JP2003529358A - Amf−1〜amf−10のタンパク質およびこのタンパク質をコードする核酸 - Google Patents

Amf−1〜amf−10のタンパク質およびこのタンパク質をコードする核酸

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JP2003529358A
JP2003529358A JP2001572586A JP2001572586A JP2003529358A JP 2003529358 A JP2003529358 A JP 2003529358A JP 2001572586 A JP2001572586 A JP 2001572586A JP 2001572586 A JP2001572586 A JP 2001572586A JP 2003529358 A JP2003529358 A JP 2003529358A
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コリーヌ アー. エム. ヴェルネ,
キャサリン イー. バージェス,
エルマ フェルナンデス,
レイモンド ジェイ. ジュニア タウピアー,
ケリー イー. クイン,
キンバリー アン スパイテク,
ルカ ラステリ,
ジョン エル. ハーマン,
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キュラジェン コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 本明細書において、ポリペプチドをコードする新規なヒト核酸配列を開示している。また、これらの核酸配列によってコードされるポリペプチド、このポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体、ならびに、前述のポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体の誘導体、改変体、変異体、またはフラグメントもまた開示される。本発明はさらに、これらの新規なヒト核酸およびタンパク質のいずれか1つに関与する障害の診断、処置および予防のための治療法、診断法、および研究法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、概して、新規なAMF1核酸、AMF2核酸、AMF3核酸、AM
F4核酸、AMF5核酸、AMF6核酸、AMF7核酸、AMF8核酸、AMF
9核酸およびAMF10核酸、ならびにそれらにコードされるポリペプチドに関
する。より詳細には、本発明は、新規なポリペプチドをコードする核酸、ならび
にこれらの核酸およびポリペプチドを生成するためのベクター、宿主細胞、抗体
、および組換え方法に関する。
【0002】 (背景) 細胞表面上で発現される分子を介しての細胞間相互作用に根底にある機構が関
連する、障害および疾患の診断、予後、および予防処置または治療処置について
の必要性が存在する。このような疾患および障害としては、細胞移動、細胞シグ
ナルプロセシング、細胞接着もしくは細胞移動経路の調節に関連する疾患および
障害が挙げられ、組織再構築、増殖性疾患、癌、腫瘍の浸潤および転移、発生プ
ロセス、結合組織調節、および他の細胞外微小環境(microenviron
)の効果が挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、この必要性を満た
す方法および組成物を提供する。
【0003】 (発明の要旨) 本発明は、新規なポリペプチドをコードする新規な核酸配列の発見に部分的に
基づく。開示されるAMF1核酸、AMF2核酸、AMF3核酸、AMF4核酸
、AMF5核酸、AMF6核酸、AMF7核酸、AMF8核酸、AMF9核酸お
よびAMF10核酸、ならびにこれらにコードされるポリペプチド、ならびにそ
の誘導体、ホモログ、アナログおよびフラグメントは、本明細書で以後、まとめ
て、「AMFX」核酸または「AMFX」ポリペプチドと称される。
【0004】 1つの局面において、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、
15、17、および19に開示される核酸に対して同一性を有する核酸配列を含
むAMFXポリペプチドをコードする、単離されたAMFX核酸分子を提供する
。いくつかの実施形態において、このAMFX核酸分子は、AMFX核酸配列の
タンパク質コード配列を含む核酸分子と相補的な核酸配列に対して、ストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズする。本発明はまた、AMFXポリペプチド、
またはそのフラグメント、ホモログ、アナログもしくは誘導体をコードする、単
離された核酸を包含する。例えば、この核酸は、配列番号2、4、6、8、10
、12、14、16、18および20のアミノ酸配列を含むポリペプチドに対し
て少なくとも80%同一である、ポリペプチドをコードし得る。この核酸は、例
えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、および19のう
ちのいずれかの核酸配列を含む、ゲノムDNAフラグメントまたはcDNA分子
であり得る。
【0005】 本発明にはまた、オリゴヌクレオチドであり、例えば、AMFX核酸(例えば
、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、および19)の少な
くとも6個連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド、またはそのオリゴ
ヌクレオチドの相補体である。 また、本発明に含まれるのは、実質的に純粋なAMFXポリペプチド(配列番号
2、4、6、8、10、12、14、16、18および20)である。特定の実
施形態において、このAMFXポリペプチドは、ヒトAMFXポリペプチドのア
ミノ酸配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。
【0006】 本発明はまた、AMFXポリペプチド、またはそのフラグメント、ホモログ、
アナログ、もしくは誘導体に対して、免疫選択的に結合する抗体を、特徴とする
。本発明の1つの実施形態において、抗AMFX抗体は、ポリクローナル抗体で
ある。本発明の別の実施形態において、抗AMFX抗体は、モノクローナル抗体
である。本発明の他の実施形態において、抗AMFX抗体は、治療抗体である。
【0007】 別の局面において、本発明は、治療有効量または予防有効量の、治療的および
薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物を包含する。この治療剤は、
例えば、AMFX核酸、AMFXポリペプチド、またはAMFXポリペプチドに
特異的な抗体であり得る。さらなる局面において、本発明は、1つ以上の容器中
に、治療有効量または予防有効量の、この薬学的組成物を含む。
【0008】 さらなる局面において、本発明は、ポリペプチドの生成方法を包含し、その方
法は、AMFX核酸を含む細胞を、そのDNAによりコードされるAMFXポリ
ペプチドの発現を可能にする条件下で培養することによる。所望される場合、こ
のAMFXポリペプチドは、その後回収され得る。
【0009】 別の局面において、本発明は、サンプルにおけるAMFXポリペプチドの存在
を検出する方法を包含する。この方法において、サンプルは、そのポリペプチド
に選択的に結合する化合物と、そのポリペプチドとその化合物との間の複合体の
形成を可能にする条件下で、接触される。この複合体が、存在する場合は検出さ
れ、それにより、このサンプル中のこのAMFXポリペプチドが同定される。
【0010】 本発明はまた、特定の細胞型または組織型を、それらによるAMFXの発現に
基づいて同定する方法を包含する。
【0011】 本発明にはまた、サンプルにおけるAMFX核酸分子の存在を検出する方法も
包含され、この方法は、AMFX核酸プローブまたはAMFX核酸プライマーを
そのサンプルと接触させる工程、およびその核酸プローブまたは核酸プライマー
がそのサンプル中のAMFX核酸分子に結合しているか否かを検出する工程によ
る。
【0012】 さらなる局面において、本発明は、AMFXポリペプチドの活性を調節する方
法を提供し、この方法は、そのAMFXポリペプチドを含む細胞サンプルを、そ
のポリペプチドの活性を調節するに十分な量の、そのAMFXポリペプチドに結
合する化合物と、接触させる工程による。この化合物は、例えば、本明細書中に
さらに記載されるような、低分子(例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペ
プチド模倣物、糖質、脂質または他の有機(炭素含有)分子もしくは無機分子)
であり得る。
【0013】 また、本発明の範囲内にあるのは、障害または症候群を処置または予防するた
めの医薬の製造における治療剤の使用であり、このような障害または症候群とし
ては、例えば、細胞シグナルプロセシング、細胞接着または細胞移動経路調節に
関する障害が挙げられ、これらとしては、化学物質抵抗性、放射線療法抵抗性、
栄養因子制限二次組織部位微小環境における生存、結合組織障害、組織再構築、
腫瘍形成、乳癌、卵巣癌、子宮頸部癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、
肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳の癌、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織
再構築、炎症、血餅の形成および吸収、造血、新脈管形成、有機アニオン輸送体
に関連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖の自己分泌調節および細胞増殖
のパラクリン調節、外部刺激に対する細胞性応答が挙げられるが、これらに限定
されない。意図される実施形態において、抗AMFXモノクローナル抗体を使用
するAMFXポリペプチドの首尾良い標的化は、腫瘍増殖、ならびに他のAMF
X関連疾患およびAMFX関連障害に対して阻害効果を有すると予想される。こ
の治療剤は、例えば、AMFX核酸、AMFXポリペプチド、またはAMFX特
異的抗体、またはそれらの生物学的に活性な誘導体もしくはフラグメントであり
得る。
【0014】 本発明はさらに、障害または症候群の調節因子についてスクリーニングするた
めの方法を包含し、このような障害または症候群としては、例えば、細胞シグナ
ルプロセシング、細胞接着または細胞移動経路調節に関する障害が挙げられ、こ
れらとしては、化学物質抵抗性、放射線療法抵抗性、栄養因子制限二次組織部位
微小環境における生存、結合組織障害、組織再構築、腫瘍形成、乳癌、卵巣癌、
子宮頸部癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳
の癌、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織再構築、炎症、血餅の形成
および吸収、造血、新脈管形成、有機アニオン輸送体に関連する多剤耐性、悪性
疾患の進行、細胞増殖の自己分泌調節および細胞増殖のパラクリン調節、外部刺
激に対する細胞性応答が挙げられるが、これらに限定されない。この方法は、A
MFXポリペプチドと試験化合物を接触させる工程、およびその試験化合物がそ
のAMFXポリペプチドに結合するか否かを決定する工程を包含する。このAM
FXポリペプチドへのこの試験化合物の結合は、この試験化合物が、上述の障害
または症候群の活性の調節因子であるか、または上述の障害または症候群の潜伏
もしくはその障害または症候群に対する素因の調節因子であることを示す。1つ
の実施形態において、この試験化合物は抗AMFX抗体である。
【0015】 また、本発明の範囲内にあるのは、障害もしくは症候群の活性の調節因子、あ
るいは障害または症候群の潜伏もしくは障害または症候群に対する素因の調節因
子についてスクリーニングするための方法であり、この方法は、以下の障害また
は症候群について危険が増加した試験動物に試験化合物を投与することにより、
そしてこの障害または症候群としては、例えば、細胞シグナルプロセシング、細
胞接着または細胞移動経路調節に関する障害が挙げられ、これらとしては、化学
物質抵抗性、放射線療法抵抗性、栄養因子制限二次組織部位微小環境における生
存、結合組織障害、組織再構築、腫瘍形成、乳癌、卵巣癌、子宮頸部癌、前立腺
癌、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳の癌、および軟部組
織の癌、細胞形質転換、発生組織再構築、炎症、血餅の形成および吸収、造血、
新脈管形成、有機アニオン輸送体に関連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増
殖の自己分泌調節および細胞増殖のパラクリン調節、外部刺激に対する細胞性応
答が挙げられるが、これらに限定されない。この試験動物は、AMFX核酸によ
りコードされる組換えポリペプチドを発現する。その後、AMFXポリペプチド
の発現または活性が、この試験動物において測定され、同様に、AMFXポリペ
プチドを組換え発現しそしてこの障害または症候群について危険が増加していな
い、コントロール動物におけるこのタンパク質の発現または活性も、測定される
。ついで、この試験動物およびこのコントロール動物の両方におけるAFMXポ
リペプチドの発現が、比較される。このコントロール動物に対するこの試験動物
におけるAMFXポリペプチドの活性における変化は、この試験化合物が、この
障害または症候群の潜伏の調節因子であることを示す。
【0016】 なお別の局面において、本発明は、被験体(例えば、ヒト被験体)におけるA
MFXポリペプチド、AMFX核酸、またはその両方のレベルの変化に関連する
疾患の存在、あるいはその疾患に対する素因を決定するための方法を包含する。
この方法は、この被験体由来の試験サンプルにおけるAMFXポリペプチドの量
を測定する工程、およびこの試験サンプル中のこのポリペプチドの量をコントロ
ールサンプル中に存在するこのAMFXポリペプチドの量と比較する工程を包含
する。このコントロールサンプルに対して比較した場合のこの試験サンプル中の
このAMFXポリペプチドのレベルの変化が、その被験体における疾患の存在ま
たはその疾患に対する素因を示す。好ましくは、この素因としては、例えば、細
胞シグナルプロセシング、細胞接着または細胞移動経路調節に関する障害が挙げ
られ、これらとしては、化学物質抵抗性、放射線療法抵抗性、栄養因子制限二次
組織部位微小環境における生存、結合組織障害、組織再構築、腫瘍形成、乳癌、
卵巣癌、子宮頸部癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎
臓癌、脳の癌、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織再構築、炎症、血
餅の形成および吸収、造血、新脈管形成、有機アニオン輸送体に関連する多剤耐
性、悪性疾患の進行、細胞増殖の自己分泌調節および細胞増殖のパラクリン調節
、外部刺激に対する細胞性応答が挙げられるが、これらに限定されない。また、
本発明の新規なポリペプチドの発現レベルは、種々の癌についてスクリーニング
するため、および癌の段階を決定するための、方法において使用され得る。
【0017】 さらなる局面において、本発明は、哺乳動物における障害に関連する病理学的
状態を、処置または予防する方法を包含し、この方法は、この被験体に、AMF
Xポリペプチド、AMFX核酸、またはAMFX特異的抗体を、被験体(例えば
、ヒト被験体)に、その病理学的状態を軽減または予防するに十分な量で投与す
る工程による。好ましい実施形態において、この障害としては、例えば、細胞シ
グナルプロセシング、細胞接着または細胞移動経路調節に関する障害が挙げられ
、例えば、化学物質抵抗性、放射線療法抵抗性、栄養因子制限二次組織部位微小
環境における生存、結合組織障害、組織再構築、腫瘍形成、乳癌、卵巣癌、子宮
頸部癌、前立腺癌、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳の癌
、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織再構築、炎症、血餅の形成およ
び吸収、造血、新脈管形成、有機アニオン輸送体に関連する多剤耐性、悪性疾患
の進行、細胞増殖の自己分泌調節および細胞増殖のパラクリン調節、外部刺激に
対する細胞性応答が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】 なお別の局面において、本発明は、本発明の細胞性レセプターおよび下流エフ
ェクターを同定するための方法において使用され得、この方法は、当該分野で一
般に使用される多数の技術のうちのいずれか1つによる。これらとしては、ツー
ハイブリッドシステム、アフィニティー精製、抗体または他の特異的相互作用分
子との共沈が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】 他のように規定されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語およ
び科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有
する。本明細書中に記載されるのと類似または等価な方法および材料が、本発明
の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料が、以下に記
載される。本明細書中に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他
の参考文献が、その全体が参考として援用される。矛盾する場合、本明細書(定
義を含む)が支配する。さらに、この材料、方法、および実施例は、単なる例示
に過ぎず、そして限定的であることは意図されない。
【0020】 本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から
明らかである。
【0021】 (詳細な説明) 本発明は、新規なポリペプチドをコードする新規な核酸配列の発見に、部分的
に基づく。これらの新規な核酸およびそのコードされるポリペプチドは、個々に
、AMF1、AMF2、AMF3、AMF4、AMF5、AMF6、AMF7、
AMF8、AMF9およびAMF10と呼ばれる。これらの核酸、およびそのコ
ードされるポリペプチドは、本明細書中でまとめて、「AMFX」と称される。
【0022】 本発明の新規なAMFX核酸は、配列が表1A、2A、3A、4A、5A、6
A、7A、8A、9A,および10Aに提供される核酸、またはそのフラグメン
ト、誘導体、アナログ、もしくはホモログを包含する。本発明の新規なAMFX
タンパク質は、配列が、表1B、2B、3B、4B、5B、6B、7B、8B、
8A、9Aおよび10Aに提供されるタンパク質フラグメントを包含する。個々
のAMFX核酸およびAMFXタンパク質は、以下に記載される。本発明の範囲
内にあるのは、細胞シグナルプロセシング、細胞接着または移動経路調節に関連
する障害の処置もしくは予防において、これらの核酸およびペプチドを使用する
方法である。
【0023】 (AMF−1(登録番号14209510.0.216とも呼ばれる) 新規なAMF1は、フィブリリン様タンパク質である。このAMF1クローン
は、本明細書中で登録番号14209510.0.216と代替的に呼ばれる。
1852ヌクレオチドのAMF1核酸(配列番号1)が、表1Aに示される。こ
のAMF1オープンリーディングフレーム(「ORF」)は、ヌクレオチド20
8〜210で始まる。このAMF1 ORFは、ヌクレオチド1699〜170
1のTGAコドンで終わる。1つの実施形態において、このAMF1ポリペプチ
ドは、C末端フラグメントであり、ここで、このAMF1 ORFが表1Aに示
されるN末端を超えて伸長すること、すなわち、実線の下線により区別された配
列は、後に成熟全長mRNAが形成された場合にスプライシングで排除されるイ
ントロン配列であることが、意図される。別の実施形態において、このAMF1 ORFは、配列番号1の472位〜474位のインフレームのATG開始コド
ンで始まる。この別の実施形態において、その5’UT配列(実線の下線および
破線の下線により区別される)は、このATGまで伸長する。表1Aに示される
ように、推定5’イントロン領域(または、5’非翻訳領域)、および終止コド
ンに対して3’側の推定非翻訳領域に下線が付され、そしてその推定開始コドン
および終止コドンが、太字で示される。
【0024】 (表1A.AMF1ヌクレオチド配列(配列番号1))
【0025】
【表1A】 その497アミノ酸AMF1タンパク質(配列番号2)が、表1Bに示される
。別の実施形態において、このAMF1 ORFは、配列番号2の89位のメチ
オニンをコードする、インフレームの最初のATGで始まり、このメチオニンは
、表1Bにおいて太字および下線で示される。
【0026】 (表1B.AMF1アミノ酸配列(配列番号2))
【0027】
【表1B】 公の核酸配列データベースの分析において、例えば、このAMF1核酸配列が
、表1Cに示されるMus musculusフィブリリン2(fbn2)遺伝
子の完全cds(GenBank登録番号L39790)(配列番号61)と2
38塩基のうち194塩基(81%)が同一である238塩基のフラグメントと
、197塩基のうち156塩基(79%)が同一である197塩基のフラグメン
トとを有することが、見出された。本明細書中のすべてのBLASTアライメン
トにおいて、「E−Value」または「Expect」値は、整列された配列
が、検索されたデータベースにおいて、BLAST問い合わせ配列に対するその
類似性を偶然のみで達成し得た確率の数的指標である。例えば、表1Cにおいて
示されるように、AMF1 BLAST分析から検索された対象(「Sbjct
」)、この場合はMus musculusフィブリリン2(fbn2)遺伝子
の完全cdsが、問い合わせAMF1配列と全く偶然に一致した確率が、第1の
フラグメントについて9×1026分の1(すなわち、確率9×10−26)で
あり、第2のフラグメントについて7×10分の1である。
【0028】 (表1C:Mus fbn2(配列番号61および62)に対するAMF1の
BLAST)
【0029】
【表1C】 さらに、このAMF1核酸配列は、表1bにおけるBlastNの結果に示さ
れるように他の核酸に対して強い相同性を有する。
【0030】 (表1D.AMF1のBLASTNアライメントデータ)
【0031】
【表1D】 BLAST検索を、公のタンパク質データベースに対して実施した。表1Eに
示されるように、このAMF1タンパク質は、492アミノ酸残基長のHomo sapiens膜貫通プロテアーゼ、セリン2(ec 3.4.21.−.)
(配列番号63)と、349アミノ酸残基中同一な137残基(39%)および
349アミノ酸残基中ポジティブな200残基(57%)を有する。
【0032】 (表1E.TMS2(配列番号63)に対するAMF1のBLASTP)
【0033】
【表1E】 AMF1はまた、表1FにおけるBLASTPアライメントデータに示される
ように多数の他のアミノ酸配列に対して高い相同性を有する。
【0034】 (表1F.AMF1についてのBLASTP分析の結果)
【0035】
【表1F】 AMF1ならびに他のAMFXタンパク質における同定可能なドメインの存在
は、ソフトウェアアルゴリズム(例えば、PROSITE、DOMAIN、Bl
ocks、Pfam、ProDomain、およびPrints)を使用する検
索によって、およびその後、そのドメインの一致(または数)をInterpr
oウェブサイト(http:www.ebi.ac.uk/interpro)
を使用して交差することによりInterpro数を決定することによって、決
定され得る。その後、DOMAIN結果が、Reverse Position
Specific BLAST分析を用いてConserved Domai
n Database(CDD)から収集され得る。このBLAST分析ソフト
ウェアは、SmartおよびPfamのコレクションにおいて見出されたドメイ
ンをサンプリングする。
【0036】 AMFX RNAについての発現情報は、組織供給源を使用して誘導した。こ
の供給源としては、実施例において記載されるような、占有データベース供給源
、公のEST供給源、文献供給源、おおび/またはRACE供給源が、挙げられ
るが、これらに限定されない。AMF1は、少なくとも以下の組織において発現
される:結腸癌由来細胞株、胃癌由来細胞株および卵巣癌由来細胞株。AMF1
は、腫瘍胎児性表現型を示す胎児腎臓および肺においてもまた、強力に発現され
る。
【0037】 AMF1の核酸およびタンパク質は、種々のAMF関連病態および/または障
害に関連する可能な治療適用において有用である。例えば、フィブリリン様タン
パク質をコードするcDNAは、遺伝子治療に有用であり得、そしてフィブリリ
ン様タンパク質は、それを必要とする被験体に投与された場合に有用であり得る
。AMF1タンパク質またはそのフラグメントをコードする新規な核酸は、診断
適用においてさらに有用であり得、ここで、この核酸またはタンパク質の存在ま
たは量が評価される。これらの材料は、治療方法または診断方法における使用の
ための、本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに
有用である。
【0038】 AMFX核酸およびタンパク質は、以下に記載の種々の疾患および障害ならび
に/または他の病態に関連する可能な診断適用および治療適用において有用であ
る。例えば、本発明の組成物は、結腸癌、胃癌および卵巣癌、ならびに他の疾患
、障害および状態などに罹患している患者の処置に対する効力を有する。非限定
的な例として、本発明の組成物は、結腸癌、胃癌および卵巣癌に罹患している患
者の処置に対する効力を有する。さらなるAMF関連疾患および障害は、本明細
書中を通して記載される。
【0039】 さらに、AMF1についてのタンパク質類似性の情報、発現パターンおよびマ
ップ位置は、AMF1が、AMFファミリーに特徴的な重要な構造的および/ま
たは生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタン
パク質は、可能な診断適用および治療適用において、ならびに研究ツールとして
有用である。これらには、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マ
ーカーおよび/または予後マーカーとしての作用(ここで、この核酸またはタン
パク質の存在または量が評価される)、ならびに以下のような可能な治療適用が
挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗
体標的(治療的、診断的、薬物標的化/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療
(遺伝子送達/遺伝子除去)において有用な核酸、ならびに(v)インビトロお
よびインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御武器(bio
logical defense weapon)。
【0040】 これらの材料は、治療方法または診断方法における使用のための、新規AMF
1物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。これらの
抗体は、以下の「抗AMFX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートか
らの予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。種々の実施
形態において、考えられるAMF1エピトープは、疎水性プロットまたは親水性
プロットを生成する当該分野で周知のソフトウェアプログラムによって予測され
るような、AMF1ポリペプチドの親水性領域である。
【0041】 (AMF−2(登録番号20421338とも呼ばれる)) 新規AMF2は、ネフリン(nephrin)様タンパク質である。このAM
F2クローンはまた、本明細書中で登録番号20421338と呼ばれる。37
9ヌクレオチドのAMF2核酸(配列番号3)を、表2Aに示す。1つの実施形
態において、このAMF2構築物は、より長い遺伝子の内部フラグメントであり
、このORFは、表2Aおよび2Bに示されるN末端およびC末端を超えて伸長
すると考えられる。表2Aに示されるように、第1位で開始する最初のコードト
リプレットを、太字で示す。
【0042】 表2A.AMF2ヌクレオチド配列(配列番号3)
【0043】
【表2A】 126アミノ酸(配列番号4)のコードされるAMF2タンパク質(配列番号
4)を、表2Bに示す。
【0044】 表2B.AMF2アミノ酸配列(配列番号4)
【0045】
【表2B】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF2核酸配列は、
表2Cに示されるように、神経細胞接着分子1、大アイソフォーム前駆体(Ne
ural Cell Adhesion Molecule 1,Large
Isoform Precursor)に弱く類似する、Homo sapie
ns cDNA FLJ12646 fis、クローンNT2RM400198
7(GenBank登録番号AK022708)(配列番号64)に対する16
3塩基中162塩基(99%)の同一性を有することが見出された。
【0046】 表2C.NT2RM4001987(配列番号64)に対するAMF2のBL
ASTNアライメント
【0047】
【表2C】 BLASTP検索を、公的なタンパク質データベースに対して行った。表2D
に示されるように、AMF2タンパク質は、1011アミノ酸残基長のDros
ophila melanogaster(ショウジョウバエ)ニューロムスク
リン(neuromusculin)(登録番号Q24273)(配列番号65
)に対する、120アミノ酸残基中36アミノ酸残基(30%)の同一性を有し
、そして120残基中54残基(45%)の陽性を有する。
【0048】 表2D.ニューロムスクリン(配列番号65)に対するAMF2のBLAST
【0049】
【表2D】 AMF2はまた、862アミノ酸のタンパク質Mus musculus(マ
ウス)B細胞レセプターCD22前駆体(leu−14)(Bリンパ球細胞接着
分子)(bl−cam)(登録番号P35329)(配列番号66)に対する高
い相同性(114アミノ酸中30アミノ酸(26%)の同一性および114アミ
ノ酸中59アミノ酸(51%)の陽性)を有する(表2E)。
【0050】 表2E.CD22(配列番号66)に対するAMF2のBLASTP
【0051】
【表2E】 AMF2はまた、表2FのBLASTPアライメントデータに示される他のア
ミノ酸配列に対して高い相同性を有する。
【0052】 表2F.AMF2のBLASTPアライメント
【0053】
【表2F】 AMF1、ならびに他の全てのAMFXタンパク質における識別可能なドメイ
ンの存在は、ソフトウェアアルゴリズム(例えば、PROSITE、DOMAI
N、Blocks、Pfam、ProDomainおよびPrints)を使用
する検索、次いでInterproウェブサイト(http:www.ebi.
ac.uk/interpro)を使用してドメイン適合(または数)をクロス
する(crossing)ことによるInterpro数の決定によって、決定
され得る。次いで、DOMAINの結果を、Reverse Position
Specific BLAST分析を用いてConserved Domai
n Database(CDD)から収集し得る。このBLAST分析ソフトウ
ェアは、SmartおよびPfamコレクションに見出されるドメインをサンプ
ルする。
【0054】 AMF2 RNAの発現情報は、実施例に記載されるように、組織供給源(専
有のデータベース供給源、公的なEST供給源、文献供給源、および/またはR
ACE供給源を含むが、これらに限定されない)を使用して導き出され得た。A
MF2は、少なくとも以下の組織において発現される:胎児腎臓、腎細胞癌から
誘導されるいくつかの細胞株。これはまた、脳腫瘍および黒色腫由来細胞株にお
いて上方制御される。
【0055】 AMF1の核酸およびタンパク質は、種々のAMF関連病態および/または障
害に関連する可能な治療適用において有用である。例えば、ネフリン様タンパク
質をコードするcDNAは、遺伝子治療に有用であり得、そしてネフリン様タン
パク質は、それを必要とする被験体に投与された場合に有用であり得る。AMF
2タンパク質またはそのフラグメントをコードする新規な核酸は、診断適用にお
いてさらに有用であり得、ここで、この核酸またはタンパク質の存在または量が
評価される。これらの材料は、治療方法または診断方法における使用のための、
本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用であ
る。
【0056】 AMF2核酸およびタンパク質は、以下に記載の種々の疾患および障害ならび
に/または他の病態に関連する可能な診断適用および治療適用において有用であ
る。例えば、本発明の組成物は、腎細胞癌、脳腫瘍、黒色腫、Finnish型
の先天性の腎炎症候群、ならびに他の疾患、障害および状態などに罹患している
患者の処置に対する効力を有する。非限定的な例として、本発明の組成物は、腎
細胞癌、脳腫瘍、黒色腫、Finnish型の先天性の腎炎症候群に罹患してい
る患者の処置に対する効力を有する。さらなるAMF2関連疾患および障害は、
本明細書中を通して記載される。
【0057】 さらに、AMF2についてのタンパク質類似性の情報、発現パターンおよびマ
ップ位置は、AMF2が、AMFファミリーに特徴的な重要な構造的および/ま
たは生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタン
パク質は、可能な診断適用および治療適用において、ならびに研究ツールとして
有用である。これらには、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マ
ーカーおよび/または予後マーカーとしての作用(ここで、この核酸またはタン
パク質の存在または量が評価される)、ならびに以下のような可能な治療適用が
挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗
体標的(治療的、診断的、薬物標的化/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療
(遺伝子送達/遺伝子除去)において有用な核酸、ならびに(v)インビトロお
よびインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御武器(bio
logical defense weapon)。
【0058】 これらの材料は、治療方法または診断方法における使用のための新規AMF2
物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。これらの抗
体は、以下の「抗AMFX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートから
の予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。種々の実施形
態において、考えられるAMF2エピトープは、疎水性プロットまたは親水性プ
ロットを生成する当該分野で周知のソフトウェアプログラムによって予測される
ような、AMF2ポリペプチドの親水性領域である。
【0059】 (AMF−3(登録番号27251385とも呼ばれる)) 新規AMF3は、この遺伝子に関連するフィブリリン様タンパク質である。こ
のAMF3クローンはまた、本明細書中で登録番号27251385と呼ばれる
。3374ヌクレオチドのAMF3核酸(配列番号5)を、表3Aに示す。AM
F3のオープンリーディングフレーム(「ORF」)は、ヌクレオチド3〜5で
開始する。このAMF3 ORFは、ヌクレオチド3357〜3359のTAG
コドンで終結する。AMF3は、C末端フラグメントであるようであり、従って
、このORFが、その示されるN末端を超えて伸長すると考えられる。表3Aに
示されるように、開始コドンの5’側および終止コドンの3’側の推定非翻訳領
域に下線を付し、そして最初のコードトリプレットおよび終止コドンを、太字で
示す。
【0060】 表3A.AMF3ヌクレオチド配列(配列番号5)
【0061】
【表3A】 1118アミノ酸(配列番号6)のコードされるAMF3タンパク質(配列番
号6)を、表3Bに示す。
【0062】 表3B.AMF3アミノ酸配列(配列番号6)
【0063】
【表3B】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF3核酸配列のフ
ラグメントは、表3Cに示される、Homo sapiens cDNA FL
J20029 fis、クローンADSE02022(GenBank登録番号
AK000036)(配列番号67)に対する134塩基中134塩基(100
%)の同一性を有することが見出された。
【0064】 表3C.FLJ20029(配列番号67)に対するAMF3のBLASTN
【0065】
【表3C】 さらに、AMF3核酸配列は、表3DのBLASTNアライメントデータに示
されように、他の核酸配列に対して高い相同性を有する。
【0066】 表3D.AMF3のBLASTNアライメント結果
【0067】
【表3D】 BLASTP検索を、公的なタンパク質データベースに対して行った。表3E
に示されるように、AMF3タンパク質は、2911アミノ酸残基長のHomo
sapiens(ヒト)フィブリリン2前駆体(登録番号P35556)(配
列番号68)に対する、1178アミノ酸残基中766アミノ酸残基(65%)
の同一性を有し、そして1178アミノ酸残基中913アミノ酸残基(77%)
の陽性を有する。
【0068】 表3E.FBN2(配列番号68)に対するAMF3のBLASTP
【0069】
【表3E】 AMF3はまた、表3FのBLASTPアライメントデータに示されるように
、他のアミノ酸配列に対して高い相同性を有する。
【0070】 表3F.AMF3のBLASTPアライメント結果
【0071】
【表3F】 AMF3、ならびに他の全てのAMFXタンパク質における識別可能なドメイ
ンの存在は、ソフトウェアアルゴリズム(例えば、PROSITE、DOMAI
N、Blocks、Pfam、ProDomainおよびPrints)を使用
する検索、次いでInterproウェブサイト(http:www.ebi.
