JP2003520803A - ホルモンレセプターの調節 - Google Patents

ホルモンレセプターの調節

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JP2003520803A JP2001553793A JP2001553793A JP2003520803A JP 2003520803 A JP2003520803 A JP 2003520803A JP 2001553793 A JP2001553793 A JP 2001553793A JP 2001553793 A JP2001553793 A JP 2001553793A JP 2003520803 A JP2003520803 A JP 2003520803A
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Abstract

(57)【要約】 エストロゲンレセプターβ(ERβ)の調節によるホルモン依存性の病状の治療のための医薬の製造における式(I)の化合物もしくはその3−エノールC1- 4アルカノエートエステル[式中、R1、R2、R5およびR6は同一もしくは異なり、かつ、それぞれは水素もしくはC1-4アルキルであり;R3は水素、C1-4アルキル、C1-4アルケニルもしくはC1-4アルキニルであり;R4はヒドロキシ、C1-4アルカノイルオキシ、式(II)もしくは(III)の基であり、式中R7は(CH2nであり、式中nは0から4までの整数であり、R8は水素、C1-4アルキル、ヒドロキシもしくはNH2であり、そしてR9およびR10は同一もしくは異なり、かつ、それぞれは水素もしくはC1-4アルキルであるか;またはR3およびR4は一緒になってオキソ、エチレンジオキシもしくはプロピレンジオキシである]の使用。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明はトリロスタンおよび関連ステロイド化合物、およびとりわけ有効成分
としてトリロスタンもしくは関連ステロイド化合物を含んで成る製薬学的組成物
に関する。本発明の化合物は、ヒトおよび動物細胞上のエストロゲンレセプター
(1種もしくは複数)の特定のアイソフォームを調節することが発明者により見
出された。こうした調節の効果は、レセプター部位でのリガンド、とりわけエス
トロゲンの結合の特徴を変えることである。
【0002】 (発明の背景) ヒトおよび動物細胞中のステロイドレセプターの選択的調節は、ヒトの乳癌お
よび前立腺癌を包含する多様な癌のホルモン治療の現在の基礎である。本発明は
、ホルモン依存性の疾患、およびとりわけ癌を治療するための単独もしくは他の
作用物質と組み合わせの上の化合物の潜在的使用に関する。
【0003】 エストロゲンはヒトおよび動物体内で生命維持に必要なホルモンであり、そし
て器官の機能の発達および維持で決定的な役割を演じている。しかしながら、若
干の人においてはそれが例えば乳房および子宮において発癌を促進すことのよう
な、エストロゲンの有害な効果もまた十分に報告されている。
【0004】 エストロゲンは、エストロゲンレセプター(ER)と呼ばれる核タンパク質を
介して体内の細胞に作用する。該レセプターはエストロゲンと結合するのみなら
ず、しかしまた形状も変えることができ、ある種の遺伝子で対およびエストロゲ
ン応答因子(ERE)への結合を形成する。EREへの結合は活性促進型タンパ
ク質の転写複合体の形成を誘発し、これは順に遺伝子(1種もしくは複数)を活
性化する。これは、転写酵素(RNAポリメラーゼ)が、それから標的細胞中で
の必要とされる変化を誘導するタンパク質が形成される鋳型、メッセンジャーR
NAを転写することを誘導する。
【0005】 ERはまた、多くの組織中で同定されているプロゲステロンレセプター(Pg
R)との重要な関係も有する。エストロゲンはPgR遺伝子の開始領域中でのE
REへの占有されたER結合によりPgR遺伝子を誘導するという無視できない
証拠が存在する。乳癌では、内分泌療法に対する応答は、癌細胞のERおよびP
gR含有量との強い関係を担持する。
【0006】 長年、今やαレセプター(ERα)と呼ばれる唯一の形態のエストロゲンレセ
プターが存在すると考えられていた。しかしながら、実験は、多様な分子形態の
エストロゲンレセプターが存在することを示した(Marsigliante
S、Puddefoot Jら、J.Steroid Biochem. &
Mol.Biol.、1991、39;703−711およびBaker VA
、Puddefoot Jら、Br.J.Cancer、1992、66;10
83−1089)。ショ糖勾配遠心分離後に可溶性画分中で得られるERは、大
きな8S複合体もしくはより小さな4Sの形態のいずれかとして回収される。さ
らに、4S RTは6.3、6.6および6.8の等電点(pI)値をもつ3成
分に分離することができる一方、8S ERはpI 6.1に単一のアイソフォ
ームとして集中する。等電点電気泳動技術、高速液体クロマトグラフィーおよび
DEAE−セルロースクロマトグラフィーもまた、ERのアイソフォームの存在
を示している。
【0007】 乳癌は高度に不均一であり、そしてERのアイソフォームのプロフィルおよび
PgRレベルとのそれらの関係で無視できない変動性を示す。pI 6.6のE
RのアイソフォームはER陽性乳癌の97%に、pI 6.1のアイソフォーム
は83%に、pI 6.3のアイソフォームは癌の39%に、およびpI 6.
8のアイソフォームは33%に存在したが、しかし、PgR発現は3もしくは4
種のアイソフォームが存在した場合により大きかったという証拠が存在した。癌
の12%のみがERのアイソフォームの完全な補完物(complement)
を含有した。pI 6.1および6.8のERのアイソフォームはPgR陽性の
癌でのみ見出された。ERのアイソフォームのプロフィルにおけるこの不均一性
、およびPgRレベルとの相関は、内分泌療法に応答しての変動性を説明するか
もしれない。
【0008】 最近、Jan−Ake Gustafssonと協同研究者(Proc.Na
tl.Acad.Sci.U.S.A.(1996);93;5925−593
0)は、第二の形態のエストロゲンレセプターを記述し、そしてこれは元のエス
トロゲンレセプター、ERαからそれを識別するためにβレセプター(ERβ)
と命名された。ERβはERαに高度に相同であり(J.Biol.Chem.
