JP2003512703A - 二重収束式質量分析計装置および該装置に関わる方法 - Google Patents

二重収束式質量分析計装置および該装置に関わる方法

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JP2003512703A JP2001531125A JP2001531125A JP2003512703A JP 2003512703 A JP2003512703 A JP 2003512703A JP 2001531125 A JP2001531125 A JP 2001531125A JP 2001531125 A JP2001531125 A JP 2001531125A JP 2003512703 A JP2003512703 A JP 2003512703A
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/28Static spectrometers
    • H01J49/32Static spectrometers using double focusing
    • H01J49/328Static spectrometers using double focusing with a cycloidal trajectory by using crossed electric and magnetic fields, e.g. trochoidal type

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 二重収束式質量分析計装置は、円筒軸線から第1の半径方向距離を置いて画定された第1の円筒セクタ電極面と、円筒軸線から第2の半径方向距離を置いて画定された第2の円筒セクタ電極面を有している。第1及び第2の円筒セクタ電極面の間にはイオン経路が画定されている。第1及び第2の円筒セクタ電極面の上縁および下縁にそれぞれ近接してイオン経路内に磁界を提供するための第1の磁極と第2の磁極とが位置決めされている。第1および第2の円筒セクタ電極面の上縁相互間および下縁相互間にはそれぞれ、第1および第2の電極アレイが位置決めされており第1及びび第2の電極アレイは磁界に対して垂直にイオン経路内に所期電界を提供するために第1及び第2の円筒セクタ電極面と一緒に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は質量分析計、例えばサンプルの化学分析に使用するためのコンパクト
な小型質量分析計に関する。より具体的には、本発明は、重畳された磁界および
電界を採用する質量分析計に関する。
【0002】 発明の背景 化学分析およびその関連分野においては、種々のタイプの質量分析計が使用さ
れている。例えば、このような質量分析計には、電荷に対する質量の比(m/e
)に従って、イオンビームを構成するイオンが磁界により分離される、偏向型質
量分析計が含まれる。偏向型質量分析計は概ね採用されたイオンビーム光学系の
タイプに従って2つのカテゴリ、すなわち単収束式質量分析計および二重収束式
質量分析計に分類することができる。単収束カテゴリにおいては、方向収束が可
能であるが、速度収束は可能でない。二重収束カテゴリにおいては、方向収束お
よび速度収束の双方が可能である。
【0003】 過去において、コンベンショナルなタイプの二重収束式質量分析計では、偏向
に用いられる電界および磁界は別個に配置されるのが一般的であった。しかし、
1976年10月5日にMatsuda氏に付与された米国特許第3,984,
382号明細書、「重畳された電界および磁界を有する質量分析計(Mass Spectr
ometer With Superimposed Electric and Magnetic Fields)」において、互いに
実質的に直角を成して配置された、重畳された電界および磁界を採用する質量分
析計について記載されている。上記特許において記載されたように、重畳された
フィールドのうちの電界が掃引され、重畳されたフィールドのうちの磁界が固定
されたままである場合、異なるm/e比を有するイオンは二重収束状態に満足し
、従って、イオンは検出器で捕集することができる。この場合、電界強度を確立
するために印加される電圧と加速電圧との比は、電界の掃引中、一定に保たれな
ければならない。上記特許は、磁極の間に円筒形電極を配置しているので、装置
の電界は磁界に対して垂直であることにより、適宜なx−y収束を提供する。さ
らに、これに加えて、円筒形電極の上方および下方に、補助電極が対称的に配置
されている。円筒形電極に印加された電圧に対応する電圧が、これらの補助電極
に印加されることにより、特にz方向の収束を制御するために電界形状を制御す
る。磁極間に円筒形電極を備えた重畳フィールドを配置する場合、円筒形電極の
サイズについてよく検討しなければならないことが、上記特許において認識され
ている。上記特許によれば、円筒形電極の相互間隔と、円筒形電極の高さとの理
想的な比は1:2である。しかし、このような高さの円筒形電極を有すると、こ
れが装置全体のサイズに加わり、さらに磁極間の望ましい高さの磁界を減じてし
まう。すなわち、円筒形電極の高さが大きくなり、磁極間のギャップが増大する
につれて、磁界が減少してしまう。
【0004】 重畳された磁界および電界を採用する別の質量分析計が、1977年10月1
8日にNaito氏に付与された米国特許第4,054,796号明細書、「重
畳された電界および磁界を有する質量分析計(Mass Spectrometer With Superimp
osed Electric and Magnetic Fields)」に記載されている。この米国特許第4,
054,796号明細書には、実質的に直角を成して配置された、重畳された電
界および磁界の使用について記載されている。この米国特許第4,054,79
6号明細書の場合、重畳された電界および磁界のうちの電界を形成するのに、円
筒形に成形された同心的な湾曲面を有する電極が使用される一方、この電界に対
して垂直な磁界を、磁極片が形成している。重畳フィールドは、気密通路内のイ
オン経路に形成されている。イオン経路の一方の端部には、イオン経路にイオン
化試料を供給するためのイオン化チャンバが形成されている。一定の加速電圧を
生成するための電極は(上記Matsuda氏に付与された特許に記載された変
動加速電圧と異なり)、重畳フィールドが形成されているイオン経路内のイオン
化チャンバ内に、イオン化試料を引き込む。イオン経路の他方の端部には、イオ
ンコレクタが形成されている。イオン経路の重畳フィールド内に導入されたイオ
ンは、それらの電荷に対する質量の比(m/e)に従って偏向され、偏向された
イオンはイオンコレクタにより検出される。このような質量分析計の場合、イオ
ン経路内のイオンビームの中心軌道(すなわち検出される電荷に対する質量の比
を有するイオンの軌道)は、電界の等位面に配置される。イオン経路内の電界強
度は掃引される(すなわち、円筒形電極の電圧が変動させられる)ことにより、
中心軌道を移動するイオンの、電荷に対する質量の比を変化させる。しかし、加
速電圧が一定に維持されているときの電界のこのような掃引は、イオンビームの
収束位置の望ましくないシフトによって達成される。収束位置の変化は、種々の
技術によって補償される。例えばこのような補償は、湾曲面電極の上方および下
方に配置された補助電極により達成することができる。補助電極に作用する電圧
は、湾曲面電極に印加された電圧との関連において変動させられる。
【0005】 上述のこのような既存の質量分析計は、一般的に、全体または一部が金属真空
エンベロープの内側で組み立てられた個別の金属電極および絶縁体で構成されて
いる。このような構造により、前記既存の質量分析計のサイズは概ね大きく、こ
のような質量分析計のコストは、種々の機能、例えば環境モニタリング、病院内
の病床患者ケア、戦場における化学・生物剤検出、化学プラントのプロセス制御
などに関して使用することを阻む。
【0006】 さらに、一般的に見て、上述のように、重畳された電界および磁界を得るため
に、同一の円筒軸線を有するがしかし半径の異なる2つの円筒形電極を使用する
のが1つの方法である。これらの電極の軸線方向高さが、電極相互の間隔よりも
著しく大きい場合には、電極の中心の近くのフィールドは、適切なジオメトリを
有することになる。しかし、多くの質量分析計は、高い磁界を形成するために、
磁極間のスペース、つまり磁極ギャップを制限する、円筒軸線方向に沿った高磁
界が存在することを必要とする。従って、このような高磁界を形成するための、
永久磁石から成る磁極相互間の小さなスペースによって、円筒形電極の軸線方向
高さが制限される。このような円筒形電極の軸線方向高さが少なくとも部分的に
制限されることにより、円筒形電極の上縁および下縁の近くの電界ジオメトリは
、概して不正確で望ましくないジオメトリである。このことは、重畳された磁界
および電界を採用するこのような質量分析計において、電界を磁界との特定の比
で維持しなければならない場合に特に当てはまる。
【0007】 さらに、イオン経路において重畳された磁界および電界を採用する質量分析計
は、磁界が磁極境界内および境界の外側のゼロ位置で完全に均質であることを想
定している。しかし、このような理想磁界で磁石を構成することは事実上不可能
である。実際、磁極境界を越えて存在するフリンジフィールドが常にある。さら
に、実質的に均質な磁石を製造するのにかなりのコストを費やさない限り、磁極
境界内には通常、磁界の顕著な不均質性が存在する。例えば、磁界は、磁極境界
内で、その中の平均磁界の約10%の範囲で変動する場合がある。このような磁
界の不均質性により、重畳された重畳された磁界および電界を有する質量分析計
の分解能は、顕著な影響を受ける。それというのは、磁界と電界との比がイオン
経路に沿って常に一定とは限らないからである。
【0008】 発明の概要 重畳された磁界および電界を有する質量分析計、およびこのような質量分析計
に関わる方法を改善して、上述の問題による影響を低減する技術的な必要がある
。コンベンショナルな質量分析計に比べて、コンパクトにかつ小型化することが
できる本発明の質量分析計は、上述の問題、および詳細に後述することにより当
業者に明らかになる他の問題を克服する。さらに本発明による質量分析計は、ポ
ータブル分析機器、例えば現場用分析装置の一部とすることができる。
【0009】 本発明による二重収束式質量分析計装置は、円筒軸線から第1の半径方向距離
を置いて画定された第1の円筒セクタ電極面を有しており、該第1の円筒セクタ
電極面が、上縁および下縁を有しており、さらに二重収束式質量分析計装置は、
