JP2003517999A - 親水性ソマトスタチン類似体 - Google Patents

親水性ソマトスタチン類似体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は毒性標識または非毒性標識によって容易に標識されうる新規ソマトスタチン類似体を特徴とする。これらの非標識化類似体および標識化類似体はソマトスタチン受容体を有する細胞、特に特定の新生物細胞の特異的な標的化に対し有用である。標識した類似体は、例えば腫瘍の位置決めおよび検出に有用である。毒性標識で標識された場合(例えば、放射性)、この類似体はソマトスタチン受容体を有する細胞、特に新生物細胞への毒物の標的送達に対し有用である。腫瘍の治療および検出のための方法、ならびにソマトスタチン受容体を有する細胞の画像化の方法も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、例えばソマトスタチン受容体発現細胞、特に新生物細胞の検出、画
像化または特異的標的化において使用される、ソマトスタチン類似体に関する。
【0002】 ソマトスタチン(SRIF)は成長ホルモン(GH)分泌制御因子として働く内在性
神経ペプチドである。ソマトスタチンはさらに、他の脳下垂体ホルモン(すなわ
ち、甲状腺刺激ホルモン、プロラクチン)の放出を阻害し、胃腸膵管系の外分泌
機能および内分泌機能の両方を抑制する。天然型ヒトSRIFは以下のようなアミノ
酸配列(アミノ末端からカルボキシル末端)を有する:Ala-Gly-c[Cys-Lys-Asn
-Phe-Phe-Trp-Lys-Thr-Phe-Thr-Ser-Cys]。
【0003】 少なくとも5タイプのソマトスタチン受容体が存在することが知られており、
脳および末梢組織内の細胞において発現する。加えて、ソマトスタチン受容体は
、カルチノイド、島細胞腫瘍、小細胞肺腫瘍、CNS(神経内分泌)腫瘍および幾
つかの甲状腺癌を含む、特定の型の腫瘍に存在する。少なくともソマトスタチン
の生物学的作用のいくつかは、ある特定のタイプの受容体にソマトスタチンが結
合することに関連している(例えば、5型ソマトスタチン受容体への結合は、2型
ソマトスタチン受容体への結合によるものとは異なる生物応答を引き起こす)。
【0004】発明の概要 一般に、本発明は、例えば放射性標識によって容易に検出可能に標識されうる
新規のソマトスタチン類似体を特徴とする。該類似体は、手術中の腫瘍の位置決
め、ならびにソマトスタチン受容体を有する細胞の画像化および該細胞への毒性
(例えば、放射性)の特異的な標的化に有用である。
【0005】 従って、第一の局面において、本発明は、W-X-(A-B)n-ソマトスタチンペプチ
ドの式を有するソマトスタチン類似体を特徴とする: 式中、AはD-チロシン、L-チロシン、D-3-ヨードチロシン、L-3-ヨードチロシ
ン、D-3,5-二ヨードチロシン、L-3,5-二ヨードチロシン、D-4-アミノフェニルア
ラニン、またはL-4-アミノフェニルアラニンであり;BはD-リジン、L-リジン、D
-アルギニン、L-アルギニン、D-もしくはL-1,3-二アミノプロピオン酸、D-もし
くはL-1,4-二アミノブタン酸、D-NH2-CH(Z)-CO2H、またはL-NH2-CH(Z)-CO2Hであ
って、ただしZは(CH2)yNH2であり、yは1〜10であり;XはAまたはBであり;Wは存
在しないか、またはNH2(CH2)t COであって、ただしt=2〜10であり;nは1〜10で
あり;各(A-B)は個々の他の(A-B)と同一または異なるものであってもよい。好ま
れる態様の一つとして、類似体は検出可能な標識に結合している。検出可能な標
識は、毒性(例えば放射能)または非毒性であり得る。
【0006】 本発明における第一の局面の別の態様として、類似体は検出可能な標識に間接
的に結合する。例えば、類似体は検出可能な標識に結合したキレート基に結合さ
れ得る。
【0007】 本発明における第一の局面の別の態様として、類似体は検出可能な標識に直接
的に結合している。
【0008】 第一の局面の別の態様として、検出可能な標識は、類似体のチロシン残基また
はフェニルアラニン残基に結合するヨウ素標識である。ヨウ素標識は放射性であ
ってもよい(例えば、123I(t1/2=数時間)または131I(t1/2=数日)のような、短時
間作用性の放射性ヨウ素標識)。好ましくは、類似体がチロシン残基を含み、ま
た類似体のヨードチロシン残基は酵素的脱ヨウ素化反応を受けない。さらに好ま
しくは、このチロシン残基がD-チロシン残基であり、D-ヨードチロシン残基は酵
素的脱ヨウ素化反応を受けない。
【0009】 第一の局面のその他の様態として、類似体は類似体のソマトスタチンペプチド
の生物活性と等価またはそれ以上の生物活性を有しており;類似体は抗新生物治
療法に使用され、類似体は薬学的に許容される担体中にあり、類似体は新生血管
またはその細胞を特異的に標的化するために使用され;類似体はこれと特異的に
結合する受容体を発現する細胞の画像化のために使用され;また類似体はこれと
特異的に結合する受容体を発現する細胞の検出のために使用される(例えば、類
似体は手術中の腫瘍の位置決めのために使用される)。
【0010】 第二の局面において、本発明は以下の段階を含む、動物における新生物を治療
または緩和するための方法を特徴とする: (a)ソマトスタチン受容体を有する新生物細胞を含む動物を供給する段階; (b)下記の式を有する、ソマトスタチン受容体と特異的に結合するソマトスタチ
ン類似体を提供する段階; W-X-(A-B)n-ソマトスタチンペプチド 式中、AはD-チロシン、L-チロシン、D-3-ヨードチロシン、L-3-ヨードチロシ
ン、D-3,5-二ヨードチロシン、L-3,5-二ヨードチロシン、D-4-アミノフェニルア
ラニン、またはL-4-アミノフェニルアラニンであり;BはD-リジン、L-リジン、D
-アルギニン、L-アルギニン、D-もしくはL-1,3-二アミノプロピオン酸、D-もし
くはL-1,4-二アミノブタン酸、D-NH2-CH(Z)-CO2H、またはL-NH2-CH(Z)-CO2Hであ
り、ただしZは(CH2)yNH2であり、yは1〜10であり;XはAまたはBであり;Wは存在
しないか、またはNH2(CH2)t COであり、ただしt=2〜10であり、nは1〜10であり
;および各(A-B)は個々の他の(A-B)と同一または異なっていてもよい;ならびに
(c)動物へ新生物細胞成長抑止量のソマトスタチン類似体を投与する段階。好ま
しくは、該動物は哺乳動物である(例えば、ヒト)。
【0011】 第三の局面において、本発明は以下の段階を含む、動物における新生物を治療
または緩和するための方法を特徴とする: (a)ソマトスタチン受容体を有する新生物細胞を含む動物を提供する段階; (b)検出可能に標識されたソマトスタチン類似体を提供する段階であって、検出
可能な標識が毒性であり、下記の式を有する、ソマトスタチン受容体と特異的に
結合するようなソマトスタチン類似体を提供する段階; W-X-(A-B)n-ソマトスタチンペプチド 式中、AはD-チロシン、L-チロシン、D-3-ヨードチロシン、L-3-ヨードチロシ
ン、D-3,5-二ヨードチロシン、L-3,5-二ヨードチロシン、D-4-アミノフェニルア
