JP2003502933A - 標準電力線を使用した無線ローカル分配システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電力線を介して固定無線端末に標準の電話加入者設備を接続するシステム及び方法である。このシステムは、電力線インターフェース装置に接続された固定無線端末を備える。加入者設備は電力線インターフェース装置に接続され、これにより、続く無線送信のための固定無線端末に遠隔通信信号を送信することができる。固定無線端末は、与えられた降圧変圧器クラスター内の個別加入者の家庭／事務所にある。降圧変圧器は信号の隔離を提供し、このため、同じ又は同様なアドレスを個々の加入者の識別についての混同なしにクラスター間で使用することができる。ＦＷＴも加入者の場所において電力計に接続され、このため、電力の使用を無線方式で電力会社に通信することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の背景】

本発明は、一般に無線通信に関する。より特別には、本発明は、続く遠隔通信
の送信用の固定無線端末に接続するために、家庭又は事務所にある電力線を使用
する方法及び装置を説明する。

【０００２】

【背景】

多くの開発途上地域及び開発途上諸国においては、無線通信は、外部の通信用
インフラストラクチュア（即ち、電話柱、電話線、その他の設備）について多く
の資金を使う必要なしに通信を提供する健全な方法を提供する。しかし、いわゆ
る「無線」システムとはいっても、通信設備を固定無線端末に接続できるように
、家庭内又は事務所内に多少の通信用の配線がなお必要である。無線端末への通
信が確立すれば、無線端末は、より費用を要する屋外の通信用インフラストラク
チュアなしに真の無線の方法で他の無線端末又は基地局と通信できる。

【０００３】 世界中で、種々の形式の電力線が多くの家庭に達しているが、並列通信配線は
それほど広くは設置されていない。このため、第３世界の多くの国では、家庭内
又は事務所内に電力線はあるが通信用の配線はないであろう。これが、通常の有
線の通信装置又は新しい無線端末を介して通信するために通信用配線を設置しな
ければならない多くの個人又は事務所にとって大きな障害となる。

【０００４】 家庭／事務所における必要な通信用配線に加えて、固定無線端末の現在の配置
は、各使用者の場所に送受信装置を設置することが必要である。種々の場所にお
ける複数の使用者が単一の固定無線端末（ＦＷＴ）の通信容量の利点を享受する
ことは、現在では不可能である。

【０００５】 従って、続いて無線遠隔通信に送信するために、固定無線端末との間を接続す
る方法として家庭又は事務所に設置された電力線を利用することが本発明の目的
である。

【０００６】 家庭内又は事務所内の電力線（この電力線は、続く無線通信用の固定無線端末
に接続される）と複数種の遠隔通信設備（例えば、電話ファックス、コンピュー
ター）との間を接続することが本発明の更なる目的である。

【０００７】 複数の遠隔通信設備を持った複数の使用者（即ち、異なった家庭又は事務所）
に、続く無線遠隔通信のために、電力線を介して１個のＦＷＴと接続することを
許すことが本発明のなお別の目的である。

【０００８】 電力会社に電力の使用状況を無線方式で通信するために、家庭又は事務所の電
力配線に取り付けられた電力計に固定無線端末用のインターフェースを提供する
ことが本発明の別の目的である。

【０００９】 無線ローカルループ分配システム（本発明）は、固定無線端末と通信する家庭
又は事務所の標準電力線を使用する。この方式においては、電力線に取り付けら
れた遠隔通信設備は、ＦＷＴを、回路網内の別のＦＷＴ又は基地局に無線方式で
通信するために使用することができる。

【００１０】 遠隔通信インフラストラクチュアの余りない国が多い。家庭又は事務所には、
電話及びその他のデータ用配線が全くない。しかし、同時に、電力配線は、多く
の第３世界又は開発途上国において設置されている。この電力線の使用が、ＦＷ
Ｔとの通信のために電力線に依存する無線ローカルループシステムを急速に開発
する費用効果的な方法を提供する。

【００１１】 配電システムにおいて、数キロボルトの高電圧を家庭用の１１０／１２０ボル
トに変換するために、会社により降圧変圧器が使用される。各降圧変圧器に数件
の家庭が接続されるが、変圧器は、これに接続された家庭又は事務所を効果的に
分離する。これが変圧器クラスターと呼ばれる。結果として、電力線上を流れて
いるいかなる通信信号も、ローカル変圧器により効果的に分離される。

