JP2003517403A - 不活性ガスを保持する空間を有する食品容器 - Google Patents

不活性ガスを保持する空間を有する食品容器

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リーブマン,ジョージ・ダブリュー,ジュニアー
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Abstract

(57)【要約】 貯蔵区画22に製品が提供され、不活性ガス17を保持する上部空間16が製品と容器に入るであろう全ての空気との間に設けられた、製品を貯蔵する容器である。最初に密封した容器が不活性ガスを保持し、不活性ガスの量は、その内部に保持された製品が尽きる迄、容器の通常の使用の間、製品と空気との間に障壁を提供するのに十分である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、全体として、製品、特に、貯蔵寿命が限られた食品製品を貯蔵する
容器に関する。該容器は、製品の貯蔵区画の上方に配置された上部空間を有して
いる。該上部空間は、不活性ガス又は実質的に非反応性ガスで充填されている。
上部空間内に十分な量の不活性ガスが存在することは、容器を閉じるとき、及び
ユーザが製品を取り出す間に容器を開けるときの双方にてその内部に保持した製
品を空気との接触から保護する。更なる量の不活性ガスを追加せずに、製品を空
気の有害な作用から保護するため十分な量の不活性ガスが容器内に残る。本発明
によれば、容器及びその内部に保持された製品の有用寿命の間、不活性ガスを容
器に追加する必要は全くない。
【0002】
発明の背景
本発明は、稀本、半導体デバイス、食品製品のような製品及び長期間の酸素へ
の露呈により劣化し易いその他の製品の如き製品を含む、その内部に保持された
色々な製品を保存することを許容する容器に関する。容器を開け、製品の少なく
とも一部を取り出した後でさえ、保存状態が維持される。製品の上方の容器内に
望ましい上部空間を配置することと、流入する空気と容器内に貯蔵された製品と
の間に障壁を形成し得るように上部空間を十分な量の不活性ガスにて充填するこ
ととにより保存効果が提供される。容器を繰り返して使用した後でさえ、不活性
ガスの一部分が容器内に残り、障壁として機能する。
【0003】 食品製品を保持する容器を開けた後、該容器内に不活性雰囲気を付与すること
のできる装置を提供することが当該技術分野にて既知である。かかる装置は、典
型的に、食品製品の一部分を取り出すとき毎に、不活性ガスの補給分を提供し得
るように、加圧した不活性ガスキャニスタを有している。かかる装置は、リーブ
マン(Liebman)の米国特許第5,458,165号及び米国特許第5,
566,730号に開示されている。
【0004】 容器内にて食品製品を保存するため不活性ガスを利用する殆どの装置は、容器
内に圧送し且つ容器を開ける迄、その内部に維持されなければならない不活性ガ
スの外部供給源を採用する。一度び開けたならば、食品製品の少なくとも一部分
が取り出され(例えば、注ぎ出され)、その結果、不活性ガスが失われる。容器
から食品製品の一部分のみが除去されたならば、キャニスタ又は不活性ガスを保
持するその他の外部供給源から不活性ガスを補給することが必要である。
【0005】 ワインボトルの例の場合、包装業界は流体(ワイン)をボトル内に入れ、残る
上記空間が可能な限り小さいようにする。上部空間内の空気は負圧にて排出し且
つ窒素のような不活性ガスにて排除し、次に、コルクにて密封する。このことは
、最小量の空気がワインと接触する状態にてボトル内に良好に制御された雰囲気
を形成する。このことは、空気の存在を解消し又は大幅に減少させることにより
、空気とワインとの間の有害な反応が解消されるため、ワインの保存に助力する
ことになる。しかし、一度び容器を開け、そのコルクを除去したならば、ワイン
は空気と接触し、ワインの劣化が生じる可能性がある。
【0006】 その中身の一部分を分配した後、容器内に残るワインの質が急速に劣化するこ
とが周知である。これは、ワインと該ワインに接触する空気との間の化学的反応
による。ワインの化学的組成は極めて複雑であり、その成分及び風味剤は100
0以上の数にも及ぶ。ワインは、極めて敏感であることが既知である。これら成
分の数個でも僅かに変化すれば、ワインの味及び飲み易さは大幅に変化する可能
