JP2003511421A - 細胞毒性tリンパ球(ctl)応答を誘発し、そして細胞内病原体及び癌に対してワクチン接種された宿主を保護するための無細胞ワクチンのための免疫調節キャリヤーとしてのアルキオソーム - Google Patents

細胞毒性tリンパ球(ctl)応答を誘発し、そして細胞内病原体及び癌に対してワクチン接種された宿主を保護するための無細胞ワクチンのための免疫調節キャリヤーとしてのアルキオソーム

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、無細胞(非複製)抗原により免疫化された哺乳類宿主において主要組織適合性複合体クラスI(MHC−1)−制限された細胞毒性Tリンパ球(CTL)応答を誘発するのに有用な方法及び組成物を提供する。前記方法は、非複製抗原のための免疫モジュレーター及びキャリヤーとして古細菌の極性脂質抽出物を含んで成る、リポソーム、すなわちアルキオソームの使用を包含する。強い抗原−特異的CTL応答の他に、アルキオソームアジュバントは、ワクチン組成物において無細胞抗原に対してCD4 Th1、CD4 Th2(抗体)及び記憶応答を誘発する。本発明は、細胞内病原体、特に保護のために抗原−特異的CD8T細胞免疫応答の宿主による開始を必要とするそれらの病原体により引き起こされる感染に対して、ワクチン接種された宿主において急速且つ長期間続く保護免疫性を開始するための方法を提供する。本発明の方法は、固形主要の増殖を妨げるか又は感じるためのワクチンにおいても有用であるが、但し、それだけには限定されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 : 本発明は、免疫学の分野、及び無細胞ワクチン組織物のための免疫調節キャリ
ヤーとしてのアルキオソーム(archaeosome)の使用及び細胞内病原体及び癌に
対してワクチン接種された宿主を保護するための方法に関する。本発明は、より
特定には、ワクチン接種された宿主における細胞毒性Tリンパ球免疫性の増強、
及び細胞内病原体、例えば微生物、原生動物及びウィルス起源、及び癌により引
き起こされる疾病を処理するための方法のためへのワクチン開発に関する。
【0002】発明の背景 : 好都合なワクチン接種は、次の2種のキー基準に依存する:病原体又は疾病の
ための適切な抗原標的物の同定、及びワクチン接種された宿主においてそれらに
対しての強く且つ適切な免疫応答を生成する能力。細胞内病原体(例えば、HIV
、マイコバクテリウム・ツベルキュロシス、クラミジア、マラリア寄生体)、及
び癌に対する保護免疫性は、抗原−特異的細胞介在性免疫応答、特に感染された
又は新形成宿主細胞を殺害することができるCD8+T細胞の関与を包含する細胞毒
性Tリンパ球(CTL)の開発を必要とする(Henkart, 1997)。細胞内感染剤を攻
撃するために必要とされるタイプの免疫性は通常、生存形であるが、しかし弱体
化された(弱毒化された)形の病原体によるワクチン接種によってのみ容易に誘
発され得る。
【0003】 しかしながら、弱毒化された形は、多くの病原体のために利用できず、そして
利用できる場合、それらは許容できない副作用を引き起こすか、環境への使用の
ために制限されるか、又は菌力に対する不安定性及び逆転性の欠点を有する(Bo
wersock and Martin, 1999)。それらの問題のいくつかを回避するために、近代
ワクチン学の主用目的は、定義される無細胞(合成、精製された、ザブユニット
又は非複製)ワクチンによりそのような生存ワクチンの効力を模倣することであ
る。病原体及び腫瘍のキー抗原決定基の同定、精製及び/又は合成に関する相当
の進歩が、過去10年にわたって行われて来た。しかしながら、そのような高く精
製されたタンパク質及び/又はペプチドは、強い保護免疫応答を誘発するそれら
の能力を制限する、比較的弱い免疫原である。
【0004】 抗原と免疫調節アジュバントとの同時投与は強い免疫応答をしばしば促進する
が、多くのアジュバントは、所望しない副作用、例えば重度の炎症応答を有し、
そしていくつかの配合物は、抗原を組み込むために非常に複雑であり、すなわち
ワクチンへのそれらの使用を妨げる。実際、ヒトへの使用のために現在、全般的
に許容される唯一のアジュバントは、細胞介在の免疫性の比較的弱い増強剤であ
るみょうばん(水酸化アルミニウムである)(Guptaなど., 1995)。従って、細
胞内病原体及び癌に対する無細胞ワクチンのための安全且つ効果的なアジュバン
トを開発するための決定的必要性、及び強い世界的努力が存在する。
【0005】 感染性疾病を制御するための免疫機構は、中和抗体(体液性抗体)の誘発、及
び細胞介在性免疫性(CMI)、例えばCD4+ヘルパー(Th)及びCD8+細胞毒性Tリン
パ球(CTL)の生成を必要とする。Tヘルパー細胞はしばしば、次の二分サイトカ
イン分泌表現型、すなわちTh1 T細胞分泌IFN−γ、及びリンフォトキシン助力の
細胞介在性免疫性に分離し、そしてIL-4, IL-5, IL-6, IL-9, IL-10及びIL-13を
生成するTh2 T細胞はB細胞抗体生成を促進する(Krishnan and Mosmann, 1998)
。純粋なCD8+ T細胞は、内因性由来の抗原からのペプチドがMHCクラスI分子に関
して提供される場合、刺激される。この工程はすべての細胞において実質的に存
在するが、自己ペプチド、又は宿主細胞内でアセンブルされるウィルス又は細菌
タンパク質に由来するペプチドはMHCクラス上に提供される。
【0006】 活性化に基づいて、純粋なCD8+ T細胞は、感染された標的物又は腫瘍細胞を殺
害する能力を有するエフェクター及び記憶T細胞に分化する。他方では、特定の
抗原の場合、ピノサイトーシス又はファゴサイトーシスを通して、抗原提供細胞
(APC)により取られる細胞外流体からのタンパク質抗原が、エンドソーム内で
フラグメント化される。生成されるペプチドは、MHCクラスII分子に関して、APC
により提供され、そしてCD4+ T細胞を刺激する。CD4+ Tヘルパー細胞は、抗体応
答、炎症、マクロファージ活性化、及びCD8+ T細胞増殖を助けるサイトカインを
生成することによって、主に感染の制御に寄与する(Krishnan and Mosmann, 19
98)。
【0007】 タンパク質抗原又は弱毒性された微生物により配合される従来のワクチンは、
エンドソーム区画中に導入され、そして続いて、抗体生成のみ、及び種々の程度
、Tヘルパー細胞応答を刺激する。しかしながら、それらの応答は、強いCTL応答
を必要とする、病原体−感染の細胞又は腫瘍細胞を排除することはできない。細
胞内病原体及び腫瘍に対するワクチンとして開発され得る保護性免疫優性タンパ
ク質の同定により、そのような外因性抗原に対する長期のCTL応答の誘発のため
の効果的な手段についての急速な必要性がある。さらに、強い記憶応答を包含す
るすべての免疫応答(TH1, Th2及びCTL)を誘発できる臨床学的に許容されるア
ジュバントシステムは存在しない。
【0008】 アジュバントシステムは、キャリヤー(ビークル)システム及び/又は免疫モ
ジュレーターとして分類され得る。免疫刺激複合体(ISCOM)は、配合に存在す
る免疫モジュレーターアジュバント(Quil, A, サポニン)を有する、連続ケー
ジ様、粒状構造体である(Sjolanderなど., 1998)。ISCOMは、それらがIhI応答
を誘発するので、有望であるが、生成の費用及びISCOMに使用されるいくつかの
サポニン調製物の毒性が、それらの能力を実現するために解決される必要がある
。また、ISCOMは、可溶性抗原との使用のために容易に反応できない。
【0009】 リポソームは、閉じ込められた(封入された)水性体積を含む閉脂質小胞であ
る。脂質形成リポソームの親水性極性ヘッド基は、リボソームの内部及び外部に
存在する水性環境の方に配向され、そして脂質の疎水性“末端”領域は、極性ヘ
ッド基間にサンドイッチされ、そして水性環境から離れて存在する。リボソーム
は、使用される脂質及び調製方法に依存して、直径50nm〜数μmのサイズであり
得る。リポソームの水性区画内に材料を封入し、そして/又は疎水性層と結合す
る方法は、当業者に良く知られている。それらの方法は、界面活性剤透析、脱水
−再水和化、逆相蒸発、音波処理、圧力押出し、及び遠隔負荷により例示される
が、但しそれらだけには限定されない。
【0010】 追加の成分、例えばステロールを伴なって又はそれを伴なわないで、エステル
リン脂質から優先的に構成されるリポソームは、従来のリボソームとして本明細
書において言及される。従来のリポソームは、追加の既知の免疫調節アジュバン
ト、例えば免疫反応を調節するための脂質A(Richardsなど., 1998)、又はコレ
ラ毒素(Harokopakisなど., 1998)、又はサイトカイン(1999年7月6日に発行
されたアメリカ特許第5,919,480号(Kedarなど))の同時供給及び/又は閉じ込
めを必要とする抗原性貯蔵物を提供する小胞であることが示されている。
【0011】 特に、従来のリポソームに封入されるか又はそれに結合されるタンパク質又は
ペプチド抗原に対する抗原−特異的CTL応答の誘発は、追加のアジュバント、例
えば脂質A(Whiteなど., 1995)又はQuil A (Lipfordなど., 1994) かまた、小
胞中に組み込まれることを必要とした。他方では、リポソームは、オリゴマンノ
ースにより被覆された(Fukasawaなど., 1998)。それらのアプローチの因難性
は、サイトカイン、脂質Aの可能性ある毒性、及び追加のアジュバント及びリポ
ソーム中へのそれらの組み込み方法に関する高められた費用を包含する。
【0012】 アルキは、真正細菌及び真核生物とは異なるように思われ、そしてそれらは好
気性、嫌気性、好熱性、非常に好熱性、好熱耐性及び非常に好ハロ性微生物を包
含する。古細菌(archaeobacterium)のユニーク極性脂質は、他の2つのドメイ
ンとアルキルとの区別を助けるキー特徴の1つである。アルキのメンバーから抽
出された全脂質は、極性脂質及び5〜20%の中性脂質から成る。アルキ極性脂質
は、多くの種において十分に飽和されている一定の長さの枝分かれフィタニル鎖
から構成され、そしてsn−2,3位置で、エーテル結合によりグリセロール主鎖
炭素に結合される(Kates、1992)。
【0013】 対照的に、他の細菌及び真核生物に見出される従来のエステルリン脂質は、不
飽和であり得る、種々の長さの脂肪アシル鎖を有し、そしてそれらは、グリセロ
ールのsn-1, 2炭素に、エステル結合を通して結合される。古細菌極性脂質のコ
アー構造(加水分解により除去される極性ヘッド基)は、標準のジエーテル脂質
(2, 3−ジ−O−フィタニル−sn−グリセロール又はアルキオール)及び/又は標
準のエトラエーテル脂質(2, 2’, 3, 3’−テトラ−O−ジビフィタニル−sn−
ジグリセロール又はカルドアルキオール)、並びにそれらの変性体から成る。
【0014】 ジエーテル脂質は、従来のエステルリン脂質のような単極性であり、そしてテ
トラエーテル脂質は双極性である。ジエーテルにおけるsn−1グリセロール炭素
に、及びテトラエーテルにおけるsn-1及びsn-1’グリセロール炭素に結合される
極性ヘッド基は、変化することができ、そしてリン基、グリコ基、リングリコ基
、ポリオール基、又はヒドロキシ基を包含することができる。しかしながら、ホ
スファチジルコリンに比較して、従来のリポソーム配合に通常使用される従来の
脂質、すなわちホスホコリンヘッド基は、古細菌極性脂質にまれに見出される。
【0015】 初期の研究において、本発明者は、アルキオソームが閉じこめられたタンパク
質抗原に対する強い抗体(Th2)応答を促進したことを報告している(1997年6月
26日に公開されたPCT国際公開番号WO97/22333号(Sprottなど.))。抗体(体液
性)応答は、従来のリポソームにより得られる応答により卓越し、そして多くの
場合、強いが、しかし毒性のフロイントアジュバントにより得られる応答に相当
する。しかしながら、関連するタンパク質抗原に対する強いTh2応答を促進する
アジュバントがまた、強いTh1又はCTL細胞介在性応答を刺激する従来技術の指摘
は存在しない。
【0016】 実際、従来技術は、反対を示している。アジュバンド、例えばみょうばん(Bo
wersock and Martin, 1999)、コレラ毒素(Williamsなど., 1999)及び追加の
既知の免疫モジュレーターの不在化での従来のリポソーム(Lipfordなど., 1994
b;下記比較データ)は、Th2応答を優先的に誘発し、そして他のもの、例えばIS
COMは主にTh1(細胞介在性)免疫性を誘発する(Sjolanderなど., 1998)。ペプ
チド抗原に関しては、多くの場合、みょうばん及び従来のリポソームは単独では
、Th2応答を誘発できない(Whiteなど., 1995)。さらに、Th1及びTh2応答はし
ばしば、二分性であることが良く知られている(Krishnan and Mosmann, 1998)
【0017】 癌予防又は免疫療法のためのワクチンを開発するための基本的原理は、腫瘍−
特異的CTL応答を高めるためにワクチンに使用され得る特異的腫瘍抗原を発現す
ることができることである。克服するための主な障害は、十分に強い抗原−特異
的CTL応答を開始するよう免疫系を刺激することができる抗原供給及びアジュバ
ントシステムの開発である。免疫調節キャリヤー無細胞抗原としてのアルキオソ
ームの使用がまた、マウスにおける固形腫瘍モデルを用いて、腫瘍抗原に関して
示されている。
【0018】 上記文献の引用は、前述のいずれかが適切な従来技術である容認ではない。そ
れらの文献の内容及び出版物のデータに関しての表示は、出願人に利用できる情
報に基づかれており、そして前記文献の内容又はデータの補正に関しては容認さ
れるものではない。
【0019】発明の要約 : 免疫化された宿主において細胞毒性T細胞応答を誘発することができる、無細
胞(非複製)ワクチン配合物における抗原のための新規免疫調節キャリヤーとし
てアルキオソームを利用することが、本発明の目的である。 免疫化された宿主において免疫応答を誘発することができる、無細胞(非複製
)ワクチン配合物における抗原のための新規免疫調節キャリヤーとしてアルキオ
ソームを利用することが、本発明のもう1つの目的である。 本発明のさらにもう1つの目的は、癌に対する予防及び治療使用のためのワク
チン配合物において免疫調節抗原キャリヤーとしてアルキオソームを使用するこ
とである。
【0020】 本発明の1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製された、抗
原のための免疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を含んで成る
ワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る、動物において抗原−特異的
細胞毒性T細胞応答を誘発するための方法が提供される。 本発明のさらに1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製され
たリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含ん
で成る、抗原提供細胞の表面上の同時調節分子B7.1(CD80)及びB7.2(CD86)を
アップレギュレートすることによって、動物における抗原提供細胞活性化するた
めの方法が提供される。
【0021】 本発明のさらなる観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製された、
抗原のための免疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を含んで成
るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る、動物におけるCD11c+樹状
突起細胞を活性化するための方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを
含んで成り、ここで前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチ、サーモプラ
ズマ・アシドフィラム及びハロバクテリウム・サリナラムから成る群から選択さ
れることを特徴とする、動物におけるサイトカインインターフェロン−γの生成
を刺激するための方法が提供される。
【0022】 本発明のさらにもう1つの観点によれば、メタノブレビバクター・スミチの全
極性脂質抽出物から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物
を動物に投与することを含んで成る、動物におけるサイトカインIL−4及びイン
ターフェロン−γの生成を刺激するための方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、メタノブレビバクター・スミチの全
極性脂質抽出物から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物
を動物に投与することを含んで成る、動物における抗原提供細胞により腫瘍壊死
因子の生成を刺激するための方法が提供される。
【0023】 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを
含んで成り、ここで前記リポソームが、ワクチンが動物に投与される部位にMac
1αh1細胞を補充する免疫調節抗原キャリヤーとして作用することを特徴とする
、動物においてMac 1αh1細胞を補充するための方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
された、抗原のための免疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を
含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る、動物における抗
原提供細胞の活性化により動物におけるT細胞増殖及びサイトカイン生成を刺激
するための方法が提供される。
【0024】 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の極性脂質抽出物から調製さ
れた、抗原のための免疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を含
んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る、動物において抗原
