JP2003500080A - 設計された結合能を有するsh3ドメインを製造するための方法および材料 - Google Patents
設計された結合能を有するsh3ドメインを製造するための方法および材料Info
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Abstract
Description
領域3(Src homology region 3、SH3)を介した細胞タンパク質の相互作用
の支配下にある。本願明細書の開示は、設計された結合能を有するSH3ドメイ
ンを製造するための方法および材料、並びにそのようなSH3ドメインの研究、
治療、検査および医薬の開発における用途に関する。
伝子発現のパターンを変化させて刺激に順応することは細胞タンパク質の動態的
かつ規則正しい近接関係によって制御および実行されている。進化の過程におい
て、上記のような制御された特異的なタンパク質−タンパク質相互作用を仲介す
るように分化したタンパク質のドメインが何種類も発生した。ある種のタンパク
質ドメインは、相同性を有するが充分に多様なメンバーからなる特有の大きなフ
ァミリーを構成し、それぞれのメンバーが有する特異的リガンド結合能は重複す
る場合も多いが、特徴的な結合能を有している。
ン原遺伝子によってコードされているSrcファミリーチロシンキナーゼの間で
ホモロジーを示す領域として初めは同定されたものである。以後、SH3ドメイ
ンは、細胞生長の制御や分化などの機構において重要な役割を担う多数の(50
種を越える)タンパク質に見出された。このような機能を有することから、SH
3ドメインは種々の疾患、特にガンの病原体と密接な関係にある。更に、種々の
病原性微生物、例えばHIVはSH3を介したプロセスをそのライフサイクルの
中に活用している。SH3ドメインを介したタンパク質複合体の形成に影響を与
える能力は、治療法として顕著な可能性を有している。
異なるタンパク質、特に細胞情報伝達に関与するタンパク質に見られる50〜7
0アミノ酸からなる(Cohen et al. 1995. Cell, 80, 237-248; Dalgarno et al
. 1997. Biopolymers, 43, 383-400)。SH3ドメインはポリプロリンII型(P
PII)へリックスと呼ばれる二次構造をとる領域を含んだリガンドと結合するこ
とによって、分子内相互作用および分子間相互作用を仲介する。これらのリガン
ドは2つの反対の配置でSH3ドメインと結合することが可能で、典型的なもの
はコンセンサス配列RX0PXXPとPX0PXR(0は疎水性のアミノ酸、X
は任意のアミノ酸)である“PxxPモチーフ”を有している(Feng et al. 19
94. Science, 266, 1241-7; Lim et al. 1994. Nature, 372, 375-9)。保存さ
れた塩基性アミノ酸(通常はアルギニン;R)のPxxPモチーフ内の位置によ
って、リガンドがどのような配置で対応するSH3ドメインと結合するのかが決
定される。更に、例外的なSH3のリガンドには、上記の保存性の高い規則に則
らないPPIIへリックスを有するものもある。注目すべき例としては、Srcの
PPII領域が挙げられる。このPII領域はSrc自身のSH3ドメインに結合し
て酵素活性の自己阻害に関与するが、そこにはPxxPモチーフと定義されるモ
チーフ内の2つのプロリンの内の1つしか存在しない(Xu et al. 1997. Nature
, 385, 595-602)。
る非コンセンサスな領域にも見られ、SH3/リガンド複合体形成の特異性に影
響することが知られている。例外的なPxxPコンセンサスモチーフのターゲッ
トに対する優先性については、Ab1 SH3リガンドの選択に関する研究(Fen
g et al. 1994. Science, 266, 1241-7; Weng et al. 1995. Mol Cell Biol, 15
, 5627-34)やCrkN−SH3/C3Gペプチド複合体に関する研究(Knudsen
et al. 1995. EMBO J, 14, 2191-8; Wu et al. 1995. Structure, 3, 215-226
)によって例示されている。共通していないアミノ酸残基を含む、SH3リガン
ドのPII領域の配列の多様性の与える影響については、種々のSH3ドメインか
らなる化学合成されたランダムなペプチドまたはファージが展示するランダムな
ペプチドのライブラリーから選択した特徴的なターゲット配列を用いた実験によ
って最もよく説明することができる(Sparks et al. 1994. J Biol Chem, 269,
23853-6; Viguera et al. 1994. Biochemistry, 33, 10925-33; Yu et al. 1994
. Cell, 76, 933-45)。しかしながら、上記した特異性に関するデータにもかか
わらず、短いPIIリガンドペプチドの最大SH3結合親和性は低く、異なるSH
3ドメインに対する結合性の相対的な差も中庸である。
よび強度を与えることを示すデータが増えている。PxxPモチーフがランダム
な配列の中に埋め込まれている長いペプチドを展示するファージのライブラリー
を用いることによって、隣接する配列がこのようなリガンドに対する選択性を増
加させること、最大では種々のSH3ドメインに対する親和性の間に20〜30
倍もの差が生じることが明らかとなった(Rickles et al. 1994. EMBO J, 13, 5
598-604; Rickles et al. 1995. Proc Natl Acad Sci USA, 92, 10909-13; Spar
ks et al. 1996. Proc Natl Acad Sci USA, 93, 1540-4)。Src−SH3と上
記のような20アミノ酸残基からなるペプチド2種との相互作用に関する構造分
析によって、このような相互作用の比較的高い特異性および親和性(KD値はそ
れぞれ0.54μMと1.2μM)はペプチド内の隣接するアミノ酸残基とSr
