JP2004000644A - 弾球遊技機の制御装置 - Google Patents

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保谷 誠
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武臣 辰徳
Tetsuya Kato
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Abstract

【課題】データ化け等した制御用データをサブ基板の制御に使用することなく、サブ基板を正常に制御することができる弾球遊技機の制御装置を提供すること。
【解決手段】第1〜第3バッファの各第1データ用エリアの値をそれぞれ比較し、これら3データのうち少なくとも2データが一致する場合に(S71:Yes)、その一致するデータを正規の制御用データの第1データとして確定し、データバッファの第1データ用エリアへ書き込む(S72)。同様にして、正規の制御用データの第2,第3データも確定する(S73〜S76)。これにより、ノイズなどを原因としてデータの送受信の間にデータ化けが生じても、かかるデータ化けしたデータを排除して、制御用データを確定することができる。言い替えれば、データ化けした制御用データを無効にして、効果音基板での誤動作(制御の異常)を防止することができる。
【選択図】    図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ遊技機などに代表される弾球遊技機の制御装置に関し、特に、主基板からサブ基板へ一方向にのみ制御用データを送信し、その制御用データに基づいて各種の制御を行う弾球遊技機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコ遊技機の遊技の制御を行う主基板には、効果音制御や表示制御などを行う複数のサブ基板が接続されている。これらサブ基板の制御は、主基板からサブ基板へ送信される制御用データに基づいて行われるが、この制御用データの送信は、主基板からサブ基板への一方向にのみ行うことが条件となっている。このため、主基板では制御用データがサブ基板によって正常に受信されたか否かを確認することができず、ノイズ等を原因として、送受信されるデータにデータ化け等の問題が生じると、そのデータを受信したサブ基板の制御に異常を来してしまう。そこで、主基板では、送信データが更新されるまでの間、前に送信したデータと同じデータを繰り返しサブ基板へ送信し続けて、1の制御用データにデータ化けが生じてサブ基板の制御に異常を来しても、次に送信される正常な制御用データにより、かかる異常を瞬時に復帰するようにしているのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パチンコ遊技機において、制御用データの送信条件が変更された結果、主基板からサブ基板への制御用データの送信は、主基板の状態が変化する場合にしかできなくなった。即ち、送信データが更新されるまでの間、主基板からサブ基板へ、常時、同じデータを繰り返し送信し続けることができなくなったのである。このため、送受信されるデータにデータ化け等が生じると、サブ基板で次のデータが正常に受信されるまでの間、そのサブ基板の制御の異常を復帰することができないという問題点があった。
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、データ化け等した制御用データをサブ基板の制御に使用することなく、サブ基板を正常に制御することができる弾球遊技機の制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1記載の弾球遊技機の制御装置は、遊技の制御を行う主基板と、その主基板から送信される制御用データを受信し、その受信データに基づいて所定の処理を行うサブ基板と、その制御用データの送信を前記主基板からサブ基板へ一方向にのみ可能とする一方向手段とを備え、更に、前記主基板は、前記制御用データの1回分の送信データを1ブロックとして、その1ブロックの制御用データを複数ブロック送信する送信手段を備えており、前記サブ基板は、その送信手段により送信された複数ブロックの制御用データを受信する受信手段と、その受信手段により受信された複数ブロックの制御用データを各制御用データ毎にそれぞれ比較する比較手段と、その比較手段による比較の結果、各制御用データ毎に、一致する制御用データを正規の制御用データとしてそれぞれ確定する確定手段とを備えている。
【0006】
この請求項1記載の弾球遊技機の制御装置によれば、主基板の送信手段によって、複数ブロックの制御用データが主基板からサブ基板へ、一方向手段を介して一方向に送信される。サブ基板では、主基板から送信された複数ブロックの制御用データが受信手段によって受信され、比較手段によって、各制御用データ毎にそれぞれ比較される。この比較の結果、確定手段によって、一致する制御用データが各制御用データ毎に正規の制御用データとしてそれぞれ確定される。即ち、サブ基板で同一の制御用データが少なくも2以上受信された場合に限り、その制御用データが正規の制御用データとして確定され、サブ基板の処理に使用されるのである。
請求項2記載の弾球遊技機の制御装置は、請求項1記載の弾球遊技機の制御装置において、前記送信手段は、複数ブロックのうち少なくとも1ブロックのデータをビット反転して送信するものであり、前記比較手段はそのビット反転された状態に応じて各制御用データを比較するように構成されている。
請求項3記載の弾球遊技機の制御装置は、請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、前記1ブロックを構成する各制御用データの少なくとも1つが前記確定手段によって確定されない場合には、その制御用データを含む1ブロックのデータをすべて無効とする無効手段を備えている。
