JP2003533965A - 皮膚の異常症状を治療するためのヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−関連組成物および方法 - Google Patents

皮膚の異常症状を治療するためのヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−関連組成物および方法

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JP2003533965A JP2000565188A JP2000565188A JP2003533965A JP 2003533965 A JP2003533965 A JP 2003533965A JP 2000565188 A JP2000565188 A JP 2000565188A JP 2000565188 A JP2000565188 A JP 2000565188A JP 2003533965 A JP2003533965 A JP 2003533965A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼをコード化する核酸分子、および当該核酸分子によりコード化されて単離された蛋白質を提供する。また、本発明は異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現により特徴付けられる皮膚の異常症状についてヒトの被験体を診断する方法を提供する。さらに、本発明は薬剤が既にヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現している皮膚細胞内でヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量を増加するか否かについて決定するための方法を提供する。さらに、本発明は薬剤が既にヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現している皮膚細胞内でヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量または活性を増加または減少することについて決定するための方法を提供する。さらに、本発明は異常なステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現および/または活性により特徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物および関連する治療方法を提供する。加えて、本発明は関連する抗体、遺伝子療法用ベクター、およびトランスジェニック・マウスを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は異常なステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現および活性により特
徴付けられる皮膚の異常症状の診断および治療に関係する。また、本発明はこの
ような異常症状の治療に有用な薬剤を同定するための種々の手段に関係する。
【0002】
【発明の背景】哺乳類動物の脂肪酸デサチュラーゼについての概説 脂肪酸デサチュラーゼ「FAD」は脂肪酸に二重結合を挿入するように作用す
る酵素である。哺乳類動物においては、2個の異なるファミリーの脂肪酸デサチ
ュラーゼがあると思われる。不飽和脂肪酸生合成の重要な調節酵素であるステア
ロイル−CoAデサチュラーゼ−1(「SCD1」)(Strittmatter他、197
4年、Lippiello他、1979年)はこのうちの第1のファミリーに属する。こ
の酵素は脂肪酸アシル−CoAのデルタ−9位にシス形の二重結合を導入してパ
ルミトレオイルおよびオレオイル−CoAを生成する。
【0003】 これらの哺乳類脂肪酸デサチュラーゼは互いに構造的に類似している。すなわ
ち、これらは一体膜の鉄含有酵素であり、メチレン結節型脂肪酸鎖内へのNAD
H−およびO2 −依存性の二重結合形成を行なうように作用する。哺乳類ステア
ロイル−CoAデサチュラーゼ(「SCD」)はラット、マウス、ヒト、ウシ(
St. John他、1991年)、ヒツジ、ブタ、およびハムスターから単離されてい
る。マウス、ヒト、およびラットのSCDシーケンスのコード化領域により80
%以上のヌクレオチド・シーケンスの同一性が示されている。これらは類似のエ
キソン構造をそれぞれ持っているが、上流側の調節領域において明らかに異なっ
ている(Mihara、1990年)。
【0004】ステアロイル−CoAデサチュラーゼおよびその作用機構 ステアロイル−CoAデサチュラーゼはエネルギー代謝および脂質代謝、膜構
造、および信号伝達に必要な不飽和脂肪酸の生成に関与する。皮膚におけるステ
アロイル−CoAデサチュラーゼの発現は皮膚のホメオスタシス、特に、毛包脂
腺単位および外分泌汗腺の機能における不飽和脂肪酸の重要な役割を示唆してい
る。
【0005】 SCDは不飽和脂肪酸(「UFA」)合成における重要な工程に関わっており
、この工程は上記の経路における代謝制御の重要点となっている。SCDはその
好ましい基質であるパルミチン酸およびステアリン酸のC9およびC10の間に
二重結合を挿入するように作用する。UFAは三つの主な理由により重要である
。すなわち、UFAは細胞膜の重要な成分であること、トリグリセリドはUFA
を含有しており、エネルギー代謝の主要成分であること、および、UFAは信号
伝達時の脂質活性化キナーゼの刺激に重要な役割を果たすことである。マウスに
おいて、SCD遺伝子ファミリーは2種類の酵素群、すなわち、脂肪組織および
肝臓におけるSCD1(「M−SCD1」)および脳内のSCD2(「M−SC
D2」)を含むと考えられていた。
【0006】 不飽和脂肪酸の生合成における重要な工程はデルタ9位(炭素9および10の
間)に第1のシス形二重結合を導入することである(Ntambi、1995年)。鉄
含有のステアロイル−CoAデサチュラーゼ酵素はこの酸化工程に作用する。こ
の反応において、電子がNADPHからNADH−シトクロームb5リダクター
ゼを介してシトクロームb5に流れる。このシトクロームb5はデサチュラーゼ
に対する直接的な電子ドナーである。ステアロイル−CoAデサチュラーゼはH2 Oの生成を伴う分子状酸素に電子を転移する酸化−還元反応において鉄を利用
すると考えられている(Strittmatter他、1974年)。この反応における律速
段階がデサチュラーゼにおいて行なわれる。すなわち、シアニド感応性で全体の
脱飽和速度を制限するのはこの因子である(Oshino、1972年、Oshino他、1
972年)。12個乃至19個の炭素残基を有する脂肪酸のアシルCoA誘導体
がデサチュラーゼ活性において必要である(Enoch他、1976年)。この場合
に、アシルCoA誘導体の鎖長が短いほど、遊離のCoAおよび遊離の脂肪酸が
酵素に結合なくなると思われる(Enoch他、1976年)。加えて、SCD活性
は金属イオンにより影響を受ける(Wahle、1975年)。
【0007】 SCDはメチレン結節型脂肪酸CoA基質の領域におけるシス形脱飽和に作用
するが、好ましい基質はパルミテート(C16)およびステアレート(C18)
である。すなわち、パルミテートおよびステアレートはこの酵素によりパルミト
レオイル−CoAおよびオレオイル−CoAにそれぞれ変換される。パルミトレ
インおよびオレイン酸はリン脂質およびトリアシルグリセロールの主要な不飽和
脂肪酸成分である。前者は膜構造における中心的物質であり、後者は脂肪細胞に
見られる脂質貯蔵の中心的物質である。ステアリン酸のオレイン酸に対する比率
は細胞膜流動率に影響する因子の一つである。
【0008】マウス・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ 2種類のSCD遺伝子が同定されており、M−SCD1およびM−SCD2と
示されている。M−SCD1のcDNAは分化(前脂肪細胞から脂肪細胞)にお
いてM−SCD1を発現することが知られている3T3−L1前脂肪細胞から単
離されている(Ntambi他、1988年)。このM−SCD1は4.9kbのmR
NAをコード化する。このマウス3T3脂肪細胞のSCDにおける予想されたア
ミノ酸シーケンスはラット肝臓のSCD1と92%の同一性を示している。さら
に、通常の長さ(3.5kb)の3’未翻訳領域(「UTR」)におけるマウス
およびラットのmRNAの間に高度なヌクレオチド・シーケンスの同一性が見ら
れる(Ntambi他、1988年)。このSCD1遺伝子は15kbにわたって広が
っていて、6個のエキソンおよび5個のイントロンを含む。
【0009】 SCD−1遺伝子の5’端部は基本的なTATAボックスを示している(Ntam
bi他、1988年)。核転写因子Sp1に対応する結合部位に対して同一な領域
が存在する。すなわち、この転写開始部位の上流側は脂肪特異的転写要素FSE
2に一致する。さらに、cAMPおよびグルココルチコイド調節要素に対応する
コア・コンセンサスシーケンスが存在する(Ntambi他、1988年)。プロモー
ター領域において、PPAR受容体は塩基対−664から−642の間のAGG
TCAコンセンサスシーケンスに局在している(Miller他、1996年)。C/
EBPαはM−SCD1プロモーターに結合して、次の脂肪細胞分化の段階にお
ける転写を活性化することができる(Christy他、1989年)。
【0010】 M−SCD2遺伝子はM−SCD1およびラットSCDと同様に約15kbに
わたって広がっており、6個のエキソンおよび5個のイントロンから成る(Kaes
tner他、1989年、Mihara、1990年)。M−SCD2に対応するプロモー
ター領域もまた特徴付けられている(Kaestner他、1989年)。このM−SC
D2の5’端部は典型的な5’TATAボックスが無いが、2個のCCAATボ
ックスを有している。M−SCD2プロモーターはM−SCD1プロモーターに
おける領域に対して77%のシーケンス同一性を有する領域(−54乃至−20
1の間に位置する)を含む。さらに、このM−SCD2プロモーターは核転写因
子Sp1と同一の部位を含み、グルココルチコイド調節要素のコア・コンセンサ
スシーケンスと一致する要素を含んでいる(Kaestner他、1989年)。
【0011】 ゲノム・ブロットの研究により、SCDファミリーの別の形態がラットおよび
マウスに存在する可能性があるという予想が文献において示されているが、これ
までにまだ結論が出されていない(Mihara、1990年、Ntambi、1995年)
【0012】 SCD遺伝子は組織特異性発現パターンを有している。正常な食事状態におい
ては、M−SCD1のmRNAは脂肪組織内に支配的に発現されて、肝組織には
発現されない。また、これらの発現は無脂肪で高炭水化物の食事に応じて肝臓内
で誘発される。一方、M−SCD2のmRNAは脳内において支配的に発現され
て、高炭水化物の食事に応じて腎臓、肺、脾臓および脂肪組織内で誘発されるが
、いずれの条件下でも肝臓内では発現されない(Kaestner他、1989年)。ま
た、これらのデサチュラーゼはインビボで短命であって、数時間のみの半減期を
有することが知られている(Oshino他、1972年、Ozols、1997年)。
【0013】マウスにおけるアセビア突然変異体 アセビア(asebia)突然変異体はGates他(1965年)によりマウスにおい
て最初に報告された。この突然変異はBALB/cマウス種における常染色体の
劣性形質として生じた。この表現型の顕著な要素として、初期的な脱毛、うろこ
状の皮膚、完全に発育しない皮脂腺等が含まれる。マイボーム腺も発育不全にな
るので、これらのマウスは目の障害を生じる。例えば、目の炎症、光恐怖症、お
よび視力消失に繋がる瞼の瘢痕等の視覚による調査結果が報告されている。組織
学的には(Josefowicz他、1978年a、1978年b、1978年c)、発育
不全の皮脂腺を示すことに加えて、マウスの皮膚は表皮過成長および過度に長い
成長期の毛髪小胞を示す。このような毛髪小胞期(すなわち、成長期)は野生種
のマウスに比して延長されている。異物および慢性の炎症反応が真皮内に存在す
る。年齢増加と共に、この真皮は毛包脂腺構造の永久的損失を伴う瘢痕の増加が
生じる。アセビア・マウスの研究により、通水性バリヤが減少していることが分
かった。
【0014】 薄層クロマトグラフィの試験により、皮膚表面の脂質が異常である。Wilkinso
n他(1966年)はワックス状エステル、脂肪酸、およびコレステロール・エ
ステルの割合における変化が生じることを見出している。また、移植研究により
、遺伝的異常が表皮には発現するが、真皮には発現しないことが示されている(
Pennycuik他、1986年)。
【0015】ヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ ラットのcDNAシーケンスに基づくプライマーにより、712bp(全長の
ORFをコード化していない)ヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼのc
DNAが脂肪組織からのPCRにより同定されている(Li他、1994年)。こ
の形態を本明細書においてヒト脂肪SCD(「HA−SCD」)と言う。この決
定されたシーケンスから、ヌクレオチドのレベルにおいて、種々のマウスおよび
ラットのSCDに対する相同性が80%乃至84%であることが分かった。さら
に、ヒトおよびマウスのSCDの間の誘導ペプチド・シーケンスにおける同一性
は約93%であった。RNアーゼ(リボヌクレアーゼ)の保護が、正常な食道、
結腸、および肝臓における発現をほとんど全く示さないか、不定状に示すかのい
ずれかであった。この発現の増加はこれらの3種類の組織から生じる腫瘍におい
て見られる。
【0016】 肝臓からのヒトcDNAがデータベース内に存在しており(ウィスコンシン・
パッケージ・バージョン9.1、Genetics Computer Group, GCG社、マディソン
、ウィスコンシン、アクセス番号:Y13647)、このシーケンスはSDCの
5’および3’UTRおよび完全なORFの部分を含んでいる。この形態を本明
細書においてヒト肝臓SCD(「HL−SCD」)と言う。ヌクレオチドのレベ
ルにおいて、HL−SCDのHA−SCD(HA−SCDの既知のシーケンスに
おいて)に対する同一性は98.6%であり、M−SCD1に対する同一性は7
6.2%、およびM−SCD2に対する同一性は75.1%である。また、アミ
ノ酸のレベルにおいては、HL−SCDのHA−SCDに対する同一性は98.
