JP2003532077A - 薬剤スクリーニング用の動的強度−べースの細胞内タンパク質−及び蛍光団−ベースの再分布アッセイについての化学シグナル増強 - Google Patents

薬剤スクリーニング用の動的強度−べースの細胞内タンパク質−及び蛍光団−ベースの再分布アッセイについての化学シグナル増強

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JP2003532077A JP2001578952A JP2001578952A JP2003532077A JP 2003532077 A JP2003532077 A JP 2003532077A JP 2001578952 A JP2001578952 A JP 2001578952A JP 2001578952 A JP2001578952 A JP 2001578952A JP 2003532077 A JP2003532077 A JP 2003532077A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、再分布アッセイにおいてGFP-タッグタンパク質を発現する細胞外溶液へのある色素の添加により、シグナルを増強することを包含する。そのような色素の例は、トリパンブルー及びアシッドレッドである。これにより、光強度の変化として、再分布アッセイを測定することができる。サイトソルから膜への再分布の動き、又はその逆を例示する。再分布の測定に用いられる装置は、通常のプレートリーダー又はFLIPR(登録商標)型機器である。エンハンサー化合物がGFPの放射スペクトルに重複する吸収スペクトルを有することは、上記の色素に共通の特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】背 景 現在のところ、医薬品産業は、世界的なゲノムプロジェクトから発する全情報
を利用することになるときの難題に直面している。薬剤スクリーニング用アッセ
イの伝統的なパネルの設定に使用できる潜在的に新しい細胞表面レセプターにつ
いての情報に加えて、多数の新たな潜在的な薬剤ターゲットが提案されている。
これらの新しいタンパク質の多くは、a)細胞内で、b)細胞内シグナル化経路の一
部であり、c)酵素活性(例えばキナーゼ、ホスファターゼ又はホスホジエステラー
ゼ活性)及びシグナル化経路への影響に対する適当な細胞内局在化の双方に依存
し、d)スカフォールド又はアンカータンパク質(適当な位置でシグナル化タンパ
ク質を結合し、保持し、そのシグナルの下流への伝達を可能にするタンパク質)
及び「メッセージ」を受け、それをさらに変換するか、又はその活性を変え、細
胞機能に直接影響を及ぼす下流のエフェクタータンパク質との1つ又は幾つかの
同時の相互作用に依存し、e)インプット/活性化シグナルを受ける位置からアウ
トプットシグナルを導出する別の位置まで、細胞内で再分布している。幾つかの
変換工程、幾つかのシグナル化成分及び幾つかのアンカー又はスカフォールドタ
ンパク質の再分布を伴う細胞内シグナル化経路は、この結果、細胞内のタンパク
質-タンパク質相互作用に基づく、薬剤調節用の多数の潜在的なターゲットを示
している。
【0002】 医薬品産業の問題は、医薬品に開発できる新しい存在物を見出すべく、化学化
合物のスクリーニングにこれらの事象を確実に利用できるアッセイ系を創作し、
開発することである。このようなアッセイは、ある基本的な特徴を有する:アッ
セイは、タンパク質-タンパク質の相互作用がシグナル化系の一部として起こる
ものとして観察できるように、機能的に十分な形態で上記のシグナル化系を示す
生細胞を要する。生細胞内のタンパク質-タンパク質相互作用を測定するひとつ
の方法は、研究することが望まれる細胞内タンパク質を蛍光団(化学化合物又はG
FPのような蛍光タンパク質)を用いてマークするか、又はタグ(tag)することであ
る。興味深いタンパク質は、好ましくは活性化によって再分布するタンパク質で
ある。次いで、蛍光顕微鏡画像化のような技術を用いて細胞内でのタッグタンパ
ク質の動きを追跡することができる。薬剤スクリーニングの方法として有用であ
るためには、再分布の測定は再現可能な方法で定量する必要がある。このことを
果たすひとつの方法は、再分布現象の画像を記録し、数学的に画像を処理し、所
望の情報を抽出することである。例えば、蛍光でタッグしたタンパク質は区画の
内外に再分布するので、特定の細胞下区画の光強度の変化を測定してもよい。こ
のような測定は、迅速な動的処理中に多数の画像をとる必要があるかもしれず、
又は遅い再分布中の終点もしくは定常状態点にとったひとつの画像のみを必要と
する可能性がある。WO 00/17624及びWO 97/45730は、この概念の単一時間点(sin
gle-point-time)適用を記載している。WO 98/45704は、この概念の動的な適用を
記載している。
【0003】 上記方法のひとつの限界は、方法が、より一般的に使用される他のアッセイ法
に比して遅いということである。あるがままに現在実行されている事実上のスク
リーニング要件は、代表的な化合物のコレクションを妥当な時間で得るには、処
理能力(所定時間量でアッセイされ得る試験化合物数)は十分でなければならない
ということである。許容できる処理能力は、1日当たり数100〜数1000サンプルで
ある。これは、平行化、つまり多くの個々の測定を装置に同時に行わせることに
よって、また自動化によって、最初に達成された。自動化顕微鏡が記載され(WO
00/17643及びWO 00/03246参考)、市販されているが、そのような測定を平行化す
る方法は、現在はない。
【0004】 蛍光でタッグしたタンパク質間の相互作用の調節は、FRET(蛍光共鳴エネルギ
ー移転) (Mol.Endocrinol.12(9);P.B.Fernandes Curr.Opon.Chem.Biol.2(5) (19
98)参照)、FP(蛍光偏光)(M.Jolley J.Biomol.Scr.1(1996);P.B.Fernandes Curr.
Opin. Biol.2(5)(1998)参照)又はFCS(蛍光相関分光)(R.Riegler J.Biotechnol.4
1 (1995);P.B.Fernandes Curr.Opin.Chem.Biol. 2(5)(1998))を用いても検出で
きる。これらの各方法は、インビトロでのタンパク質-タンパク質の相互作用の
測定に適用できる(幾つかの場合には、適用されている)。しかし、これらの技術
は、改良型顕微鏡技術の使用による以外は、無傷の細胞中の細胞内タンパク質タ
ーゲットに対する薬剤スクリーニングへの適用に全く成功していない。したがっ
て、これらのタイプのアッセイは、スピードに関してひどく限定されており、こ
の結果、薬剤発見のスクリーニング技術に必要な処理能力を許さない。
【0005】 薬剤スクリーニングで使用されるアッセイについての別の要件は、十分な精度
である。精度は、アッセイで反応を生ずる化合物と生じない化合物との識別能力
の定量的な尺度である。アッセイの精度は、%として示される変動係数、つまり
CV(CV=(アッセイ標準偏差/アッセイ範囲)x100)として通常示される。小さいCVは
、高い精度を示す。多数のスクリーニング科学者は、約5%より高いCVでアッセ
イを実行することをためらう。幾つかのアッセイでは、各サンプルについて複数
回行い、結果を平均化することによって、高いCVを軽減することができる。しか
し、これはすぐに収穫逓減点に達する:アッセイを行うのに必要な時間の増加は
本質的に反復測定の回数に比例するが、反復測定を1回追加するごとに増加する
精度はすぐに取るに足らないものとなる。その結果、全体として5%のCVに達す
るために8〜10回以上の反復測定を要するアッセイを実施することを考慮するス
クリーニング科学者は、ほとんどいないであろう。この議論を逆にすると、測定
値のCVを下げるものは何であれ、結果の統計的重要性を達成するために実施しな
ければならない反復測定の回数を減らすことによって、アッセイの処理量に直接
影響を及ぼす。精度の高い(CVの低い)アッセイは、最も可能性のある筋書きを示
している:シングリケート(singlicate)で各試験化合物をアッセイのみする必要
があり、アッセイの正常なバックグラウンドノイズから弱い陽性反応を検出でき
る。さらに、それは、アッセイの形式を、多くのサンプルを同時に測定でき、処
理能力をも増す形式に変える可能性を生じる。ある化合物は、測定される蛍光に
影響を及ぼすことができる。色素トリパンブルーを用いてフルオレセインのよう
な化合物からの緑蛍光を減じることができるという事実は、周知である(S.Sahli
n, J.Hed, I.Rundquist. J.Immunol. Meth. 60, 115(1983);Y.Hanssonら、J.Imm
unol.Meth.100, 261(1987);C.P.Wan, C.S.Park, B.H.Lau.J.I,,unol.Meth. 162,
1(1993))。それは、アッセイでの一般的な使用も認められている(Vybrant(登録
商標)Phagocytosis アッセイキット、Molecular Propbes Inc.)。トリパンブル
ーの有用性は、それが生細胞から除かれ、それによってフルオロセイン又は他の
緑蛍光化合物からの細胞外の蛍光を減じるが、細胞内の蛍光を減じることはでき
ないということである。これは、例えば細胞が周囲の媒体から蛍光標識した物質
を集める食作用アッセイで使用されている(S.Sahlin, J.Hed, I.Rundquist. J.I
mmunol. Meth.60, 115(1983); C.P.Wan, C.S.Park, B.H.Lau. J.Immumol. Meth.
