JP2003500418A - 多発性嚢胞腎疾患の処置のためのc−mycに対するアンチセンス - Google Patents

多発性嚢胞腎疾患の処置のためのc−mycに対するアンチセンス

Info

Publication number
JP2003500418A
JP2003500418A JP2000620083A JP2000620083A JP2003500418A JP 2003500418 A JP2003500418 A JP 2003500418A JP 2000620083 A JP2000620083 A JP 2000620083A JP 2000620083 A JP2000620083 A JP 2000620083A JP 2003500418 A JP2003500418 A JP 2003500418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
myc
antisense
oligomer
pkd
mice
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000620083A
Other languages
English (en)
Inventor
パトリック エル. イバーセン,
Original Assignee
エイブイアイ バイオファーマ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エイブイアイ バイオファーマ, インコーポレイテッド filed Critical エイブイアイ バイオファーマ, インコーポレイテッド
Publication of JP2003500418A publication Critical patent/JP2003500418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • C12N15/1135Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing against oncogenes or tumor suppressor genes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/12Drugs for disorders of the urinary system of the kidneys
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/31Chemical structure of the backbone
    • C12N2310/314Phosphoramidates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/32Chemical structure of the sugar
    • C12N2310/323Chemical structure of the sugar modified ring structure
    • C12N2310/3233Morpholino-type ring

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 c−mycに対するオリゴヌクレオチドアンチセンスを投与することによって、多発性嚢胞腎疾患の処置するための方法が記載されている。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、モルホリノオリゴヌクレオチドである。このオリゴマーは、長さが8〜40ヌクレオチドでかつ、非荷電のリン含有サブユニット間結合を有する。そのアンチセンスオリゴマーは、注射、経皮送達、吸収、または経口投与によって投与され得、そして、好ましくは、後者で投与され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、c−mycに対するアンチセンスであるオリゴマーの投与による、
多発性嚢胞腎疾患(PKD)の処置のための方法およびアンチセンス結合体に関
する。
【0002】 (参考文献)
【0003】
【数1】 (発明の背景) 多発性嚢胞腎疾患(PKD)は、約500分の1の頻度を有するヒトの有力な
遺伝病である。成人のPKD(ADPKD)は、約500,000人のアメリカ
人を冒している常染色体優性障害であり、毎年約7,000人の新しい患者が確
認される。常染色体劣性(AR)PKDに罹患している乳児は、急速に発生する
形態を遺伝し、これにより新生児期間に腎不全を生じ得る。
【0004】 この疾患は、上皮細胞の増殖、腎嚢胞腫、肝嚢胞腫、頭蓋内動脈瘤の形成、お
よび腎不全の進行によって、特徴付けられる。PKD1(ヒトの常染色体優性多
発性腎疾患(ADPKD)の症例の約85%にて変異している遺伝子)が、最近
同定された(The Eouropean Polycystic Kidne
y Disease Cosortium,1994)。罹患した家族にて同定
されたほとんどの変異は、PKD1およびPKD2遺伝子を不活性化するようで
ある。最近の証拠は、正常なPKD1対立遺伝子もまた不活性化されている、ツ
ーヒット機構が嚢胞成長に必要であり得ることを示唆してきた。
【0005】 PKDに罹患しているヒトおよびげっ歯類由来の嚢胞腎で、異常な発現を示す
遺伝子の多数は、シグナル伝達、転写調節、および細胞周期制御に関連する細胞
プロセスが、嚢胞形成に関係すること、およびPKDの細胞内欠損が、上皮の分
化の調節に直接影響を与えることを意味する(Calvet,1998;Tor
res,1998)。
【0006】 腎臓の嚢胞発生におけるc−mycの役割および高いc−mycの発現とPK
Dとの間の相互関係が、確立されてきた。PKDに対する効力の潜在的な治療薬
剤を試験するために、げっ歯類のモデルが、入手できる(Calvet,199
8)。これらのモデルは、天然に存在する変異を利用し、その変異は、ARPK
D表現型およびADPKD表現型を付与する。C57BL/6J−cpk/cp
kマウスは、ヒトの疾患において観察される腎病理に類似した腎病理を有するヒ
トARPKDのモデルである。
【0007】 この疾患におけるc−mycの役割に基づいてPKDを処置するアプローチが
、大いに望ましい。合併症を最小限にするために、このアプローチは、PKDの
症状を調節するのに有効であり、投薬するのに簡単であり、かつ重大な副作用も
ないべきである。
【0008】 (発明の要旨) 本発明は、c−mycに対してアンチセンスであるモルホリノに基づくオリゴ
マーを投与することによる多発性嚢胞腎疾患(PKD)の処置法を提供すること
によって、先行技術に固有の1つ以上の欠点に取り組み、このオリゴマーは、長
さが8〜40ヌクレオチドでかつ、非荷電リン含有サブユニット間結合を有する
【0009】 1つの実施形態では、上記モルホリノに基づくアンチセンスオリゴマーのサブ
ユニット間結合は、図3A−A〜図3E−Eまでに示されている構造からなる群
より選択され、好ましくは、図3B−Bで示される結合を含み、ここで、X=N
2,Y=O,およびZ=Oである。
【0010】 別の好ましい実施形態では、上記アンチセンスオリゴマーは、12〜25塩基
の長さを有し、好ましくは、配列番号1として同定される配列を有する。
【0011】 本発明の方法では、そのアンチセンスオリゴマーは、注射、経皮送達、吸収、
または経口投与によって投与され得、そして、好ましくは、後者である。
【0012】 さらに好ましい局面では、上記被験体は、ヒト被験体であり、上記c−myc
アンチセンスオリゴマーは、被験体においてPKDの検出可能な症状を減少させ
るかまたは、除去するのに効果的な方法で投与される。
【0013】 本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、以下の発明の詳細な説明と一緒
により十分に理解される。
【0014】 (発明の詳細な説明) (I.定義) 本明細書中で使用される場合、用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」、「
アンチセンスオリゴマー」および「ASO」とは、交換可能に使用され、標的配
列とヘテロ二重鎖を形成するためにワトソン−クリック塩基対形成によってその
アンチセンスオリゴマーが標的配列にハイブリダイズするのを可能にするヌクレ
オチド塩基配列およびサブユニット−サブユニット骨格についていう。このオリ
ゴマーは、標的配列に対して正確な配列相補性またはそれに近い相補性を有し得
る。そのようなアンチセンスオリゴマーは、標的配列を含むmRNAの翻訳をブ
ロックまたは阻害し得、または遺伝子転写を阻害し得、二本鎖配列または一本鎖
配列に結合し得、そしてそれがハイブリダイズする配列に「対している」といわ
れ得る。
【0015】 本発明の使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの例示的な構造は、図
2A−Eで示されるβモルホリノサブユニット型を含む。ポリマーは、1つより
多くの結合型を含み得ることが理解される。
【0016】 図2Aのサブユニットは、図3においてA−Aに示される5原子反復ユニット
骨格を形成する1原子リン含有結合を含み、ここでそのモルホリノ環は、1原子
ホスホンアミド結合によって連結される。
【0017】 図2Bのサブユニットは、図3B−Bに示されているように、6原子反復ユニ
ット骨格のために設計されている。構造Bでは、5’モルホリノ炭素をリン基に
