JP2003517280A - トランス相補性システムを用いての植物における生物医学用ペプチド及びタンパク質の生成 - Google Patents

トランス相補性システムを用いての植物における生物医学用ペプチド及びタンパク質の生成

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、機能的相補性システムを通して組換えウィルスを用いて宿主植物において外来性ポリペプチドを生成するための新規方法を開示する。前記方法は、全身性感染できる適切な組換えウィルスベクターの構成、及び1又は複数の組換えウィルスベクターによる宿主植物の感染を包含する。前記方法はまた、ウィルスのレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性である宿主細胞の感染にも向けられ、ここでウィルスレプリカーゼ遺伝子を発現するトランスジェニック直物はウィルスレプリカーゼ機能を補足する。本発明はまた、宿主植物において外来性ポリペプチドを生成するために全身性感染できる組換えウィルスベクターを含んで成る組成物も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 : 発明は、遺伝子工学及び分子構築の分野であり、そして特に、組換えウィルス
ベクター及びトランス相補性システムを用いて、植物において外来性ポリペプチ
ド及びポチヌクレオチドを全身的に生成するための方法を提供する。植物におい
てそのようなポリペプチド及びポリヌクレオチドを生成するための組成物がまた
、提供される。
【0002】発明の背景 : 最近、植物は、医学的に重要なタンパク質、例えばワクチン抗原の生成を活性
に目標とされて来た。 しかしながら、ヒト及び動物使用のための複雑な治療用タンパク質の植物に基
づく生成が商業的活動分野において広く行きわたった許容性を得る前、克服され
るべき技術的難題が残っている。タンパク質生成レベル、すなわちいずれかの異
性発現システムに対する重要な必要条件の最適化は、それらの難題の1つである
。現在、トランスジェニック植物における組換えタンパク質の直接的な発現は、
高レベルのタンパク質のための必要条件を常に満たすものではない。
【0003】 植物において高いレベルの外来性タンパク質を発現することへの1つの他のア
プローチは、植物病原体、例えば植物ウィルスを使用することである。ウィルス
ベクター技術は、次の利点を有する:(1)数週間で新規の、改良された又は修
飾された生成物をコードする遺伝子構造体を組み込み、そして評価することの柔
軟性;(2)ペプチドから複数なグリコシル化されたタンパク質の広範囲の生成
物を製造する能力;及び(3)他のタンパク質生成システムよりも実質的に低い
費用の製品及びサービスを達成する、実証された能力。
【0004】 植物ウィルスに基づくベクターは、外来性タンパク質を生成するために高い可
能性を有するが、いくつかの特性の改良のための必要性が存在する。外来性配列
の挿入は、移動、会合又は複製に関する妨害のために、ウィルスの感染性の失敗
又は低下をもたらすことができる。それらの困難性のいくつかは、ウィルス移動
及び複製に対する宿主植物の選択的圧力を低めることによって回避され得る。本
発明は、トランスジェニック植物及び/又は組換えウィルスを用いて、一定の機
能の補足による宿主植物に対する選択的圧力のこの低下を達成する。
【0005】発明の要約 : 本発明は、一般的に、ウィルスを用いて、宿主植物において外来性配列及びポ
リペプチドを生成するための方法及び組成物に関する。本発明は、組換え植物ウ
ィルスベクターを包含するトランス相補性システム(transcomplementation sys
tem)を用いての所望のタンパク質、及び選択されたウィルスのウィルス遺伝子を
発現するトランスジェニック植物の生成を促進する。従って、本発明は、トラン
スジェニック又は非トランスジェニック植物を感染し、それにより、植物を通し
ての所望するタンパク質又はポリペプチドの発現を導く、キメラウィルスを包含
する修飾された植物ウィルスを用いることによってタンパク質及びポリペプチド
を生成するための方法に向けられうる。用語、外来性ポリペプチド(又はタンパ
ク質)コードの核酸配列及び異種核酸配列とは、本明細書においては、交換可能
的に使用される。 当業者に明らかなように、ウィルスを用いて宿主細胞において外来性ポリペプ
チドを生成するための種々の方法が企画され得る。
【0006】 従って、本発明は、ウィルスの機能的トランス相補性を通して宿主植物におい
て外来性ポリペプチドを生成するための方法を提供し、ここで前記方法は、 (a)移動タンパク質をコードする核酸配列及びコートタンパク質核酸配列を
含んで成るウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が
更に、1又は複数の異種核酸配列の少なくとも1つの発現をもたらすように、前
記組換えゲノム成分中にクローン化された、前記1又は複数の異種核酸配列を含
んで成る、全身性感染のための組換えウィルスベクターを構成し; (b)ウィルスのレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性
である前記植物を提供し、ここで前記レプリカーゼ遺伝子を発現する前記植物は
前記ウィルスレプリカーゼ機能を補完し; (c)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる前記植物の感染が前
記宿主植物における全身性感染をもたらすように、前記組換えウィルスベクター
により前記宿主植物を1又は複数の位置で感染せしめ;そして (d)前記組換えウィルスベクターにより感染された前記植物において、前記
外来性ポリペプチドを、前記植物を成長せしめることによって生成することを含
んで成る。他方では、同じ方法が、非トランスジェニック植物においてポリペプ
チドを生成する; ために使用され得る。
【0007】 選択されたゲノム成分は、1,2又は3つに分かれたゲノムウィルスのもので
あり得る。ゲノム成分は、移動タンパク質をコードする遺伝子及び/又はコート
タンパク質をコードする遺伝子を有する。興味ある外来性ポリペプチドをコード
する、少なくとも1つの前記外来性ポリペプチドをコードする核酸配列(異種核
酸配列)は、コートタンパク質とのN−末端融合体を形成するために、十分な長
さのゲノム成分中にクローン化される。組換えウィルスベクターにおける少なく
とも1つの外来性ポリペプチド−コードの核酸配列は、残る組換えゲノム成分の
上流に配置されるインビトロ転写プロモーター配列である。
【0008】 本発明はまた、ウィルスの機能的トランス相補性を通してトランスジェニック
宿主植物において外来性ポリペプチドを生成するための方法を提供し、ここで前
記方法は、 (a)移動タンパク質をコードする核酸配列及び12個までのアミノ酸のN−末
端欠失を有するアミノ酸配列をコードする機能的変異体コートタンパク質核酸を
含んで成るウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が
更に、融合された異種核酸配列の発現をもたらすように、前記組換えゲノム成分
中にクローン化された、1又は複数の異種核酸配列(ここで、前記異種核酸配列
の1つが前記機能的変異体コートタンパク質核酸配列に融合される)を含んで成
る、全身性感染のための組換えウィルスベクターを構成し; (b)ウィルスのレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性
である前記植物を提供し、ここで前記レプリカーゼ遺伝子を発現する前記植物は
前記ウィルスレプリカーゼ機能を補完し; (c)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる前記植物の感染が前
記宿主植物における全身性感染をもたらすように、前記組換えウィルスベクター
により前記宿主植物を1又は複数の位置で感染せしめ;そして (d)前記組換えウィルスベクターにより感染された前記植物において、前記
外来性ポリペプチドを、前記植物を成長せしめることによって生成する; ことを含んで成る。
【0009】 機能的変異体コートタンパク質のアミノ酸配列は、N−末端から欠失された1
〜12個のアミノ酸、及び前記機能的変異体コートタンパク質のN−末端に融合さ
れる外来性ポリペプチドをコードする核酸配列を有することができる。前記異種
核酸配列は、B型肝炎表面抗原、エンテロトキシン、狂犬病ウィルス糖タンパク
質、狂犬病ウィルス核タンパク質、ノルウォークウィルスキャプシドタンパク質
、胃腸癌抗原、呼吸シンチウムウィルスのGタンパク質、サンドスタチン又は結
腸直腸癌抗原からなる群から選択されたワクチン抗原をコードすることができる
【0010】 本発明はまた、ウィルスの機能的トランス相補性を通して宿主植物において外
来ポリペプチドを生成するための方法を提供し、ここで前記方法は、 (a)生来の移動タンパク質をコードする核酸配列を含んで成るウィルスの組
換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に、異種核酸配列の発
現をもたらすように、生来のコートタンパク質をコードする核酸配列の代わりの
異種核酸配列を含んで成る、感染のための第1の組換えウィルスベクターを構成
し; (b)生来のコートタンパク質をコードする核酸配列を含んで成るウィルスの
組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に、異種核酸配列の
発現をもたらすように、生来の移動タンパク質をコードする核酸配列の代わりの
異種核酸配列を含んで成る、感染のための第2の組換えウィルスベクターを構成
し; (c)ウィルスのレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性
である前記植物を提供し、ここで前記レプリカーゼ遺伝子を発現する前記植物は
前記ウィルスレプリカーゼ機能を補完し; (d)1つの位置での前記第1及び第2組換えウィルスベクターによる前記植
物の感染が前記植物において全身性感染をもたらすように、前記第1の組換えウ
ィルスベクター及び前記第2の組換えウィルスベクターの混合物により1又は複
数の位置での前記植物を感染せしめ、ここで前記生来の移動タンパク質を発現す
る第1の組換えウィルスベクターはウィルスの細胞から細胞への移動機能を補完
し、そして前記生来のコートタンパク質を発現する第2の組換えベクターはウィ
ルスの長距離輸送機能を補完し;そして (e)前記組換えウィルスベクターにより感染された前記植物において、前記
外来性ポリペプチドを、前記植物を成長せしめることによって生成する; ことを含んで成る。
【0011】 本発明はさらに、キメラウィルスの機能的トランス相補性を通して宿主植物に
おいて外来性ポリペプチドを生成するための方法に関し、ここでこの方法は、 (a)第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配列、及び前記
第1種類のウィルスの生来のコートタンパク質核酸配列の代わりに第2種類のウ
ィルスの十分な長さのコートタンパク質核酸配列を含んで成る第1種類のウィル
スの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に、1又は複数
の異種核酸配列の少なくとも1つの発現をもたらすように、前記組換えゲノム成
分中にクローン化された前記1又は複数の異種核酸配列を含んで成る、全身性感
染のための組換えウィルスベクターを構成し; (b)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる宿主植物の感染が宿
主植物において全身性感染をもたらすように、前記組換えウィルスベクターによ
り1又は複数の位置で前記植物を感染せしめ、ここで前記種類のウィルスの生来
の移動タンパク質を発現する組換えウィルスベクターが前記キメラウィルスの細
胞から細胞に移動する機能を補完し、そして前記異なった種類のウィルスの十分
な長さのコートタンパク質核酸配列を発現する前記組換えウィルスベクターが前
記キメラウィルスの長距離輸送機能を補完し;そして(c)前記宿主植物を成長
せしめることによって、前記組換えウィルスベクターにより感染された宿主植物
において前記外来性ポリペプチドを生成する; ことを含んで成る。
【0012】 本発明はさらに、キメラウィルスの機能的相補性を通して宿主植物において外
来性ポリペプチドを生成するための方法に関し、ここでこの方法は、 (a)第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配列、前記第1
種類のウィルスの非機能的コートタンパク質核酸配列、及び前記第1種類のウィ
ルスの前記非機能的コートタンパク質核酸配列中に挿入される、第2種類のウィ
ルスの十分な長さのコートタンパク質核酸配列を含んで成る第1種類のウィルス
の組換えゲノム成分を含んで成る、全身性感染のための第1の組換えウィルスベ
クターを構成し; (b)第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配列、及び前記
第1種類のウィルスの非機能的コートタンパク質核酸配列を含んで成る第1種類
のウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に、第
1の異種核酸配列の発現をもたらすように、前記組換えゲノム成分中にクローン
化された第1の異種核酸配列を含んで成る、感染のための第2の組換えウィルス
ベクターを構成し; (c)前記第1種類のウィルスの移動タンパク質コードの核酸配列を含んで成
る前記第1種類のウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の
発現が更に、第2の異種核酸配列の発現をもたらすように、前記第1種類のウィ
ルスの非機能的コートタンパク質核酸配列中に挿入される、第2ウィルスの第2
の異種核酸配列並びに十分な長さのコートタンパク質核酸配列の5’及び3’非コ
ード配列を含んで成る、全身性感染のための第3の組換えウィルスベクターを構
成し; (d)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる宿主植物の感染が宿
主植物において全身性感染をもたらすように、前記第1及び第2の組換えウィル
スベクターにより1又は複数の位置で前記宿主植物を感染せしめ、ここで前記第
1種類のウィルスの生来の移動タンパク質を発現する前記第1、2及び第3の組
換えウィルスベクターが前記キメラウィルスの細胞から細胞への移動機能を提供
し、そして前記第2種類のウィルスの十分な長さのコートタンパク質核酸配列を
発現する前記第1の組換えウィルスベクターが前記キメラウィルスの長い距離の
輸送機能を提供し;そして (e)前記宿主植物を成長せしめることによって、前記組換えウィルスベクタ
ーにより感染された宿主植物において前記外来性ポリペプチドを生成することを
含んで成る。
【0013】 本発明はさらに、本明細書に記載される方法に従って生成される多量のポリペ
プチド含有植物又はその植物組織を哺乳類に投与し、前記個体において前記ポリ
ペプチドに対する免疫学的応答を誘発する段階を含んで成る、哺乳類において免
疫学的応答を誘発するための方法方法を提供する。
【0014】 本発明はまた、種々の組成物を企画する。従って、本発明の1つの態様は、第
1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配列、及び前記第1種類の
ウィルスの生来のコートタンパク質核酸配列の代わりに第2種類のウィルスの十
分な長さのコートタンパク質核酸配列を含んで成る第1種類のウィルスの組換え
ゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に、1又は複数の異種核酸
配列の少なくとも1つの発現をもたらすように、前記組換えゲノム成分中にクロ