−特異的細胞毒性T細胞応答を誘発するための方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌から生物学的に純粋な形で単
離された極性脂質抽出物から調製された、抗原のための免疫調節キャリヤーとし
て作用するリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与するこ
とを含んで成る、動物において抗原−特異的細胞毒性T細胞応答を誘発するため
の方法が提供される。
【0025】 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを
含んで成る、細胞内病原体による感染に対する動物保護免疫性を付与するための
方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを
含んで成る、細胞内病原体による感染に対する記憶応答を動物に付与するために
前記動物を免疫化するための方法が提供される。
【0026】 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
された、抗原のための免疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を
含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る、抗原−特異的MH
CクラスI−制限細胞毒性Tリンパ球応答を及び抗原−特異的MHCクラスII−制限Th
1, Th2応答を動物において誘発するための方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを
含んで成る、癌に対する動物保護免疫性を付与するための方法が提供される。
【0027】 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを
含んで成る、癌に対する動物治療免疫性を付与するための方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソームを含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成
る、癌に対する動物治療免疫性を付与するための方法が提供される。 本発明のさらにもう1つの観点によれば、古細菌の全極性脂質抽出物から調製
されたリポソーム、及びアルキル化されたペプチドアミノ酸配列である抗原を含
んで成るワクチン組成物が提供される。
【0028】発明の特定の記載 : 本発明は、アルキオソームが、ワクチン配合における他の免疫調節アジュバン
トの包含の必要性を伴なわないで、アルキオソームに封入され、そして/又はそ
れにより結合される適切な無細胞タンパク質又はペプチド抗原に対する強く且つ
持効性の抗原−特異的CTL応答を意外には、誘発することを示す。これは、従来
のリポソームを用いての従来の技術に明らかに反する。
【0029】 さらに、MHC−I(CTL)及びMHC−II(Th1及びTh2)応答、並びに適切な強く且
つ持効性の記憶応答を誘発するアルキオソームの能力はまた意外であり、そして
そのようなビークル供給システムの文献の予測に反応する。適切な無細胞抗原の
ための免疫調節キャリヤーとしてのアルキオソームの効率及び有用性の例は、本
明細書においては、細胞内病原体(リステリア・モノカイトゲネス及びフランシ
セラ・ツラレンシス)による感染及び癌(ここで両者は、保護のための強いCTL
応答の誘発を必要とすることが知られている疾病である)に対する保護免疫性と
して、ネズミモデルにおいて示されている。
【0030】 当業者は、抗原が患者に影響を及ぼす疾病のタイプに基づいて選択されること
を認識するであろう。細胞抗原が由来するか、又はそれに基づく病原体は、細菌
、ウィルス又は原生動物寄生体からであり得る。そのような抗原は、殺害された
病原体、又は病原体から抽出された成分、例えば毒素、又は病原体により生成さ
れる被膜多糖、膜タンパク質、コートタンパク質、細胞質タンパク質、タンパク
質のフラグメント、ペプチド又は他の成分であり得る。抗原性ペプチド配列は、
例えばアミノ酸及び/又は重合から化学的に合成されるか、又は組換え技法によ
り生成され得、ここで両方法は当業界において良く知られている。
【0031】 もう1つの態様においては、抗原は、細胞免疫性が感染又は再感染に対して、
免疫化された宿主を保護するために重要である病原体からである。細胞内病原体
が、感染性攻撃から宿主を保護するためにワクチン接種された宿主による細胞免
疫性の開始を必要とする1つのグループの感染剤であることは、当業者により良
く理解されるであろう。
【0032】 細胞内病原体の例(例示目的のみのために与えられ、そして本発明を制限する
ものではない)は、結核症(マイコバクテリウム・ツベルキュロシス)、リステ
リア症(リステリア・モノシトゲネス)、ツラレミア(フランシセラ・ツラレン
シス)及びらい病(マイコバクテリウム・レプラエ)を引き起こす細菌、ウィル
ス[科アデノウィルス、コロナウィルス、ヘルペスウィルス、オルソミクソウィ
ルス、パポバウィルス、パラミクソウィルス、ピコルナウィルスのメンバー(最
も容易に理解されるウィルスは、ADISを引き起こすHIV、及びインフルエンザを
引き起こすウィルスである)]、及びマラリア(プラスモジウム種)、トキソプ
ラスマ症(トキソプラスモシス・ゴンジ)及びリーシュマニア症(リーシュマニ
ア種)を引き起こす寄生体である。
【0033】 さらにもう1つの態様においては、抗原は、免疫化された宿主における癌の予
防及び/又は治療処理のために有用であり得る腫瘍結合抗原(すなわち、新形成
疾病に関連する抗原)である。腫瘍抗原は当業界において良く知られている。例
示的な例は、前立腺特異的抗原、癌胎児性抗原、ムチン及び種々のメラノーマ抗
原である。本発明の免疫調節アルキオソームキャリヤーは、抗原提供細胞(APC
)を活性化し、そしてMHCクラスI及び/又はクラスIIに関する抗原を提供するこ
とができる。当業者は、誘発される免疫反応の型はまた、抗原がクラスI/II免疫
反応を生成するために必要とされるそれぞれのエピトープを有するかどうかに依
存するであろうことを理解するであろう。そのような適切な抗原は、従来の又は
近代的な合成又は組換え技法を用いて、当業者により容易に調製され得る。
【0034】 本発明においては、アルキオソームは適切な無細胞抗原のためのキャリヤーで
あることが必要とされる。当業者は、これが、リポソーム及び他の粒状供給ビー
クルについて従来技術において知られている方法を用いて、アルキオソーム内に
抗原を封入し、そして/又はそれをアルキオソーム脂質層に結合することによっ
て達成され得ることを理解するであろう。
【0035】 これは、例えば、リポソームと抗原との間の共有又は非共有(例えば、疎水性
、吸着)相互作用により達成され得る。アルキオソームへのポリペプチド又はタ
ンパク質の結合は、ペプチドの末端に、疎水性アンカー、例えば脂肪アシル基、
又はアミノ酸の疎水性配列を連結することによって、定量的に促進されることが
また、当業者により理解されるであろう。しかしながら、研究する本発明に関し
ては、抗原のそのような修飾は必要条件ではない。
【0036】 本発明のワクチン組成物は、無細胞抗原のための免疫調節キャリヤーとしてア
ルキオソームを含んで成り、そしてワクチン配合物における活性成分と適合でき
、そしてその賦形剤に対して有害ではない他の医薬的に許容できる賦形剤(例え
ば、水、塩溶液、グリセロール、デキストロース、pH緩衝剤、静菌化合物及びそ
れらの組み合わせ)を包含することができる。
【0037】 当業者により理解され得るように、本発明の組成物は、特定の感染剤による感
染からの保護の必要な、又は特定の疾病又は腫瘍関連疾病を進行せしめる危険性
の宿主を免疫化するために使用され得る。本発明のワクチン配合物は、免疫刺激
量の適切に選択された無細胞抗原を含むであろう。宿主の免疫化は、非経口路、
例えば皮下(s.c.)、筋肉内(i.m.)及び経皮内(i.d.)及び他の経路(経口、
鼻腔内、局部)を包含するワクチン投与の通常許容できる経路により達成され得
る。ワクチン配合物の用量は、免疫化されるべき宿主と適合できる態様で、免疫
化のための経路で、及び治療的に有効的であり、免疫原性であり、且つ保護的で
あろう態様で投与される。当業者は、種々の環境下で容易に実施することができ
、そして免疫化のための最も適切なレジメを決定することができるであろう。
【0038】 免疫調節キャリヤーとして、アルキオソームは、抗原−特異的細胞毒性T細胞
受容体を誘発することにおいて、従来のリポソーム及びみょうばんよりも卓越す
ることが示されている。この応答は、ワクチン接種の後すぐに開始され、長期間
続く記憶応答を有し、そして適切な細胞内病原体又は癌による攻撃に対して保護
する。本発明のアルキオソームは、安全であり、非毒性であり、そしてワクチン
接種された宿主において有害な反応を引き起こさない。
【0039】 本発明においては、アルキオソームは、アルキの1又は複数のメンバーから抽
出された極性脂質、又はアルキのメンバーに見出されている極性脂質構造を模倣
する脂質、又はアルキから生物的に純粋な形で精製される1又は複数の極性脂質
から調製されるリポソームとして定義される。当業者は、アルキに見出される極
性脂質を構造的に模倣する脂質(例えば、化学的合成により製造されるそれらの
もの)が、本発明のためのアルキオソームを製造するために使用され得ることを
理解するであろう。アルキは、アルキオソームを生成するために有用である多く
の異なった極性脂質構造体を生成する。多くの種類の生物としてのアルキの利用
できる種の中で、本発明者は、本発明のためのアルキオソームを調製するための
脂質の源としていくつかの実例となる例を選択した。
【0040】 上記の開示は一般的に、本発明を記載する。本発明は、標題“結果及び論議”
下に与えられるデータから良好に理解されるであろう。本発明におけるデータは
、単なる例示目的のためであって、本発明を限定するものではない。形の変化及
び同様物の置換は、その環境が適切であると思われるよう企画される。 この記載に使用される種々のいくつかの用語の定義:
【0041】 この開示に使用される特定の用語は、説明的な意味で意図され、そして限定の
目的を意図するものではない。抗原、すなわち動物、例えばヒトが免疫応答を開
始する免疫原(例えば、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質及びそれらの混
合物に由来する);無細胞抗原、すなわち非複製的であり(成長及び増殖するこ
とができない)、そして病原体/疾病組織からの抽出物、又はその高く精製され
た成分、さらに例えば病原体/疾病組織に見出されるそれらの成分を模倣するよ
う、化学的に合成されるか又は組換え方法により生成されるそのような成分を表
す抗原;アジュバント、すなわち免疫原と共に投与される場合、その免疫原に対
する免疫反応を増強する免疫調節及び/又はキャリヤー活性を有する物質又は材
料;
【0042】 宿主、すなわちいずれかの動物、例えば哺乳類、例えばヒト、ウシ、ブタ、ウ
マ、ネコ、イヌ;純粋なT細胞、すなわち外来性抗原又は潜在性自己由来の抗原
に暴露されていないT細胞;活性化されたT細胞、すなわち有糸製及び/又は細胞
分裂を受けているT細胞、ここで細胞周期のG1期、G2期、S期又はM期に存在する
;同時刺激的又はアクセサリー分子、すなわちT細胞受容体との抗原−MHC相互作
用を促進する分子、それらの分子、例えば(単なる例示のための)B7.1(CD28に
結合する)及びB7.2(CD28に結合する)は、種々の機能、例えば初期結合、会合
の安定化、シグナルトランスダクション、分離、等を促進する;記憶応答、すな
わち抗原に対して前もって暴露されており、休止段階において存在するが、しか
し抗原への再びでの暴露に基づいて活性化できる免疫細胞;
【0043】 記憶T細胞、すなわち記憶応答を開始できるT細胞;従来のリン脂質又はエステ
ルリン脂質、すなわち炭化水素鎖がエステル結合を通して、グリセロール主鎖に
結合されているグリセロ脂質;エーテル脂質、すなわち炭化水素鎖がエーテル結
合を通してグリセロール主鎖に連結されているグリセロ脂質;アルキ又は古細菌
極性脂質、すなわちアルキ(古細菌の類似語)のメンバーに由来する極性脂質、
又はアルキ極性脂質のユニーク構造を模倣するよう化学的に合成される脂質;リ
ポソーム、すなわち水生体積を閉じ込める脂質膜から製造された閉小胞、前記リ
ポソームは、単重膜、オリゴ膜又は多重膜であり得;従来のリポソーム、すなわ
ち従来のリン脂質から調製され、そして多くの場合、ステロールを包含し、そし
て小胞内に閉じ込められるか又は脂質膜により結合される他の化合物を包含する
ことができ;
【0044】 アルキオソーム、すなわちアルキにおける種に対してユニークである1又は複
数の極性脂質から調製されたリポソーム、例えば古細菌極性脂質、又は古細菌に
おいてユニークに見出され、すなわち従来のリポソームアルキオソームに類似す
る極性脂質を構造的に模倣する脂質から製造されたそれらの小胞は、その小胞内
に閉じ込められるか、又は脂質膜層内に結合される他の化合物を包含することが
でき;小胞、すなわちリポソーム又はアルキオソーム。用語アルキオソームに関
連する古細菌の名称(例えば、T.アシドフィラムアルキオソーム、又はT.アシド
フィラムの/からのアルキオソームが、特定の古細菌から抽出された脂質、及び
特にことわらない限り、その古細菌から抽出された全極性脂質(TPL)から製造
されることを示す。
【0045】材料及び方法 : アルキの増殖及び脂質の抽出: ハロバクテリウム・サリナラム(“H.クチルグラム”)(ATCC33170)、メタ
ノブレビバクター・スミチALI(DSM2375)、メタノスファエラ・スタドトマナエ
MCB−3(DSM3091)、サーモプラズマ・アシドフィラム122−1B3(ATCC27658)
及びナトロノバクテリウム・マガジ(AtCC43099)は、これまでの培養された(C
hoquetなど.,1994)。全脂質は、凍結された細胞ペーストから抽出され、そし
て全極性脂質(TPL)はアセトン不溶性画分として集められた(Choquetなど., 1
994)。必要とされる場合、極性脂質は、TPL又は全脂質抽出物のいずれかから、
薄層クロマトグラフィーにより、生物学的に純粋な形で単離される(Katesなど.
, 1993)。
【0046】 抗原: 試験される抗原は、脂肪酸フリーのウシ血清アルブミン(BSA)、めんどり卵
リゾチーム(HEL)及びオボアルブミン(OVA)(すべては、Sigma Chemical Co.
から購入された)を包含した。
【0047】 リステリア・モノサイゲネスによる感染に対してマウスにおいて保護性を誘発
するアルキオソームの能力について試験するために、リステリオオリシンのアミ
ノ酸90〜106の合成ペプチド抗原が、小胞に閉じ込められた。リステリオリシン
の既知のH−2Kα MHC−クラスI−制限された免疫優性ノナマーエピトープ(GYKD
GNEYI)(Pamerなど., 1991)は、遊離非ペプチドとして、又はジパリミトイル
化された13−マーペプチド(PAM2−KSSKGYKDGNEYI-OH)として、又はそれぞれ、
ノナマーエピトープの上流、又は上流及び下流の延長部分を含む、ジパルミトイ
ル化された20−マーペプチド(PAM2−KSSKGYKDGNEYIVVEKKKK-OH)として合成さ
れた。
【0048】 ペプチドは、支持体としてNovaSyn(商標) TGT樹脂(Novabiochem)を用いて
、これまで記載されているようなMilliGen(商標)9050連続流ペプチド合成機及
びFMOC化学を用いて合成された(Barbierなど., 1997)。ペプチド精製及び分析
HPLCは、0.1%トリフルオロ酢酸/水中、アセトニトリルグラジエントを用いて、
ジフェニルシリカカラム(Vydac(商標))により行われた。純度は、分析用HPL
Cにより、97%以上であることが推定された。生成物の識別は、マトリックス助
力のレーザー脱着(MALDI)質量分光計により確かめられた。決定された/(予測
される)質量は次のものであった:遊離9−マー、1058.69 (1058.12)、ジパル
ミトイル化された13マー、1965.27 (1965.41) 及びジパルミトイル化された20−
マー、2806.42 (2805.51)。ジパルミトイル化されたペプチド[(PAM)2 ペプチド
]はまた、13−マー又は20−マーリポペプチドとして言及される。
【0049】 フランシセラ・ツラレンシスの外層膜は、N−ラウロシルサルコシン方法(Les
lieなど., 1993)を通して単離された。細菌プレートが凍結され、そして1度、
融解され、続いて10mMのトリス−HCl(pH8.0)に懸濁され、そしてFrench圧力細
胞処理により破壊された。破壊されなかった細胞を除去するための低速度遠心分
離に続いて、0.55%のN−ラウロイルサルコシン(w/v)が上清液に溶解され、そ
してインキュベーションが30分間続けられた。外層膜が集積され、そして42,000
×gでの1時間の遠心分離により選択された。
【0050】 アルキオソーム及び従来のリポソームの調製及び特徴化: アルキオソームが、上記に示される古細菌から抽出された全極性脂質から調製
された。但し、PGP−O−CH3及びPGアルキオソームを除く。前者は、少なくとも7
9%(残りはPGである)の純度を伴なって、H.サリナラムから単離された。精製
されたアルキチルグリセロールリン酸−O−メチル(PGP−O−CH3)極性脂質(Ka
tesなどl., 1993)から調製され、そして後者は、陰性イオン高速原子衝撃質量
分光計により決定される場合、98%以上の純度を伴なって、N.マガジンから単離
されたアルキチジルグリセロール(PG)から調製された。
【0051】 L−α−ジミリストイルファチジルコリン(DMPC)、L−α−ジミリストイルホ
スファチジルグリセロール(DMPG)及びコレステロール(CHOL)は、DMPC:DMPG
:CHOL又はPC:PG:CHOL(1.8:0.2:1.1のモル比)として本明細書において定
義される従来のリポソーム(濃縮リポソーム)の調製のために、Sigma Chemical
Co., St. Louis, MOから購入された。
【0052】 BSA、OVA又はHELの封入(閉じ込め)のために、小胞が、Liposofast(商標)
装置(Avestin Inc., Ottawa, Canada)を用いて、周囲温度で400nmのフィルタ
ーを通しての圧縮押し出しにより調製された。発熱物質を有さない、無菌の、脱
イオン化された蒸留水及びガラス器具が、すべての小胞調製のために使用された