162, 1(1993))。トリパンブルーは、細胞内に局在する標識からではなく、原形
質膜の外部リーフレットの外側上の標識を含む全ての細胞外標識から蛍光を除く
ために加えられる。恐らく、約70〜100Å厚の原形質膜は、細胞によって摂取さ
れた標識物質の蛍光に影響を及ぼさない色素に十分な障壁である。
【0006】 したがって、細胞下タンパク質再分布の測定を自動化できることに加えて平行
化できる技術は、積極的な方法でのかかるアッセイの開発に強力に影響するであ
ろう。その上、そのような測定本来の精度を増す方法は、処理能力を増して、弱
い反応を方法のバックグラウンドノイズから識別でき、アッセイ形式の密度を増
してアッセイの処理能力を増す可能性を付与することによって、その有用性を増
す。
【0007】発明の要約 この発明は、再分布アッセイでGFP-タッグタンパク質を発現する細胞外溶液に
加えた化学物質が、アッセイのバッグラウンドと無細胞プレートバックグラウン
ドで下限に近い増加をわずかに生じながら、再分布反応のシグナル成分を増強す
るとの意外な知見を含む(図7及び8参照)。そのような化合物のひとつは、トリパ
ンブルーである(CAS No.72-57-1)。トリパンブルーは、細胞外にあるとの事実に
もかかわらず、原形質膜の内面に集まったGFP-タッグタンパク質からの蛍光を減
じ、サイトゾルから膜へ(図6、タイプ1、シグナルの低下参照)又は膜からサイト
ゾルへ(図6、タイプ3、シグナルの増加参照)タンパク質が再分布するにつれて、
増強したシグナル変化を生ずる。同時に、図6のタイプ2のように、GFP-タッグタ
ンパク質の原形質膜集合を伴わない再分布アッセイでトリパンブルーが増強作用
を有しないことは明らかである。
【0008】 類似の増強作用について幾つかの他の化学化合物を評価した後、化合物アシッ
ドレッド88(CAS No.1658-56-6)を同定した(図2〜4参照)。アシッドレッド88は水
溶性であるが、トリパンブルーより脂肪親和性で、おそらくある程度まで濃度依
存的に細胞に入る。したがって、アシッドレッド88は、タイプ1、2及び3の再分
布アッセイで再分布反応の単一成分を増強する。発明の詳細な開示 高い処理能力を求める産業上の要求に対するひとつの解決策は、以下に要約さ
れる特許出願(WO 00/23615)に詳細に記載された意外な知見、ある条件下で、幾
つかの蛍光プレートリーダーを用いて、蛍光タッグした細胞内タンパク質の再分
布を光強度の変化として検出できる、つまり画像の数学的処理なしに、通常のマ
イクロタイタープレートで96個の並行実験を同時に行えることである。
【0009】 もっとも広い観点のひとつにおいて、この発明は、細胞反応に対する影響に関
する定量情報を引き出すための、従来の方法に比較して処理能力の高い改良法に
関する。その方法は、発光団の発光特性に変調をもたらすように影響の程度に関
連して再分布され得る及び/又は影響の程度に関連して再分布され得る成分で変
調され得る、細胞に存在する発光団から発せられる光の空間的分布における、機
械的に無傷な生細胞に対する影響によって引き起こされる変化を記録し、発光団
から発せられる光の空間的分布における前記変化を、蛍光強度の変化を測定する
よう設計された機器を用いて蛍光強度の変化として検知して記録し、光の空間的
分布における記録された変化を処理して、空間的分布あるいは空間的分布変化と
影響の程度とを相関させる定量的情報を提供することからなる。これは、光強度
の変化を測定して行われる。
【0010】 このスクリーニングアッセイは、完全に新規な作用機作(例えば、酵素活性の
阻害/活性化ではなく、生物学的に活性なポリペプチドの作用を調節する方法と
しての生物学的に活性なポリペプチドの再分布/転位の阻害又は促進)を有する
生物学的に活性な物質が、生物学的に活性なポリペプチドの特定のイソ型に極め
て高度な選択性と、さらに同一の生物活性ポリペプチドの他のイソ型又は同一の
シグナル化経路の他成分に対する化合物選択性の発展とを保証するように同定で
きるシステムを提供する点で他のスクリーニングアッセイ、例えばレセプター結
合アッセイ、酵素アッセイ及びレポーター遺伝子アッセイと異なる利点を有する
【0011】 この発明のひとつの具体例では、光強度の変化は、影響を付してから、あるひ
とつの時点で記録される。別の具体例では、記録は、一方が影響を付す前で、他
方が影響を付した後の2つの時点で行われる。結果又は変動は、影響又は調節に
先立って測定される蛍光に比較した蛍光の変化から決定される。この発明の別の
具体例では、一連の時点で記録が行われる。影響の適用は、一連の記録の最初の
時点から一定時間後に生じる。記録は、1秒から12時間、例えば10秒〜12時間、
例えば10秒〜1時間、例えば60秒から30分又は20分の時間をかけて、例えば0.1秒
〜1時間、好ましくは1〜60秒、より好ましくは1〜30秒、特に1〜10秒の所定の時
間間隔で行われる。結果又は変動は、時間中の蛍光変化から決定される。結果又
は変動は、時間中の蛍光の空間分布の変化としても決定できる。
【0012】 光強度は、当業者に公知の種々の装置タイプを用いて記録することができる。
一般的にこのような装置は、以下の構成部分からなる:(a)光源、(b)発光団の発
光を励起する源からの光の波長を選択する方法、(c)励起光を迅速に妨げるか、
又は残りの系に通過させることのできる装置、(d)励起光を試験片に伝達し、発
せられた蛍光を空間的に分解して集め、この蛍光放射から画像を形成する一連の
光学素子(又は検出及び測定の方法に適した別のタイプの強度マップ)、(e)一連
の光学素子に対して所定の形態で測定される細胞容器を保持するベンチ又はスタ
ンド、(f)好ましくは画像形態で光強度を記録するための検出器、(g)コンピュー
ター又は電子システム、及び記録情報及び/又は画像を捕捉し、蓄えるためであ
って、記録画像から再分布の程度を計算するための関連ソフトウェア。
【0013】 この発明の好ましい具体例では、装置系は自動化される。ある具体例では、上
記(d)及び(e)に挙げた構成部分は、蛍光顕微鏡からなる。ある具体例では、上記
(f)に挙げた構成部分はCCDカメラである。ある具体例では、上記(f)に挙げた構
成成分は、光電子増倍管/装置のアレイである。 この発明のある具体例では、実際の蛍光測定は、マイクロタイター型プレート
用の標準型蛍光光度計(蛍光プレートリーダー)でなされる。 ある具体例では、光学走査系を用いて、発光又は蛍光における変化の時間-分
解記録を全空間制限から同時になすことができるように、マイクロタイター型の
プレートの底が照らされる。 ある具体例では、画像は、光学走査系によって形成され、記録される。
【0014】 好ましい具体例では、実際の発光又は蛍光は、Molecular Devices, Inc.から
市販されているFLIPR(登録商標)機器で測定される。 影響に対する細胞反応の程度又は細胞内経路に対する影響の結果を示す定量情
報は、既知の程度の関連する特定の影響に対して、同様にして記録される、反応
又は結果に基づく所定の較正にしたがった記録又は記録類から引き出される。こ
れにより、影響によって生ずる再分布の程度が、同程度の細胞反応を引き起こす
関連する特定の影響の用量として示される。未知の影響、例えば細胞成分の再分
布に対する作用が知られていない新しい化学構成要素又は化学物質を試験するこ
とによって、再分布に作用を有する薬剤についてのスクリーニングアッセイが達
成される。
【0015】 この発明のひとつの具体例で、スクリーニングプログラムは、細胞内シグナル
化経路に干渉することにより毒性作用を発揮する生物学的に毒性な物質の同定に
用いられる。細胞内シグナル化経路の活性化又は不活化によって分布変化を受け
る発光団からの空間分解発光の再分布についての生細胞での測定に基づくと、ス
クリーンされる各物質の個々の測定結果は、その潜在的な生物学的に毒性な活性
を示す。スクリーニングプログラムのひとつの具体例では、ここに定義されるよ
うな細胞内経路の成分を調節する化合物を見出すことができ、化合物の治療上の
量を、この発明の方法による方法で見積もることができる。好ましい具体例では
、この発明は、生物学的に活性なポリペプチドの細胞内機能に関連する症状又は
疾患に罹患している患者に、この発明による方法で発見された化合物の有効量を
投与することからなる、該症状又は疾患の新たな治療方法の発見をもたらす。こ
の発明の別の好ましい具体例では、方法は、細胞内シグナル化経路の成分である
生物学的に活性なポリペプチドの一群からの新たな薬剤標的又は幾つかの新たな
薬剤標的の同定のために確立されている。この発明の観点は、特許出願WO99/236
15に詳細に記載されている。
【0016】 発光団は、蛍光団GFPのような蛍光タンパク質を導入していることが好ましい
。蛍光検出法を用いると、GFPの分布は連続的に視覚化することができる。この
明細書では、「緑色蛍光タンパク質」(GFP)の用語は、細胞により発現する際に
、(例えばChalfie,M.ら、(1994) Science 263, 802-805によって記載されるよう