前記円筒軸線から第2の半径方向距離を置いて画定された第2の円筒セクタ電極
面を有しており、該第2の円筒セクタ電極が、前記第1の円筒セクタ電極の前記
上縁および下縁に対応する上縁および下縁を有している。前記第1および第2の
円筒セクタ電極面の間にはイオン経路が画定されている。前記第1および第2の
円筒セクタ電極面の前記上縁および下縁にそれぞれ近接して、前記イオン経路内
に磁界を提供するための第1の磁極と第2の磁極とが位置決めされている。前記
第1および第2の円筒セクタ電極面の前記上縁相互間には、第1の電極アレイが
位置決めされており、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間
には、第2の電極アレイが位置決めされており、前記第1および第2の電極アレ
イは、磁界に対して垂直に前記イオン経路内に所期電界を提供するために、第1
および第2の円筒セクタ電極面と一緒に使用されるようになっている。
【0010】 装置の一実施態様においては、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の間の
距離に対する、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記上縁と下縁との間
の前記円筒軸線方向の長さの比が、約0.1〜約1.5の範囲内にある。
【0011】 装置の別の実施態様においては、前記第1の電極アレイが、前記第1および第
2の円筒セクタ電極面の前記上縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少なく
とも2つの電極を有している。さらに、前記第2の電極アレイが、前記第1およ
び第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少
なくとも2つの電極を有している。装置のこの実施態様はさらに、規定の電圧を
印加するための電圧供給回路を有しており、該電圧供給回路は、前記第1および
第2の電極アレイ全体にわたって対数的に変化する。
【0012】 装置の別の実施態様においては、前記第1の電極アレイが、前記第1および第
2の円筒セクタ電極面の前記上縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少な
くとも2つの電極を有している。さらに、前記第2の電極アレイが、前記第1お
よび第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に対数的に間隔を置いて配置され
た少なくとも2つの電極を有している。装置のこの実施態様は次いで、前記第1
および第2の円筒セクタ電極面のそれぞれと、前記第1および第2の電極アレイ
の前記電極のそれぞれとに、例えば等しい値を有する抵抗器の分圧器網を介して
、規定の電圧を印加するための電圧供給回路を有している。
【0013】 装置のさらに別の実施態様においては、前記第1および第2の電極アレイが、
電界に対する磁界の所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、磁
界との関連において構成されている。
【0014】 本発明による別の二重収束式質量分析計装置が、重畳された磁界および電界が
提供されたイオン経路を画定するように位置決めされた2つ以上の基板部分を有
している。第1の基板部分が、軸線から半径方向に画定された、前記第1の基板
部分の1つの側に形成された第1の電極アレイを有しており、第2の基板部分が
、前記軸線から半径方向に画定された、前記第2の基板部分の1つの側に形成さ
れた第2の電極アレイを有している。前記第1および第2の電極アレイが、前記
イオン経路内に電界を提供するのに使用するために、互いに概ね平行に位置決め
されている。さらに、装置が、前記電界に対して直角にイオン経路内に前記磁界
を提供するために、前記2つ以上の基板部分に近接して配置された第1および第
2の磁極を有している。
【0015】 装置の一実施態様においては、平行な前記第1および第2の弓形電極アレイの
間の距離が、前記第1および第2の弓形電極アレイが画定されている半径方向距
離の約0.1倍未満である。
【0016】 本発明による二重収束式質量分析法においては、方法が、軸線から第1の半径
方向距離を置いて画定された、上縁および下縁を有する第1の円筒セクタ電極面
を提供し、前記軸線から第2の半径方向距離を置いて画定された第2の円筒セク
タ電極面を提供し、この場合該第2の円筒セクタ電極が、前記第1の円筒セクタ
電極の前記上縁および下縁に対応する上縁および下縁を有することを含む。前記
第1および第2の円筒セクタ電極面の間には、イオン経路が画定される。その後
、イオン経路内に磁界を発生させ、さらに、前記第1および第2の円筒セクタ電
極面の前記上縁相互間に位置決めされた第1の電極アレイと、前記第1および第
2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に位置決めされた第2の電極アレイと、
前記第1および第2の円筒セクタ電極面とを使用して、磁界に対して垂直にイオ
ン経路内に所期電界を発生させる。
【0017】 二重収束式質量分析計装置で使用するための別の方法の場合、この方法は、二
重収束式質量分析計のイオン経路に、不均一な磁界を提供することを含む。前記
イオン経路内に電界を提供するために、電極アセンブリを形成する。電極アセン
ブリを形成することは、前記二重収束式質量分析計内の前記イオン経路全体の電
界が前記磁界に対して規定の比率にあるように、前記磁界の不均一性との関連に
おいて、2つ以上の電極を特定の構造に形成することを含む。
【0018】 この方法の一実施態様においては、前記2つ以上の電極を形成することが、前
記磁界の不均一性との関連において、互いに概ね平行に位置決めされた第1およ
び第2の電極アレイを構成することを含む。このような電極アレイの構成の一例
には、前記磁界の不均一性との関連において、前記第1および第2の電極アレイ
の電極を、所定の間隔を置いて配置すること、および/または、該電極を成形す
ることがある。 本発明によるさらに別の二重収束式質量分析法においては、該方法が、イオン
経路を画定するために、2つ以上の基板部分を一緒にシールすることを含む。第
1の基板部分が、該第1の基板部分の面に形成された第1の電極アレイを有し、
第2の基板部分が、該第2の基板部分の面に形成された第2の電極アレイを有し
ている。前記2つ以上の基板部分を一緒にシールすることが、前記第1および第
2の電極アレイを、互いに概ね平行に位置決めすることを含む。その後、少なく
とも前記第1および第2の電極アレイを使用して、前記イオン経路内に電界を発
生させる。電界が円筒形ジオメトリを有する。さらにこの方法は、前記イオン経
路内の前記電界に対して直角に、しかも該電界と重畳するように磁界を提供する
ために、前記2つ以上の基板部分に近接して第1および第2の磁極を位置決めす
ることを含む。
【0019】 上述の本発明の概要は、本発明のそれぞれの実施態様またはそれぞれの実施を
限定するものではない。添付の図面に関連して以下に説明し主張することにより
、本発明をより完全に理解できると共に、利点が明らかになる。
【0020】 実施例の詳細な説明 本発明を図1および図2に関連して概略的に説明する。その後で、さらに本発
明の種々の実施例について、図3〜図12に関連して説明する。1つの実施例の
構成部分を他の実施例の構成部分と組み合わせて使用可能であること、また、本
発明が本明細書中に記載された特定の実施例に限定されるものではなく、添付の
特許請求の範囲における記載事項にのみ限定されることは、当業者には明らかで
ある。
【0021】 本発明は、二重収束式質量分析計装置および該装置に関わる方法に関する。本
明細書中に記載された技術またはコンセプトのうちの1つまたは複数を使用して
、小型で軽量の、また可能な限り電池式の質量分析計装置を構成することができ
る。例えば、このような質量分析計は手持ち式であってよく、種々様々な用途に
用いることができる。サンプルを気相で導入するのが好ましいが、しかし、本明
細書中に記載した、分析計のコンセプトを使用して、サンプルを液相で導入する
ことも可能である。このような二重収束式質量分析計装置は1amu(原子質量
単位)という低さの分解能で、約1amu〜200amuの質量範囲において機
能性を発揮する。さらに、例えばこのような質量分析計のサイズは好ましくは約
100cm3未満である。
【0022】 全体的に見て、図2に示したように、二重収束式質量分析計装置50は、(イ
オンビームを供給するための)イオン源またはイオナイザ54と、図1にさらに
詳細に示したようなアナライザ領域10とを有している。イオン源またはイオナ
イザ54から射出したイオンビームのイオン化された原子および分子の軌道は、
イオン経路21内に形成された重畳された電界および磁界によって影響される。
イオンビームが質量分析のためのアナライザ領域10によって、電荷に対する質
量のそれぞれの比(m/e)に分散されると、イオンは二重収束式質量分析計装
置50のイオンコレクタまたは検出器52によって捕集されてカウントされる。
次いで、当業者に良く知られているように、電子素子および/またはコンピュー
タソフトウェアが、捕集されたイオンからの結果としての質量スペクトルを生じ
させる。本発明は具体的には、重畳された磁界および電界がイオン化原子および
イオン化分子の軌道に影響を与えるような、二重収束式質量分析計装置に焦点を
合わせている。このように、イオナイザ54および検出器52は、一般的に二重
収束式質量分析または他の偏位型質量分析に使用されるイオナイザおよび/また
は検出器であってよい。
【0023】 種々のイオン化法が有効であり、利用可能である。例えば、イオナイザ54に
は、電子衝撃イオン化、化学イオン化、電界脱離イオン化、電界イオン化、高速
原子衝撃、二次イオン衝撃、大気圧化学イオン化、電気スプレーイオン化、およ
びマトリックス支援脱離イオン化が含まれてよい。気体に関しては、揮発性化合
物、および金属蒸気を使用するのが好ましい。図2に全体的に示したように、電
子ボンバード・イオン化としても知られる電子衝撃イオン化によるイオンの製造
は、小さな開口56を介して、イオン化室57内にサンプルを導入することを伴
う。一般的に、フィラメントを使用して電子が射出され、この電子がサンプルの
中性粒子の軌道に対して垂直に向けられるのが典型的である。イオン化が生じる
と、イオンは抽出器電極によって、イオン化室の内部から引き出される。次いで
イオンは付加的な電極によって収束され、アナライザ領域10の重畳界を通して
、加速電圧(Va)源55によって印加された加速電圧(Va)により、加速さ
