JP2003345640A - データベースバックアップシステム - Google Patents

データベースバックアップシステム

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JP2003345640A
JP2003345640A JP2002153430A JP2002153430A JP2003345640A JP 2003345640 A JP2003345640 A JP 2003345640A JP 2002153430 A JP2002153430 A JP 2002153430A JP 2002153430 A JP2002153430 A JP 2002153430A JP 2003345640 A JP2003345640 A JP 2003345640A
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JP2002153430A
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Chiemi Inamori
千栄美 稲森
Kenji Ogawa
賢治 小川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスタサーバからバックアップサーバへのデ
ータ等価実施時の各サーバの計算機に加わる負荷を軽減
する。 【解決手段】 マスタサーバMS、バックアップサーバ
BS1〜BS(m−1)、クライアント計算機C1〜C
nが共通のネットワークに接続された計算機システムで
あって、マスタサーバMS及びバックアップサーバBS
1〜BS(m−1)が各自データベースDB1〜DBm
とデータベースの整合性を管理するデータベース管理部
E1〜Emを備え、マスタサーバMSのデータベースの
保管データを複数のバックアップサーバのデータベース
に分割して格納する。そして、マスタサーバMSのデー
タベース管理部が、データ更新時に該当するバックアッ
プサーバのデータベース管理部に対して更新命令を発行
し、当該バックアップサーバのデータベース管理部が自
データベースのデータ更新を実施し、マスタサーバに対
してデータ更新結果を返信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マスタサーバ、
バックアップサーバ、並びにクライアント計算機が共通
のネットワークに接続された計算機システムにおけるデ
ータベースのバックアップシステムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来例1.図15は従来例1によるデー
タベースバックアップシステムの構成を示すブロック図
である。図において、データベースDB1を有する計算
機S1、データベースDB2を有する計算機S2、及び
データベースDB3を有する計算機S3が、共通のネッ
トワーク(ここでは、A系LAN及びB系LAN)に接
続されている。そして、データベースDB1を有する計
算機S1がマスタサーバMSとして、データベースDB
2を有する計算機S2がバックアップサーバBS1とし
て、データベースDB3を有する計算機S3がバックア
ップサーバBS2として機能している。
【0003】従来例1のバックアップシステムでは、マ
スタサーバMSのデータベースDB1の保管データ
(正)の全データを、バックアップサーバBS1のデー
タベースDB2及びバックアップサーバBS2のデータ
ベースDB3に格納するようにしていた。
【0004】従来例2.従来例1(図15)に示すバッ
クアップシステムにおいて、マスタサーバMSからバッ
クアップサーバBS1,BS2にデータ更新の指令が出
たとき、いずれかのバックアップサーバに異変があり、
そのバックアップサーバの所有する保管データ(写)の
データ復旧の必要が生じたとする。
【0005】この場合、従来例2では、図16のバック
アップサーバの復旧方式に示すように、マスタサーバM
Sに対してバックアップサーバBS1の復旧依頼が発行
され、マスタサーバMSのデータベースDB1の保管デ
ータからバックアップサーバBS1のデータベースDB
2に対してデータが復旧されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来例
1のバックアップシステムは、マスタサーバMSの全デ
ータをバックアップサーバに格納するため、データ等価
(マスタサーバとバックアップサーバのデータベースの
保管データを等価にする処理)の実施時に、各サーバの
計算機に負荷が掛かるという問題があった。
【0007】また、システムの可用性(システム全体を
ダウンさせることなく継続稼働させる能力)を高めるた
めに、複数のバックアップサーバを投入する場合にも、
各々のバックアップサーバにデータ等価を実施するた
め、マスタサーバの負荷と可用性効果のバランスを取る
