JP2003525215A - ヘンケル関連プロセス用溶剤としてのアルキルカルボン酸塩 - Google Patents

ヘンケル関連プロセス用溶剤としてのアルキルカルボン酸塩

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JP2003525215A JP2001519647A JP2001519647A JP2003525215A JP 2003525215 A JP2003525215 A JP 2003525215A JP 2001519647 A JP2001519647 A JP 2001519647A JP 2001519647 A JP2001519647 A JP 2001519647A JP 2003525215 A JP2003525215 A JP 2003525215A
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ブラウンズクーム,トーマス・エフ
プフレーム,スーザン
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モッシ・アンド・ギソルフィ・オーバーシーズ・ソシエテ・アノニム
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/41Preparation of salts of carboxylic acids
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    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/41Preparation of salts of carboxylic acids
    • C07C51/416Henkel reaction and related reactions, i.e. rearrangement of carboxylate salt groups linked to six-membered aromatic rings, in the absence or in the presence of CO or CO2, (e.g. preparation of terepholates from benzoates); no additional classification for the subsequent hydrolysis of the salt groups has to be given

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Abstract

(57)【要約】 適当な反応条件下で触媒を存在させて、加圧下で、二酸化炭素ガスとともに、芳香族モノカルボン酸または不斉芳香族ジカルボン酸のアルカリ金属塩を加熱することを含む芳香族二酸の調製法において、反応媒質として用いるための1種以上の溶融塩またはその混合物の使用が開示される。溶融塩反応媒質は、たとえば精製テレフタル酸を生成させるための不均化反応における利点をもたらす。本発明の他の態様では、新規メチル化二酸が生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明はヘンケル(Henkel)不均化/異性化反応において用いるための
溶剤に関する。より詳細には、本発明はヘンケル反応用溶剤としてのある種の化
合物の使用によってもたらされる予期しなかった利点に関する。他の態様では、
本発明は新規メチル化二酸の予期せざる生成、および反応条件を操作して生成物
を種々の数のメチル基および種々の異性体で最適化させる考え方に関する。
【0002】 背景技術 ナフタレンモノカルボン酸および、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外のナ
フタレンジカルボン酸は、モノカルボン酸の場合には不均化反応を、または他の
ナフタレンジカルボン酸の場合には転位反応を用いて、2,6−NDAに転化さ
せることができる。ヘンケルおよびシー(Cie)は1950年代の末期に最初
にナフトエ酸塩から2,6−NDAを得る反応の特許を得た。(たとえば、米国
特許第2,905,709号、同2,863,913号、同2,846,468
号、同2,841,615号、同2,823,230号、同2,823,229
号、および同2,794,830号を参照されたい。)
【0003】 CO2の存在下で400−500℃における安息香酸と炭酸カリウムとの反応
によりテレフタル酸(TA)を生成させ、かつ精製して精製テレフタル酸(PT
Aとするためのヘンケル法は、出発物質、生成物、および反応物を含めて存在す
