JP2003513235A - ベッド秤り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 扱いやすく正確に測定できるベッド秤りを製造する。 【解決手段】 各測定足部は、ベッドの脚部の１本を支持し、測定足部に作用する重さ力を表す信号を出す力変換器を備え、さらに、測定足部における伝達装置に接続されて上記信号を受け取り、測定足部にかかる重さ力に依存する結果を出力する評価装置とを備える。各測定足部は摺動要素、好ましくはローラー（５）、で床上を移動可能なアングルレバー装置を持ち、アングルレバー装置は短いレバーアーム（８）にロッカー（１）を旋回可能に担持し、ロッカー（１）は床上のベッドの脚部に横方向から押し当てられて脚部を収容でき、アングルレバー装置の短いレバーアーム（８）でのロッカー（１）の吊り下げ取付具（９）と長い操作レバー（２）は、操作レバー（２）を押し下げると、ロッカー（１）が持ち上げられて、ロッカー（１）の吊り下げ取付具（９）がアングルレバー装置の摺動要素（５）の真上になる死点を越えて移動するように配置されている。その結果、ベッドは操作レバーを動かすだけで上昇位置に置かれ、測定足部で測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、ベッドの重量を計ることができる、医療分野のベッド秤りに関する
。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】

このようなベッド秤りは、原則として４本の測定足部を有し、各測定足部はベ
ッドの脚部１本、特に例えば可動ベッドのベッドローラーを支持することができ
、力変換器又はセンサーを備えている。力変換器、例えば計量セル、は測定足部
に作用する重さ力を表す信号を出す。測定足部は評価装置に信号伝達する伝達装
置を有し、評価装置は信号を受け、評価する。多くの場合、評価装置は、測定足
部の信号を受ける読み取り・操作装置として設計されているので、測定足部にか
かる重さ力に依存する数値を出力することになっている。読み取り・操作装置は
例えば、ベッドの重量が差し引かれて、患者の体重だけが表示されるように製造
できる。

【０００３】 このようなベッド秤りは、例えばＤＥ７２２５２４７Ｕ１から知られている。
ベッド秤りは４本の測定足部を有し、各測定足部がベッドローラーの外形に合っ
た受け入れ手段を有している。ベッド秤りを採用し用いるには、ベッドを持ち上
げ、１本の測定足部を各ベッドローラーの下におき、次にベッドを測定足部まで
下げる。このためには、ベッド全体を持ち上げなければならないが、それには高
価な昇降装置が必要となる。あるいは、まずベッドの一端を持ち上げ、測定足部
をこの一端のベッドローラーの下におき、次にベッドの他端を持ち上げて、測定
足部を他のベッドローラーの下におく。いずれの方法をとるにしても、ベッド秤
りの測定足部の上にベッドを置くのは、看護要員にとり極めて手間と時間のかか
る作業である。ベッドローラーを持たないベッドについても同様の困難があり、
測定足部の上に置くには同様に持ち上げなければならない。

【０００４】 他のベッド秤りでは、ベッドローラーを押し上げていくことができる傾斜路が
測定足部の各々に設けられている。まず、４つのベッドローラーの全てが押し上
げに適したまっすぐの位置に旋回されるようにベッドを押す。次に、測定足部の
傾斜路をベッドローラーに位置付け、ベッドを傾斜路に沿って４本の測定足部上
に同時に押し上げる。ベッドを測定足部上に押し上げるには、かなりの力の消費
が必要となることがある。さらに、押し上げ中に測定足部が滑るか、ベッドロー
ラーのいずれかが旋回することがあるので、全工程を繰り返すことが必要となる
。

【０００５】 このように、既知のベッド秤りには、ベッドの脚部を測定足部上に置くのにか
なりの困難を伴うという欠点があった。さらに、ベッドを測定足部上に置く際に
予想される難点として、一般的に患者をベッドにとどめておくことが不可能とな
る。また、測定足部が全体として正確に位置付けされておらず、４本の脚部の位
置または脚部にあるベッドローラーの位置に全体として正確に合致していない場
合、ベッドを測定足部に据えた時に横方向の力が測定足部に作用することがある
。そのような横方向の力は力変換器の測定値に影響する恐れがあり、そのためベ
ッド秤りから出力された結果を歪める可能性がある。

【０００６】 本発明の目的は、扱いやすく正確に測定できるベッド秤りを製造することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の前段に関する特徴的構成は、上記の目的を達成するものである。本
発明の有益な実施態様は従属クレームに述べられている。

