JP2003505829A - 耐高電圧不揮発性低粘度絶縁性樹脂 - Google Patents

耐高電圧不揮発性低粘度絶縁性樹脂

Info

Publication number
JP2003505829A
JP2003505829A JP2001511695A JP2001511695A JP2003505829A JP 2003505829 A JP2003505829 A JP 2003505829A JP 2001511695 A JP2001511695 A JP 2001511695A JP 2001511695 A JP2001511695 A JP 2001511695A JP 2003505829 A JP2003505829 A JP 2003505829A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy
insulating resin
resin
weight percent
organotin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001511695A
Other languages
English (en)
Inventor
スミス,ジェームズ,ディー,ビイ
エメリー,フランクリン,ティー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Siemens Energy Inc
Original Assignee
Siemens Westinghouse Power Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Siemens Westinghouse Power Corp filed Critical Siemens Westinghouse Power Corp
Publication of JP2003505829A publication Critical patent/JP2003505829A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G59/00Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/68Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the catalysts used
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B3/00Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties
    • H01B3/18Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances
    • H01B3/30Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances plastics; resins; waxes
    • H01B3/40Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances plastics; resins; waxes epoxy resins

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 樹脂とエポキシ希釈剤とより成るエポキシ系の他に、カテコール及びピロガロールから選択されたフェノール促進剤と、塩化トリフェニルスズ、塩化トリベンジルスズ、水酸化トリベンジルスズ及び酢酸トリフェニルスズから選択されたオルガノスズ潜触媒とを含む絶縁性樹脂は、無溶剤で、25ECにおける粘度が最長8週間の間10乃至450センチポイズであり、モータ(20)または発電機(30)において通常はマイカテープと共に電気コイル(10)のスロット部分(15、16)内の含浸樹脂として使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
【0002】
【発明の分野】
本発明は、選定したフェノール促進剤と、選定したオルガノスズ潜触媒との組
み合わせを使用し、不揮発性且つ無溶剤で、コールドブレンデング可能であり、
低い粘度と長い貯蔵寿命を有する新規で改良型のエポキシド絶縁性樹脂に関する
【0003】
【背景情報】
オルガノスズ触媒は、エポキシ樹脂の潜触媒として絶縁性樹脂の分野で周知で
あり、例えば、米国特許第4,020,017号(発明者:Smith et al.)及び
4,112,183号(発明者:Smith)は、塩素、水酸化物、アセテート、ブ
チレート、プロピネートまたはジメチルホスフェートとのオルガノスズ化合物だ
けでなく、成分としてとりわけフェニル、ナフチル、BrまたはNO2置換アリ
ル、及びベンジル基を有するエポキシ配合物を教示しており、29個の好ましい
化合物をリストしている。Smith et al.の米国特許第4,020,017号は特
に、エポキシからフェノール、無水物またはアミン化合物を除外しており、1,
2エポキシ基を含む反応性希釈剤を使用している。Smithの米国特許第4,11
2,183号特許は、好ましくは二溶剤系である、ケトンまたは芳香族炭化水素
のような、65EC(149EF)以上に加熱することにより除去する必要があ
る溶剤の使用を必要とし、約26個の好ましいオルガノスズ触媒をリストしてい
る。
【0004】 米国特許第4,296,018及び4,356,417号(発明者:Smith et
al.)では、フェノールカテコールC64(OH)2及びピロガロールC63(OH
)3がエポキシ樹脂及びオルガノスズ化合物と共に使用されるが、これらの特許は
共に、85EC(185EF)を超える温度に加熱して除去する必要のある、好
ましくは二溶剤系のケトンまたは芳香族炭化水素のような溶剤の使用を必要とす
る。これらの特許は共に17個の好ましいオルガノスズ化合物をリストしており
、特に、無水物、アミン、フェノールまたはアミド硬化剤を除外している。
【0005】 米国特許第3,716,598号(発明者:Markovitz)は、特殊なビス(ト
リオルガノスズ)酸化物と、エポキシ樹脂系全体の0.1乃至15重量パーセン
トの、とりわけ、ピロガロール、ヒドロキシベンズアルデヒド、カテコール、レ
ゾルシノール及びヒドロキノンのようなフェノール促進剤とを用いて、エポキシ
樹脂の硬化速度を制御することを教示している。ビス(トリオルガノスズ)酸化
物の化学式は、(R1)3Sn−O−Sn(R2)3であり、Rはアルキル、シクロアル
キル、アリルまたはアルカリル基である。1つの好ましい物質は、ビス(トリ‐
n−ブチルスズ)酸化物である。
【0006】 これらの樹脂性エポキシ絶縁組成物は全てそれぞれ固有の利点を有するもので
あるが、(1)スチレンまたはビニルトルエンのような揮発性且つ可燃性のモノ
マーを必要としない無溶剤でコールドブレンデイング可能な樹脂混合物、(2)
モータ及び発電機のコイルの耐高電圧絶縁物中に真空圧で含浸(VPI)するに
好適な、25ECで約120未満のセンチポイズの低粘度の樹脂、及び(3)マ
イカテープとコンパチブルな樹脂、そして重要な(4)貯蔵寿命が長く、特別な
装置または予煮沸の必要がなく、世界中どこでも容易に手に入る原料成分を使用
する樹脂を提供する、ユニークな硬化システムを有する樹脂システムが必要とさ
れている。