7%であり、M−SCD1に対する同一性は83.9%である。
【0017】脂肪酸脱飽和の生物学的作用 デサチュラーゼは種々のUFAを生成する酵素である。これらのUFAは以下
の意味で生物学的システムにおいて重要である。すなわち、(1)脂質およびエ
ネルギー代謝における中間体として(Neely他、1974年)、(2)細胞エネ
ルギー貯蔵の主用形態およびリポ蛋白粒子を循環する主用成分(Rosseneu他、1
995年)であるトリグリセリドの成分として(オレエートがヒト脂肪組織にお
ける脂肪酸の主用な貯蔵形態である(Berry、1997年))、(3)膜流動率
の調節因子として、および(4)信号伝達経路の成分として作用する。
【0018】 細胞膜の適正な機能を維持するためには、膜流動率を正確に調整する必要があ
る(Kates他、1984年)。このことは飽和脂肪酸(「SFA」)のUFAに
対する比率により達成できる。この比率はこれらの脂質を生成する各酵素により
大まかに調整され、これらの酵素はそれぞれ脂肪酸シンターゼおよび脂肪酸デサ
チュラーゼである。デルタ9位デサチュラーゼの活性は生体が低温に曝されると
増大して細胞膜内に脱飽和処理した脂肪酸の量を増加する。これらの脱飽和処理
した脂肪酸は流動率を高め、これにより、低温誘発性の硬直化を防ぐ(Kasai他
、1976年、Tiku他、1996年)。
【0019】 膜流動率は細胞間信号伝達および癌形成にも関係している。すなわち、この膜
流動率の大きさは受容体の機能に影響し(Clandinin他、1991年)、膜UF
Aの増大した濃度が腫瘍細胞内で検出されて、新形成における役割を示している
(Li他、1994年)。多くの腫瘍が種々の脂肪酸プロファイル、特に、オレエ
ートの増加を示している(Hrelia他、1994年)。この膜流動率における変化
により、細胞間および/または細胞内の信号伝達に応じる変化が生じると考えら
れる。実際に、哺乳類腫瘍細胞における酵母SCDの高い量の発現により、膜流
動率が高まり、腫瘍壊死因子信号伝達が大幅に増加する(Gyorfy他、1997年
)。
【0020】 脂質により調節される信号伝達分子の研究において、UFAが細胞成長および
分化の調節に使用されている。すなわち、UFAは種々のプロテインキナーゼC
(PKC)のアイソフォームと協同作用できる(Shinomura他、1991年)。
また、これらはPKCの細胞内局在化を変更することもでき(Diaz-Guerra他、
1991年)、これはこの酵素を活性化するための既知の処理である。PKCは
表皮細胞(Dlugosz他、1993年)および毛髪小胞(Harmon他、1995年)
における正常な成長および分化において重要な役割を果たし、乾癬の病因に関係
している(Rassmussen他、1993年、Wevers他、1992年)。細胞内の遊離
UFAが膜リン脂質における受容体刺激性ホスホリパーゼAの作用により発生で
きる(Liscovitch他、1994年)。
【0021】 インビトロでの脂肪細胞分化中において、M−SCD1の転写がその初期段階
において活性化されることにより、UFAの脂肪細胞分化の調節における役割が
示唆されている(Casimir他、1996年)。
【0022】 UFAは現在においてペルオキシソーム増殖剤−活性化受容体(Bocos他、1
995年)および脂肪酸−活性化受容体(Ailhaud他、1995年)のようなU
FAに結合する転写因子を介する遺伝子発現の活性化剤として認識されている。
ホスファチジルイノシトール(PtdIns)−3,4,5−トリホスフェート(P3)
は受容体活性化ホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ[PI(3)K
]によるPtdIns−4,5−ビスホスフェート(血漿膜内に存在)のイノシトール
環における3位の位置のリン酸化により形成される脂質の第2メッセンジャーで
ある。PtdIns−3,4,5−P3は下流側キナーゼPDK1、PDK2、およびP
KBを血漿膜に補充することによりこれらの酵素を活性化する(Alessi他、19
98年)。PKBを活性化するためのPtdIns−3,4,5−P3の最も有効な形態
がそのリン脂質の2位の位置にオレエートを有する形態であることが示されてい
る。
【0023】 上記のPI3キナーゼおよびPKB経路により調節される生物学的処理は多面
発現性であり、膜トラフィッキング(membrane trafficking)、接着、細胞成長
、および生存を含む(Toker他、1997年)。最近において、Cadena他(19
97年)は、ヒトHeLa細胞系から、膜脂肪酸脂質デサチュラーゼに対応して「M
LD」と呼ばれる脂肪酸デサチュラーゼ遺伝子ファミリーの分岐進化体を単離し
ている。この分岐進化体は表皮成長因子受容体の細胞質尾部に対して特異的に相
互作用し、この受容体の生合成において役割を果たしてその機能を間接的に制御
すると考えられることが示されている(Cadena他、1997年)。
【0024】脂肪酸脱飽和化に関係する皮膚病理学 皮膚は高脂質器官として認識されており、その適正な機能は脂質代謝の完全性
に依存している。実質的な脂肪酸の欠乏は皮膚に深刻な影響を及ぼすことが長く
知られている。このような顕著な影響として、皮膚のうろこ状化、および表皮を
介する水分損失の増加が含まれる(Holman、1993年)。なお、アセビア・マ
ウスもまたこれらの変化を明示している。
【0025】 慢性の炎症性皮膚病であるアトピー性皮膚炎はγ−リノレン酸の投与により改
善されて、その病因における脂肪酸代謝の関与が示されている(Youn他、199
8年)。角質層の完全性は角質細胞の脂質組成に相当に依存しており、この成分
が疎水性を助長すると共に接着性を保持するように作用する(Chen他、1996
年)。同様に、毛髪軸における表皮と皮質の間の接着性の維持が特別な脂肪酸に
依存しており、この欠乏はカエデシロップ尿病に罹った患者の毛髪において顕著
に見られる(Jones他、1996年)。
【0026】 既に述べたように、毛包脂腺単位が脂肪酸組成における変化に感応する。さら
に、このことは皮脂腺におけるリノレン酸の局所的欠乏がその導管の内側におけ
るケラチノサイトの膜を増殖することを示すデータにより示される。さらに、こ
のことにより、尋常性挫瘡の前駆体である面ぽう(comedones)が形成される(D
owning他、1986年)。
【0027】 また、ApoCl過剰発現性トランスジェニック・マウスの表現型(Jong他、
1998年)により示されるように、脂質輸送の変化は皮膚に対して相当な影響
を及ぼす。すなわち、この動物体は、皮膚に対する遊離の脂肪酸の供給が減少し
たことにより場合と同様に、うろこ状の皮膚、および発育不全の皮脂腺を有する
。この表現型とアセビア・マウスの表現型との予想外に高い同一性は、これら2
種類の突然変異体が同一の代謝および/または信号伝達経路に関する遺伝子を含
む可能性があることを示している。さらに、ヒトの病気である毛包性魚鱗癬はア
セビア・マウスに対して予想外に高い同一性を示しており、これらは抜け毛、発
育不全の皮脂腺、うろこ状の皮膚、および光恐怖症を含む(Eramo他、1985
年)。
【0028】毛髪成長の病理学 毛髪基質ケラチノサイトは毛髪の軸部および鞘部を生じる高度に増殖性の細胞
である。これらは一時的増殖性幹細胞と呼ばれて、これらの増殖が毛髪の成長期
と相関していること、およびこれらの休止が毛髪小胞の休止期(すなわち、無成
長期)に相関していることを示す(Cotsarelis他、1990年)。多毛症(Olse
n、1994年)および男性型多毛症(Hughes, Jr.、1994年)は過剰成長に
より生じる毛髪小胞の病気である。また、脱毛症は毛髪成長の欠乏を生じる幾つ
か異なる病気を含む(Rietscel、1996年)。
【0029】
【発明の概要】
本発明は図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト・ステア
ロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型(polymorphism)をコード化する
核酸分子を提供する。
【0030】 また、本発明は、適当な条件下において、図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸
シーケンスを有するヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型
をコード化する核酸分子に対して特異的にハイブリッド形成する核酸分子を提供
する。
【0031】 さらに、本発明は異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現により特
徴づけられる皮膚の異常症状についてヒトの被験体を診断する方法を提供し、こ
の方法は、(i)被験体から皮膚のmRNAサンプルを採取する工程と、(ii
)このサンプルを、当該サンプル内に存在するステアロイル−CoAデサチュラ
ーゼのmRNAに対するラベル化した核酸分子のハイブリッド形成を可能にする
条件下で、過剰量の本発明によるラベル化した核酸分子に接触させる工程と、(
iii)ハイブリッド形成しないラベル化した核酸分子をサンプルから除去する
工程と、(iv)サンプル内に存在するハイブリッド形成したラベル化した核酸
分子の量を定量的に決定する工程と、(v)上記工程(iv)において決定した
量と、正常なヒトの被験体から得た皮膚のmRNAサンプルにより決定した量を
比較する工程とから成り、これらの量の間の差が診断する被験体の皮膚における
異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現に対して相関関係を有してい
る。
【0032】 さらに、本発明は本発明による核酸分子によりコード化される単離されたヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを提供する。
【0033】 さらに、本発明は図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型を表現する真核細胞系を
提供し、この細胞が上記デサチュラーゼをコード化する発現ベクターによりトラ
ンスフェクションされている。
【0034】 本発明は、薬剤がヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを既に発現して
いる皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量を
増加するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i)上記の薬剤を適当
な条件下において既知量でヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現す
る真核細胞系に接触させる工程と、(ii)薬剤との細胞接触後にステアロイル
−CoAデサチュラーゼの発現量が増加したか否かを決定することにより、当該
薬剤が既にヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現している皮膚細胞
内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量を増加するか否
かを決定する工程とから成る。
【0035】 さらに、本発明は薬剤がヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを既に表
現している皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発
現量を減少するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i)上記の薬剤
を適当な条件下において既知量でヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを
発現する真核細胞系に接触させる工程と、(ii)薬剤との細胞接触後にステア
ロイル−CoAデサチュラーゼの発現量が減少したか否かを決定することにより
、当該薬剤が既にヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現している皮
膚細胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量を減少す
るか否かを決定する工程とから成る。
【0036】 さらに、本発明は薬剤が皮膚細胞内におけるヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼの活性を減少するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i
)薬剤を適当な条件下で既知量の活性を有するヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼに接触させる工程と、(ii)薬剤との接触後に上記デサチュラーゼ
の活性が減少したか否かを決定することにより、薬剤が皮膚細胞内においてヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを減少するか否かを決定する工程とから
成る。
【0037】 さらに、本発明は薬剤が皮膚細胞内におけるヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼの活性を増加するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i
)薬剤を適当な条件下で既知量の活性を有するヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼに接触させる工程と、(ii)薬剤との接触後に上記デサチュラーゼ
の活性が増加したか否かを決定することにより、薬剤が皮膚細胞内においてヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを増加するか否かを決定する工程とから
成る。
【0038】 本発明は図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト・ステア
ロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型に特異的に結合することにより、
その活性を阻害する抗体を提供する。
【0039】 また、本発明は過剰なステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性により特徴
