JP2003526535A - 孔領域と開口部間の高流束のための液体輸送部材 - Google Patents

孔領域と開口部間の高流束のための液体輸送部材

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Abstract

(57)【要約】 本発明は液体処理能力が著しく向上した液体輸送部材であり、該部材は少なくとも1つのバルク領域と、前記バルク領域を完全に包囲する壁領域とを有し、該壁領域は、膜ポート領域と開口ポート領域とを備え、これによりバルク領域は膜ポート領域の平均流体透過性kよりも高い平均流体透過性kを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、高い流量および/または流束を要求する広範囲の用途において有用
である液体輸送部材であって、液体がそのような部材を介して輸送されることが
できるか、および/またはそのような部材内に、あるいはそのような部材から輸
送されることができる液体輸送部材に関する。そのような部材は多数の用途に適
している。そうした用途としては、灌漑、スピル吸収剤、油/水分離装置などが
挙げられるが、これらに限定されることはない。本発明は、前記液体輸送部材を
備える液体輸送システムおよびそれらを利用する物品にも関する。
【0002】 発明の背景 ある場所から別の場所への液体の輸送の必要性は周知の問題である。
【0003】 一般に、液体ソースから液体輸送部材を介して液体シンク(溜まり)へ、たと
えば、受け槽からパイプを介して別の受け槽へという場面で輸送を行うことにな
る。受け槽間で位置エネルギーが異なる(静水高など)こともあるだろうし、輸
送システム内における摩擦エネルギーの損失、たとえば輸送部材内などにおいて
、特に該輸送部材の長さがその直径に対して有意に長い場合などにそうした損失
が起こることもある。
【0004】 この一般的な液体輸送の問題に対して、そうしたエネルギーの差や損失を克服
して液体が流れるようにするために、圧力差を作り出す多くの取り組みがなされ
ている。広く用いられている原理は、ポンプなどの機械的エネルギーを用いるも
のである。しかしながら、静水高の差(重力推進流)を利用したり、毛管効果(
しばしば滲出(wicking)と呼ばれる)を介するなどして、ポンプを用い
ずにそのようなエネルギーの損失や差を克服することが望ましいことも多い。
【0005】 そのような用途の多くにおいて、液体を高速で、すなわち高流量(時間あたり
の体積)または高流束(単位断面積あたりの時間あたりの体積)で輸送すること
が望ましい。
【0006】 液体輸送要素または部材の用途に対する例は、EP−A−0,439,890
号に記載されているような水灌漑などの分野、あるいは、プルオン式、またはテ
ープなどの固定用要素を有するタイプのベビー用おむつ、トレーニングパンツ、
大人用失禁用品、女性用生理用品などの吸収剤物品などのための衛生分野におい
て見出される。
【0007】 そのような液体輸送部材の周知で広く用いられている実施は、液体が重力に逆
らって滲出する吸い取り紙のような繊維材料などの毛管フロー部材である。典型
的には、そのような材料は、特にさらなる要件として滲出高さが付加された場合
に、その流量および/または流束に限界がある。たとえば吸収体における利用に
特に有用な、特に滲出高さにおける高い流束に向けられた改良が、EP−A−0
,810,078に記載されている。
【0008】 他の毛管フロー部材は、繊維でなくてもよいが、連続気泡フォームなどの多孔
構造のものである。特に水性液体を扱うためには親水性ポリマーフォームが記載
されており、特に、いわゆる高内部相エマルション(HIPE:High In
ternal Phase Emulsion)重合プロセスによって製造され
た親水性連続気泡フォームがUS−A−5,563,179号およびUS−A−
5,387,207号中に記載されている。
【0009】 しかしながら、そのような実施に対して様々な改良がなされてきたにも拘らず
、いまだ液体輸送部材の液体輸送特性を著しく高める必要が残されている。
【0010】 特に、液体を非常に高い流束で重力に逆らって輸送することのできる液体輸送
部材を得ることが望まれるであろう。
【0011】 液体の組成が均一でない(水中塩溶液など)、あるいはその相が均一でない(
液体/固体懸濁液など)ような状況においては、液体をその全部またはその一部
で輸送することが望ましい場合がある。それらの選択的輸送機構に対する多くの
取り組みとしては、たとえば濾過技術などにおけるものが周知である。
【0012】 たとえば、濾過技術は、ある部材が、別の物質または相に比べてある物質また
は相に対してより高いまたは低い透過性を有することを利用したものである。こ
の分野においては、特に、いわゆるマイクロ、ウルトラ、ナノ濾過にも関係する
多数の技術が存在する。最近の刊行物のいくつかを以下に挙げる。
【0013】 メルトブロウン繊維フィルタに関係しているUS−A−5,733,581号
; 不織燃料フィルタに関係しているUS−A−5,728,292号; 膜フィルタシステムに関係しているWO−A−97/47375号; 膜フィルタシステムに関係しているWO−A−97/35656号; モノリシック膜構造物に関係しているEP−A−0,780,148号; 親油性フィルタ構造物に関係しているEP−A−0,773,058号。
【0014】 そのような膜は、吸収剤システムにおいて使用されることも開示されている。
【0015】 US−A−4,820,293号(Kamme)には吸収体が開示されており
、該吸収体は圧定布または包帯内に用いられており、本質的に均一な1つの材料
からなるジャケットに包囲された流体吸収材料を有している。流体はジャケット
の任意の部分を介して吸収体に流入することができるが、液体が吸収体から流出
するためには何の手段も予見されていない。
【0016】 ここで、流体吸収材料は浸透性を有するものであってもよいし、あるいは、半
透過性膜、たとえば、0.001μmと20μmの間、好ましくは0.005μ
mと8μmの間、特に約0.01μmの孔径を有する、セルロース、再生セルロ
ース、セルロースニトレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートブ
チレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ガラス繊維、ポリスルホン、または
ポリテトラフルオロエチレンなどに包囲されたゲル形成吸収性物質であってもよ
い。
【0017】 そのようなシステムにおいて、膜の透過性は、吸収された液体は透過すること
ができるが、吸収材料は保持されるように設計される。
【0018】 したがって、以下に説明するように、高い透過性kと小さい厚みdを有し、層
の高い液体導通性k/dを達成する膜を使用することが望ましい。
【0019】 このことは、膜がより大きな孔を有し、結果として膜透過性kを大きくするこ
とができるように、より高い分子量を有する促進剤(たとえば、分子量40,0
00のポリビニルピロリドンなど)を組み込むことによって達成される。ここに
記載されるこの適用例に対して有用な最大孔径は0.5μm未満であり、約0.
01μm以下であることが好ましい。例示された材料は、3〜7×10−14
の範囲のk/d計算値を与える。
【0020】 このシステムはかなり遅速であるので、吸収体は流体の迅速な放出のために、
従来の捕捉手段などの液体捕捉手段をさらに備えて、流体がゆっくりと吸収され
る前に該流体を暫定的に貯蔵しておくようにすることもできる。
【0021】 吸収剤パケットにおけるさらに別の膜適用例が、US−A−5,082,72
3号、EP−A−0,365,565号、またはUS−A−5,108,383
号(White;Allied−Signal)に開示されている。
【0022】 ここでは、浸透促進剤、すなわちNaClなどの高イオン強度材料、あるいは
、グルコースやスクロースなどの他の高浸透性材料が、セルロース性フィルムな
どからなる膜の内部に配置されている。上記開示と同様に、流体はジャケットの
任意の部分を介して吸収体に流入することができるが、吸収体から液体を流出さ
せるためのいかなる手段も考えられていない。これらのパケットが尿などの水性
液体に接触すると、促進剤は膜を介して液体を引き込む浸透推進力与える。膜は
、促進剤に対する低い透過性を有することを特徴とし、パケットは0.001m
l/cm/分の典型速度を達成する。ここに開示される膜に対する膜導通性k
/d値を計算すると、約1〜2×10−15mという値が得られる。このような
適用例に対して有用な膜の必須特性は「塩保持性」であり、すなわち、膜は液体
を容易に通過させるものであると同時に、パケット内に相当量の促進剤材料を保
持しなければならない。この塩保持性の要件が孔径に制限を与え、これが液体の
流量を制限する。
【0023】 US−A−5,082,723号(Grossら)は、アクリル酸とアクリル
酸ナトリウムとのコポリマーなどの超吸収材料によって包囲されたNaClなど
の浸透材料を開示しており、これによって吸収性を高める、たとえば「グラムあ
たりグラム」に基づく吸収容量および吸収速度を高めるということを目的として
いる。
【0024】 全体的にみて、そのような流体処理部材は、液体の吸収性を高めるために用い
られてきたものであり、非常に限られた流体輸送能力しか有していなかった。
【0025】 したがって、特に液体輸送システム内の流量および/または流束を高めるため
に、液体輸送特性を高める必要がいまだに残されている。
【0026】 発明の概要 本発明は、少なくとも1つのバルク領域と、該バルク領域を完全に包囲する壁
領域とを備える液体輸送部材であって、壁領域が少なくとも1つの膜ポート領域
と、少なくとも1つの開口ポート領域とをさらに備え、バルク領域は、膜ポート
領域の平均流体透過性kよりも高い平均流体透過性kを有している液体輸送
部材である。好ましくは、バルク領域は少なくとも10−11、あるいは、
少なくとも10−8、より好ましくは少なくとも10−7、最も好まし
くは少なくとも10−5の流体透過性を有している。膜ポート領域は、好ま
しくは少なくとも6×10−20、あるいは、少なくとも7×10−18 、より好ましくは少なくとも3×10−14、さらにより好ましくは少な
くとも1.2×10−11、さらには少なくとも7×10−11、最も
好ましくは少なくとも10−9の流体透過性を有している。
【0027】 本発明に従う液体輸送部材は、膜ポート領域に対して、少なくとも3×10 15 m、好ましくは少なくとも7×10−14m、より好ましくは少なくとも3
×10−10m、さらにより好ましくは少なくとも8×10−10m、さらに好
ましくは少なくとも5×10−7m、最も好ましくは少なくとも10−5mの、
流体輸送方向の厚みに対する流体透過性の比k/dを有していてもよい。
【0028】 特定の構成において、本発明に従う液体輸送部材は、該部材が意図された用途
のために配置される場合に、膜ポート領域が前記開口ポート領域の上方にくるよ
うに配置される。
【0029】 本発明に従う液体輸送部材のさらなる実施形態において、開口ポート領域は、
バルク領域内の液体中で形成される気泡の対応する直径dよりも小さい、6m
m未満、好ましくは4mm未満、より好ましくは2mm未満の内径を有する開口
部である。
【0030】 本発明の他の態様において、液体輸送部材は、少なくとも10、好ましくは少
なくとも100、より好ましくは少なくとも1000、さらにより好ましくは少
なくとも10000の、膜ポート領域の透過性に対するバルク領域の透過性の比
を有していてもよい。
【0031】 本発明の液体輸送部材のさらに別の態様において、膜ポート領域は、72mN
/mの表面張力値を有する液体で測定した場合に、少なくとも1kPa、好まし
くは少なくとも2kPa,より好ましくはは少なくとも4.5kPa、さらによ
り好ましくは8kPa、最も好ましくは50kPaのバブルポイント圧力を有す
るか、あるいは、33mN/mの表面張力値を有する液体で測定した場合に、少
なくとも0.67kPa、好ましくは少なくとも1.3kPa,より好ましくは
は少なくとも3.0kPa、さらにより好ましくは5.3kPa、最も好ましく
は33kPaの泡立ち点(バブルポイント)圧力を有している。
【0032】 本発明に従う液体輸送部材は、好ましくは、バルク領域の平均孔径と膜ポート
領域の平均孔径との比が少なくとも10、好ましくは少なくとも50、より好ま
しくは少なくとも100、さらにより好ましくは少なくとも500、最も好まし
くは1000となるように、膜ポート領域よりも大きな平均孔径を有するバルク
領域を有していてもよい。液体輸送部材は、少なくとも200μm、好ましくは
少なくとも500μm、より好ましくは少なくとも1000μm、最も好ましく
は少なくとも5000μmの平均孔径を有するか、あるいは少なくとも50%、
好ましくは少なくとも80%、よりこの好ましくは少なくとも90%、さらによ
り好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%の有孔率を有
するバルク領域を有していてもよい。
【0033】 特定の設計において、本発明に従う液体輸送部材は、壁領域によって包囲され
た空隙であるバルク領域によって構成されていてもよい。
【0034】 本発明のさらなる態様において、本発明に従う液体輸送部材は、少なくとも1
0%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、最も好
ましくは50%の有孔率、あるいは100μm以下、好ましくは50μm以下、
より好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下の平均孔径を有する膜
ポート領域を有していてもよい。他の態様において、膜ポート領域は、少なくと
も1μm、好ましくは少なくとも3μm、の孔径を有している。さらに、膜ポー
ト領域は、100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm
以下、最も好ましくは5μm以下の平均厚みを有していてもよい。
【0035】 本発明のさらに別の態様において、液体輸送部材は、体積比が少なくとも10
、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも1000、さらによ
り好ましくは少なくとも10000のバルク領域と壁領域とを有していてもよい
【0036】 本発明のさらに別の態様において、液体輸送部材は、好ましくは、70度未満
、好ましくは50度未満、より好ましくは20度未満、さらより好ましくは10
度未満の輸送すべき液体に対する接触角を有することにより、親水性膜ポート領
域を有している。特定の態様において、この膜ポート領域は、輸送すべき液体の
液体表面張力を実質的に低下させることはない。
【0037】 本発明の他の実施形態において、液体輸送部材は、好ましくは、70度未満、
好ましくは50度未満、より好ましくは20度未満、さらにより好ましくは10
度未満の液体に対する接触角を有することにより、親油性膜ポート領域を有して
いる。
【0038】 特定の実施形態において、液体輸送部材の形状はシート状であってもよく、あ
るいは円筒形状を有しており、膜ポート領域は、液体の輸送方向に沿った部材の
平均断面よりも大きい面積を有していてもよく、その大きさは、好ましくは少な
くとも2倍、好ましくは10倍、最も好ましくは100倍である。
【0039】 本発明に従う液体輸送部材は、液体の接触によって膨張し、液体の除去によっ
て潰れる材料からなるものであってもよい。
【0040】 特に、本発明に従う液体輸送部材のバルク領域は、繊維、粒子、フォーム、ス
パイラル、フィルム、波形板、またはチューブから成る群より選択される材料か
らなるものであってよく、壁領域は、繊維、粒子、フォーム、スパイラル、フィ
ルム、波形板(波形シート)、チューブ、織られているウエブ、織られている繊
維メッシュ、開口フィルム、またはモノリシックフィルムから成る群より選択さ
れる材料からなるものであってよい。そのような実施形態のためのフォームは、
連続気泡網状フォームであってもよく、好ましくは、セルロース、スポンジ、ポ
リウレタンフォーム、HIPEフォームからなる群より選択され、繊維は、ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリアクリリック、ポ
リウレタン、金属、ガラス、セルロース、セルロース誘導体から製造されるもの
であってよい。
【0041】 本発明に従う液体輸送部材は、別個の壁領域によって包まれた多孔性バルク領
域によって製造されるものであってもよい。
【0042】 本発明のさらなる実施形態において、液体輸送部材は多孔領域内などに水溶性
材料を備えていてもよい。
【0043】 本発明に従う液体輸送部材は、水を基礎とした液体または粘性液体の輸送用と
して、あるいは油、グリース、または水を基礎としない他の液体の輸送用として
適用することができる。
【0044】 本発明に従う液体輸送部材の他の態様において、好ましくは、液体、pH、温
度、酵素、化学反応、塩濃度との接触による活性化、または機械的活性化によっ
て、部材の特性またはパラメータを液体処理前または処理時に確立している。
【0045】 さらに他の態様において、本発明は、上述のような液体輸送部材を備え、液体
輸送部材の外部に液体ソース(源)および液体シンク(溜まり)をさらに備えた
液体輸送システムに関する。特定の態様において、開口ポート領域はシンクまた
はソースの液体に浸漬される。
【0046】 本発明に従う液体輸送システムは、要求吸収性試験(Demand Abso
rbency Test)に供した場合に少なくとも5g/g、好ましくは少な
くとも10g/g、より好ましくは少なくとも50g/gの吸収容量を有するよ
うな、あるいは、ティバッグ遠心容量(Teabag Centrifuge
Capacity)に供した場合に、シンク材料の重量に対して少なくとも10
g/g、好ましくは少なくとも20g/g、より好ましくは少なくとも50g/
gの吸収容量を有するシンク材料を備えることにより、液体の吸収に特に適して
いる。液体輸送システムは、超吸収性材料または高内部相エマルション(HIP
E)タイプの連続気泡フォームを備えていてもよい。任意により、液体輸送シス
テムは従来の機械的パルプを備えていてもよい。
【0047】 本発明のさらなる態様は、上述のような液体輸送部材または液体輸送システム
を備える物品に関する。そのような物品は、グリース吸収体、または水輸送部材
として適していると考えられる。
【0048】 発明の詳細な説明 一般的定義 本明細書中の用語「液体輸送部材」は、液体を輸送することのできる材料また
は複合材料のことをいう。そのような部材は、少なくとも2つの領域、すなわち
「内側」領域と(この領域に対しては「バルク」領域という用語も互換的に用い
ることができる)、少なくとも2つの「ポート」領域を備える壁領域とを含み、
前記少なくとも2つの「ポート」領域のうちの一方は、透過性膜を備える膜ポー
ト領域であり、他方は開口部などの開口ポート領域である。用語「内側」または
「外側」は、領域の相対位置のことをいうものであり、すなわち、壁領域がバル
ク領域が包囲するといったように、外側領域が一般に内側領域を包囲することを
意味している。
【0049】 本明細書中の用語「Z寸法」は、液体輸送部材または物品の長さおよび幅方向
に直交する寸法のことをいう。Z寸法は、通常、液体輸送部材または物品の厚み
に相当する。本明細書中の用語「X−Y寸法」は、部材または物品の厚みに直行
する平面のことをいう。X−Y寸法は、通常、それぞれ液体輸送部材または物品
の長さおよび幅に相当する。(部材を球座標または円柱座標で記述した場合に)
他の方向に比べて半径方向にかなり延びが小さい部材の場合、その部材に対して
は「層」という用語も適用することができる。たとえば、本文中では風船の膜は
層と考えられ、この膜が壁領域を規定することになり、中央に充満する空気が内
部領域ということになる。