のが困難になっていた。特に、近年、データ容量が大き
くなっているので、計算機にかかる負荷は増大してい
る。
【0008】また、従来例2のバックアップサーバの復
旧方式では、マスタサーバからバックアップサーバへデ
ータ復旧がなされるので、一時的にマスタサーバの負荷
が上がり、マスタサーバの通常業務に支障が発生する問
題があった。
【0009】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたものであり、マスタサーバ、バックア
ップサーバ、並びにクライアント計算機が共通のネット
ワークに接続された計算機システムにおいて、データ等
価の実施時の各サーバの計算機に加わる負荷を軽減する
ことを目的とする。
【0010】また、マスタサーバの負荷を軽減し、マス
タサーバのできる限り通常業務に支障が生じないように
することを目的とする。
【0011】また、システム稼動中に各計算機を停止す
ることなく計算機等の増減が可能とすることを目的とす
る。
【0012】また、データの送信側と受信側の両方の計
算機において、送受信にかかる負荷を均等に分けること
を目的とする。
【0013】また、ネットワーク上のデータ送信量を軽
減し、ネットワーク通信負荷を低減することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、マス
タサーバ、バックアップサーバ、並びにクライアント計
算機が共通のネットワークに接続された計算機システム
のデータベースバックアップシステムであって、バック
アップサーバが複数台存在し、マスタサーバ及びバック
アップサーバが各自データベースとそのデータベースの
整合性を管理するデータベース管理部を備え、マスタサ
ーバのデータベースの保管データを、複数のバックアッ
プサーバのデータベースに分割して格納することを特徴
とする。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、マスタサーバのデータベース管理部が、データ更新
時に該当するバックアップサーバのデータベース管理部
に対して更新命令を発行し、当該バックアップサーバの
データベース管理部が自データベースのデータ更新を実
施し、マスタサーバに対してデータ更新結果を返信する
ことを特徴とする。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、マスタサーバに異常が発見された場合、複数のバッ
クアップサーバのうち1台が新マスタサーバに昇格する
ことを特徴とする。
【0017】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、新マスタサーバに昇格したデータベース管理部が、
昇格後初めてのデータ更新時に、該当するバックアップ
サーバのデータベース管理部に対して更新/データ送信
命令を発行し、当該バックアップサーバのデータベース
管理部がデータ更新を実施すると共に、新マスタサーバ
に対して更新データを送信することを特徴とする。
【0018】請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、昇格した新マスタサーバの他のバックアップサーバ
のデータベースに分割して格納されているデータはその
ままとし、新マスタサーバのデータベース管理部が、残
りのバックアップサーバのデータベースの整合性を管理
することを特徴とする。
【0019】請求項6の発明は、マスタサーバ、バック
アップサーバ、並びにクライアント計算機が共通のネッ
トワークに接続された計算機システムのデータベースバ
ックアップシステムであって、マスタサーバ及びバック
アップサーバが各自データベースを備え、バックアップ
サーバが複数台存在してマスタサーバの保管データの全
データをそれぞれ格納し、バックアップサーバのデータ
ベースの保管データの復旧の必要がある場合、他のバッ
クアップサーバからデータ復旧を実施するようにしたこ
とを特徴とする。
【0020】請求項7の発明は、マスタサーバ、バック
アップサーバ、並びにクライアント計算機が共通のネッ
トワークに接続された計算機システムのデータベースバ
ックアップシステムであって、マスタサーバ、バックア
ップサーバ、並びにクライアント計算機が有するシステ
ム構成情報の格納形態を、可変長にして動的にシステム
構成を変更するようにしたことを特徴とする。
【0021】請求項8の発明は、マスタサーバ、バック
アップサーバ、並びにクライアント計算機が共通のネッ
トワークに接続された計算機システムのデータベースバ
ックアップシステムであって、マスタサーバが配布する
データに、少なくとも配布リストを記述したヘッダ情報
を付加してブロードキャストにより送信し、配布された
バックアップサーバ並びにクライアント計算機は、ヘッ
ダ情報を確認した後、配布データを取捨選択するように
したことを特徴とする。
