JP2003505595A - 焼結鋼材 - Google Patents

焼結鋼材

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JP2003505595A JP2001512939A JP2001512939A JP2003505595A JP 2003505595 A JP2003505595 A JP 2003505595A JP 2001512939 A JP2001512939 A JP 2001512939A JP 2001512939 A JP2001512939 A JP 2001512939A JP 2003505595 A JP2003505595 A JP 2003505595A
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バウスキル,アンドリュー・キース
パーネル,チャールズ・グラント
ウィッテカー,イアン・ロバート
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フェデラル‐モーグル・シンタード・プロダクツ・リミテッド
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    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
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Abstract

(57)【要約】 焼結鋼およびその製造方法に関し、焼結鋼は、重量%で、0.5−2%のC、3.5−6%のCr、12−22%の(2Mo+W)、0.5−5%のV、0−12%のCo、0.1−0.5%のMn、0.1−0.6%のSiを含み、残部がFeと不可避的不純物からなる組成を有する第1予合金化鋼紛を生成する工程と、重量%で、0.3−0.7%のC、3−5.5%のCr、1−2.5%のMo、0.3−1.5%のV、0−2%のW、0.1−0.6%のMn、0.8−1.2%のSiを含み、残部がFeと不可避的不純物からなる組成を有する第2予合金化鋼紛を生成する工程と、2−50重量%の前記第1予合金化鋼紛と、98−50重量%の前記第2予合金化粉紛と、60重量%未満の任意成分としての鉄粉と、焼結鋼紛の素地の最終炭素含有量が最大1.1重量%になるような添加量の炭素紛を混合する工程と、前記混合物を圧紛および焼結して、焼結鋼を得る工程とからなることを特徴とする方法によって製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は焼結鋼材およびその製造方法に関する。
【0002】 熱間加工用工具鋼紛と、鉄紛と、炭素添加物、例えば、黒鉛とからなる圧紛混
合物を焼結することによって得られる焼結鋼材が本件の出願人が所有権を有する
EP−A―0418943に開示されている。この熱間加工用工具鋼は、AIS
I規格のH11、H12およびH13として知られる鋼種の1つ以上にほぼ基づ
いている。これらの材料によって製造される部品、例えば、内燃機関用のバルブ
シートのインサート部分は良好に作動されるが、製造に関していくつかの欠点が
ある。バルブシートのインサート部分のような用途において必要な耐磨耗性を達
成するには、熱間加工用工具鋼に添加される合金添加物の含有量が比較的少ない
ので、組織中に最小限度の炭素が含まれている必要がある。しかし、炭素は鋼中
においてオーステナイト安定剤として作用する。これらの工具鋼が使用される部
品において、残留オーステナイトの存在は好ましくない。その理由は、オーステ
ナイトは不安定であり、エンジン内での作動中、高温雰囲気によってオーステナ
イトが徐々に未焼戻しマルテンサイトに相変態すると、部品寸法が変化し、また
部品の磨耗特性が不安定になることがあるからである。従って、オーステナイト
を除去するために、多数回の深冷および焼戻し熱処理を繰り返し、オーステナイ
トの存在をなくす必要がある。しかし、このような多数回の熱処理は、必然的に
時間を消費し、その結果、製品コストが高くなる。上記の残留オーステナイトの
問題をなくすために、炭素量を少なくすると、耐磨耗性に悪影響を及ぼす。
【0003】 また、本件の出願人が所有権を有するEP−A―0312161に、高速度鋼
と、鉄粉、および炭素添加物、例えば、黒鉛の混合物を圧粉および焼結すること