【0050】 本明細書中の用語「層」は、その基本寸法がX−Y、すなわちその長さおよび
幅に沿っている領域のことをいう。用語「層」は、必ずしも単一の材料層または
シートに限定されないことを理解すべきである。したがって、層は、要求される
種類の材料のいくつかのシートまたはウェブの積層物または組み合わせを含んで
いてもよい。したがって、用語「層(layer)」は、用語「層(layer
s)」または「積層(layered)」も包含する。
【0051】 本発明の目的のために、用語「上方の」は、意図された使用時において、上方
に配置される(すなわち、重力ベクトルに逆らう方向に向けられている)層など
の部材または物品のこと指すことも理解すべきである。たとえば、「下方の」リ
ザーバから「上方の」リザーバに液体を輸送するように設計された液体輸送部材
に対しては、これは、重力に逆らって輸送されること意味することになる。この
用語をたとえば吸収体に適用する場合には、この用語は意図された使用時におい
て、上方の要素が装用者に向けて配置されていることを意味する。
【0052】 本明細書中で用いるすべての百分率、比率および割合は、特に規定しない限り
重量によって計算されている。
【0053】 本明細書中の用語「吸収体」は、体排泄物を吸収して収容する装置のことをい
い、具体的には、装用者の体に当てるか、またはその近傍に配置されて、体から
排出される様々な排泄物を吸収し、収容する装置のことをいう。本明細書中の用
語「体液」は、尿、月経および膣排泄物、汗、および糞便を含むが、これらに限
定されることはない。
【0054】 用語「使い捨て」は、本文中では、洗濯されることが意図されていない、もし
くは吸収体として復元または再使用されることが意図されていない吸収体のこと
を指している(すなわち、それらは使用後に廃棄されることが意図されており、
好ましくは、リサイクルされるか、コンポスト化されるか、あるいは環境に適合
する方法で廃棄されることが意図されている)。
【0055】 本明細書中の用語「吸収性コア」は、体液の捕捉、輸送、分配および貯蔵を含
む吸収体の流体処理特性に主に関与している吸収性物品のことをいう。ただし、
吸収性コアは、典型的には吸収体のトップシートまたはバックシートを含まない
【0056】 部材または材料は、有孔率などのある一定の構造を有するものとして記述する
ことができる。有孔率は、部材または材料の全容積に対する部材または材料の固
体物の容積の比率によって定義される。たとえば、ポロプロピレン繊維からなる
繊維構造に対しては、有孔率は、構造の比重量(密度)、厚さおよびポリプロピ
レン繊維の比重量(密度)から計算することができる。
【0057】 V空隙/V全体=(1−ρバルク/ρ材料) 用語「活性化可能な」は、ある手段によってある能力が制限されている状況の
ことをいい、この手段を解除することにより、機械的反応などの反応が起こるよ
うな状況のことをいう。たとえば、クランプによってバネが保持されている場合
(活性化可能であると考えられる)、クランプを解放することにより、バネが伸
長することになる。弾性挙動を示すそのようなバネまたは他の部材、材料または
システムに対しては、当該技術分野において周知のように、伸びは弾性係数によ
って定義される。 基本原理および定義 従来の毛管フローシステムにおける液体輸送機構。
【0058】 以下のいずれかの説明と結びつけなくとも、本発明の基本的機能機構は、従来
の毛細管流材料との比較によって最もうまく説明することができる。
【0059】 液体輸送が推進力としての毛管圧に基づいている材料において、液体が孔の表
面に相互作用することにより、当初は乾燥している孔内に液体が引き込まれる。
液体が孔に充満して、それらの孔内の空気と入れ替わる。そのような材料が少な
くとも部分的に飽和され、その材料の少なくとも1領域にさらに静水、毛管、ま
たは浸透吸引力が与えられた場合、その吸引圧が材料の孔内の液体を保持する毛
管圧よりも大きければ、液体は脱着する(たとえば、J.ベア(Bear)、ハ
イファ(Haifa)による「多孔媒体内の液体の動力学(Dynamics
of fluids in porous media)」(Dover Pu
blications Inc.,NY,1988)を参照)。
【0060】 脱着が起こると、そのような従来の毛細管流材料の孔には空気が流入する。さ
らなる液体が利用できる場合には、この液体が毛管圧によって再度引き込まれる
こともできる。したがって、従来の毛細管流材料が一方端において液体ソース(
たとえばリザーバ)に連結され、他端において液体シンク(たとえば静水学的吸
い込み(hydrostatic suction))に連結されている場合、
この材料を介する液体輸送は、材料を通過する液体に対して内部推進力を与える
液体/空気界面における毛管圧による、個々の孔の吸収/脱着および再吸収サイ
クルに基づく。
【0061】 このことは、本発明に従う輸送部材を介しての液体の輸送機構とは対照的であ
る。 サイフォンからの類推 本発明の機能に対する簡単な説明は、まずこれを、配水システムからの横たわ
るS字形の配管(101)として周知のサイフォン(図1を参照)と比較するこ
とから始める。その原理は、一旦、配管(102)が液体(103)で満たされ
ると、一方端からサイフォンに流入してくるさらなる液体(106で示される)
の受け入れによって、ほとんど即座に他方端において液体がサイフォンから流出
(107で示される)する。これは、前記サイフォンの入口地点と出口地点との
間に圧力差がある場合には、サイフォンが圧縮不可能な液体によって満たされて
いるために、流入してくる液体が即座にサイフォン内の液体と置き換わって、他
方端の液体をサイフォンから流出させるためである。そのようなサイフォンにお
いて、液体は開放表面入口および出口「ポート領域」(それぞれ104および1
05で示される)を介してシステムに流入またはシステムから流出する。
【0062】 液体をサイフォンに沿って移動させる推進圧は、様々な機構を介して得ること
ができる。たとえば、入口が出口よりも高い位置にある場合、重力によって、シ
ステム内の液体流を発生させる静水圧差が生み出される。
【0063】 あるいは、出口ポートが入口ポートよりも高く、液体を重力に逆らって輸送し
なければならない場合には、静水圧差よりも大きな外圧差が与えられた場合にの
み、液体はこのサイフォン内を流れることができる。たとえば、ポンプによって
、このサイフォン内で液体を移動させるのに十分な吸引力または圧力を発生させ
ることができる。したがって、サイフォンまたはパイプを通過する液体流は、入
口および出口ポート領域間の全体の圧力差によって引き起こされる。このことは
、ベルヌーイの式で表されるような周知のモデルによって説明することができる
【0064】 この原理からの本発明の類推が、1つの特別の実施形態として図2に模式的に
示されている。この図において、液体輸送部材201はS字形である必要はなく
、直管(202)であってもよい。図面に描かれているように、輸送部材の入口
が膜ポート材料(204)によって覆われており、出口が開口ポート領域(20
5)である場合には、該開口ポート領域が液体に浸漬されていているにせよ、あ
るいは後で検討する特定の要件を満足する必要があるにせよ、この液体輸送部材
は液体(203)によって満たされることができる。入口ポート材料(204)
を容易に貫通するさらなる液体を受け取ると(206で示される)、液体(20
7)が即座に開放出口ポート領域を介して、出口領域(205)を通って部材か
ら流出する。
【0065】 したがって、原理上の大きな違いは膜ポート領域が開放されていないことであ
るが、後で詳細に説明するような、空気またはガスが輸送部材に貫入することを
防止する特別の透過性要件は満たしており、したがって輸送部材は液体を充満さ
せておくことができる。
【0066】 本発明に従う液体輸送部材は、1つまたはそれ以上の液体ソースおよび/また
はシンクと組み合わされて、液体輸送システムを構成することができる。そのよ
うな液体ソースまたはシンクは、入口および/または出口領域などにおいて輸送
部材に装着することもできるし、あるいはシンクまたはソースは部材と一体化さ
せることもできる。液体シンクは、たとえば、輸送部材の体積が膨張可能で、輸
送された液体を受容することができる場合には、輸送部材と一体化させることが
できる。
【0067】 液体輸送システムと比較したさらに別のサイフォンシステムからの簡単な類推
が、図3の(A)(サイフォン)および図3の(B)(本発明)に示されている
。反転U字形(またはJ字形)の開放端(303)を有する従来のチューブまた
はパイプによって、液体(ソース)リザーバ(301)を下方の(重力方向)液
体(シンク)リザーバ(302)に連結した場合、上方端を液体に浸漬すること
によってチューブが液体で充満されている場合にのみ、液体は上方のリザーバか
ら下方のリザーバに流れることができる。上方端(305)を液体から除外する
などによってパイプに空気が流入することができた場合、輸送は中断され、機能
を再開するためにはチューブを再度充満させなければならない。
【0068】 本発明に従う液体輸送部材は、輸送部材の端部、後で詳細に説明するように特
別の透過性要件を有する膜ポート材料を備える入口(305)および出口ポート
(306)、および、唯一の開口ポート領域を除いては、類推構成におけるもの
と非常に類似しているように思われる。入口および出口材料は、空気またはガス
が輸送部材に貫入することを防ぐことにより、入口が液体ソースリザーバに浸漬
されていない場合にも液体輸送容量を維持している。輸送部材が液体ソースリザ
ーバに浸漬されていない場合には、液体輸送は明らかに停止するが、再度浸漬さ
れると即座に開始することができる。
【0069】 より広い観点からいえば、本発明は毛管現象にではなく直接吸引に基づいた液
体輸送に関連している。ここで、液体は、実質的に一切の(あるいは少なくとも
有意量ではない)空気(または他のガス)を通過させて部材に流入させない領域
を介して輸送される。液体流をそのような部材を通過させるため推進力は、該部
材と液体連通する液体シンクまたは液体ソースによって、内部または外部から生
み出されることができる。
【0070】 本発明には多くの実施形態があり、そのうちのいくつかについて以下で詳細に
検討する。たとえば、入口および/または出口ポート材料が入口またはバルク領
域とは明確に異なっているような部材も可能であるし、特性が徐々に変化するよ
うな部材も可能であるし、あるいは、ソースまたはシンクが輸送部材と一体化さ
れているような部材の実施形態、あるいは流入する液体と部材から流出する液体
の種類または特性が異なっているような部材の実施形態も可能である。
【0071】 いずれにせよ、すべての実施形態は、輸送される液体に対する透過性が、入口
/バルク領域とは異なった入口または出口ポート領域によるものである。
【0072】 本発明の文脈中における用語「液体」は、連続した液体相からなる流体のこと
をいい、懸濁液、エマルションなどを形成するために、任意により非混和性液体
層、固体またはガスなどの不連続相を含んでいる。液体は組成が均一なものであ
ってもよいし、非混和性液体の混合物であってもよいし、固体またはガスを液体
に溶解した溶液であってもよい。本発明に従う部材を介して輸送することのでき
る液体の非限定的例としては、純粋または添加剤または混入物を含む水、塩溶液
、尿、血液、月経液、広範な粘稠度および粘度を有する糞便物、油、食用グリー
ス、ローション、クリームなどが含まれる。
【0073】 用語「輸送される液体」または「輸送液体」は、実際に輸送部材によって輸送
される液体のことをいい、すなわちこれは均一相全体であってもよいし、溶解物
質を含む相中の溶媒、たとえば水性塩溶液の水であってもよいし、あるいは、多
成分または多相液体の全体であってもよい。今後、様々な実施形態に対して、ど
の溶液に対してそれぞれの液体特性、たとえば表面エネルギー、粘度、密度など
が関与しているかが容易に明らかになるであろう。
【0074】 たいていの場合、液体輸送部材に流入する液体は、部材から流出するか、ある
いは該部材中に貯蔵される液体と同じ種類のものであるが、必ずしもそうである
必要はない。たとえば、液体輸送部材が水性液体で充満されている場合に、適切
な設計において、油状の液体が部材によって受け取られると、まず水相が部材か
ら流出するかもしれない。この場合、水相は「交換可能な液体」と考えることが
できるだろう。 輸送部材領域の幾何学的説明 本発明の意義において、液体輸送部材は、少なくとも2つ−すなわち、「バル
ク領域」と、少なくとも1つの液体透過性「膜ポート領域」と1つの「開口ポー
ト領域」とを備える「壁領域」とを備えていなければならない。幾何学的形態お
よび特にバルク領域を完全に包囲する壁領域の要件は、以下の説明によって定義
され(図4を参照)、これは、ある一時点、一地点における輸送部材を考慮に入
れている。
【0075】 バルク/内側領域(403)および壁領域(404)は明確に異なるものであ
り、外側領域(すなわち「残りの領域」)に対してだけでなく、互いに対しても
幾何学的に重なる領域がない。これは、以下の特徴(図4を参照)によって定義
することができる。すなわち、どの点も1つの領域にしか属することができない
【0076】 バルク領域(403)は連結されており、すなわち内部領域(403)内の任
意の2点A’およびA’’に対して、バルク領域(403)を離れることのない
2点を連結する少なくとも1つの連続した(湾曲状または直線状)が存在する。
【0077】 バルク領域(403)内の任意の点Aに対して、少なくとも直径2mmの円形
厚みを有するすべての直線状の棒状射線が壁領域(404)と交差する。一本の
直線射線は、点Aを光源とし、射線を光線とした類推において幾何学的意味を有
するが、これらの射線は最小の幾何学的「厚み」を有していなければならない(
そうでなければ、ポート領域(405)の孔開口部を通過できるような線のよう
なもの)。この幾何学的厚みは2mmに設定されるが、勿論これは点Aの近傍に
おける近似であると考えられるべきである(そのような棒状射線と一致するよう
な三次元的延長を有していない)。
【0078】 壁領域(404)は、バルク領域(403)を完全に包囲する。したがって、
バルク領域(403)に属する任意の点A、および外側領域に属するCに対して
、どの連続する湾曲ロッドも(連続する湾曲線に対す類推における、しかしなが
ら直径2mmの円形厚みを有する)、壁領域(404)と交差する。
【0079】 ポート領域(405)は、バルク領域(403)を外側領域と連結し、ポート
領域(405)に交差する2mmの円形厚みを有する少なくとも1つの連続する
湾曲ロッドが存在する。
【0080】 用語「領域」は、任意の形状でありうる三次元領域のことをいう。必ずではな
いが、たいていの場合、領域の厚みは、その領域が薄膜などの平坦構造物に見え
るように薄い。たとえば、膜はフィルム状で用いることができ、その有孔率に応
じて100μmかそれよりもはるかに薄い厚みを有することができ、したがって
これに直交する膜の延長範囲(すなわち長さおよび幅の寸法)よりもはるかに短
い。
【0081】 壁領域は、たとえば重畳配置で、すなわち壁領域材料のある部分が封止などに
よって互いに接触するか若しくは互いに接続されるようにして、バルク領域の周
りに配置することができる。ここでこの封止は、部材の機能を阻害するのに十分
の大きさの開口部を有していてはならず、すなわち、封止線は(不透過性)壁領
域または壁領域のいずれかに属するものと考えられる。
【0082】 領域は、少なくとも1つの特性を有することにより、この領域のサブ領域の共
通の機能を定義するために、ある限界内に留まるように説明することができるが
、この領域内において他の特性が変化していてもよい。
【0083】 本説明中において、用語「領域(regions)」は、用語「領域(reg
ion)」も包含するものと解釈されるべきである。すなわち、ある部材がある
「領域(regions)」を備える場合、とくに明示しない限り、この用語に
はただ1つのそのような領域を備えるという可能性も含まれる。
【0084】 「ポート」および「バルク/内側」領域は、たとえば一方の領域に対しては空
隙、他方の領域に対しては膜といったように、互いに容易に区別することができ
るか、あるいは、これらの領域は以下に説明するようにある関連するパラメータ
に対して段階的な推移を有することもある。したがって、本発明に従う輸送部材
は、少なくとも「内側領域」の要件を満たす1つの領域と、「膜ポート領域」の
要件を満たす1つの領域と(これは実際には他の二次元における延長に対して非
常に小さい厚みしか有しないこともあり、したがって体積としてよりも表面とし
て見られる)を有することが必須である。
【0085】 したがって、液体輸送部材に対しては、輸送経路は、ポート領域に流入する液
体とポート領域から流出する液体の経路として定義することができ、液体輸送経
路はバルク領域を通過する。輸送経路は、ポート領域に流入し、輸送部材の内側
領域内に一体化された液体貯蔵領域に流入する液体の経路として定義することも
できるし、あるいは、輸送部材の内側領域内の液体放出ソース領域から出口ポー
ト領域への液体の経路としても定義することができる。
【0086】 液体輸送部材の輸送経路は相当の長さのものであってもよく、100mを越え
る長さであることも想定することができるが、一方で、液体輸送部材は、数ミリ
メートル以下という非常に短いものであってもよい。本発明では高輸送速度を与
えるとともに、大量の液体を輸送できることが特に有益であるが、後者について
は必要要件ではない。たとえば、輸送部材に沿った別の地点において信号に対す
る特定の反応を引き起こすために、システムが液体の形の信号を伝達するために
用いられる場合など、ほんの少量の液体が比較的短時間の間に輸送されることも
想定される。
【0087】 この場合、液体輸送部材はリアルタイム信号装置として機能することができる
。あるいは、輸送される液体が出口ポートにおいて、空隙を活性化して機械的エ
ネルギーを放出し、立体構造を生み出すなどの機能を果たすこともできる。たと
えば、液体輸送部材は、バッグ内に真空圧縮状態で保持されており、少なくとも
部分的に可溶性(たとえば水に可溶性)の圧縮材料を備える反応装置に、トリガ
ー信号を送達することができる。閾値の液体輸送部材によって送達された信号液
体(たとえば水)が水溶性部分に溶解し、不連続的に真空を解放すると、圧縮さ
れた材料は膨張して立体構造を形成する。圧縮された材料は、たとえば、体から
の廃棄物を捕捉するのに十分な容積の形状をもつ空隙を有する弾性プラスチック
フォームであってもよい。あるいは、圧縮された材料は、膨張時に流体をその体
部に引き込むことによりポンプとして機能する吸収性材料であってもよい。
【0088】 液体輸送は、単一の経路、または輸送部材間で分割または再結合することので
きる複数の経路に沿って行うことができる。
【0089】 一般に、輸送経路が輸送方向を定め、前記経路に直交する輸送断面の規定を可
能にする。内側/バルク領域の外形が、様々な輸送経路を組み合わせた輸送断面
積を規定することになる。
【0090】 不規則な形状の輸送部材およびその各領域に対して、幾何学的計算から周知の
増分近似または差分近似のいずれかを用いることにより、1つまたはそれ以上の
輸送経路の全長に亘って輸送断面の平均化を行うことが必要になるだろう。
【0091】 内側領域とポート領域が容易に分離可能で区別されうる輸送部材も存在するこ
とも予想される。他の例においては、異なる領域を区別および/または分離する
ことに、より努力が尽くされているかもしれない。
【0092】 したがって、ある領域に対して要件が述べられている場合には、その要件はこ
れらの領域内のある材料に対して適用されると解釈すべきである。これにより、
ある領域は1つの均一な材料から構成されることができるか、あるいはある領域
はそのような均一な材料を含むことができる。また、材料は特性および/または
パラメータが変化するものであってもよく、したがって、1つ以上の領域を備え
ていてもよい。以下の説明は機能的に定義された領域に対する特性およびパラメ
