JP2003520943A - 単層の形成方法およびその使用 - Google Patents

単層の形成方法およびその使用

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JP2003520943A JP2000611322A JP2000611322A JP2003520943A JP 2003520943 A JP2003520943 A JP 2003520943A JP 2000611322 A JP2000611322 A JP 2000611322A JP 2000611322 A JP2000611322 A JP 2000611322A JP 2003520943 A JP2003520943 A JP 2003520943A
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Abstract

(57)【要約】 有機溶媒の助けを借りずに単層を形成するための方法が提供される。特に、血清または抗体にカップリングしたリポソームからの単層の形成のための方法が提供される。本発明の方法によって形成され、そして少なくとも1つの両親媒性化合物および必要に応じて1以上の目的の化合物を含む単層およびラングミュア−ブロジェット膜もまた提供される。さらに、本発明の膜が沈積された基板(例えば、圧電性結晶)が提供される。本発明の単層、膜および基板は、バイオセンサーおよび/または化学センサーの成分として、そして表面化学の研究において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、単層を形成するための方法、より詳細には抗体を含む単層およびそ
の使用に関する。
【0002】 (発明の背景) 単層は、水溶液の空気/水界面で形成される、少なくとも1つの両親媒性化合
物または両親媒性組成物の1分子の厚さの膜である。単層における各分子は、同
じ配向で配置され、ここで疎水性ドメインは空気に面しており、そして親水性ド
メインは水溶液に面している。単層の圧縮は、空気/水界面で基板を単層に通す
ことによって基板へと転移され得る、規則正しい二次元固体の形成をもたらす。
基板へと転移された単層は、ラングミュア−ブロジェット膜、すなわちLB膜と
呼ばれる。ラングミュア−ブロジェット技術の概説については、Gaines、
G.L.Jr.(1966)Insoluble Monolayers at
Liquid−Gas Interfaces、Interscience、
New York;Zasadzinskiら(1994)Science 2
63:1726−1733;Ullman(1991)An Introduc
tion to Ultrathin Organic Films、Acad
emic Press、Boston、MA;およびRoberts(1990
)Langmuir−Blodgett Films、Plenum、New
York(これらの内容は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと
【0003】 単層は代表的に、有機分子(例えば、脂質、脂肪酸および脂肪酸誘導体、脂溶
性ビタミン、コレステロール、クロロフィル、バリノマイシン、ならびに合成ポ
リマー(例えば、ポリ酢酸ビニルおよびポリメタクリル酸メチル))から構成さ
れるが、多くの他の両親媒性化合物によっても形成され得る。LB膜を用いて、
この単層を含むかまたはこの単層に取り込まれた目的の化合物と結合または反応
する分子を検出し得る。
【0004】 LB膜を用いる検知システムとしては、イオン感受性電界効果トランジスター
を用いる電気化学的デバイス、吸収または蛍光に基づく光学デバイスおよび圧電
性結晶が挙げられる。例えば、バリノマイシンのLB膜を用いて、赤外分光法に
よって検出され得るコンホメーション変化をもたらすカリウムの特異的相互作用
が検出されている(Pathairanaら(1992)Langmuir 8
:1984−1987)。
【0005】 フルオレセイン脂質を取り込んだ単層が、水晶結晶微量てんびん上に沈着され
、そしてこれを用いて溶液中の特異的抗フルオレセイン(fluorescyl
)モノクローナル抗体が検出された(Ebatoら(1994)Analyti
cal Chem.66:1683−1689)。対照的に、抗体を取り込んだ
LB膜でコーティングした圧電性結晶による抗原の検出は、限られた成功しか満
たしていない。これらのシステムでは、LB膜に対する分子の非特異的結合が、
抗原の正確な測定を妨げる。
【0006】 LB膜を形成するための以前の方法は、単層へと形成されるべき化合物の、揮
発性有機溶媒中への溶解を必要とする。有機溶媒は、この水溶液とは別の相を形
成し、水相中での単層成分の溶解を妨げるように機能する。水溶液の空気−液体
界面で混合物を拡散させた後、この溶媒をエバポレートさせ、単層を界面に残す
。あいにく、有機溶媒はしばしば、単層成分を傷つけ、そして所望でない残渣を
残す。このような単層から形成されたLB膜は、容認できないレベルの非特異的
結合を有し得る。非飽和性であるこのような非特異的結合は、特異的結合の定量
的測定を妨害する。本発明は、有機溶媒の使用を必要とせずに、単層を形成する
ための方法を提供することによってこれらの問題を克服する。
【0007】 イムノセンサーにおける効率的な検知相互作用は、以下を必要とする:(1)
機能分子の高い表面密度、(2)高い相互作用特異性および非特異的結合が存在
しないこと、(3)相互作用するパートナーの接近可能性、ならびに(4)検知
システムの安定性。任意のイムノセンサーには、実用性の観点で最も重要である
1つの重要な特徴が存在する。この特徴は、このセンサーの動的応答−時間曲線
である。イムノセンサーが特異的抗原に曝露された場合、動的出力シグナルVs
時間は、結合プロセスを示し、これは通常、図1に示す曲線Tに見える。総結合
(T)は非飽和性である非特異的結合(NSB)の成分を含み、そしてその残り
は、抗原−抗体(Ag−Ab)の相互作用が定常状態レベルに達したときに飽和
する非特異的結合(SB)である。Ag−Abシステムが定常状態レベルに達す
る能力は極めて重要である。なぜなら、このレベルの特異的結合のみが、分析物
における標的抗原濃度の直接的尺度である。あいにく、過剰の抗原は、損傷を受
けた抗体または他の結合部位による。この場合、定常状態レベルの特異的結合に
対応するセンサー出力は、この場合、非特異的結合の寄与がますます大きくなる
ことによってマスクされる。実際面では、分析物中の標的抗原の濃度をセンサー
の出力に関連付けるためには、液体の容量、液体の流速または曝露時間を、制御
しなければならないかおよび/またはこれらが既知でなければならない。対照的
に、非特異的結合が少なく、そして定常状態に達した場合、各定常状態レベルは
、抗原の特異的濃度に対応する。従って、最良の結果のためには、抗体の表面密
度および特異性は高く、かつ同じ親和性を有さなければならず、そして非特異的
結合は少なくなければならない。
【0008】 抗体固定化の多くの問題は、抗体それ自体のまさしくその性質から生じる。代
表的な抗体は、Y型分子である(Fabフラグメントの可変領域に位置する2つ
の可能な抗原結合部位を有する、2つのFab+Fc免疫グロブリン構造(図2
A))。Bリンパ球によって生成された全てのクラスの抗体は、膜結合形態およ
び可溶性分泌形態で作製され得る。2つの形態は、カルボキシル末端でのみ異な
る:膜結合形態は、抗体をB細胞膜の脂質二重層に係留する疎水性テイル(Fc
)を有し、一方、分泌形態は、親水性テイルを有し、親水性テイルは、抗体が細
胞から漏れ出るのを可能にする(図2B)。これらの2つの形態のうちの一方(
疎水性テイルを有する形態)のみが、単層によって支持され得、ラングミュア−
ブロジェット技術において単独で用いられるべきであると述べられる。この形態
は、センサー膜における適切な配置および方向付けに適切である(図3)。
【0009】 抗血清または精製したタンパク質調製物の形態の、免疫した動物由来の抗体は
、種々の不純物ならびに膜結合形態および可溶性形態の両方の抗体を含み得る。
有機溶媒を拡散キャリア薬物として用いる、LB単層を形成するための以前の方
法は、これらの不純物および両方の形態の抗体が単層中に存在する。これらの方
法は、高い密度の抗体を有するが、単層を不安定化し得そして抗体−抗原相互作
用を阻害し得る残りの有機溶媒、不純物および捕捉された親水性抗体を有する、
単層を生じ得る。イムノセンサーのための抗体固定化技術の比較研究により、従
来のLB技術は、最大密度のコーティングを生成するが、非常に高い非特異的結
合および乏しい再現性を有すると結論付けられた。このことは、この膜が充分に
組織化された構造を有さなかったことを示す(Ahluwaliaら(1991
)Biosensors and Bioelectronics 7:207
−214(この内容は、参考として援用される))。
【0010】 本発明は、高い特異性および低い非特異的結合を有する抗体を含む単層を形成
するための方法を提供することによってこれらの問題を克服する。その結果、抗
体−抗原相互作用の動的平衡(結合−解離)は、迅速に達成および測定され得る
【0011】 (発明の要旨) 有機溶媒の助けを借りずに単層を形成するための方法が提供される。特に、血
清または抗体にカップリングしたリポソームからの単層の形成のための方法が提
供される。本発明の方法によって形成され、そして少なくとも1つの両親媒性化
合物および必要に応じて1以上の目的の化合物を含む単層およびラングミュア−
ブロジェット膜もまた提供される。さらに、本発明の膜が沈積された基板(例え
ば、圧電性結晶)が提供される。本発明の単層、膜および基板は、バイオセンサ
ーおよび/または化学センサーの成分として、そして表面化学、生物学、環境科
学および医学的適用の研究において有用である。
【0012】 (発明の詳細な説明) 単層を形成するための公知の方法は、両親媒性化合物を揮発性有機溶媒(例え
ば、クロロホルムまたはヘキサン)に溶解することを必要とした。溶媒は、両親
媒性化合物が水性部分相の表面に拡散することを可能にし、そして化合物が部分
相と混合するのを妨げる。有機溶媒のエバポレーションの際に、両親媒性化合物
は、単層を形成する。目的の化合物(例えば、酵素、抗体または他のリガンド)
を、両親媒性化合物とともに含むことは、バイオセンサーおよび/または化学セ
ンサーとして用いられ得る単層の形成をもたらす。しかし、この有機溶媒は、単
層の成分を傷付け得、および/または単層中に望ましくない残渣を残し得る。
【0013】 驚くべきことに、両親媒性化合物または両親媒性組成物は、部分相に部分的に