【0022】請求項9の発明は、マスタサーバ、バック
アップサーバ、並びにクライアント計算機が共通のネッ
トワークに接続された計算機システムのデータベースバ
ックアップシステムであって、マスタサーバ及びバック
アップサーバが各自データベースを備え、マスタサーバ
からバックアップサーバへのデータ更新依頼に対する、
バックアップサーバからマスタサーバへのデータ送達確
認を、マスタサーバからバックアップサーバへ送信する
状態異変検出用のハートビートの返信時に、一緒に返信
することを特徴とする。
【0023】請求項10の発明は、請求項1から請求項
9の発明において、マスタサーバからバックアップサー
バへのデータ更新は、データの差分のみの更新を行うこ
とを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1によるデータベースバックアップシステム
の構成を示すブロック図である。
【0025】図において、データベースDB1を有する
計算機S1、データベースDB2を有する計算機S2、
・・・、データベースDBmを有する計算機Sm(m≧
3)が、共通のネットワーク(この例では、A系LAN
及びB系LAN)に接続されている。そして、データベ
ースDB1を有する計算機S1がマスタサーバMSとし
て、データベースDB2を有する計算機S2がバックア
ップサーバBS1として、データベースDBmを有する
計算機SmがバックアップサーバBS(m−1)として
機能している。また、クライアント計算機C1,・・・,C
nも、上記共通のネットワーク(A系LAN及びB系L
AN)に接続されている。
【0026】少なくともサーバ側の計算機S1,・・・,S
mは、データベース管理部E1,・・・,Emを備えてい
る。このデータベース管理部E1,・・・,Emは、それぞ
れ自データベースの整合性を管理する機能を有し、デー
タ読み出しの受け付け、データ更新の受け付け、並び
に、マスタサーバの場合はデータ更新時においてマスタ
サーバ及びバックアップサーバへの書き込み制御を行
う。
【0027】次に、実施の形態1によるバックアップ方
法の概要について説明する。マスタサーバMSの正常時
には、クライアント計算機C1,・・・,Cnからデータ更
新命令を受け付けたとき、マスタサーバMS上の計算機
S1のデータベース管理部E1が、自データベースDB
1の保管データを更新した後、バックアップサーバへの
データ等価を実施する。なお、この時、書込みというC
PU負荷を伴うことから、各計算機負荷を考慮して実施
時期を調整するためのバッファキャッシュも用意する。
そして、このデータ等価は、マスタサーバから複数バッ
クアップサーバへの書込み命令であり、バックアップ処
理の正常/異常の確認を行うため、各々から処置完了確
認(ACK)を受信する。
【0028】ここで、複数のバックアップサーバが存在
するため、本実施の形態では、図2の分割バックアップ
例に示すように、マスタサーバの保管データを分割し
て、バックアップサーバ側に格納することを考える。図
2に示す分割バックアップ例では、マスタサーバMSの
保管データ(A,B)を、2台のバックアップサーバB
S1及びBS2に分割し、バックアップサーバBS1に
は保管データ(A)を、バックアップサーバBS2には
保管データ(B)を格納するようにする。なお、各バッ
クアップサーバは、マスタサーバに昇格する可能性があ
るため、全データが格納できるデータベース領域は確保
しておく。
【0029】次に、実施の形態1のデータベースバック
アップシステムにおけるデータ更新時の処理を、図3の
フローチャートにより説明する。
【0030】(1)クライアント計算機のアプリケーシ
ョンは、共通のネットワーク(A系及びB系LAN)を
通じて、マスタサーバMSにデータ更新命令を発行した
後、処置完了確認信号(ACK1)を待つ。このACK
1には、下記に述べるステータスが含まれている。 (2)マスタサーバMS上のデータベース管理部E1
は、クライアント計算機からデータ更新命令を受信する
と、次のデータ更新処理に移行する。 (3)データ更新処理では、マスタサーバMSのデータ
ベース管理部E1が、自データベースDB1の保管デー
タ(正)を更新する。ただし、このデータ更新が異常終
了したのであれば、ステータスNGとし、この状態をA
CK1の情報として、クライアント計算機のアプリケー
ションに対して返信する。この時、バックアップサーバ
へのデータ更新依頼は実施せず、このデータ更新命令に
対する処置を終了する。
【0031】(4)上記データ更新処理(3)が正常終
了した場合は、ステータスOKとして、バックアップサ
ーバへのデータ更新処理を行う。このデータ更新処理で
は、マスタサーバMSのデータベース管理部E1が、バ
ックアップサーバのデータ(写)を更新する作業である
ため、所定のバックアップサーバにデータ更新命令を送
信してACK2を待つ。この時、マスタサーバMSのデ
