JP2003527337A - 抗血管新生スケジュールに基づく治療薬の投与方法 - Google Patents

抗血管新生スケジュールに基づく治療薬の投与方法

Info

Publication number
JP2003527337A
JP2003527337A JP2001536171A JP2001536171A JP2003527337A JP 2003527337 A JP2003527337 A JP 2003527337A JP 2001536171 A JP2001536171 A JP 2001536171A JP 2001536171 A JP2001536171 A JP 2001536171A JP 2003527337 A JP2003527337 A JP 2003527337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angiogenic
tumor
schedule
cyclophosphamide
administered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001536171A
Other languages
English (en)
Inventor
リー シム,キム
キスカー,オリバー
イー. フォグラー,ウィリラム
ブロウダー,ティモシー
エス. オレイリー,マイケル
フォルクマン,エム.ジュダ
Original Assignee
エントレメッド インコーポレイテッド
ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エントレメッド インコーポレイテッド, ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレイション filed Critical エントレメッド インコーポレイテッド
Publication of JP2003527337A publication Critical patent/JP2003527337A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/39Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin, cold insoluble globulin [CIG]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/43Enzymes; Proenzymes; Derivatives thereof
    • A61K38/46Hydrolases (3)
    • A61K38/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • A61K38/482Serine endopeptidases (3.4.21)
    • A61K38/484Plasmin (3.4.21.7)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

(57)【要約】 本発明は、細胞の異常成長に関連した疾患、より具体的は癌の治療のための組成物および方法を提供する。本発明の組成物および方法は、化学療法剤および抗血管新生剤の減少された投与量を提供する。特に、本発明は、低用量のエンドスタチンタンパク質を投与する方法を提供する。また、1つまたはそれ以上の治療薬の血管新生スケジューリングの方法も含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [関連出願の相互参照] 本出願は、2000年4月3日に提出された米国仮特許番号第60/194,
150号および1999年11月12日に提出された米国出願番号第09/43
9,901号(これらは、参照により本明細書に援用される)に対する優先権を
主張する。
【0002】 [発明の分野] 本発明は、細胞の異常成長と関連した疾患を治療する分野に関する。特に、本
発明は、抗血管新生スケジュールに基づく、低用量のエンドスタチンのような治
療薬の投与に関する。
【0003】 [発明の背景] 本明細書で用いる「血管新生」という用語は、組織または器官への新たな血管
の生成を意味する。正常な生理学的条件下において、ヒトまたは動物は、非常に
特定の限られた状況においてのみ血管新生を受ける。例えば、血管新生は、創傷
治癒、胎児および胚の発達、ならびに黄体、子宮内膜および胎盤の形成において
通常観察される。しかしながら、血管新生はまた、腫瘍発達、成長および転移の
間におけるような異常または望ましくない条件下でも起こる。この型の血管新生
を、未制御血管新生と称してもよい。
【0004】 制御および未制御血管新生の両方は、類似の様式で進行すると考えられる。基
底膜によって取り囲まれた内皮細胞および周皮細胞が、毛細血管を形成する。血
管新生は、内皮細胞および白血球によって放出される酵素による基底膜の侵食か
ら始まる。内皮細胞は、血管の管腔の内側を被っており、次に基底膜から突出す
る。血管新生刺激物は、侵食基底膜を通って内皮細胞を移動させる。移動細胞は
、親血管から離れて「新芽」を形成し、そこで内皮細胞は有糸分裂を受け、増殖
する。内皮の新芽は互いに併合して、血管ループを形成し、新たな血管を生み出
す。
【0005】 永続的な未調節の血管新生は、病状の多様性、内皮細胞による腫瘍転移および
異常成長を発生する。未調節の血管新生が存在する多様な病理学的な病状は、血
管新生依存性疾患または血管新生関連疾患として一緒に分類されてきた。腫瘍成
長が血管新生依存性であるという仮説は、1971年にM. Judah Folkmanにより
最初に提案された(Folkman J., "Tumor angiogenesis: Therapeutic implicatio
ns" N. Engl. Jour. Med. 285: 1182-1186, (1971))。最も簡単に言うと、この
仮説は、「腫瘍「獲得(take)」がひとたび起こると、腫瘍上に集中している新た
な毛細管の増加が腫瘍細胞集団におけるあらゆる増加に先だって起こるにちがい
ない」と述べている。腫瘍「獲得」は、数立方ミリメートルの体積を占め、数百
万個の細胞を超えない腫瘍細胞集団が生存宿主の微小血管上に生存する、腫瘍成
長の前血管(prevascular)相を示すと現在理解される。この相を越える腫瘍体積
の拡大は、新たな毛細血管の誘発を要する。
【0006】 血管新生は、腫瘍の拡大に必要とされる、増加した栄養分および老廃物除去の
ための経路を提供するだけでなく、腫瘍細胞が最初の部位を離れて、血流に入り
込むための道筋を提供することにより腫瘍転移を容易にする(Zetter, 1998)。特
に、血管新生は、正常成熟血管よりも薄い基底膜および少ない細胞内結合複合体
を有する、増加した密度の未熟の高度浸透性血管を提供することにより、血流へ
の腫瘍細胞の侵入を増加させる(Zetter, 1998)。
【0007】 抗癌細胞毒性化学療法は、50年前に最初に導入されて以来、腫瘍細胞に対す
る薬剤のレパートリーは著しく増加した(Farberら、1948)。1960年代に実施
されたマウスにおける実験的癌治療の前臨床研究は、試験した幾つかの化学療法
スケジュールの1つである最大耐容用量が、高いパーセントの治癒率をもたらす
ことを確定した(Skipperら、1964)。このスケジュールは、最も高い生存可能(
最小致死)用量から構成され、癌患者に対する化学療法の従来型投与のために選
択された。しかしながら、かかる高い最初の用量は、正常宿主細胞を回復させる
(例えば、造血薬先駆体を迅速に成長させる)ための延長された非治療期間を要
し、それは腫瘍の再発および/または引き続きの成長のための時間枠を提供して
いた。この延長された非治療期間はまた、遺伝的不安定性に起因する薬剤耐性腫
瘍の淘汰、および新生細胞の高突然変異という高い危険性を生じる(Donehowerら
、1992)。
【0008】 抗血管新生剤の単離への関心にも関わらず、多くの抗血管新生剤は、腫瘍の再
発を完全に後退または防止することはできていない。例えば、抗血管新生抑制剤
TNP−470は、薬剤感受性ルイス肺癌腫の成長を遅くするが、後退させるこ
とはできないと報告されている(Bremら、1993)。TNP−470、シクロホスフ
ァミドおよびミノサイクリンのような抗血管新生剤および化学療法剤の使用を行
う併用療法でさえ、たったの40〜50%の治癒率をもたらすだけである(Teich
erら、1994)。特に、従来技術で記載されなかったものは、化学療法剤および抗
血管新生剤を投与する最適な方法であり、投与量を低減させ、および/またはこ
れらの化学療法剤および抗血管新生剤の効果を増加させる。特に、従来技術では
、細胞の異常成長に関する疾患および症状における血管新生の役割に注目する治
療スケジューリング方法について記載されていない。従来技術ではまた、エンド
スタチンのような抗血管新生剤の低用量投与についても記載されていない。
【0009】 したがって、従来技術において必要とされるのは、癌のような細胞の異常成長
に関連した疾患の治療のための組成物および方法であり、治療のために用いられ
る化学療法剤および/または抗血管新生剤の効率を増加させる。より特には、治
療に要する化学療法剤または抗血管新生剤の用量を低減する、細胞の異常成長に
関連した疾患の治療のための組成物および方法が必要とされる。さらには、薬剤
耐性腫瘍の発生を低減する、癌治療のための組成物および方法が必要とされる。
【0010】 [発明の概要] 本発明は、細胞の異常成長に関連した疾患の治療の改良方法のための継続的必
要性に対処し、従って、細胞の異常成長に関連した疾患の治療のための組成物お
よび方法に関する。特に、本発明は、低用量の治療薬を投与する方法を提供する
。本明細書中に記載する治療薬は、化学療法剤および抗血管新生剤である。本発
明の1つの態様では、抗血管新生剤は、エンドスタチンタンパク質である。
【0011】 本発明の方法は、1つまたはそれ以上の化学療法剤、1つまたはそれ以上の抗
血管新生剤、および1つまたはそれ以上の化学療法剤および1つまたはそれ以上
の抗血管新生剤の組合せの抗血管新生スケジューリングを含む。本発明はさらに
、本明細書中に記載する方法で用いられる化学療法剤および抗血管新生剤を提供
する。
【0012】 本発明の組成物および方法はまた、薬剤耐性腫瘍の発生を低減する治療方法の
ための継続的必要性に対処する。本明細書で定義する「抗血管新生スケジューリ
ング」という用語は、治療スケジュール中に腫瘍の血管新生化または再血管新生
化を低減させるためのような様式で、1つまたはそれ以上の治療薬を投与するこ
とを指す。本発明の1つの態様では、抗血管新生スケジュールは、腫瘍床におけ
る血管内皮細胞の持続性アポトーシスを提供する。好ましい抗血管新スケジュー