c−SH3ドメインの2つのループ状の構造との接触を伴うことが判明した。こ
の2つのループ状の構造は、種々のSrc−SH3ドメインにおいて高い多様性
を示す配列であり、それぞれn−srcループとRTループと呼ばれている(Fe
ng et al. 1995. Proc Natl Acad Sci USA, 92, 12408-15)。同様に、合理的に
設計したプロリンに富んだリガンドとAb1 SH3との特異的結合(Ab1の
KD値が0.4μMであるのに対し、Fyn−SH3のKD値は273μM)も、
Ab1 SH3における対応する分子接触によって説明することができる(Pisab
arro and Serrano. 1996. Biochemistry, 35, 10634-40; Pisabarro et al. 199
8. J Mol Biol, 281, 513-521)。
強調する他の相互作用として、HIV−1 NefとチロシンキナーゼHckの
SH3ドメインとの相互作用が挙げられる。Nefは霊長類のレンチウイルス(
HIV−1、HIV−2およびSIV)に由来する27〜34kDのミリストロ
イル化されたタンパク質であり、感染した宿主における高ウイルス血症や免疫不
全の発症に重要なタンパク質である(Harris. 1996. J. Gen Viol, 77, 2379-92
; Saksela. 1997. Front Biosci, 2, 606-618)。興味深いことに、Nefは著
しく選択的なSH3結合特性を有する。NefはHck−SH3と強く結合し、
表面プラスモン共鳴によって測定した親和性はKD値が約0.2μMである(Lee
et al. 1995. EMBO J, 14, 5006-15)。Hckに対する強い結合に反し、Ne
fとFynのSH3ドメイン(HckのSH3との高いホモロジーを有する)と
の親和性は約100倍も低い。生化学的および構造的な研究によって、選択性の
基礎は、Hckに特徴的なSH3の非保存性の残基、特にHck−SH3のRT
ループ内のイソロイシンの側鎖をNefが効率よく認識することにあると判明し
た(Lee et al. Cell, 85, 931-942)。Hck−SH3のRTループをリガンド
に適応させるための領域は複数の非連続的なNefポリペプチドの部分からなり
、Nefの三次元構造においては、PII領域から離れた場所に存在する。
前の試みにおいては、PIIリガンドとそれに対応するSH3ドメインとの結合に
競合することができるペプチドまたはペプチド様分子のランダムなライブラリー
から分子を設計するかまたは選択していた。複数のグループによってこのような
試みの成功例が報告されている(上記の参考文献を参照)。この試みを応用した
方法については特許出願もされている(例えばWO 95/24419とWO 9
6/03649)。しかし、SH3/PPIIの作用領域は種々のSH3/リガン
ドペアの作用領域と比較的類似しているため、高い特異性を有する阻害分子を作
製するためには問題となる。この問題を克服するために、上記とは異なる方法を
用いた。具体的には、数々の研究によって示されてきたSH3ドメイン内RTル
ープによるリガンドの選択にかかわる見かけ上の役割、特にHIVのNefタン
パク質と細胞性HckチロシンキナーゼのSH3ドメインとの複合体に関する我
々の以前の研究に基く方法を実施した。
多様な領域(特にRTループの残基)と接触することで結合の特異性および親和
性を提供するという一般的なモデルを示している。この考えに基き、本発明にお
いては、Hckより誘導した人工SH3ドメインであって、RTループ内のHc
k特異的な非保存性の6アミノ酸をランダムな6アミノ酸残基からなるペプチド
(RRT−SH3(randomized RT-loop)と命名した)で置換したものからなる
巨大なライブラリー(>1億3000万)を作製した。作製したライブラリーを
M16バクテリオファージの表面に発現させ、設計された結合特性を有する新規
なSH3ドメインを同定した。我々はファージディスプレー法が修飾したSH3
ドメインの展示および選択に適していることを示し、SH3のRTループの担う
、特異性および親和性の決定因子としての広い役割に関する有利な実験的証拠を
提供する。
SH3ドメインの6アミノ酸残基)を包含するアミノ酸配列をランダムに作製
することによって、異なるリガンドタンパク質と自然界では考えられない高い親
和性および予め決めておいた特異性で結合する人工SH3ドメインを製造するこ
とも可能である。
結合は、SH3を介する相互作用の中でも最も強いものとして知られている。我
々は以前に、RTループ内にHck様アミノ酸の置換を導入することで、Nef
に対するのと同様の結合能をFyn−SH3に転送することが可能であることを
示した。本発明は、天然の対応するSH3ドメインの構造を真似る代りに、ラン
ダムなRTループ配列の調製と、親和性または機能を指標とする強力な選択方法
とを組合わせることで、所望のリガンド結合特性を有するSH3ドメインを製造
することができるという知見に基くものである。注目すべきことに、本発明の開
示する方法は、すべての天然のSH3ドメインに結合することが知られているタ
ンパク質に対して特異的且つ天然では考えられない高い親和性で結合するSH3
ドメインのみならず、SH3ドメイン含有細胞内パートナーの同定されていない
、SH3リガンドと考えられるターゲットタンパク質と結合するSH3ドメイン
の同定にも用いることもできる。
めの方法、並びに研究、治療、検査および医薬の開発に使用するための、本発明
の方法で得られた人工SH3ドメイン(RRT−SH3ドメインと命名した)を
提供する。
異誘発を用い、RRT−SH3と呼ばれる多種のSH3ドメインからなる集合体
を作製した。RRT−SH3は、Hck-SH3の全体構造を共有し、RTルー
プの可変領域を構成する6アミノ酸残基がランダムなアミノ酸の組み合わせで置
換されている以外はSH3ドメインと相同である。我々は組換えファージプラス
ミドの発現する約1億3000万種のRRT−SH3ドメイン、即ち、20種の