【0007】
【発明の概要】
従って、本発明の主要目的の1つは、ほとんど如何なる国においても容易に製
造でき、高度な特別訓練を受けた作業員または高価なオーブン装置を必要とせず
、製造中の放出物が最小限に抑えられて健康問題を発生させない耐高電圧絶縁性
樹脂を提供することにある。
【0008】 本発明の別の主要目的は、モータまたは発電機のコイルのマイカテープの含浸
に使用可能な、無溶剤で、コールドブレンデング可能且つ低粘度の絶縁性樹脂を
提供することにある。
【0009】 本発明の上記及び他の目的は、エポキシ樹脂成分と、鎖状構造に1,2エポキ
シ基を有するエポキシ反応性希釈剤とより成るエポキシ系、カテコール、ピロガ
ロール及びそれらの混合物より成る群から選択したフェノール促進剤、塩化トリ
フェニルスズ、塩化トリベンジルスズ、水酸化トリベンジルスズ、酢酸トリベン
ジルスズ及びそれらの混合物より成る群から選択したオルガノスズ潜触媒より成
り、無溶剤で、粘度が25ECにおいて10乃至450センチポイズである絶縁
性樹脂を提供することにより達成される。
【0010】 これは、25ECにおける粘度が、少なくとも8週間の間450cps未満に
留まることを意味する。この絶縁性含浸樹脂は、20乃至35ECでコールドブ
レンデング可能である。エポキシ樹脂成分は、好ましくは、脂環式エポキシ樹脂
、または脂環式エポキシ樹脂に他のタイプのエポキシ樹脂を加えた、脂環式エポ
キシ樹脂の割合が少なくとも50重量パーセントである配合物である。好ましい
反応性希釈剤は、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルである。全て
のケースについて、脂環式エポキシとエポキシ反応性希釈剤は共にエポキシ系に
存在する。
【0011】 反応性希釈剤は、好ましくは、エポキシ系の30乃至70重量パーセントを構
成し、フェノール促進剤成分の濃度は、エポキシ系(エポキシ樹脂成分及び反応
性希釈剤)の全重量に基づき絶縁性樹脂の0.001乃至0.4重量パーセント
、好ましくは0.01乃至0.4重量パーセントの範囲内である。オルガノスズ
成分の濃度は、エポキシ系の全重量に基づき絶縁性樹脂の0.01乃至0.1重
量パーセント、好ましくは0.05乃至0.1重量パーセントの範囲内である。
選定したフェノール促進剤及びオルガノスズ触媒は共に、絶縁性樹脂内に存在し
なければならない。
【0012】 これらの絶縁性樹脂は、25ECで約4ヵ月を超える長い貯蔵安定度を有し、
電気部品のポッティングまたはカプセル封入もしくはモータまたは発電機のよう
な電気機械のコイルに用いるマイカまたはガラステープの含浸に使用可能である
。「中位粘度」の樹脂は約16,000乃至20,000cpsの範囲内にあり
、これらの極端に低い粘度の樹脂(25ECで8週間の間最大450cps)は
卓越した浸透性を有し、実質的な貯蔵期間の後でも優れた含浸性を有する樹脂で
ある。これらの樹脂は、成分をコールドブレンデングした混合物を用い、溶剤除
去のための高温フラッシュ工程を必要とせず、ガス抜きの問題を伴わないで、極
めて容易に製造可能である。
【0013】
【好ましい実施例の詳細な説明】
本明細書中において、用語「エポキシ」及び「エポキシド」は互いに置き換え
可能である。本発明のエポキシ樹脂成分に用いる好ましいエポキシまたはエポキ
シド樹脂は、1分子につき2個以上の1,2エポキシ基を含む非グリシジルエー
テルエポキシドから選択した脂環式のものである。これらは当該技術分野におい
てよく知られており、過酸化水素または過酢酸及び過安息香酸のような過酸を用
いて、シクロオレフィンのような不飽和芳香族炭化水素化合物をエポキシ化する
ことにより一般的に調製する。有機の過酸は、過酸化水素と、カルボン酸、酸塩
化物またはケトンの何れかを反応させて、化合物R−COOHを得ることによっ
て一般的に調製する。
【0014】 かかる非グリシジルエーテル脂環式エポキシドは、ここでは、エポキシド基の
近くにエーテル酸素結合、即ち‐O−が存在しないという特徴があり、環状構造
だけでなく分子に2個以上のエポキシド基を含むものから選択される。エポキシ
ド基は環状構造の一部であるかまたは環状構造に付着されている。これらのエポ
キシドはまた、エステル結合を含むものでもよい。これらのエステル結合は、一
般的に、エポキシド基の近くになく、反応性が比較的低いため、これらのタイプ
の物質は正しくは脂環式エポキシドとして特徴付けられる。
【0015】 非グリシジルエーテル脂環式エポキシドの例には、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル−3,4エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(環状構造の一
部である2つのエポキシド基と、エステル結合とを含む)、ビニルシクロヘキセ
ンジオキシド(一方が環状構造の一部である2つのエポキシド基を含む)、3,
4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート及びジシクロペンタジエンを含み、それらの
構造はそれぞれ図4A、4B、4Cに示されている。
【0016】 他の有用な脂環式エポキシドには、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−
5,5−スピロ−3,4―エポキシ)シクロヘキサンメタジオキサン及び3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルアジパートが含まれる。
【0017】 非グリシジルエーテル脂環式エポキシドの多くを特徴付ける点は、エポキシ基
が脂肪族側鎖上でなくて環状構造上にあることである。一般的に、本発明にとっ
て特に有用な脂環式エポキシドは、図5に示す構造より成る群から選択した化学
式を有し、該式において、Sは飽和環状構造を表し、RはCHOCH2、O(CH 2 )nCHOCH2及びOC(CH3)2CHOCH2基より成る群から選択され、この
式において、n=1−5、R’は水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル及び
ベンジル基より成る群から選択され、R”はCH2OOC及びCH2OOC(CH2 )4COO基より成る群から選択される。
【0018】 鎖状構造に1,2エポキシ基を有するエポキシ反応性希釈剤を用いるのは、上
述の脂環式樹脂との組み合わせで特に有利である。有用な反応性エポキシ希釈剤
には、グリシジルエーテルユニット間に3乃至12個の炭素原子を有する、即ち
、例えばネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル(DGENPG)及び
1,4ブタンジオールのジグリシジルエーテルのようなグリコールユニットに3
乃至12個の炭素を有するグリコールのジグリシジルエーテルが含まれる。オル
ガノスズ化合物には、グリコールユニットの炭素が3個未満及び事実上の錯化は
起こらない。他の有用な反応性希釈剤には、グリセロールのトリエステル及び長
鎖不飽和酸から製造されるエポキシ化油が含まれる。鎖毎のエポキシ基の数には
ばらつきがあるが、変性大豆油のようなエポキシ化油では、エポキシ基の鎖毎の
平均数はに約4個であり、エポキシ化あまに油では、エポキシ基の鎖毎の平均数
は約6個である。エポキシ化天然油は、約3乃至12重量パーセントのオキシラ
ン(エポキシ)酸素含有量を持つ必要がある。