ルは、4〜8日毎の治療薬の投与を含み、より好ましい抗血管新生スケジュール
は、6日毎の治療薬の投与を含む。
【0013】 本発明の1つの実施形態では、シクロホスファミドのような単一化学療法剤が
、抗血管新生スケジュールに基づいて投与される。本発明の別の実施形態では、
エンドスタチンタンパク質、アンジオスタチンタンパク質またはTNP−470
のような単一抗血管新生剤が、抗血管新生スケジュールに基づいて投与される。
本発明のさらに別の態様では、化学療法剤および抗血管新生剤の組合せが、抗血
管新生スケジュールに基づいて投与される。
【0014】 したがって、本発明の目的は、従来技術を超えて改良される、細胞の異常成長
に関連した疾患の治療のための組成物および方法を提供することである。
【0015】 本発明の別の目的は、従来技術を超えて改良される、癌治療のための組成物お
よび方法を提供することである。
【0016】 本発明の別の目的は、薬剤耐性腫瘍の発生を低減する治療のための組成物およ
び方法を提供することである。
【0017】 本発明の別の目的は、抗血管新生スケジューリングのための組成物および方法
を提供することである。
【0018】 本発明の別の目的は、腫瘍床における血管内皮細胞のより多くの持続性アポト
ーシスを提供する、細胞の異常成長に関連した疾患の治療のための組成物及び方
法を提供することである。
【0019】 本発明のさらに別の目的は、化学療法剤の抗血管新生スケジューリング方法を
提供することである。
【0020】 本発明の別の目的は、抗血管新生剤の抗血管新生スケジューリング方法を提供
することである。
【0021】 本発明の目的は、化学療法剤および抗血管新生剤の組合せの抗血管新生スケジ
ューリング方法を提供することである。
【0022】 本発明のこれらおよび他の目的、特徴および利点は、開示した実施形態の以下
の詳細な説明および併記の特許請求の範囲に目を通した後に明らかになるであろ
う。
【0023】 [詳細な説明] 本発明は、細胞の異常成長に関連した疾患、より具体的には、癌の治療のため
の組成物および方法に関する。本発明の組成物および方法は、抗血管新生剤およ
び化学療法剤の投与用量を減少させる。本発明はまた、薬剤耐性腫瘍の発生を低
減する治療方法のための継続的必要性に対処する。特に、本発明は、治療薬の抗
血管新生スケジューリング方法を提供する。
【0024】 本発明の1つの態様では、抗血管新生剤が、治療を必要とする個体に低用量で
投与される。本明細書中で定義する「抗血管新生剤」という用語は、血管の形成
または成長を低減させることが可能な組成物を指す。抗血管新生剤の例としては
、エンドスタチンタンパク質、アンジオスタチンタンパク質、TNP−470,
アンジオザイム、抗VEGF、apra(CT2584)、bay12−956
6、ベネフィン、BMS275291、ブリオスタチン−1(SC339555
)、CAI、カルボキシアミド−イミダゾール、CM101、コンブレタスタチ
ン、デクサラゾキサン(ICRF187)、DMXAA、EMD121974、
フラボピリドール、GTE、IM862、インターフェロン−アルファ、インタ
ーロイキン−12、例えばマリマスタット、メタレット、メタスタット(metasta
t)、MMI−270、ネオバスタット(AE−941)、オクタレオチド(ソマ
トスタチン)、パクリタクセル(タキソール)、ペニシラミン、フォトポイント
(photopoint)、PI−88、プリノマスタット(AG−3340)、プルリチン
(purlytin)、PTK787、スクアラミン、スラジスタ(suradista)(FCE2
6644)、SU101、SU5416、SU6668、タモキシフェン(ノル
バデックス)、テトラチオモリブデート、タリドミド、ビタキシン(vitaxin)お
よびキセロダ(xeloda)(カペシタビン)のようなマトリックス金属タンパク質分
解酵素の抑制剤、シクロオゲナーゼ(cycloogenase)、血小板第4因子(PF−4
)、Guptaら (1995)に記載されるようなN末端短小化タンパク質分解性切断PF
−4断片、Clappら(1993)に記載されるようなヒトプロラクチンの16kDaN
−末端断片、フィブロネクチンの小タンパク質断片、マウス上皮成長因子、およ
びHomandbergら(1985)、Nelsonら(1995)およびTolsmaら(1993)に記載されるよう
なトロンボスポンジンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】 1つの実施形態では、低用量のエンドスタチンタンパク質が個体に投与される
。本明細書で用いる「エンドスタチンタンパク質」という用語は、インビボ(in
vivo)で抗血管新生活性を有するコラーゲン分子のC末端領域断片を指す。コ
ラーゲン分子の例としては、コラーゲンXVIII、コラーゲンXVおよびコラ
ーゲンIVが挙げられるが、これらに限定されない。エンドスタチンタンパク質
の例としてはまた、米国特許第5,854,205号(それは参照により本明細
書に援用される)に見られ得る。本発明は、抗血管新生関連疾患および症状の治
療のための低用量のエンドスタチンタンパク質の投与方法を提供する。1つの実
施形態では、エンドスタチンタンパク質は、約0.3mg/kg/日未満、より
好ましくは約0.01〜0.1mg/kg/日、最も好ましくは約0.03〜0
.08mg/kg/日の用量で投与される。別の実施形態では、エンドスタチン
タンパク質は、腫瘍発達が末期段階に進行した個体に、約1〜20mg/kg/
日、より好ましくは約2〜10mg/kg/日、最も好ましくは4〜6mg/k
g/日の用量で投与される。
【0026】 さらに、本明細書中で使用する「アンジオスタチンタンパク質」という用語は
、インビボで抗血管新生活性を有するプラスミノゲン分子のクリングル領域断片
を指す。アンジオスタチンタンパク質の例は、米国特許第5,837,682号
および米国特許第5,854,221号(それらは、参照により本明細書に援用
される)に見られ得る。プラスミノゲンは、クリングル1〜5を示す5つのクリ
ングル領域断片、ならびにクリングル間領域を含有する。「アンジオスタチンタ
ンパク質」という用語は、任意の単一クリングル領域、クリングル領域の任意の
組合せ、またはインビボで抗血管新生活性を保持する任意のクリングル間領域に
付加した任意のクリングル領域を指すと理解され得る。好ましい実施形態では、
アンジオスタチンタンパク質は、おおよそ、ヒトプラスミノゲンのクリングル領
域1〜3、クリングル領域1〜3.5、クリングル領域1〜4、またはクリング
ル領域1〜4.5である。別の好ましい実施形態では、アンジオスタチンタンパ
ク質は、ヒトプラスミノゲンのクリングル領域1〜4.5を含む。
【0027】 「エンドスタチンタンパク質」および「アンジオスタチンタンパク質」という
用語はまた、1つまたはそれ以上のアミノ酸が、それぞれエンドスタチンタンパ
ク質もしくはアンジオスタチンタンパク質の一端または両端から、あるいは一方
のタンパク質の内部領域から除去される短縮タンパク質であるが、インビボで血
管新生抑制活性を保持するタンパク質を含む。「エンドスタチンタンパク質」お
よび「アンジオスタチンタンパク質」という用語はまた、1つまたはそれ以上の
アミノ酸が、それぞれエンドスタチンタンパク質もしくはアンジオスタチンタン
パク質の一端または両端に、あるいは内部位置に付加される延長タンパク質また
はペプチドを含むが、インビボで血管新生抑制活性を保持するタンパク質を含む
。他の放射性同位体またはリシンのような化学物質でエンドスタチンタンパク質
およびアンジオスタチンタンパク質を標識することもまた、エンドスタチンタン
パク質またはアンジオスタチンタンパク質レセプターを含有する標的細胞を破壊
するための分子ツールを提供するのに有用であり得る。
【0028】 また、アンジオスタチンタンパク質誘導体およびエンドスタチンタンパク質誘
導体は、「アンジオスタチンタンパク質」および「エンドスタチンタンパク質」
という用語内に含まれる。アンジオスタチンタンパク質誘導体は、抗血管新生活
性を有する、プラスミノゲンのクリングル領域断片のアミノ酸配列を有するタン
パク質を含む。アンジオスタチンタンパク質はまた、プラスミノゲンのクリング
ル領域断片の抗血管新生アンジオスタチン断片に相当する配列を有するペプチド
を含む。「抗血管新生アンジオスタチン断片」は、アミノ酸配列がプラスミノゲ
ンのクリングル領域断片の部分配列(「抗血管新生アンジオスタチン部分配列」
と呼ばれる)に相当するペプチドであると定義される。
【0029】 エンドスタチンタンパク質誘導体は、抗血管新生活性を有する、コラーゲン分
子のC末端領域断片のアミノ酸配列を有するタンパク質を含む。エンドスタチン
タンパク質はまた、コラーゲン分子のC末端領域断片の抗血管新生エンドスタチ
ン断片に相当する配列を有するペプチドを含む。「抗血管新生エンドスタチン断
片」は、アミノ酸配列がコラーゲン分子のC末端領域断片の部分配列(「抗血管
新生エンドスタチン部分配列」と呼ばれる)に相当するペプチドであると定義さ
れる。「部分配列」は、より大きな配列内に見られる近接アミノ酸配列である。
部分配列は一般に、おおよそ少なくとも70%、より好ましくは80%、最も好
ましくは90%の大配列で構成される。
【0030】 アンジオスタチンおよびエンドスタチンタンパク質誘導体はまた、元の配列も
しくは部分配列における1つまたはそれ以上のアミノ酸が、天然に存在するアミ
ノ酸残基またはアミノ酸残基類縁体(analog)(修飾アミノ酸ともいう)で置換さ
れた、修飾配列を有するタンパク質またはペプチドを含む。かかる置換は、血管
新生抑制活性を増加または減少させることによるような、アンジオスタチンタン
パク質およびアンジオスタチンタンパク質の生物活性を改変し、生物学的もしく
は薬理学的アゴニストまたはアンタゴニストを生産し得る。適切なアンジオスタ
チンおよびエンドスタチン誘導体は、それぞれアンジオスタチンおよびエンドス
タチンタンパク質のアミノ酸配列に、あるいはそれぞれアンジオスタチンおよび
エンドスタチンタンパク質の抗血管新生部分配列に実質的に相同性のある修飾配
列を有する。
【0031】 「アミノ酸残基」は、タンパク質またはペプチド内に見られる部分であり、−N
H−CHR−CO−(式中、Rは、天然に存在するアミノ酸の側鎖である)で表
される。ペプチド内に見られる部分について言うと、「アミノ酸残基」および「
アミノ酸」という用語は、互いに交換可能に用いられる。「アミノ酸残基n」は
、以下の式:−NH−CHR−CO−(式中、Rは、脂肪族基、置換脂肪族芳香
族基、ベンジル基、置換ベンジル基、芳香族基または置換芳香族基であり、Rは
、天然に存在するアミノ酸の側鎖に相当しないを有するDまたはL立体配置を含
む。
【0032】 本明細書中に記載するアンジオスタチンおよびエンドスタチンタンパク質の配
