JP2003531044A - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

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JP2003531044A
JP2003531044A JP2001519390A JP2001519390A JP2003531044A JP 2003531044 A JP2003531044 A JP 2003531044A JP 2001519390 A JP2001519390 A JP 2001519390A JP 2001519390 A JP2001519390 A JP 2001519390A JP 2003531044 A JP2003531044 A JP 2003531044A
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ティモシー ジェイ. ボムヤ,
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オートモーティブ システムズ ラボラトリー インコーポレーテッド
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  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 磁気センサ(10)は、車両のボディの強磁性体要素に動作可能に連結された少なくとも1つのコイル(42)と、該少なくとも1つのコイルに動作可能に接続された少なくとも1つの発振信号(44)と、前記少なくとも1つのコイル(52)に敏感な測定量を検出する手段と、この測定量から衝突を識別する手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 図1を参照すると、磁気センサ10が車両12に装備されており、模式的に示
すように、この車両は、第1ピラー16に対して複数のヒンジ18の回りに蝶番
式に動くドア14を具備する。このドア14には、第2のピラー24上でストラ
イカ22に掛け金をかけるラッチ/ロック機構20が設けられている。 ドア14は、通常は透磁性のある鋼で製作され、固有の磁気的特性を有する。
例えば、ドア14は、磁束を通すために永久磁石をつけることができる。ヒンジ
18は、ドア14と第1ピラー16との間の、比較的磁気抵抗の低い経路となる
。さらに、ラッチ/ロック機構20とストライカ22も、係合状態では、ドア1
4と第2ピラー22との間の、比較的磁気抵抗の低い経路となる。その他の位置
では、通常、ドア14は、車両12のボディ26と付随するエアギャップ(空隙
)28によって隔離されている。このように、ヒンジ18とストライカ22は、
ドア14に沿った第1の磁気経路によって、磁気的に接続されている。さらに、
それぞれにヒンジ18とストライカ22が取り付けられた、第1ピラー16およ
び第2ピラー22は、車両のボディ26、構造物34、またはパワートレイン(
伝導装置)36を含む、第1の磁気経路30とは別個の、第2の磁気経路によっ
て接続されている。したがって、ドア14は、図1に示すような変圧器のコアと
類似した性質の磁気回路の一部であり、第1の磁気経路30および第2の磁気経
路32の両方が、1つの閉じた磁気経路40を構成している。
【0002】 磁気回路38には、例えば発振器46からの発振信号などの、少なくとも1つ
の第1の信号44に動作可能に接続された、少なくとも1つのコイル42が備え
られている。この少なくとも1つのコイル42は、対応する少なくとも1つの位
置48に配置され、少なくとも1つの第1信号44に応答して、磁気回路38中
で起磁力を発生させて、その中に磁束50を生成する。
【0003】 第1の実施態様においては、例えば図1に示すように、上記の少なくとも1つ
のコイル42は、別個の位置48.1、48.2、48.3に、例えばドア14
を「A」ピラー16.1に動作可能に連結する上部ヒンジ18.1および下部ヒ
ンジ18.2に均一位相で動作可能に連結されている、複数のコイル42.1、
42.2、42.3を含んでもよい。さらに、各コイル42.1、42.2を、
対応するヒンジ18.1、18.2の回りか、またはこれらのヒンジを第1ピラ
ー16またはドア14に取り付けている、1つまたは2つ以上の対応する取付け
ボルトの回りに配置してもよい。またコイル42.3は、ラッチ/ロック機構2
0の回りか、このラッチ/ロック機構20をドア14に取り付けているボルトの
回りか、またはストライカ22の回りに配置してもよい。これによって対応する
磁気回路38が、それぞれが共通のコアに連結された、コイル42.1、42.
2、42.3を含む一次巻線を備えるインダクタを形成し、このコアには、第1
ピラー24、ドア14回りのエアギャップ28、および車両12のボディ26、
ストラクチャ34、パワートレイン36が含まれる。言い換えると、第1の実施
態様では、3つのコイルを備える変圧器が含まれ、2つのコイルはアクティブで
あり、1つはパッシブである。
【0004】 第1信号44は、マイクロプロセッサ52で生成されて、次いでローパスフィ
ルタによりフィルタリングされ、水晶発振で安定化された(実質的にドリフトの
無い)TTL方形波信号を含む、発振器46で生成されるサイン波電圧を含む。
発振器46からの信号は、例えばバッファ増幅器を経由して、コイルドライバ5
4に入力される。 発振器46の発振周波数は、予期されるノイズ源に応じて、システム性能を向
上させるように選択する。例えば、AC電源線(すなわち60Hz)の周波数と
は異なる周波数を選択し、それによる干渉を回避する。超音波周波数が有用であ
ると思われる。
【0005】 磁束50の浸透深さは、周波数に対して応答性を有するので、発振周波数(あ
るいは複数の周波数)を変化させることによって、ドア中の磁束50の深さ、お
よび随伴する近接場の形状と距離を変えることができる。発振器46は、振幅、
周波数で変調してもよく、またはバースト方式により変調してもよい。 上記少なくとも1つのコイル42の各々は、コイル42に整合するインピーダ
ンスで、十分な電力を供給する、随伴するコイルドライバ54によって駆動され
