JP2003526740A - ポリサルファイドパルプ化プロセス - Google Patents

ポリサルファイドパルプ化プロセス

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ポリサルファイド再生が単独で改良されるかまたはポリサルファイド蒸煮も一緒に改良される、セルロース系繊維材料からパルプを製造するためのプロセスに関する。セルロース系繊維材料をポリサルファイドで含浸した後、蒸煮を行い、続いて、使用済み蒸煮液を取り出す。使用済み蒸煮液の一部分をガス化させて硫化水素にし、更に、処理を行って硫化水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスを生成させる。この酸性ガスを、元素硫黄の高温ストリームを提供する条件下で反応させ、該ストリームを、サルファイドを含有するアルカリ性液と混合する。こうしてアルカリ性ポリサルファイド液を形成し、この液を蒸煮時または含浸時に添加する。蒸煮時、取り出された使用済み蒸煮液の一部分をリサイクルして含浸ステップに送り、含浸ステップにおいて、ポリサルファイド液を添加することによって所望のポリサルファイド濃度を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ポリサルファイドの存在下でセルロース系繊維材料を蒸煮し、使用
済み蒸煮液からポリサルファイドを再生するためのプロセスに関する。
【0002】 発明の背景 近年、周知のクラフトパルプ化プロセスには、多くの変更が加えられてきた。
漂白操作時の脱リグニン作業を最小限に抑えるために、またより環境に適合した
漂白薬剤への塩素薬剤の置換を容易にするために、蒸煮段階における脱リグニン
を強化することが望まれた。
【0003】 脱リグニンを強化すると、脱リグニンされたパルプの品質が悪影響を受ける恐
れがあり、更に、パルプの歩留りが減少するという望ましからぬ結果を生じる可
能性がある。クラフトプロセスにおける歩留り低下の主な原因は、ヘミセルロー
スおよびセルロースのような炭水化物の周知のアルカリピーリング反応またはア
ンジッピング(unzipping)反応である。また、アルカリ抽出およびグ
リコシド結合の切断により再び2次的ピーリングに対する部位が露呈するため、
セルロースの価値は損なわれる。アルカリ抽出は、室温においてさえも起こる可
能性があるが、温度やアルカリ度を増大させることによって促進される。
【0004】 理由は依然として分かっていないが、ピーリング反応はバルクの脱リグニン中
に自動的に停止し、セルロース鎖はアルカリによる更なる分解に対して安定にな
る。ピーリング反応の開始に関与する、ヘミセルロースおよびセルロースの末端
の還元性アルデヒド基は、還元反応または酸化反応のいずれかにより除去可能で
ある。
【0005】 蒸煮液中にポリサルファイドが存在すると、酸化により安定なカルボキシル基
が生成するため、ピーリング反応に対してヘミセルロースおよびセルロースは安
定になることが知られている。この結果、パルプ化の歩留りは全体として増大す
る。ポリサルファイドの存在下におけるパルプ化の間、以下の平衡反応に従って
、ヘミセルロース中に天然に存在するカルボニル末端基は酸化されてアルカリに
安定なグルコン酸末端基になる。
【化1】 グルコン酸末端基は、パルプ化の間、多糖を安定化させる。多糖の分解が減少す
ると、所定のカッパ価になるようにパルプ化を行った場合に歩留りが増大するか
、または一定の歩留りになるようにパルプ化を行った場合にカッパ価が減少する
。ポリサルファイドクラフトプロセスにおけるパルプの歩留りの増大は、主に、
軟材中のグルコマンナンの安定化および硬材中のキシランの安定化の結果として
生じたものである。
【0006】 ポリサルファイドパルプ化プロセスへのアントラキノンの添加により、パルプ
の歩留りは更に増大することが示された。
【0007】 ポリサルファイド含有液を使用して木材および他のセルロース系繊維材料のパ
ルプ化を行うことは、現在、当技術分野において周知である。例えば、米国特許
第3,664,919号では、木材に対してポリサルファイドを6パーセントの
適用レベルで用いてポリサルファイド含浸が行われる。
【0008】 米国特許第3,567,572号には、アルカリの不在下でポリサルファイド
を適用する多段階プロセスについての開示がなされている。米国特許第4,13
0,457号には、短時間の間、低温でパルプ化を行う気相ポリサルファイドプ
ロセスについての記載がある。しかしながら、これらの特許には,クラフトパル
プ化プロセスと関連させて使用すべくポリサルファイドパルプ化とポリサルファ
イド再生とを組み合わせた実用的な方法についての記載はない。
【0009】 含浸のために黒液を使用することは、長い間、バッチ式ダイジェスタシステム
において、より最近では連続式ダイジェスタにおいて工場規模で行われてきた。
ソーダパルプ化およびクラフトパルプ化において、蒸煮段階の後半からリサイク
ルされる使用済みパルプ化液より得られる有効アルカリを含浸および初期の脱リ
グニンに使用し、それと組み合わせて、含浸後、大量の新しいアルカリを使用し
、更に、黒液を取り出して回収することについて、米国特許第2,639,98
7号に記載されている。
【0010】 現在までのところ、本発明者らの知る限りでは、リサイクル液を用いてまたは
用いずに、実用的なポリサルファイド再生方法と組み合わせて、蒸解全体にわた
りポリサルファイドの安定化状態およびアルカリプロフィルを向上させるポリサ
ルファイドパルプ化プロセスは存在しない。
【0011】 ポリサルファイドの実用的な回収方法がないにもかかわらず、1960年代に
おいて、いくつかの工場で、以下の反応に従って単に白液に粉末硫黄を添加する
ことにより、ポリサルファイドパルプ化が行われた。
【化2】 歩留りの増加に関してはうまく行ったが、こうして硫黄を添加した結果、工場に
おけるナトリウムと硫黄とのバランスが許容できないほどくずれた。こうした障
害を克服する方法を見出すことができて初めて、これは実行可能なプロセスとな
る。
【0012】 米国特許第3,874,991号には、ポリサルファイド蒸煮液を調製するた
めに、使用済みのポリサルファイド溶液と、含浸後に取り出された、水酸イオン
の使い果たされた白液と、の混合物に、溶融状態の硫黄を外部から添加するプロ
セスについての記載がある。この液は、蒸解温度より低い温度の90〜140℃
、好ましくは100℃〜130℃において木材チップの含浸に使用される。この
プロセスには、工場におけるナトリウムと硫黄とのバランスが許容できないほど
くずれるという問題がある。
【0013】 硫黄のバランスがくずれるという問題を避けるために、パルプ化および回収サ
イクルで得られる種々の形態の硫黄からポリサルファイド薬剤を発生させるいく