付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物を提供し、この組
成物は薬剤的に有効量の本発明による抗体および局所投与用の薬剤的に許容可能
なキャリヤから成る。
【0040】 さらに、本発明は遺伝子療法に適する発現ベクターを提供し、このベクターは
ヒトの皮膚のステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現を特異的に阻害するこ
とができる核酸分子をコード化する。
【0041】 さらに、本発明は過剰な皮膚のステアロイル−CoAデサチュラーゼにより特
徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物を提供し、この
組成物は本発明による上記の発現ベクターおよび局所投与用の薬剤的に許容可能
なキャリヤから成る。
【0042】 さらに、本発明は過剰なステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性により特
徴付けられる皮膚の異常症状に罹ったヒトの被験体を治療するための方法を提供
し、この方法は、治療的に有効量の本発明によるSCD活性減少性の薬剤組成物
を被験体に局所的に投与する工程から成る。
【0043】 本発明は遺伝子治療に適するSCDコード化DNA発現ベクターを提供する。
【0044】 さらに、本発明は不十分な皮膚のステアロイル−CoAデサチュラーゼ活性に
より特徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物を提供し
、この組成物は本発明によるSCDコード化発現ベクターおよび局所投与用の薬
剤的に許容可能なキャリヤから成る。
【0045】 さらに、本発明は不十分なステアロイル−CoAデサチュラーゼ活性により特
徴付けられる皮膚の異常症状に罹ったヒトの被験体を治療するための方法を提供
し、この方法は治療的に有効量の本発明によるSCD活性増加性の薬剤組成物を
被験体に局所的に投与する工程から成る。
【0046】 本発明は検出可能なマーカーによりラベル化した本発明による抗体を提供する
。また、本発明は本発明による抗体を発生するのに適している抗原を提供し、こ
の抗原は少なくとも一部分のヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼから成
る。
【0047】 さらに、本発明は本発明による抗体を製造する方法を提供し、この方法はヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの抗原性部分を適当な動物体に投与する
工程と、一定の適当な時間の経過後に、投与した抗原性部分に対応する動物体に
より発生した抗体を単離する工程とから成る。
【0048】 さらに、本発明は異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現により特
徴付けられる皮膚の異常症状についてヒトの被験体を診断する方法を提供し、こ
の方法は、(i)被験体の皮膚からステアロイル−CoAデサチュラーゼを含有
するサンプルを採取する工程と、(ii)採取したサンプルを、本発明による抗
体が当該サンプル内に存在するステアロイル−CoAデサチュラーゼに結合可能
にする条件下において、過剰量の抗体に接触させる工程と、(iii)結合しな
かった抗体をサンプルから除去する工程と、(iv)サンプル中に存在する結合
した抗体の量を定量的に決定する工程と、(v)工程(iv)において決定した
量を正常なヒトの被験体から採取した皮膚のステアロイル−CoAデサチュラー
ゼ・サンプルを用いて決定した量と比較する工程とから成り、これらの量の間の
差が診断される被験体の皮膚における異常量のステアロイル−CoAデサチュラ
ーゼ発現に対して相関関係を有している。
【0049】 さらに、本発明はトランスジェニック・マウスを提供し、このマウスの皮膚細
胞は図1または図2Aおよび図2Bに示すアミノ酸シーケンスを有するマウス皮
膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型の遺伝子コード化を全く
発現しない。
【0050】 [発明の詳細な説明] 本発明は異常なステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現および活性により
特徴付けられる皮膚の異常症状の診断および治療に関する。また、本発明はこの
ような異常症状を治療するのに有用な薬剤を同定するための種々の手段に関する
。本発明の基礎となるものは、マウスにおけるステアロイル−CoAデサチュラ
ーゼ、さらに重要なことは、ヒトにおけるステアロイル−CoAデサチュラーゼ
が皮膚において発現されるという予想外の発見である。皮膚は高脂質の器官であ
り、アトピー性皮膚炎およびアクネ症のような多くの皮膚の異常症状が脂質状態
の不均衡に関係する。本発明において皮膚に発現できることが発見されたステア
ロイル−CoAデサチュラーゼは特定の脂質関連の皮膚異常症状に対する重要な
新しい治療剤および診断用指示装置として作用する。
【0051】 さらに具体的に言えば、本発明は図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケン
スを有するヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼおよびその多型をコード
化する核酸分子を提供する。図8Aおよび図8Bにシーケンスが示されているS
CDの多型とは、1種類以上の種内突然変異により当該SCDとは異なるアミノ
酸シーケンスを有する任意の天然のヒトSCDを意味する。
【0052】 本発明によるSCDコード化核酸分子はmRNAおよびDNAのような任意の
種類の核酸分子とすることができる。好ましい実施形態において、本発明による
核酸分子はDNA分子である。この本発明によるDNA分子の例は必要に応じて
単離できる分子であるcDNA分子等である。好ましい実施形態において、上記
の核酸分子は図8Aおよび図8Bに示すシーケンスから成るcDNA分子である
。さらに、本発明によるSCDコード化DNA分子はその発現を可能にするDN
Aの任意の形態、または、その発現を可能にする形態の前駆体として作用する挿
入部分のようなDNAの任意の形態とすることができる。好ましい実施形態にお
いて、このDNA分子は発現ベクターである。
【0053】 ステアロイル−CoAデサチュラーゼは本明細書において「SCD」とも言う
。さらに、ヒトSCDは「H−SCD」または「HS−SCD」とも言い、マウ
スSCD1,SCD2,SCD3およびSCD4は、それぞれ、「M−SCD1
」、「M−SCD2」、「M−SCD3」および「M−SCD4」とも言う。
【0054】 さらに、以下の点を認識することが重要である。第1に、M−SCD3および
M−SCD4は以下に開示するような発見された新規な遺伝子である。第2に、
H−SCDシーケンスは本明細書において「皮膚H−SCD」または「HS−S
CD」としても示されていて、新規であり、皮膚およびその他の組織において発
現される。第3に、用語の「皮膚SCD」、「HS−SCD」、「肝臓SCD」
、「HL−SCD」、「脂肪SCD」および「HA−SCD」はそれぞれのSC
Dコード化mRNAを採取した器官を単に示すことを目的としており、各組織が
このようなSCDをそれぞれ発現する唯一の組織であることを示すためのもので
はない。さらに、本明細書においてHA−SCDおよびHL−SCDとして示さ
れる既知のH−SCDは本発明によるHS−SCDに対してシーケンスが異なる
だけでなく、実験的な違いに基づいて、HS−SCDの多型、間違ってシーケン
ス化された非HS−SCD体、または非ヒト・SCDである可能性がある。それ
ゆえ、本発明によるHS−SCDはこれまでに同定された最初のヒトSCD遺伝
子である可能性がある。いずれの場合においても、用語の「ヒト・ステアロイル
−CoAデサチュラーゼ」、「H−SCD」および「HS−SCD」は、本発明
において、図8Aおよび図8Bに示すシーケンスを有する蛋白質およびその多型
のみを意味する。一方、HL−SCDおよびHA−SCDは本明細書において本
発明によるHS−SCDとの比較のためのみに記載されている。
【0055】 また、本発明は図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト・
ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型をコード化する核酸分子に
対して適当な条件下で特異的にハイブリッド形成する核酸分子を提供する。望ま
しくは、この核酸分子は好ましくはDNA分子であって、サンプル内のヒト・ス
テアロイル−CoAデサチュラーゼ・コード化核酸分子を検出および/または定
量するためのプローブとして機能する。従って、好ましい実施形態において、上
記の分子は検出可能なマーカーによりラベル化されている。
【0056】 上記の検出される核酸分子に対して検出可能な核酸プローブをハイブリッド形
成するための方法および適当な条件は当該技術分野において周知である(Farrel
l Jr.、1993年)。本発明において、本発明による核酸分子がH−SCDシ
ーケンスに対してハイブリッド形成するが、その他の全てのSCDシーケンスと
は一定の有意差を示す程度にハイブリッド形成しない場合に、H−SCDシーケ
ンスに対して「特異的にハイブリッド形成する」と言う。望ましくは、本発明に
よる核酸分子がH−SCDコード化分子に対して、その他のあらゆるヒトのmR
NAまたはcDNAに比べて、少なくとも10倍以上の強度でハイブリッド形成
する。放射線ラベルおよび蛍光ラベルのような検出可能なマーカー、およびこれ
らを用いて核酸分子をラベル化する方法は当該技術分野において周知である(Fa
rrell Jr.、1993年)。実施形態の一例において、ハイブリッド形成するた
めの適当な条件はSambrook, J.他(1989年)に記載されている収縮ハイブリ
ッド形成(stringent hybridizing)条件である。
【0057】 さらに、本発明は異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現により特
徴づけられる皮膚の異常症状についてヒトの被験体を診断する方法を提供し、こ
の方法は、(i)被験体から皮膚のmRNAサンプルを採取する工程と、(ii
)このサンプルを、当該サンプル内に存在するステアロイル−CoAデサチュラ
ーゼのmRNAに対するラベル化した核酸分子のハイブリッド形成を可能にする
条件下で、過剰量の本発明によるラベル化した核酸分子に接触させる工程と、(
iii)ハイブリッド形成しないラベル化した核酸分子をサンプルから除去する
工程と、(iv)サンプル内に存在するハイブリッド形成したラベル化した核酸
分子の量を定量的に決定する工程と、(v)上記工程(iv)において決定した
量と、正常なヒトの被験体から得た皮膚のmRNAサンプルにより決定した量を
比較する工程とから成り、これらの量の間の差が診断する被験体の皮膚における
異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現に対して相関関係を有してい
る。
【0058】 本発明による方法により診断できる皮膚の異常症状としては、例えば、皮膚癌
、アクネ症、アトピー性皮膚炎、脱毛症、男性型多毛症、および多毛症等が含ま
れる。組織特異性mRNAサンプル(例えば、皮膚mRNA)を採取する方法、
本発明によるラベル化した核酸分子による当該サンプルへのハイブリッド形成を
行なう条件、およびラベル化した分子によるハイブリッド形成の量を定量的に決
定する方法は全て当該技術分野において周知である(Farrell Jr.、1993年
)。
【0059】 さらに、本発明は本発明による核酸分子によりコード化される単離したヒト・
ステアロイル−CoAデサチュラーゼを提供する。好ましい実施形態において、
この単離したデサチュラーゼは図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸核酸シーケン
スを有している。実施形態の一例において、この「単離した」H−SCD蛋白は
その他のあらゆるSCD蛋白を含まない。さらに、好ましい実施形態において、
この単離したH−SCD蛋白はその他のあらゆる蛋白を含まない。上記のH−S
CD蛋白を作成するために使用できる方法として、組換え型蛋白製造法およびト
ランスフェクション処理細胞培養等の方法が周知である(Sambrook他、1989
年)。また、上記のH−SCD蛋白を単離するために使用できる方法として、カ
ラム・クロマトグラフィおよびゲル電気泳動等の方法が周知である(Sambrook他
、1989年)。
【0060】 さらに、本発明は図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型を発現する真核細胞系を
提供し、この細胞はデサチュラーゼをコード化する発現ベクターによりトランス
フェクションされている。
【0061】 適当な真核細胞系として、酵母細胞、昆虫細胞、および動物体細胞等が含まれ
るがこれらに限らない。さらに、適当な動物体細胞としては、HeLa細胞、C
os細胞、CV1細胞、および種々の第一次哺乳類動物細胞等が含まれるがこれ
らに限らない。さらに、マウス線維芽細胞のNIH−3T3細胞、HeLa細胞
、Ltk細胞、およびCos細胞を含むがこれらに限らない多数の哺乳類動物細
胞がホストとして使用できる。好ましい実施形態において、上記の真核細胞系は
哺乳類動物細胞系であり、望ましくは、皮膚組織細胞から成るもの、または当該
皮膚組織細胞から誘導したものである。これらの真核細胞系はリン酸カルシウム
沈降法、エレクトロポレーション、リポフェクション、および微量注入法のよう
な当該技術分野において周知の方法によりトランスフェクション処理できる。
【0062】 本発明はSCD関連の異常症状について治療用および予防用に使用する薬剤を
選別する幾つかの方法を提供する。第1に、本発明は薬剤が既にヒト・ステアロ
イル−CoAデサチュラーゼを発現している皮膚細胞におけるヒト・ステアロイ
ル−CoAデサチュラーゼの発現量を増加するか否かを決定するための方法を提
供し、この方法は、(i)上記の薬剤を適当な条件下において既知量でヒト・ス
テアロイル−CoAデサチュラーゼを発現する真核細胞系に接触させる工程と、
(ii)薬剤との細胞接触後にステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量が
増加したか否かを決定することにより、当該薬剤が既にヒト・ステアロイル−C
oAデサチュラーゼを発現している皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル−C