な)正確な励起波長光への暴露によって蛍光を発するタンパク質を意味すること
意図する。1以上のアミノ酸が置換、挿入又は欠失されているこのような蛍光タ
ンパク質も、「GFP」と称する。ここで使用されるような「GFP」には、クラゲAe
quorea Victoria又は腔腸動物類の他のメンバーから得られる野生型GFP、例えば
Discosoma sp.の赤色蛍光タンパク質(Matz, M.V.ら. 1999, Nature Biotechnolo
gy 17: 969-973)、又は他の動物、菌類もしくは植物由来の蛍光タンパク質、及
びHeimら(Heim, R.ら、1994, Proc.Natl.Acad.Sci. 91:26, pp 12501- 12504)に
よって開示されたGFPの青色蛍光変異体のようなGFP修飾型、及びGFP蛍光のスペ
クトル特性を変える他の修飾型、あるいは1997年3月27日にWO 97/11094として公
開され、ここに引用により導入されたPCT/DK96/00051に記載の約30℃より高温で
細胞内に発現される際に増加した蛍光を示す修飾型が含まれ、それは、Aequorea
の緑色蛍光タンパク質から得られる蛍光タンパク質又はその機能類似体からなり
、発色団から1つ上流位置にあるアミノ酸が突然変異され、この発明の蛍光タン
パク質を細胞で発現する際に蛍光強度を増す。好ましいGFP変異型は、F64L-GFP
、F64L-Y66H-GFP、F64L-S65T-GFP、F64L-E222G-GFPである。この発明の全ての観
点での使用に特に好ましいGFP変異型は、EGFPである(哺乳動物細胞での発現に最
適化されたコドンを有するF64L-S65T 変異型である、EGFPをエンコードするDNA
は、EGFP DNA配列を含むClontech, Palo Altoのプラスミドから入手可能である(
GenBankアクセス番号U55762、 U55763参照))。別の特に好ましいGFP変異型は、F
64L-E222G-GFPである。
【0017】 この発明のこの観点の感度は、この発明によって著しく改善された。ここで、
FLIPR(登録商標)(蛍光画像プレートリーダー)機器で測定されるような、細胞内
で再分布するGFP-タッグタンパク質から生じるシグナル変化は、測定の変化性(
ノイズ)を付随して増加させずに数倍に増強することができる。さらに、アッセ
イでシグナルが増すために、再分布アッセイは、新規で屈折率の大きい(denser)
スクリーニング形式、例えばFLIPR(登録商標)機器での384-及び1536-ウェルのマ
イクロタイタープレートで実施でき、それにより処理能力を大幅に改善できると
考えられる。再分布アッセイは、WO 99/35496に記載の形式に適合していてもよ
い。
【0018】 類似の増強作用について幾つかの他の化学化合物を突き止めた後、化合物アシ
ッドレッド88(CAS No.1658-56-6)を同定した(図2〜4参照)。アシッドレッド88は
水溶性であるが、トリパンブルーより親脂性で、おそらく、ある程度まで濃度-
依存的に細胞に入る。この結論は、a)アシッドレッド88がタイプ1の再分布アッ
セイで全体的基礎蛍光性を濃度依存的に減じる(図7参照)一方、類似条件下で無
細胞プレートのバックグラウンドをごくわずかにしか増さない(図8参照)実験、
及びb)アシッドレッド88の濃度を増したタイプ2反応の低下及び反転(実施例3参
照)に基づいている。細胞外媒体でアシッドレッド88を用いるタイプ1及び3の再
分布アッセイからのシグナルの劇的な増幅によって、アシッドレッド88は、これ
らの2タイプのアッセイにおけるスクリーニングの開発及び実際的な薬剤スクリ
ーニングのために選択されるエンハンサー化合物になる。
【0019】 アシッドレッド88及びトリパンブルーについてここで示したようなGFP蛍光-減
少特性を有する化合物が特定の細胞区画、例えば細胞核、小胞体、リソソーム又
はミトコンドリアに相対している場合は、化合物を用いて、その区画で集まって
いるGFP-タッグタンパク質から、蛍光を特異的に減じることができることは、容
易に理解することができる。それにより、顕微鏡又はArrayScan(登録商標)のよ
うな画像系での実施がここで唯一可能な再分布型アッセイを、例えばFLIPR(登録
商標)機器のような蛍光プレートリーダーで行うことができる。これらの再分布
アッセイタイプの例は、GFP-又は蛍光団-タッグタンパク質が、核からサイトゾ
ルへ、サイトゾルから核へ、又はミトコンドリア、リソソームもしくは小胞体へ
移動するタイプのアッセイである。
【0020】 また、アシッドレッド88(又はアッセイ反応を増強する類似の化学特性ならび
に物理特性を有する他のエンハンサー化合物)の液体量を細胞周囲へ添加して、
最新式の蛍光プレートリーダーを用いて測定を行えるように、蛍光標識タンパク
質の再分布によってタイプ1又はタイプ3の再分布アッセイで十分に大きな光強度
変化を得ることが可能である。
【0021】 タイプ1及び3の再分布アッセイを増強する上で、トリパンブルー及びアシッド
レッド88の作用について可能なひとつの説明は、励起されたGFPから発せられる
光の効率的な吸収体になるということである。これは、2つの理由から重要であ
る。第一に、ある化合物がGFPによって発せられる光のバルク減少剤 (bulk redu
cer)として機能するには、このスペクトル重複がなければならない。第二に、ス
ペクトル重複は、GFPの励起状態〜基底状態変移と、エンハンサーの基底状態〜
励起状態変移との間にほぼエネルギー等価があることを意味する。エンハンサー
がGFPに充分空間的に近い場合には、無放射エネルギー移転過程が2分子間で生じ
、GFPの蛍光を減じることがある。
【0022】 下記の表は、3個の色素オレンジG、アシッドレッド88及びトリパンブルーに対
する500〜550nm範囲、488nmでの平均モル吸収力を示す。値は、3つの物質の公表
スペクトルから見積もった(Green, FJ, The Sigma-Aldrich Handbook of Stains
, Dyes and Indicators, 1990, Sigma-Aldrich)。
【0023】
【表1】
【0024】 明らかに、500〜550nm範囲でのモル吸収力の違いは、488nmでの相違よりもか
なり大きい。488nmでの相違は、3個の色素のエンハンサー作用の相違を説明する
には不十分である。その最大吸収が500〜550範囲外であっても、トリパンブルー
は、GFP放出範囲で最も高いモル吸収力を有する。したがって、この増強機序が
優勢なアッセイで、3個の色素について最も高いエンハンサー作用が期待される
。タイプ1及び3の再分布アッセイでのオレンジGの弱い作用は、さらに、500〜55
0範囲の平均モル吸収力が少なくともオレンジGの吸収力、つまり約5000モル-1-c
m-1より大きい必要があることを示している。
【0025】 したがって、エンハンサー化合物は、発光団の放出スペクトルが重複した吸収
スペクトルを有することが好ましい。エンハンサー化合物がそれ自体蛍光性であ
れば、狭い帯域フィルターを用いるべきである。GFPが問題の発光団である場合
には、エンハンサー化合物が500〜550nm範囲で測定可能な程度まで光を吸収する
ことが好ましい。ピーク吸光度がこの波長範囲内である必要はない。しかし、こ
の波長範囲内の平均モル吸収力が5000モル-1-cm-1より高く、例えば10,000モル- 1 -cm-1より高いことが重要である。
【0026】 タイプ1及び3の再分布アッセイを増強する上でのトリパンブルー及びアシッド
レッド88の作用についての別の可能性ある説明は、特性が、光を発するGFP分子
と化合物の吸収分子とのあいだの距離に依存しているということである。それに
加えて、トリパンブルーとアシッドレッド88とには、後者が濃度依存的に細胞に
容易に浸透でき、それにより、膜に近いトリパンブルーよりも効果的にGFP蛍光
を減じるとの違いがあってもよい。これについては、実験的な証拠がある:a)タ
イプ1の再分布反応で、アシッドレッド88の増強作用は、最初に低濃度で増加を
示し、その後、最大増強に比較して(図3参照)、高濃度で低下を示す、b)トリパ
ンブルーに比較して、細胞に浸透せず、したがってタイプ2の再分布反応に干渉
しない(実施例3参照)。低濃度のアシッドレッド88はタイプ2の反応を除き、高濃
度でシグナルを反転させて、予想される増加よりもむしろ蛍光を低下させる(図9
参照)。これは次のように解釈される。低濃度で十分なアシッドレッド88が細胞
質内にあり、サイトゾルに分散されるcPKA-GFPの再分布(実施例3のタイプ2再分
布反応)からの蛍光を検出不能な蛍光変化に減少させる。高濃度ではサイトゾル
に分散されるcPKA-GFPの再分布からのほぼ全ての蛍光が、アシッドレッド88によ
って弱化されるが、cPKA-GFPの凝集型は影響を受けない。これは、アシッドレッ
ド88がタイプ2再分布アッセイで全体的な基底蛍光を減じないで、むしろ濃度依
存的にそれを増加し(図10参照)、一方、タイプ1再分布アッセイでは基底蛍光を