ーン化された前記1又は複数の異種核酸配列を含んで成る、宿主植物において外
来性ポリペプチドを生成するための全身性感染できる組換えウィルスベクターを
含んで成る組成物である。
【0015】 本発明のもう1つの態様は、(a)移動タンパク質をコードする核酸配列を含
んで成るウィルスの組換えゲノム成分、及び前記組換えゲノム成分の発現が異種
核酸配列の発現をもたらすように、生来のコートタンパク質をコードする核酸配
列の代わりの異種核酸配列を含んで成る第1の組換えウィルスベクター;及び (b)生来のコートタンパク質コードの核酸配列を含んで成るウィルスの組換
えゲノム成分、及び前記組換えゲノム成分の発現が異種核酸配列の発現をもたら
すように、生来の移動タンパク質コードの核酸配列の代わりの異種核酸配列を含
んで成る第2の組換えウィルスベクターを含んで成る、宿主植物において外来性
ポリペプチドを生成するために全身性感染できる組換えウィルスベクターの混合
物を含んで成る組成物である。
【0016】 さらなる本発明の態様は、本明細書に記載される方法に従って生成された外来
性ポリペプチドを有する植物組織を含んで成る組成物である。 本発明のもう1つの態様は、宿主植物において外来性ポリペプチドを生成する
ためのアルファルファモザイクウィルスの組換えインビトロ転写体であり、ここ
で前記転写体は、(a)移動タンパク質コードの核酸配列;(b)コートタンパ
ク質の核酸配列;及び(c)前記移動タンパク質コードの核酸配列及び前記コー
トタンパク質の核酸配列の発現が異種核酸配列の発現をもたらすよう、組換えゲ
ノム成分中に挿入される異種核酸配列を含んで成り、ここで前記宿主植物が前記
ウィルスのレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性であり、
レプリカーゼ遺伝子を発現するトランスジェニック植物が前記ウィルスのレプリ
カーゼ機能をトランス補足する。
【0017】発明の特定の記載 : 本発明は、中でも、ウィルスを用いて植物において組換え外来性ポリペプチド
及びRNA配列を生成する新規手段のための方法に向けられる。特に、本明細書に
開示される方法の態様は、適切な宿主植物を感染し、そして宿主植物において外
来性配列又はポリペプチドを全身的に転写し、又は発現できる組換えウィルスベ
クターを使用する。
【0018】 本発明はまた、適切な宿主植物において外来性配列又はポリペプチドを全身的
に転写し、又は発現することができる組成物及び組換えインビトロ転写体に向け
られる。従って、本発明によれば、宿主細胞成分から容易に分離され得る外来性
ポリペプチド及びRNA配列の新規成分手段のための方法及び組成物が提供される
【0019】 本発明の実施は、特にことわらない限り、当業者の範囲内にある、分子生物学
、微生物学、ウィルス学、組換えDNA技法及び特に免疫学の従来の技術を用いる
。本明細書に引用されるすべての出版物及び文献(但し、特許に限定されない)
は、それぞれ個々の出版物又は文献が十分に示されるように本明細書において引
用により特別且つ個々に示されているかのように、それらの全体として引用によ
り本明細書に組み込まれる。
【0020】 本発明の1つの観点によれば、感染に基づいて外来性ポリペプチドを全身的に
発現できる組換えウィルスベクターを用いての植物における外来性ポリペプチド
の新規生成手段のための方法が提供される。感染とは、本明細書において使用さ
れる場合、核酸を宿主にトランスファーするか又は宿主ウィルス核酸を導入する
組換えウィルスベクターの能力であり、前記宿主において、ウィルス核酸が複製
され、ウィルスタンパク質及び外来性配列の両者が合成され、そして外来性配列
又はタンパク質を有する新規ウィルス粒子がアセンブルされる。本発明における
興味ある外来性ポリペプチドは、宿主植物において天然では見出されない。
【0021】 一般的な規則として、本発明の方法は、宿主植物における全身性感染のために
興味ある1又は複数の異種核酸配列を担持する1又は複数の組換えウィルスベク
ターを構成することを必要とする。ウィルスの全身性感染又はウィルスを全身的
に広げる能力は、細胞から細胞に広がり、そして植物の細胞のほとんどにおいて
複製し、そして発現する能力である。従って、植物の1つの部分中に核酸を導入
し、そしてそれを植物の残りの部分に広げる能力は、トランスジェニック培養物
から植物を成長せしめる問題を克服する。
【0022】 本発明の方法は、1又は複数の組換えウィルスベクターにより宿主植物を感染
した後、興味有る異種核酸配列が、一定のウィルス遺伝子及び/及び組換えウィ
ルスベクターのためにトランスジェニック性である宿主植物により提供される一
定機能の相補性により宿主植物において全身的に発現されることを必要とする。
宿主植物及び/又は組換えウィルスベクターにより供給される相補性機能は、ウ
ィルス複製、アセンブリー及び移動(細胞から細胞経の又は長距離の移動)を包
含する。宿主植物及び/又は組換えウィルスベクターにより提供される相補性機
能を通しての外来性配列又はポリペプチドの全身性広がりは、本発明の不可欠な
特徴である。本発明のいくつかの観点においては、組換えウィルスベクターは、
異種核酸配列がトランス相補性を通して全身的に発現されるよう企画される。
【0023】 従って、本発明は、複数の異種核酸配列を有する組換えウィルスベクターを構
成し、前記組換えウィルスベクターにより宿主植物を感染せしめ、そして前記宿
主植物の一定時間の増殖により宿主植物において興味ある外来性ポリペプチドを
生成する段階を包含する。前記工程はまた、必要により、所望する生成物を単離
することも包含する。感染された宿主の増殖は、所望する生成物の単離の場合の
ように、従来の技法に従う。所望により、組換えタンパク質の精製は非常に単純
化される。興味あるポリペプチドをコードする組換えDNA又はRNAはいずれかの源
からの天然に存在する遺伝子の一部又はすべてであり得、それは合成DNA又はRNA
配列であり得、又はそれは天然に存在する配列及び合成配列の組合せであり得る
【0024】 従って、本発明のいずれかの特徴を達成することにおける第1の段階は、ウィ
ルスのゲノム成分を操作することによって組換えウィルスベクターを構成するこ
とである。好ましいウィルスは、RNA含有植物ウィルスである。多くの植物ウィ
ルスはRNAゲノムを有するが、遺伝子情報の構成はグループ間で異なることは良
く知られている。従って、ウィルスは、1,2又は3つに分かれたウィルスであ
り得る。“ゲノム”とは、ウィルスの全遺伝子材料を言及する。“RNAゲノム”
とは、ビリオン(ウィルス粒子)に存在する場合、ゲノムがRNA形で存在するこ
とを言及する。
【0025】 この必要条件を満たし、そして従って、適切であるいくつかのウィルスは、ア
ルファルファモザイクウィルス(AIMV)、イラルウィルス、ククモウィルス、例
えばキュウリ緑斑点モザイクウィルス(CGMMV)、クロステロウィルス又はトバ
マウィルス(タバコモザイクウィルスグループ)、例えばタバコモザイクウィル
ス(TMV)、タバコ腐食ウィルス(TEV)、カウピーモザイクウィルス(CMV)、
及びブロメモザイクウィルス群からのウィルス、例えばブロメモザイクウィルス
(BMV)、ソラマメ斑点ウィルス及びカウピー萎黄斑点ウィルスを包含する。追
加の適切なウィルスは、イネ壊死ウィルス(RNV)、及びジェミニウィルス、例
えばトマトゴールデンモザイクウィルス(TGMV)、タピオカ潜伏ウィルス(CLV
)及びトウモロコシ条斑ウィルス(MSV)を包含する。それらの適切なウィルス
グループのそれぞれは十分に特徴づけられており、そして当業者に良く知られて
いる。
【0026】 本発明のキメラ遺伝子及びベクター、及び組換え植物ウィルス核酸は、当業界
において良く知られている技法を用いて構成されることは注目されるべきである
。手短には、操作、例えば制限、ブラント末端を供給するためのオーバーハング
のフィルイン、リンカーの連結、又は同様のことにより、フラグメントの相補的
末端が結合及び連結のために提供され得る。種々の段階を行う場合、クローニン
グが、所望するウィルスゲノム成分及び異種核酸の組み合わせを製造するために
、DNAの量を増幅するために、及び操作が正しい態様で生じたかを確かめるため
にDNAの分析を可能にするために用いられる。
【0027】 クローニングベクターがE.コリにおいて機能的な複製システム、及び形質転換
された細胞の選択を可能にするマーカーを包含する、広範囲の種類のクローニン
グベクターが利用できる。代表的なベクターは、一次DNA構造体の操作のためのp
BR332, pUCシリーズ、M13mpシリーズ、pACYC184, 等を包含する。Life Technolo
gies Catalogne (1999);Amersham Pharmacia Biotech Catalogne (1999) を参
照のこと。
【0028】 従って、配列は、適切な制限部位でベクター中に挿入され得、得られるプラス
ミドはE.コリ宿主を形質転換するために使用され得、前記E.コリは適切な栄養培
地において増殖され得、そして細胞が収穫され、そして溶解され、そしてプラス
ミドが回収される。分析は、配列の分析、制限分析、電気泳動又は同様のものを
包含することができる。個々の操作の後、最終構造体に使用されるべきDNA配列
は制限され、そして次の配列に連結され、ここで部分構造体の個々が同じか又は
異なったプラスミドによりクローン化され得る。適切な技法は、標準の文献に記
載されており、そして当業者に良く知られている。DNA操作及び酵素処理は、製
造業者の推薦する方法に従って行われる。
【0029】 ウィルスの選択された組換えゲノム成分中への異種核酸配列のクローニングは
、末端融合(N−末端、C−末端)及び/又は内部融合を包含する種々の手段で生
じ得る。融合タンパク質の構成は、ウィルスベクターの遺伝子、例えばコートタ
ンパク質遺伝子の翻訳開始コドンに隣接する適切な制限部位の同定を必要とする
。適切な制限部位は、開始コドンにおける塩基変更の導入により、コード配列に
おけるいずれかの変更を伴なわないで形成され得る。そのような修飾の例示とし
て、AIMVコートタンパク質が図1Aに示される。そのAIMVコートタンパク質は、A
UGにおけるAUのTCによる置換がXhoI部位を生成するような手段で修飾される。他
方では、他の制限部位が、外来性ポリペプチドをコードする異種核酸配列を導入
するために便利な手段を提供するカセットベクターを得るために使用され又は導
入され得る。
【0030】 外来性ポリペプチドのためのコード配列は、ウィルスベクターにおける形成さ
れた部位中への直接的な連結を可能にする調製物を必要とする。例えば、上記AI
MVコートタンパク質中に導入されるXhoI部位中への外来性ポリペプチドをコード
する配列の導入は、連結のための適合できる末端の生成を必要とする。これは、
典型的には、外来性ペプチドのC−末端近くでXhoIを生成するために、特定部位
の突然変異誘発の1又は2個の塩基の修飾を必要とする。好ましい方法は、適切
な制限部位を端に有する、外来性ポリペプチドコードの配列を生成するためにリ
ンカーとしてプライマーを使用することである。配向は、コード配列における制
限部位の使用により調べられる。
【0031】 それらのN−末端融合からのその得られる構造体は、AIMVコートタンパク質プ
ロモーター配列、開始シグナルとしてそれ自体のATG及びAIMVタンパク質遺伝子
配列を有する所望する外来性ポリペプチド−含有配列のAIMVコートタンパク質遺
伝子の最初の数個のコドンにおけるイン−フレーム融合体、及びターミネーター
を含む。従って、タンパク質合成は、融合タンパク質を生成するために、外来性
遺伝子上のメチオニンのための開始コドンからウィルス遺伝子(例えば、コート
タンパク質)上の停止コドンまで、通常の手段で生じる。すべての態様において
は、ウィルスゲノム上の調節部位は、機能的のまま存在することができる。外来
性ポリペプチド又はタンパク質−コードの核酸とは、本明細書において使用され
る場合、興味ある外来性ポリペプチド又はタンパク質、例えばワクチン抗原、抗
体、等をコードする配列を言及する。
【0032】 内部融合は、ウィルスのコード配列、例えばコート−タンパク質コード配列へ
の、外来性ポリペプチドコード配列又は異なった種類のウィルスのコートタンパ
ク質コード配列の配置を包含する。従って、種々の方法は、外来性ポリペプチド
の核酸配列の特定の使用に依存し、そして当業者に明らかであろう。
【0033】 いくつかの態様においては、外来性ポリペプチド又はタンパク質(カーゴペプ
チド)をコードする核酸配列がさらに、動物において固有の細胞膜−トランスロ
ケーション活性を有する組換えポリペプチド又はタンパク質を生成するために構
築される。典型的には、そのような組換えポリペプチド又はタンパク質の企画に
おいては、シグナルペプチドの領域(動物細胞中への輸送のためのキャリヤーと
して使用される)が、興味あるポリペプチド、すなわちカーゴペプチドのN−末
端又はC−末端のいずれかに配置され得る。この方法を用いて、動物に投与され
る場合、生存細胞中への効果的な輸送を可能にするために、数個のタンパク質か
ら大きな分子質量(40kDa以上)の範囲の広範囲の種類のタンパク質に膜−トラ
ンスロケーション能力を付与することが可能である。
【0034】 シグナルペプチド配列の疎水性領域(h領域)が、それらの活性を破壊しない
で、生存細胞中にペプチド(カーゴ)を供給するためのキャリヤーとして使用さ
れ得ることは、当業界において良く知られている。Linなど., 1995, J. Biol. C
hem., 270: 14255-14258を参照のこと。従って、外来性タンパク質(カーゴペプ
チド)、特にワクチン抗原及び抗体は、短い膜−トランスロケーションペプチド
配列への融合体のその結合の後にのみ、細胞−膜を透過性にされ得る。
【0035】 それらの植物により生成される興味ある外来性ポリペプチドは、非経口的に及
び/又は経口的に投与され得るワクチン抗原であり得る。それらのワクチン抗原
はまた、タンパク質、例えば炭疽菌の保護抗原、すなわち投与された抗原の細胞
シトソールへの輸送を促進することができる熱ショックタンパク質と融合するよ
う構築され得る。ワクチン抗原は免疫エンハンサー、例えばサイトカイン及びホ
ルモンと共に同時発現され、そして同時投与され得ることが注目されるべきであ
る。
【0036】 ウィルスコートタンパク質は十分な長さのタンパク質をコードする必要がなく
;融合されたタンパク質のキャリヤー分子として作用し、そしてキャプシド化機
能を保持するいずれかのコードされたコートタンパク質が十分である。タンパク
質をコードする核酸配列から配列を欠失せしめ、又はその核酸配列を突然変異誘
発し、そしてそれらの欠失された又は突然変異誘発された配列によりコードされ
るタンパク質の機能を確保するための多くの方法は、当業者に知られている。従
って、本発明はまた、既知機能を保持するタンパク質をコードするウィルスゲノ
ム成分のコートタンパク質核酸配列の突然変異誘発された又は欠失された類似体
又は変異体コートタンパク質にも関する。
【0037】 それらの類似体は、機能が保持される限り、N−末端、C−末端又は内部欠失を
有することができる。本発明者は、その機能を変更しないでAIMVコートタンパク
質のN−末端から欠失され得る最大数のアミノ酸は、14個のアミノ酸であること
を発現した。多くの場合、そのような欠失を担持するコートタンパク質は、十分
な長さのタンパク質よりも有意に良好に機能することができる。従って、本発明
の特に好ましい態様においては、ウィルスのコートタンパク質は、コートタンパ
ク質のN−末端から欠失された最大の10〜12個、5〜10個、1〜5個、1〜4個、3
個、2個、又は12個まで、又は14個までのアミノ酸残基を有することができる
【0038】 いくつかの他の態様においては、コートタンパク質のN−末端の最初の10〜12
個、5〜10個、1〜5個、1〜4個、3個、2個、1個、又は12個までの又は14個ま
でのアミノ酸残基が、いずれかの組合せで修飾され、又は置換される。それらの
中で、植物を感染するために使用されるウィルスベクターに存在する場合、得ら