連結させる原子Yは、硫黄、窒素、炭素または、好ましくは酸素であり得る。リ
ンから吊り下がるX部分は、以下のいずれかであり得る:フッ素;アルキルまた
は置換アルキル;アルコキシまたは置換アルコキシ;チオアルコキシまたは置換
チオアルコキシ;または非置換窒素、一置換窒素、または二置換窒素(環状構造
を含む)。
【0018】 図2C−Eのサブユニットは、図3C−CからE−Eに示される7原子ユニッ
ト長骨格のために設計されている。構造Cでは、X部分は、構造Bにある通りで
あり、そしてY部分はメチレン、硫黄、または好ましくは酸素である。構造Dで
は、X部分およびY部分は、構造Bにある通りである。構造Eでは、Xは構造B
の通りであり、そしてYは、O、S、またはNRである。図2A−Eに示される
全てのサブユニットでは、Zは、OまたはSであり、そしてPiまたはPjは、ア
デニン、シトシン、グアニンまたはウラシルである。本明細書で使用される場合
、「モルホリノオリゴマー」とは、代表的ポリヌクレオチドに水素が結合可能な
塩基を支える骨格を有するポリマー分子をいい、ここで、このポリマーは、ペン
トース糖骨格部分を欠いていて、そしてさらに特異的には、ヌクレオチドおよび
ヌクレオシドに典型的なホスホジエステル結合によって結合されるリボース骨格
を欠いているが、代わりに、その環窒素を介した結合を有する環窒素を含む。好
ましい「モルホリノ」オリゴヌクレオチドは、図2Bに示される形態のモルホリ
ノサブユニット構造から構成され、ここで(i)その構造は、1〜3原子長のリ
ン含有結合によって一緒に連結され、1つのサブユニットのモルホリノ窒素が、
隣接したサブユニットの5’環外炭素に連結され、そして(ii)PiおよびPj は、塩基特異的な水素結合によって、ポリヌクレオチドの塩基に結合するのに効
果的なプリンまたはピリミジン塩基対合部分である。
【0019】 本発明のこの好ましい局面は、図3B−Bに例示されており、これは、ホスホ
ロジアミデート結合によって結合される2つのこのようなサブユニットを示して
いる。モルホリノオリゴヌクレオチド(アンチセンスオリゴマーを含む)は、例
えば、共有に係る米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号
、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,3
15号、同第5,185,444号、同第5,521,063号、および同第5
,506,337号に詳細に説明され、それら特許の全ては、本明細書に参考文
献として明確に援用される。
【0020】 本明細書で使用される場合、「ヌクレアーゼ耐性の」オリゴマー分子(オリゴ
マー)は、その骨格がホスホジエステル結合のヌクレアーゼ切断に対して感受性
ではないオリゴマーである。例示的なヌクレアーゼ耐性アンチセンスオリゴマー
は、オリゴヌクレオチドアナログである(例えば、ホスホロチオネートおよびホ
スフェート−アミンDNA(pnDNA)などであり、その両方が荷電骨格を有
し、そしてメチルホスホネート、モルホリノ、およびペプチド核酸(PNA)オ
リゴヌクレオチドなどであり、これら全ては、非荷電の骨格を有する)。
【0021】 本明細書で使用される場合、オリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴマ
ーは、そのオリゴマーが生理学的条件下(Tm的に、実質上37℃より高く、好
ましくは少なくとも50℃で、代表的には60℃〜80℃またはそれ以上)で、
標的にハイブリダイズするならば、標的オリゴヌクレオチドに「特異的にハイブ
リダイズする」。そのようなハイブリダイゼーションは、好ましくはストリンジ
ェントなハイブリダイゼーション条件に対応し、この条件は、規定のイオン強度
およびpHでの特定の配列の熱融解温度(T[m])より約10℃、そして好まし
くは約5℃低く選択される。所定のイオン強度およびpHにおいて、T[m]は、
標的配列の50%が、相補的なポリヌクレオチドにハイブリダイズする温度であ
る。
【0022】 ポリヌクレオチドは、2つの一本鎖ポリヌクレオチドの間で、ハイブリダイゼ
ーションが、逆平行構造で起こる場合、互いに「相補的」であると記載される。
二本鎖のポリヌクレオチドは、別のポリペプチドに対して、第一のポリヌクレオ
チドの鎖のうちの1つと第二のポリヌクレオチド鎖との間でハイブリダイゼーシ
ョンが起こり得る場合に、「相補的」であり得る。相補性(1つのポリペプチド
が、別のポリペプチドに対して相補的である度合い)は、一般的に受け入れられ
る塩基対形成規則によって、お互いに水素結合を形成することが予測される相対
する鎖の塩基の比率によって定量化できる。
【0023】 本明細書で使用される場合、オリゴマーについていう用語「アナログ」とは、
参照オリゴマーの構造および化学特性と類似した構造および化学特性の両方を有
する物質を意味する。
【0024】 本明細書で使用される場合、生理学的条件下で、第一の配列であるポリヌクレ
オチド配列が、第二のヌクレオチド配列に特異的に結合するかまたは特異的にハ
イブリダイズする場合、その第一の配列は、その第二の配列に関して、「アンチ
センス配列」である。
【0025】 本明細書中で使用される場合、「標的RNAを含む塩基特異的細胞内結合事象
」とは、オリゴマーと細胞内の標的RNA配列との特異的結合についていう。そ
のような結合の塩基特異性は、配列特異的である。例えば、一本鎖ポリヌクレオ
チドは、配列において相補的である一本鎖ポリヌクレオチドに特異的に結合し得
る。
【0026】 本明細書中で使用される場合、「ヌクレアーゼ耐性のヘテロ二重鎖」とは、相
補的な標的へのアンチセンスオリゴマーの結合によって形成されるヘテロ二重鎖
についていい、これは遍在する細胞内および細胞外のヌクレアーゼによる、イン
ビボでの分解に対して耐性である。
【0027】 本明細書中で使用される場合、「c−myc」とは、癌または腫瘍の発生およ
び増殖に細胞を向けるオンコジーンまたは遺伝子についていう。「c−myc」
は、種々の型の癌での遺伝子増幅に関連している。
【0028】 本明細書中で使用されている場合、用語「c−mycアンチセンスオリゴマー
」とは、相補的または相補的に近いc−myc核酸配列に対して、高い親和性を
有する(すなわち、「特異的にハイブリダイズする」)ヌクレアーゼ耐性アンチ
センスオリゴマーについていう。
【0029】 本明細書中で使用される場合、オリゴヌクレオチドに関する用語「発現調節」
とは、発現、すなわちRNAの翻訳に干渉することによって、所定のタンパク質
の発現を増加または減少のいずれかをするアンチセンスオリゴマーの能力につい
ていう。タンパク質の発現が減少する場合には、そのアンチセンスオリゴマーは
、所定の遺伝子の発現を直接ブロックし得るか、またはその遺伝子(例えば、c
−mycなどのオンコジーン)から転写されるRNAの分解の増加に貢献し得る
【0030】 本明細書中で使用される場合、アンチセンスオリゴマーに関する「有効量」ま
たは「薬学的有効量」とは、標的RNAとアンチセンスオリゴマーとの間のヘテ
ロ二重鎖の形成によって、選択標的配列(例えば、c−myc)のすべてまたは
一部に特異的にハイブリダイズするのに有効である、単用量または一連の用量の
一部のどちらかとして、哺乳動物被験体に投与されるアンチセンスオリゴマーの
量についていう。
【0031】 本明細書中で使用される場合、個体または細胞の「処置」とは、その個体また
は細胞の天然経過を変化させるための、任意の型の介入である。処置は、例えば
、薬学的組成物の投与を含むがそれに限定されず、そして予防治療(proph
ylactic therapy)、予防治療(preventative t
herapy)、または治療療法(病理事象の開始に続いてなされる(例えば、
PKDの診断))であり得る。
【0032】 本明細書中で使用される場合、用語「PKDを処置するために伝統的に使用さ
れる組成物」および「PKDを処置するための伝統的に使用される様式で、被験
体を処置すること」とは、PKDに罹患すると診断された被験体での治療介入の
ために、一般的に使用されるかまたは当該分野で公知の処置レジメンについてい
う。
【0033】 本明細書中で使用される場合、「PKDの症状」とは、異常なレベルの尿素窒
素血清(SUN)(腎機能の指標)によって例示され;そして/または腎嚢胞の
検出(例えば、超音波、コンピューター断層撮影法(CT)または磁気共鳴画像
法(MRI)による)によって例示される。
【0034】 (II.多発性嚢胞腎疾患(PKD)) 多発性嚢胞腎疾患(PKD)は、ヒトの末期の腎疾患の主要な原因である。P
KDは、回収管の重篤な拡張によって特徴付けられ、そして常染色体優性形質(
AD)または常染色体劣性(AR)形質として遺伝され得る。ヒトでは、ADP
KDは、ARPKDよりも遅い開始および遅い進行を有しており、通常、ARP
KDは、新生児または幼い子供を冒す。ARPKDは、左右の腎臓の拡大の原因
となり得る。新生児期を生き残ったほとんどの個体は、最終的に、腎不全を発症
する。
【0035】 ヒトARPKD遺伝子は第16染色体に位置するが、まだクローニングされて
いない。PKDを罹患しているヒトおよびげっ歯類由来の嚢胞腎において、異常
発現を示す遺伝子の多数は、シグナル伝達、転写調節、および細胞周期制御に関
連する細胞プロセスが、嚢胞形成に関係すること、およびPKDにおける細胞欠
損が、上皮の分化の調節に直接影響を与えることを示唆する(Calvet,1
998;Torres,1998)。嚢胞の上皮細胞が上皮増殖因子(EGF)