ラニン、またはL-4-アミノフェニルアラニンであり;BはD-リジン、L-リジン、D
-アルギニン、L-アルギニン、D-もしくはL-1,3-二アミノプロピオン酸、D-もし
くはL-1,4-二アミノブタン酸、D-NH2-CH(Z)-CO2H、またはL-NH2-CH(Z)-CO2Hであ
り、ただしZは(CH2)yNH2であり、yは1〜10であり;XはAまたはBであり;Wは存在
しないか、またはNH2(CH2)t COであり、ただしt=2〜10であり、nは1〜10であり
;および各(A-B)は個々の他の(A-B)と同一または異なっていてもよい;ならびに
(c)動物へ新生物細胞成長抑止量のソマトスタチン類似体を投与する段階。好ま
しくは、該動物は哺乳動物である(例えば、ヒト)。
【0012】 第四の局面において、本発明は以下の段階を含む、動物におけるソマトスタチ
ン受容体を有する細胞の画像化のための方法を特徴とする: (a)ソマトスタチン受容体を有する細胞を含む動物を提供する段階; (b)検出可能に標識されたソマトスタチン類似体を提供する段階であって、下記
の式を有し、ソマトスタチン受容体と特異的に結合するようなソマトスタチン類
似体を提供する段階; W-X-(A-B)n-ソマトスタチンペプチド 式中、AはD-チロシン、L-チロシン、D-3-ヨードチロシン、L-3-ヨードチロシ
ン、D-3,5-二ヨードチロシン、L-3,5-二ヨードチロシン、D-4-アミノフェニルア
ラニン、またはL-4-アミノフェニルアラニンであり;BはD-リジン、L-リジン、D
-アルギニン、L-アルギニン、D-もしくはL-1,3-二アミノプロピオン酸、D-もし
くはL-1,4-二アミノブタン酸、D-NH2-CH(Z)-CO2H、またはL-NH2-CH(Z)-CO2Hであ
り、ただしZは(CH2)yNH2であり、yは1〜10であり;XはAまたはBであり;Wは存在
しないか、またはNH2(CH2)t COであり、ただしt=2〜10であり、nは1〜10であり
;および各(A-B)は個々の他の(A-B)と同一または異なっていてもよい;ならびに
(c)該細胞の画像化が可能となるように該動物へソマトスタチン類似体を投与す
る段階。好ましくは、該動物は哺乳動物である(例えば、ヒト)。
【0013】 第五の局面において、本発明は動物における、以下の段階を含む、異常に高レ
ベルのソマトスタチン受容体を発現する細胞の検出のための方法を特徴とする: (a)異常に高レベルなソマトスタチン受容体を発現する細胞を含む動物を供給す
る段階; (b)検出可能に標識されたソマトスタチン類似体を提供する段階であって、下記
の式を有する、ソマトスタチン受容体と特異的に結合するようなソマトスタチン
類似体を提供する段階; W-X-(A-B)n-ソマトスタチンペプチド 式中、AはD-チロシン、L-チロシン、D-3-ヨードチロシン、L-3-ヨードチロシ
ン、D-3,5-二ヨードチロシン、L-3,5-二ヨードチロシン、D-4-アミノフェニルア
ラニン、またはL-4-アミノフェニルアラニンであり;BはD-リジン、L-リジン、D
-アルギニン、L-アルギニン、D-もしくはL-1,3-二アミノプロピオン酸、D-もし
くはL-1,4-二アミノブタン酸、D-NH2-CH(Z)-CO2H、またはL-NH2-CH(Z)-CO2Hであ
り、ただしZは(CH2)yNH2であり、yは1〜10であり;XはAまたはBであり;Wは存在
しないか、またはNH2(CH2)t COであり、ただしt=2〜10であり、nは1〜10であり
;および各(A-B)は個々の他の(A-B)と同一または異なっていてもよい;ならびに
(c)該細胞の検出が可能となるように該動物へソマトスタチン類似体を投与する
段階。好ましくは、該動物は哺乳動物である(例えば、ヒト)。
【0014】 本発明に従って、「ソマトスタチンペプチド」とは、少なくとも1つの天然型
ソマトスタチンの生物活性を有するソマトスタチン類似体を意味し、好ましくは
、この活性はソマトスタチン受容体を有する細胞上のソマトスタチン受容体に特
異的に結合する能力である。生物活性を有する多くのこのような類似体が知られ
ており、例えば、ホーニック(Hornik)ら、米国特許第5,770,687号(1998年6月
23日公布);コーイ(Coy)ら、米国特許第5,708,135号(1998年1月13日公布)
;ホーガー(Hoeger)ら、米国特許第5,750,499号(1998年5月12日公布);マッ
クブライド(McBride)ら、米国特許第5,620,675号(1997年4月15日公布);コ
ーイ(Coy)ら、米国特許第5,633,263号(1997年5月27日公布);コーイ(Coy)
ら、米国特許第5,597,894号(1997年1月28日公布);テイラー(Taylor)ら、米
国特許第5,073,541号(1991年12月17日公布);コーイ(Coy)ら、米国特許第4,
904,642号(1990年2月27日公布);およびA.E.ボグデン(A. E. Bogden)、米国
特許第5,411,943号(1995年5月2日公布)に開示されており、これらは参照とし
て本明細書に組み入れられる。
【0015】 「特異的に結合する」とは天然に蛋白質を含む試料(例えば、生物試料)中で
ソマトスタチン受容体結合することを意味し、他の分子へ実質的に結合すること
を意味するものではない。好ましくは、ある化合物が特異的にある一つのソマト
スタチン受容体(例えば、4型ソマトスタチン受容体)に結合するが、第2の型の
ソマトスタチン受容体(例えば、5型ソマトスタチン受容体)には実質的に結合
しない。ある細胞がソマトスタチン受容体を発現しており、本発明の類似体が特
異的にこれと結合する場合に、類似体はその細胞を特異的に標的化することがで
きる。好ましくは、特異的に標的化された細胞は、他の非特異的に標的化された
細胞よりも、特異的に結合するソマトスタチン受容体を高レベルに発現している
。例えば、ある類似体によって特異的に標的化された新生物性肝細胞は、好まし
くは、該類似体が特異的に結合するようなソマトスタチン受容体を正常(即ち、
非新生物性)肝細胞よりも高レベルに発現している。
【0016】 「細胞増殖抑止量」とは細胞に投与した場合に、被投与細胞の成長抑制を引き
起こす化合物(例えば、ソマトスタチン類似体)の量を意味する。このような量
により細胞分裂が抑制され、被投与細胞の質量もしくは容積の減少を引き起こし
、または細胞死を誘導する可能性がある(例えば、アポトーシスの誘導による、
または直接に細胞毒性となることによる)。
【0017】 「検出可能な標識」とは、アミノ酸残基に結合する場合に、その標識されたア
ミノ酸残基(およびそのアミノ酸残基を含むペプチド)を検出可能にする任意の
型の標識を意味する。検出可能な標識は毒性または非毒性とすることができ、且
つ非制限的に以下のような属性を1つまたは複数有することができる:蛍光、呈
色、毒性(例えば放射能、例として、γ線放射性核種、β線放射性核種、α線放
射性核種、もしくは陽電子線放射核種)、放射線感受性、または光感受性。検出
可能な標識を本発明の類似体のアミノ酸残基に直接的に結合させることができる
が、例えば類似体のアミノ酸残基に結合している(例えば、共有結合を介して結
合させた、または間接的に結合させた)キレート基と複合体を形成させることに