ータベース管理部E1は、何処のバックアップサーバに
データが分割バックアップされるかという情報を有して
おり、複数のバックアップサーバBS1,・・・,BS(m
−1)の中から所定のバックアップサーバXを検索し
て、当該バックアップサーバXに対してデータ更新命令
を発する。 (5)上記バックアップサーバXのデータベース管理部
が、マスタサーバMSからのデータ更新命令を受信す
る。 (6)そして、上記バックアップサーバXのデータベー
ス管理部は、自データベースの保管データ(写)を更新
すべきか否か判断する。更新が必要な場合は、自データ
ベースの更新処理を実施し、更新処理の正常終了(ステ
ータスOK)/異常終了(ステータスNG)の状態をA
CK2としてマスタサーバMSに返信する。更新が不要
な場合は、何もしない。
【0032】(7)マスタサーバMSのデータベース管
理部E1は、上記バックアップサーバXからのACK2
を受信する。そして、ACK2のステータスがOKかN
Gかを判断し、ステータスOKなら、ACK1のステー
タスOKとし、ステータスNGなら、ACK1のステー
タスNGとする。 (8)そして、マスタサーバMSのデータベース管理部
E1は、クライアント計算機のアプリケーションに対し
て、ACK1を発信し、データ更新処理の正常終了/異
常終了の状態を返信する。
【0033】以上のように、実施の形態1によれば、マ
スタサーバMSのデータベースDB1にあるデータを、
複数のバックアップサーバに分割して格納するようにし
たので、バックアップサーバ側のデータ等価にかかる計
算機の書込み負荷を軽減することができる。
【0034】また、マスタサーバ及びバックアップサー
バにデータベース管理部を設置し、各々のデータベース
管理部が、複数のバックアップサーバへの分割バックア
ップを制御するようにしたので、マスタサーバ側はこの
分割バックアップ方式の全体を制御・意識する必要がな
く、バックアップサーバからのデータバックアップの正
常終了有無を確認するだけで良い。
【0035】実施の形態2.この発明の実施の形態2
は、実施の形態1で説明したデータベースバックアップ
システムを実現した場合において、マスタサーバが異常
になった時のバックアップサーバのマスタサーバへの昇
格及び保管データの処置に関するものである。
【0036】実施の形態2のデータベースバックアップ
システムの構成は、実施の形態1(図1)のシステムと
同様であるが、データベース管理部E1,・・・,Emの機
能として、実施の形態1で説明した機能の他、バックア
ップサーバのマスタサーバ昇格時の保管データ復旧機能
を備える。
【0037】また、サーバ側の計算機S1,・・・,Sm上
に、変更マスタ管理部(図示せず)を備える。この変更
マスタ管理部は、変更マスタ機能を有する。変更マスタ
機能とは、データベースの整合性を管理するデータベー
ス管理機能と連携を取り、計算機の役割であるマスタサ
ーバとバックアップサーバの機能の割り振りを行うもの
である。また、変更マスタ管理部は、各計算機S1,・・
・,Smが有するヘルスチェック機構(I’m aliv
e機構等)に対してハートビート信号を送信し、各計算
機の異常をその返信の有無で判断する機能を有してい
る。更に、変更マスタ管理部は、マスタサーバMSが異
常となった場合、複数のバックアップサーバから次のマ
スタサーバを選定する選定基準(優先順位)に基づいて
新マスタサーバを決定する機能を備えている。
【0038】次に、実施の形態2によるバックアップ方
法の概要について説明する。まず、マスタサーバMSの
異常の発見は、上述の変更マスタ管理部の計算機S1,・
・・,Smの異常をヘルスチェック機構(I’m ali
ve機構等)からの返信(パケット)の有無により判断
している。例えば、相手計算機からの返信が受け取れな
い場合、相手計算機が異常と判断する。次に、マスタサ
ーバMSが異常と判断された場合、複数のバックアップ
サーバBS1,・・・,BS(m−1)のうち1台のバック
アップサーバを選出して、新しくマスタサーバに昇格す
ることを考える必要がある。この場合も、上述の変更マ
スタ管理部に備えられた選定基準(優先順位)に基づ
き、複数のバックアップサーバから次のマスタサーバを
選定する。なお、マスタサーバMSの異常の発見並びに
複数バックアップサーバから新マスタサーバの選出は、
クライアント計算機により行われるようにしても良い。
【0039】次に、実施の形態1で採用した分割バック
アップ形式では、新しくマスタサーバに選出されるバッ
クアップサーバには、保存データ(正)の全データが存
在しない。そのため、ある段階で、昇格したばかりの新
マスタサーバは、他のバックアップサーバから正しいデ
ータをコピーして、全保管データ(正)を所有しなけれ
ばならない。
【0040】この問題に対応する保管データのコピー方
法として、新マスタサーバのデータベース管理部がクラ
イアント計算機からの更新/参照命令を受け付けた段階
