JP2003533585A - 帯電防止潤滑添加剤を含む超低イオウディーゼル燃料 - Google Patents

帯電防止潤滑添加剤を含む超低イオウディーゼル燃料

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JP2003533585A
JP2003533585A JP2001585274A JP2001585274A JP2003533585A JP 2003533585 A JP2003533585 A JP 2003533585A JP 2001585274 A JP2001585274 A JP 2001585274A JP 2001585274 A JP2001585274 A JP 2001585274A JP 2003533585 A JP2003533585 A JP 2003533585A
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マーク エフ. ウィルクス,
デイビッド エイ. ダンカン,
シャウン ピー. カーニー,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、低い帯電および良好な潤滑性を示す改良された低イオウ燃料組成物に関する。改良された帯電防止特性を示す燃料組成物は、以下の成分を含有する:液状燃料であって、該液状燃料は、約500重量ppm未満のイオウを含有する;約0.001〜約1重量ppmの少なくとも1種のヒドロカルビルモノアミンまたはN−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキレンアミン);および約10〜約500重量ppmの少なくとも1種の脂肪酸またはそのエステルであって、該脂肪酸は、約8個〜約24個の炭素原子を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の参照) 本願は、2000年3月16日に出願された米国暫定特許出願第60/189
,957号から優先権を主張している。
【0002】 (発明の背景) 本発明は、低い帯電および良好な潤滑性を示す改良された低イオウ燃料組成物
に関する。
【0003】 ディーゼル燃料のイオウおよび芳香族含量を少なくするのに使用される精製プ
ロセスの結果として、今日販売されている超低イオウディーゼル燃料(最大で5
0ppm w/wのイオウ)の大部分は、潤滑性を回復させるために、添加剤で
処理する必要がある。この燃料からイオウを除去することのさらに他の結果には
、その導電性の低下がある。この超低イオウ燃料がより高い絶縁性を有すること
から、高い静電気の潜在的な蓄積に起因して、精製業者、石油会社および消費者
などにとっては、危険が多くなる。静電気は、ポンピング作業中に起こり得る。
このような作業では、パイプおよびフィルターを通る低い導電率の液体の流れは
、高速のタンク装填中での液状カラムの崩壊および跳ねと共に、静電気を生じ得
る。このような静電気は、可燃性が高い環境では、大惨事の可能性を伴って、火
花放電を生じ得る。
【0004】 例えば、この燃料に導電率向上添加剤を添加することにより静電気の散逸は、
ディーゼル燃料のイオウレベルが段々と低下されるにつれて、ますます重要な課
題となっている。現場での経験から、この導電率添加剤は、静電気の蓄積を避け
るために、燃料内に高い導電率を与えるべきてあり、また、望ましくない副作用
を有するべきではないことが明らかとなっている。このような副作用には、以下
を挙げることができる:その基礎燃料の特性を下げること;クランク潤滑オイル
と相互作用をすること;および潤滑剤または他の燃料添加剤の性能上の利点を減
らすこと。
【0005】 自動車の排気を減らすための全世界的な法制化の運動により、ディーゼル燃料
のイオウレベルの低減が広く行き渡っている。ディーゼル燃料中に存在している
イオウは、いくつかの環境上好ましくない結果を招くことが立証されている。
【0006】 排気および燃料効率の目標に合うために、自動車の部品製造業者は、NO
ラップ、微粒子トラップおよび直接注入技術の使用を研究している。このような
トラップおよび触媒系は、イオウに対して耐性がない傾向にあり、それゆえ、排
出抑制要件がさらに伸展する共に、市場には、さらに他のディーゼル燃料の分類
が導入されている。この新しい種類のディーゼル燃料は、精巧な後処理技術を使
用可能にするのに必要な最も清浄な燃焼燃料を規定するのに使用される。新規「
4類ディーゼル燃料」は、「無イオウ」(最大で5〜10ppm)ディーゼル燃