ac.uk/interpro)を使用してドメイン適合(または数)をクロス
する(crossing)ことによるInterpro数の決定によって、決定
され得る。次いで、DOMAINの結果を、Reverse Position
Specific BLAST分析を用いてConserved Domai
n Database(CDD)から収集し得る。このBLAST分析ソフトウ
ェアは、SmartおよびPfamコレクションに見出されるドメインをサンプ
ルする。
【0072】 AMFX RNAの発現情報は、実施例に記載されるように、組織供給源(専
有のデータベース供給源、公的なEST供給源、文献供給源、および/またはR
ACE供給源を含むが、これらに限定されない)を使用して導き出され得た。A
MF3は、少なくとも以下の組織において発現される:結腸癌および胃癌。最も
高い発現は、肺癌細胞株であり、そしてこれは、胎児肺における発現と相関し、
腫瘍胎児性表現型を示す。
【0073】 AMF3の核酸およびタンパク質は、種々のAMF関連病態および/または障
害に関連する可能な治療適用において有用である。例えば、フィブリリン様タン
パク質をコードするcDNAは、遺伝子治療に有用であり得、そしてフィブリリ
ン様タンパク質は、それを必要とする被験体に投与された場合に有用であり得る
。AMF3タンパク質またはそのフラグメントをコードする新規な核酸は、診断
適用においてさらに有用であり得、ここで、この核酸またはタンパク質の存在ま
たは量が評価される。これらの材料は、治療方法または診断方法における使用の
ための、本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに
有用である。
【0074】 AMF3核酸およびタンパク質は、以下に記載の種々の疾患および障害ならび
に/または他の病態に関連する可能な診断適用および治療適用において有用であ
る。例えば、本発明の組成物は、マルファン症候群、先天性拘縮クモ指症、マル
ファン様体型、家族性腺腫様ポリポーシス、ならびに他の疾患、障害および状態
などに罹患している患者の処置に対する効力を有する。非限定的な例として、本
発明の組成物は、マルファン症候群、先天性拘縮クモ指症、マルファン様体型、
家族性腺腫様ポリポーシスに罹患している患者の処置に対する効力を有する。さ
らなるAMF3関連疾患および障害は、本明細書中を通して記載される。
【0075】 さらに、AMF3についてのタンパク質類似性の情報、発現パターンおよびマ
ップ位置は、AMF3が、AMFファミリーに特徴的な重要な構造的および/ま
たは生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタン
パク質は、可能な診断適用および治療適用において、ならびに研究ツールとして
有用である。これらには、特異的または選択的な核酸またはタンパク質の診断マ
ーカーおよび/または予後マーカーとしての作用(ここで、この核酸またはタン
パク質の存在または量が評価される)、ならびに以下のような可能な治療適用が
挙げられる:(i)タンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗
体標的(治療的、診断的、薬物標的化/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療
(遺伝子送達/遺伝子除去)において有用な核酸、ならびに(v)インビトロお
よびインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御武器(bio
logical defense weapon)。
【0076】 これらの材料は、治療方法または診断方法における使用のための新規AMF3
物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。これらの抗
体は、以下の「抗AMFX抗体」の節に記載されるような、疎水性チャートから
の予測を使用して、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。種々の実施形
態において、考えられるAMF3エピトープは、疎水性プロットまたは親水性プ
ロットを生成する当該分野で周知のソフトウェアプログラムによって予測される
ような、AMF3ポリペプチドの親水性領域である。
【0077】 (AMF−4(登録番号27486474とも言及される)) 新規なAMF4は、プラスミノゲン様タンパク質である。AMF4クローンは
、本明細書中において代替的に、登録番号27486474とも言及される。4
39ヌクレオチドのAMF4核酸を、表4Aに示す。AMF4のオープンリーデ
ィングフレーム(「ORF」)は、2〜5位で開始する。AMF4 ORFは、
ヌクレオチド93〜95位のTAAコドンで終結する。表4Aに示されるように
、停止コドンに対して3’側の推定非翻訳領域に下線を付し、そして停止コドン
を太字とする。AMF4は、ATG開始部位では開始しない。従って、AMF4
は、C末端コードフラグメントである可能性が最も高い。AMF4 ORFは、
その核酸の5’方向(配列番号7)およびそのポリペプチドのN末端方向(配列
番号8)に伸長することが意図される。
【0078】
【表4A】 コードされるAMF4ポリペプチド(配列番号8)を、表4Bにおいて、一文
字アミノ酸コードを用いて示す。
【0079】
【表4B】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF4核酸配列は、
表4Cに示されるようにセリンプロテアーゼ(GenBank登録番号AB03
8159)(配列番号69)に対して、420個中418個(99%)の同一な
塩基を有することが見出された。本明細書中のすべてのBLASTアラインメン
トにおいて、「E値(E−value)」または「期待(Expect)」値は
、検索されたデータベース内において、整列された配列が、偶然によってのみB
LAST照会配列に対してその類似性を達成し得た確率の数値表示である。例え
ば、表4Cに示されるように、AMF4 BLAST分析から検索された対象(
「Sbjct」)(この場合、セリンプロテアーゼ遺伝子/タンパク質)が、純
粋に偶然によって照会(Query)AMF4配列に一致した確率は0(E値
0.0)である。
【0080】
【表4C】 関連する核酸配列についてのさらなるBLASTN情報を、表4Dに示す。
【0081】
【表4D】 BLASTP検索を、公的なタンパク質データベースに対して実施した。この
比較からの結果を、表4Eに示す。
【0082】
【表4E】 例えば、表4Fに示されるように、AMF4タンパク質は、ブタ由来の790
アミノ酸残基長のプラスミノゲン(登録番号P06867)(配列番号70)に
対して81個中48個(59%)の同一なアミノ酸残基を有し、そして81個中
60個(73%)の陽性残基を有する。
【0083】
【表4F】 さらに、表4Gに示されるように、AMF4タンパク質は、812アミノ酸残
基長のウシプラスミノゲン前駆体(登録番号No.P06868)(配列番号7
1)に対して82個中47個(57%)の同一なアミノ酸残基を有し、そして8
2個中58個(70%)の陽性残基を有する。
【0084】
【表4G】 AMF4および他のすべてのAMFXタンパク質における同一性証明可能な(
identifiable)ドメインの存在は、PROSITE、DOMAIN
、Blocks、Pfam、ProDomain、およびPrintsのような
ソフトウェアアルゴリズムを使用して検索し、次いで、Interproウェブ
サイト(http:www.ebi.ac.uk/interpro)を使用し
て、ドメインマッチ(すなわち、数)を掛け合わせる(cross)ことによっ
てInterpro数を決定することによって決定され得る。次いで、DOMA
INの結果を、Reverse Position Specific BLA
ST分析を使用して、Conserved Domain Database(
CDD)から収集し得る。このBLAST分析ソフトウェアサンプルドメインが
、SmartおよびPfamコレクションにおいて見出された。このDOMAI
N配列アラインメントについて、完全に保存された単一残基を、黒色の陰影を付
けることによって示し、そして「強く」半保存された残基を、灰色によって示す
。「強い」保存されたアミノ酸残基の群は、以下のアミノ酸群のいずれか1つで
あり得る:STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MI
LF、HY、FYW。AMF4は、トリプシン様セリンプロテアーゼドメイン(
Smart|Tryp_SPc,E=2e−21)およびトリプシンドメイン(
Pfam00089,E=2e−14)のコンセンサス配列と、良好な相同性を
示す。トリプシン様セリンプロテアーゼドメイン(配列番号72)(「コンセン
サス(「Consensus」)」と表示)とのアラインメントを、表4Hに示
す。
【0085】
【表4H】 トリプシン様セリンプロテアーゼドメインは、限られたタンパク質分解の間に
切断されてその活性形態を生成する、不活性な前駆体チモーゲンとして合成され
る多くのものを含む、大きなタンパク質ファミリーに存在する。
【0086】 AMF4は、プラスミノゲンに対する類似性を有する。プラスミンは、血餅の
フィブリンを溶解し、そして胚発生、組織の再モデリング、腫瘍浸潤および炎症
を含む種々の他のプロセスにおいて、タンパク質分解性因子として作用する;排
卵において、プラスミノゲンは、グラーフ卵胞壁を弱める。これは、ウロキナー
ゼ型プラスミノゲン活性化因子、コラーゲナーゼおよびいくつかの補体チモーゲ
ン(例えば、c1およびc5)を活性化する。これは、フィブリン、フィブロネ
クチン、トロンボスポンジン、ラミニンおよびフォン・ビルブラント因子を切断
する。
【0087】 プラスミノゲンは、プラスミンが形成される循環中の血液の中のチモーゲンで
ある。プラスミノゲンは、790アミノ酸残基を有する単鎖糖タンパク質である
。ウロキナーゼ(Online Mendelian Inheritance
in Man(「OMIM」)登録番号191840)による、活性形態(プ
ラスミン)への活性化は、残基560と561との間のArg−Val結合での
切断を包含し、これは、2つのジスルフィド結合によって共に保持された2本鎖
プラスミン分子の形成を生じる。より重い方の鎖は、約411残基を含み、そし
てより軽い方の鎖は、約233残基を含む。プラスミンの主な機能は、血餅中の
フィブリンの消化である。プラスミンは、トリプシンに類似した特異性を有する
タンパク質分解性酵素である。トリプシンと同様に、プラスミンは、セリンプロ
テアーゼのファミリーに属し、ここで、活性部位の触媒の三つ組み(activ
e site catalytic triad)であるHis−57,Asp−1
02,およびSer−195(キモトリプシンでの番号付け)は、軽鎖に存在す
る。
【0088】 プラスミノゲン活性化系は、一貫して癌に関連付けられている一経路である。
癌に対するその関連性は、腫瘍の進行を規定する分子機構の全てではなくとも、
多くに対して根本的となる、癌患者において生じる出血症状発現の多くを担うこ
とから示される。固形悪性腫瘍の管外遊出および管内遊出は、局所的なタンパク
質分解および腫瘍細胞の移動による、基底膜および細胞外マトリクスの成分への
腫瘍細胞の付着によって制御される。腫瘍関連セリンプロテアーゼプラスミン、
その活性化因子uPA(ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子)、レセプタ
ーuPA−R(CD87)、ならびにインヒビターPAI−1およびPAI−2
が、癌の浸潤および転移に関連するという、強力な臨床的証拠および実験的証拠
が蓄積された。癌において、uPA、uPA−Rおよび/またはPAI−1が増
加することは、腫瘍の進行、ならびに悪性固形腫瘍に罹患した患者における無疾
患状態(disease−free)および/または全体的生存の短縮と関連付
けられる。uPAおよび/またはそのインヒビターであるPAI−1は、これま
でに記載された中で最強の予後判定マーカーの1つであるように思われる。疾患
再発および全体的生存を予測するための強力な予後判定価値は、乳癌、卵巣癌、
子宮頸癌、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳の癌、および
軟組織の癌を有する患者について証明された。原発性癌組織におけるuPAおよ
び/またはPAI−1値の上昇と、癌細胞の腫瘍浸潤/転移能力との間の強い相
関に起因して、タンパク質分解性因子を治療のための標的として選択した。
【0089】 ルイス肺癌からの転移の抑制を媒介した新規な新脈管形成インヒビターが単離
され、そしてインヒビターアンギオスタチン(angiostatin)と命名
された。例えば、O’Reillyら,1994 Cell 79 :315−
328を参照のこと。アンギオスタチンは、プラスミノゲンの38kDの内部フ
ラグメントであり、これは、プラスミノゲンの少なくとも3個のクリングルを含
む。アンギオスタチンの組換えフラグメントは、インビトロにおいて阻害活性を
示す。例えば、Caoら,1996 J Clin.Invest.101:1
055−1063を参照のこと。アンギオスタチンは、いくつかのヒト前立腺癌
細胞株によって産生されるセリンプロテアーゼによる、プラスミノゲンのタンパ
ク質分解性切断によって産生される。例えば、Gatelyら,1996 Ca
ncer Res.56:4887−4890を参照のこと。マウスアンギオス
タチンをコードするcDNAをマウスT241線維肉腫細胞中に遺伝子移入する
ことによる、腫瘍新脈管形成の平衡のシフトは、インビボにおいて、原発性腫瘍
増殖および転移性腫瘍増殖を抑制する。例えば、Caoら,1998 J.Cl
in.Invest.101:1055−1063を参照のこと。C57B16
/Jマウスにおいてマウスアンギオスタチンを発現する安定なクローンの完成は
、原発性腫瘍増殖を平均して77%阻害した。原発性腫瘍を取り除いた後、約7
0%のマウスにおいて肺の微小転移巣は、2〜5ヶ月間にわたり顕微鏡的に休眠
かつ無血管の状態のままであった。休眠状態の微小転移巣における腫瘍細胞は、
高い増殖率によって平衡を保たれた高い割合のアポトーシスを示した。これらの
研究によって、原発性腫瘍除去後の肺転移増殖の減少が示された。このことは、
転移が、新脈管形成を停止することによって自己阻害性であることを示唆する。
このデータはまた、特定の新脈管形成インヒビターを用いる抗新脈管形成遺伝子
療法による、癌治療についての新規なアプローチを提供し得る。アンギオスタチ
ンにより誘導される肺転移の長期休眠状態は、ヒトでの14〜15年間に相当す
る(マウスの1日間が、ヒトでの約35日間に相当する場合)。
【0090】 uPA(ウロキナーゼ)のようなプラスミノゲン活性化因子に呼応したAMF
4の過剰発現は、潜在的に、腫瘍細胞の浸潤および移動を刺激し得る。あるいは
、AMF4は、プラスミノゲンをアンギオスタチンへと切断するプロテアーゼに
類似する未同定のセリンプロテアーゼの基質として作用し得る。この様式におい
て、腫瘍細胞は、この重要な抗新脈管形成因子の産生を制限し得る。
【0091】 AMF4の治療的標的化は、腫瘍細胞の浸潤/運動性および転移の程度を制限
またはブロックすると予測される。潜在的に、AMF4の治療的標的化は、アン
ギオスタチンまたは抗新脈管形成活性を有する類似の分子の産生に有利なように
平衡をシフトし得る。
【0092】 AMFX RNAについての発現情報は、実施例に記載のように、専有のデー
タベース供給源、公的なEST供給源、文献の供給源および/またはRACE供
給源が挙げられるが、これらに限定されない組織供給源を使用して導き出された
【0093】 AMF4の核酸およびタンパク質は、種々のAMFに関連した病理および/ま
たは障害に関連付けられる潜在的な治療的適用において有用である。例えば、ト
リプシン様セリンプロテアーゼタンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療
において有用であり得、そしてトリプシン様セリンプロテアーゼタンパク質は、
トリプシン様セリンプロテアーゼタンパク質を必要とする被験体に投与される場
合に有用であり得る。AMF4タンパク質をコードする新規な核酸またはそのフ
ラグメントはさらに、診断的適用において有用であり得る。この診断的適用では
、この核酸またはこのタンパク質の存在または量を評価する。これらの物質はさ
らに、治療方法または診断方法において使用するための、本発明の新規な物質に
対して免疫特異的に結合する抗体の産生において有用である。
【0094】 AMFXの核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害
および/または他の病理に関連付けられる潜在的な診断的適用および治療的適用
において有用である。例えば、本発明の組成物は、癌、血液凝固障害ならびに他
の疾患、障害および状態などに罹患している患者の処置に対する効力を有する。
制限することのない例として、本発明の組成物は、癌、血液凝固障害に罹患して
いる患者の処置に対する効力を有する。AMFに関連したさらなる疾患および障
害は、本明細書全体を通して言及される。
【0095】 さらに、AMF4についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマ
ップ位置は、AMF4が、トリプシン様セリンプロテアーゼファミリーに特徴的
な重要な構造的および/または生理的機能を有し得ることを示唆する。従って、
本発明の核酸およびタンパク質は、潜在的な診断的適用および治療的適用におい
て有用であり、ならびに研究用ツールとして有用である。これらは、特異的また
は選択的な核酸またはタンパク質の診断用マーカーおよび/または予後判定マー
カーとして供されることを包含し、ここでは、この核酸またはこのタンパク質の
存在または量を評価する。ならびにこれらは、以下のような潜在的な治療的適用
を包含する:(i)タンパク質治療、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体
標的(治療的、診断的、薬物標的化/細胞傷害性抗体)、(iv)遺伝子治療に
有用な核酸(遺伝子送達/遺伝子消失(ablation))、ならびに(v)
インビトロおよびインビボでの組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防
御兵器。
【0096】 これらの物質はさらに、治療方法または診断方法において使用するための、新
規なAMF4物質に対して免疫特異的に結合する抗体の産生において有用である
。これらの抗体は、以下の「抗AMFX抗体」の節に記載のように、疎水性チャ
ートからの予測を使用して、当該分野において公知の方法に従って産生され得る
。種々の実施形態において、意図されるAMF4エピトープは、疎水性プロット
または親水性プロットを作成する当該分野で周知のソフトウェアプログラムによ
って予測されるような、AMF4ポリペプチドの親水性領域である。
【0097】 (AMF5(登録番号29691387とも言及される)) 新規なAMF5は、有機アニオン輸送ペプチド様タンパク質(「OTAP」)
タンパク質である。AMF5クローンは、本明細書中において代替的に、登録番
号29691387とも言及される。2646ヌクレオチドのAMF5核酸を、
表5Aに示す。AMF5のオープンリーディングフレーム(「ORF」)は3〜
5位で開始する。AMF5は、内部フラグメントであるようである。従って、こ
のORFは、表5Aおよび5Bに示されるN末端およびC末端を超えて伸長し得
ることが意図される。表5Aに示されるように、最初のコードトリプレットは、
太字である。
【0098】
【表5A】 コードされるAMF5タンパク質(配列番号10)は、表5Bに示される13
6アミノ酸のタンパク質である。
【0099】
【表5B】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF5核酸配列は、
表5Cに示されるように有機アニオン輸送体8(SLC21A8遺伝子)につい
てのHomo sapiens mRNA(GenBank登録番号AJ251
506)(配列番号73)に対して、374個中363個(97%)同一な塩基
を有することが見出された。
【0100】
【表5C】 さらに、AMF5核酸配列は、他の核酸配列に対して高い相同性を有する。こ
のBLASTNアラインメントデータを、表5Dに示す。
【0101】
【表5D】 BLASTP検索を、公的なタンパク質データベースに対して実施した。表5
Eに示されるように、AMF5タンパク質は、691アミノ酸残基長のHomo
sapiens(ヒト)肝臓特異的有機アニオン輸送体(有機アニオン輸送体
ポリペプチド2)(oatp2)(登録番号)(配列番号74)に対して136
個中119個(87%)の同一なアミノ酸残基を有し、そして136個中125
個(91%)の陽性残基を有する。
【0102】
【表5E】 AMF5のアミノ酸配列はまた、表5FにおけるBLASTPアラインメント
データに示されるようなアミノ酸配列に対して高い相同性を有する。
【0103】
【表5F】 AMF5および他のすべてのAMFXタンパク質における同一性証明可能な(
identifiable)ドメインの存在は、PROSITE、DOMAIN
、Blocks、Pfam、ProDomain、およびPrintsのような
ソフトウェアアルゴリズムを使用して検索し、次いで、Interproウェブ
サイト(http:www.ebi.ac.uk/interpro)を使用し
て、ドメインマッチ(すなわち、数)を掛け合わせる(cross)ことによっ
てInterpro数を決定することによって決定され得る。DOMAINの結
果を、次いで、Reverse Position Specific BLA
ST分析を使用して、Conserved Domain Database(
CDD)から収集し得る。このBLAST分析ソフトウェアサンプルドメインが
、SmartおよびPfamコレクションにおいて見出された。
【0104】 AMFX RNAについての発現情報は、実施例に記載のように、専有のデー
タベース供給源、公的なEST供給源、文献の供給源および/またはRACE供
給源が挙げられるが、これらに限定されない組織供給源を使用して導き出された
。AMF5は、少なくとも以下の組織において発現される:肝臓、脳、肺、腎臓
、および精巣。さらなる転写物もまた観察された。OATPの肝臓外発現は、経
上皮有機アニオン輸送におけるOATPの一般的役割を示唆すると本発明者らは
明言する。
【0105】 AMF5の核酸およびタンパク質は、種々のAMFに関連した病理および/ま
たは障害に関連付けられる潜在的な治療的適用において有用である。例えば、有
機アニオン輸送ペプチド様タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療にお
いて有用であり得、そして有機アニオン輸送ペプチド様タンパク質は、有機アニ
オン輸送ペプチド様タンパク質を必要とする被験体に投与される場合に有用であ
り得る。AMF5タンパク質をコードする新規な核酸またはそのフラグメントは
さらに、診断的適用において有用であり得る。この診断的適用では、この核酸ま
たはこのタンパク質の存在または量を評価する。これらの物質はさらに、治療方
法または診断方法において使用するための、本発明の新規な物質に対して免疫特
異的に結合する抗体の産生において有用である。
【0106】 AMFX核酸およびAMFXタンパク質は、下記の種々の疾患および障害、な
らびに/または他の病状に関与する、可能性のある診断適用および治療適用にお
いて有用である。例えば、本発明の組成物は、以下:結腸腺癌、小細胞肺癌、卵
巣癌、前立腺癌および神経膠腫、ならびに他の疾患、障害および状態など、を罹
患する患者の処置のための有効性を有する。非限定的な例として、本発明の組成
物は、結腸腺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌および神経膠腫に罹患する患者
の処置のための有効性を有する。さらなるAMF関連疾患および障害が本明細書
を通じて言及される。
【0107】 さらに、AMF5についてのタンパク質の類似性情報、発現パターン、および
マッピング配置は、AMF5が、AMFファミリーに特徴的な重要な構造的およ
び/または生理学的な機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸お
よびタンパク質は、可能性のある診断および治療の適用において、そして検索ツ
ールとして有用である。これらは、特異的、または選択的な核酸またはタンパク
質の診断および/または予測マーカーとしての働き(ここで、この核酸またはタ
ンパク質の存在または量が、評価されるべきである)、ならびに以下:(i)タ
ンパク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診
断抗体、薬物標的化抗体/細胞毒性抗体)、(iv)遺伝子治療(遺伝子送達/
遺伝子アブレーション)において有用な核酸、ならびに(v)インビトロおよび
インビボにおいて組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御武器、のよ
うな可能性のある治療適用を含む。
【0108】 これらの物質はさらに、治療方法または診断方法における使用のための、新規
なAMF5物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これら
の抗体は、下記の「抗−AMFX抗体」の節に記載のような、疎水性チャートか
らの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。種々の実施形
態において、考慮されるAMF5エピトープは、疎水性または親水性プロットを
作成する当該分野で周知のソフトウェアプログラムによって予想されるように、
AMF5ポリペプチドの親水性領域である。
【0109】 (AMF−6(Acc.番号38905521とも呼ばれる)) 新規なAMF6は、MEGF関連タンパク質である。AMF6クローンは、本
明細書において、あるいはAcc.番号38905521と呼ばれる。332ヌ
クレオチドのAMF6核酸(配列番号11)を表6Aに示す。AMF6のオープ
ンリーディングフレーム(「ORF」)は、ヌクレオチド3〜5で開始する。A
MF6 ORFは、ヌクレオチド318〜320で終わる。AMF5は、内部フ
ラグメントであるらしく、そのためORFはN末端およびC末端を越えて伸びる
ことが考えられる。表6Aに示すように、5’から開始コドンへ、および3’か
ら終止コドンへの、推定の非翻訳領域には下線を付しており、そして開始コドン
および終止コドンは太字にしている。
【0110】 表6A.AMF6ヌクレオチド配列(配列番号11)
【0111】
【表6A】 コードされたAMF6タンパク質(配列番号12)は、表6Bに示される、1
06アミノ酸のタンパク質である。
【0112】 表6B.AMF6アミノ酸配列(配列番号12)
【0113】
【表6B】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF6核酸配列が、
表6Cに示される、MEGF6、完全cds(GenBank Acc.番号A
B011532)(配列番号75および76)について、Rattus nor
vegicus mRNAに対して、179塩基のうち154塩基(86%)同
一である1つのフラグメント、および91塩基のうち79塩基(86%)同一で
ある第二のフラグメントを有することが、見出された。
【0114】 表6C.MEGF6 mRNA(配列番号75および76)に対するAMF6
のBLASTN
【0115】
【表6C】 BLASTP検索を公的なタンパク質データベースに対して実施した。表6D
に示すように、AMF6タンパク質は、1574アミノ酸残基長のRattus
norvegicus(ラット).megf6(Acc.No.O88281
)(配列番号77)に対して、107アミノ酸残基のうち89塩基(83%)同
一性を有し、そして107残基のうち95塩基(88%)陽性である。
【0116】 表6D.MEGF6(配列番号77)に対するAMF6aのBLASTP
【0117】
【表6D】 AMF6における同定可能なドメイン、および他の全てのAMFXタンパク質
の存在は、PROSITE、DOMAIN、Blocks,Pfam、ProD
omain、およびPrintsのようなソフトウェアアルゴリズムを用いる検
索によって、次いでInterpro website(http://www
.ebi.ac.uk/interpro)を用いてドメインメッチ(または数
)を掛け合わせることによりInterpro数を決定することによって決定さ
れ得る。次いで、DOMAINの結果を、Reverse Position
Specific BLAST分析を用いた保存ドメインデータベース(Con
served Domain Database)(CDD)から収集し得る。
このBLAST分析ソフトウェアサンプルドメインは、SmartおよびPfa
m収集において見出される。
【0118】 AMFX RNAについての発現情報は、実施例に記載のような、以下:独自
データベースソース、公的ESTソース、文献ソース、および/またはRACE
ソースを含むがこれに限定されない組織供給源を用いて得られた。AMF6は、
ラット脳のいくつかの領域で発現される。
【0119】 AMF6の核酸およびタンパク質は、種々のAMF関連病理および/または障
害に関与する、可能性のある治療適用において有用である。例えば、MEGF様
タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり得、そして
MEGF様タンパク質は、その治療の必要な被験体に投与された場合に有用であ
り得る。この新規な、AMF6タンパク質をコードする核酸、またはそのフラグ
メントは、診断適用においてさらに有用であり得る。ここでこの核酸またはタン
パク質の存在または量が評価されるべきである。これらの物質は、治療方法また
は診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗
体の生成においてさらに有用である。
【0120】 AMFX核酸およびタンパク質は、下記の種々の疾患および障害、ならびに/
または他の病状に関連する、可能性のある診断適用および治療適用において有用
である。例えば、本発明の組成物は、以下:胃癌および腎細胞癌、乳癌および卵
巣癌、ならびに類似の他の疾患、障害および状態などに罹患する患者の処置に有
効性を有する。非限定的な例として、本発明の組成物は、胃癌および腎細胞癌、
乳癌および卵巣癌に罹患する患者の処置に有効性を有する。さらなるAMF−関
連疾患および障害が本明細書を通じて言及されている。
【0121】 さらに、AMF6についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマ
ッピング位置は、AMF6が、AMFファミリーの特徴的な重要な構造的および
/または生理学的な機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およ
びタンパク質は、可能性のある診断および治療の適用において、そして検索ツー
ルとして有用である。これらは、特異的、または選択的な核酸またはタンパク質
の診断および/または予測マーカーとしての働き(ここで、この核酸またはタン
パク質の存在または量が、評価されるべきである)、ならびに以下:(i)タン
パク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断
抗体、薬物標的化抗体/細胞毒性抗体)、(iv)遺伝子治療(遺伝子送達/遺
伝子アブレーション)において有用な核酸、ならびに(v)インビトロおよびイ
ンビボにおいて組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御武器、のよう
な可能性のある治療適用を含む。
【0122】 これらの物質はさらに、治療方法または診断方法における使用のための、新規
なAMF6物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これら
の抗体は、下記の「抗−AMFX抗体」の節に記載のような、疎水性チャートか
らの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。種々の実施形
態において、考慮されるAMF6エピトープは、疎水性または親水性プロットを
作成する当該分野で周知のソフトウェアプログラムによって予想されるように、
AMF6ポリペプチドの親水性領域である。
【0123】 (AMF−7(Acc.番号4194093とも呼ばれる)) 新規なAMF7は、インターロイキン−11−様(「IL−11」)タンパク
質である。AMF7クローンは、本明細書において、あるいはAcc.番号41
94093と呼ばれる。1332ヌクレオチドのAMF7核酸(配列番号13)
を表7Aに示す。AMF7のオープンリーディングフレーム(「ORF」)は、
ヌクレオチド2〜4で開始する。AMF7のORFは、ヌクレオチド1307〜
1309のTGAコドンで終わる。AMF7は、C末端フラグメントであるらし
く、そのためORFはN末端を越えて伸びることが考えられる。表7Aに示すよ
うに、5’から開始コドンへ、および3’から終止コドンへの、推定の非翻訳領
域には下線を付しており、そして最初のコードトリプレットおよび終止コドンは
太字にしている。
【0124】 表7A.AMF7ヌクレオチド配列(配列番号13)
【0125】
【表7A】 コードされたAMF7タンパク質(配列番号14)は、表7Bに示される、4
35アミノ酸のタンパク質である。
【0126】 表7B.AMF7アミノ酸配列(配列番号14)
【0127】
【表7B】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF7核酸配列のフ
ラグメントが、表7Cに示される、Homo sapiens cDNA FL
J13909 fis、クローンY79AA1000065(GenBank
Acc.番号AK023971)(配列番号78)に対して、1300塩基のう
ち1299塩基(99%)同一であることが、見出された。
【0128】 表7C.cDNA FLJ13909(配列番号78)に対するAMF7のB
LASTN
【0129】
【表7C】 BLASTP検索を公的なタンパク質データベースに対して実施した。表7D
に示すように、AMF7タンパク質は、1151アミノ酸残基長のGallus
gallus(ニワトリ)高分子量核抗原(フラグメント)(Acc.No.