請求項4記載の弾球遊技機の制御装置は、請求項1から3のいずれかに記載の弾球遊技機の制御装置において、前記受信手段による前記複数ブロックの制御用データの受信が所定時間内に完了しない場合には、その受信手段によって既に受信されている制御用データに基づいて前記比較手段および確定手段を実行させる制御手段を備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0008】
図1は、パチンコ遊技機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、打球が入賞することにより5個から15個の遊技球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ図柄の変動表示が行われる。
【0009】
LCDディスプレイ3の下方には、図柄作動ゲート(第1種始動口)4が設けられている。打球がこの図柄作動ゲート4を通過すると、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。図柄作動ゲート4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0010】
図2は、パチンコ遊技機の電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ遊技機Pの遊技の制御を行う主基板Cと、その主基板Cから送信される制御用データに基づいて、効果音の出力制御を行う効果音基板Sとの電気的構成を示したブロック図である。なお、効果音基板Sは、パチンコ遊技機Pに複数設けられているサブ基板の1つである。
【0011】
パチンコ遊技機Pの主基板Cは、演算装置であるCPU11と、そのCPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM12と、ワークメモリ等として使用されるRAM13とを備えている。図4に示すフローチャートの処理は、制御プログラムの一部として、ROM12内に記憶されている。
【0012】
RAM13には、送信カウンタ13aと、送信バッファ13bと、効果音データ送信要求フラグ13cと、送信ブロックカウンタ13dとが設けられている。
【0013】
送信カウンタ13aは、主基板Cから効果音基板Sへ送信される制御用データの1ブロック内の数をカウントするカウンタである。制御用データは、図3の説明で後述するようにスタートマーク31及びエンドマーク35を含めた5データを1ブロックとしており、この1ブロックのデータが3回連続して、即ち、3ブロックにして、主基板Cから効果音基板Sへ送信される。よって、送信カウンタ13aの値は、1ブロックの制御用データの送信開始時に「0」クリアされ(S8,S18)、以降は制御用データが1データ送信される度に「1」ずつ加算される(S17)。従って、送信カウンタ13aの値は「0〜5」の範囲で更新される。
【0014】
送信バッファ13bは、主基板Cから効果音基板Sへ送信される制御用データを記憶するバッファである。この送信バッファ13bは3バイトで構成されている。前記したように、制御用データはスタートマーク31及びエンドマーク35を含めた5データを1ブロックとして構成されるが、スタートマーク31及びエンドマーク35は固定値であるので、これらを除いた3つの制御用データだけを記憶するために3バイトで構成されている。3バイトの送信バッファ13bは、それぞれ、制御用データの第1データ32を記憶する第1データ用エリア13b1と、制御用データの第2データ33を記憶する第2データ用エリア13b2と、制御用データの第3データ34を記憶する第3データ用エリア13b3とに区分けされている。
【0015】
効果音データ送信要求フラグ13cは、主基板Cから効果音基板Sへ制御用データの送信要求の有無を確認するためのフラグであり、図4の各処理(S3)において遊技の状態に応じてオンされる。オンされた効果音データ送信要求フラグ13cは、新たな制御用データの送信準備が完了すると(S6〜S8)、オフされる(S9)。なお、効果音データ送信要求フラグ13cがオンされていても、制御用データの送信中である場合には、即ち、後述する送信ブロックカウンタ13dの値が「2」以下である場合には、新たな制御用データの送信準備ができないので(S5:No)、効果音データ送信要求フラグ13cもオンのままとされ、オフされない。
【0016】
送信ブロックカウンタ13dは、主基板Cから効果音基板Sへ送信される制御用データのブロック数をカウントするカウンタである。前記したように、制御用データは、同一ブロックのデータが3回連続して、即ち、3ブロックにして送信される。よって、送信ブロックカウンタ13dの値は、制御用データの送信開始時に「0」クリアされ(S6)、以降は制御用データが1ブロック送信される度に「1」ずつ加算される(S19)。このため、送信ブロックカウンタ13dの値は「0〜3」の範囲で更新される。送信ブロックカウンタ13dの値が「0〜2」である場合には制御用データの送信中を示し、その値が「3」である場合には制御用データの非送信中を示している。なお、送信ブロックカウンタ13dの初期値は、図4の初期化処理(S2)において、非送信中を示す「3」にセットされる。
【0017】
これらCPU11、ROM12、RAM13は、バスライン14を介して互いに接続されている。バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されており、この入出力ポート15は、効果音基板Sのほか、他の入出力装置17にも接続されている。なお、主基板Cと効果音基板Sとの接続は、入力および出力が固定的な2つのバッファ(インバータゲート)16,27を介し行われている。よって、主基板Cと効果音基板Sとの間におけるデータの送受信は、主基板Cから効果音基板Sへの一方向にのみ行われ、効果音基板Sから主基板Cへデータ等の送信を行うことはできない。
【0018】