ータを説明することに焦点を当てている。 輸送部材の一般的機能の説明 上で簡単に述べたように、本発明は毛管現象ではなく直接吸引に基づく液体輸
送部材に関するものである。ここで、液体は、実質的に一切の(あるいは少なく
とも有意量ではない)空気(または他のガス)を通過させて部材に流入させない
領域を介して輸送される。液体流をそのような部材を通過させるため推進力は、
該部材と液体連通する液体シンクまたは液体ソースによって、内部または外部か
ら生み出されることができる。
【0093】 直接吸引は、輸送中に実質的に一切の空気またはガスが液体輸送部材に流入し
ないようにすることによって維持される。このことは、膜ポート領域を介しても
、開口ポート領域を介しても有意量の空気が輸送部材に流入してはならないこと
を意味する。上記膜ポート領域を介しての流入の防止は、たとえばバブルポイン
ト圧力を選択することによって達成することができ、上記開口ポート領域を介し
ての流入の防止は、この開口ポート領域を輸送される液体のシンクまたはソース
などの液体リザーバに浸漬することによって達成することができる。あるいは、
開口ポート領域が膜ポート領域の下方に配置されている場合には(重力ベクトル
が一直線上にある)、開口ポート領域は液体に(少なくとも永久的にではなく)
浸漬される必要がなく、空気を部材に流入させることのない十分に小さい開口部
を有している。
【0094】 したがって、液体輸送部材はある一定の液体透過性(以下で説明する)を有し
ていなければならない。高い液体透過性は小さい流体抵抗を与えるため、この観
点から好ましい。
【0095】 本発明に従う液体輸送部材は、最小の流体抵抗を与える比較的高い液体透過性
を有する内側領域を有している。バルク領域を包囲する壁領域の一部であっても
よい膜ポート領域の透過性は、実質的に小さい、このことは、意図された使用条
件のために設計された膜機能を有するポート領域によって達成される。膜は流体
を通過させるが、ガスまたは蒸気は通過させない。そのような特性は、一般にバ
ブルポイント圧力パラメータによって表現され、これは、簡単に言うと、その圧
力までガスまたは空気が湿った膜を貫通しないような圧力によって定義される。
【0096】 以下でさらに詳細に説明するように、特性の要件は液体輸送時に満たされなけ
ればならない。しかしながら、これらの要件は、輸送部材を、たとえば使用前に
活性化することによって生み出すか、あるいは調節することもできる。そうした
活性化を行う前または行わない場合にはそのような要件は満たされずに、活性化
後に達成される。たとえば、部材は弾性的に圧縮するか、折りたたんでおいて、
湿潤されると膨張して、要求される特性を有する構造を生み出すようにすること
もできる。
【0097】 本発明の1つの態様に対して、輸送部材内に異なる孔径を有する少なくとも3
つの領域が存在し、すなわち、少なくとも1つの膜ポート領域がより小さな孔径
を有している(少なくとも1つの開口ポート領域、および内側領域が、膜ポート
領域と比べて実質的に大きい孔径を有している)。
【0098】 膜ポート領域は、比較的高い泡立ち点(バブルポイント)圧力を有しているべ
きである。本発明のこの態様において、ポート領域の高いバブルポイント圧力は
、前記ポート領域の小さい孔の毛管圧によって得られ、この小さい孔は、湿潤さ
れると、空気またはガスが輸送部材に流入するのを防止する。
【0099】 他の態様において、本発明は、一旦活性化および/または湿潤されると、輸送
する流体に対して選択性を示すような液体輸送部材に関する。この輸送部材の膜
ポート領域は、バブルポイント圧力によって表すことのできるある限界まで、周
囲ガス(空気など)に対しては閉じた状態にあるが、輸送液体(水など)に対し
ては比較的開いた状態にある。
【0100】 ポート領域は、その特性に特別な方向性を要求することはない。すなわち、こ
こで用いられる膜材料は、該材料を通過する液体流のいずれの方向においても使
用することができる。液体のある部分または成分に対して、膜が異なる特性(透
過性など)を有する必要もない。このことは、US−A−5,108,383(
Whiteら)の中で浸透吸収性パケットに対して記載されたような膜とは対照
的である。この先行技術の膜は、塩や塩イオンなどの促進物質に対して低い透過
性を有していなければならなかった。 バルク領域 以下の項では、「内側領域」または「バルク領域」に対する要件ならびに特定
の実施について説明する。
【0101】 バルク領域に対する重要な要件は、少なくとも10−11、好ましくは1
−8を越える、より好ましくは10−7を越える、最も好ましくは1
−5を越える透過性kを有することによって表されるような、低い平均流
体抵抗を有することである。内側領域に対するそのような高い透過性を達成する
ための1つの重要な手段は、比較的高い有孔率を与える材料を利用することによ
って達成される。
【0102】 一般に、多孔性材料の全体積に対する該多孔性材料を構成する材料の体積の比
として定義され、一般に知られている密度測定によって決定されるそのような有
孔率が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少な
くとも90%、またさらには98%を越えるか、99%を越えるべきである。本
質的に1つの孔、空隙から成る内側領域の極端において、有孔率は100%にす
ら達する。
【0103】 内側領域は、直径が約200μm、500μm、1mm、あるいは9mm以上
の孔を有していてもよい。灌漑や油分離などの特定の用途に対しては、たとえば
内側領域が空隙チューブである場合などは、内側領域は10cmもの大きさの孔
を有していてもよい。
【0104】 そのような孔は、内側領域がより小さい体積を有し、液体に接触する直前また
は接触して時に膨張するように、流体輸送の前にはより小さいものであってもよ
い。好ましくは、そのような孔が圧縮または折りたたまれている場合には、少な
くとも5倍、好ましくは10倍を越える体積膨張率で膨張可能であるべきである
。そのような膨張は、外圧よりも大きく、バブルポイント圧力よりも小さくなけ
ればならない弾性係数を有する材料によって達成することができる。
【0105】 高い有孔率は、そのようなものとして技術上周知の多くの材料によって達成す
ることができる。たとえば、繊維部材はそのような有孔率値を容易に達成するこ
とができる。バルク領域を構成することのできるそのような繊維材料に対する非
限定的例としては、たとえば、衛生用品分野または自動車工業または室内装飾用
品用、またはHVAC工業において用いられるポリオレフィンまたはポリエステ
ル繊維から作られるハイロフト不織布が挙げられる。他の例には、セルロース繊
維から作られた繊維ウェブが含まれる。
【0106】 そのような有孔率は、さらに、多孔性の連続気泡フォーム構造、たとえば、限
定を意図しない例として、ポリウレタン網目状フォーム、セルローススポンジ、
または高内部相エマルション重合プロセスによって製造されるような連続気泡フ
ォーム(HIPEフォーム)によって達成することができる。これらのすべては
濾過技術、室内装飾用品、衛生用品などの様々な工業的用途から周知である。
【0107】 そのような有孔率は、内側領域を規定する空隙を包囲する壁領域(後で詳細に
説明するような)、たとえばパイプなどによって達成することができる。あるい
は、いくつかのより小さなパイプを束にすることもできる。
【0108】 そのような有孔率は、バネ、スペーサ、粒状材料、波形構造物などの「スペー
スホルダ」によっても達成することができる。
【0109】 内側領域の孔径または透過性は、内側領域全体に亘って均一であってもよいし
、不均一であってもよい。
【0110】 内側領域の高い有孔率が液体輸送部材の製造から使用の間のすべての段階を通
して維持される必要はないが、内側領域内の空隙はその意図された使用の直前ま
たは最中に作ることができる。
【0111】 たとえば、適切な手段によって一緒に保持されているような構造物は、使用者
によって活性化され、その膨張の間に液体がポート領域を通過して膨張した内側
領域に貫入することにより、輸送部材を完全に、あるいは少なくとも液体流を阻
害することのない程度に満たす。
【0112】 あるいは、US−A−5,563,179号またはUS−A−5,387,2
07号の中に記載されているような連続気泡フォーム材料は、水の除去により潰
れる傾向と、再湿潤によって再膨張する能力とを有している。したがって、その
ようなフォームは製造場所から使用者の元へ比較的乾燥した、従って薄い(低容
積)状態で運搬することができ、ソースに接触したときにのみ、空隙透過性要件
を満たすように、液体がそれらの容積を増大させる。
【0113】 内側領域は様々な形態および形状を有することができる。内側領域は円筒形、
楕円形、シート状、ストライプ状であってもよいし、あるいは任意の不規則な形
状を有していてもよい。
【0114】 内側領域は、矩形、三角形、円形、楕円形または不規則形状などの一定または
変化する断面形状を有する、一定の断面積を有することができる。断面積は、便
宜上本文中では、ソース液体を追加する前の、輸送液体の流路に直交する面にお
いて測定した内側領域の断面として定義され、この定義は、個々の断面積を全流
路に亘って平均化することによって平均の内側領域断面積を求めるために用いら
れる。
【0115】 内側領域の絶対サイズは、意図される用途の幾何学的要件に適切に合致するよ
うに選択すべきである。一般に、意図される用途に対する最小寸法を有すること
が望ましいであろう。本発明に従う設計の利点は、従来の材料に比べてはるかに
小さい断面積を可能にすることである。内側領域の寸法は、前記内側領域の透過
性によって決定されるが、内側領域は高流束(すなわち大きな孔)と高垂直液体
輸送(すなわち小さな孔)という矛盾する要件の下で設計される必要がないため
に、大きなこうが可能であることから、この寸法は非常に大きくなることもある
。そのような大きな透過性は、はるかに小さい断面を可能にし、したがって非常
に異なった設計を可能にする。
【0116】 内側領域の長さもまた、従来のシステムよりもはるかに大きくすることができ
る。これは、このパラメータに対しても、新規の輸送部材が長い距離ならびによ
り大きい垂直液体輸送高さの間隙を埋めることができるためである。
【0117】 内側領域は本質的に変形不能、すなわち意図される用途の通常条件の下でその
形状、形態、体積を維持している。しかしながら、多くの用途において、内側領
域は完全な部材が柔軟性および可撓性を維持できるようにすることが望ましい。
【0118】 内側領域は、使用時における変形力または圧力の下で、あるいは流体そのもの
の影響を受けて、その形状が変化してもよい。変形性または変形性の欠如は、内
側領域内の1つまたはそれ以上の材料(繊維部材など)を選択することによって
達成されるか、あるいは包囲領域、たとえば輸送部材の壁領域などによって本質
的に決定することができる。そのような取り組みの1つとして、壁材料としてエ
ラストマー材料を使用することが挙げられる。
【0119】 内側領域の空隙は壁領域のみによって包囲されていてもよいし、あるいは内側
領域はその内部に内部隔壁を備えていてもよい。
【0120】 たとえば、内側領域が不透過性円筒壁を有する平行パイプから構成されている
場合には、これらがそのような内部隔壁であると考えられ、パイプの内側の中空
の開口部と一体となる孔を作り出す可能性もあるし、パイプ間の隙間によって他
の孔が作り出される可能性もある。さらなる例として、内側領域が繊維構造物を
備えている場合には、その繊維材料がそのような内部隔壁を形成していると考え
られる。
【0121】 内側領域の内部隔壁は、輸送される液体に適応させた表面エネルギーを有する
ことができる。たとえば、水性液体の湿潤および/輸送を容易にするためには、
隔壁またはその部分は親水性のものとすることができる。したがって、水性液体
の輸送に関連する特定の実施形態において、そのような液体によって湿潤可能な
内側領域の隔壁を有することが好ましく、65mN/mを越える、より好ましく
は70mN/mを越える粘着張力を有していることがさらに好ましい。輸送され
る液体が油ベースのものである場合、隔壁またはその部分は、親油性または脂肪
好性のものとすることができる。
【0122】 内側領域の包囲隔壁は、湿潤によってその特性が著しく変化するか、あるいは
湿潤によって溶解すらしうる材料をさらに含んでいてもよい。したがって、内側
領域は、少なくとも部分的にポリビニルアルコールなどの可溶性材料から作られ
た比較的小さい孔を有する連続気泡フォーム材料を含んでいてもよい。小有孔率
であると、液体輸送の初期段階において液体を吸い込み、迅速に溶解し、液体で
充満された大きな空隙を残すことができる。
【0123】 あるいは、そのような材料はより大きな孔を完全または部分的に満たしてもよ
い。たとえば、内側領域は、ポリ(ビニル)アルコールやポリ(ビニル)アセテ
ートなどの可溶性材料を含むことができる。そのような材料は空隙を満たすか、
あるいは部材が液体に接触する前に空隙の折りたたみ状態を支持することができ
る。水などの流体に接触すると、これらの材料は溶解することにより、空または
膨張した空隙を作り出す。
【0124】 1つの実施形態において、内側領域の空隙(本質的に完全な内側領域から構成
される)は、本質的に完全に、本質的に圧縮不可能な流体で充満されている。
【0125】 用語「本質的に完全に」は、内側領域の十分な空隙容積が、連続する流路が確
立されうるように、液体によって充満されている状態のことをいう。
【0126】 好ましくは、100%を含めた、大半の空隙容積、好ましくは90%を越える
、より好ましくは95%を越える、さらにより好ましくは99%を越える容積が
液体で充満されている。内側領域は、悪影響を及ぼすおそれの少ない領域の部分
におけるガスまたは他の液体の蓄積を高めるように設計することができる。空隙
の残りは、水性液体で充満された内側領域内の他の流体、たとえば残存ガスまた
は蒸気または油などの不混和性で満たされてもよいし、あるいは、粒子、繊維、
フィルムなどの固体であってもよい。
【0127】 内側領域に含まれる液体は、輸送しようとする液体と同じ種類のものであって
もよい。たとえば、水ベースの液体が意図された輸送媒体である場合には、輸送
部材の内側領域は水で充満させることができ、あるいは油が意図された輸送液体
である場合には、内側領域は油で充満させることができる。
【0128】 内側領域内の液体は異なるものであってもよく、これらの性質の差は比較的小
さいものでありうる(意図された輸送液体が水である場合には、内側領域は水性
溶液であってもよいし、その逆も可能である)。あるいは、意図された輸送液体
は、内側領域内に予め充満されている液体と比較しその特性がかなり異なってい
てもよい。これは、最初に水で充満され、適切な入口および出口ポートによって
閉じられたパイプを取って輸送されるソース液体が油であり、適切な出口ポート
領域によって水が部材から流出し、適切な入口ポート領域によって油が流入する
ような場合である。この特別な実施形態において、輸送される液体の全量は、た
とえば、液体の一方または両方による機能を可能にするように液体と適合する性
質を有する材料を含む出口ポート領域が存在しない限り、放出された液体の量に
対して部材内に受け入れ可能な量によって制限される。
【0129】 内側領域の液体と輸送される液体は、水中塩溶液などのように互いに可溶であ
ってもよい。たとえば、液体輸送部材が血液または月経分泌物、あるいは油状液
体の輸送を意図するものである場合には、内側領域は水で充満させることができ
る。
【0130】 他の実施形態において、内側領域は、真空、または対応する平衡に達しないガ
スまたは蒸気、それぞれの温度および体積条件における周囲または外部圧力を含
んでいる。輸送される液体に接触すると、この液体は透過性ポート領域(以下に
説明する)によって内側領域に流入し、内側領域の空隙を要求される程度まで満
たすことができる。その後、充満された内側領域は、上述したような「予め充満
された」領域と同様に機能する。
【0131】 上記の機能要件および内側領域の構造的実施形態は、多くの適切な構造によっ
て満足することができる。適切な内側領域を満足する構造を作り出すことに限定
されることなく、いかに好ましい実施形態の範囲を記載する。
【0132】 内側領域の簡単かつ非常に説明的な例は、図2にすでに示したような、不透過
性または半透過性壁、および液体中に沈められた開口部によって規定される空の
チューブである。そのようなチューブの直径は、毛管システムにおいて一般に輸
送に用いられる直径に比べて、比較的大きい。経路の直径は、固有のシステムお
よび意図された用途に大きく依存する。
【0133】 また多孔性材料、あるいは約0.2mmから数cmなどの適切な直径を有した
平行チューブを組み合わせて、(原理上)熱交換システムなどの他の工学設計原
理から知られているようなチューブ束にしたものも適している。
【0134】 特定の用途に対しては、ガラスチューブ片が適切な機能を与えることができる
が、特定の用途に対しては、そのような構造にはいくつかの機械的強度の制約を
受けることがある。適切なチューブは、シリコンゴム、PVCなど、たとえばバ
ーナント・カンパニー(Barnant Company,バリントン、イリノ
イ60010、米国)によって販売されているノートン(Norton)による
マスターフレックス(Masterflex)6404−17から製造すること
もできる。
【0135】 さらに別の実施形態は、機械的に伸長する要素、たとえばバネ、あるいは、適
切な孔径が流路方向に向けられるように伸長方向が配向されている場合に、空隙
を構造的に開放することのできるものを組み合わせることに見出される。
【0136】 そのような材料は技術上周知であり、たとえば、すべてHIPEフォーム材料
に関するUS−A−5,563,179号、US−A−5,387,207号、
US−A−5,632,737号、あるいは吸収性フォームに関するUS−A−
5,674,917号、またはPET繊維などから製造される高有孔率繊維構造
物またはシートに関するEP−A−0,340,763号に開示されている。
【0137】 同時の上述のすべての要件を満たしていなかったとしても、この欠除が他の設
計要素によって補償されるのであれば、他の材料も適切であるといえる。
【0138】 比較的大きな孔を有する他の材料は、ブルプレン、フィルトレン(フィルトレ
ンTM10ブルー、フィルトレンTM20ブルー、フィルトレンTM30ブルー
、フィルトレンフィレンド10ブラック、フィルトレンフィレンド30ブラック
、フィルトレンHC20グレー、フィルトレンフィレンドHC30グレー、ブル
プレンS10ブラック、ブルプレンS20ブラック、ブルプレンS30ブラック
)などの、レクティセル社(Recticel、ブリュッセル、ベルギー)の連
続気泡フォームなどの大きな厚みを有する不織フィルタ材料である。
【0139】 2つの孔径領域を有する材料を例示するためのさらなる実施形態は、織られた
ループ構造物に関するPCT出願US97/20840号内に見出すことができ
る。
【0140】 内側領域は、いくつかの材料、すなわち、たとえば上述のような組み合わせか
ら構成されてもよい。
【0141】 内側領域は、それらの間に大きな空隙を生み出し、スペースホルダとして作用
するストライプ、粒子、または他の不均一な構造を含んでいてもよい。
【0142】 ポート領域に対してより詳細に説明するように、内側領域内の流体は、ポート
領域が輸送液体で充満されることを妨害してはならない。 壁領域 本発明に従う液体輸送部材は、内側領域に加えて、この内側領域を包囲する壁
領域を備えている。この壁領域は、後で説明するように、少なくとも1つの膜ポ
ート領域と、開口ポート領域とを備えている。壁領域は、液体および/またはガ
スに対して本質的に不透過性であり、周囲ガスまたは上記が液体輸送部材に貫入
することを防ぐ材料をさらに備えていてもよい。
【0143】 そのような壁は、任意の構造または形状であってもよく、液体輸送部材の主要