列におけるアミノ酸残基のための適切な置換は、血管新生アンジオスタチン誘導
体およびエンドスタチンタンパク質誘導体を結果として生じる保存的置換を含む
。保存的置換は、アミノ酸(天然に存在するか、または修飾されている)の置換
が置換されるアミノ酸に構造的に関連する置換である。「構造的に関連する」ア
ミノ酸は、ほぼ同じ大きさであり、側鎖に同じまたは類似の官能基を有する。
【0033】 群における各アミノ酸が類似の電子特性および立体特性を有する、天然に存在
するアミノ酸および修飾アミノ酸の群を以下に提供する。したがって、保存的置
換は、アミノ酸を同じ群からの別のアミノ酸で置換することによってなされ得る
。これらの群は限定されず、さらなる修飾アミノ酸が各群に含まれ得ることが理
解されるであろう。
【0034】 I群として、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、および以下の側
鎖:エチル、n−プロピル、n−ブチルを有する修飾アミノ酸が挙げられる。好
ましくは、I群として、ロイシン、イソロイシン、バリンおよびメチオニンが挙
げられる。
【0035】 II群として、グリシン、アラニン、バリンおよびエチル側鎖を有する修飾ア
ミノ酸が挙げられる。好ましくは、II群として、グリシンおよびアラニンが挙
げられる。
【0036】 III群として、フェニルアラニン、フェニルグリシン、チロシン、トリプト
ファン、シクロヘキシルメチル、および置換ベンジルまたはフェニル側鎖を有す
る修飾アミノ残基が挙げられる。好ましい置換基としては、1つまたはそれ以上
の以下の:ハロゲン、メチル、エチル、ニトロ、−NH2、メトキシ、エトキシ
および−CNが挙げられる。好ましくは、III群として、フェニルアラニン、
チロシンおよびトリプトファンが挙げられる。
【0037】 IV群として、グルタミン酸、アスパラギン酸、置換もしくは無置換のグルタ
ミン酸またはアスパラギン酸の脂肪族エステル、芳香族エステルあるいはベンジ
ルエステル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロヘ
キシル、ベンジルまたは置換ベンジル)、グルタミン、アスパラギン、−CO−
NH−アルキル化グルタミンまたはアスパラギン(例えば、メチル、エチル、n
−プロピルおよびイソプロピル)、および側鎖−(CH23−COOH、それら
のエステル(置換もしくは無置換の脂肪族エステル、芳香族エステルまたはベン
ジルエステル)、それらのアミドおよび置換または無置換のそれらのN−アルキ
ル化アミドを有する修飾アミノ酸が挙げられる。好ましくは、IV群として、グ
ルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸メチル、アスパラギン酸エチル、
アスパラギン酸ベンジルおよびグルタミン酸メチル、グルタミン酸エチルおよび
グルタミン酸ベンジル、グルタミンおよびアスパラギンが挙げられる。
【0038】 V群として、ヒスチジン、リシン、オルニチン、アルギニン、N−ニトロアル
ギニン、β−シクロアルギニン、γ−ヒドロキシアルギニン、N−アミジノシト
ルリン、および2−アミノ−4−グアニジノブタン酸、リシン同族体、アルギニ
ン同族体およびオルニチン同族体が挙げられる。好ましくは、V群として、ヒス
チジン、リシン、アルギニンおよびオルニチンが挙げられる。アミノ酸同族体は
、側鎖における1〜約3個のさらなるメチレン単位または取り去られたメチレン
単位を含む。
【0039】 VI群として、セリン、トレオニン、システイン、および−OHまたは−SH
で置換されたC1〜C5直鎖状または分岐鎖状アルキル側鎖(例えば−CH2
2OH、−CH2CH2CH2OH、または−CH2CH2OHCH3)を有する修
飾アミノ酸が挙げられる。好ましくは、VI群としては、セリン、システインま
たはトレオニンが挙げられる。
【0040】 本発明の別の実施形態では、本明細書中に記載するアミノ酸配列におけるアミ
ノ酸残基のための適切な置換は、抗血管新生性であるアンジオスタチンおよびエ
ンドスタチンタンパク質誘導体を結果として生じる「厳しい(severe)置換」を含
む。抗血管新生アンジオスタチンおよびエンドスタチンタンパク質誘導体を結果
として生じる厳しい置換は、高度に保存される位置においてよりも、高度に保存
されない位置にてより一層可能であると思われる。本発明において、厳しい置換
は、アンジオスタチンのクリングル間領域においてより一層可能であると思われ
る。「厳しい置換」は、アミノ酸(天然に存在するか、または修飾されている)
の置換が、置換されるアミノ酸と比べて、相当異なる大きさおよび/または電子
特性を有する置換である。例えば、置換するアミノ酸の側鎖は、置換されるアミ
ノ酸の側鎖の側鎖よりもかなり大きく(または小さく)あり得て、および/また
は置換されるアミノ酸と相当異なる電子特性を有する官能基を有し得る。
【0041】 この型の厳しい置換の例としては、アラニンのフェニルアラニンまたはシクロ
ヘキシルメチルグリシンでの置換、グリシンのイソロイシンでの置換、相当する
L−アミノ酸のD−アミノ酸での置換、またはアスパラギン酸の−NH−CH[
(−CH25−COOH]−CO−での置換が挙げられる。あるいは、官能基を
側鎖に付加してもよく、側鎖から除去してもよく、または別の官能基と交換して
もよい。この型の厳しい置換の例としては、バリン、ロイシンまたはイソロイシ
ンの脂肪族側鎖へのアミンまたはヒドロキシル、カルボン酸の付加、アスパラギ
ン酸またはグルタミン酸の側鎖におけるカルボン酸のアミンでの交換、またはロ
イシンまたはオルニチンの側鎖におけるアミン基の除去が挙げられる。さらに別
の代替手段としては、置換するアミノ酸の側鎖は、置換されるアミノ酸の官能基
の意味のあるように相違する立体特性および電子特性を有することができる。か
かる修飾の例としては、グリシン用トリプトファン、アスパラギン酸用リシン、
およびセリンの側鎖用−(CH24COOHが挙げられる。これらの例は、限定
するものであることを意味しない。
【0042】 第1のアミノ酸配列を有するタンパク質またはペプチド、および第2のアミノ
酸配列を有するタンパク質またはペプチドが類似の生物活性を示すように、各ア
ミノ酸配列の対応する位置にある十分な数のアミノ酸残基が同一であるか、ある
いは構造的に関連する場合に、「実質的な相同性」が2つのアミノ酸配列間に存
在する。一般に、第1のアミノ酸配列中の少なくとも30%、より好ましくは少
なくとも40%、最も好ましくは50%のアミノ酸が、第2のアミノ酸配列と同
一であるか、または構造的に関連する場合に、アミノ酸配列間に実質的に配列相
同性が存在する。相同性は多くの場合、配列分析ソフトウェア、例えば、BLA
STINまたはBLASTPを用いて測定される。BLASTIN(ヌクレオチ
ド配列用)により2つの配列を比較する(例えば、それぞれに対する2つの配列
を「Blast」する)ためのデフォルトパラメータは、マッチ(match)=1、
ミスマッチに関するペナルティ(penalty for mismatch)=−2、オープンギャッ
プ(open gap)=5、およびイクステンションギャップ(extension gap)=2に値
する。タンパク質配列用BLASTPを用いる場合、デフォルトパラメーターは
、マッチ=0、ミスマッチに関するペナルティ=0、オープンギャップ=11、
およびイクステンションギャップ=1に値する。
【0043】 本明細書で用いる「エンドスタチンタンパク質」および「アンジオスタチンタ
ンパク質」はまた、エンドスタチンタンパク質および/またはアンジオスタチン
タンパク質を含有する融合タンパク質を指す。本発明の1つの態様では、アンジ
オスタチンタンパク質およびエンドスタチンタンパク質は、単一タンパク質分子
に組換え的にともに融合される。エンドスタチンタンパク質およびアンジオスタ
チンタンパク質はまた、抗体のFc部分に組換え的に融合されてもよい。
【0044】 本発明の別の態様では、抗血管新生スケジュールに基づいて、治療薬が投与さ
れる。本明細書中で定義する「抗血管新生スケジュール」という用語は、治療ス
ケジュール中に、腫瘍の血管新生化または再血管新生化を低減させるような様式
で、1つまたはそれ以上の治療薬を投与することを指す。本明細書で定義する「
抗血管新生スケジューリング」という用語は、治療スケジュール中に、腫瘍の血
管新生化または再血管新生化を低減させるための、治療薬の投与タイミングの改
変、治療スケジュール中に腫瘍の血管新生化または再血管新生化を低減するため
の、治療薬の投与量の改変、および治療スケジュール中に腫瘍の血管新生化また
は再血管新生化を低減するための、治療薬の配合の改変を含むが、それらに限定
されない。好ましい態様では、抗血管新生スケジュールは、腫瘍床における血管
内皮細胞の比較的持続性のアポトーシスを提供する。
【0045】 本発明の1つの態様では、抗血管新生スケジュールは、4〜8日毎、より好ま
しくは6日毎の治療薬の投与を含む。さらに好ましい実施形態では、抗血管新生
スケジュールは、6日毎のシクロホスファミドの投与を含む。代替的な実施形態
では、6日毎の抗血管新生スケジュールに基づいて、ドキシルが投与される。本
発明の別の態様では、抗血管新生スケジュールは、持続注入による治療薬の投与
を含む。さらに好ましい実施形態では、抗血管新生スケジュールは、持続注入に
よる5−フルオロウラシルまたは6−メルカプトプリンの投与を含む。本発明の
さらに別の態様では、抗血管新生スケジュールは、リポソーム中にカプセル状に
封入されるか、または血管インテグリン結合ペプチドに結合する治療薬の投与を
含む。さらに好ましい実施形態では、抗血管新生スケジュールは、ドキソルビシ
ンのリポソームカプセル化(ドキシル)、または血管インテグリン結合ペプチド
に結合させたドキソルビシンの投与を含む。
【0046】 本明細書中で定義する「治療薬」という用語は、薬学的組成物、機能性食品組
成物または放射線を指す。薬学的組成物の例としては、化学療法剤および抗血管
新生剤が挙げられるが、これらに限定されない。「機能性食品組成物」という用
語は、組成物を投与された個人に健康有益性を提供する、天然または非合成の組
成物を指す。上記方法は、1つまたはそれ以上の化学療法剤、1つまたはそれ以
上の抗血管新生剤、ならびに1つまたはそれ以上の化学療法剤および1つまたは
それ以上の抗血管新生剤の組合せの抗血管新生スケジューリングを含む。本発明
は、本明細書中に記載する方法で用いる化学療法剤および抗血管新生剤をさらに
提供する。
【0047】 本発明のさらなる態様では、抗血管新生スケジュールに基づいて、かかる治療
を必要とする個体に、1つまたはそれ以上の化学療法剤を投与する。本明細書で
用いる「化学療法剤」という用語は、個体における疾患の治療または抑制のため
に用いられる化学的組成物を指す。化学療法剤の例としては、6−メルカプトプ
