JP2003530174A

JP2003530174A - ベッティング交換システム

Info

Publication number: JP2003530174A
Application number: JP2001574643A
Authority: JP
Inventors: アンドリュー・ウィルソン・ブラック
Original assignee: ザ・スポーティング・エクスチェンジ・リミテッド
Priority date: 2000-04-06
Filing date: 2001-03-15
Publication date: 2003-10-14
Also published as: AU785337B2; KR100849489B1; GB0008530D0; GB2356071A; US20100099489A1; NL1017738C1; BR0110318A; WO2001077861A2; ZA200309052B; CA2405284A1; AU4085101A; RU2295158C2; US20030096651A1; RU2002129509A; US7690991B2; NZ522413A; ZA200502314B; EP1269342A1; AU2007201733A1; MXPA02009799A

Abstract

(57)【要約】或る結末にバックするか、または、レイするベットを各々が具備するベット要請を、通信ネットワークを介して、複数のユーザーから受信するように構成されたサーバー手段を具備するベッティング交換システムであって、サーバー手段は、所定の結末にバックおよびレイするそれぞれのベットをマッチングするように操作可能であり、ベット要請の各々は、ベットを行うことができるプライスを含み、サーバー手段は、何のベット要請も受信されていない結末に関する黙示的ベットを自動的に生成する手段をさらに具備し、サーバー手段は、複数のユーザーの各々に対する表示のために、ベットを行うことができるプライスと、該プライスで行うことができるベットのサイズとを提供するように操作可能であり、プライスおよびサイズは、受信されたベット要請から、または、黙示的ベットから派生し、通信ネットワークは、インターネットであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、ベッティング（betting）の分野に関し、より詳細には、インター
ネット上で実施されるスポーツベッティング（sports betting）に関するが、こ
れに限定されるものではない。

【０００２】

【従来の技術】

多数の会社が、インターネットベースのベッティングサービスを提供している
。これらの大多数は、単に、顧客が市場（market）の一方の側へのアクセス権を
有することしかできない（すなわち、顧客が、ブックメーカー（bookmaker）に
より設定されたオッズで発生する特定の結末（outcome）に結果的にバック（bac
k）する（すなわち、“購入する”）ことしかできない）固定オッズベッティン
グ（fixed odds betting）を提供している、従来的なベッティングサービスの延
長である。しかしながら、何が発生しないのかを判断することは、何が発生する
のかを判断しようとすることよりも遙かに容易なことである。しかし、この状況
において、顧客は、自身の見解を支持するためのベットを行うことができない。
彼らは、他の全ての考えられ得る結末にバックすることによりレイ（laying）す
る（すなわち、“売却する”）ことを奨励しようとするが、このことが有益であ
る可能性は、ブックメーカーにより請求されるオーバーラウンド（overround）
に起因して、非常に低い。オーバーラウンドとは、ブックメーカーの総ブック（
total book）が１００％を超過する程度（extent）であり、かつ、ブックメーカ
ーの主要な収益源を表す。英国において、通常のオーバーラウンドは、１０〜１
５％である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】

本発明によれば、或る結末にバックするか、または、レイするベットを各々が
具備するベット要請を、通信ネットワークを介して、複数のユーザーから受信す
るように構成されたサーバー手段を具備するベッティング交換システム（bettin
g exchange system）が提供され、前記サーバー手段は、所定の結末にバックお
よびレイするそれぞれのベットをマッチングするように操作可能である。ユーザ
ーが結末にバックすることを希望しているのかまたはレイすることを希望してい
るのかを明記することにより、ベッティング処理の両側へのユーザーアクセスを
可能にすることは、ユーザーにさらなる柔軟性を提供し、かつ、流動性の二方向
市場を促進することができる。さらに、このことは、最も能率的な（したがって
、最も競合的な）プライス（price）を保証することができる。

【０００４】前記ベット要請の各々は、ベットを行うことができるプライスを含むことがで
き、これにより、プライスの競合を促進することができ、かつ、市場の能率を向
上させることができる。さらに良いプライスがユーザーにとって利用可能（avai
lable）であれば、前記システムは、該さらに良いプライスでベットをマッチン
グすることができる。

【０００５】前記サーバー手段は、何のベット要請も受信されていない結末に関する黙示的
ベット（implied bet）を自動的に生成する手段をさらに具備することができる
。これにより、裁定取引（arbitrage）の機会を生成することができ、かつ、一
方の市場において他方の市場よりも明示的な利率（explicit interest）が存在
する場合であっても、システムによりベットを遂行する（fill）ことが可能とな
る。

【０００６】本発明によれば、ベッティング交換システムを提供するためのサーバーコンフ
ィギュレーションを操作する方法であって、或る結末にバックするか、または、
レイするベットを各々が具備するベット要請を、通信ネットワークを介して、複
数のユーザーから受信する段階と、所定の結末にバックおよびレイするそれぞれ
のベットをマッチングする段階とを具備する方法がさらに提供される。

【０００７】本発明によれば、サーバーマシン上においてベッティング交換システムを提供
するように構成されたコンピュータプログラムであって、或る結末にバックする
か、または、レイするベットを各々が具備するベット要請を、通信ネットワーク
を介して、複数のユーザーから受信する段階と、所定の結末にバックおよびレイ
するそれぞれのベットをマッチングする段階とを実施するコンピュータプログラ
ムがさらに提供される。

【０００８】

【発明の実施の形態】

本発明の実施形態について、添付図面を参照した例として、以下に説明する。

【０００９】図１を参照すると、本発明によるベッティング交換システムは、バックオフィ
ス・データベースシステム２（例えば、オラクル（登録商標）またはＳＱＬ関係
データベースサーバー（relational database server））に接続されたサーバー
１（例えば、ウィンドウズ（登録商標）ＮＴを走らせるサーバーマシン）上で実
施される。データベースサーバー２は、ベッティングサービスと関連して提供す
べき包括的なスポーツ統計サービスのためのデータベース記憶装置を含む。サー
バー１は、インターネット３に接続されている。サーバーは、複数のユーザー４
（例えば、マイクロソフト社のインターネット・エクスプローラ（登録商標）ま
たはネットスケープ社のナビゲーター（登録商標）のようなウェブブラウザソフ
トウェアを走らせ、かつ、それぞれのインターネットサービスプロバイダ５を通
したダイヤルアップ接続を用いるパーソナルコンピュータ）により、インターネ
ット３を介してアクセスされる。サーバー１へのアクセスは、例えば、ファイア
ウォールや他の公知のセキュリティ対策により制限される。例えば、ＷＡＰサー
バー上で走るベッティングサービスにアクセスするためにＷＡＰ（ワイヤレス・
アプリケーション・プロトコル）電話を用いた他のアクセス方法についても想定
される。

