JP2003505512A - Nmdaアンタゴニストとしてのキセノン - Google Patents

Nmdaアンタゴニストとしてのキセノン

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、神経保護剤および/またはシナプス可塑性の阻害剤としてのキセノンの使用に関する。好ましい態様において、キセノンは、NMDAアンタゴニストとして作用する。本発明はまた、哺乳動物のNMDA受容体の活性化レベルを低下する方法を提供し、前記方法は、哺乳動物に治療有効量のキセノンを投与することにより、NMDA受容体の活性を調節することを含み、前記低下は、神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害を達成する。本発明のさらなる実施形態は、神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害を提供する医薬組成物と共に、その医薬組成物の調製プロセスのためのプロセスを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (背景) 本発明は、神経保護剤として、および/またはシナプス可塑性の阻害における
、キセノンの使用に関する。特に、本発明は、NMDAアンタゴニストとしての
キセノンの使用、および、NMDA受容体活性に関連した容態の処置におけるキ
セノンの使用に関する。
【0002】 NMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)受容体は、グルタミン酸(glut
amate)受容体の主なサブクラスであり、グルタミン酸は、哺乳動物の中枢神経
系の最も重要な興奮性神経伝達物質であると考えられている。重要なことには、
NMDA受容体の活性化は、多くの疾病状態における興奮毒性および神経死をも
たらす中心的事象になることが示されており、並びに、頭部外傷、卒中および心
臓停止後の低酸素および虚血の結果であることが示されている。
【0003】 NMDA受容体は、記憶および学習などの多くの高度の認知機能の基礎をなす
シナプス可塑性、並びに、特定の侵害受容経路および疼痛の認知に主要な役割を
果たしていることは当分野で公知である(Collingridgeら、NMD
A受容体、オックスフォード大学出版、1994)。さらに、NMDA受容体の
ある特性により、それらが、意識自体の基礎をなす脳における情報処理に関与し
得ることが示唆されている。
【0004】 NMDA受容体アンタゴニストは、多くの理由から、例えば以下の3つの具体
的な理由から、治療に役立つ。第一に、NMDA受容体アンタゴニストは、全身
麻酔の非常に望ましい構成要素である深い鎮痛、および鎮静を付与する。第二に
、NMDA受容体アンタゴニストは、多くの臨床的に関連した環境下で(虚血、
脳外傷、神経障害疼痛状態、およびあるタイプの痙攣を含む)神経保護作用があ
る。第三に、NMDA受容体アンタゴニストは、有益な程度の健忘症を付与する
【0005】 しかし、現在のNMDA受容体アンタゴニストに関連した多くの欠点があるこ
とは、従来技術から明らかである。これらは、不随意運動の発生、交感神経系の
刺激、高用量での神経毒性の誘導(NMDA受容体は全身麻酔薬としての効力は
低いため、妥当である)、心筋抑制、および、例えば「燃え上がり現象」などの
いくつかの癲癇発作性パラダイムにおける前痙攣を含む(Wlaz Pら、Eu
r.J.Neurosci.1994;6:1710〜1719)。特に、血液
脳関門を通過できる新規NMDA受容体アンタゴニストの開発には、かなりの困
難がある。この要素によって、多くの既知のNMDAアンタゴニストの治療への
適用が限定される。
【0006】 従って、本発明は、血液脳関門を通って容易に拡散できる、一般的な医薬に使
用する、改良NMDA受容体アンタゴニストを提供することを探索する。
【0007】 (発明の記載) 本発明の態様は、添付の特許請求の範囲および以下の記載に提示する。
【0008】 従って、本発明は、神経保護剤および/またはシナプス可塑性の阻害剤として
のキセノンの使用に関する。好ましい態様において、キセノンは、NMDA受容
体アンタゴニストとして作用する。
【0009】 本発明の第二の態様は、哺乳動物のNMDA受容体活性を調節することを含む
処置法に関し、前記方法は、哺乳動物に治療有効量のキセノンを投与することに
より、NMDA受容体活性を調節することを含む。
【0010】 本発明の好ましい態様において、キセノンは、医薬的に許容される担体、希釈
剤または添加剤と組合せて投与する。
【0011】 好ましくは、この処置法は、NMDA受容体活性に関連した容態に罹患した哺
乳動物を処置するために使用し得る。より好ましい態様において、哺乳動物は、
NMDA受容体活性化に関連した容態の処置を受けている。
【0012】 さらにより好ましくは、本発明は、キセノンがNMDA受容体の活性化レベル
を低下させる、処置法に関する。
【0013】 本発明の別の実施形態は、NMDA受容体活性を調節するのに適した医薬組成
物の調製プロセスに関し、前記プロセスは、NMDAアンタゴニストを、医薬的
に許容される担体、添加剤または希釈剤に加えることを含み、ここでの改良は、
キセノンをNMDAアンタゴニストとして使用することを含む。
【0014】 本発明のさらなる実施形態は、NMDAアンタゴニストおよび医薬的に許容さ
れる担体、添加剤または希釈剤を含む、NMDA活性を調節する医薬組成物を提
供し、ここでの改良は、キセノンをNMDAアンタゴニストとして使用すること
を含む。
【0015】 本発明のさらに別の実施形態は、哺乳動物のNMDA受容体活性の調節に使用
するための、医薬の調製における、キセノンの使用に関する。
【0016】 好ましい態様において、医薬中のキセノンは、医薬的に許容される担体、希釈
剤または添加剤と組合せて使用する。
【0017】 好ましくは、医薬は、NMDA受容体活性に関連した容態の処置に使用するた