(1997)、272;25832−25858)、そしてエストロゲン応答因
子を含有するレポーター遺伝子の発現をエストロゲン依存性の様式で活性化する
。PCR分析は、ERβが前立腺および卵巣で高度に発現され、また、乳房、子
宮および精巣を包含する多くの他の組織における中程度の発現を伴うことを示す
【0009】 ERβおよびERαは高程度の相同性を共有するとは言え、ERβはERαと
異なるある種の重要な特徴を有する。エストロゲンレセプターによるAP1エン
ハンサー要素の転写活性化は、リガンド、ならびにAP1転写因子Fosおよび
Junを必要とする。AP1要素の制御下のルシフェラーゼレポーター遺伝子を
HeLa細胞中でERαとコトランスフェクションした研究(Paech Kら
、Science、1997;277:1508−1510)では、検査された
エストロゲンアゴニストおよびアンタゴニスト双方が転写を活性化することが可
能であった。ERβをERαの代わりにコトランスフェクションした場合、エス
トラジオール(E2)およびジエチルスチルベストロール(DES)は、HeL
a細胞中でAP1に媒介される転写を刺激することが不可能であった。類似の知
見は、Ishikawa、MCF7およびMDA453細胞中で報告されたとは
言え、これらの細胞系中では、E2およびDESに配位された(ligande
d)ERβはAP1部位でアンタゴニストとして作用しそしてラロキシフェン刺
激を阻害した。従って、E2およびDESがERβに結合する場合、それらはA
P1部位でエストロゲン応答性遺伝子に対するアンタゴニストとして作用する。
【0010】 ERβのスプライス変異体が1998年に記述され(Petersonら、E
ndocrinology、1998;139:1082−1092)、そして
ERβ2と呼称された(元のもののERβ1としての再命名を伴う)。エストロ
ゲンに対するERb2の親和性はERβ1のものより35倍より低く、また、E
Rβ2との最大の半分の応答を生じさせるのに必要とされるE2の濃度は、ER
β1についてのものよりおよそ1,000倍より大きかった。
【0011】 エストロゲンレセプターβは最初、ラット前立腺のcDNAライブラリーから
発し、そしてそのmRNAはラットおよびヒト前立腺中で優勢である。ラットに
おいて、ERβレベルは、卵巣、子宮内膜および精巣のような他の高度に発現す
る生殖器官中でのものに匹敵する。対照的に、ヒト前立腺中でのERβ発現は精
巣中での発現に関して低い。ERβ発現はまた、動物中ではそのmRNAが去勢
後24時間以内に著しく減少されるため、アンドロゲンによっても調節され、そ
して発現はテストステロン置換で迅速に復帰する。前立腺細胞系からの知見は、
ERβが前立腺におけるエストロゲンに媒介される事象の重要な媒介物質である
ことを示す。ERβノックアウトマウスが加齢とともに前立腺過形成の兆候を示
すという知見はかなり興味深く、これはERβが異常増殖に対し保護するかも知
れないことを示唆する(Kregeら、Proc.Natl.Acad.Sci
.、USA 1998;95:15677−15682)。
【0012】 トリロスタンすなわち(4α,5α−17β)−4,5−エポキシ−3,17
−ジヒドロキシアンドロスト−2−エン−2カルボニトリルは、式
【0013】
【化3】
【0014】 を有し、そして、英国特許第1,123,770号および米国特許第3,296
,295号明細書に記述される。これらの明細は、トリロスタンおよび関連化合
物の副腎皮質阻害特性を記述する。
【0015】 第GB−B−2,130,588号明細書は、トリロスタンおよび関連化合物
の改良された製造方法に関する。この方法は、5から12mmまでの平均等価球
状体積径を有する粒子への該化合物の微粉化を可能にし、粒子の最低95%が5
0mm未満の粒子径を有する。粒子径のより大きな特異性がトリロスタンの生物
学的利用性を向上させ、そして形成される活性の代謝物の量を制御し、従って臨
床応答を向上させかつ変動性を低下させる。
【0016】 トリロスタンは進行乳癌の治療として広範囲に研究されている。いくつかの報
告された研究は、29%(Williams C.J.ら、Brit.J.Ca
ncer(1993).68、1210−1215)と38%(Ingle J
.N.ら、Am.J.Clin.Oncol.、1990、13(2)、93−
97)の間の応答率を伴い、トリロスタンの有効性を確認する。
【0017】 Maruyama Kら(Biochem.Biophys.Res.Com
mun.1998;246:142−147)は、ERβ2の存在が、エストロ
ゲンに応答してのERβ1もしくはERαに媒介される転写活性を抑制するかも
しれないことを報告した。より最近、Hall JM,とMcDonnell
DP、(Endocrinology 1999年12月;140(12):5
566−78)は、ERβが亜飽和の(subsaturating)ホルモン
レベルでERα転写活性のトランス支配的な(transdominant)阻
害剤として機能すること、また、ERβがエストラジオールに対する全体的な細
胞の感受性を減少させることを決定した。加えて、彼らは、いくつかの情況でE
Rαにより明白なタモキシフェンの部分的アゴニスト活性が、ERβの共発現と
同時に完全に消失されたことを見出した。
【0018】 抗エストロゲン、とりわけタモキシフェンは、乳癌の治療で重要な役割を演じ
ている。タモキシフェンは長年使用されており、そしてER陽性の乳癌で有意の
応答率を有することが示されている。アジュバント療法のためのタモキシフェン
投与後の反対側乳癌の発生率の減少という知見は、該薬物が乳癌予防である役割
を演じているかもしれないという概念に至った。National Surgi
cal Adjuvant Breast and Bowel Projec
tにより実施された試験の最近の報告(J.Natl.Cancer Inst
.1998年9月16日;90(18):1371−88)は、タモキシフェン
が侵襲性乳癌の危険を49%だけ(両側P<.00001)低下させたことを示
し、プラセボおよびタモキシフェン群でそれぞれ1000人の女性あたり43.
4対22.0の、69ヶ月の追跡の間中の累積発生率を伴った。49歳もしくは
より若い(44%)、50〜59歳(51%)および60歳もしくはより高齢(
55%)の女性で低下された危険が存在し;危険は、インシトゥの乳房小葉癌(
56%)もしくは異型乳房過形成(86%)の病歴をもつ女性、およびいずれか
の範疇の予測された5年の危険を伴う者でもまた低下された。タモキシフェンは
非侵襲性乳癌の危険を50%(両側P<.002)だけ低下させた。タモキシフ
ェンは、エストロゲンレセプター陽性腫瘍の発生率を69%だけ低下させたが、
しかしエストロゲンレセプター陰性腫瘍の発生率に差異はみられなかった。
【0019】 しかしながら、子宮内膜癌の率がタモキシフェン群で増大されたため、重要な
副作用が示され(危険比=2.53;95%信頼区間=1.35〜4.97);
この増大された危険は主として50歳もしくはより高齢の女性で起こった。タモ
キシフェン群における全部の子宮内膜癌はステージI(限局性疾患)であり、ま
た、子宮内膜癌死はこの群で発生しなかった。子宮内膜を刺激するタモキシフェ
ンの能力がしばらくの間認識されており、そして子宮内膜癌の形成は厄介かつ望
ましくない合併症である。子宮内膜刺激は、子宮中のERαレセプターに対する
アゴニストの効果の結果であると考えられている。しかしながら、それはまたタ
モキシフェンおよび他の医薬による子宮中のERαおよびERβ双方のレセプタ
ーの封鎖にもよるかもしれない。
【0020】 乳癌に対する抗エストロゲン療法、およびとりわけタモキシフェンの別の広範
