JP2003513912A - 組合せ化学療法 - Google Patents

組合せ化学療法

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JP2003513912A JP2001536131A JP2001536131A JP2003513912A JP 2003513912 A JP2003513912 A JP 2003513912A JP 2001536131 A JP2001536131 A JP 2001536131A JP 2001536131 A JP2001536131 A JP 2001536131A JP 2003513912 A JP2003513912 A JP 2003513912A
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Abstract

(57)【要約】 パクリタキセル及び/又はカルボプラチンと組み合わされたアセチルジナリンは、癌の治療に共働的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、公知の腫瘍崩壊剤の組合せ物を利用して腫瘍を治療する方法に関す
る。これら薬剤を一緒に使用することは、それら単一の薬剤を単独で使用するよ
りも意外なほど大きな効力を提供する。
【0002】
【発明の背景】
癌の化学療法は、ここ数年、劇的に発展している。多くの腫瘍は、天然に存在
する物質又は合成物質のいずれかである化合物を利用して効果的に治療されるこ
とができる。癌の化学療法は、概して、より大きな治療効果を提供しかつ個々の
薬剤が単独で使用されたときに遭遇することが多い毒性作用を軽減する手段とし
て、薬剤の組合せの使用を要することが多い。 本発明者らは、今回、劇的な共働的効果を示す公知の腫瘍崩壊剤のユニークな
組合せ物を発見した。その組合せ物は、アセチルジナリン (acetyldinaline) を
パクリタキセル (paclitaxel) 及び/又はカルボプラチン(carboplatin) と一緒
に利用する。その組合せ物は、固形腫瘍、特に小細胞肺癌及び他の進行した固形
腫瘍を有する患者を治療するのに特に効果的である。
【0003】 アセチルジナリンは、4−アセチルアミノ−N−(2’−アミノフェニル)ベ
ンズアミドである。それはCI−994としても知られている。それは、米国特
許第5,137,918号に記載されており、その特許は、アセチルジナリンを
どのようにして製造するか、それを投与形態中にどのように配合するか、そして
それを結腸癌や腺癌のような癌を治療するのにどのように使用するかを教示する
ために、参照により本明細書に組み込まれる。アセチルジナリンは、癌治療のた
めの可能な共役体として米国特許第5,795,909号にも記載されている。
【0004】 パクリタキセルは、天然産の有糸分裂阻害剤である。それは、チューブリンダ
イマーからの微小管の組立てを促進し、そして解重合を阻止することによって微
小管を安定化する抗微小管剤である。この安定性は、生体分裂間期及び有糸分裂
細胞機能にとって必須である微小管ネットワークの正常な動的認識の阻害をもた
らす。加えて、パクリタキセルは、細胞サイクル全体を通して微小管の異常なア
レイ又は束を誘発し、そして有糸分裂中に微小管の複数の星状体を誘発する。パ
クリタキセルは、卵巣癌腫及び乳癌について主に言及されるが、それは、他の癌
を治療するのにも友邦である。パクリタキセルの使用は、概して、過敏反応、低
血圧、徐脈、高血圧、吐き気、嘔吐、及び注射部位反応を包含する望ましくない
副作用を伴う。パクリタキセルは、Taxol R (Bristol-Myers Squibb)として商業
的に入手可能である。
【0005】 カルボプラチンは、環員原子として白金を有する二環性化合物である。この化
合物は、癌化学療法剤として、特に卵巣癌腫並びに非小細胞肺癌(NSCLC)
用に臨床的に日常的に使用されている。カルボプラチンは、一般に、他の抗新生
物剤と一緒に使用され、カルボプラチンとパクリタキセルの組合せ物は、進行し
たNSCLC、卵巣癌、及び他の重篤な癌を有する患者を治療するのに広く使用
されるようになってきた(Calvert et al., J. Clin. Oncol., 1989; 7:1748-17
56)。カルボプラチンは、Paraplatin R Bristol-Myers Squibb) として商業的
に入手可能である。この製品は、50、150及び450mgを含有するバイヤ
ル中の結晶性白色粉末として供給され、その粉末は、注射用滅菌水、5%デキス
トロース水、又は注射用0.9%塩化ナトリウムのいずれかで溶かされる。
【0006】 この発明の目的は、癌、特に進行した固形腫瘍を、アセチルジナリンをパクリ
タキセル又はカルボプラチンと一緒に含んでなる組合せ物、又はアセチルジナリ
ン、パクリタキセル及びカルボプラチンを含んでなる組合せ物で治療する方法を
提供することである。更なる目的は、共働量のアセチルジナリンとパクリタキセ
ル、アセチルジナリンとカルボプラチン、及びアセチルジナリンと、パクリタキ
セルとカルボプラチンとの両方を含んでなる組成物を提供することである。
【0007】
【発明の要旨】 この発明は、抗新生物剤の共働的組合せ物、及びその組合せ物を投与すること
を含んでなる腫瘍の治療方法に関する。より特定的には、本発明は、第1成分と
してアセチルジナリンを、そして第2成分としてパクリタキセル又はカルボプラ
チンを含んでなる組成物を提供する。本発明は、これら3つ全ての薬剤を一緒に
含んでなる組成物も提供する。 この発明の組成物は、上記活性成分又は適するそれらの塩と、普通の賦形剤、
希釈剤、及び担体とから本質的になる。 本発明の更なる態様において、本発明者らは、癌を治療する方法であって、治
療を必要とする動物に有効量の、アセチルジナリンのパクリタキセル又はカルボ
プラチンのいずれかとの組合せ物、又はアセチルジナリン、パクリタキセル及び
カルボプラチンの組合せ物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0008】 好ましい方法は、固形腫瘍の治療を包含する。 更なる好ましい方法は、抗腫瘍量のアセチルジナリン及び有効量のパクリタキ
セルを用いて、NSCLC、乳癌、卵巣癌、頭部及び頸部の癌、骨髄腫、前立腺
癌、及び膵臓癌を包含する感受性の癌を治療する。 更に好ましい方法は、抗腫瘍量のアセチルジナリン及び有効量のカルボプラチ
ンを用いて、感受性の癌を治療する。 更に好ましい方法は、抗腫瘍量のアセチルジナリン+有効量のパクリタキセル
+有効量のカルボプラチンを用いて、感受性の癌を治療する。 本発明の別の態様は、1つの区画内にある量のアセチルジナリンを含んでなり
そして別の区画内にある量のパクリタキセルを含んでなるキットである。 本発明の別の態様は、1つの区画内にある量のアセチルジナリンを含んでなり
そして別の区画内にある量のカルボプラチンを含んでなるキットである。 本発明の別の態様は、1つの区画内にある量のアセチルジナリン、別の区画内
にある量のパクリタキセル、第3の区画内にある量のカルボプラチンを含んでな
るキットである。
【0009】
【発明の詳しい説明】 この発明の方法に用いられる化合物は、臨床的に普通に用いられる量で投与さ
れるであろう。そのような投与量は、例えば、身体の表面積でのような普通の様
式で計算されるであろう。アセチルジナリンは、例えば、約1.0〜約50mg
/m2 、好ましくは約2.0〜約10.0mg/m2 の量で投与されるであろう
。理想的には、アセチルジナリンは、約5〜約100μg/mlの血漿レベルを
もたらす量で投与されるであろう。アセチルジナリンは、典型的には、経口で、
例えば、2.5、5及び25mg/カプセルの量で活性成分を有するカプセル剤
として投与される。アセチルジナリンは、治療期間全体を通して毎日およそ同じ
投与量レベルで投与されるであろう。参加する医師及び治療されるべき特定の患
者と状態とによって決まる複数の治療期間が、実践されてもよい。
【0010】 パクリタキセルは細胞障害性の抗癌剤なので、その薬剤を扱うに際しては注意
が必要である。パクリタキセルは、典型的には、バイヤルに入れて提供され、静
脈内注入により投与される前に希釈される。典型的な希釈剤には、0.9%塩化
ナトリウム、5%デキストロースが含まれる。注入のための最終濃度は、一般に
約0.3〜約1.2mg/mlである。パクリタキセルは、幾つかの濃度で、例
えば、30mg/5ml複数投与バイヤル、100mg/16.7ml複数投与
バイヤル、及び300mg/50ml複数投与バイヤルで商業的に入手可能であ
る。この製品は、一般に、卵巣癌の治療のために、例えば、3週間毎に3時間か
けて約135〜約225mg/m2 の投与量で、一般に、約25mg/m2 増量
させながら投与される。
【0011】 この薬剤は、3週間毎に3時間かけて静脈内投与される175mg/m2 の投
与量で、乳房の癌腫に有効な治療剤である。エイズ関連カポシ肉腫の治療には、
パクリタキセルは、一般に、3週間毎に3時間かけて135mg/m2 の量で又
は2週間毎に3時間かけて100mg/m2 の量で静脈内投与される。一般に、
パクリタキセルの投与強度は、約45〜50mg/m2 /週であろう。 カルボプラチンは、約30分間から約1時間かけて静脈内注入として投与され
る。普通に使用される投与量は、各々の治療コースについて、例えば、約12〜
14日間の各々の日に約25mg〜約500mgとした後に、約4〜6日間は投
与せず、次いで、次の12〜14日間について投与を繰り返されるであろう。 好ましい態様において、典型的な本発明の組合せ物は、表1に示した投与量で
投与されるであろう。
【0012】
【表1】 表 1 ─────────────────────────────────── パクリタキセル投与量(第1日 アセチルジナリン投与量(第1〜 に3時間かけて注入される mg/m2) 14日に毎日投与される経口投与量) ─────────────────────────────────── 175 2.5mg固定投与量 175 5mg固定投与量 200 6mg/m2 /日 225 4mg/m2 /日 ─────────────────────────────────── 別の典型的な投与態様が表2に示される。
【0013】
【表2】 表 2 ─────────────────────────────────── カルボプラチン投与量(第1日 アセチルジナリン投与量(第1〜 に30分かけて注入されるmg) 14日に毎日投与される経口投与量) ─────────────────────────────────── 150 2.5mg固定投与量 200 6mg固定投与量 300 6mg/m2 /日 500 4mg/m2 /日 ─────────────────────────────────── 特に好ましい態様は、3種全ての薬剤の組合せ物であり、典型的な投与は表3
に示される。
【0014】
【表3】 表 3 ─────────────────────────────────── パクリタキセル投与量 カルボプラチン投与量 アセチルジナリン投与量 (第1日に3時間かけて (第1日に30分 (第1〜14日に毎日 注入されるmg/m2) かけて注入される) 経口投与される) ─────────────────────────────────── 175 300 2.5mg固定投与量 175 400 5mg固定投与量 175 350 4mg/m2 /日 200 450 6mg/m2 /日 250 200 4mg/m2 /日 ───────────────────────────────────
【0015】 この発明によって提供される組合せ物は、幾つかのアッセイシステムで評価さ
れ、それらデータは、諸抗癌剤間の共働的作用、付加的作用、及び拮抗作用を定
量化するための標準的プログラムを用いて分析されることができる。好ましく利
用されるプログラムは、Chouと Talalayによって、“New Avenues in Developm
ental Cancer Chemotherapy", Academic Press, 1987, Chapter 2に記載された
プログラムである。 その方法は、モデルとして酵素速度論的システムを用いる量−作用法則のメデ
ィアン−効果原則に基づく。その等式は簡単であり、投与量−効果曲線の形状と
無関係に、投与量と効果の間の関係を示すものである。2つの基本的等式が、こ
の方法論の支柱を構成する。可能な最も簡単なやり方で単一の薬剤について投与
量と効果を関係付けるために Chou によって誘導されたメディアン−効果の等式
は:
【0016】
【数1】
【0017】 によって与えられる。式中、右側は投与量を表し、左側は効果を表す。ここで、
a 及びfu はそれぞれ影響を受けた画分と影響を受けなかった画分であり、D
は投与量であり、Dm はその強さを示すメディアン−効果投与量であり、そして
mは投与量−効果曲線の形状を示す係数である。この等式から、Chouと Talalay
は、2種又はそれを越える薬剤についての一般的等式:
【0018】
【数2】
【0019】 を誘導した。式中、m=1は一次 Michaelis-Menten-型速度論についてのもので
あり、m>1(又はm<1)はより高次(又はより低次)の Hill-型速度論につ
いてのものである。α=0のときは右側の第3項が消え、α=1のときその第3
項は保存される。相互に排除的な薬剤についてα=0が使用され、相互に非排除
的な薬剤についてα=1が使用される。同じか又は類似の様式の作用を有する薬
剤については、両方の薬剤の効果は相互に非排除的である。 影響を受けた画分(fa )vs組合せ指数(CI)のプロットは、fa −CI
プロットと呼ばれる。このプロットは、段階的に希釈された混合液中の2種の薬
剤の種々の効果レベルでの共働的作用、付加的作用、又は拮抗作用を示す。幾つ
かの混合液を作れば、最大共働的作用についての最適組合せ比を見積もることが
可能である。異なる効果レベルは、通常、異なる度合いの共働的作用、付加的作
用、又は拮抗的作用を与える。CI値<1は共働的作用を示し;CI値>1は拮
抗的作用を示し;そして1又は1辺りを漂うCI値は付加的作用を示す。抗癌剤
については、高い効果(fa )レベルでの共働的作用が、低いfa レベルでの共
働的作用よりも臨床的により関連性がある。
【0020】 アセチルジナリン(CI−994)は臨床的用途について承認されたことはな
いが、それにも関わらず、幾つかの臨床試験において評価されてきた。そのよう
な研究の1つにおいて、患者らが、毎日の投与量と治療期間の両方を増やす投与
