JP2003502284A - Pim−活性化nkt細胞を含む医薬組成物、およびその治療における使用 - Google Patents

Pim−活性化nkt細胞を含む医薬組成物、およびその治療における使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも一つのPIM−活性化NKT細胞を含む医薬組成物、および肉芽腫タイプの免疫反応が必要とされる疾患治療用の、少なくとも一つのPIMおよび/またはPIM−活性化NKT細胞の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、肉芽腫タイプの免疫反応が必要とされる疾患の治療用の、少なくと
も一つのPIM、および/または少なくとも一つのPIM−活性化NKT細胞の
使用に関する。
【0002】 NKT細胞は、NK1.1(Bendelac et al.,1995)お
よびLy−49系のある種のメンバー(Ortaldo et al.,199
8)などのNK(ナチュラルキラー)細胞に結合する細胞表面標識を発現するα
/βTリンパ球の特定のサブグループである。それらは、また、それらのT受容
体のいくつかの特徴により従来のTリンパ球とは異なる:α鎖は不変であって、
CDR3の保存領域と結合するVα14およびJα281セグメント間の転移か
らもたらされる(Koseki et al.,1991;Lantz et
al.,1994)。それらは、また、限定TCRβレパートリーを用いる(B
endelac et al.,1997)。最終的に、従来のT細胞とは違っ
て、NKT細胞は中間体レベルでTCR受容体(T細胞受容体)を発現すると共
に、クラスIbMHC分子CD1(Bendelac et al.,1997
)により限定される。CD1d1分子のα1およびα2領域は、グリコシルセラ
ミドの脂質核(Brossay et al.,1998)およびGPI(グリ
コシルホスファチジルイノシトール)を介して固定されるタンパク質に適合する
疎水性結合部位を有し、NKT細胞により認識されるCD1−糖脂質複合体を創
り出す(Brossay et al.,1998;Kawano et al
.,1997;Burdin et al.,1998;Brossay et
al.,1998,Schofield et al.,1999)。
【0003】 生体内でのNKT細胞の機能は、決して十分に述べきれるものではない。これ
らのNKT細胞はIL−12介在腫瘍拒絶反応において役割を演じる(Take
da et al.,1996;Cui et al.,1997;Kawan
o et al.,1998)。それらは、また、Th−1またはTh−2型の
サイトカインの生成(Hammond et al.,1998;Flesch
et al.,1997;Enomoto et al.,1997)または
これら細胞数の減少(Mieza et al.,1996;Wilson e
t al.,1998;Emoto et al.,Eur.J.Immuno
l.1997;Emoto et al.,Inf.& Imm.,1997)
を通して、一層、ある種のヒトおよびマウスの自己免疫疾患および感染過程に関
与していることがわかる。
【0004】 NKT細胞の生体内活性化を開始する機構もまた十分には理解されていない。
セラミド、α−ガラクトシルセラミドによるこれら細胞の活性化は実証されてき
た(Kawano et al.,1998およびWO98/44928)。そ
のうえ、Schofield et al.,1999による最近の論文は、生
体内での種々のGPIs(グリコホスファチジルイノシトール)への末梢NKT
細胞の反応結果を報告している。
【0005】 本発明の著者らは、第一にNKT細胞はホスホイノシトールマンノシド(PI
Ms)により活性化することが可能であり、第二にこの活性化は肉芽腫タイプの
免疫反応を引き起こすことを見出してきた。
【0006】 本発明の著者らは、また、肉芽腫反応の原因となるNKT細胞の活性化はCD
1/TCR経路には独立であり、実際にはCD−14介在生得免疫の経路に応じ
て決まることを実証してきた。NKT−細胞を活性化するPIMsは、宿主の反
応をTH1型の経路に向けることを可能とするであろう。発明者らは、肉芽腫内
に放出されたサイトカインの直接測定により、これを示すことができた。
【0007】 これらの結果に基づき、本発明の著者らは、肉芽腫タイプの免疫反応が必要と
される疾患の治療に、少なくとも一つのPIMおよび/または少なくとも一つの
PIM−活性化NKT細胞を用いることを提案する。
【0008】 本発明により、ホスホチジルイノシトールマンノシド(PIM)は、医薬とし
て許容される賦形剤と組み合わせて用いることが可能である。
【0009】 用いられるホスファチジルイノシトールマンノシドは、例えば、ジアシルグリ
セリンとの反応その後の知られた方法によるマンノシレーションによる、イノシ
トールホスフェートからの化学合成により得ることが可能である。用いられるP