【0019】 DGENPGは、好ましい反応性希釈剤である。DGENPGは2個の1,2
エポキシ基を有し、2つのステップより成るプロセスで調製される。最初のステ
ップは、ネオペンチルグリコールとエピクロロヒドリンを、BF3の存在下で反
応させて、クロロヒドリロの中間生成物を生成し、この物質を水酸化ナトリウム
またはアルミン酸ナトリウムによりハロゲン化水素を分離させて、図6に示す物
質を得る。これらの反応性希釈剤は、エポキシ系の30乃至70重量パーセント
の範囲内で使用できる。即ち、エポキシ樹脂成分と反応性希釈剤を組み合わせた
ものを100重量部用いる場合、反応性希釈剤は30乃至70重量部その系に使
用できる。これらの反応性希釈剤は上述の脂環式樹脂と共に良く知られており、
例えばSmith et al.の米国特許第4,020,017号に教示されている。
【0020】 他のタイプのエポキシまたはエポキシド樹脂を、本発明のエポキシ樹脂成分と
して、上述した反応性希釈剤と共に使用できる。使用可能なエポキシ樹脂の1つ
のタイプは、ジヒドリックフェノールの1モルにつき1乃至2モルまたはそれ以
上のエピクロロヒドリンを用いて、エピクロロヒドリンを二価フェノール及びア
ルカリ媒質と反応させることにより得られる。反応を起こさせるためには加熱を
数時間継続し、生成物をその後洗浄して塩及び塩基を除去する。この生成物は、
単一の単純化合物ではなく、一般的に、グリシジルポリエーテルの錯混合物であ
るが、主要な生成物は図7の化学構造式で表すことが可能であり、その式におい
て、Xは、例えば、R−O−CH2−CHOH−CH2−Oであり、nは級数0、
1、2、3...の整数であり、Rはジヒドリックフェノールの二価炭化水素基
を表す。通常、Rは、ビスフェノールAタイプのエポキシドのジグリシジルエー
テルを与える図8Aに示す構造式かまたはビスフェノールFタイプのエポキシド
樹脂のジグリシジルエーテルを与える図8Bに示す構造式を有する。
【0021】 図9を参照して、本発明に用いるビスフェノールエポキシドの1−2エポキシ
当量は1より大きい。それらは一般的にジエポキシドである。エポキシ当量は、
1−2エポキシ基の平均数である。
【0022】 本発明にとって有用な他のグリシジルエーテル樹脂には、ノボラックのポリグ
リシジルエーテルが含まれる。これらの樹脂は、エピハドヒドリンをフェノール
ホルムアルデヒド縮合物と反応させて調製するが、ビスフェノール系樹脂は1分
子につき最大2個のエポキシ基を有し、エポキシノボラックは1分子につき7個
またはそれ以上のエポキシ基を有することがある。フェノールに加えて、o−ク
レゾールのようなアルキル置換フェノールを、エポキシノボラック樹脂製造の出
発物質として使用可能である。反応生成物は、一般的に、非常に高い耐酸化性を
有する芳香族化合物である。
【0023】 ホルムアルデヒドからのエポキシノボラック樹脂は一般的に好ましいノボラッ
クタイプの樹脂であるが、例えば、アセトアルデヒド、クロロアルデヒド、ブチ
ルアルデヒドまたはフルアルデヒドのような任意の他のアルデヒドからのエポキ
シノボラック樹脂も使用可能である。完全にエポキシ化されたノボラックや、部
分的にのみエポキシ化された他のエポキシノボラックも本発明に有用である。適
当なエポキシノボラックの例は、2,2,ビス[p−(2−3−エポキシプロポ
キシ)−フェニル]−メタンである。多官能価エポキシ樹脂も、本発明に有用な
エポキシ樹脂である。これらの樹脂はエポキシノボラックに多少似ており、エポ
キシノボラックと、ビスフェノールAまたはビスフェノールFエポキシドの混合
物であり得る。これらの樹脂は、一般的に、極めて大きい耐高温性を有し、多官
能価エポキシ樹脂として市販されている。
【0024】 これらのビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック及び多官能価エポ
キシ樹脂は広く市販されており、例えばSmith et al.の米国特許第4,296,
018号に教示されている。例えば、ある特定の機械的特性、張力特性または温
度安定性を向上させるためにビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック
または多官能価エポキシが望ましい場合、それらは脂環式樹脂と混合される。用
語「エポキシ樹脂成分」は、ここでは、脂環式エポキシ樹脂単独、または上述の
かかる他のエポキシ樹脂の1つまたはそれ以上との組み合わせで、エポキシ希釈
剤を含まないものと定義する。如何なる混合物も、少なくとも50重量パーセン
トの脂環式樹脂を含む必要があり、このためエポキシ樹脂系の硬化は鈍速でない
。用語「エポキシ系」は、ここでは、かかるエポキシ樹脂成分に反応性希釈剤を
添加したものと定義する。
【0025】 本発明の特定の絶縁組成物にはただ2つのフェノール促進剤配合物が有用であ
るとわかっているが、それらはカテコール(1,2ベンゼンジオール、C64(
OH)2)とピロガロール(1,2,3トリヒドロキシベンゼン,C63(OH)3
)である。これらのフェノール促進剤は、単独でまたは混合物として使用可能で
あり、エポキシ系重量(反応性希釈剤を含む)の0.001乃至0.4重量パー
セントの範囲内で使用すると特に効果的である。促進剤の濃度が約0.45重量
パーセントを超えると、エポキシ絶縁性樹脂の貯蔵安定性が確実にひどく損なわ
れてくる。オルガノスズ化合物が高い濃度であると、フェノール促進剤の上方の
範囲がエポキシ系重量の0.2重量パーセントに低下することがある。
【0026】 実験結果は、選定したフェノール促進剤の効果が特定のオルガノスズ潜触媒化
合物にのみ限定されることを示している。大部分のオルガノスズ化合物は、カテ
コール及びピロガロールとの有利な共反応性を示さない。これは、恐らく、それ
らが、重合ステップの開始に必要と考えられる中間反応化合物を形成しないため
である。この特定の樹脂系の有用な潜触媒は、図10に示す一般的な化学構造式
を有する共有結合オルガノスズ化合物であり、各Rは図11に示すフェニル及び
図12に示すベンジル基のようなアルカリル基より成る群から独立に選択される
が、Xは塩化物、水酸化物及び酢酸より成る群から選択される。適当な塩化スズ
の例として、塩化トリフェニル(TPTCL)、塩化トリベンジルスズ(TBT
CL)が含まれる。それ以外に、水酸化トリベンジルスズ(TBTH)及び酢酸
トリフェニルスズ(TPTA)がある。これら4つのオルガノスズ化合物は単独
でまたは組み合わせて使用できる。
【0027】 有用なオルガノスズ化合物は、エポキシ系重量の0.01乃至0.10重量パ
ーセントの範囲内で使用すべきである。これらの物質は、Smith et al.の米国特
許第4,296,018号に詳しく記載されるように、マイカとの間で高い反応
性を有し、マイカテープとの良好な結合及び相互作用を容易にする。カテコール
及びピロガロールとの共促進効果を示さないオルガノスズ化合物は、テトラブチ
ルスズ(TBTL)、テトラフェニルスズ(TBHT)、ビス(トリ−n−酸化
ブチルスズ)(TBTO)及び塩化メチルスズ(MTCI)である。さらに、促
進効果はカテコール及びピロガロールに限定されるように思える。レソルシノー
ル及び単独のビスフェノールAのような他のフェノール添加剤は、これらのオル
ガノスズ触媒の存在下で硬化を加速しない。これは、全てのフェノール促進剤ま
たはオルガノスズ化合物が等価でないことを確実に示すものである。