料を指示している(Reference World−Wide Fuel C
harter、2000年4月、ACEA、Alliance of Auto
mobile Manufacturers、EMAおよびJAMAにより出版
)。これは、最新技術世代の車両の全有効寿命にわたって、排気要件に従ってい
ることを保証するのに必要な仕様である。低イオウおよび超低イオウ燃料はまた
、微粒子物質を少なくするために、政府がさらに他の法律を制定するにつれて、
ますます必要となっている。
【0007】 燃料からイオウを除去した結果、主に、その燃料の本来の潤滑特性の殆どが失
われる。派生的な結果として、導電種(例えば、芳香族およびヘテロ原子)のレ
ベルは、その精製所での水素脱硫プロセス中に、低下する。一般に、燃料中の導
電種の濃度が高くなるにつれて、その導電性および静電気ポテンシャルの両方も
高くなる。これは、荷電の最大ポテンシャルに達するまで、続く。導電率がこの
臨界値を超えて上昇し続けるにつれて、その荷電効果は、この燃料を介する散逸
により改善され、その火花放電の傾向は、少なくなる。静電気は、従って、前記
臨界値付近かそれ未満の導電率を有する燃料では、最も重要である。
【0008】 燃料ポンピング用途での静電気に付随した潜在的に大惨事を起こす問題は、ま
ず、ジェット燃料工業で検討されたが、ここで、その低イオウ(約400ppm
w/wまで、UK平均)の必要な高いポンピング速度により、必然的に、静電
気が生じた。この静電気の問題により、ジェット燃料の標準的な仕様では、それ
らの導電性を高める添加剤を添加することとなった。この処理は、通常、約2p
pm w/wの速度で、工業標準の特定添加剤を使う。ジェット機用灯油に必要
な最低の導電性要件は、一般に、50ピコシーメンスm−1であると見積もられ
ている。
【0009】 ディーゼル用途では、高濃度(>500ppm)のイオウ含有分子の存在は、
著しい固有導電性を与えるのに十分であり、その結果、静電気の問題は、問題で
はなくなる。しかしながら、ディーゼル燃料中のイオウレベルが低下するにつれ
て、ポンピング作業中の静電気の危険が著しく高まる。この結果、超低イオウデ
ィーゼル燃料(ULSD)の導入に続いて、接地リード線を使用したにもかかわ
らず、ヨーロッパでは、タンク自動車の爆発が数例報告されている。これらの事
故は、具体的には、燃料移動作業中において、燃料蒸気の静電気誘発火花点火に
帰因していた。
【0010】 精油所では、ディーゼル燃料に潤滑添加剤を添加することが、ますます、行わ
れている。従って、単一添加剤パッケージを使ったULSDに付随した潤滑性お
よび導電性の問題を検討することが望まれている。
【0011】 オイルおよび添加剤工業は、添加剤パッケージおよび成分の無害性能を評価す
るために、広範囲の試験を開発している。本発明は、ULSD燃料の要件を満た
すのに適当な新規な潤滑性/帯電防止添加剤パッケージを提供する。
【0012】 本発明の添加剤パッケージは、その燃料または潤滑添加剤の性能に著しい悪影
響なしで、静電気の蓄積に対する保護を与える。帯電防止添加剤と典型的な潤滑
性パッケージとの間の相互作用および製品の性能や最終的な燃料の品質に対して
生じる潜在的な影響の可能性は、最小にされる。
【0013】 種々の潤滑添加剤が当該技術分野で公知である。米国特許第5,833,72
2号(Daviesら、1998年11月10日)は、式>NR13(ここで、
13は、8個〜40個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基を表わす)の1
個またはそれ以上の置換基を備えた窒素化合物と併用して、潤滑性向上添加剤(
例えば、カルボン酸エステル)を取り込むことにより、低イオウ燃料の潤滑性を
高めることが開示されている。ヨーロッパ特許出願798364(1997年1
0月1日)は、カルボン酸の塩および脂肪族アミンまたはその脱水縮合により得
られるアミドを含有するディーゼル燃料添加剤を開示している。この添加剤は、
堆積物の量を少なくし、その燃料の潤滑性を改良する。それはまた、低イオウ含
量のディーゼル燃料に耐摩耗特性を与えると言われている。
【0014】 (発明の要旨) 本発明は、改良された帯電防止特性を示す燃料組成物を提供し、該組成物は、
以下の成分: 500重量ppm未満のイオウを含有する、液状燃料; 0.001〜1重量ppmの少なくとも1種のヒドロカルビルモノアミンまた
はN−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキレンアミン);および 20〜500重量ppmの少なくとも1種の、約8個〜約24個の炭素原子を