減じたとの事実によって確認される。つまり、エンハンサー化合物は細胞又は細
胞膜に入ることが好ましい。エンハンサー化合物が細胞又は細胞膜に入る能力は
、一般に、細胞質(水性溶液)における化合物の溶解性に対する、脂質-様環境(例
えば非極性有機溶媒)における化合物の溶解性に関連すると考えられる。この特
性は、logP値(Pの一般的な対数、分配係数、オクタノール及び水における化合物
の濃度割合、ここでオクタノールと水は、両者間を平衡化する化合物に十分長く
接触している)によって簡便に示される。薬剤になっている化合物及びなってい
ない化合物の物理化学特性に関する製薬産業でのここ数十年の経験から得られる
知識に基づけば、細胞に入ることのできる化合物の最適logP値は5未満であり、
好ましくは1〜5の範囲である。
【0027】 エンハンサー化合物の細胞又は細胞膜に入る能力を評価する別の方法は、タイ
プ2及びタイプ1又は3の再分布アッセイの反応をそれぞれ改善する能力を試験す
ることである。 既知のエンハンサー化合物に対して類似の作用を有する化合物を同定するため
には、以下の一連の実験を行うことができる: - 吸収スペクトルは、被試験化合物について得るか又は測定すべきであり、GFP
がその放出ピークを有する波長範囲500〜550nmでの光に十分高い平均モル励起係
数を示すべきである(実施例について図5参照)。代替法は、異なる濃度の被試験
化合物をキュベット中の固定濃度のGFPと混合し、GFPから発せられる蛍光が化合
物の濃度の増加につれて減少するかどうかを測定する方法である。
【0028】 - 被試験化合物が、適当な濃度の実験緩衝液に使用できるように水溶液に十分
可溶性であるかどうかを測定する、 - 化合物の親脂性の程度を測定するか、又は別の方法で細胞への化合物の浸透
程度を試験する、 - 化合物と基準化合物双方に対して固定した刺激を有するタイプ1、2及び/又は
3の再分布アッセイにおけるトリパンブルー及びアシッドレッド88のような基準
となるエンハンサー化合物に対し化合物を試験する、及び/又は
【0029】 - タイプ1の再分布アッセイでのピーク増強作用及びタイプ2の再分布アッセイ
でのシグナル変化の反転を見出すための濃度範囲の試験化合物を用いて、化合物
と基準化合物双方に対して固定した刺激を有するタイプ1及びタイプ2の再分布ア
ッセイにおけるアシッドレッド88のような基準化合物に対し化合物を試験する。 これらの試験の何れかに関して基準のエンハンサー化合物と同様か、それより
良好な化合物は、エンハンサー化合物と考慮すべきである。明らかに、このよう
なエンハンサー化合物は、タイプ1、2及び3アッセイの再分布シグナルの増強に
関してかなり徹底的に試験すべきである。
【0030】 もっとも広い観点では、この発明は、化学的又は物理学的機序に関わらず蛍光
でタグした細胞内タンパク質の動きがいずれかのタイプの蛍光プレートリーダー
でモニターされ、光強度の変化として検出できる再分布アッセイに対し、シグナ
ルを増強する特性を有するエンハンサー化合物に関する。 この発明の好ましい観点では、プレートリーダーは、Molecular DevicesのFLI
PR(登録商標)機器に匹敵する感度と小さなシグナル検出限界を有する。さらに、
機器は、96-、384-又は1536-ウェルのマイクロタイタープレート形式で実験する
ように備えられていることが好ましい。
【0031】 この発明のひとつの観点では、エンハンサー化合物を用いて、検出器の全検出
領域にわたる平均的な光強度の変化として蛍光顕微鏡でモニターされる再分布ア
ッセイに対するシグナルが増強される。 好ましいエンハンサー化合物は、可視スペクトル内で光を吸収し、その結果、
溶液中にある時に着色される化合物である。トリパンブルーが水中で比較的低い
溶解度(<0.1mg/ml)を有するとしても、その溶解度は溶液を着色するのに十分高
い。水中での溶解度が水溶液、例えば実験に用いられる緩衝液中での溶解度と異
なる可能性があることに、留意すべきである。一般的には、生細胞での実験に使
用される緩衝液は、約pH7.4である。
【0032】 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、再分布シグナルを増強する
のに有用であるが、細胞に無害な濃度で水溶液に溶解性である。 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、水溶液に溶解性で、細胞に
は全く入らない。 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、水溶液に溶解性であるが、
再分布シグナルを増強するように細胞内の区画に部分的に分布する。 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、水溶液に溶解性であり、再
分布シグナルを増強するように細胞中に分布する。 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、400〜800nmの波長範囲で最
大限に光を吸収する。 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、450〜600nmの波長範囲で光
を最大限に吸収する。 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、480〜570nmの波長範囲で光
を最大限に吸収する。 好ましいエンハンサー化合物のひとつのタイプは、500〜550nmの波長範囲で最
大限に光を吸収する。
【0033】 化学的又は物理学的機序に関わらず再分布アッセイ用シグナルを増強する性質
を有するエンハンサー化合物を用いることによって、アッセイのCVは通常5%未
満である。CVが5%未満のスクリーニングアッセイでは、シングル-ポイントスク
リーニング、つまりスクリーンされる化合物当たり試験1回のみを一連の薬剤発
見で行うことができる(これにより、作用が実験上の人工産物ではなく、ほぼ99
%の確実性があるようにアッセイを開始することができる)。
【0034】 図面の簡単な説明 図1 C-末端をGFP(緑色蛍光タンパク質)でタッグしたPKC(プロテインキナーゼC)β1
のヒトのイソ型とヒトのRACK1(活性化Cキナーゼのレセプター)を安定的に発現す
るCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタープ
レート(Packard View-Plate)で培養した。KRW(実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl
3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコ
ース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))中で20分前
培養した後、細胞プレートに0、10、50、100及び200μMの濃度勾配のトリパンブ
ルーを追加し(化合物及び濃度当たり4ウェル)、FLIPR(登録商標)に置いた。次い
で、細胞を100μM ATPを用いてFLIPR(登録商標)中で刺激した。これにより、こ
れらの細胞でタイプ1の再分布反応が生じ(図6参照)、刺激の最初の1〜2分のあい
だ、PKCβ1がサイトゾルから膜に移動するにつれて、蛍光強度の低下として再分
布を定量できる。図は、4つの個々の実験トレースの各平均である、5つのトレー
スを示す。16個の個々のバックグラウンドトレースに基づくバックグラウンドト
レースの控除により全データのバックグラウンドを較正し、100μM ATPの添加時
点で1に標準化した。
【0035】 図2 C-末端をGFP(緑色蛍光タンパク質)でタッグしたPKC(プロテインキナーゼC)β1
のヒトのイソ型とヒトのRACK1(活性化Cキナーゼのレセプター)を安定的に発現す
るCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタープ
レート(Packard View-Plate)で培養した。KRW(実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl
3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコ
ース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))中で20分前
培養した後、細胞プレートに0、10、50、100及び200μMの濃度勾配のアシッドレ
ッド88を追加し(化合物及び濃度当たり4ウェル)、FLIPR(登録商標)に置いた。次
いで、細胞を100μM ATPを用いてFLIPR(登録商標)中で刺激した。これにより、
これらの細胞でタイプ1の再分布反応が生じ(図6参照)、刺激の最初の1〜2分のあ
いだ、PKCβ1がサイトゾルから膜に移動するにつれて、蛍光強度の低下として再