【0028】 「活性」オルガノスズ化合物についてカテコール及びピロガロールの共促進効
果を惹き起こす機構は、恐らく、促進剤とオルガノスズ化合物との間のある種の
電荷転送錯体の形成に関連があるであろう。これは、カテコール(またはピロガ
ロール)及びオルガノスズ化合物の両方が脂環式エポキシ樹脂に添加されると、
濃い黄色になることにより示される。この色は、促進剤とオルガノスズ化合物が
エポキシ樹脂に別々に添加される時は存在しない。
【0029】 オルガノスズ触媒の促進剤としてカテコール及びピロガロールが何故にそれほ
ど特別であるのか(ピクリン酸、レソルシノール及びビスフェノールAのような
他のフェノール物質はそうでない)を推理するのは興味あることである。カテコ
ール及びピロガロールにより示される唯一の共通する特徴は、芳香族環状構造に
隣接してOH基が存在することである。他のフェノール化合物を調べたが、これ
らの隣接するOH基を有していなかった。オルガノスズ化合物との安定した電荷
転送錯体の形成(恐らく、Sn原子への電子の移動による)に、隣接するOH基
が必要なのかもしれない。
【0030】 エポキシ樹脂が存在しない状態で(即ち、不活性の溶剤中で)カテコール/オ
ルガノスズ錯体を形成しようとしたが、今のところうまくいっていない。これは
、脂環式エポキシ分子の存在がカテコールとオルガノスズ化合物の間の錯体の形
成を助けるかまたは安定化するために必要であることを示唆している。
【0031】 本発明の絶縁性樹脂は、上述したユニークな硬化化学を利用することにより、
高電圧絶縁用として真空含浸に好適な、コールドブレンデイング可能且つ低粘度
のエポキシ樹脂のファミリーを提供する。この樹脂のファミリーで得られる粘度
(100cpsより小さい)は、現用のマイカテープの効果的含浸に適当である
ように思える。これらの配合物は、現用のスチレン系エポキシ樹脂の代替物を提
供する。これらの樹脂の調製には、スチレン系エポキシ樹脂の場合と違って特殊
な装置または予煮沸が必要でなく、組成物の製造に必要な原料成分は、Shell, C
iba, Dow Chemicalのような多くの世界的な供給者である大会社から容易に手に
入る。これらの新しいVPI樹脂配合物のもう1つの利点は、スチレン及びビニ
ルトルエンのような揮発性ビニルモノマーが低粘度レベルの達成には不要である
ことである。
【0032】 また、絶縁性樹脂の基本的性質に重大な変化を与えることなく、脂肪族ポリオ
ール、エポキシ化ポリブタジエンのようなエポキシ樹脂柔軟材、あまに油のよう
なエポキシ化油、及びアルミナ(Al23)及びシリカ(SiO2)のような充
填剤も含むことが可能であることを注意されたい。用語「より本質的に成る」を
ここで用い、それは絶縁性樹脂の基本的性質に重大な変化を与える異なる性質の
材料を排除する意味であるが、さらに限定的な用語「より成る」の使用は、米国
プラクティスに則って留保する。
【0033】 図1は、本発明のVPI絶縁性樹脂を用いて調製可能な1つのタイプの閉コイ
ル10全体を示す。このコイルは、全体的に、接線部分11、接続ループ12、
裸のリード14が延びる別の接線部分13より成る端部を有する。コイルの直線
スロット部分15、16は通常、包装マイカテープまたはガラス繊維クロスであ
り、これはその後、本発明の絶縁性樹脂のような樹脂が真空圧含浸され、所定の
形状及びサイズにするために熱間圧縮されているスロット部分15、16はそれ
ぞれ接線部分11、13に接続されている。これらのスロット部分は、別のルー
プ19を介して接続された他の接線部分17、18に接続されている。
【0034】 完全なコイルは、電気機械のステータまたはロータのスロット内に配置され、
端部巻線が包装されて一緒に結ばれる。その後、絶縁されていないリードが、互
いにまたは整流子に、半田付け、溶接または他の方法で接続される。その後、機
械全体がオーブン内に配置されて、コイルを絶縁するマイカテープの完全な反応
性組成物を硬化させる温度に加熱される。
【0035】 図2は、モータ20の一実施例の断面図である。モータは、金属アーマチャ2
1のスロット22内に絶縁コイル23を収容し、その周りの金属ステータ24の
周面の26の所にスロット25を有するものである。ステータのスロット内には
、絶縁コイル27が収容される。コイル23及び27上の全ての絶縁物を本発明
の樹脂組成物で構成することが可能である。図3は、発電機30の一実施例の断
面図である。発電機は、金属ロータ31のスロット32内に絶縁コイル33が収
容され、その周りの金属ステータ34の周面の36の所にスロット35を設けた
ものである。ステータのスロットは絶縁コイル37を収容し、図示はしないが内
側に冷却チャンネルを具備するものがある。コイル33、37上の全ての絶縁物
を本発明の樹脂組成物で構成することができる。
【0036】 以下に述べる特定の例は、本発明の理解を助けるものである。それらは如何な
る意味においても限定的でないと考えられたい。
【0037】 例 1 一連の絶縁性樹脂を、エポキシ樹脂成分、反応性エポキシ希釈剤、オルガノス
ズ触媒及びカテコールフェノール促進剤をコールドブレンディングすることによ
り調合した。
【0038】 Union Carbide Plastics Divisionから商標名ERL 4221で市販されて
おり、Ciba Products Co.からCY−179として手に入る、エポキシ当量が約
133−140で、25ECにおける粘度が350−450センチポイズである
、3,4−エポキシシクロエキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート脂環式エポキシと、Shell Chemical Co.から商標名Heloxy
68で市販されている反応性希釈剤DGENPG(ネオペンチルグリコールの
ジグリシジルエーテル)との調合物を用いてほとんどの仕事を行った。
【0039】 アルミニウム皿(直径5cm)内の10−20グラムの樹脂試料または小さい
テストチューブ内の5グラムの試料により135EC及び150ECで、ゲル化
時間のデータを得た。後者のテストは、シリケートの豊富な環境内における含浸
調合物の硬化状態を厳密にシミュレーションしたものである。触媒貯蔵テストは
、ガードナー・ホルト気泡粘度計を用いて、25EC(ASTM D154−5
6)で行った。含浸物の粘度が1000cpsに到達するまでの時間(25EC
)により貯蔵寿命を測定した。これらの貯蔵データの一部は、粘度曲線を100
0cpsに外挿することにより得た。電気的性質は、一部の調合物で作った0.
32乃至0.64cmの注型品について得た。力率(100 x tan)及び誘
電定数(ε)のデータは150ECで得た。
【0040】 多くの例において、本発明の絶縁性樹脂の性質を、米国特許第4,254,3
51号(発明者:Smith et al.)に教示された卓越したゲル、可使時間及び電気
絶縁特性を有する長期間標準品のエポキシ含浸樹脂(以下、試料351と呼ぶ)
の性質と比較した。対照試料351は、アミン触媒を有し、無水マレイン酸と、
金属アセチルアセロネート潜促進剤とを用いた無溶剤のビスフェノールA、エポ
キシ−スチレン組成物である。対照試料351の製造は、(1)(a)固状エポ
キシ樹脂と、液状エポキシ樹脂とより成り、固状と液状エポキシの重量比が1対
1乃至1対10であるエポキシ樹脂混合物1部と、(b)無水マレイン酸約0.
01乃至0.06部と、(c)触媒とを、形成されるエポキシジエステルの酸価
