JP2003530976A - マイクロ波を用いた乳房病巣を治療する方法および装置 - Google Patents

マイクロ波を用いた乳房病巣を治療する方法および装置

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    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/02Radiation therapy using microwaves

Abstract

(57)【要約】 乳房の癌性または良性状態を選択的に加熱する方法および装置は、適応フェーズドアレイ集束マイクロ波エネルギーで乳房組織を照射することにより行われる。マイクロ波エネルギーは、乳房を圧迫し、乳房の中心部分に単一電場プローブを挿入するか、または、乳房皮膚の反対側に2つの無侵襲電場プローブを配置することにより、乳房内に集束させられる。電場プローブからのフィードバック信号は、圧迫された乳房組織の反対側に配置された導波路アプリケータに送られるマイクロ波位相を調整する。温度フィードバックセンサは、皮膚の過加熱を避けるために、導波路アプリケータに送られるマイクロ波電力を調整するために、治療中に皮膚温度を計測する。導波路アプリケータに送られるマイクロ波エネルギーは、治療中、リアルタイムにモニタされ、治療は、所望の全マイクロ波エネルギー照射量が投与された時に完了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、一般に圧迫された乳房組織において線維腺腫および嚢胞のような良
性病巣と同様に腺管癌、腺癌および分泌性内管増殖を治療する適応マイクロ波フ
ェーズドアレイハイパーサーミアのような、集束されたエネルギーを投与する最
小侵襲方法に関する。さらに、本発明による方法は、癌性、前癌性または良性乳
房病巣の発生または再発を防ぐために、検出されない、微細で病理学的に変化す
る高い水含有量の細胞を含む健康な組織を治療するのに使用されてもよい。
【0002】 ハイパーサーミアにより主要な乳房癌治療するために、乳房の4分円またはそ
れ以上の組織の大きな容積を加熱する必要がある。すべての乳房癌のおよそ90
%は、乳汁分泌性腺管組織(乳汁管)内で生じ、残る癌の多くは腺組織小葉(乳
汁袋)で生ずることが公知である(Harrisらの論文、The New E
ngland Journal of Mediine、Vol.327、pp
.390〜398、1992)。乳房癌は、しばしば、現在の保守的な治療が局
所不全の重大な危険をもたらす乳房の大きな領域を含んでいる。Schnitt
らの論文、Cancer、Vol.74(6)pp.1746〜1751、19
94。T1(0〜2cm)、T2(2〜5cm)として知られている初期段階の
乳房癌について、全体の乳房が危険な状態にあり、乳房組織の可能性のあるどん
な微細な(顕微鏡または乳房撮影法の助けなしでは人間の目には見えない)癌を
も破壊するために全乳房照射と組み合わせた乳房保存手術で治療される(Win
chesterらの論文、CA−A Cancer Journal for
Clinicians、Vol.42、No.3、pp.134〜162、19
92)。癌が腺管を通して広がった伸張性腺管内成分(EIC)を有する侵襲的
腺管癌の成功する治療は、乳房の大きな部分が治療されなければならないために
、特に難しい。疑わしい病巣について800,000件を超える乳房ニードルバ
イオプシが、米国において毎年行われ、約180,000の癌の事例が検出され
、残りは線維腺腫および嚢胞のような非悪性である。
【0003】 乳房癌を治療するために温熱を使用することは多くの方法において効果がある
可能性があり、ほとんどの場合、温熱治療は、乳房内で広く広がった領域に同時
に達することができなければならない。乳房の大きな容積を加熱することにより
、乳房内の微細な癌の多くまたはすべてを破壊でき、癌の再発を減ずる、あるい
は、防ぐことができる。同じ手法が放射線治療でも使用され、そこでは、全乳房
がX腺で照射され、すべての微細な癌細胞が殺される。腫瘍摘除の前に腫瘍を加
熱し、腫瘍細胞の多くの割合またはすべてを殺すことにより、腫瘍摘除術中に生
存可能な癌細胞に偶然にも種子供給する可能性が減ぜられ、乳房の局所再発が減
ぜられる可能性がある。時として、冒された乳房は、乳房内に分布した、多焦点
癌として公知の2つ以上の腫瘍塊を含み、そして、再び、加熱フィールドは乳房
の広く広がった領域に達しなければならない。(T3として公知の)(Smar
tらの論文、A Cancer Journal for Clinician
s、Vol.47、pp.134〜139、1997)局所的に進行した乳房癌
は、大きさが5cmまたはそれ以上で、しばしば、乳房切除で治療される。局所
的に進行した乳房癌の術前ハイパーサーミア治療は、術前化学療法chemot
herapyが現在使用されているのと同じように、外科的腫瘍摘除が行われる
ことを可能にするのに十分に腫瘍を小さくする。局所的に進行した乳房癌の術前
ハイパーサーミア治療は、腫瘍を完全に破壊し、どんな外科手術の必要もなくす
かもしれない。
【0004】 マイクロ波エネルギーは、脂肪質の乳房組織のような低水分含有組織で起こる
加熱に比べて、乳房腫瘍および嚢胞のような高水分含有組織を優先的に加熱する
ことができることが公知である。多くの臨床研究により、マイクロ波帯の電磁エ
ネルギー吸収により誘導されたハイパーサーミア(上昇温度)が、人体の悪性腫
瘍の治療において放射線治療の効果を大きく促進することが確立されてきた(V
aldagniらの論文、International Journal of
Radiation Oncology Biology Physics、
Vol.28、pp.163〜169、1993、Overgaardらの論文
、International Journal of Hypertherm
ia、Vol.12、No.1、pp.3〜20、1996、Vernonらの
論文、International Journal of Radiatio
n Oncology Biology Physics、Vol.35、pp
.731〜744、1996、van der Zeeらの論文、Procee
dings of the 7th International Congre
ss on Hyperthermic Oncology、Rome、Ita
ly、April9〜13、Vol.II、pp.215〜217、1996)
。S期細胞のような放射線抵抗性細胞は、温度を上げることにより直接殺すこと
ができる(Hallの論文、Radiobiology for the Ra
diologist、4th Edition、 JB Lippincott
Company、Philadelphia、pp.262〜263、1994
、PerezとBradyの論文、Principles and Pract
ice of Radiation Oncology、Second Edi
tion、JB Lippincott Company、Philadelp
hia、pp.396〜197、1994)。マイクロ波照射デバイスを用いた
ハイパーサーミア治療は、通常、いくつかの治療期間で行われ、その期間におい
て、悪性腫瘍は約60分の間約43℃に加熱される。腫瘍細胞を殺すための総時
間は、約43℃を超えた温度の1℃の上昇に対して2分の1だけ減少することが
公知である(Saparetoらの論文、International Jou
rnal of Radiation Oncology Biology P
hysics、Vol.10、pp.787〜800、1984)。したがって
、43℃での60分の治療は、45℃では約15分に減ぜられ、それは、しばし
ば、等価照射量(t43℃等価分)と呼ばれている。無侵襲マイクロ波アプリケー
タによる治療中、周囲の表面の健康な組織が望ましくないホットスポットにより
苦痛または損傷を招くことを防ぎながら、やや深い腫瘍を適切に加熱することが
難しいことが証明された。組織の特定吸収率(SAR)は、組織の加熱を特徴付
けるのに使用される共通パラメータである。SARは、一定時間間隔の間の温度
上昇に組織の特定加熱を掛けたものに比例し、マイクロ波エネルギーに対して、
SARは、また、電場の2乗に組織導電率を掛けたものに比例する。絶対SAR
単位は、ワット毎キロgramである。
【0005】 非コヒーレントアレイまたは非適応フェーズドアレイハイパーサーミア治療シ
ステムは、介在する表面組織を過加熱する傾向にあり、それにより、苦痛および
/または熱傷を引き起こす可能性があるため、通常、深い組織に対する使用に限
定されている。深い組織に対する非適応フェーズドアレイハイパーサーミアを記
載する、最初に出版された報告は、理論的研究であった(von Hippel
らの論文、Massachusets Institute of Techn
ology、Laboratory for Institution Res
earch、Technical Report 13、AD−769843、
pp.16〜19、1973)。Rodlerに対する米国特許第389563
9号は、2チャネルおよび4チャネル非適応フェーズドアレイハイパーサーミア
回路を記述している。ハイパーサーミアシステムにおける最近の開発は、事実上
、もともとマイクロ波レーダシステム用に開発された適応フェーズドアレイ技術
を用いて深い組織に対して熱を送ることを目標にしている(Skoinikの論
文「Introduction to Radar Syatems」Seco
nd Edition、McGraw−Hill Book Company、
1980、pp.332〜333、Comptonの論文「Adaptive
Antennas、Concepts and Performance」Pr
entice Hall、New Jersey、p.1、1988、Fenn
の論文、IEEE Transactions on Antennas an
d Propagation、Vol.38、number 2、pp.173
〜185、1990、米国特許第5251645号、5441532号、554
0737号、5810888号)。
【0006】 Bassenらの論文、Radio Science、Vol.12、No.