より、検出可能な標識を間接的に結合させることもできる。検出可能な標識を、
第二の分子に特異的に結合する能力を有する標識によって、間接的に類似体に結
合させることも可能である。間接的に結合しているこの型の標識の一つの例とし
てはビオチン標識があり、第二の分子ストレプトアビジンに特異的に結合するこ
とができる。中性子捕獲を可能とする部分に第二分子を結合させることもできる
(例えば、Kahlら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87、7265〜7269頁、1990年 に
記載されているようなホウ素ケージ)。
【0018】 検出可能な標識をGd3+、Fe3+、Mn3+、もしくはCr2+のような重元素もしくは希
土類イオンから得られる金属イオンとすることもできる。好ましい検出可能な放
射性標識は、本発明の類似体中にある各チロシンまたは4-アミノ-フェニルアラ
ニン残基に結合が可能な、短時間作用性放射性ヨウ素標識(例えば、123Iまたは 131 I)である。好ましい非放射性の検出可能な標識はNH2末端アミノ酸残基に結
合が可能な多数の既知色素がある。
【0019】 検出可能な標識に関して、「毒性」とは、本発明の類似体に結合させた場合に
、検出可能に標識された類似体に特異的に結合する受容体を有する細胞に悪影響
を及ぼす能力を検出可能に標識された類似体に与えるような検出可能な標識を意
味する。本明細書に記載された類似体に間接的または直接的に結合することので
きる、好ましい毒性の検出可能な標識例としてはリシン、ジフテリア毒素、なら
びに放射性の検出可能な標識(例えば、131I、123I、125I、111In、195Pt、193P
t、および90Y)が含まれる。毒性の検出可能な標識はまた、本発明のソマトスタ
チン類似体に直接的もしくは間接的に結合する化学療法剤(例えば、5-フルオロ
ウラシルもしくはアドリアマイシン)、または放射線感受性剤(例えば、タキソ
ール、ゲムシタビン、フルオロピリミジン、メトロニトジール、もしくはデオキ
シシチジン類似体2',2'ジフルオロ-2'-デオキシシチジン(dFdCyd))とすること
も可能である。
【0020】 検出可能な標識に関して「非毒性」とは、本発明の類似体に結合させた場合に
、この検出可能に標識した類似体に対して、検出可能に標識した類似体が特異的
に結合する受容体を含む細胞に悪影響をおよぼす能力を与えない検出可能な標識
を意味する。
【0021】 「薬学的に許容される担体」とは、投与された動物に生理学的に許容されるが
、投与される化合物の治療的性質を保持している担体を意味する。一つの例示的
な薬学的に許容される担体としては、生理食塩水がある。他の生理学的に許容さ
れる担体およびこれらの製剤が当業者に公知であり、例えば、「レミントンの製
薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第18版)、A. ゲナーロ(
A. Gennaro)編、1990年、マークパブリッシングカンパニー(Mark Publishing
Company)、イーストン、ペンシルバニア州に記載されている。
【0022】 「異常に高レベルの発現量」とは、同じ細胞型の正常細胞における発現レベル
よりも高い、細胞における発現のレベルを意味する。例えば、新生物性膵細胞に
おけるソマトスタチン受容体サブタイプの発現レベルを、正常(即ち、非新生物
性)膵細胞における同一のソマトスタチン受容体サブタイプの発現レベルと比較
する。同一腫瘍内の2つの腫瘍膵細胞が特定のソマトスタチン受容体サブタイプ
を異なるレベルで発現し得ることは理解されると思われるが、この2つの腫瘍膵
細胞の両方が正常膵細胞より高レベルで発現している限り、この両細胞は異常に
高い発現量を持つ。
【0023】 「新生血管」とは、新規に形成され、非新生血管よりもソマトスタチン受容体
サブタイプを高レベルに発現している血管またはその細胞(例えば、内皮細胞)
を意味する。好ましくは、新生血管は新生物細胞群を供給する。
【0024】 本明細書に記載の発明は、新規ソマトスタチン受容体発現細胞の検出および画
像化、ならびにソマトスタチン受容体を発現する腫瘍細胞へ細胞死供与性の放射
性物質を送達するための新規の試薬および手法を提供する。本発明は非標識ソマ
トスタチン類似体、および標識化(例えば、放射性標識)ソマトスタチン類似体
が、ソマトスタチン受容体を有する細胞(例えば、新生物細胞)を死滅させるこ
とが可能である、および/またはその成長抑止を引き起こすことが可能であると
いう本発明者らの所見に基づく。最近の刊行物には、放射性標識化ソマトスタチ
ン類似体を入手することが困難なことから、ソマトスタチンペプチド受容体療法
に適していないことが述べられており(Bakkerら、Eur. J. of Nucl. Med. 23、
775〜781頁、1996年;Breemanら、Quarterly J. of Nucl. Med. 40、209〜220頁
、1996年)、本発明者らの所見は驚くべきものである。
【0025】 本発明におけるソマトスタチン類似体は、それが由来する原種のソマトスタチ
ン類似体と等価もしくは好ましくもそれ以上の生物学的効力を有する。さらに、
本明細書に記載の類似体は、従来の類似体より多種類のソマトスタチン受容体サ
ブタイプに結合する。本発明における幾つかの類似体はヨウ素化が可能なD-チロ
シンを含むが、高受容体親和性および生物学的効力を保持している。D-ヨードチ
ロシン残基は蛋白質分解酵素耐性であるため(Kawaiら、Nucl. Med. Biol 17、3
69〜376頁、1990年)、類似体を含むこれらのD-ヨードチロシンは急速に酵素的
脱ヨウ素化反応を受けることがなく、したがってヨウ素結合アミノ酸残基依存的
な検出可能な標識(放射性または非放射性)を保持する。
【0026】 加えて、本発明のソマトスタチン類似体は親水性であるため、これらは水溶性
であり、したがって従来の疎水性類似体と比べて向上した有用性を有する。本明
細書に記載された親水性類似体は、血液、脳脊髄液、および他の体液、ならびに
尿中で可溶性である(したがって、腎臓により排泄される)。このような親水性
の性質は、本発明の類似体の体内のほぼ全域への送達を容易にする。
【0027】 本発明のその他の特徴および利点は、下記の詳細な説明および特許請求の範囲
から明らかになると思われる。
【0028】詳細な説明 付加的な塩基性の「サンドイッチ」残基を封入することによって、増強された
親水性および溶解性を導入した、ソマトスタチンペプチドの一連の多チロシン含
有類似体を合成した。ソマトスタチン受容体への結合およびラット下垂体細胞か
らの成長ホルモン放出(2型受容体を介した現象)の抑制についてこれらのペプ
チドを試験した。幾つかの類似体は、増強された生物学的効力、増強された2型
受容体への結合性、ならびに増強された1型受容体および3型受容体への親和性を
示し、これによって従来の類似体より広範囲な生物活性を示した。
【0029】 これまでに合成されたソマトスタチン類似体には、以下のものが含まれる。
【0030】 本発明の類似体を、本明細書に記載された様々な方法によって標識化してもよ
く、または非標識で使用してもよい。本発明の類似体を標識化するための好まし
い方法は、多数の短時間作用性放射性ヨウ素標識または非放射性ヨウ素標識を各