が約0.5乃至3.0となるような条件の下で反応させた生成物と、(2)スチ
レンと、(3)室温安定剤約0.0003乃至0.004部と、(1)と(2)
の混合物に溶解可能であり、遊離基触媒の量が含浸ワニスに触媒効果を及ぼし、
それを約85ECを超える温度で硬化させ得る無水ポリカルボン酸約0.3乃至
1.2部と、潜促進剤として作用するクロム(III)アセチルアセトナート、マ
ンガン(III)アセチルアセトナートのような金属アセチルアセトナート0.0
005乃至0.005部と混合することにより行った。これは、本発明の絶縁性
樹脂と比較すると、かなり複雑な混合物であることがわかるであろう。
【0041】 本発明の絶縁性樹脂の粘度は希釈剤が約35重量パーセントになると劇的に増
加し始めるため、希釈剤の下方範囲はエポキシ系重量の約30重量パーセントで
あると予想される。また、絶縁性樹脂が多くの国で商業的に可能であると考える
ことができるためには、現実的には少なくとも4ヶ月の貯蔵安定度が必要である
。対照試料C1及びC2は、オルガノスズ濃度が高いためかあるいはオルガノス
ズとフェノール促進剤の合計濃度が高いために、貯蔵寿命は短い。オルガノスズ
の潜触媒の有用な上限は、エポキシ系重量の最大0.1重量パーセントであるよ
うに思える。フェノール促進剤の有用な上限は、エポキシ系重量の最大0.4重
量パーセントであるように思える。全てのゲル化時間は、C1を除き受け入れ可
能であった。商業的な条件によると、含浸及びゲル化の前にある時間、通常は1
0分から最長約2時間が必要である。
【0042】 ゲル化時間と塩化トリベンジルスズの濃度の相関関係だけでなくゲル化時間と
カテコール濃度の相関関係を図14に示す。全てのゲル化時間は受け入れ可能で
あるが、即ちそれは前述したように10分以上であり最大2時間である。フェノ
ール促進剤の有用な下限は、実質的な量のTBTCLと共に用いた場合0.00
1重量パーセントであるように思えるが、好ましくは0.010重量パーセント
のように思える。オルガノスズ潜触媒の有用な下限は、実質的な量のフェノール
促進剤と共に用いた場合0.01であるが、好ましくは0.05重量パーセント
であるように思える。選定したフェノール促進剤と、オルガノスズ触媒とは共に
、絶縁性樹脂内に存在する必要がある。
【0043】 硬化した幾つかの樹脂試料の電気的性質(100 x tanδ及び誘電定数の
値)をとって、図15に示し、優れた電気的性質を有する試料351と比較した
【0044】 試料5は、150ECにおいて試料351cよりもさらに優れた(低い)10
0 x tanδ値を有していた。6a及び7bの両方の電気的性質は150EC
の硬化温度で受け入れ可能であるが、それらは後硬化温度を160ECに上げて
おればさらに低い値を持ったであろうことがはっきりと分かる。
【0045】 最初の調合物の調製について脂環式エポキシとエポキシ反応性希釈剤を使用し
たが、必要に応じて機械的性質、張力及び熱安定性を改善するために、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールFエポキシ、エポキシ−ノボラック及び多官能価エポ
キシのような他の反応性エポキシ成分の変性を行うことが容易であると思われる
。また、ピロガロールだけでなく他のオルガノスズ化合物は、上述した重量パー
セントの範囲内で使用すると、同様に良好な結果を与えるであろう。
【0046】 上述したように、カテコール及びピロガロールと共促進効果を示さないオルガ
ノスズ化合物は、テトラブチルスズ(TBTN)、テトラフェニルスズ(TPH
T)、ビス(トリ−n−酸化ブチルスズ)(TBTO)、及び塩化メチルスズ(
MTCI)である。さらに、促進効果は、カテコール及びピロガロールに限定さ
れるように思える。レソルシノール及び単独のビスフェノールAのような他のフ
ェノール添加剤は、図16のデータが示すように、これらのオルガノスズ触媒の
存在下では硬化を促進しない。
【0047】 図16のデータは、塩化トリベンジルスズ触媒を含む脂環式エポキシ調合物の
ゲル化時間に対する種々の促進剤の影響を示している。シリケートの豊富な環境
(即ち、ガラステストチューブ)では、カテコール及びピロガロールだけが最大
0.10パーセントの濃度において有用な促進効果を示すことがわかった。トリ
フルオロアセティック酸は、室温において「ポップコーン」ゲル化を起こさせた
。ピクリン酸、ビスフェノールA及びレソルシノールのようなフェノール促進剤
は、塩化ポリベンジルスズ触媒と共に有意な促進効果を示さないことに注意され
たい。
【0048】 本発明の特定の実施例を詳細に説明したが、当業者は、本願の記載全体に鑑み
てそれらの詳細部分の種々の変形例及び設計変更が可能であることがわかるであ
ろう。従って、図示説明した特定の構成は例示的であって本発明の範囲を限定す
るものでなく、この範囲は頭書の特許請求の範囲及びその任意及び全ての均等物
の全幅を与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、2つのスロット部分を有する閉じた電気コイル部材の平面図である。
【図2】 図2は、本発明の樹脂組成物で絶縁したコイルを有するモータの断面図である
【図3】 図3は、本発明の樹脂組成物で絶縁したコイルを有する発電機の断面図である
【図4A】 図4Aは、本発明の第1の非グリシジルエーテル脂環式エポキシドの構造を示
す。
【図4B】 図4Bは、本発明の第2の非グリシジルエーテル脂環式エポキシドの構造を支
示す。
【図4C】 図4Cは、本発明の第3の非グリシジルエーテル脂環式エポキシドの構造を示
す。
【図5】 図5は、本発明の脂環式エポキシドの構造を示す。
【図6】 図6は、本発明の製造した結果物の構造を示す。
【図7】 図7は、本発明の製造物の構造を示す。
【図8A】 図8Aは、本発明による第1の二価炭化水素基の構造を示す。
【図8B】 図8Bは、本発明による第2の二価炭化水素基の構造を示す。
【図9】 図9は、本発明のビスフェノールエポキシドの構造を示す。
【図10】 図10は、本発明の潜触媒の構造を示す。
【図11】 図11は、図10の潜触媒の1つのR基の構造を示す。
【図12】 図12は、図10の潜触媒の別のR基の構造を示す。
【図13】 図13は、本発明の粘度、ゲル化時間及び貯蔵安定度のデータを示す表である
【図14】 図14は、本発明のゲル化時間と塩化トリベンジルスズ濃度の相関関係だけで
なくゲル化時間とカテコール濃度の相関関係を示す表である。
【図15】 図15は、幾つかの硬化樹脂試料の電気的性質を比較して示す表である。
【図16】 図16は、塩化トリベンジルスズを含む脂環式エポキシ配合物のゲル化時間に
対する種々の使用可能な促進剤の影響を示す表である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年7月5日(2001.7.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】 これは、25ECにおける粘度が、少なくとも8週間の間450cps未満に
留まることを意味する。この絶縁性含浸樹脂は、20乃至35ECでコールドブ
レンデング可能である。エポキシ樹脂成分は、好ましくは、脂環式エポキシ樹脂
、または脂環式エポキシ樹脂に他のタイプのエポキシ樹脂を加えた、脂環式エポ
キシ樹脂の割合が少なくとも50重量パーセントである配合物である。好ましい