浸水させた傾斜させた濡れ可能な平坦な表面にこの化合物または組成物がゆっく
りと流れ落ちるようにすることによって水性部分相上に重層され得る。従って、
本発明は、有機溶媒の使用を伴わない単層を形成するための方法に関する。この
方法は、以下の工程を包含する: (a)少なくとも1つの両親媒性化合物を含む組成物を提供する工程であって
、ここでこの組成物が、25%以下の揮発性有機溶媒を含み、そして必要に応じ
て1以上の目的の化合物を含み得る工程; (b)濡れ可能な平坦な表面の一端を、水性部分相中に浸漬する工程であって
、ここでこの平坦な表面が、この部分相の上面に対して約90〜170度の角度
を形成し、そしてこの部分相が、少なくとも1つの一価のカチオンおよび少なく
とも1つの二価のカチオンを含み、ここで、この部分相は4.0〜8.0のpH
を有する、工程; (c)この組成物を平坦な表面に対して1分間あたり約0.02〜4.0ml
の速度で提供して、単層を形成する工程;および (d)この単層を圧縮する工程。
【0014】 本発明の方法によって形成された単層もまた提供される。本発明の方法によっ
て生成された単層は、それらの成分が、有機溶媒によって傷付けられておらず、
そして形成の間に自己精製および配置を受けているという点で先行技術の単層と
は異なる。
【0015】 驚くべきことに、本発明の方法は、両親媒性化合物の添加も有機溶媒の添加も
伴うことなく、血清からの単層の形成を可能にする。従って、本発明は、本質的
に血清または抗血清からなる単層を提供する。血清および抗血清は、任意の動物
から誘導され得る。抗血清は、任意の免疫原性物質に対して惹起され得る。さら
に、本発明の方法は、少なくとも1つの両親媒性化合物に結合した、抗体からの
単層の形成を、有機溶媒の添加を伴うことなく可能にする。免疫原性物質が、そ
れ自体が免疫原性である抗原を含み得ることが認識される。あるいは、免疫原性
物質は、キャリアと組み合わせた1以上のハプテンを含み得る。好ましい実施形
態では、抗血清は、細菌性もしくはウイルス性の食物伝染性病原体のような微生
物、毒素、寄生生物または肉の1以上の抗原と特異的に反応性である。特に目的
の細菌性抗原は、Escherichia coli、Salmonella、
Campylobacter jejuni、Listeria monocy
togenes、Staphylococcus aureus、Clostr
idium perfringens、ならびに生および調理済みの両方の筋肉
性食物(肉)、果物、野菜、酪農製品、汁および穀物の抗原に由来する。好まし
くは、筋肉性食物は、豚肉、牛肉、ニワトリ、シチメンチョウ、カモまたは他の
鳥類、鹿肉、子羊、馬肉、海産食物、魚、エビまたはシェルフィッシュである。
【0016】 本発明の少なくとも1つの単層を基板に沈着させることによって形成されるラ
ングミュア−ブロジェット(LB)膜が提供される。本発明のLB膜は、従来技
術のLB膜よりも低いバックグラウンド結合を示す。例えば、音波センサーの圧
電性結晶への本発明の単層の沈着は、10ピコグラム程度(10細胞/mlの細
菌)の低い結合の検出を可能にする。従って、本発明の単層を沈着させた圧電性
結晶が提供される。
【0017】 この方法における単層は、部分相中に部分的に浸水させた傾斜させた濡れ可能
な平坦な表面へと拡散溶液が流れ落ちるのを可能にすることによって空気−液体
界面で形成される。図3は、この方法の主な特徴を例示する。この図は、部分相
中に部分的に浸水させた傾斜させた湿ったスライドガラスを示す。膜小胞(天然
の血清成分、または人工の脂質小胞)が、液体の収束メニスカスレンズの末端で
、液体−空気界面にて湿ったスライドに配置される。疎水性抗体は小胞膜に結合
しており、一方、親水性抗体およびいくつかの不純物は、ビヒクルの内側に懸濁
されている。表面力および浸透圧力がこの小胞を崩壊させ、そしてこの小胞が単
層へと分裂した場合、独特の精製プロセスが生じる:膜に結合した抗体は、新た
に作製された単層に結合したままであるが、可溶性抗体および不純物は、単層の
下の部分相に入る。単層が圧縮されそしてセンサー表面に転移された場合、膜に
結合した抗体のみが脂質によって囲まれたままである。
【0018】 拡散のプロセスの間に精製される拡散物質は、特別の予備的な精製を必要とせ
ず、そして血清、抗血清、および膜に結合した抗体と可溶性抗体との混合物は、
安定な単層形成のために用いられ得る。この方法は単純でかつ費用に対して最も
効率がよい。
【0019】 本発明のこの方法によって調製される単層は、以下の通りの特性を有する高い
品質の機能的コートを生成し得る: (a)高い密度の機能的分子; (b)広い範囲の遊離リガンド濃度内で反応性である; (c)高い特異性(他の多くの非特異的分子の存在下で特異的分子を結合する
能力); (d)高い感度(遊離のリガンドの変化に対する結合の変化の比率); (e)高い均質性(大多数の結合部位は、同一の結合特性を有する); (f)高い結合親和性(小さな解離定数および高い検出限界); (g)低い非特異的結合; (h)平衡に達する迅速さ; (i)可逆性;および (j)細菌の結合の増幅。
【0020】 本発明の技術によって生成されるSalmonellaセンサーのいくつかの
特性を、表1において公知の細菌性圧電イムノセンサーおよびウイルス性圧電イ
ムノセンサーについての特性と比較する。
【0021】
【表1】 表1からわかり得るように、本発明の方法によって製造されたセンサーの性能
の特徴は、公知の他の方法によって製造されたセンサーよりも優れている。実験
結果は、Salmonellaセンサーが上記に列挙した特性(a〜j)と一致
することをこの例において実証した。高い密度の抗体は、約8桁の細菌濃度にわ
たる広い範囲のSalmonellaセンサーと一致している。高い特異性およ
び感度は、抗体の良好な構造配置および環境から生じる。高い均質性(大多数の
結合部位は、同一の結合特性を有する)は、8桁の範囲の結合のプロセス(図6
)が、単一の解離定数(Kd)を有する単一の線によって示され得るという事実
と一致する。高い結合親和性(小さな解離定数および高い検出限界)および細菌
結合の増幅は、非常に低い実験検出限界によって確認される。低い非特異的結合
および迅速に平衡に到達することはまた、本発明者らの実験的応答−時間データ
によって確認される(図6、パネルA)。
【0022】 本明細書中で使用される場合、「両親媒性化合物」とは、水に不溶性であり、
かつ水相に優先的に面する親水性領域、および空気または非水相に優先的に面す
る疎水性領域を有する分子をいう。本明細書中で使用される場合、「両親媒性化
合物」とはまた、低濃度では水溶液中で可溶性であり得るが、臨界濃度を超える
とミセルまたはリポソームを形成する分子をいう。多くの両親媒性化合物を用い
て、本発明の単層を形成し得る。このような化合物としては、少なくとも14個
の炭素原子を有する脂質が挙げられる。例としては、ステアリン酸およびヘキサ
デカン酸が挙げられる。単層を形成する他の化合物としては、Gaines、G
.L.Jr.(1966)Insoluble Monolayers Liq
uid−Gas Interface、Interscience、New Y
ork(この内容は、参考として援用される)に記載される化合物が挙げられる
がこれらに限定されない。
【0023】 特に好ましい両親媒性化合物は、血清中に天然に見出される両親媒性化合物お
よびリポソームを形成するように用いられ得る両親媒性化合物である。リポソー
ムを形成する化合物または組成物の例としては、脂質、リン脂質(例えば、L−
α−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)(DPP
C)およびマレイミドフェニルブチレートホスファチジルエタノールアミン(M
PB−PE))、コレステロール、生物学的膜、血清および抗血清が挙げられる
がこれらに限定されない。好ましくは、両親媒性化合物は、濡れ可能な平坦な表
面へ送達する前にリポソームへと形成される。両親媒性化合物および両親媒性組
成物からリポソームを形成する方法は、当業者に公知である。
【0024】 本明細書中で用いる場合、「抗体」とは、天然に存在する抗体、ポリクローナ
ル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体(すなわち、同じ生物ま
たは異なる生物の抗体由来の定常領域および可変領域を含む)、ヒト化抗体(す
なわち、非ヒト供給源由来の相補性決定領域(CDR)を含む)、ヘテロ結合体
抗体(例えば、二重特異性抗体)、合成抗体、抗原結合形態の抗体(例えば、抗
体フラグメント(例えば、Fab、F(ab)2および単鎖Fv))およびそれ
らの誘導体をいう。特定の抗原と特異的に反応する抗体は、インビボでまたは組
換え方法(例えば、ファージまたは他のベクターにおける組換え抗体のライブラ
リーの選択)によって生成され得る。例えば、Huseら(1989)Scie
nce 246:1275−1281;Wardら(1989)Nature
341:544−546;およびVaughnら(1996)Nature B
iotech.14:309−314を参照のこと。モノクローナル抗体または
ポリクローナル抗体を産生するための方法は、当業者に周知である。
【0025】 本発明の方法において有用な抗体は、任意の物質と特異的に反応性であり得る
。このような抗体としては、微生物、食物伝染性病原体、寄生生物、毒素または
肉由来の抗原に特異的な抗体が挙げられる。特に有用なのは、肉タンパク質(好
ましくは、豚肉、家禽類、ニワトリ、シチメンチョウまたはカモ由来の肉タンパ
ク質)について選択的なモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。
肉と特異的に反応性の抗体は、生肉、調理済み肉または熱安定性の肉タンパク質
由来のタンパク質に対して選択的であり得る。このような抗体は、同時係属中の
米国特許出願第08/906,851号(この内容は、本明細書中に参考として
援用される)に記載される。特に有用なのは、ハイブリドーマ細胞株5H9によ
って産生されるモノクローナル抗体5H9である。ハイブリドーマ細胞株5H9
は、アメリカンタイプカルチャーコレクション,Rockville、MD、U
SAに1996年12月12日に寄託された(ATCC受託番号HB−1224
5)。モノクローナル抗体5H9の特異性を有するポリクローナル抗体またはモ
ノクローナル抗体もまた有用である。
【0026】 本明細書中で用いられる場合、「抗原」とは、抗体が生成され得る物質または
抗体が特異的に免疫反応性である物質をいう。抗原が抗体と反応し得るが、免疫
応答を誘発できないかもしれないことが認識される。