アミノ酸によって作製することのできる6アミノ酸残基からなるペプチドのすべ
ての組み合わせの数(206=6400万)を理論的には上回る数のドメインを
作製した。我々はファージディスプレー法として知られる方法がバクテリオファ
ージ粒子の表面に機能的なSH3ドメインを発現させるのに適していることを見
出し、所望の結合性を有する希少なRRT−SH3ドメインを数十万の非結合性
分子から同定するための選択手段として用いた。今のところファージディスプレ
ー法はこのようなRRT−SH3ドメインを機能に基いて選択するための好まし
い方法であるが、本発明はこの方法に限定されるものではなく、他の方法も本発
明の目的を達成するために用いることができる。
結合する(KD=250nM)ことが知られている人工RRT-SH3分子の骨格
となるHck-SH3ドメインよりも、最大40倍の高い親和性を有する個々の
RRT-SH3の同定が可能であることを示した。このような優れた親和性は、
これらの分子が例え低濃度であってもHck/Nef相互作用と効率的に競合可
能であることを意味し、これは容易に治療に応用できることを示している。注目
すべきことに、天然の未修飾のHck-SH3には顕著な親和性を示さないSH
3リガンドタンパク質に対して非常に高い親和性で結合するRRT-SH3分子
を、Hck誘導ライブラリーから同定することができた。そのようなSH3リガ
ンドタンパク質の例として、野生型Hck−SH3 RTループの調節を特異的
に妨げる突然変異によってHck-SH3への結合能が阻害されたNefタンパ
ク質の変異体(NefR90)を用いた。これらの基本原理に関する研究は、本
発明の基本的な応用方法に関する詳細と共に下記の実施例1に示した。
めの一般的に有用な方法を提供する。我々の実験結果は、ある1つのSH3ドメ
イン(HckのSH3)の基本骨格に含まれるSH3 RTループを変化させる
ことによって、全く異なる結合特性を有するSH3ドメインが得られることを示
しているが、他のSH3ドメインも本願記載の方法で修飾することにより同様に
変化させることが可能である。必要な場合には、すべてのSH3リガンドタンパ
ク質に対して高い親和性を有するSH3ドメインを作製することができる。また
、RTループ領域を変化させることに基く結合特性の設計を、他のランダムな変
異または特定のSH3ドメインの変異と共に用いることで、結合特性や他の物理
化学的特性(例えば、プロテアーゼ耐性や溶解性)を更に最適化する事ができる
。
、RRT-SH3ライブラリーから目的の細胞内の現象(細胞増殖やプログラム
された細胞死など)に重要な役割を果たす未知のSH3ターゲットタンパク質を
探索することもできる。この方法では、一般的に機能的クローニングとして知ら
れる方法において通常行なわれているように、RRT-SH3ライブラリーを組
換えレトロウイルスなどのベクターを使って培養細胞に導入し、目的とした表現
型を持つ細胞を異なるRRT-SH3ドメインを発現している多数の細胞の中か
ら選択する。機能的クローニングとは、細胞誘導されたcDNAライブラリーを
RRT-SH3ドメイン構成体の代わりに用いて細胞に誘導する方法である。変
化した細胞の表現型を誘導したRRT-SH3ドメインを単離し、単離したRR
T−SH3ドメインは、in vitroでの親和性に基く選択によって発見されたRR
T−SH3ドメインと同様に用いることができる。また、そのドメインに対応す
る特定のターゲットタンパク質(公知のSH3ターゲットタンパク質、あるいは
初めに選択して変化させた目的の表現型との関りについては報告のない公知のタ
ンパク質)の同定に用いることができる。
ることができる。SH3ドメインを細胞に導入して発現させることで、SH3リ
ガンドタンパク質とその他のタンパク質との複合体の機能を活性化、阻害あるい
は制御または変化させることができる。もしRRT−SH3ドメインが適当な標
的シグナルを司るタンパク質の一部である場合には、このような方法によってタ
ーゲットタンパク質の細胞内における局在化に影響を与えることができる。更に
、RRT−SH3ドメインとそのターゲット、例えばウイルスタンパク質、との
結合を細胞を含む系か含まない系において検出することで、感染性の微生物など
を検出するための検査方法を設計することもできる。
を介した細胞機能に関する基礎研究であり、同様に遺伝子治療に有用であること
も明白である。SH3ドメインのサイズが比較的小さいことも、製造したRRT
−SH3タンパク質を膜透過性ペプチドに融合する方法や、その他の同様な方法
によって標的細胞に輸送することを可能にする。それ自体を治療用の薬剤として
用いる以外に、RRT−SH3/リガンド複合体の構造を分析することもまた、
種々の疾病に関連した細胞タンパク質のSH3結合領域を標的とした非ペプチド
性化合物の設計の助けとなる。従って、このようにしてRRT−SH3ドメイン
と類似した構造を有し、類似した結合特性を有する医薬の候補となる物質を作る
ことも可能である。最後に、RRT−SH3がリガンドタンパク質のSH3結合
面と強固に相互作用し、それゆえに同じ領域に結合するいかなる化合物とも競合
することは、機能的に重要な領域を検出するための合理的な医薬品検出のための
スクリーニングによって得られた分子を同定する上でも有用である。従って、R
RT−SH3を用いて、天然のSH3ドメインとの間に生じる類似した相互作用
を阻害するための医薬を開発することができる。具体的には、医薬の標的とすべ
きターゲットタンパク質の分子領域をRRT−SH3を用いて認識する。
で置換すべきSH3の6アミノ酸残基は、ヒトp59Hckタンパク質(GenBan
k PID:2144421)の69番から74番(EAIHHE)に相当するアミノ酸残基
であり、これはRTループとして知られるSH3構造の露出した部分を形成する
。SH3ドメインのこの領域のアミノ酸配列は多様化しているが、類似した残基
は他のSH3ドメインのRTループにも存在する。他のSH3ドメインにおいて
これらの類似したアミノ酸は、ALYDYコンセンサスモチーフと呼ばれる保存
されたアミノ酸配列の直後に続くポリペプチド鎖の中の6つの連続したアミノ酸