、これによって合成磁束50は十分な強度を有して、車両から十分な距離の近接
場を生成する。例えば、コイルドライバ54には回路短絡防止を設けてあり、第
1の信号44の飽和やクリッピングを避けるように作動される。コイルドライバ
54は、自動車環境で作動するように設計されており、例えば、利用可能なバッ
テリ電圧に対応する範囲で作動する。コイルドライバ54からの第1信号44は
、例えば電圧信号でも、電流信号でもよい。
【0006】 コイルドライバ54は、センス/テスト回路56を介してコイル42を駆動す
る。このセンス/テスト回路56は、コイル42からの電流または電圧のいずれ
か、または補助センスコイル58からの信号、あるいはこの3つの組合せを検出
し、コイル42の作動を確認あるいは試験する。これによって、ドア14の完全
性の連続的な試験も可能となる。例えば、補助センスコイル58は、コイル42
が生成する磁束50を直接検出することになる。センス/テスト回路56は、例
えば、コイル42の開放または短絡を試験して、特に安全拘束アクチェエーアタ
60の作動を制御するときの、磁気センサ10の信頼性を向上させ、誤作動や、
または必要時における非作動を防止するようにしてもよい。例えば、前記少なく
とも1つのコイル42の完全性または健全性を、各測定サイクルにおいて試験す
る。
【0007】 図1に示すように、複数のコイル42を独立に駆動するか、あるいは直列また
は並列に接続して、共通コイルドライバ54で駆動してもよい。例えば、前記少
なくとも1つのコイル42は、直列で共振させて電流を増加させ、これによって
前記少なくとも1つのコイル42によって生成される磁束50の量、および磁気
回路38内に誘起される磁束50の量を増加させてもよい。これによって、磁気
回路38のエアギャップ28(1つまたは複数)の近傍の漏洩場の強度と範囲が
増大し、これによって磁気センサ10による近接センシングの距離が拡張される
。磁気回路38内の磁束50が増大すると、磁気センサ10が受信または検出し
た信号または信号群のSN比が向上する。前記少なくとも1つのコイル42は、
随伴する温度センサを導入することによって、温度変化に対する補償をしてもよ
い。「A」ピラー16.1上のヒンジ18の回りに装着したコイルに対して、ボ
ディの金属は、ヒートシンクとして働き、コイル42の温度を大気温度近くに維
持するのを助ける。
【0008】 センス/テスト回路56は、コイル42に配分される電力の測定量を提供し、
これによって近接金属物体に連結された磁束50を評価することができる。例え
ば、ドア14に近接する他車両のような鋼製物体があると、前記少なくとも1つ
のコイル42からの磁束50に対する代替経路となり、これが磁気回路38およ
び前記少なくとも1つのコイル42によって観察される磁気抵抗に影響を与え、
これによって前記少なくとも1つのコイル42の負荷を変化させて、これがコイ
ルドライバ54によって供給される電力を変化させる。一般に、前記少なくとも
1つのコイル42によって生成される磁束50の一部は、磁気回路38内に連結
され、一部は、代替磁気経路を介するかまたは放射によって、磁気回路38を迂
回する。磁気回路38を迂回する磁束50の部分は、コイルドライバ54の負荷
を増大させ、この増加が、前記少なくとも1つのコイル42を通過する電流と、
そこにかかる電圧とから検出される。複数のコイル42に対して、近傍にある磁
場影響物体の方向に対する測定量は、関連するセンス/テスト回路56.1、5
6.2および56.3の個別の測定値、特に所与の共通ドライブ電圧について、
個別のコイル42.1、42.2、42.3に流れる電流から得ることができる
【0009】 上記の磁気センサ10は、様々な方法で実現することができる.具体的な回路
は、アナログ、デジタル、または光であるかどうかは限定条件ではなく、当業者
であれば、本願の教示によって設計することが可能である。例えば、使用する場
合には、発振器、増幅器、ロジック要素、変調器、復調機、A/D変換器、はど
のような種類でもよく、例えば電界効果型もしくはバイポーラ形、または他のデ
ィスクリート部品、集積回路、オペアンプ、論理回路、またはカスタム集積回路
を使用してもよい。また、使用する場合にはマイクロプロセッサはどのようなコ
ンピュータ装置でもよい。
【0010】 磁気回路と変圧器の理論によると、磁束線は常に閉ループをつくり、最も磁気
抵抗の低い経路に追従しようとし、例えば鋼やフェライト材料などの強磁性材料
の経路に追従する。さらに、磁気回路に沿っての面積または透過率の変化がある
と、その近傍の磁束50の漏洩が起こり、この漏洩はフリンジングとも呼ばれる
。磁気回路38の特性は、磁気抵抗Rで表され、磁気回路において起磁力Fのと
きの磁束量φは、φ=F/Rとなる。直列の磁気回路の磁気抵抗Rは、各要素の
各磁気抵抗の和となる。エアギャップの磁気抵抗は、強磁性材料の磁気抵抗より
もはるかに大きく、その結果、磁束はエアギャップ周辺の空間に漏洩し、漏洩場
を形成する。漏洩場に侵入する強磁性物体は、磁束に対する代替経路となり、エ
アギャップを迂回し、磁気回路38の磁気抵抗に影響を与える。言い換えると、
強磁性物体が磁気回路38の一部となるように、漏洩磁束場が形を変える。
【0011】 図1に示すように、ドア14は変圧器のコアに類似する閉磁気回路38の要素
としてモデル化できる。ドア14の前後端は、ヒンジ18と、ラッチ/ロック機
構20のストライカ22への連結とによって、磁気回路38の残りの部分と、磁
気的に直列に接続されている。ドアの残部は、磁気回路38の残部から、ドア1
4を取り囲む、エアギャップ28によって磁気的に絶縁されている。
【0012】 コイル42は自己インダクタンスを有し、この自己インダクタンスは、第1コ
イルが自由空間にある場合に1つの値をとり、例えば、コイル42を磁気回路3
8の一部の回りに巻くなど、コイルが磁気回路38に動作可能に接続されたとき
に、別の値をとる。後者の場合には、コイル42の自己インダクタンスは、磁気
回路38の磁気特性に依存する。さらに、磁気回路38の磁気特性は、磁気回路
38が物理的に変形したとき、または強磁性体要素が磁気回路の近傍、特に漏洩