IMsはバクテリア壁からの精製により得ることも可能である。
【0010】 PIMsは当業者に知られる標準的な技術により、バクテリア壁から精製する
ことができる。好ましくは、用いられるPIMはマイコバクテリア起源であり、
例えばミコバクテリウム結核菌から得ることが可能である。
【0011】 用いることが可能であるPIMsの中で、式(I)に対応するものに言及する
ことが可能である:
【0012】
【化1】
【0013】 式中: −R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立にヒドロキシル基および(Ma
n)x基から選択され、 式中(Man)xはイノシトールに連結された少なくとも一つのマンノシド基
であり、xは、好ましくは1〜6の間のマンノース単位(互いに直鎖状に接続さ
れる)の数であり; −R6またはR7は、互いに独立に、好ましくは18〜24炭素原子を含み、好ま
しくは二重結合を含まず、さらにより好ましくは極性置換基を含まない脂肪酸残
基である。
【0014】 有利には、R1、R2、R3、R4およびR5は、それらの好ましくは互いに隣接
した2個のみが(Man)x基であり、そして他の3つの基がヒドロキシル基で
あるようなものである。
【0015】 好ましくは、用いられるPIMsは、R2およびR3が(Man)x基であり、
1、R4およびR5がOH基である式(I)のPIMsである。
【0016】 また、例えば、式中、 R1、R4およびR5がOH基であり; R2がマンノシド基[x=1の(Man)x]であり;および R3がx=1〜6の(Man)xである、 式(I)のPIMsを用いることも可能である。
【0017】 それが二つでなくただ一つだけの脂肪酸残基を含有するように変更されるPI
Mを用いることも可能である。
【0018】 本発明により、4、5または6個のマンノース単位を含むPIMsが好ましい
【0019】 本発明は、また、医薬として許容される賦形剤と組み合わせて少なくとも一つ
のPIM−活性化NKT細胞を含む医薬組成物を提供する。
【0020】 本発明の著者らは、PIM−活性化NKT細胞が例えばセラミド−活性化NK
T細胞とは異なることを発見した。PIMによるNKT細胞の活性化は、実際に
、比較的特殊であり、少クローン性分布をまねくと考えられる。他方、例えばセ
ラミドによるNKT細胞の活性化は多クローン性であると考えられ、強力な肉芽
腫反応を引き起こすとは考えられない。
【0021】 本発明により、PIMによるNKT細胞の活性化は生体内または生体外で行う
ことが可能である。
【0022】 従って、本発明は、本質的に、 i)医薬として許容される賦形剤と組み合わせて少なくとも一つのPIMを個
体に投与し、 ii)前記PIMにより生体内で活性化されたNKT細胞を含有する生体試料
を前記個体から採取すること、 を含む、生体内でNKT細胞を活性化するための方法をも提供する。
【0023】 その後、生体内でPIMにより活性化されたNKT細胞は、生体試料を採取し
た個体でもまたは別の個体でも可能であるがこうした治療を必要とする個体に投
与することができる。特に、こうした方法は、肉芽腫反応が必要とされる個体の
特定の部位に、これらの活性化NKT細胞を注入することを可能とする。
【0024】 また、本発明は、生体外でNKT細胞を活性化するための本質的に以下の段階
を含む方法を提供する: i)NKT細胞を含む生体試料を採取し、 ii)PIMがNKT細胞を活性化するための適する条件下で、NKT細胞を少
なくとも一つのホスファチジルイノシトールマンノシド(PIM)と接触させる
こと。
【0025】 その後、生体外でPIMにより活性化されたNKT細胞は、こうした治療を必
要とする個体に投与することができる。特に、こうした方法は、これらの活性化
NKT細胞を肉芽腫反応が必要とされる個体の特定の部位に注入することを可能
とする。
【0026】 従って、本発明は肉芽腫タイプの免疫反応が必要とされる疾患の治療処置用の
方法をも提供し、前記方法は少なくとも一つのPIMおよび/またはPIM−活
性化NKT細胞の治療的に有効な量の、こうした治療を必要とする個体への投与
を含む。
【0027】 本発明は、また、肉芽腫タイプの免疫反応が必要とされる疾患の治療を意図し
た医療品を製造するための、少なくとも一つのホスファチジルイノシトールマン
ノシド(PIM)、および/または少なくとも一つのPIM−活性化NKT細胞
の使用に関する。
【0028】 用語「治療」は、予防的でなく治療するための治療目的用のあらゆる関与を意
味することを意図している。
【0029】 前記疾患は、特に、原因がバクテリア作用物質、例えばらい病および結核菌の
原因であるマイコバクテリアなどのマイコバクテリアによる感染である疾患であ
りえる。PIMsまたはPIM−活性化NKT細胞は、バクテリア感染の間に局
部免疫、特に粘膜免疫を刺激することにより作用する。
【0030】 投与の様式、投与量および本発明による医薬組成物の薬剤形状は、当業者によ
る従来の方法において、特に、例えば患者の年齢または体重、患者の全般症状の