【００１０】サーバー１は、ウェブページをサポートするためのウェブサーバー（例えば、
マイクロソフト社のＩＩＳ（登録商標）ウェブサーバー）を含む。

【００１１】ベッティング交換システムは、ソフトウェアの形で実施され、かつ、ベッティ
ングは、例えば、固定オッズベッティング（fixed odds betting）に関する図３
と、ラインベッティング（line betting）に関する図１１とに示されるような、
ウェブページ上に表示されるプライシングスクリーン（pricing screen）を通し
て可能となる。ベッティング交換システムの動作については、様々なベッティン
グ形式に関して詳細に後述する。

【００１２】図２を参照すると、ベッティング交換システムにより提供されるベッティング
サービスの利用を希望する顧客は、自身のインターネットアクセス機構を用いて
ウェブサイトにアクセスし（段階ｓ１）、かつ、該人物が以前に登録されていれ
ば、ログインする（段階ｓ２）。顧客が以前に登録されたことがなければ、彼は
登録手順を済ませる（段階ｓ３）。登録されたユーザーは、サイトの全領域への
完全なアクセス権を有する。登録ユーザーのみが、自身の預金口座内に十分な貸
方（credit）が存在することを保証するという条件で、交換所においてベットを
行うことができる。サイトへのゲストアクセスがさらに提供されるが、ゲストに
は、サイトの統計スクリーンおよびベッティングスクリーンへの完全な“読み出
し専用（read only）”アクセス権を与えられるが、実際のイベント（events）
に対してベットを行うことは許可されない。このことによって、ゲストが市場を
綿密に辿ることが可能となる。さらに、ゲストには、ベッティング交換システム
がどのように機能するのかを実演するリアルタイム・ベッティングゲームへのア
クセス権が与えられる。ユーザーが登録に基づいてサイトを利用しない限りは、
ユーザーを登録スクリーンへ導くボタンが可視状態で存在し続ける。

【００１３】登録手順は、ウェブサイトの登録ページ上の個人詳細フォーム（顧客が自身の
預金口座を管理されたいと希望する通貨（currency）の他に、電子メールアドレ
スと、ユーザー名およびパスワードとを含む）に記入することを必要とする。同
時に、顧客のために預金口座が開かれる（段階ｓ４）。金額については、電信為
替（telegraphic transfer）または電話によるインターネットの安全な現金払い
システム（secure cash payment）を介して、預金口座内に預金することができ
る。いったん、預金口座が開かれると、顧客には、認証コードを含む電子メール
が送信される。ユーザーが自身のユーザー名とパスワードとによって最初にログ
インする際に、登録処理において与えられた電子メールアドレスを有効化（vali
date）するために、認証コードを入力するように要求される。その後にユーザー
がログインする場合には、認証コードを再入力する必要はない。

【００１４】ウェブサイトは、各顧客に、該顧客のベッティング活動についての詳細情報を
提供する。例えば、顧客は、自身の全ての未処理（outstanding）のベット（遂
行されたベットおよび未決ベット（pending bet）の両方であり、この意味につ
いては、詳細に後述する）のリストを迅速に引き出すことができる。このリスト
については、イベントにより、ベットのサイズ（size）により、および、ベット
の形式により分類することができる。顧客は、行われた全てのベットと各ベット
の結末（すなわち、勝敗）とに関する完全な履歴リストをさらに得ることができ
る。さらに、顧客は、多くの方法で（例えば、任意の期間にわたって、および、
個々の競技に関して）、自身のベッティング履歴を分析することができる。履歴
上の全てのベットについては、競技により、サイズにより、形式により、および
、成功／失敗により分類することができる。

【００１５】ベッティング交換システムは、包括的な預金口座の状態をさらに生成する。こ
れは、顧客の預金口座に影響を与える全ての処理の詳細（例えば、預金、払い戻
し、ベットなど）を示し、かつ、現在の残高がどのように達成されているのかを
示す完全な調整（reconciliation）を提供する。

【００１６】顧客は、自身の要求にかなうようにウェブサイトを適応させることができる。
顧客は、ベットを行う場合にどのレベルの確認（confirmation）を自身が必要と
するのかを判断することができ、ベッティング情報がどのようにスクリーン上に
現れるのかを選択すること（例えば、２つ以上の市場をスクリーン上で任意の時
刻に閲覧したり、または、個々にカスタマイズされた独自の複合ページを作成す
ること）ができ、かつ、種々のスクリーンが図示的にどのくらいの強度（how gr
aphically intensive）なのかを選択することができる。

【００１７】いったん、顧客がログオンすると、システムは、以前のセッションからのあら
ゆる未処理のベット（未だ顧客により確認されていない結末を有するベット）の
状態を表示する（段階ｓ５）。次に、顧客は、自身がベットを希望するイベント
を、ウェブサイト上に公表されたリストから選択する（段階ｓ６）。前記選択は
、前記イベントに関するプライシングスクリーンの表示を生じさせる（段階ｓ７
）。以下に、顧客が従事できる様々な形式のベットについて、詳細に説明する。

【００１８】《固定オッズベッティング（Fixed Odds Betting）》本発明によるベッティング交換システムによって、顧客は、イベントにバック
することの他に、該イベントにレイすることが可能となる。結末にバック（back
ing）する場合には、顧客は、結末が発生することにベットし、かつ、該結末が
発生した場合に収益を得る。結末が発生しければ、顧客は、元の賭け金（stake
）を失う。逆に、結末にレイ（laying）する場合には、顧客は、賭け金を受け取
り、かつ、該結末が発生しければ、この賭け金を保持し、これにより、収益を得
る。結末が発生すれば、顧客は、（賭け金）×（賭け金を受諾したオッズ）を失
う。システムの動作について、アーセナル（Arsenal）とレスター（Leicester）
との間のサッカーの試合の例により説明する。

【００１９】アーセナルが勝つ、レスターが勝つ、または、ゲームが引き分けで終了する、
という３つの考えられ得る結末が存在する。３つの考えられ得る結末に関して仮
定されたオッズは、以下の通りである。・アーセナルが勝つ５対４・レスターが勝つ２対１・引き分け７対２