(嚢胞内腔に分泌され、EGFレセプターを活性化し、増殖の増加をもたらす)
を合成するオートクラインループを含む嚢胞発生のモデルが、提案されている。
ヒトADPKDの腎臓は、c−myc mRNAを過剰発現することが、示され
ている(Lanoixら、1996)。
【0036】 プロトオンコジーンc−mycは、EGF誘導性の細胞増殖の後に、細胞周期
のG1期を短くすることによって増殖を増加させるようにEGFと相乗作用する
と考えられている(NassおよびDickson、1998)。
【0037】 トランスジェニックマウスでのc−mycの過剰発現は、肝EGFレセプター
の発現の4倍を越える増加の原因となることが示されており、これはEGFレセ
プターシグナル伝達カスケードをより大きく引き起こすとともに増殖は増加する
という仮設と一致している(Woitachら、1997)。肝細胞の異常増殖
のこの経路は、ヒト嚢胞の上皮(EGFおよびEGFレセプターの過剰発現が、
嚢胞の並ぶ上皮細胞について記載されている)においても同様であり得る(Kl
ingelら、1991)。
【0038】 (A.PKDのげっ歯類モデル) 先天性多発性嚢胞腎(cpk)遺伝子変異についてホモ接合性のC57BL/
6Jマウスは、最も広く利用されるARPKDモデルの1つである(Gatto
ne,V.H.ら、1988)。cpk遺伝子は、ヒトARPKD遺伝子とは類
似していないが、この十分に特徴付けられたマウスモデルでのPKDは、ヒトA
RPKDと非常に類似したパターンで両側腎嚢胞腎を提示する。集合管嚢胞は、
優勢の病理であり、4〜5週齢までに、正常な実質腎に取って代わって病的な尿
素をもたらす。
【0039】 c−myc遺伝子(マウスの第15染色体に位置する)は、核局在化、非特異
的DNA結合および配列特異的DNA結合、およびオリゴマー化において機能す
るドメインを含む64〜67kDaのタンパク質をコードする(Thompso
n,E.B.,1998)。c−mycは、他のタンパク質と二量体化し、DN
Aと結合する転写因子として機能する(Ryan,K.M.およびBirnie
,G.D.,1996)。これらのヘテロ二量体DNA結合複合体は、多数の遺
伝子の転写の活性化および抑制の両方を行なう(Hoang,A.T.ら、19
94)。c−mycの発現の増加は、増殖細胞で観察されそして細胞増殖、形質
転換、分化の阻害、そしてアポトーシスを調節する(Thompson,E.B
.,1998;Ryan,K.M.およびBirnie,G.D.,1996)
【0040】 C57BL/6J−cpk/cpkマウスは、腎c−myc mRNAを過剰
発現することが以前に示されている(Cowley,B.D.ら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 84,8394−8398,1987;C
owley,B.D.ら、J Am Soc Nephrol,1048−10
53,1991)。c−myc mRNAは、嚢胞性細管および正常なサイズの
細管からのPKDモデルの上皮において、過剰発現される。腎c−myc mR
NAはまた、他のげっ歯類(例えばHan:SPRD−coy/cyラット、C
D−1−pcy/pcyマウス、およびBalb−c−cpk/cpkマウス)
で、過剰発現される。c−myc導入遺伝子を過剰発現するマウスは、PKDを
発症し、6週齢〜3か月齢までに、腎不全によって死亡することが観察されてい
る(Trudel,M.ら、Kidney Int 39:665−671,1
991;Trudel,M.ら、Am J Pathol 152:219−2
29,1998)。
【0041】 さらに、活性型プロモーターによって駆動される遺伝子の挿入によって、シグ
ナル伝達、細胞周期制御または細胞分化に関連する遺伝子を過剰発現するように
遺伝子操作されているマウスは、PKD表現型をしばしば生成する。例えば、c
−erB−2(Stocklinら、1993)、c−myc(Barison
iら、1995)、ヒト成長ホルモン(hGH)(Wankeら、1991)、
ヒトケラチノサイト成長因子(hKGF)(Nguyenら、1996)、H−
rasT24(Schaffnerら、1993)、Pax−2(Dressl
erら、1993)およびTGF−α(Lowdenら、1994)過剰発現は
、マウスにおいて腎嚢胞を生成する。げっ歯類のPKDは、遺伝子的に複雑なよ
うであるが、c−mycの発現の調節不全(disrgulation)が、P
KDの病因における主要な因子であると考える理由が存在する。ADPKDは、
SV40エンハンサーおよび成体βグロブリンプロモーターによって駆動される
ネズミのc−myc遺伝子を有するトランスジェニックマウス(SBMマウスを
生成する)において、生成された。これらのマウスは、PKDを発症し、異常な
細胞増殖および嚢胞発生をもたらす腎の管状上皮でのc−mycの過剰発現によ
って生じるようである腎不全で死亡する(Barisoniら、1995)。継
続して繁殖させる過程で、そのようなトランスジェニック系統は、部分的な欠失
および生じ得る導入遺伝子挿入物再配列によって特徴付けられる自然発生的な導
入遺伝子変異を起こすことおよび復帰変異体マウスおよびその子孫は疾患の証拠
がないことが発見されており、c−mycの過剰発現は、SBMマウスのPKD
表現型に不可欠であることを示唆している(Trudelら、1994)。
【0042】 PKDに対する可能な治療薬剤を試験するために利用可能なげっ歯類モデルは
、ARPKD表現型およびADPKD表現型を付与する天然に存在する変異を利
用する。PKDに関連したc−mycの増加は、常染色体劣性すなわち小児性の
PKDのC57BL/6J−cpkマウスモデルに由来する腎で最初に発見され
た(Cowleyら、1989)。最近、何人かの研究者が、そのcpk遺伝子
を、他のマウス系統に戻し交配した(Gattoneら、1996)。
【0043】 cpk変異を有するBalb−cモデルは、ヒトARPKDと類似した腎およ
び腎外の病理の両方を有する。このモデルは、腎および腎外の病理に対する処置
の効果の評価を可能とする。ヒトADPKDと類似した、ゆっくりと進行するP
KDモデル(この疾患の一般的な方の成体開始形態)は、ラットのADPKDモ
デル(c−mycをまた過剰発現するHan:SPRD cy/+ラット(Co
wleyら、1993))を含み、それはまた、処置アプローチを評価するため
に広範に使用されている(Cowleyら、1997)。
【0044】 (B.PKDでのc−mycの役割) 腎c−myc mRNAは、PKDの多くの動物モデルで過剰発現される(T
rudel,M.ら、Am J Pathol 152:219−229、19
98;Gattone,V.H.ら、J Lab Clin Med 12 7
:214−222,1996)。腎臓ではc−mycは、アポトーシス(Lan
oixら、Oncogene 13:1153−1160,1996;Saka
muro,D.ら、Oncogene 11:2411−2418,1995;
Trudel,M.ら、J Exp Med18(6)1873−1884,1
997;Zhan,Y.ら、Mol Cell Biol 17:6755−6
764,1997)、および増殖(Lanoixら、Oncogene 13:
1153−1160,1996;Zhan,Y.ら、Mol Cell Bio
l 17:6755−6764,1997)の両方において重要な役割を果たす
。インビトロでは、正常な血清の存在下で、c−mycの過剰発現は細胞の増殖
を促進するが、成長因子が存在しない場合、細胞のアポトーシスを生じる(Th
ompson,E.B.Annu Rev Physiol 60,575−6
00,1998)。従って、c−mycアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS
O)処置は、細胞の増殖および/またはアポトーシス(それはPKDの開始およ
び進行に重要な役割を果たすようである。)を減少させる手法として提案されて
きた(Grantham,JJら、Kidney Int31:1145−11
52,1987;Woo,D.,N Engl J Med 333:1825
,1995)。
【0045】 Trudelら、1994は、p53およびbcl−2ファミリーのメンバー
を含む経路を介するアポトーシスの調節におけるc−mycの影響をさらに特徴
付けた。p53およびbcl−2ファミリーのメンバーは、それぞれアポトーシ
スを誘導し、および阻害する。SBM腎組織(それはc−mycを過剰発現する
)は、顕著に増加した(10〜100倍)アポトーシス指標を示したが、コント
ロールの腎組織と比較して、bcl−2、bax、またはp53の発現における
有意な差異は、全く観察されなかった。SBMおよびp53(−/−)マウスの
間の連続交配は、PKDにおける高められた腎細胞アポトーシスが、p53を介
して起こっていないという直接の証拠を提供した。全てのSBM子孫は、p53
の遺伝子型に関わらず、腎上皮アポトーシス指標が少し増加し、PKDを発症し
た。2重トランスジェニックマウス(SBB+/SBM+)におけるbcl−2
およびc−mycの両方の過剰発現が、高いアポトーシス率を有する類似したP
KD表現型を生成することがさらに観察され、このことはc−mycは、インビ
ボにてbcl−2を回避し得ることを示し、SBMマウスのインビボc−myc
アポトーシス経路は、p53およびbcl−2と独立した機構を介して起こるこ
とを示唆した(Trudelら、1997)。