によって得られる焼結鋼が記載されている。この実用レベルの高速度鋼は、M3
/2として知られる鋼種にほぼ基づいている。EP−A―0312161に記載
の焼結鋼は、EP−A―0418943に記載の焼結鋼と比較して、炭素含有量
が概して低い。その理由は、高速度鋼材においては、主な炭化物生成元素である
Mo、VおよびWの添加量が多く、バルブシートのインサート部分のような用途
において必要とされる高い耐磨耗性をこのような合金元素の炭化物によって維持
することができるからである。また、炭素含有量が少ないので、焼結後に組織か
らオーステナイトを除去するという上記の問題を低減させることができる。しか
し、EP−A―0312161に記載される合金の問題点は、合金添加物の含有
量が比較的多いことによる材料コストの上昇にある。
【0004】 EP−A―0312161に記載される材料の他の欠点は、合金含有量が比較
的多く、その結果、加工硬化が生じやすいために、圧粉工程中において粉体の圧
縮性が比較的劣ることにある。
【0005】 本発明の目的は、内燃機関用のバルブシートのインサート部分のような用途に
おいて従来の材料に匹敵する性能を維持しながら、より容易にかつより経済的に
製造され、従来の材料よりも材料コストを低減させることができる焼結鋼材を提
供することにある。なお、本発明による焼結鋼材は、耐研磨耗性および高温磨耗
性を必要をするあらゆる用途に適用される。
【0006】 本発明の第1態様によれば、粉末冶金法によって焼結鋼材を製造する方法が提
供される。本方法は、重量%で、0.5−2%のC、3.5−6%のCr、12
−22%の(2Mo+W)、0.5−5%のV、0−12%のCo、0.1−0
.5%のMn、0.1−0.6%のSiを含み、残部がFeと不可避的不純物か
らなる組成を有する第1予合金化鋼紛を生成する工程と、重量%で、0.3−0
.7%のC、3−5.5%のCr、1−2.5%のMo、0.3−1.5%のV
、0−2%のW、0.1−0.6%のMn、0.8−1.2%のSiを含み、残
部がFeと不可避的不純物からなる組成を有する第2予合金化鋼紛を生成する工
程と、2−50重量%の第1予合金化鋼紛、98−50重量%の第2予合金化粉
、60重量%以下の任意成分としての鉄粉、及び焼結鋼紛の素地の最終炭素含有
量が最大1.1重量%になるような添加量の炭素紛を混合する工程と、混合物を
圧紛および焼結することにより、焼結鋼を得る工程とからなることを特徴とする
【0007】 第1予合金化鋼紛の最大含有量は、50重量%に設定されるとよい。ただし、
この最大含有量は、経済的な利点が得られることを前提にして設定される値であ
り、好ましくは、第1予合金化鋼紛の最大含有量は30重量%に設定されるとよ
い。
【0008】 第1予合金化鋼紛のさらに好ましい含有量は5−20重量%である。
【0009】 第1予合金化鋼紛の好ましい組成は、重量%で、0.7−1.1%のC、3.
5−4.5%のCr、4.5−6.5%のMo、1.5−3.5%のV、5.5
−7%のW、0−0.4%のMn、0−0.4%のSiを含み、残部がFeと不
可避的不純物からなる組成である。
【0010】 好ましくは、鉄紛の最小含有量は5重量%であるとよい。
【0011】 さらに好ましくは、混合物中の鉄紛の含有量は10−50重量%であるとよい
。本発明の目的を達成するためには、鉄紛は、1重量%未満の合金添加物を含み
、実質的に炭素を含まない鉄粉であるとよい。60%よりも多い鉄粉が焼結鋼に
含有されていると、製品の耐磨耗性および耐熱軟化性が劣化する。
【0012】 最終焼結鋼の全炭素含有量の一部は、未焼結の「圧粉体」を形成するための圧
粉工程の前段階における粉体混合物に、炭素紛、例えば、黒鉛として添加される
とよい。炭素は、粉体同士および金型に対する潤滑材として機能し、圧粉を円滑
に行わせるように作用する。炭素は、最終的に得られる焼結鉄素地中の炭素含有
量が最大1.1重量%になるように、添加されるとよい。ただし、本発明による
焼結鋼のいくつかの実施例において述べられるように、焼結素地中に第1予合金
化鋼粉によって生成される領域によって十分な耐磨耗性が得られる場合は、全炭
素含有量は上記の値よりも低いレベルでよい。これらの領域には、主にCr、M
o、VおよびWのような合金成分によって形成される炭化物が多量に存在してい
る。
【0013】 本発明の方法によって生成された焼結鋼の顕微鏡組織は、第2鋼粉によって生
成される炭化物の析出物が微細に分布した焼戻しマルテンサイトからなる領域と
