JP2003347786A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JP2003347786A JP2002148894A JP2002148894A JP2003347786A JP 2003347786 A JP2003347786 A JP 2003347786A JP 2002148894 A JP2002148894 A JP 2002148894A JP 2002148894 A JP2002148894 A JP 2002148894A JP 2003347786 A JP2003347786 A JP 2003347786A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた斜入射特性および耐候性を同時に兼ね
備える新規な電波吸収体を提供する。 【解決手段】 カーボンで被覆された多種類の太さの極
性ポリマーからなる繊維を各種繊維が少なくとも5重量
%含有されるように互いに絡ませると共に互いに結合さ
せて形成されたマット状繊維集合体の繊維間の空隙部
を、発泡樹脂で充填してなる電波吸収体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波吸収体に関
し、特には、屋外、中でも船舶レーダの偽像防止用とし
て好適な電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】海上で使用される船舶レーダでは、橋梁
などの構造物や船体マストなどで不所望に反射した電波
が、レーダで検知することを目的とする反射電波に混ざ
ることによって偽像(実際には存在しないエコーがレー
ダ画像上に現れること)が起こることがある。かかる偽
像が起こると船舶の安全性にかかわるため、船舶レーダ
の偽像防止を目的として、従来より船体のマスト部や上
記建造物の壁面などに電波吸収体を設置することがなさ
れている。このような用途における電波吸収体として
は、屋外の中でも特に、海水や雨、雪、霧などに曝され
やすい船舶に設置されることから耐候性に優れることが
要求され、かかる観点から、ゴムにカーボンやフェライ
ト、あるいはセンダストなどの粉末を練りこんだシート
状の電波吸収体を使用するのが一般的であった。しか
し、このような電波吸収体は、電波吸収体表面にほぼ平
行に近いような角度で入射(斜入射)するような電波を
吸収しにくく、また、使用可能な周波数帯域が狭いとい
う欠点があり、これに換わり得る電波吸収体の開発が望
まれている。
【0003】本出願人らはこれまで、特定のマット状繊
維集合体からなる電波吸収体を提案している(たとえ
ば、特公平6−32417号など)。特公平6−324
17号にて本出願人らが提案した電波吸収体によれば、
斜入射特性に優れ、かつ良好な広帯域特性を達成でき
る。しかしこの特定のマット状繊維集合体からなる電波
吸収体は、その繊維間の空隙部(空間部)に水分が侵入
することによって、電波吸収特性が劣化してしまうな
ど、耐候性に劣る傾向がある。このため、上記マット状
繊維集合体をそのまま上記偽像防止用として船舶などに
設置すると、吸収体内部の空隙部に、海水や雨、雪、霧
などの水分が侵入した場合や、さらに寒冷地でこれら侵
入した水分が氷結した場合、また排煙の煤の侵入などに
より電波吸収特性が劣化する不具合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたものであって、その目的とする
ところは、優れた斜入射特性および耐候性を同時に兼ね
備える新規な電波吸収体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)カーボンで被覆された多種類の太さの極性ポリマ
ーからなる繊維を各種繊維が少なくとも5重量%含有さ
れるように互いに絡ませると共に互いに結合させて形成
されたマット状繊維集合体の繊維間の空隙部を、発泡樹
脂で充填してなる電波吸収体。 (2)発泡樹脂が独立気泡構造を有するものである、上
記(1)に記載の電波吸収体。 (3)発泡樹脂が硬質ポリウレタンである、上記(2)
に記載の電波吸収体。 (4)上記マット状繊維集合体は、その繊維密度が、電
波の入射を意図する側から順に連続的または断続的に大
きくなるように形成されたものである、上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の電波吸収体。 (5)少なくとも電波入射面に耐候性塗料が塗布された
ものである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電
波吸収体。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の電波吸収体は、特定のマ