に認識されている合併症は、薬剤耐性の発生である。タモキシフェン耐性の性質
および原因は未知であるが、しかしそれはERαおよびERβ双方の封鎖による
かもしれない。AP1部位のERβへのエストラジオール結合は転写のダウンレ
ギュレーションを引き起こし、これは細胞の活性の「スイッチを切ること」に同
等である。他方、タモキシフェンはAP1部位でERβの転写を活性化し、そし
てそれにより効果的に細胞の活性の「スイッチを入れる」。これは、タモキシフ
ェンおよび他の類似の化合物の十分に認識された部分的アゴニスト作用、ならび
にエストロゲンアンタゴニストとしてのそれらの役割の基礎であるかもしれない
【0021】 (発明の要約) トリロスタンを用いた全部の以前の研究において、作用の様式は3β−ヒドロ
キシステロイドデヒドロゲナーゼΔ4,5イソメラーゼ酵素系の競争的阻害によ
ったと考えられた。該作用は、アンドロゲン枯渇によると考えられ、そして、い
かなるフィードバック機構も無効にするためにトリロスタンとともにヒドロコル
チゾンが投与された。これらの化合物は、そのときに既知のエストロゲン、アン
ドロゲンもしくはプロゲステロンレセプターに対する直接作用を有しないことが
示された。
【0022】 発明者は、驚くべきことに、トリロスタンおよび関連化合物が、原則として、
エストロゲンレセプターのpI 6.3のアイソフォームへのリガンドの結合を
調節することを見出した。ERβは分子量およびERβレセプターに対し生じら
れた特異的モノクローナル抗体との陽性の免疫反応の双方でpI 6.3のアイ
ソフォームに対応するため、トリロスタンおよび関連化合物によるpI 6.3
のアイソフォームへのリガンド結合の調節は、従って、含蓄的に、ERβエスト
ロゲンレセプターの調節である。
【0023】 従って、本発明は、トリロスタンおよび関連ステロイド化合物を用いる癌、と
りわけホルモン依存性の癌の改良された治療を提供する。本発明はまた、トリロ
スタンおよび関連ステロイド化合物を用いる他のホルモン依存性疾患の改良され
た治療も提供する。
【0024】 発明者は、抗エストロゲン、タモキシフェンおよびラロキシフェンのような競
争的リガンドのエストロゲンレセプターへの結合が、トリロスタンおよびその関
連化合物のいくつか、とりわけ主要な代謝物ケトトリロスタンの存在下で高めら
れることをさらに見出した。従って、トリロスタンおよびその関連化合物を用い
る治療との組み合わせによる抗エストロゲンでのホルモン依存性疾患の改良され
た治療が、本発明により提供される。
【0025】 本発明の根底にある別の予期されない知見は、トリロスタンが、特異的に、E
Rβへの結合を増大させることおよびエストロゲン結合の親和性を増大させるこ
と、ならびにERαレセプターにより媒介されるエストロゲンの刺激作用を阻害
することにより、ERレセプターへのエストロゲン結合を調節することにより作
用することである。従って、トリロスタンおよび関連化合物は、タモキシフェン
およびラロキシフェンのようなエストロゲンアンタゴニストにより引き起こされ
る子宮内膜刺激を封鎖するであろう。トリロスタンおよび関連ステロイド化合物
は、従って、エストロゲンアンタゴニストの望ましくない副作用を減少させるた
めに、エストロゲンアンタゴニストを用いる治療の間に使用することができる。
【0026】 ERβレセプターでのエストラジオール結合の選択的増大およびERαに媒介
される活性の阻害におけるトリロスタンおよび関連ステロイド化合物の新規の作
用は、ホルモン依存性の癌、とりわけ乳房、前立腺および卵巣の癌を包含するあ
る種のホルモン依存性疾患の治療に対する無視できない意義を有する。従って、
本発明は、トリロスタンもしくは関連ステロイド化合物での治療と組み合わせで
抗エストロゲン化合物を用いるホルモン依存性疾患の治療を提供し、これは前記
抗エストロゲン化合物に対する耐性の発生を低減するもしくは取り消すであろう
【0027】 本発明の知見は、トリロスタンおよびその関連するステロイド化合物を、ある
種の疾患、とりわけ癌の治療でタモキシフェンもしくはラロキシフェンのような
他のホルモン剤もしくはリガンドと組み合わせで使用することができることを示
す。トリロスタンは、多様なエストロゲンレセプターのアイソフォーム、および
これらの作用物質に対するレセプターのアイソフォームの異なる部分で作用する
ようであるからである。
【0028】 従って、本発明は:エストロゲンレセプターβ(ERβ)の調節によるホルモ
ン依存性の病状の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物もしくは
その3−エノールC1-4アルカノエートエステル
【0029】
【化4】
【0030】 [式中、R1、R2、R5およびR6は同一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素
もしくはC1-4アルキルであり; R3は水素、C1-4アルキル、C1-4アルケニルもしくはC1-4アルキニルであり;
4はヒドロキシ、C1-4アルカノイルオキシ、式(II)もしくは(III)の
【0031】
【化5】
【0032】 であり、 式中、R7は(CH2nであり、式中nは0から4までの整数であり、R8は水素
、C1-4アルキル、ヒドロキシもしくはNH2であり、そしてR9およびR10は同
一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素もしくはC1-4アルキルであるか; またはR3およびR4は一緒になってオキソ、エチレンジオキシもしくはプロピレ
ンジオキシである] の使用; エストロゲンレセプターβ(ERβ)の調節によるホルモン依存性の病状の治
療における同時、別個もしくは連続的使用のための、式(I)の化合物もしくは
その3−エノールC1-4アルカノエートエステル、ならびにレセプターへのエス
トロゲン結合を競争的に阻害することが可能な1種もしくはそれ以上の化合物、
および/またはヒトもしくは動物細胞中のエストロゲンレセプターを結合するも
しくは特異的に調節することが可能な1種もしくはそれ以上の化合物を含有する
生成物; ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物の活性の増強のための医
薬の製造における式(I)の化合物もしくはその3−エノールC1-4アルカノエ
ートエステルの使用; ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物の望ましくない副作用の
低減のための医薬の製造における式(I)の化合物もしくはその3−エノールC 1-4 アルカノエートエステルの使用; ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物に対する耐性の発生を低
減するもしくは取り消すための医薬の製造における式(I)の化合物もしくはそ
の3−エノールC1-4アルカノエートエステルの使用; ホルモン依存性の病状を有する患者に、エストロゲンレセプターβ(Erβ)
の調節により前記病状を治療するのに有効な量の、式(I)の化合物もしくはそ
の3−エノールC1-4アルカノエートエステルの量を投与することによる、前記
病状の治療方法; ホルモン依存性の病状を有する患者に、式(I)の化合物もしくはその3−エ
ノールC1-4アルカノエートエステルの量、および前記病状を治療することが可
能な化合物の量を、前記病状の治療に使用される前記化合物の活性を高める式(
I)の化合物もしくはその3−エノールC1-4アルカノエートエステルにより前
記病状を治療するのに有効な相対量で、投与することによる、前記病状の治療方
