JP2003518371A - インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト関連分子およびその使用 - Google Patents

インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト関連分子およびその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト関連(IL−1ra−R)ポリペプチドおよびこれをコードする核酸分子を提供する。本発明はまた、IL−1ra−Rポリペプチドを産生するための、選択的結合因子、ベクター、宿主細胞、および方法を提供する。本発明はさらに、IL−1ra−Rポリペプチドに関連する疾患、障害、および状態の、診断、処置、改善、および/または予防のための、薬学的組成物および方法を提供する。IL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸分子を含むトランスジェニック非ヒト動物がまた、本発明に含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新規インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト関連(IL−
1ra−R)ポリペプチドおよびこれをコードする核酸分子に関する。本発明は
また、IL−1ra−Rポリペプチドを産生するための、選択的結合因子、ベク
ター、宿主細胞および方法に関する。本発明はさらに、IL−1ra−Rポリペ
プチドと関連する疾患、障害、および状態の、診断、処置、改善、および/また
は予防のための薬学的組成物および方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 核酸分子の同定、クローニング、発現、および操作における技術進歩ならびに
ヒトゲノムの解読は、新規治療因子の発見を大きく加速した。現在、高速核酸配
列決定技術は、前例のない速度で配列情報を作製し得、そしてコンピュータ分析
と結合されて、ゲノムの一部および全体への重複配列の集合ならびにポリペプチ
ドコード領域の同定を可能にする。既知アミノ酸配列のデータベース編集物に対
する推定アミノ酸配列の比較は、以前に同定された配列および/または構造の目
印に対して相同性の程度を決定することを可能にする。核酸分子のポリペプチド
コード領域のクローニングおよび発現は、構造分析および機能分析のためのポリ
ペプチド産物を提供する。核酸分子およびコードされるポリペプチドの操作は、
治療剤としての使用に関して生成物に対して有利な特性を与え得る。
【0003】 過去10年間にわたるゲノム研究における有意な技術進歩にも関わらず、ヒト
ゲノムに基づく新規治療剤の開発に対する可能性は、未だ広く理解されていない
。潜在的に有利なポリペプチド治療剤をコードする多くの遺伝子またはこれらが
コードするポリペプチド(これらは、治療分子に対して「標的」としてはたらき
得る)は、未だ同定されていない。
【0004】 従って、診断的な利点または治療的な利点を有する、新規ポリペプチドおよび
これらをコードする核酸分子を同定することが、本発明の目的である。
【0005】 これまでに発見された最も強力な炎症性サイトカインのうちの1つは、インタ
ーロイキン−1(IL−1)である。IL−1は、多くの疾患および医学状態に
関与すると考えられている。IL−1は、マクロファージ/単球系統の細胞によ
って(排他的にではないが)産生され、そして2つの形態:IL−1アルファ(
IL−1α)およびIL−1ベータ(IL−1β)で産生され得る。インターロ
イキン−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)は、インターロイキン−
1の天然のインヒビターとして作用するヒトタンパク質である。
【0006】 (発明の要旨) 本発明は、新規IL−1ra−Rの核酸分子およびコードされるポリペプチド
に関する。
【0007】 本発明は、単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号(SEQ ID NO:)1、配列番号3、配列番号5、また
は配列番号35のいずれかに示されるヌクレオチド配列; (b)ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサートのヌクレオチ
ド配列; (c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (d)(a)〜(c)のいずれかの相補体に、中程度または高度にストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;および (e)(a)〜(c)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供
する。
【0008】 本発明はまた、単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に示されるポリペプチドに少なくとも約70%同一であるポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配
列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示される
ポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれ
かに示されるヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNA
インサートのヌクレオチド配列、または(a)の、対立遺伝子改変体またはスプ
ライス改変体をコードするヌクレオチド配列; (c)少なくとも約25アミノ酸残基のポリペプチドフラグメントをコードす
る、配列番号1、配列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかの
ヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサート、
(a)または(b)の領域であって、ここで、上記ポリペプチドフラグメントは
、配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号36のいずれかに示
されるコードされたポリペプチドの活性を有するか、または抗原性である、領域
; (d)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む、配列番号1、配
列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかのヌクレオチド配列、
ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサート、または(a)〜(c
)いずれかの領域; (e)中程度または高度にストリンジェントな条件下で、(a)〜(d)のい
ずれかの相補体にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列;ならびに (f)(a)〜(d)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供
する。
【0009】 本発明はさらに、単離された核酸分子であって、以下; (a)少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配
列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示される
ポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配列番号
2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペ
プチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配列番号
2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペ
プチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配
列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示される
ポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、およびN末
端短縮からなる群より選択される少なくとも1つの改変を有する配列番号2、配
列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチ
ドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに
示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (f)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む(a)〜(e)の
いずれかのヌクレオチド配列; (g)中程度または高度にストリンジェントな条件下で、(a)〜(f)のい
ずれかの相補体にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列;ならびに (h)(a)〜(e)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供
する。
【0010】 本発明は、単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に示されるアミノ酸配列;および (b)ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサートによってコー
ドされるアミノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドを提供
する。
【0011】 本発明はまた、単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
のオルソログ(ortholog)に対するアミノ酸配列; (b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
のアミノ酸配列に少なくとも約70%同一であるアミノ酸配列であって、ここで
、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (c)少なくとも約25アミノ酸残基を含む配列番号2、配列番号4、配列番
号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列のフラグメントで
あって、ここで、上記フラグメントは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、
または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有するか、また
は抗原性である、フラグメント;ならびに (d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号36のいずれ
かに示されるアミノ酸配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNAイン
サートによってコードされるアミノ酸配列、(a)、または(b)の、対立遺伝
子改変体またはスプライス改変体のアミノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドを提供
する。
【0012】 本発明はさらに、単離されたポリペプチドであって、以下: (a)少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって
、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または
配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列
; (b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここ
で、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番
号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここ
で、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番
号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって
、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または
配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列
;ならびに (e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、およびN末
端短縮からなる群より選択される少なくとも1つの改変を有する配列番号2、配
列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列
であって、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6
、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミ
ノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドを提供
する。
【0013】 本発明はなおさらに、単離されたポリペプチドであって、以下: 2位のアルギニン;3位のアラニン、リジン、またはアルギニン;7位のセリン
;8位のリジン;9位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン、またはセ
リン;10位のシステインまたはフェニルアラニン;13位のアルギニンまたは
トリプトファン;15位のセリン;18位のアルギニン;19位のセリンまたは
トレオニン;21位のトレオニン;23位のセリン;34位のアルギニン;37
位のチロシン、セリン、またはアルギニン;38位のリジン、アルギニン、トレ
オニン、またはセリン;41位のトレオニン;43位のセリン、フェニルアラニ
ン、またはアラニン;44位のアラニン;48位のセリンまたはリジン;52位
のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;53位のセリン;54位の
セリン;58位のアラニンまたはチロシン;65位のリジン;66位のフェニル
アラニン;67位のチロシン;69位のセリン、チロシン、またはフェニルアラ
ニン;73位のリジンまたはセリン;78位のトレオニンまたはアルギニン;9
0位のセリンまたはアラニン;91位のアラニン;96位のセリン;97位のリ
ジンまたはアルギニン;98位のリジンまたはセリン;100位のアラニン;1
02位のチロシン;104位のアルギニンまたはアラニン;105位のリジン;
106位のトレオニン;108位のアルギニン;109位のリジン、トレオニン
、またはトリプトファン;110位のトレオニンまたはセリン;111位のセリ
ン;114位のセリン;116位のセリン;117位のフェニルアラニン、シス
テイン、またはチロシン;121位のチロシン;123位のセリンまたはアラニ
ン;126位のシステイン、セリン、またはトレオニン;136位のセリン;1
38位のフェニルアラニンまたはアルギニン;141位のトレオニン、アルギニ
ン、またはアラニン;142位のリジンまたはチロシン;143位のトリプトフ
ァンまたはトレオニン;145位のアラニン;147位のトレオニンまたはセリ
ン;151位のシステイン;および152位のセリン、システイン、またはフェ
ニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する
配列番号1または配列番号3のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む単離され
たポリペプチドであって、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号
4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、単離
されたポリペプチドを提供する。
【0014】 本発明はなおさらに、単離されたポリペプチドであって、以下: 21位のアルギニン;22位のアラニン、リジン、またはアルギニン;26位の
セリン;27位のリジン;28位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン
、またはセリン;29位のシステインまたはフェニルアラニン;32位のアルギ
ニンまたはトリプトファン;34位のセリン;37位のアルギニン;38位のセ
リンまたはトレオニン;40位のトレオニン;42位のセリン;53位のアルギ
ニン;56位のチロシン、セリン、またはアルギニン;57位のリジン、アルギ
ニン、トレオニン、またはセリン;60位のトレオニン;62位のセリン、フェ
ニルアラニン、またはアラニン;63位のアラニン;67位のセリンまたはリジ
ン;71位のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;72位のセリン
;73位のセリン;77位のアラニンまたはチロシン;84位のリジン;85位
のフェニルアラニン;86位のチロシン;88位のセリン、チロシン、またはフ
ェニルアラニン;92位のリジンまたはセリン;97位のトレオニンまたはアル
ギニン;109位のセリンまたはアラニン;110位のアラニン;115位のセ
リン;116位のリジンまたはアルギニン;117位のリジンまたはセリン;1
19位のアラニン;121位のチロシン;123位のアルギニンまたはアラニン
;124位のリジン;125位のトレオニン;127位のアルギニン;128位
のリジン、トレオニン、またはトリプトファン;129位のトレオニンまたはセ
リン;130位のセリン;133位のセリン;135位のセリン;136位のフ
ェニルアラニン、システイン、またはチロシン;140位のチロシン;142位
のセリンまたはアラニン;145位のシステイン、セリン、またはトレオニン;
155位のセリン;157位のフェニルアラニンまたはアルギニン;160位の
トレオニン、アルギニン、またはアラニン;161位のリジンまたはチロシン;
162位のトリプトファンまたはトレオニン;164位のアラニン;166位の
トレオニンまたはセリン;170位のシステイン;および171位のセリン、シ
ステイン、またはフェニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つの
アミノ酸置換を有する配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む単離されたポリ
ペプチドであって、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、また
は配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、単離されたポ
リペプチドを提供する。
【0015】 IL−1ra−Rアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドがまた、提供される。
【0016】 本発明はまた、本明細書中に示されるような単離された核酸分子を含む発現ベ
クター、本明細書中に示されるような組換え核酸分子を含む組換え宿主細胞、お
よびIL−1ra−Rポリペプチドを産生する方法を提供し、この方法は、この
宿主細胞を培養する工程、必要に応じてそのように産生されたポリペプチドを単
離する工程を包含する。
【0017】 IL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸分子を含むトランスジェニッ
ク非ヒト動物がまた、本発明に含まれる。IL−1ra−R核酸分子は、IL−
1ra−Rポリペプチドの発現およびIL−1ra−Rポリペプチドの増加した
レベル(これは、増加した循環レベルを含み得る)を可能にする様式で、動物中
に導入される。あるいは、IL−1ra−R核酸分子は、内因性IL−1ra−
Rポリペプチドの発現を阻害する様式で動物に導入される(すなわち、IL−1
ra−Rポリペプチド遺伝子ノックアウトを保有するトランスジェニック動物を
作製する)。トランスジェニック非ヒト動物は、好ましくは哺乳動物であり、よ
り好ましくはげっ歯類(例えば、ラットまたはマウス)である。
【0018】 本発明のIL−1ra−Rポリペプチドの誘導体がまた、提供される。
【0019】 本発明のIL−1ra−Rポリペプチドに特異的に結合し得る選択的結合因子
(例えば、抗体およびペプチド)が、さらに提供される。このような抗体および
ペプチドは、アゴニストのものであってもアンタゴニストのものであってもよい
【0020】 本発明のヌクレオチド、ポリペプチド、もしくは選択的結合因子ならびに1つ
以上の薬学的に受容可能な処方剤を含む薬学的組成物がまた、本発明によって含
まれる。薬学的組成物は、治療有効量の本発明のヌクレオチドまたはポリペプチ
ドを提供するために使用される。本発明はまた、このポリペプチド、核酸分子、
および選択的結合因子を使用する方法に関する。
【0021】 本発明のIL−1ra−RポリペプチドおよびIL−1ra−R核酸分子は、
疾患および障害(本明細書中に列挙されるものを含む)を処置、予防、改善、お
よび/または検出するための使用され得る。
【0022】 本発明はまた、IL−1ra−Rポリペプチドに結合する試験分子を同定する
ために、試験分子をアッセイする方法を提供する。この方法は、IL−1ra−
Rポリペプチドを試験分子と接触させて、この試験分子のこのポリペプチドに対
する結合の程度を決定する工程を包含する。この方法はさらに、このような試験
分子が、IL−1ra−Rポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストであ
るか否かを決定する工程を包含する。本発明はさらに、IL−1ra−Rポリペ
プチドの発現またはIL−1ra−Rポリペプチドの活性に対する分子の影響を
試験する方法を提供する。
【0023】 IL−1ra−Rポリペプチドの発現を調整する方法およびIL−1ra−R
ポリペプチドのレベル(すなわち、増加したレベルまたは減少したレベル)を調
節する方法がまた、本発明によって含まれる。1つの方法は、IL−1ra−R
ポリペプチドをコードする核酸分子を動物に投与する工程を包含する。別の方法
において、IL−1ra−Rポリペプチドの発現を調整または調節するエレメン
トを含む核酸分子が、投与され得る。これらの方法の例としては、本明細書中に
さらに記載されるように、遺伝子治療、細胞治療、およびアンチセンス治療が挙
げられる。
【0024】 本発明の別の局面において、IL−1ra−Rポリペプチドは、そのレセプタ
ー(「IL−1ra−Rポリペプチドレセプター」)を同定するために使用され
得る。種々の形態の「発現クローニング」は、タンパク質リガンドに対するレセ
プターをクローン化するために広範囲に使用されている。例えば、Simons
enおよびLodish、1994、Trends Pharmacol.Sc
i.15:437−41ならびにTartagliaら、1995、Cell
83:1263−71を参照のこと。IL−1ra−Rポリペプチドレセプター
の単離は、IL−1ra−Rポリペプチドシグナル伝達経路の新規アゴニストお
よびアンタゴニストの同定または開発に有用である。このようなアゴニストおよ
びアンタゴニストとしては、可溶性IL−1ra−Rポリペプチドレセプター、
抗IL−1ra−Rポリペプチドレセプター−選択的結合因子(例えば、抗体ま
たはその誘導体)、小分子、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられ
、これらのうちのいずれかは、1つ以上の疾患または障害(本明細書中に開示さ
れるものを含む)の処置に有用であり得る。
【0025】 (発明の詳細な説明) 本明細書中で使用される節の表題は、組織的な目的のみのためであり、そして
記載される内容を限定するようには解釈されるべきではない。本願において列挙
される全ての参考文献は、明確に本明細書中に参考として援用される。
【0026】 (定義) 用語「IL−1ra−R遺伝子」または「IL−1ra−R核酸分子」あるい
は「IL−1ra−Rポリヌクレオチド」とは、配列番号1、配列番号3、配列
番号5、または配列番号35のいずれかに示されるヌクレオチド配列、配列番号
2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423にお
けるDNAインサートのヌクレオチド配列、および本明細書中で定義される核酸
分子を含むか、またはこれらからなる核酸分子をいう。
【0027】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド対立遺伝子改変体」とは、生物体または
生物体の集団の染色体の所定の遺伝子座を占める遺伝子の、天然に存在する可能
ないくつかの交替形態のうちの1つをいう。
【0028】 用語「IL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体」とは、配列番号2、
配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるIL−1r
a−Rポリペプチドアミノ酸配列のRNA転写物中のイントロン配列の代替プロ
セシングによって生成される、核酸分子(通常はRNA)をいう。
【0029】 用語「単離された核酸分子」とは、(1)総核酸が供給源細胞から単離される
場合に、これが天然で一緒に見出されるタンパク質、脂質、炭水化物、または他
の物質のうち少なくとも約50パーセントから分離された本発明の核酸分子、(
2)「単離された核酸分子」が天然で連結しているポリヌクレオチドの全てまた
は一部に連結していない本発明の核酸分子、(3)天然では連結しないポリヌク
レオチドに作動可能に連結した本発明の核酸分子、または(4)より大きなポリ
ヌクレオチド配列の一部として天然には存在しない、本発明の核酸分子をいう。
好ましくは、本発明の単離された核酸分子は、任意の他の混入核酸分子、または
天然の環境において見出される他の混入物(これらは、ポリペプチド産生におけ
る使用、または治療的使用、診断的使用、予防的使用、または研究的使用に干渉
する)を実質的に含まない。
【0030】 用語「核酸配列」または「核酸分子」は、DNAまたはRNA配列をいう。こ
の用語は、DNAおよびRNAの公知の塩基アナログのいずれかから形成される
分子を含み、例えば、以下であるがこれらに限定されない:4−アセチルシトシ
ン、8−ヒドロキシ−N6−メチルアデノシン、アジリジニル−シトシン、プソ
イドイソシトシン(pseudoisocytosine)、5−(カルボキシ
ヒドロキシルメチル)ウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、
5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、5−カルボキシメチル
アミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6−イソ−ペンテニル
アデニン、1−メチルアデニン、1−メチルプソイドウラシル、1−メチルグア
ニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、
2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチル
アデニン、7−メチルグアニン、5−エチルアミノメチルウラシル、5−メトキ
シアミノ−メチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5’
−メトキシカルボニル−メチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチ
オ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル
、ウラシル−5−オキシ酢酸、オキシブトキソシン、プソイドウラシル、キュー
オシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル
、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、N−ウラシル−5−オキシ酢酸メチ
ルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、プソイドウラシル、キューオシン、2
−チオシトシン、および2,6−ジアミノプリン。
【0031】 用語「ベクター」は、宿主細胞にコード情報を移すために使用される任意の分
子(例えば、核酸、プラスミド、またはウイルス)をいうように使用される。
【0032】 用語「発現ベクター」は、宿主細胞の形質転換に適切であり、そして挿入され
た異種核酸配列の発現を、指向および/または制御する核酸配列を含むベクター
をいう。発現としては、転写、翻訳、およびRNAスプライシング(イントロン
が存在する場合)のようなプロセスが挙げられるがこれらに限定されない。
【0033】 用語「作動可能に連結された」は、本明細書中で、隣接配列の配置をいうよう
に使用され、ここで、このように記載される隣接配列は、その通常の機能を行う
ように構成または構築される。従って、コード配列に作動可能に連結した隣接配
列は、このコード配列の複製、転写および/または翻訳を行うことが可能であり
得る。例えば、コード配列は、このプロモーターがコード配列の転写を指向し得
る場合に、プロモーターに作動可能に連結される。隣接配列は、これが正確に機
能する限り、コード配列と連続する必要はない。したがって、例えば、介在性非
翻訳の、転写された配列は、プロモーター配列とコード配列との間に存在し得、
そしてこのプロモーター配列は、依然としてこのコード配列に「作動可能に連結
」されているとみなされ得る。
【0034】 用語「宿主細胞」は、核酸配列で形質転換されたか、または形質転換され得、
次いで目的の選択された遺伝子を発現し得る細胞をいうように使用される。この
用語には、選択された遺伝子が存在する限り、子孫が形態学または遺伝子構造に
おいて本来の親と同一であろうとなかろうと、親細胞の子孫を含む。
【0035】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド」とは、配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチド、お
よび関連するポリペプチドをいう。関連ポリペプチドとしては、IL−1ra−
Rポリペプチドフラグメント、IL−1ra−Rポリペプチドオルソログ、IL
−1ra−Rポリペプチド改変体、およびIL−1ra−Rポリペプチド誘導体
が挙げられ、これらは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
36のいずれかに示されるポリペプチドの少なくとも1つの活性を保有する。I
L−1ra−Rポリペプチドは、本明細書中で定義される成熟ポリペプチドであ
り得、そしてこれらが調製される方法に依存して、アミノ末端メチオニン残基を
有しても有さなくてもよい。
【0036】 用語「IL−1ra−Rポリペプチドフラグメント」とは、配列番号2、配列
番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの
、アミノ末端(リーダー配列を有するかまたは有さない)での短縮化および/ま
たはカルボキシ末端での短縮化を含むポリペプチドをいう。用語「IL−1ra
−Rポリペプチドフラグメント」はまた、IL−1ra−Rポリペプチドオルソ
ログ、IL−1ra−Rポリペプチド誘導体、またはIL−1ra−Rポリペプ
チド改変体のアミノ末端および/またはカルボキシ末端短縮化、あるいはIL−
1ra−Rポリペプチド対立遺伝子改変体またはIL−1ra−Rポリペプチド
スプライス改変体によってコードされるポリペプチドのアミノ末端および/また
はカルボキシ末端短縮化をいう。IL−1ra−Rポリペプチドフラグメントは
、選択的RNAスプライシング、またはインビボプロテアーゼ活性から生じ得る
。IL−1ra−Rポリペプチドの膜結合形態もまた、本発明によって意図され
る。好ましい実施形態において、短縮化および/または欠失は、約10アミノ酸
、または約20アミノ酸、または約50アミノ酸、または約75アミノ酸、また
は約100アミノ酸、または約100より多くのアミノ酸を含む。このように生
成されるポリペプチドフラグメントは、約25個連続したアミノ酸、または約5
0アミノ酸、または約75アミノ酸、または約100アミノ酸、または約125
アミノ酸を含む。このようなIL−1ra−Rポリペプチドフラグメントは、必
要に応じて、アミノ末端メチオニン残基を含み得る。このようなフラグメントは
、例えば、IL−1ra−Rポリペプチドに対する抗体を生成するために使用さ
れ得ることが理解される。
【0037】 用語「IL−1ra−Rポリペプチドオルソログ」は、配列番号2、配列番号
4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるIL−1ra−Rポ
リペプチドアミノ酸配列に対応する、別の種由来のポリペプチドをいう。例えば
、マウスおよびヒトのIL−1ra−Rポリペプチドは、互いにオルソログであ
るとみなされる。
【0038】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド改変」は、配列番号2、配列番号4、配
列番号6、または配列番号36(リーダー配列を有するかまたは有さない)のい
ずれかに示されるIL−1ra−Rポリペプチドアミノ酸配列と比較して、1つ
以上のアミノ酸配列の置換、欠失(例えば、内部欠失および/またはIL−1r
a−Rポリペプチドフラグメント)、および/または付加(例えば、内部付加お
よび/またはIL−1ra−R融合ポリペプチド)を有するアミノ酸配列を含む
IL−1ra−Rポリペプチドをいう。改変体は、天然に存在する(例えば、I
L−1ra−Rポリペプチド対立遺伝子改変体、IL−1ra−Rポリペプチド
オルソログ、およびIL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体)か、また
は、人工的に構築され得る。このようなIL−1ra−Rポリペプチド改変体は
、配列番号1、配列番号3、配列番号5、または配列番号35のいずれかに示さ
れるDNA配列から変化するDNA配列を有する、対応する核酸分子から調製さ
れ得る。好ましい実施形態において、この改変体は、1〜3、または1〜5、ま
たは1〜10、または1〜15、または1〜20、または1〜25、または1〜
50、または1〜75、または1〜100、または100より多くのアミノ酸の
置換、挿入、付加、および/または欠失を有し、ここで、この置換は、保存的、
または非保存的、あるいはその任意の組み合わせであり得る。
【0039】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド誘導体」は、配列番号2、配列番号4、
配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチド、本明細書
中で定義されるIL−1ra−Rポリペプチドフラグメント、IL−1ra−R
ポリペプチドオルソログ、またはIL−1ra−Rポリペプチド改変体をいい、
これらは、化学的に改変されている。用語「IL−1ra−Rポリペプチド誘導
体」はまた、本明細書中で定義されるIL−1ra−Rポリペプチド対立遺伝子
改変体またはIL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体によってコードさ
れるポリペプチドをいい、これは化学的に改変されている。
【0040】 用語「成熟IL−1ra−Rポリペプチド」は、リーダー配列を欠失したIL
−1ra−Rポリペプチドをいう。成熟IL−1ra−Rポリペプチドはまた、
他の改変(例えば、アミノ末端(リーダー配列を有するかまたは有さない)およ
び/またはカルボキシ末端のタンパク質分解性プロセシング、より大きな前駆体
からのより小さなポリペプチドの切断、N連結および/またはO連結グリコシル
化など)を含み得る。
【0041】 用語「IL−1ra−R融合ポリペプチド」は、配列番号2、配列番号4、配
列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチド、本明細書中
で定義されるIL−1ra−Rポリペプチドフラグメント、IL−1ra−Rポ
リペプチドオルソログ、IL−1ra−Rポリペプチド改変体、またはIL−1
ra−R誘導体のアミノ末端またはカルボキシ末端での、1つ以上のアミノ酸の
融合(例えば、異種タンパク質またはペプチド)をいう。用語「IL−1ra−
R融合ポリペプチド」はまた、本明細書中で定義されるIL−1ra−Rポリペ
プチド対立遺伝子改変体またはIL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体
によってコードされるポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端での、
1つ以上のアミノ酸の融合をいう。
【0042】 用語「生物学的に活性なIL−1ra−Rポリペプチド」とは、配列番号2、
配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列を含む
ポリペプチドの、少なくとも1つの活性特徴を有するIL−1ra−Rポリペプ
チドをいう。さらに、IL−1ra−Rポリペプチドは、免疫原としての活性を
有し得る;すなわち、このIL−1ra−Rポリペプチドは、抗体が惹起され得
る少なくとも1つのエピトープを含む。
【0043】 用語「単離されたポリペプチド」とは、(1)供給源細胞から単離される場合
に、天然で一緒に見出されるポリペプチド、脂質、炭水化物、または他の物質の
少なくとも約50%から単離された本発明のポリペプチド、(2)「単離された
ポリペプチド」が天然で連結するポリペプチドの全てまたは一部に連結しない(
共有結合的または非共有結合的相互作用によって)、本発明のポリペプチド、(
3)天然には連結しないポリペプチドに作動可能に連結(共有結合的または非共
有結合的相互作用によって)する、本発明のポリペプチド、または(4)天然に
は存在しない本発明のポリペプチドをいう。好ましくは、この単離されたポリペ
プチドは、任意の他の混入ポリペプチドまたは天然の環境において見出される他
の混入物(これは、その治療的使用、診断的使用、予防的使用、または研究的使
用に干渉する)を実質的に含まない。
【0044】 用語「同一性」とは、当該分野で公知のように、配列の比較によって決定され
る、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の配列間の関係をい
う。当該分野において、「同一性」はまた、場合に応じて、2つ以上のヌクレオ
チドまたは2つ以上のアミノ酸配列間の一致によって決定されるように、核酸分
子またはポリペプチド間の配列関連性の程度を意味する。「同一性」は、2つ以
上の配列のうち小さなものと、特定の数理的モデルまたはコンピュータプログラ
ム(すなわち、「アルゴリズム」)によって焦点をあてられたギャップ整列(存
在する場合)との間の一致の同一パーセントを評価する。
【0045】 用語「相同性」は、概念に関するが、「同一性」とは対照的に、「相同性」は
、同一的一致および保存的置換の一致の両方を含む関連性の基準をいう。2つの
ポリペプチド配列が、例えば10/20個同一のアミノ酸を有し、そして残りが
全て非保存的置換である場合、パーセント同一性および相同性は、どちらも50
%である。同じ例において、保存的置換であるさらに5つの位置が存在する場合
、パーセント同一性は50%のままであるが、パーセント相同性は75%(15
/20)である。したがって、保存的置換が存在する場合、2つのポリペプチド
間のパーセント相同性は、これらの2つのポリペプチド間のパーセント同一性よ
りも高い。
【0046】 用語「天然に存在する」または「ネイティブの」は、核酸分子、ポリペプチド
、宿主細胞などのような生物学的材料と関連して使用される場合、天然において
見出され、そしてヒトによって操作されていない材料をいう。同様に、「天然に
存在しない」または「ネイティブではない」は、本明細書中で使用される場合、
天然で見出されないか、またはヒトによって構造的に改変もしくは合成された材
料をいう。
【0047】 用語「有効量」および「治療有効量」は、各々、本明細書中に示されるIL−
1ra−Rポリペプチドの1つ以上の生物学的活性の観察可能なレベルを支持す
るために使用されるIL−1ra−RポリペプチドまたはIL−1ra−R核酸
分子の量をいう。
【0048】 用語「薬学的に受容可能なキャリア」または「生理学的に受容可能なキャリア
」は、本明細書中で使用される場合、薬学的組成物としてのIL−1ra−Rポ
リペプチド、IL−1ra−R核酸分子、またはIL−1ra−R選択的結合因
子の送達の達成または増強に適切な1つ以上の処方材料をいう。
【0049】 用語「抗原」とは、選択的結合因子(例えば、抗体)により結合され得、そし
てさらに動物において使用されて、その抗原のエピトープに結合し得る抗体を産
生じ得る分子または分子の一部をいう。抗原は、1つ以上のエピトープを有し得
る。
【0050】 用語「選択的結合因子」とは、IL−1ra−Rポリペプチドに特異性を有す
る分子(単数または複数)をいう。本明細書中で使用される場合、用語「特異的
」および「特異性」とは、選択的結合因子の、ヒトIL−1ra−Rポリペプチ
ドに結合し、かつ非IL−1ra−Rポリペプチドに結合しない能力をいう。し
かし、選択的結合因子がまた、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配
列番号36のいずれかに記載されるようなポリペプチドのオルソログ(すなわち
、その種間変形(例えば、マウスIL−1ra−RポリペプチドおよびラットI
L−1ra−Rポリペプチド))に結合し得ることが、理解される。
【0051】 用語「形質導入」とは、通常はファージによる1つの細菌から別の細菌への遺
伝子の伝達をいう。「形質導入」はまた、レトロウイルスによる真核生物細胞配
列の獲得および伝達をいう。
【0052】 用語「トランスフェクション」は、細胞による異種または外因性DNAの取り
込みをいうために使用され、そして細胞は、外因性DNAが細胞膜内に導入され
た場合には「トランスフェクトされ」ている。多数のトランスフェクション技術
は、当該分野で周知であり、そして本明細書中に開示される。例えば、Grah
amら,1973,Virology 52:456;Sambrookら,M
olecular Cloning,A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratories,19
89);Davisら,Basic Methods in Molecula
r Biology(Elsevier,1986);and Chuら,19
81,Gene 13:197を参照のこと。このような技術を使用して、1つ
以上の外因性DNA部分を適切な宿主細胞に導入し得る。
【0053】 本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」とは、細胞の遺伝的特徴にお
ける変化をいい、そして細胞は、新しいDNAを含有するように改変された場合
に形質転換されている。例えば、細胞は、それがそのネイティブな状態から遺伝
的に改変される場合に形質転換される。トランスフェクションまたは形質導入に
続いて、DNAの形質転換は、物理的に細胞の染色体に組み込むことにより細胞
のDNAと組換わり得るか、複製されることなしにエピソームエレメントとして
一時的に維持され得るか、またはプラスミドとして独立的に複製し得る。DNA
が細胞分裂と共に複製される場合に、細胞は、安定に形質転換されたとみなされ
る。
【0054】 (核酸分子および/またはポリペプチドの関連性) 関連した核酸分子が、配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号3
5のいずれかの核酸分子の対立遺伝子改変体またはスプライス改変体を包含する
こと、および上記のヌクレオチド配列のいずれかに相補的である配列を包含する
ことが理解される。関連した核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4、配列番
号6または配列番号36のいずれかにおけるポリペプチドと比較して1以上のア
ミノ酸残基の置換、改変、付加および/または欠失を含むかまたは本質的にこれ
からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を包含する。このような関
連したIL−1ra−Rポリペプチドは、例えば、1以上のN結合型もしくはO
結合型のグリコシル化部位の付加および/もしくは欠失、または1以上のシステ
イン残基の付加および/もしくは欠失を含み得る。
【0055】 関連した核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番
号36のいずれかのIL−1ra−Rポリペプチドの少なくとも約25個連続し
たアミノ酸、または少なくとも約50個のアミノ酸、または少なくとも約75個
のアミノ酸、または少なくとも約100個のアミノ酸、または少なくとも約12
5個のアミノ酸、または125個より多くのアミノ酸残基のポリペプチドをコー
ドする、IL−1ra−R核酸分子のフラグメントを包含する。
【0056】 さらに、関連したIL−1ra−R核酸分子はまた、本明細書中で定義したと
おりの中程度または高度にストリンジェントな条件下で、配列番号1、配列番号
3、配列番号5もしくは配列番号35のいずれかのIL−1ra−R核酸分子ま
たはポリペプチドをコードする分子の十分に相補的な配列とハイブリダイズする
ヌクレオチド配列を含む分子を包含し、このポリペプチドは、配列番号2、配列
番号4、配列番号6もしくは配列番号36、または本明細書中に定義したとおり
の核酸フラグメント、または本明細書中に定義したとおりのポリペプチドをコー
ドする核酸フラグメントのいずれかに示されるアミノ酸配列を含む。ハイブリダ
イゼーションプローブは、本明細書中に提供されるIL−1ra−R配列を用い
てcDNA、ゲノムDNAライブラリーまたは合成DNAライブラリーを関連し
た配列についてスクリーニングして調製され得る。IL−1ra−Rポリペプチ
ドのDNA配列および/またはアミノ酸配列のうちの、既知配列に対して顕著な
同一性を示す領域は、本明細書中に記載されるとおりの配列アラインメントアル
ゴリズムを用いて容易に決定され、そしてこれらの領域を用いて、スクリーニン
グのためのプローブを設計し得る。
【0057】 用語「高度にストリンジェントな条件」とは、配列が非常に相補的であるDN
A鎖のハイブリダイゼーションを許容し、かつ顕著に不一致のDNAのハイブリ
ダイゼーションを排除するように設計された条件をいう。ハイブリダイゼーショ
ンのストリンジェンシーは、温度、イオン強度および変性剤(例えば、ホルムア
ミド)の濃度によって主に決定される。ハイブリダイゼーションおよび洗浄につ
いての「高度にストリンジェントな条件」の例は、65〜68℃での0.015
M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムまたは42℃での0.0
15M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムおよび50%ホルム
アミドである。Sambrook,FritschおよびManiatis,M
olecular Cloning:A Laboratory Manual
(第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,1
989);Andersonら,Nucleic Acid Hybridis
ation:A Practical Approach第4章(IRL Pr
ess Limited)を参照のこと。
【0058】 よりストリンジェントな条件(例えば、より高い温度、より低いイオン強度、
より高いホルムアミドまたは他の変性剤)もまた用いられ得るが、ハイブリダイ
ゼーションの速度が影響される。他の薬剤は、非特異的および/またはバックグ
ラウンドのハイブリダイゼーションを減少させる目的のために、ハイブリダイゼ
ーションおよび洗浄の緩衝液中に含まれ得る。例は、0.1%ウシ血清アルブミ
ン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.1%
ドデシル硫酸ナトリウム、NaDodSO、(SDS)、ficoll、デン
ハルト溶液、超音波処理サケ精子DNA(または別の非相補的DNA)およびデ
キストラン硫酸であるが、他の適切な薬剤もまた用いられ得る。これらの添加剤
の濃度および種類は、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに実質
的に影響を与えることなく変更され得る。ハイブリダイゼーション実験は通常、
pH6.8〜7.4で実施される;しかし、代表的なイオン強度の条件では、ハ
イブリダイゼーションの速度は、pHからほぼ独立する。Andersonら,
Nucleic Acid Hybridisation:A Practic
al Approach第4章(IRL Press Limited)を参照
のこと。
【0059】 DNA二重鎖の安定性に影響を与える因子としては、塩基組成、長さおよび塩
基対の不一致程度が挙げられる。ハイブリダイゼーション条件は、これらの変動
要因を適応させ、そして異なる配列関連性のDNAがハイブリッドを形成するの
を可能にするために当業者によって調整され得る。完全に一致したDNA二重鎖
の融解温度は、以下の方程式によって評価され得る: T(℃)=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(%G+C
)−600/N−0.72(%ホルムアミド) ここで、Nは、形成される二重鎖の長さであり、[Na+]は、ハイブリダイゼ
ーション溶液または洗浄溶液中でのナトリウムイオンのモル濃度であり、%G+
Cは、ハイブリッド中での(グアニン+シトシン)塩基の百分率である。不完全
に一致したハイブリッドについては、融解温度は、1%の不一致毎に約1℃下げ
られる。
【0060】 用語「中程度にストリンジェントな条件」とは、「高度にストリンジェントな
条件」下で生じ得るよりも高い程度の塩基対不一致を有するDNA二重鎖が形成
され得る条件をいう。代表的な「中程度にストリンジェントな条件」の例は、5
0〜65℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウ
ムまたは37〜50℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン
酸ナトリウムおよび20%ホルムアミドである。例示として、0.015Mナト
リウムイオン中での50℃という「中程度にストリンジェントな条件」は、約2
1%の不一致を可能にする。
【0061】 「高度にストリンジェントな条件」と「中程度にストリンジェントな条件」と
の間に絶対的な区別が存在しないことが当業者によって認識される。例えば、0
.015Mナトリウムイオン(ホルムアミドなし)では、完全に一致した長さの
DNAの融解温度は、約71℃である。65℃で(同じイオン強度で)の洗浄を
用いると、このことは、約6%の不一致を可能にする。より遠く関連した配列を
捕獲するために、当業者は、単純に、温度を低くし得るかまたはイオン強度を高
くし得る。
【0062】 約20ntまでのオリゴヌクレオチドプローブについての1M NaCl
での融解温度の良好な評価は、以下によって与えられる: Tm=A−T塩基対あたり2℃ + G−C塩基対あたり4℃ 6×塩クエン酸ナトリウム(SSC)中でのナトリウムイオン濃度は、1Mで
ある。Suggsら,Developmental Biology Usin
g Purified Genes 683(BrownおよびFox編,19
81)を参照のこと。
【0063】 オリゴヌクレオチドについての高度ストリンジェンシー洗浄条件は通常、6×
SSC、0.1% SDS中でのそのオリゴヌクレオチドのTmよりも0℃〜5
℃低い温度においてである。
【0064】 別の実施形態では、関連した核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号
5もしくは配列番号35のいずれかに示されるとおりのヌクレオチド配列に対し
て少なくとも約70パーセント同一であるヌクレオチド配列を含むかもしくはこ
れからなるか、または配列番号2、配列番号4、配列番号6もしくは配列番号3
6のいずれかに示すとおりのポリペプチドに対して少なくとも約70パーセント
同一であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むかもしくは本質的
にこれからなる。好ましい実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号1、配
列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかに示されるとおりのヌ
クレオチド配列に対して約75パーセント、もしくは約80パーセント、もしく
は約85パーセント、もしくは約90パーセント、もしくは約95、96、97
、98、もしくは99パーセント同一であるか、またはヌクレオチド配列は、配
列番号2、配列番号4、配列番号6もしくは配列番号36のいずれかに示される
とおりのポリペプチド配列に対して約75パーセント、もしくは約80パーセン
ト、もしくは約85パーセント、もしくは約90パーセント、もしくは約95、
96、97、98、もしくは99パーセント同一であるポリペプチドをコードす
る。関連した核酸分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番号
36のいずれかに示されるポリペプチドの少なくとも1つの活性を保有するポリ
ペプチドをコードする。
【0065】 核酸配列における相違は、配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番
号36のいずれかのアミノ酸配列と比較して、アミノ酸配列の保存的および/ま
たは非保存的改変をもたらし得る。
【0066】 配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番号36のいずれかのアミノ
酸配列に対する保存的改変(およびコードするヌクレオチドに対する、対応する
改変)は、IL−1ra−Rポリペプチドの機能的特徴および化学的特徴と類似
の機能的特徴および化学的特徴を有するポリペプチドを生じる。対照的に、IL
−1ra−Rポリペプチドの機能的特徴および/または化学的特徴における実質
的な改変は、以下を維持することに対するその影響が顕著に異なる、配列番号2
、配列番号4、配列番号6または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列におけ
る置換を選択することによって達成され得る:(a)例えば、シートもしくはヘ
リックスコンホメーションのような、置換領域における分子骨格の構造、(b)
標的部位での分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のかさ。
【0067】 例えば、「保存的アミノ酸置換」は、その位置でのアミノ酸残基の極性にも電
荷にもほとんどまたは全く影響がないような、標準的残基によるネイティブなア
ミノ酸残基の置換を含み得る。さらに、ポリペプチド中の任意のネイティブな残
基はまた、「アラニンスキャニング変異誘発」について以前に記載されたように
、アラニンによって置換され得る。
【0068】 保存的アミノ酸置換はまた、生物学的系における合成によるよりむしろ、化学
的なペプチド合成によって代表的に組み込まれる、天然には存在しないアミノ酸
残基を含む。これらとしては、ペプチド模倣物、およびアミノ酸部分の他の逆転
形態または反転形態が挙げられる。
【0069】 天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて、複数のクラスに分割され
得る: 1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile; 2)中性親水性:Cys、Ser、Thr; 3)酸性:Asp、Glu; 4)塩基性:Asn、Gln、His、Lys、Arg; 5)鎖の配向に影響を与える残基:Gly、Pro;および 6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0070】 例えば、非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーの、別のク
ラス由来のメンバーに対する交換を包含し得る。このような置換された残基は、
非ヒトIL−1ra−Rポリペプチドと相同なヒトIL−1ra−Rポリペプチ
ドの領域またはこの分子の非相同領域に導入され得る。
【0071】 このような変化を行う際に、アミノ酸のヒドロパシー指数が考慮され得る。各
アミノ酸は、その疎水性および電荷特性に基づいて、ヒドロパシー指数を割り当
てられている。ヒドロパシー指数は、以下である:イソロイシン(+4.5);
バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);
システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1
.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8)
;トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6)
;ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5
);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.
9);およびアルギニン(−4.5)。
【0072】 タンパク質に対する相互作用的な生物学的機能を確認する際の、ヒドロパシー
アミノ酸指数の重要性は、当該分野において一般的に理解されている(Kyte
ら、1982,J.Mol.Biol.157:105−31)。特定のアミノ
酸が類似のヒドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸の代わりに使用
され得、そして依然として類似の生物学的活性を維持し得ることが、公知である
。ヒドロパシー指数に基づいて変化を起こす際に、ヒドロパシー指数が±2以内
であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものが特に好ましく、そして
±0.5以内であるものが、なおより特に好ましい。
【0073】 類似のアミノ酸の置換が親水性に基づいて効果的になされ得る(特に、これに
よって作製された生物学的機能的に等価なタンパク質またはペプチドが、この場
合においてと同様に、免疫学的実施形態における使用に関して考慮される場合)
こともまた、当該分野において理解されている。タンパク質の最も大きな局所的
平均親水性は、その隣接するアミノ酸の親水性によって支配される場合に、その
免疫原性および抗原性、すなわち、そのタンパク質の生物学的特性に相関する。
【0074】 以下の親水性の値が、これらのアミノ酸残基に割り当てられた:アルギニン(
+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミ
ン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グル
タミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−
0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(
−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.
8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(
−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。類似の親水性の値に基づいて
変化を行う際に、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±l以
内であるものが特に好ましく、そして±0.5以内であるものが、なおより特に
好ましい。一次アミノ酸配列から、エピトープをまた、親水性に基づいて同定し
得る。これらの領域はまた、「エピトープコア領域」と呼ばれる。
【0075】 所望のアミノ酸置換(保存的であれ非保存的であれ)は、当業者によって、こ
のような置換が所望される時点で決定され得る。例えば、アミノ酸置換を使用し
て、IL−1ra−Rポリペプチドの重要な残基を同定し得るか、または本明細
書中に記載されるIL−1ra−Rポリペプチドの親和性を増加もしくは減少さ
せ得る。例示的なアミノ酸置換は、表Iに記載される。
【0076】
【表1】 当業者は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいず
れかに記載のポリペプチドの適切な改変体を、周知の技術を使用して、決定し得
る。生物学的活性を破壊することなく変化され得る分子の適切な領域を同定する
ために、当業者は、活性のために重要であるとは考えられない領域を標的化し得
る。例えば、同じ種由来かまたは他の種由来の、類似の活性を有する類似のポリ
ペプチドが既知である場合には、当業者は、IL−1ra−Rポリペプチドのア
ミノ酸配列を、このような類似のポリペプチドと比較し得る。このような比較を
用いて、類似のポリペプチド間で保存される分子の残基および部分を同定し得る
。このような類似のポリペプチドに対して保存されていない、IL−1ra−R
分子の領域における変化が、IL−1ra−Rポリペプチドの生物学的活性およ
び/または構造にさほど不利に影響を与えるようではないことが、理解される。
当業者にはまた、比較的保存された領域においてさえ、化学的に類似のアミノ酸
を、活性を維持ながら天然に存在する残基と置換し得ることが公知である(保存
的アミノ酸残基置換)。従って、生物学的活性または構造のために重要であり得
る領域でさえ、生物学的活性を破壊することなく、またはポリペプチド構造に不
利に影響を与えることなく、保存的アミノ酸置換に供され得る。
【0077】 さらに、当業者は、活性または構造のために重要である、類似のポリペプチド
における残基を同定する、構造−機能研究を再調査し得る。このような比較の観
点において、類似のポリペプチドにおける活性または構造のために重要なアミノ
酸残基に対応するIL−1ra−Rポリペプチドにおける、アミノ酸残基の重要
性を予測し得る。当業者は、IL−1ra−Rポリペプチドのこのような予測さ
れた重要なアミノ酸残基に対する化学的に類似のアミノ酸置換を、選択し得る。
【0078】 当業者はまた、類似のポリペプチドにおける三次元構造に関して、三次元構造
およびアミノ酸配列を分析し得る。このような情報の観点において、当業者は、
IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸残基のアライメントを、その三次元構
造に関して予測し得る。当業者は、そのタンパク質の表面に存在すると予測され
るアミノ酸残基に対する急激な変化を起こさないように、選択し得る。なぜなら
、このような残基は、他の分子との重要な相互作用に関与し得るからである。さ
らに、当業者は、単一のアミノ酸置換を各アミノ酸残基に含む、試験改変体を生
成し得る。これらの改変体は、当業者に公知の活性アッセイを使用して、スクリ
ーニングされ得る。このような改変体は、適切な改変体に関する情報を集めるた
めに使用され得る。例えば、特定のアミノ酸残基に対する変化が破壊を生じるか
、所望でなく減少するか、または所望でない活性であることを発見した場合には
、このような変化を有する改変体は、回避される。換言すれば、このような慣用
的な実験から集めた情報に基づいて、当業者は、さらなる置換が、単独でかまた
は他の変異と組み合わせてかのいずれかで回避されるべきであるアミノ酸を、容
易に決定し得る。
【0079】 多数の科学刊行物が、二次構造の推定に充てられてきた。Moult,199
6,Curr.Opin.Biotechnol.7:422−27;Chou
ら、1974,Biochemistry 13:222−45;Chouら、
1974,Biochemistry 113:211−22;Chouら、1
978,Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol
.47:45−48;Chouら、1978,Ann.Rev.Biochem
.47:251−276;およびChouら、1979,Biophys.J.
26:367−84を参照のこと。さらに、コンピュータプログラムが、二次構
造の推定を補助するために、現在利用可能である。二次構造を推定する1つの方
法は、相同性モデリングに基づく。例えば、30%より大きな配列同一性または
40%より大きな類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は、しば
しば、類似の構造トポロジーを有する。タンパク質構造データベース(PDB)
の近年の成長は、二次構造(ポリペプチドまたはタンパク質の構造における可能
な折り畳みの数を含む)の増強された推定性を提供してきた。Holmら、19
99,Nucleic Acids Res.27:244−47を参照のこと
。所定のポリペプチドまたはタンパク質において制限された数の折り畳みが存在
すること、および一旦、重要な数の構造が解析されると、構造推定は劇的により
正確となることが、示唆されてきた(Brennerら、1997,Curr.
Opin.Struct.Biol.7:369−76)。
【0080】 二次構造を推定するさらなる方法は、「スレッディング(threading
)」(Jones,1997,Curr.Opin.Struct.Biol.
7:377−87;Sipplら、1996,Structure 4:15−
19)、「プロフィール分析」(Bowieら、1991,Science,2
53:164−70;Gribskovら、1990,Methods Enz
ymol.183:146−59;Gribskovら、1987,Proc.
Nat.Acad.Sci.U.S.A.84:4355−58)、および「進
化学的連鎖」(Holmら、前出、およびBrennerら、前出を参照のこと
)を包含する。
【0081】 好ましいIL−1ra−Rポリペプチド改変体としては、グリコシル化部位の
数および/または型が配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
6のいずれかに記載のアミノ酸配列と比較して変化している、グリコシル化改変
体が挙げられる。1つの実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチド改変
体は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに
記載のアミノ酸配列より多いかまたはより少ない数のN連結グリコシル化部位を
含む。N連結グリコシル化部位は、配列Asn−X−SerまたはAsn−X−
Thrによって特徴付けられ、ここで、Xと印されるアミノ酸残基は、プロリン
以外の任意のアミノ酸残基であり得る。この配列を作製するためのアミノ酸残基
の置換は、N連結炭水化物鎖の付加のための潜在的な新たな部位を提供する。あ
るいは、この配列を排除する置換は、存在するN連結炭水化物鎖を除去する。1
つ以上のN連結グリコシル化部位(代表的に、天然に存在するグリコシル化部位
)が排除され、そして1つ以上の新たなN連結部位が作製される、N連結炭水化
物鎖の再配列もまた、提供される。さらなる好ましいIL−1ra−R改変体と
しては、1つ以上のシステイン残基が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、
または配列番号36のいずれかに記載のアミノ酸配列と比較して欠失しているか
、または別のアミノ酸(例えば、セリン)で置換されている、システイン改変体
が挙げられる。システイン改変体は、IL−1ra−Rポリペプチドが、例えば
不溶性の封入体の単離の後に、生物学的に活性な配置にリフォールディングされ
なければならない場合に、有用である。システイン改変体は、一般に、ネイティ
ブタンパク質より少ないシステイン残基を有し、そして代表的には同数のシステ
イン残基を有し、対合していないシステインから生じる相互作用を最小にする。
【0082】 別の実施形態において、関連する核酸分子は、少なくとも1つのアミノ酸挿入
を有し、そしてポリペプチドが配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配
列番号36のいずれかに記載のポリペプチドの活性を有するする、配列番号2、
配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに記載のポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列を含むか、またはこの配列からなるか、あるいは
少なくとも1つのアミノ酸欠失を有し、ここでポリペプチドが配列番号2、配列
番号4、配列番号6、またた配列番号36のいずれかに記載のポリペプチドの活
性を有する、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいず
れかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか、またはこの
配列からなる。関連する核酸分子はまた、ポリペプチドがカルボキシル末端およ
び/またはアミノ末端の短縮を有し、そしてさらにここで、このポリペプチドが
、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに記載
のポリペプチドの活性を有する、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または
配列番号36のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を
含むか、またはこの配列からなる。関連する核酸分子はまた、アミノ酸置換、ア
ミノ酸挿入、アミノ酸欠失、カルボキシる末端短縮、およびアミノ末端短縮から
なる群より選択される少なくとも1つの改変を含み、そしてここで、ポリペプチ
ドが配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに記
載のポリペプチドの活性を有する、配列番号2、配列番号4、配列番号6、また
は配列番号36のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
を含むか、またはこの配列からなる。
【0083】 さらに、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36、あるい
は他のIL−1ra−Rポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプ
チドは、同種ポリペプチドに融合してホモダイマーを形成し得るか、あるいは異
種ポリペプチドに融合してヘテロダイマーを形成し得る。異種のペプチドおよび
ポリペプチドとしては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:IL−1
ra−R融合ポリペプチドの検出および/または単離を可能にするエピトープ;
膜貫通レセプタータンパク質またはその部分(例えば、細胞外ドメインまたは膜
貫通ドメインおよび細胞内ドメイン);膜貫通レセプタータンパク質に結合する
、リガンドまたはその部分;触媒的に活性である、酵素またはその部分;オリゴ
マー化を促進するポリペプチドまたはペプチド(例えば、ロイシンジッパードメ
イン);安定性を増加させるポリペプチドまたはペプチド(例えば、免疫グロブ
リン定常領域);ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番
号36のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは別のIL
−1ra−Rポリペプチドとは異なる治療活性を有するポリペプチド。
【0084】 融合は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれ
かに記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは他のIL1ra−Rポリ
ペプチドの、アミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかにおいて、なされ得
る。融合は、リンカーもアダプター分子も用いずに直接であっても、リンカーも
しくはアダプター分子を介してであってもよい。リンカーまたはアダプター分子
は、1つ以上のアミノ酸残基であり得、代表的に、約20〜約50アミノ酸残基
である。リンカーまたはアダプター分子はまた、DNA制限エンドヌクレアーゼ
またはプロテアーゼに対する切断部位を有して設計されて、融合した部分の分離
を可能にし得る。一旦構築されると、誘導ポリペプチドは、本明細書中に記載の
方法に従って誘導体化され得ることが、理解される。
【0085】 本発明のさらなる実施形態において、配列番号2、配列番号4、配列番号6、
または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは他
のIL−1ra−Rポリペプチドは、ヒトIgGのFc領域の1つ以上のドメイ
ンに融合する。抗体は、以下の2つの機能的に独立した部分を含む;抗原を結合
する「Fab」として公知の可変ドメイン、ならびに相補的活性化および食作用
細胞による攻撃のようなエフェクター機能に関与する、「Fc」として公知の定
常ドメイン。Fcは、長い血清半減期を有し、一方でFabは、短寿命である。
Caponら、1989,Nature 337:525−31。治療タンパク
質と一緒に構築される場合には、Fcドメインは、より長い半減期を提供し得る
か、またはFcレセプター結合、プロテインA結合、補体結合、および恐らく、
胎盤移入さえものような機能を組み込み得る。同書。表IIは、当該分野におい
て公知の特定のFc融合物の使用を要約する。
【0086】
【表2】 一例において、ヒトIgGのヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域は、
当業者に公知の方法を使用して、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ末端ま
たはカルボキシル末端のいずれかにおいて、融合し得る。別の例において、ヒト
IgGのヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域は、IL−1ra−Rポリ
ペプチドフラグメント(例えば、IL−1ra−Rポリペプチドの推定細胞外部
分)のアミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかにおいて、融合し得る。
【0087】 得られるIL−1ra−R融合ポリペプチドは、プロテインAアフィニティー
カラムの使用によって、精製され得る。Fc領域に融合したペプチドおよびタン
パク質は、融合していない対応物より実質的に長いインビボでの半減期を示すこ
とが見出された。また、Fc領域への融合は、融合ポリペプチドの二量化/多量
体化を可能にする。Fc領域は、天然に存在するFc領域であり得るか、または
治療品質、循環時間、もしくは減少した凝集のような特定の品質を改善するよう
変更され得る。
【0088】 関連する核酸分子およびポリペプチドの同一性および類似性は、公知の方法に
よって容易に計算され得る。このような方法としては、Computation
al Molecular Biology(A.M.Lesk編、Oxfor
d University Press 1988);Biocomputin
g:Informatics and Genome Projects(D.
W.Smith編、Academic Press 1993);Comput
er Analysis of Sequence Data(Part 1,
A.M.GriffinおよびH.G.Griffin編、Humana Pr
ess 1994);G.von Heinle,Sequence Anal
ysis in Molecular Biology(Academic P
ress 1987);Sequence Analysis Primer(
M.GribskovおよびJ.Devereux編、M.Stockton
Press 1991);ならびにCarilloら、1988,SIAM J
.Applied Math.,48:1073に記載されるものが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0089】 同一性および/または類似性を決定するための好ましい方法は、試験される配
列間での最大の適合を与えるために、設計される。同一性および類似性を決定す
るための方法は、公共に利用可能なコンピュータプログラムにおいて記載されて
いる。2つの配列間の同一性および類似性を決定するための、好ましいコンピュ
ータプログラム方法としては、GCGプログラムパッケージ(GAP(Deve
reuxら、1984,Nucleic Acids Res.12:387;
Genetics Computer Group,University o
f Wisconsin,Madison,WI)、BLASTP、BLAST
N、およびFASTA(Altschulら、1990,J.Mol.Biol
.215:403−10)を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。B
LASTXプログラムは、National Center for Biot
echnology Information(NCBI)および他の供給源(
Altschulら、BLAST Manual(NCB NLM NIH,B
ethesda,MD);Altschulら、1990、前出)から公共に利
用可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムもまた、同一
性を決定するために使用され得る。
【0090】 2つのアミノ酸配列を整列させるための特定のアライメントスキームは、これ
ら2つの配列の短い領域のみの適合を生じ得、そしてこの小さな整列領域は、2
つの全長配列間に有意な関連がない場合でさえも、非常に高い配列同一性を有し
得る。従って、好ましい実施形態において、選択された整列方法(GAPプログ
ラム)は、特許請求されるポリペプチドの少なくとも50の連続するアミノ酸に
わたる整列を生じる。
【0091】 例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(Genetics Comput
er Group,University of Wisconsin,Mad
ison,WI)を使用して、配列同一性の百分率が決定されるべき2つのポリ
ペプチドが、それらのそれぞれのアミノ酸の最適な適合(アルゴリズムによって
決定される「適合したスパン」)のために、整列される。ギャップオープニング
ペナルティー(gap opening penalty)(これは、平均対角
の3倍として計算される:「平均対角」とは、使用される比較行列(compa
rison matrix)の対角の平均である;「対角」とは、特定の比較行
列によって各完全なアミノ酸適合に対して割り当てられたスコアまたは数である
)およびギャップエクステンションペナルティー(gap extension
penalty)(これは通常、キャップオープニングペナルティーの0.1
倍である)、ならびにPAM 250またはBLOSUM 62のような比較行
列が、このアルゴリズムと組み合わせて使用される。標準的な比較行列もまた、
このアルゴリズムによって使用される(Dayhoffら、5 Atlas o
f Protein Sequence and Structure(補遺3 1978)(PAM250比較行列);Henikoffら、1992,Pr
oc.Natl.Acad.Sci USA 89:10915−19(BLO
SUM 62比較行列)を参照のこと)。
【0092】 ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメータは、以下を含む: Algorithm:Needleman and Wunsch,1970
,J.Mol.Biol.48:443−53; Comparison matrix:BLOSUM 62(Henikof
fら、前出); Gap Penalty:12 Gap Length Penalty:4 Threshold of Similarity:0 このGAPプログラムは、上記パラメータを用いて有用である。上記パラメータ
は、GAPアルゴリズムを用いるポリペプチド比較(末端ギャップに対してはペ
ナルティーがないこととともに)のためのデフォルトパラメータである。
【0093】 核酸分子配列比較のための好ましいパラメータは、以下を含む: Algorithm:Needleman and Wunsch,前出; Comparison matrix:matches=+10,misma
tch=0 Gap Penalty:50 Gap Length Penalty:3 このGAPプログラムはまた、上記パラメータを用いて有用である。上記パラメ
ータは、核酸分子比較のためのデフォルトパラメータである。
【0094】 Program Manual,Wisconsin Package,Ve
rsion 9,September,1997に記載されるものを含む、他の
例示的なalgorithm、gap opening penalty、ga
p extension penalty、comparison matri
x、およびthreshold of similarityが使用され得る。
なされるべき特定の選択は、当業者に明らかであり、そしてなされるべき特定の
比較(例えば、DNA対DNA、タンパク質対タンパク質、タンパク質対DNA
);ならびにさらに、その比較が所定の対の配列間(この場合には、GAPまた
はBestFitが一般的に好ましい)であるか、1つの配列と大きなデータベ
ースの配列との間(この場合には、FASTAまたはBLASTAが好ましい)
であるかに依存する。
【0095】 (核酸分子) IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードす
る核酸分子は、種々の様式(化学合成、cDNAもしくはゲノムのライブラリー
のスクリーニング、発現ライブラリースクリーニング、および/またはcDNA
のPCR増幅が挙げられるが、これらに限定されない)で容易に得られ得る。
【0096】 本明細書中において使用される組換えDNA法は、一般に、Sambrook
ら、Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual(Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,1989)および/またはCurrent Protocols in
Molecular Biology(Ausubelら編、Green P
ublishers Inc.およびWiley and Sons 1994
)に記載されている。本発明は、本明細書中に記載され得ような核酸分子、およ
びこのような分子を得るための方法を提供する。
【0097】 IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする遺伝子が1つの種
から同定された場合には、この遺伝子の全てまたは一部を、同じ種由来のオーソ
ログまたは関連する遺伝子を同定するためのプローブとして使用し得る。このプ
ローブまたはプライマーを使用して、IL−1ra−Rポリペプチドを発現する
と考えられる種々の組織供給源由来のcDNAをスクリーニングし得る。さらに
、配列番号1、配列番号3、配列番号5、または配列番号35のいずれかに記載
されるような配列を有する核酸分子の部分または全てを使用して、ゲノムライブ
ラリーをスクリーニングし、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコ
ードする遺伝子を同定および単離し得る。代表的に、中程度または高いストリン
ジェンシーの条件が、スクリーニングのために使用されて、このスクリーニング
から得られる誤った陽性の数を最小にする。
【0098】 IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子もまた、
発現されたタンパク質の特性に基づいて陽性クローンの検出を使用する発現クロ
ーニングによって、同定され得る。代表的に、核酸ライブラリーは、抗体または
他の結合パートナー(例えば、レセプターまたはリガンド)を、宿主細胞表面に
おいて発現および提示されたクローンタンパク質に結合させることによって、ス
クリーニングされる。抗体または結合パートナーは、所望のクローンを発現する
細胞を同定するために、検出可能な標識で改変される。
【0099】 以下に記載される説明に従って実施される組換え発現技術に従って、これらの
ポリヌクレオチドを産生し得、そしてコードされたポリペプチドを発現し得る。
例えば、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列を
適切なベクターに挿入することによって、当業者は、多量の所望のヌクレオチド
配列を容易に生成し得る。次いで、これらの配列を使用して、検出プローブまた
は増幅プライマーを生成し得る。あるいは、IL−1ra−Rポリペプチドのア
ミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを、発現ベクターに挿入し得る。発現
ベクターを適切な宿主に導入することによって、コードされたIL−1ra−R
ポリペプチドが、多量に生成され得る。
【0100】 適切な核酸配列を得るための別の方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で
ある。この方法において、cDNAは、酵素逆転写酵素を使用して、poly(
A)+RNAまたは全RNAから調製される。次いで、2つのプライマー(代表
的には、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードするcDNAの
2つの別個の領域に対して相補的である)が、Taqポリメラーゼのようなポリ
メラーゼとともにこのcDNAに付加され、そしてこのポリメラーゼが、このc
DNAのこれら2つのプライマー間の領域を増幅する。
【0101】 IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子を調製す
る別の手段は、Engelsら、1989,Angew.Chem.Intl.