反応性希釈剤は、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】 反応性希釈剤は、好ましくは、エポキシ系の30乃至70重量パーセントを構
成し、フェノール促進剤成分の濃度は、エポキシ系(エポキシ樹脂成分及び反応
性希釈剤)の全重量に基づき絶縁性樹脂の0.001乃至0.4重量パーセント
の範囲内である。オルガノスズ成分の濃度は、エポキシ系の全重量に基づき絶縁
性樹脂の0.01乃至0.1重量パーセント、好ましくは0.05乃至0.1重
量パーセントの範囲内である。選定したフェノール促進剤及びオルガノスズ触媒
は共に、絶縁性樹脂内に存在しなければならない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図16
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エメリー,フランクリン,ティー アメリカ合衆国 アラバマ州 35967 フ ォート・ペイン Fターム(参考) 4J036 AD08 AF06 AJ01 AJ05 AJ08 DB02 JA05 5G305 AA12 AB21 AB27 AB36 BA09 CA15 CB11 CB12 CB27 CD08 CD20 5H604 BB01 BB03 CC01 CC05 CC13 DA15 DB02 PB01 PB03 PD03 QA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(a)エポキシ樹脂成分と、 (b)鎖状構造に1,2エポキシ基を有するエポキシ反応性希釈剤とより成る
    エポキシ系、 (2)カテコール、ピロガロール及びそれらの混合物より成る群から選択した
    フェノール促進剤、 (3)塩化トリフェニルスズ、塩化トリベンジルスズ、水酸化トリベンジルス
    ズ、酢酸トリベンジルスズ及びそれらの混合物より成る群から選択したオルガノ
    スズ潜触媒より成り、 無溶剤で、粘度が25ECにおいて10乃至450センチポイズである絶縁性樹
    脂。
  2. 【請求項2】 樹脂の粘度が25℃で1000cpsに到達するまでの時間
    が4ヶ月以上である請求項1の絶縁性樹脂。
  3. 【請求項3】 エポキシ反応性希釈剤は、エポキシ系の30乃至70重量パ
    ーセントを構成する請求項1の絶縁性樹脂。
  4. 【請求項4】 フェノール促進剤の濃度は、エポキシ系の0.001乃至0
    .1重量パーセントである請求項1の絶縁性樹脂。
  5. 【請求項5】 オルガノスズ潜触媒の濃度は、エポキシ系の0.01乃至0
    .1重量パーセントである請求項1の絶縁性樹脂。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂成分は、脂環式エポキシと、ビスフェノールA
    エポキシ、ビスフェノールFエポキシ、エポキシノボラック、多官能価エポキシ
    及びそれらの混合物より成る群から選択したエポキシ樹脂との混合物であり、脂
    環式エポキシは、混合物の少なくとも50重量パーセントを構成する請求項1の
    絶縁性樹脂。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂成分は脂環式エポキシである請求項1の絶縁性
    樹脂。
  8. 【請求項8】 エポキシ希釈剤は、ネオペンチルグリコールのジグリシジル
    エーテルである請求項1の絶縁性樹脂。
  9. 【請求項9】 エポキシ反応性希釈剤はエポキシ系の55乃至65重量パー
    セントを構成し、オルガノスズ潜触媒の濃度と、フェノール促進剤の濃度とは共
    にエポキシ系の0.05乃至0.15重量パーセントである請求項1の絶縁性樹
    脂。
  10. 【請求項10】 電気コイル部材の絶縁物の一部として使用される請求項1
    の絶縁性樹脂。
  11. 【請求項11】 モータの電気コイル部材の絶縁物の一部としてマイカと共
    に使用される請求項1の絶縁性樹脂。
  12. 【請求項12】 発電機の電気コイル部材の絶縁物の一部としてマイカと共
    に使用される請求項1の絶縁性樹脂。
  13. 【請求項13】 請求項1の絶縁性樹脂により絶縁された電気コイル部材。
  14. 【請求項14】 マイカ絶縁物を含み、請求項1の絶縁性樹脂により絶縁さ
    れた電気コイル部材。
  15. 【請求項15】 (1)(a)エポキシ樹脂成分と、 (b)鎖状構造に1,2エポキシ基を有するエポキシ反応性希釈剤とより成る
    エポキシ系、 (2)カテコール、ピロガロール及びそれらの混合物より成る群から選択した
    フェノール促進剤、 (3)塩化トリフェニルスズ、塩化トリベンジルスズ、水酸化トリベンジルス
    ズ、酢酸トリベンジルスズ及びそれらの混合物より成る群から選択したオルガノ
    スズ潜触媒より成り、無溶剤で、粘度が25ECにおいて10乃至450センチ
    ポイズである樹脂により絶縁された電気コイル部材を有するモータまたは発電機
  16. 【請求項16】 マイカ絶縁物も含む請求項15の電気コイル部材。
JP2001511695A 1999-07-19 2000-07-19 耐高電圧不揮発性低粘度絶縁性樹脂 Pending JP2003505829A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/356,977 1999-07-19
US09/356,977 US6384152B2 (en) 1999-07-19 1999-07-19 Insulating resin of epoxy resin, epoxy diluent, phenolic accelerator and organotin catalyst
PCT/US2000/019678 WO2001006520A1 (en) 1999-07-19 2000-07-19 High voltage capable non-volatile low viscosity insulating resins

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003505829A true JP2003505829A (ja) 2003-02-12

Family

ID=23403776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001511695A Pending JP2003505829A (ja) 1999-07-19 2000-07-19 耐高電圧不揮発性低粘度絶縁性樹脂

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6384152B2 (ja)
EP (1) EP1208570A1 (ja)
JP (1) JP2003505829A (ja)
KR (1) KR20020016903A (ja)
WO (1) WO2001006520A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148911A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The 大型成型用樹脂組成物
WO2011111727A1 (ja) * 2010-03-11 2011-09-15 中部電力株式会社 絶縁性高分子材料組成物