ット状繊維集合体の繊維間の空隙部を、発泡樹脂にて充
填してなることを特徴とするものである。本発明におい
ては、このような基本構造を有することによって、優れ
た斜入射特性および耐候性を同時に兼ね備える電波吸収
体を実現することができる。なお本明細書において「斜
入射特性に優れる」とは、たとえば、入射角度が0°〜
60°の電波であっても、電波吸収能が15dB以上で
あることを指す。ここで、上記入射角度は、電波吸収体
の厚み方向に対して入射電波の成す角度をいう。すなわ
ち、仮に電波吸収体の表面が当該厚み方向に対し垂直な
平面であると仮定した場合、電波は、上記入射角度が高
角度であればあるほど当該平面に対し小さな角度を成し
て入射する。また、本明細書において「耐候性に優れ
る」とは、JIS A 1415の規定に準拠した測定
方法によって、サンシャインウェザーメーターで500
時間以上の試験を行い性能劣化しないことを指す。
【0007】本発明におけるマット状繊維集合体は、カ
ーボンで被覆された多種類の太さの極性ポリマーからな
る繊維を、各種繊維が少なくとも5重量%含有されるよ
うに互いに絡ませると共に互いに結合させて形成され
る。上記極性ポリマーとしては、たとえば、ポリ塩化ビ
ニリデン、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどが例
示される。極性ポリマーからなる繊維のカーボン被覆
は、カーボン及びバインダーとしてのポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの接着剤を適
当な溶媒、たとえばトルエン、キシレンなどの炭化水素
やメタノール、エタノールなどのアルコールまたは水に
溶解または分散させたものをスプレー塗布などの手段に
て塗布することによって行われる。上記繊維集合体にお
けるカーボン被覆の厚みは、5μm〜50μmであるの
が好ましく、10μm〜30μmであるのがより好まし
い。当該カーボン被覆の厚みが5μm未満であると、充
分な電波吸収性能を発揮し得ない傾向にあるためであ
り、またカーボン被覆の厚みが50μmを超えても、顕
著には電波吸収性能が向上しない傾向にあるためであ
る。
【0008】本発明におけるマット状繊維集合体は、上
記カーボン被覆された多種類の太さの極性ポリマーから
なる繊維を、各種繊維が少なくとも5重量%以上、好ま
しくは10重量%〜90重量%の範囲内で含有されるよ
うに互いに絡ませると共に、互いに結合させて形成され
たものである。このように形成されたマット状繊維集合
体を用いることで、斜入射特性に優れ、しかも電波吸収
周波数帯域が広く、かつ各周波数帯域における電波吸収
率が良好な電波吸収体を実現することができる。各種繊
維のうち少なくともいずれかが5重量%未満しか含有さ
れないと、後述する広帯域特性が低下するというような
不具合がある。用いる繊維の種類は、2種以上であれば
特に制限はないが、後述する優れた広帯域特性を発現さ
せ得る点で、3種類〜7種類であるのが好ましい。
【0009】本発明におけるマット状繊維集合体におい
て、用いる各種繊維の太さ(線径)に特に制限はない
が、30d(デニール)〜2000d(デニール)の範
囲内で選ばれるのが好ましい。線径が30d(デニー
ル)未満の繊維が5重量%以上用いられると、後述する
密度勾配型構造が得られにくくなる傾向にあるためであ
り、また線径が2000d(デニール)を超える繊維が
5重量%以上用いられると、仕上がり形状が不安定とな
る傾向にあるためである。
【0010】本発明におけるマット状繊維集合体として
は、具体的には、極性ポリマーよりなる繊維として、線
径が1000d(デニール)の繊維を70重量%、線径
が120d(デニール)の繊維を15重量%、線径が5
0d(デニール)の繊維を15重量%の割合で、それぞ
れカーボンで被覆してなるものを絡ませて形成したもの
が例示される。
【0011】本発明の電波吸収体においては、上記マッ
ト状繊維集合体の繊維間の空隙部が、発泡樹脂にて充填
されてなる。本発明に用いる発泡樹脂としては、特に制
限はなく、たとえばポリウレタン(一液型ポリウレタ
ン、二液型ポリウレタン)が挙げられ、中でも高発泡度
を得ることができる点で二液型ポリウレタンが好まし
く、さらには得られた電波吸収体の加工が特に容易であ
ることから、硬質の二液型ポリウレタンがより好まし
い。かかる硬質の二液型ポリウレタンとしては、具体的
には、クララフォームR(倉敷紡績株式会社製)が挙げ
られる。
【0012】このような本発明の電波吸収体は、まず、
上述したような特定のマット状繊維集合体を備えること
で優れた斜入射特性を達成できる。また、このマット状
繊維集合体の繊維間の空隙部が発泡樹脂にて充填されて
なることで、上記空隙部に水分やその他煤などの異物が