【0046】 ヒトADPKDは、腎c−myc発現を一貫して15倍にまで上昇させ、プロ
トオンコジーンの異常発現を示す。高レベルのc−myc発現は、嚢胞の上皮に
おける10〜100倍に増加した増殖指標と相関関係がある。さらに、ヒトの疾
患では、bcl−2のmRNAの定常レベルが、20倍にまで増加し、baxお
よびp53の発現が実質上変化せずに、Bcl−2タンパク質は、顕著に増加し
た。けれども、増加したアポトーシスが、ADPKD腎において観察された。S
BMマウスにおける研究からの結果はこれらの観察と一致しており、ここで、正
常な腎恒常性に要求される増殖およびアポトーシスは、ADPKDにおいて調節
解除されており、嚢胞発生をもたらす上皮細胞の腎発生プログラムを反復する(
Lanoixら、1996)。
【0047】 (III.本発明の方法) 本発明は、c−mycに対するオリゴマーアンチセンスを、被験体に投与する
ことによって、PKDを処置する方法を提供する。本発明は、ヌクレアーゼ耐性
のオリゴヌクレオチド(相補的なまたは相補的に近いc−myc配列に高い親和
性で結合可能)が、被験体に投与され得、有害な副作用なしで、被験体でインビ
ボでのc−mycの発現を続いて調節し得るという発見に基づいている。患者へ
のc−mycに対するオリゴマーアンチセンスの投与後の、毒性の欠損および上
皮増殖の腎特異的な調節は、先行技術に基づいて予想可能ではなかった。
【0048】 この発見の基礎となる機構は、特許請求される発明の一部ではないが、この発
見は、投与されたアンチセンスオリゴマーが、(i)身体中を移動して体細胞に
入り、(ii)RNAの標的領域で、ヘテロ2重鎖を形成するように、c−my
c配列の相補的または相補的に近い標的領域に、ワトソン−クリック塩基対形成
による高い親和性で結合し、(iii)上皮増殖(例えば、PKDで観察される
ような)に対するc−myc発現の効果を調節することが可能であることを示唆
している。
【0049】 (A.アンチセンスオリゴマー) アンチセンスオリゴヌクレオチドは、相補的な配列(例えば、mRNA)に結
合し、そして特異的に核酸の翻訳を妨げ、それにより、遺伝子機能を破壊する(
Haller,H.ら、Kidney Int 53:1550−1558,1
998;Gewirtz,A.M.,Oncogene 18:3056−30
62,1999)。多数のヒト臨床試験が、現在進行中であるが(Angraw
al,S.およびZhao,Q.,Curr Opin Chem Bio 2
:519−528,1998)、ASOによる遺伝子発現の阻害は興味深い(F
lanagan,W.M.,Cancer Metastasis Rev 1
7:169−176,1998)。不十分な特異性、非効果的な送達、不安定性
、および細胞における予想不可能な活性は、ASO技術を含む処置に関連した問
題のうちの一部である(Summerton,J.およびWeller D.,
Antisense Nucleic Acid Drug Dev7:187
−195,1997)。
【0050】 c−myc ASOは、c−myc誘導性の腎上皮細胞の増殖(Koul,H
.ら、Kidney Int 50:1525−1530,1996)およびイ
ンビトロでの慢性骨髄性白血病細胞の増殖(Skorski,T.ら、Bloo
d 88:1005−1012,1996)を効果的に阻害することが示されて
いる。インビボでは、創傷した動脈における新しい内膜の増殖もまた、c−my
c ASO処置によって実証された(Oberbauer,R.ら、Kidne
y Blood Press Res 19:221−224,1996)。
【0051】 アンチセンス技術は、最近、腎状況に適用されてきた:ICAM−1 ASO
で処理されたラットは、無酸素再灌流障害後の、腎炎症の減少および腎機能の改
善を示した(Haller,H.ら、Kidney Int 53:1550−
1558,1998)。腎の近位細管細胞は、それらを分解すること無く循環中
のオリゴヌクレオチドを効率的に取り込む能力を有することがまた実証された(
Rappaport,J.ら、Kidney Int 47:1462−146
9,1995)。
【0052】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、構造的DNA模倣物として開発され(N
ielsen,P.E.,Annu Rev Biophys Biomol
Struct 24:167−183,1995)、それはインビトロで、配列
特異的な遺伝子阻害可能である(Summerton,J.ら、Antisen
se Nucleic Acid Drug Dev 7:63−70,199
7;Taylor,M.F.ら、Cytokine9:672−681,199
7;Taylor,M.F.ら、Nucleic Acid Drug Dev
8:199−205,1998)。これらのASOは、それらに中性電荷、高
い水溶性(Summetron,J.およびWeller,D.,Antise
nse Nucleic Acid Drug Dev 7:187−195,
1997)、およびヌクレアーゼ耐性(Wages,J.M.ら、Bio Te
chniques23:1116−1121,1997)を付与するモルホリノ
骨格を有している。
【0053】 本発明の方法におけるアンチセンスオリゴマーの使用は以下を含む、好ましく
は1つ以上の特性を有する:(1)非荷電の骨格(例えば、Uhlmannら、
1990)、(2)高い親和性で、すなわち、37℃より実質的に高いTmで、
標的RNAの相補的な配列とハイブリダイズする能力(3)少なくとも8塩基、
概して、約8〜40塩基であり、好ましくは12〜25塩基長のサブユニットで
ある、そして、(4)ヌクレアーゼ耐性(Hudziakら、1996)。
【0054】 本発明の方法において、有用性を発見し得るヌクレアーゼ耐性アンチセンスオ
リゴマーは、オリゴヌクレオチドアナログ(例えば、モルホリノ、メチルホスホ
ネートおよびペプチドオリゴヌクレオチド)であり、非荷電の骨格を有する(例
えば、Uhlmannら、1990を参照のこと)。
【0055】 好ましいアンチセンスオリゴマーは、非荷電骨格を有するヌクレアーゼ耐性オ
リゴマーであり、そして特に、選択されたRNA標的配列の領域に相補的な塩基
配列に加えて、オリゴマー骨格(オリゴマーサブユニットおよび結合によって定
義され、標的RNAおよびオリゴマーにおける相補的な塩基間のワトソン−クリ
ック塩基対形成によって、標的RNA配列にそのオリゴマーが結合するのを可能
とする)を有するモルホリノオリゴマーである。モルホリノオリゴマーの合成、
構造、および結合特徴は、上記に引用された米国特許第5,698,685号、
同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,50
6号、同第5,166,315号、同第5,521,063号、および同第5,
506,337号に詳細に説明されており、それら特許の全ては本明細書中に参
考文献として援用される。二本鎖のDNAは、アンチセンス分子によって標的化
され得るが、概して、本発明のアンチセンス法を使用する遺伝子発現の調節のた
めの標的は、c−mycのmRNA翻訳開始コドンに広がる配列を含む。しかし
、いくつかの場合では、c−myc mRNAの他の領域が標的化され得、それ
は、1つ以上のイニシエーター部位またはプロモーター部位、イントロンまたは
エクソン結合部位、3’非翻訳領域、および5’非翻訳領域を含む。さらに、ス
プライシングされたRNAおよびスプライシングされていないRNAの両方が、
本発明の方法での使用のためのアンチセンスオリゴマーの設計の鋳型として作用
し得る。
【0056】 本発明の方法では、アンチセンスオリゴマーは、37℃より実質的に大きい(
例えば、少なくとも50℃そして好ましくは60℃〜80℃の)Tm値を有し、
生理学的条件下で、c−myc核酸配列の領域にハイブリダイズするように設計
されている。そのオリゴマーは、核酸に対して高い結合親和性を有するように設
計されており、そしてc−myc標的配列に対して100%相補的であり得、ま
たはオリゴマーとc−myc標的配列との間で形成されるヘテロ二重鎖が、それ
の細胞から体液への移行中に、細胞のヌクレアーゼ作用および他の分解様式に耐
えるために十分安定している限り、ミスマッチを(例えば、対立遺伝子変異体に
適応するために)含み得る。ミスマッチは、存在するとしても、中間領域よりも
、末端領域のハイブリッド二重鎖の末端領域に向ってより不安定化しない。十分
に理解された二重鎖安定の原理によると、許されるミスマッチの数は、オリゴマ
ーの長さ、二重鎖中のG:C塩基対の割合および二重鎖中のミスマッチの位置に
依存している。
【0057】 15〜20塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、哺乳動物ゲノムにおけ
る1つの相補的な配列を有するのに、通常は十分に長い。さらに、少なくとも長
さ17ヌクレオチドの長さを有するアンチセンス化合物は、それらの標的mRN
Aと十分にハイブリダイズする(Cohenら、1991)。
【0058】 そのようなアンチセンスオリゴマーは、c−myc標的配列に対して必ずしも
100%相補的であるとは限らないが、c−mycの発現が調節されるように安
定してそして特異的に標的配列に結合することは効果的であることが、理解され
る。適切な特異性と組み合わせて、安定した、効果的な結合を可能とするオリゴ
マーの適切な長さは、約8〜40ヌクレオチド塩基単位であり、そして好ましく