れる。さらに、アナライザ領域10のイオン経路21内にイオンを進入させるた
めに、図2において全体的に符号58で示した視準スリットが設けられている。
【0024】 このようなイオン化を可能にするために、種々の構成部分および電極構造を使
用することができ、イオン化は特定のイオナイザ構造に限定されるものではない
。例えば、電子を供給するために、フィラメントを使用するのとは異なり、1つ
または複数の電界放出チップ電極を使用することができる。アナライザ領域への
小さな入口内にビームを集中させ、広がりを最小化するために、収束が必要であ
る。さらに、視準スリット58と広い角度を成すことにより、収束し損なったイ
オンを拒絶することにより、視準が行われる。このような視準スリット58はま
た、イオナイザ54とアナライザ領域10との間のインタフェイスとして役立つ
。アナライザ領域10で良好な分解能を達成するために、イオンの収束および視
準双方が用いられる。イオナイザ54は、例えばイオン源構造および印加された
加速電圧によって、アナライザ領域10内のイオンをz方向に収束させる。
【0025】 イオンは一旦視準されると、重畳された磁界および電界のうちの電界が、掃引
電圧源(Vd)59によって変動電極電圧(Vd)を印加することにより掃引さ
れるので、アナライザ領域10のイオン経路21に進入することにより、電荷に
対する質量のそれぞれの比(m/e)で分離される。この変動電極電圧は、重畳
界の電界を発生させるために電極構造11に印加されたものである。電圧を総イ
ンするあらゆる技術が利用可能である。例えば、掃引信号発生器およびこれによ
り制御される可変電圧源を用いることができる。本発明によれば、イオン経路内
の重畳された電界および磁界を利用してイオンを分離可能にするのに、二重収束
が使用される。この二重収束の場合さらに下で説明するように、好ましくはイオ
ン経路21全体を通して、選択されたイオンに対する磁力は、選択されたイオン
に対する電気力の二倍であり、またその逆である。重畳界のうちの電界が掃引さ
れ、磁界が固定された状態で維持されるので、異なるm/e比を有するイオンの
二重収束状態は満足されるものになり、検出可能となる。もちろん、磁界強度を
確立するために印加される電圧(Vd)と加速電圧(Va)との比は、電界の掃
引中、一定に保たれなければならない。
【0026】 主イオンビーム、例えば視準されたイオンが、電荷に対する質量の比(m/e
)に関してアナライザ領域10によって拡散されると、イオンは検出器52によ
って捕集され、カウントされる。イオンを検出するためには多くの異なる方式が
ある。例えば、検出器52は、電子倍増器、例えばチャネル電子倍増器、電界集
束電子倍増器、またはクロスフィールド電子倍増器であってよい。さらに、検出
器はシンチレーション/光電子倍増管、ファラデーコレクタ、またはイオン・電
子コンバータ、例えば半導体検出器であってよい。加えて、このような検出器に
は、マイクロチャネル・プレート検出器およびイオン感知エマルジョンが含まれ
てよい。このような目的における商業的に入手可能な種々の検出器を、イオン検
出を可能にするために使用することができる。
【0027】 例えば、検出器は検出プレートであってよく、異なる電荷を施された質量が検
出プレートに衝突し、全てのイオンが同時に捕集される。このような同時的な検
出を行うと、捕集はより効率的であるが、しかし、検出器の電子装置に大きな手
間がかかる。イオナイザ56に対応する加速電圧は、同じ検出器位置における特
定のイオン全てを捕集するように変化させられる。このような検出器は、検出器
スリット60と一緒に図2に全体的に示されている。検出器スリット60は、特
定位置におけるイオンが検出されるのを可能にする。イオン検出にはあらゆる特
定の検出器52が使用可能であることは当業者には明らかである。例えば、商業
的に入手可能ないくつかの検出器には、マイクロチャネル・プレート(MCP)
、チャネルトロン、およびミクロスフェア・プレート(MSP)が含まれる。 二重収束式質量分析計50のための、本発明によるアナライザ領域10が、部
分的に図2に示され、図1に写実的に示されている。全体的に見て、アナライザ
領域10には、アナライザ領域10のイオン経路21内に、重畳された磁界およ
び電界が形成されている。さらに全体的に、本発明によれば、電界は円筒形の幾
何学的形状(円筒形ジオメトリ)を有しており、1/rに対して比例する。この
場合、rは円筒形ジオメトリに対応する半径方向距離である。換言すれば、イオ
ン経路21内には、円筒形ジオメトリの概ね半径方向の電界が、電極構造11に
よって発生させられる。すなわち、z=0平面内のrによって描かれる円周線2
0に沿った電界強度は、一定である。さらにイオン通路21内部の等電位線は、
z軸線に対して実質的に平行に延びることになる一方、電界線は概ね、イオン経
路21内でz軸線に沿って、x−y平面内で半径方向に延びることになる。イオ
ン経路21内の半径方向の電界に対して垂直に、磁界が形成されている。磁界は
z軸線に対して概ね平行に延びる。
【0028】 アナライザ領域10は、イオン経路21内の円筒形ジオメトリの電界を形成す
るのに使用するのための電極構造11を有している。全体的に見て、電極構造1
1は第1の円筒セクタ電極12と、第2の円筒セクタ電極14とを有している。
2つの円筒セクタ電極12,14のそれぞれは、同一の円筒軸線15を有してい
る。この円筒軸線は原点(0)を通って延びているが、しかし異なる半径を有し
ている。換言すれば、第1の円筒セクタ電極12は、半径(rb)を有するイオ
ン経路21に向かって内側に向いた内面22を有しており、第2の円筒セクタ電
極14は、半径(ra)を有するイオン経路21に向かって内側に向いた内面2
4を有している。換言すれば、円筒セクタ電極の内面22,24は、互いに対向
する関係で配置されている。イオン経路21は、対向する円筒セクタ電極面22
,24の間に画定されている。全体的に見て、第1の円筒セクタ電極12と第2
の円筒セクタ電極14との間の電位がlog(r)に対して比例するように両電
極間の電位を形成することにより、電界が提供される。
【0029】 本発明による二重収束式質量分析計50のアナライザ領域10は、半径方向の
電界(ε)、すなわちrに対して反比例する電界と、電界に対して垂直な、すな
わちz軸線に対して平行な磁界(B)とのための円筒形ジオメトリを採用する。
電界および磁界の極性は、電界および磁界からの力が非平行であるように選択す
ることができる。イオン経路21内のイオンに対する真の力をFとし、偏位平面
内のイオン速度の成分をvとし、さらにイオン電荷をqとすると、 F=qBv−qε となる。この場合、イオン経路を通るイオン軌道の曲率半径に沿って、半径方向
の正の力が内方に向き、負の力が外方に向く。そして曲率半径rおよびその分散
は、 r=mv/(qBv−qε) 及び dr/r=((Bv−2ε)/(Bv−ε))・(dv/v) によって表現することができる。従って、磁力(qvB)が電気力(qε)のち
ょうど二倍である場合、すなわち Bv=2ε の場合、二重収束の特殊事例、すなわちvに対してrのゼロ分散という事例が生
じる。それぞれフィールド境界の入口および出口における物体および像に関して
、このような特殊事例の設計は、ちょうど円筒形静電エネルギーアナライザのよ
うに、π/√2 の偏角(127.3°)で方向収束をもたらす。換言すれば、
このような設計の円筒セクタは127.3°のセクタとなる。他の角度のセクタ
構造が可能である。例えば、本明細書中の実施例、例えば図8に示した装置の場
合、一層便利な90°の偏角において、物体および像の焦点はフィールド境界か
ら約0.35rの箇所に位置する。イオン運動エネルギーを(E)とすると、選
択された質量は m=(q)/8E によって与えられる。 これを(電界なしの)単純な磁気セクタに対応する m=(q)/2E と比較することができる。
【0030】 従って、アナライザ領域10の望ましい性能は、具体的には、イオン経路21
に沿った地点毎に、磁界に対する電解の正確な比率を有することに依存する。そ
の結果、適正な湾曲半径または曲率半径が得られる。
【0031】 一般的に、z軸線に対して平行であり、かつイオン経路21内の電界に対して
直角な磁界は、図2に全体的に示すように、ヨーク・磁極アセンブリ40によっ
て形成される。このアセンブリは図1に示すように、第1の磁極16と第2の磁
極18とを有している。磁界は出来る限り高い強度を有しているのが好ましい。
例えば、磁界強度は、約1T〜約2Tの範囲内にあってよく、またはそれよりも
高くてもよい(以下高磁界と呼ぶ)。永久磁石は好ましくは約1mm〜約5mm
の磁極ギャップを有することにより、アナライザ領域10のイオン経路21内に
このような高磁界を形成する。例えばこのような高磁界は、ヨーク・磁極アセン
ブリ40において鉄ヨークと併用される高エネルギー生成物、NdFeB磁極に
よって提供することができる。しかし、磁界はあらゆる適切な永久磁石、電磁石
などによって提供可能であることは、当業者にとっては明らかである。
【0032】 上述のように、二重収束式質量分析計装置50、具体的にはアナライザ領域1
0の性能は、イオン経路21に沿った各地点毎に、磁界強度に対する電界強度の
正確な比率を有することに依存する。円筒セクタ電極12,14のz軸線に沿っ
た軸線方向高さが、これらの電極相互間(つまりrb−ra間)の空間よりも著し
く大きい場合、(イオン経路21を通って延びる円周線20によって全体的に表
される)電極12,14の中央近くのフィールドが、磁界強度に対する電界強度
の正確な比率を提供することになる。しかし、アナライザ領域10は、円筒軸線
(つまりz軸線)に対して平行な高磁界があることを必要とする。それぞれ選択
された質量毎にイオンエネルギーを高くする(すなわちEはB2に対して比例す
る)ことによって、高磁界が性能を高め、これにより、イオン軌道上の空間電荷
および表面電荷の効果をさほど重要でなくする。このような次第で、磁石の磁極
相互間の空間(すなわち磁極ギャップ)は小さい。従って、第1および第2の円
筒セクタ電極12,14のz軸線に沿った軸線方向高さは、このような高磁界を
提供するのに使用された永久磁石の磁極16,18相互の小さな空間によって制
限される。換言すれば、第1の円筒セクタ電極12および第2の円筒セクタ電極
14の軸線方向高さは、磁極空間によって制限される。第1の円筒セクタ電極1
2の軸線方向高さは、z軸線に沿って円筒セクタ電極12の下縁34から上縁3
2に延びる。同様に、第2の円筒セクタ電極14の軸線方向高さは、z軸線に沿
って下縁38から上縁36に延びる。円筒セクタ電極12,14の軸線方向高さ