oAデサチュラーゼの発現量を増加するか否かを決定する工程とから成る。
【0063】 第2に、本発明は薬剤がヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを既に表
現している皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発
現量を減少するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i)上記の薬剤
を適当な条件下において既知量でヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを
発現する真核細胞系に接触させる工程と、(ii)薬剤との細胞接触後にステア
ロイル−CoAデサチュラーゼの発現量が減少したか否かを決定することにより
、当該薬剤が既にヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現している皮
膚細胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量を減少す
るか否かを決定する工程とから成る。
【0064】 本発明による細胞に基づく方法において、H−SCD発現量が増加または減少
する量は任意の定量可能な量とすることができる。本発明の好ましい実施形態に
おいて、この量は発現量を少なくとも50%増加または減少できる量である。さ
らに、このような増加または減少を定量的に決定するために使用できる方法とし
て、例えば、皮膚mRNAのノザンブロットによるラベル化プローブ・ハイブリ
ッド形成があり、これらは当該技術分野において周知である(Farrell Jr.、1
993年)。
【0065】 さらに、本発明による細胞に基づく方法において、上記の真核細胞は(a)図
8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト・ステアロイル−Co
Aデサチュラーゼまたはその多型をコード化する発現ベクターによりトランスフ
ェクション処理した細胞系、または(b)トランスフェクション処理しない細胞
系のいずれかとすることができる。
【0066】 第3に、本発明は薬剤が皮膚細胞内におけるヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼの活性を減少するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i
)薬剤を適当な条件下で既知量の活性を有するヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼに接触させる工程と、(ii)薬剤との接触後に上記デサチュラーゼ
の活性が減少したか否かを決定することにより、薬剤が皮膚細胞内においてヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを減少するか否かを決定する工程とから
成る。
【0067】 さらに、本発明は薬剤が皮膚細胞内におけるヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼの活性を増加するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i
)薬剤を適当な条件下で既知量の活性を有するヒト・ステアロイル−CoAデサ
チュラーゼに接触させる工程と、(ii)薬剤との接触後に上記デサチュラーゼ
の活性が増加したか否かを決定することにより、薬剤が皮膚細胞内においてヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを増加するか否かを決定する工程とから
成る。
【0068】 本発明の実施形態の一例において、「H−SCDの活性」はその基質パルミテ
ート内にシス形二重結合を導入してパルミトレオイル−CoAを生成する速度を
意味する。このSCD活性を定量的に測定するために使用できる方法として、例
えば、経時的なSCD反応生成物の薄層クロマトグラフの測定等がある。なお、
SCD活性を測定するための上記の方法およびその他の方法は周知である(Hend
erson他、1992年)。
【0069】 また、本発明は図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト・
ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多形現象に特異的に結合するこ
とにより、その活性を阻害する抗体を提供する。
【0070】 上記の本発明による抗体はポリクローン系抗体、モノクローン系抗体、または
これらのSCD結合性フラグメントとすることができる。実施形態の一例におい
て、この抗体は単離された抗体、すなわち、その他のあらゆる抗体を含まない抗
体である。この「抗体」の例としては、天然および人工の抗体が含まれる。さら
に、この「抗体」には、キメラ抗体および完全に合成した抗体、およびこれらの
フラグメントが含まれる。これらの抗体を作成および単離する方法は当該技術分
野において周知である(Harlow他、1988年)。
【0071】 さらに、本発明は過剰なステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性により特
徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物を提供し、この
組成物は治療的に有効量の本発明による抗体および局所投与用の薬剤的に許容可
能なキャリヤから成る。
【0072】 本発明において、上記の本発明による薬剤組成物の局所的な投与は当該技術分
野の熟練者において既知の種々の方法および供給システムの任意のものにより行
なうことができる。この局所的投与は、例えば、経皮的にまたは局所的注入によ
り行なうことができる。
【0073】 局所投与用の薬剤キャリヤは当該技術分野において周知であり、当該キャリヤ
を供給する活性薬剤と共に混合するための方法も同様に周知である。さらに、局
所用キャリヤの例およびそれらの使用方法が当該技術分野において周知である(
Ramchandani、Barry、Wenniger、Martindale’s Parmacopoeia、U. S. Pharmaco
peoia)。多数の日常的に用いられているキャリヤを使用している以下の皮膚供
給システムは本発明による組成物を投与するための多くの実施形態の代表的な例
に過ぎない。
【0074】 経皮的供給システムは、例えば、水性および非水性ゲル、クリーム、多成分系
エマルジョン、ミクロエマルジョン、リポソーム、軟膏、水性または非水性溶液
、ローション、アエロゾル、炭化水素基剤およびパウダーを含み、安定化剤のよ
うな賦形剤、透過性向上剤(例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコー
ル、およびアミノ酸等)、および親水性ポリマー(例えば、ポリカルボフィルお
よびポリビニルピロリドン等)を含有できる。好ましい実施形態において、上記
の薬剤的に許容可能なキャリヤはリポソームまたは皮膚透過性向上剤である。さ
らに、本発明において使用できるリポソームの例として、(1)セルフェクチン
(CellFectin)、すなわち、カチオン性脂質のN,NI ,NII,NIII −テトラ
メチル−N,NI ,NII,NIII −テトラパルミチル−スペルミンおよびジオレ
オイル・ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)の1:1.5(M/M)
リポソーム配合物(GIBCO BRL社)、(2)シトフェクチン(Cytofectin)GS
V、すなわち、カチオン性脂質およびDPOEのリポソーム配合物(Glen Resea
rch社)、(3)DOTAP(N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)−N
,N,N−トリメチル−アンモニウムメチルサルフェート](Boehringer Manhe
im社)、および(4)リポフェクタミン(Lipofectamine)、すなわち、ポリカ
チオン性脂質のDOSPAおよび中性脂質DOPEの3:1(M/M)リポソー
ム配合物(GIBCO BRL社)等が含まれる。
【0075】 さらに、本発明は遺伝子療法に適する発現ベクターを提供し、このベクターは
ヒトの皮膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現を特異的に阻害すること
ができる核酸分子をコード化する。実施形態の一例において、この核酸分子はヒ
ト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼのmRNAの少なくとも一部分に対し
て相補的であって、特に、これとハイブリッド形成するアンチ−センス分子であ
る。
【0076】 ヒトの遺伝子療法において、アンチ−センス核酸技法は発現により病気を生じ
るために不所望である不活性な遺伝子を選別する主要な手段の一つであった。こ
のアンチ−センス手法は不所望な遺伝子をコード化するmRNA分子に対してハ
イブリッド形成する核酸分子を使用し、遺伝子発現を阻害する。既知の目的の遺
伝子に対するアンチ−センス分子を作成および使用する方法は当該技術分野にお
いて既知である(Agrawal、1996年)。
【0077】 さらに、本発明は過剰な皮膚のステアロイル−CoAデサチュラーゼ活性によ
り特徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物を提供し、
この組成物は本発明による発現ベクターおよび局所投与用の薬剤的に許容可能な
キャリヤから成る。
【0078】 また、本発明は過剰なステアロイル−CoAデサチュラーゼ活性により特徴付
けられる皮膚の異常症状に罹ったヒトの被験体を治療するための方法を提供し、
この方法は本発明による治療的に有効量のSCD活性減少性の薬剤組成物を被験
体に局所的に投与する工程から成る。好ましい実施形態において、この異常症状
は皮膚癌、多毛症、および男性型多毛症から選択される。
【0079】 治療的に有効量の本発明による薬剤組成物を決定することは日常的なコンピュ
ータ技法により動物体データに基づいて行なうことができる。実施形態の一例に
おいて、この治療的に有効な量は約1μg乃至約1gの本発明による活性減少性
ベクターを含有している。別の実施形態において、この治療的に有効な量は約1
0μg乃至約100mgのベクターを含有している。さらに別の実施形態におい
ては、この治療的に有効な量は約100μg乃至約10mgのベクターを含有し
ている。
【0080】 本発明は遺伝子療法における使用に適するSCDコード化DNA発現ベクター
を提供する。さらに、本発明は不十分な皮膚ステアロイル−CoAデサチュラー
ゼ活性により特徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物
を提供し、この組成物は本発明によるSCDコード化発現ベクター、および局所
投与用の薬剤的に許容可能なキャリヤから成る。
【0081】 さらに、本発明は不十分な皮膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼ活性によ
り特徴付けられる皮膚の異常症状に罹ったヒトの被験体を治療するための方法を
提供し、この方法は治療的に有効量の本発明によるSCD活性増加性の薬剤組成
物を被験体に局所的に投与する工程から成る。好ましい実施形態において、上記
の異常症状はアクネ症、アトピー性皮膚炎、および脱毛症から選択される。
【0082】 実施形態の一例において、上記の治療的に有効な量は約1μgおよび約1gの
本発明によるSCDコード化ベクターを含有している。また、別の実施形態にお
いて、この治療的に有効な量は約10μg乃至約100mgのベクターを含有し
ている。さらに別の実施形態においては、この治療的に有効な量は約100μg
乃至約10mgのベクターを含有している。
【0083】 本発明は検出可能なマーカーによりラベル化した本発明による抗体を提供する
。さらに、本発明は本発明による抗体を発生するのに適する抗原を提供し、この
抗原はヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの少なくとも一部分から成る
【0084】 さらに、本発明は本発明による抗体を生成する方法を提供し、この方法はヒト
・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの抗原性部分を適当な動物体に投与する
工程と、一定の適当な時間の経過後に、投与した抗原性部分に対して動物体によ
り発生した抗体を単離する工程とから成る。適当な動物体としては、マウス、ラ
ビット、ヤギ、およびサル等が挙げられる。抗体を発生するための適当な時間の
長さについては当該技術分野において周知であり、初期的な抗原の投与に続く1
種類以上の「ブースター」の投与を含む場合がある。望ましくは、上記の抗原は
周知の方法に従って補助剤と共に投与される。
【0085】 さらに、本発明は異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現により特
徴づけられる皮膚の異常症状についてヒトの被験体を診断する方法を提供し、こ
の方法は、(i)被験体の皮膚からステアロイル−CoAデサチュラーゼ含有の
サンプルを採取する工程と、(ii)この採取したサンプルを、当該サンプル内
に存在するステアロイル−CoAデサチュラーゼに対して抗体を結合可能にする
条件下で過剰量の本発明による抗体に接触させる工程と、(iii)結合しなか
った抗体をサンプルから除去する工程と、(iv)サンプル内に存在する結合し
た抗体の量を定量的に決定する工程と、(v)上記工程(iv)において決定し
た量と、正常なヒトの被験体から得た皮膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼ
のサンプルにより決定した量を比較する工程とから成り、これらの量の間の差が
診断する被験体の皮膚における異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発
現に対して相関関係を有している。この抗体結合に必要とされる条件は周知であ
る。この抗体はラベル化していてもよく、ラベル化していなくてもよい。実施形
態の一例において、ラベル化していない抗体は本発明による抗体に関係する第2
の検出可能な抗体により定量的に測定される。
【0086】 さらに、本発明はトランスジェニック・マウスを提供し、このマウスの皮膚細
