JP2003533183A - 選択マーカー遺伝子 - Google Patents

選択マーカー遺伝子

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JP2003533183A
JP2003533183A JP2001571765A JP2001571765A JP2003533183A JP 2003533183 A JP2003533183 A JP 2003533183A JP 2001571765 A JP2001571765 A JP 2001571765A JP 2001571765 A JP2001571765 A JP 2001571765A JP 2003533183 A JP2003533183 A JP 2003533183A
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スザンヌ・デグマー ピピッグ
ゲイバー ベレス
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、タンパク質チロシンキナーゼ受容体(MuSK-R)又は変異MuSK-R(mMuSK-R)を哺乳動物細胞、特に、ヒト細胞における選択マーカーとして使用する方法に関する。好適なマーカーは、シグナル形質導入ができないmMuSK-R及びシグナル領域の欠失によって細胞内ドメインが修飾されている分子である。本発明は、選択マーカーとしてmMuSK-Rを標的細胞に導入することを含む遺伝的修飾哺乳動物細胞の同定方法に関する。更に、MuSK-R又はmMuSK-Rを特異的に認識し結合する抗体と細胞をインキュベーションして、形質導入細胞を同定することを含む、形質導入哺乳動物細胞の免疫選択方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筋特異的チロシンキナーゼ受容体(MuSK-R)分子又は変異(突然変異
)MuSK-R(mMuSK-R)を細胞選択マーカーとして使用する、遺伝的修飾哺乳動物
細胞、特にヒト細胞の同定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原核細胞及び真核細胞を同定するために選択マーカーを使用することは良く知
られている。しばしば目的とするDNA配列が細胞内に導入されても必ずしも容
易に測定できる表現型に結びつくとは限らないので、このような選択マーカーの
使用は非常に重要である。真核細胞、特に哺乳動物細胞の同定に使用できる選択
マーカーの数は限られている。過去において、薬剤耐性を付与するような選択マ
ーカーが使用されて来た(例えば、G−418及びハイグロマイシン)。更に最
近になって、例えば、緑蛍光タンパク質(GFP)のような、蛍光活性化セルソ
ーター(FACS)と組み合わせた選択マーカーが使用されている。或いは、細
胞表面分子を認識する抗体を蛍光源(蛍光色素)と結合して目的細胞を同定する
ことも出来る。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
マウスCD8,CD24及びヒト低親和性神経成長因子受容体(NGFR)等
を含む幾種類かの細胞表面分子が細胞選択マーカーとして使用されて来た。以下
の刊行物を参照されたし。WO95/06723;WO98/19540; ジョリー (Joly) 他、プロ
・ナツル・アカド・サイ (Pro.Natl.Acad.Sci.) 80:477 (1983); レディ(Reddy
) 他、モル・ブレイン・レス (Mol. Brain Res.) 8:137 (1990)及び バレンズエ
ラ(Valezuela) 他、ニューロン(Neuron) 15:573 (1995)。細胞表面選択マーカー
は、遺伝的修飾細胞の同定及び選択がより短時間で実施可能である点で薬剤耐性
細胞マーカーに較べて有利である。更に、選択マーカーがヒトタンパク質である
ような場合には、その選択マーカーを発現する細胞で処理されたヒトにいける免
疫応答を防止することができる。従って、本発明の目的は、選択マーカーとして
機能する細胞表面受容体によって遺伝的に修飾された哺乳動物細胞の同定方法を
提供することであり、その際に、該細胞表面受容体は選択マーカーとして機能し
、該細胞表面受容体の発現パターンは制限されており、該細胞表面受容体は標的
細胞内で活性ではなく、該細胞表面受容体は抗マーカー抗体で同定し選択され得
るものである。この目的は、MuSK-R又はmMuSK-Rを発現する遺伝的修飾細胞の同
定方法により達成される。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、プロモーターに機能的に結合した変異筋特異的チロシンキナ
ーゼ受容体(mMuSK-R)をコードする核酸配列を哺乳動物細胞内に導入して遺伝
的修飾細胞を形成し、遺伝的修飾細胞内でmMuSK-Rを発現させ、及び (c)mMuSK-Rを発現する遺伝的修飾細胞を同定する、ことから成る、遺伝的修
飾哺乳動物細胞の同定方法を提供する。 第一具体例として、mMuSK-RがMuSK-Rの細胞内ドメインから少なくとも150
個のアミノ酸が欠失した配列である。第二具体例として、mMuSK-Rがキナーゼ活
性部位が欠失したMuSK-R配列である。好適なmMuSK-Rは配列番号1(SEQ I
D No.1)及び配列番号2(SEQ ID No.2)に記載されたh MuSK
-R配列に由来するものである。好ましくは、mMuSK-RがmMuSK-RI 又はmMuSK-RII
である。更に別の具合例では、遺伝的修飾細胞を抗体と接触されることによって
同定ステップを遂行する。別の具体例では、ベクター、好ましくはレトロウイル
スベクターによってmMuSK-Rをコードする核酸配列が哺乳動物細胞に導入される
。造血細胞、特に、造血幹細胞T細胞が好適な標的細胞である。
【0005】 第二の態様として、本発明は、プロモーターに機能的に結合した変異筋特異的
チロシンキナーゼ受容体(mMuSK-R)をコードする核酸配列を含み、mMuSK-Rが配
列番号1(SEQ ID No.1)に記載された配列由来か、又は配列番号1
(SEQ ID No.1)に記載された配列に実質的に類似又は同一である、
ベクターを提供する。好ましくは、mMuSK-RがmMuSK-RI 又はmMuSK-RII と命名さ
れた分子である。
【0006】 第三の態様として、本発明は、筋特異的チロシンキナーゼ受容体(MuSK-R)を
コードする核酸配列をヒト造血細胞内に導入し、該細胞内でMuSK-Rを発現させ、
及び、遺伝的修飾造血細胞を非修飾造血細胞から同定する、ことから成る遺伝的
修飾ヒト造血細胞の同定方法を含む。
【0007】 更に別の態様として、本発明は、変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(mMuS
K-R)をコードする核酸配列をヒト造血細胞集団内に導入し、目的タンパク質を
コードする異種DNA配列をヒト造血細胞集団内に導入し、該細胞内でmMuSK-R
を発現させ、及び、mMuSK-Rを発現する遺伝的修飾細胞を同定する、ことから成
る遺伝的修飾ヒト造血細胞の同定方法を提供する。好ましくは、目的タンパク質
をコードする異種DNA配列及びmMuSK-Rをコードする核酸配列が同じベクター
(好ましくはレトロウイルスベクター)上において細胞に導入される。
【0008】 更に別の態様として、本発明は、変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(mMuS
K-R)をコードする核酸配列で細胞を形質導入し、形質導入細胞をmMuSK-Rを特異
的に認識し結合する抗体と共にインキュベートし、及び、結合された形質導入細
胞を同定する、ことから成る形質導入哺乳動物細胞の免疫選択方法に関する。
【0009】 更に別の態様として、本発明は、変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(mMuS
K-R)をコードする核酸配列であってmMuSK-Rはシグナル伝達形質導入を奏効しな
いものを哺乳動物細胞集団内に導入し、目的タンパク質をコードする異種DNA
配列を上記集団内に導入し、上記細胞の成長及び増殖に好適な条件下で該哺乳動
物細胞を培養し、及び、mMuSK-Rを発現する細胞を同定することによって、目的
タンパク質を発現する細胞を獲得する、ことから成る目的タンパク質を発現する
哺乳動物細胞の同定方法を含む。
【0010】 更に別の態様として、本発明は、プロモーターに機能的に結合した変異筋特異
的チロシンキナーゼ受容体(mMuSK-R)をコードする核酸配列を哺乳動物細胞内
に導入して遺伝的修飾細胞を形成し、mMuSK-Rを発現させ、mMuSK-Rを発現する細
胞を認識して結合するが、mMuSK-Rの発現を欠く細胞には結合しないモノクロー
ナル抗体に上記細胞を接触させ、及び、上記モノクローナル抗体に結合する細胞
を上記モノクローナル抗体に結合しない細胞から分離する、ことから成る哺乳動
物細胞の同定方法に関する。
【0011】 特記のない限り、本発明の実施に際して、細胞生物学、分子生物学、細胞培養
、免疫学、ウイルス学、及びその他の当該技術分野における公知の技術を使用す
るものである。これらの技術は公知文献に開示されているが、特に、例えば、Sa
mbrook, Fritsch, Mmaniatis, eds., “MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANU
AL”, 2nd edition (1989); Celis, J.E. “Cell Biology, A Laoratory Handb
ook”, Academic Press, Inc. (1994); Coligan et al., “Current Protocol i
n Immunology”, John Wiley and Sons (1991); 及び Harlow et al., “Antibo
dies: A Laboratory Manual” (1988), Biosupplynet Source Book (1999), Col
d Springs Harbor Laboratory., Horton, R.M “Methods in Molecular Biology
” Vol. 15:PCR Protocols(1993) を参照されたし。
【0012】 本明細書に引用される刊行物及び公開特許明細書は、本発明が関連する技術分
野の技術水準を示す為に、参照されることでその全ての開示内容が取り込まれる
ものである。
【0013】 特記のない限り、本明細書中の各用語は単数形及び複数形を意味する。例えば
、「幹細胞」は幹細胞の複数形を含む。
【0014】 本発明の選択マーカーは変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(MuSK-R)分子
又はその変異体(mMuSK-R)である。MuSK-Rはアグリンに応答して神経筋接合部
の形成を開始すると考えられている (Glass, et al., Cell 85:513 (1996))。Mu
SK-Rのドメイン構造は模式的に図1に示されている。 MMUSK-Rは、分泌経路にタ
ンパク質を向かわせるシグナル配列又はリーダー配列を含んでなる。細胞外ドメ
インがシグナル配列に続いている。このドメインは数百個のアミノ酸から成り、