性がある。ワインと反応する可能性のあるその他の成分も空気中に存在すると考
えられるが、酸素が空気中の主たる反応剤である。酸素は、ワインの多くの主要
成分を酸化させる一方、これら主要成分は、僅か数日後でも、開けた容器の味を
著しく変化させる連鎖反応を生じさせる可能性がある。この問題点は、多くのレ
ッドワインにとって特に急激であり、1日以上、空気にさらされた後、レッドワ
インは飲むことはできないと考えられることがしばしばである。殆ど全てのワイ
ンは、数日間、空気にさらした後、飲めなくなる。
【0007】 ワイン製造所では、空気を除去するため強力な負圧を発生させるべく高価で大
型の精緻な装置が採用されており、または、ワインを空気から隔離するため複雑
な不活性ガス装置を使用する。しかし、この問題点は、消費者レベルにて十分に
対処されていない。このことは、大きな社会学的影響がある。すなわち、食事と
共に、又はカクテルとして、1又は2杯のグラスワインを欲するであろう個人は
、その望みを充足させることは不経済であることが分かり、このため、ワインボ
トルの相当部分を飲んでしまうことになる。急速に高くなるワインの価格は、こ
れらの経済的考慮を更に一層重要なものとする。更に、この問題点は、外国産の
高価なワインを多くの人が経済的に楽しむことを実現不可能なものにする。より
長い時間に亙ってその楽しみを引き延ばすことができるならば、かかるワインボ
トルを味わうことがより容易となるであろう。本発明は、また、小さいレストラ
ンがより大きいワインリストをグラス又はカラフにて提供することを許容し、そ
れは、未だ全部を飲んでいないワインボトルを腐敗させることが問題とならなく
なり、これにより、平均的な人間がボトル全体に負担となる程に多額の金を使う
ことなく、上等のワインを時々、注いで飲むことを許容するからである。
【0008】 ワインに対する空気に起因するダメージを減少させようとする従来技術の方法
は、ボトルに再度コルク栓をするという簡単なものから、空気の一部を排除し易
くするため風船をボトル内に挿入するといった方法(米国特許第3,343,7
01号)へと変化している。前者は、コルクの下方の空気を除去できない点で効
果的でなく、また、後者は、風船が破れ易く、全ての空気は排除できず、また、
その直接的な接触によりワインの風味を損ない易い点にて実際的でなく且つ効果
的でない。その他の方法は、米国特許第4,763,803号及び米国特許第4
,911,314号に開示されるように、ボトル内に負圧を発生させる消費者用
装置を含むものである。かかる装置は幾つかの理由のため効果的でない。これら
の装置は、全ての空気を除去するのに十分強力な負圧を発生させない。更に、ボ
トルが破れる可能性があるという問題がある。吸引中、ストッパをしっかりと定
着させることも、また、殆どの消費者にとって問題である。更に、従来技術の方
法にて利用されるスリット弁は、時間の経過と共に、空気を漏洩させ易く、また
、強力な負圧を保持することと両立しない。特に、ポンプ機構内の可動部品の短
い寿命は、装置の限られた寿命にもつながるものである。
【0009】 食品の包装業界は、食品及び飲料の密封時に空気を排除するため非反応性のガ
スを使用している。かかる使用の例は、米国特許第586,632号、米国特許
第1,263,278号、米国特許第2,204,833号、米国特許第2,3
33,898号、米国特許第2,705,578号、米国特許第2,758,7
66号、米国特許第2,862,528号、米国特許第3,212,537号、
米国特許第3,406,079号、米国特許第3,556,174号、米国特許
第3,804,133号、米国特許第3,837,137号、及び米国特許第4
,312,171号により例示される。しかし、これらの方法は、充填した容器
を密封することを目的とするものであり、特に、中身の一部分が消費されたとき
、密封した容器を開け且つその容器を再密封しようとするときに消費者が出会う
特別な問題点を対象とするものではない。
【0010】 開けられ且つ一部分が消費されたワインを保存するのに役立てようとするため
不活性ガスを利用する2つの装置が米国特許第4,475,576号及び米国特
許第4,477,477号に開示されている。前者の引例は、ストッパ内に直接
、栓をした「不活性ガスディスペンサの分配ヘッド」を有する設計とされた多数
のストッパを開示する。この装置は、注出装置の接点及び排気開口を密封するた