リン、ダカルバジン、1−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ラロキシフェン
、タモキシフェン、例えばシタラビン、5−フルオロシル、ゲムシタビン、クラ
ドリビン、フルダラビン、ペントスタチンおよびヒドロキシウレアのような代謝
拮抗物質、例えばドセタクセル、パクリタクセル、ビンブラスチン、ビンクリス
チンおよびビノレルビンのような植物アルカノイド、例えばダウノルビシン、ド
キソルビシン、イダルビシン、エトポシド、テニポシド、ダクチノマイシンおよ
びミトキサントロンのようなトポイソメラーゼ阻害剤、例えばブスルファン、ク
ロラムブシル、シクロホスファミド、イホスフォアミド、メクロレタミン、メル
ファラン、チオッテパ、カルムスチン、ロムスチン、カルボプラチンおよびシス
プラチンのようなアルキル化剤、ならびに例えばブレオマイシンおよびマイトマ
イシンCのような抗腫瘍抗生物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】 本発明の好ましい態様では、抗血管新生スケジュールに基づいて、かかる治療
を必要とする個体にシクロホスファミドを投与する。さらに好ましい実施形態で
は、抗血管新生スケジュールに基づいて、かかる治療を必要とする個体にシクロ
ホスファミドを投与し、ここで抗血管新生スケジュールは、4〜8日毎、より好
ましくは6日毎の投与を含む。実施例で詳述するように、シクロフホスファミド
の6日抗血管新生スケジュールは、(1)腫瘍床において内皮細胞アポトーシス
を増加させ、(2)従来型スケジュールを超える有意な改良である、シクロホス
ファミド耐性ルイス肺癌腫の成長の長期抑圧を実証し、(3)従来型スケジュー
ルでは不可能な結果である、後天性薬剤耐性を回避することによる薬剤感受性ル
イス肺癌腫を根絶し、(4)別の抗血管新生抑制剤であるTNP−470と合わ
せて薬剤耐性ルイス肺癌腫の大部分を根絶した。
【0049】 本発明のさらに別の態様では、抗血管新生スケジュールに基づいて、化学療法
剤および抗血管新生剤の組合せを投与する。好ましい態様では、抗血管新生スケ
ジュールに基づいて、かかる治療を必要とする個体に、シクロホスファミドおよ
びTNP−470を投与する。さらに好ましい実施形態では、シクロホスファミ
ドおよびTNP−470は、6日治療周期のうち同じ日に投与される。
【0050】 上記組成物および方法は、細胞の異常成長または増殖に関連した疾患および症
状の治療に有用である。特に、本発明の組成物および方法は、転移性および血管
新生依存性癌および他の血管新生関連疾患に有用である。転移性疾患の一例は、
転移性癌である。血管新生関連疾患としては、例えば、固形腫瘍、白血病のよう
な血液媒介性腫瘍、および腫瘍転移を含む血管新生依存性癌、良性腫瘍(例えば
、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および化膿性肉芽腫)、慢性関
節リウマチ、乾癬、眼血管新生疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟網膜症、黄
斑変性、角膜移植拒絶、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス)
、オースラー−ウェバー症候群、心筋血管新生、プラーク新生血管形成、細血管
拡張症、血友病性関節(hemophiliac joints)、血管線維腫、および創傷肉芽形成
が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のHA結合タンパク質は、内皮
細胞の過剰または異常刺激の疾患の治療において有用である。これらの疾患とし
ては、腸管癒着、アテローム性動脈硬化症、硬皮症、および肥厚性瘢痕(すなわ
ち、ケロイド)が挙げられるが、これらに限定されない。それらはまた、ネコ引
っ掻き病(ロッシェル ミナリア キントサ(Rochele minalia quintosa))およ
び潰瘍(ヘロバクター ピロリ(Helobacter pylori))のような病理学的結果と
して血管新生を有する疾患の治療においても有用である。
【0051】 上記の抗血管新生剤は、単離および実質的に純粋なタンパク質ならびにタンパ
ク質断片として提供され得る。本明細書中に記載する抗血管新生剤および化学療
法剤の両方は、当業者に既知の配合方法を用いて、薬学的に許容可能な製剤とし
て提供され得る。上記抗血管新生剤および化学療法剤は、固体、液体、またはエ
アロゾルであってもよい。固体治療用組成物の例としては、丸剤、クリーム、お
よび埋込可能な投薬単位が挙げられる。丸剤は、経口的に投与されてもよく、治
療用クリームは、局所的に投与されてもよい。埋込可能な投薬単位は、局部的に
、例えば、腫瘍部位に投与されてもよく、または治療用血管新生変調組成物の全
身放出のために、例えば皮下に、埋め込まれてもよい。液体組成物の例としては
、皮膚注射、静脈内注射、動脈内注射に適合した製剤、ならびに局所投与および
眼内投与のための製剤が挙げられる。エアロゾル組成物の例としては、肺への投
与のための吸入器製剤が挙げられる。しかしながら一般的に、製剤は、局所的、
経皮的、腹腔内、頭蓋内、脳室内、脳内、膣内、子宮内、経口的、直腸的または
非経口的(例えば、静脈内、脊髄内、皮下または筋内)経路を含むが、これらに
限定されないいかなる経路によって投与されてもよい。
【0052】 さらに、抗血管新生剤および化学療法剤は、生分解性ポリマーに組み込んで、
化合物の持続性放出を可能にしてもよく、ポリマーは、薬剤送達が望まれる場所
の近傍に、例えば、腫瘍部位に、埋め込まれるか、または抗血管新生剤または化
学療法剤が全身に徐々に放出されるように埋め込まれる。生分解性ポリマーおよ
びそれらの使用は、例えば、Bremらの 「再発性神経膠腫の治療のための薬剤ポ
リマー埋込錠を用いた間隙化学療法」(J. Neurosurg. 74: 441-446 (1991))に
詳述されている。浸透圧ミニポンプを用いて、直接転移性成長へまたはその腫瘍
への血管供給へのような、カニューレを通して所定の部位への高濃度の抗血管新
生剤および化学療法剤の制御された送達を提供してもよい。
【0053】 本発明の抗血管新生剤および化学療法剤の投与量は、治療される病状または症
状、およびヒトまたは動物の体重および状態のような他の臨床的要因、および化
合物の投与経路に依存するであろう。本発明は、低用量の化学療法剤および/ま
たは抗血管新生剤を投与するための組成物および方法を提供する。エンドスタチ
ンタンパク質投与に関して、「低用量」は、1日につき約0.001mg/キロ
グラム〜1日につき0.3mg/キログラム、より好ましくは1日につき0.0
1〜0.1mg/キログラム、最も好ましくは1日につき0.03〜0.08m
g/キログラムの投与量を指す。
【0054】 特定の動物またはヒトにおける抗血管新生剤または化学療法剤の半減期に依存
して、1日につき数回から1週間に1回、それを投与することができる。本発明
の1つの態様では、抗血管新生スケジュールに基づいて、ヒトまたは動物に抗血
管新生剤が投与され、ここで抗血管新生スケジュールは、4〜8日毎、より好ま
しくは6日毎の投与を含む。本発明は、ヒトおよび獣医学的使用の両方に適用す
ることが理解されるであろう。本発明の方法は、単一ならびに多数投与を意図し
、それは同時にまたは長期間にわたって与えられる。
【0055】 治療薬製剤は、単位投薬形態で便宜的に与えられてもよく、または従来型薬学
的技法により調製されてもよい。かかる技法は、有効成分および薬学的キャリア
または賦形剤を結びつける工程を含む。適切な薬学的キャリアおよび賦形剤は当
業者に既知であるが、適切な薬学的賦形剤の例は水である。一般に製剤は、液体
キャリアもしくは微細固体キャリアまたはその両方と有効成分を均一かつ密に結
びつけ、必要であれば生成物を造形することにより調製される。
【0056】 非経口投与に適した製剤としては、酸化防止剤、緩衝液、静菌薬、および組成
物を対象とするレシピエント(recipient)の血液と等張にする溶質を含有し得
る水性および非水性無菌注射溶液、ならびに沈殿防止剤および増粘剤を含み得る
水性および非水性無菌懸濁液が挙げられる。製剤は、単位用量または多数用量容
器、例えば、密封アンプルまたはバイアル中に与えられてもよく、また使用の直
前に無菌液体キャリア、例えば注射用水、の添加のみを要するフリーズドライ(
凍結乾燥)状態で貯蔵されてもよい。即時注射溶液および懸濁液は、上述の種類
の無菌パウダー、顆粒および錠剤から調製されてもよい。
【0057】 好ましい単位投薬製剤は、毎日の用量または単位、毎日の部分用量、またはそ
れらの適切な一部分を含有する製剤である。特に上述した成分のほかに、本発明
の製剤は、当該組成物の型に関して、当該技術において従来型の他の薬剤を含ん
でもよい。任意に、本明細書に記載の治療薬またはそれらの生物学的に機能的な
タンパク質断片とともに、細胞毒性剤を組み込むか、そうでなれば組み合わせて
、患者に二重治療を提供してもよい。
【0058】 本発明は、以下の実施例によりさらに説明されるが、それらは、いかなる場合
でもそれらの範囲に限定を課すものとして解釈されない。それどころか、様々な
他の実施形態、変形、およびそれらの等価物に対する方策が行われてもよく、本
明細書中の説明を読んだ後に、本発明の精神および/または併記の特許請求の範
囲から逸脱することなく、それら自体を当業者に提案し得ることは明らかに理解
され得る。
【0059】 実施例1 シクロホスファミドの抗血管新生スケジュールによる薬剤感受性ルイス肺癌腫
の根絶および後天性薬剤耐性の防止 図1(b)に示すように、抗血管新生スケジュールに基づくシクロホスファミ
ドの投与を含む薬剤感受性ルイス肺癌腫の治療は、マウスの腫瘍を100%根絶
した。図1(b)は、以下のように読み取り得る。白三角−対照生理食塩水、白
丸−従来型スケジュール(一日おきに150mg/kgを3回用量(白い矢印、
総計450mg/kg)を、21日毎)、黒丸−抗血管新生スケジュール(6日
毎に170mg/kg、細く黒い矢印)。右上の挿入部分は、治療の最初の21
日目に関する拡大座標軸を示す(n=6/群)。抗血管新生スケジュールに基づ
く治療は、7周期後、つまり腫瘍がもはや目に見えなくなった時点を過ぎて3周
期後にやめた。3回の別個の実験は、同様の結果をもたらした。
【0060】 従来型スケジュールに基づく後天性薬剤耐性を有するルイス肺癌腫の類似の初
期腫瘍負荷(initial tumor burden)に比較して、抗血管新生スケジュールに基づ
くシクロホスファミドの投与により、長期の腫瘍のない生存という結果を生じた
。ルイス肺癌腫の根絶は、シクロホスファミドの2つの作用:(i)薬剤感受性
腫瘍細胞の直接的な細胞死滅、および(ii)薬剤感受性およびより重要には薬