構造要素を与えるものであってもよい。そのような壁は、直線状または弯曲した
パイプの形状のものであってもよいし、あるいは立方体形状などであってもよい
。壁は、内側領域を取り巻く薄い可撓性フィルムであってもよい。そのような壁
は、変形によって永久的に、若しくは弾性フィルムによって弾性的に、あるいは
活性化によって伸長可能であってもよい。
【0144】 そのような壁領域は本発明に対しては必須の要素であるが、以下に説明される
ように、ポート領域がそのような壁に含まれることも特に真実である。壁領域の
残りの部分の性質は、全体構造、弾力性および他の構造的効果のためには重要で
ありうる。 膜ポート領域 膜ポート領域は、一般に異なる流体に対して異なる透過性を有する材料からな
ると記述される。すなわち、それらの材料は、その他に関しては同一の条件(温
度または圧力など)で、輸送液体または同様に機能する液体によって一旦、湿潤
または充満されると、輸送液体に対しては透過性を示すが、周囲ガス(水など)
に対しては透過性を示さない。
【0145】 しばしば、そのような材料は、個々の特性パラメータを有する膜として記述さ
れる。
【0146】 本発明の文脈において、膜は一般に、液体、ガスまたは液体またはガス中に粒
子を懸濁したサスペンションに対しては透過性である領域として定義される。膜
は、たとえば微小孔領域を含み、毛細管を介する液体透過性を与えるものであっ
てもよい。代替的実施形態において、膜は、液体が核酸によって輸送されるブロ
ックコポリマーから成るモノリシック領域を含んでいてもよい。
【0147】 与えられた条件組に対して、膜はたいていの場合、輸送される媒体のタイプに
応じて、液体、ガスまたはサスペンションに対する選択的輸送特性を有する。し
たがって、それらはサスペンションから微粒子をろ過する際に広く用いられてい
る(たとえば、液体濾過、空気濾過)。膜の他のタイプは、異なるタイプのイオ
ンまたは分子に対して選択的輸送を示し、したがって、生物学的システム(たと
えば、細胞膜、分子ふるい)、あるいは化学工学用途(たとえば、逆浸透)にお
いて見出される。
【0148】 微小孔疎水性膜は、典型的にはガスを透過させるが、推進圧が、一般に「漏出
」または「ブリッジング」圧力と呼ばれるしきい圧力未満である場合には、水ベ
ースの液体は膜を通して輸送されない。
【0149】 これに対して、親水性徴小孔膜は水ベースの液体を輸送する。しかしながら、
一旦湿らされると、推進圧が一般に「バブルポイント圧力」と呼ばれるしきい圧
力未満である場合には、ガス(たとえば空気)は本質的に膜を通過しない。
【0150】 親水性モノリシックフィルムは、典型的には水蒸気を貫通させるが、ガスは膜
を介して迅速に輸送されることはない。
【0151】 同様に、膜は油などの水をベースとしない液体に対しても使用することができ
る。たとえば、ほとんどの疎水性材料は実際に親油性である。したがって、疎水
性微小孔膜は油にたいして透過性であるが、水に対しては透過性でなく、油を輸
送するため、または油と水とを分離するためにも用いることができる。
【0152】 膜はたいていは薄いシートから製造され、単独で使用することもできるし、支
持層(たとえば不織布)と組み合わせて、あるいは支持要素(たとえば、スパイ
ラルホルダ)内で使用することもできる。膜の他の形態には、別の材料上に直接
コートされた高分子薄層、袋、波形シートが含まれるが、これらに限定されるこ
とはない。
【0153】 さらなる公知の膜は、活性化後あるいは刺激に応答してその性質が変化するこ
とのできる「活性化可能な」または「切換え可能な」膜である。この性質の変化
は、特定の用途に応じて永久的または可逆的でありうる。たとえば、疎水性微小
孔層は、たとえばポリ(ビニル)アルコールから成る薄い可溶性層でコートされ
ていてもよい。そのような重層システムはガスに対して不透過性である。しかし
ながら、一旦湿らされ、ポリ(ビニル)アルコールフィルムが溶解されると、シ
ステムはガスに対して透過性になるが、液体に対しては不透過性である。
【0154】 反対に、親水性膜がそのような可溶性層によってコートされている場合には、
液体の接触によって活性化され、液体を通過させるが、空気は通過させないよう
になる。
【0155】 他の例において、親水性徴小孔膜は当初は乾燥している。この状態において、
膜は空気に対して透過性である。一旦、水によって湿らされると、膜は空気に対
してもはや透過性でなくなる。刺激に応答しての膜の可逆的切換えの他の例は、
温度に応じて親水性が変化する界面活性剤でコートされた徴小孔膜である。たと
えば、そのような膜は、温かい液体に対しては親水性であり、冷たい液体に対し
ては疎水性である。その結果、温かい液体は膜を通過するが、冷たい液体は通過
しない。他の例には、pH、温度、電界、照射などに応答してその寸法が変化す
る、刺激活性化ゲルからなる徴小孔膜が含まれるが、これに限定されることはな
い。 膜ポート領域の特性 膜ポート領域は、多数の特性とパラメータによって記述することができる。
【0156】 膜ポート領域の重要な側面は、透過性である。
【0157】 膜の輸送特性は、一般に、あらゆる多孔性システムに適用することのできるダ
ルシーの式を用いた透過性関数によって記述される。
【0158】 q=1/A×dV/dt=k/η×Δp/L したがって、膜を通過する体積流量dV/dtは、外圧差Δp(推進圧)に起
因し、透過性関数kは輸送すべき流体のタイプ(たとえば液体またはガス)、し
きい圧力、および刺激または活性化に依存することになる。液体輸送に影響を与
えるさらに関連のあるパラメータは、輸送領域の断面Aおよび長さL、および輸
送液体の粘度ηである。
【0159】 多孔性部材に対しては、巨視的輸送特性は主に孔径分布、有孔率、蛇行性(t
ortuosity)および親水性などの表面特性に依存している。
【0160】 膜ポート領域の透過性だけを見た場合、該透過性は大きな流束を与えるために
高くあるべきである。しかしながら、透過性は本質的に他の特性およびパラメー
タと結びついているために、ポート領域またはポート領域材料に対する典型的な
透過性値は、約6×10−20から7×10−18、あるいは3×10 −14から1.2×10−10以上の範囲である。
【0161】 膜ポート領域およびそれぞれの材料に関連するさらなるパラメータは、後述の
方法に従って測定することのできるバブルポイント圧力である。
【0162】 適切なバブルポイント圧力値は、想定する用途のタイプに依存する。下記の表
は、それぞれの典型的な流体にたいして測定した、いくつかの用途に対する適切
なポート領域のバブルポイント圧力(BPP)の範囲を示したものである。
【0163】 用途 BPP(kPa) 広範囲 典型的範囲 灌漑 <2から>50 8〜50 グリース吸収 1〜20 1〜5 油分離 <1から約50 より一般的な取り組みにおいて、以下の試験方法において説明する標準化試験
液体を用いることにより材料に対するBPPを決定すると有用であることが見出
されている。 膜ポート領域の厚みおよび大きさ 液体輸送部材の膜ポート領域は、後述するような開口ポート領域を無視した場
合に、最も高い透過性を有する壁の部分として定義される。膜ポート領域は、バ
ルク領域から輸送部材の外部の点までの経路に沿って見た場合に最も低い相対透
過性を有する領域としても定義される。
【0164】 膜ポート領域は、容易に識別可能な材料によって構成することができ、厚みお
よび大きさを容易に確認することができる。しかしながら、膜ポート領域は、壁
領域の他の不透過性領域に向かって、あるいはバルク領域に向かってその特性が
徐々に変化するものであってもよい。厚みおよび大きさの決定は、後述のように
して行うことができる。図5に示されているような、壁領域の部分を見た場合、
この部分は、内側またはバルク領域の方向に向いた角の点ABCDによって規定
される面と、部材の外側の方向に向いた面EFGHとを有するであろう。したが
って、厚み寸法は、線AE、BFなどに沿った向きになる。すなわち、カルテシ
アン座標を用いた場合、z方向に沿う。類推的にいうと、壁領域は2つの直交す
る方向、すなわちxおよびy方向に沿って長く伸びている。
【0165】 次に、膜ポート領域の厚みは以下のようにして決定することができる。
【0166】 a)少なくとも領域の厚みを通る方向において、ポート領域特性が本質的に均
一である場合には、そのような均一な透過性を有する材料の厚みである(膜がフ
ィルムである場合など)。
【0167】 b)担体と組み合わされている場合(この担体は膜の内側または外側)には、
膜の厚みである。すなわち、このことはこの経路に追って特性が不連続的/段階
的に変化することをいう。
【0168】 c)図5に示されるような任意の部分に渡って(測定可能な)連続勾配を有す
る材料に対しては、測定可能な厚みに到達するために、以下のような段階がとら
れる(図6の(A)を参照)。
【0169】 c0)まず最初に、x軸に沿った透過性プロファイルを求め、rに対するk[
局部]の曲線をプロットする。ある部材に対しては、この決定を行うために後続
の手順を適当に変更して、有孔率または孔径曲線を用いることもできる。
【0170】 c1)次に、最も透過性の低い点k[最小]を求め、対応する長さを読み取る
(r[最小])。
【0171】 c2)第3段階として、「上方ポート領域透過性」をk[最小]の値の10倍
として決定する。
【0172】 c3)曲線がk[最小]において最小値をとるため、膜ポート領域の内側およ
び外側の限界をそれぞれ規定する2つの対応するr[内側]およびr[外側]が
存在する。
【0173】 c4)2つの限界間の距離が厚みを規定し、平均k[ポート、平均]がこれに
沿って決定される。
【0174】 測定不能の勾配透過性、有孔率または孔径のために、このやり方がうまくいか
ない場合には、膜ポート領域の厚みは1マイクロメートルに設定される。
【0175】 上で示したように、たいていの場合、膜ポート領域の厚みは、それを構成する
膜材料のそれぞれに対して最小限に抑えることが望ましい。典型的な厚み値は、
100μm未満、たいていは50μm、10μm未満、あるいは5μm未満の範
囲である。
【0176】 ほとんど同じようにして、膜ポート領域のx−y長さも決定することができる
。特定の液体輸送部材設計においては、壁領域のどの部分が膜ポート領域である
かがかなり明確であろう。他の設計において、壁領域を横切って特性が徐々に変
化する場合には、壁領域のxおよびy方向に沿った局所透過性曲線を求め、図6
の(B)に示されるように図6の(C)と同様にプロットすることができる。し
かしながら、この例において、壁領域における最大の透過性が膜ポート領域を規
定し、したがって、最大値が求められ、この最大値の周囲の最大透過性の10倍
未満の透過性を有する領域が膜ポート領域として定められる。
【0177】 本発明に対して有用な、膜ポート領域の様相を記述するために有用なさらに他
のパラメータは、厚みに対する透過性の比であり、本発明の文中ではこれを「膜
導通性」ともよぶ。
【0178】 これは、与えられた推進力に対して、膜などの材料を貫通する液体量が一方で
材料の透過性に比例し、すなわち透過性が高いほど液体は貫通しやすく、他方で
材料の厚みに反比例するという事実を反映したものである。
【0179】 以後、より低い透過性を有する材料を厚みの小さい同一の材料と比較したとこ
ろ、(高速が求められる場合には)厚みはこの透過性の欠如を補うことができる
ことが示された。
【0180】 したがって、このパラメータは、用いられる膜ポート領域の材料の設計に対し
て非常に有用でありうる。
【0181】 最適なk/dは想定する用途のタイプに依存する。以下の表はいくつかの例示
的用途に対する典型的なk/dの範囲を示したものである。
【0182】 用途 k/d(10−9m) 典型的範囲 灌漑 1〜300 グリース吸収 100〜500 油分離 1〜500 膜ポート領域は輸送液体によって湿潤可能でなければならず、水性液体を輸送
する場合には親水性膜、親油性または油状液体の場合には親油性膜を使用するな
どして、親水性または親油性を適切に設計しなければならない。
【0183】 膜ポート領域内の表面特性は永久的であってもよいし、あるいは時間や使用条
件とともに変化するものであってもよい。
【0184】 輸送すべき液体に対する後退接触角(receding contact a
ngle)は、70°未満、より好ましくは50°未満、さらにより好ましくは
20°未満、あるいは10°未満であることが好ましい。さらに、材料は輸送さ
れる液体の表面張力に対していかなる負の影響も与えないことが好ましい。
【0185】 たとえば、親油性部材はポリエチレンやポリプロピレンなどの親油性ポリマー
から製造することができ、そのような部材は使用時において親油性を維持してい
る。
【0186】 他の例は、水性液体の輸送を可能にする親水性材料である。ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリマーが用いられる場合、部材の表面またはバルクポリマ
ーに付加された界面活性剤によって、膜ポート材料を形成する前に親水性ポリマ
ーを付加するなどによって、前記ポリマーは親水化させておかなければならない
。いずれの例においても、付与された親水性は永久的であってもなくてもよく、
たとえば通過する輸送液体によって流されるようなものであってもよい。しかし
ながら、膜ポート領域は、ガスが通過することを防ぐために湿潤状態を維持して
いなければならず、一旦膜ポート領域が湿潤状態になれば、親水性の欠如は意味
を持たないということは、本発明の重大な側面である。 膜の液体充満状態の維持 一旦湿らされた多孔性膜が機能するためには(液体に対して透過性であり、空
気に対しては不透過性である)、少なくとも膜の孔の連続層が常にガスまたは空
気ではなく液体で充満されていなければならない。したがって、特定の用途に対
しては、液体中の蒸気圧を低下させるか、あるいは空気中の蒸気圧を上昇させる
かのいずれかにより、膜孔からの液体の蒸発を最小限に抑えることが望まれるこ
ともある。これを行うための可能性のある方法としては、以下のものが挙げられ
るが、これらに限定されることはない。
【0187】 膜を不透過性ラップで封止して、製造から使用までの間での蒸発を防止する。
孔内で強力な乾燥剤(たとえばCaCl)を使用するか、あるいは、輸送流体
と混和する低い蒸気圧の液体を孔内で使用する。
【0188】 あるいは、膜ポート領域は、液体と接触することにより可溶化し、輸送部材の
機能性を活性化するポリビニルアルコールやポリビニルアセテートなどの可溶性
ポリマーによって封止されていてもよい。
【0189】 液体処理要件とは別に、膜ポート領域は、特定の機械的要件を満足しなければ
ならない。
【0190】 まず第一に、膜ポート領域は、意図された使用条件に対していかなる負の影響
も有しているべきでない。たとえば、そのような部材が衛生吸収体において使用
される場合には、快適さと安全性に対して悪影響が及ぼされてはならない。
【0191】 したがって、膜ポート領域はたいていの場合は、柔軟かつ可撓性があることが
望ましいが、常にそうであるとは限らない。しかしながら、膜ポート領域は、引
き裂きストレスや破壊ストレスなどの実際の使用ストレスに持ちこたえるのに十
分な強度を有しているべきである。
【0192】 特定の設計において、膜ポート領域材料は、膨張または折りたたみ、あるいは
屈曲可能であることが望ましいこともある。
【0193】 膜内の1つの孔(使用時の破壊による)、膜封止内の損傷(たとえば製造によ
る)、または膜に引き裂き(たとえば与えられた使用時圧力による)は、液体輸
送機構に損傷を与える可能性がある。このことは、材料または部材が本発明に従
って機能しているかどうかを確かめるための破壊試験方法において使用すること
ができるが、これは意図された使用時においては望ましくない。空気または他の
ガスが内側領域に貫入すると、この領域における液体流路を遮断するか、あるい
は、バルクおよびポート領域間の液体連通を遮断することがある。
【0194】 個々の部材をより頑丈にするための可能性は、主液体流路から離れた内側領域
の特定の部分に、システムに流入してきた空気がシステムの機能を損なわないよ
うに蓄積されるようなポケットを設けることである。
【0195】 この問題を処理するためのさらなる方法は、単一の液体輸送部材ではなく、(
機能的または幾何学的に)平行に配置されたいくつかの液体輸送部材を備えるこ
とである。それらの部材の1つが損傷したとしても、他のものは「液体輸送部材
バッテリ」の機能性を維持している。
【0196】 膜ポート領域の上記機能的要件は、以下の構造的特性またはパラメータによっ
て記述される広範な材料または構造によって満足されることができる。
【0197】 材料内の領域の孔構造は、透過性またはバブルポイント圧力などの特性に影響
を及ぼす重要なパラメータである。
【0198】 孔構造の2つの重要な側面は、孔径および孔径分布である。これらのパラメー
タを少なくとも領域の表面において特徴付けるための最適な方法は、光学的分析
によるものである。
【0199】 先の透過性の文脈中で検討したように、透過性は孔径および領域の厚みによる
影響を受け、厚みが透過性を優先的に決定する。
【0200】 以後、水性システムに対する例に対しての典型的な平均孔径値は、0.5〜5
00μmの範囲である。したがって、孔は、100μm未満、好ましくは50μ
m未満、より好ましくは10μm未満、さらに好ましくは5μm未満の平均孔径
を有していることが好ましい。典型的には、これらの孔は1μm以上である。
【0201】 たとえばバブルポイント圧力などに対しては、その領域内で連結配置されてい
る領域内の最大の孔に依存しているということが重要な特徴である。たとえば、
小さいものの中により大きい孔が埋め込まれていても性能に害を及ぼすことはな
いが、大きい孔の「クラスター」は大きな害を及ぼす。このことから、狭い孔径
分布範囲を有することが望ましいであろう。
【0202】 他の側面は孔の壁、たとえば孔壁の厚みに関するものであり、これは開口度と
強度の要件との兼ね合いになってくる。液体が容易に通過できるように、孔同士
はよく連通しているべきである。
【0203】 好ましいポート領域材料のいくつかは、薄い膜材料であってもよいので、これ
ら自体は機械的特性に比較的劣っていることもある。したがって、そのような膜
は粗いメッシュや不織布などの支持構造物と組み合わせることもできる。
【0204】 そのような支持構造物は、該構造物が内側/バルク領域に向けて、あるいは部
材の外側に向けて配置されるように膜と組み合わせることができる。 膜ポート領域の大きさ/表面積 膜ポート領域の大きさは、輸送部材の全体性能に必要であり、膜ポート領域の
「厚みに対する透過性(k/d)比」との組み合わせにおいて決定される必要が
ある。
【0205】 大きさは、液体処理要件を満足するように、意図される用途に適合させなけれ
ばならない。一般に、内側/バルク領域および膜ポート領域の液体処理能力は、
どちらかが他方に比べて液体輸送に対する大きな制限因子とならないように、互
いに適合したものであることが野竿ましイ。与えられた推進力に対して、膜ポー
ト領域の流束(すなわち単位面積を通過する流量)は、一般に内側領域を通過す
る流束よりも小さいので、膜ポート領域を内側領域の断面よりも厚みを小さく、
および/または大きさ(表面)を大きくすることが好ましいかもしれない。
【0206】 これにより、膜ポート領域の厳密な設計と形状は広い範囲にわたって変化する
ことができる。たとえば、単位時間あたりに輸送される液体の量が比較的遅い場
合−一方のポート領域から他方にトリガーまたは信号を与えるため、あるいは灌
漑システムに対して望ましいかもしれない制御液体流を与えるためなど−膜ポー
ト領域は、実質的に小さい輸送部材が得られるように、内側領域の断面の大きさ
とほぼ等しい比較的小さい可能性もある。
【0207】 あるいは、大量の液体が迅速に捕捉および輸送、分配または貯蔵される場合、
部材は、たとえば、輸送部材のいずれかの端部において比較的大きい膜ポート領
域を有するドッグボーン形状を有していてもよいし、あるいは、膜ポート領域は