【0027】 本明細書中で用いられる場合、「抗血清」とは、1以上の抗原に対して特異的
な抗体を含む血清をいう。
【0028】 本明細書中で用いられる場合、「水性」とは、水が溶媒である溶液をいう。
【0029】 本明細書中で用いられる場合、「カチオン」とは、任意の陽性に荷電した原子
をいう。部分相溶液において有用な二価のカチオンの例としては、カルシウム、
カドミウムおよびマグネシウムが挙げられるがこれらに限定されない。部分相溶
液において有用な一価のカチオンの例としては、ナトリウムおよびカリウムが挙
げられるがこれらに限定されない。
【0030】 本明細書中で用いられる場合、「目的の化合物」とは、単層へと形成され得る
、化合物または組成物において可溶性の任意の物質をいう。目的の化合物は通常
、化合物または組成物に添加されて、部分相表面での単層の拡散の前に単層へと
形成される。あるいは、目的の化合物は、単層の形成の前にリポソームへと共有
結合的にまたは非共有結合的に結合され得る。さらに、目的の化合物は続いて、
単層へと共有結合的または非共有結合的に結合され得る。特定の目的の化合物と
しては、ポリペプチド(例えば、酵素、モノクローナル抗体およびポリクローナ
ル抗体、レセプターならびに他のペプチドリガンド)、核酸、脂質および炭水化
物が挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、目的の化合物は、微生物
、ウイルス、寄生生物、毒素、食物伝染性病原体、肉またはそれらの成分に特異
的に結合する。
【0031】 本明細書中で用いられる場合、「圧縮」とは、ラングミュア−ブロジェット装
置の1以上の圧縮バリアを移動させて単層が形成する表面積を減少させることを
いう。この表面積が減少するにつれて、分子間距離が減少し、そして表面圧力が
上昇する。この相関は、等温線によって図示され得る。等温線は、表面圧力を、
分子あたりの面積に対してプロットする。
【0032】 本明細書中で用いられる場合、「送達する」とは、平坦な表面上に単層を形成
するように組成物を適用するために用いられる任意の方法をいう。好ましくは、
この組成物は、マイクロピペットを用いて平坦な表面へと送達される。しかし、
当業者は、本発明の方法において用いられ得る送達の種々の選択肢を知っている
。平坦な表面への組成物の送達速度は、1分間あたり約0.02〜4.0ml、
好ましくは1分間あたり約0.05〜0.75ml、そして最も好ましくは1分
間あたり約0.1mlである。
【0033】 本明細書中で用いられる場合、「LB膜」とは、基板の表面に存在する単層を
いう。LB膜は、任意の表面に形成され得る。好ましい表面は、圧電性結晶であ
る。
【0034】 本明細書中で用いられる場合、「筋肉性食物」とは、任意の動物由来の生肉お
よび調理済み肉の両方をいう。特に目的の筋肉性食物としては、狩猟動物、魚、
海産食物およびヒトによる消費のために飼育される動物の筋肉性食物が挙げられ
る。好ましくは、筋肉性食物は、豚肉、牛肉、ニワトリ、シチメンチョウ、カモ
もしくは他の鳥類、鹿肉、子羊、馬肉、魚、海産食物またはシェルフィッシュで
ある。
【0035】 本明細書中で用いられる場合、「微生物」とは、拡大を伴わずにヒトの眼によ
って可視でない任意の生物をいう。微生物は、単細胞もしくは細胞塊、または鎖
として存在し得、そしてウイルス、細菌、シアノバクテリア、原生動物、藍藻お
よび真菌を含むがこれらに限定されない。特に目的の微生物としては、Esch
erichia coli、Salmonella、Campylobacte
r jejuni、Listeria monocytogenes、Stap
hylococcus aureusおよびClostridium perf
ringensが挙げられる。
【0036】 本明細書中で用いられる場合、「単層」とは、少なくとも1つの両親媒性化合
物または両親媒性組成物の1分子の厚さの膜をいう。必要に応じて、1以上の目
的の化合物は、本発明の単層に含まれ得る。
【0037】 本明細書中で用いられる場合、「圧電性」とは、機械的力をかけたときに電圧
を生じる能力、または電圧を供給したときに機械的力を生じる能力をいう。この
相互の関係は、圧電効果と呼ばれる。圧電性結晶に対称中心が存在しないことが
、圧電性効果には必要である。対称中心を欠く21個のクラスの結晶のうち、1
つ以外の全てのクラスが圧電性である。好ましい圧電性結晶は水晶結晶である。
【0038】 LB膜を沈着させた圧電性結晶を横切って電圧をかけることにより、特定の共
鳴振動数の機械振動が生じる。LB膜の成分を有する溶液における物質の相互作
用から生じるこの結晶の質量の変化は、共鳴振動数を変化させる。共鳴振動数に
おけるこの変化は、電圧の変化として測定され得る。電圧における変化は、非特
異的結合が低いならば、特異的結合物質の濃度に比例する。
【0039】 本明細書中で用いられる場合、「血清」とは、フィブリン血餅および血球を除
去した後に得られる血液の流体部分をいう。血清は、ヒトを含む任意の動物の血
液から調製され得る。
【0040】 本明細書中で用いられる場合、「特異的に反応性」とは、2以上の相互作用す
る物質が、バックグラウンド成分についてよりも少なくとも2倍高い互いについ
ての親和性を有する場合の結合反応をいう。
【0041】 本明細書中で用いられる場合、「基板」とは、LB膜が形成され得る任意の非
可溶性固体をいう。このような固体としては、以下が挙げられる:水晶、ガラス
、雲母、プラスチック、いくつかの金属(クロム、金、銀)。好ましい基板は圧
電性結晶であり、最も好ましくは水晶結晶である。
【0042】 本明細書中で用いられる場合、「部分相(subphase)」とは、単層へ
と形成されるべき組成物が拡散している水溶液をいう。少なくとも1つの二価の
カチオンおよび1つの一価のカチオンは、部分相中に存在しなければならない。
適切な部分相としては、Gains(「Insoluble monolaye
rs at liquid−gas interface.」(1996)In
terscience、New York)によって記載される部分相が挙げら
れるがこれらに限定されない。代表的な部分相は、以下を含む:脱イオン二回蒸
留水中の55.0mM KCl、4.0mM NaCl、1.0mM MgCl 2 、0.1mM CaCl2および2.0mM MOPS緩衝液(pH 7.4)
。この部分相は、単層を拡散させる前にラングミュア−ブロジェット装置のトラ
フを通して配置される。
【0043】 本明細書中で用いられる場合、「揮発性有機溶媒」とは、水と非混和性であり
、1.0未満の密度、100℃未満の沸点を有し、かつ両親媒性化合物を溶解し
得る有機液体をいう。揮発性有機溶媒の例としては、クロロホルム、ヘキサン、
ベンゼン、デカンおよびエーテルが挙げられる。
【0044】 本明細書中で用いられる場合、「濡れ可能(wettable)」とは、液体
が接着する表面をいう。濡れ可能な表面の例としては、ガラス、ケイ素および雲
母が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい濡れ可能な平坦な表面は、使
い捨てのガラス顕微鏡スライドである。
【0045】 代表的に、単層は、ラングミュア−ブロジェット装置において形成される。こ
のような装置は当該分野で周知であり、そして市販されている。例えば、以下に
記載の研究では、KSV 2200LB ラングミュア−ブロジェット装置(K
SV−Chemical、Finland)を用いた。LB装置は通常、少なく
とも1つのトラフ、単層の表面圧力の調節を可能にする移動圧縮バリアおよび表
面圧力を測定するデバイスを備える。トラフは、部分相溶液を支持し、そして代
表的にTeflonTMから作製される。モーターは、圧縮バリアを移動させ得、
そして単層を通して基板を上昇および下降させ得る。大部分のトラフは、充分に
自動化され、そしてまた温度が調節および振動が制御される。
【0046】 空気/水界面で調製される不溶性単層は、種々の因子(例えば、温度、pH、
特定の金属イオン、表面活性夾雑物質および空気/水界面で収集される他の夾雑
物質)に対して極めて敏感である。代表的な単層における物質の総量は、約1マ
イクログラムである。その結果、空気/水界面で収集する場合、10億分の1の
桁の不純物が、深刻な問題を引き起こし得る。従って、全ての単層作業およびL
B膜作業について、実験の詳細および手順に対して慎重な注意が必要である。
【0047】 単層を形成する方法は、当業者に公知である。例えば、Roberts、前出
を参照のこと。本発明の方法と先行技術の方法との間の重大な相違は、単層へと
形成されるべき化合物または組成物が、部分相の表面へと送達される様式である
。先行技術の送達方法および本願の送達方法の両方の目的は、この組成物または
その成分を水性部分相に溶解することなく、単層へと形成される組成物を部分相
の空気/表面界面で配置することである。先行技術の方法は、この組成物を有機
溶媒中に溶解し、これは、空気/水界面で別の相を形成し、次いでエバポレート
して両親媒性組成物の単層を残すことによってこの目的を達成する。対照的に、
本発明の送達方法は、有機溶媒の使用を必要としない。驚くべきことに、両親媒
性化合物または両親媒性組成物は、部分相に部分的に浸水させた傾斜させた濡れ
可能な平坦な表面にこの化合物または組成物がゆっくりと流れ落ちるようにする
ことによって、水性部分相上に重層され得る。
【0048】 濡れ可能な平坦な表面の一端は、部分相表面に対して約90〜170度の角度
で部分相中に配置される(図1)。この角度は、単層へと形成されるべき組成物
がこの部分相の表面に送達される速度および力に影響を与える。この力は、部分
相と組成物との混合を回避するように充分に低くなければならない。好ましくは
、この角度は、約140〜170度、最も好ましくは約165度である。部分相
表面への組成物の送達の速度および力に影響を与える他の因子としては、単層へ
と形成されるべき組成物の組成、この組成物を平坦な表面へと送達する速度、平
坦な表面および部分相が挙げられる。単層へと形成されるべき組成物が脂質形成
小胞を含むことが重要である。小胞の液体の容量オスモル濃度は、部分相の容量
オスモル濃度よりも高くなければならない。
【0049】 単層形成の当業者は、特定の適用に最も適した角度および送達速度を経験的に
決定し得る。以下の基準は、拡散手順の効率を評価するために適用されるべきで
ある。
【0050】 1.拡散物質の喪失は、最少にすべきである。この喪失は、R=Mm/Msと定
義される回収係数によって評価され得、ここで、Msは、拡散溶液中の物質の質
量であり、そしてMmは単層の質量である。好首尾の拡散手順では、Rは、1.