分布を定量できる。図は、4つの個々の実験トレースの各平均である、5つのトレ
ースを示す。16個の個々のバックグラウンドトレースに基づくバックグラウンド
トレースの控除により全データのバックグラウンドを較正し、100μM ATPの添加
時点で1に標準化した。
【0036】 図3 C-末端をGFP(緑色蛍光タンパク質)でタッグしたPKC(プロテインキナーゼC)β1
のヒトのイソ型とヒトのRACK1(活性化Cキナーゼのレセプター)を安定的に発現す
るCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタープ
レート(Packard View-Plate)で培養した。KRW(mM) (実験緩衝液;NaCl 140、KCl
3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グル
コース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))中で20分
前培養した後、細胞プレートに0、10、50、100及び200μMの濃度勾配のトリパン
ブルー、アシッドレッド88及びオレンジGを追加し(化合物及び濃度当たり4ウェ
ル)、FLIPR(登録商標)に置いた。次いで、細胞を100μM ATPを用いてFLIPR(登録
商標)中で刺激した。これにより、これらの細胞でタイプ1の再分布反応が生じ(
図6参照)、刺激の最初の1〜2分のあいだ、PKCβ1がサイトゾルから膜に移動する
につれて、蛍光強度の低下として再分布を定量できる。16個の個々のバックグラ
ウンドトレースに基づくバックグラウンドトレースの控除により全データのバッ
クグラウンドを較正し、100μM ATPの添加時点で1に標準化した。データポイン
トは、4回の測定+SDの平均を示す。実際の反応は蛍光強度の低下であるとの事実
にもかかわらず、刺激の最初の1分のあいだの最大変化(SMax-SMin)及び全ポジテ
ィブ値としてデータを抽出した(Smaxは時間枠中で最も高い蛍光値であり、かつS
minはもっとも低い値である。反応はネガティブなので、最後の2つのマイナス記
号は正の値を与える)。濃度のゼロ値は、ただの実験緩衝液の存在を示す。
【0037】 図4 C-末端をGFP(緑色蛍光タンパク質)でタッグしたPLC(ホスホ-リパーゼC)デルタ
のヒトのイソ型のPH-領域(プレクストリン(pleckstrin)ホモロジーを安定的に発
現するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタ
ープレート(Packard View-Plate)で培養した。KRW(mM) (実験緩衝液;NaCl 140
、KCl 3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-
グルコース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))中で
20分前培養した後、ウェルの半分のトリパンブルー100μM及びもう半分のアシッ
ドレッド88 10μMを細胞プレートに追加し、FLIPR(登録商標)に置いた。次いで
、300μMから各希釈段階で1/3の濃度にした濃度範囲のATPを用いて細胞をFLIPR(
登録商標)中で刺激した。これにより、これらの細胞でタイプ3の再分布反応が生
じ(図6参照)、刺激の最初の1〜2分のあいだPLCデルタ1のPH-ドメインが膜からサ
イトゾルに移動するにつれて、蛍光強度の増加として再分布を定量できる。図4
は、この実験を要約している。4個の個々のバックグラウンドトレースに基づく
バックグラウンドトレースの控除により、全データのバックグラウンドを較正し
た。データポイントは、4回の測定+SDの平均を示す。刺激の最初の1分間の最大
変化としてデータを抽出した(Smax-Smin)。
【0038】 図5 再分布シグナルエンハンサーのトリパンブルー、アシッドレッド88及びオレン
ジGの光吸収スペクトル。吸収値を、モル吸光係数として示す。トリパンブルー
が500〜550nmの波長範囲でモル当たり最も高い吸光能を有すること、及びアシッ
ドレッド88が同一範囲で吸収が最大になる一方、オレンジGとトリパンブルーは
いずれもこの範囲外でピークを有することが認められる。
【0039】 図6 明細書に示唆されている異なるタイプの再分布反応の概要図。 タイプ1は、例えば、CHO細胞中でGFPとタッグして発現される際のATPのような
レセプター刺激に対する反応におけるPKCβ1の再分布の初期段階を示す。 タイプ2は、例えば、cPKA-GFP構築物がCHO細胞で発現される際に化合物フォル
スコリンを用いてcAMPを生ずる、細胞内酵素アデニルアテサイクラーゼの活性刺
激に応じたcPKA-GFP再分布の初期段階を示す。 タイプ3は、例えば、構築物がCHO細胞で発現される際のATPのようなレセプタ
ー刺激に応じたPLCデルタPHドメイン-GFP再分布の初期段階を示す。
【0040】 図7 C-末端をGFP(緑色蛍光タンパク質)でタッグしたPKC(プロテインキナーゼC)β1
のヒトのイソ型とヒトのRACK1(活性化Cキナーゼのレセプター)を安定的に発現す
るCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタープ
レート(Packard View-Plate)で培養した。KRW(実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl
3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコ
ース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))中で20分前
培養した後、FLIPR(登録商標)中での実験蛍光記録のあいだに、0、10、50、100
及び200μMの濃度勾配のトリパンブルー及びアシッドレッド88を細胞プレートに
追加した(化合物及び濃度当たり4ウェル)。16個の個々のバックグラウンドトレ
ースに基づくバックグラウンドトレースの控除により全データのバックグラウン
ドを較正し、種々の濃度のトリパンブルー及びアシッドレッド88の添加時点で1
に標準化した。データポイントは、4回の測定+SDの平均を示す。データは、2つ
の化合物の添加から2分後の絶対的な蛍光の変化として抽出した。ゼロ値は、た
だの実験緩衝液の対照の添加からの絶対的な蛍光の低下を示す。
【0041】 図8 KRW(実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl 3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3
2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝
液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))を含むのみで、細胞を全く含まない96-ウェルのマ
イクロタイタープレート(Packard View-Plate)で実験を行った。FLIPR(登録商標
)中での実験蛍光記録のあいだに、0、10、50、100及び200μMの濃度勾配のトリ
パンブルー及びアシッドレッド88を細胞プレートに追加した(化合物及び濃度当
たり4ウェル)。16個の個々のバックグラウンドトレースに基づくバックグラウン
ドトレースの控除により全データのバックグラウンドを較正し、種々の濃度のト
リパンブルー及びアシッドレッド88の添加時点で1に標準化した。データポイン
トは、4回の測定+SDの平均を示す。データは、2つの化合物の添加から30秒後の
絶対的な蛍光の変化として抽出した。ゼロ値は、ただの実験緩衝液の対照の添加
からの全体的な蛍光の増加を示す。
【0042】 図9 N-末端にGFP(緑色蛍光タンパク質)をタッグしたマウスのcPKA(プロテインキナ
ーゼAの触媒サブユニット)を安定的に発現するCHO(チャイニーズハムスター卵巣
)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタープレート(Packard View-Plate)で培養
した。KRW (実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl 3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、Na
HCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコース5を含む修飾クレブス-リンガ
ー緩衝液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))中で20分前培養した後、トリパンブルー及び
アシッドレッド88の濃度勾配を用いて細胞プレートに追加し(化合物及び濃度当
たり4ウェル)、FLIPR(登録商標)中に置いた。その後、10μMのフォルスコリンを