効果音基板Sは、CPU21と、そのCPU21により効果音基板Sで実行される制御プログラムを記憶したROM22と、ワークメモリ等として使用されるRAM23とを備えており、これらはバスライン24を介して入出力ポート25に接続されている。入出力ポート25には、更に、スピーカ26、バッファ27の出力端およびタイマー28が接続されている。スピーカ26によって、遊技の進行状況に合わせた効果音が出力されると共に、タイマー28によって制御用データの受信間隔が計時される。なお、図5から図7に示すフローチャートの各処理は、ROM22内に記憶されている。
【0019】
効果音基板SのRAM23には、受信カウンタ23aと、受信バッファ23bと、1ブロックデータ受信完了フラグ23cと、受信ブロックカウンタ23dと、第1〜第3バッファ23e〜23gと、データバッファ23hとが設けられている。
【0020】
受信カウンタ23aは、効果音基板Sで受信された制御用データの数をカウントするカウンタである。受信カウンタ23aの値は、制御用データを1データ受信する毎に「1」ずつ加算され(S38)、エンドマーク35を受信すると「0」クリアされる(S39)。前記した通り、制御用データは5データを1ブロックとして主基板Cから効果音基板Sへ送信されので、受信カウンタ23aの値は「0〜4」の範囲で更新される。よって、効果音基板Sでは、受信カウンタ23aの値によって、どの制御用データが受信されたのかを判断している。例えば、受信カウンタ23aの値が「0」であればスタートマーク31の受信と判断し、「1」であれば第1データ32の受信と判断するのである。
【0021】
受信バッファ23bは、効果音基板Sで受信された制御用データを記憶するバッファである。この受信バッファ23bも、送信バッファ13bと同様に、3バイトで構成されている。3バイトの受信バッファ23bは、それぞれ、制御用データの第1データ32を記憶する第1データ用エリア23b1と、制御用データの第2データ33を記憶する第2データ用エリア23b2と、制御用データの第3データ34を記憶する第3データ用エリア23b3とに区分けされている。
【0022】
1ブロックデータ受信完了フラグ23cは、1ブロックの制御用データの受信が完了したか否かを示すフラグである。エンドマーク35を受信して、1ブロックの制御用データの受信が完了した場合にオンされる(S40)。この1ブロックデータ受信完了フラグ23cがオンされると、受信バッファ23bの各データ用エリア23b1〜23b3の値が、対応する第1〜第3バッファ23e〜23gの各データ用エリア23e1〜23g3へ書き込まれる(S55)。かかる書き込み後、1ブロックデータ受信完了フラグ23cはオフされる(S56)。
【0023】
受信ブロックカウンタ23dは、効果音基板Sで受信された制御用データのブロック数をカウントするカウンタである。前記したように、制御用データは、同一ブロックのデータが3回連続して、即ち、3ブロックにして主基板Cから送信される。よって、受信ブロックカウンタ23dの値は、1ブロックのデータ受信が完了する度に(1ブロックデータ受信完了フラグ23cがオンされる度に(S40))「1」ずつ加算される(S57)。加算の結果、受信ブロックカウンタ23dの値は「3」以上になると(S58:Yes)、「0」クリアされる(S59)。なお、後述するように、1ブロックのデータ受信後22msが経過しても、3ブロックのすべてのデータ受信が完了しない場合にも(S51:Yes)、受信ブロックカウンタ23dの値は「0」クリアされる(S59)。
【0024】
第1〜第3バッファ23e〜23gは、受信バッファ23bに記憶された制御用データをブロック毎に記憶するバッファである。1ブロック目の制御用データは第1バッファ23eへ記憶され、2ブロック目の制御用データは第2バッファ23fへ記憶され、3ブロック目の制御用データは第3バッファ23gへ記憶される。この第1〜第3バッファ23e〜23gも、受信バッファ23bと同様に、それぞれ3バイトで構成されている。即ち、第1〜第3バッファ23e〜23gは、それぞれ、制御用データの第1データ32を記憶する第1データ用エリア23e1,23f1,23g1と、制御用データの第2データ33を記憶する第2データ用エリア23e2,23f2,23g2と、制御用データの第3データ34を記憶する第3データ用エリア23e3,23f3,23g3とに区分けされている。
【0025】
データバッファ23hは、第1〜第3バッファ23e〜23gの各データに基づいて確定された正規の制御用データを記憶するバッファである。よって、効果音基板Sでの各種の制御(各処理(S62))は、このデータバッファ23hに記憶される制御用データに基づいて実行される。このデータバッファ23hも、受信バッファ23bと同様に、3バイトで構成されており、それぞれ、制御用データの第1データ32を記憶する第1データ用エリア23h1と、制御用データの第2データ33を記憶する第2データ用エリア23h2と、制御用データの第3データ34を記憶する第3データ用エリア23h3とに区分けされている。データバッファ23hの各データ用エリア23h1〜23h3には、第1〜第3バッファ23e〜23gの各データ用エリア23e1〜23g3の値が各エリア毎にそれぞれ比較された結果、各エリア毎に、2以上の一致するデータが正規の制御用データとして確定されて書き込まれる。
【0026】
図3は、主基板Cから効果音基板Sへ送信される1ブロックの制御用データの構成を模式的に示した図である。この1ブロックの制御用データの同一のものが連続して3ブロック、主基板Cから効果音基板Sへ送信され、効果音基板Sにおいて、その3ブロックのデータに基づき、正規の制御用データが確定されるのである。
【0027】
図3に示すように、制御用データは5データを1ブロックとして構成され、1データにつき5ビットずつ、パラレル方式で主基板Cから効果音基板Sへ送信される。1ブロックの制御用データの先頭(1データ目)はスタートマーク31とされ、順に、第1データ32、第2データ33、第3データ34とされて、最後(5データ目)はエンドマーク35とされている。