含有する脂肪酸、または該脂肪酸と約8個までの炭素原子のアルコールまたはポ
リオールとのエステル、 を含有する。
【0015】 (発明の詳細な説明) 種々の好ましい機能および実施態様は、以下で記述するが、これらに限定され
るものではない。
【0016】 本発明の燃料組成物は、炭化水素燃料のような液状燃料であるが、アルコール
含有燃料および天然エステル油燃料もまた、包含される。この燃料は、好ましく
は、ディーゼル燃料である。本発明で有用なディーゼル燃料は、代表的に、任意
のディーゼル燃料であり得る。このディーゼル燃料は、本発明のディーゼル燃料
組成物の主要割合(少なくとも約90重量%;1実施態様では、少なくとも約9
5重量%)を構成する。このディーゼル燃料には、ASTM Specific
ation D396により規定されるものが挙げられる。ディーゼル型エンジ
ンでの使用に適切な沸点範囲および粘度を有する任意の燃料が、使用できる。こ
れらの燃料は、典型的には、約300℃〜約390℃の範囲、1実施態様では、
約330℃〜約350℃の範囲で、90%ポイント蒸留温度を有する。これらの
ディーゼル燃料の粘度は、典型的には、40℃で、約1.3〜約24センチスト
ークスの範囲である。これらのディーゼル燃料は、「Standard Spe
cification for Diesel Fuel Oils」の表題の
ASTM D 975で明記される等級第1−D、2−Dまたは4−Dのいずれ
かとして、分類できる。これらのディーゼル燃料は、アルコールおよびエステル
を含有できる。
【0017】 本発明の燃料は、低イオウ燃料または無イオウ燃料である。これらは、500
または400ppm未満のイオウ、好ましくは、200または100ppm未満
のイオウを含有する。好ましい超低イオウ燃料は、70ppm未満、50ppm
未満または40ppm未満のイオウ、さらに好ましくは、30または20ppm
未満のイオウを含有する。いわゆる無イオウ燃料は、10または5ppm未満、
またはさらに1ppm未満のイオウを含有する。このイオウ含量は、「Stan
dard Test Method for Sulfur in Petro
leum Products by X−Ray Spectrometry」
の表題のASTM D 2622−87で規定された試験方法により、決定でき
る。
【0018】 本発明の低イオウディーゼル燃料には、高い反応温度で、高い水素分圧下にて
、または非常に活性の水素脱硫触媒を用いて、そのディーゼル燃料画分(これは
、原油の常圧蒸留により得られる)の水素脱硫のような方法により得られるもの
が挙げられるが、この水素脱硫法は特に限定されない。それに加えて、本発明の
低イオウ燃料には、低イオウ成分をブレンドした燃料、「バイオディーゼル」燃
料、および種々の気液プロセスから誘導した燃料が挙げられる。
【0019】 0〜2000ピコシーメンスm−1(pSm−1)を有する燃料試料の導電率
試験は、Emcee(登録商標)Digital Conductivity
Meter(Model 1152)を使用して、ASTM 2624に従って
、完了する。この器具は、自己検定およびゼロ化であり、ユーザーマニュアルお
よび実験方法に従って、使用される。全ての導電率値は、17.3℃〜20.8
℃の温度範囲内で測定される。全ての導電率測定値は、ピコシーメンスm−1
これはまた、CUまたはConductivity Unitsとして知られて
いる)である。
【0020】 帯電防止成分(ASC)の濃度および種類に応じた導電率の変動は、2つの方
法で評価する。初期実験を行い、個々の成分単独の性能は、無添加剤ULSDで
試験される。これらの試験は、試験成分の一次機能および性能を評価するために
、本発明の潤滑添加剤なしで完了される。それらの結果を、表1で示す。
【0021】 表1では、成分1および2は、市販の帯電防止添加剤組成物であり、これらは
、それぞれ、Tolad(登録商標)3511およびTolad(登録商標)3
512として、入手できる。成分1は、1〜5%のエタンジオール、10〜30
%の2−ブトキシエタノールおよび30〜60%の軽芳香族溶媒ナフサと共に、
1〜5%のN−アルキルプロピレンジアミンの調合物であると考えられている。
成分2は、1〜5%のエタンジオール、5〜10%のメチルイソブチルケトン、
10〜30%の2−ブトキシエタノールおよび30〜60%のAlkyl Be
nzenes(C〜C10)と共に、1〜5%のCocoalkylアミンの
