JP2003501387A - 注意欠損活動亢進障害の治療のためのd−トレオ−メチルフェニデートの治療的使用 - Google Patents

注意欠損活動亢進障害の治療のためのd−トレオ−メチルフェニデートの治療的使用

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Abstract

(57)【要約】 d-トレオ-メチルフェニデートは、ラセミ体のメチルフェニデートを用いる治療に応答しない患者における、例えば注意欠損活動亢進障害の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 (発明の分野) 本発明は、d-トレオ-メチルフェニデートの治療的使用に関する。 【0002】 (発明の背景) 現在までのところ、注意欠損活動亢進障害(ADHD)の治療におけるd,l-ト
レオ-メチルフェニデート(d,l-MPH;Ritalin(登録商標)として入手可能)の
薬理学的作用は、l-エナンチオマー(l-MPH)成分に関して活性が検出されて
いないため、d-エナンチオマー(d-MPH)に固有のものであることが、文献に
より示されている;Patrick(1987)およびSrinivas(1992)を参照されたい。また、
経口投与の後でl-エナンチオマーが選択的に代謝される結果、d-エナンチオマ
ーの血漿レベルがl-エナンチオマーの血漿レベルよりも高くなることが一般に
認められることおよび、ごくわずかなl-MPHだけが循環系に入り、または脳
で利用されることが見出されている。Aoyama et al, Eur. J. Clin. Pharmacol.
44: 79-84(1993)およびHubbard, J. Pharm. Sci. 78: 944-7(1989)を参照され
たい。 【0003】 d,l-MPHの静脈内投与により、投与後約1.5時間では2つのエナンチオ
マーの血漿レベルは同じで、その後、当該レベルは異なることが示されている(S
rinivas, 1993)。Ding et al, Psychopharmacology 131: 71-78(1997)は、静脈
内投与後、l-MPHが脳で検出されることを示している。 Ding et al、既出も(前に示すように)、ラセミ体のメチルフェニデートの主な
薬理学的活性がd-MPH部分にあることを示唆している。l-MPHは行動モデ
ルでは相対的に不活性であると考えられている。Eckerman et al, Pharmacol. B
iochem. Behav. 40: 875-880(1991)を参照されたい。 【0004】 Barnes et al, Eur. J. Pharmacol. 218: 15-25(1992)は、ザコプリドのエナ
ンチオマーがPCPAと相互作用してネズミの嫌悪行動を修正し、活性の少ない
エナンチオマーがより活性なエナンチオマーの活性を打ち消すことが見出された
ことを報告している。 ADHDの子供の約3分の1は、d,l-MPHに臨床上応答しない。Jonkman
et al, Psychiatry Research 78: 115-8(1998)は、好反応が示されないことが代
謝上の相違により説明されることを示唆し、そして、応答しない者は好反応を示
す者よりも両エナンチオマーの血漿レベルが高いことを見出した。 【0005】 (発明の概要) 本発明は、ラセミ体のMPHに応答しない者を治療するのにd-MPHを用い
ることができるという新規な証拠(以下に示す)に基づくものである。 まず驚くべきことに、l-MPHがd-エナンチオマーおよびラセミ体の薬理学
的活性とおよそ類似する薬理学的活性を有することが見出された。2つのエナン
チオマーとラセミ体は、アーウィン観察試験(Irwin, Psychopharm. 131: 71-8(1
968)を参照されたい)において、外部刺激に対する感覚過敏の兆候を伴う興奮、
前足のトレッディングを伴う常同症、瞳孔散大および高熱を主に含む似たような
刺激作用を誘発した。l-エナンチオマーはd-エナンチオマーのおよそ8分の1