0に近くあるべきである。R<1は、物質の喪失を示す。例えば、R=0.5は
、拡散物質の50%の喪失を示す。
【0051】 2.拡散手順は、拡散物質の物理化学的活性の重大な変化を引き起こさないべ
きである。例えば、非常に低い速度(<0.01ml/分)および脂質の非存在
下で、タンパク質は、折り畳まれておらずかつ変性した分子を有する単層を生成
し得る。
【0052】 単層の圧縮は、気相から液相への転移をもたらす。さらなる圧縮は、単層の分
子が強固に詰め込まれた規則正しい構造を形成する、液相から固相への転移をも
たらす。さらなる圧縮は、機械的不安定および付随した表面圧力の減少に起因す
る単層の崩壊をもたらす。単層が1より多くの成分(例えば、抗体成分)を有す
る場合、抗体が崩壊する第1の崩壊圧力、および残りの単層が崩壊する、より高
い崩壊圧力が存在し得る。圧縮バリアの動きに応答した表面圧力のグラフ化は、
特定のセットの条件下で特定の単層について最適な圧縮を決定するために用いら
れ得る等温線を生じる。最適な表面圧力は、1以上の単層成分の崩壊をもたらす
圧力に達する直前に達成される。
【0053】 所望の表面圧力が単層の圧縮によって達成された後、LB膜は、基板を1回以
上単層に通過させることによって形成され得る。LB膜を形成する方法は当業者
に公知であり、そしてOllman、前出およびRoberts、前出に記載さ
れる。
【0054】 以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、本発明を限定するこ
とは意図していない。
【0055】 (実験) (材料および方法) (培養) Salmonella tryphimuriumおよびEsch
erichia coli O157:H7を、実験に使用する。両方の培養物
を、Auburn University Botany & Microbi
ology Departmentのカルチャーコレクションから入手する。各
々は、伝統的な生化学的、細胞形態学的、および血清学的試験の使用を通じて同
一性が確認される。その培養物は、トリプチカーゼ寒天(TSA)スラント上で
維持される。
【0056】 (実験のための培養物の増殖) 各培養物を、振盪水浴インキュベーター中で
の37℃での接種の一晩培養のためのトリプチカーゼダイズブロスへの、新鮮な
培養物の接種前に、TSAプレート上での単離のために画線する。次いで、その
ブロスのその細胞を遠心分離(3500rpmで10分間)を行うことによって
洗浄し、そしてその細胞を、遠心分離工程を繰り返し、そして2mLのPBSで
再懸濁する前に、10mLの滅菌リン酸緩衝化食塩水(PBS)(pH7.0)
中で再懸濁する。無菌手順を、試験容量の細菌を産生するために行われる工程を
通じて使用する。
【0057】 (希釈) 連続希釈を、8mLの希釈を、その液体の2mLに懸濁された(1
:5)細胞に加えることによって、PBSを用いて行う。次いで、さらに3回の
希釈を、1:25、1:125、および1:625希釈のために、2mLを8m
Lの希釈に連続的に移すことによって行う。次いで、さらなる希釈を、4工程で
、1mLを9mLの希釈に連続的に移すことによって行い、各チューブの1:1
0希釈を達成する。全てのチューブを、それぞれピペットする前に振盪して、送
達前に充分に混合する。
【0058】 (コロニー形成単位(cfu)決定) 各希釈物中の生存細胞の数を、0.1
mLの各希釈物の、TSAの二連(duplicate)プレートへ拡散プレー
ティング(spread plating)し、そしてcfuの最終計数を行う
前に48時間インキュベートし、30〜300コロニーを産生する希釈に基づい
て平均cfuを計算することによって決定する。希釈された細胞を有するチュー
ブを迅速に氷上に置き、そしてセンサーで試験するために別の実験室に配達する
【0059】 (抗体) センサーに結合させた膜上で捕捉抗体として使用される抗体をOx
oid,Inc.(Ogdensberg,NY)から入手する。S.tryp
himuriumのために、ほとんどのSalmonella serovar
sに特異的な多価の体細胞O抗体を使用する。E.coli O157:H7を
捕捉するために、多価O157(外膜)またはH7(鞭毛)抗体のいずれかを使
用する。ほとんどの場合、同じロットの抗体を使用する。反応性を、細胞が特異
的抗体の存在下で凝集したスライド凝集試験を行うことによって標的細菌に対し
てチェックする。モノクローナル抗E.coliO157およびモノクローナル
Salmonella typhimuriumをBiodesign Int
ernational(Kennebunk,ML)から入手する。
【0060】 (抗体の反応性を試験する手順) (1)抗原が固定され、色素生産性の抗マ
ウス(モノクローナル抗体について)または抗動物ベース抗体に供されたニトロ
セルロースまたはナイロンフィルターを使用する、酵素アッセイと組み合わせた
ドットブロットELISA試験。(2)標的生物のためのキット試験。(3)凝
集試験。
【0061】 (抗体およびFabを含有する脂質粒子の構築) 大きな、単層のリポソーム
を、合成L−α−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリ
ン)(DPPC)およびマレイミドフェニルブチレートホスファチジルエタノー
ルアミン(MPB−PE)から調製する。S.typhimuriumまたはE
.coliO157:H7に対する特異性を有するモノクローナル抗体(または
Fab)を、ジセチルホスフェートおよびジチオトレイトール(DTT)の存在
下で、ヘテロ二官能性試薬N−スクシンイミジル−3(2−ピリジルジチオ)プ
ロピオネート(SPDP)によって改変し、そしてリポソームに結合させる(B
etageriら(1993)J.Pharm.Pharmacol.45:4
8−53))。特異的な抗体を含有するリポソームを、単層へと変換し、そして
LB方法によってセンサー表面上に沈積させる。
【0062】 (単層技術) 表面膜天秤。表面気圧の測定を、Langmuir−Blod
gett膜天秤KSV2200LB(KVS−Chemicals,Finla
nd)上で行う。充分にコンピュータ化されたシステムは、Wilhelmy型
表面天秤(0〜100mN/mの範囲;0.05mN/m)、テフロン(登録商
標)トラフ(45×15cm2)、可変速度モーター駆動Teflonバリア(
0〜200mm/分)、および層流フードを包含する。トラフを、200kgの
大理石のテーブルに取り付ける。振動制御を、ゴムのショック吸収剤を間に入れ
、そしてその層流フードを別々のベンチに取り付けることによって提供する。表
面気圧を、4cmの周長を有する砂ふきをしたプラチナプレートを使用すること
によってモニターする。
【0063】 部分相の温度を、トラフの底の水晶チューブコイルを通して水を循環させるこ
とによって制御する(±0.1℃)。水の界面のちょうど下に位置するサーミス
タによって、温度を測定する。表面気圧データを、単層のゆっくりとした、定常
状態の圧縮の間に収集する。
【0064】 (自由エネルギー、エンタルピー、およびエントロピー) 等温圧縮データか
らの自由エネルギー、エンタルピー、およびエントロピーの熱力学的値は、以下
の式を使用して計算する(Itoら(1989)Thin Solid Fil
ms 180:1−13;Vodyanoyら(1990)Biochim B
iophys Acta 1047:284−289;Vodyanoyら(1
994)Langmuir 10:1354−1357;Pathiranaら
(1992)J.Am.Chem.Soc.114:1404−1405、Pa
thiranaら(1992a)Langmuir 8:1984−198、P
athiranaら(1996)Supramolecular Scienc
e 3:149−154,Pathiranaら(1998)Langmuir
14:679−682)
【0065】
【数1】 ここで、ΔG、ΔH、およびΔSは、圧縮の自由エネルギー、エンタルピー、お
よびエントロピーであり;cWは、純水の表面張力であり、AおよびPは、表面
積および圧力であり、そしてTは、絶対温度であり、そしてtは、温度(ΔC)
である。
【0066】 (表面電位) 表面電位を、電位計に結合した水表面から2mmのところに位
置し、そして部分相に浸漬したAg−AgCl電極にを基準とする210Po大気
電極を用いて測定する。表面電位Vおよび表面A等温を、表面気圧等温線と同時
に測定し、そして式μ=AV/12πからの表面双極子モーメントμの計算のた
めに使用する。ここで、A(Å/分子)は分子の面積、Vはミリボルト、μはミ
リデバイである(Gaines,G.L.Jr.(1996)Insolubl
e Monolayers at Liquid−Gas Interface
,Interscience,New York and Pathirana
ら(1992)J.Am.Chem.Soc.114:1404−1405)。
【0067】 (弾性) 表面気圧の関数としての単層の弾性E=A((P/(A)Tは、圧力
等温線から直接計算される(Vodyanoyら(1990)Biochim
Biophys Acta 1047:284−289)。
【0068】 (粘性) 単層の表面粘性は、LBトラフの固相圧縮バリアを、0.265×
2.0cm2のスリットを備えるもので置換することによって、管状粘度計によ
って測定される。その単層は、水表面において、表面気圧P2の領域から、表面
気圧がより低い値P1を有する領域に、スリットを介して流れることができる。
Jodyの式(Gaies,1996)を、表面粘度(ηs)の計算のために使
用する:
【0069】
【数2】 ここで、aおよび1は、管の幅および長さであり、Qは、1秒あたり管を介して
流れる単層の面積であり、η0は部分相流体の体積粘度であり、そしてcη0=0
.191は、デバイスの定数である。
【0070】 (単層処方物) リン脂質単層。リン脂質溶液は、2%エタノールを含有する
ヘキサン溶液(1mg/ml)として表面天秤上に広がる(Itoら、(198
9)Thin Solid Films 180:1−13)。圧縮した後、単
層をリン酸分析のために回収する(Bartlett,G.R.(1959)J
.Biol.Chem.234:466−468)。