が制限されているので、円筒セクタ電極12,14の上縁および下縁の近くに電
界強度と磁界強度との所期比を提供するための正確な電界は、単に円筒セクタ電
極12,14を使用するだけで保証されるものではない。
【0033】 第1および第2の円筒セクタ電極12,14の各上縁32,36の近く、およ
び、第1および第2の円筒セクタ電極12,14の各下縁34,38の近くに、
正確な「フリンジ」フィールドを形成するために、電極構造11はさらに、中間
の電極アレイ26,28を有している。中間の電極アレイ26,28を使用する
ことにより、小さな磁極空間に起因して軸線方向高さが制限されていても、磁極
強度と電極強度との正確な比率が達成される。本明細書中に用いた「フリンジフ
ィールド」とは、電極構造11および磁極から成るアセンブリの幾何学的境界の
理想的な近位位置から逸れた、かつ/または、この境界の外側の磁界または電界
を意味する。中間の電極アレイ26,28は、磁極空間の減小を可能にする。本
発明によれば、第1および第2の円筒セクタ電極12,14間の半径方向距離に
対する、第1および第2の円筒セクタ電極12,14の上縁32,36と下縁3
4,38との間の軸線方向高さの比は、約0.1〜1.5の範囲内にあることが
好ましい。しかし、第1および第2の円筒セクタ電極12,14間の半径方向距
離に対する、第1および第2の円筒セクタ電極12,14の軸線方向高さの比は
、1.5よりも大きくてもよい。
【0034】 図1に示したように、中間電極は、第1の電極アレイ26を有している。この
第1の電極アレイ26は、第1の円筒セクタ電極12の上縁32と、第2の円筒
セクタ電極14の上縁36との間に位置している。同様に、第1および第2の円
筒セクタ電極12,14の各下縁34,38間には、第2の電極アレイ28が位
置している。一実施例の場合、図1に示したように電極アレイ26,28のそれ
ぞれは、複数の弓形電極を有している。これらの弓形電極は、互いに異なる半径
を有しており、第1および第2の円筒セクタ電極12,14間に所定の間隔を置
いている。換言すれば、第1および第2の電極アレイ26,28のそれぞれの弓
形電極は、第1および第2の円筒セクタ電極12,14と同一軸線を有する円セ
グメントであり、これらの円セグメントは全て、概ね同じ半径方向横断面寸法を
有している。しかし下に詳しく述べることから明らかなように、中間電極の形状
は変えることができる。
【0035】 全体的に見て、これらの弓形電極のそれぞれには、第1および第2の円筒セク
タ電極12,14の高さが無限であるとした場合に同じ値のrで存在するであろ
う電圧と等しい電圧が印加される。第1および第2の円筒セクタ電極12,14
の上縁および下縁の近くで正確な電界を保証するために、第1および第2の電極
アレイ26,28の構造に適切な電圧を印加する様子を、図3および図4の実施
例に示す。
【0036】 図3は、イオン経路101を通る正確な電界ジオメトリを保証するために、磁
極16,18間に位置決めされた電極構造100の一実施例を示している。電極
構造100は、図1に示したものと実質的に同様の、第1および第2の円筒セク
タ電極106,108を有している。第1および第2の円筒セクタ電極106,
108の上縁および下縁の近くで正確なフリンジフィールドを達成するために、
円セグメント電極の第1および第2の電極アレイ110,112が設けられてい
る。第1の電極アレイ110は、規定数の弓形電極を有している。これらの弓形
電極は第1および第2の円筒セクタ電極108,106の各上縁121,123
の間に均一に間隔を置いて配置されている。同様に、第2の電極アレイ112も
、規定数の弓形電極を有している。これらの弓形電極は第1および第2の円筒セ
クタ電極108,106の各下縁125,127の間に均一に間隔を置いて配置
されている。電圧供給部118は、規定の電圧(Vd)を第1および第2の電極
アレイ110,112のそれぞれの電極に印加する。電極に印加された規定の電
圧は、第1および第2の電極アレイ110,112全体にわたって、特定の時点
で対数的に変化する。このように対数的に変化する電圧は、抵抗器網114の、
対数的に変化する抵抗器を利用することにより印加される。抵抗器網114は、
対数的に変化する規定電圧を第1の電極アレイ110の電極に印加するために、
電圧供給部118と一緒に分圧器網を形成する。同様に、対数的に変化する電圧
を第2の電極アレイ112の電極に印加するために、抵抗器網116が電圧供給
部118と一緒に分圧器網を形成する。
【0037】 図4は、図3に示した電極構造および分圧器網によって達成されるのと同じフ
ィールドを達成する、上記実施例とは異なる例を示す。図4に示す電極構造13
0は、規定数の弓形電極を備えた電極アレイ136を有している。これらの弓形
電極は半径において、対数的に所定の間隔を置いて配置されている。換言すれば
、第1および第2の円筒セクタ電極132,134間に、電極アレイ136の弓
形電極を、所定の間隔を置いて対数状に配置するように、ギャップd1〜d4が
寸法設定されている。電極アレイ136の電極をこのように対数的に間隔を置い
て配置することと相俟って、電極間に接続された抵抗器網138の抵抗器は、抵
抗値が対数的に変化するような図3の構造とは異なり、等しい抵抗値を有する。
抵抗器網138と組み合わせた電圧供給部140は、分圧器網を形成する。分圧
器網は、第1および第2の円筒セクタ電極132,134と、電極アレイ136
とに適切な電圧を印加する。
【0038】 図5は、イオン経路に沿った各点毎に磁界力に対する電界力の比が得られるよ
うに、正確な電界ジオメトリを達成するためのさらに別の電極構造160を示す
。電極構造160は、磁極162,164間に位置決めされた、少なくとも第1
および第2の電極アレイ170,172を有している。第1および第2の電極ア
レイ170,172が電界の軸線方向高さ(h)よりも著しく大きい、ひいては
磁極ギャップよりも著しく大きいrの半径方向範囲にわたって延びている場合、
電極構造160は、電界の半径方向境界を形成する第1および第2の円筒セクタ
電極166,168を必ずしも必要とせず、任意にのみ設けられる。例えば、電
界の半径方向境界を形成する円筒セクタ電極166,168が、アナライザ領域
内でイオンによって場所を占められる通路から十分に離隔している場合、円筒セ
クタ電極がイオンによってフィールド上で受ける影響は小さく、円筒セクタ電極
166,168のうちの一方または両方を、電極構造160から除去することが
できる。従って、磁極162,164の間の磁気的なギャップの軸線方向高さよ
りも著しく大きいrの半径方向範囲にわたって延びる、互いに概ね平行な2つの
電極アレイ170,172を使用することにより、磁界と重畳された電界を完全
に提供することができる。1つまたは複数の円筒セクタ電極の使用を省くために
、磁気的なギャップの少なくとも約10倍のrの範囲にわたって、電極アレイが
延びていることが望ましい。円筒セクタ電極166,168を使用しない場合、
第1および第2の電極アレイ170,172の最も内側の電極176と最も外側
の電極174とに加えられる電位は、イオン経路に沿った電界の理想値からの偏
差を最小限に抑えるように調整することができる。例えば、外側の電極に加えら
れる電位を増大することにより、イオン軌道域内のログ(r)電位からの偏差を
最小限にすることができる。
【0039】 二重収束式質量分析計装置50の理想的なフィールドには、電界および磁界の
円筒形ジオメトリが含まれる。このような電界および磁界は磁極境界内およびこ
れらの境界の外側のゼロ位置において完全に均質である。発明の背景の欄に記載
したように、このような理想的な均質の磁界を有する磁石を構成することは、事
実上不可能である。実際には、磁極境界を越えて延びるフリンジ磁界が常にあり
、磁極境界内の磁界は通常、著しく不均質である。例えば磁極境界内では、1つ
の箇所における磁界は、他の箇所における磁界から10%だけ変動することがあ
る。
【0040】 アナライザ領域10の最適な性能は具体的には、イオン経路21に沿った各地
点毎の、磁界に対する電界の正確な比を有することに依存する。磁界のこのよう
な不均質性は、イオン経路21内で重畳された電界と磁界との最適な比を維持す
るように補正されなければならない。本発明によるフリンジ電界およびフリンジ
磁界の補正プロセスに従って、不均質性に基づく磁界の理想値からの偏差に電界
が調和するように、理想的な円筒形ジオメトリから偏った電界をある意味で成形
し、これにより、重畳された磁界および電界の最適比を維持することが可能であ
る。このような補正プロセスは、磁界を提供する磁石を設計し構成することによ
り開始される。磁石を設計し構成し後、構成された磁石により発生させられた磁
界を測定しマッピングすることができる。磁界の測定およびマッピングは、アナ
ライザ領域10を通るイオン軌道にとって典型的な、座標に沿った磁界の分布を
測定することを伴う。このような磁界分布は所期電界を画定する。それというの
は、電界は磁界に対して特定の比を有しているからである。例えば、磁石設計の
磁界は、縁に対して磁極の中央領域で大きい磁界を提供することができる。イオ
ン軌道内の各地点毎の電界は、次の等式で与えられるべきである。 ε=B(E/2m)
【0041】 磁界が測定されマッピングされた後、フリンジフィールド補正電極、例えば第
1および第2の電極アレイ26,28が、有限要素シミュレーションを用いて設
計される。このプロセスでは、電極の形状および/または位置は経験的に調整さ
れる。次いで、三次元的なフィールド分布が数値算出される。次いで、イオン経
路(ξ)が以下の表現によって適切に近似されるまで、調整が行われる: εξ=Bξ(E/2m) 例えば、第1および第2の電極アレイ26,28は、磁界の理想値からの偏差
と電界が調和するように形成されており、これにより、イオン経路21内の、磁
界に対する電界の適切な比を所望の通り維持する。本発明によれば、電極構造は
適切な比を提供するように構成されているが、しかし、磁極構造、電極構造、ま
たはその組み合わせが適切な比を提供するように構成可能であることは、当業者
にとっては明らかである。
【0042】 図6および図7は、それぞれ異なる電極構造200,230の2つの実施例を
示す。各電極構造は、磁極によって形成された磁界の理想値からの偏差に調和さ
せるために、所期電界への最適な近似値を与えるように調整される。図6に示す
ように、電極構造200は、磁極202,204間に位置決めされた第1および
第2の円筒セクタ電極206,208を有している。さらに、この電極構造20
0は弓形電極210,212の第1および第2の電極アレイ210,212を有
している。第1の電極アレイ210は、それぞれ第1および第2の円筒セクタ電