混入しにくく、この混入による電波吸収能の劣化を抑制
することができる。本発明においてはまた、上記マット
状繊維集合体の繊維間の空隙部を充填するのに発泡樹脂
を用いてなることで、単なる樹脂で空隙部を充填した場
合と異なり誘電率を低く保つことができ、それによって
電波吸収特性が損なわれないというような利点がある。
また本発明の電波吸収体は、単なるマット状繊維集合体
のみで形成された電波吸収体とは異なり、発泡樹脂にて
全体的に固化されたものであるため、切断・切削などに
より所望の形状や大きさに容易に加工することができる
という利点もある。
【0013】発泡樹脂は、一般に、得られた発泡体にお
いてほぼ全ての発泡(通常、90%以上)が連ならず、
樹脂膜で覆われて互いに独立した発泡として形成される
独立気泡構造を有するタイプと、得られた発泡体におい
て樹脂膜が破れており、ほぼ全ての発泡(通常、90%
以上)が互いに連なる発泡として形成される連続気泡構
造を有するタイプと、これらの独立気泡と連続気泡とが
約半々の割合で形成される半独半連構造を有するタイプ
とに大別される。本発明における発泡樹脂は、独立気泡
構造、連続気泡構造、および半独半連構造のうちのいず
れの構造を有するタイプであってよいが、上述した斜入
射特性および耐候性に加えて耐水性がさらに付与された
電波吸収体を形成できることから、独立気泡構造を有す
る発泡樹脂にて実現されることが好ましい。
【0014】上記のように発泡樹脂が独立気泡構造を有
するように実現され、耐水性がさらに付与された電波吸
収体は、水分などの異物の吸収体内部への侵入を確実に
防止できる。このような電波吸収体は、屋外設置の用途
の中でも、船体に設置されて海水、雨、霧、雪、氷、排
煙の油煙(スス)などに曝される船舶レーダの偽像防止
用の電波吸収体として、特に好適に用いることができ
る。
【0015】本発明における発泡樹脂の密度は、誘電率
を小さくすることができる点から、20kg/m3〜2
00kg/m3であるのが好ましく、50kg/m3〜1
50kg/m3であるのがより好ましい。上記密度が2
0kg/m3未満であると、機械的強度が低下する傾向
にあるためであり、また上記密度が200kg/m3
超えると、誘電率とともに重量が大きくなり過ぎてしま
う傾向にあるためである。上記発泡樹脂の密度は、得ら
れた電波吸収体において、電波吸収体のマット状繊維集
合体を除く部分の重量を電波吸収体の体積で割ることに
よって求めることができる。
【0016】また、本発明の電波吸収体においては、マ
ット状繊維集合体が、電波の入射を意図する側から順に
大きくなるような繊維密度を有するように実現されたも
のであることが好ましい。換言すれば、上記マット状繊
維集合体の繊維密度が、電波吸収体の厚み方向一方側
(電波の入射を意図する側)において比較的に粗であ
り、厚み方向他方側において比較的に密であることが好
ましい。当該マット状繊維集合体の繊維密度の変化は、
連続的なものであってもよく、また断続的なものであっ
てもよい。
【0017】このような繊維密度を有するマット状繊維
集合体を用いることで、上記斜入射特性および耐候性に
加えて、さらに広帯域特性に優れる電波吸収体を実現す
ることができる。ここで、「広帯域特性に優れる」と
は、少なくとも3GHz〜18GHzの周波数の範囲で
15dB以上の電波吸収能を有することを指す。従来、
船舶レーダの偽像防止用に用いられていたシート状の電
波吸収体では、斜入射特性が低いという不具合以外に、
その使用周波数帯域も狭い(中心波長の±5%)という
欠点があったが、上記繊維密度を有するマット状繊維集
合体を用いた態様によれば、かかる欠点をも克服した電
波吸収体を実現することができる。
【0018】またさらに、上記繊維密度を有するマット
状繊維集合体を用いて電波吸収体を形成することで、電
波吸収体の電波の入射を意図する側において電波の減衰
を少なくし、かつその反対側において電波の減衰を大き
くできる。これにより繊維密度の比較的粗な電波入射面
(電波の入射を意図する側の表面)の導電度を低くして
空気との導電度の差を小さくし、結果として電波吸収体
に入射する電波をその表面で反射させにくくして、さら
に広帯域の電波をその内部に取り込み易くするととも
に、内部においては電波を良好に吸収するような電波吸
収体を実現することができる。たとえば、電波入射面側
で0.02g/cm3、その反対側で0.10g/cm3
となるように密度を連続的に変化させると、3GHz〜
18GHzの電波を良好に吸収し得る電波吸収体を実現
することができる。かかる電波吸収体では、電波入射面
側の密度を「粗」にすることで、電波入射を意図する側
での電波の反射を低減させ、電波を電波吸収層内へ取り
込めやすくさせ、かつ上記反対側の繊維密度を「密」と
することで電波を効率よく減衰させることができる。な