法; ホルモン依存性の病状を有する患者に、前記病状を治療するのに有効な量の前
記病状を治療することが可能な化合物の量、および前記病状を治療することが可
能な前記化合物の望ましくない副作用を低減するのに有効な量の式(I)の化合
物もしくはその3−エノールC1-4アルカノエートエステルの量を投与すること
による、前記病状の治療方法;ならびに ホルモン依存性の病状を有する患者に、前記病状を治療するのに有効な量の前
記病状を治療することが可能な化合物の量、および前記病状を治療することが可
能な前記化合物に対する耐性の発生を低減するもしくは取り消すのに有効な量の
式(I)の化合物もしくはその3−エノールC1-4アルカノエートエステルの量
を投与することによる、前記病状の治療方法 を提供する。
【0033】 (発明の詳細な記述) 式(I)により定義されるところのトリロスタンおよび関連化合物、もしくは
それらの3エノールC1-4アルカノエートエステルを本発明で使用してよい。
【0034】
【化6】
【0035】 式中、R1、R2、R5およびR6は同一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素も
しくはC1-4アルキルであり、式中、R1が水素である場合、R2はαアルキルで
あり、また、R1がアルキルである場合、R2は水素であり; R3は水素、C1-4アルキル、C1-4アルケニルもしくはC1-4アルキニルであり;
4はヒドロキシ、C1-4アルカノイルオキシ、式(II)もしくは(III)の
【0036】
【化7】
【0037】 であり、 式中、R7は(CH2nであり、式中nは0から4までの整数であり、R8は水素
、C1-4アルキル、ヒドロキシもしくはNH2であり、そしてR9およびR10は同
一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素もしくはC1-4アルキルであるか; またはR3およびR4は一緒になってオキソ、エチレンジオキシもしくはプロピレ
ンジオキシである。
【0038】 好ましくは、R1が水素もしくはメチルであり、R2が水素もしくはメチルであ
り、かつ、R5およびR6がメチルである式(I)の化合物を使用する。R4がヒ
ドロキシであるか、もしくはR3およびR4が一緒になってオキソであることがさ
らに好ましい。こうした好ましい化合物の例は、トリロスタン(R1、R2および
3が水素であり、R4がヒドロキシであり、かつ、R5およびR6がメチルである
)、ケトトリロスタン(R1およびR2が水素であり、R3およびR4が一緒になっ
てオキソであり、かつ、R5およびR6がメチルである)ならびにエポスタン(R 1 、R3、R5およびR6がメチルであり、R2が水素であり、かつ、R4がヒドロキ
シである)である。
【0039】 本発明の化合物は、エストロゲンレセプターのアイソフォームの調節によるホ
ルモン依存性の病状の治療で、もしくはエストロゲンレセプターのアイソフォー
ムの調節によるホルモン依存性の病状の治療のための医薬の製造で、使用してよ
い。
【0040】 とりわけ、こうした化合物は、ホルモン依存性の病状がエストロゲン依存性の
病状である場合に使用してよい。加えて、該化合物は、ホルモン依存性の病状が
アンドロゲンもしくはプロゲステロンのような他のホルモンにより調節される場
合に使用してもよい。
【0041】 とりわけ、治療することができる病状は、限定されるものでないがエストロゲ
ン依存性の癌、例えば乳癌、前立腺癌、肺癌、胃腸癌、卵巣癌、子宮内膜癌、良
性の前立腺肥大および子宮内膜過形成を挙げることができる。
【0042】 こうした化合物は、好ましくは粒状の形態で使用する。とりわけ、該化合物は
、望ましくは、約12μmもしくはそれより小さい平均粒子径を有する粒子から
成り、また、80、85、90、95%もしくはそれ以上、好ましくは98%も
しくはそれ以上、99%もしくはそれ以上、または99.5%もしくはそれ以上
の粒子が約50μm未満、好ましくは40μm未満、30μm未満もしくは20
μm未満、例えば0.1μmから10、20、30、40もしくは50μmまで
、1μmないし10、20、30、40もしくは50μm、または10ないし2
0、30、40もしくは50μmの粒子径を有する。粒子は、好ましくは約5μ
mないし約12μm、もしくは約5μm未満、例えば0.1から5μmまで、も
しくは1ないし5μmの平均粒子径を有する。式(I)の化合物の大きさ特性曲
線に対するオーバーサイズの累積パーセンテージが、約1.5ないし2.5μm
、好ましくは約1.75ないし2.25μm、より好ましくは約2μm、例えば
1.9ないし2.1μmの標準偏差を表すことがさらに好ましい。
【0043】 治療は医薬の形態で与えられ、それは好ましくは約50mgから約250mg
まで、例えば50mgから100mgまで、100mgから200mgまで、も
しくは200mgから250mgまでの本発明の化合物の単位投薬量を含んで成
る。該医薬は、静脈内、筋肉内もしくは皮下の経路により、または軟膏剤、クリ
ーム剤もしくはローション剤として投与してよい。好ましい経路は、錠剤、カプ
セル剤もしくは懸濁剤のいずれかとしての経口である。
【0044】 治療は単独で、あるいはレセプターへのエストロゲン結合を競争的に阻害する
ことが可能な1種もしくはそれ以上の化合物、および/またはヒトもしくは動物
細胞中のエストロゲンレセプターを結合するもしくは特異的に調節することが可
能な1種もしくはそれ以上の化合物、好ましくは限定されるものでないがタモキ
シフェンおよびラロキシフェンのような1種もしくはそれ以上の抗エストロゲン
化合物でのさらなる治療との組み合わせで使用してよい。
【0045】 該治療およびさらなる治療は同時に、別個にもしくは連続して、および別個も
しくは連続の場合はいずれの順序でも実施してよい。
【0046】 本発明の化合物はまた、ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物
の活性の増強のため、もしくはホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化
合物の活性の増強のための医薬の製造でも使用してよい。とりわけ、本発明の化
合物での治療は、ホルモン依存性の病状の治療において前記他の化合物(1種も
しくは複数)の活性を高めるため、上述されたところの、レセプターへのエスト
ロゲン結合を競争的に阻害することが可能な1種もしくはそれ以上の化合物およ
び/またはヒトもしくは動物細胞中のエストロゲンレセプターを結合するもしく
は特異的に調節することが可能な1種もしくはそれ以上の化合物での治療と組み
合わせで使用してよい。該治療およびさらなる治療は、同時に、別個にもしくは
連続して、および別個もしくは連続の場合はいずれの順序でも実施してよい。該
治療およびさらなる治療は、単一の組み合わせられた医薬の形態で投与してよく
、これは、好ましくは、前記ホルモン依存性の病状の治療で有効であることが当
該技術分野で既知の量の前記さらなる化合物の単位投薬量、および上述されたと
ころの量の本発明の化合物の単位投薬量を含んで成る。該医薬は上述されたとこ
ろの様式により投与してよい。あるいは、2種の治療は別個にもしくは連続して
、例えば同一の投与様式もしくは異なる投与様式により同一部位でもしくは異な
る部位で投与される2種の異なる医薬として投与してよい。
【0047】 本発明の化合物は、さらに、ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化
合物の望ましくない副作用の低減のため、もしくはホルモン依存性の病状の治療
に使用される別の化合物の望ましくない副作用の低減のための医薬の製造で使用