【００２０】例として、以下の人々が試合にベットするものと仮定する：・アレックス（Alex）は、１００ポンドのベットをアーセナルにバックする（
すなわち、彼は、アーセナルが勝つことにベットする）。・ベリンダ（Belinda）は、１００ポンドをアーセナルにレイする（すなわち
、彼女は、レスターが勝つか、または、試合が引き分けとなることにベットする
）。・シャーロット（Charlotte）は、７５ポンドのベットをレスターにバックす
る（すなわち、彼女は、レスターが勝つことにベットする）。・デビッド（David）は、７５ポンドをレスターにレイする（すなわち、彼は
、アーセナルが勝つか、または、試合が引き分けとなることにベットする）。

【００２１】アーセナルが勝てば、アレックスは１２５ポンド（すなわち、１００ポンド×
５／４）を獲得し、かつ、元の１００ポンドの賭け金も取り戻す。この場合に、
ベリンダは、自身が受け取った１００ポンドの賭け金を返却する他に、１２５ポ
ンドを支払う。シャーロットは、７５ポンドの賭け金を失う。デビッドは、自身
が当初に受け取った７５ポンドの賭け金を保持する。

【００２２】レスターが勝てば、アレックスは自身の１００ポンドを失い、かつ、ベリンダ
は、自身が受けた１００ポンドの賭け金を保持し、シャーロットは、１５０ポン
ド（すなわち、７５ポンド×２／１）を獲得し、かつ、元の７５ポンドの賭け金
も取り戻し、その一方で、デビッドは、１５０ポンドを支払い、かつ、自身が受
け取った元の７５ポンドの賭け金も返却する。

【００２３】試合が引き分けで終了すれば、アレックスは、自身の１００ポンドの賭け金を
失う。ベリンダは、１００ポンドの賭け金を保持する。同様に、シャーロットは
、自身の７５ポンドの賭け金を失い、かつ、デビッドは、自身が当初に受け取っ
た７５ポンドの賭け金を保持する結果となる。

【００２４】下記の〈表１〉は、全ての考えられ得る結末を要約している。

【表１】

【００２５】図３は、プライシングスクリーン６の一例を、アーセナル対レスターの試合に
関して多数のベットが行われた後に現れ得るものとして示している。

【００２６】プライシングスクリーン６は、そのイベントにのみ関する全ての考えられ得る
結末に関するプライス／サイズ表示を、市場の両方の側のために与える。市場の
一方の側７は、“バック”側であり、ここでは、結末にバックするために利用可
能なプライス／サイズが表示される。他方の側８は、“レイ”側であり、ここで
は、結末にレイするために利用可能なプライス／サイズが表示される。プライス
／サイズ表示の意味は、下記の詳細な説明から明らかとなる。

【００２７】ディジタルベッティングに関する慣例は、賭け金を含めてオッズが表示される
ことである。例えば、５／４のオッズは、２．２５として示される。

【００２８】プライシングスクリーン６は、例えば、市場の各側７，８において現時点で利
用可能な最良の３つのプライスと、各プライスに対応するサイズ（すなわち、各
プライスで賭ける（wager）ことができる額）とを示している。例えば、顧客は
、２．２のプライス（ボックス９）で、アーセナルが勝つことにバックすること
ができる。これは、顧客が１ポンドを賭けた場合に彼が取り戻すことになる総額
であり、したがって、実際のオッズは、１．２対１（すなわち、従来的な用語で
は６／５）である。これが利用可能な最良のプライスであり、かつ、１１５ポン
ドの総サイズに対して有効（valid）である。このことは、顧客が、アーセナル
が勝つことに１１５ポンドをベットでき、かつ、このベットを受諾しても構わな
い他の顧客の存在を認識できることを意味する。結果として、前記ベットは直ち
に遂行される（filled）。ベットを遂行する（filling of a bet）ことは、本明
細書において、ベットを受諾する（accepting）、または、ベットをマッチング
する（matching）とも称される。

【００２９】同様に、プライシングスクリーン６は、顧客は、２．３のプライス（すなわち
、１．３対１のオッズ）（ボックス１０）でアーセナルにレイすることができる
旨と、このオッズでアーセナルが勝つことに合計で４００ポンドを賭けても構わ
ない他の顧客が存在する旨とを、さらに示している。これにより、２．３でアー
セナルにレイしたい顧客は、賭け金サイズが４００ポンド以下であれば、このベ
ットを直ちに遂行することができる。

【００３０】前記ディスプレイスクリーン６上における他の入力は、例えば、レスターにバ
ックするために利用可能な最良のプライスが、１１３ポンドの賭け金サイズ（ボ
ックス１１）に対して３．１である旨と、次に良いプライスが、８０ポンドの賭
け金サイズ（ボックス１２）に対して３である旨と、引き分けにレイするための
最良のプライスが、５６ポンドの賭け金サイズ（ボックス１３）に対して４．５
である旨とを示している。

【００３１】顧客は、自身の選択と、賭け金およびオッズとを、ディスプレイ６上の適切な
入力ボックス１４，１５，１６に入力することにより、ベットを入力する。例え
ば、２．３で２００ポンドをアーセナルにレイするために、顧客は、選択（Sele
ction）ボックス１４に“アーセナル”を、賭け金（Stake）ボックス１５に“２
００”を、かつ、オッズ（Odds）ボックス１６に“２．３”を入力し、かつ、“
レイ選択（Lay Selection）”ボタン１７をクリックする。

【００３２】ベットがシステム内に入力されかつ確認されるとすぐに、アーセナル対レスタ
ーのゲームに関するプライシングスクリーンを見ている全ての顧客は、自身のス
クリーンが、最新のベットを反映する新たなプライス／サイズの時価（quotatio
ns）を示すために直ちに更新されるのを見る。

【００３３】顧客は、自身の預金口座内に、ベットに関するあらゆる結末を補償するために
十分な資金を有していなければ、ベットを行うことを許可されない。イベントに
バックする場合に、顧客が失い得る最大額は賭け金に等しく、その一方で、イベ
ントにレイする場合に、失われ得る最大額は賭け金×オッズに等しい。顧客が特
定のイベントにおいて２つ以上の結末にバックする場合には、最大の損失は、単
に、賭けられた全ての賭け金の合計である。しかしながら、顧客が同一イベント
において幾つかの結末にレイする場合には、最大の損失は、（顧客は１つのイベ
ントに関して支払うことができるだけなので）個々の最も高い損失から他の賭け
金を差し引いた額である。同様に、顧客が特定のイベントにおいて２つ以上の結
末にバックする場合には、最大の損失は、単に、賭けられた全ての賭け金の合計
である。しかしながら、顧客が同一イベントにおいて全ての結末にバックする場
合には、彼は、勝者に、または、適切な状況においては、全ての勝者にベットし
ていたことが確実である。