つかの試みがなされた。例えば、米国特許第3,331,732号には、スクラ
バ中において煙道ガスで緑液を処理することについての開示がなされている。次
に、炭酸化された緑液をストリッパ中で処理して硫化水素ガスを発生させ、その
後、このガスを更にクラウス型リアクタ中で処理して元素硫黄を生成させる。
【0014】 米国特許第3,650,888号には、炭酸化された使用済み液に減圧ストリ
ッピングを施して硫化水素を発生させ、更にそれを硫黄へ変換することに基づく
ポリサルファイド回収プロセスについての記載がある。
【0015】 パルプ化液を炭酸化して硫化水素を発達させることに基づく回収プロセスには
、望ましからぬ非常に厄介な問題、例えば、緑液パイプへの付着、黒液炭酸化の
場合のリグニンの沈殿などの問題がある。そのうえ、設備のコストが高い。パル
プ化液の炭酸化に基づいてポリサルファイドを回収するという考えは、商業化さ
れなかった。
【0016】 白液中に存在する硫黄を酸化してポリサルファイドを形成することの可能な触
媒の開発に基づいて、70年代中期に、クラフトパルプ産業へのポリサルファイ
ドパルプ化の導入に向けての第1歩が踏み出された。こうした考えを採り入れる
ことにより、ポリサルファイド硫黄種を発生させるためにクラフト液に元素硫黄
を添加する必要がなくなった。
【0017】 今日、少なくとも4つのプロセスが、白液の部分酸化によるポリサルファイド
の発生のために、商業的に利用可能である。米国特許第4,024,229号に
は、ポリサルファイドの形成を促進するための防水性活性炭床を用いた空気酸化
に基づく白液部分酸化プロセスについての記載がある。小さな多孔質活性炭顆粒
の入った充填床リアクタ中での部分酸化によるポリサルファイドの調製に基づく
類似のプロセスが、米国特許第4,855,123号に記載されている。より最
近になって、ポリサルファイドに対する部分酸化の選択率を増大させるために、
液へのマンガン添加に基づく白液または緑液部分酸化プロセスが提案された。
【0018】 これらの部分酸化プロセスの根底をなす化学は同じであり、次の化学反応で表
される。
【化3】 次に、反応2に従って白液中で元素硫黄を硫化ナトリウムと反応させてポリサル
ファイドを形成する。
【0019】 当初、商業的にいくらかの成功を納めたにもかかわらず、部分酸化の経路には
、重大な欠点がある。酸化中、拮抗する副反応によって不活性なチオ硫酸塩が生
成するのを回避することができない。この副反応は、以下の反応で表される。
【化4】 白液部分酸化プロセスから得られる典型的なポリサルファイド蒸煮液には、最大
で6〜10グラム/リットルの活性なポリサルファイド硫黄とかなりの量の不活
性なチオ硫酸塩とが含まれる。活性硫化物の含有量を実質的に低下させると、パ
ルプ化性能および生成物パルプの強度特性が悪影響を受ける。
【0020】 そのうえ、歩留りを大幅に増大させるために、実質的にすべての白液(または
緑液)を部分酸化し、その後、有効アルカリをすべてポリサルファイドと組み合
わせてダイジェスタに仕込まなければならない。
【0021】 炭素触媒を使用する白液部分酸化システムの効率は、リアクタに供給される白
液(または緑液)中の浮遊固形物の含有量に非常に敏感であり、従って、非常に
清澄な液が必要である。
【0022】 効率的なポリサルファイド再生と組み合わせて効率的なポリサルファイドパル
プ化プロセスを提供しかつ従来技術の直接的な硫黄の適用および白液の部分酸化
システムに特有な欠点を回避するプロセスに対する必要性が存在する。
【0023】 発明の概要 本発明の目的は、効率的なポリサルファイド再生と組み合わせて効率的なポリ
サルファイド蒸煮を提供しかつ従来技術の直接的な硫黄の適用および白液の部分
酸化システムに特有な欠点を回避するプロセスを提供することである。
【0024】 この目的および他の目的は、驚くべきことに、次のように達成される。 本発明は、ポリサルファイドを再生するための新規なプロセスを提供する。この
プロセスには、 (a)ポリサルファイドを含有する第1の蒸煮液を用いてセルロース系繊維材
料を含浸するステップであって、該第1の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を
蒸煮するために利用される有効アルカリ全体の約60%以下を提供する、ステッ
プと、 (b)第2の蒸煮液を用いて1段階以上の蒸煮段階でセルロース系繊維材料を
蒸煮するステップであって、該第2の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を蒸煮
するために利用される有効アルカリ全体の少なくとも約40%を提供する、ステ
ップと、 (c)含浸ステップ(a)または蒸煮ステップ(b)の少なくとも1つのステ
ップから硫化物化合物を含有する使用済み蒸煮液を取り出すステップと、 (d)硫化水素を含有する第1のガスストリームを形成すべく、ステップ(c
)から得られた使用済み蒸煮液の少なくとも一部分をガス化リアクタ中でガス化
するステップと、 (e)硫化水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスストリームを形成すべく、
該第1のガスストリームを処理するステップと、 (f)元素硫黄の高温液体ストリームを提供する条件下で該酸性ガスストリー
ムを反応させるステップと、 (g)高温液体の元素硫黄ストリームの少なくとも一部分を硫化物含有アルカ
リ性液と、元素硫黄が硫化物と反応してポリサルファイドを形成する条件下で混
合し、これにより、少なくとも約10グラム/リットルのポリサルファイドを含
みかつ実質的にチオ硫酸塩を含まないアルカリ性液を形成するステップと、 (h)セルロース系繊維材料中の炭水化物を安定化させるべく、アルカリ性ポ
リサルファイド液の少なくとも一部分を第1の蒸煮液に添加するかまたは含浸ス
テップ(a)に直接添加するステップと、 が含まれる。
【0025】 また、本発明は、ポリサルファイド蒸煮とポリサルファイド再生と組み合わせ
た新規なプロセスを提供する。このプロセスには、 (a)ポリサルファイドを含有する第1の蒸煮液を用いてセルロース系繊維材
料を含浸するステップであって、該第1の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を
蒸煮するために利用される有効アルカリ全体の約60%以下を提供する、ステッ
プと、 (b)蒸煮ステップ(b)に供給されたポリサルファイドの少なくとも約30
%が蒸煮終了後に使用済み蒸煮液中にもとの状態のまま残存するように、第2の
蒸煮液を用いて1段階以上の蒸煮段階でセルロース系繊維材料を蒸煮するステッ
プであって、該第2の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を蒸煮するために利用