調合物であると考えられている。
【0022】
【表1】 このULSDの導電率は、ジェット燃料用途に必要な値(50ピコシーメンス
−1)よりも著しく低く、そういうものとして、移動中にて、静電気散逸の問
題が生じると認められている。各ASCは、最終的に、この燃料の導電率を受容
可能なレベルまで高める。さらに別の試験を行うが、ここで、市販の帯電防止成
分1および2は、ULSD中の本発明の潤滑性パッケージ(LP)と併用される
。これらの潤滑性パッケージは、ディーゼルHFRR潤滑性試験(下記)で種々
の性能レベルを与えるものに相当するように、選択される。
【0023】 この潤滑性パッケージは、8個〜24個の炭素原子を含有する少なくとも1種
の脂肪酸および/またはそれと8個までの炭素原子のアルコールまたはポリオー
ルとのエステルを、この調合物に、10〜500重量ppm、好ましくは、20
〜300重量ppm、さらに好ましくは、25〜210重量ppmで供給される
。この脂肪酸は、脂肪酸の混合物であり得、好ましくは、平均して、16個〜2
0個の炭素原子、すなわち、約18個の炭素原子を含有する。この脂肪酸は、直
鎖または分枝鎖であり得、飽和酸または不飽和酸であり得る。適当な市販の酸物
質の一例には、トール油脂肪酸があり、これは、大部分はオレイン酸およびリノ
ール酸の混合物であると考えられている。エステルの例には、メチルエステルお
よびエチルエステルおよびグリセロールエステル(例えば、グリセロールモノオ
レエートおよびジオレエート)が挙げられる。
【0024】 代表的なものとして、3種の潤滑性パッケージが提示されている。
【0025】 LP−Aは、溶媒、腐食防止剤および解乳化剤と組み合わせた60重量%より
多いトール油脂肪酸の組成物である。
【0026】 LP−Bは、酸化防止剤、腐食防止剤および溶媒と組み合わせた15〜40%
のトール油脂肪酸の組成物である。
【0027】 LP−Cは、酸化防止剤、腐食防止剤、分散剤、解乳化剤、消泡剤および溶媒
と組み合わせた15〜40%のトール油脂肪酸の別の組成物である。
【0028】 これらの潤滑性パッケージ(これは、トール油脂肪酸[「TOFA」]として
提示されている)を含有する組成物の試験結果は、表2で報告する。
【0029】
【表2】 LP−Aは、帯電防止組成物が存在しないと、ULSDの導電率に殆ど影響を
与えない。各ASCに対する応答は、ULSD単独について初期試験で認められ
たものと類似しているが、各場合において、穏やかとなっている。
【0030】 LP−Bの場合、帯電防止組成物が存在しないときのULSDの導電率は、そ
のLPを混合すると、僅かに高くなっている。得られた添加剤入り(addit
ized)ULSDの帯電防止添加剤に対する応答は、LP−Aで処理したとき
の同じULSDに対して認められた応答とは対照的である。LP−Bの存在下で
は、ASC−1およびASC−2は、一定処理速度で、ULSDの導電率を高め
るのに効果的である。ULSDとLP−B処理ULSDとの導電率を比較すると
、両方を2ppmのASC−1およびASC−2で処理したとき、LP−Bと帯
電防止成分との組合せが導電率を高める相乗効果を有することが分かる。
【0031】 この帯電防止組成物は、一般に、少なくとも1種のヒドロカルビルモノアミン
またはN−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキレンアミン)を含有する。このヒド
ロカルビル置換基は、好ましくは、アルキル基であり、これは、直鎖、分枝鎖ま
たは環状であり得る。このヒドロカルビル置換基は、このアミン化合物を適当な
炭化水素溶媒およびディーゼル燃料に溶解性にするのに十分な炭素原子を含有す
る。それは、典型的には、5個〜20個の炭素原子、好ましくは、8個〜18個
の炭素原子を含有する。このポリ(アルキレンアミン)は、分子内に存在してい
るであろう置換可能水素原子の数の最大値まで、1個またはそれ以上のこのよう
なヒドロカルビル置換基を有することができる。好ましくは、1個のこのような
置換基が存在している。
【0032】 この炭化水素基はまた、天然に生じる物質に特徴的なアルキル基の混合物を含
有できる。これらのアルキル基は、直鎖、分枝鎖または環状であり得、飽和また
は不飽和であり得る。1実施態様では、このヒドロカルビルアミンは、ココアミ
ンであり、これは、C〜C18アミン(特に、C14〜C18アミンを含めて
)の混合物であると考えられている。
【0033】 このヒドロカルビル置換基を有するポリ(アルキレンアミン)は、2個〜6個