、鉄粉が添加された場合にはその鉄粉によって生成される鋼マルテンサイト領域
に連なるパーライト遷移域と部分的なフェライトおよびベイナイト遷移域からな
る領域を有する素地からなるとよい。素地はさらに、素地の全体にわたって不規
則に分散される第1合金鋼粉によって生成される球状合金炭化物の析出物を含む
焼戻しマルテンサイトからなる素地に散在される領域を含むとよい。なお、焼結
前の粒子の境界は、焼結工程によって十分に拡散される。
【0014】 本発明による焼結鋼の組織は、素地の全体にわたって分布される第1予合金鋼
粉による硬い合金炭化物を含む粒状物が素地に分散されているので、良好な耐磨
耗性を呈する。従って、比較的少ない全炭素含有量を維持しながら良好な耐磨耗
性を保持することができ、全炭素含有量が少ないので、残留オーステナイトをな
くすことができる。さらに、高価な合金元素が多量に含まれる第1予合金化鋼粉
の含有量が比較的少ないので、材料コストを低減させることができる。
【0015】 本発明の第2態様によれば、本発明の第2態様によって製造される物品が提供
される。
【0016】 本発明の第2態様による物品として、バルブシートのインサート部分、タペッ
ト、およびカム従動子などの内燃機関用部品が挙げられる。また、他の物品とし
て、ポンプ用のインペラおよびステ―タ部品のような良好な耐磨耗性を必要とす
る部品が挙げられる。
【0017】 また、本発明の方法は粉体混合物に金型潤滑ワックスを添加する工程を含むと
よい。ワックスは焼結中に燃焼によって消失する。
【0018】 本発明による材料から本発明による方法によって製造される物品は、例えば、
焼結中にまたは焼結後の別処理によって銅または銅合金が含浸されるとよい。こ
の含浸処理によって、残留空孔に銅材料が充填され、ほぼ完全な密度の材料を効
果的に製造することができる。含浸処理によって得られた物品は、銅含浸材の潤
滑効果によって熱間耐磨耗性を改善し、また、熱伝達性を改善し、例えば、バル
ブシートのインサート部分のような物品の場合、エンジンのどのような用途にお
いても高温に発熱せずに作動することができる。また、含浸処理によって得られ
た物品の場合、正確な寸法精度を必要とする最終的な形状を機械加工によって得
ることができる。含浸する前の素地の空孔度によるが、素地に含浸される銅また
は銅合金の含量は全組成の9−20重量%の範囲にあるとよい。
【0019】 含浸処理の代わりに、粉体混合物に10重量以下の銅または銅合金を含ませ、
この銅または銅合金によって焼結工程中に溶融させて材料の残留空孔の一部を充
填させてもよい。例えば、銅を粉体混合物に添加させる場合、好ましくは、銅の
含有量は2−6重量%であるとよい。
【0020】 使用中の耐磨耗性を向上させ、または摩擦抵抗を低減させるために、二硫化モ
リブデンのような固体潤滑剤が添加されるとよい。
【0021】 被削性を向上させるために、硫化マンガン粒子のような被削性助剤が添加され
るとよい。
【0022】 最適な製造効率および最適な製造の経済性を得るために、好ましくは、圧粉体
は水素/窒素混合物のような連続的に流動する還元雰囲気下において移動ビーム
炉または網状ベルトコンベヤ炉のような従来の連続コンベヤ式炉内において焼結
されるとよい。なお、上記の雰囲気は、炉から保護ガス(水素/窒素混合物)を
流出させることによって炉内の空気を排除させるために、大気圧またはわずかに
大気圧よりも高い圧力下にあるとよい。
【0023】 以下、本発明がさらに詳細に理解されるように意図された実施例について説明
する。なお、以下の実施例は単なる例示に過ぎない。図面は、被削性テスト中に
切削された物品の数に対する切削工具の磨耗を示すグラフである。
【0024】 本発明による焼結鋼のサンプルを作製し、圧縮強度と耐磨耗性のテストに供し
た。EP−A−0312161に記載された従来例による比較材料のサンプル(
サンプル名:3200)およびEP−A−0418943に記載された従来例に
よる比較材料のサンプル(サンプル名:6200)も作製し、これらのサンプル
には銅を含浸させた。
【0025】 3200および6200の各材料における鋼成分の構成を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】 3200および6200の各サンプルにおける重量%を単位とする基準全組成