重篤度、治療への耐性などの、患者に適する治療処置を設定する時に一般に考慮
される基準により決定することが可能である。
【0031】 PIMまたはPIM−活性化NKT細胞を含有する本発明による医薬組成物は
、有利には、例えば静脈内または皮下に投与することが可能である。
【0032】 本発明による医療品は、例えば強い肉芽腫反応の間に退行するすることが知ら
れる黒腫などの癌の治療に特に有用でありえる。この場合に、PIMsまたはP
IM−活性化NKT細胞は、有利には知られた抗腫瘍剤への抗原性補強剤として
用いることが可能である。
【0033】 以下の実施例および図は、本発明の範囲を限定することなく本発明を説明する
【0034】 実施例 材料および方法 動物 用いた動物は:C57BL/6マウス;C57BL/6クラスIIMHC−/
−マウス(Cosgrove et al.,1991);C57BL/6β2
m−/−(Koller et al.,1990);Jα281−/−(Cu
i et al.,1997)であり、Jα281+/−マウスは実験時にC5
7BL/6遺伝的背景中の129/Sv−を用いてそれぞれ9回および6回戻し
交配した。
【0035】 バクテリア変種および抽出物: ミコバクテリウム結核菌バクテリア(H37Rv変種)を半固形培地上で培養
し、その後、熱(75℃、30分)で殺した。10-2Mトロメタミン(Tris)、
pH8.0、10-3MMgCl2、10-3MCaCl2および1.5×10-1MN
aCl中での音波破砕後、マイコバクテリアを、37℃で5時間にわたり25m
g/mlのDNA分解酵素および同量のリポヌクレアーゼで蒸解した。蒸解に次
いで熱不活性化を行った。数回の洗浄後、0.5%のSDSが添加される上述と
同じ緩衝剤中において、各酵素最終濃度200μg/mlでのトリプシン、キモ
トリプシンおよびサブチリシン(ベーリンガー)の混合物により37℃で24時
間にわたり、標本を培養した。酵素を熱不活性化した(70℃で10分)。得ら
れた粒子を洗浄し、燐酸緩衝剤(PBS)中に再懸濁した。その後、懸濁液中に
タンパク質がないことを、PAGE電気泳動およびアミノ酸分析により測定した
。試料をそれらの糖含有量に基づき標準化した。
【0036】 マイコバクテリア脂質を抽出し以下のように分留した:4gの熱殺M.結核菌
H37Rv病原菌をCHCl3/CH3OH(1:1、v/v)により2回抽出し
た。抽出物を乾燥し、CHCl3/H2O中に再懸濁し、粗脂質(画分I)の有機
相が水性相(界面:LAMs、多糖類および変性タンパク質を含む)(画分II
)から分離されるように4℃で1時間にわたり放置した。画分Iにはヒト中のγ
/δT細胞(Constant et al.,1994)用のホスホアンチゲ
ンがないが、しかしいくつかの糖脂質成分が含まれる。この画分を乾燥し、もう
一度冷アセトン(10℃)中の沈殿により分離して、可溶性抽出物(脂肪、フェ
ノール性糖脂質)および不溶性白色沈殿物を生成した。熱アセトン(50〜60
℃)を蝋質のペレットに添加し、それによりトレハロースおよび他の糖脂質によ
り置換されたミコール酸の抗原を再懸濁する(画分III)と共に、すべてのP
IMsおよびリポオリゴ糖(LOSの)を沈殿させる(画分IV)ことを可能と
した。画分IVを乾燥し、メタノールでの可溶化により分離してPIMs(白色
ペレット、画分V)および可溶性LOS′s(画分VI)を生成した。画分II
Iの冷却において、いくつかの極性PIMsが沈殿し、画分VIIを生成する。
すべての画分をCHCl3/CH3OH/H2O、60/35/5で溶出するケイ
酸pF254(メルク)を用いる薄層クロマトグラフィ(TLC)により、M.
結核菌PIM2を標準として用いて分析し、斑点はアントロン/硫酸噴霧を用い
て明らかにした。
【0037】 PCRプライマー: Vβ8.2(Regnault et al.,1996)を除く特定のVβ
プライマーはPannetier et al.,1993に記載された。PC
R用に用いられた非標識特定CβプライマーはGCCCATGGAACTGCA
CTTGGCである。標識化特定CβプライマーはFAM−CTTGGGTGG
AGTCACATTTCTCである。Vα14鎖のmRNAに関して、以下のプ
ライマーを用いた:Vα14プライマーはCTAAGCACAGCACGCTG
CACAであり;非標識CαプライマーはTGGCGTTGGTCTCTTTG
AAGであった。標識化特定CαプライマーはFAM−ACACAGCAGGT
TCTGGGTTCであった。非標識特定Jα281プライマーはCAGGTA
TGACAATCAGCTGAGTCCであった。標識化特定Jα281プライ
マーはFAM−CAGCTGAGTCCCAGCTCCであった。標識化特定ク
ローンタイプのプライマーはFAM−GCTGAACCTCTATCNCCCA
CCであった。CD4のためのプライマーは5′プライマーCTGAATTCG
GCGCTTGCTGCTGC、3′プライマーCACAAGCTTAAGTC
TGAGAGTCTTCCおよびFAM−TGCTGATTCCCCTTCCT