めストッパ内に逆止弁を利用する。かかるストッパ(例えば、成形した逆止弁を
有するテーパー付きのゴム栓)は、「締め付けた下流端を有し、管内部からその
締め付けた端部を通ってガスが流れることを許容する弾性の管状スリーブ」とし
て記載されている。これらの締め付けた逆止弁(米国特許第4,763,803
号及び米国特許第4,911,314号のものと同様)は劣化し易い。
【0011】 米国特許第4,477,477号には、ワインを保存する方法及び加圧された
不活性ガス源と、ボトルへの供給装置とを有する、ワインの保存装置が開示され
ている。この装置は、多数の部分及び露出した接続部を有しており、使用及び輸
送に不便であり、また、容易に損傷し易い。この装置は、装置を作用させるため
に何回かのステップを必要とし、また、機械に強くない消費者にとって望ましい
ものではない。
【0012】 この装置は、不活性ガス源と、弁と、弁に接続された接続管とを有する一方、
該弁は可調節型弁に接続され、該可調節弁は直線形ストッパのような、取り付け
装置に接続されている。取り付け装置は、ノズルを上下に摺動させることにより
その高さが調節可能である。ノズルは、ワインの表面の真上に配置する必要があ
る。取り付け装置は、「上記取り付け手段の周縁の周りに分離した関係にて突き
出す複数の支持体を備える取り付け手段」により所要位置に保持されている。こ
れらの取り付け手段間の空間は、追い出された空気が逃げることを許容する設計
とされている。
【0013】 米国特許第4,477,477号の引例の装置は、幾つかの望ましくない特徴
を有している。ガス源のノズルを可調節型ノズルに接続する管は、破損及び(又
は)漏洩し易い。このことは、装置の寿命を短くし、また、一部の空気が注出管
内に且つボトル内に吸引されることを許容する。管は、また、弁及び可調節ノズ
ルの双方から滑り出し、装置を破損させ易い。装置は、また、ノズルをストッパ
(取り付け装置)内にて上下に調節することも必要とする。ノズルが繰り返して
動くとき、ノズルとストッパとの間の嵌まり程度が緩むため、時間の経過に伴な
い漏れを生じ易いため、このことは、望ましくないことである。
【0014】 このため、製品の有用寿命の間、製品を容器内の空気との接触から保護するた
め不活性ガスを提供することは、特に、装置が製品の有用寿命の間、不活性ガス
の補給を必要としないならば、当該技術分野にて1つの進歩であろう。
【0015】 製品を容器から取り出したときでさえ、製品が不活性ガス層にて均一に完全に
覆われるならば、当該技術分野にて更なる進歩であろう。 時間の経過と共に劣化する可能性のある多数の部品を有する組立体を使用せず
に、容器内の製品を保護するならば当該技術分野にて更なる進歩であろう。
【0016】 不活性ガスの保護層を提供することにより液体及び固体の食品製品を含む食品
製品を劣化しないように保護する容器を提供することは当該技術分野にて更なる
進歩であろう。
【0017】
発明の概要
本発明は、全体として、消費者が製品(食品製品のような)の一部分を取り出
したときでさえ、容器内の製品の有用寿命の間、製品と接触する不活性ガス層を
提供する、製品を貯蔵する装置に関するものである。
【0018】 本発明の1つの特別な面において、製品を貯蔵する装置であって、 a)上記製品を貯蔵する貯蔵区画を画成するハウジングと、 b)製品と容器の開口部との間に配置された空間であって、貯蔵した製品を空
気との接触から保護するのに十分な量のガスを維持すべくハウジング内にある前
記空間と、 c)前記貯蔵区画からハウジングの外側に達する前記開口部まで伸びる通路で
あって、これにより依然として容器内の製品をガスと接触した状態に保ちつつ、
製品の少なくとも一部分を装置から取り出すことを許容する前記通路とを備える
装置が提供される。
【0019】 本発明の1つの面において、不活性ガスを容器内に残る製品と接触した状態に
保ち得るように不活性ガスを容器内に保持することを促進する制限手段が容器に
設けられる。
【0020】 同様の部品を同様の参照番号で表示する図面は本発明の実施の形態の一例であ
り、本出願の一部を構成する請求の範囲により包含される本発明を限定すること
を意図するものではない。
【0021】 [発明の詳細な説明] 本発明は、全体として、内部に保持された製品の寿命の間、不活性ガスが空気
と接触しないように製品を保護するように十分な量の不活性ガスを導入する上部
空間を提供する容器に関するものである。稀本、半導体デバイス、植物、野菜を