。手短には、20mgの乾燥された脂質が、タンパク質抗原(10mg/ml)を含むリン
酸緩衝溶液(PBS, 10mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.14)+160mMのNaCl)1ml
において、35℃で16時間にわたって水和化され、多重層小胞が生成された。多重
層小胞が上記のようにして、圧縮押出され、単重層小胞が優先的に得られた。圧
縮押出された小胞により結合された抗原が、超遠心分離(200,000×gで30分間)
、及び3回の洗浄により、7mlのPBSから除去された。
【0053】 すべての小胞調製物が塩−フリーの乾量を測定することによって特徴づけられ
、そして平均小胞の直径が、Nicomp(商標)Paticle サイザー(Model 370, Nic
omp, Santa Barbara, CA)を用いて、数一計量されたガウスサイズ分布により決
定された。小胞により結合されるそれぞれのタンパク質の量(小胞内に封入され
、そして小胞表面暴露され/吸着される)が、脂質除の後(Wessel and Flugge,
1984)、SDS Lowry及び適切なタンパク質により構成された標準の曲線との比較
により評価された。類似する免疫学性質が、下記に記載される圧縮押出し又は脱
水−再水和化のいずれかにより調製されたアルキオソームについて見出された。
【0054】 小胞に (PAM)2ペプチド又はF.ツラレンシスの外層膜を封入するために、脱水
−再水和化方法が使用された。手短には、示される古細菌の全極性脂質30mg、又
は従来のリポソームのための混合物が窒素及び真空下で約1時間、乾燥され、続
いて、水2.5ml、続いて(PAM)2ペプチド(リポへプチド)の場合、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)0.5ml、又は水溶解性抗原又は外層膜の場合、水に溶解された
抗原(0.5〜3mg)が添加された。水和化は、振盪機水浴において35℃で1時間、
進行せしめられ、続いて水浴音波処理機において縮小され、100nm以下の平均直
径を有する単重層小胞が優先的に達成された。次に、調製物が凍結乾燥され、そ
して0.3mlの水においてゆっくりと再水和化され、そして振盪機において35℃で
1時間インキュベートされた。
【0055】 1.2mlのPBS(10mMのリン酸緩衝液、pH7.1、160mMのNaCl)の添加に続いて、調
製物を、0.45μmの無菌フィルター(Millipore Millex注射器フィルター単位)
を通して濾過した。種々の小胞型に閉じ込められたリポペプチドの量は、標準と
してその対応する閉じ込められていない抗原、及びブランク対照として等量の抗
原フリー小胞を用いて、SDS−Lowryアッセイにより評価した。実質的にすべての
パルミトイル化されたペプチドが使用される方法によりアルキオソーム中に組み
込まれたので、結合されなかった抗原を除去するための分離段階は不必要である
。しかしながら、他の抗原の場合、閉じ込められなかった抗原は、遠心分離し、
そしてリポソームペレットをPBSにより洗浄することによって除去された。ほと
んどの場合、抗原を含む小胞は、150±100nmの平均直径を有した。
【0056】 ジパルミトイル化された20−マーのペプチドを、リポソームへの閉じ込めを伴
なわないで、抗原の効果を試験しないでワクチン接種のためにミセルとして調製
した。DMSOに溶解された20−マーのポリペプチドを、0.01%のトリフルオロ酢酸
を含むPBSと共に混合し(2分間の振盪、続いて浴音波処理器での音波処理)、0
.4mg/mlの抗原及び10%(v/v)のDMSOの最終濃度を得た。抗原をさらに、PBSに
希釈し、所望する最終濃度を得た。
【0057】 細胞系: J774A.1及びIC21(マクロファージ)細胞系を、ATCCから得、そして8%FBS
(Hyclone, Logan,OT)及び10μg/mlのゲンタマイシン(Life Technologies)
により補充されたRPMI640培地(Life Technologies, Grand Island, NY)におい
て維持した。EG.7、すなわちOVAをコードする遺伝子により安定してトランスフ
ェクトされたEL−4のサブクローン(Moore など., 1988)をまた、ATCCから得
たが、しかしさらに400μg/mlのG418(Rose Scientific Ltd.,Edmonton, Albe
rta、(anada)をさらに含む、RPMI+8%FBS溶液に維持した。B16−OVA細胞(O
VAペプチドを発現するメテノーマ細胞系)は、Dr. Edith M. Lord (Univers) ty
of Rochester, Rochester, NY)からの贈与であり、そして8%FBSにより補充
されたRPMI1640培地に維持された。
【0058】 Phem3.3細胞系(MHCクラスI陰性細胞系)は、Dr. M. J. Bevan (university o
f Washington, Seattle, WA) からの贈与であった。Phem.3.3は、リステリオリ
シンをコードする遺伝子により安定してトランスフェクトされた肥満細胞腫瘍細
胞系P815のサブクローンである(Pamerなど., 1991)。それらの細胞は通常、8
%FBS及び400μg/mlのG418を含むRPMIに維持された(Rose Scientific Ltd., Ed
monton, Alberta, Canada)。親細胞系、すなわちP815は、ATCCから得られ、そ
して8%FBAにより補充されたRPMIに維持された。TNFバイオアッセイのために使
用されるWehi 164-13細胞は、Dr.T.R. Mosmann (University of Rochester, Ro
chester, NY) から得られ、そして8%FBSを含むRPMIに維持された。すべての細
胞は、湿潤された雰囲気化で37℃で8%CO2下で増殖された。
【0059】 骨髄由来の樹状突起細胞(DC)の生成: 骨髄を、3匹の正常B/Cマウスの1匹の大腿骨及び脛骨からフラッシュし、そし
て単一細胞の懸濁液を、無菌の1−ml注射器プランジャーを用いて、Falcon(商
標)2360細胞ストレーナー(Becton Dickinson, Franklin Likes, NJ)にそれら
を通すことによって製造した。
【0060】 細胞を計数し、そしてFalcon(商標)組織培養フラスコ(Bacton Dickinson)
において、8%FBS及び5ng/mlの組換えネズミGM−CSF(ID Labs, London, ON,
Canada)により補充されたRPMI倍地に、1×108個の細胞/mlで再建濁し、そして
8%CO2下で37℃で6〜8日間、培養した。非付着性細胞を、2及び4日及び4
日の培養で除去し、そしてGM−CSF(顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子
)を含む、新鮮なRPMI+8%FBSを添加した。実験の日、非付着性細胞を収穫し、
洗浄し、計数し、そして使用した。樹状突起を細胞調製物は、流動細胞計測によ
れば、一貫して80%以上のCD11c+であった。
【0061】 マウス: 特定−病原体フリーの近交系の、生後6〜8週目の雌BALB/c及びC57BL/6マウ
スを、Charles Rivers Laboratories (Montreal, Que.) から購入した。C57BL/
6JCD4+T細胞欠疾マウス及びそれらの対照を、The Jackson Laboratory (Bar Har
bor, Maine) から得た。それらは、生後8〜12週で、実験に入った。マウスは、
The Canadian Council on Animal Care Guide to the Care and Use of Experim
ental Animals の現在の出版(1993)の推進に従って、維持され、そして使用さ
れた。
【0062】 免疫化: 3〜5匹のグループは、図面又は表補注において特定されるように、PBS(ア
ジュバントなし)、みょうばん又はフロイントアジュバント(FA)における抗原
、又はアルキオソーム又は従来のリポソームに閉じ込められた抗原の免疫化を受
けた。免疫化体積は、100〜200μlであり、抗原用量は8〜30μg/注射であり、
そして小胞脂質濃度は0.5〜1.5mg/注射であった。みょうばん免疫化に関しては
、抗原は、製造業者のプロトコールに従って、Imject(商標)Alum (Pierce, Ro
ckford, Illunois) 上に吸着された。免疫化経路は、尾の基底で注射される腹腔
内(i.p.)又は皮下(s.c.)であった。
【0063】 ネズミモデルにおける感染及び腫瘍攻撃: 適切なネズミモデルを用いての感染性病原体攻撃において試験されるすべての
ワクチンは、PBS中、0.1mlの体積で、尾の基底で皮下投与された。種々のワクチ
ン接種レジメを、結果の適切なセクションに言及されるようにして使用した。リ
ステリア症モデルにおける攻撃のために、ワクチン接種の種々の言及された時間
で、対照及びワクチン接種されたマウスを、これまでのように調製されたリステ
リア・モノサイトゲネス株10403S(Conlan, 1997)又はサルモネラ・チピムリウ
ム株C5Rの静脈内接種により攻撃した。
【0064】 攻撃後、種々の時間で、マウスを、CO2窒息により殺害し、そしてそれらの肝
臓、脾臓及び他の器官を、必要に応じて除去した。それらの器官を均質化し、そ
して50μg/mlのストレプトマイシンを含む脳心臓注入寒天上にプレートした。細
菌コロニーを、37℃で24時間、プレートをインキュベートした後、計算した(コ
ロニー形成単位、CFU)。種々の試験グループの組織における細菌負荷量(CFU/
器官)を、Mann Whitneyランク合計試験を用いて統計学的に分析し、そしてp<
0.05でお互い有意に異なると思われる。
【0065】 フランシセラ・ツラレンシス感染モデルの場合、対照及び免疫化されたマウス
に対する攻撃を、エーロゾルとして供給した。4〜6μmの範囲の小粒子エーロ
ゾルを、40p.s.i. で作動するLovelace(商標)ネブライザーにおいて生成した
。生成した後、エーロゾルを、暴露チャンバーに供給する。暴露に関しては、マ
ウスは、それらの外部の外鼻孔のみがエーロゾル流中に突出する制限コーンにお
いて収容される。病原体攻撃3日後(特にことわらない限り)、マウスを殺害し
、そして肝臓、脾臓及び肺を上記のようにして除去した。
【0066】 器官を均質化し、そして1%(w/w)ヘモグロビンにより補充されたシステイ
ン心臓寒天上にプレートした。細菌コロニーを、37℃での24時間のプレートのイ
ンキュベーションの後、計数した。種々の試験グループの組織における細菌負荷
量(CFU/器官)を、Mann Whitney ランク合計試験を用いて統計学的に分析し、
そしてp<0.05でお互い有意に異なると思われた。上記感染の両モデルに関して
は、肝臓及び脾臓における検出の下限は、100CFU/器官であり、そして肺に関し
ては、50CFU/器官であった。
【0067】 EG.7腫瘍モデルに関しては、C57BL/6マウス(グループ当たり5匹)を、記載
されるワクチンにより、尾の基底で注射した(s.c.)。マウスを、中間の背部領
域において、10×106個のEG.7腫瘍細胞により注射し(s.c.)、腫瘍攻撃を開始
した。腫瘍モデルを用いて、予防(腫瘍攻撃の前、予備免疫化されたマウス)及
び治療(移植された腫瘍細胞及び同時に免疫化されたマウス)用途のためのアル
キオソームの効率を評価した。マウスを、腫瘍進行について規則的にモニターし
、そして腫瘍が触診できるサイズに達した後すぐに、長さ(L)及び幅(W)を、
デジタルカリパスにより測定し、そして腫瘍増殖を、L×W(mm2)の積として記
録した。マウスは、腫瘍が17mmの最大幅に達した場合、安楽死された。
【0068】 転移性メラノーマモデルに関しては、B57BL/6マウスを、M.スミスアルキオソ
ームに封入されたOVA25μgにより、ゼロ及び21日目に、免疫化した(s.c.)。最
初の免疫化の8週間後、純粋な対照マウス及び免疫化されたマウスのグループを
、B16−OVA細胞(5×105/マウス)により注射し(i.v.)、腫瘍攻撃を開始した
。マウスは、攻撃の14日後、安楽死され、そして肺における黒い転移病巣が視覚
での計数により数えられた。
【0069】 脾臓細胞の抗原−特異的増殖: 脾臓細胞を、ゼロ日及び21日目で免疫化された個々のマウスから、28日目に得
た。RBCの選択的溶解を、トリス−緩衝化された塩化アンモニュウム(pH7.2)(S
igma Chemical Co.) を用いて行った。細胞を2度、洗浄し、そして三重反復培
養を、抗原の存在又は不在下で、増殖のための96−ウェル丸底マイクロタイター
プレート(Falcon(商標), Becton and Dickinson)においてRPMI1640培地(Gi
bco-BRL,Life Technologies Inc., Grand Island, NY)おいて設定した(72時
間、7%CO2)。
【0070】 培養のために使用される血清補充物は、Hyclone Laboratories Inc., Logan,
Utahから得られた、定義されたウマ血清(2%;BSA−刺激された培養物)又は
ウシ胎児血清(8%、HEL−及びOVA−刺激された培養物)のいずれかを含んだ。
ウェルを、1μCiの[3H]チミジン(ICN Pharmaceuticals Canada, Montreal,
Quebec) により18時間、パルスし、ガラスファイバーフィルター上い収積し、
そして細胞中に組み込まれる放射能(増殖応答の測定)を液体シンチレーション
計数により決定した。増殖応答を、個々のグループにおけるマウスの(CPM)の
計数/分として又はCPM×1000(hCPM)±SEMとして表した。
【0071】 リステリオリシン−特異的刺激を評価するために、免疫化されたマウスからの
脾臓細胞(5×105)を、種々の濃度の遊離ノナマーペプチドを伴なって、96−
ウェルマイクロタイタープレート(Falcon(商標), Becton Dickinson, Frankl
in Lakes, NJ)において、三重反復して培養した。72時間後、上清液を集め、そ
してサンドイッチELISAによりIFN−γ生成についてアッセイした。
【0072】 サイトカインアッセイ: 抗原−刺激された培養物の上清液中に分泌されたサイトカインを、サンドイッ
チELISA方法(Mosmann and Fong, 1989)により測定した。使用される抗体は、I
FN−γのためのRA−6F2(ATCC HB170)及びXMG1.2−ビオチン(Cherwinskiなど.
, 1987);及びIL−4のための11B11(Ohara and Paul, 1985)及びBVD6−24G2
−ビオチン(Pharmingen Canada Inc. Mississauge, Canada)を含んだ。IFN−
γ及びIL−4標準は、ID Labs, London, Canada から購入された。二重反復標準
曲線が、個々のプレート上に包含された。ELISAの感度は次の通りであった:IFN
−γ>100pg/ml及びIL−4>15pg/ml。アルキオソーム活性化されたAPC培養物の
上清液中に分泌されたTNFを、Weli164−13細胞上でのバイオアッセイにより測定
した(Sadなど., 1995)。TNFアッセイの感度は0.1pg/mlであった。
【0073】 細胞周期分析: 細胞周期分析を、流動細胞計測により、DNA−結合色素、ヨウ化プロピジウム
の組み込みの定量化により行った。手短には、脾臓細胞(106)を、8%ウシ胎
児血清(FBS)を含むRPMI培地50μlにおいて、氷上で30分間、FITC−接合された
抗−CD4又は抗−CD8抗体(Pharmingen Canada Inc.)により染色した。次に、
細胞を洗浄し、そして70%氷冷却されたエタノール1mlにおいて、4℃で一晩、
固定した。
【0074】 固定された細胞を、リボヌクレアーゼA(100U/ml, Boehringer Mannheim, Lav
al, Canada)の存在下でヨウ化プロピジウム(Calbiochem, La Jolla, CA)によ
り染色し、そして流動細胞計測法(EPICS(商標)XL, Beckman Coulter Corp.,
Hialeah, FL)により分析した。CD4+及びCD8+T細胞上でゲート制御されたDNA含
有率プロフィールを、EXPO(商標)ソフトウェア(Beckman Coulter Corp.)を
用いて得た。DNAの倍数性は、細胞が合成及び分裂期に入るにつれて上昇するの
で、個々の細胞はより多くの量のヨウ化プロピジウムを組み込む。従って、細胞
周期[アポプトシス、G1(休止)、S(合成)及びG2/M(有糸分裂)]の種々の
期における細胞の百分率を、DNA含有率に基づいて計算した。
【0075】 抗体力価の評価: マウスを、尾の末端での静脈から、又は心臓穿刺により放血し、そして血液を
Microtainer(商標)血清分離器官(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ)
に集めた。血液を凝固した後(4℃で1時間)、血清を遠心分離により分離し、
そしてアッセイまで、−20℃凍結した。抗体レベルを、間接的抗原−特異的ELIS
Aにより決定した。手短には、ELISAプレート(EIAマイクロ滴定プレート、96−
ウェル平底、ICN Biomedicals Inc., Aurora, OH)を、PBS (10μg/ml)中、抗原
により被覆し、そして血清(個々のマウスからの)の一連の2倍希釈溶液を、二
重反復してアッセイした。
【0076】 抗体を表す(Caltg, Son Francisco, CA)、ホースラディシュペルオキシダー
ゼ−接合のヤギ抗−マウス免疫グロブリン(IgG+IgM)を用いて、血清の全抗体
力価を決定した。反応を、ABTSマイクロウェルペルオキシダーゼシステム(Kirk
egaard and Rerry Laboratories, Gaithesburg, Maryland)により進行せしめ、
そして吸光度を、室温での15分後、415nmで決定した。抗体力価を、バックグラ
ウンド以上の0.3単位の光学密度を示すエンドポイント希釈度として表す。個々
の実験に関連するサンプルを、同じアッセイにより評価した。
【0077】 CTLアッセイ: エフェクター細胞を、免疫化された及び純粋なマウスからの脾臓から調製した
。30×106個の脾臓細胞を、垂直位置での25cm2組織培養フラスコにおいて、5×
105個の照射されたEG.7細胞と共に同時培養した。培養物培地は、8%FBS及び0.