用いてFLIPR(登録商標)中で細胞を刺激した。これにより、これらの細胞でタイ
プ2の再分布反応が生じ(図6参照)、刺激の最初の2〜5分のあいだ、cPKAがサイト
ゾル中の凝集物からサイトゾル中の分散形態に移動するにつれて、蛍光強度の増
加として再分布を定量できる。16個の個々のバックグラウンドトレースに基づく
バックグラウンドトレースの控除により全データのバックグラウンドを較正し、
フォルスコリン10μMの添加時点で1に標準化した。データポイントは、4回の測
定+SDの平均を示す。データは、刺激の最初の5分間の蛍光の最大変化として抽出
した。負の値は、反応中の蛍光の低下を示し、正の値は増加を示す。ゼロ値は、
ただの実験緩衝液の存在下でフォルスコリン10μMを添加してからの全体的な蛍
光の増加を示す。
【0043】 図10 N-末端にGFP(緑色蛍光タンパク質)をタッグしたマウスのcPKA(プロテインキナ
ーゼAの触媒サブユニット)を安定的に発現するCHO(チャイニーズハムスター卵巣
)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタープレート(Packard View-Plate)で培養
した。KRW(実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl 3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaH
CO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコース5を含む修飾クレブス-リンガー
緩衝液(pH 7.4、1M NaOHで滴定))中で20分前培養した後、FLIPR(登録商標)中で
の実験蛍光記録のあいだに、0、10、50、100及び200μMの濃度勾配のトリパンブ
ルー及びアシッドレッド88を細胞プレートに追加した(化合物及び濃度当たり4ウ
ェル)。16個の個々のバックグラウンドトレースに基づくバックグラウンドトレ
ースの控除により全データのバックグラウンドを較正し、種々の濃度のトリパン
ブルーとアシッドレッド88の添加時点で1に標準化した。データポイントは、4回
の測定+SDの平均を示す。データは、2つの化合物の添加から30秒後の絶対的な蛍
光の変化として抽出した。ゼロ値は、ただの実験緩衝液の対照の添加からの全体
的な蛍光の低下を示す。
【0044】 図11a アシッドレッド-88によってクエンチした原形質膜に対するhGLUT4-EGFPのイン
シュリン-刺激移動。3T3-L1の96-ウェルのプレートを、原形質膜へのhGLUT4-EGF
Pの移動の測定から30分前にインシュリンで刺激する。EGFP蛍光に対するアシッ
ドレッド-88の作用を、0〜1260秒にわたる経時的な実験で6秒ごとに測定して評
価する。アシッドレッド-88(10μM)を60秒で加える。インシュリン濃度は、図示
したように、100nM、10nM、1nM、0.10nM、0.01nM及び0nMである。各時点は、8個
の同一に処理したウェルの平均である。値は、インシュリン0nMについて得た曲
線に標準化し、54秒でゼロにセットした。 図11b アシッドレッド-88の添加前の図11aの曲線の拡大図(0〜54秒)。
【0045】 図12 インシュリン刺激後のGLUT4再分布の用量-反応曲線。各インシュリン濃度に属
する60〜600秒の蛍光強度測定の合計。インシュリンを加えていない測定(0nM In
s)に値を標準化し、54秒でゼロに設定する。
【0046】 実施例 実施例1 C末端でGFP(緑色蛍光タンパク質)をタッグしたPKC(プロテインキナーゼC)β
1のヒトイソ型及びヒトRACK1(活性化Cキナーゼのレセプター)を安定的に発現
するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、96-ウェルのマイクロタイタ
ープレート(Packard View-Plate)で培養した。KRW(実験緩衝液(mM):NaCl 140、
KCl 3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコ
ース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝液(pH7.4、1MNaOHで滴定))中で20分前培
養した後、細胞プレートにトリパンブルー、アシッドレッド88及びオレンジGの
濃度勾配を補充し(化合物及び濃度当たり4ウェル)、FLIPR(登録商標)に置いた
。次に、細胞を100μMのATPを用いてFLIPR(登録商標)中で刺激した。これは、こ
れらの細胞でタイプ1の再分布反応を生じ(図6参照)、刺激から最初の1〜2分の
あいだ、PKCβ1がサイトゾルから膜に移動するにつれて、蛍光強度の減少として
再分布を定量できる。図1、2及び3は、この実験の要約である。図1及び3に見ら
れるように、トリパンブルーの濃度増加は、濃度依存的に対照と比して反応を増
強した。最大増強は、200μMで約3倍であった。図2及び3に示されるように、ア
シッドレッド88の濃度は全て、対照に比して反応を増強した。しかし、最大増強
は50μMで約7倍であり、アシッドレッド88の高い濃度は小さいレベルの増強を示
した。 最後に、図3では、オレンジGが、100μMの濃度まで増強特性を有するが、トリ
パンブルーより全体に効果が小さいことが立証されている。
【0047】 要約すると、FLIPR(登録商標)機器で測定されるタイプ1再分布反応では、細胞
外媒体に加えられたトリパンブルーは、キネティックスを著しく変化させずに、
測定可能な反応において2〜3倍の増加を生ずる。アシッドレッド88は、キネティ
ックスを変えずに測定可能な反応で最大6〜7倍の増加を生ずるが、最適濃度(こ
の実施例では50μM)より高い濃度ではキネティックスに影響を及ぼす。適当な
濃度のアシッドレッド88は、タイプ1再分布用の再分布アッセイを、1つのウェル
をスクリーンすること(つまり、薬剤スクリーンでの未知の化合物の各試験用に
ある化合物のみを測定すること)に十分高感度なものとし、それによって、FLIPR
(登録商標)機器の処理能力を最大化する。オレンジGは、FLIPR(登録商標)機器で
測定されるタイプ1再分布反応の増大において、トリパンブルーより劣っており
、アシッドレッド88ではさらに劣っている。
【0048】 実施例2 C末端でGFP(緑色蛍光タンパク質)をタッグしたPLC(ホスホリパーゼC)デルタ
のヒトイソ型のPH−領域(プレクストリン-ホモロジー)を安定的に発現するCHO(
チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、96ウェルのマイクロタイタープレート(
Packerd View-Plate)で培養した。KRW(実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl 3.6、NaH2 PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコース5を含む
修飾クレブス-リンガー緩衝液(pH7.4、1M NaOHで滴定)中で20分前培養した後、
ウェルの半分にトリパンブルー100μM、もう半分にアシッドレッド88 20μMを用
いて細胞プレートを補充し、FLIPRに置いた。次いで、細胞を100μM ATPを用い
てFLIPRで刺激した。これにより、これらの細胞でタイプ3の再分布反応が生じ(
図6参照)、刺激から最初の1〜2分のあいだにPLCデルタ1のPH−領域が膜からサ
イトソルへ移動するにつれて、蛍光強度の増大として再分布を定量することがで
きる。図4は、この実験を要約している。この場合のアシッドレッド88は、トリ
パンブルーで得られるシグナルに対して最大で約6〜7倍の増加を生ずることが分
かる。しかし、トリパンブルーは、このタイプ3再分布反応に対して検出可能で
、化合物なしではほとんど検出できないシグナルを明らかに生じる。
【0049】 要約すると、FLIPR(登録商標)機器で測定されるタイプ3再分布反応については
、細胞外媒体に加えられたトリパンブルーは、そのキネティックスを有意に変え
ずに測定可能な反応で約1〜3倍の増加を生ずる。アシッドレッド88は、キネティ
ックスを変えずに測定可能な反応で最大7〜10倍の増加を生じる。適当な濃度の
アシッドレッド88は、タイプ3再分布用の再分布アッセイを、1つのウェルをスク
リーンすること(つまり、薬剤スクリーンでの未知の化合物の各試験用にある化
合物のみを測定すること)に十分高感度なものとし、それによって、FLIPR機器の
処理能力を最大化する。
【0050】 実施例3 N末端でGFP(緑色蛍光タンパク質)をタッグしたマウスcPKA(プロテインキナー
ゼAの触媒サブユニット)を安定的に発現するCHO(チャイニーズハムスター卵巣)
細胞系を、96ウェルのマイクロタイタープレート(Packerd View-Plate)で培養し
た。KRW(実験緩衝液(mM);NaCl 140、KCl 3.6、NaH2PO4 0.5、MgSO4 0.5、NaHCO3 2.