O57580)(配列番号79)に対して、332アミノ酸残基のうち78(2
3%)同一であり、そして332残基のうち113塩基(34%)陽性である。
【0130】 表7D.ニワトリHMMNA(配列番号79)に対するAMF7のBLAST
【0131】
【表7D】 AMF7はまた、表7Eに示される、インターロイキン−11前駆体(IL−
11)(Adipogenesis Inhibitor Y Factor)
(AGIF)(GenBank Acc.No.P20809)(配列番号80
)と16%同一であり、21%陽性である。
【0132】 (表7E.IL−11前駆体(配列番号80)に対するAMF7のBLAST
P)
【0133】
【表7E】 AMF7における同定可能なドメイン、および他の全てのAMFXタンパク質
の存在は、PROSITE、DOMAIN、Blocks,Pfam、ProD
omain、およびPrintsのようなソフトウェアアルゴリズムを用いる検
索によって、次いでInterpro website(http://www
.ebi.ac.uk/interpro)を用いてドメインメッチ(または数
)を掛け合わせることによりInterpro数を決定することによって決定さ
れ得る。次いで、DOMAINの結果を、Reverse Position
Specific BLAST分析を用いた保存ドメインデータベース(Con
served Domain Database)(CDD)から収集し得る。
このBLAST分析ソフトウェアサンプルドメインは、SmartおよびPfa
m収集において見出される。
【0134】 AMFX RNAについての発現情報は、実施例に記載のような、以下:独自
データベースソース、公的ESTソース、文献ソース、および/またはRACE
ソースを含むがこれに限定されない組織供給源を用いて得られた。AMF7は、
少なくとも以下の組織:結腸、卵巣、肺、腎および脳の癌において発現される。
肺および腎の癌細胞株における発現は、癌胎児性表現型を示す、胎児組織におけ
る発現と関連する。
【0135】 AMF7の核酸およびタンパク質は、種々のAMF関連病理および/または障
害に関与する、可能性のある治療適用において有用である。例えば、IL−11
様タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり得、そし
てIL−11様タンパク質は、その治療の必要な被験体に投与された場合に有用
であり得る。この新規な、AMF7タンパク質をコードする核酸、またはそのフ
ラグメントは、診断適用においてさらに有用であり得る。ここでこの核酸または
タンパク質の存在または量が評価されるべきである。これらの物質は、治療方法
または診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合す
る抗体の生成においてさらに有用である。
【0136】 AMFX核酸およびタンパク質は、下記の種々の疾患および障害、ならびに/
または他の病状に関連する、可能性のある診断適用および治療適用において有用
である。例えば、本発明の組成物は、以下:造血前駆細胞の増殖および血小板成
熟に関する疾患、肺癌および腎癌、ならびに類似の他の疾患、障害および状態な
どに罹患する患者の処置に有効性を有する。非限定的な例として、本発明の組成
物は、造血前駆細胞の増殖および血小板成熟に関する疾患、肺癌および腎癌に罹
患する患者の処置に有効性を有する。さらなるAMF−関連疾患および障害が本
明細書を通じて言及されている。
【0137】 さらに、AMF7についてのタンパク質類似性情報、発現パターン、およびマ
ッピング位置は、AMF7が、AMFファミリーの特徴的な重要な構造的および
/または生理学的な機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およ
びタンパク質は、可能性のある診断および治療の適用において、そして検索ツー
ルとして有用である。これらは、特異的、または選択的な核酸またはタンパク質
の診断および/または予測マーカーとしての働き(ここで、この核酸またはタン
パク質の存在または量が、評価されるべきである)、ならびに以下:(i)タン
パク質治療剤、(ii)低分子薬物標的、(iii)抗体標的(治療抗体、診断
抗体、薬物標的化抗体/細胞毒性抗体)、(iv)遺伝子治療(遺伝子送達/遺
伝子アブレーション)において有用な核酸、ならびに(v)インビトロおよびイ
ンビボにおいて組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的防御武器、のよう
な可能性のある治療適用を含む。
【0138】 これらの物質はさらに、治療方法または診断方法における使用のための、新規
なAMF7物質に免疫特異的に結合する抗体の生成において有用である。これら
の抗体は、下記の「抗−AMFX抗体」の節に記載のような、疎水性チャートか
らの予測を用いて、当該分野で公知の方法に従って生成され得る。種々の実施形
態において、考慮されるAMF7エピトープは、疎水性または親水性プロットを
作成する当該分野で周知のソフトウェアプログラムによって予想されるように、
AMF7ポリペプチドの親水性領域である。
【0139】 (AMF−8(Acc.番号AC01136_Aとも呼ばれる)) AMF1は、新規なプレイトロフィン様ポリペプチド(pleitrophi
n−like polypeptide)である。AMF1クローンは、本明細
書において、あるいはAcc.番号AC01136_Aと呼ばれる。510ヌク
レオチドのAMF1核酸(配列番号15)を表8Aに示す。AMF1のオープン
リーディングフレーム(「ORF」)(配列番号16)は、ヌクレオチド1で開
始する。AMF1のORFは、ヌクレオチド510〜513のTAAコドンで終
わる。AMF1タンパク質は、分泌タンパク質であると予想された。
【0140】 表8A.AMF−8 DNA(配列番号15)およびポリペプチド(配列番号
16)
【0141】
【表8A】 AMF−8関連核酸配列についてのBLASTN情報を表8Bに示す。
【0142】 表8B.AMF8についてのBLASTN分析結果
【0143】
【表8B】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF1核酸配列が、
表8Cに示される、ヒト神経成長因子(GenBank Acc.番号M573
99)(配列番号81)に対して、541塩基のうち541塩基(100%)同
一であることが、見出された。本明細書における全てのBLAST整列において
、「E−値」すなわち「期待値」は、確率の数値であり、この整列した配列は、
検索されたデータベース内で、単に偶然によってBLAST問い合わせ配列に対
してその類似性を達成した。例えば、表8Bに示されるように、AMF1 BL
AST分析から取り出された対象(「Subject」)が、(この場合、ヒト
神経成長因子遺伝子)、純粋に偶然に問い合わせAMF1配列に適合した確率は
、0.0の期待値で示されるように、ゼロである。
【0144】 (表8C.ヒトNGF(配列番号81)に対するAMF1のBLASTN)
【0145】
【表8C】 BLASTP検索を、公的なタンパク質データベースについて実施した。この
比較からの結果を表8Dに示す。
【0146】 (表8D.AMF8についてのBLASTP分析の結果)
【0147】
【表8D】 例えば、表8Eに示されるように、AMF8タンパク質は、216アミノ酸残
基長のヒト線維芽細胞増殖因子(Acc.No.095750)(配列番号82
)に対して、143アミノ酸残基のうち57個(39%)が同一であり、143
残基のうちの79個(54%)がポジティブである。
【0148】 (表8E.ヒトFGF(配列番号82)に対するAMF1のBLASTP)
【0149】
【表8E】 AMFX RNAについての発現情報を、実施例に記載されるように、以下を
含むがこれらに限定されない組織供給源を使用して誘導した:独自のデータベー
ス供給源、公的EST供給源、文献供給源および/またはRACE供給源。AM
F1は、少なくとも以下の組織、いくつかの脳腫瘍細胞株および胎児由来組織に
おいて発現される。AMF1の核酸およびタンパク質は、種々のAMFに関連す
る病状および/または障害に関連する潜在的な治療適用において有用である。例
えば、プレイオトロピン様タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療にお
いて有用であり得、そしてこのプレイオトロピン様タンパク質は、その必要のあ
る被検体に投与される場合に、有用であり得る。AMF1タンパク質をコードす
る新規な核酸、またはそのフラグメントは、診断適用において、さらに有用であ
り得、ここで、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの
物質は、治療方法または診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免
疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。
【0150】 AMFX核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害、
ならびに/または他の病状に関係した潜在的な診断適用および治療適用において
有用である。例えば、本発明の組成物は、癌および他の細胞増殖疾患を罹患する
患者の処置のための効力を有する。非限定的な例によって、本発明の組成物は、
癌および他の細胞増殖疾患を罹患する患者の処置のための効力を有する。さらな
るAMF関連疾患および障害が、本明細書を通して言及される。
【0151】 さらに、タンパク質類似性情報、発現パターンおよびAMF1に対するマップ
位置は、AMF1が、AMFファミリーに特徴的な重要な構造的機能および/ま
たは生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタン
パク質は、潜在的な診断適用および治療適用において有用であり、そして研究ツ
ールとして有用である。これらは、特定のまたは選択的核酸またはタンパク質の
診断マーカーおよび/または予後マーカーとして機能し、ここで、核酸またはタ
ンパク質の存在または量が評価され、そして以下のような潜在的な治療適用が、
評価される:(i)タンパク質治療剤、(ii)小分子薬物標的、(iii)抗
体標的(治療的、診断的、薬物標的化/細胞障害性抗体)、(iv)遺伝子治療
(遺伝子送達/遺伝子切断)において有用な核酸、および(v)インビトロおよ
びインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的な防御武器。
【0152】 これらの物質は、治療方法または診断方法において使用するための新規なAM
F1物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。これら
の抗体は、当該分野で公知の方法に従って、以下の「抗AMFX抗体」の節に記
載されるように、疎水性チャートからの予測を使用して、生成され得る。種々の
実施形態において、意図されたAMF1エピトープは、疎水性プロットまたは親
水性プロットを生成する、当該分野で周知のソフトウエアによって予測されるよ
うなAMF1ポリペプチドの親水性領域である。
【0153】 (AMF−9(これはまた、Acc.No.AL307658と称される)) AMF9は、新規なGPCR様ポリペプチドである。このAMF9クローンは
、あるいは、本明細書中でAcc.No.AL307658と称される。このA
MF9核酸(配列番号17)は、図9Aに示される。AMF9のオープンリーデ
ィングフレーム(「ORF」)(配列番号18)は、94アミノ酸タンパク質を
コードする。このAMF9ポリペプチドは、ネガティブなリーディングフレーム
にコードされる。以下に示されるこの配列は、予測されるNからCへの方向への
タンパク質のリーディングを可能にするように、逆方向で相補的であり、そして
再番号付けされた。
【0154】 (表9A:AMF−9 DNA(配列番号17)およびポリペプチド(配列番
号18))
【0155】
【表9A】 BLASTN分析は、以下の表9に示されるように、有意な相同性を生じなか
った。本明細書中の全てのBLAST配列において、「E値」または「期待値」
は、この整列された配列が、検索されたデータベース内で、偶然によって、BL
AST問い合わせ配列に対するそれらの類似性を達成し得る確率の数字的指標で
ある。
【0156】 (表9B:AMF9についてのBLASTN整列の結果)
【0157】
【表9B】 BLASTP検索を、公的タンパク質データベースについて実施した、この比
較からの結果を、表9Cに示す。表9Bおよび表9Cの両方において、全ての得
られたE値が0.001よりも大きいという事実によって示されるように、AM
F9に対する高度に有意な相同性を有するデータベースエントリーは、同定され
ず、すなわち、偶然によってAMF9問い合わせ配列に対する相同性を有する検
索された公的なデータベース内の少なくもと1つの対象配列は、1000に1つ
よりも頻繁である。
【0158】 (表9C:AMF9についてのBLASTP整列の結果)
【0159】
【表9C】 例えば、表9Dに示されるように、AMF9タンパク質は、346アミノ酸残
基長のラットガラニンレセプターI型(配列番号83)に対して、63アミノ酸
残基のうちの18(29%)が同一であり、63残基のうちの33(52%)が
ポジティブである。
【0160】 (表9D.ラットガラニンRセプター1型(配列番号83)に対するAMF9
のBLASTP)
【0161】
【表9D】 AMF9の核酸およびタンパク質は、種々のAMFに関連する病状および/ま
たは障害に関連する潜在的な治療適用において有用である。例えば、GPCR様
タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり得、そして
このGPCR様タンパク質は、その必要のある被検体に投与される場合に、有用
であり得る。AMF9タンパク質をコードする新規な核酸、またはそのフラグメ
ントは、診断適用において、さらに有用であり得、ここで、核酸またはタンパク
質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療方法または診断方法に
おける使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結合する抗体の生成にお
いてさらに有用である。
【0162】 AMFX核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害、
ならびに/または他の病状に関係した潜在的な診断適用および治療適用において
有用である。例えば、本発明の組成物は、癌および他の細胞増殖疾患を罹患する
患者の処置のための効力を有する。非限定的な例によって、本発明の組成物は、
癌および他の細胞増殖疾患を罹患する患者の処置のための効力を有する。さらな
るAMF関連疾患および障害が、本明細書を通して言及される。
【0163】 さらに、AMF9に対するタンパク質類似性情報、発現パターンおよびマップ
位置は、AMF9が、AMFファミリーに特徴的な重要な構造的機能および/ま
たは生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸およびタン
パク質は、潜在的な診断適用および治療適用において有用であり、そして研究ツ
ールとして有用である。これらは、特定のまたは選択的核酸またはタンパク質の
診断マーカーおよび/または予後マーカーとして機能し、ここで、核酸またはタ
ンパク質の存在または量が評価され、そして以下のような潜在的な治療適用が、
評価される:(i)タンパク質治療剤、(ii)小分子薬物標的、(iii)抗
体標的(治療的、診断的、薬物標的化/細胞障害性抗体)、(iv)遺伝子治療
(遺伝子送達/遺伝子切断)において有用な核酸、ならびに(v)インビトロお
よびインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的な防御武器。
【0164】 これらの物質は、治療方法または診断方法において使用するための新規なAM
F9物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。これら
の抗体は、当該分野で公知の方法に従って、以下の「抗AMFX抗体」の節に記
載されるように、疎水性チャートからの予測を使用して、生成され得る。種々の
実施形態において、意図されたAMF9エピトープは、疎水性プロットまたは親
水性プロットを生成する、当該分野で周知のソフトウエアによって予測されるよ
うなAMF9ポリペプチドの親水性領域である。
【0165】 (AMF−10(これはまた、Acc.No.G55707_Aと称される)
) AMF10は、新規な増殖/分化因子−6様ポリペプチドである。このAMF
10クローンは、あるいは、本明細書中でAcc.No.G55707_Aと称
される。1425ヌクレオチドのAMF10核酸(配列番号19)は、図9Aに
示される。AMF10のオープンリーディングフレーム(「ORF」)(配列番
号20)は、ヌクレオチド31で開始する。このAMF10のORFは、ヌクレ
オチド1396〜1398のTAGコドンで終結する。AMF10タンパク質は
、分泌タンパク質であることが予測される。このプログラムSignalPは、
アミノ酸22と23との間の最も可能性のある切断部位を有するシグナルペプチ
ドを予測する。AMF10ポリペプチドの推定分子量は、50677Daである
【0166】 (表10A:AMF−10 DNA(配列番号19)およびポリペプチド(配
列番号20))
【0167】
【表10A】 公的な核酸配列データベースの分析において、例えば、AMF10核酸配列は
、表10Bに示される雄ウシ軟骨由来形態形成タンパク質2(GenBank
Acc.No.BTU13661)(配列番号84)に対して95/98塩基(
96%)の同一性を有する。本明細書中の全てのBLAST配列において、「E
値」または「期待値」は、この整列された配列が、検索されたデータベース内で
、偶然によって、BLAST問い合わせ配列へのそれらの類似性を達成し得る確
率の数字的指標である。
【0168】 (表10B:CDMP2(配列番号84)に対するAMF10のBLASTN
【0169】
【表10B】 関連する核酸配列についてのさらなるBLASTN情報を、表10Cに示す。
【0170】
【表10C】 BLASTP検索を、公的タンパク質データベースについて実施した。この比
較からの結果を表10Dに示す。表10Dに示されるように、このAMF10タ
ンパク質は、436アミノ酸残基長の雄ウシ増殖および分化因子6前駆体(Ac
c.No.P55106)(配列番号85)に対して、435アミノ酸残基のう
ち354個(81%)と同一であり、435残基のうちの372個(85%)ポ
ジティブである。
【0171】 (表10D.GDF6前駆体(配列番号85)に対するAMF10のBLAS
TP)
【0172】
【表10D】 AMFX RNAについての発現情報を、以下を含むがこれらに限定されない
組織供給源から誘導した:実施例に記載されるような、独自のデータベース供給
源、公的EST供給源、文献供給源および/またはRACE供給源。AMF10
は、少なくとも、例えば、星状細胞および神経膠腫由来組織において発現される
。AMF10の核酸およびタンパク質は、種々のAMFに関連する病状および/
または障害に関連する潜在的な治療適用において有用である。例えば、増殖/分
化因子6様タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治療において有用であり
得、そしてこの増殖/分化因子6様タンパク質は、その必要のある被検体に投与
される場合に、有用であり得る。AMF10タンパク質をコードする新規な核酸
、またはそのフラグメントは、診断適用において、さらに有用であり得、ここで
、核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの物質は、治療
方法または診断方法における使用のための本発明の新規な物質に免疫特異的に結
合する抗体の生成においてさらに有用である。
【0173】 AMFX核酸およびタンパク質は、以下に記載される種々の疾患および障害、
ならびに/または他の病状に関係した潜在的な診断適用および治療適用において
有用である。例えば、本発明の組成物は、癌および他の細胞増殖疾患を罹患する
患者の処置のための効力を有する。非限定的な例によって、本発明の組成物は、
癌および他の細胞増殖疾患を罹患する患者の処置のための効力を有する。さらな
るAMF関連疾患および障害が、本明細書を通して言及される。
【0174】 さらに、タンパク質類似性情報、発現パターンおよびAMF10に対するマッ
プ位置は、AMF10が、AMFファミリーに特徴的な重要な構造的機能および
/または生理学的機能を有し得ることを示唆する。従って、本発明の核酸および
タンパク質は、潜在的な診断適用および治療適用において有用であり、そして研
究ツールとして有用である。これらは、特定のまたは選択的核酸またはタンパク
質の診断マーカーおよび/または予後マーカーとして機能し、ここで、核酸また
はタンパク質の存在または量が評価され、そして以下のような潜在的な治療適用
が、評価される:(i)タンパク質治療剤、(ii)小分子薬物標的、(iii
)抗体標的(治療的、診断的、薬物標的化/細胞障害性抗体)、(iv)遺伝子
治療(遺伝子送達/遺伝子切断)において有用な核酸、ならびに(v)インビト
ロおよびインビボで組織再生を促進する組成物、(vi)生物学的な防御武器。
【0175】 これらの物質は、治療方法または診断方法において使用するための新規なAM
F10物質に免疫特異的に結合する抗体の生成においてさらに有用である。これ
らの抗体は、当該分野で公知の方法に従って、以下の「抗AMFX抗体」の節に
記載されるように、疎水性チャートからの予測を使用して、生成され得る。種々
の実施形態において、意図されたAMF10エピトープは、疎水性プロットまた
は親水性プロットを生成する、当該分野で周知のソフトウエアによって予測され
るようなAMF10ポリペプチドの親水性領域である。
【0176】 (AMFX核酸およびポリペプチド) 本発明において開示される新規なAMFX核酸およびポリペプチド配列は、表
11に要約されるものを含む。
【0177】 (表11.AMFX配列および対応する配列番号)
【0178】
【表11】 本発明の1つの局面は、AMFXポリペプチドまたはその生物学的に活性な部
分をコードする単離された核酸分子に関する。また、本発明には、AMFX核酸
分子の増幅および/または変異のためのPCRプライマーとして使用するための
AMFXコード核酸(例えば、AMFX mRNA)およびフラグメントを同定
するためのハイブリダイゼーションプローブとしての使用のために十分な核酸分
子が含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「核酸分子」は、DNA分子
(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、
ヌクレオチドアナログを使用して生成されたDNAまたはRNAのアナログ、な
らびにこれらの誘導体、フラグメント、およびホモログを含むことが意図される
。この核酸分子は、単鎖または二重鎖であり得るが、好ましくは二重鎖DNAを
含む。
【0179】 AMFX核酸は、成熟AMFXポリペプチドをコードし得る。本明細書中で使
用される場合、本発明に開示されるポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形
態は、天然に存在するポリペプチドあるいは前駆体形態またはプロタンパク質の
産物である。天然に存在するポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質として
は、非制限例として、対応する遺伝子によってコードされる完全長遺伝子産物が
挙げられる。あるいは、本明細書中で記載されるORFによってコードされる、
ポリペプチド、前駆体またはプロタンパク質として規定され得る。産物「成熟」
形態は、さらに非制限例として、遺伝子産物が産生される細胞、または宿主細胞
中で発生し得る、1以上の天然に存在するプロセッシング工程の結果として発生
する。ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態に導くこのようなプロセッ
シング工程の例としては、ORFの開始コドンによってコードされる、N−末端
メチオニン残基の切断、またはシグナルペプチドもしくはリーダー配列のタンパ
ク分解性切断が挙げられる。従って、残基1〜N(ここで、残基1は、N−末端
メチオニンである)を有する、前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる
成熟形態は、N−末端メチオニンの除去後に残った残基2〜N末端を有する。あ
るいは、残基1〜Nを有する前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成
熟形態(ここで、残基1〜残基M由来のN末端シグナル配列が切断される)は、
残った残基M+1〜残基Nの残基を有する。本明細書中でさらに使用されるよう
に、ポリペプチドまたはタンパク質の「成熟」形態は、タンパク質分解性切断事
象以外の、翻訳後改変事象の工程から生じ得る。このようなさらなるプロセスと
しては、非制限例として、グリコシル化、ミリストイル化、またはリン酸化が挙
げられる。一般に、成熟ポリペプチドまたは成熟タンパク質は、これらのプロセ
スの1つのみの作用、またはそれらの任意の組み合わせから生じ得る。
【0180】 本明細書中で用いられる用語「プローブ」とは、種々の長さの核酸配列をいい
、好ましくは、特異的な使用に依存して、少なくとも約10ヌクレオチド(nt
)、100nt、または例えば、約6,000ntほどの大きさの間である。プ
ローブは、同一、類似または相補的な核酸配列の検出において使用される。より
長さの長いプローブは、通常、天然供給源または組換え供給源から入手され、非
常に特異的であり、そしてオリゴマーよりもはるかに遅くハイブリダイズする。
プローブは、一本鎖または二本鎖であり得、そしてまたPCR、膜ベースのハイ
ブリダイゼーション技術またはELISAのような技術において特異性を有する
ように設計され得る。
【0181】 本明細書中で用いられる用語「単離された」核酸分子は、この核酸の天然の供
給源中に存在するその他の核酸分子から分離されている核酸である。単離された
核酸分子の例としては、ベクター中に含まれる組換えDNA分子、異種宿主細胞
中に維持される組換えDNA分子、部分的または実質的に精製された核酸分子、
および合成DNAまたはRNA分子が挙げられるが、これらに限定されない。好
ましくは、「単離された」核酸は、この核酸が由来する生物のゲノムDNA中で
この核酸分子に天然に隣接する配列(すなわち、この核酸の5’末端および3’
末端に位置する配列)を含まない。例えば、種々の実施形態で、単離されたAM
FX核酸分子は、この核酸が由来する細胞のゲノムDNA中でこの核酸に天然で
隣接する、約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0
.1kb未満のヌクレオチド配列を含み得る。さらに、「単離された」核酸分子
、例えば、cDNA分子は、組換え技術により産生される場合、その他の細胞物
質または培養培地を実質的に含まないか、または化学的に合成される場合、化学
物質前駆体もしくはその他の化学物質を実質的に含まないものであり得る。
【0182】 本発明の核酸分子、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15
、17および19のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはこの上述のヌク
レオチド配列の任意の相補体は、標準的な分子生物学的技術および本明細書で提
供される配列情報を用いて単離され得る。ハイブリダイゼーションプローブとし
て、任意の配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17および19の
核酸配列の全部または一部を使用して、AMFX核酸配列は、標準的なハイブリ
ダイゼーションおよびクローニング技術(例えば、Sambrookら(編)、
MOLECULAR CLONING:A LABORATORYY MANU
AL第2版、Cold Spring Harbor Laboratory
Press、Cold Spring Harbor、NY、1989;および
Ausubelら、(編)、CURRENT PROTOCOLS IN MO
LECULAR BIOLOGY、John Wiley&Sons、New
York、NY、1993に記載される)を用いて単離され得る。
【0183】 本発明の核酸は、標準的なPCR増幅技術に従って、テンプレートとしてcD
NA、mRNAあるいはゲノムDNA、および適切なオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いて増幅され得る。このように増幅された核酸は、適切なベクター中に
クローン化され、そしてDNA配列分析により特徴付けられ得る。さらに、AM
FXヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準的な合成技術、例
えば、自動化DNA合成機を用いることにより調製され得る。
【0184】 本明細書中で用いられる用語「オリゴヌクレオチド」は、一連の連結されたヌ
クレオチド残基をいい、このオリゴヌクレオチドは、PCR反応で用いられる十
分多数のヌクレオチド塩基を有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配
列もしくはcDNA配列に基づき得るか、またはそれから設計され得、そして特
定の細胞もしくは組織において、同一、類似もしくは相補的DNAまたはRNA
を増幅し、確認し、もしくはその存在を示すために用いられる。オリゴヌクレオ
チドは、約10nt、50nt、または100ntの長さ、好ましくは約15n
t〜30ntの長さを有する核酸配列の部分を含む。1つの実施形態において、
100nt未満の長さの核酸分子を含むオリゴヌクレオチドは、さらに、任意の
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17および19の少なくとも
6個連続するヌクレオチド、またはその相補体を含む。オリゴヌクレオチドは、
化学的に合成され得、そしてまたプローブとして用いられ得る。
【0185】 別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、任意の配列番号1、3、
5、7、9、11、13、15、17および19に示されるヌクレオチド配列の
相補体である核酸分子を含む。さらに別の実施形態において、本発明の単離され
た核酸分子は、任意の配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17お
よび19に示されるヌクレオチド配列またはこのヌクレオチド配列の一部分の相
補体である核酸分子を含む。任意の配列番号1、3、5、7、9、11、13、
15、17および19に示されるヌクレオチド配列に相補的である核酸分子は、
任意の配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17および19に示さ
れるヌクレオチド配列に十分相補的である核酸分子であり、任意の配列番号1、
3、5、7、9、11、13、15、17および19に示される核酸配列に対し
ミスマッチがほとんどまたは全くなく水素結合し得、それによって安定な二本鎖
を形成する。
【0186】 本明細書中で用いる用語「相補的」は、核酸分子のヌクレオチド単位間のWa
tson−CrickまたはHoogsteen塩基対形成をいい、そして用語
「結合」は、2つのポリペプチドまたは化合物または関連ポリペプチドまたは化
合物またはその組合せ間の物理的または化学的相互作用を規定する。結合は、イ
オン性、非イオン性、ファンデルワールス性、疎水性相互作用などを含む。物理
的相互作用は直接的であるかまたは間接的であり得る。間接的相互作用は、別の
ポリペプチドまたは化合物の効果を介するか、または起因し得る。直接的結合は
、別のポリペプチドもしくは化合物の効果を介して、または起因して生じないが
、かわりにその他の実質的な化学的中間体がない相互作用をいう。
【0187】 本明細書中に提供されるフラグメントは、少なくとも6個の(連続する)核酸
配列または少なくとも4個の(連続する)アミノ酸配列(それぞれ、核酸の場合
には、特異的なハイブリダイゼーションを可能にし、またはアミノ酸の場合には
、エピトープの特異的な認識を可能にするに十分な長さ)として規定され、そし
て全長配列未満のせいぜいいくらかの部分である。フラグメントは、選択された
核酸配列またはアミノ酸配列の任意の連続する部分に由来し得る。誘導体は、直
接的にかまたは改変もしくは部分的置換によってかのいずれかでネイティブな化
合物から形成される核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、ネイティ
ブな化合物に類似する構造を有する(しかし、同一ではない)が、特定の成分ま
たは側鎖に関してそれとは異なる核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログ
は、合成物であり得るか、または進化的に異なる起源に由来し得、そして野生型
と比較して、類似の代謝活性または反対の代謝活性を有し得る。
【0188】 誘導体およびアナログは、以下に記載のように、誘導体またはアナログが、修
飾された核酸またはアミノ酸を含む場合、全長、または全長以外のものであり得
る。本発明の核酸またはタンパク質の誘導体またはアナログは、種々の実施形態
において、本発明の核酸もしくはタンパク質に、同一のサイズの核酸配列または
アミノ酸配列にわたって、または整列した配列に比較した場合(この整列は、当
該分野で公知であるコンピューター相同性プログラムによって実施される)、少
なくとも約70%、80%、もしくは95%もの同一性(好ましい同一性は、8
0〜95%)で実質的に相同であるか、あるいはそのコードする核酸がストリン
ジェントの、中程度にストリンジェントの、または低いストリンジェントの条件
下で上記のタンパク質をコードする配列の相補体にハイブリダイズし得る、領域
を含む分子を包含するが、これらに限定されない。例えば、Ausubelら、
CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLO
GY、John Wiley & Sons、New York、NY、199
3、および以下を参照のこと。
【0189】 本明細書中で用いる「相同な核酸配列」もしくは「相同なアミノ酸配列」、ま
たはその改変体とは、上記で考察したように、ヌクレオチドレベルまたはアミノ
酸レベルにおける相同性によって特徴付けられる配列をいう。相同なヌクレオチ
ド配列は、AMFXポリペプチドのアイソフォームをコードする配列をコードす
る。アイソフォームは、例えば、RNAの代替的スプライシングの結果として、
同一の生物の異なる組織において発現され得る。あるいは、アイソフォームは、
異なる遺伝子によってコードされ得る。本発明において、相同なヌクレオチド配
列は、ヒト以外の種(哺乳動物が挙げられるが、これに限定されず、従って、例
えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよび他の生物が挙げ
られ得る)のAMFXポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。相同
なヌクレオチド配列はまた、天然に存在する対立遺伝子改変体および本明細書に
記載されるヌクレオチド配列の変異体が挙げられるが、これらに限定されない。
しかし、相同的ヌクレオチド配列は、ヒトAMFXタンパク質をコードするヌク
レオチド配列を含まない。相同核酸配列は、任意の配列番号2、4、6、8、1
0、12、14、16、18、または20の保存的アミノ酸置換(以下を参照の
こと)、およびAMFX活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む
。AMFXタンパク質の生物学的活性は以下に記載されている。
【0190】 AMFXポリペプチドは、AMFX核酸のオープンリーディングフレーム(「
ORF」)によってコードされる。ORFは、潜在的にポリペプチドに翻訳され
得る核酸配列に対応する。ORFを含む核酸のストレッチは、終止コドンにより
中断されない。完全タンパク質のコード配列を示すORFは、ATG「開始」コ
ドンで始まり、そして3つの停止コドン、すなわち、TAA、TAG、またはT
GAの1つで停止する。本発明の目的には、ORFは、開始コドン、ストップコ
ドン、またはその両方をともなうか、またはそれらのないコード配列の任意の部
分であり得る。真実の細胞タンパク質をコードするための良好な候補として考慮
されるべきORFには、最小サイズの要求(例えば、50アミノ酸またはそれ以
上のタンパク質をコードするDNAのストレッチ)がしばしば設定される。
【0191】 ヒトAMFX遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、他の
細胞型(例えば、他の組織由来)におけるAMFXホモログ、ならびに他の哺乳
動物由来のAMFXホモログを同定および/またはクローニングする際の使用の
ために設計されるプローブおよびプライマーの作製を可能にする。このプローブ
/プライマーは、代表的には、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。
このオリゴヌクレオチドは、代表的には、配列番号1、3、5、7、9、11、
13、15、17もしくは19の少なくとも約12個、約25個、約50個、約
100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約350個また
は約400個以上の連続するセンス鎖ヌクレオチド配列;または配列番号1、3
、5、7、9、11、13、15、17もしくは19のアンチセンス鎖ヌクレオ
チド配列;あるいは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17もし
くは19の天然に存在する変異体に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするヌクレオチド配列の領域を含む。
【0192】 ヒトAMFXヌクレオチド配列に基づくプローブは、同じまたは相同なタンパ
ク質をコードする転写物またはゲノム配列を検出するために使用され得る。種々
の実施形態において、このプローブはさらに、プローブに付着した標識基を含み
、例えば、この標識基は放射性同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子で
あり得る。このようなプローブは、AMFXタンパク質を誤って発現する細胞ま
たは組織を同定するための診断試験キットの一部として、例えば、被験体由来の
細胞のサンプル中のAMFXをコードする核酸のレベルを測定すること(例えば
、AMFX mRNAレベルを検出すること、またはゲノムAMFX遺伝子が変
異しているかまたは欠失しているか否かを決定すること)によって使用され得る
【0193】 「AMFXポリペプチドの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」は、
本発明のポリペプチドの活性に類似するが必ずしも同一ではない活性を示すポリ
ペプチドをいい、用量依存性の有無に関わらず、特定の生物学的アッセイにおい
て測定されるような成熟形態を含む。「AMFXの生物学的に活性な部分」をコ
ードする核酸フラグメントは、AMFXの生物学的活性(AMFXタンパク質の
生物学的活性は、以下に記載される)を有するポリペプチドをコードする、配列
番号1、3、5、7、9、11、13、15、17もしくは19の一部を単離し
、AMFXタンパク質のコードされた部分を発現させ(例えば、インビトロでの
組換え発現によって)、そしてAMFXのコードされた部分の活性を評価するこ
とによって調製され得る。
【0194】 (AMFX核酸およびポリペプチド改変体) 本発明はさらに、遺伝コードの縮重に起因して、配列番号1、3、5、7、9
、11、13、15、17もしくは19に示されるヌクレオチド配列とは異なる
核酸分子を包含する。それにより、これらの核酸は、配列番号1、3、5、7、
9、11、13、15、17もしくは19に示されるヌクレオチド配列によって
コードされるタンパク質と同じAMFXタンパク質をコードする。別の実施形態
において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号2、4、6、8、10、1
2、14、16、18もしくは20に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質
をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0195】 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17もしくは19に示され
るヒトAMFXヌクレオチド配列に加えて、AMFXのアミノ酸配列における変
化を導くDNA配列多型は、集団(例えば、ヒト集団)内に存在し得ることが、
当業者によって理解される。AMFX遺伝子中のこのような遺伝的多型は、天然
の対立遺伝子のバリエーションに起因して、集団内の個体間に存在し得る。本明
細書中で使用される場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」は、AMFX
タンパク質、好ましくは哺乳動物のAMFXタンパク質をコードするオープンリ
ーディングフレーム(ORF)を含む核酸分子をいう。このような天然の対立遺
伝子のバリエーションは、代表的には、AMFX遺伝子のヌクレオチド配列にお
いて1〜5%の変動性を生じ得る。天然の対立遺伝子バリエーションの結果であ
り、そしてAMFXの機能的活性を変化させない、AMFX内の任意および全て
のこのようなヌクレオチドのバリエーションならびに得られるアミノ酸多型は、
本発明の範囲内であると意図される。
【0196】 さらに、他の種由来のAMFXタンパク質をコードし、従って、配列番号1、
3、5、7、9、11、13、15、17もしくは19のヒト配列とは異なるヌ
クレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内にあることが意図される。
本発明のAMFXのcDNAの天然の対立遺伝子改変体およびホモログに対応す
る核酸分子は、本明細書中に開示されるヒトAMFX核酸に対するその相同性に
基づいて、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、標準的なハイブ
リダイゼーション技術に従うハイブリダイゼーションプローブとしてヒトcDN
Aまたはその一部を用いて単離され得る。
【0197】 従って、別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、少なくとも6ヌ
クレオチド長であり、そしてストリンジェント条件下で配列番号1、3、5、7
、9、11、13、15、17もしくは19のヌクレオチド配列を含む核酸分子
にハイブリダイズする。別の実施形態では、この核酸は、少なくとも10、25
、50、100、250、500、750、1000、1500、または200
0以上のヌクレオチド長である。別の実施形態では、本発明の単離された核酸分
子は、コード領域にハイブリダイズする。本明細書中で用いられる場合、用語「
ストリンジェント条件下でハイブリダイズする」は、ハイブリダイゼーションお
よび洗浄に関して、互いに少なくとも60%相同なヌクレオチド配列が代表的に
は互いにハイブリダイズしたままである条件を記載することを意図する。
【0198】 ホモログ(すなわち、ヒト以外の種由来のAMFXタンパク質をコードする核
酸)または他の関連配列(例えば、パラログ(paralogs))は、特定の
ヒト配列の全てまたは一部をプローブとし、核酸ハイブリダイゼーションおよび
クローニングに関して当該分野で周知の方法を使用して、低い、中程度の、また
は高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションによって入手され得る。
【0199】 本明細書で用いられる場合、語句「ストリンジェントハイブリダイゼーション
条件」は、その条件下で、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが、
その標的配列にハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしない
条件をいう。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる状況で
異なる。より長い配列は、より短い配列より高い温度で特異的にハイブリダイズ
する。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHで
、特定の配列の熱融解点(T)より約5℃低いように選択される。このTmは
、標的配列に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイ
ズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下)温度である。標的配列
は一般に過剰で存在するので、Tmでは、50%のプローブが平衡状態で占有さ
れている。代表的には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩
濃度が約1.0Mナトリウムイオンより少なく、代表的には約0.01〜1.0
Mナトリウムイオン(またはその他の塩)、そして温度が短いプローブ、プライ
マーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10nt〜50nt)について少なく
とも約30℃、そしてより長いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチド
について少なくとも約60℃であるような条件である。ストリンジェントな条件
はまた、ホルムアミドのような、脱安定化剤の添加で達成され得る。
【0200】 ストリンジェント条件は、当業者に公知であり、そしてAusubelら(編
)、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIO
LOGY,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.