含む食品製品、果物、炭酸入り及び非炭酸入り飲料及びワインのような液体食品
製品のような、腐敗し易い製品及び長時間空気と接触すると劣化する製品と空気
が接触するならば、その貯蔵寿命が短くなることは周知である。かかる製品は、
典型的に、空気の存在下にて酸化し、これにより、製品を使用不可能又は飲食不
可能とする。上述したように、かかる製品の全ては、本明細書に記載したように
保護することができる。一例として且つ単に説明の目的のためにのみ、食品製品
について特に具体的に説明する。
【0022】 本発明にて説明する容器は、典型的に、食品を取り出す食品容器の開口部が蓋
、コルク等のような装置により再密封することもできるような仕方にて製造され
、プラスチック又は金属で出来た缶、ボトル、容器のような、一例として食品製
品のような製品を収容するため有効に使用することのできる任意の容器を含む。
本発明の1つの重要な特徴は、最初に密封した容器に十分な量の不活性ガスを提
供し、食品製品の一部分を取り出し且つ容器を再密封したときでさえ、不活性ガ
スの少なくとも一部分が容器内に残り、空気との接触に対する保護障壁を提供す
ることである。
【0023】 図面、特に、図1乃至図3を参照すると、ワインのボトルの形態をした食品容
器の一例が図示されている。食品以外の製品を含むその他の製品を収容する容器
が本発明の範囲内に含まれることが理解されよう。容器10は、本体部分12と
、図1に図示するように、不活性ガスの上部空間として機能する上方領域14と
を有している。上部空間16は、食品製品が空気と接触しないようにする保護障
壁を提供するのに適した任意の不活性ガス17にて充填されている。不活性ガス
はそれ自体、容器10の中身と反応してはならず、また、本発明の好ましい形態
において、空気よりも重いものとする。不活性ガスは、非限定的に、窒素、ネオ
ン、ヘリウム及びアルゴンを含む。空気よりも重く、従って、空気よりも軽くな
り勝ちである不活性ガスの場合よりもより顕著な程度、ボトル内に留まる傾向を
有する点にてアルゴンであることが好ましい。
【0024】 図1乃至図3に図示した容器10は、通路20を画成する首領域18を有して
おり、この通路は、貯蔵区画22により保持された食品製品(例えば、ワイン)
が消費者の望むように容器10から出て別の容器に進むことを可能にする。
【0025】 首領域18は、容器10の本体部分12よりも小さい断面積を有する。その結
果、任意の1つの時点にて、容器10から取り出すことのできる食品製品の量が
制限される。また、内部の中身を別の瓶に移す間、容器10から出ることのでき
る不活性ガスの量も制限される。
【0026】 図2に図示するように、容器は、図1に図示した直立の位置からワインをボト
ルから別の入れ物に移す位置まで傾けたとき、上部空間16内に保持された不活
性ガス17は、同様に、通路20を通って移動し、ボトルから注出されるワイン
を保持する貯蔵区画22に不活性ガスが隣接する。ワインのボトルの狭小な首領
域18は、同様に容器から出る不活性ガスの損失を最小にするのに役立つ。この
ように、ワインの一部分をボトルから取り出した後、依然として、図3に図示す
るように、上部空間内に十分な量の不活性ガスが残り、容器内に残るワインに対
し容器内に存在する空気からの保護障壁を提供する。
【0027】 上部空間16の寸法及び最初に密封した容器内に存在する不活性ガス17の量
は本発明の1つの重要な特徴である。出願人は、上部空間及びその内部に保持さ
れた不活性ガスの容積は貯蔵区画22の容積の少なくとも15%、好ましくは少
なくとも20%とすべきであることが分かった。このようにして、数回、食品製
品を容器から取り出し且つ再密封した後でさえ、食品製品を保護するのに十分な
量の不活性ガスが容器内に残る。
【0028】 上述したように、空気よりも重い不活性ガス(例えば、アルゴン)を使用する
ことが好ましい。空気よりも重い不活性ガスは、食品製品を容器から取り出す間
、容器内に残る傾向がある。空気よりも重い不活性ガスは、重力のため、容器内
に残る傾向であり、このため、食品製品を取り出す間に失われる不活性ガスの量
は少ない。空気よりも重い不活性ガスを使用することは、最初の容器内に導入す
る必要がある不活性ガスの量を少なくすることができる。更に、空気よりも重い
不活性ガスは、容器が直立の位置にある場合、容器を開けたときでさえ、空気の
下方に沈んでいる。