アミノ酸残基の正確な数は様々であるが、典型的には細胞外ドメインは凡そ50
0個のアミノ酸を含む。細胞外ドメインは通常、細胞から細胞外環境に突き出て
いる受容体の一部であり、リガンド結合領域を含む。細胞外ドメインはキナーゼ
受容体の最も際立った特徴である。MuSK-Rにおいては、細胞外ドメインは免疫グ
ロブリン様(Ig様)領域が含まれている。典型的には、4つのIg様領域が見
出される。しかしながら、3つの免疫グロブリン様領域を有するMuSK−Rに
関する幾つかの報告もある。細胞外領域には、「C6−box」として知られて
いる6つの連続したシステイン残基が含まれていることがある。このC6−bo
xの位置は、特定のMuSK−Rに応じて変化するが、或るMuSK−Rでは、
ほぼアミノ酸残基373〜382において見出されている。膜貫通領域は一般的
に細胞膜に局在しており、疎水性残基の連なりの後に幾つかの塩基性残基が結合
している。細胞内領域(「細胞質領域」と変換可能な態様で使用する)には分子
の触媒部位が含まれ、細胞内に位置している。
【0015】 MuSK−Rは当業界において脱神経筋キナーゼ受容体としても知られており
、DmKsとも称される(米国特許第5,656,473号、特に、配列番号16及び17
参照)。MuSK−R配列は、ヒト、ラット、マウス及びツメメガエルから単離
され同定されている。ヒトMuSK−Rに非常に関連しているのは、トルペド(T
orpedo) チロシンキナーゼ受容体として命名されている電気エイのトルペド・カ
リフォルニア(Torpedo California) から単離された受容体、及びRORチロシ
ンキナーゼ受容体である(Jennings, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2
895 (1993); Masiakowski et al., J. Biol. Chem. 267:26181-26190 (1992); V
alenzuela et al., Neuron, 15:573-584 (1995); Hesser et al., FEBS Letters
, 442:133-137 (1999))。
【0016】 GeneBank 及び ATCC 等の公的寄託機関から入手できるその他のMuSK−R
の例として、受託番号:NM005592; AF006464; A448972; AI800924; AI700028; A
I41265; AI341122; AI302067; U34985; AA448972; 及びATCC75498 を挙げること
が出来る。上記のように、MuSK−Rは骨格筋接合部に特異的である。
【0017】 本明細書及び特許請求の範囲の中で使用される「MuSK−R」という用語は
、公知のMuSK−R(DmK受容体を含む)、類似構造を有する公知のMuS
K−Rのアイソフォーム又は変異体(バイリアント)、公知のMuSK−Rに機
能的に類似するチロシンンキナーゼ受容体、及び当業者に周知のスクリーニング
技術で同定される、これまでに記載のない新規なMuSK−Rを含むものとして
広義に定義される。このようなスクリーニング技術には縮重オリゴデオキシリボ
ヌクレオチドプライマーの使用が含まれる。
【0018】 従って、「MuSK−R」という用語には、核酸分子を指しているときには、
(a) 公知の哺乳動物細胞MuSK−Rのコード領域を含む核酸配列、(b) ストリ
ンジェントな条件下で (a)の核酸とハイブリダイズしかつ哺乳動物細胞MuSK
−Rをコードする核酸配列、及び(c) ポリヌクレオチドにコードされるMuSK
−Rタンパク質の性質に有意な影響を与えない変化を核酸配列に有する縮重Mu
SK−Rが含まれる。このような変化として、コードされるアミノ酸に変化が生
じないもの、アミノ酸配列の保存的置換を生じるもの、一つ又は幾つかのアミノ
酸の欠失又は付加を生じるものがある。適当な置換は当業者には公知である。別
のアミノ酸と保存的に置換されるアミノ酸残基の非限定的な例として、グリシン
/アラニン、バリン/イソロイシン/ロイシン、アスパラギン/グルタミン、ア
スパラギン酸/グルタミン酸、セリン/スレオニン、リジン/アルギニン、フェ
ニルアラニン/チロシンを挙げることが出来る。MuSK−Rの性質に有意な影
響を与えない如何なる保存的アミノ酸置換もこの用語に包括される。MuSK−
Rには天然MuSK−Rのみならず、遺伝子工学的に得られたMuSK−Rも含
まれる。
【0019】 本明細書で使用される「MuSK−R」又は「mMuSK−R」という用語に
は、その文脈から適当な核酸配列又はタンパク質を示しているものである。本発
明のポリヌクレオチド又は核酸はRNA又はDNAの形態であり得、DNAには
cDNA、ゲノムDNA又は合成DNAが含まれる。
【0020】 従って、「MuSK−R」という用語がポリペプチドを指しているときには、
公知のMuSK−R、MuSK−Rのアイソフォーム又はバイリアント、及び機
能的に等価な受容体が含まれる。機能的に等価な受容体とは、結合に対して、公
知のMuSK−Rと競合するMuSK−Rである。より具体的には、機能的に等
価なMuSK−Rとは、配列番号2で示されるアミノ酸配列に対して、少なくと
も40%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%同一
なアミノ酸配列を有し、リガンド又は基質結合に関して配列番号2で示されるM
uSK−Rと競合することができるものである。
【0021】 本発明によれば、MuSK−R又はmMuSK−Rは、遺伝的修飾細胞を同定
する選択マーカーとして使用される。このマーカーは、通常はMuSK−Rを発
現しない標的細胞へ核酸構築物上で導入される。「導入」という用語は、本明細
書中で広義に使用され、挿入、含有というような意味で使用される。MuSK−
R又はmMuSK−Rが選択マーカーとして使用される際に、その分子はもはや
シグナル活性を有していない。シグナル活性とは、一般的に、最終的に転写活性
化につながる、細胞質ゾルにおける核への応答(リスポンス)経路(パスウェイ
)の引き金となる活性、と定義することが出来る。シグナル活性の欠如は、(a)
MuSK−Rを筋肉以外の組織又は細胞で使用すること(Glass et al 85:513-52
3 (1996)) 、又は、(b) mMuSK−Rを使用することによる。
【0022】 MuSK−Rの修飾は知られているが、MuSK−R又はmMuSK−Rを選択
マーカーとして使用して遺伝的修飾細胞を同定する方法は知られていない。
【0023】 既に述べたように、MuSK−Rは筋肉組織に局在しており、機能的アグリン
受容体として機能する。アグリンは、運動終板における分子再組織化を誘導する
ことのできる神経由来因子である。従って、MuSK−Rは筋肉以外の組織にお
いて選択マーカーとして使用することが出来る。
【0024】 好適具体例において、本発明の選択マーカーはmMuSK−Rである。mMu
SK−Rを含むMuSK−Rの修飾には、MuSK−Rの切断及び/又は欠失が
含まれる。変異は、当業者に周知の手段により細胞外領域及び/又は細胞内領域
で起こすことが出来る。この変異によって分子はシグナル活性を失う。細胞外領
域は依然として抗体結合活性を有していることが好ましい。一般的には、抗体結
合能力を有する、細胞外領域の最少ペプチド断片は、約15アミノ酸残基、より
好ましくは、少なくとも50アミノ酸残基である。
【0025】 本発明における好適なMuSK−Rは、「hMuSK−R」と称される、配列
番号1及び2に記載された配列である。細胞外領域はヌクレオチド1〜1479
にコードされ、膜貫通領域はヌクレオチド1480〜1545にコードされ、そ
して、細胞内領域はヌクレオチド1546〜2607にコードされている。その
他の好適なMuSK−Rは配列番号1及び2に記載された配列に密接に関連する
ものである。このような密接に関連する配列は、米国特許第5,656,473 、特に、
番号16及び17に記載された配列である。
【0026】 MuSK−Rの変異体(mMuSK−R)は公知であり、Ape et al., Neuron 1
8:623-635 (1997) を参照することが出来る。本発明において、MuSK−Rに
対する好適な修飾は、細胞質領域に対するもの、例えば、細胞質領域の少なくと
も150、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも250、更
に好ましくは少なくとも300、最も好ましくは少なくとも350のアミノ酸が
欠失したものである。好適例において、欠失は分子の切断(トランケーション)
から成る。欠失又は切断は、1〜19部位の範囲、好ましくは2〜15部位の範
囲、より好ましくは2〜10部位の範囲におけるチロシンリン酸化部位の欠失を
含む。更に、MuSK−Rからキナーゼ触媒部位が欠失したものを含むものであ
り得る。一具体例において、このキナーゼ触媒部位は配列番号2のおおよそアミ
ノ酸残基672〜691に見出すことが出来る。タンパク質が安定的に発現され
る限り、細胞質領域における欠失又は切断の数に何等制限はない。
【0027】 本発明の選択マーカーとして使用される特に好適なmMuSK−Rは、図2(配
列番号2)に記載のMuSK−R配列に対する修飾である。一具体例では、Mu
SK−Rの細胞質領域において、少なくとも300アミノ酸が切断されている。
好適な一具体例は538〜869のアミノ酸配列が欠失したmMuSK-RIと呼ばれ
るものである。別の好適な一具体例は577〜869のアミノ酸配列が欠失した
mMuSK-RIIと呼ばれるものである。
【0028】 細胞質領域に対する修飾に加えて、細胞外領域を修飾することも可能である。
細胞外領域における修飾には、少なくとも約100、好ましくは少なくとも約1
50、より好ましくは少なくとも約200、更に好ましくは少なくとも約250
のアミノ酸の欠失が含まれる。好ましくは、本発明の選択マーカーとして使用さ
れるmMuSK−Rには細胞外領域における抗体結合部位は含まれるようにすべ
きである。
【0029】 核酸及びタンパク質において変異を生じさせるための一般的な方法は公知である
。これらの方法は、MuSK−RからmMuSK-Rを作成する為に使用することが出
来、これは遺伝的修飾細胞を同定する為の選択マーカーとして有用である。ラン
ダム及び部位特異的突然変異のいずれもMuSK−Rにおける変異を生じさせる
ために有効である。ランダム法は、制限エンドヌクレアーゼ部位内の配列を変え
て、プラスミドにオリゴヌクレオチドリンカーを挿入し、プラスミドに損傷を与
えるために化学剤を使用し、インビトロDNA合成に際して誤ったヌクレオチド
を取り込ませることを含む。しかしながら、部位特異的突然変異のほうがより有
益な手段であろう。特に好適な部位特異的突然変異法は、オリゴヌクレオチド特
異的突然変異及びポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅オリゴヌクレオチド特異的
突然変異である。これらの方法は当業者に公知であり、Wu, et al., Methods in
Enzymology, Vol. 154: Recombinant DNA, Part E, Academic NY (1987); Land
t et al., Gene 96:125-128 (1990); Kirchhoff et all., Methods Mol. Biol.