【0071】 抗体調製物から作製された単層。抗体を含有する単層を調製し、そして以下の
本発明の方法によって分散する。
【0072】 (単層沈積) 抗体を含有する単層は、定常表面気圧で、微量天秤測定のため
の金電極を備えた円形(d=2.5cm)の水晶のプレート;またはFTIRス
ペクトル測定のための50×10×3mm、45°の面角、ゲルマニウム平行四
辺形の減弱化全反射(ATR)プレート(Wilmad);または視覚的観察お
よび画像化分析のための標準的な顕微鏡スライド(Pathiranaら(19
92)J.Am.Chem.Soc.114:1404−1405) に移される。
【0073】 (細菌結合測定) OCM結晶。5MHzの名目上の振動周期を有するAT切
断平板水晶結晶は、Maxtek,Inc.によって供給される。円状の金電極
を、その振動回路への電極の連結のために結晶の両側に沈積させる。
【0074】 水晶結晶微量天秤。質量分析を、5MHzで0.5Hzの周波数分解能、およ
び質量分解能10ng/cm2を有するPM−700 Maxtek微量天秤を
用いて行った。そのデバイスは、シングルおよびデュアル両方のプローブモード
で作動することができる。微量天秤は、コンピュータとインターフェースしてお
り、そして細菌のセンサー表面への結合を記録するためのモニタリングデバイス
として使用する。抗体膜で被覆したセンサー基板を、試験溶液の送達の直前にそ
の装置のプローブのアームに配置する。記録を開始するすぐ後に、約1mlのコ
ントロール溶液をピペットを用いてセンサー表面に送達し、そして電圧を4〜8
分間記録する。次いで、その試験溶液を、注意深くプラスティックのピペットチ
ップを使用して除去する。コントロール溶液を除去した後、新たな記録を開始し
、細菌を含有する1mlの同じ溶液を添加し、そして同じ測定手順に従う。全て
の溶液を試験した後、そのセンサーを注意深く除去し、そしてそれを硝酸で洗浄
するまで無水エタノール中に配置する。この実験で使用した全ての装置は、無水
エタノールで毎日滅菌されている。収集したデータを、ハードディスク上に保存
し、そしてLotus123およびMicrocal Originソフトウェ
アを使用してオフラインで分析する。
【0075】 (較正):水晶結晶微量天秤を、充分に特徴づけされたステアリン酸単層の沈
積によって較正する。ステアリン酸の単一の単層のQCM結晶上への沈積により
、2.6×107g/cm2(30mNm-1トランスファー表面気圧について)の
さらなる質量を添加する。
【0076】 (暗視野顕微鏡法) 細菌の付着の光学観察は、100W水銀ランプ照射源、
偏光子、Naessens暗視野コンデンサ(COSE Corp.,Cana
da)および100×対物レンズ(油、NA 1.4)(Pathiranaら
(1996) Supramolecular Scince 3:149−1
54)を備えたOlympus顕微鏡で可視化する。暗視野画像(Inoueら
、(1997)Video Microscopy,Plenum Press
,New York)は、1.0 Pro Series Capture K
itおよび2.0Image−Pro Plusソフトウェア(MediaCy
bernetics,MD)を使用して、Pentium(登録商標) DEL
コンピュータで捕捉したDEI−470T Optronics CCDビデオ
カメラシステム(Optoronics Engineering,CA)に関
する。その画像は、ビデオモニター(PMV−1343 MD、Sony Co
rp.)で表示され、そしてビデオレコーダー(SVO−9500MD,Son
y Corp.)およびプリンター(UP3000,Sony Corp.)で
ハードコピーされる。このシステムは、高分解能の実時間直視光学画像を提供す
る。サンプルの凍結、脱水、染色、シャドウイング、マーキング、または任意の
他の操作を必要としなかった;それらは、天然の水性環境で観察され得る(Vo
dyanoyら(1992)J.Am.Chem.Soc.114;1404ー
1405)。細菌の直接計数を使用して、流体サンプル中でのそれらの濃度を決
定する。大量の一般的な濃度の運動細胞の条件において結合した細菌の数を使用
して、特異的抗体の表面濃度を見積もる。
【0077】 (結合式) この節の目的は、公知の結合式を使用することによる、結合の定
量的な記載を構成すること、および抗原と抗体との、および得られる複合体との
相互作用を、結合パラメータに関して記載することである。結合式の抗体抗原シ
ステムへの適用可能性は、些細なことではなく、特別の考慮を必要とする。抗原
分子と抗体との間の反応は、以下のように模式的に表される nAg + Ab ←→ AbAgn (1) ここで、nは、単一の抗体に結合した抗原の分子の数である。この反応に対する
結合定数(Kb)は、以下のように規定される(Kuchelら(1988)T
heory and Problems of Biochemistry,M
cGraw−Hill,New York) Kb=[AbAga]/[Ab][Ag]n (2) もし、非特異的な分子へ結合した抗体の数を無視すれば、抗体の総数(CAb)は
、遊離の抗体および抗原分子に結合した抗体から構成される: CAb=[Ab]+[AbAgn] (3) 式(2)と(3)とを組み合わせることにより、抗原によって占有されている
抗体の画分を決定し得る: Y=[AbAgn]/CAb=Kb[Ag]n/(1+Kb[Ag]n) (4) 占有された抗体と遊離の抗体との比は、以下のように規定され得る Y/(1−Y)=Kb[Ag]n (5) 両辺の対数をとると、以下を得る: log(Y/(1−Y))=logKb+nlog[Ag] (6) 式(6)の左辺対log[Ag]のプロットは、Hillプロットとして知られ
る。その勾配からnの見積もりを与え、その縦軸切片からKbを与え、そしてY
=1−Y(またはY=0.5)のときの点でEC50である。抗体が、抗原とイン
ターフェースした膜に固定される場合、その抗体/抗原複合体の濃度は、溶液か
ら膜への抗原分子の転移に起因する膜の質量の変化に比例し、これを本発明者ら
は、Δmと記載し、そしてその最大質量変化は、結合した抗原分子の総数に比例
する: [AgAgn]〜Δm〜ΔV (7) CAb〜Δmmax〜ΔVmax (8) ここで、ΔVは、質量の変化を反映するQCMデバイスの出力電圧変化である。
したがって、抗原の質量の関数としての抗体結合の測定の実験において、本発明
者らは、式(4)〜(6)を使用して、Y=[AgAgn]CAbを以下で置換す
ることにより、結果を分析し得る Y=Δm/Δmmax=ΔV/ΔVmax (9) 抗体が抗原の単一分子(n=1)に結合する場合、式(4)および(9)から、
本発明者らは、抗原の単一の分子について結合活性を見積もり得る: ΔV/[Ag]=−(1/Kd)×ΔV+(1/Kd)×ΔVmax (10) ここで、Kd=1/Kbは、抗原抗体複合体の見かけの解離結合定数である。式1
0は、左側対電圧応答ΔVの線形プロットとして表し得る。そのプロットは、S
catchardプロット(Scatchardら(1949)J.Am.Ch
em.Soc.79:12−20)である。それは、勾配から−1/Kdの見積
もりおよび横軸の切片からΔVmaxの見積もりを与える。非特異的結合は、2つ
の方法によって見積もられ得る:1)均一の抗体集団に対する抗原結合について
の飽和曲線から。総結合は、非特異的結合(NSB)の成分を包含し、これは、
飽和せず、そして残りは、特異的結合であり、これは、ΔVmaxで飽和する;お
よび(2)競合結合アッセイから(Kuchelら(1988)Theory
and Problems of Biochemistry、McGraw−
Hill,New York)。NBSは、画分として見積もられ、これは、抗
体に対する他のリガンドによっては提示されない。
【0078】 (実施例1) (抗菌免疫血清からの単層およびLB膜の調製) (ラングミュア−ブロジェット装置の準備) KSV 2200LBラングミュア−ブロジェット装置(KSV−Chemi
cal、Finland)を用いて単層を調製した。LB装置を以下の手順に従
って徹底的に浄化した。単層の調製前に、LB装置のテフロン(登録商標)トラ
フ(trough)および圧縮バリアを無水エタノールまたはヘキサンのいずれ
かで浄化した。特別な注意を払って、汚染を収集し得るトラフの縁部が完全にき
れいになることを確実にした。次いでこのトラフをトラフの縁部で形成された約
2mmの凸のメニスカスまで蒸留水で充填した。空気/水の界面に浮かぶ汚染物
質を、トラフの表面上に圧縮バリアを3回通すことにより取り除いた。ガター(
溝)にオーバーフローした水を吸水ポンプに接続された細いビニルチューブを介
して取り除いた。トラフ中の水を吸引により完全に除去し、直後に部分相(su
bphase)でトラフを充填した。常に汚染を減少できるように封入ドア(e
nclosure door)を閉じた。
【0079】 上記のようにトラフを清浄にした後、このトラフを1.5Lの部分相溶液(5
5.0mM KCl、4.0mM NaCl、1.0mM MgCl2、0.1
mM CaCl2、および2.0mM MOPS緩衝液を含有する脱イオン化二
回蒸留水)で充填した。反応溶液のpHを1N KOHで7.4に調節した。次
いでこの溶液を濾過し、ガラスビンに保存し、そして2日以内に使用した。
【0080】 次いでトラフのサーモスタットを20℃に調節した。部分相がこの温度(±0
.1℃)に達した時、この部分相表面を圧縮バリアでの拭き取りにより3回、清
浄にした。吸引によりガターからオーバーフローを取り除いた。
【0081】 Wilhelmyプレートを各1分間、以下の溶媒中での連続的超音波処理に
より清浄にした: 1.2:1クロロホルム/メタノール、 2.アセトン、 3.2回蒸留脱イオン水、 4.無水エタノール。
【0082】 Wilhelmyプレートが完全に濡れ可能であることを確実にするため、こ
れを2回蒸留脱イオン水中で超音波処理し、直後にLB装置の吊り下げワイヤ中
に置いた。
【0083】 次いで、事前に清浄にしたWilhelmyプレートを部分相表面に対して垂
直に吊り下げ、それにより、このプレートの1/3を部分相に浸した。この構成
において、210Po空気電極を部分相表面から3mmに保持し、そしてこのPt
プレートを完全に湿らせた。圧縮バリアをトラバースフォークに適合させ、そし