3.1−6.3.6に見出され得る。好ましくは、この条件は、互いに少なくと
も約65%、約70%、約75%、約85%、約90%、約95%、約98%ま
たは約99%相同な配列が、代表的には互いにハイブリダイズしたままであるよ
うな条件である。ストリンジェントハイブリダイゼーション条件の非限定的な例
は、6×SSC、50mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDT
A、0.02% PVP、0.02% Ficoll、0.02% BSA、お
よび500mg/ml変性サケ精子DNAを含む高塩緩衝液中での65℃でのハ
イブリダイゼーションである。このハイブリダイゼーションに、0.2×SSC
、0.01% BSA中での50℃での1回以上の洗浄が続く。ストリンジェン
ト条件下で配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17もしくは19
の配列にハイブリダイズする、本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する
核酸分子に対応する。本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」核酸分
子とは、天然に存在する(例えば、天然のタンパク質をコードする)ヌクレオチ
ド配列を有する、RNA分子またはDNA分子をいう。
【0201】 第2の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
もしくは19またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体のヌクレオ
チド配列を含む核酸分子に、中程度のストリンジェンシー条件下でハイブリダイ
ズし得る核酸配列が提供される。中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼー
ション条件の非限定的な例は、55℃での6×SSC、5×デンハルト溶液、0
.5% SDSおよび100mg/ml変性サケ精子DNA中でのハイブリダイ
ゼーション、続いて1×SSC、0.1% SDS中での37℃での1回以上の
洗浄である。用いられ得る中程度のストリンジェンシーの他の条件は、当該分野
で周知である。例えば、Ausubelら(編),1993,CURRENT
PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John
Wiley & Sons,NYおよびKriegler,1990,GENE
TRANSFER AND EXPRESSION,A LABORATOR
Y MANUAL,Stockton Press,NYを参照のこと。
【0202】 第3の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
もしくは19、またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導体のヌクレ
オチド配列を含む核酸分子に、低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし
得る核酸が提供される。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の非
限定的な例は、35%ホルムアミド、5×SSC、50 mM Tris−HC
l(pH7.5)、5mM EDTA、0.02% PVP、0.02% Fi
coll、0.2% BSA、100mg/mlの変性サケ精子DNA、10%
(重量/容量)デキストラン硫酸中での40℃でのハイブリダイゼーション、続
いて2×SSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5mM EDT
Aおよび0.1% SDS中での50℃での1回以上の洗浄である。用いられ得
る低ストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である(例えば、種交差
ハイブリダイゼーションについて用いられるように)。例えば、Ausubel
ら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN MOLEC
ULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,NYならび
にKriegler,1990,GENE TRANSFER AND EXP
RESSION,A LABORATORY MANUAL,Stockton
Press,NY;ShiloおよびWeinberg,1981,Proc
Natl Acad Sci USA 78:6789−6792を参照のこ
と。
【0203】 (保存的変異) 集団中に存在し得る、AMFX配列の天然に存在する対立遺伝子改変体に加え
て、当業者は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17もしくは
19のヌクレオチド配列への変異によって変化が導入され得、それによって、A
MFXタンパク質の機能的能力を変更することなく、コードされるAMFXタン
パク質のアミノ酸配列に変化がもたらされることをさらに理解する。例えば、「
非必須」アミノ酸残基にてアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド置換は、配列番
号1、3、5、7、9、11、13、15、17もしくは19の配列において行
われ得る。「非必須」アミノ酸残基は、生物学的活性を有意に変更することなく
、AMFXの野生型配列から、変更され得る残基であり、一方、「必須」アミノ
酸残基は、生物学的活性に必要とされる。例えば、本発明のAMFXタンパク質
の間で保存されているアミノ酸残基は、特に変更を受け入れ難いと予測される。
保存的置換が行われ得るためのアミノ酸は、当該分野で公知である。
【0204】 本発明の別の局面は、活性に必須ではないアミノ酸残基における変化を含む、
AMFXタンパク質をコードする核酸分子に関する。このようなAMFXタンパ
ク質は、アミノ酸配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、
18および20とは異なるが、生物学的活性をなお保持する。1つの実施形態で
は、単離された核酸分子は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、
ここで、このタンパク質は、それぞれ、配列番号2、4、6、8、10、12、
14、16、18もしくは20のアミノ酸配列に少なくとも約45%の相同性で
あるアミノ酸配列を含む。好ましくは、この核酸分子によってコードされるタン
パク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18もしくは2
0に少なくとも約60%相同性であり、より好ましくは配列番号2、4、6、8
、10、12、14、16、18もしくは20に少なくとも約80%相同性であ
り、さらにより好ましくは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16
、18もしくは20に少なくとも約90%相同性であり、そして最も好ましくは
、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18もしくは20に少な
くとも約95%相同性である。
【0205】 配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18もしくは20のタン
パク質に相同なAMFXタンパク質をコードする単離された核酸分子は、配列番
号2、4、6、8、10、12、14、16、18もしくは20のヌクレオチド
配列に1以上のヌクレオチドの置換、付加または欠失を導入することにより作製
され得、その結果、1以上のアミノ酸の置換,付加または欠失が、コードされる
タンパク質に導入される。
【0206】 変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)
によって配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18もしくは20
に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置換が、1以上の推定非必須アミ
ノ酸残基にて作製される。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側
鎖を有するアミノ酸残基で置換される、アミノ酸置換である。類似の側鎖を有す
るアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義されている。これらのファミリ
ーとしては、以下が挙げられる:塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン
、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アルパラギ
ン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、
アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非
極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖
を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族
側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン
、ヒスチジン)。従って、AMFX中の推定された非必須アミノ酸残基は、同じ
側鎖のファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形
態では、変異は、AMFXコード配列の全てまたは一部に沿って(例えば、飽和
変異誘発(saturation mutagenesis)によって)ランダ
ムに導入され得、そして得られる変異体は、AMFXの生物学的活性についてス
クリーニングされて、活性を維持する変異体を同定し得る。配列番号2、4、6
、8、10、12、14、16、18もしくは20の変異誘発に続いて、コード
されるタンパク質は、当該分野で公知の任意の組換え技術によって発現され得、
そしてこのタンパク質の活性が決定され得る。
【0207】 アミノ酸ファミリーの関連性はまた、側鎖相互作用に基づいて決定され得る。
置換アミノ酸は、十分に保存された「強い」残基または十分に保存された「弱い
」残基であり得る。保存アミノ酸残基の「強い」基は、以下の基のいずれかであ
り得る:STA、NEQK、NHQK、NDEQ、QHRK、MILV、MIL
F、HY、FYW(ここで、一文字のアミノ酸コードは、互いに置換され得るア
ミノ酸によってグループ分けされる)。同様に、保存残基の「弱い」基は、以下
のうちのいずれか1つであり得る:CSA、ATV、SAG、STNK、STP
A、SGND、SNDEQK、NDEQHK、NDEQHK、NEQHRK、V
LIM、HFY(ここで、各グループ内の文字は、一文字のアミノ酸コードを表
す)。
【0208】 1つの実施形態では、変異AMFXタンパク質は、以下についてアッセイされ
得る:(i)他のAMFXタンパク質、他の細胞表面タンパク質、または生物学
的に活性なそれらの部分と、タンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力、
(ii)変異AMFXタンパク質と、AMFXリガンドとの間の複合体形成;ま
たは(iii)変異AMFXタンパク質が細胞内標的タンパク質またはその生物
学的に活性な部分に結合する能力;(例えば、アビジンタンパク質)。
【0209】 さらに別の実施形態において、成熟AMFXタンパク質は、特定の生物学的機
能を調節する能力(例えば、インスリン放出の調節)についてアッセイされ得る
【0210】 (アンチセンス核酸) 本発明の別の局面は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
もしくは19またはそのフラグメント、アナログもしくは誘導体のヌクレオチド
配列を含む核酸分子にハイブリダイズし得るかまたは相補的である、単離された
アンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコード
する「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に
相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド配列を含む。
特定の局面では、少なくとも約10、約25、約50、約100、約250もし
くは約500ヌクレオチドまたは全体のAMFXコード鎖、またはそれらの一部
のみに相補的な配列を含む、アンチセンス核酸分子が提供される。配列番号2、
4、6、8、10、12、14、16、18もしくは20のAMFXタンパク質
のフラグメント、ホモログ、誘導体およびアナログをコードする核酸分子、また
は配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17もしくは19のAMF
Xの核酸配列に相補的なアンチセンス核酸がさらに提供される。
【0211】 1つの実施形態では、アンチセンス核酸分子は、AMFXをコードするヌクレ
オチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。用語「コ
ード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含む、ヌクレオチド配列の
領域をいう。別の実施形態では、このアンチセンス核酸分子は、AMFXをコー
ドするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセンスで
ある。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する、アミノ酸に翻訳され
ない、5’配列および3’配列をいう(すなわち、5’非翻訳領域および3’非
翻訳領域ともいわれる)。
【0212】 本明細書中に開示されるAMFXをコードするコード鎖配列を考慮すれば、本
発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickまたはHoogst
eenの塩基対合の規則に従って設計され得る。アンチセンス核酸分子は、AM
FX mRNAのコード領域全体に相補的であり得るが、より好ましくは、AM
FX mRNAのコード領域または非コード領域の一部にのみアンチセンスであ
るオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、A
MFX mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域に相補的であり得る。アンチセ
ンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さが約5、約10、約15、約20、約
25、約30、約35、約40、約45または約50ヌクレオチドであり得る。
本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を用いて、化学的合成また
は酵素連結反応を用いて構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、ア
ンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、またはこの
分子の生物学的安定性を増大させるように、もしくはアンチセンス核酸とセンス
核酸との間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるように設計された種
々に改変されたヌクレオチドを用いて化学的に合成され得る(例えば、ホスホロ
チオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが用いられ得る)。
【0213】 アンチセンス核酸を作製するために用いられ得る改変されたヌクレオチドの例
としては以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−
クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセ
チルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシ
メチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウ
ラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルクエオシン(galacto
sylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メ
チルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルア
デニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6
−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メト
キシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルクエオシン(man
nosylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5
−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシ
ル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン
(queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2
−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキ
シ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チ
オウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、
(acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。あるいは、このアンチセンス
核酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを用い
て生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは
、以下の小節にさらに記載される、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向で
ある)。
【0214】 本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的には被験体に投与されるか、または
インサイチュで生成され、その結果それらは、AMFXタンパク質をコードする
細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、またはそ
れに結合し、それによってこのタンパク質の発現を、例えば転写および/または
翻訳を阻害することによって阻害する。ハイブリダイゼーションは、安定な二重
鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によってか、または例えばDNA二重鎖
に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、二重らせんのメジャーグルーブ(
major groove)における特異的相互作用を介してであり得る。本発
明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位での直接的注射が
挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的化する
ように改変され得、次いで全身に投与される。例えば、全身投与のために、アン
チセンス分子は、それらが選択された細胞表面上に発現されたレセプターまたは
抗原に特異的に結合するように改変され得る。これは、例えば、そのアンチセン
ス核酸分子を細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に連
結することによる。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中に記載される
ベクターを用いて細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を
達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIプロモーターまた
はpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が、好ま
しい。
【0215】 なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー
核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイ
ブリッドを形成する。ここで、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は、互いに
平行に走行する(Gaultierら(1987)Nucleic Acids
Res 15:6625〜6641)。このアンチセンス核酸分子はまた、2
’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら、(1987)Nucleic
Acids Res 15:6131〜6148)またはキメラRNA−DN
Aアナログ(Inoueら(1987)FEBS Lett 215:327〜
330)を含み得る。
【0216】 (リボザイムおよびPNA部分) 核酸改変は、非制限的な例として、改変された塩基、および糖リン酸骨格が改
変または誘導体化されている核酸を含む。これらの改変は、少なくとも一部分、
改変された核酸の化学的安定性を、それらが、例えば、被験体における治療的適
用にアンチセンス結合性核酸として用いられ得るように増大するために実施され
る。
【0217】 1つの実施形態では、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボザ
イムは、それらに対してリボザイムが相補的領域を有する一本鎖核酸、例えばm
RNAを切断し得るリボヌクレアーゼ活性をもつ触媒的RNA分子である。従っ
て、リボザイム(例えば、ハンマーヘッドリボザイム(Haselhoffおよ
びGerlach(1988)Nature 334:585−591に記載さ
れている))は、AMFXmRNA転写物を触媒的に切断し、それによってAM
FXmRNAの翻訳を阻害するために用いられ得る。AMFXをコードする核酸
に特異性を有するリボザイムは、本明細書に開示のAMFXcDNAのヌクレオ
チド配列(すなわち、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、
または19)に基づいて設計され得る。例えば、Tetrahymena L−
19 IVS RNAの誘導体は、活性部位のヌクレオチド配列が、AMFXを
コードするmRNAにおいて切断されるべきヌクレオチド配列に相補的であるよ
うに構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号;お
よびCechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは、A
MFXmRNAは、RNA分子のプールから特異的リボヌクレアーゼ活性を有す
る触媒的RNAを選択するために用いられ得る。例えば、Bartelら(19
93)Science 261:1411−1418を参照のこと。
【0218】 あるいは、AMFX遺伝子発現は、AMFXの調節領域(例えば、AMFXプ
ロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的であるヌクレオチド配列を標
的化し、標的細胞中のAMFX遺伝子の転写を妨げる三重らせん構造を形成する
ことによって阻害され得る。一般に、Helene(1991)Antican
cer Drug Des.6:569−84;Heleneら(1992)A
nn.N.Y.Acad.Sci.660:27−36;およびMaher(1
992)Bioassays 14:807−15を参照のこと。
【0219】 種々の実施形態では、AMFXの核酸は、塩基部分、糖部分またはリン酸骨格
で改変され、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を
改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を改変してペプチド核
酸を生成し得る(Hyrupら(1996)Bioorg Med Chem4
:5−23を参照のこと)。本明細書で用いられる場合、用語「ペプチド核酸」
または「PNA」は、デオキシリボースリン酸骨格がプソイドペプチド(pse
udopeptide)骨格で置換され、かつ4つの天然のヌクレオ塩基のみが
保持されている、核酸模倣物、例えば、DNA模倣物をいう。PNAの中性の骨
格は、低イオン強度条件下で、DNAおよびRNAへの特異的ハイブリダイゼー
ションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、Hyru
pら(1996)上述;Perry−O’Keefeら(1996)PNAS
93:14670−675に記載のような、標準的な固相ペプチド合成プロトコ
ールを用いて実施され得る。
【0220】 AMFXのPNAは、治療適用および診断適用で用いられ得る。例えば、PN
Aは、例えば、転写または翻訳抑止(arrest)を誘導すること、または複
製を阻害することにより、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンス剤
またはアンチ遺伝子剤として用いられ得る。AMFXのPNAはまた、例えば、
PNA指向PCRクランピングによる、例えば、遺伝子中の1塩基対変異の分析
に;他の酵素、例えば、S1ヌクレアーゼと組み合わせて用いる場合、人工の制
限酵素として(Hyrup B.(1966)上述);またはDNA配列および
ハイブリダイゼーションのプローブまたはプライマーとして(Hyrupら(1
966)上述;Perry−O’Keefe(1996)上述)用いられ得る。
【0221】 別の実施形態では、AMFXのPNAは、例えば、それらの安定性または細胞
性の取り込みを増大するために、PNAに親油性基またはその他の補助基を結合
することによるか、PNA−DNAキメラの形成によるか、またはリポソームの
使用もしくは当該分野で公知の薬物送達のその他の技法によって改変され得る。
例えば、PNAとDNAの有利な性質を組み合わせ得る、AMFXのPNA−D
NAキメラが生成され得る。このようなキメラは、PNA部分の高い結合親和性
および特異性を提供しながら、DNA部分と相互作用するために、DNA認識酵
素、例えば、RNaseHおよびDNAポリメラーゼを可能にする。PNA−D
NAキメラは、塩基スタッキング、ヌクレオ塩基間の結合の数、および配向の点
から選択された適切な長さのリンカーを用いて連結され得る(Hyrup(19
96)上述)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrup(1966)上述お
よびFinnら(1996)Nucl Acids Res 24:3357−
63に記載のように実施され得る。例えば、DNA鎖を、標準的なホルホルアミ
ダイトカップリング化学を用いて固体支持体上で合成し得、そして改変ヌクレオ
シドアナログ、例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミノ−5’−デオキ
シ−チミジンホスホルアミダイトを、PNAとDNAの5’末端との間に用い得
る(Magら(1989)Nucl Acid Res 17:5973−88
)。次いで、PNAモノマーを段階的様式でカップリングし、5’PNAセグメ
ントと3’DNAセグメントをもつキメラ分子を生成する(Finnら(199
6)上述)。あるいは、キメラ分子は、5’DNAセグメントと3’PNAセグ
メントを有して合成され得る。Petersenら(1975)Bioorg
Med Chem Lett 5:1119−11124を参照のこと。
【0222】 他の実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、ペプチド(例えば、インビボ
で宿主細胞レセプターを標的にするため)、または細胞膜を横切る輸送を容易に
する薬剤(例えば、Letsingerら、1989、Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.86:6553−6556;Lemaitreら
、1987、Proc.Natl.Acad.Sci.84:648−652;
PCT公開公報番号WO88/09810を参照のこと)もしくは血液脳関門を
横切る輸送を容易にする薬剤(例えば、PCT公開公報番号WO89/1013
4を参照のこと)のような他の付属基を含み得る。さらに、オリゴヌクレオチド
は、ハイブリダイゼーショントリガー切断剤(例えば、Krolら、1988、
BioTechniques 6:958−976を参照のこと)またはインタ
ーカーレーティング剤(例えば、Zon、1988、Pharm.Res.5:
539−549を参照のこと)を用いて改変され得る。この目的のために、この
オリゴヌクレオドは、例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーショントリガー架橋
剤、輸送剤、ハイブリダイゼーショントリガー切断剤などの他の分子に連結され
得る。
【0223】 (AMFXポリペプチド) 本発明のポリペプチドは、その配列が配列番号2、4、6、8、10、12、
14、16、18、または20によって提供されるAMFXポリペプチドのアミ
ノ酸配列を含むポリペプチドを含む。本発明はまた、なおそのAMFX活性およ
び生理学的機能を維持するタンパク質、またはその機能的フラグメントをコード
しながら、その任意の残基が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16
、18、または20に示される対応する残基から変化し得る、変異体または改変
体タンパク質を含む。この変異体または改変体タンパク質において、20%まで
またはそれ以上の残基がそのように変化し得る。
【0224】 一般に、AMFX様機能を保持するAMFX改変体は、配列中の特定位置の残
基が他のアミノ酸により置換され、そしてさらに、親タンパク質の2つの残基間
にさらなる残基(単数または複数)を挿入する可能性、および親配列から1つ以
上の残基を欠失する可能性を含む任意の改変体を含む。任意のアミノ酸置換、挿
入または欠失は、本発明に包含される。好適な状況では、この置換は、上記で規
定されるような保存的置換である。
【0225】 本発明の1つの局面は、単離されたAMFXタンパク質、およびその生物学的
に活性な部分、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに
関する。抗AMFX抗体を惹起するための免疫原としての使用に適するポリペプ
チドフラグメントもまた提供される。1つの実施形態では、ネイティブAMFX
タンパク質が、標準的なタンパク質精製技法を用いる適切な精製スキームにより
、細胞供給源または組織供給源から単離され得る。別の実施形態では、AMFX
タンパク質は、組換えDNA技法により生産される。組換え発現の代替として、
AMFXタンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技法を用いて
化学的に合成され得る。
【0226】 「単離された」または「精製された」ポリペプチドまたはタンパク質または生
物学的に活性なその部分は、AMFXタンパク質が由来する細胞供給源または組
織供給源からの細胞性物質またはその他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか
、化学的に合成された場合、化学的前駆体もしくはその他の化学物質を実質的に
含まない。用語「細胞性物質を実質的に含まない」は、AMFXタンパク質が、
単離されるかまたは組換えにより産生された細胞の細胞成分から分離されている
このタンパク質の調製物を含む。1つの実施形態では、用語「細胞性物質を実質
的に含まない」は、非AMFXタンパク質(本明細書ではまた「汚染タンパク質
」と呼ばれる)が約30%(乾燥重量による)より少ない、より好ましくは約2
0%より少ない非AMFXタンパク質、なおより好ましくは約10%より少ない
非AMFXタンパク質、そして最も好ましくは約5%より少ない非AMFXタン
パク質を有する、AMFXタンパク質の調製物を含む。このAMFXタンパク質
または生物学的に活性なその部分が組換えにより産生される場合、培養培地を実
質的に含まないこともまた好ましい。すなわち、培養培地は、タンパク質調製物
の容量の約20%より少ないか、より好ましくは約10%より少ないか、そして
最も好ましくは約5%より少ない。
【0227】 用語「化学的前駆体またはその他の化学物質を実質的に含まない」は、タンパ
ク質の合成に関与する化学的前駆体またはその他の化学物質からこのタンパク質
が分離されているAMFXタンパク質の調製物を含む。1つの実施形態では、用
語「化学的前駆体またはその他の化学物質を実質的に含まない」は、化学的前駆
体または非AMFX化学物質を約30%(乾燥重量による)より少く、より好ま
しくは化学的前駆体または非AMFX化学物質を約20%より少なく、なおより
好ましくは化学的前駆体または非AMFX化学物質を約10%より少なく、そし
て最も好ましくは化学的前駆体または非AMFX化学物質を約5%より少なく有
するAMFXタンパク質の調製物を含む。
【0228】 AMFXタンパク質の生物学的に活性な部分は、完全長のAMFXタンパク質
より少ないアミノ酸配列を含み、そしてAMFXタンパク質の少なくとも1つの
活性を示す、AMFXタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6
、8、10、12、14、16、18、または20に示されるアミノ酸配列)に
十分に相同であるか、またはそれに由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含む
。代表的には、生物学的に活性な部分は、AMFXタンパク質の少なくとも1つ
の活性をともなうドメインまたはモチーフを含む。AMFXタンパク質の生物学
的に活性な部分は、例えば、10、25、50、100またはそれ以上のアミノ
酸の長さのポリペプチドであり得る。
【0229】 さらに、このタンパク質のその他の領域が欠失したその他の生物学的に活性な
部分が、組換え技法により調製され、ネイティブなAMFXタンパク質の1つ以
上の機能的活性について評価され得る。
【0230】 ある実施形態では、このAMFXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、1
0、12、14、16、18、または20に示されるアミノ酸配列を有する。他
の実施形態では、このAMFXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、
12、14、16、18、または20に実質的に相同であり、そして以下に詳細
に記載されるように、天然の対立遺伝子変動または変異誘発に起因してアミノ酸
配列がなお異なるが、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18
、または20のタンパク質の機能的活性を保持する。従って、別の実施形態では
、このAMFXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、1
6、18、または20のアミノ酸配列に少なくとも約45%相同であるアミノ酸
配列を含み、そして配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、
または20のAMFXタンパク質の機能的活性を保持するタンパク質である。
【0231】 (2つ以上の配列間の相同性の決定) 2つのアミノ酸配列の相同性または2つの核酸の相同性のパーセントを決定す
るために、これらの配列を、最適な比較の目的にアラインする(例えば、第2の
アミノ酸配列または核酸配列との最適アラインメントのために第1のアミノ酸配
列または核酸配列の配列中にギャップを導入し得る)。次いで、対応するアミノ
酸位置またはヌクレオチド位置でアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。
第1の配列中の位置が第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌ
クレオチドで占められる場合、この分子はその位置で相同である(すなわち、本
明細書で用いられる場合、アミノ酸「相同性」または核酸「相同性」は、アミノ
酸「相同性」または核酸「同一性」と等価である)。
【0232】 核酸配列相同性は、2つの配列間の同一性の程度として決定され得る。この相
同性は、GCGプログラムパッケージで提供されるGAPソフトウェアのような
当該分野で公知のコンピュータープログラムを用いて決定され得る。Needl
emanおよびWunsch 1970 J Mol Biol 48:443
−453を参照のこと。GCG GAPソフトウェアを使用して核酸配列比較の
ために以下の設定を用い:5.0のGAP作成ペナルティーおよび0.3のGA
P伸長ペナルティー、上記で言及した類似の核酸配列のコード領域は、好ましく
は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、または19に示さ
れたDNA配列のCDS(すなわちコードする)部分と、少なくとも70%、7
5%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の同一性の程度
を示す。
【0233】 用語「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列
が、比較の特定の領域にわたって残基対残基の基本に基づいて同一である程度を
いう。用語「配列同一性のパーセント」は、その比較の領域にわたり最適にアラ
インされた配列を比較すること、両方の配列において同一の核酸塩基(例えば、
核酸の場合、A、T、C、G、U、またはI)が生じる位置の数を決定し、一致
した位置の数を生成すること、比較領域中の位置の総数(すなわち、ウンンドウ
サイズ)によって一致した位置の数を除すること、およびこの結果に100を乗
じ配列同一性のパーセントを得ることにより算出される。本明細書で用いられる
場合、用語「実質的に同一」は、ポリヌクレオチド配列の特徴を示し、ここで、
このポリヌクレオチドは、比較領域にわたって参照配列と比較した場合、少なく
とも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同一性そしてしば
しば90〜95%の配列同一性、より通常は少なくとも99%の配列同一性を有
する配列を含む。
【0234】 (キメラおよび融合タンパク質) 本発明はまた、AMFXキメラまたは融合タンパク質を提供する。本明細書で
使用される場合、AMFX「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、
非AMFXポリペプチドと作動可能に連結されたAMFXポリペプチドを含む。
「AMFXポリペプチド」は、AMFXに相当するアミノ酸配列を有するポリペ
プチドをいい、一方、「非AMFXポリペプチド」は、このAMFXタンパク質
に実質的に相同ではないタンパク質に相当するアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドをいう(例えば、AMFXタンパク質とは異なり、しかも同一かまたは異なる
生物に由来するタンパク質)。AMFX融合タンパク質の中で、AMFXポリペ
プチドは、AMFXタンパク質のすべてか、またはその一部分に対応する。1つ
の実施形態では、AMFX融合タンパク質は、AMFXタンパク質の少なくとも
1つの生物学的に活性な部分を含む。なお別の実施形態では、AMFX融合タン
パク質は、AMFXタンパク質の少なくとも3つの生物学的に活性な部分を含む
。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結される」は、AMFXポリペ
プチドおよび非AMFXポリペプチドが互いにインフレームで融合していること
を示すことを意図する。非AMFXポリペプチドは、AMFXポリペプチドのN
末端またはC末端に融合され得る。
【0235】 1つの実施形態では、この融合タンパク質は、GST−AMFX融合タンパク
質であり、ここでAMFX配列が、GST(すなわち、グルタチオンS−トラン
スフェラーゼ)配列のC末端に融合される。このような融合タンパク質は、組換
えAMFXの精製を容易にし得る。
【0236】 別の実施形態では、この融合タンパク質は、そのN末端に異質シグナル配列を
含むAMFXタンパク質である。例えば、ネイティブなPTMA−7シグナル配
列(すなわち、配列番号14のほぼアミノ酸1〜40)を除去し得、そして別の
タンパク質からのシグナル配列で置き換え得る。特定の宿主細胞では(例えば、
哺乳動物宿主細胞)、AMFXの発現および/または分泌は、異質シグナル配列
の使用を通じて増大され得る。
【0237】 なお別の実施形態では、この融合タンパク質は、AMFX−免疫グロブリン融
合タンパク質であり、ここでAMFX配列が、免疫グロブリンタンパク質ファミ
リーのメンバーに由来する配列に融合される。本発明のこのAMFX−免疫グロ
ブリン融合タンパク質は、薬学的組成物中に組み込まれ、そして被験体に投与さ
れて、細胞の表面上でAMFXリガントとAMFXタンパク質との間の相互作用
を阻害し、それによってインビボのAMFX媒介信号伝達を抑制し得る。このA
MFX−免疫グロブリン融合タンパク質を用い、AMFX同族リガンドの生体利
用性に影響を与え得る。AMFXリガンド/AMFX相互作用の阻害は、増殖障
害および分化障害の両方の処置、ならびに細胞生存の調節(例えば、促進または
阻害)に、治療的に有用であり得る。さらに、本発明のこのAMFX−免疫グロ
ブリン融合タンパク質は、被験体中で抗AMFX抗体を産生するための免疫原と
して用いられ得、AMFXリガンドを精製し、そしてAMFXリガンドとのAM
FXの相互作用を阻害する分子を同定するスクリーニングアッセイで用いられ得
る。
【0238】 本発明のAMFXキメラまたは融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技法
により産生され得る。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラ
グメントを、従来の技法に従って、例えば、連結のための平滑末端または粘着(
stagger)末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、必要に応じ
て粘着(cohesive)末端のフィルイン、所望しない連結を避けるための
アルカリホスファターゼ処理、および酵素的連結を採用することにより、インフ
レームで一緒に連結する。別の実施形態では、融合遺伝子を、自動化DNA合成
機を含む従来技法により合成し得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増
幅を、次いでアニールおよび再増幅され得る、2つの連続遺伝子フラグメント間
の相補的オーバハングを生じるアンカープライマーを用いて、キメラ遺伝子配列
を生成するために実施し得る(例えば、Ausbelら(編)CURRENT
PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John
Wiley&Sons、1992を参照のこと)。さらに、融合部分(例えば、
GSTポリペプチド)をすでにコードした多くの発現ベクターが市販されている
。AMFXをコードする核酸は、この融合部分がAMFXタンパク質にインフレ
ーム連結されるように、このような発現ベクター中にクローン化され得る。
【0239】 (AMFXアゴニストおよびアンタゴニスト) 本発明はまた、AMFXアゴニスト(模倣物)またはAMFXアンタゴニスト
のいずれかとして機能するAMFXタンパク質の改変体に関する。AMFXタン
パク質の改変体、例えば、AMFXタンパク質の離散した点変異または短縮型が
、変異誘発により生成され得る。AMFXタンパク質のアゴニストは、天然に存
在する形態のAMFXタンパク質と実質的に同じ生物学的活性、またはその生物
学的活性のサブセットを保持し得る。AMFXタンパク質のアンタゴニストは、
天然に存在する形態のAMFXタンパク質の1つ以上の活性を、例えば、AMF
Xタンパク質を含む細胞シグナル伝達カスケードの下流メンバーまたは上流メン
バーに競合的に結合することにより阻害され得る。従って、特異的生物学的効果
が、限られた機能の改変体を用いた処理により惹起され得る。1つの実施形態で
は、このタンパク質の天然に存在する形態の生物学活性のサブセットを有する改
変体を用いた被験体の処置は、AMFXタンパク質の天然に存在する形態を用い
た処置に関する被験体におけるより少ない副作用を有する。
【0240】 AMFXアゴニスト(模倣物)またはAMFXアンタゴニストのいずれかとし
て機能するAMFXタンパク質の改変体は、AMFXタンパク質アゴニスト活性
またはアンタゴニスト活性についてのAMFXタンパク質の変異体、例えば短縮
型変異体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより同定
され得る。1つの実施形態では、AMFX改変体の多彩なライブラリーは、核酸
レベルのコンビナトリアル変異誘発により生成され、そして多彩な遺伝子ライブ
ラリーによりコードされる。AMFX改変体の多彩なライブラリーは、例えば、
合成オリゴヌクレオチドの混合物を、潜在的なAMFX配列の縮重セットが、個
々のポリペプチドとして、あるいは、その中にAMFX配列のセットを含む(例
えば、ファージディスプレイのための)より大きな融合タンパク質のセットとし
て発現可能であるように、遺伝子配列中に酵素的に連結することにより産生され
得る。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的なAMFX改変体のライブラリー
を産生するために用いられ得る種々の方法がある。縮重遺伝子配列の化学的合成
は、自動化DNA合成機中で実施され得、次いでこの合成遺伝子は、適切な発現
ベクター中に連結される。遺伝子の縮重セットの使用は、1つの混合物において
、潜在的なAMFX配列の所望のセットをコードする配列のすべての供給量を可
能にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当該分野で公知である(例
えば、Narang(1983)Tetrahedron 39:3;Itak
uraら(1984)Annu Rev Biochem 53:323;It
akuraら(1984)Science 198:1056;Ikeら(19
83)Nucl Acid Res 11:477を参照のこと)。
【0241】 (ポリペプチドライブラリー) さらに、AMFXタンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーを用い
て、AMFXタンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のための
AMFXフラグメントの多彩な集団を生成し得る。1つの実施形態では、コード
配列フラグメントのライブラリーは、AMFXコード配列の二本鎖PCRフラグ
メントを、1分子あたり約1つのみのニックが生じる条件下において、ヌクレア
ーゼで処理すること、二本鎖DNAを変性させること、異なるニック産物からの
センス/アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにこのDNAを
再生すること、S1ヌクレアーゼを用いた処理により再形成された二本鎖から一
本鎖部分を除去すること、および得られるフラグメントライブラリーを発現ベク
ター中に連結することにより生成し得る。この方法により、AMFXタンパク質
の種々のサイズのN末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリー
が派生し得る。
【0242】 点変異または短縮により作成されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産
物をスクリーニングするため、選択された性質を有する遺伝子産物についてcD
NAライブラリーをスクリーニングするためのいくつかの技法が当該分野で公知
である。このような技法を、AMFXタンパク質のコンビナトリアル変異誘発に
より生成された遺伝子ライブラリーの迅速スクリーニングに適用可能である。大
きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするための、高スループット分析に適
した最も広く用いられる技法は、代表的には、遺伝子ライブラリーを複製可能な
発現ベクター中にクローニングすること、得られるベクターのライブラリーで適
切な細胞を形質転換すること、および所望の活性の検出が、その産物が検出され
た遺伝子をコードするベクターの単離を容易にする条件下でこのコンビナトリア
ル遺伝子を発現することを含む。ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増大す
る新規技法であるリクルーシブエンセブル変異誘発(REM)を、スクリーニン
グアッセイと組み合わせて用い、AMFX改変体を同定し得る(Arkinおよ
びYourvan(1992)PNAS 89:7811−7815;Delg
raveら(1993)Protein Engineering 6:327
−331)。
【0243】 (抗AMFX抗体) 本発明は、本発明の任意のAMFXポリペプチドに免疫特異的に結合する、F
abまたは(Fab)のような抗体または抗体フラグメントを包含する。
【0244】 単離されたAMFXタンパク質、またはその部分もしくはフラグメントは、ポ
リクローナル抗体およびモノクローナル抗体調製のための標準的な技術を用いて
、AMFXポリペプチドに結合する抗体を産生するための免疫原として用いられ
得る。完全長のAMFXタンパク質が用いられ得るが、あるいは、本発明は、免
疫原としての使用のためのAMFXタンパク質の抗原性ペプチドフラグメントを
提供する。AMFXの抗原性ペプチドは、配列番号2、4、6、8、10、12
、14、16、18、および20で示されるアミノ酸配列の少なくとも4アミノ
酸残基を含み、そしてこのペプチドに対して惹起された抗体がAMFXと特異的
な免疫複合体を形成するように、AMFXのエピトープを含む。好ましくは、こ
の抗原性ペプチドは、少なくとも6、8、10、15、20、または30個のア
ミノ酸残基を含む。より長い抗原性ペプチドが、用途に依存して、そして当業者
に周知の方法に従い、より短い抗原性ペプチドよりもしばしば好適である。
【0245】 本発明の特定の実施形態では、抗原性ペプチドに含まれる少なくとも1つのエ
ピトープは、タンパク質の表面上に位置するAMFXの領域、例えば、親水性領
域である。抗体産生を標的にする手段として、親水性および疎水性の領域を示す
ヒドロパシープロットを、例えば、フーリエ変換を伴うかまたは伴わない、Ky
te DoolittleまたはHopp Woods法を含む、当該分野で周
知の任意の方法により生成し得る。例えば、それらの全体が本明細書に参考とし
て援用される、例えば、HoppおよびWoods、1981、Proc.Na
t.Acad.Sci.USA 78:3824−3828;KyteおよびD
oolittle 1982、J.Mol.Biol.157:105−142
を参照のこと。この各々が、それらの全体において、本明細書中で参考として援
用される。
【0246】 本明細書で開示されるように、配列番号2、4、6、8、10、12、14、
16、18、および20のAMFXタンパク質配列、またはその誘導体、フラグ
メント、アナログもしくはホモログを、これらのタンパク質成分に免疫特異的に
結合する抗体の産生における免疫原として利用し得る。本明細書で用いる用語「
抗体」は、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な
部分、すなわち、AMFXのような抗原に特異的に結合(免疫反応)する抗原結
合部位を含む分子をいう。このような抗体は、制限されずに、ポリクローナル抗
体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、FabおよびF(ab’)2 フラグメント、およびFab発現ライブラリーを含む。特定の実施形態では、ヒ
トAMFXタンパク質に対する抗体が開示される。当該分野で公知の種々の手順
が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20のA
MFXタンパク質配列、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホ
モログに対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体の産生のために用いら
れ得る。これらのタンパク質のいくつかを以下で論議する。
【0247】 AMFXタンパク質に対する抗体、またはAMFXタンパク質のフラグメント
もまた、本発明に含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、免
疫グロブリン分子、および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分
(すなわち、抗原に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子
)をいう。このような抗体としては、ポリクロナール抗体、モノクロナール抗体
、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab’ フラグメントおよび
(ab’)2フラグメント、ならびにFab発現ライブラリーが挙げられるが
、これらに限定されない。一般的に、ヒト由来の抗体分子は、IgG、IgM、
IgA、IgEおよびIgDの任意のクラスに関連し、これらは分子内に存在す
る重鎖の性質によってお互いに異なる。特定のクラスは同様にサブクラス(例え
ば、IgG、IgGなど)を有する。さらに、ヒトにおいては、軽鎖はκ鎖
またはλ鎖であり得る。本明細書中で抗体に対する参照は、ヒト抗体種のすべて
のこのようなクラス、サブクラスおよび型に対する参照を含む。
【0248】 本発明の単離されたAMFX関連タンパク質は、抗原、またはその一部もしく
はフラグメントとして役立つことが意図され得、そしてさらに、免疫原として使
用され、ポリクロナール抗体およびモノクロナール抗体の調製のための標準的な
技術を用いて、抗原に免疫特異的に結合する抗体を生成し得る。全長タンパク質
が使用され得るか、あるいは本発明は、免疫原として使用するための抗原の抗原
性ペプチドフラグメントを提供する。抗原性ペプチドフラグメントは、全長タン
パク質のアミノ酸配列の少なくとも6アミノ酸残基を含み、そしてそれらのエピ
トープを含み、その結果このペプチドに対して惹起された抗体は、全長タンパク
質またはこのエピトープを含む任意のフラグメントと特定の免疫複合体を形成す
る。好ましくは、抗原性ペプチドは、少なくとも10アミノ酸残基、または少な
くとも15アミノ酸残基、または少なくとも20アミノ酸残基、または少なくと
も30アミノ酸残基を含む。この抗原性ペプチドにより含まれる好ましいエピト
ープは、そのペプチド表面上に位置するタンパク質の領域であり;通常、これら
は親水性領域である。
【0249】 本発明の特定の実施形態では、抗原性ペプチドにより包含される少なくとも1
つのエピトープは、AMFXタンパク質の表面上に位置するAMFX関連タンパ
ク質の領域、例えば、親水性領域である。ヒトAMFX関連タンパク質配列の疎
水性分析は、AMFX関連タンパク質のどの領域が特に親水性であるか、そして
それ故、抗体産生を標的にするために有用な表面残基をコードするようであるか
を示す。抗体産生を標的にする手段として、親水性および疎水性の領域を示すヒ
ドロパシープロットを、例えば、フーリエ変換とともにまたはなしの、Kyte
DoolittleまたはHopp Woods法を含む、当該分野で周知の
任意の方法により生成し得る。例えば、それらの全体が本明細書に参考として援
用される、HoppおよびWoods、1981、Proc.Nat.Acad
.Sci.USA 78:3824−3828;KyteおよびDoolitt
le 1982、J.Mol.Biol.157:105−142を参照のこと
。抗原性タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモロ
グ内の1つ以上のドメインに対して特異的な抗体はまた、本明細書中で提供され
る。
【0250】 本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログ、ホモログ
もしくはオルソログは、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体の
産生における免疫原として利用され得る。
【0251】 当該分野において公知の種々の手順が、本発明のタンパク質、またはその誘導
体、フラグメント、アナログ、ホモログもしくはオルソログに対して指向される
ポリクロナール抗体またはモノクロナール抗体の産生のために使用され得る(例
えば、Antibodies:A Lamoratory Manual,Ha
rlow E,およびLane D,1988,Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press,Cold Spring Ha
rbor、NY(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。これら
の抗体のうちのいくつかは、以下で考察される。
【0252】 (ポリクロナール抗体) ポリクロナール抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ
、ヤギ、マウスまたは他の動物)は、ネイティブなタンパク質、その合成改変体
、または前記の誘導体を用いる1以上の注射によって免疫され得る。適切な免疫
原性調製物は、例えば、天然に存在する免疫原性タンパク質、免疫原性タンパク
質を提示する化学的に合成されたポリペプチド、または組換え的に発現される免
疫原性タンパク質を含み得る。さらに、このタンパク質は、免役されている哺乳
動物において免疫原性であることが知られている第2のタンパク質に結合体化さ
れ得る。このような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘ
モシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、および大豆トリプシンイ
ンヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。この調製物はさらに、アジ
ュバントを含み得る。種々のアジュバントが免疫学的応答を増加させるために使
用され、このようなアジュバントとしては、Freund’s(完全および不完
全)、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、
リゾレシチン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、
ペプチド、油乳濁液、ジニトロフェノールなど)、ヒトにおいて使用可能なアジ
ュバント(例えば、Bacille Calmette−GuerinおよびC
orynebacterium parvum)または類似の免疫刺激剤が挙げ
られるが、これらに限定されない。使用され得るアジュバントのさらなる例とし
ては、MPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロー
スジコリノミコレート)が挙げられる。
【0253】 免疫原性タンパク質に対して指向されるポリクロナール抗体分子は、哺乳動物
から(例えば、血液から)単離され得、そして周知の技術(例えば、プロテイン
AまたはプロテインGを用いるアフィニティクロマトグラフィー(これは、主に
免疫血清のIgG画分を提供する))によってさらに精製され得る。続いて、ま
たは代替的に、求められている免疫グロブリンの標的である特定の抗原またはそ
の抗原のエピトープがカラムに固定され、免疫アフィニティクロマトグラフィー
によって免疫特異的抗体を精製し得る。免疫グロブリンの精製は、例えば、D.