お繊維密度は、マット状繊維集合体のうち繊維密度を測
定したい部分の重量をその部分の体積で割ることによっ
て算出することができる。
【0019】本発明の電波吸収体を製造する方法につい
ては、特に制限はされないが、たとえば以下の〜の
手順にて製造することができる。 まず発泡樹脂の原液を秤量し、攪拌した後、一方で開
口した所望の容積の受型に流し込み、ヘラなどを用いて
均一の厚さにならす。 発泡樹脂の原液の入った受型に、受型の内部空間を充
填し得るような適宜の大きさおよび形状に切断したマッ
ト状繊維集合体を入れる。 マット状繊維集合体を入れた上から、受型の底面より
大きな面積を有する押型を一定の圧力(通常、1kg/
cm3以上)で押しつけて、マット状繊維集合体の繊維
間の空隙部を充填するように発泡樹脂を発泡させる。 上記発泡後、受型から内容物を取り出すことで、本発明
の電波吸収体を得ることができる。
【0020】上記製造方法において、マット状繊維集合
体は、各繊維を互いに絡ませた状態で、たとえば接着剤
などで解離しないように接着し、マット状に形成してな
るものを用いることが好ましい。接着の方法は任意であ
るが、好適な方法としては例えば繊維を絡ませた状態の
マット体にスプレー接着剤を噴射し、繊維同士が重なり
合う箇所において接着を図る方法などが挙げられる。
【0021】なお、上記のように繊維密度の勾配を有す
るマット状繊維集合体を用いる場合、上記の工程にお
いて、繊維密度が粗である側が底側となるように受型に
入れるとよい。これにより、繊維密度が密である側が底
側となるように受型に入れた場合と比較して、後述の
の工程でより均一に発泡させることができる。
【0022】の工程における発泡の条件は、用いる発
泡樹脂の種類や形成する電波吸収体の大きさによって異
なるが、たとえば硬質の二液型ポリウレタンを用いる場
合、50℃〜70℃に加熱したマット状繊維集合体を用
いて行うと、さらに均一に発泡でき、好ましい。かかる
発泡条件にて発泡を行うことで、上述したような好適な
範囲内の密度を有する発泡樹脂にてマット状繊維集合体
の繊維間の空隙部を充填してなる電波吸収体を実現する
ことができる。
【0023】本発明の電波吸収体においては、その電波
の入射を意図する側に、耐候性保護シートを設けたもの
であることが好ましい。耐候性保護シートは、従来公知
の適宜の耐候性材料、たとえば、ポリ塩化ビニルで形成
したシート状のものを用いればよい。このような耐候性
保護シートを電波吸収体の電波入射面に設置すること
で、たとえば硬質の二液型ポリウレタンなどの紫外線で
経年的に劣化してしまう虞のある発泡樹脂を用いたとし
ても、当該耐候性保護シートにて紫外線を遮断させ得、
電波吸収体における発泡樹脂の紫外線による経年劣化を
確実に防止することができる。
【0024】耐候性保護シートの設置は、従来公知の適
宜の接着剤により上記電波吸収体の電波入射面に接着す
ればよい。用いる接着剤としては、特に制限はなく、た
とえば、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤、変性シ
リコン系接着剤などが挙げられる。また耐候性保護シー
トは、その表面に必要に応じて適宜の指定色にて塗装が
施されたものであってもよい。
【0025】また、上記耐候性保護シートの設置に換え
て、少なくとも上記電波入射面に耐候性を有する塗料を
塗布してもよい。かかる耐候性を有する塗料としては、
従来公知の種々の塗料を用いることができ、具体的に
は、NYポリンK(神東シグマ株式会社製)などが例示
される。このように耐候性の塗料を塗布することによっ
ても、上述した耐候性保護シートを設けた場合と同様の
効果を奏する電波吸収体を実現することができる。
【0026】本発明の電波吸収体を、上記船舶レーダの
偽像防止用として用いる場合、ネジやビスなどを用いて
機械的に固定することで船体のマスト部などに設置す
る。またシーラントで充填する場合には、ネジ留めやビ
ス留めを行う部分には予め穴あけ加工を施しておき、そ
の後にシーラントの充填を行えばよい。また、各電波吸
収体の電波の入射を意図する側の表面は、上記パネル状
とした後で、段差がなくなるようにサンドペーパーなど
を用いて平滑に加工しておくのが好ましい。その上か
ら、必要に応じ、各電波吸収体ごとに、あるいは電波吸
収パネルとして一体に、上記の耐候性保護シートの設置
や、耐候性を有する塗料の塗布などを行えばよい。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。 実施例1 硬質ウレタン(クララフォームR、倉敷紡績株式会社
製)R液(HR351NP)とI液(IP−25)を各
々250g秤量、攪拌し、300mm×300mm×2
5mm高の受型に流し込み均等にならした。その上か