場の近傍に持ち込まれたとき、変化する。したがって、ドア14の変形、または
他の車両のドア14への接近はいずれも、磁気回路38の磁気的性質に外乱を与
える例であり、両方ともコイル42.1、42.2、42.3のいずれか1つ、
あるいはすべてのインダクタンスの変化によって検出可能である。
【0013】 作動に際しては、対応する前記少なくとも1つのコイルドライバ54によって
、対応する前記少なくとも1つのコイル42に動作可能に連結された、前記少な
くとも1つの第1信号44が、前記少なくとも1つのコイル42内に電流を流し
、このコイル42がその中に磁束50を生成し、これが前記少なくとも1つのコ
イル42が連結された、磁気回路38中に磁束50を発生させる。磁束50は、
磁気回路38の一部であるドア14によって導通される。発振信号、例えばサイ
ン波電圧または電流加振などの発振信号を含む、前記少なくとも1つの信号44
が、ドア14のヒンジ18に動作可能に連結された前記少なくとも1つのコイル
42に加えられる。図2aおよび図2bを参照すると、前記少なくとも1つのコ
イル42が、前記第1の信号44を磁束50に変換し、次いでこの磁束が前記少
なくとも1つのコイル42によって、磁気回路38中に誘起される。磁束50は
、複数の磁束線62を含み、そのいくつかは、特に磁気回路38内のエアギャッ
プ28に近接する位置では、磁気回路38の物理的境界を越えて漏洩する可能性
がある。磁束線62は、周囲の空気の大幅に低いパーミアンス(透磁度)と比較
して、そのパーミアンスに比例してその中に磁束50をひきつける、ドア14の
鋼およびその他の強磁性体要素に追従する。
【0014】 発振器46からの、前記少なくとも1つの第1信号44は、対応する前記少な
くとも1つのコイルドライバ54によって増幅されて、対応するセンス/テスト
回路56を介して、前記少なくとも1つのコイル42に、動作可能に連結されて
いる。前記少なくとも1つのコイル42は、磁気回路38内、特にドア14に磁
束50を生成する。
【0015】 磁束50は、磁気回路38中を通過し、特に、ドア14のような、車両12の
強磁性部分を含む、強磁性部分の中を通過し、このドアを磁気センサ10によっ
て、モニタする。磁束50の第1部分64は、本願では曲り金属磁束成分(bent
metal flux component)と呼び、磁気回路38の強磁性体要素を通過する。磁
束50は、ドア14の鋼構造物内部を伝わろうとする。より多くの磁束50が、
鋼構造物のより厚肉部分に自動的に進入し、その部分とは、ドアに強度を加える
ドア構造の要素に一致することが多い。鋼構造が薄い場所では、磁束密度は対応
して減少する。言い換えると、磁束50は鋼構造の断面積に比率的割合で伝わる
。一般に磁束50は、磁気回路38以外における漏洩の結果を除いては、ブラス
チック部品中には存在しない。しかし、鋼製ドア14では、これらの部品は一般
にその構造物ではない。したがって、磁気センサ10は、ドアの構造要素を通過
する磁束50を生成し、機械的な変化が磁束50に影響を与える程度において、
これらの構造要素の機械的変化に対して応答性を有する。磁束50の第2部分6
6は、本願では近接磁束成分66と呼び、磁気回路38の物理的な境界を越えて
広がっている。
【0016】 寸法、形状、位置、構造完全性、スポット溶接量と完全性、材料正当性、およ
びドア14の組付け位置合わせに対する変更、または、例えば他車両68などの
強磁性物体の存在によるドア14近傍の磁気環境の変化などがあると、磁気回路
38が影響を受け、このために磁気回路38の磁気抵抗が影響を受け、これがそ
の中の磁束50に影響すると共に、コイル42.1、42.2、42.3の自己
インダクタンスに影響えを与える。
【0017】 ドア14、または監視対象となる磁気回路38の別の部品は、ドア14内の、
鋼または他の高透磁性材料を、追加または移動させることにより補足、または修
正を行い、磁束50の第1部分88および第2部分90の強度および/または形
状を修正して、対応する磁気回路38を改善してもよい。これによって、前記少
なくとも1つのコイルドライバ54への電力をさらに低減することが可能となり
、前記少なくとも1つのコイル42から対応して放射される電力が減少する。さ
らに、これによって対応するセンス/テスト回路56.1、56.2、56.3
のゲインを低減することが可能となり、これによって対応するSN比が改善され
る。磁束50は一般に、最小磁気抵抗の経路に追従し、この経路は通常、磁気透
過材料を最大量含む断面に一致する。鋼製のドア14については、したがってこ
の経路は、ドア14の強度に大きく寄与する、1つまたは2つのドアのセクショ
ンに一致する。したがって、磁気回路38は、磁気性能、強度、およびコストに
ついて、このような対応する磁気透過性材料の補足または修正によって、最適化
することができる。
【0018】 例えば、磁気回路38は、それに限定されるものではないが、様々な方法で修
正、または増強することができる。 1.ミューメタル、フェライトまたはその他の磁性導体を、例えばプラスチッ
クドアなどの、ドア14に追加して、ドアの固有の磁気的性質を増大または再調
整することができる。 2.ドア14に穴を追加するか、または穴を修正して、磁気導通性を変化させ
ることができる。 3.Aピラー16.1とドア14の間に、磁束50を生成するために、ヒンジ
18の代わりに補助フェライトまたはミューメタルのフレキシブルリンクを追加
してもよい。 4.フェライトまたはミューメタルを、ストライカ22および対応するコイル
42.3に設置し、その中の磁束50を強化してもよい。 5.ドア14に永久磁石を追加し、磁気回路38の固有の永久磁石特性信号を
増大させるか、または再調整してもよい。 6.ドア14の磁気構造を、例えばより薄肉の金属外板、プラスチック製ドア
外板、または磁気ゲインを変えるフェライト棒を使用し、これによって近接セン
シングを強化し、近接磁束成分66に応答するシステム安全化を改善してもよい
。 7.ヒンジまたはストライカの形状、寸法、または材料を変更して、対応する
磁気的性質を改善することができる。 8.ドアのサイドガードレールアセンブリおよび構造物、ヒンジアセンブリ、
またはラッチ/ロック機構/ストライカアセンブリを変更して、システム性能お
