JP2003503020A - バイオテクノロジーの適用のための迅速に増殖する微生物 - Google Patents

バイオテクノロジーの適用のための迅速に増殖する微生物

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JP2003503020A JP2001505670A JP2001505670A JP2003503020A JP 2003503020 A JP2003503020 A JP 2003503020A JP 2001505670 A JP2001505670 A JP 2001505670A JP 2001505670 A JP2001505670 A JP 2001505670A JP 2003503020 A JP2003503020 A JP 2003503020A
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coli
plasmid
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フレドリック アール. ブルーム,
ブライアン ジェイ. シュミット,
ジェイ−ジュ リン,
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インビトロジェン コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規の迅速に増殖する微生物、および核酸分子のクローニングまたはサブクローニングにおけるそれらの使用方法を提供する。本発明の迅速に増殖する微生物は、分子生物学において代表的に使用される微生物よりも迅速にコロニーを形成し、そして従って、分子生物学において広範囲に使用されるインビトロでのクローニング方法における顕著な改善を提供する。本発明はまた、本発明の方法において使用されるキットおよび組成物にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本願は、バイオテクノロジーの分野に関し、そして特に、クローニングおよび
タンパク質発現の分野に関する。
【0002】 (関連技術) 進行中のバイオテクノロジー革命を支持する基本的なプロセスは、DNA分子
のさらなる分析または使用のための、DNA分子のクローニングである。DNA
分子のクローニングは、何年もの間にわたって当該分野で行われている。代表的
なクローニングプロトコールは、所望されるDNA分子を同定すること、DNA
分子、ベクター、および適切なリガーゼ酵素の混合物中でDNA分子とベクター
とを連結することによって組換えベクターの集団を調製すること、コンピテント
な微生物中に組換えベクターの集団を形質転換すること、コロニーの形成を可能
にするために十分な時間にわたり微生物を増殖させること、ベクター中に正確に
連結された所望のDNA分子をおそらく含む微生物のコロニーを選択すること、
組換えベクターを単離するために、それぞれの選択されたコロニーの十分な量を
増殖させること、ベクターが所望されるDNA分子を含むことを確認するために
単離したベクターを分析すること、そして次いで、引き続き必要とされるいかな
る操作をも実施するために、正確な組換えベクターを含む微生物の十分な量を増
殖させることを包含する。種々のクローニング手順の詳細については、読者は、
特に、本明細書中で参考として援用されている、Sambrookら、1989
、Molecular Cloning:A Laboratory Manu
al、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory
Press、Cold Spring Herbor、NYを参照し得る。
【0003】 このような上記に概説されている代表的なクローニングプロトコールは、微生
物の増殖工程を含む、少なくとも3つの工程を包含する。これらの増殖工程は、
一般的には、12〜16時間を必要とし、そして通常は一晩のインキュベーショ
ンとして行われるので、DNAフラグメントのクローニングを含む実験の律速工
程は、微生物の増殖を必要とする工程である。基本的なクローニングの実施につ
いての多くのバリエーションが存在するが、実質的に全てのクローニング方法が
、微生物への目的のDNA分子の挿入、およびその微生物の増殖を必要とし、そ
して従って、実質的に全てのクローニング方法論の速度は、クローニングのため
に使用される微生物の増殖速度によって制限される。
【0004】 ほとんどのクローニングの適用について、選択される微生物は、Escher
ichia coli(E.coli)である。多数のE.coliの株が公知
であるが、ほとんどのクローニングの適用は、E.coli K−12株の1つ
または別の誘導体を使用する。これらの誘導体は、上記で考察した緩徐な増殖速
度に悩まされている。他の公知のE.coli株(例えば、E.coli W株
(ATCC9637)が、E.coli K12と比較した場合には迅速に増殖
するが、しかし、E.coli Wの野生型株および他の迅速に増殖する株は、
いくつかの理由のためにバイオテクノロジーの適用には適切ではない。第1に、
その微生物の遺伝学が、クローニングの適用に必要とされる詳細なレベルまで決
定されていない、従って、当業者は、微生物をバイオテクノロジーの適用に適切
であるようにさせる、多数の遺伝子の適切な改変を微生物のゲノムが含むかどう
かが分からない。例えば、微生物は、一般的には、プラスミド多量体の形成を導
くrecA+であり、そしてこれは、微生物を、プラスミドの単離を含む適用に
はあまり適切ではないようにさせる。微生物は、代表的には、多数のプロテアー
ゼ遺伝子を含み、そして過剰発現されたタンパク質を分解し得、それによって所
望されるタンパク質産物の収量を減少させる。微生物は代表的には、α相補を許
容しないlacオペロンを含み、従って、組換えベクターの同定がより困難であ
る。さらに、多くの微生物は、クローニングの適用に必須のプラスミド単離工程
を複雑にする、内因性プラスミドを含む。最後に、微生物は、外因性のプラスミ
ドの分解を引き起こし得る、ヌクレアーゼをコードする遺伝子を含み得る。
【0005】 多数のバイオテクノロジーの適用について、適用の開発における重要な工程は
、DNAの1つ以上のフラグメントをクローニングすることを含む。バイオテク
ノロジー産業の発展におけるクローニングの中心的な役割を考慮すると、クロー
ニングのプロセスを加速する試薬の必要性が、長期にわたって当該分野に存在し
ている。特に、所望の遺伝子型、および迅速な増殖速度を有し、そしてクローニ
ングプロセスを加速するために使用され得る微生物についての必要性が当該分野
において存在している。本発明は、この長期間にわたって残されている必要性を
満たす。
【0006】 (発明の簡単な要旨) 本発明は、バイオテクノロジーの適用に現在使用されている微生物と比較して
、迅速な増殖速度によって特徴付けられる、バイオテクノロジーの適用のための
微生物を提供する。詳細には、本発明は、好ましくは内因性プラスミドを欠失し
ており、従ってクローニングの適用に適切である、迅速に増殖する微生物を提供
する。本発明の微生物は、クローニングの適用において現在使用されている微生
物よりも早くコロニーを形成するので、本発明は、所望される核酸分子のクロー
ニングにおける改善を提供し、それによってより迅速な組換えベクターおよび目
的のクローンの同定および単離を可能にする。
【0007】 従って、本発明は、迅速に増殖する微生物を使用するクローニング方法を提供
する。この方法は、組換えベクターの集団を構築すること、組換えベクターの集
団を用いて、迅速に増殖し得るコンピテントな微生物を形質転換すること、目的
の1つ以上の組換えベクターを含有している形質転換された微生物を選択するこ
と、および/または形質転換された微生物から目的の1つ以上の組換えベクター
を単離することを伴なう。1つの実施形態においては、迅速に増殖する微生物は
、Escherichia属の微生物である。別の実施形態においては、迅速に
増殖する微生物はE.coliである。さらなる実施形態においては、迅速に増
殖する微生物は、E.coli W株である。好ましい実施形態においては、迅
速に増殖する微生物は内因性プラスミドを欠失する、E.coli W株である
。他の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、BRL3781
、BRL3784、およびそれらのrecA-誘導体からなる群より選択される
。本発明のクローニング方法は、必要に応じて、微生物の増殖速度を増大させる
ために、形質転換された微生物を、上昇した温度(例えば、37℃より高い温度
)で増殖させる工程を包含する。好ましい実施形態においては、形質転換された
微生物を、約42℃で増殖させ得る。
【0008】 本発明は、以下の工程を包含する、タンパク質またはペプチドを産生する方法
を提供する:目的のタンパク質またはペプチドをコードする遺伝子を含有する組
換えベクターを構築する工程;迅速に増殖し得るコンピテントな微生物中にベク
ターを形質転換する工程;および形質転換された微生物に上記のタンパク質また
はペプチドを産生させるような条件下で、この形質転換された微生物を培養する
工程。好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、Escheri
chia属の微生物である。別の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する
微生物はE.coliである。別の好ましい実施形態においては、迅速に増殖す
る微生物は、E.coli W株である。他の実施形態は、lonプロテアーゼ
を欠失している微生物を含む。いくつかの好ましい実施形態においては、微生物
は、T7 RNAポリメラーゼ(RNAP)をコードする遺伝子を保有する。他
の好ましい実施形態においては、T7 RNAP遺伝子は、塩誘導性プロモータ
ーの制御下にある。別の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は
、内因性プラスミドを含まない。
【0009】 本発明はまた、以下の工程を包含する、クローニングのための微生物を産生す
る方法を含む:内因性プラスミドを含有している迅速に増殖する微生物を得る工
程;および微生物の内因性プラスミドを取り除く(curing)工程。好まし
い実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、Escherichia属の
微生物である。別の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物はE.
