JP2003347551A - 半導体装置の寿命推定方法および信頼性シミュレーション方法 - Google Patents

半導体装置の寿命推定方法および信頼性シミュレーション方法

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JP2003347551A
JP2003347551A JP2002151446A JP2002151446A JP2003347551A JP 2003347551 A JP2003347551 A JP 2003347551A JP 2002151446 A JP2002151446 A JP 2002151446A JP 2002151446 A JP2002151446 A JP 2002151446A JP 2003347551 A JP2003347551 A JP 2003347551A
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mos transistor
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stress
transistor
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English (en)
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Norio Koike
典雄 小池
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板電流の測定が不可能なMOSトランジスタ
を対象として、ホットキャリア劣化率が最大となる条件
での寿命を精度よく推定する寿命推定方法、及び、少数
のトランジスタを用いて短期間でホットキャリア寿命パ
ラメータを求めることが可能な回路特性劣化のシミュレ
ーション方法を提供する。 【解決手段】 τを寿命、IpをMOSトランジスタの発光
の光量強度、Idをドレイン電流、mをフィッティングパ
ラメータとして、τ∝ Ip -m・Id m-2の特徴を持ったホッ
トキャリア寿命モデルにより、ホットキャリア寿命を推
定する。また、tを時間として、MOSトランジスタに対す
る累積ストレス量を表すパラメータAgeを、Age ∝∫[Ip
m・Id 2-m]dtの特徴を持ったホットキャリア劣化のシミ
ュレーションモデル式により、信頼性シミュレーション
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MOS型トランジスタ、
とりわけSOIトランジスタやTFT等の基板電流の測定が不
可能なMOS型トランジスタのホットキャリア劣化の寿命
推定方法、特に寿命推定の精度の改善に関する。また、
MOS型トランジスタ、とりわけSOIトランジスタやTFT等
の基板電流の測定が不可能なMOS型トランジスタのホッ
トキャリア劣化による回路特性劣化のシミュレーション
方法、特にシミュレーション精度の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置の高密度化、高集積
化、微細化の進行に伴い、それを構成するMOSトランジ
スタの寸法の微細化は著しい。このMOSトランジスタの
寸法の微細化、その中でもチャンネル長の微細化によ
り、MOSトランジスタの信頼性上の大きな問題であるホ
ットキャリア劣化現象が重要な問題となってきている。
このホットキャリア劣化現象は、MOSトランジスタのド
レイン端において、高電界により高エネルギーの電子お
よび正孔(以下「ホットキャリア」と呼ぶ)が発生し、
このホットキャリアがゲート酸化膜の特性を劣化させる
ものである。このホットキャリア劣化には複数の劣化モ
ードがある。その中で基板電流最大条件における劣化で
は、N型およびP型MOSトランジスタのいずれにおいて
も、ドレイン電流が時間とともに減少する。その結果、
回路の遅延時間が時間とともに増大するという劣化を引
き起こす。この遅延時間の増大はある程度以上になる
と、半導体集積回路内あるいは外部との信号の入出力動
作の際にタイミングエラーを生じ、半導体集積回路が組
み込まれているシステム全体の誤動作を引き起こす。
【0003】このホットキャリア劣化に対して、従来、
MOSトランジスタに対するDCストレス条件下での加速実
験により、ホットキャリア信頼性評価を行ってきた。そ
してホットキャリア評価基準を満たすよう製造プロセス
を最適化することにより、製品の信頼性を実現してき
た。
【0004】このホットキャリア信頼性評価で使用され
るホットキャリア寿命モデルは、次に示すようなもので
あった。MOSトランジスタのホットキャリア劣化は、初
期のドレイン電流Idに対するドレイン電流の変化量ΔId
の割合ΔId/Id等により評価される。DC(直流)による
スタティックなホットキャリアストレス条件下におい
て、ホットキャリア劣化率ΔId/Idは次式(1)によって表
される。
【0005】 ΔId/Id = A・tn ・・・(1) ここで、tはホットキャリアストレス時間を表し、符号A
とnはトランジスタの製造プロセスやストレス条件に依
存する係数と考えられている。
【0006】ドレイン電流の変化割合が(ΔId/Id)fにな
るまでのストレス時間がトランジスタの寿命時間τであ
ると考えれば、式(1)から次式(2)が得られ、例えば、
(ΔId/Id)f = 10%になる時間tが寿命τと定義される。
【0007】 (ΔId/Id)f = A・τn ・・・(2) MOSトランジスタのストレス加速実験が行われるとき、
通常は、たとえば1秒から100,000秒程度までの測定可能
な時間内においてトランジスタの寿命が式(2)で定義さ
れた変化量(ΔId/Id)fに達するように、トランジスタに
DCストレスが与えられる。そしてトランジスタのドレイ
ン電流測定が行われ、線形領域あるいは飽和領域におけ
るΔId/Idからトランジスタ寿命が求められる。
【0008】ホットキャリア信頼性評価におけるストレ
ス加速実験において用いられるストレス電圧印加の方法
としては、次の方法を用いる。すなわち加速実験に用い
る複数のドレイン電圧Vdに対して、ゲート電圧Vgをそれ
ぞれホットキャリア劣化率がもっとも大きくなると予想
される条件に設定する方法である。すなわち各ドレイン
電圧に対し、基板電流Isubが最大となるゲート電圧Vg
用いる。このとき各ドレイン電圧に対し、それぞれ1個
のゲート電圧が設定される。この方法では任意のドレイ
ン電圧に対し、劣化率が最大の条件におけるトランジス
タ寿命が求められる。
【0009】MOSトランジスタのホットキャリア信頼性
評価方法は、たとえばIEEE ElectronDevice Lett., vo
l.4, pp.111-113, April 1983においてE. Takeda et a
l. によって述べられている。E. Takeda et al. によれ
ば、MOSトランジスタの寿命τは、式(3)によって表され
る経験モデルにより求められる。
【0010】 τ ∝ (Isub/W)-m ・・・(3) ここで、Wはゲートの幅を示し、Isubは基板電流を表
す。
【0011】この経験モデルに基づいて寿命推定を行う
方法を図6に示す。図6においてグラフの横軸はIsub/W
の対数であり、縦軸はτの対数である。黒丸31は寿命
の実測値、直線32は寿命推定の回帰直線を示す。横軸
上の点33は実使用時の単位ゲート幅当たりの最大基板
電流値、縦軸上の点34は実使用時の推定寿命を示す。
寿命推定を行うには、まず寿命の実測値31をプロット
