JP2003501363A - 遺伝子伝達用カチオン性脂質及びその製造方法 - Google Patents

遺伝子伝達用カチオン性脂質及びその製造方法

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JP2003501363A JP2001500783A JP2001500783A JP2003501363A JP 2003501363 A JP2003501363 A JP 2003501363A JP 2001500783 A JP2001500783 A JP 2001500783A JP 2001500783 A JP2001500783 A JP 2001500783A JP 2003501363 A JP2003501363 A JP 2003501363A
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ジョンサン パク
ジョンシグ チョイ
エウンユン リー
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ジョンサン パク
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、遺伝子伝達用カチオン性脂質及びその製造方法に係り、さらに詳しくはコレステロールにリジンまたはオルニチンなどのアミノ酸グループを取り込んで遺伝子治療または形質変換に必要な遺伝子伝達用カチオン性脂質、リポソーム及びその合成法を開示する。本発明によれば、低い細胞毒性及び高い遺伝子伝達効率を有する新しい類型のカチオン性脂質を提供することができる上、固相合成法によっていろいろなカチオン性脂質を迅速で且つ効率よく合成する方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、遺伝子伝達用(gene transfer)カチオン性脂質、さらに詳しくは
リジンやオルニチンなどのアミノ酸部分(moiety)に結合した(dangling with)
コレステロール化合物からなる遺伝子伝達用ベクターに関する。また、本発明は
、前記カチオン性脂質の製造方法に関する。
【0002】 背景技術 遺伝子治療に用いられるビヒクルとして、最近は主にアデノウィルス又はレト
ルウィルスなどを用いるウィルスベクターシステムが広く用いられている。この
ようなウィルスベクターシステムは、遺伝子伝達効率は良いが、分子量の大きい
巨大分子の伝達が不可能であり、ウィルスの再感染、免疫反応の誘発或いは発癌
遺伝子の活性化など深刻な副作用を起こす恐れがあるという問題点があって、遺
伝子治療への適用は困難である。
【0003】 これにより、現在はウィルス(virus)を使用しない遺伝子伝達方法が多く研
究されており、今後このような方法が生命工学分野で主流をなすものと予想され
る。ウィルスを使用しない遺伝子伝達用ベクターとして、化学的に合成したポリ
マーが多く用いられており、その例としてポリ−L−リジン、ポリ−L−オルニ
チン、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリスペルミン、デントリマー(dentri
mer)などが挙げられる。そして、これより一層多く用いられているものとして
は様々なカチオン性脂質があり、カチオン性脂質を遺伝子伝達に用いる方法はす
でに開示されている(Nature, vol. 337, pp 387-388, 1989)。即ち、DC-chol
(Biochem. Biophys. Res. Commun. Vol. 179, pp280-285, 1991)、スペルミジ
ン−コレステロール(Biochem. Biophys. Res. Commun. Vol. 179, pp 82-88, 1
996)、B.G.T.C. (Proc, Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp 9682-9686)、
リポフェクチン(Gibco-BRL社製)、リポフェクトアミン(Gibco-BRL社製)、ト
ランスフェクタン(Promega社製)、Escourt(Sigma社製)、Effectene(Qiagen
社製)、Geneporter(Genetherapy Systems社製)などのように、さまざまなカ
チオン性脂質が次世代遺伝子伝達用物質として脚光を浴びて開発され、商品化さ
れている。
【0004】 カチオン性ポリマー又はカチオン性脂質は、化学合成が容易であり、分子量の
大きいDNA分子を伝達することができ、また生体に安全に使用することができ
るという長所があるが、トランスフェクション効率面で見劣りがし、製造コスト
が高いという問題点を抱えている。
【0005】 発明の開示 本発明者らは、先行技術における上記問題点を解決すべく、遺伝子治療又は遺
伝子伝達に用いられるビヒクルとして有用なカチオン性脂質について鋭意研究し
、 リジンアミド−コレステロール誘導体又はオルニチンアミド−コレステロー
ル誘導体が、核酸物質の細胞内伝達効率が高く、細胞毒性が低いこと、かかるカ
チオン性脂質が、薬学的に有効な成分を細胞内に運ぶことができるリポソームと
なることを見い出して本発明を完成するに至った。また本発明者らは、大量生産
にも応用可能な、かかるカチオン性脂質の固相合成法も開発した。 つまり、本発明の目的は、遺伝子伝達効率が高く且つ細胞毒性が低い、カチオ
ン性脂質を提供することにある。 また、本発明の他の目的は、主にカチオン性脂質からなる、薬学的に有効な物