coliである。別の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、
E.coli W株である。本発明の関連する局面においては、以下を含むがこ
れらに限定されない、任意の所望される改変または変異が、本発明の微生物にお
いて作製され得る:recA1/recA13またはrecAの欠失のようなr
ecA-遺伝子型、lacX74 lacZΔM15、または他のlacZの欠
失のようなα相補を可能にするlacZ-遺伝子型、Δlonおよび/もしくは
ompT-のようなプロテアーゼ欠損遺伝子型、endA1のようなエンドヌク
レアーゼマイナス遺伝子型、F’エピソームを含むことによってM13ファージ
感染に適切な遺伝子型、hsdR17(rk -、mk +)のような制限ネガティブ改
変ポジティブ遺伝子型、hsdS20(rB -、mB -)のような制限ネガティブ改
変ネガティブ遺伝子型、mcrAおよび/もしくはmcrBおよび/もしくはm
rrのようなメチラーゼ欠損遺伝子型、deoRのような大きなプラスミドの取
り込みに適切な遺伝子型、supEおよび/もしくはsupFのようなサプレッ
サー変異を含有している遺伝子型。他の適切な改変が、当業者に公知であり、そ
してこのような改変は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0010】 本発明は、以下の工程を包含する、迅速に増殖し得るコンピテントな微生物を
形質転換する方法を提供する:組換えベクターを得る工程;および迅速に増殖す
る微生物に組換えベクターを取りこませる条件下で、この組換えベクターと本発
明のコンピテントな微生物を接触させる工程。好ましい実施形態においては、迅
速に増殖する微生物は、Escherichia属の微生物である。別の好まし
い実施形態においては、迅速に増殖する微生物はE.coliである。別の好ま
しい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、E.coli W株である
。別の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、内因性ベクター
を欠失するE.coli W株である。本発明の方法は、必要に応じて、微生物
の増殖速度を増大させるために、形質転換された微生物を、上昇した温度(例え
ば、37℃より高い温度)で増殖させる工程を包含する。好ましい実施形態にお
いては、形質転換された微生物は、約42℃で増殖させ得る。
【0011】 本発明はまた、少なくとも1つの容器を収容し、かつ保持するように区画化さ
れている、キャリア(carrier)または入れ物(receptacle)
を備えるキットをみ、ここでは、容器は、迅速に増殖する微生物を含む。キット
は、必要に応じて、クローニングに適切なベクターをさらに備える。好ましい実
施形態においては、キットは、組換えクローニングに適切なベクターを備え得る
。好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、コンピテントであり
得る。いくつかの好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、化学
的コンピテントであり得る。他の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する
微生物は、電気的コンピテント(electrocompetent)であり得
る。いくつかの好ましい実施形態においては、本発明のキットは、制限酵素、リ
ガーゼ、および/またはポリメラーゼを含むがこれらに限定されない、酵素を備
え得る。他の好ましい実施形態においては、本発明のキットは、組換えクローニ
ングのための組換えタンパク質を備え得る。本発明のキットはまた、本発明の方
法を実行するための指示書またはプロトコールを備え得る。
【0012】 本発明は、迅速に増殖する微生物を含む組成物を包含する。好ましい実施形態
においては、迅速に増殖する微生物は、コンピテントな微生物であり得る。いく
つかの好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、化学的コンピテ
ントであり得る。他の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、
電気的コンピテントであり得る。本発明の組成物は、必要に応じて、緩衝液また
は緩衝化塩、1つ以上のDNAフラグメント、1つ以上のベクター、1つ以上の
組換えベクター、1つ以上の組換えタンパク質、および1つ以上のリガーゼから
選択される少なくとも1つの成分を含有する。好ましい実施形態においては、本
発明の組成物は、グリセロール溶液中の迅速に増殖する微生物を含み得る。他の
好ましい実施形態においては、本発明の組成物は、緩衝液中の迅速に増殖する微
生物を含み得る。好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、コンピテン
ス(competence)緩衝液中であり得る。他の好ましい実施形態におい
ては、本発明の組成物は、凍結乾燥した迅速に増殖する微生物を含み得る。
【0013】 本発明は、以下の工程を包含する、コンピテントな迅速に増殖する微生物を作
製する方法を含む:迅速に増殖する微生物を得る工程;迅速に増殖する微生物を
増殖させる工程;およびコンピテントにするように、迅速に増殖する微生物を処
理する工程。本発明のいくつかの実施形態においては、微生物を処理する工程は
、塩化カルシウムを含有している溶液と微生物を接触させることを包含し得る。
他の実施形態においては、処理工程は、微生物を水と接触させることを包含し得
る。本発明の実施形態は、迅速に増殖する微生物の内因性プラスミドを取り除く
工程を包含し得る。好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物はEs
cherichia属の微生物である。別の好ましい実施形態においては、迅速
に増殖する微生物はE.coliである。別の好ましい実施形態においては、迅
速に増殖する微生物はE.coli W株である。
【0014】 (発明の詳細な説明) (定義) 以下の記載においては、組換えDNA技術において使用される多数の用語が、
広範囲にわたって利用される。このような用語に対して与えられる範囲を含む、
明細書および特許請求の範囲の明確であり、かつ、より一貫した理解を提供する
ために、以下の定義が提供される。
【0015】 コンピテントな細胞またはコンピテントな微生物は、本明細書中で使用される
場合は、外因性のDNA分子を取り込みそして確立する能力を有している細胞ま
たは微生物をいう。コンピテントな細胞として、化学的な手段によってコンピテ
ントにされた細胞(すなわち、化学的コンピテント細胞)ならびに、低イオン強
度の緩衝液中への懸濁によってエレクトロポレーションについてコンピテントに
された細胞(すなわち、電気的コンピテント細胞)が挙げられるが、これらに限
定されない。
【0016】 発現ベクターは、本明細書中で使用される場合は、宿主細胞中への形質転換ま
たはトランスフェクションの後に、その中にクローン化されている遺伝子または
遺伝子の一部の発現を増強し得るベクターをいう。クローン化された遺伝子は、
通常は、プロモーター配列のような特定の制御配列の制御下に配置される(すな
わち、作動可能に連結される)。このようなプロモーターとして、ファージλP L プロモーターおよびE.coliのlac、trp、およびtacプロモータ
ー、T7プロモーター、およびバキュロウイルスポリへドロンプロモーターが挙
げられるが、これらに限定されない。他の適切なプロモーターが当業者に公知で
ある。
【0017】 遺伝子は、本明細書中で使用される場合は、細胞中で転写されるヌクレオチド
の配列をいう。この用語は、タンパク質および/またはペプチドをコードする配
列、ならびにこのようなタンパク質またはペプチドをコードしない他の配列を含
む。タンパク質をコードしない遺伝子の例として、tRNA、rRNAなどが挙
げられるが、これらに限定されない。遺伝子は、遺伝子の転写を制御するための
プロモーター配列を含む。遺伝子はまた、転写の量またはタイミングを調節する
他のDNA配列エレメントを含み得る。このような配列エレメントは、エンハン
サーなどを含むことが理解されるが、これに限定されない。
【0018】 細胞または微生物は、本明細書中で使用される場合、遺伝子操作され得る微生
物を含み、そしてこの用語は、用語「宿主細胞」および「宿主細胞株」と互いに
互換的に使用され得る。グラム陰性およびグラム陽性の両方の原核生物細胞が、
本発明に従って使用され得る。本発明に従って使用され得る代表的な原核生物宿
主細胞として、Escherichia sp.(特に、E.coli)、Kl
ebsiella sp.、Streptomyces sp.、Strept
ocococcus sp.Shigella sp.、Staphyloco
ccus sp.、Erwinia sp.、Klebsiella sp.、
Bacillus sp.(特に、B.cereus、B.subtilis、
およびB.megaterium)、Serratia sp.、Pseudo
monas sp.(特に、P.aeruginosaおよびP.syring
ae)、ならびにSalmonella sp.(特に、S.typhiまたは
S.typhimurium)の属の微生物のような微生物が挙げられるが、こ
れらに限定されない。もちろん、多くの適切な株が存在し、そしてそれぞれの宿
主細胞種の血清型が本明細書中に記載され、それらの全てが本発明に従って使用
され得ることが理解される。E.coliが宿主細胞として好ましく、そして特
に、E.coli W株に由来するE.coli株が好ましい。
【0019】 本明細書中で使用される場合は、特定の微生物の「誘導体」は、特定の微生物
から直接または間接的に得られた遺伝物質を含有している、子孫または他のレシ
ピエント微生物である。このような誘導体微生物は、例えば、特定の微生物から
遺伝物質を除去し、そして続いて別の微生物(すなわち、子孫または他のレシピ
エント微生物)中に任意の従来の方法(形質転換、結合体化、エレクトロポレー
ション、形質導入などを含むが、これらに限定されない)によってその遺伝物質
を導入することによって、形成され得る。誘導体は、微生物のゲノム中に1つ以
上の変異を導入することによって形成され得る。変異は、微生物のゲノム中への
挿入であり得る。あるいは、変異は、微生物のゲノムからの1つ以上の塩基の欠
失であり得る。いくつかの例においては、変異は、微生物のゲノム中の1つ以上
の塩基の変更であり得る。さらに、1つの微生物は、それが親の微生物のゲノム
を含むが、親の染色体外の核酸分子を含まない場合には、親の微生物の誘導体で
ある。従って、内因性ベクターを親株から取り除くことによって産生された株は
、親株の誘導体である。本発明の微生物中に取りこまれ得る変異または他の遺伝
的な変更の例として、以下を作製する変異または変更が挙げられるが、これらに
限定されない:recA1/recA13またはrecAの欠失のようなrec
-遺伝子型、lacX74 lacZΔM15または他のlacZ欠失のよう
なα相補を可能にするlacZ-遺伝子型、Δlonおよび/もしくはompT^ のようなプロテアーゼ欠損遺伝子型、endA1のようなエンドヌクレアーゼマ
イナス遺伝子型、F’エピソームを含むことによってM13ファージ感染に適切
な遺伝子型、hsdR17(rk -、mk +)のような制限ネガティブ改変ポジティ
ブ遺伝子型、hsdS20(rB -、mB -)のような制限ネガティブ改変ネガティ
ブ遺伝子型、mcrAおよび/もしくはmcrBおよび/もしくはmrrのよう
なメチラーゼ欠損遺伝子型、deoRのような大きなプラスミドの取り込みに適
切な遺伝子型、supEおよび/もしくはsupFのようなサプレッサー変異を
含有している遺伝子型。他の適切な改変が当業者に公知であり、そしてこのよう
な改変は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0020】 挿入物(単数または複数)は、本明細書中で使用される場合は、1つ以上の所
望される核酸セグメントをいう。
【0021】 単離することは、本明細書中で使用される場合は、所望される材料、成分、ま
たは組成物を、単離されている材料、成分、または組成物の一部ではない他の材
料、混入物などから少なくとも部分的に分離することを意味する。例えば、「組
換えベクターを単離すること」は、細胞、組織、器官、または生物体中で結合し
得る他の核酸分子(例えば、大きな核酸分子)の少なくとも一部を除去するため
のような方法において、組換えベクターを含有している細胞、組織、器官、また
は生物体を処理することを意味する。しかし、当業者に明らかであるように、単
離された組換えベクターを含有している溶液は、1つ以上の緩衝塩および/また
は溶媒(例えば、水またはアセトン、エタノール、メタノールなどのような有機
溶媒)を含み得、そしてなおも核酸分子はその出発物質に関して「単離された」
核酸分子と考えられ得る。
【0022】 プラスミドは、本明細書中で使用される場合は、安定な染色体外の遺伝的なエ
レメントをいう。
【0023】 プロモーターは、本明細書中で使用される場合は、別のDNA配列からの転写
を制御するDNA配列をいう。プロモーターは、一般的には、遺伝子の5’領域