るコートタンパク質の性質及び活性を増強するか、または変更しないサイレント
置換及び/又は修飾が特に好ましい。欠失及び修飾アプローチまたは、ウィルス
の他の核酸配列、たとえば移動タンパク質コードの配列にも適用され得る。
【0039】 使用される転写終結領域は、多くの場合、終結領域は比較的交換可能的である
と思われるので、主として便利な領域であろう。転写終結領域は、転写体の3’
末端の成形を制御する配列、例えばポリアデニル化配列及び自己分解性リボザイ
ムである。転写終結領域は、転写開始領域に対して生来のものであり得、興味あ
るポリペプチドをコードする異種核酸配列に対して生来のものであり得、又は他
の源に由来することができる。他の生物における発現のための終結シグナルは、
文献において良く知られている。転写体の正確なスプライシングのための配列も
また包含され得る。例としては、イントロン又はトランスポゾンを列挙すること
ができる。
【0040】 本明細書において使用される組換えウィルスベクターは、インビトロ転写体で
あり得る。組換えゲノム成分、及びポリペプチドコードの異種核酸配列のアセン
ブリーの後、この組合せは、インビトロ転写体を生成するために、下流の配列の
インビトロ転写を駆動することができる異種プロモーター(異種核酸配列)の後
ろに配置され得る。インビトロ転写体のための効果的な異種プロモーターの例は
、バクテリオファージプロモーター、例えばT7ファージプロモーター又はSPGプ
ロモーターを包含する。
【0041】 そのようなウィルスベクター/ペプチドをコードする異種核酸配列/インビトロ
転写ベクターの組合せがアセンブリーされた後、感染のためのインビトロ転写体
が、インビトロ転写により生成され得、そして植物細胞におけるウィルスベクタ
ーの維持のために必要ないずれか他のウィルスRNAインビトロ転写体と共に混合
され得る。ベクターからのRNA生成は、例えばAusubel など., Short Protocols
in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, 1992に記載される方法
により行われ得る。
【0042】 感染のためのインビトロ転写体が、当業者に知られているいずれかの技法によ
り植物の受容体細胞に適用され得る。適切な技法は、次のものを包含するが、但
しそれらだけには限定されない:手動接種、例えば研磨接種(葉の研磨、緩衝溶
液における研磨)、機械化された噴霧接種、真空浸潤、粒子衝撃及び/又はエレ
クトロポレーション。混合ウィルスベクターの使用は、植物のタイプ、及び/又
は感染のために使用されるウィルスの種類に依存することが十分に理解されるべ
きである。
【0043】 従って、1つの方法においては、AIMVウィルスレプリカーゼ発現のトランスジ
ェニック植物宿主が使用される場合、AIMV RNA3又はRNA4ゲノム成分をそれぞれ
有する組換えウィルスベクターの混合物が使用される。もう1つの方法において
は、非トランスジェニック植物宿主及びウィルスベクターとしてのAIMVウィルス
が使用される場合、AIMV RNA1, RNA2, RNA3又はRNA4をそれぞれ有する組換えウ
ィルスベクターの混合物が使用される。
【0044】 組換えベクターが接種のための接種物を調製するために懸濁される適切な緩衝
溶液は、当業者において良く知られている。例えば、植物の葉が、1体積(v/v
)のFES緩衝液(1% (w/v) のピロリン酸ナトリウム、1%(w/v)のマラコイ
ド、1%(w/v)のセライト、0.5Mのグリシン、0.3MのK2HPO4, pH8.3, 及びリン
酸)を添加した後、Yosibovなど., 1997に記載のようにして、組換えウィルスベ
クターのインビトロ転写生成物により接種され得る。インビトロ転写生成物及び
FES緩衝液の混合物が、葉の表面をカーボランダム(320grit; fisher, Pittsbur
gh, PA)により研磨した後、特に適用され得る。接種は、接種物を広げ、そして
さらに、葉の表面を研磨するために軽くこすることによってもたらされ得る。
【0045】 本発明の好ましい態様においては、初期の植物接種は、インビトロ転写体によ
り行われ得る。組換えウィルス粒子が宿主植物から収穫されると、それらのウィ
ルス粒子は、インビトロ転写体を使用しないで、さらなる接種のために原液とし
て使用され得る。
【0046】 外来性ポリペプチドが組換えウィルベクターを用いて植物において生成される
本発明の態様に関しては、ウィルス粒子の生成のために必要な成分をコードする
野生型ウィルスのシス−活性配列のすべて又はほとんどが保持される。それらの
態様においては、外来性ポリペプチドをコードする異種核酸配列が、組換えゲノ
ム成分中にクローン化される。例えば、外来性ポリペプチドをコードする異種核
酸配列が、移動タンパク質及びコートタンパク質配列を有するウィルスの組換え
ゲノム成分中に挿入され得る(野生型ウィルスのシス−活性配列が保持される情
況)。
【0047】 しかしながら、多くの場合、ウィルス粒子の生成のために必要な成分をコード
するシスー活性配列が、ウィルス粒子ベクターから任意に欠失され、又はそのベ
クターにおいて不活性にされる。それらの場合、ミッシングが相補性により供給
される。例えば、ミッシング成分が、第2の組換えウィルスベクターからシス又
はトランスでの相補性により供給され得る。用語“シスでの”とは、2種の配列
がRNA又はDNAの同じ鎖上に位置することを示す。用語“トランスでの”とは、2
種の配列がRNA又はDNAの異なった鎖上に位置することを示す。
【0048】 従って、1つの好ましい態様においては、植物は、ウィルス粒子の生成におい
て相補的役割をそれぞれ有する1つよりも多くの組換えウィルスベクターにより
感染される(同時−感染)。例えば、第1の組換えウィルスベクターにおけるコ
ートタンパク質遺伝子は、外来性ポリペプチドをコードする異種核酸配列により
置換される。第2の組換えウィルスベクターにおいては、移動タンパク質遺伝子
は、第1の組換えウィルスベクターにおけるように、外来性ポリペプチドをコー
ドする異なった又は同じ異種核酸配列により置換される。
【0049】 第1及び第2の組換えウィルスベクターは、トランス相補性のために相補的ベ
クターとしての同時感染のために混合され得る。また、実施例を参照のこと。も
う1つの好ましい態様においては、上記トランス相補性により供給されないウィ
ルス粒子形成又は増殖のための他の機能が、ウィルス遺伝子に対してトランスジ
ェニック性である宿主植物に存在する。例えば、ウィルスレプリカーゼ遺伝子を
発現するトランスジェニック植物、すなわちRcP植物は、ウィルスレプリカーゼ
機能を補足するために使用され得る。
【0050】 本発明の予測できない観点は、第1種類のウィルス(例えば、TMV)のコート
タンパク質遺伝子が第2種類のウィルス(例えば、AIMV)の長距離移動及びキャ
プシド封入機能をシス補足する発見である(例5を参照のこと)。従って、本発
明における相補性は、種々の菌株及びさらに種々の属、例えばウィルス及び植物
を通してかなり広く適用され得る。このようにして達成される一定の機能の相補
性は、中でも、宿主植物による選択的圧力を低め、それにより、組換えウィルス
ベクターの移動、アセンブリー又は複製の促進において、及び組換えウィルスの
植物宿主範囲の拡張において利点を有する。
【0051】 種々の技法が、植物及び植物組織の遺伝子形質転換(すなわち、植物への外来
性DNAの安定した組み込み)のために利用でき、そして当業者に良く知られてい
る。それらは、アグロバクテリウム(Agrobacterium)種による形質転換及び直
接的な遺伝子トランスファーによる形質転換を包含する。例えば、キメラDNA構
造体が、双子葉植物、例えばハバコ及びアブラナ科から得られた宿主細胞中に、
標準のアグロバクテリウムベクターを用いて、Moloncyなど., 1989, Plant Cell
Rep., 8: 238-242; 及びHincheeなど., 1988, Bio/Technol., 6: 915-922によ
り記載されるような形質転換プロトコール、又は当業者に知られている他の技法
により導入され得る。
【0052】 例えば、植物細胞の形質転換のためへのT−DNAの使用は、広範囲な研究を受け
ており、そして次の文献に詳細に記載されている:Knauf, など., (1983), Gene
tic Analysisi of Host Range Expression by Agrobacterium, p.245, In: Mole
cular Genetics of the Bacteria-Plant Interaction, Puhler, A. ed., Spring
er-Verlag, NY; Hoekemaなど., (1985), Chapter V; In: The Binary Plant Vec
tor System Offser-drukkerij Kanters B. V., Alblasserdam; 及びAnなど., (1
985), EMBO J., 4: 277-284。手短に言及すると、外植片がアグロバクテリウム
・ツメファシェス(Agrobacterium Tumefaciens)又はアグロバクテリウム・リ
ゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)と共に同時培養され、植物細胞中に転写
構造体がトランスファーされ得る。
【0053】 アグロバクテリウムを用いての形質転換に続いて、植物細胞は、選択のための
適切な培地に分散され、続いて、カルス、苗条及び終局的には、苗木が回収され
る。アグロバクテリウム宿主は、植物細胞へのT−DNAのトランスファーのために
必要なVir遺伝子を含んで成るプラスミドを有するであろう。また、Dodds, J. e
d., Plant Genetic Engineering, Cambridge University Press, Cambridge (19
85) を参照のこと。
【0054】 非アグロバクテリウム技法の使用は、広範囲の種類の単子葉及び双子葉植物及
び他の生物における形質転換及び発現を得るために、本明細書に記載される構造
体の使用を可能にする。それらの技法は、アグロバクテリウム形質転換システム
において処理しにくい種のために特に有用である。遺伝子トランスファーのため
の他の技法は、バイオリスティクス(Biolistics)(Sanford, 1988, Trends in
Biotech., 6: 299-302), エレクトロポレーション(Frommなど., 1985, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 82: 5824-5828; Riggs and Bates, 1986, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA82: 562-5606)、又はPEG−介在性DNA摂取(Potrykus など., 1985
, Mol. Gen. Genet., 199: 169-177)を包含する。
【0055】 本明細書に記載される特定の方法のいずれかによりウィルスを用いて生成され
る興味ある外来性ポリペプチドは、いずれかのペプチド又はタンパク質であり得
る。興味あるポリペプチドをコードする異種核酸配列は、天然由来、合成由来、
又はその組合せのものであり得る。
【0056】 本発明は、組換えポリペプチドの源又は使用により限定されない。特に興味あ
るものは、生物医学、治療及び/又は診断価値を有するそれらのタンパク質又は
ペプチドである。それらのタンパク質又はポリペプチドは、ワクチン抗原、例え
ばウィルスコートタンパク質又はGタンパク質、又は微生物細胞壁又はトキシン
タンパク質、癌抗原又は種々の他の抗原ペプチド、抗体、特に免疫グロブリンの
VH又はVL鎖の翻訳融合を有する1本鎖抗体、直接的な治療価値あるペプチド、例
えばインターロイキン1、抗凝集ヒルジン及び血液凝固因子を包含する。病原性
寄生体、例えばエントアメーバ及び同様のものに由来するワクチン抗原がまた使
用され得る。他の生物学的剤、例えばヒト成長ホルモン又はウシソマトトロピン
もまた生成され得る。
【0057】 特に、次の病原体からのワクチン剤が特に言及され得る:S. チピ(S. typhi
)(ヒトチフスの原因)、S. チピムリウム(S. typhimurium)(サルモネラ症の
原因)、S. エンテリチス(S. enteritis)(ヒトにおける食物の中毒の原因)、S.
コレラエ(S. Cholerae)(動物におけるサルモネラ症の原因)、ボルデテラ・ペ
ルツシス(Bordetella pertussis)(フーピング咳の原因)、ハエモシラス・イン
フルエンザエ(Haemophilus influenzae)(髄膜炎の原因)、ネイセリア・ゴノロ
ホエアエ(Neisseria gonorrohoeae)(淋病の原因) 及びヘモフィラス(Haemoph
ilus)。病原性寄生体、例えばエントアメーバからのワクチン剤もまた包含され
る。
【0058】 本発明によれば、本発明の範囲内に包含される宿主植物は、植物界の高等及び
下等植物のすべての種である。成熟植物、実生及び種子が本発明の範囲に包含さ
れる。成熟植物は、実生後の成長のいずれかの段階での植物を包含する。実生は
成長の初期段階での非常に若い未成熟植物である。特に、外来性配列及びポリペ
プチドを生成するための宿主として使用され得る植物は次のものを包含するが、
但しそれらだけには限定されない:被子植物(Angiosperms)、ブリオファイト
(Bryophytes)、例えばヘパチカエ(Hepaticae)(苔類) 及びムスシ(Musci)
;プテリドファイテス(Pteridophytes)、及びシダ類、トクサ及びヒカゲノカ
ズラ;ジャイムノスパーム(Gymnosperms)、例えば針葉樹、ソテツ、イチョウ
及びグネツム;及び藻類、例えばクロロフィセアエ(Chlorophyceae)、ファエ
オフィセアエ(Phaeophyceae)、ロードフィセアエ(Rhodophyceae)、ミクソフ
ィセアエ(Myxophyceae)、キサントフィセアエ(Xanthophyseae)及びユーグレ
ノフィセアエ(Euglenophyceae)。
【0059】 所望する配列の生成のための植物は、選択された植物のタイプ及び地理学的位
置に依存して、インビボ及び/又はインビトロで成長され得る。選択された植物
は、適切なフィールド条件及び/又はインビトロ条件下での栽培しやすい植物で
あることが重要である。植物の成長のための条件は、植物学、農業経済学、分類
学及び植物組織培養に関する種々の基本的な本に記載されており、そして当業界
において知られている。
【0060】 被子植物の中で、下記文章に同定される科の収穫物及び/又は収穫物のメンバ
ーの使用が特に企画される。本発明の方法に使用される植物メンバーはまた、種
間及び/又は属間ハイブリッド、突然変異誘発された及び/又は遺伝子的に構築さ
れた植物も包含する。用語“収穫物メンバー”とは、野菜、穀物、飼草、飼料、
香辛料及び脂肪種子のための源として商業的に細胞される種を特に言及する。“
収穫物関連メンバー”とは、収穫物として、及び収穫物メンバーへの農業経済的
に有用な遺伝子のドナーとして可能性ある価値を有するそれらの植物である。
【0061】 従って、収穫物の関連メンバーは、収穫物メンバーと遺伝子材料を交換するこ
とができ、従って飼育者及び生化学者による種間(すなわち、1つの種から他の
種に)及び属間(すなわち、1つの属から他の属に)遺伝子トランスファーを可
能にする。当業者は、植物間の遺伝子材料を交換し、そして種間及び遺伝子トラ
ンスファーの効果を試験する方法は十分に特徴づけられていることを理解するこ
とであろう。例えば、本明細書に引用により組み込まれる、Goodmanなど., Scie
nce, 236: 48-54, 1987を参照のこと。
【0062】 それらの科は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:レ