てDFCユニットを用いて表面圧力および表面位置をゼロにした。
【0084】 (単層の形成) ガラス顕微鏡用スライド(1×2インチ)をサンプルホルダーに固定した。こ
のサンプルホルダーは、部分相表面に対して165°の角度でスライドを保持し
た(図6)。次いで、このスライドの底部縁部が部分相の表面の真下になるよう
に、このスライドを位置決めした。
【0085】 SalmonellaまたはEscherichia coliに対する市販
の抗血清を単層の調製のために購入して用いた。E.coli H(H−7)お
よびSalmonella O(多価 O)抗血清(Denka Seiken
CO.,LTD,(デンカ生研株式会社)Tokyo,Japan)を単層調
製のために購入して用いた。Salmonella抗血清(In Vitro
Diagnostic Reagent No.1438)は、ウサギ起源のも
のであり、Oグループ抗原、H抗原およびVi抗原を有しており、そしてSal
monellaの血清学的研究のために、そしてスライド凝集および試験管凝集
によるSalmonellaの血清型の決定のために、液体形態で調製されてい
る。抗血清を十分に混合し、次いでマイクロピペットを用いて、顕微鏡スライド
の表面上に、100μlを、約0.1ml/分の速度で滴下しておいた。次に、
この顕微鏡スライドを部分相に浸し、それにより抗血清によりカバーされたスラ
イドのエリアを完全に浸した。次いで、このスライドを部分相溶液から完全に引
き上げた。10分後、この単層を23mN/mの表面圧力まで圧迫した。この圧
力は、表面の圧力表面エリアアイソフォームの分析により決定した。
【0086】 (LB膜沈積) 未研磨の5MHzのプラノ−プラノ構成を有するATカット水晶振動子(AT
−cut quartz crystals with a plano−pl
ano configuration)をMaxtek,Inc.から入手し、
そしてこれらの実験における基板として用いた。この水晶振動子は、直径が1イ
ンチであり、特別な接着層(special adhesion layer)
にわたる金電極を有する。センサー基板を以下の手順に従って清浄化した。この
基板を2日間、50%硝酸中に入れ、次いで蒸留水で徹底的にリンスしてわずか
な硝酸も除去した。次いでこの基板を風乾し、そして次の使用までカバーした容
器中で保管した。上記のように単層を広げる前に、この基板をサンプルホルダー
に固定し、そして部分相中におき、これにより、単層によりカバーされるべきこ
のエリアを部分相表面の下にした。
【0087】 抗血清単層を1±0.1の転移比でX型膜として沈積させた。この基板は、親
水性であり、従って第1の単層の沈積は、この基板が圧迫単層を通じて部分相か
ら引き上げられるときに生じる。単層の表面圧力を、膜沈積プロセスを通じて一
定値に保持した。
【0088】 (実施例2) (抗Salmonella血清を含むLB膜を有する圧電性結晶を用いるSa
lmonellaの定量化) 実施例1に記載の抗Salmonella血清のセンサー基板および結合され
た単層を、センサー電気パッケージとともに用いて、102〜109菌/mlの範
囲にわたるSalmonellaの希釈に対する共振周波数の変化を測定した。
【0089】 Maxtek,Inc.,PM−700プレーティングおよびエッチングモニ
ターをコンピューターとインターフェースし、そしてモニタリングデバイスとし
て用いて、センサー表面に対する細菌の結合を記録した。抗体膜でカバーしたセ
ンサー基板を、試験溶液の供給(delivery)直前にPM−700装置の
プローブアーム内に配置した。このデバイスの感度を1V/μmに設定し、そし
て出力電圧をゼロに設定した。記録開始の直後に、1mlのコントロール溶液[
55mM KCl、4mM NaCl,1mM MgCl2、0.1mM Ca
Cl2、および2mM MOPS(pH 7.4)]を1000μlのWhea
tonピペットでセンサー表面に供給し、そして電圧を8分間記録した。次いで
、プラスチックピペットチップを用いて試験溶液を注意深く取り出した。コント
ロール溶液の取りだし後、新しい記録を開始し、そして最低濃度の細菌を含有す
る同じ溶液の1mlを添加し、そして同じ測定手順を続けた。全ての菌溶液につ
いてこれらの手順を繰り返した。全ての溶液を試験した後、このセンサー結晶を
注意深く取り出し、そして硝酸中で清浄化するまで無水エタノール中に入れてお
いた。この実験で用いたすべての備品をその日にエタノール中で滅菌した。収集
したデータをハードディスクに記録し、そしてLotus 123およびMic
rocal Origin softwaresを用いてオフライン分析した。
【0090】 このSalmonellaセンサーの電圧における変化は、Salmonel
laの対数濃度と比例していた(図6B)。この測定システムの検出下限は、用
量反応曲線(図7A)およびヒルプロット(図7B)から評価し(Hill,A
.V.(1913)J.Biochem。7:471を参照のこと)、そして約
200細胞/mlであった。Salmonellaセンサーからのシグナルは、
溶液中の広範な濃度のSalmonellaに対する曝露後、100秒内に平衡
状態に達した(図6A)。さらに、Salmonellaセンサーは、Salm
onellaに特異的であり、1mlあたり109までのE.coliに曝され
た場合でもシグナルを示さなかった(図8)。レーン1は、5.6×108のE
.coliの存在下での、Salmonellaに対するSalmonella
センサーの用量反応を示す。レーン2は、Salmonellaが存在しない場
合の同じ濃度範囲でのE.coliに対するSalmonellaセンサーの用
量反応を示す。任意の所定の濃度において、このセンサーは、Salmonel
laに特異的である。E.coliの数が1000倍Salmonellaの数
を越える場合でさえ、E.coliを上回るSalmonellaに対する顕著
な特異性が観察される。
【0091】 (実施例3) (血清単層膜の安定性) 一連のSalmonellaセンサーを有効期限の試験のために調製した。2
〜3のセンサーを調製直後に試験した。残りのシリーズを2つのグループに分け
た。1つの群を5℃で凍結し、そしてもう一群を25℃の塵を含まない容器中で
保管した。各セットの結晶を各4つの結晶の群に分けた。凍結結晶および室温結
晶の両方からの5つの群を、それぞれ4日、8日、16日、32日および64日
後にSalmonellaについて試験した。32日後、このセンサーは、30
秒未満で正確に細菌を定量する能力を保持していた(図9A)、さらに、このシ
グナルは細菌の対数濃度に対して比例を保っていた(図9B)。全てのセンサー
についてのこれらの実験の結果を、図9CおよびDにまとめる。これは、5℃お
よび25℃で保存した2つの群について、ΔV対[Salmonella]対数
の勾配を示すグラフである。このデータは、センサーが32日間その感度を保持
していたが、64日間の保存後には感度がいくらか低下したことを示す。
【0092】 (実施例4) (抗体結合リポソーム単層の調製およびセンサー基板上への沈積) Betageriら(1993)J.Pharm.Pharmacol.45
:48〜53(その内容は参考として援用されている)により開発された以下の
手順に従って、抗体をリポソームに結合させた。
【0093】 (材料) 合成L−α−1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール−3−ホスホコリ
ン(DPPC)およびマレイミドフェニルブチレートホスファチジルエタノール
アミン(MPB−PE)をAvanti Polar Lipids,Inc.
(Alabaster,AL)から入手した。コレステロール、ジセチルホスフ
ェートおよびジチオスレイトール(DTT)をSigma Chemical
Co.(St.Louis,MO)から購入した。N−スクシンイミジル−3−
(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)をPierce,Rock
ford,ILから購入した。熱安定性ブタ骨格筋タンパク質(24KD)に特
異的な5H9モノクローナル抗体を調製し、そしてPeggy Hsieh博士
の研究室(Dept.of Nutrition and Food Scie
nce,Auburn University,Alabama)で精製した。
【0094】 (リポソームの調製) 1mlの大きい単層の(unilamellar)リポソームを以下の通りに
調製した:52.5mgのDPPC、33.5mgのコレステロール、19.9
mgのジセチルホスフェートおよび10.0mgのMPB−PEを100ml丸
底フラスコに入れ、そして10mlのクロロホルムおよび25mlのtert−
ブタノールに溶解した。溶媒を55℃で回転エバポレーター中でエバポレートし
、フラスコの壁上に脂質膜を残した。真空デシケーター中で一晩フラスコを放置
することにより、溶媒の痕跡を実質的に除去した。
【0095】 1mlの緩衝液A(110mM KCl、4mM NaCl、1mM MgC
2、0.1mM CaCl2、2mM MOPS、そして1N KClでpH7
.4に調製した)を、乾燥脂質膜に添加し、そして全ての脂質が分散されるまで
(約15分)ボルテックスした。次いで、分散された脂質を10回の凍結(−8
0℃30分間)/融解(室温の水に10分間)サイクルに供し、次いで0.4μ
mの孔径のポリカーボネートフィルター(Nucleopore、Pleasa
nton,CA)を通じた、5サイクルの加圧押し出し(500〜600psi
)に供した。後者のプロセスは、37℃に維持した押し出し器(extrude
r)(Lipex Biomembranes,Inc.Vancouver,
およびBC,CANADA)で実行した。得られたリポソーム溶液を次回の使用
まで冷蔵庫に保管した。
【0096】 (異種二官能性試薬SPDPによる抗体の改変) 結合体化プロセスのための反応スキームを、図10に示す。1.6μlの20
mM SPDPをガラス試験管中の1mlのPBS緩衝液(1mgの抗体を含有
)に添加し、5:1モル比のSPDP:抗体を得た。この反応混合物を室温(2
1℃)で一晩インキュベートした。100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.