チロシン残基または4-アミノ-フェニルアラニン残基に直接的に結合させること
である。さらに、アルバート(Albert)ら、米国特許第5,753,627号(1998年5月
19日公布)および国際公開公報第91/01144号(1991年2月7日公布)(これら両者
は参照として本明細書に組み入れられる)に広く記載されている方法を用いてキ
レート基(例えば、イミノジカルボキシル基またはポリアミノポリカルボキシル
基)を本発明の類似体に結合させることにより、本発明の結合したキレート剤を
介して、検出可能な標識(例えば、光感受性試薬)と複合体を形成することがで
き、これにより間接的に標識された類似体を生じる。
【0031】 本発明の類似体に検出可能な標識を結合させることにより、ヒト腫瘍細胞を含
む多くの型の細胞における大多数に存在するソマトスタチン受容体と特異的に結
合する高度検出可能なソマトスタチン受容体基質が生じる。したがって、本明細
書に記載された類似体はソマトスタチン受容体発現細胞(例えば、腫瘍)の画像
化のための試薬および改善された方法を提供する。標識の型は標的化する細胞の
型、その周囲の細胞における標的化受容体の発現レベル、および標的細胞群にお
ける発現の均一性(またはその欠損)に依存することが理解されると考えられる
【0032】 好ましくは、ある特定のソマトスタチン受容体のサブタイプと特異的に結合し
放射性ヨウ素標識を持つソマトスタチン類似体を、該ソマトスタチン受容体サブ
タイプ(例えば、2型ソマトスタチン受容体)を高レベルで発現している腫瘍細
胞に、高用量の細胞死供与性放射性物質を送達するために使用することができる
。従って、ある型の腫瘍が特定の型のソマトスタチン受容体を発現している場所
で、その受容体型(即ち、1、3、4、および5型受容体と比べ2型受容体により高
い親和性をもつ)を特異的に標的化する類似体が適用される。
【0033】 本発明における多チロシン含有ペプチド類似体に従来の方法を行ったことの利
点は、本発明の類似体が、元来の(parent)ソマトスタチン類似体の生物学的効力
を保持している、またはこれらを上回っていることが明らかになったことである
。加えて、本明細書に記載された類似体は以前に記載された類似体より多くの受
容体サブタイプと結合する。さらに、D-チロシンを含む本明細書に記載の類似体
は、高い受容体親和性と生物学的効力を有している。これらD-ヨードチロシン誘
導体はこれらのL-対応体のように酵素的脱ヨウ素化反応を受けることがなく、本
発明のD-ヨードチロシン含有類似体はこのような残基を一つも含まない類似体よ
り長時間それらの標識を保持している。
【0034】 さらには、従来のソマトスタチン類似体は極めて親油性(即ち、疎水性)であ
り、これによってこの化合物が肝臓内で濃縮されていた。標識された類似体が腫
瘍画像化および手術中の腫瘍の位置決めを目的として使用された場合に、肝臓全
体が標識され、正常肝臓のバックグラウンド上で肝臓内の腫瘍を検出することが
困難であったため、問題となっていた。本明細書に記載されたソマトスタチン類
似体の利点はその親水性にある。親水性化合物は水溶性であり、したがって腎臓
により尿中に排泄される。それ故、肝臓に腫瘍がある場合、本発明の親水性類似
体を使用することにより非標識の健康な肝臓のバックグラウンド上に腫瘍を視覚
化することが可能であると考えられる。
【0035】インビトロでのラット下垂体成長ホルモン(GH)放出への影響 本発明のソマトスタチン類似体の生物学的効力を試験するために使用したラッ
ト下垂体成長ホルモン放出分析は、SRIF類似体の効力を評価するプライマリーシ
ステムおよびラットソマトスタチンサブタイプ2受容体関連システムである。
【0036】 体重200グラム〜250グラムの成体雄ラットおよび対照条件下で飼育した(0500
〜1900時間照光)ラットより得た下垂体前葉をトリプシン/DNase法(例として
、Changら、Gen. Comp. Endocrinol. 77、256〜273頁, 1990年に記載の方法を参
照)による無菌的技術を用いて分散させた。この分散細胞を2.5%ウシ胎児血清
(GIBCO)、3%ウマ血清(GIBCO)、下垂体供与体から得た10%新鮮ラット血清
(氷上で保存して1時間以内のもの)、1%MEM非必須アミノ酸(GIBCO)、ゲンタ
マイシン(10ng/ml ; Sigma Chemical Co., セントルイス、ミズーリ州)および
ニスタチン(10,000 U/ml ; GIBCO)を添加した、フィルター滅菌化ダルベッコ
改変イーグル培地(MEM)(GIBCO Laboratories、グランド アイランド、ニュ
ーヨーク州)にて希釈した。細胞をヘマサイトメーターを用いて計測し(1下垂
体あたり約2,000,000細胞)、1ウェル(Co-Star cluster 24;Rochester Scient
ific Co.、ロッチェスター、ニューヨーク州)あたり200,000細胞の密度で無作
為に播いた。播かれた細胞を、95%空気および5%CO2の加湿した空間中、上記の
ダルベッコ培地において37℃にて96時間維持した。
【0037】 ホルモン誘発の調製において、細胞を199培地(GIBCO)で3回洗浄し、古い培
地および浮遊細胞を除去した。1%ウシ血清アルブミン(画分5;Sigma)を含む
全量1mlの119培地において、各用量の分泌促進物質GRH(1〜29)(シリコン処理
した試験管で希釈;例えばBachem Bioscience Inc、King of Prussia、ペンシル
バニア州から市販されている)を4ウェルで試験した。細胞をGH-刺激剤1nM GRH
(1〜29) NH2存在下でソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体で刺激した。
空気/二酸化炭素(95/5%)大気中37℃で3時間経過した後、培地を除去し、ホ
ルモン含量を分析するまで20℃で保存した。血漿および培地中のGHを国立糖尿病
消化器腎臓疾患研究所(National Institute of Diabetes and Digestive and K
idney Diseases)ならびに国際ホルモンおよび下垂体プログラム(the National
Hormone and Pituitary Program)(A. F. Parlow博士、科学局長、ハーバー-U
CLA医学センター、1000 West Carson St.、カルフォルニア州 90509に連絡)よ
り供与された成分を用いた標準二抗体放射性免疫測定法(RIA)により測定した
。このラット下垂体細胞系を用いて、提示した本発明のソマトスタチン類似体に
ついて、IC50(nM)で示した阻害効力を表1に示す。
【0038】
【表1】 選別された類似体の生物活性 aラット下垂体細胞系を用いた阻害効力 *これは完全にヨウ素化されたJF-05-59(両チロシン残基がヨウ素化された)で
あり、高効力が保たれている(即ち、非ヨウ素化物(IC50 =0.3 nM)およびヨ
ウ素化物(IC50 =0.26 nM)の両方において等価のIC50 )。 b比較対照としてもちいた;サンドスタチンとも呼ぶ nd, 未施行
【0039】放射性基質結合解析 提示した本発明のソマトスタチン類似体のヒト受容体SRIF1-5型について、Kd