として記載されており、そしてこれは開始コドンに対して近位に習慣的に配置さ
れている。隣接するDNAセグメントの転写は、プロモーター領域で開始される
。抑制可能なプロモーターの転写速度は、抑制剤に応答して減少させられる。誘
導性のプロモーターの転写速度は、誘導剤に応答して増大する。構成性のプロモ
ーターの転写速度は、特別には調節されないが、これは、一般的な代謝条件の影
響下で変化し得る。
【0024】 迅速に増殖する微生物は、本明細書中で使用される場合は、分子生物学的な適
用において代表的に使用されるE.coli K−12に由来する株よりも迅速
に増殖する微生物をいう。迅速に増殖する微生物は、迅速には増殖しない微生物
よりも早く個々の細胞から規定された大きさのコロニーを生じる。一般的には、
迅速に増殖する微生物は、参照微生物の増殖速度よりも5%、10%、25%、
50%、75%、100%、150%、200%大きい増殖速度のような、増大
した増殖速度を有する。増殖速度におけるより大きな増大が、比較される微生物
に依存して含まれ得る。好ましい参照株は、E.coli MM294(ATC
C33625)のような株である。他の適切な参照株として、DH5αおよびD
H10B(Life Technologies,Rockville,MD)
、ならびにクローニングの適用において慣用的に使用されている任意の他の株が
挙げられる。本発明はまた、E.coli W、より詳細には、本明細書中に記
載される特定のE.coli W株と比較した場合に、5%、10%、25%、
50%、75%、100%、150%、200%大きい増殖速度のような増大し
た増殖速度を有する任意の微生物を意図する。以下に示す例においては、本発明
の迅速に増殖する微生物は、ある抗生物質に対する耐性を付与するプラスミドで
の形質転換の後で、その抗生物質を含有しているLBプレート上で1mmの直径
のコロニーに増殖するために必要である時間の比較によって、同定された。
【0025】 本発明の迅速に増殖する微生物はまた、参照株の倍加時間に対する、推定の迅
速に増殖する微生物の倍加時間の比較によっても同定され得る。本発明の迅速に
増殖する微生物は、公知の株よりも早い倍加時間を有する。当業者は、標準的な
技術を使用して微生物の倍加時間を決定し得る。
【0026】 微生物が迅速に増殖する微生物であるかどうかを決定することにおいては、増
殖速度が、好ましくは、同じまたは同様の遺伝子型を有している参照株に対して
比較される。例えば、recA-である推定の迅速に増殖する微生物は、rec
-の参照株に対して比較されるべきである。当業者には、recA-微生物が同
等なrecA+微生物よりも遅い増殖速度を有し得ることが明らかである。
【0027】 組換え微生物は、本明細書中で使用される場合は、組換えベクター、クローニ
ングベクター、または任意のDNA分子中に所望されるクローン化された遺伝子
を含有している任意の微生物をいう。用語「組換え微生物」はまた、宿主染色体
またはゲノム上に所望される遺伝子を含むように遺伝子操作されている宿主細胞
を含むことを意味する。
【0028】 組換えベクターは、本明細書中で使用される場合は、ベクターに対して内因性
ではないDNAのフラグメントを含有している任意のベクターを含む。
【0029】 ベクターは、本明細書中で使用される場合は、挿入物に対して有用な生物学的
または生化学的特性を提供する、核酸分子(好ましくは、DNA)をいう。例と
して、プラスミド、ファージ、ウイルス、自律複製配列(ARS)、セントロメ
ア、トランスポゾン、およびインビトロまたは宿主細胞中で複製が可能であるか
または複製されるか、あるいは宿主細胞中の所望の位置に所望される核酸セグメ
ントを移動させる他の配列が挙げられる。ベクターは、配列がベクターの必須の
生物学的な機能を損なうことなく決定可能な様式で切断され得、そしてその中に
核酸フラグメントがその複製およびクローニングをもたらすようにスプライシン
グされ得る、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し得る。ベクター
はさらに、プライマー部位(例えば、PCRのため)、転写および/または翻訳
の開始および/または調節部位、組換えシグナル、レプリコン、選択マーカーな
どを提供し得る。明らかに、相同組換え、転座、または制限酵素(例えば、PC
RフラグメントのUDGクローニング(米国特許第5,334,575号(その
全体が本明細書中で参考として援用されている))、T:Aクローニングなどで
あるが、これに限定されない)の使用を必要としない所望される核酸フラグメン
トを挿入する方法もまた、本発明に従って使用されるクローニングベクター中に
フラグメントをクローン化するために適用され得る。クローニングベクターはさ
らに、クローニングベクターで形質転換される細胞の同定における使用に適切な
1つ以上の選択マーカーを含み得る。
【0030】 本発明は、本明細書中で参考として特に援用されている、米国特許第5,88
8,732号に開示されているような、組換えクローニングに適切なベクターを
用いて使用され得る。この目的のためのベクターは、1つ以上の操作された認識
部位を含み得る。組換えクローニングに適切なベクターは、直線状であり得るか
または環状であり得る。直線状である場合は、ベクターは、少なくとも1つの組
換え部位によって分離されたDNAセグメントを含み得る。環状である場合には
、ベクターは、少なくとも2つの組換え部位によって分けられたDNAセグメン
トを含み得る。1つの実施形態においては、ベクターは第1のDNAセグメント
および第2のDNAセグメントを含み得る。ここでは、第1または第2のセグメ
ントは、選択マーカーを含み得る。他の実施形態においては、ベクターは、第1
のDNAセグメントおよび第2のDNAセグメントを含み得、第1または第2の
セグメントは、毒性の遺伝子を含む。他の実施形態においては、ベクターは、第
1のDNAセグメントおよび第2のDNAセグメントを含み得、第1または第2
のDNAセグメントは少なくとも1つの選択マーカーの不活性なフラグメントを
含む。ここでは、選択マーカーのフラグメントは、選択マーカーの別の不活性な
フラグメントと、第1または第2の組換え部位を交差させて組換えられた場合に
、機能的な選択マーカーを再構成し得る。
【0031】 本発明に従うと、任意のベクターが使用され得る。詳細には、当該分野で公知
でありそして市販されるベクター(およびその改変体または誘導体)が、本発明
に従って使用され得る。このようなベクターは、例えば、Vector Lab
oratories Inc.、InVitrogen、Promega、No
vagen、NEB、Clontech、Boehringer Mannhe
im、Pharmacia、EpiCenter、OriGenes Tech
nologies Inc.,Stratagene、Perkin Elme
r、Pharmingen、Life Technologies,Inc.、
およびResearch Geneticsから得ることができる。このような
ベクターは、目的の核酸分子のクローニングまたはサブクローニングのために使
用され得、従って、挿入物、核酸フラグメント、または遺伝子を含んでいる組換
えベクターもまた、本発明に従って使用され得る。特定の目的のベクターの一般
的なクラスとして、原核生物および/または真核生物のクローニングベクター、
発現ベクター、融合ベクター、ツーハイブリッドまたは逆ツーハイブリッドベク
ター、種々の宿主における使用のためのシャトルベクター、変異誘発ベクター、
組換えクローニング転写ベクター、大きな挿入物を受容するためのベクター(酵
母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、およびP1人工染色体(
PAC))などが挙げられる。目的の他のベクターとして、ウイルス起源のベク
ター(M13ベクター、細菌のファージλベクター、バキュロウイルスベクター
、アデノウイルスベクター、およびレトロウイルスベクター)、高、低、および
調節可能なコピー数のベクター、単一の宿主と組合せた使用に適合可能なレプリ
コンを有するベクター(例えば、pACYC184およびpBR322)、およ
び真核生物のエピソーム複製ベクター(例えば、pCDM8)が挙げられる。本
発明によって意図されるベクターとして、挿入されたかまたはさらなる核酸フラ
グメントまたは配列を含有しているベクター(例えば、組換えベクター)、なら
びに本明細書中に記載されている任意のベクターの誘導体または改変体が挙げら
れる。
【0032】 本発明に従って有用な発現ベクターとして、染色体、エピソーム、およびウイ
ルスに由来するベクター(例えば、細菌のプラスミドまたはバクテリオファージ
に由来するベクター、およびそれらの組合せによって誘導されるベクター(例え
ば、コスミドおよびファージミド))が挙げられ、そして好ましくは、少なくと
も1つの選択マーカー(例えば、テトラサイクリン耐性遺伝子またはアンピシリ
ン耐性遺伝子)および1つ以上のプロモーター(たとえば、ファージλPLプロ
モーター、および/またはE.coli lac、trp、およびtacプロモ
ーター、T7プロモーター、およびバキュロウイルスのポリへドロンプロモータ
ー)を含む。他の適切なプロモーターが当業者に公知である。
【0033】 本発明における使用に好ましいベクターの中には、以下が含まれる:Qiag
enから入手可能な、pQE70、pQE60、およびpQE−9;Strat
ageneから入手可能な、pBSベクター、Phagescriptベクター
、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、
pNH46A;InVitrogenから入手可能な、pcDNA3;Phar
maciaから入手可能な、pGEX、pTrxfus、pTrc99a、pE
T−5、pET−9、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、p
RIT5;ならびにLife Technologies,Inc.から入手可
能な、pSPORT1、pSPORT2、およびpSV・SPORT1。他の適
切なベクターが、当業者に容易に明らかである。
【0034】 本明細書中で使用される組換えDNA技術、ならびに分子および細胞生物学の
分野で使用される他の用語が、適用可能な分野の当業者によって一般的に理解さ
れる。
【0035】 本発明は、当該分野で現在使用されている微生物よりも迅速な増殖速度によっ
て特徴付けられるバイオテクノロジーの適用のための新規の微生物を提供する。
グラム陰性およびグラム陽性の両方の原核生物細胞が使用され得る。本発明の微
生物は、当業者に公知の微生物の任意の属の微生物であり得る。微生物の好まし
い特徴は、迅速な増殖速度、および外部から適用されたDNAで形質転換され、
そしてそれを維持する能力、特に、組換えベクターで形質転換されそしてそれを
維持する能力である。好ましい実施形態においては、本発明に従って使用され得
る宿主細胞として、Escherichia sp.(特に、E.coli)、
Klebsiella sp.、Streptomyces sp.、Stre
ptocococcus sp.Shigella sp.、Staphylo
coccus sp.、Erwinia sp.、Klebsiella sp
.、Bacillus sp.(特に、B.cereus、B.subtili
s、およびB.megaterium)、Serratia sp.、Pseu
domonas sp.(特に、P.aeruginosaおよびP.syri
ngae)、ならびにSalmonella sp.(特に、S.typhiま
たはS.typhimurium)属の微生物のような微生物が挙げられるが、
これらに限定されない。好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、Es
cherichia属の微生物である。他の好ましい実施形態においては、本発
明の微生物はE.coli種の微生物である。好ましい実施形態においては、本
発明の微生物は、E.coli W株の微生物である。別の好ましい実施形態に
おいては、本発明は、内因性ベクターを含まないE.coli Wの誘導体を含
む。他の好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、E.coli K、
B、またはC株であり得る。
【0036】 本発明の微生物は、公知の細菌株に対する比較によって同定され得る。一般的
には、比較は、Escherichia coli K−12の1つまたは別の
誘導体に対して行われ得る。参照株として役立ち得る周知の株は、E.coli
MM294(ATCC33625)である。他の適切な参照株として、特に本
明細書中に記載されているE.coli株が挙げられる。従って、本発明は、本
発明のE.coli W株と比較した場合に、同じ速度またはより早い速度で増
殖する任意の微生物を意図する。このような比較は、コロニーを形成するまでの
時間および/または倍加時間を含む、当業者に公知の任意の手段によって行われ
得る。
【0037】 本発明の微生物は、好ましくは、それらが比較され得る株よりも迅速にコロニ
ーを形成する。詳細には、本発明の微生物は、先行技術の微生物よりも抗生物質
耐性遺伝子を含有しているベクターでの形質転換後に、抗生物質耐性コロニーを
より迅速に形成する。本発明の微生物を同定するために、可能性のある候補の微
