JP2003508032A - ヘリカルサイトカインzalpha48 - Google Patents

ヘリカルサイトカインzalpha48

Info

Publication number
JP2003508032A
JP2003508032A JP2001517563A JP2001517563A JP2003508032A JP 2003508032 A JP2003508032 A JP 2003508032A JP 2001517563 A JP2001517563 A JP 2001517563A JP 2001517563 A JP2001517563 A JP 2001517563A JP 2003508032 A JP2003508032 A JP 2003508032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
residues
polypeptide
zalpha48
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001517563A
Other languages
English (en)
Inventor
シー. コンクリン,ダレル
Original Assignee
ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザイモジェネティクス,インコーポレイティド filed Critical ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
Publication of JP2003508032A publication Critical patent/JP2003508032A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/02Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 新規サイトカインポリペプチド、それを作製するための材料及び方法、及び使用方法を開示する。ポリペプチドは配列番号2の少なくとも9連続アミノ酸残基を含み、そしてアフィニティータグの様な異種配列を含むポリペプチド融合体として調整されても良い。ポリペプチド及びそれらをコードしているポリヌクレオチドは各種治療、診断及び研究応用に使用できるだろう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の分野〕 サイトカインは細胞により産生され、その細胞又は他の細胞の増殖又は代謝に
影響するポリペプチドホルモンである。多細胞動物ではサイトカインは細胞増殖
、移動、分化及び成熟をコントロールする。サイトカインは正常発生及び固形腫
瘍の発生を伴う病因にある役割を果たしている。 サイトカインは物理化学的に多様であり、5KDa(TGF-α)ないし140kDa(抗ニュ
ーラー管ホルモン)の大きさを持つ。それらは単一ポリペプチド鎖に加え、ジス
ルフィド結合ホモダイマー及びヘテロダイマーを含む。
【0002】 サイトカインは細胞-表面受容体に結合することで、細胞事象に影響を及ぼす
。結合により細胞内に於ける一連のシグナル伝達事象が介しされ、最終的に細胞
分裂、プロテアーゼ産生、細胞運動、細胞表面蛋白質の発現、他増殖因子の産生
といった表現形上の変化がもたらされる。 細胞の分化及び成熟もまたサイトカインの制御下にある。例えば造血因子であ
るエリスロポイエチン、トロンボポイエチン及びG-CSFはそれぞれ骨髄中前駆細
胞からの赤血球、血小板及び好中球の産生を促進する。多分化能始原細胞は複数
の因子の存在を必要とするだろう。
【0003】 細胞プロセスをコントロールする上でサイトカインが果たす役割は、サイトカ
インを治療的介入の有望な候補および標的にしている;実際に複数のサイトカイ
ンが臨床使用に関し認可されている。例えばインターフェロン-アルファ(IFN-α
)はヘアリー細胞性白血病、慢性骨髄性白血病、カポシ肉腫、尖圭コンジローム
、慢性C型肝炎及び慢性B型肝炎の治療に用いられる(AggarwalとPuri、サイトカ
イン及びサイトカイン受容体の共通及び非共通性の特徴:概要(Common and Uncom
mon Features of Cytokines and Cytokine Receptors:An Overview“、Aggarwal
とPuri、編集、ヒトサイトカイン:疾患及び治療に於けるそれらの役割(Human Cy
tokines:Their Role in Disease and Therapy)、Blackwal Science、Cambridge
、MA、1995、3-24)。
【0004】 血小板由来増殖因子(PDGF)は米国及びその他の国々に於いて糖尿病患者に於け
る皮膚潰瘍の治療に関し認可されている。造血性サイトカインであるエリスロポ
イエチンは貧血の治療を目的に開発されている(例えば欧州特許第613,683号)。F
-CSF、GM-CSF、INF-β、IFN-ガンマ及びIL-2もまたヒトでの使用に関し認可され
ている(AggarwalとPuri、上記)。実験的証拠は、サイトカイン及びそれら阻害剤
の更なる治療利用を支持している。PDGF受容体活性の阻害は、傷害を受けたヒヒ
の血管に於ける血管内膜の過形成を軽減することが示されている(Gieseら、Rest
enosis Summit VIII、Poster Session #23、1996;米国特許第5,620,687号)。
【0005】 血管内皮増殖因子(VEGFs)は虚血状態にある肢の結果増殖を促進することが示
されており(Isnerら、The Lancet 348:370-374、1996)、そして創傷治療薬とし
ての使用、歯周病の治療、血管移植手術に於ける内皮形成の促進、及び心筋梗塞
後の副行循環の促進が提言されている(WIPO出願番号WO95/24473号;米国特許第5,
219,739号)。可溶性VEGF受容体(可溶性flt-1)は細胞表面受容体へのVEGFの結合
を阻止し、そしてインビトロでの血管組織の増殖を阻害することが知られている
(Biotechnology News 16(17):5-6、1996)。
【0006】 実験的証拠は、血管形成の阻害が腫瘍発生の阻止に利用できるであろうこと(B
iotechnology News、Nov.13、1997)及び血管形成が子宮頚癌の初期の指標である
こと(Br。J.Cancer 76:1410-1415、1997)を示唆している。最近トロンボポイエ
チンがインビボでの血小板産生を促進すること(Kaushanskyら、Nature 369:568-
571、1994)そして複数の臨床試験の対象となっていることが示されている(von
でんm Boroneらによりレビューされている、Bailliere‘s Clin.Haematol.11:42
7-445、1998)。 承認されているサイトカインの臨床応用を考慮する時、当分野では治療薬及び
研究用の手段及び試薬としての利用に適した更なる同様の分子が求められている
。サイトカインは研究室内での発生過程の研究に、そして研究室及び産業分野に
於いて細胞培地の成分として利用されている。
【0007】 〔発明の概要〕 本発明は新規ポリペプチド、それらをコードしているポリヌクレオチド及びそ
れらを作製する方法、並びに反応型細胞の増殖、分化、移動及び代謝を変調する
ため、及び組織発生を制御するための組成体及び方法を提供する。 発明の一側面では、配列番号2の少なくとも9連続アミノ酸残基を含む単離され
たポリペプチドが提供される。実施態様の1つでは、請求項1の単離型ポリペプチ
ドは15ないし1500アミノ酸残基より成る。別の実施態様では、配列番号2の少な
くとも9連続アミノ酸残基はペプチド結合又はポリペプチドリンカーを介し、マ
ルトース結合蛋白質、免疫グロブリン定常部、ポリヒスチジンタグ及び配列番号
5に示すペプチドより成るグループから選択された第2ポリペプチドに作用可能に
結合する。
【0008】 別の実施態様では、単離ポリペプチドは配列番号2の少なくとも30個の連続す
る残基を含む。発明の例示のポリペプチドには、配列番号2の残基34-48、配列番
号の残基49-69、配列番号2の残基70-84、配列番号の残基87-101、配列番号2の残
基102-126、配列番号の残基127-141、配列番号2の残基20-53、配列番号の残基49
-57、配列番号3の残基34-147、配列番号の残基34-147、配列番号3の残基34-151
、配列番号の残基34-151、配列番号3の残基21-151及び配列番号の残基21-151を
含むポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。
【0009】 発明の第2の側面では、以下の作用可能に結合した要素を含む発現ベクターが
提供される:転写プロモーター;上記開示のポリペプチドをコードするDNA断片;及
び転写ターミネーター。実施態様の1つでは、DNA断片は配列番号4のヌクレオチ
ド61ないし453を含む。別の実施態様では、発現ベクターは更にDNA断片に作用可
能に結合された分泌シグナル配列を含む。例示的分泌シグナル配列は、配列番号
2の残基1-20をコードする。
【0010】 発明の第3の側面では、上記発現ベクターが導入された培養細胞にあって、前
記細胞がDNA断片を発現する培養細胞が提供される。実施態様の1つでは、発現ベ
クターはDNA断片に作用可能に結合した分泌シグナル配列を含み、そしてペプチ
ドは細胞から分泌される。発明の培養細胞は蛋白質を作製する方法に使用するこ
とができ、そこでは細胞はDNA断片が発現され、ポリペプチドが産生され、そし
て産生されたポリペプチドが回収される条件の下に培養される。実施態様の1つ
では、発現ベクターはDNA断片に動作可能に結合した分泌シグナル配列を含み、
ポリペプチドは細胞によって分泌され、ポリペプチドは細胞が培養されている培
地より回収される。
【0011】 発明の第4の側面では、上記開示の方法にて産生されたポリペプチドが提供さ
れる。 発明の第5の側面では、上記開示のポリペプチドに特異的に結合する抗体が提
供される。 発明の第6の側面では、zalpha48に反応性である細胞を培養する段階、細胞を
試験サンプル存在下及び非存在下にzalpha48ポリペプチドに曝す段階、生物学的
又は生化学的アッセイにより試験サンプル存在下及び非存在下でのzalpha48ポリ
ペプチドに対する反応レベルを比較する段階、及びこの比較より試験鎖プル中の
zalpha48活性拮抗剤の存在を決定する段階を含む、試験サンプル中のzalpha48活
性の拮抗剤の存在を検出する方法が提供される。 発明のこれら、及びその他側面は、以下の発明の詳細な説明を参照することで
明らかになるだろう。
【0012】 発明の詳細な説明 発明を詳細に記載する前に、以下用語を定義することはその理解に役立つだろ
う: “アフィニティータグ”という用語は、ここでは第2のポリペプチドの精製又
は検出に供される第2のポリペプチドに結合できるポリペプチド断片、又は基質
への第2ポリペプチドの結合に関する部位を提供するポリペプチド断片を意味す
ることに使用される。原則的には抗体又はその他特異的結合作用物質が利用でき
るペプチド又はポリペプチドは、アフィニティータグとして利用できる。アフィ
ニティータグには、ポリ-ヒスチジントラクト、プロテインA(Nilssonら、 EMBO
J. 4: 1075, 1985; Nilssonら、 Methods Enzymol. 198: 3, 1991)、グルタチオ
ンSトランスフェラーゼ(SmithとJohnson, Gene 67:31, 1988)、Glu-Gluアフィニ
ティータグ(Grussenmeyerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:7952-4, 1985)(
配列番号5)、サブスタンスP、FlagTMペプチド(Hoppら、Biotechnology 6; 1204-
1210, 1988)、ストレプトアビジン結合ペプチド、マルトース結合蛋白質(Guanら
、Gene 67:21-30,1987)、セルロール結合蛋白質、チオレドキシン、ユビキチン
、T7ポリメラーゼ、又はその他抗原性エピトープ又は結合ドメインを含む。
【0013】 一般には、Fordら、Protein Expression and Purification 2: 95-107, 1991
を見よ。アフィニティータグをコードするDNA及びその他試薬は市販品が利用で
きる(例えばファルマシアバイオテック社(Pharmacia Biotech)、ピスキャタウェ
イ、ニュージャージー(Piscataway、NJ);ニューイングランドバイオラブス(New
England Biolabs)、バーバリー、マサチューセッツ(Beverly、MA);イースタマン
コダック(Eastman Kodak)、ニューへブン、コネチカット(New Haven、CT))。
【0014】 “対立遺伝子変異”という語は、ここでは同一染色体座を占める2又はそれ以
上の選択可能な形の遺伝子を意味する。対立遺伝子変異は突然変異により自然に
発生し、集団内に遺伝子及び表現形多形を生じる。遺伝子突然変異はサイレント
であるか(コードされたポリペプチドは無変化)、または変化したアミノ酸配列を
持つポリペプチドをコードする。対立遺伝子変異という語は、ここでは遺伝子の
対立遺伝子変異によりコードされた蛋白質を意味する場合にも使用される。
【0015】 “アミノ末端”及び“カルボキシル末端”という用語は、ここではポリペプチ
ド内の位置を示すために用いられる。文脈より可能な場合、これら用語は特定の
配列を引用して、近接する位置又は相対位置を示すために用いられる。例えば、
ポリペプチド内の参照配列のカルボキシル末端に位置する特定配列とは、参照配
列のカルボキシル末端に隣接し位置するものであるが、必ずしもポリペプチドの
完全なカルボキシル末端に存在する必要はない。
【0016】 ポリヌクレオチド分子の“相補体”という用語は、参照配列に比し相補的な配
列と逆向きの方向性を持つポリヌクレオチド分子を意味する。例えば、配列5’A
TGCACGGG3’は5’CCCGTGCAT3’に相補的である。
【0017】 用語“保存的アミノ酸置換”は、HenikoffとHenikoff、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 89:10915-10919、1992(表1)のBLOSUM62マトリックスより決定された値が-1よ
り大きいことで表される置換を意味する。BLOSUM62マトリックスは500以上の関
連蛋白質グループの高度に保存された領域を表す蛋白質配列断片の、約2,000の
局所複数アラインメントに由来するアミノ酸置換マトリックスである。アミノ酸
置換は、その置換がBLOSUM62値0、1、2又は3で表される場合に保存的である。好
ましい保存的アミノ酸置換はBLOSUM62値が少なくとも1(例えば1、2又は3)で表さ
れるものであり、より好ましい保存的アミノ酸置換はBLOSUM62値が少なくとも2(
例えば2又は3)で表されるものである。
【0018】
【表1】
【0019】 用語“対応する”は、配列中のアミノ酸残基位置について用いられる場合には
、配列を最適に整列させた時に、複数の配列の中で一致する位置を意味する。 用語“縮重ヌクレオチド配列”は、1又はそれ以上の縮重コドン(ポリペプチド
をコードする参照ポリヌクレオチド分子に比べ)を含むヌクレオチドの配列を意
味する。縮重コドンは、ヌクレオチドの別のトリプレットを含むが、同一アミノ
酸残基をコードする(即ち、GAUとGACトリプレットは共にAspをコードする)。
【0020】 用語“発現ベクター”は、その転写体を目的として提供されている追加の断片
と作用可能に連結された所望ポリペプチドをコードする断片を含む、直鎖状又は
環状のDNA分子を意味するのに用いられる。この様な追加断片は、プロモーター
及びターミネーター配列を含み、又1またはそれ以上の複製起点、1又はそれ以上
の選択可能マーカー、エンハンサー、ポリアデニレーションシグナル等を含むだ
ろう。発現ベクターは、一般にプラスミド又はウイルスDNAに由来するか、又は
その両方のエレメントを含むだろう。
【0021】 用語“単離された”とは、ポリヌクレオチドに用いる場合には、ポリヌクレオ
チドがその天然環境より取り出され、従ってその他外部の、又は不要なコーディ
ング配列は含まず、そして遺伝的に加工された蛋白質産生システム内での利用に
好適な形状にあることを意味する。この様な単離された分子は、それらの天然環
境より分離され、そしてcDNA及びゲノム性クローンを含むものである。本発明の
単離されたDNA分子は、それらが通常結合している他の遺伝子を含まないが、し
かしプロモーターやターミネーターの様な天然に生ずる5’及び3’非翻訳域は含
むだろう。結合領域の特定は当業者にとって自明であろう(例えばDynanとTijan
、Nature 316:774-78、1985参照)。
【0022】 “単離された”ポリペプチド又は蛋白質は、例えば血液及び動物組織から隔て
られた様な、それの本来の環境以外の状態にて見いだされるポリペプチド又は蛋
白質である。単離ポリペプチド又は蛋白質は、本質的にその他のポリペプチド又
は蛋白質、特に動物起源のものを含まない形で調製できる。特定の応用に関して
は、高度に精製された形状のポリペプチド、即ち95%以上、より好ましくは99%以
上の純度であるポリペプチドを提供することが好ましい。この関連で使用される
場合、用語“単離された”は例えばダイマー、又はグリコシル化又は誘導化され
た形状の様な、別の物理形状にある同一ポリペプチド又は蛋白質の存在を排除し
ない。
【0023】 “作用可能に連結された”とは、2またはそれより多い実体が、それらの意図
する目的に関し協調して機能する様に1つに結合していることを意味する。DNA断
片を意味する場合、例えば句はコーディング配列が正確な読み取り枠内に結合さ
れ、転写がプロモーター内にて開始され、コーディング断片を経てターミネータ
ーに至ることを意味する。ポリペプチドを意味する場合には、“作用可能に連結
された”には、共有結合(例えばジスルフィド結合)及び非共有結合(例えば水素
結合、疎水的相互作用又は塩架橋相互作用)により結合した配列にあって、配列
の所望機能が維持されている配列を含む。
【0024】 用語“オルトログ”は、異なる種に由来するポリペプチド又は蛋白質の機能的
な相対物である、ある種より得たポリペプチド又は蛋白質を意味する。オルトロ
グ間の配列の差は、種分化の結果である。
【0025】 “ポリヌクレオチド”は5’から3’末端方向に読み取られるデオキシリボヌク
レオチド又はリボヌクレオチド塩基の1本鎖又は2本鎖ポリマーである。ポリヌク
レオチドはRNA及びDNAを含み、そして天然源より単離されるか、インビトロで合
成されるか、又は天然及び合成分子の組合せより調製される。ポリヌクレオチド
の大きさは塩基対(「bp」と略される)、ヌクレオチド(「nt」)又はキロベース(
「kb」)により表される。関係より許されるのであれば、後者2用語は1本鎖又は2
本鎖であるポリヌクレオチドを記述する。
【0026】 本用語を2本鎖分子に用いる場合、これは全長を表すために用いられ、用語“
塩基対”に等しいことが理解されるだろう。当業者は、2本鎖ポリヌクレオチド
の2本の鎖は長さが僅かに異なること、及び酵素切断の結果としてその端部がず
れることがあることを理解するだろう;即ち2本鎖ポリヌクレオチド分子内の全て
の鎖が対合しなくともよい。この様な非対合端の長さは一般には20ntを越えない
【0027】 “ポリペプチド”は、天然または合成的に作られるかを問わず、ペプチド結合
により連結されたアミノ酸残基のポリマーである。約10アミノ酸残基未満のポリ
ペプチドは通常“ペプチド”と呼ばれる。
【0028】 用語“プロモーター”は、ここでは当分野にて認識される意味に用いられ、RN
Aポリメラーゼの結合及び転写の開始に供される遺伝子含有DNA配列の一部を意味
する。プロモーター配列は、絶対ではないが通常は遺伝子の5’非翻訳域内に存
在する。
【0029】 “蛋白質”は、1またはそれ以上のポリペプチド鎖を含む高分子である。蛋白
質は、炭水化物の様な非ペプチド成分も含むだろう。炭水化物及びその他非ペプ
チド性基質は、その蛋白質が産生される細胞により蛋白質に付加され、また細胞
の型により変わるだろう。ここでは蛋白質はそれらのアミノ酸主鎖構造により定
義される;炭水化物基の様な基質は一般には明記されていないが、その場合でも
存在することがある。即ち、例えば15ないし1500アミノ酸残基を“含む”蛋白質
は、更に1またはそれより多い炭水化物鎖を含んでもよい。
【0030】 “分泌シグナル配列”とは、大型のポリペプチドの成分として、それが合成さ
れる細胞内の分泌経路に大型のポリペプチドを方向付けするポリペプチド(“分
泌ペプチド”)をコードするDNA配列を意味する。この大形ポリペプチドは通常分
泌経路通過中に分断され、分泌ペプチドが除かれる。 “断片”とは特異的な属性を持ったより大型の分子(例えばポリヌクレオチド
又はポリペプチド)の一部である。例えば特定ポリペプチドをコードしているDNA
断片は、プラスミド又はプラスミド断片の様なより大型のDNA分子の一部であり
、5‘から3’方向に読まれた時に特定ポリペプチドのアミノ酸配列をコードして
いる。 不正確な分析方法(例えばゲル電気泳動法)により決定されたポリマーの分子量
及び長さは、おおよその値と理解されるだろう。この様な値を“約”X又は“お
およそ”Xと表される場合には、記載された値Xは±10%の正確性であると理解さ
れるだろう。
【0031】 本発明は新規サイトカインポリペプチド及び蛋白質を提供する。この“zalpha
48”と命名された新規サイトカインは4螺旋束型サイトカイン(例えばエリスロポ
イエチン、トロンボポイエチン、G-CSF、IL-2、IL-4、レプチン及び成長ホルモ
ン)に特徴的なポリペプチド及びポリヌクレオチドの存在により特定された。配
列番号2に示すアミノ酸配列の分析は、4カ所の両親媒性アルファ螺旋領域の存在
を示した。これら領域は少なくともアミノ酸残基34から48(螺旋A)まで、70から8
4まで(螺旋B)、87から101まで(螺旋C)及び127から141まで(螺旋D)を含む。
【0032】 これら螺旋領域内では、4つの螺旋束のコア内にあると推定される残基は、配
列番号2の位置34、37、38、41、44、45、48、70、73、74、77、80、81、84、87
、90、91、94、97、98、101、127、130、131、134、137、138及び141である。残
基35、36、39、40、42、43、46、47、71、72、75、76、78、79、82、83、88、89
、92、93、95、96、99、100、128、129、132、133、135、136、139及び140は束
の露出面上にあると推定されている。螺旋間のループはおよそ残基49から69(ル
ープA-B)及び102から126(ループC-D)を含む。ヒトzaopha48cDNA(配列番号1)は15