Ed.28:716−34によって記載されるもののような、当業者に周知の方
法を使用する、化学合成である。これらの方法としては、とりわけ、核酸合成の
ためのリン酸トリエステル、ホスホルアミダイト、およびH−ホスホネート方法
が挙げられる。このような化学合成のために好ましい方法は、標準的なホスホル
アミダイト化学を使用する、ポリマーにより支持される合成である。代表的に、
IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードするDNAは、数百ヌク
レオチド長である。約100ヌクレオチドより長い核酸は、これらの方法を使用
して、いくつかのフラグメントとして合成され得る。次いで、これらのフラグメ
ントが一緒に連結されて、IL−1ra−R遺伝子の全長ヌクレオチド配列を形
成し得る。通常、このポリペプチドのアミノ末端をコードするDNAフラグメン
トは、ATGを有し、これは、メチオニン残基をコードする。このメチオニンは
、宿主細胞において産生されたポリペプチドがその細胞から分泌されるよう設計
されるか否かに依存して、IL−1ra−Rポリペプチドの成熟形態で存在して
もそうでなくてもよい。当業者に公知の他の方法が、同様に使用され得る。
【0102】 特定の実施形態において、核酸改変体は、所定の宿主細胞におけるIL−1r
a−Rポリペプチドの最適な発現のために変更されたコドンを含む。特定のコド
ン変更は、発現のために選択される宿主細胞およびIL−1ra−Rポリペプチ
ドに依存する。このような「コドン最適化」は、種々の方法によって(例えば、
所定の宿主細胞において高度に発現される遺伝子における使用に好ましいコドン
を選択することによって)実施され得る。高度に発現された細菌遺伝子のコドン
優先性のための「Eco_high.Cod」のようなコドン度数表を組み込む
コンピュータアルゴリズムが使用され得、そしてUniversity of
Wisconsin Package Version 9.0(Geneti
cs Computer Group,Madison,WI)によって提供さ
れる。他の有用なコドン度数表としては、「Celegans_high.co
d」、「Celegans_low.cod」、「Drosophila_hi
gh.cod」、「Human_high.cod」、「Maize_high
.cod」、および「Yeast_high.cod.」が挙げられる。
【0103】 いくつかの場合において、IL−1ra−Rポリペプチド改変体をコードする
核酸分子を調製することが所望であり得る。改変体をコードする核酸分子は、プ
ライマーが所望の点変異を有する部位特異的変異誘発、PCR増幅、または他の
適切な方法を使用して生成し得る(変異誘発技術の記載に関しては、Sambr
ookら、前出、およびAusubelら、前出を参照のこと)。Engels
ら、前出によって記載される方法を使用する化学合成もまた、このような改変体
を調製するために使用され得る。当業者に公知の他の方法が、同様に使用され得
る。
【0104】 (ベクターおよび宿主細胞) IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子を、標準
的な連結技術を使用して適切な発現ベクターに挿入する。ベクターは、代表的に
、使用される特定の宿主細胞において機能的であるように選択される(すなわち
、ベクターは、遺伝子の増幅および/または遺伝子の発現が生じるように、宿主
細胞機構と適合性である)。IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコ
ードする核酸分子は、原核生物宿主細胞、酵母宿主細胞、昆虫(バキュロウイル
ス系)宿主細胞および/または真核生物宿主細胞において増幅/発現され得る。
宿主細胞の選択は、IL−1ra−Rポリペプチドが翻訳後修飾(例えば、グリ
コシル化および/またはホスホリル化)されるか否かに一部依存する。そうであ
る場合、酵母宿主細胞、昆虫宿主細胞、または哺乳動物宿主細胞が好ましい。発
現ベクターの総説について、Meth.Enz.,vol.185(D.V.G
oeddel,ed.,Academic Press 1990)を参照のこ
と。
【0105】 代表的に、任意の宿主細胞に使用される発現ベクターは、プラスミド維持のた
めならびに外来性ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現のために配列を含
む。このような配列(集合的に、「隣接配列」と呼ばれる)は、特定の実施形態
において、代表的に、以下のヌクレオチド配列の1つ以上を含む:プロモーター
、1つ以上のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、ドナーおよびアクセ
プタースプライス部位を含む完全なイントロン配列、ポリペプチド分泌のための
リーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発
現されるポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、な
らびに選択マーカーエレメント。これらの配列のそれぞれが、以下に議論される
【0106】 必要に応じて、ベクターは、「タグ」コード配列(すなわち、IL−1ra−
Rポリペプチドコード配列の5’末端または3’末端に配置されるオリゴヌクレ
オチド分子)を含み得;オリゴヌクレオチド配列は、polyHis(例えば、
hexaHis)、別の「タグ」(例えば、FLAG、HA(赤血球凝集素イン
フルエンザウイルス))または市販の抗体が存在するmycをコードする。この
タグは、代表的には、ポリペプチドの発現の際にポリペプチドに融合され、宿主
細胞からの、IL−1ra−Rポリペプチドのアフィニティー精製のための手段
として役立ち得る。アフィニティー精製は、例えば、アフィニティーマトリクス
としてタグに対して抗体を使用するカラムクロマトグラフィーによって達成され
得る。必要に応じて、タグは、続いて、切断のために特定のペプチダーゼを使用
するような種々の手段によって、精製されたIL−1ra−Rポリペプチドから
除去される。
【0107】 隣接配列は、同種(すなわち、宿主細胞と同じ種および/または系統由来)で
あり得るか、異種(すなわち、宿主細胞種または系統以外の種由来)であり得る
か、ハイブリッド(すなわち、1つより多くの供給源由来の隣接配列の組み合わ
せ)であり得るか、または合成であり得るか、あるいは隣接配列は、IL−1r
a−Rポリペプチド発現を調節するために正常に機能するネイティブな配列であ
り得る。このように、隣接配列の供給源は、任意の原核生物または真核生物、任
意の脊椎生物または無脊椎生物、あるいは任意の植物であり得、但し、隣接配列
は、宿主細胞の機構において機能的であり、そして宿主細胞の機構によって活性
化され得る。
【0108】 本発明のベクターに有用な隣接配列は、当該分野において周知である任意のい
くつかの方法によって得られ得る。代表的には、IL−1ra−R遺伝子隣接配
列以外の、本明細書中で有用な隣接配列は、マッピングおよび/または制限エン
ドヌクレアーゼ消化によって以前に同定されており、従って、適切な制限エンド
ヌクレアーゼを使用して、適切な組織供給源から単離され得る。いくつかの場合
において、隣接配列の全長ヌクレオチド配列は公知であり得る。ここで、隣接配
列は、核酸合成またはクローニングのために本明細書中で記載される方法を使用
して合成され得る。
【0109】 隣接配列の全てまたは一部のみが公知である場合、PCRを使用して、そして
/あるいは適切なオリゴヌクレオチドならびに/または同じもしくは別の種由来
の隣接配列フラグメントを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングすること
によって得られ得る。隣接配列が公知でない場合、隣接配列を含むDNAのフラ
グメントは、例えば、コード配列または別の遺伝子を含み得る大きな片のDNA
から単離され得る。単離は、適切なDNAフラグメントを生成するための制限エ
ンドヌクレアーゼ消化、続くアガロースゲル精製を使用する単離、Qiagen
(登録商標)カラムクロマトグラフィー(Chatsworth、CA)、また
は当業者に公知の他の方法によって達成され得る。この目的を達成するための適
切な酵素の選択は、当業者に容易に明かである。
【0110】 複製起点は、代表的に、市販から購入された原核生物発現ベクターの一部であ
り、この起点は、宿主細胞においてベクターの増幅に役立つ。特定のコピー数に
対するベクターの増幅は、いくつかの場合において、IL−1ra−Rポリペプ
チドの最適な発現に重要であり得る。選択されたベクターが複製起点部位を含ま
ない場合、公知の配列に基づいて化学的に合成され得、そしてベクターに連結さ
れ得る。例えば、プラスミドpBR322(New England Biol
abs,Beverly,MA)からの複製起点は、大部分のグラム陰性細菌に
適切であり、そして種々の起点(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイル
ス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、またはHPVまたはBPVのようなパピ
ローマウイルス)は、哺乳動物細胞におけるベクターのクローニングのために有
用である。一般的に、複製起点の成分は、哺乳動物発現ベクター(例えば、SV
40起点は、ただそれが初期プロモーターを含むので、しばしば、使用される)
【0111】 転写終結配列は、代表的にポリペプチドコード領域の末端の3’側に配置され
、そして転写を終結させるのに役立つ。通常、原核生物細胞における転写終結配
列は、G−Cリッチフラグメント、続いてポリ−T配列である。この配列はライ
ブラリーから容易にクローン化され得るか、またはベクターの一部として市販で
購入され、これは、本明細書中上記のような核酸合成のための方法を使用して容
易に合成され得る。
【0112】 選択マーカー遺伝子エレメントは、選択培養培地において増殖される宿主細胞
の生存および増殖に必要なタンパク質をコードする。代表的な選択マーカー遺伝
子は、(a)原核生物細胞に対して、抗生物質または他の毒素(例えば、アンピ
シリン、テトラサイクリン、またはカナマイシン)に対する耐性を与えるか;細
胞の栄養要求性の欠損を補うか;あるいは複合培地から入手可能でない重要な栄
養素を供給するタンパク質をコードする。好ましい選択マーカーは、カナマイシ
ン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびテトラサイクリン耐性遺伝子で
ある。ネオマイシン耐性遺伝子もまた、原核生物宿主細胞および真核生物宿主細
胞における選択のために使用され得る。
【0113】 他の選択遺伝子は、発現される遺伝子を増幅するために使用され得る。増幅は
、増殖に重要なタンパク質の産生により大きく要求される遺伝子が、組換え細胞
の連続的な生成の染色体内でタンデムに反復されるプロセスである。哺乳動物細
胞に対する適切な選択マーカーの例としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DH
FR)およびチミジンキナーゼが挙げられる。哺乳動物細胞形質転換体は、選択
圧下に置かれ、ここで、形質転換体のみが、ベクターに存在する選択遺伝子によ
って生存するように独特に適合される。選択圧は、培地中の選択因子の濃度が連
続的に変化し、それによって選択遺伝子とIL−1ra−Rポリペプチドをコー
ドするDNAとの両方の増幅を導く条件下で、形質転換された細胞を培養するこ
とによって課される。結果として、増加した量のIL−1ra−Rポリペプチド
が、増幅されたDNAから合成される。
【0114】 リボソーム結合部位は、通常、mRNAの翻訳開始に必要であり、そしてSh
ine−Dalgarno配列(原核性物)またはKozak配列(真核生物)
によって特徴付けられる。このエレメントは、代表的に、発現されるIL−1r
a−Rポリペプチドのプロモーターの3’側およびコード配列の5’側に配置さ
れる。Shine−Dalgarno配列は、可変であるが、代表的には、ポリ
プリン(すなわち、高いA−G含有量)である。多くのShine−Dalga
rno配列は、同定されており、それぞれが、本明細書中に記載の方法を使用し
て、原核生物ベクターを使用して容易に合成され得る。
【0115】 リーダー配列、またはシグナル配列は、宿主細胞からIL−1ra−Rポリペ
プチドを指向させるために使用され得る。代表的には、シグナル配列をコードす
るヌクレオチド配列は、IL−1ra−R核酸分子のコード領域に位置するか、
または直接IL−1ra−Rポリペプチドコード領域の5’側に位置する。多く
のシグナル配列が同定されており、選択された宿主細胞において機能性であるシ
グナル配列の任意が、IL−1ra−R核酸分子と組み合わせて使用され得る。
従って、シグナル配列は、IL−1ra−R核酸分子に対して同種(天然)また
は異種であり得る。さらに、シグナル配列は、本明細書中に記載される方法を使
用して化学的に合成され得る。大部分において、シグナルペプチドの存在によっ
て宿主細胞からのIL−1ra−Rポリペプチドの分泌は、分泌されたIL−1
ra−Rポリペプチドからのシグナルペプチドの除去を生じる。シグナル配列は
、ベクターの成分であり得るか、またはベクターに挿入されたIL−1ra−R
核酸分子の一部であり得る。
【0116】 IL−1ra−Rポリペプチドコード領域に結合されたネイティブなIL−1
ra−Rポリペプチドシグナル配列をコードするヌクレオチド配列またはIL−
1ra−Rポリペプチドコード領域に結合された異種シグナル配列をコードする
ヌクレオチド配列のいずれかの使用が本発明の範囲内である。選択された異種シ
グナル配列は、宿主細胞によって認識され、プロセスされる(すなわち、シグナ
ルペプチダーゼによって切断される)ものであるべきである。ネイティブなIL
−1ra−Rポリペプチドシグナル配列を認識せず、プロセスしない原核生物宿
主細胞について、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリ
ナーゼ、または熱安定エンテロトキシンIIリーダーのグループから選択される
原核生物シグナル配列によって置換される。酵母分泌について、ネイティブなI
L−1ra−Rポリペプチドシグナル配列は、酵母インベルターゼ、α因子、ま
たは酸ホスファターゼリーダーによって置換され得る。哺乳動物細胞発現におい
て、ネイティブなシグナル配列が満足であるが、他の哺乳動物シグナル配列が適
切であり得る。
【0117】 グリコシル化が真核生物宿主細胞発現系において望ましい、いくつかの場合に
おいて、グリコシル化または収量を改善するために種々のシグナルペプチド(p
resequence)が操作され得る。例えば、特定のシグナルペプチドのペ
プチダーゼ切断部位を変更し得るかまたはプロ配列(pro−sequence
)を加え得、これはまた、グリコシル化に影響し得る。最後のタンパク質産物は
、1位に(成熟タンパク質の最初のアミノ酸に対して)、発現に付随して1つ以
上のさらなるアミノ酸を有し得、これは、完全に除去されないかもしれない。例
えば、最終のタンパク質産物は、アミノ末端に結合される、ペプチダーゼ切断部
位において見出される1つまたは2つのアミノ酸残基を有し得る。あるいは、い
くつかの酵素切断部位は、酵素が成熟ポリペプチド内のこのような領域で切断さ
れる場合、所望のIL−1ra−Rポリペプチドの少し短縮した形態を生じ得る
【0118】 多くの場合において、核酸分子の転写は、ベクター内の1つ以上のイントロン
の存在によって増加する;これは、ポリペプチドが真核生物宿主細胞(特に、哺
乳動物宿主細胞)において産生される場合、特に当てはまる。使用されるイント
ロンは、特に使用される遺伝子が全長ゲノム配列またはそのフラグメントである
場合、IL−1ra−R遺伝子内に天然に存在し得る。イントロンが遺伝子内に
天然に存在しない(大部分のcDNAについて)場合、イントロンは、別の供給
源から得られ得る。隣接配列およびIL−1ra−R遺伝子に関してイントロン
の位置は、イントロンが効果的に転写されなければならないので、一般的に重要
である。従って、IL−1ra−R cDNA分子が転写される場合、イントロ
ンの好ましい位置は、転写開始部位の3’側で、poly−A転写終止配列の5
’側である。好ましくは、イントロンは、コード配列を妨害しないように、cD
NAの1つの側面または他の側面(すなわち、5’側または3’側)に配置され
る。任意の供給源(ウイルス、原核生物および真核生物(植物または動物)を含
む)由来のイントロンを使用して本発明を実行し得るが、但し、このイントロン
は、挿入される宿主細胞に適合性である。合成イントロンもまたここに含まれる
。必要に応じて、1つより多くのイントロンがベクター内で使用され得る。
【0119】 本発明の発現ベクターおよびクローニングベクターは、代表的には、宿主生物
によって認識され、IL−1ra−Rポリペプチドをコードする分子に作動可能
に連結されたプロモーターを含む。プロモーターは、構造遺伝子の転写を制御す
る構造遺伝子(一般的に、約100〜1000bp)の開始コドンに対して上流
(すなわち、5’側)に配置される非転写配列である。プロモーターは、通常、
2つのクラス(誘導プロモーターおよび構成プロモーター)の1つにグループ化
される。誘導プロモーターは、培養条件におけるいくらかの変化(例えば、栄養
の存在または非存在、あるいは温度の変化)に応答してそれらの制御下で、DN
Aからの転写の増加したレベルを開始する。他方、構成プロモーターは、連続的
な遺伝子産物の産生を開始する;すなわち、遺伝子発現に対して遺伝子をほとん
ど制御しないかまたは制御しない。多数のプロモーター(種々の潜在的な宿主細
胞によって認識される)が周知である。適切なプロモーターは、供給源のDNA
からプロモーターを制限酵素消化によって取り出し、そして所望のプロモーター
配列をベクターに挿入することによって、IL−1ra−Rポリペプチドをコー
ドするDNAに作動可能に連結される。ネイティブなIL−1ra−Rプロモー
ター配列は、IL−1ra−R核酸分子の増幅および/または発現に指向させる
ために使用され得る。しかし、ネイティブなプロモーターと比較して大きい転写
および発現タンパク質のより高い産生が可能であり、そして使用のために選択さ
れた宿主細胞系と適合性である場合、異種プロモーターが好ましい。
【0120】 原核性物宿主との使用に適切なプロモーターとしては、β−ラクタマーゼおよ
びラクトースプロモーター系;アルカリホスファターゼ;トリプトファン(tr
p)プロモーター系;およびハイブリッドプロモーター(例えば、tacプロモ
ーター)が挙げられる。他の公知の細菌プロモーターもまた、適切である。これ
らの配列は、公開されており、その結果、当業者は、任意の有用な制限部位を供
給するのに必要とされるリンカーまたはアダプターを使用して、所望のDNAに
それらの配列を連結し得る。
【0121】 酵母宿主との使用に適切なプロモーターはまた、当該分野において周知である
。酵母エンハンサーは、酵母プロモーターとの使用に有利に使用される。哺乳動
物宿主細胞との使用に適切なプロモーターは周知であり、限定しないが、ポリオ
ーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、Adenovirus
2)、ウシパピローマウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レ
トロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましいシミアンウイルス40(S
V40)のようなウイルスのゲノムから得られるプロモーターが挙げられる。他
の適切な哺乳動物プロモーターとしては、異種哺乳動物プロモーター(例えば、
熱ショックプロモーターおよびアクチンプロモーター)が挙げられる。
【0122】 IL−1ra−R遺伝子発現を制御する際に関心があり得るさらなるプロモー
ターとしては、限定しないが、以下が挙げられる:SV40初期プロモータ領域
(Bernoist and Chambon,1981,Nature 29
0:304−10);CMVプロモーター;ラウス肉腫ウイルスの3’側の長い
終末反復に含まれるプロモーター(Yamamoto,et al.,1980
,Cell 22 :787−97);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター
(Wagner et al.,1981,Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.78:1444−45);メタロチオネイン遺伝子の調節配
列(Brinster et al.,1982,Nature 296:39
−42);β−ラクタマーゼプロモーターのような原核生物発現ベクター(Vi
lla−Kamaroff et al.,1978,Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.,75:3727−31);またはtacプロモ
ーター(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,80:21−25)。組織特異性を示し、そしてト
ランスジェニック動物において利用されている以下の動物転写制御領域もまた関
心がある:膵臓腺房細胞において活性なエラスターゼI遺伝子制御領域(Swi
ft et al.,1984,Cell 38:639−46;Ornitz
et al.,1986,Cold Spring Harbor Symp
.Quant.Biol.50:399−409(1986);MacDona
ld,1987,Hepatology 7:425−515);膵臓β細胞に
おいて活性なインシュリン遺伝子制御領域(Hanahan,1985,Nat
ure 315:115−22);リンパ球において活性な免疫グロブリン遺伝
子制御領域(Grosschedl et al.,1984,Cell 38
:647−58;Adames et al.,1985,Nature 31
8:533−38;Alexander et al.,1987,Mol.C
ell.Biol.,7:1436−44);精巣、乳房、リンパ球、および肥
満細胞において活性なマウス哺乳動物腫瘍ウイルス制御領域(Leder et
al.,1986,Cell 45:485−95);肝臓において活性なア
ルブミン遺伝子制御領域(Pinkert et al.,1987,Gene
s and Devel.1:268−76);肝臓において活性なα−フェト
プロテイン遺伝子制御領域(Krumlauf et al.,1985,Mo
l.Cell.Biol.,5:1639−48;Hammer et al.
,1987,Science 235:53−58);肝臓において活性なα1
−抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelsey et al.,1987,Ge
nes and Devel.1:161−71);骨髄性細胞において活性な
β−グロビン遺伝子制御領域(Mogram et al.,1985,Nat
ure 315:338−40;Kollias et al.,1986,C
ell 46:89−94);脳の稀突起神経膠細胞において活性なミエリンベ
ースのタンパク質遺伝子制御領域(Readhead et al.,1987
,Cell 48:703−12);骨格筋において活性なミオシン軽鎖−2遺
伝子制御領域(Sani,1985,Nature 314:283−86);
ならびに視床下部において活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域(
Mason et al.,1986,Science 234:1372−7
8)。
【0123】 エンハンサー配列は、より高等な真核生物によって本発明のIL−1ra−R
ポリペプチドをコードするDNAの転写を増加するように、ベクターに挿入され
得る。エンハンサーは、転写を増加させるためにプロモーターに作用する、通常
約10〜300bpの長さのDNAのシスに作用するエレメントである。エンハ
ンサーは、相対的な方向および位置に独立する。これらは、転写ユニットに対し
て5’側および3’側に見出された。哺乳動物遺伝子から入手可能ないくつかの
エンハンサー配列が公知である(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン
、α−フェトプロテインおよびインシュリン)。しかし、代表的には、ウイルス
由来のエンハンサーが、使用される。SV40エンハンサー、サイトメガロウイ
ルス初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、およびアデノウ
イルスエンハンサーは、真核生物プロモーターの活性化について例示的に増強す
るエレメントである。エンハンサーは、IL−1ra−R核酸分子に対して5’
位または3’位でベクターにスプライシングされ得るが、代表的には、プロモー
ターから5’位側に配置される。
【0124】 本発明の発現ベクターは、市販のベクターのような開始ベクターから構築され
得る。このようなベクターは、全ての所望な隣接配列を含んでも良いし、含まな
くても良い。本明細書中に記載される隣接配列の1つ以上がすでにベクター内に
ない場合、これらは、個々に得られ得、ベクターに連結され得る。隣接配列のそ
れぞれを得るために使用される方法は、当業者に周知である。
【0125】 本発明を実行するために好ましいベクターは、細菌宿主細胞、昆虫宿主細胞、
および哺乳動物宿主細胞と適合性のベクターである。このようなベクターとして
は、特に、pCRII、pCR3、およびpcDNA3.1(Invitrog
en、San Diego、CA)、pBSII(Stratagene、La
Jolla、CA)、pET15(Novagen、Madison、WI)
、pGEX(Pharmacia Biotech、Piscataway、N
J)、pEGFP−N2(Clontech、Palo Alto、CA)、p
ETL(BlueBacII、Invitrogen)、pDSR−alpha
(PCT公開番号WO 90/14363)ならびにpFastBacDual
(Gibco−BRL、Grand Island、NY)が挙げられる。
【0126】 さらなる適切なベクターとしては、限定しないが、コスミド、プラスミド、ま
たは改変ウイルスが挙げられるが、これらのベクター系は、選択された宿主細胞
と適合性でなければならないことが理解される。このようなベクターとしては、
限定しないが、Bluescript(登録商標)プラスミド誘導体(高コピー
数ColEl−ベースのファージミド、Stratagene Cloning
Systems,La Jolla CA)、Taq増幅PCR産物をクロー
ニングするために設計されたPCRクローニングプラスミド(例えば、TOPO TM TA Cloning(登録商標)Kit、PCR2.1(登録商標)プ
ラスミド誘導体、Invitrogen、Carlsbad、CA)、ならびに
バキュロウイルス発現系のような哺乳動物ベクター、酵母ベクターまたはウイル
スベクター(pBacPAKプラスミド誘導体、Clontech、Palo
Alto、CA)が挙げられる。
【0127】 ベクターが構築され、そしてIL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸
分子がベクターの適切な部位に挿入された後に、完全なベクターが増幅発現およ
び/またはポリペプチド発現に適切な宿主細胞に挿入され得る。IL−1ra−
Rポリペプチドに対する発現ベクターの選択された宿主細胞への形質転換は、ト
ランスフェクション、感染、塩化カルシウム、エレクトロポレーション、マイク
ロインジェクション、リポフェクチン、DEAE−デキストラン法、または他の
公知の技術のような方法を含む周知の方法によって達成され得る。選択される方
法は、一部、使用される宿主細胞の種類の機能である。これらの方法および他の
適切な方法は、当業者に周知であり、例えば、Sambrookら、上記に記載
される。
【0128】 宿主細胞は、原核生物宿主細胞(例えば、E.coli)または真核生物宿主
細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、または脊椎動物細胞)であり得る。宿主細
胞は、適切な条件下で培養される場合、IL−1ra−Rポリペプチドを合成し
、これは、続いて、培養培地から(宿主細胞がそのポリペプチドを培地に分泌す
る場合)収集され得るか、直接そのポリペプチドを産生する宿主細胞から収集さ
れる(そのポリペプチドが分泌されない場合)。適切な宿主細胞の選択は、所望
の発現レベル、活性(例えば、グリコシル化またはホスホリル化)に望ましいか
または必要なポリペプチド修飾、および生物学的に活性な分子に折り畳まれる容
易さなどの種々の因子に依存する。
【0129】 多くの適切な宿主細胞が当該分野において公知であり、多くが、Americ
an Type Culture Collection(ATCC),Man
assas,VAから入手可能である。例としては、限定しないが、チャイニー
ズハムスター卵巣細胞(CHO)、CHO DHFR(−)細胞(Urlaub
et al.,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.US.A
.97:4216−20)、ヒト胚性腎臓(HEK)293または293T細胞
、あるいは3T3細胞のような哺乳動物細胞が挙げられる。適切な哺乳動物宿主
細胞の選択および形質転換、培養、増幅、スクリーニング、産物生成、および精
製のための方法が当該分野において公知である。他の適切な哺乳動物細胞株は、
サルCOS−1およびCOS−7細胞株、およびCV−1細胞株である。さらな
る例示的な哺乳動物宿主細胞としては、霊長動物細胞株およびゲッ歯類動物細胞
株(形質転換細胞株を含む)が挙げられる。正常な二倍体細胞、初代組織のイン
ビトロ培養物から誘導される細胞菌株、ならびに初代外植片もまた適切である。
候補細胞は、選択遺伝子を遺伝子型的に欠き得るか、または優先的に作用する選
択遺伝子を含み得る。他の適切な哺乳動物細胞株としては、限定しないが、マウ
ス神経芽細胞腫N2A細胞、HeLa、マウスL−929細胞、Swissから
誘導された3T3株、Balb−cまたはNIHマウス、BHKまたはHakハ
ムスター細胞株が挙げられる。これらの細胞株のそれぞれは、タンパク質発現の
当業者によって公知であり入手可能である。
【0130】 同様に、細菌細胞が、本発明に適切な宿主細胞として有用である。例えば、E
.coli(例えば、HB101、DH5α、DH10、およびMC1061)
の種々の菌株は、生物工学の分野において宿主細胞として周知である。B.su
btilis、Pseudomonas spp.,他のBacillus s
pp.、Streptomyces spp.などの種々の菌株がまた本方法に
おいて使用され得る。
【0131】 当業者に公知の酵母細胞の多くの菌株はまた、本発明のポリペプチドの発現の
ため宿主細胞として入手可能である。好ましい酵母細胞としては、例えば、Sa
ccharomyces cerivisaeおよびPichia pasto
risが挙げられる。
【0132】 さらに、望ましい場合、昆虫細胞系が、本発明の方法において利用され得る。
このような系は、例えば、Kitts et al.,1993,Biotec
hniques,14:810−17;Lucklow,1993,Curr.
Opin.Biotechnol.4:564−72;およびLucklow
et al.,1993,J.Virol.,67:4566−79に記載され
る。好ましい昆虫細胞は、Sf−9およびHi5(Invitrogen)であ
る。
【0133】 グリコシル化IL−1ra−Rポリペプチドを発現するためにトランスジェニ
ック動物もまた使用し得る。例えば、トランスジェニック乳産生動物(例えば、
雌ウシまたはヤギ)を使用し、本発明のグルコシル化ポリペプチドを動物の乳に
得ることができる。IL−1ra−Rポリペプチドを産生するために植物もまた
使用し得るが、しかし、一般的に、植物において生じるグリコシル化は、哺乳動
物細胞において産生されるものとは異なり、ヒト治療に適切ではないグリコシル
化産物を生じ得る。
【0134】 (ポリペプチド産生) IL−1ra−Rポリペプチド発現ベクターを含む宿主細胞は、当業者に周知
の標準的な培地を使用して培養され得る。この培地は、通常、細胞の増殖および
生存に必要な全ての栄養分を含む。E.coli細胞を培養するための適切な培
地としては、例えば、Luria Broth(LB)および/またはTerr
ific Broth(TB)が挙げられる。真核生物細胞を培養するための適
切な培地としては、Roswell Park Memorial Insti
tute medium 1640(RPMI 1640)、Minimal
Essential Medium(MEM)および/またはDulbecco
’s Modified Eagle Medium(DMEM)が挙げられ、
これらの全ては、培養される特定の細胞株に必要な血清および/または増殖因子
を補充され得る。昆虫細胞についての適切な培地は、必要に応じて、イーストレ
ート(yeatolate)、ラクトアルブミン加水分解産物、および/または
胎仔ウシ血清を補充したグレース培地である。
【0135】 代表的に、トランスフェクトされた細胞または形質転換された細胞の選択的な
増殖に有用な構成物質または他の化合物が、培地に補充物質として加えられる。
使用される化合物は、宿主細胞が形質転換されるプラスミドに存在する選択マー
カーエレメントによって検出可能である。例えば、選択マーカーエレメントがカ
ナマイシン耐性である場合、培養倍地に加えられる化合物は、カナマイシンであ
る。選択的増殖のための他の化合物としては、アンピシリン、テトラサイクリン
、およびネオマイシンが挙げられる。
【0136】 宿主細胞によって産生されるIL−1ra−Rポリペプチドの量は、当該分野
において公知の標準的な方法を使用して評価され得る。このような方法としては
、限定しないが、ウェスタンブロット分析、SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動、非変性ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分離、
免疫沈降、および/またはDNA結合ゲル移動アッセイのような活性アッセイが
挙げられる。
【0137】 IL−1ra−Rポリペプチドが宿主細胞から分泌されるように設計される場
合、ポリペプチドの大部分は、細胞培養培地中で見出され得る。しかし、IL−
1ra−Rポリペプチドが宿主細胞から分泌されない場合、細胞質および/また
は核(真核宿主細胞について)に、あるいは、細胞質ゾル(グラム陽性細菌宿主
細胞について)に存在する。
【0138】 宿主細胞細胞質および/または核(真核生物宿主細胞について)に位置するか
または細胞質ゾル(細菌宿主細胞について)に位置するIL−1ra−Rポリペ
プチドについて、細胞内物質(グラム陽性細菌についての封入体を含む)は、当
業者に公知の任意の標準的な技術を使用して宿主細胞から抽出され得る。例えば
、宿主細胞は、フレンチプレス、均質化、および/または超音波処理、続く遠心
分離によって、ペリプラズム/細胞質の含有量を放出するように溶解され得る。
【0139】 IL−1ra−Rポリペプチドが細胞質ゾル内に封入体を形成した場合、この
封入体は、しばしば、内部および/または外部細胞膜に結合され得、従って、主
に、遠心分離後にペレット材料において見出される。次いで、ペレット材料は、
pH極限値で処理され得るか、あるいはジチオトレイトールのような還元剤の存
在下アルカリ性のpHで、またはトリスカルボキシエチルホスフィンの存在下酸
性のpHで、界面活性剤、グアニジン、グアニジン誘導体、尿素、または尿素誘
導体のようなカオトロピック剤で処理して、封入体を放出させ、分断させ、そし
て溶解させ得る。次いで、溶解されたIL−1ra−Rポリペプチドは、ゲル電
気泳動、免疫沈降などを使用して分析され得る。IL−1ra−Rポリペプチド
を単離することが望ましい場合、単離は、本明細書中およびMarston e
t al.,1990,Meth.Enz.,182:264−75に記載され
る方法のような標準的な方法を使用して達成され得る。
【0140】 いくつかの場合、IL−1ra−Rポリペプチドは、単離の際、生物学的に活
性でなくても良い。「再折り畳みする」、つまり、ポリペプチドをその三次構造
に変換し、ジスルフィド連結を生成するための種々の方法を使用して、生物学的
活性を回複し得る。このような方法は、溶解されたポリペプチドをあるpH(通
常7より上)および特定の濃度のカオトロピック剤(chaotrope)の存
在に曝露する工程を包含する。カオトロピック剤の選択は、封入体溶解に使用さ
れる選択肢に非常に類似するが、通常、カオトロピック剤は低い濃度で使用され
、溶解に使用されるカオトロピック剤と必ずしも同一ではない。多くの場合、再
折り畳み/酸化溶液はまた、還元剤、または特定の比の還元剤およびその酸化形
態を含んで、特定の酸化還元電位を生成し、タンパク質のシステイン架橋の形成
を生じるジスルフィドシャフリングを可能にする。通常使用される酸化還元対の
いくつかとしては、システイン/シスタミン、グルタチオン(GSH)/ジチオ
ビスGSH、塩化銅(II)、ジチオトレイトール(DTT)/ジチアンDTT
、および2,2−メルカプトエタノール(bME)/ジチオ−b(ME)が挙げ
られる。多くの場合において、共溶媒が使用され得るか、または再折り畳みの効
率を増加するのに必要であり得、この目的のために使用されるより一般的な試薬
としては、グリセロール、種々の分子量のポリエチレングリコール、アルギニン
などが挙げられる。
【0141】 封入体がIL−1ra−Rポリペプチドの発現において有意な程度まで形成さ
れない場合、ポリペプチドは、主に、細胞ホモジネートの遠心分離後に上清中に
見出される。ポリペプチドは、さらに、本明細書中に記載されるような方法を使
用して上清から単離され得る。
【0142】 溶液からのIL−1ra−Rポリペプチドの精製は、種々の技術を使用して達
成され得る。ポリペプチドが、ヘキサヒスチジン(IL−1ra−Rポリペプチ
ド/hexaHis)のようなタグまたは他の小さなペプチド(例えば、FLA
G(Eastman Kodak Co.,New Haven,CT)または
myc(Invitrogen,Carlsbad,CA))をそのカルボキシ
末端またはアミノ末端のいずれかにおいて含むように合成された場合、カラムマ
トリクスがタグについて高い親和性を有するアフィニティーカラムに溶液を通す
ことによって一工程で精製され得る。
【0143】 例えば、ポリヒスチジンは、ニッケルに対して大きな親和性および特異性を有
して結合する。従って、ニッケルのアフィニティーカラム(例えば、Qiage
n(登録商標)ニッケルカラム)は、IL−1ra−Rポリペプチド/poly
Hisの精製のために使用され得る。例えば、Current Protoco
ls in Molecular Biology § 10.11.8(Au
subel et al.,eds.,Green Publishers I
nc. and Wiley and Sons 1993)を参照のこと。
【0144】 さらに、IL−1ra−Rポリペプチドは、IL−1ra−Rポリペプチドを
特異的に認識し得、そして結合し得るモノクローナル抗体の使用によって精製さ
れ得る。
【0145】 精製のための他の適切な手段はとしては、限定しないが、アフィニティークロ
マトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、モレキュラーシーブクロマトグラフィー、HPLC、電気泳動(ネイティブ
な電気泳動を含む)、続くゲル溶出、および分取用等電集束法(「Isopri
me」machine/technique,Hoefer Scientif
ic,San Francisco,CA)が挙げられる。いくつかの場合にお
いて、2つ以上の精製技術を、増加した純度を達成するために組み合わせられ得
る。
【0146】 IL−1ra−Rポリペプチドはまた、Merrifield et al.
,1963,J.Am.Chem.Soc.85:2149;Houghten
et al.,1985,Proc Natl Acad.Sci.USA
82:5132;およびStewart and Young,Solid P
hase Peptide Synthesis(Pierce Chemic
al Co.1984)に記載されるような当該分野で公知の技術を使用する、
化学合成法(例えば、固相ペプチド合成)によって調製され得る。このようなポ
リペプチドは、アミノ末端にメチオニンを有するかまたは有さないで合成され得
る。化学的に合成されたIL−1ra−Rポリペプチドは、これらに記載される
方法を使用して酸化され得て、ジスルフィド結合を形成し得る。化学的に合成さ
れたIL−1ra−Rポリペプチドは、組換え的に産生されるかまたは天然の供
給源から精製される対応するIL−1ra−Rポリペプチドに匹敵する生物学的
活性を有すると期待され、従って、組換えまたは天然のIL−1ra−Rポリペ
プチドと相互交換可能に使用され得る。
【0147】 IL−1ra−Rポリペプチドを得る別の手段は、IL−1ra−Rポリペプ
チドが天然に見出される供給源の組織および/または流体のような生物学的サン
プルからの精製による。このような精製は、本明細書中に記載されるようなタン
パク質精製のための方法を使用して行われ得る。精製の間、IL−1ra−Rポ
リペプチドの存在が、例えば、組換え的に産生されたIL−1ra−Rポリペプ
チドまたはそのペプチドフラグメントに対して調製される抗体を使用してモニタ
ーされ得る。
【0148】 核酸およびポリペプチドを産生するための多くのさらなる方法は、当該分野に
おいて公知であり、この方法は、IL−1ra−Rポリペプチドに対して特異性
を有するポリペプチドを産生するために使用され得る。例えば、Roberts
et al.,1997,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.94:12297−303を参照のこと。これは、mRNAとそのコードさ
れるペプチドとの間の融合タンパク質の産生を記載する。Roberts,19
99,Curr.Opin.Chez.bol 3:268−73もまた参照の
こと。さらに、米国特許第5,824,469号は、特定の生物学的機能を実行
し得るオリゴヌクレオチドを得るための方法を記載する。この手順は、異種プー
ルのオリゴヌクレオチドを生成する工程を包含し、それぞれが、5’無作為化配
列、中心予備選択配列、および3’ランダム化配列を有する。得られる異種プー
ルは、所望の生物学的活性を示さない細胞の集団に導入される。次いで、細胞の
亜集団を、所定の生物学的機能を示すものについてスクリーニングする。その亜
集団から、所望の生物学的機能を実行し得るオリゴヌクレオチドが単離される。
【0149】 米国特許第5,763,192号;同第5,814,476号;同第5,72
3,323号;および同第5,817,483号は、ペプチドまたはポリペプチ
ドを産生するためのプロセスを記載する。これは、確率論的遺伝子またはそのフ
ラグメントを産生し、次いで、確率論的遺伝子によってコードされた1以上のタ
ンパク質を産生する宿主細胞にこれらの遺伝子を導入することによって達成され
る。次いで、この宿主は、所望の活性を有するペプチドまたはポリペプチドを産
生する、これらのクローンを同定するためにスクリーニングされる。
【0150】 ペプチドまたはポリペプチドの産生するための別の方法は、Athersys
,Inc.によって出願されたPCT/US98/20094(WO99/15
650)(「Random Activation of Gene Expr
ession for Gene Discovery」(RAGE−GD)と
して知られている)に記載されており、このプロセスは、インサイチュ組換え方
法によって、内因性遺伝子の発現または遺伝子の過剰発現の活性化を含む。例え
ば、内因性遺伝子の発現は、非相同性組換えまたは異常な組換えによって、遺伝
子の発現を活性化し得る標的細胞中に、調節配列を組み込むことによって、活性
化または増加される。この標的DNAは、まず、放射線に供せられ、そして遺伝
子プロモーターに挿入される。このプロモーターは、遺伝子の前方に最終的に配
置され、遺伝子の転写を開始する。これは、所望のペプチドまたはポリペプチド
の発現より生じる。
【0151】 これらの方法は、包括的なIL−1ra−Rポリペプチド発現ライブラリーを
作製するために使用され得、これは、続いて、種々のアッセイ(例えば、生化学
的アッセイ、細胞アセイおよび全生物アッセイ(例えば、植物、マウスなど))
において、ハイスループット表現型スクリーニングのために使用され得る。
【0152】 (合成) 本明細書中に記載される核酸およびポリペプチド分子は、組換えおよび他の手
段によって産生され得ることは、当業者によって理解される。
【0153】 (選択的結合アッセイ) 用語「選択的結合因子」は、1以上のIL−1ra−Rポリペプチドに対して
特異性を有する分子を言及する。適切な選択的結合因子としては、抗体およびそ
の誘導体、ポリペプチド、ならびに小分子が挙げられるが、これらに限定されな
い。適切な選択的結合因子は、当該分野で公知の方法を使用して調製され得る。
本発明の例示的なIL−1RA−Rポリペプチド選択的結合因子は、IL−1R
A−Rポリペプチドの特定の部分を結合し得、これにより、ポリペプチドのIL
−1ra−Rポリペプチドレセプターへの結合を阻害する。
【0154】 IL−1ra−Rポリペプチドと結合する抗体および抗体フラグメントのよう
な選択的結合因子は、本発明の範囲内である。この抗体は、単一特異的なポリク
ローナルを含むポリクローナル;モノクローナル(MAb);組換え;キメラ;
ヒト化(例えば、CDR移植化);ヒト;単鎖;および/または二特異的;なら
びにフラグメント;改変体;またはそれらの誘導体であり得る。抗体フラグメン
トとしては、IL−1RA−Rポリペプチド上のエピトープに結合する抗体のこ
れらの一部を含む。このようなフラグメントの例としては、全長抗体の酵素学的
切断によって産生されたFabおよびF(ab’)フラグメントが挙げられる。
他の結合フラグメントとしては、組換えDNA技術(例えば、抗体可変領域をコ
ードする核酸配列を含む、組換えプラスミドの発現)によって産生されたフラグ
メントが挙げられる。
【0155】 IL−1ra−Rポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体は、一般に、I
L−1RA−Rポリペプチドおよびアジュバンドの複数回の皮下注射または腹腔
内注射によって動物(例えば、ウサギまたはマウス)において産生される。IL
−1RA−Rポリペプチドをキャリアタンパク質に結合させることは、有用であ
り得、このタンパク質は、キーホールリンペットヘモシアニン、血清、アルブミ
ン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシンインヒビターのように、免
疫化される種において免疫原性である。また、ミョウバンのような凝集剤は、免
疫応答を増強させるために使用される。免疫化後、この動物は採血され、そして
血清を、IL−1ra−Rポリペプチド抗体タイターについてアッセイする。
【0156】 IL−1ra−Rポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体は、培地中の連
続的細胞株によって抗体分子を産生するために提供される、任意の方法を使用し
て産生される。モノクローナル抗体を調製するために適切な方法の例は、Koh
lerら、1975、Nature 256:495−97のハイブリドーマ法
、およびヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozbor、1984、J.Immu
nol.133:3001;Brodeurら、Monoclonal Ant
ibody Production Techniques and Appl
ications 51−63(Marcel Dekker,Inc.,19
87))が挙げられる。IL−1ra−Rポリペプチドと反応する、モノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株がまた、本発明によって提供される。
【0157】 本発明のモノクローナル抗体は、治療剤として使用するために、改変され得る
。1実施形態は、「キメラ」抗体であり、この重鎖(H)および/または軽鎖(
L)の一部が、特定の種から誘導されるか、または特定の抗体のクラスもしくは
サブクラスの属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同性である
一方で、この鎖の残りは、別の種から誘導されるか、または特定の抗体のクラス
もしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同
性である。抗体のフラグメントが所望の生物学的活性を示す限り、これらの抗体
のフラグメントも含まれる。Morrisonら、1985、Proc.Nat
l.Acad.Sci.81:6851−55の米国特許第4,816,567
号を参照のこと。
【0158】 別の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体は、「ヒト化」抗体であ
る。非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野で周知である。米国特許第
5,585,089号および5,693,762号を参照のこと。一般に、ヒト
化した抗体は、非ヒトである供給源から導入された1以上のアミノ酸残基有する
。ヒト化は、例えば、当該分野(Jonesら、1986、Nature321
:522−25;Riechmannら、1998、Nature 332:3
23−27;Verhoeyenら、1988、Science239:153
4−36)で記載される方法を使用して、鋸状相補的決定領域(CDR)の少な
くとも一部をヒトの抗体の対応する領域と置換することによって、実施される。
【0159】 IL−1ra−Rポリペプチドと結合するヒト抗体がまた、本発明によって包
含される。内因性の免疫グロブリンの産物の非存在下で、ヒト抗体のレパートリ
ーを産生し得る、トランスジェニック動物(例えば、マウス)を使用して、この
ような抗体は、IL−1ra−Rポリペプチド抗原(すなわち、少なくとも6個
の連続アミノ酸を有する)を用いて免疫化することによって産生され、必要に応
じて、キャリアに結合される。例えば、Jakobovitsら,1993,P
roc.Natl.Acad Sci.90:2551−55;Jakobov
itsら,1993,Nature 362:255−58;Bruggerm
annら,1993,Year in Immuno.7:33を参照のこと。
1つの方法において、このようなトランスジェニック動物は、本明細書中の重鎖
および軽鎖免疫グロブリンをコードする内因性遺伝子座を無能にし、そしてヒト
の重鎖および軽鎖タンパク質をそのゲノムに挿入することによって産生される。
次いで、部分的に改変された動物(この動物は、改変体の完全相補体未満を有す
る)は、所望の免疫系の改変体の全てを得るためにクロスブレッドされる。免疫
原が投与される場合、これらのトランスジェニック動物が、ヒト(例えば、マウ
スではない)アミノ酸配列(このアミノ酸配列は、これらの抗原に対して免疫特
異性である改変領域を含む)を有する抗体を産生する。例えば、PCT出願番号
PCT/US96/05928およびPCT/US93/06926を参照のこ
と。さらなる方法は、米国特許第5,545,807、PCT出願番号PCT/
US91/245およびPCT/GB89/01207、ならびに欧州特許第5
46073B1および546073A1に記載される。ヒト抗体はまた、宿主細
胞中の組換えDNAの発現または本明細書中に記載されるようなハイブリドーマ
細胞中での発現によって産生され得る。
【0160】 代替の実施形態において、ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリ
から産生され得る(Hoogenboomら,1991,J.Mol.Bio.
227:381;Marksら,1991,J.Mol.Biol.222:5
81)。これらにより、糸状のバクテリオファージの表面上の抗体レパートリー
のディスプレイを介した模倣免疫選択、および選択した抗原への結合によるファ
ージの続く選択を処理する。1つのこのような技術は、PCT出願番号PCT/
US98/17364に記載されており、これには、このようなアプローチを使
用して、MPL−およびmsk−レポーターについて、高い親和性および機能的
なアンタゴニスト抗体の単離が記載される。
【0161】 キメラ、CDR移植化抗体、およびヒト化抗体は、代表的に組換え方法によっ
て産生される。抗体をコードする核酸は、宿主細胞中に導入され、そして本明細
書中に記載される物質および手順を使用して発現される。好ましい実施形態にお
いて、この抗体は、哺乳動物宿主細胞(例えば、CHO細胞)中で処理される。
モノクローナル(例えば、ヒト)抗体は、本明細書中に記載されるように、宿主
細胞中での組換えDNAの発現またはハイブリドーマ細胞中での発現によって産
生され得る。
【0162】 本発明の抗−IL−1ra−R抗体は、IL−1ra−Rポリペプチドの検出
および定量のために、任意の公知のアッセイ方法(例えば、競合結合アッセイ、
直接的および間接的サンドイッチアッセイ、および免疫沈降アッセイ)において
使用され得る(Sola,Monoclonal Antibodies:A
Manual of Techniques 147−158(CRC Pre
ss,Inc.,1987))。この抗体は、使用されるアッセイ方法に対して
、適切である親和性でIL−1ra−Rポリペプチドと結合する。
【0163】 診断適用のために、特定の実施形態において、抗−IL−1ra−R抗体は、
検出可能な部分で標識され得る。この検出可能な部分は、直接的または間接的の
いずれかで、検出可能なシグナルを産生し得る任意の部分であり得る。例えば、
検出可能な部分は、放射性同位体(例えば、H、14C、32P、35S、 25 I、99Tc、111In、または67Ga);蛍光化合物または化学的蛍
光化合物(フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、もしくはルシフェ
リン)、または酵素(アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、もしく
はホースラディシュペルオキシダーゼ)であり得る(Bayerら,1990,
Meth.Enz.184:138−63)。
【0164】 競合結合アッセイは、標識した標準(例えば、IL−1ra−Rポリペプチド
、またはその免疫学的に活性な部分)の能力に依存し、限定された量の抗−IL
−1ra−R抗体との結合に関して、試験サンプル検体(IL−1ra−Rペプ
チド)と競合する。試験サンプル中のIL−1ra−Rポリペプチドの量は、抗
体と結合する標準の量と反比例する。結合する標準の量を決定するのを容易にす
るために、この抗体は、競合前または後に、代表的に免疫化され、この抗体と結
合する標準および検体は、結合しないままの標準および検体から好都合に分離さ
れ得る。
【0165】 サンドイッチアッセイは、2つの抗体の使用に代表的に関連し、各々は、決定
および/または定量されるべきタンパク質の異なる免疫部分またはエピトープに
結合し得る。サンドイッチアッセイにおいて、この試験サンプル検体は、固体支
持体上に免疫化される第1抗体によって代表的に結合され、その後、第2抗体が
、この検体に結合され、可溶の3部の複合体を形成する。例えば、米国特許第4
,376,110を参照のこと。第2抗体自体は、検出可能な部分で標識される
か(直接的なサンドイッチアッセイ)、または検出可能な部分で標識される抗−
免疫グロブリン抗体を使用して測定され得る。例えば、サンドイッチアセイの1
つの型は、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)(この場合、検出可
能な部分は、酵素である)である。
【0166】 抗−IL−1ra−R抗体を含む、選択的結合因子はまた、インビボイメージ
ングのために有用である。検出可能な部分で標識した抗体は、動物に、好ましく
は、血流に投与され得、宿主中で標識した抗体の存在および位置がアッセイされ
る。この抗体は、核磁気共鳴、放射線学、または当該分野で公知の他の検出手段
のいずれかによって、動物中で検出可能である任意の部分で標識され得る。
【0167】 抗体を含む、本発明の選択的結合因子は、治療剤として使用され得る。これら
の治療剤は、一般に、アゴニストまたはアンタゴニストであり、これらは、少な
くとも1つのIL−1ra−Rポリペプチドの生物学的活性を、それぞれ増強ま
たは減少させるかのいずれかである。1実施形態中で、本発明のアンタゴニスト
抗体は、IL−1ra−Rポリペプチドに特異的に結合し得、そしてインビボま
たはインビトロでIL−1ra−Rポリペプチドの機能活性を阻害または排除し
得る、IL−1ra−Rポリペプチドと特異的に結合し得る抗体またはその結合
フラグメントである。好ましい実施形態において、選択的結合因子(例えば、ア
ンタゴニスト抗体)は、少なくとも約50%、および好ましくは、少なくとも約
80%によって、IL−1ra−Rポリペプチドの機能活性を阻害する。別の実
施形態において、選択的結合アッセイは、IL−1ra−Rポリペプチド結合パ
ートナー(リガンドまたはレセプター)と相互作用し得る抗−IL−1ra−R
ポリペプチドであり、これにより、インビトロまたはインビボにおいてIL−1
ra−Rポリペプチド活性を阻害または排除する。アゴニストおよびアンタゴニ
スト抗体−IL−1ra−Rポリペプチド抗体を含む、選択的結合因子は、当該
分野で周知であるスクリーニングアッセイによって同定される。
【0168】 本発明はまた、IL−1ra−R選択的結合因子(例えば、抗体)を含むキッ
トおよび生物学的サンプル中でIL−1ra−Rポリペプチドレベルを検出する
ために有用である他の薬剤に関する。このような薬剤はまた、血清を遮断する検
出可能な標識、ポジティブおよびネガティブコントロールサンプル、および検出
薬剤を含み得る。
【0169】 (マイクロアレイ) DNAマイクロアレイ技術は、本発明に従って利用され得る。DNAマイクロ
アレイは、固体支持体(例えば、ガラス)上に配置された核酸の小型高密度アレ
イである。このアレイ内の各細胞またはエレメントは、相補的核酸配列(mRN
A)とハイブリダイゼーションするための標識として作用する、単一の核酸種の
複数のコピーを含む。DNAマイクロアレイ技術を使用する発現プロフィールに
おいて、mRNAは、細胞または組織から抽出され、次いで、酵素標識されたc
DNAを蛍光標識されたcDNAに変換される。この材料は、マイクロアレイに
ハイブリダイズされ、そして未結合のcDNAは、洗浄により除去される。次い
で、このアレイ上に示された個々の遺伝子の発現は、各々核酸分子を標的するた
めに特異的に結合される、標識されたcDNAの量を定量することによって視覚
化される。この方法において、数千の遺伝子の発現が、生物学的材料の単一サン
プルから、ハイスループットの並行様式で定量され得る。
【0170】 このハイスループット発現プロフィールは、本発明のIL−1ra−R分子に
関連して広範の適用を有し、これには、以下が挙げられるが、これに限定されな
い:治療のための標的として、IL−1ra−R疾患関連遺伝子の同定および確
認;関連するIL−1ra−R分子およびそのインヒビターの分子毒性;臨床試
験のための代替標識の集団および産生の階層化;およびハイスループットスクリ
ーニングにおいて、選択化合物の同定を援助することによって、関連するIL−
1ra−Rポリペプチド小分子薬物発見を増強すること。
【0171】 (化学的誘導体) IL−1ra−Rポリペプチドの化学的に改変された誘導体は、この開示が、
本明細書中に記載された場合、当業者によって調製され得る。IL−1ra−R
ポリペプチド誘導体は、このポリペプチドに天然で結合した分子の型または位置
のいずれかで、異なる様式で改変される。誘導体は、1以上の天然で結合した化
学的な基の除去によって形成される分子を含み得る。配列番号2、配列番号4、
配列番号6、もしくは配列番号36、または他のIL−1ra−Rポリペプチド
のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドは、1以上のポリマーの共有結合
によって改変され得る。例えば、選択されたポリマーは、代表的に水溶性であり
、その結果、結合するタンパク質は、水環境(例えば、生理学的な環境)下で沈
殿しない。ポリマーの混合物が、適切なポリマーの範囲内に含まれる。好ましく
は、目的産物の調製の治療学的使用のために、このポリマーは、薬学的に受容可
能である。
【0172】 このポリマーの各々は、任意の分子量を有し得、そして分枝または非分枝であ
り得る。このポリマーの各々は、代表的に、約2kDaと約100kDaとの間
の平均分子量を有する(この用語「約(およそ)」は、水溶性ポリマーの調製の
際に、上記の分子量より多い、いくらか少ない重量を有することを示す)。各ポ
リマーの平均分子量は、好ましくは、約5kDaと約50kDaの間、より好ま
しくは、約12kDaと約40kDaとの間、そして最も好ましくは、約20k
Daと約35Daとの間である。
【0173】 適切な水溶性ポリマーまたはその混合物としては、以下が挙げられるが、これ
らに限定されない:N−連結またはO−連結炭水化物、糖、リン酸、ポリエチレ
ン、グリコール(PEG)(これは、モノ−(C−C10)、アルコキシ−、
またはアリールオキシ−ポリエチレングリコールを含む、タンパク質を誘導する
ために使用されたPEGの形態を含む)、モノメトキシ−ポリエチレングリコー
ル、デキストラン(例えば、低分子量(例えば、約6kDのデキストラン))、
セルロース、または他の炭水化物ベースのポリマー、ポリ−(N−ビニルピロリ
ジン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロ
ピレンオキシ/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(
例えば、グリセロール)、およびビニルアルコール。共有結合したIL−1ra
−Rポリペプチドマルチマーを調製するために使用され得る、二官能性架橋分子
もまた、本発明に含まれる。
【0174】 一般に、化学的誘導は、活性化したポリマー分子とタンパク質を反応させるた
めに使用される任意の適切な条件下で、実施され得る。ポリペプチドの化学的誘
導体を調製するための方法は、以下の工程を包含する:(a)配列番号2、配列
番号4、配列番号6、もしくは配列番号36、または他のIL−1ra−Rポリ
ペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、1以上のポリマー分
子に結合する条件下で、活性化したポリマー分子(例えば、ポリマー分子の反応
性エステルまたはアルデヒド誘導体)とポリペプチドを反応させる工程、ならび
に(b)反応生成物を得る工程。最適の反応条件は、既知のパラメータおよび所
望の結果に基づいて決定される。例えば、ポリマー分子のタンパク質に対する比
が大きくなるほど、結合したポリマー分子の割合も大きくなる。1実施形態にお
いて、IL−1ra−Rポリペプチド誘導体は、アミノ末端の単一ポリマー分子
部分を有する。例えば、米国特許第5,234,784号を参照のこと。
【0175】 ポリペプチドのペギル化(pegylation)は、当該分野で公知の任意
のペギル化反応を使用して特異的に実施され得る。このような反応は、例えば、
以下の参考文献に記載されている:Francisら,1992,Focus
on Growth Factors 3:4−10;欧州特許第015431
6号および0401384号;ならびに米国特許第4,179,337号。例え
ば、ペギル化は、本明細書中に記載されるように、反応性ポリエチレングリコー
ル分子(または、類似の反応性水溶性ポリマー)とのアシル化反応またはアルキ
ル化反応を介して実施され得る。アシル化反応のために、選択されたポリマーは
、単一の反応性エステル基を有する。還元的アルキル化について、選択されたポ
リマーは、単一の反応性アルデヒド基を有する。例えば、反応性アルデヒド、ポ
リエチレングリコールプロピオンアルデヒドであり、これは、水溶性、またはモ
ノC−C10アルコキシもしくはそのアリールオキシ誘導体である(米国特許
第5,252,714号を参照のこと)。
【0176】 別の実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチドは、ビオチンに化学的
に連結され得る。次いで、このビオチン/IL−1ra−Rポリペプチド分子は
、アビジンに結合され得、その結果、4価のアビジン/ビオチン/IL−1ra
−Rポリペプチド分子が得られる。IL−1ra−Rポリペプチドはまた、ジニ
トロフェノール(DNP)またはチリニトロフェノール(TNP)に共有結合さ
れ得、そして得られた結合体は、抗−DNPまたは抗−TNP−IgMと共に沈
殿し、10価の十量体の結合体を形成する。
【0177】 一般に、本発明のIL−1ra−Rポリペプチド誘導体の投与によって、緩和
または調節され得る条件は、IL−1ra−Rポリペプチドについて本明細書中
に記載されたものを含む。しかし、本明細書中に開示されるIL−1ra−Rポ
リペプチド誘導体は、非誘導体化分子と比較した場合、さらなる活性、増強また
は減少した生物学的活性、または他の特性(例えば、増加または減少した半減期
)を有し得る。
【0178】 (遺伝子操作した非ヒト動物) マウス、ラット、または他のげっ歯類;ウサギ、ヤギ、ヒツジ、または他の家
畜のような非ヒト動物が、さらに本発明の範囲内に含まれ、ここで、天然のIL
−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子は分裂(すなわち「ノックアウト
」)され、IL−1ra−Rポリペプチドの発現レベルは、有意に減少するか、
または完全に破壊される。このような動物は、米国特許第5,557,032号
に記載されるような技術および方法を使用して調製され得る。
【0179】 本発明は、マウス、ラット、または他のげっ歯類;ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ま
たは他の家畜のような非ヒト動物をさらに含み、この動物のIL−1ra−R遺
伝子の天然の形態または非相同性IL−1ra−R遺伝子のいずれかが、動物に
よって過剰発現され、これによって、「トランスジェニック」動物を作製する。
このようなトランスジェニック動物は、米国特許第5,489,743号および
PCT公開番号WO94/28122号に記載されるような周知の方法を使用し
て調製され得る。
【0180】 本発明は、非ヒト動物をさらに含み、ここで、本発明の1以上のIL−1ra
−Rポリペプチドのプロモーターは、(例えば、相同的な組換え方法を使用する
ことによって)活性化されるか、または活性化されず、1以上のIL−1ra−
Rポリペプチドの発現のレベルを改変する。
【0181】 これらの非ヒト動物は、薬物候補物スクリーニングのために使用され得る。こ
のようなスクリーニングにおいて、動物での薬物候補物の影響が測定され得る。
例えば、薬物候補物は、IL−1ra−R遺伝子の発現を減少または増加させ得
る。特定の実施形態において、産生されるIL−1ra−Rポリペプチドの量は
、動物を薬物候補物に曝露した後に測定され得る。さらに、特定の実施形態にお
いて、動物での薬物候補物の実際の影響を検出し得る。例えば、特定の遺伝子の
過剰発現により、疾患状態または病理学的状態を生じるか、または関連する。こ
のような場合において、遺伝子の発現を減少させるための薬物候補物の能力また
は病理学的状態を防止または阻害するための能力を試験し得る。別の例において
、ポリペプチドのフラグメントのような、特定の代謝産物の産生により、疾患状
態または病理学的状態を生じるか、または関連する。このような場合において、
このような代謝産物の産生を減少させるための薬物候補物の能力または病理学的
状態を防止または阻害するための能力を試験し得る。
【0182】 (IL−1ra−Rポリペプチド活性の他の修飾因子についてのアッセイ) いくつかの状態において、IL−1ra−Rポリペプチドの活性の修飾因子で
ある分子(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)を同定することが所望さ
れ得る。IL−1ra−Rポリペプチドを調節する天然または合成分子は、本明
細書中に記載されるように、1以上のスクリーニングアッセイを使用して同定さ
れ得る。このような分子は、インビボ様式またはインビトロ様式のいずれかで、
注射、または経口送達、移植デバイスなどによって投与され得る。
【0183】 「試験分子」とは、IL−1ra−Rポリペプチドの活性を調節する(すなわ
ち、増加または減少させる)ための能力について評価する分子を言う。最も一般
的に、試験分子は、IL−1ra−Rポリペプチドと直接的に相互作用する。し
かし、試験分子はまた、例えば、IL−1ra−R遺伝子発現に影響を与えるこ
とによって、またはIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー(例えば、レ
セプターまたはリガンド)に結合することによって、IL−1ra−Rポリペプ
チド活性を直接的に調節し得る。1実施形態において、試験分子は、少なくとも
約10−6M、好ましくは、約10−8M、より好ましくは、約10−9M、そ
してさらにより好ましくは約10−10Mの親和性定数(affinity c
onstant)でIL−1ra−Rポリペプチドと結合する。
【0184】 IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用する化合物を同定するための方法は
、本発明によって包含される。特定の実施形態において、IL−1ra−Rポリ
ペプチドは、試験分子とIL−1ra−Rポリペプチドとの相互作用が可能な条
件下で、試験分子と共にインキュベートされ、そして相互作用の範囲が測定され
る。試験分子は、実質的に精製された形態または粗製の混合物中でスクリーニン
グされ得る。
【0185】 特定の実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチドアゴニストまたはア
ンタゴニストは、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、または小分子量の分
子であり得、これは、IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用して、その活性
を調節する。IL−1ra−Rポリペプチドの発現を調節する分子は、IL−1
ra−Rポリペプチドをコードする核酸と相補的であるか、またはIL−1ra
−Rポリペプチドの発現を指向または制御する核酸配列に対して相補的である核
酸分子、および発現のアンチセンス制御因子として作用する核酸分子を含む。
【0186】 一旦、IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用する場合に、試験化合物が、
同定されると、この分子は、IL−1ra−Rポリペプチド活性を増加または減
少させる能力についてさらに評価され得る。試験分子とIL−1ra−Rポリペ
プチドとの相互作用の測定は、いくつかの形態で実施され得、これには、細胞ベ
ースの結合アッセイ、膜結合アッセイ、液相アッセイ、および免疫アッセイが挙
げられる。一般に、試験分子は、特定の期間、IL−1ra−Rポリペプチドと
共にインキュベートされ、そしてIL−1ra−Rポリペプチド活性が、生物学
的活性を測定するために1以上のアッセイによって決定される。
【0187】 試験分子とIL−1ra−Rポリペプチドとの相互作用はまた、免疫アッセイ
において、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使用して直接的にアッセ
イされ得る。あるいは、本明細書中に記載されるようなエピトープタグを含むI
L−1ra−Rポリペプチドの改変形態は、溶液および免疫アッセイ中で使用さ
れ得る。
【0188】 IL−1ra−Rポリペプチドが、結合パートナー(例えば、レセプターまた
はリガンド)との相互作用を介して、生物学的活性を示す場合において、種々の
インビトロアッセイが、対応する結合パートナー(選択的結合因子、レセプター
、またはリガンド)へのIL−1ra−Rポリペプチドの結合を測定するために
使用され得る。これらのアッセイは、結合パートナーに対するIL−1ra−R
ポリペプチドの結合の速度および/または速度を増加または減少させるために、
試験分子をスクリーニングするために使用され得る。1アッセイにおいて、IL
−1ra−Rポリペプチドは、マイクロタイタープレートのウェル中で免疫化さ
れる。次いで、放射標識したIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー(例
えば、ヨウ素化したIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー)および試験
化合物は、このウェルに、一時に一方を(いずれかの順序で)または同時に添加
され得る。インキュベーション後に、この壁を洗浄し、そしてシンチレーション
計数器を使用して、放射活性を計数し、結合パートナーがIL−1ra−Rポリ
ペプチドに結合する範囲を決定する。代表的に、分子は、濃度範囲にわたって試
験され、そして試験アッセイの1以上を欠く一連のコントロールウェルは、結果
の評価の正確性のために使用され得る。この方法の代わりは、タンパク質の「位
置」を逆にする工程を逆にする工程(すなわち、マイクロタイタープレートウェ
ルに対してIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーを免疫化し、試験分子
および放射標識したIL−1ra−Rポリペプチドをインキュベートし、そして
IL−1ra−Rポリペプチド結合の範囲を決定する工程)を包含する。例えば
、Current Protocols in Molecular Biol
ogy、第18章(Ausubelら編、Green Publishers
Inc.ならびにWileyおよびSons1995)を参照のこと。
【0189】 放射性標識に対する代替として、IL−1ra−Rポリペプチドまたはその結
合パートナーは、ビオチンと結合体化され得、そしてビオチン化されたタンパク
質の存在が、次いで、酵素(例えば、わさびペルオキシダーゼ(HRP)または
アルカリホスファターゼ(AP))(これらは、比色定量的に検出される)に結
合したストレプトアビジンを使用して検出され得るか、またはストレプトアビジ
ンの蛍光タグ化によって検出され得る。IL−1ra−RポリペプチドまたはI
L−1ra−Rポリペプチド結合パートナー(これらは、ビオチンに結合されて
いる)に対する抗体はまた、APまたはHRPに連結した酵素連結ストレプトア
ビジンとの複合体のインキュベーションに続いて、検出の目的のために使用され
得る。
【0190】 IL−1ra−RポリペプチドまたはIL−1ra−Rポリペプチド結合パー
トナーは、アガロースビーズ、アクリルビーズ、または他の型のこのような不活
性な固体相基材への付着によって固定化され得る。基材−タンパク質複合体は、
相補タンパク質および試験化合物を含む溶液内に配置され得る。インキュベーシ
ョン後、これらのビーズは、遠心分離によって沈澱され得、そしてIL−1ra
−Rポリペプチドとその結合パートナーとの間の結合の量が、本明細書中に記載
の方法を使用して評価され得る。あるいは、基材−タンパク質複合体は、カラム
を通過する、試験分子および相補タンパク質を用いてカラム内に固定化され得る
。IL−1ra−Rポリペプチドトその結合パートナーとの間の複合体の形成が
、次いで、本明細書中に記載の技術(例えば、放射性標識または抗体結合)のい
ずれかを使用して評価され得る。
【0191】 IL−1ra−Rポリペプチド結合タンパク質とIL−1ra−Rポリペプチ
ド結合パートナーとの間の複合体の形成を増加または減少させる試験分子を同定
するために有用な別のインビトロアッセイは、表面プラズモン共鳴検出器システ
ム(例えば、BIAcoreアッセイシステム(Pharmacia,Pisc
ataway,NJ))である。BIAcoreシステムは、製造業者によって
特定されるように利用される。このアッセイは、本質的に、IL−1ra−Rポ
リペプチドまたはIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーのいずれかの、
デキストランでコートされたセンサーチップ(これは、検出器に存在する)への
共有結合を含む。次いで、この試験化合物および他の相補タンパク質が、同時に
かまたは連続的にかのいずれかで、センサーチップを含むチャンバーに注入され
得る。結合する相補タンパク質の量は、センサーチップのデキストランコート側
面に物理的に関係する分子の質量の変化に基づいて評価され得、この分子の質量
の変化は、検出器システムによって測定される。
【0192】 いくつかの場合において、2つ以上の試験化合物を一緒に、IL−1ra−R
ポリペプチドとIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーとの間の複合体の
形成を増加または減少させるそれらの能力について評価することが所望され得る
。これらの場合において、本明細書中に記載のアッセイは、第一の試験化合物と
同時にか、またはそれに続いてのいずれかで、このようなさらなる試験化合物を
添加することによって容易に改変され得る。このアッセイにおける工程の残りは
、本明細書中に記載される。
【0193】 インビトロアッセイ(例えば、本明細書中に記載されるもの)は、IL−1r
a−RポリペプチドとIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーとの間の複
合体の形成に対する効果について、多数の化合物をスクリーニングするために、
有利に使用され得る。これらのアッセイは、ファージディスプレイ、合成ペプチ
ド、および化学合成ライブラリーにおいて生成された化合物をスクリーニングす
るために、自動化され得る。
【0194】 IL−1ra−RポリペプチドとIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナ
ーとの間の複合体の形成を増加または減少される化合物はまた、IL−1ra−
RポリペプチドまたはIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーFのいずれ
かを発現する細胞および細胞系列を使用して、細胞培養物においてスクリーニン
グされ得る。細胞および細胞系列は、任意の哺乳動物から得られ得るが、好まし
くは、ヒト、または他の霊長類、イヌ類またはげっ歯類の供給源由来である。I
L−1ra−Rポリペプチドの、IL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー
を発現する細胞への、その表面での結合は、試験化合物の存在または非存在下で
評価され、そして結合の程度が、例えば、IL−1ra−Rポリペプチド結合パ
ートナーに対するビオチン化抗体を使用するフローサイトメトリーによって決定
され得る。細胞培養アッセイは、本明細書中に記載されるタンパク質結合アッセ
イにおいて、陽性であるとスコア付けされる化合物をさらに特徴付けするために
有利に使用され得る。
【0195】 細胞培養物はまた、薬物候補の影響をスクリーニングするために使用され得る
。例えば、薬物候補は、IL−1ra−R遺伝子の発現を減少または増加させ得
る。特定の実施形態において、生成されるIL−1ra−Rポリペプチドまたは
IL−1ra−Rポリペプチドフラグメントの量は、細胞培養物の薬物候補への
曝露の後に測定され得る。特定の実施形態において、細胞培養物への薬物候補の
実質的な影響が検出され得る。例えば、特定の遺伝子の過剰発現は、細胞培養物
への特定の影響を有し得る。このような場合に、遺伝子の発現を増加または減少
させる薬物候補の能力、または細胞培養物に対する特定の影響を予防または阻害
するその能力が試験され得る。他の例において、特定の代謝産物(例えば、ポリ
ペプチドのフラグメントなど)の生成が、疾患または病的状態を生じ得るか、ま
たはそれらと関連し得る。このような場合、細胞培養物におけるこのような代謝
産物の生成を減少する薬物候補の能力が試験され得る。
【0196】 (内部移行タンパク質) tatタンパク質配列(HIV由来)が、タンパク質を細胞内に内部移行させ
るために、使用され得る。例えば、Falwellら、1994、Proc.N
atl.Acad.Sci.U.S.A.91:664−68を参照のこと。例
えば、HIV tatタンパク質の11アミノ酸の配列(Y−G−R−K−K−
R−R−Q−R−R−R;配列番号18)(「タンパク質形質導入ドメイン」、
またはTAT PDTを称される)は、細胞の細胞質膜および核膜を横切る送達
を媒介するとして記載されている。Schwarzeら,1999,Scien
ce 285:1569−72;およびNagaharaら,1998,Nat
.Med.4:1449−52を参照のこと。これらの手順において、FITC
構築物(FITC標識G−G−G−G−Y−G−R−K−K−R−R−Q−R−
R−R;配列番号19)(これは、腹腔内投与に続いて組織を貫通する)が調製
され、そしてこのような構築物の細胞への結合が、蛍光細胞分析分離(FACS
)分析によって検出される。tat−β−gal融合タンパク質で処置された細
胞は、β−gal活性を示す。注入に続いて、このような構築物の発現が、多く
の組織(肝臓、腎臓、肺、心臓および脳組織)において検出され得る。このよう
な構築物は、細胞に入るためにある程度の変性を受け、そしてそれ自体、細胞内
への移入に続いて、再折り畳みを必要とし得ると考えられる。
【0197】 従って、tatタンパク質配列は、所望のポリペプチドを細胞に内部移入させ
るために使用され得ることが理解される。例えば、tatタンパク質配列を使用
して、IL−1ra−Rアンタゴニスト(例えば、抗IL−lra−R選択的結
合因子、低分子、可溶性レセプター、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド)
は、IL−1ra−R分子の活性を阻害するために、細胞内投与され得る。本明
細書中で使用される場合、用語「IL−1ra−R分子」は、本明細書中に記載
されるような、IL−1ra−R核酸分子およびIL−1ra−Rポリペプチド
の両方をいう。所望ならば、IL−1ra−Rタンパク質自体はまた、これらの
手順を使用して、細胞に内部投与され得る。Straus,1999,Scie
nce 285:1466−67をまた参照のこと。
【0198】 (IL−1ra−Rポリペプチドを使用する細胞供給源の同定) 本発明の特定の実施形態に従って、IL−1ra−Rポリペプチドと関連する
特定の細胞型の供給源を決定することを可能することが有用であり得る。例えば
、適切な治療を選択する際の補助として疾患または病的状態の起源を決定するこ
とが有用であり得る。特定に実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチド
をコードする核酸は、プローブとして使用されて、このようなプローブを用いて
細胞の核酸をスクリーニングすることによって、本明細書中に記載の細胞を同定
し得る。他の実施形態において、抗IL−1ra−Rポリペプチド抗体を使用し
て、細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの存在について試験し得、従っ
て、このような細胞が本明細書中に記載される型の細胞か否かを決定し得る。
【0199】 (IL−1ra−Rポリペプチド組成物および投与) 治療組成物は、本発明の範囲内である。このようなIL−1ra−Rポリペプ
チド薬学的組成物は、治療有効量のIL−1ra−RポリペプチドまたはIL−
1ra−R核酸分子を、投与の様式と適合するように選択された薬学的にまたは
生理学的に受容可能な処方薬剤との混合物中に、含み得る。薬学的組成物は、治
療有効量の1以上のIL−1ra−Rポリペプチド選択的結合因子を、投与の様
式と適合するように選択された薬学的にまたは生理学的に受容可能な処方薬剤と
の混合物中に、含み得る。
【0200】 受容可能な処方物材料は、好ましくは、使用される投薬量および濃度で、レシ
ピエントに対して非毒性である。
【0201】 薬学的組成物は、例えば、pH、浸透圧、粘度、清澄性、色、等張性、におい
、無菌性、安定性、解離または放出の速度、吸着、または組成物の浸透を改変、
維持または保存するための処方物材料を含み得る。適切な処方物材料としては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:アミノ酸(例えば、グリシン、グ
ルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジン)、抗菌剤、抗酸化剤(例
えば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウム(so
dium hydrogen−sulfite))、緩衝液(例えば、ホウ酸塩
、炭酸水素塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩、または他の有機酸)
、バルキング剤(例えば、マンニトールまたはグリシン)、キレート化剤(エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA))、複合体化剤(例えば、カフェイン、ポリビ
ニルピロリドン、β−シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル−β−シ
クロデキストリン)、フィラー、単糖類、二糖類、および他の炭水化物(例えば
、グルコース、マンノースまたはデキストリン)、タンパク質(例えば、血清ア
ルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン)、着色剤、味付け剤および希釈剤
、乳化剤、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)、低分子量ポリペ
プチド、塩形成対イオン(例えば、ナトリウム)、保存剤(例えば、塩化ベンザ
ルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メ
チルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸
化水素)、溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチ
レングリコール)、糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール)
、懸濁剤、表面活性剤または湿潤剤(例えば、プルオニック(pluronic
);PEG;ソルビタンエステル;ポリソルビテート(例えば、polysor
bate 20またはpolysorbate 80);トリトン;トロメタミ
ン;レシチン;コレステロールまたはチロキサポール(tyloxapal))
、安定性増強剤(例えば、スクロースまたはソルビトール)、張度増強剤(例え
ば、ハロゲン化アルカリ金属(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)
、またはマンニトール、ソルビトール)、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤および
/または薬学的なアジュバント。Remington’s Pharmaceu
tical Sciences(第18版,A.R.Gennaro,編,Ma
ck Publishing Company 1990を参照のこと。
【0202】 最適な薬学的組成物は、当業者によって、例えば、意図される投与経路、送達
形式、および所望の投薬量に依存して決定される。例えば、Remington
’s Pharmaceutical Sciences,前出を参照のこと。
このような組成物は、IL−1ra−R分子の、物理的な状態、安定性、インビ
ボ放出の速度、およびインビボクリアランスの速度に影響し得る。
【0203】 薬学的組成物における主要なビヒクルまたはキャリアは、本来水性または非水
性のいずれかであり得る。例えば、注入のための適切なビヒクルまたはキャリア
は、水、生理学的な生理食塩水溶液、または人工脳脊髄液であり、おそらく非経
口投与のための組成物において一般的なタンパク質の材料で補充されている。中
性の緩衝化生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、さらな
る例示的なビヒクルである。他の例示的な薬学的組成物は、約pH7.0−8.