0、CaCl2 1.5及びHEPES 10、D-グルコース5を含む修飾クレブス-リンガー緩衝液(p
H7.4、1M NaOHで滴定)中で20分前培養した後、濃度勾配のトリパンブルー、アシ
ッドレッド88及びオレンジGを用いて細胞プレートを補充し(化合物及び濃度当た
り4ウェル)、FLIPRに置いた。次に、細胞を10μMフォルスコリンを用いてFLIPR
で刺激した。これにより、これらの細胞でタイプ2再分布反応が生じ(図6参照)、
刺激から最初の2〜5分のあいだにcPKAがサイトソル中の凝集物からサイトソル中
の分散形態へ移動するにつれて、蛍光強度の増大として再分布を定量することが
できる。
【0051】 要約すると、FLIPR機器で測定されるタイプ2再分布反応について、対照のレベ
ル以上に反応を増強した色素はなかった(図9参照)。トリパンブルーですら、や
や高濃度で反応を減じた。アシッドレッド88は最も低い濃度で完全に反応を廃し
、高濃度(10μM以上)で反応を蛍光減少に転換して、ほぼ濃度依存的に大きいも
のとした。
【0052】 実施例4 ここでは、細胞原形質膜でGFP蛍光をクエンチする剤としてアシッドレッド88
を利用した、生細胞でのヒトグルコース輸送体4(hGLUT4)再分布アッセイを記載
する。 細胞内ミクロソーム区画から原形質膜へのGLUT4の移動を誘導することで、イ
ンスリンは脂肪細胞及び筋細胞へのグルコース摂取を刺激する。このインスリン
-依存再分布事象は、3T3-L1脂肪細胞を使って細胞培養で研究することができる
。後述の方法は、レトロウイルスによる高度に効率的な遺伝子導出の組合わせ、
3T3-L-1繊維芽細胞を発現するhGLUT4-EGFPの3T3-L-1脂肪細胞への分化、及び生
細胞の原形質膜へのhGLUT4-EGFP再分布をモニターするためのアシッドレッド-88
の使用を利用している。
【0053】 pBabe-Puro-hGLUT4-EGFPレトロウイルス発現ベクターの構築 ヒトGLUT4(GenBank m20747)をエンコードするDNA断片は、プライマーセット02
12: 5'-GCCAAGCTTCTGCCATGCCGTCGGGCTTCCAACAGATAGGCTCC 及び0213: 5'- GGCGAATTCCGTCGTTCTCATCTGGCCCTAAATACTCAAGTTCTGTGC そして鋳型としてのヒトのヒーラー細胞cDNA(Clontech, Palo Alto)を用いるPCR
で増幅する。この断片をHindIII及びEcoRIで消化し、pEGFP-N1(Clontech, Palo
Alto;GenBank U55762)中の相当する部位に連結した。hGLUT4-EGFP断片を、HindI
II及びXbaIを用いてこのプラスミドから切除する。そして、hGLUT4-EGFP断片を
クレノウで平滑末端化し、SnaBI-消化したpBabe-Puro(Morgenstern and Land, N
ucleic Acid Research.1990;12:3587-3559)に連結した。
【0054】 安定なΦNX-Eco hGLUT4-EGFPレトロウイルス生産系 トランスフェクション前日に、ΦNX-Eco細胞(高い力価のレトロウイルスを生
産するPhoenix-Eco, 293Tパッケージング細胞系)を、5%CO2を含む37℃の加湿大
気圧中、10%ウシ胎児血清及び100ユニット/mlのペニシリン及びストレプトマイ
シンを補充したダルベッコ改質イーグル培地(GibcoBRL/Life Technology, Rockv
ille, Cat#10566)の25cm2フラスコに融合50%までプレートする。ΦNX-Eco細胞
を、製造者の指示書(Life Technologies, Rockville)に従って、リポフェクタミ
ン2000トランスフェクション試薬を使ってpBabe-Puro-hGLUT4-EGFPにトランスフ
ェクションする。安定なΦNX-Eco hGLUT4-EGFPレトロウイルス生産細胞を選抜し
、2μg/mlピュロマイシン含有生育培地(Sigma, St.Louis)で増殖させる。
【0055】 3T3-L1繊維芽細胞の形質導入と分化 継代が少ない3T3-L1繊維芽細胞(継代<20)を、5%CO2を含む37℃の加湿大気圧
中、10%ウシ胎児血清及び100ユニット/mlのペニシリン及びストレプトマイシン
を補充したダルベッコ改質イーグル培地(GibcoBRL/Life Technologies, Rockvil
le, Cat#10566)の75cm2フラスコに融合50%でプレートする。翌日、最終濃度6μ
g/mlまでヘキサジメチリンブロミド(ポリブレン)(Sigma, St.Louis)を補充した
融合性ΦNX-Eco hGLUT4-EGFPレトロウイルス生産細胞から上清を希釈して、培地
を置換する(新しい3T3-L1生育培地で1:1に希釈)。翌日、レトロウイルスを3T3-L
1宿主ゲノムのhGLUT4-EGFP発現カセットに組み込み、hGLUT4-EGFP発現を形質導
入細胞で検出することができる。この段階では、3T3-L1繊維芽細胞は脂肪細胞に
分化できる。3T3-L1繊維芽細胞の完全な分化能力を保持するため、細胞が70%以
上の融合に達することは許容されない点に留意のこと。順調な分化では分化する
細胞の割合は、80〜90%に達する。
【0056】 分化処理は、分化誘導物質を加えた日を0日とし、-2日から始まり、+7日に終
わる10日にわたって行う。分化のため、形質導入した3T3-L1繊維芽細胞を、10%
ウシ血清及び100ユニット/mlのペニシリン及びストレプトマイシンを補充したダ
ルベッコ改質イーグル培地(GibcoBRL/Life Technologies, Rockville, Ca#10566
)の96ウェルのプレートに50〜100%の融合でプレートする。 -2日目:細胞は融合に達することができる(-2日目)。 0日目:10%ウシ胎児血清、1μMデキサメタゾン(Sigma, St.Louis)、0.5mM 3-イ
ソブチル-1-メチルキサンチン(Sigma, St.Louis)、167nMヒトインスリン(Sigma,
St.Louis)ならびに100ユニット/mlのペニシリン及びストレプトマイシンを補充
したダルベッコ改質イーグル培地(GibcoBRL/Life Technologies, Rockville, Ca
t#10566)で培地を置換する。
【0057】 +2日目:10%ウシ胎児血清、167nMヒトインスリン(Sigma, St.Louis)ならびに10
0ユニット/mlのペニシリン及びストレプトマイシンを補充したダルベッコ改質イ
ーグル培地(GibcoBRL/Life Technologies, Rockville, Cat#10566)で培地を置換
する。 +4日目:10%ウシ胎児血清ならびに100ユニット/mlのペニシリン及びストレプト
マイシンを補充したダルベッコ改質イーグル培地(GibcoBRL/Life Technologies,
Rockville, Cat#10566)で培地を置換する。翌日から、培地を1日おきに変える
。3T3-L1脂肪細胞は、+7日目で完全に分化される。
【0058】 GLUT4再分布アッセイ hGLUT4-EGFPを発現する形質導入した3T3-L1繊維芽細胞は、上記のようにPacka
rd 96ウェルのViewPlateで脂肪細胞に分化し、分化誘導から8日後に(+8日目)に
アッセイする。アッセイを行う直前に、飢餓培地、0.1%BSAを補充したダルベッ
コ改質イーグル培地(GibcoBRL/Life Technologies, Rockville, Cat#10566)中37
℃で2時間、脂肪細胞を飢餓状態にさらす。次いで、アッセイ緩衝液、0.1%BSA
及び25mMグルコースを補充したクレブス-リンガーヴォルヘイン(KRW)緩衝液pH7.