される有効アルカリ全体の少なくとも約40%を提供する、ステップと、 (c)もとの状態のままのポリサルファイドと硫化物化合物とを含有する使用
済み蒸煮液を蒸煮ステップ(b)から取り出すステップと、 (d)硫化水素を含有する第1のガスストリームを形成すべく、ステップ(c
)から取り出された使用済み蒸煮液の少なくとも一部分または含浸ステップ(a
)の後で取り出された使用済み液の少なくとも一部分をガス化リアクタ中でガス
化するステップと、 (e)硫化水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスストリームを形成すべく、
該第1のガスストリームを処理するステップと、 (f)元素硫黄の高温液体ストリームを提供する条件下で該酸性ガスストリー
ムを反応させるステップと、 (g)高温液体の元素硫黄ストリームの少なくとも一部分を硫化物含有アルカ
リ性液と、元素硫黄が硫化物と反応してポリサルファイドを形成する条件下で混
合し、これにより、少なくとも約10グラム/リットルのポリサルファイドを含
みかつ実質的にチオ硫酸塩を含まないアルカリ性ポリサルファイド液を形成する
ステップと、 (h)もとの状態のままのポリサルファイドを含有するステップ(c)から得
られた使用済み液の少なくとも一部分を第1の蒸煮液として利用するステップと
、 (i)ステップ(g)から得られたアルカリ性ポリサルファイド液の少なくと
も一部分を第2の蒸煮液に添加するかまたはステップ(b)の1段階以上の蒸煮
段階に直接添加するステップと、 (j)ステップ(h)において使用済み蒸煮液より供給されるポリサルファイ
ドの量が、含浸段階において所望のポリサルファイド濃度を提供するのに十分な
量よりも少ない場合、含浸段階において所望のポリサルファイド濃度を提供すべ
く、ポリサルファイド液の一部分を第1の蒸煮液に添加するかまたは含浸ステッ
プ(a)に直接添加するステップと、 が含まれる。
【0026】 好ましい実施形態の詳細な説明 本発明に係る改良されたポリサルファイド再生プロセスには、 (a)ポリサルファイドを含有する第1の蒸煮液を用いてセルロース系繊維材
料を含浸するステップであって、該第1の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を
蒸煮するために利用される有効アルカリ全体の約60%以下を提供する、ステッ
プと、 (b)第2の蒸煮液を用いて1段階以上の蒸煮段階でセルロース系繊維材料を
蒸煮するステップであって、該第2の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を蒸煮
するために利用される有効アルカリ全体の少なくとも約40%を提供する、ステ
ップと、 (c)含浸ステップ(a)または蒸煮ステップ(b)の少なくとも1つのステ
ップから硫化物化合物を含有する使用済み蒸煮液を取り出すステップと、 (d)硫化水素を含有する第1のガスストリームを形成すべく、ステップ(c
)から得られた使用済み蒸煮液の少なくとも一部分をガス化リアクタ中でガス化
するステップと、 (e)硫化水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスストリームを形成すべく、
該第1のガスストリームを処理するステップと、 (f)元素硫黄の高温液体ストリームを提供する条件下で該酸性ガスストリー
ムを反応させるステップと、 (g)高温液体の元素硫黄ストリームの少なくとも一部分を硫化物含有アルカ
リ性液と、元素硫黄が硫化物と反応してポリサルファイドを形成する条件下で混
合し、これにより、少なくとも約10グラム/リットルのポリサルファイドを含
みかつ実質的にチオ硫酸塩を含まないアルカリ性液を形成するステップと、 (h)セルロース系繊維材料中の炭水化物を安定化させるべく、アルカリ性ポ
リサルファイド液の少なくとも一部分を第1の蒸煮液に添加するかまたは含浸ス
テップ(a)に直接添加するステップと、 が含まれる。
【0027】 セルロース系繊維材料は、分離含浸ゾーン中で第1の蒸煮液と接触させる。こ
のゾーンは、連続式ダイジェスタの上端部分であってもよいし分離含浸ベッセル
であってもよい。このほか、含浸ベッセルにポリサルファイド液を直接添加する
こともできる。セルロースのアルデヒド末端基をより安定なカルボン酸基に酸化
することによりセルロース系繊維材料が望ましからぬピーリング反応に対して安
定になるように、セルロース系繊維材料をポリサルファイドと接触させなければ
ならない。本明細書中に示されている開示内容に基づいて、当業者は、こうした
炭水化物の安定化に必要な条件を容易に決定することができる。こうした炭水化
物の安定化を行うと、パルプ生成物中のヘミセルロースの含有量が増大し、更に
、パルプの歩留りが全体として増大する。
【0028】 第1の蒸煮液には、脱リグニンパルプを形成するための脱リグニンプロセス全
体で利用される有効アルカリ全体の約60%以下が含まれていなければならない
【0029】 含浸ゾーンの後で導入される第2の蒸煮液には、硫化度の低い白液などのアル
カリ性溶液が含まれる。蒸煮は、周知の実施手順に従って所望のカッパレベルに
なるまで行われる。好適な蒸煮温度は、約120〜約175ECである。第2の
蒸煮液には、脱リグニンパルプを形成するための脱リグニンプロセス全体で利用
される有効アルカリ全体の少なくとも約40%、好ましくは少なくとも約60%
が含まれていなければならない。
【0030】 第2の蒸煮液は、バルク脱リグニン中および最終脱リグニン中に種々の位置で
添加することができ、また、所望のアルカリ度および液対木材比が得られるよう
に洗浄液で希釈することができる。本明細書中の記載内容以外には蒸煮段階のデ
ザインとして決定的なものはなく、本発明で提示された全プロセスは、1および
2ベッセル型のスチーム液相ダイジェスタおよび液圧連続ダイジェスタならびに
改良型のバッチシステムを含むすべての近代的蒸煮システムで実施可能である。
【0031】 所望により、ダイジェスタへの第2の蒸煮液の注入前に炭水化物を更に安定化
させるために含浸の後でスチーム気相ゾーンを設けることも可能である。例えば
、含浸後、約130〜約175℃の温度で約5〜約30分間にわたりスチームで
セルロース系繊維材料を処理することができる。
【0032】 ダイジェスタの下流における望ましからぬ操作上の問題を防止するために、回
収段階に移される従来型クラフト蒸煮および改良型クラフト蒸煮の使用済み液中
の残留アルカリ量は、1リットルあたり約6〜約12グラムでなければならない
【0033】 ポリサルファイドの再生に使用できる貴重な硫黄化合物を取り出すために、含
浸および/または蒸煮段階から取り出され回収された使用済み蒸煮液の少なくと