グミノサエ(leguminosae)(マメ科)、例えばエンドウ、アルファルファ及び
大豆;グラミネアエ(Gramineae)(イネ科)、例えばイネ、トウモロコシ、小
麦;ソラナセアエ(Solanaceae)、特にリコペルシコン(Lycopersicon)属、特
にエスキュレンタム(esculentum)種(トマト)、ソラナム(Solanum)属、特
にツベロサム(tuberosum)種(ジャガイモ)及びメンゲナ(melongena)種(ナ
ス)、カプシカム(Capsicum)属、特にアンナム(annum)種(コショウ)、タ
バコ及び同様のもの;
【0063】 ウンベリフェラエ(Unbelliferae)、特にダウカス(Daucus)属、特にカロタ
(carota)種(ニンジン)及びアピウム(Apium)、特にグラベオレンス・ダル
セ(graveolens dulce)種(セロリ−)及び同様のもの:ルタセアエ(Rutaceae
)、特にシトラス(Citrus)属(オレンジ)及び同様のもの;コンポジタエ(Co
mpositae)、特にラクッカ(Lactuca)属、及びスタチバ(stativa)種(レタス
)及び同様のもの、及びクルシフェラエ(Cruciferae)科、特にブラシカ(Bras
sica)及びシナピス(Sinapis)属。
【0064】 ブラシカセアエ(Brassicaceae)科の“成長性”収穫物メンバーの例は、次の
ものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ニゲノム四倍体、例えば
ブラシカ・ジュンセア(L.)シセルン(Brassica Juncea)(L.) Czern. )(マス
タード)、B.カリナタブラウン(B. Carinata Braun)(エトピアンマスタード)及
び一ゲノム二倍体、例えばB. オレラセア(L.)(B. oleracea)(L.)(アブラナ
属の収穫物)、B. ニグラ(L.)コーチ(B. nigra (L.) Koch)(ブラックマスタ
ード)、B. カンペストリス(L.)(B. campestris)(L.) )(カブナタネ)及びラ
ファヌス・サチバス(L.)(Raphanus sativus (L.))(ラディッシュ)。
【0065】 ブラシカセアエ科の“脂肪種子”収穫物メンバーの例は、次のものを包含する
が、但しそれらだけには限定されない:B. ナパス(L.)(B.napus (L.))(菜種
)、B.カムペストリス(L.)(B. campestris (L.))、B. ジュンセア(L.)シセ
ン(B. juncea (L.) Czern. 及びB. トルニホルチ(B. tournifortii))及びシ
ナピス・アルバ(L.)(Sinapis alba (L.))(ホワイトマスタード)。
【0066】 要するに、本発明において使用される植物メンバーは、(a)インビボ又はイ
ンビトロで短い時間で、高等バイオマスに成長され得;(b)種々の農業気候条
件下での成長のために適合でき;(c)単一栽培のために、本明細書に記載され
る、改良された非従来の農業実施に適合でき;(d)突然変異誘発及び/又は遺
伝子トランスファーによる遺伝子操を受けやすくし;そして(e)毎年、いくつ
かの収穫物を生成できる植物である。さらに、植物メンバーは、選択されたウィ
ルスのための天然の宿主である。他方では、選択されたウィルスは、宿主として
機能するために植物と適合できるようにされ得る。
【0067】 使用される宿主植物(植物界における下等植物〜高等植物)のタイプに依存し
て、感染された又は全身的に感染された宿主植物又はその組織は、接種の10日後
、好ましくは接種の14日後、及びより好ましくは接種の16日後に収穫され得る。
組換えウィルス及び所望する配列の分析(検出及び定量化)のためのサンプルは
、感染された植物の粗抽出物及び精製された組換えウィルスから取られ得る。組
換えウィルスは、感染された組織から精製され、これは当業界において知られて
いる標準のウィルス精製方法を用いて、容易に達成され得る。
【0068】 興味あるポリペプチド及びポリヌクレオチドは、硫酸アンモニウム又はエタノ
ール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセル
ロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマ
トグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマ
トグラフィーを包含する、良く知られている方法により、組換えウィルスから回
収され、そして精製され得る。高性能流体クロマトグラフィーが、精製のために
使用され得る。タンパク質を再生するための良く知られた技法が、ポリペプチド
が単離及び/又は精製の間、変性される場合、活性コンホメーションを再生する
ために使用され得る。
【0069】 上記に概略された親和性方法以外の精製技法が、本発明のタンパク質を精製す
るか、又はその精製を補足するために使用され得る。そのような方法は、分離用
電気泳動、FPLC(Pharmacia, uppsala, Sweden)、HPLC(例えば、ゲル濾過、逆
相又は軽い疎水性のカラムを用いる)、ゲル濾過、示差沈殿(例えば、“塩析”
沈殿)、及びイオン−交換クロマトグラフィーを包含する。親和性マトリックス
を創造するために使用されるマトリックスは好ましくは、炭水化物マトリックス
、例えば架橋されたデキストラン(例えば、商標Sepharoseとして市販されてい
る)又はアガロース(例えば、“Sephacryl”としてPharmacia, Swedenから市販
されている)を含んで成る。マトリックスは、マトリックスに結合されるであろ
う親和性リガンド及び本発明の多官能価酵素の両者の侵入を可能にするのに十分
な孔サイズを有するべきである。適切な親和性カラムを合成するための方法は、
良く知られている。例えば、Axenなど., Nature, 214: 1302-1304, 1967を参照
のこと。
【0070】 組換えウィルスにおけるポリペプチド及び核酸は、当業者に良く知られている
多くの手段により検出され、そして定量化される。感染された植物は、個々のウ
ィルスに対して特異的な徴候を示す。多くの実験技術がまた、検出のために使用
され得る。それらは次のものを包含する:分析生化学方法、例えば分光測光、放
射線透過写真、電気泳動、細管電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC
)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー及び同様のも
の、及び種々の免疫学的方法、例えば液体又はゲル沈殿反応、免疫拡散(単又は
二重)、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合されたイムノ
ソルベントアッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ及び同様のもの。核酸の検出
は、良く知れている方法、例えば、ノザン分析、ゲル電気泳動、PCR、放射性ラ
ベリング及びシンチレーションカウンティング及び親和性クロマトグラフィーに
より進行する。
【0071】 当業者は、イムノアッセイにおいて及び分析物精製の間、非特異的結合を減じ
ることがしばしば所望されることを理解するであろう。アッセイが固体支持体上
に固定されるポリペプチド、抗体又は他の捕獲剤を包含する場合、支持体への非
特異的結合の量を最少にすることが所望される。そのような非特異的結合を低め
る手段は、当業者に良く知られている。典型的には、これはタンパク質性組成物
による支持体の被覆を包含する。特に、タンパク質組成物、例えばウシ血清アル
ブミン(BSA)、脱脂粉乳及びゼラチンが広く使用される。
【0072】 ウェスターンブロット分析はまた、サンプルにおける転写体ポリペプチド又は
抗体、又は酵素消化生成物の存在を検出し、そして定量化するためにも使用され
得る。その技術は一般的に、分子量に基づいてゲル電気泳動によりサンプル生成
物を分離し、分離されたタンパク質を適切な支持体(例えば、ニトロセルロース
フィルター、ナイロンフィルター又は誘導体化されたナイロンフィルター)にト
ランスファーし、そして分析物に対して特異的に結合するラベリング抗体と共に
サンプルをインキュベートすることを含んで成る。前記ラベリング抗体は、固体
支持体上の分析物に対して特異的に結合する。それらの抗体は、ラベリング剤、
例えば、ラベリング抗体に対して特異的に結合する抗体を用いて、直接的にラベ
ルされ、又は他方では、続いて検出される。固体支持体の表面への化合物(例え
ば、ラベルされた抗体)の非特異的結合を妨げるために、表面は典型的には、第
2化合物(例えば、乳汁)によりブロックされる。
【0073】 ラベリング剤は、例えばモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、タンパク
質、例えば本明細書に記載されるそれらのもの、又は他のポリマー、例えば親和
性マトリックス、炭水化物又は脂質を包含する。検出は、いずれかの既知の方法
、例えばイムノブロッティング、ウェスターン分析、ゲル−移動シフトアッセイ
、蛍光現場ハイブリダイゼーション分析(FISH)、生物発光マーカーの追跡、核
磁気共鳴、又はサイズ、電荷又は親和性に基づいて分子を追跡する他の方法によ
り進行する。従って、ラベルは、分光、光化学、生化学、免疫化学、電気、光学
的又は化学的手段により検出できるいずれかの組成物である。本発明における有
用なラベルは、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads, TM.)、蛍光色素(例えば、フ
ルオレセインイソチオシアネート、ローダミン及び同様のもの)、放射性ラベル
(例えば、3H, 25I, 35S, 14C又は32P)、及び核酸挿入剤(例えば、エチジウム
ブロミド)を包含する。
【0074】 ラベルは、当業界において良く知られている方法に従って、アッセイの所望す
る成分に直接的に又は間接的にカップリングされる。上記で示されたように、広
範囲の種類のラベルが使用され、そしてラベルの選択は、必要とされる感受性、
化合物の接合の容易性、安定性必要条件、利用できる器具及び廃棄設備に依存す
る。
【0075】 ラベルを検出する手段は、当業者に良く知られている。従って、例えば、ラベ
ルが放射性ラベルである場合、検出のための手段は、シンチレーションカウンタ
ー又はオートラジオグラフィーにおけるような写真フィルムを包含する。ラベル
が蛍光ラベルである場合、それは、光の適切な波長を有する蛍光色素を励起し、
そしてその得られる蛍光を、例えば蛍光顕微鏡、可視検査により、写真フィルム
を通して、又は電子検出器の使用及び同様のものにより検出することによって検
出され得る。
【0076】 病原体又はワクチン抗原(又は抗原又は免疫原決定基)により感染された動物
又はヒト宿主は、挿入する病原体又はワクチン抗原に応答して免疫応答を開始す
る。免疫系は、当業界において良く知られている3種の基本的に異なった手段で
作動する。Lodish など., Molecular Cell Biology, Scientific American Book
s, New York (1995); Roittなど., Immunolgy, Mosby International, London (
1998) (それらは、引用により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0077】 従って、外来性ポリペプチド又はポリヌクレオチド、又は本明細書に記載され
る方法に従って生成されるそれらの発現する細胞が、抗−細菌、抗―ウィルス及
び/又は抗−癌作用を有する特定の抗体を生成するために、動物、例えばヒトの
免疫化のための抗原として又は免疫原として使用され得る。さらに、1又は複数
のアミノ酸残基が修飾されているポリペプチド(すなわち、ポリペプチドの誘導
体)がまた使用され得る。例えば、そのようなポリペプチドは、アミノ酸の置換
、付加又は転位、又はその化学的修飾の結果物であり得る。すべてのそのような
置換及び修飾は、一般的に、当業者に良く知られている。
【0078】 本発明はまた、下記にさらに論じられるように、成分として抗原をコードする
外来性核酸のDNAワクチンへの使用も企画する。 本発明のもう1つの観点は、病原体により引き起こされる感染及び/又は疾病
から動物を保護するために、抗体及び/又はT細胞免疫応答を生成するのに適切な
、ワクチン抗原、又は本発明に従って生成された、精製されたワクチン抗原を含
む、有効量の植物細胞又は組織を動物に投与することを包含する、動物、特にヒ
トにおいて免疫学的応答を誘発するための方法に関する。そのような免疫的応答
が、その免疫が動物内にすでに確立されていても又はいなくてもいずれにせよ、
動物における細菌又はウィルス複製又は寄生病原体複製を遅延する方法がまた提
供される。
【0079】 ポリペプチド及びそれらの誘導体は、本発明の特定の観点を形成する、免疫学
的に同等の誘導体を包含する。用語“免疫学的に同等の誘導体”とは、本明細書
において使用される場合、病原体と哺乳類宿主との間の相互作用を妨げるよう作
用する免疫学的応答を動物において生ぜしめるために適切な配合物において使用
されるペプチド又はその同等物を包含する。免疫学的応答は、治療学的に又は予
防学的に使用され、そして抗体免疫又は細胞免疫の形、例えばCTL又はCD4+ T細
胞から発生するその形を取ることができる。
【0080】 ポリペプチド、例えば免疫学的に同等の誘導体又はその融合タンパク質は、動
物を免疫化するための抗原として使用される(例7を参照のこと)。融合タンパ
ク質は、ポリペプチドに対する安定性を提供することができる。抗原は、例えば
、接合により、免疫原性キャリヤータンパク質、例えば投与された抗原の細胞シ
トソールへの輸送を促進できる熱ショックタンパク質の保護抗原と会合され得る
。他方では、タンパク質又はポリペプチドの複数のコピーを含んで成る複合抗原
ペプチド、又はその免疫学的に同等のポリペプチドは、キャリヤーの使用を不必
要にするよう免疫原性を改良するために十分に抗原性であり得る。
【0081】 本発明はまた、本発明の免疫原生組換えタンパク質及び適切なキャリヤーを含
んで成るワクチン融合物も包含する。タンパク質は胃において分解され得るので
、それは好ましくは、非経口投与され、例えば皮下、筋肉内、静脈内又は経皮内
投与される。非経口投与のために適切な配合物は、体液、好ましくは血液と配合
物を等張性にする、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤及び溶質を含む水性及び非水性
無菌注射溶液;及び沈殿防止剤又は増粘剤を含む水性及び非水性無菌懸濁液を含
む。
【0082】 配合物は、単位−用量又は多−用量容器、例えば密封されたアンプル及びバイ
アルにおいて提供され、そして使用の直前、無菌液体キャリヤーの添加のみを必
要とする、凍結乾燥された状態で貯蔵され得る。ワクチン配合物はまた、配合物
の免疫原性を増強するためのアジュバントシステム、例えば水中油システム及び
当業界において知られている他のシステムを含むことができる。治療においては
、又は予防剤としては、活性剤、すなわち所望するワクチン抗原(ポリペプチド
又はポリヌクレオチド)は、注射用組成物として、例えば無菌水性分散液、好ま
しくは等張液として患者に投与され得る。投与量は、ワクチンの比活性に依存し
、そして通常の実験により容易に決定され得る。
【0083】 前で示されたように、植物ウィルスは、植物細胞において早い速度で複製し、
そして発現し、それにより、感染に続いて、結合された外来性配列を有する多数
のウィルス粒子の急速な生成を導く。多くのウィルスは、細胞当たり106〜107
の粒子を有する。従って、細胞当たり10〜100pgのウィルスコートタンパク質が
存在する。従って、組換えウィルスベクターを用いる本発明の方法によれば、0.