は、約12〜25ヌクレオチドである。標的塩基との縮重塩基対形成を可能とす
るオリゴマー塩基もまた、企図されており、標的との塩基対特異性が維持される
と想定される。
【0059】 急性および慢性的な細胞毒性について、周知の方法(例えば、3H−ロイシン
および3H−チミジンの取り込みによってそれぞれ測定される、タンパク質およ
びDNA合成に対する効果)によって、候補アンチセンスオリゴマーは、評価さ
れる。さらに、候補アンチセンスオリゴマーの結合特異性を確かめるために、種
々のコントロールオリゴヌクレオチド(例えば、センス配列、非センス配列また
はスクランブルアンチセンス配列、あるいはミスマッチ塩基を含む配列)が、評
価され得る。そのような試験の結果は、無差別の抑制から遺伝子発現のアンチセ
ンス阻害の特異的効果を区別するために重要である(例えば、Bennetら、
1995を参照のこと)。従って、非標的配列へのアンチセンスオリゴマーの非
特異的結合を制限するために、配列は必要に応じて改変され得る。
【0060】 概して、非標的配列へのオリゴマー分子の非特異的結合は、制限されることが
望ましい。そのようなオリゴマーのいくつかの非配列特異的な相互作用は、治療
効果を示し得るが(例えば、Anderson,K.P.ら、1996)、その
ような相互作用は、しばしば不必要な副作用を生じる。非特異的結合について試
験するために、コントロール配列(例えば、センス配列または非センス配列)、
またはミスマッチ塩基を含む配列が、予備スクリーニング試験(インビトロ)に
含まれ得る。過剰な標的タンパク質またはmRNAもまた、アンチセンスオリゴ
マーの効果が逆転するかどうかを確かめるために、細胞培養に加えられ得る(B
ennett,M.R.ら、1995)。
【0061】 さらなる配列が、1つ以上の所望の標的配列を考慮している、当業者によって
調製され得、当業者によって慣例的に使用される方法よって、スクリーニングは
実施される。
【0062】 標的RNAとヘテロ二重鎖を形成する際の、所定のオリゴマー分子の有効性は
、当該分野で公知のスクリーニング法によって決定され得る。例えば、オリゴマ
ーは、インビトロで、c−mycを発現する細胞とともにインキュベートされ、
そして、当業者に公知の手順を使用して、ヘテロ二重鎖の存在または不在が検出
されるか、あるいは標準的技術(例えば、ELISAまたはウエスタンブロッテ
ィングなど)によって、コードされたタンパク質の存在または不在を決定される
(例えば、Pari,G.S.ら、1995;Anderson,K.P.ら、
1996参照のこと)。非標的配列へのオリゴマー分子の非特異的結合は、制限
されることが一般的に所望される。
【0063】 上記記載のように、アンチセンスオリゴマーは、その標的配列に対し高い親和
性を有するべきである。これに関して、モルホリノオリゴマー(例えば、以下に
説明される)は、特にRNA標的に対して、優れた標的結合親和性を生じる。そ
れらはまた、ヌクレアーゼによる分解に対して、高度に耐性である(Hudzi
ak,R.M.ら、1997)。これらの化合物は、図2A〜Eおよび図3AA
〜EEおよび上記に引用した特許に示されている形態のモルホリノサブユニット
構造から構成され、ここで、(i)モルホリノ基は、好ましくは非荷電結合(1
〜3原子長)によって、1つのサブユニットのモルホリノ窒素を隣接したサブユ
ニットの5’環外炭素に結合されて、一緒に連結され、そして(ii)モルホリ
ノ基に結合した塩基は、塩基特異的水素結合によって、ポリヌクレオチド中の塩
基に結合するのに有効なプリンまたはピリミジン塩基対形成部分である。このプ
リンまたはピリミジン塩基対形成部分は、代表的には、アデニン、シトシン、グ
アニン、ウラシルまたはチミンである。そのようなオリゴマーの調製は、米国特
許第5,185,444号(SummertonおよびWeller,1993
)に詳細に説明されており、この特許は本明細書にその全体が参考文献として援
用される。この参考文献に示されているように、いくつかの非イオン結合が、モ
ルホリノ骨格を構築するために使用され得る。
【0064】 メッセンジャーRNA配列の標的化が好ましいが、二本鎖DNAは、二重鎖D
NAの主溝配位に配列特異的に結合するように設計された非イオンプローブを使
用して、標的化され得る。そのようなプローブ型は、米国特許第5,166,3
15号(SummertonおよびWeller,1992)(本明細書中に参
考文献として援用される)に詳細に説明されており、そしてまた、一般的に本明
細書中でアンチセンスオリゴマーと呼ばれ、さらに標的遺伝子の発現を阻害する
能力についていう。
【0065】 モルホリノオリゴマーは、安定した、非荷電の骨格結合によるポリマーの形態
で結合され得、そして相補的な塩基の標的核酸(標的RNAを含む)と高い親和
性で、ハイブリダイズし得る。この特性の組み合わせ(それぞれのモルホリノサ
ブユニットの環窒素を介するサブユニット結合に関する)は、天然のポリヌクレ
オチドでも、または種々の荷電結合もしくは非荷電結合を含むポリヌクレオチド
でも、または天然に存在するヌクレオチドの「1つ以上の」アナログを含むポリ
ヌクレオチドでも、見い出されない。
【0066】 本発明の方法での使用に好ましいアンチセンスオリゴマーは、5’−ACG
TTG AGG GGC ATC GTC GC−3’として提示された配列を
有する(オリゴヌクレオチド 1−22−126;配列番号1)。
【0067】 (B.アンチセンスオリゴマーのインビボ投与) 標的RNAへのアンチセンスオリゴマーの効果的な送達は、本発明の方法の重
要な側面である。本発明に従って、アンチセンスオリゴマーの送達のそのような
経路は、種々の全身経路(経口経路および非経口的な経路(例えば、静脈内、皮
下、腹腔内、および筋内)および吸入および経皮送達を含む)を含むがそれに限
定されない。
【0068】 c−mycアンチセンスオリゴマーを標的細胞に送達するため、または薬物を
血流に導入するために効果的な任意の方法が企図されていることが理解される。
【0069】 アンチセンスオリゴマーの経皮送達は、例えば、局所投与に適合された薬学的
に受容可能なキャリアの使用によって、達成され得る。モルホリノオリゴマー送
達の1つの例は、PCT特許出願WO97/40854に記載されており、この
出願は、本明細書中に参考文献として援用される。
【0070】 1つの好ましい実施形態では、オリゴマーは、モリホルノオリゴマーであり、
薬学的に受容可能なキャリアに含まれて、そして経口送達される。この実施形態
のさらなる局面では、モルホリノc−mycアンチセンスオリゴヌクレオチドは
、短い期間定期的に(例えば、2週間以下に毎日)投与される。しかし、いくつ
かの場合では、アンチセンスオリゴマーは、より長い期間にわたって断続的に投
与される。
【0071】 代表的には、単用量以上のアンチセンスオリゴマーが、一般的に約1〜2週間
の期間定期的に投与される。経口投与に好ましい用量は、約1mgオリゴマー/
患者〜約25mgオリゴマー/患者である(成体体重70kgに基づく)。いく
つかの場合では、25mgオリゴマー/患者より多い用量が必要であり得る。I
V投与においては、好ましい用量は、約0.5mgオリゴマー/患者〜10mg
オリゴマー/患者である(成体体重70kgに基づく)。
【0072】 アンチセンス化合物は、少なくとも200〜400nMのc−mycアンチセ
ンスオリゴマーの最高血中濃度を生じるのに十分な量で一般的に投与される。
【0073】 概して、本方法は、被験体に、適切な薬学的キャリアで、腎臓のインビボc−
myc核酸配列の発現を阻害するのに有効なアンチセンス薬剤の量を投与するこ
とを含む。
【0074】 アンチセンスオリゴヌクレオチド組成物は、生理学的に受容可能な任意の便利
なビヒクルにて投与され得る。そのようなオリゴヌクレオチド組成物は、当業者
によって使用される標準的な生理学的に受容可能な任意の種類のキャリアを含み
得る。そのような薬学的キャリアの例は、生理食塩水、リン酸緩衝化食塩水(P
BS)、水、水性エタノール、エマルジョン(例えば、水/油エマルジョン、ト
リグリセリドエマルジョン)、湿潤剤、錠剤およびカプセルを含むがそれに限定
されない。適切な生理学的に受容可能なキャリアの選択は、選択される投与方法
によって、変化することが理解される。
【0075】 いくつかの場合において、リポソームが、細胞へのアンチセンスオリゴヌクレ
オチドの取り込みを容易にするために使用され得る(例えば、Williams
,1996;Lappalainenら、1994;Uhlmannら、199
0;Gregoriadis,1979を参照のこと)。ヒドロゲルもまた、ア
ンチセンスオリゴマー投与のためのビヒクルとして使用され得る(例えば、WO
93/01286に記載されている)。あるいは、オリゴヌクレオチドは、微粒
子または微小粒子にして投与され得る(例えば、WuおよびWu,1987を参
照のこと)。
【0076】 徐放性組成物もまた、本願の範囲内で企図されている。これらは、フィルムま
たはミクロカプセルのような形の物品の形態で、半透性のポリマーマトリックス
を含み得る。
【0077】 本方法の好ましい適用においては、被験体は、PKDに罹患していると以前に
診断されたか、またはPKDを発症する危険があると以前に診断された、ヒト被
験体である。
【0078】 本発明の方法での使用のためのc−mycアンチセンスオリゴヌクレオチドの
インビボで有効な用量は、投与の頻度および経路ならびに処置下の被験体の状態