57:323-333 (1995);及び Sambrook, et al., Molecular Cloning, A Laboratory
Manual (上記)を参照されたい。
【0030】 選択マーカーとしてのMuSK-R 又はmMuSK-Rの有用性は、インビトロ(試験管内)
、インビボ(生体内)、及びエキソビボ(生体外)で遺伝的修飾された哺乳動物
細胞を同定できる能力に関連する。MuSK-R 又はmMuSK-Rはプロモーターに機能的
に結合された核酸構築物の一部として標的細胞に導入されるが、好適具体例にお
いては、本発明の選択マーカーはベクター内におかれ、標的細胞内に導入される
。本明細書中で、「機能的に結合した(される)」とは、各要素がそれらの通常
の機能を発揮する構造をとるようにこれら要素が配置されることを意味する。機
能的に結合されるには、プロモーター又は他の調節要素はコード領域と連続して
いる必要はない。
【0031】 選択マーカーとしてのMuSK-R 又はmMuSK-Rを含有する核酸構築物及びベクターに
関して、プロモーターの選択は当業者には周知である。プロモーターは、選択マ
ーカーで修飾される標的細胞内で遺伝子転写を指示できるような、原核細胞、真
核細胞、又はウイルスのプロモーターの任意のものでかまわない。プロモーター
は組織特異的プロモーター、誘導プロモーター、合成プロモーター、又は融合(
ハイブリッド)プロモーターであり得る。プロモーターの非限定的例としては、
ファージラムダ(PL)プロモーター、SV40初期プロモーター、アデノウイ
ルス主要後期プロモーター(AdMLP)のようなアデノウイルスプロモーター
、単純ヘルペスウイルス(HSV)プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(
CMV)前初期プロモーターのようなサイトメガロウイルスプロモーター、MoML
V LTRのようなロングターミナルリピート(LTR)プロモーター、モロニ
ーマウス肉腫ウイルス(MoMSV)のU3領域プロモーター、グランザイムA
プロモーター、メタロチオネイン遺伝子調節配列、CD34プロモーター、CD
8プロモーター、チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、B19パブロウイル
スプロモーター、PGKプロモーター、及びラウス肉腫ウイルス(RSV)プロ
モーターを挙げることが出来る。更に、Gal4プロモーター及びアルコールデ
ヒドロゲナーゼ(ADH)プロモーターのような酵母及びその他の菌類由来のプ
ロモーター要素を使用することも出来る。これらのプロモーターは、ストラタジ
ーン(Stratagene, La Jolla, CA) のような様々なソースから市販されている。
本発明の範囲は特定のプロモーターに限定されるものではない。好適なプロモー
ターの例としては、MoMSV、MSCV、及びHIVの5‘LTRのようなL
TRプロモーター、並びにCMVプロモーターを挙げることが出来る。プロモー
ターに加えて、その他の発現調節配列を本発明の遺伝的修飾細胞の同定に使用す
る核酸構築物に挿入することが出来る。これらの調節配列としては、例えば、エ
ンハンサー、ポリアデニル化シグナル、RNAポリメラーゼ結合配列、転写を誘
導する配列、及び、スカフォード付着領域(SAR)のようなその他の発現調節
要素を含むことが出来る
【0032】 ポリヌクレオチドが機能的に結合されるクローニング部位及びプロモーターの
双方を有するベクターは当業者には周知である。このようなベクターはインビト
ロ又はインビボでRNAを転写することが出来、Stratagene(LaJolla,CA)及び
Promega Biotech (Madison, WI) から市販されている。このようなベクターの例
として、バキュロウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイ
ルス及び単純ヘルペスウイルスのようなウイルス、バクテリオファージ、コスミ
ド、プラスミドベクター、菌ベクター、合成ベクター及びその他の当該技術分野
で典型的に使用されている組換えビークルを挙げることが出来る。これらのベク
ターは様々な原核及び真核宿主における発現に関して記載されており、タンパク
質の単純発現に使用することが出来る。
【0033】 非限定的な具体例として、ストラタジーン(Stratagene, La Jolla, CA)から市販
されているpSG,pSV2CAT及びpXt1、並びにファルマシアから市販
されているpMSG,pSVL,pBPV,及びpSVK3を挙げることが出来
る。その他のベクターとして、pCMV6b及びpCMV6cのようなpCMV
哺乳動物発現ベクター(カイロン社、CA)、pSFFV-Neo及びpBluescr
ipt−SK+を挙げることが出来る。発現及び/又はインビトロ転写を最適化
するために、ポリヌクレオチドの5’ 及び/又は3’ 非翻訳部分を除去、付加
又は変更して、余分で不適当な別の翻訳開始コドンの可能性のある配列、又は、
転写又は翻訳レベルでの発現に干渉したり減少させるようなその他の配列を排除
する必要がある場合もある。又は、コンセンサスリボソーム結合部位を開始コド
ンの5’ の直前に挿入して発現を増強させることも出来る。
【0034】 特に好適なベクターはレトロウイルスベクターであり、Coffin et al., “Retro
viruses”, (1997) Chapter 9, pp.437-473 Cold Springs Harbor Laboratory P
ress) を参照されたい。本発明で有用なレトロウイルスベクターは当業界におい
て既に教示されている手順によって組換え技術によって調製することが出来る。
WO94/29438, WO97/21824及び WO97/21825 にはレトロウイルスパッケージングプ
ラスミド及びパッケージング細胞系が記載されている。一般的なレトロウイルス
ベクターは、マウス、鳥又は霊長類由来のレトロウイルスである。最も一般的な
レトロウイルスベクターは、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)及び
マウス幹細胞ウイルス(MSCV)である。MoMLV由来ウイルスには、LM
ily,LINGFER,MINGFER,MND及びMINTである(Bender
et al., J. Virol. 61:1639-1649 (1987); Miller et al., Biotechniques 7:98
-990 (1989); Robbins, et al., J. Virol. 71:9466-9474 (1997) 及び米国特許
第5,707,865 )。MSCV由来のベクターとしてMSCV−MiLy(Agarwal et
al., J. of Virology 72:720) がある。更に、ベクターの非限定的例として、
ギボンサル白血病ウイルス(GALV)、モロニーマウス肉腫ウイルス(MoM
SV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚幹細胞ウイルス(ME
SV)、脾臓フォーカスフォーミングウイルス(SFFV)、及び、ヒト免役不
全症ウイルス(HIV−1及びHIV−2)のようなレンチウイルスを挙げるこ
とが出来る。宿主範囲、変更した細胞表面受容体などの親レトロウイルスの特定
の性質を利用して、新たなベクター系が常に開発されている(C. Baum et al., C
hapter 4, Gene Therapy of Cancer Cells eds., Lattime & Gerson (1998))。
本発明は特定のレトロウイルスベクターに限定されるものではなく、あらゆる種
類のレトロウイルスベクターを含むものである。特に好適なベクターは、2つの
長い末端繰り返し(LTR)及びパッケージングシシグナルに対応するマウスウ
イルスからのDNAを含む。一具体例としては、ベクターがMoMLV又はMS
CV由来のベクターであり、特に、MNDである(米国特許第5,707,865 号、及
びNorris et al., J. of Virol. Methods, 75:161-167 (1998))。
【0035】 レトロウイルスベクター構築物の製造に際して、ウイルスgag,pol及び
env配列は通常ウイルスから除去され、外来性DNA配列を挿入するための場
所を提供する。この、外来性DNA配列にコードされる遺伝子は普通、長い末端
繰り返し(LTR)内の強力なプロモーターの調節下で発現される。LTRプロ
モーターは好適であるが、上記のような様々なプロモーターが知られている。
【0036】 ベクター構築物の非限定的な好適例は、以下に5’ 又は3’ に示した一般的
な構造を有する。 (a)LTR−X−I−mMuSKR−LTR; (b)LTR−mMuSKR−LTR; (c)LTR−mMuSKR−(I)−LTR; (d)LTR−X−pmMuSKR−LTR;及び (e)LTR−X−I−mMuSKR−SAR−LTR、及び (f)CMV−X−pmMuSKR−LTR。 ここで、「LTR」は長い末端反復配列、「X」は目的タンパク質に対する異
性遺伝子、「mMuSKR」は本発明の選択マーカー、「I」は本発明の内部リ
ボソームエントリー部位、「SAR」はスカフォールド付着領域、及び「p」は
第二プロモーター、CMVはサイトメガロウイルスプロモーターである。
【0037】 このような構築物は、もしgag,pol及びenv機能がパッケージング細胞
系によって外部から(in trans)与えられれば、ウイルス粒子内に効率良く包み
込むことが出来る。即ち、ベクター構築物がパッケージング細胞に導入され、該
細胞によって生産されるgag,pol及びenv蛋白質がベクターRNAと組
み合わされて感染性ビリオンが生産され、それが培養培地内に分泌される。こう
して生産されたウイルスは標的細胞に感染し、そのDNA内に組み込まれるが、
必須のパッケージング配列が欠けているために、感染性ウイルス粒子を生産する
ことはない。現在使用することが出来るパッケージング細胞系の殆どは、夫々が
必要なコード領域の一つを含有している別々のプラスミドでトランスフェクトさ
れているために、複製成分ウイルスが生産される為には複数の組換え現象が必要
である。別の方法では、パッケージング細胞系は既に組み込まれたプロウイルス
(逆転写されたRNAのDNA形態であって、感染された細胞のゲノム内にくみ
こまれたもの)を有している。この場合には該細胞は感染性ウイルスを構成する
のに必要な全ての蛋白質を生産するが、障害を受けているために (crippled) 、
それ自身のRNAをウイルスにパッケージすることが出来ない。代わりに、組換
えウイルスによって生産されたRNAがパッケージされる。従って、パッケージ
ング細胞から放出されたウイルスストックは組換えウイルスのみを含有する。レ
トロウイルスパッケージング細胞の非限定的例として、PA12,PA317,
FLTA13,PE501,PG13,ΨCRIP,RD114,GP7C−t
TA−G10,ProPak−A(PPA−6),及びPT67を挙げることが
出来る (Miller et al., Mol. Cell. Biol. 6:2895 (1986); Miller et al. Bi
otechniques 7:980(1989); Danos et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:6460
(1988) ; Pear et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:8392 (1993); Rigg,
et al., Virology 218:290-295 (1996); 及びFiner et al., Blood 83:43 (1994
))。レトロウイルスベクターDNAはパッケージング細胞内に安定的又は一過性
トランスフェクションによって導入され、ベクター粒子を生み出す。
【0038】 更に好適なベクターとして、アデノウイルスベクター (Frey et al., Blood 9