【0029】 図1乃至図3に図示するように、食品容器の一例であるボトルは、典型的に制
限装置として機能し、従って、食品製品を取り出す操作の間、不活性ガスの流れ
を制限する首部分を有している。本発明はまた、食品を取り出す操作の間、不活
性ガスの移動を更に制限する装置をも包含する。
【0030】 図4及び図5を参照すると、食品を取り出す操作の間、ボトルから出る可能性
のある不活性ガス17の量を更に制限する挿入体30が首領域18に設けられた
容器10が図示されている。該挿入体は、プラスチック、金属、コルク又は同様
の材料で作ることができ、また、通路20を通って出る不活性ガスに対する障壁
を提供することを1つの目的としている。
【0031】 制限装置を通路20内に恒久的に挿入し又は通路から取り外すことができる。
図4に図示した本発明の1つの好ましい形態において、上部空間16内に位置す
る制限装置30は、通路20を通る不活性ガスの流れに対する制限部分を提供し
得るように外方又は内方に角度を付けた一対の伸長部32A、32B(内方に伸
びる伸長部を図4、図5に図示)を有することにより、不活性ガスが出ることに
対する制限部分を提供することができる。このため、該伸長部は不活性ガスがボ
トルから出る動きを更に制限する。
【0032】 図4及び図5の特定の実施の形態に図示するように、ボトル20の中身を移し
たとき、伸長部32A、32Bは、通路20に入ることのできる不活性ガスの量
を最小にする狭小な空隙34を画成する。この不活性ガスの量は、依然として、
通路内の食品製品を保護層により完全に覆うのに十分であるが、移し操作中、ボ
トルから出る不活性ガスの量を最小にする。上述したように、該伸長部は外方に
伸び且つこれにより不活性ガスを取り込み又は不活性ガスがボトル外に流れるの
をより困難にすることもできる。
【0033】 図1乃至図5に図示した実施の形態において、不活性ガスは食品製品(例えば
、ワイン)と共に、密封したボトル内に存在し且つコルク、蓋等を使用してその
内部に密封されている。このため、不活性ガスは、食品製品がボトル内に入れら
れる時点から中身をボトルから取り出す時点迄、存在する。ワインをボトルから
取り出す間のいかなる時点でもボトルに更なる不活性ガスを追加する必要はない
。その理由は、ガスの量と内部に保持された食品製品(例えば、ワイン)の量と
の間の関係のため、密封時点で十分な不活性ガスが存在するからである。更に、
図1乃至図5に図示した実施の形態において、ボトル内に提供される制限組立体
は、ボトルの中身と接触する不活性ガスが全体を完全に覆う効果を依然として保
ちつつ、注ぎ出しによる不活性ガスの損失を最小にする追加的な手段を提供する
【0034】 本発明は多岐に亙る食品容器に適用可能である。図6に図示した実施の形態に
おいて、缶入り果物又は野菜、菓子製品等のような固体の食品製品を貯蔵する容
器が提供されている。容器40は、不活性ガス48を保持する上部空間47が設
けられた、食品製品44を保持する本体部分42を有している。容器40の上方
領域46は、蓋50により密封されており、この蓋は容器40内に貯蔵した食品
製品44の一部又は全てを取り出すことを容易にし得るように便宜に取り外すこ
とができる。上方領域46には、環状リング52又は同様の装置の形態をした制
限組立体を設けることができ、この制限組立体は、上方領域46内の容器の断面
積を縮小させる。該制限組立体52は、食品製品を取り出すための比較的狭小な
通路を提供すると同時に、蓋50を取り外したとき、容器からの不活性ガス48
の流れを最小にする空隙54を画成する。
【0035】 作用時、ユーザが蓋50を開け、スプーン等のような用具を使用して食品製品
44の中身の全て又は一部分を取り出す。不活性ガス48は上方に流れ且つ容器
の開いた端部から出る。しかし、制限組立体52は、不活性ガスの流れに対する
部分的な障壁を提供し、このため、容器内に十分な量の不活性ガス48が保たれ
、食品を取り出す操作の間、食品製品44と容器内に入る全ての空気との間に障
壁を提供する。空気よりも重い不活性ガスは容器を開けた後でさえ、容器内に留
まり勝ちである。
【0036】 食品を保持する容器のその他の形状及び寸法が本発明と共に採用可能であるこ
とが理解されよう。本発明は、不活性ガスを使用し、また、不活性ガスを補給す
る必要無く、容器内に貯蔵した食品製品を保護するものである。図6に図示した
実施の形態において、貯蔵区画及びその内部に保持された食品製品の容積の少な