5〜1.0mgの外来性ポリペプチドが、その外来性ポリペプチドが所望のウィルスの
コートタンパク質に融合される場合、植物組織1g当たり生成され得る。 植物ウィルスを用いて抗原又は非抗原性外来ポリペプチドとの融合されたコー
トタンパク質を生成するための方法、及び外来性ポリペプチドに対する免疫応答
を誘発するために動物に融合されたコートタンパク質を供給するための方法が、
引用により本明細書に組み込まれるWO98/08375号に示される。
【0084】 次の例は、本発明をさらに例示するものであり、本発明の範囲を限定するもの
ではない。下記例は、特にことわらない限り、当業者に良く知られており、そし
て日常のことである標準の技法を用いて実施される。例は例示的であって、本発
明を制限するものではない。本明細書に記載される動物の処理又は予防方法は好
ましくは、哺乳類、最も好ましくはヒトに適用される。
【0085】 実施例 例1.異なった外来性ペプチドを発現するためのNF1の構成: 出発プラスミドpCPΔAUG(Loesh-Friesなど., 1985, Virology 146, 177-187
) は、AUG翻訳開始コドンがクローニングのためのXhoI (CTCGAG) 部位、及び翻
訳において欠失のRNA分子を創造するためにTCGにより置換されるよう修飾された
AIMVコートタンパク質を含む。pSPΔAUGを用いて、すべてのNF1構造体を創造し
た(図1A及びB)。
【0086】 AIMVの十分な長さのRNA3におけるAIMV CPの翻訳融合物としての外来性ペプチ
ドのクローニングの略図が図1に示される。(A)は、使用されるクローニング
技法を表す。2個の楕用形は、XhoI及びSalIクローニング部位を有する外来性ペ
プチドを表す。CPΔAUGはAIMV CPであり、ここで翻訳開始コドン(AUG)はXhoI
クローニング部位を創造するために突然変異誘発されている。T7P3Salは、P3の
ためのORF、RNA3の5’非コード領域及びサブゲノムRNA4を含むAIMV RNA3の5’部
分である。
【0087】 SalI部位は、AIMV CP AUG を突然変異誘発するために位置1192で創造される。
さらに、T7P3Salは、感染性RNA3転写体のインビトロ合成のためのT7プロモータ
ーを含む。NF1は、AIMV CPに融合される外来性ペプチドを含む十分な長さのRNA3
である。(B)pNF1/g24は、狂犬病糖タンパク質からのエピトープを含むRNA3で
ある。pNF1/RSVは、RSV Gタンパク質からの24個のアミノ酸エピトープを含む。p
NF1/Sandは、オクテロイドサンドスタチンを含み、そして、pNF1/TVEは結腸直腸
癌GA733-2からの104個のアミノ酸と融合されるCPを含む。クローン化されたペプ
チドのアミノ酸配列が個々の構造体下で示される。ステム−ループ構造は、RNA3
の3’側非コード領域を示す。
【0088】 右の配向に連結される外来性ポリペプチド−コードの核酸を有するそれらの構
造体のみが使用されることは注目されるべきである。外来性ポリペプチド−コー
ドの核酸の右の配向は、プロモーターに隣接するその5’−末端と共に存在する
。右の配向は、制限消化分析又は配列決定分析により確かめられる。
【0089】 a. pNF1/RSV (図1B) RSVによる感染に対する免疫化されたマウスを保護するために示される(Basti
en など., 1997, Virology 234, 118-22)、十分な長さのAIMVコートタンパク質
及び呼吸シンチチウムウィルス(RSV)のGタンパク質からの24個のアミノ酸ペプ
チドから成る融合タンパク質を創造するために、PCRクローニングを用いた。そ
れらの24個のアミノ酸をコードするDNA配列(図1B;配列番号1)を、PCR増幅
し、そしてコートタンパク質との翻訳融合によりAIMVゲノム中にクローン化した
。第1鎖プライマーとして、5’GCGCTCGAGCATCATGTCACCCTGCAGCATATGCAGCAACAAT
CCA3’ (配列番号2)、及び第2鎖プライマーとして、5’CGCGTCGACTTGCAGATAGC
CCAGCAGCTTGGATTGTTGCT3’ (配列番号3)を用いて、エピトープを増幅した。
【0090】 それぞれ、5’及び3’末端で導入されたXhoI及びSalIを有するRSVエピトープ
を含む90−塩基対(bp)のPCRフラグメント(24個のアミノ酸をコードする)を
、XhoI及びSalIにより消化し、そしてXholにより線状化されたpSPΔAUG中に連結
し、CPRSVを構築した。得られるプラスミドをpSPCPRSVと命名する。組換えタン
パク質の翻訳は、RSVエピトープをコードするヌクレオチド配列の上流に存在す
る、キメラ遺伝子の5’末端で創造されるAUGコドンから開始する。
【0091】 その組換えプラスミドはまた、AIMVコートタンパク質の結合する5’−(野生
型AIMVコートタンパク質翻訳開始コドンから上流の37個のヌクレオチド)及び3
’−(AIMVコートタンパク質停止コドンに続いて、及びアセンブリーのAIMV起点
を含む192個のヌクレオチド)非コード領域を含む。エピトープを、コートタン
パク質のN−末端に融合した。配列の確認の後、組換えコートタンパク質を、AIM
Vの十分な長さのRNA3中にサブクローン化し、pNF1RSVを創造した(図1B)。十
分な長さのコートタンパク質及び本明細書に記載される方法を用いて、追加の構
造体を次の通りに構築した:
【0092】 b. pNF1/g24 (図1B) PCRを、第1鎖プライマーとして、5’GCGCTCGAGGGTACCATGTCCGCCGTCTACACCCGA
ATTATGATGAACGGAGGAGGACTTAAGCGACCACCAGACCAGCTTG3’ (配列番号4)及び第2鎖
プライマーとして、5’CGAGGTACCCTCTTCCACCACAAGGTGCTCATTTTCGTCGGATCGGAAGTC
GTGAAGGTTCACAAGCTGGTCTGGTGGTCGCTTAAGTCGTCC3’ (配列番号5)を用いて行った
【0093】 NF1Drg24は、致死用量の攻撃性狂犬病ウィルスに対して免疫化されたマウスを
保護できる狂犬病エピトープにより融合されたコートタンパク質を含む。次の段
階は、狂犬病ウィルスヌクレオタンパク質(31D)からのエピトープを有するキ
メラ(Drg24)として、線状エピトープ、すなわち狂犬病ウィルス糖タンパク質
のG5-24の構築を包含した。このキメラを、AIMVコートタンパク質と融合せしめ
た。キメラエピトープDrg24を、第1鎖と第2鎖との間に18個の相補的ヌクレオ
チドを含むオリゴヌクレオチドを用いて、その相補的ヌクレオチド鎖がアニーリ
ングし、そしてPCR反応を開始するよう、PCRにより合成した。120bp (40個のア
ミノ酸をコードする;配列番号6)のPCR生成物を、XhoIにより消化し、そしてpS
PDAUG中にクローン化し、pSPCPDrg24を創造した。後者を、AIMV RNA3の5’部分
による連結により組合し、pNF1/g24を得た。
【0094】 c. pNF1/Sand (図1B) サンドスタチンは、疾病の人々においてヒト成長ホルモンの合成を抑制するた
めに使用される9個のアミノ酸ペプチド(配列番号7)である。第1鎖プライマ
ーとして、5’GCGGAATTCGTTTTTATTTTTAATTTTCTTTCAATTACTTCCATCATGAGTTCTTTCTG
TTTCTGGAAA3’ (配列番号8)、及び第2鎖プライマーとして、5’GCGCTCGAGCGAG
TACACGTTTTCCAGAAACAGAA3’(配列番号9)を用いて、PCRによりAIMVのコートタ
ンパク質と、サンドスタチンとを融合せしめた。次に、その融合生成物を、上記
のようにして、十分な長さのRNA3中にクローン化した。
【0095】 d. pNF1/TVE (図1B) 結腸直腸癌抗原GA733−2 (Linnenbach など., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA86: 27-31) からの104個のアミノ酸パプチドを、変異体AIMV CPにより融合
せしめた。この領域は、結腸直腸癌関連抗体17−1Aにより認識される特定のコ
ンホメーションを有する。GA733−2のこの領域(104個のアミノ酸;配列番号10
)をコードする配列を、第1プライマーとして、5’GCGCTCGAGGGTACCATGCGACGGC
GACTTTTGCCGCA3’ (配列番号11) 及び第2鎖プライマーとして、5’GTCGACCTG
GTACCAGTGTTCACACACCAGCACG3’(配列番号12)を用いて、PCR増幅した。そのP
CR生成物をXhoI及びSalIにより消化し、そしてXholによりpSPDAUG中にクローン
化した。その得られるプラスミドはpNF1/TVEである(図1B)。
【0096】 例2.異なった外来性ペプチドを発現するためにNF2の構成: ウィルス粒子中への融合タンパク質のアセンブリーは、ウィルスの単離により
植物からペプチド又はポリペプチドを精製する能力を非常に増強する(例3を参
照のこと)。しかしながら、生成物(ペプチド)のいくつかは、機能的活性につ
いて融合タンパク質(粒子)からの分離を必要とする。AIMVコートタンパク質は
、コートタンパク質のN末端で、アミノ酸24と25との間での分離を可能にする天
然のトリプシン認識部位を有する。ペプチドがNF1に融合される場合、トリプシ
ンによる分解は、それらのC末端でAIMV CPの24個のN末端アミノ酸を担持する外
来性ペプチドをもたらすであろう。これは、いくつかのポリペプチドの機能的活
性のために有害である。
【0097】 キャリヤー分子の特徴を改良するために、多くのAIMVコートタンパク質変異体
を試験した。AIMVコートタンパク質の12個のN−末端アミノ酸の欠失は、野生型
の機能を保持し、そして野生型と同じサイズのペプチドを収容できる変異体分子
をもたらした。新規クローンpSPDATG3は、すべての野生型RNA配列を含む。それ
は、元の翻訳開始部位(AUG)から33個のヌクレオチド(11個のアミノ酸)下流
に存在する、位置1226 (RNA3配列)でKpnIクローニング部位を創造することによ
って、pSP65DAUGから誘導される。
【0098】 位置1226でのKpnI部位を、第1鎖プライマーとして、5’GCGCTCGAGTTCTTCACAAA
AGAAAGCTGGTGGGAAAAGGTACCGCTGG3’ (配列番号13)、及び第2鎖プライマーとし
て、5’ATTAAAAGAGCTCAGACTC3’ (配列番号14) を用いて、PCRにより導入した。
PCR生成物を、XhoI及びSstIにより消化し、そしてXhoI及びSstIにより切断され
たpSP65ΔAUG中にクローン化し、元のDNAフラグメントを変異体フラグメントに
より置換した(図2)。
【0099】 AIMVの十分な長さのRNA3における変異体AIMV CP (CPATG3)との翻訳融合体とし
ての外来性ペプチドのクローニングの略図が、図2に示されている。(A)は使
用されるクローニング方法を表す。2個の楕円形は、KpnIクローニング部位を有
する外来性ペプチドを表す。CPATG3は、変異体AIMV CPであり、ここで翻訳開始
コドン(AUG)が突然変異誘発され、外来性ペプチドのクローニングのために位
置1226でXhoI及びKpnI部位が創造された。T7P2Salは、P3のためのORF、RN3の5’
側非コード領域及びサブゲノムRNA4を含むAIMV RNA3の5’部位である。
【0100】 SalI部位を、位置1192で創造し、AIMV CP AUGを突然変異誘発し、そしてCPATG
3における同じ位置でXhoI部位中にクローン化した。さらに、T7P3Salは、感染性
RNA3転写体のインビトロ合成のためのT7プロモーターを含む。NF2は、AIMV CPに
融合される外来性ペプチドを含む十分な長さのRNA3である。(B)pNF2RSVは、RSV
Gタンパク質からの24個のアミノ酸エピトープを含む。pNF2/Sandは、オクテロチ
ドサンドスタチンを含み、そしてpNF2/TVEは、結腸直腸癌GA7333-2からの104個
のアミノ酸により融合されるCPを含む。クローン化されたペプチドのアミノ酸配
列は、個々の構造体下に示されている。ステムーループ構造は、RNA3の3’側非
コード領域を示す。 変異体タンパク質と野生型タンパク質とを比較するために、本発明者は、次の
ペプチドとの融合体を構築した:
【0101】 a. pNF2/RSV (図2B) RSV Gタンパク質の抗原性エピトープをコードするDNA配列を、第1鎖プライマ
ーとして、5’GCGCTCGAGGGTACCATGTCCTTTGTACCCTGCAGCATATGCAGCAACAATCCA3’ (
配列番号15)、及び第2鎖プライマーとして、5’CGAGGTACCCTCTGGTATTCTTTTGCAG
ATAGCCCAGCAGGTTGGATTGTTGCT3’ (配列番号16)を用いて、PCR増幅した。PCRの間
、KpnI部位を、NF2中にクローニングするために導入した。そのPCR生成物をKpnI
により消化し、そしてKpnIにより線状化されたNF2中に連結し、NF2RSVを得た。p
NF2/RSVは、RSV Gタンパク質の抗原性エピトープが変異体コートタンパク質CPDA
TG3のN−末端に融合されている、十分な長さのRNA3から成る。
【0102】 b. pNF2/Sand (図2B) サンドスタチンをコードする配列を、第1鎖プライマーとして、5’GCGGGTACC
ATGTTCTGTTTCTGGAAAACGTGTACTGCTGGTAAACCTACTAAACGT3’ (配列番号17)、及び第
2鎖プライマーとして、5’GCGCTCGAGCATCCCTTAGGGGCATTCATGCA3’ (配列番号18
) を用いて、PCR増幅した。第1鎖プライマーは、アニーリングのためにサンド
スタチン(27個のヌクレオチド)及びAIMV CP(19個の3’側ヌクレオチド)の両
者のための配列を含む。
【0103】 従って、PCR生成物は、サンドスタチンをコードする配列、及びRNA3のヌクレ
オチド1226の下流のAIMV CPのすべての配列を含むであろう。従って、PCR生成物
を、KpnI(新たに導入された)ApaI(元のAIMV配列における)により消化し、こ
こでサンドスタチンをコードする配列、続いて変異体コートタンパク質CPDATG3
をコードする配列が存在し、そしてKpnI ApaIによりNF2RSV中にクローン化し、
コートタンパク質の同一の領域を、融合されたRSV領域により置換した。その得
られるプラスミドは、pNF2/Sandである(図2B)。
【0104】 c. pNF2/TVE (図2B) 結腸直腸癌抗原GA733-2 (Linnenbachなど., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 86: 27-31) からの104個のアミノ酸ペプチドを、変異体AIMV CPと融合せしめ
た。この領域は、結腸直腸癌関連抗体17−1Aによりに認識される特定のコンホ
メーションを有する。GA733-2のこの領域(80個のアミノ酸)をコードする配列
を、第1鎖プライマーとして、5’GCGCTCGAGGGTACCATGCGACGGCGACTTTTGCCGCA3’
(配列番号19)、及び第2鎖プタイマーとして、5’GTCGACCTGGTACCAGTGTTCACACA
CCAGCACG3’ (配列番号20) を用いて、PCR増幅した。PCR生成物を、KpnIにより
、消化し、そしてKpnIにより消化されたNF2RSV中にクローン化し、融合されたRS
Vエピトープを変異体コートタンパク質により置換した。得られるプラスミドは
、pNF2/TVEである(配列番号2B)。
【0105】 例3.十分な長さのタンパク質を生成するためにRNA3a及びRNAMの構成: AIMVは3種のゲノムRNAを有する。RNA1及び2は、ウィルスRNAの複製のために
必要とされるP1及びP2タンパク質をコードする。RNA3は、P3(細胞から細胞への
移動)及びコートタンパク質(長い距離の移動及びキャプシド封入)をコードす
る。コートタンパク質は、サブゲノムRNA4から翻訳される。RNA4をゲノムRNA3か
ら合成する。P3及びコートタンパク質は、十分に感染性であることがウィするに
必要とされる。それらの2種のタンパク質のいずれかの欠失が、ウィルスの感染
性を制限するであろう。
【0106】 ウィルス感染性のためのそれらの2種のタンパク質の重要性に基づいて、本発
明者は、突然変異をRNA3中に導入し、2種の新規分子(RNA3a及びRNA3b, 図2)
を創造した。RNA3aは、機能的活性のp3を有し、そしてコートタンパク質生成に
おいては欠失する。RNA3bは、機能的活性コートタンパク質を有し、そしてP3生
成においては欠失する。コートタンパク質及びP3の機能は、野生型RNA3を置換す
る2種の異なった分子(RNA3a及びRNA3b)から補足され得る。RNA3aは、野生型
コートタンパク質が変異体コートタンパク質により置換されているNF2(例2を
参照のこと)である。
【0107】 この突然変異は、AIMV CP翻訳開始コドンを排除し、そして位置1226でのサブ
クローニングのためのKpnI部位を創造するために導入された。従って、RNA3aに
おいてコートタンパク質遺伝子のための翻訳開始コドンは存在しない。代わりに
、それは、XhoI−ApaI又はKpnI−ApaIを用いて所望する遺伝子の配列によりコー
トタンパク質配列を置換するためのXhoI(RNA3の位置1192)、KpnI及びApaI(RNA3
の位置1800)クローニング部位を有する(図2)。
【0108】 RNA3bにおいて、本発明者は、第2鎖プライマーとして5’GCACTCATTCAACATTGC
TAGCTTATGTTTTTGTTTACGGAGCTCAAG3’ (配列番号21)、及び第1鎖プライマーとし
て、5’CATGCCATTGAMAGGTGACACAATAG3’ (配列番号22)を用いてのPCRにより、P3
のための翻訳開始コドン(ATG)を、NheI制限部位により置換した。鋳型として
、本発明者はT7RNA3を用いた。T7プロモーター、及び突然変異を有するRNA3の5
’側の245個のヌクレオチドを含む増幅されたDNAフラグメントを、PstI XhoI に
より消化し、そしてPstI XhoIにより分離されたT7RNA3中にクローン化し、野生
型配列を置換した。従って、RNA3bは、所望する遺伝子の配列によりP3の読み取
り枠を置換するためにXhoI及びNdeI制限部位(図4)を有する。このシステムは
、1又は2個の遺伝子の同時発現を可能にする。この方法を用いて、本発明者は
、次のタンパク質をRNA3a又はRNA36中にクローン化した(図3A又は4A):
【0109】 RNA3aの構成は図3に示される。RNA3は、AIMVの野生型ゲノムRNAである。ボッ
クスは、移動タンパク質P3及びコートタンパク質CPのためのORFを示す。ステム