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003059792A (ja) * 2001-08-21 2003-02-28 Toshiba Corp 仕様情報交換サーバ、仕様情報交換方法、仕様情報交換プログラム、特殊仕様製品の購入方法及び特殊仕様製品の販売方法
US7033670B2 (en) * 2003-07-11 2006-04-25 Siemens Power Generation, Inc. LCT-epoxy polymers with HTC-oligomers and method for making the same
US7268174B2 (en) * 2003-07-11 2007-09-11 Siemens Power Generation, Inc. Homogeneous alumoxane-LCT-epoxy polymers and methods for making the same
US20050277721A1 (en) * 2004-06-15 2005-12-15 Siemens Westinghouse Power Corporation High thermal conductivity materials aligned within resins
JP2006032677A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Denso Corp 内燃機関用点火コイルの製造方法
US7651963B2 (en) 2005-04-15 2010-01-26 Siemens Energy, Inc. Patterning on surface with high thermal conductivity materials
US8357433B2 (en) 2005-06-14 2013-01-22 Siemens Energy, Inc. Polymer brushes
US7781057B2 (en) * 2005-06-14 2010-08-24 Siemens Energy, Inc. Seeding resins for enhancing the crystallinity of polymeric substructures
CN100386380C (zh) * 2006-01-23 2008-05-07 株洲时代新材料科技股份有限公司 一种高压电机真空压力整浸工艺的绝缘结构及其制作方法
CN101798441B (zh) * 2010-03-12 2012-07-25 西安银河复合绝缘子有限公司 适用于高压电气设备绝缘件的真空压力高温浸渍树脂
US20140178693A1 (en) * 2012-12-21 2014-06-26 General Electric Company High thermal conductivity composite for electric insulation, and articles thereof
EP3063773A1 (en) * 2013-10-31 2016-09-07 ABB Research Ltd. Composite high voltage insulation materials and methods for preparing the same
CN104868666B (zh) * 2015-04-30 2018-01-09 株洲南车机电科技有限公司 一种用于轨道交通车辆用直线电机初级的绝缘处理方法
DE102015213537A1 (de) * 2015-07-17 2017-01-19 Siemens Aktiengesellschaft Fester, insbesondere bandförmiger, Isolationswerkstoff, Formulierung für ein Imprägniermittel zur Herstellung eines Isolationssystems in einem Vakuumimprägnierverfahren damit und Maschinen mit derartigem Isolationssystem
JP6865768B2 (ja) 2015-12-21 2021-04-28 ピーティーティー グローバル ケミカル パブリック カンパニー リミテッド コーティング用途に有用なジシクロペンタジエン改質エステルオリゴマー

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1055573A (en) * 1962-07-27 1967-01-18 Consortium Elektrochem Ind A process for curing epoxides
JPS50158900A (ja) * 1974-06-13 1975-12-23
JPS6245616A (ja) * 1985-08-23 1987-02-27 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂硬化促進剤
JPH08126268A (ja) * 1994-10-27 1996-05-17 Hitachi Ltd スタータモータの回転電機子の製造方法及びスタータモータの回転電機子

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL282843A (ja) * 1961-10-03
US3716598A (en) 1971-10-28 1973-02-13 Gen Electric Hardenable epoxy resin compositions
US4020017A (en) 1975-05-08 1977-04-26 Westinghouse Electric Corporation Epoxides containing organo-tin compounds and electrical members insulated therewith
US4112183A (en) 1977-03-30 1978-09-05 Westinghouse Electric Corp. Flexible resin rich epoxide-mica winding tape insulation containing organo-tin catalysts
US4160178A (en) * 1978-06-01 1979-07-03 Westinghouse Electric Corp. Method of coating an article with a solventless acrylic epoxy impregnating composition curable in a gas atmosphere without heat
US4356417A (en) 1979-05-17 1982-10-26 Westinghouse Electric Corp. Catechol or pyrogallol containing flexible insulating tape having low gel time
US4296018A (en) 1979-05-17 1981-10-20 Westinghouse Electric Corp. Catechol or pyrogallol containing flexible insulating tape having low gel time
