JP2003534811A - 凍結乾燥可能であり増強された圧縮型核酸 - Google Patents

凍結乾燥可能であり増強された圧縮型核酸

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Abstract

(57)【要約】 核酸を十分に圧縮するために使用されるポリカチオンの対イオンは形成される粒子の形状および安定性に影響を与える。形状は示差的な血清ヌクレアーゼ抵抗性およびコロイド安定性に関係する。測定が容易であるこのような特性を測定する別法は濁度パラメーターである。形状は、種々の経路によって哺乳類の生体内に細胞をトランスフェクトするための圧縮された核酸複合体の好適性および有効性にも影響を与える。さらに、アセテートなどの対イオンは、圧縮された核酸複合体を凍結乾燥の有害な影響から保護することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本願は、それらの開示内容が明確に本明細書に組み入れられている、2001年5
月1日出願の米国特許出願第60/287,419号および2000年5月31日出願の同第60/207
,949号の利益を主張する。
【0002】背景技術 肝臓、肺および他の組織の全身遺伝子治療の前臨床モデルの有望さにもかかわ
らず、現在遺伝子治療製品は販売されていない。ヒト遺伝子治療のほとんどの臨
床試験が代謝疾患および癌を治療できないのは、ウィルスおよび非ウィルス遺伝
子移入法の効率の悪さに帰している。ウィルスベクターは、組織培養中の細胞に
効率的に感染することができるので、ほとんどの遺伝子治療の検討に使用されて
いる。しかし、インビボにおいて細胞を変換するためには、大量のペイロードの
粒子を静脈内注射で適用する必要があり、組換えアデノウィルスの門脈注射によ
り生じる最近の致命的な毒性[2]を含むウィルスベクターの毒性が証明されてい
る[1]。一方、非ウィルス系は、一般に、安全であると思われるが、効率が悪い
。非ウィルス系は、遺伝子移入効率が改善されると、インビボ適用に好まれるベ
クターになるという意見が大きくなっている。
【0003】 i)血液および間質組織での粒子の安定性、ii)遺伝子移入粒子が毛細血管を出
て、実質細胞に移動する能力、iii)受容体媒介性エンドサイトーシスまたは細胞
融合による細胞流入、iv)エンドソームおよびリソソーム区分での安定性および
そこからの逸脱、v)細胞質における拡散速度、vi)核孔通過、およびvii)核内で
の生物機能を可能にするDNAの「アンコーティング」を含む、いくつかの障害が
非ウィルス遺伝子移入法を制限している。例えば、数多くの文献が、おそらく、
非分裂細胞の無傷の核膜は、裸のDNAが25 nmの核孔を通って核に流入するのを制
限しているので[12-13]、非ウィルス法は分裂終了後の増殖停止細胞をトランス
フェクトすることができないことを証明している[3-11]。
【0004】 従って、動物および人間の遺伝子を送達する改善された製剤および方法の必要
性が当技術分野において絶え間なく存在している。さらに、生物活性を保存し、
維持することが安定な製剤の必要性が当技術分野において存在している。
【0005】発明の開示 本発明のこれらの目的および他の目的は、以下に開示する態様の1つまたはそ
れ以上によって提供されている。本発明の一態様において、圧縮された核酸調製
物のコロイド安定性を評価する方法が提供されている。圧縮された核酸溶液の濁
度パラメーターを測定する。濁度パラメーターは、光線のみかけの吸光度の対数
値を光線の入射波長の対数値に対してプロットすることによって得られる直線の
傾斜と定義されている。使用される波長は約330 nm〜420 nmである。-3未満の濁
度パラメーターが測定される場合には、調製物はコロイド的に安定であると同定
される。-3を超えるまたは-3の濁度パラメーターが測定される場合には、調製物
はコロイド的に不安定であると同定される。
【0006】 本発明の別の局面により、非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物が提供され
る。各複合体は、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン
分子とからなる。ポリカチオン分子は、アセテート、炭酸水素塩および塩化物か
らなる群より選択される対イオンを有する。複合体は、(a)該1つの核酸分子と、
凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカ
チオン分子との複合体の理論上の直径の2倍未満、または(b)どちらが大きくても
、30 nm未満の直径に圧縮される。選択的に、非凝集核酸複合体の1つまたはそれ
以上のポリカチオン分子はCK15-60P10であり、アセテートが対イオンとして使用
される。CK15-60P10はN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミノ
酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシステ
イン残基に結合している。
【0007】 本発明の別の局面により、非凝集核酸複合体を含む組成物を調製する方法が提
供される。各複合体は、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカ
チオン分子とからなる。ポリカチオン分子は、アセテート、炭酸水素塩および塩
化物からなる群より選択される対イオンを有する。複合体は、(a)該1つの核酸分
子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の
ポリカチオン分子との複合体の理論上の直径の2倍未満、または(b)どちらが大き
くても、30 nm未満の直径に圧縮される。核酸は、複合体の圧縮に十分な塩濃度
において、対イオンとしてアセテート、炭酸水素塩または塩化物を有するポリカ
チオンと混合される。選択的に、非凝集核酸複合体の1つまたはそれ以上のポリ
カチオン分子はCK15-60P10であり、アセテートが対イオンとして使用される。CK
15-60P10はN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミノ酸ポリマー
であり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシステイン残基に
結合している。
【0008】 本発明の別の態様は、非凝集核酸複合体を含む組成物を調製する方法として提
供される。各複合体は、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカ
チオン分子とからなる。該1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1
:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最
小直径の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に複合体を圧縮
するのに十分な塩濃度において核酸分子をポリカチオン分子と混合する。非凝集
核酸複合体が形成される。選択的に、非凝集核酸複合体の1つまたはそれ以上の
ポリカチオン分子はCK15-60P10であり、アセテートが対イオンとして使用される
。CK15-60P10はN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミノ酸ポリ
マーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシステイン残
基に結合している。
【0009】 非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物も本発明によって提供される。各複合
体は、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子とから
なる。ポリカチオン分子は、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からなる群よ
り選択される対イオンを有する。核酸分子は少なくとも1つの機能的タンパク質
をコードする。該複合体は、該1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において
、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論
上の最小直径の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に圧縮さ
れる。選択的に、非凝集核酸複合体の1つまたはそれ以上のポリカチオン分子はC
K15-60P10であり、アセテートが対イオンとして使用される。CK15-60P10はN末端
システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミノ酸ポリマーであり、平均分
子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシステイン残基に結合している。
【0010】 非凝集核酸複合体を含む別の非天然型組成物も提供される。各複合体は、本質
的に、1つの2本鎖cDNA分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子とからなる
。該ポリカチオン分子は、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からなる群より
選択される対イオンを有する。cDNA分子は少なくとも1つの機能的タンパク質を
コードする。該複合体は、該1つのcDNA分子と、凝縮された球形形状において、
約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上
の最小直径の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に圧縮され
る。核酸複合体は、選択的に、脂質と結合する。選択的に、非凝集核酸複合体の
1つまたはそれ以上のポリカチオン分子はCK15-60P10であり、アセテートが対イ
オンとして使用される。CK15-60P10はN末端システイン1つと15〜60個のリジン残
基のポリアミノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコー
ル分子がシステイン残基に結合している。
【0011】 非凝集核酸複合体を含む別の非天然型組成物が本発明によって提供される。各
複合体は、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子と
からなる。該ポリカチオン分子は、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からな
る群より選択される対イオンを有する。核酸分子は少なくとも1つのアンチセン
ス核酸をコードする。該複合体は、該1つの核酸分子と、凝縮された球形形状に
おいて、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体
の理論上の最小直径の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に
圧縮される。選択的に、非凝集核酸複合体の1つまたはそれ以上のポリカチオン
分子はCK15-60P10であり、アセテートが対イオンとして使用される。CK15-60P10
はN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミノ酸ポリマーであり、
平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシステイン残基に結合して
いる。
【0012】 本発明の別の局面により、非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物が提供され
る。各複合体は、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン
分子とからなる。ポリカチオン分子は、アセテート、炭酸水素塩および塩化物か
らなる群より選択される対イオンを有する。核酸分子はRNA分子である。複合体