で、正しい保管データ(写)を所有するバックアップサ
ーバからデータを新マスタサーバ(元バックアップサー
バ)にコピーするようにする。こうすることで、新マス
タサーバへ昇格時のCPU負荷を軽減することができ
る。
【0041】次に、実施の形態2のバックアップサーバ
のマスタサーバ昇格直後の、データ書込みの流れを、図
4のフローチャートにより説明する。なお、図では説明
簡略化のため、旧マスタサーバが故障前はデータがバッ
クアップサーバBS1及びBS2の2箇所に分割バック
アップされ、旧マスタサーバが故障後はバックアップB
S1が新マスタサーバに昇格するものとする。
【0042】(1)クライアント計算機のアプリケーシ
ョンは、昇格した新マスタサーバに対して、データ更新
命令を発行した後、ACK1を待つ。 (2)新マスタサーバのデータベース管理部は、クライ
アント計算機からの上記データ更新命令を受信する。 (3)新マスタサーバのデータベース管理部は、自デー
タベースの保管データ(正)に更新すべきデータが存在
するか否かを判断する。 (4)新マスタサーバのデータベース管理部は、自デー
タベースに更新すべきデータが存在する場合、自データ
ベースの更新を行い、その更新後に、正常終了(ステー
タスOK)/異常終了(ステータスNG)の状態をAC
K1によりクライアント計算機に返信する。
【0043】(5)上記(3)において、自データベー
スに更新すべきデータが存在しない場合、新マスタサー
バのデータベース管理部は、更新すべきデータを所有す
る他のバックアップサーバを検出し、そのバックアップ
サーバ(この例ではバックアップサーバBS2)に対し
てデータ参照命令を送信し、当該バックアップサーバか
らのACK2の返信を待つ。このデータ参照命令は、保
管データの更新及びコピー(送信)を依頼する内容とな
っている。 (6)新マスタサーバからデータ参照命令を受信したバ
ックアップサーバBS2のデータベース管理部は、自デ
ータベースの保管データ(写)を更新すると共に、保管
データ(写)の全データを新マスタサーバに送信する。
なお、この時、データ更新が正常に行われたか否かのス
テータス情報を伴ったACK2も送信する。 (7)新マスタサーバのデータベース管理部は、バック
アップサーバBS2から保管データ(写)を受け取った
後に、自データベースの空データ領域に、受信したデー
タをコピーし、自データベースの保管データ(正)とす
る。その他の処理は図3で説明した処理と同様である。
【0044】但し、上記実施の形態のシステムにおい
て、マスタサーバの交代直後のクライアントからのデー
タ参照要求に基づき、バックアップサーバから新マスタ
サーバへの保管データのデータ移動が必要で、その分、
負荷及び時間が余分にかかってしまうという問題が残
る。
【0045】そこで、実施の形態2の変形例として、実
施の形態1の分散バックアップ方式を採用した場合にお
いて、バックアップサーバに分割されたデータはそのま
ま各自が所有し、新マスタサーバのデータベース管理部
が、残りのバックアップサーバのデータベースの整合性
を管理(データ読み出しの受け付け、データ更新の受け
付け等)するようにする。
【0046】図5は、この発明の実施の形態2の変形例
におけるバックアップサーバのマスタサーバ昇格後のデ
ータの流れを示すフローチャートである。この場合は、
実施の形態2の(5)、(6)、(7)の処理を止め、
保管データ(写)を有する他のバックアップサーバに更
新命令を転送し、その処置の可否を受け取り、最終的に
クライアント計算機のアプリケーションに返すものとす
る。
【0047】以上のように、実施の形態2によれば、マ
スタサーバに異常が発見された場合、複数のバックアッ
プサーバのうち1台が新マスタサーバに昇格するように
したので、マスタサーバに昇格するバックアップサーバ
は、正しい保管データのうち分割された一部を所有して
いるため、この部分の正当性評価を行う必要がなくな
る。
【0048】また、複数のバックアップサーバから選出
した1台が新しくマスタサーバに昇格した時に、複数の
バックアップサーバで分散して保管データ(写)を所有
しているため、全保管データ(正)を所有するには、デ
ータ等価に時間がかかるが、このデータ等価を分散させ
ることで、一時的な負荷を軽減することが出来る。
【0049】また、実施の形態2の変形例では、昇格し
た新マスタサーバの他のバックアップサーバのデータベ
ースに分割して格納されているデータはそのままとし、
新マスタサーバのデータベース管理部が、残りのバック
アップサーバのデータベースの整合性を管理するように
したので、データ等価時の負荷が軽減される。
【0050】実施の形態3.実施の形態3のバックアッ
プシステムは、従来例2のバックアップサーバの復旧方
式(マスタサーバからバックアップサーバへのデータ復
旧)の問題点を解消するためになされたものであり、マ
スタサーバだけではなく他のバックアップサーバからデ