【００１２】 本発明は電力線インターフェース装置（ＰＬＩＤ）を使用する。これは、ＴＣ
Ｐ／ＩＰプロトコールによるコンピューター通信及びデータ交換のための、例え
ばＲＪ１１プラグ、ＲＳ２３２ポートを介してＰＯＴＳ（plain old telephone
service，ポッツ）で接続するために要するインターフェース能力の全てを提供
する。使用者は、家庭の内部電力配線に取り付けられた１個のＰＬＩＤを使用し
て、電話、ファックス、又はコンピューターを、家庭の内部電力配線に接続され
たＰＬＩＤに接続することができる。家庭の電力配線には、固定無線端末（ＦＷ
Ｔ）も取り付けられる。ＦＷＴは、無線方式で遠隔通信設備を通信する。

【００１３】 そこで、本発明は、家庭の内部電力配線が、続く遠隔通信のためにＦＷＴに遠
隔通信信号を送る手段として作用する。多重化能力のない１個のＦＷＴに複数の
家庭又は事務所が接続される別の配置も、本発明により支持することができる。
このとき、１個のＦＷＴは、ローカル変圧器クラスター内に置かれた全ての家庭
又は事務所から同時に提供された遠隔通信の要求に役立つことができる。この形
式の配置は、１個のＦＷＴが同時に数件の家庭又は事務所の要求に応じ得るので
無線遠隔通信の費用を更に少なくする。本発明は、種々の方式におけるかなりの
節約を達成する。第１に、家庭内又は事務所内の遠隔通信配線が避けられる。本
発明は、単に家庭内又は事務所内の既設電力線に関係するだけである。更に、同
じＦＷＴを使用している数件の家庭又は事務所があることは、より高価なＦＷＴ
が、各加入者に１個のＦＷＴではなくて１グループの加入者について１個必要で
あるため更なる節約が得られる。これらの長所及びその他は、本技術のの熟練者
に、以下の詳細な説明の展望後に明らかになるであろう。

【００１４】 図１を参照すれば、家庭又は事務所における典型的な電力／通信設備が示され
る。電力会社は、その回路網上で電力を一連の電力用降圧変圧器１０２に分配す
る。１台の電力用降圧変圧器１０２は、数件の家庭又は事務所の要求に従うこと
ができる。しかし、一般に、電力用降圧変圧器１０２からの電力線は、個々の家
庭又は事務所で電力計１０４を通過する。この後、電力は、広範な形式の電気設
備であり得る種々の器具（１０６、１０８、１１０）に内部電力配線上で分配さ
れる。同時に電話会社１１２は、その回路網上の配線を家庭に直接提供し、これ
に電話１１４、ファックス１１６、コンピュター１１８を取り付けることができ
る。そこで、個々の家庭又は事務所に電力及び遠隔通信のサービスを提供するた
めには、２種の別のシステムが必要であることが分かる。

【００１５】 図２を参照すれば、遠隔通信のために電力配線を使用する設備が示される。電
力会社は、電力用降圧変圧器２００に、通常は数キロボルトで電力を供給する。
変圧器は必要のように電圧を（例えば１１０Ｖ又は１２０Ｖ）に落とし、家庭又
は事務所に置かれた電力計２０４に至る電力線２０２のこの電力を提供する。そ
の後、電力は、内部配線２０８上で家庭又は事務所に提供される。本発明におい
ては、ＦＷＴ２０６は、配線２０８に並列接続される。本発明の電力線インター
フェース装置（ＰＬＩＤ）２１０は内部電力配線２０８に接続される。ＰＬＩＤ
は、ＰＯＴＳのためのインターフェース手段を提供し、例えばＲＳ−２３２ポー
ト又はイーサネット（登録商標）接続を通してデータを提供する。そこで、使用 者は、電話２１２、ファックス２１４及び／又はコンピューター２１６をＰＬＩ Ｄ２１０に接続することができる。使用者は、どの特別な設備内においても、複 数のＰＬＩＤを持つことができる。この形式の設備は、遠隔通信のために加入者 の建物に配線する必要がない。現在は、家庭又は事務所の内部配線は、典型的に １０^-9ビット誤り率（ＢＥＲ）で毎秒１００キロビットまでのデータ速度を支持 するが、これは将来は増加するであろう。

【００１６】 電力会社の電力用降圧変圧器は分離を提供し、これは、家庭又は事務所におけ
る動力線上の各装置が特有のアドレスを有するため、及び変圧器区域内の各クラ
スター内の電力線には限られた数の装置しか接続できないために重要である。