量増加スキームを使用して治療された。患者の大部分は、広汎な先行化学療法を
受けていた。最大許容投与量(MTD)は、治療期間が連続14日間のとき15
mg/m2 /日であった。より長期の治療を可能にするために、より低い投与量
が研究された。8週間の連続毎日療法後に2週間の“薬剤休日”というスケジュ
ールを使用すると、MTDは8mg/m2 /日であった。投与を制限する毒性は
、血小板減少症又は好中球減少症であり、通常、治療の開始から1カ月以内に起
こった。血球数は、連続治療をしても安定化する傾向があり、治療を止めると急
速に回復した。CI−994への反復的コース及び長期の暴露後の累加的毒性の
証拠はなかった。他の毒性には、吐き気、嘔吐、下痢、拒食症、疲労、粘液分泌
抑制、頭痛、脱水症、及び肝機能と腎機能の試験値の上昇が含まれた。応答には
、NSCLCを有する重度に予備治療された1患者における部分的な応答と各々
が腎臓細胞癌とNSCLCを有する患者における無視し得る応答が含まれただけ
であった。
【0021】 追加のフェーズ1研究が、ぶり返した急性白血病又は他の悪性血液癌を有する
患者達で、一回の毎日投与5日間投与スケジュールを使用して行なわれた。その
MTDは、135mg/m2 /日であった。投与を制限する毒性は、鎮静及び傾
眠として現れる急性CNS毒性であった。他の副作用には、吐き気、嘔吐、脱水
症からくる高血圧、低カルシウム血症、頭痛、及び、1人の患者では、急性膵臓
炎、反射亢進及び両側バビンスキー反射により特徴付けられる錐体症候群、及び
敗血症が含まれた。血液学的毒性は、この患者数では評価されることができなか
った。AMLを有する2人の患者は、腫瘍溶解症候群 (AML developed tumor ly
sis syndrome) を発症し、一人が死亡した。末梢白血球数の一時的低下が認めら
れた。
【0022】 フェーズ2プログラムが、現在、単一薬剤として使用されるCI−994で行
なわれている。その投与処法は、毎日8mg/m2 の経口投与である。小細胞肺
癌、腎臓細胞癌、膵臓癌、頭部及び頸部の癌、卵巣癌、骨髄腫、前立腺癌、及び
乳癌を有する患者を包含する100人を越える患者が治療された。数人の患者は
10mg/m2 までの投与量増加に耐えたが、数人の患者は、血小板減少症のた
めに治療を中断してから少なくした投与量のCI−994で治療を再開せざるを
得ない。副作用は、長期投与フェーズ1プロトコルにおいて観察されたものと類
似している。血小板減少症が投与を制限する毒性である。感覚異常、錯乱、及び
幻覚を包含する、頻繁ではない神経学的副作用が報告されている。小細胞肺癌を
有する患者において他覚的応答が見られる。腎臓細胞癌を有する患者において臨
床的恩恵が報告されている。
【0023】 固形腫瘍フェーズ1研究において、CI−994は、絶食期間後に経口投与さ
れ、そして薬物動力学的分析のために血液サンプルが採取された。予備的結果で
は、最大血液レベルが経口摂取後約1〜2時間で達成され、そしてCI−994
の終端消失半減期(terminal elimination half-life)が約15時間であること
が示されている。投与量レベルを増加させながら達成された最大血漿CI−99
4濃度は、投与量比例値より少なかった。その終端消失半減期及び見掛けクリア
ランス速度は、投与された量から独立していた。 この研究の1つの追加的目的は、CI−994を食物と一緒に摂取することが
その吸収の速度又は吸収度に影響を及ぼすか否かを確認することであった。12
人の絶食した患者達が、CI−994の8mg/m2 の単一投与を受けた。一週
間後、同じ患者達は、同じ投与量のCI−994を正常食と一緒に投与された。
薬剤動力学データの分析で、CI−994は食事に配慮することなく摂取され得
ることが明らかになった。
【0024】 排泄の物質収支/経路の研究は、ヒトでは行なっていない。動物実験では、排
泄の主要な経路が腎臓排泄を介するもので、放射標識された薬剤の80%及び6
2%が、それぞれサル及びラットの尿中に24時間以内に出現することが示され
ている。 以下の詳細な実施例は、CI−994とパクリタキセル及び/又はカルボプラ
チンの間の共働的作用を更に確認するものである。
【0025】
【実施例】
実施例1 この発明によって提供される共働的組合せ物のが、体重が18〜20gある雌
BALB/Cマウスを使用する標準的化学療法研究で評価された。試験マウスは
Charles River Laboratories, Wilminton, MA から得られた。試験の第0日に、
各々のマウスは、約30〜60gの重さのLC−12偏平上皮細胞肺癌腫の断片
を外科的に(皮下)移植された。それら腫瘍断片は、12ゲージトロカールを使
用して移植された。マウス達は毎週体重測定され、腫瘍サイズ(mmで示された
幅及び長さ)が標準的なはさみ尺で各々の週に2回測定された。各々の動物につ
いての腫瘍の重量は、式: 腫瘍重量(mg)=(a×b2 )/2 に従って計算された。この式において“a”はmmで示された腫瘍の幅であり、
“b”はmmで示された長さである。抗癌活性の評価は、式T−Cによって確立
され、この式において“T”及び“C”はそれぞれ治療(treated) 及びコントロ
ール(control) 腫瘍が予め決められた約750mgのサイズ(評価サイズ)に到
達するのに要する中央期間(日数で示される)である。腫瘍は、概して、薬剤投
与を開始する前に約150〜約200mgのサイズに到達した。抗腫瘍活性は、
4つのパラメーター、即ち、(1) 部分腫瘍応答(PR);(2) 完全腫瘍応答(C
R);(3) 腫瘍なし生存率(TF);及び(4) 腫瘍増殖遅延(TL)に従って評
価された。腫瘍増殖遅延はT−C値として表現され、ここで、Tは、治療グルー
プ腫瘍が予め決められたサイズ(例えば、750mg)に到達するのに要する中
央日数であり、Cは、コントロールグループ腫瘍がこのサイズに到達するのに要
する中央日数である。腫瘍増殖遅延値から、ネットlog10腫瘍細胞死滅率は次
のように計算される。
【0026】 ネットlog10腫瘍細胞死滅率= 〔(T−C)−Rx〕/3.32×Td この式において、Tdは腫瘍重量が2倍になる日数であり、Rxは治療の全日数
である。Tdは、対数増殖におけるコントロールグループ腫瘍(200〜800
mg)の対数−一次プロットからの最良合致直線から見積もられる。T−C値の
log10腫瘍細胞死滅率への変換は、治療後の腫瘍再増殖についてのTdが未治
療コントロールマウスについてのものと凡そ同じなので可能である。ネットlo
10死滅値は、変動する期間の治療養生中の腫瘍増殖についての効力データを標
準化して、腫瘍の急性退縮が起こるか否かの見積もりを提供する。正の値は、腫
瘍の重荷の急性減少が起こったことを示す。負の値は、治療の間にも実際に(お
そらくゆっくりであろうが)腫瘍が増殖したことを示す。腫瘍なし生存動物はこ
れら計算から排除された。
【0027】 アセチルジナリンは、0.5%水性メチルセルロース中に懸濁されて、種々の
投与量で0.5mL容量で経口投与された。Taxol は、0.1%生理食塩水中に
溶解されて、種々の投与量レベルで0.5mL注射液で静脈内投与された。 動物達は、各々8匹のグループに分けられた。1グループがコントロールとし
て使用され、薬剤治療を受けなかった。4グループがアセチルジナリン単独の経
口投与を活性薬剤の特定レベル(7.5mg/kg、15mg/kg、30mg
/kg及び60mg/kg)で受けた。アセチルジナリンは、第11〜15日(
第0日は腫瘍が移植された日である)、第18〜22日、及び第25〜29日に
毎日投与された。1グループが、Taxol を15及び20mg/kgの投与量で単
独で投与された。4グループが、アセチルジナリンを上記の投与量で、15mg
/kgの Taxolと組み合わせて投与され、そして、別の4グループが、アセチル
ジナリンを上記の投与量で、20mg/kgの Taxolと組み合わせて投与された
【0028】 結果及び結論 CI−994が Taxolと組み合わせて使用されたときにもたらされる抗腫瘍効
果が表4に示される。CI−994のMTDは60mg/kg/日であった。こ
の投与量は、12.5%の完全腫瘍応答率をもたらし、部分腫瘍応答をもたらさ
なかった。CI−994に完全には応答しなかった腫瘍についての腫瘍増殖遅延
は14.9日であった。この遅延は、−0.18log10のネット腫瘍細胞死滅
率に相当する。この研究が最後のCI−994治療後74日で終了したとき、腫
瘍なしのマウスはいなかった。30mg/kg/日でのCI−994(CI−9
94のMTDの50%)は、いかなる完全腫瘍応答も部分腫瘍応答ももたらさな
かった。この投与量によりもたらされた腫瘍増殖遅延は3.2日であり、それは
、−0.7log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当する。Taxol のMTDは20
mg/kg/日であった。この投与量は、完全腫瘍応答も部分腫瘍応答ももたら
さなかった。MTDでの Taxolによりもたらされた腫瘍増殖遅延は2.5日に過
ぎなかった。これは、−0.07log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当する。
【0029】 CI−994は、許容できない致命性と体重減少のために、そのMTDでは T
axolのMTDにおいて Taxolと一緒に投与されることはできなかった。しかしな
がら、CI−994は、そのMTDの50%では TaxolのMTDにおいて Taxol
と一緒に投与されることができた。この組合せは、それぞれ37.5%及び25
%の完全及び部分腫瘍応答率をもたらした。この組合せに完全には応答しなかっ
た腫瘍についての腫瘍増殖遅延は17.7日で、それは、−0.06log10
ネット腫瘍細胞死滅率に相当する。この研究が最後のCI−994治療後74日
で終了したとき、12.5%のマウスが腫瘍なしであった。 CI−994がそのMTDで TaxolのMTDの50%において Taxolと一緒に
投与されたとき、より良好な抗腫瘍活性が見られた。この組合せは、100%の
完全腫瘍応答率をもたらし、そして、この研究が最後のCI−994治療後74
日で終了したとき、100%のマウスが依然として腫瘍なしであった。 これら結果は、CI−994が、そのMTDで TaxolのMTDの50%におい
て Taxolと同時に投与されたときは、抗腫瘍活性が付加的作用よりも大きいこと
を示している。
【0030】
【表4】 a mg/kg/日で表した投与量。 b 重量減は治療の間に見られた最大値である;重量増は治療の終期に見られた 重量である。 c 完全応答(CR)は研究中に腫瘍重量において100%減少を有した腫瘍の 画分として定義される。 d 部分応答(PR)は研究中に測定可能な腫瘍重量において少なくとも50% 減少を有した腫瘍の画分として定義される。 e 腫瘍なしのパーセントは第103日に研究が終了したときに検出不能な腫瘍 を有したマウスに相当する。 f 治療された腫瘍及びコントロール腫瘍が750mgに到達する日数の差。 g ネットlog10腫瘍細胞死滅率は「材料及び方法」に記載されたT−C値か ら計算された。
【0031】 実施例2 CI−994+パクリタキセルの組合せがマウス結腸癌腫細胞(組換え26:
10細胞)で評価され、そして、そのデータが Chou と Talalayのプログラムに
従って分析され、両方の組合せが共働的であることが確認された。 マウス結腸癌腫細胞が、96ウェル培養プレート内に20%ウシ胎児血清及び
10μg/mlのインシュリンが補充されたRPMI1640培地中に播種され
た。細胞が最初に培養プレート内に播種されて触るのが可能になった24時間後
に、種々の濃度のCI−994とパクリタキセルが一緒に加えられた。結腸癌腫
増殖へのCI−994と Taxolの単独及び組合せでの効果が、37℃での96時
間のインキュベーション後にSRBアッセイ (Skehan P., Stoneng R, Scudiero
D, et al. New colorimetric cytotoxicity assay for anticancer-drug scree
ning. J. Natl. Cancer Inst., 1990;82:1107-1112) を使用して確かめられた。
その組合せ化学療法データは、抗癌剤間の共働的作用、付加的作用、及び拮抗作
用を定量化するための標準的プログラムであり、かつChouと Talalayによって記
載された酵素速度論的システムモデルを使用する量−作用法則のメディアン−効
果原則に基づく Biosoftプログラム,“Dose Effect Analysis with Microcomput
ers for IBM PC"を使用して分析された。影響を受けた画分(fa )vs組合せ
指数(CI)のプロットは、fa −CIプロットと呼ばれる。これらプロットは
、段階的に希釈された混合液中の2種の薬剤の種々の効果レベルでの共働的作用
、付加的作用、又は拮抗作用を示す。幾つかの混合液を作れば、最大共働的作用
についての最適組合せ比を見積もることが可能である。異なる効果レベルは、通
常、異なる度合いの共働的作用、付加的作用、又は拮抗的作用を与える。CI値
<1は共働的作用を示し;CI値>1は拮抗的作用を示し;そして1辺りを直線
として漂うCI値は付加的作用を示す。図1は、CI−994+ Taxolについて
の代表的fa −CIプロットを示す。これらプロットにおいて、全fa 範囲にわ
たるCI値は1未満であり、これは、その薬剤組合せについての共働的作用を示
している。
【0032】 実施例3 実施例1に記載された一般的操作に従って、カルボプラチンと組み合わせたC
I−994の抗腫瘍活性が評価された。 CI−994は、3回の治療サイクルについて経口投与された。各々のサイク
ルは、5日間の毎日治療後に2日間休むことから成るものであった(合計15日
間の治療)。このスケジュールで、そのMTDは60mg/kg/日であった。
この投与量は、50%の完全腫瘍応答をもたらし、部分腫瘍応答をもたらさなか
った。その腫瘍が完全に応答したマウスは、この研究が第71日で終了したとき
腫瘍なしであった。完全には応答しなかった腫瘍について、19.4日の腫瘍増
殖遅延が、CI−994によりそのMTDでもたらされた。この増殖遅延は、0
.1log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当する。CI−994が30mg/k
gで投与されたとき、20%の完全腫瘍応答、10%の部分腫瘍応答、及び8.