めのものである。より好ましい態様において、医薬は、NMDA受容体活性化に
関連した容態の処置に使用するためのものである。さらにより好ましくは、医薬
は、NMDA受容体の活性化レベルを低下させるのに使用するためのものである
【0018】 (詳細な説明) 広い態様において、本発明は、神経保護剤としての、および/またはシナプス
可塑性の阻害剤としての、キセノンの使用に関する。好ましい態様において、キ
セノンは、NMDA受容体アンタゴニストとして作用する。
【0019】 キセノンは、麻酔特性が50年前から知られている化学的に不活性のガスであ
る(Lawrence JHら、J.Physiol.1946;105:19
7〜204)。それが最初に手術に使用されて以来(Cullen SCら、S
cience 1951;113:580〜582)、多くの研究グループによ
り、代謝副産物がないこと、深い鎮痛、迅速な開始および回復、および心臓血管
系に対する最小限の作用を含む、優れた薬理学的プロフィルを有することが示さ
れた(Lachmann Bら、Lancet 1990;335:1413〜
1415;Kennedy RRら、Anaesth.Intens.Care
1992;20:66〜70;Luttropp HHら、Acta Ana
esthesiol.Scand.1994;38:121〜125;Goto
Tら、Anesthesiology 1997;86:1273〜1278
;Marx Tら、Br.J.Anaesth.1997;78:326〜32
7)。しかし、今まで、キセノンの臨床活性の基礎をなす分子機序は、依然とし
て解明されていない。
【0020】 我々は、英国特許出願番号GB9913677.2(1999年6月11日出
願)に医薬用途におけるキセノンの使用を記載しており、その内容を本明細書の
記載の一部となすものとする。
【0021】 「アンタゴニスト」なる語は、当分野におけるその通常の意味で使用し、すな
わち、その天然アゴニスト(この場合、グルタミン酸)による受容体の機能的活
性化を防げる化合物である。
【0022】 大半の他の麻酔薬は、抑制性GABA(γ−アミノ酪酸A型)受容体の活性を
増強することが広く知られている(Franks NPら、Nature 19
94;367:607〜614;Mihic SJら、Nature 1997
;389:385〜389)。しかし、これらの受容体に対するキセノンの作用
は、無視できると考えられる。その代わり、キセノンは、興奮性NMDA受容体
チャネルを強力に阻害する。この作用は、その薬理学的プロフィルの多くの重要
な特徴を説明し、この不活性ガスの麻酔および鎮痛作用に役立つようである。
【0023】 従来技術は、神経保護剤および/またはシナプス可塑性の阻害剤としてのキセ
ノンの使用を、開示も示唆もしていないことを注記する。また従来技術は、NM
DA受容体アンタゴニストとしてのキセノンの使用も開示も示唆もしていない。
【0024】 多くの他のNMDAアンタゴニストとは異なり、キセノンは、血液脳関門を通
って拡散することにより、脳と迅速に平衡化できる。NMDAアンタゴニストと
してキセノンを使用することのさらなる利点は、分子が、呼吸により急速に消失
できる、不活性な揮発性ガスであることである。
【0025】 従って、本発明は、以下の1つ以上を達成するための、キセノンの使用に関す
る。 a)神経保護を提供する。 b)シナプス可塑性を阻害する、例えば、アヘンに対する耐性の発達を阻止する
【0026】 「神経保護」なる語は、損傷、例えば虚血による損傷または外傷による損傷の
部位での、ニューロンなどの神経性エンティティを保護することを意味する。
【0027】 さらなる実施形態において、本発明は、哺乳動物の神経保護を提供する、およ
び/またはシナプス可塑性を阻止する方法を提供し、前記方法は、哺乳動物に治
療有効量のキセノンを投与することを含む。
【0028】 好ましくは、キセノンは、医薬的に許容される担体、希釈剤または添加剤と組
合せて投与する。例えば、本発明の医薬組成物において、キセノンは、目的の投
与経路および標準的な医薬慣行に関して選択した、任意の適切な結合剤(群)、
潤滑剤(群)、懸濁化剤(群)、コーティング剤(群)、可溶化剤(群)と混合
し得る。
【0029】 キセノンは、別の医薬的に活性な物質と組合せて投与してもよい。前記物質は
、GABA作動性活性を促進する、麻酔剤または鎮静剤を含む、任意の適切な医
薬的に活性な物質であり得る。かかるGABA作動性物質の例は、イソフルラン
、プロポフォールおよびベンゾジアゼピン類を含む。
【0030】 別の実施形態において、本発明は、哺乳動物のNMDA受容体活性化レベルを
低下する方法を提供し、前記方法は、哺乳動物に治療有効量のキセノンを投与す
ることにより、NMDA受容体活性を調節することを含み、ここでの低下により
、神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害がなされる。
【0031】 本発明のさらなる実施形態は、神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害
に適した医薬組成物の調製プロセスを提供し、前記プロセスは、キセノンを医薬
的に許容される担体、添加剤または希釈剤に加えることを含み、ここでの改良は
、神経保護剤として、および/またはシナプス可塑性の阻害剤として、キセノン
を使用することを含む。
【0032】 別の実施形態において、本発明は、キセノンおよび医薬的に許容される担体、
添加剤または希釈剤を含む、神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害のた
めの医薬組成物を提供し、ここでの改良は、キセノンを神経保護剤として、およ
び/またはシナプス可塑性の阻害剤として使用することを含む。
【0033】 典型的には、本発明の医薬組成物は、静脈内(ボーラス投与または点滴により