胞は図1または図2Aおよび図2Bに示すアミノ酸シーケンスを有するマウス皮
膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型の遺伝子コード化を全く
発現しない。この種類のトランスジェニック・マウスはそのトランスジェニック
状態が不所望な遺伝子の発現を阻害する意味で「ノック−アウト・マウス(knoc
k-out mouse)」としても当該技術分野において知られている。好ましい実施形
態において、上記のトランスジェニック・マウスはその染色体である図8Aおよ
び図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト・ステアロイル−CoAデサチ
ュラーゼまたはその多型をコード化するDNAシーケンスと操作可能に一体化さ
れており、このデサチュラーゼがマウスの皮膚細胞において発現される。上記の
「ノック−アウト」マウスを含むトランスジェニック・マウスを作成する方法は
当該技術分野において周知である(Hogan他、1986年)。
【0087】 さらに、本明細書に記載するヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ関連
の核酸分子、組成物、および方法の各実施形態において、本発明はさらにマウス
SCD遺伝子3およびSCD遺伝子4のそれぞれに対応する実施形態に対する必
要な変更を提供する。
【0088】 本発明は以下の実験の詳細な説明を参考にすることによりさらによく理解でき
るが、当該技術分野の熟練者によれば、本明細書における特許請求の範囲にさら
に完全に記載するように、これらの実験は本発明の例示のみに留まることが容易
に理解できると考える。加えて、本特許出願において種々の刊行物を引用してい
る。これらの刊行物の開示は本発明が関係する技術の段階をさらに完全に説明す
るために本特許出願に参考文献として含まれている。
【0089】
【実験の詳細な説明】序説:新規なマウスおよびヒトのSCDの発見 毛包脂腺単位(「PSU」)の成長調節に関与する新規な遺伝子を同定および
特徴付けるために、選択されたマウスPSU突然変異を生じる可能性のある分子
を同定した。皮膚およびPSUに関係する約48種類のげっ歯類動物の突然変異
が存在する(Sunberg、1994年)。これらの突然変異の幾つかが、アンゴラ
(angora)(FGF5:Hebert他、1994年)、ウエーブド−1(waved-1)
(TGFα:Mann他、1993年)、ウエーブド−2(waved-2)(EGFR:F
owler他、1995年、Miettinen他、1995年)、ヌード(nude)(whn:
Nehls他、1994年)、ボールディング(balding)(DSG3:Koch他、19
97年)、およびへアレス(hairless)(hairless:Ahmad他、1998年)のよ
うに同定されており、皮膚およびPSU研究における調査の新しい方法を提供し
ている。
【0090】 上記において詳細に説明したアセビア(asebia)として知られる突然変異体マ
ウスを実験対象として選択した。最も明瞭な表現型は初期的な抜け毛および皮脂
腺の発育不全である。
【0091】 これまでの研究により、毛髪軸の適正な発育のために皮脂腺が重要であること
が示されている(Williams、1997年)。この研究は内側の毛髪根鞘が毛髪軸
と共に成長して粗い髪が生じる被毛として知られるヒトの毛髪異常症状に対して
有効な外移植部品を提供している。さらに、人間のアクネ症は皮脂腺および毛髪
小胞の漏斗部における異常な変化により生じると考えられる。さらに、脱毛症お
よび多毛症を含む幾つかの病気が毛髪成長周期の異常な調節により生じる。この
ような情報にも拘わらず、これらの状態に関係する分子レベルの状態については
まだ知られていない。この点に鑑みて、アセビア・マウスを調査することにより
これらの問題に対する新しい分子レベルの手法について検討した。
【0092】 ゲノム・マッピング技法により、アセビア・コード化SCDのPSUにおける
2種類の遺伝子を同定した。これらのM−SCD3およびM−SCD4として同
定した遺伝子は毛髪小胞のケラチノサイト基質の中および皮脂腺の中に存在して
いる。
【0093】 マウスにおけるこの発見に続いて、新規なヒトのSCD(「HS−SCD」)
を皮膚組織から同定して特徴付けた。本発明のマウスおよびヒトの両方のSCD
は皮膚内で発生されることが分かった最初のSCDである点で予想外のものであ
った。
【0094】アセビア遺伝子の候補の発見 約600匹のマウスの戻し交配によるデータから多型のゲノム・マーカーD19m
it167に連結した状態のアセビア形質のゲノム位置を導き出した。さらに、この
ゲノム領域を分析して、アセビア(ab)マウスに変化可能な可能な候補遺伝子
の一つとしてのSCDの同定を行なうことにより、観察される病理学的形質を導
き出した。このような突然変異のabマウスおよび正常なマウスによるゲノムD
NAに関する実験により、SCD遺伝子がabマウス内において突然変異可能で
あることが分かった。
【0095】 エキソン5復帰プライマー(SCD1の報告されているデータによる(Ntambi
他、1988年))、および市販のキット(Clontech社、カリフォルニア)によ
るcDNA端部(「RACE」)クローニングの5’急速増殖により、新しいc
DNAシーケンスをこの5’RACE・cDNAクローニング後に同定した。幾
種類かのRACE・cDNAクローンをシーケンス化して、これらのクローンの
一つである5α5を新しいと見なした。この理由は、このシーケンスがSCD1
に対して高い相同性を有しているが、コード化領域および5’非コード化領域の
両方において異なっていたためである。それゆえ、このクローンをM−SCD3
と指定した。さらに、このクローンをプローブとして用いて、市販のマウス皮膚
cDNAライブラリーをスクリーニング(Stratagene社、カリフォルニア)する
ことにより、皮膚内で発現可能な別の新規なSCD遺伝子を同定した。
【0096】 幾つかのcDNAクローンを単離し、これらのクローンから、皮膚に発現する
さらに別の遺伝子を同定した。このシーケンスもまたそれ自体特異的であるので
、この遺伝子をSCD4とした。このSCD4のシーケンスは2種類のクローン
−15gおよび7dの重合シーケンスにより誘導した。さらに、このSCD4シ
ーケンスの変異体を別のクローン−クローン5aのシーケンス化後に同定した。
本明細書において、前者を「SCD4v1」(変異体1)として同定し、後者(
5aクローンから誘導)を「SCD4v2」(変異体2)として同定した。
【0097】M−SCD3のcDNAのヌクレオチド・シーケンス分析 M−SCD3クローンのシーケンス全体(エキソン5まで)を図1に示す。蛋
白質のオープン・リーディング・フレーム(読み取り枠)はヌクレオチド285
から開始しており、当該シーケンスの部分を下線で示した。このコーディング・
シーケンスに加えて、284個のヌクレオチドの5’非コーディング・シーケン
スを有していた。既知のM−SCD1とのシーケンスの比較において、SCD3
の5’端部における145個程度のヌクレオチドが特異的であるが、残りのシー
ケンスの部分がマウスSCD1シーケンスに対して高い相同性(99%程度の同
一性)を有していることが分かった。しかしながら、既知のマウスSCD2との
シーケンスの比較においては、非同一性の領域(SCD3の特異的な5’端部)
が約280個のヌクレオチドまで延長していることが分かった。さらに、蛋白コ
ーディング領域を含むSCD3の280個のヌクレオチドの下流側の領域はSC
D2シーケンスに対して90%程度の同一性しか有していなかった。それゆえ、
SCD3およびSCD1の間の相同性の領域は蛋白コーディング領域および5’
非コーディング領域の両方を含むが、SCD3およびSCD2の間の同一性はこ
の遺伝子の蛋白コーディング領域に限られている。
【0098】M−SCD4のcDNAのヌクレオチド・シーケンス分析 SCD4の変異体の一つであるSCD4v1のヌクレオチド・シーケンスを図
2Aおよび図2Bに示す。このシーケンスはそれぞれ317個および179個の
ヌクレオチドの5’および3’UTRを有する蛋白コーディング・シーケンス(
下線で示す)を含む。M−SCD1シーケンスとのシーケンス比較により、相同
性の領域は蛋白コーディング・シーケンス(下線で示す)のみに限られて(91
%程度の同一性)、5’または3’の非コーディング領域においては有意差のあ
る相同性が見られなかった。また、M−SCD2のcDNAシーケンスとのシー
ケンス比較の場合も、相同性の領域は蛋白コーディング・セグメント(下線で示
す)のみに限られていて、約88%のシーケンス同一性を有していた。さらに、
2個の新規なシーケンスSCD3およびSCD4を互いに比較した結果(図3A
および図3B)、これらが約77%の全体的な同一性を有していることが分かり
、これらのコーディング・シーケンスにおいて最大の相同性を有していた(90
%程度)。さらに、GenEMBLデータベースの調査から、M−SCD4のcDNA
シーケンスおよびハムスターの側腹部組織から単離したFAR17−CのcDN
Aシーケンスの間に相同性があることが示されている。すなわち、これらの2種
類のシーケンスは85%程度の全体的な同一性を有している。さらに、これら2
種類のシーケンスは5’非コーディング領域および3’非コーディング領域内に
おいて有意差のある相同性を有する領域を示している。
【0099】M−SCD4の変異形態 CSD4のcDNAの2種類の異なるクローンを5’未翻訳領域(図12)お
よび3’未翻訳領域(図4)の両方における特異的なシーケンスにより示される
ものとして同定した。これらの2種類のクローンはSCD4遺伝子の交互挿入形
態(alternative splice forms)であって、これらは両方ともマウス皮膚内に発
現される。あるいは、これらは2種類のSCD4遺伝子からシーケンスを表現で
きる。これらのクローンは、その差が図4A乃至図4Dに示すような2種類のシ
ーケンス(6個のヌクレオチドの四角で囲った領域)内に延在するポリAの直前
の3’端部にも見られるために、人工産物をクローン化するものとは異なる。こ
の蛋白コーディング領域を下線で示し、これら2種類の変異体の間で見られるよ
うに同一である。
【0100】M−SCD1乃至M−SCD4のcDNAシーケンスの比較 4種類のマウスSCD遺伝子全てのcDNAコーディング鎖シーケンスを比較
した場合に、SCD1とSCD3との間の有意差のある相同性の領域が非−コー
ディング領域の5’端部から開始しているが、SCD2およびSCD4の間の場
合は相同性がコーディング・シーケンス内のみから開始している(図4A乃至図
4D)。これら全ての種はそれらの蛋白コーディング領域内において異なる相同
性の程度を有している。この相同性はSCD4とSCD1またはSCD2との間
の3’非コーディング領域内までは延在していない。
【0101】cDNAシーケンスから導き出した場合のM−SCD3蛋白シーケンス SCD1蛋白コーディング・シーケンスに対して高い相同性を有しているM−
SCD3のcDNAの最長のORFを図5に示す。このシーケンスはエキソン6
シーケンスが欠落しているが、M−SCD1シーケンスに対する相同性により示
されるように、エキソン5の端部までこのシーケンスを発現している。このこと
はこのシーケンスが正にSCDファミリーに属していることを示す。SCD3蛋
白シーケンスの位置97においてアラニンからシステインに単一のアミノ酸を変
化させるヌクレオチドにおける違いがエキソン内において生じているために、M
−SCD3はSCD1遺伝子の相互挿入型の変異体ではないと言える。加えて、
SCD3のcDNAは特異的な3’非コーディング・シーケンスを有している。
【0102】cDNAシーケンスから導き出した場合のM−SCD4蛋白シーケンス M−SCD4v1のcDNAから導き出した場合の359個のアミノ酸の完全
な蛋白シーケンスを図6に示す。このシーケンスはデサチュラーゼおよびヒドロ
キシラーゼの幾つかの種と同一の場所に全ての保存されたヒスチジン残基を有し
ている(Shanklin他、1994年)。
【0103】各マウスSCDの蛋白シーケンスの比較 図7はマウスSCD1,SCD2,SCD3およびSCD4の蛋白シーケンス
の比較を示している図である。SCD1におけるアラニンがSCD3においてシ
ステインに置換している1個のアミノ酸位置(図7Aおよび図7Bにおける位置
101)を除いて、SCD1はSCD3と同一の蛋白シーケンスを有している。
SCD2およびSCD4はさらに発散していて、SCD1またはSCD3には含
まれていない、さらに多くのアミノ鎖の違いを有している。そこで、全ての4種
類のSCDの間で異なるアミノ酸を下線で示した。また、哺乳類動物、酵母およ
びその他の下級種において保存されているヒスチジンアミノ酸残基を図7Aおよ
び図7Bにおける各位置120,125,157,160,161,298,3
01および302において四角で囲って示した。これらの位置およびこれらのヒ
スチジン領域に隣接するアミノ酸残基は図7Aおよび図7Bに示すように全ての
4種類のマウス蛋白シーケンス(SCD1乃至SCD4)において保存されてい
る。
【0104】マウスSCD4および報告されているハムスターFAR17−Cの蛋白シーケン スの比較 SCD4およびFAR17Cの各シーケンスの比較により、約91%の同一性
があることが分かる。さらに、置換部分が同一の官能基からのものである場合の
アミノ酸の違いを無視すると、その同一性は約96%になる。このマウスSCD
4とハムスター蛋白との比較から、SCD4はハムスター蛋白のマウス等価体に
最も良く似ていると結論できる。
【0105】マウス皮膚内におけるM−SCD3のイン−シッツ・ハイブリッド形成 M−SCD3に特異的な5’UTRからのシーケンスを含む129bpフラグ
メント(5α5プラスミドのNot1消化物)をPBluescript KSベクター(St
ratagene)にクローン化して、リボプローブ(riboprobe)を発生するために用
いた。このM−SCD3特異的シーケンスを図1において四角で囲って示してい
る。このM−SCD3特異的シーケンス(四角で囲ったもの)のM−SCD4v
1において対応するものとの関係を図3Aおよび図3Bに示す。成育したC57
Bl/6マウスの背側の皮膚を切除してOCT包埋製剤中で凍結した。その後、
凍結した部分を正に荷電したガラス・スライド上に集めた。アンチセンス・プロ
ーブを発生するために、M−SCD3特異的プラスミドをSaclにより線形化
した後に、T7・RNAポリメラーゼを用いてジゴキシゲニン(digoxigenin)
により製造者の説明書(Boehringer-Manheim)に従ってラベル化した。さらに、