1ng/mlのIL-2により補充された、10mlのRPMI1640であった。37℃及び8%CO2
の5日後、細胞を回収し、洗浄し、計数し、そしてCTLアッセイのためのエフェ
クターとして使用した。標的細胞は、EG.7又はEL-4細胞であった。EG.7とは異な
ってEL-4は、MHC−1 OVAエピトープを表さず、そして従って、非特異滴殺害のた
めの負の対照として使用した。
【0078】 標的細胞(107)を、50μlのRPM1+8%FBS培地において、100μCiの51Crによ
り45分間ラベルした。標的物を洗浄し、そして種々の割合のエフェクター及び標
的物を、96−ウェルの丸底組織培養プレートにおいて4時間、同時培養した。培
養上清液を集め、そして放射能を、γカウントにより測定した。%特異的溶解性
を100×[(cpm実験−cpm自発的)/(cpm合計−cpm自発的)]として計算した。
1溶解単位は、2.5×104個の標的細胞の集団の20%特異的溶解性を生成する106
個の脾臓細胞当たりのエフェクター細胞の数として数として定義される。
【0079】 リステリオリシンリポペプチドにより免疫化されたマウスの脾臓におけるCTL
活性を決定するために、30×106個の脾臓細胞を、垂直な25cm2の組織培養フラス
コ(Falcon(商標))において、0.1ng/mlのIL-2を含む、RPMI+8%FBS10mlに
おいて、5×105個の照射された(10,000ラド)Phem3.3細胞と共に同時培養した
。5日後(37℃、8%CO2)、細胞をフラスコから回収し、そして上記に詳細の
ようにして、標準の51Cr−開放CTLアッセイにおいてエフェクターとして使用し
た。標的物は、Phem3.3細胞(リステリオリシンペプチドを発現する特定の標的
物)又はP815(非特異的対照)細胞のいずれかであった。 抗原提供細胞(APC)のインビトロ活性化:
【0080】 J774A.1又は骨髄由来の樹状突起細胞を、言及されるような適切な細胞密度で
、24−ウェル組織培養プレート(Falcon(商標))において、25μg/mlの空のア
ルキオソーム又は従来のリポソームと共にインビトロでインキュベートした。他
方では、細胞を、10μg/mlのLPS(本発明者の同僚であるDr. M. B. Perryからの
贈与である;E.コリから得られた)により活性化した。37℃で8%のCO2の湿潤
された雰囲気下での24時間後、細胞を回収し、そして種々の細胞表面マーカーの
ために染色し、又はT細胞増殖アッセイにおいてAPC(2500ラドでの照射の後)と
して使用した。
【0081】 アルキオソーム注射及び腹膜滲出物調製: BALB/c又はC3H/HeJマウスを、空のアルキオソームにより腹膜内注射した(1mg
の脂質/注射)。注射の後、種々の時点で、マウスを安楽死せしめ、そして腹膜
滲出物細胞を、10mlの温RPMI+8%FBS媒体により腹膜洗浄を行うことにより回収
した。次に、赤血球細胞を、トリス−緩衝された塩化アンモニウム(pH7.2)(Si
gma Chemical Co.) により選択的に溶解した。細胞を洗浄し、RPMI+8%FBSに再
懸濁し、計数し、そして細胞表面マーカー発現について分析し、細胞分類のため
に使用し、又はT細胞アロ−刺激アッセイのためのAPC(照射の後)として使用し
た。
【0082】 T細胞アロ−刺激アッセイ: 純粋なマウスから得られたC57BL/6(H-2Kb)脾臓細胞を、製造業者の説明書に
従って、適切なT細胞カラム(Cytovax, Edonton, Canada)に通すことによって
、CD4+又はCD8+T細胞について富化した。手短には、脾臓細胞(100×106)を、
ラット抗−マウスCD4又はCD8抗体と共にインキュベートし、ヤギ抗−ラットIg及
び洋抗−マウスIgにより被覆されたガラスビーズカラム上に負荷し、そして溶出
した。カラムを通過した後の細胞は、流動細胞計測分析により決定される場合、
適切なT細胞に関して、80〜90%の純度であった。
【0083】 このようにして得られたT細胞を、96−ウェルマイクロタイタープレート(Fal
con(商標))におけるRPMI+8%FBS培地において種々のAPC:T細胞濃度で、照
射された(2500ラド)アロ−APC(H-2kb)と共に三重反復して培養した。72時間
後、培養物上清液のアリコートを、サイトカイン分析のために集めた。T細胞増
殖を決定するために、培養物を、1μCiの[3H]チミジン(ICN Pharmaceutical
s Canada, montreal, Canada)により18時間、パルスし、ガラスフィバーフィル
ター上に収穫し、そして組み込まれる放射能を液体シンチレーションカウンチン
グにより決定した。
【0084】 流動細胞計測分析及び分類: 流動細胞計測分析のために、細胞(50μlのRPMI+1%FBSにおいて106個の細胞
)を、氷上で、抗−マウスCD32/CD16(FcrII/III受容体)と共にインキュベート
した。30分後、アリコートを洗浄し、そして50μlのRPMI+1%FBSにおいて、異
なったFITC、PE又はビオチニル化された抗−マウス抗体と共に、図に示されるよ
うにインキュベートした。種々の実験のために使用される抗体は次のものを包含
した:Mac 1α(CD11b), F4/80, CD11c, CD80 (B7.1), CD86 (B7.2), H-2kd (MHC
クラスI)、Iad (MHCクラスII), B220, CD4, CD8, CD8, CD28, CD44及びKFA-I。
【0085】 すべての抗体は、PharMingen Canada Inc. (Mississauge, Canada) から得ら
れた。但し、F4/80は、Cedarlane Laboratories (Hornby, Ontario, Canada) か
ら得られた。抗体インキュベーションは氷上で30分間であった。ビオチニル化さ
れた抗体により染色された細胞を続いて、十分に洗浄し後、ストレプタビジン−
FITCと共にインキュベートした。細胞を、PBS中、1%ホルムアルデヒドに固定
し、そして流動細胞計測法(EPLCS(商標)XL; Backman Coukter Corp., Hialoa
h, Canada)により、それらのEXPO(商標)ソフトウェアを用いて分析した。
【0086】 流動細胞計測細胞分類のために、腹腔滲出物細胞(10×106/ml)を、5μlの抗
−マウスCD34/CD16抗体;続いて5μlのPEラベルされた、抗−マウスMac 1α、又
はB220抗体により氷上で30分間、染色した。次に、細胞を洗浄し、そして1%FB
Sにより補充された、1mlのRPMI1640に再建濁した。細胞を、EPICS(商標)Elite
ESP (Beckman Coulter Corp.) 上で分類し、そしてR8培地に集めた。続いて、
その分類された細胞アリコートを、EPICS(商標)XL上で分析し、純度を確かめ
た。
【0087】結果及び論議 : アルキオソームは、脾臓細胞の抗原−特異的増殖を促進する: 抗原に対する細胞介在性応答の誘発はしばしば、特に細胞内病原体に対しての
持効性及び効果的免疫性のために決定的である。CD4+T細胞により介在される効
果的な細胞−介在性免疫応答の最初のインジケーターの1つは、インビトロ溶解
性抗原(Ag)に応答する、免疫化されたマウスのリンパ球集団の能力である。マ
ウス(BALB/c及び/又はC3H/HeJ)を、示されたアルキオソーム又は従来のリポソ
ーム(濃リポソーム)に封入されるか、又はみょうばん(Alm)上に吸着された
、BSA(図1A及び1B)、HEL(図1C)又はOVA(図1D)により免疫化した。
【0088】 抗原のみ(アジュバントなし)の対照が、示されるように、包含された。BSA
、HEL及びOVAを、それぞれ、注射当たり10、10及び15μgで使用した。免疫化は
、ゼロ日及び21日目でのi.p. 又はs.c. であった。脾臓を28日目に収穫し、そし
て脾臓細胞の抗原−特異的に増殖を、材料及び方法下に記載のようにして評価し
た。データは、1分当たりの計数(CPM)×1000(kCPM)±個々のグループにお
けるマウスのSEM[n=5(図1A, 1B)、n=6(図1C)及びn=3(図1D)]と
して表される。
【0089】 i.p. 免疫化の後、脾臓細胞のBSA−特異的増殖を観察した(図1A)。BSAに対
する用量依存性増殖が、アルキオソームに閉じ込められたBSA(BSA−アルキオソ
ーム)により免疫化されているマウスの脾臓細胞においてのみ観察された。従来
のリポソーム及びみょうばんは、有意な増殖を誘発しなかった。さらにアルキオ
ソーム免疫化に続いて秘蔵細胞の増殖性応答が、BALB/c及びC3H/HeJ(LPS低応答
性)マウスにおいて見出された(図1B)。類似する抗原−特異的増殖が、HEL−
アルキオソーム(図1C)及びOVA−アルキオソーム(図1D)によるマウスの免
疫化の後、見出された。s.c. 経路を通してのアルキオソームによる免疫化は、
従来のリポソームによる免疫化よりも高い類似する応答をもたらした。
【0090】 従来のリポソームに類似して、アルキオソームにより結合されたBSAの85%以
上が、タンパク質加水分解の前及び後、それぞれの小胞のBSA分析により決定さ
れる場合、小胞表面上に暴露されるのとは対照的に(データは示されていない)
、小胞内に閉じ込められた。 アルキオソームは、抗原−刺激された脾臓及びリンパ節培養物によるTh1及びTh2
サイトカイン生成を誘発する:
【0091】 抗原−特異的リンパ球増殖は、特異的Tヘルパー応答及びサイトカイン生成の
活性化をもたらす。Th2(IL−4)応答はB細胞による抗体生成の助力のために重
要であるが、Th1(IFN−γ)応答は効果的細胞−介在免疫性の誘発のために重要
である。Th1及びTh2応答は、二分性であり、そして抗原はそれらの自体、免疫性
を1つの又は他の方法に曲げることができる(Krishnan and Mosmann, 1998)。
他方では、卓越したアジュバントは、抗原性節に関係なく、Th1及びTh2応答の両
者を誘発する所望する能力を有すべきである。
【0092】 BALB/cマウスを、M.スミチ又はM.スタンドトマナエアルキオソームに封入さ
れた、10μgのHEL(図2A)、又は15μgのOVA(図2B)により免疫化した(ゼロ
日及び21日目)。HELのみの対照(すなわち、抗原のみ;アジュバントなし)、
従来のリポソーム(濃リポソーム)に封入されたHEL及びみょうばん(Alum)と
共に混合されたHELにより免疫化されたマウスのグループは、図に示される通り
に包含された。脾臓を28日目に収穫し、そして個々のマウスからの細胞を、種々
の容量の適切な抗原によりインビトロで72時間、三重反復して刺激した。72時間
の上清液において生成されたサイトカインを、ELISAにより決定した。
【0093】 値は、個々のグループにおけるマウスの脾臓細胞によるサイトカイン生成の平
均±SEMを表す[n=6(図2A)、n=3(図2B)]。実質的なIFN−γ生成は、
HEL−M.スミチアルキオソームにより免疫化されたマウスから得られた細胞の培
養物においてのみ見出された(図2A)。IFN−αレベルは、抗原による刺激に応
答して、明白な用量依存生成を示した。みょうばんは、いずれのIFN−γ生成も
もたらさなかった。他方では、アルキオソーム及びミョウバンの両者は、IL−4
生成を誘発した。従来のリポソームは、IFN−γもIL-4も誘発しなかった。
【0094】 閉じ込められた抗原に対してTh1(IFN−γ)及びTh2(IL−4)応答を誘発する
M.スミチアルキオソームの能力は、もう1つの抗原系を用いて、さらに確認され
た。s.c.経路をもいてのOVA−アルキオソームによるマウスの免疫化はまた、IFN
−γ及びIL−4の脾臓細胞による生成をもたらした(図2B)。アルキオソームに
よるs.c.免疫化の後、サイトカイン生成は、膝窩リンパ節培養物においてさえ検
出された(データは示されていない)。s.c.免疫化の能力は、みょうばんによる
実質的IFN−γ生成を生ぜしめなかった。もう1度、従来のリポソームは、IL−
4もIFN−γも誘発しなかった。
【0095】 T.アシドフィラム、H.サリナラム又はM.スミチアルキオソームに封入されたOV
A15μgによりs.c. 免疫化された(0日、21日)BALB/cマウスから得られた(28
日目)、培養された脾臓細胞(図2において記載のようにしてアッセイされる)
による抗原−依存性IFN−γ生成がまた観察された(図3)。さらに、OVA−アル
キオソームにより免疫化されたマウスからの脾臓ににより生成されたIFN−γ(
値は、個々のグループにおけるマウスの脾臓細胞によるサイトカイン生成の平均
±SEMを表す)は、従来のリポソーム(濃リポソーム)に封入された等量のOVAに
より免疫化されたマウスに見出されるIFN−γよりも相当に高かった。
【0096】 アルキオソームによるT細胞記憶の誘発:CD4+細胞の高められた細胞周期: T.アシドフィラムアルキオソームに封入された(0.53mg/注射)、又はみょう
ばんと共に混合された、又はPBSのみ(アジュバントなし)におけるBSA(15μg/
注射)により、0日目に免疫化された(i.p.)雌のBALB/cマウスを、210及び224
日目で、PBS中、25μgにより追加免疫化した。Ag−アルキオソーム免疫化は、20
0日近くの間、持続される、適度に増強された一次抗体応答を誘発した(ANOVAに
よればP<0.02;すべての時点で、アジュバントなしでの免疫化に比較された)
【0097】 210日目での抗原のみでの追加免疫化に続いて、少なくとも300日目まで持続す
る著しい記憶後退応答が見られた(約2対数の増強;P=0.0004)。他方では、
みょうばんは、アルキオソームによる応答に比較できる増強された一次応答を誘
発するにもかかわらず、抗体力価の続く低下を示し、そして抗原のみの追加免疫
に対する有意な復活をもたらさなかった(データは示されていない)。
【0098】 334日目での抗原のみでの追加免疫化の7日後、脾臓細胞を収穫し、赤血球細
胞を選択的に溶解し、そして個々のグループ内の細胞を、細胞周期の分析のため
にプールした。次に、細胞を、抗−CD4+及び抗−CD8+FITCラベルされた抗体によ
り染色し、そしてゲート制御されたCD4+細胞に基づく細胞周期を、材料及び方法
下に記載されるように流動細胞計測法を用いて、ヨウ化プロピジウム組み込みを
定量化することによって分析した。サンプル当たり20,000の現象が得られた。図
4日におけるプロフィールは、CD4+(FL1)ゲートを示す。図4Bにおけるプロッ
トは、個々のグループにおける細胞周期[P1(FL3)含有率に基づかれる]の種
々の期におけるCD4+細胞の%を示す。
【0099】 細胞当たりのDNAの量が上昇するにつれて、PIの組み込みが上昇し、そして合
成及び/又は有糸分裂期における細胞数が増大する。“A”はアプトシスを示し、
“G1”は休止を示し、“S”は合成を示し、そして“G2/M”は有糸分裂期を示す
。BSAのみの対照(アジュバントなし)、BSA−みょうばん(Alum)、又はBSA−T
.アシドフィラムアルキオソーム(T.アシドフィラム)により免疫化されたマウ
スから得られた膵臓細胞の集団におけるCD4+染色の頻度が図4Aに示される。全C
D4+細胞数は、対照における29%からアルキオソーム−免疫化されたグループに
おける37%まで有意に高められた。
【0100】 DC4+細胞の細胞周期プロフィールの種々のグループ間での比較は、T.アシドフ
ィラムアルキオソームにより免疫化されたマウスの抗原性攻撃がS(合成)及びG
2/M(有糸分裂)期細胞数の劇的な上昇をもたらしたことを示した。(図4B)。
これは、G1(休止)期における細胞の同時低下を伴った。対照的に、みょうばん
免疫化は、非アジュバント対照に比較される場合、種々の期における細胞の%で
の変化をもたらさなかった。変化は、可溶性抗原攻撃がMHCクラスI提供を導くこ
とはできない場合、予測される、異なったグループ間での合成/有糸分裂期CD8+
細胞数の%で示されなかった。
【0101】 アルキオソームは、封入されたOVAに対するCTL応答を誘発する: C57BL/6マウスを、PBS(アジュバントなし)における、又は従来のリポソーム
(濃リポソーム)又はM.スミチアルカオソーウ(M.スミチ)に封入された、又は
みょうばん(Alum)上に吸着された(混合された)OVA15μgにより、0日及び21
日目にi.p.免疫化した。脾臓を28日目に得、そしてプールされた脾臓(n=3/グ
ループ)細胞を、照射されたEG.7細胞により5日間、刺激し、そして51Crラベル
された標的物に対する4時間のCTL活性を、材料及び方法下に記載されるようにし
て評価した。
【0102】 CTLデータは、EL−4(非特異的標的物)及びEG.7(OVAペプチドを発現する特
異的標的物)細胞に対する種々ノエフェクター:標的物(E:T)比での三重反復
培養物の%特異的溶解性±SDを表す(図5A)。OVA−アルキオソームにより免疫
化されたマウス空の脾臓細胞は、EG.7に対して強いCTL活性(%特異的溶解性)
を示したが、しかし負の対照のEL−4細胞に対して示さなかった(図5A)。比
較的低量の抗原が、OVA−アルキオソームによるCTL応答の能力を反復するそれら
の実験(約1.0mgの脂質における15μgのOVA)のために使用された。OVA−従来の
リポソームにより及びアジュバントなしで(PBS中、OVAのみ)免疫化されたマウ
スからの脾臓細胞はCTL活性を示さず、そしてOVA−みょうばんにより免疫化され
たマウスからの脾臓のCTL活性は最少であった。
【0103】 H−2kbハロタイプのためのオボアルブミンにおける免疫優性CTLエピトープは
、OVA257-264(SIINFEKL)であることが示されている(Rotzshkeなど., 1991)
。アルキオソームにより誘発されたCTL応答がこのエピトープの表示に相互関係
するかどうかを試験するために、マクロファージ細胞(IC21)を、インビトロで
2時間、OVA257-264ペプチドによりパルスし、そして次に、図5Aにおいて免疫
化されたマウスから得られた脾臓細胞のための刺激として使用した。脾臓細胞培
養物によるIFN−γ生成を、CD8+T細胞刺激の測定として72時間でモニターした。
【0104】 IFN−γ生成を、APC刺激の不在下で(活性化なし)、負荷されていないAPCの
不在下で(APC)、及びOVAペプチドによりパルスされた−APCによる刺激の後(A
PC+OVA−ペプチド)、三重反復培養物±SDについて示した(図5B)。OVA−M.