るすべての物質が実質的に不融性固体であるという事実から不利を免れない。し
たがって、混合および取扱いが問題となる。この問題は転化を制限し、反応速度
を低下させることを予想させることも有り得る。
【0004】 技術分野における特許は反応の転化様式の特定態様の改良をクレームしている
が、ヘンケル反応に用いられる溶剤または反応媒質に関して技術分野で公知の研
究は極く僅かである。米国特許第4,820,868号は、芳香族反応媒質を用
いて転位反応に付した特定異性体に関する2,6−ナフタレンジカルボン酸の収
量の向上をクレームしている。
【0005】 Rhone Poulencに付与された米国特許第4,208,536号に
は、反応条件で安定な反応媒質の使用が開示されているが、不均化型反応の「真
の溶剤」は技術的に見出されていない。
【0006】 反応物および生成物の最適分配を与えると思われるヘンケル型反応および精製
テレフタル酸用関連プロセスのための優れた溶剤が特定できるとすれば、明らか
な技術的進歩であろう。
【0007】 ポリエステルを作るのに有用と思われる新規芳香族化合物が発見されるならば
、さらに思いがけない技術上の進歩となろう。 発明の開示 前記によれば、本発明は、芳香族モノカルボン酸または不斉芳香族ジカルボン
酸のアルカリ金属塩を、適当な反応条件で触媒を存在させて、二酸化炭素ガスと
とも加圧下で加熱することを含むような不均化/異性化プロセスにおける反応媒
質として1種以上の溶融塩又はその混合物の使用を含む。この溶融塩反応媒質は
不均化反応において、たとえば精製テレフタル酸を生成させる利点をもたらす。
本発明の他の態様では、新規メチル化二酸が調製される。 発明の詳細な説明 本発明ではヘンケル反応の溶剤として溶融塩が使用される。これら溶剤は、比
較的無腐食性で、高温で安定であり、かつ実際に分解する程度まで反応を促進さ
せるというような幾つかの利点を有する。さらに、該塩は比誘電率が高く、反応
性アニオンを安定化させて、それらをより容易に形成させ、とくに酸性塩がカチ
オンとして活性触媒性の第IIB族、第IIIB族、または第VIIIA族金属
を有する場合には反応速度を高める。
【0008】 該溶剤の使用によって、ヘンケル I、ヘンケル II、またはヘンケル関連
のいずれのプロセスの試薬間の接触をも向上させることができ、その結果反応速
度および収量が向上する。酸性塩を慎重に選ぶことによって、触媒金属の正確な
量を混合することができ、特定プロセスを最適にするために、最終精製工程にお
ける塩の所望の分配(たとえば、KOAcは水に可溶であるが、ウンデカン酸K
塩はそうではない)のみならず反応中の適切な溶剤の性質(たとえば、酢酸塩、
プロピオン酸塩、コハク酸塩は極性が大きく、高融点で、より溶媒和されるのに
対し、さらに炭素数の多い塩類はそうなりにくい)を得ることができる。
【0009】 本発明の触媒が有用である不均化反応の出発物質には芳香族モノ、ジ、または
ポリカルボン酸の塩がある。該酸には、たとえば安息香酸、α−およびβ−ナフ
トエ酸、ジフェニルモノカルボン酸のみならずフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、ナフタル酸および他のナフタレンジカルボン酸またはジフェン酸および
他のジフェニルジカルボン酸がある。さらに、カルボキシル基が他の芳香族環系
、たとえばアントラセン、テルフェニル、ジフェニルメタンまたはベンゾフェノ
ン基に結合されているモノまたはジカルボン酸のみならず芳香族環系から誘導さ
れるトリおよびポリカルボン酸も本発明の方法の出発物質として用いるのに適当
である。また、たとえば酸化によって生成される該酸の混合物、またはアルキル
芳香族化合物の混合物を使用することもできる。
【0010】 出発物質は、カルボキシル基が芳香族構造を有する複素環式環に結合している
モノ塩基性複素環式カルボン酸の塩であることもできる。該酸は、たとえばピリ
ジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、α−ピラン、フラン、チオフェン、
チアゾール、キノリン、イソキノリン、インドール、ベンゾトリアゾールおよび
ベンゾイミダゾールから誘導される。
【0011】 これらすべてのカルボン酸において、芳香族構造を有する芳香族環または複素
環式環は、カルボキシル基に加えて、もしも反応温度未満の温度で分解しなけれ
ば、ハロゲン原子またはアルキル基のような他の置換基を有することもできる。
芳香族カルボン酸という用語は単素環式芳香族環を有する化合物および複素環式
環を有する化合物のいずれをも含むつもりである。
【0012】 好ましい出発物質は、芳香族モノカルボン酸又は不斉芳香族ジカルボン酸であ