5のTris緩衝液または約pH4.0−5.5の酢酸塩緩衝液を含み、これは
さらに、ソルビトールまたは適切な置換物を含み得る。本発明の1つの実施形態
において、IL−1ra−Rポリペプチド組成物は、所望の程度の純度を有する
選択された組成物を、任意の処方薬剤(Remington’s Pharma
ceutical Sciences,前出)と混合することによって、凍結乾
燥ケークまたは水溶液の形態で、保存のために調製され得る。さらに、IL−1
ra−Rポリペプチド産物は、スクロースのような適切な賦形剤を使用して凍結
乾燥物として処方され得る。
【0204】 このIL−1ra−Rポリペプチドの薬学的組成物は、非経口送達のために選
択され得る。あるいは、これらの組成物は、吸入または消化管を介する送達(例
えば、経口的に)のために、選択され得る。このような薬学的に受容可能な組成
物の調製は、当該分野の技術内にある。
【0205】 処方成分が、投与の部位に受容可能な濃度で存在する。例えば、緩衝液は、生
理学的pHまたは多少より低いpH(典型的に、約5〜約8のpH範囲内)にこ
の組成物を維持するために使用される。
【0206】 非経口投与が意図される場合、本発明における使用のための治療組成物は、薬
学的に受容可能なビヒクルに所望のIL−1ra−R分子を含む発熱物質を含ま
ない非経口的に受容可能な水溶液の形態であり得る。非経口注入のために特に適
切なビヒクルは、滅菌蒸留水であり、ここで、IL−1ra−R分子が、滅菌で
、等張溶液として処方され、適切に保存される。なお別の調製は、所望の分子と
、薬剤(例えば、注入可能なミクロスフィア、生体侵食(bio−erodib
le)薬剤、ポリマー化合物(ポリ乳酸またはポリグリコール酸)、ビーズまた
はリポソーム)との処方物に関係し、これは、次いで蓄積注射を介して送達され
得る産物の制御されたまたは持続された放出を提供する。ヒアルロン酸がまた、
使用され得、そしてこれは、循環において、維持された持続時間を促進する効果
を有し得る。所望の分子の導入のための他の適切な手段は、移植可能な薬物送達
デバイスを含む。
【0207】 1つの実施形態において、薬学的組成物は、吸入のために処方され得る。例え
ば、IL−1ra−Rポリペプチドは、吸入のための乾燥粉末として処方され得
る。IL−1ra−Rポリペプチドまたは核酸分子の吸入溶液はまた、エアロゾ
ル送達のための噴霧体と共に処方され得る。なお別の実施形態において、溶液は
、噴霧され得る。肺投与が、PCT公開番号WO94/20069にさらに記載
され、これは化学的に改変されたタンパク質の肺送達を記載する。
【0208】 特定の処方物が、経口投与され得ることがまた意図される。本発明の1つの実
施形態において、このよう様式で投与されるIL−1ra−Rポリペプチドが、
固体投薬形態(例えば、錠剤またはカプセル)の調合において慣用的に使用され
るキャリアを伴うか、または伴わず処方され得る。例えば、カプセルは、バイオ
アベイラビリティーが最大化され、そして前全身分解が最小化される場合、胃腸
管内での点で処方物の活性部分を放出するように設計され得る。さらなる薬剤が
、IL−1ra−Rポリペプチドの吸収を容易にするために含まれうる。希釈剤
、味付け剤、低融点ワックス、植物油、潤滑剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤、およびバ
インダーがまた、使用され得る。
【0209】 別の薬学的組成物は、錠剤の製造に適切な非毒性賦形剤との混合物中に、有効
量のIL−1ra−Rポリペプチドを含み得る。錠剤を滅菌水または別の適切な
ビヒクルに溶解することによって、溶液が、単位用量形態で調製され得る。適切
な賦形剤は以下を含むが、これらに限定されない:不活性な希釈剤(炭酸カルシ
ウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム、ラクトース、あるいはリン酸
カルシウム);または結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム
);あるいは潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または
タルク)。
【0210】 さらなるIL−1ra−Rポリペプチドの薬学的組成物は、当業者に明らかで
あり、持続または制御送達処方物中にIL−1ra−Rポリペプチドを含む処方
物を含む。種々の他の持続または制御送達手段(例えば、リポソームキャリア、
生体侵食マイクロスフィアあるいは多孔性ビーズおよび蓄積注射)を処方するた
めの技術はまた、当業者に公知である。例えば、PCT/US93/00829
(これは、薬学的組成物の送達のための多孔性ポリマー性ミクロ粒子の制御放出
を記載する)を参照のこと。
【0211】 徐放性調製物のさらなる例としては、成形された物品の形態(例えば、フィル
ム、またはマイクロカプセル)の半透過性ポリマーマトリックスを含む。徐放性
マトリックスとしては、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許第
3,773,919号および欧州特許第058481号)、L−グルタミン酸と
γエチル−L−グルタメートとのコポリマー(Sidmanら,1983,Bi
opolymers 22:547−56)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メ
タクリレート)(Langerら,1981,J.Biomed.Mater.
Res.15:167−277およびLanger,1982,Chem.Te
ch.12:98−105)、エチレンビニルアセテート(Langerら,前
出)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133988号)
。徐放性組成物はまた、リポソームを含み得、これは、当該分野で公知のいくつ
かの方法のいずれかによって調製され得る。例えば、Eppsteinら,19
85,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−92
;および欧州特許第036676号、同第088046号、および同第1439
49号を参照のこと。
【0212】 インビボ投与のために使用されるIL−1ra−Rの薬学的組成物は、代表的
に滅菌でなければならない。このことは、滅菌濾過膜を介する濾過によって達成
され得る。組成物が、凍結乾燥される場合、この方法を使用する滅菌は、凍結乾
燥および再構成の前に、またはそれに続いてのいずれかで実施され得る。非経口
投与のための組成物は、凍結乾燥された形態または溶液で保存され得る。さらに
、非経口組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器(例えば、静脈内
溶液バッグまたは皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有するバイアル)
内に配置される。
【0213】 一旦、薬学的組成物が処方されると、それは、滅菌バイアル中に溶液、懸濁液
、ゲル、エマルジョン、固体、または脱水和粉末または凍結乾燥粉末として保存
され得る。このような処方物は、すぐに使用できる形態または投与の前に再構成
を必要とする形態(凍結乾燥された形態)のいずれかで保存され得る。
【0214】 特定の実施形態において、本発明は、単一用量投与単位を生成するためのキッ
トに関する。このキットは、各々、乾燥タンパク質を有する第一の容器および水
性処方物を有する第二の容器の両方を含み得る。また、本発明の範囲内には、単
一および多チャンバーの予め充填されたシリンジ(例えば、液体シリンジおよび
分散シリンジ(lyosyringe))を含むキットが含まれる。
【0215】 治療的に使用されるIL−1ra−Rの薬学的組成物の有効量は、例えば、治
療の内容および目的に依存する。当業者は、処置のための適切な投薬レベルが、
従って、送達される分子、IL−1ra−R分子が使用されている指標、投与の
経路、および患者のサイズ(体重、体表面、または器官の大きさ)および状態(
年齢および一般的な健康)に、部分的に依存して変化することを理解する。従っ
て、臨床家は、最適な治療効果を得るために、投薬量を力価決定し(titer
)、投与経路を改変し得る。代表的な投薬量は、上記の因子に依存して、約0.
1μg/kg〜約100mg/kg以上までの範囲であり得る。他の実施形態に
おいて、投薬量は、0.1μg/kg〜約100mg/kgまで;または1μg
/kg〜約100mg/kgまで;または5μg/kg〜約100mg/kgま
での範囲であり得る。
【0216】 投薬の頻度は、使用される処方物中でのIL−1ra−R分子の薬物動態学の
パラメーターに依存する。典型的に、臨床家は、所望の効果を達成する投薬量に
達するまで組成物を投与する。組成物は、従って、組成物は、経時的な単一用量
として、2以上の用量(これは、同量の所望の分子を含んでも、含まなくてもよ
い)として、あるいは移植デバイスまたはカテーテルを介する連続的な注入とし
て、投与され得る。適切な投薬量のさらなる改良は、当業者によって慣用的にな
され、そしてそれらによって慣用的に実施される課題の範囲内である。適切な投
薬量は、適切な用量−応答データの使用を介して確認され得る。
【0217】 薬学的組成物の投与の経路は、以下のような公知の方法と一致する:経口的に
;静脈内、腹腔内、脳内(実質内の)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内
、または病巣内の経路による注入を介して;徐放性系によって;または移植デバ
イスによって。所望される場合、これらの組成物は、ボーラス注射によって投与
され得るか、または注入によって連続的に投与され得るか、または移植デバイス
によって投与され得る。
【0218】 あるいはまたはさらに、組成物は、その上に所望の分子が吸収されるかまたは
カプセル化される膜、スポンジ、または他の適切な材料の移植を介して局所的に
投与され得る。移植デバイスが使用される場合、このデバイスは、任意の適切な
組織または器官に移植され得、そして所望の分子の送達は、拡散、時限放出ボー
ラスまたは連続的な投与を介し得る。
【0219】 いくつかの場合において、エキソビボ様式において、IL−1ra−Rポリペ
プチドの薬学的組成物を使用することが所望され得る。このような例において、
患者から除去された細胞、組織、または器官は、これらの細胞、組織、または器
官が引き続いて患者に移植して戻された後にIL−1ra−Rポリペプチドに曝
露される。
【0220】 他の場合において、IL−1ra−Rポリペプチドは、本明細書中に記載され
る方法を使用して、遺伝的に操作されて、IL−1ra−Rポリペプチドを発現
および分泌する特定の細胞を移植することによって送達され得る。このような細
胞は、動物またはヒト細胞であり得、そして自己、異種、または外因性の細胞で
あり得る。必要に応じて、細胞は、不死化され得る。免疫学的応答の機会を減少
するために、細胞は、周囲の組織の浸潤を回避するために、カプセル化され得る
。カプセル化材料は、典型的に、生体適合性の半浸透性ポリマー性包囲物または
膜であり、これらは、タンパク質産物の放出を可能にするが、患者の免疫系また
は周囲の組織からの他の有害な因子によって細胞の破壊を防止する。
【0221】 本明細書中において議論されるように、単離された細胞集団(例えば、幹細胞
、リンパ球、赤血球、軟骨細胞、ニューロンなど)を1つ以上のIL−1ra−
Rポリペプチドで処理することが、望ましくあり得る。このことは、細胞膜に対
して透過性の形態である場合には、単離された細胞をこのポリペプチドに直接曝
露することによって達成され得る。
【0222】 本発明のさらなる実施形態は、治療ポリペプチドのインビトロ産生と、遺伝子
治療または細胞治療による治療ポリペプチドの産生および送達との両方のための
、細胞および方法(例えば、相同組換えおよび/または他の組換え産生方法)に
関する。相同組換えおよび他の組換えの方法を使用して、通常は転写に対してサ
イレントなIL−1ra−R遺伝子(すなわち、過少発現される遺伝子)を含む
細胞を改変し得、これによって、治療有効量のIL−1ra−Rポリペプチドを
発現する細胞を産生し得る。
【0223】 相同組換えは、もともとは、遺伝子を標的化して転写活性な遺伝子における変
異を誘導するか、または修正するために開発された技術である。Kucherl
apati,1989,Prog.in Nucl.Acid Res.& M
ol.Biol.36:301。基本的な技術が、特定の変異を哺乳動物ゲノム
の特定の領域に導入するため(Thomasら、1986,Cell 44:4
19−28;ThomasおよびCapecchi,1987,Cell 51
:503−12;Doetschmanら、1988,Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.85:8583−87)、または欠損遺伝子にお
ける特定の変異を修正するため(Doetschmanら、1987,Natu
re 330:576−78)の方法として、開発された。例示的な相同組換え
技術は、米国特許第5,272,071号;欧州特許第9193051号および
同第505500号;PCT/US90/07642、ならびにPCT公開番号
WO 91/09955)に記載されている。
【0224】 相同組換えによって、ゲノムに挿入されるべきDNA配列は、それを標的DN
Aに付着させることによって、目的の遺伝子の特定の領域に指向され得る。この
標的DNAは、ゲノムDNAの領域に相補的(相同)であるヌクレオチド配列で
ある。ゲノムの特定の領域に対して相補的な標的DNAの小さな断片は、DNA
複製プロセスの間に、親鎖と接触される。これは、細胞に挿入されてハイブリダ
イズしたDNAの一般的な特性であり、そして従って、共有される相同領域を介
して、内因性DNAの他の断片と組み換わる。この相補鎖が、変異または異なる
配列またはさらなるヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドに付着される場合に
は、これはまた、この組換えの結果として新たに合成された鎖に組み込まれる。
プルーフリーディング機能の結果として、DNAの新たな配列がテンプレートと
して働くことが可能である。従って、移入されたDNAは、ゲノムに組み込まれ
る。
【0225】 IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用し得るかまたはその発現を制御し得
るDNAの領域(例えば、隣接配列)が、標的DNAのこれらの断片に付着する
。例えば、プロモーター/エンハンサーエレメント、サプレッサ、または外因性
転写調節エレメントが、意図される宿主細胞のゲノムに、所望のIL−1ra−
RポリペプチドをコードするDNAの近位に、このDNAの転写に影響を与える
に十分な配向で、挿入される。制御エレメントは、この宿主細胞ゲノムに存在す
るDNAの部分を制御する。従って、所望のIL−1ra−Rポリペプチドの発
現は、IL−1ra−R遺伝子自体をコードするDNAのトランスフェクション
によってではなく、むしろ、IL−1ra−R遺伝子の転写のための認識可能な
シグナルを有する内因性遺伝子配列を提供するDNA調節セグメントと結合した
標的DNA(目的の内因性遺伝子と相同の領域を含む)の使用によって、達成さ
れ得る。
【0226】 例示的な方法において、細胞における所望の標的遺伝子(すなわち、所望の内
因性細胞遺伝子)の発現は、予め選択された部位における細胞ゲノムへの相同組
換えを介して、少なくとも調節配列、エキソン、およびスプライスドナー部位を
含むDNAの導入によって、変更される。これらの構成成分は、新たな転写ユニ
ットの産生を実際に生じるような様式で、染色体(ゲノム)DNAに導入される
(ここで、DNA構築物に存在する調節配列、エキソン、およびスプライスドナ
ー部位は、内因性遺伝子に作動可能に連結する)。染色体DNAへのこれらの構
成成分の導入の結果として、所望の内因性遺伝子の発現が変化する。
【0227】 本明細書中で記載されるように、変化された遺伝子発現は、通常は得られたま
まの細胞においてサイレントな(発現されていない)遺伝子の活性化(または発
現させる)、ならびに得られたままの細胞において生理学的に有意なレベルでは
発現されない遺伝子の発現の増加を包含する。この実施形態はさらに、調節また
は誘導のパターンを変化させる工程を包含し、その結果、これは、得られたまま
の細胞において生じる調節または誘導のパターンとは異なり、そして得られたま
まの細胞において発現される遺伝子の発現を減少(排除を含む)させる。
【0228】 細胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からのIL−1ra−Rポリペプチドの
産生を増加するかまたはこれを引き起こすために相同定組換えが使用され得る1
つの方法は、最初に、相同性組換えを使用して、部位特異的組換え系由来の組換
え配列(例えば、Cre/loxP、FLP/FRT)(Sauer,1994
,Curr.Opin.Biotechnol.,5:521−2;Sauer
,1993,Methods Enzymol.,225:890−900)を
、細胞の内在性IL−1ra−Rポリペプチドコード領域の上流(すなわち、5
’)に配置する工程を包含する。ゲノムIL−1ra−Rポリペプチドコード領
域のすぐ上流に配置された領域に対して相同性の組換え部位を含むプラスミドは
、適切なリコンビナーゼ酵素と共に、改変された細胞株に導入される。このリコ
ンビナーゼによって、プラスミドは、このプラスミドの組換え部位を介して、こ
の細胞株のゲノムIL−1ra−Rポリペプチドコード領域のすぐ上流に位置す
る組換え部位に組込み得る(BaubonisおよびSauer、1993,N
ucleic Acids Res.21:2025−29;O’Garman
ら、1991,Science 251:1351−55)。転写を増加させる
ことが知られている任意の側方配列(例えば、エンハンサー/プロモーター、イ
ントロン、翻訳エンハンサー)は、このプラスミド中に適切に配置される場合、
細胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からの新たなまたは増加したIL−1ra
−Rポリペプチド産生を生じる新たなまたは改変された転写単位を作製するよう
な様式で一体化する。
【0229】 部位特異的組換え配列が細胞の内在性ゲノムIL−1ra−Rポリペプチドコ
ード領域のすぐ上流に配置された細胞株を使用するさらなる方法は、細胞株のゲ
ノムの他の位置に第2の組換え部位を導入するために相同性組換えを使用するこ
とである。適切な組換え酵素は、次いで、二組換え部位細胞株に導入され、組換
え減少(欠失、転化、および転移)を生じ(Sauer,1994,Curr.
Opin.Biotechnol.,5:521−27;Sauer,1993
,Methods Enxymol.,225:890−900)、これは、細
胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からの新規なまたは増加したIL−1ra−
Rポリペプチド産生を生じる新しいかまたは改変された転写ユニットを作製する
【0230】 細胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からのIL−1ra−Rポリペプチドの
発現を増加するため、または引き起こすためのさらなるアプローチは、細胞の内
在性IL−1ra−R遺伝子からの新たなまたは増加したIL−1ra−Rポリ
ペプチドの産生を生じる様式で、遺伝子(単数または複数)(例えば、転写因子
)の発現を増加するかまたは引き起こし、そして/または遺伝子(単数または複
数)(例えば、転写リプレッサ)の発現を減少する工程を包含する。この方法は
、天然に存在しないポリペプチド(例えば、転写因子ドメインに融合した部位特
異的DNA結合ドメインを含むポリペプチド)を、細胞の内在性IL−1ra−
R遺伝子からの新たなまたは増加したIL−1ra−Rポリペプチドの産生が起
こるように、細胞に導入する工程を包含する。
【0231】 本発明はさらに、標的遺伝子の発現を変化させる方法において有用なDNA構
築物に関する。特定の実施形態において、代表的なDNA構築物は、以下を含む
:(a)1つ以上の標的配列、(b)制御配列、(c)エキソン、および(d)
不対スプライスドナー部位。DNA構築物中の標的配列は、エレメント(a)〜
(d)の細胞中の標的遺伝子への組込みを指向し、その結果、これらのエレメン
ト(b)〜(d)は、内在性標的遺伝子の配列に作動可能に連結される。別の実
施形態において、DNA構築物は、以下を含む:(a)1つ以上の標的配列、(
b)制御配列、(c)エキソン、(d)スプライスドナー部位、(e)イントロ
ン、および(f)スプライスアクセプター部位。ここで、標的配列は、エレメン
ト(a)〜(f)の組込みを指向し、その結果、これらのエレメント(b)〜(
f)は、内在性遺伝子に作動可能に連結される。標的配列は、相同性組換えが生
じる細胞染色体DNAの予め選択された部位に対して相同性である。この構築物
において、エキソンは、一般的に、制御配列の3’であり、そしてスプライスド
ナー部位は、このエキソンの3’である。
【0232】 特定の遺伝子の配列(例えば、本明細書中で記載されるIL−1ra−Rポリ
ペプチドの核酸配列)が公知である場合、遺伝子の選択された領域に対して相補
的なDNAの部分は、合成されるか、またはそうでなければ、例えば、目的の領
域に結合している特定の認識部位におけるネイティブのDNAの適切な制限等に
よって得られ得る。この部分は、細胞に挿入された際に、標的配列として働き、
そしてそのゲノム内の相同性領域にハイブリダイズする。このハイブリダイゼー
ションが、DNA複製の間に生じる場合、このDNAの部分、およびそれに結合
した任意のさらなる配列は、Okazakiフラグメントとして作用し、そして
DNAの新たに合成された娘鎖に組み込まれる。従って、本発明は、IL−1r
a−Rポリペプチドをコードするヌクレオチドを含み、このヌクレオチドは、標
的配列として使用され得る。
【0233】 IL−1ra−Rポリペプチド細胞治療(例えば、IL−1ra−Rポリペプ
チドを産生する細胞の移植)もまた企図される。この実施形態は、生物学的に活
性な形態のIL−1ra−Rポリペプチドを合成および分泌し得る細胞を移植す
る工程を包含する。このようなIL−1ra−Rポリペプチド産生細胞は、IL
−1ra−Rポリペプチドの天然産物である細胞であり得るか、または組換え細
胞であって、そのIL−1ra−Rポリペプチドを産生する能力が、所望のポリ
ペプチドをコードする遺伝子またはIL−1ra−Rポリペプチドの発現を増大
する遺伝子で形質転換することによって増大された、組換え細胞であり得る。こ
のような改変は、遺伝子を送達し、その発現および分泌を促進するために適切な
ベクターによって達成され得る。IL−1ra−Rポリペプチドを投与されてい
る患者における強力な免疫学的反応を最小化するために、異種のポリペプチドの
投与と共に生じる場合、IL−1ra−Rポリペプチドを産生する天然の細胞が
、ヒト起源であり、そしてヒトIL−1ra−Rポリペプチドを産生することが
好ましい。同様に、IL−1ra−Rポリペプチドを産生する組換え細胞が、ヒ
トIL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子を含む発現ベクターで形質
転換されることが好ましい。
【0234】 移植細胞は、周辺組織の浸透を回避するようにカプセル化され得る。ヒトまた
は非ヒト動物細胞は、生体適合性の半透性ポリマー封入物または膜(これは、I
L−1ra−Rポリペプチドの放出を可能にするが、患者の免疫系または周辺組
織からの他の有害な因子による細胞の崩壊を防止する)の形態で患者に移植され
得る。あるいは、IL−1ra−Rポリペプチドをエキソビボで産生するように
形質転換された患者自身の細胞が、このようなカプセル化なしで、患者に直接移
植され得る。
【0235】 生きた細胞をカプセル化するための技術は当該分野で公知であり、そしてカプ
セル化された細胞の調製およびそれらの患者への移植は、慣用的に達成され得る
。例えば、Baetgeら(PCT公開WO95/05452およびPCT/U
S94/09299)は、生物学的に活性な分子の効果的な送達のために遺伝子
操作された細胞を含む膜カプセルを記載する。このカプセルは、生体適合性であ
り、そして容易に取り出し可能である。このカプセルは、哺乳動物宿主に移植さ
れた際に、インビボで下方制御に供されないプロモーターに作動可能に連結され
た生物学的に活性な分子をコードするDNA配列を含む組換えDNA分子でトラ
ンスフェクトされた細胞をカプセル化する。このデバイスは、生きた細胞由来の
分子のレシピエント内の特定の部位への送達を提供する。さらに、米国特許第4
,892,538号;同第5,011,472号;および同第5,106,62
7号を参照のこと。生きた細胞をカプセル化するためのシステムは、PCT公開
WO91/10425(Aebischerら)に記載される。PCT公開を9
1//10470(Aebischerら);Winnら、1991,Expe
r.Neurol.113:322−29;Aebischerら、1991,
Exper.Neurol.111:269−75;およびTrescoら、1
992,ASAIO 38:17−23もまた参照のこと。
【0236】 IL−1ra−Rポリペプチドのインビボおよびインビトロの遺伝子治療送達
もまた想定される。遺伝子治療技術の一例は、構成的または誘発性プロモーター
に作動可能に連結され得るIL−1ra−RポリペプチドをコードするIL−1
ra−R遺伝子(ゲノムDNA、cDNAおよび/または合成DNAのいずれか
)を使用して、「遺伝子治療DNA構築物」を形成することである。このプロモ
ーターは、内在性IL−1ra−R遺伝子に対してホモ接合性またはヘテロ接合
性であるが、ただし、これは、構築物が挿入される細胞または組織型において活
性である。遺伝子治療DNA構築物の他の成分は、必要に応じて、部位特異的組
込みのために設計されるDNA分子(例えば、相同性組換えのために有用な内在
性配列)、組織特異的プロモーター、エンハンサーまたはサイレンサー、親細胞
を越える選択的優性を提供し得るDNA分子、形質転換された細胞を同定するた
めの標識として有用なDNA分子、ネガティブ選択系、細胞特異的結合因子(例
えば、細胞標的化について)。細胞特異的内部移行、ベクターからの発現を増大
する転写因子、およびベクターの産生を可能にする因子を含む。
【0237】 遺伝子治療DNA構築物は、次いで、ウイルスベクターまたは非ウイルスベク
ターを使用して細胞に導入され得る(エキソビボまたはインビボノいずれか)。
遺伝子治療DNA構築物を導入するための1つの方法は、本明細書中に記載され
るようなウイルスベクターの使用による。特定のベクター(例えば、レトロウイ
ルスベクター)は、DNA構築物を細胞の染色体DNAに送達し、そしてこの遺
伝子は、染色体DNAに組み込まれ得る。他のベクターは、エピソームとして機
能し、そして遺伝子治療DNA構築物は、細胞質に残る。
【0238】 さらに他の実施形態において、制御エレメントが、標的細胞におけるIL−1
ra−R遺伝子の制御された発現のために含められ得る。このようなエレメント
は、適切なエフェクターに応答して刺激される。このようにして、治療的ポリペ
プチドは、所望の場合に発現され得る。1つの従来の制御手段は、低分子結合ド
メインおよび生物学的プロセスを開始し得るドメインを含むキメラタンパク質(
例えば、DNA結合タンパク質または転写活性タンパク質)を二量化する低分子
二量化剤またはラパログ(rapalog)の使用を包含する(PCT公開WO
96/41865、WO97/31898およびWO97/31899を参照の
こと)。タンパク質の二量化は、導入遺伝子の転写を開始するために使用され得
る。
【0239】 代替の調節技術は、目的の遺伝子から発現されたタンパク質を、凝集体または
クラスターとして細胞の内側に貯蔵する方法を使用する。目的の遺伝子は、内在
性小網における凝集タンパク質の保持を生じる、条件的凝集ドメインを含む融合
タンパク質として発現される。貯蔵されたタンパク質は安定であり、そして細胞
の内側で不活性である。しかし、このタンパク質は、条件的凝集ドメインを除去
する薬物(例えば、低分子リガンド)を投与することによって放出され得、それ
により、凝集体またはクラスターを破壊し、その結果、このタンパク質は細胞か
ら分泌され得る。Aridorら、2000,Science 287:816
−17およびRiveraら、2000,Science 287:826−3
0を参照のこと。
【0240】 他の適切な制御手段または遺伝子スイッチとしては、本明細書中で記載される
系が挙げられるが、これらに限定されない。Mifepristone(RU4
86)は、プロゲステロンアンタゴニストとして使用される。改変されたプロゲ
ステロンレセプターリガンド結合ドメインのプロゲステロンアンタゴニストへの
結合は、2つの転写因子のダイマーを形成することによって、転写を活性化し、
次いで、核に至り、DNAに結合する。このリガンド結合ドメインは、天然のリ
ガンドに結合するレセプターの能力を排除するように改変される。改変されたス
テロイドホルモンレセプター系はさらに、米国特許第5,364,791号、な
らびにPCT公開WO96/40911およびWO97/10337に記載され
る。
【0241】 さらに別の制御系は、エクジソンレセプター(細胞質レセプター)に結合し、
そしてこれを活性化するエクジソン(ショウジョウバエステロイドホルモン)を
使用する。次いで、このレセプターは核に転移し、特定のDNA応答エレメント
(エクジソン応答性遺伝子由来のプロモーター)に結合する。エクジソンレセプ
ターは、トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、およびリガンド結合ド
メインを含み、転写を開始する。エクジソン系はさらに、米国特許第5,514
,578、およびPCT公開WO97/38117、WO96/37609、お
よびWO93/03162に記載される。
【0242】 別の制御手段は、陽性テトラシクリン制御可能トランス活性化因子を使用する
。この系は、転写を活性化するポリペプチドに連結された変異したtetレプレ
ッサタンパク質DNA結合ドメイン(逆テトラサイクリン制御トランス活性化因
子タンパク質を生じた変異したtetR−4アミノ酸の変化、すなわち、これは
、テトラサイクリンの存在下でtetオペレーターに結合する)を含む。このよ
うな系は、米国特許第5,464,758号、同第5,650,298号、およ
び同第5,654,168号に記載される。
【0243】 さらなる発現制御系および核酸構築物は、米国特許第5,741,679号お
よび同第5,834,186号(Innovir Laboratories
Inc.)に記載される。
【0244】 インビボ遺伝子治療は、IL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子を
、IL−1ra−R核酸分子の局所注射によって、または適切なウイルスもしく
は非ウイルス送達ベクターによって、細胞に導入することにより達成され得る。
Hefti,1994,Neurobiology 25:1418−35。例
えば、IL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸分子は、標的細胞への送
達のためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに含まれ得る(例えば、Jo
hnson,PCT公開WO95/34670;PCT出願PCT/US95/
07178を参照のこと。組換えAAVゲノムは、典型的に、機能的プロモータ
ーに作動可能に連結したIL−1ra−RポリペプチドをコードするDNA配列
およびポリアデニル化配列に隣接するAAV逆末端反復を含む。
【0245】 代替の適切なウイルスベクターとしては、レトロウイルス、アデノウイルス、
単純ヘルペスウイルス、レンチウイルス、肝炎ウイルス、パルボウイルス、パポ
バウイルス、ポックスウイルス、アルファウイルス、コロナウイルス、ラブドウ
イルス、パラミクソウイルス、および乳頭腫ウイルスベクターが挙げられる。米
国特許第5,672,344号は、組換え神経栄養性HSV−1ベクターを含む
インビボウイルス媒介遺伝子転移系を記載する。米国特許第5,399,346
号は、治療タンパク質をコードするDNAセグメントを挿入するためにインビト
ロで処置されたヒト細胞の送達によって、治療タンパク質を患者に提供するため
のプロセスの例を提供する。遺伝子治療技術の実施のためのさらなる方法および
材料は、米国特許第5,631,236号(アデノウイルスベクターを含む)、
同第5,672,510号(レトロウイルスベクターを含む)、同第5,635
,399号(サイトカインを発現するレトロウイルスベクターを含む)に記載さ
れる。
【0246】 非ウイルス送達法としては、リポローム媒介送達、裸のDNA送達(直接注射
)、レセプター媒介送達(リガンド−DNA複合体)、エレクトロポレーション
、リン酸カルシウム沈降、および微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃)
が挙げられるが、これらに限定されない。遺伝子治療材料および方法はまた、誘
導性プロモーター、組織特異的エンハンサー−プロモーター、部位特異的組込み
のために設計されたDNA配列、親細胞を越える選択的優性を提供し得るDNA
配列、形質転換された細胞を同定するための標識、ネガティブな選択系および発
現制御系(安全性の指標)、細胞特異的結合因子(細胞ターゲッティングのため
)、細胞特異的内部移行因子、およびベクターならびにベクター製造の方法によ
る発現を増大する転写因子を含み得る。遺伝子治療技術の実施のためのこのよう
なさらなる方法および材料は、米国特許第4,970,154号(エレクトロポ
レーション技術を含む)、同第5,679,559号(遺伝子送達のためのリポ
タンパク質含有系を記載する)、同第5,676,954号(リポロームキャリ
アを含む)、同第5,593,875号(リン酸カルシウムトランスフェクショ
ンのための方法を記載する)、および同第4,945,050同第(生物学的に
活性な粒子がある速度で細胞に噴霧され、それによりこの粒子がこの細胞の表面
に浸透し、そしてこの細胞の内側に組み込まれるプロセスを記載する)、および
PCT公開WO96/40958(各リガンドを含む)に記載される。
【0247】 IL−1ra−R遺伝子治療または細胞治療はさらに、同じか異なる細胞(単
数または複数)における1つ以上のさらなるポリペプチドの送達を含み得ること
もまた企図される。このような細胞は、患者に別々に導入され得るか、この細胞
は、単一の移植可能デバイス(例えば、上記のカプセル化膜)に含められ得るか
、あるいはこの細胞は、ウイルスベクターによって別々に改変され得る。
【0248】 遺伝子治療による細胞における内在性IL−1ra−Rポリペプチドの発現を
増加する手段は、IL−1ra−Rポリペプチドプロモーターに1つ以上のエン
ハンサーエレメントを挿入することであり、ここでエンハンサーエレメントは、
IL−1ra−R遺伝子の転写活性を増加させるように働き得る。使用されるエ
ンハンサーエレメントは、遺伝子を活性化することを所望する組織に基づいて選
択される−エンハンサーエレメントは、組織が選択されるという点で、プロモー
ター活性化を与えることが知られている。例えば、IL−1ra−Rポリペプチ
ドをコードする遺伝子がT細胞において「オンに変わる」場合、lckプロモー
ターエンハンサーエレメントが使用され得る。従って、付加される転写エレメン
トの機能的部分は、標準的なクローニング技術を使用して、IL−1ra−Rポ
リペプチドプロモーターを含むDNAのフラグメントに挿入され得る(そして必
要に応じて、ベクターおよび/または5’および/または3’隣接配列に挿入さ
れる)。「相同性組換え構築物」として公知のこの構築物は、次いで、エキソビ
ボまたはインビボノいずれかで、所望の細胞に導入され得る。
【0249】 遺伝子治療はまた、内在性プロモーターのヌクレオチド配列を改変することに
よって、IL−1ra−Rポリペプチド発現を増加するために使用され得る。こ
のような改変は、典型的に、相同性組換え方法によって達成される。例えば、不
活性化のために選択されたIL−1ra−R遺伝子の全てまたは一部を含むDN
A分子は、転写を調節するプロモーターの断片を除去および/または置換するよ
うに操作され得る。例えば、プロモーターの転写活性化因子のTATAボックス
および/または結合部位は、標準的な分子生物学的技術を使用して欠失され得;
このような欠失は、プロモーター活性を阻害し得、それにより対応するIL−1
ra−R遺伝子の転写を阻止し得る。プロモーターにおけるTATAボックスま
たは転写活性化因子結合部位の欠失は、IL−1ra−Rポリペプチドプロモー
ター(調節されるIL−1ra−R遺伝子と同じかまたは関連の種由来)のすべ
てまたは関連の部分を含むDNA構築物を生成することによって達成され得、こ
こで、1つ以上のTATAボックスおよび/または転写活性化因子結合部位のヌ
クレオチドは、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、および/または挿入によ
って変異される。結果として、TATAボックスおよび/または活性化因子結合
部位は、活性を減少するか、または化安全に不活性にされる。この構築物(これ
はまた、典型的に、改変されたプロモーターセグメントに隣接したネイティブの
(内在性)5’および3’DNA配列に対応する少なくとも約500塩基のDN
Aを含む)は、直接または本明細書中に記載されるようなウイルスベクターを介
してのいずれかで、適切な細胞に(エキソビボまたはインビボノいずれかで)導
入され得る。典型的に、細胞のゲノムDNAへのこの構築物の組込みは、相同性
組換えによってであり、ここで、このプロモーター構築物の5’および3’DN
A配列は、内在性染色体DNAへのハイブリダイゼーションによって、改変プロ
モーター領域に一体化するのを助け得る。
【0250】 (治療的用途) IL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにそれらのアゴニストおよ
びアンタゴニストは、多数の疾患、障害または状態(本明細書中で引用されるモ
ノを含む)を処置、診断、回復または予防するために使用され得る。
【0251】 IL−1ra−Rポリペプチドアゴニストおよびアンタゴニストは、IL−1
ra−Rポリペプチド活性を調節し、IL−1ra−Rポリペプチドの成熟形態
の少なくとも1つの活性を増加または減少するものを含む。アゴニストまたはア
ンタゴニストは、IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用し、それによりその
活性を調節する補因子(例えば、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質または
低分子量分子)であり得る。強力なポリペプチドアゴニストまたはアンタゴニス
トは、タンパク質の細胞外ドメインの一部または全てを含むIL−1ra−Rポ
リペプチドの可溶性または膜結合形態のいずれかと反応する抗体を含む。IL−
1ra−Rポリペプチド発現を調節する分子は、典型的に、発現のアンチセンス
制御因子として働き得るIL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸を含む
【0252】 例えば、本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニ
ストおよびアンタゴニストは、免疫系不全を含む、疾患、障害または状態を処置
、診断、回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては
、以下が挙げられるが、これらに限定されない:リウマチ様動脈炎、乾癬性関節
炎、炎症性関節炎、変形性関節症、炎症性関節疾患、自己免疫疾患(自己免疫脈
管炎を含む)、多発性硬化症、狼瘡、糖尿病(例えば、インスリン糖尿病)、炎
症性腸疾患、移植拒絶、移植片対宿主疾患、および骨折、捻挫、軟骨損傷、外傷
、整形手術、感染または他の疾患プロセスから生じる炎症状態。免疫系の不全に
よって影響を受ける他の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0253】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、感染を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復
または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:らい病、ウイルス感染(例えば、肝炎または
HIV)、細菌感染(例えば、clostridium関連疾患、clostr
ium関連下痢を含む)、肺結核、急性熱性疾患、熱、肝臓の急性期反応、敗血
症または敗血症ショック。感染を含む他の疾患は、本発明の範囲内に包含される
【0254】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、体重障害を含む疾患、障害または状態を処置、診断、
回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が
挙げられるが、これらに限定されない:肥満、食欲不振、悪液質(AIDS誘発
性悪液質を含む)、筋障害(例えば、敗血症における筋肉タンパク質代謝)、お
よび低血糖症。体重障害を含む他の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0255】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、神経機能不全を含む疾患、障害または状態を処置、診
断、回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以
下が挙げられるが、これらに限定されない:アルツハイマー病、パーキンソン病
、神経毒性(例えば、HIVによって誘発されるような)、ALS、脳損傷、ス
トレス、うつ病、痛覚および他の疼痛(癌関連疼痛を含む)、痛覚過敏、癲癇、
学習障害および記憶障害、睡眠障害、ならびに末梢神経障害および中枢神経障害
。他の神経学的障害は、本発明の範囲内に包含される。
【0256】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、肺を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復ま
たは予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:急性もしくは慢性肺損傷(間質性肺疾患を含む
)、急性呼吸疾患症候群、肺高血圧症、気腫、嚢胞性線維症、肺性線維症、およ
び喘息。肺の他の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0257】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、皮膚を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復
または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:乾癬、湿疹および創傷治癒。他の皮膚の疾患
は、本発明の範囲内に包含される。
【0258】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、腎臓を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復
または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:急性および慢性糸球体腎炎。他の腎臓の疾患
は、本発明の範囲内に包含される。
【0259】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、骨を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復ま
たは予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:骨粗鬆症、変形性関節症、骨形成不全症、パジ
ェット病、歯周疾患、一時性顎関節疾患、および高カルシウム血症。他の骨の疾
患は、本発明の範囲内に包含される。
【0260】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、血管系を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回
復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙
げられるが、これらに限定されない:出血または発作、出血性ショック、虚血(
心臓虚血および大脳虚血、例えば、外傷、癲癇、出血または発作の結果としての
脳損傷(これらの各々は、神経変性を生じる)を含む)、アテローム性動脈硬化
症、うっ血性心不全、再狭窄、再灌流障害、および新脈管形成。他の血管系の疾
患は、本発明の範囲内に包含される。
【0261】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、腫瘍細胞を含む疾患、障害または状態を処置、診断、
回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が
挙げられるが、これらに限定されない:リンパ腫、骨肉腫、慢性および急性骨髄
性白血病(CMLおよびAML)、および他の白血病、多発性骨髄腫、肺癌、乳
癌、腫瘍転移、および放射線治療の副作用。他の腫瘍細胞を含む疾患は、本発明
の範囲内に包含される。
【0262】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、生殖器系を含む疾患、障害または状態を処置、診断、
回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が
挙げられるが、これらに限定されない:不妊症、流産、早期分娩および早期産、
ならびに子宮内膜症。他の生殖器系を含む疾患は、本発明の範囲内に包含される
【0263】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、眼を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復ま
たは予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:炎症性眼疾患(例えば、角膜移植に関連し得る
)、網膜変性、失明、黄斑変性、緑内障、ブドウ膜炎、および網膜.ニューロパ
シー。他の眼の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0264】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、疾患(例えば、急性膵炎、慢性疲労症候群、線維素血
症、および川崎病(MLNS))を処置するために使用され得る。
【0265】 IL−1インヒビターは、IL−1に対する細胞性レセプターの活性化を特異
的に防止し得る任意のタンパク質を含み、これは、任意の数の機構から生じ得る
。このような機構は、IL−1産生のダウンレギュレーション、遊離IL−1の
結合、IL−1のそのレセプターへの結合の妨害、IL−1レセプター複合体(
すなわち、IL−1レセプター付属タンパク質とのIL−1レセプターの結合)
の形成の妨害、およびIL−1のそのレセプターへの結合後のシグナル伝達の妨
害を含む。このようなインターロイキン−1インヒビターとしては、以下が挙げ
られる:本明細書中に記載されるような、IL−1ra−Rのようなインターロ
イキン−1レセプター抗体(例えば、欧州特許第623674号)、可溶性IL
−1レセプターのようなIL−1結合タンパク質(例えば、米国特許第5,49
2,888号、同第5,488,032号、同第5,464,937号、同第5
,319,071号、および同第5,180,812)、抗IL−1モノクロー
ナル抗体(例えば、PCT公開WO95/01997、WO94/02627、
WO90/06371;米国特許第4,935,343号;および欧州特許第3
64778号、同第267611号および同第220063号)、IL−1レセ
プター付属タンパク質およびそれらに対する抗体(例えば、PCT公開WO96
/23067);インターロイキン−1β変換酵素(ICE)またはカスパーゼ
Iのインヒビター(これを使用して、IL−1β産生および分泌を阻害し得る)
、インターロイキン−1βプロテアーゼインヒビター、ならびにIL−1のイン
ビボ合成または細胞外放出を遮断する他の化合物およびタンパク質。
【0266】 例示的なIL−1インヒビターは、以下において開示される:米国特許第5,
747,444号、同第5,359,032号、同第5,608,035号、同
第5,843,905号、同第5,359,032号、同第5,866,576
号、同第5,869,660号、同第5,869,315号、同第5,872,
095号、同第5,955,480号;PCT公開WO98/21957、WO
96/09323、WO91/17184、WO96/40907、WO98/
32733、WO98/42325、WO98/44940、WO98/478
92、WO98/56377、WO99/03837、WO99/06426、
WO99/06042、WO91/17249、WO98/32733、WO9
8/17661、WO97/08174、WO95/34326、WO99/3
6426、およびWO99/36415;欧州特許第534978号および同第
894795;および仏国特許出願FR 2762514。
【0267】 インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)は、インタ
ーロイキン−1の天然のインヒビターとして作用するヒトタンパク質である。好
ましいレセプターアンタゴニスト(IL−1raならびにその改変体および誘導
体を含む)、ならびに、その作成方法および使用方法は、米国特許第5,075
,222号;PCT公開WO91/08285、WO91/17184、WO9
2/16221、WO93/21946、WO94/06457、WO94/2
1275、WO94/21235、WO94/20517、WO96/2279
3、WO97/28828、andWO99/36541;豪国特許第AU 9
173636号;仏国特許第FR 2706772号;および独国特許第DE
4219626号に記載される。このようなタンパク質には、グリコシル化IL
−1レセプターアンタゴニストおよび非グリコシル化IL−1レセプターアンタ
ゴニストが含まれる。
【0268】 具体的には、Il−1raおよびその改変体の3つの代表的な形態が、5,0
75,222特許に開示されかつ記載される。これらのうち1つ目は、「IL−
1i」と呼ばれ、Tris緩衝液(pH7.6)中の約52mM NaClにて
MonoQ FPLCカラムから溶出して、適切な4.8の等電点を有する、S
DS−PAGEにおける22〜23kDの分子として特徴付けされる。2番目(
IL−1raβ)は、48mM NaClでMonoQカラムから溶出して、2
2〜23kDのタンパク質として特徴付けられる。IL−1raαおよびIL−
1raβの両方がグリコシル化される。3番目(IL−1raχ)は、48mM NaClでMonoQカラムから溶出して、20kDのタンパク質として特徴
付けられる。米国特許第5,075,222号はまた、これらのインヒビターの
コードの原因である遺伝子を単離するための方法、この遺伝子を適切なベクター
および細胞型でクローン化するための方法、ならびにこの遺伝子を発現させてこ
れらのインヒビターを産生するための方法を開示する。
【0269】 当業者は、欠失、挿入および置換の多くの組合せ(本明細書中では個々にまた
は集約的に「改変体(単数または複数)」)が、IL−1ra−Rのアミノ酸配
列内で成され得、但し、得られる分子は、生物学的に活性である(例えば、本明
細書中に記載されるような疾患および障害の1つ以上に影響を及ぼす能力を有す
る)ことを、当業者は認識する。
【0270】 本発明により検討されるように、IL−1ra−Rポリペプチドは、他の治療
のアジュバントとして、そしてまた処置される兆候に適切な薬学的組成物と共に
投与され得る。IL−1ra−Rポリペプチド、および1つ以上の更なる治療ま
たは薬学的処方のうちのいずれかが、別々にか、続けてか、または同時に投与さ
れ得る。
【0271】 特定の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される疾患および障害
の処置または予防のための1つ以上のTNFインヒビターのいずれかと組合わせ
た(前処置、処置後、または同時処置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に
関する。
【0272】 このようなTNFインヒビターとしては、TNFのインビボ合成または細胞外
放出を遮断する化合物およびタンパク質が挙げられる。特定の実施形態において
、本発明は、以下のTNFインヒビターの1つ以上のいずれかと組合わせた(前
処置、処置後、または同時処置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関する
:TNF結合タンパク質(本明細書中で定義されるような、可溶性TNFレセプ
ターI型および可溶性TNFレセプターII型(「sTNF」)、抗TNF抗体
、顆粒球コロニー刺激因子、サリドマイド、BN 50730、tenidap
、E 5531、tiapafant PCA 4248、nimesulid
e、panavir、rolipram、RP 73401、ペプチドT、MD
L 201,449A、(lR,3S)−Cis−1−[9−(2,6−ジアミ
ノ)プリニル]−3−ヒドロキシ−4−シクロペンタン塩酸塩、(lR,3R)
−trans−1−(9−(2、6−ジアミノ)プリン]−3−アセトキシシク
ロペンタン塩酸塩、(1R,3R)−trans−1−[9−アデニル)−3−
アジドシクロペンタン塩酸および(1R,3R)−trans−1−(6−ヒド
ロキシ−プリン−9−イル)−3−アジドシクロ−ペンタン。TNF結合タンパ
ク質は、当該分野で開示される(米国特許第5,136,021号;欧州特許第
308378号、同第422339号、同第393438号、同第398327
号、同第412486号、同第418014号、同第433900号、同第46
4533号、同第512528号、同第526905号、同第568928号、
同第417563号;PCT公開WO90/13575、WO91/03553
、WO92/01002、WO92/13095、WO92/16221、WO
93/07863、WO93/21946、WO93/19777、WO94/
06476、PCT出願番号PCT/US97/12244;英国特許第GB
2218101号および同第2246569号;ならびに日本国特許出願127
,800/1991)。
【0273】 例えば、欧州特許第393438号および同第422339号は、可溶性TN
FレセプターI型(「sTNFR−I」または「30kD TNFインヒビター
」としても公知)および可溶性TNFレセプターII型(「sTNFR−II」
または「40kD TNFインヒビター」としても公知)(集約的に「sTNF
R」と称する)ならびにその成熟形態(例えば、フラグメント、機能的誘導体、
および改変体)のアミノ酸配列および核酸配列を教示する。欧州特許第3934
38号および同第422339号はまた、インヒビターのコードの原因である遺
伝子を単離するための方法、適切なベクターおよび細胞型でこの遺伝子をクロー
ニングするための方法、およびこの遺伝子を発現させてインヒビターを産生する
ための方法を開示する。さらに、TNFR−IおよびsTNFR−IIの多原子
価形態(すなわち、1つ以上の活性部部を含む分子)もまた開示された。1つの
実施形態において、多原子価形態は、少なくとも1つのTNFインヒビターおよ
び別の部分を、任意の臨床的に受容可能なリンカー(例えば、ポリエチレングリ
コール)と化学的にカップリングすることにより(PCT公開WO92/162
21およびWO95/34326)、ペプチドリンカーにより((Neveら、
1996、Cytokine、8:365−70)、ビオチンへの化学的カップ
リングおよび次いでアビジンへの結合(PCT公開WO91/03553)によ
り、そして最後に、キメラ抗体分を組合わせることにより(米国特許第5,11
6,964号;PCT公開WO89/09622およびWO91/16437;
ならびに欧州特許第315062号)構築され得る。
【0274】 抗TNF抗体としては、以下が挙げられる:MAK 195F Fab抗体(
Hollerら、1993、 Ist International Symp
osium on Cytokines in Bone Marrow Tr
ansplantation 147)、CDP 571抗−TNFモノクロ
ーナル抗体(Rankinら、1995、Br. J. Rheumatol.