質の担体として使用可能なリポソームを提供することにある。 また、本発明のさらに他の目的は、固相支持体を用いたこれらカチオン性脂質
の製造法を提供することにある。
【0006】 発明を実施するための最良の形態 実施例にしたがい、本発明の下記一般式(I)で表示されるカチオン性脂質を
説明する。
【0007】
【化3】 (前記式中、Rは−CH2−CH2−CH2−CH2−NH3 +又は−CH2−CH2
CH2−NH3 +を示し、nは1〜10の整数を示す、但し、アミノ酸部分はリジ
ン又はオルニチン単独からなるホモオリゴペプチド、或いはリジンとオルニチン
とからなるヘテロオリゴペプチドである。)
【0008】 前記一般式(I)からわかるように、本発明のカチオン性脂質は、陽電荷を帯
びる残基を有するアミノ酸部分と、4つの疎水性環状構造を特徴とするコレステ
ロール部位で構成されている。
【0009】 前記本発明のカチオン性脂質を構成するアミノ酸部分としては、リジンアミド
(lysinamide,K)又はオルニチンアミド(ornithinamide,O)が挙げられ、p
Hがほぼ中性を示す、生理学的に正常な条件下では、前記リジンとオルニチンの
サイドアミノ基(side amino groups)は、ε−NH3 +、δ−NH3 +の形でそれ
ぞれ存在するので、前記一般式(I)の分子は全体的に陽電荷の荷電状態を保持
する。前記の陽電荷は、前記一般式(I)のカチオン性脂質が中性pH領域で陰
電荷を帯びている各種オリゴヌクレオチドと複合体を形成することを可能とし、
且つ相対的に陰電荷を保持している標的細胞膜とカチオン性脂質との接着を施す
のに役に立つ。
【0010】 また、前記一般式(I)中、疎水性部位には、コレステロール残基を使用する
のが好ましい。インビボにおいて、コレステロールは、3位炭素の水酸基(−O
H)を除いては全体が疎水性であり、他の膜脂質間の支持体の役をする膜組成物
であると共に、トランスフェクション用のビヒクル(Vehicle)に利用するときに
は、ビヒクルと標的細胞との融合を可能にする。
【0011】 前述のとおり、前記本発明のカチオン性脂質は、親水性のアミノ酸部分と疎水
性の脂質部分(moiety)とからなる両親媒性化合物であって、アミノ酸部分のア
ミン基(−NH2)と、クロロホルメートで活性化されたコレステロールの3位
炭素の水酸基(OH)との間のカルバメートエステル形成によって合成すること
が好ましい。
【0012】 また、前記アミノ酸部分のリジン又はオルニチンは、ホモ又はヘテロのいずれ
のオリゴペプチドの形でも本発明の実施に適する。前記アミノ酸残基の数は1〜
10とするのが好ましく、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜2とす
るのがトランスフェクション効率と経済性を考えると良い。nが1〜2の場合の
カチオン性脂質の例としては、3β[L−リジンアミド−カルバモイル]コレス
テロール、3β[ジ−L−リジンアミド−カルバモイル]コレステロール、3β
[L−オルニチンアミド−カルバモイル]コレステロール、3β[ジ−L−オル
ニチンアミド−カルバモイル]コレステロールが挙げられる。
【0013】 前記本発明のカチオン性脂質は、巨大分子と共に、細胞内へのトランスフェク
ションに適した複合体を形成する。前記細胞内へトランスフェクションする巨大
分子としては線状あるいは環状のポリヌクレオチドが使用される。
【0014】 前記ポリヌクレオチドとしては、DNA、プラスミド、RNAが例示され、利
用可能なDNAは一本鎖あるいは二本鎖である。RNAはmRNA、tRNA、
rRNAだけでなく、標的DNA配列あるいはRNA配列と相補的なアンチセン
スRNA配列を含む。加えて、本発明のカチオン性脂質によりリボザイムのトラ
ンスフェクションが可能である。
【0015】 一般に、細胞にトランスフェクションされる前記ポリヌクレオチドは、構造遺
伝子あるいは発現調整因子で構成されている。前記構造遺伝子は、概して、疾病
の治療又は診断に関わるポリペプチドをコードする。例えば、ペプチドホルモン
、組織適合性抗原、細胞接着蛋白質、サイトカイン、各種抗体、細胞受容体、細
胞内又は細胞外酵素及びこれらの断片などは、その対応する遺伝子が本発明のカ
チオン性脂質によりトランスフェクションされた後で、新たに発現する場合があ
る。また、本発明のカチオン性脂質の標的となりうる発現調整因子としては、例
えば転写プロモーター(transcription promoter)、エンハンサー(enhancer)
、サイレンサー(silencer)、オペレーター(operator)、ターミネーター(te
rminator)、アテニュエーター(attenuator)などが挙げられる。
【0016】 また、本発明の別の実施例により、目的のポリヌクレオチドを細胞にトランス
フェクションできるリポソームが得られる。かかるリポソームは、基本的に本発
明のカチオン性脂質からなっている。以下、カチオン性脂質からなるリポソーム
を「カチオン性リポソーム」という。
【0017】 リポソームは脂質からなる膜状のエンベロープを有する小胞(vesicle)であ
って、内部に水溶性物質を含有する構造物をいう。現在、リポソームは薬学的に
有用な各種物質を標的細胞まで運搬するのに使用されている。前記リポソームを
製薬に使用する場合、脂質膜が徐々に溶解されるため、徐放性医薬品とすること
ができ、経口又は注射によっても投与が可能で、標的又はその周辺への局所的な