る。 不均化反応の出発物質として芳香族モノカルボン酸を用いる場合には、得られ
る反応生成物は、たとえばテレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸
のような工業的に価値あるジカルボン酸またはその塩類である。
【0013】 芳香族モノカルボン酸には安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ナフトエ酸塩、お
よび類似化合物がある。 アルカリ金属塩の形をした前記カルボン酸を用いるのが有利である。好ましく
は、カリウム塩またはナトリウム塩が用いられる。リチウム、ルビジウムおよび
セシウム塩も使用できるが、通常は経済性の点から用いられない。2種の金属塩
類の混合物を用いることも可能である。前記塩類を生成させる反応物質を用いる
こともできる。
【0014】 たとえばヘンケル法のような不均化反応に使用可能な触媒を本発明の方法に用
いることができるかもしれない。周期表の第IB、IIB、VB、またはVII
B族の化合物から適当な触媒を選ぶことができる。通常、適当な触媒は、例えば
酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、およびカルボン酸塩の形の亜鉛化合物
、カドミウム化合物、および水銀化合物から選ばれると思われる。
【0015】 本発明の統合法では亜鉛化合物が好ましい。適当な亜鉛化合物にはフッ化亜鉛
、塩化亜鉛、臭化亜鉛、およびヨウ化亜鉛のようなハロゲン化亜鉛;ナフトエ酸
亜鉛およびナフタレンジカルボン酸亜鉛のようなカルボン酸亜鉛;酸化亜鉛、炭
酸亜鉛;硫酸亜鉛およびこれらの混合物がある。ナフトエ酸亜鉛には1−異性体
、2−異性体、およびこれらの混合物があり;そしてナフタレンジカルボン酸亜
鉛には1,2−異性体、1,3−異性体、1,4−異性体、1,5−異性体、1
,6−異性体、1,7−異性体、1,8−異性体、2,3−異性体、2,6−異
性体、2,7−異性体、およびこれらの混合物があることに留意されたい。好ま
しい態様では使用触媒がZnOであった。
【0016】 本発明による溶融塩溶剤は技術的に公知の溶融塩であるが、とくに、熱分解せ
ずに反応混合物の他の成分を溶解させるだけの低融点を有し、かつ反応条件下で
は反応混合物の他の成分と反応しないほど不活性なアルカリ金属もしくはアルカ
リ土金属、または該塩の2種以上の混合物であることができる。本出願に用いら
れるアルカリ金属は周期表の第IA族の元素を含み、そしてアルカリ土金属は周
期表の第IIA族の元素である。好ましい塩は約500℃以下の融点を有する。
【0017】 溶融塩溶剤は少量の他の塩、すなわちアルカリ金属塩またはアルカリ土金属塩
以外の、好ましくは同一の酸アニオンから誘導される塩を有することもできる。
本発明によれば、この「少量」の他の塩はせいぜい50重量%の他の塩である。
【0018】 ナトリウムおよびカリウム塩は、本発明に用いるのにとくに適するアルカリ金
属塩であるが、リチウム塩のような他のアルカリ金属塩を用いることもできる。
マグネシウムおよびカルシウムの塩は、本発明に用いるのにとくに適するアルカ
リ土金属塩であるが、本発明の実施にはストロンチウムおよびバリウムのような
他のアルカリ土金属の塩を用いることもできる。しかし、アルカリ土金属塩の使
用は2,6−NDAよりも2,3−NDAが好都合であり、1,4−ベンゼン二
酸よりも1,2−ベンゼン二酸が好都合である。
【0019】 本発明によれば、用いられるアルカリ金属塩またはアルカリ土金属塩は無機酸
または有機酸から誘導される。塩を誘導させることができる無機酸には塩酸、リ
ン酸、および硝酸がある。適当な有機酸には、たとえば酢酸、および1分子当た
り最大18個の炭素原子を有する脂肪酸のような脂肪族カルボン酸がある。
【0020】 塩基性であるか、または炭酸の無機塩、アルコキシド、およびカルボン酸塩の
ような(ただしこれらに限定されない)少なくとも塩基性元素を有する塩が好ま
しい。リン酸塩も作用するが、あまり好ましくない。ハロゲン化物も反応中に作
用するが、金属学的問題を生じる。硫酸塩は脱カルボキシル化をもたらす。
【0021】 本発明の溶融塩溶剤に有用な最も好ましい塩は炭酸から誘導することができる
。適当な例には炭酸のアルカリ金属塩がある。アルカリ金属はリチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群から選ぶことができる
が、カリウムが好ましい。使用可能な炭酸塩にはK2CO3、KHCO3、Rb2
3、RbHCO3、Cs2CO3、CsHCO3、および他の強塩基性炭酸塩また
は重炭酸塩があるが、これらに限定されない。我々は、炭酸カリウムまたは重炭