−ループ構造は、RNA3の3’側非コード領域を示す。(A)新たに導入されたKpnI
部位及び突然変異誘発されたAUGコドンを含むPCR生成物を、CPDAUG中にクローン
化し、CPATG3を創造した。CPATG3は、AIMV CPの翻訳において欠失し、そして位
置1226でKpnIクローニング部位を有する。次に、CPATG3を、図2に記載のように
して、クローニングのためのXhoI及びSalI部位を用いてT7P3Salと組合し、RNA3a
を得た。(B)A3a/GFP−AIMV CPのためのORFを、GFPのORFにより置換する。A3a/
17-1ALCは、結腸直腸癌関連抗体17−1AのLCのためのORFを含む。A3a/gp53は、
ウシ下痢ウィルスからの糖タンパク質を含む。
【0110】 RNA3bの構成は図4に示される。RNA3は、AIMVの野生型ゲノムRNAである。ボ
ックスは、移動タンパク質P3及びコートタンパク質CPのためのORFを示す。ステ
ム−ループ構造は、RNA3の3’側非コード領域を示す。(A)T7プロモーター、
及びP3の突然変異誘発されたAUGコドンを含むPCR生成物を、PotI及びXhoI制限部
位を用いて、AIMV RNA3の感染性cDNAクローンであるT7/A3中にクローン化する。
得られるプラスミドは、RNA3b である。RNA3bは、P3の翻訳において欠失し、そ
してXhoI(位置245)NdeI(位置1082)クローニング部位を有する。(B)は、P3
のためのORFがGFPのORFにより置換されているA3b/GFPを示す。ステム−ループ構
造は、RNA3の3’側非コード領域を示す。
【0111】 a. クラゲからのGFP(緑色蛍光タンパク質)(図3B)は、異なったシステム
における発現のためのマーカーとして使用されて来た。本発明者は、GFPを増幅
し、第1鎖プライマーとして、5’GCGGGTACCGTCGACGGCCAGATCGGCCATGAGTAAAGGAG
AAGAAC3’ (配列番号23)、及び第2鎖プライマーとして、5’GCGGGCCCATTAATGCG
GCCGCTCATTTGTATAGTTCATCC3’ (配列番号24) を用いて、クローニングのためのK
pnI及びApaI制限部位を導入した。増幅されたPCR生成物を、KpnI及びApaIにより
消化し、そしてKpnI及びApaIにより切断されたpNF2/RSV中にクローニング化した
。得られるクローンpA3a/GFPは、RNA3の5’及び3’側非コード領域及びP3及びGF
PのためのORFを含む。ヌクレオチド1226−1800間のコートタンパク質の読み取り
枠を、GFPの読み取り枠により置換した。
【0112】 b. ウシ下痢ウィルスのgp53(BVDV, 図3B)。gp53は、インビトロ及びインビ
ボでウィルス中和抗体を刺激することが示されている。gp53は、BVDVを検出し、
そして妨げるために使用される診断キット及びワクチン調製物の主用成分である
。本発明者は、第2鎖として、5’GCGGGCCCATTAATGCGGCCGCTCATTTGTATAGTTCATCC
3’ (配列番号25)、及び第1鎖プライマーとして、5’GCACTCGAGTTACTCACTTGATA
TGATTTCATATGGTCT3’ (配列番号26)を用いて、pGEM-T (Promega, Madison, Wisc
onsin) 発現ベクター中に、RT−PCRにより、BVDVのNADI株からのgp53の読み取り
枠をクローン化した。配列の確認の後、gp53のORFを、PacI及びXhaIにより切断
し、そしてブラント末端連結を用いて、KpnI及びApaIにより消化されたpNF2/RSV
中にクローン化し、pA2a/gp53を創造した(図3B)。
【0113】 c. モノクローナル抗体17−1AのL鎖(LC)(図3B)。17−1Aは、GA733-2抗
原により結合された結腸直腸癌に対するモノクローナル抗体(Kinnenbachなど.,
1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 27-31)である。17−1AのL鎖をコー
ドする遺伝子を、第1鎖プライマーとして、5’GCGTTAATTAAGGCCAGATCGGCCATGGG
CATCAAGATGGGATCA3’ (配列番号27)、及び第2鎖プライマーとして、5’GCGTTAA
TTAAGCGGCCGCCTAACACTCATTCCTGTTGAA3’ (配列番号28) を用いて増幅し、そして
pGEM-Tベクター中にクローン化した。配列の確認の後、17−1A LCのORFを含むD
NAフラグメントを、Padにより切断し、そしてブラント末端連結を用いて、KpuI
及びApaIにより消化されたpNF2/RSV中にクローン化し、pA3a/17-1ALC(図3B)
を創造した。
【0114】 d. GFPをまた、RNA3b中にクローン化し、ORFとP3とを置換し、そしてpA3b/GFP
を創造した(図4B)。GFPのORFを、KpNI及びApaIによりpGEM-GFPから切断し、
そしてNhel及びNdeIにより切断されたRNA3b中にクローン化し、P3のORFを置換し
た。得られるクローンpA3b/GFP (図4B)は、RNA3, AIMV CP及びGFP ORFの5’及
び3’−非コード領域を含む。ヌクレオチド245−1100間のP3の読み取り枠を、GF
Pの読み取り枠により置換した。
【0115】 例4.AIMVのレプリカーゼタンパク質を発現するトランスジェニック植物を用 いてのAIMV CPに融合される外来性ペプチドの生成 : Rep植物は、AIMVのレプリカーゼタンパク質(P1及びP2)を発現するトランス
ジェニックタバコ植物である。RNA3によるそれらの植物の接種は、単に、ウィル
ス感染、及びRNA3の全身性移動をもたらすことが示されている。これは、トラン
スジェニック植物において発現されるP1及びP2がウィルスレプリカーゼ機能を補
足するであろうことを示す。
【0116】 トランスジェニックRep植物を用いてAIMVコードタンパク質に融合される外来
性ペプチドを生成することの仮説を試験するために、本発明者は、pNF1/RSV, pN
F1/Sand, pNF1/g24, pNE1/TVE, pNF2/RSV, pNF2/Sand及びpNF2/TVEのインビトロ
に転写体により植物を接種した。タバコの葉を、組換えRNA3のインビトロ転写生
成物により接種した。組換えRNA3の転写生成物を、30mMのリン酸ナトリウム(pH
7.2)により1:1に希釈し、そしてカーボランダム(320grit; Fisher, Pittsb
urgh, PA)により葉の表面をすりむいた後、拡張するタバコの葉上に適用した。
【0117】 接種は、接種物を広げ、そしてさらに、葉の表面をすりむくために軽くこする
ことによってもたらされた。組換えウィルスを、記載のようにして(Yusibovな
ど., 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 5784-5788)、接種物が適用され
た後12−14日で単離した。手短には、葉組織をすりつぶし、そして液汁を遠心分
離により細胞残骸から分離した。ウィルス粒子を、5%ポリエチレングリコール
を用いて、選択的に沈殿せしめた。次に、精製されたウィルスを、ウェスターン
分析を用いて、十分な長さの組換えタンパク質及び興味あるペプチドの存在につ
いて分析した。
【0118】 ウェスターンブロット分析:ウィルス感染された植物において生成される組換
えタンパク質を、ウェスターンブロット(Yusibovなど., 1997, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 94, 5784-5788)により分析した。精製されたウィルス粒子からの
タンパク質を、SDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動的に分離し、そして3
3mAでナイロン膜上に一晩、電気ブロットした。乳汁によりブロックした後(Kir
kegaard & Perry; Gaithersburg, MD)、タンパク質を適切な抗体と反応せしめ
、そしてVectastain ABC キット(Vector Laboratories, Burlingame, CA)を用
いて検出した。
【0119】 組換えタンパク質を、AIMVコートタンパク質(Agdia, Elkhart, JN)及び狂犬
病糖タンパク質の線状エピトープ(G5−24)(Dietzscholdなど., 1990, J. Vir
ology 64, 3804-3809)に対して特異的な抗体を用いて検出した。 NF1/RSVのウェスターン分析及びクーマシー染色が図5に示される。タンパク
質を、13%SDS−ポリアクリルアミドゲルを通して電気泳動により分離し、そし
てRSV Gタンパク質のエピトープに関して、AIMVコートタンパク質に対して特異
的なモノクローナル抗体により結合し、そしてクーマシー(C)により染色した
【0120】 野生型AIMVコートタンパク質(24kD)は、AIMVコートタンパク質(A)に対す
る抗体とのみ結合し、そして融合ペプチド(B)に対する抗体とは結合しなかっ
た。しかしながら、融合タンパク質NF1/RSVは、感染された葉からの全抽出物に
おける及び精製されたウィルスサンプルにおけるキャリヤー分子(AIMV CP)及
び融合されたパプチド(RSV)の両者に対して特異的な抗体により認識された(A
及びB)。接種されなかった植物からの全抽出物(C−(合計))は、いずれの抗
体と共に反応しなかった。全抽出物における及び精製されたウィルスサンプルに
おけるNF1/RSVのクーマシー染色は、精製方法の効能を示す。
【0121】 NF2/RSVのウェスターン分析及びクーマシー染色が図6に示される。タンパク
質を、13%SDS−ポリアクリルアミドゲルを通して電気泳動により分離し、そし
てRSV Gタンパク質のエピトープに関して、AIMVコートタンパク質に対して特異
的なモノクローナル抗体により結合し、そしてクーマシー(C)により染色した
。野生型AIMVコートタンパク質(24kD)は、AIMVコートタンパク質(A)に対す
る抗体とのみ結合し、そして融合ペプチド(B)に対する抗体とは結合しなかっ
た。しかしながら、融合タンパク質NF2/RSVは、感染された葉からの全抽出物に
おける及び精製されたウィルスサンプルにおけるキャリヤー分子(AIMV CP)及
び融合されたパプチド(RSV)の両者に対して特異的な抗体により認識された(A
及びB)。接種されなかった植物からの全抽出物(C−(合計))は、いずれの抗
体と共に反応しなかった。
【0122】 NF2/Sandのウェスターン分析及びクーマシー染色が図7に示される。タンパク
質を、13%SDS−ポリアクリルアミドゲルを通して電気泳動により分離し、そし
てAIMVコートタンパク質(A)に対して特異的なモノクローナル抗体と結合し、
そしてクーマシー(B)により染色した。抗体は、AIMVコートタンパク質(24kD
)及び融合タンパク質NF2/Sand (A)と反応した。NF2/Sandを、感染された葉から
の全体の抽出物における及び精製されたウィルスサンプルにおける抗体により認
識した(A及びB)。接種されていない植物からの全抽出物(C−(合計))は、
いずれの抗体とも反応しなかった。全抽出物及び精製されたウィルスサンプルに
おけるNF2/Sandのクーマシー染色は、精製方法の効能を示す。
【0123】 感染された植物におけるNF1/TVE及びNF2/TVE蓄積及びアッセンブリーのウェス
ターン分析が図8に示される。タンパク質を、13%SDS−ポリアクリルアミドゲ
ルを通して電気泳動により分離し、そしてAIMVコートタンパク質(A)に対して
及び結腸直腸癌抗原GA733−2(B−NF1/TVE及びC−NF2/TVE)に対して特異的なモ
ノクローナル抗体により結合した。野生型AIMVコートタンパク質(24kD)は、AI
MVコートタンパク質(A)に対する抗体とのみ結合し、そして融合ペプチド(B及
びC)に対する抗体とは結合しなかった。しかしながら、融合タンパク質NF1/TV
E及びNF2/TVEは、感染された葉からの全抽出物において及び精製されたウィルス
サンプルにおけるキャリヤー分子(AIMV CP)及び融合されたペプチド(TVE)の
両者に対して特異的な抗体により認識された(A, B及びC)。接触されていない
植物からの全抽出物は、いずれの抗体とも反応しなかった。
【0124】 a. NF1RSV 全身的感染された葉組織を、粒子中へのNF1RSVの蓄積及びアセンブリーの分
析のために、接種の14−16日後に収穫した。組換えウィルスを標準のウィルス精
製方法(Welterなど., 1996, Vaccines: New Technologies & applications. Ca
mbridge Healthtech Institute’s; Yusibowなど., 1997, Proc. Natl. Acad. S
ci. USA94, 5784-5788)を用いて、感染された組織から精製した。分析(ウェス
ターン及びクーマシー)のためのサンプルを、感染された組織の粗抽出物、及び
精製された組換えウィルスから採取した。組換えタンパク質を、AIMV CP(図5A
)及びRSVのGタンパク質(図5B)に対するモノクローナル抗体を用いて検出した
【0125】 AIMV CPに対するモノクローナル抗体は、対照タンパク質(AIMV CP; 図5A)
と、及び粗抽出物(NF1RSV(合計);図5A)及び精製されたウィルスサンプル
(NF1RSV(精製された);図5A)における予測されるサイズ(kD)の組換えタ
ンパク質と反応した。Gタンパク質に対する抗体は、粗抽出物(NF1RSV(合計)
;図5B)及び精製されたウィルスサンプル(NF1RSV, 精製された;図5B)にお
ける組換えタンパク質のみを認識し、そしてAIMV CP単独では反応しなかった。
接種されなかった植物からの粗抽出物におけるタンパク質はいずれの抗体とも結
合しなかった(C、合計;図5A及びB)。図5Cは、精製方法の有効性を示す単離
されたウィルスサンプルからの、ウィルス精製の前の粗抽出物からのタンパク質
(NF1RSV, 合計及びC、合計)のクーマシー染色である。
【0126】 例5.AIMVのレプリカーゼタンパク質を発現するトランスジェニック抽出物を 用いてのAIMV RNA3中にクローン化される外来性タンパク質の生成 : Rep植物を、例4に記載のようにして、P3/GFP, P3/gp53, P3/17-1ACH及びGFP/
CPのインビトロ転写体により接種した。上方の全身的に感染された葉における個
々の組換えタンパク質の発現を、ウェスターン及びノザン分析により評価した。
【0127】 a. P3/17-1ACH 植物を、P3/17-1ACH及びRNA3のインビトロ転写体の1:1混合物により接種し
た。接種後14日以内で、全身的に感染された組織を、AIMV CP及び17-1ACHの蓄積
について分析した。全身的に感染された組織からの抽出物のウェスターン分析は
、AIMV CP及び17−1ACHの両者を含んだ(図11)。タンパク質を特異的抗体を用
いて検出した。AIMV CPに対するモノクローナル抗体を用いて、ウィルス複製及
び移動を示すコートタンパク質を検出した。IgG (ペルオキシダーゼ接合体)を用
いて、17-1ACHを検出した。これは、外来性タンパク質がAIMVトランス相補性シ
ステムを用いて生成され得ることを示す。
【0128】 b. P3/gp53 植物を、p3/gp53及びRNA3のインビトロ転写体の1:1混合物により接種した
。接種の14日後、局部的及び全身的に感染された葉を、AIMV CP及びP3/gp53の蓄
積について分析した。AIMV CP及びP3/gp53の両者に対する抗体は、正しいサイズ
のタンパク質を認識した。さらに、本発明者は、全身的に感染された葉からのウ
ィルスをウィルスを精製し、そしてそれを、ウィルスRNAの単離のために使用し
た。単離されたウィルスRNAを、組換えRNA P3/gp53、及びgp53 ORF及びRNA3 3’
側非コード領域から成るそのサブゲノムRNAがキャプシド封入されるかどうかを
試験するために、ノザン分析のために使用した。gp53のマイナスセンスRNAを、
プローブとして使用した。
【0129】 例6.ウィルスの長い距離の移動機能をトランス補足することによって外来性 タンパク質の生成のためのTMVベクターの構成 : 本発明者の仮説は、欠陥TMVの全身性移動を支持し、そしてもう1つの構造体か
らこの機能をトランス補足することによって外来性タンパク質を生成することで
あった。
【0130】 Av(TMVの誘導体)のゲノム、及びAv/A4(A)、Av/GFP(B)及びAv/GFP(C)
の構成の略図が図9A-Cに示され:126kD及び183kDのタンパク質がTMV複製のため
に必要とされ、30kDのタンパク質がウィルス移動タンパク質であり、そしてCPは
ウィルスコートタンパク質である。“TMV CP SP”下での矢印は、TMV CPのサブ
ゲノムプロモーターを示す。図中のマッシュルーム形は、AIMVの3’側非コード
領域を示す。Rzは、自己分解のためのリボザイムである。
【0131】 Avは、TMVの誘導体である構造体である。この構造体においては、TMV CPの翻
訳開始コドン(ATG)はAGAにより置換され、コートタンパク質の生成において欠
失するウィルスが創造される。さらに、突然変異誘発されたAFGコドンの42個の
ヌクレオチド下流に、複数クローニング部位PacI、PmeI、AgeI及びXhoIを導入し
た。Av(図9A)は、コートタンパク質生成において欠失する十分な長さのTMVを
含む。AIMV CPを含むキメラAvを構成するために、本発明者は、AIMV RNA4の十分
な長さのcDNAを含むpSP65A4 (Loesh-Friesなど., 1985, Virology 146, 177-187
) を使用した。pSP65A4をEcoRI及びSmaIにより消化し、AIMV CPの読み取り枠の
他に、5’及び3’側非コード領域を含むDNAフラグメントを切断した。
【0132】 EcoRI−SmaIフラグメントを、ブラント末端化し、そしてXhoIにより線状化さ
れたAv中にクローン化し、Av/A4を創造した(図9A)。Av及びAv/A4のインビト
ロ合成された転写体を用いて、ニコチアナ・ベンタミアナ(Nicotiana benthami
ana)、ニコチアナ・タバキュウム(Nicotiana tubacum)MD609及びスピナシア
・オレアセア(Spinacia oleracea)の葉を接種した。局部的に及び全身的に感
染された組織からの接種の10日後のサンプルを、AIMVコートタンパク質に対して
特異的なモノクローナル抗体を用いて、イムノブロットにより分析した。AIMVの
コートタンパク質を、局部的に及び全身的に感染された葉において検出した(デ
ータは示されていない)。
【0133】 Avのインビトロ転写体により接種された植物は、局部的に接種された葉上にの
み徴候を進行せしめ、そしてウィルスは全身性組織中には移動しなかった。キメ