4(140mM NaCl、2mM NaHCO3、3.6mMKCl、0.5mM NaH2PO4、0.5mMMgSO4、1mMCaCl2、10mMH
EPES)中、37℃で30分間、脂肪細胞を平衡化させる。KRW緩衝液で希釈したインス
リンを、ウェル当たりのKRW緩衝液の総量を180μlとして加える。細胞を37℃で3
0分培養し、予め37℃に温めたFLIPRに移し替える。FLIPRは、最終的に1260秒(21
分)になるように各測定間を6秒とする1Wに設定する。60秒後、20μl量の100μMア
シッドレッド88をFLIPRの各ウェルに加える(最終濃度10μMアシッドレッド88)。
【0059】結果と考察 インスリンは、グルコース輸送体4(GLUT4)の細胞内ミクロソーム区画から原形
質膜への移動を誘導することにより脂肪細胞へのグルコース摂取を刺激する。生
細胞内でのこの再分布事象をモニターするため、増強された緑色蛍光タンパク質
(EGFP)のN末端にヒトGLUT4(hGLUT4)を融合し、レトロウイルスベクターpBabe-Pu
roに挿入する。hGLUT4-EGFPカセットを含む感染性レトロウイルスは293TΦNX-Eco
パッケージング細胞で生産され、hGLUT4-EGFPの3T3-L1繊維芽細胞への導出に使
用される。こうして、hGLUT4-EGFPを安定的に発現する3T3-L1繊維芽細胞群が作
成される。これらの細胞は、上記のように96ウェルのプレートにプレートされ、3T
3-L1脂肪細胞を発現するhGLUT4-EGFPに分化される。
【0060】 hGLUT4-EGFP再分布を測定するため、生きた3T3-L1 hGLUT4-EGFP脂肪細胞を無血
清培地で2時間飢餓状態にさらし、細胞核近辺のミクロソーム区画の基底位置でh
GLUT4-EGFPを保持する。この位置からの原形質膜へのhGLUT4-EGFP分画の再分布は
、インスリン刺激で誘導できる。KRWアッセイ緩衝液中での飢餓状態及び平衡化
の直後に、インスリンを0〜100nMの濃度のヒトインスリンで8ウェルに2回加える
。EGFP蛍光を37℃に予め温めたFLIPRで測定する前に、再分布を37℃で30分進行
させることができる。FLIPRは、1260秒で実験を止めるタイムコースで6秒ごとに
測定するよう設定する。原形質膜でのhGLUT4-EGFPのレベルは、最初の測定から6
0秒後に10μMのアシッドレッド88を加えて膜でのEGFP蛍光をクエンチすることに
より評価する。図1aでは、基底状態の位置(0nMインスリン)からの蛍光に標準化
した各インスリン濃度について、時間中のEGFP蛍光を示している。アシッドレッ
ドを添加しない場合(0〜54秒)、種々のインスリン用量間で検出される蛍光の相
違は識別できない(図11b)。アシッドレッド88を(60秒で)添加すると、原形質膜
からEGFP蛍光がクエンチされ、それによって脂肪細胞から全蛍光が低下し、hGLU
T4-EGFPが原形質膜に再分布する(図11a)。
【0061】 この過程に続いて、3T3-L1脂肪細胞の原形質膜へのhGLUT4-EGFPのインスリン
依存性再分布について用量-反応曲線を予測することができる。60〜600秒のあい
だの図1aの個々の曲線の下部の面積の積分は、図12に示す用量-反応曲線となる
。このアッセイについてのED50は、ED50=1nMインスリンに算出することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 タイプ1でのトリパンブルー実験
【図2】 タイプ1でのアシッドレッド88実験
【図3】 FLIPRで測定されるタイプ1再分布シグナルの増加におけるトリパンブル
ー、アシッドレッド88及びオレンジGの濃度依存作用
【図4】 FLIPRでのタイプ3再分布に対するトリパンブルーとアシッドレッド88
のATPに対する用量−反応増強能力の比較
【図5】 再分布シグナルエンハンサーの吸収スペクトル
【図6】 再分布例
【図7】 化合物の添加から2分後にFLIPRで測定される細胞プレートシグナルに対
するトリパンブルーとアシッドレッド88の濃度依存作用
【図8】 添加から2分後のFLIPRで測定されるプレートシグナルにおけるトリパン
ブルー及びアシッドレッド88の濃度依存作用
【図9】 FLIPRで測定されたタイプ2再分布シグナルの増加におけるトリパンブル
ーとアシッドレッド88の濃度依存作用
【図10】 化合物の添加から1分後にFLIPRで測定される細胞プレートシグナルに対
するトリパンブルー及びアシッドレッド88の濃度依存作用
【図11a】 アシッドレッド88のタイムコース:0〜1260秒
【図11b】 アシッドレッド88のタイムコース:0〜54秒
【図12】 hGLUT4 再分布:用量−反応曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/483 G01N 33/483 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ハイジ,モルテン デンマーク、ディーケイ−2840 ホルト、 ソレロド パーク 2 アパートメント 7 (72)発明者 サストラップ,オレ デンマーク、ディケイ−3460 ビルケラッ ド、ビルクヴェイ 37 (72)発明者 ヘイゲル,グリス デンマーク、ディケイ−2791 ドラガー、 ハーヴァンゲット 109 (72)発明者 スカッダー,カート,マーシャル デンマーク、ディケイ−2830 ヴィルム、 ラヴェンデルハーヴェン 70 (72)発明者 プレステガード,モルテン デンマーク、ディケイ−2750 バレラッ プ、ブエパーケン 52 Fターム(参考) 2G045 BB20 BB41 BB50 BB51 CB01 FB12 GC15 2G054 AA08 AB10 BB08 CA30 CE02 EA03 GA04 4B063 QA20 QQ08 QR48 QR66 QS24 QX02

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 細胞/細胞媒体にエンハンサー化合物を加え、かつ (b) 光強度の変化を測定する ことからなる、細胞の細胞内成分に結合した発光団の再分布の測定方法。
  2. 【請求項2】 エンハンサー化合物が、水溶液に溶解性である請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 エンハンサー化合物が、発光団の放射スペクトルに重複する
    吸収スペクトルを有する前記請求項のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】 吸収スペクトルが500〜550nmで、発光団がGFPである前記請
    求項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 エンハンサー化合物が、5.000mol-1-cm-1以上の平均モル吸
    収力を有する前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 エンハンサー化合物が、細胞又は細胞膜に入る前記請求項の
    いずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 エンハンサー化合物が特定の細胞画分で主として局在し、再
    分布アッセイが特定の細胞画分に対する、又はそれからの再分布のためのアッセ
    イである前記請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 エンハンサー化合物が、実質的に細胞外媒体に局在する前記
    請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 再分布が、サイトゾルから膜への移動である前記請求項のい
    ずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 再分布が、膜からサイトゾルへの移動である前記請求項の
    いずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 膜が、原形質膜である前記の2請求項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 発光団が、GFPのような蛍光団である前記請求項のいずれ
    かに記載の方法。
  13. 【請求項13】 再分布が、生細胞アッセイで測定される前記請求項のいず
    れかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 光強度の変化が、なんらかのアレイの形態の蛍光測定用装
    置で測定される前記請求項のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 光強度の変化が、マイクロタイタープレート形式の蛍光測
    定用装置で測定される前記請求項のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 光強度の変化が、プレートリーダーで測定される前記請求
    項のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 光強度の変化が、蛍光プレートリーダーで測定される前記
    請求項のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 光強度の変化が、FLIPR(登録商標)で測定される前記請求
    項のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 エンハンサー化合物が、アシッドレッドである前記請求項
    のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 エンハンサー化合物が、アシッドレッド88である前記請求
    項のいずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 エンハンサー化合物が、トリパンブルーである前記請求項
    のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 生細胞アッセイでの光強度の変化を測定することからなる
    、細胞内成分に結合した蛍光団の再分布の測定用アッセイを製造するためのエン
    ハンサー化合物の使用。
  23. 【請求項23】 エンハンサー化合物が、アシッドレッドである請求項22
    に記載の使用。
  24. 【請求項24】 エンハンサー化合物が、アシッドレッド88である請求項2
    2に記載の使用。
  25. 【請求項25】 エンハンサー化合物が、トリパンブルーである請求項22
    に記載の使用。
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