を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】 3200および6200の各サンプルにおけるM3/2およびH13鋼粉成分
の組成を表3および表4に示す。なお、M3/2鋼粉は後述する本発明による実
施例中の「第1予合金化鋼粉」に対応し、H13鋼粉は後述する本発明による実
施例中の「第2予合金化鋼粉」に対応する。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】実施例1 第1予合金化鋼粉と第2予合金化粉を1部対9部の比率で混合し、その混合粉
に4重量%の−300メッシュ(英国規格)(-300B.S.mesh)の銅粉と、3.5
重量%の二硫化モリブデン粉と、最終的な炭素含有量が0.9重量%になるよう
な添加量の黒鉛粉を混合した。得られた混合物に、0.75重量%の潤滑ワック
スを圧粉/金型潤滑剤として添加した。粉体の混合はY−錐面(Y-cone)回転ミ
キサー内で30分間行った。このようにして混合された粉体混合物をバルブシー
トのインサート部分の形状に770MPaの圧力で加圧した。次いで、得られた
圧粉体を水素と窒素との雰囲気中において1110℃で30分間焼結した。さら
に、焼結品を−120℃において20分間深冷処理し、窒素雰囲気中において6
50℃で1時間焼戻し処理を行った。
【0033】実施例2 第1予合金化鋼粉を第2予合金化粉と鉄粉(アトメット28、商標名)と共に
、最終混合物が15%の第1予合金化鋼粉、39.45%の第2予合金鋼粉、お
よび45%の鉄粉からなるように、混合した。また、黒鉛粉を最終炭素含有量が
0.9重量%になるように添加した。この混合物に、0.75重量%の潤滑ワッ
クスを圧粉及び金型の潤滑剤として添加した。粉体の混合はY−錐面(Y-cone)
回転ミキサー内で30分間行った。このようにして得られた粉体混合物を磨耗試
験片およびバルブシートのインサート部分の形状に770MPaの圧力で加圧し
た。得られた圧粉体を銅粉からなる含浸剤粉の加圧品に積層し、その状態で、水
素及び窒素の雰囲気中において1110℃で30分間焼結し、同時に含浸処理を
行った。さらに、焼結品を−120℃において20分間深冷処理し、650℃で
2時間焼戻し処理を行った。
【0034】実施例3 第1予合金化鋼粉を第2予合金化粉と鉄粉(アトメット28、商標名)と共に
、最終混合物が10%の第1予合金化鋼粉、43,95%の第2予合金鋼粉、お
よび45%の鉄粉からなるように、混合した。また、黒鉛粉を焼結材料中の最終
炭素含有量が0.9重量%になるように添加した。この混合物に、0.75重量
%の潤滑ワックスを圧粉及び金型の潤滑剤として添加した。粉体の混合はY−錐
面(Y-cone)回転ミキサー内で30分間行った。このようにして得られた粉体混
合物を磨耗試験片およびバルブシートのインサート部分の形状に770MPaの
圧力で加圧した。得られた圧粉体を銅粉からなる含浸剤粉の加圧品に積層し、そ
の状態で、水素/窒素雰囲気中において1110℃で30分間焼結し、同時に含
浸処理を行った。さらに、焼結品を−120℃において20分間深冷処理し、6
00℃で2時間焼戻し処理を行った。
【0035】実施例4 第1予合金化鋼粉を第2予合金化粉と鉄粉(アトメット28、商標名)と共に
、最終混合物が5%の第1予合金化鋼粉、49.35%の第2予合金鋼粉、およ
び45%の鉄粉からなるように、混合した。また、黒鉛粉を最終炭素含有量が0
.9重量%になるように添加した。この混合物に、0.75重量%の潤滑ワック
スを圧粉及び金型の潤滑剤として添加した。粉体の混合はY−錐面(Y-cone)回
転ミキサー内で30分間行った。このようにして得られた粉体を磨耗試験片およ
びバルブシートのインサート部分の形状に770MPaの圧力で加圧した。得ら
れた圧粉体を銅粉からなる含浸剤粉の加圧品に積層し、その状態で、水素及び窒
素雰囲気中において1110℃で30分間焼結し、同時に含浸処理を行った。さ
らに、焼結品を−120℃において20分間深冷処理し、625℃で2時間焼戻
し処理を行った。
【0036】 実施例3および4のサンプルの機械的性質に関するデータを、比較サンプル3
200および6200のデータと共に表5に示す。表6はASTM G77−9
3によるリング−ブロック式試験法によって測定された耐磨耗性を相対的に示し
ている。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】 実施例1および4によって製造された機械加工済みのバルブシートのインサー