【００３４】ベッティング交換システムは、全ての顧客のクレジットエクスポージャ（cred
it exposure）を間断なく追跡し続ける。ベッティング交換システムは、顧客に
より行われた未決ベットが遂行されるのか否かについては識別しないので、ベッ
ト間において存在し得る相互依存性について留意しながら、全ての考えられ得る
結末を調べかつ最悪の状態を毎回仮定することにより、エクスポージャの計算が
行われる。支出が常に既知でありかつ勝者が一人しか存在し得ないので、オッズ
ベットに関するエクスポージャの計算は、本明細書において開示される種々の形
式のベットの中で最も行い易い。ラインベット（line bets）およびスプレッド
ベット（spread bets）のような、以下に説明する他の形式のベットに関しては
、システムは、投機家（punter）がベットを行った各レベルにおける最悪の場合
のシナリオを描く必要がある。

【００３５】全ての顧客は、自身が行ったベットに関する確認を、例えば、インターネット
上で、または、電子メールにより受信する。顧客は、これらの確認が送信される
頻度を、例えば、毎回のベットの後に、イベントの終わりに、毎日の終わりに、
などのように決定することができる。さらに、顧客には、失効した全ての未決ベ
ットについて通知される。未決ベットの概念については、詳細に後述する。

【００３６】２．２のプライスでアーセナルが勝つことに２００ポンドを賭けたいと希望し
ている顧客と関連して、図３に示されるプライシングスクリーンから開始され、
かつ、図２において言及されたスクリーン表示段階（段階ｓ７）から引き続いて
、図４を参照して、システムの動作の一例に関する完全な説明について以下に述
べる。

【００３７】最初に、再び図３を参照すると、顧客は、選択（Selection）ボックス１４に
“アーセナル”を、賭け金（Stake）ボックス１５に“２００”を、かつ、オッ
ズ（Odds）ボックス１６に“２．２”を入力することにより、かつ、“バック選
択（Back Selection）”ボタン１８をクリックすることにより、ベット要請を入
力する（段階ｓ８）。システムは、例えば、数の範囲が該システムにより認識さ
れる数に対応することを保証するために、ベットが有効であるか否かをチェック
し（段階ｓ９）、かつ、有効でなければ、ベットが無効（invalid）であること
を顧客に通知する（段階ｓ１０）。

【００３８】ベット要請が有効であれば、システムは、考えられ得る利益／損失を示す支出
プロファイルを含む、ベット要請の確認を表示する（段階ｓ１１）。次に、シス
テムは、顧客が進行を希望しているか否かをチェックし（段階ｓ１２）、かつ、
彼が進行を希望しなければ、ベット要請が取り消されたことを彼に通知するメッ
セージを表示する（段階ｓ１３）。

【００３９】顧客が進行を希望すれば、システムは、顧客の預金口座の残高と、ベット要請
および全ての未処理の未遂行の（unfilled）／遂行された（filled）／精算され
た（settled）ベットとを調整（reconcile）することにより、顧客がベットを行
うために十分な貸方を有しているか否かをチェックする。前述したように、シス
テムは、エクスポージャの計算を行って、最悪の場合のシナリオにおいて、ベッ
ト要請が受諾された場合に顧客の預金口座が負の領域へ陥り得るか否かを判断し
、このような場合には、ベット要請は拒絶される（段階ｓ１５）。

【００４０】ベット要請が受諾されると、システムは、該ベット要請に、独自の参照番号を
割り当てる（段階ｓ１６）。顧客には、これらの番号が通知される。さらに、シ
ステムは、遂行されるベット要請の全ての部分に独自の参照番号を割り当て、か
つ、該ベットの該部分と整合する対応参照符号の記録を保持する。これらの参照
番号は、オーディトトレール（audit trail）を提供するために存在する。

【００４１】次に、システムは、可能な限り多くのベットを遂行する（段階ｓ１７）。この
例において、再び図３を参照すると、プライシングスクリーン６は、現在、顧客
が選択した２．２というプライスで、１１５ポンドのみが利用可能であること（
ボックス９）を示している。したがって、１１５ポンド分が直ちに遂行される。
本明細書において、この額は、遂行額（filled amount）と称される。ベットの
残りの部分（本明細書において、オーダー額（order amount）と称される）は、
未決ベットとして、システム上に残される（段階ｓ１８）。この例において、残
りのオーダー額は、８５ポンドである。システムは、遂行額を顧客に対して確認
し、かつ、顧客がオーダー額の取り消しを希望するか否かを尋ねる（段階ｓ１９
）。顧客がオーダー額をシステム上に残すことを希望すれば、システムは、これ
を確認し（段階ｓ２０）、かつ、プライシングスクリーンの表示が更新され、図
５に示されるスクリーンが表示される。これは、アーセナルにバックするための
２．２のプライスが遂行されてしまったので該プライスがもはや利用可能ではな
い旨と、現時点での最良のプライスが８５ポンドのサイズに対して２．１である
旨とを示している（ボックス１９）。

【００４２】アーセナルにレイするための新たな最良のプライスが、更新されたプライシン
グスクリーン上にさらに現れる（ボックス２０）。これは、システム上に残され
た未決ベットを表している。未決ベットはプライシングスクリーン６上の市場の
“レイ”側８上に現れ、このことは、市場の“バック”側７上の未決ベットが市
場の“レイ”側８から遂行されるべく直ちに利用可能となるという理由のために
市場の“レイ”側８上の未決ベットが市場の“レイ”側８から遂行されるべく利
用可能となる旨と、この逆もまた同様である旨とを示す。換言すれば、前述した
第１の顧客は２．２のプライスで８５ポンドをアーセナルにバックすることを希
望するので、彼のベットは、第２の顧客がこのプライスでこの額をアーセナルに
レイすることを希望している場合にのみ受諾される。