する。次に、この実測値31に対し最小二乗法を用いて
回帰直線32をフィッティングする。これとは別に、実
使用時の単位ゲート幅当たりの最大基板電流33を実測
しておく。先にフィッティングした回帰直線32から実
使用時の最大基板電流33に対応する寿命を求め、これ
を実使用時の推定寿命34とする。この寿命34がホッ
トキャリア評価基準、たとえば寿命10年以上を満たす
かどうかにより、ホットキャリア信頼性評価をおこな
う。
【0012】ところが近年DC条件でのホットキャリア信
頼性評価では、従来のホットキャリア評価基準を満たす
ことが困難になっている。このため半導体集積回路のホ
ットキャリア劣化現象のシミュレーション(以下「回路
信頼性シミュレーション」と呼ぶ)を行い、これにより
製品の信頼性を実現する技術が登場してきた。回路信頼
性シミュレータは、回路シミュレータSPICEにより計算
される各トランジスタの各端子の電圧や電流の計算値を
もとに、ホットキャリア寿命モデルと劣化後のSPICEパ
ラメータを用いて、ホットキャリア劣化後の回路動作の
シミュレーションを行う。代表的なシミュレータとし
て、米国カリフォルニア大学バークレー校が開発したBE
RT(R.H. Tu他、"Berkeley reliability tools - BER
T," IEEE Trans. Compt.-Aided Des. Integrated Circu
its & Syst., vol.12, no.10, pp.1524-1534, Oct. 199
3.)やその市販版BTABERTがある。この回路信頼性シミ
ュレーション技術を用いて半導体集積回路中の劣化・故
障個所を予測し、設計時に対策することによって、信頼
性の作り込みあるいは信頼性設計が可能となる。
【0013】MOSトランジスタのホットキャリア劣化の
シミュレーション方法は、たとえばIEEE Trans. Electr
on Devices, vol.35, pp.1004-1011, July 1988におい
てKuoet al. によって述べられている。この回路信頼性
シミュレータで使用されるホットキャリア寿命モデル
は、次に示すようなものであった。Kuo et al. によれ
ば、MOSトランジスタの寿命τは、ホットキャリア寿命
モデルを用いた実験式(4)によって表される。
【0014】 τ = ((ΔId/Id)f)1/n・H・W・Isub -m・Id m-1 ・・・(4) ここで、Wはゲートの幅を示し、Hはトランジスタの製造
条件に依存する係数であり、Isubは基板電流を表し、そ
してmはインパクトイオン化と界面準位生成に関係する
と考えられている指数を表す。
【0015】式(2)および(4)から、ホットキャリア寿命
モデルにおける係数Aは次式(5)で表される。
【0016】 A = ((W・H)-1・Isub m・Id 1-m)n ・・・(5) したがって、式(1)、(5)から次式(6)が得られる。
【0017】 ΔId/Id = ((W・H)-1・Isub m・Id 1-m・t)n ・・・(6) ここで、便宜のため Age = (W・H)-1・Isub m・Id 1-m・t ・・・(7) と定義すれば、式(6)は次式(8)に書き換えられる。
【0018】 ΔId/Id = (Age)n ・・・(8) すなわち、式(7)のAgeはホットキャリア寿命モデルにお
ける、ホットキャリアストレス開始後の時間tまでのス
トレス量を表している。また物理的には、時間tまでに
発生したホットキャリアのなかで、MOSトランジスタの
ダメージ発生に必要な臨界エネルギー以上のエネルギー
を持ったものの総量を表す。
【0019】以上の式(4)〜(8)中で使用されているパラ
メータn, H, mはホットキャリア寿命パラメータと呼ば
れる。これらのホットキャリア寿命パラメータは、ホッ
トキャリアの発生するドレイン端の縦方向電界強度の関
数である。このためゲート・ドレイン間電圧Vgdの関数
として表される。
【0020】図7は、ΔIdモデルを用いて劣化後の特性
をシミュレートする方法を示している。ΔIdモデルを用
いたシミュレーション方法は、例えばIEEE Trans. Elec
tronDevices, vol. 40, pp.2245-2254, Dec. 1993にお
いてQuader et al. によって述べられている。
【0021】図7はMOSトランジスタのホットキャリア
劣化のシミュレーション方法を示す等価回路図である。
図7において、35はストレス印加前のフレッシュなMO
Sトランジスタ、36は可変電流源を表わしている。図
7(A)は、ストレス印加前のフレッシュなMOSトランジス
タ35においてドレイン電流Idが流れることを表現して
いる。図7(B)は、ホットキャリア劣化後において、MOS
トランジスタをドレイン電流Id’が流れることを表して
いる。すなわち、ホットキャリア劣化によって、トラン
ジスタを流れるドレイン電流は、初期のドレイン電流Id
からΔIdだけ変化している。
【0022】ΔIdモデルにおいては式(9)に示すよう
に、劣化後のドレイン電流Id'を、ストレス印加前のフ
レッシュなドレイン電流Idにドレイン電流の劣化ΔId
加えることによりシミュレートする。
【0023】 Id' = Id(Vd, Vg) + ΔId(Age, Vd, Vg) ・・・(9) このΔIdは、ホットキャリアストレス開始後の時間tま
でのストレス量、すなわちAgeの関数であるとともに、
ドレイン電圧Vd、ゲート電圧Vgの関数である。回路中で
AC(交流)によるダイナミックなストレス条件下での
Ageを計算する際には、式(7)に代えて時間についての積
分形である次式(10)を用いて計算する。
【0024】 Age = ∫[(W・H)-1・Isub m・Id 1-m]dt ・・・(10) このシミュレーションの際にΔIdは、図7(B)に示すよ
うに、初期のMOSトランジスタ35のソース・ドレイン
間に可変電流源36を追加した等価回路により表現す
る。この際に、初期のドレイン電流を計算するトランジ
スタパラメータには変更はない。
【0025】図8は、従来の技術においてMOSトランジ
スタのホットキャリア劣化をシミュレートする方法の手
順を示すフロー図である。このフロー図において、ステ
ップS11は、ホットキャリア寿命モデルに対して式(9)お
よび(10)中の未知パラメータを予備測定実験によって抽
出するためのサブステップS11a〜S11gを含んでいる。
【0026】サブステップS11aにおいては、式(10)にお
ける基板電流Isubを決定するために、予備測定実験にお
ける複数の基板電流Isub測定データにフィットするよう
に、モデル式Isub = g(Vg,Vd)が決定される。ここで、
Vgはゲート電圧を表し、Vdはドレイン電圧を表す。基板
電流Isubを決定する方法の一例が、IEEE Electron Devi
ce Lett., vol. EDL-5, pp.505-507, Dec. 1984におい
てChan et al. によって述べられている。
【0027】サブステップS11b〜S11dは、ホットキャリ
ア寿命パラメータを予備測定実験により抽出するための
手順である。サブステップS11bにおいては、MOSトラン
ジスタにストレス電圧を印加し、式(2)において定義さ
れるホットキャリア寿命を測定する。ストレス電圧を印
加する方法としては、複数のドレイン電圧Vdに対して、
ゲート・ドレイン間電圧Vgd = Vg − Vdが一定となるよ
うにゲート電圧Vgを設定する方法が採用される。この方
法においては通常複数個のVgdが設定され、各ドレイン