6(5)、Nov〜Dec、1977、pp.15〜25は、電場プローブが組
織内の電場パターンを計測するために使用できることを示している。特に、計測
された電場が中心組織において焦点ピークを有するいくつかの例を示している。
この論文は、また、生体標本における電場のリアルタイム計測に対する概念を記
述している。しかし、Bassenらの論文は、適応的にフェーズドアレイを集
束させる電気プローブを用いてリアルタイムに電場を計測する概念を生み出して
はいない。
【0007】 適応フェーズドアレイハイパーサーミアシステムは、周囲の健康な体組織を過
加熱するかもしれない任意のエネルギーを同時にゼロにしながら、深い組織にマ
イクロ波エネルギーを集束させるために、Eフィールドフィードバック計測を使
用している。臨床前(pre−clinical)の研究により、適応マイクロ
波フェーズドアレイが、表面組織を過度の温度から免除しながら、胴の深いとこ
ろ(Fennらの論文、International Journal of
Hyperthermia、Vol.10、No.2、March〜April
、pp.189〜208、1994;Fennらの論文、The Journa
l of Oncology Management、Vol.7、numbe
r 2、pp.22〜29、1998)また乳房において(Fennの論文、P
roceedings of the Surgical Applicati
ons of Energy Sources Conference、199
6、Fennらの論文、International Journal of
Hyperthermia、Vol.15、No.1、pp.45〜61、19
99、Gavrilovらの論文、International Journa
l of Hyperthermia、Vol.15、No.6、pp.495
〜507、1999)熱を深く送る可能性を持つことが示されている。
【0008】 マイクロ波エネルギーを用いて、深い乳房組織でハイパーサーミアを行う最も
難しい面は、熱傷から皮膚を保護しながら所定の深さで十分な熱を生成すること
である。侵襲および無侵襲電場プローブを用いた無侵襲複数アプリケータ適応マ
イクロ波フェーズドアレイは、参照により本発明に合体さた、米国特許第525
1645号、5441532号、5540737号、および5810888号に
記載されているように、健康な組織で適応的にゼロを形成しながら、腫瘍位置で
適応的に集束させられたビームを生成するのに使用されることができる。理想的
には、集束させられたマイクロ波照射ビームは、周囲の健康な組織に最小限のエ
ネルギーを送りながら、腫瘍に集中させられる。治療中に、マイクロ波電力を制
御するために、温度検知フィードバックプローブ(Samarasらの論文、P
roceedings of the 2nd International S
ymposium、Essen、Germany、June2〜4、1977、
Urban & Schwarzenberg、baltimore、1978
、pp.131〜133)が腫瘍に挿入される。しかし、しばしば、プローブを
腫瘍の位置に正確に置くことは難しい。温度検知フィードバックプローブに対し
てしっかりと画定された目標位置がないために、乳房の腺管または腺組織を通し
て広がった癌に対してハイパーサーミアを送る時に、さらに問題が起こる。他の
状況において、感染の危険またはプローブが腫瘍領域を通り過ぎる時に癌細胞が
撒き散らされる危険を減ずるために、または、プローブが嚢胞のような病巣を貫
通することが望ましくない時には、乳房組織には(温度またはEフィールドいず
れかの)プローブを挿入することを避けるのが単純に望ましい。
【0009】 検出された良性嚢胞を治療する医療の標準は、何もしないことから嚢胞を排出
することまで変化する。嚢胞を除去する唯一の公知の方法が侵襲的手術であるた
めに、嚢胞を治療しないという医学的に容認された立場が存在している。嚢胞を
外科的に切断して除去することの別法は嚢胞の排出である。嚢胞の排出は、嚢胞
に穴を開け、嚢胞内の液体を除去することにより行われる。この方法は、一時的
に、嚢胞に関連する苦痛を軽減するが、排出処置が全部の嚢胞を除去できない場
合、嚢胞が再成長する可能性がある。そのため、これら良性嚢胞の無侵襲除去法
が求められている。
【0010】 (発明の概要) 上述の問題は、Eフィールドプローブセンサを乳房に挿入するステップと、皮
膚表面の温度をモニタするステップと、2つのマイクロ波を乳房の反対側に向け
るステップと、各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力を設定する
ステップと、挿入されたEフィールドセンサにフィールドを集束させるために、
各マイクロ波アプリケータに送られる初期のマイクロ波電力と位相を設定するス
テップと、モニタされた皮膚温度に基づいて乳房に送られるマイクロ波電力を調
整するステップと、治療されるべき乳房に送られるマイクロ波エネルギー照射量
をモニタするステップと、所望の全マイクロ波エネルギーがマイクロ波アプリケ
ータにより乳房に送られた時に治療を完了するステップとを有する、本発明によ
る、乳房の癌性または良性状態を加熱する方法により解決される。
【0011】 さらに、本発明による方法は、温度フィードバックセンサを配置するために良
く画定された位置がない時、または、温度プローブを乳房組織に挿入することを
避けるのが望ましい時などの状況において適用される。本発明による好ましい方
法において、単一の最小侵襲のEフィールドセンサのみが必要とされる。したが
って、進行した乳房癌(たとえば、5〜8cmの腫瘍)の場合、本発明の方法は
、乳房癌細胞のかなりの部分を破壊し、腫瘍または病巣を小さくし(すなわち、
たとえば、2〜3cmへの熱縮小化)、それにより、外科的乳房切除を外科的腫
瘍摘除に置きかえることができる。別法において、進行した乳房癌病巣のすべて
が破壊され(すなわち、熱乳房切除)また手術が必要とされないかもしれない。
早期乳房癌において、または、小さな乳房病巣に対して、本発明の方法は、熱で
乳房癌性細胞または良性病巣のすべてを破壊し(すなわち、熱腫瘍摘除)、それ
により、外科的腫瘍摘除を避けることができいるかもしれない。さらに、本発明
の方法は、放射線治療の促進に、または、米国特許第5810888に記載され
ている熱感受性リポソームを有する標的薬剤送達および/または標的遺伝子治療
送達に使用されることができる。
【0012】 本発明による方法は、乳房の正常な腺の、腺管の、結合の、および脂肪質の組
織を残しながら、癌性細胞を破壊する。したがって、本発明による熱腫瘍摘除は
、健康な組織に対する損傷を避けており、乳房保存法である。
【0013】 乳房皮膚表面は、温度プローブセンサを乳房の皮膚表面に当てることにより計
測されることができる。別法として、(内部乳房組織と同様に)皮膚表面温度は
、当技術分野では公知の、赤外線、レーザ超音波、電気インピーダンス断層撮像
法、磁気共鳴撮像および放射測定技術を含む他の外的手段によりモニタされるこ
とができる。
【0014】 別法として、温度プロ−ブは、乳房組織に適切な深さまで挿入され、その温度
をモニタすることができる。以下に記述されるように、温度プローブの挿入は好
ましい実施形態ではない。
【0015】 本発明による方法は、乳房圧迫有りまたは無しで行われることができる。好ま
しい方法において、患者の乳房は、圧迫プレートで3cmと8cmの間になるよ
うに圧迫されるであろう。マイクロ波アプリケータは、圧迫プレートの外側(す
なわち、圧迫プレートが乳房から離れる側)に向けられるであろう。
【0016】 以下で述べられるように、圧迫された生体乳房組織についての最近の臨床計測
データは、治療されるべき乳房に送られたマイクロ波エネルギー照射量をモニタ
し、受けた全マイクロ波エネルギー照射量に基づいて治療を完了する、出願人の
本発明のステップを支持している。すなわち、腫瘍熱照射量の従来の温度フィー
ドバック計測は、フェーズドアレイマイクロ波アプリケータに送られる全マイク
ロ波エネルギーで置きかえられる。したがって、現在の発明に関して、温度フィ
ードバックプローブの乳房への挿入を必要とする温度フィードバック計測および
それの固有の問題の代わりに、治療の必要とされる長さを決定するために、マイ
クロ波エネルギー照射量がフィードバックとして使用される。本出願において、
「マイクロ波エネルギー照射量」(ジュールまたはワット−seconds)と
いう言葉は、放射線治療で使用される線量、すなわち、組織1gram当たり1
00ergのエネルギーの堆積として定義される放射線の吸収線量の単位である
放射腺吸収線量(Rad)と同じである。
【0017】 このように、乳房の癌性状態を選択的に加熱する現在の方法は、温度プローブ
が乳房の治療領域(腫瘍床)に挿入されないために、癌細胞を広げる危険を避け
る。挿入する温度プローブをなくすことにより、プローブの挿入により起こる患
者の感染の危険が減ぜられる。同様に、腫瘍に印加されるマイクロ波フィールド
は、温度プローブ、特に金属プローブにより引き起こされる散乱または他の妨害
を受けないであろう。さらに、温度プローブを挿入することに関連する時間およ
びコストが節約される。
【0018】 本発明の方法は、また、乳房の癌性状態の発生または再発を防ぐために、健康
な乳房組織または表面上は健康な乳房組織において、検出されない高い水分含有
の微細前癌の、または、前良性(pre−benign)の細胞を治療するため
に使用されてもよい。予防できる癌性状態は、侵襲的腺管癌および小葉癌および
その位置の腺管癌、その位置の小葉癌および腺管内増殖および(嚢胞および線維
腺腫のような)良性病巣を含む乳房の前癌状態を含む。したがって、本発明によ
る方法は、微細な前癌のまたは前良性の細胞を、それらが検出される前に、破壊
することができるであろう。これが、検出される前に癌を予防する可能性のある
早期治療となるであろう。健康な組織の場合、乳房組織は、病巣を形成すること
が公知である高水分含有の微細細胞に集束させられたマイクロ波エネルギーで照
射されるであろう。
【0019】 好ましい方法において、患者は、乳房を治療テーブルの穴を通して垂らした状