BamH1線形化処理したプラスミドと共にT3・RNAポリメラーゼを用いてセン
スすなわちジゴキシゲニン−ラベル化したリボプローブを発生した。
【0106】 標準的な手法(Hebert他、1991年)に従ってイン−シッツ・ハイブリッド
形成を行なった。その結果についてはここで説明しないが、これらにより、M−
SCD3が毛髪小胞の基質ケラチノサイト内で主に発現して、皮脂腺内では発現
しないことが分かった。この基質ケラチノサイト内でのM−SCD3の発現はこ
れらの細胞の増殖および/または分化のいずれかにおいてM−SCD3が重要な
役割を果たすことを示している。Cotsarelis他(1990年)は、トリチウム化
チミジンにより、これらの細胞が高度に増殖性を示し、毛髪小胞の一時的な増殖
幹細胞から成ることを報告している。
【0107】 従って、毛髪小胞内のこの場所において成長に関わる重要な決定が行なわれて
いると考えられる。従って、この部位において機能する複合的な調節分子および
機構が存在していると考えられ、このSCDは特にSCDアップ−レギュレーシ
ョンの観点から、増殖細胞に関わる可能性がある(Diplock他、1988年)。
増殖および分化に関与する転写因子であるN-mycはこれらの細胞において特異的
に発現される(Mugrauer他、1988年)。また、成長因子受容体(FGFR2
、Rosenquist他、1996年、IGFR、Hodak他、1996年)はこれらの細
胞内で発現され、増殖および/または分化における役割を示している。
【0108】 一方、皮脂腺内で発現しないことから、M−SCD3がこの部位で機能しない
ことが分かる。しかしながら、以下に説明するように、M−SCD4は皮脂性の
機能において役割を有している。それゆえ、SCDの発現パターンおよび推定で
きる機能に基づいて、毛包脂腺におけるM−SCD3の役割が毛髪小胞の成長の
調節において機能することであると結論付けた。
【0109】マウス皮膚におけるM−SCD4のイン−シッツ・ハイブリッド形成 M−SCD4v2の5’UTR全体を含む223bpフラグメント(クローン
5aのEcoR1−Sph1消化物)をクローン化してPBluescript SKベクタ
ー(Stratagene)を生成した。M−SCD4v2の位置130乃至225はM−
SCD4v1のそれと100%同一であった。それゆえ、このプローブはM−S
CD4の両方の変異体を認識する。ISH用のマウス皮膚を上述したように作成
した。次に、アンチ−センスであるジゴキシゲニン−ラベル化したリボプローブ
をT7・RNAポリメラーゼおよびEcoR1線形化したプラスミドを用いて発
生した。また、センスであるジゴキシゲニン−ラベル化したリボプローブをT3
・RNAポリメラーゼおよびKpn1消化処理したプラスミドにより発生した。
その後、ISHを上述したように行なった。
【0110】 この結果についてはここで説明しないが、これにより、完全な厚さの皮膚内に
おいて、M−SCD4は毛髪小胞の基質ケラチノサイト内に強く発現することが
分かった。従って、皮脂腺はM−SCD4を発現する。一方、毛髪小胞の小胞乳
頭(「FP」)および表皮はM−SCD4を発現しない。また、隣接する小胞乳
頭の線維芽細胞はM−SCD4のmRNAに対して陰性の反応を示した。特に、
皮脂腺はこの腺の下方相においてM−SCD4を発現するが、一部の皮脂腺はM
−SCD4を有意差の認められる量で発現しない。この理由は現状において明ら
かでないが、この腺、線内の周期的発現、または組織サンプルの部分の面内にお
けるM−SCD4発現性細胞の不均一性に関係すると思われる。
【0111】 SCDの発現パターンおよび推定できる機能に基づいて、M−SCD4は毛髪
小胞成長および皮脂腺機能の両方において明らかに一定の役割を有している。M
−SCD3ではなくM−SCD4が皮脂腺内で発現することはM−SCD4のハ
ムスター相同体であるFAR17cの発現の場合と同一である。すなわち、FA
R17cはcDNAおよび蛋白シーケンスにおいてM−SCD3よりもM−SC
D4に対して関連性が強い。FAR17cはハムスターの側腹部組織から単離し
たほとんど皮脂細胞から成る組織である。このFAR17cにおける研究では局
在化データが全く存在していないために、このM−SCD4の皮脂腺に対する局
在化が脊椎皮脂腺に対するSCDの最初の解剖学的な局在化を示している。
【0112】 基質ケラチノサイトにおけるM−SCD4およびM−SCD3の両方の存在に
より、重複性(redundancy)が基質細胞生理学におけるこの酵素の重要な役割に
関係している可能性があることが分かる。また、表皮および推定できる表皮幹細
胞の部位において発現が全く見られないことにより、M−SCD3およびM−S
CD4が毛髪小胞(および可能な皮脂腺)幹細胞に対して特異的な機能を有して
いる可能性があることが分かる。
【0113】ヒトSCDのcDNAシーケンス 脂肪組織からの部分的なcDNAシーケンス(ウィスコンシン・パッケージ・
バージョン9.1、Genetics Computer Group, GCG社、マディソン、ウィスコン
シンのデータベース内)およびM−SCD1からのcDNAシーケンスに基づく
プライマーを用いて、PCRにより完全なオープン・リーディング・フレーム(
ORF)を増殖すると共に、ヒト頭皮PSUのcDNAからプローブを発生した
。これらのプローブを用いてヒト包皮ケラチノサイトcDNAライブラリーをス
クリーニングすることにより、その5’未翻訳領域(UTR)、完全なORF、
および3’UTRの一部をクローン化した。この結果、HS−SCDの発現が毛
髪小胞の基質ケラチノサイト内および皮脂腺内において見られた。このパターン
はマウスにおける場合と同様であり、このことにより、皮膚における重要な機能
が保存されていることが分かる。さらに、HS−SCDは外分泌汗腺において発
現する。なお、ヒトの場合とは異なり、マウスは毛髪を支持している皮膚内に外
分泌汗腺を有していないことが重要である。
【0114】 RNA−STATを用いて製造者の説明(Tel Test社)に従ってヒトの頭皮の
「毛髪栓(hair plugs)」(完全な毛包脂腺単位)から全てのRNAを単離した
。先ず、Advantage RT-for-PCRキットを用いて製造者の説明(Clontech #1402-1
)に従ってcDNA鎖合成を行なった。HA−SCD(図10)の位置20乃至
40および621乃至642にそれぞれ対応する一対のプライマー(正方向:5
’GATATCTCAAGCTCCTATACC3’、逆方向:5’CTCCTCTGGAACATCACCAGTT3’)を用い
てPCRにより皮膚SCDシーケンスを増殖した。このPCRフラグメントをク
ローニングにしてPBluescriptベクターを生成した後に、これを用いてλgt1
1(Clontech #HL1110B)内で構成されるヒト包皮ケラチノサイト(HFKC)
cDNAラムダ・ライブラリーをスクリーニングするためのcDNAプローブを
発生した。
【0115】 このHFKC・cDNAライブラリーから、5’UTR、完全なORF、およ
び3’UTRの一部分(図8Aおよび図8B)から成る8種類の重合するクロー
ンを発生した。M−SCD1およびHL−SCDに基づく付加的なプライマーを
用いて、完全なORF、および5’および3’UTRの部分を毛髪栓cDNAか
らPCRにより発生した。このシーケンスをHFKC・cDNAライブラリーか
ら得られたシーケンスと比較した。
【0116】 この結果、アミノ酸224に対応するコドンを除いて全てのシーケンスが同一
であった。HFKCライブラリーからのcDNAシーケンスは位置898(図8
Aおよび図8B)においてCを示しており、これはアミノ酸ロイシンになる。毛
髪栓cDNAは位置898においてCおよびAの両方を示しており、毛髪栓から
の個々のSCD転写がこのcDNAシーケンスの位置898においてC(アミノ
酸224においてロイシンを生成する)またはA(アミノ酸224においてメチ
オニンを生成する)のいずれかを有していることを示している。図8乃至図11
において、全てのHS−SCDシーケンスはcDNAの位置898においてCと
して報告されている。図11におけるアミノ酸シーケンスは位置224において
ロイシンが存在していると報告されている。上記の毛髪栓サンプルを幾つかの個
体から集めているので、bp898における変化は多型によると考えられる。
【0117】 上記のORFは1080bpであり、359個の予想される蛋白質を発生する
。さらに、ヒト皮膚cDNAの中には228bpの5’UTRおよび689bp
の3’UTRが含まれている。
【0118】ヒト皮膚SCDおよびヒト肝臓SCDの比較 ヒトの皮膚および肝臓のSCDのcDNAシーケンスはヌクレオチド・レベル
で97.9%同一であり、蛋白レベルで98.3%同一である。また、合計で3
0個のヌクレオチドの違いがこれら2個のシーケンス(図9A,図9B,図9C
)の間で存在しており、合計で6個のアミノ酸の違いが蛋白シーケンス(図11
)において存在している。
【0119】 このヌクレオチドの違いの内で、3個が5’UTRにおいて生じており、8個
がORF中で、17個が3’UTR中に存在している(図9A,図9B,図9C
)。さらに、ORF中の8個の違いの内で、6個がアミノ酸の変化を生じている
。これらの6個の変化の内で、6個の塩基置換の内の5個がコドンの最初または
第2番目のいずれかの位置において生じている。さらに、皮膚に対して比較した
肝臓のORFにおける塩基置換は以下のようである(皮膚シーケンスを参考とし
て用いている)。すなわち、bp300:TからC、bp301:CからT、b
p303:AからC、bp304:GからA、bp898:AからC、bp11
87:AからC、bp1206:GからC、およびbp1225:AからG(図
9A,図9B,図9C)である。
【0120】 最も有意差のある塩基遷移はbp301およびbp304である。肝臓対皮膚
におけるこれらの部位における置換により、プロリンからセリン(アミノ酸25
)およびグリシンからアルギニン(アミノ酸26)へのアミノ酸置換がそれぞれ
生じる(図11)。この皮膚cDNAにおけるプロリンからセリンへの置換は極
性を増大してプロリンにより与えられる二次構造を変化する可能性がある。さら
に注目すべき皮膚cDNAにおけるグリシンからアルギニンへの置換により、無
極性アミノ酸が正に荷電したアミノ酸に置換され、これにより、表面プロファイ
ルが変化する。さらに、皮膚cDNAにおけるbp1225(アミノ酸333に
対応する)におけるAからGへの置換により、トレオニンからアラニンへの置換
が生じ、この極性から無極性への残基の変化により表面プロファイルが影響を受
ける(図11)。また、HS−SCDにおけるbp1206におけるGからCへ
の置換により、アミノ酸326におけるトリプトファンからシステインへの置換
が生じる。この結果、芳香族環がチオール基に置換されて、ジスルフィド結合に
よる別の二次構造が生じる。
【0121】 さらに、bp898および1187における残りの置換(肝臓cDNAから皮
膚cDNAにおいて)により、類似の生化学的プロファイルのアミノ酸残基の置
換が生じる。これらの置換はメチオニンからロイシン(AA224、無極性)、
およびアスパラギンからトレオニン(AA320、極性)である(図11)。
【0122】 5’UTRは肝臓cDNAに存在しない20bpの特異的なシーケンスを含ん
でいる。また、3’UTRは肝臓cDNAに含まれない付加的な508bpを含
んでいる。これらのUTRにおける塩基対の差における意義はまだ理解されてい
ない。しかしながら、これらの差はmRNAの変化した安定性により生じる可能
性がある。例えば、3’UTRにおける17個の違いは概ね肝臓cDNAに存在
する各Aの伸長に伴って生じると考えられる。
【0123】ヒト皮膚SCDおよびヒト脂肪SCDの比較 ヒト脂肪SCDはHS−SCDおよびHL−SCDのORF内に完全に含まれ
ている部分的なcDNAを表現する。脂肪cDNAシーケンスに重合する皮膚c
DNAシーケンスは97.8%同一である。さらに、この重合している蛋白コー
ディング・シーケンスは97.4%同一である。
【0124】 皮膚のcDNAシーケンスは図10Aおよび図10Bに見られるように脂肪c
DNAに対して15個の塩基変化を含んでいる。このORFにおける15個の違
いの内で、6個がアミノ酸の変化を生じている。さらに、これらの6個の変化の
内で、6個の塩基置換の内の5個がコドンの最初または2番目の位置のいずれか
において生じている。これらの皮膚に対する脂肪のORFにおける塩基置換は以
下のようである。(皮膚シーケンスを参考として用いている)。すなわち、bp
241:AからT、bp246:CからG、bp249:AからG、bp252
:GからC、bp261:AからT、bp300:TからC、bp301:Cか
らT、bp303:AからC、bp304:GからA、bp393:CからT、
bp888:CからT、bp898:AからC、bp936:CからT、bp9
38:GからT、およびbp945:CからT(図10Aおよび図10B)であ
る。
【0125】 最も注目すべき置換はbp301および304における置換である。bp30
1における置換によりプロリンからセリンへの置換が生じ、bp304における
置換によりグリシンからアルギニンへの置換が生じる(図10Aおよび図10B
)。これらはHS−SCD・cDNAに対して比較した場合のHL−SCD・c
DNAに見られるアミノ酸25および26における変化と同じである。HS−S
CDのbp938におけるGからTへの置換により、アミノ酸237においてシ
ステインからフェニルアラニンへの置換が生じ、このことにより変化したジスル
フィド架橋部分を介して二次構造が変化する。さらに、bp241,252およ
び898における各置換(脂肪cDNAから皮膚cDNAにおける)により、類
似の生化学的プロファイルのアミノ酸残基の置換が生じる。これらの置換はそれ
ぞれメチオニンからロイシン(無極性)、グルタミン酸からアスパラギン酸(酸
性)、およびメチオニンからロイシン(無極性)である。また、bp246,2
49,261,393,888,936および945における各塩基変化はアミ
ノ酸の変化を生じない。
【0126】ヒト皮膚SCDおよびMLDの比較 ヒト皮膚SCDおよびMLDの比較から、ヌクレオチド・レベルで36.7%
の同一性があり、アミノ酸レベルでは同一性が全くないことが分かった。このこ
とにより、MLDは高度に発散したヒトSCDファミリーの種であることが分か
る。また、MLDはSCDファミリーに共通な保存されたヒスチジン領域を含ん
でいる。
【0127】 上記の各シーケンス比較により、HS−SCDはHL−SCDおよびHA−S
CDに対して高度に関連しているが、特異的なシーケンスであることが分かる。