ト部分と比較用の6200の材料からなるバルブシートのインサート部分を2.
0リットル鉛無添加ガソリン式自動車エンジンの排気位置に取り付けた。エンジ
ンを6000rpmで全負荷の条件下の耐久サイクルに基づいて180時間走行
させた。
【0040】 テスト終了後、各バルブシートのインサート部分の磨耗を測定した。結果を表
7に示す。表7は180時間耐久テスト後のバルブシートの磨耗(μm)を示し
ている。
【0041】
【表7】
【0042】 表8は本発明によるいくつかの材料における鋼部分と比較用の3200および
6200の鋼部分のコストを格付けしたものである。
【0043】
【表8】
【0044】 実施例1の場合、高価な鋼素地の原材料コストが含浸処理を行わない安価な処
理コストによって相殺されている。
【0045】 実施例3(焼戻し温度:625℃)および比較用の3200材料によって作製
されたバルブシートのインサート部分に対する被削性テストを行った。テストは
公知の車両用バルブシートのインサート部分に対する既存の切削設備によって行
った。
【0046】 切削条件は以下の通りである。すなわち、切削速度を271m/分、送り速度
を0.046mm/回転に設定し、切削工具としてSPGN090308チップ
型の立方晶系窒化ボロン製のバイトを用い、また8%濃度の「クエーカ」製オイ
ルを冷却媒体として用いた。
【0047】 図面は各材料ごとに機械加工された部品の数と切削工具の磨耗(mm)の関係
を示すグラフである。
【0048】 図面から明らかなように、本発明の方法によって作製された材料に対する工具
の最大磨耗は、5000サンプルを切削した時点において、公知の3200材料
に対する工具の最大磨耗の50%未満である。従って、本発明による材料および
物品は、明らかに、材料コストおよび製造コストにおいてより経済的である。
【0049】 すでに述べたように、EP−A−0418943およびEP−A―03121
61に記載される従来例による材料および製品、および本発明による材料と製品
は、焼結後において、素地の顕微鏡組織にある量の残留オーステナイトが存在す
る。EP−A―0312161に記載されるより高次に合金化された、より高価
な材料においては、この残留オーステナイトは単一の深冷および焼戻し処理によ
って容易に除去される。一方、EP−A−0418943に記載される製品は、
残留オーステナイトを除去し、そのオーステナイトから相変態されたマルテンサ
イトを焼戻すのに、多数回の深冷および焼戻し処理を行う必要がある。本発明に
よる材料および方法の利点は、残留オーステナイトを除去するのに単純に単一の
深冷および焼戻し処理を行えば十分な点にある。これは、第2予合金化鋼粉にお
ける低炭素含有量がオーステナイトを安定化させないように作用することによる
と考えられる。
【0050】 さらに、本発明による材料のコストは、表8から明らかなように、高次に合金
化された3200材料のコストよりも安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被削性テスト中に切削された物品の数に対する工具鋼の磨耗を示すグラフであ
る。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年8月10日(2001.8.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パーネル,チャールズ・グラント イギリス国、シーヴイ6 4ビージー ウ ェスト・ミッドランズ、ホルブルック・レ イン、フェデラル‐モーグル・シンター ド・プロダクツ・リミテッド内 (72)発明者 ウィッテカー,イアン・ロバート イギリス国、シーヴイ6 4ビージー ウ ェスト・ミッドランズ、ホルブルック・レ イン、コヴェントリー、フェデラル‐モー グル・シンタード・プロダクツ・リミテッ ド内 Fターム(参考) 4K018 AA28 AB05 AC01 BA14 BA15 BA19 DA19 FA36 KA10 KA51 KA62

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末冶金法によって焼結鋼材を製造する方法において、前記
    方法は、 重量%で、0.5−2%のC、3.5−6%のCr、12−22%の(2Mo
    +W)、0.5−5%のV、0−12%のCo、0.1−0.5%のMn、0.