くとも15%に等しく、好ましくは少なくとも20%の上部空間及び不活性ガス
の量を有することが望ましい。図1乃至図5の実施の形態の場合と同様に、図6
の実施の形態は、ヘリウム、ネオン、窒素及びアルゴンのような、食品製品を保
護するために使用することのできる任意の一般的な不活性ガスを採用することが
できる。上述したように、空気よりも重い不活性ガスは、食品を取り出す操作の
間、ガスの損失が少ない点にて最も好ましい。
【0037】 不活性ガスは空気との接触による劣化を防止する食品製品の保護障壁を提供す
ることが理解されよう。幾つかの場合、この機能を果たす一方、容器の雰囲気内
で完全には不活性でないガスを採用することが望ましいことがある。例えば、食
品防腐剤としてエチレンガスを採用することが既知であり、本発明にてこの型式
のガスを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上部空間内に保持された不活性ガス及びボトル内の開口部に達する首部分を有
するボトルの形態をした食品容器の側面図である。
【図2】 食品製品の一部分をボトルから取り出した、図1に図示したボトルの側面図で
ある。
【図3】 ボトルの内部に保持された中身の一部をボトルから取り出した後の図1に図示
したボトルの側面図である。
【図4】 ボトルの中身を排出したとき、不活性ガスが逃げるのを制限し得るようにボト
ルの形態の食品容器に不活性ガスが付与された、本発明の更なる実施の形態の図
である。
【図5】 中身の一部分をボトルから取り出す過程における図4に図示したボトルの側面
図である。
【図6】 不活性ガスが逃げるのを最小にし得るように設けられた制限組立体を有する食
品容器の形態による本発明の更なる実施の形態の側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品を貯蔵する装置において、 a)前記製品を貯蔵する貯蔵区画を画成するハウジングと、 b)貯蔵した製品を空気との劣化接触から保護するのに十分な量のガスを維持
    すべくハウジング内で貯蔵区画の上方にある空間と、 c)貯蔵区画からハウジングの外側に達する開口部まで伸びる通路であって、
    ガスを多量に失うことなく、製品の少なくとも一部分を貯蔵区画から取り出すこ
    とを許容する前記通路とを備える、装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の装置において、ガスが不活性ガスである、装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の装置において、不活性ガスが空気よりも重い、装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3の装置において、ガスがアルゴンである、装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の装置において、ボトルの形態をしている、装置。
  6. 【請求項6】 請求項1の装置において、製品の少なくとも一部分が取り出
    される開口部からガスの相当な部分が逃げるのを制限する制限手段を更に備える
    、装置。
  7. 【請求項7】 請求項6の装置において、ボトルの形態をしており、開口部
    が貯蔵区画よりも小さい断面積を有する、装置。
  8. 【請求項8】 請求項6の装置において、貯蔵区画から開口部まで伸びる首
    部分を備え、該首部分が貯蔵区画の断面積よりも小さい断面積を有する、装置。
  9. 【請求項9】 請求項6の装置において、首部分と、該首部分の少なくとも
    一部分の断面積を縮小させ得るように該首部分内に挿入可能な挿入体とを備える
    、装置。
  10. 【請求項10】 請求項9の装置において、挿入体が外方に又は容器内に内
    方に伸びる一対の伸長部を有する、装置。
  11. 【請求項11】 請求項6の装置において、制限手段が環状リングを備える
    、装置。
  12. 【請求項12】 請求項1の装置において、上部空間が貯蔵区画の容積の少
    なくとも15%である、装置。
  13. 【請求項13】 請求項9の装置において、挿入体が首部分内へのガスの流
    体流れを制限する、装置。
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