の活性、d,l-MPHの4分の1の活性があり、それゆえ、部分的アゴニストで
ある。 【0006】 第二の証拠は、移動行動へのd-MPHまたはd,l-MPHの効果を拮抗する
l-MPHの能力を試験した、マウスでの試験に基づく。25mg/kgでl-M
PHを皮下投与した後d,l-MPHを5mg/kgで投与することにより、塩水
を投与した後にd,l-MPHを投与したコントロール群と比較して、移動行動が
低下することが見出された。 【0007】 理論に拘束されることは望まないが、ラセミ体のうちl-MPHが、十分なl-
MPHが脳に入る場合に、d-MPHの活性を拮抗する可能性があることが示唆
される。さらに、応答しない者では、MPHの代謝上の違いにより十分なl-M
PHが循環系に入り、脳で利用され、d-MPHに対するレセプターが遮断され
、応答しないことの説明がつくことが推測される。結果として、本質的に単一の
d-エナンチオマーのみから成る製剤はほとんど拮抗作用を受けず、d,l-MP
Hに応答しない者でポジティブな活性を持つ可能性がある。別に、もしl-エナ
ンチオマーがレセプター-遮断のメカニズムによる直接アンタゴニストであるこ
とを示すことができなくても、d-エナンチオマーはl-エナンチオマーの不在下
、l-エナンチオマーの薬理学的作用およびそれから生じるあらゆる介入を取り
除くことにより、もっと強い薬理学的活性を有するはずである。 【0008】 (発明の記載) 本発明に用いるd-MPHは実質上その対掌体(l-MPH)を含まない、即ち、
少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%およびより好ましくは少なくと
も95%のエナンチオマー過剰率(ee)である。d-MPHは実質的にエナンチ
オピュアであってよい。これは、いずれかの適当な塩、例えばヒドロクロライド
の形態で用いてよい。 d-MPHは、ラセミ体のメチルフェニデートに関して知られているものと同
じ方法で、即時放出、調節放出または徐放性製剤、例えばコート錠剤で、または
液体として投与されてよい。これは、他のいずれの常套の製剤にて、いずれの適
当な投与経路により投与されてよい。常套の投与パラメータ、すなわち、当業者
の実施に対して知られるものまたは採用されるものを用いてよい。適当な組成物
の例は、WO-A-9703673に開示されており、その内容は、引用により本明細書中に
組み込まれる。 【0009】 本発明の組成物は、公知の目的、例えば、思春期前の子供、若者および成人の
注意欠損活動亢進障害(ADHD;本明細書中、この用語は注意欠損障害を包含す
るのに用いる)の治療のために、麻酔性鎮痛薬で治療される癌患者では刺激薬と
しておよび、鬱病(例えばAIDS患者における)、脅迫性買い物障害、睡眠発作
および睡眠過剰の治療のためにも投与することができる。 患者は「応答しない者」と認定されるあらゆる患者が対象となる。これは、既
に知られる患者のクラスまたは当業者が容易に認定することができる患者のクラ
スを表す。Jonkman et al、既出を参照されたい。 典型的には、患者は青年期または前成年期である。患者の年齢は、例えば5か
ら15歳であってよい。しかし、成人もまた、本発明による治療に適当であり得
る。 【0010】 本発明が基づく証拠は、以下の試験から成る。試験1 本試験は、ラットにおいて、l-MPHの一般的な臨床上の影響(アーウィン試
験)および抗痙攣活性および、バルビタール誘導性睡眠、腸輸送および胃機能へ
のその作用を試験するべく設計した。アーウィン試験、腸輸送および胃機能に関
して、l-MPHをd-エナンチオマーおよびラセミ体と比較した。 より詳細には、試験および対照化合物は、生理的食塩水に溶解したl-MPH
ヒドロクロライド、塩/塩基比=1.163;生理的食塩水に溶解したd-MPHヒ
ドロクロライド、塩/塩基比=1.163;生理的食塩水に溶解したd,l-MPH
ヒドロクロライド、塩/塩基比=1.163;カフェイン(バルビタール試験)、ジ
アゼパム(バルビタールおよびPTZ試験)、RO15-4513(PTZ試験)、