2日の腫瘍増殖遅延があった。より低い投与量のCI−994では、抗腫瘍活性
は殆ど見られなかった。カルボプラチン(ParaplatinR Bristol-Myers Squibb
Co., Princeton, NJ) は、1日に1回で5日間腹腔内投与された。20mg/k
gのそのMTDで、カルボプラチンは、20%の完全腫瘍応答、10%の部分腫
瘍応答、及び5.9日の腫瘍増殖遅延をもたらした。そのMTDの75%(15
mg/kg)のカルボプラチンで、10%の完全腫瘍応答がもたらされ、部分腫
瘍応答はもたらされず、そして8.3日の腫瘍増殖遅延がもたらされた。カルボ
プラチンは、最初のCI−994治療コースの間、CI−994と一緒に投与さ
れた。このやり方で投与されたとき、CI−994は、そのMTDの25%だけ
でカルボプラチンのMTDにおいてカルボプラチンと一緒に、致命性の増加なし
に投与されることができた。この投与組合せは、70%の完全腫瘍応答と10%
の部分腫瘍応答をもたらした。第71日でのこの研究の終了時に60%のマウス
が腫瘍なしであった。完全には応答しなかったか又は再増殖した腫瘍についての
腫瘍増殖遅延は20.8日であった。このことは、付加的な抗腫瘍効果より大き
いことを表している。CI−994がそのMTDでカルボプラチンのMTDの7
5%のカルボプラチンと一緒に投与されると100%の完全腫瘍応答があった。
100%の生存マウスが、この研究が終了したとき腫瘍なしであった。これは、
少なくとも3.8log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当し、付加的な抗腫瘍効
果より明らかに大きい。このグループに1匹の死亡があったが、この死亡の原因
は不明であった。 前述の研究の結果が表5に示される。これら結果は、CI−994がカルボプ
ラチンと共に投与されて、毒性の有意な増加なしに付加的な抗腫瘍効果よりも大
きい効果をもたらし得ることを立証している。このことは、そのMTDにおける
どちらかの薬剤単独によりもたらされる効果より優れた治療効果に帰着する。
【0033】
【表5】 a mg/kg/日で表した投与量。腫瘍重量が189〜245mg(中央値= 245mg)のときに治療を開始した。 b 体重減は治療の間に見られた最大値である;体重増は治療の終期に見られた 重量である。 c 完全応答は研究中にその重量が100%減少した腫瘍を表わす。 d 部分応答は研究中にその重量が少なくとも50%減少した腫瘍を表わす。 e T−Cは治療された腫瘍及びコントロール腫瘍が750mgに到達する日数 の差である。 f ネットlog10腫瘍細胞死滅率は「材料及び方法」に記載されたT−C値か ら計算された。 g 腫瘍なし数は第71日に研究が終了したときに検出不能な腫瘍を有したマウ スに相当する。 h 死亡は遅れてカルボプラチンでの最後の治療の1〜2週間後に主に起きた。
【0034】 実施例4 実施例1に記載された一般的操作に従って、パクリタキセル及びカルボプラチ
ンの両方と組み合わせたCI−994の抗腫瘍活性が評価された。各々の薬剤は
単独でも評価され、治療グループが未治療グループと比較された。CI−994
のMTDは60mg/kg/日であった。この投与量は、30%の完全腫瘍応答
をもたらし、部分腫瘍応答をもたらさなかった。その腫瘍が完全に応答したマウ
スは、CI−994での最後の治療後40日間依然として腫瘍なしであった。C
I−994に完全には応答しなかった腫瘍の腫瘍増殖遅延は16.2日であった
。パクリタキセル及びカルボプラチンは両方とも、それぞれ15及び30mg/
kgのそれらのMTDで単独に投与された。そのMTDにおけるパクリタキセル
で、完全腫瘍応答も部分腫瘍応答もなかったが、3.7日の腫瘍増殖遅延があっ
た。カルボプラチンは、そのMTDで、完全腫瘍応答も部分腫瘍応答ももたらさ
なかった。カルボプラチンのこの投与量についての腫瘍増殖遅延6.9日であっ
た。この研究の結果が表6に示される。 CI−994は、許容できない死亡のために、そのMTDではパクリタキセル
及びカルボプラチンのMTDにおいてパクリタキセル及びカルボプラチンと一緒
に投与されることはできなかった。CI−994がそのMTDの50%でこれら
薬剤のMTDにおいてそれらと一緒に投与されたとき、1匹の死亡があった。し
かしながら、この投与組合せは80%の腫瘍応答をもたらし、それらマウスは、
最後のCI−994治療後40日でも依然として腫瘍なしであった。完全には応
答しなかった腫瘍についての腫瘍増殖遅延は51日を越えるものであった。これ
ら結果は、腫瘍帯有マウスがCI−994、パクリタキセル及びカルボプラチン
の組合せで治療されるときは、その抗腫瘍効果は共働的であることを示している
【0035】
【表6】 a mg/kg/日で表した投与量。腫瘍重量が120〜269mgのときに治 療を開始した。 b 体重減は治療の間に見られた最大値である;体重増は治療の終期に見られた 重量である。 c 完全応答は研究中にその重量が100%減少した腫瘍を表わす。 d 部分応答は研究中にその重量が少なくとも50%減少した腫瘍を表わす。 e 治療された腫瘍及びコントロール腫瘍が750mgに到達する日数の差。 f ネットlog10腫瘍細胞死滅率は「材料及び方法」に記載されたT−C値か ら計算された。 g 腫瘍なしパーセントは最後の治療の40日後の検出不能な腫瘍を有したマウ スに相当する。
【0036】 実施例5 2成分組合せ治療の臨床的評価 これは、進行した固形腫瘍を有する患者にパクリタキセルと組み合わせて投与
されるCI−994の多数センターでのオープンラベルフェーズ1研究である。 この研究の目的は、進行した固形腫瘍を有する患者にパクリタキセルと組み合
わせて投与されるときのCI−994の、(1) MTD、(2) 推奨されるフェーズ
2投与量、(3) 薬物動力学、(4) 安全性プロフィールを決定すること、及び(5)
抗腫瘍活性を観察することである。一次効力エンドポイントは、PR又はCRの
いずれかの達成である。二次エンドポイントには、PR又はCRまでの時間、P
R又はCRの期間、及び生存率が含まれる。
【0037】 パクリタキセルは、治療コースの間、135mg/m2 の初期投与量を使用し
て、3週間の間隔で静脈内注入として投与される。CI−994は、第1日から
始まる28日コースの21日間の毎日投与として経口投与される。患者は、治療
への個別的な許容度と応答に基づき、続く治療コースを受けることができる。そ
の疾患が応答しないか又は許容できない副作用を現した患者では、研究治療が中
止される。 CI−994の初期投与量レベルは4mg/m2 である。最少の3人の患者が
、各々の投与量レベルで治療されるであろう。投与量レベルは、MTDに到達す
るまで2mg/m2 だけ増加される。10人の追加の患者は、MTDであるか又
はそれを下回る1つの投与量レベルであると期待される、フェーズ2研究のため
に推奨される投与量レベルで治療される。
【0038】 患者が研究治療を始めたら、他の癌治療の追加は、安全性及び効力の評価を 混乱させるので許されない。この制限は、患者がこのプロトコルの治療フェーズ
中である間、全身細胞障害性、ホルモン性、免疫学的、又は他の生物学的薬剤の
追加を排除する。研究期間中に一時抑えの放射線治療を必要とする患者には、一
般に進行性疾患を有すると考えられるので、それに反してでも強要する情報が存
在しないなら、研究投薬は中止される。研究期間中に新たな脳転移が現れた患者
は、頭への照射コースを受けることために治療を中断されてから、少なくとも1
週間の回復期間後に研究投薬を再開されることができる。 吐き気又は嘔吐の予防及び/又は治療のために、研究者の判断で催吐剤が使用
されてもよい。吐き気及び嘔吐を抑制するためにあらゆる努力が払われなければ
ならない。これら状態は、患者がCI−994の経口投与量を摂取又は吸収する
のを排除し得るからである。この問題は、ゲムシタビンも投与された場合に、第
1、8及び15日に特に関係する。CI−994がフェーズ1プログラムにおい
て高い投与量で鎮静及び傾眠を起こした場合には、これら副作用を起こす可能性
が少ない催吐剤が使用されるべきである。
【0039】 感染によって複雑化される重い骨髄抑制のエピソードを治療するために、研究
者の判断でコロニー刺激因子が使用されてもよいが、低い血球数を支援するため
又は投与量強度を維持するために使用されるべきではない。 基準がCRに合うなら、CRの確認値を越える更なる2つのコースの治療を施
してから、その患者の疾患状態を完全に再評価する。その時点で、その患者が臨
床的に疾患を持たないと考えられたら、ゲムシタビンを止め、CI−994を同
じ投与量及びスケジュール(3週間オン/1週間オフ)を使用して更なる3カ月
間投与し続ける。その時点で、再度、その患者の疾患状態を完全に再評価する。
患者が依然としてCRにあるなら、研究者は、CI−994治療を継続するリス
クと潜在的利点を評価しなければならない。
【0040】 治療コース 治療コースは、28日コースの第1日の Taxolの静脈内投与+28日コースの
うちの21日間の第1日に始まるCI−994の毎日経口投与からなる。これら
コースは、グレード≦1、血小板数≧100,000/μL、及び絶対好中球数
≧1500/μLという非造血学的パラメーターとして定義される、副作用及び
骨髄抑制からの十分な回復があったなら、第29日に繰り返される。続くコース
は、3週間までの週間隔だけ遅延されてもよい。第50日までに回復しなかった
ら、その患者には研究投薬が中止される。
【0041】 Taxol 投与 各々のコースにおける Taxolの初期投与量は135mg/m2 であり、3時間
静脈内注入として投与される。治療コースの間に投与量調節が要求されてもよい
。製剤及び投与に関する情報についての製造業者の推奨に従う。
【0042】 CI−994投与量レベル CI−994投与量は、体表面積(BSA)に基づいて計算され、次いで、最
密の入手可能なカプセル強度に仕上げられなければならない。CI−994は、
2.5、5及び25mgのカプセル強度で入手可能である。投与は、食事に関係
なく行われることができる。 初期CI−994投与量レベルは4mg/m2 である。続く投与量レベルは、
MTDが確認されるまで2mg/m2 の固定増加量だけ増加(又は必要なら減少
)されるであろう。個別の患者は、続くコースにおいて、ゲムシタビン又はCI
−994の投与量上昇を受けなくてもよい。患者は、続くコースにおいて、投与
を制限する毒性が経験されたなら、より低い投与量のCI−994を受けること
ができる。 3人の新たな患者が、各々の新たな投与量レベルで評価されるであろう。これ
ら患者が新たな投与量レベルが開始される前に従わなければならない最少時間は
(治療が早期に中断されて患者が副作用から回復中でないなら)4週間である。
これら3人の新たな患者の誰も投与を制限する毒性を経験しないなら、次のより
高い投与量が開始される。もし1人の患者が投与を制限する毒性を現したら、更
に3人の患者がその投与量レベルで加えられる。6人の患者のうち2人以上が同
じ投与量レベルで投与を制限する毒性を経験したら、その投与量レベルがMTD
と考えられる。
【0043】 評価可能な患者は、ゲムシタビン+CI−994投与量の少なくとも80%の
3週間投与(≧17回投与)を受けた患者として、又はその治療コースが早期に
中断されたか若しくは治療関連副作用のために治療コースに従えなくなった(<
17回投与)患者として定義される。17回未満のCI−994の投与しか受け
れなかったか又は非治療関連理由(例えば、約束を忘れる、CI−994供給物
の使い尽くし、患者にカプセルを飲み込めなくする医学的状態の存在の顕現、急
速進行性疾患の発症)のためにこの治療コースを完結しなかった患者は、その投
与量レベルの許容姓について評価可能な患者とは考えられない。
【0044】 患者は、各々の日において凡そ同じ時間にCI−994投与を行うよう励まな
ければならない。しかしながら、12時間までの変動はあらゆる所与の投与につ
いて認められるが、その日の投与を忘れることは認められない。患者がその日の
投与を全く忘れてしまった場合には、翌日に“埋め合わせ”をしないように指示
されなければならない。患者がCI−994の投与後に吐いても“埋め合わせ”
をしないように指示されなければならないが、翌日に続く投与を処方通りに再開
するように指示されなければならない。 第1、8及び15日に、患者がゲムシタビン投与後に吐いた場合でも最大の吸
収が確保されるように、CI−994投与は、ゲムシタビンを投与する2時間前
に行われるべきである。 MTDが確認されたら、追加の10人の患者が、MTDであるか又はMTDを
下回る1つの投与量レベルであると期待される、フェーズ2投与量レベルで治療
される。
【0045】 コース中の投与量調節 コース中の Taxol及びCI−994の継続は、患者の許容度及び造血学的パラ
メーターに依存する。製造業者により推奨されかつ下記の表に示されるように、
減少させた投与量のゲムシタビンが第8及び15日に要求されてもよい。CI−
994の投与量は治療コース中に増加も減少もされないが、以下に記載されるよ
うに、早期の終了が要求されてもよい。両方の研究投薬がコースが完結される前
に停止されなければならないときは、そのコースを完結してはならないが、代わ
りに、患者が回復した後に、減少させた投与量のCI−994を使用して別のコ
ースを開始してもよい。
【0046】 コース中にCI−994投与を中断する決定は、あらゆる時点における副作用
と造血学的結果に基づく。例えば、ある患者が第11日に45,000/μLの
血小板数を有するなら、その患者にCI−994カプセルを摂取することを止め
させる(そして、全ての研究投薬容器を返還させる)。第15日に別のCBCを
獲得する。第15日における血小板数が50,000〜99,000/μLなら
ば、計算された Taxol投与量の75%を投与するが、CI−994投与を再開し
てはならない。第15日における血小板数が50,000/μLを下回ったまま
なら、ゲムシタビンで再治療してはならない。このコースを終了させて患者の回
復を待つことを考えなければならない。いずれの場合にも、その患者は、同じ初
期投与量の Taxolと2mg/m2 だけ減少させたCI−994投与量とを使用し
て、続く治療コースを受けることができる。
【0047】 薬剤配合及び安定性 Taxol は、商業的供給源から得られるべきである。製剤、投与、安定性、及び