、34:334−42)、BAY X 1351マウス抗腫瘍壊死因子モノクロ
ーナル抗体(Kieftら、1995,7th European Congr
ess of Clinical Microbiology and Inf
ectious Diseases 9);CenTNF cA2抗TNFモノ
クローナル抗体(Elliott ら、1994、Lancet、344:11
25−27;Elliottら、1994、Lancet、344: 1105
−10)。
【0275】 特定の実施形態において、本発明は、分泌または可溶性のヒトfas抗原また
はその組換えバージョン(PCT公開WO96/20206;Mountzら、
1995、J.Immunol.、155:4829−37;および欧州特許第
510691号)と組合わせた(前処置、処置後、または同時処置)IL−1r
a−Rポリペプチドの使用に関する。PCT公開WO96/20206は、分泌
ヒトfas抗原(ネイティブおよび組換え、Ig融合タンパク質を含む)、可溶
性組換えヒトfas抗原のコードの原因である遺伝子を単離するための方法、適
切なベクターおよび細胞型でこの遺伝子をクローン化するための方法、およびこ
の遺伝子を発現させてインヒビターを産生するための方法を開示する。欧州特許
第510691号は、ヒトfas抗原をコードする核酸を開示し、可溶性fas
抗原、上記の核酸を発現するためのベクター、およびこのベクターでトランスフ
ェクトされた形質転換体を含む。非経口的に投与される場合、分泌または可溶性
のfas抗原融合タンパク質の用量は、それぞれ一般的に、約1μg/kg〜約
100μg/kgである。
【0276】 本明細書中に列挙される疾患および障害(リウマチ性疾患のような急性および
慢性の炎症を含む)の現在の処置は、一般的に、疼痛および炎症の制御のための
第1の系統の薬物の使用を包含し;これらの薬物は、非ステロイド系抗炎症薬(
NSAID)として分類される。二次的な処置は、コルチコステロイド(遅い作
用性の抗リウマチ薬(SAARD)、または疾患改善(DM)薬を含む。以下の
化合物に関する情報は、The Merck Manual of Diagn
osis and Therapy (第16版、1992)およびPharm
aprojects (PJB Publications Ltd)に見出
され得る。
【0277】 特定の実施形態において、本発明は、本明細書中に列挙される疾患および障害
(リウマチ性疾患のような急性および慢性の炎症および移植片対宿主病を含む)
の処置のためのIL−1ra−Rポリペプチドの使用に関する。NSAIDは、
少なくとも部分的に、プロスタグランジン合成の阻害に対して、その抗炎症性作
用を担う(GoodmanおよびGilman、The Pharmacolo
gical Basis of Therapeutics(第7版、1985
))。NSAIDは、以下の9つのグループに特徴付けられ得る:(1)サリチ
ル酸誘導体、(2)プロピオン酸誘導体、(3)酢酸誘導体、(4)フェナム酸
誘導体、(5)カルボン酸誘導体、(6)酪酸誘導体、(7)オキシカム類、(
8)ピラゾール類、および(9)ピラゾロン類。
【0278】 別の特定の実施形態にいおいて、本発明は、1つ以上のサリチル酸誘導体、そ
のプロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩と組合わせた(前処置、
処置後、または同時処置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関する。この
ようなサリチル酸誘導体、そのプロドラッグエステル、および薬学的に受容可能
な塩は、以下を含む:アセトアミノサロール(acetaminosalol)
、アロキシプリン(aloxiprin)、アスピリン、ベノリレート(ben
orylate)、ブロモサリゲニン、アセチルサリチル酸カルシウム、コリン
マグネシウムトリサリチレート、サリチル酸マグネシウム、コリンサリチレート
、ジフルシナル(diflusinal)、エテルサレート(etersala
te)、フェンドサル(fendosal)、ゲンチシン酸、サリチル酸グリコ
ール、イミダゾールサリチレート、リシンアセチルサリチレート、メサラミン、
モルホリンサリチレート、1−ナフチルサリチレート、オルサラジン、パーサル
ミド(parsalmide)、アセチルサリチル酸フェニル、サリチル酸フェ
ニル、サルアセタミド(salacetamide)、サリチルアミド O−酢
酸、サルサレート、サリチル酸ナトリウムおよびスルファサラジン。同様の鎮痛
特性および抗炎症特性を有する構造的に関連したサリチル酸誘導体はまた、この
グループに包含されることが意図される。
【0279】 さらなる特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のプロピオン酸誘導体
、プロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合
わせた(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチド
の使用に関する。プロピオン酸誘導体、プロドラッグエステル、およびその薬学
的に受容可能な塩は、以下を含む:アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、
ブクロクス酸、カルプロフェン、デキシンドプロフェン(dexindopro
fen)、フェノプロフェン、フルノキサプロフェン、フルプロフェン、フルル
ビプロフェン、フルクロプロフェン、イブプロフェン、イブプロフェンアルミニ
ウム、イブプロキサム、インドプロフェン、イソプロフェン、ケトプロフェン、
ロキソプロフェン(loxoprofen)、ミロプロフェン、ナプロキセン、
ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピケトプロフェン、ピメプロフェン
、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、ピリドキシプロフェン(
pyridoxiprofen)、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオ
キサプロフェン。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連
したプロピオン酸誘導体はまた、この群に含まれることが意図される。
【0280】 なお別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上の酢酸誘導体、プロド
ラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた(
処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用に
関する。酢酸誘導体、プロドラッグエステル、およびその薬学的に受容可能な塩
は、以下を含む:アセメタシン、アルクロフェナック、アンフェナク、ブフェキ
サマック、シンメタシン、クロピラク、デルメタシン(delmetacin)
、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、フェルビ
ナク、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェンクロジン酸、フェンチアザ
ク、フロフェナク、グルカメタシン、イブフェナック、インドメタシン、イソフ
ェゾラク、イソキセパック、ロナゾラク、メチアジン酸(metiazinic
acid)、オキサメタシン、オキシピナック(oxpinac)、ピメタシ
ン、プログルメタシン、スリンダク、タルメタシン、チアラミド、チオピナク、
トルメチン、トルメチンナトリウム、ジドメタシンおよびゾメピラク。類似した
鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連した酢酸誘導体はまた、こ
の群に含まれることが意図される。
【0281】 別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のフェナム酸誘導体、プロ
ドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた
(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用
に関する。フェナム酸誘導体、プロドラッグエステル、およびその薬学的に受容
可能な塩は、以下を含む:エンフェナム酸、エトフェナマート、フルフェナム酸
、イソニキシン、メクロフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、メドフェ
ナム酸(medofenamic acid)、メフェナム酸、ニフルム酸、タ
ルニフルマート、テロフェナマート、トルフェナム酸およびウフェナマート。類
似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したフェナム酸誘導
体はまた、この群に含まれることが意図される。
【0282】 さらなる特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のカルボン酸誘導体、
プロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わ
せた(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの
使用に関する。以下を含むカルボン酸誘導体、プロドラッグエステル、およびそ
の薬学的に受容可能な塩が使用され得る:クリダナク、ジフルニサル、フルフェ
ニサール、イノリジン(inoridine)、ケトロラク酸およびチノリジン
。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したカルボン酸
誘導体はまた、この群に含まれることが意図される。
【0283】 なお特定の実施形態において、本発明は、1つ以上の酪酸誘導体、プロドラッ
グエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた(処置
前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関す
る。酪酸誘導体、プロドラッグエステル、およびその薬学的に受容可能な塩は、
以下を含む:ブマジソン、ブチブフェンおよびキセンブシン。類似した鎮痛性特
性および抗炎症性特性を有する構造的に関連した酪酸誘導体はまた、この群に含
まれることが意図される。
【0284】 別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のオキシカン、プロドラッ
グエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた(処置
前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関す
る。オキシカム、プロドラッグエステル、およびその薬学的に受容可能な塩は、
以下を含む:ドロキシカム、エノリカム、イソキシカム、ピロキシカム、スドキ
シカム、テノキシカムおよび4−ヒドロキシ−1,2−ベンゾチアジン1,1−
ジオキシド4−(N−フェニル)−カルボキサミド。類似した鎮痛性特性および
抗炎症性特性を有する構造的に関連したオキシカムはまた、この群に含まれるこ
とが意図される。
【0285】 なお別の特異的な実施形態において、本発明は、1つ以上のピラゾール、プロ
ドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた
(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用
に関する。以下を含むピラゾール、プロドラッグエステル、およびその薬学的に
受容可能な塩が使用され得る:ジフェナミゾールおよびエピリゾール。類似した
鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したピラゾールはまた、こ
の群に含まれることが意図される。
【0286】 さらなる特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のピラゾロン、プロド
ラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた(
処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用に
関する。ピラゾロン、プロドラッグエステル、およびその薬学的に受容可能な塩
は、以下を含む:アパゾン、アザプロパゾン、ベンズピペリロン、フェプラゾン
、モフェブタゾン、モラゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピペ
ブゾン、プロピルフェナゾン、ラミフェナゾン、スキシブゾンおよびチアゾリノ
ブタゾン。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したピ
ラゾロンはまた、この群に含まれることが意図される。
【0287】 別の特定の実施形態において、本発明は、以下のNSAIDの1つ以上のいず
れかと組み合わせた(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−R
ポリペプチドの使用に関する:ε−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメ
チオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、アニトラザフェ
ン、アントラフェニン、ベンダザック、ベンダザックリジネート(bendaz
ac lysinate)、ベンジダミン、ベプロジン(beprozin)、
ブロペラモール、ブコローム、ブフェゾラク、シプロカゾン、クロキシマート、
ダジダミン、デボキサメト、デトミジン、ジフェンピラミド、ジフェンピラミド
、ジフィサラミン(difisalamine)、ジタゾール、エモルファゾン
、ファネチゾールメシレート、フェンフルミゾール、フロクタフェニン、フルミ
ゾール、フルニキシン、フルプロカゾン、フォピルトリン(fopirtoli
ne)、フォスフォサル、グアイメサール、グアイアゾレン(guaiazol
ene)、イソニキシン(isonixirn)、レフェタミンHCl、レフル
ノミド、ロフェミゾール、ロチファゾール、リジンクロニキシネート(lysi
n clonixinate)、メセクラゾン、ナブメトン、ニクチンドール、
ニメスリド、オルゴテイン、オルパノキシン、オキサセプロール、オキサパドー
ル、パラニリン(paranyline)、ぺリソキサール、クエン酸ぺリソキ
サール、ピフォキシム、ピプロキセン(piproxen)、ピラゾラク、ピル
フェニドン、プロカゾン、プロキサゾール、チエラビンB(thielavin
B)、チフラミゾール、チメガジン、トレクチン、トルパドール、トリプトア
ミド(tryptamid)および480156S、AA861、AD1590
、AFP802、AFP860、AI77B、AP504、AU8001、BP
PC、BW540C、CHINOIN 127、CN100、EB382、EL
508、F1044、FK−506、GV3658、ITF182、KCNTE
I6090、KME4、LA2851、MR714、MR897、MY309、
ON03144、PR823、PV102、PV108、R830、RS213
1、SCR152、SH440、SIR133、SPAS510、SQ2723
9、ST281、SY6001、TA60、TAI−901(4−ベンゾイル−
1−インタンカルボン酸)、TVX2706、U60257、UR2301およ
びWY41770のような会社コード番号によって登録されるようなNSAID
。NSAIDに対して類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に
関連したNSAIDはまた、この群に含まれることが意図される。
【0288】 さらに別の特定の実施形態において、本発明は、リウマチ性疾患、対宿主性移
植片病、および多発性硬化症のような急性および慢性炎症を含む、本明細書中に
列挙される疾患および障害の処置のための、1つ以上の副腎皮質ステロイド、プ
ロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせ
た(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使
用に関する。副腎皮質ステロイド、プロドラッグエステル、およびその薬学的に
受容可能な塩は、以下に由来するヒドロコルチゾンおよび化合物を含む:21−
アセトキシプレグネノロン、アルクロメラゾン、アルゲストン、アムシノニド、
ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンバレレート、ブデソニド、クロロ
プレドニゾロン、クロベタゾール、クロベタゾールプロピオネート、クロベタゾ
ン、クロベタゾンブチレート、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコス
テロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコン、デソニド、デスオキシメ
ラゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネー
ト、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルメタ
ゾンピバレート、フルシノロンアセトニド、フルニソリド、フルオシノニド、フ
ルオシノロンアセトニド、フルコーチンブチル、フルオコルトロン、フルオコル
トロンヘキサノエート、ジフルコルトロンバレレート、フルオロメタロン、フル
ペロロンブチレート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニゾロン、フル
ランデノリド、ホルモコータル、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドンア
セテート、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセテー
ト、ヒドロコルチゾンブチレート、ヒドロコルチゾンホスフェート、ヒドロコル
チゾン21−ナトリウムサクシネート、ヒドロコルチゾンテブテート、マジプレ
ドン、メドリゾン、メプレドニゾンメチルプレドニソロン、モメタゾンフロエー
ト、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン21
−ジエドリアミノアセテート、プレドニゾロンナトリウムホスフェート、プレド
ニゾロンナトリウムサクシネート、プレドニゾロンナトリウム21−m−スルホ
ベンゾネート、プレドニゾロン21−ステアログリコレート、プレドニゾロンブ
チレート、トリメチルアセテート、プレドニゾロン21−トリメチルアセテート
、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、プレドニリデン21−ジエチ
ルアミノアセテート、チキソコートル、トリアムシノロン、トリアムシノロンア
セトニド、トリアムシノロンベネトニド、およびトリアムシノロンヘキサアセト
ニドのようなヒドロコルチゾン。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有す
る構造的に関連した副腎皮質コルチコイドはまた、この群に含まれることが意図
される。
【0289】 別の特定の実施形態において、本発明は、リウマチ性疾患、対宿主性移植片病
、および多発性硬化症のような急性および慢性炎症を含む、本明細書中に列挙さ
れる疾患および障害の処置のための、1つ以上の遅効性の抗リウマチ性薬物(S
AARD)または疾患改変抗リウマチ性薬物(DMARDS)、プロドラッグエ
ステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた(処置前、
処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関する。
SAARDまたはDMARD、プロドラッグエステル、およびその薬学的に受容
可能な塩は、以下を含む:アロキュプレイドナトリウム、オーラノフィン、アウ
ロチオグルコース、アウロチオグリカニド、アザチオプリン、ブレキナール(b
requinar)ナトリウム、ブシラミン、カルシウム3−アウロチオ−2−
プロパノール−1−スルホネート、クロラムブシル、クロロキン、クロブザリッ
ト、キュプロキソリン、シクロホスホアミド、シクロスポリン、ダプソン、15
−デオキシスペルグアリン、ジアセレイン、グルコサミン、金塩(例えば、シク
ロキン金塩、金ナトリウムチオマレート、金ナトリウムチオスルフェート)、ヒ
ドロキシクロロキン、ヒドロキシクロロキンスルフェート、ヒドロキシ尿素、ケ
ブゾン、レバミゾール、ロベンザリット、メリチン、6−メルカプトプリン、メ
トトレキセート、ミゾリビン、ミコフェノレートモフェチル(mofetil)
、ミオラル、ナイトロジェン・マスタード、D−ペニシルアミン、ピリジノール
、イミダゾール(例えば、SKNF86002およびSB203580)、ラパ
マイシン、チオール、サイモポエチン、およびビンクリスチン。類似した鎮痛性
特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したSAARDまたはDMARD
はまた、この群に含まれることが意図される。
【0290】 別の特定の実施形態において、本発明は、急性および慢性炎症を含む、本明細
書中に列挙される疾患および障害の処置のための、1つ以上のCOX2インヒビ
ター、プロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組
み合わせた(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプ
チドの使用に関する。COX2インヒビター、プロドラッグエステル、およびそ
の薬学的に受容可能な塩の例としては、例えば、セレコキシブ(celecox
ib)が挙げられる。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に
関連したCOX2はまた、この群に含まれることが意図される。
【0291】 さらに別の特定の実施形態において、本発明は、急性および慢性炎症を含む、
本明細書中に記載される疾患および障害の処置のための、1つ以上の抗菌剤、プ
ロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせ
た(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使
用に関する。抗菌剤としては、例えば、ペニシリン、セファロスポリンおよび他
のβ−ラクタム、アミノ配糖体、アゾール、キロノン類、マクロライド、リファ
マイシン、テトラサイクリン、スルホンアミド、リンコサミド(lincosa
mide)およびポリミキシンの広範なクラスが挙げられる。ペニシリンは、以
下を含むがこれらに限定されない:ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、
ナフシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロクサシリ
ン、アンピシリン、アンピシリン/スルバクタム、アモキシリン、アモキシリン
/クラブラン酸、ヘタシリン、シクラシリン(cyclacillin)、バカ
ンピシリン、カルベニシリン、カルベニシリンインダニル(carbenici
llin indanyl)、チカルシリン、チカルシリン/クラブラン酸、ア
ズロシリン、メズロシリン、ピペラシリン(peperacillin)、およ
びメシリナム。セファロスポリンおよび他のβ−ラクタムとしては、以下を含む
がこれらに限定されない:セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフ
ラジン、セファゾリン、セファドロキシル、セファクロール、セファマンドール
、セフォテタン、セフォキシチン、セルロキシム(ceruroxime)、セ
フォニシド、セフォラジン(ceforadine)、セフィキシム、セフォタ
キシム、モキサラクタム、セフチゾキシム、セトリアキソン(cetriaxo
ne)、セフォペラゾン(cephoperazone)、セフタジジム、イミ
ペネムおよびアズトレオナム。アミノ配糖体としては、以下を含むがこれらに限
定されない:ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシ
ン、ネチルマイシン、カナマイシンおよびネオマイシン。アゾールとしては、フ
ルコナゾールを含むがこれに限定されない。キノロン類としては、ナリジクス酸
、ノルフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ス
パルフロキサシンおよびテマフロキサシンを含むがこれらに限定されない。マク
ロライドとしては、エリスロマイシン(erythomycin)、スピラマイ
シンおよびアジスロマイシンを含むがこれらに限定されない。リファマイシンと
しては、リファンピンを含むがこれに限定されない。テトラサイクリンとしては
、スピサイクリン(spicycline)、クロルテトラサイクリン、クロモ
サイクリン、デメクロサイクリン、デオキシサイクリン(deoxycycli
ne) 、グアメサイクリン(guamecycline)、リメサイクリン、メクロサ
イクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ぺニメ
ピロサイクリン、ピパサイクリン、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン、セ
ノサイクリン(senociclin)およびテトラサイクリンを含むがこれら
に限定されない。スルホンアミドとしては、スルホニルアミド、スルファメトキ
シサゾール、スルファセタミド、スルファジアジン、スルフィソキサゾールおよ
びco−トリモキサゾール(トリメトプリム/スルファメトキシサゾール)を含
むがこれらに限定されない。リンコサミドとしては、クリンダマイシンおよびリ
ンコマイシンを含むがこれらに限定されない。ポリミキシン(ポリペプチド)と
しては、ポリミキシンBおよびコリスチンを含むがこれらに限定されない。
【0292】 IL−1RA−Fポリペプチド機能のアゴニストまたはアンタゴニストは、処
置される状態に適切であるように、1つ以上のサイトカイン、増殖因子、抗生物
質、抗炎症剤および/または化学療法剤と組み合わせて(同時にかまたは引き続
き)使用され得る。
【0293】 望ましくないレベルの1つ以上のIL−1、IL−1ra、またはIL−1r
a−Rポリペプチドによって引き起こされるかまたは媒介される他の疾患は、本
発明の範囲内に含まれる。望ましくないレベルとしては、過度のレベルのIL−
1、IL−1ra、またはIL−1ra−Rポリペプチド、および正常以下のレ
ベルのIL−1、IL−1ra、またはIL−1ra−Rポリペプチドが挙げら
れる。
【0294】 (IL−1ra−R核酸およびIL−1ra−Rポリペプチド) 本発明の核酸分子(それ自体は生物学的に活性なポリペプチドをコードしない
核酸分子を含む)を使用して、IL−1ra−R遺伝子および関連遺伝子の染色
体上の位置をマッピングし得る。マッピングは、当該分野で公知の技術(例えば
、PCR増幅およびインサイチュハイブリダイゼーション)により行われ得る。
【0295】 IL−1ra−R核酸分子(それ自体は生物学的に活性なポリペプチドをコー
ドしない核酸分子を含む)は、哺乳動物組織または体液サンプル中のIL−1r
a−R核酸分子の存在について、定性的または定量的のいずれかで試験するため
の、診断アッセイにおけるハイブリダイゼーションプローブとして有用であり得
る。
【0296】 他の方法はまた、1つ以上のIL−1ra−Rポリペプチドの活性を阻害する
ことが所望される場合に使用され得る。このような阻害は、発現制御配列(三重
らせん形成)またはIL−1ra−R mRNAに相補的でありかつ発現制御配
列(三重らせん形成)またはIL−1ra−R mRNAにハイブリダイズする
核酸分子によりもたらされ得る。例えば、アンチセンスDNAまたはRNA分子
(これらは、IL−1ra−R遺伝子の少なくとも一部に相補的である配列を有
する)は、細胞中に導入され得る。アンチセンスプローブは、本明細書中に開示
されるIL−1ra−R遺伝子の配列を使用して、利用可能な技術により設計さ
れ得る。代表的には、このようなアンチセンス分子の各々は、選択された各IL
−1ra−R遺伝子の開始部位(5’末端)に相補的である。このアンチセンス
分子が次いで、対応するIL−1ra−R mRNAにハイブリダイズする場合
、このmRNAの翻訳は、防止されるかまたは低減される。アンチセンスインヒ
ビターは、細胞または生物におけるIL−1ra−Rポリペプチドの減少または
不在に関連する情報を提供する。
【0297】 あるいは、遺伝子治療を使用して、1つ以上のIL−1ra−Rポリペプチド
の優性ネガティブインヒビターを作製し得る。この状況において、各選択された
IL−1ra−Rポリペプチドの変異体ポリペプチドをコードするDNAは、調
製され得、そして本明細書中に記載されるウイルスまたは非ウイルスの方法のい
ずれかを使用して患者の細胞中に導入され得る。このような変異体の各々は、代
表的にはその生物学的役割において内因性ポリペプチドと競合するように設計さ
れる。
【0298】 さらに、IL−1ra−Rポリペプチド(生物学的に活性でも活性でなくても
)免疫原として使用され得、すなわち、これらのポリペプチドは、それに対して
抗体が誘発され得る少なくとも1つのエピトープを含有する。IL−1ra−R
ポリペプチドに結合する選択的結合因子(本明細書中に記載されるように)は、
インビボおよびインビトロでの診断目的のために使用され得、これらの目的とし
ては、体液サンプルまたは細胞サンプル中のIL−1ra−Rポリペプチドの存
在を検出するための標識された形態での使用を含むが、これに限定されない。こ
れらの抗体をまた使用して、本明細書中に列挙される疾患および障害を含む多数
の疾患および障害を、予防、処置、または診断し得る。これらの抗体は、IL−
1ra−Rポリペプチドの少なくとも1つの活性特徴を低減するかまたは遮断す
るように、IL−1ra−Rポリペプチドに結合し得るか、またはポリペプチド
に結合してIL−1ra−Rポリペプチドの少なくとも1つの活性特徴を増加し
得る(IL−1ra−Rポリペプチドの薬物動態を増加させることによるものを
含む)。
【0299】 本発明のIL−1ra−Rポリペプチドは、発現クローニングストラテジーを
使用して、IL−1ra−Rポリペプチドレセプターをクローン化するために使
用され得る。放射性標識(125ヨウ素)されたIL−1ra−Rポリペプチド
またはアフィニティ/活性−タグ化IL−1ra−Rポリペプチド(例えば、F
c融合またはアルカリホスファターゼ融合)を、結合アッセイにおいて使用して
、IL−1ra−Rポリペプチドレセプターを発現する細胞型または細胞株また
は組織を同定し得る。このような細胞または組織から単離されたRNAは、cD
NAに変換され得、哺乳動物発現ベクターにクローン化され、そして哺乳動物細
胞(例えば、COSまたは293細胞)にトランスフェクトされて発現ライブラ
リーを生成する。放射性標識されるかまたはタグ化されたIL−1ra−Rポリ
ペプチドは、次いで、アフィニティリガンドとして使用されて、このライブラリ
ーから、その表面上にIL−1ra−Rポリペプチドレセプターを発現する細胞
のサブセットを同定および単離し得る。DNAは、次いでこれらの細胞から単離
され得、そして哺乳動物細胞にトランスフェクトされて二次発現ライブラリー(
ここで、IL−1ra−Rポリペプチドレセプターを発現する細胞の画分は、元
のライブラリーよりも何倍も高い)を作製し得る。この富化プロセスは、IL−
1ra−Rポリペプチドレセプターを含有する単一の組換えクローンが単離され
るまで繰り返し反復され得る。IL−1ra−Rポリペプチドレセプターの単離
は、IL−1ra−Rポリペプチドシグナル伝達経路の新規なアゴニストおよび
アンタゴニストを同定または開発するために有用である。このようなアゴニスト
およびアンタゴニストとしては、可溶性IL−1ra−Rポリペプチドレセプタ
ー、抗IL−1ra−Rポリペプチドレセプター抗体、低分子またはアンチセン
スオリゴヌクレオチドが含まれ、そしてこれらは、本明細書中に記載される疾患
または障害の1つ以上を、処置、予防、または診断するために使用され得る。
【0300】 ヒトIL−1ra−RポリペプチドをコードするcDNAの寄託(受託番号P
TA−1423を有する)を、アメリカン タイプ カルチャー コレクション
(ATCC)(バージニア 20110−2209、マナサス、ユニバーシティ ブールバード 10801)にて2000年2月29日に行った。
【0301】 以下の実施例は、例示目的のみのために意図され、本発明の範囲をどちらにし
ても限定するとは解釈されるべきではない。
【0302】 (実施例1:ヒトIL−1ra−Rポリペプチド遺伝子のクローニング) 概して、Sambrookら(前出)に記載されるような材料および方法を、
ヒトIL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子をクローン化および分析
するために使用した。
【0303】 ヒトIL−1ra−RポリペプチドをコードするcDNA配列を単離するため
に、専有データベース(Amgen、Thousand Oaks、CA)の検
索を、クローンshos1−00003−d1を問い合わせ(query)配列
として使用して行った。この様式で同定された423bpの配列は、アミノ酸レ
ベルで問い合わせ配列に対して41%同一性を共有することが見出された。この
配列内の最も高い相同性の領域を使用して、cDNA供給源の同定およびcDN
Aクローンの生成のために、種々のPCRストラテジーを使用して、遺伝子特異
的オリゴヌクレオチドを設計した。
【0304】 多数のcDNAライブラリーを、25μlの全反応容積で、10ngのcdN
AテンプレートDNA、10pmolのアンプリマー(amplimer):2
349−98(5’−C−A−C−A−C−G−C−T−T−C−A−C−C−
T−T−C−T−T−T−C−C−A−G−3’;配列番号20)および234
9−99(5’−T−A−A−A−A−C−T−T−G−G−T−A−C−G−
G−G−C−T−G−A−G−G−G−3’;配列番号21)、ならびにRea
dy−To−Go PCRビーズ(Amersham−Pharmacia、P
iscataway、NJ)(Pharmacia、Piscataway、N
J)を含有する増幅反応で分析した。反応を、95℃にて5分間を1サイクル;
95℃にて15秒間、63℃にて15秒間、そして72℃にて1分間を30サイ
クル;および72℃にて10分間を1サイクルにて行った。予測されたサイズ(
153bp)のPCR産物を、多数のcDNAライブラリー(ヒト胎児頭皮(オ
リゴ−dTでプライムした(primed)もの)およびヒト胎盤(オリゴ−d
Tでプライムしたものおよびランダムにプライムしたもの)を含む)において同
定した。
【0305】 胎児頭皮よび胎盤のcDNAライブラリーを、以下のようにして調製した。全
RNAを、ヒト胎児頭皮から、およびヒト胎盤から標準的なRNA抽出手順を使
用して抽出し、そしてポリ−ARNAを、標準的な手順を使用してこの全RN
Aから選択した。ランダムにプライムされたかオリゴ−dTでプライムされたc
DNAを、このポリ−A+RNAから、cDNA合成およびプラスミドクローニ
ングキット用のSuperscript Plasmid System(Gi
bco−BRL)を使用して、製造者の示唆したプロトコルに従って合成した。
得られたcDNAを、適切な制限酵素を用いて消化し、次いでpSPORT−1
、または他の適切なクローニングベクターにライゲーションする。ライゲーショ
ン産物を、標準的な技術を使用してE.coliに形質転換し、そして細菌性形
質転換体を、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシン、またはクロラム
フェニコールのいずれかを含有する培養プレートで選択した。cDNAライブラ
リーは、これらの形質転換体の全てまたはサブセットから構成された。
【0306】 5’RACE反応および3’RACE反応の両方を、IL−1ra−Rポリペ
プチドについての全長cDNA配列を作成するために行った。IL−1ra−R
ポリペプチドについてのcDNA配列の5’末端に対応するcDNA配列を単離
するために、5’RACEを、10ngのオリゴプライムされたヒト胎児頭皮c
DNAライブラリーをpSPORT1ならびにプライマー1572−36(5’
−G−T−G−T−G G−A−A−T−T−G−T−G−A−G−C−G−G
−A−T−A−A−C−3’;配列番号22)および2349−99を使用して
行った。反応を、94℃にて1分間を1サイクル;94℃にて5秒間そして72
℃にて5分間を5サイクル;94℃にて5秒間、70℃にて10秒間そして72
℃にて3分間を5サイクル;94℃にて5秒間、68度にて10秒間、そして7
2℃にて3分間を25サイクル;ならびに72℃にて7分間を1サイクルで行っ
た。入れ子式(nested)PCRを、5’RACE増幅産物の一部およびプ
ライマー2328−91(5’−C−T−A−T−G−A−C−C−A−T−G
−A−T−T−A−C−G−C−C−A−A−G−C−3’;配列番号23)お
よび2351−47(5’−G−C−T−G−T−A−C−T−G−G−C−T
−G−C−T−G−G−G−GC−3’;配列番号24)を使用して行った。入
れ子式PCRを、94にて1分間を1サイクル;94℃にて5秒間および72℃
にて5分間を5サイクル;94℃にて5秒間、70℃にて10秒間、そして72
℃にて3分間を5サイクル;94℃にて5秒間、68℃にて10秒間、そして7
2℃にて3分間を25サイクル;ならびに72℃にて7分間を1サイクルで行っ
た。
【0307】 IL−1ra−RポリペプチドについてのcDNA配列の3’末端に対応する
cDNA配列を単離するために、3’RACEを、10ngのオリゴ−dTでプ
ライムされたヒト胎児頭皮cDNAライブラリーを使用してpSPORTIなら
びにプライマー2351−48(5’−C−C−T−T−C−A−G−G−C−
T−T−G−A−G−G−C−T−G−C−T−G−3’;配列番号25)およ
び2329−93(5’−C−G−G−G−C−C−T−C−T−T−C−G−
C−T−A−T−T−A−C−G−C−3’;配列番号26)で行った。反応を
94℃にて1分間を1サイクル;94℃にて5秒間および72℃にて5分間を5
サイクル;94℃にて5秒間、70℃にて10秒間、および72℃にて3分間を
5サイクル;94℃にて5秒間、70℃にて10秒間、および72℃にて3分間
を25サイクル;ならびに72℃にて7分間を1サイクルで行った。入れ子式P
CRを、3’RACE増幅産物の一部およびプライマー2363−04(5’−
C−C−T−G−G−C−T−G−G−T−T−C−C−T−G−T−G−T
G−G−C−3’;配列番号27)および2329−94(5’−T−G−G−
C−G−A−A−A−G−G−G−G−G−A−T−G−T−G−C−T−G−
3’;配列番号28)を使用して行った。入れ子式PCRを、95℃にて1分間
を1サイクル;95℃にて30秒間および69℃にて1分間を30サイクル;な
らびに68℃にて7分間を1サイクルで行った。IL−1ra−Rポリペプチド
についての全長cDNA配列を、5’RACEクローンおよび3’RACEクロ
ーンの得られた収集物からアセンブルした。
【0308】 IL−1ra−RポリペプチドについてのcDNA配列の5’部分を、ヒト胎
盤MarathonTM cDNAライブラリー(Clontech)由来のc
DNA配列を独立して単離することにより確認した。IL−1ra−Rポリペプ
チドについてのcDNA配列の5’末端に対応するcDNA配列を単離するため
に、5’RACEを、1ngのヒト胎盤cDNAならびにプライマーAP−1(
5’−C−C−A−T−C−C−T−A−A−T−A−C−G−A−C−T−C
−A−C−T−A−T−A−G−G−G−C−3’;配列番号29;Clont
ech)および2353−87(5’−C−C−T−T−G−G−T−G−A−
G−C−T−G−T−A−C−T−G−G−C−TG−3’;配列番号30)を
使用して行った。反応を、94℃にて2分間を1サイクル;94℃にて5秒間お
よび72℃にて1.5分間を5サイクル;94℃にて5秒間および70℃にて1
.5分間を5サイクル94℃にて5秒間および68℃にて1.5分間を25サイ
クル;および86℃にて7分間を1サイクルで行った。入れ子式PCRを、5’
RACE増幅産物の一部ならびにプライマーAP−1および2349−52(5
’−C−C−G−G−G−C−C−A−C−A−C−A−G−G−A−A−C−
C−A−3’;配列番号31)を使用して行った。入れ子式PCRを、94℃に
て2分間を1サイクル;94℃にて10秒間および68℃にて1.5分間を30
サイクル;および69℃にて7分間を1サイクルで行った。
【0309】 ヒトIL−1ra−Rポリペプチドについての推定cDNA配列の配列分析は
、この遺伝子が、152個のアミノ酸をコードする456bpのオープンリーデ
ィングフレーム(図1A〜1B)を含むことを示した。ヒトIL−1ra−Rポ
リペプチドの配列改変体もまた同定された。この改変体の配列分析は、この改変
体についての遺伝子もまた、152個のアミノ酸をコードする456bpのオー
プンリーディングフレーム(図2A〜2B)を含むことを示唆した。この改変体
のヌクレオチド配列は、2つのヌクレオチド位置においてヒトIL−1ra−R
遺伝子と異なる。
【0310】 図4A〜4Bは、以下のアミノ酸配列アラインメントを図示する:ヒトIL−
1α(IL−1 alpha;配列番号7)、ヒトIL−1β(IL−1 be
ta;配列番号8)、ヒトIL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1RA;
配列番号9)、ヒトIL−1δ(IL1 delta;配列番号10)、ヒトI
L−1ra−Rポリペプチド(IL−1ra−R;配列番号2)、ヒトTang
o−77(Tango−77;配列番号11)、ヒトZilla4(Zilla
4;配列番号12)、ヒトIL−1ζ(IL−1 zeta;配列番号13)、
ヒトIL−1レセプターアンタゴニストβ(IL−1RA β;配列番号14)
、ヒトSPOIL II(Spoil II;配列番号15)、ヒトIL−1ε
(IL−1 epsilon;配列番号16)、およびヒトIL−l1η(IL
eta;配列番号17)。図5は、IL−1ra−R遺伝子ファミリーの系
統発生的関係を模式的に図示する。
【0311】 (実施例2:ヒトIL−1ra−Rポリペプチド遺伝子スプライシングバリア
ント(改変体)のクローニング) 概して、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドスプライシング改変体(バリアン
ト)をコードする遺伝子をクローニングおよび分析するためには、Sambro
okら(前出)に記載の材料および方法を用いた。
【0312】 ヒトIL−1ra−Rポリペプチドのスプライシング改変体をコードする全長
cDNAを、以下のように調製したヒト胎盤cDNAライブラリーから単離した
。標準的RNA抽出手順を用いて、総RNAをヒト胎盤から抽出し、そして標準
的手順を用いてこの総RNAからポリ−A+RNAを選択した。製造業者の示唆
したプロトコールに従って、cDNA Synthesis and Plas
mid Cloningキット(Gibco−BRL)のためのSupersc
ript Plasmid Systemを用いて、このポリ−ARNAから
、オリゴ−dTプライムしたcDNAを、合成した。得られたcDNAをNot
Iで消化し、次いで0.8%アガロースゲル上での電気泳動によって分画した。
0.8〜1.6kbのフラグメントを単離し、精製し、次いでpSPORT−1
に連結した。連結(ライゲーション)産物を、標準的技術を用いてE.coli
中に形質転換し、そして細菌形質転換体を、アンピシリン含有培養プレート上で
選択した。得られた形質転換体をプールして、cDNAライブラリーを生成し、
そしてプログラムDNAを、このcDNAライブラリーの12のプール(それぞ
れが約80,000コロニーを含有する)から調製した。
【0313】 10ngのテンプレートDNA、アンプライマー2349〜98および234
9〜99(各、0.4μMの濃度)、ならびにReady−to−Go(すぐ使
用できる)PCRビーズを含有する増幅反応物(総反応容積25μl)中で、各
cDNAライブラリープールを、分析した。94℃5分を1サイクル;94℃3
0秒、65℃30秒、および72℃1分を30サイクル;ならびに72℃10分
を1サイクルで、反応を実施した。cDNAライブラリープールをまた、10n
gのテンプレートDNA、アンプライマー2349〜51(5’−A−A−G−
A−G−G−C−C−A−C−A−C−G−C−T−T−C−A−C−C−T−
T−C−T−3’;配列番号32)および2349〜52(各、0.4μMの濃
度)、ならびにReady−to−Go(すぐ使用できる)PCRビーズを含有
する増幅反応物(総反応容積25μl)中で、分析した。94℃5分を1サイク
ル;94℃30秒、65℃30秒、および72℃1分を30サイクル;ならびに
72℃10分を1サイクルで、反応を実施した。次いで、これらの反応で得られ
たPCR産物をアガロースゲル上で分析した。
【0314】 これらのプール由来のプラスミドDNAは、期待されるサイズを有するPCR
産物を生成した。そして、これらの各々の陽性プール由来の3×10クローン
を、アンプライマー2349−98および2349−99を用いるPCRによっ
てスクリーニングした。PCRによって生成したPCR産物(zhvt−000
329)の1つを、32P−dCTPで標識し、プローブとして用いて、陽性の
cDNAライブラリーのプールを再スクリーニングした。細菌コロニーを、(1
50mmプレートあたり、約50,000で)プレートし、次いで、ニトロセル
ロースフィルター上に吊り上げた。ExpressHybハイブリダイゼーショ
ン溶液(Clontech)中で68℃30分間、フィルターをプレハイブリダ
イズし、次いで、標識プローブを添加した同じ溶液中で、68℃一晩ハイブリダ
イズした。ハイブリダイゼーション後、このフィルターを、2×SSCおよび0
.05%SDS中で、室温で10分間2回洗浄し、次いで0.1×SSCおよび
0.1%SDS中で、68℃で30分間2回洗浄した。次いで、強化スクリーン
を有するオートラジオグラフィーに−80℃で2時間フィルターを曝した。cD
NAライブラリープールの1つから、約1.2kbのインサートを含有する陽性
クローン(RDS#199918503)を、同定した。別のcDNAライブラ
リープールから、約0.8kbのサイズのインサートを含有する第二の陽性クロ
ーン(RDS#199918501)を、同定した。これらのクローンの各々か
らプラスミドDNAを調製し、そして配列を分析した。
【0315】 これらのクローンの1つについて予想されるcDNA配列の配列分析によって
、このcDNAが、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(実施例1を参照)の改
変体をコードすることが示された。この改変体をコードする遺伝子は、171ア
ミノ酸のタンパク質をコードする513bpのオープンリーディングフレームを
含む(図3)。
【0316】 IL−1ra−R遺伝子(Genbank登録番号AC016724,コンテ
ィグ.フラグメント76649−96342)を含有するヒトゲノムの配列分析
により、IL−1ra−R遺伝子の最初のエキソン(実施例1を参照)が、Il
−1オメガ(Omega)(Genbank登録番号Z300050)の最後の
エキソンの4.1kb下流に存在するが示された。ゲノム中のこれらの2つの遺
伝子の密接な近似により、本ポリペプチドは、IL−1ra−R遺伝子、または
その改変体(実施例1を参照)の第二のエキソン上のIL−1オメガ(Omeg
a)の最初の2つのエキソンのスプライシング(または融合)から生じ得ること
が示唆される。従って、IL−1ra−Rポリペプチドの改変体は、IL−1r
a−Rスプライシング改変体、融合タンパク質、などであり得る。IL−1Om
egaにおける第二エキソンおよびIL−1ra−R遺伝子(またはその改変体
)の第二エキソンの並列(juxtaposition)は、シグナルペプチド
として機能するらしい、N末端を有するタンパク質をコードする配列を生じる。
図6は、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(成熟(Mature)CS329
)と、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドの配列改変体(成熟CS329改変体
タンパク質)と、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドのスプライシング改変体(
オメガ(Omega)329タンパク質)との間の関係を図示する。
【0317】 (実施例3:マウスIL−1ra−Rポリペプチド遺伝子のクローニング) 概して、マウスIL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子をクローニ
ングおよび分析するためには、Sambrookら(前出)に記載の材料および
方法を用いた。
【0318】 マウスIL−1ra−RポリペプチドをコードするcDNAを単離するために
、7日齢マウス胚cDNAライブラリーテンプレートテンプレート、ならびにア
ンプライマー2557−95(5’−A−A−G−C−C−T−T−T−T−T
−C−T−T−C−T−T−T−G−C−C−T−C−A−G−T−G−3’;
配列番号33)および2557〜96(5’−T−G−C−C−A−T−T−T
−A−A−T−G−T−A−A−C−A−C−G−G−T−C−A−C−A−G
−3’;配列番号34)、ならびに標準的技術を用いて、PCRを実施した。
【0319】 マウスIL−1ra−Rポリペプチドの推定cDNA配列の配列分析によって
、この遺伝子が、152アミノ酸のタンパク質をコードする456bpのオープ
ンリーディングフレームを含むことが示された(図7)。図8は、ヒトIL−1
ra−Rポリペプチド(huIL−1ra−R;配列番号2)およびマウスIL
−1ra−Rポリペプチド(muIL−1ra−R;配列番号36)のアミノ酸
配列アラインメントを例示する。図9A〜9Iは、マウスIL−1ra−R遺伝
子(配列番号37)のゲノムヌクレオチド配列を例示する。エキソン1〜4のコ
ード部分の位置を示す(下線)。
【0320】 (実施例4:IL−1ra−R mRNA発現) IL−1ra−R mRNAの発現を、10ngのcDNAライブラリーテン
プレートDNA、10pmolのアンプライマー2349〜98および2349
〜99、ならびにReady−to−Go(すぐ使用できる)PCRビーズを含
有する増幅反応物(総反応容積25μl)中でのPCRによって検討した。95
℃5分を1サイクル;95℃15秒、63℃15秒、および72℃1分を30サ
イクル;ならびに72℃10分を1サイクルで、反応を実施した。ヒト胎児頭皮
、ヒト胎児眼、ヒト膀胱、およびヒト胎盤を含む、多数のcDNAライブラリー
中から、予期されたサイズ(153bp)のPCR産物を、同定した。IL−1
ra−R mRNA発現をまた、アンプライマー2349〜51および2349
−52、ならびにTitanシステム(Boehringer)を用いるRT−
PCRによって、胎児眼および胎児脾臓中で検出した。55℃30分を1サイク
ル;94℃15秒、64℃15秒、および68℃50秒(1サイクルについて2
秒ずつ増加)を30サイクル;ならびに68℃7分を1サイクルで、これらの反
応を実施した。
【0321】 IL−1ra−R mRNAの発現を、ヒトおよびマウスのRNAブロット(
Clontech)を用いたノーザンブロット分析によって試験した。ブロット
をまず、Pre−Hyb溶液(Amersham)中で65℃で30分間、プレ
ハイブリダイズし、次いで、IL−1ra−RポリペプチドをコードするcDN
A配列のヌクレオチド1〜474に対応する、25ngの32P標識プローブを
含有する同じ溶液中で、65℃一晩プローブした。このプローブを、Redi
Prime IIキット(Pharmacia)を用いて標識した。ハイブリダ
イゼーション後、ブロットを、6×SSCおよび0.1%SDS中で、1時間2
回、2×SSCおよび0.1%SDS中で1時間2回、2×SSCおよび0.1
%SDS中で、1時間2回、0.2×SSCおよび0.1%SDS中で30分間
2回洗浄し、次いで2×SSC中でリンスした。ホスホルイメージャー(pho
sphorimager)中のノーザンブロットの一晩の曝露後、約1.6kb
の転写物を、マウスの骨格筋中で検出し(図10A)、そして約2.9kbの転
写物を、ヒトの膵臓および末梢血白血球中で検出した(図10Bおよび10C)
。同じプローブを用いたドットブロット(Clontech)の分析において、
IL−1ra−R mRNAをマウス骨格筋、顎下腺、および精巣上体中で検出
した。
【0322】 IL−1ra−R mRNAの発現を、インサイチュハイブリダイゼーション
によって局在化した。正常胚および成体マウス組織のパネルを4%パラホルムア
ミド中で固定し、パラフィンに包埋し、そして5μmに切片化した。切片化した
組織を、0.2M HCl中で透過化処理し、プロテイナーゼKで消化し、そし
てトリエタノールアミンおよび無水酢酸でアセチル化した。切片を、ハイブリダ
イゼーション溶液(300mM NaCl、20mM Tris−HCl、pH
8.0,5mM EDTA、1×デンハート溶液、0.2% SDS、10mM DTT、0.25mg/ml tRNA、25μg/ml ポリA,25μg
/ml ポリCおよび50%ホルムアミド)中で1時間60℃でプレハイブリダ
イズし、次いで、10%デキストランおよび2×10cpm/μlの33P−
標識アンチセンスリボプローブ(ヒトIL−1ra−R遺伝子に相補的)を含有
する同じ溶液中で60℃で一晩ハイブリダイズする。標準的技術を用いて、ヒト
IL−1ra−R cDNAを含有するクローンのインビトロ転写によって、こ
のリボプローブを得る。
【0323】 ハイブリダイゼーション後、切片を、ハイブリダイゼーション溶液中でリンス
し、RNaseAで処理してハイブリダイズしていないプローブを消化し、次い
で0.1×SSC中で55℃で30分間洗浄する。次いで、切片をNTB−2エ
マルジョン(Kodak,Rochester,NY)に浸し、4℃に3週間曝
し、発色させ、そしてヘマトキシリンおよびエオシンで対比染色する。組織形態
学およびハイブリダイゼーションシグナルを、脳(矢状断面1つおよび冠状断面
2つ)、胃腸管(食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、近位結腸、および遠位結腸
)、下垂体、肝臓、肺、心臓、脾臓、胸腺、リンパ節、腎臓、副腎、膀胱、膵臓
、唾液腺、雄性および雌性生殖器(雌性の卵巣、卵管、および子宮;ならびに雄
性の精巣上体、前立腺、精嚢および輸精管)、BATおよびWAT(皮下、腎臓
周囲)、骨(大腿)、皮膚、乳房、および骨格筋についての暗野かつ標準のイル
ミネーションによって同時に分析する。
【0324】 (実施例5:IL−1ra−Rポリペプチドの生成) (A.細菌におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現) PCRを用いて、IL−1ra−RポリペプチドをコードするテンプレートD
NA配列を増幅する。このPCRには、この配列の5’および3’末端に対応す
るプライマーを用いる。増幅したDNA産物を改変して、発現ベクター内への挿
入を可能にするために制限酵素部位を含むようにし得る。PCR産物をゲル精製
し、そして標準的組み換えDNA方法論を用いて発現ベクター中に挿入する。l
uxプロモーターおよびカナマイシン耐性をコードする遺伝子を含むpAMG2
1(ATCC番号98113)のような代表的ベクターを、挿入したDNAの方
向性クローニングのために、BamHIおよびNdeIを用いて消化する。連結
した混合物を、エレクトロポレーションによってE.coli宿主株中に形質転
換し、そして形質転換体をカナマイシン耐性について選択する。選択したコロニ
ー由来のプラスミドDNAを、単離し、そしてDNA配列決定に供してインサー
ト(挿入物)の存在を確認する。
【0325】 形質転換した宿主細胞を、導入前に、30μg/mLカナマイシンを含有する
2×YT培地中で30℃でインキュベートする。最終濃度30ng/mLへのN
−(3−オキソヘキサノイル)−dl−ホモセリンラクトンの添加、それに続く
30℃かまたは37℃での6時間のインキュベーションによって、遺伝子発現を
誘導する。IL−1ra−Rポリペプチドの発現を、培養物、細菌ペレットの再
懸濁および溶解物の遠心分離、ならびに、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動による宿主細胞タンパク質の分析によって評価する。
【0326】 IL−1ra−Rポリペプチドを含有する封入体を、以下の通り精製する。細
菌細胞を遠心分離によってペレット化し、そして水中に再懸濁する。この細胞懸
濁液を超音波処理によって溶解し、そして195,000×gでの5〜10分間
の遠心分離によってペレット化する。この上清を廃棄し、そしてペレットを洗浄
してホモジナイザーに移す。このペレットを、均一に懸濁されるまで、5mLの
Percoll溶液(75%液体Percollおよび0.15M NaCl)
中にホモジナイズし、次いで希釈して21,600×gで30分間遠心分離する
。封入体を含む勾配画分を回収してプールする。単離した封入体をSDS−PA
GEによって分析する。
【0327】 E.coliが産生したIL−1ra−Rポリペプチドに相当する、SDSポ
リアクリルアミドゲル上の単一のバンドを、ゲルから切り出し、そしてN末端ア
ミノ酸配列を、本質的にMatsudairaら、1987,J.Biol.C
hem.262:10〜35に記載のように決定する。
【0328】 (B.哺乳動物細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現) PCRを用いて、IL−1ra−RポリペプチドをコードするテンプレートD
NA配列を増幅する。このPCRには、この配列の5’および3’末端に対応す
るプライマーを用いる。増幅したDNA産物を改変して、発現ベクター内への挿
入を可能にするために制限酵素部位を含むようにし得る。PCR産物をゲル精製
し、そして標準的組み換えDNA方法論を用いて発現ベクター中に挿入する。E
pstein−Barrウイルス複製起点を含む代表的な発現ベクターであるp
CEP4(Invitrogen,Carlsbad,CA)を、293−EB
NA−1細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現のために用い得る。
増幅およびゲル精製したPCR産物を、pCEP4ベクターに連結し、そしてリ
ポフェクチンによって293−EBNA細胞中に導入する。トランスフェクトし
た細胞を、100μg/mLのハイグロマイシン中で選択し、そして得られた薬
物耐性培養物をコンフルエンスになるまで増殖する。次いで、この細胞を無血清
培地中で72時間培養する。馴化培地を取り出し、IL−1ra−Rポリペプチ
ド発現をSDS−PAGEによって分析する。
【0329】 IL−1ra−Rポリペプチド発現は、銀染色によって検出できる。あるいは
、IL−1ra−Rポリペプチドを、ペプチドタグに対する抗体を用いてウエス
タンブロット分析によって検出可能である、エピトープタグ(例えば、IgG定
常ドメインまたはFLAGエピトープ)を有する融合タンパク質として生成する
。 IL−1ra−Rポリペプチドを、SDS−ポリアクリルアミドゲルから切
り出し得る、またはIL−1ra−R融合タンパク質を、エピトープタグに対す
るアフィニティークロマトグラフィーによって精製し、そして本明細書に記載の
ようなN末端アミノ酸配列分析に供する。
【0330】 (C.哺乳動物細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現および精製
) リポフェクチンまたはリン酸カルシウムプロトコールのいずれかを用いて、2
93 EBNA細胞またはCHO細胞中に、IL−1ra−Rポリペプチド発現
構築物を導入する。
【0331】 生成されるIL−1ra−Rポリペプチドに対する機能的研究を行うため、ハ
イグロマイシン選択293 EBNAクローニングのプールから大量の馴化培地
を生成する。この細胞を500cm Nunc Triple Flasks中
で、80%コンフルエンスになるまで培養し、その後、培地を回収する1週間前
に無血清培地に切り換える。馴化培地を回収し、そして精製まで−20℃に凍結
する。
【0332】 馴化培地を下記のとおり、アフィニティークロマトグラフィーによって精製す
る。この培地を解凍し、次いで0.2μmフィルターに通す。プロテインGカラ
ムをPBSでpH7.0に平衡化し、次いで濾過した培地をロードした。このカ
ラムをA280の吸収がベースラインに達するまでPBSで洗浄する。0.1M Glycine−HClを用いてpH7.2でIL−1ra−Rポリペプチド
を、カラムから溶出し、直ちに1M Tris−HClを用いてpH8.5で中
和する。IL−1ra−Rポリペプチドを含有する画分をプールし、PBS中で
透析し、そして−70℃で貯蔵した。
【0333】 ヒトIL−1ra−Rポリペプチド−Fc融合ポリペプチドの第Xa因子切断
について、アフィニティークロマトグラフィー精製したタンパク質を、50mM Tris−HCl、100mM NaCl、2mM CaCl中でpH8.
0で透析する。制限プロテアーゼ第Xa因子を、透析したタンパク質に1/10
0(w/w)で添加し、そしてこのサンプルを室温で一晩消化する。
【0334】 (実施例6:抗IL−1ra−Rポリペプチド抗体の生成) IL−1ra−Rポリペプチドに対する抗体を、生物学的合成または化学的合
成によって生成した、精製タンパク質またはIL−1ra−Rペプチドを用いて
免疫することによって獲得し得る。抗体を生成するための適切な手順は、Hud
sonおよびBay、Practical Immunology(第二版、B
lackwell Scientific Pubilication)に記載
の手順を含む。
【0335】 抗体生成のための1つの手順において、動物(代表的には、マウスまたはウサ
ギ)に、IL−1ra−R抗原(例えば、IL−1ra−Rポリペプチド)を注
射し、そして、ハイブリドーマ産生のため、ELISAによって決定した十分な
血清力価を有する動物を、選択する。免疫した動物の脾臓を回収し、そして単一
細胞懸濁液として調製し、これから脾臓細胞を回収する。脾臓細胞をマウスミエ
ローマ細胞(例えば、Sp2/0−Ag14細胞)に融合し、DMEM(200
U/mLペニシリン、200μg/mL硫酸ストレプトマイシン、および4mM
グルタミン含有)中でまずインキュベートし、次いで、HAT選択培地(ヒポキ
サンチン、アミノプテリンおよびチミジン)中でインキュベートする。選択後、
組織培養上清を各融合ウェルから取り出し、そしてELISAによって、抗IL
−1ra−R抗体産生について試験する。
【0336】 抗IL−1ra−Rを得るため、別の手順をまた、使用し得る。この手順は例
えば、ヒト抗体の生成のためのヒトIg遺伝子座を保有するトランスジェニック
マウスの免疫、および合成抗体ライブラリー(例えば、抗体可変ドメインの変異
誘発によって生成されるライブラリーなど)のスクリーニングである。
【0337】 IL−1ra−Rポリペプチドに対する抗体は、E.coli中で生成され、
そして単離された全長IL−1ra−Rポリペプチドを用いてNew Zeal
and White rabbitを免疫することによって得られた。粗ポリク
ローナル免疫血清を回収し、そして組み換えIL−1ra−Rポリペプチド(図
11A〜11B、レーン1、4、および7)、組み換えIL−1ra−Rポリペ
プチド改変体(図11A〜11B、レーン2、5、および8)、および組み換え
IL−1ra(図11A〜11B;レーン3、6、および9)を用いる免疫沈澱
分析に用いた。10ng(図11A、レーン4〜6)もしくは0.6μg(図1
1B、レーン7〜9)のいずれかの組み換えポリペプチドを、18%Tris−
グリシンゲル上に直接ロードすること、またはゲル上にサンプルをロードする前
に、0.2μlの粗抗血清(図11A、レーン1〜3)を用いて1μgの組み換
えポリペプチドを免疫沈降することによって、ゲルを調製した。SDS−PAG
E分離後、ゲルをPVDF膜上にブロットし、そして粗IL−1ra−R血清の
1:1000希釈を用い、続いて、HRP結合体化プロテインAおよびECL検
出によって発色させた。図11Bに示すゲルを、ブロッティング後、Gelco
de Blue(Pierce)で染色した。IL−1ra−Rポリペプチドに
対する抗体は、膜固定IL−1ra−RポリペプチドおよびIL−1ra−Rポ
リペプチド改変体の両方を検出するが、IL−1raは検出しないことが示され
た。溶液中で、IL−1ra−Rポリペプチドは、IL−1ra−Rポリペプチ
ド改変体よりも効率的に認識された。
【0338】 (実施例7:トランスジェニックマウスにおけるIL−1ra−Rポリペプチ
ドの発現) IL−1ra−Rポリペプチドの生物学的活性を評価するため、肝臓特異的A
poEプロモーターの制御下で、IL−1ra−Rポリペプチド/Fc融合タン
パク質をコードする構築物を調製する。この構築物の送達により、IL−1ra
−Rポリペプチドの機能に関する情報である、病理的変化を生じることが期待さ
れる。同様に、βアクチンプロモーターの制御下で、全長IL−1ra−Rポリ
ペプチドを含む構築物を調製する。この構築物の送達により、偏在性発現を生じ
ることが期待される。
【0339】 これらの構築物を生成するために、PCRを用いて、IL−1ra−Rポリペ
プチドをコードするテンプレートDNA配列を増幅する。このPCRには、所望
の配列の5’および3’末端に対応するプライマーを用いる。そしてこの配列は
、発現ベクター内への増幅産物の挿入を可能にするために制限酵素部位を組み込
む。増幅後、PCR産物をゲル精製し、適切な制限酵素で消化し、そして標準的
組み換えDNA技術を用いて発現ベクター中に連結する。例えば、増幅したIL
−1raRポリペプチド配列を、Grahamら、1997、Nature G
enetics,17:272〜74およびRayら,1991 Genes
Dev.5:2265〜73に記載のように、ヒトβアクチンプロモーターの制
御下で発現ベクター中にクローニングし得る。
【0340】 連結(ライゲーション)後、反応混合物を用いて、E.coli宿主株をエレ
クトロポレーションによって形質転換し、そして形質転換体を、薬物耐性で選択
する。選択したコロニー由来のプラスミドDNAを単離して、DNA配列決定に
供し、適切なインサートの存在および変異が存在しないことを確認する。IL−
1ra−Rポリペプチド発現ベクターを、2回のCsCl密度勾配遠心分離を通
じて精製し、適切な制限酵素で切断し、そして、IL−1ra−Rポリペプチド
導入遺伝子を含有する直線フラグメントを、ゲル電気泳動によって精製する。精
製したフラグメントを、5mM Tris(pH7.4)および0.2mM E
DTA中で、2mg/mLの濃度で、再懸濁する。
【0341】 BDF1×BDF1交配マウス由来の単一細胞胚を、記載(PCT公開番号W
O97/23614)のように注射する。胚を、COインキュベーター中で一
晩培養し、そして15〜20の2細胞胚を偽妊娠CD1雌性マウスの卵管に移す
。マイクロインジェクションした胚の着床から得た子孫を、以下のように、ゲノ
ムDNAサンプル中に取り込んだ導入遺伝子のPCR増幅でスクリーニングする
。耳切片を20mLの耳緩衝液(20mM Tris,pH8.0,10mM
EDTA、0.5% SDS、および500mg/mL プロテイナーゼK)中
で、55℃で一晩消化する。次いで、このサンプルを200mLのTEで希釈し
、そして2mLの耳サンプルを、適切なプライマーを用いるPCR反応中で用い
る。
【0342】 8週齢で、トランスジェニック創始動物およびコントロール動物を、剖検およ
び病理分析のため、屠殺する。脾臓の一部を取り出し、そしてTotal RN
A Extraction Kit(Qiagen)を用いて、脾臓から、総細
胞RNAを単離し、そして導入遺伝子発現を、RT−PCRによって決定する。
脾臓から回収したRNAを、以下のように、SuperScriptTMPre
amplification System(Gibco−BRL)を用いてc
DNAに変換する。適切なプライマー(発現ベクター配列に位置し、そしてIL
−1ra−Rポリペプチド導入遺伝子の3’である)を用いて、導入遺伝子転写
物からcDNA合成をプライムする。トランスジェニック創始動物およびコント
ロール由来の10mgの総脾臓RNAを、1mMのプライマーとともに、10分
間70℃でインキュベートし、そして氷上に置く。次いで、反応物に、10mM Tris−HCl、pH8.3、50mM KCl、2.5mM MgCl 、10mMの各dNTP、0.1mM DTT、および200UのSuperS
criptII逆転写酵素を補充する。42℃で50分間のインキュベーション
後、72℃で15分間加熱することによって反応を停止し、2UのRNase
Hを用いて20分間37℃で消化する。次いで、サンプルをIL−1ra−Rポ
リペプチドに特異的なプライマーを用いるPCRによって増幅する。
【0343】 (実施例8:トランスジェニックマウスにおけるIL−1ra−Rポリペプチ
ドの生物学的活性) 安楽死の前に、トランスジェニック動物を計量し、イソフルオロラン(iso
fluorane)によって麻酔し、そして心臓穿刺によって採血する。サンプ
ルを、血液学および血清化学分析に供する。X線撮影を、最終的な放血後に行う
。肉眼での解剖の際に、主な内臓器官を、重量分析に供する。
【0344】 肉眼での解剖後、組織(すなわち、肝臓、脾臓、膵臓、胃、胃腸管全体、腎臓
、生殖器官、皮膚および乳腺、骨、脳、心臓、肺、胸腺、気管、食道、甲状腺、
副腎、膀胱、リンパ節および骨格筋)を取出し、そして10%緩衝化Zn−ホル
マリン中で組織学的検査のために固定する。固定後、組織をパラフィンブロック
中で処理し、そして3mmの切片を得る。全ての切片を、ヘマトキシリンおよび
エオシンで染色し、次いで組織学的分析に供する。
【0345】 トランスジェニックマウスおよびコントロールマウスの両方の脾臓、リンパ節
およびパイアー斑を、以下の通りにB細胞特異的抗体およびT細胞特異的抗体に
ついての免疫組織学的分析に供する。ホルマリンで固定したパラフィン包埋切片
を脱パラフィン処理し、そして脱イオン水中で水和する。切片を3%過酸化水素
でクエンチし、Protein Block(Lipshaw,Pittsbu
rgh,PA)でブロックし、そしてラットモノクローナル抗マウスB220お
よびCD3(Harlan,Indianapolis,IN)中でインキュベ
ートする。抗体結合を、色素原(chromagen)としてDAB(BioT
ek,Santa Barbara,CA)を用いて、ビオチン化ウサギ抗ラッ
ト免疫グロブリンおよびペルオキシダーゼ結合体化ストレプトアビジン(Bio
Genex,San Ramon,CA)によって検出する。切片を、ヘマトキ
シリンで対比染色する。
【0346】 剖検後、トランスジェニック動物およびコントロールの同腹仔由来の脾臓およ
び胸腺のMLNおよび切片を取出す。シリンジの平らな末端を用いて100mm
ナイロン性細胞ストレーナー(Becton Dickinson,Frank
lin Lakes,NJ)の底に対してこの組織を穏やかに粉砕することによ
って単細胞懸濁物を調製する。細胞を2回洗浄し、計数し、次いで各組織由来の
約1×10細胞を、20μL容量において0.5μg CD16/32(Fc
γIII/II)Fcブロックで10分間インキュベートする。次いで、サンプ
ルを、FITCまたはPEに結合体化した、CD90.2(Thy−1.2)、
CD45R(B220)、CD11b(Mac−1)、Gr−1、CD4または
CD8に対するモノクローナル抗体(PharMingen,San Dieg
o,CA)の0.5μg抗体を有する、100μL容量のPBS(Caおよび
Mgを欠く)、0.1%ウシ血清アルブミンおよび0.01%アジ化ナトリウ
ム中で2〜8℃で30分間染色する。抗体結合後、細胞を洗浄し、次いでFAC
Scan(Becton Dickinson)でのフローサイトメトリーによ
って分析する。
【0347】 (実施例9:IL−1ra−Rポリペプチドの機能化) IL−1ra−Rポリペプチドが、IL−1、IL−18または他のサイトカ
インに対する細胞応答に影響を与えるか否かを評価するために、以下の実験を行
った。最初に、マウスの骨髄細胞を、以前に記載されたとおりのレトロウイルス
感染(Yanら,1999,Exp.Hematol.27:1409−17)
によってIL−1ra−R遺伝子で形質導入した。次いで、形質導入された骨髄
を用いて、致死的に照射されたレシピエントマウスに移植した。造血が回復した
ら、IL−1ra−R形質導入マウスおよびコントロールマウス(すなわち、空
のレトロウイルスベクターで形質導入したマウス)由来の骨髄および脾臓細胞を
、一連の分析(FACS分析(図12)、コロニーアッセイ(図13A〜13B
)およびIL−12(図14)またはIL−12+IL−18(図15)のいず
れかに応じたγ−インターフェロン産生を含む)に供した。
【0348】 このデータは、IL−1ra−R遺伝子の発現が、脾臓中の造血前駆体の特定
のサブセット(最も顕著にはG−CSFはGM−CFCを誘導した;SCF/E
poはBFU−E/CFU−Mixを誘導した;そしてCSF−1はM−CFC
を誘導した)および骨髄中の造血前駆体の特定のサブセット(IL−3およびG
−CSFはGM−CFCを誘導した;SCF/EpoはBFU−E/CFU−M
ixを誘導し、そしてIL−3/EpoはGM−CFC/CFU−Mixを誘導
した)の相対量および/またはサイトカイン応答に影響を与えることを示唆する
【0349】 IL−1ra−Rポリペプチドの発現はまた、脾細胞上でのCD4およびNK
1.1の表面発現の減少と、ならびに脾細胞がIL−12単独またはIL−12
+IL−18に応じてγ−インターフェロンを産生する能力の減少と相関する。
【0350】 本発明を好ましい実施形態に関して記載してきたが、改変および修飾が当業者
に思い浮かぶことが理解される。それゆえ、添付の特許請求の範囲が、本願発明
の範囲内に入る全てのこのような均等な改変物を包含することが意図される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A〜1Bは、ヒトIL−1ra−R遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号
1)、およびヒトIL−1ra−Rポリペプチドの推定のアミノ酸配列(配列番
号2)を示す。
【図2】 図2A〜2Bは、ヒトIL−1ra−R遺伝子改変体のヌクレオチド配列(配
列番号3)、およびこの改変体によりコードされるヒトIL−1ra−Rポリペ
プチドの推定のアミノ酸配列(配列番号4)を示す。
【図3】 図3は、ヒトIL−1ra−Rスプライス改変体のヌクレオチド配列(配列番
号5)、およびこのスプライス改変体によりコードされるヒトIL−1ra−R
ポリペプチドの推定のアミノ酸配列(配列番号6)を示す。
【図4】 図4A〜4Bは、ヒトIL−1α(IL−1_alpha;配列番号7)、ヒ
トIL−1β(IL−1_beta;配列番号8)、ヒトIL−1レセプターア
ンタゴニスト(IL−1RA;配列番号9)、ヒトIL−δ(IL−1_del
ta;配列番号10)、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(IL−1ra−R
;配列番号2)、ヒトTango−77(Tango−77;配列番号11)、
ヒトZilla4(Zilla4;配列番号12)、ヒトIL−1ζ(IL−1
_zeta;配列番号13)、ヒトIL−1レセプターアンタゴニストβ(IL
−1RA_beta;配列番号14)、ヒトSPOIL II(spoil_I
I;配列番号15)、ヒトIL−1ε(IL−1_epsilon;配列番号1
6)、およびヒトIL−1η(IL−1_eta;配列番号17)のアミノ酸ア
ライメントを示す。
【図5】 図5は、IL−ra遺伝子ファミリーの系統学的相関を図で示す。
【図6】 図6は、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(Mature CS329)と
、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドの配列改変体(Mature CS329
改変体タンパク質)と、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドのスプライス改変体
(Omega 329タンパク質)との間の相関を図で示す。
【図7】 図7は、マウスIL−1ra−R遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号35)
およびマウスIL−1ra−Rポリペプチドの推定アミノ酸配列(配列番号36
)を示す。
【図8】 図8は、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(huIL−1ra−R;配列番
号2)と、マウスIL−1ra−Rポリペプチド(muIL−1ra−R;配列
番号36)とのアミノ酸配列アライメントを示す。
【図9】 図9A−9Iは、マウスIL−1ra−R遺伝子(配列番号37)についての
ゲノムヌクレオチド配列を示す。エキソン1−4のコードタンパク質の位置を示
す(下線)。
【図10】 図10A−10Cは、ノーザンブロットにより検出される、マウス(図10A
)およびヒト(図10B−10C)のIL−1ra−R mRNA発現を示す。
【図11】 図11A〜11Bは、抗IL−1ra−R抗体を用いるウェスタンブロット分
析の結果を示す。
【図12】 図12は、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウイルスベクターを用いて処
理したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回収し
た脾細胞および骨髄細胞のFACS分析の結果を示す。リンパの画分中の細胞の
割合を、示された細胞表面マーカーを用いる標準的FACS分析に供した細胞に
ついて示す。
【図13A】 図13Aは、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて
処理したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回収
した脾細胞および骨髄細胞で行われたコロニーアッセイの結果を示す。形質導入
マウスおよびコントロールマウス由来の骨髄細胞および脾細胞を、標準的コロニ
ーアッセイ条件下で培養し、そしてコロニーを14日目に計数した。
【図13B】 図13Bは、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて
処理したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回収
した脾細胞および骨髄細胞で行われたコロニーアッセイの結果を示す。形質導入
マウスおよびコントロールマウス由来の骨髄細胞および脾細胞を、標準的コロニ
ーアッセイ条件下で培養し、そしてコロニーを14日目に計数した。
【図14】 図14は、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて処
理したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回収し
た脾細胞におけるIL−12処置に対するγ−インターフェロンの産生を示す。
馴化培地のサンプルを、IL−12(1ng/ml)の存在下で48時間増殖さ
せた培地(2×10細胞/ウェル/ml)から取り出し、そしてIFN−γを
ELISAにより定量した。
【図15】 図15は、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて処
理したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回収し
た脾細胞におけるIL−12およびIL−18処置に対するγ−インターフェロ
ンの産生を示す。馴化培地のサンプルを、IL−12(1ng/ml)およびI
L−18(10ng/ml)の存在下で48時間増殖させた培地(2×10
胞/ウェル/ml)から取り出し、そしてIFN−γをELISAにより定量し
た。
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月25日(2002.6.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項18】 単離されたポリペプチドであって、以下: 2位のアルギニン;3位のアラニン、リジン、またはアルギニン;7位のセリン
;8位のリジン;9位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン、またはセ
リン;10位のシステインまたはフェニルアラニン;13位のアルギニンまたは
トリプトファン;15位のセリン;18位のアルギニン;19位のセリンまたは
トレオニン;21位のトレオニン;23位のセリン;34位のアルギニン;37
位のチロシン、セリン、またはアルギニン;38位のリジン、アルギニン、トレ
オニン、またはセリン;41位のトレオニン;43位のセリン、フェニルアラニ
ン、またはアラニン;44位のアラニン;48位のセリンまたはリジン;52位
のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;53位のセリン;54位の
セリン;58位のアラニンまたはチロシン;65位のリジン;66位のフェニル
アラニン;67位のチロシン;69位のセリン、チロシン、またはフェニルアラ
ニン;73位のリジンまたはセリン;78位のトレオニンまたはアルギニン;9
0位のセリンまたはアラニン;91位のアラニン;96位のセリン;97位のリ
ジンまたはアルギニン;98位のリジンまたはセリン;100位のアラニン;1
02位のチロシン;104位のアルギニンまたはアラニン;105位のリジン;
106位のトレオニン;108位のアルギニン;109位のリジン、トレオニン
、またはトリプトファン;110位のトレオニンまたはセリン;111位のセリ
ン;114位のセリン;116位のセリン;117位のフェニルアラニン、シス
テイン、またはチロシン;121位のチロシン;123位のセリンまたはアラニ
ン;126位のシステイン、セリン、またはトレオニン;136位のセリン;1
38位のフェニルアラニンまたはアルギニン;141位のトレオニン、アルギニ
ン、またはアラニン;142位のリジンまたはチロシン;143位のトリプトフ
ァンまたはトレオニン;145位のアラニン;147位のトレオニンまたはセリ
ン;151位のシステイン;および152位のセリン、システイン、またはフェ
ニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する
配列番号1または配列番号3のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む単離され
たポリペプチドであって、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4
、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、 単離されたポリペプチド。
【請求項19】単離されたポリペプチドであって、以下: 21位のアルギニン;22位のアラニン、リジン、またはアルギニン;26位の
セリン;27位のリジン;28位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン
、またはセリン;29位のシステインまたはフェニルアラニン;32位のアルギ
ニンまたはトリプトファン;34位のセリン;37位のアルギニン;38位のセ
リンまたはトレオニン;40位のトレオニン;42位のセリン;53位のアルギ
ニン;56位のチロシン、セリン、またはアルギニン;57位のリジン、アルギ
ニン、トレオニン、またはセリン;60位のトレオニン;62位のセリン、フェ
ニルアラニン、またはアラニン;63位のアラニン;67位のセリンまたはリジ
ン;71位のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;72位のセリン
;73位のセリン;77位のアラニンまたはチロシン;84位のリジン;85位
のフェニルアラニン;86位のチロシン;88位のセリン、チロシン、またはフ
ェニルアラニン;92位のリジンまたはセリン;97位のトレオニンまたはアル
ギニン;109位のセリンまたはアラニン;110位のアラニン;115位のセ
リン;116位のリジンまたはアルギニン;117位のリジンまたはセリン;1
19位のアラニン;121位のチロシン;123位のアルギニンまたはアラニン
;124位のリジン;125位のトレオニン;127位のアルギニン;128位
のリジン、トレオニン、またはトリプトファン;129位のトレオニンまたはセ
リン;130位のセリン;133位のセリン;135位のセリン;136位のフ
ェニルアラニン、システイン、またはチロシン;140位のチロシン;142位
のセリンまたはアラニン;145位のシステイン、セリン、またはトレオニン;
155位のセリン;157位のフェニルアラニンまたはアルギニン;160位の
トレオニン、アルギニン、またはアラニン;161位のリジンまたはチロシン;
162位のトリプトファンまたはトレオニン;164位のアラニン;166位の
トレオニンまたはセリン;170位のシステイン;および171位のセリン、シ
ステイン、またはフェニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つの
アミノ酸置換を有する配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む単離されたポリ
ペプチドであって、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、また
は配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、 単離されたポリペプチド。
【請求項20】 請求項13、請求項14、請求項15、請求項18、また
は請求項19のいずれかに記載のポリペプチドに特異的に結合する、選択的結合
因子またはそのフラグメント。
【請求項21】 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
6のいずれかに示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはそのフラグメン
トに特異的に結合する、請求項20に記載の選択的結合因子またはそのフラグメ
ント。
【請求項22】 抗体またはそのフラグメントである、請求項20に記載の
選択的結合因子。
【請求項23】 ヒト化抗体である、請求項20に記載の選択的結合因子。
【請求項24】 ヒト抗体またはそのフラグメントである、請求項20に記
載の選択的結合因子。
【請求項25】 ポリクローナル抗体またはそのフラグメントである、請求
20に記載の選択的結合因子。
【請求項26】 モノクローナル抗体またはそのフラグメントである、請求
20に記載の選択的結合因子。
【請求項27】 キメラ抗体またはそのフラグメントである、請求項20
記載の選択的結合因子。
【請求項28】 CDR移植抗体またはそのフラグメントである、請求項 に記載の選択的結合因子。
【請求項29】 抗イディオタイプ抗体またはそのフラグメントである、請
求項20に記載の選択的結合因子。
【請求項30】 可変領域フラグメントである、請求項20記載の選択的結
合因子。
【請求項31前記可変領域フラグメントがFabフラグメントまたはF ab’フラグメントである、請求項30に記載の選択的結合因子。
【請求項32】 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
6のいずれかのアミノ酸配列を有するポリペプチドに特異性を有する少なくとも
1つの相補性決定領域を含む、選択的結合因子またはそのフラグメント。
【請求項33】 検出可能標識に結合される、請求項20に記載の選択的結
合因子。
【請求項34】 IL−1ra−Rポリペプチドの生物学的活性を拮抗する
、請求項20に記載の選択的結合因子。
【請求項35】 IL−1ra−Rポリペプチド関連の疾患、状態、または
障害を、処置、予防、または改善するための薬学的組成物であって、有効量の請
求項20に記載の選択的結合因子を含有する、薬学的組成物
【請求項36】 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドで動物を免疫することによって
産生される、選択的結合因子。
【請求項37】 請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかに記載の
ポリペプチドを結合し得る選択的結合因子を産生する、ハイブリドーマ。
【請求項38】 請求項20に記載の抗IL−1ra−R抗体またはフラグ
メントを用いて、IL−1ra−Rポリペプチドの量を検出または定量する方法
【請求項39】 請求項13、請求項14、請求項15、請求項18、また
は請求項19のいずれかのポリペプチド、および薬学的に受容可能な処方剤を含
む、組成物。
【請求項40】 前記薬学的に受容可能な処方剤が、キャリア、アジュバン
ト、溶解剤、安定剤、または抗酸化剤である、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】 請求項13、請求項14、請求項15、請求項18、また
は請求項19のいずれかのポリペプチドの誘導体を含む、ポリペプチド。
【請求項42】 水溶性ポリマーを用いて共有結合的に改変された、請求項 41 に記載のポリペプチド。