によって変化することが理解される。従って、そのようなインビボ治療は、最適
な治療結果を達成するために、処置される条態に適切な試験によるモニタリング
、および用量または処置レジメンの対応する調節を一般的に必要とする。
【0079】 PKDを処置するためのc−mycアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用は
、さらなる治療の介入の後に、同時に、および/または前に、例えば、PKDを
処置するために当業者によって代表的に使用される治療アプローチを使用して、
使用され得ることがさらに理解される。
【0080】 (C.処置のモニタリング) 本明細書に記載された方法を含む所定の治療レジメンの効力は、以下の1つ以
上によってモニタリングされ得る:(1)腎臓の状態を評価するために、腎細胞
または腎組織切片を染色することによる、組織学または免疫組織学(例えば、c
−mycに対するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を用いる);(
2)c−mycまたは別のmRNAの転写を定量化するためのRNA分析(例え
ば、ドットブロット、ノーザンブロットまたはRT−PCR(逆転写酵素ポリメ
ラーゼ連鎖反応による));(3)インサイチュハイブリダイゼーション(例え
ば、c−mycをプローブとして使用する);(4)ウエスタンブロット分析;
(5)全体重、全腎重および体重の割合としての腎重量の決定;(6)腎機能の
指標としての血清尿素窒素(SUN)の決定;(7)ヘマトクリット;および(
8)嚢胞の検出(例えば、超音波、コンピューター断層撮影法(CT)、または
磁気共鳴画像法(MRI)による)。そのような方法の多数の例は、当該分野で
一般的な公知であり、そのいくつかはさらに以下で記載される。
【0081】 アンチセンスオリゴマー処置レジメンは、上記記載のような種々のアッセイの
結果に基づいて、示されるように、調整され得る(用量、頻度、経路など)。
【0082】 c−mycアンチセンスオリゴヌクレオチドでの処置に関連したさらなる情報
は、以下の1つ以上から獲得し得る:(1)種々の組織での抽出およびc−my
c ASOレベルの分析;(2)上皮増殖因子(EGF)発現(代表的に正常な
腎において高度に発現され、その発現は嚢胞腎において、有意減少する)の決定
;(3)SGP−2(未成熟な集合管のマーカーの発現/正常な腎に対して、代
表的に嚢胞で過剰発現される)の評価;そして(4)腎増殖細胞核抗原(PCN
A)(細胞増殖のマーカー)の発現の評価。
【0083】 以下の実施例は、本発明を例証するが、いかなる方法においても制限すること
は意図されない。
【0084】 (材料および方法) (免疫組織学) c−myc ASOで処理した正常なマウスおよび嚢胞性のマウス由来の腎臓
のパラフィン切片および未処理の正常なマウスおよび嚢胞性のマウスが、c−m
ycの免疫組織化学によって分析され得る。代表的には、20日齢のマウスが、
そのような分析に使用される。1つの例示的な方法は、以下の工程を含む:腎切
片を調製し、次いで内因性のペルオキシダーゼ活性を、メタノールペルオキシド
でクエンチし、そして組織切片を正常なヤギのブロッキング血清で処理する。腎
切片を次いで、4℃で18時間、1:25に希釈したヒトc−mycに対するウ
サギポリクローナル抗体とともに(カタログ#sc−764、a Santa
Cruz Biotechnology,Inc.,Santa Cruz,C
A)インキュベートする。結合抗体は、色原体としてニッケル増幅DABを用い
て、アビジンビオチン複合体法(Vector Laboratories,B
urlingame,CA)を使用して可視化する。ネガティブコントロールの
切片は、一次抗体の代わりに正常なウサギ血清を使用して、同一の方法で処理す
る。
【0085】 (RNAの単離およびノーザンハイブリダイゼーション) RNAは、当該分野で公知の多数の方法のいずれかを使用して、正常なマウス
および嚢胞性のマウス、ならびにc−myc ASOおよびスクランブルオリゴ
ヌクレオチドで処置した正常なマウスおよび嚢胞性のマウスの腎臓から抽出しお
よび精製し得る。代表的には20日齢のマウスが、そのような分析に使用される
【0086】 1つのアプローチにおいては、酸グアニジウムチオシアネート−フェノール−
クロロホルム抽出法が使用される。手短には、Tri−Reagent(Mol
ecular Research Center,Inc.,Cincinna
ti,OH)中で、凍結された腎臓をホモジナイズし、そして製造者の指示書に
従って、RNAを単離する。このRNAを、1%アガロース/ホルムアミドゲル
中で、それぞれのレーンに、10μgの総腎RNAを含んで、電気泳動によって
分画する。RNAは、次いで一晩Zetabindメンブレン(Cuno,In
c.,Meriden,CT)に転写し、そしてメチレンブルーで染色し、それ
ぞれのレーンのRNAの量が均等であるかを確かめる。このメンブレンを、次い
でベーキングし(80℃で2時間)、そしてチャーチ緩衝液(1mM EDTA
を含む0.5%リン酸ナトリウム中の1%BSAおよび7%SDS)中で、32
標識のcDNAプローブ(ランダムプライムラベリング法、Rediprime
II,Amersham Pharmacia Biotech,Arlin
gton Heights,IL)を用いて、65℃で一晩ハイブリダイズする
。ハイブリダイズしたノーザンブロットを、65℃で各10分間洗浄する;洗浄
緩衝液Aで2回(40mMリン酸ナトリウムおよび1mM EDTA中の0.5
%BSAおよび5%SDS)、そして洗浄緩衝液Bで4回(40mMリン酸ナト
リウム中および1mM EDTAの1%SDS)。オートラジオグラフィーを、
mRNAの相対的な発現を可視化するために使用する。特定のmRNAを、オー
トラジオグラフのデンシトメトリーを使用して定量化し得る。ノーザンブロット
ハイブリダイゼーション研究は、異なったセットのRNAを用いて一般的に2連
で行なう。
【0087】 (ウエスタンブロット分析) 正常なマウスおよび嚢胞性マウス、ならびにc−myc ASO処置およびス
クランブルオリゴヌクレオチドで処置した正常なマウスおよび嚢胞性のマウスの
腎臓由来のタンパク質はまた、当該分野で公知の多数の方法のいずれかを使用し
て分析し得る。
【0088】 1つの例示的なアプローチでは、c−myc ASOで処置および未処置のC
57BL/6J−cpk/cpkマウスから新鮮な腎臓を、21日目に取り出し
、そして直ぐにプロテアーゼインヒビター(カタログ#1836170、Boe
hringer Mannheim,Mannheim,Germany)を含
む放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)緩衝液(1×PBS、1%Nonide
tP−40、0.5%デオキシコール酸、0.2%SDS)中でホモジナイズす
る標準技術を使用してタンパク質を単離し、ウェスタンブロット分析用に処理す
る。タンパク質サンプルは、次いで6%SDS/アクリルアミドスタッキングゲ
ルを用いて、12.5%SDS/アクリルアミドゲル上で33mAで14時間分
画した。このゲルを転写緩衝液(192mMグリシン、25mMTris ba
se、および10%メタノール、pH8.3)中で20分間浸漬し、Immob
ilon−P転写メンブレン(Millipore Corporation,
Bedford,MA,80ボルト80分間)に転写する。このメンブレンを短
くメタノールに浸漬し、そして40℃で乾燥し、次いでメタノールで簡単に脱水
し、洗浄緩衝液(0.3%Tween20を含むPBS)でリンスして、ブロッ
キング緩衝液(PBS,0.3%Tween20および3%粉末ミルク)中で、
30分間インキュベートする。メンブレンを次いで、ブロッキング緩衝液中でそ
れぞれ1:500に希釈した、以下に対する一次抗体とともに1時間インキュベ
ートする:c−myc(カタログ#sc−764、Santa Cruz Bi
otechnology,Inc.,Santa Cruz,CA)、グルココ
ルチコイドレセプター(カタログ#sc−1004、Santa Cruz B
iotechnology,Inc.,Santa Cruz,CA)、または
増殖細胞核抗原(PCNA;カタログ#sc−7907、Santa Cruz
Biotechnology,Inc.,Santa Cruz,CA)。メ
ンブレンは洗浄緩衝液で5分間3回洗浄し、そして適切なホースラディッシュペ
ルオキシダーゼ(HRP)結合二次抗体とともに30分間インキュベートする。
メンブレンを洗浄緩衝液で再びリンスし、ECL検出剤(Promega Co
rp.,Madison,WI)とともにインキュベートし、Kodak Bi
o Maxフィルムを使用して、オートラジオグラフィーを行なう。
【0089】 (腎c−myc ASOの抽出および分析) 標的組織中のアンチセンスオリゴヌクレオチドの量もまた、分析され得る。分
析の1つの例示的な方法において、内部標準オリゴヌクレオチド500ngまた
はその配列がc−myc ASOの5’の切断に由来する15マーのホスホロジ
アミデートモルホリノオリゴマーを、RIPA緩衝液中で調製された腎溶解液の
500μlアリコートと混合する。等容量のエタノールを加え、生じる沈殿を1
0分間遠心分離する。上清を回収し、ペレットを100μlの0.025M T
ris緩衝液(pH 9.0)で洗浄し、再び遠心分離する。生じる上清を集収
し、70℃で、10分間加熱し、再び遠心分離する。上清を、100μlの0.