保存条件についての製造業者の推奨に従わなければならない。 CI−994は、2.5、5又は25mgに加えて不活性成分のラクトース、
コーンスターチ、及びタルク又はポリエチレングリコール6000を含有する、
同じ外観を呈する研究投薬のゼラチンカプセル中に配合される。制御された室温
で保存されなければならない。
【0048】 実施例6 3成分組合せ治療の臨床的評価 これは、進行した固形腫瘍を有する患者の治療におけるパクリタキセル及びカ
ルボプラチンと組み合わせた経口CI−994の臨床的研究である。治療される
患者は、進行した固形腫瘍を有し、先の2種の化学療法を受けたことがなく、そ
して、彼らにとってパクリタキセルとカルボプラチンが合理的な治療選択肢であ
る。一次効力パラメーターには、完全緩解(CR)、部分緩解(PR)、安定疾
患(SD)、又は進行性疾患(PD)として分類される、治療への応答が含まれ
る。 治療コースは、21日コースの第1日のパクリタキセル及びカルボプラチンの
静脈内投与+21日コースのうちの投与量レベルに依存する7日間又は14日間
の第1日に始まるCI−994の毎日経口投与からなる。これらコースは、副作
用及び骨髄抑制からの十分な回復があったなら、第22日に繰り返される。続く
コースは、3週間までの週間隔だけ遅延されてもよい。第43日までに回復しな
かったら、その患者には研究投薬が中止される。
【0049】 パクリタキセルは、商業的供給源から得られるべきである。製剤、投与、保存
及び安定性に関する情報についての製造業者の推奨に従わなければならない。特
に、PVC含有注入セット及びバッグを避けるという要件とインラインフィルタ
ーを使用するという推奨に留意しなければならない。 患者は、各々の投与量のパクリタキセルを投与される前に準備投薬されなけれ
ばならない。製造業者により目下推奨される準備投薬法は、パクリタキセルの凡
そ12及び6時間前にデキサメタゾン20mgを経口投与すること、パクリタキ
セルの30〜60分前にジフェンヒドラミン50mgを静脈内投与すること、及
び30〜60分前にシメチジン(300mg)又はラニチジン(50mg)を静
脈内投与することからなる。パクリタキセル注入中に制度に従って生命信号がモ
ニターされなければならない。
【0050】 準備投薬をしない場合に、パクリタキセル注入に伴ってアナフィラキシー反応
が起こったことがある。十分な医学的監督が存在しなければならず、そして、過
敏反応を診断しかつ治療するために、適切な介入が容易に可能でなければならな
い。 カルボプラチンは、商業的供給源から得られるべきである。製剤、投与、保存
及び安定性に関する情報についての製造業者の推奨に従わなければならない。特
に、アルミニウム成分を有する針又は静脈内投与セットを避けるという要件に留
意しなければならない。 カルボプラチン注射に伴ってアナフィラキシー反応が起こったことがある。十
分な医学的監督が存在しなければならず、そして、過敏反応を診断しかつ治療す
るために、適切な介入が容易に可能でなければならない。 カルボプラチンは、パクリタキセル注入の完了直後に30分間の静脈内注入と
して投与される。各々のコースにおいて使用すべきカルボプラチン投与量(mg
で表現される)は、Calvert 式を使用して、糸球体濾過率(GFR)についての Cockcroft-Gault式によって決定されるクレアチニン浄化値を代入して、6倍の
濃度−時間曲線下の面積(AUC)をもたらすように計算される。
【0051】
【数3】 投与量(mg)=6倍のAUC(GFR+25) GFR=〔(140−年齢)×kg体重/(72×血清クレアチニン)〕 ×女性についての0.85 例:患者特徴は、女性、63歳、血清クレアチニン=1.1mg/dL、 体重=66kgである。 GFR=〔(140−63)×66/(72×1.1)〕×0.85 =54.5 カルボプラチン(mg)=6(54.5+25) =477mg(mg/m2 ではない)
【0052】 患者は、各々の日において凡そ同じ時間にCI−994投与を行うよう励まな
ければならない。しかしながら、12時間までの変動はあらゆる所与の投与につ
いて認められるが、その日の投与を忘れることは認められない。患者がその日の
投与を全く忘れてしまった場合には、翌日に“埋め合わせ”をしないように指示
されなければならない。患者がCI−994の投与後に吐いても“埋め合わせ”
をしないように指示されなければならないが、翌日に続く投与を処方通りに再開
するように指示されなければならない。 研究投薬日誌が、各々の治療コースの間に付けられるべきである〔投与された
又は投与されない日付、投与量、投与後2時間以内に吐いたかどうか〕。各々の
コースの第1日に、患者がパクリタキセル投与後に吐いた場合でも最大の吸収が
確保されるように、CI−994投与は、パクリタキセルを投与する2時間前に
行われるべきである。 次の表は、予想投与量レベルを記載するものである。それは、パクリタキセル
の“標準”投与量(225mg/m2 )及びカルボプラチンの“標準”投与量(
AUC=6)に達するように設定されている。
【0053】
【表7】 * 投与量レベル3、投与量レベル7又はそれを越える投与量レベルは進行中の患 者経験の結果が先行する投与量レベルの十分な許容性を示した場合に逐次的に 開始されるだろう。投与量レベル3はMTD基準を満たしたので、投与量レベ ル4及び5は投与量レベル3の直後には評価されないだろう。投与量レベル6 はこの投与量レベルでの経験が投与量レベル3におけるCI−994の早期患 者中断を介して得られているので投与量レベル3の直後には評価されないだろ う(近似投与量レベル6がCI−994投与スケジュールを短縮化した)。投 与量レベル6は投与量レベル7がMTDの基準を満たしたら開始されるだろう 。 + 投与量レベルがMTDに合わなかったら、追加の投与量レベルが2mg/m2 /日のCI−994の増加分で開始されるだろう。これら投与量レベルの各々 は投与量レベル8について記載したパクリタキセル及びカルボプラチンを含む であろう。
【0054】 初期CI−994投与量レベルは4mg/m2 で、これは、CI−994がフ
ェーズ1研究において14日間の単独投与として投与されたときに凡そ25%の
MTDに相当し、そして、進行中のフェーズ2プログラムにおいて長期の毎日投
与に基づく単独投与として投与されたときに50%の毎日投与量に相当する。C
I−994臨床実験の纏めのセクションを参照のこと。 3人の新たな患者が、各々の新たな投与量レベルで評価されるであろう。これ
ら患者が新たな投与量レベルが開始される前に従わなければならない最少時間は
(治療が早期に中断されて患者が副作用から回復中でないなら)3週間である。
これら3人の患者の誰も投与を制限するあらゆる種類の毒性を経験しないなら、
又は、1人の患者が投与を制限する好中球減少症を現したら(投与を制限する毒
性のセクションにおける基準を参照のこと)、次のより高い投与量が開始される
。1人の患者が投与を制限する好中球減少症以外の毒性を現したら、又は、2人
の患者が投与を制限する好中球減少症を現したら、更に3人の患者がその投与量
レベルで加えられる。6人の患者のうち2人以上が同じ投与量レベルで投与を制
限する好中球減少症以外の毒性を経験したら、又は、6人の患者のうち3人以上
が投与を制限する好中球減少症を経験したら、その投与量レベルがMTDと考え
られる。
【0055】
【表8】
【0056】 MTDが確認されたら、追加の6人の患者が、MTDであるか又はMTDを下
回る1つの投与量レベルであると期待される、フェーズ2投与量レベルで治療さ
れる。 与えられる投与量レベルの安全性についての評価可能な患者であると考えられ
るためには、患者は、正規の投与量のパクリタキセルとカルボプラチン+CI−
994療法の少なくとも75%を投与されるか、又は早期に中断されるか若しく
は治療関連副作用のためにその治療に従えなくなった患者でなければならない。
75%追従レベルは、14日間スケジュールで≧11投与回数であり、7日間ス
ケジュールで≧6投与回数である。75%未満のCI−994の投与しか受けれ
なかったか又は非治療関連理由(例えば、約束を忘れる、CI−994供給物の
置き忘れ、患者にカプセルを飲み込めなくする医学的状態の存在の顕現、急速進
行性疾患の発症)のためにこの治療コースを完結しなかった患者は、その投与量
レベルの許容姓について評価可能な患者とは考えられない。
【0057】 コース中の投与量調節 パクリタキセル及びカルボプラチンは両方とも、各々の治療コースにおいて第
1日にだけ投与されるので、コース中の投与量調節に付されることはない。コー
ス中のCI−994の継続は、患者の許容度及び造血学的パラメーターに依存す
る。CI−994の投与量は治療コース中に増加も減少もされないが、早期の終
了が要求されてもよい。次の状態のいずれかに合致したら、治療コース中のCI
−994投与を中断する: ・血小板数が<40,000/μLである; ・絶対好中球数が<500/μLである;及び ・非造血学的治療関連副作用が≧グレード3である(脱毛又は制御可能な吐き気
若しくは嘔吐を除く)。 その患者にCI−994カプセルを摂取することを止めさせて、全ての研究投
薬容器を返還させる。患者が回復した後に、以下の「次の治療コースの投与量調
節及びタイミング」のセクションに記載の、減少させた投与量の研究投薬を使用
して別のコースを開始する。
【0058】 次の治療コースの投与量調節及びタイミング 次の治療コースのパクリタキセル、カルボプラチン、及びCI−994の投与
量調節は、絶対好中球数最下点、血小板数最下点、及び先行するコース中に経験
された非造血学的毒性に基づく。後のコースにおけるパクリタキセル、カルボプ
ラチン、又はCI−994の投与量増加は、患者のその時点での血清クレアチニ
ン値及び体重に基づく再計算から生じるカルボプラチン投与量増加の他は、許さ
れない。
【0059】
【表9】 a 投与量減少が要求されるときはその患者の最近のパラメーターを使用してA UC=6に対してカルボプラチン投与量を再計算する。 b 患者が5mg/日の総投与量を受けているなら、研究者の臨床的判断におい て患者が更なる治療プロトコルの恩恵を受ける場合に、その患者の投与量は 2.5mg/日まで減少させることができる。この決定は、患者の治療に対 する許容度及び応答に基づいて後見人と一緒に到達されるべきである。
【0060】 次の全ての条件が満たされるまで、次の治療コースの開始が遅らされる: ・絶対好中球数が≧2000/μLである; ・血小板数が≧100,000/μLである;及び ・非造血学的治療関連毒性が脱毛を除いてグレード0又は1まで回復している。 患者が、続くコースにおいて複数の投与量減少を受けた結果、もはやいかなる
量のCI−994も投与されていないか、又は再挑戦を排除するパクリタキセル
又はカルボプラチンへの有意な過敏反応を経験しているなら、その患者には、そ
の研究が中断される。
【0061】 投与を制限する毒性 次のあらゆる状態が投与を制限する毒性(DLT)であると考えられる: ・血小板数最下点<25,000/μL; ・5日間又はそれを越えて絶対好中球数<500/μL、又は感染若しくは発熱
が伴っている; ・≧24時間継続する、鎮静、傾眠、見当識障害、錯乱、又は幻覚のようなグレ
ード2治療関連CNS毒性; ・グレード3又は4治療関連非造血学的毒性(あらゆるグレードの脱毛、又は制
御可能な吐き気若しくは嘔吐を除く); ・副作用(脱毛を除く)又は造血学的毒性から43日間回復できないこと;及び
・あらゆるグレードの治療関連毒性に起因して治療コースが停止されたか又はそ
れに非追従となったこと(14日間スケジュールで行われた11回未満のCI−
994の投与;7日間スケジュールで行われた6回未満のCI−994の投与)
【0062】 最大許容投与量 MTDは、最初の治療コースにおいて、6人の評価可能な患者のうちの≧2人
に投与を制限する好中球減少症を除くあらゆるDLTをもたらすか、又は、6人
の評価可能な患者のうちの≧3人に投与を制限する好中球減少症をもたらす投与
量レベルのことである。
【0063】 安全な取り扱い パクリタキセル、カルボプラチン、及びCI−994は、注意して取り扱われ
かつ投与されなければならない細胞障害剤である。粉末の吸入、又は皮膚及び粘
膜、特に目の粘膜との接触は、避けられなければならない。事故で目に接触した
ら、すぐに水で繰り返し洗浄した後に、迅速に眼科医に診察してもらわなければ
ならない。事故で皮膚に接触したら、曝された領域をすぐに水で繰り返し少なく
とも15分間洗浄しなければならない。他の細胞障害性抗新生物剤のように、適
切な予防措置がOSHAガイダンスに従ってとられなければならない。
【0064】 薬剤配合及び安定性 CI−994は、2.5、5、10又は25mgに加えて不活性成分のラクト
ース、コーンスターチ、及びタルク又はポリエチレングリコール6000を含有
する、同じ外観を呈するゼラチンカプセル中に配合される。制御された室温で保
存されなければならない。
【0065】 前述のデータは、パクリタキセル又はカルボプラチンのいずれかと組み合わさ
れたアセチルジナリン及びパクリタキセルとカルボプラチンの両方と組み合わさ
れたアセチルジナリンの間の意外な好ましい相互作用を立証している。従って、
この発明は、感受性の新生物を治療する方法であって、アセチルジナリンをある
処方においてパクリタキセル又はカルボプラチンと一緒に又はパクリタキセルと
カルボプラチンの両方と一緒に投与することを含んでなる方法を提供する。この
組合せは、概して、別々にパッケージに入れられた各々の活性成分を含み、それ
によって、投与前のそれら薬剤間のあらゆる相互作用を回避している。望まれる
場合には、個別にパッケージされたそれら薬剤は、キットとして単一のカートン
に入れられ、それによって、関与する医師又は医療従事者に便利さを提供する。
この発明に従って治療される感受性の新生物には、固形腫瘍、特に進行した固形
腫瘍及び小細胞肺癌、並びに腎臓細胞癌、膵臓癌、頭部及び頸部の癌、卵巣癌、
骨髄腫、前立腺癌、及び乳癌が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CI−994及びパクリタキセルのマウス結腸癌細胞における共働的作用を示
す。
【図2】 CI−994、パクリタキセル及びカルボプラチンの各々単独での抗腫瘍活性