【００４３】再び図４を参照すると、段階ｓ１９におけるシステムの要請に応答して、顧客
がオーダー額の取り消しを希望すれば、システムは、この額が既に完全にまたは
部分的に遂行されてしまったか否かをチェックして調べる（段階ｓ２１）。この
額が既に完全にまたは部分的に遂行されてしまった場合には、システムは、可能
な限り多くのオーダー額を取り消し、かつ、このことを顧客に確認する（段階ｓ
２２）。オーダー額がまだ遂行されていなければ、取り消しが確認され（段階ｓ
２３）、かつ、図６に示されるスクリーンが結果的に表示される。アーセナルに
バックするための２．２のプライスが、再び、もはや利用可能ではなくなるが、
アーセナルにレイするための最良のプライスは、依然として２．３のままである
（ボックス２１）。

【００４４】一般に、市場のバック側７およびレイ側８の両方において、様々なプライスで
利用可能であるとしてプライシングスクリーン６上に表示される額は、システム
上で行われた種々の未決ベットの全ての総計である。未決ベットが未処理のまま
残存する限り、システムは、可能になり次第、これを遂行する。例えば、２．２
で８５ポンド以上で行われるベットは、他の顧客が２．２のオッズでアーセナル
が勝つことにレイしたいと決めた場合に遂行される。オーダーの一部のみが遂行
され得る（例えば、誰かが２０ポンドの額のみをアーセナルが勝つことにレイす
る準備ができている）場合には、システムは、これを行い、かつ、残り（この場
合には、６５ポンド）を未決ベットとして残す。顧客は、常に、ベットのあらゆ
る未遂行の部分の他に、自身の未決ベットをも取り消すことができる。しかしな
がら、いったん、システムが、適切な確認という条件で、未処理のベットをマッ
チアップしかつ“遂行”すると、これらのベットについては取り消すことができ
ない。

【００４５】システムは、全ての等価的な未決ベットを同一プライスで総計するが、システ
ムは、該未決ベットが交換所に到達した順番に、これらを実行する。例えば、ア
レックスは、２のプライスで５０ポンドをアーセナルにレイするようにベットを
提出する。ベリンダは、少し遅れてやって来て、かつ、同じベットを提出する。
シャーロットは、次に、２のプライスで８０ポンドのベットをアーセナルにバッ
クするようにベットを提出する。システムは、アレックスの５０ポンドを全てと
、ベリンダの５０ポンドのうち３０ポンドとを取りかつベリンダの２０ポンドを
未遂行のまま残すことにより、このベットを遂行する。ベリンダの金額は、事実
上、アレックスの金額の後に位置する。

【００４６】顧客が他の投機家の前に割り込みたい場合には自身の提案されたオッズに有意
味な改善を行う必要があることを確実にするために、ベッティング交換システム
は、全てのベット形式に関するプライシング体系（pricing structure）を維持
する。例えば、２．１、２．２、および、２．３は、ベットに関して全て受諾可
能なプライスであるが、２．２５および２．２６は受諾可能なプライスではない
。同様に、３１および３２は受諾可能であるが３１．５は受諾可能ではなく、そ
の一方で、１．８、１．８５、および、１．９は全て受諾可能である。指数的尺
度（exponential scale）がインクリメントのサイズを左右する。

【００４７】例えば、図６を参照すると、顧客が３．３のオッズでレスターにベットを行う
ことを希望すれば、彼は、３．３のプライスでレイするために既に２７３ポンド
が利用可能であることを、プライシングスクリーン６上で知る（ボックス２２）
。顧客がこのプライスでベット要請を行う場合に、彼の額はこの額の後に位置す
る必要がある。何のプライシング体系も存在しなければ、顧客は３．２９９でベ
ット要請を行うことができ、この３．２９９は、事実上同じベットであるが、彼
を待ち行列の最前列へ導くことになる。

【００４８】《最良の遂行特徴（Best Fill Feature）》本発明のさらなる特徴は、システムが、自動的に、顧客にとって最も有利にな
るように、顧客のベットを遂行することである。前述の例において、顧客が、単
に、２．１のプライスでアーセナルが勝つことに２００ポンドを準備したい旨を
入力し、かつ、２．２のプライスで１１５ポンドがなおも利用可能である場合に
は、システムは、自動的に、顧客の２００ポンドのうち最初の１１５ポンドを２
．２のプライスに割り当て、かつ、残りの８５ポンドを２．１のプライスに割り
当てる。これによって、顧客が、常に、システム上で利用可能な最も良い値を得
ることが保証される。顧客が結末にバックするのではなくレイする場合にも、同
じことが適用される。

【００４９】図６を参照すると、各結末に関する生の（live）プライス／サイズ表示を示す
他に、プライシングスクリーン６は、成功して遂行された最も高いプライス／最
も低いプライス（ボックス２３，２４）と、ベットが最も最近に処理されたプラ
イス（ボックス２５）と、遂行されているベットの総量（ボックス２６）とをさ
らに示す。スクリーン上の全ての情報は、システムにより自動的に更新され、か
つ、市場内の全ての参加者の閲覧および行動を反映する。

【００５０】《裁定取引（Arbitrage）》市場の一方の側が採り上げていなくても、市場の他方の側においてベットを遂
行することがなおも可能である機会が、固定オッズベッティングに関して存在し
、この操作を、本明細書において、裁定取引と称する。ベッティング交換システ
ムは、システム運営者が損をしないような方法で自動的にベットを遂行すること
により、裁定取引機能を行う。裁定取引の機会は、イベントの結末が何であろう
とシステム運営者が損をすることはないことを確実に認識した上での交換により
、同一イベントにおける同様の形式（すなわち、バック、または、レイ）の全て
のベットの集合を自動的に遂行できる、という場合に生じる。

【００５１】例えば、アレックスは、２．０のプライスでアーセナルが勝つことに１２０ポ
ンドを賭ける準備ができており、かつ、シャーロットは、３．０のプライスで同
じく１２０ポンドをレスターが勝つことにバックする準備ができており、かつ、
両者は、前述した手順にしたがって、自身の要請をシステムに入力した。次に、
システムは、黙示的ベットを（すなわち、該システムが引き分けにレイしても構
わないプライス）自動的に作成する。この例において、システムは、６．０のプ
ライスで４０ポンドを引き分けにレイする。図７を参照すると、引き分けにレイ
する人物が現時点で存在するので、プライシングスクリーン６は、顧客が６．０
のプライスで総額４０ポンドを直ちに引き分けにバックできることを示す（ボッ
クス２７）。今、エドワードが、引き分けに対して提案されているオッズを受諾
し、かつ、６．０で４０ポンド全額を引き分けにバックすることを決定したと仮
定すると、彼のベットが直ちに採り上げられる。同時に、アレックスの１２０ポ
ンドのベットの全てが採り上げられ、この際に、シャーロットの８０ポンドのベ
ットが採り上げられる。結果的に生じるプライシングスクリーンが図８に示され
ており、この図において、シャーロットのベットの４０ポンドを未遂行のままに
残して、全てのベットが実行される。各結末に対するベットのマッチングが、表
２に示されている。