025M Tris緩衝液(pH 9.0)を加えた後、凍結乾燥する。生じる
粘性油性残渣を、100μlの5’フルオレセイン標識DNA(FDNA、Hy
bridon,Inc.,MA)溶液で再構成する(100μlの0.025M
Tris緩衝液中OD値0.2)。FDNAは、c−myc ASOの配列に
対して相補的な配列を有しており、そして安定した二重鎖を生じる。サンプル全
体は、注入され、HPLC(Rainin Al−200自動サンプリング機に
接続したVarian 9010 HPLC pump,Palo Alto,
CA,およびDNAPac PA−100陰イオン交換カラム、Dionex
Corp.,Sunnyvale,CAに接続したVarian9075蛍光検
出機)によって分析する。
【0090】 移動相Aとしての0.025M Tris緩衝液(pH 9.0)および移動
相Bとしての0.025M Tris緩衝液(pH 9.0)/1M NaCl
からなる2成分のグラジエント(0分で10%のB〜20分で45%のB)は、
クロマトグラフィー分離を達成するために使用される。フルオレセイン励起およ
び発光波長は、494nmおよび518nmにそれぞれ設定されている。腎溶解
サンプルに存在するc−myc ASO量は、次いでインターナルスタンダード
を含む一連のc−myc ASOスタンダードを流すことによって得られる標準
曲線使用して決定し得る。
【0091】 統計分析。血清尿素窒素、総体重、体重の割合としての腎重量、およびヘマト
クリットの統計的分析を、MINITABソフトウェア(State Coll
ege,PA)を用いて、分散分析(ANOVA)(p<0.05)を使用して
、行なう。データは平均値±SEMとして示される。
【0092】 (実施例1) PKDに対するc−myc mRNA発現の関係を評価するために、C57B
L/6J−cpk/cpkマウスを、c−mycアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドで処置した。C57BL/6J−cpk/cpkマウス(Jackson L
aboratory,Bar Harbor,MEから元々入手したストック由
来、KUM Medical Center)をコントロール/正常(+/+ま
たはcpk/+)マウスおよび嚢胞性(cpk/cpk)マウスを生成するよう
に交配させた。cpk/cpkマウスおよびコントロールマウスを用量4.3ナ
ノモル(30μg/マウス/日)で、c−mycに対するモルホリノオリゴマー
アンチセンスで、出生後7〜20日の間に腹腔内に(IP)注射して処置した。
【0093】 何匹かのマウスは、c−mycアンチセンスオリゴマー(ASO)のより高い
(14.3nM;100μg)または低い(1.4nM;10μg)投薬量で処
置した。このc−myc ASOは、5’−ACG TTG AGG GGC
ATC GTC GC−3’(オリゴヌクレオチド1−22−126;配列番号
1)として示されるヌクレオチド配列を有するモルホリノ骨格を有していた。コ
ントロールとして、マウスに、擬似注射するか、または5’−ACT GTG
AGG GCG ATC GCT GC−3’(オリゴヌクレオチド1−22−
144;配列番号2)として示されるヌクレオチド配列を有するスクランブルA
SOの等量を付与するかのいずれかを行った。これらのマウスは、最後の注射の
4時間後、屠殺した。コントロール、スクランブルおよびc−myc ASOで
処置したC57BL/6J−cpkマウスに、20日齢で、麻酔し(65mg/
kg ペントバルビタールナトリウム、IP)そして屠殺した。
【0094】 総体重、総腎重量および体重の割合としての腎重量を決定した。血液を心臓よ
り収集し、ヘマトクリットを測定し、そして腎機能を評価するために血清を使用
した。血清尿素窒素(SUN)は、比色定量アッセイを利用して決定した(Si
gma#640,Sigma Chemical Co.,St.Louis,
MO)。表1および図1A〜Dは、体重(BW)の割合(%)としての腎重量;
血清尿素窒素(SUN)(mg/dl);総体重(g);およびヘマトクリット
として報告されているこれらの分析の結果を示す。
【0095】 (表1.アンチセンスc−mycで処置した嚢胞性マウスおよび正常マウスな
らびに未処置の嚢胞性マウスおよび正常マウスの比較)
【0096】
【表1】 1*アンチセンス処置での差異についてp<0.05 2 **=正常との差異についてのp<0.05 c−myc AS処置は、図1Aに示されているように、腎臓の肥大の度合い
を有意減少させ(コントロールマウスにおいて21.68±1.88%に対して
11.91±0.45%、p<0.05)そして図1Bに示されるように、腎機
能の低下を阻害した(コントロール嚢胞性マウスにおいて62.4±6.80m
g/dIに対して38.42±3.20mg/dI、p<0.05)。腎機能は
、減少したSUNによって示されるように、処置された嚢胞性マウスにおいて改
善した。このc−mycアンチセンス処置は、総体重またはヘモクリットに対し
て効果も有さず、高度に増殖する過程(例えば、増殖および造血)には有害な影
響を与えないことを示した(それぞれ図1Cおよび図1D)。
【0097】 さらにマウスを分析するために、左腎を取り出し、体重を測定し、液体窒素中
で急速に凍結し、そしてRNAの単離の処理まで、−80℃で貯蔵した。この動
物は次いで、左心室を通して0.1Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒ
ドで、灌流固定した。右腎は、パラフィン包埋のために処理し、そして、切片を
過ヨウ素酸シッフ反応で染色するか、またはc−mycについて免疫染色した。
【0098】 腎切片の顕微鏡分析は、ASO処置は、腎の肥大を遅らせたが、ASO処置し
たC57BL/6J−cpk腎はなお有意な嚢胞病理を示し、これに対して、c
−myc ASO処置の後に、正常なC57BL/6Jマウスにおいて、腎変化
は見られないことを示した(データは示されていない)。
【0099】 ノーザンブロット解析は、c−myc mRNAは、嚢胞性腎において過剰発
現されること、および過剰発現は、c−myc ASO処置によって変化されな
いことを示した。しかし、ASO処置したマウス由来の腎におけるの検出可能な
c−mycタンパク質の減少した量により示されるように、ASO処置は、c−
mycタンパク質発現を阻害した(ウエスタンブロット分析により約59%の減
少)。
【0100】 ノーザンブロット解析はまた、EGF mRNAが、正常な腎で高度に発現さ
れることを示したが、嚢胞性腎では、減少する。c−myc ASO処置後、E
GF mRNAの発現は、嚢胞性腎において、12倍近く増加した。SGP−2
(未成熟な集合組織管において典型的に発現されるマーカー)のmRNAは、正
常の腎に比べて嚢胞性腎で過剰発現されたが、c−myc ASO処置後では、
約40%減少した。増加したEGF mRNA発現および減少したSGP−2
mRNA発現は、c−myc ASO処置が、それぞれ遠位尿細管および集合管
の増加した成熟をもたらしたことを示している。ヒストンH4(増加した細胞増
殖に関連したマーカー)のmRNAは、正常な腎に比べて嚢胞性腎で、過剰発現
されたが、c−myc ASO処置は、嚢胞性腎のヒストンH4メッセージレベ
ルを有意には減少させなかった。しかし、ASO処置は、PCNA(細胞増殖の
マーカー)の30%減少に関連していた(データは示されていない)。
【0101】 さらなる分析は、正常の腎と比較して嚢胞性腎で、c−mycが多いことを示
した。免疫組織学化は、c−mycが、嚢胞性尿細管および非嚢胞性尿細管の内
側を覆う上皮細胞の核に局在化することが示した。c−myc ASO処置の後
に、低いc−mycタンパク質レベルが、非嚢胞性尿細管でのc−mycの減少
に大きく起因するようであった。
【0102】 20日齢のc−myc ASO処置したC57BL/6J−cpkマウスから
得た腎溶解物中の腎c−myc ASOの分析は、0.47μMを示したが、c
−myc ASOは、20日齢のコントロールC57BL/6J−cpkマウス
からの腎溶解物では検出されなかった。
【0103】 c−myc ASOでの処置の効力はまた、高い(14.3nM;100μg
)および低い(1.4nM;10μg)ASO投薬量で処置したマウスにおいて
明らかであった。相対的な腎重量およびSUNレベルは、413nM(30μg
)のc−myc ASOで処置した後に観察されるのと同程度までに減少した。
総体重およびヘマトクリットレベルはまた、これらの投薬量のc−myc AS
Oによって影響されなかった。
【0104】 これらの結果は、c−mycアンチセンス処置が、腎におけるc−mycの過
剰発現に関連するPKDの症状を減少させ得ることを示唆している。
【0105】 (表2.本願を支援するために提供される配列)
【0106】
【表2】 本発明は組成物および方法に関して、記載されているが、本発明から逸脱する
ことなく、特許請求の範囲内で、種々の変化および改変がなされ得ることが理解
される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1A〜Dは、20日齢の正常なC57BL/6Jマウスおよび嚢胞性C57
BL/6Jマウスにおける(A)腎臓重量体重の割合(相対的な腎臓重量として
);(B)血清尿素窒素(SUN);(C)総体重;および(D)ヘマトクリッ
トに対するc−mycアンチセンスオリゴヌクレオチド処置の効果を例示する。
【図1B】 図1A〜Dは、20日齢の正常なC57BL/6Jマウスおよび嚢胞性C57
BL/6Jマウスにおける(A)腎臓重量体重の割合(相対的な腎臓重量として
);(B)血清尿素窒素(SUN);(C)総体重;および(D)ヘマトクリッ
トに対するc−mycアンチセンスオリゴヌクレオチド処置の効果を例示する。
【図1C】 図1A〜Dは、20日齢の正常なC57BL/6Jマウスおよび嚢胞性C57
BL/6Jマウスにおける(A)腎臓重量体重の割合(相対的な腎臓重量として
);(B)血清尿素窒素(SUN);(C)総体重;および(D)ヘマトクリッ
トに対するc−mycアンチセンスオリゴヌクレオチド処置の効果を例示する。
【図1D】 図1A〜Dは、20日齢の正常なC57BL/6Jマウスおよび嚢胞性C57
BL/6Jマウスにおける(A)腎臓重量体重の割合(相対的な腎臓重量として
);(B)血清尿素窒素(SUN);(C)総体重;および(D)ヘマトクリッ
トに対するc−mycアンチセンスオリゴヌクレオチド処置の効果を例示する。
【図2】 図2A〜Eは、ポリマーを形成するのに適した5原子(A)、6原子(B)お
よび7原子(C−E)の連結基を有するいくつかの好ましいモルホリノサブユニ
ットを示す。
【図3】 図3A−A〜図3E−Eは、それぞれ図2のA〜Eのサブユニットを使用して
構築された、例示的なモルホリノオリゴヌクレオチドの反復サブユニットセグメ
ントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA01 CA06 HA17 4C057 BB02 DD01 MM01 4C084 AA02 AA13 BA35 DB61 MA52 MA59 MA63 MA66 NA14 ZA811 ZB261 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA52 MA59 MA63 MA66 NA14 ZA81 ZB26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳動物の被験体における多発性嚢胞腎疾患(PKD)を処置
    のための薬学的組成物の調製のための、標的ヒトc−myc核酸配列に対するモ
    ルホリノに基づくアンチセンスオリゴマーの使用であって、 該オリゴマーが、長さ8〜40ヌクレオチドでありかつ、非荷電のリン含有サ
    ブユニット間結合を有する、使用。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の使用であって、ここで、前記モルホリノに基
    づくアンチセンスオリゴマーのサブユニット間結合が、図3A−A〜図3E−E
    において示される構造からなる群から選択される、使用。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の使用であって、ここで、前記結合が、図3B
    −Bで示される、ホスホロジアミデート結合を含み、X=NH2、Y=O、およ
    びZ=Oである、使用。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の使用であって、ここで、前記アンチセンスオ
    リゴマーが、長さ12〜25塩基を有する、使用。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の使用であって、ここで、前記アンチセンスオ
    リゴマーが、配列番号1として同定される配列を含む、使用。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の使用であって、ここで、前記薬学的組成物が
    、経口経路、皮下経路、鼻腔内経路、経皮経路または静脈内経路のうちのいずれ
    か1つにより投与される、使用。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の使用であって、ここで、前記薬学的組成物が
    、経口経路により投与される、使用。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の使用であって、ここで、前記被験体が、ヒト
    被験体である、使用。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の使用であって、ここで、前記c−mycに対
    するオリゴヌクレオチドアンチセンスが、前記被験体おいてPKDの検出可能な
    症状を減少させるかまたは除去するのに有効な様式で投与される、使用。
JP2000620083A 1999-05-24 2000-05-24 多発性嚢胞腎疾患の処置のためのc−mycに対するアンチセンス Pending JP2003500418A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13563799P 1999-05-24 1999-05-24
US60/135,637 1999-05-24
PCT/US2000/014220 WO2000071706A1 (en) 1999-05-24 2000-05-24 ANTISENSE TO c-myc FOR TREATMENT OF POLYCYSTIC KIDNEY DISEASE

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003500418A true JP2003500418A (ja) 2003-01-07

Family