も一部分をガス化リアクタ中でガス化する。ガス化の前に、通常、多重効用エバ
ポレータシステムを使用して、約65〜約85%、好ましくは約70〜約85%
まで使用済み蒸煮液を濃縮乾燥させる。使用済みパルプ化液の部分酸化に好適な
ガス化リアクタおよび補助システムについては、例えば、米国特許第4,808
,264号に記載されている。この特許の全開示内容は、参照により本明細書に
組み入れる。回収プロセスの主な役割としては、貴重な硫黄化合物を回収するこ
と以外に、使用済み蒸煮液中に含まれる熱量を効率的にスチームおよび/または
電力に変換することが挙げられる。使用済み蒸煮液のガス化プロセスで発生する
可燃性燃料ガスは、有利なことに、ガスタービン発電プラントに燃料を供給する
ために使用することができる。
【0034】 ガス化リアクタの運転条件を制御することにより、また、酸素含有ガスの添加
を制御することにより、使用済み蒸煮液中に存在するナトリウムおよび硫黄の化
合物を、所望により、2つの別々のプロセスストリームに分けることができる。
硫化ナトリウムの水溶液の形態で還元硫黄を含有する1ストリームは、その溶融
体を水性液体中で急冷することにより生成可能である。還元硫黄を含有するもう
1つのストリームは、硫化水素を含む可燃ガスの形態でガス化リアクタから排出
させることができる。2つのストリーム中の還元硫黄の割合は、例えば、リアク
タ内の反応温度およびリアクタ内の運転圧力を変えることによって制御可能であ
る。好ましくは、ガス化リアクタに供給される硫黄化合物のうちの少なくとも約
20%、より好ましくは約30〜約60%を、硫化ナトリウムとして回収する。
好ましくは、ガス化リアクタに供給される硫黄化合物のうちの少なくとも約20
%を、硫化水素として回収する。
【0035】 ガス化リアクタ中の硫黄の平衡を硫化ナトリウムが形成される方向にずらすた
めに、所望により、硫黄化合物をガス化リアクタに添加してもよい。リアクタ内
のスチーム分圧を調整することによって、例えば、モデレータスチーム、使用済
み蒸煮液中の水分などのスチームを噴霧することによって、リアクタ中のナトリ
ウム対硫黄の割合を更に制御することが可能である。
【0036】 リアクタから送出される硫化物含有水性ストリームに従来型の苛性化処理を施
すことにより、硫化度の低い白液を形成することができる。
【0037】 硫化水素を含む可燃性ガスを冷却し再生ガス浄化システムに移すことにより、
クリーンな可燃性ガスストリームと、硫化水素と二酸化炭素とを含む別の酸性ガ
スストリームとを形成することができる。酸性ガスストリームは、クラウスプラ
ントに移され、高温の液体元素硫黄として回収される。クラウス反応により硫化
水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスを高温の液体元素硫黄に変換することは
、化学工業において周知の確立した手順である。硫化水素を硫黄に変換する反応
は多数存在するが、この変換は全体として次のように表すことができる。
【化5】
【0038】 本発明より、有利なことに、高温の元素硫黄ストリームを緑液および白液など
の硫化物含有液と混合することによりポリサルファイド液が形成可能であること
を見出した。好ましくは、ポリサルファイド含有液は白液から形成される。本発
明により、たとえポリサルファイドが高濃度であっても、例えば、約10グラム
/リットルを超える濃度であっても、ポリサルファイド液の調製時、チオ硫酸塩
は実質的にまったく形成されないことが判明した。
【0039】 必要に応じて、含浸段階におけるポリサルファイドのレベルを保持するために
、また炭水化物を所望のレベルで安定化させるために、ポリサルファイドを含む
第1の蒸煮液の少なくとも一部分として、このポリサルファイド液を使用するこ
とができる。このほか、含浸段階にポリサルファイド液を直接添加することによ
り、含浸段階におけるポリサルファイドのレベルを保持することもできる。ポリ
サルファイドの所望のレベルは、実施される蒸解の個々のタイプに依存して変化
するであろう。本明細書中に示された開示内容に基づいて、当業者は、含浸段階
において所望のレベルのポリサルファイドを提供および保持することができるで
あろう。
【0040】 本発明に係るポリサルファイド回収プロセスには、ポリサルファイド液を高濃
度で調製することができるため、所望により、炭水化物の安定化に最適な有効ア
ルカリ濃度で適用できるという利点がある。好ましくは、高温の液体元素硫黄を
、高温の、好ましくは少なくとも約80℃の硫化物含有液と混合する。本発明に
使用するために、約10〜約100グラム/リットルの濃度を有するポリサルフ
ァイド液を調製できることが判明した。しかしながら、好ましい範囲は、約15
〜約40グラム/リットルである。
【0041】 本発明のもう1つの実施形態において、ポリサルファイド液は、ポリサルファ
イド蒸煮をポリサルファイド再生と併用すべく、ダイジェスタ中で利用される。
本発明に係るポリサルファイド蒸煮およびポリサルファイド再生プロセスには、 (a)ポリサルファイドを含有する第1の蒸煮液を用いてセルロース系繊維材
料を含浸するステップであって、該第1の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を
蒸煮するために利用される有効アルカリ全体の約60%以下を提供する、ステッ
プと、 (b)蒸煮ステップ(b)に供給されたポリサルファイドの少なくとも約30
%が蒸煮終了後に使用済み蒸煮液中にもとの状態のまま残存するように、第2の
蒸煮液を用いて1段階以上の蒸煮段階でセルロース系繊維材料を蒸煮するステッ
プであって、該第2の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を蒸煮するために利用
される有効アルカリ全体の少なくとも約40%を提供する、ステップと、 (c)もとの状態のままのポリサルファイドと硫化物化合物とを含有する使用
済み蒸煮液を蒸煮ステップ(b)から取り出すステップと、 (d)硫化水素を含有する第1のガスストリームを形成すべく、ステップ(c
)から取り出された使用済み蒸煮液の少なくとも一部分または含浸ステップ(a
)の後で取り出された使用済み液の少なくとも一部分をガス化リアクタ中でガス
化するステップと、 (e)硫化水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスストリームを形成すべく、
該第1のガスストリームを処理するステップと、 (f)元素硫黄の高温液体ストリームを提供する条件下で該酸性ガスストリー
ムを反応させるステップと、 (g)高温液体の元素硫黄ストリームの少なくとも一部分を硫化物含有アルカ
リ性液と、元素硫黄が硫化物と反応してポリサルファイドを形成する条件下で混
合し、これにより、少なくとも約10グラム/リットルのポリサルファイドを含