【0028】
制御用データの最上位ビットであるD4ビットは、スタートマーク31及びエンドマーク35と、第1〜第3データ32〜34とを区別するためのビットである。D4ビットは、スタートマーク31及びエンドマーク35ではセット(「1」)され、第1〜第3データ32〜34ではリセット(「0」)されている。スタートマーク31は、このD4ビットも含めて、実際に送信される5ビットのデータが1ビット置きにセット及びリセットされた15h(10101B)の固定値とされている。一方、エンドマーク35は、D4ビットをセット(「1」)し、D4ビット以外のD3〜D0ビットの4ビットがスタートマーク31に対して反転したデータ、即ち、1Ah(11010B)の固定値とされている。
【0029】
本実施例のパチンコ遊技機Pでは、主基板Cから効果音基板Sへ制御用データを送信する信号線の基板上又はケーブル上の配列は、D4〜D0のビットの配列と同様になっている。よって、各信号線に断線や短絡がある場合には、効果音基板Sで、スタートマーク31又はエンドマーク35を正常に受信することができない。言い替えれば、これらのスタートマーク31およびエンドマーク35を用いることにより、各信号線に断線や短絡がある場合には、主基板Cから効果音基板Sへの制御用データの送信を無効にすることができるのである。
【0030】
例えば、信号線D0が断線している場合には、D0ビットが「1」又は「0」のままとなるので、主基板Cからスタートマーク31として送信された15h(10101B)は効果音基板Sによって14h(10100B)として受信されるか、或いは、主基板Cからエンドマーク35として送信された1Ah(11010B)は効果音基板Sによって1Bh(11011B)として受信される。よって、かかる場合には、スタートマーク31及びエンドマーク35を正常に受信することができないので、効果音基板Sにおいて受信した制御用データが無効となるのである。
【0031】
また、例えば隣り合う信号線のD0とD1とが短絡していれば、主基板Cからスタートマーク31として送信された15h(10101B)は、信号線D0とD1との短絡により「0」であるべきD1ビットがD0ビットによって「1」となってしまうため、効果音基板Sによって17h(10111B)として受信される。よって、この場合にも、スタートマーク31を正常に受信することができないので、効果音基板Sにおいて受信した制御用データが無効となるのである。
【0032】
なお、制御用データを送信するための主基板Cと効果音基板Sとを接続する基板上又はケーブル上の信号線の配列がD4〜D0のビットの配列と異なる場合には、スタートマーク31は、基板上又はケーブル上の信号線の配列に基づいて1ビット置きにセット及びリセットされたデータとして構成され、エンドマーク35は、D4ビットを「1」とし、D4ビット以外のD3〜D0ビットがスタートマーク31に対してビット反転されたデータとして構成されるのである。
【0033】
次に、図4から図7のフローチャートを参照して、制御用データの送信及び受信処理等について説明する。なお、前記した通り、主基板Cと効果音基板Sとは入力および出力が固定的な2つのバッファ(インバータゲート)16,27を介して接続されているので、制御用データは主基板Cから効果音基板Sへの一方向にのみ送信される。よって、主基板Cでは送信処理が行われ、効果音基板Sでは受信処理が行われる。
【0034】
図4は、主基板Cで2ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。リセット割込処理では、まず、その処理が電源投入後、最初に実行された処理であるか否かを調べ(S1)、最初に実行された処理であれば(S1:Yes)、RAM13の初期化を含む初期化処理を実行する(S2)。S2の処理の実行後、又は、S1の処理において電源投入後2回目以降に実行されたリセット割込処理であると判断された場合には(S1:No)、遊技の状態に応じた各処理を実行する(S3)。
【0035】
各処理の実行後、S4からS9の処理により、新たな制御用データの送信準備が行われる。まず、制御用データの送信要求の有無を効果音データ送信要求フラグ13cのオンオフにより確認する(S4)。効果音データ送信要求フラグ13cがオンされていれば(S4:Yes)、制御用データの送信要求が有るので、現在、前の制御用データの送信中であるか否かを送信ブロックカウンタ13dの値によって確認する(S5)。送信ブロックカウンタ13dの値が「3」以上であれば(S5:Yes)、前の制御用データは3ブロックすべて送信済みであり、送信中ではない。よって、この場合には、送信ブロックカウンタ13dの値を「0」クリアし(S6)、送信バッファ13bのデータを新たに送信される制御用データに更新して(S7)、送信カウンタ13aの値を「0」クリアし(S8)、更に、効果音データ送信要求フラグ13cをオフして(S9)、新たな制御用データの送信準備を完了する。
【0036】
なお、S4の処理において効果音データ送信要求フラグ13cがオフされている場合には(S4:No)、新たな制御用データの送信準備は不要である。また、効果音データ送信要求フラグ13cがオンされていても、送信ブロックカウンタ13dの値が「2」以下である場合には(S4:Yes,S5:No)、前の制御用データの送信中であり、新たな制御用データの送信準備をすることができない。よって、これらの場合には、S6〜S9の各処理をスキップして、S10の処理へ移行する。
【0037】
S10以降の処理では制御用データの送信が行われる。1回のリセット割込処理で1つの制御用データが送信されるので、5データで構成される1ブロックの制御用データを送信するためには10ms必要となる。従って、3ブロックすべての制御用データを送信するためには30ms必要となる。
【0038】