運搬が可能だという驚異的な利点がある。
【0018】 本発明によると、カチオン性リポソームは、前記一般式(I)のカチオン性脂
質のみを用いて構成することもでき、本発明のカチオン性リポソームは、好まし
くは10〜90モル%の一般式(I)で表わされるカチオン性脂質と90〜10
モル%の中性脂質とから構成される。前記リポソームの形成に使用する前記一般
式(I)のカチオン性脂質として、2〜5のアミノ酸残基からなるアミノ酸部分
を持つものがトランスフェクション効率と経済性の面で好ましい。前記アミノ酸
残基の数が1〜2であれば、さらに好ましい。nが1〜2の場合のカチオン性脂
質の例としては、3β[L−リジンアミド−カルバモイル]コレステロール、3
β[ジ−L−リジンアミド−カルバモイル]コレステロール、3β[L−オルニ
チンアミド−カルバモイル]コレステロール、3β[ジ−L−オルニチンアミド
−カルバモイル]コレステロールが挙げられる。
【0019】 利用可能な中性脂質としてはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(
DOPE)、コレステロールが例示されるが、これに限定されるものではない。 前記カチオン性リポソームは、常法により形成できる。例えば、脂質分子を水
性培地内で懸濁させた後超音波処理することにより、非常に均一なサイズの球形
小胞を形成することもでき、脂質のエタノール溶液を水と急速に混合して球形小
胞を形成することもできる。
【0020】 また、本発明の実施例によると、薬学的有効成分を細胞内へ運ぶベクターとし
て前述したカチオン性脂質又はリポソームを含む薬学的組成物が得られる。この
場合、前記薬学的有効成分としては、遺伝子治療に有用なオリゴペプチド又はポ
リペプチドがある。カチオン性脂質又はリポソームを薬学的組成物として使用す
る場合の量は、投入される薬学的有効成分、患者の状態、疾病の重篤度その他の
事情によってそれぞれ異なる。
【0021】 さらに、本発明の別の実施例によると、前記一般式(I)のカチオン性脂質の
合成法が得られる。
【0022】 本発明のカチオン性脂質は、前述のように、リジンアミド残基、オルニチンア
ミド残基又はオリゴペプチドとコレステリルクロロホルメート間のカルバメート
エステル結合の形成によって合成される。このことから、本発明は前記方法に限
定されるのではなく、当業者であれば自明の技法を改良したものを含むと解釈さ
れるべきである。
【0023】 前記合成方法について、下記の図面を用いてさらに詳しく説明する。図1に示
すように、前記一般式(I)のカチオン性脂質は、以下のステップを実施するこ
とにより合成することができる。 1)リンクアミド樹脂(rink amide resin)を適切な有機溶媒に入れて膨潤させ
た後、ピペリジン(piperidine)溶液を含んでいる有機溶媒を一定時間処理して
Fmoc(9−フルオロメトキシカルボニル)保護基を除去するステップ 2)保護基を除去された樹脂にNα−Fmoc−N(−tBoc(ターシャリー
−ブトキシカルボニル)リジン又はNα−Fmoc−N(−tBoc−オルニチ
ンのカルボキシ基を活性化させて連結した後、Fmoc保護基を除去するステッ
プ このステップは、必要に応じてリジン残基及び/又はオルニチン残基からなる
ホモオリゴヌクレオチド又はヘテロオリゴヌクレオチドを得るために繰り返され
る。この場合、前述したように、好ましい繰返し回数は1〜10、さらに好まし
くは1〜5である。 3)コレステリルクロロホルメートをメチレンクロライドに溶かし、ここにDI
PEA(diisopropylethylamine)を加えて反応させ、アミノ酸の遊離アミン基
をコレステロールの活性化ヒドロキシ基に連結させるステップ 4)前記ステップ3)で得られた結果物にTFA(トリフルオロ酢酸)/メチレ
ンクロライドを添加して、固相支持体からリジン−コレステロール又はオルニチ
ン−コレステロールと側鎖保護基を脱離するステップ
【0024】 また、前記カチオン性リポソームは、その表面にカチオン性リポソームの血液
循環時間を延長するのに効果的な親水性ポリマー鎖を備えていてもよい。こうし
た目的に有用な前記親水性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG
)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリビニルピロリドン、ポリメチルオキサゾ
リン、ポリエチルオキサゾリンなどが例示できるが、ポリエチレングリコールが
好ましい。前記ポリマーは疎水性部分と親水性部分が存在する両親媒性物質であ
って、本発明のカチオン性脂質複合体/カチオン性リポソーム複合体に化学的に
結合すると、前記複合体の抗原性が大きく減少するという効果を有する。前記親
水性ポリマーは、リジンのε−アミノ基又はオルニチンのδ−アミノ基との結合
を介してカチオン性脂質に結合可能であるが、下記一般式(II)で表示されるよ
うに末端カルボキシ基のアミド基との結合を介することが好ましい。
【0025】
【化4】
【0026】 前記カチオン性脂質に結合するポリエチレングリコールとして、分子量0.5
〜20kDのものを使用することが好ましい。
【0027】 また、本発明のカチオン性脂質は、標的になる細胞に特異的に結合され得るよ
うに、カチオン性脂質に特異的なマーカー(marker)又はリガンドを付ける場合
がある。前記マーカー又はリガンドとしては、各種抗原、トランスフェリン、ビ