みかつ実質的にチオ硫酸塩を含まないアルカリ性ポリサルファイド液を形成する
ステップと、 (h)もとの状態のままのポリサルファイドを含有するステップ(c)から得
られた使用済み液の少なくとも一部分を第1の蒸煮液として利用するステップと
、 (i)ステップ(g)から得られたアルカリ性ポリサルファイド液の少なくと
も一部分を第2の蒸煮液に添加するかまたはステップ(b)の1段階以上の蒸煮
段階に直接添加するステップと、 (j)ステップ(h)において使用済み蒸煮液より供給されるポリサルファイ
ドの量が、含浸段階において所望のポリサルファイド濃度を提供するのに十分な
量よりも少ない場合、含浸段階において所望のポリサルファイド濃度を提供すべ
く、ポリサルファイド液の一部分を第1の蒸煮液に添加するかまたは含浸ステッ
プ(a)に直接添加するステップと、 が含まれる。
【0042】 従来の方法により蒸煮した場合、ポリサルファイドが存在すると歩留りが増大
することは周知であるが、本発明では、驚くべきことに、ポリサルファイドの大
部分を蒸煮段階で使用しかつポリサルファイドが分解に対して安定になるような
形で蒸煮段階を実施した場合、脱リグニン速度を顕著に増大させることができる
ことを見出した。蒸煮中、ポリサルファイドを比較的安定な状態に保つために、
蒸煮温度を、従来の蒸煮温度よりも低くしなければならない。ポリサルファイド
の安定化に好適な蒸煮温度は、約120〜約150EC、好ましくは約135〜
約148EC、最も好ましくは約140〜約145ECである。こうしたより低
い蒸煮温度では、ポリサルファイドの大部分はダイジェスタから回収された黒液
中にもとの状態のまま残っていることが判明した。ある場合には、もとの状態の
ままのポリサルファイドの量は,蒸煮段階に供給されたポリサルファイドの初期
量の約30%以上、好ましくは約40%以上である.好ましくは、かなりの量の
ポリサルファイドを含有するこの黒液の少なくとも一部分をリサイクルして最初
の含浸ゾーンに送り、第1の蒸煮液の少なくとも一部分として使用する。この場
合、セルロースを安定化させるためにポリサルファイドを使用することができる
。かなりの量のポリサルファイドを含有する黒液をリサイクルすることにより、
含浸段階で必要となるポリサルファイド液の量を実質的に低減することができる
【0043】 含浸段階において所望のポリサルファイド濃度を保持するために、リサイクル
された黒液に周期的にポリサルファイド液を添加するだけで済む場合もある。
【0044】 この実施形態では、ポリサルファイド液の大部分は,蒸煮段階(b)に直接添
加するかまたは第2の蒸煮液の少なくとも一部分として添加される。例えば、い
くつかのクラフトパルププロセスでは、ポリサルファイド液の約20%以下を含
浸段階に添加でき、ポリサルファイド液の約80%以上を蒸煮段階に添加できる
ことが分かった。しかしながら、本発明は、含浸段階および蒸煮段階に添加され
るポリサルファイド液をこれらの量に限定するものではない。ある場合には、含
浸段階においてポリサルファイドのレベルが所望の量よりも少なくなったときに
周期的に含浸段階にポリサルファイド液が添加される。当業者は、含浸中および
蒸煮中に存在すべきポリサルファイドの所望の量に基づいて、含浸段階および蒸
煮段階のそれぞれに添加すべきポリサルファイドの所望の量を選択することがで
きるであろう。
【0045】 ポリサルファイド蒸解の前にセルロース系繊維材料を水蒸気処理にかける場合
、水蒸気の温度は、例えば、約130〜約150EC程度のより低い温度にしな
ければならない。水蒸気の温度を低くすることは、含浸段階から送出されるセル
ロース系繊維材料中に存在するポリサルファイドを一定に保つのに役立つであろ
う。このようにすれば、含浸時に存在するポリサルファイドの量は更に増大する
であろう。
【0046】 チオ硫酸塩はクラフト蒸煮系では不活性であるが、静荷重以外の要因としてダ
イジェスタおよび含浸ベッセルの腐食を引き起こす可能性がある。工場および実
験室においてパルプ化液への硫黄の添加に関して得られた従来の知見は、とても
厄介な混合の問題を抱えかつ粉末バルク状態で酸素との副反応を起こす粉末硫黄
の添加に基づくものである。しかしながら、本発明では、空気または酸素との接
触を最小限に抑えた密閉式ベッセル中で硫化物含有液に高温の液体元素硫黄を直
接仕込むことができるため、望ましからぬ硫黄の酸化反応は実質的に回避される
【0047】 本発明に従って調製されるポリサルファイド液は、単独で、または所望の液対
木材比および有効アルカリの仕込みレベルを得るべく他の液と併用して、含浸ゾ
ーンに添加される第1の蒸煮液として利用することができる。本発明の好ましい
実施形態において、ポリサルファイド液には、ポリサルファイドを生成すべく高
温液体の元素硫黄ストリームで処理された白液が含まれる。またこのポリサルフ
ァイド液は、第1の蒸煮液の少なくとも一部分として利用される。より好ましく
は、第1の蒸煮液には、蒸煮段階から得られた使用済み蒸煮液が含まれる。この
使用済み蒸煮液は、白液から形成されたポリサルファイド液が、含浸段階におい
て最適な硫黄およびアルカリプロフィルを得るのに必要な量で添加されたもので
ある。
【0048】 新しい液および使用済み液の量は、含浸および初期脱リグニンの際にポリサル
ファイドおよび中和反応を保持するのに十分な有効アルカリを提供するように選
択しなければならない。好ましくは、パルプ化液対セルロース系繊維材料の比は
、少なくとも約3.5:1である。
【0049】 本発明の好ましい実施形態は、比較的低い温度でポリサルファイド蒸煮を行う
ことにより脱リグニン速度を増大させることができるという驚くべき発見に基づ
いている。本発明のこの実施形態については図2〜4と関連させて更に説明する
が、ダイジェスタ中での脱リグニン速度の増加は、予備含浸ベッセル中での炭水
化物の安定化効果と一緒に得られる。
【0050】 以上の説明を踏まえて、いくつかの図面を提示し、本発明を実施しうる方法に
ついて具体的に示す。しかしながら、これらの図面は、本発明の範囲をなんら制
限するものではなく、単に、具体例としての経済的なパルプ化および回収のスキ
ームの中で得られる本発明の有効性を指摘し、ポリサルファイドの歩留りを増大
させる薬剤の好ましい効果を実証するために提供されたものである。
【0051】 次に、添付の図1を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。この
実施形態では、ポリサルファイド液は、主に、含浸段階に添加される。木材チッ
プまた他の微粉砕されたセルロース系繊維材料をチップビンおよびスチーミング
ベッセル(1)に移し、チップマトリックスからの空気を除去するために、約1
00〜約140℃の温度でスチーミング処理にかける。スチーミングされたチッ