生物と参照株とが、並行して、適切な固体のプレート(好ましくは、当業者に公
知の寒天培地プレート)上で拡げられる。適切な固体のプレートの選択および調
製は、当業者の能力の範囲内である。適切なプレートは、アメリカンタイプカル
チャーコレクションによって推奨されている培地、または候補の微生物の培養に
適切な他の培地を使用して、調製され得る。あるいは、液体培地中での倍加時間
の比較が、使用され得る。
【0038】 プレートは、必要に応じて、抗生物質を含み得る。例えば、コンピテントな参
照株が、コンピテントな推定の迅速に増殖する微生物に対して比較される。両方
の微生物が、形質転換体に対して抗生物質耐性を付与するベクターで形質転換さ
れ得る。形質転換後、2つの微生物が、並行して抗生物質プレート上で拡げられ
得、そして適切な温度でインキュベートされ得る。特定の直径の抗生物質耐性コ
ロニーを出現するまでの時間が、決定され得る。本発明の迅速に増殖する微生物
は、クローニング適用のために現在使用される微生物よりも迅速に特定の大きさ
の抗生物質耐性コロニーを形成する。プレートは、同じ温度でインキュベートさ
れ、そして特定の大きさのコロニーを形成するまでの時間が決定される。以下の
実施例においては、1mmの直径の大きさのコロニーが使用された;しかし、任
意の大きさが選択され得、そして使用され得る。参照生物よりも早い速度で特定
された大きさに達する微生物が、迅速に増殖する生物と考えられる。
【0039】 本発明はまた、本発明の迅速に増殖する微生物を使用するクローニング方法を
含む。所望の挿入物を含有している組換えベクターの集団が、当該分野で公知の
技術を使用して構築され得る。例えば、目的のDNAが、フラグメントを生成す
るように1つ以上の制限酵素を用いて消化され得る。フラグメントは、アガロー
スゲル上で精製され得る。ベクターは、適切な制限酵素での消化によって調製さ
れ得る。ベクターはさらに、アルカリホスファターゼ、DNAポリメラーゼのK
lenowフラグメントのような他の酵素で処理され得、そしてゲルで精製され
得る。DNAフラグメントは、組換えベクターの集団を生成するように適切なリ
ガーゼ酵素を使用してベクター中に連結される。
【0040】 組換えベクターの集団を産生するための他の方法が使用され得る。例えば、組
換えベクターの集団は、組換えクローニングによって産生され得る。第1および
第2の組換え部位が隣接している目的のDNAを含有している挿入物のドナー分
子が、調製される。ここでは、第1および第2の組換え部位は、互いには組み換
わらない。挿入物のドナー分子は、第3および第4の組換え部位を含有している
ベクタードナー分子と接触させられる。ここでは、第3および第4の組換え部位
は互いには組み換わらない。挿入物のドナー/ベクターのドナーの混合物がさら
に、第1の組換え部位と第3の組換え部位との間、および/または第2の組換え
部位と第4の組換え部位との間での組換えを触媒し得る1つ以上の部位特異的な
組換えタンパク質と接触させられ、それによって組換えが生じることを可能にし
、そして組換えベクターの集団を作製する。
【0041】 一旦構築されると、組換えベクターの集団は、コンピテントな、迅速に増殖す
る微生物中に、当業者に公知の微生物中へのベクターの導入のための多くの技術
のうちの任意の1つを使用して導入される。形質転換された微生物が増殖させら
れ、そして組換え微生物(すなわち、ベクターを含有している微生物)が選択さ
れる。1つの実施形態においては、微生物の遺伝子型は、α補完によるスクリー
ニングに適切であり、そして選択工程は、β−ガラクトシダーゼの色素生成性基
質(例えば、X−gal)を含有している固体のプレート上での青色/白色スク
リーニングの使用を含み得る。ベクターが組換え微生物から単離され、そして目
的のDNAの存在について分析される。
【0042】 本発明はまた、本発明の迅速に増殖する微生物を利用する所望されるタンパク
質またはペプチドを産生する方法を含む。この方法は、所望されるタンパク質を
コードする遺伝子を含有している組換えベクターを構築する工程、ベクターをコ
ンピテントな迅速に増殖し得る微生物中に形質転換する工程、および形質転換さ
れた微生物が所望のタンパク質を産生する条件下でこの形質転換された微生物を
培養する工程を包含する。組換えベクターは、上記の方法論を使用して構築され
得る。1つの実施形態においては、組換えベクターは、所望されるタンパク質を
コードする遺伝子からの転写を制御するための誘導性のプロモーターを含む。他
の好ましい実施形態においては、微生物のゲノムは、誘導性のプロモーターの制
御下にT7 RNAポリメラーゼの遺伝子を含む。他の好ましい実施形態におい
ては、T7 RNAポリメラーゼの発現を制御するプロモーターは、増殖培地に
対する塩の添加によって誘導可能である。好ましい実施形態においては、迅速に
増殖する微生物は、Escherichia属の微生物である。他の好ましい実
施形態においては、迅速に増殖する微生物はE.coliである。他の好ましい
実施形態においては、迅速に増殖する微生物は、E.coli W株である。別
の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は内因性プラスミドを含
まない。他の好ましい実施形態においては、微生物の遺伝子型は、プロテアーゼ
および/またはリボヌクレアーゼをコードする1つ以上の遺伝子を不活化するよ
うに変更されている。1つのこのような好ましい実施形態においては、迅速に増
殖する微生物は、機能的なlonプロテアーゼおよび/または機能的なompT
プロテアーゼを含まない。他の好ましい実施形態においては、本発明の迅速に増
殖する微生物は、機能的なrnaE遺伝子および/または機能的なrnaI遺伝
子を含まない。他の好ましい実施形態においては、微生物は、機能的なlonプ
ロテアーゼおよび/または機能的なompTプロテアーゼを含まず、そしてrn
aE遺伝子および/またはrnaI遺伝子によってコードされる機能的なリボヌ
クレアーゼを含まない。
【0043】 本発明はまた、少なくとも1つの容器を収容し、かつ保持するように区画化さ
れている、キャリアまたは入れ物を備えたキットを包含する。ここでは、容器は
迅速に増殖する微生物を含む。キットは、必要に応じてさらに、クローニングに
適切なベクターを含む。好ましい実施形態においては、キットは、組換えクロー
ニングに適切なベクターを含み得る。必要に応じて、本発明のキットは、クロー
ニングに有用な酵素を含み得る。好ましい実施形態においては、キットは、1つ
以上の組換えタンパク質を含み得る。好ましい実施形態においては、迅速に増殖
する微生物はコンピテントであり得る。いくつかの好ましい実施形態においては
、迅速に増殖する微生物は化学的コンピテントであり得る。他の好ましい実施形
態においては、迅速に増殖する微生物は電気的コンピテントであり得る。
【0044】 本発明は、迅速に増殖する微生物を含有している組成物を含む。好ましい実施
形態においては、迅速に増殖する微生物は、コンピテントな微生物であり得る。
いくつかの好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は化学的コンピ
テントであり得る。他の好ましい実施形態においては、迅速に増殖する微生物は
、電気的コンピテントであり得る。本発明の組成物は、必要に応じて、緩衝液ま
たは緩衝化塩、1つ以上のDNAフラグメント、1つ以上のベクター、1つ以上
の組換えベクター、1つ以上の組換えタンパク質、および1つ以上のリガーゼか
ら選択される少なくとも1つの成分を含有し得る。好ましい実施形態においては
、本発明の組成物は、グリセロール溶液中に迅速に増殖する微生物を含み得る。
他の好ましい実施形態においては、本発明の組成物は、緩衝液中に迅速に増殖す
る微生物を含み得る。好ましい実施形態においては、本発明の微生物は、コンピ
テンス緩衝液中に存在し得る。他の好ましい実施形態においては、本発明の組成
物は、凍結乾燥された迅速に増殖する微生物を含み得る。
【0045】 本明細書中に記載されている方法および適用に対する他の適切な改変および適
応が明らかであり、そして本発明の範囲またはその任意の実施形態を逸脱するこ
となく行われ得ることが、関連する分野の当業者に容易に明らかである。本明細
書中で本発明は詳細に記載されているが、本発明は、上記の実施例を参照してよ
り明確に理解される。上記の実施例は、本発明の説明の目的のためにのみ本明細
書中に含まれ、そして本発明を限定することは意図されない。
【0046】 (実施例1) (株の構築) 全ての株(表1に列挙する)を、バクテリオファージP1によって媒介される
形質導入(特に本明細書中で参考として援用されている、Jeffrey Mi
ller、Experiments in Molecular Geneti
cs,Cold Spring Harbor Laboratories,1
972)を通じて構築した。P1形質導入技術を用いる使用に適切なTn10挿
入物を含有しているE.coli株は、University of Wisc
onsinから入手することができる。この作業の親株は、アメリカンタイプカ
ルチャーコレクション(Manassas,VA)から入手したATCC963
7と命名されたE.coli W株であった。受容させた単離物は、バクテリオ
ファージP1に対して耐性であった。従って、ATCC9637を、バクテリオ
ファージP1Cmtsでの感染によってP1感受性の表現型に転換させた。P1
Cmtsは、温度感受性のリプレッサーを含みそしてクロラムフェニコール耐性
遺伝子を含む、バクテリーファージP1誘導体である。このバクテリオファージ
は30℃でP1溶原菌を形成するが、より高い温度(>37℃)では細胞溶解性
の増殖をする。E.coli W ATCC9637をバクテリーファージP1
Cmtsと混合し、そしてクロラムフェニコール耐性コロニー(これは、PaC
m溶原菌である)を30℃でLBクロラムフェニコールプレート上で選択した。
クロラムフェニコール耐性株を、42℃で生存しているコロニーの選択によって
P1溶原菌を取り除いた。生存しているコロニーは、ここでは、クロラムフェニ
コール感受性である。次いで、ATCC9637(BRL3234)のP1感受
性の誘導体を、全ての続く作業に使用した。
【0047】 (実施例2) (E.coli W endA-の構築) BRL3234のコンピテントな細胞を、特に本明細書中で参考として援用さ
れている、米国特許第4,981,797号に記載されている、Hanahan
の方法(Doug Hanahan,J.Mol.Biol.166、557、
1983)の改変によって調製した。コンピテントな細胞を、pCM301プラ
スミドDNA(Tuckerら、1984、Cell 38(1):191−2
01)で形質転換した。このプラスミドは、複製について温度感受性である。形
質転換体を、30℃でアンピシリンプレート上で選択した。pCM301プラス
ミドのBRL3234への導入によって、以下に記載するようなendA-誘導
体の同定を補助した。
【0048】 バクテリオファージP1virを、E.coli株DB2上で増殖させた。こ
の株は、nupG::Tn10トランスポゾンに連結されたendA-変異を含
む。DB3.2上で増殖させたP1溶解物を、BRL3234/pCM301を
感染させるために使用し、テトラサイクリン耐性について選択した。次いで、t
etrコロニーを、ミニプレップDNAの調製後に、形質導入体がpCM301
DNAを分解する能力を決定することによって、連結されたendA-変異に
ついてスクリーニングした。プラスミドDNAを分解するこれらの形質導入体は
endA+であり、そしてpCM301プラスミドDNAを分解しない形質導入
体は、endA-であった。テトラサイクリン耐性である、BRL3234/p
CM301のendA-誘導体を、BRL3573と命名した。pCM301を
欠失しているBRL3573の誘導体を、42℃でLBプレート上にBRL35
73を画線し、そしてアンピシリン感受性についてコロニーをスクリーニングす
ることによって選択した。
【0049】 BRL3573のアンピシリン感受性の誘導体を、BRL3574と命名した
。nupG::Tn10トランスポゾンを、フザリン酸を含有しているLBプレ
ートを使用してBRL3574から取り除いた(Stanley Maloyお
よびWilliam Nunn、J.Bacteriol.145:1110、
1981)。BRL3574の1つのテトラサイクリン感受性誘導体を、BRL
3580と命名した。BRL3580は、E.coli W endA-である
【0050】 (実施例3) (BRL3582 recA- E.coli Wの構築) P1Cm溶解物を、BRL3229上で増殖させた。BRL3229は、re
cA中の欠失変異に対して連結されたTn10トランスポゾンを含む。P1溶解
物を、BRL3580を形質導入するために使用し、そしてテトラサイクリン耐
性形質導入体を、20μg/mLのテトラサイクリンを含有しているLBプレー
ト上で30℃で選択した。形質導入体を、LBテトラサイクリンプレート上で一
旦再精製し、次いで4μg/mLのニトロフラントインを含有しているLBプレ
ート上でニトロフラントインに対する感受性または耐性についてスクリーニング
した。recA+株はニトロフラントインに対して耐性であるが、recA
は、ニトロフラントインに対して感受性である(S JenkinsおよびP.