の窒素原子を含有できる。それは、好ましくは、アルキレンジアミン、さらに好
ましくは、プロピレンジアミン(例えば、1,3−プロピレンジアミンまたは1
,2−プロピレンジアミン)である。
【0034】 一定の調合物に供給される活性帯電防止化学薬品の有効量は、添加する帯電防
止組成物の量およびその組成物中の活性化学薬品の量の両方に依存している。本
発明では、帯電防止組成物の量は、最も好ましくは、0.1〜5重量ppm、好
ましくは、0.5〜4重量ppm、さらに好ましくは、1〜3重量ppmである
。ASC−1およびASC−2中の活性成分の量が1〜5%であると仮定すると
、これは、広義の実施態様では、0.001〜0.25または1ppm部の実際
処理速度に相当している。それに対応して、さらに好ましい実施態様は、0.0
05〜0.2ppm、0.01〜0.15ppm、0.02〜0.1ppmおよ
び0.04〜0.08ppmの活性成分の処理速度を反映している。
【0035】 この潤滑性添加剤の有効量も同様に、添加する添加剤組成物の量およびその組
成物中の活性化学薬品の量の両方に依存している。本発明では、この潤滑性添加
剤の量は、活性成分(例えば、トール油脂肪酸)の量として表わされるが、最も
一般的には、10〜500ppm重量部、好ましくは、20または40〜300
ppm、50〜250ppm、または60〜210ppmである。
【0036】 本発明はまた、濃縮物の形状での帯電防止および潤滑性添加剤を包含し、これ
は、液状燃料に添加して、上記混合物を得ることができる。濃縮物は、周知であ
り、一般に、濃縮物を形成する量で、希釈剤または溶媒中に、これらの活性化学
成分を含有する。燃料用途のための希釈剤は、通常、可燃性溶媒である。その量
は、この帯電防止調合物、潤滑性添加剤調合物、および濃縮物中に存在し得る任
意の他の通常の成分を考慮した後の濃縮物の残量を占める。典型的には、濃縮物
は、約0.1重量%または容量%の量で、燃料に添加される;従って、この濃縮
物内のこれらの成分の濃度は、その最終燃料組成物よりも約3桁高くなり得る。
すなわち、ヒドロカルビルモノアミンまたはN−ヒドロカルビル置換ポリ(アル
キレンアミン)の量は、1〜1000重量ppmであり得、また、脂肪酸または
そのエステルの量は、この濃縮物の1〜50重量ppmであり得る。
【0037】 帯電防止添加剤で処理する必要がある殆どのディーゼル燃料はまた、潤滑性添
加剤でも処理する必要がある。帯電防止添加剤の主な評価は、従って、典型的な
潤滑性パッケージの性能に対する帯電防止添加剤の効果を調査することでなけれ
ばならない。この試験では、3種の潤滑性パッケージA、BおよびCの各々の性
能に対する帯電防止成分1および2の効果が評価される。
【0038】 HFRR潤滑性試験は、導電率試験で使用した同じ無添加剤ULSD燃料を使
用して、CEC RF−06−A−96試験手順に従って、行う。これらの帯電
防止調合物を、2ppmのトップ処理速度(top treat rate)の
濃度で、試験する。この潤滑性パッケージの量は、表2の試験のものと同じであ
る。この試験結果は、補正摩耗痕直径(WSD)として、μmで、表3で報告す
る。このHFRR試験の相違は、約±30μmである。ディーゼル燃料のヨーロ
ッパ標準であるEN590は、最大WSDを460μmに規定している。
【0039】
【表3】 各LPを添加すると、ULSD燃料の耐摩耗性能が著しく改善されるが、添加
剤処理なしでは、EN590標準を満たさない。
【0040】 本明細書中で使用する「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」
との用語は、通常の意味で用いられ、当業者に公知である。特定すると、この用
語は、分子の残部に直接結合した炭素原子を有する基であって主として炭化水素
的な性質を有する基を意味する。ヒドロカルビル基の例には、以下が包含される
: 炭化水素置換基、すなわち、脂肪族置換基(例えば、アルキルまたはアルケニ
ル)、脂環式置換基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、および芳
香族置換された芳香族置換基、脂肪族置換された芳香族置換基および脂環式置換
された芳香族置換基などだけでなく、環状置換基。ここで、この環は、分子の他
の部分により、完成されている(例えば、2個の置換基は、一緒になって、脂環
族基を形成する); 置換された炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基を含有する置換基。この