1:2781 (1998); WO95/27071) 及びアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)(Chat
terjee et al., Current Topics in Microbiol. And Immunol. 218:61 (1996)
を挙げることが出来る。 Shenk, Chapter 6, 161-78, Breakefield et al., Cha
pter 8 201-235; Kroner-Lux et al., Chapter 9, 235-256 in Stem Cell Biolo
gy and Gene Therapy, eds., Quesenberry et al., John Wiley & Sons, 1998
及び米国特許第5,693,531, 米国特許第5,691,176も参照されたい。アデノウイル
ス由来のベクターを使用することは、それらが非分裂細胞に感染することが出来
るために或る条件下では有利であり、レトロウイルスDNAとは違って、アデノ
ウイルスDNAは標的細胞のゲノム内に組み込まれることはない。更に、アデノウ
イルスベクターの外来性DNAを運搬する能力はレトロウイルスベクターよりも
かなり高い。アデノ随伴ウイルスはもう一つの有用な運搬系である。これらのウ
イルスのDNAは非分裂細胞内に組み込まれ、アデノ随伴ウイルスベクターを用い
て数多くのポリヌクレオチドを異なる種類の細胞に導入することに成功している
。該ベクターは造血細胞及び上皮細胞を含む異なる型の細胞に形質導入する能力
を有する。
【0039】 一具体例において、構築物又はベクターは、選択マーカーとしてのmMuSK-R又
はMuSK-Rをコードする核酸配列のみならず、標的細胞内に移入すべき、目的タン
パク質をコードする第二の核酸配列をも含有する。好適具体例では、該核酸はD
NAである。
【0040】 目的タンパク質は広義に解され、例えば、治療タンパク質、構造遺伝子、リボ
ザイム、アンチセンス配列を挙げることが出来る。構造タンパク質又は遺伝子は
完全なタンパク質又はその機能的に活性な断片でも良い。このようなタンパク質
には、例えば、細胞分化を制御するもの、及び内因性遺伝子欠陥から生じる患者
の疾患を補償できる治療遺伝子がある。遺伝子とは、構造コード領域を含み、特
定タンパク質の正常に調節された発現に必要な情報の全てを含むものを意味する
。更に、治療タンパク質又は遺伝子には、感染性物質の生産又は機能に拮抗 (an
ntagonize) 又は中和したり、病理過程に拮抗したり、宿主の遺伝的メークアッ
プを改善したり、又は、生着を容易にするものが含まれる。
【0041】 治療遺伝子又は遺伝子配列の具体的な例として、以下の治療に有効な遺伝子又
は遺伝子配列を挙げることが出来る:アデノシンデアミナーゼ欠損症(ADA)
、鎌状細胞貧血、リコンビナーゼ欠損症、リコンビナーゼ調節遺伝子欠損症,ア
ンチセンス又はトランスドミナントREV遺伝子のようなHIV、又は単純ヘル
ペスチミジンキナーゼ遺伝子(HSV−tk)。第二核酸配列は、新規な抗原、
薬剤耐性遺伝子、若しくはトキシンをコードするか、又は、腫瘍細胞を特異的に
殺すに有効なアポトーシスインデューサーをコードするか、又は、特異的な自殺
遺伝子を含有させることも出来る。更に、治療遺伝子には、酵母遺伝子のような
非ヒトの治療遺伝子であっても良い(Seo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 95:9
167 (1998))。
【0042】 ベクター又は構築物は、目的とするタンパク質をコードする第二核酸配列に加
えて、更にDNA配列を含むことが出来る。或る疾患の治療には、一つ以上の遺
伝子が必要である。或いは、一つ以上の遺伝子を幾つかの共存可能な (compatib
le) ベクターを用いて運搬することも可能である。遺伝的欠陥に応じて、治療遺
伝子には調節及び非翻訳配列を含むことが出来る。ヒト患者に対しては、治療遺
伝子は一般的にはヒト由来であるが、高いホモロジー及びヒトにおいて生物学的
に同一又は均等な機能を示す近い関係の種の遺伝子も、該遺伝子がレシピエント
において有害な免疫反応を生起しない限り、使用することが出来る。
【0043】 目的とするタンパク質又は更なるDNA配列に対するヌクレオチド配列は当業
界で公知であり、又は、GenBankのような様々な配列データベースから入
手可能である。任意の構造遺伝子を適合する制限酵素断片に切断して、該構造遺
伝子が標的細胞内で適当に発現可能な方法でベクター内に組み込むことができる
ことは、当業者であれば容易に認識される。
【0044】 本発明の標的細胞は、通常はMuSK−Rを発現しない哺乳動物細胞であり、
このような哺乳動物の非限定的例として、ヒト、マウス、サル、家畜、競技用動
物、愛玩動物(ペット)並びに、実験用齧歯類及び動物を挙げることが出来る。
好ましくは、標的細胞はヒト細胞である。好適なヒト細胞には、肝細胞、造血細
胞、神経細胞、内皮血管細胞、腫瘍細胞、及び上皮細胞がある。造血細胞は特に
好適であり、この造血細胞には、造血幹細胞、赤血球、好中球、単球、血小板、
肥満細胞、好酸球、好塩基球、B及びTリンパ球、NK細胞、及びこれら各細胞
系列の前駆体細胞が含まれる。造血幹細胞及びT細胞が特に好ましい。造血幹細
胞(HSC)は長期間の多系列再構成(増殖)能を有する造血細胞集団と定義す
ることが出来る。T細胞はリンパ球の一つのタイプであり、造血幹細胞から発展
してきたものと考えられている。
【0045】 標的細胞、特に、造血細胞を得る方法は当業者に周知であり、ここで特に繰り
返さない。造血細胞の非限定的ソースには、造血幹細胞、骨髄、胚卵黄嚢、胎児
性肝臓組織、成人脾臓、及び成人抹消血及び臍帯血などの血液を挙げること出来
る(To et al., Blood 89:2233 (1997)) 。骨髄細胞は腸骨、胸骨、脛骨、大腿骨
、脊椎、及びその他の骨空洞から得ることが出来る。
【0046】 標的細胞をその他の細胞から分離する方法は本発明にとって重要ではない。物
理的分離、抗体被覆磁気ビーズを用いる磁気的分アフィニティクロマトグラフィ
、及び、モノクローナ抗体と共に使用するか又はモノクローナ抗体に結合した離
、細胞障害性薬剤等の様々な操作を用いることが出来る。特定の抗原の染色レベ
ルに応じて細胞を分離する蛍光活性化セルソーター(FACS)も該操作に含ま
れる。これらの技術は当業者に公知であり、様々な文献、例えば、米国特許第5,
061,620; 5,409,8213; 5,677,136; 5,750,397 及び Yau et al., Exp. Hematol.
18:219-222 (1990)に記載されている。
【0047】 細胞分離の順序は本発明にとって重要ではない。特異的な細胞型はmMuSK-R 又
はMuSK-Rによる遺伝的修飾の前又は後のいずれかで分離することが出来る。好ま
しくは、細胞を最初に粗く分離して、その後に、陽性及び/または陰性選択する
。ヒトにおいては、濃縮された造血幹細胞集団の表面抗原発現プロフィールはC
D34Thy−1Linで同定される。その他の濃縮された表現型の非限
定的例として、CD2、CD3、CD4、CD8、CD10、CD1
、CD15、CD19、CD20、CD33、CD34、CD3
lo/−、CD45RA、CD59+/−、CD71、CDW109
グリコフォリン、AC133、HLA−DR+/−、及びEMを挙げるこ
とができる。Lin細胞は、少なくとも一種類の系列特異的マーカー(CD2
,CD3,CD4及びCD15、CD56等)発現の欠如に基づいて選択される
。濃縮されたHSC細胞集団の分離及び同定に使用する発現マーカーの組み合わ
せは、様々なファクターに応じて変化し、その他の発現マーカーが利用可能にな
れば変わり得る。マウスHSCはkitThy−1.1loLin−/lo
ca−1(KTLS)と同定され得る。他の表現型も周知である(米国特許第
5,061,620)。
【0048】 CD3は殆どのT細胞で発現しており、このような細胞は細胞表面抗原CD2
,CD4及びCD8を発現できることが示されている。その他の良く知られてい
るT細胞マーカーには、CD54RA、T細胞抗原受容体(TCR)でα、β−
TCR、及びγ、δ−TCRがある。B細胞は、例えば、CD19及びCD20
の発現によって選択することが出来る。骨髄細胞は、例えば、CD14、CD1
5及びCD16の発現によって選択することが出来る。NK細胞は、CD56及
びCD16の発現によって選択することが出来る。赤血球はグリコフォリンAの
発現によって選択することが出来る。神経細胞はNCAM及びLNGFRによっ
て同定することが出来る(Baldwin et al., J. Cell Biochem. 15:502 (1996))。
血管内皮細胞はVEGFR2、CD34、P−セレクチン、VCAM−1、EL
AM−1及びICAM−1によって同定することが出来る(Horvathova et al.,
Biol. Trace. Elem. Res., 69:15-26 (1999))。当業者には、その他の表液細胞
を同定するためのその他の有用なマーカーは公知である。
【0049】 一旦、標的細胞を含む集団を回収した後に、標的細胞、特に、造血細胞を分離
し、この細胞を増殖を維持するに十分な増殖因子を組み合わせて含有する適当な
培地中で培養する。標的細胞の培養方法は当業者には周知であり、ここでは簡潔
に記載するにとどめる。任意の適当な培地を使用することができ、Freshney, R.
I., “Culture of Animal Cells, A Manual of Basic Techniques”, Wiley-Lis
s, Inc. (1994)を参照されたい。様々な種類のは販売業者から容易に入手するこ
とが出来る。非限定的例として、DMEM、イスコフ変性ダルベッコ培地(IM
DM),X-vivo15、及びRPMI-1640を挙げることが出来る。調製物に
は、様々な種類の栄養素、増殖因子を添加することが出来る。培地に添加するこ
とも出来る化合物その他の非限定的な例として、TPO、FL、KL、IL−1
、IL−2、IL−3、IL−6、IL−12、IL−11、幹細胞因子、G−
CSF、GM−CSF、Stl因子、MCGF、LIF、MIP−1α及びEP
Oを挙げることが出来る。これらの化合物は単独、又は任意に組み合わせて使用
することが出来、好適な濃度範囲は公開文献から容易に決めることが出来る。
【0050】 培地には牛胎児血清のような血清、自家血清又は血漿を適当量含有しても良い
し、しなくても良い。しかしながら、細胞又は細胞集団をヒトに使用する場合に
は、培地は無血清又は自家血清若しくは血漿が好ましい(Lansdorp, et al., J.
Exp. Med. 175:1501 (1992) 及び Petzer, et al., PNAS 93:1470 (1996))。
マウス幹細胞を培養するときには、好適な非限定培地には、mIL−3、mIL
−6、及びmSCFが含まれる。例えば、フィブロネクチン及び/又はRetroNec
tinTM(宝酒造、大津、滋賀県、日本)のような接着分子のような、その他の
分子を培地に加えることも出来る。
【0051】 播種レベルは重要ではなく使用する細胞型に依存するが、一般的には造血細胞
に対する播種レベルは、該細胞がCD34を発現しているときは、少なくとも1
ml当たり少なくとも10個、より一般的には約100個であり、通常10
未満である。
【0052】 哺乳類の幹細胞活性のインビトロアッセイには、長期間培養開始アッセイ(L
TCIC)及びコブレストーン領域形成アッセイ(CAFC)がある (Pettenge
ll, et al., Blood 84:3653 (1994); Breens, et al., Leukemia 8:1095(1994);
Reading, et al., Exp. Hem. 22:786 (Abst #406)(1994); Ploemacher, et al.