Bennett J.,Bacteriol.125:1214、1976)。
BRL3580の1つのテトラサイクリン耐性のニトロフラントイン感受性誘導
体を、BRL3582と命名した。
【0051】 (実施例4) (天然のプラスミドを欠失している、E.coli W誘導体の単離) ATCC9637およびATCC9637に由来する全ての株(BRL358
0まででありそしてBRL3580を含む)は、2つのプラスミドを含む。小さ
い方のプラスミドは約5.5kbであり、そして大きい方のプラスミドは>50
kbである。5.5kbのプラスミドを、Lofstrand Labs(Ga
ithersburg,MD)によってATCC9637から調製した。このプ
ラスミドの制限地図を、図1に提供する。
【0052】 制限地図は、アンピシリンに対する耐性を付与する遺伝子を導入するために使
用され得るクリーニング部位を提供した。アンピシリン耐性遺伝子を、プラスミ
ドpTrcN2、pProEX−1誘導体(Life Technologie
s,Rockville MD)から単離した。アンピシリン耐性遺伝子の供給
源は重要ではない。以下のプロトコールでpProEX−1を用いて作業し、そ
してこのプロトコールは、アンピシリン耐性遺伝子の供給源として使用したプラ
スミドに依存して当業者によって改変され得る。1μgのプラスミドpTrcN
2を、BspH1(New England Biolabs)で消化し、そし
て末端をKlenow(Life Technologies,Inc)で埋め
た。アンピシリン耐性遺伝子を含有している1008bpのDNAフラグメント
を、アガロースゲル電気泳動によって精製した。5.5kbのプラスミドを、S
maI(New England Biolabs)で消化し、次いで温度感受
性のアルカリホスファターゼであるTsAP(Life Technologi
es,Inc)で処理した。DNAを混合し、T4DNAリガーゼ(Life
Technologies,Inc)で処理し、そしてコンピテントなME D
H10B細胞(Life Technologies,Inc)中に形質転換し
た。アンピシリン耐性コロニーを、100μg/mLのアンピシリンを含有して
いるLBプレート上で選択した。いくつかのアンピシリン耐性コロニーを、一晩
の培養において増殖させ、そしてプラスミドDNAを調製し、そしてアガロース
ゲル上での電気泳動によって分析した。全てのアンピシリン耐性クローンが、6
.5kbの分子量のプラスミドを有することを見出した。プラスミドを含有して
いるDH10B細胞(Wampと命名した)を、BRL3709と命名した。
【0053】 Wampプラスミドを、BRL3580(E.coli W endA-)の
コンピテントな細胞中に形質転換し、アンピシリン耐性について選択した。BR
L3580、ならびに5個のアンピシリン耐性の形質転換換体を、100μg/
mLのアンピシリンを含有しているLB培地中で37℃で増殖させ、そしてプラ
スミドDNAを単離し、そしてアガロースゲル電気泳動によって分析した。BR
L3580に由来するプラスミドDNAは、5.5kbの分子量を有したが、ア
ンピシリン耐性形質転換体は、6.5kbの分子量のプラスミドDNAを有した
。このことは、アンピシリン耐性遺伝子の約1kbが、5.5kbのプラスミド
中に導入されて6.5kbのプラスミドを生じたことを示す。さらに、アンピシ
リン耐性遺伝子を含有している6.5kbのプラスミドが、5.5kbのプラス
ミドと置き換わった。両方のプラスミドが同じ複製起点を含んでいたので、この
ことは予想された結果である。6.5kbのWampプラスミドを含有している
E.coli W誘導体を、BRL3711と命名した。BRL3580および
BRL3711の両方ともがまた、より大きな分子量(>50kb)のプラスミ
ドを含んだ。
【0054】 (実施例5) (6.5kbのWampプラスミドを取り除いたBRL3711) BRL3711を、SDSを含有しているLBブロス中での増殖によって、W
ampプラスミドを取り除いた。SDSは、E.coli株からプラスミドを取
り除くために使用される化合物として、文献において周知である(A.Bhar
athiおよびH.Polasa、FEMS Microbiol.Lett,
84:37、1991、Susana Rosos,Aldo Calzola
ri,Jose La Torre,Nora Ghittoni、ならびに、
Cesar Vasquez,J.Bacteriol 155:402、19
83)。BRL3711を、10%のSDSを含有しているLBブロス中で30
℃で増殖させた。培養物が定常期に到達した後、培養物を、第2回目のサイクル
のために新しいLB+10%のSDS中に1:1000に希釈した。第2回目の
サイクルの後、生存している細胞を30℃でLBプレート上にプレートし、そし
てコロニーをアンピシリンに対する感受性についてスクリーニングした。1つの
単離物をBRL3718と命名し、これがアンピシリンに対して感受性であるこ
とを見出した。このことは、6.5kbのプラスミドが取り除かれたことを示す
。BRL3711およびBRL3718に由来するミニプレップDNAによって
、BRL3711が小さい方のプラスミドおよび大きい方のプラスミドの両方を
有するが、BRL3718は大きい方のプラスミドだけを有することを確認した
【0055】 (実施例6) (抗生物質耐性遺伝子を含有している大きい方のプラスミドの誘導体の調製) 大きい方のプラスミドを欠失しているE.coli W誘導体を単離するため
に、抗生物質耐性遺伝子を、New England BioLabsによるG
enome Primer Systemsを使用して大きい方のプラスミド中
に導入した。大きい方のプラスミドを、標準的なアルカリ−SDS溶解手順を使
用してBRL3781から単離した(J.Sambrook,E.F.Frit
sch,およびT.Maniatis.1989 Molecular Clo
ning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press.Cold Sp
ring Herbor NY.)。Genome Primimg Syst
emを、製造業者によって提供される説明書に従って使用した。
【0056】 約80ngの標的プラスミドDNAを、20μLの反応系で20ngのドナー
プラスミドDNAと混合した。1つのドナープラスミドであるpGSP1は、カ
ナマイシン(Km)に対する耐性を付与する遺伝子を提供する。第2のドナープ
ラスミドであるpGSP2は、クロラムフェニコール(Cm)に対する耐性を付
与する遺伝子を提供する。最終的な反応物を水中に1:10に希釈し、そしてE
Max DH10B細胞(Life Technologies,Inc.)に
エレクトロポレーションした。20μLの細胞を1μLの希釈した反応物と混合
し、そして細胞−DNAの混合物を420V、4000Ω、2.4kV、160
00kV/cmで電気泳動した。10μLを1mLのSOC中に37℃で1時間
発現させた。100μLの発現混合物を、pGPS1反応については10μg/
mLのカナマイシンを含有しているLBプレート、またはpGPS2反応につい
ては12.5μg/mLのクロラムフェニコールを含有しているLBプレートの
いずれかにプレートした。それぞれの反応物から8個の形質転換体を分析した。
全部の16個のコロニーに由来するプラスミドDNAが、BRL3718から単
離したプラスミドDNAとほぼ同じ位置に、アガロースゲル上に移動した高分子
量のプラスミドを有した。さらに、プラスミドDNAのいくつかを、再度EMa
x DH10B細胞中にエレクトロポレーションし、そしてDH10B細胞に対
してカナマイシンまたはクロラムフェニコールのいずれかに対する耐性を付与す
ることを示した。このことによって、カナマイシンまたはクロラムフェニコール
のいずれかに対する耐性を付与する遺伝子が、BRL3718に由来する高分子
量のプラスミド中に導入されていると結論付けた。カナマイシンに対する耐性を
付与する高分子量のプラスミドを含有しているDH10B細胞を、BRL372
6と命名した。クロラムフェニコールに対する耐性を付与する高分子量のプラス
ミドを含有しているDH10B細胞を、BRL3727と命名した。
【0057】 (実施例7) (欠失プラスミドの構築) BRL3726株(高MWのプラスミド+Kmrマーカーを含有しているDH
10B)に由来するプラスミドDNAを調製した。2つの別々の反応において、
1μgのプラスミドDNAを、0.5および0.1ユニットの制限酵素Sau3
AI(Life Technologies,Inc.)で、37℃で15分間
、部分的に消化した。反応物をフェノール/クロロホルムで抽出し、そしてエタ
ノールで沈殿させた。それぞれの反応物からのDNAを、T4DNAリガーゼ(
Life Technologies,Inc)を使用して連結させ、そしてコ
ンピテントなME DH5α細胞(Life Technologies,In
c)中に形質転換した。コロニーを、20μg/mLのカナマイシンを含有して
いるLBプレート上で37℃で選択した。化学的コンピテントな細胞を使用した
。なぜなら、これらは、電気的コンピテント細胞ほど高分子量のプラスミドDN
Aを効率良く取りこまないからである。
【0058】 10個のカナマイシン耐性(0.1Uの反応による)コロニーに由来するプラ
スミドDNAを、アガロースゲル電気泳動によって分析した。欠失プラスミドD
NAの大きさは、約4.5〜15kbの範囲であり、そしてプラスミドを欠失1
〜欠失10と命名した。これらのプラスミドを含有しているDH5α細胞を、B
RL3740−1〜BRL3740−10と命名した。
【0059】 (実施例8) (高分子量のプラスミドDNAを取り除いたBRL3718) BRL3718の化学的コンピテント細胞を、米国特許第4,981,797
号に従って改変された、Hanahanの方法(Hanahan,D.,198
3 J.Mol.Biol.166、557)の改変によって調製した。BRL
3718の化学的コンピテント細胞を、BRL3740−1(欠失1、約8kb
)およびBRL3740−3(欠失3、約10kb)から単離したプラスミドD
NAで形質転換し、そしてカナマイシン耐性コロニーを、20μg/mLのカナ
マイシンを含有しているLBプレート上で37℃で選択した。それぞれの形質転
換体に由来する4個のコロニーを、単一のコロニー単離のために20μg/mL
のカナマイシンを含有しているLBプレート上に37℃で画線した。プラスミド
DNAを、4個の単一のコロニー単離物から単離し、そしてアガロースゲル電気
泳動によって分析した。
【0060】 高分子量のプラスミドDNAは、BRL3718から調製したミニプレップD
NA中で容易に明らかであった。しかし、カナマイシン耐性形質転換体から調製
したプラスミドDNAは、高分子量のプラスミドDNAの存在を示さなかった。
むしろ、BRL−3740−1(約8kb)およびBRL−3740−3(約1
0kb)に特有の分子量を有するプラスミドDNAを容易に見ることができた。
これにより、BRL3718への欠失1および欠失3プラスミドDNAの形質転
換によって、欠失1および欠失3のDNAでの、高分子量のプラスミドDNA(
>50kb)の置換が生じたと結論付けた。これは、予想される結果であった。
なぜなら、高分子量のプラスミドDNA、欠失1プラスミドDNA、および欠失
3プラスミドDNAは全て、同じ複製起点を共有するからである。欠失1および
欠失3プラスミドDNAを含有しているBRL3718誘導体を、BRL374
1およびBRL3742とそれぞれ命名した。
【0061】 (実施例9) (Kmrプラスミドを取り除いたBRL3741および3742) BRL3741およびBRL3742を、10%のSDSを含有しているLB
ブロス中で一晩、30℃で増殖させた。培養物を、10%のSDSを含有してい
るLBブロス中に1:1000に希釈し、そして再び30℃でインキュベートし
た。30℃での2回のサイクル後、これらの培養物の希釈物(1:104および
1:106)を、LBプレート上に塗布し、30℃でインキュベートし、そして
カナマイシンに対する感受性についてスクリーニングした。BRL3741につ
いては、15/50のコロニーがカナマイシンに対して感受性であり、一方、B
RL3742に由来する9/50のコロニーが、カナマイシンに対して感受性で
あった。BRL3741の2個のカナマイシン感受性誘導体およびBRL374
2の2個のカナマイシン感受性誘導体に由来するプラスミドDNAを単離し、そ
してアガロースゲル電気泳動によって分析した。欠失プラスミドに対応するプラ