TCCであった。特定のCD8プライマーは:5′プライマーTAGAATCC
TAGCTTGACCTAAG、3′プライマーATGGATCCATATAG
ACAACGAAGGおよびFAM−GGATAATCGACTCACCCであ
った。HPRTのためのプライマーはFAM−TTCTTTCCAGTTAAA
GTTG、5′プライマーGTAATGATCAGTCAACGGGGGACお
よび3′プライマーCCAGCAAGCTTGCAACCTTAACCAであっ
た。CD3εのためのプライマーは:5′プライマーGCCTCAGAAGCA
TGATAAGCおよび3′−FAM−CCCAGAGTGATACAGATG
TCであった。IgM重鎖のためのプライマーは:FAM−TTCAGTGTT
GTTCTGGTAG、3′プライマーCTGGATCCGGCACATGCA
GATCTCおよび5′プライマーAGTCCTTCCCAAATGTCTTC
CCであった。非標識特定Vγ1、Cγ、Vδ2、Vδ4、Vδ5、Vδ6およ
びCδプライマーはAzuara et al.,1997に記載された。Vδ
1−およびVδ6P−特定プライマーはそれぞれATTCAGAAGGCAAC
AATGAAAGおよびCTGTAGTCTTCCAGAAATCACであった
。標識化特定CδプライマーはFAM−TTTCACCAGACAAGCAAC
Aであった。Vγ2−およびVγ7−特定プライマーはそれぞれCGGCAAA
AAACAAATCAACAおよびCTATAACTTCGTCAGTTCCA
Cであった。Vγ1およびVγ2セグメントに特有の標識化VγプライマーはF
AM−CCTCCTAAGGGTCGTTGATTであり、標識化Vγ7−特定
プライマーはFAM−CTTGTCCGGGCCTTCATであった。
【0038】 Tリンパ球相違の半自動分析(免疫鏡): 本発明の著者らが用いたPCRベースの技術は、Pannetier et
al.,1997;Cibotti et al.,1994;Levraud
et al.,1996に記載されている。簡単に言うと、全RNAは試料か
ら抽出され、全RNAの10μgはAMV(鳥骨髄芽球症ウイルス)逆転写酵素
を用いて逆転写を受ける。得られるcDNAを最終100μl体積中に再懸濁す
る。
【0039】 cDNAの質と量を、HPRTmRNAをアッセイすることにより制御した。
特定のVα14およびCαプライマー、またはそれぞれの特定VβおよびCβプ
ライマーのいずれかを用いる、40PCRサイクル(94℃、1分;60℃、1
分;72℃、4分)を介して、1μlを増幅した。2μlのPCR生成物を、J
α281またはCαセグメントに特有な蛍光プライマーを用いるプライマー進展
(5サイクル)に用いた。CDR3領域の長さおよび各伸展生成物系の蛍光強度
を自動シーケンサ(アプライド・バイオシステムズ)を用いて測定した。各V−
C対のCDR3領域に対するサイズ分布は、その面積が蛍光の強度、従って当初
のcDNA量に比例する3ヌクレオチド(骨組みのできたmRNAから誘導され
た)により分離されたピークの系として説明される。特定の抗原刺激がない場合
に、ガウシアン型分布を持つ6〜8ピークが観察された。他方、抗原誘導T−リ
ンパ球反応は、一般にある種の特定V−C結合を含有する細胞の選択的な増殖の
せいで、ピークの非ガウシアン分布をもたらす。Azuara et al.,
1997に記載されたものから採用した手順を用い、CD3εmRNAに基づく
標準化により半定量PCRを行った。10000のマウスTリンパ球は、免疫鏡
技術を用いる完全なVβ−Cβレパートリーの半定量PCR分析を行うに十分で
あった。
【0040】 抗体およびFACS分析: 細胞:ナイロン細胞フィルター(70μm)(ベクトン−デイキンソン濾過器
)に粉砕された肉芽腫細胞を通すことにより、肉芽腫細胞を作成し、一度燐酸緩
衝剤(PBS)中で洗浄した。フィコール(リンパ球−M、シーダーレーン、ホ
ーンビイ、オンタリオ州)分別により、生きている細胞を分離した。不連続パー
コル勾配により肝白血球を得た。
【0041】 抗体:ビオチニル化(biotinylated)抗−Vα14抗体クローンCMS−5は
、以前から記載されてきた(Masuda et al.,1997)。以下の
抗体をファーミンゲン(サンデイエゴ、CA)から購入した:PE−NK.1(
クローンPK136)、またはビオチニル化TCRβ(クローンH57−597
)、FITC−CD4(クローンRM4−5)、FITC−CD44(クローン
IM7)、ビオチニル化CD45.2(クローン104)、PE−B220(ク
ローンRA3−6B2)、FITC−CD19(クローン1D3)およびFIT
C−CD8(クローンCT−CD8a)。FITC−CD8抗体(クローンCT
−CD8a)はカルタグ(CALTAG)(サンフランシスコ、CA)から入手
した。PE−ストレプトアビジンをファーミンゲンから入手し、APC−ストレ
プトアビジンをモレキュラープローブズから入手した。ネガテイブ対照として用