【請求項43】 請求項42に記載のポリペプチドであって、ここで、前記
水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコ
ール、デキストラン、セルロース、ポリ−(N−ビニルピロリドン)ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/
エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、およびポリビニ
ルアルコールからなる群より選択される、ポリペプチド。
【請求項44】 請求項1、請求項2または請求項3のいずれかの核酸分子
および薬学的に受容可能な処方剤を含む、組成物。
【請求項45】 前記核酸分子が、ウイルスベクター中に含まれる、請求項 44 に記載の組成物。
【請求項46】 請求項1、請求項2または請求項3のいずれかの核酸分子
を含む、ウイルスベクター。
【請求項47】 異種アミノ酸配列に融合された、請求項13、請求項14
、請求項15、請求項18、または請求項19のいずれかのポリペプチドを含む
、融合ポリペプチド。
【請求項48】 前記異種アミノ酸配列が、IgG定常ドメインまたはその
フラグメントである、請求項47に記載の融合ポリペプチド。
【請求項49】 医学状態を、処置、予防、または改善するための薬学的組 成物 であって、請求項13、請求項14、請求項15、請求項18、もしくは請
求項19のいずれかのポリペプチド、または請求項1、請求項2、もしくは請求
項3のいずれかの核酸によってコードされるポリペプチドを含有する、薬学的組 成物
【請求項50被験体における病的状態または病的状態に対する感受性に 関して、IL−1ra−Rポリペプチドを検出するキットであって、該キットは 、以下: (a)サンプル中の、請求項13、請求項14、請求項15、請求項18、も しくは請求項19のいずれかのポリペプチド、または請求項1、請求項2、もし くは請求項3のいずれかの核酸によってコードされるポリペプチドに結合するI L−1ra−Rポリペプチド選択的結合因子;および (b)使用方法を示す指示書、 を備える、キット。
【請求項51】 デバイスであって、以下: (a)移植に適した膜;および (b)該膜内にカプセル化された細胞であって、該細胞は、請求項13、請求
項14、請求項15、請求項18、もしくは請求項19のいずれかのタンパク質
を分泌する、細胞; を備え、 該膜は、該タンパク質に対して透過性であり、そして該細胞に有害な物質に対
して不透過性である、デバイス。
【請求項52】 IL−1ra−Rポリペプチドに結合する化合物を同定す
る方法であって、以下: (a)請求項13、請求項14、請求項15、請求項18、もしくは請求項 のいずれかのポリペプチドを、化合物と接触させる工程;および (b)該化合物に対する該IL−1ra−Rポリペプチドの結合の程度を決定
する工程、 を包含する、方法。
【請求項53】 前記化合物に結合した場合に、前記ポリペプチドの活性を
決定する工程をさらに包含する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】 動物においてポリペプチドのレベルを調節する薬学的組成 であって、請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかの核酸分子を含有 する、薬学的組成物
【請求項55】 請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかの核酸分
子を含む、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。
【請求項56】 化合物がIL−1ra−Rポリペプチド活性またはIL−
1ra−Rポリペプチド産生を阻害するか否かを決定するためのプロセスであっ
て、請求項55に記載のトランスジェニック哺乳動物を該化合物に曝露する工程
、および該哺乳動物におけるIL−1ra−Rポリペプチド活性またはIL−1
ra−Rポリペプチド産生を測定する工程を包含する、プロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新規インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト関連(IL−
1ra−R)ポリペプチドおよびこれをコードする核酸分子に関する。本発明は
また、IL−1ra−Rポリペプチドを産生するための、選択的結合因子、ベク
ター、宿主細胞および方法に関する。本発明はさらに、IL−1ra−Rポリペ
プチドと関連する疾患、障害、および状態の、診断、処置、改善、および/また
は予防のための薬学的組成物および方法に関する。
【0002】 (発明の背景) 核酸分子の同定、クローニング、発現、および操作における技術進歩ならびに
ヒトゲノムの解読は、新規治療因子の発見を大きく加速した。現在、高速核酸配
列決定技術は、前例のない速度で配列情報を作製し得、そしてコンピュータ分析
と結合されて、ゲノムの一部および全体への重複配列の集合ならびにポリペプチ
ドコード領域の同定を可能にする。既知アミノ酸配列のデータベース編集物に対
する推定アミノ酸配列の比較は、以前に同定された配列および/または構造の目
印に対して相同性の程度を決定することを可能にする。核酸分子のポリペプチド
コード領域のクローニングおよび発現は、構造分析および機能分析のためのポリ
ペプチド産物を提供する。核酸分子およびコードされるポリペプチドの操作は、
治療剤としての使用に関して生成物に対して有利な特性を与え得る。
【0003】 過去10年間にわたるゲノム研究における有意な技術進歩にも関わらず、ヒト
ゲノムに基づく新規治療剤の開発に対する可能性は、未だ広く理解されていない
。潜在的に有利なポリペプチド治療剤をコードする多くの遺伝子またはこれらが
コードするポリペプチド(これらは、治療分子に対して「標的」としてはたらき
得る)は、未だ同定されていない。
【0004】 従って、診断的な利点または治療的な利点を有する、新規ポリペプチドおよび
これらをコードする核酸分子を同定することが、本発明の目的である。
【0005】 これまでに発見された最も強力な炎症性サイトカインのうちの1つは、インタ
ーロイキン−1(IL−1)である。IL−1は、多くの疾患および医学状態に
関与すると考えられている。IL−1は、マクロファージ/単球系統の細胞によ
って(排他的にではないが)産生され、そして2つの形態:IL−1アルファ(
IL−1α)およびIL−1ベータ(IL−1β)で産生され得る。インターロ
イキン−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)は、インターロイキン−
1の天然のインヒビターとして作用するヒトタンパク質である。
【0006】 (発明の要旨) 本発明は、新規IL−1ra−Rの核酸分子およびコードされるポリペプチド
に関する。
【0007】 本発明は、単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号(SEQ ID NO:)1、配列番号3、配列番号5、また
は配列番号35のいずれかに示されるヌクレオチド配列; (b)ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサートのヌクレオチ
ド配列; (c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (d)(a)〜(c)のいずれかの相補体に、中程度または高度にストリンジ
ェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;および (e)(a)〜(c)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供
する。
【0008】 本発明はまた、単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に示されるポリペプチドに少なくとも約70%同一であるポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配
列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示される
ポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれ
かに示されるヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNA
インサートのヌクレオチド配列、または(a)の、対立遺伝子改変体またはスプ
ライス改変体をコードするヌクレオチド配列; (c)少なくとも約25アミノ酸残基のポリペプチドフラグメントをコードす
る、配列番号1、配列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかの
ヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサート、
(a)または(b)の領域であって、ここで、上記ポリペプチドフラグメントは
、配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号36のいずれかに示
されるコードされたポリペプチドの活性を有するか、または抗原性である、領域
; (d)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む、配列番号1、配
列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかのヌクレオチド配列、
ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサート、または(a)〜(c
)いずれかの領域; (e)中程度または高度にストリンジェントな条件下で、(a)〜(d)のい
ずれかの相補体にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列;ならびに (f)(a)〜(d)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供
する。
【0009】 本発明はさらに、単離された核酸分子であって、以下; (a)少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配
列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示される
ポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配列番号
2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペ
プチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配列番号
2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペ
プチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチドは、配
列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示される
ポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、およびN末
端短縮からなる群より選択される少なくとも1つの改変を有する配列番号2、配
列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列であって、ここで、上記コードされたポリペプチ
ドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに
示されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (f)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む(a)〜(e)の
いずれかのヌクレオチド配列; (g)中程度または高度にストリンジェントな条件下で、(a)〜(f)のい
ずれかの相補体にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列;ならびに (h)(a)〜(e)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を提供
する。
【0010】 本発明は、単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に示されるアミノ酸配列;および (b)ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサートによってコー
ドされるアミノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドを提供
する。
【0011】 本発明はまた、単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
のオルソログ(ortholog)に対するアミノ酸配列; (b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
のアミノ酸配列に少なくとも約70%同一であるアミノ酸配列であって、ここで
、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (c)少なくとも約25アミノ酸残基を含む配列番号2、配列番号4、配列番
号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列のフラグメントで
あって、ここで、上記フラグメントは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、
または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有するか、また
は抗原性である、フラグメント;ならびに (d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号36のいずれ
かに示されるアミノ酸配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNAイン
サートによってコードされるアミノ酸配列、(a)、または(b)の、対立遺伝
子改変体またはスプライス改変体のアミノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドを提供
する。
【0012】 本発明はさらに、単離されたポリペプチドであって、以下: (a)少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって
、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または
配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列
; (b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここ
で、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番
号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここ
で、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番
号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって
、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または
配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列
;ならびに (e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、およびN末
端短縮からなる群より選択される少なくとも1つの改変を有する配列番号2、配
列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列
であって、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6
、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミ
ノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドを提供
する。
【0013】 本発明はなおさらに、単離されたポリペプチドであって、以下: 2位のアルギニン;3位のアラニン、リジン、またはアルギニン;7位のセリン
;8位のリジン;9位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン、またはセ
リン;10位のシステインまたはフェニルアラニン;13位のアルギニンまたは
トリプトファン;15位のセリン;18位のアルギニン;19位のセリンまたは
トレオニン;21位のトレオニン;23位のセリン;34位のアルギニン;37
位のチロシン、セリン、またはアルギニン;38位のリジン、アルギニン、トレ
オニン、またはセリン;41位のトレオニン;43位のセリン、フェニルアラニ
ン、またはアラニン;44位のアラニン;48位のセリンまたはリジン;52位
のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;53位のセリン;54位の
セリン;58位のアラニンまたはチロシン;65位のリジン;66位のフェニル
アラニン;67位のチロシン;69位のセリン、チロシン、またはフェニルアラ
ニン;73位のリジンまたはセリン;78位のトレオニンまたはアルギニン;9
0位のセリンまたはアラニン;91位のアラニン;96位のセリン;97位のリ
ジンまたはアルギニン;98位のリジンまたはセリン;100位のアラニン;1
02位のチロシン;104位のアルギニンまたはアラニン;105位のリジン;
106位のトレオニン;108位のアルギニン;109位のリジン、トレオニン
、またはトリプトファン;110位のトレオニンまたはセリン;111位のセリ
ン;114位のセリン;116位のセリン;117位のフェニルアラニン、シス
テイン、またはチロシン;121位のチロシン;123位のセリンまたはアラニ
ン;126位のシステイン、セリン、またはトレオニン;136位のセリン;1
38位のフェニルアラニンまたはアルギニン;141位のトレオニン、アルギニ
ン、またはアラニン;142位のリジンまたはチロシン;143位のトリプトフ
ァンまたはトレオニン;145位のアラニン;147位のトレオニンまたはセリ
ン;151位のシステイン;および152位のセリン、システイン、またはフェ
ニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する
配列番号1または配列番号3のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む単離され
たポリペプチドであって、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号
4、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、単離
されたポリペプチドを提供する。
【0014】 本発明はなおさらに、単離されたポリペプチドであって、以下: 21位のアルギニン;22位のアラニン、リジン、またはアルギニン;26位の
セリン;27位のリジン;28位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン
、またはセリン;29位のシステインまたはフェニルアラニン;32位のアルギ
ニンまたはトリプトファン;34位のセリン;37位のアルギニン;38位のセ
リンまたはトレオニン;40位のトレオニン;42位のセリン;53位のアルギ
ニン;56位のチロシン、セリン、またはアルギニン;57位のリジン、アルギ
ニン、トレオニン、またはセリン;60位のトレオニン;62位のセリン、フェ
ニルアラニン、またはアラニン;63位のアラニン;67位のセリンまたはリジ
ン;71位のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;72位のセリン
;73位のセリン;77位のアラニンまたはチロシン;84位のリジン;85位
のフェニルアラニン;86位のチロシン;88位のセリン、チロシン、またはフ
ェニルアラニン;92位のリジンまたはセリン;97位のトレオニンまたはアル
ギニン;109位のセリンまたはアラニン;110位のアラニン;115位のセ
リン;116位のリジンまたはアルギニン;117位のリジンまたはセリン;1
19位のアラニン;121位のチロシン;123位のアルギニンまたはアラニン
;124位のリジン;125位のトレオニン;127位のアルギニン;128位
のリジン、トレオニン、またはトリプトファン;129位のトレオニンまたはセ
リン;130位のセリン;133位のセリン;135位のセリン;136位のフ
ェニルアラニン、システイン、またはチロシン;140位のチロシン;142位
のセリンまたはアラニン;145位のシステイン、セリン、またはトレオニン;
155位のセリン;157位のフェニルアラニンまたはアルギニン;160位の
トレオニン、アルギニン、またはアラニン;161位のリジンまたはチロシン;
162位のトリプトファンまたはトレオニン;164位のアラニン;166位の
トレオニンまたはセリン;170位のシステイン;および171位のセリン、シ
ステイン、またはフェニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つの
アミノ酸置換を有する配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む単離されたポリ
ペプチドであって、ここで、上記ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、ま
たは配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、単離された
ポリペプチドを提供する。
【0015】 IL−1ra−Rアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドがまた、提供される。
【0016】 本発明はまた、本明細書中に示されるような単離された核酸分子を含む発現ベ
クター、本明細書中に示されるような組換え核酸分子を含む組換え宿主細胞、お
よびIL−1ra−Rポリペプチドを産生する方法を提供し、この方法は、この
宿主細胞を培養する工程、必要に応じてそのように産生されたポリペプチドを単
離する工程を包含する。
【0017】 IL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸分子を含むトランスジェニッ
ク非ヒト動物がまた、本発明に含まれる。IL−1ra−R核酸分子は、IL−
1ra−Rポリペプチドの発現およびIL−1ra−Rポリペプチドの増加した
レベル(これは、増加した循環レベルを含み得る)を可能にする様式で、動物中
に導入される。あるいは、IL−1ra−R核酸分子は、内因性IL−1ra−
Rポリペプチドの発現を阻害する様式で動物に導入される(すなわち、IL−1
ra−Rポリペプチド遺伝子ノックアウトを保有するトランスジェニック動物を
作製する)。トランスジェニック非ヒト動物は、好ましくは哺乳動物であり、よ
り好ましくはげっ歯類(例えば、ラットまたはマウス)である。
【0018】 本発明のIL−1ra−Rポリペプチドの誘導体がまた、提供される。
【0019】 本発明のIL−1ra−Rポリペプチドに特異的に結合し得る選択的結合因子
(例えば、抗体およびペプチド)が、さらに提供される。このような抗体および
ペプチドは、アゴニストのものであってもアンタゴニストのものであってもよい
【0020】 本発明のヌクレオチド、ポリペプチド、もしくは選択的結合因子ならびに1つ
以上の薬学的に受容可能な処方剤を含む薬学的組成物がまた、本発明によって含
まれる。薬学的組成物は、治療有効量の本発明のヌクレオチドまたはポリペプチ
ドを提供するために使用される。本発明はまた、このポリペプチド、核酸分子、
および選択的結合因子を使用する方法に関する。
【0021】 本発明のIL−1ra−RポリペプチドおよびIL−1ra−R核酸分子は、
疾患および障害(本明細書中に列挙されるものを含む)を処置、予防、改善、お
よび/または検出するための使用され得る。
【0022】 本発明はまた、IL−1ra−Rポリペプチドに結合する試験分子を同定する
ために、試験分子をアッセイする方法を提供する。この方法は、IL−1ra−
Rポリペプチドを試験分子と接触させて、この試験分子のこのポリペプチドに対
する結合の程度を決定する工程を包含する。この方法はさらに、このような試験
分子が、IL−1ra−Rポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストであ
るか否かを決定する工程を包含する。本発明はさらに、IL−1ra−Rポリペ
プチドの発現またはIL−1ra−Rポリペプチドの活性に対する分子の影響を
試験する方法を提供する。
【0023】 IL−1ra−Rポリペプチドの発現を調整する方法およびIL−1ra−R
ポリペプチドのレベルを調節する(すなわち、レベルを増加するか、またはレベ ルを減少する) 方法がまた、本発明によって含まれる。1つの方法は、IL−1
ra−Rポリペプチドをコードする核酸分子を動物に投与する工程を包含する。
別の方法において、IL−1ra−Rポリペプチドの発現を調整または調節する
エレメントを含む核酸分子が、投与され得る。これらの方法の例としては、本明
細書中にさらに記載されるように、遺伝子治療、細胞治療、およびアンチセンス
治療が挙げられる。
【0024】 本発明の別の局面において、IL−1ra−Rポリペプチドは、そのレセプタ
ー(「IL−1ra−Rポリペプチドレセプター」)を同定するために使用され
得る。種々の形態の「発現クローニング」は、タンパク質リガンドに対するレセ
プターをクローン化するために広範囲に使用されている。例えば、Simons
enおよびLodish、1994、Trends Pharmacol.Sc
i.15:437−41ならびにTartagliaら、1995、Cell
83:1263−71を参照のこと。IL−1ra−Rポリペプチドレセプター
の単離は、IL−1ra−Rポリペプチドシグナル伝達経路の新規アゴニストお
よびアンタゴニストの同定または開発に有用である。このようなアゴニストおよ
びアンタゴニストとしては、可溶性IL−1ra−Rポリペプチドレセプター、
抗IL−1ra−Rポリペプチドレセプター−選択的結合因子(例えば、抗体 よび その誘導体)、小分子、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられ
、これらのうちのいずれかは、1つ以上の疾患または障害(本明細書中に開示さ
れるものを含む)の処置に有用であり得る。
【0025】 (発明の詳細な説明) 本明細書中で使用される節の表題は、構成の目的のみのためであり、そして記
載される内容を限定するようには解釈されるべきではない。本願において引用
れる全ての参考文献は、明確に本明細書中に参考として援用される。
【0026】 (定義) 用語「IL−1ra−R遺伝子」または「IL−1ra−R核酸分子」あるい
は「IL−1ra−Rポリヌクレオチド」とは、配列番号1、配列番号3、配列
番号5、または配列番号35のいずれかに示されるヌクレオチド配列、配列番号
2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423にお
けるDNAインサートのヌクレオチド配列、および本明細書中で定義される核酸
分子を含むか、またはこれらからなる核酸分子をいう。
【0027】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド対立遺伝子改変体」とは、生物体または
生物体の集団の染色体の所定の遺伝子座を占める遺伝子の、天然に存在する可能
ないくつかの代替的な形態のうちの1つをいう。
【0028】 用語「IL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体」とは、配列番号2、
配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるIL−1r
a−Rポリペプチドアミノ酸配列のRNA転写物中のイントロン配列の選択的
ロセシングによって生成される、核酸分子(通常はRNA)をいう。
【0029】 用語「単離された核酸分子」とは、(1)総核酸が供給源細胞から単離される
場合に、これが天然で一緒に見出されるタンパク質、脂質、炭水化物、または他
の物質のうち少なくとも約50パーセントから分離された本発明の核酸分子
(2)「単離された核酸分子」が天然で連結しているポリヌクレオチドの全てま
たは一部に連結していない本発明の核酸分子、(3)天然では連結しないポリ
ヌクレオチドに作動可能に連結した本発明の核酸分子か、あるいは(4)より大
きなポリヌクレオチド配列の一部として天然には存在しない、本発明の核酸分子
をいう。好ましくは、本発明の単離された核酸分子は、任意の他の混入核酸分子
、または天然の環境において見出される他の混入物(これらは、ポリペプチド産
生における使用、または治療的使用、診断的使用、予防的使用、または研究的使
を妨げる)を実質的に含まない。
【0030】 用語「核酸配列」または「核酸分子」は、DNAまたはRNA配列をいう。こ
の用語は、DNAおよびRNAの公知の塩基アナログのいずれかから形成される
分子を含み、例えば、以下であるがこれらに限定されない:4−アセチルシトシ
ン、8−ヒドロキシ−N6−メチルアデノシン、アジリジニル−シトシン、プソ
イドイソシトシン(pseudoisocytosine)、5−(カルボキシ
ヒドロキシルメチル)ウラシル、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、
5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、5−カルボキシメチル
アミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6−イソ−ペンテニル
アデニン、1−メチルアデニン、1−メチルプソイドウラシル、1−メチルグア
ニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、
2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチル
アデニン、7−メチルグアニン、5−チルアミノメチルウラシル、5−メトキ
シアミノ−メチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルキューオシン、5’
−メトキシカルボニル−メチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチ
オ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル
、ウラシル−5−オキシ酢酸、オキシブトキソシン、プソイドウラシル、キュー
オシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル
、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、N−ウラシル−5−オキシ酢酸メチ
ルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、プソイドウラシル、キューオシン、2
−チオシトシン、および2,6−ジアミノプリン。
【0031】 用語「ベクター」は、宿主細胞にコード情報を移すために使用される任意の分
子(例えば、核酸、プラスミド、またはウイルス)をいうように使用される。
【0032】 用語「発現ベクター」は、宿主細胞の形質転換に適切であり、そして挿入され
た異種核酸配列の発現を、指向および/または制御する核酸配列を含むベクター
をいう。発現としては、転写、翻訳、およびRNAスプライシング(イントロン
が存在する場合)のようなプロセスが挙げられるがこれらに限定されない。
【0033】 用語「作動可能に連結された」は、本明細書中で、隣接配列の配置をいうよう
に使用され、ここで、このように記載される隣接配列は、その通常の機能を行う
ように配置またはアセンブルされる。従って、コード配列に作動可能に連結した
隣接配列は、このコード配列の複製、転写および/または翻訳を行うことが可能
であり得る。例えば、コード配列は、このプロモーターがコード配列の転写を指
向し得る場合に、プロモーターに作動可能に連結されている。隣接配列は、これ
が正確に機能する限り、コード配列と連続する必要はない。したがって、例えば
、介在する、翻訳されないが、なお転写され配列、プロモーター配列とコー
ド配列との間に存在し得、そしてこのプロモーター配列は、依然としてこのコー
ド配列に「作動可能に連結」されているとみなされ得る。
【0034】 用語「宿主細胞」は、核酸配列で形質転換されたか、または形質転換され得、
次いで目的の選択された遺伝子を発現し得る細胞をいうように使用される。この
用語には、選択された遺伝子が存在する限り、子孫が形態学または遺伝子構造に
おいて本来の親と同一であろうとなかろうと、親細胞の子孫を含む。
【0035】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド」とは、配列番号2、配列番号4、配列
番号6、または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチド、お
よび関連するポリペプチドをいう。関連ポリペプチドとしては、IL−1ra−
Rポリペプチドフラグメント、IL−1ra−Rポリペプチドオルソログ、IL
−1ra−Rポリペプチド改変体、およびIL−1ra−Rポリペプチド誘導体
が挙げられ、これらは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
36のいずれかに示されるポリペプチドの少なくとも1つの活性を保有する。I
L−1ra−Rポリペプチドは、本明細書中で定義される成熟ポリペプチドであ
り得、そしてこれらが調製される方法に依存して、アミノ末端メチオニン残基を
有しても有さなくてもよい。
【0036】 用語「IL−1ra−Rポリペプチドフラグメント」とは、配列番号2、配列
番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの
、アミノ末端(リーダー配列を有するかまたは有さない)での短縮化および/ま
たはカルボキシ末端での短縮化を含むポリペプチドをいう。用語「IL−1ra
−Rポリペプチドフラグメント」はまた、IL−1ra−Rポリペプチドオルソ
ログ、IL−1ra−Rポリペプチド誘導体、またはIL−1ra−Rポリペプ
チド改変体のアミノ末端および/またはカルボキシ末端短縮化、あるいはIL−
1ra−Rポリペプチド対立遺伝子改変体またはIL−1ra−Rポリペプチド
スプライス改変体によってコードされるポリペプチドのアミノ末端および/また
はカルボキシ末端短縮化をいう。IL−1ra−Rポリペプチドフラグメントは
、選択的RNAスプライシング、またはインビボプロテアーゼ活性から生じ得る
。IL−1ra−Rポリペプチドの膜結合形態もまた、本発明によって意図され
る。好ましい実施形態において、短縮化および/または欠失は、約10アミノ酸
、または約20アミノ酸、または約50アミノ酸、または約75アミノ酸、また
は約100アミノ酸、または約100より多くのアミノ酸を含む。このように生
成されるポリペプチドフラグメントは、約25個連続したアミノ酸、または約5
0アミノ酸、または約75アミノ酸、または約100アミノ酸、または約125
アミノ酸を含む。このようなIL−1ra−Rポリペプチドフラグメントは、必
要に応じて、アミノ末端メチオニン残基を含み得る。このようなフラグメントは
、例えば、IL−1ra−Rポリペプチドに対する抗体を生成するために使用さ
れ得ることが理解される。
【0037】 用語「IL−1ra−Rポリペプチドオルソログ」は、配列番号2、配列番号
4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるIL−1ra−Rポ
リペプチドアミノ酸配列に対応する、別の種由来のポリペプチドをいう。例えば
、マウスおよびヒトのIL−1ra−Rポリペプチドは、互いにオルソログであ
るとみなされる。
【0038】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド改変」は、配列番号2、配列番号4、配
列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるIL−1ra−Rポリペプ
チドアミノ酸配列(リーダー配列を有するかまたは有さない)と比較して、1つ
以上のアミノ酸配列の置換、欠失(例えば、内部欠失および/またはIL−1r
a−Rポリペプチドフラグメント)、および/または付加(例えば、内部付加お
よび/またはIL−1ra−R融合ポリペプチド)を有するアミノ酸配列を含む
IL−1ra−Rポリペプチドをいう。改変体は、天然に存在する(例えば、I
L−1ra−Rポリペプチド対立遺伝子改変体、IL−1ra−Rポリペプチド
オルソログ、およびIL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体)か、また
は、人工的に構築され得る。このようなIL−1ra−Rポリペプチド改変体は
、配列番号1、配列番号3、配列番号5、または配列番号35のいずれかに示さ
れるDNA配列から変化するDNA配列を有する、対応する核酸分子から調製さ
れ得る。好ましい実施形態において、この改変体は、1〜3、または1〜5、ま
たは1〜10、または1〜15、または1〜20、または1〜25、または1〜
50、または1〜75、または1〜100、または100より多くのアミノ酸の
置換、挿入、付加、および/または欠失を有し、ここで、この置換は、保存的、
または非保存的、あるいはその任意の組み合わせであり得る。
【0039】 用語「IL−1ra−Rポリペプチド誘導体」は、本明細書中で定義されるよ うな、 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに
示されるポリペプチド、IL−1ra−Rポリペプチドフラグメント、IL−1
ra−Rポリペプチドオルソログ、またはIL−1ra−Rポリペプチド改変体
をいい、これらは、化学的に改変されている。用語「IL−1ra−Rポリペプ
チド誘導体」はまた、本明細書中で定義されるようなIL−1ra−Rポリペプ
チド対立遺伝子改変体またはIL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体に
よってコードされるポリペプチドをいい、これは化学的に改変されている。
【0040】 用語「成熟IL−1ra−Rポリペプチド」は、リーダー配列を欠失したIL
−1ra−Rポリペプチドをいう。成熟IL−1ra−Rポリペプチドはまた、
他の改変(例えば、アミノ末端(リーダー配列を有するかまたは有さない)およ
び/またはカルボキシ末端のタンパク質分解性プロセシング、より大きな前駆体
からのより小さなポリペプチドの切断、N連結および/またはO連結グリコシル
化など)を含み得る。
【0041】 用語「IL−1ra−R融合ポリペプチド」は、本明細書中で定義されるよう な、 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示
されるポリペプチド、IL−1ra−Rポリペプチドフラグメント、IL−1r
a−Rポリペプチドオルソログ、IL−1ra−Rポリペプチド改変体、または
IL−1ra−R誘導体のアミノ末端またはカルボキシ末端での、1つ以上のア
ミノ酸の融合(例えば、異種タンパク質またはペプチド)をいう。用語「IL−
1ra−R融合ポリペプチド」はまた、本明細書中で定義されるようなIL−1
ra−Rポリペプチド対立遺伝子改変体またはIL−1ra−Rポリペプチドス
プライス改変体によってコードされるポリペプチドのアミノ末端またはカルボキ
シル末端での、1つ以上のアミノ酸の融合をいう。
【0042】 用語「生物学的に活性なIL−1ra−Rポリペプチド」とは、配列番号2、
配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列を含む
ポリペプチドの、少なくとも1つの活性特徴を有するIL−1ra−Rポリペプ
チドをいう。さらに、IL−1ra−Rポリペプチドは、免疫原としての活性を
有し得る;すなわち、このIL−1ra−Rポリペプチドは、抗体が惹起され得
る少なくとも1つのエピトープを含む。
【0043】 用語「単離されたポリペプチド」とは、(1)供給源細胞から単離される場合
に、天然で一緒に見出されるポリペプチド、脂質、炭水化物、または他の物質の
少なくとも約50%から離された本発明のポリペプチド、(2)「単離された
ポリペプチド」が天然で連結するポリペプチドの全てまたは一部に(共有結合的
または非共有結合的相互作用によって)連結しない、本発明のポリペプチド、(
3)天然には連結しないポリペプチドに作動可能に(共有結合的または非共有結
合的相互作用によって)連結する、本発明のポリペプチド、または(4)天然に
は存在しない本発明のポリペプチドをいう。好ましくは、この単離されたポリペ
プチドは、任意の他の混入ポリペプチドまたは天然の環境において見出される他
の混入物(これは、その治療的使用、診断的使用、予防的使用、または研究的使
用に干渉する)を実質的に含まない。
【0044】 用語「同一性」とは、当該分野で公知のように、配列の比較によって決定され
る、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の配列間の関係をい
う。当該分野において、「同一性」はまた、場合に応じて、2つ以上のヌクレオ
チドまたは2つ以上のアミノ酸配列文字列の間の一致によって決定されるように
、核酸分子の間またはポリペプチド間の配列関連性の程度を意味する。「同一
性」は、2つ以上の配列のうち小さなものと、特定の数理的モデルまたはコンピ
ュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって焦点をあてられたギ
ャップ整列(存在する場合)との間の一致の同一パーセントを評価する。
【0045】 用語「類似性」は、概念に関するが、「同一性」とは対照的に、「類似性」は
、同一的一致および保存的置換の一致の両方を含む関連性の基準をいう。2つの
ポリペプチド配列が、例えば10/20個同一のアミノ酸を有し、そして残りが
全て非保存的置換である場合、同一性パーセントおよび類似性は、どちらも50
%である。同じ例において、保存的置換であるさらに5つの位置が存在する場合
同一性パーセントは50%のままであるが、類似性パーセントは75%(15
/20)である。したがって、保存的置換が存在する場合、2つのポリペプチド
間の類似性パーセントは、これらの2つのポリペプチド間の同一性パーセント
りも高い。
【0046】 用語「天然に存在する」または「ネイティブの」は、核酸分子、ポリペプチド
、宿主細胞などのような生物学的材料と関連して使用される場合、天然において
見出され、そしてヒトによって操作されていない材料をいう。同様に、「天然に
存在しない」または「ネイティブではない」は、本明細書中で使用される場合、
天然で見出されないか、またはヒトによって構造的に改変もしくは合成された材
料をいう。
【0047】 用語「有効量」および「治療有効量」は、各々、本明細書中に示されるIL−
1ra−Rポリペプチドの1つ以上の生物学的活性の観察可能なレベルを支持す
るために使用されるIL−1ra−RポリペプチドまたはIL−1ra−R核酸
分子の量をいう。
【0048】 用語「薬学的に受容可能なキャリア」または「生理学的に受容可能なキャリア
」は、本明細書中で使用される場合、薬学的組成物としてのIL−1ra−Rポ
リペプチド、IL−1ra−R核酸分子、またはIL−1ra−R選択的結合因
子の送達の達成または増強に適切な1つ以上の処方材料をいう。
【0049】 用語「抗原」とは、選択的結合因子(例えば、抗体)により結合され得、そし
てさらに動物において使用されて、その抗原のエピトープに結合し得る抗体を産
生じ得る分子または分子の一部をいう。抗原は、1つ以上のエピトープを有し得
る。
【0050】 用語「選択的結合因子」とは、IL−1ra−Rポリペプチドに特異性を有す
る分子(単数または複数)をいう。本明細書中で使用される場合、用語「特異的
」および「特異性」とは、選択的結合因子、ヒトIL−1ra−Rポリペプチ
ドに結合し、かつ非ヒトIL−1ra−Rポリペプチドに結合しない能力をいう
。しかし、選択的結合因子がまた、配列番号2、配列番号4、配列番号6、また
は配列番号36のいずれかに記載されるようなポリペプチドのオルソログ(すな
わち、その種間変形(例えば、マウスIL−1ra−Rポリペプチドおよびラッ
トIL−1ra−Rポリペプチド))に結合し得ることが、理解される。
【0051】 用語「形質導入」を用いて、通常はファージによる1つの細菌から別の細菌へ
の遺伝子の伝達をいう。「形質導入」はまた、レトロウイルスによる真核生物細
胞配列の獲得および伝達をいう。
【0052】 用語「トランスフェクション」は、細胞による異種または外因性DNAの取り
込みをいうために使用され、そして細胞は、外因性DNAが細胞膜内に導入され
た場合には「トランスフェクトされ」ている。多数のトランスフェクション技術 、当該分野で周知であり、そして本明細書中に開示される。例えば、Grah
amら,1973,Virology 52:456;Sambrookら,M
olecular Cloning,A Laboratory Manual
(Cold Spring Harbor Laboratories,19
89);Davisら,Basic Methods in Molecula
r Biology(Elsevier,1986);and Chuら,19
81,Gene 13:197を参照のこと。このような技術を使用して、1つ
以上の外因性DNA部分を適切な宿主細胞に導入し得る。
【0053】 本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」とは、細胞の遺伝的特徴にお
ける変化をいい、そして細胞は、新しいDNAを含有するように改変された場合
に形質転換されている。例えば、細胞は、それがそのネイティブな状態から遺伝
的に改変される場合に形質転換される。トランスフェクションまたは形質導入に
続いて、DNAの形質転換は、物理的に細胞の染色体に組み込むことにより細胞
のDNAと組換わり得るか、複製されることなしにエピソームエレメントとして
一時的に維持され得るか、またはプラスミドとして独立的に複製され得る。DN
Aが細胞分裂と共に複製される場合に、細胞は、安定に形質転換されたとみなさ
れる。
【0054】 (核酸分子および/またはポリペプチドの関連性) 関連した核酸分子が、配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号3
5のいずれかの核酸分子の対立遺伝子改変体またはスプライス改変体を包含する
こと、および上記のヌクレオチド配列のいずれかに相補的である配列を包含する
ことが理解される。関連した核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4、配列番
号6または配列番号36のいずれかにおけるポリペプチドと比較して1以上のア
ミノ酸残基の置換、改変、付加および/または欠失を含むかまたは本質的にこれ
からなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を包含する。このような関
連したIL−1ra−Rポリペプチドは、例えば、1以上のN結合型もしくはO
結合型のグリコシル化部位の付加および/もしくは欠失、または1以上のシステ
イン残基の付加および/もしくは欠失を含み得る。
【0055】 関連した核酸分子はまた、配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番
号36のいずれかのIL−1ra−Rポリペプチドの少なくとも約25個連続し
たアミノ酸、または少なくとも約50個のアミノ酸、または少なくとも約75個
のアミノ酸、または少なくとも約100個のアミノ酸、または少なくとも約12
5個のアミノ酸、または125個より多くのアミノ酸残基のポリペプチドをコー
ドする、IL−1ra−R核酸分子のフラグメントを包含する。
【0056】 さらに、関連したIL−1ra−R核酸分子はまた、本明細書中で定義したと
おりの中程度または高度にストリンジェントな条件下で、配列番号1、配列番号
3、配列番号5もしくは配列番号35のいずれかのIL−1ra−R核酸分子ま
たはポリペプチドをコードする分子の十分に相補的な配列とハイブリダイズする
ヌクレオチド配列を含む分子を包含し、このポリペプチドは、配列番号2、配列
番号4、配列番号6もしくは配列番号36、または本明細書中に定義したとおり
の核酸フラグメント、または本明細書中に定義したとおりのポリペプチドをコー
ドする核酸フラグメントのいずれかに示されるアミノ酸配列を含む。ハイブリダ
イゼーションプローブは、本明細書中に提供されるIL−1ra−R配列を用い
てcDNA、ゲノムDNAライブラリーまたは合成DNAライブラリーを関連し
た配列についてスクリーニングして調製され得る。IL−1ra−Rポリペプチ
ドのDNA配列および/またはアミノ酸配列のうちの、既知配列に対して顕著な
同一性を示す領域は、本明細書中に記載されるとおりの配列アラインメントアル
ゴリズムを用いて容易に決定され、そしてこれらの領域を用いて、スクリーニン
グのためのプローブを設計し得る。
【0057】 用語「高度にストリンジェントな条件」とは、配列が非常に相補的であるDN
A鎖のハイブリダイゼーションを許容し、かつ顕著に不一致のDNAのハイブリ
ダイゼーションを排除するように設計された条件をいう。ハイブリダイゼーショ
ンのストリンジェンシーは、温度、イオン強度および変性剤(例えば、ホルムア
ミド)の濃度によって主に決定される。ハイブリダイゼーションおよび洗浄につ
いての「高度にストリンジェントな条件」の例は、65〜68℃での0.015
M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムまたは42℃での0.0
15M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウムおよび50%ホルム
アミドである。Sambrook,FritschおよびManiatis,M
olecular Cloning:A Laboratory Manual
(第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,1
989);Andersonら,Nucleic Acid Hybridis
ation:A Practical Approach第4章(IRL Pr
ess Limited)を参照のこと。
【0058】 よりストリンジェントな条件(例えば、より高い温度、より低いイオン強度、
より高いホルムアミドまたは他の変性剤)もまた用いられ得るが、ハイブリダイ
ゼーションの速度が影響される。他の薬剤は、非特異的および/またはバックグ
ラウンドのハイブリダイゼーションを減少させる目的のために、ハイブリダイゼ
ーションおよび洗浄の緩衝液中に含まれ得る。例は、0.1%ウシ血清アルブミ
ン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.1%
ドデシル硫酸ナトリウム、NaDodSO、(SDS)、ficoll、デン
ハルト溶液、超音波処理サケ精子DNA(または別の非相補的DNA)および 酸デキストラン であるが、他の適切な薬剤もまた用いられ得る。これらの添加剤
の濃度および種類は、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに実質
的に影響を与えることなく変更され得る。ハイブリダイゼーション実験は通常、
pH6.8〜7.4で実施される;しかし、代表的なイオン強度の条件では、ハ
イブリダイゼーションの速度は、pHからほぼ独立する。Andersonら,
Nucleic Acid Hybridisation:A Practic
al Approach第4章(IRL Press Limited)を参照
のこと。
【0059】 DNA二重鎖の安定性に影響を与える因子としては、塩基組成、長さおよび塩
基対の不一致程度が挙げられる。ハイブリダイゼーション条件は、これらの変動
要因を適応させ、そして異なる配列関連性のDNAがハイブリッドを形成するの
を可能にするために当業者によって調整され得る。完全に一致したDNA二重鎖
の融解温度は、以下の方程式によって評価され得る: T(℃)=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+C )−600/N−0.72(%ホルムアミド) ここで、Nは、形成される二重鎖の長さであり、[Na+]は、ハイブリダイゼ
ーション溶液または洗浄溶液中でのナトリウムイオンのモル濃度であり、G+C は、ハイブリッド中での(グアニン+シトシン)塩基の百分率である。不完全
に一致したハイブリッドについては、融解温度は、1%の不一致毎に約1℃下げ
られる。
【0060】 用語「中程度にストリンジェントな条件」とは、「高度にストリンジェントな
条件」下で生じ得るよりも高い程度の塩基対不一致を有するDNA二重鎖が形成
され得る条件をいう。代表的な「中程度にストリンジェントな条件」の例は、5
0〜65℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン酸ナトリウ
ムまたは37〜50℃での0.015M塩化ナトリウム、0.0015Mクエン
酸ナトリウムおよび20%ホルムアミドである。例示として、0.015Mナト
リウムイオン中での50℃という「中程度にストリンジェントな条件」は、約2
1%の不一致を可能にする。
【0061】 「高度にストリンジェントな条件」と「中程度にストリンジェントな条件」と
の間に絶対的な区別が存在しないことが当業者によって認識される。例えば、0
.015Mナトリウムイオン(ホルムアミドなし)では、完全に一致した長さの
DNAの融解温度は、約71℃である。65℃で(同じイオン強度で)の洗浄を
用いると、約6%の不一致可能にる。より関連性の遠い配列を捕獲するため
に、当業者は、単純に、温度を低くし得るかまたはイオン強度を高くし得る。
【0062】 約20ntまでのオリゴヌクレオチドプローブについての1M NaCl
での融解温度の良好な評価は、以下によって与えられる: Tm=A−T塩基対あたり2℃ + G−C塩基対あたり4℃ 6×塩クエン酸ナトリウム(SSC)中でのナトリウムイオン濃度は、1Mで
ある。Suggsら,Developmental Biology Usin
g Purified Genes 683(BrownおよびFox編,19
81)を参照のこと。
【0063】 オリゴヌクレオチドについての高度ストリンジェンシー洗浄条件は通常、6×
SSC、0.1% SDS中でのそのオリゴヌクレオチドのTmよりも0℃〜5
℃低い温度においてである。
【0064】 別の実施形態では、関連した核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号
5もしくは配列番号35のいずれかに示されるとおりのヌクレオチド配列に対し
て少なくとも約70パーセント同一であるヌクレオチド配列を含むかもしくはこ
れからなるか、または配列番号2、配列番号4、配列番号6もしくは配列番号3
6のいずれかに示すとおりのポリペプチドに対して少なくとも約70パーセント
同一であるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むかもしくは本質的
にこれからなる。好ましい実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号1、配
列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかに示されるとおりのヌ
クレオチド配列に対して約75パーセント、もしくは約80パーセント、もしく
は約85パーセント、もしくは約90パーセント、もしくは約95、96、97
、98、もしくは99パーセント同一であるか、またはヌクレオチド配列は、配
列番号2、配列番号4、配列番号6もしくは配列番号36のいずれかに示される
とおりのポリペプチド配列に対して約75パーセント、もしくは約80パーセン
ト、もしくは約85パーセント、もしくは約90パーセント、もしくは約95、
96、97、98、もしくは99パーセント同一であるポリペプチドをコードす
る。関連した核酸分子は、配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番号
36のいずれかに示されるポリペプチドの少なくとも1つの活性を保有するポリ
ペプチドをコードする。
【0065】 核酸配列における相違は、配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番
号36のいずれかのアミノ酸配列と比較して、アミノ酸配列の保存的改変および
/または非保存的改変をもたらし得る。
【0066】 配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番号36のいずれかのアミノ
酸配列に対する保存的改変(およびコードするヌクレオチドに対する、対応する
改変)は、IL−1ra−Rポリペプチドの機能的特徴および化学的特徴と類似
の機能的特徴および化学的特徴を有するポリペプチドを生じる。対照的に、IL
−1ra−Rポリペプチドの機能的特徴および/または化学的特徴における実質
的な改変は、以下を維持することに対するその影響が顕著に異なる、配列番号2
、配列番号4、配列番号6または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列におけ
る置換を選択することによって達成され得る:(a)例えば、シートコンホメー ション もしくはヘリックスコンホメーションのような、置換領域における分子骨
格の構造、(b)標的部位での分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の
かさ。
【0067】 例えば、「保存的アミノ酸置換」は、その位置でのアミノ酸残基の極性にも電
荷にもほとんど影響がないかまたは全く影響がないような、非ネイティブ残基に
よるネイティブなアミノ酸残基の置換を含み得る。さらに、ポリペプチド中の任
意のネイティブな残基はまた、「アラニンスキャニング変異誘発」について以前
に記載されたように、アラニンによって置換され得る。
【0068】 保存的アミノ酸置換はまた、生物学的系における合成によるよりむしろ、化学
的なペプチド合成によって代表的に組み込まれる、天然には存在しないアミノ酸
残基を含む。これらとしては、ペプチド模倣物、およびアミノ酸部分の他の逆転
形態または反転形態が挙げられる。
【0069】 天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて、複数のクラスに分割され
得る: 1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile; 2)中性親水性:Cys、Ser、Thr; 3)酸性:Asp、Glu; 4)塩基性:Asn、Gln、His、Lys、Arg; 5)鎖の配向に影響を与える残基:Gly、Pro;および 6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0070】 例えば、非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーの、別のク
ラス由来のメンバーに対する交換を包含し得る。このような置換された残基は、
非ヒトIL−1ra−Rポリペプチドと相同なヒトIL−1ra−Rポリペプチ
ドの領域またはこの分子の非相同領域に導入され得る。
【0071】 このような変化を行う際に、アミノ酸のヒドロパシー指数が考慮され得る。各
アミノ酸は、その疎水性特性および電荷特性に基づいて、ヒドロパシー指数を割
り当てられている。ヒドロパシー指数は、以下である:イソロイシン(+4.5
);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8
);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(
+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.
8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.
6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3
.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−
3.9);およびアルギニン(−4.5)。
【0072】 タンパク質に対する相互作用的な生物学的機能を確認する際の、ヒドロパシー
アミノ酸指数の重要性は、当該分野において一般的に理解されている(Kyte
ら、1982,J.Mol.Biol.157:105−31)。特定のアミノ
酸が類似のヒドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸に代えて置換 され得、そして依然として類似の生物学的活性を維持し得ることが、公知である
。ヒドロパシー指数に基づいて変化を起こす際に、ヒドロパシー指数が±2以内
であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものが特に好ましく、そして
±0.5以内であるものが、なおより特に好ましい。
【0073】 類似のアミノ酸の置換が親水性に基づいて効果的になされ得る(特に、これに
よって作製された生物学的機能的に等価なタンパク質またはペプチドが、この場
合においてと同様に、免疫学的実施形態における使用に関して考慮される場合)
こともまた、当該分野において理解されている。タンパク質の最も大きな局所的
平均親水性は、その隣接するアミノ酸の親水性によって支配される場合に、その
免疫原性および抗原性、すなわち、そのタンパク質の生物学的特性に相関する。
【0074】 以下の親水性の値が、これらのアミノ酸残基に割り当てられた:アルギニン(
+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミ
ン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グル
タミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−
0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(
−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.
8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(
−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。類似の親水性の値に基づいて
変化を行う際に、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±l以
内であるものが特に好ましく、そして±0.5以内であるものが、なおより特に
好ましい。一次アミノ酸配列から、エピトープをまた、親水性に基づいて同定し
得る。これらの領域はまた、「エピトープコア領域」と呼ばれる。
【0075】 所望のアミノ酸置換(保存的であれ非保存的であれ)は、当業者によって、こ
のような置換が所望される時点で決定され得る。例えば、アミノ酸置換を使用し
て、IL−1ra−Rポリペプチドの重要な残基を同定し得るか、または本明細
書中に記載されるIL−1ra−Rポリペプチドの親和性を増加もしくは減少さ
せ得る。例示的なアミノ酸置換は、表Iに記載される。
【0076】
【表1】 当業者は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいず
れかに記載のポリペプチドの適切な改変体を、周知の技術を使用して、決定し得
る。生物学的活性を破壊することなく変化され得る分子の適切な領域を同定する
ために、当業者は、活性のために重要であるとは考えられない領域を標的化し得
る。例えば、同じ種由来かまたは他の種由来の、類似の活性を有する類似のポリ
ペプチドが既知である場合には、当業者は、IL−1ra−Rポリペプチドのア
ミノ酸配列を、このような類似のポリペプチドと比較し得る。このような比較を
用いて、類似のポリペプチド間で保存される分子の残基および部分を同定し得る
。このような類似のポリペプチドに対して保存されていない、IL−1ra−R
分子の領域における変化が、IL−1ra−Rポリペプチドの生物学的活性およ
び/または構造にさほど不利に影響を与えるようではないことが、理解される。
当業者にはまた、比較的保存された領域においてさえ、化学的に類似のアミノ酸
を、活性を維持ながら天然に存在する残基に代わって置換し得ることが公知で
ある(保存的アミノ酸残基置換)。従って、生物学的活性または構造のために重
要であり得る領域でさえ、生物学的活性を破壊することなく、またはポリペプチ
ド構造に不利に影響を与えることなく、保存的アミノ酸置換に供され得る。
【0077】 さらに、当業者は、活性または構造のために重要である、類似のポリペプチド
における残基を同定する、構造−機能研究を再調査し得る。このような比較の観
点において、類似のポリペプチドにおける活性または構造のために重要なアミノ
酸残基に対応するIL−1ra−Rポリペプチドにおける、アミノ酸残基の重要
性を予測し得る。当業者は、IL−1ra−Rポリペプチドのこのような予測さ
れた重要なアミノ酸残基に代わる化学的に類似のアミノ酸置換を、選択し得る。
【0078】 当業者はまた、類似のポリペプチドにおける三次元構造およびその構造に関連 する アミノ酸配列を分析し得る。このような情報の観点において、当業者は、I
L−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸残基のアライメントを、その三次元構造
に関して予測し得る。当業者は、そのタンパク質の表面に存在すると予測され
るアミノ酸残基に対する急激な変化を起こさないように、選択し得る。なぜなら
、このような残基は、他の分子との重要な相互作用に関与し得るからである。さ
らに、当業者は、単一のアミノ酸置換を各アミノ酸残基に含む、試験改変体を生
成し得る。これらの改変体は、当業者に公知の活性アッセイを使用して、スクリ
ーニングされ得る。このような改変体は、適切な改変体に関する情報を集めるた
めに使用され得る。例えば、特定のアミノ酸残基に対する変化が破壊された活 望ましくなく減少した活性、または適切でない活性を生じたことを発見した
場合には、このような変化を有する改変体は、回避される。換言すれば、このよ
うな慣用的な実験から集めた情報に基づいて、当業者は、さらなる置換が、単独
でかまたは他の変異と組み合わせてかのいずれかで回避されるべきであるアミノ
酸を、容易に決定し得る。
【0079】 多数の科学刊行物が、二次構造の推定に充てられてきた。Moult,199
6,Curr.Opin.Biotechnol.7:422−27;Chou
ら、1974,Biochemistry 13:222−45;Chouら、
1974,Biochemistry 113:211−22;Chouら、1
978,Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol
.47:45−48;Chouら、1978,Ann.Rev.Biochem
.47:251−276;およびChouら、1979,Biophys.J.
26:367−84を参照のこと。さらに、コンピュータプログラムが、二次構
造の推定を補助するために、現在利用可能である。二次構造を推定する1つの方
法は、相同性モデリングに基づく。例えば、30%より大きな配列同一性または
40%より大きな類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は、し
ばしば、類似の構造トポロジーを有する。タンパク質構造データベース(PDB
)の近年の成長は、二次構造(ポリペプチドまたはタンパク質の構造における可
能な折り畳みの数を含む)の増強された予測性を提供してきた。Holmら、1
999,Nucleic Acids Res.27:244−47を参照のこ
と。所定のポリペプチドまたはタンパク質において制限された数の折り畳みが存
在すること、および一旦、臨界数の構造が解されると、構造推定は劇的により
正確となることが、示唆されてきた(Brennerら、1997,Curr.
Opin.Struct.Biol.7:369−76)。
【0080】 二次構造を推定するさらなる方法としては、「スレッディング(thread
ing)」(Jones,1997,Curr.Opin.Struct.Bi
ol.7:377−87;Sipplら、1996,Structure 4:
15−19)、「プロフィール分析」(Bowieら、1991,Scienc
e,253:164−70;Gribskovら、1990,Methods
Enzymol.183:146−59;Gribskovら、1987,Pr
oc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.84:4355−58)、およ
び「進化学的連鎖」(Holmら、前出、およびBrennerら、前出を参照
のこと)が挙げられる
【0081】 好ましいIL−1ra−Rポリペプチド改変体としては、グリコシル化部位の
数および/または型が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
36のいずれかに記載のアミノ酸配列と比較して変化している、グリコシル化改
変体が挙げられる。1つの実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチド改
変体は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に記載のアミノ酸配列より多いかまたはより少ない数のN結合型グリコシル化部
位を含む。N結合型グリコシル化部位は、配列Asn−X−SerまたはAsn
−X−Thrによって特徴付けられ、ここで、Xと印されるアミノ酸残基は、プ
ロリン以外の任意のアミノ酸残基であり得る。この配列を作製するためのアミノ
酸残基の置換は、N結合型糖鎖の付加のための潜在的な新たな部位を提供する。
あるいは、この配列を排除する置換は、存在するN結合型糖鎖を除去する。1つ
以上のN連結グリコシル化部位(代表的に、天然に存在するグリコシル化部位)
が排除され、そして1つ以上の新たなN結合部位が作製される、N結合型糖鎖の
再配列もまた、提供される。さらなる好ましいIL−1ra−R改変体としては
、1つ以上のシステイン残基が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または
配列番号36のいずれかに記載のアミノ酸配列と比較して欠失しているか、また
は別のアミノ酸(例えば、セリン)で置換されている、システイン改変体が挙げ
られる。システイン改変体は、IL−1ra−Rポリペプチドが、例えば不溶性
の封入体の単離の後に、生物学的に活性な立体構造へとリフォールディングされ
なければならない場合に、有用である。システイン改変体は、一般に、ネイティ
ブタンパク質より少ないシステイン残基を有し、そして代表的には同数のシステ
イン残基を有し、対合していないシステインから生じる相互作用を最小にする。
【0082】 別の実施形態において、関連する核酸分子は、少なくとも1つのアミノ酸挿入
を有しかつポリペプチドが配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番
号36のいずれかに記載のポリペプチドの活性を有する、配列番号2、配列番号
4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに記載のポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列を含むかもしくはこの配列からなるか、あるいは少なくと
も1つのアミノ酸欠失を有しかつポリペプチドが配列番号2、配列番号4、配列
番号6、また配列番号36のいずれかに記載のポリペプチドの活性を有する、
配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに記載の
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むかもしくはこの配列からなる
。関連する核酸分子はまた、ポリペプチドがカルボキシル末端および/またはア
ミノ末端の短縮を有しかつさらにこのポリペプチドが、配列番号2、配列番号4
、配列番号6、または配列番号36のいずれかに記載のポリペプチドの活性を有
する、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに
記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むかまたはこの配列か
らなる。関連する核酸分子はまた、アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失
、カルボキシ末端短縮、およびアミノ末端短縮からなる群より選択される少な
くとも1つの改変を含み、そしてここで、ポリペプチドが配列番号2、配列番号
4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに記載のポリペプチドの活性を
有する、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むかまたはこの配列
からなる。
【0083】 さらに、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれ
かのアミノ酸配列を含むポリペプチドあるいは他のIL−1ra−Rポリペプチ は、同種ポリペプチドに融合してホモダイマーを形成し得るか、あるいは異種
ポリペプチドに融合してヘテロダイマーを形成し得る。異種のペプチドおよびポ
リペプチドとしては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:IL−1r
a−R融合ポリペプチドの検出および/または単離を可能にするエピトープ;膜
貫通レセプタータンパク質またはその部分(例えば、細胞外ドメインまたは膜貫
通ドメインおよび細胞内ドメイン);膜貫通レセプタータンパク質に結合する、
リガンドまたはその部分;触媒的に活性である、酵素またはその部分;オリゴマ
ー化を促進するポリペプチドまたはペプチド(例えば、ロイシンジッパードメイ
ン);安定性を増加させるポリペプチドまたはペプチド(例えば、免疫グロブリ
ン定常領域);ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
36のいずれかに記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドあるいは別のIL−1
ra−Rポリペプチドとは異なる治療活性を有するポリペプチド。
【0084】 融合は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれ
かに記載のアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは他のIL1ra−Rポリ
ペプチドの、アミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかにおいて、なされ得
る。融合は、リンカーもアダプター分子も用いずに直接であっても、リンカーも
しくはアダプター分子を介してであってもよい。リンカーまたはアダプター分子
は、1つ以上のアミノ酸残基であり得、代表的に、約20〜約50アミノ酸残基
である。DNA制限エンドヌクレアーゼまたはプロテアーゼに対する切断部位を
するリンカーまたはアダプター分子がまた、設計されて、融合した部分の分離
を可能にし得る。一旦構築されると、誘ポリペプチドは、本明細書中に記載の
方法に従って誘導体化され得ることが、理解される。
【0085】 本発明のさらなる実施形態において、配列番号2、配列番号4、配列番号6、
または配列番号36のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチド、あるいは他
のIL−1ra−Rポリペプチドは、ヒトIgGのFc領域の1つ以上のドメイ
ンに融合する。抗体は、以下の2つの機能的に独立した部分を含む;抗原を結合
する「Fab」として公知の可変ドメイン、ならびに相補的活性化および食作用
細胞による攻撃のようなエフェクター機能に関与する、「Fc」として公知の定
常ドメイン。Fcは、長い血清半減期を有し、一方でFabは、短寿命である。
Caponら、1989,Nature 337:525−31。治療タンパク
質と一緒に構築される場合には、Fcドメインは、より長い半減期を提供し得る
か、またはFcレセプター結合、プロテインA結合、補体結合、および恐らく、
胎盤移入のような機能を組み込み得る。同書。表IIは、当該分野において公知
の特定のFc融合物の使用を要約する。
【0086】
【表2】 一例において、ヒトIgGのヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域は、
当業者に公知の方法を使用して、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ末端ま
たはカルボキシル末端のいずれかにおいて、融合し得る。別の例において、ヒト
IgGのヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域は、IL−1ra−Rポリ
ペプチドフラグメント(例えば、IL−1ra−Rポリペプチドの推定細胞外部
分)のアミノ末端またはカルボキシル末端のいずれかにおいて、融合し得る。
【0087】 得られるIL−1ra−R融合ポリペプチドは、プロテインAアフィニティー
カラムの使用によって、精製され得る。Fc領域に融合したペプチドおよびタン
パク質は、融合していない対応物より実質的に長いインビボでの半減期を示すこ
とが見出された。また、Fc領域への融合は、融合ポリペプチドの二量化/多量
体化を可能にする。Fc領域は、天然に存在するFc領域であり得るか、または
治療品質、循環時間、もしくは減少した凝集のような特定の品質を改善するよう
変更され得る。
【0088】 関連する核酸分子およびポリペプチドの同一性および類似性は、公知の方法に
よって容易に計算され得る。このような方法としては、Computation
al Molecular Biology(A.M.Lesk編、Oxfor
d University Press 1988);Biocomputin
g:Informatics and Genome Projects(D.
W.Smith編、Academic Press 1993);Comput
er Analysis of Sequence Data(Part 1,
A.M.GriffinおよびH.G.Griffin編、Humana Pr
ess 1994);G.von Heinle,Sequence Anal
ysis in Molecular Biology(Academic P
ress 1987);Sequence Analysis Primer(
M.GribskovおよびJ.Devereux編、M.Stockton
Press 1991);ならびにCarilloら、1988,SIAM J
.Applied Math.,48:1073に記載されるものが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0089】 同一性および/または類似性を決定するための好ましい方法は、試験される配
列間での最大の適合を与えるために、設計される。同一性および類似性を決定す
るための方法は、公共に利用可能なコンピュータプログラムにおいて記載されて
いる。2つの配列間の同一性および類似性を決定するための、好ましいコンピュ
ータプログラム方法としては、GCGプログラムパッケージ(GAP(Deve
reuxら、1984,Nucleic Acids Res.12:387;
Genetics Computer Group,University o
f Wisconsin,Madison,WI)、BLASTP、BLAST
N、およびFASTA(Altschulら、1990,J.Mol.Biol
.215:403−10)を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。B
LASTXプログラムは、National Center for Biot
echnology Information(NCBI)および他の供給源(
Altschulら、BLAST Manual(NCB NLM NIH,B
ethesda,MD);Altschulら、1990、前出)から公共に利
用可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムもまた、同一
性を決定するために使用され得る。
【0090】 2つのアミノ酸配列を整列させるための特定のアライメントスキームは、これ
ら2つの配列の短い領域のみの適合を生じ得、そしてこの小さな整列領域は、2
つの全長配列間に有意な関連がない場合でさえも、非常に高い配列同一性を有し
得る。従って、好ましい実施形態において、選択された整列方法(GAPプログ
ラム)は、特許請求されるポリペプチドの少なくとも50の連続するアミノ酸に
わたる整列を生じる。
【0091】 例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(Genetics Comput
er Group,University of Wisconsin,Mad
ison,WI)を使用して、配列同一性の百分率が決定されるべき2つのポリ
ペプチドが、それらのそれぞれのアミノ酸の最適な適合(アルゴリズムによって
決定される「適合したスパン」)のために、整列される。ギャップオープニング
ペナルティー(gap opening penalty)(これは、平均対角
の3倍として計算される:「平均対角」とは、使用される比較行列(compa
rison matrix)の対角の平均である;「対角」とは、特定の比較行
列によって各完全なアミノ酸適合に対して割り当てられたスコアまたは数である
)およびギャップエクステンションペナルティー(gap extension
penalty)(これは通常、キャップオープニングペナルティーの0.1
倍である)、ならびにPAM 250またはBLOSUM 62のような比較行
列が、このアルゴリズムと組み合わせて使用される。標準的な比較行列もまた、
このアルゴリズムによって使用される(Dayhoffら、5 Atlas o
f Protein Sequence and Structure(補遺3 1978)(PAM250比較行列);Henikoffら、1992,Pr
oc.Natl.Acad.Sci USA 89:10915−19(BLO
SUM 62比較行列)を参照のこと)。
【0092】 ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメータは、以下を含む: Algorithm:Needleman and Wunsch,1970
,J.Mol.Biol.48:443−53; Comparison matrix:BLOSUM 62(Henikof
fら、前出); Gap Penalty:12 Gap Length Penalty:4 Threshold of Similarity:0 このGAPプログラムは、上記パラメータを用いて有用である。上記パラメータ
は、GAPアルゴリズムを用いるポリペプチド比較(末端ギャップに対してはペ
ナルティーがないこととともに)のためのデフォルトパラメータである。
【0093】 核酸分子配列比較のための好ましいパラメータは、以下を含む: Algorithm:Needleman and Wunsch,前出; Comparison matrix:matches=+10,misma
tch=0 Gap Penalty:50 Gap Length Penalty:3 このGAPプログラムはまた、上記パラメータを用いて有用である。上記パラメ
ータは、核酸分子比較のためのデフォルトパラメータである。
【0094】 Program Manual,Wisconsin Package,Ve
rsion 9,September,1997に記載されるものを含む、他の
例示的なalgorithm、gap opening penalty、ga
p extension penalty、comparison matri
x、およびthreshold of similarityが使用され得る。
なされるべき特定の選択は、当業者に明らかであり、そしてなされるべき特定の
比較(例えば、DNA対DNA、タンパク質対タンパク質、タンパク質対DNA
);ならびにさらに、その比較が所定の対の配列間(この場合には、GAPまた
はBestFitが一般的に好ましい)であるか、1つの配列と大きなデータベ
ースの配列との間(この場合には、FASTAまたはBLASTAが好ましい)
であるかに依存する。
【0095】 (核酸分子) IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードす
る核酸分子は、種々の様式(化学合成、cDNAもしくはゲノムのライブラリー
のスクリーニング、発現ライブラリースクリーニング、および/またはcDNA
のPCR増幅が挙げられるが、これらに限定されない)で容易に得られ得る。
【0096】 本明細書中において使用される組換えDNA法は、一般に、Sambrook
ら、Molecular Cloning:A Laboratory Man
ual(Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess,1989)および/またはCurrent Protocols in
Molecular Biology(Ausubelら編、Green P
ublishers Inc.およびWiley and Sons 1994
)に記載されている。本発明は、本明細書中に記載され得るような核酸分子、お
よびこのような分子を得るための方法を提供する。
【0097】 IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする遺伝子が1つの種
から同定された場合には、この遺伝子の全てまたは一部を、同じ種由来のオーソ
ログまたは関連する遺伝子を同定するためのプローブとして使用し得る。このプ
ローブまたはプライマーを使用して、IL−1ra−Rポリペプチドを発現する
と考えられる種々の組織供給源由来のcDNAをスクリーニングし得る。さらに
、配列番号1、配列番号3、配列番号5、または配列番号35のいずれかに記載
されるような配列を有する核酸分子の部分または全てを使用して、ゲノムライブ
ラリーをスクリーニングし、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコ
ードする遺伝子を同定および単離し得る。代表的に、中程度または高いストリン
ジェンシーの条件が、スクリーニングのために使用されて、このスクリーニング
から得られる誤った陽性の数を最小にする。
【0098】 IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子もまた、
発現されたタンパク質の特性に基づいて陽性クローンの検出を使用する発現クロ
ーニングによって、同定され得る。代表的に、核酸ライブラリーは、抗体または
他の結合パートナー(例えば、レセプターまたはリガンド)を、宿主細胞表面に
おいて発現および提示されたクローンタンパク質に結合させることによって、ス
クリーニングされる。抗体または結合パートナーは、所望のクローンを発現する
細胞を同定するために、検出可能な標識で改変される。
【0099】 以下に記載される説明に従って実施される組換え発現技術に従って、これらの
ポリヌクレオチドを産生し得、そしてコードされたポリペプチドを発現し得る。
例えば、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸配列を
適切なベクターに挿入することによって、当業者は、多量の所望のヌクレオチド
配列を容易に生成し得る。次いで、これらの配列を使用して、検出プローブまた
は増幅プライマーを生成し得る。あるいは、IL−1ra−Rポリペプチドのア
ミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを、発現ベクターに挿入し得る。発現
ベクターを適切な宿主に導入することによって、コードされたIL−1ra−R
ポリペプチドが、多量に産生され得る。
【0100】 適切な核酸配列を得るための別の方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で
ある。この方法において、cDNAは、酵素逆転写酵素を使用して、poly(
A)+RNAまたは全RNAから調製される。次いで、2つのプライマー(代表
的には、IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードするcDNAの
2つの別個の領域に対して相補的である)が、Taqポリメラーゼのようなポリ
メラーゼとともにこのcDNAに付加され、そしてこのポリメラーゼが、このc
DNAのこれら2つのプライマー間の領域を増幅する。
【0101】 IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子を調製す
る別の手段は、Engelsら、1989,Angew.Chem.Intl.