態でうつ伏せに寝る。また、治療される乳房は、乳房組織を動かなくし、血流を
減じ、マイクロ波照射に要求される侵入深さを減じる平坦プラスチック圧迫プレ
ートで圧迫される。乳房圧迫プレートは、マイクロ波透過プラスチック材料で作
られ、乳房の撮像および最小侵襲Eフィールドフィードバックプローブの所望焦
点深さへの配置を可能にする1つまたは複数の開口を含んでいる。Eフィールド
フィードバックプローブの配置は、超音波トランスジューサまたは他のタイプの
画像誘導装置で行われてもよい。
【0020】 (Cheungらの論文、Radio Science、Vol.12、No
.6(S)、Nov−Dec、1977、pp.81〜85に記載されているよ
うに)2つのマイクロ波空冷導波路アプリケータは、圧迫プレートの両側に配置
される。フェーズドアレイは、2に等しいか2を超える複数のアプリケータによ
り達成される。好ましい実施形態において、コヒーレントな915MHzマイク
ロ波電力が所定の電力レベルで、2つの導波路アプリケータに送られ、一方、各
チャネルの移相器は、Eフィールドプローブセンサでマイクロ波エネルギーを最
大にし、集束させるために調整される。乳房を囲む個々の送風機からの、または
、アプリケータ導波路に搭載された送風機からの空気流は、調整されてもよい。
導波路アプリケータを冷却する空気流は、アプリケータを通して流れるであろう
。導波路アプリケータを冷却する空気は、冷却されるか、空調されるか、または
、室温であってもよい。当分野の技術者が認識するであろうように、水冷導波路
アプリケータが空冷アプリケータの代わりをしてもよい。
【0021】 ハイパーサーミア治療中にアプリケータのそれぞれに送られるマイクロ波電力
レベルは、皮膚熱傷または水疱を引き起こすであろう高温度を避けるように、皮
膚温度を制御するために、手動または自動で調整されてもよい。さらに、使用さ
れているならば、圧迫プレートによる乳房圧迫量は、患者の苦痛がないように、
治療中に必要な時に調整される。乳房圧迫が調整され、、または、乳房が再位置
決めされるたびに、マイクロ波エネルギー、フェーズドアレイが、Eフィールド
プローブセンサが最大電力を受信するように再集束させられる。治療が始まって
からは、マイクロ波アプリケータに送られる全マイクロ波エネルギーは治療中に
モニタされる。全マイクロ波エネルギーの所望の量がマイクロ波アプリケータに
送られた時に治療は完了する。それは、乳房病巣細胞がかなり(すなわち、熱縮
小化)または完全に(すなわち、熱腫瘍摘除)破壊されていることを示す。
【0022】 治療の効果を判定するために、乳房組織は、マイクロ波全エネルギー照射量が
投与される前後に、乳房組織のニードルバイオプシから得られる病理学的結果で
行われるのと同様に、X線、超音波およびマグネティクス共鳴撮像を含む乳房撮
影法で撮像されまた調査されてもよい。
【0023】 本発明の別の実施形態において、単一の侵襲的Eフィールドセンサは、乳房皮
膚表面の反対側に配置された2つのEフィールドセンサで置きかえられ、アレイ
は、2つのセンサにより受信される結合電力を最小にする(ゼロにする)ことに
より、位相集束させられ、これにより、完全に無侵襲治療が提供される。Eフィ
ールド皮膚センサにより検知されたフィードバック信号に関連して、外側の領域
をゼロにして、それにより、内部部位上の印加エネルギーを集束させるアルゴリ
ズムが使用される。
【0024】 Eフィールドプローブおよび温度センサが乳房皮膚表面をモニタするこのよう
な全く無侵襲のハイパーサーミア治療は、良性嚢胞および嚢胞に関連する苦痛を
破壊する効果的な方法を提供するであろう。したがって、出願人の本発明の方法
は、検出された良性嚢胞を治療または破壊する方法として考えられる。
【0025】 適応マイクロ波フェーズドアレイ技術を参照して、好ましい実施形態が記載さ
れているが、出願人の方法は、一般に、組織領域を加熱し、切除するために、エ
ネルギーを集束させることにより、行われてもよい。集束させられたエネルギー
は、電磁波、超音波または無線周波数波を含んでもよい。すなわち、出願人の発
明の方法は、組織領域を加熱し、切除するために集束させられる任意のエネルギ
ーを含んでいる。
【0026】 本発明の別の実施形態において、体(たとえば、乳房)において治療されるべ
き組織領域の境界が計算され、Eフィールドプローブが体に挿入されるか、また
は、少なくとも2つのEフィールドセンサが体の外側に配置されてもよい。そし
て、エネルギーがアプリケータを通して治療されるべき領域に印加される。本実
施形態において、エネルギーの焦点は、焦点が治療されるべき領域を走査するよ
うに変化するであろう。すなわち、焦点が治療されるべき領域の内部を動くよう
に、印加されるエネルギーの相対位相が調整され、それにより、加熱するための
幾何学的形状が得られるため、もはや固定された焦点スポットは存在しない。
【0027】 固定された焦点スポットは、適切なアルゴリズムを通じて決定される。そして
、たとえば、この固定された焦点スポットを得るためのアプリケータの相対位相
は、より大きな加熱/治療領域を「走査する」ために、一方向に30°また他方
向に30°に調整される。
【0028】 別の目的および利点は、以下の説明および図の考察から明かになるであろう。
治療すべき領域のサイズに応じて、スキャンは180°と90°または60°ま
たは120°の間で集束することができる。
【0029】 本発明は、添付の図を参照して、以下の詳細な説明を読むことにより、よりよ
く理解される。図においては、同じ参照番号は同じ要素を指している。
【0030】 (好ましい実施形態の詳細な説明) 乳房組織の誘電特性 女性の乳房の詳細な側面図が図1に示されている(Mammography−
A User′s Guide、National Counsil on R
adiation Protection and Measurement、
NCRP Report No.85、1 August 1987、p.6)
。乳房内の腺および脂肪組織の量は、主に脂肪質の組織から極端に密度の高い腺
組織まで大きく変わる可能性がある。高い水分含有量細胞である乳房癌細胞は、
通常、(Susan Love博士のBreast Book、Addison
Wesley、Mass、1990、pp.191〜196から引用した)図
2で説明されるように、乳汁分泌性腺管および腺組織小葉内に形成される。腺管
内の異常細胞成長の第一指標とは、腺管内増殖とそれに続くアティピア(ati
pia)を持つ腺管内増殖のことを言う。腺管がほとんど詰まった時の状態は、
その部位の分泌管内癌(DCIS)として公知である。これら3つの状態は前癌
と呼ばれている。最後に、腺管癌が腺管壁を破る時、病巣は侵襲的腺管癌と呼ば
れている。癌は乳腺小葉中に同様にして形成される。上述の細胞のすべては、乳
房内の純粋な脂肪組織(低水分含有)および純粋な腺/結合組織(低から中の水
分含有)を除いて、高い水分含有があるとして、しばしば引用されている。
【0031】 902〜928MHzの工業用、科学用、医療用(ISM)帯域におけるマイ
クロ波照射は、通常、商用臨床ハイパーサーミアシステムにおいて使用されてお
り、この帯域が本発明で考えられている主要な周波数帯域である。女性の乳房組
織に関する詳細なマイクロ波加熱情報はほとんど存在していない。しかし、乳房
の癌は、周囲の正常乳房組織に比べて選択的に加熱されることが公知である。4
つの主要な論文は、1)Chaudharyらの論文、Indian Jour
nal of Biochemistry and Biophysics、V
ol.21、pp.76〜79、1984、2、2)Joinesらの論文、M
edical Physics、Vol.21、No.4、pp.547〜55
0、1994、3、3)Surowiecらの論文、IEEE Transac
tions on Biomedical Engineering、Vol.
35、No.4、pp.257〜263、1988and4)Campbell
とLandの論文、Physics in Medicine and Bio
logy、Vol.37、No.1、pp.193〜210、1992である。
別の論文、Burdetteの論文、AAPM Medical Physic
s Monographs、No.8、pp.105、130、1982は、乳
房組織に対してデータを計測した。しかし、これらデータは皮膚を通して計測さ
れたため、たぶん乳房組織そのものを表わしてはいない。誘電特性は、図3で正
常な乳房組織および乳房腫瘍に対して記載されていると同じように、通常、誘電
率および電気導電率により与えられる。915MHzでは、Burdetteの
研究からのデータを除くと、正常乳房の平均誘電率は、12.5で、平均導電率
は0.21S/mである。対照的に、乳房腫瘍については、平均誘電率は58.
6で、平均導電率は1.03S/mである。Chaudharyら(c)および
Joinesら(J)の研究からのデータは室温(25℃)で計測されているこ
とに注目されたい。温度が上昇すると、一般に、誘電率は下がり、電気導電率は
上がることに注目すべきである。正常乳房および乳房腫瘍の誘電パラメータは、
それぞれ、低水分含有の脂肪組織および高水分含有の筋肉組織と同様である。正
常乳房組織は脂肪、腺および結合組織の混合を含んでいることに注目すべきであ
る。皮膚、筋および脂肪を含む17の組織タイプに関する詳細な情報は、Gab
rielらの論文、Phys.Med.Biol.、Vol.41、pp.22
71〜2293、1996に提示されている。Surowiecらの論文は、選
択された腺、腺管、脂肪および癌性組織に関する詳細な情報を有しているが、2
0kHz〜100MHzの範囲のパラメータしか計測していない。100MHz
で測定されたデータから915MHzでの乳房組織の電気特性を評価することは
可能である。出願人は、関心周波数、すなわち、915MHzに対する純粋な腺
管および腺乳房組織に関するどんな誘電パラメータデータも知らない。
【0032】 CampbellとLandの論文は、3.2GHzでの誘電パラメータおよ
び乳房の脂肪、腺および結合組織、良性腫瘍(線維腺腫を含む)および悪性腫瘍
のパーセント水分含有量を計測した。パーセント水分含有量のこれら計測データ