モルフィン(腸輸送試験)およびシメチジン(胃酸分泌試験)である。コントロール
はビヒクル(生理的食塩水)である。 180-240gの体重のオスのRjウィスター(ハン)ラット(1ケージにつき
5または6匹)を、輸送後少なくとも5日間、ケージ(41×25×14cm)中
、おが屑上で安定させた。動物は、試験されるまでは、食べ物と水道水を自由に
摂取させた。 【0011】 処置スケジュールは以下の通りである。 アーウィン試験:試験直前に2、4、8、16、32、64、128および2
56mg/kgs.c.。 バルビタールおよびペンチレンテトラゾール試験:試験30分前に8、16お
よび32mg/kgs.c.。 腸輸送および胃酸分泌試験:試験30分前に16mg/kgs.c.。 【0012】 結果から、アーウィン観察試験では2つのエナンチオマーとラセミ体により、
外部刺激に対する感覚過敏の兆項の高まり、前足トレッディングを伴う常同症、
瞳孔散大および高熱を主に含む似たような影響が誘発されることが示された。明
らかな刺激性の影響が、1-エナンチオマーに関して16mg/kgから、d-エ
ナンチオマーに関して2mg/kgから、および、ラセミ体に関して4mg/kg
から認められた。l-MPHは256mg/kgまで致命的ではなかった。これに
対し、d-エナンチオマーおよびラセミ体により64mg/kgで致死が誘発され
た。 【0013】 l-MPHによりバルビタール誘導性睡眠は完全に拮抗され、ペンチレンテト
ラゾールの痙攣作用は明らかかつ投与量依存的に拮抗された。また、l-MPH
により腸輸送、胃液容量および胃の酸性が減じられた。 腸輸送および胃酸分泌試験では、d-エナンチオマーとラセミ体を用いて似た
ような効果が認められた。他方、腸輸送の低下はl-エナンチオマーを用いて認
められるものほど明らかでない傾向にあった(-25%と比較して、それぞれ-1
2%および-15%)。他方、胃酸分泌および胃液pHにおけるラセミ体の効果は
、いずれのエナンチオマーを用いて認められるものよりもいっそう懸著であった
。 【0014】 これらの結果を総合すると、ラットにおいて、l-MPHの明らかなCNS刺
激および抗痙攣作用が投与範囲8-32mg/kg、s.c.で示される。これらの
結果より、当該物質(16mg/kg)による腸輸送および胃酸分泌の低下も示さ
れる。しかし、腸輸送および胃酸分泌に対する効果は、参考物質モルホリンおよ
びシメチジンと比較してわずかなものにとどまった。 d-エナンチオマーがl-エナンチオマーよりも約8倍強力であり、ラセミ体に
関してはその中間の効力が認められるアーウィン試験を除き、用いた試験のいず
れでも、両エナンチオマーとラセミ体の間では明らかな違いは認められなかった
。 【0015】 試験2(条件付けされた位置選択) 試験開始時に34-50gの体重を有する、大人のオスBKW(ブラッドフォー
ド育ちの)マウスを用いた。21±2℃、逆転照明条件下(12:12h、19.0
0-07.00h照明)に維持した飼育室に、10匹から成るグループで飼育した
。行動装置中での試験中以外は、食事と水を無制限に与えた。各試験日、試験が
開始される少なくとも1時間前には、囲いをしたトロリー内の実験室へマウスを
移した。実験室は赤い照明をつけておいた。 【0016】 移動行動(LMA)評価を用いる予備投与範囲試験で、装置は、それぞれケージ
の床上2.5cmおよび、長い側面から3cmに位置する2つの光電池ユニット
を備えた15の個々の透明なプレキシグラスケージ(各10×24×14cm)か
ら成る。光線の中断を自動的に記録し、トータルカウント/実験期間として示す
。以下のような累積投与法を用いて予備試験を行い、l-MPHの明らかな効果
が立証された。未処置のマウス(n=5/グループ)に塩水またはl-MPH(6.2
5mg/kg、s.c.)を投与し、すぐにLMA装置に入れた。30分後、塩水ま
たはl-MPH(6.25/kg、s.c.)の第二投与を施し、マウスをLMA装置
に戻した。さらに30分後、塩水またはl-MPH(12.5mg/kg、s.c.)