ら、カーボンで被覆された多種類の太さの極性ポリマー
からなる繊維を各種繊維が少なくとも5重量%含有され
るように互いに絡ませると共に、電波入射面側を0.0
2g/cm3、その反対側の面で0.10g/cm3とな
るように繊維密度が連続的に変化するように互いを結合
させて形成したマット状繊維集合体(FP−1吸収体、
三菱電線工業株式会社製)を投入し、押板で押し付け
た。なお、マット状繊維集合体は、予め50℃に温めて
おいたものを用いた。約5分後に押板を取り除き、充填
品(本発明の電波吸収体)を取り出した。得られた電波
吸収体は、FP吸収体内部空隙部にウレタンフォームが
均一に発泡分布したもの(密度:160kg/m3)で
あった。
【0028】実施例2 実施例1と同様にして得た電波吸収体の電波入射面にN
YポリンK(神東シグマ株式会社製)を塗布して、電波
吸収体を作製した。
【0029】比較例1 実施例1で使用したマット状繊維集合体のみを電波吸収
体とした。
【0030】評価 (電波吸収特性)実施例1、2および比較例1の電波吸
収体について、アーチ法によって、3GHz〜18GH
zの電波を15dB以上吸収したものを○、15dB未
満であったものを×と評価した。
【0031】(耐候性1)実施例1、2および比較例1
の電波吸収体について、電波入射面に導電性カーボン粉
(XC−72、CABOT社製)を100ccふりか
け、次に表面に残留した導電性カーボン粉を取り除き、
アーチ法により、3GHz〜18GHzの電波を15d
B以上吸収したものを○、15dB未満であったものを
×と評価した。
【0032】(耐候性2)実施例1、2の電波吸収体に
ついて、JIS A 1415の規定に準拠した測定方
法によって、サンシャインウェザーメータで1000時
間後、目視にて電波吸収体に変色が確認されなかったも
のを○、確認されたものを×と評価した。結果を表1に
示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、優れた斜入射特性および耐候性を同時に兼ね備
える新規な電波吸収体を提供することができる。さら
に、発泡樹脂が独立気泡構造を有する電波吸収体におい
ては、耐水性をさらに付与することができ、船舶レーダ
の偽像防止用に特に好適に使用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 細谷 勝宣 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 柏原 一之 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内 Fターム(参考) 4L031 AA14 AA17 AA18 AA20 AB01 AB22 AB34 BA02 4L033 AA05 AA07 AA08 AB01 AB07 AC15 CA14 CA28 CA50 CA70 4L047 AA15 AA17 AA21 AA23 AA28 AA29 AB02 AB07 BA17 BD04 CA06 CA19 CB10 CC16 5E321 BB21 BB32 BB34 GG11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンで被覆された多種類の太さの極
    性ポリマーからなる繊維を各種繊維が少なくとも5重量
    %含有されるように互いに絡ませると共に互いに結合さ
    せて形成されたマット状繊維集合体の繊維間の空隙部
    を、発泡樹脂で充填してなる電波吸収体。
  2. 【請求項2】 発泡樹脂が独立気泡構造を有するもので
    ある、請求項1に記載の電波吸収体。
  3. 【請求項3】 発泡樹脂が硬質ポリウレタンである、請
    求項2に記載の電波吸収体。
  4. 【請求項4】 上記マット状繊維集合体は、その繊維密
    度が、電波の入射を意図する側から順に連続的または断
    続的に大きくなるように形成されたものである、請求項
    1〜3のいずれかに記載の電波吸収体。
  5. 【請求項5】 少なくとも電波入射面に耐候性塗料が塗
    布されたものである、請求項1〜4のいずれかに記載の
    電波吸収体。
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WO2004036973A1 (ja) * 2002-10-18 2004-04-29 Nisshinbo Industries, Inc. 導電性クッション材料及びその製造方法
CN105419513A (zh) * 2015-12-25 2016-03-23 南京波平电子科技有限公司 软质聚氨酯吸波材料表面封孔的方法

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