【０００８】 本発明によると、各測定足部は、摺動要素、好ましくはローラー、により床に
沿って移動可能であるアングルレバーの１種として考えられている。ロッカーが
短いレバーアームに旋回可能に取り付けられており、床上にあるベッドの脚部に
横方向から押し当てられるようになっており、脚部と係合する。例えば、ロッカ
ーは、脚部のベッドローラーに横方向から押し当てることができ、ベッドローラ
ーが床の上にある間に持ち上げられるようにベッドローラーを収容することがで
きる。ロッカーを脚部に押し当てるためには、ロッカーが固定した状態で脚部分
と係合し、それを持ち上げるまで、アングルレバー装置が摺動要素により前進し
、脚部に押し当てられる。例えば、ロッカーは床上の脚部の底端にあるベッドロ
ーラーに押し当てられ、この押し当てられた状態でベッドローラーの下半球部分
を取り巻き、この部分がロッカーにより持ち上げられるように設計できる。

【０００９】 アングルレバー装置の短いレバーアーム上のロッカーの吊り下げ取付具、長い
操作レバー、及びその摺動要素は以下のように構成されている。

【００１０】 操作レバーを押し下げると、ロッカーが短いレバーアームで持ち上げられ、ロ
ッカーの吊り下げ取付具は、この吊り下げ取付具がアングルレバー装置の摺動要
素の真上になる死点を越えて外方へ移動する。こうして、ロッカーが持ち上げら
れたアングルレバー装置は死点を越えた安定な位置へ到達し、ベッドの脚部はロ
ッカーのみで支持される。この安定な末端位置でアングルレバー装置は、測定足
部が確実に位置づけされるように、摺動要素側において少なくとももう１点で床
に接している。

【００１１】 力変換器、例えば計量セル、は各測定足部に設けられ、ロッカーに作用する重
さ力の測定値を決定できる信号を発する。力変換器の信号は、ケーブルを用いて
又はワイヤを用いずに伝達装置を介して評価装置に送られる。

【００１２】 操作レバーは短いレバーアームより明らかに長く構成できるので、ベッドロー
ラーを持ち上げるためのアングルレバー装置の作動は、ほとんど力を消費しない
で看護要員が行うことができる。

【００１３】 さらに、測定足部上に脚部を不正確に位置付けることは起こりえない。ベッド
の脚部が床上にある間にロッカーを横方向から脚部に押し当てることができるか
らであり、これにより脚部を把持して持ち上げることができるからである。持ち
上げ工程中、測定足部の摺動要素はベッドの脚部の下を移動するので、横方向の
力が発生する恐れはない。持ち上げ工程の間、測定足部は横断方向を移動できる
からである。

【００１４】 原則的に、ベッド秤りはあらゆる種類のベッド（ベッドローラーを持たずに脚
部で床上に位置する簡易ベッドを含む）に使用可能である。医療分野のベッドは
、脚部にベッドローラーを具えて移動可能となっていることが多い。これらのベ
ッドは、測定足部がベッドローラーを収容できるように設計されているのが好ま
しい。本ベッド秤りでは、全てのベッドローラーが最初に一様な方向に位置あわ
せされている必要は無い。傾斜したベッドローラーに測定足部を押し当てること
もできるからである。

【００１５】 本発明に係るベッド秤りでは、測定足部にベッドを置くことはかなり容易にな
り、他の持ち上げ装置は不要となる。ベッド秤りの取り扱いやすさと使用者の便
宜は、このベッド秤りで大幅に改善される。

【００１６】 測定足部は次々に４つのベッドローラーにセットし、持ち上げることができる
。各レバー操作工程の操作力は、操作レバーの長さに起因して小さい。したがっ
て、ベッド秤りは、どの看護要員でも設置できる。さらに、ベッドを持ち上げる
場合、ロッカーが床から離れる程度にわずかに持ち上げるだけでよい。そのよう
にわずかに持ち上げるだけなので、持ち上げる間、患者はベッドにとどまること
ができる。さらに、本発明にしたがう秤りでは、ベッドの移動は必要ない。さら
に、ベッドローラーは前もって一様の方向にセットする必要はない。傾斜したベ
ッドローラーに各測定足部を押し当てることもでき、次に持ち上げることができ
るからである。