受容面積を増大させるためにスプーンの形をしていてもよい。
【0208】 あるいは、膜ポート領域は、たとえば波形または折り畳み状などの非平面状で
あってもよいし、あるいは体積に対する表面積の比が比較的大きくなるような他
の形状を有していてもよい。
【0209】 膜ポート領域の特性は、時間が経っても不変であってもよいし、あるいは使用
前後で異なるというように、経時的に変化するものであってもよい。
【0210】 たとえば、膜ポート領域は、使用時まで本発明に従う部材において機能するの
に適さない特性を有していてもよい。膜ポート領域は、たとえば、部材を用いた
人為的操作による手動活性化、あるいは輸送部材の湿潤化などによる自動活性手
段によって、活性化することもできる。膜ポート領域の活性化のための他の機構
には、たとえば周囲温度から装用者の体温への温度変化、あるいは、たとえば輸
送液体などのpH、電気的または機械的刺激が含まれる。
【0211】 上記浸透パケット材料の文脈中で検討したように、本発明に対する有用な膜は
、特定の塩不透過性に対していかなる特殊な要件も有しない。
【0212】 膜ポート領域および適切な材料について、それらの特性および説明的パラメー
タい関して述べてきたが、以下、これらの様々な要件を満たし、したがって水性
液体の輸送に焦点を当てたいくつかの材料について説明する。
【0213】 適切な材料は、高内部相エマルションフォームなどの連続気泡フォームでもあ
りうるし、あるいはセルロースニトレート膜、セルロースアセテート膜、ポリビ
ニルジフロリドフィルム、織布または不織布材料、たとえば金属からなるメッシ
ュ、あるいはmポリアミドまたはポリエステルなどのポリマーでもありうる。他
の適切な材料は、真空形成された、水開口された(hydroaperture
d)、機械的またはレーザ開口されたなどの開口フィルムであってもよいし、あ
るいは電子、イオンまたは重イオンビームによって処理されたフィルムであって
もよい。
【0214】 特別の材料は、US5,108,383(White,Allied−Sig
nal Inc.)などに開示されているセルロースアセテート膜、たとえばア
ドバンスド・マイクロディバイス(PVT)社から入手可能なニトロセルロース
膜、CNJ−10(ロット番号F030328)およびCNJ−20(ロット番
号F024248)と呼ばれるアンバラ・カント・インディア(Ambala
Cantt,INDIA)、セルロースアセテート膜、セルロースニトレート膜
、PTFE膜、ポリアミド膜、たとえばドイツのゲッティンゲンにあるサルトリ
ウス(Sartorius)および米国ベッドフォルドにあるミリポア(Mil
lipore)から入手可能なポリエステル膜が、非常に適切でありうる。EP
−A−0,451,797号に開示されるような、CaCO粒子で充填したP
E/PPフィルム、またはPETフィルムを含有する充填剤などの徴小孔フィル
ムも可能である。
【0215】 そのようなポート領域材料に対する他の実施形態としては、イオンビーム開口
ポリマーフィルム、たとえば1990年、ビューベッグ(Vieweg)(ウィ
ースバーデン、ドイツ)によって出版された、R.スポー(Spohr)および
K.ベーツ(Bethge)編「イオントラックとマイクロテクノロジー−基本
原理と応用」などに記載されているPEからなるものなどが可能である。
【0216】 他の適切な材料は、ベルセイダッグ(Verseidag)(ゲルデルンーワ
ルトベック、ドイツ)あるいはSEFAR(ルシュリコン、スイス)から入手可
能なポリアミドまたはポリエチレンメッシュなどの、織布ポリマーメッシュであ
る。本用途に対して適切でありうる他の材料は、親水性織布、たとえばゴアテッ
クス社(ニューアーク、DE19711、米国)のDRYLOFT(登録商標)
として知られているようなものである。
【0217】 さらに、BBAコロビン社(ペイン、ドイツ)のCoroGard(登録商標
)として入手可能な、特定の不織布材料も好適であり、そのようなウェブが特に
比較的狭い孔径分布に対して設計される場合には、これらを用いることができる
【0218】 部材の可撓性に対する要件が少ないような用途に対して、あるいは、ある一定
の靱性さえ望まれる場合には、適当な孔径を有する金属繊維メッシュ、たとえば
ハーバー・アンド・ボッカー社(オルデ、ドイツ)のHIGHFLOWなどが適
切である可能性もある。 開口ポート領域 膜ポート領域に加えて、本発明に従う液体処理部材は、少なくとも開口ポート
領域を備えている。この領域は、一般に膜ポート領域が有するよりも著しく大き
い寸法を有する開口部によって表される。
【0219】 本発明の1つの実施形態において、液体輸送部材の機能は、この開口部が空気
に暴露されていない限り維持される。すなわち、この開口部は、該開口部を備え
る液体輸送部材の一部が浸漬される液体によって効果的に閉じられる。したがっ
て、開口ポート領域は、液体リザーバに浸漬されることができ、この液体リザー
バから液体シンクに連結された膜ポートを有する液体輸送部材を介して液体が取
出される。反対に、開口ポート領域は、液体受容リザーバに浸漬されることもで
き、膜ポート領域に接触した液体ソースからこの液体受容リザーバ中に液体を輸
送することができる。開口ポート領域は、液体輸送を著しく妨げないように明ら
かに十分に大きな任意の適切な形状および寸法を有するものでありうる。
【0220】 本発明の特定の実施形態は、膜ポート領域の孔よりは著しく大きいものの、開
口部における内側領域へのガス気泡の発生を許さないように十分に小さい1つま
たはそれ以上の開口部を有する開口ポート領域を備えている。このことはもちろ
ん、流体に依存し、一般的に概算されることができる(ペリーの式(fromu
al)によって)。
【0221】 水性液体に対して、および水平に配向された開口部に対しては、周知の気泡形
成式から概算することができるように、寸法は気泡の大きさよりもおおきくては
ならない(たとえば、化学工学ハンドブック、ペリー/チルトン、マックグロー
ヒル、第5版、1973年、式18−128を参照のこと)。
【0222】 d=(6×d/(g×ρ))1/3 ここにおいて、dは発生したガス気泡の気泡径を単位mmで示したものであ
り; dは開口部の径を単位mmで示したものであり; gは重力定数を示し; そして、ρは液体の密度(ガスの密度を無視した場合の)を単位mmで氏名
s他ものである。) 典型的な水性の系に対して、開口部は好ましくは内周径が約6mm未満、好ま
しくは約4mm未満、さらに好ましくは約2mm未満であり、ここで径は開口部
に内接させることのできる最も大きな円によって定義される。開口ポート領域が
水平に並んでいない場合には、開口部はより大きく、たとえば水平面に屈曲され
た可撓性チューブ(したがって、チューブの水平部分に向けて延びる縦方向に配
置された開口部であり、上方に屈曲可能な)に対しては、12mmもの開口部が
充分に機能することが見出されている。開口部が不規則に成形されている場合に
は(たとえば、星状形を有するものなど)、対応する径は下も大きい内接円のう
ちの1つであり、これは開口部内に幾何学的に入れることができる。2つ以上の
開口部が存在する場合には、そのそれぞれが1つの開口ポート領域とみなされる
【0223】 そのような設計に対して、開口ポート領域が液体リザーバから取出された場合
、あるいはリザーバ内の液体量が大幅に減少した場合であっても、開口ポート領
域が重力方向に対して膜ポート領域よりも低い位置にある限り、より一般的にい
うと、膜近傍の部材の内側の圧力が膜外側の周囲圧よりも低ければ、ガスはシス
テムに流入しない。
【0224】 1つの同一の構造は、ある時点において、液体(充満されたリザーバなど)に
浸漬された開口ポートを有し、したがって、第1の実施形態に対する要件を満た
す必要があるが、他の時点においては(リザーバが空になった場合など)、液体
に浸漬されておらず、リザーバ内の液体供給に対する液体輸送部材の機能を確実
に維持するために、第2の実施形態の要件が満たされる必要がある。 追加要素 バルク、壁および外側領域の定義をこれらの領域のそれぞれの機能に関連して
行ってきたが、これらの領域を構成する材料に対して任意により要素を追加する
こともでき、これらの要素は、液体処理機能を拡張することはないが、領域を構
成する材料または完全な構造の機械的強度、触感または目に見える外観などの他
の特性を向上させるものとして、近傍の領域に延びるものであってもよい。たと
えば、壁またはポート領域の外側に支持構造物を付加することもでき、この支持
構造物は、液体処理特性には影響を及ぼさないように開口し、機能的には外側領
域に属するとみなされる。そのような開口支持要素が壁領域から内側またはバル
ク領域に延びている場合には、該要素は機能的にはバルク領域に属することにな
る。これらの材料および/または要素の間に漸次的推移がみられる場合には、そ
れぞれの機能的領域に対してなされた定義は、領域構成材料と付加要素の明確な
区別を可能にするであろう。
【0225】 内側/バルクおよび壁領域に加えて、本発明に従う液体輸送部材は、任意によ
り他の要素、たとえば、1つまたはそれ以上のポート領域を有する壁領域に加え
て、液体不透過性壁または隔壁などを含んでいてもよい。
【0226】 さらに、壁領域の外側にも、物理的強度を高める材料や触感を高める材料など
の付加的要素が存在していてもよい。そのような外部要素は、その内部を液体が
通過するように配置されるが、液体輸送部材の本質的機能に対しては寄与しない
。したがって、そのような要素はフロー制限因子であるべきではなく、ポート領
域としても機能してはならない。そのような要素は壁領域と一体化されることも
できる。
【0227】 さらに、吸収システムまたは液体輸送部材を備える物品中での実施を助けるた
めに、液体輸送部材に装着または一体化された要素が存在していてもよい。 相対透過性 内側/バルク領域および膜ポート領域の両者の透過性を別々に決定することが
できる場合には、膜ポート領域は内側領域よりも低い液体透過性を有することが
好ましい。
【0228】 したがって、液体輸送部材は、膜ポート領域に対するバルク領域の透過性の比
が好ましくは少なくとも10:1、より好ましくは少なくとも100:1、さら
により好ましくは少なくとも1000:1であることが好ましく、10000:
1の比も許容される。 領域の相対配置 特定の実施形態に応じて、内側、壁、膜ポート領域および開口ポート領域の様
々な組み合わせが存在しうる。
【0229】 少なくとも膜ポート領域の一部は、流体が輸送されるように、内側領域と液体
連通しなければならない。開口ポート領域は、開口部を通して自然に起こるよう
に、内側領域とも直接接触している。
【0230】 膜ポート領域の孔に対する内側領域の孔の孔径比は、好ましくは少なくとも1
0:1、より好ましくは少なくとも30:1、さらにより好ましくは少なくとも
100:1、最も好ましくは少なくとも350:1である。
【0231】 膜ポート領域の面積は、典型的には内側領域の断面よりも大きい。ほとんどの
例において、膜ポート領域は内側断面の2倍の大きさ、しばしば4倍の大きさ、
あるいは10倍の大きさであることさえある。 領域の構造的関係 様々な領域が類似の構造的特性または異なったおそらくは補足的構造的特性、
たとえば強度、可撓性などを有していることがある。
【0232】 たとえば、すべての領域は、協動的に変形するように設計された可撓性材料を
含んでいてもよく、これにより内側領域は、輸送液体との接触により膨張する湿
潤前は薄い(thin−until−wet)材料を含み、膜ポート領域は可撓
性膜を含み、壁は、開口ポート領域を示す開口部を有する液体不透過性可撓性フ
ィルムからなるものであってもよい。
【0233】 液体輸送部材は様々な材料から製造することができ、各領域は1つまたはそれ
以上の材料から成るものであってもよい。たとえば、内側領域は多孔性材料から
成るものであってもよいし、壁はフィルム材料から成るものであってもよいし、
膜ポート領域は膜材料から成るものであってもよい。あるいは、輸送部材は様々
な領域において異なる特性を有する1つの材料、たとえば内側領域の機能性を与
えるために非常に大きな空隙を有するフォーム、ならびに膜ポート材料として機
能する膜タイプの材料などのから本質的に成るものであってもよい。
【0234】 図8の(A)に示されるようなある実施形態において、液体輸送部材は、たと
えば、複数のチューブ(802)を共に連結し、いくつかの端部開口部を入口ポ
ート806または出口ポート807で閉じることにより達成されるような、いく
つかの入口および/またはいくつかの出口ポート領域を備えていてもよく、入口
または出口ポートのいずれかが開口ポート領域であり、これにより、内側領域8
03、あるいは流体が同時に2つ以上の場所(2つ以上の出口ポート)に輸送さ
れる「スプリット」システムを包囲する。あるいは、異なる場所への輸送は、選
択的(たとえば、1つのポートへの経路上の輸送部材内の空隙は、水溶性材料で
充填され、第2のポートへの経路上の輸送材料内の空隙は脂溶性材料で充填され
てもよい)であってもよい。また、輸送媒体は、選択性をさらに高めるために、
親水性または親油性であってもよい。
【0235】 特定の実施形態において、内側領域は、液体輸送プロセスの開始時において、
液体の空隙であってもよい(すなわち、液体輸送部材の周りの大気圧よりも低い
圧力のガスを含む)。そのような場合において、液体ソースによって供給される
液体は、膜ポート領域または開口ポート領域を貫通して、膜および内側領域の空
隙を満たすことができる。膜ポート領域が液体可溶性材料からなる他の実施形態
において、この部材に接触する第1の液体は、まずこの可溶性材料を溶解した後
、膜を湿らせる。そのような例において、内側領域は輸送液体によって完全に充
満されなくてもよいが、一致量の残留ガスまたは蒸気が保持されていてもよい、
ガスまたは蒸気が輸送液体中に可溶である場合には、なんらかの液体が部材を通
過した後、実質的すべての最初の設定されたガスまたは蒸気が取り除かれ、内側
領域は実質的にガスを含まないようになる。内側領域内にいくらかの残留ガスま
たは蒸気が存在している場合には、図8に示されるような、膜ポート領域(12
06)と内側領域(1203)を包囲する開口ポート領域(1207)とを備え
る壁領域(1202)による、およびガスを蓄積させるような領域(1210)
による特別な手段をとらない限り、流体部材の有効利用可能断面を減少させてし
まう。
【0236】 本発明のさらなる実施形態において、上述の1つまたはそれ以上の実施形態を
組み合わせることができる。 液体輸送システム 以下に、本発明に従って適切な液体輸送システム(LTS)を生み出すような
液体輸送部材の適切な構成を説明する。
【0237】 本発明の範囲の液体輸送システムは、少なくとも1つの液体輸送部材と、該部
材に液体連通する少なくとも1つのさらなる液体シンク(溜まり)またはソース
(源)との組み合わせを備えている。
【0238】 ソースは、輸送部材によって容易に受け入れ可能なように、自由液体または緩
く結合した液体の任意の形態が可能である。
【0239】 たとえば、液体のプール、または自由に流れる液体体積、または液体で充満さ
れた開口多孔性構造物である。
【0240】 シンクは、任意の形態の液体受容領域でありうる。特定の実施形態においては
、液体ソース内の液体よりもより緊密に結合した液体を有することが好ましい。
シンクは、液体が自由に流れるように自由液体を含む要素または領域であっても
よいし、あるいは重力が部材から取り除かれていてもよい。あるいは、シンクは
吸収剤または超吸収材料、吸収性フォーム、発泡性フォームを含んでいてもよい
し、あるいは、バネ活性化ベローシステムから成るものであってもよいし、ある
いは、浸透圧によって機能する材料を含んでいてもよいし、あるいはその組み合
わせであってもよい。
【0241】 本文中における液体連通とは、液体のシンクまたはソースから部材に移動する
または輸送される能力のことをいい、たとえば、要素を接触させることによって
、あるいは液体が残った空間の橋架けを行うことができるように要素を非常に近
づけることによって、容易に達成されることができる。
【0242】 そのような液体輸送システムは、上述の本発明に従う液体輸送部材に加えて、
少なくとも1つの液体シンクまたはソースを備える。少なくともという用語は、
液体輸送部材そのものが液体を貯蔵または放出することが出来るようなシステム
に適用され、そのような液体輸送システムは、 シンクおよび液体放出液体輸送部材、または ソースおよび液体受容液体輸送部材、または シンクおよびソースおよび液体輸送部材を備える。
【0243】 これらの選択肢のそれぞれにおいて、液体輸送部材は、部材の外側のシンクま
たはソースに加えて、液体放出または受容特性を有していてもよい。
【0244】 少なくとも膜ポート領域の一部分は、ソース液体と液体連通していなければな
らず、シンク材料にも適用可能である。1つの方策としては、膜ポート領域材料
に液体輸送部材の外表面の一部または全部を形成させて、液体ソースまたはシン
クの液体などの液体が容易に膜ポート領域に接触するようにすることである。有
効なポート領域の大きさは、それぞれシンクまたはソースとの液体連通の大きさ
によって決定することができる。たとえば、膜ポート領域の全体は、シンクまた
はソース、あるいはその一部だけと接触させることができる。
【0245】 本発明の1つの実施形態において、液体輸送部材の機能は、この開口部が空気
に暴露されていない限り、すなわち該開口部を備える液体輸送部材の一部が浸漬
される液体によって効果的に閉じられている限り維持される。本発明のさらなる
実施形態は、膜ポート領域の孔よりは著しく大きいもの、開口部において内側領
域にガス気泡を発生させないように充分に小さい1つまたはそれ以上の開口部を
有する開口ポート領域を備え、この実施形態に対しては、開口ポート領域は、液
体リザーバから除去された上述の条件下にあってもよい。
【0246】 シンクが部材から液体を受け取ることができ(各ポート領域にも適用可能)、
ソースが部材に向けて液体を放出することができ(各ポート領域にも適用可能)
なければならないことは、明らかであろう。
【0247】 以後、本発明に従う液体輸送部材の液体ソースは、装用者または開口水リザー
バから放出される尿などの自由に流れる液体でありうる・ 液体ソース領域は、吸収体内の液体補足部材などの中間リザーバでもありうる
【0248】 類推によれば、液体シンクは自由流れチャンネル、または拡張式リザーバ、た
とえば機械的拡張またはバネなどのスペーサ手段と組み合わされたベロー要素な
どであってもよい。
【0249】 液体シンク領域は、吸収体などにおいて有用である吸収性部材の最終液体貯蔵
要素であってもよい。
【0250】 好ましい実施形態において、液体輸送システムは、後述する要求吸収性試験に
おいて測定した場合に、シンク材料の重量を基準として、少なくとも5g/g、
好ましくは少なくとも10g/g、より好ましくは少なくとも50g/g、最も
好ましくは少なくとも75g/gの吸収容量を有する。
【0251】 さらに別の好ましい実施形態において、液体輸送システムは、後述するティー
バッグ遠心容量試験において測定した場合に、液体輸送システムの重量を基準と
して、少なくとも10g/g、好ましくは少なくとも20g/g、より好ましく
は少なくとも50g/gの吸収容量を有する。
【0252】 さらに別の好ましい実施形態において、液体輸送システムは、1998年6月
29日に出願された係属PCT特許出願US98/13497号に記載されてい
るような、公知の毛管吸引試験に供した場合に、部材のバブルポイント圧力に対
応する毛管吸引が、特に少なくとも4kPa、このましくは少なくとも10kP
までの、少なくとも5g/g、好ましくは少なくとも10g/g、より好ましく
は少なくとも50g/g、最も好ましくは少なくとも75g/gの吸収容量を与
える吸収性材料を含んでいる。そのような材料は好ましくは、4kPaまたは1
0kPaなどのバブルポイント圧力以上の毛管吸引試験において、5g/g未満
、好ましくは2g/g未満、より好ましくは1g/g未満、最も好ましくは0.