スミチ−アルカオソーム免疫化されたマウスの脾臓細胞は、実質的なIFN−γを
生成することによってOVA257-267ペプチド刺激に応答した(図5B)。SIINFEKL
ペプチドの不在下で非特異的活性化は存在しなかった。同様に、アジュバントの
不在下でOVAにより免疫化されたマウスからの脾臓細胞は、ペプチド刺激に対し
て応答しなかった。
【0105】 CTL応答が他のアルキオソーム型似よっても同様に介在され得るかどうかを評
価するために、C57BL/6マウスを、PBSのみにおける(アジュバントなし)、又は
M.スミチ、T.アシドフィラム、H.サリナラム又はM.スタンドトマナエ アルキオ
ソームに封入されたOVA15μgにより1度、免疫化(s.c.)した。M.スチチアルキ
オソームに封入されたOVAにより免疫化されたマウスを、陽性対照として使用し
た。14日目、脾臓を収穫し、プールし(n=3/グループ)、そして照射されたEG
.7細胞により5日間、刺激し、そして次に、51Crラベルされた標的物(EL−4及
びEG.7)に対する4時間のCTL活性を、評価した。三重反復した培養物の%特異
的溶解性±SDを、種々のエフェクター:標的物(E:T)比で示した(図6)。す
べてのアルキオソーム型は、1回の免疫化の後、強いCTL応答を誘発した(図6
)。
【0106】 さらなる実験においては、1回(0日)又は2回(0又は21日)のOVA−アル
キオソーム免疫化(s.c.)を受けたマウスの脾臓におけるCTL活性を比較する。
この実験においては、C57BL/6マウスを、図7に示されるようにして、PBSのみ(
アジュバントなし)におけるか、又はT.アシドフィラム又はH.サリナラム アル
キオソームに封入されたOVAに15μgに免疫化した。脾臓を28日目に収穫し、照射
されたEG.7細胞により刺激し、CTL活性をアッセイし、そして%特異的溶解性を
、図6に記載のように決定した。OVA−アルキオソームにより1度又は2度、免
疫化されたマウスは、CTL活性を示したが、しかし2度、免疫化されたマウスの
脾臓細胞のCTL活性は、その対応するアルキオソーム型による1度の免疫化のみ
を受けるマウスに比較して、高かった(図7)。 精製されたアルキ脂質から構成されるアルキオソームは、CTL活性を誘発する:
【0107】 生物学的に純粋な形で単離されたアルキ極性脂質、又は極性資質副画分が本発
明のアルキオソーム調製物のための全極性脂質抽出物により置換され得る概念を
示すために、実験を表1に記載のようにして行った。アルキチジルグリセロール
リン酸−0−メチル又はアルキチジルグリセロールのいずれかから構成されるア
ルキオソームに閉じ込められたOVAは、マウスにおいてCTL活性を誘発した。 アルキオソームにより誘発されたCTL活性は、CD8+T細胞により介在される:
【0108】 OVA−M.スミチアルキオソームにより免疫化されたマウスにより免疫化された
マウスの脾臓細胞により誘発されたCTL活性がCD8+T細胞により実際、介在される
ことの確証として、図8における実験を行った。C57BL/6マウスを、PBSにみ(ア
ジュバントなし)における、又はM.スミチ アルキオソームに封入されたOVA15
μgにより、0日及び21日目に免疫化した。28日目、脾臓を収穫し、プールし(
n=4/グループ)、そしてエフェクターを増殖するために、照射されたEG.7細
胞により5日間、刺激した。CD8+T細胞を、抗−CD8抗体及びウサギ補体の使用に
より、5日目、M.スミスエフェクター(溶解されたM.スミチ−CD8)のアリコー
トから消耗せしめた(排除した)。
【0109】 消耗されたエフェクターの流動細胞計測分析は、99%以上のCD8+T細胞の集団
が消耗され、そしてCD4+T細胞の非特異的消耗は存在しなかった(データは示さ
れていない)ことを示した。この調製物のCTL活性を、51Crラベルされた漂白物
(EL−4及びEG.7)に対する4時間のアッセイにおいて、陽性(消耗されていな
いM.スミチエフェクター)及び陰性(アジュバントエフェクターなし)対照の活
性と比較した。データは、種々のエフェクター:標的物(E:7)比での三重反
復された培養物の%特異的溶解性±を示す。CD8+T細胞の消耗は、EG.7細胞に対
するOVA−M.スミチエフェクターの溶解活性を完全に排除し(図8)、これは、C
TL応答がCD8+T細胞介在されることを示す。
【0110】 アルキオソームにより誘発されたCTL応答はCD4+T細胞無関係である: アルキオソームによるCTL応答の誘発におけるCD4+T細胞の役割を評価するため
に、通常の対照C57BL/6JマウスCD4+T細胞−欠陥C57BL/6Jマウスを、M.スミチア
ルキオソームに封入されたOVA15μgにより1度、免疫化した(s.c.)。免疫化の
後、14及び30日目で、免疫化されたマウスの両グループから得られた。
【0111】 プールされた脾臓(n=2/グループ)細胞を、インビトロで5日間、EG.7細胞
により刺激し、そして51Crラベルされた標的物に対するCTL活性を評価した。三
重反復培養物の%特異的溶解物±SDを示す。図9A及び9Bにおけるデータは、OV
A−アルキオソームによる免疫化の後、CD4+T細胞欠陥マウス(CD4-/-)が、通常
の対照マウスのCTL活性に比較できる抗原−特異的CTL活性を誘発したことを示す
。CD4+T細胞助力の不在下でのCTL活性は、免疫化後30日でさえ、明白であった(
図9B)。
【0112】 いくつかの研究は、CD8+T細胞応答がしばしば、効果的刺激及び長期免疫性の
ためにCD4+T細胞助力を必要とすることを示す(Kalams and Walker, 1998)。CD
4+T細胞は、抗原への一時的応答の後、CD8+T細胞の急速な消耗を妨げた(Kirber
g など., 1993)。慢性LCMV感染に対する保護CD8+T細胞応答は、CD4+T細胞助力
を必要とした(Matloublanなど., 1994)。粒状ウィルス抗原(ウィルス株粒子
)から構成されるアジュバントはまた、外因性抗原に対するCD8+T細胞応答を誘
発するためにCD4+T細胞助力を必要とすることが示されている(Wildなど., 1999
)。
【0113】 DNAワクチン接種の後、交差感作に起因するCTL応答はまた、CD4+T細胞助力に
依存す(Maeckerなど., 1998)。重要なことには、及び上記の観察に比較して、
アルキオソームは、比較的低用量(15μg)の抗原による1回の免疫化を用いる
場合でさえ、閉じ込められた抗原に対する強いCTL応答の誘発のためのCD4+T細胞
助力を効果的に回避した。従って、アルキオソームは、免疫無防備状態にされた
個人、例えばAIDS患者のためのワクチンにおいてさえ効果的であり得。
【0114】 アルキオソームは長期CTL応答及び記憶を誘発する: 誘発されるCTL応答の寿命を決定するために、C57BL/6マウスを、M.スミチアル
キオソームに封入されたOVA25μgにより免疫化した(OA及び21日目、s.c.)。代
表的なマウス(n=3/時点)を、規則的な間隔で終結し、脾臓細胞をEG.7細胞に
より5日間、再刺激し、そしてCTL活性を、51CrラベルされたEL-4およびEG.7標
的物に対して評価した。データは、個々のマウスからの脾臓細胞の溶解単位±SD
として表される。
【0115】 EL−4標的物の殺害は、試験されるすべての時点での100:1のエフェクター
:標的物比でさえ、5%以下であった。その結果(図10)は、OVA−アルキオソ
ームが、一定の期間、劇的に上昇し、そして最初の免疫化の後、150日目でされ
最大である強い再現(記憶)CTL応答を誘発することを示す。類似する傾向が、
データが完全な脾臓当たりの溶解性単位として表される場合に得られた(データ
は示されていない)。従って、アルキオソームに閉じ込められた可溶性抗原の供
給は、短期間でのCTL応答を誘発するのみならず、また可能性あるCD8+T細胞記憶
も誘発する。
【0116】 記憶T細胞は、細胞表面分子、例えばCD44の高い発現により特徴付けられ、そ
して通常、抗原攻撃に対してより応答性である。記憶細胞の増殖及び活性化を確
立するために、図10に記載される実験からの代表的なOVA−M.スミチアルキオソ
ーム免疫化マウス(n=2)及び純粋な対照マウス(n=2)を、140日目、OVA 257-264 CTLエピトープ−パルスされたIC21マクロファージ(10×106の細胞がi.
p.投与される)を注射することによって攻撃した。5日後、脾臓細胞を、流動細
胞計測法により、CD44、LFA−1(CD11a)及びCD28の発現に分析した。
【0117】 細胞表面メーカーの発現を、対照(純粋)及びOVA−M.スミチアルキオソーム
免疫化マウスからのゲート抑制された脾臓CD8+T細胞集団について示す(図11)
。25,000の現象からのデータを分析した。個々のパネル内の数は、個々のマーカ
ーについてのCD8+T細胞の%を示す。純粋な対照(パネルの上部、図11)に比較
される場合、CD44の劇的なアップレギュレーション(約3倍)が、OVA−アルキ
オソーム免疫化マウスの場合に見出された(下方パネル、図11)。
【0118】 OVA−アルキオソーム免疫化されたマウスにおけるCD44発現のこの誘発は、ペ
プチドを伴なわないでのIC21細胞による追加免疫化が発現を増強しなかったので
(データは示されてない)、抗原−特異的であった。CD44h1細胞は従来、記憶表
現型と関連しているので(Duttonなど., 1998)、比較的低い抗原用量(25μg/
注射)を用いての免疫化後140日目に観察されるCD44の強いアップレギュレーシ
ョンは、可能性ある記憶応答の確立を示す。他の細胞表面分子、例えばLFA1及び
CD28の調節はまた、抗原攻撃に対する記憶CD8+T細胞の効果的活性化及び応答性
を示す。
【0119】 アルキオソームはAPCを活性化する: J774A.1マクロファージ(106/ml)を、M.スミチ アルキオソーム(25μg/ml
の脂質)、従来のリポソーム(25μg/mlの脂質)、又はLPS(10μg/mlの脂質)
と共に24時間インキュベートし、APCのインビトロ活性化を評価した。次に細胞
を、洗浄し、回収し、そしてMac 1α−PE及び示されるような1つの他のFITC−
ラベルされた細胞表面活性化マーカーにより二重染色し、そして流動細胞計測に
より分析した(図12)。20,000現象からのデータを分析した。ハッシュド線は、
個々の活性化マーカーについての陽性株を示す。個々のパネル内の数字は、種々
の処理グループにおける個々のマーカーについてのMac1α+細胞染色の%を示す
【0120】 活性化されていないJ77A.1細胞は、同時刺激マーカーCD86(B7.2)の適度な発
現、及びMHCクラスI分子の強い発現を構成的に示したが、しかしMHCクラスII及
びCD80(B7.1)を発現しなかった。アルキオソームへのJ774A.1細胞の暴露は、C
D80(B7.1)、CD86(B7.2)及びMHCクラスII分子の強いアップレギュレーション
を誘導した。アルキオソーム処理の後の種々のマーカーの発現レベルはしばしば
、LPS、すなわちマクロファージの既知活性化因子により細胞を処理することに
よって得られるレベルを類似した。対照的に、比較できる量の従来のリポソーム
に暴露されるJ774A.1細胞は、活性化されていない負の対照のマクロファージに
類似するレベルの同時刺激活性化マーカー及びMHCクラスII分子を発現した(図1
2)。
【0121】 J774A.1細胞により測定される免疫調節に類似する免疫調節を、骨髄由来の樹
状突起細胞(CD)がアルキオソームに暴露される場合に得た。骨髄由来の樹状突
起細胞(105/ml)を、M.スミチアルキオソーム(25μgの脂質/ml)の不在下で(
活性化なし)又はその不在下で24時間、培養した。次に、細胞を洗浄し、回収し
、そして抗−マウス1ad(MHCクラスII)、B7.1、 B7.2又は適切なイソタイプ−
特異的抗体により単一染色し、そして流動細胞計測法により分析した。データプ
ロフィールを、20,000の現象の分析後に得た。図13Aのプロフィールは、示され
るマーカーについて、活性化されていない骨髄DCの染色を示し、そして図13Bは
アルキオソーム処理されたDCの染色を示す。
【0122】 ハッシュド線として示されるプロフィールは、負の染色を示し(イソタイプ−
特異的抗体を伴う)、そして実線のプロフィールは正の染色を示す(特異的抗体
を伴う)。個々のパネル内の%は、2種のグループにおける個々のマーカーにつ
いて強く染色する細胞の数を示す。活性化されていないDCは、MHCクラスII分子
を強く発現することが見出されている。しかしながら、アルキオソームとそれら
のCDとのインキュベーションは、MHCクラスII発現のさらなるアップレギュレー
ションを誘導した。さらに、アルキオソーム処理の後、B7.2発現の強いアップレ
ギュレーションもまた存在した。アルキオソームは、APCに対するMHCクラスII及
び同時刺激分子の急速且つ可能性あるアップレギュレーションを誘発した。
【0123】 本発明者は次に、マウスの腹膜孔中に注射されたアルキオソームがインビボAP
Cを活性化することを示す。BALB/cマウス(n=3)を、1mgのM.スミチ アル
キオソーム(200μlの最終体積のPBSにおいて)、又は200μlのPBS(PBS対照)
によりi.p.注射した。腹膜細胞を5日後に回収し、そして抗−マウスIad−FITC
ラベルされた抗体(MHCクラスII)により染色し、そして流動細胞計測法により
分析した。20,000の現象から推定されるような腹膜滲出物細胞のMHCクラスII染
色(代表的な活性化マーカーとして)を、図14におけるプロフィールにより示す
。その結果は、PBS対照(ハッシュド線の表現プロフィール)からの細胞に比較
して、アルキオソームにより処理されたマウスから得られた細胞におけるMHCク
ラスII発現の強いアップレギュレーション(実線の発現プロフィール)を強調す
る。
【0124】 活性化された抗原提供細胞はしばしば、炎症サイトカイン、特に腫瘍壊死因子
−α(TNF)を分泌する、増強された能力を示す。従って、本発明者は、アルキ
オソームによるAPCの処理がまた、TNHの増強された分泌を誘導するかどうかを試
験した。J774A.1細胞(図15A)又は骨髄DC(図15B)を、種々の濃度の従来のリ
ポソーム(濃リポソーム)、又はM.スミチアルキオソームと共にインビトロで48
時間インキュベートし、そして上清液に生成されるTNFを、前記材料及び方法に
記載のようにして決定した。TNF生成は、三重反復培養物の平均±SDとして示さ
れる。TNFアッセイの感度は、0.1pg/ml以下であった。M.スミチアルキオソーム
と共にインキュベートされたマクロファージ(J774A.1細胞)又は樹状突起細胞
は実質的な量のTNFを生成し、ところが従来のリポソームは、TNF生成の有意な上
昇をもたらすことはできなかった(図15A及び15B)。
【0125】 アルキオソームはインビボでMac 1α陽性細胞の補充を促進する: インビボでの細胞集団に対するアルキオソームの効果を解釈するために、本発
明者は、空のアルキオソームのi.p.注入の後、マウスの腹膜中へのAPC集団の補
充を分析した。BALB/cマウス(n=2)を、1mg/200μlのM.スミチアルキオソー
ムのPBS共に注射した(i.p.)。注射の4及び14日後、細胞を腹膜洗浄液により
回収し、そしてMac 1αの発現について分析した。図16における代表的なデータ
は、対照(PBS−処理された)及びアルキオソーム処理されたマウスからの腹膜
滲出物細胞のMac 1α発現プロフィールを示す。データは、個々のサンプルに関
して、20,000の現象から推定される。
【0126】 次の3種の異なった集団は、Mac 1α染色に基づいて安定され得る:特にアル
キオソーム処理されたマウスにおけるMac 1α-, Mac 1αlow及びMac 1αh1。ア
ルキオソーム注射の後、種々の時点での腹膜におけるそれらの3種の集団%を、
図16に示す。対照マウスにおいては、一次細胞手段はMac 1α-であることが明ら
かである。PBS対照マウスは、注射後すべての日で、類似する細胞プロフィール
を示した。
【0127】 対照的に、アルキオソーム処理されたマウスは、2日(示されていない)及び
4日目で、Mac 1α-細胞の低下、及びMac 1α+細胞の同時上昇を示す。アルキオ
ソーム処理の14日目までに、Mac 1αh1細胞は、腹膜における60%以上の細胞を
考慮して、優性集団になる。Mac 1α発現は主に、単球系(マクロファージ及び
樹状突起細胞を包含する)の細胞上に見出されるので、それらの結果は、アルキ
オソームが注射部位中へのそれらの細胞集団の維持された補充を促進することを
示す。
【0128】 インビボでアルキオソームにより補充され、そして活性化されたMac 1αh1
胞集団をさらに特徴づけるために、BALB/cマウスを、PBS200μl中、M.スミチア
ルキオソーム1mgによりi.p.注射した。5日目、腹膜滲出物細胞を、Mac 1αの発
現について分析した(図17A)。図に示されるように、Mac 1α発現に基づいて、
細胞をMac 1αlow及びMac 1αh1集団に分類した(図17B)。分類された集団の純
度を、ヒストグラムにより表す。分類された細胞(2×105/ml)を、GM−CSF(5
ng/ml)と共に48時間、インビトロで培養した。次に、培養された細胞を回収し
、洗浄し、そしてF4/80、CD11c及びB220の発現について分析した(回17c)。す
べてのヒストグラムは、20,000現象の分析から推定される。
【0129】 興味あることには、Mac 1αh1細胞は、F4/80又はCD11cを発現する2種の集団
を生ぜしめた(図1C、右パネル)。強いF4/80発現は活性化されたマクロファー
ジにより結合され、そしてCD11c発現は成熟樹状突起細胞により結合されるので
(Pulendranなど., 1997)、インビボでアルキオソームにより補充され、そして
活性化されたMoc 1αh1細胞が、それらの可能性ある両APC集団の前駆体を包含し
たことは明らかである。他方では、Mac 1αlow細胞は、F4/80及びCD11cについて
負の染色を示し、そして主としてB220+細胞であることが見出された(図17C,左
パネル)。
【0130】 アルキオソーム−活性化されたAPCはT細胞を刺激する: この実験において、本発明者は、アルキオソームによるAPC(マクロファージ
及びDC)のインビトロ活性化が、T細胞増殖を刺激するAPCの高められた機能的能
力を翻訳することを示す。H−2KdハロタイプJ774A.1細胞又は骨髄由来の樹状突
起細胞(105/ml)を、従来のリポソーム(25μg脂質/ml)又はアルキオソーム(
M.スミチ、25μg脂質/ml)、又はLPS(10μg/ml)と共に24時間インキュベート
し、そして続いて、洗浄し、回収し、そしてアロ−特異的T細胞を刺激するため
のAPCとして使用した。
【0131】 精製されたアロ−特異的(H−2Kb)CD8+T細胞を、2×104個のJ774A.1細胞に
より刺激した(図18A)。他方では、精製されたアロ−特異的CD4+T細胞を、104
個のDCにより刺激した(図18B)。72時間で、細胞3Hチミジンによりパルス、そ
して増殖を、18時間後、液体シンチレーション計数により評価した。データは、
三重反復培養物の平均計数/分(CPM)±SDを表す。
【0132】 アルキオソームに暴露されたマクロファージ(J774A.1, H-2Kb)は、精製され