S10の処理では、送信ブロックカウンタ13dの値が「3」以上であるか否かを判断する(S10)。送信ブロックカウンタ13dの値が「3」以上であれば(S10:Yes)、制御用データは3ブロック分すべて効果音基板Sへ送信済みであるので、そのまま、今回のリセット割込処理を終了する。一方、送信ブロックカウンタ13dの値が「2」以下であれば(S10:No)、制御用データの送信開始または送信中である。よって、この場合には、処理をS11へ移行して、送信カウンタ13aの値に対応した制御用データを効果音基板Sへ送信するのである。
【0039】
S11の処理において、送信カウンタ13aの値が「4」以下である場合に(S11:No)、送信カウンタ13aの値が「0」であれば(S12:Yes)、スタートマーク31を送信する(S13)。また、送信カウンタ13aの値が「0」でなく(S12:No)、「4」であれば(S14:Yes)、効果音基板Sへエンドマーク35を送信する(S15)。
【0040】
更に、送信カウンタ13aの値が「0」でも「4」でもなく、「1〜3」のいずれかであれば(S14:No)、その送信カウンタ13aの値に対応した送信バッファ13bのデータを効果音基板Sへ送信する(S16)。即ち、送信カウンタ13aの値が「1」であれば、送信バッファ13bの第1データ用エリア13b1のデータを、送信カウンタ13aの値が「2」であれば、第2データ用エリア13b2のデータを、送信カウンタ13aの値が「3」であれば、第3データ用エリア13b3のデータを、効果音基板Sへ送信する。各制御用データの送信後は(S13,S15,S16)、送信カウンタ13aの値を「1」加算して(S17)、今回のリセット割込処理を終了する。
【0041】
一方、S11の処理において、送信カウンタ13aの値が「5」以上であれば(S11:Yes)、1つのブロックの制御用データがすべて送信されたということである。よって、この場合には、送信カウンタ13aの値を「0」クリアして(S18)、送信ブロックカウンタ13dの値を「1」加算する(S19)。加算後の送信ブロックカウンタ13dの値が「2」以下であれば(S20:No)、未だ3ブロックすべての制御用データの送信は完了していないので、処理をS12へ移行して、前記した制御用データの送信処理(S12〜S17)を、複数回のリセット割込処理に分けて繰り返し実行する。
【0042】
一方、加算後の送信ブロックカウンタ13dの値が「3」以上であれば(S20:Yes)、3ブロックすべての制御用データの送信が完了したことになるので、この場合には、そのまま今回のリセット割込処理を終了する。これにより、各処理(S3)でセットされた制御用データの3ブロック分の送信が完了するのである。
【0043】
図5は、効果音基板Sで実行されるデータ受信処理のフローチャートである。データ受信処理は、効果音基板Sでデータを受信する度に実行される割込処理である。主基板Cから送信された制御用データは、このデータ受信処理によって効果音基板Sで受信され、スタートマーク31及びエンドマーク35を除く第1〜第3データ32〜34が、それぞれ受信バッファ23bの各データ用エリア23b1〜23b3へ書き込まれる。
【0044】
データ受信処理では、まず、1データを受信すると、その受信したデータの上位3ビットをマスクして、下位5ビットのみを取り出す(S31)。受信カウンタ23aの値が「0」であれば(S32:Yes)、受信したデータがスタートマーク31であるか否かを判断する(S33)。受信したデータがスタートマーク31であれば(S33:Yes)、受信カウンタ23aの値を「1」加算して(S38)、このデータ受信処理を終了する。一方、受信カウンタ23aの値が「0」である場合に(S32:Yes)、受信したデータがスタートマーク31でなければ(S33:No)、信号線の断線や短絡などの何らかのトラブルが発生している。よって、かかる場合には、受信カウンタ23aの値を更新することなく、このデータ受信処理を終了する。
【0045】
S32の処理において、受信カウンタ23aの値が「0」でなく、「4」であれば(S32:No,S34:Yes)、受信したデータがエンドマーク35であるか否かを判断する(S35)。受信したデータがエンドマーク35であれば(S35:Yes)、1ブロック分の制御用データの受信が完了したということであるので、受信カウンタ23aの値を「0」クリアし(S39)、1ブロックデータ受信完了フラグ23cをオンして(S40)、このデータ受信処理を終了する。一方、受信カウンタ23aの値が「4」である場合に(S34:Yes)、受信したデータがエンドマーク35でなければ(S35:No)、この場合にも、信号線の断線や短絡などの何らかのトラブルが発生している。よって、かかる場合には、受信カウンタ23aの値を更新することなく、このデータ受信処理を終了する。
【0046】
更に、受信カウンタ23aの値が「0」でも、「4」でもなければ(S32:No,S34:No)、受信したデータは第1〜第3データ32〜34のいずれかである。これらのデータはすべてD4ビット(図3参照)がリセットされているので、正常に受信された場合には0Fh以下となっている。よって、受信したデータが0Fh以下であれば(S36:Yes)、制御用データは正常に受信されているので、そのデータを受信カウンタ23aの値に対応する受信バッファ23bへ書き込み(S37)、受信カウンタ23aの値を「1」加算して(S38)、このデータ受信処理を終了する。なお、受信されたデータは、受信カウンタ23aの値が「1」であれば受信バッファ23bの第1データ用エリア23b1へ、受信カウンタ23aの値が「2」であれば第2データ用エリア23b2へ、受信カウンタ23aの値が「3」であれば第3データ用エリア23b3へ、書き込まれる。一方、S36の処理において、受信したデータが10h以上であれば(S36:No)、何らかのトラブルが発生しているので、かかる場合には、受信カウンタ23aの値を更新することなく、このデータ受信処理を終了する。
【0047】
このように図5のデータ受信処理によって、主基板Cから送信され効果音基板Sで受信された制御用データが、受信バッファ23bの各データ用エリア23b1〜23b3に記憶されるのである。