酸カリウムを用いるのが有利であることを知った。
【0022】 塩混合物は、少なくともほゞ共融組成を有するのが好ましい。共融混合物は成
分百分率を変えることによって得ることができる2種以上のアルカリ金属混合物
の最低融点をもたらす。共融混合物は同一金属の他の組合せに比べて、明確な最
低融点を有する。たとえば、Li2CO3の融点は622℃であるけれども、アル
カリ炭酸塩の共融混合物では融点が400℃であることができる。共融混合物を
用いる場合に必要なことは、融点が約400℃未満のアルカリ金属炭酸塩の正確
な混合物である。通常、共融混合物中のアルカリ金属炭酸塩の比率は約1:1:
1であるが、変動する場合がある。
【0023】 本発明の実施において、とくに好ましい塩混合物はK2CO3、Rb2CO3、C
2CO3、およびNa2CO3ならびにこれらの混合物から選ばれる。 本発明の実施において溶融塩溶剤を作るのに用いられる塩は水が実質的に存在
してはならない。存在する水の量は約1000ppm未満でなければならない。
あまりに多量の水は問題を生じることがあるけれども、少量の水が実際には有効
に思われることが認められた。この有利な効果は塩内に移動度の増大を導入する
水の効果により、具体的には塩複合体に回転の自由を与え、また中間物として形
成される帯電種を安定化させることによると推測される。しかし、顕著な量の水
、言ってみれば、たとえば、約700−1000ppm過剰の水は塩の分解を助
長し始めることによって反応を妨害する。0.2%以上の水の量は収率の低下を
助長することによって損害を与える。
【0024】 不均化反応に適する温度は約340℃から500℃の範囲にある。温度が約3
60℃から480℃の場合に良好な結果が認められる。好ましい温度は約400
℃から460℃である。450℃においてTPAの顕著な収量が認められた。
【0025】 本発明の他の態様は、新規反応(酸性状態における酢酸カリウムから二酸塩へ
のメチル基の移動)によって調製される新規モノマー二酸を含む。この手段によ
って、メチル化二酸、とくに対称的にメチル化された二酸を製造することができ
る。したがって、292℃で溶融する酢酸カリウム(Condensed Ch
emical Dictionary,第6版)を、ZnOを触媒として用いる
場合と用いない場合に、2−ナフトエ酸カリウムまたは安息香酸カリウムのヘン
ケル反応用溶融反応媒質として試験した。該塩は炭酸塩共融混合物よりも低温で
溶融するので、低温で反応を行わせることができるかもしれないと思われたが、
400℃を著しく下回る温度ではヘンケル反応はほとんど認められなかった。し
かし、意外なことに、約400℃以上において酢酸カリウム塩およびナフトエ酸
または安息香酸カリウム塩から生成された黒色縮合塊の反応生成物を調べると、
顕著な量のメチル化二酸が認められた。約400−500℃の反応範囲、好まし
くは450℃における反応は二酸の生成を助長した。
【0026】 さらに、反応時間を延ばすと、メチル化化合物の著しい高収量、およびテトラ
メチル化TPAの著しい高比率をもたらすことが認められた。短い反応時間およ
び温和な温度によってジメチルTPAを、そして長い反応時間および高温によっ
てテトラメチルTPAを選択的に生成させることが可能であった。テトラメチル
(ペルメチル)TPAを生成させるには、約450℃以上の温度、および少なく
とも2時間の時間が必要である。いずれの場合にも、モノメチルは主生成物では
なかった。この結果は、完遂させると、最終生成物としてテトラメチル物質を生
じるジメチル物質に対して、相分離または他の理由によって、付加された安定性
を意味する。メチル化度の低い物質は、分離および、必要ならば、精製後に、最
後に所望のジメチルまたはとくにテトラメチル種を生成させるそれ以上の反応を
リサイクルさせることができるので、ジメチルまたはテトラメチルTPAの高選
択的生産をもたらすように、一連の接触およびプロセス工程を設計できることは
当業者に理解されよう。
【0027】 各塩混合物、塩基の量等に対して、一定の反応性パターンが現れ、したがって
時間および温度は異なるが、すべての系において、該系の高度の厳しさは完全メ
チル化をもたらし、中度の厳しさは大部分のジメチル化物質を生じ、一方中位又
はあまり制御されない条件は、可能なすべての種の混合物を生じそうなことは当
業者には理解されよう。
【0028】 我々は、これら新規二酸が、非メチル化対応物同様、ポリエステルを生成する
と予想する。これらポリエステルは、塊の変化、結晶単位セル、疎水性、電子供
与性、大きさ、および新規二酸の他の態様に関して、公知のポリエステルとは異
なる。たとえば、これら新規二酸を原料とするメチル化ポリエステルは大きな自
由体積、大きな延性、軟らかさ、ならびに良好な「風合い」および可染性のみな