例えば、HS−SCDはアミノ酸24および25においてセリンおよびアルギニ
ンを含んでいるが、HL−SCDおよびHA−SCDはこれらの位置においてプ
ロリンおよびグリシンを含んでいる。これらの隣接アミノ酸の置換を生じる特定
の置換はブタのSCDにおいて見られる同一のセリンおよびアルギニンにより認
められる。なお、図11において下線で示すような保存されたヒスチジン・モチ
ーフにおいては皮膚、肝臓、および脂肪SCDの間に全く置換が生じない。これ
らの置換における機能的意義は現在において知られていない。しかしながら、単
一のアミノ酸置換がSCDの属する高級のファミリーであるp450酵素の基質
特異性を変更可能にすることが示されている(Lindberg他、1989年)。
【0128】毛包脂腺単位および外分泌汗腺におけるHS−SCDの発現 皮膚におけるHS−SCDの局在化において使用するISHプローブは既に説
明したHFKC・cDNAライブラリーをスクリーニングするために使用するも
のと同一であり、図8Aおよび図8Bにおいて四角で囲って示されている。この
領域は肝臓SCDおよび脂肪SCDの対応する領域に対して高度な相同性を有し
ているので、ハイブリッド形成を行なうあらゆる処理において交差反応すること
が予想できる。しかしながら、クローニング処理したPCR生成物およびクロー
ニング処理しないPCR生成物の両方をシーケンス化する際に毛髪栓cDNAま
たはHFKCライブラリーにおいて肝臓または脂肪SCDシーケンスが検出され
ることは全くなかった。しかしながら、可能な多型がbp898において検出さ
れている。その他の塩基位置において不明確になるものはなかった(塩基シーケ
ンスにおけるNは「任意」の塩基を示している)。肝臓および脂肪のシーケンス
は多くの塩基対において皮膚SCDと異なっているために、肝臓および脂肪の転
写が実際に皮膚において発現されるならば、クローニング処理していないPCR
生成物をシーケンス化する際にこれらの位置における「N」が予想できることに
なる。しかしながら、このような結果はこれまで見られていないために、皮膚の
みが図8Aおよび図8Bに示すような皮膚SCDシーケンスを発現すると結論付
けることができる。従って、cDNAの共通領域に基づいてであるが、上記のI
SHプローブのみが毛髪栓サンプルの組織部分における皮膚SCDを検出すると
考えるべきである。
【0129】 毛球の基質ケラチノサイトは本明細書に記載しないデータにより示されるよう
に強く且つ特異的にHS−SCDを表現する。一方、隣接するFP線維芽細胞は
HS−SCDを発現しない。この発現パターンはマウスの発現パターンに極めて
似ている。基質細胞におけるよりも発現の程度が劣るが、HS−SCDはヒトの
皮脂腺において特異的に発現する。
【0130】 皮脂腺におけるマウスSCDの発現性に類似の機能が提案できる。すなわち、
外分泌汗腺が特異的にHS−SCDを発現する。この外分泌汗腺内におけるHS
−SCDの存在により、HS−SCDが外分泌汗腺細胞の成長調節および/また
は汗に含まれる脂質の変質に機能することが考えられる。
【0131】毛髪基質ケラチノサイトにおけるH−SCDの発現 実験を行なった結果、SCD・mRNAはマウスおよびヒトの両方の毛髪基質
ケラチノサイトのおいて高度に発現し、系統発生的に保存された機能であること
が分かった。すなわち、細胞分裂が進化を通して高度に保存されている。さらに
、幾つかのヒトの腫瘍において増加したSCDが見られ(Li他、1994年)、
このSCDを本発明者が実験により決定したように、培地に置いて迅速な成長を
経験した細胞においてアップレギュレーション処理した。同様に、本発明者が実
験により決定したように、分割を停止した細胞中でこのSCDをダウンレギュレ
ーション処理した。
【0132】 上記の観点から、SCDをダウンレギュレーション処理して増殖を停止または
遅くすることにより多毛症および男性型多毛症を治療することが可能になり、毛
髪成長を阻止することができる。一方、SCDをアップレギュレーション処理し
て毛髪基質細胞における増殖を増加することにより毛髪成長を開始または増加す
ることが可能になり、脱毛症を治療することができる。
【0133】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 マウス皮膚mRNAからの5’RACE・cDNAクローン処理後に得たM−
SCD3・cDNAのコーディング鎖シーケンス(mRNAシーケンス)を示し
ている図である。このコーディング・シーケンスに対応するシーケンス(すなわ
ち、蛋白シーケンス)に下線が引かれている。さらに、M−SCD3特異性のイ
ン−シッツ・ハイブリッド形成(ISH)が四角で囲まれている。
【図2A】 M−SCD3プローブによるマウス皮膚cDNAライブラリーのスクリーニン
グにより得た2種類の重合する新規なcDNAクローンからのM−SCD4v1
のコーディング鎖シーケンス(mRNAシーケンス)を示している図である。こ
のコーディング・シーケンスに対応するシーケンス(蛋白シーケンス)に下線が
引かれている。四角で囲ったシーケンスはM−SCDv1に対して100%の同
一性を有しているM−SCD4v2に対するISHプローブの3’半体に対応す
る。
【図2B】 M−SCD3プローブによるマウス皮膚cDNAライブラリーのスクリーニン
グにより得た2種類の重合する新規なcDNAクローンからのM−SCD4v1
のコーディング鎖シーケンス(mRNAシーケンス)を示している図である。こ
のコーディング・シーケンスに対応するシーケンス(蛋白シーケンス)に下線が
引かれている。四角で囲ったシーケンスはM−SCDv1に対して100%の同
一性を有しているM−SCD4v2に対するISHプローブの3’半体に対応す
る。
【図3A】 M−SCD3のcDNAシーケンスおよびM−SCD4v1のcDNAシーケ
ンスの間の相同性を示している図である。相同性を有する領域が垂直線で示され
ている。蛋白コーディング・シーケンスが下線で示されている。M−SCD4v
1上の四角で囲ったシーケンスはM−SCDv1に対して100%の同一性を有
しているM−SCD4v2に対するISHプローブの3’半体に対応する。また
、M−SCD3上の四角で囲った塩基はM−SCD3−特異性ISHプローブに
対応する。
【図3B】 M−SCD3のcDNAシーケンスおよびM−SCD4v1のcDNAシーケ
ンスの間の相同性を示している図である。相同性を有する領域が垂直線で示され
ている。蛋白コーディング・シーケンスが下線で示されている。M−SCD4v
1上の四角で囲ったシーケンスはM−SCDv1に対して100%の同一性を有
しているM−SCD4v2に対するISHプローブの3’半体に対応する。また
、M−SCD3上の四角で囲った塩基はM−SCD3−特異性ISHプローブに
対応する。
【図4A】 4種類のマウスSCDのcDNAシーケンスすなわちM−SCD1,2,3お
よび4の比較を示している図である。M−SCD4のcDNAシーケンスはM−
SCD4v1のcDNAシーケンスである。蛋白コーディング領域を下線で示し
た。1個のシーケンスと1個以上のその他のシーケンスとの間の有意義な相同性
を開始する最初のヌクレオチドが四角で囲われていて、上記のコーディング領域
で終了している。
【図4B】 4種類のマウスSCDのcDNAシーケンスすなわちM−SCD1,2,3お
よび4の比較を示している図である。M−SCD4のcDNAシーケンスはM−
SCD4v1のcDNAシーケンスである。蛋白コーディング領域を下線で示し
た。1個のシーケンスと1個以上のその他のシーケンスとの間の有意義な相同性
を開始する最初のヌクレオチドが四角で囲われていて、上記のコーディング領域
で終了している。
【図4C】 4種類のマウスSCDのcDNAシーケンスすなわちM−SCD1,2,3お
よび4の比較を示している図である。M−SCD4のcDNAシーケンスはM−
SCD4v1のcDNAシーケンスである。蛋白コーディング領域を下線で示し
た。1個のシーケンスと1個以上のその他のシーケンスとの間の有意義な相同性
を開始する最初のヌクレオチドが四角で囲われていて、上記のコーディング領域
で終了している。
【図4D】 4種類のマウスSCDのcDNAシーケンスすなわちM−SCD1,2,3お
よび4の比較を示している図である。M−SCD4のcDNAシーケンスはM−
SCD4v1のcDNAシーケンスである。蛋白コーディング領域を下線で示し
た。1個のシーケンスと1個以上のその他のシーケンスとの間の有意義な相同性
を開始する最初のヌクレオチドが四角で囲われていて、上記のコーディング領域
で終了している。
【図5】 M−SCD3のコーディング鎖cDNAから導き出した蛋白シーケンスを示し
ている図である。このシーケンスはアミノ酸1乃至289から成る。各アミノ酸
の単一コード表示はWisconsin Package(Genetics Computer Group、マディソン
、ウィスコンシン)のGCGコンピュータ・プログラムによる各アミノ酸に対応
する標準的な生化学単一コード表示である。
【図6】 マウス皮膚SCD4v1のcDNAシーケンスから導き出したマウス皮膚SC
D4v1の完全な蛋白コーディング・シーケンス(359個のアミノ酸)を示し
ている図である。
【図7A】 4種類のSCD遺伝子から誘導したマウス蛋白シーケンスの比較を示している
図である。4種類の全ての蛋白シーケンスにおいて共通でないアミノ酸残基を下
線で示している。四角で囲ったヒスチジン残基は酵母から哺乳類動物までの進化
において維持されている。
【図7B】 4種類のSCD遺伝子から誘導したマウス蛋白シーケンスの比較を示している
図である。4種類の全ての蛋白シーケンスにおいて共通でないアミノ酸残基を下
線で示している。四角で囲ったヒスチジン残基は酵母から哺乳類動物までの進化
において維持されている。
【図8A】 cDNAシーケンス(コーディング鎖)および皮膚から採取したヒトSCDの
蛋白シーケンスを示している図である。ORFがbp229からbp1308ま
で延在していて、359個のアミノ酸の予想された蛋白シーケンスをコード化す
る。四角で囲ったシーケンスはヒトISHプローブに対応する。
【図8B】 cDNAシーケンス(コーディング鎖)および皮膚から採取したヒトSCDの
蛋白シーケンスを示している図である。ORFがbp229からbp1308ま
で延在していて、359個のアミノ酸の予想された蛋白シーケンスをコード化す
る。四角で囲ったシーケンスはヒトISHプローブに対応する。
【図9A】 ヒト皮膚cDNAおよびデータベース寄託のヒト肝臓cDNAのコード化SC
Dの間の比較を示している図である。同一塩基を垂直線で示している。皮膚およ
び肝臓の間で異なる全ての塩基を四角で囲って示している。さらに、蛋白コーデ
ィング・シーケンスを下線で示している。
【図9B】 ヒト皮膚cDNAおよびデータベース寄託のヒト肝臓cDNAのコード化SC
Dの間の比較を示している図である。同一塩基を垂直線で示している。皮膚およ
び肝臓の間で異なる全ての塩基を四角で囲って示している。さらに、蛋白コーデ
ィング・シーケンスを下線で示している。
【図9C】 ヒト皮膚cDNAおよびデータベース寄託のヒト肝臓cDNAのコード化SC
Dの間の比較を示している図である。同一塩基を垂直線で示している。皮膚およ
び肝臓の間で異なる全ての塩基を四角で囲って示している。さらに、蛋白コーデ
ィング・シーケンスを下線で示している。
【図10A】 ヒト皮膚cDNAおよびデータベース寄託のヒト脂肪cDNAの間の比較を示
している図である。同一塩基を垂直線で示している。皮膚および脂肪の間で異な
る全ての塩基を四角で囲って示している。さらに、蛋白コーディング・シーケン
スを下線で示している。
【図10B】 ヒト皮膚cDNAおよびデータベース寄託のヒト脂肪cDNAの間の比較を示
している図である。同一塩基を垂直線で示している。皮膚および脂肪の間で異な
る全ての塩基を四角で囲って示している。さらに、蛋白コーディング・シーケン
スを下線で示している。
【図11】 ヒト皮膚SCD、ヒト肝臓SCDおよびヒト脂肪SCDから誘導される予想し
たアミノ酸シーケンスの比較を示している図である。アミノ酸の違いを四角で囲
って示している。維持されたヒスチジン残基を下線で示している。脂肪シーケン
スは完全なORFを含んでいない。
【図12】 異なる2種類のマウス皮膚SCD4のコーディング鎖におけるcDNAシーケ
ンスの相同性(5’端部)を示している図である。相同領域を垂直な太線で繋げ
た。また、蛋白コーディング領域を下線で示した。四角で囲ったシーケンスはM
−SCD4の異なる形態(v1およびv2)の両方を認識するISHプローブに
対応する。
【図13】 異なる2種類のマウス皮膚SCD4のコーディング鎖におけるcDNAシーケ
ンスの相同性(3’端部)を示している図である。相同領域を垂直な太線で繋げ
た。3’端部における6−ヌクレオチドが異なる領域を四角で囲った。また、蛋
白コーディング領域を下線で示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 17/00 4C084 A61P 17/00 17/10 4C085 17/10 17/14 4C086 17/14 35/00 4C087 35/00 37/08 4H045 37/08 C07K 16/40 C07K 16/40 C12N 9/02 C12N 5/10 C12P 21/08 9/02 C12Q 1/02 C12P 21/08 1/68 A C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN, YU,ZW (71)出願人 Grandview Road,Skil lman,New Jersey 08558, United States of Am erica (72)発明者 ステン・カート アメリカ合衆国、08540 ニュージャージ ー州、プリンストン、ベイヤード・レーン 46 (72)発明者 プロウティ・ステファン・エム アメリカ合衆国、18901 ペンシルベニア 州、ドイレスタウン、ウィンザー・ウェイ 236 (72)発明者 パリモー・サティッシュ アメリカ合衆国、08807 ニュージャージ ー州、ブリッジウォーター、ベッツ・トレ イル 6 (72)発明者 ツァン・リン アメリカ合衆国、03366 ミズーリ州、オ ファロン、ハーベスト・ラン・コート 9053 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA08 CA04 DA02 EA04 GA11 HA17 4B050 CC01 CC03 DD11 LL01 LL03 4B063 QA01 QA13 QA17 QQ02 QQ42 QQ53 QR55 QS34 4B064 AG27 CA20 DA01 DA13 4B065 AA90X AA93Y AB01 AC13 BA02 CA25 CA28 CA44 CA46 4C084 AA13 MA01 MA66 NA14 ZA892 ZA922 ZB262 4C085 AA13 CC32 EE01 GG01 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA89 ZA92 ZB26 ZC01 ZC20 4C087 AA02 BC83 CA12 MA01 NA14 ZA89 ZA92 ZB13 ZB26 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA40 DA76 EA50