は、乳房組織の相対加熱可能性、すなわち、高水分含有組織は低水分含有組織よ
り早く加熱すること、を評価するのに使用される。計測された(重量当たりの)
水分含有量に対する値の範囲は、以下のようである。乳房脂肪(11〜31%)
、腺および結合組織(41〜76%)、良性腫瘍(62〜84%)および悪性腫
瘍(66〜79%)。これらの選択された値は図4に示されている。このように
、水分含有量に基づくと、良性乳房病巣および乳房腫瘍は、腺、結合および脂肪
乳房組織よりもかなり早く加熱するであろうことが期待できる。通常、3.2G
Hzの電気導電率に対して、計測値の最良の選択は以下の通りである。乳房脂肪
(0.11〜0.14S/m)、腺および結合組織(0.35〜1.05s/m
)、良性腫瘍(1.0〜4.0S/m)および悪性腫瘍(3.0〜4.0S/m
)。したがって、良性および悪性腫瘍の電気導電率は、腺および結合組織より約
4倍高くなり、純粋な脂肪より約30倍高くなる傾向にある。これらのデータは
、図3に示されるように、Joinesらと同様にChaudharyらにより
915MHzで計測された電気導電率と首尾一貫している。
【0033】 さらに、Chaudharyは1984の論文で3GHzで正常乳房組織に対
する電気導電率を計測した。この論文では導電率は0.36S/mであり、Ca
mpbellとLandにより3.2GHzで計測された正常な腺および結合組
織に対する範囲(0.35〜1.05S/m)と首尾一貫している。このように
、最良の利用可能なデータから、乳房の脂肪は低水分含有で、腺および結合組織
は低から中の水分含有で、乳房腫瘍は高水分含有である。したがって、良性およ
び悪性腫瘍細胞は、周囲の脂肪、腺、腺管および結合組織細胞よりずっと迅速に
、また、かなり高い温度に加熱されるであろうことが期待される。言いかえれば
、微細で目に見える腫瘍細胞は、周囲の脂肪、腺管および結合組織を熱損傷から
守りながら、この治療で加熱されるのが好ましい。
【0034】 腺管癌と腺癌および周囲の乳房組織を加熱する方法 図5は、Eフィールドおよび温度フィードバックを持つ適応マイクロ波フェー
ズドアレイハイパーサーミアシステムを用いた、無傷の乳房の癌を加熱する好ま
しいシステムを示している。マイクロ波周波数で深い組織を確実に加熱するため
に、適応フェーズドアレイアルゴリズムにより制御された2つ以上のコヒーレン
トアプリケータ100で体(乳房)を囲む必要がある。焦点190として示され
ている黒丸は、治療されるべき腫瘍または健康な組織を表わしている。好ましい
実施形態において、Eフィールドプローブ175は、マイクロ波照射を集束させ
るのに使用され、乳房表面の皮膚に取り付けられた温度フィードバックセンサ4
10は、腫瘍を所望の温度に加熱するようにマイクロ波電力レベルを調整するの
に使用される。2チャネル適応フェーズドアレイは、X線乳房撮像法で使用され
ている形状と同じ形状をとる圧迫された乳房内で深い組織を加熱するのに使用さ
れる。Fennに対する米国特許第5810888にて記載されているように、
腫瘍部位にマイクロ波照射を照準するために、Eフィールドプローブは、適応フ
ェーズドアレイ高速加速グラジエントサーチアルゴリズムとともに使用されるの
が好ましい。
【0035】 さらに、空冷導波路アプリケータの開口は、腺管癌および腺癌を含む乳房組織
の大きな容積を加熱できる加熱パターンを提供するのに使用されるのが好ましい
。導波路開口を冷却する空気は、冷却されるか、空調されるかまたは室温である
。高水分含有組織と正常乳房組織の間の915MHzでの誘電パラメータの差に
基づいて、高水分含有の腺管癌および腺癌の組織および他の病巣は、正常乳房組
織よりもっと早く加熱することが期待される。そのため、治療される領域は、正
常な(健康な)乳房組織を免除しながら、(癌性および前癌性の)癌組織および
線維腺腫および嚢胞のような高水分含有の良性病巣に集中されるであろう。
【0036】 体または乳房は、マイクロ波に透過なプレキシガラスのような誘電体で作られ
た2つの圧迫プレート200の間で圧迫される。乳房の圧迫は、無傷の乳房ハイ
パーサーミア治療に対する多数の可能性のある利点を有している。乳房圧迫の利
用により、深い部分のマイクロ波加熱を行うのに、より浅い浸透深さしか要求さ
れないし、また、血流を減じて、組織を加熱する能力が向上させられる。エピネ
フリンまたは抗脈管形成薬を有するリドカインのような局所麻酔薬の乳房組織へ
の注入は、同様に、局所血流を減ずるために使用されることができる。平らな表
面に乳房を圧迫することにより、マイクロ波アプリケータと乳房組織の間のイン
タフェースおよび電場の結合が改善され、単一対のアプリケータで乳房の大きさ
の広い範囲を治療することを可能にする。ハイパーサーミア治療中に空気で乳房
圧迫プレートを冷却することにより、皮膚表面のホットスポットができる可能性
をなくすのに役立つ。20〜40分間のステレオタクティクニードル乳房バイオ
プシ術(Bassettらの論文、A Cancer Journal for
Clinicians、Vol.47、pp.171〜190、1997)に
おいて使用されるような、うつ伏せ位置に患者を置いて乳房を圧迫することによ
り、圧迫デバイス内の乳房組織の量を最大にすることができる。強くない圧迫に
より、乳房組織を動かなくし、ありそうな患者の動きの要因をなくすことができ
る。小さな開口を含むかもしれない、圧迫プレート200は、正確に中心の腺/
腺管領域を位置決めし、侵襲的Eフィールドプローブセンサの配置の支援をする
ために、X線および超音波撮像技術と両立できる。圧迫量は、20〜40分また
はそれ以上長いハイパーサーミア治療期間中の患者の忍耐力に合わせるために、
約4〜8cmの間で変えられることができる。乳房撮像法における乳房圧迫の患
者の快適さ研究は、乳房撮像が、検査された560人の女性の8パーセントのみ
において非常に不快であるかまたは耐えがたいものであったことを示した。この
研究において、平均圧迫厚さは、1.28cmの標準偏差(1シグマ)で、4.
63cmであった(Sullivanらの論文、Radiology、Vol.
181、pp.355〜357、1991)。したがって、20〜40分または
それ以上の長い期間で、強くない乳房圧迫下でのハイパーサーミア治療は可能性
がある。
【0037】 ハイパーサーミア治療の前に、乳房が圧迫プレート200の間で圧迫され、単
一の侵襲的Eフィールドフィードバックセンサ175が、マイクロ波アプリケー
タ100の分極と平行に、乳房の中心の腺/腺管/腫瘍組織部位(焦点190)
内に挿入される。Eフィールドプローブ175は、移相器が適応フェーズドアレ
イグラジエントサーチアルゴリズムを用いて最大のフィードバック信号を得るよ
うに調整される時に、焦点のEフィールド振幅をモニタするのに使用される。無
侵襲温度プローブ410は、皮膚温度をモニタするために、乳房の皮膚表面にテ
ープで張り付けられるか、そうでなければ、固定される。温度プローブは、通常
、マイクロ波エネルギーにより加熱されないようにするため、Eフィールド分極
に直角に向けられている。Eフィールドプローブとともに、本発明の2重アプリ
ケータ適応フェーズドアレイは、集中されたEフィールドが生成され、ある深さ
の組織に集束された加熱を可能にするように、移相器が調整されることを可能に
する。
【0038】 図6を参照すると、好ましい実施形態において、患者は、治療テーブル210
の穴を通して乳房をたれ下げた状態で、うつ伏せに寝ており、治療される乳房2
20は、平坦なプラスチック圧迫プレート200で圧迫され、乳房組織を動かな
くし、血流を減じ、マイクロ波照射に対して要求される浸透深さを減じている。
乳房圧迫プレートは、マイクロ波透過プレスチック材料で作られ、乳房組織の撮
像および所望の焦点深さへの最小侵襲Eフィールドフィードバックプローブ17
5の配置を可能にするため、矩形または円形形状の1つまたは複数の開口を含ん
でもよい。Eフィールドフィードバックプローブ175の挿入は、超音波トラン
スジューサの誘導下で行われてもよい。マイクロ波フィールドからの皮膚損傷に
対してさらに保護を行うために、1つまたは複数の(図示されない)涼しい空気
送風機により空気流180が提供されている。
【0039】 図5に示されているように、2つ以上の温度フィードバックプローブセンサ4
10は、乳房皮膚表面に取り付けられており、温度フィードバック信号400を
生成する。2つのマイクロ波空冷導波路アプリケータ100は、圧迫プレート2
00の反対側に配置されている。915MHzマイクロ波発振器105は、ノー
ド107で分割され、移相器120に給電する。位相制御信号125は、0〜3
60電気角度の範囲にわたってマイクロ波信号の位相を制御する。移相器120
からのマイクロ波信号は、初期マイクロ波電力レベルを設定するコンピュータで
生成された制御信号135により制御されるマイクロ波電力増幅器130に給電
する。コヒーレントな915MHzマイクロ波電力は2つの導波路アプリケータ
100に送られ、一方、各チャネルの移相器120は、マイクロ波エネルギーを
Eフィールドプローブセンサ175で最大化し、また、集束させ、マイクロ波電
力が焦点位置190で最大化されるように、調整される。そして、治療が始めら
れる。
【0040】 ハイパーサーミア治療中に、アプリケータ100のそれぞれに送られるマイク
ロ波電力レベルは、フィードバック信号500として計測され、皮膚熱傷または
水疱を引き起こすであろう高温度を避けるように、皮膚センサ410により計測
された皮膚温度および等価熱量を制御するために、手動または自動のいずれかで
電力制御が調整される。乳房圧迫量は、患者に苦痛を与えないように、治療中、
必要な時に圧迫プレート200により調整される。乳房圧迫が調整され、または
、乳房が再位置決めされるたびに、移相器120は、Eフィールドプローブセン
サ175が最大電力を受信するように再調整/再集束される。治療開始から、マ
イクロ波アプリケータに送られる全マイクロ波エネルギーは、コンピュータ25
0内で計算され、治療中、コンピュータモニタ260上に表示される。全マイク
ロ波エネルギーの所望の量がマイクロ波アプリケータ100に送られた時、治療