ータ復旧ができるように、その復旧先を選択するシステ
ムである。
【0051】図6はこの発明の実施の形態3によるデー
タベースバックアップシステムの構成を示すブロック図
である。
【0052】図において、データベースDB1を有する
計算機S1、データベースDB2を有する計算機S2,・
・・,データベースDBmを有する計算機Sm(m≧3)
が、共通のネットワーク(この例では、A系LAN及び
B系LAN)に接続されている。そして、データベース
DB1を有する計算機S1がマスタサーバMSとして、
データベースDB2を有する計算機S2がバックアップ
サーバBS1として、データベースDBmを有する計算
機SmがバックアップサーバBS(m−1)として機能
している。また、クライアント計算機C1,・・・,Cn
も、上記共通のネットワーク(A系LAN及びB系LA
N)に接続されている。
【0053】また、マスタサーバMSのデータベースD
B1が所有する保管データの全てのデータが、複数のバ
ックアップサーバBSのデータベースDBにバックアッ
プされているものとする。
【0054】サーバ側の計算機S1,・・・,Smは、デー
タベース管理部を備えている。このデータベース管理部
は、それぞれ自データベースの整合性を管理する機能を
有し、データ読み出しの受け付け、データ更新の受け付
け、並びにマスタサーバの場合は、データ更新時におい
てマスタサーバ及びバックアップサーバへの書き込み制
御を行う。また、データベース管理部は、バックアップ
サーバへの書き込みエラーが累積した場合に、バックア
ップサーバのデータ復旧の必要ありと判断して、保管デ
ータの復旧作業を行う役割をも有している。
【0055】更に、上記計算機S1,・・・,Smは、変更
マスタ管理部を備えている。この変更マスタ管理部は、
変更マスタ機能を有する。変更マスタ機能とは、データ
ベースの整合性を管理するデータベース管理機能と連携
を取り、計算機の役割であるマスタサーバとバックアッ
プサーバの機能の割り振りを行うものであり、データ復
旧時に参照する計算機を決定する機能も備えている。
【0056】バックアップサーバのデータ復旧時に参照
する計算機を決定する例としては、マスタサーバのCP
U負荷や通信路の負荷に応じて決定するものとする。そ
の選択肢の用意及び決定の管理は変更マスタ機能が実施
する。
【0057】次に、実施の形態3のバックアップサーバ
の保管データの復旧処理を、図7のフローチャートによ
り説明する。
【0058】(1)まず、マスタサーバMSのデータベ
ース管理部が、バックアップサーバのデータを復旧する
必要があるか否かを判断する。例えば、バックアップサ
ーバBS1への書き込みエラーが累積している場合、デ
ータ異常ありとしてデータ復旧の必要ありと判断する。
なお、この場合、バックアップサーバのデータベース管
理部には異変がないとする。 (2)次に、マスタサーバMSのデータベース管理部
は、変更マスタ管理部に対して、バックアップサーバB
S1の保管データ(写)の復旧が必要であると通知す
る。 (3)そうすると、マスタサーバMSの変更マスタ管理
部は、正常な保管データを持つ計算機の中から、CPU
負荷,通信路負荷等を考慮して、データコピーの原本と
なる計算機を選出する。このとき、データコピー中にも
マスタサーバがデータ参照処理をできるように、選出の
優先順位は低くする。選出された計算機がマスタサーバ
であるときは、図16で示すバックアップサーバの復旧
方式(従来例2)と同じ動作を行う。データコピーの原
本となる計算機の選択が終わった後は、復旧の必要なバ
ックアップサーバBS1のデータベース管理部に対し
て、データ復旧の必要性と、選択した計算機の名称(バ
ックアップサーバBS2)等を通知する。
【0059】(4)復旧の必要なバックアップサーバB
S1のデータベース管理部は、データ復旧の必要性と、
参照する計算機の名称(バックアップサーバBS2)等
を受信する。 (5)復旧の必要なバックアップサーバBS1のデータ
ベース管理部は、データ復旧用のバッファを用意し、デ
ータを参照する計算機(バックアップサーバBS2)か
らの返信を待つ。 (6)選択されたバックアップサーバBS2のデータベ
ース管理部は、データ参照の要求を受信後、返信とし
て、保管されている全データを送信する。 (7)復旧の必要なバックアップサーバBS1のデータ
ベース管理部は、データ復旧用のバッファに、バックア
ップサーバBS2からの保管データの全内容をコピーす
る。 (8)復旧の必要なバックアップサーバBS1のデータ
ベース管理部は、実際のデータ復旧として、バッファの
内容を保管データ(写)に上書きし、バッファは破棄す
る。
【0060】なお、上述の(6)、(7)で、保管デー
タの全内容を送信/コピーとしたが、一部破損の場合に
は、データ領域を制限できることとする。
【0061】以上のように実施の形態3によれば、バッ
クアップサーバのデータ復旧時にマスタサーバだけでは
