JP2003504241A - 集積プリントへッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はインクジェットプリンタ用の集積プリントヘッド（２０）であって、各種ノズルのアドレス指定が少なくとも３―Ｄモードで実行される集積プリントヘッドに関する。ヘッド（２０）は、Ｍ横列およびＬ縦列に配置されたインク・ジェット構成要素（２１、２２）の複数の群（２４）を含み、特に、種々の縦列Ｌの選択と作動とがヘッド自体（２０）内の論理回路（２５）によって、外部駆動回路に制御されて実行される。ヘッド（２０）は、極めて高いピーク値を有する非常に変動する電流のような不安定な状態でＬ縦列を制御する必要がないという点で既知の技術と比較して有利である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 ［技術分野］ 本発明は、Ｍ横列とＬ縦列のインク・ジェット構成要素の群のアレイを備える
集積プリントヘッドであって、各群は単一の横列と縦列のアドレスを有し、第１
のアドレス指定手段Ｐ_JがＭ横列とＬ縦列におけるインク・ジェット構成要素の
群のアレイにおけるＭ横列の１個を選択するように群のアレイに関連し、第２の
アドレス指定手段Ｘ_KがＭ横列とＬ縦列におけるインク・ジェット構成要素の群
のアレイの中のＬ縦列の１個を選択するように群のアレイと関連しており、第３
のアドレス指定手段Ａ_Iがインク・ジェット構成要素の各群における１個のイン
ク・ジェット構成要素を選択するように群のアレイと関連している、集積プリン
トヘッドに関する。

【０００２】 特に、本発明はＩＤＨ（集積ドライブへッド）タイプの熱インク・ジェット・
ヘッドであって、複数の熱抵抗が、該抵抗に対応して位置されたノズルを介して
インクの滴を放出するように外部の制御回路によって選択的に付勢されるような
熱インク・ジェット・ヘッドに関する。

【０００３】 ［背景技術］ ＩＤＨ集積プリントヘッドは米国特許第５，６４４，３４２号から知られてお
り、該特許によれば、各種の抵抗のアドレス指定が三次元（すなわち、３―Ｄ）
アドレス指定によって実行される。

【０００４】 既知のヘッド１０（図１）は、各々がパワー・トランジスタ１２に接続されて
いる複数の抵抗１１を含む。抵抗１１の付勢は、複数の接触点Ａ_I=1-N、Ｐ_J=1-M 、ＧＮＤ_K=1-Lを有する２個の対応する融通性のある回路（ヘッド・フラット・
ケーブルおよびプリンタのフラット・ケーブル）を介してヘッド１０自体に接続
された外部制御回路によって制御される。但し、 ―Ｎは付勢している群１４の内部で選択しうる抵抗１１の数あるいはアドレスＡ _I の数であり、 ―Ｍは選択しうる対のプリミチブ（ｐｒｉｍｉｔｉｖｅ）Ｐ_Jの数であり、 ―Ｌは接地された接点ＧＮＤ_Kおよび選択しうる縦列の数である。

【０００５】 例えば、既知の技術によると、１３（Ｎ）の抵抗１１を備え、トランジスタ１
２と関連する２４対の作動群１４を含む集積回路から６２４個のノズルからなる
ヘッドを作ることができる。

【０００６】 従って、Ｍ＋Ｎ＋Ｌ＝３６接点は、外部回路が２４＊１３＊２＝６２４ノズル
の選択的な作動を、 ― 接地接点ＧＮＤ_K=1-L（接地選択）を介してプリミチブの縦列の接地接続を
作動させることによって、 ― 所定の時間、トランジスタ１２によって、第１のアドレスＡ_I（アドレス・
ライン選択）を作動させることによって、 ― 所定の電流パルスで、接点Ｐ_J（プリミチブ選択）によって、作動した縦列
内で第１のアドレスＡ_Iに対応するプリミチブの所定の構成を給電することによ
って、 ― 順次第２のアドレスＡ_I（アドレス・ライン選択）および相対的なトランジ
スタ１２を作動させることによって、 ― 所定の電流パルスで、接点Ｐ_J（プリミチブ選択）によって、作動した縦列
内で、第２のアドレスＡ_Iに対応するプリミチブの第２の所定の構成を給電する
ことによって、 等一連のステップにおいて、Ｎアドレスの作動が完了するまで行い、次いでプリ
ミチブの第１の縦列の接地接続を非作動した後同様の要領で続け、プリミチブの
第２の縦列のそれを作動させることによって制御する。