電圧Vdに対して、あらかじめ設定された複数個のVgd
対応するゲート電圧Vg = Vd + Vgdが設定される。続い
てサブステップS11cにおいては、実験式(1)とサブステ
ップS11bのDCストレス実験における複数の測定点に関す
るデータとの比較から、係数nがVgdの関数として抽出さ
れる。同様にサブステップS11dにおいては、実験式(4)
とサブステップS11bのDCストレス実験における複数の測
定点に関するデータとの比較から、指数mと係数HがVgd
の関数として抽出される。
【0028】サブステップS11e〜S11gは、ΔIdモデルに
おける式(9)中の、ストレス印加前のフレッシュなドレ
イン電流Id、およびドレイン電流の劣化ΔIdを決定する
ための手順である。サブステップS11eにおいては、スト
レス印加前のフレッシュなドレイン電流Id(Vd, Vg)を決
定するキャリアの移動度やフラットバンド電圧などのト
ランジスタパラメータが抽出される。このフレッシュな
ドレイン電流Id(Vd, V g)を決定するモデルの一例とし
て、たとえばBSIM(Berkeley Short-Channel IGFET Mode
l)法が用いられる。BSIM法は、IEEE J. Solid-State Ci
rcuits, vol. SC-22, pp.558-566, Aug.1987においてSh
eu et al.によって詳述されている。その後サブステッ
プS11fにおいて、トランジスタにDCストレスが印加され
る。サブステップS11gにおいてはDCストレス印加前後に
おけるΔIdモデル・パラメータが抽出される。ドレイン
電流の劣化ΔId(Age, Vd, Vg)はこのΔIdモデル・パラ
メータにより決定される。ΔIdモデルは、NMOSについて
は前述のQuader et al.によって述べられている。またP
MOSについては特開平8-64814号公報に清水等によって述
べられている。
【0029】DCストレスの印加の前におけるトランジス
タパラメータの抽出は、ストレス印加前の実際のトラン
ジスタ特性とシミュレーションによるトランジスタ特性
を一致させるために必要である。また、DCストレス印加
前後におけるΔIdモデル・パラメータの抽出はストレス
印加前後の実際のドレイン電流の劣化ΔIdとシミュレー
ションにおけるドレイン電流の劣化ΔIdを一致させるた
めに必要である。
【0030】ステップS12は、ステップS11で抽出された
パラメータと式(9)および(10)に従って、信頼性シミュ
レータがトランジスタのホットキャリア劣化をシミュレ
ートするためのサブステップS12a〜S12dを含んでいる。
【0031】サブステップS12aにおいては、先のサブス
テップS11eにおいて抽出されたストレス印加前のトラン
ジスタパラメータによって、ドレイン電流がシミュレー
トされる。サブステップS12bにおいてはS11aによって決
定された基板電流モデル式Is ub = g(Vg,Vd)により基板
電流がシミュレートされる。サブステップS12cにおいて
は、式(10)に基づいて各トランジスタの劣化を表すAge
が、回路中でのドレイン電流Idおよび基板電流Isubの関
数を時間積分することにより計算される。このときサブ
ステップS12aでシミュレートされたドレイン電流Id、サ
ブステップS12bでシミュレートされた基板電流Isub、お
よびサブステップS11dで求められたホットキャリア寿命
パラメータHおよびmが使用される。サブステップS12dに
おいて、このAgeに基づいて式(9)を使用してトランジタ
のホットキャリア劣化がシミュレートされる。
【0032】ここでさらにホットキャリア寿命モデルに
おいてホットキャリア寿命パラメータHとmを抽出する方
法を詳しく述べる。図9はホットキャリア寿命パラメー
タHとmを抽出する方法の説明図である。図9は、ホット
キャリア寿命モデルを用いた実験式(4)に含まれる、ホ
ットキャリア寿命パラメータHとmを求めるためのプロッ
トを表している。図9において、縦軸はDCストレス実験
における寿命τとストレス中のドレイン電流IdとMOSト
ランジスタのゲート幅Wがら計算した値τ・Id/Wの対数
スケールを示す。横軸は、ストレス中の基板電流Isub
ドレイン電流Idの比Isub/Idの対数スケールを示す。3
7はDCストレス実験における複数の測定点に関するデー
タ、38は測定点に関するデータに対してフィッティン
グした直線である。
【0033】MOSトランジスタの寿命τは、複数のゲー
ト・ドレイン間電圧Vgd、例えば3種の条件Vgd = 0.0,
−1.0, −2.0 Vの下で測定され、複数の測定点に関する
データ37が得られる。これから複数の測定点に関する
データ37に対し、最小二乗法によりフィッティングし
た直線38を得る。この直線38の切片と傾きから、そ
れぞれホットキャリア寿命パラメータHとmが得られる。
この方法で複数のVgdに対して同様の方法により、ホッ
トキャリア寿命モデルにおけるホットキャリア寿命パラ
メータHとmをVgdの関数として求めることができる。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来のMOS
トランジスタのホットキャリア劣化の寿命推定方法、お
よびホットキャリア劣化による回路特性劣化のシミュレ
ーション方法では、以下の問題点があった。
【0035】従来の方法においては基板電流の測定値が
必要である。このため基板電流の測定が不可能なMOSト
ランジスタ、たとえば絶縁基板上に単結晶Si層を形成し
たSOI(Silicon On Insulator)や、絶縁基板上にアモ
ルファスSi層あるいはpoly Si層を形成したTFT(Thin F
ilm Transistor)すなわち薄膜トランジスタには適用で
きない。
【0036】またMOSトランジスタのホットキャリア劣
化の寿命推定方法においては、ホットキャリア劣化率が
最大となる条件での寿命を実際より長く推定してしまう
という問題点がある。従来の方法では、ホットキャリア
劣化がもっとも大きくなるゲート電圧は基板電流が最大
となるゲート電圧と一致するものと仮定している。また
使用される経験モデル(3)においても、基板電流最大と
なるゲート電圧で劣化が最大となる。しかし、実際には
トランジスタの製造プロセスによっては、基板電流最大
となるゲート電圧よりも低いゲート電圧で劣化最大とな
る場合がある。そのため、このモデルに従って推定した
実使用時の最大基板電流に対応する寿命よりも、MOSト
ランジスタの使用条件によっては実使用時の寿命は短く
なる可能性がある。すなわち製品の品質保証が適切に行
われないという問題点があった。
【0037】一方、ホットキャリア劣化による回路特性
劣化のシミュレーション方法に関しては、ホットキャリ
ア寿命パラメータを求めるための実験に多数のトランジ
スタが必要であり、長期間を要するという問題点があっ
た。従来のホットキャリア寿命モデルを表す実験式(4)
中の指数mと係数HをVgdの関数として抽出するために
は、複数のドレイン電圧Vdに対してゲート・ドレイン間
電圧Vgd = Vg − Vdが一定となるようにゲート電圧Vg
複数個設定してDCストレス実験をおこなう必要がある。
この場合ストレス電圧条件の総数は非常に多くなる。た
とえばドレイン電圧としては通常3条件、またゲート・
ドレイン間電圧として5条件程度が必要である。このば
あいにはストレス電圧条件は15条件程度となる。さら
にDCストレス実験の結果にはバラツキがあるため、十分
な精度の結果を得るためには各電圧条件のトランジスタ