は、該1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供す
るのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未満、
またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に圧縮される。選択的に、非凝集
核酸複合体の1つまたはそれ以上のポリカチオン分子はCK15-60P10であり、アセ
テートが対イオンとして使用される。CK15-60P10はN末端システイン1つと15〜60
個のリジン残基のポリアミノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチ
レングリコール分子がシステイン残基に結合している。
【0013】 本明細書において提供される本発明の別の局面は、非凝集核酸複合体を含む組
成物を調製する方法である。各複合体は、本質的に、1つの核酸分子と1つまたは
それ以上のポリカチオン分子とからなる。溶媒中で核酸分子とポリカチオン分子
を混合して複合体を形成する。混合する段階が添加塩が存在しない場合に実施さ
れ、混合する段階によって核酸は、凝集物を形成することなく、ポリカチオン分
子との可溶性複合体を形成する。各複合体は、本質的に、1つの核酸分子と1つま
たはそれ以上のポリカチオン分子とからなる。複合体は、1つの核酸分子と、凝
縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチ
オン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未満、またはどちらが大きくても
、30 nm未満の直径を有する。ポリカチオンはアセテート、炭酸水素塩または塩
化物を対イオンとして有する。選択的に、非凝集核酸複合体の1つまたはそれ以
上のポリカチオン分子はCK15-60P10であり、アセテートが対イオンとして使用さ
れる。CK15-60P10はN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミノ酸
ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシステイ
ン残基に結合している。
【0014】 最後に、本発明は、被験者の疾患または他の臨床状態を予防または治療する方
法を提供する。予防的または治療的に有効な量の組成物を筋肉内投与または肺に
投与する。組成物は以下を含む:各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つま
たはそれ以上のポリカチオン分子とからなり、該ポリカチオン分子が対イオンと
してアセテート、塩化物または炭酸水素塩を有し、該複合体が、(a)該1つの核酸
分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数
のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未満、または(b)どちら
が大きくても、30 nm未満の直径に圧縮される非凝集核酸複合体。核酸は、該被
験者の標的細胞内への組み込み、ハイブリダイゼーションまたは標的細胞内での
発現が疾患または他の臨床状態を予防または治療するものである。選択的に、非
凝集核酸複合体の1つまたはそれ以上のポリカチオン分子はCK15-60P10であり、
アセテートが対イオンとして使用される。CK15-60P10はN末端システイン1つと15
〜60個のリジン残基のポリアミノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリ
エチレングリコール分子がシステイン残基に結合している。
【0015】 従って、本発明は、改善された安定性およびトランスフェクション特性を有す
る圧縮された核酸組成物を提供することによって、細胞にDNAを送達する改善さ
れた分析および治療技術を当技術に提供する。
【0016】発明の詳細な説明 米国特許番号第5,844,107号、同第5,877,302号、同第6,008,336号、同第6,077
,835号、同第5,972,901号、同第6,200,801および同第5,972,900号並びに米国特
許出願第60/145,970号、同第09/722,340号、同第09/311,553号および同第60/207
,949号の開示が本明細書に組み入れられている。
【0017】 核酸を十分に圧縮するために使用されるポリカチオンの対イオンは形成される
粒子の形状に影響を与える。形状は示差的な血清ヌクレアーゼ抵抗性およびコロ
イド安定性に関係する。測定が容易であるこのような特性を測定する別法は濁度
パラメーターである。さらに、形状は、種々の経路によって哺乳類の生体内に細
胞をトランスフェクトするための圧縮された核酸複合体の好適性および有効性に
も影響を与える。
【0018】 圧縮された核酸複合体を作製する際に使用される対イオンも、複合体の凍結乾
燥に対する安定性に大きな影響を与える。凍結乾燥は、生物製剤を容易に輸送可
能にし、貯蔵安定性にするための一般的な方法であるので、この所見は大きな問
題をもたらす。典型的には、ポリアミノ酸ポリマーは対イオンとしてトリフルオ
ロアセテート(TFA)を含有する。しかし、この対イオンは、以下に示すように、
核酸ポリマーを凍結乾燥する目的のためには、アセテートより有用性がはるかに
劣る。アセテートを使用した粒子は非凝集性を保持する、すなわち、凍結乾燥お
よび再水和後、溶液状態を維持しており、形状を保持しており、遺伝子移入能力
を保持している。
【0019】 本発明に係る粒子は核酸、好ましくは、1つの核酸分子を含有する。核酸はDNA
またはRNAであってもよく、2本鎖または1本鎖であってもよく、タンパク質をコ
ードしてもまたはアンチセンスをコードしてもコードしなくてもよい。核酸はま
た、インビボにおける分解に対する抵抗性を増強するように改変されたRNAおよ
びDNAの類似体を含む。好ましい類似体は、天然型モノヌクレオシドのメチルホ
スホネート類似体である。さらに一般的には、モノヌクレオシド類似体は、それ
を使用することにより、(a)細胞膜を通過して拡散する改善された能力および/ま
たは(b)被験者の生体内のヌクレアーゼ消化に対する抵抗性という利点を有する
オリゴヌクレオチドを生ずる任意の類似体である(Miller,P. S.ら、Biochemistr
y 20: 1874-1880(1981))。このようなヌクレオシド類似体は当技術分野において
既知である。核酸分子はDNAまたはRNAの類似体であってもよい。本発明は、治療
目的を満たすことができ、ヌクレアーゼに対する適切な抵抗性、ならびに適切な
生物学的利用能および細胞取り込みを有する場合には、任意の特定のDNAまたはR
NA類似体の用途に限定されない。DNAまたはRNAは、ヌクレオシド間結合(例えば
、メチルホスホネートまたはホスホロチオエート)を修飾することによって、ま
たは修飾ヌクレオシド(例えば、2'-O-メチルリボースまたは1'-α-アノマー)
を組み入れることによって、酵素、例えば、ヌクレアーゼによるインビボにおけ
る分解に対してさらに抵抗性にすることができる。粒子を作製するために使用さ
れる方法は、米国特許番号第5,844,107号、同第5,877,302号、同第6,008,336号
、同第6,077,835号、同第5,972,901号、同第6,200,801号および同第5,972,900号
並びに米国特許出願第60/145,970号、同第09/722,340号、09/311553号および60/
207949号に開示されている。
【0020】 本発明に係るポリカチオンは、好ましくは、ポリリジンおよびポリリジン誘導
体などのポリアミノ酸を含む。ポリカチオンは、15〜60個のリジン残基、好まし
くは15〜30残基、30〜45残基または45〜60残基を含有してもよい。ポリリジンの
好ましい誘導体は、それぞれ、長さが15残基、30残基および45残基のポリリジン
ポリマーに追加のシステイン残基が結合したCK15、CK30、CK45である。本発明の
精神から逸脱することなく、他のポリアミノ酸をポリリジンに容易に結合するこ
とができる。ポリアルギニンまたはアルギニンとリジンのコポリマーなどの他の
ポリカチオンアミノ酸ポリマーを使用することができる。オルニチンまたはシト
ルリンなどの非タンパク質性アミノ酸のポリマーを使用してもよい。プロタミン
、ヒストン、ポリカチオン脂質、プトレッシン、スペルミジン、スペルミン、ペ
プチド、およびポリペプチドを含むが、これらに限定されない薬学的に許容され
ているか、または薬学的に適切な任意のポリカチオンを使用することができる。
ポリカチオンはまた、典型的には、特定の種類の細胞の受容体に結合するリガン
ドである標的部分を含有してもよい。標的リガンドはポリアミノ酸または他の化
学部分であってもよい。リガンドと受容体の相互作用の特異性は標的化目的には
重要である。
【0021】 圧縮された核酸粒子を作製する条件は上記特許および出願に開示されている。
条件は0〜1 Mの塩を含んでもよい。好ましい塩はNaClである。他のカオトロピッ
ク塩は、投与される動物(または細胞)によって耐容性が示される限り、使用す
ることができる。好適な薬剤には、硫酸ナトリウム(Na.sub.2. SO.sub.4)、硫酸
リチウム(Li.sub.2 SO.sub.4)、硫酸アンモニウム((NH.sub.4).sub.2 SO.sub.4)
、硫酸カリウム(K.sub.2 SO.sub.4)、硫酸マグネシウム(MgSO.sub.4)、リン酸カ
リウム(KH.sub.2 PO.sub.4)、リン酸ナトリウム(NaH.sub.2 PO.sub.4)、リン酸
アンモニウム(NH.sub.4 H.sub.2 PO.sub.4)、リン酸マグネシウム(MgHPO.sub.4)
、塩化マグネシウム(MgCl.sub.2)、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)
、塩化カリ(KCl)、塩化セシウム(CaCl)、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢
酸ナトリウム、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、塩化テトラメチ
ルアンモニウム(TMA-Cl)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBA-Cl)、塩化トリエ
チルアンモニウム(TEA-Cl)、および塩化メチルトリエチルアンモニウム(MTEA-Cl
)が挙げられる。
【0022】 標的細胞結合部分(TBM)を使用する場合には、目的の標的細胞の接近可能な構
造物(「受容体」)に特異的に結合しなけらばならない。それは標的細胞に絶対
的に特異的である必要はないが、治療的に有効である結合物に十分に特異的でな
ければならない。好ましくは、他の細胞との交差反応は10%未満で、さらに好ま
しくは5%未満である。
【0023】 TBMは、標的細胞の接近可能な構造物に対して持たなければならないのは、絶
対最小親和性ではないが、親和性が大きいほど、よりよい。好ましくは親和性は
少なくとも10.sub.3 liters/moleであり、さらに好ましくは少なくとも10.sub.6
litters/moleである。
【0024】 TBMは、標的細胞の表面のエピトープに特異的に結合する抗体(または、Fab、
Fab、V.sub.M、V.sub.LまたはCDRなどの特異的に結合する抗体断片)であっても
よい。細胞、細胞膜または単離細胞表面抗原に対する抗体を作製する方法は当技
術分野において既知である。(a)「免疫脾臓細胞の作製:可溶性抗原による免疫
化(production of immune spleen cells: immunization with soluble antigens
)」ハレル(Hurrell, J. G. R. )(1982)「モノクローナル抗体:技術と応用(Mo
noclonal Antibodies: Techniques and Applications)」 CRC Press、Boca Rato
n、Fla。(b)「抗原複合体による免疫化:膜、細胞全体および微生物(immunizati
on with complex antigens: membranes, whole cells and microorganisms)」ハ