の第三投与を施し、LMAを記録した。最終的に30分後、塩水またはl-MP
H(25mg/kg、s.c.)の第四投与を施し、LMAを30分間記録した。 得られたデータの概要を表1に示す。これらのデータから、習性への影響がわ
ずかであり(実験計画と用いた動物の数が少ないことの両方の結果かもしれない
が)、際立った毒性の兆項が認められないという理由から、l-MPHを6.25
、12.5および25mg/kg、s.c.で用いて、条件付け位置選択(CPP)実
験を進めることに決めた。 【0017】 【表1】 n=5/処置群。データは、平均±semとして示す。P<0.05(Dunnett
のt-試験を続けるANOVA):対応する塩水コントロールから有意な増加 【0018】 CPP試験 CPPをプレクシグラスで構築した3つのチャンバーを有する装置(76×3
0×30cm)の中で評価した。外側の2つのチャンバーは30×30×30c
mであり、その一つはすじ付きの木製床材/金属壁を有し、他方はテクスチャー
ド加工のガラス製床材/すじ付きの木製壁を有するものである。特質と視覚情報
に関しこの組み合わせが選択されたのは、これにより確実に2つのチャンバーが
別個のものであることが確実になるからである。マウスをまず、最初に選択され
るチャンバーと選択されないチャンバーに、均衡するように入れる。小さい中央
のチャンバー(16×30×30cm)は、真っ黒に塗られた床と透明の壁から成
る。全ての3つのチャンバーはギロチンドアでつなぎ、これは、チャンバー間の
視覚的連絡を妨げるためにずらしてある。 実験期間は3つの別々の段階に分けた。 【0019】 条件付け前: 未処置のマウスを中央のチャンバーに入れ、ギロチンドアを上げ、3連日15
分間、装置の全3セクションに自由に入ることができるようにした。装置中のマ
ウスの位置を、光電池光線のシステムを用いて自動的にモニターし、2つの外側
のチャンバーのそれぞれで過ごした時間を記録し、それより条件付けの前の最初
の選択を求めた(3日間の平均±sem)。中央のチャンバー内で過ごした時間は
、2つの外側のチャンバー間を移動した回数を反映する。 【0020】 条件付け: これは8日の実験期間から成り、この間、ギロチンドアを下げ、マウス(グル
ープ、n=7-12)に薬物または塩水を注射して、そしてすぐに2つの外側のチ
ャンバーの一つに30分間入れた。一日おきにマウスにもう一方の処置を施し、
反対側のチャンバーに入れた。各マウスにこうして4の薬物と4の塩水の組み合
わせを与えた。薬物の組み合わせは、薬物投与の第一日目同様、選択されるチャ
ンバーと選択されないチャンバーの両方に対し、グループ間で釣り合わせた。塩
水/塩水コントロール群を実験計画に含めた。 【0021】 条件付け後: ギロチンドアを上げ、マウスを再び中央チャンバーに入れ、15分間、全3セ
クションに自由に入ることができるようにした。各マウスの位置をモニターし、
外側の各チャンバーで過ごした時間を秒で測定した。 【0022】 7つのグループを計画に組み込んだ。 グループ1:塩水/塩水コントロール(n=10) グループ2:d-アンフェタミンスルフェート(1.25mg/kg、s.c.;n=
7) グループ3:d,l-MPH(10mg/kg、s.c.;n=10) グループ4:d-MPH(5mg/kg、s.c.;n=8) グループ5-7:l-MPH(6.25mg/kg s.c.、12.5mg/kg s.
c.または25mg/kg s.c.;n=12、9および10) 【0023】 拮抗作用試験 マウスのグループ(n=9-10/グループ)に塩水またはl-MPH(25mg/
kg、s.c.)を投与し、20分後、塩水、d-MPH(2.5mg/kg、s.c.)