1アミノ酸残基のポリペプチドをコードしている。
【0033】 理論に結びつけるわけではないが、この配列は20残基の分泌ペプチドを含むと
推定される。残基20の後方にて切断すると、計算分子量(グリコシレーションを
除く)14,823Daの成熟型ポリペプチド(配列番号2の残基21-151)が生じるだろう。
しかし当業者は、幾つかのサイトカイン(例えば内皮細胞増殖因子、塩基性FGF及
びIL-1β)が通常の分泌ペプチドを含まず、理解されていない機序によって分泌
されることを認識するだろう。cDNAは又明瞭な1つのポリアデニレーションシグ
ナルならびに2つのメッセージ不安定モチーフ(ATTTA)を、配列番号1のヌクレオ
チド749及び862で始まる3‘非翻訳領域内に含んでいる。これらメッセージ不安
定性モチーフはサイトカイン遺伝子の特徴である(例えばShawとKamen、Cell46;6
59-667、1986参照)。
【0034】 当業者は、予想ドメインの境界が若干不明瞭であり、±5アミノ酸残基まで変
わることがあることを理解するだろう。 本発明のポリペプチドは少なくとも6、少なくとも9又は少なくとも15個の配列
番号2の連続するアミノ酸残基を含む。発明の特定実施態様では、ポリペプチド
は配列番号2の20、30、40、50、100又はそれ以上の、全予想成熟ポリペプチド(
配列番号2の残基21ないし151)又は1次翻訳産物(配列番号2の残基1ないし151)ま
での連続残基を含む。以下詳細論ずる様に、これらポリペプチドは更に追加の非
zalpha48ポリペプチド配列を含むことができる。
【0035】 本発明のポリペプチドには、配列番号2に示される蛋白質のエピトープ保有部
位を含むポリペプチドが含まれる。“エピトープ”は抗体が結合できる蛋白質の
領域である。例えばCeysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998-4002、1984を
参照せよ。エピトープは直線状でも又は立体構造を持ってもよく、後者の場合に
は蛋白質を折りたたむことでエピトープを形成する蛋白質の不連続部分から構成
される。直線状エピトープは一般には少なくとも6アミノ酸残基長である。
【0036】 蛋白質配列の部分を模擬する比較的短い合成ペプチドは、その一部を模擬した
蛋白質と反応する抗血清を誘導することができる。Sutcliffeら、Science 219:6
60-666、1983参照。短い、直線状エピトープを認識する抗体は、ウエスタンブロ
ッティングの様な変性蛋白質を使用する分析及び診断応用に(Tobin、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 76:4350-4356、1979)、又は固定した細胞あるいは組織サンプルの
分析に特に有用である。直線状エピトープに対する抗体はまた、体液又は細胞培
養培地中に生じる様なzalpha48の断片の検出にも有用である。
【0037】 本発明の抗原性のエピトープ保有ポリペプチドは、zalpha48蛋白質に特異的に
結合する、モノクローナル抗体を含む抗体の生起に有用である。抗原性のエピト
ープ保有ポリペプチドは、zalpha48蛋白質(例えば配列番号2)の少なくとも6、し
ばしば少なくとも9、より一般的には15ないし約30個の連続アミノ酸残基を含む
。zalpha48蛋白質のより大きな部分、即ち30ないし50残基から全配列までを含む
ポリペプチドが包含される。エピトープ保有ポリペプチドのアミノ酸配列は水性
溶媒中にて実質可溶性を備える様に選択されること、即ち配列が比較的親水性で
ある残基を含み、疎水性残基は実質回避する様に選択されることが好ましい。こ
の様な領域はzalpha48のドメイン間ループ及びその断片を含む。この観点に関す
る具体例は、配列番号2の残基2-7、20-33、20-34、25-30、46-51、47-57、49-57
、89-94及び146-151を含むポリペプチドを包含する。
【0038】 本発明のなかで特に関心のあるものは、zalpha48ポリペプチドの全4螺旋束(例
えば、配列番号2の残基34-141)を含むポリペプチドである。この様なポリペプチ
ドは、天然のzalpha48アミノ末端(配列番号2の残基21-33)及びカルボキシル末端
(配列番号2の残基142-151)だけでなく以下より詳細に開示される非zalpha48アミ
ノ酸残基又はポリペプチド配列の一方、又は両方の全て、あるいは一部を更に含
むだろう。
【0039】 本発明のポリペプチドは、配列番号2と比較した場合に1又はそれより多いアミ
ノ酸置換、欠失又は付加を持つ形に調製することができる。zalpha48の生物活性
の保存が望まれる場合には、これらの変化は通常軽微な性質、即ち保存的アミノ
酸置換及びその他の蛋白質又はポリペプチドの折りたたみ又は活性に大きく影響
しない変化である。
【0040】 この観点の配列変化としては、リンカーペプチド(典型的には約20-25残基であ
るが、これに限定されない)であるマレイミド活性化キーホールリンペット(スカ
シガイ)ヘモシアニンへのその後の結合を促進するアミノ-末端メチオニン残基、
アミノ又はカルボキシル-末端システイン残基の様なアミノ-又はカルボキシル-
末端延長、又は上記開示の様な精製(アフィニティータグ)を容易にするための延
長が含まれる。2またはそれより多いアフィニティータグを組み合わせて使用し
てもよい。アフィニティータグを含むポリペプチドは更に、ポリペプチドリンカ
ー及び/又は蛋白質分解性切断部位をzalpha48ポリペプチドとアフィニティータ
グ間に含むことができる。典型的な切断部位には、トロンビン切断部位及び第Xa
因子切断部位が含まれる。
【0041】 本発明は各種その他ポリペプチド融合体も提供する。例えばzalpha48ポリペプ
チドは米国特許第5、155、027号及び第5、567、584号に開示の如く融合体として
調製し蛋白質を2量体化することができる。この観点に於ける典型的2量体化蛋白
質には、免疫グロブリン定常領域ドメインが含まれる。免疫グロブリン-zalpha4
8ポリペプチド融合体は、遺伝的に加工された細胞内に発現させられ、各種多量
体zalpha48類似体を産生することができる。更に、zalpha48ポリペプチドはサイ
トカインの様な別の生物活性分子に結合し、多機能型分子を提供することもでき
る。zalpha48ポリペプチドの1又はそれより多い螺旋を別のサイトカインに結合
し、その生物特性を高めるか、又は変更することができる。
【0042】 補助ドメインをzalpha48ポリペプチドに融合し、それらを特定の細胞、組織又
は高分子(例えばコラーゲン)に向かわせることができる。例えばzalpha48ポリペ
プチド又は蛋白質は、zalpha48ポリペプチドを標的細胞表面上にある受容体と特
異的に結合するリガンドにzalpha48ポリペプチドを融合させることで、前もって
定めたタイプの細胞を狙うことができる。zalpha48ポリペプチドは、精製及び標
的化ドメインを目的として、アフィニティータグの様な成分である2成分又はそ
れより多い成分と融合できる。ポリペプチド融合体はまた1又はそれより多い切
断部位を、特にドメイン間に含むことができる。
【0043】 Tuanら、Connective Tissue Research 34:1-9、1996参照。 本発明のポリペプチド融合体は一般には約1,500を越えないアミノ酸残基、多
くは約1,200を越えないアミノ酸残基、通常は約1,000を越えないアミノ酸残基を
含み、多くの例ではより小さいだろう。例えば131残基のzalpha48ポリペプチド(
配列番号2の残基21-151)は大腸菌β-ガラクトシダーゼ(1,021残基;Casadabanら
、J.Bacteriol.143;971-980、1980参照)、10-残基スペーサー及び4-残基第Xa切
断部位と融合することができ、1,166残基のポリペプチドを生ずる。第2の例では
、配列番号2の残基21-151はマルトース結合蛋白質(約370残基)、4-残基切断部位
及び6-残基ポリヒスチジンタグと融合することができる。
【0044】 本発明のポリペプチドは非天然型アミノ酸を含むことができる。非天然アミノ
酸には、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノプロリン、シス-4-ヒドロキシ
プロリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、N-メチルグリシン、アロ-スレオニ
ン、メチルスレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシ
ステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリック酸、t-ロイシン、
ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニ
ルアラニン及び4-フルオロフェニルアラニニンが含まれるが、これらに限定され
ない。幾つかの非天然型アミノ酸残基をタンパク質内に取り込む方法が当分野で
知られている。
【0045】 例えばRobertsonら、H.Am.Sco.113:2722、1991;Ellmanら、Methods Enzymol.2
02:301、1991;Chungら、Science 259:806-809、1993;Chungら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 90:10145-10149、1993;Turcattiら、J.Biol.Chme.271:19991-19998、19
96;及びKoideら、Biochem.33:7470-7476、1994を参照せよ。化学修飾を部位特異
的突然変異誘導と組み合わせ、置換の範囲を更に拡大することができる(WynnとR
Ichards、Protein Sci.2:395-403、1993)。
【0046】 生物活性に必須なより高次の構造の破壊を最小にとどめる様にzalpha48ポリペ
プチドのアミノ酸配列を変更することができる。構造の健全性を維持する上で重
要である領域又はドメイン内にあるアミノ酸残基を決定することができる。これ
ら領域内に、変更について多かれ少なかれ耐性であり、分子の全体的な立体構造
を維持している特定の残基を特定することができる。配列構造を分析する方法に
は、アミノ酸又はヌクレオチド同一性が高くなる様に複数の配列を整列すること
、二次構造性質、バイナリーパターン、相補的パッキング及び埋没極性相互作用
が含まれるが、これらに限定されない(Barton、Current Opin.Struct.Biol.5:37
2-376、1995及びCordesら、Current Opin.Struct.Biol.6:3-10,199)。
【0047】 一般に構造の決定は修飾された分子の活性を評価することで実施されるだろう
。例えば、アミノ酸残基の変更は蛋白質ファミリーの4つある螺旋束構造を破壊
しないように行われるだろう。アミノ酸配列を変更する影響は、例えば各種ソフ
トウエアーを使ったコンピューターモデリングにより推測するか(例えばInsight
II(商標)ビュアーアンドホモロジーモデリングツール;MSI、サンジェゴ、カリフ
ォルニア(San Diego、CA))又は結晶構造の分析より決定することができる(例え
ばLapthornら、Nature 369:445-461、191;Lapthornら、Nat.Struct.Biol.2:266-
268、1995を参照)。蛋白質の折り畳みは円二色性(CD)から測定することができる
【0048】 修飾された分子と標準の分子により作られたCDスペクトルを測定し、そして比
較することは当分や通常の作業である(Johnson、Proteins 7:205-214、1990)。
結晶学は折り畳みと構造とを分析する別の周知かつ受け入れられている方法であ
る。核磁気共鳴(NMR)、消化的ペプチドマッピング及びエピトープマッピングは
、蛋白質及びポリペプチド間の折り畳みと構造の類似性を分析するための別の既
知方法である(Schaananら、Science 257:961―964、1992)。
【0049】 マススペクトロメトリー及び還元とアルカリ化を利用する化学修飾はジスルフ
ィド結合に関連するか、又はこれら関連とは関係ないシステイン残基を特定する
のに利用できる(Beanら、Anal。Biochem.201:216-226、1992;Gray、Protein Sci
.2:1732-1748、1993;及びPattersonら、Anal.Chem.66:3727-3732、1994)。ジス
ルフィド結合内の変化は蛋白質の折り畳みに影響すると予想される。これら技術
は個々に、又は組み合わせ使用することができ、変異型蛋白質又はポリペプチド
の折り畳みに影響を与える構造上の特徴を分析し、標準的分子と比較してこれら
修飾が有意であるか否か決定することができる。
【0050】 配列番号2の親水性プロフィールは添付した図に示されている。当業者は、zal
pha48ポリペプチドのアミノ酸配列中に変更を計画する際この親水性を考慮し、
全体のプロフィールを破壊しないようにするだろう。4螺旋束のコア内にある残
基は配列番号3に示すようなLeu、Ile、Val、Met、Phe、Trp、Gly及びAlaから成
るグループより選択される疎水性残基と交換することができる。配列番号2の位
置66、111、125及び147にあるシステイン残基、及び4螺旋束の露出面に存在する
と推測される残基は、置換に対し比較的非耐性である。ドメイン間ループの長さ
及びアミノ酸組成も受容体結合に関し(従って生物活性に関しても)重要であると
思われている;従ってループ内に関しては保存的置換及び比較的小さい挿入及び
欠失が好ましく、大きなアミノ酸残基(例えばPhe)の挿入は一般には避けられる
だろう。4螺旋束内にアミノ酸置換を持つZalpha48変位型蛋白質は配列番号3に示
されている。
【0051】 本発明のポリペプチド内にある必須アミノ酸は、部位特異的突然変異導入又は
アラニン-スキャニング突然変異導入の様な当分や既知の方法によって実験的に
同定することができる(CunninghamとWells、Science 244、1081-1085、1989;Bas
sら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4498-4502、1991)。後者の技術では、単一の
アラニン突然変異を分子内の全ての残基に導入し、得られた突然変異分子を以下
開示する様にして生物活性に関し試験し、分子の活性にとって重要なアミノ酸残
基を特定する。
【0052】 Reidhaar-OlsonとSauer(Science 241:53-57、1988)又はBowieとSauer(Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 86:2152-2156、1989)により開示されている様な既知の突然変
異導入法とスクリーニング法とを用いて、複数のアミノ酸置換を実施し、試験す
ることができる。簡単に述べると、これら著者らはポリペプチド中の2またはそ
れより多い位置を同時に無作為化し、機能性ポリペプチドを選択し、続いて変異
したポリペプチドの配列を解析して各位置に関し許容される置換のスペクトルを
決定する方法を開示する。利用可能なその他の方法にはファージディスプレー(
例えばLowmanら、Biochem.30:10832-10837、1991;Ladnerら、米国特許第5、223
、409号;Huse、WIPO公開第WO92/06204号)及び領域特定突然変異導入法(Derbyshi
reら、Gene 46:145、1986;Nerら、DNA 7:127、1988)である。
【0053】 開示されたzalpha48DNA及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer、Nature 3
70:389-391、1994及びStemmer、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:10747―10751、199
4により開示されたDNAシャッフリングにより作成できる。簡単に述べると、変異
体遺伝子は、親遺伝子を無作為的に断片化し、インビトロで相同的組み換えを行
った後でPCRを用いアッセンブリーし、無作為に導入された点突然変異を生ずる
ことで作られる。この技術は対立遺伝子変異の様な親遺伝子のファミリー、又は
異なる種由来の遺伝子を用いて変更することができ、この工程に更に多様性を加
えることができる。所望される活性について選別又はスクリーニングした後、更
に突然変異導入を繰り返することで、アッセイは有害な変更について同時に選別
しながら望まれる突然変異について選別を加えることで配列の迅速“進化”を提
供する。
【0054】 多くの例では、最終ポリペプチド産物の構造は宿主細胞による未完成ポリペプ
チド鎖が加工され得られ、すなわち宿主細胞により産生されたzalpha48ポリペプ
チドの最終配列は必ずしも発現されたポリヌクレオチドにコードされている完全
配列に一致するものではない。例えば培養哺乳動物細胞中での完全zaopha48配列
の発現は少なくとも分泌ペプチドがのぞかれと考えられるが、原核生物宿主で産
生される同一ポリペプチドは切断されないと考えられる。個々の鎖で異なる処理
が行われる結果、発現されたポリペプチドに異質性が生じる。
【0055】 ヒトzalpha48ポリペプチド配列(配列番号2)は5個のシステイン残基を、位置66
、111、125、134及び147に含んでいる。構造予想からは、システイン残基66及び
147は鎖内ジスルフィド結合を形成し、残基111及び125は鎖内ジスルフィド結合
の形成には与らず、二量体を形成するだろう。実際の立体構造はポリペプチドが
発現される細胞に一部依存するだろう。従って本発明のポリペプチドは、配列番
号2の残基34-147を含むポリペプチドの様なこれらシステイン残基を含むポリペ
プチドを包含する。
【0056】 本発明のzalpha48蛋白質はそれらの活性、すなわち反応型細胞の増殖、分化、
移動、接着又は代謝の変更により特徴付けられる。zalpha48蛋白質の生物活性は
、細胞増殖、分化、移動又は接着;又は細胞代謝の変化(例えばその他増殖因子又
は他高分子の産生)を検出することを目的に工夫されたインビトロ又はインビボ
アッセイを用いてアッセイされる。多くの好適アッセイが当分や既知であり、そ
して代表的なアッセイがここに開示されている。アミノ酸置換、欠失、又は挿入
の影響を決定する様な場合には、培養細胞を用いたアッセイがスクリーニングに
は最も便利である。しかし、複雑な発生過程(例えば血管形成、創傷治癒)の場合
には、生物活性を確認し、更に特徴付けるためにはインビボアッセイが一般に使
用される。
【0057】 Pepperら(Biochem。Biophys.Res.Comm. 189:824-831、1992)の3次元コラーゲ
ンマトリックスモデルの様な特定のインビトロモデルは十分に複合的であり、組
織学的影響をアッセイすることができる。アッセイは外来性に産生された蛋白質
を用いて行うことができ、又は所望のポリペプチドを発現している細胞を用いて
インビボあるいはインビトロで実施されるだろう。アッセイはzalpha48蛋白質を
単独で、又はVEGFファミリーのメンバー又は造血性サイトカイン(例えばEPO、TP
O、G-CSF、幹細胞因子)の様なその他増殖因子と組み合わせ実施することができ
る。代表的アッセイを以下に開示する。
【0058】 上記開示の突然変異導入法は多検体又は高処理型スクリーニングアッセイ法を
組み合わせることができ、zalpha48変異型ポリペプチドの生物活性を検出できる
。高処理向けにスケールアップできるアッセイには、96ウエルフォーマットで実
施できる突然変異アッセイが含まれる。活性型zalpha48ポリペプチドをコードし
ている突然変異導入されたDNA分子を宿主細胞より回収し、現代的装置を用い迅
速に配列決定することができる。これら方法は問題のポリペプチド中にある個々
のアミノ酸残基の重要性を迅速に決定することを可能にし、未知構造のポリペプ
チドに応用することができる。
【0059】 上記方法を用いることで、当業者は野生型zalpha48の活性を保持した、配列番
号2の各種ポリペプチド断片又は変種を調製することができる。 本発明は更に上記のzalpha48ポリペプチドをコードするDNA及びRNA分子を含む
、ポリヌクレオチド分子も提供する。配列番号2のアミノ酸配列をコードする代
表的DNA分子配列は配列番号1に示されている。当分野熟練者は、遺伝子コードの
縮重性の観点に於いて、これらポリヌクレオチド分子には相当の配列多様性があ
ることを容易に理解するだろう。配列番号4は、配列番号2のzalpha48ポリペプチ
ドをコードする全てのDNAを包含する縮重DNA配列である。当分野熟練者は、配列
番号4の縮重配列はTをUに置換することで配列番号2をコードする全てのRNA配列
も提供することを理解するだろう。
【0060】 即ち、配列番号4のヌクレオチド1-453又はヌクレオチド61-453を含む、zalpha
48ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びそれらのRNARNA等価体は、
ここに開示されたその他zalpha48ポリペプチドをコードする配列番号4の断片同
様、本発明に包含される。表2は、縮重ヌクレオチド位置を示すために配列番号4
内で使用されている1文字コードを表している。“解”は、コード文字で表され
たヌクレオチドである。“相補体”は、相補的ヌクレオチドのコードを示す。例
えばコードYは、C又はTであり、その相補体RはA又はGであり、AはTに対し相補的
であり、そしてGはCに相補的であることを表している。
【0061】
【表2】
【0062】 あるアミノ酸に関し可能な全てのコドンを包含する、配列番号4に用いられて
いる縮重コドンを下表3に示す。
【表3】
【0063】 当業熟練者は、各アミノ酸をコードする全ての想定しうるコドンを表わす縮重
コドンを決定する場合には、若干あいまいさが導入されることを認識するだろう
。例えば、セリン(WSN)の縮重コドンは、ある条件ではアルギニン(AGR)をコード
でき、アルギニン(MGM)の縮重コドンはある場合にはセリン(AGY)をコードできる
。同様の関係は、フェニルアラニンとロイシンをコードするコドンの間にも存在
する。即ち縮重コドンにより包含される幾つかのポリヌクレオチドは変なるアミ
ノ酸配列をコードすることがあるが、当業者は配列番号2に示すアミノ酸配列を
参照することでこの様な変形配列を容易に特定することができる。変形配列は、
ここに記す機能性について容易に試験することができる。
【0064】 当業熟練者は、異なる種では優先的なコドンの利用を示すことも理解するだろ
う。一般にはGranthamら、Nuc. Acids Res. 8:1393-912, 1980; Hassら、 Curr.