【0048】
図6は、効果音基板Sで実行されるメイン処理のフローチャートである。このメイン処理は、図5のデータ受信処理によって受信バッファ23bに記憶された制御用データを、ブロック毎に第1〜第3バッファ23e〜23gへ書き込むと共に、図7の受信データ確定処理(S61)を実行して、その第1〜第3バッファ23e〜23gへ書き込まれたデータに基づいて正規の制御用データを確定し、効果音基板Sでの各処理(S62)を実行するものである。
【0049】
メイン処理では、まず、タイマー28の値が22msを経過しているか否かを確認する(S51)。後述するように、タイマー28は、1ブロック目の制御用データの受信が完了した場合にスタートし(S54)、3ブロックすべての制御用データを受信するとストップする(S60)。制御用データは、主基板Cから2ms毎に実行されるリセット割込処理によって3ブロック連続して送信されるので、何ら異常が発生しなければ、1ブロック目の制御用データの受信完了後、20msで3ブロックすべての制御用データの受信が完了する。よって、リセット割込処理の1回分のマージンを加味した22ms経過しても、3ブロックすべての制御用データの受信が完了しない場合には、何らかの異常が発生しているので、かかる判断を行うために、処理S51においてタイマー28の値を確認している。
【0050】
このためタイマー28の値が22msを経過していなければ(S51:No)、制御用データの受信に異常は来していない。よって、この場合には、1ブロックデータ受信完了フラグ23cがオンしているか否かを確認し(S52)、オンしていれば(S52:Yes)、受信ブロックカウンタ23dの値が「0」であるか否かを判断する(S53)。1ブロックデータ受信完了フラグ23cがオンしており、受信ブロックカウンタ23dの値が「0」であれば(S52:Yes,S53:Yes)、1ブロック目の制御用データの受信が完了したということである。よって、この場合には、タイマー28の値を「0」クリアして、スタートさせ(S54)、処理をS55へ移行する。
【0051】
一方、1ブロックデータ受信完了フラグ23cがオンしていても、受信ブロックカウンタ23dの値が「0」でなければ(S52:Yes,S53:No)、2ブロック目或いは3ブロック目の制御用データの受信が完了したということである。よって、この場合は、タイマー28を操作することなく、処理をS55へ移行する。
【0052】
S55の処理では、受信バッファ23bの各データ用エリア23b1〜23b3の値が、受信ブロックカウンタ23dの値で示される第1〜第3バッファ23e〜23gの各データ用エリア23e1〜23g3へ書き込まれる(S55)。具体的には、受信ブロックカウンタ23dの値が「0」であれば第1バッファ23eの、「1」であれば第2バッファ23fの、「3」であれば第3バッファ23gの、各データ用エリア23e1〜23g3へ、受信バッファ23bの各データ用エリア23b1〜23b3の値が書き込まれる。
【0053】
各データ用エリア23e1〜23g3への書き込み後(S55)、1ブロックデータ受信完了フラグ23cをオフし(S56)、受信ブロックカウンタ23dの値を「1」加算する(S57)。加算後の受信ブロックカウンタ23dの値が「2」以下であれば(S58:No)、未だ3ブロックすべての制御用データの受信は完了していないので、S59からS61の各処理をスキップして、処理をS62へ移行する。
【0054】
一方、加算後の受信ブロックカウンタ23dの値が「3」以上であれば(S58:Yes)、3ブロックすべての制御用データの受信が完了したので、受信ブロックカウンタ23dの値を「0」クリアし(S59)、タイマー28をストップして「0」クリアした後に(S60)、図7の受信データ確定処理を実行する(S61)。後述するように、この受信データ確定処理(S61)によって、S55の処理で書き込まれた第1〜第3バッファ23e〜23gのデータに基づいて正規の制御用データが確定され、その正規の制御用データが効果音基板Sの各処理(S62)で使用されるのである。
【0055】
S51の処理において、タイマー28の値が22msを経過していれば(S51:Yes)、制御用データの受信に何らかの異常を来している。よって、かかる場合には、3ブロックすべての制御用データを受信できていなくても、処理をS59へ移行して、受信ブロックカウンタ23dの値を「0」クリアし(S59)、タイマー28をストップして「0」クリアした後に(S60)、図7の受信データ確定処理を実行する(S61)。また、S52の処理において、1ブロックデータ受信完了フラグ23cがオフされていれば(S52:No)、1ブロックの制御用データの受信完了時期ではないので、この場合には、処理をS62へ移行して各処理を実行する。
【0056】
図7は、受信データ確定処理のフローチャートである。この受信データ確定処理(S61)は、第1〜第3バッファ23e〜23gの各データ用エリア23e1〜23g3へ書き込まれたデータに基づいて、正規の制御用データを確定するための処理であり、効果音基板Sで実行される。
【0057】
受信データ確定処理では、まず、第1〜第3バッファ23e〜23gの各第1データ用エリア23e1〜23g1の値をそれぞれ比較し、これら3データのうち少なくとも2データが一致するか否かを調べる(S71)。少なくとも2データが一致する場合には(S71:Yes)、その一致するデータを正規の制御用データの第1データ32として確定し、データバッファ23hの第1データ用エリア23h1へ書き込む(S72)。このように、3データのうち少なくとも2データが一致するデータを正規の制御用データとして確定するので、ノイズなどを原因として、データの送受信の間にデータ化けが生じても、かかるデータ化けしたデータを排除して、制御用データを確定することができるのである。ノイズなどによって全く同じデータにデータ化けすることは、極めて希だからである。