プをスチーミングベッセルから取り出して高圧フィーダシステムに移し、低圧供
給システムから高圧含浸ベッセル(2)にチップスラリーを加圧移送する。
【0052】 ポリサルファイドを含有する蒸煮液(3)のほかに、ダイジェスタ(4)から
リサイクルされた使用済み蒸煮液を含浸ベッセル(2)に添加することが有益で
ある。また、場合により、苛性化プラント(5)から得られた硫化度の低い白液
および/またはリサイクルされた含浸液(6)を含浸ベッセルに添加する。
【0053】 次に、含浸されたチップをスチーム/液相ダイジェスタ(7)の上部セクショ
ンに送り、そこでチップをスチームに暴露し、温度を完全蒸煮温度まで、例えば
、約120〜約175EC、好ましくは約130〜約150ECまで上昇させる
【0054】 含浸時および蒸煮時に使用される有効アルカリの少なくとも約40%を含有す
る硫化度の低い白液は、1つまたはいくつかの導管を介して、蒸煮循環系にまた
は直接ダイジェスタに添加される。
【0055】 所定のカッパ価になるまで蒸煮および脱リグニン反応を進行させ、その後、蒸
解されたチップをダイジェスタから取り出してブラウンストックウォッシャ(8
)へ送る。取り出しスクリーンを介してダイジェスタから高温の使用済み蒸煮液
(4)を取り出し、含浸へのリサイクルおよび/または新しい蒸煮薬剤の回収に
供する。
【0056】 ブラウンストックを洗浄した後、酸素脱リグニンリアクタ(9)中でパルプを
更に処理してから下流の漂白プラント(10)に送り、所望の物理的性質を有す
る漂白パルプ生成物を調製する。ブラウンストックウォッシャおよび酸素脱リグ
ニン段階から得られた濾液(11)は、ダイジェスタ中で液対木材の所望の比が
得られるように、ダイジェスタへリサイクルされる。
【0057】 含浸後取り出された使用済み蒸煮液および/またはダイジェスタから得られた
使用済み蒸煮液の少なくとも一部分を回収して多重効用蒸発システム(12)に
送り、乾燥固形分含量が約70〜約85%になるまで濃縮する。
【0058】 その後、濃縮された使用済み蒸煮液(黒液)を、黒液ガス化機能を備えた統合
サイクルプラント(IGCC)に送り、蒸煮薬剤およびエネルギーの回収を行う
。このプラントには、ガス化リアクタ(13)、ガス冷却システム(14)、ガ
ス浄化システム(15)、および発電ブロック(16)が含まれる。濃縮された
黒液は、酸化剤(26)、好ましくは隣接する酸素プラント(17)から得られ
る極低温の上質な酸素と共にガス化リアクタ(18)に注入される。酸素は、ガ
ス化リアクタ中で起こる部分酸化反応を持続させる。このリアクタは、通常、約
850〜約1200℃の温度および約0.5〜約10MPaの圧力で運転される
【0059】 ガス化リアクタに仕込まれた硫黄薬剤は、リアクタ中で分解され、更に、2つ
のストリームに分けられる。一方のストリームは、ガス化リアクタからの燃料ガ
スストリームを伴う硫化水素ガスのストリームであり、他方のストリームは、水
性媒体中に溶解され硫化度の低い緑液(19)としてリアクタから送出される硫
化ナトリウムの溶融体としてのストリームである。後者のストリームは苛性化プ
ラント(20)に送られ、アルカリ度の低い緑液からアルカリ度の高い白液に変
換される。ガス化リアクタ中に仕込まれた硫黄のうちの少なくとも約20%、好
ましくは約30〜約60%は、硫化ナトリウムとして回収される。残りの硫黄を
硫化水素として含有する燃料ガスストリームは、約100℃未満の温度まで冷却
され、アブソーバおよびストリッパを備えた再生ガス浄化システム(15)に送
られる。燃料ガスは、硫黄化合物から分離され、これらの硫黄化合物は、硫化水
素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスストリーム(21)中に回収される。
【0060】 アブソーバから送出された浄化済み燃料ガスは、電力およびスチームを取り出
すために、ガスタービン発電プラントに送られる。酸性ガスは、高温の液体元素
硫黄を回収するために、酸素吹込みクラウスプラント(22)に送られる。
【0061】 クラウスプラントから得られたテールガスストリーム(23)は、外部の硫酸
プラントまたはパルプ工場の臭気ガス処理システムに送られる。高温生成物の液
体硫黄ストリーム(25)の温度は、約120℃を超える温度に保持され、高温
の白液で満たされた混合ベッセル(22)に直接仕込まれる。白液および元素硫
黄の仕込み量は、混合ベッセル中で生成するポリサルファイド液の濃度が約10
グラム/リットル以上になるように制御される。高濃度のポリサルファイド液を
第1の蒸煮液として含浸ベッセルに供給することにより、経路(3)が終了する
【0062】 次に、ポリサルファイド液をダイジェスタに添加する場合の本発明の実施形態
について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の好ましい実施形態に
係る連続2ベッセル型スチーム/液相ダイジェスタ構成を示している。この実施
形態では、以下の記載に従ってポリサルファイド蒸煮を行うことにより、脱リグ
ニン速度が低温でかなり増大する。
【0063】 木材チップなどのセルロース系繊維材料(90)を含浸ベッセル(100)の
上部に導入する。含浸ベッセルの上部には、スクリューフィーダが配設されてお
り、これにより、チップは、約2:1〜約10:1、好ましくは約3:1〜約8
:1、より好ましくは約4:1〜ら約7:1の液対木材比で、プラグ流れとなっ
て含浸ベッセル(100)中を通ってゆっくりと下方に移動することができる。
【0064】 スクリーン(101)を通りダイジェスタから取り出された高温の黒液は、導
管(102)を介して含浸ベッセル(100)の上部に添加され、それと一緒に
、先の説明に従って調製されたポリサルファイド液(92)のうちの約20%未
満が導管(103)を介して添加されるが、可能であればポリサルファイド液は
添加しない。黒液のポリサルファイド濃度が十分である場合、新しいポリサルフ
ァイド液は必要でない。このように必要に応じて、第1の蒸煮液中の所望のポリ
サルファイドレベルを保持するために、ポリサルファイド液を添加することがで
きる。
【0065】 この実施例では、導管(102)および(103)を介して含浸ベッセルの上
部に添加されるポリサルファイドの濃度は、液全体として、約2.5グラム/リ
ットル以上でなければならず、更に、有効アルカリ濃度(NaOHとして計算し
た濃度)は、約15グラム/リットル以上でなければならない。必要な場合には
、導管(112)を介して白液などのアルカリを更に添加することができる。
【0066】 含浸ステップ時の温度は、約20〜約120分間にわたり約80〜約140℃
の範囲になければならない。含浸ベッセル中で完全に含浸され部分的に脱リグニ