及び3つ全てでの組合せ治療の抗腫瘍活性を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月31日(2002.5.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 組合せ化学療法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】 本発明は、公知の腫瘍崩壊剤の組合せ物を利用して腫瘍を治療する方法に関す
る。これら薬剤を一緒に使用することは、それら単一の薬剤を単独で使用するよ
りも意外なほど大きな効力を提供する。
【0002】
【発明の背景】 癌の化学療法は、ここ数年、劇的に発展している。多くの腫瘍は、天然に存在
する物質又は合成物質のいずれかである化合物を利用して効果的に治療されるこ
とができる。癌の化学療法は、概して、より大きな治療効果を提供しかつ個々の
薬剤が単独で使用されたときに遭遇することが多い毒性作用を軽減する手段とし
て、薬剤の組合せの使用を要することが多い。 本発明者らは、今回、劇的な共働的効果を示す公知の腫瘍崩壊剤のユニークな
組合せ物を発見した。その組合せ物は、アセチルジナリン (acetyldinaline) を
パクリタキセル (paclitaxel) 及び/又はカルボプラチン(carboplatin) と一緒
に利用する。その組合せ物は、固形腫瘍、特に非小細胞肺癌及び他の進行した固
形腫瘍を有する患者を治療するのに特に効果的である。
【0003】 アセチルジナリンは、4−アセチルアミノ−N−(2’−アミノフェニル)ベ
ンズアミドである。それはCI−994としても知られている。それは、米国特
許第5,137,918号に記載されており、その特許は、アセチルジナリンを
どのようにして製造するか、それを投与形態中にどのように配合するか、そして
それを結腸癌や腺癌のような癌を治療するのにどのように使用するかを教示する
ために、参照により本明細書に組み込まれる。アセチルジナリンは、癌治療のた
めの可能性のある共役体として、米国特許第5,795,909号にも記載され
ている。
【0004】 パクリタキセルは、天然産の有糸分裂阻害剤である。それは、チューブリンダ
イマーからの微小管の組立てを促進し、そして解重合を阻止することによって微
小管を安定化する抗微小管剤である。その安定は、生体分裂間期及び有糸分裂細
胞機能にとって必須である微小管ネットワークの正常な動的認識の阻害をもたら
す。加えて、パクリタキセルは、細胞サイクル全体を通して微小管のアレイ又は
束の異常を誘発し、そして有糸分裂中に微小管の複数の星状体を誘発する。パク
リタキセルは、卵巣癌腫及び乳癌について主に言及されるが、それは、他の癌を
治療するのにも有用である。パクリタキセルの使用は、概して、過敏反応、低血
圧、徐脈、高血圧、吐き気、嘔吐、及び注射部位反応を包含する望ましくない副
作用を伴う。パクリタキセルは、Taxol R (Bristol-Myers Squibb)として商業的
に入手可能である。
【0005】 カルボプラチンは、環員原子として白金を有する二環性化合物である。この化
合物は、癌化学療法剤として、特に卵巣癌腫並びに非小細胞肺癌(NSCLC)
用に日常的に臨床使用されている。カルボプラチンは、一般に、他の抗新生物剤
と一緒に使用され、カルボプラチンとパクリタキセルの組合せ物は、進行したN
SCLC、卵巣癌、及び他の重篤な癌を有する患者を治療するのに広く使用され
るようになってきた(Calvert et al., J. Clin. Oncol., 1989; 7:1748-1756)
。カルボプラチンは、ParaplatinR (Bristol-Myers Squibb)として商業的に入手
可能である。この製品は、50、150及び450mgを含有するバイヤル中の
結晶性白色粉末として供給され、その粉末は、注射用滅菌水、5%デキストロー
ス水、又は注射用0.9%塩化ナトリウムのいずれかと溶かされる。
【0006】 この発明の目的は、癌、特に進行した固形腫瘍を、アセチルジナリンをパクリ
タキセル又はカルボプラチンと一緒に含んでなる組合せ物、又はアセチルジナリ
ン、パクリタキセル及びカルボプラチンを含んでなる組合せ物で治療する方法を
提供することである。更なる目的は、共働量のアセチルジナリンとパクリタキセ
ル、アセチルジナリンとカルボプラチン、及びアセチルジナリンをパクリタキセ
ルとカルボプラチンの両方と共に含んでなる組成物を提供することである。
【0007】
【発明の要旨】 この発明は、抗新生物剤の共働的組合せ物、及びその組合せ物を投与すること
を含んでなる腫瘍の治療方法に関する。より特定的には、本発明は、第1成分と
してアセチルジナリンを、そして第2成分としてパクリタキセル又はカルボプラ
チンを含んでなる組成物を提供する。本発明は、これら3つ全ての薬剤を一緒に
含んでなる組成物も提供する。 この発明の組成物は、上記活性成分又は適するそれらの塩と、普通の賦形剤、
希釈剤、及び担体とから本質的になる。 本発明の更なる態様において、本発明者らは、癌を治療する方法であって、治
療を必要とする動物に有効量の、アセチルジナリンとパクリタキセル又はカルボ
プラチンのいずれかとの組合せ物、又はアセチルジナリン、パクリタキセル及び
カルボプラチンの組合せ物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0008】 好ましい方法は、固形腫瘍の治療を包含する。 更なる好ましい方法は、抗腫瘍量のアセチルジナリン及び有効量のパクリタキ
セルを用いて、NSCLC、乳癌、卵巣癌、頭部及び頸部の癌、骨髄腫、前立腺
癌、及び膵臓癌を包含する感受性の癌を治療する。 更に好ましい方法は、抗腫瘍量のアセチルジナリン及び有効量のカルボプラチ
ンを用いて感受性の癌を治療する。 更に好ましい方法は、抗腫瘍量のアセチルジナリン+有効量のパクリタキセル
+有効量のカルボプラチンを用いて感受性の癌を治療する。 本発明の別の態様は、1つの区画内にある量のアセチルジナリンを含んでなり
そして別の区画内にある量のパクリタキセルを含んでなるキットである。 本発明の別の態様は、1つの区画内にある量のアセチルジナリンを含んでなり
そして別の区画内にある量のカルボプラチンを含んでなるキットである。 本発明の別の態様は、1つの区画内にある量のアセチルジナリン、別の区画内
にある量のパクリタキセル、及び第3の区画内にある量のカルボプラチンを含ん
でなるキットである。
【0009】
【発明の詳しい説明】 この発明の方法に用いられる化合物は、臨床的に普通に用いられる量で投与さ
れるであろう。そのような投与量は、例えば、体表面積に関して普通の様式で計
算されるであろう。アセチルジナリンは、例えば、約1.0〜約50mg/m2 、好ましくは約2.0〜約10.0mg/m2 の量で投与されるであろう。理想
的には、アセチルジナリンは、約5〜約100μg/mlの血漿レベルをもたら
す量で投与されるであろう。アセチルジナリンは、典型的には、経口で、例えば
、2.5、5及び25mg/カプセルの量で活性成分を有するカプセル剤として
投与される。アセチルジナリンは、治療期間全体を通して毎日およそ同じ投与量
レベルで投与されるであろう。複数の治療期間が実践されてもよく、参加する医
師及び治療されるべき特定の患者と状態とによって決められる。
【0010】 パクリタキセルは細胞障害性の抗癌剤なので、その薬剤を扱うに際しては注意
が必要である。パクリタキセルは、典型的には、バイヤルに入れて提供され、静
脈内注入により投与される前に希釈される。典型的な希釈剤には、0.9%塩化
ナトリウム、5%デキストロースが含まれる。注入のための最終濃度は、一般に
約0.3〜約1.2mg/mlである。パクリタキセルは、幾つかの濃度で、例
えば、30mg/5mlの複数投与バイヤル、100mg/16.7mlの複数
投与バイヤル、及び300mg/50mlの複数投与バイヤルで商業的に入手可
能である。この製品は、一般に、卵巣癌の治療のために、例えば、3週間毎に3
時間かけて約135〜約225mg/m2 の投与量で、一般に、約25mg/m 2 ずつ投与される。
【0011】 この薬剤は、3週間毎に3時間かけて静脈内投与される175mg/m2 の投
与量で乳房の癌腫に有効な治療剤である。エイズ関連カポシ肉腫の治療には、パ
クリタキセルは、一般に、3週間毎に3時間かけて135mg/m2 の量で又は
2週間毎に3時間かけて100mg/m2 の量で静脈内投与される。一般に、パ
クリタキセルの投与強度は、約45〜50mg/m2 /週であろう。 カルボプラチンは、約30分間から約1時間かけて静脈内注入として投与され
る。普通に使用される投与量は、各々の治療コースについて、例えば、約12〜
14日間の各々の日に約25mg〜約500mgとした後に、約4〜6日間は投
与せず、次いで、次の12〜14日間について投与が繰り返されるであろう。 好ましい態様において、典型的な本発明の組合せ物は、表1に示した投与量で
投与されるであろう。
【0012】
【表1】 表 1 ─────────────────────────────────── パクリタキセル投与量(第1日に アセチルジナリン投与量(第1〜 3時間かけて注入される mg/m2量) 14日に毎日投与される経口投与量) ─────────────────────────────────── 175 2.5mg固定量 175 5mg固定量 200 6mg/m2 /日 225 4mg/m2 /日 ───────────────────────────────────
【0013】 別の典型的な投与態様が表2に示される。
【0014】
【表2】 表 2 ─────────────────────────────────── カルボプラチン投与量(第1日に アセチルジナリン投与量(第1〜 30分かけて注入されるmg量) 14日に毎日投与される経口投与量) ─────────────────────────────────── 150 2.5mg固定量 200 6mg固定量 300 6mg/m2 /日 500 4mg/m2 /日 ───────────────────────────────────
【0015】 特に好ましい態様は、3種全ての薬剤の組合せ物であり、典型的な投与は表3
に示される。
【0016】
【表3】 表 3 ─────────────────────────────────── パクリタキセル投与量 カルボプラチン投与量 アセチルジナリン投与量 (第1日に3時間かけて (第1日に30分 (第1〜14日に毎日 注入される mg/m2量) かけて注入される) 経口投与される) ─────────────────────────────────── 175 300 2.5mg固定投与量 175 400 5mg固定投与量 175 350 4mg/m2 /日 200 450 6mg/m2 /日 250 200 4mg/m2 /日 ───────────────────────────────────
【0017】 この発明によって提供される組合せ物は、幾つかのアッセイシステムで評価さ
れ、それらデータは、諸抗癌剤間の共働的作用、付加的作用、及び拮抗作用を定
量化するための標準的プログラムを用いて分析されることができる。好ましく利
用されるプログラムは、Chouと Talalayによって、“New Avenues in Developm
ental Cancer Chemotherapy", Academic Press, 1987, Chapter 2に記載された
プログラムである。 その方法は、モデルとして酵素速度論的システムを用いる量−作用法則の中位
効果(median-effect) 原則に基づく。その等式は簡単であり、投与量−効果曲線
の形状と無関係に、投与量と効果の間の関係を示すものである。2つの基本的等
式が、この方法論の支柱を構成する。可能な最も簡単なやり方で単一の薬剤につ
いて投与量と効果を関係付けるために Chou によって誘導された中位効果の等式
は:
【0018】
【数1】
【0019】 によって与えられる。式中、右側は投与量を表し、左側は効果を表す。ここで、
a 及びfu はそれぞれ影響を受けた画分と影響を受けなかった画分であり、D
は投与量であり、Dm はその強さを示す中位効果投与量であり、そしてmは投与
量−効果曲線の形状を示す係数である。この等式から、Chouと Talalayは、2種
又はそれを越える薬剤についての一般的等式:
【0020】
【数2】
【0021】 を誘導した。式中、m=1は一次 Michaelis-Menten-型速度論についてのもので
あり、m>1(又はm<1)はより高次(又はより低次)の Hill-型速度論につ
いてのものである。α=0のときは右側の第3項が消え、α=1のときその第3
項は保存される。相互に排除的な薬剤についてα=0が使用され、相互に非排除
的な薬剤についてα=1が使用される。同じか又は類似の様式の作用を有する薬
剤については、両方の薬剤の効果は相互に排除的である。異なる様式の作用を有
するか又は独立に作用する薬剤については、両方の薬剤の効果は相互に非排除的
である。 影響を受けた画分(fa )vs組合せ指数(CI)のプロットは、fa −CI
プロットと呼ばれる。このプロットは、段階的に希釈された混合液中の2種の薬
剤の種々の効果レベルでの共働的作用、付加的作用、又は拮抗作用を示す。幾つ
かの混合液を作れば、最大共働的作用についての最適組合せ比を見積もることが
可能である。異なる効果レベルは、通常、異なる度合いの共働的作用、付加的作
用、又は拮抗的作用を与える。CI値<1は共働的作用を示し;CI値>1は拮
抗的作用を示し;そして1又は1辺りを漂うCI値は付加的作用を示す。抗癌剤
については、高い効果レベル(fa )での共働的作用が、低いfa レベルでの共
働的作用よりも臨床的により関連性がある。
【0022】 アセチルジナリン(CI−994)は臨床的用途について承認されたことはな
いが、それにも関わらず、幾つかの臨床試験において評価されてきた。そのよう
な研究の1つにおいて、患者らが、毎日の投与量と治療期間の両方を増やす投与
量増加スキームを使用して治療された。患者の大部分は、広汎な先行化学療法を
受けていた。最大許容投与量(MTD)は、治療期間が連続14日間のとき15
mg/m2 /日であった。より長期の治療を可能にするために、より低い投与量
が研究された。8週間の連続毎日療法後に2週間の“薬剤休日”というスケジュ
ールを使用すると、MTDは8mg/m2 /日であった。投与を制限する毒性は