数として複数個、たとえば3個程度必要となる。結果と
して必要なトランジスタ数は45個程度となる。しかも
これらのトランジスタは同一プロセス条件により作製さ
れる必要がある。プロセス開発中にはプロセス条件を変
更しながら試作を繰り返しているため、同一プロセス条
件のトランジスタをこの数だけ準備することは困難であ
る。また45個のトランジスタを15電圧条件で測定す
るためには、通常の設備と人員では10日程度が必要に
なり、製品設計に対する迅速なフィードバックが困難で
あった。製品設計はプロセス開発と並行して行われるた
め、プロセス開発途中にホットキャリア寿命パラメータ
を抽出して信頼性シミュレーションを行い、設計時に製
品の信頼性を確保することは、実際にはほとんど行われ
てこなかった。従って品質保証のために、過剰な信頼性
マージンを持ったプロセス信頼性評価基準を適用するこ
とになり、この信頼性評価基準を満たし、かつ高いトラ
ンジスタ性能を実現することが困難になるという問題点
があった。
【0038】ホットキャリア寿命パラメータを求めるた
めの実験に多数のトランジスタと長期間を要する原因
は、式(4)で表される従来のホットキャリア寿命モデル
が不十分な点にある。従来のホットキャリア寿命モデル
は、MOSトランジスタのダメージ発生に必要な臨界エネ
ルギー以上のエネルギーを持った電子あるいは正孔のい
ずれか1種類のホットキャリアによりホットキャリア劣
化が生じ、かつホットキャリア寿命はこの1種類のホッ
トキャリアの発生量に反比例するという仮説に基づいて
いる。このモデルにおいては、ホットキャリア寿命パラ
メータHおよびmのゲート・ドレイン間電圧Vgd依存性は
関数形が与えられていない。このため、複数のドレイン
電圧Vdに対してゲート電圧Vgを複数個設定してDCストレ
ス実験を行い、HおよびmのVgd依存性を実測する必要が
生じるのである。
【0039】本発明は上記の従来技術の問題を解決し、
SOIトランジスタやTFT等の基板電流の測定が不可能なMO
S型トランジスタを対象とするホットキャリア劣化の寿
命推定方法において、ホットキャリア劣化率が最大とな
る条件での寿命を精度よく推定することを可能とするこ
とを目的とする。
【0040】また、ホットキャリア劣化による回路特性
劣化のシミュレーション方法に関して、SOIトランジス
タやTFT等の基板電流の測定が不可能なMOS型トランジス
タを対象として、少数のトランジスタを用いて短期間で
ホットキャリア寿命パラメータを求めることを可能とす
ることを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体装置の寿命推定方法は、MOSトラン
ジスタを対象とし、τを寿命、IpをMOSトランジスタの
発光の光量強度、Idをドレイン電流、mをフィッティン
グパラメータとして、 τ ∝ Ip -m・Id m-2 の特徴を持ったホットキャリア寿命モデルにより、ホッ
トキャリア寿命を推定することを特徴とする。
【0042】本発明のホットキャリア寿命モデルは、MO
Sトランジスタのダメージ発生に必要な臨界エネルギー
以上のエネルギーを持った電子および正孔の2種類のホ
ットキャリアによりホットキャリア劣化が生じ、かつホ
ットキャリア寿命はこの2種類のホットキャリアの発生
量の積に反比例するというものである。このモデルにお
いてホットキャリア寿命を表すモデル式は、従来の式
(3)あるいは(4)に代えて式(11)の形となる。
【0043】 τ = ((ΔId/Id)f)1/n・H・W2・Ip -m・Id m-2 ・・・(11) ここでIpはMOSトランジスタのホットキャリア効果によ
る発光の光量強度であり、エネルギーに比例する任意の
単位をとる。
【0044】従来のモデル式(4)と本発明のモデル式(1
1)の違いは、従来のモデル式では寿命τは基板電流Isub
の関数として表されてきたが、本発明のモデル式では発
光の光量強度Ipの関数として表されている点と、従来の
モデル式では(Idのべき指数)=−(Isubのべき指数)−1
であったのに対し、本発明のモデル式においては(Id
べき指数)=−(Ipのべき指数)−2の関数形になっている
点である。この違いは、従来ホットキャリア寿命が1種
類のホットキャリアの発生量に反比例するとしていたも
のを、2種類のホットキャリアの発生量の積に反比例す
るとした違いを反映している。
【0045】N型およびP型MOSトランジスタの実測値と
の比較により、本発明のモデルは実測値とよく一致し、
さらにホットキャリア寿命パラメータHおよびmのVgd
存性は非常に小さくなることを確認している。
【0046】本発明のホットキャリア劣化の寿命推定方
法を行うには、式(11)のホットキャリア寿命パラメータ
Hとmを、ストレス加速実験の実測値に基づいて定数とし
て求める。このパラメータと式(11)から、実使用時の発
光の光量強度Ipとドレイン電流Idの実測値に基づいて、
実使用時におけるホットキャリア劣化がもっとも大きく
なる条件を求め、そのときのホットキャリア寿命を求め
る。これを実使用時の推定寿命とする。
【0047】また、本発明の半導体装置の信頼性シミュ
レーション方法は、MOSトランジスタのホットキャリア
劣化をシミュレーションする方法であって、tを時間、I
pをMOSトランジスタの発光の光量強度、Idをドレイン電
流、mをフィッティングパラメータとして、MOSトランジ
スタに対する累積ストレス量を表すパラメータAgeを Age ∝∫[Ip m・Id 2-m]dt の特徴を持ったモデル式により計算することを特徴とす
る。
【0048】本発明のMOS型トランジスタのホットキャ
リア劣化による回路特性劣化のシミュレーション方法に
おいては、式(11)に代えて時間についての積分形である
次式(12)を用いて計算する。
【0049】 Age = ∫[(W2・H)-1・Ip m・Id 2-m]dt ・・・(12) さらにホットキャリア寿命パラメータ抽出において、ス
トレス加速実験の実測値に基づいてホットキャリア寿命
パラメータHとmを定数として求める。
【0050】ここで従来のモデル式(10)と本発明のモデ
ル式(12)の違いは、従来のモデル式ではAge が基板電流
Isubの関数の時間積分で表されていたのに対し、本発明
のモデル式においてはAge が発光の光量強度Ipの関数の
時間積分で表されている点と、従来のモデル式では(Id
のべき指数)=1−(Isubのべき指数)であったのに対し、
本発明のモデル式においては(Idのべき指数)=2−(Ip
べき指数)の関数形になっている点である。この違い
は、従来ホットキャリア寿命が1種類のホットキャリア
の発生量に反比例するとしていたものを、2種類のホッ
トキャリアの発生量に反比例するとした違いを反映して
いる。このモデル式(12)に現れるホットキャリア寿命パ
ラメータHとmは、本発明のホットキャリア寿命のモデル
式(11)と同じものであり、Vgd依存性が非常に小さく、
定数として取り扱っても十分なシミュレーション精度が
得られる。
【0051】上記のモデル式(11)は次のようにして求め
られる。モデル式(11)は本発明のモデルの物理的内容で
ある、「MOSトランジスタのダメージ発生に必要な臨界
エネルギー以上のエネルギーを持った電子および正孔の
2種類のホットキャリアによりホットキャリア劣化が生
じ、かつホットキャリア寿命はこの2種類のホットキャ
リアの発生量の積に反比例する」という仮定と、ラッキ
ーエレクトロンモデル(IEEE Electron Devices, vol. E
D-32, pp.375-385, Feb. 1985)から導き出される。