残基として特定することができ、この配列または関連した配列は事質的にすべて
のSH3ドメインのアミノ酸配列において、配列の比較によって同定することが
できる。例えば、ヒトNckタンパク質(GenBank PID:88235)の3つのSH3
ドメインにおいては、大部分のアミノ末端に見られる上記のアミノ酸残記はVA
QQEQであり、その位置は14番〜19番アミノ酸である。それに対してマウ
スVav1タンパク質(GenBank PID:6755955)のSH3ドメインのカルボキシ
末端においては、これらの残基はCARDRSであり、794番〜799番まで
のアミノ酸を占めている。
機能に影響を与えることなくその構造を更に変化させて、RRT−SH3ドメイ
ンの誘導体を得ることもできる。このような誘導体は細胞内での発現において有
利な特性を有する場合もある。
HIV−Nefタンパク質と結合するように設計した、Hck−SH3から誘導
したSH3ドメインの製造方法について詳細に説明する。
6アミノ酸からなるHckポリペプチド断片(NH2-VV...VDSL-COOH)をコードす
るDNA断片をPfuポリメラーゼ(Stratagene製)並びに、PstIサイトおよび
NotIサイトを含有するプライマーを使ったPCRで増幅した。増幅したDNA断
片をpCANTAB-5EP(pCANTAB-5E(Pharmacia製)の変異体であって、PstIクローニ
ングサイトを有する)の対応するサイトに挿入した。RRT−SH3ドメインの
ライブラリーを作製するために、以下のHckのRTループコード領域を越えて
伸びる長い方のPCRプライマーをセンス鎖として用いた:5’-AAT CTG CAG GA
A TTC GTG GTT GCC CTG TAT GAT TAT NNN NNK NNS NNK NNK NNS GAC CTC AGC TT
C CAG AAG GGG GAC-3’(NはCまたはGまたはTまたはA、SはGまたはC、
KはGまたはT)。その結果として得られた断片を上記のpCANTAB-5EPにクロー
ニングした。合計137×106個の組換えコロニーを次のようにして作製した
。組換え体を大腸菌TG1にエレクトロポレーションで導入し、その後、菌体を
集め、以下に説明するようにM13KO7ヘルパーファージに感染させた。
0μg/mlのアンピシリンと2%グルコースを含む2×YT(2×YT/AG
)で30℃で更に培養した。培養液を2×YT/AGを用いて10分の1に希釈
し、5×108pfu/mlのM13KO7ヘルパーファージ(Pharmacia製)と
ともに37℃で2時間インキュベートした。バクテリアをペレットにし、培地を
100μg/mlアンピシリンと50μg/mlカナマイシンを含む2×YT(
2×YT/AK)に交換した。2種の抗生物質に耐性を有するバクテリアを37
℃で一晩培養した後に、組換えファージを含む上清を回収し、孔径が0.45μ
mのフィルターで濾過し、一定量を必要になるまで4℃で保存した。
−Nef(典型的な初期HIV−1単離物に存在するNefを模倣するためにT
71R変異を導入したHIV−1 NL4−3 Nef;Saksela et al., 1995.
EMBO J, 14, 484-91)、GST−NefR90(本文を参照;Manninen et al.
1995. Virology, 250, 273-82)、GST−Nef−PA1(P72A変異とP
75A変異を有するNef;Saksera et al. 1995. EMBO J, 14, 484-91)また
は未修飾のGST。コーティングには、上記のGST10μg/mlを含むpH
9.6の50mMナトリウムフェノキシドを用い、4℃で一晩行った。非特異的
結合を5%のミルクを含むPBS/0.05% Tween溶液でブロックし、PBS
で簡単にウェルを洗浄した。次に107〜1011pfuの組換えファージを各ウ
ェルに添加し(選択の早い段階では高い力価を使用した)、室温で2時間インキ
ュベートした。NefR90でコートされたウェルを用いる実験においては、フ
ァージ溶解液に10μg/mlの溶解性野生型Nefを添加して用いた。ファー
ジと共にインキュベートした後、ウェルをPBSに0.05%のTween 20を添加
したもので6回(5分)洗浄し、その後、PBSのみで3回洗浄した。
efを過剰に(150μg/ml)含有する少量のPBSで溶出した。また、代
わりに、感染されるべきTG1細胞を洗浄したウェルに直接添加した実験もある
。いずれの場合においても、一晩培養した培養液を用いて、初めにバクテリアを
2×YT中で対数増殖期まで培養し、親和性に基いて選択したファージをバクテ
リアに37℃で2時間感染された。その後、サンプルの1%を取出してアンピシ
リンプレートで培養することでファージの感染力価を決定した。このプレートは
、このプレートと並行して作製した、GSTでコートしたウェルより得られたフ
ァージに感染させたプレートと比較することで特定クローンの濃縮を確認するこ
ともできる。感染したバクテリアの残りの99%に100μg/mlのアンピシ
リンと2%のグルコースを添加し、37℃で2時間の条件下で5×108pfu
/mlのM13KO7ヘルパーファージに再度感染させた。その後、細胞をペレ
ット化し、等量の2×YT/AKで再懸濁した。一晩培養した後、増殖した組換
えファージを含む上清を上記の方法で回収し、次の選択工程/感染工程に供した
。通常、8サイクルの選択の後に得られた12コロニー以上のコロニーをファー
ジプラスミドDNAの調製のために回収し、ABI Prism 310(Perkin Elmer Appl
ied Biosystems製)を使ってRRT−SH3挿入配列を決定した。
現させるためのpGEXベクターの作製法についてはすでに報告がある(Saksela et
al.1995. EMBO J, 14, 484-491; Manninen et al. 1998. Virology, 250, 273-
282)。GST−RRT−SH3ベクターは次のように作製した。対応するファ
ージプラスミドからSH3断片をPCRで増幅し、pGEX-4T-1(Pharmacia製)の