US4241101A (en) * 1979-05-17 1980-12-23 Westinghouse Electric Corp. Low dissipation factor epoxy coating powder

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1055573A (en) * 1962-07-27 1967-01-18 Consortium Elektrochem Ind A process for curing epoxides
JPS50158900A (ja) * 1974-06-13 1975-12-23
JPS6245616A (ja) * 1985-08-23 1987-02-27 Matsushita Electric Works Ltd エポキシ樹脂硬化促進剤
JPH08126268A (ja) * 1994-10-27 1996-05-17 Hitachi Ltd スタータモータの回転電機子の製造方法及びスタータモータの回転電機子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148911A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Yokohama Rubber Co Ltd:The 大型成型用樹脂組成物
WO2011111727A1 (ja) * 2010-03-11 2011-09-15 中部電力株式会社 絶縁性高分子材料組成物
JP2011184645A (ja) * 2010-03-11 2011-09-22 Chubu Electric Power Co Inc 絶縁性高分子材料組成物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2001006520A1 (en) 2001-01-25
US20020010289A1 (en) 2002-01-24
US6384152B2 (en) 2002-05-07
EP1208570A1 (en) 2002-05-29
KR20020016903A (ko) 2002-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4137275A (en) Latent accelerators for curing epoxy resins
US4113791A (en) Fluid solventless epoxy-anhydride compositions containing metal acetylacetonate accelerators and organic carboxylic acid co-accelerators
US4254351A (en) Metal acetylacetonate latent accelerators for an epoxy-styrene resin system
JP2003505829A (ja) 耐高電圧不揮発性低粘度絶縁性樹脂
US4204181A (en) Electrical coil, insulated by cured resinous insulation
EP0810249B1 (en) Thermosetting resin composition, electrically insulated coil, electric rotating machine and method for producing same
KR100197167B1 (ko) 전기 절연 코일, 전기 회전 기계 및 코일의 제조방법
US4085250A (en) Resin rich epoxide-mica flexible high voltage insulation
US4224541A (en) Fluid solventless epoxy-anhydride compositions containing metal acetylacetonate accelerators and organic carboxylic acid co-accelerators for use on an electrical member
US3868613A (en) Solventless epoxy resin composition and an electrical member impregnated therewith
GB2165251A (en) Low viscosity epoxy resin compositions
US4356417A (en) Catechol or pyrogallol containing flexible insulating tape having low gel time
US4020017A (en) Epoxides containing organo-tin compounds and electrical members insulated therewith
US3759866A (en) Therewith solvent epoxy resin composition and an electrical member impregnated
US4246161A (en) Carbonyl latent accelerators for curing epoxy resins
US3562213A (en) Latent cure acceleration of epoxy resins using imidazole salts of hydroxy polycarboxylic acids
KR840001788B1 (ko) 가요성 운모절연 테이프의 제조방법
US2871222A (en) Catalysts for glycidyl polyethers and products produced thereby
EP0035880B1 (en) Pre-reacted carboxylic acid anhydride complexes as low temperature curing agents for epoxy resins
JPS5817534B2 (ja) 可撓性エポキシ樹脂組成物
US3380963A (en) Boron- and nitrogen-containing catalyst and mixtures thereof with an epoxy resin
US3979355A (en) Arsonium latent catalysts for curing epoxy resins
US2909495A (en) Carboxyl rich alkyd resin-ethoxyline resin compositions and process for their preparation
US3072737A (en) Polyglycidyl ether and electrical conductor insulated therewith
JP2570210B2 (ja) プリプレグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070419

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100818

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110118