, Blood 74:2755 (1989) ) 。CAFCにおいては、一定期間中にストローマ細
胞単層の上で明瞭なクローン性伸長物 (distinct clonal outgrowths:又は、コ
ブレストーン領域)を形成する能力に関して、プレートにまばらに播かれた細胞
集団が単純にテストされる。このアッセイによって、LTCICに関連する頻度
の読み出し情報が得られ、インビボアッセイ及び患者における生着を予想するこ
とが出来る。特に好適なCAFCアッセイは Young, et al., Blood 88:1619 (1
996) に記載されている。フローサイトメトリーを使用して、造血細胞が発現す
る表面抗原に基づき様々な組織から造血細胞の部分集団を取得(サブセット)す
ることができる。これらのアッセイを組み合わせて造血細胞又は幹細胞をテスト
することも出来る。
【0053】 本発明の一好適態様では、プロモーターに機能的に結合した選択マーカーとし
てのMuSK-R又はmMuSK-Rをコードするポリヌクレオチド配列を標的細胞内に導入
して遺伝的修飾細胞を形成し、遺伝的修飾細胞内でMuSK-R又はmMuSK-Rを発現さ
せ、及び、MuSK-R又はmMuSK-Rを発現する遺伝的修飾細胞を同定する、ことから
成る、遺伝的修飾哺乳動物細胞、特にヒト細胞の同定方法に関する。
【0054】 最も好適な具体例では、ポリヌクレオチド配列はmMuSK-RI、 mMuSK-RII 、又
は配列番号1(SEQ ID No.1)に記載されたMuSK-R由来か、若しくは
該配列と僅かに異なるだけで実質的に類似又は同一である配列をコードする。ポ
リヌクレオチドは、自然状態で、又は当業者に周知の方法で操作された場合に、
それが転写され、及び/又は翻訳されてポリペプチド又はその断片を生産するよ
うな場合に、ポリヌクレオチドはポリペプチドを「コード」しているといわれる
。MuSK-R又はその変異体を含む本発明の構築物又はベクターは遺伝的移入又はそ
の改変法によって標的集団に導入することが出来る。
【0055】 本明細書において「遺伝的修飾」という用語は、細胞の通常のヌクレオチドへ
の付加、欠失、又は混乱 (disruption) を意味する。この遺伝的修飾方法は、本
発明の選択マーカーをコードし、例えば、異種若しくは外来性遺伝子、又は核酸
を哺乳動物標的細胞(特に、ヒト造血細胞)に移入する、任意の遺伝的修飾方法
を含むものである。「遺伝的修飾」という用語の非限定的な例として、形質導入
(インビボ又はエキソビボにおける、宿主又は提供者から受容者へのウイルスの
媒介による宿主DNAの移入)、トランスフェクション(単離されたウイルスD
NAによる細胞への形質転換)、リポソーム媒介移入、エレクトロポレーション
、リン酸カルシウムトランスフェクション及び当業界で周知の他の手段がある。
Kriegler, M. Gene Transfer & Expression a Laboratory Manual, W. H. Frema
n & Company NY (1990) を参照されたし。形質導入方法には、細胞とプロデュー
サー細胞との直接共培養 (Bregni, et al., (1992) Blood 80:1418-1422) 、適
当な増殖因子及びポリカチオンと共に又はウイルス上清単独で培養する方法 (Xu
, et al., Exp. Hemat. 22:223-230(1994))がある。
【0056】 好適具体例において、標的細胞は上記のようなレトロウイルスベクターによっ
て形質導入される。感染する宿主の範囲はウイルスのエンベロープ蛋白質によっ
て決まる。組換えウイルスは実際に、パッケージング細胞によって提供されるen
v蛋白質によって認識されるあらゆる型の細胞に感染することが出来、ウイルス
ゲノムを形質導入した細胞に組み込み、外来性遺伝子産物を安定的に生産する。
一般的に、MoMLVのマウス同種指向性env はげっし類細胞に感染することが
出来るが、両種指向性env は、げっし類、鳥類細胞、及びヒト細胞を含む幾つか
の霊長類細胞に感染することが出来る。最近になって、水泡性口内炎ウイルスの
Gグリコプロテイン(VSV−G)がMoMLVenvタンパク質と置換された
(Burns, et al., Proc. Natl. cad. Sci. USA 90:8033-8037(1993); 及びWO92/
14829) 。ヒト細胞への感染が可能である異種指向性ベクターシステムも存在す
る。
【0057】 標的細胞が選択マーカーであるMuSK-R又はmMuSK-R、及び適宜目的タンパク質
をコードする第二核酸配列で形質転換されると、選択マーカーであるMuSK-R又は
mMuSK-Rを発現する該修飾細胞はいろいろな方法で同定することが出来る。本明
細書中において、修飾細胞に関する「同定」という用語は、他に特記のない限り
、標識し、精製し、濃縮し、単離し、又は分離することを意味する。同定は単一
又は複数のステップで行うことが出来る。好適な一態様では、同定される遺伝的
修飾細胞は、同一のステップで同定及び分離される。
【0058】 本発明の選択マーカーを発現する遺伝的修飾細胞を同定するために技術として
は、上記のほかに、非限定的例として、抗体選択、免疫選択、ノーザンブロット
又はサザンブロットによるヌクレオチド分析、ゲノムDNAのPCR増幅、ウェ
スタンブロットによるタンパク質分析、mRNAの逆転写及びPCRによる増幅
、及び、液相DNAとの蛍光によるその場(インサイトウ :in situ) ハイブリ
ダイゼーションによる染色体の分析であるFISH(Lawrence, et al., Sciene,
249 (4971): 928-932 (1990))を挙げることが出来る。
【0059】 好適な具体例では、哺乳動物細胞の同定方法は、遺伝的修飾細胞を、mMuSK-R
を発現する細胞を認識し結合するがmMuSK-Rを発現しない細胞をには結合しない
抗体に接触させることを含む。この結合細胞を抗体に結合しない細胞と分離する
【0060】 抗体は当業者に周知の方法によって得ることができ、又は、Harlow, et al.,
“Antibodies: A Laboratory Manual: (1988), Biosupplynet Source Book, (19
99) Cold Springs Harbor Laboratory を参照することが出来る。対象となる抗
原と反応するポリクローナル又はモノクローナル抗体生産細胞のいずれも製造す
ることが出来る。本発明によれば、抗体はMuSK-R又は mMuSK-R選択マーカーの細
胞外領域を認識しなければならない。より特異的には、細胞外領域の一部が、例
えば、欠失のように修飾されている場合には、抗体は該mMuSK-Rの残りのアミノ
酸配列のエピトープを認識しなければならない。
【0061】 特に好適な抗体は、配列番号2(SEQ ID No.2)に記載されたMuSK
-R配列に由来するか若しくは該配列と実質的に類似するmMuSK-Rを特異的に認識
し結合するモノクローナル抗体である。このような抗体は「α−MuSK-R」と称さ
れ、これは配列番号1又は2に記載された配列に由来するか若しくは該配列と実
質的に類似するmMuSK-Rに対する有意な特異性を保持するような、ネイティブ又
は組換え、合成又は天然の、任意の抗体又はそのフラグメントを含むものである
。α−MuSK-Rの例として、実施例のセクションGに記載され、寄託されているハ
イブリドーマによって産生される、H1、H2、及びH4を挙げることが出来る
【0062】 H1、H2、及びH4と呼ばれる、mMuSK-RI 及びmMuSK-RII に対する抗体を
産生するハイブリドーマはアメリカン・タイプ・カルチャーコレクション(AT
CC)(10801 University Blvd. Manassas, VA 20110) に2000年3月22日
に、夫々、受託番号PTA−1547,PTA−1548及びPTA−1549
で寄託されている。
【0063】 選択マーカーを発現する標的細胞を同定し、更に選択するためにはH1モノク
ローナル抗体が最も好ましい。更に、H1によって認識される細胞外ドメインに
おけるエピトープに特異的に結合する抗体を本発明方法に使用することが出来る
【0064】 α−MuSK-R抗体は、例えば、ゲル拡散、イムノアッセイ、免疫電気泳動、及び
免疫蛍光によってインビトロでアッセイ及び同定される。遺伝的修飾細胞が標識
されると、α−MuSK-R抗体と共にインキュベートされる。
【0065】 第二抗体が蛍光色素又は免疫磁気ビーズに結合している場合には、その第二抗
体を使用して、更に抗体で被覆された細胞を同定することが出来る。選択マーカ
ーを発現する遺伝的修飾細胞はFACSなどの蛍光活性化セルソーター、又はビ
ーズ被覆細胞を選択するための磁気(米国特許第5,011,912)によって選択する
ことが出来る。概略を述べると、第一のα−MuSK-Rを、フルオレセインイソチオ
シアネート(FITC) 、フィコエリスリン(PE)、cy−クロム(CyC) 、アロフィコ
シアニン(APC)、トリコロール(TC) 、又はテキサスレッド(TX) のような蛍光
色素(源)に結合させることが出来る。第一次抗体が蛍光源に結合していないと
きは、蛍光源に結合する第二次抗体をmMuSK-Rを発現する細胞を含む細胞試料に
導入し、第一次抗体によって認識される。第一次抗体はmMuSK-Rに付着する。分
離は蛍光活性化セルソーターによって行うことが出来る。
【0066】 本発明方法で同定された遺伝的修飾細胞を、同定及び選択の前又は後に、該細
胞を当業者に周知の方法で添加物有無にかかわらず数日又は数週間適当な培地で
培養して増殖することが出来る。
【0067】 本発明方法によって得られる遺伝的に修飾された細胞は、更に、自家又は同種
セッティングに使用することが出来る。そこでは、遺伝的に修飾された標的細胞
、好ましくは造血細胞、最も好ましくは幹細胞又はT細胞は増殖され、例えば、
骨髄移植、生着のファシリテーション(容易化)、又は免疫再構成等の遺伝治療
に使用される。mMuSK-Rを含有する増殖した細胞は患者内に投入される。試料を
採取し、MuSK-R又はmMuSK-R選択マーカーについて、上記のFACS分析、PC