Biol. 6:315-24, 1996; Wain-Hobsonら、Gene 13: 355-64, 1981; GrosjeanとF
iers, Gene 18: 199-209, 1982; Holm, Nuc. Acids Res. 14:3075-87, 1986;な
らびにIkemura, J. Mol. Biol. 158:573-97;1982を見よ。優先小ドン配列の組換
え体DNAへの導入は、例えば特定のタイプの細胞又は種に於いてより効率的に蛋
白質を翻訳することで、蛋白質の産生を高めることができる。従って、配列番号
4に開示されている縮重コドン配列は、当分野で通常使用され、ここに開示され
ている各種タイプの細胞及び種でのポリヌクレオチド発現を最適化するための鋳
型として役立つ。
【0065】 発明のある実施態様では、単離されたポリヌクレオチドは同様の大きさの配列
番号1の領域、はたそれに相補的である配列と、厳密条件下にハイブリダズする
だろう。一般に厳密条件は限定イオン強度及びpHに於ける具体的配列の熱融点(t
m)より約5℃低い温度として選択される。Tmは標的配列の50%が完全に適合するプ
ローブとハイブリダイズする温度である(規定のイオン強度及びpHにて)。典型的
な厳密条件は、塩濃度がpH7では約0.03mMでであり、温度は少なくとも約60℃で
ある。
【0066】 前記の如く、本発明の単離されたポリヌクレオチドはDNA及びRNAを含む。DNA
及びRNAの調製方法は当分野周知である。一般にRNAは大量のzalpha48 RNAを産生
する組織、又は細胞から分離される。膵臓島細胞が好ましい。繊維芽細胞は別の
好適供給源である。総RNAはグアニジンイソチオシアネート抽出法と、それに続
くCsCl勾配中での遠心分離による分離によって調製できる(Chirgwinら、Biochem
istry 18: 52-94, 1979)。ポリ(A)+RNAは全RNAよりAvivとLeder(Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 69:1408-1412、1972)の方法を利用し調製される。相補的DNA(cDNA)は
既知の方法を利用し、ポリ(A)+RNAより調製される。あるいは、ゲノムDNAを単離
することができる。次にzalpha48ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは
、例えばハイブリダイゼーション法又はPCRにより特定され、そして単離される
【0067】 zalpha48をコードする完全長クローンは、通常のクローニング法により得るこ
とができる。一般的には相補的DNA(cDNA)クローンが好ましいが、幾つかの応用(
例えばトランスジェニック動物での発現)に関してはゲノミッククローンを使用
するか、又は少なくとも1つのゲノミックイントロンを含む様にcDNAを変更する
ことが好ましい。cDNA及びゲノミッククローンを調製する方法は周知であり、当
業者の技術レベル内であり、そしてライブラリーの探索及びプライミングを目的
としてここに開示された配列又はその一部を利用することを含む。発現ライブラ
リーはzalpha48に対する抗体、又はその他特異的結合パートナーを用いて探索す
ることができる。
【0068】 ここに開示されたzalpha48ポリヌクレオチド配列もまたzalpha48遺伝子の5‘
非コーディング領域をクローニングするためのプローブ又はプライマーとして利
用することができる。従って、zalpha48遺伝子由来のプロモーター要素は、例え
ばトランスジェニック動物又は遺伝子治療で治療を受けている患者に於ける異種
遺伝子の発現させるのに利用することができる。5’フランキング配列のクロー
ニングもまた、米国特許第5、641、670号に開示されている“遺伝子活性化”に
よるzalpha48蛋白質の産生を促進する。
【0069】 簡単に述べると、zalpha48遺伝子座に少なくとも1つの標的配列、制御配列、
エクソン及び非ペア型スプライシングドナー部位を含むDNA構築体を導入するこ
とで、細胞内の内因性zalpha48遺伝子の発現が変更される。標的配列はzalpha48
の5‘非コーディング配列であり、内因性zalpha48遺伝子座と構築体との相同的
組み換えを可能にし、それにより構築体内の配列が内因性のzalpha48コーディン
グ配列と作用可能に結合する様になる。この様にして内因性zalpha48プロモータ
ーは置換され、あるいは別の制御配列によって補償されることで高い組織特異的
又はその他の方法で制御された発現を提供することができる。
【0070】 当業者は配列番号1及び2に開示された配列がヒトzalpha48の単一対立遺伝子を
表すことを認識するだろう。これら配列の対立遺伝子変異は、異なる個体に由来
するcDNA又はゲノムライブラリーを標準的方法により探索することでクローン化
することができる。
【0071】 本発明は他の種に由来し、前記に相当する蛋白質及びポリペプチド(“種オル
トログ”)も提供する。特に関心の高いものは、マウス、ブタ、ヤギ、ウシ、イ
ヌ、ネコ、ウマ、その他の霊長類を含む他哺乳動物種に由来するzalpha48ポリペ
プチドである。ヒトzalpha48のオルトログは、本発明により提供される情報と組
成体とを通常のクローニング技術と組み合わせ利用することでクローン化するこ
とができる。例えば、cDNAは上記の様にzalpha48を発現している組織又は細胞よ
り得たmRNAを用いてクローン化することができる。
【0072】 次に陽性の組織又は細胞株のmRNAよりライブラリーが調整される。次に完全な
、又は部分的なヒト又はマウスcDNAによる、あるいは開示配列に基づく1、又は
それを越える変性プローブのセットで探索するといった、各種の方法によりcDNA
を単離することができる。cDNAはここに開示された代表的なヒトzalpha48配列か
ら設計されたプライマーを用いた、ポリメラーゼチェインリアクション、又はPC
R(Mullis, 米国特許第4,683,202号)によってもクローン化できる。別の方法では
cDNAライブラリーを用いて宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトし、所望
cDNAの発現をzalpha48に対する抗体で検出することもできる。同様の技術はゲノ
ミッククローンの単離にも応用できる。
【0073】 変異体及び融合蛋白質を含むzalpha48ポリペプチドに関しては、当業者は上記
の表2及び3に記した情報を用いて、その変異体をコードする完全な縮重ポリヌク
レオチドを容易に作製できる。更に当業者は標準的ソフトウエアーを用いて、こ
こに記したヌクレオチド及びアミノ酸配列を基にしてzalpha48変異体を考案する
こともできる。従って本発明は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及
びその一部の配列の少なくとも1つを提供する、データ構造をコード化している
コンピューター読み出し可能な媒体を提供する。
【0074】 コンピューター読み出し可能媒体の好適な形状には、磁気媒体及び光学式読み
出し可能媒体が含まれる。磁気媒体例にはハード又は固定ドライブ、ランダムア
クセスメモリー(RAM)チップ、フロッピー(登録商標)ディスク、デジタルリニ アテープ(DLT)、ディスクキャッシュ及びZIPTMディスクが含まれる。光学式読み 出し可能媒体の例はコンパクトディスク(例えばCD読み出し専用メモリー(ROM)、 再書き込み可能CD(RW)、及び再記録可能型CD)及びデジタル多目的/ビデオディス ク(DVD)(例えばDVD-ROM、DVD-RAM及びDVD-RW)。
【0075】 全長ポリペプチド、生物的に活性な断片及び融合ポリペプチドを含む本発明の
zalpha48ポリペプチドは、ポリペプチドをコードしている発現ベクターが導入さ
れた細胞を用いる通常技術により作製することができる。ここで使用する“発現
ベクターが導入された細胞“には、外来性DNA分子の導入によって直接操作され
た細胞及び導入されたDNAを含むその子孫の両方が含まれる。好適宿主細胞は、
外来性DNAにより形質転換又はトランスフェクトでき、培養により増殖可能なタ
イプの細胞であり、細菌、真菌細胞及び培養された高等真核細胞を含む。
【0076】 クローン化DNA分子の操作及び外来性DNAを各種宿主細胞内に導入するための技
術はSambrookら、分子クローニング:研究室マニュアルg: A Laboratory Manual)
,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 19
89).及びAusubelら編集、Current Protocols in Molecular Biology、John Wile
y and Sons、Inc.,NY,1987に開示されている。
【0077】 一般に、Zalpha48ポリペプチドをコードするDNA配列は、その発現に必要とさ
れる、一般には転写プロモーターとターミネーターを含むその他の遺伝的要素と
発現ベクター内で作用可能に連結されている。当業者は、特定のシステムでは選
択可能なマーカーは別のベクターにより提供され、外来DNAの複製は宿主細胞ゲ
ノム内に組み込まれることで提供されることを認識するが、一般にベクターは1
又はそれ以上の選択可なマーカー、及び1又はそれ以上の複製起源も含む。プロ
モーター、ターミネーター、選択可能なマーカー、ベクター及びその他の要素の
選択は、当業者の通常レベルの作業である。多くのこれらの要素は文献内に記述
されており、また市販されている。
【0078】 Zalpha48ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に方向付けする為に、分泌シグナ
ル配列(リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られる)が発現ベク
ター内に提供される。分泌シグナル配列はzalpha48のものでも、又は別の分泌蛋
白に由来するもの(例えばt-PA;米国特許第5,641,655号参照)あるいはデヌボ合成
されたものでも良い。分泌シグナル配列は作用可能にZalpha48DNA配列と結合さ
れており、即ち2つの配列は正確な読み取り枠内に結合しており、新規に合成さ
れたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に方向付けする位置にある。一般に分泌
シグナル配列は目的ポリペプチドをコードするDNA配列に対し5’側に位置する(
例えばWelchら、米国特許第5,037,743号;Hollandら、米国特許第5,143,830号を
参照)。
【0079】 培養哺乳類細胞は本発明の宿主として使用できる。哺乳類宿主細胞への外来DN
A導入法には、リン酸カルシウム介在トランスフェクション法(Wiglerら、Cell 1
4:725 1978; CorsaroとPearson, Somatic Cell Genetics 7:603, 1981; Graham
とWan der Eb, Virology 52:456,1973)、エレクトロポレーション(Neumannら, E
MBO J.1:841-845,1982),DEAE-デキストラン介在トンランスフェクション法(Ausu
belら、編集、上記)、及びリポゾーム介在トランスフェクション法(Hawley-Nels
onら、Focus 15:73、1993; Ciccaroneら、Focus 15:80,1993)が含まれる。培養
哺乳細胞に於ける組み換えポリペプチドの生成は、例えばLevinsonら、米国特許
第4,713,339号;Hagenら、米国特許第4,784,950号、Palmiterら、米国特許第4,57
9,821号;及びRingold、米国特許第4,656,134号により開示されている。
【0080】 好適な培養哺乳類細胞には、COS-1(ATCC番号、CRL1650)、COS-7(ATCC番号CRL1
651)、BHK(ATCC番号CRL1632)BHK570(ATCC番号、CRL10314)、293(番号CRL1573;Gr
ahamら、J.Gen.Virol.36:59-72、1977)及びチャイニーズハムスター卵巣細胞株(
例えばCHO-K1;ATCC番号CCL61;又はCHO DG44、Chasinら、Som.Cell.Molec.Genet.
12:555,1996))が含まれる。
【0081】 別の好適細胞株は当業者既知であり、米国基準株コレクション(American Type
Culture Collection)、Manassas,VAの様な公的寄託機関より入手できる。好適
プロモーターには、SV-40又はサイトメガロウイルス(米国特許第4,956,288号)、
メタロチオネイン遺伝子(米国特許第4,579,821号及び4,601,978号)及びアデノウ
イルス主後期プロモーター由来のプロモーターが含まれる。哺乳動物での使用に
適した発現ベクターにはpZP-1及びpZP-9が含まれるが、これらはそれぞれ登録番
号98669及び98668にて米国基準株コレクション、Manassas,VAに、その誘導体と
共に寄託されている。
【0082】 外来DNAが挿入された培養哺乳類細胞の選択には、一般には薬物選択が利用さ
れる。この様な細胞は一般には“トランスフェクタント”と呼ばれる。選択薬剤
存在下に培養され、所望遺伝子をその子孫に伝達できる細胞は“安定トランスフ
ェクタント”と呼ばれる。代表的な好適選別マーカーは抗生物質であるネオマイ
シンに対する耐性をコードする遺伝子である。選別はネオマイシン型薬剤、例え
ばG-418等存在下に行われる。選別システムは所望遺伝子の発現レベル増加にも
利用でき、この工程は“増幅”と呼ばれる。増幅は低濃度の選別薬剤存在下にト
ランスフェクタントを培養し、続いて選別薬剤濃度を上げ導入遺伝子産物を高レ
ベルに生成する細胞を選別することで実施される。例示の増幅選別マーカはメト
トレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸還元酵素である。その他の薬
剤耐性遺伝子(例えばヒグロマイシ耐性、多剤耐性、ピューロマイシンアセチル
トランスフェラーゼ)も利用できる。
【0083】 アデノウイルスシステム(以下詳細に開示される)もまたインビトロでの蛋白質
産生に利用できる。アデノウイルが感染した非293細胞を、細胞が迅速に分裂し
ない条件の下に培養することで、細胞は長時間蛋白質を産生することができる。
例えば、BHK細胞を細部工場内にて集密的に培養してから、所望の分泌型蛋白質
をコードするアデノウイルスベクターに曝す。次に細胞を無血清条件下に培養し
、そうすることで感染細胞を顕著な細胞分裂なしに数週間生存させることができ
る。
【0084】 別の方法では、アデノウイルスベクターを感染させた293細胞を接着細胞とし
て増殖させることができ、又は比較的高細胞密度で懸濁培養することができ、大
量の蛋白質を産生させることができる(Garnierら、Cytotechnol、15:145-55、19
94参照)。いずれのプロトコールでも、発現され分泌された異種蛋白質は、細胞
内での発現蛋白の位置に応じて細胞培養上清、融解体、又は膜分画より繰り返し
分離することができる。感染293細胞を使った産生プロトコールでは、非分泌型
蛋白質も効率的に得ることができる。
【0085】 昆虫細胞は一般的には、Autographa california核多角体病ウイルス(AcNPV)よ
り当分野既知の方法により誘導される、組換え体バキュロウイルスを感染させる
ことができる。方法の一つでは組換え体バキュロウイルスはLuckowら(J.Virol.6
7;4566-4579,1993)記載のトランスポゾンをベースとしたシステムを用いて作成
される。トランスファーベクターを利用するこのシステムはキットの形で市販さ
れている(Bac-to-BacTMキット;ライフテクノロジーズ(Life Technologies)、Roc
kwille、MD)。トランスファーベクター(例えばpFastBacITM;ライフテクノロジー
ズ(Life Technologies)は所望の蛋白質をコードするDNAを大腸菌内に“バクミド
(Bacmid)”と呼ばれる大型プラスミドとして維持されたバキュロウイルスゲノム
内に移動させるためのTn7トランスポゾンを含んでいる。
【0086】 Hill-Perkins, M.S.及びPossee、R.D. Gen Virol 71:971-6, 1990; Bonning,
B.Cら、 J Gen Virol 75:1551-6, 1994;及び、Chazenbalk, G.D.,とRapoport,J.