ンされたチップは、ダイジェスタ(104)の上部に供給され、更に、上部セパ
レータ中に送られる。好ましくは、黒液の少なくとも一部分をダイジェスタの上
部から取り出し、導管(105)を介して蒸発処理にまわす。図2に示すプロセ
スで使用されるポリサルファイド液のうちの約80%強を、導管(107)を介
してダイジェスタ(104)の上部に添加する。好ましくは、熱交換器(108
)を利用してポリサルファイド液を加熱する。ポリサルファイドの濃度は、約5
グラム/リットル以上でなければならず、更に、有効アルカリ濃度(NaOHと
して計算した濃度)は、約20グラム/リットル以上でなければならない。必要
な場合には、導管(112)を介してアルカリを更に添加することができる。
【0067】 次に、比較的低い蒸煮温度で、例えば、約120〜約150℃、好ましくは約
135〜約148EC、より好ましくは約140〜約145℃で、チップをゾー
ン(B)に通して流下させる。この第1の蒸煮ゾーン中の滞留時間は、少なくと
も約50分間、好ましくは少なくとも約60分間、より好ましくは少なくとも約
70分間でなければならない。実験室試験から、ポリサルファイドが存在すると
脱リグニン速度は増加することが分かった。図3を参照されたい。しかしながら
、従来型クラフト蒸煮システムで一般に使用される高い温度、例えば、約160
〜約170℃では、ポリサルファイドは急速に分解する。しかしながら、約14
0℃の温度では、仕込まれたポリサルファイドのうちの50%程度は120分後
に残存する。図4を参照されたい。従って、ダイジェスタから得られる高温の黒
液には、高濃度のポリサルファイドが含まれるであろう。放出されたリグニン、
比較的高い含有量の有効アルカリ、および残存ポリサルファイドを含有するこの
黒液は、先に記載したように、スクリーン(101)を介して取り出され、導管
(102)を介して含浸ベッセルの上部に導入される。この取り出された黒液(
102)のアルカリ含有量は、通常、約15グラム/リットルを超える。ダイジ
ェスタ内の好ましい向流ゾーン(C)で所望のアルカリ濃度が得られるように、
硫化度の低い白液を2つの再循環ライン(110、111)に添加する。蒸煮ゾ
ーン(C)で必要となるアルカリ濃度は、生成パルプ中の所望のリグニン含有量
に依存する。生成したパルプは、導管(94)から供給される洗浄液体を用いて
洗浄され、洗浄されたパルプは、導管(96)を通ってダイジェスタから送出さ
れる。
【0068】 本発明の好ましい実施形態および代替形態について記載してきたが、これらは
単なる例示にすぎず、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく変更を加え
ることが可能であることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係るポリサルファイド蒸煮およびポリサルファ
イド再生を利用したクラフト工場における様々な単位操作を示している。
【図2】 図2は、本発明の好ましい実施形態に係る連続2ベッセル型スチ
ーム/液相ダイジェスタ構成を示している。
【図3】 図3は、147℃におけるクラフト蒸煮の最初の240分間にわ
たるポリサルファイドの存在下(M)および不在下(O)における脱リグニン速
度の差を表すグラフである。
【図4】 図4は、140℃における120分間にわたるポリサルファイド
の熱分解を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系繊維材料からパルプを製造するためのプロセス
    であって、 (a)ポリサルファイドを含有する第1の蒸煮液を用いてセルロース系繊維材
    料を含浸するステップであって、該第1の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を
    蒸煮するために利用される有効アルカリ全体の約60%以下を提供する、ステッ
    プと、 (b)第2の蒸煮液を用いて1段階以上の蒸煮段階で該セルロース系繊維材料
    を蒸煮するステップであって、該第2の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を蒸
    煮するために利用される有効アルカリ全体の少なくとも約40%を提供する、ス
    テップと、 (c)該含浸ステップ(a)または該蒸煮ステップ(b)の少なくとも1つの
    ステップから硫化物化合物を含有する使用済み蒸煮液を取り出すステップと、 (d)硫化水素を含有する第1のガスストリームを形成すべく、ステップ(c
    )から得られた該使用済み蒸煮液の少なくとも一部分をガス化リアクタ中でガス
    化するステップと、 (e)硫化水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスストリームを形成すべく、
    該第1のガスストリームを処理するステップと、 (f)元素硫黄の高温液体ストリームを提供する条件下で該酸性ガスストリー
    ムを反応させるステップと、 (g)該高温液体の元素硫黄ストリームの少なくとも一部分を硫化物含有アル
    カリ性液と、該元素硫黄が該硫化物と反応してポリサルファイドを形成する条件
    下で混合し、これにより、実質的にチオ硫酸塩を含まないアルカリ性液を形成す
    るステップと、 (h)該セルロース系繊維材料中の炭水化物を安定化させるべく、該アルカリ
    性ポリサルファイド液の少なくとも一部分を該第1の蒸煮液に添加するかまたは
    該含浸ステップ(a)に直接添加するステップと、 を含む、プロセス。
  2. 【請求項2】 前記第1の蒸煮液の少なくとも一部分を提供すべく、ステッ
    プ(c)から得られた前記使用済み液の少なくとも一部分をステップ(a)にリ
    サイクルするステップを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記ステップ(g)中の前記硫化物液が白液を含む、請求項
    1に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記ステップ(g)中の前記硫化物液が緑液を含む、請求項
    1に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 前記第1の蒸煮液が前記有効アルカリ全体の約40%以下を
    提供し、前記第2の蒸煮液が前記有効アルカリ全体の約60%以上を含む、請求
    項1に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記ステップ(g)が、少なくとも5グラム/リットル、好
    ましくは約10〜約100グラム/リットルのポリサルファイド濃度を有する前