【0058】
次に、第1〜第3バッファ23e〜23gの各第2データ用エリア23e2〜23g2の値をそれぞれ比較し、これら3データのうち少なくとも2データが一致するか否かを調べる(S73)。少なくとも2データが一致する場合には(S73:Yes)、その一致するデータを正規の制御用データの第2データ33として確定し、データバッファ23hの第2データ用エリア23h2へ書き込む(S74)。更に、第1〜第3バッファ23e〜23gの各第3データ用エリア23e3〜23g3の値をそれぞれ比較し、これら3データのうち少なくとも2データが一致するか否かを調べる(S75)。少なくとも2データが一致する場合には(S75:Yes)、その一致するデータを正規の制御用データの第3データ34として確定し、データバッファ23hの第3データ用エリア23h3へ書き込むのである(S76)。
【0059】
その後、第1〜第3バッファ23e〜23gの各データ用エリア23e1〜23g3の値をすべて「0」クリアして(S78)、この受信データ確定処理を終了する。図6のS51の処理において、タイマー28の値が22msを経過している場合には(S51:Yes)、第2、第3バッファ23f,23gの各データ用エリア23f1〜23g3の値が書き替えられていなくても、この受信データ確定処理が実行される。第2、第3バッファ23f,23gの各データ用エリア23f1〜23g3に前回の値が残っていると、受信データ確定処理において、制御用データを誤ったデータに確定してしまう。よって、このS78の処理では、第1〜第3バッファ23e〜23gの各データ用エリア23e1〜23g3の値をすべて「0」クリアしている。
【0060】
一方、S71,S73,S75のいずれかの処理において、第1〜第3バッファ23e〜23gの比較対象の3データがすべて不一致である場合には(S71:No,S73:No,S75:No)、データバッファ23hの各データ用エリア23h1〜23h3の値をすべて「0」クリアする(S77)。これにより、一旦、正規の制御用データとして確定したものも含めて、その1群の制御用データを無効として破棄するのである。第1〜第3バッファ23e〜23gの比較対象の3データがすべて不一致である場合には、ノイズなどを原因としてデータ化けが生じている。よって、かかるデータ化けした制御用データを無効にして、効果音基板Sでの誤動作(制御の異常)を防止するのである。
【0061】
なお、本実施例において、制御用データの値の「0」は、無効コードとされている。よって、S77の処理によって、データバッファ23hの値が「0」クリアされた場合や、S78の処理によって、第1〜第3バッファ23e〜23gの各値が「0」クリアされた結果、データバッファ23hの値が「0」になった場合には、そのデータバッファ23hの値は、図6の各処理(S62)において、無効とされるので、かかる場合にも、効果音基板Sで誤動作(制御の異常)を起こすことはない。
【0062】
データバッファ23hの値をすべて「0」クリアした後は(S77)、第1〜第3バッファ23e〜23gの各データ用エリア23e1〜23g3の値をすべて「0」クリアして(S78)、この受信データ確定処理を終了する。
【0063】
以上説明したように本実施例では、効果音基板Sにおいて、主基板Cから送信された同一の3ブロックの制御用データを各データ毎に3データずつそれぞれ比較し、一致するデータが2以上あった場合にのみ、そのデータを正規の制御用データとして確定して、効果音基板Sの各処理(S62)に使用している。よって、ノイズなどを原因としてデータ化けした制御用データは、正規の制御用データとしては確定されず排除される(無効とされる)。従って、主基板Cから効果音基板Sへの一方向にのみ送信する条件下においても、データ化けした制御用データを効果音基板Sの制御に使用することなく、効果音基板Sを正常に動作させることができるのである。
【0064】
なお、請求項1記載の送信手段としては図4のS4〜S20の各処理が該当し、受信手段としては図5のデータ受信処理が該当し、比較手段としては図7のS71,S73,S75の各処理がそれぞれ該当し、確定手段としては図7のS72,S74,S76の各処理がそれぞれ該当する。
【0065】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0066】
例えば、本実施例では、サブ基板の1つとして、効果音基板Sを用いて説明したが、他のサブ基板とのデータの送受信及びデータの確定処理に本発明を適用することは当然に可能である。例えば、液晶表示装置(LCD)の表示制御などを行う表示用基板と主基板Cとの間に、本発明を適用するようにしても良い。また、本発明を、第1種パチンコ遊技機P以外の第3種パチンコ遊技機や、他の遊技機に適用することも当然に可能である。
【0067】
制御用データの送信ブロック数は、3ブロックに限られるものではなく、2ブロックや4ブロック以上にしても良い。また、複数ブロック送信する制御用データのうちの1ブロック乃至数ブロックのデータをビット反転して送信するようにしても良い。この場合には、受信側の効果音基板(サブ基板)Sで、ビット反転されたデータを反転し直しデータの一致不一致を判断したり、或いは、ビット反転したまま、反転されていないデータと排他的論理和をとってデータの一致不一致を判断するのである。更に、送信される制御用データは、必ずしも複数データで1ブロックを構成する必要はなく、1データで1ブロックを構成するものであっても良い。
【0068】
本発明の変形例を以下に示す。請求項1記載の弾球遊技機の制御装置において、前記送信手段は、複数ブロックのうち少なくとも1ブロックのデータをビット反転して送信するものであり、前記比較手段はそのビット反転された状態に応じて各制御用データを比較することを特徴とする弾球遊技機の制御装置1。例えば、比較手段は、ビット反転されたデータをビット反転し直して制御用データの比較を行ったり、或いは、ビット反転されたデータとビット反転されていない制御用データとの排他的論理和をとって制御用データの比較を行うのである。なお、排他的論理和をとった場合、その結果が「0」であれば制御用データは一致している。