【0052】NMOSにおいては、MOSトランジスタのダメ
ージ発生に必要な臨界エネルギー以上のエネルギー持っ
た電子の発生量Ie、臨界エネルギー以上のエネルギー持
った正孔の発生量Ih、および発光の光量強度Ipはそれぞ
れ式(13)、(14)および(15)により表される。
【0053】 Ie ∝ Id exp(−φe/qλeEm) ・・・(13) Ih ∝ Isub exp(−φh/qλhEm) ・・・(14) Isub ∝ Id exp(−φei/qλeEm) ・・・(15) Ip ∝ Id exp(−φep/qλeEm) ・・・(16) ここでIdはドレイン電流、Isubは基板電流、Ipは発光の
光量強度、φeはダメージ発生に必要な電子の臨界エネ
ルギー、φhはダメージ発生に必要な正孔の臨界エネル
ギー、φeiはインパクトイオン化に必要な電子の臨界エ
ネルギー、φepは発光に必要な電子の臨界エネルギー、
λeは電子の平均自由工程、λhは正孔の平均自由工程、
Emは最大チャンネル電界強度である。寿命τが臨界エネ
ルギー以上のエネルギー持った電子の単位ゲート幅当た
りの発生量Ie/Wおよび臨界エネルギー以上のエネルギー
持った正孔の発生量Ih/Wの積に反比例すると仮定し、か
つ式(13)、(14)、(15)および(16)を適用してqEmおよびI
subを消去すると、 τ∝ W2/(Ie・Ih) = W2/(Id・Isub)・exp[(φhhee)/qEm] = (W/Id)2(Ip/Id)-m1 ・・・(17) ここで m1 = (φhh+(φeei)/λe)/(φepe) ・・・(18) である。m = m1と置き換えると、式(17)から式(19)が得
られる。
【0054】 τ ∝ (W/Id)2 (Ip/Id)-m ・・・(19) ここで式(2)を考慮してパラメータHを決めると、本発明
のホットキャリア寿命を表すモデル式(11)が得られる。
【0055】従来のモデル式(4)とモデル式(11)のId
べき指数が異なる理由を述べるため、以下に従来のモデ
ル式(4)がどのように導かれるかを示す。従来のモデル
式(4)は、MOSトランジスタのダメージ発生に必要な臨界
エネルギー以上のエネルギーを持った電子のみによりホ
ットキャリア劣化が生じ、かつホットキャリア寿命はこ
の1種類のホットキャリアの発生量に反比例すると仮定
している。この仮定を採用すると式(17)に対応する式は
次式(20)となる。
【0056】 τ ∝ W/Ie = W/Id・exp(φe/ qλeEm) = W/Id (Isub/Id)-m2 ・・・(20) ここで、 m2 =φeei ・・・(21) である。m = m2と置き換えると、式(20)から式(21)が得
られる。
【0057】 τ ∝ W/Id (Isub/Id)-m ・・・(22) 本発明のモデル式(19)と従来のモデル式(22)では、Id
べき指数に先に述べた違いが生じている。この様に寿命
が何に反比例するかの仮定の違いがモデル式の型式の違
いとなって現れている。
【0058】PMOSにおいては、MOSトランジスタのダメ
ージ発生に必要な臨界エネルギー以上のエネルギー持っ
た電子の発生量Ie、臨界エネルギー以上のエネルギー持
った正孔の発生量Ih、および発光の光量強度Ipはそれぞ
れ式(23)、(24)、(25)および(26)により表される。
【0059】 Ie ∝ Isub exp(−φe/qλeEm) ・・・(23) Ih ∝ Id exp(−φh/qλhEm) ・・・(24) Isub ∝ Id exp(−φhi/qλhEm) ・・・(25) Ip ∝ Id exp(−φhp/qλhEm) ・・・(26) ここでIdはドレイン電流、Isubは基板電流、Ipは発光の
光量強度、φeはダメージ発生に必要な電子の臨界エネ
ルギー、φhはダメージ発生に必要な正孔の臨界エネル
ギー、φhiはインパクトイオン化に必要な正孔の臨界エ
ネルギー、φhpは発光に必要な正孔の臨界エネルギー、
λeは電子の平均自由工程、λhは正孔の平均自由工程、
Emは最大チャンネル電界強度である。寿命τが、臨界エ
ネルギー以上のエネルギー持った電子の単位ゲート幅当
たりの発生量Ie/Wおよび臨界エネルギー以上のエネルギ
ー持った正孔の発生量Ih/Wの積に反比例すると仮定し、
かつ式(23)、(24)、(25)および(26)を適用してqEmおよ
びIsub消去すると、 τ ∝ W2/(Ie・Ih) =W2/(Id・Isub)・exp[(φhhee)/ qEm] =(W/Id)2(Ip/Id)-m3 ・・・(27) ここで m3 = ((φhhi)/λhee)/(φhph) ・・・(28) である。m = m3と置き換えると、式(27)からNMOSの場合
と同じ型式の式(18)が得られ、NMOSの場合と同様に式
(2)を考慮してパラメータHを決めると、本発明のホット
キャリア寿命を表すモデル式(11)が得られる。
【0060】また本発明のMOS型トランジスタのホット
キャリア劣化による回路特性劣化のシミュレーション方
法において使用されるAgeの計算式(12)は、式(11)と先
の式(1)および式(2)からパラメータAおよびτを消去し
た後、式(8)との比較から導き出される。
【0061】本発明のモデル式(11)においては、従来の
モデル式に使用されていた基板電流にかえてホットキャ
リア効果による発光の光量強度を使用するため、基板電
流の測定が不可能なSOIトランジスタやTFT等のMOSトラ
ンジスタに対し、モデル式を適用することが可能であ
る。
【0062】またホットキャリア寿命パラメータのゲー
ト・ドレイン間電圧Vgd依存性が、N型およびP型MOSトラ
ンジスタのいずれにおいても非常に小さくなるため、こ
れを定数としても広範囲の電圧において寿命を精度良く
推定できる。
【0063】このため、本発明のMOSトランジスタのホ
ットキャリア劣化の寿命推定方法においては、少数のス
トレス電圧条件の実測値と実使用時のドレイン電流Id
よび発光の光量強度Ipから、劣化率が最大となる電圧条
件とそのときの寿命、すなわち実使用時の寿命を精度良
く推定できる。その結果製品の品質保証を適切に行うこ
とができる。
【0064】また本発明のMOS型トランジスタのホット
キャリア劣化による回路特性劣化のシミュレーション方
法においては、ホットキャリア寿命パラメータHとmが定
数であるため、少数のストレス電圧条件の実測値からホ
ットキャリア寿命パラメータHとmを求めることができ
る。たとえばドレイン電圧としては通常3条件、また、
ゲート電圧としては、各ドレイン電圧に対し発光の光量
強度Ipが最大となるゲート電圧Vgを1条件用いる。この
場合にはストレス電圧条件は3条件程度で十分となる。
DCストレス実験の結果にはバラツキがあるため、十分な
精度の結果を得るためには各電圧条件のトランジスタ数
として複数個、たとえば3個程度必要となったとして
も、必要なトランジスタ数として9個程度で十分であ
り、従来の45個よりも大幅に少なくなる。同一プロセ
ス条件のトランジスタをこの数だけ準備し、3電圧条件
で測定するためには、通常の設備と人員で2日程度で可
能であり、製品設計に対する迅速なフィードバックが可
能である。このためプロセス開発途中にホットキャリア
寿命パラメータを抽出して信頼性シミュレーションを行
い、設計時に製品の信頼性を実現することが可能とな
る。従って、品質保証のために過剰な信頼性マージンを
持ったプロセス信頼性評価基準を適用する必要がなくな
り、信頼性評価基準を満たし、かつ高いトランジスタ性
能を実現することが可能となる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明のホ