オチン、葉酸、低密度リポ蛋白質(LDL)、単糖類(例えばマンノース、グル
コース、ガラクトース等)及び二糖類(例えばラクトース)が好ましい。各細胞
型には、ある型のリガンドやマーカーと特異的に結合する特徴的な受容体がある
ため、どういったマーカーやリガンドを選択するかは細胞型によって異なる。特
定の細胞に対応するマーカーやリガンドは当業者であれば周知の事項であるため
、これ以上の詳細な説明は避ける。
【0028】 前記カチオン性脂質又はリポソームにより細胞内へ運ばれる物質の取り込みあ
るいは移行の機序は、エンドサイトーシス又は融合によって説明される。前記物
質が細胞膜のある部分の受容体と結合すると、前記物質が細胞内へ入り込むよう
に、膜のその部分が前記物質を包み込む。カチオン性リポソームの場合は、細胞
膜と融合する。エンドサイトーシスが起こると、トランスフェクションに直接関
与するエンドソームが細胞内で形成される。融合の場合には、リポソームの膜は
標的細胞膜と一体化し、リポソーム複合体の内容物が細胞内へ移行してトランス
フェクションを行う。トランスフェクションの正確な機序については未だ知られ
ていないが、カチオン性脂質複合体からなるエンドソームが核膜と結合した大き
い小胞体と融合し、脂質複合体を核周辺槽へ移動させた後、オリゴヌクレオチド
又はポリヌクレオチドが核内に入り、転写と蛋白質合成に関与していると、推測
できる。その他に推測できる機序としては、カチオン性脂質複合体がエンドソー
ムのアニオン性脂質と静電気的相互交換を起こしている間にカチオン性脂質から
オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが解離して細胞質に放出された後、核
内に伝達されて転写と蛋白質合成に関与するというものがある。
【0029】 本発明のカチオン性脂質及びカチオン性リポソームは、細胞内で酵素による分
解が可能であり、且つ図2に示すように細胞に対する毒性が従来の遺伝子伝達用
ビヒクルに比べて著しく低い。
【0030】 以下、本発明の内容を下記実施例によって具体的に説明する。但し、下記実施
例は本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明を制限するものではない。
【0031】 (実施例1)リジン−コレステロール及びオルニチン−コレステロールの合成 50〜100mg程度のリンクアミド樹脂(米国のAnaspec社製)をDMF(N
,N-dimethylformamide)に1時間以上入れて充分に膨潤させた後、ピペリジンを
含んでいるDMF溶液中で30分以上処理してFmoc(9-fluoromethoxycarbo
nyl)保護基を除去した。その後、1当量のHBTU(2-(1H-nenzotriazole-1-y
l)-1,1,3,3-tetramethyl-uronium hexafluorophosphate)、1当量のHOBt(N
-hydroxybenzotriazole-H2O)、2当量のDIPEA(Diisopropylethylamine)
が含まれているDMF溶液を用いてNα−Fmoc−N(−tBoc(tertiary b
utoxycarbonyl) −リジン或いはNα−Fmoc−N(−tBoc−オルニチンの
カルボキシ基を活性化させて保護基を除去した樹脂に結合させた後、樹脂をDM
Fで数回洗浄した。次に、アミノ酸のFmoc保護基をピペリジンで除去した後
、さらにDMFで洗浄した。必要な場合には、このアミノ酸結合プロセスをもう
一度繰返し、リジン残基或いはオルニチン残基が2つ連続して樹脂に付着するよ
うにした。
【0032】 その後、コレステリルクロロホルメートをメチレンクロライドに溶かしてDI
PEAの存在下で、前記樹脂と結合したアミノ酸と反応させて、コレステロール
の水酸基とアミノ酸のアミン基を結合させた。そして、その結果得られた樹脂を
DMF、メチレンクロライド、メタノールを用いて順次十分洗浄して真空状態で
一晩放置し、乾燥させた。
【0033】 固相支持体からのリジン−コレステロール(以下、「K−Chol」とする)
或いはオルニチン−コレステロール(以下、「O−Chol」とする)の遊離と
それに続くアミノ酸からの側鎖保護基の除去は、TFA(トリフルオロ酢酸)/
メチレンクロライドを添加して行った。以上の過程で合成されたカチオン性脂質
を、エチルエーテル中で沈澱させて3、4回洗浄し、その後水に溶かして凍結乾
燥を行った。これの分子量をFAB MS(fast atom bombardment mass spect
roscopy)方法もしくはMALDI−TOF MS(matrix-assisted laser desor
ption ionization-time of-flight mass spectroscopy)方法で測定した。
【0034】 K1−Chol:1H NMR (300MHz, d6-DMSO) δ in ppm 0.65-2.26 (m, skele
ton of cholesterol, -(CH2)3-of Lys), 2.75 (br, s, -CH2 of Lys), 4.3 (br,
s, -CH of Lys) 7.2 (br, -NH2 of Lys) 7.7 (br, -CO-NH- of Lys) 分子量 (FAB-MS) m/z 558 [M+H]+, (MALDI-TOF MS) m/z 576 [M+Na]+ K2−Chol:0.65-2.26 (m, skeleton of cholesterol, -(CH2)3- of Lys