ID=22468964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000620083A Pending JP2003500418A (ja) 1999-05-24 2000-05-24 多発性嚢胞腎疾患の処置のためのc−mycに対するアンチセンス

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP1185637B1 (ja)
JP (1) JP2003500418A (ja)
KR (1) KR100708573B1 (ja)
AT (1) ATE402257T1 (ja)
AU (1) AU781094B2 (ja)
CA (1) CA2374499A1 (ja)
DE (1) DE60039601D1 (ja)
WO (1) WO2000071706A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012112784A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Tohoku Univ 染色体優性多発性嚢胞腎の判定方法及び予防・治療薬のスクリーニング方法
JP2016195616A (ja) * 2008-10-24 2016-11-24 サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド Dmdのための複数のエキソンスキッピング組成物
JP2017525955A (ja) * 2014-08-04 2017-09-07 ジェンザイム・コーポレーション 多発性嚢胞腎のバイオマーカーおよびその使用
US11116755B2 (en) 2015-11-18 2021-09-14 Genzyme Corporation Biomarker of polycystic kidney disease and uses thereof

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004097017A2 (en) 2003-04-29 2004-11-11 Avi Biopharma, Inc. Compositions for enhancing transport and antisense efficacy of nucleic acid analog into cells
US20050222068A1 (en) * 2003-10-23 2005-10-06 Mourich Dan V Method and antisense composition for selective inhibition of HIV infection in hematopoietic cells
US20050288246A1 (en) 2004-05-24 2005-12-29 Iversen Patrick L Peptide conjugated, inosine-substituted antisense oligomer compound and method
US8067571B2 (en) 2005-07-13 2011-11-29 Avi Biopharma, Inc. Antibacterial antisense oligonucleotide and method
US20100016215A1 (en) 2007-06-29 2010-01-21 Avi Biopharma, Inc. Compound and method for treating myotonic dystrophy
WO2010080554A1 (en) 2008-12-17 2010-07-15 Avi Biopharma, Inc. Antisense compositions and methods for modulating contact hypersensitivity or contact dermatitis
US20110269665A1 (en) 2009-06-26 2011-11-03 Avi Biopharma, Inc. Compound and method for treating myotonic dystrophy
US9161948B2 (en) 2011-05-05 2015-10-20 Sarepta Therapeutics, Inc. Peptide oligonucleotide conjugates
US9457016B2 (en) 2013-08-29 2016-10-04 New York University Methods for treating polycystic kidney disease
EP3302489A4 (en) 2015-06-04 2019-02-06 Sarepta Therapeutics, Inc. METHOD AND COMPOUNDS FOR THE TREATMENT OF DISEASES AND SUFFERING IN CONNECTION WITH LYMPHOCYTES
NZ755416A (en) 2016-12-19 2023-05-26 Sarepta Therapeutics Inc Exon skipping oligomer conjugates for muscular dystrophy

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5506337A (en) * 1985-03-15 1996-04-09 Antivirals Inc. Morpholino-subunit combinatorial library and method
EP0962463B1 (en) * 1989-12-20 2002-07-10 Antivirals Inc. Uncharged morpholino-based polymers having phosphorus-containing chiral intersubunit linkages

Non-Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN5002008836, Antisense & Nucleic Acid Drug Development, 1997, Vol.7,No.3, p187−195 *
JPN6010025520, Antisense & Nucleic Acid Drug Development, 199904, Vol.9,No.2, p213−220 *
JPN6010025522, Anticancer Research, 1997, Vol.17, p4407−4413 *
JPN6010025524, Clinical Cancer Research, 1996, Vol.2,No.1, p119−126 *
JPN6010025526, Journal of the National Cancer Institute, 1996, Vol.88,No.7, p419−429 *
JPN6010025527, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 1997, Vol.94,No.8, p3966−3971 *
JPN6010025528, Nucleic Acids Research, 1996, Vol.24,No.8, p1508−1514 *
JPN6010025530, Oncogene, 1996, Vol.13,No.6, p1153−1160 *
JPN6010025532, American Journal of Pathology, 1998, Vol.152,No.1, p219−229 *
JPN6010025534, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 1987, Vol.84,No.23, p8394−8398 *

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016195616A (ja) * 2008-10-24 2016-11-24 サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド Dmdのための複数のエキソンスキッピング組成物
JP2017086087A (ja) * 2008-10-24 2017-05-25 サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド Dmdのための複数のエキソンスキッピング組成物
JP2018113989A (ja) * 2008-10-24 2018-07-26 サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド Dmdのための複数のエキソンスキッピング組成物
JP2021088595A (ja) * 2008-10-24 2021-06-10 サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド Dmdのための複数のエキソンスキッピング組成物
JP2021100439A (ja) * 2008-10-24 2021-07-08 サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド Dmdのための複数のエキソンスキッピング組成物
JP2012112784A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Tohoku Univ 染色体優性多発性嚢胞腎の判定方法及び予防・治療薬のスクリーニング方法
JP2017525955A (ja) * 2014-08-04 2017-09-07 ジェンザイム・コーポレーション 多発性嚢胞腎のバイオマーカーおよびその使用
US10871495B2 (en) 2014-08-04 2020-12-22 Genzyme Corporation Biomarkers of polycystic kidney disease and uses thereof
US11116755B2 (en) 2015-11-18 2021-09-14 Genzyme Corporation Biomarker of polycystic kidney disease and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
AU781094B2 (en) 2005-05-05
KR20020033628A (ko) 2002-05-07
AU5284300A (en) 2000-12-12
WO2000071706A1 (en) 2000-11-30
EP1185637B1 (en) 2008-07-23
CA2374499A1 (en) 2000-11-30
ATE402257T1 (de) 2008-08-15
DE60039601D1 (de) 2008-09-04
KR100708573B1 (ko) 2007-04-18
EP1185637A1 (en) 2002-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI641388B (zh) 用於治療奧爾波特綜合症之方法
JP6395058B2 (ja) ハンチンチン対する、組成物及びその使用
US8084437B2 (en) Methods for treating hypercholesterolemia
JP6652922B2 (ja) プレカリクレイン(pkk)発現の調節
US7402574B2 (en) Antisense composition and method for treating cancer
JP2011172597A (ja) スプライス領域アンチセンス組成物および方法
JP2003500418A (ja) 多発性嚢胞腎疾患の処置のためのc−mycに対するアンチセンス
KR20240036132A (ko) 대상에게서 smn2 스플라이싱을 조정하기 위한 조성물 및 방법
US20030087861A1 (en) Combined approach to treatment of cancer using a c-myc antisense oligomer
Ricker et al. c-myc antisense oligonucleotide treatment ameliorates murine ARPKD
US20220213483A1 (en) Methods for treatment of polycystic kidney disease
KR20190085951A (ko) 다낭성 신장 질환의 치료를 위한 변형된 올리고뉴클레오타이드
MX2007006591A (es) Composici??n terap??utica de oligonucle??tidos de antisentido para el tratamiento de la enfermedad intestinal inflamatoria.
KR20180080181A (ko) 다낭포성 신장 질환의 치료 방법
US6875747B1 (en) Antisense to c-myc for treatment of polycystic kidney disease
EP3740500A1 (en) Compositions and methods for increasing expression of scn2a
JP2023528435A (ja) 遺伝子転写物のモジュレーターを使用する神経学的疾患の処置
JP2021534799A (ja) 肥満細胞のアポトーシスを誘導するためにスプライススイッチングオリゴヌクレオチドを用いてKitを標的とする方法
EP3294887A1 (en) Mirna compositions for the treatment of mature b-cell neoplasms
CA2227370A1 (en) Methods for selectively killing or inhibiting the growth of cells expressing the waf1 gene
KR20240073028A (ko) 다낭성 신장 질환의 치료를 위한 방법 및 조성물
TW202320808A (zh) 用於治療多囊性腎病之方法及組合物
TW202016305A (zh) Apol1表現之調節劑
EA043761B1 (ru) Модифицированные олигонуклеотиды для лечения поликистозной болезни почек
WO2001079441A9 (en) Gene inactivation by targeted dna methylation

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100517

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101102