5)酢酸緩衝液(pH4.5)で平衡化したSephadex−G25カラムを
用いるカラムクロマトグラフィーにより、未反応のSPDPを、抗体から分離し
た。280nmの光学密度を測定することにより画分をモニターした。最終濃度
50mMへのDTTの添加によりSPDPをチオール形態に還元した。室温で2
0分後、10mM HEPES緩衝化生理食塩水(pH8.0)で事前に平衡化
したSephadexG−25カラムを通過させることにより、改変した抗体を
過剰のDTTから分離した。
【0097】 (リポソームに対する改変抗体の結合) SPDPで改変した抗体の100μlを100μlのリポソーム溶液と混合し
て、窒素流の下で一定の撹拌を行いながら24時間、室温でインキュベートした
【0098】 (非結合抗体からの結合体化したリポソームの分離) 結合体化したリポソーム溶液の200μlを10ml遠心分離管にアリコート
し、そして1.5mlの40%(w/v)メトリザミドをリポソーム混合物上に
重層した。この後、2.5ml 20%(w/v)メトリザアミドおよび0.5
ml PBSを重層した。この勾配を34,000rpm(143,000g)
で30分間遠心分離した。遠心分離時、リポソームは、第2の媒体層と勾配上部
の緩衝層との間の界面まで底部層の外に移動した。未結合の抗体は、勾配の底部
に残る。抗体−リポソーム結合体を含む画分を収集し、緩衝液Aで1mg/ml
のリン脂質濃度に希釈し、そして単層調製のための拡散溶液として使用するまで
冷蔵庫に保管した。
【0099】 (単層形成および沈積) 単層を調製し、そして以下の溶液について実施例1に記載のようにセンサー基
板に移動した: (a)上記の、リポソーム−抗体結合体拡散溶液の80μl;および (b)抗体を有さない同じリポソーム溶液の80μl。 両方の単層を、1の転移比でY型膜として沈積した(±0.1)。
【0100】 (実施例5) (ブタタンパク質の存在の検出) 上記センサーの両方を細菌センサーの試験において記載したように、ブタ溶液
で試験した。肉のタンパク質を抽出するため、以下の手順を用いた。生かまたは
調理(100℃、20分)した、脂身のないブタの肉をミンチにし、そして肉1
0gに対し生理食塩水20mlを添加して抽出し、そしてホモジナイズした。こ
のスラリーを4℃に2時間保ち、次いでWhatman No.1フィルター紙
を通して濾過した。ブタ抗原の存在を1分未満で検出し、そして約3分後に定常
状態のシグナルに達した(図11)。
【0101】 本明細書において言及された全ての刊行物および特許出願は、本発明に関する
当業者の水準を示すものである。全ての刊行物および特許出願は、それぞれの個
々の刊行物または特許出願が、詳細におよび個々に、参考として援用されること
が示されるのと同じ程度に、本明細書において参考として援用される。
【0102】 前述の発明を、理解の明確化のための例示および実施例としてある程度詳細に
記載してきたが、添付の特許請求の範囲の中でなんらかの変化および改変がなさ
れ得ることが明らかである。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限
定されないこと、そしてその改変および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲
内に含まれることが意図されるということが理解される。本明細書において特定
の用語が使用されるが、それらは、一般的かつ記述的な意味でのみ用いられ、限
定の目的ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 特異的成分および非特異的成分を用いた結合プロセスのグラフによる図。
【図2】 抗体(パネルA)、ならびに膜に結合した抗体、可溶性抗体および不純物を小
胞内に有する脂質小胞の模式図(パネルB)。
【図3】 膜に結合した抗体および可溶性抗体を含む小胞からの単層形成の模式図。
【図4】 抗体を含む溶液の拡散の間のスライドガラスの模式図。
【図5】 脂質単層に固定化された抗体の模式図。
【図6】 Salmonella検出。 パネルA。種々の細菌濃度に応答したSalmonellaセンサーについて
の時間に関する電圧のグラフによる図。Salmonella O抗体血清の7
つの単層を、センサー水晶結晶基板へとラングミュア−ブロジェット技術を用い
て転移した。これらの膜を、55mM KCl、4mM NaCl、1mM M
gCl2、0.1mM CaCl2および2mM MOPS(7.4のpHを有す
る)を含む部分相上で19℃にて作製した。この膜で覆った結晶を、MAXTE
K微量天秤の検出器空洞部(probe cavity)に配置し、そして1m
lの以下の溶液を順番に適用し、そして電圧の変化を25℃にて各溶液について
8分間記録した。104〜109細胞/mlの範囲の部分相溶液およびSalmo
nella typhimurium懸濁物を用いて、このセンサーを活性化し
た。S.typhimuriumを、代表的なSalmonellaセンサーと
して実験に用いた。細菌の濃度を、コロニーの計数によって評価し、そして小さ
なサンプルにおける細胞の直接計数を、暗視野顕微鏡法によって評価した。 パネルB。細菌濃度に応答したSalmonellaセンサーの電圧の変化の
グラフによる図。Salmonellaセンサーについてのlog[Salmo
nella]に対する電圧の相対変化ΔVのプロット。この点は実験データ(±
標準誤差)に対応し、そしてこの線は、このデータの線形回帰に対応する。電圧
の平均値を、各溶液についての時間に対するVのグラフから算出し、そしてΔV
を以下の通りに算出した:ΔV=Vs−Vo、ここで、VsおよびVoは、それぞれ
、種々のSalmonella濃度を有する溶液およびSalmonellaを
有さない溶液についての、用量−応答曲線の飽和した最終部分の200個の実験
データの点の平均である。
【図7】 Salmonellaセンサーの検出限界のグラフによる図。Salmone
lla O抗体血清の7つの単層を、ラングミュア−ブロジェット技術を用いて
センサー水晶結晶基板に転移させた。これらの膜を、55mM KCl、4mM
NaCl、1mM MgCl2、0.1mM CaCl2および2mM MOP
S(7.4のpHを有する)を含む部分相上で19℃にて作製した。この膜で覆
った結晶を、MAXTEK微量天秤の検出器空洞部に配置し、そして1mlの以
下の溶液を順番に適用し、そして電圧の変化を25℃にて各溶液について8分間
記録した。細菌の濃度を、コロニーの計数によって評価し、そして小さなサンプ
ルにおける細胞の直接計数を、暗視野顕微鏡法によって評価した。パネルAは、
Salmonellaセンサーについての[Salmonella]に対する電
圧の相対変化ΔVのプロットを示す。この点は実験データ(±標準誤差)に対応
し、そしてこの曲線は、このデータのS字状のあてはめに対応する。電圧の平均
値を、各々の溶液についてセンサー出力(時間に対するVのグラフ)から算出し
、ΔVを以下の通りに算出した:ΔV=Vs−Vo、ここで、VsおよびVoは、そ
れぞれ、種々のSalmonella濃度を有する溶液およびSalmonel
laを有さない溶液についての、用量−応答曲線の飽和した最終部分の200個
の実験データの点の平均である。パネルBは、対応するデータのヒルプロットを
表す。(log(Y/(1−Y))=nlog[細菌]−log(Kd)、ここ
でY=(ΔV/ΔVmax)、そしてKd=細菌/抗体複合体の解離定数)。
【図8】 Salmonellaセンサー特異性のグラフによる図。 パネルA。線1は、5.6×108細胞/mlのE.coliの存在下でのS
almonellaに対するSalmonellaセンサーの用量応答を表す。
線2は、Salmonellaが存在しない同じ濃度範囲内でのE.coliに
対するSalmonellaセンサーの用量応答を表す。いずれの所定の濃度に
ついても、このセンサーは、Escherichia−coliよりもSalm
onellaを好む。E.coliに対するSalmonellaの著しい優先
性は、E.coliの数がSalmonellaの数を1000倍超えた場合で
さえ観察される。 パネルBは、希釈しておらず濾過していないニワトリ液体の存在下でのこのセ
ンサーのSalmonella/E.coli特異性を示す。この点は実験デー
タ(±標準誤差)に対応し、そしてこの線は、このデータの線形回帰に対応する
。電圧の平均値を、各溶液について時間に対するVのグラフの飽和した終点部分
の用量−応答曲線から算出した。
【図9A】 Salmonellaセンサーの寿命についてのグラフによる図。40個のS
almonella抗体センサーを、Salmonella抗体血清の7つの単
層を、ラングミュア−ブロジェット技術を用いて音波微量天秤において用いられ
る水晶結晶基板へと転移することによって構築した。これらの膜を以下の組成を
含む部分相上で19℃にて作製した:55mM KCl、4mM NaCl、1
mM MgCl2、0.1mM CaCl2および2mM MOPS(7.4のp
Hを有する)。結晶の半分を冷蔵庫で5℃にて保存し、他方の半分を塵を含まな
い容器中で25℃にて保存した。各セットの結晶を、4つの結晶からなる群に分
けた。冷蔵した結晶および室温の結晶の両方由来の5つの群を、以下に記載のよ
うに4、8、16、32および64日後に試験した。この膜で覆った結晶を、音
波微量天秤に取り付け、そして1mlの以下の溶液を順番に適用し、そして電圧
の変化を25℃にて各溶液について8分間記録した。このセンサーを用いて、部
分相溶液、濃縮したSalmonella溶液の1/625希釈物、1/125
希釈物、1/25希釈物、1/5希釈物および未希釈の溶液を測定した。この細
菌数を各時間間隔で測定し、それによって濃度を算出した。細菌の濃度は、10 6 〜1010細菌/mlの範囲であった。この実験を、25℃の温度にて行った。 パネルAは、種々の細菌濃度に応答した、32日の古さのSalmonell
aセンサーに関する電圧のグラフによる図である。
【図9B】 Salmonellaセンサーの寿命についてのグラフによる図。40個のS
almonella抗体センサーを、Salmonella抗体血清の7つの単
層を、ラングミュア−ブロジェット技術を用いて音波微量天秤において用いられ
る水晶結晶基板へと転移することによって構築した。これらの膜を以下の組成を
含む部分相上で19℃にて作製した:55mM KCl、4mM NaCl、1
mM MgCl2、0.1mM CaCl2および2mM MOPS(7.4のp
Hを有する)。結晶の半分を冷蔵庫で5℃にて保存し、他方の半分を塵を含まな
い容器中で25℃にて保存した。各セットの結晶を、4つの結晶からなる群に分
けた。冷蔵した結晶および室温の結晶の両方由来の5つの群を、以下に記載のよ
うに4、8、16、32および64日後に試験した。この膜で覆った結晶を、音
波微量天秤に取り付け、そして1mlの以下の溶液を順番に適用し、そして電圧
の変化を25℃にて各溶液について8分間記録した。このセンサーを用いて、部
分相溶液、濃縮したSalmonella溶液の1/625希釈物、1/125
希釈物、1/25希釈物、1/5希釈物および未希釈の溶液を測定した。この細
菌数を各時間間隔で測定し、それによって濃度を算出した。細菌の濃度は、10 6 〜1010細菌/mlの範囲であった。この実験を、25℃の温度にて行った。 パネルBは、パネルAの実験データから算出された、Salmonellaセ
ンサーについてのSalmonella濃度に対する電圧Vの平均値のプロット