), 2.75 (br, s, -CH2 of Lys), 4.3 (br, d, -CH of Lys) 7.2 (br, -NH2 of L
ys) 7.7 (br, -CO-NH- of Lys) 分子量 (FAB-MS) m/z 686 [M+H]+ 注:K1:リジン残基1つ、K2:リジン残基2つ。
【0035】 O1−Chol:1H NMR (300MHz, d6-DMSO) δ in ppm 0.65-2.26 (m, skele
ton of cholesterol, - (CH2)2-of Orn), 2.75 (br, s, -CH2 of Orn), 4.3 (br
, s, -CH of Orn) 7.2 (br, -NH2 of Orn) 7.2 (br, -NH2 of Orn) 7.7 (br, -C
O-NH- of Orn) 分子量 (MALDI-TOF MS) m/z 560.2 [M+Na]+ O2−Chol:1H NMR (300MHz, d6-DMSO) δ in ppm 0.65-2.26 (m, skele
ton of cholesterol, - (CH2)2-of Orn), 2.75 (br, s, -CH2 of Orn), 4.3 (br
, s, -CH of Orn) 7.2 (br, -NH2 of Orn) 7.7 (br, -CO-NH- of Orn) 分子量 (MALDI-TOF MS) m/z 673.2 [M+Na]+ 注:O1:オルニチン残基1つ、O2:オルニチン残基2つ。
【0036】 (実施例2)リポソームの製造 前記実施例1によって合成したK−Chol適量を水に溶かして冷蔵庫に保管
した。そして、一般に多く用いられる中性の脂質であるDOPEを適量クロロホ
ルムに溶かしておいたものを、窒素ガスを吹きつけて乾燥させた後、真空状態で
完全に乾燥させた。次に、水に溶かしておいたカチオン性脂質に、乾燥させたD
OPEを質量比が50:50程度となるように添加し、前記水溶液を攪拌した後
、冷蔵庫に入れて一晩放置した。この冷却した懸濁液を、水槽中で数分間超音波
処理してリポソームを形成した。マルヴァーン4700システム(英国のMalver
n Instrument Ltd.社製)を用いたダイナミックライトスキャタリング(dynamic
light scattering)法によって前記リポソームの大きさを測定したところ、5
回の測定の平均値が146±8.2であった。測定記録を下記表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】 (実施例3)293細胞、NIH3T3細胞、HepG2細胞に対する毒性の分
析 293細胞、NIH3T3細胞、HepG2細胞を96-well plate上で10%
FBS(fetal bovine serum)を添加したMEM(Minimum essential media)
を培地にして37℃、5%二酸化炭素条件でそれぞれ培養した後、適量のポリエ
チレンイミン及び各種カチオン性リポソームを添加した。さらに二日間培養した
後、MTT(3-4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromid
e)を含むPBS(phosphate buffered saline)を細胞に添加して同じく5%二
酸化炭素条件の培養器で4時間さらに培養した。培養した細胞にDMSO(dimet
hylsulfoxide)を添加して、570nmにおける吸光度を測定した。ポリエチレ
ンイミンによる処理もカチオン性脂質による処理もしていない細胞を対照区とし
て用いて比較した。図2のとおり、570nmにおける吸光度の測定値を、脂質
投与量に対する相対的細胞生存度のプロット中で視覚化した。テストしたビヒク
ルの前記細胞に対するIC50値を、下記表2にまとめておく。 表2及び図2からわかるようにK−Chol/DOPEリポソーム及びO−C
hol/DOPEリポソームは共に、リポフェクチン(Lipofectin)
、DC−Chol/DOPEリポソーム及びPEI(ポリエチレンイミン)など
従来の遺伝子伝達用ビヒクルと比較して、著しく低い細胞毒性を有している。
【0039】
【表2】
【0040】 (実施例4)K−Chol/DNA複合体の大きさ測定 β−ガラクトシダーゼ遺伝子が導入されたプラスミド(商品名:pSV-(-gal、P
romega社製)とK−CholをHEPES緩衝液(25mM,pH7.4,10
mMのMgCl2)中で混合させてK−Chol/DNA複合体を形成し、その
後室温で30分間放置した。前記複合体溶液1μlを新鮮なスプリットマイカデ
ィスク(split mica disc)表面に分注して1乃至2分間吸収させた後、濾紙で濾
過し、純水で洗浄した。マイカ表面にN2ガスを吹きつけ、常温で乾燥させた。
前記過程によって得られたK−CholとプラスミドDNA複合体のサイズはNa
noScope IIIa System(米国カリフォルニア州サンタバーバラのDigital Instrum
ents, Inc.社製)を用いてAtomic force microscopic methodで測定したところ
、図3に示すように150〜200nmであった。
【0041】 (実施例5)カチオン性脂質を用いた293T細胞とHepG2細胞に対するト
ランスフェクション実験 293T細胞(embryonic human kidney cells)とHepG2細胞(human li