してよい。とりわけ、本発明の化合物での治療は、ホルモン依存性の病状の治療
で前記他の化合物(1種もしくは複数)の副作用を低減するため、上述されたと
ころの、レセプターへのエストロゲン結合を競争的に阻害することが可能な1種
もしくはそれ以上の化合物および/またはヒトもしくは動物細胞中のエストロゲ
ンレセプターを結合するもしくは特異的に調節することが可能な1種もしくはそ
れ以上の化合物での治療と組み合わせで使用してよい。該治療およびさらなる治
療は、同時に、別個にもしくは連続して、および別個もしくは連続の場合はいず
れの順序でも実施してよい。該治療およびさらなる治療は、単一の組み合わせら
れた医薬の形態で投与してよく、これは、好ましくは、前記ホルモン依存性の病
状の治療で有効であることが当該技術分野で既知の量の前記さらなる化合物の単
位投薬量、および上述されたところの量の本発明の化合物の単位投薬量を含んで
成る。該医薬は上述されたところの様式により投与してよい。あるいは、2種の
治療は別個にもしくは連続して、例えば同一の投与様式もしくは異なる投与様式
により同一部位でもしくは異なる部位で投与される2種の異なる医薬として投与
してよい。
【0048】 本発明の化合物はまた、ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物
に対する耐性の発生を低減するもしくは取り消すため、またはホルモン依存性の
病状の治療で使用される別の化合物に対する耐性の発生を低減するもしくは取り
消すための医薬の製造でも使用してよい。とりわけ、本発明の化合物での治療は
、ホルモン依存性の病状の治療での前記他の化合物(1種もしくは複数)に対す
る耐性の発生を低下もしくは取り消すため、上述されたところの、レセプターへ
のエストロゲン結合を競争的に阻害することが可能な1種もしくはそれ以上の化
合物および/またはヒトもしくは動物細胞中のエストロゲンレセプターを結合す
るもしくは特異的に調節することが可能な1種もしくはそれ以上の化合物での治
療と組み合わせで使用してよい。該治療およびさらなる治療は、同時に、別個に
もしくは連続して、および別個もしくは連続の場合はいずれの順序でも実施して
よい。該治療およびさらなる治療は、単一の組み合わせられた医薬の形態で投与
してよく、これは、好ましくは、前記ホルモン依存性の病状の治療で有効である
ことが当該技術分野で既知の量の前記さらなる化合物の単位投薬量、および上述
されたところの量の本発明の化合物の単位投薬量を含んで成る。該医薬は上述さ
れたところの様式により投与してよい。あるいは、2種の治療は別個にもしくは
連続して、例えば同一の投与様式もしくは異なる投与様式により同一部位でもし
くは異なる部位で投与される2種の異なる医薬として投与してよい。
【0049】 本発明において、トリロスタンおよび関連化合物は数種のエストロゲンレセプ
ターのアイソフォームに対する特異的作用を有し、そしてそれにより該レセプタ
ーおよび該レセプター(1種もしくは複数)へのエストロゲン結合を調節するこ
とが示されている。本発明は、従って、トリロスタンおよび関連化合物の新しい
役割を提供し、そしてホルモン依存性の癌のより特異的かつ良好に標的を定めら
れた治療、およびその疾患の病因もしくは進行でエストロゲンレセプターがある
役割を演じている他の疾患の治療を見込む。
【0050】 実施例 摘出の時点で急速凍結された組織を使用して、ブラウン(Braun)IIミ
クロディスメンブラトール(Mikrodismembrator)を使用する
膜分離(dismembration)により細胞質を調製した。凍結された組
織を切り刻みかつ粉砕した。結果として生じる粉末を、4℃で15分間攪拌する
ことにより、pH7.4の10%(v/v)グリセロール、1.5mm EDT
A、10mMモノチオグリセロール、20mMモリブデン酸ナトリウム、アプロ
チニン(1μg/ml)およびSTI(1μg/ml)ならびにフッ化フェニル
メチルスルホニル(30μg/ml)を含有する1−mmリン酸緩衝液に再懸濁
した。この懸濁物を4℃で100,000gで1時間遠心分離し、そして上清を
競争分析に使用した。
【0051】 上清のアリコートを、10μMの最終濃度のトリロスタンもしくは10-7Mの
タモキシフェンのいずれかの存在もしくは非存在下で3Hエストラジオール(5
nMの最終濃度)とともに4℃で18時間インキュベートした。追加実験におい
ては、上清のアリコートを、トリロスタン(10-5M)もしくはケトトリロスタ
ン(10-5M)の存在もしくは非存在下でトリチウム化タモキシフェン(10-6 M)とともに4℃で18時間インキュベートした。
【0052】 一夜インキュベーション後に、デキストラン被覆された炭(pH7.4の10
mMトリス 1.5mM EDTA中0.25% w/v炭、0.025% w
/vデキストランT70)とともに4℃で10分間インキュベートすることによ
り、遊離のステロイドを結合型から分離した。DCCを遠心分離(10分間10
,000g)によりペレットにし、そして上清のアリコートをIEF分離に使用
した。
【0053】 スキャッチャード分析のため、上清の二重のアリコートを、100倍過剰のジ
エチルスチルベストロールの存在および非存在下で、増大する濃度の3Hエスト
ラジオールとともにインキュベートした。全部のチューブをその後、トリロスタ
ン(最終濃度10μM)の存在もしくは非存在下でインキュベートした。4℃で
の一夜インキュベーション後に、アッセイチューブを上のようなDCCとともに
インキュベートして遊離のステロイドを除去し、そして結果として生じる上清の
アリコートを、トルエンに基づくシンチラントとともにインキュベートし、かつ
シンチレーション計数器で計数した。得られたデータを、スキャッチャードの方
法に従って分析した。
【0054】 等電点電気泳動(IEF)ゲルは、大きさ125×260mmのスラブ中で成
型し、そしてゲルの短側(短泳動)もしくは長側(長泳動)のいずれかに沿って
分離を実施した。20%(v/v)グリセロールを含有しかつ高多孔性(T=5
%、C=3%)をもつポリアクリルアミドゲル(2mm厚)を使用した。1%(
v/v)LKBアムホリン3.5−10および1.5%(w/v)LKBアムホ
リン5−8を使用して5〜10のpH勾配を達成した。ゲルは、リボフラビン(
0.004%)(v/v)を使用して、TR 26重合灯によって室温で最低8
時間光重合した。IEFは低温室で実施し、また、冷却水の温度は、空気からの
CO2吸収を最小限にするために1M NaOHで満たされたそのチャンバーを
伴うLKBマルチフォア(Multiphor)II系を使用して4℃で一定に
保った。1M NaOH(陰極)および1M H2SO4(陽極)の電極溶液を
使用した。ゲルは20mA/20W/1200Vで40分間で前集中させた(p
re−focused)(短泳動)。
【0055】 DCC抽出後、SSDアッセイ由来の放射活性上清(3mgタンパク質/ml
)のアリコート(270μl)を陰極近くに負荷した。泳動は、2500V/2
0mA/20W、定電力で3000xi CC電源装置を使用して4時間(長泳
動)、および1200V/20mA/20W、定電力で1.5時間(短泳動)実
施した。9種の天然のタンパク質の混合物(バイオラッド(Biorad))を
pH較正に使用した。泳動後、ゲルを2.5mm薄片に切断し、そして各薄片を
5mlのシンチレーションカクテルとともに室温で24時間インキュベートし、
そして放射活性をアッセイした。
【0056】 電気移動度シフトアッセイ(EMSA)は、細胞から内在性のエストロゲンを
枯渇させるための2回の溶媒交換を伴い血清を含まない培地中で5日間培養され