極208,206の上縁211,213の間に位置決めされている。同様に、第
2の電極アレイ212は、それぞれ第1および第2の円筒セクタ電極208,2
06の下縁217,219の間に位置決めされている。
【0043】 第1および第2の電極アレイ210,212のそれぞれは、規定数の弓形電極
を有している。これらの弓形電極は互いに所定の間隔を置いて配置されることに
より、磁界の理想値からの偏差に調和するように、所期電界への最適な近似値を
与える。例えば図6に示すように、磁界が磁極の中央においてより大きいような
典型的な事例において、電極アレイ210,212の弓形電極の間隔は、ギャッ
プd1によって表す中央領域において小さく、このことは、より広いギャップd
2,d3によって表す、他のイオン経路201域に向かって形成された間隔とは
対照的である。このように、中央領域において相応に大きくなる電界が形成され
ることにより、磁極の中央においてより大きく形成された磁界と調和する。従っ
て、電界に対する磁界の所期比が達成される。さらに、図6に示したように、第
1および第2の電極アレイ210,212には、分圧器網によって適切な電圧が
印加される。この分圧器網は、前述のように電圧供給部218と抵抗器網216
,214を有している。
【0044】 図7の実施例に示したように、電界の調整は、第1および第2の円筒セクタ電
極232,234間に位置決めされた電極セクタ236〜239を形成すること
により達成することができる。このような電極セクタに適切な電圧V1〜V4が
印加されることにより、磁界に対して適切な比を有する電界が提供される。この
実施例は、εとBとの間の必要な関係が部分毎、つまりセクタ毎に満たされるの
を可能にする。
【0045】 当業者には明らかなように、図1に示したような第1および第2の円筒セクタ
電極12,14の上縁32,36と下縁34,38との間に位置決めされた第1
および第2の電極アレイ26,28が、所期電界を形成する上で種々の構造形態
を取ってよく、これにより、磁極の不均一性を補償する際に磁界に対する電界の
正確な比を提供することができる。例えば、電極のサイズ、位置、形状、間隔お
よび/または他の適宜な特性を調整することができ、これにより、適切な電界を
提供することができる。このように本発明は、第1および第2の電極アレイ26
,28の中間電極の特定の構造に限定されるものではなく、添付の特許請求の範
囲に従ってのみ限定される。例えば、図7において破線で示した電極端部233
,235のように、電極アレイは、互いに非平行かつ非円形形状を有する電極セ
グメントを有していてよい。アレイの電極のこのような成形は、例えば、アナラ
イザ領域の端部で所期電界を得る上で有益な場合がある。
【0046】 アナライザ領域10のイオン経路21内で正確な比が維持されるように、磁界
の偏差に調和する電界ジオメトリを確立するこのような方法は、基板上にリソグ
ラフィによりデポジットされた電極を使用することを介して、効果的に達成する
ことができる。電界の画定に用いるこのような電極を基板上にリソグラフィによ
りデポジットすることにより、電極をたやすく製作することができ、これにより
、非均質磁界に調和するように電界を形成することができる。基板上、例えばセ
ラミック基板上にリソグラフィによりデポジットされた電極を使用することにつ
いて、図8〜11に示した二重収束式質量分析計装置300に関連して以下に説
明する。
【0047】 図8は、本発明による二重収束式質量分析計装置300の実施例を示す。図9
は、二重収束式質量分析計装置300の側面図である。二重収束式質量分析計装
置300は、アナライザ領域306内に画定されたイオン経路307内にイオン
を供給するためのイオン源を有している。イオン軌道は、検出器304に供給さ
れる出力を有するイオン経路307内で重畳された磁界および電界によって、ア
ナライザ領域306内に発生させられる。図8は、破線で示した磁界を提供する
ためのヨークと磁極370とを有する二重収束式質量分析計装置300の頂面図
である。
【0048】 イオン源302は、スリット・ジオメトリを備えた電子衝撃イオナイザである
ことが好ましい。スリット・ジオメトリは例えば半径方向寸法(r)で製作され
たイオン開口を意味する。電子衝撃イオナイザは、タングステンから成るヘアピ
ン・フィラメント・エミッタ319を有している。このエミッタ319は、フィ
ラメント電極318に作動接続されている。イオン源302はさらに、アノード
302と、抽出器電極321と、収束電極323とを有している。これら全ては
、物体スリット322を通してイオンを供給するために整列させられている。さ
らにイオン源302は、イオナイザに加えられるイオン化電子電流をモニタリン
グするための電子コレクタ325を有している。
【0049】 イオン源302の構成部分は、必要に応じて位置決めされた適宜な絶縁性部分
324で一緒に接続されている。イオン源320は、取付用ハードウェア316
によってL字形フレーム308に取り付けられている。イオン源302は、イオ
ン経路307でシールされるように取り付けられることにより、イオン源302
からアナライザ領域306への気密な通路が形成される。
【0050】 検出器304は好ましくは商業的に入手可能な検出器、例えば取引指定番号1
333−1200で入手可能なGalileoマルチチャネル・プレート、例え
ば約1.1mmの厚さと約105のゲインとを有するマイクロチャネル・プレー
トである。しかしながら、あらゆる適宜な検出器を使用することができる。
【0051】 磁石370は、鉄ヨークを取り付ける高エネルギー生成物NdFeB磁極を有
していてよい。例えば磁石は約4mmの磁極ギャップを有することにより、ほぼ
1Tの磁束密度を提供することができる。検出器304はスリット326を通る
イオンを検出する。
【0052】 前述のように、本発明の焦点は、二重収束式質量分析計装置300のアナライ
ザ領域306に関する。アナライザ領域306は、取付用ハードウェア312に
よってL字形フレーム308に対して取り付けられており、絶縁された領域31
0によって、L字形フレーム308から絶縁されている。
【0053】 アナライザ領域306は、外側の電極部分340Aと内側の電極部分340B
とを有している。外側の電極部分340Aは、円筒軸線から第1の半径方向距離
を画定する外側の円筒セクタ電極面341Aを有しており、内側の電極部分34
0Bは、同じ円筒軸線から第2の半径方向距離を画定する第2の円筒セクタ電極
面341Bを有している。円筒セクタ電極面341A,341Bはこれらの間に
イオン経路307を画定する。
【0054】 図10は、図8の10−10線に沿って見た横断面図である。図10は、アナ
ライザ領域306をより詳細に示している。図10に示したように、外側および
内側の電極部分340Aおよび340Bに加えて、アナライザ領域306は、第
1の円筒電極キャッププレート344と、第2の円筒電極キャッププレート34
8とを有している。第1および第2の円筒電極キャッププレート344,348
は、外側および内側の電極部分340Aおよび340Bをサンドイッチすること
により、イオン経路307をさらに画定する。
【0055】 電極アレイ350,352の所期の構造は、第1および第2の円筒電極キャッ
ププレート344,348上にそれぞれ、リソグラフィによりデポジットされて
いる。図10に示したように、それぞれの電極アレイ350,352は、第1お
よび第2の円筒セクタ電極面341A,341B相互間にデポジットされた9個
の中間電極を有している。例えば電極アレイ350が、円筒セクタ電極面341
A,341Bの上縁374,372の間の面383上にデポジットされた9個の
中間電極を有する一方、電極アレイ352は、円筒セクタ電極面341A,34
1Bの下縁378,376の間の面385上にデポジットされた9個の中間電極
を有している。本明細書中に用いたように、表面上の電極のデポジットには、化
学的な蒸着法、スクリーン印刷、真空蒸着、スパッタリング、または、基板への
別個の部分の付着ではなく、基板上に電極を形成する他の方法が含まれる。
【0056】 円筒電極キャッププレート344,348は、絶縁性基板材料、好ましくはセ
ラミック材料から形成されていてよい。電極アレイ350,352は導電性材料
、例えば銅または他の金属、黒鉛、基板材料上に形成された、ドーピングされた
半導体または超伝導体であってよい。さらに、内側および外側の電極部分340
A,340Bは、銅合金または他の適切な金属から形成することができる。
【0057】 図10および図11に示したように、電極アレイ350,352の弓形電極は
、抵抗器列を介して互いに接続されている。抵抗器列は、電極アレイ350,3
52がデポジットされているキャッププレートの反対側の面にリソグラフにより
デポジットされていてもよい。これにより、電極アレイ350,352の電極に
印加される正確な電圧が確立される。例えば、電極アレイ350の中間の電極5
は、経路354で満たされた導体を通して、キャッププレート344の外面38
2上の抵抗器パッド358に接続されている。同様に、電極アレイ352の中間
の電極5は、経路356で満たされた導体によって、キャッププレート348を
通って抵抗器パッド360に接続されている。このような構造技術を利用して、
あらゆる電極構造、特に本明細書中で説明した電極アレイ構造は、リソグラフ処
理、特に電極および抵抗器のリソグラフによるデポジットを用いて製造すること
ができる。このことは、このような構造が電極間の微細な線幅を必要とする場合
に特に有益である。
【0058】 図11Aはさらに、第1の円筒電極キャッププレート344を詳細に示してい
る。第1の円筒電極キャッププレート344は第2の円筒電極キャッププレート
348と実質的に同様である。図11Aは、円筒電極キャッププレート344の
底面図であり、この図は、内側の電極362と外側の電極364とを有する内面
383を、この内面上にリソグラフによりデポジットされた電極アレイ350と
共に示している。内側および外側の電極362,364は、内側および外側の電
極部分340Aおよび340Bとの組立時に、このような電極部分340Aおよ
び340Bと直接に接触する。図示のように、電極アレイ350は、弓形電極を
有している。これらの電極は全て異なる半径を有しているが、しかしほぼ同じ線
幅を有している。さらに、円筒電極キャッププレート344の反対側に接続する
ための経路が符号385によって示されている。これらの経路は、図10におい
ては異なる符合354で示した。
【0059】 図11Bは、外面382を示す第1の円筒電極キャッププレート344の頂面