剤耐性腫瘍細胞の両方のアポトーシスに至った内皮細胞の直接的細胞死滅の結果
であると解釈した。
【0061】 実施例2 シクロホスファミドの最適条件の抗血管新生投薬スケジュールの決定 シクロホスファミドに関する最適条件の抗血管新生投薬スケジュールを決定す
るために、薬剤耐性腫瘍を治療用に選択した。この腫瘍を完全に薬剤耐性にさせ
ることにより、腫瘍制御を改良したどの投薬スケジュールも最適化抗血管新生活
性の直接的な結果であると思われると結論付けた。Teicherら(1990)の方法を
用いて、致死量を超える用量のシクロホスファミド(500mg/kg)で腫瘍
保有マウスを処理することによって、薬剤耐性ルイス肺癌腫を選択した。24時
間後に、腫瘍を同系マウスに継代(passage)した。臨床的に耐性(シクロホスフ
ァミド−非感受性)腫瘍を迅速に発達させ、継代および再処理をする8周期にわ
たって選択を続けた。
【0062】 8周期の選択の後に、シクロホスファミド耐性乳癌細胞系EMT−6/CTX
に関する記載のように(Teicherら、1990)、薬剤耐性ルイス肺癌腫を組織培養液
に外殖した。薬剤耐性ルイス肺癌腫および元の薬剤感受性スイス肺癌腫を、マウ
ス肝炎ウイルスおよび他の病原体に関してスクリーニングし、液体窒素中に一定
分量で保管した。腫瘍研究のために、細胞を解凍して、C57B16/Jマウス
(Jackson Labs, ME)に一度継代した。腫瘍が100〜200mm3に到達したら
、薬剤耐性ルイス肺癌腫を有するマウスに、6日毎にシクロホスファミド170
mg/kgを経皮的に2周期与え、次に腫瘍を転移させるために成長させた。腫
瘍接種、薬剤注射(オンダンセトロンおよびデキサメタゾンを含む)、および腫
瘍測定は、ウイルス性病原体を含まない28〜30グラムの成体雄C57B16
/Jマウス(Jackson Labs, ME)を用いて、Boehmら(1997)に記載されるように
実行した。これらの実験におけるマウスには、脂肪由来カロリー42%(TD
88137、Harlan Teklad, Madison, WI)の「西洋型」食餌を与えて、体重損
失を改善した。これらの食物粒は、ケージの床に置いた。
【0063】 腫瘍接種後2〜4日目、ちょうど腫瘍体積が100mm3に到達したときに治
療を開始した。次に、シクロホスファミドを、毎日、または3日毎、4日毎、5
日毎、6日毎、7日毎または8日毎に、薬剤耐性ルイス肺癌腫を有するマウスに
投与した。投薬スケジュールは、ルイス肺癌腫に関してこれまでに報告された類
似の非従来型スケジュール(Humphreysら、1970, Skipperら、1989)よりも、間隔
が広く、より持続性があったが、長い時間の間の体重損失は5%以下という結果
を生じた。6日毎に170mg/kgで投与されるシスクロホスファミドは、試
験した他のシクロホスファミドスケジュール(より高い用量強度、例えば、4日
毎の135mg/kgを用いたスケジュールを含む、データは示していない)よ
りも、腫瘍成長を抑制するのに効果的であることを証明した。
【0064】 図1(a)は、抗血管新生スケジュール(6日毎に170mg/kg)に基づ
く腫瘍成長との、従来型スケジュールに基づく最大許容用量のシクロホスファミ
ド(1日おきに150mg/kgの3回用量を21日毎に、すなわち450mg
/kgを21日毎に)で治療した薬剤耐性ルイス肺癌腫の成長の比較を示す。図
1(a)は、以下のように読み取り得る。白三角−対照生理食塩水、白丸−従来
型スケジュール(一日おきに150mg/kgの3回用量(白い矢印、総計45
0mg/kg)を21日毎に)、黒丸−抗血管新生スケジュール(6日毎に17
0mg/kg、CTX、細く黒い矢印)、黒四角−シクロホスファミドおよびT
NP−470の抗血管新生スケジュール(6日周期の同じ日にシクロホスファミ
ド170mg/kgおよびTNP−470 12.5mgの投与を7周期、CT
X+TNP、太く黒い矢印)。図1(a)の右上の挿入部分は、治療の最初の2
1日目に関する拡大座標軸を示す(n=6/群)。
【0065】 図1(a)に示すように、すべての対照および従来型スケジュールマウスは、
大きな腫瘍負荷を伴って死亡した。シクロホスファミド単独の抗血管新生スケジ
ュールに基づいて、マウスの2/6が、高い末梢白血球数を随伴して肺炎症で死
亡した後に治療をやめた。どのスケジュールに基づくマウスも、死亡時に、可視
的に検出可能な肺転移はなかった。従来型スケジュールに関しては、薬剤耐性腫
瘍は、13日目までは認識されず、そして迅速に成長した(図1(a)、挿入部
分)。さらに、従来型スケジュールに基づいて治療したマウスは、体重の21%
を損失し、次の治療周期前に回復した。対照的に、抗血管新生スケジュールに基
づくと、36日間正味の腫瘍成長はなく、体重損失は5%未満であった。抗血管
新生スケジュールに基づく治療の最初の7周期(36日)後に、ゆっくりした速
度で腫瘍成長が起こった。
【0066】 実施例3 シクロホスファミドは、インビトロ(in vitro)で内皮細胞のアポトーシスを
誘発する。 内皮細胞増殖を抑制し、インビトロでアポトーシスを誘発するシクロホスファ
ミドの能力を以下のように測定した。増殖研究に関して、DMEMおよび10%
子ウシ血清中の12,500個のウシ副腎毛細管内皮細胞を、ゼラチン化24ウ
ェルプレート上に、四重反復で平板培養した。アポトーシスおよび細胞周期測定
に関して、2×106個の細胞を、TISOフラスコ中に同様に分割した。16
時間後、培地を吸引し、示したように5ng/ml bFGF(Scios, Mountain
View, CA)を伴ってまたは伴わずに、DMEMおよび5%子ウシ血清と交換した
【0067】 再構成したての4−ヒドロペルオキシシクロホスファミド(Omicron Biochemic
als, San Antonio, TX)(これは水中で4−HCに自然に変換する)を、図2に
示した濃度で添加した(シクロホスファミドは、肝臓混合機能オキシダーゼによ
りインビボで修飾されて、活性薬剤である4−ヒドロキシシクロホスファミド(
4−HC)を創出するプロドラッグである)。18時間後に、細胞をトリプシン
処理してO'Reillyら(1994)に記載するように増殖に関して数え上げるか、また
はリン酸緩衝食塩水で洗浄してApoAlert Annexin Vアポトーシス検出キット(Clo
ntech, Palo Alto, CA)によりアネキシン−フルオレセインとともにインキュベ
ートする。次に、冷リン酸緩衝食塩水で細胞を洗浄し、ボルテックスしながら冷
80%エタノールに滴下分散させることにより固定し、氷上で30分間インキュ
ベートした。細胞を再び冷リン酸緩衝食塩水で洗浄した。ヨウ化プロピジウム(S
igma, St. Louis, MO)およびRNアーゼA(Boehringer-Mannheim, Indianapolis
, IN)を添加して、それぞれ2.5μg/mlおよび50μg/ml濃度にした
。試料を37℃で30分間インキュベートして、フローサイトメトリーにより分
析した。移動研究のために、ウシ毛細管内皮細胞を上述のように4−HCに曝露
させた。さらに4−HCを添加しないで、Mosesら(1990)に記載されるように
移動を実施した。
【0068】 したがって、毛細管内皮細胞を、インビボで得られる濃度(Kachelら、1994)と
同様の濃度で、インビトロにて4−HCに16時間曝露した。4−HC薬剤は、
濃度依存性細胞周期停止および毛細管内皮細胞のアポトーシスを誘発した(図2
)。高濃度の4−HC(10μg/ml)での大部分の内皮細胞はG1で停止し
、アポトーシスの増加を示した。低濃度(0.1μg/ml4−HO)は、細胞
分裂抑制性であり、S期の延長に関連していた。重要なことに、内皮細胞移動が
bFGFによりインビボで刺激されると、これらの低濃度(0.1μg/ml4
HC)でさえも、3つのインテグリンのタンパク質レベルに影響を及ぼすことな
く(データは示していない)、移動の45%減少を引き起こす(図2)。
【0069】 実施例4 シクロホスファミドは、インビボで血管新生を抑制する インビボでの成長因子誘発新生血管形成におけるシクロホスファミドの効果を
実証するために、マウス角膜にbFGFペレット(pellet)を埋め込み、5〜6
日にわたってマウス角膜新生血管新生を刺激した(O'Reillyら、 1994)。ペレッ
ト埋込み24時間後(輪部拡張(limbal dilatation)および血管新芽がちょうど
出現してくるとき)の6日抗血管新生スケジュールに基づいた単一用量のシクロ
ホスファミドでの治療は、新たな血管成長範囲を66±5%に抑制した(データ
は示してない)。シクロホスファミドの従来型スケジュールでの治療、すなわち
、24、72および120時間に150mg/kgの3回用量では、新たな血管
成長の抑制は73±5%という結果を生じた(データは示していない)。角膜新
生血管における抑制レベルの比較は、bFGF刺激が弱まるので、6日目までの
み有効である。
【0070】 角膜血管新生の抑制は、2つのスケジュール間に統計的に差異はなかったもの
の、腫瘍保有マウスにおいて、この抗内皮効果は、21日従来型スケジュールの
1倍に対比して、6日抗血管新生スケジュールでは3.5倍をもたらした。薬剤
耐性腫瘍を有するマウスでは、従来型および抗血管新生スケジュールの両方が、
最初の13日間、腫瘍成長を抑制した(図1(a)、挿入部分参照)。腫瘍細胞
はインビボで薬剤耐性であるので、これらのデータは、従来型スケジュールにお
ける最初の13日目後に起こった腫瘍成長が、シクロホスファミドによる腫瘍床
内の血管新生のより長い持続性抑制により、抗血管新生スケジュールに基づいて
妨げられたことを示している。
【0071】 実施例5 シクロホスファミドは、インビボで内皮細胞および腫瘍細胞アポトーシスを誘
発する シクロホスファミドが内皮細胞抑制を介して薬剤耐性ルイス肺癌腫を抑制する
というさらなる証拠は、シクロホスファミドが腫瘍細胞のインビボアポトーシス
より先に内皮細胞のインビボアポトーシスを誘発することである。シクロホスフ
ァミドは腫瘍床において内皮細胞アポトーシスを誘発したかどうかを確定するた
めに、薬剤耐性腫瘍において、以下のように細胞代謝回転を分析した。
【0072】 薬剤耐性ルイス肺癌腫を有するマウスに、メトファン(Mallinckrodt Verterin
ary, Mundelein, IL)、続いて頸部亜脱臼で安楽死させる1時間前に、リン酸緩
衝食塩水中の10mMBrdU(Boehringer-Mannheim, Indianapolis, IN)0.
5mlを腹腔内に注射した。従来型スケジュールに基づくマウスに関して、5、
7、12、14、17および21日目の腫瘍を、上述(Bremら、1993)のように増
殖およびアポトーシスに関して分析した。抗血管新生スケジュールに基づくマウ
スに関して、6.5、7、8、10および12日目に腫瘍を分析した。