が完了する。別の実施形態において、Eフィールドプローブ175により受信さ
れたEフィールドフィードバック信号450から計算された全マイクロ波エネル
ギーは、治療の長さを制御するために使用される。治療の効果を判定するために
、乳房組織のニードルバイオプシから得られる病理学的結果と同様に、乳房組織
は、マイクロ波全エネルギー照射量が投与される前後に、X線および磁気共鳴撮
像を含む乳房撮像法により撮像される。
【0041】 別の実施形態において、単一の侵襲的Eフィールドプローブ175は、対向す
る皮膚表面に配置された2つの無侵襲Eフィールドプローブ185と置き換えら
えれる。2つの無侵襲Eフィールドプローブにより計測された全電力は、マイク
ロ波移相器120を調整し、集束させられたEフィールドプローブを乳房の中心
部に生成することにより、最小化させられる(米国特許第5810888と同様
に)。本実施形態に関して、挿入されたプローブによる感染の危険がなく、皮膚
を切開し、プローブを挿入する処置により乳房の皮膚を傷付ける危険がなく、プ
ローブが腫瘍床を通過することにより癌細胞を撒き散らす危険が避けられる。同
様に、本発明の実施形態に関して、温度およびEフィールドプローブの両方が乳
房の皮膚上に配置されるため、この方法は、画定された単一の領域がない場合に
うまく働くであろう。
【0042】 フェーズドアレイの各(ノード107のいずれかの側の)チャネルは、電気的
に可変なマイクロ波電力増幅器130(1〜100W)、電気的に可変な移相器
120(0〜360°)および空冷線形分極矩形導波路アプリケータ100を含
んでいる。アプリケータ100は、Celsion Corporation、
Columbia、MDにより製造されたModel Number TEM−
2であってもよい。TEM−2金属導波路アプリケータの好ましい対の矩形開口
の寸法は、6.5cm×13.0cmである。
【0043】 好ましい実施形態は、約915MHzでのマイクロ波エネルギーを開示してい
るが、マイクロ波エネルギーの周波数は、100mHzと10GHzの間であっ
てもよい。マイクロ波エネルギーの周波数は、902MHzと928MHzの範
囲から選択されるであろう。実際、より低い周波数のエネルギーが癌組織を切除
または保護するために使用されてもよい。
【0044】 好ましい実施形態において、各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波
電力は、20ワットと60ワットの間である。組織の全治療にわたって、各導波
路アプリケータに送られるマイクロ波電力は、所望のマイクロ波エネルギー照射
量を送り、皮膚の過加熱を避けるために、0〜150ワットの範囲にわたって調
整される。
【0045】 アプリケータ100の矩形導波路領域の側壁の誘電負荷は、TEMアプリケー
タマイクロ波照射に対して良好なインピーダンスマッチング条件を得るために使
用される(Cheungらの論文、Radio Science、Vol.12
、No.6(S)Supplement、pp.81〜85、1977、Gau
therie編集の著、Methods of external hyper
thermic heating、Springer−Verlag、New
Work、p.33、1990)。導波路開口を通しての空気冷却は、導波路に
対する入力単極給電用平行反射グラウンドプレーンとして働く、穴の開いた導電
スクリーンの背後に搭載された(図示されない)送風機により行われる。導波路
側壁と接触する誘電スラブ(slab)の厚みを考慮すると、空気冷却に対する
有効断面サイズは、TEM−2アプリケータに対しておよそ6.5cm×9.0
cmである。高水分含有腫瘍組織と正常乳房組織の間の915MHzでの誘電パ
ラメータの差に基づいて、高水分含有の腺管癌と腺癌および良性病巣は、正常乳
房組織より早く加熱することが期待される。したがって、50%SAR領域は、
正常組織を免除しながら、高水分含有組織(癌性、前癌性および線維腺腫および
嚢胞を含む良性病巣)に集中されるであろう。
【0046】 好ましい実施形態において、中心導体が1cm延びた、0.9mm外径(OD
)侵襲的Eフィールド同軸単極プローブ(半剛体RG−034)は、組織に向け
られた電場の振幅を計測し、治療前に電子移相器に対して必要な相対位相を決定
するために、使用されるフィードバック信号を提供するために使用される。この
タイプの同軸上を給電された単極プローブは、圧迫された乳房ファントムにおい
て線形分極した電場を正確に計測するために使用されてきた(Fennらの論文
、International Symposium on Electrom
agnetic Compatibility 17〜19 May 1994
、pp.566〜569、Journal of Hyperthermia、
Vol.10、No.2、March〜April、pp.189〜208、1
944)。この線形分極したEフィールドプローブは、1.5mmODテフロン
(登録商標)カテーテル内に挿入される。熱電対プローブ(0.6mmODテフロ
ン(登録商標)カテーテル内に封入された、Physitemp Instrum
ents、Inc.、Type T 銅―コンスタンタン)は、治療中に腫瘍の
局所温度を計測するのに使用される。これら温度プローブは、精度0.1℃で1
00msの応答時間を有する。
【0047】 生体胸部組織圧縮加熱試験 本発明の譲受人であるCelsion Corporationが1999年
12月から行っているFDA承認済みPhaseI臨床研究の一部として、最大
寸法が3〜6cmの異なった値をとる胸部腫瘍を有する複数のボランティア患者
に、電界プローブと温度プローブの両方が胸部組織内に挿入された適応マイクロ
波フェーズドアレイを用いて治療を施した。40分間のハイパーサーミア治療を
患者に施し、約1週間後に乳房切除を行った。この臨床研究は、マイクロ波アプ
リケータに送られるパワーの測定を含み、これを使用して、送られたマイクロ波
エネルギー照射量を計算したが、治療の所要時間を制御するためには使用しなか
った。
【0048】 Fennに付与された米国特許第5810888号に開示されているように、
電界プローブを適応フェーズドアレイ高速加速勾配サーチアルゴリズムと共に使
用して、腫瘍部位にマイクロ波放射線を向けた。腫瘍内の侵襲性温度プローブに
よって感知される温度を、治療中のリアルタイムフィードバック信号として使用
した。このフィードバック信号を使用して、可変パワー増幅器のマイクロ波出力
パワーレベルを制御し、腫瘍部位での焦点温度を43〜46℃の範囲に設定して
維持した。フェーズドアレイの2つのチャネルに送られるパワーおよび位相を、
コンピュータ制御下でデジタルアナログコンバータを使用して適宜調節した。
【0049】 胸部圧縮プレートは、低損失誘電体材料であり、マイクロ波場にほぼ透明なア
クリル材料(プレキシガラス)から作成した。圧縮プレートは、片側に約5.5
cmの正方形カットアウト(アパーチャ)を含み、これが小さな超音波トランス
デューサ(公称長さ4cm)に対処して、最小侵襲性プローブ(電界プローブお
よび温度プローブ)の配置を助ける。カットアウトはまた、より良い空気流が皮
膚を冷却できるようにする。
【0050】 適応マイクロ波フェーズドアレイ治療を用いたこれら近年のマイクロ波ハイパ
ーサーミア臨床試験から得られる結果に基づいて、本出願人は、4.5〜6.5
cmに圧縮された生体胸部組織において、以下に表1に列挙するように、138
〜192kJ(キロジュール、またはそれと等価なkW秒)のマイクロ波エネル
ギー照射量が43℃に関して24.5分〜67.1分の等価熱照射量を生成する
ことを見出した。
【0051】
【表1】
【0052】 したがって、総マイクロ波エネルギー照射量を用いて、必要な加熱時間を推定
することができる。すなわち、本出願人は、侵襲性温度プローブの代わりに無侵
襲性等価温度感知手段を用いることができ、かつ治療の所要時間を制御するため
に総マイクロ波エネルギー照射量を信頼可能に用いることができると判断した。
表1で、平均熱照射量は45.1分であり、平均総マイクロ波エネルギーは16
9.5kJである。これら4つの試験では、最大エネルギー値(192.0kJ
)は平均値から13%しかずれておらず、最小エネルギー値(138.0kJ)
は平均値から14%しかずれていない。前述したようにこれらの試験で使用され
る胸部圧縮は血流を低減し、これは、治療に必要なマイクロ波エネルギーに対す
る血流の影響をなくする可能性が高く、これらの試験に必要なエネルギーの小さ
な変動を説明するのに役立つ場合がある。本出願人はまた、これら4つの試験の
治療後のイメージングが通常、腫瘍に対する大きな損傷を示し、しかし皮膚、胸
部脂肪、ならびに通常の腺組織、腺管組織、および結合組織に対する損傷をほと
んど、または全く示さないことも見出した。
【0053】 この方法の1つの好ましい実施形態によれば、治療の完了を判定するために導
波管アプリケータに送られる総マイクロ波エネルギーが25キロジュール〜25
0キロジュールである。癌性または前癌性組織を破壊するマイクロ波エネルギー
照射量の総量は約175キロジュールである。しかし、ある条件下では、必要な
マイクロ波エネルギー照射量が25キロジュールと低い場合がある。
【0054】 以下の表2に、4つの試験に関する胸部組織圧縮厚さを列挙する。最小圧縮厚
さ(4.5cm)が、送られる最小エネルギー照射量(138kJ)に対応し、
これらはどちらも試験4で現れることに留意されたい。本出願人が見出し、以下
に理論的に実証するように、圧縮厚さがより小さければ、癌性、前癌性、または
良性病巣を防止する、または破壊する治療を効果的に行うのに必要なマイクロ波
エネルギー照射量を(より大きな圧縮厚さに比べて)小さくすることができる。
【0055】
【表2】
【0056】 これらの臨床研究から、各アプリケータに送られる適切な初期マイクロ波パワ
ーレベル(P1、P2)、および処理すべき領域にエネルギーを合焦するための2
つのアプリケータ間の適切なマイクロ波位相を選択することが重要であることが
明らかになる。胸部圧縮実験から、4つの試験に関して表3に列挙するように以
下のデータが得られた。
【0057】
【表3】