【表２】

【００５２】したがって、この例においては、いずれかの結末にレイしたい旨を誰も明示的
に述べていなくても、ベッティング交換システムは、３つの別々のベットを処理
することができる。

【００５３】システムが裁定取引の局面を査定する方法の一例は、列内のプライスの逆数の
合計であって、図７の例（ボックス２９，３０）に示されるような百分率として
表される総ブックを調べることである。この例においては、８３．３％＝（１／
２＋１／３）が百分率として表され、かつ、１６．７％＝１／６が百分率として
表される。

【００５４】 “レイするために利用可能（available to lay）”側８において、総ブックが
１００％以上であれば、裁定取引となる。“バックするために利用可能（availa
ble to back）”側７において、総ブックが１００％以下でありかつ全ての考え
られ得る選択に対して利用可能なベットが存在すれば、裁定取引となる。図８を
参照すると、エドワードが引き分けのベットを選んだ場合に、“レイするために
利用可能”側８の総ブックは、１００％（１／２＋１／３＋１／６）であり、こ
れにより、システムが裁定取引を実行することが可能となり、３つのベットが実
行されるという結果となる。

【００５５】この例において、アレックスおよびシャーロットのベットに応じて、システム
は、（１／２＋１／３＋１／ｘ）×１００＝１００％（すなわち、全ての結末の
確率は合計で１（必然性（certainty））となる）という条件を満足させるべく
、引き分けにレイするためのオッズｘを計算する。したがって、ｘ＝６である。

【００５６】システムは、全ての選択に対して最小限の支出（プライス×サイズ）を選ぶこ
とにより、次に、この支出という結果となる各選択に対するサイズを計算するこ
とにより、裁定取引により遂行されるサイズを計算する。この例において、最小
限の支出は、アレックスのベットに関する２４０ポンド（１２０ポンド×２）で
あるので、３のプライスでのシャーロットに対してこれを達成するために、彼女
のベットのうちの８０ポンドが遂行される。同様に、システムは、６×４０＝２
４０であるので、黙示的ベットのサイズを４０ポンドとして計算する。

【００５７】裁定取引のプライスは、一般に、概数（round number）になる可能性が低いの
で、システムに損をさせないシステムのプライシング体系において受諾可能な数
に最も近い数に切り上げられるか、または、切り捨てられる。

【００５８】ベッティング交換システムと切り上げ／切り捨て効果とによる黙示的ベットの
生成が、図９および図１０を参照してさらに示されており、これらの図は、考え
られ得る結末を２つのみ有するイベント（この場合には、テニスの試合）に関す
るベッティングを示している。図９および図１０は、各々が、１．９のプライス
での１００ポンドのベットが１つのみサンプラス（Sampras）に行われた後の局
面を示している。図９は、サンプラスにレイするベットの後のプライシングスク
リーン６を示している一方で、図１０は、サンプラスにバックするベットの後の
プライシングスクリーン６を示している。

【００５９】図９を参照すると、サンプラスにレイする顧客によるベット３１によって、ベ
ッティング交換システムは、ヘンマン（Henman）に関する黙示的ベット３２を生
成する。その理由は、考えられ得る結末が２つしか存在しない（すなわち、‘サ
ンプラス’および‘サンプラスではない’）ためである。本発明の原理にしたが
って、黙示的ベットがレイ選択側（Lay Selection Side）８上に現れる。黙示的
ベットのプライスおよびサイズは、実際のベットのプライスおよびサイズの逆数
であり（すなわち、１／１．９＋１／ｘ＝１）、ベッティング交換システムによ
り課されたプライシング体系に適応するように調節される。これにより、この例
において、１００ポンドをサンプラスにバックするためのベットを受諾する投機
家は、１９０ポンドという見返りの可能性を有し、その一方で、ヘンマンに関す
る等価的な黙示的ベットは、理論的には、１８９．２０ポンドという見返りを生
成する。

【００６０】図１０は、サンプラスにバックするベットが、ヘンマンにレイする黙示的ベッ
トに関する異なるプライスおよびサイズを生成することを示しており、該ヘンマ
ンにレイする黙示的ベットは、システム運営者が損をしないことを保証するよう
に課されたプライシング体系の作用により、再び生じたものである。

【００６１】《ラインベッティング（Line Betting）》本発明の他の例において、ベッティング交換システムは、ラインベッティング
として知られる他の形式のベッティングのために用いられる。この形式のベッテ
ィングは、米国において特に人気があり、かつ、スプレッドベッティング（spre
ad betting）と概念上は類似している。

【００６２】ラインベッティングについては、考えられ得る２つのみの結末の可能性がとも
に等しくなるようにラインの値が設定されるハンディキャップとして考えること
ができる。結果として、両方の結末に対するオッズは同じとなる（すなわち、同
等になる（evens））。

【００６３】ラインベッティングの原理が、以下の例を参照して示される。イングランドが
ニュージーランドとラグビーの試合を行う予定になっており、かつ、一般的な見
解は、ニュージーランドがイングランドに１２点差で勝つというものである。し
たがって、事実上、人々は、ニュージーランドに１２点差のハンディキャップを
つければ、両側が勝つ可能性が同じになると考える。ニュージーランドがイング
ランドに１２点差で勝てば、“引き分け”もあり得る。しかしながら、ニュージ
ーランドに１２．５点差のハンディキャップがつけられれば、引き分けはあり得
ない。したがって、この例におけるラインは、“ニュージーランド至上ライン（
New Zealand Supremacy line）”であり、かつ、＋１２．５に設定される。図１
１は、この例に関するプライシングスクリーン３３を示している。顧客は、ニュ
ージーランドが１２点以上の差で勝つと考える場合には＋１２．５のライン（ボ
ックス３４）を購入し、ニュージーランドが１２点未満の差で勝つと考える場合
には＋１１．５のライン（ボックス３５）を売却する（この場合には、イングラ
ンドが勝つという結末も含まれる）。