Eco RIサイトとSalIサイトの間に挿入し、挿入をシークエンシングによって確
認した。E.coliBL21によるGST融合タンパク質の発現とその精製は、pGExベク
ターとグルタチオン結合樹脂の製造社(Pharmacia)が推奨する標準的な方法で
行なった。樹脂から融合タンパク質を溶出した後、タンパク質を濃縮し、Centre
x UF2 カラム(Schleicher & Schuell製)を用いた限外濾過により緩衝液をPBS
に交換した。次にBSAを標準として用いたBioRad社の方法(Lowry法)でタンパク
質濃度を測定した。濃度とタンパク質の純度はクマシーブルー染色を用いたSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で確認した。タンパク質のビオチン化は、
EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin試薬を用い、メーカー(Pierce社)の推奨する方法
で行なった。その後、遊離したビオチンを除去するためにタンパク質を限外濾過
に3回付し、上記の方法で濃度を再度測定した。
につき100μl中に200ng)を用いて4℃で一晩コートした。続いて非特
異的タンパク質の結合を飽和するために1.5%のBSAを含む洗浄用バッファ
ー(WB;PBS+0.05% Tween-20)と共に30分間室温でインキュベー
トし、更にWBで2回洗浄した。競合物質として使用する未標識のSH3タンパ
ク質を1.5%のBSAと過剰量(4μM)の未修飾のGSTを含むWBで希釈
し、GSTどうしの結合による融合タンパク質の2量体化を最小限に抑えた。こ
の溶液50μlを同容量のプローブ(ビオチン化されたSH3のWB溶液)と混
合し、最終的なプローブ濃度が66nM(Hck−SH3/NefアッセイとR
RT.A1/NefR90アッセイ)、または7nM(RRT.A1/Nefア
ッセイ)になるようにウェルに加えた。室温で1時間インキュベートした後、ウ
ェルをWBで3回洗浄し、各ウェルにストレプトアビジン−ビオチン−西洋わさ
びパーオキシダーゼ複合体(Amersham Life Sciences製)の1:2000希釈溶
液を100μl加えた。このプレートを室温で45分間インキュベートし、再び
3回洗浄した後、1,2−フェニレンジアミン−ジヒドロクロリド(OPD;0
.6mg/ml)(Fluka AB製)を基質としてパーオキシダーゼ活性を測定した
。10分後に酵素反応を2Mの硫酸50μl加えることで停止し、Victor 1420
Multilabel Counter(Wallac製)で492nmにおける光学密度を測定した。
する強力な結合(KD=250nM)は、Hck−SH3のRTループと、Ne
f内においてリガンド結合領域であると考えられていたポリプロリンII型(PP
II)ヘリックス含有SH3リガンド領域の外側にある残基との相互作用を伴う。
このような特徴的な相互作用は、他のSH3/リガンドタンパク質複合体にも特
異性と親和性を与えるものと考えられる。本発明においては、SH3ドメインの
複雑なライブラリーを構築し、それをM13バクテリオファージ粒子の表面に展
示することに成功した。SH3ドメインのライブラリーはHckから誘導された
ものであるが、RTループ内にランダムなヘキサペプチドの置換が導入されてい
る(RRT−SH3と称する)。このような方法によって、KD=10nMより
も高い親和性でNefと結合し得る特定のRRT−SH3ドメインを同定した。
これらの高い親和性を有するRRT−SH3ドメインの中にはHck−SH3に
類似するものがあり、天然のHck RTループとの結合に干渉するF90R変
異を導入したNef変異体とは結合しなかった。加えて、逆の特異性を有するR
RT−SH3ドメイン、即ち、強力な結合がArg90残基に依存するものを選択
することも可能であり、未修飾のNefに対する親和性は100倍低くかった。
これらの結果は、SH3リガンドの選択におけるRTループの重要性を強調し、
また目的とする結合能を有するSH3ドメインを製造するための一般的な方法を
提案する。
あるか検討するために、Hck−SH3を有するファージプラスミドを構築し、
M13K07ヘルパーウィルスを用いて、PIIIコートタンパク質と融合したS
H3を発現する組換えファージを調製した。これらのファージを以下のGSTで
コートした6穴のマイクロウェルプレートで培養した:精製したGST−Nef
、GST−Nef−PA1(P72A変異によってSH3結合性を欠失した、N
efのP75A変異体)又は未修飾のGSTタンパク質。洗い流されない感染性
ファージ粒子の力価は、未修飾のGSTタンパク質やGST−Nef−PA1を
コートしたウェルと比較して、GST−Nefをコートしたウェルにおいて2〜
3乗高いことが判明した(データは示さない)。従ってこの結果は、M13ファ
ージ粒子の表面に機能的なSH3ドメインの展示が可能であり、また、対応する
SH3リガンドを親和性試薬として用いることで、このようなファージの選択が
可能であることを表している。
いた突然変異誘発法によってRRT−SH3と称するSH3ドメインの集合体を
製造した。RRT−SH3はHck−SH3と同じ基本構造を有しており、RT
ループ内の可変領域を構成する6アミノ酸残基(EAIHHE)がランダムなア
ミノ酸に置換されている以外はHck−SH3と相同である。20種のアミノ酸
で得られる6残基のペプチドの理論上可能な組合わせの数(206=6400万
)を超える、異なるRRT−SH3ドメインを発現する1億3000万個の組換
えファージプラスミドクローンを製造した。Hck−SH3発現ファージプラス
ミドに関する上記記載と同様に、異種のRRT−SH3タンパク質の集合を展示
する感染性ファージ群を製造し、後述する親和性に基く選択実験に使用した。
るか検査するために、野生型HIV−1 Nefに親和性を示すファージの選択
を鋭意に行った。選択方法は複数(合計11回)の独立した実験からなり、各実
験においては、組換えファージの親和性選択及びヘルパーウィルスを用いた再増