Biol.Chem.270:1543-9, 1995を参照。蛋白質産生に関しては、組換え体ウイルス
を用い宿主細胞、典型的にはシロナガヤ、Spodoptera frugiperdaに由来する細
胞株(例えばSf9又はSf21細胞)又はTrichoplusia ni(例えばHigh FiveTM細胞、イ
ンビトロゲン(Invitrogen)、カールスバッド(Carlsbad)、カリフォルニア(CA)を
感染させる。例えば米国特許第5,300,435号を参照。無血清培地を使い、細胞を
増殖及び維持する。好適な培地は当分野既知であり、販売会社より得ることがで
きる。細胞は約2-5×105細胞の接種密度から1-2×106細胞の密度まで増殖させら
れ、その時点で組換え体ウイルスストックを0.1ないし10の、典型的には約3より
多い感染多重度(MOI)が加えられる。使用する方法は一般的には当分野既知であ
る。
【0087】 植物細胞や鳥類細胞を含むその他の高等真核生物細胞も宿主細胞として利用で
きる。植物細胞内での遺伝子発現用ベクターとしてのAgrobacterium rhizogenes
の利用は、Sinkarら、J.Biosci(Bangalore)11:47-58、1987にレビューされてい
る。
【0088】 酵母細胞を含む真菌細胞も本発明に使用することができる。この点に関し特に
関心ある酵母種には、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、及びピチア・メタノリカ(Pichia met
hanolica)が含まれる。外来DNAによるサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyc
es cerevisiae)を形質転換し、そしてそれからの組換え体ポリペプチドを生成す
る方法は、例えばKawasaki、米国特許第4,931,373号;Kawasakiら、米国特許第4
、931、373号;Brake、米国特許第4,870,008号;Welchら、米国特許第5,037,743号
;及びMurrayら、米国特許第4,845,075号に開示されている。形質転換細胞は薬物
耐性の様な選択マーカー、特定栄養素(例えばロイシン)のない状態での増殖能力
によって決定される表現形、又は形質転換された細胞をグルコース含有培地内で
の増殖によって選別することができるKawasakiらにより開示されたPOT1ベクター
システム(米国特許第4,931,373号)によって選別される。
【0089】 酵母での応用に好適なプロモーター及びターミネーターには、糖分解酵素遺伝
子(例えばKawasaki、米国特許第4,599,311号;Kingsmanら、米国特許第4,615,974
号及びBittere、米国特許第4,977,092号参照)及びアルコール脱水素酵素遺伝子
が含まれる。米国特許第4,990,446号;5,063,154号;5,139,936号及び4,661,454号
も参照せよ。ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロ
ミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クロイベロミセス・ラクチス(Kl
uyveromyces lactis)、クルイベロミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis
)、ウスチラゴ・アイディス(Ustilago maydis)、ピチア・パストリス(Pichia pa
storis)、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・グリレルモンデ
ィー(Pichia guillermondii)及びカンディダ・マルトサ(Candida maltosa)を含
むその他の酵母に関する形質転換システムは、当分野既知である。例えば、Glee
sonら、J. Gen. Microbiol. 132:3459-3465(1986)及びCreggら、米国特許第4,88
2,279号を参照せよ。
【0090】 アスペルギルス(Aspergillus)細胞はMcKnightら、米国特許第4,935,349号の方
法により利用される。アクレモニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)
を形質転換させる方法は、Suminoらの米国特許第5,162,228号に開示されている
。アカパンカビを形質転換させる方法はLambowitz、米国特許第4,486,533号によ
り開示されている。ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)での組換え体蛋白
質の産生は米国特許第5、716、808号、第5、736、383号、第5、854、039号及び
第5、888、768号に開示されている。
【0091】 大腸菌(Escherichia coli)、バチルス(Bacillus)及びその他の細菌属の株を含
む前核生物宿主細胞も本発明での有用な宿主細胞である。これら宿主を形質転換
し、その中にクローン化された外来性DNA配列を発現させる技術は当分野周知で
ある(Sambrookら、上記参照)。E.coliの様な細菌にzalpha148ポリペプチドを発
現させる場合、ポリペプチドは典型的には不溶性の顆粒球として細胞質内に保持
されるか、細菌由来の分泌配列によって細胞周辺腔内に送られる。
【0092】 前者の場合、細胞は溶解され、顆粒が回収され、例えばグアニジンイソチオシ
アネート又は尿素により変性させられる。次に尿素と還元型及び酸化型グルタチ
オンの溶液に透析し、続いて緩衝生理食塩水に対し透析する様にして変性剤を希
釈し、変性ポリペプチドを再度折りたたませ、ダイマー化する。後者の場合、細
胞を破壊し(例えば超音波処理、又は浸透圧ショックにより)細胞周辺腔含有物を
放出させ、蛋白質を回収することでポリペプチドを可溶性及び機能的な形で回収
することができるため、変性や再折りたたみの必要がない。
【0093】 形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞は通常の方法に従い、栄養素及
び選択された細胞の増殖に必要とされる他成分とを含む培地中にて培養される。
限定培地や複合培地を含む各種の好適培地は当分野で既知であり、一般には炭素
源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン及びミネラルが含まれる。培地は更に成長
因子又は血清の様な成分を随意含んでもよい。一般に増殖培地は外から加えられ
たDNAを含む細胞について、例えば薬剤選択又は発現ベクターによって運ばれる
、又は宿主細胞にコトランスフェクションされる選択マーカーによって補償され
る必須栄養素の欠損に関し選択される。液体培地には、小型フラスコの振盪、又
はファーメンターの噴霧散布の様な通常の方法によって十分な通気が行われる。
【0094】 使用目的によって、発明のポリペプチド及び蛋白質は純度≧80%、純度≧90%、
純度≧95%まで、又は医薬品として純粋な状態まで精製され、すなわち汚染高分
子、特にその他蛋白質や核酸に関し99.9%を越える純度であり、感染性及び発熱
性作用物質を含まない。
【0095】 発現された組換え体zalpha148蛋白質(キメラペプチド及び多量体蛋白質)は通
常の蛋白質精製法、典型的にはクロマトグラフィー技術の組み合わせによって精
製される。一般には、Affinity Chromatograpy: Principles & Methods, Pharma
cia LKB Biotechnology, ウプサラ(Uppsala), スウェーデン(Sweden),1988;及び
Scopes、Protein Purification:Principles and Practice、Springer-Verlag、N
ew York、1994を参照せよ。ポリヒスチジンアフィニティータグを含む蛋白質(典
型的には約6ヒスチジン残基)はニッケルキレート樹脂を利用した親和性クロマト
グラフィーによって精製される。例えばHouchuliら、Bio/Technol.6:1321-1325
、1988を見よ。glu-gluタグを含む蛋白質は通常の方法により免疫アフィニティ
ークロマトグラフィーによって精製することができる。例えばGrussenmeyerら、
上記を参照せよ。マルトース結合蛋白質融合体は、当分野既知の方法によりアミ
ロースカラムで精製される。
【0096】 zalpha48ポリペプチドは、排他的固相合成化学合成法、部分固相法、断片縮合
又は古典的溶液合成法を含む、当分野既知の方法に従った化学合成によって調製
することもできる。例えばMerrifield、J.Am.Chem.Soc.85:2149、1963;Stewart
ら、Solid Phase Peptide Synthesis(第二版)、Pierce Chmeical Co.、Rockford
、IL、1984;Bayer及びRapp、Chem。Pept.Prot.3:3、1986;及びAthertonら、Soli
d Phase Peptide Synthesis:A Practic99al Approach.IRL Press、Oxford、1989
。インビトロ合成は特に小型ポリペプチドの調製に有益である。
【0097】 当分野既知の方法を利用することで、zalpha48蛋白質は単量体又は多量体とし
て調製でき;グリコシル化又は非グリコシル化型でき;ペジル化又は非ペジル化型
することができ;そして開始メチオニンアミン酸残基を含んでも、含まなくとも
良い。
【0098】 zalpha48活性アッセイでの使用に適した標的細胞には、血管細胞(特に血管内
皮細胞及び平滑筋細胞)、造血幹細胞(骨髄及びリンパ性)細胞、肝細胞(肝細胞、
有窓内皮細胞、クッパー細胞及び伊東細胞を含む)、繊維が細胞(ヒト皮膚繊維芽
細胞、及び肺繊維芽細胞を含む)、胎児肺細胞、関節滑膜細胞、周細胞、軟骨細
胞、骨芽細胞及び前立腺上皮細胞が含まれるが、これらに限定されない。内皮細
胞及び造血幹細胞は、共通の先祖細胞である血管芽細胞に由来する(Choiら、Dev
elopment 125:725-732、1998)。
【0099】 zalpha48蛋白質の活性は、インビトロでは培養細胞を使い、あるいはクレーム
された発明の分子を適当な動物モデルに投与することによりインビボにて測定す
ることができる。細胞の増殖又は分化を測定するアッセイは当分野周知である。
例えば増殖を測定するアッセイには、ニュートラルレッド色素に対する化学感受
性(Cavanaughら、Invetstigational New Drugs 8:347-354、1990)、放射線標識
ヌクレオチドの取り込み(例えばRainesとRoss、Methods Enzymol.109:749-773、
1985;Wahlら、Mol.Cell Biol.8:5016―5025、1988;及びCookら、Analytical Bio
chem。179:1-7、1989)、増殖中の細胞のDNAへの5-ブロモ-2‘-デオキシウリジン
(BrdU)の取り込み(Porstmannら、J.Immunol.Methods 82:169-179、1985)、及び
テトラゾリウム塩の利用(Mosmann、J.Immunol.Methods 65;55-63、1983;Alleyら
、Cancer Res 48:589-601、1988;Marshallら、Growth Reg.5:9-84、1995;及びSc
udieroら、Cancer Res.48:4827-4833、1988)の様なアッセイが含まれる。
【0100】 分化はより成熟した表現形に分化誘導できる好適前駆体細胞を用いてアッセイ
できる。分化を測定するアッセイには、例えば組織の段階特異的発現に関連した
細胞表面マーカーを測定すること、酵素活性、機能活性、又は形態学的な変化を
測定することを含む(Watt、FASEB、5;281-284、1991;Francis,Differentiation
57:63-75、1994;Raes、Adv.Anim.Cell Biol.Technol.Bioprocesses、161-171、1
989)。
【0101】 zalpha48活性はまた、1またはそれを越える追加の増殖因子又はその他高分子
のzalpha48-誘導産生を測定するために設計されたアッセイを用いても検出され
る。この様なアッセイは、幹細胞増殖因子(HGF)、上皮増殖因子(EGF)、形質転換
増殖因子アルファ(TGFα)、インターロイキン-6(IL-6)、VEGF、酸性繊維芽細胞
増殖因子(aFGF)、アンジオゲニン、及び肝臓により産生されるその他高分子の存
在を決定するためのアッセイが含まれる。好適アッセイには、目的の高分子に反
応する標的細胞を使用した突然変異誘導アッセイ、受容体結合アッセイ、競合結
合アッセイ、免疫学的アッセイ(例えばELISA)及びその他当分野既知のフォーマ
ットのアッセイが含まれる。
【0102】 メタロプロテアーゼの分泌は、処理された初代ヒト皮膚繊維芽細胞、滑膜細胞
及び軟骨細胞からのものについて測定される。zalpha48蛋白質存在下での培養に
反応し産生されたコラゲナーゼ、ゲラチナーゼ及びストロマリシンの相対レベル
はザイモグラムゲル(LoitaとStetler-Stevenosn、Cancer Biology 1:96-106、19
90)を用い測定される。試験蛋白質への反応での皮膚繊維芽細胞及び軟骨細胞に
よるプロコラーゲン/コラーゲン合成は、未完成型分泌コラーゲン中への3H-プロ
リンの取り込みを利用して測定される。
【0103】 3H-標識コラーゲンはSDS-PAGEし、続いてオートラジオグラフィーにかけるこ
とで視覚化される(UnemoriとAmento、J.BIol.Chem 265:10681-10685、1990)。皮
膚繊維芽細胞及び軟骨細胞からのグリコサミノグリカン(GAG)の分泌は、1,9-ジ
メチルエチレンブルー色素結合アッセイ(Farndaleら、Biochim。Biophys.Acta 8
83:173-177、1986)を用い測定される。コラーゲン及びGAGアッセイはまたIL-1β
又はTGF-β存在下に実施でき、これらサイトカインに対する確立された反応を変
更するzalpha48蛋白質の能力について検証することができる。
【0104】 単核細胞活性化アッセイは(1)更に単核細胞の活性化を促進するzalpha48蛋白
質の能力を探索し、そして(2)接着-誘導、又はエンドトキシン-誘導単核細胞活
性化を変更するzalpha48の能力を検証するために実施される(Fuhlbriggeら、J.I
mmunol.138:3799-3802、1987)。活性化に反応し産生されるIL-1β及びTNFαのレ
ベルはELISA(Biosource、Inc.Camarillo、CA)により測定される。CD14(LPS受容
体)により特徴付けられる単核細胞/マクロファージ細胞は、エンドトキシンに対
し鋭敏に反応し、中程度のエンドトキシン様活性を持つ蛋白質はこれら細胞を活
性化するだろう。
【0105】 造血細胞のzalpha48蛋白質の活性は、様々な造血細胞の培養体を利用してアッ
セイできる。好適アッセイには、一次骨髄コロニーアッセイ、後期細胞系列制限
コロニーアッセイが含まれるが、これらは当分野既知である(例えばHollyら、WI
PO公開第WO95/21920号)。好適な半固体培地上に播かれた骨髄細胞(例えば15%胎
児ウシ血清、10%ウシ血清アルブミン、及び0.6%PSN抗生物質混合体を含む50%メ
チルセルロース)は試験ポリペプチド存在下にインキュベーションされ、次にコ
ロニー形成について顕微鏡を用い調べる。既知造血細胞はコントロールとして使
用される。zalpha48ポリペプチドの造血細胞株に対する突然変異誘導活性は上記
の様に測定することができる。
【0106】 細胞移動は、実質的にはKahlerら(Arterioschlerosis、Thrombosis、and Vasc
ular Biology 17:932ー939、1997)により開示された如くにアッセイされる。蛋
白質は、それが低蛋白質濃度域から高蛋白質濃度域への細胞の移動を誘導する場
合には走化性と考えることができる。典型的なアッセイは2つの部屋を仕切るポ
リスチレン膜を持つ改良型ボイデン(Boyden)チャンバーを使用し実施される。細
胞の移動はGrantらのマトリゲル法を用いても測定できる(GoldbergとRosen、Epi
thelial-Mesenchymal Interaction in Cancer、の中の“内皮細胞-間葉細胞相互
作用としての血管形成(Angiogenesis as a component of epithelial-mesenchym
al interactions)”、Birkhauser Verlag、1995、235-248;Baatout、Anticancer
Research 17:451-456、1997)。
【0107】 細胞接着活性は実質的にはLaFleurら(J.Biol.Chem.272:32798-32803、1997)に
よる開示の様にしてアッセイされる。簡単に述べると、マイクロタイタープレー
トを試験蛋白質でコーティングし、BSAにより非特異的部位をブロックし、細胞(
平滑筋細胞、白血球又は内皮細胞の様な)を約104-105細胞/ウエルの密度で播く
。ウエルを37℃(典型的には約60分間)でインキュベーションし、次に軽く洗浄し
て非接着細胞を除く。接着細胞は通常の方法(例えばクリスタルバイオレットで
染色後、細胞を溶解し、溶解物の光学密度を決定する方法)により定量化される
。コントロールのウエルはフィブロネクチン又はビトロネクチンの様な既知接着
蛋白質でコーティングされる。
【0108】 zalpha48蛋白質の活性は、細胞外の酸性化速度又は受容体結合に関係したプロ
トン放出及びそれに続く生理学的細胞反応を測定する、シリコンをベースとした
バイオセンサーマイクロフィジオメーターを用いて測定することができる。この
様な装置の例としてはMolecular Devices, Sunnyvale, CA製造のCytosensorTM
イクロフィジオメーター がある。細胞増殖、イオン輸送、エネルギー産生、炎
症反応、制御又は受容体活性化等の各種細胞反応は、この方法で測定できる。例
えばMcConnell, H.M.ら、Science 257: 1906-1912,1992;Pitchfordら、Meth.Enz
ymol.228:84-108,1997;Arimilliら、J.Immunol.Meth.212:40-59,1998;Van Liefd
eら、Eur.J.Pharmacol.346:87-95,1998参照。
【0109】 マイクロフィジオメーターは真核生物、前核生物、接着性又は非接着性細胞の
アッセイに利用できる。細胞培地中の細胞外酸性化の変化を経時的に測定するこ
とで、マイクロフィジオメーターはzalpha48ポリペプチドのアゴニスト、リガン
ド、又はアゴニストを含む各種刺激に対する細胞反応を直接測定する。好ましく
は、マイクロフィジオメーターを用いzalpha48反応性真核細胞の反応を測定し、
zalfa48ポリペプチドに反応しないコントロールの真核細胞と比較する。zalfa48
反応性真核細胞は、その中にzalpha48に対する受容体がトランスフェクトされて
いる細胞だけでなく、zalpha48に対し天然に反応反応する細胞も含む。当業者は
これら方法を用いてzalpha48蛋白質のアゴニスト及びアンタゴニストを同定でき
ることを認識するだろう。
【0110】 動物でのzalpha48ポリヌクレオチドの発現は、インビボでの蛋白質活性の過剰
産生、又は阻害の持つ生物活性に関する更なる研究のモデルを提供する。zalpha
48をコードするポリヌクレオチド及びアンチセンスポリヌクレオチドは、ウイル
スベクター又は裸のDNAを用いてマウスの様な試験動物に導入することができる
か、又はトランスジェニック動物を作ることができる。 本発明の蛋白質をアッセイする1つのインビボの方法は、ウイルス供与システ
ムを利用する。この目的に適した代表的ウイルスにはアデノウイル、ヘルペスウ
イル、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、及びアデノ関連ウイルス(AAV)が
含まれる。
【0111】 アデノウイルスは2本鎖DNAウイルスで、現在最も研究されている異種核酸の供
給に関する遺伝子運搬ベクターである(レビューとしては、Beckerら、Meth.Cell
Biol.43:161-89,1994;及びDouglasとCuriel、Sciuence & Medicine4:44-53,199
7参照)。アデノウイルスシステムは、幾つかの利点を有する。アデノウイルスは
(i)比較的大きなDNA挿入体に適合しており;(ii)高力価まで増殖し、(iii)広範囲
の哺乳動物細胞に感染し、そして(iV)遍在する組織特異的、及び制御可能なプロ
モーターを含む各種プロモーターを利用できる。アデノウイルスは血液中で安定
であることから、静脈注射により投与することができる。
【0112】 アデノウイルスゲノムの一部を欠失させることで、より大きな異種DNA挿入体(
7kbまで)に適合できる。これら挿入体は、直接接続、又はコトランスフェクトし
たプラスミドとの相同的組み換えによってウイルスDNA内に取り込ませることが
できる。例示的システムでは、必須E1遺伝子をウイルスベクターより欠失させる
と、E1遺伝子が宿主細胞(例えばヒト293細胞株)から提供されるまでウイルスは
複製しなくなる。無償の動物に静脈投与した場合、アデノウイルスは主に肝臓を
標的とする。アデノウイルス供給システムがE1遺伝子を欠失している場合、ウイ
ルスは宿主細胞内では複製できない。しかし、宿主組織(例えば肝臓)は異種蛋白
質を発現し、また加工(ならびにシグナル配列がある場合には分泌し)するだろう
。分泌された蛋白質は高度に血管形成された肝臓内の血流に入り、そして感染動
物に対する作用を決定することができる。
【0113】 遺伝子を供給する別の方法は、体内より細胞を取り出すこと、そしてベクター
を裸のDNAプラスミドとして細胞内に導入することを含む。その後形質転換され
た細胞は再度体内に移植される。裸のDNAベクターは、トランスフェクション、
エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、トランスダクション、細
胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈殿法、遺伝子ガンの利用又はDN
Aベクタートランスポーターの利用を含む、当分野既知の方法により宿主細胞内
に導入される。Wuら、J.Biol.Chem.263:14621-14624、1988;Wuら、J.Biol.Chem.