R又はFISHによりテストし、遺伝的修飾細胞の生存率を求め、更に、形質転
換効率、特に、形質導入効率を評価することが出来る。
【0068】 以上これまで一般的に記載された本発明は、以下の実施例に則してより容易に
理解されるように説明される。これらの実施例は本発明の或る具体例を記載する
目的のみで含まれるものであって、本発明をいかなる意味でも限定するものでは
ない。
【0069】
【実施例1】A.ヒトMuSK−RcDNAの単離 ヒトMuSK−Rは、胎児平滑筋cDNA(Marathon cDNA, Invitron) から、
MuSK−RcDNAの5’及び3’に連結するプライマーを用いてPCRによ
って単離する。以下のプライマーをOperon Technologies, Inc.から入手し、M
uSK−RcDNAの増幅に使用する。
【0070】
【表1】
【0071】 5’プライマーMuSK21FNはMuSK−Rの開始コドン前の25個のヌ
クレオチドをカバーする。第二の5’プライマーMuSK34FNはMuSK−
Rの開始コドン(aa1)及びその周辺配列をカバーする。3’プライマーMu
SK2666RNはMuSK−Rの停止コドン及びその周辺配列をカバーする。
プライマーMuSK21FN、MuSK34FN及びMuSK2666RNを使
用することで、野生型MuSK−Rをコードする〜2600bpのDNA断片を
増幅することが出来る。
【0072】 以下のPCR反応を行った。マラソン(Marathon) cDNA(〜2 ng)をアド
バンテージ(Advantage) cDNA緩衝液 (10 mM Tris-HCl (pH=7.5, 42 ℃), 50
mM KCl, 2.5 mM MgCl2, 0.001% Gelatin, 2.5 μmol dATP, 2.5 μmol dCTP, 2
.5 μmol dGTP, 2.5 μmol dTTP), 1μg プライマーMuSK21FN, 1μg
プライマーMuSK2666RN、1 μlアドバンテージcDNAポリメラーゼ
、及び水(最終容積 50 μl)と混合する。PCRは以下の通り実施する。サイ
クル1:94℃で5分間;サイクル2−11:94℃で0.5分間、63℃で1
分間、68℃で6分間;及びサイクル12:68℃で10分間。
【0073】 反応はPCRマシン中で4℃に冷却し、次に増幅されたcDNAを0.3 M 酢酸
ナトリウム中でエタノール沈殿させる。ペレットを70%エタノールで洗浄し、
乾燥し、そして水100μlに再懸濁する。
【0074】 上記PCR反応物10μlを再度増幅する。上記PCR反応物10μlに加えて
、反応混合物は第2回目の増幅用に以下のものを含む:Pfu緩衝液 (20 mM Tris-
HCl (pH=8.8), 2 mM MgSO4, 10 mM KCl, 10 mM (NH4)SO4, 0.1 % Triton X-10
0, 0.1 mg/ml BSA), 2.5 μmol dATP, 2.5 μmol dCTP, 2.5 μmol dGTP, 2.5
μmol dTTP, 1μg プライマーMuSK34FN,1μg プライマーMuSK2
666RN、5U Pfu ターボ(Turbo) ポリメラーゼ(Pyrococcus furiosus 由来) 及び水(最終容積 50 μl)。PCRは以下の通り実施する。サイクル13:9
4℃で5分間;サイクル14−43:94℃で0.5分間、62℃で1分間、7
2℃で6分間;及びサイクル44:72℃で10分間。
【0075】 反応はPCRマシン中で4℃に冷却し、次に増幅されたcDNAを0.3 M 酢酸
ナトリウム中でエタノール沈殿させる。ペレットを70%エタノールで洗浄し、
乾燥し、そして20μl 水に再懸濁する。PCR反応物を1xTAEゲル上に
ロードする。2600bp大迄のバンドをゲルから単離し、製造業者のプロトコ
ールに従ってSrfI制限酵素部位pPCRスクリプトAmpベクター(Strateg
ene; CA) 内でクローンする。得られるベクターをpPCR−スクリプトMuS
K−R−wtと呼ぶ。サブクローニングしたPCR産物の正確さは制限酵素分析
及び周知の配列決定方法で確認する(ヌクレオチド配列は配列番号1で示されて
いる)。
【0076】B.PCRによるMuSK−Rの細胞内領域における変異の作成: プライマーMuSK1380F、MuSK1657R及び1747Rを用いて
、プラスミドpPCR−スクリプトMuSK−RからMuSK−Rの細胞内領域
変異体を作成する。プライマーは以下のとおりであり、「p」はリン酸化を意味
する。
【0077】
【表2】
【0078】 プライマーMuSK1380F及びMuSK1657Rを使用することによっ
て、MuSK−Rのアミノ酸残基538−879の欠失が生じ、プライマーMu
SK1380F及びMuSK1747Rを使用することによって、MuSK−R
のアミノ酸残基577−879の欠失が生じる。これら2つのMuSK−R変異
体をMuSK−RΔ538−879(MuSK−RI)及びMuSK−RΔ57
7−879(MuSK−RII)名付ける。MuSK−RI及びMuSK−RI
Iの双方とも、MuSK−Rの細胞内領域の殆どが欠失している(図2参照)。
本発明を何ら拘束するものではないが、この2つの切断により、図2に示した野
生型MuSK−Rの殆どの基質結合モチーフ及びキナーゼ領域が欠失するものと
考えられる。
【0079】 5’プライマーMuSK1380FはMuSK−Rのヌクレオチド1333−
1410をカバーする。3’プライマーMuSK1657R及び1747Rは、
MuSK−Rのアミノ酸538及び577の代わりに停止コドンを含む。プライ
マーMuSK1380FとプライマーMuSK1657R又は1747Rを使用
することで、アミノ酸538に停止コドンを有するMuSK−Rのヌクレオチド
1333−1614、又はアミノ酸577に停止コドンを有するMuSK−Rの
ヌクレオチド1333−1728をそれぞれ作成することが出来る。PCR反応
は、〜10nghMuSK−R−wtDNA、1xPfu緩衝液 、1μg プライマ
ーMuSK1380F、1μg プライマーMuSK1657R又は1747R、
2.5 μmol dATP, 2.5 μmol dCTP, 2.5 μmol dGTP, 2.5 μmol dTTP、5U Pfu
ターボ(Turbo) ポリメラーゼ及び水(最終容積 50 μl)。PCRは以下の通り
実施する。サイクル1:95℃で5分間;サイクル2−31:95℃で0.5分
間、60℃で1分間、72℃で4分間;及びサイクル32:72℃で10分間。
反応はPCRマシン中で4℃に冷却し、PCR反応物を1xTAEゲル上にロー
ドする。
【0080】 2つのPCR産物MuSK−RI(nt1380−1614)及びMuSK−
RII(nt1380−1728)を製造業者のプロトコールに従ってSrfI
制限酵素部位pPCRスクリプトAmpベクター(Strategene; CA) 内でクロー
ンする。これらの構築物にはMuSKの5’コーディング領域(nt1−137
9)が欠けているので、この配列をpPCR−スクリプトMuSK−R−wtか
ら制限酵素部位NaeI及びAatIIを用いて切り出す。修飾MuSK配列nt1−1
614及びnt1−1728を有するpPCR−スクリプトをそれぞれ、pPC
R−スクリプトMuSK−RI及びpPCR−スクリプトMuSK−RIIと呼
ぶ。ベクターの正確性は当業界で周知の制限酵素分析及び配列決定法により確認
する。
【0081】C.変異MuSK−Rを含むレトロウイルスベクター及びウイルス上清の製造
野生型MuSK−R及び変異体MuSK−RをpPCR−スクリプトMuSK
−R−wt、pPCR−スクリプトMuSK−RI、及びpPCR−スクリプト
MuSK−RIIから、NotI 及び XhoI部位を使用して切り出し、NotI 及び Xh
oIで切断されたマウス白血病ウイルス(MoMLV)に基づくレトロウイルスベ
クターpGlaの多クローニング部位にクローニングする。これらのレトロベク
ターはpGlaMuSK−R、pGlaMuSK−RI、及びpGlaMuSK
−RIIと名付ける。構築物を、サイトメガロウイルス(CMV)の調節下で水
泡性口内炎ウイルスG−タンパク質(VSV−Gエンベロープ)を発現するエン
ベロープ構築物pCiGLと共に、ヒト胚腎臓細胞293T(293T細胞)(G
ary Nolan, Stanford) にコトランスフェクションする。更に、293T細胞に
パッケージング構築物pCiGP(CMV プロモーター調節下のMoMLVgag-po
lをコードする)をCaCl法 (Clontech;CA) によりコトランスフェクション
する (WO97/21825 及びRigg et al., Virology 21:290-295 (1996))。
【0082】 ウイルス上清をトランスフェクションの24,48,72時間後に回収し、ベ
ックマンGS-6KR 遠心分離機内で1200rpmで遠心分離して粒子物質を除去
し、その後直ちに細胞を形質転換するために使用するか、又は乾燥氷/メタノー
ル浴中で保存する。ウイルス上清をパッケージング細胞系(セルライン)Pro
Pak−A−6(PPA−6)(Systemix, Inc.) を形質導入するのに使用する
。PPA−6セルラインは、CMV プロモーター調節下で両指向性MLVエンベロ
ープ及びMLVgag-polを発現する293T細胞由来のセルラインである(Rigg e
t al., 上記)。形質導入に関して陽性であるPPA−6細胞を免疫磁気ビーズ選
択でソート(セクションFに記載)する。PPA−6細胞からの上清を形質導入
の2,3および4日後に回収し、293T細胞の場合と同様に処理する。製造さ
れるPPA−6細胞からの上清には、両指向性エンベロープを有しヒト初代細胞
及びセルラインへの形質導入に使用することのできる組換えウイルス粒子が含ま
れている。
【0083】D.組織培養及びセルライン: 以下のセイライン及び初代細胞を使用する:(a) ヒトTセルライン、CEMS
S (Frederico, et al., J. Biol. Regul. Homeost Agents, 7:41-49 (1993))、
(b) ヒト胚腎臓細胞293T(293T) (Pear, et al., Proc. Acad. Natl.