)、脳脊髄幹(硬膜下またはくも膜下)、経皮、または吸入により送達され得る
【0034】 例えば、本発明はまた、以下のいずれか1つ以上のための医薬の調製における
、キセノンの使用に関する。 a)神経保護を提供する。 b)シナプス可塑性を阻止する、例えば、アヘンに対する耐性の発達を阻止する
【0035】 組成物に使用するキセノンの濃度は、所望の臨床効果の達成に必要な最小濃度
であり得る。医師が個々の患者に最も適した実際の投与量を決めるのが通常であ
り、この投与量は、具体的な患者の年齢、体重および応答に応じて変化する。勿
論、より高いまたはより低い投与量範囲に利点がある個別の場合もあり得、これ
も本発明の範囲内である。
【0036】 本発明の医薬組成物は、ヒト投与または動物投与用であり得る。
【0037】 従って、本発明の組成物はまた、動物医薬としても使用し得る。これに関して
、本発明はさらに、本発明の組成物および獣医学的に許容される希釈剤、添加剤
または担体を含む、獣医学的組成物にも関する。
【0038】 獣医学的使用では、本発明の組成物またはその獣医学的に許容される組成物は
、典型的には、通常の獣医学的慣行に従って投与し、獣医外科医が、具体的な動
物に最も適した、投与方式および投与経路を決定する。
【0039】 本発明はさらに、添付の図面を参照して記載する。
【0040】 より詳細には、図1Aは、代表的な興奮性シナプス後電流(EPSC)および
1mMキヌレン酸に対するその感受性および10μMビククリンに対するその非
感受性を示す。挿入図は、−60mVで測定した電流に正規化した、EPSCの
ピークについての直線電流−電圧関係を示し、データ点は平均値を示す(平均5
つの細胞)。図1Bは、代表的な抑制性シナプス後電流(IPSC)および10
μMのビククリンに対するその感受性および1mMのキヌレン酸に対する非感受
性を示す。挿入図は、−60mVで測定した電流に正規化した、IPSCのピー
クについての直線電流−電圧関係を示し、データ点は平均値を示す(平均6つの
細胞)。挿入図中の誤差棒はSEMであるが、これらは、記号のサイズよりも小
さい場合には示さない。
【0041】 より詳細には、図2Aは、3.4mMのキセノンの存在下および非存在下での
GABA作動性シナプス後電流を示す。キセノンは、IPSCに対して有意な効
果は全く示さない。挿入図は、3μMのGABAにより誘起された電流に対する
、4.3mMのキセノンの効果のないことを示した、それぞれの軌跡を示す。図
2Bは、3.4mMのキセノンの存在下および非存在下でのグルタミン酸作動性
シナプス後電流を示す。基本的な効果は、電流の遅い成分の減少である(この例
では約70%)。点は、測定した電流への両側指数適合を示す。挿入図は、10
0μMのNMDAにより誘起された電流に対する、3.4mMのキセノンの効果
を示したそれぞれの軌跡を示す。
【0042】 より詳細には、図3は、NMDAは、24+2μMのNMDAのEC50および
1.2±0.1のHill係数で、内向電流(−60mVで固定したニューロン
において)を活性化することを示す。キセノンはこの電流を約60%阻害するが
、EC50またはHill係数を有意に変化させない。各データ点は、少なくとも
6つの細胞の平均ピーク電流を示す。
【0043】 より詳細には、図4は、キセノンが、NMDA受容体により媒介されるグルタ
ミン酸作動性興奮性シナプス後電流(EPCS)の成分を選択的に阻害すること
を示す。ニューロンを−60mVで電圧固定し、シナプス応答を、+20mVま
での2m秒の脱分極パルスにより刺激した。対照グルタミン酸作動性EPSCは
、特徴的な二相性崩壊を示した。遅い成分は、200μMのAP5により完全に
遮断され、速い成分はほとんど影響を受けなかった。挿入図は、NMDA受容体
により媒介される成分(対照EPCSと、AP5存在下でのEPCSの間の差異
)およびキセノンの存在下でのそのサイズ(キセノンの存在下でのEPSCと、
AP5の存在下でのEPCSの間の差異を考慮することにより計算)を示す。対
照溶液は、80%N2および20%O2を用いて、試験溶液は80%キセノンおよ
び20%O2を用いて室温で平衡化した。
【0044】 より詳細には、図5は、表版およびファンアセンブリ、ガスおよび電気フィー
ドスルーの詳細を示す。チャンバーは、ステンレス鋼または陽極酸化アルミニウ
ムから組立て、容易に消毒できる。ガスは、細胞が正確に定めた濃度のキセノン
に確実に曝露する効率的な混合を提供する、高速ファンに接続したポートを通っ
て侵入する。キセノンがvml/分でチャンバーに導入され、チャンバーの容量
がVであり、チャンバーに侵入するキセノンの濃度がCinである場合、出てくる
ガスの濃度Coutは、以下の式により示される。
【数1】
【0045】 より詳細には、図7は、キセノンが、正に理論的速度で窒素を置換することを
示す実験的試験を示す。1つの細胞培養プレートの存在下で、ガスの容量は57
0mlである。よって、40mlのキセノン/分の速度および1つの細胞培養プ
レートでは、チャンバー中のガスは、理論的に、ガスが完全に混合されていれば
、t=43分で、最終濃度の95%に達するはずである。
【0046】 より詳細には、図8は、キセノンの較正チャートの例であり、キセノン流速(
ml/分)に対する、流量計(mm)のボールの高さを示す。細胞を曝露するガ
ス環境の組成は、キセノン(または別に、窒素、酸素、または二酸化炭素)につ
いて較正しておいた正確なフローロタメーターを使用して定めた。
【0047】 より詳細には、図9は、規定のガス混合物(キセノン、酸素、窒素および二酸
化炭素)を、安定で正確な制御環境を提供する、ガスを混合したチャンバーに通
過させた場合のガス解析を示す。ガスの組成は、ガスクロマトグラフィーを使用
して確認した。ガスは、出口で試料を採取し、ガラスバイアルに封をした。バイ
アルを、パーキンエルマー自動ヘッドスペースサンプラーHS40XLに移し、
これは、バイアル中(40μlの試料採取容量)のガスの試料を採取し、次いで