【００６４】前述したように、ベッティング交換システムにおけるライン上のオッズは、均
等な額となる。その理由は、前記システムがブックメーカーのオーバーラウンド
をプライシングに組み込む必要がないためである。

【００６５】固定オッズベッティングの場合のように、プライシングスクリーン３３は、ラ
インに関するプライス／サイズ表示を示し、かつ、購入するために利用可能なラ
インを示す購入セクション３６と、売却するために利用可能なラインを示す売却
セクション３７とに分割される。最初の実施形態の場合のように、顧客は、示さ
れたプライスを取るか、または、オーダーをシステム上に残すことができる。例
えば、顧客は、選択（Selection）ボックス３８に記入しかつ次に購入（Buy）ボ
タン４１をクリックすることにより、＋１２．５のラインを１２０ポンドで購入
し、該選択ボックス３８は、（この例では、図１２に示されるように、賭け金（
Stake）ボックス３９に１２０ポンドを記入し、かつ、ライン（Line）メニュー
４０から＋１２．５を選択するように）選択が１つしか存在しない場合に、シス
テムにより自動的に記入され得る。ベッティング交換システムは、図１１に示さ
れる利用可能な９５ポンド（ボックス３４）に関してベットを受諾し、かつ、残
りの２５ポンドを、図１２に示される＋１２．５（ボックス４２）の下で売却す
るために利用可能なラインとして、売却セクション３７内に配置する。最初の実
施形態の場合のように、システムは、可能な限り早期に、全てのベットを自動的
に遂行する。

【００６６】ラインベッティング上における見返りは、２．０のディジタルオッズに等しい
。したがって、顧客がラインを購入しかつ勝てば（例えば、ニュージーランドが
１２．５点以上の差で勝てば）、該顧客は、自身の賭け金と、それと同じ額から
手数料（例えば、４％）を差し引いた額とを取り戻す。顧客が負ければ、該顧客
は、自身の賭け金を没収されるが、いかなる手数料も支払わない。

【００６７】固定オッズベットについて説明した最初の実施形態の場合のように、システム
が顧客にとって最も有利になるように顧客のベットを遂行することを保証する最
良の遂行特徴は、顧客がラインベットを行う場合にも適用され、両者の違いは、
顧客が、より好都合なプライスの代わりに、より好都合なラインを受け取るとい
う点である。

【００６８】《スプレッドベッティング（Spread Betting）》本発明のさらなる例において、ベッティング交換システムは、図１３〜図１５
を参照して示されるようなスプレッドベッティング機関を提供する。スプレッド
ベッティングは、顧客が或る一定のレベルで購入するかまたは売却するという意
味で、ラインベッティングと類似している。

【００６９】韓国グランプリにおけるフォーミュラ１ドライバーの興行により示されるこの
例において、１位に対する５０ポイントと、２位に対する２５ポイントと、３位
に対する１０ポイントとからなる８５ポイントが賭けの対象として存在する。

【００７０】図１３を参照すると、プライシングスクリーン４３は、最初の３人のドライバ
ーに関する“売却するために利用可能な（available to sell）”ベット（ボッ
クス４４，４５，４６）を、ハッキネン（Hakkinen）に関する“購入するために
利用可能な（available to buy）”ベット（ボックス４７）とともに示している
。図１４は、顧客が１４（ボックス４８）でクルサード（Coulthard）を購入し
ようとしている場合のプライシングスクリーン４３を示しており、システムは、
該ベットを“売却するために利用可能”であるとしてスクリーン上に掲示する。
この結果として、黙示的ベットが、“上記のいずれでもない（None of the abov
e）”（ボックス４９）上に生成される。黙示的ベットのプライスは１５であり
、該プライスは、採り上げられれば、左側の列５０の合計を、要求された８５ポ
イント（１００％）とする。サイズは９ポンドであり、これは、左側の全てのサ
イズのうちの最小値である。

【００７１】図１５は、“上記のいずれでもない”に対するベットが完全に取り去られた後
のプライシングスクリーン４３を示している。“上記のいずれでもない”に関す
るベットは消え、かつ、左側の列５０における他の全てのベットから９ポンドが
差し引かれる。

【００７２】スプレッドベットの支出プロファイルは、二進数ではない。レベルを購入また
は売却する場合に、投機家は、ポイント毎に基づいて（ona a per points basis
）これを行う。例えば、投機家が１ポイント当たり１０ポンドで２１のラインを
購入し、かつ、この選択が５０ポイントを得点すれば、彼は、２９０ポンドから
手数料を差し引いた額を得る。この選択が０ポイントを得点すれば、彼は、２１
０ポンドを失う。スプレッドイベントにおいては種々の関連した選択が存在する
ことがあり、この場合には、裁定取引の可能性がある。このことは、イベントの
精算（settlement）に関する配当のために利用可能な一定量のポイントが存在す
ると仮定する。スプレッドベッティングの裁定取引については、図１３〜図１５
に関連して、既に説明してある。

【００７３】いったん、イベントが終了すると、ベッティング交換システムは全てのベット
を精算する。顧客がベットに勝てば、システム運営者が請求する手数料（例えば
、４％）を勝利金から差し引いた額が、システム上の顧客の預金口座へ振り替え
られる。顧客がベットに負ければ、負けた分の額が、システム上の顧客の預金口
座から控除される。毎日の終わりに、全ての預金口座が調整されて、最大限一日
の間にシステムにおいていかなるエラーも存在し得ないことが保証される。

【００７４】前述の本発明は、主に、インターネット上のベッティングと関連して説明して
きたが、その一方で、同様の機能性を提供するあらゆる形式の通信ネットワーク
が、本発明を実施するのに適切である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるベッティングシステムを示す概略図である。