、血小板減少症又は好中球減少症であり、通常、治療の開始から1カ月以内に起
こった。血球数は、連続治療をしても安定化する傾向があり、治療を止めると急
速に回復した。CI−994への反復的コース及び長期暴露後の累加的毒性の証
拠はなかった。他の毒性には、吐き気、嘔吐、下痢、拒食症、疲労、粘液分泌抑
制、頭痛、脱水症、及び肝機能と腎機能の試験値の上昇が含まれた。応答には、
NSCLCを有する重度に予備治療された1人の患者における部分的な応答と各
々が腎臓細胞癌とNSCLCを有する1人ずつの患者における無視し得る応答が
含まれただけであった。
【0023】 追加のフェーズ1研究が、ぶり返した急性白血病又は他の悪性血液癌を有する
患者達で、一回の毎日高投与量5日間投与スケジュールを使用して行なわれた。
そのMTDは、135mg/m2 /日であった。投与を制限する毒性は、鎮静及
び傾眠として現れる急性CNS毒性であった。他の副作用には、吐き気、嘔吐、
脱水症からくる高血圧、低カルシウム血症、頭痛、及び、1人ずつの患者で、急
性膵臓炎、反射亢進及び両側バビンスキー反射により特徴付けられる錐体症候群
、及び敗血症が含まれた。血液学的毒性は、この患者数では評価されることがで
きなかった。AMLを有する2人の患者は、腫瘍溶解症候群 (AML developed tu
mor lysis syndrome) を発症して一人が死亡した。末梢白血球数の一時的低下が
認められた。
【0024】 フェーズ2プログラムが、現在、単一薬剤として使用されるCI−994で行
なわれている。その投与処法は、毎日8mg/m2 の経口投与である。非小細胞
肺癌、腎臓細胞癌、膵臓癌、頭部及び頸部の癌、卵巣癌、骨髄腫、前立腺癌、及
び乳癌を有する患者を包含する100人を越える患者が治療されている。数人の
患者は10mg/m2 までの投与量増加に耐えているが、数人の患者は、血小板
減少症のために治療を中断してから、少なくした投与量のCI−994で治療を
再開せざるを得なくなっている。副作用は、長期投与フェーズ1プロトコルにお
いて観察されたものと類似している。血小板減少症が投与を制限する毒性となっ
ている。感覚異常、錯乱、及び幻覚を包含する、頻繁ではない神経学的副作用が
報告されている。非小細胞肺癌を有する患者において他覚的応答が見られる。腎
臓細胞癌を有する患者において臨床的恩恵が報告されている。
【0025】 固形腫瘍フェーズ1研究において、CI−994は、絶食期間後に経口投与さ
れ、そして薬物動力学的分析のために血液サンプルが採取された。予備的結果で
は、最大血液レベルが経口摂取後約1〜2時間で達成され、そしてCI−994
の終端消失半減期(terminal elimination half-life)が約15時間であること
が示されている。投与量レベルを増加させながら達成された最大血漿CI−99
4濃度は、投与量比例値より少なかった。その終端消失半減期及び見掛けクリア
ランス速度は、投与された量から独立していた。 この研究の1つの追加的目的は、CI−994を食物と一緒に摂取することが
その吸収の速度又は吸収度に影響を及ぼすか否かを確認することであった。12
人の絶食した患者達が、CI−994の8mg/m2 の単一投与を受けた。一週
間後、同じ患者達は、同じ投与量のCI−994を正常食と一緒に投与された。
薬剤動力学データの分析で、CI−994は食事に配慮することなく摂取され得
ることが明らかになった。
【0026】 排泄の物質収支/経路の研究は、ヒトでは行なっていない。動物実験では、排
泄の主要な経路が腎臓排泄を介するもので、放射標識された薬剤の80%及び6
2%が、それぞれサル及びラットの尿中に24時間以内に現れることが示されて
いる。 以下の詳細な実施例は、CI−994とパクリタキセル及び/又はカルボプラ
チンの間の共働的作用を更に確認するものである。
【0027】
【実施例】 実施例1 この発明によって提供される共働的組合せ物のが、体重が18〜20gある雌
BALB/Cマウスを使用する標準的化学療法研究で評価された。試験マウスは
Charles River Laboratories, Wilminton, MA から得られた。試験の第0日に、
各々のマウスは、約30〜60gの重さのLC−12偏平上皮細胞肺癌腫の断片
を外科的に(皮下)移植された。それら腫瘍断片は、12ゲージトロカールを使
用して移植された。マウス達は毎週体重測定され、腫瘍サイズ(mmで示された
幅及び長さ)が標準的なはさみ尺で各々の週に2回測定された。各々の動物につ
いての腫瘍の重量は、式: 腫瘍重量(mg)=(a×b2 )/2 に従って計算された。この式において“a”はmmで示された腫瘍の幅であり、
“b”はmmで示された長さである。抗癌活性の評価は、式T−Cによって確立
され、この式において“T”及び“C”はそれぞれ治療(treated) 及びコントロ
ール(control) 腫瘍が予め決められた約750mgのサイズ(評価サイズ)に到
達するのに要する中位期間 (median time)(日数で示される)である。腫瘍は、
概して、薬剤投与を開始する前は約150〜約200mgのサイズに到達した。
抗腫瘍活性は、4つのパラメーター、即ち、(1) 部分的腫瘍応答(PR);(2)
完全腫瘍応答(CR);(3) 腫瘍なし生存率(TF);及び(4) 腫瘍増殖遅延(
TL)に従って評価された。腫瘍増殖遅延はT−C値として表現され、ここで、
Tは、治療グループ腫瘍が予め決められたサイズ(例えば、750mg)に到達
するのに要する中位日数であり、Cは、コントロールグループ腫瘍がこのサイズ
に到達するのに要する中位日数である。腫瘍増殖遅延値から、ネットlog10
瘍細胞死滅率が次のように計算される。
【0028】 ネットlog10腫瘍細胞死滅率= 〔(T−C)−Rx〕/3.32×Td この式において、Tdは腫瘍重量が2倍になる日数であり、Rxは治療の全日数
である。Tdは、対数増殖におけるコントロールグループ腫瘍(200〜800
mg)の対数−一次プロットからの最良合致直線から見積もられる。T−C値の
log10腫瘍細胞死滅率への変換は、治療後の腫瘍再増殖についてのTdが未治
療コントロールマウスについてのものと凡そ同じなので可能である。ネットlo
10死滅値は、変動する期間の治療養生中の腫瘍増殖についての効力データを標
準化するので腫瘍の急性退縮が起こるか否かの見積もりを提供する。正の値は、
腫瘍の重荷の急性減少が起こったことを示す。負の値は、治療の間にも実際に(
おそらくゆっくりであろうが)腫瘍が増殖したことを示す。腫瘍なし生存動物は
これら計算から排除された。
【0029】 アセチルジナリンは、0.5%水性メチルセルロース中に懸濁されて、種々の
投与量で0.5mL容量で経口投与された。Taxol は、0.1%生理食塩水中に
溶解されて、種々の投与量レベルで0.5mL注射液で静脈内投与された。 動物達は、各々8匹のグループに分けられた。1グループがコントロールとし
て使用され、薬剤治療を受けなかった。4グループがアセチルジナリン単独の経
口投与を特定レベル(7.5mg/kg、15mg/kg、30mg/kg及び
60mg/kg)の活性薬剤で受けた。アセチルジナリンは、第11〜15日(
第0日は腫瘍が移植された日である)、第18〜22日、及び第25〜29日に
毎日投与された。1グループが、Taxol を15及び20mg/kgの投与量で単
独で投与された。4グループが、アセチルジナリンを上記の投与量で、15mg
/kgの Taxolと組み合わせて投与され、そして、別の4グループが、アセチル
ジナリンを上記の投与量で、20mg/kgの Taxolと組み合わせて投与された
【0030】 結果及び結論 CI−994が Taxolと組み合わせて使用されたときにもたらされる抗腫瘍効
果が表4に示される。CI−994のMTDは60mg/kg/日であった。こ
の投与量は、12.5%の完全腫瘍応答率をもたらし、部分的腫瘍応答をもたら
さなかった。CI−994に完全には応答しなかった腫瘍についての腫瘍増殖遅
延は14.9日であった。この遅延は、−0.18log10のネット腫瘍細胞死
滅率に相当する。この研究が最後のCI−994治療後74日で終了したとき、
腫瘍なしのマウスはいなかった。30mg/kg/日でのCI−994(CI−
994のMTDの50%)は、いかなる完全腫瘍応答も部分的腫瘍応答ももたら
さなかった。この投与量によりもたらされた腫瘍増殖遅延は3.2日であり、そ
れは、−0.7log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当する。Taxol のMTDは
20mg/kg/日であった。この投与量は、完全腫瘍応答も部分的腫瘍応答も
もたらさなかった。MTDでの Taxolによりもたらされた腫瘍増殖遅延は2.5
日に過ぎなかった。これは、−0.07log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当
する。
【0031】 CI−994は、許容できない死亡数と体重減少のために、そのMTDでは T
axolのMTDにおいて Taxolと一緒に投与されることはできなかった。しかしな
がら、CI−994は、そのMTDの50%では TaxolのMTDにおいて Taxol
と一緒に投与されることができた。この組合せは、それぞれ37.5%及び25
%の完全及び部分的腫瘍応答率をもたらした。この組合せに完全には応答しなか
った腫瘍についての腫瘍増殖遅延は17.7日で、それは、−0.06log10 のネット腫瘍細胞死滅率に相当する。この研究が最後のCI−994治療後74
日で終了したとき、12.5%のマウスが腫瘍なしであった。 CI−994がそのMTDで TaxolのMTDの50%において Taxolと一緒に
投与されたとき、より良好な抗腫瘍活性が見られた。この組合せは、100%の
完全腫瘍応答率をもたらし、そして、この研究が最後のCI−994治療後74
日で終了したとき、100%のマウスが依然として腫瘍なしであった。 これら結果は、CI−994が、そのMTDで TaxolのMTDの50%におい
て Taxolと同時に投与されたときは、抗腫瘍活性が付加的作用よりも大きいこと
を示している。
【0032】
【表4】
【0033】 実施例2 CI−994+パクリタキセルの組合せがマウス結腸癌腫細胞(組換え26:
10細胞)で評価され、そして、そのデータが Chou と Talalayのプログラムに
従って分析され、両方の組合せが共働的であることが確認された。 マウス結腸癌腫細胞が、96ウェル培養プレート内に20%ウシ胎児血清及び
10μg/mlのインシュリンが補充されたRPMI1640培地中に播種され
た。細胞が最初に培養プレート内に播種されて付着するのが可能になった24時
間後に、種々の濃度のCI−994とパクリタキセルが一緒に加えられた。結腸
癌腫増殖へのCI−994と Taxolの単独及び組合せでの効果が、37℃での9
6時間のインキュベーション後にSRBアッセイ (Skehan P., Stoneng R, Scud
iero D, et al. New colorimetric cytotoxicity assay for anticancer-drug s
creening. J. Natl. Cancer Inst., 1990;82:1107-1112) を使用して確かめられ
た。その組合せ化学療法データは、抗癌剤間の共働的作用、付加的作用、及び拮
抗作用を定量化するための標準的プログラムであり、かつChouと Talalayによっ
て記載された酵素速度論的システムモデルを使用する量−作用法則の中位効果原
則に基づく Biosoftプログラム,“Dose Effect Analysis with Microcomputers
for IBM PC"を使用して分析された。影響を受けた画分(fa )vs組合せ指数
(CI)のプロットは、fa −CIプロットと呼ばれる。これらプロットは、段
階的に希釈された混合液中の2種の薬剤の種々の効果レベルでの共働的作用、付
加的作用、又は拮抗作用を示す。幾つかの混合液を作れば、最大共働的作用につ
いての最適組合せ比を見積もることが可能である。異なる効果レベルは、通常、
異なる度合いの共働的作用、付加的作用、又は拮抗的作用を与える。CI値<1
は共働的作用を示し;CI値>1は拮抗的作用を示し;そして1辺りを直線とし
て漂うCI値は付加的作用を示す。図1は、CI−994+ Taxolについての代
表的fa −CIプロットを示す。これらプロットにおいて、全fa 範囲にわたる
CI値は1未満であり、これは、その薬剤組合せについての共働的作用を示して
いる。
【0034】 実施例3 実施例1に記載された一般的操作に従って、カルボプラチンと組み合わせたC
I−994の抗腫瘍活性が評価された。 CI−994は、3回の治療サイクルについて経口投与された。各々のサイク
ルは、5日間の毎日治療後に2日間休むことから成るものであった(合計15日
間の治療)。このスケジュールで、そのMTDは60mg/kg/日であった。
この投与量は、50%の完全腫瘍応答をもたらし、部分的腫瘍応答をもたらさな
かった。その腫瘍が完全に応答したマウスは、この研究が第71日で終了したと
き腫瘍なしであった。完全には応答しなかった腫瘍について、19.4日の腫瘍
増殖遅延が、CI−994によりそのMTDでもたらされた。この増殖遅延は、
0.1log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当する。CI−994が30mg/
kgで投与されたとき、20%の完全腫瘍応答、10%の部分的腫瘍応答、及び
8.2日の腫瘍増殖遅延があった。より低い投与量のCI−994では、抗腫瘍
活性は殆ど見られなかった。カルボプラチン(ParaplatinR Bristol-Myers Squ
ibb Co., Princeton, NJ) は、1日に1回で5日間腹腔内投与された。20mg
/kgのそのMTDで、カルボプラチンは、20%の完全腫瘍応答、10%の部
分的腫瘍応答、及び5.9日の腫瘍増殖遅延をもたらした。そのMTDの75%
(15mg/kg)のカルボプラチンで、10%の完全腫瘍応答がもたらされ、
部分的腫瘍応答はもたらされず、そして8.3日の腫瘍増殖遅延がもたらされた
。カルボプラチンは、最初のCI−994治療コースの間、CI−994と一緒
に投与された。このやり方で投与されたとき、CI−994は、そのMTDの2