レル(Hurrell, J. G. R.)(1982)「モノクローナル抗体:技術と応用(Monoclon
al Antibodies: Techniques and Applications)」CRC Press, Boca Raton、Fla
。(c)「モノクローナル上清および腹水液の作製(production of monoclonal sup
ernatants and ascites fluids)」アンドリュー(Andrew, S. M.)およびティタ
ス(Titus, J. A.)(1991)。「免疫学の最新プロトコールにおける免疫グロブリ
ンGの精製(Purification of Immunoglobulin G in Current Protocols in Immun
ology)」(J. E. Coligan、A. M. Kruisbeek、D. H. J. Margulies、E. M. Sheva
chおよびW. Strober編)pp. A.3.9-A.3.12. Greene Publishing Wiley-Interscie
nce、New York。(d)「ウサギにおけるポリクローナル抗血清の作製(production
of polyclonal antiserum in rabbit)」ガーベイ(Garvey J. S.)、クレーマー
(Cremer, N. E.)およびサスドルフ(Sussdorf, D. H)(eds)(1977)「免疫学の
方法:教育および研究用実験教本(Methods in Immunology: A Laboratory Text
for Instruction and Research)」、第3版、ベンジャミン(W. A. Benjamin)、
North Hampton、Mass。(e)「合成ペプチドの担体タンパク質への化学的結合によ
る抗ペプチド抗体の作製(production of anti-peptide antibodies by chemical
coupling of synthetic peptides to carrier proteins)」ジャマーソン(Jemm
erson, R.)、モロー(Morrow, P. I.)、クレインマン(Klinman, N. I.)およ
びパターソン(Patterson, Y.)(1985)。「合成ペプチドを使用した哺乳類チト
クロームCの進化的に保存された部位の分析(Analysis of an evolutionay conse
rved site on mammalian cytochrome C using synthetic peptides)」、Proc. N
atl Acad. Sci, U.S.A. 82、1508-1512。
【0025】 TBMは、細胞表面に同属の炭水化物構造が存在するレクチンであってもよい。
標的結合部分は、標的細胞が保有する受容体によって特異的に結合されるリガン
ドであってもよい。関心のある1クラスのリガンドは、炭水化物、特に単糖およ
びオリゴ糖である。好適なリガンドには、ガラクトース、ラクトースおよびマン
ノースが挙げられる。関心のある別のクラスのリガンドは、インスリン、上皮成
長因子、腫瘍壊死因子、プロラクチン、胎盤性性腺刺激ホルモン、FSH、LH、グ
ルカゴン、ラクトフェリン、トランスフェリン、アポリポタンパク質E、gp120お
よびアルブミンなどのペプチド(本明細書では、タンパク質を含む)である。以
下の表は、種々のクラスの標的細胞の好ましい標的結合部分を掲載する。
【0026】 標的結合部分の使用は、圧縮された核酸複合体を直接注射する場合には厳密に
は必要ない。この場合の標的細胞は、標的細胞の近傍に複合体を注射することに
よって、圧縮された複合体に受動的に接近可能である。標的結合部分は、共有相
互作用または非共有相互作用を使用して、リジン残基、システイン残基またはPE
Gに結合することができる。
【0027】 ポリカチオンに関連して提供される対イオンは形状に大きく影響し、この形状
は、核酸を送達するための生理学的に重要な特性に関連することが見出されてい
る。例えば、トリフルオロアセテート(TFA)粒子は、約50 nm未満の回転楕円およ
び短い棒状物を形成する。アセテートは、100〜200 nmのより長い棒状物を形成
する。塩化物は、アセテート粒子より、長く、細い粒子を生ずる。炭酸水素塩は
、100〜200 nmの棒状物と環状体の混合物を生ずる。生理学的および薬学的に許
容される任意の対イオンをポリカチオンと共に使用することができる。臭素は、
典型的には、試薬等級のポリリジンと共に供給される。臭素は、特に生理学的許
容性に関しては、本明細書に記載する他の陽イオンより劣ると考えられている。
対イオンは、例えば、クロマトグラフィーまたは透析によって対イオンをポリカ
チオンに供給すること、またはポリカチオンで置換することができる。例えば、
ポリカチオンをイオン交換樹脂に結合させ、望ましい対イオンで溶出することが
できる。当技術分野において既知の任意の方法を使用して、この目的に使用する
ことができる。興味深いことには、粒子が特定の形状の粒子に圧縮されると、透
析などによる対イオンの除去および置換は、一旦形成された形状に大きな影響を
与えないことが見出されている。従って、生理学的目的のための最適でない対イ
オンを使用した粒子で望ましい形状を入手してから、元の対イオンによる圧縮の
際に得られた形状を維持しつつ、対イオンを優れた対イオンと交換することがで
きる。対イオンの核酸に対する望ましい影響は圧縮を必要とないことがある。従
って、ポリカチオンおよび対イオンは非圧縮核酸にも使用することができる。
【0028】 動物への遺伝子送達におけるこれらの異なる形状の粒子の挙動は大きく変わる
。例えば、筋肉および肺へ送達するためには、アセテートはTFA粒子より優れて
いる。生体内の他の部位への送達も実施することができる。これらには、気管内
、吸入、皮内、局所、点眼、皮下、クモ膜下、浣腸、経腸、静脈内、動脈内、リ
ンパ管内、腹腔内、胸膜腔内、小嚢内、関節内、心内、脳内、腫瘍内、器官に直
接、点耳、点鼻、尿道内、内視鏡による上部消化管、S字結腸または結腸、膀胱
鏡、胸腔鏡、関節鏡、縦隔鏡、胆道造影、オマヤレザバー、心カテーテルおよび
脳血管造影を含む血管造影、子宮内、膣内、骨髄、毛嚢、硝子体液および房水、
洞、腎臓の尿管/腎盂、卵管およびリンパ節投与が挙げられるが、これらに限定
されない。
【0029】 複合体は、1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を
提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍
未満の直径を有する。本発明の目的のためには、「約1:1」は1.5:1〜1:1.5を含
む。
【0030】 濁度パラメーターは、組成物の吸光度を測定することによって評価することが
できる。好ましい態様において、ツァィス(Zeiss) MCS501 UV-Vis分光計を使用
する。当技術分野において既知の他の分光計に交換してもよい。回収試料の吸光
度測定に好適な波長は約330 nm〜420 nmである。
【0031】 本発明は、以下の実施例の特定の用途において説明されている。
【0032】実施例 実施例1 血清ヌクレアーゼに対する抵抗性は、全身投与するように設計されている任意
の効果的な遺伝子治療ベクターについての特に重要な特徴である。理想的には、
この抵抗性を操作することが、小型サイズおよびコロイド安定性などのベクター
の他の望ましい特性を損なうべきではない。本発明者らは、ポリリジンポリエチ
レングリコール(PEG)結合物を用いてプラスミドDNAを再現性よく圧縮し、規定の
形態を有する小型粒子(プラスミン(PLASmin)(商標)複合体)を形成すること
ができる試薬および方法を開発した。これらの製剤のいくつかは血清中で安定で
、生理食塩水中で凝集しない。圧縮手法の成分および条件を変更することによっ
て、粒子のサイズおよび形状を変更することができる。血清安定性とプラスミン
(商標)複合体の物理的状態との考えられる関連性を評価するために、本発明者
らは、種々の長さのポリリジンを使用して24個の製剤からなる基質を調製し、PE
Gで種々の程度に置換した。図9D. 正確に15残基、30残基および45残基を有する
ポリリジンを固相合成によって得た。これらのポリマーは、PEGを結合するため
に使用されるN末端システイン残基を含有した。PEG置換および非置換ポリリジン
の種々の混合物を使用して、異なるプラスミン(商標)複合体を得た。圧縮DNAを
37℃において5日間インキュベーションし、DNA分解の半減期を測定することによ
って、75%マウス血清中の複合体の安定性を試験した。同時に、150 mM NaCl中の
複合体の物理的特徴を求めた。形態は、透過型電子顕微鏡で可視化した(図10お
よび図17)。DNAはアセテートで凝縮し、CK30ポリリジンの炭酸水素塩は長く(10
0〜300 nm)、細い(10〜20 nm)棒状物および弛緩した環状体(直径〜50〜100 nm
、幅10〜20 nm)を形成し、TFA塩はさらに短い棒状物(<60 nm×20〜30 nm)およ
び小型の小球(20〜30 nm)を生じ、CK30の塩化物型はDNAを圧縮しなかったが(図
10)、CK45/塩化物(図17)はCK30/アセテートと同様の結果を生じた。コロイド
不安定性(凝集する傾向)は沈降アッセイ法で評価した。さらに、プラスミン(
商標)複合体を含有する溶液の光散乱を測定し、濁度パラメーターとして表した
(図8)。プラスミン(商標)複合体はすべて(図9A)血清中で裸のDNAよりはる
かに安定であることを本発明者らは見出した。圧縮DNAの半減期は〜2〜17時間で
あったが、裸のDNAは数分以内に完全に消化された。本発明者らはまた、分解の
半減期とプラスミン(商標)複合体のコロイド不安定性との相関(γ2=0.77)を見
出し、凝集する傾向のある粒子はヌクレアーゼ抵抗性が大きかった。凝集する傾
向はまた複合体の形態にも相関し、棒状様複合体は凝集しなかった。従って、そ
れらはすべて、組成とは無関係に、血清安定性が非常に類似していた(t1/2〜2
〜5時間)。一方、球形の複合体は、ポリリジン鎖長およびPEG含有量に応じて、
種々の程度の凝集傾向を示した。小型の小球と棒状様粒子との間には血清安定性
の差はほとんどなかった。凝集した粒子は、小型の複合体とは異なって種々の光
線の波長を散乱するという予測に一致して、本発明者らは、プラスミン(商標)
複合体のコロイド不安定性とそれらの溶液の濁度との間に良好な相関(γ2=0.88)
を見出した(図9B)。安定な複合体は濁度パラメーターが約-4〜-5であったが(
レイリーの法則に一致)、最も大きく、安定性が最も低い粒子では、この値は-1
.3に増加した。結果として、濁度パラメーターも、血清中のDNA分解の半減期に
相関した(γ2=0.73、図9C)。従って、便利なことに、測定が容易な濁度パラメ
ーターを使用して、圧縮DNAの種々の製剤を予備的にスクリーニングし、コロイ
ド安定性および血清安定性を予測することができると本発明者らは結論づける。
【0033】 実施例2 肺への効果的な遺伝子移入は、 嚢胞性繊維症などの肺疾患の治療を促進する
と思われ、粘膜ワクチンを投与するための強力な手段となることができる。マウ
ス気道に裸のDNAを直接点滴すると、測定可能な導入遺伝子の発現を生じるが、
発現レベルは低く、発現期間は短い。本発明者らは、プラスミドDNAの1つの分子
を20〜25 nmの粒子(プラスミン(商標)複合体)に圧縮する試薬および製剤化方
法を開発した。裸のDNAとは異なり、これらの複合体はヌクレアーゼ消化から保
護されており、血清中で安定である。また、プラスミン(商標)複合体は生理食
塩液中で凝集せず、12mg/ml以上のDNAまで濃縮することができる。プラスミン(
商標)複合体がかなりのレベルの遺伝子発現を生じるかどうか判定するために、
本発明者らは、直接気管内投与により、C57BL/6Jマウスの肺に裸の複合体および
プラスミン(商標)複合体を投与した。これらの圧縮粒子は、プラスミドDNAと、
30個のリジン残基からなるPEG置換ポリリジンポリマーから構成された。プラス
ミド構築物は、CMVエンハンサー、伸長因子1-α(EF1-α)プロモーター、EF1-
αイントロン、HTLV IのRU5翻訳エンハンサーおよびSV40後期ポリアデニル化シ