らず低吸水率、ならびに異なる融点およびガラス転移点を示すことができ、これ
らすべては繊維、シート、および特定の一連の性状を必要とする工学的用途のよ
うな特定のポリマー用途に有用である。
【0029】 不均化反応はガス状二酸化炭素の存在下で実施される。ガス混合物は窒素のよ
うな不活性ガス、メタン、または他のガス状パラフィン系、オレフィン系、およ
び芳香族系炭化水素を含有することができる。ガス混合物の場合に、CO2が混
合物の少なくとも約10%として存在するのが好ましい。酸素の存在は、収量に
影響する場合があるという事実によって避けるべきである。適当なCO2の圧力
は約200から10,000psigである。実際の圧力は存在する他のガスの
圧力によって決まる。より好ましいCO2の圧力範囲は約350から1100p
sigである。反応を促進させ、副反応を抑制させるためには、反応温度は約4
50℃で、圧力が約500psigであるのが好ましい。
【0030】 下記実施例はここに開示する本発明の特定態様を説明するのに役立つ。これら
の実施例は説明の手段としてのみ意図されるもので、いかなる場合にも発明の範
囲を制限するものと解してはならない。当業者は開示された本発明の精神から逸
脱せずに行い得る多くの変化を理解するであろう。
【0031】 実験 触媒としてZnOを用いる場合と用いない場合の安息香酸カリウムのヘンケル
反応用溶融反応媒質として、292℃で溶融する酢酸カリウム(Condens
ed Chemical dictionary,第6版)を使用した。該塩は
炭酸塩共融混合物よりも低温で溶融するので、低温で該反応を行わせることがで
きるかもしれないと思われた。しかし、400℃を著しく下回る温度では、ヘン
ケル反応はほとんど認められなかった。しかし、意外なことに、酢酸カリウム塩
およびナフトエ酸または安息香酸カリウム塩から約400℃以上で生成させた黒
色縮合塊の反応生成物を調べると、顕著な量のメチル化二酸が認められた。次ぎ
のように、450℃および500psiのCO2において、下記成分(50gの
酢酸カリウム、5gのフタル酸カリウム、1gのZnO)を含有させて行った反
応から、思いがけなくも約50%のTPAおよび20%のメチル化TPAが認め
られた。メチル化TPAは2− メチル 1, 4−ジカルボキシベンゼン、2
,5− ジメチル 1,4− ジカルボキシベンゼン、2,3,5− トリメチ
ル 1,4− ジカルボキシベンゼン、および2,3,5,6−テトラメチル
1,4− ジカルボキシベンゼンの混合物であった。初期生成物は2−メチル種
であるように思われたが、これも驚くべきことに、主成分は2,5− ジメチル
およびテトラメチルTPA(ペルメチルTPA)であった。この結果の可能性あ
る説明は、対称的にジまたはテトラ置換させた塩は、さらに安定であるか、また
は反応媒質からさらに単離される粒子を形成するということである。
【0032】 続く実験において、酢酸カリウム熔融物中の反応によってテレフタル酸二カリ
ウム塩から直接上記4個のメチル化された酸を生成させることが可能であること
も判明した。安息香酸塩からそれらを生成させることも可能であった。さらに、
2,6−NDAまたはそのヘンケル反応前駆物質からメチル化2,6−NDAを
生成させることが可能なことも判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW Fターム(参考) 4H006 AA02 AC27 AC46 BA05 BA07 BA13 BA30 BA32 BA36 BA37 BB30 BC10 BC11 BE41 BS30 4H039 CA65 CJ00 CJ30

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不均化反応条件下において、触媒を存在させ、芳香族モノカ
    ルボン酸または不斉芳香族ジカルボン酸のアルカリ金属塩を二酸化炭素ガスとと
    もに加圧下で加熱することを含む芳香族二酸の調製法であって、該反応媒質とし
    て1種以上の溶融塩を単独または組み合わせて使用することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該芳香族二酸が精製テレフタル酸である請求項1記載の方法
  3. 【請求項3】 該芳香族二酸が2,6−ナフタレンジカルボン酸である請求
    項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該触媒が周期表の第IB、IIB、VB、またはVIIB族
    の化合物からなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該触媒が酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、およびカ