よび感度を改善してもよい。
【0019】 本願で説明した衝突または衝突危険を検出する用途に加えて、磁気センサ10
は、磁気回路38の構造要素の構造的な完全性のモニタ、特にドア14の構造的
な完全性を、例えば車両12に装着された状態、または対応するテスト装置の磁
気回路中で独立した状態における、ドア14の製造後検査として、モニタするの
に使用することもできる。例えば、ガードレイルや不良スポット溶接などの欠陥
構造要素は、ドア14の磁気抵抗に影響を与えると考えられ、そうであれば組付
け前に検出する可能性がある。言い換えると、磁束50を十分に通さない鋼製ド
アは、十分な側面衝突強度がないということになる。
【0020】 コイル42.1、42.2、42.3は、磁束50の第1部分88および第2
部分90の、各位置48.1、48.2、48.3における重畳に対して応答性
がある。コイル42.1、42.2、42.3は、前記少なくとも1つの第1信
号44の対応する搬送周波数に一致して並列共振させて、対応するSN比を改善
することができる。コイル42.3をドア14の端部壁70に近接して配置する
と、磁束50の近接磁束成分66の認識性が向上する。このことは、ドア金属の
局所的な厚肉化である、ラッチ/ロック機構20が、そこに配置されたコイル4
2.3における、近接磁束成分66の効果を拡大するレンズとして働く可能性が
あることを示唆している。エアギャップ28は、近接磁束成分66を生成するの
を助け、近接磁束成分66による最大感度の領域は、エアギャップ28に近い領
域となる。ドア14への衝撃は、エアギャップ28を変調する傾向にあり、対応
する磁束線62に大幅な変化を起こさせ、対応するコイル42.1、42.2、
42.3の自己インダクタンスに影響を与える。変調されたエアギャップ28に
応答性のある信号は、ドア14の瞬間的な跳ね返り速度の測定量となり、これは
、対応する安全拘束アクチュエータ60は通常作動しないドアのバウンス現象を
検出するのに使用できる。
【0021】 具体的には、ドア14は衝突の初期には剛体として作用し、ついでドア14周
囲のウエザシールのコンプライアンス(弾性)に逆らって、車両12のボディの
内側方向に押され、弾性挙動を示す。コイル42.1、42.2、42.3によ
って検出される磁束50は、ドアの運動に応じて変化し、この変化からドア14
の横方向位置と速度を測定することができる。
【0022】 例えば物体が小さい場合や衝突速度の低い場合のように、衝撃の運動量が閾値
よりも小さいとき、ドア14は弾性挙動範囲で底をついて反発し、上記の磁束5
0の変化を逆行させ、これがコイル42.1、42.2、42.3からの信号の
極性の変化に現れる。したがって、そのような反発現象が検出されると、安全拘
束アクチュエータ60を必要としない衝突であることを示す。あるいは、衝突の
運動量が閾値よりも大きいときには、ドア14は塑性変形し、この結果、曲り金
属磁束成分64が大きく変化し、これは続いて安全拘束アクチュエータ60を作
動させる必要性の指標となる可能性がある。したがって、ドア14の初期運動が
検出された後に、ドア14が反発せず、かつ/または大きな曲り金属磁束成分6
4が検出されると、その衝突が、安全拘束アクチュエータ60を作動を保証する
のに十分な強度であると考えることができる。さらに、ドア14の初期速度を、
衝突強度の予測子または指標として用いることができる。
【0023】 強磁性体ドア14は、磁気回路38の磁気抵抗に応じて磁気回路38内の静的
磁束50を生成するように働く、対応する固有の永久磁場を有するのが特徴であ
り、ドアの運動の結果として磁気回路に起こる変化は、コイル42.1、42.
2、42.3によって検出される。この応答は、実際上はAC変圧器の伝達成分
であり、前記少なくとも1つの第1信号44への応答に重畳され、ドアの運動お
よび衝突速度の独立した測定量となり得る。
【0024】 前記少なくとも1つのコイルに近接する他車両88は、磁束50を引きつけて
、前記少なくとも1つのコイル42で生成された、磁束50の第3部分72に、
磁気回路38を迂回させる。さらに、ドアが窪むか、または変形する場合には、
ドア14内の磁束50の分布および/または強度が変化し、この変化は磁気回路
38によるか、または前記少なくとも1つのコイル42による前記少なくとも1
つの第1信号44への負荷の変化よって検出できる。したがって、実質的にドア
14全体が、磁気センサ10のセンシング要素として働き、その磁気的性質に対
する変更が、磁束線62の数と分布に与える影響は、外乱の位置から前記少なく
とも1つのコイル42へ光の速度で伝播する。さらに、前記少なくとも1つのコ
イル42を、少なくとも1つのヒンジ18およびストライカ22に配置すること
で、ドア14内に配線をしたり、信号線を配線したりすることなく、ドア14が
センシング要素となる。近接センシングモードにおいて、ドア14をセンシング
要素として使用する磁気センサ10は、車両12のブラインドスポットをモニタ
して、隣接レーンの交通をモニタするのに使用できる。
【0025】 実質的にドア14全体をセンサとすることで、磁気センサ10は、ほぼドアと
同じ寸法の進入物体を検出することができる。衝突時に安全拘束システムのアク
チュエータ60の作動が必要な、ドア寸法と類似する車両のバンパおよび路側ポ
ールは、一般に可視であり、これに対して安全拘束アクチュエータ60の作動を
必要としない、バスケットボールやその他の小さな物体は、一般に可視性が低い
。食料品を積み込んだショッピングカートも、磁気センサ10には可視であるが
、安全拘束アクチュエータ60を作動させるかどうかの決定は、ある特定の物体
の可視性以上に、より多くの要因に基づいて行われる。磁気センサ10は、例え
ば岩石による車両下部への衝突のような衝突には応答性がなく、このような衝突
は磁気回路38には影響を与えないが、加速度計式の衝突センサには影響を与え
る可能性がある。
【0026】 したがって、磁気センサ10は、磁気回路38に対する様々な物理的影響に応
答性があり、そのような物理的影響には、それに限定されるものではないが、以