グナルによって転写が制御されているルシフェラーゼレポーターをコードしてい
た。DNA投与量100 ugは150 mMのNaCl 25 ulまたは50 ulのに加えて投与した。遺
伝子移入後2日、4日、5日または12日目に、両方の肺から抽出試料を調製し、タ
ンパク質1 mgあたりの相対的な光単位として測定した(図6)。裸のDNAは2日目
に約4,000 RLU/mgおよび4日目に1,100RLU/mgのシグナルを生じたが、プラスミン
(商標)複合体は2日目に約1,100,000RLU/mgおよび4日目に630,000 rlu/mgを生じ
た。遺伝子発現は、遺伝子移入後少なくとも12日間持続したが、レベルは低かっ
た。これらの圧縮DNA粒子は、2日目には、裸のDNAと比較して、400倍増大した遺
伝子発現を生じ、4日目には1,300倍以上に改善された遺伝子発現を生じた。肺全
体の抽出試料とは異なり、気管では遺伝子の発現は少なく、肝臓では発現してい
なかった(データは示していない)。用量応答検討では、導入遺伝子発現の最大
レベルは100 ugの用量を使用した場合観察された(図7)。要約すると、本発明
者らは、プラスミン(商標)複合体が、直接気管内投与により、マウス肺に効果
的に送達し、肺において導入遺伝子を発現すると判定した。進行中の検討では、
β-ガラクトシダーゼレポーター遺伝子を、トランスフェクトする予定の細胞種
を限定するために使用している。プラスミン(商標)複合体は、種々の肺疾患お
よび/または粘膜ワクチンに適切な遺伝子移入法を提供することができる。
【0034】 実施例3 筋肉内注射による筋肉細胞への遺伝子移入は安全で、効果的なワクチン化の手
段を提供し、第IX因子、第VIII因子またはα-1抗トリプシンなどの治療レベルの
組換えタンパク質を提供する。
【0035】 筋肉内投与用にプラスミン(商標) DNA製剤を最適化するために、ルシフェラ
ーゼレポーター遺伝子をコードする圧縮DNAの種々の調製物を、前脛骨筋に単回
注射することによって、CD2マウスに投与した。遺伝子移入後の種々の経過日に
遺伝子発現をアッセイし、相対的光単位(RLU)/mgタンパク質として表す。図1に
おいて、CK30ポリカチオン(PEG 10 kDにより圧縮)のアセテート塩で製剤化した
圧縮DNAの発現は、1日目および3日目にルシフェラーゼ活性で測定した場合、CK3
0またはCK46のTFA塩で製剤化したDNAの他の調製物と比較して、増大していた。
対イオンの種類の役割、ポリリジンの長さおよびポリエチレングリコール(PEG)
の置換の割合をさらに限定するために、追加の実験を実施した。CK30またはCK45
と、5 kDまたは10 kDのPEGサイズからなるTFA複合体を動物に筋肉内注射した。
図2)ルシフェラーゼ活性は、図1のCK30、PEG10kD、アセテート複合体について観
察されるものより有意に低かった。CK30、PEG 10kDのアセテート塩を使用して調
製した複合体の遺伝子発現の増大が確認された(図3)。この実験では、CK30ポ
リカチオンは、CK45ポリマーより高いルシフェラーゼ活性を生じ、CK30は、5 kD
PEGではなく10 kDで複合体形成した場合、高いレベルのルシフェラーゼ活性を
生じた。CK30またはCK45からなり、共にPEG 10 kDと複合体形成したアセテート
複合体によって生じる遺伝子発現期間を、次に評価し、結果を図4に示す。この
検討では、CK30ポリカチオンは最大のレベルのレポーター遺伝子活性を生じ、活
性レベルは1日目または3日目より7日目の方が高かった。図5に示すように、遺伝
子の活性について種々のアセテート複合体を試験した。これらの製剤は、種々の
割合のPEG 10 kDで複合体形成したCK15、CK30およびCK45ポリカチオンを含んだ
。30日目までの時間経過追跡を実施した。1日目、3日目および7日目の遺伝子発
現は、CK30と比較すると、CK15を使用した場合に高いであると思われたが、CK15
複合体の一部の粒子サイズは、30 nmまたは該1つの核酸分子と、凝縮された球形
形状において、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との
複合体の理論上の直径の2倍より大きかった。1日目、3日目、7日目および15日目
では、CK30圧縮DNAの少なくとも1つの調製物が任意のCK45調製物より優れていた
。CK30では、100%PEG 10 kD複合体は、70%または40%置換より高いレポーター遺
伝子活性を生じた。要約すると、これらの検討において最良の圧縮DNA製剤は、P
EG 10 kDで100%置換したCK30ポリカチオンのアセテート塩であった。
【0036】 実施例4 注射前に、ケタミン、キシラジンおよびアセプロマジンのげっ歯類用混合液を
動物に腹腔内注射して麻酔した。21.5mg/mlのケタミン、10.7mg/mlのキシラジン
および0.36mg/mlのアセプロマジンの濃度の麻酔薬150 ul容量をマウス1匹あたり
に投与する。最終用量はマウス1匹あたり0.32 mgケタミン、1.6 mgキシラジンお
よび0.054 mgのアセプロマジンである。
【0037】 22ゲージの注射針を使用して、各プラスミドDNA製剤25ml容量を各動物に気管
内投与した。経皮的アプローチによりマウスの気管内にプラスチックカテーテル
を留置した。動物1匹あたりの投与用量は、マウス1匹あたり300 ug、100 ug、30
ugおよび10 ug DNAである。
【0038】 注射後、動物を二酸化炭素で麻酔し、屠殺する。放血させ、リン酸緩衝生理食
塩液で動脈内洗浄した。肺、気管および肝臓を単離し、生理食塩液で洗浄する。
組織試料は液体窒素で速やかに凍結し、-70℃で保存した。
【0039】 溶解緩衝液中で肺組織をポリトロン(Polytron)を使用してホモジナイズする
。タンパク質濃度を測定する。ホモジナイズ試料のルシフェラーゼ活性をルシフ
ェラーゼアッセイ法で測定する。
【0040】 実施例5 凍結および凍結乾燥後のプラスミン(商標)複合体の安定性を評価した。スク
ロース、トレハロースを用いてまたは賦形剤を用いず粒子を試験した。ポリエチ
レングリコールを用いて、または用いず、およびポリエチレングリコールの対イ
オンとしてTFAまたはアセテートを用いて粒子を試験した。凝集物をペレット化
するために低速度(3400×g×1 min)で遠心し、上清のDNAの吸光度をモニターす
ることによってDNAの安定性を評価した。図11参照。対イオンとしてアセテート
を用いた複合体の安定性は、賦形剤を用いない他の製剤より優れていた。
【0041】 実施例6 濁度パラメーターは、光線のみかけの吸光度の対数値を光線の入射波長の対数
値に対してプロットすることによって得られる直線の傾斜と定義する。使用する
波長は約330 nm〜420 nmである。-3未満の濁度パラメーターが測定される場合に
は、調製物はコロイド的に安定であると同定される。-3を超えるまたは-3の濁度
パラメーターが測定される場合には、調製物はコロイド的に不安定であると同定
される。
【0042】 圧縮された核酸粒子の濁度パラメーターは、種々の賦形剤、対イオンを使用し
て、およびポリエチレングリコールを用いてまたは用いず、凍結乾燥前後に評価
した。図12参照。スクロースおよびトレハロースは、凍結乾燥前の粒子の特性を
維持する際に非常に効果的であることがわかった。PEG-アセテートは、これらの
特性を維持する際に同様に効果的であった。
【0043】 実施例7 凍結乾燥前後に電子顕微鏡下において粒子を観察した。図13参照。0.5 Mトレ
ハロースが存在する場合にCK30-PEG10kを用いて作製した粒子は、凍結乾燥およ
び再水和前後で同じように棒状である。
【0044】 実施例8 凍結乾燥および再水和前後に電子顕微鏡下において粒子を観察した。0.5 Mス
クロースが存在する場合にCK30 TFA(対イオン)を用いて作製した圧縮DNAの楕
円形粒子は、凍結乾燥および再水和前後で同一である。図14参照。
【0045】 実施例9 凍結乾燥し、再水和したプラスミン(商標)複合体を使用した遺伝子移入実験
を実施し、それらを凍結乾燥前の調製物と比較した。酵素ルシフェラーゼは複合
体にコードされ、その活性は、遺伝子移入をモニターする手段として測定した。
スクロースおよびトレハロースは、すべての粒子への遺伝子移入活性を保護する
際に効果的であったが、ポリエチレングリコール(10 kdal)および対イオンと
してのアセテートを含有した粒子は、驚くべきことに、凍結保護賦形剤(二糖)
が存在しない場合でも凍結乾燥に安定であった。
【0046】 実施例10 N末端システインおよび正確に30個または45個のリジン残基(それぞれ、CK30
またはCK45)を有するポリリジンを固相合成によってトリフルオロアセテート(T
FA)塩として得た。次いで、システイン残基を使用して、ポリエチレングリコー
ル(MW 10,000)を結合し、PEG付加ポリリジンCK30P10KおよびCK45P10Kを形成した
。ゲルろ過によってTFAの対イオンをアセテート、炭酸水素塩または塩化物と交
換した。DNAをこれらのポリリジンによって凝縮し、0.9% NaClに対して透析し、
分析前に遠心濃縮器を使用して1 mg/mlまたは4 mg/mlに濃縮した。カナマイシン
耐性遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、伸長因子1-αプロモーターおよび第1のイ
ントロン、CMVエンハンサー、HTLV IのRU5翻訳エンハンサー、SV40後期ポリアデ
ニル化部位およびColE1複製開始点からなる5921 bpのプラスミドDNAを使用した
【0047】 DNA複合体のコロイド安定性は、遠心分離時(3,400、1分)の凝縮DNAの沈降およ
び330〜415 nmの波長範囲の光の散乱(濁度)を測定することによって、判定し
た。濁度パラメーターは、(散乱による)みかけの吸光度の対数値を、DNAまた
はペプチドによる真の吸収外の範囲の入射波長の対数値(330〜415 nm)をプロ
ットすることによって得られる直線の傾斜である。レイリーの法則によると、光
の波長より小さい粒子は濁度パラメーターが-4であるはずである。しかし、大き
い粒子は光の散乱が異なり、〜1〜3の範囲の濁度パラメーターを有する。非常に
大きい凝集物は濁度パラメーターが〜-1である。本発明者らは、試験したDNA製
剤は全て、沈降および濁度測定で判断した場合、通常の生理食塩液(0.9%NaCl)中
でコロイドが安定であることを見出した。本発明者らはまた、DNAを凝縮するポ
リリジンの能力が、結合する対イオンおよびポリリジンの長さに依存することを
見出した。塩化物を用いたCK30P10Kは極端な例である。その理由は、それはDNA
を凝縮しないか、わずかにしかDNAを凝縮しない(図16)。
【0048】 実施例11 凝縮したDNAの総電荷に対する対イオンの影響を検討するために、種々の対イ
オンを用いたCK30P10Kで圧縮したDNAをアガロースゲルで電気泳動した。DNA試料
をゲル(1.5μg)に直接のせるか、またはトリプシンで40分(0.2μg)処理してか
らのせ、ポリリジンを除去し、DNAの完全性並びに高次コイルプラスミド、ニッ
クの入ったプラスミドおよび直鎖状のプラスミドの形態の相対量を可視化する。
DNAは陰極に移動するか(CK30/アセテート、CK30/炭酸水素塩、CK45/塩化物)、
ウェルに留まるか(CK30/TFA)、または陽極に移動した(CK30/塩化物)(図18)
。従って、対イオンは、ゲル電気泳動によって可視化する場合、凝縮DNAの有効
正味電荷に影響する。CK30P10kに結合したアセテートおよび炭酸水素塩並びにCK
45P10Kに結合した塩化物は総電荷がわずかに正に荷電したが、TFAでは、複合体
は電気的に中性な複合体が生じる。
【0049】 圧縮したDNA複合体の各々について血清安定性も評価した。これは、DNA試料を
75%マウス血清と共に37℃において2時間インキュベーションし、トリプシン処理
によってポリリジンを除去し、ゲル電気泳動によってDNAの完全性を評価するこ
とによって評価した。これらの条件下では、凝縮の程度が悪いDNAは安定である
が、ニッキングおよび直線化がいくらか(ごくわずか)生じる。一方、裸のDNA
は数分で完全に消化される(図18)。ポリリジンがDNAを凝縮し、保護する能力は
結合する対イオンの種類およびポリリジンの長さに依存することを本発明者らは
見出した。また、塩化物を用いたCK30P10Kは極端な例である。その理由は、それ