Ed.28:716−34によって記載されるもののような、当業者に周知の方
法を使用する、化学合成である。これらの方法としては、とりわけ、核酸合成の
ためのリン酸トリエステル、ホスホルアミダイト、およびH−ホスホネート方法
が挙げられる。このような化学合成のために好ましい方法は、標準的なホスホル
アミダイト化学を使用する、ポリマーにより支持される合成である。代表的に、
IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードするDNAは、数百ヌク
レオチド長である。約100ヌクレオチドより長い核酸は、これらの方法を使用
して、いくつかのフラグメントとして合成され得る。次いで、これらのフラグメ
ントが一緒に連結されて、IL−1ra−R遺伝子の全長ヌクレオチド配列を形
成し得る。通常、このポリペプチドのアミノ末端をコードするDNAフラグメン
トは、ATGを有し、これは、メチオニン残基をコードする。このメチオニンは
、宿主細胞において産生されたポリペプチドがその細胞から分泌されるよう設計
されるか否かに依存して、IL−1ra−Rポリペプチドの成熟形態で存在して
もそうでなくてもよい。当業者に公知の他の方法が、同様に使用され得る。
【0102】 特定の実施形態において、核酸改変体は、所定の宿主細胞におけるIL−1r
a−Rポリペプチドの最適な発現のために変更されたコドンを含む。特定のコド
ン変更は、発現のために選択される宿主細胞およびIL−1ra−Rポリペプチ
ドに依存する。このような「コドン最適化」は、種々の方法によって(例えば、
所定の宿主細胞において高度に発現される遺伝子における使用に好ましいコドン
を選択することによって)実施され得る。高度に発現された細菌遺伝子のコドン
優先性のための「Eco_high.Cod」のようなコドン度数表を組み込む
コンピュータアルゴリズムが使用され得、そしてUniversity of
Wisconsin Package Version 9.0(Geneti
cs Computer Group,Madison,WI)によって提供さ
れる。他の有用なコドン度数表としては、「Celegans_high.co
d」、「Celegans_low.cod」、「Drosophila_hi
gh.cod」、「Human_high.cod」、「Maize_high
.cod」、および「Yeast_high.cod.」が挙げられる。
【0103】 いくつかの場合において、IL−1ra−Rポリペプチド改変体をコードする
核酸分子を調製することが所望であり得る。改変体をコードする核酸分子は、プ
ライマーが所望の点変異を有する部位特異的変異誘発、PCR増幅、または他の
適切な方法を使用して生成し得る(変異誘発技術の記載に関しては、Sambr
ookら、前出、およびAusubelら、前出を参照のこと)。Engels
ら、前出によって記載される方法を使用する化学合成もまた、このような改変体
を調製するために使用され得る。当業者に公知の他の方法が、同様に使用され得
る。
【0104】 (ベクターおよび宿主細胞) IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子を、標準
的な連結技術を使用して適切な発現ベクターに挿入する。ベクターは、代表的に
、使用される特定の宿主細胞において機能的であるように選択される(すなわち
、ベクターは、遺伝子の増幅および/または遺伝子の発現が生じるように、宿主
細胞機構と適合性である)。IL−1ra−Rポリペプチドのアミノ酸配列をコ
ードする核酸分子は、原核生物宿主細胞、酵母宿主細胞、昆虫(バキュロウイル
ス系)宿主細胞および/または真核生物宿主細胞において増幅/発現され得る。
宿主細胞の選択は、IL−1ra−Rポリペプチドが翻訳後修飾(例えば、グリ
コシル化および/またはホスホリル化)されるか否かに一部依存する。そうであ
る場合、酵母宿主細胞、昆虫宿主細胞、または哺乳動物宿主細胞が好ましい。発
現ベクターの総説について、Meth.Enz.,vol.185(D.V.G
oeddel,ed.,Academic Press 1990)を参照のこ
と。
【0105】 代表的に、任意の宿主細胞に使用される発現ベクターは、プラスミド維持のた
めならびに外来性ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現のため配列を含
む。このような配列(集合的に、「隣接配列」と呼ばれる)は、特定の実施形態
において、代表的に、以下のヌクレオチド配列の1つ以上を含む:プロモーター
、1つ以上のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、ドナーおよびアクセ
プタースプライス部位を含む完全なイントロン配列、ポリペプチド分泌のための
リーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発
現されるポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、な
らびに選択マーカーエレメント。これらの配列のそれぞれが、以下に議論される
【0106】 必要に応じて、ベクターは、「タグ」コード配列(すなわち、IL−1ra−
Rポリペプチドコード配列の5’末端または3’末端に配置されるオリゴヌクレ
オチド分子)を含み得;オリゴヌクレオチド配列は、polyHis(例えば、
hexaHis)、または別の「タグ」(例えば、FLAG、HA(赤血球凝集
素インフルエンザウイルス)またはmyc(これらには、市販の抗体が存在する )) をコードする。このタグは、代表的には、ポリペプチドの発現の際にポリペ
プチドに融合され、宿主細胞からの、IL−1ra−Rポリペプチドのアフィニ
ティー精製のための手段として役立ち得る。アフィニティー精製は、例えば、ア
フィニティーマトリクスとしてタグに対する抗体を使用するカラムクロマトグラ
フィーによって達成され得る。必要に応じて、タグは、続いて、切断のために特
定のペプチダーゼを使用するような種々の手段によって、精製されたIL−1r
a−Rポリペプチドから除去される。
【0107】 隣接配列は、同種(すなわち、宿主細胞と同じ種および/または系統由来)で
あり得るか、異種(すなわち、宿主細胞種または宿主細胞系統以外の種由来)で
あり得るか、ハイブリッド(すなわち、1つより多くの供給源由来の隣接配列の
組み合わせ)であり得るか、または合成であり得るか、あるいは隣接配列は、I
L−1ra−Rポリペプチド発現を調節するために正常に機能するネイティブな
配列であり得る。このように、隣接配列の供給源は、任意の原核生物または真核
生物、任意の脊椎生物または無脊椎生物、あるいは任意の植物であり得、但し、
隣接配列は、宿主細胞の機構において機能的であり、そして宿主細胞の機構によ
って活性化され得る。
【0108】 本発明のベクターに有用な隣接配列は、当該分野において周知である任意のい
くつかの方法によって得られ得る。代表的には、IL−1ra−R遺伝子隣接配
列以外の、本明細書中で有用な隣接配列は、マッピングおよび/または制限エン
ドヌクレアーゼ消化によって以前に同定されており、従って、適切な制限エンド
ヌクレアーゼを使用して、適切な組織供給源から単離され得る。いくつかの場合
において、隣接配列の全長ヌクレオチド配列は公知であり得る。ここで、隣接配
列は、核酸合成またはクローニングのために本明細書中で記載される方法を使用
して合成され得る。
【0109】 隣接配列の全てまたは一部のみが公知である場合、PCRを使用して、そして
/あるいは適切なオリゴヌクレオチドならびに/または同じもしくは別の種由来
の隣接配列フラグメントを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングすること
によって、隣接配列は得られ得る。隣接配列が公知でない場合、隣接配列を含む
DNAのフラグメントは、例えば、コード配列または別の遺伝子を含み得る大き なD NA断片から単離され得る。単離は、適切なDNAフラグメントを生成する
ための制限エンドヌクレアーゼ消化、続くアガロースゲル精製を使用する単離、
Qiagen(登録商標)カラムクロマトグラフィー(Chatsworth、
CA)、または当業者に公知の他の方法によって達成され得る。この目的を達成
するための適切な酵素の選択は、当業者に容易に明かである。
【0110】 複製起点は、代表的に、市販から購入された原核生物発現ベクターの一部であ
り、この起点は、宿主細胞においてベクターの増幅に役立つ。特定のコピー数 ベクターの増幅は、いくつかの場合において、IL−1ra−Rポリペプチド
の最適な発現に重要であり得る。選択されたベクターが複製起点部位を含まない
場合、公知の配列に基づいて化学的に合成され得、そしてベクターに連結され得
る。例えば、プラスミドpBR322(New England Biolab
s,Beverly,MA)からの複製起点は、大部分のグラム陰性細菌に適切
であり、そして種々の起点(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、
水疱性口内炎ウイルス(VSV)、またはHPVもしくはBPVのようなパピロ
ーマウイルス)は、哺乳動物細胞におけるクローニングベクターのために有用で
ある。一般的に、複製起点の成分は、哺乳動物発現ベクターに必要とされない
例えば、SV40起点は、ただそれが初期プロモーターを含むので、しばしば、
使用される)。
【0111】 転写終結配列は、代表的にポリペプチドコード領域の末端の3’側に配置され
、そして転写を終結させるのに役立つ。通常、原核生物細胞における転写終結配
列は、G−Cリッチフラグメント、続いてポリ−T配列である。この配列はライ
ブラリーから容易にクローン化され得るか、またはベクターの一部として市販で
購入されるが、これはまた、本明細書中上記のような核酸合成のための方法を使
用して容易に合成され得る。
【0112】 選択マーカー遺伝子エレメントは、選択培養培地において増殖される宿主細胞
の生存および増殖に必要なタンパク質をコードする。代表的な選択マーカー遺伝
子は、(a)原核生物宿主細胞に対して、抗生物質または他の毒素(例えば、ア
ンピシリン、テトラサイクリン、またはカナマイシン)に対する耐性を与えるか
(b)細胞の栄養要求性の欠損を補うか;あるいは(c)複合培地から入手可
能でない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。好ましい選択マーカ
ーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびテトラサイク
リン耐性遺伝子である。ネオマイシン耐性遺伝子もまた、原核生物宿主細胞およ
び真核生物宿主細胞における選択のために使用され得る。
【0113】 他の選択遺伝子は、発現される遺伝子を増幅するために使用され得る。増幅は
、増殖に重要なタンパク質の産生により大きく要求される遺伝子が、組換え細胞
染色体の連続的な生成の内にタンデムに反復されるプロセスである。哺乳動物
細胞に対する適切な選択マーカーの例としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(D
HFR)およびチミジンキナーゼが挙げられる。哺乳動物細胞形質転換体は、選
択圧下に置かれ、ここで、形質転換体のみが、ベクターに存在する選択遺伝子に
よって生存するように独特に適合される。選択圧は、培地中の選択因子の濃度が
連続的に変化し、それによって選択遺伝子とIL−1ra−Rポリペプチドをコ
ードするDNAとの両方の増幅を導く条件下で、形質転換された細胞を培養する
ことによって課される。結果として、増加した量のIL−1ra−Rポリペプチ
ドが、増幅されたDNAから合成される。
【0114】 リボソーム結合部位は、通常、mRNAの翻訳開始に必要であり、そしてシャ イン・ダルガルノ 配列(原核性物)またはコザック配列(真核生物)によって特
徴付けられる。このエレメントは、代表的に、発現されるIL−1ra−Rポリ
ペプチドのプロモーターの3’側およびコード配列の5’側に配置される。シャ イン・ダルガルノ 配列は、可変であるが、代表的には、ポリプリン(すなわち、
高いA−G含有量)である。多くのシャイン・ダルガルノ配列は、同定されてお
り、それぞれが、本明細書中に記載の方法を使用して、原核生物ベクター使用
して容易に合成され得る。
【0115】 リーダー配列、またはシグナル配列は、宿主細胞からIL−1ra−Rポリペ
プチドを指向させるために使用され得る。代表的には、シグナル配列をコードす
るヌクレオチド配列は、IL−1ra−R核酸分子のコード領域に位置するか、
または直接IL−1ra−Rポリペプチドコード領域の5’末端に位置する。多
くのシグナル配列が同定されており、選択された宿主細胞において機能性である 任意の シグナル配列が、IL−1ra−R核酸分子と組み合わせて使用され得る
。従って、シグナル配列は、IL−1ra−R核酸分子に対して同種(天然)ま
たは異種であり得る。さらに、シグナル配列は、本明細書中に記載される方法を
使用して化学的に合成され得る。大部分において、シグナルペプチドの存在を介 した 宿主細胞からのIL−1ra−Rポリペプチドの分泌は、分泌されたIL−
1ra−Rポリペプチドからのシグナルペプチドの除去を生じる。シグナル配列
は、ベクターの成分であり得るか、またはベクターに挿入されたIL−1ra−
R核酸分子の一部であり得る。
【0116】 IL−1ra−Rポリペプチドコード領域に結合されたネイティブなIL−1
ra−Rポリペプチドシグナル配列をコードするヌクレオチド配列またはIL−
1ra−Rポリペプチドコード領域に結合された異種シグナル配列をコードする
ヌクレオチド配列のいずれかの使用が本発明の範囲内に含まれる。選択された異
種シグナル配列は、宿主細胞によって認識され、プロセスされる(すなわち、シ
グナルペプチダーゼによって切断される)ものであるべきである。ネイティブな
IL−1ra−Rポリペプチドシグナル配列を認識せず、プロセスしない原核生
物宿主細胞について、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニ
シリナーゼ、または熱安定エンテロトキシンIIリーダーのグループから選択さ
れる原核生物シグナル配列によって置換される。酵母分泌について、ネイティブ
なIL−1ra−Rポリペプチドシグナル配列は、酵母インベルターゼ、α因子
、または酸ホスファターゼリーダーによって置換され得る。哺乳動物細胞発現に
おいて、ネイティブなシグナル配列が十分であるが、他の哺乳動物シグナル配列
が適切であり得る。
【0117】 グリコシル化が真核生物宿主細胞発現系において望ましいようないくつかの場
合において、グリコシル化または収量を改善するために種々のプレ配列(pre
sequence)が操作され得る。例えば、特定のシグナルペプチドのペプチ
ダーゼ切断部位を変更し得るかまたはプロ配列(pro−sequence) これはまた、グリコシル化に影響し得る)を加え得る。最後のタンパク質産物は
、1位に(成熟タンパク質の最初のアミノ酸に対して)、発現に付随して1つ以
上のさらなるアミノ酸を有し得、これは、完全に除去されないかもしれない。例
えば、最終のタンパク質産物は、アミノ末端に結合される、ペプチダーゼ切断部
位において見出される1つまたは2つのアミノ酸残基を有し得る。あるいは、い
くつかの酵素切断部位の使用は、酵素が成熟ポリペプチド内のこのような領域 切断る場合、所望のIL−1ra−Rポリペプチドの少し短縮した形態を生じ
得る。
【0118】 多くの場合において、核酸分子の転写は、ベクター内の1つ以上のイントロン
の存在によって増加する;これは、ポリペプチドが真核生物宿主細胞(特に、哺
乳動物宿主細胞)において産生される場合、特に当てはまる。使用されるイント
ロンは、特に使用される遺伝子が全長ゲノム配列またはそのフラグメントである
場合、IL−1ra−R遺伝子内に天然に存在し得る。イントロンが遺伝子内に
天然に存在しない(大部分のcDNAについて)場合、イントロンは、別の供給
源から得られ得る。隣接配列およびIL−1ra−R遺伝子に関してイントロン
の位置は、イントロンが効果的に転写されなければならないので、一般的に重要
である。従って、IL−1ra−R cDNA分子が転写される場合、イントロ
ンの好ましい位置は、転写開始部位の3’側およびポリ−A転写終止配列の5’
側である。好ましくは、イントロンは、コード配列を妨害しないように、cDN
Aの1つの側または他の側(すなわち、5’側または3’側)に配置される。任
意の供給源(ウイルス、原核生物および真核生物(植物または動物)を含む)由
来の任意のイントロンを使用して本発明を実行し得るが、但し、このイントロン
は、挿入される宿主細胞に適合性である。合成イントロンもまた本明細書中に含
まれる。必要に応じて、1つより多くのイントロンがベクター内で使用され得る
【0119】 本発明の発現ベクターおよびクローニングベクターは、代表的には、宿主生物
によって認識され、IL−1ra−Rポリペプチドをコードする分子に作動可能
に連結されたプロモーターを含む。プロモーターは、構造遺伝子の転写を制御す
る構造遺伝子(一般的に、約100〜1000bp)の開始コドンに対して上流
(すなわち、5’側)に配置される非転写配列である。プロモーターは、通常、
2つのクラス(誘導プロモーターおよび構成プロモーター)の1つにグループ化
される。誘導プロモーターは、培養条件におけるいくらかの変化(例えば、栄養
の存在または非存在、あるいは温度の変化)に応答してそれらの制御下で、DN
Aからの増加したレベルの転写を開始する。他方、構成プロモーターは、連続的
な遺伝子産物の産生を開始する;すなわち、遺伝子発現に対して遺伝子をほとん
ど制御しないかまたは制御しない。多数のプロモーター(種々の潜在的な宿主細
胞によって認識される)が周知である。適切なプロモーターは、供給源のDNA
からプロモーターを制限酵素消化によって取り出し、そして所望のプロモーター
配列をベクターに挿入することによって、IL−1ra−Rポリペプチドをコー
ドするDNAに作動可能に連結される。ネイティブなIL−1ra−Rプロモー
ター配列は、IL−1ra−R核酸分子の増幅および/または発現に指向させる
ために使用され得る。しかし、ネイティブなプロモーターと比較して大きい転写
および発現タンパク質のより高い産生が可能であり、そして使用のために選択さ
れた宿主細胞系と適合性である場合、異種プロモーターが好ましい。
【0120】 原核物宿主との使用に適切なプロモーターとしては、β−ラクタマーゼおよ
びラクトースプロモーター系;アルカリホスファターゼ;トリプトファン(tr
p)プロモーター系;およびハイブリッドプロモーター(例えば、tacプロモ
ーター)が挙げられる。他の公知の細菌プロモーターもまた、適切である。これ
らの配列は、公開されており、その結果、当業者は、任意の有用な制限部位を供
給するのに必要とされるリンカーまたはアダプターを使用して、所望のDNAに
それらの配列を連結し得る。
【0121】 酵母宿主との使用に適切なプロモーターはまた、当該分野において周知である
。酵母エンハンサーは、酵母プロモーターとに有利に使用される。哺乳動物宿
主細胞との使用に適切なプロモーターは周知であり、限定しないが、ポリオーマ
ウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、Adenovirus2)
、ウシパピローマウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロ
ウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましいシミアンウイルス40(SV4
0)のようなウイルスのゲノムから得られるプロモーターが挙げられる。他の適
切な哺乳動物プロモーターとしては、異種哺乳動物プロモーター(例えば、熱シ
ョックプロモーターおよびアクチンプロモーター)が挙げられる。
【0122】 IL−1ra−R遺伝子発現を制御する際に関心があり得るさらなるプロモー
ターとしては、限定しないが、以下が挙げられる:SV40初期プロモータ領域
(Bernoist and Chambon,1981,Nature 29
0:304−10);CMVプロモーター;ラウス肉腫ウイルスの3’側の長い 末端 反復に含まれるプロモーター(Yamamoto,et al.,1980
,Cell 22 :787−97);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター
(Wagner et al.,1981,Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.78:1444−45);メタロチオネイン遺伝子の調節配
列(Brinster et al.,1982,Nature 296:39
−42);β−ラクタマーゼプロモーターのような原核生物発現ベクター(Vi
lla−Kamaroff et al.,1978,Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.,75:3727−31);またはtacプロモ
ーター(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,80:21−25)。組織特異性を示し、そしてト
ランスジェニック動物において利用されている以下の動物転写制御領域もまた関
心がある:膵臓腺房細胞において活性なエラスターゼI遺伝子制御領域(Swi
ft et al.,1984,Cell 38:639−46;Ornitz
et al.,1986,Cold Spring Harbor Symp
.Quant.Biol.50:399−409(1986);MacDona
ld,1987,Hepatology 7:425−515);膵臓β細胞に
おいて活性なインシュリン遺伝子制御領域(Hanahan,1985,Nat
ure 315:115−22);リンパ球において活性な免疫グロブリン遺伝
子制御領域(Grosschedl et al.,1984,Cell 38
:647−58;Adames et al.,1985,Nature 31
8:533−38;Alexander et al.,1987,Mol.C
ell.Biol.,7:1436−44);精巣、乳房、リンパ球、および肥
満細胞において活性なマウス乳腺癌ウイルス制御領域(Leder et al
.,1986,Cell 45:485−95);肝臓において活性なアルブミ
ン遺伝子制御領域(Pinkert et al.,1987,Genes a
nd Devel.1:268−76);肝臓において活性なα−フェトプロテ
イン遺伝子制御領域(Krumlauf et al.,1985,Mol.C
ell.Biol.,5:1639−48;Hammer et al.,19
87,Science 235:53−58);肝臓において活性なα1−抗ト
リプシン遺伝子制御領域(Kelsey et al.,1987,Genes
and Devel.1:161−71);骨髄性細胞において活性なβ−グ
ロビン遺伝子制御領域(Mogram et al.,1985,Nature 315:338−40;Kollias et al.,1986,Cell 46:89−94);脳の稀突起神経膠細胞において活性なミエリン塩基性
ンパク質遺伝子制御領域(Readhead et al.,1987,Cel
l 48:703−12);骨格筋において活性なミオシン軽鎖−2遺伝子制御
領域(Sani,1985,Nature 314:283−86);ならびに
視床下部において活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域(Maso
n et al.,1986,Science 234:1372−78)。
【0123】 エンハンサー配列は、より高等な真核生物によって本発明のIL−1ra−R
ポリペプチドをコードするDNAの転写を増加するように、ベクターに挿入され
得る。エンハンサーは、転写を増加させるためにプロモーターに作用する、通常
約10〜300bpの長さのDNAのシスに作用するエレメントである。エンハ
ンサーは、相対的な方向非依存性および位置非依存性である。これらは、転写ユ
ニットに対して5’側および3’側に見出された。哺乳動物遺伝子から入手可能
ないくつかのエンハンサー配列が公知である(例えば、グロビン、エラスターゼ
、アルブミン、α−フェトプロテインおよびインシュリン)。しかし、代表的に
は、ウイルス由来のエンハンサーが、使用される。SV40エンハンサー、サイ
トメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、お
よびアデノウイルスエンハンサーは、真核生物プロモーターの活性化について例
示的に増強するエレメントである。エンハンサーは、IL−1ra−R核酸分子
に対して5’位または3’位でベクターにスプライシングされ得るが、代表的に
は、プロモーターから5’位側に配置される。
【0124】 本発明の発現ベクターは、市販のベクターのような開始ベクターから構築され
得る。このようなベクターは、全ての所望な隣接配列を含んでも良いし、含まな
くても良い。本明細書中に記載される隣接配列の1つ以上がすでにベクター内に
ない場合、これらは、個々に得られ得、ベクターに連結され得る。隣接配列のそ
れぞれを得るために使用される方法は、当業者に周知である。
【0125】 本発明を実行するために好ましいベクターは、細菌宿主細胞、昆虫宿主細胞、
および哺乳動物宿主細胞と適合性のベクターである。このようなベクターとして
は、特に、pCRII、pCR3、およびpcDNA3.1(Invitrog
en、San Diego、CA)、pBSII(Stratagene、La
Jolla、CA)、pET15(Novagen、Madison、WI)
、pGEX(Pharmacia Biotech、Piscataway、N
J)、pEGFP−N2(Clontech、Palo Alto、CA)、p
ETL(BlueBacII、Invitrogen)、pDSR−alpha
(PCT公開番号WO 90/14363)ならびにpFastBacDual
(Gibco−BRL、Grand Island、NY)が挙げられる。
【0126】 さらなる適切なベクターとしては、限定しないが、コスミド、プラスミド、ま
たは改変ウイルスが挙げられるが、これらのベクター系は、選択された宿主細胞
と適合性でなければならないことが理解される。このようなベクターとしては、
限定しないが、Bluescript(登録商標)プラスミド誘導体(高コピー
数ColEl−ベースのファージミド、Stratagene Cloning
Systems,La Jolla CA)、Taq増幅PCR産物をクロー
ニングするために設計されたPCRクローニングプラスミド(例えば、TOPO TM TA Cloning(登録商標)Kit、PCR2.1(登録商標)プ
ラスミド誘導体、Invitrogen、Carlsbad、CA)、ならびに
バキュロウイルス発現系のような哺乳動物ベクター、酵母ベクターまたはウイル
スベクター(pBacPAKプラスミド誘導体、Clontech、Palo
Alto、CA)のようなプラスミドが挙げられる。
【0127】 ベクターが構築され、そしてIL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸
分子がベクターの適切な部位に挿入された後に、完全なベクターが増幅発現およ
び/またはポリペプチド発現に適切な宿主細胞に挿入され得る。IL−1ra−
Rポリペプチドに対する発現ベクターの選択された宿主細胞への形質転換は、ト
ランスフェクション、感染、塩化カルシウム、エレクトロポレーション、マイク
ロインジェクション、リポフェクチン、DEAE−デキストラン法、または他の
公知の技術のような方法を含む周知の方法によって達成され得る。選択される方
法は、一部、使用される宿主細胞の種類の機能である。これらの方法および他の
適切な方法は、当業者に周知であり、例えば、Sambrookら、上記に記載
される。
【0128】 宿主細胞は、原核生物宿主細胞(例えば、E.coli)または真核生物宿主
細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、または脊椎動物細胞)であり得る。宿主細
胞は、適切な条件下で培養される場合、IL−1ra−Rポリペプチドを合成し
、これは、続いて、培養培地から(宿主細胞がそのポリペプチドを培地に分泌す
る場合)収集され得るか、直接そのポリペプチドを産生する宿主細胞から収集さ
れる(そのポリペプチドが分泌されない場合)。適切な宿主細胞の選択は、所望
の発現レベル、活性(例えば、グリコシル化またはホスホリル化)に望ましいか
または必要なポリペプチド修飾、および生物学的に活性な分子に折り畳まれる容
易さなどの種々の因子に依存する。
【0129】 多くの適切な宿主細胞が当該分野において公知であり、多くが、Americ
an Type Culture Collection(ATCC),Man
assas,VAから入手可能である。例としては、限定しないが、チャイニー
ズハムスター卵巣細胞(CHO)、CHO DHFR(−)細胞(Urlaub
et al.,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.US.A
.97:4216−20)、ヒト胚性腎臓(HEK)293または293T細胞
、あるいは3T3細胞のような哺乳動物細胞が挙げられる。適切な哺乳動物宿主
細胞の選択および形質転換、培養、増幅、スクリーニング、産物生成、および精
製のための方法が当該分野において公知である。他の適切な哺乳動物細胞株は、
サルCOS−1およびCOS−7細胞株、およびCV−1細胞株である。さらな
る例示的な哺乳動物宿主細胞としては、霊長動物細胞株およびゲッ歯類動物細胞
株(形質転換細胞株を含む)が挙げられる。正常な二倍体細胞、初代組織のイン
ビトロ培養物から誘導される細胞菌株、ならびに初代外植片もまた適切である。
候補細胞は、選択遺伝子を遺伝子型的に欠き得るか、または優先的に作用する選
択遺伝子を含み得る。他の適切な哺乳動物細胞株としては、限定しないが、マウ
ス神経芽細胞腫N2A細胞、HeLa、マウスL−929細胞、Swissから
誘導された3T3株、Balb−cまたはNIHマウス、BHKまたはHakハ
ムスター細胞株が挙げられる。これらの細胞株のそれぞれは、タンパク質発現の
当業者によって公知であり入手可能である。
【0130】 同様に、細菌細胞が、本発明に適切な宿主細胞として有用である。例えば、E
.coli(例えば、HB101、DH5α、DH10、およびMC1061)
の種々の菌株は、生物工学の分野において宿主細胞として周知である。B.su
btilis、Pseudomonas spp.,他のBacillus s
pp.、Streptomyces spp.などの種々の菌株がまた本方法に
おいて使用され得る。
【0131】 当業者に公知の酵母細胞の多くの菌株はまた、本発明のポリペプチドの発現の
ため宿主細胞として入手可能である。好ましい酵母細胞としては、例えば、Sa
ccharomyces cerivisaeおよびPichia pasto
risが挙げられる。
【0132】 さらに、望ましい場合、昆虫細胞系が、本発明の方法において利用され得る。
このような系は、例えば、Kitts et al.,1993,Biotec
hniques,14:810−17;Lucklow,1993,Curr.
Opin.Biotechnol.4:564−72;およびLucklow
et al.,1993,J.Virol.,67:4566−79に記載され
る。好ましい昆虫細胞は、Sf−9およびHi5(Invitrogen)であ
る。
【0133】 グリコシル化IL−1ra−Rポリペプチドを発現するためにトランスジェニ
ック動物もまた使用し得る。例えば、トランスジェニック乳産生動物(例えば、
雌ウシまたはヤギ)を使用し、本発明のグルコシル化ポリペプチドを動物の乳に
得ることができる。IL−1ra−Rポリペプチドを産生するために植物もまた
使用し得るが、しかし、一般的に、植物において生じるグリコシル化は、哺乳動
物細胞において産生されるものとは異なり、ヒト治療用途に適切ではないグリコ
シル化産物を生じ得る。
【0134】 (ポリペプチド産生) IL−1ra−Rポリペプチド発現ベクターを含む宿主細胞は、当業者に周知
の標準的な培地を使用して培養され得る。この培地は、通常、細胞の増殖および
生存に必要な全ての栄養分を含む。E.coli細胞を培養するための適切な培
地としては、例えば、Luria Broth(LB)および/またはTerr
ific Broth(TB)が挙げられる。真核生物細胞を培養するための適
切な培地としては、Roswell Park Memorial Insti
tute medium 1640(RPMI 1640)、Minimal
Essential Medium(MEM)および/またはDulbecco
’s Modified Eagle Medium(DMEM)が挙げられ、
これらの全ては、培養される特定の細胞株に必要な血清および/または増殖因子
を補充され得る。昆虫細胞についての適切な培地は、必要に応じて、イーストレ
ート(yeatolate)、ラクトアルブミン加水分解産物、および/または
胎仔ウシ血清を補充したグレース培地である。
【0135】 代表的に、トランスフェクトされた細胞または形質転換された細胞の選択的な
増殖に有用な構成物質または他の化合物が、培地に補充物質として加えられる。
使用される化合物は、宿主細胞が形質転換されるプラスミドに存在する選択マー
カーエレメントによって検出可能である。例えば、選択マーカーエレメントがカ
ナマイシン耐性である場合、培養倍地に加えられる化合物は、カナマイシンであ
る。選択的増殖のための他の化合物としては、アンピシリン、テトラサイクリン
、およびネオマイシンが挙げられる。
【0136】 宿主細胞によって産生されるIL−1ra−Rポリペプチドの量は、当該分野
において公知の標準的な方法を使用して評価され得る。このような方法としては
、限定しないが、ウェスタンブロット分析、SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動、非変性ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分離、
免疫沈降、および/またはDNA結合ゲル移動アッセイのような活性アッセイが
挙げられる。
【0137】 IL−1ra−Rポリペプチドが宿主細胞から分泌されるように設計される場
合、ポリペプチドの大部分は、細胞培養培地中で見出され得る。しかし、IL−
1ra−Rポリペプチドが宿主細胞から分泌されない場合、細胞質および/また
は核(真核宿主細胞について)に、あるいは、細胞質ゾル(グラム性細菌宿主
細胞について)に存在する。
【0138】 宿主細胞細胞質および/または核(真核生物宿主細胞について)に位置するか
または細胞質ゾル(細菌宿主細胞について)に位置するIL−1ra−Rポリペ
プチドについて、細胞内物質(グラム性細菌についての封入体を含む)は、当
業者に公知の任意の標準的な技術を使用して宿主細胞から抽出され得る。例えば
、宿主細胞は、フレンチプレス、均質化、および/または超音波処理、続く遠心
分離によって、ペリプラズム/細胞質の含有量を放出するように溶解され得る。
【0139】 IL−1ra−Rポリペプチドが細胞質ゾル内に封入体を形成した場合、この
封入体は、しばしば、内部および/または外部細胞膜に結合され得、従って、主
に、遠心分離後にペレット材料において見出される。次いで、ペレット材料は、
pH極限値で処理され得るか、あるいはジチオトレイトールのような還元剤の存
在下アルカリ性のpHで、またはトリスカルボキシエチルホスフィンの存在下酸
性のpHで、界面活性剤、グアニジン、グアニジン誘導体、尿素、または尿素誘
導体のようなカオトロピック剤で処理して、封入体を放出させ、分断させ、そし
て溶解させ得る。次いで、溶解されたIL−1ra−Rポリペプチドは、ゲル電
気泳動、免疫沈降などを使用して分析され得る。IL−1ra−Rポリペプチド
を単離することが望ましい場合、単離は、本明細書中およびMarston e
t al.,1990,Meth.Enz.,182:264−75に記載され
る方法のような標準的な方法を使用して達成され得る。
【0140】 いくつかの場合、IL−1ra−Rポリペプチドは、単離の際、生物学的に活
性でなくても良い。「再折り畳みする」、つまり、ポリペプチドをその三次構造
に変換し、ジスルフィド連結を生成するための種々の方法を使用して、生物学的
活性を回複し得る。このような方法は、溶解されたポリペプチドをあるpH(通
常7より上)および特定の濃度のカオトロピック剤(chaotrope)の存
在に曝露する工程を包含する。カオトロピック剤の選択は、封入体溶解に使用さ
れる選択肢に非常に類似するが、通常、カオトロピック剤は低い濃度で使用され
、溶解に使用されるカオトロピック剤と必ずしも同一ではない。多くの場合、再
折り畳み/酸化溶液はまた、還元剤、または特定の比の還元剤およびその酸化形
態を含んで、特定の酸化還元電位を生成し、タンパク質のシステイン架橋の形成
を生じるジスルフィドシャフリングを可能にする。通常使用される酸化還元対の
いくつかとしては、システイン/シスタミン、グルタチオン(GSH)/ジチオ
ビスGSH、塩化銅(II)、ジチオトレイトール(DTT)/ジチアンDTT
、および2,2−メルカプトエタノール(bME)/ジチオ−b(ME)が挙げ
られる。多くの場合において、共溶媒が使用され得るか、または再折り畳みの効
率を増加するのに必要であり得、この目的のために使用されるより一般的な試薬
としては、グリセロール、種々の分子量のポリエチレングリコール、アルギニン
などが挙げられる。
【0141】 封入体がIL−1ra−Rポリペプチドの発現において有意な程度まで形成さ
れない場合、ポリペプチドは、主に、細胞ホモジネートの遠心分離後に上清中に
見出される。ポリペプチドは、さらに、本明細書中に記載されるような方法を使
用して上清から単離され得る。
【0142】 溶液からのIL−1ra−Rポリペプチドの精製は、種々の技術を使用して達
成され得る。ポリペプチドが、ヘキサヒスチジン(IL−1ra−Rポリペプチ
ド/hexaHis)のようなタグまたは他の小さなペプチド(例えば、FLA
G(Eastman Kodak Co.,New Haven,CT)または
myc(Invitrogen,Carlsbad,CA))をそのカルボキシ 末端またはアミノ末端のいずれかにおいて含むように合成された場合、カラム
マトリクスがタグについて高い親和性を有するアフィニティーカラムに溶液を通
すことによって一工程で精製され得る。
【0143】 例えば、ポリヒスチジンは、ニッケルに対して大きな親和性および特異性を有
して結合する。従って、ニッケルのアフィニティーカラム(例えば、Qiage
n(登録商標)ニッケルカラム)は、IL−1ra−Rポリペプチド/poly
Hisの精製のために使用され得る。例えば、Current Protoco
ls in Molecular Biology § 10.11.8(Au
subel et al.,eds.,Green Publishers I
nc. and Wiley and Sons 1993)を参照のこと。
【0144】 さらに、IL−1ra−Rポリペプチドは、IL−1ra−Rポリペプチドを
特異的に認識し得、そして結合し得るモノクローナル抗体の使用によって精製さ
れ得る。
【0145】 精製のための他の適切な手段はとしては、限定しないが、アフィニティークロ
マトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、モレキュラーシーブクロマトグラフィー、HPLC、電気泳動(ネイティブ
な電気泳動を含む)、続くゲル溶出、および分取用等電集束法(「Isopri
me」machine/technique,Hoefer Scientif
ic,San Francisco,CA)が挙げられる。いくつかの場合にお
いて、2つ以上の精製技術を、増加した純度を達成するために組み合わせられ得
る。
【0146】 IL−1ra−Rポリペプチドはまた、Merrifield et al.
,1963,J.Am.Chem.Soc.85:2149;Houghten
et al.,1985,Proc Natl Acad.Sci.USA
82:5132;およびStewart and Young,Solid P
hase Peptide Synthesis(Pierce Chemic
al Co.1984)に記載されるような当該分野で公知の技術を使用する、
化学合成法(例えば、固相ペプチド合成)によって調製され得る。このようなポ
リペプチドは、アミノ末端にメチオニンを有するかまたは有さないで合成され得
る。化学的に合成されたIL−1ra−Rポリペプチドは、これらの参考文献
記載される方法を使用して酸化され得て、ジスルフィド結合を形成し得る。化学
的に合成されたIL−1ra−Rポリペプチドは、組換え的に産生されるかまた
は天然の供給源から精製される対応するIL−1ra−Rポリペプチドに匹敵す
る生物学的活性を有すると期待され、従って、組換えまたは天然のIL−1ra
−Rポリペプチドと相互交換可能に使用され得る。
【0147】 IL−1ra−Rポリペプチドを得る別の手段は、IL−1ra−Rポリペプ
チドが天然に見出される供給源の組織および/または流体のような生物学的サン
プルからの精製による。このような精製は、本明細書中に記載されるようなタン
パク質精製のための方法を使用して行われ得る。精製の間、IL−1ra−Rポ
リペプチドの存在が、例えば、組換え的に産生されたIL−1ra−Rポリペプ
チドまたはそのペプチドフラグメントに対して調製される抗体を使用してモニタ
ーされ得る。
【0148】 核酸およびポリペプチドを産生するための多くのさらなる方法は、当該分野に
おいて公知であり、この方法は、IL−1ra−Rポリペプチドに対して特異性
を有するポリペプチドを産生するために使用され得る。例えば、Roberts
et al.,1997,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.94:12297−303を参照のこと。これは、mRNAとそのコードさ
れるペプチドとの間の融合タンパク質の産生を記載する。Roberts,19
99,Curr.Opin.Chez.bol 3:268−73もまた参照の
こと。さらに、米国特許第5,824,469号は、特定の生物学的機能を実行
し得るオリゴヌクレオチドを得るための方法を記載する。この手順は、異種プー
ルのオリゴヌクレオチドを生成する工程を包含し、それぞれが、5’ランダム
配列、中心予備選択配列、および3’ランダム化配列を有する。得られる異種プ
ールは、所望の生物学的機能を示さない細胞の集団に導入される。次いで、細胞
の亜集団を、所定の生物学的機能を示すものについてスクリーニングする。その
亜集団から、所望の生物学的機能を実行し得るオリゴヌクレオチドが単離される
【0149】 米国特許第5,763,192号;同第5,814,476号;同第5,72
3,323号;および同第5,817,483号は、ペプチドまたはポリペプチ
ドを産生するためのプロセスを記載する。これは、確率論的遺伝子またはそのフ
ラグメントを産生し、次いで、確率論的遺伝子によってコードされた1以上のタ
ンパク質を産生する宿主細胞にこれらの遺伝子を導入することによって達成され
る。次いで、この宿主は、所望の活性を有するペプチドまたはポリペプチドを産
生する、これらのクローンを同定するためにスクリーニングされる。
【0150】 ペプチドまたはポリペプチドの産生するための別の方法は、Athersys
,Inc.によって出願されたPCT/US98/20094(WO99/15
650)(「Random Activation of Gene Expr
ession for Gene Discovery」(RAGE−GD)と
して知られている)に記載されており、このプロセスは、インサイチュ組換え方
法によって、内因性遺伝子の発現または遺伝子の過剰発現の活性化を含む。例え
ば、内因性遺伝子の発現は、非相同性組換えまたは異常な組換えによって、遺伝
子の発現を活性化し得る標的細胞中に、調節配列を組み込むことによって、活性
化または増加される。この標的DNAは、まず、放射線に供せられ、そして遺伝
子プロモーター挿入される。このプロモーターは、遺伝子の前方の分岐点に最
終的に配置され、遺伝子の転写を開始する。これは、所望のペプチドまたはポリ
ペプチドの発現より生じる。
【0151】 これらの方法はまた、包括的なIL−1ra−Rポリペプチド発現ライブラリ
ーを作製するために使用され得、これは、続いて、種々のアッセイ(例えば、生
化学的アッセイ、細胞アセイおよび全生物アッセイ(例えば、植物、マウスな
ど))において、スループット表現型スクリーニングのために使用され得る とが理解される
【0152】 (合成) 本明細書中に記載される核酸およびポリペプチド分子、組換えおよび他の手
段によって産生され得ることは、当業者によって理解される。
【0153】 (選択的結合因子) 用語「選択的結合因子」は、1以上のIL−1ra−Rポリペプチドに対して
特異性を有する分子を言及する。適切な選択的結合因子としては、抗体およびそ
の誘導体、ポリペプチド、ならびに小分子が挙げられるが、これらに限定されな
い。適切な選択的結合因子は、当該分野で公知の方法を使用して調製され得る。
本発明の例示的なIL−1RA−Rポリペプチド選択的結合因子は、IL−1R
A−Rポリペプチドの特定の部分を結合し得、これにより、ポリペプチドのIL
−1ra−Rポリペプチドレセプターへの結合を阻害する。
【0154】 IL−1ra−Rポリペプチドと結合する抗体および抗体フラグメントのよう
な選択的結合因子は、本発明の範囲内である。この抗体は、単一特異的なポリク
ローナルを含むポリクローナル;モノクローナル(MAb);組換え;キメラ;
ヒト化(例えば、CDR移植化);ヒト;単鎖;および/または二特異的;な
らびにそれらのフラグメント;改変体;または誘導体であり得る。抗体フラグメ
ントとしては、IL−1RA−Rポリペプチド上のエピトープに結合する抗体 部を含む。このようなフラグメントの例としては、全長抗体の酵素学的切断に
よって産生されたFabおよびF(ab’)フラグメントが挙げられる。他の結
合フラグメントとしては、組換えDNA技術(例えば、抗体可変領域をコードす
る核酸配列を含む、組換えプラスミドの発現)によって産生されたフラグメント
が挙げられる。
【0155】 IL−1ra−Rポリペプチドに対するポリクローナル抗体は、一般に、IL
−1ra−Rポリペプチドおよびアジュバンドの複数回の皮下注射または腹腔内
注射によって動物(例えば、ウサギまたはマウス)において産生される。IL−
ra−Rポリペプチドをキャリアタンパク質に結合させることは、有用であり
得、このタンパク質は、キーホールリンペットヘモシアニン、血清、アルブミン
、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシンインヒビターのように、免疫
化される種において免疫原性である。また、ミョウバンのような凝集剤は、免疫
応答を増強させるために使用される。免疫化後、この動物は採血され、そして血
清を、IL−1ra−R抗力価についてアッセイする。
【0156】 IL−1ra−Rポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、培地中の連続
的細胞株によって抗体分子を産生するために提供される、任意の方法を使用して
産生される。モノクローナル抗体を調製するために適切な方法の例は、Kohl
erら、1975、Nature 256:495−97のハイブリドーマ法、
およびヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kozbor、1984、J.Immun
ol.133:3001;Brodeurら、Monoclonal Anti
body Production Techniques and Appli
cations 51−63(Marcel Dekker,Inc.,198
7))が挙げられる。IL−1ra−Rポリペプチドと反応する、モノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株がまた、本発明によって提供される。
【0157】 本発明のモノクローナル抗体は、治療剤として使用するために、改変され得る
。1実施形態は、「キメラ」抗体であり、この重鎖(H)および/または軽鎖(
L)の一部が、特定の種から誘導されるか、またはの抗体のクラスもしくはサ
ブクラスの属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同性である一
方で、この鎖の残りは、別の種から誘導されるか、または特定の抗体のクラスも
しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか、または相同性
である。抗体のフラグメントが所望の生物学的活性を示す限り、これらの抗体の
フラグメントも含まれる。米国特許第4,816,567号;Morrison
ら、1985、Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851−5 参照のこと。
【0158】 別の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体は、「ヒト化」抗体であ
る。非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野で周知である。米国特許第
5,585,089号および5,693,762号を参照のこと。一般に、ヒト
化した抗体は、非ヒトである供給源から導入された1以上のアミノ酸残基有する
。ヒト化は、例えば、当該分野(Jonesら、1986、Nature321
:522−25;Riechmannら、1998、Nature 332:3
23−27;Verhoeyenら、1988、Science239:153
4−36)で記載される方法を使用して、げっ歯類相補的決定領域(CDR)の
少なくとも一部をヒトの抗体の対応する領域と置換することによって、実施され る。
【0159】 IL−1ra−Rポリペプチドと結合するヒト抗体がまた、本発明によって包
含される。内因性の免疫グロブリンの産物の非存在下で、ヒト抗体のレパートリ
ーを産生し得る、トランスジェニック動物(例えば、マウス)を使用して、この
ような抗体は、IL−1ra−Rポリペプチド抗原(すなわち、少なくとも6連するアミノ酸を有する)を用いて免疫化することによって産生され、必要に応
じて、キャリアに結合される。例えば、Jakobovitsら,1993,P
roc.Natl.Acad Sci.90:2551−55;Jakobov
itsら,1993,Nature 362:255−58;Bruggerm
annら,1993,Year in Immuno.7:33を参照のこと。
1つの方法において、このようなトランスジェニック動物は、本明細書中の重鎖
および軽鎖免疫グロブリンをコードする内因性遺伝子座を無能にし、そしてヒト
の重鎖および軽鎖タンパク質をコードする遺伝子座をそのゲノムに挿入すること
によって産生される。次いで、部分的に改変された動物(この動物は、完全に相 補性ではない変を有する)は、所望の免疫系の改変の全てを有する動物を得る
ために交雑される。免疫原が投与される場合、これらのトランスジェニック動物
が、ヒト(例えば、マウスではない)アミノ酸配列(このアミノ酸配列は、これ
らの抗原に対して免疫特異性である変領域を含む)を有する抗体を産生する。
例えば、PCT出願番号PCT/US96/05928およびPCT/US93
/06926を参照のこと。さらなる方法は、米国特許第5,545,807、
PCT出願番号PCT/US91/245およびPCT/GB89/01207
、ならびに欧州特許第546073B1および546073A1に記載される。
ヒト抗体はまた、宿主細胞中の組換えDNAの発現または本明細書中に記載され
るようなハイブリドーマ細胞中での発現によって産生され得る。
【0160】 代替の実施形態において、ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリ
から産生され得る(Hoogenboomら,1991,J.Mol.Bio .227:381;Marksら,1991,J.Mol.Biol.222:
581)。これらにより、糸状のバクテリオファージの表面上の抗体レパートリ
ーの提示を介した模倣免疫選択、および選択した抗原への結合によるファージの
続く選択を処理する。1つのこのような技術は、PCT出願番号PCT/US9
8/17364に記載されており、これには、このようなアプローチを使用して
、MPL−およびmsk−レポーターについて、高い親和性および機能的なアン
タゴニスト抗体の単離が記載される。
【0161】 キメラ抗体、CDR移植化抗体、およびヒト化抗体は、代表的に組換え方法に
よって産生される。抗体をコードする核酸は、宿主細胞中に導入され、そして本
明細書中に記載される材料および手順を使用して発現される。好ましい実施形態
において、この抗体は、哺乳動物宿主細胞(例えば、CHO細胞)中で産生され
る。モノクローナル(例えば、ヒト)抗体は、本明細書中に記載されるように、
宿主細胞中での組換えDNAの発現またはハイブリドーマ細胞中での発現によっ
て産生され得る。
【0162】 本発明の抗−IL−1ra−R抗体は、IL−1ra−Rポリペプチドの検出
および定量のために、任意の公知のアッセイ方法(例えば、競合結合アッセイ、
直接的および間接的サンドイッチアッセイ、および免疫沈降アッセイ)において
使用され得る(Sola,Monoclonal Antibodies:A
Manual of Techniques 147−158(CRC Pre
ss,Inc.,1987))。この抗体は、使用されるアッセイ方法に対して
、適切である親和性でIL−1ra−Rポリペプチドと結合する。
【0163】 診断適用のために、特定の実施形態において、抗−IL−1ra−R抗体は、
検出可能な部分で標識され得る。この検出可能な部分は、直接的または間接的の
いずれかで、検出可能なシグナルを産生し得る任意の部分であり得る。例えば、
検出可能な部分は、放射性同位体(例えば、H、14C、32P、35S、 25 I、99Tc、 11In、または67Ga);蛍光化合物または化学的蛍
光化合物(フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、もしくはルシフェ
リン)または酵素(アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、もしく
西洋ワサビペルオキシダーゼ)であり得る(Bayerら,1990,Met
h.Enz.184:138−63)。
【0164】 競合結合アッセイは、標識した標準物質(例えば、IL−1ra−Rポリペプ
チド、またはその免疫学的に反応性な部分)の能力に依存し、限定された量の抗
−IL−1ra−R抗体との結合に関して、試験サンプル検体(IL−1ra−
Rペプチド)と競合する。試験サンプル中のIL−1ra−Rポリペプチドの量
は、抗体と結合する標準物質の量と反比例する。結合する標準物質の量を決定す
るのを容易にするために、この抗体は、競合前または後に、代表的に不溶化され
その結果この抗体と結合する標準物質および検体は、結合しないままの標準 および検体から好都合に分離され得る。
【0165】 サンドイッチアッセイは、2つの抗体の使用代表的にを含み、各々は、決定
および/または定量されるタンパク質の異なる免疫部分またはエピトープに結合
し得る。サンドイッチアッセイにおいて、この試験サンプル検体は、固体支持体
上に固定化される第1抗体によって代表的に結合され、その後、第2抗体が、こ
の検体に結合され、従って不溶の3部の複合体を形成する。例えば、米国特許第
4,376,110を参照のこと。第2抗体自体は、検出可能な部分で標識され
るか(直接的なサンドイッチアッセイ)、または検出可能な部分で標識される抗
−免疫グロブリン抗体を使用して測定され得る(間接的なサンドイッチアッセイ 。例えば、サンドイッチアセイの1つの型は、酵素結合イムノソルベント検定
法(ELISA)(この場合、検出可能な部分は、酵素である)である。
【0166】 抗−IL−1ra−R抗体を含む、選択的結合因子はまた、インビボイメージ
ングのために有用である。検出可能な部分で標識した抗体は、動物に、好ましく
は、血流に投与され得、宿主中で標識した抗体の存在および位置がアッセイされ
る。この抗体は、核磁気共鳴、放射線学、または当該分野で公知の他の検出手段
のいずれかによって、動物中で検出可能である任意の部分で標識され得る。
【0167】 抗体を含む、本発明の選択的結合因子は、治療剤として使用され得る。これら
の治療剤は、一般に、アゴニストまたはアンタゴニストであり、これらは、I
−1ra−Rポリペプチドの少なくとも1つの生物学的活性を、それぞれ増強ま
たは減少させるかのいずれかである。1実施形態中で、本発明のアンタゴニスト
抗体は、IL−1ra−Rポリペプチドに特異的に結合し得、そしてインビボま
たはインビトロでIL−1ra−Rポリペプチドの機能活性を阻害または排除し
得る、抗体またはその結合フラグメントである。好ましい実施形態において、選
択的結合因子(例えば、アンタゴニスト抗体)は、少なくとも約50%、および
好ましくは、少なくとも約80%、IL−1ra−Rポリペプチドの機能活性を
阻害する。別の実施形態において、選択的結合アッセイは、IL−1ra−Rポ
リペプチド結合パートナー(リガンドまたはレセプター)と相互作用し得る抗−
IL−1ra−Rポリペプチド抗体であり、これにより、インビトロまたはイ
ンビボにおいてIL−1ra−Rポリペプチド活性を阻害または排除する。アゴ
ニストおよびアンタゴニスト抗体−IL−1ra−Rポリペプチド抗体を含む、
選択的結合因子は、当該分野で周知であるスクリーニングアッセイによって同定
される。
【0168】 本発明はまた、IL−1ra−R選択的結合因子(例えば、抗体)を含むキッ
トおよび生物学的サンプル中でIL−1ra−Rポリペプチドレベルを検出する
ために有用である他の試薬に関する。このような試薬、検出可能な標識、ブロ ッキングの血清、 ポジティブおよびネガティブコントロールサンプル、および検
試薬を含み得る。
【0169】 (マイクロアレイ) DNAマイクロアレイ技術は、本発明に従って利用され得ることが理解される 。DNAマイクロアレイは、固体支持体(例えば、ガラス)上に配置された核酸
の小型高密度アレイである。このアレイ内の各細胞またはエレメントは、相補的
核酸配列(例えば、mRNA)とハイブリダイゼーションするための標識として
作用する、単一の核酸種の複数のコピーを含む。DNAマイクロアレイ技術を使
用する発現プロファイリングにおいて、mRNAは、細胞サンプルまたは組織 ンプル からまず抽出され、次いで、酵素標識されたcDNAを蛍光標識されたc
DNAに変換る。この材料は、マイクロアレイにハイブリダイズされ、そして
未結合のcDNAは、洗浄により除去される。次いで、このアレイ上に示された
個々の遺伝子の発現は、各標的核酸分子に特異的に結合される、標識されたcD
NAの量を定量することによって視覚化される。この方法において、数千の遺伝
子の発現が、生物学的材料の単一サンプルから、スループットの並行様式で定
量され得る。
【0170】 このスループット発現プロファイリングは、本発明のIL−1ra−R分子
に関連して広範の適用を有し、これには、以下が挙げられるが、これに限定され
ない:治療のための標的として、IL−1ra−R疾患関連遺伝子の同定および
確認;関連するIL−1ra−R分子およびそのインヒビターの分子毒性;臨床
試験のための代替マーカーの集団および産生の階層化;およびスループットス
クリーニングにおいて、選択化合物の同定を援助することによって、関連するI
L−1ra−Rポリペプチド小分子薬物探索を増強すること。
【0171】 (化学的誘導体) IL−1ra−Rポリペプチドの化学的に改変された誘導体は、この開示が、
本明細書中に記載されると、当業者によって調製され得る。IL−1ra−Rポ
リペプチド誘導体は、このポリペプチドに天然で結合した分子の型または位置の
いずれかで、異なる様式で改変される。誘導体は、1以上の天然で結合した化学
的な基の除去によって形成される分子を含み得る。配列番号2、配列番号4、配
列番号6、もしくは配列番号36、または他のIL−1ra−Rポリペプチドの
いずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドは、1以上のポリマーの共有結合に
よって改変され得る。例えば、選択されたポリマーは、代表的に水溶性であり、
その結果、結合するタンパク質は、水環境(例えば、生理学的な環境)下で沈殿
しない。ポリマーの混合物が、適切なポリマーの範囲内に含まれる。好ましくは
最終生成物の調製の治療学的使用のために、このポリマーは、薬学的に受容
可能である。
【0172】 このポリマーの各々は、任意の分子量を有し得、そして分枝または非分枝であ
り得る。このポリマーの各々は、代表的に、約2kDaと約100kDaとの間
の平均分子量を有する(この用語「約(およそ)」は、水溶性ポリマーの調製の
際に、幾つかの分子が、上記の分子量より多い、いくらか少ない重量を有するこ
とを示す)。各ポリマーの平均分子量は、好ましくは、約5kDaと約50kD
aの間、より好ましくは、約12kDaと約40kDaとの間、そして最も好ま
しくは、約20kDaと約35Daとの間である。
【0173】 適切な水溶性ポリマーまたはその混合物としては、以下が挙げられるが、これ
らに限定されない:N−連結またはO−連結炭水化物、糖、リン酸、ポリエチレ
ン、グリコール(PEG)(これは、モノ−(C−C10)、アルコキシ−、
またはアリールオキシ−ポリエチレングリコールを含む、タンパク質を誘導する
ために使用されたPEGの形態を含む)、モノメトキシ−ポリエチレングリコー
ル、デキストラン(例えば、低分子量(例えば、約6kDのデキストラン))、
セルロース、または他の炭水化物ベースのポリマー、ポリ−(N−ビニルピロリ
ジン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロ
ピレンオキシ/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール
(例えば、グリセロール)、およびポリビニルアルコール。共有結合したIL−
1ra−Rポリペプチドマルチマーを調製するために使用され得る、二官能性架
橋分子もまた、本発明に含まれる。
【0174】 一般に、化学的誘導体化は、活性化したポリマー分子とタンパク質を反応させ
るために使用される任意の適切な条件下で、実施され得る。ポリペプチドの化学
的誘導体を調製するための方法は、以下の工程を包含する:(a)配列番号2、
配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号36、または他のIL−1ra−R
ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、1以上のポリマ
ー分子に結合する条件下で、活性化したポリマー分子(例えば、ポリマー分子の
反応性エステルまたはアルデヒド誘導体)とポリペプチドを反応させる工程、な
らびに(b)反応生成物を得る工程。最適の反応条件は、既知のパラメータおよ
び所望の結果に基づいて決定される。例えば、ポリマー分子のタンパク質に対す
る比が大きくなるほど、結合したポリマー分子の割合も大きくなる。1実施形態
において、IL−1ra−Rポリペプチド誘導体は、アミノ末端の単一ポリマー
分子部分を有する。例えば、米国特許第5,234,784号を参照のこと。
【0175】 ポリペプチドのペギル化(pegylation)は、当該分野で公知の任意
のペギル化反応を使用して特異的に実施され得る。このような反応は、例えば、
以下の参考文献に記載されている:Francisら,1992,Focus
on Growth Factors 3:4−10;欧州特許第015431
6号および0401384号;ならびに米国特許第4,179,337号。例え
ば、ペギル化は、本明細書中に記載されるように、反応性ポリエチレングリコー
ル分子(または、類似の反応性水溶性ポリマー)とのアシル化反応またはアルキ
ル化反応を介して実施され得る。アシル化反応のために、選択されたポリマーは
、単一の反応性エステル基を有する。還元的アルキル化について、選択されたポ
リマーは、単一の反応性アルデヒド基を有する。例えば、反応性アルデヒド
ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドであり、これは、水安定性、また
はモノC−C10アルコキシもしくはそのアリールオキシ誘導体である(米国
特許第5,252,714号を参照のこと)。
【0176】 別の実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチドは、ビオチンに化学的
に連結され得る。次いで、このビオチン/IL−1ra−Rポリペプチド分子は
、アビジンに結合され得、その結果、4価のアビジン/ビオチン/IL−1ra
−Rポリペプチド分子が得られる。IL−1ra−Rポリペプチドはまた、ジニ
トロフェノール(DNP)またはトリニトロフェノール(TNP)に共有結合さ
れ得、そして得られた結合体は、抗−DNPまたは抗−TNP−IgMと共に沈
殿し、10価の十量体の結合体を形成する。
【0177】 一般に、本発明のIL−1ra−Rポリペプチド誘導体の投与によって、緩和
または調節され得る条件は、IL−1ra−Rポリペプチドについて本明細書中
に記載されたものを含む。しかし、本明細書中に開示されるIL−1ra−Rポ
リペプチド誘導体は、非誘導体化分子と比較した場合、さらなる活性、増強また
は減少した生物学的活性、または他の特性(例えば、増加または減少した半減期
)を有し得る。
【0178】 (遺伝子操作した非ヒト動物) マウス、ラット、または他のげっ歯類;ウサギ、ヤギ、ヒツジ、または他の家
畜のような非ヒト動物が、さらに本発明の範囲内に含まれ、ここで、天然のIL
−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子は分裂(すなわち「ノックアウト
」)され、IL−1ra−Rポリペプチドの発現レベルは、有意に減少するか、
または完全に破壊される。このような動物は、米国特許第5,557,032号
に記載されるような技術および方法を使用して調製され得る。
【0179】 本発明は、マウス、ラット、または他のげっ歯類;ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ま
たは他の家畜のような非ヒト動物をさらに含み、この動物のIL−1ra−R遺
伝子の天然の形態または非相同性IL−1ra−R遺伝子のいずれかが、動物に
よって過剰発現され、これによって、「トランスジェニック」動物を作製する。
このようなトランスジェニック動物は、米国特許第5,489,743号および
PCT公開番号WO94/28122号に記載されるような周知の方法を使用し
て調製され得る。
【0180】 本発明は、非ヒト動物をさらに含み、ここで、本発明の1以上のIL−1ra
−Rポリペプチドのプロモーターは、(例えば、相同的な組換え方法を使用する
ことによって)活性化されるか、または活性化されず、1以上のIL−1ra−
Rポリペプチドの発現のレベルを改変する。
【0181】 これらの非ヒト動物は、薬物候補物スクリーニングのために使用され得る。こ
のようなスクリーニングにおいて、動物での薬物候補物の影響が測定され得る。
例えば、薬物候補物は、IL−1ra−R遺伝子の発現を減少または増加させ得
る。特定の実施形態において、産生されるIL−1ra−Rポリペプチドの量は
、動物を薬物候補物に曝露した後に測定され得る。さらに、特定の実施形態にお
いて、動物での薬物候補物の実際の影響を検出し得る。例えば、特定の遺伝子の
過剰発現により、疾患状態または病理学的状態を生じるか、または関連する。こ
のような場合において、遺伝子の発現を減少させるための薬物候補物の能力また
は病理学的状態を防止または阻害するための能力を試験し得る。別の例において
、ポリペプチドのフラグメントのような、特定の代謝産物の産生により、疾患状
態または病理学的状態を生じるか、または関連する。このような場合において、
このような代謝産物の産生を減少させるための薬物候補物の能力または病理学的
状態を防止または阻害するための能力を試験し得る。
【0182】 (IL−1ra−Rポリペプチド活性の他の修飾因子についてのアッセイ) いくつかの状態において、IL−1ra−Rポリペプチドの活性の修飾因子で
ある分子(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)を同定することが所望さ
れ得る。IL−1ra−Rポリペプチドを調節する天然または合成分子は、本明
細書中に記載されるように、1以上のスクリーニングアッセイを使用して同定さ
れ得る。このような分子は、インビボ様式またはインビトロ様式のいずれかで、
注射、または経口送達、移植デバイスなどによって投与され得る。
【0183】 「試験分子」とは、IL−1ra−Rポリペプチドの活性を調節する(すなわ
ち、増加または減少させる)ための能力について評価する分子を言う。最も一般
的に、試験分子は、IL−1ra−Rポリペプチドと直接的に相互作用する。し
かし、試験分子はまた、例えば、IL−1ra−R遺伝子発現に影響を与えるこ
とによって、またはIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー(例えば、レ
セプターまたはリガンド)に結合することによって、IL−1ra−Rポリペプ
チド活性を直接的に調節し得る。1実施形態において、試験分子は、少なくとも
約10−6M、好ましくは、約10−8M、より好ましくは、約10−9M、そ
してさらにより好ましくは約10−10Mの親和性定数(affinity c
onstant)でIL−1ra−Rポリペプチドと結合する。
【0184】 IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用する化合物を同定するための方法は
、本発明によって包含される。特定の実施形態において、IL−1ra−Rポリ
ペプチドは、試験分子とIL−1ra−Rポリペプチドとの相互作用が可能な条
件下で、試験分子と共にインキュベートされ、そして相互作用の範囲が測定され
る。試験分子は、実質的に精製された形態または粗製の混合物中でスクリーニン
グされ得る。
【0185】 特定の実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチドアゴニストまたはア
ンタゴニストは、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質、または分子量の分
子であり得、これは、IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用して、その活性
を調節する。IL−1ra−Rポリペプチドの発現を調節する分子は、IL−1
ra−Rポリペプチドをコードする核酸と相補的であるか、またはIL−1ra
−Rポリペプチドの発現を指向または制御する核酸配列に対して相補的である核
酸分子、および発現のアンチセンス制御因子として作用する核酸分子を含む。
【0186】 一旦、IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用する場合に、試験化合物が、
同定されると、この分子は、IL−1ra−Rポリペプチド活性を増加または減
少させる能力についてさらに評価され得る。試験分子とIL−1ra−Rポリペ
プチドとの相互作用の測定は、いくつかの形態で実施され得、これには、細胞ベ
ースの結合アッセイ、膜結合アッセイ、液相アッセイ、および免疫アッセイが挙
げられる。一般に、試験分子は、特定の期間、IL−1ra−Rポリペプチドと
共にインキュベートされ、そしてIL−1ra−Rポリペプチド活性が、生物学
的活性を測定するために1以上のアッセイによって決定される。
【0187】 試験分子とIL−1ra−Rポリペプチドとの相互作用はまた、免疫アッセイ
において、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使用して直接的にアッセ
イされ得る。あるいは、本明細書中に記載されるようなエピトープタグを含むI
L−1ra−Rポリペプチドの改変形態は、溶液および免疫アッセイ中で使用さ
れ得る。
【0188】 IL−1ra−Rポリペプチドが、結合パートナー(例えば、レセプターまた
はリガンド)との相互作用を介して、生物学的活性を示す場合において、種々の
インビトロアッセイが、対応する結合パートナー(選択的結合因子、レセプター
、またはリガンド)へのIL−1ra−Rポリペプチドの結合を測定するために
使用され得る。これらのアッセイは、結合パートナーに対するIL−1ra−R
ポリペプチドの結合の速度および/または速度を増加または減少させるために、
試験分子をスクリーニングするために使用され得る。1アッセイにおいて、IL
−1ra−Rポリペプチドは、マイクロタイタープレートのウェル中に固定化
れる。次いで、放射標識したIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー(例
えば、ヨウ素化したIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー)および試験
化合物は、このウェルに、一時に一方を(いずれかの順序で)または同時に添加
され得る。インキュベーション後に、この壁を洗浄し、そしてシンチレーション
計数器を使用して、放射活性を計数し、結合パートナーがIL−1ra−Rポリ
ペプチドに結合する範囲を決定する。代表的に、分子は、濃度範囲にわたって試
験され、そして試験アッセイの1以上を欠く一連のコントロールウェルは、結果
の評価の正確性のために使用され得る。この方法の代わりは、タンパク質の「位
置」を逆にする工程を逆にする工程(すなわち、マイクロタイタープレートウェ
IL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーを固定化し、試験分子および
放射標識したIL−1ra−Rポリペプチドをインキュベートし、そしてIL−
1ra−Rポリペプチド結合の範囲を決定する工程)を包含する。例えば、Cu
rrent Protocols in Molecular Biology
、第18章(Ausubelら編、Green Publishers Inc
.ならびにWileyおよびSons1995)を参照のこと。
【0189】 放射性標識に対する代替として、IL−1ra−Rポリペプチドまたはその結
合パートナーは、ビオチンと結合体化され得、そしてビオチン化されたタンパク
質の存在が、次いで、酵素(例えば、わさびペルオキシダーゼ(HRP)または
アルカリホスファターゼ(AP))に結合したストレプトアビジンを使用して検
出され得、これらは、比色定量的に検出され得るか、またはストレプトアビジン
の蛍光タグ化によって検出され得る。IL−1ra−RポリペプチドまたはIL
−1ra−Rポリペプチド結合パートナー(これらは、ビオチンに結合されてい
る)に対する抗体はまた、APまたはHRPに連結した酵素連結ストレプトアビ
ジンとの複合体のインキュベーションに続いて、検出の目的のために使用され得
る。
【0190】 IL−1ra−RポリペプチドまたはIL−1ra−Rポリペプチド結合パー
トナーは、アガロースビーズ、アクリルビーズ、または他の型のこのような不活
性な固体相基材への付着によって固定化され得る。基材−タンパク質複合体は、
相補タンパク質および試験化合物を含む溶液内に配置され得る。インキュベーシ
ョン後、これらのビーズは、遠心分離によって沈澱され得、そしてIL−1ra
−Rポリペプチドとその結合パートナーとの間の結合の量が、本明細書中に記載
の方法を使用して評価され得る。あるいは、基材−タンパク質複合体は、カラム
を通過する、試験分子および相補タンパク質を用いてカラム内に固定化され得る
。IL−1ra−Rポリペプチドトその結合パートナーとの間の複合体の形成が
、次いで、本明細書中に記載の技術(例えば、放射性標識または抗体結合)のい
ずれかを使用して評価され得る。
【0191】 IL−1ra−Rポリペプチド結合タンパク質とIL−1ra−Rポリペプチ
ド結合パートナーとの間の複合体の形成を増加または減少させる試験分子を同定
するために有用な別のインビトロアッセイは、表面プラズモン共鳴検出器システ
ム(例えば、BIAcoreアッセイシステム(Pharmacia,Pisc
ataway,NJ))である。BIAcoreシステムは、製造業者によって
特定されるように利用される。このアッセイは、本質的に、IL−1ra−Rポ
リペプチドまたはIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーのいずれかの、
デキストランでコートされたセンサーチップ(これは、検出器に存在する)への
共有結合を含む。次いで、この試験化合物および他の相補タンパク質が、同時に
かまたは連続的にかのいずれかで、センサーチップを含むチャンバーに注入され
得る。結合する相補タンパク質の量は、センサーチップのデキストランコート側
面に物理的に関係する分子の質量の変化に基づいて評価され得、この分子の質量
の変化は、検出器システムによって測定される。
【0192】 いくつかの場合において、2つ以上の試験化合物を一緒に、IL−1ra−R
ポリペプチドとIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーとの間の複合体の
形成を増加または減少させるそれらの能力について評価することが所望され得る
。これらの場合において、本明細書中に記載のアッセイは、第一の試験化合物と
同時にか、またはそれに続いてのいずれかで、このようなさらなる試験化合物を
添加することによって容易に改変され得る。このアッセイにおける工程の残りは
、本明細書中に記載される。
【0193】 インビトロアッセイ(例えば、本明細書中に記載されるもの)は、IL−1r
a−RポリペプチドとIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーとの間の複
合体の形成に対する効果について、多数の化合物をスクリーニングするために、
有利に使用され得る。これらのアッセイは、ファージディスプレイ、合成ペプチ
ド、および化学合成ライブラリーにおいて生成された化合物をスクリーニングす
るために、自動化され得る。
【0194】 IL−1ra−RポリペプチドとIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナ
ーとの間の複合体の形成を増加または減少される化合物はまた、IL−1ra−
RポリペプチドまたはIL−1ra−Rポリペプチド結合パートナーFのいずれ
かを発現する細胞および細胞系列を使用して、細胞培養物においてスクリーニン
グされ得る。細胞および細胞系列は、任意の哺乳動物から得られ得るが、好まし
くは、ヒト、または他の霊長類、イヌ類またはげっ歯類の供給源由来である。I
L−1ra−Rポリペプチドの、IL−1ra−Rポリペプチド結合パートナー
を発現する細胞への、その表面での結合は、試験化合物の存在または非存在下で
評価され、そして結合の程度が、例えば、IL−1ra−Rポリペプチド結合パ
ートナーに対するビオチン化抗体を使用するフローサイトメトリーによって決定
され得る。細胞培養アッセイは、本明細書中に記載されるタンパク質結合アッセ
イにおいて、陽性であるとスコア付けされる化合物をさらに特徴付けするために
有利に使用され得る。
【0195】 細胞培養物はまた、薬物候補の影響をスクリーニングするために使用され得る
。例えば、薬物候補は、IL−1ra−R遺伝子の発現を減少または増加させ得
る。特定の実施形態において、生成されるIL−1ra−Rポリペプチドまたは
IL−1ra−Rポリペプチドフラグメントの量は、細胞培養物の薬物候補への
曝露の後に測定され得る。特定の実施形態において、細胞培養物への薬物候補の
実質的な影響が検出され得る。例えば、特定の遺伝子の過剰発現は、細胞培養物
への特定の影響を有し得る。このような場合に、遺伝子の発現を増加または減少
させる薬物候補の能力、または細胞培養物に対する特定の影響を予防または阻害
するその能力が試験され得る。他の例において、特定の代謝産物(例えば、ポリ
ペプチドのフラグメントなど)の生成が、疾患または病的状態を生じ得るか、ま
たはそれらと関連し得る。このような場合、細胞培養物におけるこのような代謝
産物の生成を減少する薬物候補の能力が試験され得る。
【0196】 (内部移行タンパク質) tatタンパク質配列(HIV由来)が、タンパク質を細胞内に内部移行させ
るために、使用され得る。例えば、Falwellら、1994、Proc.N
atl.Acad.Sci.U.S.A.91:664−68を参照のこと。例
えば、HIV tatタンパク質の11アミノ酸の配列(Y−G−R−K−K−
R−R−Q−R−R−R;配列番号18)(「タンパク質形質導入ドメイン」、
またはTAT PDTを称される)は、細胞の細胞質膜および核膜を横切る送達
を媒介するとして記載されている。Schwarzeら,1999,Scien
ce 285:1569−72;およびNagaharaら,1998,Nat
.Med.4:1449−52を参照のこと。これらの手順において、FITC
構築物(FITC標識G−G−G−G−Y−G−R−K−K−R−R−Q−R−
R−R;配列番号19)(これは、腹腔内投与に続いて組織を貫通する)が調製
され、そしてこのような構築物の細胞への結合が、蛍光細胞分析分離(FACS
)分析によって検出される。tat−β−gal融合タンパク質で処置された細
胞は、β−gal活性を示す。注入に続いて、このような構築物の発現が、多く
の組織(肝臓、腎臓、肺、心臓および脳組織)において検出され得る。このよう
な構築物は、細胞に入るためにある程度の変性を受け、そしてそれ自体、細胞内
への移入に続いて、再折り畳みを必要とし得ると考えられる。
【0197】 従って、tatタンパク質配列は、所望のポリペプチドを細胞に内部移入させ
るために使用され得ることが理解される。例えば、tatタンパク質配列を使用
して、IL−1ra−Rアンタゴニスト(例えば、抗IL−lra−R選択的結
合因子、低分子、可溶性レセプター、またはアンチセンスオリゴヌクレオチド)
は、IL−1ra−R分子の活性を阻害するために、細胞内投与され得る。本明
細書中で使用される場合、用語「IL−1ra−R分子」は、本明細書中に規定 されるような、IL−1ra−R核酸分子およびIL−1ra−Rポリペプチド
の両方をいう。所望ならば、IL−1ra−Rタンパク質自体はまた、これらの
手順を使用して、細胞に内部投与され得る。Straus,1999,Scie
nce 285:1466−67をまた参照のこと。
【0198】 (IL−1ra−Rポリペプチドを使用する細胞供給源の同定) 本発明の特定の実施形態に従って、IL−1ra−Rポリペプチドと関連する
特定の細胞型の供給源を決定することを可能することが有用であり得る。例えば
、適切な治療を選択する際の補助として疾患または病的状態の起源を決定するこ
とが有用であり得る。特定に実施形態において、IL−1ra−Rポリペプチド
をコードする核酸は、プローブとして使用されて、このようなプローブを用いて
細胞の核酸をスクリーニングすることによって、本明細書中に記載の細胞を同定
し得る。他の実施形態において、抗IL−1ra−Rポリペプチド抗体を使用し
て、細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの存在について試験し得、従っ
て、このような細胞が本明細書中に記載される型の細胞か否かを決定し得る。
【0199】 (IL−1ra−Rポリペプチド組成物および投与) 治療組成物は、本発明の範囲内である。このようなIL−1ra−Rポリペプ
チド薬学的組成物は、治療有効量のIL−1ra−RポリペプチドまたはIL−
1ra−R核酸分子を、投与の様式と適合するように選択された薬学的にまたは
生理学的に受容可能な処方薬剤との混合物中に、含み得る。薬学的組成物は、治
療有効量の1以上のIL−1ra−Rポリペプチド選択的結合因子を、投与の様
式と適合するように選択された薬学的にまたは生理学的に受容可能な処方薬剤と
の混合物中に、含み得る。
【0200】 受容可能な処方物材料は、好ましくは、使用される投薬量および濃度で、レシ
ピエントに対して非毒性である。
【0201】 薬学的組成物は、例えば、pH、浸透圧、粘度、清澄性、色、等張性、におい
、無菌性、安定性、解離または放出の速度、吸着、または組成物の浸透を改変、
維持または保存するための処方物材料を含み得る。適切な処方物材料としては、
以下が挙げられるが、これらに限定されない:アミノ酸(例えば、グリシン、グ
ルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジン)、抗菌剤、抗酸化剤(例
えば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウム(so
dium hydrogen−sulfite))、緩衝液(例えば、ホウ酸塩
、炭酸水素塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩、または他の有機酸)
、バルキング剤(例えば、マンニトールまたはグリシン)、キレート化剤(エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA))、複合体化剤(例えば、カフェイン、ポリビ
ニルピロリドン、β−シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル−β−シ
クロデキストリン)、フィラー、単糖類、二糖類、および他の炭水化物(例えば
、グルコース、マンノースまたはデキストリン)、タンパク質(例えば、血清ア
ルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン)、着色剤、味付け剤および希釈剤
、乳化剤、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)、低分子量ポリペ
プチド、塩形成対イオン(例えば、ナトリウム)、保存剤(例えば、塩化ベンザ
ルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メ
チルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸
化水素)、溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチ
レングリコール)、糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール)
、懸濁剤、表面活性剤または湿潤剤(例えば、プルニック(pluronic
);PEG;ソルビタンエステル;ポリソルビテート(例えば、polysor
bate 20またはpolysorbate 80);トリトン;トロメタミ
ン;レシチン;コレステロールまたはチロキサポール(tyloxapal))
、安定性増強剤(例えば、スクロースまたはソルビトール)、張度増強剤(例え
ば、ハロゲン化アルカリ金属(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)
、またはマンニトール、ソルビトール)、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤および
/または薬学的なアジュバント。Remington’s Pharmaceu
tical Sciences(第18版,A.R.Gennaro,編,Ma
ck Publishing Company 1990を参照のこと。
【0202】 最適な薬学的組成物は、当業者によって、例えば、意図される投与経路、送達
形式、および所望の投薬量に依存して決定される。例えば、Remington
’s Pharmaceutical Sciences,前出を参照のこと。
このような組成物は、IL−1ra−R分子の、物理的な状態、安定性、インビ
ボ放出の速度、およびインビボクリアランスの速度に影響し得る。
【0203】 薬学的組成物における主要なビヒクルまたはキャリアは、本来水性または非水
性のいずれかであり得る。例えば、注入のための適切なビヒクルまたはキャリア
は、水、生理学的な生理食塩水溶液、または人工脳脊髄液であり、おそらく非経
口投与のための組成物において一般的なの材料で補充されている。中性の緩衝
化生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、さらなる例示的
なビヒクルである。他の例示的な薬学的組成物は、約pH7.0−8.5のTr
is緩衝液または約pH4.0−5.5の酢酸塩緩衝液を含み、これはさらに、
ソルビトールまたは適切な置換物を含み得る。本発明の1つの実施形態において
、IL−1ra−Rポリペプチド組成物は、所望の程度の純度を有する選択され
た組成物を、任意の処方薬剤(Remington’s Pharmaceut
ical Sciences,前出)と混合することによって、凍結乾燥ケーク
または水溶液の形態で、保存のために調製され得る。さらに、IL−1ra−R
ポリペプチド産物は、スクロースのような適切な賦形剤を使用して凍結乾燥物と
して処方され得る。
【0204】 このIL−1ra−Rポリペプチドの薬学的組成物は、非経口送達のために選
択され得る。あるいは、これらの組成物は、吸入または消化管を介する送達(例
えば、経口的に)のために、選択され得る。このような薬学的に受容可能な組成
物の調製は、当該分野の技術内にある。
【0205】 処方成分が、投与の部位に受容可能な濃度で存在する。例えば、緩衝液は、生
理学的pHまたは多少より低いpH(典型的に、約5〜約8のpH範囲内)にこ
の組成物を維持するために使用される。
【0206】 非経口投与が意図される場合、本発明における使用のための治療組成物は、薬
学的に受容可能なビヒクルに所望のIL−1ra−R分子を含む、発熱物質を含
まない非経口的に受容可能な水溶液の形態であり得る。非経口注入のために特に
適切なビヒクルは、滅菌蒸留水であり、ここで、IL−1ra−R分子が、滅菌
で、等張溶液として処方され、適切に保存される。なお別の調製は、所望の分子
と、薬剤(例えば、注入可能なミクロスフィア、生体侵食(bio−erodi
ble)薬剤、ポリマー化合物(ポリ乳酸またはポリグリコール酸)、ビーズま
たはリポソーム)との処方物に関係し、これは、次いで蓄積注射を介して送達さ
れ得る産物の制御されたまたは持続された放出を提供し得る。ヒアルロン酸がま
た、使用され得、そしてこれは、循環において、維持された持続時間を促進する
効果を有し得る。所望の分子の導入のための他の適切な手段は、移植可能な薬物
送達デバイスを含む。
【0207】 1つの実施形態において、薬学的組成物は、吸入のために処方され得る。例え
ば、IL−1ra−Rポリペプチドは、吸入のための乾燥粉末として処方され得
る。IL−1ra−Rポリペプチドまたは核酸分子の吸入溶液はまた、エアロゾ
ル送達のための噴霧体と共に処方され得る。なお別の実施形態において、溶液は
、噴霧され得る。肺投与が、PCT公開番号WO94/20069にさらに記載
され、これは化学的に改変されたタンパク質の肺送達を記載する。
【0208】 特定の処方物が、経口投与され得ることがまた意図される。本発明の1つの実
施形態において、このよう様式で投与されるIL−1ra−Rポリペプチドが、
固体投薬形態(例えば、錠剤またはカプセル)の調合において慣用的に使用され
るキャリアを伴うか、または伴わず処方され得る。例えば、カプセルは、バイオ
アベイラビリティーが最大化され、そして前全身分解が最小化される場合、胃腸
内で処方物の活性部分を放出するように設計され得る。さらなる薬剤が、IL
−1ra−Rポリペプチドの吸収を容易にするために含まれる。希釈剤、味付
け剤、低融点ワックス、植物油、潤滑剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤、およびバインダ
ーがまた、使用され得る。
【0209】 別の薬学的組成物は、錠剤の製造に適切な非毒性賦形剤との混合物中に、有効
量のIL−1ra−Rポリペプチドを含み得る。錠剤を滅菌水または別の適切な
ビヒクルに溶解することによって、溶液が、単位用量形態で調製され得る。適切
な賦形剤は以下を含むが、これらに限定されない:不活性な希釈剤(炭酸カルシ
ウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム、ラクトース、あるいはリン酸
カルシウム);または結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム
);あるいは潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または
タルク)。
【0210】 さらなるIL−1ra−Rポリペプチドの薬学的組成物は、当業者に明らかで
あり、持続または制御送達処方物中にIL−1ra−Rポリペプチドを含む処方
物を含む。種々の他の持続または制御送達手段(例えば、リポソームキャリア、
生体侵食マイクロスフィアあるいは多孔性ビーズおよび蓄積注射)を処方するた
めの技術はまた、当業者に公知である。例えば、PCT/US93/00829
(これは、薬学的組成物の送達のための多孔性ポリマー性ミクロ粒子の制御放出
を記載する)を参照のこと。
【0211】 徐放性調製物のさらなる例としては、成形された物品の形態(例えば、フィル
ム、またはマイクロカプセル)の半透過性ポリマーマトリックスを含む。徐放性
マトリックスとしては、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許第
3,773,919号および欧州特許第058481号)、L−グルタミン酸と
γエチル−L−グルタメートとのコポリマー(Sidmanら,1983,Bi
opolymers 22:547−56)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メ
タクリレート)(Langerら,1981,J.Biomed.Mater.