【０００７】 知られているように、３―Ｄのアドレス指定によって、ノズルの数が極めて多
い場合、ヘッドと制御回路との間の接触点の数を制限させることが可能である。
このことは、知られているように、集積ヘッドが経済的に有利であり、接点の数
が５０―６０に限定された場合に初めて信頼性が得られるので、極めて重要であ
る。実際に、ヘッドを構成する集積回路の面、ヘッド・フラット・ケーブルの面
、及び／又はヘッドのフラット・ケーブルの面／プリンタのフラット・ケーブル
の接触面積を制限できるのは接点の数を限定して初めて可能である。

【０００８】 例えば、セクタ技術分野の専門家には明きらかなように、図１に示す６２４個
ノズルを備えたヘッドは、２―Ｄアドレス指定により構成したとすれば、 ２＊２４（Ｍ）＋１３（Ｎ）＋２４（ＧＮＤ）＝８５接点を必要とするので経済
的に有利ではない。

【０００９】 しかし、図１に示す既知の方法で構成された３―Ｄアドレス指定は、その信頼
性と使用可能性とを妥協させる上である数の技術的問題を提起している。 第１の技術的問題は、同時に給電されたプリミチブＰ_jに対して正比例するヘ
ッドのフラット・ケーブルとプリンタのフラット・ケーブルとの間の接触点ＧＮ
Ｄ_K=1-Lにおける電流の強さが、当然抵抗１１の最小作動電流が２５０ｍＡであ
ると想定すれば、例えば２５０ｍＡから６アンペア（２４＊２５０ｍＡ）という
極めて変動的な値をとりうるという事実から構成されている。セクタ技術に習熟
した専門家には明らかなように、ヘッドのフラット・ケーブル／プリンタのフラ
ットケーブとのこれらの電流値を有する圧力接触は、時間の経過に伴い信頼性が
なく、あるいは繰返し可能でない。

【００１０】 第２の技術的問題は、接地接点ＧＮＤ_Kのための外部制御回路におけるスイッ
チは当該スイッチを閉鎖するには極めて低い抵抗で、例えば６アンペアのピーク
電流値を支えることができるためにはサイズを並はずれて大きくする必要がある
いう事実にある。

【００１１】 第３の技術的問題は、３Ｄタイプの集積ヘッドの配置が、ヘッドのフラット・
ケーブル／プリンタのフラット・ケーブルの接点における、変動しかつ極めて高
いピーク電流を支える必要があり、可変経路と大きくかつ可変の電圧低下があり
、高い寄生抵抗を有する接地導体に対して極めて重要であるという事実にある。

【００１２】 第４の技術的問題は、特に接触点ＧＮＤ_K=1-Lに関してヘッドのフラット・ケ
ーブル／プリンタのフラット・ケーブルの圧力接点が高ピーク電流が存在する場
合スパークと放電を起因し得るという事実にある。

【００１３】 要約すれば、既知の３―Ｄ集積ヘッドは、接地接続をグループ化するため、解
決が困難で、信頼性が劣り、生産が困難で、ノズルからインクを放出させるため
に抵抗１１に供給される電力が変動することを意味する技術問題を暗示している
。

【００１４】 ［発明の開示］ 本発明の目的は、３―Ｄアドレス指定の有利性を有し、従来技術とは相違して
製造が容易で、信頼性がある革新的は集積ヘッド配置によって前記概説した技術
的問題を克服することである。

【００１５】 この目的は、インク・ジェット構成要素の各群および第２のアドレス指定手段
Ｘ_Kと関連し、インク・ジェット構成要素の群のアレイのＬ縦列の１個を選択す
るために論理信号によって起動するのに適した論理手段を備えることを特徴とす
る集積プリントヘッドによって達成される。

