inner size of the mold),
The continuous casting test of the present invention was performed by the method shown in FIG. The molten magnesium alloy was supplied from a tundish through a wide-area immersion nozzle 21 into a continuous casting mold. A sheath heater 5 for heating is attached to the wide-area immersion nozzle. In order to prevent oxygen and hydrogen from entering the magnesium alloy melt from the gap between the wide-area immersion nozzle and the inner wall of the mold, argon gas was jetted from an inert gas jet nozzle.
[0034]
In the continuous casting method of Example 2 of the present invention, when the test result of Comparative Example 1 was set to 1.0 as a reference, the steam generation rate was 0.035, and the evaporation of the alloy component from the molten metal surface in the mold was almost zero. Did not. The content of oxygen and hydrogen was about 0.003% by mass in the raw material before melting, but about 0.005% by mass in the cast slab, respectively. A high-quality continuous cast slab having almost no absorption and having no oxide layer formed on the surface of the slab could be produced. In addition, when the test result of Comparative Example 1 was set to 1.0 as a reference, the operation cost was 0.1, which was favorable.
[Example 3 of the present invention]
Test condition:
1) Magnesium alloy, pouring temperature, atmosphere, mold material, material of immersion nozzle, material of lid, method of heating immersion nozzle and lid, heating temperature of immersion nozzle and lid, withdrawal speed, and withdrawal conditions: the present invention described above Same as Example 1,
2) Mold size: width 700 mm x thickness 30 mm x height 200 mm,
3) Lid size: 690 mm in width direction x 20 mm in thickness direction (10 mm smaller than mold inner size),
4) Sealing jig (hot water side): SUS430, thickness 0.5 mm, fixed to lid with spring shape,
5) Sealing jig (bottom end of mold): SUS430, thickness 0.5 mm, fixed to mold in spring shape.
[0035]
The continuous casting test of the present invention was performed by the method shown in FIG. Molten magnesium alloy is supplied to the continuous casting mold through a submerged nozzle. A lid is attached around the immersion nozzle, and a sealing jig 11 is provided between the lid and the mold to prevent intrusion of the atmosphere. A sealing jig 12 is attached to the lower end of the mold to prevent air or water vapor from entering the gap 13 between the mold 3 and the slab 10.
[0036]
In the continuous casting method of Inventive Example 3, when the test result of Comparative Example 1 was set to 1.0 as a reference, the steam generation rate was 0, and there was no evaporation of alloy components from the molten metal surface in the mold. The content of oxygen and hydrogen was about 0.003% by mass in the raw material before melting, but about 0.004% by mass in the slab after casting. A high-quality continuous cast slab having almost no absorption and having no oxide layer formed on the surface of the slab could be produced. In addition, when the test result of Comparative Example 1 was set to 1.0 as a reference, the operation cost was 0.01, which was extremely good.
[Comparative Example 1]
Test condition:
1) Magnesium alloy: Mg-3% Al-1% Zn (melting point 632 ° C)
2) Pouring temperature: 750 ° C,
3) Atmosphere: In air atmosphere,
4) Mold material: SUS430,
5) Mold size (inner dimension): width 700 mm x thickness 30 mm x height 200 mm,
6) Material of immersion nozzle: SUS430,
7) Size of immersion nozzle: outer diameter 20 mm x wall thickness 2 mm
8) Use of lid: none,
9) Heating of immersion nozzle: none,
10) Slab drawing speed: 0.5 m / min,
11) Slab pull-out condition: intermittent type.
The continuous casting test of the comparative example was performed by the method shown in FIG. The entire melt surface in the mold was cast by supplying S 6 gas 71. Due to thermal convection of gas such as magnesium vapor generated near the molten metal surface in the mold, a case where the protective gas did not cover the entire molten metal surface occurred, and a large amount of alloy components evaporated. In addition, oxides were generated in contact with the atmosphere, and were caught in the surface of the continuous cast slab and under the skin under the skin, resulting in defects, and did not become product slabs. In addition, a large amount of oxygen and hydrogen were absorbed in the slab, and the content was 0.05% by mass and 0% by mass, respectively, from 0.003% by mass in the raw material before melting. 0.08% by mass. In addition, since an oxide layer was spotted on the surface of the slab, this removal operation was also performed.
[0037]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the continuous casting method of the magnesium alloy of the present invention, even in the air atmosphere, it is possible to prevent the evaporation of alloy components generated from the magnesium alloy, generate oxides in the molten magnesium alloy, and generate oxygen and hydrogen. Absorption can be prevented, and oxidization of the slab surface can be suppressed, so that a continuous cast slab of a magnesium alloy having excellent surface quality and internal quality can be produced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a continuous casting method according to the present invention in which a surface of a molten metal is covered with a lid.
FIG. 2 is a schematic view showing a continuous casting method according to the present invention in which an inert gas is jetted from a gas jet nozzle directed to a gap between an immersion nozzle and an inner wall of a mold using a wide-area immersion nozzle provided with a heating device. is there.
FIG. 3 is a schematic view showing a continuous casting method according to the present invention for sealing a gap between a cover covering a molten metal surface and a mold inner wall and a gap between a cast piece and a mold inner wall at a lower end of the mold.
FIG. 4 is a schematic view showing a conventional continuous casting method.
[Explanation of symbols]
1: Tundish,
2: immersion nozzle
21: Wide-range immersion nozzle
3: Continuous casting mold,
4: lid,
5: heating device (sheath heater),
6: Thermocouple,
7: Inert gas ejection nozzle,
8: molten magnesium alloy,
9: solidified shell of magnesium alloy,
10: Magnesium alloy slab,
11: a jig for sealing a gap between the lid and the inner wall of the mold;
12: a jig for sealing a gap between the inner wall of the lower end of the mold and the slab;
13: gap.