Res.15:167−277およびLanger,1982,Chem.Te
ch.12:98−105)、エチレンビニルアセテート(Langerら,前
出)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133988号)
。徐放性組成物はまた、リポソームを含み得、これは、当該分野で公知のいくつ
かの方法のいずれかによって調製され得る。例えば、Eppsteinら,19
85,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−92
;および欧州特許第036676号、同第088046号、および同第1439
49号を参照のこと。
【0212】 インビボ投与のために使用されるIL−1ra−Rの薬学的組成物は、代表的
に滅菌でなければならない。このことは、滅菌濾過膜を介する濾過によって達成
され得る。組成物が、凍結乾燥される場合、この方法を使用する滅菌は、凍結乾
燥および再構成の前に、またはそれに続いてのいずれかで実施され得る。非経口
投与のための組成物は、凍結乾燥された形態または溶液で保存され得る。さらに
、非経口組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器(例えば、静脈内
溶液バッグまたは皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有するバイアル)
内に配置される。
【0213】 一旦、薬学的組成物が処方されると、それは、滅菌バイアル中に溶液、懸濁液
、ゲル、エマルジョン、固体、または脱水和粉末または凍結乾燥粉末として保存
され得る。このような処方物は、すぐに使用できる形態または投与の前に再構成
を必要とする形態(凍結乾燥された形態)のいずれかで保存され得る。
【0214】 特定の実施形態において、本発明は、単一用量投与単位を生成するためのキッ
トに関する。このキットは、各々、乾燥タンパク質を有する第一の容器および水
性処方物を有する第二の容器の両方を含み得る。また、本発明の範囲内には、単
一および多チャンバーの予め充填されたシリンジ(例えば、液体シリンジおよび
分散シリンジ(lyosyringe))を含むキットが含まれる。
【0215】 治療的に使用されるIL−1ra−Rの薬学的組成物の有効量は、例えば、治
療の内容および目的に依存する。当業者は、処置のための適切な投薬レベルが、
従って、送達される分子、IL−1ra−R分子が使用されている指標、投与の
経路、および患者のサイズ(体重、体表面、または器官の大きさ)および状態(
年齢および一般的な健康)に、部分的に依存して変化することを理解する。従っ
て、臨床家は、最適な治療効果を得るために、投薬量を力価決定し(titer
)、投与経路を改変し得る。代表的な投薬量は、上記の因子に依存して、約0.
1μg/kg〜約100mg/kg以上までの範囲であり得る。他の実施形態に
おいて、投薬量は、0.1μg/kg〜約100mg/kgまで;または1μg
/kg〜約100mg/kgまで;または5μg/kg〜約100mg/kgま
での範囲であり得る。
【0216】 投薬の頻度は、使用される処方物中でのIL−1ra−R分子の薬物動態学の
パラメーターに依存する。典型的に、臨床家は、所望の効果を達成する投薬量に
達するまで組成物を投与する。組成物は、従って、組成物、経時的な単一用量
として、2以上の用量(これは、同量の所望の分子を含んでも、含まなくてもよ
い)として、あるいは移植デバイスまたはカテーテルを介する連続的な注入とし
て、投与され得る。適切な投薬量のさらなる改良は、当業者によって慣用的にな
され、そしてそれらによって慣用的に実施される課題の範囲内である。適切な投
薬量は、適切な用量−応答データの使用を介して確認され得る。
【0217】 薬学的組成物の投与の経路は、例えば、以下のような公知の方法と一致する:
経口的に;静脈内、腹腔内、脳内(実質内の)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内
、門脈内、または病巣内の経路による注入を介して;徐放性系によって;または
移植デバイスによって。所望される場合、これらの組成物は、ボーラス注射によ
って投与され得るか、または注入によって連続的に投与され得るか、または移植
デバイスによって投与され得る。
【0218】 あるいはまたはさらに、組成物は、その上に所望の分子が吸収されるかまたは
カプセル化される膜、スポンジ、または他の適切な材料の移植を介して局所的に
投与され得る。移植デバイスが使用される場合、このデバイスは、任意の適切な
組織または器官に移植され得、そして所望の分子の送達は、拡散、時限放出ボー
ラスまたは連続的な投与を介し得る。
【0219】 いくつかの場合において、エキソビボ様式において、IL−1ra−Rポリペ
プチドの薬学的組成物を使用することが所望され得る。このような例において、
患者から除去された細胞、組織、または器官は、これらの細胞、組織、または器
官が引き続いて患者に移植して戻された後にIL−1ra−Rポリペプチドの薬 学的組成物 に曝露される。
【0220】 他の場合において、IL−1ra−Rポリペプチドは、本明細書中に記載され
る方法を使用して、遺伝的に操作されて、IL−1ra−Rポリペプチドを発現
および分泌する特定の細胞を移植することによって送達され得る。このような細
胞は、動物またはヒト細胞であり得、そして自己、異種、または外因性の細胞で
あり得る。必要に応じて、細胞は、不死化され得る。免疫学的応答の機会を減少
するために、細胞は、周囲の組織の浸潤を回避するために、カプセル化され得る
。カプセル化材料は、典型的に、生体適合性の半浸透性ポリマー性包囲物または
膜であり、これらは、タンパク質産物の放出を可能にするが、患者の免疫系また
は周囲の組織からの他の有害な因子によ細胞の破壊を防止する。
【0221】 本明細書中において議論されるように、単離された細胞集団(例えば、幹細胞
、リンパ球、赤血球、軟骨細胞、ニューロンなど)を1つ以上のIL−1ra−
Rポリペプチドで処理することが、望ましくあり得る。このことは、このポリペ プチドが 細胞膜に対して透過性の形態である場合には、単離された細胞をこのポ
リペプチドに直接曝露することによって達成され得る。
【0222】 本発明のさらなる実施形態は、治療ポリペプチドのインビトロ産生と、遺伝子
治療または細胞治療による治療ポリペプチドの産生および送達との両方のための
、細胞および方法(例えば、相同組換えおよび/または他の組換え産生方法)に
関する。相同組換えおよび他の組換えの方法を使用して、通常は転写に対してサ
イレントなIL−1ra−R遺伝子(すなわち、過少発現される遺伝子)を含む
細胞を改変し得、これによって、治療有効量のIL−1ra−Rポリペプチドを
発現する細胞を産生し得る。
【0223】 相同組換えは、もともとは、遺伝子を標的化して転写活性な遺伝子における変
異を誘導するか、または修正するために開発された技術である。Kucherl
apati,1989,Prog.in Nucl.Acid Res.& M
ol.Biol.36:301。基本的な技術が、特定の変異を哺乳動物ゲノム
の特定の領域に導入するため(Thomasら、1986,Cell 44:4
19−28;ThomasおよびCapecchi,1987,Cell 51
:503−12;Doetschmanら、1988,Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.85:8583−87)、または欠損遺伝子にお
ける特定の変異を修正するため(Doetschmanら、1987,Natu
re 330:576−78)の方法として、開発された。例示的な相同組換え
技術は、米国特許第5,272,071号;欧州特許第9193051号および
同第505500号;PCT/US90/07642、ならびにPCT公開番号
WO 91/09955)に記載されている。
【0224】 相同組換えによって、ゲノムに挿入されるべきDNA配列は、このDNA配列 標的DNAを結合することによって、目的の遺伝子の特定の領域に指向され
得る。この標的DNAは、ゲノムDNAの領域に相補的(相同)であるヌクレ
オチド配列である。ゲノムの特定の領域に対して相補的な標的DNAの小さな
断片は、DNA複製プロセスの間に親鎖と接触される。これは、細胞に挿入され
、共有される相同領域を介して内因性DNAの他の断片とハイブリダイズし して従って、その内因性DNAの他の断片と組み換わる、DNAの一般的特性 である 。この相補鎖、変異または異なる配列あるいはさらなるヌクレオチドを
含むオリゴヌクレオチドが結合される場合には、このオリゴヌクレオチドもまた
、この組換えの結果としてその新たに合成された鎖に組み込まれる。プルーフリ
ーディング機能の結果として、DNAのこの新たな配列がテンプレートとして働
くことが可能である。従って、この移入されたDNAは、ゲノムに組み込まれる
【0225】 IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用し得るかまたはその発現を制御し得
るDNAの領域(例えば、隣接配列)、標的DNAのこれらの断片を結合す 。例えば、プロモーター/エンハンサーエレメント、サプレッサ、または外因
性転写調節エレメントが、意図される宿主細胞のゲノムにおいて、所望のIL−
1ra−RポリペプチドをコードするDNAの転写に影響を与えるに十分な近接 性および方 向で、挿入される。制御エレメントは、この宿主細胞ゲノムに存在す
るDNAの一部を制御する。従って、所望のIL−1ra−Rポリペプチドの発
現は、IL−1ra−R遺伝子自体をコードするDNAのトランスフェクション
によってではなく、むしろ、IL−1ra−R遺伝子の転写のための認識可能な
シグナルを有する内因性遺伝子配列を提供するDNA調節セグメントと結合した
標的DNA(目的の内因性遺伝子と相同の領域を含む)の使用によって、達成
され得る。
【0226】 例示的な方法において、細胞における所望の標的遺伝子(すなわち、所望の内
因性細胞遺伝子)の発現は、予め選択された部位における細胞ゲノムへの相同組
換えを介して、少なくとも調節配列、エキソン、およびスプライスドナー部位を
含むDNAの導入によって、変更される。これらの構成成分は、新たな転写単位 の産生を実際に生じるような様式で、染色体(ゲノム)DNAに導入される(こ
こで、DNA構築物に存在する調節配列、エキソン、およびスプライスドナー部
位は、内因性遺伝子に作動可能に連結される)。染色体DNAへのこれらの構成
成分の導入の結果として、所望の内因性遺伝子の発現が変化する。
【0227】 本明細書中で記載されるように、変化された遺伝子発現は、得られたままの細
胞において通常にはサイレントな(発現されていない)遺伝子活性化すること (または発現させること)、ならびに得られたままの細胞において生理学的に有
意なレベルでは発現されない遺伝子の発現増加させることを包含する。この実
施形態はさらに、調節または誘導のパターンを変化させる工程を包含し、その結
果、このパターンは、得られたままの細胞において生じる調節または誘導のパタ
ーンとは異なり、そしてその得られたままの細胞において発現される遺伝子の発
現を減少(排除を含む)させる。
【0228】 細胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からのIL−1ra−Rポリペプチドの
産生を増加するかまたはこれを引き起こすために相同組換えが使用され得る、1 つの方法は、最初に、相同性組換えを使用して、部位特異的組換え系由来の組換
え配列(例えば、Cre/loxP、FLP/FRT)(Sauer,1994
,Curr.Opin.Biotechnol.,5:521−2;Sauer
,1993,Methods Enzymol.,225:890−900)を
その細胞の内在性ゲノムIL−1ra−Rポリペプチドコード領域の上流(す
なわち、5’)に配置する工程を包含する。ゲノムIL−1ra−Rポリペプ
チドコード領域のすぐ上流に配置されたこの部位に対して相同性の組換え部位を
含むプラスミドは、適切なリコンビナーゼ酵素と共に、その改変された細胞株に
導入される。このリコンビナーゼは、このプラスミド、このプラスミドの組換
え部位を介して、この細胞株のゲノムIL−1ra−Rポリペプチドコード領域
のすぐ上流に位置するその組換え部位に組込む(BaubonisおよびSau
er、1993,Nucleic Acids Res.21:2025−29
;O’Grmanら、1991,Science 251:1351−55)
。転写を増加させることが知られている任意の隣接配列(例えば、エンハンサー
/プロモーター、イントロン、翻訳エンハンサー)は、このプラスミド中に適切
に配置される場合、細胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からの新たなまたは増
加したIL−1ra−Rポリペプチド産生を生じる、新たなまたは改変された転
写単位を作製するような様式で組み込む
【0229】 部位特異的組換え配列が細胞の内在性ゲノムIL−1ra−Rポリペプチドコ
ード領域のすぐ上流に配置された細胞株を使用するさらなる方法は、相同組換え を使用して 細胞株のゲノムの他の位置に第2の組換え部位を導入することである
次いで、適切なリコンビナーゼ酵素が、この二組換え部位細胞株に導入され、
組換え事象(欠失、反転、および転移)を生じ(Sauer,1994,Cur
r.Opin.Biotechnol.,5:521−27;Sauer,19
93,Methods Enxymol.,225:890−900)、これは
その細胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からの新規なまたは増加したIL−
1ra−Rポリペプチド産生を生じる、新しいかまたは改変された転写単位を作
製する。
【0230】 細胞の内在性IL−1ra−R遺伝子からのIL−1ra−Rポリペプチドの
発現を増加するため、または引き起こすためのさらなるアプローチは、細胞の内
在性IL−1ra−R遺伝子からの新たなまたは増加したIL−1ra−Rポリ
ペプチドの産生を生じる様式で、遺伝子(単数または複数)(例えば、転写因子
)の発現を増加するかまたは引き起こす工程および/または遺伝子(単数また
は複数)(例えば、転写リプレッサ)の発現を減少する工程を包含する。この
方法は、天然に存在しないポリペプチド(例えば、転写因子ドメインに融合した
部位特異的DNA結合ドメインを含むポリペプチド)を、その細胞の内在性IL
−1ra−R遺伝子からの新たなまたは増加したIL−1ra−Rポリペプチド
の産生が起こるように、細胞に導入する工程を包含する。
【0231】 本発明はさらに、標的遺伝子の発現を変化させる方法において有用なDNA構
築物に関する。特定の実施形態において、代表的なDNA構築物は、以下を含む
:(a)1つ以上の標的配列、(b)調節配列、(c)エキソン、および(d
)不対スプライスドナー部位。DNA構築物中の標的配列は、細胞中の標的遺 伝子への エレメント(a)〜(d)の組込みを指向し、その結果、これらのエレ
メント(b)〜(d)その内在性標的遺伝子の配列に作動可能に連結される
。別の実施形態において、DNA構築物は、以下を含む:(a)1つ以上の標的 配列、(b)調節配列、(c)エキソン、(d)スプライスドナー部位、(e
)イントロン、および(f)スプライスアクセプター部位。ここで、標的配列
は、エレメント(a)〜(f)の組込みを指向し、その結果、これらのエレメン
ト(b)〜(f)その内在性遺伝子に作動可能に連結される。この標的
列は、相同性組換えが生じる細胞染色体DNAの予め選択された部位に対して相
同性である。この構築物において、エキソンは、一般的に、制御配列の3’
あり、そしてスプライスドナー部位は、このエキソンの3’である。
【0232】 特定の遺伝子の配列(例えば、本明細書中で記載されるIL−1ra−Rポリ
ペプチドの核酸配列)が公知である場合、この遺伝子の選択された領域に対して
相補的なDNAの断片が、合成されるか、またはそうでなければ、例えば、目
的の領域に結合している特定の認識部位におけるそのネイティブのDNAの適切
な制限処理によって得られ得る。この断片は、細胞に挿入された際に、標的
列として働き、そしてそのゲノム内の相同性領域にハイブリダイズする。このハ
イブリダイゼーションが、DNA複製の間に生じる場合、このDNAの断片およ
びそれに結合した任意のさらなる配列は、岡崎フラグメントとして作用し、そし
てDNAの新たに合成された娘鎖に組み込まれる。従って、本発明は、IL−1
ra−Rポリペプチドをコードするヌクレオチドを含み、このヌクレオチドは、
標的配列として使用され得る。
【0233】 IL−1ra−Rポリペプチド細胞治療(例えば、IL−1ra−Rポリペプ
チドを産生する細胞の移植)もまた企図される。この実施形態は、生物学的に活
性な形態のIL−1ra−Rポリペプチドを合成および分泌し得る細胞を移植す
る工程を包含する。このようなIL−1ra−Rポリペプチド産生細胞は、IL
−1ra−Rポリペプチドの天然の産生者である細胞であり得るか、またはそ
IL−1ra−Rポリペプチドを産生する能力が、所望のIL−1ra−Rポリ
ペプチドをコードする遺伝子またはIL−1ra−Rポリペプチドの発現を増大
する遺伝子で形質転換することによって増大された、組換え細胞であり得る。こ
のような改変は、遺伝子を送達しそしてその遺伝子の発現および分泌を促進する
ために適切なベクターによって達成され得る。IL−1ra−Rポリペプチドを
投与されている患者における強力な免疫学的反応を最小化するために、外来種の
ポリペプチドの投与と共に生じる場合、IL−1ra−Rポリペプチドを産生
する天然の細胞が、ヒト起源であり、そしてヒトIL−1ra−Rポリペプチド
を産生することが好ましい。同様に、IL−1ra−Rポリペプチドを産生する
組換え細胞が、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子を含む発
現ベクターで形質転換されることが好ましい。
【0234】 移植細胞は、周辺組織の浸を回避するようにカプセル化され得る。ヒトまた
は非ヒト動物細胞は、生体適合性の半透性ポリマー封入物または膜(これは、I
L−1ra−Rポリペプチドの放出を可能にするが、患者の免疫系によるかまた
は周辺組織からの他の有害な因子による細胞の崩壊を防止する)の形態で患者に
移植され得る。あるいは、IL−1ra−Rポリペプチドをエキソビボで産生す
るように形質転換された患者自身の細胞が、このようなカプセル化なしで、患者
に直接移植され得る。
【0235】 生きた細胞をカプセル化するための技術は当該分野で公知であり、そしてカプ
セル化された細胞の調製およびそれらの患者への移植は、慣用的に達成され得る
。例えば、Baetgeら(PCT公開WO95/05452およびPCT/U
S94/09299)は、生物学的に活性な分子の効果的な送達のために遺伝子
操作された細胞を含む膜カプセルを記載する。このカプセルは、生体適合性であ
り、そして容易に回収可能である。このカプセルは、生物学的に活性な分子をコ
ードするDNA配列を含む組換えDNA分子でトランスフェクトされた細胞をカ
プセル化し、このDNA配列は、哺乳動物宿主に移植された際にインビボで下方 制御に供されないプロモーターに作動可能に連結されている 。このデバイスは、 レシピエント内の特定の部位への 生きた細胞由来の分子の送達を提供する。さら
に、米国特許第4,892,538号;同第5,011,472号;および同第
5,106,627号を参照のこと。生きた細胞をカプセル化するためのシステ
ムは、PCT公開WO91/10425(Aebischerら)に記載される
。PCT公開WO91//10470(Aebischerら);Winnら、
1991,Exper.Neurol.113:322−29;Aebisch
erら、1991,Exper.Neurol.111:269−75;および
Trescoら、1992,ASAIO 38:17−23もまた参照のこと。
【0236】 IL−1ra−Rポリペプチドのインビボおよびインビトロの遺伝子治療送達
もまた想定される。遺伝子治療技術の一例は、構成的または誘性プロモーター
に作動可能に連結され得るIL−1ra−RポリペプチドをコードするIL−1
ra−R遺伝子(ゲノムDNA、cDNAおよび/または合成DNAのいずれか
)を使用して、「遺伝子治療DNA構築物」を形成することである。このプロモ
ーターは、内在性IL−1ra−R遺伝子に対してホモ接合性またはヘテロ接合
性であり得るが、ただし、これは、構築物が挿入される細胞または組織型におい
て活性である。遺伝子治療DNA構築物の他の成分は、必要に応じて、部位特異
的組込みのために設計されるDNA分子(例えば、相同性組換えのために有用な
内在性配列)、組織特異的プロモーター、エンハンサーまたはサイレンサー、親
細胞を越える選択的優性を提供し得るDNA分子、形質転換された細胞を同定す
るための標識として有用なDNA分子、ネガティブ選択系、細胞特異的結合因子
(例えば、細胞標的化について)細胞特異的内部移行因子、ベクターからの発
現を増大する転写因子、およびベクターの産生を可能にする因子を含み得る
【0237】 遺伝子治療DNA構築物は、次いで、ウイルスベクターまたは非ウイルスベク
ターを使用して細胞に導入され得る(エキソビボまたはインビボいずれか)。
遺伝子治療DNA構築物を導入するための1つの方法は、本明細書中に記載され
るようなウイルスベクターの使用による。特定のベクター(例えば、レトロウイ
ルスベクター)は、DNA構築物を細胞の染色体DNAに送達し、そしてこの遺
伝子は、染色体DNAに組み込まれ得る。他のベクターは、エピソームとして機
能し、そして遺伝子治療DNA構築物は、細胞質に残る。
【0238】 さらに他の実施形態において、調節エレメントが、標的細胞におけるIL−1
ra−R遺伝子の制御された発現のために含められ得る。このようなエレメント
は、適切なエフェクターに応答して刺激される。このようにして、治療的ポリペ
プチドは、所望の場合に発現され得る。1つの従来の制御手段は、低分子結合ド
メインおよび生物学的プロセスを開始し得るドメインを含むキメラタンパク質(
例えば、DNA結合タンパク質または転写活性タンパク質)を二量化する低分子
二量化剤またはラパログ(rapalog)の使用を包含する(PCT公開WO
96/41865、WO97/31898およびWO97/31899を参照の
こと)。タンパク質の二量化は、導入遺伝子の転写を開始するために使用され得
る。
【0239】 代替の調節技術は、目的の遺伝子から発現されたタンパク質を、凝集体または
クラスターとして細胞の内側に貯蔵する方法を使用する。目的の遺伝子は、小胞 における凝集タンパク質の保持を生じる、条件的凝集ドメインを含む融合タン
パク質として発現される。貯蔵されたタンパク質は安定であり、そして細胞の内
側で不活性である。しかし、このタンパク質は、条件的凝集ドメインを除去する
薬物(例えば、低分子リガンド)を投与することによって放出され得、それによ
り、凝集体またはクラスターを破壊し、その結果、このタンパク質は細胞から分
泌され得る。Aridorら、2000,Science 287:816−1
7およびRiveraら、2000,Science 287:826−30を
参照のこと。
【0240】 他の適切な制御手段または遺伝子スイッチとしては、本明細書中で記載される
系が挙げられるが、これらに限定されない。Mifepristone(RU4
86)は、プロゲステロンアンタゴニストとして使用される。改変されたプロゲ
ステロンレセプターリガンド結合ドメインのプロゲステロンアンタゴニストへの
結合は、2つの転写因子のダイマーを形成することによって、転写を活性化し、
次いで、核に至り、DNAに結合する。このリガンド結合ドメインは、天然のリ
ガンドに結合するレセプターの能力を排除するように改変される。改変されたス
テロイドホルモンレセプター系はさらに、米国特許第5,364,791号、な
らびにPCT公開WO96/40911およびWO97/10337に記載され
る。
【0241】 さらに別の制御系は、エクジソンレセプター(細胞質レセプター)に結合し、
そしてこれを活性化するエクジソン(ショウジョウバエステロイドホルモン)を
使用する。次いで、このレセプターは核に転移し、特定のDNA応答エレメント
(エクジソン応答性遺伝子由来のプロモーター)に結合する。エクジソンレセプ
ターは、トランス活性化ドメイン、DNA結合ドメイン、およびリガンド結合ド
メインを含み、転写を開始する。エクジソン系はさらに、米国特許第5,514
,578、およびPCT公開WO97/38117、WO96/37609、お
よびWO93/03162に記載される。
【0242】 別の制御手段は、陽性テトラシクリン制御可能トランス活性化因子を使用する
。この系は、転写を活性化するポリペプチドに連結された変異したtetレプレ
ッサタンパク質DNA結合ドメイン(逆テトラサイクリン調節トランス活性化因
子タンパク質を生じた変異したtetR−4アミノ酸の変化、すなわち、これは
、テトラサイクリンの存在下でtetオペレーターに結合する)を含む。このよ
うな系は、米国特許第5,464,758号、同第5,650,298号、およ
び同第5,654,168号に記載される。
【0243】 さらなる発現制御系および核酸構築物は、米国特許第5,741,679号お
よび同第5,834,186号(Innovir Laboratories
Inc.)に記載される。
【0244】 インビボ遺伝子治療は、IL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子を
、IL−1ra−R核酸分子の局所注射によって、またはその他の適切なウイル
スもしくは非ウイルス送達ベクターによって、細胞に導入することにより達成さ
れ得る。Hefti,1994,Neurobiology 25:1418−
35。例えば、IL−1ra−Rポリペプチドをコードする核酸分子は、標的細
胞への送達のためのアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに含まれ得る(例え
ば、Johnson,PCT公開WO95/34670;PCT出願PCT/U
S95/07178を参照のこと。組換えAAVゲノムは、典型的に、機能的プ
ロモーターに作動可能に連結したIL−1ra−RポリペプチドをコードするD
NA配列およびポリアデニル化配列に隣接するAAV逆末端反復を含む。
【0245】 代替の適切なウイルスベクターとしては、レトロウイルス、アデノウイルス、
単純ヘルペスウイルス、レンチウイルス、肝炎ウイルス、パルボウイルス、パポ
バウイルス、ポックスウイルス、アルファウイルス、コロナウイルス、ラブドウ
イルス、パラミクソウイルス、および乳頭腫ウイルスベクターが挙げられるがこ れらに限定されない 。米国特許第5,672,344号は、組換え神経栄養性H
SV−1ベクターを含むインビボウイルス媒介遺伝子移入系を記載する。米国特
許第5,399,346号は、治療タンパク質をコードするDNAセグメントを
挿入するためにインビトロで処置されたヒト細胞の送達によって、治療タンパク
質を患者に提供するためのプロセスの例を提供する。遺伝子治療技術の実施のた
めのさらなる方法および材料は、米国特許第5,631,236号(アデノウイ
ルスベクターを含む)、同第5,672,510号(レトロウイルスベクターを
含む)、同第5,635,399号(サイトカインを発現するレトロウイルスベ
クターを含む)に記載される。
【0246】 非ウイルス送達法としては、リポーム媒介移入、裸のDNA送達(直接注射
)、レセプター媒介送達(リガンド−DNA複合体)、エレクトロポレーション
、リン酸カルシウム沈降、および微粒子ボンバードメント(例えば、遺伝子銃)
が挙げられるが、これらに限定されない。遺伝子治療材料および方法はまた、誘
導性プロモーター、組織特異的エンハンサー−プロモーター、部位特異的組込み
のために設計されたDNA配列、親細胞を越える選択的優性を提供し得るDNA
配列、形質転換された細胞を同定するための標識、ネガティブな選択系および発
現制御系(安全性の指標)、細胞特異的結合因子(細胞ターゲッティングのため
)、細胞特異的内部移行因子、およびベクターならびにベクター製造の方法によ
る発現を増大する転写因子を含み得る。遺伝子治療技術の実施のためのこのよう
なさらなる方法および材料は、米国特許第4,970,154号(エレクトロポ
レーション技術を含む)、同第5,679,559号(遺伝子送達のためのリポ
タンパク質含有系を記載する)、同第5,676,954号(リポームキャリ
アを含む)、同第5,593,875号(リン酸カルシウムトランスフェクショ
ンのための方法を記載する)、および同第4,945,050同第(生物学的に
活性な粒子がある速度で細胞に噴霧され、それによりこの粒子がこの細胞の表面
に浸透し、そしてこの細胞の内側に組み込まれるプロセスを記載する)、および
PCT公開WO96/40958(リガンドを含む)に記載される。
【0247】 IL−1ra−R遺伝子治療または細胞治療はさらに、同じか異なる細胞(単
数または複数)における1つ以上のさらなるポリペプチドの送達を含み得ること
もまた企図される。このような細胞は、患者に別々に導入され得るか、この細胞
は、単一の移植可能デバイス(例えば、上記のカプセル化膜)に含められ得るか
、あるいはこの細胞は、ウイルスベクターによって別々に改変され得る。
【0248】 遺伝子治療による細胞における内在性IL−1ra−Rポリペプチドの発現を
増加する手段は、IL−1ra−Rポリペプチドプロモーターに1つ以上のエン
ハンサーエレメントを挿入することであり、ここでエンハンサーエレメントは、
IL−1ra−R遺伝子の転写活性を増加させるように働き得る。使用されるエ
ンハンサーエレメントは、遺伝子を活性化することを所望する組織に基づいて選
択される−エンハンサーエレメントは、組織が選択されるという点で、プロモー
ター活性化を与えることが知られている。例えば、IL−1ra−Rポリペプチ
ドをコードする遺伝子がT細胞において「オンに変わる」場合、lckプロモー
ターエンハンサーエレメントが使用され得る。従って、付加される転写エレメン
トの機能的部分は、標準的なクローニング技術を使用して、IL−1ra−Rポ
リペプチドプロモーターを含むDNAのフラグメントに挿入され得る(そして必
要に応じて、ベクターおよび/または5’および/または3’隣接配列に挿入さ
れる)。「相同性組換え構築物」として公知のこの構築物は、次いで、エキソビ
ボまたはインビボノいずれかで、所望の細胞に導入され得る。
【0249】 遺伝子治療はまた、内在性プロモーターのヌクレオチド配列を改変することに
よって、IL−1ra−Rポリペプチド発現を減少するために使用され得る。こ
のような改変は、典型的に、相同性組換え方法によって達成される。例えば、不
活性化のために選択されたIL−1ra−R遺伝子のプロモーターの全てまたは
一部を含むDNA分子は、転写を調節するプロモーターの断片を除去および/ま
たは置換するように操作され得る。例えば、プロモーターの転写活性化因子のT
ATAボックスおよび/または結合部位は、標準的な分子生物学的技術を使用し
て欠失され得;このような欠失は、プロモーター活性を阻害し得、それにより対
応するIL−1ra−R遺伝子の転写を阻止し得る。プロモーターにおけるTA
TAボックスまたは転写活性化因子結合部位の欠失は、IL−1ra−Rポリペ
プチドプロモーター(調節されるIL−1ra−R遺伝子と同じかまたは関連の
種由来)のすべてまたは関連の部分を含むDNA構築物を生成することによって
達成され得、ここで、1つ以上のTATAボックスおよび/または転写活性化因
子結合部位のヌクレオチドは、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、および/
または挿入によって変異される。結果として、TATAボックスおよび/または
活性化因子結合部位は、活性を減少するか、または完全に不活性にされる。この
構築物(これはまた、典型的に、改変されたプロモーターセグメントに隣接した
ネイティブの(内在性)5’および3’DNA配列に対応する少なくとも約50
0塩基のDNAを含む)は、直接または本明細書中に記載されるようなウイル
スベクターを介してのいずれかで、適切な細胞に(エキソビボまたはインビボ いずれかで)導入され得る。典型的に、細胞のゲノムDNAへのこの構築物の組
込みは、相同性組換えによってであり、ここで、このプロモーター構築物の5’
および3’DNA配列は、内在性染色体DNAへのハイブリダイゼーションによ
って、改変プロモーター領域に一体化するのを助け得る。
【0250】 (治療的用途) IL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにそれらのアゴニストおよ
びアンタゴニストは、多数の疾患、障害または状態(本明細書中で引用される を含む)を処置、診断、回復または予防するために使用され得る。
【0251】 IL−1ra−Rポリペプチドアゴニストおよびアンタゴニストは、IL−1
ra−Rポリペプチド活性を調節し、IL−1ra−Rポリペプチドの成熟形態
の少なくとも1つの活性を増加または減少するそれらの分子を含む。アゴニスト
またはアンタゴニストは、IL−1ra−Rポリペプチドと相互作用し、それに
よりその活性を調節する補因子(例えば、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂
質または低分子量分子)であり得る。強力なポリペプチドアゴニストまたはアン
タゴニストは、タンパク質の細胞外ドメインの一部または全てを含むIL−1r
a−Rポリペプチドの可溶性または膜結合形態のいずれかと反応する抗体を含む
。IL−1ra−Rポリペプチド発現を調節する分子は、典型的に、発現のアン
チセンス制御因子として働き得るIL−1ra−Rポリペプチドをコードする核
酸を含む。
【0252】 例えば、本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニ
ストおよびアンタゴニストは、免疫系不全を含む、疾患、障害または状態を処置
、診断、回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては
、以下が挙げられるが、これらに限定されない:リウマチ様動脈炎、乾癬性関節
炎、炎症性関節炎、変形性関節症、炎症性関節疾患、自己免疫疾患(自己免疫脈
管炎を含む)、多発性硬化症、狼瘡、糖尿病(例えば、インスリン糖尿病)、炎
症性腸疾患、移植拒絶、移植片対宿主疾患、および骨折、捻挫、軟骨損傷、外傷
、整形手術、感染または他の疾患プロセスから生じる炎症状態。免疫系の不全に
よって影響を受ける他の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0253】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、感染を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復
または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:らい病、ウイルス感染(例えば、肝炎または
HIV)、細菌感染(例えば、clostridium関連疾患、clostr
ium関連下痢を含む)、肺結核、急性熱性疾患、熱、肝臓の急性期反応、敗血
症または敗血症ショック。感染を含む他の疾患は、本発明の範囲内に包含される
【0254】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、体重障害を含む疾患、障害または状態を処置、診断、
回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が
挙げられるが、これらに限定されない:肥満、食欲不振、悪液質(AIDS誘発
性悪液質を含む)、筋障害(例えば、敗血症における筋肉タンパク質代謝)、お
よび低血糖症。体重障害を含む他の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0255】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、神経機能不全を含む疾患、障害または状態を処置、診
断、回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以
下が挙げられるが、これらに限定されない:アルツハイマー病、パーキンソン病
、神経毒性(例えば、HIVによって誘発されるような)、ALS、脳損傷、ス
トレス、うつ病、痛覚および他の疼痛(癌関連疼痛を含む)、痛覚過敏、癲癇、
学習障害および記憶障害、睡眠障害、ならびに末梢神経障害および中枢神経障害
。他の神経学的障害は、本発明の範囲内に包含される。
【0256】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、肺を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復ま
たは予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:急性もしくは慢性肺損傷(間質性肺疾患を含む
)、急性呼吸疾患症候群、肺高血圧症、気腫、嚢胞性線維症、肺性線維症、およ
び喘息。肺の他の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0257】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、皮膚を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復
または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:乾癬、湿疹および創傷治癒。他の皮膚の疾患
は、本発明の範囲内に包含される。
【0258】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、腎臓を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復
または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げ
られるが、これらに限定されない:急性および慢性糸球体腎炎。他の腎臓の疾患
は、本発明の範囲内に包含される。
【0259】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、骨を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復ま
たは予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:骨粗鬆症、変形性関節症、骨形成不全症、パジ
ェット病、歯周疾患、一時性顎関節疾患、および高カルシウム血症。他の骨の疾
患は、本発明の範囲内に包含される。
【0260】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、血管系を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回
復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙
げられるが、これらに限定されない:出血または発作、出血性ショック、虚血(
心臓虚血および大脳虚血、例えば、外傷、癲癇、出血または発作の結果としての
脳損傷(これらの各々は、神経変性を生じる)を含む)、アテローム性動脈硬
化症、うっ血性心不全、再狭窄、再灌流障害、および新脈管形成。他の血管系の
疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0261】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、腫瘍細胞を含む疾患、障害または状態を処置、診断、
回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が
挙げられるが、これらに限定されない:リンパ腫、骨肉腫、慢性および急性骨髄
性白血病(CMLおよびAML)、および他の白血病、多発性骨髄腫、肺癌、乳
癌、腫瘍転移、および放射線治療の副作用。他の腫瘍細胞を含む疾患は、本発明
の範囲内に包含される。
【0262】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、生殖器系を含む疾患、障害または状態を処置、診断、
回復または予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が
挙げられるが、これらに限定されない:不妊症、流産、早期分娩および早期産、
ならびに子宮内膜症。他の生殖器系を含む疾患は、本発明の範囲内に包含される
【0263】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、眼を含む疾患、障害または状態を処置、診断、回復ま
たは予防するために使用され得る。このような疾患の例としては、以下が挙げら
れるが、これらに限定されない:炎症性眼疾患(例えば、角膜移植に関連し得る
)、網膜変性、失明、黄斑変性、緑内障、ブドウ膜炎、および網膜ニューロパシ
ー。他の眼の疾患は、本発明の範囲内に包含される。
【0264】 本発明のIL−1ra−R核酸分子、ポリペプチド、ならびにアゴニストおよ
びアンタゴニストはまた、疾患(例えば、急性膵炎、慢性疲労症候群、線維素血
症、および川崎病(MLNS))を処置するために使用され得る。
【0265】 IL−1インヒビターは、IL−1に対する細胞性レセプターの活性化を特異
的に防止し得る任意のタンパク質を含み、これは、多くの機構から生じ得る。こ
のような機構は、IL−1産生のダウンレギュレーション、遊離IL−1の結合
、IL−1のそのレセプターへの結合の妨害、IL−1レセプター複合体の形成 (すなわち、IL−1レセプター補助タンパク質とのIL−1レセプターの結合 )の 妨害、およびIL−1のそのレセプターへの結合後のシグナル伝達の調節の 妨害を含む。このようなインターロイキン−1インヒビターとしては、以下が挙
げられる:本明細書中に記載されるような、IL−1ra−Rのようなインター
ロイキン−1レセプターアンタゴニスト、抗IL−1レセプターモノクローナル 抗体(例えば、欧州特許第623674号)、可溶性IL−1レセプターのよう
なIL−1結合タンパク質(例えば、米国特許第5,492,888号、同第5
,488,032号、同第5,464,937号、同第5,319,071号、
および同第5,180,812)、抗IL−1モノクローナル抗体(例えば、
PCT公開番号WO95/01997、WO94/02627、WO90/06
371;米国特許第4,935,343号;および欧州特許第364778号、
同第267611号および同第220063号)、IL−1レセプター補助タン
パク質およびそれらに対する抗体(例えば、PCT公開番号WO96/2306
7);インターロイキン−1β変換酵素(ICE)またはカスパーゼIのインヒ
ビター(これを使用して、IL−1β産生および分泌を阻害し得る)、インタ
ーロイキン−1βプロテアーゼインヒビター、ならびにIL−1のインビボ合成
または細胞外放出を遮断する他の化合物およびタンパク質。
【0266】 例示的なIL−1インヒビターは、以下において開示される:米国特許第5,
747,444号、同第5,359,032号、同第5,608,035号、同
第5,843,905号、同第5,359,032号、同第5,866,576
号、同第5,869,660号、同第5,869,315号、同第5,872,
095号、同第5,955,480号;PCT公開番号WO98/21957、
WO96/09323、WO91/17184、WO96/40907、WO9
8/32733、WO98/42325、WO98/44940、WO98/4
7892、WO98/56377、WO99/03837、WO99/0642
6、WO99/06042、WO91/17249、WO98/32733、W
O98/17661、WO97/08174、WO95/34326、WO99
/36426、およびWO99/36415;欧州特許第534978号および
同第894795;ならびに仏国特許出願FR 2762514。
【0267】 インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)は、インタ
ーロイキン−1の天然のインヒビターとして作用するヒトタンパク質である。好
ましいレセプターアンタゴニスト(IL−1raならびにその改変体および誘導
体を含む)、ならびに、その作成方法および使用方法は、米国特許第5,075
,222号;PCT公開番号WO91/08285、WO91/17184、W
O92/16221、WO93/21946、WO94/06457、WO94
/21275、WO94/21235、WO94/20517、WO96/22
793、WO97/28828およびWO99/36541;豪国特許第AU
9173636号;仏国特許第FR 2706772号;ならびに独国特許第D
E 4219626号に記載される。このようなタンパク質には、グリコシル化
IL−1レセプターアンタゴニストおよび非グリコシル化IL−1レセプターア
ンタゴニストが含まれる。
【0268】 具体的には、I−1raおよびその改変体の3つの代表的な形態が、5,0
75,222特許に開示されかつ記載される。これらのうち1つ目は、「IL−
1i」と呼ばれ、Tris緩衝液(pH7.6)中の約52mM NaClにて
MonoQ FPLCカラムから溶出するおよそ4.8の等電点を有する、S
DS−PAGEにおける22〜23kDの分子として特徴付けれる。2番目(
IL−1raβ)は、48mM NaClでMonoQカラムから溶出する、2
2〜23kDのタンパク質として特徴付けられる。IL−1raαおよびIL−
1raβの両方がグリコシル化される。3番目(IL−1raχ)は、48mM NaClでMonoQカラムから溶出する、20kDのタンパク質として特徴
付けられ、そしてグルコシル化されていない。米国特許第5,075,222号
はまた、これらのインヒビターのコードの原因である遺伝子を単離するための方
法、この遺伝子を適切なベクターおよび細胞型でクローン化するための方法、な
らびにこの遺伝子を発現させてこれらのインヒビターを産生するための方法を開
示する。
【0269】 失、挿入および置換の多くの組合せ(本明細書中では個々にまたは集的に
「改変体(単数または複数)」)が、IL−1ra−Rのアミノ酸配列内で成さ
れ得、但し、得られる分子は、生物学的に活性である(例えば、本明細書中に記
載されるような疾患および障害の1つ以上に影響を及ぼす能力を有する)ことを
、当業者は認識する。
【0270】 本発明により意図されるように、IL−1ra−Rポリペプチドは、他の治療 に対する補助物 として、そしてまた処置される適応症に適切な他の薬学的組成物
と共に投与され得る。IL−1ra−Rポリペプチド、および1つ以上の更なる
治療または薬学的処方のうちのいずれかが、別々にか、続けてか、または同時に
投与され得る。
【0271】 特定の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される疾患および障害
の処置または予防のための1つ以上のTNFインヒビターのいずれかと組合わせ
た(前処置、処置後、または同時処置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に
関する。
【0272】 このようなTNFインヒビターとしては、TNFのインビボ合成または細胞外
放出を遮断する化合物およびタンパク質が挙げられる。特定の実施形態において
、本発明は、以下の1つ以上のTNFインヒビターのいずれかと組合わせた(前
処置、処置後、または同時処置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関する
:TNF結合タンパク質(本明細書中で定義されるような、可溶性TNFレセプ
ターI型および可溶性TNFレセプターII型(「sTNF」)、抗TNF抗
体、顆粒球コロニー刺激因子、サリドマイド、BN 50730、テニダプ(
enidap、E 5531、チアパファント(tiapafantPCA 4248、ニメスリド(nimesulideパナビル(panavir ロリプラム(rolipram、RP 73401、ペプチドT、MDL 201,449A、(R,3S)−Cis−1−[9−(2,6−ジアミ リニル]−3−ヒドロキシ−4−シクロペンン塩酸塩、(R,3R)−
trans−1−(9−(26−ジアミノ)プリン]−3−アセトキシシクロ
ペンタン、(1R,3R)−trans−1−[9−アデニル)−3−アジドシ
クロペンタン塩酸および(1R,3R)−trans−1−(6−ヒドロキシ
−プリン−9−イル)−3−アジドシクロ−ペンタン。TNF結合タンパク質は
、当該分野で開示される(米国特許第5,136,021号;欧州特許第308
378号、同第422339号、同第393438号、同第398327号、同
第412486号、同第418014号、同第433900号、同第46453
3号、同第512528号、同第526905号、同第568928号、同第4
17563号;PCT公開番号WO90/13575、WO91/03553、
WO92/01002、WO92/13095、WO92/16221、WO9
3/07863、WO93/21946、WO93/19777、WO94/0
6476、PCT出願番号PCT/US97/12244;英国特許第GB 2
218101号および同第2246569号;ならびに日本国特許出願第JP
27,800/1991)。
【0273】 例えば、欧州特許第393438号および同第422339号は、可溶性TN
FレセプターI型(「sTNFR−I」または「30kD TNFインヒビタ
ー」としても公知)および可溶性TNFレセプターII型(「sTNFR−II
」または「40kD TNFインヒビター」としても公知)(集的に「sT
NFR」と称する)ならびにその改変形態(例えば、フラグメント、機能的誘導
体、および改変体)のアミノ酸配列および核酸配列を教示する。欧州特許第39
3438号および同第422339号はまた、インヒビターのコードの原因であ
る遺伝子を単離するための方法、適切なベクターおよび細胞型でこの遺伝子をク
ローニングするための方法、ならびにこの遺伝子を発現させてインヒビターを産
生するための方法を開示する。さらに、TNFR−IおよびsTNFR−II
多価形態(すなわち、1より多くの活性部を含む分子)もまた開示された。
1つの実施形態において、多価形態は、少なくとも1つのTNFインヒビターお
よび別の部分を、任意の臨床的に受容可能なリンカー(例えば、ポリエチレング
リコール)と化学的にカップリングすることにより(PCT公開番号WO92/
16221およびWO95/34326)、ペプチドリンカーにより(Neve
ら、1996、Cytokine、8:365−70)、ビオチンへの化学的カ
ップリングおよび次いでアビジンへの結合(PCT公開番号WO91/0355
3)により、そして最後に、キメラ抗体分を組合わせることにより(米国特許
第5,116,964号;PCT公開番号WO89/09622およびWO91
/16437;ならびに欧州特許第315062号)構築され得る。
【0274】 抗TNF抗体としては、以下が挙げられる:MAK 195F Fab抗体(
Hollerら、1993、st International Sympo
sium on Cytokines in Bone Marrow Tra
nsplantation 147)、CDP 571抗TNFモノクローナル
抗体(Rankinら、1995、Br. J. Rheumatol.、34
:334−42)、BAY X 1351マウス抗腫瘍壊死因子モノクローナル
抗体(Kieftら、1995,7th European Congress
of Clinical Microbiology and Infect
ious Diseases 9);CenTNF cA2抗TNFモノクロー
ナル抗体(Elliottら、1994、Lancet、344:1125−2
7;Elliottら、1994、Lancet、344:1105−10)。
【0275】 特定の実施形態において、本発明は、分泌または可溶性のヒトfas抗原また
はその組換えバージョン(PCT公開番号WO96/20206;Mountz
ら、1995、J.Immunol.、155:4829−37;および欧州特
許第510691号)と組合わせた(前処置、置、または同時処置)IL−
1ra−Rポリペプチドの使用に関する。PCT公開番号WO96/20206
は、分泌ヒトfas抗原(ネイティブおよび組換えIg融合タンパク質を含む )、可溶性組換えヒトfas抗原のコードの原因である遺伝子を単離するため
の方法、適切なベクターおよび細胞型でこの遺伝子をクローン化するための方法
ならびにこの遺伝子を発現させてインヒビターを産生するための方法を開示す
る。欧州特許第510691号は、ヒトfas抗原(可溶性fas抗原を含む) をコードする核酸、この核酸を発現するためのベクター、およびこのベクターで
トランスフェクトされた形質転換体を教示する。非経口的に投与される場合、分
泌または可溶性のfas抗原融合タンパク質の用量は、それぞれ一般的に、約1
μg/kg〜約100μg/kgである。
【0276】 本明細書中に列挙される疾患および障害(リウマチ性疾患のような急性および
慢性の炎症を含む)の現在の処置は、一般的に、疼痛および炎症の制御のための
第1の系統の薬物の使用を包含し;これらの薬物は、非ステロイド系抗炎症薬(
NSAID)として分類される。二次的な処置は、コルチコステロイド(遅
の抗リウマチ薬(SAARD)、または疾患改善(DM)薬を含む。以下の化合
物に関する情報は、The Merck Manual of Diagnos
is and Therapy (第16版、1992)およびPharmap
rojects(PJB Publications Ltd)に見出され得
る。
【0277】 特定の実施形態において、本発明は、本明細書中に列挙される疾患および障害
(リウマチ性疾患のような急性および慢性の炎症ならびに移植片対宿主病を含む
)の処置のためのIL−1ra−Rポリペプチドおよび1以上のNSAIDのい ずれか の使用に関する。NSAIDは、その抗炎症性作用が、少なくとも部分的
に、プロスタグランジン合成の阻害による(GoodmanおよびGilman
、The Pharmacological Basis of Therap
eutics(第7版、1985))。NSAIDは、以下の少なくとも9つの
グループに特徴付けられ得る:(1)サリチル酸誘導体、(2)プロピオン酸誘
導体、(3)酢酸誘導体、(4)フェナム酸誘導体、(5)カルボン酸誘導体、
(6)酪酸誘導体、(7)オキシカム類、(8)ピラゾール類、および(9)ピ
ラゾロン類。
【0278】 別の特定の実施形態にいおいて、本発明は、1つ以上のサリチル酸誘導体、そ
のプロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組合わせた
(前処置、置、または同時処置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関
する。このようなサリチル酸誘導体、そのプロドラッグエステル、および薬学的
に受容可能な塩は、以下を含む:アセトアミノロール(acetaminos
alol)、アロキシプリン(aloxiprin)、アスピリン、ベノリレー
ト(benorylate)、ブロモサリゲニン、アセチルサリチル酸カルシウ
ム、コリンマグネシウムトリサリチレート、サリチル酸マグネシウム、コリンサ
リチレート、ジフルシナル(diflusinal)、エテルサレート(ete
rsalate)、フェンドサル(fendosal)、ゲンチン酸、サリ
チル酸グリコール、イミダゾールサリチレート、リンアセチルサリチレート、
メサラミン、モルホリンサリチレート、1−ナフチルサリチレート、オルサラジ
ン、パサルミド(parsalmide)、アセチルサリチル酸フェニル、サ
リチル酸フェニル、サセタミド(salacetamide)、サリチルアミ
ド O−酢酸、サルサレート、サリチル酸ナトリウムおよびスルファサラジン。
同様の鎮痛特性および抗炎症特性を有する構造的に関連したサリチル酸誘導体 また、このに包含されることが意図される。
【0279】 さらなる特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のプロピオン酸誘導体
そのプロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合
わせた(置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使
用に関する。プロピオン酸誘導体、そのプロドラッグエステル、および薬学的に
受容可能な塩は、以下を含む:アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブク
ロクス酸、カルプロフェン、デキスインドプロフェン(dexindoprof
en)、フェノプロフェン、フルノキサプロフェン、フルプロフェン、フルルビ
プロフェン、フルクロプロフェン、イブプロフェン、イブプロフェンアルミニウ
ム、イブプロキサム、インドプロフェン、イソプロフェン、ケトプロフェン、ロ
キソプロフェン(loxoprofen)、ミロプロフェン、ナプロキセン、ナ
プロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピケトプロフェン、ピメプロフェン、
ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、ピリドキシプロフェン(p
yridoxiprofen)、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキ
サプロフェン。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連し
たプロピオン酸誘導体また、この群に含まれることが意図される。
【0280】 なお別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上の酢酸誘導体、その
ロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた( 置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関す
る。酢酸誘導体、そのプロドラッグエステル、および薬学的に受容可能な塩は、
以下を含む:アセメタシン、アルクロフェナク、アフェナク、ブフェキサマッ
ク、シンメタシン、クロピラク、デルメタシン(delmetacin)、ジク
ロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、フェルビナク、
フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フ
ロフェナク、グルカメタシン、イブフェナック、インドメタシン、イソフェゾラ
ク、イソキセパック、ロナゾラク、メチアジン酸(metiazinic acid)、オキサメタシン、オキシピナック(oxpinac)、ピメタシ
ン、プログルメタシン、スリンダク、タルメタシン、チアラミド、チオピナク、
トルメチン、トルメチンナトリウム、ジドメタシンおよびゾメピラク。類似した
鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連した酢酸誘導体また、こ
の群に含まれることが意図される。
【0281】 別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のフェナム酸誘導体、その プロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた
置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関
する。フェナム酸誘導体、そのプロドラッグエステル、および薬学的に受容可能
な塩は、以下を含む:エンフェナム酸、エトフェナマート、フルフェナム酸、イ
ソニキシン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メドフェナム酸
(medofenamic acid)、メフェナム酸、ニフルム酸、タルニフ
ルマート、テロフェナマート、トルフェナム酸およびウフェナマート。類似した
鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したフェナム酸誘導体
た、この群に含まれることが意図される。
【0282】 さらなる特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のカルボン酸誘導体、 その プロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わ
せた(置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用
に関する。使用され得るカルボン酸誘導体、そのプロドラッグエステル、およ 学的に受容可能な塩は以下を含む:クリダナク、ジフルニサル、フルフェニサ
ール、イノリジン(inoridine)、ケトロラクおよびチノリジン。類似
した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したカルボン酸誘導体 また、この群に含まれることが意図される。
【0283】 なお別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上の酪酸誘導体、その
ロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせ
た(置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に
関する。酪酸誘導体、そのプロドラッグエステル、および薬学的に受容可能な塩
は、以下を含む:ブマジソン、ブチブフェン、フェンブフェンおよびキセンブシ
ン。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連した酪酸誘導
また、この群に含まれることが意図される。
【0284】 別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のオキシカそのプロド
ラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた( 置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関する。
オキシカム、そのプロドラッグエステル、および薬学的に受容可能な塩は、以下
を含む:ドロキシカム、エノリカム、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカ
ム、テノキシカムおよび4−ヒドロキシ−1,2−ベンゾチアジン1,1−ジ
オキシド4−(N−フェニル)−カルボキサミド。類似した鎮痛性特性および抗
炎症性特性を有する構造的に関連したオキシカムまた、この群に含まれること
が意図される。
【0285】 なお別の特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のピラゾール、その
ロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた( 置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関す
る。使用され得るピラゾール、そのプロドラッグエステル、および薬学的に受容
可能な塩は以下を含む:ジフェナミゾールおよびエピリゾール。類似した鎮痛性
特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したピラゾールまた、この群に
含まれることが意図される。
【0286】 さらなる特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のピラゾロン、その
ロドラッグエステル、または薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた( 置、後置、または同時置)IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関す
る。使用され得るピラゾロン、そのプロドラッグエステル、および薬学的に受容
可能な塩は、以下を含む:アパゾン、アザプロパゾン、ベンズピペリロン、フェ
プラゾン、モフェブタゾン、モラゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾ
ン、ピペブゾン、プロピルフェナゾン、ラミフェナゾン、スキシブゾンおよびチ
アゾリノブタゾン。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関
連したピラゾロン(pyrazalone)もまた、この群に含まれることが意
図される。
【0287】 別の特定の実施形態において、本発明は、以下のNSAIDの1つ以上のいず
れかと組み合わせた(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−R
ポリペプチドの使用に関する:ε−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメ
チオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、アニトラザフェ
ン、アントラフェニン、ベンダザック、ベンダザックリジネート(bendaz
ac lysinate)、ベンジダミン、ベプロジン(beprozin)、
ブロペラモール、ブコローム、ブフェゾラク、シプロカゾン、クロキシマート、
ダジダミン、デボキサメト、デトミジン、ジフェンピラミド、ジフェンピラミド
、ジフィサラミン(difisalamine)、ジタゾール、エモルファゾン
、ファネチゾールメシレート、フェンフルミゾール、フロクタフェニン、フルミ
ゾール、フルニキシン、フルプロカゾン、フォピルトリン(fopirtoli
ne)、フォスフォサル、グアイメサール、グアイアゾレン(guaiazol
ene)、イソニキシン(isonixirn)、レフェタミンHCl、レフル
ノミド、ロフェミゾール、ロチファゾール、リジンクロニキシネート(lysi
n clonixinate)、メセクラゾン、ナブメトン、ニクチンドール、
ニメスリド、オルゴテイン、オルパノキシン、オキサセプロール、オキサパドー
ル、パラニリン(paranyline)、ぺリソキサール、クエン酸ぺリソキ
サール、ピフォキシム、ピプロキセン(piproxen)、ピラゾラク、ピル
フェニドン、プロカゾン、プロキサゾール、チエラビンB(thielavin
B)、チフラミゾール、チメガジン、トレクチン、トルパドール、トリプトア
ミド(tryptamid)および480156S、AA861、AD1590
、AFP802、AFP860、AI77B、AP504、AU8001、BP
PC、BW540C、CHINOIN 127、CN100、EB382、EL
508、F1044、FK−506、GV3658、ITF182、KCNTE
I6090、KME4、LA2851、MR714、MR897、MY309、
ON3144、PR823、PV102、PV108、R830、RS213
1、SCR152、SH440、SIR133、SPAS510、SQ2723
9、ST281、SY6001、TA60、TAI−901(4−ベンゾイル−
1−インンカルボン酸)、TVX2706、U60257、UR2301およ
びWY41770のような会社コード番号によって登録されるようなNSAID
。NSAIDに対して類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に
関連したNSAIDはまた、この群に含まれることが意図される。
【0288】 さらに別の特定の実施形態において、本発明は、リウマチ性疾患、対宿主性移
植片病、および多発性硬化症のような急性および慢性炎症を含む、本明細書中に
列挙される疾患および障害の処置のための、1つ以上の副腎皮質ステロイド、プ
ロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせ
た(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使
用に関する。副腎皮質ステロイド、プロドラッグエステル、およびその薬学的に
受容可能な塩は、以下に由来するヒドロコルチゾンおよび化合物を含む:21−
アセトキシプレグネノロン、アルクロメラゾン、アルゲストン、アムシノニド、
ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベタメタゾンバレレート、ブデソニド、クロロ
プレドニゾロン、クロベタゾール、クロベタゾールプロピオネート、クロベタゾ
ン、クロベタゾンブチレート、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコス
テロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコン、デソニド、デスオキシメ
ラゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネー
ト、エノキソロン、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルメタ
ゾンピバレート、フルシノロンアセトニド、フルニソリド、フルオシノニド、フ
ルオシノロンアセトニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオコ
ルトロンヘキサノエート、ジフルコルトロンバレレート、フルオロメロン、フ
ルペロロンアセテート、フルプレドニデンアセテート、フルプレドニゾロン、フ
ルランデノリド、ホルモコータル、ハルシノニド、ハロメタゾン、ハロプレドン
アセテート、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセテ
ート、ヒドロコルチゾンブチレート、ヒドロコルチゾンホスフェート、ヒドロコ
ルチゾン21−ナトリウムクシネート、ヒドロコルチゾンテブテート、マジプ
レドン、メドリゾン、メプレドニゾンメチルプレドニソロン、モメタゾンフロエ
ート、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン2
1−ジエドリアミノアセテート、プレドニゾロンナトリウムホスフェート、プレ
ドニゾロンナトリウムクシネート、プレドニゾロンナトリウム21−m−スル
ホベンゾート、プレドニゾロン21−ステアログリコレート、プレドニゾロン テブテート、 プレドニゾロン21−トリメチルアセテート、プレドニゾン、プレ
ドニバル、プレドニリデン、プレドニリデン21−ジエチルアミノアセテート、
チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアム
シノロンベネトニド、およびトリアムシノロンヘキサアセトニドのようなヒドロ
コルチゾン。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連した
副腎皮質コルチコイドはまた、この群に含まれることが意図される。
【0289】 別の特定の実施形態において、本発明は、リウマチ性疾患、対宿主性移植片病
、および多発性硬化症のような急性および慢性炎症を含む、本明細書中に列挙さ
れる疾患および障害の処置のための、1つ以上の遅効性の抗リウマチ性薬物(S
AARD)または疾患改変抗リウマチ性薬物(DMARDS)、プロドラッグエ
ステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせた(処置前、
処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使用に関する。
SAARDまたはDMARD、プロドラッグエステル、およびその薬学的に受容
可能な塩は、以下を含む:アロキュプレイドナトリウム、オーラノフィン、アウ
ロチオグルコース、アウロチオグリカニド、アザチオプリン、ブレキナール(b
requinar)ナトリウム、ブシラミン、カルシウム3−アウロチオ−2−
プロパノール−1−スルホネート、クロラムブシル、クロロキン、クロブザリッ
ト、キュプロキソリン、シクロホスホアミド、シクロスポリン、ダプソン、15
−デオキシスペルグアリン、ジアセレイン、グルコサミン、金塩(例えば、シク
ロキン金塩、金ナトリウムチオマレート、金ナトリウムチオスルフェート)、ヒ
ドロキシクロロキン、ヒドロキシクロロキンスルフェート、ヒドロキシ尿素、ケ
ブゾン、レバミゾール、ロベンザリット、メリチン、6−メルカプトプリン、メ
トトレキセート、ミゾリビン、ミコフェノレートモフェチル(mofetil)
、ミオラル、ナイトロジェン・マスタード、D−ペニシルアミン、ピリジノール
、イミダゾール(例えば、SKNF86002およびSB203580)、ラパ
マイシン、チオール、サイモポエチン、およびビンクリスチン。類似した鎮痛性
特性および抗炎症性特性を有する構造的に関連したSAARDまたはDMARD
はまた、この群に含まれることが意図される。
【0290】 別の特定の実施形態において、本発明は、急性および慢性炎症を含む、本明細
書中に列挙される疾患および障害の処置のための、1つ以上のCOX2インヒビ
ター、プロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組
み合わせた(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプ
チドの使用に関する。COX2インヒビター、プロドラッグエステル、または
の薬学的に受容可能な塩の例としては、例えば、セレコキシブ(celecox
ib)が挙げられる。類似した鎮痛性特性および抗炎症性特性を有する構造的に
関連したCOX2インヒビターはまた、この群に含まれることが意図される。
【0291】 さらに別の特定の実施形態において、本発明は、急性および慢性炎症を含む、
本明細書中に記載される疾患および障害の処置のための、1つ以上の抗菌剤、プ
ロドラッグエステル、またはその薬学的に受容可能な塩のいずれかと組み合わせ
た(処置前、処置後、または処置と同時)、IL−1ra−Rポリペプチドの使
用に関する。抗菌剤としては、例えば、ペニシリン、セファロスポリンおよび他
のβ−ラクタム、アミノ配糖体、アゾール、キロノン類、マクロライド、リファ
マイシン、テトラサイクリン、スルホンアミド、リンコサミド(lincosa
mide)およびポリミキシンの広範なクラスが挙げられる。ペニシリンは、以
下を含むがこれらに限定されない:ペニシリンG、ペニシリンV、メチシリン、
ナフシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロクサシリ
ン、アンピシリン、アンピシリン/スルバクタム、アモキシリン、アモキシリン
/クラブラン酸、ヘタシリン、シクラシリン(cyclacillin)、バカ
ンピシリン、カルベニシリン、カルベニシリンインダニル(carbenici
llin indanyl)、チカルシリン、チカルシリン/クラブラン酸、ア
ズロシリン、メズロシリン、ピペラシリン(peperacillin)、およ
びメシリナム。セファロスポリンおよび他のβ−ラクタムとしては、以下を含む
がこれらに限定されない:セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフ
ラジン、セファゾリン、セファドロキシル、セファクロール、セファマンドール
、セフォテタン、セフォキシチン、セルロキシム(ceruroxime)、セ
フォニシド、セフォラジン(ceforadine)、セフィキシム、セフォタ
キシム、モキサラクタム、セフチゾキシム、セトリアキソン(cetriaxo
ne)、セフォペラゾン(cephoperazone)、セフタジジム、イミ
ペネムおよびアズトレオナム。アミノ配糖体としては、以下を含むがこれらに限
定されない:ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシ
ン、ネチルマイシン、カナマイシンおよびネオマイシン。アゾールとしては、フ
ルコナゾールを含むがこれに限定されない。キノロン類としては、ナリジクス酸
、ノルフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ス
パルフロキサシンおよびテマフロキサシンを含むがこれらに限定されない。マク
ロライドとしては、エリスロマイシン(erythomycin)、スピラマイ
シンおよびアジスロマイシンを含むがこれらに限定されない。リファマイシンと
しては、リファンピンを含むがこれに限定されない。テトラサイクリンとしては
、スピサイクリン(spicycline)、クロルテトラサイクリン、クロモ
サイクリン、デメクロサイクリン、デオキシサイクリン(deoxycycli
ne)、グアメサイクリン(guamecycline)、リメサイクリン、メ
クロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、
ぺニメピサイクリン、ピパサイクリン、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン
、セノサイクリン(senociclin)およびテトラサイクリンを含むがこ
れらに限定されない。スルホンアミドとしては、スルホニルアミド、スルファメ
キサゾール、スルファセタミド、スルファジアジン、スルフィソキサゾールお
よびco−トリモキサゾール(トリメトプリム/スルファメトキシサゾール)を
含むがこれらに限定されない。リンコサミドとしては、クリンダマイシンおよび
リンコマイシンを含むがこれらに限定されない。ポリミキシン(ポリペプチド)
としては、ポリミキシンBおよびコリスチンを含むがこれらに限定されない。
【0292】 IL−1RA−Fポリペプチド機能のアゴニストまたはアンタゴニストは、処
置される状態に適切であるように、1つ以上のサイトカイン、増殖因子、抗生物
質、抗炎症剤および/または化学療法剤と組み合わせて(同時にかまたは引き続
き)使用され得る。
【0293】 望ましくないレベルの1つ以上のIL−1、IL−1ra、またはIL−1r
a−Rポリペプチドによって引き起こされるかまたは媒介される他の疾患は、本
発明の範囲内に含まれる。望ましくないレベルとしては、過度のレベルのIL−
1、IL−1ra、またはIL−1ra−Rポリペプチド、および正常以下のレ
ベルのIL−1、IL−1ra、またはIL−1ra−Rポリペプチドが挙げら
れる。
【0294】 (IL−1ra−R核酸およびIL−1ra−Rポリペプチドの使用) 本発明の核酸分子(それ自体は生物学的に活性なポリペプチドをコードしない
核酸分子を含む)を使用して、IL−1ra−R遺伝子および関連遺伝子の染色
体上の位置をマッピングし得る。マッピングは、当該分野で公知の技術(例えば
、PCR増幅およびインサイチュハイブリダイゼーション)により行われ得る。
【0295】 IL−1ra−R核酸分子(それ自体は生物学的に活性なポリペプチドをコー
ドしない核酸分子を含む)は、哺乳動物組織または体液サンプル中のIL−1r
a−R核酸分子の存在について、定性的または定量的のいずれかで試験するため
の、診断アッセイにおけるハイブリダイゼーションプローブとして有用であり得
る。
【0296】 他の方法はまた、1つ以上のIL−1ra−Rポリペプチドの活性を阻害する
ことが所望される場合に使用され得る。このような阻害は、発現制御配列(三重
らせん形成)またはIL−1ra−R mRNAに相補的でありかつ発現制御配
列(三重らせん形成)またはIL−1ra−R mRNAにハイブリダイズする
核酸分子によりもたらされ得る。例えば、アンチセンスDNAまたはRNA分子
(これらは、IL−1ra−R遺伝子の少なくとも一部に相補的である配列を有
する)は、細胞中に導入され得る。アンチセンスプローブは、本明細書中に開示
されるIL−1ra−R遺伝子の配列を使用して、利用可能な技術により設計さ
れ得る。代表的には、このようなアンチセンス分子の各々は、選択された各IL
−1ra−R遺伝子の開始部位(5’末端)に相補的である。このアンチセンス
分子が次いで、対応するIL−1ra−R mRNAにハイブリダイズする場合
、このmRNAの翻訳は、防止されるかまたは低減される。アンチセンスインヒ
ビターは、細胞または生物におけるIL−1ra−Rポリペプチドの減少または
不在に関連する情報を提供する。
【0297】 あるいは、遺伝子治療を使用して、1つ以上のIL−1ra−Rポリペプチド
の優性ネガティブインヒビターを作製し得る。この状況において、各選択された
IL−1ra−Rポリペプチドの変異体ポリペプチドをコードするDNAは、調
製され得、そして本明細書中に記載されるウイルスまたは非ウイルスの方法のい
ずれかを使用して患者の細胞中に導入され得る。このような変異体の各々は、代
表的にはその生物学的役割において内因性ポリペプチドと競合するように設計さ
れる。
【0298】 さらに、IL−1ra−Rポリペプチド(生物学的に活性でも活性でなくても
は、免疫原として使用され得、すなわち、これらのポリペプチドは、それに対
して抗体が誘発され得る少なくとも1つのエピトープを含有する。IL−1ra
−Rポリペプチドに結合する選択的結合因子(本明細書中に記載されるように)
は、インビボおよびインビトロでの診断目的のために使用され得、これらの目的
としては、体液サンプルまたは細胞サンプル中のIL−1ra−Rポリペプチド
の存在を検出するための標識された形態での使用を含むが、これに限定されない
。これらの抗体をまた使用して、本明細書中に列挙される疾患および障害を含む
多数の疾患および障害を、予防、処置、または診断し得る。これらの抗体は、I
L−1ra−Rポリペプチドの少なくとも1つの活性特徴を低減するかまたは遮
断するように、IL−1ra−Rポリペプチドに結合し得るか、またはポリペプ
チドに結合してIL−1ra−Rポリペプチドの少なくとも1つの活性特徴を増
加し得る(IL−1ra−Rポリペプチドの薬物動態を増加させることによるも
のを含む)。
【0299】 本発明のIL−1ra−Rポリペプチドは、発現クローニングストラテジーを
使用して、IL−1ra−Rポリペプチドレセプターをクローン化するために使
用され得る。放射性標識(125ヨウ素)されたIL−1ra−Rポリペプチド
またはアフィニティ/活性−タグ化IL−1ra−Rポリペプチド(例えば、F
c融合またはアルカリホスファターゼ融合)を、結合アッセイにおいて使用して
、IL−1ra−Rポリペプチドレセプターを発現する細胞型または細胞株また
は組織を同定し得る。このような細胞または組織から単離されたRNAは、cD
NAに変換され得、哺乳動物発現ベクターにクローン化され、そして哺乳動物細
胞(例えば、COSまたは293細胞)にトランスフェクトされて発現ライブラ
リーを生成する。放射性標識されるかまたはタグ化されたIL−1ra−Rポリ
ペプチドは、次いで、アフィニティリガンドとして使用されて、このライブラリ
ーから、その表面上にIL−1ra−Rポリペプチドレセプターを発現する細胞
のサブセットを同定および単離し得る。DNAは、次いでこれらの細胞から単離
され得、そして哺乳動物細胞にトランスフェクトされて二次発現ライブラリー(
ここで、IL−1ra−Rポリペプチドレセプターを発現する細胞の画分は、元
のライブラリーよりも何倍も高い)を作製し得る。この富化プロセスは、IL−
1ra−Rポリペプチドレセプターを含有する単一の組換えクローンが単離され
るまで繰り返し反復され得る。IL−1ra−Rポリペプチドレセプターの単離
は、IL−1ra−Rポリペプチドシグナル伝達経路の新規なアゴニストおよび
アンタゴニストを同定または開発するために有用である。このようなアゴニスト
およびアンタゴニストとしては、可溶性IL−1ra−Rポリペプチドレセプタ
ー、抗IL−1ra−Rポリペプチドレセプター抗体、低分子またはアンチセン
スオリゴヌクレオチドが含まれ、そしてこれらは、本明細書中に記載される疾患
または障害の1つ以上を、処置、予防、または診断するために使用され得る。
【0300】 ヒトIL−1ra−RポリペプチドをコードするcDNAの寄託(受託番号P
TA−1423を有する)を、アメリカン タイプ カルチャー コレクション
(ATCC)(バージニア 20110−2209、マナサス、ユニバーシティ ブールバード 10801)にて2000年2月29日に行った。
【0301】 以下の実施例は、例示目的のみのために意図され、本発明の範囲をどちらにし
ても限定するとは解釈されるべきではない。
【0302】 (実施例1:ヒトIL−1ra−Rポリペプチド遺伝子のクローニング) 概して、Sambrookら(前出)に記載されるような材料および方法を、
ヒトIL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子をクローン化および分析
するために使用した。
【0303】 ヒトIL−1ra−RポリペプチドをコードするcDNA配列を単離するため
に、専有データベース(Amgen、Thousand Oaks、CA)の検
索を、クローンshos1−00003−d1を問い合わせ(query)配列
として使用して行った。この様式で同定された423bpの配列は、アミノ酸レ
ベルで問い合わせ配列に対して41%同一性を共有することが見出された。この
配列内の最も高い相同性の領域を使用して、cDNA供給源の同定およびcDN
Aクローンの生成のために、種々のPCRストラテジーを使用して、遺伝子特異
的オリゴヌクレオチドを設計した。
【0304】 多数のcDNAライブラリーを、25μlの全反応容積で、10ngのc
ライブラリーテンプレートDNA、それぞれ10pmolのアンプライマー
amplimer):2349−98(5’−C−A−C−A−C−G−C−T
−T−C−A−C−C−T−T−C−T−T−T−C−C−A−G−3’;配列
番号20)および2349−99(5’−T−A−A−A−A−C−T−T−G
−G−T−A−C−G−G−G−C−T−G−A−G−G−G−3’;配列番号
21)、ならびにReady−To−Go PCRビーズ(Amersham−
Pharmacia、Piscataway、NJ)(Pharmacia、P
iscataway、NJ)を含有する増幅反応で分析した。反応を、95℃に
て5分間を1サイクル;95℃にて15秒間、63℃にて15秒間、そして72
℃にて1分間を30サイクル;および72℃にて10分間を1サイクルにて行っ
た。予測されたサイズ(153bp)のPCR産物を、多数のcDNAライブラ
リー(ヒト胎児頭皮(オリゴ−dTでプライムした(primed)もの)およ
びヒト胎盤(オリゴ−dTでプライムしたものおよびランダムにプライムしたも
の)を含む)において同定した。
【0305】 胎児頭皮よび胎盤のcDNAライブラリーを、以下のようにして調製した。全
RNAを、ヒト胎児頭皮から、およびヒト胎盤から標準的なRNA抽出手順を使
用して抽出し、そしてポリ−ARNAを、標準的な手順を使用してこの全RN
Aから選択した。ランダムにプライムされたかオリゴ−dTでプライムされたc
DNAを、このポリ− RNAから、cDNA合成およびプラスミドクローニ
ングキット用のSuperscript Plasmid System(Gi
bco−BRL)を使用して、製造者の示唆したプロトコルまたは他の適切な手 に従って合成した。得られたcDNAを、適切な制限酵素を用いて消化し、次
いでpSPORT−1、または他の適切なクローニングベクターにライゲーショ
した。ライゲーション産物を、標準的な技術を使用してE.coliに形質転
換し、そして細菌性形質転換体を、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイ
シン、またはクロラムフェニコールのいずれかを含有する培養プレートで選択し
た。cDNAライブラリーは、これらの形質転換体の全てまたはサブセットから
構成された。
【0306】 5’RACE反応および3’RACE反応の両方を、IL−1ra−Rポリペ
プチドについての全長cDNA配列を作成するために行った。IL−1ra−R
ポリペプチドについてのcDNA配列の5’末端に対応するcDNA配列を単離
するために、5’RACEを、10ngのオリゴ−dT−プライムされたヒト胎
児頭皮cDNAライブラリーをpSPORT1ならびにプライマー1572−3
6(5’−G−T−G−T−GG−A−A−T−T−G−T−G−A−G−C
−G−G−A−T−A−A−C−3’;配列番号22)および2349−99を
使用して行った。反応を、94℃にて1分間を1サイクル;94℃にて5秒間そ
して72℃にて5分間を5サイクル;94℃にて5秒間、70℃にて10秒間そ
して72℃にて3分間を5サイクル;94℃にて5秒間、68にて10秒間、
そして72℃にて3分間を25サイクル;ならびに72℃にて7分間を1サイク
ルで行った。入れ子式(nested)PCRを、5’RACE増幅産物の一部
およびプライマー2328−91(5’−C−T−A−T−G−A−C−C−A
−T−G−A−T−T−A−C−G−C−C−A−A−G−C−3’;配列番号
23)および2351−47(5’−G−C−T−G−T−A−C−T−G−G
−C−T−G−C−T−G−G−G−GC−3’;配列番号24)を使用して
行った。入れ子式PCRを、94にて1分間を1サイクル;94℃にて5秒間
および72℃にて5分間を5サイクル;94℃にて5秒間、70℃にて10秒間
、そして72℃にて3分間を5サイクル;94℃にて5秒間、68℃にて10秒
間、そして72℃にて3分間を25サイクル;ならびに72℃にて7分間を1サ
イクルで行った。
【0307】 IL−1ra−RポリペプチドについてのcDNA配列の3’末端に対応する
cDNA配列を単離するために、3’RACEを、10ngのオリゴ−dTでプ
ライムされたヒト胎児頭皮cDNAライブラリーを使用してpSPORTIなら
びにプライマー2351−48(5’−C−C−T−T−C−A−G−G−C−
T−T−G−A−G−G−C−T−G−C−T−G−3’;配列番号25)およ
び2329−93(5’−C−G−G−G−C−C−T−C−T−T−C−G−
C−T−A−T−T−A−C−G−C−3’;配列番号26)を使用して行った
。反応を94℃にて1分間を1サイクル;94℃にて5秒間および72℃にて5
分間を5サイクル;94℃にて5秒間、70℃にて10秒間、および72℃にて
3分間を5サイクル;94℃にて5秒間、68℃にて10秒間、および72℃に
て3分間を25サイクル;ならびに72℃にて7分間を1サイクルで行った。入
れ子式PCRを、3’RACE増幅産物の一部およびプライマー2363−04
(5’−C−C−T−G−G−C−T−G−G−T−T−C−C−T−G−T−
G−TG−G−C−3’;配列番号27)および2329−94(5’−T−
G−G−C−G−A−A−A−G−G−G−G−G−A−T−G−T−G−C−
T−G−3’;配列番号28)を使用して行った。入れ子式PCRを、95℃に
て1分間を1サイクル;95℃にて30秒間および6℃にて1分間を30サイ
クル;ならびに68℃にて7分間を1サイクルで行った。IL−1ra−Rポリ
ペプチドについての全長cDNA配列を、5’RACEクローンおよび3’RA
CEクローンの得られた収集物からアセンブルした。
【0308】 IL−1ra−RポリペプチドについてのcDNA配列の5’部分を、ヒト胎
盤MarathonTM cDNAライブラリー(Clontech)由来のc
DNA配列を独立して単離することにより確認した。IL−1ra−Rポリペプ
チドについてのcDNA配列の5’末端に対応するcDNA配列を単離するため
に、5’RACEを、1ngのヒト胎盤cDNAならびにプライマーAP−1(
5’−C−C−A−T−C−C−T−A−A−T−A−C−G−A−C−T−C
−A−C−T−A−T−A−G−G−G−C−3’;配列番号29;Clont
ech)および2353−87(5’−C−C−T−T−G−G−T−G−A−
G−C−T−G−T−A−C−T−G−G−C−TG−3’;配列番号30)
を使用して行った。反応を、94℃にて2分間を1サイクル;94℃にて5秒間
および72℃にて1.5分間を5サイクル;94℃にて5秒間および70℃にて
1.5分間を5サイクル94℃にて5秒間および68℃にて1.5分間を25
サイクル;および86℃にて7分間を1サイクルで行った。入れ子式PCRを、
5’RACE増幅産物の一部ならびにプライマーAP−1および2349−52
(5’−C−C−G−G−G−C−C−A−C−A−C−A−G−G−A−A−
C−C−A−3’;配列番号31)を使用して行った。入れ子式PCRを、94
℃にて2分間を1サイクル;94℃にて10秒間および68℃にて1.5分間を
30サイクル;および6℃にて7分間を1サイクルで行った。
【0309】 ヒトIL−1ra−Rポリペプチドについての推定cDNA配列の配列分析は
、この遺伝子が、152個のアミノ酸のタンパク質をコードする456bpのオ
ープンリーディングフレーム(図1A〜1B)を含むことを示した。ヒトIL−
1ra−Rポリペプチドの配列改変体もまた同定された。この改変体の配列分析
は、この改変体についての遺伝子もまた、152個のアミノ酸のタンパク質をコ
ードする456bpのオープンリーディングフレーム(図2A〜2B)を含むこ
とを示唆した。この改変体のヌクレオチド配列は、2つのヌクレオチド位置にお
いてヒトIL−1ra−R遺伝子と異なる。
【0310】 図4A〜4Bは、以下のアミノ酸配列アラインメントを図示する:ヒトIL−
1α(IL−1 alpha;配列番号7)、ヒトIL−1β(IL−1 be
ta;配列番号8)、ヒトIL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1RA;
配列番号9)、ヒトIL−1δ(IL−1 delta;配列番号10)、ヒト
IL−1ra−Rポリペプチド(IL−1ra−R;配列番号2)、ヒトTan
go−77(Tango−77;配列番号11)、ヒトZilla4(Zill
a4;配列番号12)、ヒトIL−1ζ(IL−1 zeta;配列番号13)
、ヒトIL−1レセプターアンタゴニストβ(IL−1RA β;配列番号14
)、ヒトSPOIL II(Spoil II;配列番号15)、ヒトIL−1
ε(IL−1 epsilon;配列番号16)、およびヒトIL−l1η(I
L1 eta;配列番号17)。図5は、IL−1r遺伝子ファミリーの系統
発生的関係を模式的に図示する。
【0311】 (実施例2:ヒトIL−1ra−Rポリペプチド遺伝子スプライス改変体(バ リアント) のクローニング) 概して、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドスプライス改変体(バリアント)
をコードする遺伝子をクローニングおよび分析するため、Sambrookら
(前出)に記載の材料および方法を用いた。
【0312】 ヒトIL−1ra−Rポリペプチドのスプライス改変体をコードする全長cD
NA配列を、以下のように調製したヒト胎盤cDNAライブラリーから単離した
。標準的RNA抽出手順を用いて、総RNAをヒト胎盤から抽出し、そして標準
的手順を用いてこの総RNAからポリ− RNAを選択した。製造業者の示唆
したプロトコールに従って、cDNA Synthesis and Plas
mid Cloningキット(Gibco−BRL)のためのSupersc
ript Plasmid Systemを用いて、このポリ−ARNAから
、オリゴ−dTプライムしたcDNAを、合成した。得られたcDNAをNot
Iで消化し、次いで0.8%アガロースゲル上での電気泳動によって分画した。
0.8〜1.6kbのフラグメントを単離し、精製し、次いでpSPORT−1
に連結した。連結(ライゲーション)産物を、標準的技術を用いてE.coli
中に形質転換し、そして細菌形質転換体を、アンピシリン含有培養プレート上で
選択した。得られた形質転換体をプールして、cDNAライブラリーを作製し、
そしてプラスミドDNAを、このcDNAライブラリーの12のプール(それぞ
れが約80,000コロニーを含有する)から調製した。
【0313】 10ngのテンプレートDNA、アンプライマー2349〜98および234
9〜99(各、0.4μMの濃度)、ならびにReady−to−Go(すぐ使
用できる)PCRビーズを含有する増幅反応物(総反応容積25μl)中で、各
cDNAライブラリープールのそれぞれを、分析した。94℃5分を1サイクル
;94℃30秒、65℃30秒、および72℃1分を30サイクル;ならびに7
2℃10分を1サイクルで、反応を実施した。cDNAライブラリープールをま
た、10ngのテンプレートDNA、アンプライマー2349〜51(5’−A
−A−G−A−G−G−C−C−A−C−A−C−G−C−T−T−C−A−C
−C−T−T−C−T−3’;配列番号32)および2349〜52(各、0.