【００１７】 図３を参照すれば、複数の加入者のための電力線遠隔通信分配システムが示さ
れる。電力は、電力会社によりローカル電力降圧変圧器３００に提供される。そ
の後、電力は各家庭／事務所３１０、３１２、３１４に送られる。個々の家庭／
事務所にいく外部電力線３０２、３０４、３０６にＦＷＴ３０８が取り付けられ
る。次いで、外部電力配線は、典型的な電力計３２０に接続され、更に家庭の内
部電力配線又は設備３２８に向かう。ＰＬＩＤ３１６、３１８が内部電力配線に
取り付けられ、これらＰＬＩＤは、電話３２２、ファックス３２４、及びコンピ
ューター３２６に接続される。ＰＬＩＤは、一方、内部電力配線３２８に接続さ
れる。通信は、ＰＬＩＤを介して遠隔通信設備（電話、ファックス及びコンピュ
ーターなど）により内部配線に送られた信号により引き起こされる。しかし、こ
の場合は、複数の家庭／事務所からの信号が、ＦＷＴ３０８を経て続く送信のた
めに送られる。ＦＷＴは、個々の家庭／事務所３１０、３１２、３１４から来た
複数の信号に対する能力を持つ。この方法で、１個のＦＷＴが複数の家庭／事務
所の要求に応ずることができ、これにより遠隔通信の費用を更に下げる。

【００１８】 図４を参照すれば、遠隔通信の配線を有する家庭／事務所用のＦＷＴ使用のた
めの設備が示される。本発明は、遠隔通信用の内部配線を有するこれら家庭／事
務所用に対して等しくうまくかつ経済的に作動する。この場合、遠隔通信設備４
２６、４２８、４３０は、通信用内部配線４２４に接続される。一方、通信用内
部配線４２４は、電力計４１６に接続されたＰＬＩＤ４１８に接続される。この
電力計は、家庭又は設備における電力使用量を測定する標準の電力計である。

【００１９】 遠隔通信信号は、ＰＬＩＤを介して電力線４０４、４０６、４０８上でＦＷＴ
４０２に送られる。このＦＷＴは電力会社の変圧器４００と同じ場所にある。電
力会社の降圧変圧樹４００は、遠隔通信の信号が変圧樹クラスター内に留まるよ
うに信号の分離を提供する。次いで、ＦＷＴは遠隔通信信号を多重化し、これを
無線方式で他の無線通信装置に送信する。

【００２０】 以上の配置により、ある変圧器クラスター内のアドレスを、他の変圧器クラス
ターにおける使用の際に再使用することが許される。降圧変圧器により分離が提
供されるため、実際の加入者の確認の際に同じアドレスにより混乱の生ずる危険
はない。

【００２１】 ＦＷＴは、メリーランド州ジャーマンタウンの Dynamic Telecommunications,
Inc.からのダイナループ族の送受信装置のような送受信装置、及びマサチューセ
ッツ州ケンブリッジの Adaptive Netwoks,Inc.からのＡＮ１０００のような電力
網インターフェースモジュールを備える。送受信装置は無線回路網と電力回路網
との間を接続する。続く無線通信は、ピーアツーピーア（ｐｅｅｒ ｔｏ ｐｅ
ｅｒ）通信回路網で、或いはその他の適宜の無線回路網スキームで基地局又は別
のＦＷＴとのいずれとも行うことができる。

【００２２】 各ＰＬＩＤは、電力回路網インターフェース及び加入者設備インターフェース
を持つ。電力回路網インターフェースは、ＦＷＴにおいて使用されたものと同じ
形式である。

【００２３】 図５を参照すれば、システムの一般的なブロック図が示される。先に注意され
たように、電力線変圧器５００は、電力会社から高電圧を受け、そして変圧器ク
ラスターからくる通信信号に対する分離を提供する。これにより、異なった変圧
器クラスター間における電力線上での同じアドレスの再使用が許される。先に注
意されたように、この送受信装置は、メリーランド州ジャーマンタウンの Dynam
ic Telecommunications,Inc.から入手可能なダイナループ族のものである。マサ
チューセッツ州ケンブリッジのAdaptive Netwoks,Inc.からのＡＮ１０００のよ
うな電力回路網インターフェースモジュールも使用される。送受信装置５０４は
、無線回路網と電力回路網との間を接続する。全ての遠隔通信信号は、電力線の
降圧変圧器と個々の家庭／事務所との間の電力線上にある。電力線５０６は、家
庭又は事務所から送受信装置５０４に遠隔通信信号を伝達する手段を提供する。
ＦＷＴは、電力線５０６を介して回路網５２６、５２８内のＰＬＩＤに接続され
る。ＰＬＩＤは、電力回路網インターフェース５０８と加入者インターフェース
５１０（この場合は、データインターフェースが示される）とを持つ。それから
、ＰＬＩＤはコンピューター５１２に接続される。或いは、電話設備においては
、電力回路網インターフェース５１４が、加入者線インターフェース５１６（こ
の場合は電話ＰＬＩＤが示される）に接続される。電話５１８、ファックス５２
０、コンピューター５２４に接続されたモデム５２２がＰＯＴＳＰＬＩＤに接続
される。装置の個別部品又は装置のグループは図示された方法で接続される。