【0069】
請求項1記載の弾球遊技機の制御装置において、又は、弾球遊技機の制御装置1において、前記1ブロックを構成する各制御用データの少なくとも1つが前記確定手段によって確定されない場合には、その制御用データを含む1ブロックのデータをすべて無効とする無効手段を備えていることを特徴とする弾球遊技機の制御装置2。
【0070】
請求項1記載の弾球遊技機の制御装置において、又は、弾球遊技機の制御装置1,2において、前記受信手段による前記複数ブロックの制御用データの受信が所定時間内に完了しない場合には、その受信手段によって既に受信されている制御用データに基づいて前記比較手段および確定手段を実行させる制御手段を備えていることを特徴とする弾球遊技機の制御装置3。所定時間の計時は、受信手段による1の制御用データの受信、或いは、1ブロックの制御用データの受信完了などを契機として開始される。よって、何らかのトラブルにより、複数ブロックの制御用データの受信を完了することができなくても、サブ基板における制御を進行することができる。
【0071】
【発明の効果】請求項1から3のいずれかに記載の弾球遊技機の制御装置によれば、サブ基板において、複数ブロックの制御用データが各制御用データ毎にそれぞれ比較され、一致する制御用データが正規の制御用データとして各制御用データ毎にそれぞれ確定される。即ち、サブ基板で同一の制御用データが少なくも2以上受信された場合に限り、その制御用データを正規の制御用データとして確定し、サブ基板の処理に使用している。
【0072】
制御用データは、主基板から同一のデータが複数送信されるので、送受信の際にデータ化けしなければ、他の制御用データと一致するはずである。よって、他の制御用データと一致しない制御用データはデータ化けしたものとして、正規の制御用データとしては扱わず、無効とし破棄している。従って、ノイズ等を原因として、1の制御用データにデータ化けが生じても、そのデータ化けした制御用データをサブ基板の制御に使用することなく、サブ基板を正常に制御することができるという効果がある。
請求項4記載の弾球遊技機の制御装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の弾球遊技機の制御装置の奏する効果に加え、所定時間の計時は、受信手段による1の制御用データの受信、或いは、1ブロックの制御用データの受信完了などを契機として開始される。よって、何らかのトラブルにより、複数ブロックの制御用データの受信を完了することができなくても、サブ基板における制御を進行することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】主基板と効果音基板との電気的構成を示したブロック図である。
【図3】制御用データの構成を模式的に示した図である。
【図4】主基板で実行されるリセット割込処理のフローチャートである。
【図5】効果音基板で実行されるデータ受信処理のフローチャートである。
【図6】効果音基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図7】効果音基板で実行される受信データ確定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
16,27 バッファ(一方向手段)
31    スタートマーク(制御用データの一部)
32    第1データ(制御用データの一部)
33    第2データ(制御用データの一部)
34    第3データ(制御用データの一部)
35    エンドマーク(制御用データの一部)
C     主基板
P     パチンコ遊技機(弾球遊技機)
S     効果音基板(サブ基板)

Claims (4)

  1. 遊技の制御を行う主基板と、その主基板から送信される制御用データを受信し、その受信データに基づいて所定の処理を行うサブ基板と、その制御用データの送信を前記主基板からサブ基板へ一方向にのみ可能とする一方向手段とを備えた弾球遊技機の制御装置において、
    前記主基板は、前記制御用データの1回分の送信データを1ブロックとして、その1ブロックの制御用データを複数ブロック送信する送信手段を備えており、
    前記サブ基板は、その送信手段により送信された複数ブロックの制御用データを受信する受信手段と、その受信手段により受信された複数ブロックの制御用データを各制御用データ毎にそれぞれ比較する比較手段と、その比較手段による比較の結果、各制御用データ毎に、一致する制御用データを正規の制御用データとしてそれぞれ確定する確定手段とを備えていることを特徴とする弾球遊技機の制御装置。
  2. 前記送信手段は、複数ブロックのうち少なくとも1ブロックのデータをビット反転して送信するものであり、前記比較手段はそのビット反転された状態に応じて各制御用データを比較することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機の制御装置。
  3. 前記1ブロックを構成する各制御用データの少なくとも1つが前記確定手段によって確定されない場合には、その制御用データを含む1ブロックのデータをすべて無効とする無効手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機の制御装置。
  4. 前記受信手段による前記複数ブロックの制御用データの受信が所定時間内に完了しない場合には、その受信手段によって既に受信されている制御用データに基づいて前記比較手段および確定手段を実行させる制御手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弾球遊技機の制御装置。
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