2g/g未満に低い容量を示す。
【0253】 ある特定の実施形態において、液体輸送部材は、PCT出願US98/050
44に記載されているような高内部相エマルション重合によって製造された超吸
収材料またはフォームを含んでいる。典型的には、液体シンク材料の吸引は、ポ
ート領域のバブルポイント圧力を超えることはない。 適用 本発明に従う液体輸送部材またはシステムは広い分野において適用される。以
下は、そのような部材やシステムが有用である分野を例示するためのものであり
、限定するものとはいかにしてもみなされない。
【0254】 他の適切な適用分野は、包帯または他のヘルスケア吸収システムの分野である
。他の態様において、物品は水輸送システムまたは部材であってもよく、たとえ
ば輸送する液体を純化することなどによって、任意により輸送機能と濾過機能を
組み合わせたものであってもよい、また、部材は液体を制御された様式で放出す
るなどによって、洗浄操作においても有用でありうる。本発明に従う液体輸送部
材は、油またはグリース吸収剤であってもよい。
【0255】 1つの特別な適用分野は、植物のための自己調節灌漑システムにおけるもので
ある。この場合、入口ポートはリザーバに浸漬されてもよく、輸送部材は長いチ
ューブの形状であってもよい。公知の灌漑システム(BLUMATとして市販さ
れているもの。ジャデ@ナショナル・ギルド、PoBox5370、Mt Cr
ested Butte,CO81225)とは対照的に、本発明に従うシステ
ムは、リザーバの乾燥によってその機能を失わず、リザーバが再度充填されるま
で機能を維持している。
【0256】 さらなる適用は、エアコンディショニングシステムにおいて見出され、灌漑シ
ステムに対して上述したのと同様の効果が得られる。この場合も、ポート領域の
孔径が小さいので、このシステムは従来の湿潤手段、たとえば多孔性クレイ構造
または吸い取り紙タイプの要素に比べて洗浄が簡単であるだろう。
【0257】 さらに別の応用としては、生物システムまたは医療分野において予想されるよ
うな、細密ポンプとの交換である。
【0258】 さらに別の適用分野は、油/水混合物から油を輸送することを目的とする場合
などの、液体の選択的輸送において見出される。たとえば、水の上に油がこぼれ
た場合に、液体輸送部材はその油を別のリザーバに輸送するために用いられるこ
とができる。あるいは、油は油に対するシンク機能を有する液体輸送部材内に輸
送されることもできる。
【0259】 さらに別の適用では、本発明の液体輸送部材を信号伝送装置として用いる。そ
のような適用において、輸送された液体の全量は非常に大きい必要はなく、それ
よりも輸送時間が短くなくてはならない。このことは、液体で充満された輸送部
材を有することにより、該輸送部材が入口ポートにおいて少量の液体を受け取る
だけで出口ポートにおいて実際に即座に液体を放出することによって達成される
。この液体は、信号または活性かされた反応などのさらなる反応を、封止を溶解
して保存された機械的エネルギーを放出して形状および構造における立体的変化
をもたらすことなどによって、刺激するために用いられることもできる。
【0260】 さらに別の用途は、非常に短い液体輸送の反応時間と、実際の迅速な反応時間
を利用したものである。 液体輸送部材の製造方法 本発明に従う液体輸送部材は、様々な方法によって製造することができるが、
それらの方法は共通して必須の工程を有していなければならない。すなわち、上
述のようにそれぞれの特性を適切に選択しながら、バルクまたは内側領域をポー
ト領域を備える壁領域と組み合わせる工程である。このことは、均一な材料から
スタートして、この材料に異なる特性を付与することによって達成することがで
きる。たとえば、部材がポリマーフォーム材料である場合には、この部材は様々
な孔径を有する1つのをモノマー製造した後、これを重合させて適切な部材を形
成する。
【0261】 このことは、様々な本質的に均一な材料からスタートして、これらを部材に組
み合わせることによって達成することもできる。この実施において、均一または
可変の特性を有してもよい壁材料を提供することができ、開口多孔材料であって
もよいバルク材料を提供することができるか、あるいはバルク領域を表すために
空隙を規定することもできる。これらの2つの材料は、壁材料がバルク領域また
はバルク領域材料を完全に包囲するように、技術上周知の包装または封入などの
適切な技術によって組み合わせることもできる。
【0262】 液体輸送を可能にするために、バルク領域は液体によって充満されていてもよ
いし、あるいは真空にされてもよいし、あるいは真空を生み出すための他の補助
手段を備えていてもよいし、あるいは液体で満たされていてもよい。
【0263】 任意により、本発明に従う部材の製造方法は、機械式のものであってもよい活
性化手段を適用する工程を含んでいてもよい。この活性化手段は、輸送液体に対
して溶解などの反応をする材料からなるものであってもよい。そのような材料は
、たとえば使用によってポート領域を開放するようにポート領域に対して適応し
てもよいし、あるいは、バルク領域に対して適用して、該領域が湿潤によって膨
張するようにすることもできる。
【0264】 本発明に従う部材の製造は、ロール形態で提供される様々な材料を用い、これ
らを巻き戻して加工するなどして本質的に連続した方法で行うこともできるし、
あるいは、材料のいずれかをフォーム片あるいは粒子などの個別の形態で用いる
こともできる。
【0265】 例 以下の項目では、本発明に従う液体輸送部材およびシステムに対する特別の適
切な例を与える。まずこれらの部材またはシステムの特定の領域における使用に
適した様々なサンプルについて記述することから始める。 膜ポート領域に適したS−1サンプル: ポート領域に適したS−1サンプル: S−1.1:織布フィルタメッシュHIFLO(登録商標)、タイプ20。た
とえばハーバー&ベーカー社(Haver & Boecker、オエルデ、ド
イツ)などから入手可能、ステンレス鋼製、有孔率61%、厚み0.09mm、
19μm〜20μmまでの濾過用に設計されたもの。
【0266】 S−1.2a:ポリアミドメッシュモノデュア(Monodur)タイプMO
NPA20N、たとえば、ヴェルセイダッグ社(Verseidag、ゲルデル
ン−バルトベック、ドイツ)から入手可能なもの。
【0267】 S−1.2b:ポリアミドメッシュモノデュアタイプMONPA42.5N、
たとえば、ヴェルセイダッグ社(Verseidag、ゲルデルン−バルトベッ
ク、ドイツ)から入手可能なもの。
【0268】 S−1.3a:ポリエステルメッシュ、たとえばSEFAR社(ルシェリコン
、スイス)の07−20/13など。
【0269】 S−1.3b:ポリアミドメッシュ、たとえばSEFAR社(ルシェリコン、
スイス)の03−15/10など。
【0270】 S−1.3c:ポリアミドメッシュ、たとえばSEFAR社(ルシェリコン、
スイス)の03−20/14など。
【0271】 S−1.3d:ポリアミドメッシュ、たとえばSEFAR社(ルシェリコン、
スイス)の03−1/1など。
【0272】 S−1.3e:ポリアミドメッシュ、たとえばSEFAR社(ルシェリコン、
スイス)の03−5/1など。
【0273】 S−1.3f:ポリアミドメッシュ、たとえばSEFAR社(ルシェリコン、
スイス)の03−10/2など。
【0274】 S−1.3g:ポリアミドメッシュ、たとえばSEFAR社(ルシェリコン、
スイス)の03−11/6など。
【0275】 S−1.4:米国特許第5,108,383号(White,Allied−
Signal Inc.)に開示されているようなセルロースアセテート膜。
【0276】 S−1.5:T.デスマライス(DesMaraisら)によって1998年
3月13日に出願された、「高吸引ポリマーフォーム」という名称の米国特許出
願シリアル番号09/042429号の教示に従って製造したHIPEフォーム
。この記載は、この文献がここに引用されることによりここに組み込まれる。
【0277】 S−1.6:ナイロンストッキング、たとえばハドソン社などからドイツ国内
で市販されている1.5デニールタイプのもの。 ポート領域を示さない壁領域に適したS−2サンプル S−2.1:可撓性接着性被覆フィルム、たとえば、アルコー社(Alkor
、グレフェルフィング、ドイツ)から商標名「d−c−fix」として市販され
ているもの。
【0278】 S−2.2:プラスチック漏斗、フィッシャー・サイエンティフィック社(F
ischer Scientific、ニドラウ、ドイツ)のカタログ番号62
561720のもの。
【0279】 S−2.3:可撓性チューブ(内径約8mm)、たとえば、バーナント社(B
arnant Company、バーリントン、イリノイ60010、米国)に
よって販売されているノートン社(Norton)のマスターフレックス640
4−17など。
【0280】 S−2.4:使い捨ておむつのバックシート材料として用いられているような
従来のポリエチレンフィルム、たとえばコードDH−227としてクロペイ社(
Clopay Corp.、シンシナティ、OH、米国)から入手可能なもの。
【0281】 S−2.5:使い捨ておむつのバックシート材料として用いられているような
従来のポリエチレンフィルム、たとえばコードBSコード441118としてヌ
オバ・パンサック・SpA(Nuova Pansac SpA、ミラノ、イタ
リア)から入手可能なもの。
【0282】 S−2.6:可撓性PVCチューブ、たとえば、フィッシャー・サイエンティ
フィック社(Fischer Scientific、ニドラウ、ドイツ)のカ
タログ番号62085384のもの。
【0283】 S−2.7:PTFEチューブ、たとえば、フィッシャー・サイエンティフィ
ック社(Fischer Scientific、ニドラウ、ドイツ)のカタロ
グ番号62045668のもの。 内側領域に適したS−3サンプル S−3.1:任意の靱性壁/ポート領域から作成した空隙。
【0284】 S−3.2:外径4mm、長さ約6cm、任意の力が与えられた金属製バネ、
たとえば、フェダンファブリック・ディエッツ社(Federnfabric
Dietz、ノイスタット、ドイツ)より入手可能な「federn」商品番号
DD/100で指定されるもの。
【0285】 S−3.3:レクティセル社(Recticel、ブリュッセル、ベルギー)
の連続気泡フォーム、たとえば、フィルトレンTM10ブルー、フィルトレンT
M20ブルー、フィルトレンTM30ブルー、フィルトレンフィレンド10ブラ
ック、フィルトレンフィレンド30ブラック、フィルトレンHC20グレー、フ
ィルトレンフィレンドHC30グレー、ブルプレンS10ブラック、ブルプレン
S20ブラック、ブルプレンS30ブラックなど。
【0286】 S−3.4:デスマライス(DesMaraisら)によって1998年3月
13日に出願された、「水性液体分配のための吸収材料」という名称の米国特許
出願シリアル番号09/042418の教示に従って製造したHIPEフォーム
、この記載は、この文献がここに引用されることにより、ここに組み込まれる。
【0287】 S−3.5:S−3.4またはS−3.3の粒状片。 圧力勾配作成手段のためのS−4サンプル S−4.1:米国特許第5,108,383号(White,Aallied
Signal)の教示に従う浸透圧勾配材料。
【0288】 S−4.2:静水圧差を生み出す入口と出口の高さの差。
【0289】 S−4.3:毛管圧差を生み出す様々な部分飽和された多孔性材料(吸収性フ
ォーム、超吸収性材料、粒子、砂、土)。
【0290】 S−4.4:たとえば出口への真空ポンプ(気密封止された)によって生み出
される、入口と出口の空気圧差。 輸送部材に対する実施例A ポート領域、液体によって充満された内側領域と壁領域との組み合わせ。
【0291】 A)約20cmの長尺チューブ(S−2.6)をガラス漏斗(S−2.2)に
気密に連結する。封止はパラフィンM(フィッシャー・サイエンティフィック社
(Fischer Scientific、ニドラウ、ドイツ)のカタログ番号
61780002として入手可能)を用いて行うことができる。漏斗の開口面積
よりも僅かに大きいポート材料の円形片(S−1.1)を漏斗に気密に封止する
。封止は適切な接着剤、たとえばヘンケルKGA(ドイツ)のPattex(登
録商標)などを用いて行うことができる。輸送システム(すなわち部材および(ソースおよび/またはシンク))に対する 実施例B B)液体輸送システムの用途を例示するために、液体輸送部材Aが、入口領域
の一部分が液体リザーバに浸漬され、出口ポートが植木鉢の土壌中に配置される
ように、液体ソースリザーバと植木鉢との間に配置されている。リザーバおよび
植木鉢の相対高さは、この部材の長さとは一切関係なく、約50cmの部材の長
さには至らないであろう。
【0292】 方法 活性化 本発明に従う液体輸送部材の液体処理能力に関係する特性が液体輸送の際に考
慮され、いくつかの材料または設計が、たとえば輸送または部材の製造とその意
図された使用の間の他の処理を容易にするために、これらとは異なる特性を有し
ている可能性があるので、そのような部材は試験に供する前に活性化する必要が
ある。
【0293】 用語「活性化」は、たとえば流路との液体連通を確立したり、推進圧力差を初
期化したりして、部材が使用状態にもたらされることをいい、このことは、使用
者の使用前活性化をシュミレートした機械的活性化によって達成される(たとえ
ば、クランプなどの拘束手段の除去、接着剤などを付した剥離紙の剥離、パッケ
ージシールの除去などにより、機械的に膨張させる。この際、任意により部材内
に真空が生み出される)。
【0294】 活性化は、活性化手段上の伝達される他の刺激、たとえばpHや温度の変化、
照射などによっても達成することができる。活性化は、たとえば一定の溶解特性
を有したり、濃度が変化したり、酵素のような活性化成分を有している液体との
相互作用によっても達成することができる。このことは輸送液体そのものによっ
ても達成されることができ、このようなれ意において、部材は輸送液体の代表と
なる試験液体に浸漬されていなければならず、任意に真空ポンプによって空気を
除去し、30分間平衡化させる。その後、部材を液体から取出し、粗いメッシュ
(14メッシュふるいなど)の上に置いて過剰な液体を滴下させる。 閉じた系における試験 この試験は、輸送材料または部材が本発明の原理を満足するかどうかを評価す
るための簡単に実施できる手段を提供するものである。材料または部材を除外す
ることは有用でないことに留意すべきである。すなわち、材料または部材が閉じ
た系における試験に合格しなかった場合でも、本発明に従う液体輸送部材である
可能性のない可能性もある。
【0295】 まず最初に、試験片を上述のようにして活性かするとともに、重量をモニター
することにより、乾燥系の重量ならびに当初の液体の重量を測定することができ
る。試験片が活性化前にすでに有意量の液体を含有している場合には、当初の液
体の重量は、たとえば穏やかな条件下で乾燥させるなどの従来の方法によって測
定することができる。
【0296】 次に、試験片を、該試験片の最長方向が重力ベクトルと一直線上にくるように
定位置に懸架または支持する。たとえば、試験片は、水平に対して90°に近い
角度をなして配置された支持板またはメッシュによって支持することもできるし
、あるいは、垂直位置にあるストラップまたは帯によって支持することもできる
。ここで、開口ポート領域は膜ポート領域の下方に位置し、リザーバの液体に浸
漬されていなければならない。試験片は、手順の全体に亘って重量をモニターで
きるように、便宜上錘装置に固定することもできる。リザーバもスケール上に置
くことができる。
【0297】 そして、次の段階として、サンプルの一部かつリザーバの液体レベルの真上に
おいて壁領域を開口する。すなわち、サンプルが鋭い角を有している場合には、
これらの角において、また湾曲状または円弧状の周縁を有する場合には、その周
縁の頂点において開口する。開口は、下方の開口部を液体が通過し、上方の開口
部を空気が通過するように、圧力を加えたり押し込んだりしなくても液体が流れ
ることができるような十分な大きさを有していなければならない。典型的には、
開口部は少なくとも2mmの内接円の径を有していれば充分である。
【0298】 開口は、ハサミ、クリッピングトング、針、鋭利な刃物、外科用メスなどを用
いるなど、任意の適切な手段によって行うことができる。サンプルに切り込みを
入れる場合には、2次元開口部を作成するために、切り込みの側面が互いに離反
できるように行わなければならない。あるいは、壁材料の一部を除去するように
切断することによって、開口部を作成することもできる。
【0299】 サンプルには一切の重量、圧力が付加されないように、あるいは圧搾されない
ように注意を払わねばならない。同様に、重量差を計算する際に精密に考慮され
ることのない限りは、開口手段によって液体は一切除去されてはならない。
【0300】 液体または部材が本発明に従う液体輸送部材である場合には、液体は開口部ま
たは開口ポートを介してリザーバに流入する。
【0301】 系およびリザーバの重量を、好ましくは試験片を開口してから10分以内にモ
ニターする。過剰の蒸発が起こらないように注意を払わなければならない。これ
が起こった場合、このことは、試験時間に亘って、開口させていないサンプルの
重量損失をモニターし、これを結果に相関させることにより確認することができ
る 開口前の試験片中の液体を基準にして試験片の重量損失が3%以上である場合
には、被試験材料または部材は試験に合格したことになり、本発明の液体輸送部
材となる。
【0302】 滴下重量が当初の全重量の3%未満である場合には、この試験は、その材料が
本発明に従う液体輸送部材であるかどうかの評価を行うことができない。 泡立ち点圧力(ポート領域) 以下の手順は、膜ポート領域のバブルポイント(圧力泡立ち点圧力)またはポ
ート領域に有用な材料のバブルポイント圧力を評価することが望まれる場合に、
適用される。
【0303】 まず最初に、各ポート領域のポート領域材料を実施例A−1において記載した
ように漏斗およびチューブに連結する。ここで、チューブの下端は開口させたま
ま、すなわちポート領域材料によって被覆しないでおく。チューブは、充分な長
さ、すなわち長さ10mまでのものが必要とされるかも知れない。
【0304】 試験材料が非常に薄いか壊れ易い場合、該材料を漏斗およびチューブに連結す
る前に、非常に開口した支持構造物(たとえば、不織布開口層など)によって支
持することが適切であるかもしれない。
【0305】 試験片が充分な大きさをもたない場合、漏斗は小さいものに交換してもよい(
たとえば、フィッシャー・サイエンティフィック社(Fischer Scie
ntific、ニドラウ)のカタログ番号62561602のものなど)。
【0306】 試験片が大きすぎる場合には、漏斗に嵌合するような代表片を切り出すことも
できる。
【0307】 試験液体は輸送される液体であってもよいが、比較を容易にするために、試験
液体は、トリトンX−100(メルクKGaA(Merck KgaA)、ダル
ムサット、ドイツ)よりカタログ番号1.08603として入手可能なものなど
)を蒸留水または脱イオン水に溶解した0.003%トリトンX−100溶液と
すべきであり、これにより、さらに説明するような表面張力方法に従って測定し
た場合に、33mN/mの表面張力が得られる。
【0308】 装置を試験溶液で充満された十分な大きさのリザーバに浸漬し、真空ポンプを
用いて残留水を除去することにより、試験溶液で満たした。
【0309】 漏斗の下(開口)端をリザーバ内の液体内に維持しながら、ポート領域を有す
る漏斗の一部分を液体から取出す。適時(必須ではない)、ポート領域材料を有
する漏斗を水平に保っておくべきである。
【0310】 ポート材料をリザーバの上方にゆっくりと上昇させながら、その高さをモニタ
ーし、気泡が材料を通って漏斗の内部に流入しないかどうか、漏斗またはポート
材料そのもの全体にわたって注意深く観察する(任意により、適当な照明を用い
て)。この時点におけるリザーバ上方の高さが、バブルポイント高さとして記録
される。
【0311】 この高さHから、バブルポイント圧力BPPが、液体密度をρ、重力定数をg
(g=9.81m/s)として、以下のようにして計算される。
【0312】 BPP=ρ・g・H 特に約50kPaを越えるバブルポイント圧力に対しては、濾過システムに用
いられる膜に対してバブルポイント圧力を評価するために一般に用いられている
ような、代替測定法も用いることができる。
【0313】 ここで、一方が上昇したガス圧(空気圧など)下に置かれる場合、膜は2つの
液体充満チャンバを分割し、最初の空気泡が「突破」したときの点が記録される
。 表面張力試験の方法 表面張力の測定は、クルスGmBH(Kruss GmbH、ハンブルグ、ド
イツ)のテンションメータK10Tを用いて、装置の説明書に記載されているよ
うなデュノイ(DuNouy)リング法を用いるなど、当業者によって周知であ
る。ガラス製品をイソプロパノールおよび脱イオン水で洗浄した後、105℃で
乾燥させた。プラチナリングをブンゼンバーナー上で赤熱状態になるまで加熱す
る。最初の基準測定はテンションメータの精度を確認するために行う。適切な回
数の試験を繰り返して、データの整合性を確保する。mN/mの単位で表される
その液体の表面張力の結果は、それぞれ液体/固体/気体系の付着張力値および
表面エネルギーパラメータを決定するために用いられる。蒸留水は一般に72m
N/mの表面張力値を示し、0.03%トリトンX−100溶液は33mN/m
の表面張力値を示す。 液体輸送試験 以下の試験は、入口および出口ポート領域間に一定の輸送経路長Hを有する
規定された入口および出口ポート領域を有する液体輸送部材に対して適用するこ
とができる。1つの均一な材料から製造されているなどの理由によりそれぞれの
ポート領域が決定されないような部材に対しては、これらの領域は、意図された
用途を考慮し、それぞれのポート領域を規定することにより、定めることができ
る。
【0314】 試験を実施する前に、液体輸送部材は必要であれば上述のようにして活性化し
なければならない。
【0315】 試験片を、ホルダから吊り下げるなどして、開口ポートが膜ポートの下方にく
るように液体リザーバ上の垂直位置に配置する。この際開口ポートはリザーバ内
の液体に完全に浸漬されたままにする。膜ポートを外径6mmの可撓性チューブ
などを介して真空ポンプに連結し、(任意により、サンプルとポンプとを連結す
る分離フラスコなどによって)、液体輸送部材に対するバブルポイント圧力の方
法において説明したように気密に封止する。真空吸引圧力差は、モニターし調節
することができる。
【0316】 膜ポートの最下部は、リザーバ内の液面から高さH上方にくるように調節す
る。
【0317】 圧力差を、液体密度をρ、重力定数をg(g=9.81m/s)として圧力
=0.9kPa+ρgHまでゆっくりと増加させる。
【0318】 この圧力差に達した後、リザーバ内の液体の重量の減少を、好ましくはリザー
バの重量を測定するスケールの上にリザーバを載置し、このスケールを計算装置
に接続することによりモニターする。最初の不安定な減少(典型的には約一分未
満もかからない)の後、リザーバ内の重量の減少は一定(すなわち、データをグ
ラフ表示した場合に直線を示す)になる。この経時的に一定の重量減少が、0.