ットキャリア寿命モデル式(11)に基づいて寿命推定を行
う方法を図1A、図1Bに示す。図1A、図1Bは、式
(11)におけるホットキャリア寿命パラメータHとmの抽出
方法を示す。
【0066】図1Aにおいて、1はSiO2よりなるSOI基
板、2はSOI基板1上に形成されたMOSトランジスタのソ
ース領域、3はドレイン領域、4はゲート電極、5はチ
ャンネル領域である。ゲート電極4の上方に顕微鏡6が
設置され、顕微鏡6を介してCCDイメージセンサ7が
設置されている。MOSトランジスタがNチャンネル型で
ある場合について説明する。MOSトランジスタのソース
領域2を接地し、ドレイン領域3とゲート電極4に、ド
レイン電圧Vdとゲート電圧Vgを各々印加する。そのとき
のホットキャリア効果による発光の光量強度Ipを、上部
から顕微鏡6を通して、CCDイメージセンサ7を用い
て測定する。
【0067】ここで発光の光量強度とは、任意の固定さ
れた方法による光量強度の測定値を表し、エネルギーに
比例した任意の単位をとる絶対値あるいは相対値のいず
れでも良い。光量強度としては、光学系の反射、屈折、
吸収等を補正しない値でも補正した値でも良く、またフ
ィルターやグレーティングやプリズム等の分光器を使用
した特定の周波数の光量強度の測定値でも、分光器を使
用しない広範囲の周波数の光量強度の積分の実測値でも
良い。また光量強度の測定デバイスとしては、CCDイ
メージセンサ7の代わりに光電子倍増管等の光量強度Ip
が測定可能な任意のデバイスが使用可能である。
【0068】図1Bにおいて、縦軸は、DCストレス実験
における寿命τ、ストレス中のドレイン電流Id、及びMO
Sトランジスタのゲート幅Wから計算した値τ・(Id/W)2
の対数スケールを示す。横軸は、ストレス中の発光の光
量強度Ipとドレイン電流Idの比Ip/Idの対数スケールを
示す。11はDCストレス実験における複数の測定点に関
するデータ、12は測定点に関するデータに対してフィ
ッティングした直線である。13は劣化が最大となるIp
/Idの値、14は実使用時のIp/Idの最大値、15は劣化
が最大となるIp/Idにおけるフィッティング直線上の
値、16は実使用時のIp/Idの最大値におけるフィッテ
ィング直線上の値である。
【0069】ホットキャリア信頼性評価におけるストレ
ス加速実験において用いられるストレス電圧印加の方法
としては、次の方法を用いる。すなわち加速実験に用い
る複数のドレイン電圧Vdに対して、発光の光量強度Ip
最大となるゲート電圧Vgを用いる。このとき各ドレイン
電圧に対し、それぞれ1個のゲート電圧が設定される。
そのようにして測定を行った後、複数の測定点に関する
データ11に対し最小二乗法によりフィッティングした
直線12を得る。この直線12の切片と傾きから、それ
ぞれホットキャリア寿命パラメータHとmが定数として得
られる。このホットキャリア寿命パラメータとモデル式
(11)から、劣化が最大となるIp/Idの値13と劣化が最
大となるIp/Idにおけるフィッティング直線上の値15
を求める。この劣化が最大となるIp/Idの値13は、実
使用時のIp/Idの最大値14よりも小さくなり、また劣
化が最大となるIp/Idのフィッティング直線上の値15
は、実使用時のIp/Idの最大値におけるフイッティング
直線上の値16よりも大きくなる。
【0070】実使用時におけるホットキャリア劣化がも
っとも大きくなる条件を求め、そのときのホットキャリ
ア寿命を求める方法を図2に示す。図2はトランジスタ
特性の実測値に基づいて実使用時の寿命を求める方法の
説明図である。図2において、横軸はゲート電圧、左の
縦軸はドレイン電流と発光の光量強度の対数スケール、
右の縦軸は寿命の対数スケールである。17はドレイン
電流Id、18は発光の光量強度Ip、19は寿命の計算
値、20はホットキャリア劣化が最も大きくなるゲート
電圧、21は実使用時の寿命の推定値を示す。
【0071】この方法では、トランジスタに対し実使用
時の最大ドレイン電圧Vddmaxのもとでゲート電圧Vgを変
化させて、ドレイン電流17と発光の光量強度18を測
定する。この実測値と先に求めたホットキャリア寿命パ
ラメータHとm、そして本発明のモデル式(11)から、寿命
の計算値19を求める。この寿命の計算値が最小となる
ゲート電圧Vgが、ホットキャリア劣化が最も大きくなる
ゲート電圧20であり、そのときの寿命を実使用時にお
ける寿命の推定値21とする。
【0072】この方法により、実使用時におけるホット
キャリア劣化がもっとも大きくなる条件を求め、そのと
きのホットキャリア寿命を求める。これを実使用時の推
定寿命として、実使用時におけるホットキャリア劣化が
もっとも大きくなる条件でのホットキャリア寿命を求め
ることができる。
【0073】図3は、本発明の回路特性劣化のシミュレ
ーション方法の手順を示すフロー図である。このフロー
図において、ステップS1は、式(9)および(12)中の未知
パラメータを予備測定実験によって抽出するためのサブ
ステップS1a〜S1gを含んでいる。
【0074】サブステップS1aにおいては、式(11)にお
ける発光の光量強度Ipを決定するために、予備測定実験
における複数の発光の光量強度Ip測定データにフィット
するように、モデル式Ip= g(Vg,Vd)が決定される。こ
こでVgはゲート電圧を表し、V dはドレイン電圧を表す。
基板電流Isubを決定する方法に対しては、その一例が、
IEEE Electron Device Lett., vol. EDL-5, pp.505-50
7, Dec. 1984においてChan et al. によって述べられて
いる。発光の光量強度Ipに対しても、基板電流I subの代
わりに発光の光量強度Ipを用い、モデルパラメータを変
更することにより同様の方法が適用可能である。
【0075】サブステップS1b〜S1dは、ホットキャリア
寿命パラメータを予備測定実験により抽出するための手
順である。サブステップS1bにおいては、MOSトランジス
タにストレス電圧を印加し、式(2)において定義される
ホットキャリア寿命を測定する。ストレス電圧を印加す
る方法としては、複数のドレイン電圧Vdに対して、発光
の光量強度Ipが最大となるゲート電圧Vgを用いる。この
とき各ドレイン電圧に対し、それぞれ1個のゲート電圧
が設定される。続いてサブステップS1cにおいては、実
験式(1)とサブステップS1bのDCストレス実験における複
数の測定点に関するデータとの比較から、係数nが定数
として抽出される。同様にサブステップS1dにおいて
は、実験式(11)とサブステップS1bのDCストレス実験に
おける複数の測定点に関するデータとの比較から、指数
mと係数Hが定数として抽出される。
【0076】サブステップS1e〜S1gは、ΔIdモデルにお
ける式(9)中のストレス印加前のフレッシュなドレイン
電流Idおよびドレイン電流の劣化ΔIdを決定するための
手順である。サブステップS1eにおいては、ストレス印
加前のフレッシュなドレイン電流Id(Vd, Vg)を決定する
キャリアの移動度やフラットバンド電圧などのトランジ
スタパラメータが抽出される。このフレッシュなドレイ
ン電流Id(Vd, Vg)を決定するモデルの一例として、たと
えばBSIM(Berkeley Short-Channel IGFET Model)法が用
いられる。BSIM法は、IEEE J. Solid-State Circuits,
vol. SC-22, pp.558-566, Aug.1987)においてSheu et a