【００１６】 本発明の別の特徴によると、集積ヘッドはアドレス指定の４次元、すなわち４
―Ｄ形態を介して制御回路によって有利に駆動可能である。 本発明のこの特徴およびその他の特徴は添付図面により、非限定的な例として
提供した好適実施形態についての以下の説明から明らかとなる。

【００１７】 ［発明を実施する最良の形態］ 図２を参照すれば、本発明による集積プリントヘッド（ヘッドと称す）２０は
、所定の順序でヘッド２０に配置され、媒体、例えば紙にインクを放出するのに
適した、所定数のノズル３１、例えば６２４個のノズルと、ノズル３１の選択的
な作動を制御するのに適した、図示していない、駆動回路すなわち制御回路にヘ
ッド２０を接続するのに適した所定数の接点２３とを含む。

【００１８】 例えば、ＮＭＯＳあるいはバイポーラ・タイプの集積回路から作られたヘッド
２０はまた、既知のタイプの所定数の作動群２４（図２、図３）、例えば２４対
（Ｍ）の作動群２４を含み、且つ本発明の主要な特徴の一つによれば、各々が１
個の作動群２４と関連した均等数のトランジスタ（ＳＷ_ANDトランジスタ）２５
を含む。

【００１９】 既知のタイプの各作動群２４は、所定数Ｎのトランジスタ（アレイ・トランジ
スタ）２２と、既知の方法でノズル３１からのインクを放出させるのに適した均
等数の感熱抵抗（抵抗と称す）２１とを含む。

【００２０】 例えば、４８の作動群を有する６２４個のノズルを備えたヘッド３１において
、Ｎは１３（４８＊１３＝６２４）に等しい。 既知のタイプの各アレイ・トランジスタ２２は、そのドレイン端子が抵抗２１
の２個の端子の一方に接続され、そのソース端子が同じ作動群２４に属するアレ
イ・トランジスタ２２のソースに共通に接続されており、そのゲート端子がアド
レス選択ライン（アドレス・ライン選択あるいはアドレスと称す）Ａ_I=1-Nに対
応する接点２３に接続されている。

【００２１】 論理信号を介して、かつ既知の方法で、制御回路は、アドレスＡ_Iを順に作動
させるのに適しており、その結果、全ての作動群２４のアレイ・トランジスタ２
２のＮゲートを作動させるのに適している。

【００２２】 異なる縦列に配置された一対の作動群２４に属する抵抗２１は、第２の端子を
共通に、プリミチブの電力送給ライン（プリミチブ選択、あるいはプリミチブと
称す）Ｐ_J=1-Mに対応する接点２３に接続している。

【００２３】 これらの接点Ｐ_Jによって、駆動回路は、アドレスＡ_Iが変動すると活動状態の
アドレスＡ_Iと給電されたプリミチブ構成とに対応するノズルからインクの放出
を作動させるように所定形態のプリミチブに給電するに適している。

【００２４】 既知のタイプの各ＳＷ_ANDトランジスタ２５は、ドレインを作動群２４に属す
るトランジスタ２２のソースに接続し、ゲートを同じ縦列（偶数あるいは奇数）
と、縦列選択ライン（縦列選択あるいは縦列と称す）Ｘ_K=1-Lに対応する接点２
３に属する全てのＳＷ_ANDトランジスタ２５に共通に接続している。

【００２５】 したがって、本発明の一つの特徴によれば、接点Ｘ_Kを介して駆動回路は順に
、かつ論理信号のみによって、ＳＷ_ANDトランジスタ２５のＭゲートを作動させ
、その結果、ノズル３１の偶数の縦列からの、あるいは奇数の縦列からのインク
の放出を作動させるのに適している。

【００２６】 好適実施形態において、所定の作動群２４のＳＷ_ANDトランジスタ２５のソー
スは同じプリミチブＰ_Jで、異なる縦列に属するＳＷ_ANDトランジスタ２５のソー
スと、隣接するプリミチブＰ_J+1に属するＳＷ_ANDトランジスタ２５のソースとに
、そして接地接続ＧＮＤ_G=1-M/2に対応する接点２３に接続されている。