として表される親和定数も表1に示した。
【0040】 本研究のために、5つの既知ソマトスタチン受容体サブタイプのうちの一つを
異所的に発現している(標準的な手法に基づいて(例えば、Ausubelら、「分子
生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」、Jo
hn Wiley & Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州 1994年)ソマトスタチン受
容体サブタイプをコードするcDNAを細胞に導入した)CHO-K1細胞(チャイニーズ
ハムスター卵巣細胞)のホモジネートから細胞膜を得た。一定分量の細胞膜を、
BSA(10 mg/ml)、塩化マグネシウム(5mM)、トラシロール(200KIU/ml)、バ
シトラシン(0.02mg/ml)、およびフェニルメチルスルホニルフルオライド(0.0
2mg/ml)を含む、50nM HEPES(pH7.4)内の、0.05nM 125I-チロシン11-SRIF(1
型,3型,4型,5型ソマトスタチン受容体と特異的に結合する)または、125I-MK
-678(2型ソマトスタチン受容体と特異的に結合する類似体)とインキュベート
(37℃で30分)した。最終分析体積は0.3mlであった。2ブランデル急速フィルタ
ー濾過モジュール(2 Brandel rapid filtration module)を用いて、0.3%ポリ
エチレンイミンに前もって浸透させておいたGF/Cフィルターを介して急速フィル
ター濾過することによりインキュベーションを終了させた(48ウェルそれぞれに
ついて)。その後、各試験管およびフィルターを5ml量の氷冷緩衝液にて3回洗浄
した。特異的結合は、非標識の1000nM SRIF類似体存在下で結合したものを除い
た全放射リガンド結合として定義された。従って、本発明の「非放射性(cold)」
類似体が、「放射性(hot)」125I-チロシン11-SRIFまたは125I-MK-678類似体と競
合して結合しなくなり、これによって結合親和性を決定することができた。
【0041】標識化 本発明のソマトスタチン類似体はソマトスタチン受容体を有する細胞(例えば
、腫瘍細胞)を特異的に標的化するために、および例えばこれらの細胞の増殖を
停止させるために非標識のまま使用することができる。類似体はまた、類似体ア
ミノ酸残基に直接的または間接的に結合された、毒性または非毒性のいずれかの
標識で検出可能に標識化されうる。さらに、標識されたソマトスタチン類似体は
1つ以上の標識を保持することが可能である。例えば、同一の分子(例えば、FJ-
05-44)を内部D-チロシン残基に放射性ヨウ素で直接的に標識すること、および
キレート基を介してN末端L-リジン残基に結合した非毒性標識(例えば、フルオ
レセイン)で間接的に標識することができる。この二重標識は低放射性の放射性
標識(low-emitting rediolabel)(例えば、オージェ電子エミッタ)が用いられ
る場合(下記参照)に特に有用である。その上、同分子(例えば、JF-06-57)を
2つの異なる放射性同位体で二重に標識することができる。例えば、D-チロシン
残基を123Iでヨウ素化して放射性標識する一方、同分子を、例えば、これは内部
アミノ酸残基の側枝に二機能性の安定なキレート剤を介して間接的に結合する90 Y、および/またはN末端もしくはC末端(あるいは両方)に結合させることがで
きるが、これによってさらに放射性標識することができる。二重標識することに
より、他の標識が、例えば、視覚的に検出可能な色素である場合、過度に毒性に
することなく類似体を容易に追跡することができる。このような低毒性二重標識
類似体は広範囲に分散する小腫瘍細胞塊の治療に有用である(例えば、体内の様
々なリンパ節に転移する転移性乳ガン細胞)。
【0042】 放射性の検出可能な標識は特異的な新生物細胞の標的化のためには、毒性標識
が好ましいが、放射性標識の型は治療される腫瘍の型に依存することを留意する
べきである。例えば、それぞれ同じ数のソマトスタチン受容体サブタイプ(例え
ば、2型)を発現している細胞を含む腫瘍は低エネルギーエミッタ(例えば、オ
ージェ電子エミッタである125Iまたは111I)で標識した本発明のソマトスタチン
類似体を投与することにより標的化されうる。標的化された腫瘍中の細胞のソマ
トスタチン受容体サブタイプの発現が均一でない場合(例えば、ある新生物細胞
には100,000個の2型ソマトスタチン受容体分子が発現しているが、隣接する新生
物細胞では10,000個の2型ソマトスタチン受容体分子しか発現していない)、よ
り高エネルギーエミッタで標識化されたソマトスタチン類似体(例えば、90Y)
を用いることができる。
【0043】 周囲の正常細胞ではなく腫瘍細胞が、ある特定のソマトスタチン受容体を発現
している部位では、オージェ電子エミッタ標識類似体も使用可能であるが、これ
は、オージェ電子エミッタが細胞外ではあまり致死的ではないが、内在化した場
合に極めて致死的なものとなるためである。したがって、ソマトスタチン受容体
を発現する腫瘍細胞がオージェ電子エミッタ標識類似体と結合して内在化し、こ
れにより破壊される。内在化が望ましい部位では、L-異性体アミノ酸残基のみを
含む類似体ではなく少なくともいくつかのD-異性体アミノ酸残基(例えば、D-チ
ロシンを含む類似体)を含むように類似体を構築することが重要であるが、これ
はL-異性体アミノ酸類似体は早期に結合し急速に分解されるが、D-異性体アミノ
酸類似体(またはD-異性体およびL-異性体の混合物を含む類似体)はこのように
急速に分解することがなく、結果として、結合すると内在化されるためである。
更に、前記のように、D-チロシンを含む類似体はまた、蛋白質分解酵素非感受性
でもある。
【0044】 本発明の放射性標識類似体(例えば、ヨウ素化またはハロゲン化)を腫瘍の位
置を可視化するために、ポジトロン放出断層撮影法のような標準的な画像化技術
に使用することが可能であることを注目すべきである。本発明の好ましい方法の
一つは、腫瘍細胞の小沈着物を検出するための放射性標識化ソマトスタチン類似
体の手術中での使用(例えば、腫瘍の位置決めまたは検出)である。放射性標識
がγ線エミッタである場合、手で持つタイプの標準的なガイガーカウンター(即
ち、γ線検出器)で腫瘍を局在化させることができる。
【0045】 本発明の類似体を、これら(およびこれらに結合する細胞)を放射能または光
に対して異常に感受性にさせる物質によって標識化することもできる。例えば、
デオキシシチジン類似体2', 2'ジフルオロ-2'-デオキシシチジン(dFdCyd;Lawr
enceら、Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys. 34、867〜872頁、1996年)のよ
うな放射線増感剤を本発明の類似体に間接的または直接的に結合させることが可
能である。放射線増感剤で標識したこのような類似体の投与に続き、癌患者を非
致死量の放射能で被爆させ、これにより腫瘍の増殖を抑止する。同様に、本発明
の類似体を光増感剤で直接または間接的に標識することが可能である(即ち、Pa