はDNAを凝縮しないか、またはわずかにしかDNAを凝縮せず、ヌクレアーゼから保
護しないからである。
【0050】 実施例12 対イオン形態のCK30P10Kの各々について筋肉内遺伝子送達を評価した。50μl
のDNAをCD-1マウス(4〜6週齢)の各脚の大腿部に注射した。総用量は100μgで
あった。注射前に、ケタミン、キシラジンおよびアセプロマジンのげっ歯類用混
合液を動物に腹腔内注射して麻酔した。注射後1日目に、マウスを屠殺し、大腿
部全体を取り出し、処理した。タンパク質およびルシフェラーゼ活性を測定した
(図19)。
【0051】 圧縮DNA複合体の形態はインビボにおけるトランスフェクション効率に影響し
たと思われる。CK30/TFAは発現が最も低く(RLU/mgタンパク質)、CK30/アセテ
ートおよびCK30/炭酸水素塩(より弛緩した構造)はRLU/mgが10〜100倍高く、CK30
/塩化物は裸のDNAのレベルの発現であった(採取した経過日に応じて、CK30/ア
セテートと同じか、または10倍高い)。筋肉内遺伝子送達のためには、裸のDNA
は凝縮DNAより効率が高く、TFA製剤は、他の形態の凝縮DNAより効率が悪いこと
を本発明者らは見出した。
【0052】 実施例13 対イオン形態のCK30P10Kの各々について鼻腔内遺伝子送達を評価した。25μl
のDNAをC57/BL6マウスの鼻孔に自動ピペットを使用して5μlずつ投与した。総用
量は100μgであった。注射前に、ケタミン、キシラジンおよびアセプロマジンの
げっ歯類用混合液を動物に腹腔内注射して麻酔した。注射後2日目に、マウスを
屠殺し、肺全体を取り出し、処理した。タンパク質およびルシフェラーゼ活性を
測定した(図20)。鼻腔内適用では、凝縮DNAのアセテート、炭酸水素塩およびT
FA製剤は試験した製剤のうちで最も効率が良く、裸のDNAおよびC45/塩化物はか
なり効果が低かった。凝縮DNAの水溶液の鼻腔内投与は同じDNAを生理食塩液で投
与するより約10倍効率が悪いことも本発明者らは見出した。
【0053】 引用文献
【図面の簡単な説明】
【図1】 DNAを圧縮するために使用するポリリジンの対イオンとしてTFA(
トリフルオロアセテート)およびアセテートを使用した筋肉内(IM)注射の結果を
示す。
【図2】 DNAを圧縮するために使用するポリリジンの対イオンとしてTFA(
トリフルオロアセテート)を使用した筋肉内注射の結果を示す。
【図3】 DNAを圧縮するために使用するポリリジンの対イオンとしてアセ
テートを使用した筋肉内注射の結果を示す。
【図4】 DNAを圧縮するために使用するポリリジンの対イオンとしてアセ
テートを使用した筋肉内注射の結果を示す。
【図5】 ポリリジンのサイズ(CK)、ポリエチレングリコール置換を含む、
変化する種々のパラメーターおよびIM注射におけるそれらの有効性を示す。
【図6】 100 ugの裸のDNAと100 ugの圧縮されたDNAの気管内投与を、導入
される遺伝子(ルシフェラーゼ)の肺における発現量に関して、遺伝子移入後の
時間の関数として比較したものを示す。
【図7A】 裸のDNAと圧縮されたDNAの気管内投与を、導入される遺伝子(
ルシフェラーゼ)の肺における発現量に関して、遺伝子移入後の時間の関数とし
て比較したものを示す。図7Bは、図7Aのバックグラウンドより上のデータのプロ
ットを示す。
【図8】 圧縮に使用したポリリジンのサイズと対イオンの関数としての濁
度パラメーターのプロットを示す。
【図9A、図9B及び図9C】 圧縮された核酸の種々の製剤の血清安定性
、濁度パラメーターおよび沈降の比較を示す。
【図9D】 結果を表にしたものである。
【図10】 電子顕微鏡下で示される、PEG置換CK30圧縮DNAの形態に対する
対イオンの影響を示す。
【図11】 凍結および凍結乾燥の結果のプラスミン(商標)DNAの安定性
を示す。粒子はスクロース、トレハロースを用いて、または賦形剤なしで試験し
た。粒子は、ポリエチレングリコールを使用しておよび使用せず、並びにTFAま
たはアセテートを対イオンとして使用して試験した。DNAの安定性は、凝集物を
ペレット化するために低速度(3400×g×1 min)で遠心し、上清のDNAの吸光度を
モニターすることによって評価した。アセテートを対イオンとして用いた場合の
安定性は、賦形剤を使用しない場合の他の製剤を上回った。
【図12】 種々の賦形剤、対イオンを使用し、ポリエチレングリコールを
使用する場合または使用しない場合の凍結乾燥前後の濁度パラメーターの評価を
示す。スクロースおよびトレハロースは、凍結乾燥前の粒子の特性を維持するの
に非常に効果的である。PEG-アセテートも同様に、特性を維持するのに効果的で
あった。
【図13】 電子顕微鏡下の粒子像を示す。0.5 Mトレハロースの存在下に
おいてCK30-PEG10kアセテートを用いて作製した粒子は、棒状の圧縮された粒子
が凍結乾燥および再水和前後で同一であるように見える。
【図14】 電子顕微鏡下の粒子像を示す。0.5Mスクロースの存在下におい
てCK30 TFAを用いて作製した粒子は、圧縮されたDNAのエピソーム粒子が凍結乾
燥および再水和前後で同一であるように見える。
【図15】 凍結乾燥したプラスミン(商標)複合体を使用した遺伝子移入
実験の結果を示す。酵素ルシフェラーゼは複合体によってコードされ、その活性
は、遺伝子移入をモニターする手段として測定された。スクロースおよびトレハ
ロースは、すべての粒子への遺伝子移入活性を保護する際に効果的であったが、
ポリエチレングリコール(10 kdal)および対イオンとしてのアセテートを含有
した粒子は、驚くべきことに、凍結保護賦形剤(二糖)が存在しない場合でも凍
結乾燥に安定であった。
【図16】 CK30P10KおよびCK45P10K DNA複合体のコロイド安定性を、種々
の対イオンの0.9%NaCl溶液を使用して比較したものを示す。コロイド安定性は、
沈降および濁度パラメーターによって評価する。
【図17】 CK45P10および対イオンとしての塩化物によって圧縮されたプ
ラスミドDNAの電子顕微鏡写真を示す。倍率40,000。バーは100 nmを示す。
【図18】 種々の対イオンを用い、PEG付加ポリリジン(CK30P10K)および
によって圧縮されたDNAのアガロースゲル電気泳動を示す。凝集されたDNAの有効
総電荷に対する対イオンの影響は、ゲル全体に圧縮されたDNAが移動することか
らわかる。図18はまた、異なる対イオンの各々によるCK30P10K-DNA複合体の血清
安定性を示す。
【図19】 種々の対イオン形態のPEG付加ポリリジン(CK30P10K)によって
圧縮されたルシフェラーゼプラスミドの、筋肉内適用後のインビボにおける発現
を示す。各点は1匹の動物を示す。実線は、ルシフェラーゼアッセイ法のバック
グラウンドシグナルを示す。用量は100μg DNAであった。
【図20】 種々の形態のPEG付加ポリリジンによって圧縮されたルシフェ
ラーゼプラスミドの、鼻腔内適用後のインビボにおける発現を示す。アセテート
、炭酸水素塩およびTFA形態のCD30P10Kおよび塩化物形態のCK45P10Kを使用した
。アセテート製剤は生理食塩液または水中で調製した。各点は1匹の動物を示す
。実線は、ルシフェラーゼアッセイ法のバックグラウンドシグナルを示す。用量
は100μg DNAであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 48/00 4C084 47/48 C12Q 1/68 Z 4C086 48/00 G01N 21/33 C12Q 1/68 33/483 C G01N 21/33 21/19 33/483 C12N 15/00 A // G01N 21/19 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),AU,C A,JP,US (72)発明者 ペイサマーシー ムラリ ケイ. アメリカ合衆国 オハイオ州 ツウィンズ バーグ アンドーバー ドライブ 10085 (72)発明者 コスティロ モーリーン アメリカ合衆国 オハイオ州 ビーチウッ ド アムハースト サークル #104 26945 Fターム(参考) 2G045 BA01 FA11 FA29 GC10 GC30 2G059 AA02 AA05 BB12 CC16 EE02 EE05 EE12 HH03 HH06 4B024 AA01 CA01 EA04 HA17 4B063 QA01 QA20 QQ41 QR48 QS08 QX02 4C076 AA12 AA29 AA93 BB15 BB27 EE59N FF34 GG06 GG47 4C084 AA02 AA03 AA13 AA17 BA35 BA37 BA42 CA62 MA05 MA13 MA17 MA44 MA56 MA66 NA05 NA13 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 MA13 MA17 MA44 MA56 MA66 NA05 NA13

Claims (176)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮された核酸調製物のコロイド安定性を評価する方法であ
    って、 圧縮された核酸溶液の濁度パラメーターを測定する段階であり、濁度パラメー
    ターが、光線のみかけの吸光度の対数値を光線の入射波長の対数値に対してプロ
    ットすることによって得られる直線の傾斜と定義され、波長が約330 nm〜420 nm
    である段階と、 -3未満の濁度パラメーターが測定される場合には、調製物がコロイド的に安定
    であると同定され、-3を超えるまたは-3の濁度パラメーターが測定される場合に
    は、調製物がコロイド的に不安定であると同定される段階と を含む方法。
  2. 【請求項2】 非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物であって、各複合体
    が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子を含み、
    ポリカチオン分子が、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からなる群より選択
    される対イオンを有し、複合体が、(a)前記1つの核酸分子と、凝縮された球形形
    状において、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複
    合体の理論上の直径の2倍未満、または(b)どちらが大きくても、30 nm未満の直
    径に圧縮される組成物。
  3. 【請求項3】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体であ
    る、請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジンペ
    プチドである、請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 複合体が90 nm未満の直径に圧縮される、請求項2に記載の組
    成物。
  6. 【請求項6】 核酸複合体が30 nm未満の直径に圧縮される、請求項2に記載
    の組成物。
  7. 【請求項7】 核酸複合体が23 nm未満の直径に圧縮される、請求項2に記載
    の組成物。
  8. 【請求項8】 核酸複合体が12 nm以下の直径に圧縮される、請求項2に記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】 複合体が、該1つの核酸と、凝縮された球形形状において、
    約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論上
    の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項2に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 核酸と、対イオンとしてアセテートを有するポリカチオン
    を複合体の圧縮に十分な塩濃度で混合する段階を含む、請求項2に記載の組成物
    を調製する方法。
  11. 【請求項11】 凝集または弛緩した複合体の形成を検出、防止または矯正