【0073】 腫瘍を切除して、すぐに冷緩衝ホルマリン中に固定し、4℃で一晩インキュベ
ートした後に、冷リン酸緩衝食塩水に変えて、切除24時間以内にパラフィン包
埋した。5ミクロンの腫瘍切片からパラフィンを除去した(deparaffinize)。抗
原回収は、70℃にて5分間の10mMのEDTApH6.0、および20分間
室温への冷却、続いて37℃にて20分間の0.1MトリスpH7.4中のプロ
テイナーゼK(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)10μg/mlを用い
た消化を含んでいた。
【0074】 腫瘍細胞におけるBrdU組込みは対照およびシクロホスファミド治療マウス
において同様であるが、内皮細胞および腫瘍細胞アポトーシスは、治療群間に顕
著な差異を示した(図3(a))。図3(b)に示すように、未治療薬剤耐性ル
イス肺癌腫細胞は、小腫瘍サイズでの標識指数37%および低アポトーシス率1
.7%を示した。従来型スケジュールは、腫瘍細胞アポトーシスの1つのピーク
を生成し、治療開始後、12日目から21日目の間に、バックグラウンドレベル
(background level)にまで落ち込んだ。対照的に、抗血管新生スケジュールの1
周期は、6日間にわたって腫瘍細胞アポトーシスの同等のピークを生成した。
【0075】 二重免疫蛍光(フォン・ヴィレブランド因子抗体(von Willbrand factor anti
body)およびTUNELアッセイで染色)を用いて、腫瘍細胞アポトーシスと内
皮細胞アポトーシスを識別した。フルオレセインApopTagキット(Oncor,
Gaithersburg, MD)によりTUNELアッセイを行った。スライドを1:500
でウサギ抗ヒトフォン・ヴィレブラント因子ポリクローナル抗体(Dako, Carpint
eria, CA)とともに、4℃で一晩インキュベートした。ビオチン化抗ウサギ二次
抗体を添加した後、テキサスレッド−アビジンおよび抗ジゴキシゲニン−フルオ
レセインを添加した。切片をヘキスト33258(Sigma, St. Louis, MO)で共同
染色した。テキサスレッドおよびフルオレセイン二重フィルターを装備したAx
iophot光学顕微鏡(Zeiss, Oberkochen, Germany)を用いて、スライドを撮
影した。次に、ヘキストフィルターを用いて、同じ領域を撮影した。微小血管あ
たりの総内皮細胞アポトーシス数を、投影35mmスライドから157X領域に
ついて表した。総腫瘍細胞アポトーシスは、各スライド対に関して、総ヘキスト
染色核当たりの腫瘍細胞アポトーシス核を数えることにより測定した。2つの別
個の観察者から同様の結果が得られた。
【0076】 抗血管新生スケジュールに基づいて、内皮細胞アポトーシスは、3.5日分腫
瘍細胞アポトーシスに先行し、シクロホスファミドの抗内皮効果が主要であり、
原因となることを示唆した(データは示していない)。マウスにおけるシクロホ
スファミドの半減期は、30分未満(Mellett, 1971, Sladek, 1994)であり、抗
血管新生スケジュールに基づく腫瘍細胞によるBrdU組込み率は35%(未治
療対照と同等)にとどまるので、腫瘍細胞アポトーシスは、多くは内皮細胞抑圧
に起因し、活性シクロホスファミドの腫瘍浸透の遅延に起因するものではないと
思われる。
【0077】 実施例6 シクロホスファミドによる薬剤耐性腫瘍成長抑制は、内皮細胞p53に関連し
ている 内皮細胞が薬剤耐性ルイス肺癌腫におけるシクロホスファミドの主な標的であ
るというさらなる証拠は、p53欠損マウス(Donehowerら、1992)において得ら
れた。これらのマウスにおける内皮細胞は、シクロホスファミド媒介性DNA損
傷を受けやすい状態にあるはずであるが(p53+/+内皮のように)、それら
はこのDNA損傷を完全に修復することができないか、またはp53によって媒
介される細胞周期の停止なしでアポトーシスを受けることはできないはずである
。したがって、p53+/+マウスにおける腫瘍成長は、p53正常内皮細胞に
依存するであろうが、一方p53−/−マウスにおける腫瘍成長は、p53欠損
内皮細胞に依存するであろう。図4は、抗血管新生スケジュール(ここで、シク
ロホスファミドは、170mg/kgで6日毎に投与された)に基づいて治療し
たp53+/+マウスおよびp53−/−マウスにおける薬剤耐性ルイス肺癌腫
の成長を比較する。p53+/+マウスにおける腫瘍成長は、シクロホスファミ
ドの少なくとも6回の6日周期の間、完全に抑圧されたが、p53−/−マウス
における腫瘍成長は、シクロホスファミドの初回用量によって影響を受けなかっ
た。p53−/−マウスにおけるこれらの腫瘍の細胞増殖、ならびに腫瘍細胞お
よび内皮細胞アポトーシスは、6日目まで未治療の対照腫瘍とすべて同等であっ
た。6日目のシクロホスファミドの2回目の投薬後3時間以内に、これらの今や
大きなp53−/−マウスにおけるシクロホスファミド耐性腫瘍の90%より大
きい大部分がほぼ同調的なアポトーシスを受けた(データは示していない)。シ
クロホスファミドの3回目の投薬後に、p53−/−マウスにおける腫瘍は根絶
し、治療を繰り返さなかった。p53−/−マウスは、治療後2ヶ月以内に二次
腫瘍により死亡した(p53−/−マウスにて推測される)。
【0078】 上述の結果は、p53−/−マウスにおける初期の迅速な腫瘍成長によって立
証されるように、シクロホスファミドがそれ自体腫瘍細胞にとって直接的に細胞
毒性でなく、したがって、シクロホスファミドは、主に腫瘍床における内皮細胞
におけるその細胞毒性効果により細胞成長を抑制しているにちがいないことを実
証した。p53+/+マウスでは、シクロホスファミドは、内皮細胞移動を抑制
し(図2を参照)、内皮細胞G停止を引き起こし(図2を参照)、内皮細胞アポ
トーシスを誘発する(図2および3a参照)。したがって、最初の36日間、腫
瘍細胞増殖およびアポトーシスの平衡という結果を生じた(図1aおよび3b参
照)。腫瘍耐性のこの内皮細胞バイパスは、p53−/−マウスにおいて強烈で
あった。p53欠損内皮細胞のDNAは、シクロホスファミドの初回用量により
損傷を受け得るが、これらの内皮細胞が細胞周期を停止させることは予期されず
、アポトーシスを受けなかった。したがって、新たな微小血管が形成し、腫瘍を
成長させた。腫瘍成長の停止は、p53−/−マウスにおけるシクロホスファミ
ドの2回目の用量の投与後に、累積DNA損傷が、腫瘍床の大部分において内皮
細胞のほぼ同調的なp53非依存性アポトーシスを誘発するのに十分であること
を実証するために解明された。それぞれp53+/+対p53−/−マウスにお
ける腫瘍細胞アポトーシスの規模(部分的対全体的)およびタイミング(3.5
日対3時間)は、シクロホスファミド媒介性DNA損傷に起因してそれらの細胞
周期を停止して、アポトーシスを修復するか、または受けるための、p53+/
+マウスにおける内皮細胞の能力に依存するようであった。対照的に、シクロホ
スファミドへのそれらの初回曝露後におけるp53−/−内皮細胞における修復
前に、DNA損傷が繰り返されるであろう。次に、シクロホスファミドへのp5
3−/−内皮細胞の2回目および3回目の曝露は、腫瘍血管系のほぼ全退縮を誘
発し、大きな薬剤耐性腫瘍の根絶へと導いた。
【0079】 実施例7 シクロホスファミドの抗血管新生スケジュールへTNP−470を添加するこ
とによる薬剤耐性ルイス肺癌腫の根絶 薬剤耐性腫瘍を根絶するために、TNP−470を添加することよって、シク
ロホスファミドの抗内皮活性の有効性を高める必要があった。TNP−470(T
AP Holdings Inc., Deerfirld, ILから寄贈)は、薬剤100mgおよびG2−
ベータ−シクロデキストリン726mgの凍結乾燥粉末として得た。凍結乾燥粉
末10.3mgを、投与する直前に無菌5%グルコース水0.95mlに復水し
た。TNP−470をシクロホスファミドの抗血管新生スケジュールと組み合わ
せると、重度の体重損失が発生するので、TNP−470の用量は、従来技術に
おいて用いる用量の7分の1に減らした。
【0080】 TNP−470のこの低用量、すなわち6日毎に12.5mg/kgを、シク
ロホスファミドの投与(170mg/kg)と同じ日、または投与後1、2また
は4日目に投与した。すべての薬剤を経皮的に投与し、TNP−470は、シク
ロホスホスファミドの30分後に、0.01mg/体重1kg、で反対の脇腹に
皮下注射した。6日周期の同じ日におけるシクロホスファミドおよびTNP−4
70の組合せは、最も有効であるとわかった(データは示していない)。TNP
−470を用いた抗血管新生スケジュールに基づくシクロホスファミドの7周期
後に、この短期間中マウスは飲食に乏しいので、治療マウスの約70%に、毎日
デキストース/生理食塩水(75mMNaCl中に10%グルコース)を3〜5
日間皮下投与した。
【0081】 5回の実験で、上述の組合せ抗血管新生治療の7周期後に、薬剤耐性ルイス肺
癌腫は、マウスの32/38(84%)において根絶された(図1a)。すべて
のマウスは、薬剤耐性ルイス肺癌腫が完全に後退し、わずかマウスの3/38(
8%)が、治療完了後14〜18日目に、原発腫瘍が再発した。別のマウスの3
/38(8%)は、治療完了の10日以内に、毒性により死亡した。これらのマ
ウスは、重度の機能失調に起因して死亡し、腫瘍再発の兆候はなかったが、これ
らの機能失調のマウスは、腫瘍再発に関して評価することができず、治療の失敗
であるとみなされた。
【0082】 治療が完了した後18日以上、腫瘍再発は発生しなかった。しかしながら、高
圧滅菌することによるケージ、食物および水の殺菌が、重大であることがわかっ
た。高圧滅菌なしで行った2つの実験では、腫瘍根絶がマウスの20/20で起
こったが、治療が完了した後に、正常寿命を生き続けたのは、マウスのたった6
/20だけだった。治療が36日で完了した後50±6日で、発達した肺炎症で
マウスの14/20は死亡した。治療完了後18日以上腫瘍は再発せず、これら
のマウスには死亡時に原発腫瘍または転移性腫瘍の兆候が見られなかったので、
これらマウスの14/20における薬剤耐性腫瘍は、根絶したものとみなした。
遅発死亡は、ある程度はシクロホスファミドによって引き起こされ、また後天性
感染と併発した、肺内皮細胞損傷および免疫抑制に起因していた。
【0083】 表1は、シクロホスファミドおよびTNP−470の抗血管新生スケジュール
を用いて治療したマウスの5/6の長期生存を表す。グラフにおける矢印および
注釈は、治療をやめた後18日目に、1/6の薬剤耐性腫瘍の再発を反映する。
シクロホスファミドおよびTNP−470の抗血管新生スケジュールを用いた5
回の別個の実験の結果を表1に詳述した。「日目」の表記は、36日目の治療の
中断後の日数を指し、#の記号は、ケージ、食物および水を高圧滅菌により滅菌