ndey and Herman, Chemistry and Industry、1998年9月21日出版、739〜743頁に
概説された、光吸収化合物)。この方法において、光によって活性化される前に
、光増感剤標識類似体を細胞内に集積することができる。したがって、光増感剤
で標識されるのに好ましい類似体は、類似体の急速な分解を防ぐために少なくと
も1つのD-異性体アミノ酸残基(好ましくはD-チロシン)を含むべきである。
【0046】使用 動物(例えば、ヒト)に投与したときに、成長ホルモンの放出を阻害し、およ
び/または、中枢神経系に治療的影響を与えるために、本発明のソマトスタチン
類似体を使用することができる。標識したときに、例えば、ソマトスタチン受容
体を含む細胞の画像化または検出のためにソマトスタチン類似体を使用すること
ができる。好ましくは、適用された類似体は標的細胞で発現する型のソマトスタ
チン受容体に高い親和性を有する。例えば、画像化が望まれる細胞がヒト脳細胞
である場合、適用される標識化類似体はヒト1型、2型および4型ソマトスタチン
受容体と、他の型のソマトスタチン受容体より高い親和性で好ましく結合する。
【0047】 ソマトスタチン受容体を発現する新生物細胞を選択的に死滅させる、または増
殖を抑止するために放射性標識化ソマトスタチン類似体(またはリシンのような
別の毒素で標識化した類似体)を用いることができる。更にまた、使用のために
選択された類似体が好ましくは、他の型のソマトスタチン受容体と結合すること
とは対照的に、標的化された新生物細胞で発現する特定の型のソマトスタチン受
容体と特異的に結合する。例えば、ヒト神経芽細胞腫については、2型ヒトソマ
トスタチン受容体と特異的に結合する類似体が好ましく用いられる。
【0048】 最も好ましくは、治療前に、生検によって腫瘍の一部を取り除き、異なる型の
ソマトスタチン受容体の発現レベルを調べる。特異的に標的化された腫瘍が5型
ソマトスタチン受容体を他の型のソマトスタチン受容体より高いレベルで発現し
ている場合、および/または周囲の正常組織における5型ソマトスタチン受容体
の発現レベルが減少している場合、5型ソマトスタチン受容体に高い親和性を持
つ類似体を画像化および治療に用いるべきである。
【0049】 本発明のソマトスタチン類似体の別の使用としては、新生血管供給細胞(例え
ば、新生物細胞)を特異的に標的化することである。例えば、新生血管は2型ソ
マトスタチン受容体を発現しているが、正常血管は発現していない。したがって
、新生血管を選択的に標的化し、その増殖を抑止する目的で、毒素(例えば、放
射性標識または5-フルオロウラシルのような化学療法薬で間接的に標識した)で
標識されうるソマトスタチン類似体を使用することができる。本明細書に記載さ
れたソマトスタチン類似体の親水性により、類似体を直接的に血液内に投与する
ことができる。類似体の親水性により本品は水ベースの液体(例えば血液)に可
溶性であるため、該類似体は2型ソマトスタチン受容体を発現していない正常血
管細胞を通過して新生血管細胞まで運搬される。もちろん、好ましくは、新生血
管細胞の特異的な標的化のために使用される類似体は、2型ソマトスタチン受容
体に高い親和性を持つ。
【0050】 新生血管を標的化するソマトスタチン類似体の好ましい使用は腫瘍細胞に栄養
分を供給する血管細胞の特異的な標的化であるが、いかなる新生血管細胞も特異
的に標的化するために該類似体が使用されうることが理解されると考えられる。
したがって、本明細書に記載される類似体は、乾癬、保護網膜症および糖尿病関
連性失明を含むが、それらに制限されることはないヒト疾病に関連する新生血管
細胞の標的化を目的として使用される。
【0051】投与 本発明のソマトスタチン類似体を薬学的に許容される希釈剤、担体、または賦
形剤の単位剤形で投与されうる。画像化または抗腫瘍治療の目的で患者にソマト
スタチン類似体を投与するための適切な処方もしくは成分を提供するために、従
来の薬学的慣習が用いられる。患者に症状があらわれる以前(即ち、アジュバン
ト療法)、または患者に従来法(例えば、触診)を用いて検出可能な任意の腫瘍
が患者にあらわれる以前に投与を開始することが可能である。任意の適切な投与
経路、例えば、腫瘍への直接注入、腫瘍細胞に栄養分を供給する血管への直接注
入、同様に、非経口、静脈内、動脈内、硝子体内(intra-vitreal)、小胞内(
即ち、膀胱内)、皮下内、筋肉内、頭蓋内、眼窩内、眼、脳室内、関節包内、脊
髄内、くも膜下腔内、くも膜下槽内、腹腔内、鼻腔内への直接注入、エアロゾル
、座薬、または経口投与による投与が適用される。治療製剤は、液状溶液、懸濁
液、または半固形もしくは固形ゲルの形状であってもよく、経口投与のためには
、製剤は錠剤またはカプセルの形状がよく、また、吸入性または鼻腔内性製剤は
粉末状、点鼻薬、またはエアロゾルの形状のものがよい。加えて、本発明の類似
体は、コラーゲンゲルフォーム(即ち、細動脈塞栓性薬剤)と共に投与されるか
、または(例えば、リピジオールのような油性成分との投与により)類似体の持
続性放出が行われるように投与されうる。
【0052】 製剤の作製について当技術分野において公知の方法は、例えば、「レミントン
の製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」(第18版)、A. ゲナー
ロ(A. Gennaro)編、1990年、マーク パブリッシング カンパニー(Mark Pub
lishing Company)、イーストン、ペンシルバニア州に見受けられる。非経口投
与の製剤には、例えば、賦形剤、滅菌水、生理食塩水、ポリエチレングリコール
のようなポリアルキレングリコール、植物性油、または水素化ナフタレンを含む
。生体適合性で、生分解性のラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマ
ー、またはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーを、化合物放
出の制御のために用いることができる。ソマトスタチン類似体の、その他の考え
得る有用な非経口送達システムにはエチレン-ビニルアセテートコポリマー粒子
、浸透圧ポンプ、移植可能な注入システム、およびリポソームが含まれる。吸入
のための製剤は、賦形剤、例えばラクトースを含むことができ、もしくは例えば
ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココール酸塩およびデオキシコ
ール酸塩を含む水溶液であることができ、または点鼻薬もしくははゲルのような
の形状で投与するための油性溶液であることができる。
【0053】 望ましい場合には、放射性標識化ソマトスタチン類似体を用いた抗腫瘍性治療
法を、手術、ステロイド療法、放射線療法、または化学療法のような、疾病のた
めのより通常の治療法と組み合わせることができる。
【0054】 以下の実施例において、本発明者らはいくつかの本発明のソマトスタチン類似
体の合成について記載する。これらの実施例は本発明を説明することを意図する
ものであって、いかなる方法においても本発明を限定するためのものではない。
【0055】実施例1 Boc-N,2-クロロベンジルオキシカルボニル-D-リジン-O-ジクロロベンジル-チ