いた正常のマウスからのビオチニル化、FITC−、およびPE−(フィコエリ
トリン)Igsをファーミンゲンから購入した。
【0042】 FACS分析:特定の抗体による染色の前に、非特定染色を阻止するためにマ
ウス血清で細胞をインキュベートした。その後、異なった抗体組み合わせを添加
した。プロピジウム(propidium)ヨウ化物染色法を用いて死亡細胞を廃棄した
。リンパ球様の細胞をFCSおよびSSCを用いて選択した。最低100000
の事象がリンパ球窓において計数された。FACS−Vantage(ベクトン
−デイッキンソン)を用いて4色分析を実施し、FACS−Scan(ベクトン
−デイッキンソン)を用いて3色分析を行った。Cell−Questプログラ
ム(ベクトン−デイッキンソン)を用いてデータを作成した。肝臓からのNKT
細胞を、ベクトン−デイッキンソンFACStar+細胞ソータを用いて抗−N
K1.1および抗−TcRβ抗体で標識後、選び出した。
【0043】 結果 1.脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁の注入は肉芽腫タイプの病巣の形成
をもたらす。 本発明の著者らは、まず第一にマウスNKT細胞が糖脂質に富む脱タンパク質
化マイコバクテリア細胞壁の注入部位で検出されうるかどうかを検査した。
【0044】 この目的に対して、約106ミコバクテリウム結核菌系H37Rv毒性バクテ
リア同等の、PBS中の脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁の懸濁液を、C
57BL/6マウスの尾の根元に皮下注入した。PBSを注入した動物は免疫化
後1、2、3および7日目に犠牲に供されたが、PBS注入部位での炎症過程の
兆候は全く見ることができなかった。免疫化マウスにおいて、好中球が、1日目
および2日目に採集された細胞浸潤から作成された塗末標本上にはっきりと観察
された。リンパ球およびマクロファージは3日目に検出され、次いで皮膚および
筋肉に付着する病巣が発生していた。それらは時間と共にサイズが増大し7日目
には4〜6mmの直径に達した。7日目に誘発された病巣について組織学的分析
を行った。染色部分は、マクロファージ、リンパ球および繊維芽細胞の濃い列か
らなる境界により囲まれた好中球濃厚芯を持つ肉芽腫タイプの病巣を示した(図
1A)。
【0045】 2.NKT細胞は肉芽腫性病巣を浸潤するVα14+細胞のみである。 7日目の肉芽腫タイプ構造は、手動であろうが、FACS分析を妨げる酵素蒸
解であろうが、生きている単一細胞の懸濁液に解離することはできなかった。N
KT細胞に特有の標識を符号化するmRNAsを追求するために、RT−PCR
(免疫鏡(登録商標))に基づく技術を代わりに用いた。10アミノ酸長のCD
R3を持つ殆ど不変のVα14−Jα281TCR鎖はマウスNKT細胞(La
ntz et al.,1994)の折記号であるので、対照および実験試料か
ら作成された、Vα14を符号化するcDNAsを、PCRにより増幅し、Cα
に特有なプライマーかJα281に特有なプライマーかのいずれかを用いるプラ
イマー伸展によりCDR3サイズ相違を分析した。特定のCαプライマーは試料
のVα14+α鎖の相違を代表する信号を生み出した。数点のピークが、対照お
よび免疫化マウスへの注入部位から抜くリンパ節中に検出された(図IB、aお
よびc)。CDR3サイズの全体ガウシアン分布は、10アミノ酸のCDR3長
に対応し、Vα14−Jα281転移TRCα鎖を含有し(図1B、bおよびd
)、よってNKT細胞を含む強いピークにより変更された。PBS注入部位で切
断された皮膚および筋肉には何の信号も検出されなかった(図IB、eおよびf
)。他方、7日目の肉芽腫タイプ構造から作成された、Vα14を符号化するc
DNAsは、特定Jαプライマーまたは特定Cαプライマーのいずれかを用いて
、10アミノ酸のCDR3サイズを持つ単一ピークを生み出した(図IB、gお
よびh)。これらの病巣上で行われるVα14−CαPCR生成物の直接配列は
、NKT細胞に特有のTCRα鎖を識別することを可能とした。コドン31に影
響を及ぼす四つのヌクレオチド置換が、浸潤するT細胞中に存在するVα14−
Jα281鎖の相違の原因となっている。従って、多くの従来のVα14+T細
胞を含有するリンパ節の細胞のようではなく、7日目の肉芽腫タイプ構造中に漸
増したすべてのVα14+T細胞はNKT細胞である。10アミノ酸長のCDR
3を持ちJα281セグメントを含有する単一のVα14−Cαピークを注入後
3日目に検出し(図IB、iおよびj)、その後、クローン型プローブを用いて
NKT細胞に特有であるものとして識別した。
【0046】 結局、NKT細胞は脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁の注入のせいで細
胞浸潤の最も早い段階で漸増し、7日目の病巣中にはVα14T細胞のみが存在
することを示す。
【0047】 同じRT−PCR技術の使用は、本発明の著者らがVβ8.1、7、3、5.