l.によって詳述されている。その後サブステップS1fに
おいて、トランジスタにDCストレスが印加される。サブ
ステップS1gにおいては、DCストレス印加前後における
ΔIdモデル・パラメータが抽出される。ドレイン電流の
劣化ΔId(Age, Vd, Vg)は、このΔIdモデル・パラメー
タにより決定される。ΔIdモデルは、NMOSについては前
述のQuader et al.によって述べられている。またPMOS
については特開平8-64814号公報に清水等によって述べ
られている。
【0077】DCストレスの印加前におけるトランジスタ
パラメータの抽出は、ストレス印加前の実際のトランジ
スタ特性とシミュレーションによるトランジスタ特性を
一致させるために必要である。また、DCストレス印加前
後におけるΔIdモデル・パラメータの抽出は、ストレス
印加前後の実際のドレイン電流の劣化ΔIdとシミュレー
ションにおけるドレイン電流の劣化ΔIdを一致させるた
めに必要である。
【0078】ステップS2は、ステップS1で抽出されたパ
ラメータと式(9)および(12)に従って、信頼性シミュレ
ータがトランジスタのホットキャリア劣化をシミュレー
トするためのサブステップS2a〜S2dを含んでいる。
【0079】サブステップS2aにおいては、先のサブス
テップS1eにおいて抽出されたストレス印加前のトラン
ジスタパラメータによってドレイン電流がシミュレート
される。サブステップS2bにおいては、S1aによって決定
された発光の光量強度モデル式Ip = g(Vg,Vd)により発
光の光量強度がシミュレートされる。サブステップS2c
においては、式(12)に基づいて各トランジスタの劣化を
表すAgeが、回路中でのドレイン電流Idおよび発光の光
量強度Ipの関数を時間積分することにより計算される。
このときサブステップS2aでシミュレートされたドレイ
ン電流Id、サブステップS2bでシミュレートされた発光
の光量強度Ip、およびサブステップS1dで求められたホ
ットキャリア寿命パラメータHおよびmが使用される。サ
ブステップS2dにおいて、このAgeに基づいて式(9)を使
用して、トランジタのホットキャリア劣化がシミュレー
トされる。
【0080】ここでさらに、ホットキャリア寿命モデル
においてホットキャリア寿命パラメータHとmを抽出する
方法を詳しく述べる。図4は、定数としてのホットキャ
リア寿命パラメータHとmを抽出する方法の説明図であ
る。図4は、ホットキャリア寿命モデルを用いた実験式
(11)に含まれるホットキャリア寿命パラメータHとmを求
めるためのプロットを表している。図4において縦軸
は、DCストレス実験における寿命τ、ストレス中のドレ
イン電流Id、及びMOSトランジスタのゲート幅Wがら計算
した値τ・(Id/W)2の対数スケールである。横軸は、ス
トレス中の発光の光量強度Ipとドレイン電流Idの比Ip/I
dの対数スケールである。22はDCストレス実験におけ
る複数の測定点に関するデータ、23は測定点に関する
データに対してフィッティングした直線を示す。MOSト
ランジスタの寿命τは、ドレイン電圧として例えば3電
圧条件、各ドレイン電圧に対し発光の光量強度Ipが最大
となる1ゲート電圧Vg条件からなる、計3電圧条件の下
で測定し、各電圧条件について各々3個のトランジスタ
を測定する。これにより9個の測定点に関するデータ2
2が得られる。それらの9個の測定点に関するデータ2
2に対し最小二乗法によりフィッティングした直線23
を得る。この場合のフィッティングした直線23の傾き
は−mになる。この直線23の切片と傾きからそれぞ
れ、本発明のモデル式(11)におけるホットキャリア寿命
パラメータHとmが定数として得られる。
【0081】この様にホットキャリア寿命パラメータが
定数であるため、従来のモデルでは例えば45個の実測
値が必要であったのに対し、本発明のモデルでは9個の
実測値で十分であり、実測値の数が大幅に少なくなる。
その結果、従来のモデルではホットキャリア寿命パラメ
ータの抽出に通常の設備と人員で10日程度必要であった
ものが、本発明のモデルでは2日程度で可能であり、抽
出期間の大幅な短縮が図られる。
【0082】本発明のホットキャリア寿命パラメータの
求め方において縦軸をτ・(Id/W)2にすることは、抽出
するパラメータの精度を高めるために効果がある。例え
ば縦軸をτ・(Id/W)・(Ip/W)にすることは数学的あるい
は物理的に等価であり、この場合のフィッティングした
直線の傾きは−(m−1)となる。しかしこの方法では横軸
と縦軸の両方にIpが含まれることになり、この結果プロ
ットされる測定点に関するデータのばらつきが大きくな
り、抽出されるホットキャリア寿命パラメータの精度が
落ちる。このため本実施形態におけるように縦軸をτ・
(Id/W)2にすることが、ホットキャリア寿命パラメータ
を高精度で抽出するために有効である。
【0083】通常はホットキャリア寿命パラメータHお
よびmは定数としてパラメータ抽出およびAgeの計算を行
うことにより、実用上十分な精度が得られる。しかしさ
らに高精度のシミュレーションが必要な場合には、モデ
ル式(11)のホットキャリア寿命パラメータHおよびmをゲ
ート・ドレイン間電圧Vgdの関数として抽出し、回路特
性劣化のシミュレーションの際に、モデル式(12)のAge
をゲート・ドレイン間電圧Vgdの関数として計算するこ
とができる。
【0084】この場合は、図3に示す回路特性劣化のシ
ミュレーション方法のサブステップS1bにおいて、スト
レス電圧を印加する方法としては、複数のドレイン電圧
Vdに対して、ゲート・ドレイン間電圧Vgd = Vg − Vd
一定となるようにゲート電圧Vgを設定する方法が採用さ
れる。この方法においては通常複数個のVgdが設定さ
れ、各ドレイン電圧Vdに対してあらかじめ設定された複
数個のVgdに対応するゲート電圧Vg = Vd + Vgdが設定さ
れる。サブステップS1dにおいては、モデル式(11)とサ
ブステップS1bのDCストレス実験における複数の測定点
に関するデータとの比較から、指数mと係数HがVgdの関
数として抽出される。サブステップS2cにおいては、Vgd
の関数としての指数mと係数Hを用いて、式(12)に基づい
て各トランジスタの劣化を表すAgeが計算される。
【0085】ここでさらに本発明のホットキャリア寿命
モデルにおいて、ゲート・ドレイン間電圧Vgdの関数と
してのホットキャリア寿命パラメータHとmを抽出する方
法を詳しく述べる。
【0086】図5は、本発明のホットキャリア寿命モデ
ルにおいてゲート・ドレイン間電圧の関数としてのホッ
トキャリア寿命パラメータHとmを抽出する方法の説明図
である。図5は、ホットキャリア寿命モデルを用いた実
験式(11)に含まれるホットキャリア寿命パラメータHとm
を求めるためのプロットを表している。図5において縦
軸は、DCストレス実験における寿命τ、ストレス中のド
レイン電流Id、及びMOSトランジスタのゲート幅Wから計
算した値τ・(Id/W)2の対数スケールである。横軸は、
ストレス中の発光の光量強度Ipとドレイン電流Idの比Ip
/Idの対数スケールである。24はDCストレス実験にお
ける複数の測定点に関するデータ、25は測定点に関す
るデータに対してフィッティングした直線である。
【0087】MOSトランジスタの寿命τは、複数のゲー
ト・ドレイン間電圧Vgd、例えば3種の条件Vgd = 0.0,
−1.0, −2.0 Vの下で測定され、複数の測定点に関する
データ24が得られる。これから複数の測定点に関する