    するために混合する段階をモニターする、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 塩がNaClである、請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 核酸およびポリカチオンが、混合時、各々、0.05〜1.5 M
    の塩濃度の溶液である、請求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ポリカチオンの正に荷電した基に対する核酸のリン酸基の
    モル比が4:1から1:4の範囲である、請求項10に記載の方法。
  15. 【請求項15】 高速度で激しく撹拌しながら、ポリカチオンを核酸に添加
    する、請求項10に記載の方法。
  16. 【請求項16】 高速度で激しく撹拌しながら、核酸をポリカチオンに添加
    する、請求項10に記載の方法。
  17. 【請求項17】 電子顕微鏡、光散乱、円二色性および吸光度測定からなる
    群より選択される方法によって混合する段階をモニターする、請求項10に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項10に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物であって、各複合
    体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子を含み
    、ポリカチオン分子が、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からなる群より選
    択される対イオンを有し、該ポリカチオン分子が、核酸と複合体を形成する核酸
    結合部分を有し、核酸分子が少なくとも1つの機能的タンパク質をコードし、複
    合体が、該1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提
    供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未
    満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に圧縮される組成物。
  21. 【請求項21】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項20に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項21に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 核酸分子が、機能的タンパク質をコードするRNA分子の転
    写を制御するプロモーターを含む、請求項20に記載の非天然型組成物。
  24. 【請求項24】 タンパク質が治療薬である、請求項20に記載の非天然型組
    成物。
  25. 【請求項25】 複合体が、50 nm未満の直径に圧縮される、請求項20に記
    載の非天然型組成物。
  26. 【請求項26】 複合体が、30 nm未満の直径に圧縮される、請求項20に記
    載の非天然型組成物。
  27. 【請求項27】 核酸複合体が、23 nm未満の直径に圧縮される、請求項20
    に記載の非天然型組成物。
  28. 【請求項28】 核酸複合体が、12 nm以下の直径に圧縮される、請求項20
    に記載の非天然型組成物。
  29. 【請求項29】 非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物であって、各複合
    体が、本質的に、1つの2本鎖cDNA分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子
    を含み、ポリカチオン分子が、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からなる群
    より選択される対イオンを有し、cDNA分子が少なくとも1つの機能的タンパク質
    をコードし、複合体が、該1つのcDNA分子と、凝縮された球形形状において、約1
    :1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最
    小直径の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に圧縮される組
    成物。
  30. 【請求項30】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項29に記載の組成物。
  31. 【請求項31】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項30に記載の組成物。
  32. 【請求項32】 非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物であって、各複合
    体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子を含み
    、ポリカチオン分子が、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からなる群より選
    択される対イオンを有し、核酸分子が少なくとも1つのアンチセンス核酸をコー
    ドし、複合体が、該1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷
    電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径
    の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径に圧縮される組成物。
  33. 【請求項33】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項32に記載の組成物。
  34. 【請求項34】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項33に記載の組成物。
  35. 【請求項35】 非凝集核酸複合体を含む非天然型組成物であって、各複合
    体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分子を含み
    、ポリカチオン分子が、アセテート、炭酸水素塩および塩化物からなる群より選
    択される対イオンを有し、核酸分子がRNA分子であり、複合体が、該1つの核酸分
    子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の
    ポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未満、またはどちらが大
    きくても、30 nm未満の直径に圧縮される組成物。
  36. 【請求項36】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項35に記載の組成物。
  37. 【請求項37】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項36に記載の組成物。
  38. 【請求項38】 各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以
    上のポリカチオン分子を含む非凝集核酸複合体を含む組成物を調製する方法であ
    って、 1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供するの
    に十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未満、また
    はどちらが大きくても、30 nm未満の直径に複合体を圧縮するのに十分な塩濃度
    において、核酸分子とポリカチオン分子を混合し、それによって非凝集核酸複合
    体が形成される段階であり、各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたは
    それ以上のポリカチオン分子とを含み、ポリカチオン分子が、炭酸水素塩および
    塩化物からなる群より選択される対イオンを有する段階を含む方法。
  39. 【請求項39】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以
    上のポリカチオン分子を含む非凝集核酸複合体を含む組成物を調製する方法であ
    って、 溶媒中で核酸分子とポリカチオン分子を混合して複合体を形成する段階であり
    、混合する段階が添加塩が存在しない場合に実施され、混合する段階によって核
    酸が、凝集物を形成することなく、ポリカチオン分子との可溶性複合体を形成し
    、各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分
    子を含み、複合体が、該1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1
    の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小
    直径の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径を有し、ポリカチ
    オンが対イオンとしてアセテートを有する段階を含む方法。
  42. 【請求項42】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以
    上のポリカチオン分子を含む非凝集核酸複合体を含む組成物を調製する方法であ
    って、 溶媒中で核酸分子とポリカチオン分子を混合して複合体を形成する段階であり
    、混合する段階が添加塩が存在しない場合に実施され、混合する段階によって核
    酸が、凝集物を形成することなく、ポリカチオン分子との可溶性複合体を形成し
    、各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分
    子を含み、複合体が、1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の
    荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直
    径の2倍未満、またはどちらが大きくても、30 nm未満の直径を有し、ポリカチオ
    ンが炭酸水素塩および塩化物からなる群より選択される対イオンを有する段階を
    含む方法。
  45. 【請求項45】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 請求項10に記載の工程によって作製される、核酸とポリカ
    チオン分子の非天然型で、可溶性の圧縮された複合体。
  48. 【請求項48】 請求項38に記載の工程によって作製される、核酸とポリカ
    チオン分子の非天然型で、可溶性の圧縮された複合体。
  49. 【請求項49】 請求項41に記載の工程によって作製される、核酸とポリカ
    チオン分子の非天然型で、可溶性の圧縮された複合体。
  50. 【請求項50】 請求項44に記載の工程によって作製される、核酸とポリカ
    チオン分子の非天然型で、可溶性の圧縮された複合体。
  51. 【請求項51】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項47に記載の複合体。
  52. 【請求項52】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項51に記載の複合体。
  53. 【請求項53】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項48に記載の複合体。
  54. 【請求項54】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項53に記載の複合体。