    記アルカリ性液を提供すべく行われる、請求項1に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 前記ステップ(g)が、約15〜約40グラム/リットルの
    ポリサルファイド濃度を有する前記アルカリ性液を提供すべく行われる、請求項
    1に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 前記ステップ(d)で前記使用済み液の前記一部分をガス化
    処理にかける前に、前記使用済み蒸煮液の一部分を約70〜約85%の乾燥固形
    分含量になるまで濃縮するステップを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 前記ガス化リアクタに仕込まれた硫黄化合物の少なくとも約
    20%が前記ガスストリーム中の硫化水素として回収される条件下で前記使用済
    み液の一部分をガス化リアクタ中でガス化するステップを更に含む、請求項1に
    記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 前記含浸ステップ(a)の後に約130〜約175ECの
    温度において約5〜約30分間にわたり前記セルロース系材料をスチーミングす
    るステップを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 セルロース系繊維材料からパルプを製造するためのプロセ
    スであって、 (a)ポリサルファイドを含有する第1の蒸煮液を用いてセルロース系繊維材
    料を含浸するステップであって、該第1の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を
    蒸煮するために利用される有効アルカリ全体の約60%以下を提供する、ステッ
    プと、 (b)この蒸煮ステップ(b)に供給されたポリサルファイドの少なくとも約
    30%が蒸煮終了後に使用済み液中にもとの状態のまま残存するように、第2の
    蒸煮液を用いて1段階以上の蒸煮段階で該セルロース系繊維材料を蒸煮するステ
    ップであって、該第2の蒸煮液が、該セルロース系繊維材料を蒸煮するために利
    用される有効アルカリ全体の少なくとも約40%を提供する、ステップと、 (c)上記のもとの状態のままのポリサルファイドと硫化物化合物とを含有す
    る使用済み蒸煮液を該蒸煮ステップ(b)から取り出すステップと、 (d)硫化水素を含有する第1のガスストリームを形成すべく、ステップ(c
    )から取り出された使用済み蒸煮液の少なくとも一部分または該含浸ステップ(
    a)の後で取り出された使用済み液の少なくとも一部分をガス化リアクタ中でガ
    ス化するステップと、 (e)硫化水素と二酸化炭素とを含有する酸性ガスストリームを形成すべく、
    該第1のガスストリームを処理するステップと、 (f)元素硫黄の高温液体ストリームを提供する条件下で該酸性ガスストリー
    ムを反応させるステップと、 (g)該高温液体の元素硫黄ストリームの少なくとも一部分を硫化物含有アル
    カリ性液と、該元素硫黄が該硫化物と反応してポリサルファイドを形成する条件
    下で混合し、これにより、実質的にチオ硫酸塩を含まないアルカリ性ポリサルフ
    ァイド液を形成するステップと、 (i)ステップ(g)から得られた該アルカリ性ポリサルファイド液の少なく
    とも一部分を該第2の蒸煮液に添加するかまたはステップ(b)の該1段階以上
    の蒸煮段階に直接添加するステップと、 (j)ステップ(h)において該使用済み蒸煮液より供給されるポリサルファ
    イドの量が、該含浸段階において所望のポリサルファイド濃度を提供するのに十
    分な量よりも少ない場合、該含浸段階において所望のポリサルファイド濃度を提
    供すべく、該ポリサルファイド液の一部分を該第1の蒸煮液に添加するかまたは
    該含浸ステップ(a)に直接添加するステップと、 を含む、プロセス。
  12. 【請求項12】 前記アルカリ性液が白液を含む、請求項11に記載のプロ
    セス。
  13. 【請求項13】 前記アルカリ性液が緑液を含む、請求項11に記載のプロ
    セス。
  14. 【請求項14】 前記蒸煮条件が、前記蒸煮ステップ(b)に供給されたポ
    リサルファイドの少なくとも約40%が蒸煮終了後に前記使用済み液中にもとの
    状態のまま残存するという条件である、請求項11に記載のプロセス。
  15. 【請求項15】 前記所望のポリサルファイド濃度が、炭水化物を安定化さ
    せるのに十分である、請求項11に記載のプロセス。
  16. 【請求項16】 前記蒸煮条件が、約120〜約150ECの温度での蒸煮
    を含む、請求項11に記載のプロセス。
  17. 【請求項17】 前記蒸煮条件が、約140〜約145ECの温度での蒸煮
    を含む、請求項11に記載のプロセス。
  18. 【請求項18】 前記アルカリ性ポリサルファイド液の約20%以下が前記
    含浸ステップ(a)に添加され、前記アルカリ性ポリサルファイド液の約80%
    以上が前記蒸煮ステップ(b)に添加される、請求項11に記載のプロセス。
  19. 【請求項19】 前記ステップ(g)が、少なくとも5グラム/リットル、
    好ましくは約10〜約100グラム/リットルのポリサルファイド濃度を有する
    前記アルカリ性液を提供すべく行われる、請求項11に記載のプロセス。
  20. 【請求項20】 前記ステップ(g)が、約15〜約40グラム/リットル
    のポリサルファイド濃度を有する前記アルカリ性液を提供すべく行われる、請求
    項11に記載のプロセス。
  21. 【請求項21】 前記ステップ(d)で前記使用済み液の前記一部分をガス
    化処理にかける前に、前記使用済み蒸煮液の一部分を約70〜約85%の乾燥固
    形分含量になるまで濃縮するステップを更に含む、請求項11に記載のプロセス
  22. 【請求項22】 前記ガス化リアクタに仕込まれた硫黄化合物の少なくとも
    約20%が前記ガスストリーム中の硫化水素として回収される条件下で前記使用
    済み液の一部分をガス化リアクタ中でガス化するステップを更に含む、請求項1
    1に記載のプロセス。
  23. 【請求項23】 前記含浸ステップ(a)の後に約130〜約150ECの
    温度において約5〜約30分間にわたり前記セルロース系材料をスチーミングす
    るステップを更に含む、請求項11に記載のプロセス。
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