267:963-967、1992;及びJohnstonとTang、Meth.Cell Biol.43:353-365、1994参
照。
【0114】 zalpha48遺伝子を発現する様に加工されたトランスジェニックマウス及びzalp
ha48遺伝子の機能を完全に欠いている、“ノックアウトマウス”と呼ばれるマウ
ス(Snouwaertら、Science 257:1083、1992)も作製することができる(Lowellら、
Nature366:740-742、1993)。これらマウスを使ってzalpha48遺伝子及びそれにコ
ードされている蛋白質をインビボシステムで研究することができる。トランスジ
ェニックマウスは初期発生に於けるzalpha48蛋白質の役割を調べるのに特に有用
であり、それによって特定の因子の過剰又は過小産生の結果生じる発生異常又は
停止を特定することができる。Maisonpierreら、Science277:55-60,1997とHanah
an、Science277:48-50、1997参照。トランスジェニック発現の代表的プロモータ
ーには、メタロチオネイン及びアルブミン遺伝子のプロモーターが含まれる。
【0115】 zalpha48遺伝子の転写を阻害し、阻害のインビボにおける影響を検証するため
にアンチセンス法を利用することができる。zalpha48をコードするポリペプチド
(例えば配列番号1に記したポリヌクレオチド)の一断片に相補的なポリヌクレオ
チドは、zalpha48をコードするmRNAに結合してそのmRNAの翻訳を阻害する様に設
計される。この様なアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた細胞培養でのzalpha
48ポリペプチドをコードしている遺伝子の発現を阻害することにも利用できる。
【0116】 多くの4螺旋束型サイトカイン及び活性化リンパ細胞より産生されるその他の
蛋白質は、細胞分化、活性化、動員、体全体の細胞の恒常性に重要な生物学的役
割を果たしている。zalpha48及びzalpha48活性の阻害剤は、様々に治療応用でき
ると考えられている。これらの治療応用には、リューマチ性関節炎、多発性硬化
症、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスや糖尿病を含む免疫制御を必要とす
る疾患が含まれる。zalpha48は炎症の制御に重要であり、従ってチューマチ性関
節炎、喘息及び敗血症の治療に有効であろう。腫瘍形成にもzalpha48は役割を持
つと思われることから、zalpha48アンタゴニストは癌の治療に有効であろう。za
lpha48は免疫系を変調する上でも有効であり、これによりzalpha48及びzalpha48
アンタゴニストは移植片拒絶、移植片対宿主病の予防、感染症に対する免疫の増
強、免疫抑制患者(例えばHIV+患者)の治療、又はワクチンの改良に利用できるだ
ろう。
【0117】 zalpha48ポリペプチドは単独でも、又はVEGFを含むその他脈管形成性又は血管
形成性作用物質と組合せて投与することができる。zalpha48を追加の作用物質と
組合せて使用する場合には、この2つの成分は治療対象の具体的状態に合わせ同
時又は連続的に投与することができる。 医薬品利用に関しては、zalpha48は通常の方法による局所又は非腸管的投与、
特に静脈又は皮下投与に適した形に製剤化される。一般に医薬製剤は、生理食塩
水、緩衝化生理食塩水、5%デキストロール水溶液等の医薬品として受け入れ可能
な賦形剤と組合せた形でzalpha48ポリペプチドを含むだろう。製剤は更に1また
はそれを越える添加物、保存剤、可溶化剤、緩衝剤、バイアル表面による蛋白質
の損失を防止するアルブミン等を含むだろう。
【0118】 製剤化の方法は当分野周知であり、例えばRemington:The Science and Practi
ce of Pharmacy、Gennaro,編集、Mack Poblishing Co.,Easton,PA、19版、1995
に開示されている。zalpha48は1ng/mlないし1000μg/mlの範囲の濃度で使用され
るだろうが、合計量約10ないし100μg/mlの濃度で専ら使用されるだろう。
【0119】 創傷の治癒を促進するための様な、局所適用の場合蛋白質は0.1-10μg/創傷面
積cm2の範囲で提供されるが、正確な投与量は認知されている標準に従い、治療
対象の状態の性質と重症度、患者の特性等を考慮し、医師によって決定される。
投与は治療期間を通じ毎日、又は間欠的に行われる。静脈投与は、単回注射又は
典型的には1から数時間の輸液により行われるだろう。持続放出製剤も利用でき
る。一般にzalpha48の治療有効量は、治療状態に臨床的に有意な変化、例えば造
血機能又は免疫機能上の有意な変化、死亡率の有意な低下、又は組織学的スコア
の有意な増加をもたらすのに十分な量である。
【0120】 zalpha48蛋白質、アゴニスト及びアンタゴニストは、初代細胞及び培養細胞株
の両方を含む反応性細胞の拡大、増殖、活性化、分化、移動又は代謝を変調する
のに有益である。この側面で特に興味深いものは造血細胞(幹細胞及び成熟骨髄
及びリンパ細胞を含む)、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞及び肝細胞である
。zalpha48ポリペプチドはこれら細胞に適した組織培養培地中に、約10pg/mlな
いし約100ng/mlの濃度で加えられる。当業者はzalpha48蛋白質が培養培地中にて
、その他増殖因子と好都合に組み合わすことができることを認識するだろう。
【0121】 検査研究分野ではzalpha48蛋白質は、zalpha48蛋白質の過剰-又は過小-産生を
特徴とする病気の診断、又は細胞表現形の分析等に於いて分子量標準物質として
、又は蛋白質の血液レベルを決定するためのアッセイの試薬としても利用できる
【0122】 zalpha48蛋白質はまたそれら活性の阻害剤を同定するのにも利用できる。試験
化合物は、zalpha48蛋白質の活性を阻害する化合物を特定するために上記開示の
アッセイに加えられる。上記開示のアッセイに加え、サンプルは受容体結合又は
zalpha48依存型細胞反応の促進/阻害を測定するために設計された各種アッセイ
にて、zalpha48活性の阻害について試験することができる。例えばzalpha48反応
性細胞株は、zalpha48で刺激された細胞経路に反応するレポーター遺伝子構築体
でトランスフェクトすることができる。このタイプのレポーター遺伝子構築体は
当分野既知であり、一般にはルシフェラーゼの様なアッセイ可能な蛋白質をコー
ドしている遺伝子と動作可能に結合されたzalpha48活性化血清反応要素(SRE)を
含むだろう。
【0123】 zalpha48によるレポーター遺伝子発現の促進が低下することで証明される様に
して、標的細胞上のzalpha48活性を阻害する能力について候補となる化合物、溶
液、混合体又は抽出物を試験する。このタイプのアッセイは細胞表面受容体への
zalpha48の結合を直接阻止する化合物、及び受容体-リガンド結合に続く細胞経
路のプロセスを遮断する化合物を検出するだろう。あるいは、検出可能な標識(
例えば125I、ビオチン、西洋ワサビペルオキシダーゼ、FITC等)で標識されたzal
pha48を使って、受容体へのzalpha48の結合に対する直接阻止について、化合物
又は別のサンプルを試験することができる。このタイプのアッセイでは、受容体
への標識zalpha48の結合を阻害する試験サンプルの能力が阻害活性の指標であり
、更にその活性は二次アッセイによって確認することができる。結合アッセイに
使用される受容体は、細胞性の受容体又は単離、固定された受容体である。
【0124】 ここで用いる“抗体”は遺伝子工学的に加工された抗体を含む、ポリクローナ
ル抗体、モノクローナル抗体、F(ab‘)2やFab断片の様なその抗原結合断片、単
鎖型抗体等を含む。非ヒト型抗体は、非ヒト型CDRsをヒトフレームワーク及び定
常域に移植するか、全非ヒト型可変ドメイン(随意に露出した残基を置換するこ
とでそれらをヒト様表面に“クローキング”し、“みせかけ”抗体を得る)を取
り込むことでヒト化されるだろう。幾つかの例では、ヒト化抗体は適当な結合特
性を高めるために、そのヒト型可変域フレームワークドメイン内に非ヒト型残基
を維持している。抗体のヒト型化を通じて、生物学的半減期が延長され、ヒトへ
の投与に際して有害な免疫反応が起こる確率が低下する。
【0125】 当業者は特異的な様々な定常ドメイン(即ち異なるIgサブクラス)を使ってヒト
型抗体を作製し、特定の抗体定常ドメインに関連した様々な免疫機能を促進又は
阻害することができる。抗体は、それがコントロール(非zalpha48)ポリペプチド
又は蛋白質に対する結合親和性に比べ少なくとも10倍高い親和性でzalpha48ポリ
ペプチド又は蛋白質に結合した場合に、特異的に結合すると定義される。モノク
ローナル抗体の親和性は当業者によって容易に決定することができる(例えばSca
tchard、Ann.NY Acad。Sci.51:660-172、1949参照)。
【0126】 ポリクローナル及びモノクローナル抗体を調製する方法は当分野周知である(
例えばHurrell、J.G.R.,編集.,Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques a
nd Applications、CRC Press、Inc.,Boca Raton、FL、1982参照)。当業者に明ら
かな様に、ポリクローナル抗体はウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、
ウサギ、マウス及びラットの様な様々な温血動物より得ることができる。zalpha
48ポリペプチドの免疫原性はアルム(水酸化アルミニウム)又はフレンドの完全あ
るいは不完全アジュバントの様なアジュバントを利用することで高まるだろう。
【0127】 免疫化に有用なポリペプチドには、zalpha48ポリペプチド又はその一部と免疫
グロブリンポリペプチドとの、あるいはマルトース結合蛋白質との融合体の様な
融合ポリペプチドも包含される。ペプチド免疫源は完全長の分子、又はその一部
であろう。ペプチドの一部分が“ハプテン様”である場合には、免疫化を目的と
してその部分は高分子キャリアー(スカシガイヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アル
ブミン(BSA)又は破傷風毒素)と好都合に連結又は結合されるだろう。
【0128】 抗体を作製、又は選別する別の方法にはzalpha48ポリペプチドへのリンパ細胞
のインビトロ曝露、ファージ又は同様のベクターの抗体ディスプレーライブラリ
ーの選別(例えば固定化又は標識化されたzalpha48ポリペプチドを使った)が含ま
れる。ヒト抗体はWIPO公開第WO98/24893号に開示されている如くにヒト免疫グロ
ブリン遺伝子を含む様に加工された非ヒト型トランスジェニック動物で作ること
ができる。これら動物の内因性の免疫グロブリン遺伝子は、相同的組み換え等に
より不活性化又は除去することが好ましい。
【0129】 zalpha48ポリペプチドに特異的に結合する抗体を検出には当業者既知の各種ア
ッセイを利用することができる。例示のアッセイはAntibodies:A Laboratory Ma
nual、HarlowとLane(編集)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1988に詳
しく記載されている。この様なアッセイの代表例には:対向免疫電気泳動、放射-
免疫アッセイ、放射-免疫沈降法、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ドットブ
ロットアッセイ、ウエスタンブロットアッセイ、阻害又は競合アッセイ及びサン
ドイッチアッセイが含まれる。
【0130】 zalpha48に対する抗体は、蛋白質のアフィニティー精製、蛋白質の血中レベル
を決定する診断アッセイ;病因又は疾患の基礎となるマーカーとして可溶性のzal
pha48ポリペプチドを検出又は定量化することに;免疫診断的応用も含めた動物全
身又は組織切片中の免疫局在の決定;免疫組織学;及びインビトロ及びインビボで
蛋白質活性を遮断するアンタゴニストとして利用できるだろう。zalpha48に対す
る抗体はzalpha48を発現している細胞を補足:zalpha48ポリペプチド及び蛋白質
のアフィニティー精製;FACSを用いた分析法;発現ライブラリーのスクリーニング
;及び抗イディオタイプ抗体の作製にも利用されるだろう。
【0131】 例えば、zalpha48に対する抗体は膵臓島細胞又は副腎、精巣又は卵巣由来の細
胞を補足するのに利用できる。抗イディオタイプ抗体は治療薬や診断薬を含む他
の化合物と既知の方法を使って結合させることができ、これら化合物の標準をza
lpha48の受容体を発現している細胞に合わせることができる。本発明の抗体はま
た以下に開示する様に、薬物、毒素、放射線核等と直接又は間接に結合させるこ
ともでき、これら結合体はインビボ診断又は治療応用(例えば細胞増殖の阻害)又
はインビトロ診断に利用される。一般にはRamakrishnanら、Cancer Res.56:1324
-1330、1996を参照。
【0132】 本発明のポリペプチド及び蛋白質は受容体を同定し、単離することに利用でき
る。zalpha48受容体は肝臓、血管形成、及びその他発生過程の増殖制御に関係し
ているだろう。例えばzalpha48蛋白質及びポリペプチドはカラム上に固定化でき
、膜標本をこのカラム上に流す(一般的にはImmobilized Affinity Ligand Techn
iques、Hermansonら、編集、Academic Press、San Diego、CA、1992、っp。195-
202に開示されている)。
【0133】 蛋白質及びポリペプチドは放射線標識することも(Methods Enxymol.,182巻、
“Guide to Protein Purification”、M.Deutshcer.編集、Academic Press、San
Diego、1990、721-737)又はフォトアフィニティー標識すること(Brunnerら、An
n.Rev.Biochem.62:483-514,1993及びFedanら、Biochem。Pharmacol.33:1167-118
0、1984)もでき、そして特異的細胞表面蛋白質にタグを付けることに利用できる
。同様にして、放射線標識されたzalpha48蛋白質及びポリペプチドは発現cDNAラ
イブラリーでトランスフェクションされた細胞を用いた結合アッセイに於いて同
起源の受容体をクローニングするのに使用することができる。
【0134】 本発明はまた診断応用での使用に適した試薬も提供する。例えば、zalpha48遺
伝子、zalpha48DNA又はRNAを含むプローブ、又はそのサブ配列は、zalpha48遺伝
子座そのもの又はその近傍での突然変異の存在を決定するのに使用できる。zalp
ha48遺伝子座の検出可能な染色体異常には、異数性、遺伝子コピー数の変更、挿
入、欠失、制限部位の変化及び再配置が含まれるが、これらに限定されない。こ
れらの異常はコーディング配列内、イントロン内、又は上流プロモーター及び制
御領域を含むフランキング配列内に起こり得、そしてコーディング配列内の物理
的変更として、又は遺伝子発現レベルでの変化として顕在化することもある。
【0135】 分析用プローブは一般的には少なくとも20ヌクレオチドの長さを持つが、それ
より若干短い(14-17ヌクレオチド)のプローブも使用できる。PCRプライマーは少
なくとも5ヌクレオチド長を有し、一般的には15以上であり、20-30ntであること
が多い。分析対象が遺伝子の小領域である場合には、短いヌクレオチドを使用す
ることができる。遺伝子全体の分析では、ポリヌクレオチドプローブは全エクソ
ン又はそれを越えるものを含むだろう。プローブは一般には、放射性ヌクレオチ
ドの様なシグナル生成成分と結合したポリヌクレオチドを含む。
【0136】 一般にはこれら診断法は、(a)患者より遺伝的サンプルを得る段階;(b)遺伝的
サンプルを上記のポリヌクレオチドプローブ又はプライマーと、ポリヌクレオチ
ドが相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし第1反応産物を生ずる条件
の下にインキュベーションする段階;及び(c)第1反応産物をコントロール反応産
物と比較する段階を含む。第1反応産物とコントロール産物との間の差は、患者
の遺伝的異常の指標である。本発明での使用に適した遺伝的サンプルにはゲノミ
ックDNA、cDNA及びRNAが含まれる。
【0137】 ポリヌクレオチドプローブ又はプライマーはRNAでも又はDNAでも良く、そして
配列番号1の一部、配列番号1の相補体、又はそのRNA相当体を含むだろう。この
側面における好適アッセイ法には、制限酵素断片長多形(RFLP)分析、PCR技術を
利用したショートタンデムリピート(STR)分析分子遺伝学的、ライゲーションチ
ェインリアクション(Barany、PCR Methods and Applications 1:5-16、1991)、
リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ及びその他の当分野既知である遺伝的
連鎖分析技術(Sambrookら、上記;Ausubelら、上記;A.J.Marian、Chest 108:255-
65、1995)の様な東軍や既知の分子遺伝的技術が含まれる。
【0138】 リボヌクレアーゼプロテクションアッセイ(例えばAusubelら、上記、4章を参
照)はRNAプローブを患者RNAサンプルにハイブリダイゼーションさせ、その後に
反応産物(RNA-RNAハイブリッド)をRNaseに曝すことを含む。ハイブリダイズした
RNA領域は消化から保護される。PCRアッセイでは、患者の遺伝的サンプルは一対
のポリヌクレオチドプライマーとインキュベーションされ、プライマーに挟まれ
た領域が増幅され、回収される。回収された産物の大きさ又は量の変化は、患者
の突然変異の指標である。別の利用可能なPCRをベースとした技術は単鎖立体構
造多形(SSCP)分析である(Hayashi、PCR Methods and Applications 1:34-38、19
91)。
【0139】 放射ハイブリッドマッピングは高解像度に哺乳動物染色体の隣接地図を構築す
るために開発された体細胞遺伝子技術である(Coxら、Science 250:245-50、1990
)。遺伝子配列の一部又は全部が既知であれば、染色体放射ハイブリッドマッピ
ングパネルと共に使用するのに好適なPCRプライマーを設計することができる。
全ヒトゲノムをカバーする放射ハイブリッドマッピングパネルは、例えばStanfo
rdG3RHパネルやGeneBridge 4RHパネル(Research Genetics、Inc.,Huntsville、A
L)の様に市販されている。
【0140】 これらパネルによって、関心領域内での遺伝子、配列タグ部位(STS)ならびに
その他非多形及び多形マーカーの染色体上の局在及びその順番を迅速に、PCRを
ベースとして決めることができる。遺伝子位置を正確に知ることは、1)配列が既
存コンティグの一部であるかを決定すること、及びYACs、BACs又はcDNA及びクロ
ーンといった様々な形で追加の周辺遺伝子配列をえること;2)ある染色体領域と
連鎖を示す遺伝性疾患に関し想定される候補遺伝子を提供すること;及び3)特定
遺伝子の持つ機能を決定することに役立つことがある、マウスの様なモデル動物
との相互参照を含む、様々な目的に関し有益である。
【0141】 配列タグ部位(STS)はまた独立に染色体上での位置決めに利用できる。STSはヒ