たアロ−特異的(H-2Kb)CD8+T細胞の増殖を強く刺激した(図18A)。この増殖
は、LPS−活性化されたマクロファージにより達成される増殖に比較できた。い
ずれかの活性をも不在下で、J774A.1 APCは、適度なCD8+T細胞増殖のみを誘発し
た。同様に、活性化されていない骨髄由来のDC(H-2Kb)は、精製された純粋な
アロ−特異的(H-2kb)CD4+T細胞の増殖を誘発する低い能力を示した。しかしな
がら、アルキオソームによる樹状突起細胞の従来の活性化は、T細胞の強い増殖
を誘導した(図18B)。対照的に、従来のリポソームに暴露された樹状突起細胞
は、T細胞刺激を増強しなかった。
【0133】 アルキオソームによりインビボで誘発されたAPCはT細胞増殖及びサイトカイン生
成を強く刺激する: APCをインビボで補充し、そして活性化するアルキオソームの能力を示した後
、本発明者は、T細胞を刺激するそれらのAPCの能力を評価した。BALB/cマウス(
n=3)を、1mg/200μlのM.スミチ アルキオソーム、又は200μlのPBSにより
注射し(i.p.)、そして5日後、腹膜滲出物細胞を回収した。細胞(104)を洗
浄し、係数し、照射し、そしてアロ−特異的(H−2Kb)精製されたCD4+及びCD8+ T細胞を刺激するためにAPCとして使用した。
【0134】 T細胞の増殖を、72時間で、3Hチミジン組み込みによりモニターした(図19A)
。72時間での上清液におけるIFN−γ生成を、ELISAによりアッセイした(図19B
)。データは、三重反復培養物からの値の平均±SDを表す。アルキオソームによ
り処理されたマスクからの腹膜APCは、CD4+及びCD8+T細胞の強い増殖を誘発した
(図19A)。さらに、アルキオソームにより活性化されたAPCにより刺激されたT
細胞は、実質的なIFN−γを生成した(図19B)。対照的に、対照マウス(PBSの
みにより処理され)からの腹膜滲出物細胞は、T細胞増殖又はサイトカイン生成
を誘発することができなかった。
【0135】 リステリア・モノサイトゲネスのための保護ワクチン: 細胞内病原体に対する免疫性は、病原体−特異的CD8+T細胞の生成及び続く作
用に依存する。それらのリンパ球は、致死下の用量の生存病原体への従来の暴露
により、又は生存弱毒化された型の病原体によるワクチン接種により最良に生成
される(Zhan and Cheers, 1998)。本発明は近代ワクチン学の主要目的;すな
わち細胞内病原体に対する保護免疫性を生成する定義された無細胞ワクチンによ
り生存生物のための必要性を置換することに寄与する。そのようなワクチンを現
実化するキーは、生存生物上に発現される抗原が宿主免疫系に暴露される手段を
模倣する抗原供給手段を開発することであると思われる。
【0136】 リステリア・モノサイトゲネスは、原型細胞内病原体であり、そしてこの生物
によるマウスの全身性感染が、細胞介在性免疫性を研究するためのモデルとして
40年間にわたって使用されて来た。L.モノサイトゲネスは、上皮細胞、特殊なフ
ァゴサイトースス及び実質細胞に寄生することができる。抗体はこの病原体に対
して絶対的な防御を付与しない。ネズミリステリア症に対する保護免疫性は、CD
4+T細胞とは対照的に、CD8+T細胞によりほとんど完全に介在されることが一般的
に認められている(North and Conlan, 1998)。CD8+T細胞の正確な機能は、た
ぶん感染された細胞のマクロファージ活性化及び細胞溶解を包含する。保護CD8+ T細胞介在性免疫性を試験するためには、この感染モデルの使用は、論争の余地
がない。
【0137】 従って、本発明者は、一般的に細胞内病原体に対する保護ワクチン接種を例示
する例として、この病原体に対する保護免疫性を誘発するアルキオソーム基在の
ワクチンの能力を試験した。L.モノサイトゲネスヘモリシン、すなわちリステリ
オリシンのノナマーペプチドは、BALB/cマウスのための高く免疫優性のMHCクラ
スI制限CD8+T細胞−特異的エピトープであることが示されている(Vijh and Pam
er, 1997)。本発明者は、アルキオソーム中に封入するための前期免疫優性ノナ
マーアミノ酸配列を含み、そして感染のネズミモデルにおけるそれらのワクチン
の効率を決定する2種のビパルミトイル化されたペプチドを調製した。
【0138】 アルキオソーム−ペプチドワクチン接種は、抗原−特異的CD8+T細胞応答を誘発
する: BALB/cマウスを、遊離(裸)20−マーリポペプチド(27μg)、又はM.スミチ
アルキオソーム(1mgの脂質)に封入された20−マーのリポペプチド(27μg)の
いずれかにより、28日分かれて、2度、ワクチン接種した(s.c.)。第2回目の
ワクチン接種の3週後、純粋な対照からの2匹のマウス及び2種のワクチン接種
されたグループの個々からの2匹のマウスを、免疫学的分析のために採取した。
【0139】 1つの実験においては、個々のマウスグループからの脾臓細胞を、インビトロ
で72時間、示される量の特異的リステリオリシンノナマーペプチドにより刺激し
、そして細胞上清液中へのIFN−γ分泌の抗原−特異的誘発性(三重反復培養物
について±SD)を評価した(図20A)。M.スミチアルキオソームに封入されたペ
プチドによりワクチン接種されたマウス、又は20−マーのリポペプチドのみによ
りワクチン接種されたマウスからの脾臓細胞は、実質的にな量のIFN−γを分泌
することによって見られるように、リステリオリシン−ノナマーペプチドへの暴
露に応答したが、しかし純粋な(ワクチン接種されていない)マウスからの脾臓
細胞はそうではなかった。これは、アルキオソームに封入されたリポペプチドが
抗原−特異的CD8+T細胞応答を増強することができることを示した。
【0140】 同等の実験においては、脾臓細胞の多量培養物を、照射されたPhem3.3細胞(
リステリオリシンのための遺伝子によりトランスフェクトされたP815細胞の誘導
体)との同時インキュベーションにより5日間、刺激した。このようにして生成
されたエフェクターT細胞を、標準のCr開放アッセイを用いて51Cr−ラベルされ
たPhem 3.3又はp815細胞に対する特異的細胞毒性について試験した。広範囲のエ
フェクター:標的物(E:T)比を用いて、三重反復培養物についての%特異的溶
解性±SAを示す。
【0141】 アルキオソームに閉じ込められたリポペプチドによりワクチン接種されたマウ
スからの脾臓細胞は、トランスフェクトされたPhem3.3細胞を殺害するが、しか
しペプチドを発現しない親P815細胞を殺害しなかった。これとは対照的に、純粋
なマウス、又は遊離(封入されていない)ペプチドにより免疫化されたマウスか
らの脾臓細胞は、Phem3.3細胞を溶解できないことにより判断されるように、測
定できるCTL応答を誘発しなかった。
【0142】 上記結果に基づいて、本発明者は、病原体攻撃に対する保護を付与する、封入
されたリポペプチドを含むアルキオソームの効率を評価した(表2)。アルキオ
ソームに封入されたリポペプチドによりワクチン接種されたBALB/cマウスは、ワ
クチン接種されていないマウス(純粋マウス)。リポペプチドのみ又はアルキオ
ソームのみのいずれかによりワクチン接種されたマウス、及びリポペプチドと共
に混合された、前もって形成された空のアルキオソームにより免疫化されたマウ
スを包含する、いずれかの対照グループにおいてその対応する器官に見出される
よりも、それらの肝臓において8〜38倍少ないリステリア、及びそれらの脾臓に
おいて少なくとも380〜2042倍少ないリステリアを有した。
【0143】 CFUにおける1対数の低下は病原体量の90%の低下を表し、そして細菌量にお
ける1対数の低下を3対数低下との間の差異は、細菌数における90%の低下と99
.9%の低下との差異を表す。これから判断すると、肝臓及び脾臓において発現さ
れる免疫性間の生物学的に有意な差異はたぶんほとんど存在しない。アルキオソ
ームに封入されたリポペプチドによるワクチン接種により誘発される免疫性は抗
原−特異的であった。なぜならば、リポペプチド−アルキオソームにより免疫化
されたマウスは、異種の任意の細胞内細菌、すなわちサルモネラ・チビムリウム
による静脈内攻撃に対して、ワクチン特種されていない対照マウスよりも耐性で
はないことが見出されたからであった。従って、アルキオソームに閉じ込められ
たリステリア抗原の注射に続いて、抗細菌耐性の延長された非特異的増強は存在
しない。
【0144】 全身性リステリア症のネズミモデルを用いて、本発明者は、保護細胞介在性免
疫性を誘発できるサブユニットワクチンのための免疫調節、抗原−提供ビークル
としてのアルキオソームの可能性を示した。調製物の増強は、抗原の封入以外、
必要とされなかった。対照的に、他は、従来のリポソームが、保護を誘発するた
めに、リステリオリシンペプチド抗原と共に、免疫刺激物、すなわちQuil−Aの
同時閉じ込めを必要とする(Lipfordなど., 1994a)。通常、抗−リステリア免
疫性は、有毒性L.モノサイトゲネス、又は弱毒化されたビルレンスを有するリス
テリオリシン生成変異体による致死下減染への暴露に続いて、マウスにおいて生
成され得る。
【0145】 対照的に、生存リステリオリシン−陰性細菌、又は殺害された有毒性細菌、又
はリステリア由来のタンパク質によるマウスの免疫化は、そのような保護免疫性
を生成しない(Barryなど., 1992; Zhan and Cheers, 1998)。最近、他の研究
者は、サイトカイン、すなわちインターロイキン−12と共に混合された、殺害さ
れたL.モノサイトゲネスによりマウスを免疫化することによって、保護免疫性を
生成することに成功したことを報告している(Millerなど., 1996)。しかしな
がら、ほぼすべてのこの保護は、外因性IL−12による免疫系の非特異的活性化の
ためであると思われ、そしてそれ自体、疑いなく、短命であろう。さらに、IL−
12は、宿主に対して高い毒性であることが知られている。
【0146】 リステリオリシンペプチドペプチド抗原又は完全なリステリオリシン(生存細
菌及びウィルスベクター中に組み込まれる場合)によるマウスのワクチン接種は
、毒性リステリア・モノサイトゲネスによる攻撃に対する保護免疫性を生成する
のが(Annなど., 1996; Gentshev など., 1996; Sirard など., 1997)、しかし
それらは、前に言及された生存ワクチンの欠点を有する。キャリヤー分子として
炭疽菌毒素により融合されたリステリオリシンペプチド抗原はまた、抗−リステ
リアワクチンとして作用する(Ballardなど., 1996)。
【0147】 しかしながら、このアプローチの主要欠点は、ワクチンキャリヤー自体が免疫
原であることである。これは、それが反復して使用され得ないので、その利用性
を低める。アルキオソームが、追加の免疫刺激、例えばQuil A又はIL−12のため
の必要性、又は抗原のための生存性、複製キャリヤーを使用する必要性を伴なわ
ないで、非複製ペプチドのための免疫調節キャリヤとして作用するので、本発明
の結果は新規であり、且つ従来技術に反する。
【0148】 抗−リステリア免疫性の持続性: データは、動物において生成される、アルキオソーム供給抗原に対する、寿命
及び記憶免疫学的応答を支持することが示された。次に、M.スミチアルキオソー
ムに封入されたリポペプチドによりワクチン接種されたマウスにおける抗−リス
テリア免疫性の持続性を、最終ワクチン接種後10ヶ月まで、L.モノサイトゲネス
により、そのワクチン接種されたマウスを攻撃することにより評価した(表3)
。ワクチン接種の1ヶ月後に見られる保護免疫性のレベル(表2)は、ワクチン
接種後少なくとも10ヶ月間、持続した。
【0149】 本明細書において使用される、アルキオソームに基づく抗−リステリアワクチ
ンは、炭疽菌−毒素に基づく融合ワクチン(Ballardなど., 1996)、組換えワク
シニアワクチン(Annなど., 1996)及び裸DNAに基づくワクチン(Cornellなど.,
1999)よりも卓越した長期保護免疫性を誘発すると思われる。他のワクチン接
種方法(Lipfordなど., 1994a; Annなど., 1996; Ballardなど., 1996)のいず
れも、アルキオソームに基づくワクチンが明確に誘発することができる急速に発
現された免疫性を誘発する能力を示さなかった。
【0150】 抗−リステリア免疫性の発現の運動学: 次に、免疫化されたマウスにおける増強された抗−リステリア耐性の出現の運
動学を試験した(図21A及び21B)。BALA/cマウスのグループを、PBSのみにおけ
る(●)又は0.5mgのM.スミチアルキオソームに封入された(○)、12.5μgの20
−マーのリポペプチド抗原により、0, 21, 42日目にワクチン接種した(100μl
の注射体積)。最後のワクチン接種の6週後、マウスを、3.18×103CFUのL.モノ
サイトゲネスの静脈内接種物により攻撃した。最近負荷量を、攻撃の後、1, 2及
び3日でマウスの両グループの肝臓(図21A)及び脾臓(図21B)において決定し
た。M.スミチアルキオソームに閉じ込められた抗原によりワクチン接種されたマ
ウスは、感染の24時間後、脾臓において、及び感染の48時間後、肝臓において抗
−リステリア免疫性を発現した。
【0151】 種々のアルキオソームに閉じ込められた抗原によるワクチン接種に続いての免疫
性の急速な開始: 免疫化に続いての抗−リステリア耐性の開始の時間を評価するために、マウス
を、M.スミチ又はH.サリナラムのいずれかから調製されたアルキオソームに閉じ
込められたリステリオシン−由来の20−リポペプチドにより1度ワクチン接種し
、そして7日後、L.モノサイトゲネスにより攻撃した。脾臓及び肝臓における細
菌負荷量を、感染の3日目に決定した。表4における結果は、実質的な抗−リス
テリア耐性がいずれかのリポペプチド−アルキオソームに配合物によりワクチン
接種されたマウスの両器官において発現さえたことを示す。この耐性は、それが
空のアルキオソームによりワクチン接種されたマウスにおいて不在であるので、
特異的であった(純粋な免疫性ではない)。
【0152】 極端な好ハロ細菌(H.サリナラム、N.マガジ)、好酸性細菌(T.アシドフィラ
ム)、又はメタン細菌(M.スミチ)の全極性脂質から調製されたアルキオソーム
において供給される20−マーのリポペプチド抗原は、従来のエステルリン脂質リ
ポソームに閉じ込められた同じ抗原により誘発される免疫性よりも卓越した早い
保護免疫性を誘発する(表5)。この免疫性は、H.サリナラムから調製されたア
ルキオソームに閉じ込められた高原によりワクチン接種されたマウスは、S.チピ
ムリウムによる攻撃に対して、対照マウスよりも耐性でなかったので、抗原−特
異的であると思われた。さらに、相補的研究(表6)においては、T.アシドフィ
ラムアルキオソームに閉じ込められた抗原によるワクチン接種に続いて発現され
る早い免疫性は、ハプロタイプ−限定され且つ病原体−特異的であることが見出
された。
【0153】 表5におけるように1度、免疫化されたBALB/cマウスのグループがワクチン接
種後1ヶ月で攻撃される場合、すべてのアルキオソーム配合物は類似するレベル
尾保護免疫性を示した(表7)。 もう1つの例においては、2度のワクチン接種されたマウスのグループを、10
倍高い用量のL.モノサイトゲネスにより1ヶ月後、攻撃した。M.スミチ及びT.ア
シドフィラムアルキオソームに閉じ込められた抗原によるワクチン接種により誘
発された脾臓における保護は、H.サリナラムアルキオソーム又は従来のリポソー
ムのいずれかに封入された抗原により誘発される保護よりも卓越していた。しか
しながら、肝臓においては、3種のアルキオソーム型のいずれかによる免疫化は
、従来のリポソーム免疫化に比較して、低いCFUをもたらした(表8)。
【0154】 L.モノサイトゲネスモデルにおいて急速保護性を付与するために必要とされる抗
原及びアルキオソーム用量: これらの研究のために、13−マーリポペプチドを、T.アシドフィラムアルキオ
ソームに閉じ込めた。マウスを、注射の前、連続的に希釈されたワクチンにより
免疫化し、従って一定の抗原:脂質比を維持した。1週間後の保護性を、生存病
原体により動物を攻撃することによって評価した。データは、急速な保護が、50
0μgアルキオソーム中、23μgのリポペプチド〜10μgのアルキオソーム中、0.5
μgのリポペプチドのすべての用量のT.アシドフィラムワクチンの1回の免疫化
の後、生じたことを示す(表9)。
【0155】 フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis): フランシセラ・ツラレンシスは、グラム陰性の任意の細胞内病原体である。そ
れは、ツラレミア、すなわちヒト及び他の哺乳類の重度の及びしばしば致死的疾
病の病因剤である。F.ツラレンシスはマクロファージ及び実質細胞の両者に存在
する細胞内病原体であるので、体液性よりもむしろ細菌介在性免疫性はそれを攻
撃するために必要とされると思われる。臨床学的に、これは、実験的に弱毒化さ
れた生存ワクチン(但し、殺害された完全細胞のワクチンではない)による実験
用個人の免疫化が保護免疫性を付与する発現により支持される。ツラレミアのネ
ズミモデルを用いての包括的な研究は、特異的T細胞介在性免疫性が一次及び二
次F.ツラレンシス感染の効果的な解決のキーであることを納得のゆくよう示して
いる(Conlanなど., 1994)。
【0156】 従って、本発明者は、細胞内病原体に対して非複製ワクチンの免疫調節キャリ
ヤーとして作用するアルキオソームの能力を試験するために細胞内寄生のもう1
つのモデルとしてツラレミアを使用した。使用される抗原は、F.ツラレンシスか
ら単離された外層膜調製物であった。その単離された外層膜は、粒子サイザーを
用いてサイズに関して特徴づけられ、そして65±37nmの直径の小胞であった。外
層膜とアルキオソームとの間の融生成物が製造されるかどうかを評価するために
、外層膜、M.スミチアルキオソーム、及び外層膜とM.スミチアルキオソームとの
間の推定上の融合生成物のサンプルを別々に、1体積のPercoII(商標)(Pharm
acia Fine Chemicals)及び2体積のPBSと共に混合した。
【0157】 次に、サンプルを7.700×gで2.5時間、遠心分離した。空のアルキオソーム(
外層膜なし)はグラジエントの表面近くのバンドを形成し、そして外層膜はグラ
ジエント中に単一の別々の数センチメーターのバンドを形成した。融合性物につ
いての証拠は、外層膜及びアルキオソームバンドの消出、及び中間密度の新規バ
ンドの形成として出現した。 前記融合生成物により2度、免疫化されたマウスは、有毒病原体によるエーロ
ゾル攻撃に対する保護性を示した(表10)。多くの場合、組織は、与えられる少
抗原用量にもかかわらず、無菌であった。
【0158】 アルキオソーム−抗原により予備免疫化されたマウスにおける腫瘍進行に対する
保護性: EG.7は、OVAをコードする遺伝子によりトランスフェクトされたT細胞リンパ腫
細胞系であり、そしてマウスにおいて固形腫瘍を誘発することが知られている。
C57BL/6マウスのグループを、空のアルキオソーム(260μgのT.アシドフィラム
又は312μgのM.スミチアルキオソーム)、又はPBS中、15μgのOVA、又はそれぞ
れの量の上記アルキオソームに封入された15μgのOVAにより、0及び21日目にs.