5%だけでカルボプラチンのMTDにおいてカルボプラチンと一緒に、死亡数を
増加させることなしに投与されることができた。この投与組合せは、70%の完
全腫瘍応答と10%の部分的腫瘍応答をもたらした。第71日でのこの研究の終
了時に60%のマウスが腫瘍なしであった。完全には応答しなかったか又は再増
殖した腫瘍についての腫瘍増殖遅延は20.8日であった。このことは、付加的
な抗腫瘍効果より大きいことを表している。CI−994がそのMTDでカルボ
プラチンのMTDの75%のカルボプラチンと一緒に投与されると100%の完
全腫瘍応答があった。100%の生存マウスが、この研究が終了したとき腫瘍な
しであった。これは、少なくとも3.8log10のネット腫瘍細胞死滅率に相当
し、付加的な抗腫瘍効果より明らかに大きい。このグループに1匹の死亡があっ
たが、この死亡の原因は不明であった。 前述の研究の結果が表5に示される。これら結果は、CI−994がカルボプ
ラチンと共に投与されて、有意な毒性の増加なしに付加的な抗腫瘍効果よりも大
きい効果をもたらし得ることを立証している。このことは、それらのMTDにお
けるどちらかの薬剤単独によりもたらされる効果より優れた治療効果に帰着する
【0035】
【表5】
【0036】 実施例4 実施例1に記載された一般的操作に従って、パクリタキセル及びカルボプラチ
ンの両方と組み合わせたCI−994の抗腫瘍活性が評価された。各々の薬剤は
単独でも評価され、治療グループが未治療グループと比較された。CI−994
のMTDは60mg/kg/日であった。この投与量は、30%の完全腫瘍応答
をもたらし、部分的腫瘍応答をもたらさなかった。その腫瘍が完全に応答したマ
ウスは、CI−994での最後の治療後40日間依然として腫瘍なしであった。
CI−994に完全には応答しなかった腫瘍の腫瘍増殖遅延は16.2日であっ
た。パクリタキセル及びカルボプラチンは両方とも、それぞれ15及び30mg
/kgのそれらのMTDで単独に投与された。そのMTDにおけるパクリタキセ
ルで、完全腫瘍応答も部分的腫瘍応答もなかったが、3.7日の腫瘍増殖遅延が
あった。カルボプラチンは、そのMTDで、完全腫瘍応答も部分的腫瘍応答もも
たらさなかった。カルボプラチンのこの投与量についての腫瘍増殖遅延6.9日
であった。この研究の結果が表6に示される。 CI−994は、許容できない死亡のために、そのMTDではパクリタキセル
及びカルボプラチンのMTDにおいてパクリタキセル及びカルボプラチンと一緒
に投与されることはできなかった。CI−994がそのMTDの50%でこれら
薬剤のMTDにおいてそれらと一緒に投与されたとき、1匹の死亡があった。し
かしながら、この投与組合せは80%の腫瘍応答をもたらし、それらマウスは、
最後のCI−994治療後40日でも依然として腫瘍なしであった。完全には応
答しなかった腫瘍についての腫瘍増殖遅延は51日を越えるものであった。これ
ら結果は、腫瘍帯有マウスがCI−994、パクリタキセル及びカルボプラチン
の組合せで治療されるときは、その抗腫瘍効果は共働的であることを示している
【0037】
【表6】
【0038】 実施例5 2成分組合せ治療の臨床的評価 これは、進行した固形腫瘍を有する患者にパクリタキセルと組み合わせて投与
されるCI−994の多数センターでのオープンラベルフェーズ1研究である。 この研究の目的は、進行した固形腫瘍を有する患者にパクリタキセルと組み合
わせて投与されるときのCI−994の、(1) MTD、(2) 推奨されるフェーズ
2投与量、(3) 薬物動力学、(4) 安全性プロフィールを決定すること、及び(5)
抗腫瘍活性を観察することである。一次効力エンドポイントは、PR又はCRの
いずれかの達成である。二次エンドポイントには、PR又はCRまでの時間、P
R又はCRの期間、及び生存率が含まれる。
【0039】 パクリタキセルは、135mg/m2 の初期投与量を使用して、治療コースの
間に3週間の間隔で静脈内注入として投与される。CI−994は、第1日から
始まる28日コースの21日間の毎日投与として経口投与される。患者は、治療
への個別的な許容度と応答に基づき、続く治療コースを受けることができる。そ
の疾患が応答しないか又は許容できない副作用を現した患者では、研究治療が中
止される。 CI−994の初期投与量レベルは4mg/m2 である。最少の3人の患者が
各々の投与量レベルで治療される。投与量レベルは、MTDに到達するまで2m
g/m2 ずつ増加される。10人の追加の患者が、MTDであるか又はそれを下
回る1つの投与量レベルであると期待される、フェーズ2研究のために推奨され
る投与量レベルで治療される。
【0040】 患者が研究治療を始めたら、他の癌治療の追加は、安全性及び効力の評価を 混乱させるので許されない。この制限は、患者がこのプロトコルの治療段階中で
ある間、全身細胞障害性、ホルモン性、免疫学的、又は他の生物学的薬剤の追加
を排除する。研究期間中に一時抑えの放射線治療を必要とする患者は、一般に進
行性疾患を有すると考えられるので、それに反してでも強要する情報が存在しな
いなら、研究投薬は中止される。研究期間中に脳への新たな転移を起こした患者
は、頭への照射コースを受けるために治療を中断してから、少なくとも1週間の
回復期間後に研究投薬を再開されることができる。 吐き気又は嘔吐の予防及び/又は治療のために、研究者の判断で催吐剤が使用
されてもよい。吐き気及び嘔吐を抑制するためにあらゆる努力が払われなければ
ならない。これら状態は、患者がCI−994の経口投与量を摂取又は吸収する
のを排除し得るからである。この問題は、ゲムシタビンも投与された場合に、第
1、8及び15日に特に関係する。CI−994がフェーズ1プログラムにおい
て高い投与量における鎮静及び傾眠を起こした場合には、これら副作用を起こす
可能性が少ない催吐剤が使用されるべきである。
【0041】 感染によって複合化される重い骨髄抑制の症状発現を治療するために、研究者
の判断でコロニー刺激因子が使用されてもよいが、低い血球数を支援するため又
は投与量強度を維持するために使用されるべきではない。 基準がCRに合うなら、CRの確認値を越える更なる2つのコースの治療を施
してから、その患者の疾患状態を完全に再評価する。その時点で、その患者が臨
床的に疾患を持たないと考えられたら、ゲムシタビンを止め、CI−994を同
じ投与量及びスケジュール(3週間投与/1週間中断)を使用して更なる3カ月
間投与し続ける。その時点で、再度、その患者の疾患状態を完全に再評価する。
患者が依然としてCRにあるなら、研究者は、CI−994治療を継続するリス
クと潜在的利点を評価しなければならない。
【0042】 治療コース 治療コースは、28日コースの第1日の Taxolの静脈内投与+28日コースの
うちの21日間の第1日に始まるCI−994の毎日経口投与からなる。これら
コースは、グレード≦1、血小板数≧100,000/μL、及び絶対好中球数
≧1500/μLという非造血学的パラメーターとして定義される、副作用及び
骨髄抑制からの十分な回復があったなら、第29日に繰り返される。続くコース
は、3週間までの間隔だけ遅延されてもよい。第50日までに回復しなかったら
その患者には研究投薬が中止される。
【0043】 Taxol 投与 各々のコースにおける Taxolの初期投与量は135mg/m2 であり、3時間
静脈内注入として投与される。治療コースの間に投与量調節が要求されてもよい
。製剤及び投与に関する情報についての製造業者の推奨に従う。
【0044】 CI−994投与量レベル CI−994投与量は、体表面積(BSA)に基づいて計算され、次いで、最
も近い入手可能なカプセル強度に仕上げられなければならない。CI−994は
、2.5、5及び25mgのカプセル強度で入手可能である。投与は、食事に関
係なく行われることができる。 初期CI−994投与量レベルは4mg/m2 である。続く投与量レベルは、
MTDが確認されるまで2mg/m2 の固定増加量ずつ増加(又は必要なら減少
)されるであろう。個別の患者は、続くコースにおいて、ゲムシタビン又はCI
−994の投与量上昇を受けなくてもよい。患者は、続くコースにおいて、投与
を制限する毒性が経験されたなら、より低い投与量のCI−994を受けること
ができる。 3人の新たな患者が、各々の新たな投与量レベルで評価されるであろう。これ
ら患者が新たな投与量レベルが開始される前に従わなければならない最少時間は
(治療が早期に中断されて患者が副作用から回復中でないなら)4週間である。
これら3人の新たな患者の誰も投与を制限する毒性を経験しないなら、次のより
高い投与量が開始される。もし1人の患者が投与を制限する毒性を現したら、更
に3人の患者がその投与量レベルで加えられる。6人の患者のうち2人以上が同
じ投与量レベルで投与を制限する毒性を経験したら、その投与量レベルがMTD
と考えられる。
【0045】 評価可能な患者は、ゲムシタビン+少なくとも80%のCI−994投与量の
3週間投与を受けた患者(≧17回投与)として、又はその治療コースが早期に
中断されたか若しくは治療関連副作用のために治療コースに従えなくなった患者
(<17回投与)として定義される。17回未満のCI−994の投与しか受け
れなかったか又は非治療関連理由(例えば、約束を忘れる、CI−994供給物
の使い尽くし、患者にカプセルを飲み込めなくする医学的状態の存在の顕現、急
速進行性疾患の発症)のためにこの治療コースを完結しなかった患者は、その投
与量レベルの許容姓について評価可能な患者とは考えられない。
【0046】 患者は、各々の日において凡そ同じ時間にCI−994投与を行うよう励まな
ければならない。しかしながら、12時間までの変動はあらゆる所与の投与につ
いて認められるが、その日の投与を忘れることは認められない。患者がその日の
投与を全く忘れてしまった場合には、翌日に“埋め合わせ”をしないように指示
しなければならない。患者がCI−994の投与後に吐いても“埋め合わせ”を
しないように指示されなければならないが、翌日に続く投与を処方通りに再開す
るように指示されなければならない。 第1、8及び15日に、患者がゲムシタビン投与後に吐いた場合でも最大の吸
収が確保されるように、CI−994投与は、ゲムシタビンを投与する2時間前
に行われるべきである。 MTDが確認されたら、追加の10人の患者が、MTDであるか又はMTDを
下回る1つの投与量レベルであると期待される、フェーズ2投与量レベルで治療
される。
【0047】 コース中の投与量調節 コース中の Taxol及びCI−994の継続は、患者の許容度及び造血学的パラ
メーターに依存する。製造業者により推奨されかつ下記の表に示されるように、
減少させた投与量のゲムシタビンが第8及び15日に要求されてもよい。CI−
994の投与量は治療コース中に増加も減少もされないが、以下に記載されるよ
うに、早期の終了が要求されてもよい。コースが完結される前に両方の研究投薬
が停止されなければならないときは、そのコースを完結してはならないが、代わ
りに、患者が回復した後に、減少させた投与量のCI−994を使用して別のコ
ースを開始してもよい。
【0048】 コース中にCI−994投与を中止する決定は、あらゆる時点における副作用
と造血学的結果に基づく。例えば、ある患者が第11日に45,000/μLの
血小板数しか有さないなら、その患者にCI−994カプセルを摂取することを
止めさせる(そして、全ての研究投薬容器を返還させる)。第15日に別のCB
Cを獲得する。第15日における血小板数が50,000〜99,000/μL
ならば、計算された Taxol投与量の75%を投与するが、CI−994投与を再
開してはならない。第15日における血小板数が50,000/μLを下回った
ままなら、ゲムシタビンで再治療してはならない。このコースを終了させて患者
の回復を待つことを考えなければならない。いずれの場合にも、その患者は、同
じ初期投与量の Taxolと2mg/m2 ずつ減少させたCI−994投与量とを使
用して、続く治療コースを受けることができる。
【0049】 薬剤配合及び安定性 Taxol は、商業的供給業者から得られるべきである。製剤、投与、安定性、及
び保存条件についての製造業者の推奨に従わなければならない。 CI−994は、2.5、5又は25mgに加えて不活性成分のラクトース、
コーンスターチ、及びタルク又はポリエチレングリコール6000を含有する、
同じ外観を呈する研究投薬のゼラチンカプセル中に配合される。制御された室温
で保存されなければならない。
【0050】 実施例6 3成分組合せ治療の臨床的評価 これは、進行した固形腫瘍を有する患者の治療におけるパクリタキセル及びカ
ルボプラチンと組み合わせた経口CI−994の臨床的研究である。治療される
患者は、進行した固形腫瘍を有し、先の2種の化学療法を受けたことがなく、そ
して、彼らにとってパクリタキセルとカルボプラチンが合理的な治療選択肢であ
る患者である。一次効力パラメーターには、完全緩解(CR)、部分的緩解(P
R)、安定疾患(SD)、又は進行性疾患(PD)として分類される、治療への
応答が含まれる。 治療コースは、21日コースの第1日のパクリタキセル及びカルボプラチンの
静脈内投与+21日コースのうちの投与量レベルに依存する7日間又は14日間
の第1日に始まるCI−994の毎日経口投与からなる。これらコースは、副作
用及び骨髄抑制からの十分な回復があったなら、第22日に繰り返される。続く
コースは、3週間までの間隔だけ遅延されてもよい。第43日までに回復しなか
ったら、その患者には研究投薬が中止される。
【0051】 パクリタキセルは、商業的供給業者から得られるべきである。製剤、投与、保
存及び安定性に関する情報についての製造業者の推奨に従わなければならない。
特に、PVC含有注入セット及びバッグを避けるという要件とインラインフィル
ターを使用するという推奨に留意しなければならない。 患者は、各々の投与量のパクリタキセルを投与される前に準備投薬されなけれ
ばならない。製造業者により目下推奨される準備投薬法は、パクリタキセルの凡
そ12及び6時間前にデキサメタゾン20mgを経口投与すること、パクリタキ
セルの30〜60分前にジフェンヒドラミン50mgを静脈内投与すること、及
び30〜60分前にシメチジン(300mg)又はラニチジン(50mg)を静
脈内投与することからなる。パクリタキセル注入中に制度に従って生命信号がモ
ニターされなければならない。