ver carcinoma cell line)をそれぞれ24-well plateに分け、DMEM(Dulbec
co's modified eagle medium)或いはMEM(minimum essential medium)培地
で培養した。β−ガラクトシダーゼ遺伝子を持つプラスミドを個別にK−Cho
lと混ぜて複合体を形成し、培養した細胞にトランスフェクションした。リポフ
ェクチン及びポリエチレンイミンを対照区として使用し、比較した。細胞中で発
現しているβ−ガラクトシダーゼの量を測定した。その結果を図4に示し、下記
表3にまとめておく。図4のヒストグラムから分るように、K−Cholは対照
区よりも遺伝子伝達効率が高かった。特に、表3に示すように、10%のFBS
(fetal bovine serum)の存在下で培養した細胞を48時間処理したところ、本
発明のビヒクルは他のビヒクルより遺伝子伝達及び発現効率がはるかに優れてい
た。
【0042】
【表3】
【0043】 (実施例6)カチオン性リポソームを用いた293T細胞、NIH3T3細胞及
びHepG2細胞へのトランスフェクション実験 293T細胞(human embryonic kidney cell)、NIH3T3細胞(mouse e
mbryonic fibroblast cell)及びHepG2細胞(human liver carcinoma cell
line)に対してトランスフェクションを施した。293TとNIH3T3はそ
れぞれ24-well plateに分けてDMEM(Dulbecco's modified eagle medium)
培地で、そしてHepG2細胞はMEM(minimum essential medium)培地で培
養した。本発明のK−Chol/DOPEリポソーム及びO−Chol/DOP
Eリポソームをトランスフェクションビヒクルとして使用した。β−ガラクトシ
ダーゼを持つプラスミドのビヒクルへの添加は、室温で混合することにより行っ
た。こうして得られた複合体をFBSの非存在下で細胞に4時間トランスフェク
ションした。リポフェクチン、DC−Chol/DOPEリポソーム及びポリエ
チレンイミンを対照区として使用し、比較した。ビヒクルの遺伝子伝達能力を評
価するため、細胞内でのβ−ガラクトシダーゼの発現量を測定した。その結果を
図5に示す。測定結果をまとめたものを、下記表4に示す。表4及び図5のヒス
トグラムから分るように、K−Chol/DOPEリポソーム及びO−Chol
/DOPEリポソームが各種細胞に対して高いDNAトランスフェクション効率
を示すことを確認した。特に、O−Chol/DOPEリポソームが極めて優れ
たDNA伝達及び発現能力を示すことを見出した。
【0044】
【表4】
【0045】 (実施例7)トランスフェクションされたHepG2細胞のX−gal染色によ
る同定 実施例1によって製造されたリジン−コレステロール(K−Chol)を用い
てHepG2細胞にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を持つプラスミドをトランスフ
ェクションした。その後、X−galを入れた寒天プレート上で前記細胞を成長
させ、形質転換を起こしていないかどうか調べた。図6は、内部でβ−ガラクト
シダーゼが発現している、染色された細胞を示す。
【0046】 (実施例8)293細胞に対する経時的なトランスフェクション効率及びFBS
の影響の測定 293細胞を対象としてトランスフェクション時間を異にしながらK−Cho
l/DNA複合体のトランスフェクションを行った。トランスフェクション効率
に対する血清の影響を検査するために、10%FBSを添加したトランスフェク
ション培地と添加していない培地に293細胞を培養して、予め定めておいたそ
れぞれの培養時間が経過した後、前記細胞を、10%FBSを含有する新しい培
地に移して再び培養した。前記新しい培地で48時間培養した後、トランスフェ
クション効率を調べるため、トランスフェクション時間別及びFBSの有無別に
、前記細胞中のβ−ガラクトシダーゼ発現量を測定した。図7は、FBSの存在
下及び非存在下における前記細胞中のβ−ガラクトシダーゼ発現量を、トランス
フェクション時間別に示している。前記結果からわかるとおり、トランスフェク
ション効率が最大となったのは、トランスフェクション培地での培養時間を2〜
4時間とした場合であった。さらに、前記複合体のトランスフェクション能力は
血清の存在に依存していないことを確認することができた。 また、細胞を48時間培養してもトランスフェクション効率に大して変わりが
ないことから、本発明のカチオン性脂質は細胞毒性が殆どないことを確認するこ
とができた。これに対し、トランスフェクション培地に血清がない場合、トラン
スフェクション効率は急激に低下するが、これは飢餓による細胞の死滅に起因す
るものと判断される。
【0047】 産業上の利用可能性 前述のとおり、本発明のカチオン性脂質は、非常に効率よく、低い細胞毒性で
核酸物質を細胞内へ伝達することができる。また、本発明のカチオン性脂質は、
各種細胞に対するトランスフェクション能力が高く、リポフェクチン、DC−C
hol及びポリエチレンイミンといった従来のビヒクルよりもトランスフェクシ
ョン効率及び細胞毒性の点で優れている。加えて、本発明によれば、固相合成法
によって様々なカチオン性脂質を迅速で効率よく合成することができる。このよ
うな固相合成法により、遺伝子伝達用ビヒクルの自動的大量生産が可能となる。