たMCF−7細胞で実施した。これらの血清を枯渇された細胞を、その後、血清
を含まない培地単独(対照)、またはb−エストラジオール(10-8M)、トリ
ロスタン(10-5M)、WIN 3280(10-5M)もしくはタモキシフェン
(10-6M)を含有する血清を含まない培地のいずれかで24時間処理した。収
穫する4時間前に、この培地を上のような対応する添加を含有する新鮮な血清を
含まない培地で交換した。細胞をその後、ゴム製ポリスマンを使用してリン酸緩
衝生理的食塩水(PBS)中に収集した。細胞懸濁物を4℃で1000×gで5
分間遠心分離し、その後等容積の新鮮な氷冷PBSに再懸濁し、そして遠心分離
を反復した。PBSを除去し、そして細胞ペレットを抽出緩衝液(20mM H
epes pH7.8、450mM NaCl、0.4mM EDTA、0.5
mM DTT、25%グリセロール、0.5mM PMSF;Schreibe
rら、Nucleic Acids Res.、1989、17:6419)に
再懸濁した。サンプルを、ドライアイス−エタノール浴および37℃水浴を使用
する3回の凍結−融解周期にかけ、そしてその後4℃で10000×gで10分
間遠心分離した。細胞抽出物を新たな微小管に移し、そして使用前に−80℃で
保存した。
【0057】 エストロゲン応答因子配列(ERE)を表すオリゴヌクレオチドを、80℃に
加熱すること、および室温に冷却させることによりハイブリダイズさせた。結果
として生じる二本鎖EREを、クレノウフラグメントおよび[a−32P]dCT
P(アマーシャム ファルマシア バイオテック(Amersham Phar
macia Biotech))を使用する末端標識により放射標識した。細胞
抽出物を、0.5%ウシ血清アルブミンおよび50mgポリ[d(I−C)−d
(I−C)]を含有する結合緩衝液(40mM HEPES pH7.4、10
0mM KCl、2mM 2−メルカプトエタノール、20%グリセロール)中
、室温で30分間インキュベートした。放射標識されたERE(1ng)を添加
した後に、抽出物を室温でさらなる30分間、およびその後4℃で30分間イン
キュベートした。反応あたり細胞抽出物の8mlを使用した。サンプルを、6%
ポリアクリルアミド非変性ゲル(100Vで30分間前泳動)上で250Vで4
℃で1時間電気泳動した。ゲルを10%酢酸:30%メタノール中で15分間固
定した後に、増強スクリーンを用い、ゲルを−80℃でX線フィルムに一夜露出
した。
【0058】 MCF−7乳癌細胞中の転写活性に対するトリロスタンの効果を、エストロゲ
ンレポータープラスミドxTGを使用して測定した。
【0059】 レポータープラスミドxTGは、細胞内に存在する天然のエストロゲンレセプ
ターへのエストラジオール(E2)の結合が緑色蛍光タンパク質(GFP)の蓄
積をもたらすであろうように設計した。XTGはエストロゲン応答因子より成る
。クラゲAequorea victoriaからのGFP遺伝子の転写を一緒
に駆動する単純なTATAプロモーターの上流。
【0060】 xERE配列は、以下−GGTCA CAG TGACC TTGATTCA
AAGTTAATGTAACCTC(配列番号1)より構成される。
【0061】 GFP遺伝子−GFPuvからは、クロンテック(Clontech)(Cl
ontech Laboratories,Inc.,1020 East M
eadow Circle,Palo Alto,CA 94303−4230
、米国)により供給された。
【0062】 MCF−7細胞を多穴皿でプレート培養し、そして血清を含まない培地(ME
M)中で24時間増殖させた。細胞をその後、血清を含まない培地またはエスト
ラジオール単独(10-8M)、トリロスタン単独(10-5M)もしくはエストラ
ジオールおよびトリロスタンを一緒に含有する血清を含まない培地中でインキュ
ベートした。放射標識されたチミジンを各ウェルに添加し(50mCi/ml)
、そして細胞をその後さらなる24時間培養した。この期間の終了時に、培地を
吸引し、そして培養された細胞を冷緩衝溶液(50mMトリス−HCl、pH7
.4)で3回すすいだ。細胞をその後、1mlの0.1N NaOHに溶解し、
そしてこの溶液の0.5mlを2.5mlのシンチレーションカクテルと混合し
、そして、3Hの細胞内放射活性を液体シンチレーション計数器で測定した。
【0063】 上述されたIEF実験において、トリロスタン(10マイクロモル濃度)は、
全部のエストロゲンレセプターのアイソフォーム、しかし原則としてpI 6.
3のアイソフォーム上でのエストロゲンの結合を調節した。対照的に、タモキシ
フェン(1マイクロモル濃度)は、全部のエストロゲンレセプターのアイソフォ
ーム、しかし原則的にはpI 6.1のアイソフォームからエストロゲンをはず
した。
【0064】 ラット子宮におけるエストラジオール結合の動力学に対するトリロスタンの効
果を研究する実験において、われわれは、kDがより低親和性からより高親和性
に変化したため、ステロイドに対するレセプターの変えられた親和性を観察した
一方、ラット前立腺において、われわれはレセプター濃度の増大を観察した。
【0065】 主要代謝物ケトトリロスタンの存在下で実施されたスキャッチャード分析もま
た、kDをより高親和性に変えた。しかしながら、ステージIII化合物の存在
は影響を有しなかった。
【0066】 これらのデータは、ある種の機能を調節するトリロスタンおよび関連化合物の
能力、ならびに個々のアイソフォームへのリガンド結合を調節する能力、レセプ
タータンパク質のコンホメーション、レセプターの二量体化および結合の協同性
のようなエストロゲンレセプターの特徴を反映する。これらの結果は新規であり
、そしてトリロスタンおよび関連化合物についての驚くべき知見である。
【0067】 エストロゲンレセプターのpI 6.3のアイソフォームは、その分子量、お
よびERβレセプターに対し生じられた特異的モノクローナル抗体との陽性の免
疫反応性に基づき、ERβ遺伝子の産物として同定された。pI 6.6のアイ
ソフォームはERα遺伝子産物と対応する。
【0068】 図6は、MCF−7細胞抽出物中に存在するエストロゲンレセプター(ER)
と放射標識されたEREとの間の複合体の形成に特徴的であるバンドの検出を示
す。これらの複合体は、50倍モル濃度過剰の未標識のEREとの共インキュベ
ーションにより競争されることができたが、しかし50倍過剰のAP1遺伝子配
列を表すプローブによってはできず、従って、この系におけるERとEREの相
互作用の特異性を立証する。
【0069】 リガンドの非存在下(レーン1)で、ER−ERE複合体が明らかである。し
かしながら、放射標識されたエストラジオールで処理された細胞からの抽出物(
レーン2)は、増大されたレベルのER−ERE複合体形成を示した(抽出物中
のタンパク質濃度について補正された対照密度の110%)。トリロスタンでの
処理(レーン3)は、複合体形成を対照レベル(レーン1)の96%に低下させ
た一方、ケトトリロスタン(レーン4)はER−ERE複合体形成を対照の68
%に劇的に低下させた。タモキシフェンもまた複合体形成を低下させた(レーン
5)(対照の93%)。
【0070】 これらのデータは、トリロスタンおよびケトトリロスタンの双方が、このレセ
プターとその応答因子との間の相互作用の強さを低下させるような様式でエスト
ロゲンレセプターのコンホメーションを調節することが可能であることを示唆す
る。これは明らかに、乳癌細胞中で特定の遺伝子を活性化するエストロゲンの能
力に関して深い意味を有する。これらの化合物は、従って、これらの細胞中での
重要なエストロゲン応答性遺伝子の転写のレベルを低下させることが期待される
とみられる。