2および10セグメントを用いて転移β鎖を検出することを可能とした。適する
プライマーを用いても、CD8を符号化するmRNAは全く検出できず、CD4
を符号化するmRNAは殆ど検出できなかったという理由により、従来のα/β
CD4+T細胞は極めてまれにしか肉芽腫タイプの病巣に浸潤することができな
い。最終的に、Igμs、およびTCRγ/δに特有のプライマーを用いるPC
R分析の結果において、B細胞および特にVδ5およびVδ6セグメントを用い
るγ/δT細胞の顕著な数の存在が示される。
【0048】 3.脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁に対する肉芽腫反応におけるα/β
T細胞の関与 肉芽腫反応はいくつかの段階を含む多細胞プロセスの結果である。肉芽腫プロ
セスにおけるα/βT細胞の可能な関与を評価するために、本発明の著者らは遺
伝子的にいくつかのT細胞サブグループを欠くマウスを免疫化した。
【0049】 NKT細胞を欠くが、しかし従来のT細胞およびNK細胞は正常に発達してい
るJα281−/−マウス(Cui et al.,1997)に、脱タンパク
質化マイコバクテリア細胞壁を注入した。注入を受けた7マウス中の5マウスに
おいて、肉芽腫タイプの病巣はなく、むしろ小さく平らにされた浸潤巣が注入部
位で観察された。他の2マウスにおいて、微小構造の細胞浸潤巣は殆ど排他的に
発達したマクロファージから成っていた(図2A、a〜d)。浸潤巣のいずれに
おいても、Vα14を符号化するいかなるmRNA(図2B、aおよびb)もい
かなるVβCβ転移も見出されなかった。免疫化Jα281−/−マウス中のリ
ンパ節から、NKT細胞のない従来のT細胞によるVα14セグメントの通常の
使用を示すVα14−Cαガウシアンプロフィールが得られた(図2B、cおよ
びd)。
【0050】 RT−PCRにより、μ鎖は全く検出されず、転位TCRγ鎖が見出された。
対照として、脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁を注入した6個のJα28
1−/−マウスは、C57BL/6+/+マウスと同じ結果を出した(図2A、
e〜g;図2B、e〜h)。従って、肉芽腫タイプの相当に大きい病巣の形成は
NKT細胞の存在を必要とする。
【0051】 その後、本発明の著者らは従来のCD4+T細胞の可能な関与を試験した。従
来のCD4+T細胞を欠くが、しかしNKT細胞は正常に分化しているMHCI
I−/−マウスにおいて、脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁の注入は、C
57BL/6+/+動物におけるように、肉芽腫タイプの病巣の発生をもたらし
た(図2A、h〜j)。試料の免疫鏡分析により、Vα14−Jα281不変の
TCRα鎖が検出された唯一のVα14鎖であった(図2B、iおよびj)。ク
ラスII−/−マウスのリンパ節におけるVα14−CαおよびVα14−Jα
281プロフィールは、C57BL/6+/+動物におけるのと同じである(図
2B、kおよびl)。加えて、MHCII−/−細胞の、7日目の病巣に存在す
る細胞のTCRβレパートリーは、C57BL/6+/+マウスにおけるのと同
じVβ使用量における偏りを示した。加えて、Igμ鎖およびTCRγ/δ鎖を
符号化するmRNAsは、C57BL/6+/+マウスにおけるように検出され
た。
【0052】 従って、マイコバクテリア細胞壁により誘発された肉芽腫タイプの病巣中に存
在する異なった細胞タイプは、CD4+T細胞のない高度に組織化された構造中
に集まるが、しかしNKT細胞がないと組織化されることはない。
【0053】 CD8を符号化するmRNAの不在は、従来のCD8+T細胞への強い役割を
排除する。肉芽腫プロセスにおけるCD1分子の役割を、CD1−依存NKT細
胞を欠くβ2m−/−マウスを用いて評価した。肉芽腫タイプの大きな病巣が発
生した。しかし、それらのリンパ球含有量はC57BL/6+/+マウス中に誘
発された肉芽腫タイプ構造中に見られるものとは著しく異なっていた:RT−P
CRsおよび免疫鏡分析により、TCRβ鎖およびTCRVα14+鎖、CD4
、CD8およびIgMμ鎖を符号化するmRNAsは検出できなかった。他方、
TCRのγ/δ鎖を符号化するmRNAsはC57BL/6+/+マウスにおけ
るように存在した。
【0054】 従って、β2m遺伝子の変更による表現型の変化は、脱タンパク質化マイコバ
クテリア細胞壁により引き起こされる病巣中のBリンパ球およびα/βT細胞の
集積を防止し、且つクローン型プローブを用いて同じ動物のリンパ節の中に検出
されるまれなNKT細胞の病巣中への集積をも防止する。
【0055】 4.NKT細胞漸増の活性度は糖バクテリア糖脂質、さらに詳細にはPIMsと
関係する。 NKT細胞集積の原因である非ペプチドマイコバクテリア成分を識別するため
に、材料を分留し、種々画分のNKT細胞漸増の活性度を生体内で評価した。注
入部位で7日目に存在するNKT細胞の相対量を、RT−PCRおよび免疫鏡分
析により測定した。注入分子の生体内動作の可能な相違(例えば、拡散速度また
は特定内在化プロセスの相違)を避けるために、注入材料を中性賦形剤、水酸化
アルミニウム(Alu−Gel−S、サーバ)に共役させた。0.25mgの粒
子形態を取るAlu−Gel−Sを皮下注入されたC57BL6+/+マウスは
、殆ど検出されないVα14−Jα281mRNAを伴う微弱な浸潤物を発生し
た(図3)。
【0056】 Alu−Gel−S上に吸着されたH37Rv細胞画分(画分I)の粗脂質は
、マクロファージおよびリンパ球の厚い境界により取り囲まれた賦形剤および好