これらを、キャリヤーガスとしてヘリウム(2ml/分)を用いて60℃で作動
する、2メートル×1/8ss Chromosorb 102 80−100
メッシュカラムを装着したパーキンエルマーXLガスクロマトグラフに供給した
。ガスを、150℃のインジェクト温度で、110℃の熱伝導度検出器を使用し
て検出した。
【0048】 より詳細には、図10は、15日目の共培養液中のNMDA誘導神経損傷の用
量反応曲線を示す。対照実験により、底にあるグリア単層は、使用した最大用量
のNMDAにより影響を受けないことが実証された(処理:10分間、24時間
後にLDH遊離)。
【0049】 より詳細には、図11は、15日目の共培養物中のグルタミン酸誘導神経損傷
の用量反応曲線を示す。対照実験により、底にあるグリア単層は、使用した最大
用量のグルタミン酸により影響を受けないことが実証された(処理:30分間、
6時間後にLDH遊離)。
【0050】 より詳細には、図12は、姉妹培養液(n=3)をNMDA(750μmol
で10分間)に曝露し、続いて、神経傷害を、曝露24時間後にLDHの出現に
より定量する、NMDA誘導神経損傷中および後の75%キセノンの効果を示す
【0051】 より詳細には、図13は、姉妹培養液(n=3)をグルタミン酸(75μmo
lで10分間)に曝露し、続いて、神経傷害を、曝露24時間後にLDHの出現
により定量する、グルタミン酸誘導神経損傷中および後の75%キセノンの効果
を示す。
【0052】 より詳細には、図14は、漸増用量のPGE1は、用量依存的にアデニル酸シ
クラーゼ(AC)を刺激することを示す。
【0053】 より詳細には、図15は、α−2アゴニストのノルエピネフリンを、AC活性
をPGE1で刺激する条件下で共投与する場合に、AC活性は、用量依存的にノ
ルエピネフリンにより阻害されることを示す。基礎条件下でさえ(「−PGE1
」)、阻害効果は明らかである。
【0054】 出願人により実施される研究により、キセノンは、実質的にGABAA受容体
に対して全く効果を及ぼさないことが示された。規定のGABAサブユニットを
安定に発現する、電位固定培養ラット海馬ニューロンおよび電位固定PA3細胞
(Hadingham KLら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A、1992;89、6378〜6382)の両方において、3μMのGABA
により活性化される電流は、100%のキセノンによってさえ、有意に影響を受
けなかった。この観察の重要性は、ヒト麻酔薬として機能するには、50%有効
濃度EC50は71%v/vであるので、明白となる(Cullenら、Anes
thsiology 1969、305〜309)。キセノンは、海馬ニューロ
ン中の機能的GABA遊離シナプスに対してほとんど効果を及ぼさないことが示
され、80%キセノンが、ピーク抑制性シナプス後電流を僅か8±2%減少し、
これは、キセノンのシナプス前効果が非常に僅かであることを示す。
【0055】 これに対し、キセノンは、NMDA受容体に対して有意な効果を及ぼすことが
示された。培養海馬ニューロンに関する機序の研究は、80%キセノン(これは
手術での麻酔を維持する)は、NMDA活性化電流を60%減少させ、NMDA
のEC50値またはHill係数には有意な変化は無いことが示された。この非競
合的阻害により、シナプス間隙には高濃度のグルタミン酸があるにも関わらず、
キセノンは、強力に神経伝達を阻害することが示される。
【0056】 さらなる研究を、それ自体でシナプスを形成する(自己シナプス)、海馬ニュ
ーロンのマイクロアイランド培養液を使用して実施した(Bekkers JM
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1991:88、783
4〜7838)。海馬ニューロンから記録した典型的なグルタミン酸作動性シナ
プス後電流を図4に示す。対照記録は、特徴的な二相時間経緯を示し、速い成分
は、非NMDA受容体により媒介され、はるかに遅い成分はNMDA受容体によ
り媒介される。NMDA受容体媒介成分は、高度に選択的な競合的アンタゴニス
トのDL−2−アミノ−5−ホスホノペンタノエートにより遮断されるので容易
に同定される(Watkins JCら、Annu.Rev.Pharmaco
l.Toxicol、1981;21、165〜204)。
【0057】 200μMのAP5の添加により、遅い成分はほぼ完全に遮断され、速い成分
のみが残り、単純指数関数時間経緯は、対照の速い成分のそれと非常に類似して
いることが示された。グルタミン酸作動性シナプス後電流に対するキセノンの効
果は、AP5の効果と類似している(図4)。遅いNMDA受容体媒介成分は、
70%以上減少し、一方、速い成分はほとんど変化しない。よって、キセノンが
シナプスNMDA受容体を阻害するだけでなく、非NMDA受容体にはほとんど
明らかな効果を及ぼさない。
【0058】 シナプス電流に対する効果に関して、キセノンを用いて観察された作用の選択
性は意外である。ほとんど全ての全身麻酔薬が、GABAA受容体でGABAの
作用を増強するという事実から(Tanelian DLら、Anesthes
iology 1993;78:757〜776;Franks NPら、Na
ture 1994;367:607〜614)、キセノンも例外ではないと予
期した。しかし、キセノンはGABAA受容体に対する効果が全くないことによ
り、キセノンは、GABAA受容体で無効であり(Brockmeyer DM
ら、Br.J.Anesesth.1995;74:79〜84)、NMDA受
容体で優先的に作用すると考えられる、いわゆる「解離」麻酔薬であるケタミン
などの薬剤と同じクラスに該当する。同様に、結果により、キセノンは、選択的
にNMDA受容体を遮断し、AMPA/KA受容体にはほとんど効果を及ぼさな
いことが示された。この後者の結果により、キセノンの作用は、起源が後シナプ
スであることが強く示唆される。しかし、キセノンには、NMDA受容体成分の