しなかった実験を指す。
【0084】
【表1】
【0085】 実施例8 5−フルオロウラシルおよび6−メルカプトプリンの抗血管新生スケジュール マウス角膜血管新生アッセイを用いて、他の化学療法剤の抗血管新生スケジュ
ールをスクリーニングした。5−フルオロウラシル(Roche Laboratories, Nutle
y, NJ)または6−メルカプトプリンリボースホスフェート(Sigma, St. Louis, M
O)を、50mg/kg/日×5日の毎日のボーラス注射(従来型スケジュール)
として、またはAlzet浸透圧ミニポンプ(#2001、Alza Pharmaceutical
s, Palo Alto, CA)による50mg/kg/日持続注入(抗血管新生スケジュー
ル)として投与した(n=4/群)。角膜ペレット移植の前日に、大きな(30
〜35g)C57B16/Jマウスの腹膜腔に、ポンプを外科的に埋め込んだ。
両方の代謝拮抗物質の従来型スケジュールは、血管新生の極わずかな(5±5%
)抑制を生じた。しかしながら、持続注入(抗血管新生スケジュール)としての
これらの代謝拮抗物質の同用量は、それぞれ5−フルオロウラシルおよび6−メ
ルカプトプリンリボースホスフェートに関して、66±5%および60±3%の
抑制をもたらした(データは示していない)。
【0086】 実施例9 ドキソルビシンおよびドキシルの抗血管新生スケジュール ドキソルビシン塩酸塩(Gensia Laboratories, Irvine, CA)またはペグ化リポ
ソーム製剤(Doxil、Sequus Pharmaceuticals, Menlo Park, CA)を、ペレ
ット埋込み24時間後に、SCIDマウス(Massachusetts General Hospital, B
oston, MA)に尾静脈注射により、5%デキストロース水中で2.5mg/kg(
ドキソルビシン相当用量)にて一回投与した(n=6/群)。ドキソルビシンで
は血管新生の31±4%抑制、ドキシルでは42±3%抑制が得られた(データ
は示していない)。
【0087】 実施例10 エンドスタチンタンパク質の低用量投与 エンドスタチンタンパク質は、血管新生および腫瘍成長の強力な内因性抑制剤
である。B16BL6の実験転移性モデルの初期段階における組換えヒトエンド
スタチンタンパク質の効力の用量応答分析は、0.05mg/kg/日程度の低
用量で、腫瘍進行の有意な抑制を示した。この低用量投与は、原発ヒト異種移植
片および皮下マウス腫瘍を治療するために従来技術で報告されている100mg
/kg/日の投与用量よりも2000倍少ない。後期段階のB16BL6実験的
転移モデル(より大きな初期腫瘍荷を表す)で評価すると、腫瘍進行は、5mg
/kg/日でのエンドスタチンタンパク質の投与により抑制された。同系原発腫
瘍モデルでは、5mg/kg/日でのエンドスタチンタンパク質を用いた、正所
的に移植したDA−3乳癌腫を保有するマウスの治療は、腫瘍成長および発達の
80%抑制という結果を生じた。さらに、bFGFを含有するマトリゲルプラグ
を皮下に埋め込んだマウスにおける同じ低用量(5mg/kg/日)のエンドス
タチンタンパク質の皮下注射は、bFGF誘発血管新生を有意に減少させる結果
となった(約60%)。総括すると、これらの結果、エンドスタチンタンパク質
が従来技術にて報告される用量をはるかに下回る用量で、強力な抗腫瘍および抗
血管新生効果を発揮することができることを実証する。
【0088】 本発明の方法の修飾および変形は、先述の詳細な説明から当業者には明白であ
ろう。かかる修飾および変形は、併記の特許請求の範囲内にあるものと意図され
る。
【0089】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a〜b)は、薬剤耐性ルイス肺癌腫に関するシクロホスファミドの抗血
管新生スケジューリング対従来型スケジューリングを示すグラフである。白三角
)−対照生理食塩水、白丸−従来型スケジュール(一日おきに150mg/kg
の3回用量(白矢印、総計450mg/kg)を21日毎に)、黒丸−抗血管新
生スケジュール(6日毎に170mg/kg、CTX、細く黒い矢印)、黒四角
−シクロホスファミドおよびTNP−470の抗血管新生スケジュール(6日周
期の同じ日にシクロホスファミド170mg/kgおよびTNP−470 12
.5mg/kgの投与を7周期、CTX+TNP、太く黒い矢印)。
【図2】 図2は、ウシ毛細血管内皮細胞移動、生存および増殖、アポトーシスおよび細
胞周期分布に及ぼす活性シクロホスファミドのインビトロでの抗内皮性効果を示
す表である。水溶液中で4−HCに自然に変換する4−ヒドロペルオキシシクロ
ホスファミドを、示した濃度(Conc.)で添加した。示した値は、平均値±
平均値の標準誤差である。相対細胞数は、12,500個の細胞の初期平板培養
からの残存粘着内皮細胞(>600fi)を指す。アポトーシスは、蛍光フロー
サイトメトリーによる10,000の非損傷(ゲートで閉ざされた)細胞のパー
セントとして測定した。細胞周期分析は、ModFit LTソフトウェアを用
いて同様に測定した。
【図3】 図3(a)は、内皮細胞アポトーシスがシクロホスファミド耐性ルイス肺癌腫
における腫瘍細胞アポトーシスに先行することを示すグラフである。内皮細胞に
関するシクロホスファミドの抗血管新生スケジュールに基づくアポトーシス率を
白丸点線で示し、腫瘍細胞に関するシクロホスファミドの抗血管新生スケジュー
ルに基づくアポトーシス率は、黒丸実線で示す。0日目は、100〜200mm 3 で収集した2つの対照腫瘍の分析を反映する。0日目は、100〜200mm3 で収集した2つの対照腫瘍の分析を反映する。図3(b)は、従来型スケジュー
ル(白丸点線、白矢印)および抗血管新生スケジュール(黒丸、実線、黒矢印)
で治療した薬剤耐性ルイス肺癌腫における腫瘍細胞アポトーシス率を示すグラフ
である。0日目は、100〜200m3で収集した2つの対照腫瘍の分析を反映
する。
【図4】 図4は、シクロホスファミドの抗血管新生スケジュール(6日毎に170mg
/kg、黒矢印)に基づいて治療した、p53+/+(点線)対p53−/−(
実線)C57B16/Jマウスにおける薬剤耐性ルイス肺癌腫の成長を示すグラ
フである。心臓毒性の発生を防止するためにp53−/−マウスでは3周期後に
治療をやめた以外は、図1に記載するようにマウスを治療した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 47/42 47/42 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 105 43/00 105 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シム,キム リー アメリカ合衆国 メリーランド 20878 ゲイザースバーグ アルゴシー ドライブ 308 (72)発明者 キスカー,オリバー アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02464 ニュートン オーク ストリート 5 (72)発明者 フォグラー,ウィリラム イー. アメリカ合衆国 メリーランド 20850 ロックビル ハリファックス コート 3 (72)発明者 ブロウダー,ティモシー アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02467 チェスナット ヒル ジェリー ロード 163 (72)発明者 オレイリー,マイケル エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01890 ウィンチェスター メイン スト リート 336 (72)発明者 フォルクマン,エム.ジュダ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02146 ブルックリン チャットハム サ ークル 18 Fターム(参考) 4C076 AA53 AA95 CC26 CC27 CC41 EE41A EE59A FF32 FF68 4C084 AA02 AA17 BA44 CA62 DC50 MA37 NA10 NA13 NA14 ZB212 ZB261 4C086 AA01 AA02 BC43 CB07 DA35 MA01 MA04 MA37 NA10 NA13 NA14 ZB21 ZB26

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗血管新生スケジュールに基づいて、有効量の1つまたはそ
    れ以上の治療薬を個体に投与することを含む、個体における血管新生関連疾患の
    治療方法。
  2. 【請求項2】 前記1つまたはそれ以上の治療薬は、化学療法剤および抗血
    管新生剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記抗血管新生剤は、TNP−470、エンドスタチンタン
    パク質およびアンジオスタチンタンパク質からなる群から選択される、請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記化学療法剤は、シクロホスファミド、5−フルオロウラ
    シルおよび6−メルカプトプリンからなる群から選択される、請求項2に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記抗血管新生剤はTNP−470であり、前記化学療法剤
    はシクロホスファミドである、請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記疾患は、転移性疾患または血管新生依存性疾患である、
    請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記疾患は癌である、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記疾患は腫瘍であり、前記抗血管新生スケジュールに基づ
    く前記治療薬の投与は、腫瘍の血管新生化または再血管新生化を低減させる、請
    求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 薬剤耐性腫瘍の発達が低減する、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記疾患は腫瘍であり、前記抗血管新生スケジュールに基
    づく前記治療薬の投与は、前記腫瘍における血管内皮細胞の持続性アポトーシス
    を提供する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記治療薬は、治療が終了するまで、4〜8日毎に投与さ