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト
    ・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型をコード化する核酸分子
  2. 【請求項2】 前記分子がDNA分子である請求項1に記載の核酸分子。
  3. 【請求項3】 前記分子がcDNA分子である請求項2に記載のDNA分子
  4. 【請求項4】 図8Aおよび図8Bに示すシーケンスから成る請求項3に記
    載のcDNA分子。
  5. 【請求項5】 前記分子が発現ベクターである請求項2に記載のDNA分子
  6. 【請求項6】 図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒト
    ・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型をコード化する核酸分子
    に対して、適当な条件下で、特異的にハイブリッド形成する核酸分子。
  7. 【請求項7】 前記分子が検出可能なマーカーによりラベル化されている請
    求項6に記載の核酸分子。
  8. 【請求項8】 異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ発現により特
    徴づけられる皮膚の異常症状についてヒトの被験体を診断する方法において、(
    i)被験体から皮膚のmRNAサンプルを採取する工程と、(ii)このサンプ
    ルを、当該サンプル内に存在するステアロイル−CoAデサチュラーゼのmRN
    Aに対するラベル化した核酸分子のハイブリッド形成を可能にする条件下で、過
    剰量の当該ラベル化した核酸分子に接触させる工程と、(iii)ハイブリッド
    形成しないラベル化した核酸分子をサンプルから除去する工程と、(iv)サン
    プル内に存在するハイブリッド形成したラベル化した核酸分子の量を定量的に決
    定する工程と、(v)工程(iv)において決定した量と、正常なヒトの被験体
    から得た皮膚のmRNAサンプルにより決定した量を比較する工程とから成り、
    これらの量の差が診断する被験体の皮膚における異常量のステアロイル−CoA
    デサチュラーゼ発現に対して相関関係を有している方法。
  9. 【請求項9】 請求項1の核酸分子によりコード化される単離したヒト・ス
    テアロイル−CoAデサチュラーゼ。
  10. 【請求項10】 図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有する請
    求項9に記載の単離したデサチュラーゼ。
  11. 【請求項11】 図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒ
    ト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型を発現する真核細胞系
    において、当該細胞系が前記デサチュラーゼをコード化する発現ベクターにより
    トランスフェクション処理されている細胞系。
  12. 【請求項12】 前記細胞が哺乳類動物細胞である請求項11に記載の真核
    細胞。
  13. 【請求項13】 薬剤がヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを既に
    発現している皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの
    発現量を増加するか否かを決定する方法において、(i)薬剤を適当な条件下に
    おいて既知量でヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現する真核細胞
    系に接触させる工程と、(ii)薬剤との細胞接触後にステアロイル−CoAデ
    サチュラーゼの発現量が増加したか否かを決定することにより、当該薬剤が既に
    ヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現している皮膚細胞内において
    ヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量を増加するか否かを決定す
    る工程とから成る方法。
  14. 【請求項14】 薬剤がヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを既に
    発現している皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの
    発現量を減少するか否かを決定する方法を提供し、この方法は、(i)薬剤を適
    当な条件下において既知量でヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現
    する真核細胞系に接触させる工程と、(ii)薬剤との細胞接触後にステアロイ
    ル−CoAデサチュラーゼの発現量が減少したか否かを決定することにより、当
    該薬剤が既にヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼを発現している皮膚細
    胞内においてヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現量を減少するか
    否かを決定する工程とから成る方法。
  15. 【請求項15】 前記真核細胞系が図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シー
    ケンスを有するヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型をコ
    ード化する発現ベクターによりトランスフェクション処理されている細胞系であ
    る請求項13または請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記真核細胞系がトランスフェクション処理されていない
    細胞系である請求項13または請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 薬剤が皮膚細胞内におけるヒト・ステアロイル−CoAデ
    サチュラーゼの活性を減少するか否かを決定する方法において、(i)薬剤を適
    当な条件下で既知量の活性を有するヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ
    に接触させる工程と、(ii)薬剤との接触後にデサチュラーゼの活性が減少し
    たか否かを決定することにより、薬剤が皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル
    −CoAデサチュラーゼを減少するか否かを決定する工程とから成る方法。
  18. 【請求項18】 薬剤が皮膚細胞内におけるヒト・ステアロイル−CoAデ
    サチュラーゼの活性を増加するか否かを決定する方法において、(i)薬剤を適
    当な条件下で既知量の活性を有するヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ
    に接触させる工程と、(ii)薬剤との接触後にデサチュラーゼの活性が増加し
    たか否かを決定することにより、薬剤が皮膚細胞内においてヒト・ステアロイル
    −CoAデサチュラーゼを増加するか否かを決定する工程とから成る方法。
  19. 【請求項19】 図8Aおよび図8Bに示すアミノ酸シーケンスを有するヒ
    ト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはその多型に特異的に結合するこ
    とによりその活性を阻害する抗体。
  20. 【請求項20】 過剰なステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性により
    特徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物において、請
    求項19に記載の抗体と、局所投与用の薬剤的に許容可能なキャリヤとから成る
    薬剤組成物。
  21. 【請求項21】 遺伝子療法における使用に適する発現ベクターにおいて、
    ヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現を特異的に阻害し得る核酸分
    子をコード化するベクター。
  22. 【請求項22】 前記核酸分子がヒト・ステアロイル−CoAデサチュラー
    ゼのmRNAの少なくとも一部分に対して相補的であって特異的にハイブリッド
    形成するアンチ−センス分子である請求項21に記載の発現ベクター。
  23. 【請求項23】 過剰な皮膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性に
    より特徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物において
    、請求項21に記載の発現ベクターと、局所投与用の薬剤的に許容可能なキャリ
    ヤとから成る薬剤組成物。
  24. 【請求項24】 過剰なステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性により
    特徴付けられる皮膚の異常症状に罹ったヒトの被験体を治療するための方法にお
    いて、治療的に有効量の請求項20または請求項23に記載の薬剤組成物を被験
    体に局所的に投与する工程から成る方法。
  25. 【請求項25】 前記異常症状が皮膚癌、多毛症、男性型多毛症から成る群
    から選択される請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記発現ベクターが遺伝子療法における使用に適している
    請求項5に記載のDNA分子。
  27. 【請求項27】 不十分な皮膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性
    により特徴付けられるヒトの皮膚の異常症状を治療するための薬剤組成物におい
    て、請求項26に記載の発現ベクターと、局所投与用の薬剤的に許容可能なキャ
    リヤとから成る薬剤組成物。
  28. 【請求項28】 不十分なステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性によ
    り特徴付けられる皮膚の異常症状に罹ったヒトの被験体を治療するための方法に
    おいて、治療的に有効量の請求項27に記載の薬剤組成物を被験体に局所的に投
    与する工程から成る方法。
  29. 【請求項29】 前記異常症状がアクネ症、アトピー性皮膚炎、および脱毛
    症から成る群から選択される請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記抗体が検出可能なマーカーによりラベル化されている
    請求項19に記載の抗体。
  31. 【請求項31】 ヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼの少なくとも
    一部分から成る請求項19に記載の抗体の発生における使用に適する抗原。
  32. 【請求項32】 適当な動物体にヒト・ステアロイル−CoAデサチュラー
    ゼの抗原性の部分を投与する工程と、適当な時間の経過後に、投与した抗原性の
    部分に対して動物体により発生した抗体を単離する工程とから成る請求項19に
    記載の抗体を生成する方法。
  33. 【請求項33】 異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼの発現によ
    り特徴付けられる皮膚の異常症状についてヒトの被験体を診断する方法において
    、(i)被験体の皮膚からステアロイル−CoAデサチュラーゼを含有するサン
    プルを採取する工程と、(ii)採取したサンプルを、抗体が当該サンプル内に
    存在するステアロイル−CoAデサチュラーゼに結合可能にする条件下において
    、過剰量の請求項19に記載する抗体に接触させる工程と、(iii)結合しな
    かった抗体をサンプルから除去する工程と、(iv)サンプル中に存在する結合
    した抗体の量を定量的に決定する工程と、(v)工程(iv)において決定した
    量を正常なヒトの被験体から採取した皮膚のステアロイル−CoAデサチュラー
    ゼ・サンプルを用いて決定した量と比較する工程とから成り、これらの量の差が
    診断される被験体の皮膚における異常量のステアロイル−CoAデサチュラーゼ
    発現に対して相関関係を有している方法。
  34. 【請求項34】 皮膚細胞が図1または図2Aおよび図2Bに示すアミノ酸
    シーケンスを有するマウスの皮膚ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたはそ
    の任意の多型をコード化する遺伝子を発現しないトランスジェニック・マウス。
  35. 【請求項35】 前記マウスがその染色体である図8Aおよび図8Bに示す
    アミノ酸シーケンスを有するヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼまたは
    その多型をコード化するDNAシーケンスに動作可能に一体化しており、当該デ
    サチュラーゼがこのマウスの皮膚細胞内で発現される請求項34に記載のトラン
    スジェニック・マウス。
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