Sci. USA 90:8392-8396 (1993))、及び(c) PPA−6(Rigg, et al., 上記)。
CEMSSMuSK−RセルラインはCEMSS細胞を、pGlaMuSK−R
wtを用いて作られたPPA−6上清で形質導入して作成されたものである。
【0084】 細胞は、ステリカルト( Steri-Cult) 200 インキュベーター(Forma-Scientif
ic)内で、5%CO2 で培養する。培養培地 (DMEM, イスコフ(Iscove)培地、RPM
I)、PBS、及びピルビン酸ナトリウムはJRH BioSciences(CA) から入手する
。FBSはHyclone, (Utah)、L−グルタミン、トリプシンはLife Technology (
Maryland) 、ITS(インシュリン、トランスフェリン及びセレン酸ナトリウム
)、フィトヘマグルチニン(PHA)、及びインターロイキン2(IL−2)は
Sigma, (Missouri) から入手する。
【0085】 293T細胞及びPPA−6細胞をDMEM、10%FBS、1%ピルビン酸
ナトリウム、及び1%L−グルタミン(293T,−6)、CEMSS細胞は;
RPMI、10%FBS、及び1%ピルビン酸ナトリウムで培養する。ハイブリ
ドーマ細胞は、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン)又
はHT培地(イスコフ培地、10%FBS、5%ハイブリドーマクローニング因
子(Igen; MD) )に、ヒポキサンチン0.5mM、アミノプテリン4μM及びチ
ミジン16μM(HAT培地)、又はヒポキサンチン0.5mM及びチミジン1
6μM(HT培地)を加えたものである。
【0086】 接着細胞(293T細胞及びPPA−6細胞)を継代するために、細胞を1回
PBSで洗浄し、5分間トリプシン処理し、その後、新たな組織培養フラスコ内
に分割する(VWR, New Jersy) 。
【0087】E.PPA−6及びヒトTセルラインの形質導入: 293T細胞又はPPA−6細胞のいずれかから製造したウイルスの上清1−
3mlを用いて、ステップ(D)からの10細胞/mlを8μg/ml硫酸プ
ロタミン(Sigma, Missouri) と共にスピノキュレーション (spinoculation)
により形質導入する。スピノキュレーション は37℃で3時間、2750rp
m(PPA−6及びCEMSS細胞)で実施する。PPA−6細胞は6穴プレー
トで形質導入する。CEMSS細胞は6ml試験管(VWR) 内で形質導入する。
【0088】F.MuSK−RI及びMuSK−RIIを発現する細胞のFACS分析、及び 、免疫−磁気ビーズによる選択: FACS分析は、FACScan(Becton Dicknson)で実施する。以下の抗
体及び試薬を用いて染色を行う。CD4−FITC(Caltag, CA) 、ヨウ化プロ
ピディウム(PI、Sigma)、ヤギ抗マウスIgG−PE (Caltag, CA)、抗マウ
スIgG結合磁気ビーズ(Dynal, Oslo)、抗MuSK−Rポリクローナル血清、
及び、抗MuSK−Rハイブリドーマ上清(セクションG参照)。全ての抗体の
力価を測定し、最適な濃度で使用する。1x10個の細胞を50μlPBS/
2%FBS中で20〜60分間4℃で染色する。二次抗体を使用するときには、
細胞を2mlPBS/2%FBSで一度洗浄し、もう一度50μlPBS/2%
FBS中でインキュベートし、そして第二次抗体を添加する。FACS分析の前
に、細胞を更にPBS/2%FBSで一度洗浄し、遠心分離し、1μg/mlの
PIを含有する500μlPBS/2%FCS中に再懸濁する。FACS分析は
製造者の指示に従いFACSscan(Becton Dickinson Immunocytometry Gro
up; CA)により実施する。
【0089】 ビーズ選択によって細胞を単離するために、細胞を抗MuSK−R抗体で染色
する。10/mlをPBS/2%FBS中の10μl抗MuSK−Rハイブリ
ドーマと氷上で時々揺らしながら1時間ンキュベートする。細胞をPBS/2%
FCSで3回洗浄し、抗MuSK−R抗体を認識する抗IgG抗体結合磁気ビー
ズ(Dynal, Oslo)を添加する(陽性細胞当たり〜5個のビーズ)。再度、細胞を氷
上で1時間インキュベートする。MuSK−Rを発現する細胞がDynal磁気
により10分間で陽性選択される。非結合細胞は除去され、MuSK−Rを発現す
る細胞が培養に提供される(ステップ(D))。
【0090】G.MuSK−Rの細胞外領域に対するモノクローナル抗体の製造: MuSK−Rの細胞外領域(XC)に対するモノクローナル抗体を製造するめ
に、MuSK−R XCをPCRにて増幅し、発現構築物pSecTag2b(I
nvirtogen) にクローニングする。MuSK−RのXC領域のプラスミドpSe
cTag2bの多価クローニング部位(MCS)へのクローニングによりCMV
プロモーターの調節下でXCが発現される。更に、該プラスミドは多価クローニ
ング部位の後にmyc及び(His)−tag配列を有しているので、目的タ
ンパク質(MuSK−RXC)とmyc及び(His)−tagの融合が生じ
る。MuSK−RのシグナルペプチドはIgκリーダーに置換されている(図3
)。シグナルペプチドがないMuSK−Rの細胞外領域が以下のプライマーを使
用するPCRによって増幅され、プライマーは以下のとおりであり、「p」はリ
ン酸化を意味する。
【0091】
【表3】
【0092】 プライマーMuSK116FPCはシグナルペプチド(nt69−93)の後
から配列を開始する。プライマーMuSK1532RCは膜貫通領域開始の前の
配列及び膜貫通領域の最初の2つのアミノ酸(配列番号1のヌクレオチド146
2−1586に対応)をカバーする。PCR反応は、〜10nghMuSK−R
−wtDNA、1xPfu緩衝液 、 2.5 μmol dATP, 2.5 μmol dCTP, 2.5 μmol
dGTP, 2.5 μ?mol dTTP、1μg プライマーMuSK116FPC、1μg プラ
イマーMuSK1532RC、5U Pfu ターボ(Turbo) ポリメラーゼ及び水(最
終容積 50 μl)。PCRは以下の通り実施する。サイクル1:95℃で5分間
;サイクル2−7:96℃で0.5分間、60℃で1分間、72℃で6分間;サ
イクル8−27:95℃で0.58分間、58℃で1分間、72℃で6分間;及
びサイクル28:72℃で10分間。反応はPCRマシン中で4℃に冷却し、P
CR反応物をゲルで精製する。PCR断片をSecTag2bのEcoRV部位
にクローニングする。こうして、MuSK−R XCをN末端のIgκリーダー
並びにC末端のmyc−及び(His)−tagのフレーム内にコローニング
される。得られるプラスミドをpSecTag−hMUSK−Rと呼ぶ。
【0093】 MuSK−R XCを発現させる為に、プラスミドpSecTag−hMUS
K−RをCaCl法(セクションCに記載)により293T細胞にトランスフ
ェクトする。トランスフェクションも24時間後に、培地を新鮮なDMEM/1
0%FBS又は無血清X−Vivo15と交換する。トランスフェクションした
細胞の上清を48時間及び72時間後に回収する。全部で400mlの上清を回
収し、精製するまで−80℃で凍結する。
【0094】 MuSK−R XCは組織培養上清から固定化金属アフィニティクロマトグラ
フィにより精製する。金属イオンは0.1M NiClである。カラムは1又
は5mlファルシア金属HiTrapキレーティングセファロースカラムである
。平衡緩衝液(緩衝液A)は、20mM NaHPO、pH7.4、1Mグ
アニジン塩酸、及び1M NaClから成り、0.2μMセルロースアセテート
フィルターを通す。溶出緩衝液(緩衝液B)は、20mM NaHPO、p
H7.4、1Mグアニジン塩酸、及び1M NaCl、及び0.5M イミダゾ
ールから成り、0.2μMセルロースアセテートフィルターを通す。ファルマシ
アFPLCクロマトグラフィシステムを用いて、FPLC操作プログラムソフト
ウェア及びファルマシアP50ポンプが備わったカラムを操作する。精製は4℃
にて実施する。
【0095】 ロードを開始する前に、ポンプに緩衝液Aを注入する。カラウを装着する前に
、ロードをポンプを通して組織培養液のピンク色が連結部に見られるようにして
カラムが非平衡条件で洗浄されないようにする。
【0096】 組織培養上清は0.85M NaCl、1M 塩化グアニジン、及び40mM イミダゾールを含有するように調整し、pHを7.4に合わせる。カラムを8
%緩衝液Bで平衡化する。試料をロードし、カラムを上記条件においてカラム7
容積分で洗浄する。MuSK−Rは30%緩衝液B(150mMイミダゾール)
において8容積分以上で溶出される。運転の開始から画分を回収する。
【0097】 各画分をドットブロットアッセイ(Dot Blot Assay:下記) で試験する。選択
された陽性画分をウェスタンブロットアッセイ(Elisa:下記) で試験する。陽性
画分を集めて10,000 MWCO 膜 (Pierce Snakeskin) にてPBSに対して透析する
。透析後、光学密度をOD280で測定する。試料を0.2μMフィルターに通
し、冷蔵庫されたSorvall RT6000D 内のCentricon Centriprep 30 装置で、製造
者のプロトコールに従って濃縮する。
【0098】 ドットブロットアッセイ陽性試料を試験するために、各画分10μlをニトロ
セルロースにピペットする。この膜を乾燥させ、スーパーブロックでブロックし
、MuSK−Rタンパク質に対してプローブし、インディアウェスタン (India
Western:下記) に記載のように発色させる。
【0099】 ウェスタンブロットは当業者に周知の方法で実施する。材料(試料緩衝液、運
転緩衝液及びゲル)はNovex から入手する。
【0100】 ウェスタンブロット分析用に、画分当たり25−35μlを使用する。グアニ
ジン含有画分を氷冷エタノール内で沈殿させ、氷上で15分間又は4℃で一晩保
存する。試料を冷蔵されたマイクロ遠心機(TOMY)にて14,000rpm
で10分間遠心する。上清を捨て、氷冷アセトンを添加し、上記のように遠心す
る。ペレットを5%β―メルタカプトエタノール含有SDS試料緩衝液 (Novex) (最終容積:50−70μl)に再懸濁する。試料を90℃以上で5分間変性
させ、短時間遠心し、25−35μlを4−20%勾配ゲルにロードする。Bi
orad湿式移動ブロッティングカセットとトリスーグリシンーメタノール移動
緩衝液(25mM トリスマ塩基 (Trizma base)、192mMグリシン、20
%メタノール)を用いて、ゲルを0.45μMニトロセルロース上に、1.4時
間で移動させる。ゲルのブロッティング後に、ブロットをPierce TBS スーパー
ブロック中で10分間穏やかに攪拌しながらブロックする。回転プラットフォー
ム上で、ブロットをTBST(50 mM Tris, pH7.5, 150 mM NaCl, 0.05% Tween
20) でそれぞれ5分間かけて2度洗浄する。Pierce India (商標)His-HRP プ
ローブを1:5,000にTBSTで希釈し、ブロットをこのプローブとともに
室温で1時間インキュベートし、TBSTで3回洗浄する。その後、西洋ワサビ
パーオキシダーゼ(HRP)試薬 (Sigma Fast HRP非溶解性基質D4418) をブロ
ットに添加し、ブロットを発色させる。或いは、マウス抗c−myc抗体 (Sant
a Cruz Biochemistry; CA) を用いて、組換えMuSK−Rタンパク質を検出す
る。この抗体はスーパーブロック中で1μg/mlの最終濃度まで希釈する。ブ
ロットをTBSTで3回洗浄し、ヤギ抗マウスIgG−HRP抗体(Sigma) をス
ーパーブロック中1:5,000で希釈したものを添加する。ブロットを室温で
穏やかに攪拌しながら1時間インキュベートし、Sigma Fast HRP非溶解性基質を
用いて上記のように発色させる。認識されたタンパク質はSDS−PAGE上を
約85kDで移動し、グリコシル化によって19kD重くなっていると考えられ
る。
【0101】 組換えMuSK−Rタンパク質を3匹のBalb/cマウスに注射する。この
目的のために、25−50μgを2.25mgアルハイドロゲル (alhydrogel)
及び100μgMDP(ムラニルジペプチド:Pierce)を混合し(最終容
積200μl)、14日毎に5回皮下注射する。3回目及び5回目の注射の後に
、FACS分析及びElisaによりMuSK−Rに対する反応性に関して3匹
の血清を試験する。FACS分析には、5x10個のセルラインCEMSS及