なく他のバックアップサーバからデータ復旧ができるよ
うにしたので、マスタサーバの通常業務に差し障りな
く、バックアップサーバのデータを正常な状態に戻すこ
とができる。
【0062】実施の形態4.この発明の実施の形態4
は、ネットワーク上に接続された3種類の装置(マスタ
サーバ、バックアップサーバ、クライアント計算機)か
ら成り立つ計算機システムにおいて、計算機のシステム
構成情報の格納方式に関する。特に、システムの中の故
障した計算機の切り離しやシステム拡張に伴う計算機の
追加に対応し、システムを動的に構成することで各計算
機を停止することなくシステム構成を変更するようにす
る。
【0063】従来のシステムでは、システムを構成する
全計算機の個数を決定したのち固定数のテーブルを用意
して装置情報を共有していたため、システム稼動中(オ
ンライン)での動的な計算機の追加削除に対応できなか
った。例えば、表1に示す装置情報格納例のように、固
定サイズのデータ領域にシステム構成情報を格納してい
た。
【0064】
【表1】
【0065】ここで、各計算機の有するシステム構成情
報として、全計算機の、計算機名称、IPアドレ
ス、計算機の状態(ヘルスチェックの返信結果で正常
又は異常を示す)、計算機の有無(現システムの構成
員か否か、有効か無効かを示す)、マスタサーバに昇
格する優先順位、バックアップサーバのデータ復旧時
に参照する計算機、などがある。
【0066】図8はこの発明の実施の形態4によるデー
タベースバックアップシステムの構成を示すブロック図
である。
【0067】図において、データベースDB1を有する
計算機S1、データベースDB2を有する計算機S2、
・・・、データベースDBmを有する計算機Sm(m≧
3)が、共通のネットワーク(この例では、A系LAN
及びB系LAN)に接続されている。そして、データベ
ースDB1を有する計算機S1がマスタサーバMSとし
て、データベースDB2を有する計算機S2がバックア
ップサーバBS1として、データベースDBmを有する
計算機SmがバックアップサーバBS(m−1)として
機能している。また、クライアント計算機C1,・・・,C
nも、上記共通のネットワーク(A系LAN及びB系L
AN)に接続されている。
【0068】少なくともサーバ側の計算機S1,・・・,S
mは、データベース管理部を備えている。このデータベ
ース管理部は、それぞれ自データベースの整合性を管理
する機能を有し、データ読み出しの受け付け、データ更
新の受け付け、並びに、マスタサーバの場合はデータ更
新時においてマスタサーバ及びバックアップサーバへの
書き込み制御を行う。
【0069】また、サーバ側の計算機S1,・・・,Sm上
に、変更マスタ管理部を備える。この変更マスタ管理部
は、変更マスタ機能を有する。変更マスタ機能は、デー
タベースの整合性を管理するデータベース管理機能と連
携を取り、計算機の役割であるマスタサーバとバックア
ップサーバの機能の割り振りを行うと同時に、各計算機
のシステム構成情報を管理する。
【0070】変更マスタ管理部の機能は各計算機上に存
在するが、本実施の形態において主となって管理を行う
のはマスタサーバに存在する変更マスタ管理部であり、
ここが中心となり各計算機のシステム構成情報を管理
し、他の計算機(バックアップサーバおよびクライアン
ト装置)に対しても同情報を配布する。
【0071】次に、実施の形態4のシステムにおける計
算機削除処理の流れを、図9のフローチャートにより説
明する。
【0072】(1)クライアント計算機等から変更マス
タ管理部を持つ計算機を特定する。本実施の形態ではマ
スタサーバである。 (2)次に、上記特定した計算機の変更マスタ管理部に
対して、計算機の削除命令を発行する。実際には領域を
削除するのではなく、システム構成情報内の有効/無効
フラグを無効とする。次回の計算機追加に備えて、空き
領域として再利用できるようにしておく。 (3)更新後のシステム構成情報の全データを、システ
ム内の全計算機(バックアップサーバおよびクライアン
ト装置)に対して配布する。その配布後、削除処理完了
のACK待ちを行う。 (4)配布された側の計算機は、変更マスタ管理部でそ
の情報を受信し、システム構成の変化を感知して、自装
置内に持つシステム構成情報を変更する。変更方法は、
マスタサーバ内の変更マスタ管理部と同様とする。変更
が正常に終了したかどうかをマスタサーバの変更マスタ
管理部に返信する。 (5)マスタサーバは,全計算機からの返信を受け取
り,追加が正常に完了したものとする。なお、自計算機
及び他計算機での異常時には、追加は失敗したものとす
る。
【0073】次に、実施の形態4のシステムにおける計
算機追加処理の流れを、図9のフローチャートにより説
明する。
【0074】(1)クライアント計算機等から変更マス
タ機能を持つ計算機を特定する。本実施の形態ではマス