9kPaの吸引および高さHにおける液体輸送部材の流量(g/s)である。
【0319】 0.9kPaの吸引における液体輸送部材の対応する流束は、流量を液体輸送
部材の流路に沿った平均断面積で割ることによって計算され、単位g/s/cm で表される。
【0320】 リザーバ内の液量が1mmより多く変化しないように、リザーバが十分な大き
さを有するように注意を払わなければならない。
【0321】 さらに、液体輸送部材の有効透過性は、流束を流路に沿った平均長および推進
圧力差(0.9kPa)で割ることによって計算することができる。 液体透過性試験 一般に、輸送流体を代表する適切な試験流体を用いてこの試験は行うべきであ
る。たとえば、吸収性使い捨て物品の内容に適用する場合には、Jayco S
ynUrine ss(Jayco Pharmaceuticals Com
pany、キャンプヒル、ペンシルベニアから入手可能)がてきせつであること
が見出されている。合成尿の組成は、2.0g/lのKCl、2.0g/lのN
SO、0.85g/lの(NH)O、0.15g/lの(NH)O 、0.19g/lのCaCl、および0.23g/lのMgClである。
すべての物質は試薬グレードのものである。合成尿のpHは、6.0〜6.4の
範囲である。約23±2℃および相対湿度50±10%の制御実験室条件下にお
いて、そのような適用を行うことが有用であることが見出されている。試験片を
試験前にこれらの条件下に24時間保存し、適用可能である場合には、上述のよ
うに活性化する。
【0322】 本透過性試験は、2つの特別な条件に対する透過性を測定することができる。
すなわち、広範に亘る100%飽和にある多孔性材料(たとえば、合成繊維から
製造された不織布、またはセルロース構造物)に対して透過性を測定することが
できるか、あるいは、空気によって充填されることなく(外側蒸気相)、異なる
飽和度およびそれに比例して厚みが変化するような材料、たとえば圧潰可能なポ
リマーフォームに対して、様々な厚みにおける変化する飽和度において透過性を
容易に測定することができる。
【0323】 特にUS−A−5,563,179号またはUS−A−5,387,207号
に開示されているようなポリマーフォーム材料に対しては、吸収体に対する使用
時の条件をより良好にシュミレートするために、温度を31℃に上げて行うと有
用であることが見出されている。
【0324】 原理上は、この試験はダルシーの法則に基づいており、この包装にしたがって
、任意の多孔性媒体を通過する液体の体積流量は、圧力勾配に比例し、その比例
定数は透過性に関連している。
【0325】 Q/A=(k/η)×(ΔP/L) ここにおいて: Q=体積流量[cm/s]、 A=断面積[cm]、 k=透過性(cm)(1ダルシーは9.869×10−13に相当) η=粘度(ポイズ)[Pa×s] ΔP/L=圧力勾配[Pa/m] L=サンプルの厚み[cm]である。
【0326】 したがって、透過性は、一定または与えられたサンプルの断面積および試験液
体の粘度に対して、圧力低下およびサンプルを通過する体積流量を測定すること
によって計算することができる。
【0327】 k=(Q/A)×(L/ΔP)×η 試験は2つの変形で行うことができる。1つめは横断面(transplan
ar)透過性試験(すなわち、流れ方向が本質的に材料の厚み寸法に沿っている
)であり、2つめは平面内(in−plane)透過性(すなわち、流れ方向が
材料のx−y方向である)のことをいう。
【0328】 横断面透過性試験のための試験準備は、装置全体の概略図である図10に見ら
れるようなものであり、挿入図として、サンプルセルを倍率変化せずに部分的な
分解組立断面図が示されている。
【0329】 試験準備は、一般に上部(19121)および下部(19122)を有する円
形または円筒状のサンプルセル(19120)から成る。これらの部分の距離は
測定されて、それぞれの3つの円周に配置された厚みゲージ(19145)およ
び調節ねじ(19140)によって調節されることができる。さらに、装置は、
入口リザーバ(19150)に対する高さ調節(19170)を含むいくつかの
流体リザーバ(19150,19154,19156)を備え、さらにサンプル
セルを装置の残りの部分と連結するための管類(19180)、急速解除管継手
(19189)、さらに弁(19182、19184、19186、19188
)を備えている。差圧変換器(19197)は、管類(19180)を介して上
方圧力検出点(19194)および下方圧力検出点(19196)に連結されて
いる。弁を制御するためのコンピュータ装置(19190)がさらに、結合部(
19199)を介して差圧変換機(19197)、温度プローブ(19192)
および重量スケールロードセル(19198)に連結されている。
【0330】 1インチ(約2.54cm)の径を有する円形サンプル(19110)が、サ
ンプルセル(19120)内部の2つの多孔性スクリーン(19135)間に載
置される。このサンプルセル(19120)は、タイゴン(tygon)チュー
ブなどの可撓性管類(19180)などによって、入口連結部(19132)を
介して入口リザーバ(19150)に固定され、出口連結部(191339を介
して出口リザーバ(19154)に固定された2個の1インチ(2.54cm)
の内径を有する円筒部品(19120)から成る。独立気泡フォームガスケット
(19115)は、サンプルの側方における漏れを防止する。試験サンプル(1
9110)は、望ましい湿り圧縮に対応する厚みにまで圧縮されるが、特に記載
しないかぎり、これは0.2psi(約1.4kPa)に設定される。液体がサ
ンプル(19110)を通過するようにし、定常状態流を達成する。一旦、サン
プル(19110)内を流れる定常状態流が確立されると、体積流量および圧力
低下をロードセル(19198)および差圧変換器(19197)を用いて時間
の関数として記録する。この実験は、80cm水(約7.8kPa)までの任意
に圧力において行うことができるが、この圧力は高さ調節装置(19170)を
用いて調節することができる。これらの測定から、サンプルに対する異なる圧力
における流量を決定することができる。
【0331】 装置は、ポラス・マテリアルス・インク社(Porous Material
s,Inc.、イタカ、ニューヨーク、アメリカ)などからPMI液体パーミア
メータとして市販されている。このさらなる説明は、2/97の使用説明書に記
載されている。この装置は多孔性スクリーン(19135)として2つのステン
レス鋼フリットを含んでおり、前記パンフレット中でも仕様説明されている。こ
の装置は、サンプルセル(19120)と、入口リザーバ(19150)と、出
口リザーバ(19154)と、廃棄物リザーバ(19156)と、充満および排
出を行う弁および連結部、電子スケール、およびコンピュータ化モニタリングお
よび弁制御ユニット(19190)とによって構成される。
【0332】 ガスケット材料(19115)は、ネーデルランド・ルバー・カンパニー(N
etherland Rubber Company、シンシナティ、オハイオ
、米国)などから供給される独立気泡ネオプレンスポンジSNC−1(Soft
)である。厚みが1/16インチ(約0.159cm)ごとに段階的に変化する
材料のセットを、1/16インチ〜1/2インチ(約0.159cm〜約1.2
7cm)の厚みの範囲をカバーするために利用すべきである。
【0333】 さらに、それぞれの弁を作動させるために、少なくとも60psi(4.1バ
ール)の圧縮空気を供給することが要求される。
【0334】 試験流体は脱イオン水である。
【0335】 次に、試験を以下の段階によって実施する。 1)試験サンプルの準備 予備試験において、試験サンプルの1層またはそれ以上の層が必要かどうかを
決定するが、この際、概説するように最低および最高圧力で試験を行う。試験中
の流量が最低圧力滴下における0.5cm/秒と、最高圧力滴下における15
cm/秒の間に維持されるように層の数を調節する。サンプルに対する流量は
、同一圧力滴下においてブランクに対する流量を下回ってはならない。与えられ
た圧力滴下に対してサンプルの流量がブランクの流量を超えた場合には、流量を
減少させるために、より多くの層を加えなければならない。
【0336】 サンプルの大きさ:サンプルは、マックマスター・カル・サプライ・カンパニ
ー(Macmaster−Carr Supply Company、クリーブ
ランド、オハイオ、米国)などから供給されるようなアーチパンチを用いて、直
径1インチ(約2.54cm)に裁断される。サンプルが非常に小さい内部強度
または完全性しか有さず、必要な操作の間にその構造を維持できない場合には、
PETスクリムやネットなどの従来の低い坪量の支持手段を添加することもでき
る。
【0337】 したがって、少なくとも2つのサンプル(必要であれば、それぞれ要求される
数の層からなる)が予め裁断される。次に、これらのうちの一方を実験を行うべ
き温度(特に注記しないかぎり、70°F(31℃))下で脱イオン水に飽和さ
せる。
【0338】 特に望まれない限り1 1/18インチ(約2.86cm)の押え径を有し、
サンプル(19110)に対して0.2psi(約1.4kPa)の圧力をかけ
る従来のはさみ尺(AMES、ウォルサム、マサチューセッツ、米国によって供
給されるものなど)を用いて、実験を行うための要求される圧縮圧力下で、湿っ
たサンプルの厚みを測定する(必要であれば、30分間の安定化時間後)。
【0339】 ガスケット材料の適当な組み合わせは、ガスケットフォーム(19115)の
厚みが、湿ったサンプルの厚みの150〜200%となるように選ばれる(全体
の要求される厚みを達成するためには、異なるガスケット材料の厚みを組み合わ
せることが必要かもしれない)。ガスケット材料(19115)は、直径3イン
チの大きさの円形に裁断し、アーチパンチを用いてその中心に1インチ(2.5
4cm)の孔を開ける。
【0340】 サンプルの寸法が湿潤によって変化するような場合には、サンプルは湿潤段階
において要求される直径を有するように裁断すべきである。このことは、それぞ
れの直径をモニターすることによって。この予備試験においても評価することが
できる。これらが、空隙が形成されるか、あるいはサンプルが皺を形成して多孔
性スクリーンまたはフリットへの平滑な接触が妨げられてしまうような変化であ
る場合は、それに応じて裁断径を調整すべきである。
【0341】 試験サンプル(19110)をガスケットフォーム(19115)内の孔の内
側に載置し、この複合体をサンプルセルの下方半部の上部に載置し、これにより
サンプルがスクリーン(19135)に対して平面的かつ平滑に接触し、側方に
いかなる空隙も形成されないようにする。
【0342】 試験セル(19121)の上部を、実験台(または水平面)上に平らに置き、
その上に取り付けられた3つすべてのはさみ尺(19145)をゼロにする。
【0343】 試験サンプル(19110)を有したガスケット材料(19115)が2つの
部分の間に載置されるように、試験セル(19121)の上部を下部分(191
22)の上に載置する。次に、上述のそれぞれの圧力下で湿ったサンプルに対し
て測定した場合に3つのはさみ尺が同一の値に調整されるように、上部分と下部
分とを固定ねじ(19140)によって固締する。
【0344】 2)実験の準備を行うために、コンピュータ化ユニット(19190)上のプ
ログラムを開始し、サンプルの識別子、代表的圧力などを入力する。
【0345】 3)試験は、最初の圧力を最低圧力として1つのサンプル(19110)に対
して数回の圧力サイクルを繰り返す。それぞれの圧力での結果は、コンピュータ
化ユニット(19190)によって異なる結果ファイルに入れられる。これらの
ファイルのそれぞれから後述するような計算のためにデータが取出される。(次
の材料を試験する場合には、いつも異なる材料を用いなければならない)。
【0346】 4)内側液体リザーバ(19150)を要求される高さに設定し、コンピュー
タ化ユニット(19190)上での試験を開始する。
【0347】 5)次に、サンプルセル(19120)を急速脱着管継手(19189)によ
ってパーミアメータユニット内に位置決めする。
【0348】 6)通気弁(19188)および下部充填弁(bottom fill va
lve)(19184,19186)を開放することにより、サンプルセル(1
9120)を充満させる。この段階のあいだ、システムから気泡を取り除くこと
に注意を払わなければならない。このことは、サンプルセルを垂直に回転させ、
気泡がある場合には、これをドレインを介してパーミアメータから排出させる。
【0349】 一旦、サンプルセルがチャンバ(19121)の上部に固定されたタイゴン管
類まで満たされると、この管類から廃棄物リザーバ(19156)に気泡を取り
除く。
【0350】 7)注意深く気泡を取り除いた後、下部充填弁(19184,19186)を
閉じ、上部充填弁(19182)を開放し、この場合も注意深くすべての気泡を
除去しながら上部分を充満させる。
【0351】 8)流体リザーバを満水線(19152)まで試験流体で満たす。
【0352】 その後、コンピュータ化ユニット(19190)を初期化することにより、サ
ンプルへの流れを開始させる。
【0353】 サンプルチャンバ内の温度が要求される値に達したところで、実験の準備は整
ったことになる。
【0354】 コンピュータ化ユニット(19190)を介して実験を開始すると、液体出口
流は自動的に廃棄物リザーバ(19156)から出口リザーバ(19154)に
反転され、圧力が低下し、圧力低下および温度が数分間に亘って時間の関数とし
てモニターされる。
【0355】 一旦、プログラムが終了すると、コンピュータ化ユニットは記録されたデータ
(数的および/図示的な形態)を提供する。
【0356】 要求される場合には、同一のサンプルを用いて、圧力ヘッドを変化させて試験
毎に圧力を増加させていくことにより、透過性を測定することもできる。
【0357】 装置、特にフリット、ロードセル、熱電対、および圧力変換器は、2週間ごと
に洗浄し、少なくとも1週間に一度は較正を行うべきであり、これは装置の提供
者の指示に従う。
【0358】 差圧は、サンプルセルの上部および下部内の圧力プローブ測定点(19194
,19196)に連結された差圧変換器を介して記録される。チャンバ内には記
録された圧力に加わる他の流体抵抗が存在する可能性があるので、それぞれの実
験は空試験を行って補正しなければならない。空試験は、毎日、10,20,3
0,40,50,60,70,80cmの要求された圧力で行うべきである。パ
ーミアメータは、各実験に対して平均試験圧力を出力し、平均流量も出力する。
【0359】 サンプルが試験される各圧力に対して、流量はコンピュータ化ユニと(191
90)によってブランク相関圧力として記録され、これはさらに、各高さの記録
された圧力差の平均試験圧力(実際の圧力)と相関されて、相関圧力が得られる
。この相関圧力は、以下の透過性の式において用いられるDPである。
【0360】 次に、透過性はそれぞれの要求された圧力において計算することができ、すべ
ての透過性は被試験材料に対するkを求めるために平均される。
【0361】 各サンプルに対して3つの測定値をとり、平均化した結果および標準偏差を計
算する。しかしながら、同一のサンプルを用いて各ヘッドにおける透過性を測定
した後に、新しいサンプルを用いて2回目および3回目の繰り返しを行うべきで
ある。
【0362】 上述の横断面透過性と同一条件下での平面内透過性の測定は、上述の装置を図
11の(A)および図11の(B)の部分分解組立図でサンプルセルのみを概略
的に示すように変更することによって達成することができる。同等の要素は同等
の符号で示している。たとえば、図11の(A)および図11の(B)のサンプ
ルセルは(20210)で表され、図10の符号(19110)に相関している
といった具合である。したがって、図10の横断面サンプルセル(19120)
は、平面内簡略化セル(20220)に置き換えられており、該平面内セルは、
液体が一方向にのみ流れることができるように設計されている(サンプルがどの
ようにしてセル内に載置されるかに応じて機械方向または横断方向のいずれか)
。コアは壁に沿った輸送(壁効果)を最小限に押えるために設けられるべきであ
る。これは壁効果によって誤った高い透過性が導かれる可能性があるからである
。試験手順は横断面試験とほとんど同様にして行われる。
【0363】 サンプルセル(20220)は、充填管類がセル(20220)の下部の入口
連結部(20232)に配向されていることを除いては、上述の横断面試験にお
いてサンプルセル(20120)に対して説明したのと本質的に同様の装置内に
配置される。図11の(A)は、サンプルセルの部分的な分解組立図であり、図
11の(B)はサンプルの高さにおける断面図である。
【0364】 試験セル(20220)は、2つの部分から構成されている。すなわち、フラ
ンジを有する略矩形の下部(20225)と、下部(20225)内に嵌合し、
同様にフランジを有する上部(20223)である。試験サンプルは、2インチ
×2インチ(約5.1cm×5.1cm)の大きさに裁断し、下部の中に載置す
る。サンプルチャンバの上部(20223)を下部(20225)内に配置し、
試験サンプル(20210)上に載置する。圧縮できないネオプレンゴム(20
224)を上部(20223)に取り付けて気密封止する。入口リザーバからサ
ンプル空間に、タイゴン管類および入口連結部(20232)を介して、さらに
出口連結部(20233)を介して出口リザーバに試験液体が流れる。本試験の
実施においては、低い流量のためにサンプルセルを通過する流体の温度制御が不
十分であるため、サンプルは加熱装置(20226)によって所望の試験温度に
維持される、自動温度調節された水が加熱チャンバ(20227)を介してくみ
上げられる。試験セル内の空隙は、所望の湿り圧縮、すなわち0.2psi(約
1.4kPa)に対応する厚みに設定される。任意により数個のシムの組み合わ
せを用い、0.1mm〜20.0mmの厚みのシム(20216)を用いて正確
な厚みが設定される。
【0365】 実験の開始時において、試験セル(20220)は90°回転され(サンプル
が垂直になる)、底部からゆっくりと試験液体を流入させる。このことは、サン
プルおよび入口/出口連結部(20232/20233)から確実にすべての空
気を排出するために必要である。次に、試験セル(20220)をサンプル(2
0210)が水平になるように最初の位置まで逆転させる。これに続く手順は、
横断面透過性に対して先に説明したものと同じである。すなわち、入口リザーバ
を所望の高さに配置し、流れを平衡化させ、流量および圧力効果を測定する。透
過性はダルシーの法則を用いて計算する。高い圧力に対しても同様にこの手順を
繰り返す。
【0366】 非常に低い透過性を有するサンプルに対しては、高さを伸ばすか、あるいは測
定可能な流量を得るためにリザーバ上にさらなる空気圧をかけるかなどして、推
進圧力を高める必要があるかもしれない。平面内透過性は、そのサンプルがどの
ようにして試験セルないに置かれているかに応じて、機械および横断方向におい
て個別に測定することができる。 孔径の決定 孔径の光学的は、当業者によって周知の標準的な画像分析を用いて、特に多孔
性システムの薄い層に対して用いられる。
【0367】 この方法の原理は、以下の段階から構成されている。1)暑いサンプルをより
薄いシートにスライスするか、あるいはサンプルそのものが薄い場合は、それを
直接用いることにより、サンプル材料の薄層を準備する。用語「薄い」は、顕微
鏡下において明瞭な断面画像を得るのに十分なサンプル厚みを達成することをい
う。典型的なサンプル厚みは200μm未満である。2)適切な倍率を用いたビ
デオ顕微鏡を介して顕微鏡画像を得る。最適な結果は、前記画像上に約10〜1
00個の孔が見られるばあに得られる。次に、典型的なIBM互換性PCのWi
ndows95の下で動作するバイオスキャン社(BioScan Corp.