ラウィルスをニコチアナ・ベンタミアナ、ニコチアナ・タバキュウムMD609及び
スピナシア・オレラセアの全身的に感染された葉から精製した。ポリエチレング
リコールにより沈殿されたサンプルを、ウィルス粒子及びAIMV CPの存在につい
て分析した。電子顕微鏡は、TMVの棒形状に類似する棒形状粒子(長さ300nm)の
存在を示した。
【0134】 ウェスターン分析及びSDS−PAGEクーマシー染色は、精製されたウィルス粒子
におけるAIMV CPに対するモノクローナル抗体により認識される24kDタンパク質
の存在を示した。これは、TMVのゲノムRNAがAIMV CPによりキャプシド封入され
ることを示す。本発明者は、ウェスターン分析によっても、又はSDS−PAGEのク
ーマシー染色によっても、それらのサンプルにおいてTMV CPを検出できなかった
(データは示されていない)。それらの実験は、AIMV CPがTMVの長距離移動を支
持し、そして安定した、精製できる棒形状粒子中にTMV RNAをキャプシド封入す
ることを示す。
【0135】 AIMV CPはTMVゲノムの全身性移動を支持するので、本発明者は、GFPがTMV CP
サブゲノムプロモーターの制御下でクローン化されたもう1つのAv構造体を構築
した。本発明者は、KpnI及びApaIによりGFP(例3を参照のこと)を分解し、そ
してそれを、ブラント末端連結を用いて、XhoIにより線状化されたAv中にクロー
ン化した。第2構造体においては、移動機能を改良するために、本発明者は、A3
a/GFPからのAIMV CPの5’及び3’−非コード領域と共にGFPをクローン化した(
例3における図3を参照のこと)。本発明者は、A3a/GFPからのAIMV CPの5’及
び3’−非コード領域と共にGFPのORFを、NdeI及びSmaIにより切断し、そしてブ
ラント末端連結を用いて、XhoIにより線状化されたAv中にクローン化し、Av−A3
a/GFPを創造した(図9B)。
【0136】 本発明者は、Av/A4+Av−A3a/GFP及びAv/A4+Av/GFPからのインビトロ合成さ
れた転写体の混合物によりN.ベンタミアナ植物を接種した。接種の12〜15日後、
本発明者は、全身的に(上方)感染された葉を、GFPの存在について分析した。A
v, Av/A4, A4+Av/GFP及びAv−A3a/GFPにより接種された対照植物は、全身的に
感染された葉においてGFP又はそのメッセンジャーRNAの検出できる蓄積を有さな
かった。全身的に感染された葉におけるGFP及びそのメッセンジャーRNAの蓄積を
、ウェスターン及びノザン分析を用いて観察した。タンパク質は、GFP特異的抗
体(Clontech)を用いて検出された。ノザン分析を、プローブとして700bpのDNA
フラグメントを用いて行った。分析の結果は、外来性タンパク質が機能的相補性
を用いて、ウィルス感染された植物において生成され得ることを示す。
【0137】 例7.RSV Gタンパク質の25個のアミノ酸抗原性(保護性)ペプチドを発現す
るNF1/RSV構造体による、及びRSVによる攻撃マウスの実験的免疫化: 生後8週目の遠縁支配されたSwiss−Websterマウスを、RSV Gタンパク質の25
個のアミノ酸抗原性(保護性)ペプチドを発現する構築された、用量当たり50μ
gの組換えNF1/RSVにより免疫化した。0.4mlの4回の免疫処理を、1:1の体積
比での完全フロイントアジュバント(CFA)を伴なって、2週間隔で腹腔内に行
った。等量の野生型AMVの混合物を、負の対照としてCFAと共に使用した。E.コリ
において発現され、そして封入体中にアセンブリーされる同一のペプチド(VRS
−long)を、正の対照として使用した。
【0138】 E.コリにより発現されたペプチドVRS−longは、免疫化されたマウスのRSVに対
して完全な保護性を提供することを示された。個々の免疫化の10〜14日後、血清
サンプルを個々のマウスから得、そしてRSV−特異的抗体力価を評価した。血清
の抗原−特異的抗体分析を、酵素結合された免疫吸着アッセイ(ELISA)を用い
て行った。ELISAプレート(Nunc Polysorp, Denmark)を、ウェル当たり100μl
のGタンパク質(リン酸緩衝溶液中、5μg/ml)により、室温(RT;約25℃)で一
晩、被覆した。被覆されたプレートをPBS−Tween(0.05%)により3度洗浄し、
そして次に、PBS中、5%のドライミルクにより、RTで少なくとも1時間ブロック
した。一連の血清の希釈溶液をRTで2〜4時間、プレートに添加した(30μl/ウ
ェル)。
【0139】 次に、プレートを、PBS−Tween、及びPBS中、1:2000の最終希釈度でのペルオ
キシダーゼ接合された二次抗体(ヤギ抗−マウスIgG、完全な分子又はγ鎖特異
的)により、RTで1時間、3度洗浄した。プレートを、PBS−Tweenにより5度洗
浄し、そしてウレア包含リン酸−クエン酸緩衝液中、TMB基質(100μl/ウェル)
を、RTで30分間、暗室において添加した。反応を、2MのH2SO4(ウェル当たり50
μl)により停止し、そして結合された特異的抗体に起因する色の変化を、ELISA
プレート−リーダー(BioTek, Winooski, VT)により405nmで測定した。その力
価は、表1に示される。
【0140】 最後の免疫化の後、マウスを、RSV株Aにより鼻腔内攻撃した。次に、マウスを
殺し、そしてウィルス負荷をモニターした。主にベクターAIMVにより免疫化され
たマウスは高い負荷ウィルスを有したが、NF1/RSV及びVRS−longにより免疫化さ
れたマウスは保護された(表1)。
【0141】
【表1】 例8.結腸直腸癌に関連する十分な長さのモノクローナル抗体CO17−1Aの構
築及び発現: CO17-1AのL鎖(LC)及びH鎖(HC)を、AIMVのRNA3中にクローン化した。タン
パク質を、上記相補性システム(例3及び4)を用いて発現した。LCを、RNA3中
にクローン化し、コートタンパク質遺伝子を置換し、そしてA3a17-1ALCを創造し
た(図3B)。HCをRNA3中にクローン化し、P3遺伝子を置換し、そしてA3b17-AH
Cを得た。
【0142】 植物接種及びタンパク質抽出:Rep植物の葉を、1体積(v/v)のFES緩衝液(
1%(v/v)のピロリン酸ナトリウム、1%(w/v)のマラコイド、1%(w/v)
のセライト、0.5Mのグリシン、0.3MのK2HPO4, pH8.5)及びリン酸を添加した後
、記載(39)のようにして、組換えA3a17-1AALC及びA3b17-1AHCのインビトロ転
写生成物により同時接種した。インビトロ転写生成物及びFES緩衝液の混合物を
、カーボランダム(32grit; Fisher, Pittsburgh, PA)により葉の表面をすりむ
いた後、タバコの葉に適用した。接種は、接種物を広げ、そしてさらに、葉の表
面をすりむくために、軽くこすることによってもたらされた。
【0143】 接種の2〜3日後、全身的に感染された葉を収穫し、そして全可溶性タンパク
質を、2体積(w/v)のPE緩衝液(0.2Mのトリス、5mMのEDT、0.1%のTween20)
において葉をすりつぶすことにより抽出した。微小管遠心分離(15分、13,000rp
m, 4℃)による細胞残骸の沈降の後、上清液をELISAによる抗体検出のために使
用した。
【0144】 rAB CO17-1Aの精製:全身的に感染された葉を収穫し、1体積(w/v)のリン酸
緩衝液(0.02M, pH7.4)において均質化し、そして遠心分離し、(30分、14,000
rpm, 4℃)、残骸を除去した。上清液をさらに、ニトロセルロース膜(0.45μm
の孔サイズ)を通して濾過することによって精製した。最終抽出物を、リン酸緩
衝液により平衡化された1ml Sepharose HiTrap/Eタンパク質カラム(Pharmacia
, Piscataway, NJ)上に1ml/分の速度で適用した。カラムを10体積(v/v)のリ
ン酸緩衝液により洗浄し、そして結合された抗体を、5体積(v/v)のクエン酸
緩衝液(0.1M, pH4)により1m/分で溶出した。1,2, 及び3mlの画分を得、そ
してイムノブロット及びELISAにより分析した。
【0145】 ELISA:十分な長さの、アセンブリーされたrABは、ELISAにより検出される文
献の列挙には存在しなかった(Yusibovなど., 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA 94, 5784-5788)。緩衝液を、Clarkなど., 1977に記載のようにして調製した
。高い結合性の96−ウェルELISAプレート(Nunc, F)を、1μg/mlの濃度で37℃
で1時間、Ag GA 733-2 により(Dr. D. Herlyn, Wistar Institute, Philadelph
ia) に記載のようにして被覆した。植物抽出物(抗体)を、抽出緩衝液(0.2Mの
トリス、1mMのEDTA, 0.1%のアジ化ナトリウム、pH7.5)に適用し、そして37℃
で2時間インキュベートした。結合されたrAB CO17-1Aを、抗−マウスIgGペルオ
キシダーゼ接合体(Fc特異性の完全な分子、Signa, St. Louis, MO)を用いて検
出した。
【0146】 rAB CO17-1Aの発現及びアセンブリー:Rep植物の感染された葉を、抽出緩衝液
において均質化し、細胞残骸を除去するために遠心分離し、そしてAg GA733-2に
より被覆されたELISAプレート上に直接的に適用した。Agに結合される、植物−
生成されたrAB CO17-1Aを、抗−マウスIgGペルオキシダーゼ接合体(Fcの完全
な分子)を用いて検出した。A3a17-1ALC又はA3b17-1AHCのいずれかにより感染さ
れた植物からの抽出物を、負の対照として使用した。
【0147】 ウィルス−感染された植物におけるCO17-1A自己−アセンブリ−のELISA分析が
図10に示される。接種の19日後で、全身的に感染された植物の葉を、2体積(w/
v)の抽出緩衝液において均質化し、細胞残骸を除去するために遠心分離し、そ
して上清液(1:2の希釈溶液)を、精製されたAg GA733-2により被覆されたEL
ISAプレート上に適用した。GA733-2と抗体との反応性を、完全な分子(A)を用
いて、抗−マウスIgGペルオキシダーゼ接合体により検出した。NI、接種されて
いない対照植物からの抽出物;LC及びHC、CO17-1A L鎖(LC)又はH鎖(HC)のみ
を発現する抽出物;LC+HC、完全なrAb CO17-1Aを発現する植物からの抽出物。
データは、5個の個々の植物からの平均ELISA結果(SD)である。
【0148】 図10に示されるように、完全な抗体(HC+LC)を発現するサンプルにおける平
均OD490nm読み取りは、完全な分子を用いての対照(NI, HC, LC)の読み取りよ
りも2〜3倍、高かった。 本発明は特定の態様により記載されて来たが、それらの方法及び組成物におけ
る変更が本発明の範囲内で行われ得ることは、当業者に明らかであろう。従って
、本発明は、本発明内に包含されるすべての修飾を包含する。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、AIMVの十分な長さのRNA3におけるAIMV CPの翻訳融合体としての外来
性ペプチドのクローニングの略図を示す。
【図2】 図2は、AIMVの十分な長さのRNA3における変異体AIMV CP (CPATG3)との翻訳融
合体としての外来性ペプチドのクローニングの略図を示す。
【図3】 図3は、RNA3aベクターの構成を示す略図である。RNA3はAIMVの野生型ゲノムR
NAである。
【図4】 図4は、RNA3bベクターの構成を示す略図である。RNA3はAIMVの野生型ゲノムR
NAである。
【図5】 図5は、NF1/RSVのウェスターン分析及びクーマシー染色を示す。
【図6】 図6は、NF2/RSVのウェスターン分析及びクーマシー染色を示す。
【図7】 図7は、NF2/Sandのウェスターン分析及びクーマシー染色を示す。
【図8】 図8は、感染された植物におけるNF1/TVE及びNF2/TVE蓄積及びアセンブリーの
ウェスターン分析を示す。
【図9】 図9は、Av(TMVの誘導体)のゲノム、及びAv/A4(A), Av/GFP(B)及びAv/A4GFP
(C)の構成の略図であり:126kD及び183kDのタンパク質がTMV複製のために必要と
され、30kDタンパク質がウィルス移動タンパク質のために必要とされ、そしてCP
はウィルスコートタンパク質である。
【図10】 図10は、ウィルス感染された植物におけるCO17-1A自己アセンブリーのELISA分
析を示す。
【図11】 図11は、植物におけるP3/17-1ACH発現のウェスターン分析を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 5/10 A61K 37/02 4C088 C12P 21/02 C12N 5/00 C (72)発明者 ユシボブ,バイデイディ アメリカ合衆国,ペンシルベニア 19083, ヘイバータウン,マナー ロード 1808 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD05 CA17 CA19 CB03 CD03 CD07 CD09 4B024 AA01 AA08 BA32 BA36 BA38 CA04 DA01 EA01 GA11 HA01 4B064 AG30 AG31 AG32 AG33 CA11 CA19 CC24 DA01 4B065 AA89X AA99Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA53 4C084 AA02 AA06 BA44 CA13 DC50 NA14 ZB092 4C088 AB11 AC01 BA16 NA14 ZB09

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウィルスの機能的トランス相補性を通して宿主植物において
    外来性ポリペプチドを生成するための方法であって、 (a)移動タンパク質をコードする核酸配列及びコートタンパク質核酸配列を
    含んで成るウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が
    更に、1又は複数の外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の少なくとも1つ
    の発現をもたらすように、前記組換えゲノム成分中にクローン化された、前記1
    又は複数の外来性ポリペプチドをコードする核酸配列、を含んで成る、全身性感
    染のための組換えウィルスベクターを構成し; ここで前記組換えウィルスベクターは、ウィルスレプリカーゼ機能を欠失し、
    そして前記宿主植物は前記ウィルスレプリカーゼ機能を補完するためのウィルス
    のレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性であり; (b)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる前記植物の感染が前
    記宿主植物における全身性感染をもたらすよう、前記組換えウィルスベクターに
    より前記宿主植物を1又は複数の位置で感染せしめ;そして (c)前記組換えウィルスベクターにより感染された前記植物において、前記
    外来性ポリペプチドを、前記植物を成長せしめることによって生成する; ことを含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記ウィルスが、アルファルファモザイクウィルス(alfalf
    a mosaic virus)、イラルウィルス(ilarvirus)、トバマウィルス(tobamavir
    us)、ククモウィルス(cucumovirus)又はクロステロウィルス(closterovirus
    )である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ウィルスが、アルファルファモザイクウィルスである請
    求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記組換えゲノム成分が、十分な長さのRNA3を包含する請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの前記外来性ポリペプチドをコードする核酸
    配列が、前記コートタンパク質とのN−末端融合体を形成するために、前記十分
    な長さのRNA3中にクローン化される請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記外来性ポリペプチドをコードする核酸配列が、ワクチン
    抗原を含んで成る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ワクチン抗原が、B型肝炎表面抗原、エンテロトキシン
    、狂犬病ウィルス糖タンパク質、狂犬病ウィルス核タンパク質、ノルウォーク(
    Norwalk)ウィルスキャプシドタンパク質、胃腸癌抗原、呼吸シンチウムウィル
    スのGタンパク質、サンドスタチン(Sandostatin)又は結腸直腸癌抗原からなる
    群から選択される請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記複数の外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の1つ
    が、インビトロ転写のためのプロモーター配列である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記宿主植物が、双子葉植物又は単子葉植物である請求項1
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 ウィルスを用いて宿主植物において外来性ポリペプチドを
    生成するための方法であって、 (a)移動タンパク質をコードする核酸配列及び12個までのアミノ酸のN−末
    端欠失を有するアミノ酸配列をコードする機能的変異体コートタンパク質核酸を
    含んで成るウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が
    更に、融合された外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の発現をもたらすよ
    うに、前記組換えゲノム成分中にクローン化された、1又は複数の外来性ポリペ
    プチドをコードする核酸配列(ここで、前記外来性ポリペプチドをコードする核
    酸配列の1つが前記機能的変異体コートタンパク質核酸配列に融合している)を