ロシン-N,2-クロロベンジルオキシカルボニル-リジン-O-ジクロロベンジル-チロ
シン-N,2-クロロベンジルオキシカルボニル-リジン-S,4-メチルベンジル-システ
イン-フェニルアラニン-D-トリプトファン-N,2-クロロベンジルオキシカルボニ
ル-リジン-O-ベンジル-トレオニン-S,4-メチルベンジル-システイン-O-ベンジル
-トレオニン-ベンズヒドリルアミン樹脂
【0056】 塩素イオン型の4-メチル-ベンズヒドリルアミンポリスチレン樹脂(Bachem, B
ioscience Inc., King of Prussia, ペンシルバニア州)(1.09g, 0.25mmol)を
下記の反応サイクルを実行するように設定したCSバイオペプチドシンセサイザー
(CS Bio peptide synthesizer)の反応容器内に置いた。:(a)塩化メチレン
;(b)塩化メチレン中で40%トリフルオロ酢酸(2分間および20分間、それぞれ
2回ずつ);(c)塩化メチレン;(d)塩化メチレン;および(e)N,N-ジメチル
ホルムアミド中で10%ジイソプロピルエチルアミン(2分間および5分間、各2回
ずつ)。
【0057】 中和された樹脂を塩化メチレン中で1時間Boc-O-ベンジル-トレオニンおよびジ
イソプロピルカルボジイミド(各1.0 mmol)と混合した。次に、得られたアミノ
酸樹脂を前記の洗浄プログラムの段階(a)から段階(e)を通して循環させた。
次に以下のアミノ酸(各1.0 mmol)を同じ行程により連続して結合させた:Boc-
S,4-メチルベンジル-システイン、Boc-O-ベンジル-トレオニン、Boc-N,2-クロロ
ベンジルオキシカルボニル-リジン、Boc-D-トリプトファン、Boc-フェニルアラ
ニン、Boc-S,4-メチルベンジルシステイン、Boc-N,2-クロロベンジルオキシカル
ボニル-リジン、Boc-O-ジクロロベンジル-チロシン、Boc-N,2-クロロベンジルオ
キシカルボニル-リジン、Boc-O-ジクロロベンジル-チロシン、およびBoc-N,2-ク
ロロベンジルオキシカルボニル-D-リジン。
【0058】実施例2 D-リジン-チロシン-リジン-チロシン-リジン-サイクリック(システイン-フェ
ニルアラニン-D-トリプトファン-リジン-トレオニン-システイン)-トレオニン-
NH2(JF-05-59)
【0059】 実施例1に記載されたペプチド結合樹脂を0℃でアニソール(5ml)および無水
フッ化水素(35ml)と混合し、45分間撹拌した。余剰のフッ化水素を乾燥窒素気
流下で速やかに蒸発させ遊離のペプチドを沈殿させてエーテルで洗浄した。次に
粗ペプチドをI2/メタノール濃縮溶液を恒久的な茶色が見られるまで加えた500m
lの90%酢酸に溶解させた。アスコルビン酸の添加によって余剰のI2を除去し、
溶液を強陽イオン交換カラムに適用できる程度の小容量にまで蒸発させた。ペプ
チドを、30%アセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸における0.5M塩化ナト
リウムの線状濃度勾配にて溶出させた。適切な分子量の画分を保存して小容量に
まで蒸発させ、その後ライニンオクタデシルシランシリカ(Rainin octadecylsi
lane silica)(8μm)カラム(4×20cm)にかけてさらに精製した。水中の0.1
%トリフルオロ酢酸における、0.1%アセトニトリルの線状濃度勾配により、ペ
プチドを溶出した。最高純度を得るために画分を分析用液体高速クロマトグラフ
ィーによって解析し、保存した。水からの該溶液の凍結乾燥により、白い、綿毛
状の粉末として、所望の産物が得られた。
【0060】 HPLCおよびMALDI-TOF質量分析により、最終産物が均一であることが明らかに
なった。酸水解物のアミノ酸分析およびMALDI-TOFにより、ペプチドの組成が確
認された。
【0061】実施例3 Boc-N,2-クロロベンジルオキシカルボニル-D-リジン-O-ジクロロベンジル-D-
チロシン-N,2-クロロベンジルオキシカルボニル-D-リジン-O-ジクロロベンジル-
D-チロシン-N,2-クロロベンジルオキシカルボニル-D-リジン-S,4-メチルベンジ
ル-システイン-フェニルアラニン-D-トリプトファン-N,2-クロロベンジルオキシ
カルボニル-リジン-O-ベンジル-トレオニン-S,4-メチルベンジル-システイン-O-
ベンジル-トレオニン-ベンズヒドリルアミン樹脂
【0062】 塩素イオン型の4-メチル-ベンズヒドリルアミンポリスチレン樹脂(Bachem, B
ioscience Inc., King of Prussia、ペンシルバニア州)(1.09グラム、0.25 mm
ol)を以下の反応サイクルを実行するように設定したCSバイオペプチドシンセサ
イザー(CS Bio peptide synthesizer)の反応容器内に置いた。:(a)塩化メ
チレン;(b)塩化メチレン中で40%トリフルオロ酢酸(2分間および20分間、各
2回ずつ);(c)塩化メチレン;(d)塩化メチレン;および(e)N,N-ジメチル
ホルムアミド中で10%ジイソプロピルエチルアミン(2分間および5分間、各2回
ずつ)。
【0063】 中和された樹脂を塩化メチレン中でBoc-O-ベンジル-トレオニンおよびジイソ
プロピルカルボジイミド(各1.0 mmol)と混合し、次に得られたアミノ酸樹脂を
前記の洗浄プログラムの段階(a)から段階(e)を通じて循環させた。その後、
アミノ酸(1.0 mmol)を同じ行程により連続して結合させた:Boc-S,4-メチルベ
ンジルシステイン、Boc-O-ベンジル-トレオニン、Boc-N,2-クロロベンジルオキ
シカルボニル-リジン、Boc-D-トリプトファン、Boc-フェニルアラニン、Boc-S,4
-メチルベンジル-システイン、Boc-N,2-クロロベンジルオキシカルボニル-D-リ
ジン、Boc-O-ジクロロベンジル-D-チロシン、Boc-N,2-クロロベンジルオキシカ
ルボニル-D-リジン、Boc-O-ジクロロベンジル-D-チロシン、およびBoc-N,2-クロ
ロベンジルオキシカルボニル-D-リジン。
【0064】実施例4 D-リジン-D-チロシン-D-リジン-D-チロシン-D-リジン-サイクリック(システ
イン-フェニルアラニン-D-トリプトファン-リジン-トレオニン-システイン)-ト
レオニン-NH2(JF-05-44)
【0065】 実施例3に記載されたペプチド結合樹脂を0℃でアニソール(5ml)および無水
フッ化水素(35ml)と混合し、45分間撹拌した。余剰のフッ化水素を乾燥窒素気
流下で速やかに蒸発させ、遊離のペプチドを沈殿させてエーテルで洗浄した。次
に粗ペプチドをI2/メタノール濃縮溶液を恒久的な茶色が見られるまで添加した
500mlの90%酢酸に溶解させた。アスコルビン酸の添加によって余剰のI2を除去
し、溶液を強陽イオン交換カラムに適用される程度の小容量に蒸発させた。ペプ
チドを0.5M塩化ナトリウムの0.1%トリフルオロ酢酸30%アセトニトリル溶液の
直線濃度勾配にて溶出した。妥当な分子量の画分を保存して小容量に蒸発させ、
さらにライニンオクタデシルシランシリカ(Rinin octadecylsilane silica)(
8μm)カラム(4×20cm)にかけて精製した。水、0.1%トリフルオロ酢酸中、0.