従って、本発明のアミノ酸−コレステロール誘導体それ自体及びそのリポソーム
形は、薬学的有効成分の標的細胞への運搬と同様、核酸物質の細胞内へのトラン
スフェクションという点でも、活用価値が非常に大きいと言える。 ここまで本発明を具体的に説明してきたが、ここで使用した用語は、本発明を
限定するためではなく、記述するために使用したものである。上述の内容を考慮
すれば、本発明に多くの改良及び変化を加えることが可能である。そのため、具
体的に述べた方法以外の方法で、本発明が付属のクレームの範囲内で実施される
場合もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リジンアミド−コレステロール(K1−CholとK2−Chol)の合成図
、第1図aである。
【図2】 オルニチンアミド−コレステロール(O1−CholとO2−Chol)の合
成図、第1図bである。
【図3】 HepG2細胞に対する遺伝子伝達用ビヒクルの毒性実験結果を示すグラフ、
第2図aである。
【図4】 NIH3T3細胞に対する遺伝子伝達用ビヒクルの毒性実験結果を示すグラフ
、第2図bである。
【図5】 293細胞に対する遺伝子伝達用ビヒクルの毒性実験結果を示すグラフ、第2
図cである。
【図6】 K−Chol/DNA複合体の寸法測定結果を示す写真、第3図である。
【図7】 本発明のカチオン性脂質を用いた293T細胞とHepG2細胞に対するトラ
ンスフェクション(transfection)結果を示すヒストグラム、第4図である。
【図8】 本発明のカチオン性リポソームを用いた293T細胞、NIH3T3細胞及び
HepG2細胞に対するトランスフェクション(transfection)結果を示すヒスト
グラム、第5図である。
【図9】 トランスフェクションされたHepG2細胞をX−gal染色で同定した写真
、第6図である。
【図10】 293細胞を対象としたトランスフェクション時間と血清依存性トランスフェ
クション効率実験結果を示すグラフ、第7図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 A61P 43/00 105 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 チョイ ジョンシグ 大韓民国 135−240 ソウル カンナム− ク、キエポ−ドン 185、キエポジョゴン アパートメント 706−1106 (72)発明者 リー エウンユン 大韓民国 152−099 ソウル クロ−ク、 キエボンボン−ドン 133−18 (72)発明者 ジャン ヒュンスク 大韓民国 151−014 ソウル クワナク− ク、シリム 4−ドン 503−5 Fターム(参考) 4C076 AA19 DD63 EE41 EE51 FF43 4C084 AA13 MA05 MA24 NA13 ZB21

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸物質の細胞内伝達用カチオン性脂質において、下記一般
    式(I)で表わされるカチオン性脂質。 【化1】 (式中、Rは−CH2−CH2−CH2−CH2−NH3 +又は−CH2−CH2−CH 2 −NH3 +を示し、nは1〜10の整数を示す、但し、アミノ酸部分はリジン又
    はオルニチン単独からなるホモオリゴペプチド、或いはリジンとオルニチンとか
    らなるヘテロオリゴペプチドである。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)におけるnが、1〜5の整数であることを特徴
    とする請求項1記載のカチオン性脂質。
  3. 【請求項3】 前記核酸物質が、DNA、プラスミド、RNA、mRNA、
    tRNA、rRNA、リボザイム及びこれらの断片などからなる群より選択され
    ることを特徴とする請求項1記載のカチオン性脂質。
  4. 【請求項4】 前記DNAが疾病の治療又は診断に有用なポリペプチドをコ
    ードすることを特徴とする請求項3記載のカチオン性脂質。
  5. 【請求項5】 前記ポリペプチドが、各種ホルモン、組織適合性抗原、細胞
    接着蛋白質、サイトカイン、各種抗体、細胞受容体、細胞内又は細胞外酵素、及
    びこれらの断片などからなる群より選択されることを特徴とする請求項4記載の
    カチオン性脂質。
  6. 【請求項6】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[L−リジンア
    ミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項1記載のカ
    チオン性脂質。
  7. 【請求項7】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[ジ−L−リジ
    ンアミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項1記載
    のカチオン性脂質。
  8. 【請求項8】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[L−オルニチ
    ンアミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項1記載
    のカチオン性脂質。