崩壊時間に対する効果がないことにより、NMDA誘起電流のEC50濃度はキセ
ノンの存在下で変化しないという観察と同じように、単純なオープンチャネル遮
断阻害機序は除外される。NMDA受容体へのキセノンの驚くべき選択性に関す
る正確な分子基礎がどのようなものであろうと、深い麻酔および精神異常発現効
果の誘導能を含む、その異常な薬理学的プロフィルの多くの特徴をかなり簡単に
説明する。
【0059】 従って、キセノンは、作用が驚くべき程に選択的であり、興奮性および抑制性
シナプス伝達に対して非常に異なる効果を有することは明らかである。キセノン
の作用は、グルタミン酸作動性シナプスでの作用に関してのみ説明し得るが、他
の標的も、同様に将来同定し得る。それにも関わらず、キセノンに対するGAB
A作動性シナプスの非感受性により、作用機序は、明らかに、大半の全身麻酔薬
の作用機序とは異なることが示される。機序レベルでは、キセノンにとって、シ
ナプス後受容体は、最も重要な分子標的であることは明らかである。
【0060】 本発明はさらに、実施例により記載する。
【0061】 (実施例) (海馬ニューロンの培養) 海馬ニューロンは、前記の方法を使用して培養液中で増殖した(Segal
MMら、J.Neurophysiol.1990、64;1390〜1399
;Bekkers JMら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、
1991、88:7834〜7838;Mennerick Sら、J.Neu
rophysiol.1995、73:320〜332)。簡潔には、Spra
gue Dawleyラット(生後1〜3日)の海馬を解剖し、粗くスライスし
、パパイン含有溶液(20単位ml-1)中で30分間37℃で撹拌した。酵素非
含有溶液で洗浄した後、組織を、穏やかに、火で研磨加工したパスツールピペッ
トで粉砕し、細胞を、8〜10×104細胞ml-1で蒔き、37℃で培養した(
95%空気/5%CO2)。細胞の培養に使用したガラススライドを、最初に、
アガロース(0.15%w/v)でコーティングし、ついで、ガラス−ミクロ噴
霧器からのポリ−D−リジン(PDL)およびコラーゲン(0.1mgml-1
DLおよび0.5mgml-1ラット尾コラーゲン)の微細ミストを噴霧し、UV
照射により滅菌した。これにより、直径100ないし1000μmの許容可能な
基質のマイクロアイランドが生じた。蒔いた3〜4日後、グリア細胞層が約80
%の集密性となった場合に、抗有糸分裂剤(シトシンβ−D−アラビノフラノシ
ド、5μM)を加えて、グリア細胞増殖を停止した。次いで、ニューロン培養液
を、さらに4〜9日間成熟させた。我々は、軸索突起および樹状突起が複数の自
己シナプス(autapse)を形成している1つの単離ニューロンを含む、マイクロ
アイランドを使用した。この手順により、多くの表現型の同一な単シナプス接合
の集合が提供された。
【0062】 (電気生理学) ニューロンは、全細胞記録技術を使用して、電位固定した(Axopatch
200増幅器、カリフォルニア州フォスターシティー所在のAxon Inst
ruments)。電極は、ホウケイ酸ガラスから組立て、典型的には3ないし
5MΩの抵抗を示した。直列抵抗は、75〜90%補われた。ニューロンを、−
60mVで電位固定し、シナプス応答は、+20mVまでの2m秒の脱分極パル
スにより刺激した。膜電位が−60mVまで回復した後すぐに、大量(1〜20
nA)のシナプス後電流を観察および記録した。シナプス測定のために、データ
を50kHzで試料採取し、20kHz(−3dB、8極ベッセル)でフィルタ
ーにかけ、コンピューターに保存した。細胞外記録溶液は、NaOHでpH7.
3に滴定した、(mM)137mNaCl、5KCl、3CaCl2、5HEP
ES、10グルコース、0.001グリシン、0.0001ストリキニーネHC
lであり、細胞内(ピペット)溶液は、KOHでpH7.25に滴定した、(m
M)140KCl、4NaCl、0.5EGTA、2MgATP、10HEPE
Sであった。
【0063】 GABA、NMDAまたはグルタミン酸を外的に適用した実験では、ニューロ
ンを、大量培養液中で増殖し、蒔いた3〜11日後に使用した。データを、20
0Hzで試料採取し、100Hz(−3dB、8極Bessel)でフィルター
にかけた。NMDAおよびグルタミン酸誘起応答についての細胞外記録溶液は、
NaOHでpH7.40に滴定した、(mM)150NaCl、4KCl、2C
aCl2、10HEPES、10グルコース、0.0002クエン酸テトロドト
キシン(英国ブリストル所在のTocris Cookson)、0.1ピクロ
トキシン、0.0001ストリキニーネHCl、0.001グリシンであり、G
ABA誘起応答の細胞外記録溶液は、NaOHでpH7.40に滴定した、(m
M)150NaCl、4KCl、1CaCl2、1MgCl2、10HEPES、
10グルコース、0.0002クエン酸テトロドトキシンであり、GABA−、
NMDA−およびグルタミン酸誘起応答についての細胞内(ピペット)溶液は、
CsOHでpH7.20に滴定した、(mM)140CsCl、3NaCl、1
1EGTA、2MgATP、10HEPESであった。特記しない限り、全ての
化学物質は、シグマケミカル社から得た(英国ドーセット州プール所在)。試験
溶液を、迅速に切り替わる灌流系を使用して細胞に適用した(Downie D
Lら、Br.J.Pharmacol.1996、118:493〜502)。
全ての電気生理学的測定は、室温(20〜23℃)で実施した。
【0064】 (麻酔溶液の調製) キセノン溶液は、最初に、純粋なガス(酸素、窒素またはキセノン)を、微細
焼結ガラス気泡器を通して、細胞外記録食塩水で充填した250または500m
lのDrechsel瓶に泡立てることにより調製した。溶液を1.5から2時
間泡立てたが、平衡は、45分以内に生じることが判明した。(酸化を最小限に