スミドDNAはゲル上では観察されなかった。欠失1プラスミドを取り除いたB
RL3741誘導体を、BRL3756と命名した。欠失3プラスミドを取り除
いたBRL3742誘導体を、BRL3757と命名した。
【0062】 (実施例10) (BRL3756およびBRL3757のコンピテントな細胞) BRL3741、BRL3742、BRL3756、およびBRL3757の
化学的コンピテント細胞を、米国特許第4,981,797号に従って改変され
た、Hanahanの方法(Hanahan,D.,1983 J.Mol.B
iol.166、557)に従って調製した。BRL3741およびBRL37
42を、20μg/mLのカナマイシンを含有しているLBプレート上に画線し
、そしてプレートを28℃で20時間インキュベートした。BRL3756(1
)、BRL3756(2)、BRL3757(1)、およびBRL3756(2
)を、LBプレート上に画線し、そしてプレートを28℃で20時間インキュベ
ートした。それぞれの株の5〜6個のコロニーを1mLのSOB培地(D.Ha
nahan J.Mol.Biol.166:557、1983)中に採取した
。0.9mLの細胞を、500mLのバッフルを取り付けた(baffled)
振盪フラスコ中の60mLのSOB培地中に接種した。フラスコを250rpm
の28℃のインキュベーター中に配置した。550nmでのDOが0.25〜0
.33に到達したときに、細胞を回収した。それぞれの株の50mLの細胞を遠
心分離し(4℃)、そして細胞を、4mLの冷却したCCMB80緩衝液中に再
懸濁した(特に本明細書中で参考として援用されている、D.Hanahan、
J.JesseeおよびF.Bloom Methods in Enzymo
logy 204:63、1991)。細胞を、20分間氷上に静置させた。2
20μLをNUNCバイアル中に配置し、そして細胞をドライアイスエタノール
浴中で凍結させた。細胞を−70℃で保存した。
【0063】 (実施例11) (アンピシリン耐性コロニーになるまでの時間の評価) コンピテントな細胞(ATCC9637、BRL3718、BRL3741、
BRL3742、BRL3756,およびBRL3757)のバイアルを、20
分間氷上で融解させた。100μLの細胞を、pUC19(10pg/μLを5
μL=50pg)と冷却したFalcon2059チューブ中で混合した。細胞
を、15分間氷上に静置させた。細胞を45秒間42℃で熱ショックを与え、続
いて2分間氷上でインキュベートした。0.9mLの室温のSOCをそれぞれの
チューブに添加し、そしてチューブを37℃(250rpm)で30分間振盪さ
せた。発現混合物のアリコートを、100μg/mLのアンピシリンを含有して
いるLBプレート上にプレートし、そしてプレートを42℃または37℃のいず
れかでインキュベートした。1mmのコロニーが出現するまでの時間を表2に示
す。37℃では、1mmの大きさのアンピシリン耐性コロニーになるには7.8
時間から8.2時間の間を必要とし、そして5.5kbのプラスミドおよび>5
0kbのプラスミドの両方を含有している株(ATCC9637)、>50kb
のプラスミドのみを含有している株(BRL3718)、小さい方のカナマイシ
ン耐性プラスミドを含有している株(BRL3741および3742)、または
プラスミドを含有していない株(BRE3756および3757)の間で、時間
に有意差は存在しなかった。実際、42℃では、1mmの大きさのコロニーにな
るためには、試験した全ての株について7.7時間を必要とした。このことによ
って、E.coli W中でのプラスミド存在または非存在は、形質転換後にコ
ロニーが出現するまでの時間には有意な影響を与えないと結論付けた。
【0064】 (実施例12) (BRL3734の構築) BRL3718の電気的コンピテント細胞を、Hanahanら、Metho
ds in Enzymology 第204巻、63頁(1991)に記載さ
れているプロトコールの改変に従って調製した。BRL3727単離物である4 6 に由来するDNAを、BRL3718にプラスミドを導入するために使用した
。20μLの細胞を1μLのDNAと混合し、そして細胞−DNA混合物を、2
50V、2000Ω、1.44kV、9.6kV/cmで、Life Tech
nologies Cell−Poratorでエレクトロポレーションした。
10μLを、1mLのSOCで60分間37℃で発現させ、そして発現させたも
のを12.5μg/mLのクロラムフェニコールを含有しているLBプレート上
にプレートした。24時間後、コロニーを再度精製し、そして分析した。ミニプ
レップDNAは、BRL3718中に見出されるプラスミドとほぼ同じ大きさの
分子量を有するプラスミドを含んだ。クロラムフェニコール耐性の高分子量のプ
ラスミドを含有しているE.coli W株を、BRL3734と命名した。
【0065】 (実施例13) (高分子量のプラスミドDNAを取り除いたBRL3734) BRL3734の化学的コンピテント細胞を、米国特許第4,981,797
号に従って改変した、Hanahanの方法(Hanahan,D.,1983
J.Mol.Biol.166、557)に従って調製した。BRL3734
の化学的コンピテント細胞を、BRL3740−1(欠失1、約8kb)および
BRL3740−3(欠失3、約10kb)から単離したプラスミドDNAで形
質転換し、そしてカナマイシン耐性コロニーを、20μg/mLのカナマイシン
を含有しているLBプレート上で37℃で選択した。それぞれの形質転換体に由
来する4個のコロニーを、単一のコロニー単離のために20μg/mLのカナマ
イシンを含有しているLBプレート上に37℃で画線した。プラスミドDNAを
、4個の単一のコロニー単離物から単離し、そしてアガロースゲル電気泳動によ
って分析した。高分子量のプラスミドDNAは、BRL3734から調製したミ
ニプレップDNA中で容易に明らかであった。しかし、カナマイシン耐性形質転
換体から調製したプラスミドDNAは、高分子量のプラスミドDNAの存在を示
さなかった。むしろ、BRL−3740−1(約8kb)およびBRL−374
0−3(約10kb)に特有の分子量を有するプラスミドDNAを容易に見るこ
とができた。さらに、欠失1および欠失3プラスミドを含有しているBRL37
34を、所望のプラスミドDNAの存在または非存在を確認するために、Km
20μg/mLを含有しているLBプレートおよびCm 12.5mg/mLを
含有しているLBプレート上で単一のコロニーの単離のために画線した。LB+
Cm 12.5μg/mLのプレート上では増殖は観察されなかったが、単一の
コロニー単離物の形成が、Km 20μg/mLのプレート上で観察された。こ
れにより、BRL3734への欠失1および欠失3プラスミドDNAの形質転換
によって、欠失1および欠失3のDNAでの、高分子量のプラスミドDNA(>
50kb)の置換が生じたと結論付けた。これは、予想される結果であった。な
ぜなら、高分子量のプラスミドDNA、欠失1プラスミドDNA、および欠失3
プラスミドDNAは全て、同じ複製起点を共有するからである。欠失1および欠
失3プラスミドDNAを含有しているBRL3734誘導体を、BRL3745
およびBRL3746とそれぞれ命名した。
【0066】 (実施例14) (Kmrプラスミドを取り除いたBRL3745および3746) BRL3745およびBRL3746を、10%のSDSを含有しているLB
培地中で一晩、30℃で増殖させた。培養物を、10%のSDSを含有している
LB培地中に1:1000に希釈し、そして再び30℃でインキュベートした。
30℃での2回のサイクル後、これらの培養物の希釈物(1:106)を、LB
プレート上に塗布し、30℃でインキュベートし、そしてカナマイシンに対する
感受性についてスクリーニングした。BRL3745については、22/100
のコロニーがカナマイシンに対して感受性であり、一方、BRL3742に由来
する1/100のコロニーが、カナマイシンに対して感受性であった。3個のB
RL3745のカナマイシン感受性誘導体および1個のBRL3746のカナマ
イシン感受性誘導体に由来するプラスミドDNAを単離し、そしてアガロースゲ
ル電気泳動によって分析した。
【0067】 欠失1および欠失3プラスミドに対応するプラスミドDNAは、除去後にはゲ
ル上では観察されなかった。欠失1プラスミドを取り除いたBRL3745誘導
体を、BRL3762と命名した。欠失3プラスミドを取り除いたBRL374
6誘導体を、BRL3763と命名した。
【0068】 (実施例15) (BRL3762およびBRL3763のコンピテント細胞) BRL3745、BRL3746、BRL3762、およびBRL3763の
コンピテント細胞を、米国特許第4,981,797号に従って改変された、H
anahanの方法に従って化学的に調製した(Hanahan,D.,198
3 J.Mol.Biol.166,557)。BRL3745およびBRL3
746を、20μg/mLのカナマイシンを含有しているLBプレート上にスト
リーク(streak)し、そしてプレートを28℃で20時間インキュベート
した。BRL3762(1)、BRL3762(2)、およびBRL3763(
1)を、LBプレート上にストリークし、そしてプレートを28℃で20時間イ
ンキュベートした。それぞれの株に由来する5〜6個のコロニーを1mLのSO
B培地(D.Hanahan J.Biol.Chem.166:557、19
83)中に採取した。0.9mLの細胞を、500mLの激しく振盪させたフラ
スコ中の60mLのSOB培地中に接種した。フラスコを250rpmの28℃
のインキュベーター中に配置した。550nmでのODが0.25〜0.33に
到達した時に、細胞を回収した。それぞれの株の50mLの細胞を遠心分離し(
4℃)、そして細胞を、4mLの冷却したCCMB80緩衝液中に再懸濁した(
D.Hanahan、J.JesseeおよびF.Bloom Methods
in Enzymology 204:63、1991)。細胞を、20分間
氷上に静置させた。220μLをNUNCバイアル中に配置し、そして細胞をド
ライアイスエタノール浴中で凍結させた。細胞を−70℃で保存した。
【0069】 (実施例16) (アンピシリン耐性コロニーに対する時間の評価) コンピテント細胞(ATCC9637、BRL3734、BRL3745、B
RL3746、BRL3762、およびBRL3763)の1つのバイアルを、
20分間氷上で融解させた。100μLの細胞をpUC19(5μLの10pg
/μL=50pg)と、冷却したFalcon2059チューブ中で混合した。
細胞を、15分間氷上に静置させた。細胞を45秒間42℃で熱ショックを与え
、続いて2分間氷上でインキュベートした。0.9mLの室温のSOCをそれぞ
れのチューブに添加し、そしてチューブを37℃で30分間振盪(250rpm
)させた。発現混合物のアリコートを、100μg/mLのアンピシリンを含有
しているLBプレート上にプレートし、そしてプレートを42℃または37℃の
いずれかでインキュベートした。1mmのコロニーが出現するまでの時間を表3
に示す。37℃では、1mmのサイズのアンピシリン耐性コロニーになるには8
時間を必要とし、そして5.5kbのプラスミドおよび50kbよりも大きなプ
ラスミドの両方を含有している株(ATCC9637)、50kbよりも大きな
プラスミドのみを含有している株(BRL3734)、小さい方のカナマイシン
耐性プラスミドを含有している株(BRL3745および3746)、またはプ
ラスミドを含有していない株(BRL3762および3763)の間で時間には
有意な差異は存在しなかった。42℃では、1mmのサイズのコロニーになるた
めには、試験した全ての株について7.3時間を必要とした。このことによって
、E.coli W中でのプラスミド存在または非存在は、形質転換後にコロニ
ーが出現するまでの時間には有意な影響を与えないと結論付けた。さらに、表3
および4のデータは、42℃でのLBアンピシリンプレートのインキュベーショ
ンが、37℃でインキュベートしたプレートよりも約0.5時間早いアンピシリ
ン耐性コロニーの出現を生じることを示す。
【0070】 (実施例17) (野生型のE.coli WとE.coli K−12との比較) Escherichia coliの株である、ATCC9637(W)、B
RL3582(E.coli W endA srl::Tn10 recA
1398)、およびATCC33625(MM294)のコンピテント細胞を
、米国特許第4,981,797号に従って改変された、Hanahanの方法
に従って調製した(Hanahan,D.,1983 J.Mol.Biol.