トゲノムに特有の配列であり、特定染色体又は染色体領域の参照点として利用で
きる。STSはその他全てのゲノム配列存在下にこの部位を特異的に検出するポリ
メラーゼチェインリアクションに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーのペ
アにより規定される。STSはDNA配列にのみ基づくものであることから、それらは
完全に電子データベース、例えば配列タグ部位のデータベース(dbSTS)、ジーン
バンク(国立生物情報センター、国立要望衛生研究所、ベセスダ、メリーランド(
National Center for Biological Information, National Institute of Health
,Besthesda、MD) http:www.ncbi.nlm.nih.gov)内に完全に記述することができ、
そしてこれら短い遺伝的道標となるSTS配列内に含まれるマッピングデータにつ
いて、所望の電子配列で検索することができる。
【0142】 zalpha48ポリヌクレオチドはまた細胞及び組織を分析するためのプローブとし
ても利用できる。zalpha48mRNAは膵臓(特に膵臓島細胞)及び副腎に比較的高レベ
ル存在し、精巣及び卵巣での発現は低レベルである。即ちzalpha48mRNAのレベル
は、生理学的な状態に関する研究での様なこれら細胞及び組織の研究に関する有
益な標準物質を提供している。その他の組織又は細胞での高レベルの発現は、悪
性形質転換を含む代謝異常の指標となろう。 本発明のポリペプチド、核酸及び/又は抗体は細胞損失又は異常な細胞増殖(癌
を含む)に関連した病気の診断及び治療に使用されるだろう。標識化zalpha48ポ
リペプチドは腫瘍又はその他の細胞増殖異常部位を画像化するのに有用であろう
【0143】 zalpha48活性(zalpha48アンタゴニスト)の阻害剤には抗zalpha48抗体及び可溶
性ざlpは48受容体、並びにその他のペプチド性及び非ペプチド性作用物質(リボ
ザイムを含む)が含まれる。この様なアンタゴニストは細胞又は組織に対するzal
pha48の作用を遮断するのに利用できる。特に興味深いことは、癌治療へのzalph
a48活性に対するアンタゴニストの利用である。早期検出法が腫瘍発生早期での
介入を可能にしたことから、細胞増殖、血管新生及びその他腫瘍発生及び転位に
つながる事象を阻止することを目的として成長因子阻害剤を使用できる様になっ
た。阻害剤はまた他の癌治療薬と組合せても利用できる。
【0144】 抗体意外にzalpha48阻害剤には小分子阻害剤及びzalpha48ポリペプチドの不活
性型受容体結合断片が含まれる。阻害剤は、阻害剤の正確な化学的及び物理的性
質を治療対象となる状態を考慮した上で、上記に一般的に開示された様な医薬品
利用に合わせて製剤化される。関連決定事項は製剤分野の通常の技術レベルであ
る。
【0145】 zalpha48ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、zalpha48活性の増加
、又は低下が望まれる遺伝子治療応用に於いて有用である。哺乳動物が変異型za
lpha48遺伝子を持つか、これを欠いている場合には、zalpha48遺伝子を哺乳動物
の細胞内に導入することができる。実施態様の1つでは、zalpha48ポリペプチド
をコードしている遺伝子はインビボにてウイルスベクターに導入される。この様
なベクターには弱毒化された、又は欠損型の、単純ヘルペスウイルス(HSV)、パ
ピローマウイルス、エプスタインバーウイルス(EBV)、アデノウイルス、アデノ
関連ウイルス(AVV)等のDNAウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ウイ
ルス遺伝子を全て又は殆どを欠いている欠損型ウイルスが好ましい。欠損型は、
細胞導入後には非感染性である。欠損型ウイルスベクターの使用によって、ベク
ターがその他細胞に感染することに危惧することなく、特定の局所領域に細胞を
投与することができる。
【0146】 具体的なベクター例としては、欠損型単純ヘルペス1型(HSV1)ベクター(Kaplit
tら、Molec.Cell.Neurosci.2:320-330、1991);Stratford-Perricaudetら、J.Cli
n.Invest.90:626-630、1992に記載されている様な弱毒化アデノウイルスベクタ
ー;及び欠損型アデノ関連ウイルスベクター(Samulskiら、J.Virol.61:3096-3101
、1987;Samulskiら、J.Virol.63:3822-3888、1989)が含まれるが、これらに限定
されない。別の実施態様では、zalpha48遺伝子は例えばAndersonら、米国特許第
5、399、346号;Mannら、Cell33:153、1983;Teminら、米国特許第4、650、764号;
Teminら、米国特許第4、980、289号;Markowitzら、J.Virol.62:1120、1988;Temi
nら、米国特許第5、124、263号;Doughertyら、WIPO公開第WO95/07358号;及びKuo
ら、Blood82:845、1993に記載されている様なレトロウイルスベクターに導入す
ることもできる。
【0147】 あるいは、ベクターはリポゾーム伝達型トランスフェクション(“リポフェク
ション”)によって導入することもできる。合成陽イオン性脂質は、マーカーを
コードしている遺伝子のインビボトランスフェクションに適したリポゾームの調
製に利用できる(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA84:7413-7417、1987;Macke
yら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:8027-8031、1988)。特定のタイプの細胞に限定
してトランスフェクションすることは、膵臓、肝臓、腎臓そして脳の様な異質な
細胞から成る組織で特に有用である。脂質は標的化を目的として、その他分子に
化学的に共役させてもよい。ペプチド性及び非ペプチド性分子はリポゾームに化
学的に共役させることができる。別の実施態様では、上記の様にして細胞が体部
より取り出され、その細胞にベクターが裸のDNAプラスミドとして導入され、形
質転換した細胞は再度体内に移植される。
【0148】 アンチセンス法は先に一般的に開示された様に患者体内でのzalpha48遺伝子の
転写を阻害するのに利用できる。 zalpha48ポリペプチド及び抗-zalpha48抗体は薬物、毒素、放射性核種等に直
接、又は間接的に結合でき、これら結合体はインビボ診断又は治療応用に使用さ
れる。例えば本発明のポリペプチド又は抗体はそれに対応する抗相補的分子(例
えばそれぞれ受容体又は抗原)、を発現している組織又は臓器を特定する、また
は治療するのに利用されるだろう。より具体的には、zalpha48ポリペプチド又は
抗-zalpha48抗体、又はその生物活性断片あるいは部分は検出可能又は細胞毒性
を持つ分子に結合させ、抗相補的分子を発現している細胞、組織または臓器を持
つ哺乳動物に供与することができる。
【0149】 好適な検出可能分子はポリペプチド又は抗体に直接又は間接的に結合すること
ができ、それら分子としては放射性核種、酵素、基質、補助因子、阻害剤、蛍光
マーカー、化学発光マーカー、磁性ビーズ等が含まれる。好適細胞毒性分子はポ
リペプチド又は抗体に直接又は間接的に結合することができ、そしてそれら分子
としては細菌毒又は植物毒(例えばジフテリア毒素、シュードモナス内毒素、リ
シン、アブリン、サポリン等)、並びにヨード-131、レニウム-188又はイットリ
ウム-90の様な治療用放射性核種が含まれる。
【0150】 これらはポリペプチド又は抗体に直接に、又はキレート成分を介する様な既知
方法によって間接的に結合することができる。ポリペプチド又は抗体はアドリア
マイシンの様な細胞毒性薬に結合させることができる。検出可能な、又は細胞毒
性分子に間接的に結合させるために、検出可能又は細胞毒性分子が複数の相補対
/抗相補対ペアと共役させられ、そしてペアのもう一方の成分がポリペプチド又
は抗体部分に結合させてもよい。これらの目的に関しては、ビオチン/ストレプ
トアビジンが代表的な相補体/抗相補体のペアである。
【0151】 ポリペプチド-毒素融合蛋白質又は抗体/断片-毒素融合蛋白質は癌治療の様な
狙いを定めた細胞または組織の阻害又は除去に使用しても良い、この側面に於い
て特に興味深いものは、zalpha48ポリペプチドと細胞毒素との共役体であり、こ
れは細胞毒素を腫瘍又はその他の不要の血管形成又は血管新規形成を行っている
組織に狙いを付けさせるのに利用できる。標的細胞(即ちzalpha48受容体を提示
している細胞)はzalpha48-毒素共役体を結合し、次にこれが内部に取り込まれ細
胞を殺す。受容体特異的な細胞殺滅の効果(標的除去)は、動物全体の生理の変化
、又は組織学的検査によって表現される。即ちリガンド依存型の受容体指向性細
胞毒性は、蛋白質リガンドの生理学的重要性の理解を進めるのに利用できる。好
ましいこの様な毒素はサポリンである。哺乳動物細胞はサポリンの受容体を持っ
ておらず、それが細胞外に残ったとしても非毒性である。
【0152】 別の実施態様では、zalpha48-サイトカイン融合蛋白質又は抗体/断片-サイト
カイン融合体蛋白質はインビトロでの細胞毒性を高めるために(例えば腫瘍標的
に対するモノクローナル抗体を介して)、及び標的組織のインビボでの殺滅を高
めるため(例えば、血液及び骨髄癌)に使用されるだろう。一般的にはHornickら
、Blood 89:4437-4447、1997を参照)。一般にはサイトカインは全身性に投与さ
れた場合には有毒である。記載の融合蛋白質はサイトカインをzalpha48の結合部
位を持つ細胞の様な作動が望まれる部位に狙わせることを可能にし、それによっ
て局所のサイトカイン濃度を高めることができる。この目的に好適なサイトカイ
ンには、例えばインターロイキン-2及び顆粒球-マクロファージコロニー刺激因
子(GM-CSF)が含まれる。この様な融合蛋白質は、サイトカインによって生起され
る腫瘍及び血管形成又は血管新生中のその他組織の殺滅の誘導に利用されるだろ
う。
【0153】 ここに記した生物活性型ポリペプチド又は抗体共役体は静脈内意、動脈内又は
管内投与することができ、又は作用が望まれる部位に局所的に導入されるだろう
。 zalpha48ポリヌクレオチド及びポリペプチドに包含される特有の物理的及び化
学的特性の特異的組み合わせの観点では、本発明のポリヌクレオチド及びポリペ
プチドは更に教育の道具、例えば遺伝学、分子生物学、蛋白質科学、抗体産生及
び分析等に関連したコースの研究用キットとしての利用も見いだされるだろう。
この様なキットは随意に1またはそれより多い取り扱い説明書、仕様書、1又はそ
れより多い標準体又はコントロール、及び追加の試薬を含むだろう。キットはま
たzalpha48ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び抗体の各種組み合わせを含むこ
ともある。
【0154】 その特有のポリヌクレオチド及びポリペプチド配列を利用しzalpha48の分子は
標準体又は試験を目的とした“未知物質”として使用することができる。例えば
zalpha48ポリヌクレオチドはzalpha48遺伝子が発現される細菌、ウイルス及び/
又は哺乳動物発現に関する、融合構築体を含む発現構築体の調整方法;ポリヌク
レオチドの制限エンドヌクレアーゼ切断部位を決定する方法(切断部位はここに
開示の配列より当業者に明らかになるだろう);組織内のzalpha48ポリヌクレオチ
ドのmRNA及びDNAの局在の決定(例えばノーザンブロッティング、サザンブロッテ
ィング、又はポリメラーゼチェインリアクション);及び核酸ハイブリダイゼーシ
ョンによる関連ポリヌクレオチド及びポリペプチドの同定法を学生に教示するの
に利用できる。
【0155】 zalpha48ポリペプチドは抗体の調製、ウエスタンブロッティングによる蛋白質
の同定、蛋白質精製、全発現蛋白質に対する比としての発現zalpha48ポリペプチ
ド量の決定、ペプチド切断部位の同定、アミノ-及びカルボキシル-末端タグの結
合、インビトロ及びインビボでのアミノ酸配列分析及び天然型及びタグ付き蛋白
質の生物学的活性(即ち受容体結合、シグナル伝達、増殖及び分化)のモニタリン
グの教示に利用できる。zalpha48ポリペプチドはまたマススペクトロメトリー;
立体構造、特にジスルフィド結合の位置決定に関する円偏光2色性;原子レベルで
の詳細な3次元構造を決定するためのX線結晶学;及び液体中での蛋白質の構造を
表す核磁気共鳴分光学といった分析技術の教示にも利用できる。
【0156】 例えばzalpha48ポリペプチドを含むキットを学生に与え、学生の習熟度を開発
又は試験するために学生に分析させることができる。アミノ酸配列及びポリペプ
チドのその他特性は教師には既知であることから、教師は学生が正確にポリペプ
チドを分析しているか否かを知ることができる。zalpha48ポリペプチドに特異的
に結合する抗体は、例えば学生に調整用アフィニティークロマトグラフィーカラ
ムを使ったzalpha48ポリペプチドの精製方法、及び免疫学的アッセイや組織学的
分析の実施方法を教授する補助教材として利用できる。抗zalpha48抗体は抗体を
コードしているポリヌクレオチドのクローニング及び配列解析の道具として利用
することもでき、従ってヒト化抗体の設計方法を学生き教授する上で有用である
。この様なキットは本発明の範囲内であると考えられる。 発明を以下の非限定的実施例によって更に例示する。
【0157】 実施例実施例1 . 人膵臓島細胞から抽出されたRNAは逆転写にかけられた。第1鎖cDNA反応は、濃
度1.0ng/mlのヒト膵臓島細胞のポリd(T)-選別ポリ(A)+mRNA(クローンテックラボ
ラトリーズ(Clontech Laboratories、Inc.,)、パロアルト(Palo Alto)、カリフ
ォルニア州(CA))を10μl、20pmole/μlの、XhoI制限部位を含む第1鎖プライマー
配列番号6を2μl含んだ。
【0158】 混合体は70℃に2.5分間加熱された後氷上にて冷却された。第1鎖cDNA合成は、
8μlの第1鎖緩衝液(5×SUPERSCRIPTTM緩衝液、ライフテクノロジーズ(Life Tech
nologies)、ガイサーズブルグ(Gaithersburg)、メリーランド州(MD))、4μlの10
0mMジチオスレイトール、及び3μlの各10mMのdTTP、dATP、dGTP及び5-メチルdCT
Pを含むデオキシヌクレオチド3リン酸(dNTP)液(ファルマシアLKBバイトテクノロ
ジー、(Pharmacia LKB Biotechnology)、ピスキャタウェイ(Piscataway)、ニュ
ージャージー州(NJ))をRNAプライマー混合体に加えることで開始された。反応混
合液は40℃にて2分間インキュベーションされた後、10μlの200U/μlRNaseH-逆
転写酵素(SUPERSCRIPT II(商標);ライフテクノロジーズ)を加えた。
【0159】 第一鎖合成の効率は、反応混合液の1つから得た5μlの混合液に、分析のため
に反応産物を標識する10μCiの32P-αdCTPを加えた平行反応を行い解析した。反
応混合液は40℃にて5分間、45℃にて50分間、そして50℃にて10分間インキュベ
ーションされた。取り込まれなかった混合液中の32P-αdCTPはポアサイズ400の
ゲル濾過カラム(クローンテックラボラトリーズ)を用いたクロマトグラフィーに
よって取り除かれた。未標識第一鎖反応混合液中の取り込まれていないヌクレオ
チド及びプライマーは、ポアサイズ400のゲル濾過カラムを用いたクロマトグラ
フィーによって取り除かれた。標識された第一鎖cDNA合成の長さはアガロースゲ
ル電気泳動により決定された。
【0160】 第2鎖反応は、102μlの未標識第一鎖cDNA,30μlの5×ポリメラーゼI緩衝液(12
5mM Tris:HCl、pH7.5、500mM KCl、25mM MgCl2、50mM(NH4)2SO4)、20μlの100mM
ジチオスレイトール、10mMの各デオキシヌクレオチド3リン酸を含む溶液3.0μl
、7μlの5mM β-NAD、2.0μlの10U/μlのE.coliDNAリガーゼ(ニューイングラン
ドバイオラブス(Eew England Biolabs);バーバリー(Berverly)、マサチューセッ
ツ州(MA))、5μlの10U/μlのE.coliDNAポリメラーゼ(ニューイングランドバイオ
ラブス)及び1.5μlの2U/μlのRNaseH(ライフテクノロジーズ)を含んだ。
【0161】 第2鎖合成反応液の1つの一部10μlを、第2鎖合成の効率をモニターするために
10μCiの32P-αdCTPを加えて標識した。反応液を16℃で2時間インキュベーショ
ンした後1μlの10mMのdNTP液と6.0μlのT4DNAポリメラーゼ(10U/μl、ベーリン
ガーマンハイム(Boehringer Mannheim)、インディアナポリス(Indianapolis)、
インディアナ州(IN))を加え、更に16℃にて10分間インキュベーションした。取
り込まれなかった混合液中の32P-αdCTPは、アガロースゲル電気泳動による分析
の前にポアサイズ400のゲル濾過カラムを用いたクロマトグラフィーによって取
り除かれた。
【0162】 反応は10.0μlの0.5M EDTAを加えて停止させ、フェノール/クロロホルム及び
クロロホルムにて抽出し、更に3.0Mの酢酸ナトリウムと2μlの色素標識キャリア
ー(Pellet PaintTMCo-Precipitant;ノバゲン(Novagen)、マジソン(Madison)、ウ
イスコンシン州(WI))存在下にエタノール沈殿させた。cDNAの収率は10μgの出発
mRNA鋳型より約2μgと推定された。
【0163】 EcoRIアダプターをcDNAの5‘末端に接続し、発現ベクター内へクローニング可
能にした。12.5μlのcDNA(〜2.0μg)及び3μlの69pmole/μlのEcoRIアダプター(
ファルマシアLKBバイオテクノロジー)を2.5μlの10×リガーゼ緩衝液(660mM Tri
s-HCl pH7.5、100mM MgCl2)、2.5μlの10mM ATP、3.5μlの0.1M DTT及び1μlの1
5U/μlのT4DNAリガーゼ(プロメガ社(Promega Corp)、マジソン、ウイスコンシン
)と混合した。混合液は5℃にて1時間、7.5℃にて2時間、10℃にて2時間、12.5℃
にて2時間及び10℃にて16時間インキュベーションされた。反応は65μlのH2O及
び10μlの10×H緩衝液(ベーリンガーマンハイム、インディアナポリス、IN)を加
え停止され、70℃にて20分間インキュベーションされた。
【0164】 cDNAの発現ベクター内への定方向性クローニングを容易にするために、cDNAは
XhoIで消化され、5‘EcoRI接着端と3’XhoI接着端を持つcDNAを得た。cNDAの3‘
末端には前もってXhoI制限部位が導入されていた。制限酵素消化は1.0μlの40U/
μlのXhoI(ベーリンガーマンハイム、インディアナポリス、IN)を加え、反応混
合液を37℃にて45分間インキュベーションすることで実施された。反応は70℃、
20分間インキュベーションすることで停止され、400ポアサイズのゲル濾過カラ
ムを使ったクロマトグラフィーにかけられた。
【0165】 cDNAはエタノール沈殿された後70%エタノールで洗浄、風乾してから10.0μlの
水、2μlの10×キナーゼ緩衝液(660mM Tris-HCl、pH7.5、100mg MgCl2)、0.5μl