4μMの濃度)、ならびにReady−to−Go(すぐ使用できる)PCRビ
ーズを含有する増幅反応物(総反応容積25μl)中で、分析した。94℃5分
を1サイクル;94℃30秒、65℃30秒、および72℃1分を30サイクル
;ならびに72℃10分を1サイクルで、反応を実施した。次いで、これらの反
応で得られたPCR産物をアガロースゲル上で分析した。
【0314】 3つのプール由来のプラスミドDNAは、期待されるサイズを有するPCR産
物を生成した。そして、これらの各々の陽性プール由来の3×10クローンを
、アンプライマー2349−98および2349−99を用いるPCRによって
スクリーニングした。PCRによって生成したPCR産物(zhvt−0003
29)の1つを、32P−dCTPで標識し、プローブとして用いて、陽性のc
DNAライブラリーのプールを再スクリーニングした。細菌コロニーを、(15
0mmプレートあたり、約50,000で)プレートし、次いで、ニトロセルロ
ースフィルター上に吊り上げた。ExpressHybハイブリダイゼーション
溶液(Clontech)中で68℃30分間、フィルターをプレハイブリダイ
ズし、次いで、標識プローブを添加した同じ溶液中で、68℃一晩ハイブリダイ
ズした。ハイブリダイゼーション後、このフィルターを、2×SSCおよび0.
05%SDS中で、室温で10分間2回洗浄し、次いで0.1×SSCおよび0
.1%SDS中で、68℃で30分間2回洗浄した。次いで、強化スクリーンを
有するオートラジオグラフィーに−80℃で2時間フィルターを曝した。cDN
Aライブラリープールの1つから、約1.2kbのインサートを含有する陽性ク
ローン(RDS#199918503)を、同定した。別のcDNAライブラリ
ープールから、約0.8kbのサイズのインサートを含有する第二の陽性クロー
ン(RDS#199918501)を、同定した。これらのクローンの各々から
プラスミドDNAを調製し、そして配列を分析した。
【0315】 これらのクローンの1つについて予想されるcDNA配列の配列分析によって
、このcDNAが、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(実施例1を参照)の改
変体をコードすることが示された。この改変体をコードする遺伝子は、171ア
ミノ酸のタンパク質をコードする513bpのオープンリーディングフレームを
含む(図3)。
【0316】 IL−1ra−R遺伝子(Genbank登録番号AC016724,コンテ
ィグ.フラグメント76649−96342)を含有するヒトゲノムの配列分析
により、IL−1ra−R遺伝子の最初のエキソン(実施例1を参照)が、Il
−1オメガ(Omega)(Genbank登録番号Z300050)の最後の
エキソンの4.1kb下流に存在するが示された。ゲノム中のこれらの2つの遺
伝子の密接な近似により、本ポリペプチドは、IL−1ra−R遺伝子、または
その改変体(実施例1を参照)の第二のエキソン上のIL−1オメガ(Omeg
a)の最初の2つのエキソンのスプライシング(または融合)から生じ得ること
が示唆される。従って、IL−1ra−Rポリペプチドの改変体は、IL−1r
a−Rスプライス改変体、融合タンパク質、などであり得る。IL−1Omeg
aにおける第二エキソンおよびIL−1ra−R遺伝子(またはその改変体)の
第二エキソンの並列(juxtaposition)は、シグナルペプチドとし
て機能するらしい、N末端を有するタンパク質をコードする配列を生じる。図6
は、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(成熟(Mature)CS329)と
、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドの配列改変体(成熟CS329改変体タン
パク質)と、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドのスプライス改変体(オメガ(
Omega)329タンパク質)との間の関係を図示する。
【0317】 (実施例3:マウスIL−1ra−Rポリペプチド遺伝子のクローニング) 概して、マウスIL−1ra−Rポリペプチドをコードする遺伝子をクローニ
ングおよび分析するため、Sambrookら(前出)に記載の材料および方
法を用いた。
【0318】 マウスIL−1ra−RポリペプチドをコードするcDNAを単離するために
、7日齢マウス胚cDNAライブラリーテンプレー、ならびにアンプライマー
2557−95(5’−A−A−G−C−C−T−T−T−T−T−C−T−T
−C−T−T−T−G−C−C−T−C−A−G−T−G−3’;配列番号33
)および2557〜96(5’−T−G−C−C−A−T−T−T−A−A−T
−G−T−A−A−C−A−C−G−G−T−C−A−C−A−G−3’;配列
番号34)、ならびに標準的技術を用いて、PCRを実施した。
【0319】 マウスIL−1ra−Rポリペプチドの推定cDNA配列の配列分析によって
、この遺伝子が、152アミノ酸のタンパク質をコードする456bpのオープ
ンリーディングフレームを含むことが示された(図7)。図8は、ヒトIL−1
ra−Rポリペプチド(huIL−1ra−R;配列番号2)およびマウスIL
−1ra−Rポリペプチド(muIL−1ra−R;配列番号36)のアミノ酸
配列アラインメントを例示する。図9A〜9Iは、マウスIL−1ra−R遺伝
子(配列番号37)のゲノムヌクレオチド配列を例示する。エキソン1〜4のコ
ード部分の位置を示す(下線)。
【0320】 (実施例4:IL−1ra−R mRNA発現) IL−1ra−R mRNAの発現を、10ngのcDNAライブラリーテン
プレートDNA、10pmolのアンプライマー2349〜98および2349
〜99、ならびにReady−to−Go(すぐ使用できる)PCRビーズを含
有する増幅反応物(総反応容積25μl)中でのPCRによって検討した。95
℃5分を1サイクル;95℃15秒、63℃15秒、および72℃1分を30サ
イクル;ならびに72℃10分を1サイクルで、反応を実施した。ヒト胎児頭皮
、ヒト胎児眼、ヒト胆嚢、およびヒト胎盤を含む、多数のcDNAライブラリー
中から、予期されたサイズ(153bp)のPCR産物を、同定した。IL−1
ra−R mRNA発現をまた、アンプライマー2349〜51および2349
−52、ならびにTitanシステム(Boehringer)を用いるRT−
PCRによって、胎児眼および胎児脾臓中で検出した。55℃30分を1サイク
ル;94℃15秒、64℃15秒、および68℃50秒(1サイクルについて2
秒ずつ増加)を30サイクル;ならびに68℃7分を1サイクルで、これらの反
応を実施した。
【0321】 IL−1ra−R mRNAの発現を、ヒトおよびマウスのRNAブロット(
Clontech)を用いたノーザンブロット分析によって試験した。ブロット
をまず、Pre−Hyb溶液(Amersham)中で65℃で30分間、プレ
ハイブリダイズし、次いで、IL−1ra−RポリペプチドをコードするcDN
A配列のヌクレオチド1〜474に対応する、25ngの32P標識プローブを
含有する同じ溶液中で、65℃一晩プローブした。このプローブを、Redi
Prime IIキット(Pharmacia)を用いて標識した。ハイブリダ
イゼーション後、ブロットを、6×SSCおよび0.1%SDS中で、1時間2
回、2×SSCおよび0.1%SDS中で1時間2回0.2×SSCおよび0
.1%SDS中で30分間2回洗浄し、次いで2×SSC中でリンスした。ホス イメージャー(phosphimager)中のノーザンブロットの一晩の
曝露後、約1.6kbの転写物を、マウスの骨格筋中で検出し(図10A)、そ
して約2.9kbの転写物を、ヒトの膵臓および末梢血白血球中で検出した(図
10Bおよび10C)。同じプローブを用いたドットブロット(Clontec
h)の分析において、IL−1ra−R mRNAをマウス骨格筋、顎下腺、お
よび精巣上体中で検出した。
【0322】 IL−1ra−R mRNAの発現を、インサイチュハイブリダイゼーション
によって局在化した。正常胚および成体マウス組織のパネルを4%パラホルムア
ミド中で固定し、パラフィンに包埋し、そして5μmに切片化した。切片化した
組織を、0.2M HCl中で透過化処理し、プロテイナーゼKで消化し、そし
てトリエタノールアミンおよび無水酢酸でアセチル化した。切片を、ハイブリダ
イゼーション溶液(300mM NaCl、20mM Tris−HCl、pH
8.0,5mM EDTA、1×デンハート溶液、0.2% SDS、10mM DTT、0.25mg/ml tRNA、25μg/ml ポリA25μg
/ml ポリCおよび50%ホルムアミド)中で1時間60℃でプレハイブリダ
イズし、次いで、10%デキストランおよび2×10cpm/μlの33P−
標識アンチセンスリボプローブ(ヒトIL−1ra−R遺伝子に相補的)を含有
する同じ溶液中で60℃で一晩ハイブリダイズする。標準的技術を用いて、ヒト
IL−1ra−R cDNAを含有するクローンのインビトロ転写によって、こ
のリボプローブを得る。
【0323】 ハイブリダイゼーション後、切片を、ハイブリダイゼーション溶液中でリンス
し、RNaseAで処理してハイブリダイズしていないプローブを消化し、次い
で0.1×SSC中で55℃で30分間洗浄する。次いで、切片をNTB−2エ
マルジョン(Kodak,Rochester,NY)に浸し、4℃に3週間曝
し、発色させ、そしてヘマトキシリンおよびエオシンで対比染色する。組織形態
学およびハイブリダイゼーションシグナルを、脳(矢状断面1つおよび冠状断面
2つ)、胃腸管(食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、近位結腸、および遠位結腸
)、下垂体、肝臓、肺、心臓、脾臓、胸腺、リンパ節、腎臓、副腎、膀胱、膵臓
、唾液腺、雄性および雌性生殖器(雌性の卵巣、卵管、および子宮;ならびに雄
性の精巣、精巣上体、前立腺、精嚢および輸精管)、BATおよびWAT(皮下
、腎臓周囲)、骨(大腿)、皮膚、乳房、および骨格筋についての暗野かつ標準
のイルミネーションによって同時に分析する。
【0324】 (実施例5:IL−1ra−Rポリペプチドの生成) (A.細菌におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現) PCRを用いて、IL−1ra−RポリペプチドをコードするテンプレートD
NA配列を増幅する。このPCRには、この配列の5’および3’末端に対応す
るプライマーを用いる。増幅したDNA産物を改変して、発現ベクター内への挿
入を可能にするために制限酵素部位を含むようにし得る。PCR産物をゲル精製
し、そして標準的組み換えDNA方法論を用いて発現ベクター中に挿入する。l
uxプロモーターおよびカナマイシン耐性をコードする遺伝子を含むpAMG2
1(ATCC番号98113)のような代表的ベクターを、挿入したDNAの方
向性クローニングのために、BamHIおよびNdeIを用いて消化する。連結
した混合物を、エレクトロポレーションによってE.coli宿主株中に形質転
換し、そして形質転換体をカナマイシン耐性について選択する。選択したコロニ
ー由来のプラスミドDNAを、単離し、そしてDNA配列決定に供してインサー
ト(挿入物)の存在を確認する。
【0325】 形質転換した宿主細胞を、導入前に、30μg/mLカナマイシンを含有する
2×YT培地中で30℃でインキュベートする。最終濃度30ng/mLへのN
−(3−オキソヘキサノイル)−dl−ホモセリンラクトンの添加、それに続く
30℃かまたは37℃での6時間のインキュベーションによって、遺伝子発現を
誘導する。IL−1ra−Rポリペプチドの発現を、培養物の遠心分離、細菌ペ
レットの再懸濁および溶解、ならびに、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
による宿主細胞タンパク質の分析によって評価する。
【0326】 IL−1ra−Rポリペプチドを含有する封入体を、以下の通り精製する。細
菌細胞を遠心分離によってペレット化し、そして水中に再懸濁する。この細胞懸
濁液を超音波処理によって溶解し、そして195,000×gでの5〜10分間
の遠心分離によってペレット化する。この上清を廃棄し、そしてペレットを洗浄
してホモジナイザーに移す。このペレットを、均一に懸濁されるまで、5mLの
Percoll溶液(75%液体Percollおよび0.15M NaCl)
中にホモジナイズし、次いで希釈して21,600×gで30分間遠心分離する
。封入体を含む勾配画分を回収してプールする。単離した封入体をSDS−PA
GEによって分析する。
【0327】 E.coliが産生したIL−1ra−Rポリペプチドに相当する、SDSポ
リアクリルアミドゲル上の単一のバンドを、ゲルから切り出し、そしてN末端ア
ミノ酸配列を、本質的にMatsudairaら、1987,J.Biol.C
hem.262:10〜35に記載のように決定する。
【0328】 (B.哺乳動物細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現) PCRを用いて、IL−1ra−RポリペプチドをコードするテンプレートD
NA配列を増幅する。このPCRには、この配列の5’および3’末端に対応す
るプライマーを用いる。増幅したDNA産物を改変して、発現ベクター内への挿
入を可能にするために制限酵素部位を含むようにし得る。PCR産物をゲル精製
し、そして標準的組み換えDNA方法論を用いて発現ベクター中に挿入する。E
pstein−Barrウイルス複製起点を含む代表的な発現ベクターであるp
CEP4(Invitrogen,Carlsbad,CA)を、293−EB
NA−1細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現のために用い得る。
増幅およびゲル精製したPCR産物を、pCEP4ベクターに連結し、そしてリ
ポフェクチンによって293−EBNA細胞中に導入する。トランスフェクトし
た細胞を、100μg/mLのハイグロマイシン中で選択し、そして得られた薬
物耐性培養物をコンフルエンスになるまで増殖する。次いで、この細胞を無血清
培地中で72時間培養する。馴化培地を取り出し、IL−1ra−Rポリペプチ
ド発現をSDS−PAGEによって分析する。
【0329】 IL−1ra−Rポリペプチド発現は、銀染色によって検出できる。あるいは
、IL−1ra−Rポリペプチドを、ペプチドタグに対する抗体を用いてウエス
タンブロット分析によって検出可能である、エピトープタグ(例えば、IgG定
常ドメインまたはFLAGエピトープ)を有する融合タンパク質として生成する
。 IL−1ra−Rポリペプチドを、SDS−ポリアクリルアミドゲルから切
り出し得、またはIL−1ra−R融合タンパク質を、エピトープタグに対する
アフィニティークロマトグラフィーによって精製し、そして本明細書に記載のよ
うなN末端アミノ酸配列分析に供する。
【0330】 (C.哺乳動物細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチドの発現および精製
) リポフェクチンまたはリン酸カルシウムプロトコールのいずれかを用いて、2
93 EBNA細胞またはCHO細胞中に、IL−1ra−Rポリペプチド発現
構築物を導入する。
【0331】 生成されるIL−1ra−Rポリペプチドに対する機能的研究を行うため、ハ
イグロマイシン選択293 EBNAクローニングのプールから大量の馴化培地
を生成する。この細胞を500cm Nunc Triple Flasks中
で、80%コンフルエンスになるまで培養し、その後、培地を回収する1週間前
に無血清培地に切り換える。馴化培地を回収し、そして精製まで−20℃に凍結
する。
【0332】 馴化培地を下記のとおり、アフィニティークロマトグラフィーによって精製す
る。この培地を解凍し、次いで0.2μmフィルターに通す。プロテインGカラ
ムをPBSでpH7.0に平衡化し、次いで濾過した培地をロードした。このカ
ラムをA280の吸収がベースラインに達するまでPBSで洗浄する。0.1M Glycine−HClを用いてpH7.2でIL−1ra−Rポリペプチド
を、カラムから溶出し、直ちに1M Tris−HClを用いてpH8.5で中
和する。IL−1ra−Rポリペプチドを含有する画分をプールし、PBS中で
透析し、そして−70℃で貯蔵した。
【0333】 ヒトIL−1ra−Rポリペプチド−Fc融合ポリペプチドの第Xa因子切断
について、アフィニティークロマトグラフィー精製したタンパク質を、50mM Tris−HCl、100mM NaCl、2mM CaCl中でpH8.
0で透析する。制限プロテアーゼ第Xa因子を、透析したタンパク質に1/10
0(w/w)で添加し、そしてこのサンプルを室温で一晩消化する。
【0334】 (実施例6:抗IL−1ra−Rポリペプチド抗体の生成) IL−1ra−Rポリペプチドに対する抗体を、生物学的合成または化学的合
成によって生成した、精製タンパク質またはIL−1ra−Rペプチドを用いて
免疫することによって獲得し得る。抗体を生成するための適切な手順は、Hud
sonおよびBay、Practical Immunology(第二版、B
lackwell Scientific Pubilication)に記載
の手順を含む。
【0335】 抗体生成のための1つの手順において、動物(代表的には、マウスまたはウサ
ギ)に、IL−1ra−R抗原(例えば、IL−1ra−Rポリペプチド)を注
射し、そして、ハイブリドーマ産生のため、ELISAによって決定した十分な
血清力価レベルを有する動物を、選択する。免疫した動物の脾臓を回収し、そし
て単一細胞懸濁液として調製し、これから脾臓細胞を回収する。脾臓細胞をマウ
スミエローマ細胞(例えば、Sp2/0−Ag14細胞)に融合し、DMEM(
200U/mLペニシリン、200μg/mL硫酸ストレプトマイシン、および
4mMグルタミン含有)中でまずインキュベートし、次いで、HAT選択培地(
ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジン)中でインキュベートする。選
択後、組織培養上清を各融合ウェルから取り出し、そしてELISAによって、
抗IL−1ra−R抗体産生について試験する。
【0336】 抗IL−1ra−R抗体を得るため、別の手順をまた、使用し得る。この手順
は例えば、ヒト抗体の生成のためのヒトIg遺伝子座を保有するトランスジェニ
ックマウスの免疫、および合成抗体ライブラリー(例えば、抗体可変ドメインの
変異誘発によって生成されるライブラリーなど)のスクリーニングである。
【0337】 IL−1ra−Rポリペプチドに対する抗体は、E.coli中で生成され、
そして単離された全長IL−1ra−Rポリペプチドを用いてNew Zeal
and White rabbitを免疫することによって得られた。粗ポリク
ローナル免疫血清を回収し、そして組み換えIL−1ra−Rポリペプチド(図
11A〜11B、レーン1、4、および7)、組み換えIL−1ra−Rポリペ
プチド改変体(図11A〜11B、レーン2、5、および8)、および組み換え
IL−1ra(図11A〜11B;レーン3、6、および9)を用いる免疫沈澱
分析に用いた。10ng(図11A、レーン4〜6)もしくは0.6μg(図1
1B、レーン7〜9)のいずれかの組み換えポリペプチドを、18%Tris−
グリシンゲル上に直接ロードすること、またはゲル上にサンプルをロードする前
に、0.2μlの粗抗血清(図11A、レーン1〜3)を用いて1μgの組み換
えポリペプチドを免疫沈降することによって、ゲルを調製した。SDS−PAG
E分離後、ゲルをPVDF膜上にブロットし、そして粗IL−1ra−R血清
の1:1000希釈を用いて発色させ、続いて、HRP結合体化プロテインAお
よびECL検出した。図11Bに示すゲルを、ブロッティング後、Gelco
de Blue(Pierce)で染色した。IL−1ra−Rポリペプチドに
対する抗体は、膜固定IL−1ra−RポリペプチドおよびIL−1ra−Rポ
リペプチド改変体の両方を検出するが、IL−1raは検出しないことが示され
た。溶液中で、IL−1ra−Rポリペプチドは、IL−1ra−Rポリペプチ
ド改変体よりも効率的に認識された。
【0338】 (実施例7:トランスジェニックマウスにおけるIL−1ra−Rポリペプチ
ドの発現) IL−1ra−Rポリペプチドの生物学的活性を評価するため、肝臓特異的A
poEプロモーターの制御下で、IL−1ra−Rポリペプチド/Fc融合タン
パク質をコードする構築物を調製する。この構築物の送達により、IL−1ra
−Rポリペプチドの機能に関する情報である、病理的変化を生じることが期待さ
れる。同様に、βアクチンプロモーターの制御下で、全長IL−1ra−Rポリ
ペプチドを含む構築物を調製する。この構築物の送達により、在性発現を生じ
ることが期待される。
【0339】 これらの構築物を生成するために、PCRを用いて、IL−1ra−Rポリペ
プチドをコードするテンプレートDNA配列を増幅する。このPCRには、所望
の配列の5’および3’末端に対応するプライマーを用いる。そしてこの配列は
、発現ベクター内への増幅産物の挿入を可能にするために制限酵素部位を組み込
む。増幅後、PCR産物をゲル精製し、適切な制限酵素で消化し、そして標準的
組み換えDNA技術を用いて発現ベクター中に連結する。例えば、増幅したIL
−1raRポリペプチド配列を、Grahamら、1997、Nature G
enetics,17:272〜74およびRayら,1991 Genes
Dev.5:2265〜73に記載のように、ヒトβアクチンプロモーターの制
御下で発現ベクター中にクローニングし得る。
【0340】 連結(ライゲーション)後、反応混合物を用いて、E.coli宿主株をエレ
クトロポレーションによって形質転換し、そして形質転換体を、薬物耐性で選択
する。選択したコロニー由来のプラスミドDNAを単離して、DNA配列決定に
供し、適切なインサートの存在および変異が存在しないことを確認する。IL−
1ra−Rポリペプチド発現ベクターを、2回のCsCl密度勾配遠心分離を通
じて精製し、適切な制限酵素で切断し、そして、IL−1ra−Rポリペプチド
導入遺伝子を含有する直線フラグメントを、ゲル電気泳動によって精製する。精
製したフラグメントを、5mM Tris(pH7.4)および0.2mM E
DTA中で、2mg/mLの濃度で、再懸濁する。
【0341】 BDF1×BDF1交配マウス由来の単一細胞胚を、記載(PCT公開番号W
O97/23614)のように注射する。胚を、COインキュベーター中で一
晩培養し、そして15〜20の2細胞胚を偽妊娠CD1雌性マウスの卵管に移す
。マイクロインジェクションした胚の着床から得た子孫を、以下のように、ゲノ
ムDNAサンプル中に取り込んだ導入遺伝子のPCR増幅でスクリーニングする
。耳切片を20mLの耳緩衝液(20mM Tris,pH8.0,10mM
EDTA、0.5% SDS、および500mg/mL プロテイナーゼK)中
で、55℃で一晩消化する。次いで、このサンプルを200mLのTEで希釈し
、そして2mLの耳サンプルを、適切なプライマーを用いるPCR反応中で用い
る。
【0342】 8週齢で、トランスジェニック創始動物およびコントロール動物を、剖検およ
び病理分析のため、屠殺する。脾臓の一部を取り出し、そしてTotal RN
A Extraction Kit(Qiagen)を用いて、脾臓から、総細
胞RNAを単離し、そして導入遺伝子発現を、RT−PCRによって決定する。
脾臓から回収したRNAを、以下のように、SuperScriptTMPre
amplification System(Gibco−BRL)を用いてc
DNAに変換する。適切なプライマー(発現ベクター配列に位置し、そしてIL
−1ra−Rポリペプチド導入遺伝子の3’である)を用いて、導入遺伝子転写
物からcDNA合成をプライムする。トランスジェニック創始動物およびコント
ロール由来の10mgの総脾臓RNAを、1mMのプライマーとともに、10分
間70℃でインキュベートし、そして氷上に置く。次いで、反応物に、10mM Tris−HCl、pH8.3、50mM KCl、2.5mM MgCl 、10mMの各dNTP、0.1mM DTT、および200UのSuperS
criptII逆転写酵素を補充する。42℃で50分間のインキュベーション
後、72℃で15分間加熱することによって反応を停止し、2UのRNase
Hを用いて20分間37℃で消化する。次いで、サンプルをIL−1ra−Rポ
リペプチドに特異的なプライマーを用いるPCRによって増幅する。
【0343】 (実施例8:トランスジェニックマウスにおけるIL−1ra−Rポリペプチ
ドの生物学的活性) 安楽死の前に、トランスジェニック動物を計量し、イソフルオロラン(iso
fluorane)によって麻酔し、そして心臓穿刺によって採血する。サンプ
ルを、血液学および血清化学分析に供する。X線撮影を、最終的な放血後に行う
。肉眼解剖の際に、主な内臓器官を、重量分析に供する。
【0344】 肉眼解剖後、組織(すなわち、肝臓、脾臓、膵臓、胃、胃腸管全体、腎臓、生
殖器官、皮膚および乳腺、骨、脳、心臓、肺、胸腺、気管、食道、甲状腺、副腎
、膀胱、リンパ節および骨格筋)を取出し、そして10%緩衝化Zn−ホルマリ
ン中で組織学的検査のために固定する。固定後、組織をパラフィンブロック中で
処理し、そして3mmの切片を得る。全ての切片を、ヘマトキシリンおよびエオ
シンで染色し、次いで組織学的分析に供する。
【0345】 トランスジェニックマウスおよびコントロールマウスの両方の脾臓、リンパ節
およびパイアー斑を、以下の通りにB細胞特異的抗体およびT細胞特異的抗体に
ついての免疫組織学的分析に供する。ホルマリンで固定したパラフィン包埋切片
を脱パラフィン処理し、そして脱イオン水中で水和する。切片を3%過酸化水素
でクエンチし、Protein Block(Lipshaw,Pittsbu
rgh,PA)でブロックし、そしてラットモノクローナル抗マウスB220お
よびCD3(Harlan,Indianapolis,IN)中でインキュベ
ートする。抗体結合を、色素原(chromagen)としてDAB(BioT
ek,Santa Barbara,CA)を用いて、ビオチン化ウサギ抗ラッ
ト免疫グロブリンおよびペルオキシダーゼ結合体化ストレプトアビジン(Bio
Genex,San Ramon,CA)によって検出する。切片を、ヘマトキ
シリンで対比染色する。
【0346】 剖検後、トランスジェニック動物およびコントロールの同腹仔由来の脾臓およ
び胸腺のMLNおよび切片を取出す。シリンジの平らな末端を用いて100mm
ナイロン性細胞ストレーナー(Becton Dickinson,Frank
lin Lakes,NJ)の底に対してこの組織を穏やかに粉砕することによ
って単細胞懸濁物を調製する。細胞を2回洗浄し、計数し、次いで各組織由来の
約1×10細胞を、20μL容量において0.5μg CD16/32(Fc
γIII/II)Fcブロックで10分間インキュベートする。次いで、サンプ
ルを、FITCまたはPEに結合体化した、CD90.2(Thy−1.2)、
CD45R(B220)、CD11b(Mac−1)、Gr−1、CD4または
CD8に対するモノクローナル抗体(PharMingen,San Dieg
o,CA)の0.5μg抗体を有する、100μL容量のPBS(Caおよび
Mgを欠く)、0.1%ウシ血清アルブミンおよび0.01%アジ化ナトリウ
ム中で2〜8℃で30分間染色する。抗体結合後、細胞を洗浄し、次いでFAC
Scan(Becton Dickinson)でのフローサイトメトリーによ
って分析する。
【0347】 (実施例9:IL−1ra−Rポリペプチドの機能化) IL−1ra−Rポリペプチドが、IL−1、IL−18または他のサイトカ
インに対する細胞応答に影響を与えるか否かを評価するために、以下の実験を行
った。最初に、マウスの骨髄細胞を、以前に記載されたとおりのレトロウイルス
感染(Yanら,1999,Exp.Hematol.27:1409−17)
によってIL−1ra−R遺伝子で形質導入した。次いで、形質導入された骨髄
を用いて、致死的に照射されたレシピエントマウスに移植した。造血が回復した
ら、IL−1ra−R形質導入マウスおよびコントロールマウス(すなわち、空
のレトロウイルスベクターで形質導入したマウス)由来の骨髄および脾臓細胞を
、一連の分析(FACS分析(図12)、コロニーアッセイ(図13A〜13B
)およびIL−12(図14)またはIL−12+IL−18(図15)のいず
れかに応じたγ−インターフェロン産生を含む)に供した。
【0348】 このデータは、IL−1ra−R遺伝子の発現が、脾臓中の造血前駆体の特定
のサブセット(最も顕著にはG−CSFはGM−CFCを誘導した;SCF/E
poはBFU−E/CFU−Mixを誘導した;そしてCSF−1はM−CFC
を誘導した)および骨髄中の造血前駆体の特定のサブセット(IL−3およびG
−CSFはGM−CFCを誘導した;SCF/EpoはBFU−E/CFU−M
ixを誘導し、そしてIL−3/EpoはGM−CFC/CFU−Mixを誘導
した)の相対量および/またはサイトカイン応答に影響を与えることを示唆する
【0349】 IL−1ra−Rポリペプチドの発現はまた、脾細胞上でのCD4およびNK
1.1の表面発現の減少と、ならびに脾細胞がIL−12単独またはIL−12
+IL−18に応じてγ−インターフェロンを産生する能力の減少と相関する。
【0350】 本発明を好ましい実施形態に関して記載してきたが、改変および修飾が当業者
に思い浮かぶことが理解される。それゆえ、添付の特許請求の範囲が、本願発明
の範囲内に入る全てのこのような均等な改変物を包含することが意図される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A〜1Bは、ヒトIL−1ra−R遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号
1)、およびヒトIL−1ra−Rポリペプチドの推定のアミノ酸配列(配列番
号2)を示す。
【図2】 図2A〜2Bは、ヒトIL−1ra−R遺伝子改変体のヌクレオチド配列(配
列番号3)、およびこの改変体によりコードされるヒトIL−1ra−Rポリペ
プチドの推定のアミノ酸配列(配列番号4)を示す。
【図3】 図3は、ヒトIL−1ra−Rスプライス改変体のヌクレオチド配列(配列番
号5)、およびこのスプライス改変体によりコードされるヒトIL−1ra−R
ポリペプチドの推定のアミノ酸配列(配列番号6)を示す。
【図4】 図4A〜4Bは、ヒトIL−1α(IL−1_alpha;配列番号7)、ヒ
トIL−1β(IL−1_beta;配列番号8)、ヒトIL−1レセプターア
ンタゴニスト(IL−1RA;配列番号9)、ヒトIL−δ(IL−1_del
ta;配列番号10)、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(IL−1ra−R
;配列番号2)、ヒトTango−77(Tango−77;配列番号11)、
ヒトZilla4(Zilla4;配列番号12)、ヒトIL−1ζ(IL−1
_zeta;配列番号13)、ヒトIL−1レセプターアンタゴニストβ(IL
−1RA_beta;配列番号14)、ヒトSPOIL II(spoil_I
I;配列番号15)、ヒトIL−1ε(IL−1_epsilon;配列番号1
6)、およびヒトIL−1η(IL−1_eta;配列番号17)のアミノ酸ア
ライメントを示す。
【図5】 図5は、IL−ra遺伝子ファミリーの系統学的相関を図で示す。
【図6】 図6は、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(Mature CS329)と
、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドの配列改変体(Mature CS329
改変体タンパク質)と、ヒトIL−1ra−Rポリペプチドのスプライス改変体
(Omega 329タンパク質)との間の相関を図で示す。
【図7】 図7は、マウスIL−1ra−R遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号35)
およびマウスIL−1ra−Rポリペプチドの推定アミノ酸配列(配列番号36
)を示す。
【図8】 図8は、ヒトIL−1ra−Rポリペプチド(huIL−1ra−R;配列番
号2)と、マウスIL−1ra−Rポリペプチド(muIL−1ra−R;配列
番号36)とのアミノ酸配列アライメントを示す。
【図9】 図9A−9Iは、マウスIL−1ra−R遺伝子(配列番号37)についての
ゲノムヌクレオチド配列を示す。エキソン1−4のコード部分の位置を示す(下
線)。
【図10】 図10A−10Cは、ノーザンブロット分析により検出される、マウス(図1
0A)およびヒト(図10B−10C)のIL−1ra−R mRNA発現を示
す。
【図11】 図11A〜11Bは、抗IL−1ra−R抗体を用いるウェスタンブロット分
析の結果を示す。
【図12】 図12は、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウイルスベクターを用いて 質導入 したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回
収した脾細胞および骨髄細胞のFACS分析の結果を示す。リンパの画分中の
細胞の割合を、示された細胞表面マーカーを用いる標準的FACS分析に供した
細胞について示す。
【図13A】 図13Aは、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて 形質導入 したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから
回収した脾細胞および骨髄細胞で行われたコロニーアッセイの結果を示す。形質
導入マウスおよびコントロールマウス由来の骨髄細胞および脾細胞を、標準的コ
ロニーアッセイ条件下で培養し、そしてコロニーを14日目に計数した。
【図13B】 図13Bは、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて 形質導入 したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから
回収した脾細胞および骨髄細胞で行われたコロニーアッセイの結果を示す。形質
導入マウスおよびコントロールマウス由来の骨髄細胞および脾細胞を、標準的コ
ロニーアッセイ条件下で培養し、そしてコロニーを14日目に計数した。
【図14】 図14は、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて 質導入 したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回
収した脾細胞におけるIL−12処置に対する応答としてのγ−インターフェロ
ンの産生を示す。馴化培地のサンプルを、IL−12(1ng/ml)の存在下
で48時間増殖させた培地(2×10細胞/ウェル/ml)から取り出し、そ
してIFN−γをELISAにより定量した。
【図15】 図15は、IL−1ra−R遺伝子を含むレトロウィルスベクターを用いて 質導入 したマウス骨髄細胞を移植した、致死照射したレシピエントマウスから回
収した脾細胞におけるIL−12およびIL−18処置に対する応答としてのγ
−インターフェロンの産生を示す。馴化培地のサンプルを、IL−12(1ng
/ml)およびIL−18(10ng/ml)の存在下で48時間増殖させた培
地(2×10細胞/ウェル/ml)から取り出し、そしてIFN−γをELI
SAにより定量した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図10】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13A
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図13A】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13B
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図13B】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 1/16 4C084 A61P 1/16 3/04 4C085 3/04 3/10 4C086 3/10 11/00 4H045 11/00 17/02 17/02 17/06 17/06 19/02 19/02 25/00 25/00 29/00 29/00 101 101 31/04 31/04 31/12 31/12 37/00 37/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 16/42 16/42 17/08 17/08 19/00 19/00 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 C12P 21/08 33/53 C12N 15/00 A // C12P 21/08 5/00 A B (31)優先権主張番号 60/194,521 (32)優先日 平成12年4月4日(2000.4.4) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/195,910 (32)優先日 平成12年4月10日(2000.4.10) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/724,583 (32)優先日 平成12年11月28日(2000.11.28) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ム, シャロン エックス. アメリカ合衆国 カリフォルニア 91362, サウザンド オークス, リッカード ドライブ 2954 (72)発明者 シァ, ミン アメリカ合衆国 カリフォルニア 91320, ニューベリー パーク, カジェ ブエ ナ ヴィスタ 3946 (72)発明者 バス, マイケル ブライアン アメリカ合衆国 カリフォルニア 91360, サウザンド オークス, エヌ. マリ アン アベニュー 1743 (72)発明者 クラヴェイロ, ロジャー アメリカ合衆国 カリフォルニア 91360, サウザンド オークス, イースト ウ ィルバー ロード 384, アパートメン ト 203 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 BA13 BB03 BB20 CB01 CB21 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB03 FB04 FB07 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 CA12 DA02 DA03 GA13 HA11 HA17 4B063 QA18 QQ08 QQ79 QR48 QR77 4B064 AG01 AG27 CA19 CA20 CC24 CE06 CE12 DA01 DA15 4B065 AA26X AA90X AA90Y AA93X AA93Y AB01 BA05 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 AA17 BA22 BA35 CA53 CA56 MA52 MA55 MA66 NA14 ZA011 ZA591 ZA701 ZA751 ZA891 ZA961 ZB071 ZB111 ZB151 ZB331 ZB351 ZC351 ZC781 4C085 AA38 EE06 FF24 GG01 GG08 4C086 AA01 AA02 EA16 MA52 MA55 MA66 NA14 ZA01 ZA59 ZA75 ZA89 ZA96 ZB07 ZB11 ZB15 ZB33 ZB35 ZC35 ZC78 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 BA57 CA45 DA75 EA29 EA53 FA74 GA10 GA26

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、または配列番号35のいずれか
    に示されるヌクレオチド配列; (b)ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサートのヌクレオチ
    ド配列; (c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
    に示されるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (d)(a)〜(c)のいずれかの相補体に、中程度または高度にストリンジ
    ェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;および (e)(a)〜(c)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
    に示されるポリペプチドに少なくとも約70%同一であるポリペプチドをコード
    するヌクレオチド配列であって、ここで、該コードされたポリペプチドは、配列
    番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポ
    リペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれ
    かに示されるヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNA
    インサートのヌクレオチド配列、または(a)の、対立遺伝子改変体またはスプ
    ライス改変体をコードするヌクレオチド配列; (c)少なくとも約25アミノ酸残基のポリペプチドフラグメントをコードす
    る、配列番号1、配列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかの
    ヌクレオチド配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサート、
    (a)または(b)の領域であって、ここで、該ポリペプチドフラグメントは、
    配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号36のいずれかに示さ
    れるコードされたポリペプチドの活性を有するか、または抗原性である、領域; (d)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む、配列番号1、配
    列番号3、配列番号5、もしくは配列番号35のいずれかのヌクレオチド配列、
    ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサート、または(a)〜(c
    )いずれかの領域; (e)中程度または高度にストリンジェントな条件下で、(a)〜(d)のい
    ずれかの相補体にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列;ならびに (f)(a)〜(d)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 単離された核酸分子であって、以下; (a)少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する配列番号2、配列番号4
    、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコード
    するヌクレオチド配列であって、ここで、該コードされたポリペプチドは、配列
    番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポ
    リペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する配列番号2、配列番号4、配列
    番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌ
    クレオチド配列であって、ここで、該コードされたポリペプチドは、配列番号2
    、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプ
    チドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する配列番号2、配列番号4、配列
    番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコードするヌ
    クレオチド配列であって、ここで、該コードされたポリペプチドは、配列番号2
    、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプ
    チドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する配列番号2、配列番号4
    、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドをコード
    するヌクレオチド配列であって、ここで、該コードされたポリペプチドは、配列
    番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポ
    リペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、およびN末
    端短縮からなる群より選択される少なくとも1つの改変を有する配列番号2、配
    列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチド
    をコードするヌクレオチド配列であって、ここで、該コードされたポリペプチド
    は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示
    されるポリペプチドの活性を有する、ヌクレオチド配列; (f)少なくとも約16ヌクレオチドのフラグメントを含む(a)〜(e)の
    いずれかのヌクレオチド配列; (g)中程度または高度にストリンジェントな条件下で、(a)〜(f)のい
    ずれかの相補体にハイブリダイズする、ヌクレオチド配列;ならびに (h)(a)〜(e)のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、 からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3のいずれかに記載の核酸
    分子を含む、ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  6. 【請求項6】 真核生物細胞である、請求項5に記載の宿主細胞。
  7. 【請求項7】 原核生物細胞である、請求項5に記載の宿主細胞。
  8. 【請求項8】 IL−1ra−Rポリペプチドを産生するためのプロセスで
    あって、該ポリペプチドを発現するために適切な条件下で請求項5に記載の宿主
    細胞を培養する工程、および必要に応じて、該培養物から該ポリペプチドを単離
    する工程を包含する、プロセス。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のプロセスによって産生される、ポリペプチ
    ド。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のプロセスであって、ここで、前記核酸分
    子が、IL−1ra−RポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結され
    た、ネイティブなIL−1ra−Rポリペプチドに対するプロモーターDNA以
    外のプロモーターDNAを含む、プロセス。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載の単離された核酸分子であって、ここで、
    前記パーセント同一性は、GAP、BLASTN、FASTA、BLASTA、
    BLASTX、BestFit、およびSmith−Watermanアルゴリ
    ズムからなる群より選択されるコンピュータープログラムを用いて決定される、
    単離された核酸分子。
  12. 【請求項12】 化合物がIL−1ra−Rポリペプチド活性またはIL−
    1ra−Rポリペプチド産生を阻害するか否かを決定するためのプロセスであっ
    て、請求項5、請求項6、または請求項7のいずれかに記載の細胞を該化合物に
    曝露する工程、および該細胞におけるIL−1ra−Rポリペプチド活性または
    IL−1ra−Rポリペプチド産生を測定する工程を包含する、プロセス。
  13. 【請求項13】 単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
    に示されるアミノ酸配列;および (b)ATCC受託番号PTA−1423中のDNAインサートによってコー
    ドされるアミノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  14. 【請求項14】 単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
    のオルソログに対するアミノ酸配列; (b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
    のアミノ酸配列に少なくとも約70%同一であるアミノ酸配列であって、ここで
    、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
    6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (c)少なくとも約25アミノ酸残基を含む配列番号2、配列番号4、配列番
    号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列のフラグメントで
    あって、ここで、該フラグメントは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、ま
    たは配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有するか、または
    抗原性である、フラグメント;ならびに (d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、もしくは配列番号36のいずれ
    かに示されるアミノ酸配列、ATCC受託番号PTA−1423中のDNAイン
    サートによってコードされるアミノ酸配列、(a)、または(b)の、対立遺伝
    子改変体またはスプライス改変体のアミノ酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  15. 【請求項15】 単離されたポリペプチドであって、以下: (a)少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する配列番号2、配列番号4
    、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって
    、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配
    列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (b)少なくとも1つのアミノ酸挿入を有する配列番号2、配列番号4、配列
    番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここ
    で、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
    36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (c)少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する配列番号2、配列番号4、配列
    番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって、ここ
    で、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号
    36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列; (d)C末端短縮および/またはN末端短縮を有する配列番号2、配列番号4
    、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列であって
    、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配
    列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ酸配列;
    ならびに (e)アミノ酸置換、アミノ酸挿入、アミノ酸欠失、C末端短縮、およびN末
    端短縮からなる群より選択される少なくとも1つの改変を有する配列番号2、配
    列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれかに示されるアミノ酸配列
    であって、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、
    または配列番号36のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、アミノ
    酸配列、 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  16. 【請求項16】 請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかの核酸分
    子によってコードされる単離されたポリペプチドであって、ここで、該ポリペプ
    チドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号36のいずれか
    に示されるポリペプチドの活性を有する、単離されたポリペプチド。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の単離されたポリペプチドであって、こ
    こで、前記パーセント同一性は、GAP、BLASTP、FASTA、BLAS
    TA、BLASTX、BestFit、およびSmith−Watermanア
    ルゴリズムからなる群より選択されるコンピュータープログラムを用いて決定さ
    れる、単離されたポリペプチド。
  18. 【請求項18】 請求項13、請求項14、請求項15、請求項55、また
    は請求項56のいずれかに記載のポリペプチドに特異的に結合する、選択的結合
    因子またはそのフラグメント。
  19. 【請求項19】 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
    6のいずれかに示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはそのフラグメン
    トに特異的に結合する、請求項18に記載の選択的結合因子またはそのフラグメ
    ント。
  20. 【請求項20】 抗体またはそのフラグメントである、請求項18に記載の
    選択的結合因子。
  21. 【請求項21】 ヒト化抗体である、請求項18に記載の選択的結合因子。
  22. 【請求項22】 ヒト抗体またはそのフラグメントである、請求項18に記
    載の選択的結合因子。
  23. 【請求項23】 ポリクローナル抗体またはそのフラグメントである、請求
    項18に記載の選択的結合因子。
  24. 【請求項24】 モノクローナル抗体またはそのフラグメントである、請求
    項18に記載の選択的結合因子。
  25. 【請求項25】 キメラ抗体またはそのフラグメントである、請求項18に
    記載の選択的結合因子。
  26. 【請求項26】 CDR移植抗体またはそのフラグメントである、請求項1
    8に記載の選択的結合因子。
  27. 【請求項27】 抗イディオタイプ抗体またはそのフラグメントである、請
    求項18に記載の選択的結合因子。
  28. 【請求項28】 可変領域フラグメントである、請求項18記載の選択的結
    合因子。
  29. 【請求項29】 FabフラグメントまたはFab’フラグメントである、
    請求項28に記載の可変領域フラグメント。
  30. 【請求項30】 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
    6のいずれかのアミノ酸配列を有するポリペプチドに特異性を有する少なくとも
    1つの相補性決定領域を含む、選択的結合因子またはそのフラグメント。
  31. 【請求項31】 検出可能標識に結合される、請求項18に記載の選択的結
    合因子。
  32. 【請求項32】 IL−1ra−Rポリペプチドの生物学的活性を拮抗する
    、請求項18に記載の選択的結合因子。
  33. 【請求項33】 IL−1ra−Rポリペプチド関連の疾患、状態、または
    障害を、処置、予防、または改善するための方法であって、有効量の請求項18
    に記載の選択的結合因子を患者に投与する工程を包含する、方法。
  34. 【請求項34】 配列番号2、配列番号4、配列番号6、または配列番号3
    6のいずれかのアミノ酸配列を含むポリペプチドで動物を免疫することによって
    産生される、選択的結合因子。
  35. 【請求項35】 請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかに記載の
    ポリペプチドを結合し得る選択的結合因子を産生する、ハイブリドーマ。
  36. 【請求項36】 請求項18に記載の抗IL−1ra−R抗体またはフラグ
    メントを用いて、IL−1ra−Rポリペプチドの量を検出または定量する方法
  37. 【請求項37】 請求項13、請求項14、請求項15、請求項55、また
    は請求項56のいずれかのポリペプチド、および薬学的に受容可能な処方剤を含
    む、組成物。
  38. 【請求項38】 前記薬学的に受容可能な処方剤が、キャリア、アジュバン
    ト、溶解剤、安定剤、または抗酸化剤である、請求項37に記載の組成物。
  39. 【請求項39】 請求項13、請求項14、請求項15、請求項55、また
    は請求項56のいずれかのポリペプチドの誘導体を含む、ポリペプチド。
  40. 【請求項40】 水溶性ポリマーを用いて共有結合的に改変された、請求項
    39に記載のポリペプチド。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載のポリペプチドであって、ここで、前記
    水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコール、モノメトキシポリエチレングリコ
    ール、デキストラン、セルロース、ポリ−(N−ビニルピロリドン)ポリエチレ
    ングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/
    エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、およびポリビニ
    ルアルコールからなる群より選択される、ポリペプチド。
  42. 【請求項42】 請求項1、請求項2または請求項3のいずれかの核酸分子
    および薬学的に受容可能な処方剤を含む、組成物。
  43. 【請求項43】 前記核酸分子が、ウイルスベクター中に含まれる、請求項
    42に記載の組成物。
  44. 【請求項44】 請求項1、請求項2または請求項3のいずれかの核酸分子
    を含む、ウイルスベクター。
  45. 【請求項45】 異種アミノ酸配列に融合された、請求項13、請求項14
    、請求項15、請求項55、または請求項56のいずれかのポリペプチドを含む
    、融合ポリペプチド。
  46. 【請求項46】 前記異種アミノ酸配列が、IgG定常ドメインまたはその
    フラグメントである、請求項45に記載の融合ポリペプチド。
  47. 【請求項47】 医学状態を、処置、予防、または改善するための方法であ
    って、請求項13、請求項14、請求項15、請求項55、もしくは請求項56
    のいずれかのポリペプチド、または請求項1、請求項2、もしくは請求項3のい
    ずれかの核酸によってコードされるポリペプチドを患者に投与する工程を包含す
    る、方法。
  48. 【請求項48】 被験体において病的状態または病的状態に対する感受性を
    診断する方法であって、以下: (a)サンプル中の、請求項13、請求項14、請求項15、請求項55、も
    しくは請求項56のいずれかのポリペプチド、または請求項1、請求項2、もし
    くは請求項3のいずれかの核酸によってコードされるポリペプチドの、発現の存
    在または発現量を決定する工程;および (b)該ポリペプチドの発現の存在または発現量に基づいて、病的状態または
    病的状態に対する感受性を診断する工程、 を包含する、方法。
  49. 【請求項49】 デバイスであって、以下: (a)移植に適した膜;および (b)該膜内にカプセル化された細胞であって、該細胞は、請求項13、請求
    項14、請求項15、請求項55、もしくは請求項56のいずれかのタンパク質
    を分泌する、細胞; を備え、 該膜は、該タンパク質に対して透過性であり、そして該細胞に有害な物質に対
    して不透過性である、デバイス。
  50. 【請求項50】 IL−1ra−Rポリペプチドに結合する化合物を同定す
    る方法であって、以下: (a)請求項13、請求項14、請求項15、請求項55、もしくは請求項5
    6のいずれかのポリペプチドを、化合物と接触させる工程;および (b)該化合物に対する該IL−1ra−Rポリペプチドの結合の程度を決定
    する工程、 を包含する、方法。
  51. 【請求項51】 前記化合物に結合した場合に、前記ポリペプチドの活性を
    決定する工程をさらに包含する、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 動物においてポリペプチドのレベルを調節する方法であっ
    て、請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかの核酸分子を該動物に投与
    する工程を包含する、方法。
  53. 【請求項53】 請求項1、請求項2、または請求項3のいずれかの核酸分
    子を含む、トランスジェニック非ヒト哺乳動物。
  54. 【請求項54】 化合物がIL−1ra−Rポリペプチド活性またはIL−
    1ra−Rポリペプチド産生を阻害するか否かを決定するためのプロセスであっ
    て、請求項53に記載のトランスジェニック哺乳動物を該化合物に曝露する工程
    、および該哺乳動物におけるIL−1ra−Rポリペプチド活性またはIL−1
    ra−Rポリペプチド産生を測定する工程を包含する、プロセス。
  55. 【請求項55】 単離されたポリペプチドであって、以下: 2位のアルギニン;3位のアラニン、リジン、またはアルギニン;7位のセリン
    ;8位のリジン;9位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン、またはセ
    リン;10位のシステインまたはフェニルアラニン;13位のアルギニンまたは
    トリプトファン;15位のセリン;18位のアルギニン;19位のセリンまたは
    トレオニン;21位のトレオニン;23位のセリン;34位のアルギニン;37
    位のチロシン、セリン、またはアルギニン;38位のリジン、アルギニン、トレ
    オニン、またはセリン;41位のトレオニン;43位のセリン、フェニルアラニ
    ン、またはアラニン;44位のアラニン;48位のセリンまたはリジン;52位
    のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;53位のセリン;54位の
    セリン;58位のアラニンまたはチロシン;65位のリジン;66位のフェニル
    アラニン;67位のチロシン;69位のセリン、チロシン、またはフェニルアラ
    ニン;73位のリジンまたはセリン;78位のトレオニンまたはアルギニン;9
    0位のセリンまたはアラニン;91位のアラニン;96位のセリン;97位のリ
    ジンまたはアルギニン;98位のリジンまたはセリン;100位のアラニン;1
    02位のチロシン;104位のアルギニンまたはアラニン;105位のリジン;
    106位のトレオニン;108位のアルギニン;109位のリジン、トレオニン
    、またはトリプトファン;110位のトレオニンまたはセリン;111位のセリ
    ン;114位のセリン;116位のセリン;117位のフェニルアラニン、シス
    テイン、またはチロシン;121位のチロシン;123位のセリンまたはアラニ
    ン;126位のシステイン、セリン、またはトレオニン;136位のセリン;1
    38位のフェニルアラニンまたはアルギニン;141位のトレオニン、アルギニ
    ン、またはアラニン;142位のリジンまたはチロシン;143位のトリプトフ
    ァンまたはトレオニン;145位のアラニン;147位のトレオニンまたはセリ
    ン;151位のシステイン;および152位のセリン、システイン、またはフェ
    ニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する
    配列番号1または配列番号3のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む単離され
    たポリペプチドであって、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4
    、または配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、 単離されたポリペプチド。
  56. 【請求項56】単離されたポリペプチドであって、以下: 21位のアルギニン;22位のアラニン、リジン、またはアルギニン;26位の
    セリン;27位のリジン;28位のアラニン、システイン、リジン、トレオニン
    、またはセリン;29位のシステインまたはフェニルアラニン;32位のアルギ
    ニンまたはトリプトファン;34位のセリン;37位のアルギニン;38位のセ
    リンまたはトレオニン;40位のトレオニン;42位のセリン;53位のアルギ
    ニン;56位のチロシン、セリン、またはアルギニン;57位のリジン、アルギ
    ニン、トレオニン、またはセリン;60位のトレオニン;62位のセリン、フェ
    ニルアラニン、またはアラニン;63位のアラニン;67位のセリンまたはリジ
    ン;71位のアラニン、トレオニン、またはフェニルアラニン;72位のセリン
    ;73位のセリン;77位のアラニンまたはチロシン;84位のリジン;85位
    のフェニルアラニン;86位のチロシン;88位のセリン、チロシン、またはフ
    ェニルアラニン;92位のリジンまたはセリン;97位のトレオニンまたはアル
    ギニン;109位のセリンまたはアラニン;110位のアラニン;115位のセ
    リン;116位のリジンまたはアルギニン;117位のリジンまたはセリン;1
    19位のアラニン;121位のチロシン;123位のアルギニンまたはアラニン
    ;124位のリジン;125位のトレオニン;127位のアルギニン;128位
    のリジン、トレオニン、またはトリプトファン;129位のトレオニンまたはセ
    リン;130位のセリン;133位のセリン;135位のセリン;136位のフ
    ェニルアラニン、システイン、またはチロシン;140位のチロシン;142位
    のセリンまたはアラニン;145位のシステイン、セリン、またはトレオニン;
    155位のセリン;157位のフェニルアラニンまたはアルギニン;160位の
    トレオニン、アルギニン、またはアラニン;161位のリジンまたはチロシン;
    162位のトリプトファンまたはトレオニン;164位のアラニン;166位の
    トレオニンまたはセリン;170位のシステイン;および171位のセリン、シ
    ステイン、またはフェニルアラニンからなる群より選択される少なくとも1つの
    アミノ酸置換を有する配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む単離されたポリ
    ペプチドであって、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、また
    は配列番号6のいずれかに示されるポリペプチドの活性を有する、 単離されたポリペプチド。
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