【0058】 表1および3からわかるように、有意な熱照射量を達成するには各アプリケー
タに関して30〜40ワットの初期マイクロ波パワーで十分であった。さらに、
アプリケータ間の初期相対マイクロ波位相は、−10電気度〜−180電気度で
変化し、明確な傾向に従わず、電界センサを用いてマイクロ波放射線を常に合焦
させる必要があることが実証される。
【0059】 それぞれ試験2および3での比較可能な圧縮厚さ6.5および6.0cmに関
し、治療の初めの数分間はマイクロ波パワーレベルを一定に保って腫瘍の線形温
度上昇を求める。事実上、これはSARの測定値を提供する。30ワットのパワ
ーでは、腫瘍での1℃の温度上昇を達成するのに2.5分かかった。40ワット
のパワーでは、1℃の温度上昇を達成するのにわずか1.5分であった。
【0060】 ハイパーサーミア治療中、皮膚温度を監視して、数分以上にわたって約41℃
を大きく超える温度に上昇しないようにする必要がある。皮膚に関する等価熱照
射量を計算することができ(Sapareto他、International
Journal of Radiation Oncology Biolo
gy Physics、Vol.10、pp.787−800、1984)、フ
ィードバック信号として使用することができる。通常、数分以上にわたって等価
熱照射量を送るのを回避する必要がある。本発明による高い皮膚温度の回避は、
治療中にアプリケータに送られる個別のパワー(P1、P2)を手動または自動コ
ンピュータ制御によって調節することによって達成される。
【0061】 本出願人は、治療前および治療中に、ドップラー超音波を使用して腫瘍および
その周囲の胸部組織中の血流を測定して、マイクロ波エネルギー照射量を計画し
、調節することができることを見出した。例えば、腫瘍血流量が減少したときに
は必要なエネルギー照射量がより低く、これは胸部を圧縮したとき、および/ま
たは腫瘍を治療温度まで加熱したときに起こる場合がある。あるいは、ニードル
バイオプシから胸部腫瘍組織の水分含有量および誘電パラメータを測定し、それ
を用いて、治療前に必要なマイクロ波エネルギー照射量を求めることができる。
例えば、腫瘍での水分含有量がより高く、かつ導電性がより高いと、必要なマイ
クロ波エネルギー照射量の量が低減する。上述の変数に加え、腫瘍のサイズが、
必要なマイクロ波エネルギー照射量に影響を与える。より大きな腫瘍は、より小
さな腫瘍よりも加熱が困難であり、大きなマイクロ波エネルギー照射量を必要と
する。腫瘍の加熱性を査定するためにマイクロ波エネルギーの低照射量送達を含
む初期治療計画セッションを行い、それに続いて、必要な全マイクロ波エネルギ
ー照射量での完全な治療を行うことができる。
【0062】 簡略マイクロ波放射理論 ハイパーサーミアアプリケータからのマイクロ波エネルギーは、身体近位領域
で、アプリケータからの半径距離rの逆数として電界振幅が一部変化する球面波
として放射される。さらに、この振幅は、身体組織の減衰定数αと、身体内部に
進む距離(または深さ)dとの積の指数関数として減衰する。電界位相は、位相
伝搬定数βと距離dの積に従った距離に線形に変化する。話を簡単にするため、
本明細書では、アプリケータ放射線が平面波によって近似されるという仮定のも
とで二重対向アプリケータを分析する。数学的には、平面波電界と組織内深さの
関係が、E(d)=E0exp(−αd)exp(−iβd)によって与えられ
、ここでE0は表面電界(一般に、振幅と位相角によって表される)であり、i
は虚数である(Field and Hand、An Introductio
n to the Practical Aspects of Clinic
al Hyperthermia、Taylor & Francis、New
York p.263,1990)。
【0063】 マイクロ波周波数が915MHzの平面波電磁エネルギーは、腺管状または腺
状胸部腫瘍など高水分含有組織では1cm当たり約3dBの割合で減衰し、通常
の胸部組織では1cm当たり約1dBの割合で減衰する。したがって、単一放射
アプリケータは、深い組織を照射するエネルギーよりも、表面身体組織に介入す
ることによって吸収されるマイクロ波エネルギーを大きな割合で有し、表面組織
にホットスポットを生成する可能性がある。空気または水を用いた皮膚表面冷却
は、最大深さ約0.25〜0.5cmまでしか組織を保護しないので、ホットス
ポットを回避するためには、第1のアプリケータと同じマイクロ波放射線振幅を
有する第2の位相コヒーレントアプリケータを導入する必要がある。第2の位相
コヒーレントアプリケータは、理論上は、パワー(したがってエネルギー)を増
大して、パワーを、単一アプリケータ(Field and Hand、p.2
90,1990)の4倍深い組織まで送られるようにすることができる。
【0064】 (フェーズドアレイと呼ばれる)2つ以上のアプリケータからの電磁放射線の
位相特性は、様々な組織に送られるパワーの分配に顕著な影響を及ぼす場合があ
る。均質組織の相対比吸収率(SAR)は、電界振幅の2乗|E|2で近似され
る。SARは、所与の時間間隔にわたる温度の上昇に比例する。中心組織部位に
マイクロ波放射線が合焦される簡略された場合での均質胸部組織を以下に詳述す
る。Fenn等による論文(International Symposium
on Electromagnetic Compatibility、Se
ndai、Japan、Vol.10、No.2、May 17−19、199
4、pp.566−569)で述べられているように、胸部ファントム内部の複
数のマイクロ波信号反射の効果は無視することができる。
【0065】 均質な通常の胸部組織での波長(近似誘電率12.5および導電率0.21S
/m(Chaudhary等,1984,Joines等,1994からの平均
値))は、915MHzで約9.0cmであり、マイクロ波損失は1dB/cm
である。減衰定数αは0.11rad/cmであり、伝搬定数βは0.69ra
d/cmである(4.5cmのファントム厚さでは、左側で放射される単一アプ
リケータの電界が、表面でE0、中心位置(深さ2.25cm)で−i0.8E0 (ここでiは90°位相シフトを表す)、右表面で−0.6E0である)。2つ
の位相コヒーレントアプリケータを組み合わせることで、両表面で電界値0.4
0、中心位置(深さ2.25cm)で−i1.6E0が生じる。したがって、胸
部では、表面でのSARがかなり低く、中心SARの16分の1である。胸部組
織の4.5cmを介して進むマイクロ波場によって受ける180°位相シフトが
、位相シフト0°で組織に入る場を一部打ち消す、または消す(null)。中
心焦点からずれたマイクロ波の破壊的干渉により、表面胸部組織でより低い温度
が予想される。対向皮膚表面でのより低いSARの測定および強化が、マイクロ
波エネルギーを胸部内深くに効果的に合焦する。
【0066】 本発明による適応フェーズドアレイシステムは、共通の発振器105によって
供給され、2つの電子的に調節可能な位相シフター120を含む2つのマイクロ
波チャネルを使用して、電界フィードバックプローブ175にマイクロ波エネル
ギーを合焦する。本発明の適応フェーズドアレイシステムは、非適応フェーズド
アレイに勝る大きな利点を有する。2つのチャネルを有する非適応フェーズドア
レイは、理論上、2つの波が180°位相がずれているか、完全に同位相か、ま
たは一部位相がずれているかに応じて、それぞれゼロ(null)、最大、また
は中間電界値を生成することができる。すなわち、本発明によれば、マイクロ波
アプリケータに送られるマイクロ波位相を治療前および治療中に−180°〜1
80°で調節して、胸部組織内に合焦領域を生み出すことができる。
【0067】 本発明による適応フェーズドアレイは、組織内に全散乱構造が存在する状態で
電界を自動的に合焦するので、このタイプのアレイは、Turnerに付与され
た米国特許第4589423号に記載された手動調節または治療前計画制御フェ
ーズドアレイよりも信頼可能であり深く合焦された加熱を提供するはずである。
さらに、本発明による適応フェーズドアレイシステムは、腫瘍部位での電界を散
乱する、または変化させる可能性がある侵襲性温度プローブを使用しない。
【0068】 マイクロ波エネルギーの計算 電気エネルギー消費は通常、キロワット時の単位で表現される。数学的には、
アプリケータによって送られるマイクロ波エネルギーWに関する式は、
【0069】 W=ΔtΣPi (1)
【0070】 で与えられる(Vitrogan、 Elements of Electri
c and Magnetic Circuits、 Rinehart Pr
ess、 San Francisco、 pp.31−34、 1971)。
上述の式では、Δtは、マイクロ波パワーが測定される一定の間隔(単位は秒)
を表し、和Σは、治療間隔全体にわたるものであり、第iの間隔でのパワーがPi によって示される(単位はワット)。
【0071】 マイクロ波エネルギーWは、ワット秒の単位を有し、これはまたジュールとも
表される。例えば、3つの連続する60秒間隔で、マイクロ波パワーがそれぞれ
30ワット、50ワット、60ワットである場合、180秒で送られる総マイク
ロ波エネルギーは、W=60(30+50+60)=8400ワット秒=840
0ジュール=8.4kJと計算される。
【0072】 二重対向アプリケータによって厚さ(Dで表される)が変化する均質な胸部組
織の中心位置に堆積される単位時間当たりの合焦エネルギーW′(ここで、′は
プライム符号)をより良く理解するために、以下の計算を考える。P1およびP2 をそれぞれ2つのアプリケータに送られるパワーとする。各アプリケータによっ
て放射される電界は、アプリケータに送られるパワーの平方根に比例する。対称
性を仮定すると、放射される電界は、2つのアプリケータからの中心合焦位置で
同相である。各アプリケータからの等しいパワー、すなわちP1=P2=P、およ
び平面波照明を仮定すると、中心深さでの単位時間当たりの合焦エネルギーが、
【0073】 W′(D)=|E|2=4Pexp(−αD) (2)
【0074】 と表される。式(2)を用いて、表4および7に示されるように、減衰定数0.