【0052】 準備投薬をしない場合に、パクリタキセル注入に伴ってアナフィラキシー反応
が起こったことがある。適切な医学的監督者が存在しなければならず、そして、
過敏反応を診断しかつ治療するために、適切な介入が容易に可能でなければなら
ない。 カルボプラチンは、商業的供給業者から得られるべきである。製剤、投与、保
存及び安定性に関する情報についての製造業者の推奨に従わなければならない。
特に、アルミニウム成分を有する針又は静脈内投与セットを避けるという要件に
留意しなければならない。 カルボプラチン注射に伴ってアナフィラキシー反応が起こったことがある。適
切な医学的監督者が存在しなければならず、そして、過敏反応を診断しかつ治療
するために、適切な介入が容易に可能でなければならない。 カルボプラチンは、パクリタキセル注入の完了直後に30分間の静脈内注入と
して投与される。各々のコースにおいて使用すべきカルボプラチン投与量(mg
で表現される)は、Calvert 式を使用して、糸球体濾過率(GFR)についての
Cockcroft-Gault式によって決定されるクレアチニンクリアランス値を代入して
、6倍の濃度−時間曲線下の面積(AUC)をもたらすように計算される。
【0053】
【数3】 投与量(mg)=6倍のAUC(GFR+25) GFR=〔(140−年齢)×kg体重/(72×血清クレアチニン)〕 ×女性についての0.85 例:患者特徴は、女性、63歳、血清クレアチニン=1.1mg/dL、 体重=66kgである。 GFR=〔(140−63)×66/(72×1.1)〕×0.85 =54.5 カルボプラチン(mg)=6(54.5+25) =477mg(mg/m2 ではない)
【0054】 CI−994投与量は、体表面積(BSA)に基づいて計算され、次いで、最
も近い入手可能なカプセル強度に仕上げられなければならない。CI−994は
、2.5、5及び25mgのカプセル強度で入手可能である。投与は、食事に関
係なく行われることができる。 患者は、各々の日において凡そ同じ時間にCI−994投与を行うよう励まな
ければならない。しかしながら、12時間までの変動はあらゆる所与の投与につ
いて認められるが、その日の投与を忘れることは認められない。患者がその日の
投与を全く忘れてしまった場合には、翌日に“埋め合わせ”をしないように指示
されなければならない。患者がCI−994の投与後に吐いても“埋め合わせ”
をしないように指示されなければならないが、翌日に続く投与を処方通りに再開
するように指示されなければならない。 研究投薬日誌が、各々の治療コースの間に付けられるべきである〔投与された
日付又は投与されない日付、投与量、投与後2時間以内に吐いたかどうか〕。各
々のコースの第1日に、患者がパクリタキセル投与後に吐いた場合でも最大の吸
収が確保されるように、CI−994投与は、パクリタキセルを投与する2時間
前に行われるべきである。
【0055】 投与量レベル及び患者の数 次の表は、予想投与量レベルを記載するものである。それは、パクリタキセル
の“標準”投与量(225mg/m2 )及びカルボプラチンの“標準”投与量(
AUC=6)に達するように設定されている。
【0056】
【表7】
【0057】 初期CI−994投与量レベルは4mg/m2 で、これは、CI−994がフ
ェーズ1研究において14日間の単独投与として投与されたときのMTDの凡そ
25%のに相当し、そして、進行中のフェーズ2プログラムにおいて長期の毎日
投与に基づく単独投与として投与されたときの毎日投与量の50%に相当する。
CI−994臨床実験の纏めのセクションを参照のこと。 3人の新たな患者が、各々の新たな投与量レベルで評価されるであろう。これ
ら患者が新たな投与量レベルが開始される前に従わなければならない最少時間は
(治療が早期に中断されて患者が副作用から回復中でないなら)3週間である。
これら3人の患者の誰も投与を制限するいかなる種類の毒性も経験しないなら、
又は、1人の患者しか投与を制限する好中球減少症を現さないなら(投与を制限
する毒性のセクションにおける基準を参照のこと)、次のより高い投与量が開始
される。1人の患者が投与を制限する好中球減少症以外の毒性を現したら、又は
、2人の患者が投与を制限する好中球減少症を現したら、更に3人の患者がその
投与量レベルで加えられる。6人の患者のうち2人以上が同じ投与量レベルで投
与を制限する好中球減少症以外の毒性を経験したら、又は、6人の患者のうち3
人以上が投与を制限する好中球減少症を経験したら、その投与量レベルがMTD
と考えられる。
【0058】
【表8】
【0059】 MTDが確認されたら、追加の6人の患者が、MTDであるか又はMTDを下
回る1つの投与量レベルであると期待される、フェーズ2投与量レベルで治療さ
れる。 与えられる投与量レベルの安全性についての評価可能な患者であると考えられ
るためには、患者は、正規の投与量のパクリタキセルとカルボプラチン+CI−
994療法の少なくとも75%を投与されるか、又は早期に中断されるか若しく
は治療関連副作用のためにその治療に従えなくなった患者でなければならない。
75%追従レベルは、14日間スケジュールで≧11の投与回数であり、7日間
スケジュールで≧6の投与回数である。75%未満のCI−994の投与しか受
けれなかったか又は非治療関連理由(例えば、約束を忘れる、CI−994供給
物の置き忘れ、患者にカプセルを飲み込めなくする医学的状態の存在の顕現、急
速進行性疾患の発症)のためにこの治療コースを完結しなかった患者は、その投
与量レベルの許容姓について評価可能な患者とは考えられない。
【0060】 コース中の投与量調節 パクリタキセル及びカルボプラチンは両方とも、各々の治療コースにおいて第
1日にだけ投与されるので、コース中の投与量調節に付されることはない。コー
ス中のCI−994の継続は、患者の許容度及び造血学的パラメーターに依存す
る。CI−994の投与量は治療コース中に増加も減少もされないが、早期の終
了が要求されてもよい。次の状態のいずれかに合致したら、治療コース中のCI
−994投与を中断する: ・血小板数が<40,000/μLである; ・絶対好中球数が<500/μLである;及び ・非造血学的治療関連副作用が≧グレード3である(脱毛又は制御可能な吐き気
若しくは嘔吐を除く)。 その患者にCI−994カプセルを摂取することを止めさせて、全ての研究投
薬容器を返還させる。患者が回復した後に、以下の「次の治療コースの投与量調
節及びタイミング」のセクションに記載の、減少させた投与量の研究投薬を使用
して別のコースを開始する。
【0061】 次回の治療コースの投与量調節及びタイミング 次回の治療コースのパクリタキセル、カルボプラチン、及びCI−994の投
与量調節は、絶対好中球数最下点、血小板数最下点、及び先行するコース中に経
験された非造血学的毒性に基づく。後のコースにおけるパクリタキセル、カルボ
プラチン、又はCI−994の投与量増加は、患者のその時点での血清クレアチ
ニン値及び体重に基づく再計算から生じるカルボプラチン投与量増加の他は、許
されない。
【0062】
【表9】
【0063】 次の全ての条件が満たされるまで、次の治療コースの開始が遅らされる: ・絶対好中球数が≧2000/μLである; ・血小板数が≧100,000/μLである;及び ・非造血学的治療関連毒性が脱毛を除いてグレード0又は1まで回復している。 患者が、続くコースにおいて複数の投与量減少を受けた結果、もはやいかなる
量のCI−994も投与されていないか、又は再挑戦を阻むパクリタキセル又は
カルボプラチンへの有意な過敏反応を経験しているなら、その患者には、その研
究が中断される。
【0064】 投与を制限する毒性 次のあらゆる状態が投与を制限する毒性(DLT)であると考えられる: ・血小板数最下点<25,000/μL; ・5日間又はそれを越えて絶対好中球数<500/μL、又は感染若しくは発熱
が伴っている; ・≧24時間継続する、鎮静、傾眠、見当識障害、錯乱、又は幻覚のようなグレ
ード2治療関連CNS毒性; ・グレード3又は4治療関連非造血学的毒性(あらゆるグレードの脱毛、又は制
御可能な吐き気若しくは嘔吐を除く); ・副作用(脱毛を除く)又は造血学的毒性から43日間回復できないこと;及び
・あらゆるグレードの治療関連毒性に起因して治療コースが停止されたか又はそ
れに非追従となったこと(14日間スケジュールで行われた11回未満のCI−
994の投与;7日間スケジュールで行われた6回未満のCI−994の投与)
【0065】 最大許容投与量 MTDは、最初の治療コースにおいて、6人の評価可能な患者のうちの≧2人
に投与を制限する好中球減少症を除くあらゆるDLTをもたらすか、又は、6人
の評価可能な患者のうちの≧3人に投与を制限する好中球減少症をもたらす投与
量レベルのことである。
【0066】 安全な取り扱い パクリタキセル、カルボプラチン、及びCI−994は、注意して取り扱われ
かつ投与されなければならない細胞障害剤である。粉末の吸入、又は皮膚及び粘
膜、特に目の粘膜との接触は、避けられなければならない。事故で目に接触した
ら、すぐに水で繰り返し洗浄した後に、迅速に眼科医に診察してもらわなければ
ならない。事故で皮膚に接触したら、曝された領域をすぐに水で繰り返し少なく
とも15分間洗浄しなければならない。他の細胞障害性抗新生物剤のように、適
切な予防措置がOSHAガイダンスに従ってとられなければならない。
【0067】 薬剤配合及び安定性 CI−994は、2.5、5、10又は25mgに加えて不活性成分のラクト
ース、コーンスターチ、及びタルク又はポリエチレングリコール6000を含有
する、同じ外観を呈するゼラチンカプセル中に配合される。制御された室温で保
存されなければならない。
【0068】 前述のデータは、パクリタキセル又はカルボプラチンのいずれかと組み合わさ
れたアセチルジナリン及びパクリタキセルとカルボプラチンの両方と組み合わさ
れたアセチルジナリンの間の意外な好ましい相互作用を立証している。従って、
この発明は、感受性の新生物を治療する方法であって、アセチルジナリンをある
処方においてパクリタキセル又はカルボプラチンと一緒に又はパクリタキセルと
カルボプラチンの両方と一緒に投与することを含んでなる方法を提供する。この
組合せは、概して、別々にパッケージに入れられた各々の活性成分を含み、それ
によって、投与前のそれら薬剤間のあらゆる相互作用を回避している。望まれる
場合には、個別にパッケージされたそれら薬剤は、キットとして単一のカートン
に入れられ、それによって、関与する医師又は医療従事者に便利さを提供する。
この発明に従って治療される感受性の新生物には、固形腫瘍、特に進行した固形
腫瘍及び非小細胞肺癌、並びに腎臓細胞癌、膵臓癌、頭部及び頸部の癌、卵巣癌
、骨髄腫、前立腺癌、及び乳癌が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CI−994及びパクリタキセルのマウス結腸癌細胞における共働的作用を示
す。
【図2】 CI−994、パクリタキセル及びカルボプラチンの各々単独での抗腫瘍活性
及び3つ全てでの組合せ治療の抗腫瘍活性を示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AU, BA,BB,BG,BR,BZ,CA,CN,CR,C U,CZ,DM,DZ,EE,GD,GE,HR,HU ,ID,IL,IN,IS,JP,KP,KR,LC, LK,LR,LT,LV,MA,MG,MK,MN,M X,MZ,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK ,SL,TR,TT,UA,US,UZ,VN,YU, ZA Fターム(参考) 4C076 AA53 BB13 CC27 FF63 4C086 AA01 AA02 BA02 HA12 MA02 MA03 MA66 NA05 ZB26 4C206 AA01 AA02 GA07 KA01 MA02 MA03 MA37 MA86 NA05 ZB26 ZC75

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗腫瘍量のアセチルジナリン及び抗腫瘍量のパクリタキセル
    及び/又はカルボプラチンを含んでなる新生物薬剤の組合せ物。
  2. 【請求項2】 カプセル剤として配合されたアセチルジナリンを含んでなる
    、請求項1の組合せ物。
  3. 【請求項3】 静脈内注入のための滅菌溶液剤として配合されたパクリタキ
    セル又はその薬学的に許容できる塩を含んでなる、請求項2の組合せ物。
  4. 【請求項4】 パクリタキセル・モノ塩酸塩を含んでなる、請求項3の組合
    せ物。
  5. 【請求項5】 アセチルジナリン及びパクリタキセルを含んでなる組合せ物
  6. 【請求項6】 アセチルジナリン及びカルボプラチンを含んでなる組合せ物
  7. 【請求項7】 アセチルジナリン、パクリタキセル及びカルボプラチンを含
    んでなる組合せ物。
  8. 【請求項8】 癌を治療する方法であって、治療を必要とする動物に抗腫瘍
    量の請求項1、5、6及び7の組合せ物を投与することを含んでなる方法。
  9. 【請求項9】 治療される癌が非小細胞肺癌である、請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 アセチルジナリンを、パクリタキセル及び/又はカルボプ
    ラチンと組み合わせて投与することを含んでなる、請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 治療される癌が前立腺癌である、請求項8の方法。
  12. 【請求項12】 治療される癌が、局所進行性(切除不可性段階II若しくは
    段階 III)又は転移性(段階IV)の膵臓の腺癌である、請求項8の方法。
  13. 【請求項13】 1つの区画内にアセチルジナリンを含んでなりそして第2
    の区画内にパクリタキセルを含んでなるキット。
  14. 【請求項14】 1つの区画内にアセチルジナリンを含んでなりそして第2
    の区画内にカルボプラチンを含んでなるキット。
  15. 【請求項15】 1つの区画内にアセチルジナリン、第2の区画内にカルボ
    プラチンそして第3の区画内にカルボプラチンを含んでなるキット。
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