非炭化水素基は、本発明の文脈では、主として、炭化水素置換基を変化させない
(例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メ
ルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ); ヘテロ置換基、すなわち、本発明の文脈内では、主として炭化水素的性質を有
しながら、環または鎖の中に存在する炭素以外の原子を有するが、その他は炭素
原子で構成されている基。ヘテロ原子には、イオウ、酸素、窒素が挙げられ、ピ
リジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基を包含する。一般
に、このヒドロカルビル基では、各10個の炭素原子に対し、約2個以下の非炭
化水素置換基、好ましくは、1個以下の非炭化水素置換基が存在する。典型的に
は、このヒドロカルビル基には、このような非炭化水素置換基は存在しない。
【0041】 上記物質の一部は、その最終調合物中で相互作用し得、その結果、この最終調
合物の成分は、最初に添加したものとは異なり得ることが知られている。(例え
ば、清浄剤の)金属イオンは、例えば、他の分子の他の酸性部位に移動できる。
それにより形成された生成物は、本発明の組成物をその意図した用途で使用する
際に形成された生成物を含めて、簡単には記述し難い場合がある。それにもかか
わらず、このような改良および反応生成物の全ては、本発明の範囲内に含まれる
;本発明は、上記成分を混合することにより調製した組成物を包含する。
【0042】 上で引用した各文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。実施
例を除いて、他に明らかに指示がなければ、物質の量を特定している本記述の全
ての数値量、反応条件、分子量、炭素原子数などは、「約」という用語により修
飾されることが分かる。他に指示がなければ、本明細書中で言及した各化学物質
または組成物は、その異性体、副生成物、誘導体、および市販等級の物質中に存
在すると通常考えられているような他のこのような物質を含有し得る、市販等級
の物質であると解釈されるべきである。しかしながら、各化学成分の量は、他に
指示がなければ、市販等級の物質に通例存在し得る溶媒または希釈油を除いて、
提示されている。本明細書中で示した上限および下限の量、範囲および比は、別
個に組み合わされ得ることが分かる。本明細書中で使用する「本質的になる」と
の表現には、問題の組成物の基本的で新規な特性に著しく影響を与えない物質が
含まれていてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),AE,A G,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG ,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CR,CU, CZ,DE,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,M D,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウィルクス, マーク エフ. イギリス国 ディーイー73 1ユーエック ス ダービシャー, チェラストン, ウ ッドゲイト ドライブ 30 (72)発明者 ダンカン, デイビッド エイ. イギリス国 ディーイー63エイダブリュー ダービシャー, ニア アッシュボー ン, シャーリー, メドウサイド クロ ーズ 8, ザ ホルト (72)発明者 カーニー, シャウン ピー. イギリス国 ディーイー56オーエルイー ダービシャー, ベルパー, キルバー ン, ブラックベリー ウェイ, 15

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改良された帯電防止特性を示す燃料組成物であって、該組成
    物は、以下: (a)約500重量ppm未満のイオウを含有する、液状燃料; (b)約0.001〜約1重量ppmの少なくとも1種のヒドロカルビルモノ
    アミンまたはN−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキレンアミン);および (c)約10〜約500重量ppmの少なくとも1種の、約8個〜約24個の
    炭素原子を含有する脂肪酸、または該脂肪酸と約8個までの炭素原子のアルコー
    ルもしくはポリオールとのエステル、 を含有する、組成物。