【0071】 3日間xTGで一過性にトランスフェクトされた細胞系MCF−7を使用する
実験、E2のみではGFPの蓄積を示した一方、E2およびトリロスタンはトラ
ンスフェクション試薬のみから青緑色の自己蛍光を示した。これは、E2がGF
Pの産生を高める一方、抗エストロゲン、タモキシフェンおよびラロキシフェン
がE2に駆動されるトランス活性化を低下させたことを示唆する。E2は10−
8Mの濃度で使用した一方、全部の他の化合物は10−6Mで使用した。全部の
リガンドはトランスフェクションの間に細胞培地に添加した。同一条件下で、ト
リロスタンもまたGFPの転写を低下させた。
【0072】 エストラジオール(E2)の存在下で増殖された細胞は、対照と比較した場合
にチミジン標識の15%増大を示し(p<0.01)、これはトリロスタンの存
在(E2+T)により完全に封鎖される。加えて、トリロスタン単独は、MCF
−7細胞のチミジン取込みを、対照に比較して31%だけ阻害する(p<0.0
1)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明にかかる、ラット子宮中のエストロゲンレセプターのpI 6.3のアイ
ソフォーム(ERβ)に結合するトリチウム化エストラジオール(5nM)に対
する多様な濃度のトリロスタンの作用を示すグラフ。該グラフは、IEFゲルか
らの隔離された薄片中で回収されたトリチウム化エストラジオール(DPMで)
を示す(本文を参照されたい)。
【図2】 発明にかかる、10マイクロモル濃度のトリロスタンの非存在(白色の記号)
および存在(黒色の記号)下でのラット子宮のエストロゲンレセプターへのトリ
チウム化エストラジオールの結合のスキャッチャードプロット。トリロスタンの
存在は、エストロゲン結合の見かけの親和性(回帰直線の傾きにより与えられる
)および全レセプターの濃度(X軸切片により与えられる)を増大させる。
【図3】 発明にかかる、10mMのトリロスタンの非存在(白色の記号)および存在(
黒色の記号)下でのラット前立腺のエストロゲンレセプターへのトリチウム化エ
ストラジオールの結合のスキャッチャードプロット。トリロスタンの存在は、全
レセプターの濃度(x軸切片により与えられる)を増大させる。
【図4】 発明にかかる、a)対照、すなわち付加的化合物なし、ならびに(b)トリロ
スタン、(c)(4α,5α−17β)−4,5−エポキシアンドロスト−2−
エノ[イソ−2,3−D]−アゾル−17−オール[ステージIII化合物]お
よび(d)ケトトリロスタンの存在下の、ラット子宮のエストロゲンレセプター
へのトリチウム化エストラジオールの結合のスキャッチャードプロット。トリロ
スタンもしくはケトトリロスタンいずれかの存在は、エストロゲン結合の見かけ
の親和性(回帰直線の傾きにより与えられる)を増大させるが、しかしステージ
IIIの化合物で結合親和性の変化は生じない。
【図5】 発明にかかる、ラット子宮中のエストロゲンレセプターのアイソフォームへの
トリチウム化タモキシフェンの結合に対するa)トリロスタンおよびb)ケトト
リロスタンの効果。該グラフは、トリロスタン(10マイクロモル濃度)もしく
はケトトリロスタン(10マイクロモル濃度)いずれかの存在下でのエストロゲ
ンレセプターのアイソフォームへの増大されたトリチウム化タモキシフェンの結
合を示す。
【図6】 発明にかかる、6%非変性ポリアクリルアミドゲル上で泳動された放射標識さ
れたエストロゲン応答因子への、MCF−7乳癌細胞抽出物中に存在するエスト
ロゲンレセプターの結合から生じる特徴的な二重バンドシフトを示す電気泳動移
動度シフトアッセイ。血清を枯渇されたMCF−7細胞を、抽出物調製のための
細胞の収穫の4時間前に補充した以下の処理で24時間処理した。 レーン1=血清を含まない培地単独 レーン2=血清を含まない培地+エストラジオール(10-8M) レーン3=血清を含まない培地+トリロスタン(10-5M) レーン4=血清を含まない培地+ケトトリロスタン(10-5M) レーン5=血清を含まない培地+タモキシフェン(10-6M)
【図7】 発明にかかる、エストラジオール(10-8M)およびトリロスタン(10μM
)の存在および非存在下で24時間インキュベートされたMCF−7細胞のチミ
ジン標識。エストラジオール(E2)の存在下で増殖された細胞は、対照と比較
した場合に、チミジン標識の15%増加を示し(p<0.01)、これはトリロ
スタンの存在(E2+T)により完全に封鎖されている。加えて、トリロスタン
単独(T)は、対照と比較して31%だけMCF−7細胞のチミジン取込みを阻
害する(p<0.01)。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年3月19日(2002.3.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、R1、R2、R5およびR6は同一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素
もしくはC1-4アルキルであり; R3は水素、C1-4アルキル、C1-4アルケニルもしくはC1-4アルキニルであり;
4はヒドロキシ、C1-4アルカノイルオキシ、式(II)もしくは(III)の
【化2】 であり、 式中、R7は(CH2nであり、式中nは0から4までの整数であり、R8は水素
、C1-4アルキル、ヒドロキシもしくはNH2であり、そしてR9およびR10は同
一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素もしくはC1-4アルキルであるか; またはR3およびR4は一緒になってオキソ、エチレンジオキシもしくはプロピレ
ンジオキシである]。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 5/32 A61P 5/32 13/08 13/08 35/00 35/00 43/00 111 43/00 111 C07J 71/00 C07J 71/00 // C07D 333/58 C07D 333/58 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 マーゲツツ,ジヨージ イギリス・ビリングスハースト アールエ イチ14 9テイエヌ・ブルームフイールド ドライブ44 (72)発明者 プドフート,ジヨン イギリス・エセツクス アールエム14 3 デイエス・アツプミンスター・サニーサイ ドガーデンズ10 (72)発明者 ビンソン,ガビン・ポール イギリス・ロンドン エヌ10 3ビーイ ー・マスウエルヒル・バーチウツドアベニ ユー37 Fターム(参考) 4C084 AA19 MA02 NA14 ZA812 ZB261 ZB262 ZC032 ZC422 4C086 AA01 AA02 BC21 GA04 GA12 MA10 NA05 ZA81 ZB26 ZC03 4C091 AA01 BB01 CC01 DD03 DD16 EE07 FF01 FF02 FF03 FF06 GG01 HH01 JJ01 JJ03 JJ04 KK01 LL01 MM01 MM03 MM04 NN01 PA02 PA03 PA05 PA09 PB01 PB02 PB03 PB04 QQ02 QQ07 QQ15 4C206 AA01 AA02 FA23 MA02 MA04 NA05 ZA81 ZB26 ZC03

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エストロゲンレセプターβ(ERβ)の調節によるホルモン
    依存性の病状の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物もしくはそ