Wilkinson(The Scientist(The Scientis
t,Inc.,Philadelphia PAより発行)、第14巻、第8号
(2000年4月17日)、25〜28頁)によって考察される。
【0254】 (モノクローナル抗体) 本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」(MAb)または「モノク
ローナル抗体組成物」は、独特の軽鎖遺伝子産物および独特の重鎖遺伝子産物か
らなる唯一の分子種の抗体分子を含む抗体分子の集団をいう。特に、モノクロー
ナル抗体の相補性決定領域(CDR)は、すべての分子の集団に同一である。従
って、MAbは、抗原への独特の結合親和性によって特徴付けられる抗原の特定
のエピトープと免疫反応可能な抗原結合部位を含む。
【0255】 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ方法(例えば、KohlerおよびM
ilstein,Nature,256:495(1975)に記載されるよう
な方法)を使用して調製され得る。ハイブリドーマ方法において、マウス、ハム
スター、または他の適切な宿主細胞は、免疫因子で代表的に免疫され、免疫因子
に特異的に結合する抗体を産生するか、または産生し得るリンパ球を誘発する。
あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。
【0256】 免疫因子としては、代表的に、タンパク質抗原、そのフラグメントまたはその
融合タンパク質が挙げられる。一般的には、以下のいずれかである:ヒト起源の
細胞が望まれる場合は、末梢血リンパ球が使用され、または非ヒト哺乳動物供給
源が望まれる場合は、脾臓細胞またはリンパ節細胞が使用される。次いで、適切
な融合因子(例えば、ポリエチレングリコール)を使用して、リンパ球を不死化
細胞株に融合し、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monocl
onal Antibodies:Principles and Pract
ice,Academic Press(1986)第59−103頁)。不死
化細胞株は、哺乳動物細胞、特にげっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞に
通常形質転換される。通常ラットまたはマウスの骨髄腫細胞株が使用されるハイ
ブリドーマ細胞は、1以上の物質(融合されていない不死化細胞の増殖も生存も
阻害する)を適切に含む適切な培養培地中で培養され得る。例えば、親の細胞が
酵素、ヒポキサンチングアニンンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
TまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマからの培養培地は、代表的にヒ
ポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(「HAT培地」)、そ
れらの物質はHGPRT欠失細胞の増殖を阻害する。
【0257】 好ましい不死化細胞株は、効率的に融合する細胞株であり、それらは選択され
た抗体産生細胞の安定な高レベルの抗体の発現を支持し、そしてHAT培地のよ
うな培地に敏感である。より好ましい不死化細胞株はマウス骨髄腫細胞株であり
、それらを、例えば、Salk Institute Cell Distri
bution Center,San Diego,Californiaおよ
びAmerican Type Culture Collection,Ma
nassas,Virginiaから得ることが可能である。ヒト骨髄腫および
マウス−ヒト骨髄腫細胞株はまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載
される(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984)
;Brodeurら、Monoclonal Antibody Produc
tion Techniques and Application,Marc
el Dekker,Inc.,New York,(1987)第51−63
頁)。
【0258】 次いで、ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、抗原に対するモノクロ
ーナル抗体の存在についてアッセイされ得る。好ましくは、ハイブリドーマ細胞
によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって決定
されるか、またはインビトロ結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(R
IA)または酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA))によって決定さ
れる。このような技術およびアッセイは、当該分野で公知である。モノクローナ
ル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPollard,Anal
.Biochem.,107:220(1980)のスキャッチャード分析によ
って決定され得る。好ましくは、標的抗原に対する高い程度の特異性および高結
合親和性を有する抗体が、単離される。
【0259】 所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、希釈手順を限定することによって
、クローンをサブクローニングし得、そして標準方法によって増殖し得る。例え
ば、この目的のために適切な培養培地としては、Dulbecco’s Mod
ified Eagle’s MediumおよびRPMI−1640培地が挙
げられる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物内の腹水としてインビボ
で増殖され得る。
【0260】 サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、従来の免疫グロブリ
ン精製手順(例えば、タンパク質Aセファロース、ヒドロキシアパタイトクロマ
トグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィー
)によって、培養培地または腹水から、単離または精製され得る。
【0261】 モノクローナル抗体はまた、組換えDNA方法(例えば、米国特許第4,81
6,567号に記載される方法)によって作製され得る。本発明のモノクローナ
ル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重
鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプロ
ーブを使用することによって)容易に単離され得、そして配列決定され得る。本
発明のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ
。一旦単離されると、DNAは、発現ベクターに配置され得、次いでそれらは、
宿主細胞(例えば、さもなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しないサルC
OS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞)に
トランスフェクトされ、組換え宿主細胞内でのモノクローナル抗体の合成を得る
。DNAはまた、例えば、相同なマウス配列の代わりにヒト重鎖および軽鎖定常
ドメインをコードする配列の置換(米国特許第4,816,567号;Morr
ison,Nature 368,812−13(1994))によってか、ま
たは非免疫グロブリンポリペプチドについてのコード配列のすべてまたは一部の
配列をコードする免疫グロブリンへの共有結合的な連結によって改変され得る。
このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常領域に置換さ
れ得るか、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変領域に置換され得、
キメラ二価の抗体を作製する。
【0262】 (ヒト化抗体) 本発明のタンパク質抗原に対する抗体は、さらにヒト化抗体またはヒト抗体を
含み得る。これらの抗体は、投与された免疫グロブリンに対するヒトの免疫応答
を引き起こさないヒトへの投与に適する。抗体のヒト化形態は、キメラ免疫グロ
ブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab
、Fab’、F(ab’)または他の抗体の抗原結合配列)であり、それらは
主にヒト免疫グロブリンの配列から構成され、そして非ヒト免疫グロブリンに由
来する最小の配列を含む。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列についてのげっ歯
類CDRまたはCDR配列の置換によって、Winterおよび共同研究者の方
法(Jonesら、Nature,31:522−525(1986);Rie
chmannら、Nature,332:323−327(1988);Ver
hoeyenら、Science,239:1534−1536(1988))
の後に達成され得る。(米国特許第5,225,539号もまた参照のこと。)
いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFv骨格(framework
)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体はまた、患者の
抗体においても、移入されたCDRまたは骨格配列においても見出されない残基
を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、すべての少なくとも1つ、および代表的に
は2つの可変領域を実質的に含む。これらの領域内で、すべてのまたは実質的に
すべてのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンの領域に対応し、そしてすべてまた
は実質的にすべての骨格領域はヒト免疫グロブリンコンセンサス配列の領域に対
応する。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、代表的には、ヒ
ト免疫グロブリンの少なくとも一部を必要に応じて含む(Jonesら、198
6;Riechamannら、1988;およびPresta、Curr.Op
.Struct.Biol.,2:593−596(1992))。
【0263】 (ヒト抗体) CDRを含む軽鎖および重鎖の両方の全体配列がヒト遺伝子から本質的に生じ
る抗体分子に、ヒト抗体は十分に関連する。このような抗体を、「ヒト抗体」、
または「十分なヒト抗体」と本明細書中で呼ぶ。ヒトモノクローナル抗体は、ト
リオーマ(trioma)技術によって調製され得る;ヒトB細胞ハイブリドー
マ技術(Kozborら、1983 Immunol Today 4:72を
参照のこと)およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリド
ーマ技術(Coleら、1985:MONOCLONAL ANTIBODIE
S AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc
.,第77−96頁)。ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実行において使用
され得、そしてヒトハイブリドーマの使用によってか(Coteら、1983.
Proc Natl Acad USA 80:2026−2030を参照のこ
と)、またはインビトロでのEpstein Barr Virusを用いたヒ
トB細胞による形質転換によって(Coleら、1985:MONOCLONA
L ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan
R.Liss,Inc.,第77−96頁を参照のこと)産生され得る。
【0264】 さらに、ヒト抗体はまた、さらなる技術(ファージディスプレイライブラリー
(HoogenboomおよびWinter,J.Mol.Biol.,227
:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:58
1(1991))を含む)を使用して産生され得る。同様に、ヒト免疫グロブリ
ン位置をトランスジェニック動物(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が、部
分的または完全に不活化されているマウス)に導入することによって、ヒト抗体
は作製され得る。チャレンジの際にヒト抗体産生が観察され、このことはすべて
の点(遺伝子再配列、アセンブリー、および抗体レパートリーを含む)でヒトに
おいて観察されたものに密接に類似する。このアプローチは、例えば、以下に記
載される:米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第
5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号
;同第5,611,016号、およびMarksら(Bio/Technolo
gy 10、779−783(1992));Lonbergら(Nature
368 856−859(1994));Morrison(Nature
368、812−13(1994));Fishwildら(Nature B
iotechnology 14、845−51(1996));Neuber
ger(Nature Biotechnology 14、826(1996
));ならびにLonbergおよびHuszar(Intern.Rev.I
mmunol.13 65−93(1995))。
【0265】 ヒト抗体は、抗原によるチャレンジに応答して動物の内因性抗体よりもヒト抗
体を十分に産生するように改変されたトランスジェニック非ヒト動物を使用して
、さらに産生され得る。(PCT刊行物WO94/02602を参照のこと。)
非ヒト宿主における重免疫グロブリン鎖および軽免疫グロブリン鎖をコードする
内因性遺伝子は、耐えられなくなっており、そしてヒト重鎖および軽鎖免疫グロ
ブリンをコードする活性な位置は、宿主のゲノムに挿入される。例えば、要求性
ヒトDNAセグメントを含む酵母人工染色体を使用して、ヒト遺伝子は組み込ま
れる。次いで、すべての所望の改変を提供する動物を、完全な改変の相補体より
もより少ない改変の相補体を含む中間トランスジェニック動物を雑種することに
よって子孫として得る。このような非ヒト動物の好ましい実施形態は、マウスで
あり、PCT刊行物WO96/33735およびWO96/34096に開示さ
れるようにXenomousTMと呼ばれる。この動物は、ヒト免疫グロブリン
を十分に分泌するB細胞を産生する。目的の免疫原を有する免疫後の動物から(
例えば、ポリクローナル抗体の調製)、あるいは動物由来の不死化されたB細胞
(例えば、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ)から、抗体を直接得
ることが可能である。さらに、ヒト可変領域を有する免疫グロブリンをコードす
る遺伝子は、抗体を直接得るために回復され、そして発現され得るか、または抗
体のアナログ(例えば、1本鎖Fv分子)を得るために、さらに改変され得る。
【0266】 内因性免疫グロブリン重鎖の発現を欠く非ヒト宿主(マウスとして例証される
)を作製するための方法の例は、米国特許第5,939,598号に記載される
。それを、以下の工程を包含する方法によって得ることが可能である:位置の再
配列を防ぎ、そして再配列された免疫グロブリン重鎖位置の転写物の形成、およ
び選択マーカーをコードする遺伝子を含む標的ベクターによって影響される欠失
を防ぐために、胚幹細胞における少なくとも1つの内因性重鎖位置由来のJセグ
メント遺伝子を欠失する工程;およびトランスジェニックマウス(その体細胞お
よび生殖細胞は、選択マーカーをコードする遺伝子を含む)を、胚幹細胞から作
製する工程。
【0267】 目的の抗体(例えば、ヒト抗体)を産生する方法は、米国特許第5,916,
771号に開示される。それは以下の工程を包含する:重鎖をコードするヌクレ
オチド配列を含む発現ベクターを、培養中の1つの哺乳動物宿主細胞に導入する
工程、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、別の哺乳動物
宿主細胞に導入する工程、およびハイブリッド細胞を形成するために2つの細胞
融合する工程。ハイブリッド細胞は、重鎖および軽鎖を含む抗体を発現する。
【0268】 この手順のさらなる改善において、免疫原上の臨床的に関連するエピトープを
同定する方法、および関連するエピトープに高い親和性で免疫特異的に結合する
抗体を選択する相関する方法は、PCT刊行物WO99/53049に開示され
る。
【0269】 (Fabフラグメントおよび1本鎖抗体) 本発明に従って、技術は、本発明の抗原性タンパク質に特異的な1本鎖抗体の
産生に適用され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)
。さらに、方法は、Fab発現ライブラリーの構築に適用され得(例えば、Hu
seら、1989 Science 246:1275−1281を参照のこと
)、タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログまたはホモログにつ
いての所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ効果
的な同定を可能にする。タンパク質抗原に対するイディオタイプを含む抗体 フラグメント((i)抗体分子のペプシン消化によって産生されるF(ab’) フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋を還
元することによって産生されたFabフラグメント(iii)ペプシンおよび還
元剤を用いた抗体分子の処理によって産生されたFabフラグメント、および(
iv)Fフラグメントを含むが、これらに限定ない)は、当該分野で公知の技
術によって産生され得る。
【0270】 (二重特異的抗体) 二重特異的抗体は、モノクローナル抗体(好ましくはヒトモノクローナル抗体
またはヒト化されたモノクローナル抗体)であって、これは少なくとも2つの異
なる抗原に対して結合特異性を有する。この場合において、結合特異性の1つは
、本発明の抗原性タンパク質に対してである。第2の結合標的は、任意の他の抗
原であり、そして有利には細胞表面タンパク質あるいはレセプターまたはレセプ
ターサブユニットである。
【0271】 二重特異的抗体を作製する方法は、当該分野で公知である。伝統的に、二重特
異的抗体の組換え生成は、2つの免疫グロブリンの重鎖/軽鎖の対の同時発現に
基づき、ここでこの2つの重鎖は異なる特異性を有する(Milsteinおよ
びCuello、Nature,305:537−539(1983))。免疫
グロブリンの重鎖および軽鎖のランダムな組み合わせのために、これらのハイブ
リドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の潜在的混合物を作製し、
このうち1つのみが正確な二重特異的構造を有する。この正確な分子の精製は、
通常アフィニティークロマトグラフィー工程によって達成される。同様の手順は
、1993年5月13日開示のWO93/08829、およびTrauneck
erら、1991 EMBO J.、10:3655−3659において開示さ
れる。
【0272】 所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインは、免疫
グロブリン定常領域配列に融合され得る。この融合は、好ましくは免疫グロブリ
ン重鎖定常ドメインを有し、ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも部
分を含む。この融合物中の少なくとも1つに存在する軽鎖結合のために必要な部
位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。この免疫グロ
ブリン重鎖融合体、および所望の場合、この免疫グロブリン軽鎖をコードするD
NAは、別々の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生物体に同時トラン
スフェクトされる。二重特異的抗体の作製のさらなる詳細は、例えば、Sure
shら、Methods in Enzymology,121:210(19
86)を参照のこと。
【0273】 WO96/27011に記載される別のアプローチに従って、抗体分子の対の
間の界面は、組換え細胞培養物から回収されるヘテロダイマーのパーセンテージ
を最大化するために操作され得る。好ましい界面は、抗体定常領域のCH3領域
の少なくとも一部を含む。この方法において、第1の抗体分子の界面からの1つ
以上の小さなアミノ酸側鎖は、より大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプ
トファン)で置換される。大きな側鎖についての同一または同様のサイズの代償
的な「空洞」は、大きなアミノ酸側鎖を小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニン
またはスレオニン)で置換することによって、第2の抗体分子の界面上に生成さ
れる。このことは、ホモダイマーのような他の不必要な最終生成物よりも、ヘテ
ロダイマーの収量を増加するための機構を提供する。
【0274】 二重特異的抗体は、全長抗体または抗体フラグメント(例えば、F(ab’) 二重特異的抗体)として調製され得る。抗体フラグメントから二重特異的抗体
を作製するための技術は、文献において記載される。例えば、二重特異的抗体は
、化学結合を使用して調製され得る。Brennanら、Science 22
9:81(1985)は、インタクトな抗体がタンパク分解的に切断されてF(
ab’)フラグメントを作製する手順を記載する。これらのフラグメントは、
ビシナルジチオールを安定化し、そして分子間ジスルフィド形成を阻止するため
に、ジチオール錯化剤ナトリウム亜ヒ酸塩の存在下で還元される。次いで、この
作製されたFab’フラグメントは、チオニトロベンゾエート(TBN)誘導体
に変換される。次いで、Fab’−TBN誘導体の1つは、メルカプトエチルア
ミンでの還元によってFab’−チオールに再変換され、そしてこれは等モル量
の他のFab’−TBN誘導体と混合されて二重特異的抗体を形成する。生成さ
れた二重特異的抗体は、酵素の選択的固定化のための薬剤として使用され得る。
【0275】 さらに、Fab’フラグメントは、E.coliから直接回収され得、そして
化学的にカップリングされて二重特異的抗体を形成する。Shalabyら、J
.Exp.Med.175:217−225(1992)は、完全にヒト化され
た二重特異的抗体F(ab’)分子の生成を記載する。各Fab’フラグメン
トは、E.coliから別々に分泌され、そしてインビトロの化学的カップリン
グに供され、二重特異的抗体を形成する。従って、形成されたこの二重特異的抗
体は、ErbB2レセプターを過剰発現する細胞および正常なヒトT細胞に結合
し得、そしてヒト胸部腫瘍標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解性活性を
誘因し得る。
【0276】 組換え細胞培養物から直接二重特異的抗体フラグメントを作製し、そして単離
するための種々の技術が記載されてきた。例えば、二重特異的抗体は、ロイシン
ジッパーを使用して産生される。Kostelnyら、J.Immunol.1
48(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタンパク質
由来のロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のF
ab’部分に結合される。この抗体ホモダイマーは、ヒンジ領域で還元されてモ
ノマーを形成し、次いで再酸化されて抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法
はまた、抗体ホモダイマーの産生のために使用され得る。Hollingerら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448
(1993)に記載されるこの「ディアボディー(diabody)」技術は、
二重特異的抗体フラグメントを作製するための代替的な機構を提供した。このフ
ラグメントは、短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間を対にできないリンカー
によって軽鎖可変領域(V)に接続された重鎖可変領域(V)を含む。従っ
て、1つのフラグメントのVおよびVドメインは、別のフラグメントの相補
的なVおよびVドメインと対になるように強制され、これによって2つの抗
原結合部位が形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用によって二重特異的
抗体フラグメントを作製するための別のストラテジーもまた、報告されてきた。
Gruberら、J.Immunol.152:5368(1994)を参照の
こと。
【0277】 2つ以上の結合価を有する抗体が意図される。例えば、三重特異的抗体が調製
され得る。Tuttら、J.Immunol.147:60(1991)。
【0278】 例示的な二重特異的抗体は、2つの異なるエピトープに結合し得、このうち少
なくとも1つは、本発明のタンパク質抗原に起源を有する。あるいは、免疫グロ
ブリン分子の抗抗原性アームは、T細胞レセプター分子のような白血球(例えば
、CD2、CD3、CD28、またはB7)、あるいはIgGに対するFcレセ
プター(Fc R)(例えば、Fc RI(CD64)、Fc RII(CD3
2)およびFc RIII(CD16))上の標的化分子に結合するアームに、
特定の抗原を発現する細胞に対する細胞の防御機構に焦点を合わせるように結合
され得る。二重特異的抗体はまた、特定の抗原を発現する細胞に対する細胞傷害
性因子に指向するために使用され得る。これらの抗体は抗原結合アーム、および
細胞傷害性因子または放射性核種キレーター(例えば、EOTUBE、DPTA
、DOTA、またはTETA)に結合するアームを保有する。目的の別の二重特
異的抗体は、本明細書中に記載のタンパク質抗原に結合し、そしてさらに組織因
子(TF)に結合する。
【0279】 (ヘテロ接合体抗体) ヘテロ接合体抗体はまた、本発明の範囲内である。ヘテロ接合体抗体は、2つ
の共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不必要
な細胞に標的化するために(米国特許第4,676,980号)、およびHIV
感染の処置のために(WO91/00360;WO92/200373;EP0
3089)提案されてきた。この抗体(架橋剤を含む抗体を含む)は、インビト
ロで、合成タンパク質化学において公知の方法を使用して調製され得ることが意
図される。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応の使用またはチオエーテ
ル結合の形成によって構築され得る。この目的のための適切な試薬の例としては
、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデート、ならびに
例えば米国特許第4,676,980号において開示される試薬が挙げられる。
【0280】 (エフェクター機能操作) 本発明の抗体を、エフェクター機能について、例えば癌の処置における抗体の
効力を増大するように改変することが望ましい。例えば、システイン残基は、F
c領域に導入され得、これによってこの領域における鎖間ジスルフィド結合の形
成を可能にする。従って、作製されるこのホモダイマー抗体は、改良されたイン
ターナリゼーションの可能性および/または増加した補体媒介細胞死滅、ならび
に抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有し得る。Caronら、J.Exp.
Med.、176:1191−1195(1192)およびShopes、J.
Immunol.148:2918−2922(1992)を参照のこと。増大
した抗腫瘍活性を有するホモダイマー抗体はまた、Wolffら、Cancer
Research、53:2560−2656(1993)に記載されるヘテ
ロ二官能性架橋剤を使用して調製され得る。あるいは、抗体は操作され得、これ
は二重のFc領域を有し、そしてこれによって増大した補体溶解およびADCC
の可能性を有し得る。Stevensonら、Anti−Cancer Dru
g Design,3:219−230(1989)を参照のこと。
【0281】 (免疫接合体) 本発明はまた、細胞傷害性の薬剤(例えば、化学療法剤、毒素(例えば、細菌
、真菌、植物、または動物起源の酵素学的に活性な毒素、あるいはそれらのフラ
グメント)、または放射性同位体(すなわち、放射性接合体))に結合した抗体
を含む免疫接合体に関する。
【0282】 このような免疫接合体の作製において有用な化学療法剤は、上記に記載される
。使用され得る酵素学的に活性な毒素およびそれらのフラグメントとしては、ジ
フテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(Pse
udomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、
モデシン(modeccin)A鎖、α−サルシン、Aleurites fo
rdiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phyto
laca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、およびPA
P−S)、momordica charantiaインヒビター、クルシン(
curcin)、クロチン(crotin)、sepaonaria offi
cinalisインヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mi
togellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノ
マイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、およ
びトリコテセン(tricothecen)が挙げられる。種々の放射性核種は
、放射性結合した抗体の作製のために利用可能である。その例としては、212 Bi、131I、131In、90Y、および186Reが挙げられる。
【0283】 抗体および細胞傷害性因子の接合体は、種々の二官能性タンパク質結合因子(
例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネー
ト(SPDP)、イミノチオラン(iminothiolane)(IT)、イ
ミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミデート HCL)、
活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば
、グルタルアルデヒド(glutareldehyde))、ビスアジド化合物
(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニ
ウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミ
ン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン2,6−ジイソシアネート)、およ
びビス−活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベ
ンゼン))を使用して作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta
ら、Science,238:1098(1987)に記載されるように調製さ
れ得る。炭素−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレ
ントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への結合
のための例示的なキレート剤である。WO94/11026を参照のこと。
【0284】 別の実施形態において、腫瘍の前標的化における利用のために、この抗体は、
「レセプター」(例えば、ストレプトアビジン)に結合され得、ここで抗体−レ
セプター接合体は患者に投与され、続いて除去剤を使用して結合していない接合
体が循環から除去され、次いで細胞傷害性因子に次々に結合する「リガンド」(
例えば、アビジン)が投与される。
【0285】 (AMFX組換え発現ベクターおよび宿主細胞) 本発明の別の局面は、AMFXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメ
ント、アナログ、もしくはホモログをコードする核酸を含むベクター、好ましく
は発現ベクターに関する。本明細書中で使用される場合、用語「ベクター」は、
これが接続された別の核酸を輸送し得る核酸分子をいう。ベクターの1つの型は
「プラスミド」であり、これはさらなるDNAセグメントが連結し得る環状の二
本鎖DNAループをいう。ベクターの別の型はウイルス性ベクターであり、ここ
でさらなるDNAセグメントはこのウイルス性ゲノムに連結され得る。特定のベ
クターは宿主細胞中で自発的に複製し得、この中に導入される(例えば、細菌の
複製起源を有する細菌ベクターおよびエピソームの哺乳類ベクター)。他のベク
ター(例えば、非エピソーム哺乳類ベクター)は、宿主細胞に導入される際に宿
主細胞のゲノムに組み込まれ、そしてこれによって宿主のゲノムと同調して複製
される。さらに、特定のベクターは、これが作動可能に連結される遺伝子の発現
を指向し得る。このようなベクターは、本明細書中で「発現ベクター」といわれ
る。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしばプラス
ミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、
このプラスミドはベクターの最も一般的に使用される形態であるため、交換可能
に使用され得る。しかし、本発明は、ウイルス性ベクター(例えば、複製欠損レ
トロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)のような発現ベクタ
ーのこのような他の形態を含むことを意図し、これは等価な機能を果たす。
【0286】 本発明の組換え発現ベクターは、本発明の核酸を、宿主細胞における核酸の発
現に適切な形態で含み、これはこの組換え発現ベクターが、発現のために使用さ
れる宿主細胞に基づいて選択される1つ以上の調節配列を含むこと意味し、これ
は発現される核酸配列に作動可能に連結される。組換え発現ベクターにおいて、
「作動可能に連結」は、目的のヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発現を
可能にする(例えば、このベクターが宿主細胞に導入される場合、インビトロ転
写/翻訳系または宿主細胞において)ような様式で調節配列に連結されることを
意味することを意図する。
【0287】 用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメ
ント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調
節配列は、例えば、Goeddel、GENE EXPRESSION TEC
HNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Ac
ademic Press、San Diego、Calif.(1990)に
記載されている。調節配列は、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の
構成的発現を指向する配列、および特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配
列の発現を指向する配列(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクター
の設計が形質転換されるべき宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベル
などのような因子に依存し得ることは当業者に理解される。本発明の発現ベクタ
ーは、宿主細胞に導入され、それにより、本明細書に記載されるような核酸によ
りコードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質または融合ペプチド
を含む)(例えば、AMFXタンパク質、AMFXタンパク質の変異形態、融合
タンパク質など)を生成し得る。
【0288】 本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における、
AMFXタンパク質の発現のために設計され得る。例えば、AMFXタンパク質
は、細菌細胞(例えば、Escherichia.coli)、昆虫細胞(バキ
ュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発
現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel、GENE EXPRESSI
ON TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY
185、Academic Press、San Diego、Calif.(
1990)においてさらに考察される。あるいは、組換え発現ベクターは、例え
ば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで
転写および翻訳され得る。
【0289】 原核生物におけるタンパク質の発現は、最も頻繁には、融合タンパク質または
非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性
プロモーターを含むベクターを有するEscherichia.coliにおい
て実行される。融合ベクターは、そこにコードされるタンパク質に、通常、組換
えタンパク質のアミノ末端に、多数のアミノ酸を付加する。このような融合ベク
ターは、代表的には、以下の3つの目的のために役立つ:(i)組換えタンパク
質の発現を増加させること;(ii)組換えタンパク質の溶解度を増加させるこ
と;および(iii)親和性精製においてリガンドとして作用することによって
組換えタンパク質の精製の際に補助すること。しばしば、融合発現ベクターにお
いて、タンパク質分解の切断部位が、融合部分の結合部に導入され、そして融合
タンパク質の精製の後に、組換えタンパク質が組換えタンパク質の融合部分から
分離されることを可能にする。このような酵素、およびその同族の認識配列は、
第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベ
クターとしては、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトース
E結合タンパク質、またはプロテインAを、それぞれ、標的の組換えタンパク質
に融合するpGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smit
h and Johnson(1988)Gene 67:31−40)、pM
AL(New England Biolabs,Beverly,Mass.
)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,N.J.)