図である。この外面には、リソグラフによりデポジットされた抵抗器ストリング
R1−R10がデポジットされている。例えば図8〜図11に示したように、図
3に示したものと極めてよく似た電極構造が設けられている。例えば電極アレイ
350,352の中間電極は、内側および外側の円筒セクタ電極面341A,3
41Bの間に、等しい間隔を置いて配置されている。さらに図11Bに示したよ
うに、抵抗器R1〜R10は、電極アレイ350の中間電極にわたって対数的に
変化する。換言すれば、内側の電極362を中間電極1に接続するR1、電極ア
レイ350の中間電極1と中間電極2とを接続するR2、および電極アレイ35
0の中間電極2と中間電極3との間に接続されたR3が、対数的に変化する。
【0060】 図12Aおよび図12Bは、本発明による二重収束式質量分析計装置400の
付加的な実施例を示している。図12Aは二重収束式質量分析計装置400の側
面図であり、図12Bは図12Aの12B−12B線に沿って示す横断面図であ
る。図12Aおよび図12Bは、本発明による二重収束式質量分析計装置の加工
方法を示している。
【0061】 二重収束式質量分析計装置400はイオナイザ402と、検出器403と、ア
ナライザ領域404とを有している。これら全ては、単純化されたプロセスで一
緒に形成される。図12Aに示したように、二重収束式質量分析計装置400は
、セラミックプレートの多重層から形成される。例えば、図12Aにおいて、種
々の層が符号408〜415で示されている。それぞれの層は別個に提供されて
、ガラスはんだ結合によって互いに気密にシールされる。
【0062】 二重収束式質量分析計装置400の一部を図12Bに、図12Aの12B−1
2B線に沿って横断面図で示し、これにより加工プロセスを概略的に例示する。
この概略図は、セラミック層408〜415のそれぞれが、その上に種々の層を
形成可能であることを示している。例えば、セラミック層408は、この層にリ
ソグラフによりデポジットされた電極アレイ412を有していてよい。加えて別
個の構成部分をセラミック層と併用することはできるが、しかし、リソグラフ・
デポジット技術によって電極アレイを加工することが好ましい。
【0063】 本明細書中に記載したあらゆる電極構造およびこれらの組み合わせを、図12
Aおよび図12Bに関連して説明したように形成可能であることは、当業者にと
って明らかである。さらに、他の加工技術を利用して、本明細書中に説明した、
本発明による二重収束式質量分析計装置を提供することができる。本発明は、1
つの特定の加工技術に限定されるものではない。
【0064】 本明細書中に開示した全ての特許および文献を、個々に引用したものであるか
のように、その全体を参考のため引用する。さらに、本発明を、その種々の実施
例に詳しく関連して説明してきたが、しかし、当業者には明らかなように、添付
の熟慮された特許請求の範囲内で、本発明を種々様々に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、イオン経路内で重畳された磁界および電界を有する二重収束式
質量分析計のアナライザ領域を全体的に写実的に示す図である。
【図2】 図1に示したアナライザ領域を有する、本発明による二重収束式質量分析計の
一実施例を示す図である。
【図3】 図1で概略的に示したアナライザ領域の電極構造の一実施例を示す図である。
【図4】 図1で概略的に示したアナライザ領域の電極構造の別の実施例を示す図である
【図5】 図1で概略的に示したアナライザ領域の電極構造のさらに別の実施例を示す図
である。
【図6】 不均質磁界を補償するための技術を採用した、図1で概略的に示したアナライ
ザ領域の電極構造のさらに別の実施例を示す図である。
【図7】 不均質磁界を補償するための技術を採用した、図1で概略的に示したアナライ
ザ領域の電極構造のさらに別の実施例を示す図である。
【図8】 本発明に示す二重収束式質量分析計装置の一実施例を示す頂面図である。
【図9】 図8の二重収束式質量分析計装置を示す側面図である。
【図10】 図8のライン10−10沿って示す、図8のイオン経路の横断面図である。
【図11】 図11Aおよび図11Bは、図8の二重収束式質量分析計装置の電極構造の一
部を形成する1つの円筒形の電極キャッププレートを示す頂面図および底面図で
ある。
【図12】 図12Aは、本発明による二重収束式質量分析計装置の別の実施例を示す側面
図であり、図12Bは、本発明による二重収束式質量分析計装置の別の構造技術
を、図12Aの質量分析計装置のライン12A−12線に沿って示す横断面斜視
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジース,クレイトン エフ. アメリカ合衆国,ミネソタ 55417,ミネ アポリス,フィフティシックスス ストリ ート イースト 708 (72)発明者 ディアス−ディアス,ジョージ エー. アメリカ合衆国,ミネソタ 55414,ミネ アポリス,リバー テラス コート 1, アパートメント #205 Fターム(参考) 5C038 HH11 HH15 HH26 HH28

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二重収束式質量分析計装置であって、 該二重収束式質量分析計装置が、円筒軸線から第1の半径方向距離を置いて画
    定された第1の円筒セクタ電極面を有しており、該第1の円筒セクタ電極面が、
    上縁および下縁を有しており、 前記二重収束式質量分析計装置が、前記円筒軸線から第2の半径方向距離を置
    いて画定された第2の円筒セクタ電極面を有しており、該第2の円筒セクタ電極
    が、前記第1の円筒セクタ電極の前記上縁および下縁に対応する上縁および下縁
    を有しており、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の間にイオン経路が画定
    されており、 前記二重収束式質量分析計装置が、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の
    前記上縁および下縁にそれぞれ近接して位置決めされた、前記イオン経路内に磁
    界を提供するための第1の磁極と第2の磁極とを有しており、 前記二重収束式質量分析計装置が、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の
    前記上縁相互間に位置決めされた第1の電極アレイと、前記第1および第2の円
    筒セクタ電極面の前記下縁相互間に位置決めされた第2の電極アレイとを有して
    おり、前記第1および第2の電極アレイが、磁界に対して垂直に前記イオン経路
    内に所期電界を提供するために、第1および第2の円筒セクタ電極面と一緒に使
    用されるようになっていることを特徴とする、二重収束式質量分析計装置。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の円筒セクタ電極面の間の距離に対する
    、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記上縁と下縁との間の前記円筒軸
    線方向の長さの比が、約0.1〜1.5の範囲内にある、請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極アレイが、前記第1および第2の円筒セクタ
    電極面の前記上縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少なくとも2つの電極
    を有しており、さらに、前記第2の電極アレイが、前記第1および第2の円筒セ
    クタ電極面の前記下縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少なくとも2つの
    電極を有している、請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記装置がさらに、前記第1および第2の円筒セクタ電極面
    のそれぞれと、前記第1および第2の電極アレイの前記電極のそれぞれとに規定
    の電圧を印加するための電圧供給回路を有している、請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記規定の印加電圧が、前記第1および第2の電極アレイ全
    体にわたって対数的に変化するようになっている、請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記電圧供給回路が、対数的に変化する抵抗器の分圧器網を
    有している、請求項5記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の電極アレイが、前記第1および第2の円筒セクタ
    電極面の前記上縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少なくとも2つの電
    極を有しており、前記第2の電極アレイが、前記第1および第2の円筒セクタ電
    極面の前記下縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少なくとも2つの電極
    を有している、請求項1記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記装置がさらに、前記第1および第2の円筒セクタ電極面
    のそれぞれと、前記第1および第2の電極アレイの前記電極のそれぞれとに規定
    の電圧を印加するための電圧供給回路を有している、請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記電圧供給回路が、等しい値を有する抵抗器の分圧器網を
    有している、請求項5記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2の電極アレイが、電界に対する磁界の
    所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、磁界との関連において
    構成されている、請求項1記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記第1および第2の電極アレイが、電界に対する磁界の
    所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、磁界との関連において