の0.1M DTT、2μlの10mM ATP、2μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10U/μl、ラ
イフテクノロジーズ)中に再懸濁された。37℃にて30分間インキュベーションさ
れた後、cDNAは2.5M酢酸アンモニウム存在下にエタノール沈殿され、0.8%低融点
アガロースゲル上で電気泳動された。混入しているアダプターと0.6Kb長より短
いcDNAをゲルから切り出した。電極を逆転し、cDNAをレーンの出発点近くに濃縮
されるまで電気泳動した。濃縮されたcDNAを含むゲル部分を切り出し、微量遠心
チューブにいれ、ゲルスライスのおおよその容積を決定した。
【0166】 ゲルスライス(300μl)の容積の約3倍の水と35μlの10×β-アガラーゼI緩衝液
(ニューイングランドバイオラブス)をチューブに加え、65℃に15分間加熱してア
ガロースを溶解した。サンプルを45℃に平衡化させた後、3μlの1U/μlのβ-ア
ガラーゼI(ニューイングランドバイオラブス、バーバリー、マサチューセッツ州
)を加え、そして混合液を45℃に60分間イキュベーションしてアガロースを消化
した。インキュベーション後、40μlの3Mの酢酸ナトリウムをサンプルに加え、
混合液を氷上にて15分間インキュベーションした。サンプルを14,000rpmで15分
間、室温にて遠心分離し、未消化のアガロースを除いた。cDNAをエタノール沈殿
し、70%エタノールで洗浄、風乾した後40μlの水に懸濁した。
【0167】 ゲルから回収した後、市販のファージミドベクター(pBluescript(商標)SK(+);
ストラタジーン(Stratagene)、ラジョラ(La Jolla)、カリフォルニア州(CA))を
用いてcDNAをEcoRI及びXhoI部位内にクローニングし、大腸菌宿主細胞にエレク
トロポーレションした(Electromax DH10BTM細胞;ライフテクノロジーズ)。既知
配列を含む細菌コロニーは、高密度コロニーフィルターアレイ(ゲノムシステム
ス(Genome Systems)、セントルイス(St.Louis)、ミズリー州(MI))に対するプロ
ーブハイブリダイゼーションを繰り返することで同定し、配列分析から除外した
【0168】 既知遺伝子のcDNAは50-100インサート毎のグループにプールし、市販のラベリ
ングキット(MegaprimeTMDNAラベリングシステム;アマシャム(Amersham)、アーリ
ントンハイト(Arlington Heights)、イリノイ州(IL))を使って32P-αdCTPで標識
した。プローブ混合体とハイブリダイズしなかったコロニーを選別して配列決定
した。配列決定は、T3又は逆向きプライマーのいずれかを用い、自動DNAシーク
エンサー(ABI PRISMTM337;PEアプライドバイオシステムス(PE Applied Biosyste
ms)、フォスターシティー(Foster City)、カリフォルニア(CA)を使用して行われ
た。得られたデータは分析され、部分配列のデータベース(ESTs)を調製した。
【0169】 膵臓ESTデータベースは、準閾値法を用いて分析され、推定分泌シグナル、ア
ルファ螺旋領域、及び推定開始Metの上流にあるフレーム内停止コドンを含む連
続配列のアッセンブリーを同定した。この様なアッセンブリーが1つが同定され
た。対応するcDNAクローンをライブラリーから回収し、配列を決定した。分析の
結果、クローンが151アミノ酸残基(配列番号1及び配列番号2)の分泌型ポリペプ
チドをコードする全長cDNAを含むことが示された。実施例2 . zalpha48をコードしているポリヌクレオチドの全て又は一部を含む発現プラス
ミドは相同的組み換えにより構築される。zalpha48cDNAの断片は、zalpha48挿入
点側方に並ぶベクター配列に対応するフランキング領域を5‘及び3’末端に持っ
た配列番号1のポリヌクレオチド配列を用いたPCRによって単離される。PCR用プ
ライマーはそれぞれ5‘から3’末端にむかって;ベクターに由来する40bpのフラ
ンキング配列及びzalpha48のオープンリーディングフレームのアミノ末端及びカ
ルボキシル末端に対応する17bpを含んでいる。
【0170】 100μlのPCR反応混合液10μlを、1×TBE緩衝液を使い0.8%低融点温度アガロー
ス(SeaPlaqueGTG(商標):FMCバイオプロダクツ(FMC BioProducts)、ロックランド
(Rockland)、メイン州(ME))ゲル上に流し分析する。残った90μlの反応混合液は
、5μlの1M NaClと250μlの無水エタノールとを加え沈殿させる。SmaIで切断さ
れるプラスミドpZMP6を用いて、PCR断片と組み替えを行う。プラスミドpZMP6は
サイトメガロウイスル極初期プロモーター、コーディング配列の挿入に適した複
数の制限部位、停止コドン及びヒト成長ホルモンターミネーターを持つ発現カセ
ット;大腸菌複製起源;SV40プロモーター、エンハンサー及び複製起源、DHFR遺伝
子及びSV40ターミネーターを含む哺乳動物選別マーカー発現ユニット;及びS.cer
evisiaeでの選別と複製に必要なURA3及びCEN-ARS配列を含む哺乳動物発現ベクタ
ーである。
【0171】 これはpZP9(バージニア州20110-2209、マナサス(Manassas)、10801 ベイラー
ド大学にある米国標準株コレクション(American Type Culture Collection)に登
録番号98668で寄託されている)から、pRS316(バージニア州20110-2209、マナサ
ス、10801 ベイラード大学にある米国標準株コレクションに登録番号77145で寄
託されている)、ポリオウイルス由来の初期リボソーム浸入部位(IRES)要素、及
び膜貫通ドメインのC末端で切断されたCD8の細胞外ドメインをつかって構築され
た。
【0172】 100μlの応答性酵母(S.cerevisiae)細胞は独立に、10μlの上記各種DNAと組み
合わされ、0.2cm-エレクトロポレーション用キュベットに移された。酵母/DNA混
合体は電源(バイオラッドラボラトリーズ(BioRad Laboratories)、ヘラクレス(H
ercules)、カリフォルニア(CA))を使って、0.75kV(5kV/cm)、∞オーム、25μFに
てエレクトロパルスが加えられた。各キュベットには1.2Mのソルビトールが600
μl加えられ、酵母は2枚のURA-Dプレート上にそれぞれ300μlづつ置かれ、30℃
でインキュベーションされる。約48時間後、一方のプレートより得たUra+酵母形
質転換体を1mlのH2Oに懸濁し、短時間遠心分離して酵母細胞を落とす。
【0173】 細胞沈査を1mlの溶解緩衝液(2% TritonX-100、1%SDS、100mM NaCl、10mM Tris
、pH8.0、1mM EDTA)中に懸濁する。溶解混合液500μlを、300μlの酸洗浄ガラス
ビーズと200μlのフェノール-クロロホルムを含んだエッペンドルフチューブに
加え、1分間間隔で2ないし3回攪拌し、エッペンドルフ遠心分離器にかけ5分間最
高速度で遠心分離する。水相300μlを新しいチューブに移し、DNAを600μlのエ
タノール(EtOH)で沈殿させ、続いて4℃にて10分間遠心分離を行う。DNAの沈殿は
10μlのH2Oに懸濁する。
【0174】 電気応答性大腸菌宿主細胞(Electomax DH10BTM細胞;ライフテクノロジーズ、
ガイサーズブルグ、MDより入手)の形質転換は、0.5-2mlの酵母DNA配列調製品と4
0μlの細胞を使って行われる。細胞には1.7Kv、25μF、400Ωで電気パルスが加
えられる。エレクトロフォレーション後、1mlのSOC(2%BactoTMTryptone(ディフ
コ(Difco)、デトロイト(Detroit)、ミシガン州(MI))、0.5%酵母抽出物(Difco)、
10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4、20mM グルコース)を4枚のLB
AMPプレート(LBブロス(Lennox)、1.8%BactoTM寒天(ディフコ)、100mg/Lアンピシ
リン)上に250μlづつ分注した。
【0175】 zalpha48の正確な発現構築体を獲得した個々のクローンは、制限酵素消化しza
lpha48挿入体が存在していることを確認し、各種DNA配列が正確に相互に接続さ
れていることを確認し同定される。陽性クローンの挿入体は配列分析にかけられ
る。大型のプラスミドDNA配列は市販のキット(QIAGEN Plasmid Maxiキット、キ
アゲン(Qiagen)、バレンシア(Valencia)、カリフォルニア(CA))を、メーカー指
示通りに使用して単離される。正確な構築体はpZMP6/zalpha48と命名された。
【0176】実施例3 . CHO DG44細胞(Chasinら、Som.Cell.Molec.Genet.12:555-666、1986)を10cmの
組織培養皿で平板培養し、ハムのF12/FBS培地中(Ham‘s F12培地(ライフテクノ
ロジー図)、5%ウシ胎児血清(ハイクロン(Hyclone)、ローガン(Logan)、ユタ州(U
T)、1%L-グルタミン(JRHバイオサイエンス(JRH Biosciences)、レネサ(Lenexa)
、カンサス州(KS))、1%ピルビン酸ナトリウム(ライフテクノロジーズ))中にて集
密度約50%ないし70%になるまで一晩、37℃、5%CO2で増殖させた。
【0177】 続いて細胞をリポゾーム介在型トランスフェクション法により、ポリカチオン
性脂質2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキシアミド)エチル]-N、N-
ジメチル-1-プロパンイミニウム-トリフルオロアセトン及び中性脂質であるジオ
リオイルホスファチジルエタノールアミンのメンブレンフィルター水溶液の3:1(
w/w)リポゾーム製剤(LipofetamineTM試薬、ライフテクノロジー図)を用い、無血
清(SF)培地(Ham’s F12、10mg/mlトランスフェリン、5mg/mlインシュリン、2mg/
mlフェチュウイン、1%L-グルタミン及び1%ピルビン酸ナトリウム)中にてプラス
ミドzalpha48/pZMP6でトランスフェクションする。zalpha48/pZMP6を、15mlチュ
ーブ中に最終容積が640μlになるまでSFで希釈する。35μlのLipofectamineTM
605μlのSF培地と混合する。
【0178】 得られた混合液をDNA混合体に加え、約30分間、室温にてインキュベーション
する。SF培地5mlをDNA:LipofectamineTM混合液に加える。細胞を5mlのSF培地で
一度濯ぎ、吸引した後、DNA:LipofectamineTM混合液を加える。細胞を37℃で5時
間インキュベーションし、次に6.4mlのHamのF12/10%FBS、1%PSN培地を各プレー
トに加える。プレートを37℃で一晩インキュベーションし、翌日にDNA:Lipofect
amineTM混合体を新鮮な5%FBS・Ham培地と交換する。
【0179】 トランスフェクション後3日目に、細胞をT-175フラスコ中の増殖培地に小分け
する。トランスフェクション後7日目に、細胞をFITC-抗-CD8モノクローナル抗体
(ファーミンゲン(Pharmingen)、サンジェゴ(San Diego)、カリフォルニア(CA))
で染色し、続いて抗-FITC-標識磁性ビーズ(ミルテニバイオテック(Miltenyi Bio
tec)で処理する。CD8-陽性細胞は市販のカラム(mini-MACSカラム;ミルテニバイ
オテック)をメーカー指示通りに使い分離し、ヌクレオシドを含まないが50nMの
メトトレキセートを含んでいるDMEM/Ham‘sF12/5%FBS(選択培地)に加える。
【0180】 細胞をウエル当たり0.5、1及び5細胞の密度でサブクローニングするために、9
6ウエル型の皿の中の選択培地に播き、約2週間増殖させた。ウエルは培地が蒸発
しない様にチェックし、この工程中必要に応じて加えてウエル当たり200μlにな
る様にする。プレート中のコロニーは効率で集密化した場合には、100μlの培地
を各ウエルから集めてドットブロットによって分析し、細胞に新しい選択培地を
与える。上清はドットブロット用装置のニトロセルロースフィルターにかけ、そ
のフィルターをシンクオーブン内にて100℃で処理し蛋白質を変性させる。
【0181】 このフィルターを625mMのTris-グリシン、pH9.1、5mM βメルカプトエタノー
ル内に、65℃にて10分間インキュベーションし、続いて回転シェーカー上に於い
て2.5%の非脂肪性ドライミルクウエスタンA緩衝液(0.25%ゼラチン、50mM Tris-H
Cl pH7.4、150mM NaCl、5mM EDTA、0.05%Igepal CA-630)中、一晩、4℃にてイン
キュベーションする。このフィルターを回転式攪拌装置上にて2.5%非脂肪性ドラ
イミルクウエスタンA緩衝液中、1時間、室温で抗体ーHRP標識体とインキュベー
ションする。
【0182】 次にフィルターを室温にて0.01%Tween20を加えたPBSを用い、1回洗浄当たり15
分間、3回洗浄する。フィルターをメーカー指示症通りに化学発光試薬(ECLTMダ
イレクトラベリングキット:アマシャム社、アーリントンハイト、イリノイ州)を
用いて現像し、約5分間フィルム(Hyperfilm ECL、アマシャム)に感光させる。陽
性クローンを96ウエル型の皿からトリプシン処理し外し、スケールアップとウエ
スタンブロット分析の為に選択培地の入った6ウエル型の皿に移す。
【0183】実施例4 . 完全長zalpha48蛋白質はpMP6/zalpha48(実施例2)でトランスフェクションされ
たBHK細胞により作製される。BHK570細胞(ATCC CRL-10314)を10cmの組織培養皿
に平板培養し集密度が約50ないし70%になるまでDMEM/FBS培地(DMEM、ギブコ/BRL
High Glucose;ライフテクノロジーズ)、5%ウシ胎児血清(ハイクローン、ローガ
ン、ユタ州)、1mMのL-グルタミン(JRHバイオサイエンス、レネサ、カンサス州)
、1%ピルビン酸ナトリウム(ライフテクノロジーズ))中、一晩、37℃、5%CO2で増
殖させた。
【0184】 次に細胞をリポゾーム介在型トランスフェクション法(LipofetamineTM試薬、
ライフテクノロジー図)を用、無血清(SF)培地(10mg/mlトランスフェリン、5mg/m
lインシュリン、2mg/mlフェチュイン、1%L-グルタミン及び1%ピルビン酸ナトリ
ウム添加型DMEM)中にてpZMP6/zalpha48でトランスフェクションした。プラスミ
ドは15mlチューブ中にて、最終容積が640μlになるまでSFで希釈された。35μl
の脂質混合液を605μlのSF培地と混合し、得られた混合液を室温で約30分間イン
キュベーションする。次にSF培地5mlをDNA:脂質混合液に加える。細胞を5mlの一
度SF培地で濯ぎ、吸引した後DNA:脂質混合液を加える。
【0185】 細胞を37℃で5時間インキュベーションし、次に6.4mlのDMEM/10%FBS、1%PSN培
地を各プレートに加える。プレートを37℃で一晩インキュベーションし、そして
翌日にDNA:脂質混合体を新鮮な5%FBS/DMEM培地に交換する。トランスフェクショ
ン後5日目に、細胞をT-162フラスコ中の増殖培地(DMEM+5%FBS、1%L-Gln、1%NaPy
r、1μMメトトレキセート)に小分けする。トランスフェクション後約10日目に、
各トランスフェクションから2枚の150mm培養皿のメトトレキセート耐性コロニー
についてトリプシン処理し、細胞をプールしてT-162フラスコで平板培養し、大
規模培養に移す。
【0186】実施例5 . アデノウイルスベクターの構築では、5‘及び3’末端それぞれにPmeI及びAscI
制限部位を加えるプライマーを使ったPCRを利用しヒトzalpha48の蛋白質コーデ
ィング域が増幅される。増幅は完全長ざlpは48cDNAの鋳型を使い、以下のPCR反
応にて実施される:95℃5分間1サイクル;続いて95℃1分、61℃1分、及び72℃1.5
分を15サイクル;次に72℃7分間;続いて4℃に放置。PCR反応にて実施反応産物はT
AE緩衝液(0.04M Tris-アセテート、0.001M EDTA)を用いた1.2%低融点温度アガロ
ースゲルにかけられる。
【0187】 ゲルよりzalpha48PCR産物を切り出し、シリカゲル膜スピンカラムを含む市販
キット(QIAquickTMPCR精製キット及びゲルクリーンアップキット:キアゲン)を取
扱説明書通りに使用して精製される。次にPCR産物をPmeI及びAscIにて消化し、
フェノール/クロロホルムで抽出、EtOH沈殿し、20mlのTE(Tris/EDTA pH8)に溶解
した。次にzalpha48断片をトランスジェニックベクターpTG12-8のPmeI-AscI部位
に接続し、エレクトロポレーションを使って大腸菌DH10BTM反応性細胞に形質導
入する。ベクターpTG12-8はラットインシュリンIIイントロン(約200bp)及びポリ
リンカー(FseI/PmeI/AscI)をNruI部位に挿入することでp29999B4(Palmiterら、M
ol.Cell Biol.13:5266-5275、1993)より誘導された。
【0188】 ベクターはマウスメタロチオネイン(MT-1)プロモーター(約750bp)、及び10kb
のMT-1 5‘フランキング配列と7kbのMT-1 3’フランキング配列が並置されたヒ
ト成長ホルモン(hGH)非翻訳域及びポリアデニレーションシグナル(約650bp)を含
む。cDNAはインシュリンIIとhGH配列の間に挿入される。zalpha48を含むクロー
ンはプラスミドDNAミニプレップ処理後、PmeI及びAscIにて消化され同定される
。陽性クローンを配列分析し、構築体中に欠損又はその他の異常がないことを確
認する。
【0189】 DNAは市販キット(Mzxiキット、キアゲン)を使い調製され、zalpha48cDNAはpTG
12-8ベクターからPmeI及びAscI酵素を使って切り出される。cDNAは1%低融点温度
アガロースゲル上に単離され、ゲルが切り出される。ゲルスライスは70℃で融解
され、DNAは等容積のTris-緩衝化フェノールで2回抽出され、EtOHで沈殿された
後10μlのH2Oに懸濁される。
【0190】 zalpha48cDNAは改良型pAdTrack-CMV(He、T-Cら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA95:2
509-2514、1998)のEcoRV-AscI部位内にクローニングされた。この構築体はグリ
ーンフルオレセンス蛋白質(GFP)マーカー遺伝子を含む。GFPを駆動するCMVプロ
モーターをSV40プロモーターに置き換えられており、そしてSV40ポリアデニレー
ションシグナルはヒト成長ホルモンポリアデニレーションシグナルに置き換えら
れている。更に未変性ポリリンカーはFseI、EcoRV及びAscI部位に置き換えられ
ている。
【0191】 この改良型pAdTrack-CMVはpZyTrackと呼ばれる。連結は市販のDN連結及びスク
リーニングキット(Fast-LinkTMキット;エピセントレテクノロジーズ(Epicentre
Technologies)、マジソン(Madison)、ウイスコンシン(WI))をつかって行われる
。zalpha48を含むクローンはミニプレップDNAをFseI及びAscI消化し、特定され
た。
【0192】 プラスミドを直線化するために、得られたpZyTrackのzalpha48プラスミド約5
μgをPmeIで消化する。直線化されたプラスミド約1μgを200ngのスーパーコイル
ドpAdEasy(Heら、上記)と共に大腸菌BJ5183細胞(Heら、上記)に同時形質導入す