またはd,l-MPH(5mg/kg、s.c.)を投与した。前に詳細に記載したよ
うに、その後の60分間、個々の光電池箱の中での移動行動を測定した。 5つのグループ(n=9-10/処置群)を用いた。 【0024】 グループ1:塩水+塩水コントロール;(n=10) グループ2:塩水+d-MPH(2.5mg/kg、s.c.);n=10 グループ3:塩水+d,l-MPH(5mg/kg、s.c.);n=10 グループ4:l-MPH(25mg/kg、s.c.)+d-MPH(2.5mg/kg、
s.c.);n=10 グループ5:l-MPH(25mg/kg、s.c.)+d,l-MPH(5mg/kg、
s.c.);n=9 【0025】 統計学的分析: 予備試験: トータルカウント数/実験期間を記録し、データをポスト-hoct-
試験を用いる変動の一方向分析により分析した。 CPP試験: 個々のマウスが条件付けの前後に外側のチャンバーで過ごした時間を比較した
。データを、ポスト-hoct-試験を用いる変動の対象分析内での2方向分析に
より分析した。 拮抗作用試験: トータルカウント数/実験期間を記録し、データを、単一コントロールに対す
る複合比較のためのDunnettのt-試験を用いる変動の一方向分析により分析した
。 いずれの分析においても、p<0.05を有意であると見なした。 【0026】 CPP試験の結果 条件付け前: 個々のマウスを3日間の前条件付け試験日の各日に、装置に入れた。各マウス
の初めの選択を、装置の外側の2つのチャンバーのそれぞれで過ごした時間から
算定した(平均±sem)。これより、選択された/選択されないチャンバーと薬
物投与の順序を考慮に入れて釣り合うようにした計画の7つの処置群の1つに、
マウスを分けた。 【0027】 条件付け: 各日に、マウスに塩水または薬物を与え、装置の1チャンバーに入れた。個々
の体重を毎日継続して記録した。 条件付け後: 個々のマウスが装置の3つのチャンバーで過ごした時間を記録した。条件付け
段階の前後で過ごした時間の比較により、塩水/塩水処置が、個々のチャンバー
の選択に関していかなる変化も引き起こさないのに対し(250.7±21.5s〜196.3±
22.0s)、d-アンフェタミン(1.25mg/kg, s.c.)により、薬物と組み合わされ
るチャンバーで過ごした時間、これは選択反応と一致する、が有意に増すことが
明らかになった(250.8±7.9s〜401.4±35.3s)。 【0028】 d-MPH(5.0mg/kg、s.c.)を用いた処置により、薬物と組み合わさ
れるチャンバーへの選択が増したが(247.6±16.9s〜357.6±51.0s)、d,l-MP
H(10mg/kg、s.c.)は選択反応を生じなかった(257.0±16.3s〜297.1±2
6.3s)。l-MPH(6.25、12.5または25mg/kg、s.c.)を用いた処
置では、最も少ない投与量でのみ、薬物と組み合わされるチャンバーへの有意な
選択が生じたが、他の投与量では反応に影響はなかった(それぞれ、270.5±20.3
〜472.5±35.2s;281.2±25.5〜322.8±45.9s;275.7±16.1〜323.7±47.7s)。 【0029】 拮抗作用試験結果 d-MPH(2.5mg/kg、s.c.)またはd,l-MPH(5mg/kg、s.c
.)を用いる処理により、塩水処置したコントロールと比較して、60分間のLM
Aが有意に高まった(1098.7±106.7が2240.7±259.2および3006.7±149.7カウン
ト/60分までそれぞれ増加した)。l-MPH(25mg/kg、s.c.)を用いた
前処置により、d-MPHの効果は変化しなかった(LMAは2655.5±165.6カウ
ント/60分まで増加した)が、d,l-MPHの効果は、塩水/塩水処置コントロ
ールよりは依然として高かったものの、有意に低下した(1961.2±156.6カウント
/60分まで)。 【0030】 試験3(臨床) d,l-MPHに応答しないことが予め示されているADHDの8人の子供でパ
イロット試験を行った。試験薬物の効能、安全性および許容性の評価を妨げる全
薬物の使用を、試験前の適当な期間停止した。d-MPHの2つの投与濃度を、
単一投与として、1週間間隔を空けた別の試験日、即ち、試験1日目(投与量=
7.5mg)と8日目(投与量=15mg)に与えた。効力測定は投与前に対して投
与後に、試験1日目と8日目の各日で評価し、そして、 ・調査者の鑑定における臨床的に関連する反応 ・10項目のConnerのグローバルインデックススケール(GIS)の改良 ・臨床グローバル効果スケール(CGI)における改良 から成る。 GISは世界中で認められている、批准されたADHD診断用スキームである
。関連文献を以下に示す。 【0031】 Conners CK、Connersの評価スケールマニュアル:Connersの教師評価スケール:
Connersの親評価スケール:子供および成年を用いる使用のための道具、Toronto,
North Tonawanda, NY: Multi-Health Systems Inc, 1990;および、 Conners CK、CRS-R、Connersの訂正された評価スケール:子供および青年を用
いる使用のための道具、Toronto, North Tonawanda, NY: Multi-Health Systems
Inc, 1997。 【0032】 このスキームは、 ・休まないまたは活動過多 ・他の子供の邪魔をする ・興奮しやすい、衝動的である ・要求はすぐに満たされなければならず、容易に挫折する ・始めたことを終えられない ・不注意で、容易に注意がそれる ・しばしば、そして容易に泣く ・突然かんしゃくをおこす ・気分がすぐに、そして激烈に変わる ・そわそわする 【0033】 スコアの低下は、臨床的な改善の兆項である。 CGIは、治療後のいずれの変化も検出することができ、それゆえ効能の評価
を提供することができる得点形式の、病気の重篤度に関して確立された臨床基準
である。 結果(表2〜5)により、全3つの基準において改善が見られ、GISおよびC
GIの場合にそれが投与量に関連するものであったことが示される。 【0034】 【表2】 【0035】 【表3】 【0036】 【表4】 【0037】 【表5】 【0038】 CGIの変化を投与前および投与後の測定に関して計算し、ベースラインから
の変化を次いで計算した。対応t-テストによる分析により、両投与量で統計学
的に有意な効果があり、7.5および15mg投与量に関するp値がそれぞれ0.
0034および0.0004であることが示される。 【0039】 結論 CPPデータにより、これまでの試験とは対照的に、d,l-MPHは用いられ
た投与量で有効でなかったが、d-アンフェタミンとd-MPHはマウスの条件付
け位置選択パラダイムにおいて選択反応を起こすことが確認される。d,l-MP
Hを用いて影響がないことは、この化合物の用量-応答曲線の逆転、これは、先
の研究で確認はされないが示唆はされる効果に関する特性である、を反映する可
能性がある。 データは、l-MPHが、用いられる最も低い投与量でのみではあるが、選択
反応を生じることができるが、より高い投与量では有効でないことも示唆する。
l-MPHを用いて認められる明らかに逆転した用量-応答関係は、ラセミ体のよ
り高投与量を用いた他の場合(Wilson et al, Psychopharmacologia (Berl.) 22:
271-281(1971)に示唆されているl-MPHの行動破壊作用を反映している可能
性がある。しかし、本試験からのデータでは有意な位置嫌悪は得られなかったの
で、本試験からのデータはこの仮定を完全には支持しない。 【0040】 移動行動へのd-MPHおよびd,l-MPHの影響に対するl-MPHの潜在的
なアンタゴニスト活性を試験する予備試験により、l-MPHは、ラセミ体の刺
激作用を逆転はしないが、減じることはでき、しかし、d-MPHにより誘導さ
れるLMAの刺激には影響しないことが明らかになった。試験がl-MPHの1
回高投与量および1回間隔で行われたことを考えると、導き出される結論は不確
かであるが、高投与量のl-MPHがドーパミントランスポーターのアンタゴニ
ストとして作用する可能性があることが示唆される。 【0041】 考慮されるもう一つの仮説は、l-MPHの潜在的な部分的アゴニスト特性に
関するものである。まず、投与量を変化させる試験からの証拠より、l-MPH
がLMAを高める可能性があることが示唆される。二番目に、高投与量ではなく
低投与量のl-MPHにより、CPPが誘導される。最後に、高投与量のl-MP
Hは、d,l-MPHの効果を遮断すると考えられる。作用のこの特性は、部分的
アゴニスト特性を反映する可能性がある。 ラセミ体のメチルフェニデートに応答しないことがすでに示されているADH
Dの子供では、前記の3つの臨床基準に関し、d-トレオ-MPHに対する反応に
おいて改善が示された。それゆえ、臨床状況では、Ritalin(登録商標)の形での
現在の治療に反応しなかった子供は、d-トレオ-MPHを用いてうまく治療され
る可能性があることが妥当に考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA, ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ラセミ体のメチルフェニデートを用いる治療に応答しない患
    者における、注意欠損活動亢進または関連する疾患の治療のための薬剤の製造の
    ためのd-トレオ-メチルフェニデートの使用。
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