データ24に対し最小二乗法によりフィッティングした
直線25を得る。この直線25の切片と傾きからそれぞ
れホットキャリア寿命パラメータHとmが得られる。この
方法で複数のVgdに対して同様の方法を実施することに
より、ホットキャリア寿命モデルにおけるホットキャリ
ア寿命パラメータHとmをVgdの関数として求めることが
できる。
【0088】MOSトランジスタにおいては、ストレス電
圧あるいはストレス温度により複数の劣化モードがある
場合がある。その場合には上記のモデル式(9)で表され
る劣化後のドレイン電流Id'にかわり、他の劣化モード
に対応する1つまたは複数のAge'を含む次式(9b)に従っ
て、劣化後のドレイン電流Id'をシミュレートする。
【0089】 Id' = Id(Vd, Vg) + ΔId(Age, Age', Vd, Vg) ・・・(9b) 本発明の寿命推定方法、あるいは回路特性劣化のシミュ
レーション方法は、その手順の全部あるいは一部がプロ
グラム化され、コンピュータにより自動的に実行され
る。ただし本発明の方法を自動的に実行することが不可
能な場合は、手作業により実行することも可能である。
【0090】
【発明の効果】本発明の寿命推定方法によれば、SOIト
ランジスタやTFT等の基板電流の測定が不可能なMOS型ト
ランジスタを対象として、実使用時の寿命を精度良く推
定できる。
【0091】また本発明の回路特性劣化のシミュレーシ
ョン方法によれば、SOIトランジスタやTFT等の基板電流
の測定が不可能なMOS型トランジスタを対象として、ホ
ットキャリア寿命パラメータを求めるための実験が少数
のトランジスタで可能となる。それにより、製品設計に
対する迅速なフィードバックが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 本発明の実施の形態における寿命推定方法
を説明するために、MOSトランジスタの発光の光量強度I
pを測定する方法を示す断面図
【図1B】 ホットキャリア寿命パラメータHとmの抽出
方法を説明するためのグラフ
【図2】 本発明の実施の形態における実使用時のホッ
トキャリア寿命を求める方法の説明図
【図3】 本発明の実施の形態における回路特性劣化の
シミュレーション方法の手順を示すフロー図
【図4】 本発明の実施の形態における定数としてのホ
ットキャリア寿命パラメータを抽出する方法の説明図
【図5】 本発明の実施の形態におけるゲート・ドレイ
ン間電圧の関数としてのホットキャリア寿命パラメータ
を抽出する方法の説明図
【図6】 従来例の寿命推定を行う方法の説明図
【図7】 従来例のMOSトランジスタのホットキャリア
劣化のシミュレーション方法を示す等価回路図
【図8】 従来例のMOSトランジスタのホットキャリア
劣化をシミュレートする方法の手順を示すフロー図
【図9】 従来例のホットキャリア寿命パラメータを抽
出する方法の説明図
【符号の説明】
1 SOI基板 2 ソース領域 3 ドレイン領域 4 ゲート電極 5 チャンネル領域 6 顕微鏡 7 CCDイメージセンサー 11,22,24 測定点に関するデータ 12,23,25 フィッティングした直線 13 劣化が最大となるIp/Idの値 14 実使用時のIp/Idの最大値 15,16 フィッティング直線上の値 17 ドレイン電流Id 18 発光の光量強度Ip 19 寿命の計算値 20 ゲート電圧 21 寿命の推定値 31 寿命の実測値 32 寿命推定の回帰直線 33 実使用時の最大基板電流値 34 実使用時の推定寿命 35 MOSトランジスタ 36 可変電流源

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOSトランジスタを対象とする寿命推定
    方法であって、τを寿命、Ipを前記MOSトランジスタの
    発光の光量強度、Idをドレイン電流、mをフィッティン
    グパラメータとして、 τ ∝ Ip -m・Id m-2 の特徴を持ったホットキャリア寿命モデルにより、ホッ
    トキャリア寿命を推定することを特徴とする半導体装置
    の寿命推定方法。
  2. 【請求項2】 実使用条件での前記発光の光量強度と前
    記ドレイン電流から、実使用時のホットキャリア寿命の
    最小値を推定することを特徴とする請求項1記載の半導
    体装置の寿命推定方法。
  3. 【請求項3】 前記MOSトランジスタは、基板電流の測
    定が不可能なMOSトランジスタであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の半導体装置の寿命推定方法。
  4. 【請求項4】 前記MOSトランジスタは、SOI(Silicon
    On Insulator)トランジスタであることを特徴とする請
    求項3に記載の半導体装置の寿命推定方法。
  5. 【請求項5】 前記MOSトランジスタは、TFT(Thin Fil
    m Transistor)であることを特徴とする請求項3に記載
    の半導体装置の寿命推定方法。
  6. 【請求項6】 MOSトランジスタのホットキャリア劣化
    をシミュレーションする信頼性シミュレーション方法で
    あって、tを時間、Ipを前記MOSトランジスタの発光の光
    量強度、Idをドレイン電流、mをフィッティングパラメ
    ータとして、MOSトランジスタに対する累積ストレス量
    を表すパラメータAgeを Age ∝∫[Ip m・Id 2-m]dt の特徴を持ったモデル式により計算することを特徴とす
    る半導体装置の信頼性シミュレーション方法。
  7. 【請求項7】 フィッティングパラメータmをゲート・
    ドレイン間電圧の関数とすることを特徴とする請求項6
    記載の半導体装置の信頼性シミュレーション方法。
  8. 【請求項8】 DCストレス実験における寿命τ、ストレ
    ス中の前記ドレイン電流Id、及び前記MOSトランジスタ
    のゲート幅Wから計算した値τ・(Id/W)2の対数スケール
    を縦軸とし、ストレス中の前記発光の光量強度Ipと前記
    ドレイン電流Idの比Ip/Idの対数スケールを横軸とし
    て、測定データをプロットし、このプロットに対してフ
    ィッティングした直線の傾きから、フィッティングパラ
    メータmを求めることを特徴とする請求項6記載の半導
    体装置の信頼性シミュレーション方法。
  9. 【請求項9】 前記MOSトランジスタは、基板電流の測
    定が不可能なMOSトランジスタであることを特徴とする
    請求項6〜8のいずれかに記載の半導体装置の信頼性シ
    ミュレーション方法。
  10. 【請求項10】 前記MOSトランジスタは、SOIトランジ
    スタであることを特徴とする請求項9に記載の半導体装
    置の信頼性シミュレーション方法。
  11. 【請求項11】 前記MOSトランジスタは、TFTであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の信頼性シ
    ミュレーション方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008042161A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Ind Technol Res Inst 回路信頼性のシミュレーション方法及びそのシステム

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