するために、神経毒および神経伝達物質は、完全に酸化した食塩水から排除した
)。泡立てる間、溶液を室温で絶えず撹拌した。次いで、これらの溶液を混合し
て、所望の最終濃度のガスを得た。我々の対照溶液は、通常、80%の窒素溶液
および20%の酸素溶液を含んでいたが、我々の試験溶液は、通常、80%のキ
セノン溶液および20%酸素の溶液を含んでいた。Bunsenの水/ガス分配
係数0.0965を使用して(Smith RAら、Biochim.Biop
hys.Acta 1981、645:327〜338)、我々は、我々の標準
試験溶液は3.4mMのキセノンを含むと計算する。キセノン(研究等級、99
.993%純粋)は、英国サリー州ギルフォード所在のBOCガスから供給され
た。全ての場合において、キセノンは、シナプス電流を開始する前に、少なくと
も30秒間ニューロンに予め適用した。
【0065】 (シナプス応答の統合) 全電荷移行についての推定値を得るために、EPSCまたはIPSCを数的に
統合した。しかし、電流は、記録期間の終了まで基線までに崩壊しない場合もあ
るので、修正(これは、絶えず、全電荷移行の5%より少ない)を、応答の崩壊
相への両側指数適合を使用して、観察された電流を基線に外挿することにより適
用した。
【0066】 (対照シナプス電流) 対照シナプス電流を特徴づけ、以前の研究の知見に従って、ほぼ普遍的に、2
つの集合の1つに該当した(Bekkers JMら、Proc.Natl.A
cad.Sci.U.S.A.1991、88:7834〜7838;Menn
erick Sら、J.Neurophysiol.1995、73:320〜
332)。約半分の細胞が、シナプス後電流を示し、これは、比較的速く崩壊し
(約8m秒の半減時間)、一方、他方の半分は、顕著に遅い(約40m秒の半減
時間)電流を示した(図1および表1参照)。より速い応答が、丸い外見および
複雑な樹状突起を有する細胞から記録された。キヌレン酸に対するその感受性(
1mMキヌレン酸で80±3%のピーク電流の阻害;n=7細胞)およびビクク
リンに対する非感受性(10μMのビククリンで0.4±1.3%のピーク電流
の阻害;n=13細胞)により、これらの細胞を、興奮性グルタミン酸作動性ニ
ューロンと同定した。これに対し、より遅いシナプス電流は、ビククリンにより
ほぼ完全に遮断され(10μMのビククリンで94±1%のピーク電流の阻害;
n=8細胞)、キヌレン酸により影響を受けず(1mMのキヌレン酸で6±4%
のピーク電流の阻害;n=5細胞)、従って、これらの応答はGABA作動性で
あると同定した。これらの抑制性ニューロンは、より簡単な樹状突起をもち、よ
り平板になる傾向があった。GABAおよびグリシンは、脊髄介在ニューロンに
より共遊離され得るという近年の知見から(Jonas Pら、Science
1998、281:419〜424)、我々は、我々が記録した抑制性応答は
、一部、グリシン受容体により媒介されるという可能性を考えた。しかし、対照
電流は、100nMのストリキニーネにより、ほとんど影響を受けず(4±2%
阻害;n=6細胞)、これは、抑制性電流は完全にGABA作動性であることを
確認する。
【0067】 興奮性および抑制性電流は、実質的に同じ立ち上がり時間を示し(表1参照)
、電流のピークは、試験電位と共に、線形に変化した(図1の挿入図参照)。シ
ナプス電流I(t)の崩壊相(ここでのtは電流のピークから測定した時間であ
る)は、以下の型式の両側指数式により適合した。
【数2】 ここでのIfastおよびIslowは、振幅であり、τfastおよびτslowは、それぞ
れ速いおよび遅い成分の時間定数である。対照興奮性および抑制性応答から測定
した、これらの崩壊時間定数の値を表1に示す。両方の場合において、全電荷移
行の約3分の2が、遅い成分により実施された。興奮性グルタミン酸作動性応答
ついて、この遅い成分は、NMDA受容体により媒介されるとして、容易に同定
できる。なぜなら、それは、高度に選択的なNMDA受容体アンタゴニストであ
る、200μMのAP5(DL−2−アミノ−5−ホスホノペンタノエート)に
より完全に(99±1%;n=10細胞)遮断されるからである(Davies
Jら、Neurosci.Lett 1981、21:77〜81)。この濃
度のAP5の存在下、シナプス電流の崩壊相は、対照の速い成分のそれとはほと
んど異ならない、大きさおよび時間経緯で、単純指数関数に、よく適合できる。
この速い成分は、ピーク興奮性電流の大きさを非常に大きく決定するが(Ifast /Itotal=92±1%;n=13細胞)、これは、AMPA/KA受容体によ
り媒介される電流に起因できる(Bekkers JMら、Proc.Natl
.Acad.Sci.U.S.A.1991、88:7834〜7838;Me
nnerick Sら、J.Neurophysiol.1995、73:32
0〜332)。
【0068】 (シナプス電流に対するキセノンの効果) 痛みのある刺激に対する応答を防ぐ、キセノンのガス濃度は(すなわちMAC
)、種により異なるようであり、ヒトでは71%atmであり(Cullen
SCら、Anesthesiology 1969、31:305〜309)、
アカゲザルでは98%atmであり(Whitehurst SLら、J.Ne
urosurg.Anesthesiol.1994、6:275〜279)、
ラットでは161%atmである(Koblin DDら、Anesth.An
alg.1998、87:419〜424)。これらの値を、Ostwald水
/ガス分配係数0.0887(Weathersby PKら、Underse
a Biomed.Res.1980、7:277〜296)を使用して、37
℃の遊離水濃度に変換すると(Franks NPら、Br.J.Anaest
h.1993、71:65〜76;Franks NPら、Anesthesi
ology、1996、84:716〜720)、得られた数値は、ヒト、サル
およびラットでそれぞれ、2.5mM、3.4mMおよび5.6mMであり、平