  55. 【請求項55】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項49に記載の複合体。
  56. 【請求項56】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項55に記載の複合体。
  57. 【請求項57】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項50に記載の複合体。
  58. 【請求項58】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項57に記載の複合体。
  59. 【請求項59】 被験者の疾患または他の臨床状態を予防または治療する方
    法であって、 各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分
    子とを含み、ポリカチオン分子が対イオンとしてアセテートを有し、複合体が、
    (a)1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供する
    のに十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未満、ま
    たは(b)どちらが大きくても、30 nm未満の直径に圧縮される非凝集核酸複合体を
    含む、予防的または治療的に有効な量の組成物を被験者に筋肉内投与または被験
    者の肺に投与する段階を含み、 核酸が、被験者の標的細胞内への組み込み、ハイブリダイゼーションまたは標
    的細胞内での発現が疾患または他の臨床状態を予防または治療するものである方
    法。
  60. 【請求項60】 投与する段階が吸入による、請求項59に記載の方法。
  61. 【請求項61】 投与する段階が筋肉内注射による、請求項59に記載の方法
  62. 【請求項62】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項59に記載の方法。
  63. 【請求項63】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 被験者の疾患または他の臨床状態を予防または治療する方
    法であって、 各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ以上のポリカチオン分
    子とを含み、ポリカチオン分子が炭酸水素塩および塩化物からなる群より選択さ
    れる対イオンを有し、複合体が、(a)1つの核酸分子と、凝縮された球形形状にお
    いて、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数のポリカチオン分子との複合体の
    理論上の最小直径の2倍未満、または(b)どちらが大きくても、30 nm未満の直径
    に圧縮される非凝集核酸複合体を含み、核酸が、被験者の標的細胞内への組み込
    み、ハイブリダイゼーションまたは標的細胞内での発現が疾患または他の臨床状
    態を予防または治療する、予防的または治療的に有効な量の組成物を被験者に筋
    肉内投与または被験者の肺に投与する段階を含む方法。
  65. 【請求項65】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体で
    ある、請求項64に記載の方法。
  66. 【請求項66】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジン
    ペプチドである、請求項65に記載の方法。
  67. 【請求項67】 投与する段階が吸入による、請求項64に記載の方法。
  68. 【請求項68】 投与する段階が筋肉注射による、請求項64に記載の方法。
  69. 【請求項69】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において、
    約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論上
    の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項20に記載の組成物。
  70. 【請求項70】 核酸複合体が脂質に結合する、請求項29に記載の組成物。
  71. 【請求項71】 複合体が、90 nm未満の直径に圧縮される、請求項29に記
    載の組成物。
  72. 【請求項72】 核酸複合体が、30 nm未満の直径に圧縮される、請求項29
    に記載の組成物。
  73. 【請求項73】 核酸複合体が、23 nm未満の直径に圧縮される、請求項29
    に記載の組成物。
  74. 【請求項74】 核酸複合体が、12 nm以下の直径に圧縮される、請求項29
    に記載の組成物。
  75. 【請求項75】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において、
    約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論上
    の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項29に記載の組成物。
  76. 【請求項76】 複合体が、90 nm未満の直径に圧縮される、請求項32に記
    載の組成物。
  77. 【請求項77】 核酸複合体が、30 nm未満の直径に圧縮される、請求項32
    に記載の組成物。
  78. 【請求項78】 核酸複合体が、23 nm未満の直径に圧縮される、請求項32
    に記載の組成物。
  79. 【請求項79】 核酸複合体が、12 nm以下の直径に圧縮される、請求項32
    に記載の組成物。
  80. 【請求項80】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において、
    約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論上
    の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項32に記載の組成物。
  81. 【請求項81】 複合体が、90 nm未満の直径に圧縮される、請求項35に記
    載の組成物。
  82. 【請求項82】 核酸複合体が、30 nm未満の直径に圧縮される、請求項35
    に記載の組成物。
  83. 【請求項83】 核酸複合体が、23 nm未満の直径に圧縮される、請求項35
    に記載の組成物。
  84. 【請求項84】 核酸複合体が、12 nm以下の直径に圧縮される、請求項35
    に記載の組成物。
  85. 【請求項85】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において、
    約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論上
    の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項35に記載の組成物。
  86. 【請求項86】 塩がNaClである、請求項38に記載の方法。
  87. 【請求項87】 核酸およびポリカチオンが、混合時、各々、0.05〜1.5 M
    の塩濃度の溶液である、請求項38に記載の方法。
  88. 【請求項88】 凝集または弛緩した複合体の形成を検出、防止または矯正
    するために混合する段階をモニターする、請求項38に記載の方法。
  89. 【請求項89】 ポリカチオンの正に荷電した基に対する核酸のリン酸基の
    モル比が4:1から1:4の範囲である、請求項38に記載の方法。
  90. 【請求項90】 高速度で激しく撹拌しながら、ポリカチオンを核酸に添加
    する、請求項38に記載の方法。
  91. 【請求項91】 高速度で激しく撹拌しながら、核酸をポリカチオンに添加
    する、請求項38に記載の方法。
  92. 【請求項92】 電子顕微鏡、光散乱、円二色性および吸光度測定からなる
    群より選択される方法によって混合する段階をモニターする、請求項38に記載の
    方法。
  93. 【請求項93】 凝集または弛緩した複合体の形成を検出、防止または矯正
    するために混合する段階をモニターする、請求項41に記載の方法。
  94. 【請求項94】 ポリカチオンの正に荷電した基に対する核酸のリン酸基の
    モル比が4:1から1:4の範囲である、請求項41に記載の方法。
  95. 【請求項95】 高速度で激しく撹拌しながら、ポリカチオンを核酸に添加
    する、請求項41に記載の方法。
  96. 【請求項96】 高速度で激しく撹拌しながら、核酸をポリカチオンに添加
    する、請求項41に記載の方法。
  97. 【請求項97】 電子顕微鏡、光散乱、円二色性および吸光度測定からなる
    群より選択される方法によって混合する段階をモニターする、請求項41に記載の
    方法。
  98. 【請求項98】 凝集または弛緩した複合体の形成を検出、防止または矯正
    するために混合する段階をモニターする、請求項44に記載の方法。
  99. 【請求項99】 ポリカチオンの正に荷電した基に対する核酸のリン酸基の
    モル比が4:1から1:4の範囲である、請求項44に記載の方法。
  100. 【請求項100】 高速度で激しく撹拌しながら、ポリカチオンを核酸に添
    加する、請求項44に記載の方法。
  101. 【請求項101】 高速度で激しく撹拌しながら、核酸をポリカチオンに添
    加する、請求項44に記載の方法。
  102. 【請求項102】 電子顕微鏡、光散乱、円二色性および吸光度測定からな
    る群より選択される方法によって混合する段階をモニターする、請求項44に記載
    の方法。
  103. 【請求項103】 各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ
    以上のポリカチオン分子とを含み、ポリカチオン分子が、アセテート、炭酸水素
    塩および塩化物からなる群より選択される対イオンを有する非凝集核酸複合体を
    含む非天然型組成物。
  104. 【請求項104】 対イオンがアセテートである、請求項103に記載の組成
    物。
  105. 【請求項105】 ポリカチオンがCK15-60P10であり、対イオンがアセテー
    トであり、CK15-60P10がN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミ
    ノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシス
    テイン残基に結合している、請求項2に記載の組成物。
  106. 【請求項106】 ポリカチオン分子が30残基のリジンを含む、請求項105
    に記載の組成物。
  107. 【請求項107】 ポリカチオン分子が標的部分を含む、請求項105に記載
    の組成物。
  108. 【請求項108】 複合体が90 nm未満の直径に圧縮される、請求項105に記
    載の組成物。
  109. 【請求項109】 核酸複合体が、30 nm未満の直径に圧縮される、請求項1
    05に記載の組成物。
  110. 【請求項110】 核酸複合体が、23 nm未満の直径に圧縮される、請求項1
    05に記載の組成物。
  111. 【請求項111】 核酸複合体が、12 nm以下の直径に圧縮される、請求項1
    05に記載の組成物。
  112. 【請求項112】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において
    、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論
    上の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項105に記載の組成物。
  113. 【請求項113】 凍結乾燥される、請求項105に記載の組成物。