下のようなものがある。 1)曲り金属磁束成分64に影響する磁気回路のエアギャップ28の変更。 2)ドア14の周囲のエアギャップ28に近接する近接磁束成分66の形状と
密度の変化。これには、ドア14の前方縁、ドア14の後方縁およびリアフェン
ダ(または4ドア車両のリアドア)、ドア14の底部からフロアボード、また程
度は少ないが、ドア14の上部またはウィンドフレームからルーフなどがある。
曲り磁束成分64は、ドアまたは、エアギャップ28を閉鎖または短縮するドア
に隣接するボディ部品の変形に応答性がある。 3)比較的大きな金属物体が、ドア、特にドアの周辺のギャップ内に接近する
と、局所磁場は乱されて、コイル42.1、42.2、42.3が特定のコイル
寸法と場所に対して金属探知器のように作用してこの変化を検出し、これに応答
してマイクロプセッサ52が、物体の速度を衝突前に予測することができる。
【0027】 4)ドア14、特にその外板は共振周波数を有し、前記少なくとも1つの第1
信号42の周波数で駆動されたならば、前記少なくとも1つのコイル42によっ
て励振することができる。この共振周波数において、ドア14の振動要素が、衝
突物体との接触などで、拘束されると、これによって共振は減衰されて、これが
磁気回路38の渦電流損失を増加させ、これを前記少なくとも1つのコイル42
に供給される電力から、バイパス電力プロセッサ66によって測定することがで
きる。 5)ドア14の構造要素は、通常対応する磁束50の最小磁気抵抗の経路とな
り、その中の機械的な応力が、その磁気抵抗を変化させるために、磁束50の変
化を、ドア14およびその構造要素に加えられる力のレベルと関係づけることが
でき、この力レベルを衝突物体の運動量または速度と関係づけることができる。
したがって、磁束50の測定値が、ドア14に対する脅威の測定量となる。
【0028】 前記少なくとも1つのコイル42の自己インダクタンスの測定量が与えられる
と、マイクロプロセッサ64が、ドア14の全体の磁気的健全性をモニタし、そ
れに近接する比較的大きな金属物体を認識することができる。前記少なくとも1
つのコイル42に加えられる電力、およびその自己インダクタンスの測定量の両
方を連続的にモニタして、ドア14のリアルタイムの磁気特性図として、マイク
ロプロセッサ52のメモリ95に記憶する。この自己インダクタンスの測定量に
は、それに限定されるものではないが、前記少なくとも1つのコイル42の自己
インダクタンス、前記少なくとも1つのコイル42の自己インダクタンスの変化
、前記少なくとも1つのコイル42を横断する電圧と、前記少なくとも1つのコ
イル42を通過する電流の比の計測値、または対応する振動回路内の前記少なく
とも1つのコイル42の自己発振シフトなどがある。リアルタイム磁気特性図は
、付随の安全拘束アクチュエータ60を作動させるべきかどうかを決定するため
に、衝撃または衝突以前の、例えばドア14を表す前記少なくとも1つの比較可
能な磁気特性図、すなわち通常特性図、または様々な衝撃または衝突をあらわす
少なくとも1つの磁気特性図と比較される。前記少なくとも1つの通常特性図に
は、磁束50の変動が、ドア14に近接して存在するか、または接近中の金属物
体の結果による変動か、あるいは腐食または温度の変化による変動かを説明する
、磁気特性図を含めてもよい。通常特性図は、時間によって更新して、温度や腐
食などによるドア14のわずかな動揺を追跡できるようにしてもよい。リアルタ
イム磁気特性図が、通常磁気特性図と十分大きく異なるときは、マイクロプロセ
ッサ52は安全拘束アクチュエータ60を作動させる。
【0029】 したがって、磁気センサ10は、小信号外乱および大信号外乱の両方に応答性
を有する。小信号外乱としては、例えばバスケットボールやその他のスポーツ用
飛行物体などの比較的小さな物体による衝突があり、これらは通常はドア14の
塑性変形を引き起こすことはないが、ドア14と周辺のウエザシールがこれらに
弾性的に応答する。大信号外乱には、例えばドア14の塑性変形を引き起こして
、その磁気特性図を永久に変化させる側面衝突がある。磁気センサ10は、衝突
前の未変形状態から衝突後の変形状態への磁気特性図の変化を検出する。さらに
、塑性変形した金属は、加工硬化し、これによってそのパーミアンスが変化し、
これが磁気センサ10によって検知される。衝突の初期の、ドア14が塑性変形
する以前に、磁気センサ10は衝突速度と衝突の強度を、エネルギおよび運動量
の保存などの衝突の物理法則を用いて、評価することができ、ここでドアの応答
は衝突強度の増大と共に増加する。前記少なくとも1つのコイル42の自己イン
ダクタンスの測定量は、ドア14の瞬間的な位置および瞬間的な速度の両方につ
いての情報を含む。さらに、この信号の特定の極性が、ドアの特定の運動を表す
【0030】 磁気センサ10は、各コイルについて短絡状態か、または開放状態を検査する
ことにより、または別個のセンスコイル58を用いて、前記少なくとも1つのコ
イル42が生成する磁束50を検出することにより、前記少なくとも1つのコイ
ル42の健全性と完全性についてのリアルタイムの検証手段を提供する。さらに
、磁気センサ10は、磁気監視対象の構成要素、例えばドア14を含む、磁気回
路38の完全性の連続的な試験手段を提供する。
【0031】 前記少なくとも1つのコイル42は、多様な位置に配置することができ、多様
な構成に応じて構築され、その配置位置は、これに限定されるものではないが、
以下のものがある。それは、1つまたは2つ以上のヒンジ、ストライカ、ドア内
部の側面衝突保護レールまたはビーム、ドアの内部または外部のラッチ/ロック
機構の周囲または直近、ドアの上部または底部のスポット溶接ラインの内部、ヒ
ンジボルトの周辺または近接、コイルの周囲がドアの周囲とほぼ一致する状態で
のプラスチックまたは鋼ドア外板の内面上、ウインドガラスの周囲、ドア周囲の
エアギャップ内、車両に出入りするときに通過する開口部内などのドア構造全体
の周囲、デフロスタとしてドライバ側ウインドなどのウインド内に、付随する電
子回路といっしょにプラスチック製ドアハンドルまたはトリム部品の背後に、ド
アのウインドを下げるためのウインドグラス開口の周囲、側面衝突の脅威を与え
る可能性のある鋼製物体の位置を同定するために、拡大距離においてセンシング