中球からなる芯を持つ組織化された大きな細胞浸潤物を生み出した。また、これ
ら構造の形成は、それらがJα281−/−マウス中には形成されないので、N
KT細胞の存在に応じて決まることを証明した。しかし、脱タンパク質化細胞壁
により誘発された構造のようではなく、粗糖脂質により誘発された組織化細胞浸
潤物は単一の生きた細胞に解離でき、その結果、FACS分析により浸潤物中の
NKT細胞の直接識別を可能とした。死亡細胞およびマクロファージをフィコー
ル分別により除去した。各肉芽腫から採集した2×106の生きた細胞の大部分
を好中球であるとして識別した。図4はすべての他の細胞はCD45+白血球で
あったことを示す。CD19+B220+B細胞は全く見出されなかった。すべて
のα/βTリンパ球はVα14+、TCRβint(中間発現)およびNK1.1+
、すなわち、NK1.1+T細胞であった。CD8+細胞は全く検出されず、CD
+細胞はまれにしか検出されなかった。約0.3%は非−TNK細胞であり、
約0.1%はγ/δT細胞であった。RT−PCRおよび免疫鏡分析は、B細胞
の不在および画分Iの注入により引き起こされた浸潤物中の転位TCRγ/δ鎖
の存在を裏付けた。従って、粗脂質により引き起こされた病巣を浸潤する殆どす
べてのT細胞はCD4CD8NKT細胞であった。画分Iにより誘発された浸潤物
は、RT−PCR分析によりAlu−Gel−Sの注入部位で漸増した細胞より
も200倍まで多いVα14−Jα281RNAを含有することが判明した(図
3)。ヒトのγ/δT細胞(Constant et al.,1994)を活
性化することは可能であるが、非脂質画分(画分II)はNKT細胞を漸増する
ことにおいて効果がなかった(図3)。免疫抗原性補強剤ムラミルジペプチド(
MDP、シグマ)、マイコバクテリア細胞壁の成分は、Alu−Gel−S単独
に比べて、Vα14−Jα281mRNAを増大することなく細胞浸潤を生み出
した(図3)。画分Iを分別蒸留し、画分のNKT細胞漸増の活性度をRT−P
CRにより監視した。殆どすべての活性度はPIMsを含有する画分(画分II
I、IV、VおよびVII)中に検出され(図3)、Vα14−Jα281ピー
クの面積は注入材料の量に比例した。「キーセルゲルG60シリカゲル」での「
フラッシュLC(登録商標)」(メルク)を用いるTLCによる反応性画分の分
析により、NKT細胞漸増において最も活性な画分は、その構造が質量分析によ
り4〜6個のマンノース単位を含むPIMsと適合する高度に極性のPIMsを
含有するものであった。
【0057】 NKT細胞がPIMs4〜6により誘発された浸潤物中に任意に集積するかど
うかを決定するために免疫鏡誘導半定量PCR技術を用いて、それらのTCRβ
レパートリーを定義し、それを任意に末梢NKT細胞(Watanabe et
al.,1995)を代表するように選択された肝臓からのNKT細胞のレパ
ートリーと比較した(図5)。肝臓からのNKT細胞は従来のT細胞と比較して
、Vβ8およびVβ7に対して限定されるVβ使用量を有することが確認された
。それぞれのVβ−Cβ転位系は、多クローン性および多様化TCRβレパート
リーを表示するCDR3長に対してガウシアン分布を示した。
【0058】 他方、PIMs4〜6の注入により引き起こされる浸潤物中に存在するNKT
細胞は異なって制限されるVβ使用量を示した(図5)。加えて、与えられたC
DR3長に関係する(図5に見られるように、9アミノ酸のCDR3長を持つV
β8.1−Cβ転位などの)と共に、対照群において見られるガウシアン分布と
比較して大きく過剰にあると見られる転位は、浸潤物中のNKT細胞の乏クロー
ン性分布を表した。乏クローン性分布に関係するVβ使用量における同じ制限が
すべての研究したマウス中に観察されたが、しかしCDR3領域の長さは動物に
応じて変った。
【表1】
【表2】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁の注入により引き起こされる肉芽腫タ
イプ構造のヘマトキシリン/エオシン染色断面を示す。 106脱タンパク質化マイコバクテリア細胞相当量をC57BL/6マウス中
に皮下注入した。注入後7日目に、発生した肉芽腫タイプ構造を切除し、4%緩
衝ホルマリン中に固定し、パラフィンで覆い、切断した。用いた対物レンズはそ
れぞれ2.5(a)、6.3(b)および40(c)である。バーは1mmに相
当する。
【図1B】 PBSまたは脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁のC57BL/6マウス
中への注入後7日目に観察されたVα14−Cα(左側欄)およびVα14−J
α281(右側欄)プロフィールの免疫鏡による分析を示す。 aおよびb:PBSが注入されたマウスのリンパ節。 cおよびd:脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁により免疫性を与えられた
マウスのリンパ節。 eおよびf:対照マウス中のPBS注入部位で切断された皮膚および筋肉。 gおよびh:脱タンパク質化マイコバクテリア細胞壁の注入により引き起こされ
た、7日目の肉芽腫タイプ構造。 iおよびj:3日目の細胞浸潤。 x−軸:CDR3領域のアミノ酸の長さ。 y−軸:蛍光の比較強度。
【図2A】 比較的サイズの大きい肉芽腫タイプ構造の成長はNKT細胞の漸増に応じて決
まることを示す。図2Aは、脱タンパク質化細胞壁のJα281−/−(対物レ
ンズ:a、2.5;b、6.3;c、40およびd、オイル、100)、Jα2
81+/−(e、2.5;f、6.3およびg、40)およびC57BL/6ク
ラスIIMHC−/−(h、2.5;i、6.3およびj、40)マウス中への