    1−0.6%のSiを含み、残部がFeと不可避的不純物からなる組成を有する
    第1予合金化鋼紛を生成する工程と、 重量%で、0.3−0.7%のC、3−5.5%のCr、1−2.5%のMo
    、0.3−1.5%のV、0−2%のW、0.1−0.6%のMn、0.8−1
    .2%のSiを含み、残部がFeと不可避的不純物からなる組成を有する第2予
    合金化鋼紛を生成する工程と、 2−50重量%の前記第1予合金化鋼紛、98−50重量%の前記第2予合金
    化粉紛、60重量%以下の任意成分としての鉄粉、及び焼結鋼紛の素地の最終炭
    素含有量が最大1.1重量%になるような添加量の炭素紛を混合する工程と、 前記混合物を圧紛および焼結して、焼結鋼を得る工程と、 からなることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記第1予合金化鋼紛の最大含有量は50重量%であること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第1予合金化鋼紛の最大含有量は30重量%であること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記第1予合金化鋼紛の最大含有量は5−20重量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記第1予合金化鋼紛の組成は、重量%で、0.7−1.1
    %のC、3.5−4.5%のCr、4.5−6.5%のMo、1.5−3.5%
    のV、5.5−7%のW、0−0.4%のMn、0−0.4%のSiを含み、残
    部がFeと不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記鉄紛の最小含有量は5重量%であることを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記混合物中の前記鉄紛の含有量は10−60重量%である
    ことを特徴とする先行する請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記鉄紛の含有量は10−50重量%であることを特徴とす
    る請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記最終焼結鋼の全炭素含有量の一部は炭素紛として添加さ
    れることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記焼結工程中において残留空孔に銅材料を含浸させる工
    程をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 2−10重量%の銅粉が前記粉体混合物に添加されること
    を特徴とする先行する請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記粉体混合物は固体潤滑材をさらに含むことを特徴とす
    る請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 被削性を改善する粒状材をさらに添加する工程をさらに含
    むことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記粒状材は硫化マンガンであることを特徴とする請求項
    13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれかに記載された方法によって
    製造される物品。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15のいずれかに記載された方法によって
    製造される焼結鋼において、 前記素地の顕微鏡組織は、前記第2鋼粉によって生成される炭化物の析出物が
    微細に分布した焼戻しマルテンサイトからなる領域と、鉄粉が添加された場合に
    はその鉄粉によって生成される前記鋼マルテンサイト領域に連なるパーライト遷
    移域と部分的なフェライトおよびベイナイト遷移域からなる領域を有し、 前記素地の顕微鏡組織はさらに、前記素地の全体にわたって不規則に分散され
    る前記第1合金鋼粉によって生成される球状合金炭化物の析出物を含む焼戻しマ
    ルテンサイトからなる素地に散在される領域を有する、 ことを特徴とする焼結鋼。
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