)によるOPTIMASなどの標準的な画像解析パッケージによってデジタル化
される。良好な結果を得るために、十分な画素解像度(少なくとも1024×1
024画素が好ましい)のフレームグラバを用いるべきである。3)画像上に見
える孔が白色のオブジェクト領域としてマークされ、残りが黒色のままになるよ
うに、適切な閾値を用いて画像をバイナリ画像に変換する。OPTIMASの下
で利用できるような自動閾値設定方法を用いることができる。4)個々の孔(オ
ブジェクト)の面積を求める。OPTIMASによって面積は完全に自動的に求
められる。5)孔と同一の面積を有すると予測される円によって、各孔に対する
相当半径を求める。Aを孔の面積とすると、相当半径は、r=(A/π)1/2 によって与えられる。平均孔径は、標準的な統計的法則を用いて孔径分布から求
めることができる。非常に均一でない孔径を有する材料に対しては、少なくとも
3つのサンプルを用いて決定することが推奨される。
【0368】 孔径を決定するために有用な代替装置は、市販のポロシメータ(Prosim
eter)またはパーミアメータ・テスター、たとえば、ポラス・マテリアルス
・インク社(Porous Materials,Inc.、イタカ、ニューヨ
ーク、アメリカ)などからPMI液体パーミアメータモデル番号CFP−120
0AEXIとして市販されているパーミアメータである。このさらなる説明は、
2/97の使用説明書に記載されている。 ティーバッグ遠心容量試験(TCC試験) TCC試験は超吸収材料のために開発されたものではあるが、他の吸収性材料
にも容易に適用することができる。
【0369】 ティーバッグ遠心容量試験は、吸収材料中の液体保持測定値であるティーバッ
グ遠心容量値を測定するものである。
【0370】 吸収材料を0.9重量%塩化ナトリウム溶液に20分間浸漬させた「ティーバ
ッグ」に入れ、3分間遠心分離する。乾燥材料の初期重量に対する保持液体重量
の非が、吸収材料の吸収容量になる。
【0371】 2リットルの0.9重量%の塩化ナトリウム蒸留水溶液を、24cm×30c
m×5cmの寸法を有するトレーに注ぎ込む。液体充填高さは、略3cmでなけ
ればならない。
【0372】 ティーバッグパウチは、6.5cm×6.5cmの寸法を有し、ティーカン(
Tekanne、デュッセルドルフ、ドイツ)から入手可能である。パウチはV
ACUPACK PLUSなど)を用いてヒートシール可能である。
【0373】 ティーバッグはその一部を注意深く裁断することにより開け、約0.200g
に計量した、精密には±0.005gまで計量した吸収材料のサンプルをティー
バッグに入れる。次に、ティーバッグをヒートシーラーで閉じる。これをサンプ
ルディーバッグと呼ぶ。空のティーバッグをシールし、ブランクとして用いる。
【0374】 次に、サンプルティーバッグおよびブランクティーバッグを生理食塩水の表面
上に置き、スパチュラを用いて約5秒間浸漬して完全に湿らせる(最初、ティー
バッグは生理食塩水上に浮いているが、その後、完全に湿る)。タイマーを迅速
にスタートさせる。
【0375】 20分間の浸漬時間の後、サンプルティーバッグおよびブランクティーバッグ
を生理食塩水から除去し、それぞれのバッグが遠心バスケットの外壁に突き当た
るように、バウクネヒト(Bauknecht)WS130、ボッシュ772N
ZK096または同等の遠心分離機(直径230mm)内に配置した。遠心分離
機の蓋を閉め、遠心分離機を始動させ、速度を急速に1,400rpmまで上げ
る。遠心分離機が1,400rpmに安定したところで、タイマーをスタートさ
せる。3分後、遠心分離機を停止させる。
【0376】 サンプルティーバッグおよびブランクティーバッグを取出し、別々に計量する
【0377】 吸収材料のサンプルに対するティーバッグ遠心容量(TCC)を以下のように
して計算する。
【0378】 TCC=[(遠心分離後のサンプルティーバッグの重量)−(遠心分離後のブ
ランクティーバッグ重量)−(乾燥吸収材料の重量)]÷(乾燥吸収材料の重量
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、従来の開放型サイフォンの模式図である。
【図2】 図2は、本発明に従う液体輸送部材の模式図である。
【図3】 図3の(A)は、従来のサイホンシステムであり;そして、 図3の(B)は、本発明に従う液体輸送部材である。
【図4】 図4は、液体輸送部材内の模式的断面図である。
【図5】 図5は、図6の(A)及び(B)と共に、ポート領域の厚みを決定するための
模式図である。
【図6】 図6の(A)及び(B)は、図5と共に、ポート領域の厚みを決定するための
模式図である。
【図7】 図7は、透過性と泡立ち点圧力との関係を示す図である。
【図8】 図8の(A),(B),(C),そして(D)は、本発明に従う液体輸送部材
の様々な実施形態の模式図である。
【図9】 図9の(A)及び(B)は、本発明に従う液体輸送部材の様々な実施形態の模
式図である。
【図10】 図10は、液体透過性試験を示している。
【図11】 図11の(A)及び(B)は、液体透過性試験を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 US9813521 (32)優先日 平成10年6月29日(1998.6.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 US9813523 (32)優先日 平成10年6月29日(1998.6.29) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 エールンスペルガー、ブルーノ、ヨハネス ドイツ連邦共和国、デー−65936 フラン クフルト、ベスターバッハシュトラーセ 89 (72)発明者 シュミット、マティアス ドイツ連邦共和国、デー−65510 イドシ ュタイン、アルトケーニヒベーク 3 (72)発明者 デサイ、フレッド、ナバル アメリカ合衆国、オハイオ州 45014、フ ェアフィールド、ジェームズフィールド・ コート 6383 (72)発明者 ラフォン、ゲイリー、ディーン ドイツ連邦共和国、デー−61440 オーバ ーウアゼル、エーリッヒ・オレンハウア ー・シュトラーセ 36デー (72)発明者 ヤング、ジェラルド、アルフレッド アメリカ合衆国、オハイオ州 45231、シ ンシナチ、ハースストーン・ドライブ 1101 (72)発明者 シューマン、カール、ミヒャエル ドイツ連邦共和国、デー−65812 バー ト・ゾーデン、ロベルト−シュトルツ−シ ュトラーセ 30 (72)発明者 ロー、ドナルド、キャロル アメリカ合衆国、オハイオ州 45069、ゼ スト・チェスター、エンバーウッド・コー ト 6324 Fターム(参考) 4C003 AA07 AA21 4F100 AB01B AG00B AJ04A AJ04B AJ06B AK03A AK03B AK25B AK41A AK41B AK46B AK51A AK51B AK54B BA02 BA10B BA26 DD31 DG12B DG15A DJ00B DJ03A DJ03B JD01A JD01B JD14A YY00 YY00A YY00B

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのバルク領域と、前記バルク領域を完全に包
    囲する壁領域とを備える液体輸送部材であって、前記壁領域は少なくとも1つの
    膜ポート領域と少なくとも1つの開口ポート領域とをさらに備えており、前記バ
    ルク領域が、膜ポート領域の平均流体透過性kよりも高い平均流体透過性k を有する、ことを特徴とする液体輸送部材。
  2. 【請求項2】 前記バルク領域は、少なくとも10−11、好ましくは
    少なくとも10−8、より好ましくは少なくとも10−7、最も好まし
    くは少なくとも10−5の流体透過性を有する、ことを特徴とする請求項1
    に記載の液体輸送部材。
  3. 【請求項3】 前記膜ポート領域は、少なくとも6×10−20、好ま
    しくは少なくとも7×10−18、より好ましくは少なくとも3×10−1 、さらに好ましくは少なくとも1.2×10−11、さらに好ましく
    は少なくとも7×10−11、最も好ましくは少なくとも10−9の流
    体透過性を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の液体輸送部材。
  4. 【請求項4】 前記膜ポート領域は、少なくとも3×10−15m、好まし
    くは少なくとも7×10−14m、より好ましくは少なくとも3×10−10
    、さらに好ましくは少なくとも8×10−8m、さらに好ましくは少なくとも5
    ×10−7m、最も好ましくは少なくとも10−5mの、流体輸送方向の厚みに
    対する流体透過性の比k/dを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の
    液体輸送部材。
  5. 【請求項5】 前記膜ポート領域は、その使用目的のために位置決めされた
    時に前記開口ポート領域の上方に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載
    の液体輸送部材。
  6. 【請求項6】 前記開口ポート領域は、バルク領域内の液体中に形成された
    気泡の対応する直径d未満の内部円直径を有する開口部である、ことを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  7. 【請求項7】 前記開口ポート領域は、6mm未満、好ましくは4mm未満
    、より好ましくは2mm未満の内部円直径を有する開口部である、ことを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  8. 【請求項8】 バルク領域の透過性と膜ポート領域の透過性の比が、少なく
    とも10、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも1000、
    さらにより好ましくは少なくとも10000である、ことを特徴とする請求項1
    乃至7のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  9. 【請求項9】 前記膜ポート領域は、72mN/mの表面張力値を有してい
    る液体を用いて測定した時に、少なくとも1kPa、好ましくは少なくとも2k
    Pa、より好ましくは少なくとも4.5kPa、さらにより好ましくは8kPa
    、最も好ましくは50kPaの泡立ち点圧力を有する、ことを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  10. 【請求項10】 前記膜ポート領域は、33mN/mの表面張力値を有して
    いる液体を用いて測定した時に、少なくとも0.67kPa、好ましくは少なく
    とも1.3kPa、より好ましくは少なくとも3.0kPa、さらにより好まし
    くは5.3kPa、最も好ましくは33kPaの泡立ち点圧力を有する、ことを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  11. 【請求項11】 前記バルク領域は、好ましくはバルク領域の平均孔径と膜
    ポート領域の平均孔径の比が少なくとも10、好ましくは少なくとも50、より
    好ましくは少なくとも100、さらにより好ましくは少なくとも500、最も好
    ましくは少なくとも1000となるように、前記膜ポート領域よりも大きい平均
    孔径を有する、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の液体
    輸送部材。
  12. 【請求項12】 前記バルク領域は、少なくとも200μm、好ましくは少
    なくとも500μm、より好ましくは少なくとも1000μm、最も好ましくは
    少なくとも5000μmの平均孔径を有する、ことを特徴とする請求項1乃至1
    1のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  13. 【請求項13】 前記バルク領域は、少なくとも50%、好ましくは少なく
    とも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくと
    も98%、最も好ましくは少なくとも99%の有孔率を有する、ことを特徴とす
    る請求項1乃至12のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  14. 【請求項14】 前記バルク領域は、壁領域によって包囲された空隙である
    、ことを特徴とする請求項12または13に記載の液体輸送部材。
  15. 【請求項15】 前記膜ポート領域は、少なくとも10%、好ましくは少な
    くとも20%、より好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも5
    0%の有孔率を有する、ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記
    載の液体輸送部材。
  16. 【請求項16】 前記膜ポート領域は、100μm以下、好ましくは50μ
    m以下、より好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下の平均孔径を
    有する、ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の液体輸送部
    材。
  17. 【請求項17】 前記膜ポート領域は、少なくとも1μm、好ましくは少な
    くとも3μmの孔径を有する、ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1
    項に記載の液体輸送部材。
  18. 【請求項18】 前記膜ポート領域は、100μm以下、好ましくは50μ
    m以下、より好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下の平均厚みを
    有する、ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の液体輸送部
    材。
  19. 【請求項19】 前記バルク領域および前記壁領域は、少なくとも10、好
    ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも1000、さらにより好
    ましくは少なくとも10000の体積比を有する、ことを特徴とする請求項1乃
    至18のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  20. 【請求項20】 前記膜ポート領域は、70度未満、好ましくは50度未満
    、より好ましくは20度未満、さらにより好ましくは10度未満の輸送される液
    体に対する接触角を有することにより、親水性である、ことを特徴とする請求項
    1乃至19のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  21. 【請求項21】 膜ポート領域は、輸送される液体の液体表面張力を実質的
    に低下させない、ことを特徴とする請求項20に記載の液体輸送部材。
  22. 【請求項22】 前記膜ポート領域は、70度未満、好ましくは50度未満
    、より好ましくは20度未満、さらにより好ましくは10度未満の輸送される液
    体に対する接触角を有することにより、親油性である、ことを特徴とする請求項
    1乃至21のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  23. 【請求項23】 シート状の形状を有するか、あるいは円筒状の形状を有す
    る、ことを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  24. 【請求項24】 液体輸送方向に沿った部材の断面積が一定でない、ことを
    特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  25. 【請求項25】 膜ポート領域は、液体輸送方向に沿った部材の平均断面積
    よりも、好適には、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも10倍、最も好まし
    くは100倍大きい面積を有する、ことを特徴とする請求項1乃至24のいずれ
    か1項に記載の液体輸送部材。
  26. 【請求項26】 液体の接触によって膨張し、液体の除去によって潰れる材
    料を備えている、ことを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の液
    体輸送部材。
  27. 【請求項27】 前記バルク領域は、繊維、粒子、フォーム、スパイラル、
    フィルム、波形シート、またはチューブから成る群より選択された材料を備えて
    いる、ことを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の液体輸送部材
  28. 【請求項28】 前記壁領域は、繊維、粒子、フォーム、スパイラル、フィ
    ルム、波形シート、チューブ、織られているウェブ、織られている繊維メッシュ
    、開口フィルム、またはモノリシックフィルムからなる群より選択されている材
    料を備えている、ことを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の液
    体輸送部材。
  29. 【請求項29】 前記フォームは、好ましくはセルローススポンジ、ポリウ
    レタンフォーム、HIPEフォームからなる群より選択された連続気泡網状フォ
    ームである、ことを特徴とする請求項27または28に記載の液体輸送部材。
  30. 【請求項30】 前記繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド
    、ポリエーテル、ポリアクリリック、ポリウレタン、金属、ガラス、セルロース
    、セルロース誘導体により形成されている、ことを特徴とする請求項27または
    28に記載の液体輸送部材。
  31. 【請求項31】 前記部材が、独立した壁領域によって被包されている多孔
    性バルク領域により形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至30のいず
    れか1項に記載の液体輸送部材。
  32. 【請求項32】 水溶性材料を備えている、ことを特徴とする請求項1乃至
    31のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  33. 【請求項33】 少なくとも1つのポート領域が水溶性材料を備えている、
    ことを特徴とする請求項32に記載の液体輸送部材。
  34. 【請求項34】 水を基礎とした液体または粘弾性液体の輸送のための、請
    求項1乃至33のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  35. 【請求項35】 油、グリース、または水を基礎としていない他の液体の輸
    送のための、請求項1乃至34のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  36. 【請求項36】 水を基礎とした液体ではなく、油またはグリースの選択的
    な輸送のための請求項35に記載の液体輸送部材。
  37. 【請求項37】 部材のどの特性またはパラメータも、好ましくは、液体、
    pH、温度、酵素、化学反応、塩濃度との接触による活性化、または機械的活性
    化によって、液体処理前または処理時に確立される、ことを特徴とする請求項1
    乃至36のいずれか1項に記載の液体輸送部材。
  38. 【請求項38】 請求項1乃至37のいずれか1項に記載の液体輸送部材と
    、液体輸送部材の外部にある液体の源及び液体の溜まりと、を備えている、こと
    を特徴とする液体輸送システム。
  39. 【請求項39】 開口ポート領域が前記溜まりまたは源の液体に浸漬されて
    いる、ことを特徴とする請求項38に記載の液体輸送システム。
  40. 【請求項40】 要求吸収性試験に供した時に、少なくとも5g/g、好ま
    しくは少なくとも10g/g、より好ましくは少なくとも50g/gの吸収容量
    を有している、ことを特徴とする請求項38または39に記載の液体輸送システ
    ム。
  41. 【請求項41】 ティーバッグ遠心容量試験に供した時に、溜まり材料の重
    量を基準として、少なくとも10g/g、好ましくは少なくとも20g/g、よ
    り好ましくは少なくとも50g/gの吸収容量を有する溜まり材料を備えている
    、ことを特徴とする請求項38乃至40のいずれか1項に記載の液体輸送システ
    ム。
  42. 【請求項42】 超吸収材料または高内部相エマルション(HIPE)タイ
    プの連続気泡フォームを備えている、ことを特徴とする請求項38乃至41のい
    ずれか1項に記載の液体輸送システム。
  43. 【請求項43】 機械的液体ポンプをさらに備えている、ことを特徴とする
    請求項38乃至42のいずれか1項に記載の液体輸送システム。
  44. 【請求項44】 請求項1〜37のいずれか1項に記載の液体輸送部材また
    は請求項38乃至43のいずれか1項に記載の液体輸送システムを備えているこ
    とを特徴とする物品。
  45. 【請求項45】 グリース吸収体である請求項44に記載の物品。
  46. 【請求項46】 水輸送部材、好ましくは自己調節灌漑システム、である請
    求項44に記載の物品。
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