注入後7日目の注入部位の染色断面を示す。バーは1mmに相当する。
【図2B】 比較的サイズの大きい肉芽腫タイプ構造の成長はNKT細胞の漸増に応じて決
まることを示す。図2Bは、Jα281−/−(a〜d)、Jα281+/−(
e〜h)およびC57BL/6クラスIIMHC−/−(i〜l)の注入部位(
左側欄)およびリンパ節(右側欄)でのVα14およびVα14−Jα281の
使用を示す。
【図3】 Alu−Gel−S(アルミニウム水酸化物)(0.25mg)、MDP(4
0μg)、粗マイコバクテリア脂質およびそれらから得られる画分での免疫処置
後のVα14およびJα281mRNAの相対量を示す。約106バクテリア中
に含有される物質をAlu−Gel−S上に吸着後注入した。結果(ヒポキサン
チンリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)プライマー比率を用いる、Vα1
4−Jα281プライマー/蛍光PCR信号を用いる蛍光PCRとして表現され
る)は、2動物において得られる結果の平均値に相当する。
【図4】 C57BL/6マウス中へのAlu−Gel−S/マイコバクテリア脂質の皮
下注入部位で採集された細胞のFACS分析を示す。実験により、NKT細胞の
頻度はフィコール分別後採集された全細胞の1.7〜3.6%の範囲にある。ヒ
ストグラム上の破線は非染色細胞に相当する。
【図5】 対照マウスの肝臓から単離され(ハッチング柱)およびPIMs4〜6により漸
増された(分散点柱)NKT細胞、およびプライマー効力に対する内部対照とし
て本明細書に用いられるリンパ節からのT細胞(無色柱)のTCRβ鎖レパート
リーの半定量分析を示す:値1は、任意にリンパ節からのT細胞を用いて得られ
たガウシアンプロフィールの最も高いピークの面積によるものとされる。肉芽腫
タイプ構造中の最も代表的なVβ−Cβ系のみを、半定量PCR分析により研究
した。肉芽腫タイプ構造のないVβ6をネガテイブ対照として用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/06 ZNA C12N 5/00 ZNAE //(C12N 5/06 E C12R 1:91) (71)出願人 アンスティテュ パストゥール INSTITUT PASTEUR フランス国・75724 パリ セデ 15・リ ュ デュ ドクトゥール ルー,28 28, rue du Docteur R oux/75724 PARIS CEDEX 15/FRANCE (72)発明者 アポストロブ,イリナ フランス国,エフ−75020 パリ,リュ デ エエ,11 (72)発明者 ガシェラン,ガブリエル フランス国,エフ−75012 パリ,リュ ドゥ ピクプ,54 (72)発明者 クリルスキ,フィリップ フランス国,エフ−75001 パリ,リュ ドゥ モンペンシェール,26 (72)発明者 高濱 洋介 徳島県徳島市国府町井戸北屋敷45−1 Fターム(参考) 4B065 AA94X AC20 BB17 BB18 CA44 4C086 AA01 AA02 EA09 MA02 MA04 NA14 ZB26 4C087 AA01 AA02 BB34 BC29 DA14 NA14 ZB26

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医薬として許容される賦形剤と組み合わせた、少なくとも一
    つのホスファチジルイノシトールマンノシド(PIM)−活性化NKT細胞を含
    む医薬組成物。
  2. 【請求項2】 前記PIMがマイコバクテリア起源である、請求項1に請求
    の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 前記PIMが4、5または6のマンノース単位を含む、請求
    項1または2のいずれかに請求の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 生体外でNKT細胞を活性化するための方法であって、 i)NKT細胞を含む生体試料を採取し、 ii)NKT細胞を、少なくとも一つのホスファチジルイノシトールマンノシド
    (PIM)に、該PIMが前記NKT細胞を活性化するために適した条件下で接
    触させること、 を含む方法。
  5. 【請求項5】 前記PIMがマイコバクテリア起源である、請求項4に請求
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記PIMが4、5または6のマンノース単位を含む、請求
    項4または5のいずれかに請求の方法。
  7. 【請求項7】 肉芽腫タイプの免疫反応が必要とされる疾患の治療を意図し
    た医療品を製造するための、少なくとも一つのホスファチジルイノシトールマン
    ノシド(PIM)、および/または少なくとも一つのPIM−活性化NKT細胞
    の使用。
  8. 【請求項8】 前記PIMがマイコバクテリア起源である、請求項7に記載
    の使用。
  9. 【請求項9】 前記PIMが4、5または6のマンノース単位を含む、請求
    項7または8のいずれかに請求の使用。
  10. 【請求項10】 前記疾患の原因がバクテリア作用物質、例えばマイコバク
    テリアの感染である、請求項7〜9のいずれかに請求の使用。
  11. 【請求項11】 前記疾患が癌である、請求項7〜10のいずれかに請求の
    使用。
  12. 【請求項12】 前記疾患が黒色種である、請求項11に請求の使用。
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