をするためにプラスチック製サイドミラーハウジングの中、などである。
【0032】 これらの配設によって生成される磁場には、いろいろな主方向があり、これに
限定されるものではないが、長手方向、横断方向、そして垂直方向がある。例え
ば、コイル42をヒンジ18の回りに配置して、対応する磁場が長手方向か横断
方向のいずれかになるようにして、前者の配設は主として曲り金属磁束成分64
を提供し、これに対して後者の配設では比較的強い近接磁束成分66を提供する
。別の例として、ウインドを下げるためのウインドガラス開口の回り設けたコイ
ル42は、車両の横断面に沿って巡回する垂直磁場を生成する。さらに別の実施
例として、ドア14またはウインドの回りで、かつその面内にあるコイル42は
、近接センシングに有用な横断方向磁場を生成する。少なくとも1つが、主とし
て曲り金属磁束成分44を生成するように適合され、他方が、主として近接磁場
成分66を生成するように適合された、別のコイル42は、異なる対応する第1
信号44、例えばそれぞれ異なる振動周波数を有するそれぞれの第1信号といっ
しょに使用して、ドア14の変形と近接物体の近接度合いの区別可能な測定量を
提供する。
【0033】 例えば磁気回路38内の磁束50のレベルおよび前記少なくとも1つのコイル4
2に供給される名目電流などの、磁気センサ10の作動ポイントは、厳密な条件
下で、前記少なくとも1つのコイル42の線番または巻数を調整することによっ
て調整可能である。
【0034】 システム安全化または近接検出は、様々な手段で強化することが可能であり、
その強化手段には、これに制限されるものではないが、車体下部、ドア開口、ま
たは自動車のフードの回りに巻線を配置する、磁気焦点化のためにヒンジコイル
またはストライカコイルの内部に、フェライト棒を配置する、ドア間のギャップ
または空間内に、車両から横方向に離れる方向に、フェライト棒コイルを配置す
る、サイドビューミラーの型の中に補助コイル42を配置するなどの手段がある
。追加の安全化補助コイル42は、適切な位相合わせと、磁気回路リターンを適
切に調整することにより、システム安全化の信号性能を大幅に増大させる。この
コイルは例えば、直径が3インチで、ドア表面と面平行にするか、または初動有
効範囲(launch range)を拡大し、かつシステム安全化のための指向性を強化す
るために位置合わせされたフェライト棒に巻き付けてもよい。さらに、近接検出
と曲り金属検出との組合せによって、対応する前記少なくとも1つのコイル42
の自己診断と合わせて、磁気センサ10は安全化と衝突検出機能の両方を提供す
ることができ、これによって別個の衝突加速度計を不要にする。磁気センサ10
のコイル42、54、62は、例えば対応するボビン上に巻き付けた線材で構築
することが可能であり、例えばヒンジ18やストライカ22などの、車両の既存
の構成要素上に配置することができる。
【0035】 コイルまたはセンシング要素は、フェライトまたは他の高透磁率磁気コアを内
臓してもよい。また、高度調整コイルを磁気信号生成に使用することもできる。
さらに、コイルボビンの幅と長さを適合させて、磁束50の方向制御をすること
ができる。最後に、前記少なくとも1つのコイル42は、車両のシャシーの下に
配置したフェライト棒コイルを、車両のヘッドライナ内、Aピラー内、またはB
ピラー内に、道路方向を向けて実装してもよい。
【0036】 さらに、磁気センサ10に付随する信号は、それに限定されるものではないが
、以下のような様々な方法で、生成、適合化、処理が可能である。 1.フロントドアのシステム安全化を強化するために、リアドアのシステム安
全化を実現するための代替周波数を設定する。 2.磁気特性図のAM、FMまたはパルス変調。 3.マルチトーン、マルチフェーズ電子回路。 4.低コスト、純サイン波発生用の、磁気的に偏奇させた位相発振器。 5.コヒーレント合成または位相固定式搬送波ハードウエアシステムまたはマ
イクロプセッサ搭載システム。 6.D/Aによるマイクロセッサのゲインまたはオフセット同調、次いでA/
D自己調整または自己診断アルゴリズム。
【0037】 7.磁気較正のための、システム安全化フィールド内への「標準」の設置。 8.不可聴域周波数。 9.コヒーレントサイン波生成のためのマイクロプロセッサD/A変換器を含
む、安定化のための、マイクロプロセッサ生成の水晶安定化周波数。 10.広帯域システム電子回路。 11.送信コイル(すなわち遅延線として作用するドアのAGC)への信号の
閉回路ゲインおよび位相制御、ここでゲインおよび位相制御信号はセンサ出力と
して使用される。 12.信号のDC部分は、ドアの正味静的磁束50からの情報に衝突速度を乗
じて提供するが、近接情報は提供せず、AC手法が近接場を提供して、システム
を既知の静的発振器ゲインと比率関係にすることを可能にする、ACまたはDC
作動。
【0038】 13.ドアを横断する磁気ゲインの変動と共に位相が変動することを示した実
験に合わせた、利得処理器(AM)よりも低いSN比を有する位相処理器(FM
)。 14.前記少なくとも1つの第1コイルで磁気的に付勢されたヒンジの近傍、
またはヒンジでの衝突を検出するために、コイルドライバが分配する電力、特に
バイパス電力をモニタすること。 15.前記少なくとも1つのコイル42に流れる電流を増加させるための直列
共振コイルドライバ回路であって、ここで前記少なくとも1つのコイル42に対
応する電流を、前記少なくとも1つのコイル42が消費する電力の測定量として
モニタすると共に、前記少なくとも1つのコイル42の連続自己診断を提供する
ためにモニタする。
【0039】 両フロントドアを保護するには、他方のドアに対する一方のドアの比較可能な
信号を、比率計測をすることにより、温度と構成要素の変動による影響を、低減
する必要があり、ここで両方のドアが同時に衝突されることはないと仮定してい
る。この比率計測は、各ドアの個別の計測を増強するのにも使用してもよい。さ
らに、共通の発振器を使用して、各付随コイル42が使用する共通信号を生成し
てもよく、これによってコストを低減し、かつ車両12の様々な位置で生成され
る磁束50を同期できる。
【0040】 本願では、ドア14を第1のセンシング要素として磁気センサ10の説明をし