166、557)。コンピテント細胞を、CCMB80緩衝液(Hanahan
,D、Jessee,J.,およびBloom,F.R.、1991、Meth
ods in Enzymology 204,63)を使用して調製した。最
大効率の(Max Efficiensy)DH5αのコンピテント細胞を、L
ife Technologies,Inc.から入手した。
【0071】 コンピテント細胞を、20分間氷上で融解させた。100μLの細胞をpUC
19または50pgのpBR322 DNAを用いて形質転換した。細胞−DN
A混合物を30分間氷上に静置させ、そして次いで、45秒間42℃で熱ショッ
クを与えた。次いで、チューブを2分間氷上に置いた。0.9mLのSOC(H
anahan、1983)をそれぞれのチューブに添加し、次いでチューブを3
7℃で1時間、250rpmで振盪させた。適切な希釈物を、100μg/mL
のアンピシリンを含有しているLBプレート上に広げ、そしてプレートを37℃
でインキュベートした。1mmのコロニーが出現するまでの時間単位での時間を
測定し、そして表4に示す。ATCC9637は、別のrecA+株であるAT
CC33625のついての約10時間と比較して、8〜8.5時間でコロニーを
生じた。recA-株もまた、比較した。BRL33625は、DH5αについ
ての16時間と比較して、約10時間でコロニーを生じた。
【0072】 (実施例18) (上昇させた温度での形質転換した微生物の増殖) 先の実施例に記載されるプロトコールを使用して、上昇させた温度での増殖の
影響を分析した。42℃でのLBアンピシリンプレート上での形質転換した微生
物のインキュベーションによっては、37℃でインキュベートしたプレートと比
較して0.5〜1時間早いコロニーの出現が生じた。Circle Grow(
Bio101)によって作製され、そして100μg/mLでのアンピシリンを
含有しているプレート上への細胞のプレーティングによって、100μg/mL
でアンピシリンを含有しているLBプレート上でのコロニーの出現と比較して、
0.5〜1時間早いコロニーの出現が生じた。従って、上昇させた温度の使用お
よび/または富化させた増殖培地の使用は、本発明の微生物の増大した増殖速度
を促進し得る。
【0073】 (実施例19) (プラスミドを取り除いたE.coli Wの誘導体の調製) プラスミドを取り除いたE.coli Wの単離物(例えば、BRL3762
、BRL3763、BRL3756、またはBRL3757)を、バイオテクノ
ロジーの適用のために所望される遺伝子型を有している誘導体を構築するために
使用する。上記のP1形質導入技術を使用して、1つ以上の有用な遺伝子の変更
を有している株を調製する。有用な遺伝子の改変として、以下が挙げられる:r
ecA1/recA13またはrecAの欠失のようなrecA-遺伝子型、l
acX74 lacZΔM15、または他のlacZ欠失のようなα相補を可能
にするlacZ-遺伝子型、Δlonおよび/もしくはompT-のようなプロテ
アーゼ欠損遺伝子型、endA1のようなエンドヌクレアーゼマイナスの遺伝子
型、F’エピソームを含むことによるM13ファージ感染に適切な遺伝子型、h
sdR17(rk -、mk +)のような制限ネガティブ改変ポジティブ遺伝子型、h
sdS20(rB -、mB -)のような制限ネガティブ改変ネガティブ遺伝子型、m
crAおよび/もしくはmcrBおよび/もしくはmrrのようなメチラーゼ欠
損遺伝子型、deoRのような大きなプラスミドの取り込みのために適切な遺伝
子型、supEおよび/もしくはsupFのようなサプレッサー変異を含有して
いる遺伝子型。他の適切な改変が、当業者に公知であり、そしてこのような改変
は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0074】 好ましい実施形態においては、本発明の迅速に増殖する微生物は、α相補を可
能にする改変されたlacオペロンを含む。α相補を支持するために、ゲノムの
β−ガラクトシダーゼ遺伝子のN末端領域に欠失を導入することが必要である。
最初に、lacX74変異を、Tn10挿入物に対して連結されたlacX74
変異を含むBRL3759について調製した溶解物を用いるP1形質導入によっ
て、BRL3756およびBRL3757に導入した。lacX74挿入物を含
有している株は、Tn10挿入の結果としてテトラサイクリン耐性である。株を
テトラサイクリンを含有しているプレート上で選択し、そして得られた株を、B
RL3760(BRL3756に由来する)およびBRL3761(BRL37
57に由来する)と命名した。株を、フザリン酸の存在下での増殖によってTn
10挿入物を取り除き、そして得られたlacX74変異を含有しているテトラ
サイクリン感受性株を、BRL3766およびBRL769と命名した。これら
の株を、上記に開示されているようなHanahanの改変された方法を使用し
てコンピテントにし、次いでβ−ガラクトシダーゼ遺伝子のαフラグメントを含
有しているプラスミドで形質転換した。プラスミドを含有している株を、trp
遺伝子中のTn10挿入物に連結させたφ80dlacZΔM15欠失変異を保
有しているE.coli株に対して調製した溶解物を使用して形質導入した。t
rp遺伝子の挿入の結果として、この変異を保有している株は増殖培地中でトリ
プトファンを必要とする。テトラサイクリン耐性株を選択し、そしてBRL37
76(BRL3756からBRL3760を経由してBRL3766までの株に
由来する)およびBRL3778(BRL3757からBRL3761を経由し
てBRL3769までの株に由来する)と命名した。これらの株は、lacX7
4 φ80dlacZΔM15 trp::Tn10である。野生型のtrp遺
伝子を回復させるために、株BRL3776およびBRL3778を、E.co
li DH5αに対して調製したP1溶解物を用いて形質導入し、そしてトリプ
トファンを含まない最少培地上で選択した。これらの株は、αフラグメントを含
有しているプラスミドを自発的に取り除き、そして最終的にα相補株であるBR
L3781(BRL3776に由来する)およびBRL3784(BRL377
8に由来する)を単離した。これらの株は、lacX74 φ80dlacZΔ
M15である。BRL3781およびBRL3784を、Agricultur
al Research Service Culture Collecti
on(NRRL、1815、North University Street
、Peoria、Illinois、61064)に1999年6月17日に寄
託した。寄託は、ブダペスト条約のもとで行った。BRL3781には、登録番
号NRRL No.B−30143号が与えられ、そしてBRL3784には登
録番号NRRL No.B−30144が与えられている。
【0075】 当業者は、本発明の迅速に増殖する微生物のゲノムに対する他の改変が、上記
の技術を使用して可能であることを理解する。Tn10挿入物に対して連結され
た所望される変異を含有しているE.coliは、当業者に周知である供給源か
ら容易に入手可能である。所望される変異は、P1形質導入を使用して迅速に増
殖する微生物のゲノム中に挿入され得、次いでTn10がフザリン酸の存在下で
の増殖によって取り除かれ得る。
【0076】 好ましい実施形態においては、本発明の迅速に増殖する微生物は、誘導性のT
7ポリメラーゼ遺伝子を保有する。好ましい実施形態においては、T7ポリメラ
ーゼ遺伝子は、特に本明細書中で参考として援用されている、Bhandari
ら、J.Bacteriology,179(13):4403−4406、1
997によって記載されているような塩誘導性のプロモーターの制御下にある。
T7ポリメラーゼ遺伝子は、proU遺伝子座の塩誘導性のプロモーターの制御
下にあり得る。あるいは、T7ポリメラーゼ遺伝子は、他の塩誘導性のプロモー
ターの制御下にあり得る。他の適切な誘導性のプロモーターとして、lacプロ
モーター、trpプロモーター、tacプロモーター、ならびに当業者に公知の
任意の他の誘導性のプロモーターが挙げられる。適切なプロモーターの選択およ
び所定のプロモーターの制御下にT7ポリメラーゼを保有している株の構築は、
十分に当業者の能力の範囲内である。必要に応じて、誘導性のT7ポリメラーゼ
遺伝子を含有している実施形態は、1つ以上のプロテアーゼ遺伝子における変異
、および1つ以上のリボヌクレアーゼ遺伝子における変異を含み得る。このよう
な変異は、上記の方法を使用してゲノム中に挿入され得る。
【0077】 (実施例20) (迅速に増殖する微生物の同定) 他の微生物を、迅速に増殖する株を同定するためにスクリーニングする。スク
リーニングする単離物を、適切な固体の培地上にプレートし、そして定義したコ
ロニーのサイズにまで増殖させる。定義したコロニーのサイズに到達するまでの
時間を、E.coli Kまたは本明細書中に記載する他の株が同じコロニーの
サイズに到達するまでに要する時間に対して比較する。スクリーニングする微生
物として、Escherichia sp.(特に、E.coli、そしてより
詳細には、E.coli B、C、W,およびK株)、Klebsiella
sp.、Streptomyces sp.、Streptocococcus
sp.Shigella sp.、Staphylococcus sp.、
Erwinia sp.、Klebsiella sp.、Bacillus
sp.(特に、B.cereus、B.subtilis、およびB.mega
terium)、Serratia sp.、Pseudomonas sp.