が挙げられる。
【0290】 適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例としては、pTrc(Am
rannら(1988)Gene 69:301−315)およびpET 11
d(Studierら、GENE EXPRESSION TECHNOLOG
Y:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic
Press,San Diego,Calif.(1990)60−89)が
挙げられる。
【0291】 E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つのストラ
テジーは、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力が損なわれた宿
主細菌中でタンパク質を発現させることである。例えば、Gottesman,
GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS I
N ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San
Diego,Calif.(1990)119−128を参照のこと。別のスト
ラテジーは、各アミノ酸についての個々のコドンが、E.coliにおいて優先
的に利用されるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変更するこ
とである(例えば、Wadaら(1992)Nucl.Acids Res.2
0:2111−2118を参照のこと)。本発明の核酸配列のこのような変更は
、標準的なDNA合成技術によって実行され得る。
【0292】 別の実施形態において、AMFX発現ベクターは、酵母発現ベクターである。
酵母Saccharomyces.cerivisaeにおける発現のためのベ
クターの例には、pYepSec1(Baldariら、(1987)EMBO
J 6:229−234)、pMFa(KurjanおよびHerskowi
tz、(1982)Cell 30:933−943)、pJRY88(Sch
ultzら、(1987)Gene 54:113−123)、pYES2(I
nvitrogen Corporation,San Diego,Cali
f.)、およびpicZ(InVitrogen Corp.,San Die
go,Calif.)が挙げられる。
【0293】 あるいは、AMFXは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細胞
中で発現され得る。培養された昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でタンパク質
の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(S
mithら(1983)Mol Cell Biol 3:2156−2165
)およびpVLシリーズ(LucklowおよびSummers(1989)V
irology 170:31−39)が挙げられる。
【0294】 なお別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用し
て、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8
(Seed(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(
Kaufmanら(1987)EMBO J 6:187−195)が挙げられ
る。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、
ウイルスの調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用されるプロ
モーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシ
ミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方のため
の他の適切な発現系については、例えば、Sambrookら、MOLECUL
AR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、C
old Spring Harbor Laboratory,Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,Cold Sp
ring Harbor,N.Y.,1989の第16章および第17章を参照
のこと。
【0295】 別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型(例え
ば、組織特異的調節エレメントを使用して核酸を発現する)中で優先的に核酸の
発現を指向し得る。組織特異的調節エレメントは、当該分野で公知である。適切
な組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(
肝臓特異的;Pinkertら(1987)Genes Dev 1:268−
277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton(198
8)Adv Immunol 43:235−275)、特に、T細胞レセプタ
ープロモーター(WinotoおよびBaltimore(1989)EMBO
J 8:729−733)および免疫グロブリン(Banerjiら(198
3)Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore(
1983)Cell 33:741−748)のプロモーター、ニューロン特異
的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;Byrneおよ
びRuddle(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら(19
85)Science 230:912−916)、および乳腺特異的プロモー
ター(例えば、ミルク乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号およ
び欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発生的に調節されるプロモ
ーターもまた含まれる(例えば、マウスホックス(murine hox)プロ
モーター(KesselおよびGruss(1990)Science 249
:374−379)およびα−フェトプロテインプロモーター(Campesお
よびTilghman(1989)Genes Dev 3:537−546)
【0296】 本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発
明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、そのDNA分
子は、AMFX mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DN
A分子の転写によって)を可能にする様式で調節配列に作動可能に連結される。
種々の細胞型におけるアンチセンスRNA分子の連続的な発現を指向する、アン
チセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結される調節配列が選択
され得る。例えば、アンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、または
細胞型特異的発現を指向する、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハン
サー、または調節配列が選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換えプ
ラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得、ここで
はアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で産生され、その活性は、ベク
ターが導入される細胞型によって決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する
遺伝子発現の調節の議論については、例えば、Weintraubら、「Ant
isense RNA as a molecular tool for g
enetic analysis」、Reviews−Trends in G
enetics、第1巻(1)1986を参照のこと。
【0297】 本発明の別の局面は、本発明の組換え発現べクターが導入された宿主細胞に関
する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能
に使用される。このような用語は、特定の対象の細胞をいうのみでなく、そのよ
うな細胞の子孫または潜在的な子孫をいうことが理解される。変異または環境的
影響のいずれかに起因して、特定の改変は次の世代において存在し得るので、こ
のような子孫は、実際、親の細胞と同一でないかもしれないが、なお、本明細書
中で使用されるような用語の範囲内に含まれる。
【0298】 宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、A
MFXタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母また
は哺乳動物細胞(例えば、ヒトチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)また
はCOS細胞)で発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0299】 ベクターDNAは、従来的な形質転換またはトランスフェクション技術を介し
て原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場
合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例
えば、DNA)を宿主細胞中に導入するための当該分野で認識される種々の技術
をいうことを意図し、これらには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈
殿、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、また
はエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェ
クトするための適切な方法は、Sambrookら(MOLECULAR CL
ONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold S
pring Harbor Laboratory,Cold Spring
Harbor Laboratory Press,Cold Spring
Harbor,N.Y.,1989)および他の実験室マニュアルに見出され得
る。
【0300】 哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションについては、使用される発現ベク
ターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞のほんの一部のみが外来
DNAをそのゲノム中に組み込み得ることが知られている。これらの要素を同定
および選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコー
ドする遺伝子が、一般的には目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。種々
の選択マーカーには、薬物に対する耐性を付与するマーカー(例えば、G418
、ハイグロマイシン、およびメトトレキセート)が含まれる。選択マーカーをコ
ードする核酸は、AMFXをコードするベクターと同じベクター上で宿主細胞に
導入され得るか、あるいは別々のベクター上で導入され得る。導入された核酸と
ともに安定にトランスフェクトされる細胞は、薬物選択によって同定され得る(
例えば、選択マーカー遺伝子を取り込んだ細胞は生存するが、他の細胞は死滅す
る)。
【0301】 本発明の宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞および真核生物宿主細
胞)は、AMFXタンパク質を産生(すなわち、発現)するために使用され得る
。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して、AMFXタンパク質
を産生するための方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、AM
FXタンパク質が産生されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(ここに
、AMFXタンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を培
養する工程を包含する。別の実施形態において、この方法はさらに、培地または
宿主細胞からAMFXを単離する工程を包含する。
【0302】 (トランスジェニックAMFX動物) 本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために使
用され得る。例えば、1つの実施形態において、本発明の宿主細胞は、AMFX
タンパク質コード配列が導入される、受精した卵母細胞または胚性幹細胞である
。次いで、このような宿主細胞は、非ヒトトランスジェニック動物を作製するた
めに使用され得、ここで外因性のAMFX配列は、それらのゲノムまたは相同組
換え動物(ここで内因性のAMFX配列が変更されている)に導入される。この
ような動物は、AMFXタンパク質の機能および/または活性を研究するため、
およびAMFXタンパク質の活性のモジュレーターを同定および/または評価す
るために有用である。本明細書中で使用される場合、「トランスジェニック動物
」とは、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、ラットまた
はマウスのような齧歯動物であり、ここでこれらの動物の1つ以上の細胞は、導
入遺伝子を含む。トランスジェニック動物の他の例には、非ヒト霊長類、ヒツジ
、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などを含む。導入遺伝子は、細胞のゲノ
ムに組み込まれ(この細胞からトランスジェニック動物が発生する)、そして成
熟動物のゲノムに残存する外因性のDNAであり、それによって、このトランス
ジェニック動物の1つ以上の細胞型または組織においてコード遺伝子産物の発現
を指向する。本明細書中で使用される場合、「相同組換え動物」とは、非ヒト動
物であり、好ましくは哺乳動物、より好ましくはマウスであり、ここで、内因性
AMFX遺伝子は、この内因性の遺伝子と、動物の発生の前に動物の細胞(例え
ば、動物の胚細胞)に導入された外因性DNA分子との間の相同組換えによって
、変更されている。
【0303】 本発明のトランスジェニック動物は、AMFXをコードする核酸を、(受精し
た卵母細胞の雄性前核に導入することによって例えば、マイクロインジェクショ
ン、レトロウイルス感染によって)、およびこの卵母細胞が偽妊娠雌性フォスタ
ー動物(foster animal)中で発生することを可能にすることによ
って作製され得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17およ
び19を含む配列は、非ヒト動物のゲノムに導入遺伝子として導入され得る。あ
るいは、ヒトAMFX遺伝子の非ヒトホモログ(例えば、マウスAMFX遺伝子
)は、ヒトAMFX cDNAに対するハイブリダイゼーションに基づいて単離
され得(上述にさらに記載される)、そして導入遺伝子として使用され得る。イ
ントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた導入遺伝子中に含まれ、その
導入遺伝子の発現の効率を増大させ得る。組織特異的調節配列(単数または複数
)は、特定の細胞に対して、AMFXタンパク質の発現を指向するために、AM
FX導入遺伝子に作動可能に連結される。胚の操作およびマイクロインジェクシ
ョンを介するトランスジェニック動物(特に、マウスのような動物)を生成する
ための方法は、当該分野で従来的になっており、そして例えば、米国特許第4,
736,866号;同第4,870,009号;および同第4,873,191
号;ならびにHogan 1986、MANIPULATING THE MO
USE EMBRYO,Cold Spring Harbor Labora
tory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.に記
載されている。同様の方法は、他のトランスジェニック動物の作製のために使用
される。トランスジェニック初代動物は、そのゲノムにおけるAMFX導入遺伝
子の存在および/またはその動物の組織または細胞中のAMFX mRNAの発
現に基づいて同定され得る。次いで、トランスジェニック初代動物は、導入遺伝
子を有するさらなる動物を繁殖させるために使用され得る。さらに、AMFXタ
ンパク質をコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物は、さらに、
他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物へと繁殖させ得る。
【0304】 相同組換え動物を作製するために、欠失、付加、または置換が導入されて、そ
れによってAMFX遺伝子が変化(例えば、機能的に破壊)されている、少なく
とも、AMFX遺伝子の一部を含むベクターを調製する。AMFX遺伝子は、ヒ
ト遺伝子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17およ
び19のDNA)であり得るが、より好ましくは、ヒトAMFX遺伝子の非ヒト
ホモログである。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、1
7および19のヒトAMFX遺伝子のマウスホモログは、マウスゲノムにおいて
内因性AMFX遺伝子を変更するのに適切な相同組換えベクターを構築するため
に使用され得る。1つの実施形態において、そのベクターは、相同組換えに際し
て、内因性AMFX遺伝子が、機能的に破壊される(すなわち、機能的タンパク
質をもはやコードしない;「ノックアウト」ベクターともいわれる)ように設計
される。
【0305】 あるいは、このベクターは、相同組換えの際に、内因性AMFX遺伝子が変異
されるか、あるいはさもなければ、変更されるが、なお機能性タンパク質をコー
ドするように設計される(例えば、上流の調節領域を変更して、それによって内
因性AMFXタンパク質の発現を変更し得る)。相同組換えベクターにおいて、
AMFX遺伝子の変更された部分は、AMFX遺伝子のさらなる核酸によって、
その5’末端および3’末端で隣接され、相同組換えが、ベクターによって運ば
れる外因性AMFX遺伝子と胚幹細胞中の内因性AMFX遺伝子との間で起こる
ことを可能にする。さらなる隣接するAMFX核酸は、内因性遺伝子との首尾よ
い相同組換えに十分な長さである。代表的に、数キロベースの隣接するDNA(
5’末端および3’末端の両方)が、ベクターに含まれる。例えば、相同組換え
ベクターの記載について、Thomasら(1987)Cell 51:503
を参照のこと。このベクターは、胚幹細胞株に導入され(例えば、エレクトロポ
レーションによって)、この導入されたAMFX遺伝子が、内因性AMFX遺伝
子と相同組換えされた細胞が、選択される(例えば、Liら(1992)Cel
l 69:915を参照のこと)。
【0306】 次いで、この選択された細胞を、動物(例えば、マウス)の胚盤胞へ注入して
、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley(1987)のTERATO
CARCINOMAS AND EMBRYONIC STEM CELLS:
A PRACTICAL APPROACH、Robertson編、IRL、
Oxford 113頁〜152頁を参照のこと。次いで、キメラ胚を、適切な
偽妊娠雌性フォスター動物に移植し得、そしてこの胚を、一定期間置く。それら
の胚芽細胞中に相同組換えDNAを保有する子孫を使用して、動物を繁殖し得、
ここで、この動物の全ての細胞は、導入遺伝子の生殖系列伝達によって、この相
同組換えDNAを含む。相同的組換えベクターおよび相同的組換え動物を構築す
るための方法が、さらに以下に記載される;Bradley(1991)Cur
r.Opin.Biotechnol.2:823−829;PCT国際公開番
号:WO90/11354;WO91/01140;WO92/0968;およ
びWO93/04169。
【0307】 別の実施形態において、導入遺伝子の調節された発現を可能にする選択された
系を含む、非ヒトトランスジェニック動物が産生され得る。このような系の1つ
の例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。
cre/loxPリコンビナーゼ系の記載については、例えば、Laksoら、
1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232−
6236を参照のこと。リコンビナーゼ系の別の例は、Saccharomyc
es cerevisiaeのFLPリコンビナーゼ系である(O’Gorma
nら、1991、Science 251:1351−1355を参照のこと)
。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を調節するために使用
される場合、Creリコンビナーゼおよび選択されたタンパク質の両方をコード
する導入遺伝子を含む動物が、必要となる。このような動物は、例えば、2種の
トランスジェニック動物(一方は選択されたタンパク質をコードした導入遺伝子
を含み、他方はリコンビナーゼをコードした導入遺伝子を含む)を交配すること
による、「二重の」トランスジェニック動物の構築によって提供され得る。
【0308】 本明細書中に記載されるトランスジェニック非ヒト動物のクローンがまた、W
ilmutら、1997、Nature 385:810−813に記載される
方法に従って、産生され得る。簡単には、トランスジェニック動物由来の細胞(
例えば、体細胞)を、単離および誘導し、増殖サイクルから出し、そしてG
に入らせ得る。次いで、この静止細胞を、例えば、電気パルスの使用により、静
止細胞が単離される同種動物由来の、摘出された卵母細胞へ融合し得る。次いで
、この再構築された卵母細胞を培養し、これにより、これは桑実胚または未分化
胚芽細胞に発達し、次いで、偽妊娠雌性フォスター動物に移される。この雌性フ
ォスター動物の産生子孫は、この細胞(例えば、体細胞)が単離される動物のク
ローンである。
【0309】 (薬学的組成物) 本発明のAMFX核酸分子、AMFXタンパク質、および抗AMFX抗体(こ
れはまた、本明細書中で「活性化合物」といわれる)、ならびにそれらの誘導体
、フラグメント、アナログ、およびホモログが、投与に適した薬学的組成物に組
み込まれ得る。このような組成物は、代表的に、核酸分子、タンパク質または抗
体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、
「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的な投与に適合した、任意および全て
の溶媒、分散液、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延
剤(delaying agent)などを含むことが意図される。適切なキャ
リアは、当該分野における標準的な参考書である、Remington’s P
harmaceutical Sciencesの最新版(本明細書中で参考と
して援用される)に記載される。このようなキャリアまたは賦形薬の好ましい例
としては、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、および5%
ヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されない。リポソームおよび非水性
ビヒクル(例えば、不揮発性油)はまた、使用され得る。薬学的に活性物質であ
る、このような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。この活性化合
物と不適合性である任意の従来の媒体または薬剤の範囲を除いて、組成物におけ
るその使用は、意図される。補足的な活性化合物はまた、この組成物に組み込ま
れ得る。
【0310】 本発明の薬学的組成物は、その意図される投与の経路と適合可能に処方される
。投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)、経口(例え
ば、吸入)、経皮的(すなわち、局所的)、粘膜を越えて、および直腸投与が挙
げられる。非経口、皮内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液
としては、以下の成分が挙げられ得る:滅菌賦形薬(注射のための水、生理食塩
水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコ
ールまたは他の合成溶媒);抗菌性剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチ
ルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム)
;キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));緩衝液(例え
ば、アセテート、シトラートまたはホスフェート);および張度の調整のための
薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基
(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)を用いて調整され得る。非経口調製物
は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは複数用量
バイアルに封入され得る。
【0311】 注入用途に適した薬学的組成物は、滅菌水溶液(ここでは、水溶解性)または
分散媒(dispersion)、および滅菌注入可能溶液または分散媒の即座
の調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与において、適切なキャリアには、生
理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsipp
any、N.J.)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全
ての場合において、組成物は、無菌でなければならず、そして容易な注入性(s
yringeability)が存在する程度に流動性であるべきである。これ
は、製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌
のような微生物の汚染行為に対して保護されなければならない。このキャリアは
、例えば、以下を含む溶媒または分散媒であり得る:水、エタノール、ポリオー
ル(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレング
リコールなど)ならびにそれらの適切な混合物。適切な流動性が、例えば、レシ
チンのようなコーティングの使用によって、分散媒の場合には、要求される粒子
サイズを維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持
され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラ
ベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)に
よって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張剤(例えば、砂糖、ポリアル
コール(例えば、マンニトール(manitol)、ソルビトール)、塩化ナト
リウム)を含むことが好ましい。注入可能組成物の吸収期間の延長は、組成物に
吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン
)を含ませることによってもたらされ得る。
【0312】 滅菌注射可能溶液は、必要量のこの活性化合物(例えば、AMFXタンパク質
または抗AMFX抗体))を、適切な溶媒中で、上記で列挙される成分の1つま
たは組み合わせと共に組み込み、必要な場合、続いて濾過滅菌することによって
調製され得る。一般的に、分散媒は、活性化合物を、基本(basic)の分散
媒と上記で列挙される成分から必要とされる他の成分とを含む滅菌ビヒクル中へ
組み込むことによって調製される。滅菌注射可能液剤の調製のための滅菌粉末の
場合において、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、予め
滅菌濾過されたその溶液から活性成分および任意のさらなる所望の成分の粉末を
得る。
【0313】 経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは
、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤へと圧縮され得る。経口治療
投与の目的のために、この活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、そして
錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物はまた
、うがい薬としての使用のために流体キャリアを使用して調製され得、ここで、
この流体キャリア中のこの化合物は、経口的に適用され、そして音を立てられ(
swish)、そして吐き出されるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の
結合剤、および/またはアジュバント物質が、この組成物の一部として含まれ得
る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などが、任意の以下の成分または同様
の性質を有する化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムト
ラガントまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩
壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、またはコーンス
ターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステロテス(St
erotes));潤滑剤(glidant)(例えば、コロイド状二酸化ケイ
素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは香味剤(例え
ば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー)。
【0314】 吸入による投与について、この化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素
のような気体)を含む圧縮容器またはディスペンサー、あるいは噴霧器から、エ
アロゾル噴霧の形態で送達される。
【0315】 全身的投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により得る。経粘膜投与または
経皮投与について、浸透される障壁に適切な浸透剤が、処方物において使用され
る。このような浸透剤は、一般的に、当該分野で公知であり、そして、例えば、
経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げ
られる。経粘膜投与は、鼻噴霧または坐剤の使用によって達成され得る。経皮投
与については、この活性化合物は、当該分野で一般的に公知である軟膏剤(oi
ntment)、軟膏(salve)、ゲル、またはクリーム剤へ処方される。
【0316】 この化合物はまた、直腸送達のための坐剤(例えば、ココアバターおよび他の
グリセリドのような従来の坐剤基剤と共に)または貯留(rentention
)浣腸の形態で調製され得る。
【0317】 1つの実施形態において、この活性化合物は、身体からの迅速な排出に対して
この化合物を保護するキャリアを用いて調製され(例えば、制御放出処方物)、
これには、移植片およびマイクロカプセル化された送達系が挙げられる。酢酸エ
チレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステ
ル、およびポリ乳酸のような、生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。
このような処方物の調製のための方法は、当業者には明らかである。これらの物
質はまた、Alza Corporation and Nova Pharm
aceuticals,Inc.から商業的に入手され得る。リポソーム懸濁剤
(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を感染させた細胞へ標的化されるリ
ポソームを含む)がまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。こ
れらは、例えば米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に
公知の方法に従って調製され得る。
【0318】 投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で、経口組成物ま
たは非経口組成物を処方することが、特に有益である。本明細書で使用される投
薬単位形態は、処置される被験体に対する単位投薬量として適切な物理的に個々
の単位をいい;各単位は、必要とされる薬学的キャリアと関連して所望の治療的
効果を生じるように計算された、所定量の活性化合物を含む。本発明の投薬単位
形態についての詳細は、この活性化合物の固有の特徴、および達成される特定の
治療効果、ならびに個体の処置のためのこのような活性化合物を調合する分野に
固有の制限によって決定されるか、あるいはこれらに直接依存する。
【0319】 本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとし
て使用され得る。遺伝子治療ベクターは、被験体へ、例えば静脈内注射、局所投
与(例えば、米国特許第5,328,470号を参照のこと)によって、または
定位注射(例えば、Chenら(1994)Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 91:3054−3057を参照のこと)によって送達され得る
。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物には、受容可能な希釈剤中の遺伝子治療ベ
クターが挙げられ得るか、または遺伝子送達ビヒクルが組み込まれる除放性マト
リックスが挙げられ得る。あるいは、完全な遺伝子送達ベクターが組換え細胞か
らインタクトで産生され得る場合(例えば、レトロウイルスベクター)、薬学的
調製物は、遺伝子送達系を産生する1以上の細胞を含み得る。
【0320】 薬学的組成物は、投与のための使用説明書と共に、容器、包装、またはディス
ペンサーに含まれ得る。
【0321】 (スクリーニングおよび検出の方法) 本発明の単離された核酸分子は、以下にさらに説明されるように、AMFXタ
ンパク質(例えば、遺伝子治療適用における宿主細胞中の組換え発現ベクターを
介する)を発現するため、AMFX mRNA(例えば、生物学的サンプルにお
いて)またはAMFX遺伝子における遺伝子損傷を検出するため、ならびにAM
FX活性を調節するために使用され得る。さらに、AMFXタンパク質は、AM
FXタンパク質の活性または発現を調節する薬物または化合物をスクリーニング
するために、ならびにAMFXタンパク質の不十分もしくは過剰な産生によって
、あるいはAMFX野生型タンパク質と比較して減少した活性もしくは異常な活
性を有するAMFXタンパク質形態の産生によって特徴付けられる障害(例えば
;糖尿病(インシュリン放出を制御する);肥満(脂質を結合し、輸送する);
肥満に関連する代謝障害、代謝症候群X、ならびに慢性疾患および種々の癌に関
連する食欲不振および消耗障害、および感染性疾患(抗細菌活性を有する)およ
び種々の脂血症(dyslipidemia))を処置するために使用され得る
。さらに、本発明の抗AMFX抗体が、AMFXタンパク質を検出および単離す
るため、ならびにAMFX活性を調節するために使用され得る。なおさらなる局
面において、本発明は、陽性様式と陰性様式との両方で、食欲、栄養の吸収、お
よび代謝基質の処置に影響する方法において使用され得る。
【0322】 本発明は、さらに、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定
される新規の薬剤、および上記で本明細書中で記載されるような処置のためのそ
れらの使用に関する。
【0323】 (スクリーニングアッセイ) 本発明は、調節因子、すなわち、AMFXタンパク質に結合するか、あるいは
例えば、AMFXタンパク質の発現またはAMFXタンパク質の活性に対して刺
激効果または阻害効果を有する、候補または試験化合物または薬剤(例えば、ペ
プチド、ペプチド模倣物、低分子または他の薬物)を同定するための方法(本明
細書中において「スクリーニングアッセイ」とも称される)を提供する。本発明
はまた、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイにおいて同定された化合物
を含む。
【0324】 1実施形態において、本発明は、AMFXタンパク質またはポリペプチド、あ
るいはその生物学的に活性な部分の膜結合形態に結合するか、またはその膜結合
形態の活性を調節する、候補化合物もしくは試験化合物をスクリーニングするた
めのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、当該分野において公知のコン
ビナトリアルライブラリー法における多数のアプローチのいずれかを使用して得
られ得、これには、以下が挙げられる:生物学的ライブラリー;空間的に位置付
け可能な並行固相もしくは溶液相ライブラリー;逆重畳を要する合成ライブラリ
ー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグ
ラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。生物学的ライブラリーアプローチ
はペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、
非ペプチドオリゴマーもしくは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(
例えば、Lam(1997)Anticancer Drug Design
12:145を参照のこと)。
【0325】 本明細書中で使用される場合、「低分子」とは、約5kD未満の分子量、最も
好ましくは約4kD未満の分子量を有する組成物をいうように意味される。低分
子は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣体、炭水化物、脂
質または他の有機分子もしくは無機分子であり得る。化学的および/または生物
学的混合物(例えば、真菌、細菌または藻類抽出物)のライブラリーは、当該分
野で公知であり、そして本発明のアッセイのいずれかを用いてスクリーニングさ
れ得る。
【0326】 分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば以下
に見出され得る:DeWittら(1993)Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 90:6909;Erbら(1994)Proc Natl
Acad Sci U.S.A.91:11422;Zuckermannら(
1994)J.Med.Chem.37:2678;Choら(1993)Sc
ience 261:1303;Carrellら(1994)Angew.C
hem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carellら(1994
)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;およびG
allopら(1994)J.Med.Chem.37:1233。
【0327】 化合物のライブラリーは、溶液中で(例えば、Houghten(1992)
Biotechniques 13:412〜421)、あるいはビーズ上(L
am(1991)Nature 354:82〜84)、チップ上(Fodor
(1993)Nature 364:555〜556)、細菌(Ladner
米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner 米国特許第5,23
3,409号)、プラスミド(Cullら(1992)Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 89:1865〜1869)またはファージ上(Sc
ottおよびSmith(1990)Science 249:386〜390
;Devlin(1990)Science 249:404〜406;Cwi
rlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:
6378〜6382;Felici(1991)J.Mol.Biol.222
:301〜310;Ladner、米国特許第5,233,409号)において
提示され得る。
【0328】 1つの実施形態において、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、ここで、
膜結合形態のAMFXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分を細胞表面
上に発現する細胞が、試験化合物と接触され、そしてこの試験化合物が、AMF
Xタンパク質に結合する能力が、決定される。例えば、細胞は、哺乳動物起源ま
たは酵母細胞であり得る。この試験化合物がAMFXタンパク質に結合する能力
の決定は、例えば、その試験化合物を放射性同位体または酵素標識とカップリン
グさせて、その結果、この試験化合物のAMFXタンパク質またはその生物学的
に活性な部分に対する結合が、複合体におけるその標識化合物を検出することに
よって決定され得ることによって達成され得る。例えば、試験化合物は、125 I、35S、14C、またはHで直接的または間接的のいずれかで標識され得
、そしてその放射性同位体が、放射線放射の直接の計数により、またはシンチレ
ーション計数により、検出され得る。あるいは、試験化合物は、例えば、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素
的に標識され得、そしてこの酵素的標識が、適切な基質の生成物への転換を決定
することにより、検出され得る。1つの実施形態において、このアッセイは、膜
結合形態のAMFXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分をその細胞表
面上に発現する細胞を、AMFXと結合する既知の化合物と接触させて、アッセ
イ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物に試験化合物を接触させる工程、
ならびにこの試験化合物がAMFXタンパク質と相互作用する能力を決定する工
程を包含し、ここで、この試験化合物がAMFXタンパク質と相互作用する能力
を決定する工程によって、この試験化合物が、既知の化合物と比較して、AMF
Xまたはその生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する工程を包
含する。
【0329】 別の実施形態において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、これは、
膜結合形態のAMFXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上
で発現する細胞を、試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物が、
AMFXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺
激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物が、AMF
Xまたはその生物学的に活性な部分の活性を調節する能力の決定は、例えば、A
MFXタンパク質が、AMFX標的分子に結合またはこれら標的分子と相互作用
する能力を決定することによって、達成され得る。本明細書中において使用する
場合には、「標的分子」とは、AMFXタンパク質が天然に結合または相互作用
する分子であり、例えば、AMFX相互作用タンパク質を発現する細胞表面上の
分子、第二の細胞表面上の分子、細胞外環境中の分子、細胞膜の内面と会合する
分子、または細胞質分子である。AMFX標的分子は、非AMFX分子あるいは
本発明のAMFXタンパク質またはポリペプチドであり得る。1つの実施形態に
おいて、AMFX標的分子は、シグナル伝達経路の構成要素であり、これは、細
胞膜を通って細胞内への細胞外シグナル(例えば、化合物が膜結合AMFX分子
に結合することにより発生するシグナル)の伝達を促進する。その標的は、例え
ば、触媒活性を有する第二の細胞内タンパク質、または下流シグナル伝達分子の
AMFXとの会合を容易にするタンパク質であり得る。
【0330】 AMFXタンパク質がAMFX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相
互作用する能力の決定は、直接的結合を決定するための上記方法の1つにより、
達成され得る。1つの実施形態において、AMFXタンパク質がAMFX標的分
子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、その標的分子
の活性を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の活性は、
その標的の細胞性セカンドメッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシ
ルグリセロール、IPなど)の誘導を検出すること、適切な基質への標的の触
媒活性/酵素活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー(例
えば、ルシフェラーゼ)をコードする核酸に作動可能に連結されたAMFX応答
性調節エレメントを含む)の誘導を検出すること、または細胞応答(例えば、細
胞生存度、細胞分化、または細胞増殖)を検出することにより、決定され得る。
【0331】 なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、無細胞(cell−fre
e)アッセイであり、AMFXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試
験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がAMFXタンパク質また
はその生物学的に活性な部分と結合する能力を決定する工程を包含する。この試
験化合物の、AMFXタンパク質への結合は、上記のように、直接的または間接
的にのいずれかで決定され得る。1つのこのような実施形態において、このアッ