11rad/cmで厚さが4cm〜8cmで変化する通常の胸部組織の中心深さ
における単位時間当たりの合焦915MHzエネルギーを計算した。
【0075】
【表4】
【0076】 また、所与のパワーレベルに関し、焦点位置が皮膚に向かって移動すると共に
焦点でより高いエネルギーが生じることも示すことができる。
【0077】 等価熱照射量の計算 43℃に関する累積または総等価熱照射量は、和として計算される(Sapa
reto等、International Journal of Radia
tion Oncology Biology Physics、 Vol.1
0、 pp.787−800、1984)。
【0078】 t43℃等価分=ΔtΣR(43-T) (3)
【0079】 ここで、Σは、治療中の一連の温度測定値の和であり、Tは、一連の温度測定
値(T1,T2,T3,・・・)であり、Δtは、測定値の一定の時間間隔(単位
は秒であり、分に変換される)であり、Rは、T>43℃では0.5、T<43
℃では0.25である。等価熱照射量計算は、胸部組織および皮膚に対する起こ
り得る熱的損傷を査定するのに有用である。
【0080】 シミュレートされた胸部組織における詳細なマイクロ波比吸収率の計算 マイクロ波放射線に露出された通常の胸部組織、および腫瘍を有する通常の胸
部組織における加熱パターンを推定するために、3元比吸収率(SAR)加熱パ
ターンを、有限差分時間領域理論およびコンピュータシミュレーションを用いて
計算した(Taflove, Computational Electrod
ynamics: The finite−difference time−
domain method、 Artech House, Inc.、 N
orwood、 Massachusetts、p.642、1995)。図7
に示すように、これらのシミュレーションは、915MHzで動作する二重対向
TEM−2導波管アプリケータ(Celsion Corp.、 Columb
ia、 Maryland)をモデルすることによって行った。アプリケータを
コヒーレントに組み合わせて、厚さ6cmの均質な通常の(脂肪および腺の合わ
さった)胸部組織における中心位置に放射ビームを合焦した。アプリケータは、
適応フェーズドアレイ胸部ハイパーサーミアシステムでの胸部圧縮のために使用
されるプレートをシミュレートするプレキシガラスの薄いシートを介して放射す
るよう仮定されている。
【0081】 各金属導波管を、高誘電率材料を用いた側壁に装着し、これを使用して、導波
管アパーチャ内部で放射線を合致させ、成形する。導波管アプリケータは、図8
におけるようにy方向に電界を位置合わせした状態に線形に偏向する。厚さ3m
mのプレキシガラスのフラットシートが各アプリケータに隣接し、導波管アパー
チャに平行になっている。2つの対向するTEM−2アプリケータ間に、厚さ6
cmの均質な通常の胸部組織ファントムがある。残りの体積は、空気をモデルす
る立方体セルで充填する。
【0082】 SAR分散は、電界振幅を2乗し、組織の導電性を掛けることによって計算し
た。SARはしばしば、最大SAR値100%に対するレベルで記述される(通
常、有効加熱区域として50%が指定される)。SARは、単位時間あたりの初
期温度上昇に比例し、血流および熱伝導効果は無視する。
【0083】 SARパターンを、均質通常胸部組織に関して図9〜13に示されるように3
つの主平面(xy、xz、yz)で計算した。均質通常胸部組織でのSAR側面
(xy平面、z=0)パターン(75%および50%の等高線を描く)を図9に
示す。パターンは通常、ベル形をしており、TEM−2アプリケータ間に中心が
ある。図10には、上面(xz平面、y=0)SARパターン(75%および5
0%の等高線を描く)を示す。このパターンは、3つのローブ形楕円50%SA
R領域によって取り囲まれた小さな楕円形の75%SAR領域を示す。75%S
ARのサイズが小さいのは、このタイプのアプリケータに関して放射された電界
のモード形状のためである。図11には、SARパターン(75%および50%
の等高線を描く)の端面(yz平面、x=0)を示す。このパターンは、ほぼ導
波管アパーチャのサイズである3つのローブ形楕円50%SAR領域によって取
り囲まれた小さな円形の75%SAR領域を示す。
【0084】 図9〜11に示される結果は、TEM−2導波管アプリケータを用いた適応フ
ェーズドアレイによって深い胸部組織の大きな部分を加熱することができ、その
一方で表面組織が実質的に加熱されないことを示す。この大きな加熱領域に露出
された高水分含有組織は、その周囲の通常胸部組織よりも優先的に加熱される。
選択(優先)加熱を実証するために、球形であり直径1.5cmの2つのシミュ
レート腫瘍(誘電率58.6、導電率1.05S/m)を、5cmスペーシング
を有する通常の胸部組織内に埋め込んだ。上面に関するFDTD計算を図12に
示す。この結果を図10と比べると、SARパターンが大幅に変更されており、
2つの高水分含有腫瘍領域が選択的に加熱されることが明らかである。選択加熱
の鋭さを示すために、x=0cmでz軸に沿って計算されたSARパターンを図
13に示す。2つの腫瘍の位置に鋭いピークが見られ、ここでも周囲の通常胸部
組織よりも高水分含有癌が選択的に加熱されることが実証される。繊維線種およ
び嚢胞など良性胸部病巣に関しても同様の結果が予想される。
【0085】 本発明を、本発明の好ましい実施形態に関して特に図示し、説明してきたが、
頭記の特許請求の範囲によって定義された本発明の精神および範囲を逸脱するこ
となく本明細書において形態および詳細に様々な変更を加えることができること
を当業者には理解されたい。例えば、本明細書に記述したハイパーサーミアシス
テムは、胸部癌および良性胸部病巣の治療に関するものであるが、本発明を、前
立腺、肝臓、肺、または卵巣などにおける他のタイプの癌、および良性前立腺肥
大症(BPH)など良性の疾病の治療に適用することもできる。また、より多数
または少数のアレイアンテナアプリケータまたは単一アンテナアプリケータを使
用して同様の結果を得ることができることも理解されたい。本明細書に記述した
方法および技法のいくつかを、超音波ハイパーサーミアシステム、特にフィード
バック制御用のエネルギー照射量の使用に適用することもできる。本発明を、放
射線療法を改善するために使用する、あるいは熱感受性リポゾームを使用する標
的薬剤送達および/または標的遺伝子療法送達のために使用することもできる。
本発明はまた、工業用加熱のために使用されるものなど非医療ハイパーサーミア
システムにも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 女性の乳房の詳細な側面図である。
【図2】 乳房の腺管および腺組織における腺管癌および小葉癌の進行例を示す図である
【図3】 3つの異なる研究について、正常乳房組織および乳房腫瘍に対する誘電率およ
び電気導電率の計測値を示す図である。B(Burdettc)と名付けられた
研究は、乳房の皮膚を通して測定され、CとJと名付けられた他の研究と違いが
あることを説明している。
【図4】 乳房の脂肪質、腺/結合組織、良性線維腺腫および乳房癌の計測された水分含
有量を示す図である。
【図5】 圧迫下で乳房を加熱する本発明によるシステムを示す図である。
【図6】 乳房が圧迫され、Eフィールドプローブが乳房の所望の焦点深さに挿入された
状態でうつ伏せ位置の患者を示す図である。
【図7】 圧迫された乳房組織厚の関数として計算された焦点マイクロ波エネルギーを示
す図である。
【図8】 乳房を加熱する時に使用される、コンピュータでシミュレーションされた2重
対向マイクロ波導波路アプリケータの3次元視である。
【図9】 中心焦点を持つ均質な正常乳房組織における915MHz特定吸収率(SAR
)加熱パターンの計算された側面図である。
【図10】 中心焦点を持つ均質な正常乳房組織における915MHzSAR加熱パターン
の計算された上面図である。
【図11】 中心焦点を持つ均質な正常乳房組織における915MHz特定吸収率(SAR
)加熱パターンの計算された端面図である。
【図12】 2つのシミュレートされた乳房腫瘍、それぞれが1.5cmの直径を持ち、5
cm離れて配置されている乳房腫瘍がある時の915MHzSAR加熱パターン
の計算された上面図である。50%SAR境界は選択的加熱を示す腫瘍と整合し
ている。
【図13】 2つのシミュレートされた乳房腫瘍、それぞれが1.5cmの直径を持ち、5
cm離れて配置されている乳房腫瘍がある時の(図12の中心面を通した)91
5MHzSAR加熱パターンの計算された直線断面図である。SARは、選択的
加熱を示す腫瘍と整列する鋭いピークを持つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C060 JJ29 4C082 MA02 MC03 ME02 ME12 ME24 MG07 MJ02 MJ03 MJ05 MJ07 MJ10 4C099 AA01 CA13 JA11 PA01 TA04

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照射
    することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法であって、 a)Eフィールドプローブセンサを乳房組織に適切な深さまで挿入するステッ
    プと、 b)乳房皮膚表面の温度をモニタするステップと、 c)2つのマイクロ波アプリケータを乳房の反対側に向けるステップと、 d)各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力を設定するステップ
    と、 e)乳房組織に配置されたEフィールドプローブでマイクロ波エネルギーを集
    束させるために、各導波路アプリケータに送られる初期の相対マイクロ波位相を
    設定するステップと、 f)モニタされた皮膚温度に基づいて治療中に各アプリケータに送られる相対
    マイクロ波電力を調整するステップと、 g)マイクロ波アプリケータに送られるマイクロ波エネルギーをモニタするス
    テップと、 h)所望の全マイクロ波エネルギーがマイクロ波アプリケータにより乳房に送
    られた時に、治療を完了するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 Eフィールドプローブを挿入するステップが、乳房組織の中
    心深さに対して、または、乳房病巣において、超音波ガイド下で行われることを
    特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 皮膚表面温度をモニタするステップが、温度プローブセンサ
    を乳房の皮膚表面に取り付けるステップを含むことを特徴とする、請求項1に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 さらに、圧迫プレートで3cmと8cmの間で圧迫するステ
    ップと、患者の苦痛軽減のために治療中に乳房圧迫量を調整するステップとを含
    み、乳房圧迫プレートがプラスチックで作られ、2mmと4mmの間の厚みを持
    ち、乳房組織およびEフィールドプローブの配置を超音波トランスジューサで撮
    像することを可能にする、1つまたは複数の4.5〜6.5cmの開口を含むこ
    とを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 乳房の癌性状態が侵襲性の腺管癌を含み、癌になる前の状態
    が、その場所の腺管癌、その場所の小葉癌および分泌管内増殖細胞を含み、良性
    乳房病巣が線維腺腫および嚢胞を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法
  6. 【請求項6】 さらに、乳房の皮膚表面を冷却するために乳房を囲む各送風
    機からの空気流を調整するステップを含み、空気が、空調されるか、冷却される
    か、または、室温の空気で、空気流が導波路アプリケータを通って、または、導
    波路アプリケータのまわりを流れることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 マイクロ波エネルギーの周波数が100MHzと10GHz
    の間にあることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 さらに、2つのマイクロ波アプリケータに送られる相対マイ
    クロ波位相を調整するステップを含み、乳房組織内に集束されたフィールドを生
    成するために、治療前と治療中に、相対位相が−180度と180度の間で調整
    されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力が20
    ワットと60ワットの間であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 各導波路アプリケータに送られるマイクロ波電力が、所望
    のマイクロ波エネルギー照射量を送り、皮膚の過加熱を避けるために、治療中に
    、0ワットと50ワットの範囲にわたって調整されることを特徴とする、請求項
    1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 さらに、導波路アプリケータに送られる全マイクロ波エネ
    ルギーを決定し、治療中にリアルタイムで全マイクロ波エネルギーを表示するス
    テップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 完全な治療に対する導波路アプリケータに送られる全マイ
    クロ波エネルギーが、25キロジュールと250キロジュールの間であることを