である。この点は実験データ(±標準誤差)に対応し、そしてこの線は、このデ
ータの線形回帰に対応する。電圧の平均値を、各溶液についての時間に対するV
のグラフの用量−応答曲線の飽和した最後の部分から算出した。
【図9C】 Salmonellaセンサーの寿命についてのグラフによる図。40個のS
almonella抗体センサーを、Salmonella抗体血清の7つの単
層を、ラングミュア−ブロジェット技術を用いて音波微量天秤において用いられ
る水晶結晶基板へと転移することによって構築した。これらの膜を以下の組成を
含む部分相上で19℃にて作製した:55mM KCl、4mM NaCl、1
mM MgCl2、0.1mM CaCl2および2mM MOPS(7.4のp
Hを有する)。結晶の半分を冷蔵庫で5℃にて保存し、他方の半分を塵を含まな
い容器中で25℃にて保存した。各セットの結晶を、4つの結晶からなる群に分
けた。冷蔵した結晶および室温の結晶の両方由来の5つの群を、以下に記載のよ
うに4、8、16、32および64日後に試験した。この膜で覆った結晶を、音
波微量天秤に取り付け、そして1mlの以下の溶液を順番に適用し、そして電圧
の変化を25℃にて各溶液について8分間記録した。このセンサーを用いて、部
分相溶液、濃縮したSalmonella溶液の1/625希釈物、1/125
希釈物、1/25希釈物、1/5希釈物および未希釈の溶液を測定した。この細
菌数を各時間間隔で測定し、それによって濃度を算出した。細菌の濃度は、10 6 〜1010細菌/mlの範囲であった。この実験を、25℃の温度にて行った。 パネルCは、5℃で保存したセンサーについての、センサーの古さの関数とし
てのlog[Salmonella]グラフに対するΔVの傾きを表す。
【図9D】 Salmonellaセンサーの寿命についてのグラフによる図。40個のS
almonella抗体センサーを、Salmonella抗体血清の7つの単
層を、ラングミュア−ブロジェット技術を用いて音波微量天秤において用いられ
る水晶結晶基板へと転移することによって構築した。これらの膜を以下の組成を
含む部分相上で19℃にて作製した:55mM KCl、4mM NaCl、1
mM MgCl2、0.1mM CaCl2および2mM MOPS(7.4のp
Hを有する)。結晶の半分を冷蔵庫で5℃にて保存し、他方の半分を塵を含まな
い容器中で25℃にて保存した。各セットの結晶を、4つの結晶からなる群に分
けた。冷蔵した結晶および室温の結晶の両方由来の5つの群を、以下に記載のよ
うに4、8、16、32および64日後に試験した。この膜で覆った結晶を、音
波微量天秤に取り付け、そして1mlの以下の溶液を順番に適用し、そして電圧
の変化を25℃にて各溶液について8分間記録した。このセンサーを用いて、部
分相溶液、濃縮したSalmonella溶液の1/625希釈物、1/125
希釈物、1/25希釈物、1/5希釈物および未希釈の溶液を測定した。この細
菌数を各時間間隔で測定し、それによって濃度を算出した。細菌の濃度は、10 6 〜1010細菌/mlの範囲であった。この実験を、25℃の温度にて行った。 パネルDは、25℃で保存したセンサーについての同じデータを表す。
【図10】 抗体リポソーム結合体化に関与する工程の模式図。
【図11】 豚肉溶液に応答した、5H9モノクローナル抗体を有するセンサーおよび5H
9モノクローナル抗体を有さないセンサーについての時間に関する電圧のグラフ
による図。図の説明3に記載されるように以下の溶液について、単層を調製し、
そしてセンサー基板に転移した: (a)80μlの上記のリポソーム−抗体結合体拡散溶液;および (b)80μlの抗体を有さない同じリポソーム溶液。 上記の両方のセンサーを、豚肉溶液について細菌センサーの試験において記載
した通りに試験した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 チン, ブライアン アレン アメリカ合衆国 アラバマ 36830, オ ーバーン, ジェニファー ドライブ 610 (72)発明者 バーバリー, ジェイムズ マーティン アメリカ合衆国 アラバマ 36853, デ イドビル, アロウヘッド ロード 981 (72)発明者 ニーリー, ウィリアム チャールズ アメリカ合衆国 アラバマ 36830, オ ーバーン, ヘア アベニュー 415 (72)発明者 パシラナ, スラム テレス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベイル, アパートメント エイ −25, ギャイル アベニュー 660 (72)発明者 シエ, ユン−ワ ペギー アメリカ合衆国 アラバマ 36830, オ ーバーン, チョクタウ アベニュー 833 (72)発明者 ジー, ラルフ ヒン−チャン アメリカ合衆国 アラバマ 36830, オ ーバーン, スプリングウッド ドライブ 2405 (72)発明者 ウィクル, ホワード クライド ザ サ ード アメリカ合衆国 アラバマ 36830, オ ーバーン, エヌ. カムデン コート 1662

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層を形成するための方法であって、以下の工程: (a)少なくとも1つの両親媒性化合物を含む組成物を提供する工程であって
    、ここで該組成物が、25%以下の揮発性有機溶媒を含み、そして必要に応じて
    1以上の目的の化合物を含み得る工程; (b)濡れ可能な平坦な表面の一端を、水性部分相中に浸漬する工程であって
    、ここで該平坦な表面が、該部分相の上面に対して約90〜170度の角度を形
    成し、そして該部分相が、少なくとも1つの一価のカチオンおよび少なくとも1
    つの二価のカチオンを含む、工程; (c)該組成物を該平坦な表面に対して1分間あたり約0.02〜4.0ml
    の速度で提供して、単層を形成する工程;および (d)該単層を所望の表面圧力まで圧縮する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記速度が、1分間あたり約0.05〜0.75mlであり
    、そして前記角度が約140〜170度である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記速度が1分間あたり約0.1mlであり、そして前記角
    度が約165度である、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記平坦な表面がガラスである、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記目的の化合物が、微生物、ウイルス、寄生生物、毒素、
    食物伝染性病原体、肉またはそれらの成分と特異的に反応性である、請求項1に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記組成物が、血清である、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記血清が、少なくとも1つの抗原またはエピトープと特異
    的に反応性である抗血清を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記抗原またはエピトープが、微生物またはその成分である
    、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記微生物が、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である
    、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記微生物が、Escherichia coli、Sa
    lmonella、Campylobacter jejuni、Lister
    ia monocytogenes、Staphylococcus aure
    usまたはClostridium perfringensである、請求項9
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記両親媒性化合物が、脂質である、請求項1に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 前記両親媒性化合物が、リポソーム形態である、請求項1
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記目的の化合物が、前記リポソームに対して結合体化さ
    れている、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記目的の化合物が、抗体、タンパク質、ポリペプチド、
    核酸、炭水化物またはそれらの誘導体である、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記抗体またはその誘導体が、微生物、ウイルス,寄生生
    物、毒素、食物伝染性病原体、生肉、調理済み肉または熱安定性肉のポリペプチ
    ド由来の少なくとも1つの抗原と特異的に反応性である、請求項14に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 前記抗原が、生または調理済みの豚肉、ニワトリ、シチメ
    ンチョウ、カモ、魚、海産食物、シェルフィッシュ、果物、野菜、汁または酪農
    製品に由来する、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記抗体が、モノクローナル抗体5H9の特異性を有する
    、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 本質的に血清からなる、単層。
  19. 【請求項19】 前記血清が、抗血清である、請求項18に記載の単層。
  20. 【請求項20】 前記抗血清が、微生物、ウイルス、寄生生物、毒素、食物
    伝染性病原体または肉のうちの少なくとも1つの抗原と特異的に反応性である、
    請求項19に記載の単層。
  21. 【請求項21】 前記微生物が、Escherichia coli、Sa
    lmonella、Campylobacter jejuni、Lister
    ia monoctytogenes、Staphylococcus aur
    eusまたはClostridium perfringensである、請求項
    20に記載の単層。
  22. 【請求項22】 筋肉性食物が、豚肉、牛肉、ニワトリ、シチメンチョウ、
    アヒル、鹿肉、子羊、馬肉、魚、海産食物またはシェルフィッシュからなる群よ
    り選択される、請求項20に記載の単層。
  23. 【請求項23】 請求項1に記載の方法によって形成される単層。
  24. 【請求項24】 基板上に請求項18に記載の少なくとも1つの単層を沈積
    させることによって形成される、LB膜。
  25. 【請求項25】 基板上に請求項23に記載の少なくとも1つの単層を沈積
    させることによって形成される、LB膜。
  26. 【請求項26】 前記基板が、圧電性結晶を含む、請求項24に記載のLB
    膜。
  27. 【請求項27】 前記基板が、圧電性結晶を含む、請求項25に記載のLB
    膜。
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