JP2003506251A - 複数の駆動システムを有する車両／列車における電力最適化のための方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】時刻表を計画する時に含まれる予備の時間を用いる、車両／列車における電力最適化のための方法が提案される。最適化アルゴリズムの補助によって、省電力走行モードを達成するために、複数の完全な，もしくは部分的に自立性のある駆動システムの存在が考慮され、また、各駆動システムの効率、すなわち電力損失の分離された関数が考慮される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、請求項１の前段に関し、車両／列車における電力最適化のための方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】

鉄道交通機関のための走行計画中、及び時刻表の起案中に、予期しない出来事
や災難の起こる事態のための予備の時間が計画の中に含まれる。実際の走行中の
動作状況が、典型的には計画の際に予想したものより順調であるので、これによ
って生じた予備の時間は、他の目的に費やすことができる。予備の時間の特に実
際的な使用は、適切な走行モードによって電力を省くことに充てられる。

【０００３】 すでに知られ、使用されている電力最適化のための方法は、最大加速度、一定
の速度での走行、惰性、並びに最大リタデーションである構成要素を有する走行
モードが、電力供給に関して最適値であるという仮定にほとんど基づく。この場
合、車両を加速させるのに必要な機械的な牽引力は最小化される。証明のために
、線形力学的な列車モデルが用いられるが、速度と走行妨害要素との間の２次の
関係を説明するいかなる事項も特に考慮に入れられていない。

【０００４】 ＤＤ ２５５ １３２ Ａ１において、この基本的な仮定は、各セクションに
おいて、全ルートを、全ルートの坂の妨害が一定であるような複数のセクション
に区分することによって拡張される。

【０００５】 ＥＰ ０ ４６７ ３７７ Ｂ１において、全ルートの複数のセクションへの
区分は、各セクションにおいて、可能である最高速度が一定である方法で導入さ
れる。最大加速度、一定の速度での走行、並びに最大減速度である構成要素を有
する前記走行モードは、各セクションにおいて繰り返される。したがって、惰性
が不要とされる。

【０００６】 ＥＰ ０ ７５５ ８４０ Ａ１は、電力最適化のための実際的な方法が記載
されているのではなく、代わりに、電力最適化も行われ得る一般のシステム構造
が説明されている。加速度、一定の速度での走行、減速、並びにブレーキを有す
るサイクルは、例として挙げられている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】

本発明は、車両／列車の時刻表の計画のときに含まれる予備の時間に関し、電
力最適化のための改良された方法を明細に示すという目的に基づく。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この目的は、前段に関連して請求項１に記載されている特徴によって達成され
る。

【０００９】 本発明によって達成されることができる効果は、特に、最適化アルゴリズムに
おける駆動装置と複数の牽引力との分布を考慮することによって、機械的な牽引
力の代わりに、最小化される電気機関車内の電力など、主に用いられる電力であ
ることである。

【００１０】 本発明の効果的な改良点は、従属の請求項において特定されている。

【００１１】 提案された方法のさらなる効果は、以下の記載から明らかとなる。

【００１２】 本発明は、図面に示された具体例としての実施の形態を用いて、以下にさらに
詳細に説明される。

【００１３】

【発明の実施の形態】

本発明の要点は、車両／列車の時刻表の計画中に含まれる予備の時間に関する
最適化の問題において、駆動装置と複数の牽引力との分布を考慮するという事実
に見られることである。電力最適化の問題は、数式的な最適化の問題として公式
化され、一般に知られた適切な最適化アルゴリズムによって解決される。

【００１４】 適切な最適化アルゴリズムはすでに知られている（例えば、Ｐａｐａｇｅｏｒ
ｇｉｏｕ：Ｏｐｔｉｍｉｅｒｕｎｇ［Ｏｐｔｉｍｉｚａｔｉｏｎ］，Ｃｈａｐｔ
ｅｒｓ １０，１９，及び、特に２０，Ｏｌｄｅｎｂｏｕｒｇ Ｖｅｒｌａｇ，
１９９６）。

【００１５】 したがって、自立性のある１以上の駆動システムが、車両／列車の全駆動電力
を提供するために利用される。例えば、典型的な電気機関車は、一般に、２つの
ボギー車を有し、これらは、各々分離駆動部に備えられている。さらに、分離駆
動部を備えた３つのボギー車を有する設計が知られており、これは、２以上の駆
動される車軸を備えたボギー車なしの車両のような設計である。

【００１６】 単一牽引の場合、すなわち１つの牽引車だけが輸送車を動かす場合、可能であ
る分離した自立性のある駆動システムの数は、前記牽引車の走行路の地形に依存
する。電気機関車の場合、線路の地形は、例えば、実際の駆動（モーター）に加
え、高圧装置及び補助の装置、いわゆる駆動要素であるさらなる構成要素を有す
る。複数牽引の場合、混合している列車の少なくとも２つの牽引車が輸送車の内
に含まれる。同様に、多くの集中駆動ユニット、もしくは分散駆動ユニットは、
１つの駆動車に統合され得る。路線の地形と、混合している列車に結合された駆
動車の数とが、分離した自立性のある可能な駆動システムの数を決定する。