  2. 【請求項2】 前記燃料が、ディーゼル燃料である、請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記燃料が、約50ppm未満のイオウを含有する、請求項
    1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記燃料が、約10ppm未満のイオウを含有する、請求項
    1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記(b)の物質が、ヒドロカルビルモノアミンである、請
    求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ヒドロカルビルモノアミンが、混合C〜C18アルキ
    ルアミンを含有する、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記ヒドロカルビルモノアミンが、ココアルキルアミンであ
    る、請求項5に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記(b)の物質が、N−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキ
    レンアミン)である、請求項1に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記N−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキルアミン)が、ア
    ルキル置換アルキレンジアミンである、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記N−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキルアミン)が、
    アルキル置換プロピレンジアミンである、請求項8に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記アルキル基が、約5個〜約20個の炭素原子を含有す
    る、請求項9に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記アルキル基が、約8個〜約18個の炭素原子を含有す
    る、請求項9に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記成分(b)の量が、約0.01〜約0.15重量pp
    mである、請求項1に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記(c)の脂肪酸が、約14個〜約20個の炭素原子を
    含有する、請求項1に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記脂肪酸が、不飽和酸を含有する、請求項1に記載の組
    成物。
  16. 【請求項16】 前記脂肪酸が、オレイン酸およびリノール酸の混合物を含
    有する、請求項1に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記脂肪酸が、トール油脂肪酸を含有する、請求項1に記
    載の組成物。
  18. 【請求項18】 前記(c)の脂肪酸またはそのエステルが、脂肪酸である
    、請求項1に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記成分(c)の量が、20〜300重量ppmである、
    請求項1に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載の成分を混ぜることにより調製される、組
    成物。
  21. 【請求項21】 濃縮物であって、濃縮物形成量の可燃性溶媒と、 以下:(b)および(c)の成分: (b)約1〜約1000重量ppmの少なくとも1種のヒドロカルビルモノア
    ミンまたはN−ヒドロカルビル置換ポリ(アルキレンアミン);および (c)約1〜約50重量%の少なくとも1種の、約8個〜約24個の炭素原子
    を含有する脂肪酸、または該脂肪酸と約8個までの炭素原子のアルコールもしく
    はポリオールとのエステル、 とを含有する、濃縮物。
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