    含んで成る、全身性感染のための組換えウィルスベクターを構成し; (b)ウィルス感染のための宿主植物を提供し; (c)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる前記植物の感染が前
    記宿主植物において全身性感染をもたらすように、前記組換えウィルスベクター
    により前記宿主植物を1又は複数の位置で感染せしめ;そして (d)前記組換えウィルスベクターにより感染された前記植物において、前記
    外来性ポリペプチドを、前記植物を成長せしめることによって生成する; ことを含んで成る方法。
  11. 【請求項11】 前記ウィルスが、アルファルファモザイクウィルス、イラ
    ルウィルス、トバマウィルス、ククモウィルス又はクロステロウィルスである請
    求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ウィルスがアルファルファモザイクウィルスである請
    求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記宿主植物が、非トランスジェニック植物、又はウィル
    スのレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性であるトランス
    ジェニック植物である請求項10記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記機能的変異体コートタンパク質のアミノ酸配列が、前
    記N−末端から欠失した12個のアミノ酸を有する請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記機能的変異体コートタンパク質のN−末端に融合され
    た前記外来性ポリペプチドをコードする核酸配列が、ワクチン抗原をコードする
    請求項10記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ワクチン抗原が、B型肝炎表面抗原、エンテロトキシ
    ン、狂犬病ウィルス糖タンパク質、狂犬病ウィルス核タンパク質、ノルウォーク
    ウィルスキャプシドタンパク質、胃腸癌抗原、呼吸シンチウムウィルスのGタン
    パク質、サンドスタチン又は結腸直腸癌抗原からなる群から選択される請求項15
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記複数の外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の1
    つが、インビトロ転写のためのプロモーター配列である請求項10記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記宿主植物が、双子葉植物又は単子葉植物である請求項
    10記載の方法。
  19. 【請求項19】 ウィルスの機能的トランス相補性を通して宿主植物におい
    て外来ポリペプチドを生成するための方法であって、 (a)生来の移動タンパク質をコードする核酸配列を含んで成るウィルスの組
    換えゲノム成分、並びに及び前記組換えゲノム成分の発現が更に、外来性ポリペ
    プチドをコードの核酸配列の発現をもたらすように、生来のコートタンパク質を
    コードする核酸配列の代わりの外来性ポリペプチドをコードする核酸配列を含ん
    で成る、感染のための第1の組換えウィルスベクターを構成し; (b)生来のコートタンパク質をコードする核酸配列を含んで成るウィルスの
    組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に、外来性ポリペプ
    チドをコードする核酸配列の発現をもたらすように、生来の移動タンパク質をコ
    ードする核酸配列の代わりに外来性ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで
    成る、感染のための第2の組換えウィルスベクターを構成し; (c)1つの位置での前記第1及び第2組換えウィルスベクターによる前記植
    物の感染が前記植物において全身性感染をもたらすように、前記第1の組換えウ
    ィルスベクター及び前記第2の組換えウィルスベクターの混合物により1又は複
    数の位置での前記植物を感染せしめ、 ここで前記第1及び第2の組換えウィルスベクターはウィルスレプリカーゼ機
    能を欠失し、前記宿主植物はウィルスレプリカーゼ機能を補完するためのウィル
    スのレプリカーゼ遺伝子を発現するためにトランスジェニック性であり、 ここで前記生来の移動タンパク質を発現する第1の組換えウィルスベクターは
    ウィルスの細胞から細胞への移動機能を補完し、そして前記生来のコートタンパ
    ク質を発現する第2の組換えベクターはウィルスの長距離輸送機能を補完し;そ
    して (d)前記宿主植物を成長せしめることによって、前記組換えウィルスベクタ
    ーにより感染された宿主植物において前記外来性ポリペプチドを生成する; ことを含んで成る方法。
  20. 【請求項20】 前記ウィルスが、アルファルファモザイクウィルス、イラ
    ルウィルス、トバマウィルス、ククモウィルス又はクロステロウィルスである請
    求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記ウィルスが、アルファルファモザイクウィルスである
    請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記組換えゲノム成分が、十分な長さのRNA3を包含する請
    求項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記外来性ポリペプチドをコードする核酸配列が、ワクチ
    ン抗原を含んで成る請求項19記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ワクチン抗原が、B型肝炎表面抗原、エンテロトキシ
    ン、狂犬病ウィルス糖タンパク質、狂犬病ウィルス核タンパク質、ノルウォーク
    ウィルスキャプシドタンパク質、胃腸癌抗原、呼吸シンチウムウィルスのGタン
    パク質、サンドスタチン又は結腸直腸癌抗原からなる群から選択される請求項23
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記宿主植物が、双子葉植物又は単子葉植物である請求項
    19記載の方法。
  26. 【請求項26】 キメラウィルスの機能的トランス相補性を通して宿主植物
    において外来性ポリペプチドを生成するための方法であって、 (a)第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配列、及び前記
    第1種類のウィルスの生来のコートタンパク質核酸配列の代わりに第2種類のウ
    ィルスの十分な長さのコートタンパク質核酸配列を含んで成る第1種類のウィル
    スの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に、1又は複数
    の外来性のポリペプチドをコードする核酸配列の少なくとも1つの発現をもたら
    すように、前記組換えゲノム成分中にクローン化された前記1又は複数の外来性
    ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る、全身性感染のための組換えウ
    ィルスベクターを構成し; (b)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる宿主植物の感染が宿
    主植物において全身性感染をもたらすように、前記組換えウィルスベクターによ
    り1又は複数の位置で前記植物を感染せしめ、 ここで前記第1種類のウィルスの生来の移動タンパク質を発現する組換えウィ
    ルスベクターが前記キメラウィルスの細胞から細胞に移動する機能を補完し、そ
    して前記第2種類のウィルスの十分な長さのコートタンパク質核酸配列を発現す
    る前記組換えウィルスベクターが前記キメラウィルスの長距離輸送機能を補完し
    ;そして (c)前記宿主植物を成長せしめることによって、前記組換えウィルスベクタ
    ーにより感染された宿主植物において前記外来性ポリペプチドを生成する; ことを含んで成る方法。
  27. 【請求項27】 前記種類のウィルスが、トバマウィルス、ククモウィルス
    又はクロステロウィルスである請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記異なった種類のウィルスが、アルファルファモザイク
    ウィルス、又はイラルウィルスである請求項26記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の少なくと
    も1つが、ワクチン抗原をコードする請求項26記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ワクチン抗原が、B型肝炎表面抗原、エンテロトキシ
    ン、狂犬病ウィルス糖タンパク質、狂犬病ウィルス核タンパク質、ノルウォーク
    ウィルスキャプシドタンパク質、胃腸癌抗原、呼吸シンチウムウィルスのGタン
    パク質、サンドスタチン又は結腸直腸癌抗原からなる群から選択される請求項29
    記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記宿主植物が、双子葉植物又は単子葉植物である請求項
    26記載の方法。
  32. 【請求項32】 キメラウィルスの機能的相補性を通して宿主植物において
    外来性ポリペプチドを生成するための方法であって、 (a)第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配列、前記第1
    種類のウィルスの非機能的コートタンパク質核酸配列、及び前記第1種類のウィ
    ルスの前記非機能的コートタンパク質核酸配列中に挿入される、第2種類のウィ
    ルスの十分な長さのコートタンパク質核酸配列を含んで成る第1種類のウィルス
    の組換えゲノム成分を含んで成る、全身性感染のための第1の組換えウィルスベ
    クターを構成し; (b)第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配列、及び前記
    第1種類のウィルスの非機能的コートタンパク質核酸配列を含んで成る第1種類
    のウィルスの組換えゲノム成分、及び前記組換えゲノム成分の発現が更に、第1
    の外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の発現をもたらすように、前記組換
    えゲノム成分中にクローン化された第1の外来性ポリペプチド−コードの核酸配
    列を含んで成る、感染のための第2の組換えウィルスベクターを構成し; (c)1つの位置での前記組換えウィルスベクターによる宿主植物の感染が宿
    主植物において全身性感染をもたらすように、前記第1及び第2の組換えウィル
    スベクターにより1又は複数の位置で前記宿主植物を感染せしめ、 ここで前記第1種類のウィルスの生来の移動タンパク質を発現する前記第1及
    び第2の組換えウィルスベクターが前記キメラウィルスの細胞から細胞への移動
    機能を提供し、そして前記第2種類のウィルスの十分な長さのコートタンパク質
    核酸配列を発現する前記第1の組換えウィルスベクターが前記キメラウィルスの
    長い距離の輸送機能を提供し;そして (d)前記宿主植物を成長せしめることによって、前記組換えウィルスベクタ
    ーにより感染された宿主植物において前記外来性ポリペプチドを生成する; ことを含んで成る方法。
  33. 【請求項33】 前記第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核
    酸配列を含んで成る前記第1種類のウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組
    換えゲノム成分の発現が更に、第2の異種核酸配列の発現をもたらすように、前
    記第1種類のウィルスの非機能的コートタンパク質核酸配列中に挿入された、第
    2ウィルスの第2の異種核酸配列並びに十分な長さのコートタンパク質核酸配列
    の5’及び3’非コード配列を含んで成る、全身性感染のための第3の組換えウィ
    ルスベクターを構成する、ことをさらに含んで成る請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記種類のウィルスが、トバマウィルス、ククモウィルス
    又はクロステロウィルスである請求項32記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記異なった種類のウィルスが、アルファルファモザイク
    ウィルス、又はイラルウィルスである請求項32記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記外来性ポリペプチド−コードの核酸配列の少なくとも
    1つが、ワクチン抗原をコードする請求項32記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記ワクチン抗原が、B型肝炎表面抗原、エンテロトキシ
    ン、狂犬病ウィルス糖タンパク質、狂犬病ウィルス核タンパク質、ノルウォーク
    ウィルスキャプシドタンパク質、胃腸癌抗原、呼吸シンチウムウィルスのGタン
    パク質、サンドスタチン又は結腸直腸癌抗原からなる群から選択される請求項36
    記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記宿主植物が、双子葉植物又は単子葉植物である請求項
    32記載の方法。
  39. 【請求項39】 移動タンパク質をコードする核酸配列及びコートタンパク
    質核酸配列を含んで成る、ウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノ
    ム成分の発現が更に、1又は複数の外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の
    少なくとも1つの発現をもたらすように、前記組換えゲノム成分中にクローン化
    された1又は複数の外来性ポリペプチド−コードの核酸配列を含んで成る、ウィ
    ルスレプリカーゼ機能を補完する、ウィルスレプリカーゼ発現トランスジェニッ
    ク宿主植物において外来性ポリペプチドを生成するための全身性感染できる組換
    えウィルスベクターを含んで成る組成物。
  40. 【請求項40】 第1種類のウィルスの移動タンパク質をコードする核酸配
    列、及び前記第1種類のウィルスの生来のコートタンパク質核酸配列の代わりに
    第2種類のウィルスの十分な長さのコートタンパク質核酸配列を含んで成る第1
    種類のウィルスの組換えゲノム成分、並びに前記組換えゲノム成分の発現が更に
    、1又は複数の外来性のポリペプチドをコードする核酸配列の少なくとも1つの
    発現をもたらすように、前記組換えゲノム成分中にクローン化された前記1又は
    複数の外来性ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る、宿主植物におい
    て外来性ポリペプチドを生成するための全身性感染できる組換えウィルスベクタ
    ーを含んで成る組成物。
  41. 【請求項41】 (a)移動タンパク質をコードする核酸配列を含んで成る
    ウィルスの組換えゲノム成分、及び前記組換えゲノム成分の発現が外来性ポリペ
    プチド−コードの核酸配列の発現をもたらすように、生来のコートタンパク質コ
    ードの核酸配列の代わりの外来性ポリペプチド−コードの核酸配列を含んで成る
    第1の組換えウィルスベクター;及び (b)生来のコートタンパク質をコードする核酸配列を含んで成るウィルスの
    組換えゲノム成分、及び前記組換えゲノム成分の発現が外来性ポリペプチド−コ
    ードの核酸配列の発現をもたらすように、生来の移動タンパク質をコードする核
    酸配列の代わりに外来性ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る第2の
    組換えウィルスベクターを含んで成る、宿主植物において外来性ポリペプチドを
    生成するために全身性感染できる組換えウィルスベクターの混合物を含んで成る
    組成物。
  42. 【請求項42】 請求項1記載の方法に従って生成される外来性ポリペプチ
    ドを有する植物組織を含んで成る組成物。
  43. 【請求項43】 請求項10記載の方法に従って生成される外来性ポリペプチ
    ドを有する植物組織を含んで成る組成物。
  44. 【請求項44】 請求項19記載の方法に従って生成される外来性ポリペプチ
    ドを有する植物組織を含んで成る組成物。
  45. 【請求項45】 哺乳類において免疫学的応答を誘発するための方法であっ
    て、請求項6記載のようにして生成される多量のポリペプチド含有植物又はその
    植物組織を哺乳類に投与し、前記個体において前記ポリペプチドに対する免疫学
    的応答を誘発する段階を含んで成る方法。
  46. 【請求項46】 宿主植物において外来性ポリペプチドを生成するためのア
    ルファルファモザイクウィルスの組換えインビトロ転写体であって、 (a)移動タンパク質をコードする核酸配列; (b)コートタンパク質の核酸配列;及び (c)前記移動タンパク質をコードする核酸配列及び前記コートタンパク質の
    核酸配列の発現が外来性ポリペプチドをコードする核酸配列の発現をもたらすよ
    うに、組換えゲノム成分中に挿入された外来性ポリペプチドをコードする核酸配
    列を含んで成り、ここで前記宿主植物が前記ウィルスのレプリカーゼ遺伝子を発
    現するためにトランスジェニック性であり、レプリカーゼ遺伝子を発現するトラ
    ンスジェニック植物が前記ウィルスのレプリカーゼ機能をトランス補完すること
    を特徴とする組換えインビトロ転写体。
  47. 【請求項47】 前記外来性ポリペプチド−コードの核酸配列が、前記コー
    トタンパク質のN−末端に融合されている請求項46記載の組換えインビトロ転写
    体。
JP2000597410A 1999-02-05 2000-02-04 トランス相補性システムを用いての植物における生物医学用ペプチド及びタンパク質の生成 Pending JP2003517280A (ja)

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