    特徴とする、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 さらに、乳房組織の適切な深さで温度をモニタするために
    、温度プローブセンサを挿入するステップを含むことを特徴とする、請求項1に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 全マイクロ波エネルギー照射量が、摂氏43度に関してお
    よそ40分と100分の間となる、乳房病巣における全等価熱量を生成すること
    を特徴とする、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 さらに、Eフィールドプローブに送られたマイクロ波電力
    レベルをモニタするステップを含み、Eフィールドプローブにより受信された全
    マイクロ波エネルギーが治療の長さを決定するためにフィードバックとして使用
    されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 大きな乳房腫瘍に対しては、治療される乳房癌の多くがス
    テップa〜hからの熱治療の結果として破壊され、腫瘍が、外科的乳房切除の代
    わりに外科的腫瘍摘除が行えるように十分に小さくなり、 ステップa〜hからの熱治療が乳房の正常組織に対する損傷を避けることを特
    徴とする、請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 マイクロ波全エネルギー照射量が投与される前後において
    、X線、超音波および磁気共鳴撮像を含む乳房撮像手段に基づいて、外科的乳房
    切除または腫瘍摘除がもはや医学的に必要でないと考えられるほどに、治療され
    た乳房癌のすべておよび他の病巣がステップa〜hからの熱治療の結果として破
    壊され、 ステップa〜hからの熱治療が乳房の正常組織を損傷することを避けることを
    特徴とする、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ステップa〜hが、乳房の正常組織に損傷を与えないで、
    (癌性、前癌性および良性の)乳房病巣が熱治療の結果として完全に破壊される
    まで、複数回繰り返されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法において、 a)2つの無侵襲Eフィールド皮膚プローブを乳房皮膚表面の反対側に配置す
    るステップと、 b)乳房皮膚表面の温度をモニタするステップと、 c)2つのマイクロ波アプリケータを乳房の反対側に向けるステップと、 d)各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力を設定するステップ
    と、 e)治療されるべき乳房組織にマイクロ波エネルギーを集束させるために、各
    導波路アプリケータに送られる初期の相対マイクロ波位相を設定するステップと
    、 f)Eフィールド皮膚プローブにより受信される全電力を最小にし、それによ
    り、乳房に集束されたフィールドを生成するために、各導波路アプリケータに送
    られるマイクロ波位相を調整するステップと、 g)モニタされた皮膚温度に基づいて、アプリケータに送られる相対マイクロ
    波電力を調整するステップと、 h)マイクロ波アプリケータに送られるマイクロ波エネルギーをモニタするス
    テップと、 i)乳房に対して所望の全マイクロ波エネルギー照射量がマイクロ波アプリケ
    ータにより送られた時に治療を完了するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 集束されたマイクロ波エネルギーによる健康な組織の加熱
    または照射を選択することにより、癌性または良性状態の発生または再発を防ぐ
    方法において、 a)Eフィールドプローブセンサを乳房組織に適切な深さまで挿入するステッ
    プと、 b)皮膚表面の温度をモニタするステップと、 c)2つのマイクロ波アプリケータを乳房の反対側に向けるステップと、 d)Eフィールドプローブにマイクロ波エネルギーを集束させるために、各導
    波路アプリケータに、相対マイクロ波位相を有するマイクロ波エネルギー/電力
    を送るステップと、 e)モニタされた皮膚温度に基づいて治療中に各アプリケータに送られる相対
    マイクロ波電力を調整するステップと、 f)マイクロ波アプリケータに送られるマイクロ波エネルギーをモニタするス
    テップと、 g)所望の全マイクロ波エネルギー照射量がマイクロ波アプリケータにより治
    療された組織に対して送られた時に治療を完了するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法において、 a)Eフィールドプローブセンサを乳房組織に適切な深さまで挿入するステッ
    プと、 b)皮膚表面の温度をモニタするステップと、 c)マイクロ波エネルギーで乳房を照射するために、2つのマイクロ波アプリ
    ケータを乳房の反対側に向けるステップと、 d)Eフィールドプローブの位置に基づいてマイクロ波エネルギーを集束させ
    るために、各導波路アプリケータに、相対マイクロ波位相を有するマイクロ波エ
    ネルギー/電力を送るステップと、 e)モニタされた皮膚温度に基づいて治療中に各アプリケータに送られる相対
    マイクロ波電力を調整するステップと、 f)乳房を照射するための幾何学的形状を得るために、Eフィールドプローブ
    のまわりの境界点を決定するステップと、 g)印加された集束マイクロ波エネルギーが決定された幾何学的形状を走査し
    、それにより、乳房の大きな領域を照射するように、各アプリケータに印加され
    たマイクロ波エネルギーの相対位相を調整するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法において、 a)Eフィールドプローブセンサを乳房組織に適切な深さまで挿入するステッ
    プと、 b)乳房組織の適切な深さの温度をモニタするために、温度プローブセンサを
    挿入するステップと、 c)皮膚表面の温度をモニタするステップと、 d)2つのマイクロ波アプリケータを乳房の反対側に向けるステップと、 e)各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力を設定するステップ
    と、 f)乳房組織に配置されたEフィールドプローブでマイクロ波エネルギーを集
    束させるために、各導波路アプリケータに送られる初期の相対マイクロ波位相を
    設定するステップと、 g)モニタされた内部乳房組織温度、モニタされた皮膚温度およびモニタされ
    たマイクロ波エネルギー照量に基づいて治療中に乳房に送られる相対マイクロ波
    電力を調整するステップと、 h)所望の全マイクロ波エネルギー照射量および所望の熱量がマイクロ波アプ
    リケータにより乳房へ送られた時に治療を完了するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法において、 a)2つの無侵襲Eフィールド皮膚プローブを乳房皮膚表面の反対側に配置す
    るステップと、 b)乳房組織の適切な深さの温度をモニタするために、温度プローブセンサを
    挿入するステップと、 c)皮膚表面の温度をモニタするステップと、 d)2つのマイクロ波アプリケータを乳房の反対側に向けるステップと、 e)各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力を設定するステップ
    と、 f)治療されるべき乳房組織にマイクロ波エネルギーを集束させるために、各
    導波路アプリケータに送られる初期の相対マイクロ波位相を設定するステップと
    、 g)Eフィールド皮膚プローブにより受信される全電力を最小にし、それによ
    り、乳房に集束されたフィールドを生成するために、各導波路アプリケータに送
    られるマイクロ波位相を調整するステップと、 h)モニタされた内部乳房組織温度、モニタされた皮膚温度およびモニタされ
    たマイクロ波エネルギー照射量に基づいて治療中に乳房に送られるマイクロ波電
    力を調整するステップと、 i)所望の全マイクロ波エネルギー照射量および所望の熱量がマイクロ波アプ
    リケータにより乳房へ送られた時に治療を完了するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法において、 a)Eフィールドプローブセンサを乳房組織に適切な深さまで挿入するステッ
    プと、 b)乳房組織の適切な深さの、および皮膚表面上の温度を、赤外線、レーザ、
    超音波、電気インピーダンス断層撮像法、磁気共鳴撮像および放射測定の1つを
    含む無侵襲温度測定技術によりモニタするステップと、 c)2つのマイクロ波アプリケータを乳房の反対側に向けるステップと、 d)各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力を設定するステップ
    と、 e)乳房組織に配置されたEフィールドプローブでマイクロ波エネルギーを集
    束させるために、各導波路アプリケータに送られる初期の相対マイクロ波位相を
    設定するステップと、 f)モニタされた内部乳房組織温度、モニタされた皮膚温度およびモニタされ
    たマイクロ波エネルギー照射量に基づいて治療中に乳房に送られる相対マイクロ
    波電力を調整するステップと、 g)所望の全マイクロ波エネルギー照射量および所望の熱量がマイクロ波アプ
    リケータにより乳房へ送られた時に治療を完了するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法において、 a)2つの無侵襲Eフィールド皮膚プローブを乳房皮膚表面の反対側に配置す
    るステップと、赤外線、レーザ、超音波、電気インピーダンス断層撮像法、磁気
    共鳴撮像および放射測定の1つを含む無侵襲温度測定技術により、乳房組織の適
    切な深さの、また、皮膚表面上の温度をモニタするステップと、 b)2つのマイクロ波アプリケータを乳房の反対側に向けるステップと、 c)各導波路アプリケータに送られる初期マイクロ波電力を設定するステップ
    と、 d)治療されるべき乳房組織にマイクロ波エネルギーを集束させるために、各
    導波路アプリケータに送られる初期の相対マイクロ波位相を設定するステップと
    、 e)Eフィールド皮膚プローブにより受信される全電力を最小にし、それによ
    り、乳房に集束されたフィールドを生成するために、各導波路アプリケータに送
    られるマイクロ波位相を調整するステップと、 f)モニタされた内部乳房組織温度、モニタされた皮膚温度およびモニタされ
    たマイクロ波エネルギー照射量に基づいて治療中に乳房に送られるマイクロ波電
    力を調整するステップと、 g)所望の全マイクロ波エネルギー照射量および所望の熱量がマイクロ波アプ
    リケータにより乳房へ送られた時に治療を完了するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  26. 【請求項26】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射することにより乳房の癌性または良性の状態を治療する方法において、 a)乳房のまわりに2つ以上のマイクロ波アプリケータを配置し、それにより
    、乳房を環状に囲むステップと、 b)マイクロ波集束エネルギーで乳房組織を選択的に照射し、乳房の癌性およ
    び良性状態の少なくとも1つを治療するために、2つ以上のマイクロ波アプリケ
    ータにマイクロ波エネルギーを送るステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  27. 【請求項27】 集束マイクロ波照射が乳房腫瘍および他の乳房病巣の治療
    を目的として放射線治療を促進するために、または、標的薬剤送達および熱感受
    性リポソームを用いた標的遺伝子治療のために使用されることを特徴とする、請
    求項1に記載の方法。
  28. 【請求項28】 体の腫瘍および他の病巣を治療する方法において、 a)組織を圧迫し、腫瘍が位置し、ドプラーまたはマイクロ波超音波によりモ
    ニタされる領域に薬剤を注入し、前記圧迫および薬剤が腫瘍および他の病巣を迅
    速に加熱できるように血流を減らし、前記薬剤がエピネフリンまたは抗脈管形成
    剤を有する局所麻酔薬を含むステップと、 b)マイクロ波、超音波、無線周波数およびレーザエネルギーの1つで腫瘍お
    よび他の病巣を加熱するステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  29. 【請求項29】 集束されたマイクロ波エネルギーで乳房組織を選択的に照
    射する適応マイクロフェーズドアレイハイパーサーミア装置であって、 適応フェーズドアレイアルゴリズムにより制御された少なくとも第1および第
    2の位相コヒーレントアプリケータ(100)と、 マイクロ波照射を集束させる少なくとも1つのEフィールドフィードバックプ
    ローブ(175)と、 マイクロ波電力レベルを調整して組織を所望の温度に加熱するために、皮膚表
    面の温度をモニタする少なくとも1つの温度フィードバックセンサ(410)と
    、 モニタされた温度に基づいて乳房組織に送られるマイクロ波電力を調整し、乳
    房へ送られるマイクロ波エネルギー照射量をモニタし、所定の全マイクロ波エネ
    ルギー照射量が送られた時に治療を完了する制御手段を備えることを特徴とする
    装置。
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