    所定の間隔をおいて配置されている、請求項1記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記第1および第2の電極アレイが、電界に対する磁界の
    所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、磁界との関連において
    成形されている、請求項1記載の装置。
  13. 【請求項13】 二重収束式質量分析計装置であって、 該二重収束式質量分析計装置が、重畳された磁界および電界が提供されたイオ
    ン経路を画定するように位置決めされた2つ以上の基板部分を有しており、第1
    の基板部分が、軸線から半径方向に画定された、前記第1の基板部分の1つの側
    に形成された第1の電極アレイを有しており、第2の基板部分が、前記軸線から
    半径方向に画定された、前記第2の基板部分の1つの側に形成された第2の電極
    アレイを有しており、前記第1および第2の電極アレイが、前記イオン経路内に
    電界を提供するのに使用するために、互いに概ね平行に位置決めされており、 さらに、前記二重収束式質量分析計装置が、前記電界に対して直角にイオン経路
    内に前記磁界を提供するために、前記2つ以上の基板部分に近接して配置された
    第1および第2の磁極を有していることを特徴とする、二重収束式質量分析計装
    置。
  14. 【請求項14】 前記第1および第2の電極アレイが画定されている半径方
    向距離が、平行な前記第1および第2の電極アレイの間の軸線方向の距離の約1
    0倍よりも大きい、請求項13に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記第1および第2の電極アレイが、第1および第2の弓
    形電極アレイである、請求項13に記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記装置がさらに、前記軸線から第1の半径方向距離を置
    いて画定された第1の円筒セクタ電極面を有しており、該第1の円筒セクタ電極
    面が、上縁および下縁を有しており、 さらに、前記装置が、前記軸線から第2の半径方向距離を置いて画定された第2
    の円筒セクタ電極面を有しており、該第2の円筒セクタ電極面が、前記第1の円
    筒セクタ電極面の前記上縁および下縁に対応する上縁および下縁を有しており、
    前記第1および第2の円筒セクタ電極面の間に前記イオン経路が画定されており
    、前記イオン経路内に前記電界を提供するのに使用するために、前記第1の弓形
    電極アレイが、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記上縁相互間に位置
    決めされていて、前記第2の弓形電極アレイが、前記第1および第2の円筒セク
    タ電極面の前記下縁相互間に位置決めされている、請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記第1の弓形電極アレイが、前記第1および第2の円筒
    セクタ電極面の前記上縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少なくとも2つ
    の弓形電極を有しており、さらに、前記第2の弓形電極アレイが、前記第1およ
    び第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少
    なくとも2つの弓形電極を有している、請求項16に記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記装置がさらに、前記第1および第2の円筒セクタ電極
    面のそれぞれと、前記第1および第2の電極アレイの前記弓形電極のそれぞれと
    に規定の電圧を印加するための電圧供給回路を有している、請求項17に記載の
    装置。
  19. 【請求項19】 前記電圧供給回路が、前記第1の基板部分の、前記第1の
    電極アレイとは反対側に形成された第1の抵抗器網と、前記第2の基板部分の、
    前記第2の電極アレイとは反対側に形成された第2の抵抗器網とを有している、
    請求項18に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記規定の印加電圧が、前記第1および第2の各電極アレ
    イ全体にわたって対数的に変化するようになっている、請求項18記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記電圧供給回路が、対数的に変化する抵抗器の分圧器網
    を有している、請求項18に記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記第1の弓形電極アレイが、前記第1および第2の円筒
    セクタ電極面の前記上縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少なくとも2
    つの弓形電極を有しており、さらに、前記第2の弓形電極アレイが、前記第1お
    よび第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に対数的に間隔を置いて配置され
    た少なくとも2つの弓形電極を有している、請求項16に記載の装置。
  23. 【請求項23】 前記装置がさらに、前記第1および第2の円筒セクタ電極
    面のそれぞれと、前記第1および第2の電極アレイの前記弓形電極のそれぞれと
    に規定の電圧を印加するための電圧供給回路を有している、請求項22に記載の
    装置。
  24. 【請求項24】 前記電圧供給回路が、前記第1の基板部分の、前記第1の
    電極アレイとは反対側に形成された第1の抵抗器網と、前記第2の基板部分の、
    前記第2の電極アレイとは反対側に形成された第2の抵抗器網とを有している、
    請求項23に記載の装置。
  25. 【請求項25】 前記電圧供給回路が、等しい値を有する抵抗器の分圧器網
    を有しており、前記抵抗器が、前記第1および第2のそれぞれの電極アレイ全体
    にわたって接続されている、請求項23に記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記第1および第2の電極アレイが、電界に対する磁界の
    所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、磁界との関連において
    構成されている、請求項13に記載の装置。
  27. 【請求項27】 前記第1および第2の電極アレイが、電界に対する磁界の
    所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、磁界との関連において
    所定の間隔をおいて配置されている、請求項26に記載の装置。
  28. 【請求項28】 前記第1および第2の電極アレイが、電界に対する磁界の
    所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、磁界との関連において
    成形されている、請求項26に記載の装置。
  29. 【請求項29】 前記第1および第2の電極アレイが、セラミック基板の表
    面上にデポジットされている、請求項13に記載の装置。
  30. 【請求項30】 二重収束式質量分析法であって、該方法は、 軸線から第1の半径方向距離を置いて画定された第1の円筒セクタ電極面を提
    供し、該第1の円筒セクタ電極面が上縁および下縁を有し、 前記軸線から第2の半径方向距離を置いて画定された第2の円筒セクタ電極面
    を提供し、該第2の円筒セクタ電極が、前記第1の円筒セクタ電極の前記上縁お
    よび下縁に対応する上縁および下縁を有し、前記第1および第2の円筒セクタ電
    極面の間にイオン経路が画定され、 イオン経路内に磁界を発生させ、 さらに、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記上縁相互間に位置決めさ
    れた第1の電極アレイと、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相
    互間に位置決めされた第2の電極アレイと、前記第1および第2の円筒セクタ電
    極面とを使用して、磁界に対して垂直にイオン経路内に所期電界を発生させる ことから成ることを特徴とする、二重収束式質量分析法。
  31. 【請求項31】 前記第1の電極アレイが、前記第1および第2の円筒セク
    タ電極面の前記上縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少なくとも2つの弓
    形電極を有しており、さらに、前記第2の電極アレイが、前記第1および第2の
    円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に均一の間隔を置いて配置された少なくとも
    2つの弓形電極を有しており、さらに、前記磁界に対して垂直に前記イオン経路
    内に所期電界を発生させることが、前記第1の電極アレイの前記電極のそれぞれ
    に電圧を印加し、前記第1の電極アレイに印加された電圧を、前記第1の円筒セ
    クタ電極面から前記第1の電極アレイを横切って前記第2の円筒セクタ電極面ま
    で、各電極間で対数的に変化させ、さらに、前記第2の電極アレイの前記電極の
    それぞれに電圧を印加し、前記第2の電極アレイに印加された電圧を、前記第1
    の円筒セクタ電極面から前記第2の電極アレイを横切って前記第2の円筒セクタ
    電極面まで、各電極間で対数的に変化させることを含む、請求項30に記載の方
    法。
  32. 【請求項32】 前記第1および第2の電極アレイのそれぞれの前記電極に
    電圧を印加することが、前記第1および第2の各電極アレイ全体にわたって、対
    数的に変化する抵抗器網を接続することを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記第1の電極アレイが、前記第1および第2の円筒セク
    タ電極面の前記上縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少なくとも2つの
    弓形電極を有しており、前記第2の電極アレイが、前記第1および第2の円筒セ
    クタ電極面の前記下縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少なくとも2つ