【００１７】

【発明の効果】

本発明に係る効果は、車両／列車の時刻表の計画中に含まれる予備の時間に関
する電力の最適化のために、完全に、もしくは部分的に自立性のある複数の駆動
システムを考慮することによって生じ、前記各駆動システムが、効率、すなわち
電力損失の分離関数を用いることによって特徴づけられることができる。駆動装
置及び複数の牽引の分布を含むとき、３つの手法が提案されており、これらは個
別で、もしくは組み合わせて用いられることができる。

【００１８】 第１の手法に関し、前記各自立性のある駆動システムの効率の関数、すなわち
電力損失の関数は、前記車両／列車の効率の関数、すなわち電力損失の関数全体
を形成するように処理する間に組み合わされる。そしてさらに、最適化は、集中
されたシステム、すなわち単一の自立性のある駆動システムを有するシステムに
対する最適化と全く同一である。

【００１９】 第２の手法に関し、自立性のある駆動システムの効率、すなわち電力損失の代
表関数（平均関数）は、それぞれ用いられる自立性のある駆動システムの数と共
に、最適化の際に考慮される。この手法は、前記自立性のある駆動システムの効
率、すなわち電力損失が他のものとかなり異なる場合に、特に好都合である。

【００２０】 第３の手法に関し、各自立性のある駆動システムに対し、効率、すなわち電力
損失の関数と、ＯＮとＯＦＦの２元状態の情報（すなわち、各自立性のある駆動
システムのｏｎ／ｏｆｆを切り替える動作）と最適化の際に考慮される。この手
法は、前記複数の自立性のある駆動システムの効率、すなわち電力損失が、かな
りの程度異なる場合に、特に好都合である。

【００２１】 一方で、第３の手法の場合、すでに、最適化の結果において、各個自立性のあ
る駆動システムのための実用計画があり、最初の２つの手法において、これはさ
らに後の手法通して作成されなければならない。

【００２２】 自立性のある駆動システムの分布を考慮することによって、各駆動の最適な組
み合わせは、各走行状況によって決定され得、都合の良い方法にセットされる。
同時に、予期される牽引力及びブレーキ力などの境界条件、粘性係数、駆動要素
内の温度、並びに駆動力学における時間の影響が考慮される。さらに、スイッチ
オンへの切り替え及びスイッチオフへの切り替えの損失は、同時に車両のさらな
る損失を考慮しながら、最小化されることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、典型的な電気列車の電力損失の特性写像を示す。

【図２】 図２は、２つに分離して制御される駆動システムを備えた典型的な電気列車の
電力損失の特性写像を示す。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１３年６月２２日（２００１．６．２２）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 テルビーシュ、ペーター スイス国、シーエイチ−5512 ボーレンシ ュビル、ガルテンベーク 459 (72)発明者 メイヤー、マルクス スイス国、シーエイチ−6030 エビコン、 ヘーヒバイトシュトラーセ ７ (72)発明者 クローゼ、クリスティアン ドイツ連邦共和国、デー − 14774 ブ ランデンブルク、シュタールベーク 28 (72)発明者 ケテラー、カール−ヘルマン スイス国、シーエイチ−5314 クラインデ ルティンゲン、シュベヒェラーシュトラー セ 29 Ｆターム(参考） 5H161 AA01 JJ22 JJ40

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 時刻表を計画する時に含まれる予備の時間を用いる、車両／
   列車における電力最適化のための方法であって、最適化アルゴリズムの補助によ
   って省電力走行モードを達成するために、完全に，もしくは部分的に自立性のあ
   る複数の駆動システムの存在が考慮され、また、各駆動システムの効率、すなわ
   ち電力損失の分離関数（ｓｅｐａｒａｔｅ ｆｕｎｃｔｉｏｎｓ）が考慮される
   方法。
2. 【請求項２】 前記各駆動システムの効率、すなわち電力損失の分離関数が
   、事前処理の間、前記車両／列車の効率、すなわち電力損失の全体の関数を形成
   するように互いに組み合わされる請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】 前記駆動システムの効率、すなわち電力損失の分離関数が、
   前記車両／列車の効率、すなわち電力損失の代表的な関数を形成するように互い
   に組み合わされ、用いられる自立性の駆動システムの数と共に考慮される請求項
   １に記載の方法。
4. 【請求項４】 各駆動システムに対し、効率、すなわち電力損失の分離関数
   と、各駆動システムのＯＮもしくはＯＦＦの２元状態の情報とが考慮される請求
   項１に記載の方法。
5. 【請求項５】 自立性のある駆動システムが選択されるとき、予期される牽
   引力とブレーキ力、並びに／もしくは粘性係数、並びに／もしくは温度、並びに
   ／もしくは駆動力学上の影響などの境界条件が考慮される請求項１ないし４のい
   ずれか１に記載の方法。