【００１７】

【発明の実施の形態】

本発明を図に基づき実施態様により以下に説明する。

【００１８】 図１は本発明のベッド秤り用の測定足部の斜視略図、図２〜４はベッドを持ち
上げる場合の測定足部のアングルレバー装置下部の逐次位置の側面図、図５は持
ち上げられた位置に置かれ、操作レバーが折りたたまれた状態にある、図１の測
定足部の斜視略図である。

【００１９】 図１は、測定足部の略図を示す。測定足部はアングルレバー装置を有し、アン
グルレバー装置は短いレバーアーム８と操作レバー２を具え、操作レバー２は枠
部４を介して延び、枠部４は下端にローラー５を有している。操作レバー２から
遠い短いレバーアーム８の端部にロッカー１用の吊り下げ取付具９が設けられて
いる。

【００２０】 ロッカー１は２つの楔形支持部を有し、これらの楔形支持部は各々に対向して
配置され、床上にあるベッドローラーの下方周辺部により上から押されてベッド
ローラーを収容できるように各々と間隔をおいて設けられている。ロッカー１の
楔形支持部は、共通の後壁を介して各々と連結されている。楔形支持部の代わり
に、例えばマンドレル又はロッドを支持部材として使用することもできる。

【００２１】 ロッカー１は、短いレバーアーム８に対し吊り下げ取付具９で旋回可能である
。短いレバーアーム８でのロッカー１の吊り下げ取付具９の配置、及びアングル
レバー装置のローラー５の位置は次のようになっている。すなわち、操作レバー
２が床に対し直立位置又は傾斜位置から旋回すると、短いレバーアーム８上のロ
ッカー１の吊り下げ取付具がアングルレバー装置のローラー５の真上になる死点
を越えて吊り下げ取付具が移動する。

【００２２】 ロッカー１を持ち上げるこの旋回動作を次々に変化した位置で図２〜４に模式
的に示す。図２において、ロッカー１を横方向からベッドローラー（図示せず）
に押し当て、ロッカー１がベッドローラーをその下方周辺部で部分的に取り囲む
ようにする。

【００２３】 次に、操作レバー２（図２〜４には図示せず）を床に向かって旋回させ、枠部
４も同様に旋回させる。これにより、枠部４はローラー５により前進し、次に図
３に示す位置になると、短いレバーアーム８におけるロッカー１の吊り下げ取付
具９の真下になる位置に到達する。この位置では、ロッカーに作用する重さ力は
、もはや操作レバーにトルクや角運動量を与えることはない。

【００２４】 もし操作レバーがこの死点を越えて旋回すると、測定足部が図４に示した安定
な末端位置に到達する。この時、測定足部は一方ではローラー５に位置し、他方
ではいっそうの支持点上に位置し、床上で安定となる。位置の安定性は、第２の
支持点が床上にある場合、ロッカー１の吊り下げ取付部９が死点を越えてどこま
で移動するかに依存する。不注意な接触の結果、操作レバー２がうっかり持ち上
げられ、ベッドローラーが床上に置かれる出発点に戻る運動が起こらないように
、死点を充分な角度量だけ越えるように配置を行う。

【００２５】 図１に示した測定足部は２本の枠部４を有し、これらの枠部４は下端にローラ
ー５を具えている。枠部４同士は上端で枠クロスバー６により連結され、枠クロ
スバー６に計量セル（図示せず）が螺合されている。橋部３が計量セルに螺合さ
れ、短いレバーアーム８の１つが橋部３の各端部に取り付けられている。

【００２６】 枠部４の１つに操作レバー２が設けられ、操作レバー２が事実上枠部の延長部
分を表している。操作レバー２は実際の操作方向に直角の平面内を枠部４に対し
回動可能に枠部４に取り付けられ、測定足部を持ち上げた後は図５に示すように
折りたたむことができ、突出した操作レバー２が看護要員に危険を与えないよう
になっている。

【００２７】 測定足部には、ロッカー１に作用する重さ力を表す信号を捉える計量セルも設
けられている。計量セルは、例えば橋部３と枠クロスバー６との間に配置可能で
あるので、ロッカー１にかかる重さ力の測定値を出力できる。