てきたが、磁気センサ10は、磁束50を導通することのできる任意の構成要素
の完全性をセンシングするように適合させることができ、大型または長尺の強磁
性部品のセンシングに有利である。例えば、磁気センサ10は、フェンダなどの
、他のボディ部品のセンシングに適合させることができ、これらの部品は、前記
少なくとも1つのコイル42を、ボディ部と本体との間で、その取り付け位置で
、動作可能に接続することにより、車両のメインボディに取り付けられている。
【0041】 上記の詳細な説明において、具体的な実施態様について詳細に記述し、添付の
図面で説明したが、当業者であれば、本開示による教示に照らして、これらの詳
細に対して様々な修正態様と代替態様が可能であることを理解されるであろう。
したがって、開示した具体的な仕組みは、説明のためだけのものであり、本発明
の範囲を限定するものではなく、本発明は、添付の請求の範囲およびそれに相当
するすべての項目の全範囲を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気センサのブロック図である。
【図2a】 磁気回路の側面図である。
【図2b】 磁気回路の上面図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月26日(2001.3.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】 第1の実施態様においては、例えば図1に示すように、上記の少なくとも1つ
のコイル42は、別個の位置48.1、48.2、48.3に、例えばドア14
を「A」ピラー16.1に動作可能に連結する上部ヒンジ18.1および下部ヒ
ンジ18.2に均一位相で動作可能に連結されている、複数のコイル42.1、
42.2、42.3を含んでもよい。さらに、各コイル42.1、42.2を、
対応するヒンジ18.1、18.2の回りか、またはこれらのヒンジを第1ピラ
ー16またはドア14に取り付けている、1つまたは2つ以上の対応する取付け
ボルトの回りに配置してもよい。またコイル42.3は、ラッチ/ロック機構2
0の回りか、このラッチ/ロック機構20をドア14に取り付けているボルトの
回りか、またはストライカ22の回りに配置してもよい。これによって対応する
磁気回路38が、それぞれが共通のコアに連結された、コイル42.1、42.
2、42.3を含む一次巻線を備えるインダクタを形成し、このコアには、第1
ピラー24、ドア14回りのエアギャップ28、および車両12のボディ26、
ストラクチャ34、パワートレイン36が含まれる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月26日(2001.12.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項17
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】 図1を参照すると、磁気センサ10が車両12に装備されており、模式的に示
すように、この車両は、第1ピラー16に対して複数のヒンジ18の回りに蝶番
式に動くドア14を具備する。このドア14には、第2のピラー24上でストラ
イカ22に掛け金をかけるラッチ/ロック機構20が設けられている。 ドア14は、通常は透磁性のある鋼で製作され、固有の磁気的特性を有する。
例えば、ドア14は、磁束を通すために永久磁石をつけることができる。ヒンジ
18は、ドア14と第1ピラー16との間の、比較的磁気抵抗の低い経路となる
。さらに、ラッチ/ロック機構20とストライカ22も、係合状態では、ドア1
4と第2ピラー24との間の、比較的磁気抵抗の低い経路となる。その他の位置
では、通常、ドア14は、車両12のボディ26と付随するエアギャップ(空隙
)28によって隔離されている。このように、ヒンジ18とストライカ22は、
ドア14に沿った第1の磁気経路によって、磁気的に接続されている。さらに、
それぞれにヒンジ18とストライカ22が取り付けられた、第1ピラー16およ
び第2ピラー24は、車両のボディ26、構造物34、またはパワートレイン(
伝導装置)36を含む、第1の磁気経路30とは別個の、第2の磁気経路によっ
て接続されている。したがって、ドア14は、図1に示すような変圧器のコアと
類似した性質の磁気回路の一部であり、第1の磁気経路30および第2の磁気経
路32の両方が、1つの閉じた磁気経路40を構成している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】 ドア14、または監視対象となる磁気回路38の別の部品は、ドア14内の、
鋼または他の高透磁性材料を、追加または移動させることにより補足、または修
正を行い、磁束50の第1部分64および第2部分66の強度および/または形
状を修正して、対応する磁気回路38を改善してもよい。これによって、前記少
なくとも1つのコイルドライバ54への電力をさらに低減することが可能となり
、前記少なくとも1つのコイル42から対応して放射される電力が減少する。さ
らに、これによって対応するセンス/テスト回路56.1、56.2、56.3
のゲインを低減することが可能となり、これによって対応するSN比が改善され
る。磁束50は一般に、最小磁気抵抗の経路に追従し、この経路は通常、磁気透
過材料を最大量含む断面に一致する。鋼製のドア14については、したがってこ
の経路は、ドア14の強度に大きく寄与する、1つまたは2つのドアのセクショ
ンに一致する。したがって、磁気回路38は、磁気性能、強度、およびコストに
ついて、このような対応する磁気透過性材料の補足または修正によって、最適化
することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】 コイル42.1、42.2、42.3は、磁束50の第1部分88および第2
部分90の、各位置48.1、48.2、48.3における重畳に対して応答性
がある。コイル42.1、42.2、42.3は、前記少なくとも1つの第1信
号44の対応する搬送周波数に一致して並列共振させて、対応するSN比を改善