【００２７】 各接地接続ＧＮＤ_G=1-M/2を介して、本発明の別の特徴によれば、駆動回路は
セクタ技術の専門家には明らかなように、最大で単一の作動電流の二倍、例えば
５００ｍＡ（２５０ｍＡ＊２）に等しい作動電流を接地するよう放電するのに適
している。

【００２８】 従って、本発明によるヘッド２０は、駆動回路が３−Ｄの方式で例えば６２４
のノズルの選択的な作動を、限定数の接点で、すなわち２４（Ｍ）＋１３（Ｎ）
＋２（Ｌ）＋１２（Ｍ／２）＝５１点、但しＭはプリミチブの数、Ｎはプリミチ
ブ当たりのアドレスの数、Ｌは縦列の数、Ｍ／２は接地接点の数、で単一の接地
接点ＧＮＤ_Gに低い接地電流を流すことにより制御できるようにする。

【００２９】 ここまで説明してきたプリントヘッド２０の作動は、駆動回路がどのようにプ
ログラム化されているかによって左右され、従って、後者について以下説明する
。

【００３０】 駆動回路は、接続Ｘ_Kを介して、かつ論理信号をＳＷ_ANDトランジスタ２５のゲ
ートに送ってプリミチブの縦列、例えば縦列Ｘ₁を作動させ、既知の３―Ｄヘッ
ドに関して既に説明したのと同様に、アドレスＡ_Iの走査が行われ、対応するプ
リミチブの構成が給電されるまで作動状態に保つ。

【００３１】 一旦、第１の縦列Ｘ₁のアドレスの走査が完了すると、駆動回路は、順次第１
の縦列を非作動と、接続Ｘ_Kを介して、かつＳＷ_ANDトランジスタ２５のゲートに
論理信号を送ってプリミチブの第２の縦列、例えば縦列Ｘ₂を作動させ、そのた
めアドレスＡ_Iに対して走査が実行され、第２の縦列に対する対応するプリミチ
ブの構成が給電される。

【００３２】 駆動回路は、順次プリミチブのＸ_K縦列を交互に作動させ、そのためヘッドの
対応するノズル３１によるインクの放出が作動する。 当然、ノズル３１の駆動回路による作動は、種々の方法、例えば選択した同様
のアドレスＡ_Iに対してノズルの縦列Ｘ_Kを交互に作動、非作動としたり、前述の
プリントヘッドの構造に対して何ら衝撃を加えることなく、プリミチブの対応す
る構成を変更することによって実行しうる。

【００３３】 前述したタイプの構造のお陰で、プリントヘッド２０はまた、接地接点ＧＮＤ _G=1-M/2 （接地選択）を介して、共通の接地を有するプリミチブの群の接地接続
を選択的に制御するように駆動回路を配備することによって４―Ｄモードで制御
することができる。

【００３４】 更に、好適実施形態においては２である接続Ｘ_Kの数Ｌは、本発明の精神から
何ら逸脱することなく増加させることができる。 例えば、前述したものと類似の構造により、プリミチブの数Ｍが２４であり、
プリミチブ当たりのアドレスの数Ｎが５であり、縦列５の数Ｌが５である６００
のノズルを備えたプリントヘッドを、２４（Ｍ）＋５（Ｎ）＋５（Ｌ）＋１２（
Ｍ／２）＝４６接点を使用し、当然（２４＊５＊５）６００ノズルを取得するこ
とによって作ることができる。