    れる、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記治療薬は、治療が終了するまで、6日毎に投与される
    、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記治療薬は、持続注入により投与される、請求項1に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 前記治療薬は、カプセル状のものに封入されるか、または
    ペプチドに結合する、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記治療薬は、1日につき20mg/キログラムまたはそ
    れより少ない低用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記治療薬は、1日につき0.3mg/キログラムまたは
    それより少ない低用量で投与される、請求項1に記載の方法。
JP2001536171A 1999-11-12 2000-11-10 抗血管新生スケジュールに基づく治療薬の投与方法 Pending JP2003527337A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US43990199A 1999-11-12 1999-11-12
US09/439,901 1999-11-12
US19415000P 2000-04-03 2000-04-03
US60/194,150 2000-04-03
PCT/US2000/030742 WO2001034174A2 (en) 1999-11-12 2000-11-10 Methods for administration of therapeutic agents on an antiangiogenic schedule

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003527337A true JP2003527337A (ja) 2003-09-16

Family

ID=26889732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001536171A Pending JP2003527337A (ja) 1999-11-12 2000-11-10 抗血管新生スケジュールに基づく治療薬の投与方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1267913A2 (ja)
JP (1) JP2003527337A (ja)
AU (1) AU1916301A (ja)
CA (1) CA2388918A1 (ja)
WO (1) WO2001034174A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9956266B2 (en) 2008-07-17 2018-05-01 Acorda Therapeutics, Inc. Therapeutic dosing of a neuregulin or a subsequence thereof for treatment or prophylaxis of heart failure

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2493544A1 (en) * 2002-07-22 2004-01-29 Chemgenex Pharmaceuticals, Inc. Angiogenesis inhibition by cephalotaxine alkaloids, derivatives, compositions and uses thereof
US8735394B2 (en) 2005-02-18 2014-05-27 Abraxis Bioscience, Llc Combinations and modes of administration of therapeutic agents and combination therapy
SI2301531T1 (sl) 2005-02-18 2018-11-30 Abraxis Bioscience, Llc Kombinacije in načini dajanja terapevtskih sredstev in kombinacijska terapija
AU2011232862B2 (en) 2010-03-29 2016-03-03 Abraxis Bioscience, Llc Methods of enhancing drug delivery and effectiveness of therapeutic agents
US9393318B2 (en) 2010-03-29 2016-07-19 Abraxis Bioscience, Llc Methods of treating cancer
AU2011261685B2 (en) 2010-06-04 2016-02-11 Abraxis Bioscience, Llc Methods of treatment of pancreatic cancer

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4842855A (en) * 1980-12-19 1989-06-27 University Of Pittsburgh Antitumor process using a Brucella abortus preparation
CN1253551C (zh) * 1997-09-10 2006-04-26 维昂药品公司 减毒的遗传修饰肿瘤靶向细菌

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9956266B2 (en) 2008-07-17 2018-05-01 Acorda Therapeutics, Inc. Therapeutic dosing of a neuregulin or a subsequence thereof for treatment or prophylaxis of heart failure
US11235031B2 (en) 2008-07-17 2022-02-01 Acorda Therapeutics, Inc. Therapeutic dosing of a neuregulin or a subsequence thereof for treatment or prophylaxis of heart failure

Also Published As

Publication number Publication date
WO2001034174A3 (en) 2002-09-12
WO2001034174A2 (en) 2001-05-17
CA2388918A1 (en) 2001-05-17
EP1267913A2 (en) 2003-01-02
AU1916301A (en) 2001-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5178663B2 (ja) 抗血管新生剤とTNFαとを用いる組合せ療法
JP6505681B2 (ja) Flt3変異を有する急性骨髄性白血病を治療するための医薬組成物
JP2005036007A (ja) トロンビン由来ペプチドを使用した治療法
NL8701113A (nl) Nieuwe farmaceutische toepassing.
JP2007506795A5 (ja)
RU2571502C2 (ru) Подавление раковых метастазов
JP2003527337A (ja) 抗血管新生スケジュールに基づく治療薬の投与方法
US20020013262A1 (en) Method of inhibiting metastatic dissemination using desmopressin
RU2730998C2 (ru) Композиции форболовых эфиров и способы их применения для лечения или уменьшения продолжительности цитопении
US20050063948A1 (en) Methods for targeting interleukin-12 to malignant endothelium
JP2011513496A (ja) アポイクオリン含有組成物及びその使用方法
US5919763A (en) IL-6/SIL-6R complex for promotion of liver functions
JPH06340546A (ja) ガン療法用副作用防止剤
US5714461A (en) Medicinal compositions for the improvement of blood coagulation comprising TCF-II
CA2362574A1 (en) Antiangiogenic drugs
US20070015708A1 (en) Methods and compositions for inhibiting tumor growth and angiogenesis
JP4205592B2 (ja) 心臓組織修復を促進するためのトロンビン由来ペプチド
JP5316538B2 (ja) 抗癌剤の副作用軽減剤
AU2017218918B2 (en) Administration of Recombinant Collagen 7 for the Treatment of Age Related Disorders
US20020086007A1 (en) Angiogenesis-inhibiting peptides and proteins and methods of use
EP1722811B1 (en) Use of hepatocyte growth factor for promoting induction of vascular differentiation
Pan et al. L-mimosine induces melanoma cell apoptosis through reactive oxygen species and mitochondrial apoptosis pathway
Marumo et al. Application of the interferon minipellet to human renal cell carcinoma in nude mice
KR20070032023A (ko) 바트록소빈을 함유하는 악성종양 국소 침윤억제제