【図２】図１のベッティングシステムにより提供されるベッティングサー
ビスにアクセスするために要求される段階を示す流れ図である。

【図３】サッカーの試合のベッティングの例を示すプライシングスクリー
ンを示すスクリーンショットの図である。

【図４】本発明によるベッティング交換システムの動作を示す流れ図であ
る。

【図５】行われたベット後の、図３のプライシングスクリーンにおける第
１の変化を示すスクリーンショットの図である。

【図６】行われたベット後の、図３のプライシングスクリーンにおける第
２の変化を示すスクリーンショットの図である。

【図７】本発明の裁定取引の特徴を示すプライシングスクリーンを示すス
クリーンショットの図である。

【図８】行われたベット後の、図７のプライシングスクリーンにおける変
化を示すスクリーンショットの図である。

【図９】黙示的ベットの作成の一例を示すプライシングスクリーンを示す
スクリーンショットの図である。

【図１０】黙示的ベットの作成のさらなる例を示すプライシングスクリー
ンを示すスクリーンショットの図である。

【図１１】ラインベッティングを示すプライシングスクリーンを示すスク
リーンショットの図である。

【図１２】行われたさらなるベット後の、図１１のプライシングスクリー
ンにおける変化を示すスクリーンショットの図である。

【図１３】スプレッドベッティングを示すプライシングスクリーンを示す
スクリーンショットの図である。

【図１４】行われたベットの後の、図１３のプライシングスクリーンにお
ける変化を示すスクリーンショットの図である。

【図１５】行われたベットの後の、図１４のプライシングスクリーンにお
ける変化を示すスクリーンショットの図である。

【符号の説明】

１サーバー２データベースサーバー３インターネット４ユーザー５インターネットサービスプロバイダ６，３３，４３プライシングスクリーン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】或る結末にバックするか、または、レイするベットを各々が
具備するベット要請を、通信ネットワークを介して、複数のユーザーから受信す
るように構成されたサーバー手段を具備するベッティング交換システムであって
、前記サーバー手段は、所定の結末にバックおよびレイするそれぞれのベットを
マッチングするように操作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項２】前記ベット要請の各々は、ベットを行うことができるプライ
スを含むことを特徴とする請求項１に記載のシステム。
【請求項３】前記サーバー手段は、何のベット要請も受信されていない結
末に関する黙示的ベットを自動的に生成する手段をさらに具備することを特徴と
する請求項１または請求項２に記載のシステム。
【請求項４】前記サーバー手段は、前記複数のユーザーの各々に対する表
示のために、ベットを行うことができるプライスと、該プライスで行うことがで
きるベットのサイズとを提供するように操作可能であり、前記プライスおよびサイズは、受信されたベット要請から、または、黙示的ベ
ットから派生することを特徴とする請求項３に記載のシステム。
【請求項５】前記通信ネットワークは、インターネットであることを特徴
とする請求項１から請求項４のいずれかに記載のシステム。
【請求項６】ベッティング交換システムを提供するためのサーバーコンフ
ィギュレーションを操作する方法であって、或る結末にバックするか、または、レイするベットを各々が具備するベット要
請を、通信ネットワークを介して、複数のユーザーから受信する段階と、所定の結末にバックおよびレイするそれぞれのベットをマッチングする段階と
を具備することを特徴とする方法。
【請求項７】前記複数のユーザーの各々に対する表示のために、所定のプ
ライスで行うことができるベットのサイズを提供する段階を含むことを特徴とす
る請求項６に記載の方法。
【請求項８】前記プライスを、ベットが行われるプライスを制御するため
に取り決められたプライシング体系に対して確認する段階を含むことを特徴とす
る請求項７に記載の方法。
【請求項９】前記プライシング体系は、最小限のプライスのインクリメン
トを含むことを特徴とする請求項８に記載の方法。
【請求項１０】前記最小限のプライスのインクリメントのサイズは、プラ
イスにしたがって変動することを特徴とする請求項９に記載の方法。
【請求項１１】所定のプライスでベットを行うためのベット要請が提供さ
れたサイズを超過した場合には、該提供されたサイズに関するベットを受諾する
段階を含むことを特徴とする請求項７から請求項１０のいずれかに記載の方法。
【請求項１２】前記ベットが提供されたサイズを超過した差額を、未決ベ
ットとして受諾する段階をさらに具備することを特徴とする請求項１１に記載の
方法。
【請求項１３】前記複数のユーザーの各々に対する表示のために、未決ベ
ットを提供する段階をさらに具備することを特徴とする請求項１２に記載の方法
。
【請求項１４】前記ユーザーがベット要請に含めたプライスよりもさらに
良いプライスが該ユーザーにとって利用可能である場合には、該ベット要請を該
さらに良いプライスでマッチングする段階を具備することを特徴とする請求項７
から請求項１３のいずれかに記載の方法。
【請求項１５】何のベットも受信されていない結末に関する黙示的ベット
を生成する段階を具備することを特徴とする請求項６から請求項１４のいずれか
に記載の方法。
【請求項１６】他の全ての考えられ得る結末に関するベットのプライスと
結合された場合に、実質的に必然性を表すプライスとして、或る結末に関する黙
示的ベットのプライスを計算する段階を含むことを特徴とする請求項１５に記載
の方法。
【請求項１７】前記黙示的ベットのプライスと乗算された場合に、全ての
受信されたベットに対する最小限の支出と実質的に等しいサイズとして、黙示的
ベットのサイズを計算する段階を含むことを特徴とする請求項１５または請求項
１６に記載の方法。
【請求項１８】或る結末にバックするためのベット要請は、市場の第１側
から受信されたベットであり、かつ、或る結末にレイするためのベット要請は、
市場の第２側から受信されたベットであり、前記市場の第１側および第２側の一方から受信されたベットを、該市場の第１
側および第２側の他方から受信されたベットがない場合には、黙示的ベットとマ
ッチングする段階をさらに具備することを特徴とする請求項１５から請求項１７
のいずれかに記載の方法。
【請求項１９】マッチングされることが可能なベットが利用可能になると
すぐに、それぞれのベットをマッチングする段階を具備することを特徴とする請
求項６から請求項１８のいずれかに記載の方法。
【請求項２０】サーバーマシン上においてベッティング交換システムを提
供するように構成されたコンピュータプログラムであって、或る結末にバックするか、または、レイするベットを各々が具備するベット要
請を、通信ネットワークを介して、複数のユーザーから受信する段階と、所定の結末にバックおよびレイするそれぞれのベットをマッチングする段階と
を実施することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項２１】実質的に、本明細書において、添付図面を参照して説明さ
れるようなベッティング交換システム。
【請求項２２】実質的に、本明細書において、添付図面を参照して説明さ
れるようなベッティング交換システムを提供するためのサーバーコンフィギュレ
ーションを操作する方法。
【請求項２３】実質的に、本明細書において、添付図面を参照して説明さ
れるようなコンピュータプログラム。