  114. 【請求項114】 凍結乾燥後再水和される、請求項105に記載の組成物。
  115. 【請求項115】 二糖を含有しない、請求項105に記載の方法。
  116. 【請求項116】 細胞にポリヌクレオチドを送達する方法であって、 請求項114に記載の組成物と細胞とを接触させる段階であり、核酸が細胞に送
    達されて、取り込まれる段階を含む方法。
  117. 【請求項117】 組成物が二糖を含有しない、請求項116に記載の方法。
  118. 【請求項118】 ポリカチオンがCK15-60P10であり、対イオンがアセテー
    トであり、CK15-60P10がN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミ
    ノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシス
    テイン残基に結合している、請求項20に記載の組成物。
  119. 【請求項119】 ポリカチオン分子が30残基のリジンを含む、請求項118
    に記載の組成物。
  120. 【請求項120】 ポリカチオン分子が標的部分を含む、請求項118に記載
    の組成物。
  121. 【請求項121】 凍結乾燥される、請求項118に記載の組成物。
  122. 【請求項122】 核酸分子が、機能的タンパク質をコードするRNA分子の
    転写を制御するプロモーターを含む、請求項118に記載の非天然型組成物。
  123. 【請求項123】 タンパク質が治療薬である、請求項118に記載の非天然
    型組成物。
  124. 【請求項124】 複合体が、50 nm未満の直径に圧縮される、請求項118に
    記載の非天然型組成物。
  125. 【請求項125】 複合体が、30 nm未満の直径に圧縮される、請求項118に
    記載の非天然型組成物。
  126. 【請求項126】 核酸複合体が、23 nm未満の直径に圧縮される、請求項1
    18に記載の非天然型組成物。
  127. 【請求項127】 核酸複合体が、12 nm以下の直径に圧縮される、請求項1
    18に記載の非天然型組成物。
  128. 【請求項128】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において
    、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論
    上の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項118に記載の組成物。
  129. 【請求項129】 凍結乾燥後再水和される、請求項118に記載の組成物。
  130. 【請求項130】 二糖を含有しない、請求項118に記載の方法。
  131. 【請求項131】 細胞にポリヌクレオチドを送達する方法であって、 請求項129に記載の組成物と細胞とを接触させる段階であり、ポリヌクレオチ
    ドがタンパク質をコードし、それによってタンパク質が発現する段階を含む方法
  132. 【請求項132】 ポリカチオンがCK15-60P10であり、対イオンがアセテー
    トであり、CK15-60P10がN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミ
    ノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシス
    テイン残基に結合している、請求項29に記載の組成物。
  133. 【請求項133】 ポリカチオン分子が30残基のリジンを含む、請求項132
    に記載の組成物。
  134. 【請求項134】 ポリカチオン分子が標的部分を含む、請求項132に記載
    の組成物。
  135. 【請求項135】 凍結乾燥される、請求項132に記載の組成物。
  136. 【請求項136】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において
    、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論
    上の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項132に記載の組成物。
  137. 【請求項137】 凍結乾燥後再水和される、請求項132に記載の組成物。
  138. 【請求項138】 二糖を含有しない、請求項132に記載の方法。
  139. 【請求項139】 細胞にポリヌクレオチドを送達する方法であって、 請求項137に記載の組成物と細胞とを接触させる段階であり、ポリヌクレオチ
    ドがタンパク質をコードし、それによってタンパク質が発現する段階を含む方法
  140. 【請求項140】 ポリカチオンがCK15-60P10であり、対イオンがアセテー
    トであり、CK15-60P10がN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミ
    ノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシス
    テイン残基に結合している、請求項32に記載の組成物。
  141. 【請求項141】 ポリカチオン分子が30残基のリジンを含む、請求項140
    に記載の組成物。
  142. 【請求項142】 ポリカチオン分子が標的部分を含む、請求項140に記載
    の組成物。
  143. 【請求項143】 凍結乾燥される、請求項140に記載の組成物。
  144. 【請求項144】 複合体が、1つの核酸と、凝縮された球形形状において
    、約1:1の荷電比を提供するのに十分な数の正に荷電した残基との複合体の理論
    上の直径の2倍未満の直径に圧縮される、請求項140に記載の組成物。
  145. 【請求項145】 凍結乾燥後再水和される、請求項140に記載の組成物。
  146. 【請求項146】 二糖を含有しない、請求項140に記載の方法。
  147. 【請求項147】 細胞にポリヌクレオチドを送達する方法であって、 請求項145に記載の組成物と細胞とを接触させる段階であり、ポリヌクレオチ
    ドがアンチセンス核酸をコードし、それによってアンチセンス核酸が発現する段
    階を含む方法。
  148. 【請求項148】 ポリカチオンがCK15-60P10であり、対イオンがアセテー
    トであり、CK15-60P10がN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミ
    ノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシス
    テイン残基に結合している、請求項35に記載の組成物。
  149. 【請求項149】 ポリカチオン分子が30残基のリジンを含む、請求項148
    に記載の組成物。
  150. 【請求項150】 ポリカチオン分子が標的部分を含む、請求項148に記載
    の組成物。
  151. 【請求項151】 凍結乾燥される、請求項148に記載の組成物。
  152. 【請求項152】 凍結乾燥してから、再水和される、請求項148に記載の
    組成物。
  153. 【請求項153】 二糖を含有しない、請求項148に記載の方法。
  154. 【請求項154】 細胞にポリヌクレオチドを送達する方法であって、
    請求項152に記載の組成物と細胞とを接触させる段階であり、ポリヌクレオチド
    が細胞に送達されて、取り込まれる段階を含む方法。
  155. 【請求項155】 ポリカチオンがCK15-60P10であり、対イオンがアセテー
    トであり、CK15-60P10がN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミ
    ノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシス
    テイン残基に結合している、請求項41に記載の組成物。
  156. 【請求項156】 非凝集核酸複合体を凍結乾燥する段階をさらに含む、請
    求項155に記載の方法。
  157. 【請求項157】 凍結乾燥した核酸複合体を再水和する段階をさらに含む
    、請求項156に記載の方法。
  158. 【請求項158】 ポリカチオン分子が30残基のリジンを含む、請求項155
    に記載の組成物。
  159. 【請求項159】 ポリカチオン分子が標的部分を含む、請求項155に記載
    の組成物。
  160. 【請求項160】 各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたはそれ
    以上のポリカチオン分子を含む非凝集核酸複合体を含む組成物を調製する方法で
    あって、 1つの核酸分子と、凝縮された球形形状において、約1:1の荷電比を提供するの
    に十分な数のポリカチオン分子との複合体の理論上の最小直径の2倍未満、また
    はどちらが大きくても、30 nm未満の直径に複合体を圧縮するのに十分な塩濃度
    において、核酸分子とポリカチオン分子を混合し、それによって非凝集核酸複合
    体が形成される段階であり、各複合体が、本質的に、1つの核酸分子と1つまたは
    それ以上のポリカチオン分子とを含み、ポリカチオン分子が、アセテート、炭酸
    水素塩および塩化物からなる群より選択される対イオンを有する段階を含む方法
  161. 【請求項161】 対イオンがアセテートである、請求項160に記載の方法
  162. 【請求項162】 ポリカチオン分子がポリリジンまたはポリリジン誘導体
    である、請求項160に記載の方法。
  163. 【請求項163】 ポリリジン誘導体が、システイン残基を有するポリリジ
    ンペプチドである、請求項162に記載の方法。
  164. 【請求項164】 請求項160に記載の方法によって作製される、核酸とポ
    リカチオン分子の非天然型で、可溶性の圧縮された複合体。
  165. 【請求項165】 塩がNaClである、請求項160に記載の方法。
  166. 【請求項166】 核酸およびポリカチオンが、混合時、各々、0.05〜1.5
    Mの塩濃度の溶液である、請求項160に記載の方法。
  167. 【請求項167】 凝集または弛緩した複合体の形成を検出、防止または矯
    正するために混合する段階をモニターする、請求項160に記載の方法。
  168. 【請求項168】 ポリカチオンの正に荷電した基に対する核酸のリン酸基
    のモル比が4:1から1:4の範囲である、請求項160に記載の方法。
  169. 【請求項169】 高速度で激しく撹拌しながら、ポリカチオンを核酸に添
    加する、請求項160に記載の方法。
  170. 【請求項170】 高速度で激しく撹拌しながら、核酸をポリカチオンに添
    加する、請求項160に記載の方法。
  171. 【請求項171】 電子顕微鏡、光散乱、円二色性および吸光度測定からな
    る群より選択される方法によって混合する段階をモニターする、請求項160に記
    載の方法。
  172. 【請求項172】 ポリカチオンがCK15-60P10であり、対イオンがアセテー
    トであり、CK15-60P10がN末端システイン1つと15〜60個のリジン残基のポリアミ
    ノ酸ポリマーであり、平均分子量10 kdalのポリエチレングリコール分子がシス
    テイン残基に結合している、請求項160に記載の組成物。
  173. 【請求項173】 非凝集核酸複合体を凍結乾燥する段階をさらに含む、請
    求項172に記載の方法。
  174. 【請求項174】 凍結乾燥した核酸複合体を再水和する段階をさらに含む
    、請求項173に記載の方法。
  175. 【請求項175】 ポリカチオン分子が30残基のリジンを含む、請求項172
    に記載の組成物。
  176. 【請求項176】 ポリカチオン分子が標的部分を含む、請求項172に記載
    の組成物。
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