1%アセトニトリルの直線濃度勾配にてペプチドを溶出した。最高純度を得るた
めに画分を分析用液体高速クロマトグラフィーによって解析、保存した。水から
のこの溶液の凍結乾燥により、白い、綿毛のような粉末として望みとする産物が
得られた。
【0066】 HPLCおよびMALDI-TOF質量分析により、最終産物が均一であることが明らかに
なった。酸水解物のアミノ酸分析およびMALDI-TOF MSにより、ペプチドの組成が
確認された。
【0067】実施例5 D-リジン-D-二ヨードチロシン-D-リジン-D-二ヨードチロシン-D-リジン-サイ
クリック(システイン-フェニルアラニン-D-トリプトファン-リジン-トレオニン
-システイン)-トレオニン-NH2(JIC-2D)を以下のように作製した。
【0068】 実施例4より得られた一定量の精製凍結乾燥化ペプチドの重さを計測し、脱イ
オン水に溶解させた。ヨウ化ナトリウム、クロラミン-T、およびメタ重亜硫酸ナ
トリウムについて等モル量を決定した。0.5Mリン酸緩衝液をヨウ化ナトリウム、
クロラミン-T、およびメタ重亜硫酸ナトリウムに加えた。適切な量のヨウ化ナト
リウム、クロラミン-Tをペプチドに加え、酸化反応を20秒間進行させた。20秒後
、過剰のメタ重亜硫酸ナトリウムを加え反応を停止させた。次に反応混合物をC1
8セパックカートリッジ(C18 Seppak cartridge)(waters Corp、Milford、マ
サチューセッツ州)に添加し、10mlの脱イオン水で洗浄し、0.1%トリフルオロ
酢酸中の16%アセトニトリルで洗浄して、その後、ペプチドを0.1%トリフルオ
ロ酢酸中の80%アセトニトリルで溶出した。水から該溶液を凍結乾燥させること
により、白い、綿毛状の粉末として、所望の産物が得られた。
【0069】 HPLCおよびMALDI-TOF質量分析により、最終産物が均一であることが明らかと
なった。MALDI-TOF MSにより、ペプチドの組成を確認した。
【0070】その他の態様 上述の実施例は本発明のソマトスタチン類似体の化学合成について記載してい
るが、これらのペプチドのいかなるものも標準的な分子生物学的技術に基づいて
生成することが可能である。例えば、L. M. サバチーニ(L. M. Sabatini)ら(
Biochem. Biophys. Res. Comm. 160、495〜502頁, 1989年)およびJ. C. ヴァン
ダースペック(J. C. Vanderspek)ら(Arch. Oral. Biol. 35、137〜43頁、199
0年)に記載されているように、ソマトスタチン類似体をコードするクローニン
グされた核酸を得ることができる。組換えDNA技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖
反応増幅のプライマーのようにソマトスタチン類似体のアミノ酸配列に基づいた
変性オリゴヌクレオチドを用いることによって、ソマトスタチン類似体ペプチド
をコードするcDNAをクローニングすることができる。
【0071】 または、ソマトスタチン類似体をコードするオリゴヌクレオチドを、市販品を
使用して化学的に合成することが可能である。これらに二重鎖を形成させ(例え
ば、DNAポリメラーゼ1を使用)、増幅のためにベクターにクローニングすること
ができる。市販されている(例えば、American Type Culture Collection、Mana
ssas、バージニア州)様々な発現ベクター/宿主系においてソマトスタチン類似
体を産生することが可能であり、または組換えDNA技術および細胞培養技術に従
って複製することが可能である。ベクター/宿主発現系は原核的または真核的で
あることが可能であり、細菌、酵母、昆虫、哺乳類およびウイルスの発現系(例
えば、Clontech Laboratories Inc., Palo Alto, カルフォルニア州からの市販
品など)を含むことが可能である。ソマトスタチン類似体をコードする発現ベク
ターの構築、様々な宿主細胞へのベクターの導入、および形質転換された宿主細
胞からのペプチドの生成は、パウウェルズ(Pouwels)ら、「ベクターのクロー
ニング:実験室マニュアル(Cloning Vectors : A Laboratory Manual)」、198
5年、補追、1987年;オースベル(Ausubel)ら、前記;およびサンブルック(Sa
mbrook)ら、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning : A
Laboratory Manual)」、第2版、コールドスプリングハーバー研究所出版、1989
年などの解説書に記載されたような遺伝子工学技術を用いることにより達成され
うる。
【0072】 発現ベクターによりコードされるソマトスタチン類似体を特定の発現ベクター
/宿主細胞系で翻訳後処理することにより修飾することができる。加えて、これ
らの類似体を、小さい置換基を付加する、またはアミノ酸残基内もしくはアミノ
酸残基間に1つもしくは複数の共有結合を修飾することなどの、小さな化学修飾
によって改変することができる。置換基は大きくすることができ、1つまたは複
数の天然アミノ酸または修飾アミノ酸を含むことができる。有用な修飾はペプチ
ドのアミノ末端もしくはカルボキシル末端のいずれか、または両末端への置換基
の付加を含む。特に有用な修飾はペプチドのアミノ末端のアシル化またはカルバ
ミル化、もしくはペプチドのカルボキシル末端のアミド化を含む。
【0073】 本明細書に言及された全ての出版物および特許出願は、個々に独立した出版物
または特許出願が具体的に、且つ個々に参照として組み入れられるものとして示
されたものと同程度に、参照として本明細書に組み入れられる。
【0074】 本発明品はその特定の態様を伴って記載されているが、さらなる修飾が可能で
あり、本出願は一般に本発明原理に従う発明品、および既知に属する本開示から
、または本発明が属する技術分野における通例的慣習からの出発産物のようなも
のを含む発明品のいかなる変形物、使用、または適用も対象として含むことが意
図され、先に述べられた本質的特徴に適用され得るということが理解され、特許
請求の範囲内である。
【0075】 他の態様は特許請求の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウォルタリング ユージーン エイ. アメリカ合衆国 ルイジアナ州 ケナー シャトー ポンテット キャネット 30 (72)発明者 ファセリアー ジョセフ エイ. アメリカ合衆国 ルイジアナ州 ニュー オリンズ アパートメント エイ ダンテ ストリート 2302 (72)発明者 ドローアント ジョージ アメリカ合衆国 ルイジアナ州 メインデ ヴィル ハイウェイ 59 2803 Fターム(参考) 2G045 CB01 FB08 4C085 HH03 KA11 KB18 LL18 4H045 BA16 BA71 DA35 EA50 EA51

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 W-X-(A-B)n-ソマトスタチンペプチドの式を有するソマトス
    タチン類似体: 式中、AはD-チロシン、L-チロシン、D-3-ヨードチロシン、L-3-ヨードチロシ
    ン、D-3,5-二ヨードチロシン、L-3,5-二ヨードチロシン、D-4-アミノフェニルア
    ラニン、またはL-4-アミノフェニルアラニンであり; BはD-リジン、L-リジン、D-アルギニン、L-アルギニン、D-もしくはL-1,3-ジ
    アミノプロピオン酸、D-もしくはL-1,4-ジアミノブタン酸、D-NH2-CH(Z)-CO2H、
    またはL-NH2-CH(Z)-CO2Hであって、ただし、Zは(CH2)yNH2であり、yが1〜10であ
    り; XはAまたはBであり; WはNH2(CH2)tCOであり、ただしt=2〜10であるか、または存在せず; nは1〜10であり;および 各(A-B)は他の各(A-B)と同じまたは異なるものである。
  2. 【請求項2】 検出可能な標識と結合している、請求項1記載の類似体。
  3. 【請求項3】 検出可能な標識が毒性である、請求項2記載の類似体。
  4. 【請求項4】 検出可能な標識が非毒性である、請求項2記載の類似体。
  5. 【請求項5】 検出可能な標識と間接的に結合している、請求項2記載の類
    似体。
  6. 【請求項6】 検出可能な標識を結合しているキレート基と結合している、
    請求項5記載の類似体。
  7. 【請求項7】 検出可能な標識と直接的に結合している、請求項2記載の類
    似体。
  8. 【請求項8】 検出可能な標識が、類似体のチロシン残基またはフェニルア
    ラニン残基と結合しているヨウ素標識である、請求項2記載の類似体。
  9. 【請求項9】 毒性の検出可能な標識が放射性である、請求項3記載の類似
    体。
  10. 【請求項10】 チロシン残基を含む請求項8記載の類似体。
  11. 【請求項11】 類似体のヨードチロシン残基が酵素的脱ヨウ素化反応を受
    けない、請求項10記載の類似体。
  12. 【請求項12】 類似体のソマトスタチンペプチドの生物活性と等価または
    それ以上の生物活性を有する、請求項1記載の類似体。
  13. 【請求項13】 抗新生物治療法に使用される、請求項1記載の類似体。
  14. 【請求項14】 新生血管またはその細胞を特異的に標的化するために使用
    される、請求項1記載の類似体。
  15. 【請求項15】 薬学的に許容される担体中に存在する、請求項1記載の類
    似体。
  16. 【請求項16】 類似体が特異的に結合する受容体を発現する細胞の画像化
    のために使用される、請求項1記載の類似体。
  17. 【請求項17】 類似体が特異的に結合する受容体を発現する細胞を検出す
    るために使用される、請求項1記載の類似体。
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