びCEMSSMuSK−Rを使用する。プレ血清及び血清の双方を1:100、
1:300、1:900及び1:2700に希釈する。ラット抗マウスIgG−
PE抗体を1:200の希釈で第二次抗体として使用する。Elisaの為には
、96穴プレートを10μg/ml抗マウスIgGFc (Jackson; Maine) 抗体
50μlで被覆する。プレートを様々な希釈(1:100〜1:218700)
の血清とインキュベートし、その後、MuSK−Rタンパク質、及び、1:10
00希釈のニッケル活性化西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP、Pierce)とイ
ンキュベートする。ニッケル活性化HRPは組換えMuSK−Rタンパク質に(
His)−tagを介して結合する。これを発色するには、プレートをTMP
ペルオキシダーゼ基質 (Zymed; CA) とインキュベートする。これら双方のアッ
セイにおいて、一匹のマウスが天然及び組換えMuSK−Rに対して最高の反応
性を示す。このマウスにPBS中のMuSK−R(200μg)による6回目の
注射でブーストを施す。注射は皮下及び静脈下で行う。1週間後に脾臓を摘出し
、リンパ球をリンフォライト (lympholite) M (Accurate Chemicals) で単離
し、50%ポリエチレングリコールを用いて、骨髄腫セルラインP3X63AG
8.0653と標準操作により融合させる。得られるハイブリドーマはHATバ
ルク状で1週間培養する。リンフォライト (lympholite) M を用いて、生存細
胞を回収し、クローニング因子 (Igen) 含有HAT培地中で培養する。ハイブリ
ドーマが更に1週間増殖したら、細胞バッチの一つを10%DMSOを含有する
HAT培地中に凍結保存する。もう一方の細胞バッチは、単一細胞デポジットユ
ニットを用いるFACSsorting によって各クローンに分割する。前方および側
方散乱によりPI陰性細胞をソートする。細胞をHAT培地中で2週間培養する
。天然及び組換えMuSK−Rタンパク質を認識できるモノクローナル抗体に関
して、上清をElisa及びFACSで試験する。IgG1、2a、2b,3,
IgM,κ及びλと反応する第二次抗体(Caltag, CA)を使用するElisaアッ
セイによって抗体のアイソタイプを同定する。
【0102】 H1,H2及びH4の3つのモノクローナル抗体が同定される。これら3つは
全て、FACSアッセイにおいて、CEMSS−MuSK−Rセルライン上に発
現されるMuSK−Rと反応することが出来る。H1はIgG1,κであり、H
2はIgG1,κであり、H4はIgM抗体である。
【0103】 図4は、H1,H2及びH4の3つのモノクローナル抗体を用いた、CEMS
S及びCEMSSMuSK−R上に発現されたhMuSK−Rを示す。H1,H
2及びH4の3つのモノクローナル抗体を検出するために、抗マウスIgG抗体
に結合した第二PEを使用する。図5は、非形質導入CEMSS細胞(パネルA
)、及びPPA−6上清で形質導入されhMuSK−R(パネルB)又はhMu
SK−RII(パネルD)を発現するCEMSS細胞におけるMuSK−の発現を
示す。両方の集団ともに免疫磁気ビーズ選択で濃縮された(hMuSK−R(パ
ネルC)、hMuSK−RII(パネルE)。図5に示された試験結果はモノクロ
ーナル抗体H2を使用して得られてものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞質領域が欠失した野生型(WT)MuSK−R及びmMuSK−R
を模式的に表わしたものである。リーダー配列がtagとして5‘末端に付加さ
れている。
【図2】hMuSK−Rと名付けられ、配列番号1に記載の核酸配列及び配列番
号2に記載のアミノ酸配列に対応するMuSK−Rを示す。シグナルペプチドは
アミノ酸残基1−19である。細胞外領域はアミノ酸残基20−493を含み、
膜貫通領域はアミノ酸残基494−515を含み、細胞質領域はアミノ酸残基5
16−869を含む。
【図3】pSeqTag2bhMuSK−Rを模式的に表わしたものである。
【図4】H1(B),H2(C)及びH4(D)のモノクローナル抗体を用いた
、CEMSS及びCEMSSMuSK−R上に発現されたhMuSK−Rの発現
を示す。
【図5】非形質導入CEMSS細胞(A)におけるhMuSK−R(配列番号1
)、及びPPA−6上清で形質導入されたCEMSS細胞におけるhMuSK−
R(パネルB)及びhMuSK−RII(パネルD)の発現を示す。両方の集団と
もにモノクローナル抗体H2を使用して免疫磁気ビーズ選択で濃縮された(hM
uSK−R(パネルC)、hMuSK−RII(パネルE)。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA11 BA63 CA04 CA06 DA03 EA02 FA02 GA11 HA14 HA15 4B063 QA18 QQ08 QQ43 QQ49 QR32 QR55 QS33 QS34 4H045 AA11 CA40 DA76 EA54 FA74

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のステップ: (a)プロモーターに機能的に結合した変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(
    mMuSK-R)をコードする核酸配列を哺乳動物細胞内に導入して遺伝的修飾細胞を
    形成し、 (b)遺伝的修飾細胞内でmMuSK-Rを発現させ、及び (c)mMuSK-Rを発現する遺伝的修飾細胞を同定する、 ことから成る、遺伝的修飾哺乳動物細胞の同定方法。
  2. 【請求項2】mMuSK-Rが配列番号1(SEQ ID No.1)に記載され
    た核酸配列にコードされる配列の変異配列である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】mMuSK-RがMuSK-Rの細胞内ドメインから少なくとも150個の
    アミノ酸が欠失した配列である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】mMuSK-Rがキナーゼ活性部位が欠失したMuSK-R配列である、請
    求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】mMuSK-RがmMuSK-RI 又はmMuSK-RII である、請求項2記載の方
    法。
  6. 【請求項6】遺伝的修飾細胞を抗体と接触させることによって同定ステップ
    を実施する、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】ベクターによってmMuSK-Rをコードする核酸配列が哺乳動物細
    胞に導入される、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】ベクターがレトロウイルスベクターである、請求項6記載の方
    法。
  9. 【請求項9】哺乳動物細胞が造血細胞である、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】mMuSK-Rをコードする核酸が第二核酸配列を組み合わされて
    導入され、該第二核酸配列は目的タンパク質をコードする、請求項1記載の方法
  11. 【請求項11】更に、同定されたmMuSK-Rを発現する細胞を分離するステッ
    プを含む、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】同定ステップによって遺伝的修飾細胞を非修飾細胞から分離
    する、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】プロモーターに機能的に結合した変異筋特異的チロシンキナ
    ーゼ受容体(mMuSK-R)をコードする核酸配列を含み、mMuSK-Rが配列番号1(S
    EQ ID No.1)に記載された配列由来か、又は配列番号1(SEQ I
    D No.1)に記載された配列に実質的に同一である、ベクター。
  14. 【請求項14】以下のステップ: (a)筋特異的チロシンキナーゼ受容体(MuSK-R)をコードする核酸配列をヒト
    造血細胞内に導入し、 (b)該細胞内でMuSK-Rを発現させ、及び (c)遺伝的修飾造血細胞を非修飾造血細胞から同定する、 ことから成る、遺伝的修飾ヒト造血細胞の同定方法。
  15. 【請求項15】以下のステップ: (a)変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(mMuSK-R)をコードする核酸配列
    をヒト造血細胞集団内に導入し、 (b)目的タンパク質をコードする異種DNA配列をヒト造血細胞集団内に導入
    し、 (c)該細胞内でmMuSK-Rを発現させ、及び (d)mMuSK-Rを発現する遺伝的修飾細胞を同定する、 ことから成る、遺伝的修飾ヒト造血細胞の同定方法。
  16. 【請求項16】目的タンパク質をコードする異種DNA配列及びmMuSK-Rを
    コードする核酸配列が同じベクター上において細胞に導入される、請求項14記
    載の方法。
  17. 【請求項17】以下のステップ: (a)変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(mMuSK-R)をコードする核酸配列
    で細胞を形質導入し、 (b)形質導入細胞をmMuSK-Rを特異的に認識し結合する抗体と共にインキュベ
    ートし、及び (c)結合された形質導入細胞を同定する、 ことから成る、形質導入哺乳動物細胞の免疫選択方法。
  18. 【請求項18】細胞が、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨
    髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚幹細胞ウイルス(MESV)、マ
    ウス幹細胞ウイルス(MSCV)、及び脾臓フォーカスフォーミングウイルス(
    SFFV)から成る群に由来するレトロウイルスベクターによって形質導入され
    る、請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】更に、同定された結合細胞を非結合細胞から分離するステッ
    プを含む、請求項16記載の方法。
  20. 【請求項20】更に、同定された結合細胞を増殖させるステップを含む、請
    求項16記載の方法。
  21. 【請求項21】以下のステップ: (a)変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(mMuSK-R)をコードする核酸配列
    であってmMuSK-Rはシグナル伝達形質導入を奏効しないものを哺乳動物細胞集団
    内に導入し、 (b)目的タンパク質をコードする異種DNA配列を含む核酸配列を上記集団内
    に導入し、 (c)上記細胞の成長及び増殖に好適な条件下で該哺乳動物細胞を培養し、及び
    (d)mMuSK-Rを発現する細胞を同定することによって、目的タンパク質を発現
    する細胞を獲得する、 ことから成る、目的タンパク質を発現する哺乳動物細胞の同定方法。
  22. 【請求項22】受託番号PTA−1548でATCCに寄託されたハイブリ
    ドーマが産生する抗体H1によって認識されるエピトープに特異的に結合する抗
    体。
  23. 【請求項23】以下のステップ: (a)プロモーターに機能的に結合した変異筋特異的チロシンキナーゼ受容体(
    mMuSK-R)をコードする核酸配列を哺乳動物細胞内に導入して遺伝的修飾細胞を
    形成し、 (b)mMuSK-Rを発現させ、 (c)mMuSK-Rを発現する細胞を認識して結合するが、mMuSK-Rの発現を欠く細胞
    には結合しないモノクローナル抗体に上記細胞を接触させ、及び (d)上記モノクローナル抗体に結合する細胞を、上記モノクローナル抗体に結
    合しない細胞から分離する、 ことから成る、哺乳動物細胞の同定方法。
  24. 【請求項24】抗体がH1、H2、H4、及び抗体H1によって認識される
    細胞外ドメインにおけるエピトープに特異的に結合する抗体から成る群から選択
    される、請求項23記載の方法。
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