幅を7又は8回行った。種々のファージ選択工程により誘導されたRRT−SH
3クローンの代表的なコレクションの配列を決定し、集団内でのタンパク質の多
様性の損失、およびNef結合RRT−SH3クローンと推定されるタンパク質
の発生を追跡した。Nefを用いて選択した合計278のRRT−SH3クロー
ンの配列を決定した(表1に一部を示したが、残りのデータは表示しない)。6
回の選択の後では、概して1〜3種のRRT−SH3クローンがファージ集団を
占めていた。そのほとんどの場合、これらの優性クローンは、他の独立した実験
で誘導したクローンと同一であるか類似しており、この結果から、我々はHIV
−1 Nefに高い親和性で結合しうるSH3ドメインのライブラリーを全て検
討したと信じるに至った。
ーンのRTループ配列を表1に列挙する。これらの配列は、4つのファミリーに
分類され、それぞれのファミリーは3又はそれ以上の共通のアミノ酸残基で特徴
付ることができる。加えて、これらのファミリーには明らかに類似する点があり
、最も顕著な点は6個のランダムなアミノ酸残基の2番目のアミノ酸(2/6)
がセリン残基であることである。あるドミナントなクローン(RRT.C1)は
、2つの異なるRTループ配列ファミリー(B及びC)のコンセンサスモチーフ
を有していた。セリンが頻繁に出現する他にも、これらのRTループは芳香族残
基及びプロリン残基に富んでいた。天然のNefリガンドであるHck−SH3
のRTループも2つの芳香族残基(ヒスチジン)を有するが、選択したRTルー
プ配列は、Hck−SH3の対応する領域や、GenBankのデータベースに登録さ
れている他の天然のSH3ドメインとの類似性は見られなかった。
RT−SH3ファージの上澄を、野生型NefとSH3非結合性であるNef−
PA1変異体とを並行して用いた、親和性に基く選択に付した。その結果、前者
の場合にのみ組換えファージが効果的に獲得された。Nef−PA1をコートし
たウェルから回収したファージは、Nefをコートしていない対照実験の結果と
差異はなかった(データは示していない)。このように、濃縮したRRT−SH
3ファージのRTループ配列は、ライブラリーの他のクローンと比較して、Ne
fに対して優れた親和性を有するが、真のSH3が介在する結合について考えら
れているように、これらの相互作用はNef内の完全なPxxPモチーフに強く
依存することが判明した。
のクローンファミリーから数種を選び、バクテリア発現ベクターに移して生化学
的な研究を行った。Nefに対する親和性を評価するために96穴のマイクロウ
ェルプレートによる結合競合アッセイ行った。このアッセイにおいては、固定化
したNefに対して段階希釈したRRT−SH3が一定量のビオチン化Hck−
SH3と競合する能力を試験し、結合したHck−SH3を比色定量した。競合
物として用いた異なるRTT−SH3タンパク質の結合親和性は、十分に特徴付
けられているHck−SH3/Nef相互作用のKD値(250nM)に基づい
て容易に算出することができた。このアッセイ方法を選んだ理由は、この方法は
、非競合アッセイに影響を与えるような測定誤差の原因となりうる大部分の因子
(例えば、SH3融合タンパク質中のGSTやインキュベーションおよび洗浄の
条件による影響)に対する感受性が比較的低いからである。このアッセイの有効
性は、ビオチン化Hck−SH3と非標識Hck−SH3との同種の競合におけ
る理論値と実験値の優れた相関関係、即ち、1:1の比率における50%に近い
阻害率と広範囲の濃度比における予測した阻害率との一致によって確認された(
図2を参照)。
T−SH3は、実質的にHck−SH3よりも強くNefと結合した。これらの
RRT−SH3の多くは、20分の1の濃度であっても、NefとHck−SH
3との結合と50%以上競合し、12nM未満のKD値を示した。このような強
く結合するRT−SH3ドメインはすべてのRTル−プ配列ファミリーに見出さ
れ、Ser-Pro-Phe トリペプチドモチーフはNefに最も強く結合したクローンに
頻繁に存在していた。RRT.A1、RRT.B6及びRRT.C1タンパク質
は濃度比が1:35以下であっても、50%又はそれ以上の阻害率でHck−S
H3結合を阻害することができ、その時のKD値は7nM程の低い値であった。
トアッセイ、即ち、高い親和性を有するRRT−SH3ドメイン(RRT.A1
)をプローブとして使用し、Hck−SH3又は他のRRT−SH3タンパク質
を競合物質として使用する実験(図3)によっても支持された。種々のRRT−
SH3タンパク質がRRT.A1と競合する能力は、Hck−SH3との結合を
阻害能力と明確な相関関係を示した。特に、Hck−SH3はRRT.A1とN
efとの相互作用に対しては非常に弱い競合物質であり、プローブとして使用し
たRRT.A1の100倍を超える量(7nM対> 0.85μM)を添加しな
いと50%阻害に達しなかった。Hck−SH3をプローブとして使用したとき
と同様に、未標識RRT.A1を等モル量用いた同種の競合では、予想通り50
%結合阻害となった。以上より、選択したRRT−SH3タンパク質の優れた結
合親和性に関する結論はこの逆の態様によるアッセイによっても確かなものとな
り、Hck−SH3をプローブとして使用して概算した親和性よりも実際の親和
性が高い可能性がこのアッセイによって示された。
Nefと結合するために重要である。Ile残基の脂肪族側鎖は、NefのPhe90残
基を含む領域によって形成された疎水性ポケットに適合する。このフェニルアラ
ニンがアルギニンに変異した変異体(以下、NefR90と称する変異体)はH
ck−SH3に対する結合の親和性が大きく減少している(KD=1.99μM
)。この相互作用は、Hck−SH3の親和性に関する構造学的な説明を提供す
るだけでなく、その他のNef SH3リガンド表面の認識方法に関する分子レ
ベルの説明を構想するためにも有用である。そこで、Nefを用いて選択したR
RT−SH3ドメインも、同様の疎水性相互作用に依存しているのか、またNe
f内のF90R変異の影響を受けるのかを試験することに興味があった。