    の3−エノールC1-4アルカノエートエステルの使用 【化1】 [式中、R1、R2、R5およびR6は同一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素
    もしくはC1-4アルキルであり; R3は水素、C1-4アルキル、C1-4アルケニルもしくはC1-4アルキニルであり;
    4はヒドロキシ、C1-4アルカノイルオキシ、式(II)もしくは(III)の
    基 【化2】 であり、 式中、R7は(CH2nであり、式中nは0から4までの整数であり、R8は水素
    、C1-4アルキル、ヒドロキシもしくはNH2であり、そしてR9およびR10は同
    一もしくは異なり、かつ、それぞれが水素もしくはC1-4アルキルであるか; またはR3およびR4は一緒になってオキソ、エチレンジオキシもしくはプロピレ
    ンジオキシである]。
  2. 【請求項2】 式(I)において、R1が水素もしくはメチルであり、かつ
    /またはR2が水素もしくはメチルであり、かつ/またはR4がヒドロキシである
    か、あるいはR3およびR4が一緒になってオキソであり、かつ/またはR5およ
    びR6がメチルである、請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 R1、R2およびR3が水素であり、R4がヒドロキシでありか
    つR5およびR6がメチルであるか、もしくは、R1、R3、R5およびR6がメチル
    であり、R2が水素でありかつR4がヒドロキシであるか、もしくはR1およびR2 が水素であり、R3およびR4が一緒になってオキソであり、かつ、R5およびR6 がメチルである、請求項2記載の使用。
  4. 【請求項4】 ホルモン依存性の病状がエストロゲン依存性の病状である、
    請求項1ないし3のいずれか1つ記載の使用。
  5. 【請求項5】 ホルモン依存性の病状がホルモン依存性の癌である、先行す
    る請求項のいずれか1つ記載の使用。
  6. 【請求項6】 ホルモン依存性の病状がエストロゲン依存性の癌である、先
    行する請求項のいずれか1つ記載の使用。
  7. 【請求項7】 ホルモン依存性の病状が、乳癌、前立腺癌、肺癌、胃腸癌、
    子宮内膜癌、良性の前立腺肥大もしくは子宮内膜肥大である、先行する請求項の
    いずれか1つ記載の使用。
  8. 【請求項8】 医薬が、粒状の形態の請求項1ないし3のいずれか1つで定
    義されるところの化合物を含んで成る、先行する請求項のいずれか1つ記載の使
    用。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし3のいずれか1つで定義される化合物が、0
    ないし12μmの平均粒子径を有する粒子の形態にあり、かつ、粒子の95%も
    しくはそれ以上が0ないし50μmの粒子径を有する、請求項8記載の使用。
  10. 【請求項10】 粒子が5μmから12μmまでの平均粒子径を有する、請
    求項9記載の使用。
  11. 【請求項11】 粒子が5μm未満の平均粒子径を有する、請求項9記載の
    使用。
  12. 【請求項12】 医薬が、請求項1ないし3のいずれか1つで定義されると
    ころの化合物の50mgから250mgまでの単位投薬量を含んで成る、先行す
    る請求項のいずれか1つ記載の使用。
  13. 【請求項13】 治療が、レセプターへのエストロゲン結合を競争的に阻害
    することが可能な化合物、および/またはヒトもしくは動物細胞中のエストロゲ
    ンレセプターを結合もしくは特異的に調節することが可能な化合物でのさらなる
    治療と組み合わせで実施される、先行する請求項のいずれか1つ記載の使用。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし3のいずれか1つで定義されるところの化
    合物での治療および請求項13で定義されるところのさらなる治療が同時に実施
    される、請求項13記載の使用。
  15. 【請求項15】 さらなる治療が1種もしくはそれ以上の抗エストロゲン化
    合物でである、請求項13もしくは請求項14記載の使用。
  16. 【請求項16】 さらなる治療がタモキシフェンもしくはラロキシフェンで
    である、請求項13ないし15のいずれか1つ記載の使用。
  17. 【請求項17】 エストロゲンレセプターβ(ERβ)の調節によるホルモ
    ン依存性の病状の治療における同時、別個もしくは連続的使用のための、請求項
    1ないし3のいずれか1つで定義されるところの化合物、ならびにレセプターへ
    のエストロゲン結合を競争的に阻害することが可能な1種もしくはそれ以上の化
    合物、および/またはヒトもしくは動物細胞中のエストロゲンレセプターを結合
    するもしくは特異的に調節することが可能な1種もしくはそれ以上の化合物を含
    有する生成物。
  18. 【請求項18】 ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物の活
    性の増強のための医薬の製造における、請求項1ないし3のいずれか1つで定義
    されるところの化合物の使用。
  19. 【請求項19】 ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物の望
    ましくない副作用の低減のための医薬の製造における、請求項1ないし3のいず
    れか1つで定義されるところの化合物の使用。
  20. 【請求項20】 ホルモン依存性の病状の治療に使用される別の化合物に対
    する耐性の発生を低減するもしくは取り消すための医薬の製造における、請求項
    1ないし3のいずれか1つで定義されるところの化合物の使用。
  21. 【請求項21】 ホルモン依存性の病状を有する患者に、エストロゲンレセ
    プターβ(Erβ)の調節により前記病状を治療するのに有効な量の請求項1な
    いし3のいずれか1つで定義されるところの化合物の量を投与することによる、
    前記病状の治療方法。
  22. 【請求項22】 ホルモン依存性の病状を有する患者に、請求項1ないし3
    のいずれか1つで定義されるところの化合物の量、および前記病状を治療するこ
    とが可能な化合物の量を、前記病状の治療に使用される前記化合物の活性を高め
    る請求項1ないし3のいずれか1つで定義されるところの化合物により前記病状
    を治療するのに有効な相対量で、投与することによる、前記病状の治療方法。
  23. 【請求項23】 ホルモン依存性の病状を有する患者に、前記病状を治療す
    るのに有効な量の前記病状を治療することが可能な化合物の量、および前記病状
    を治療することが可能な請求項1ないし3のいずれか1つで定義されるところの
    化合物の望ましくない副作用を低減するのに有効な量の前記化合物の量を投与す
    ることによる、前記病状の治療方法。
  24. 【請求項24】 ホルモン依存性の病状を有する患者に、前記病状を治療す
    るのに有効な量の前記病状を治療することが可能な化合物の量、および前記病状
    を治療することが可能な請求項1ないし3のいずれか1つで定義されるところの
    化合物に対する耐性の発生を低減するもしくは取り消すのに有効な量の前記化合
    物の量を投与することによる、前記病状の治療方法。
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