セイは、AMFXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を、AMFXを結
合する既知の化合物に接触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセ
イ混合物を試験化合物に接触させる工程、ならびにその試験化合物がAMFXタ
ンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物
がAMFXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が
、既知の化合物と比較して、AMFX、またはその生物学的に活性な部分と優先
的に結合する能力を決定する工程を包含する。
【0332】 なお別の実施形態において、アッセイは、無細胞アッセイであり、AMFXタ
ンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、なら
びにその試験化合物がAMFXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活
性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この
試験化合物がAMFXの活性を調節する能力の決定は、例えば、AMFXタンパ
ク質が、AMFX標的分子に結合する能力を、直接的結合の決定のための上記方
法の1つによって決定することにより、達成され得る。代替の実施形態において
、この試験化合物がAMFXタンパク質の活性を調節する能力の決定は、AMF
Xタンパク質が、AMFX標的分子をさらに調節する能力を決定することにより
、達成され得る。例えば、この標的分子の適切な基質に対する触媒活性/酵素活
性は、上記のように決定され得る。
【0333】 さらに別の実施形態において、無細胞アッセイは、AMFXタンパク質または
その生物学的に活性な部分を、AMFXタンパク質を結合する既知の化合物に接
触させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接
触させる工程、ならびにこの試験化合物がAMFXタンパク質と相互作用する能
力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がAMFXタンパク質と相
互作用する能力の決定は、AMFXタンパク質が、AMFX標的分子と優先的に
結合するか、またはその標的分子の活性を優先的に調節する能力を決定する工程
を包含する。
【0334】 本発明の無細胞アッセイは、AMFXタンパク質の、可溶性の形態または膜結
合形態の両方の使用に受け入れられる。膜結合形態のAMFXタンパク質を含む
無細胞アッセイの場合には、AMFXタンパク質の膜結合形態が溶液中に維持さ
れるように、可溶化剤を利用することが所望され得る。このような可溶化剤の例
には、非イオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、n−オクチルグルコシド、n
−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグ
ルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton(登録商標)X−
100、Triton(登録商標)X−114、Thesit(登録商標)、イ
ソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)(Isotridecyp
oly(ethylene glycol ether)、N−ドデシル−N
,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、3−(3−コラ
ミドプロピル)ジメチルアンミニオール−1−プロパンスルホネート(3−(3
−cholamidopropyl)dimethylamminiol−1−
propane sulfonate)(CHAPS)、または3−(3−コラ
ミドプロピル)ジメチルアンミニオール−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホ
ネート(3−(3−cholamidopropyl)dimethylamm
iniol−2−hydroxy−1−propane sulfonate)
(CHAPSO)である。
【0335】 本発明の上記アッセイ方法の1つより多い実施形態において、AMFXタンパ
ク質またはその標的分子のいずれかを固定して、そのタンパク質の一方または両
方の非複合形態からの複合形態の分離を促進し、そしてそのアッセイの自動化に
適合させることが、所望され得る。試験化合物の、AMFXタンパク質への結合
、または候補化合物の存在下および非存在下での、AMFXタンパク質の標的分
子との相互作用は、これらの反応物を収容するために適切な任意の容器内で、達
成され得る。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管、お
よび微小遠心管が挙げられる。1実施形態において、そのタンパク質の一方また
は両方がマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合タン
パク質が、提供され得る。例えば、GST−AMFX融合タンパク質またはGS
T標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Ch
emical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロ
タイタープレート上に吸着され得、次いでこれらは、試験化合物と合わせられる
か、あるいは試験化合物および未吸着標的タンパク質またはAMFXタンパク質
のいずれかと合わせられ、そしてこの混合物が、複合体形成を誘導する条件下(
例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートされる。インキ
ュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、結
合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、
例えば上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。ある
いは、複合体がマトリックスから解離され得、そしてAMFXタンパク質の結合
レベルまたは活性レベルを、標準的な技術を使用して決定し得る。
【0336】 タンパク質をマトリックスに固定するための他の技術もまた、本発明のスクリ
ーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、AMFXタンパク質、または
その標的分子のいずれかが、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を利用して
、固定され得る。ビオチン化AMFXタンパク質、または標的分子は、当該分野
において周知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイ
ミド)から調製され得(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemi
cals、Rockford、Ill.)、そしてストレプトアビジンでコーテ
ィングした96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェル
に固定され得る。あるいは、AMFXタンパク質、または標的分子と反応性であ
るがAMFXタンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体が、そのプレ
ートのウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的またはAMFXタン
パク質が、抗体の結合によってウェル内に捕捉され得る。このような複合体を検
出するための方法には、GST固定複合体に関しての上記で述べた方法に加えて
、AMFXタンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫
検出、ならびにAMFXタンパク質、または標的分子に関する酵素活性の検出に
依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0337】 別の実施形態において、AMFXタンパク質発現のモジュレーターは、細胞を
候補化合物と接触させ、そして細胞中のAMFX mRNAまたはタンパク質の
発現を決定する方法において同定される。候補化合物の存在下でのAMFX m
RNAまたはタンパク質の発現レベルは、候補化合物の非存在下でのAMFX
mRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較される。次いで、候補化合物は、
この比較に基づいて、AMFX mRNAまたはタンパク質発現のモジュレータ
ーとして同定され得る。例えば、AMFX mRNAまたはタンパク質の発現が
候補化合物の非存在下より、その存在下における方が大きい(すなわち、統計的
に有意に大きい)場合、この候補化合物は、AMFX mRNAまたはタンパク
質の発現の刺激物質として同定される。あるいは、AMFX mRNAまたはタ
ンパク質の発現が候補化合物の非存在下よりその存在下の方が少ない(統計的に
有意に少ない)場合、この候補化合物は、AMFX mRNAまたはタンパク質
の発現のインヒビターとして同定される。細胞中のAMFX mRNAまたはタ
ンパク質の発現レベルは、AMFX mRNAまたはタンパク質を検出するため
に本明細書中に記載の方法によって決定され得る。
【0338】 本発明のなお別の局面において、AMFXタンパク質は、ツーハイブリッドア
ッセイまたはスリーハイブリッドアッセイにおいて「餌(bait)タンパク質
」として使用されて(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervos
ら(1993)Cell 72:223−232;Maduraら、1993
J.Biol.Chem.268:12046−12054;Bartelら、
1993 Biotechniques 14:920−924;Iwabuc
hiら、1993 Oncogene 8:1693−1696;およびBre
nt WO94/10300を参照のこと)、AMFX(「AMFX結合タンパ
ク質」または「AMFX−bp」)に結合するか、またはこれと相互作用し、そ
してAMFX活性を調節する他のタンパク質を同定し得る。このようなAMFX
結合タンパク質はまた、例えば、AMFX経路の上流または下流エレメントとし
てAMFXタンパク質によるシグナル伝達に関与する可能性がある。
【0339】 ツーハイブリッドシステムは、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ド
メインからなる、大部分の転写因子のモジュール的性質に基づく。簡潔には、こ
のアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物においては
、AMFXをコードする遺伝子が既知の転写因子(例えば、GAL−4)のDN
A結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物においては、D
NA配列のライブラリー由来の、未同定タンパク質(「餌食(prey)」また
は「サンプル」)をコードするDNA配列が、既知の転写因子の活性化ドメイン
をコードする遺伝子に融合される。「餌」および「餌食」タンパク質がインビボ
で相互作用して、AMFX依存性複合体を形成し得る場合、この転写因子のDN
A結合ドメインおよび活性化ドメインは、非常に近くにある。近位にあることに
より、転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結されたレポーター遺伝
子(例えば、LacZ)の転写が可能となる。レポーター遺伝子の発現が検出さ
れ得、そして機能的転写因子を含む細胞コロニーが、単離され得、そしてAMF
Xと相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るため
に使用され得る。
【0340】 本発明はさらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規な薬剤
および本明細書中に記載されるような処置のためのこの薬剤の使用に関する。
【0341】 (検出アッセイ) 本明細書中で同定されるcDNA配列の一部またはフラグメント(および対応
する完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多くの方法で使用され
得る。例えば、これらの配列を使用して、(i)染色体上にそれぞれの遺伝子を
マッピングし得;従って遺伝病と関連する遺伝子領域を位置決定し得る;(ii
)微量の生物学的サンプルから個体を同定し得る(組織型決定);および(ii
i)生物学的サンプルの法医学的識別を助け得るが、これに限定されない。これ
らの適用のいくつかは、以下の節において記載される。
【0342】 (染色体マッピング) 一旦遺伝子の配列(または配列の一部分)が単離されると、この配列を用いて
染色体上に遺伝子の位置をマッピングし得る。このプロセスは、染色体マッピン
グとよばれる。従って、AMFX配列の一部またはフラグメント、配列番号1、
3、5、7、9、11、13、15、17、および19、またはそのフラグメン
トもしくは誘導体を用いて、それぞれ、AMFX遺伝子の位置を染色体上にマッ
ピングし得る。AMFX配列を染色体にマッピングすることは、これらの配列と
、疾患と関連する遺伝子とを相関付ける際の重要な第一歩である。
【0343】 簡潔には、AMFX遺伝子は、AMFX配列からPCRプライマー(好ましく
は、15〜25bpの長さ)を調製することにより染色体にマッピングし得る。
AMFX配列のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおける1つを超え
るエキソンにまたがらないプライマーを迅速に選択し得、従って、増幅プロセス
を複雑にし得る。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細
胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために使用され得る。AMFX配列に
対応するヒト遺伝子を含むハイブリッドのみが増幅されたフラグメントを生じる
【0344】 体細胞ハイブリッドは、異なる哺乳動物由来の体細胞(例えば、ヒトおよびマ
ウス細胞)を融合することにより調製される。ヒトおよびマウスの細胞のハイブ
リッドが増殖および分裂するにつれ、それらは、無作為な順序で徐々にヒト染色
体を欠くが、マウス染色体を維持する。特定の酵素を失うので、マウス細胞は増
殖できないが、ヒト細胞は増殖できる培地を使用することにより、必要な酵素を
コードする遺伝子を含む1つのヒト染色体が維持される。種々の培地を使用する
ことによって、ハイブリッド細胞株のパネルが確立され得る。パネルにおける各
細胞株は、単一のヒト染色体または少数のヒト染色体いずれかおよびマウス染色
体の完全なセットを含み、これにより、個々の遺伝子を特定のヒト染色体にマッ
ピングすることが容易に可能になる(例えば、D’Eustachioら(19
83)Science 220:919−924を参照のこと)。ヒト染色体の
フラグメントのみを含む体細胞ハイブリッドはまた、転座および欠失を伴うヒト
染色体を使用することにより生成され得る。
【0345】 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定の配列を割り
当てるためには迅速な手順である。1つのサーマルサイクラーを用いて一日に3
つ以上の配列が割り当てられ得る。AMFX配列を使用して、オリゴヌクレオチ
ドプライマーを設計すると、下位位置決定(sublocalization)
は、特定の染色体由来のフラグメントのパネルを用いて達成され得る。
【0346】 中期染色体スプレッドに対するDNA配列の蛍光インサイチュハイブリダイゼ
ーション(FISH)をさらに使用して、一工程で正確な染色体位置を提供し得
る。染色体スプレッドは、コルセミド(染色体紡錘体を破壊する)のような化学
物質により分裂が中期においてブロックされた細胞を使用して行われ得る。この
染色体は、トリプシンで短時間処理され得、次いで、ギムザ染色され得る。薄い
バンドおよび濃いバンドのパターンが各染色体で発生し、その結果、この染色体
は、個々に同定され得る。FISH技術は、500または600塩基ほどの短さ
のDNA配列と共に使用され得る。しかし、1,000塩基より大きなクローン
は、簡単な検出に十分なシグナル強度で、独特の染色体位置に結合する可能性が
より高い。好ましくは、1,000塩基、そしてより好ましくは、2,000塩
基が妥当な時間量で良好な結果を得るために十分である。この技術の総説につい
ては、Vermaら、HUMAN CHROMOSOMES:A MANUAL OF BASIC TECHNIQUES(Pergamon Press,
New York 1988)を参照のこと。
【0347】 染色体マッピングの試薬は、単一の染色体またはその染色体上の単一部位を印
付けするために個々に使用され得るか、あるいは試薬のパネルは複数部位および
/または複数染色体を印付けするために使用され得る。遺伝子の非コード領域に
対応する試薬は、実際に、マッピング目的のために好ましい。コード配列は、遺
伝子ファミリー内に保存されており、従って、染色体マッピングの間に交叉ハイ
ブリダイゼーションの機会が増大する可能性が高い。
【0348】 一旦配列が正確な染色体位置にマッピングされると、その配列の染色体上の物
理的位置は、遺伝子マップデータと相関し得る。このようなデータは、例えば、
McKusick,MENDELIAN INHERITANCE IN MA
N(Johns Hopkins University Welch Med
ical Libraryを通じてオンラインで入手可能)において見いだされ
る。次いで、同じ染色体領域にマッピングされる遺伝子と疾患との間の関係は、
例えば、Egelandら(1987)Nature,325:783−787
に記載される連鎖分析(物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝)によって同定され
得る。
【0349】 さらに、AMFX遺伝子と関連する疾患に罹患した個体と、この疾患に罹患し
ていない個体との間のDNA配列における差異が決定され得る。罹患した個体の
いくらかまたは全てにおいて変異が認められるが、非罹患個体のいずれにおいて
も認められない場合、この変異は特定の疾患の候補因子である可能性が高い。罹
患個体と非罹患個体の比較は、一般に、染色体における構造的変化(例えば、染
色体スプレッドから可視であるか、またはそのDNA配列に基づいたPCRを用
いて検出可能な欠失または転座)を最初に探すことを包含する。最終的に、いく
らかの個体に由来する遺伝子の完全な配列決定を行って、変異の存在を確認し得
、かつ多型に由来する変異を区別し得る。
【0350】 (組織型決定(tissue typing)) 本発明のAMFX配列はまた、わずかな生物学的サンプルから個体を識別する
ために使用され得る。この技術において、個体のゲノムDNAは、1つ以上の制
限酵素で消化され、そして同定のために独特のバンドを生成するためにサザンブ
ロット上でプローブされる。本発明の配列は、RFLP(米国特許第5,272
,057号に記載の「制限フラグメント長多型」)のためのさらなるDNAマー
カーとして有用である。
【0351】 さらに、本発明の配列を用いて、個体のゲノムの選択された部分について実際
の塩基ごとにDNA配列を決定する代替的技術を提供し得る。従って、本明細書
中に記載のAMFX配列を用いて、配列の5’末端および3’末端から2つのP
CRプライマーを調製し得る。次いで、これらのプライマーを使用して、個体の
DNAを増幅し得、引き続いて、配列決定し得る。
【0352】 このように調製された個体由来の対応するDNA配列のパネルは、各個体が、
対立遺伝子差異に起因するこのようなDNA配列の独特のセットを有するので、
唯一の個体識別を提供し得る。本発明の配列は、個体由来および組織由来の配列
のこのような識別を得るために使用され得る。本発明のAMFX配列は、ヒトゲ
ノムの部分を独特に表す。対立遺伝子変異は、これらの配列のコード領域におい
てある程度生じ、そして非コード領域においてより大きな程度に生じる。個々の
ヒト間での対立遺伝子変異は、各500塩基につき約1回の頻度で生じると見積
もられる。対立遺伝子変異の多さは、制限フラグメント長多型(RFLP)を含
む単一ヌクレオチド多型(SNP)に起因する。
【0353】 本明細書中で記載の配列の各々は、ある程度、標準物質(これに対して個体か
らのDNAが識別の目的で比較され得る)として使用され得る。より多くの多型
が非コード領域で生じるので、個体を区別するために、それほど多くの配列が必
要であるわけではない。非コード配列は、おそらく10〜1,000プライマー
のパネルを用いてポジティブな個体識別を不自由なく提供し得る。これらのプラ
イマーは、各々が100塩基の増幅された非コード配列を生じる。推定コード配
列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、および1
9における配列)が使用される場合、ポジティブな個体識別に関するプライマー
のより適切な数は、500〜2,000である。
【0354】 (予測医療) 本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、薬理ゲノム(pharmaco
genomics)およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)の目的に使用
され、これによって個体を予防的に処置する、予測医療の分野に関する。従って
、本発明の1つの局面は、AMFXタンパク質および/または核酸の発現、なら
びにAMFXの活性を、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)
の関連で決定するための診断アッセイに関し、これによって、異常なAMFXの
発現または活性に関連して、個体が疾患または障害に罹患するかどうか、あるい
は障害を発症するリスクがあるかどうかを決定する。この障害には、例えば、細
胞シグナルプロセシング、細胞の接着または移動の経路の調節に関連する障害、
例えば、化学療法抵抗性、放射線治療抵抗性、栄養因子が制限された二次組織部
位のミクロ環境での生存、結合組織障害、組織再造形、腫瘍形成、胸部の癌、卵
巣の癌、頸部の癌、前立腺の癌、子宮内膜の癌、胃の癌、結腸の癌、肺の癌、膀
胱の癌、腎臓の癌、脳の癌、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織再造
形、炎症、血餅の形成および吸収、造血、新脈管形成、有機アニオン移送体に関
連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖のオートクラインおよびパラクリン
による調節、外部刺激に対する細胞応答、慢性疾患および種々の癌に関連する消
耗障害が挙げられるが、これらに限定されない。本発明はまた、個体が、AMF
Xのタンパク質、核酸の発現または活性と関連した障害を発症するリスクがある
かどうかを決定するための予後的(または予測的)アッセイを提供する。例えば
、AMFXの遺伝子における変異が、生物学的サンプルにおいてアッセイされ得
る。このようなアッセイは、予後的または予測的な目的に使用され得、これによ
ってAMFXのタンパク質、核酸の発現または生物学的活性によって特徴付けら
れるかまたは関連した障害の発病の前に個体を予防的に処置する。
【0355】 本発明の別の局面は、個体におけるAMFXのタンパク質、核酸の発現あるい
は活性を決定するための方法を提供し、これによって、その個体についての適切
な治療的または予防的試薬(本明細書において「薬物ゲノム」とよばれる)を選
択する。薬物ゲノムは、個体の遺伝型(例えば、特定の試薬に対して応答する個
体の能力を決定するために試験された個体の遺伝型)に基づいて個体の治療的ま
たは予防的処置のための試薬(例えば、薬物)の選択を可能にする。
【0356】 本発明のなお別の局面は、臨床試験におけるAMFXの発現または活性に対す
る試薬(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすることに関する。
【0357】 これらおよび他の試薬は、以下の節でさらに詳細に記載される。
【0358】 (診断アッセイ) 生物学的サンプルにおけるAMFXの存在または非存在を検出するための例示
的な方法は、試験被験体から生物学的サンプルを得る工程、およびその生物学的
サンプルをAMFXのタンパク質またはAMFXタンパク質をコードする核酸(
例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出し得る化合物もしくは薬剤と接触させ
、その結果、AMFXの存在が、その生物学的サンプルにおいて検出される、工
程を包含する。AMFXのmRNAもしくはゲノムDNAを検出するための薬剤
は、AMFX mRNAもしくはゲノムDNAにハイブリダイズし得る、標識さ
れた核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、全長のAMFXの核酸
(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、および19
の核酸またはそれらの一部)(例えば、少なくとも、15、30、50、100
、250もしくは500ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであり、ストリン
ジェントな条件下でAMFXのmRNAまたはゲノムDNAと特異的にハイブリ
ダイズするに十分である核酸)であり得る。本発明の診断アッセイにおける使用
のための他の適切なプローブは本明細書において記載されている。
【0359】 AMFXのタンパク質を検出するための薬剤は、AMFXのタンパク質に結合
し得る抗体であり、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、
ポリクローナルであり得るか、またはより好ましくはモノクローナル抗体であり
得る。インタクトな抗体またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(a
b’))が使用され得る。用語「標識(された)」とは、プローブまたは抗体
に関して、検出可能な物質をそのプローブもしくは抗体にカップリングさせる(
すなわち、物理的に連結する)ことによってそのプローブまたは抗体を直接標識
すること、ならびに、直接標識された別の試薬との反応性によってそのプローブ
もしくは抗体の間接的な標識をすることを包含することが意図される。間接的な
標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を用いた一次抗体の検出、および蛍
光標識されたストレプトアビジンを用いて検出され得るようにDNAプローブの
ビオチンを用いた末端標識が挙げられる。用語「生物学的サンプル」とは、被験
体から単離された、組織、細胞および生物学的流体ならびに被験体に存在する組
織、細胞および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明の検出方法を用
いて、AMFXのmRNA、タンパク質またはゲノムDNAを、生物学的サンプ
ル中で、インビトロおよびインビボで検出し得る。例えば、AMFXのmRNA
の検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼーションおよ
びインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。AMFXのタンパク質の
検出のためのインビトロ技術としては、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA
)、ウェスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光が挙げられる。AMFXのゲ
ノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリダイゼー
ションが挙げられる。さらに、AMFXのタンパク質の検出のためのインビボ技
術としては、標識された抗AMFX抗体を被験体に導入することが挙げられる。
例えば、その抗体は、放射性マーカーを用いて標識され得る。被験体における放
射性マーカーの存在および位置は、標準的な画像化技術によって検出され得る。
【0360】 1つの実施形態において、この生物学的サンプルは、その試験被験体からのタ
ンパク質分子を含む。あるいは、その生物学的サンプルは、その試験被験体から
のmRNA分子またはその試験被験体からのゲノムDNA分子を含み得る。好ま
しい生物学的サンプルは、被験体から従来の手段によって単離された末梢血白血
球サンプルである。
【0361】 別の実施形態において、これらの方法はさらに、コントロール被験体からコン
トロール生物学的サンプルを得る工程、そのコントロールサンプルを、AMFX
のタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAを検出し得る化合物もしくは薬剤
と接触させ、その結果、AMFXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNA
の存在がその生物学的サンプルにおいて検出される、工程、およびそのコントロ
ールサンプルにおけるAMFXのタンパク質、mRNAもしくはゲノムDNAの
存在と、その試験サンプルにおけるAMFXのタンパク質、mRNAもしくはゲ
ノムDNAの存在とを比較する工程を包含する。
【0362】 本発明はまた、生物学的サンプルにおけるAMFXの存在を検出するためのキ
ットを包含する。例えば、このキットは、以下を備え得る:生物学的サンプルに
おいてAMFXのタンパク質またはmRNAを検出し得る、標識された化合物も
しくは薬剤;そのサンプルにおけるAMFXの量を決定するための手段;および
そのサンプルにおけるAMFXの量と、標準とを比較するための手段。この化合
物または薬剤は、適切な容器内に包装され得る。このキットは、さらに、AMF
Xのタンパク質または核酸を検出するためにキットを用いるための指示書を備え
得る。
【0363】 (予後アッセイ) 本明細書において記載された診断方法をさらに利用して、AMFXの異常発現
または異常活性に関連した疾患もしくは障害を有するか、またはその発症の危険
性を有する被験体を同定し得る。例えば、本明細書に記載されるアッセイ(例え
ば、上述の診断アッセイまたは下記のアッセイ)を利用して、AMFXのタンパ
ク質、核酸の発現または活性に関連する障害を有するかまたはその発症の危険性
を有する被験体を同定し得る。あるいは、この予後アッセイを利用して、疾患ま
たは障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体を同定し得る。従っ
て、本発明は、AMFXの異常発現または異常活性に関連する疾患もしくは障害
を同定するための方法を提供する。ここで、試験サンプルは、被験体から得られ
、そしてAMFXのタンパク質または核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)
が検出され、ここで、AMFXのタンパク質または核酸の存在は、AMFXの異
常発現または異常活性に関連する疾患または障害を有するかまたはその発症の危
険性を有する被験体についての診断指標である。本明細書において使用される場
合「試験サンプル」とは、目的の被験体から得られた生物学的サンプルをいう。
例えば、試験サンプルは、生物学的流体(例えば、血清)、細胞サンプル、また
は組織であり得る。
【0364】 さらに、本明細書に記載される予後アッセイを使用して、被験体に薬剤(例え
ば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核
酸、低分子、または他の薬物候補)を投与してAMFXの異常発現または異常活
性に関連する疾患または障害を処置し得るか否かを、決定し得る。例えば、この
ような方法を使用して、被験体が障害のための薬剤で有効に処置され得るか否か
を決定し得る。従って、本発明は、AMFXの異常発現または異常活性に関連す
る障害についての薬剤を用いて、被験体が有効に処置され得るか否かを決定する
ための方法を提供する。ここで、試験サンプルが得られ、そしてAMFXのタン
パク質または核酸が検出される(例えば、ここで、AMFXのタンパク質または
核酸の存在は、この薬剤が投与されてAMFXの異常発現または異常活性に関連
する障害が処置され得る被験体についての、診断指標である)。
【0365】 本発明の方法はまた、AMFX遺伝子における遺伝的損傷を検出し、それによ
って、その損傷遺伝子を有する被験体が異常な細胞増殖および/または分化によ
って特徴付けられる障害についての危険性を有するか否かを決定するためにも使
用され得る。種々の実施形態において、この方法は、その被験体からの細胞のサ
ンプルにおいて、AMFXタンパク質をコードする遺伝子の統合性に影響を与え
る少なくとも1つの変更によって特徴付けられる遺伝的損傷の存在または非存在
、あるいはAMFX遺伝子の誤発現を検出する工程を包含する。例えば、そのよ
うな遺伝的損傷は、以下の少なくとも1つの存在を確認することによって検出さ
れ得る:(i)AMFX遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;(ii)
AMFX遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;(iii)AMFX遺伝子
の1つ以上のヌクレオチドの置換、(iv)AMFX遺伝子の染色体再配置;(
v)AMFX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルにおける変更、(v
i)AMFX遺伝子の異常改変(例えば、ゲノムDNAのメチル化パターンの異
常改変)、(vii)AMFX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型
スプライシングパターンの存在、(viii)AMFXタンパク質の非野生型レ
ベル、(ix)AMFX遺伝子の対立遺伝子の欠失、ならびに(x)AMFXタ
ンパク質の不適切な翻訳後修飾。本明細書において記載されるように、当該分野
において、AMFX遺伝子における損傷を検出するために使用され得る、多数の
公知のアッセイ技術が存在する。好ましい生物学的サンプルは、従来手段によっ
て被験体から単離された末梢血白血球サンプルである。しかし、有核細胞を含む
任意の生物学的サンプルが使用され得、これには、例えば、頬粘膜細胞が挙げら
れる。
【0366】 特定の実施形態において、損傷の検出は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(
例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参
照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、連
結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Scien
ce 241:1077−1080;およびNakazawaら(1994)P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 91:360−364を参照の
こと)におけるプローブ/プライマーの使用を包含する。後者は、AMFX遺伝
子における点変異を検出するために特に有用であり得る(Abravayaら,
1995 Nucl Acids Res 23:675−682を参照のこと
)。この方法は、患者から細胞のサンプルを収集する工程、核酸(例えば、ゲノ
ム、mRNAまたはその両方)をそのサンプルの細胞から単離する工程、AMF
Xの遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーとその核酸サン
プルとを、AMFX遺伝子(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび増
幅が生じるような条件下で接触させる工程、ならびに増幅産物の存在もしくは非
存在を検出する工程、またはその増幅産物のサイズを検出する工程およびその長
さをコントロールサンプルと比較する工程を包含し得る。PCRおよび/または
LCRは、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される技術のいず
れかとともに予備的増幅工程として使用されることが望ましくあり得ることが予
想される。
【0367】 代替的な増幅方法としては、以下が挙げられる:当業者に周知な技術を用いた
、その増幅された分子の検出の前の、自己維持配列複製(Guatelliら、
1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−
1878を参照のこと)、転写増幅系(Kwohら、1989、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177を参照のこと)、
Qβレプリカーゼ(Lizardiら、1988、BioTechnology
6:1197を参照のこと)、または他の任意の核酸増幅方法。これらの検出
スキームは、核酸分子が非常に極少数で存在する場合に、そのような核酸分子の
検出のために特に有用である。
【0368】 代替の実施形態において、サンプル細胞からのAMFX遺伝子における変異は
、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプル
およびコントロールのDNAが単離され、増幅され(必要に応じて)、1つ以上
の制限エンドヌクレアーゼを用いて消化され、そしてフラグメント長の大きさが
ゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルDNAとコントロ
ールDNAとの間のフラグメント長の大きさにおける差異は、そのサンプルDN
Aにおける変異を示す。さらに、配列特異的なリボザイムの使用(例えば、米国
特許第5,493,531号を参照のこと)を使用して、リボザイム切断部位の
発生または喪失によって特異的な変異の存在についてスコア付けし得る。
【0369】 他の実施形態において、AMFXにおける遺伝子変異は、サンプル核酸および
コントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)を、数百または数千のオリゴ
ヌクレオチドプローブを含む高密度アレイに対してハイブリダイズさせることに
よって同定され得る(Croninら(1996)Human Mutatio
n 7:244−255;Kozalら(1996)Nat.Med.2:75
3−759を参照のこと)。例えば、AMFXにおける遺伝子変異は、Cron
inら(前出)に記載されるように光生成DNAプローブを含む二次元アレイに
おいて同定され得る。手短には、プローブの第一ハイブリダイゼーションアレイ
を用いて、サンプルおよびコントロールにおける長いストレッチのDNAにわた
って走査し、連続的に重複するプローブの線形アレイを作成することによって、
その配列間の塩基変化を同定し得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。
この工程に第二のハイブリダイゼーションアレイが続き、これは、検出される全
ての改変体または変異体に相補的な、より小さな特化されたプローブアレイを用
いることによる特定の変異の特徴付けを可能にする。各変異アレイは、一方が野
生型遺伝子に対して相補的であり、そして他方が変異遺伝子に対して相補である
並行プローブセットから構成される。
【0370】 なお別の実施形態において、当該分野で公知の種々の配列決定反応のいずれか
を使用して、AMFX遺伝子を直接配列決定し得、そしてサンプルAMFX配列
と対応する野生型(コントロール)配列とを比較することによって、変異を検出
し得る。配列決定反応の例としては、MaximおよびGilbert(197
7)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:560またはSa
nger(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:
5463によって開発された技術に基づくものが挙げられる。診断アッセイを実
施する場合、種々の自動化配列決定手順のいずれかを利用し得ることもまた意図
される(例えば、Naeveら(1995)Biotechniques 19
:448を参照のこと)。これらには、質量分析法による配列決定法(例えば、
PCT国際公開番号WO 94/16101;Cohenら(1996)Adv
Chromatography 36:127−162;およびGriffi
nら(1993)Appl Biochem Biotechnol 38.:
147−159を参照のこと)が含まれる。
【0371】 AMFX遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、切断剤から
の保護を使用して、RNA/RNAもしくはRNA/DNAのヘテロ二重鎖に基
づくミスマッチ塩基を検出する方法が挙げられる(例えば、Myersら(19
85)Science 230:1242を参照のこと)。一般に、「ミスマッ
チ切断」の当該分野の技術は、野生型のAMFX配列を含む(標識された)RN
AまたはDNAを、組織サンプルから得られた潜在的な変異体RNAまたはDN
Aとハイブリダイズさせることによって形成されるヘテロ二重鎖を提供する工程
によって始まる。この二本鎖の二重鎖を、二重鎖の一本鎖領域(例えば、そのコ
ントロールとサンプルの鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するもの)
を切断する薬剤を用いて処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖を、RNas
eを用いて処理し得、そしてDNA/DNAハイブリッドを、そのミスマッチ領
域を酵素的に消化することに対して、Sヌクレアーゼを用いて処理し得る。他
の実施形態において、DNA/DNAまたはRNA/DNAのいずれかの二重鎖
を、ミスマッチ領域を消化するために、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミ
ウム、およびピペリジンを用いて処理し得る。そのミスマッチ領域の消化後、次
いで、得られた物質を変性ポリアクリルアミドゲル上で、大きさにより分離して
、変異の部位を決定する。例えば、Cottonら(1988)Proc Na
tl Acad Sci USA 85:4397;Saleebaら(199
2)Methods Enzymol 217:286−295を参照のこと。
1つの実施形態において、コントロールのDNAまたはRNAは、検出のために
標識され得る。
【0372】 なお別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、二本鎖DNAにおけるミ
スマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ
修復」酵素)を、細胞のサンプルから得られたAMFX cDNAにおける点変
異を検出およびマッピングするために規定された系において使用する。例えば、
E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeL
a細胞からのチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断す
る(例えば、Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:16
57〜1662を参照)。例示的な実施形態に従って、AMFX配列(例えば、
野生型AMFX配列)に基づくプローブは、試験細胞由来のcDNAまたは他の
DNA産物にハイブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素を用
いて処理され、そしてその切断産物(もしあれば)は、電気泳動プロトコルなど
から検出され得る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。
【0373】 他の実施形態において、電気泳動の移動度における変化は、AMFX遺伝子に
おける変異を同定するために使用される。例えば、一本鎖コンホメーション多型
(SSCP)は、変異体と野生型核酸との間の電気泳動の移動度における差異を
検出するために使用され得る(例えば、Oritaら(1989)Proc N
atl Acad Sci USA:86:2766、Cotton(1993
)Mutat Res 285:125〜144;Hayashi(1992)
Genet Anal Tech Appl 9:73〜79を参照のこと)。
サンプルおよびコントロールAMFX核酸の一本鎖DNAフラグメントは、変性
され、そして再生される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気
泳動の移動度において得られる変化は、1つの塩基変化の検出さえも可能にする
。DNAフラグメントは、標識され得るか、または標識されたプローブを用いて
検出され得る。アッセイの感度は、DNAよりもむしろ、二次構造が配列中の変
化に対してより感受的であるRNAを使用することによって増強され得る。1つ
の実施形態において、本発明の方法は、ヘテロ二重鎖分析を利用して、電気泳動
の移動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離する。例えば
、Keenら(1991)Trends Genet 7:5を参照のこと。
【0374】 なお別の実施形態において、一定勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミド
ゲルにおける変異体または野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動
(DGGE)を使用してアッセイされる。例えば、Myersら(1985)N
ature 313:495を参照のこと。DGGEが分析の方法として使用さ
れる場合、DNAは、例えば、PCRにより約40bpの高融点GCリッチDN
AのGCクランプを付加することによって、完全には変性されないことを確実に
するように改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロール
およびサンプルDNAの移動度における差異を同定するために、変性剤勾配の代
わりに使用される。例えば、RosenbaumおよびReissner(19
87)Biophys Chem 265:12753を参照のこと。
【0375】 点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増
幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、
既知の変異が中心的に配置されるように調製され得、次いで、完全なマッチが見
出される場合にのみハイブリダイゼーションを許容する条件下で標的DNAにハ
イブリダイズされる。例えば、Saikiら(1986)Nature 324
:163);Saikiら(1989)Proc Natl Acad.Sci
USA 86:6230を参照のこと。このような対立遺伝子特異的オリゴヌ
クレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に付着され、そして
標識された標的DNAとハイブリダイズされる場合に、PCR増幅された標的D
NAまたは多くの異なる変異にハイブリダイズされる。
【0376】 あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明
と合わせて使用され得る。特異的増幅についてのプライマーとして使用されるオ
リゴヌクレオチドは、分子の中心において(その結果、増幅は、差次的ハイブリ
ダイゼーションに依存する)(例えば、Gibbsら(1989)Nucl.