均値は3.8mMである。室温で実施した本明細書に記載の実験では、標準的な
試験溶液に存在するキセノンの濃度は、3.4mMであった。この濃度で、キセ
ノンは、抑制性シナプス電流に対して無視できる効果を示したが、興奮性電流を
強く抑制した。これは、図2に代表的な軌跡を用いて示す。
【0069】 GABA作動性シナプス電流では、3.4mMのキセノンは、シナプス後電流
のピーク値にも、時間経緯にも影響を及ぼさなかった。様々な抑制性シナプスパ
ラメータの変化率を表2に示し、ここでは、どれも有意に変化していないことが
分かる。低(3μM)濃度の外的に適用したGABAにより誘起された電流に対
するキセノンの効果も調べた。ここで、4.3mMのキセノンは、GABA誘導
電流に対して有意な効果を示さなかった(2±3%増強、n=4細胞)。代表的
な軌跡の対を、図2Aの挿入図に示す。これに対し、3.4mMのキセノンは、
グルタミン酸作動性シナプス電流を大きく抑制し、この効果は、ほぼ専ら、遅い
NMDA受容体の媒介する電流成分に限定された(図2B)。これは、表2に列
挙した種々の興奮性シナプスパラメータの変化率において明白である。ここで、
キセノンの質的効果は、AP5の効果により顕著に密接に模倣される。ある濃度
のAP5(200μM)では、NMDA受容体成分は、ほぼ完全に遮断されるこ
とが予期され(Davies Jら、Neurosci.Letts 1981
、21:77〜81)、これは、Islowの99%遮断と一致する(表2参照)。
これは、全電荷移行の75%減少を伴い、遅いNMDA受容体媒介成分により実
施されると我々が推定した、全電荷の61%に近い(表1参照)。差異は、AP
5による、速い時間定数τfastの、小さいが、有意な減少を説明し得る。キセノ
ンは同様に、Islowの大きな阻害(70%)および全電荷移行の大きな阻害(5
6%)を引き起こし、速いAMPA/KA受容体媒介成分に対する効果はほんの
僅かである。
【0070】 (神経保護効果) (新生児グリアおよび胎児神経細胞の共培養) 解離ネズミ皮質細胞培養液を、胎児マウス(妊娠14〜17日目)の全脳新皮
質を使用して調製した。皮質グリア細胞培養液は、初期生後マウスから調製した
。非ニューロン細胞分裂をシトシンアラビノシドで停止した後、生存している皮
質ニューロン細胞を、グリア細胞バックグラウンドに蒔き、共培養した。
【0071】 (NMDAでのニューロン共培養液の損傷) 胎児皮質細胞を最初に収集した日から15日後に、共培養液プレートを、室温
で、10〜1,000μMのN−メチル,D−アスパルテート(NMDA)の対
照塩溶液(CCS)中に10分間曝露した。注意深くCCSで洗浄した後、細胞
を、グルタミン酸または乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)を含まないが、グルコ
ース25mM、およびNaHCO338mMを補充した、イーグルス最少必須培
地中で、37℃で加湿CO2(5%)雰囲気中インキュベートした。損傷度は、
培地へのLDH遊離を測定することにより決定した。NMDA誘導損傷の用量反
応曲線を、前記したように、図10に示す。
【0072】 (グルタミン酸でのニューロン共培養液の損傷) 皮質細胞を最初に収集した日から15日後に、共培養プレートを、室温で、1
0〜1,000μMのグルタミン酸のCCS中に10〜30分間曝露した。注意
深くCCSで洗浄した後、細胞を、グルタミン酸または乳酸デヒドロゲナーゼ(
LDH)を含まないが、グルコース25mM、およびNaHCO338mMを補
充した、イーグルス最少必須培地中で、37℃で加湿CO2(5%)雰囲気中イ
ンキュベートした。損傷度は、培地へのLDH遊離を測定することにより決定し
た。グルタミン酸誘導損傷の用量反応曲線を、前記したように、図11に示す。
【0073】 (キセノンでのNMDA損傷ニューロングリア共培養細胞の保護) 1気圧のキセノン75%を、ほぼ最大の損傷を生じる濃度である、750μM
のNMDAに曝露する間および後に細胞に送達した。損傷度は、培地へのLDH
遊離を測定することにより決定した(「基線」LDH遊離について修正した後)
。キセノンは、30%以上、NMDAにより生じた損傷を減少し、キセノンをN
MDA曝露後に続けた場合、損傷は、さらに、55%以上減少した。キセノンの
保護作用の結果を、前記したように、図12に示す。
【0074】 (キセノンでのグルタミン酸損傷ニューロングリア共培養細胞の保護) 1気圧のキセノン75%を、ほぼ最大の損傷を生じる濃度である、75μMの
グルタミン酸に曝露する間および後に細胞に送達した。損傷度は、培地へのLD
H遊離を測定することにより決定した(「基線」LDH遊離について修正した後
)。キセノンは、35%以上、グルタミン酸により生じた損傷を減少し、キセノ
ンをグルタミン酸曝露後に続けた場合、損傷は、さらに、60%以上減少した。
キセノンの保護作用の結果を、前記したように、図13に示す。
【0075】 (シナプス可塑性の阻害) 中枢神経系の機能の摂動は、シナプス可塑性と称される、神経接合の強度の変
化により生じ得る。本発明者は、神経芽細胞腫Xグリオーマハイブリッド細胞系
を使用して、シナプス可塑性に対するキセノンの効果を調べた。このパラダイム
では、シナプス伝達に中枢的に関与しているα−2アドレナリン作動性受容体が
、アデニル酸シクラーゼ(AC)を阻害する。
【0076】 ACに対するα−2アドレナリン作動性受容体の阻害効果を調べるために、最
初に、内因性ACを、プロスタグランジンE1(PGE1)で刺激することが必要
である。漸増量のPGE1は、用量依存的にACを刺激する(図14)。α−2
アゴニストであるノルエピネフリンを、AC活性をPGE1で刺激する条件下で
共投与する場合、この活性は、ノルエピネフリンにより用量依存的に阻害される
(図15)。
【0077】 「シナプス可塑性」を誘導するために、細胞を、ノルエピネフリンで8時間前
処理し、十分に洗浄した細胞からホモジネートを調製した後、再度適用したノル