c.免疫化した。マウスのもう1つのグループを、1mgのH.サリナラムアルキオソ
ームに封入された25μgのOVAにより免疫化した。純粋な(対照)マウスは、免疫
化されなかった。
【0159】 すべてのマウスを、10×106のEG.7腫瘍細胞により、1回目の注射の8週間後
、攻撃し、そして腫瘍サイズを、材料及び方法に記載のようにして測定した。純
粋なグループ(図22A)、OVAのみにより免疫化されたグループ(図22B)及び空
のアルキオソームにより免疫化されたグループ(図22D及びF)におけるすべての
マウスは、腫瘍を増殖した。しかしながら、腫瘍増殖及び進行に対する顕著な保
護が、H.サリナラム(図22C)、T.アシドフィラム(図22E)又はM.スミチ(図22
G)のアルキオソームに閉じ込められた抗原により予備免疫化されたマウスにお
いて存在した。個々のマウスにおける腫瘍サイズの進行を、図22A−22Gにおいて
、時間に対してプロットする。
【0160】 アルキオソーム−抗原免疫化の保護効果はまた、可能性ある転移性腫瘍のもう
1つのモデルにおいて明らかであった。B16−OVAは、OVAをコードする遺伝子によ
りトランスフェクトされたH-2b起源のメラノーマ細胞系であり、そして腫瘍攻撃
の14日後、肺において転移性腫瘍病巣を誘発することが知られている。実験を、
材料及び方法下に記載されるようにして行った。それらの腫瘍細胞により静脈内
注射された純粋なマウスは、腫瘍攻撃の14日後、肺において100以上の黒色転移
性病巣を進行せしめた。対照的に、3匹のOVA−M.スミチアルキオソームにより
免疫化されたマウスのうち2匹は、劇的に低められた肺病巣(それぞれ、8及び
20)を有し、そして1匹のみが、腫瘍攻撃に基づいて、純粋な対照マウスに相当
する病巣数を示した。
【0161】 腫瘍に対するアルキオソームの治療効果: 空のアルキオソームソーム、及び封入された抗原を含むアルキオソーム腫瘍増
殖に対する治療効果を次のとおりにして評価した。C57BL/6マウスをまず、10×1
06個のEG.7腫瘍細胞によりs.c.注射し、続いて、対照(純粋)、又は15μgのOVA
、144μgのT.アシドフィラム又はM.スミチアルキオソームのいずれかに封入され
た15μgのOVAにより、又は144μGのいずれかのタイプの空のアルキオソームによ
り、0及び10日目に免疫化した。
【0162】 OVAのみの注射は、腫瘍増殖/進行に対して影響を有さなかった(図23A及び23B
を比較すること)。T.アシドフィラムの空のアルキオソームの注射は、5匹のマ
ウスのうち2匹において腫瘍の完全な後退(クリアランス)をもたらし、そして
類似する完全な腫瘍後退を示し(2/5のマウス)、そしてOVA抗原がそれぞれのア
ルキオソームに封入される場合、残りのマウスにおける大きな腫瘍の形成を妨げ
た(図22D)。M.スミチの空のアルキオソームは、特に強い治療効果を有し、す
なわち5匹のマウスのうち5匹において腫瘍の後退が存在した(図23E)。
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【0175】
【表1】
【0176】 精製された極性脂質アルキチジルグリセロールリン酸−O−メチル(H.サリナ
ラムからのPGP−O−CH3)又はアルキチジルグリセロール(N.マガジからのPG)
が、封入されたオボアルブミンによりアルキオソームを製造するために使用され
た。BALB/cマウスが、0.6〜0.8mgの脂質に封入された20μgのオボアルブミンに
より、3週離れて2度、免疫化する(s.c.)ために使用された。細胞毒性T細胞
(CTC)活性を、種々のエファクター:標的物比で標的細胞の%溶解性として、
最終ワクチン接種の3週後に測定した(EG.7データー対照EL-4データ)。
【0177】
【表2】
【0178】 1:マウス(n=グループ当たり4〜6)を、0,21,42日目にワクチン接種
し(s.c.)、そして最終ワクチン接種後、28日で細菌により攻撃した(1.66×10 3 CFUのL.モノサイトゲネス/マウス又は2.42×103CFUのS.チピムリウム/マウス、
i.v.投与された); 2:細菌負荷量(Log10±SD CFU/器官)は、攻撃後3日で決定された; 3:0.5mgのM.スミチ アルキオソームに封入された12.5μgの20−マーリポペ
プチド; 4:PBS中、12.5μgの20−マーリポペプチド; 5:0.5mgの空のM.スミチアルキオソーム; 6:0.5mgの予備形成されたM.スミチ アルキオソームと共に混合された12.5
μgの20−マーのリポペプチド;
【0179】 ★:封入されたペプチドにより免疫化されたマウスの対応する器官においてよ
りも有意に高い細菌負荷量(P<0.05, Mann Whitneyランク合計試験); +:括弧内の数字は、検出できるレベルのCFUを有さないグループにおけるマ
ウス/示される期間の割合を示す; 括弧が示されない場合、グループ中のすべてのマウスにおけるそれぞれの器官
は検出できるCFU(すなわち、感染)を有し;CFU:コロニー形成単位;SD:標準
偏差。
【0180】
【表3】
【0181】 1:マウス(グループ当たり4〜5)は、M.スミチ アルキオソームに封入さ
れた20−マーのリポペプチド抗原により、表2におけるようにしてワクチン接種
された。最終ワクチン接種に続いて3,5及び10ヶ月後、ワクチン接種された及
びワクチン接種されていない(対照)マウスグループは、103CFUのL.モノサイト
ゲネスにより攻撃された。細菌負荷量を、前記攻撃の後3日で決定した(Log10
±SD CFUリステリア/器官)。
【0182】 ★:Mann Whitney ランク合計試験によれば、ワクチン接種されていない対照
グループからの対応する器官においてよりも有意に低い細菌負荷量(P<0.05)
。 +:括弧内の数字は、検出できるリステリアを有さないグループにおけるマウ
ス/示される器官の割合を示す;括弧が示されない場合、グループ中のすべての
マウスにおけるそれぞれの器官は検出できるCFU(すなわち、感染)を有した。C
FU:コロニー形成単位;SD:標準偏差。
【0183】
【表4】
【0184】 マウス(グループ当たり4又は5)が、0.6mgのM.スミチ又はH.サリナラムア
ルキオソームに閉じ込められた15μgの20−マーリポペプチド、又は空のアルキ
オソームにより1度ワクチン接種された(s.c.)。ワクチン接種の7日後、すべ
てのマウスは、2.5×103CFUのL.モノサイトゲネスのi.v.接種物により攻撃され
た。攻撃の3日後、肝臓及び脾臓における細菌負荷量(Log10±リステリア/器官
)が決定された。
【0185】 ★:ワクチン接種されていない対照グループからの対応する器官においてより
も有意に低い細菌負荷量(P<0.05)。 +:その対応する空の(抗原なし)アルキオソームにより免疫化されたマウス
においてよりもその対応する器官において有意に低い細菌負荷量(P<0.05)。
【0186】
【表5】
【0187】 マウス(グループ当たり5)は、言及される( )の量の1つの又はもう1つ
の小胞型に封入された15μgの20−マーリポペプチドにより1度、ワクチン接種
された。ワクチン接種の1週間後、マウスは、L.モノサイトゲネス(2.5×103CF
U/マウス)又はS.チピムリウム(3.1×103CFU/マウス)のいずれかにより静脈内
攻撃された。肝臓及び脾臓における細菌負荷量(病原体/器官のLog10CFU±SD)
が、前記攻撃の3日後に決定された。
【0188】 ★:Mann Whitneyランクの合計試験によれば、純粋な対照グループの対応する
器官における負荷量よりも有意に(P<0.05)低い細菌負荷量; +:括弧内の数字は、検出できるリステリアを有さないグループにおけるマウ
ス/示される器官の割合を示す; 括弧が示されない場合、グループ中のすべてのマウスにおけるそれぞれの器官
は検出できるCFU(すなわち、感染)を有した。
【0189】
【表6】
【0190】 1:マウスは、T.アシドフィラムアルキオソーム(0.28mg)に封入された20−
マーリポペプチド(11μg)により1度ワクチン接種し、次に、L.モノサイトゲ
ネス(2.23×103CFU/マウス)又はS.チピムリウム(3.61×103CFU/マウス)のい
ずれかにより、7日後、攻撃した。肝臓及び脾臓における細菌負荷量(病原体/
器官のLog10±SD CFU)が、前記攻撃の3日後に決定した。
【0191】 ★:純粋(ワクチン接種されていない)なマウスグループの対応する器官にお
いてよりも有意に低い(P<0.05)細菌負荷量。 +:括弧内の数字は、検出できるリステリアを有さないグループにおけるマウ
ス/示される器官の割合を示す; 括弧が示されない場合、グループ中のすべてのマウスにおけるそれぞれの器官
は検出できるCFU(すなわち、感染)を有した。
【0192】
【表7】
【0193】 マウス(グループ当たりn=5)が、1つの又はもう1つのアルキオソーム(
表5に言及されるようなアルキオソーム量)に封入された15μgの20−マーリポ
ペプチドにより1度ワクチン接種された。ワクチン接種の1ヶ月後、マウスは、
L.モノサイトゲネス(2.5×103CFU/マウス)により静脈内攻撃された。肝臓及び
脾臓における細菌負荷量(リステリア/器官のLog10CFU±SD)が、前記攻撃の3
日後に決定された。
【0194】 ★:Mann Whitneyランク合計試験によれば、純粋な(ワクチン接種されていな
い)対照マウスグループの対応する器官における負荷量よりも有意に低い(P<0
.05)細胞負荷量。
【0195】
【表8】
【0196】 マウス(グループ当たりn=3又は4)が、1つの又はもう1つのビークル型
(表5に言及される量)に封入された15μgの20−マーリポペプチドにより、又
は空のM.スミチ アルキオソーム(抗原なし)により、28日離れて2度、ワクチ
ン接種された。ワクチン接種の1ヶ月後、マウスは、L.モノサイトゲネスにより
静脈内攻撃された(2.0×104CFU/マウス)。肝臓及び脾臓における細菌負荷量(
リステリア/器官のLog10CFU±SD)が、前記攻撃の3日後に決定された。
【0197】 ★:Mann Whitneyランク合計試験によれば、M.スミチアルキオソーム(抗原を
有さない対照グループ)の対応する器官におけるよりも有意に低い(P<0.05)
細胞負荷量。 +:括弧内の数字は、検出できるリステリアを有さないグループにおけるマウ
ス/示される器官の割合を示す; 括弧が示されない場合、グループ中のすべてのマウスにおけるそれぞれの器官
は検出できるCFU(すなわち、感染)を有した。
【0198】
【表9】
【0199】 マウス(5匹の動物/グループ)が、表に表される濃度で13−マーリポペプチ
ドを含むアルキオソームにより1度ワクチン接種された(s.c.)。ワクチン接種
の1週後、動物が1.26×104CFUのL.モノサイトゲネスにより攻撃され(i.v.)、
そして脾臓及び肝臓における細菌負荷量(リステリア/器官のLog10CFU±SD)が
前記攻撃の3日後、決定された。 +:括弧内の数字は、検出できるレベルのCFUのリステリアを有さないグルー
プにおけるマウス/示される器官の割合を示す; 括弧が示されない場合、グループ中のすべてのマウスにおけるそれぞれの器官
は検出できるCFU(すなわち、感染)を有した。
【0200】
【表10】
【0201】 マウス(6匹の動物/グループ)が、F.ツラレンシスから抽出された外層膜(1
.6μgのタンパク質)を含む1mgのM.スミチ アルキオソームにより、0、3及び5
週目で、尾の基底で皮下ワクチン接種された。最初のワクチン接種の7週後、動
物は、1ml当たり6.9×109CFUを含むF.ツラレンシスLVSの懸濁液によるエーロゾ
ルにより攻撃された(5分間)。肺、脾臓及び肝臓における細菌負荷量(F.ツラ
レンシス/器官のLog10CFU±SD)が、前記攻撃の3日後に、プレート計数により決
定された。
【0202】 +:括弧内の数字は、検出できるレベルのCFUのF.ツラレンシスを有さないグ
ループにおけるマウス/示される器官の割合を示す; 括弧が示されない場合、グループ中のすべてのマウスにおけるそれぞれの器官
は検出できるCFU(すなわち、感染)を有した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、封入された抗原(Ag)を担持する種々のアルキオソームによるマウス
のBALB/c又はC3H/HeJ株のi.p.又はs.c.免疫化が、インビトロで、強い抗原−特
異的脾臓細胞増殖を示す脾臓細胞のマウスにおける増殖を誘発することを示す。
Ag−アルキオソーム免疫化マウスから得られた脾臓細胞の増殖性応答(個々のグ
ループにおけるマウスの平均kCPM±SEM)は、Agのみ(アジュバントなし)、又
は従来のリポソーム(濃リポソーム)に封入されたAgにより免疫化されたマウス
のその応答によりも卓越した。みょうばん(Alum)上に吸着されたAgにより免
疫化されたマウスからのデータが、Agのための例としてBSA(図1A, B)、HEL(
図1C)又はOVA(図1D)を用いての比較目的のために示された。
【図2】 図2は、示されるアルキオソームに封入された抗原(Ag)により免疫化された
(0及び21日目)BALB/cマウスからの脾臓細胞が、Th1(IFN−γ)及びTh2(IL
−4)サイトカインの生成を誘発することを示す(個々のグループにおけるマウ
スの平均サイトカイン生成±SEM)。マウスは、アルキオソーム中、10μgのHEL
により(i.p.)(図2A)、又はアルキオソーム中、15μgのOVAにより(s.c.)
(図2B)、免疫化された。抗原のみ(アジュバントなし)、従来のリポソーム
(濃リポソーム)に封入されたAg、及びみょうばん(Alum)上に吸着されたAgに
より免疫化されたマウスのグループからのデータが、比較目的のために包含され
る。
【図3】 図3は、従来のリポソームに比較して、アルキオソームに封入されたOVAによ
りs.c.免疫化されたマウスからの脾臓培養物におけるIFN−γ生成の卓越したOVA
−特異的誘発の例を示す。
【図4】 図4は、Agのみへの再暴露に基づいて、強い記憶応答が、ゲート抑制されたCD
4+細胞に対して得られるCD4+T細胞周期プロフィールにより示されるように、Ag
−アルキオソームにより前もって免疫化されたマウスにおいて誘発されることを
示す。図4Aにおけるプロフィールは、CD4+(FL1)ゲートを示す。図4Bにおけ
るプロットは、個々のグループにおける細胞周期の種々の期におけるCD4+細胞の
%を示す[ヨウ化プロピジウム(FL3)包含率に基づく]。“A”はアポプトシス
を示し、“G”は休止を示し、“S”は合成を示し、そして“G2/M”は有糸分裂期
を示す。
【図5】 図5は、M.スミチ アルキオソームに閉じ込められたOVAによるマウスの免疫
化に続いての脾臓CTL細胞の誘発が、PBSのみにおけるOVA(アジュバントなし)、
又は従来のリポソーム(濃リポソーム)に閉じ込められているか又はみょうばん
上に吸着されているOVAにより免疫化されたマウスにおける誘発により卓越して
いることを示す。図5Aにおいては、CTL応答は、EL-4(非特異的標的物)及びEG
.7(OVAペプチドを発現する特異的標的物)細胞上での種々のエフェクター:標
的物(E:T)比での三重反復培養物の%特異的溶解性±SDとして示される。OVA
−M.スミチアルキオソームにより免疫化されたマウスからの脾臓細胞が、OVA257 -264 ペプチド−パルスされたAPC(IC21細胞により刺激され、そしてIFN−γ生成
(ng/ml±SD)が、APC刺激の不在下で(活性化なし)、負荷されていないAPCの
存在下で(APC)、そしてOVAペプチドによりパルスされたAPCによる刺激の後(A
PC+OVA−ペプチド)、決定された(図5B)。
【図6】 図6は、強いCTL活性(%特異的溶解性)がまた、他のアルキオソームに閉じ
込められた)OVAにより免疫化されたマウスにおいて検出されることを示す。
【図7】 図7は、OVA−アルキオソームによるC57BL/6マウスの1回の注射の後に得られ
るCTL活性(%特異的溶解性)が、マウスの追加免疫化注射に基づいて、さらに
増強されることを示す。
【図8】 図8は、OVA−アルキオソームにより免疫化されたマウスにおいて誘発されるCT
L活性(%特異的溶解性)が、CD8+T細胞を通して介在されることを示す。マウス
は、M.スミチアルキオソームに閉じ込められた15μgのOVAにより免疫化された。
アルキオソームにより免疫化されたマウスからの脾臓細胞集団におけるCD8+T細
胞の溶解性は、CTL活性の損失をもたらした。
【図9】 図9は、OVA−M.スミチアルキオソームによるCD4+T細胞−欠失マウスの免疫化
が、s.c.免疫化の後、14日で(図9A)及び30日で(図9B)、アッセイされる、
通常の対照により免疫化されたマウスにおけるその活性に相当する強いCTL活性
(三重反復培養物の%特異的溶解性±SD)をもたらすことを示す。
【図10】 図10は、OVA−アルキオソームによるC57BL/6マウスの免疫化が、抗原に対する
強く且つ長く続くCTL記憶応答を誘発することを示す。データは、個々のマウス
からの脾臓細胞について、溶解単位±SDとして示される。
【図11】 図11は、アルキオソームが脾臓CD8+T細胞上での細胞表面分子の発現を調節す
ることを示す流動細胞計測データである。図10に記載される実験からの代表的な
マウス(n=2)及び純粋な対照マウス(n=2)が、免疫化の140日後、OVA25 7-264 ペプチド−パルスされたIC21マクロファージにより攻撃された(i.p.)。
5日後、脾臓CD8+T細胞集団の分析は、より高い量のCD44、LFA−1(CD11a)及
びCD28タンパク質が対照に比較して、Ag−アルキオソーム免疫化マウスからの脾
臓細胞において発現されたことを示した。個々のパネル内の数は、個々のマーカ
ーについてのCD8+T細胞の%を示す。
【図12】 図12は、空のアルキオソームがインビトロでの増殖の間、J774A.1細胞上での
細胞表面分子の発現をアップレギュレートすることを示す流動細胞計測データ(
20,000の現象)である。M.スミチアルキオソーム(アルキオソーム、25μgの脂
質/ml)により処理されたJ777A.1マクロファージにおけるMHCクラスII、B7.2分
子の増強された発現は、陽性対照(LPS, 10μg/ml)に見られるアップレギュレ
ーションに相当するか又はそれを越えた。従来のリポソーム(濃リポソーム、25
μgの脂質/ml)による効果は最少であり、そして純粋な(活性化なし)対照の効
果に相当した。ハッシュド線は、個々の活性化マーカーについての陽性染色を示
す。個々のパネル内の数は、種々の処理グループにおける個々のマーカーについ
てのMac1α+ 細胞染色の%を示す。
【図13】 図13は、インビトロで、空のアルキオソームにより処理された骨髄由来の樹状
突起細胞(DC)上の細胞表面分子のアップレギュレーションを示す流動細胞計測
データ(20,000の現象の分析)である。流動細胞計測データは、M.スミチ アル
キオソーム(25μgの脂質/ml)の不在下で(すなわち、活性化なし、図13A)又
はその存在下で(図13B)、24時間、培養されたDC(105/ml)に対して得られた
。ハッシュド線は、負の染色を示し(イソタイプ−特異的抗体による)、そして
実線は正の染色を示す。個々のパネル内の%は、2種のグループにおける個々の
マーカーについて強く染色する細胞の数を示す。
【図14】 図14は、マウス中にi.p.投与される空のアルキオソームが、腹膜滲出物細胞上
でのMHCクラスII発現のアップレギュレーションをもたらすことを示す流動細胞
計測データ(20,000の現象の分析)である。ハッシュド線は、PBSのみにより処
理される対照マウスからの細胞の発現プロフィールを示し、そして実線は、M.ス
ミチアルキオソーム処理されたマウスからの細胞のMHCクラスII増強された発現
プロフィールを示す。
【図15】 図15は、従来のリポソーム(濃リポソーム)に比較して、M.スミチアルキオソ
ームが、実質的な量の腫瘍壊死因子−α(TNF)を生成するために、J774A.1マク
ロファージ(図15A)及び樹状突起細胞(図15B)を誘発することを示すヒストグ
ラムである。マクロファージ又はDCが、種々の濃度の従来のリポソーム又はM.ス
ミチアルキオソームにより、インビトロで49時間、処理され、そして上清液にお
いて生成されるTNF(三重反復培養物の±SD)がバイオアッセイにより評価され
た。TNFアッセイの感度は、0.1pg/ml以下であった。
【図16】 図16は、マウス中にi.p.注射された空のアルキオソームが腹膜へのMac 1α+細
胞の補充をもたらすことを示す流動細胞計測データ(個々のサンプルにおいて、
20,000の現象の分析)である。BALB/cマウス(n=2)が、1mg/200μlのM.スミ
チアルキオソーム(アルキオソーム)、又は200μlのPBS(PBS対照)により注射
された。4及び14日後、細胞を、腹膜洗浄により回収し、そして流動細胞計測に
よりMac 1αの発現についてで分析した。PBS対照マウスは、注射後のすべての日
で類似する細胞プロフィールを示した。図に示される%細胞数から示されるよう
に、次の3種の異なった集団が、Mac 1α染色に基づいて識別された:Mac 1α、
Mac 1αlow及びMac 1αh1
【図17】 図17は、アルキオソーム−注射されたマウスの腹膜において誘発されたMac 1
αh1がマクロファージ(F4/80)及び樹状突起細胞(CD11c)から成ることを示す
流動細胞計測データである。BALB/cマウスが、200μlのPBS、又は200μlのPBS中
、1mgのM.スミチアルキオソームによりi.p.注射された。5日目、腹膜滲出物細
胞を、Mac 1αの発現について分析した(図17A)。図に示されるように、Mac 1
α発現に基づいて、細胞は、Mac 1αlow及び1αh1集団に分類された(図17B)
。分類された細胞(2×105/ml)が、GM−CSF(5ng/ml)と共に48時間、インビ
トロ培養された。次に、培養された細胞が回収され、洗浄され、そしてF4/80、C
D11c及びB220の発現について分析された(図17C)。すべてのプロフィールは、2
0,000の現象の分析から推定される。
【図18】 図18は、空のM.スミチアルキオソーム(25μgの脂質/ml)、又は従来のリポソ
ーム(濃リポソーム、25μgの脂質/ml)又はLPS(10μg/ml)により処理されたA
PCによるアロ−特異的T細胞の刺激を比較する増殖データである。J774A.1マクロ
ファージ又は骨髄樹状突起細胞が、アルキオソーム又はLPSにより処理され、そ
して次に、APCが精製されたアロ−特異的(H−2kb)CD8+T細胞(図18A)又はCD4 + T細胞(図18B)を刺激するために使用された。データは、三重反復培養物の平
均計数/分(CPM)±SDを表す。
【図19】 図19は、空のアルキオソームにより処理されたマウスから採取された腹膜滲出
物細胞によるアロ−特異的T細胞の刺激を示す。BALB/cマウス(n=3)が、ア
ルキオソーム又はPBSにより処理され、そして5日後、腹膜滲出物細胞が回収さ
れた。それらの細胞は、アロ−特異的(H−2Kb)精製されたCD4及びCD8+T細胞を
刺激するためにAPCとして使用された。T細胞の増殖が、3Hの組み込みにより2時
間モニターされた(図19A)。IFN−γが、ELISAにより、培養上清液において測
定された(図19B)。データは、三重反復培養物からの値の平均±SDを表す。
【図20】 図20は、ペプチド−アルキオソームワクチンにより免疫化されたマウスからの
脾臓細胞がIFN−γ(図20A)及びCTL活性(図20B)の抗原−特異的刺激を示すこ
とを示す。CTL活性は、広範囲のエフェクター:標的物(E:T)比を用いて、三
重反復培養物についての%特異的溶解性±SDとして示される。
【図21】 図21は、アルキオソームに封入された20−マーリポペプチドによりワクチン接
種されたBALB/cマウスにおける抗−リステリア免疫性の発現の運動学を示す時間
の経過である。マウスは、M.スミチアルキオソームに封入された12.5μgの20−
マーリポペプチド抗原(100μlのPBS中、0.5mgのアルキオソームにおける抗体)
(○)、又は100μlのPBSのみ(●)によりワクチン接種された。最後のワクチ
ン接種の6週間後、マウスはL.モノサイトゲネスにより攻撃された。細菌負荷量
は、攻撃の後、1,2及び3日で、ワクチン接種された及び対照マウスの肝臓(
図21A)及び脾臓(図21B)において決定された。★:これは、Mann Whitneyラン
ク合計試験により、免疫化されたマウス:対照マウスにおいて有意に低い(P<0
.05)細菌負荷量を示す。点線:細菌検出の下限。
【図22】 図22は、アルキオソームに封入された抗原によるマウスの免疫化が固形腫瘍の
増殖に対する保護を提供することを示す。C57BL/6マウスが、何もなし(すなわ
ち、純粋なマウス図22A)、PBSのみ中、15μgのDVA(図22B)、H.サリナラムア
ルキオソーム中、15μgのOVA(図22C)、T.アシドフィラムアルキオソーム中、1
5μgのOVA(図22E)又はM.スミチ中アルキオソーム、15μgのOVA(図22G)、又
は空のT.アシドフィラム(図22D)又はM.スミチアルキオソーム(図22F)により
、0及び21日目に免疫化された。マウスは、106個のEG.7(OVAコードの遺伝子に