(特に、P.aeruginosaおよびP.syringae)、ならびにS
almonella sp.(特に、S.typhiまたはS.typhimu
rium)の属の微生物のような微生物が挙げられるが、これらに限定されない
。抗生物質耐性を与えるプラスミドが微生物内に形質転換されて、上記の技術を
使用してスクリーニングされる。形質転換した微生物を、次いで、抗生物質を含
有している固体の培地上にプレートし、次いで定義されたサイズのコロニーが観
察されるまで適切な温度でインキュベートする。
【0078】 (実施例21) (迅速に増殖する微生物を使用するクローニング) 上記で同定した迅速に増殖する微生物を、DNAフラグメントをクローン化す
るために使用し得る。所望される配列を有しているDNA挿入物を含有している
組換えベクターの集団を、上記のように構築する。ベクターは、抗生物質耐性遺
伝子をコードするDNA配列を含み得、そして/または1つ以上のマーカー遺伝
子を含み得る。組換えベクターの集団を、任意の従来技術によってコンピテント
にされた迅速に増殖する微生物中に形質転換する。例えば、微生物を、上記で議
論したHanahanの技術を使用して化学的な手段によってコンピテントにす
る。あるいは、微生物を、増殖培地を回収し、そして微生物を低イオン強度の培
地中に置くことによってエレクトロポレーションについてコンピテントにする。
微生物が外部から適用されたDNA(および特に組換えプラスミド)を取りこむ
ことを可能にするコンピテント微生物を作製するための任意の方法が、本発明の
実施に適切である。
【0079】 コンピテント微生物を、コンピテント微生物中への組換えベクターの取り込み
を生じるために適切な条件下で組換えベクターの集団のいくつかまたは全てと接
触させる。適切な条件として、熱ショックが挙げられ得る。例えば、細胞と組換
えベクターの集団との混合物を、42℃で45秒間加熱する。あるいは、適切な
条件として、微生物と組換えベクターとの混合物を電場に供することが挙げられ
得る。
【0080】 組換えベクターが微生物によって取り込まれた後、微生物は、抗生物質耐性遺
伝子の発現を可能にするために十分な時間にわたり増殖させられる。任意のこの
ような時間の後、組換えベクターを含有している微生物を、適切な抗生物質を含
有しているプレート上に広げ、そしてコロニーが可視になるまでインキュベート
する。好ましい実施形態においては、プレートを、約4時間から約16時間の間
インキュベートする。他の好ましい実施形態においては、プレートを、約4時間
から約8時間の間インキュベートし、そして他の好ましい実施形態においては、
プレートを約4時間から約6時間の間インキュベートする。好ましい実施形態に
おいては、インキュベーション工程を、組換えプラスミドを含有している微生物
が37℃で増殖するよりも迅速にそれが増殖する37℃よりも高い温度で行う。
別の好ましい実施形態においては、インキュベーション工程を、42℃で行う。
【0081】 コロニーが可視になった後、コロニーのいくつかまたは全てを、液体培地中で
増殖させるために選択する。選択プロセスは、任意の従来の手段によるものであ
り得る。好ましい実施形態においては、微生物およびベクターはα相補が可能で
あり、そして選択は、IPTGの存在下でのX−galプレート上での青色/白
色スクリーニングによるものである。他の好ましい実施形態においては、選択は
、ベクター上に存在するマーカー遺伝子の存在または非存在を検出することによ
るものである。適切なマーカー遺伝子として、ルシフェラーゼをコードする遺伝
子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、お
よびβ−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子が挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0082】 選択したコロニーを、分析のために適切な組換え微生物の量を産生するために
十分な時間の間、液体培地中で増殖させる。組換えベクターを微生物から単離す
る。好ましい実施形態においては、液体培地中での増殖時間は、約2時間から約
16時間である。他の好ましい実施形態においては、液体培地中での増殖時間は
、約2時間から約8時間であり、そして他の好ましい実施形態においては、液体
培地中での増殖時間は、約2時間から約4時間である。
【0083】 組換えベクターを、任意の従来の手段によって単離する。好ましい実施形態に
おいては、組換えベクターを、アルカリ溶解「ミニプレップ」技術によって単離
する。必要に応じて、単離には、カラム精製工程を使用し得る。単離したベクタ
ーを、例えば、1つ以上の制限酵素での事前のプラスミドの消化を伴うかまたは
それを伴わないプラスミドのアガロースゲル電気泳動による、任意の従来技術に
よって分析する。他の適切な技術として、プラスミドの配列決定が挙げられる。
プラスミドのDNA配列を決定するための技術が、当業者に周知である。
【0084】 本発明は、理解を明確にする目的のための説明および実施例の方法によって本
明細書中でいくらか詳細に完全に記載されているが、同じものが、本発明または
その任意の特異的な実施形態の範囲を逸脱することなく、広範でありそして同等
の範囲の条件、処方物、および他のパラメーター内で本発明を改変しそして変更
することによって行われ得ることが、当業者に明らかである。そしてこのような
改変または変更が、添付の特許請求の範囲内に含まれるように意図されることが
、当業者に明らかである。
【0085】 本明細書中で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願が、本発明が関
係する当業者のレベルの指標であり、そしてそれらのそれぞれの刊行物、特許、
または特許出願が本明細書中で詳細かつ個々に参考として援用される場合と同じ
程度まで、本明細書中で参考として援用される。
【0086】 (表1:実験において使用された株の一覧表)
【0087】
【表1】 (表2:pUC19DNAを用いた形質転換後のアンピシリン耐性コロニーに
対する時間単位における時間)
【0088】
【表2】 (表3:pUC19DNAを用いた形質転換後のアンピシリン耐性コロニーに
対する時間単位における時間)
【0089】
【表3】 (表4:pUC19DNAを用いた形質転換後のアンピシリン耐性コロニーに
対する時間単位における時間)
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ATCC9637の5.5kbのプラスミドの制限地図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 21/00 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 リン, ジェイ−ジュ アメリカ合衆国 メリーランド 20854, ポトマック, キャンドルライト コー ト 4 Fターム(参考) 4B024 AA20 CA02 DA06 GA11 HA01 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 DA01 4B065 AA26 AB01 AC02 BA02 CA24 CA44

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内因性プラスミドを欠失している、迅速に増殖する微生物。
  2. 【請求項2】 前記迅速に増殖する微生物が、Escherichia属の
    微生物である、請求項1に記載の微生物。
  3. 【請求項3】 前記迅速に増殖する微生物がE.coliである、請求項2
    に記載の微生物。
  4. 【請求項4】 前記迅速に増殖する微生物がE.coli W株である、請
    求項3に記載の微生物。
  5. 【請求項5】 前記迅速に増殖する微生物が、BRL3781、BRL37
    84、およびそれらのrecA-誘導体からなる群より選択される、請求項4に
    記載に微生物。
  6. 【請求項6】 クローニング方法であって、以下の工程: 組換えベクターの集団を構築する工程; 該組換えベクターで、迅速に増殖し得るコンピテントな微生物を形質転換する
    工程;および 該組換えベクターを含有している形質転換された微生物を選択する工程 を包含する、方法。
  7. 【請求項7】 前記迅速に増殖する微生物が、Escherichia属の
    微生物である、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記迅速に増殖する微生物がE.coliである、請求項7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記迅速に増殖する微生物がE.coli W株である、請
    求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記迅速に増殖する微生物が内因性ベクターを含まない、
    請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記形質転換された微生物から前記組換えベクターを単離
    する工程をさらに包含する、請求項6に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記形質転換された微生物を、37℃より高い温度で増殖
    させる工程をさらに包含する、請求項7に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記温度が約42℃である、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記形質転換された微生物を、約42℃で増殖させる工程
    をさらに包含する、請求項6に記載の方法。
  15. 【請求項15】 タンパク質またはペプチドを産生する方法であって、以下
    の工程: タンパク質またはペプチドタンパク質をコードする遺伝子を含有している組換
    えベクターを構築する工程; 該ベクターを、迅速に増殖し得るコンピテントな微生物中に形質転換する工程
    ;および 該形質転換された微生物に該タンパク質またはペプチドを産生させる条件下で
    、該形質転換された微生物を培養する工程 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 前記迅速に増殖する微生物がEscherichia属の
    微生物である、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記迅速に増殖する微生物がE.coliである、請求項
    16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記迅速に増殖する微生物がE.coli W株である、
    請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記迅速に増殖する微生物が内因性プラスミドを含まない
    、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 クローニングのための微生物を産生する方法であって、以
    下の工程: 内因性プラスミドを有している迅速に増殖する微生物を得る工程;および 該微生物の内因性プラスミドを取り除く工程 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 前記微生物がE.coli W株である、請求項20に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 迅速に増殖する微生物を形質転換する方法であって、以下
    の工程: 迅速に増殖し得るコンピテントな微生物を得る工程;および 該微生物に1つ以上のベクターを取りこませる条件下で、該1つ以上のベクタ
    ーの存在下において、該コンピテントな微生物をインキュベートする工程 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 前記迅速に増殖する微生物がEscherichia属の
    微生物である、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記迅速に増殖する微生物がE.coliである、請求項
    23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記迅速に増殖する微生物がE.coli W株である、
    請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記迅速に増殖する微生物が内因性プラスミドを含まない
    、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 迅速に増殖する微生物を含有している容器を備える、クロ
    ーニング用キット。
  28. 【請求項28】 1つ以上のベクターをさらに備える、請求項27に記載の
    キット。
  29. 【請求項29】 前記キットが、1つ以上の制限酵素、1つ以上のリガーゼ
    酵素、および1つ以上のポリメラーゼ、から選択される少なくとも1つの成分を
    さらに備える、請求項28に記載のキット。
  30. 【請求項30】 組換えタンパク質を含有している容器をさらに備える、請
    求項29に記載のキット。
  31. 【請求項31】 前記迅速に増殖する微生物がコンピテントである、請求項
    27に記載のキット。
  32. 【請求項32】 前記迅速に増殖する微生物が化学的コンピテントである、
    請求項31に記載のキット。
  33. 【請求項33】 前記迅速に増殖する微生物が電気的コンピテントである、
    請求項31に記載のキット。
  34. 【請求項34】 迅速に増殖する微生物を含有している、組成物。
  35. 【請求項35】 グリセロール溶液およびコンピテンス緩衝液からなる群よ
    り選択される成分をさらに含む、請求項34に記載の組成物。
  36. 【請求項36】 1つ以上のDNAフラグメント、1つ以上のリガーゼ酵素
    、1つ以上のベクター、1つ以上の緩衝化塩、および1つ以上の組換えタンパク
    質、から選択される少なくとも1つの成分をさらに含有している、請求項34に
    記載の組成物。
  37. 【請求項37】 コンピテントな迅速に増殖する微生物を作製する方法であ
    って、以下の工程: 迅速に増殖する微生物を得る工程;および 該迅速に増殖する微生物をコンピテントにするように、該迅速に増殖する微生
    物を処理する工程 を包含する、方法。
  38. 【請求項38】 前記迅速に増殖する微生物の内因性ベクターを取り除く工
    程をさらに包含する、請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記迅速に増殖する微生物がEscherichia属の
    微生物である、請求項37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記迅速に増殖する微生物がE.coliである、請求項
    39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記迅速に増殖する微生物がE.coli W株である、
    請求項40に記載の方法。
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