る。同時形質導入はバイオラッド社製Gene Puloserを使い、2.5kV、200オーム、
25μFaにて行われる。全ての同時形質導入混合液を4枚の25μg/mlのカナマイシ
ンを含むLPプレートに加える。最小コロニーを拾い上げ、LB/カナマイシン中に
て拡大し、通常のDNAミニプレップ法により組換え体アデノウイルスDNAを同定す
る。組換え体アデノウイルスミニプレップDNAを大腸菌DH10BTM反応性細胞に形質
導入し、DNAをMaxiキット(キアゲン)をキット取扱説明書通りに使用し調製する
【0193】 約5μgの組換え体アデノウイルスDNAを、20-30UのPacIを含む反応容積100μl
で37℃、3時間PacI酵素(ニューイングランドバイオラブス)で消化する。消化さ
れたDNAを2回等容積のフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿す
る。DNA沈査は10μlの蒸留水に懸濁される。QBIー293A細胞(クオンタムバイオテ
クノロジーズ(Quantum Biotechnologies、Inc.)、モントリオール(Montreal)、
ケベック州(Qc)、カナダ)を前もってT25フラスコに接種し、集密度60-70%まで増
殖させたものに、PacI消化DNAをトランスフェクションする。PacI消化DNAは滅菌
HBS(150mM NaCl、20mM HEPES)で総容積50μlまで希釈される。
【0194】 別のチューブにて1mg/mlのN-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-
トリメチル-アンモニウム塩(DOTAP)(ベーリンガーマンハイム、インディアナポ
リス、インディアナ州)20μlをHBSで総容積100μlまで希釈する。DNAをDOTAPに
加え、ピペットで上下させゆっくり混合し、室温に15分間放置した。293A細胞か
ら培地を除き、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMのMEN非必須アミノ酸及び25m
MのHEPES緩衝液(試薬はライフテクノロジーズ、ガイサーブルグ、メリーランド
より得た)を含む5mlの無血清最小必須培地(MEM)アルファで洗浄する。5mlの無血
清MEMを293A細胞に加え、ゆっくり混合、37℃にて4時間インキュベーションする
。4時間後DNA/脂質混合液を含む培地を吸引して除き、5%のウシ胎児血清を含む5
mlの完全MEMに交換する。形質導入細胞はGFP発現及びフォーカス(ウイルスプラ
ーク)の形成についてモニターされる。
【0195】 組換え体アデノウイルスDNAによる293A細胞トランスフェクション後7日目に細
胞はGFP蛋白質を発現し、フォーカス(ウイルス性の“プラーク”)を形成し始め
る。ウイルスの粗溶解物は細胞破壊機を使って集め、293A細胞の全てを収集した
。溶解物を50mlのコニカルチューブに移す。ウイルス粒子の大部分を細胞から放
出させるために、凍結/融解サイクルをドライアイス/エタノール槽と37℃の温槽
とで3回繰り返す。
【0196】 粗溶解物を増幅(初回(1°)増幅)してzalpha48 rAdV溶解物の作業用“ストック
”を得る。ほぼ集密化した(80-90%)293A細胞の10cmプレート10枚を20時間前に準
備し、200mlの粗rAdV溶解物を各10cmプレートに加え、48時間ないし72時間、白
色光顕微鏡下にCPE(細胞変性効果)に関し、そして蛍光顕微鏡下にGFPの発現につ
いて細胞をモニターする。全ての293A細胞がCPEを示した場合には、その1°スト
ック溶解物を集め、上記同様に凍結/融解サイクルを行う。
【0197】 次にzalpha48 rAdVの二回目(2°)増幅を行う。293A細胞の15cm組織培養皿を12
枚用意し、細胞を80-90%集密度にする。20mlの5%MEM培地以外の全てのものを取
り除き、各皿に300-500mlの1°増幅rAdv溶解物を接種する。48時間後、293A細胞
をウイルス産生体より溶解し、溶解物を250mlのポリプロピレン製遠心ボトルに
集め、rAdVを精製する。
【0198】 NP-40界面活性剤を最終濃度0.5%になる様に粗溶解物のボトルに加え、全ての
細胞を溶解する。ボトルを回転式プラットホーム上に10分間置き、ボトルが落下
しない範囲で可能な限り速く振盪する。細胞破砕物を20,000×G、15分間の遠心
分離で落とす。上清を250mlのポリカーボネート遠心ボトルに移し、0.5容積の20
%PEG8000/2.5M NaCl液を加える。ボトルを一晩、氷上にて振盪する。ボトルを20
,000×Gで15分間遠心分離し、上清を漂白液内に廃棄する。
【0199】 滅菌した細胞スクレーパーを使って、2本のボトルから得た白色のウイルス/PE
G沈査を2.5mlのPBSに懸濁する。得られたウイルス液を2mlの微量遠心チューブに
入れ、14,000×Gで10分間遠心分離し、更に細胞破砕物を除く。2mlの微量遠心チ
ューブから上清を15mlのポリプロピレン製のスナップキャップ付きチューブに移
し、CsClにて密度を1.34g/mlに調整する。この液を3.2mlのポリカーボネート製
の厚壁型遠心チューブに移し、348,000×G、25℃にて3-4時間遠心分離する。ウ
イルスは白色のバンドを形成する。広口のピペットチップを使って、このウイル
スのバンドを集める。
【0200】 市販のイオン交換カラム(例えばSephadex(商標)G-25Mが前充填されたPD-10カ
ラム;ファルマシアバイオテック、ピスキャタウェイ、ニュージャージー州)を用
いウイルス標本を脱塩する。カラムは20mlのPBSで平衡化される。ウイルスをカ
ラムに乗せ、自然に落下させる。5mlのPBSをカラムに加え、8-10滴の分画を集め
る。各分画の1:50希釈体の光学密度を分光硬度計を用いて260nmについて決定す
る。ピークの分画を集め、1;25希釈体の光学密度(OD)を決定する。式:(260nmのO
D)(25)(1.1×1012)=ウイルス/mlを用いてODをウイルス濃度に変換する。 ウイルスを保存するためには、最終濃度15%になるまでグリセロールを精製ウイ
ルスに加え、ゆっくりではあるが効果的に混合し、小分けして-80℃に保存する
【0201】 クオンタムバイオテクノロジーズ社(モントリオール、カナダ)が開発したプロ
トコールに従って組換え体ウイルスの感染性を測定する。簡単に述べると、アッ
セイする各組換え体ウイルスについて、2枚の96ウエル型組織培養プレートに対
し、2%のウシ胎児血清を含むMEMの入ったウエル当たり1×104293A細胞を接種す
る。24時間後各ウイルスについて2%ウシ胎児血清を含むMEMを使い1×10-2から1
×10-14まで10倍希釈する。各希釈体100μlを20個のウエルに入れる。37℃で5日
後、各ウエルをCPEについて陽性か陰性であるか読み取り、“プラーク形成単位/
ml(PFU)を計算する。 ヒトzalpha48コーディング配列を含むアデノウイルスベクターは上記開示と実
質同様に構築され、AdZyAlpha48と命名された。
【0202】実施例6 . 組織分布の分析を市販のヒトRNAブロット(Human Multipl Tissue Northern Bl
ots;クローンテックラボラトリー、パロアルト、カリフォルニア)を使ったノー
ザンブロッティング技術を用いて行った。プローブは470bpのcDNA断片を得る、E
coRI及びXhoIによるヒトzalpha48クローンの制限消化より得た。この断片をゲル
精製し、32Pで標識して、市販の試薬と標準的手法により精製した。
【0203】 ハイブリダイゼーションは通常の方法及び試薬を使い実施され、55℃、0.1×S
SC及び0.1%SDSにより洗浄された。ブロットは-80℃にて3日間フィルムに感光さ
れた。1つの主要な転写体サイズが〜1.4-1.5kbのブロットに観察された。シグナ
ルは膵臓及び副腎で最も強く、精巣と卵巣でのシグナルは弱かった。 上記より、ここには例示を目的として発明の具体的実施態様が記載されている
が、発明の精神及び範囲から逸脱することなく各種の変更が行えることが理解さ
れるだろう。従って、発明は添付のクレーム以外によって制限されるものではな
い。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図は配列番号2に示すアミノ酸配列のHopp/Woods親水性プロフィールである。
このプロフィールは6個残基ウィンドウスライディングに基づいている。埋没型
のG、S及びT残基、そして露出型のH、Y及びW残基は無視した。これら残基は図内
では小文字で表されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/00 C07K 14/52 43/00 105 16/24 C07K 14/52 C12N 1/15 16/24 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA21 CA01 FA18 GA11 4B064 AG02 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA93Y AB01 AC14 AC15 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA07 BA02 CA53 DA01 ZA51 ZA89 ZB21 ZB26 4H045 AA10 AA11 BA10 BA15 BA53 CA40 DA01 DA76 EA20 EA50 FA74

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2の少なくとも9個の連続するアミノ酸残基を含む単
    離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 15ないし1500個のアミノ酸残基を持つ請求項1の単離された
    ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 前記配列番号2の少なくとも9個の連続するアミノ酸残基がペ
    プチド結合又はポリペプチドリンカーにより、マルトース結合蛋白質、免疫グロ
    ブリン定常領域、ポリヒスチジンタグ及び配列番号5に示すペプチドよりなる群
    より選択される第2ポリペプチドと作用可能に結合している、請求項2の単離ポリ
    ペプチド。
  4. 【請求項4】 配列番号2の少なくとも30個の連続する残基を含む請求項1の
    単離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 以下を含む請求項1の単離されたポリペプチド: 配列番号2の残基34-48; 配列番号2の残基49-69; 配列番号2の残基70-84; 配列番号2の残基87-101; 配列番号2の残基102-126; 配列番号2の残基127-141; 配列番号2の残基20-53;又は 配列番号2の残基49-57。
  6. 【請求項6】 配列番号3の残基34-147、配列番号3の残基34-151又は配列番
    号3の残基21-151を含む請求項1の単離されたポリペプチド。
  7. 【請求項7】 配列番号2の残基34-147、配列番号2の残基34-151又は配列番
    号2の残基21-151を含む請求項1の単離されたポリペプチド。
  8. 【請求項8】 以下の作用可能に結合した要素を含む発現ベクター: 転写プロモーター; 以下の群から選択されたアミノ酸残基配列を含むポリペプチドをコードしてい
    るDNA断片: 配列番号2の残基34-48; 配列番号2の残基49-69; 配列番号2の残基70-84; 配列番号2の残基87-101; 配列番号2の残基102-126; 配列番号2の残基127-141; 配列番号2の残基20-53;及び 配列番号2の残基49-57;並びに 転写ターミネーター。
  9. 【請求項9】 前記DNA断片が配列番号4のヌクレオチド61ないし453を含む
    、請求項8の発現ベクター。
  10. 【請求項10】 前記ポリペプチドが配列番号3の残基34-147、配列番号3の
    残基34-151又は配列番号3の残基21-151を含む、請求項8の発現ベクター。
  11. 【請求項11】 前記ポリペプチドが配列番号2の残基34-147、配列番号2の
    残基34-151又は配列番号2の残基21-151を含む、請求項8の発現ベクター。
  12. 【請求項12】 更にDNA断片に作用可能に結合している分泌シグナル配列
    を含む、請求項8の発現ベクター。
  13. 【請求項13】 前記分泌シグナル配列が配列番号2の残基1-20をコードし
    ている、請求項12の発現ベクター。
  14. 【請求項14】 請求項8〜13の何れか1項の発現ベクターが導入されている
    培養細胞にあって、前記細胞が前記DNA断片を発現する細胞。
  15. 【請求項15】 請求項8〜13の何れか1項の発現ベクターが導入されている
    細胞をDNA断片が発現され、ポリペプチドが産生される条件の下に培養し;そして 産生されたポリペプチドを回収する; ことを含むポリペプチド製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15の方法により産生されたポリペプチド。
  17. 【請求項17】 請求項4のポリペプチドに特異的に結合する抗体。
JP2001517563A 1999-08-18 2000-08-18 ヘリカルサイトカインzalpha48 Pending JP2003508032A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US37682699A 1999-08-18 1999-08-18
US09/376,826 1999-08-18
PCT/US2000/022714 WO2001012665A2 (en) 1999-08-18 2000-08-18 Helical cytokine zalpha48

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003508032A true JP2003508032A (ja) 2003-03-04

Family

ID=23486680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001517563A Pending JP2003508032A (ja) 1999-08-18 2000-08-18 ヘリカルサイトカインzalpha48

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1204681A2 (ja)
JP (1) JP2003508032A (ja)
AU (1) AU6916100A (ja)
CA (1) CA2381794A1 (ja)
WO (1) WO2001012665A2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020168756A1 (en) 2001-03-23 2002-11-14 Fuji Photo Film Co., Ltd. Particle size variable reactor
US7077982B2 (en) 2001-03-23 2006-07-18 Fuji Photo Film Co., Ltd. Molecular electric wire, molecular electric wire circuit using the same and process for producing the molecular electric wire circuit
JP4294946B2 (ja) 2002-12-13 2009-07-15 富士フイルム株式会社 標的検出装置及び標的検出方法並びに標的検出用基材
US7076127B2 (en) 2003-01-14 2006-07-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical switch and safety apparatus using the same
US20050250184A1 (en) * 2003-11-26 2005-11-10 Sheppard Paul O Peptide hormones zalpha48 and zsig97

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL139686A0 (en) * 1998-06-02 2002-02-10 Genentech Inc Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same

Also Published As

Publication number Publication date
EP1204681A2 (en) 2002-05-15
AU6916100A (en) 2001-03-13
CA2381794A1 (en) 2001-02-22
WO2001012665A3 (en) 2001-07-12
WO2001012665A2 (en) 2001-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6822082B2 (en) Polynucleotides for mammalian secreted protein, Z1055G2P
WO2001029221A2 (en) Proteins and polynucleotides encoding them
JP2003524415A (ja) サイトカインzcyto18
JP2003508032A (ja) ヘリカルサイトカインzalpha48
US6761882B2 (en) Helical cytokine zalpha33
US6531576B1 (en) Four-helical bundle protein zsig81
EP1129194B1 (en) Interleukin-1 homolog zil1a4
US6756214B2 (en) Protein zlmda33
US20020192750A1 (en) Neuropilin homolog zcub5
US20030022316A1 (en) CUB domain protein zcub3 and materials and methods for making it
US20030153050A1 (en) Helical polypeptide zalpha29
EP1268804A2 (en) Helical protein zalpha51
JP2003503056A (ja) へリックスポリペプチドzalpha29
CA2387371A1 (en) Helical cytokine zalpha33
EP1181369B1 (en) Four-helical bundle protein zsig81
WO1998054326A1 (en) Human chemokine zchemo-8
US20020009775A1 (en) Helical protein zalpha51
US20020115168A1 (en) Novel protein zlmda2.
WO1998044117A1 (en) Human chemokine zsig-35
WO2001029223A2 (en) Type i membrane protein ztsl1
WO2001018205A1 (en) Secreted polypeptide zalpha30
WO2000071717A1 (en) Secreted alpha-helical protein - 32
JP2003501033A (ja) 分泌されるα−ヘリックスタンパク質−31