efR90とHck−SH3の結合に基づいた定量的な96穴ウェルプレートア
ッセイを行うことは不可能であった。対称的に、ビオチン化されたRRT.A1
タンパク質をプローブとして試験したときには、強い結合と適切なシグナル/ノ
イズ比が観察された。これはRRT−SH3ドメインRRT.A1がNefと結
合する際には、Phe90残基に対する依存は重要ではないことを表していた。そこ
で、RRT.A1との競合に基づいて、他のRRT−SH3タンパク質のNef
R90に対する相対的な親和性を試験した(図4を参照)。
全く非効果的な競合物質であり(図4及び表1を参照)、NefR90アッセイ
において実際に使用した競合物質:プローブ比の中で最も高い、16倍を超える
モル量(66nM対1.1μM)で用いた時でさえも50%結合阻害を起こすこ
とができなかった。以前にHck−SH3/NefR90複合体について測定さ
れたKD値=1.99μM(Manninen et al. 1998. Virology, 250, 273-82)に
基き、RRT.A1のNefR90に対する絶対的な親和性を100nMまたは
それ以上と評価した。その他のNefを用いて選択したRRT−SH3タンパク
質をRRT.A1結合の競合物質として試験したときには、広範囲に渡る親和性
がNefR90に対して認められた(図4および表1を参照)。数種のRRT−
SH3(RRT.A2やRRT.B4等)は、RRT.A1結合と効率よく競合
し、RRT.A1と同様に、F90R変異の影響を比較的受けにくいことを表し
ている。一方、他のRRT−SH3(RRT.B1やRRT.C1等)は、高濃
度で試験してもほとんどRRT.A1/NefR90複合体に介入する事はでき
なかった。このように、数種の高い親和性を有するRRT−SH3タンパク質は
、Hck-SH3と同様に、NefのPhe90がドミナントな役割を果たす結合形態
によってNefと結合する。これに対し他のRRT−SH3タンパク質は、異な
る機構によってNefを認識すると考えられ、NefR90とも強く結合する。
戦略によってリガンドを認識することを示唆している。この知見を更に発展させ
るために、我々は完全に結合特異性を変化させたSH3ドメインの設計を試みた
。具体的には、野生型のNefタンパク質には結合しないが、その代わりにNe
fR90変異体には強い親和性を示すRRT−SH3ドメインを開発した。従っ
て、このようなRRT−SH3ドメインの結合能は、変異したArg90残基が関与
する構造決定因子を介した相互作用に厳密に依存し、Hck−SH3による野生
型Nefタンパク質の認知との類似点はほとんど存在しないと考えられる。この
目的を達成するために、Nef−F90Rを上記の野生型Nefと同様に親和性
に基く選択のための試薬として用いた。但し、いくつかの実験においては、過剰
な溶解性野生型Nefも使用して、主にArg90依存性の決定因子を認識するRR
T−SH3タンパク質の選択性を高めた。
RTループ配列を表1の下のパネルに示した。これらの選択実験は、野生型Ne
fの場合と同様に徹底的に(6つの独立した実験を)行ったが、野生型のような
コンセンサスなRTループ配列を見つけることはできなかった。しかしながら、
表1に見られるように、特定のアミノ酸については好ましい位置が見出された。
例えば、Phe-Leuのジペプチドの好ましい位置は6残基の中の3番目と4番目(
3/6と4/6)、Gluは1番目(1/6)、Serは4番目(4/6)である。興
味深いことに、これらのNefR90を用いて選択したRTループは、Nefを
用いて選択したRRT−SH3ドメインに特徴的なコンセンサスモチーフを含ん
でいない。また、1つの例外(RRT.m4)を除いて、Nefを用いて選択し
たクローンには不変的に存在した2番目(2/6)のSerは、NefR90を用
いて選択したRRT−SH3ドメインには存在しなかった。
タンパク質(RRT.m1〜RRT.m4)はRRT.A1とNefR90との
結合と効率よく競合し、“2者特異的(dual specific)”なクローンであるR
RT.A1の4倍〜8倍の親和性を示すと概算された。注目すべきことに、これ
らのNefR90で選択したRRT−SH3ドメインの結合の中にはArg90残基
の変異への依存が非常に強いものもあるが、他のものは2者特異性を示した。後
者の例としては、RRT.m3が挙げられる。RRT.m3は、RRT.A1/
NefR90相互作用の強力な阻害剤のみならず、Nefとの結合においてRR
T.A1ともよく競合した。一方、RRT.m1とRRT.m4は、Nefとの
結合においてRRT.A1と事実上競合しなかった(図4および表1を参照)。
従って、RRT.m1とRRT.m4のNefR90に対する強い親和性のごく
一部分のみが、変異Arg90残基の関与しない構造決定因子によるものである。
この残基によってもたらされる親和性(Arg90非依存的親和性)は、しかしな
がら、Hck−SH3/Nef相互作用に競合することができる。いずれにせよ
、これらのクローンがHck−SH3またはNefを用いて選択したクローン(
例えばRRT.C1)よりも少なくとも100倍は効率的にNefR90に結合
することは、これらのクローンに新たな結合特性が付与されていること、即ち、
対応するリガンドの中に人工的に作られたエピトープに依存した高親和性の相互
作用をするように設計されていることを明示している。
示す図である。Hck−SH3のようなSH3ドメインと、対応するリガンドタ
ンパク質との相互作用は、SH3ドメインとリガンドタンパク質のプロリンリピ
ート(PxxP)モチーフ領域との間の何対かの分子接触を伴う。結合に必要で
あるものの、このようなPxxP特異的相互作用は弱く、また、大部分のSH3
/リガンド複合体に見られる結合性は、いずれも比較的類似している。従って、
PxxP特異的相互作用の選択性およびその影響力は低い。
3と競合した時の結合性に関する代表的な実験データを示す。アッセイの条件は
図3に示した標識RTT.A1を用いた実験と同じ(実施例1を参照)であるが
、プローブとして用いた標識Hck−SH3の量(66nM)は、標識RTT.