Acids Res 17:2437〜2448を参照)か、あるいは適切な条
件下でミスマッチがポリメラーゼ伸長を妨害または減少し得る、1つのプライマ
ーの3’の最末端で、目的の変異を保有し得る(例えば、Prossner(1
993)Tibtech 11:238参照)。さらに、変異領域に新規な制限
部位を導入することは、切断に基づく検出を行うために望ましくあり得る。例え
ば、Gaspariniら(1992)Mol Cell Probes 6:
1を参照のこと。特定の実施形態において、増幅はまた、増幅用Taqリガーゼ
を使用して実施され得ることが予測される。例えば、Barany(1991)
Proc Natl Acad Sci USA 88:189を参照のこと。
このような場合において、連結は、5’配列の3’末端に完全なマッチが存在す
る場合にのみ生じ、増幅の存在または非存在を探索することによって、特定の部
位における既知の変異の存在を検出することを可能にする。
【0377】 本明細書中に記載される方法は、例えば、本明細書中に記載れる少なくとも1
つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージングされた診断キット
を利用することによって実施され得、これは、例えば、AMFX遺伝子を含む疾
患または疾病の症状または家族病歴を示す患者を診断するための臨床的設定にお
いて簡便に使用され得る。
【0378】 さらに、AMFXが発現される任意の細胞型または組織(好ましくは、末梢血
白血球)は、本明細書中に記載される予後アッセイにおいて利用され得る。しか
し、有核細胞を含む任意の生物学的サンプル(例えば、頬粘膜細胞を含む)が、
使用され得る。
【0379】 (薬理ゲノム学(Pharmacogenomics)) AMFX活性(例えば、AMFX遺伝子発現)に対する刺激性または阻害性の
影響を有する因子、すなわちモジュレーターは、本明細書中に記載されるスクリ
ーニングアッセイによって同定されるように、障害(この障害には、例えば、細
胞シグナルプロセシング、細胞の接着または移動の経路の調節に関連する障害、
例えば、化学療法抵抗性、放射線治療抵抗性、栄養因子が制限された二次組織部
位のミクロ環境での生存、結合組織障害、組織再造形、腫瘍形成、胸部の癌、卵
巣の癌、頸部の癌、前立腺の癌、子宮内膜の癌、胃の癌、結腸の癌、肺の癌、膀
胱の癌、腎臓の癌、脳の癌、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織再造
形、炎症、血餅の形成および吸収、造血、新脈管形成、有機アニオン移送体に関
連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖のオートクラインおよびパラクリン
による調節、外部刺激に対する細胞応答、ならびに慢性疾患および種々の癌と関
連する消耗障害が挙げられるが、これらに限定されない)を(予防的または治療
的に)処置するために個体に投与され得る。このような処置と合わせて、個体の
薬理ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と外来化合物または薬物に対するその
個体の応答との間の関係についての研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝にお
ける差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血中濃度との間の関係を変更するこ
とによって、重篤な毒性または治療の失敗を導き得る。従って、個体の薬理ゲノ
ム学は、個体の遺伝子型の考慮に基づく予防的または治療的処置のために有効な
薬剤(例えば、薬物)の選択を許容する。このような薬理ゲノム学は、さらに、
適切な投薬量および治療剤レジメンを決定するために使用され得る。従って、A
MFXタンパク質の活性、AMFX核酸の発現、あるいは個体におけるAMFX
遺伝子の変異含量が決定されて、それによって個体の治療的または予防的処置の
ために適切な薬剤を選択し得る。
【0380】 薬理ゲノム学は、罹患した人おける変更された薬物の性質および異常な作用に
起因して、薬物に応答する臨床的に有意な遺伝性変更を扱う。例えば、Eich
elbaum、1996、Clin.Exp.Pharmacol.Physi
ol,23:983〜985およびLinder、1997、Clin.Che
m,43:254〜266を参照のこと。一般に、2つの型の薬理ゲノム学状態
が、区別され得る。薬物が身体に作用する方法を変更する1つの因子として伝達
される遺伝的状態(変更された薬物作用)、または身体が薬物に作用する方法を
変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物代謝)。これ
らの薬理ゲノム学状態は、稀な欠損としてか、または多型としてのいずれかで生
じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損は
、一般的な遺伝性酵素病であり、この主な臨床的合併症は、酸化剤薬物(抗マラ
リア剤、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの摂食
後の溶血である。
【0381】 例示的な実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続
期間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトラ
ンスフェラーゼ2(NAT2)ならびにシトクロムP450酵素CYP2D6お
よびCYP2C19)の遺伝的多型の発見は、幾人かの患者が予期される薬物効
果を得ないか、または標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に過大な薬物応
答および深刻な毒性を示すことに関しての説明を提供した。これらの多型は、集
団において2つの表現型(高い代謝能を持つ人(extensive meta
bolizer)(EM)および低い代謝能を持つ人(poor metabo
lizer)(PM))で表現される。PMの有病率は、異なる集団の間で異な
る。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多型であり、そしていく
らかの変異がPMにおいて同定されており、この全ては機能的CYP2D6の非
存在に至る。CYP2D6およびCYP2C19の低い代謝能を持つ人は、彼ら
が標準的な用量を受ける場合に、かなり頻繁に過大な薬物応答および副作用を経
験する。代謝産物が活性な治療的部分である場合、そのCYP2D6形成代謝産
物であるモルヒネによって媒介されるコデインの鎮痛効果について実証されるよ
うに、PMは治療的応答を示さない。他の極端なものは、標準的な用量に応答し
ない、いわゆる超迅速な代謝能を持つ人である。最近、超迅速な代謝の基準とな
る分子は、CYP2D6遺伝子増幅に起因していることが同定されている。
【0382】 従って、AMFXのタンパク質の活性、AMFXの核酸の発現、あるいは個体
におけるAMFXの遺伝子の変異内容を決定して、それによって、その個体の治
療的または予防的処置のために適切な薬剤を選択し得る。さらに、薬理ゲノム学
の研究を使用して、個体の薬物応答性の表現型の同定に対して薬物代謝酵素をコ
ードする多型対立遺伝子の遺伝子型を適用し得る。この知見は、用量または薬物
選択に適用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、従って、被験
体をAMFXの調節因子(例えば、本明細書中に記載される例示的なスクリーニ
ングアッセイの1つによって同定される調節因子)を用いて処置する場合に治療
的または予防的効率を増強し得る。
【0383】 (臨床試験中の効果のモニタリング) AMFXの発現または活性(例えば、異常な細胞増殖および/または分化を調
節する能力)に対する薬剤(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングする
ことは、基本的な薬物スクリーニングおよび臨床試験に適用され得る。例えば、
本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイによって決定される、A
MFXの遺伝子発現、タンパク質レベルを増加するため、またはAMFX活性を
アップレギュレートする薬剤の効力は、減少したAMFXの遺伝子発現、タンパ
ク質レベル、またはダウンレギュレートしたAMFXの活性を示す被験体の臨床
試験においてモニターされ得る。あるいは、スクリーニングアッセイによって決
定される、AMFXの遺伝子発現、タンパク質レベルを減少、またはAMFXの
活性をダウンレギュレートする薬剤の効力は、増加したAMFXの遺伝子発現、
タンパク質レベル、またはアップレギュレートしたAMFXの活性を示す被験体
の臨床試験においてモニターされ得る。このような臨床試験において、AMFX
の発現または活性、および好ましくは、例えば、細胞増殖または免疫障害に関与
するような他の遺伝子が、「リードアウト(読み出し)(read out)」
、すなわち、特定の細胞の免疫応答性のマーカーとして使用され得る。
【0384】 例えば、限定されないが、AMFXを含む遺伝子(これは、AMFX活性(例
えば、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイにおいて同定され
る)を調節する薬剤(例えば、化合物、薬物または低分子)を用いる処置によっ
て、細胞内で調節される)が、同定され得る。従って、細胞性増殖障害に対する
薬剤の効果を研究するために、例えば、臨床試験において、細胞が単離され得、
そしてRNAが調製され得、そしてAMFXおよびこの障害に関与する他の遺伝
子の発現のレベルについて分析され得る。遺伝子発現のレベル(すなわち、遺伝
子発現パターン)は、本明細書中に記載されるように、ノーザンブロット分析も
しくはRT−PCRによるか、あるいは産生されるタンパク質の量を測定するこ
とによるか、本明細書中に記載されるような方法の1つによるか、あるいはAM
FXまたは他の遺伝子の活性のレベルを測定することによって、定量され得る。
この様式で、この遺伝子発現パターンは、この薬剤に対する細胞の生理学的応答
の指標であるマーカーとして作用し得る。従って、この応答状態は、この薬剤を
用いる個体の処置の前、および処置の間の種々の時点で、決定され得る。
【0385】 1つの実施形態において、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニ
スト、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、核酸、低分子、または本明細書
中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される他の薬物候補物)を
用いる、被験体の処置の効力をモニタリングするための方法を提供し、これは、
以下の工程を包含する:(i)薬剤の投与の前に、被験体から投与前サンプルを
得る工程;(ii)この投与前サンプルにおいて、AMFXのタンパク質、mR
NA、またはゲノムDNAの発現のレベルを検出する工程;(iii)この被験
体から1つ以上の投与後サンプルを得る工程;(iv)この投与後サンプルにお
いて、AMFXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性
のレベルを検出する工程;(v)この投与前サンプルにおけるAMFXのタンパ
ク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを、この投与後
サンプルにおけるAMFXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現
または活性のレベルと比較する工程;ならびに(vi)従って、この被験体に対
する薬剤の投与を変更する工程。例えば、この薬剤の増加した投与は、検出され
るよりも高いレベルにAMFXの発現または活性を増加すること(すなわち、こ
の薬剤の効力を増加すること)が望ましくあり得る。あるいは、この薬剤の減少
した投与は、検出されるよりも低いレベルにAMFXの発現または活性を減少す
るため(すなわち、この薬剤の効力を減少するため)に望ましくあり得る。
【0386】 (処置方法) 本発明は、異常なAMFXの発現または活性に関連する障害の危険性のある(
またはこの障害に感受性の)被験体、またはこの障害を有する被験体を処置する
予防的および治療的の両方の方法を提供する。この障害には、例えば、細胞シグ
ナルプロセシング、細胞の接着または移動の経路の調節に関連する障害、例えば
、化学療法抵抗性、放射線治療抵抗性、栄養因子が制限された二次組織部位のミ
クロ環境での生存、結合組織障害、組織再造形、腫瘍形成、胸部の癌、卵巣の癌
、頸部の癌、前立腺の癌、子宮内膜の癌、胃の癌、結腸の癌、肺の癌、膀胱の癌
、腎臓の癌、脳の癌、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織再造形、炎
症、血餅の形成および吸収、造血、親脈管形成、有機アニオン移送体に関連する
多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖のオートクラインおよびパラクリンによる
調節、外部刺激に対する細胞応答、ならびに他の疾患、障害および状態などが挙
げられるが、これらに限定されない。
【0387】 これらの処置方法は、以下により詳細に記載される。
【0388】 (疾患および障害) (その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)増加したレベルま
たは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を拮抗する(
すなわち、低減または阻害する)治療剤を用いて処置され得る。活性を拮抗する
治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤と
しては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)上記ペプチド、ま
たはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;(ii)上記ペプ
チドに対する抗体;(iii)上記ペプチドをコードする核酸;(iv)相同組
換えによって上記ペプチドの内因性機能を「ノックアウトする」ために利用され
る、アンチセンス核酸および「機能不全性」である(すなわち、上記ペプチドに
対するコード配列のコード配列内の異種挿入に起因する)核酸の投与、(例えば
、Capecchi、1989、Science 244:1288〜1292
を参照のこと);または(v)上記ペプチドとその結合パートナーとの間の相互
作用を変化させる、調節因子(すなわち、インヒビター、アゴニストおよびアン
タゴニスト(本発明のさらなるペプチド模倣物または本発明のペプチドに対して
特異的な抗体を含む))。
【0389】 (その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)減少したレベルま
たは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を増加させる
(すなわち、活性に対するアゴニストである)治療剤を用いて処置され得る。活
性をアップレギュレートする治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され
得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されな
い:上記ペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモロ
グ;あるいはバイオアベイラビリティーを増加させるアゴニスト。
【0390】 増加したレベルまたは減少したレベルは、ペプチドおよび/またはRNAを定
量することによって、容易に検出され得る。この定量は、患者の組織サンプルを
(例えば、生検組織から)入手し、そしてそのサンプルを、その発現したペプチ
ド(または上記ペプチドのmRNA)のRNAレベルまたはペプチドレベル、構
造および/または活性についてインビトロでアッセイすることによる。当該分野
において周知の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イ
ムノアッセイ(例えば、ウェスタンブロット分析、ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動が後に続く免疫沈降、免疫細胞化学など
による)および/またはmRNAの発現を検出するためのハイブリダイゼーショ
ンアッセイ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インサイチュハイブ
リダイゼーションなど)。
【0391】 (予防的方法) 1つの局面において、本発明は、被験体において異常なAMFXの発現または
活性と関連する疾患または状態を、AMFXの発現または少なくとも1つのAM
FX活性を調節する薬剤をこの被験体に投与することによって予防するための方
法を提供する。異常なAMFXの発現または活性によって引き起こされるかまた
はこれらに起因する、疾患にかかる危険がある被験体は、例えば、本明細書中に
記載の診断アッセイまたは予後アッセイのいずれか、またはそれらの組み合わせ
によって、同定され得る。予防薬剤の投与は、疾患または障害が予防されるか、
あるいはその進行を遅らせられるように、このAMFX異常の特徴である症状の
発現の前に行い得る。このAMFX異常の型に依存して、例えば、AMFXアゴ
ニスト薬剤またはAMFXアンタゴニスト薬剤が、その被験体を処置するために
使用され得る。その適切な薬剤は、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイ
に基づいて決定され得る。本発明の予防方法は、以下の小区分において、さらに
議論される。
【0392】 (治療方法) 本発明の別の局面は、治療目的のためにAMFXの発現または活性を調節する
方法に関する。本発明の調節方法は、細胞を、その細胞に関するAMFXタンパ
ク質活性の活性のうちの1つ以上を調節する薬剤と接触させる工程を包含する。
AMFXタンパク質活性を調節する薬剤は、核酸またはタンパク質、AMFXタ
ンパク質の天然に存在する同族リガンド、ペプチド、AMFXペプチド模倣物、
または他の低分子のような、本明細書中に記載されるような薬剤であり得る。1
つの実施形態において、この薬剤は、AMFXタンパク質活性のうちの1つ以上
を刺激する。このような刺激薬剤の例としては、活性なAMFXタンパク質、お
よびその細胞に導入されたAMFXをコードする核酸分子が挙げられる。別の実
施形態において、この薬剤は、AMFXタンパク質活性のうちの1つ以上を阻害
する。このような阻害薬剤の例としては、アンチセンスAMFX核酸分子、およ
び抗AMFX抗体が挙げられる。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、
その薬剤とともにその細胞を培養することによって)、あるいはインビボで(例
えば、被験体にその薬剤を投与することによって)実施され得る。このように、
本発明は、AMFXのタンパク質または核酸分子の、異常な発現または異常な活
性によって特徴付けられる、疾患または障害に罹患した個体を処置する方法を提
供する。1つの実施形態において、この方法は、AMFXの発現または活性を調
節する(例えば、アップレギュレートまたはダウンレギュレートする)薬剤(例
えば、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される薬剤)あ
るいはそのような薬剤の組み合わせを投与する工程を包含する。別の実施形態に
おいて、この方法は、AMFXのタンパク質または核酸分子を、低減したかまた
は異常な、AMFXの発現または活性を補償するための治療として、投与する工
程を包含する。
【0393】 AMFX活性の刺激は、AMFXが異常にダウンレギュレートされている状況
、および/またはAMFX活性の増加が有益な効果を有するようである状況にお
いて、望ましい。このような状況の1つの例は、被験体が、異常な細胞増殖およ
び/または細胞分化によって特徴付けられる障害(例えば、癌または免疫関連障
害)を有する場合である。このような状況の別の例は、被験体が妊娠疾患(例え
ば、子癇前症(preciampsia))を有する場合である。
【0394】 (治療剤の生物学的効果の決定) 本発明の種々の実施形態では、適切なインビトロまたはインビボアッセイを行
い、特定の治療剤の効果を決定し、かつその投与が発症した組織の処置について
適応されるか否かを決定する。
【0395】 種々の特異的な実施形態では、インビトロアッセイは、所定の治療剤が、細胞
型に所望の効果を発揮するかどうかを決定するために、患者の疾患に関与する代
表的な細胞型で行なわれ得る。治療において使用される化合物は、ヒト患者で試
験する前に、適切な動物モデル系で試験され得、それらの適切な動物モデル系と
しては、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギなどが挙げられるがそ
れに限定されない。同様に、インビボ試験のために、当該分野で公知の任意の動
物モデル系が、ヒト患者に投与する前に、使用され得る。
【0396】 (本発明の組成物の予防的使用および治療的使用) 本発明のAMFX核酸およびタンパク質は、種々の障害に関する潜在的な予防
的適用および治療的適用において有用である。これらの障害としては、例えば、
細胞シグナルプロセシング、細胞の接着または移動の経路の調節に関連する障害
が挙げられ、例えば、限定はしないが、化学療法抵抗性、放射線治療抵抗性、栄
養因子が制限された二次組織部位のミクロ環境での生存、結合組織障害、組織再
造形、腫瘍形成、胸部の癌、卵巣の癌、頸部の癌、前立腺の癌、子宮内膜の癌、
胃の癌、結腸の癌、肺の癌、膀胱の癌、腎臓の癌、脳の癌、および軟部組織の癌
、細胞形質転換、発生組織再造形、炎症、血餅の形成および吸収、造血、親脈管
形成、有機アニオン移送体に関連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖のオ
ートクラインおよびパラクリンによる調節、外部刺激に対する細胞応答、慢性疾
患および種々の癌に関連する障害が挙げられる。
【0397】 一例として、本発明のAMFXタンパク質をコードするcDNAは、遺伝子治
療において有用であり得、そしてそのタンパク質は、それが必要な被験体に投与
される場合に、有用であり得る。非限定的な例として、本発明の組成物は、以下
に罹患する患者の処置に対して効力を有する:例えば、細胞シグナルプロセシン
グ、細胞の接着または移動の経路の調節に関連する障害、例えば、限定はしない
が、化学療法抵抗性、放射線治療抵抗性、栄養因子が制限された二次組織部位の
ミクロ環境での生存、結合組織障害、組織再造形、腫瘍形成、胸部の癌、卵巣の
癌、頸部の癌、前立腺の癌、子宮内膜の癌、胃の癌、結腸の癌、肺の癌、膀胱の
癌、腎臓の癌、脳の癌、および軟部組織の癌、細胞形質転換、発生組織再造形、
炎症、血餅の形成および吸収、造血、親脈管形成、有機アニオン移送体に関連す
る多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖のオートクラインおよびパラクリンによ
る調節、外部刺激に対する細胞応答。
【0398】 AMFXタンパク質をコードする新規の核酸、および本発明のAMFXタンパ
ク質の両方、またはそれらのフラグメントはまた、診断上の適用に有用であり得
、ここで核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。さらなる使用は
、抗菌分子としての使用であり得る(すなわち、いくつかのペプチドは、抗菌特
性を有することが見出された)。これらの物質は、治療方法または診断方法にお
ける使用のための、本発明の新規の物質に免疫特異的に結合する抗体の産生にお
いて、さらに有用である。
【0399】 (実施例) 以下の実施例は、非限定的な例によって、本発明の種々の局面を説明する。
【0400】 (実施例1.種々の細胞および組織におけるAMF1〜AMF10の定量的発
現分析) クローンAMF1〜AMF10の定量的な発現パターンを、Perkin−E
lmer Biosystems ABI PRISM(登録商標)7700
Sequence Detection Systemで行ったリアルタイム定
量PCR(TaqMan(登録商標))によって、多数の正常および腫瘍のサン
プル細胞および細胞株において評価した。
【0401】 第1に、96のRNAサンプルをβ−アクチンおよびGAPDHに対して正規
化し、た。RNA(合計約50ngまたは約1ngポリA+)を、製造者のプロ
トコールに従って、TaqMan(登録商標)Reverse Transcr
iption Reagents Kit(PE Biosystems,Fo
ster City,CA;カタログ番号N808−0234)およびランダム
ヘキサマーを使用してcDNAに変換した。反応を、20μlで実施し、そして
30分間48℃でインキュベートした。次いで、cDNA(5μl)を、製造業
者のプロトコールに従って、β−アクチンおよびGAPDH TaqMan(登
録商標)Assay Reagents(PE Biosystems;カタロ
グ番号4310881Eおよび4310884Eの各々)およびTaqMan(
登録商標)universal PCR Master Mix(PE Bio
systems;カタログ番号4304447)を使用するTaqMan(登録
商標)反応のために、別個のプレートに移した。反応を、以下のパラメータを使
用して25μlで実施した:50℃で2分;95℃で10分;95℃で15秒/
60℃で1分(40サイクル)。結果を、対数スケールを使用するCT値(所与
のサンプルが、蛍光の閾値レベル超えるサイクル)として記録し、所与のサンプ
ルと最も低いCT値を有するサンプルとの間のRNA濃度の差は、2のΔCT乗
として示した。次いで、相対発現パーセントを、このRNAの差の逆数をとって
100を掛けることにより得る。β−アクチンおよびGAPDHについて得られ
たCTの平均値は、RNAサンプルを正規化するために使用した。最も高いCT
値を生じるRNAサンプルは、さらなる希釈を必要としないが、他の全てのサン
プルは、β−アクチン/GAPDHの平均CT値に従ってこのサンプルと比較し
て希釈した。
【0402】 正規化RNA(5μl)を、cDNAに転換し、製造者の指示に従って、On
e Step RT−PCR Master Mix Reagents(PE
Biosystems;カタログ番号4309169)および遺伝子特異的プ
ライマーを使用するTaqMan(登録商標)によって分析した。プローブおよ
びプライマーを、入力として標的配列を使用する、Perkin Elmer
BiosystemのPrimer Express Softwareパッケ
ージ(Apple ComputerのMacintosh Power PC
用のヴァージョンI)または類似のアルゴリズムに従って、各アッセイに対して
設計した。デフォルトの設定を、反応条件に対して使用し、そして以下のパラメ
ータを、プライマーを選択する前に設定した:プライマーの濃度=250nM、
プライマーの融点(T)範囲=58℃〜60℃、プライマーの最適T=59
℃、プライマーの最大差=2℃、プローブは、5’Gを有さず、プローブT
、プライマーTよりも10℃高くなければならず、アンプリコンサイズ75b
p〜100bp。選択されるプローブおよびプライマー(以下を参照のこと)は
、Synthegen(Houston,TX,USA)によって合成された。
プローブを、未反応の色素を除去するために2回HPLC精製し、プローブのそ
れぞれ5’末端および3’末端へのレポーター色素およびクエンチャー色素のカ
ップリングを確認するために、マススペクトルによって評価した。正方向プライ
マーおよび逆方向プライマーの最終濃度は、各々900nMであり、そしてプロ
ーブの最終濃度は、200nMであった。
【0403】 PCR条件:各組織および各細胞株由来の正規化RNAを、96ウェルPCR
プレート(Perkin Elmer Biosystems)の各ウェルにス
ポットした。2つのプローブ(標的クローンに特異的なプローブおよび標的プロ
ーブで多重化された別の遺伝子特異的プローブ)を含むPCRカクテルを、PE
Biosystems 7700の1×TaqManTMPCR Maste
r Mix(5mMのMgCl、dNTP(dA、G、C、U(1:1:1:
2の比))、0.25U/ml AmpliTaq GoldTM(PE Bi
osystems)、および0.4U/μlのRNaseインヒビター、および
0.25U/μlの逆転写酵素を含む)を用いて設定した。逆転写を、48℃で
30分間実施し、次いで以下の増幅/PCRサイクルを実施した:95℃で10
分、次いで90℃で15秒間、60℃で1分間を40サイクル。
【0404】 (AMF−1) AMF−1に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表12に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0405】
【表12】 (AMF−2) AMF−2に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表13に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0406】
【表13】 (AMF−3) AMF−3に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表14に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0407】
【表14】 (AMF−4) AMF−4に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表15に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0408】
【表15】 (AMF−5) AMF−5に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表16に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0409】
【表16】 (AMF−6) AMF−6に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表17に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0410】
【表17】 (AMF−7) AMF−7に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表18に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0411】
【表18】 (AMF−8) AMF−8に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表19に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0412】
【表19】 (AMF−9) AMF−9に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を、
表20に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み、
そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0413】
【表20】 (AMF−10) AMF−10に対するTaqMan分析のために使用したヌクレオチド配列を
、表21に示す。プライマーとして使用したオリゴヌクレオチド配列を枠で囲み
、そしてプローブとして使用したオリゴヌクレオチド配列に下線を引く。
【0414】
【表21A】 (実施例2.TaqMan分析を使用するAMFX遺伝子発現の定量) クローンAMF−1〜AMF−10の定量的発現パターンを、多数の正常およ
び腫瘍のサンプル細胞および細胞株において、Perkin−Elmer Bi
osystems ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム
において実施される、リアルタイムの定量PCR(TaqMan(登録商標))
によって評価した。表21は、AMF−1、AMF−2、AMF−4、およびA
MF−6の発現パターンを示す。
【0415】
【表21B】 クローンAMF−1〜AMF−10の定量的発現パターンを、多数の正常およ
び腫瘍のサンプル細胞および細胞株において、Perkin−Elmer Bi
osystems ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム
において実施される、リアルタイムの定量PCR(TaqMan(登録商標))
によって評価した。表22は、AMF−3、AMF−7、AMF−8、およびA
MF−10の発現パターンを示す。
【0416】
【表22】 TaqMan分析を、AMF−5およびAMF−9に対してもまた行った。
【0417】 (等価物) 特定の実施形態を本明細書中に詳細に開示したが、これは、説明のみの目的で
、例としてなされたものであり、そして添付の特許請求の範囲の範囲に対して限
定することは意図されない。特に、本発明者らによって、種々の状況、変更およ
び改変が、特許請求の範囲によって規定される本発明の意図および範囲から逸脱
することなくなされ得ることが、意図される。核酸の出発物質、目的のクローン
、またはライブラリーの型の選択は、本明細書中に開示された実施形態の知識を
有する当業者に対して、慣習的事項であると考えられる。他の局面、利点、およ
び改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内であると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 7/00 4C084 A61P 3/00 29/00 4C085 7/00 35/00 4C086 29/00 43/00 105 4H045 35/00 111 43/00 105 C07K 14/47 111 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 フェルナンデス, エルマ アメリカ合衆国 コネチカット 06405, ブランフォード, フローレンス ロー ド 77, ナンバー2 (72)発明者 タウピアー, レイモンド ジェイ. ジ ュニア アメリカ合衆国 コネチカット 06512, イースト ヘイブン, ホルムズ スト リート 47 (72)発明者 クイン, ケリー イー. アメリカ合衆国 コネチカット 06790, トリントン, グリーンフィールド ド ライブ 51 (72)発明者 スパイテク, キンバリー アン アメリカ合衆国 コネチカット 06511, ニュー ヘイブン, コート ストリー ト 28, ナンバー1 (72)発明者 ラステリ, ルカ アメリカ合衆国 コネチカット 06437, ギルフォード, ペッパーブッシュ レ ーン 52 (72)発明者 ハーマン, ジョン エル. アメリカ合衆国 コネチカット 06437, ギルフォード, バーンシェド レーン 78 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA44 BA80 CA01 CA04 CA11 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 FA02 GA01 GA11 HA12 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ01 QQ42 QQ52 QR08 QR33 QR42 QR55 QR59 QR62 QR74 QR80 QR82 QS05 QS25 QS34 QS36 QX02 4B064 AG27 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA90X AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA20 BA21 BA22 BA23 CA53 DC50 NA14 ZA512 ZB112 ZB212 ZB262 ZC022 ZC212 4C085 AA13 AA14 BB11 CC02 CC04 CC05 DD22 DD23 DD33 DD36 DD41 DD43 DD61 EE01 4C086 AA01 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA51 ZB11 ZB21 ZB26 ZC02 ZC21 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA00 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態; (b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、ここで、
    該改変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列とは異
    なり、だだし、該改変体は、該アミノ酸残基の15%以下が該成熟形態のアミノ
    酸配列と異なっている、改変体; (c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸配列;ならびに (d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体に
    おける1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟型のアミノ酸配列とは異なり、だだし
    、該改変体は、アミノ酸残基の15%以下が該アミノ酸配列と異なっている、改
    変体、 からなる群より選択されるアミノ酸を含む、単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10、12
    、14、16、18、および20からなる群より選択されるアミノ酸配列の天然
    に存在する対立遺伝子改変体のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のポリペプ
    チド。
  3. 【請求項3】 前記対立遺伝子改変体が、配列番号1、3、5、7、9、1
    1、13、15、17および19からなる群より選択される核酸配列とは、単一
    のヌクレオチドが異なる、核酸配列の翻訳物である、アミノ酸配列を含む、請求
    項2に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 前記改変体のアミノ酸配列が、保存的アミノ酸置換を含む、
    請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸の成熟形態; (b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸の成熟形態の改変体であって、ここで、該改
    変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列とは異なり
    、だだし、該改変体は、該アミノ酸残基の15%以下が該成熟形態のアミノ酸配
    列と異なっている、改変体; (c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸配列; (d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで、該改変体に
    おける1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟型のアミノ酸配列とは異なり、だだし
    、該改変体は、アミノ酸残基の15%以下が該アミノ酸配列と異なっている、改
    変体; (e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、および20
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの少なくとも一部分
    または該ポリペプチドの改変体をコードする核酸フラグメントであって、ここで
    、該改変体における1つ以上のアミノ酸残基が、該成熟形態のアミノ酸配列とは
    異なっており、ただし、該改変体は、アミノ酸残基の15%以下が、該アミノ酸
    配列と異なっている、核酸フラグメント;ならびに (f)(a)、(b)、(c)、(d)または(e)の相補体を含む、核酸分
    子、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核
    酸配列を含む、単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】 前記核酸分子が、天然に存在する対立遺伝子核酸改変体のヌ
    クレオチド配列を含む、請求項5に記載の核酸分子。
  7. 【請求項7】 前記核酸分子が、天然に存在するポリペプチド改変体のアミ
    ノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項5に記載の核酸分子。
  8. 【請求項8】 前記核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、11、13
    、15、17、および19からなる群より選択された核酸配列とは、単一ヌクレ
    オチドが異なる、請求項5に記載の核酸分子。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の核酸分子であって、前記核酸分子が、以下
    : (a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、および19か
    らなる群より選択されるヌクレオチド配列; (b)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、および19か
    らなる群より選択されるヌクレオチド配列とは1つ以上のヌクレオチドが、異な
    っているヌクレオチド配列であって、ただし、該ヌクレオチドの20%以下が該
    ヌクレオチド配列とは異なる、ヌクレオチド配列; (c)(a)の核酸フラグメント;ならびに (d)(b)の核酸フラグメント、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の核酸分子
  10. 【請求項10】 前記核酸分子が、配列番号1、3、5、7、9、11、1
    3、15、17、および19からなる群より選択されるヌクレオチド配列、また
    は該ヌクレオチド配列の相補体に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
    する、請求項5に記載の核酸分子。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載の核酸分子であって、該核酸分子が、以下
    : (a)第一のヌクレオチド配列であって、前記アミノ酸配列をコードするコー
    ド配列とは、1つ以上のヌクレオチド配列が異なるコード配列を含み、ただし、
    該第一のヌクレオチド配列におけるコード配列において、該ヌクレオチドの20
    %以下が、該コード配列とは異なっている、第一のヌクレオチド配列; (b)該第一のポリヌクレオチドの相補体である単離された第二のポリヌクレ
    オチド;および (c)(a)または(b)の核酸フラグメント、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  13. 【請求項13】 前記核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターをさら
    に含む、請求項12に記載のベクター。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載のベクターを含む、細胞。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のポリペプチドに免疫特異的に結合する、
    抗体。
  16. 【請求項16】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載
    の抗体。
  17. 【請求項17】 前記抗体がヒト化抗体である、請求項15に記載の抗体。
  18. 【請求項18】 サンプルにおける請求項1に記載のポリペプチドの存在ま
    たは量を決定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該サンプルを提供する工程; (b)該サンプルを、該ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体と接触させ
    る工程;および (c)該ポリペプチドに結合した抗体の存在または量を決定する工程、 を包含し、 それによって、該サンプルにおけるポリペプチドの存在または量を決定する、方
    法。
  19. 【請求項19】 サンプルにおける請求項5に記載の核酸分子の存在または
    量を決定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該サンプルを提供する工程; (b)該サンプルを、該核酸分子に結合するプローブと接触させる工程;およ
    び (c)該核酸分子に結合した該プローブの存在または量を決定する工程、 を包含し、 それによって、該サンプルにおける該核酸分子の存在または量を決定する、方法
  20. 【請求項20】 前記核酸分子の存在または量が、細胞または組織の型に関
    するマーカーとして用いられる、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記細胞または組織の型が、癌性である、請求項20に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項1に記載のポリペプチドに結合する因子を同定する
    方法であって、該方法は、以下: (a)該ポリペプチドを該因子と接触させる工程;および (b)該因子が該ポリペプチドに結合するか否かを決定する工程、 を包含する方法。
  23. 【請求項23】 前記因子が細胞レポーターまたは下流のエフェクターであ
    る、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 請求項1に記載のポリペプチドの発現または活性を調節す
    る因子を同定する方法であって、該方法は、以下: (a)該ポリペプチドを発現する細胞を提供する工程; (b)該細胞と該因子とを接触させる工程;および (c)該因子が、該ポリペプチドの発現または活性を調節するか否かを決定す
    る工程、 を包含し、それによって、該ペプチドの発現または活性における変化は、該因子
    が該ポリペプチドの発現または活性を調節することを示す、方法。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節するための方
    法であって、該方法は、該ポリペプチドの活性を調節するに十分な量で、請求項
    1に記載のポリペプチドを発現する細胞サンプルと、該ポリペプチドに結合する
    化合物とを接触させる工程を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 AMFX関連障害を処置または予防する方法であって、該
    方法は、このような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該
    AMFX関連障害を処置または予防するに十分な量で、請求項1に記載のポリペ
    プチドを投与する工程を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の方法であって、前記障害が、以下:細
    胞シグナルプロセシング、細胞接着、または移動経路調節に関連する障害、化学
    物質抵抗性、放射線療法抵抗性、栄養因子制限二次組織部位微小環境における生
    存、結合組織障害、組織再構築、腫瘍形成、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌
    、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳の癌および軟部組織の
    癌、細胞の形質転換、発生組織再構築、炎症、血餅の形成および吸収、造血、血
    管形成、有機性アニオン輸送体に関連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖
    の自己分泌調節および細胞増殖のパラクリン調節、および外因性刺激に対する細
    胞応答、ならびに他の疾患、障害および条件など、 からなる群より選択される、方法。
  28. 【請求項28】 前記障害が、細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路調
    節に関する、請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記被験体がヒトである、請求項26に記載の方法。
  30. 【請求項30】 AMFX関連障害を処置または予防する方法であって、該
    方法は、このような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該
    AMFX関連障害を処置または予防するに十分な量で、請求項5に記載の核酸を
    投与する工程を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の方法であって、前記障害が、以下:細
    胞シグナルプロセシング、細胞接着、または移動経路調節に関連する障害、化学
    物質抵抗性、放射線療法抵抗性、栄養因子制限二次組織部位微小環境における生
    存、結合組織障害、組織再構築、腫瘍形成、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌
    、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳の癌および軟部組織の
    癌、細胞の形質転換、発生組織再構築、炎症、血餅の形成および吸収、造血、血
    管形成、有機性アニオン輸送体に関連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖
    の自己分泌調節および細胞増殖のパラクリン調節、および外因性刺激に対する細
    胞応答、ならびに他の疾患、障害および条件など、 からなる群より選択される、方法。
  32. 【請求項32】 前記障害が、細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路調
    節に関する、請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記被験体がヒトである、請求項30に記載の方法。
  34. 【請求項34】 AMFX関連障害を処置または予防する方法であって、該
    方法は、このような処置または予防が所望される被験体に、該被験体における該
    AMFX関連障害を処置または予防するに十分な量で、請求項15に記載の抗体
    を投与する工程を包含する、方法。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の方法であって、前記障害が、以下:細
    胞シグナルプロセシング、細胞接着、または移動経路調節に関連する障害、化学
    物質抵抗性、放射線療法抵抗性、栄養因子制限二次組織部位微小環境における生
    存、結合組織障害、組織再構築、腫瘍形成、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌
    、子宮内膜癌、胃癌、結腸癌、肺癌、膀胱癌、腎臓癌、脳の癌および軟部組織の
    癌、細胞の形質転換、発生組織再構築、炎症、血餅の形成および吸収、造血、血
    管形成、有機性アニオン輸送体に関連する多剤耐性、悪性疾患の進行、細胞増殖
    の自己分泌調節および細胞増殖のパラクリン調節、および外因性刺激に対する細
    胞応答、ならびに他の疾患、障害および条件など、 からなる群より選択される、方法。
  36. 【請求項36】 前記障害が、細胞シグナルプロセシングおよび代謝経路調
    節に関する、請求項34に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記被験体がヒトである、請求項34に記載の方法。
  38. 【請求項38】 請求項1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能な
    キャリアを含む、薬学的組成物。
  39. 【請求項39】 請求項5に記載の核酸分子および薬学的に受容可能なキャ
    リアを含む、薬学的組成物。
  40. 【請求項40】 請求項15に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリ
    アを含む、薬学的組成物。
  41. 【請求項41】 請求項38に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  42. 【請求項42】 請求項39に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  43. 【請求項43】 請求項40に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  44. 【請求項44】 第一の哺乳動物被験体において、請求項1に記載のポリペ
    プチドの変化したレベルに関連する疾患の存在または該疾患に対する素因を決定
    する方法であって、該方法は、以下: (a)該第一の哺乳動物被験体由来のサンプルにおいて該ポリペプチドの発現
    のレベルを測定する工程;および (b)工程(a)の該サンプルにおける該ポリペプチドの量を、第二の哺乳動
    物被験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリペプチドの量と比較す
    る工程であって、該第二の哺乳動物被験体は、該疾患を有さないか、または該疾
    患に対する素因がないことが知られている、工程; を包含し、 ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第一の被験体における該ポ
    リペプチドの発現レベルの変化が、該疾患の存在または該疾患に対する素因を示
    す、方法。
  45. 【請求項45】 前記素因が癌に対するものである、請求項44に記載の方
    法。
  46. 【請求項46】 第一の哺乳動物被験体において、請求項5に記載の核酸分
    子の変化したレベルに関連した疾患の存在または該疾患に対する素因を決定する
    方法であって、該方法は、以下: a)該第一の哺乳動物被験体由来のサンプルにおいて該核酸の量を測定する工
    程;および b)工程(a)の該サンプルにおける該核酸の量を、第二の哺乳動物被験体由
    来のコントロールサンプル中に存在する該核酸の量と比較する工程であって、該
    第二の哺乳動物被験体は、該疾患を有さないか、または該疾患に対する素因がな
    いことが知られている、工程、 を包含し、 ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第一の被験体における該核
    酸のレベルの変化が、該疾患の存在または該疾患に対する素因を示す、方法。
  47. 【請求項47】 前記素因が癌に対するものである、請求項46に記載の方
    法。
  48. 【請求項48】 哺乳動物における病理学的状態を処置する方法であって、
    該方法は、該哺乳動物に、該病理学的状態を軽減するに十分な量のポリペプチド
    を投与する工程を包含し、ここで該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、
    10、12、14、16、18、および20のうち少なくとも1つのアミノ酸配
    列を含むポリペプチドに対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するポ
    リペプチド、またはその生物学的に活性なフラグメントである、方法。
  49. 【請求項49】 哺乳動物における病理学的状態を処置する方法であって、
    該方法は、該哺乳動物に、該病理学的状態を軽減するに十分な量の請求項15に
    記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。
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