よりトランスフェクトされたT細胞リンパ腫細胞)腫瘍細胞により、最初の免疫
化の8週後に攻撃された。
【図23】 図23は、空のアルキオソーム、又はアルキオソームに封入された抗原のいずれ
かによる免疫が、固形腫瘍の抑制をもたらすことを示す。C57BL/6マウスは、107 個のEG.7腫瘍相棒を注射された。純粋なマウスは免疫化されなかった(図23A)
。マウスの他のグループは、矢印により示されるように0及び10日目、PBS中、1
5μgのOVA(図23B)、又はT.アシドフィラムアルキオソーム(図23D)又はM.ス
ミチアルキオソーム(図23F)に封入された15μgのOVA、又は空のT.アシドフィ
ラムアルキオソーム(図23C)又はM.スミチアルキオソームにより免疫化された
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月7日(2002.5.7)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図2】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図4】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図5】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図6】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図7】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図8】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図9】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図10】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図11】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図12】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図13】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図14】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図15】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図16】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図17】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図18】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図19】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図20】
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図21】
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22A−C
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図22A−C】
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22D−G
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図22D−G】
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23A−B
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図23A−B】
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23C−F
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図23C−F】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/002 A61K 47/14 39/02 47/24 39/12 47/46 47/14 A61P 31/00 47/24 31/04 47/46 31/12 A61P 31/00 35/00 31/04 A61K 37/02 31/12 37/66 Z 35/00 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 クリシュナン,ラクシュミ カナダ国,オンタリオ ケー1シー 7エ ム9,グロスター,ボンヌビル クレセン ト 1549 (72)発明者 コンラン,ジェイ.ウェイン カナダ国,オンタリオ ケー1シー 2エ ム7,オルレアン,ボルドー グローブ 1152 (72)発明者 オムリ,アブデル カナダ国,オンタリオ ピー3エー 4エ ックス3,サドベリー,コロニアル コー ト 73 (72)発明者 ペーテル,ギリシュチャンドラ ビー. カナダ国,オンタリオ ケー2ジー 5エ ス2,ネピーン,マーブル アーチ クレ セント 16 Fターム(参考) 4C076 AA19 BB16 CC06 CC27 CC31 CC34 CC35 EE56 FF68 4C084 AA02 AA03 BA44 CA01 CA04 DA16 DA24 MA05 MA24 MA55 MA66 NA05 ZB261 ZB262 ZB331 ZB332 ZB351 ZB352 ZB371 ZB372 ZC611 ZC612 4C085 AA03 BA01 BA07 BA51 CC07 CC08 EE01 EE05 GG04 (54)【発明の名称】 細胞毒性Tリンパ球(CTL)応答を誘発し、そして細胞内病原体及び癌に対してワクチン接種 された宿主を保護するための無細胞ワクチンのための免疫調節キャリヤーとしてのアルキオソー ム

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物において抗原−特異的細胞毒性T細胞応答を誘発するた
    めの方法であって、古細菌の全極性脂質抽出物から調製された、抗原のための免
    疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成
    物を動物に投与することを含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記誘発された抗原−特異的細胞毒性T毒性応答が、CD8+T細
    胞介在性である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記動物の免疫化が、非経口路によってである請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記抗原が、アルキル化されたペプチドアミノ酸配列である
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記動物における抗原−特異的細胞毒性T細胞応答が、CD4+
    T細胞助力の不在下で誘発される請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 CD8+ T細胞記憶応答が、前記動物において誘発される請求項
    1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記抗原への動物の再暴露が、T細胞上でのCD44記憶マーカ
    ーの発現をアップレギュレートする請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチ(Methanobre
    bvibacter smithii)、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidop
    hilum)、ハロバクテリウム・サリナラム(Halobacterium salinarum)及びメタ
    ノスファエラ・スタドトマナエ(Methanosphaera stadtmanae)から成る群から
    選択される請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチである請求項
    8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラムである請
    求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記古細菌が、ハロバクテリウム・サリナラムである請求
    項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 抗原提供細胞の表面上の同時調節分子B7.1(CD80)及びB7
    .2(CD86)をアップレギュレートすることによって、動物における抗原提供細胞
    活性化するための方法であって、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポ
    ソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る
    方法。
  13. 【請求項13】 動物におけるCD11c+樹状突起細胞を活性化するための方法
    であって、古細菌の全極性脂質抽出物から調製された、抗原のための免疫調節キ
    ャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物
    に投与することを含んで成る方法。
  14. 【請求項14】 動物におけるサイトカインインターフェロン−γの生成を
    刺激するための方法であって、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソ
    ーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成り、
    ここで前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチ、サーモプラズマ・アシド
    フィラム及びハロバクテリウム・サリナラムから成る群から選択されることを特
    徴とする方法。
  15. 【請求項15】 動物におけるサイトカインIL−4及びインターフェロン−
    γの生成を刺激するための方法であって、メタノブレビバクター・スミチの全極
    性脂質抽出物から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を
    動物に投与することを含んで成る方法。
  16. 【請求項16】 動物における抗原提供細胞により腫瘍壊死因子の生成を刺
    激するための方法であって、メタノブレビバクター・スミチの全極性脂質抽出物
    から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与す
    ることを含んで成る方法。
  17. 【請求項17】 動物においてMac 1αh1細胞を補充するための方法であっ
    て、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成る
    ワクチン組成物を動物に投与することを含んで成り、ここで前記リポソームが、
    ワクチンが動物に投与される部位にMac 1αh1細胞を補充する免疫調節抗原キャ
    リヤーとして作用することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 動物における抗原提供細胞の活性化により動物におけるT
    細胞増殖及びサイトカイン生成を刺激するための方法であって、古細菌の全極性
    脂質抽出物から調製された、抗原のための免疫調節キャリヤーとして作用するリ
    ポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成
    る方法。
  19. 【請求項19】 動物において抗原−特異的細胞毒性T細胞応答を誘発する
    ための方法であって、古細菌の極性脂質抽出物から調製された、抗原のための免
    疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成
    物を動物に投与することを含んで成る方法。
  20. 【請求項20】 動物において抗原−特異的細胞毒性T細胞応答を誘発する
    ための方法であって、古細菌から生物学的に純粋な形で単離された極性脂質抽出
    物から調製された、抗原のための免疫調節キャリヤーとして作用するリポソーム
    及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る方法。
  21. 【請求項21】 前記極性脂質が、アルキチジルグリセロール及びアルキチ
    ジルグリセロールホスフェート−O−メチルから成る群から選択される請求項20
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 細胞内病原体による感染に対する動物保護免疫性を付与す
    るための方法であって、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソーム及
    び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与することを含んで成る方法。
  23. 【請求項23】 前記細胞内病原体が、ウィルス、細菌及び寄生体から成る
    群から選択される請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記抗原が、前記病原体により発現されるアミノ酸配列に
    対応する、アルキル化されたペプチドアミノ酸配列である請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記抗原が、前記病原体からの単離された外層膜調製物で
    ある請求項22記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記ワクチン組成物の用量が、リポソーム10〜670μg及び
    抗原0.5〜23 μgを含んで成る請求項22記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記ワクチン組成物の用量が、リポソーム10μg及び抗原0
    .5 μgを含んで成る請求項22記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記動物に付与される保護免疫性が、前記抗原に対して特
    異的である請求項22記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記ワクチン組成物の動物への1回の皮下注射が、その動
    物に保護免疫性を付与するのに十分である請求項22記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記保護免疫性の開始が、動物への前記ワクチン組成物の
    1回の皮下注射の7日後に生じる請求項22記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記保護免疫性が、感染性攻撃の24〜48時間以内に、ワク
    チン接種された動物において観察される請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermo
    plasma acidophilum)、メタノブレビバクター・スミチ(Methanobrebvibacter
    smithii)、ハロバクテリウム・サリナラム(Halobacterium salinarum)又はナ
    トロノバクテリウム・マガジ(Natrobakuteriumu magaji)から成る群から選択さ
    れる請求項22記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラムである請
    求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチである請求
    項32記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記古細菌が、ハロバクテリウム・サリナラムである請求
    項32記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記古細菌が、ナトロノバクテリウム・マガジである請求
    項32記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記病原体が、フランシセラ・ツラレンシス(Francisell
    tularensis)である請求項22記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記抗原が、フランシセラ・ツラレンシスからの単離され
    た外層膜調製物である請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記病原体が、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria
    monocytogenes)である請求項22記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記ワクチン組成物の用量が、サーモプラズマ・アシドフ
    ィラムからの全極性脂質抽出物から調製されたリボソーム10〜500μg及び前記抗
    原0.5〜10μgを含んで成る請求項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 細胞内病原体による感染に対する記憶応答を動物に付与す
    るために前記動物を免疫化するための方法であって、古細菌の全極性脂質抽出物
    から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物を動物に投与す
    ることを含んで成る方法。
  42. 【請求項42】 前記付与された記憶応答が、動物の寿命の有意な部分にわ
    たって動物に保護免疫性を付与する請求項41記載の方法。
  43. 【請求項43】 抗原−特異的MHCクラスI−制限細胞毒性Tリンパ球応答を
    及び抗原−特異的MHCクラスII−制限Th1, Th2応答を動物において誘発するため
    の方法であって、古細菌の全極性脂質抽出物から調製された、抗原のための免疫
    調節キャリヤーとして作用するリポソーム及び抗原を含んで成るワクチン組成物
    を動物に投与することを含んで成る方法。
  44. 【請求項44】 抗原−特異的CD4+T細胞及び抗原−特異的CD8+T細胞記憶応
    答が、前記動物において誘発される請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチ(Methanob
    rebvibacter smithii)、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acid
    ophilum)、及びハロバクテリウム・サリナラム(Halobacterium salinarum)か
    ら成る群から選択される請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 癌に対する動物保護免疫性を付与するための方法であって
    、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成るワ
    クチン組成物を動物に投与することを含んで成る方法。
  47. 【請求項47】 前記抗原が、前記癌細胞の表面上で発現される請求項46記
    載の方法。
  48. 【請求項48】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチ(Methanob
    rebvibacter smithii)、ハロバクテリウム・サリナラム(Halobacterium salin
    arum)及びサーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum)、及
    びから成る群から選択される請求項46記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチである請求
    項46記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記古細菌が、ハロバクテリウム・サリナラムである請求
    項46記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラムである請
    求項46記載の方法。
  52. 【請求項52】 癌に対する動物治療免疫性を付与するための方法であって
    、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソーム及び抗原を含んで成るワ
    クチン組成物を動物に投与することを含んで成る方法。
  53. 【請求項53】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermo
    plasma acidophilum)、メタノブレビバクター・スミチ(Methanobrebvibacter
    smithii)、及びハロバクテリウム・サリナラム(Halobacterium salinarum)か
    ら成る群から選択される請求項52記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラムである請
    求項53記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチである請求
    項53記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記古細菌が、ハロバクテリウム・サリナラムである請求
    項53記載の方法。
  57. 【請求項57】 癌に対する動物治療免疫性を付与するための方法であって
    、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソームを含んで成るワクチン組
    成物を動物に投与することを含んで成る方法。
  58. 【請求項58】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermo
    plasma acidophilum)及びメタノブレビバクター・スミチ(Methanobrebvibacte
    r smithii)から成る群から選択される請求項57記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記古細菌が、サーモプラズマ・アシドフィラムである請
    求項58記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記古細菌が、メタノブレビバクター・スミチである請求
    項58記載の方法。
  61. 【請求項61】 古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソーム、及
    びアルキル化されたペプチドアミノ酸配列である抗原を含んで成るワクチン組成
    物。
  62. 【請求項62】 前記用量が、古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリ
    ポソーム10〜670μg及び抗原0.5〜23μgを含んで成る請求項61記載のワクチン組
    成物。
  63. 【請求項63】 古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソーム、及
    び病原体からの単離された外層膜である抗原を含んで成るワクチン組成物。
  64. 【請求項64】 前記病原体が、フランシセラ・ツラレンシスである請求項
    63記載のワクチン組成物。
  65. 【請求項65】 古細菌の全極性脂質抽出物から調製されたリポソーム及び
    無細胞抗原を含んで成るワクチン組成物。
  66. 【請求項66】 前記抗原が、無細胞抗原である請求項1〜23及び25〜56の
    いずれか1項記載の方法。
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