エピネフリンにより、PGE1刺激AC活性に対するその阻害作用は低下する。
これらの細胞を前処理期中にキセノンに同時に曝露すると、ノルエピネフリンの
阻害作用は持続する。
【0078】 本発明の変形は当業者には明らかである。本明細書に記載の文献は、本明細書
の記載の一部となすものとする。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、対照興奮性および抑制性シナプス後応答を示す。
【図2】 図2は、抑制性および興奮性シナプス後応答に対する、キセノンの作用を示し
た、代表的な軌跡を示す。
【図3】 図3は、キセノンの存在下および非存在下でのNMDAの濃度に対する、最大
対照電流の比率を示す。
【図4】 図4は、興奮性シナプス後応答に対するAP5およびキセノンの作用、および
挿入図、NMDA受容体により媒介される成分を示す。
【図5】 図5は、培養液中に細胞を曝露するために使用する装置の構成および性能を示
す。
【図6】 図6は、培養液中に細胞を曝露するために使用する全チャンバーの全体像を示
す。
【図7】 図7は、キセノンをチャンバーに導入する典型的な実験のチャンバー動態を示
し、時間(分)と共に、キセノンが増加し、窒素が減少することを示す。
【図8】 図8は、キセノンの較正チャートを示す。
【図9】 図9は、チャンバーのガス解析の典型例を示す。
【図10】 図10は、NMDA誘導ニューロン損傷の用量反応曲線を示す。
【図11】 図11は、グルタミン酸誘導ニューロン損傷の用量反応曲線を示す。
【図12】 図12は、NMDA誘導ニューロン損傷中および後の75%キセノンの作用を
示す。
【図13】 図13は、グルタミン酸誘導ニューロン損傷中および後の75%キセノンの作
用を示す。
【図14】 図14は、アデニル酸シクラーゼ(AC)に対する、漸増用量のプロスタグラ
ンジンE1(PGE1)の作用を示す。
【図15】 図15は、アデニル酸シクラーゼ(AC)活性に対する、ノルエピネフリンの
共投与の作用を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 フランクス,ニコラス・ピーター イギリス国、エスダブリュー7 2ビーゼ ット ロンドン、プリンス・コンソート・ ロード、インペリアル・カレッジ、ブラケ ット・ラボラトリー、バイオフィジクス・ セクション (72)発明者 メイズ,メルヴィン イギリス国、エスダブリュー10 9エヌエ イチ ロンドン、フルハム・ロード 369、 チェルシー・アンド・ウェストミンスタ ー・ホスピタル、インペリアル・カレッ ジ・スクール・オブ・メディシン、デパー トメント・オブ・アネスセティクス Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 HA13 MA01 MA02 MA04 MA05 NA14 ZA01 ZC39 ZC42

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 神経保護剤および/またはシナプス可塑性の阻害剤としての
    キセノンの使用。
  2. 【請求項2】 前記キセノンがNMDAアンタゴニストである請求項1に記
    載の使用。
  3. 【請求項3】 哺乳動物において、神経保護を提供する方法および/または
    シナプス可塑性を阻害する方法であって、哺乳動物に治療有効量のキセノンを投
    与することを含む方法。
  4. 【請求項4】 前記キセノンを、医薬的に許容される担体、希釈剤または添
    加剤と組合せて投与する請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記哺乳動物が、NMDA受容体活性に関連した容態の処置
    を受けている請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記哺乳動物が、NMDA受容体活性化に関連した容態の処
    置を受けている請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記キセノンが、NMDA受容体の活性化レベルを低下させ
    る請求項3に記載の方法。
  8. 【請求項8】 神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害に適した医薬
    組成物の調製プロセスであって、前記プロセスは、キセノンを医薬的に許容され
    る担体、添加剤または希釈剤に加えることを含み、ここでの改良は、キセノンを
    神経保護剤および/またはシナプス可塑性の阻害剤として使用することを含むプ
    ロセス。
  9. 【請求項9】 キセノンと、医薬的に許容される担体、添加剤または希釈剤
    とを含む、神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害のための医薬組成物で
    あって、ここでの改良は、キセノンを、神経保護剤および/またはシナプス可塑
    性の阻害剤として使用することを含む医薬組成物。
  10. 【請求項10】 神経保護および/またはシナプス可塑性の阻害に使用する
    ための医薬の調製におけるキセノンの使用。
  11. 【請求項11】 前記医薬中のキセノンは、医薬的に許容される担体、希釈
    剤または添加剤と組合せて使用する請求項10に記載の使用。
  12. 【請求項12】 前記医薬は、NMDA受容体活性に関連した容態の処置に
    使用する請求項10に記載の使用。
  13. 【請求項13】 前記医薬は、NMDA受容体活性化に関連した容態の処置
    に使用する請求項10に記載の使用。
  14. 【請求項14】 前記医薬は、NMDA受容体の活性化レベルを低下させる
    ために使用する請求項10に記載の使用。
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