  9. 【請求項9】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[ジ−L−オル
    ニチンアミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項1
    記載のカチオン性脂質。
  10. 【請求項10】 リジン残基のε−アミノ基、オルニチン残基のδ−アミノ
    基、及び/又は前記ポリペプチド末端カルボキシル基のアミド基に分子量0.5
    〜20kDのポリエチレングリコール鎖が結合された請求項1記載のカチオン性
    脂質。
  11. 【請求項11】 前記カチオン性脂質には、標的細胞に特異的に結合され得
    るように、各種抗原、トランスフェリン、ビオチン、葉酸、低密度蛋白質、マン
    ノース、グルコース、ガラクトース及びラクトースからなる群から選択されたマ
    ーカー又はリガンドが付いていることを特徴とする請求項1記載のカチオン性脂
    質。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のカチオン性脂質と遺伝子治療に有用な遺伝
    子を含む核酸物質からなることを特徴とする医薬組成物。
  13. 【請求項13】 前記遺伝子が、各種ホルモン、組織適合性抗原、細胞接着
    蛋白質、サイトカイン、各種抗体、細胞受容体、細胞内又は細胞外酵素、及びこ
    れらの断片などからなる群より選択されたポリペプチドをコードすることを特徴
    とする請求項12記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のカチオン性脂質10〜90モル%と中性脂
    質90〜10モル%で構成されることを特徴とする核酸物質の細胞内伝達用リポ
    ソーム。
  15. 【請求項15】 前記中性脂質が、ジオレオイルホスファチジルエタノール
    アミン(dioleoyl phosphatidylethanolamine)、コレステロール及びこれらの
    混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項14記載のカチオン性
    リポソーム。
  16. 【請求項16】 前記核酸物質が、DNA、プラスミド、RNA、mRNA
    、tRNA、rRNA、リボザイム、及びこれらの断片などからなる群より選択
    されることを特徴とする請求項14記載のカチオン性リポソーム。
  17. 【請求項17】 前記DNAが、疾病の治療又は診断に有用なポリペプチド
    をコードすることを特徴とする請求項14記載のカチオン性リポソーム。
  18. 【請求項18】 前記ポリペプチドが、各種ホルモン、組織適合性抗原、細
    胞接着蛋白質、サイトカイン、各種抗体、細胞受容体、細胞内又は細胞外酵素、
    及びこれらの断片などからなる群から選択されることを特徴とする請求項17記
    載のカチオン性リポソーム。
  19. 【請求項19】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[L−リジン
    アミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項14記載
    のカチオン性リポソーム。
  20. 【請求項20】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[ジ−L−リ
    ジンアミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項14
    記載のカチオン性リポソーム。
  21. 【請求項21】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[L−オルニ
    チンアミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項14
    記載のカチオン性リポソーム。
  22. 【請求項22】 前記カチオン性脂質が、生物分解可能な3β[ジ−L−オ
    ルニチンアミド−カルバモイル]コレステロールであることを特徴とする請求項
    14記載のカチオン性リポソーム。
  23. 【請求項23】 請求項1のカチオン性脂質と、遺伝子治療に有用な遺伝子
    を含む核酸物質からなることを特徴とする医薬組成物。
  24. 【請求項24】 前記遺伝子が、各種ホルモン、組織適合性抗原、細胞接着
    蛋白質、サイトカイン、各種抗体、細胞受容体、細胞内又は細胞外酵素、及びこ
    れらの断片などからなる群から選択されたポリペプチドをコードすることを特徴
    とする請求項23記載の医薬組成物。
  25. 【請求項25】 カチオン脂質の製造方法において、リジン残基又はオルニ
    チン残基とコレステリルクロロホルメートと間のカルバメートエステル結合の形
    成を含む、下記一般式(I)で表わされるカチオン性脂質の製造方法。 【化2】 (式中、Rは−CH2−CH2−CH2−CH2−NH3 +又は−CH2−CH2−CH 2 −NH3 +を示し、nは1〜10の整数を示す、但し、アミノ酸部分はリジン又
    はオルニチン単独からなるホモオリゴペプチド、或いはリジンとオルニチンとか
    らなるヘテロオリゴペプチドである。)
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