    ルボン酸塩の形である亜鉛化合物、カドミウム化合物、および水銀化合物からな
    る群から選ばれる請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 該触媒が亜鉛化合物である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該触媒がZnOである請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 該反応条件が約350から500℃の温度を含む請求項1記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 該反応条件が二酸化炭素の約50から1000psiの圧力
    を含む請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 該圧力が約400から600psiである請求項9記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 該溶融塩が技術的に公知の任意の溶融塩から選ばれる請求
    項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 該溶融塩が、アルカリ金属塩もしくはアルカリ土金属塩、
    または2種以上の該塩の混合物から選ばれ、熱分解せずに該反応混合物の他の成
    分を溶解させるほど低融点を有し、かつ反応条件では該反応混合物の他の成分と
    反応しないほど不活性である請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該溶融塩溶剤が、少量の他の塩、すなわち、好ましくは同
    一の酸アニオンから誘導される、アルカリ金属塩またはアルカリ土金属塩ではな
    い塩を有することもできる請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 該アルカリ金属塩またはアルカリ土金属塩が無機または有
    機酸から誘導される請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】 該無機酸が塩酸、硫酸、リン酸、および硝酸から選ばれる
    請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記塩が炭酸の無機塩である請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 該有機酸が脂肪族カルボン酸から選ばれる請求項14記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 該塩が硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムと
    硝酸カリウムの混合物、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムと硝酸アンモニウムの混
    合物、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムと硝酸カルシウムの混合物、およびこれら
    の混合物から選ばれる請求項15記載の方法。
  19. 【請求項19】 該塩がアルカリ金属炭酸塩および重炭酸塩からなる群から
    選ばれる請求項16記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記塩がK2CO3、KHCO3、Rb2CO3、RbHCO3 、Cs2CO3、およびCsHCO3からなる群から選ばれる請求項19記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 該塩が塩類の共融混合物である請求項12記載の方法。
  22. 【請求項22】 芳香族モノカルボン酸または不斉芳香族ジカルボン酸のア
    ルカリ金属塩を、350−500℃の範囲の温度で不均化/異性化反応条件にお
    いて、周期表の第IB、IIB、VB、またはVIIB族の化合物から選ばれる
    触媒を存在させて、二酸化炭素ガスとともに加圧下で反応させることによって生
    成され、前記反応が1種以上の溶融塩またはその混合物から選ばれる反応媒質の
    存在下で行われるるポリエステルモノマーとして有用なメチル化二酸を含む組成
    物。
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