することができる。コイル42.3をドア14の端部壁92に近接して配置する
と、磁束50の近接磁束成分66の認識性が向上する。このことは、ドア金属の
局所的な厚肉化である、ラッチ/ロック機構20が、そこに配置されたコイル4
2.3における、近接磁束成分66の効果を拡大するレンズとして働く可能性が
あることを示唆している。エアギャップ28は、近接磁束成分66を生成するの
を助け、近接磁束成分66による最大感度の領域は、エアギャップ28に近い領
域となる。ドア14への衝撃は、エアギャップ28を変調する傾向にあり、対応
する磁束線62に大幅な変化を起こさせ、対応するコイル42.1、42.2、
42.3の自己インダクタンスに影響を与える。変調されたエアギャップ28に
応答性のある信号は、ドア14の瞬間的な跳ね返り速度の測定量となり、これは
、対応する安全拘束アクチュエータ60は通常作動しないドアのバウンス現象を
検出するのに使用できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】 前記少なくとも1つのコイルに近接する他車両68は、磁束50を引きつけて
、前記少なくとも1つのコイル42で生成された、磁束50の第3部分72に、
磁気回路38を迂回させる。さらに、ドアが窪むか、または変形する場合には、
ドア14内の磁束50の分布および/または強度が変化し、この変化は磁気回路
38によるか、または前記少なくとも1つのコイル42による前記少なくとも1
つの第1信号44への負荷の変化よって検出できる。したがって、実質的にドア
14全体が、磁気センサ10のセンシング要素として働き、その磁気的性質に対
する変更が、磁束線62の数と分布に与える影響は、外乱の位置から前記少なく
とも1つのコイル42へ光の速度で伝播する。さらに、前記少なくとも1つのコ
イル42を、少なくとも1つのヒンジ18およびストライカ22に配置すること
で、ドア14内に配線をしたり、信号線を配線したりすることなく、ドア14が
センシング要素となる。近接センシングモードにおいて、ドア14をセンシング
要素として使用する磁気センサ10は、車両12のブラインドスポットをモニタ
して、隣接レーンの交通をモニタするのに使用できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】 4)ドア14、特にその外板は共振周波数を有し、前記少なくとも1つの第1
信号44の周波数で駆動されたならば、前記少なくとも1つのコイル44によっ
て励振することができる。この共振周波数において、ドア14の振動要素が、衝
突物体との接触などで、拘束されると、これによって共振は減衰されて、これが
磁気回路38の渦電流損失を増加させ、これを前記少なくとも1つのコイル42
に供給される電力から、バイパス電力プロセッサによって測定することができる
。 5)ドア14の構造要素は、通常対応する磁束50の最小磁気抵抗の経路とな
り、その中の機械的な応力が、その磁気抵抗を変化させるために、磁束50の変
化を、ドア14およびその構造要素に加えられる力のレベルと関係づけることが
でき、この力レベルを衝突物体の運動量または速度と関係づけることができる。
したがって、磁束50の測定値が、ドア14に対する脅威の測定量となる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】 前記少なくとも1つのコイル42の自己インダクタンスの測定量が与えられる
と、マイクロプロセッサ52が、ドア14の全体の磁気的健全性をモニタし、そ
れに近接する比較的大きな金属物体を認識することができる。前記少なくとも1
つのコイル42に加えられる電力、およびその自己インダクタンスの測定量の両
方を連続的にモニタして、ドア14のリアルタイムの磁気特性図として、マイク
ロプロセッサ52のメモリ95に記憶する。この自己インダクタンスの測定量に
は、それに限定されるものではないが、前記少なくとも1つのコイル42の自己
インダクタンス、前記少なくとも1つのコイル42の自己インダクタンスの変化
、前記少なくとも1つのコイル42を横断する電圧と、前記少なくとも1つのコ
イル42を通過する電流の比の計測値、または対応する振動回路内の前記少なく
とも1つのコイル42の自己発振シフトなどがある。リアルタイム磁気特性図は
、付随の安全拘束アクチュエータ60を作動させるべきかどうかを決定するため
に、衝撃または衝突以前の、例えばドア14を表す前記少なくとも1つの比較可
能な磁気特性図、すなわち通常特性図、または様々な衝撃または衝突をあらわす
少なくとも1つの磁気特性図と比較される。前記少なくとも1つの通常特性図に
は、磁束50の変動が、ドア14に近接して存在するか、または接近中の金属物
体の結果による変動か、あるいは腐食または温度の変化による変動かを説明する
、磁気特性図を含めてもよい。通常特性図は、時間によって更新して、温度や腐
食などによるドア14のわずかな動揺を追跡できるようにしてもよい。リアルタ
イム磁気特性図が、通常磁気特性図と十分大きく異なるときは、マイクロプロセ
ッサ52は安全拘束アクチュエータ60を作動させる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)車両ボディの強磁性体要素に動作可能に連結された、少
    なくとも1つのコイルと、 b)発振信号を含み、該少なくとも1つのコイルに動作可能に接続された、少
    なくとも1つの信号と、 c)前記少なくとも1つのコイルの自己インダクタンスに応答性のある測定量
    を検出する手段と、 d)該測定量から衝突を識別する手段とを備える、磁気センサ。
  2. 【請求項2】 a)車両の第1の位置において、コイルを用いて車両の強磁
    性体要素内で第1の磁束を生成するステップであって、該第1の磁束が発振し、
    かつ該第1の磁束が前記車両の衝突に応答性を有するステップと、 b)前記コイルの自己インダクタンスに応答性のある信号を生成するステップ
    と、 c)該信号に応じて前記車両の衝突を識別するステップとを含む、車両衝突の
    検出方法。
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