A1の量(7nM)の約10倍にした。添加した競合物質によるNefに対する
プローブの結合阻害をy軸に示し、50%阻害を横の破線で示した。プローブに
対する競合物質の濃度(1:128〜4:1)をx軸に示し、プローブと競合物
質が等モル量になった点を縦の破線で示した。予想されたように、同じSH3ド
メインをプローブおよび競合物質として使用した際には、阻害曲線は2本の破線
が交わる点の非常に近くを通過した。全てのRRT−SH3ドメインについて最
低3回試験し、そのデータのまとめを表1に示した。
と競合した時の結合性に関する代表的な実験データを示す。アッセイの条件は図
2に示した標識RTT−SH3を用いた実験と同じ(実施例1を参照)であるが
、プローブとして用いた標識Hck−SH3の量(66nM)は、標識RTT.
A1の量(7nM)の約10倍であった。添加した競合物質によるNefに対す
るプローブの結合阻害をy軸に示し、50%阻害を横の破線で示した。プローブ
に対する競合物質の濃度(1:8〜256:1)をx軸に示し、プローブと競合
物質が等モル量になった点を縦の破線で示した。予想されたように、同じSH3
ドメインをプローブおよび競合物質として使用した際には、阻害曲線は2本の破
線が交わる点の非常に近くを通過した。全てのRRT−SH3ドメインについて
最低3回試験し、そのデータのまとめを表1に示した。
の結合。NefR90をビオチン化RRT.A1(66nM)のリガンドとして
用い、ビオチン化RRT.A1に対して未標識のSH3が1:256〜16:1
の割合で存在する条件においてアッセイを行った。また、試験したRRT−SH
3ドメインに関する同様のデータを表1にまとめた。
Claims (16)
- 【請求項1】 設計された結合能を有するSH3ドメインの製造方法であっ
て、 a)RRT−SH3ドメインを調製し、該RRT−SH3ドメインはSH3ド
メインに含まれるRTループがランダム化されたSH3ドメインの集合であり、 b)該RRT−SH3ドメインを発現する組換え体ライブラリーを作製し、そ
して c)該ライブラリーを親和性または機能を指標とする選択に付して、設計され
たSH3ドメインを同定する ことを包含する製造方法。 - 【請求項2】上記工程a)において、RTループの可変領域内のアミノ酸残
基を他のアミノ酸残基に置換することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法
。 - 【請求項3】該RTループの可変領域内のアミノ酸残基が、ヒトHckタン
パク質の69番〜74番である6アミノ酸残基(EAIHHE)に対応するアミ
ノ酸残基であることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。 - 【請求項4】該組換え体ライブラリーが、プラスミド、ファージプラスミド
及びウイルスからなる群より選ばれるライブラリーであることを特徴とする、請
求項1に記載の製造方法。 - 【請求項5】SH3ドメインに含まれるRTループの可変領域内のアミノ酸
残基が他のアミノ酸残基に置換されている人工SH3ドメイン。 - 【請求項6】該RTループの可変領域内のアミノ酸残基が、ヒトHckタン
パク質の69番〜74番に相当する6アミノ酸残基(EAIHHE)に相当する
アミノ酸残基であることを特徴とする、請求項5に記載の人工SH3ドメイン。 - 【請求項7】Hck−SH3より誘導され、HIV−1のNefタンパク質
に結合するよう設計された人工SH3ドメインであって、RTループの可変領域
内のペプチドモチーフEAIHHEがXSWSXX,XSPFXX及びXSXF
PW(但し、アミノ酸配列におけるXはいかなるアミノ酸でもよい)からなる群
より選ばれたペプチドモチーフで置換されている人工SH3ドメイン。 - 【請求項8】該アミノ酸XがV,F,D,M,P,S,T,W及びYからな
る群より選ばれるアミノ酸であることを特徴とする、請求項7に記載の人工SH
3ドメイン。 - 【請求項9】該ペプチドモチーフがVSWSPD,FSWSDT,DSWS
TS,YSWSDM,WSPFPS,DSPFSF,FSPFSF,FSPFD
W,SSPFDW,YSPFSW,TSPFPW,YSPFPW,YSDFPW
及びDSWFPWからなる群より選ばれたペプチドモチーフであることを特徴と
する、請求項8に記載の人工SH3ドメイン。 - 【請求項10】Hck−SH3より誘導され、HIV−1のNefタンパク
質に結合するように設計された人工SH3ドメインであって、RTループの可変
領域内のペプチドモチーフEAIHHEがSSFYSS,QGFLDQ,NAF
LPS,EAWSPL及びESYSEWからなる群より選ばれたペプチドモチー
フで置換されている人工SH3ドメイン。 - 【請求項11】研究または治療を目的とした、細胞タンパク質または病原体
をコードするタンパク質の機能を阻害、活性化または変化させるための、RRT
−SH3ドメインまたはその誘導体の使用。 - 【請求項12】サンプルに含まれる感染性の生物を検出するための検査方法
であって、RRT−SH3ドメインまたはその誘導体と、該感染性の生物の有す
るタンパク質との結合を検出することを包含する方法。 - 【請求項13】医薬開発のためにターゲットタンパク質を同定することを目
的とした、RRT−SH3ドメインまたはその誘導体の使用。 - 【請求項14】医薬品開発の指針の提供を目的とした、公知のSH3リガン
ドタンパク質の有する表面分子構造を同定するための、RRT−SH3ドメイン
またはその誘導体の使用。 - 【請求項15】合理的なドラッグデザインを目的とした、RRT−SH3ド
メインまたはその誘導体の構造に関する情報の使用。 - 【請求項16】SH3ドメインのターゲットタンパク質の同定方法であって
、請求項1に記載の方法で機能を指標とした選択によって同定されたRRT−S
H3ドメインまたはその誘導体と、ターゲットと考えられるタンパク質との結合
を検出することを包含する方法。
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