【００３５】 本発明によるプリントヘッド２０は、その列挙はすべてではないが、既知の技
術と比較して以下の通り取り戻しうる顕著な利点を有している。 ― ヘッドの配置は、特に接地導体に対しては重要でない、 ― 単一の要素のピーク電流が各対のトランジスタ、アレイ・トランジスタ２２
およびＳＷ_ANDトランジスタ２５を介して遷移し、従って、相互接続における電
圧低下が一定であり、消散した電力はアレイ・トランジスタ２２および直列のＳ
Ｗ_ANDトランジスタ２５の導通（Ｒ_ON）の間の全抵抗に専ら左右される、 ― 好適実施形態におけるように、４プリミチブ毎に１個の接地に対して余裕が
ある場合、各接地接点ＧＮＤ_Gにおける最大の電流は抵抗２１の作動電流の二倍
に対応する、 ― ヘッドの３―Ｄアドレス指定が、ＳＷ_ANDトランジスタのゲートにおける論
理レベルで実行され、従って、作動すべきプリミチブの縦列を選択させるための
接点Ｘ_Kは、既知の技術におけるように何らリスクの危険性に曝されない。

【００３６】 本発明の精神から逸脱することなく寸法、形状、材質、構成要素、回路要素、
接続および接点、また例示した回路や構造の詳細並びに作動方法に変更が可能な
ことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 既知の技術による３―Ｄ集積プリントヘッドの論理線図を示す。

【図２】 集積プリントヘッドの全体図を示す。

【図３】 本発明による集積ヘッドの回路要素の論理線図を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コンタ，レナート イタリア国イ−10015 イヴレア，ヴィ ア・ジェルヴィス 77，オリベッチ・レキ シコン・ソシエタ・ペル・アツィオーニ Ｆターム(参考） 2C057 AF93 AR05 AR14 AR17 BA03 BA13

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ― 各々の群（２４）が単一の横列と縦列のアドレスを有し
   ている、Ｍ横列とＬ縦列でのインク・ジェット構成要素（２１，２２）の群（２
   ４）のアレイと、 ― Ｍ横列およびＬ縦列のインク・ジェット構成要素（２１、２２）の群（２４
   ）のアレイのＭ横列の１個を選択する、群（２４）のアレイと関連した第１のア
   ドレス指定手段Ｐ_Jと、 ― Ｍ横列およびＬ縦列におけるインク・ジェット構成要素（２１、２２）の群
   （２４）のアレイのＬ縦列の１個を選択する、群（２４）のアレイに関連した第
   ２のアドレス指定手段Ｘ_Kと、 ― インク・ジェット構成要素（２１、２２）の各群（２４）におけるインク・
   ジェット構成要素（２１、２２）を選択する、群（２４）のアレイと関連した第
   ３のアドレス指定手段Ａ_Iとを含む集積プリントへッドにおいて、 ― インク・ジェット構成要素（２１、２２）の各群（２４）および第２のアド
   レス指定手段Ｘ_Kとに関連し、インク・ジェット構成要素（２１、２２）の群（
   ２４）のアレイにおけるＬ縦列の１個を選択するよう論理信号によって作動する
   のに適した論理手段（２５）を備えることを特徴とする集積プリントへッド。
2. 【請求項２】 前記論理手段（２５）が、インク・ジェット構成要素（２１
   、２２）の群（２４）に接続された端子と、接地に接続された端子と、前記第２
   のアドレス指定手段Ｘ_Kに接続された制御端子とを含むことを特徴とする請求項
   １に記載のプリントヘッド。
3. 【請求項３】 ― インク・ジェット構成要素（２１、２２）の群（２４）
   のアレイのＭ横列の１個以上の群Ｇを選択する、インク・ジェット構成要素（２
   １、２２）の群（２４）のアレイと関連した第４のアドレス指定手段ＧＮＤ_Gが
   設けられていることを特徴とする請求項１に記載のプリントへッド。
4. 【請求項４】 各群Ｇがインク・ジェット構成要素（２１、２２）の群（２
   ４）のアレイのＭ横列の２個の横列とＬ縦列とを含むことを特徴とする請求項３
   に記載のプリントヘッド。
5. 【請求項５】 ― 前記論理手段（２５）がインク・ジェット構成要素（２
   １、２２）の群（２４）に接続された端子と、第２のアドレス指定手段Ｘ_Kに接
   続された端子と、第４のアドレス指定手段ＧＮＤ_Gに接続された端子とを有する
   ことを特徴とする請求項３に記載のプリントヘッド。