【００２４】 このシステムの大きい追加の利点は、ＦＷＴが電力会社の電力計への接続を持
つことである。この方式では、個々のＦＷＴは、個々の家庭又は事務所の電力計
から情報を直接受け取り、そして電力の使用情報を無線で電力会社に通信するこ
とができる。本発明は、遠隔通信用の費用の少ない手段を提供するだけでなく、
所要の電力使用情報を記録するために自動車とメーター調査員とを送る必要なし
に使用情報を送るという追加の利点を電力会社の提供する。

【００２５】 電力線を使用した融通性があって費用の少ない無線通信回路網が示された。明
らかにされた本発明の精神から離れることなく本発明の同じ通信の目標と目的を
達成するために、設備のその他の特別な部品を使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 典型的な電力／通信設備である。

【図２】 遠隔通信のための電力配線の使用を示す。

【図３】 遠隔通信用に電力線の使用するための別な配置を示す。

【図４】 無線遠隔通信用に電力線を使用ための別の代置可能な配置を示す。

【図５】 遠隔通信分配システムとして電力線を使用するブロック図を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，Ｇ Ｅ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ， ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，Ｚ Ｗ

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 標準電力線を使用した無線ローカル分配システムであって、
   （ａ）電力用降圧変圧器、 （ｂ）電力用降圧変圧器に接続された外部動力線、 （ｃ）電力用降圧変圧器及び外部電力線により形成された変圧器クラスター、 （ｄ）外部電力線に接続された内部電力線を有する加入者設備、 （ｅ）内部電力線に接続されかつ更にインターフェース手段を有する少なくも１
   個の電力線インターフェース装置、 （ｆ）信号を提供し電力線インターフェース装置に接続された遠隔通信設備、 （ｇ）電力線に接続され無線通信を提供するようにされた固定無線端末設備 を備え、電力用降圧変圧器が変圧器クラスター内の信号の分離を提供するシステ
   ム。
2. 【請求項２】 電力線インターフェース装置のインターフェース手段が適宜
   の通信プロトコールを使用して通信するようにされた請求項１の標準電力線を使
   用した無線ローカル分配システム。
3. 【請求項３】 電力線インターフェース装置のインターフェース手段がＰＯ
   ＴＳに接続するようにされた請求項２の標準電力線を使用した無線ローカル分配
   システム。
4. 【請求項４】 電力線インターフェース装置のインターフェース手段がファ
   クシミリ装置に接続するようにされた請求項２の標準電力線を使用した無線ロー
   カル分配システム。
5. 【請求項５】 電力線インターフェース装置のインターフェース手段がモデ
   ムに接続するようにされた請求項２の標準電力線を使用した無線ローカル分配シ
   ステム。
6. 【請求項６】 電力線インターフェース装置のインターフェース手段がコン
   ピューターのデータポートに接続するようにされた請求項２の標準電力線を使用
   した無線ローカル分配システム。
7. 【請求項７】 電力線インターフェース装置が内部電力線に接続するように
   された請求項１の標準電力線を使用した無線ローカル分配システム。
8. 【請求項８】 電力線インターフェース装置が外部電力線に接続するように
   された請求項１の標準電力線を使用した無線ローカル分配システム。
9. 【請求項９】 外部電力線と内部電力線とを接続している電力計を更に備え
   る請求項１の標準電力線を使用した無線ローカル分配システム。
10. 【請求項１０】 固定無線端末設備が電力計から信号と情報とを受け、そし
    てこれらの信号又は情報を電力会社に送信するようにされた請求項９の標準電力
    線を使用した無線ローカル分配システム。
11. 【請求項１１】 固定無線端末設備が、電力線を介して単一の加入者設備用
    の遠隔通信信号を提供するようにされた請求項１の標準電力線を使用した無線ロ
    ーカル分配システム。
12. 【請求項１２】 固定無線端末設備が、外部電力線を介して複数の加入者設
    備用の遠隔通信信号を提供するようにされた請求項１の標準電力線を使用した無
    線ローカル分配システム。