    の弓形電極を有しており、さらに、前記磁界に対して垂直に前記イオン経路内に
    所期電界を発生させることが、前記第1および第2の円筒セクタ電極面のそれぞ
    れと、前記第1および第2の電極アレイの、対数的に間隔を置いて配置された前
    記弓形電極のそれぞれとに規定の電圧を印加することを含む、請求項31に記載
    の方法。
  34. 【請求項34】 前記電界を発生させることが、前記第1および第2の電極
    アレイの、対数的に間隔を置いて配置された隣接する電極相互間に、等しい値を
    有する抵抗器を接続することを含む、請求項31に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記磁界に対して垂直に前記イオン経路内に所期電界を発
    生させることが、電界に対する磁界の所期比が実質的に前記イオン経路全体に得
    られるように、前記イオン経路内の磁界との関連において、前記第1および第2
    の電極アレイを構成することを含む、請求項30に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記第1および第2の電極アレイを構成することが、電界
    に対する磁界の所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、前記イ
    オン経路内の磁界との関連において、前記第1および第2の電極アレイを、所定
    の間隔をおいて配置することを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記第1および第2の電極アレイを構成することが、電界
    に対する磁界の所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、前記イ
    オン経路内の磁界との関連において、前記第1および第2の電極アレイを成形す
    ることを含む、請求項35に記載の方法。
  38. 【請求項38】 二重収束式質量分析計装置で使用する方法であって、該方
    法は、二重収束式質量分析計のイオン経路に、不均一な磁界を提供し、 さらに、前記イオン経路内に電界を提供するために、電極アセンブリを形成し、
    該電極アセンブリを形成することが、前記二重収束式質量分析計内の前記イオン
    経路全体の電界が前記磁界に対して規定の比率にあるように、前記磁界の不均一
    性との関連において、2つ以上の電極を特定の構造に形成することを含むことか
    ら成る、二重収束式質量分析計装置で使用する方法。
  39. 【請求項39】 前記2つ以上の電極を形成することが、前記磁界の不均一
    性との関連において、互いに概ね平行に位置決めされた第1および第2の電極ア
    レイを構成することを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記第1および第2の電極アレイを構成することが、前記
    磁界の不均一性との関連において、前記第1および第2の電極アレイの電極を、
    所定の間隔を置いて配置することを含む、請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記第1および第2の電極アレイを構成することが、前記
    磁界の不均一性との関連において、前記第1および第2の電極アレイの電極を成
    形することを含む、請求項39に記載の方法。
  42. 【請求項42】 二重収束式質量分析法であって、該方法は、 イオン経路を画定するために、2つ以上の基板部分を一緒にシールし、第1の
    基板部分が、該第1の基板部分の面に形成された第1の電極アレイを有し、第2
    の基板部分が、該第2の基板部分の面に形成された第2の電極アレイを有してお
    り、さらに、前記2つ以上の基板部分を一緒にシールすることが、前記第1およ
    び第2の電極アレイを、互いに概ね平行に位置決めすることを含み、 少なくとも前記第1および第2の電極アレイを使用して、前記イオン経路内に
    電界を発生させ、該電界が円筒形ジオメトリを有し、 さらに、前記イオン経路内の前記電界に対して直角に、しかも該電界と重畳する
    ように磁界を提供するために、前記2つ以上の基板部分に近接して第1および第
    2の磁極を位置決めすることを特徴とする、二重収束式質量分析法。
  43. 【請求項43】 前記第1および第2の電極アレイが画定されている半径方
    向距離が、平行な前記第1および第2の電極アレイの間の軸線方向の距離の約1
    0倍よりも大きい、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記第1および第2の電極アレイが、第1および第2の弓
    形電極アレイを有し、さらに前記方法は、 円筒軸線から第1の半径方向距離を置いて画定された第1の円筒セクタ電極面
    を提供し、該第1の円筒セクタ電極面が上縁および下縁を有し、 さらに、前記円筒軸線から第2の半径方向距離を置いて画定された第2の円筒セ
    クタ電極面を提供し、該第2の円筒セクタ電極面が、前記第1の円筒セクタ電極
    の前記上縁および下縁に対応する上縁および下縁を有し、前記第1および第2の
    円筒セクタ電極面の間に前記イオン経路が画定され、 さらに、前記前記2つ以上の基板部分を一緒にシールすることが、前記第1およ
    び第2の円筒セクタ電極面の前記上縁相互間に前記第1の弓形電極アレイを位置
    決めし、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に前記第2の
    弓形電極アレイを位置決めすることを含む、請求項42に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記第1の弓形電極アレイを位置決めすることが、前記第
    1および第2の円筒セクタ電極面の前記上縁相互間に、前記弓形電極を均一の間
    隔を置いて配置することを含み、前記第2の弓形電極アレイを位置決めすること
    が、前記第1および第2の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に、前記弓形電極
    を均一の間隔を置いて配置することを含み、さらに前記方法が、前記第1および
    第2の円筒セクタ電極面のそれぞれと、前記第1および第2の電極アレイの前記
    弓形電極のそれぞれとに規定の電圧を印加することを含む、請求項44に記載の
    方法。
  46. 【請求項46】 前記規定の電圧を印加することが、前記第1の基板部分の
    、前記第1の弓形電極アレイとは反対側に第1の抵抗器網を形成し、前記第2の
    基板部分の、前記第2の弓形電極アレイとは反対側に第2の抵抗器網を形成する
    ことを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記規定の電圧を印加することが、前記第1および第2の
    各電極アレイ全体にわたって対数的に変化する電圧を印加することを含む、請求
    項45に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記規定の電圧を印加することが、前記第1および第2の
    各弓形電極アレイ全体にわたって、対数的に変化する抵抗器網を接続することを
    含む、請求項45に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記第1の弓形電極アレイが、前記第1および第2の円筒
    セクタ電極面の前記上縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少なくとも2
    つの弓形電極を有しており、前記第2の弓形電極アレイが、前記第1および第2
    の円筒セクタ電極面の前記下縁相互間に対数的に間隔を置いて配置された少なく
    とも2つの弓形電極を有しており、さらに、前記方法が、前記第1および第2の
    円筒セクタ電極面のそれぞれと、前記第1および第2の電極アレイの前記弓形電
    極のそれぞれとに規定の電圧を印加することを含む、請求項44に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記規定の電圧を印加することが、前記第1の基板部分の
    、前記第1の弓形電極アレイとは反対側に、等しい値を有する第1の抵抗器網を
    形成し、前記第2の基板部分の、前記第2の弓形電極アレイとは反対側に、等し
    い値を有する第2の抵抗器網を形成することを含む、請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記規定の電圧を印加することが、前記第1および第2の
    それぞれの電極アレイ全体にわたって、等しい値を有する抵抗器から成る抵抗器
    網を接続することを含む、請求項49に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記方法が、電界に対する磁界の所期比が実質的に前記イ
    オン経路全体に得られるように、前記磁界との関連において、前記第1および第
    2の電極アレイを構成することを含む、請求項42に記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記第1および第2の電極アレイを構成することが、電界
    に対する磁界の所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、前記磁
    界との関連において、前記第1および第2の弓形電極アレイを、所定の間隔をお
    いて配置することを含む、請求項52に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記第1および第2の電極アレイを構成することが、電界
    に対する磁界の所期比が実質的に前記イオン経路全体に得られるように、前記磁
    界との関連において、前記第1および第2の弓形電極アレイを成形することを含
    む、請求項52に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記方法がさらに、セラミック基板の表面上に前記第1お
    よび第2の電極アレイをデポジットすることを含む、請求項42に記載の方法。
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