【００２８】 ベッド秤りを用いるには、各ロッカー１がベッドローラーを収容するようにロ
ーラー５で操作レバー２を前進させることにより、各測定足部をベッドローラー
に押し付ける。操作レバー２を押し下げることにより、ローラー５をロッカー１
に向かって押し、ロッカー１の下に位置させると、それによりロッカー１はベッ
ドローラーと共に持ち上げられる。ローラー５が力の開始点又はロッカー１の吊
り下げ取付具９の真下にくる死点を越えて移動すると、重量が測定足部を押圧し
、床上の安定な末端位置又は測定位置に置く（図４を参照）。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のベッド秤り用の測定足部の斜視略図である。

【図２】 ベッドを持ち上げる場合の測定足部のアングルレバー装置下部の逐次位置の側
面図である。

【図３】 ベッドを持ち上げる場合の測定足部のアングルレバー装置下部の逐次位置の側
面図である。

【図４】 ベッドを持ち上げる場合の測定足部のアングルレバー装置下部の逐次位置の側
面図である。

【図５】 持ち上げられた位置に置かれ、操作レバーが折りたたまれた状態にある、図１
の測定足部の斜視略図である。

【符号の説明】

１ ロッカー ２ 操作レバー ３ 橋部 ４ 枠部 ５ ローラー ６ 枠クロスバー ８ レバーアーム ９ 吊り下げ取付具

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 足部で測定できる。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各測定足部がベッドの１本の脚部を支持することができ、測
   定足部に作用する重さ力を表す信号を出す力変換器を備えている複数の測定足部
   と、 測定足部における伝達装置に接続され、信号を受け取り、測定足部の信号に基
   づき測定足部にかかる重さ力に依存する結果を出力する評価装置とを持つベッド
   秤りにおいて、 各測定足部は摺動要素（５）で床上を移動可能なアングルレバー装置を持ち、 アングルレバー装置は短いレバーアーム（８）にロッカー（１）を旋回可能に
   支持し、 ロッカー（１）は床上のベッドの脚部に横方向から押し当てられて脚部と係合
   でき、操作レバー（２）を押し下げると、ロッカー（１）が持ち上げられて、ロ
   ッカー（１）の吊り下げ取付具（９）がアングルレバー装置の摺動要素（５）の
   真上にくる死点を越えて吊り下げ取付具が移動できるように、アングルレバー装
   置とロッカー（１）の吊り下げ取付具（９）が配置されたことを特徴とするベッ
   ド秤り。
2. 【請求項２】 アングルレバー装置の摺動要素はローラー（５）から形成さ
   れたことを特徴とする請求項１記載のベッド秤り。
3. 【請求項３】 ロッカー（１）は床上のベッドローラーに横方向から押し当
   てられてベッドローラーを収容できるように構成されたことを特徴とする請求項
   １又は２記載のベッド秤り。
4. 【請求項４】 各測定足部のロッカー（１）は２つの対向した楔形支持部を
   有し、楔形支持部同士は各々と間隔をおいて保持され、２つの楔形支持部を持つ
   ロッカーは床上のベッドローラーにより上から押圧可能であり、この過程で楔形
   支持部はベッドローラーの周囲の部分を下方から取り囲むように構成されたこと
   を特徴とする請求項３記載のベッド秤り。
5. 【請求項５】 各測定足部の力変換器は、短いレバーアーム（８）において
   ロッカー（１）にかかる重量により引き起こされた圧力を感知する計量セルから
   形成されたことを特徴とする請求項１，２，３又は４記載のベッド秤り。
6. 【請求項６】 アングルレバー装置のローラー（５）同士は各々と間隔を置
   いて配置され、各々の間に空間を自由に残し、上記空間はロッカー（１）がアン
   グルレバー装置のローラー（５）同士の間で旋回できるほど大きく構成されたこ
   とを特徴とする請求項２，３，４又は５記載のベッド秤り。
7. 【請求項７】 各測定足部のアングルレバー装置は、各々と間隔を置いて配
   置され、各々が下端にローラー（５）を支持した２つの枠部（４）と、両端で枠
   部（４）同士を連結した枠クロスバー（６）と、橋部（３）と橋部の両端で連結
   され、橋部（３）から遠い端部で吊り下げ取付具（９）にロッカー（１）を支持
   した２つの短いレバーアーム（８）と、少なくとも１つの枠部（４）から延びた
   操作レバー（２）と、を有し、橋部（３）は力変換器を介して枠クロスバー（６
   ）と接続されたことを特徴とする請求項６記載のベッド秤り。
8. 【請求項８】 操作レバー（２）はその操作平面と直角の方向に折りたたみ
   可能としたことを特徴とする請求項１，２，３，４，５，６又は７記載のベッド
   秤り。