タサーバである。 (2)次に、上記特定した計算機の変更マスタ管理部に
対して、計算機の追加命令を発行する。その際に追加す
る情報は、計算機名称、IPアドレス等である。 (3)上記変更マスタ管理部は、システム構成情報の格
納先の領域を調査し、空き領域がなければ、別領域を確
保して、現在の格納先領域に連結し空き領域を作成す
る。従来例の装置数固定から領域のリンク形式に変更す
る。 (4)上記変更マスタ管理部は、空き領域に追加情報を
保存する。 (5)そして、上記変更マスタ管理部は、更新後のシス
テム構成情報の全データを、システム内の全計算機(バ
ックアップサーバおよびクライアント装置)に対して配
布する。その配布後、追加処理完了のACK待ちを行
う。 (6)配布された側の計算機は、変更マスタ管理部でそ
の情報を受信し,システム構成の変化を感知して、自装
置内に持つシステム構成情報を変更する。変更方法は、
マスタサーバ内の変更マスタ機能と同様とする。変更が
正常に終了したかどうかをマスタサーバの変更マスタ機
能に返信する。 (7)マスタサーバの変更マスタ管理部は、全計算機か
らの返信を受け取れば、追加が正常に完了したものとす
る。なお、自計算機および他計算機での異常時には、追
加は失敗したものとする。
【0075】ただし、システム内の装置数が減りすぎる
とマスタサーバ/バックアップサーバの役割が担えなく
なるので、装置数の下限を設定する。変更マスタ管理部
は、その下限値を下回ると可用性の動作を変更し、全装
置数に見合った監視を実施できるようにする。
【0076】以上のように実施の形態4によれば、故障
した計算機の切り離しやシステム拡張に伴う計算機の追
加に対応し、システム構成情報の格納方式を固定長から
可変長としてシステム構成情報を動的に構成すること
で、システム稼動中に各計算機を停止することなく計算
機等の増減が可能となる。
【0077】特に、それぞれの計算機が遠隔地に点在す
るシステムにおいて、同時に計算機を停止することや、
再起動することが難しい場合に有効である。
【0078】実施の形態5.この発明の実施の形態5
は、ネットワーク上に接続された3種類の装置(マスタ
サーバ、バックアップサーバ、クライアント計算機)か
ら成り立つ計算機システムにおいて、その中心となるマ
スタサーバの配布データ送受信の負荷を軽減する。
【0079】システム構成の中心となるマスタサーバの
計算機が、システム内の全計算機の役割を認識してその
都度送信するデータを選択する場合には、マスタサーバ
の負荷や誤認識が問題となる。この問題を解決するため
に、本実施の形態では、マスタサーバが配布する送受信
データの先頭部分に、配布リスト(宛先となる計算機
名称等の情報)、異常情報(システム内計算機の異常
の有無を示す情報)、保守情報(保守(復旧)の必要
性を示す情報)、制御情報(データ更新、データ参照
等の制御情報)などをヘッダ情報として各配布データに
付加する。そして、ヘッダ情報を付加した配布データを
ブロードキャストにより送信するようにし、配布された
バックアップサーバ並びにクライアント計算機は、ヘッ
ダ情報を確認した後、配布データを取捨選択する。上記
ヘッダ情報の具体例として表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】次に、実施の形態5による配布データの送
受信の流れを、図10のフローチャートにより説明す
る。
【0082】(1)マスタサーバMSのデータベース管
理部が、配布する送受信データのヘッダ情報部分にあて
先等の計算機情報を格納する。 (2)マスタサーバMSのデータベース管理部は、あて
先を意識することなく、システム構成内の全ての計算機
に向けてブロードキャストで上記データを送信し、送達
確認を兼ねた返信を待つ。 (3)マスタサーバMS以外の全ての計算機は、データ
ベース管理部を利用して、上記データを受信し、先頭部
分の内容を参照して、自装置が受信するべきデータかど
うかを判断する。ここで、受信する必要があるときは、
制御情報を参照し、本文であるデータの取り扱いを行
い、処置終了時の正常異常をマスタサーバに返信する。
また、受信する必要のないときは、何もしないで受け取
ったデータを破棄する。 (4)マスタサーバのデータベース管理部は、他の計算
機から返信を受け取り、一連の処理を完了する。
【0083】以上のように実施の形態5によれば、シス
テム構成内の各計算機が取り扱う送受信データのヘッダ
情報部分に、上述のような制御情報、配布リスト等を付
加することにより、送信側と受信側の両方の計算機にお
いて送受信にかかる負荷を均等に分けることとができ
る。
【0084】実施の形態6.この発明の実施の形態6
は、ネットワーク上に接続された3種類の装置(マスタ
サーバ、バックアップサーバ、クライアント計算機)か
ら成り立つ計算機システムにおいて、マスタサーバ又は
バックアップサーバのデータベースのデータ更新時にお
けるネットワーク通信の負荷を軽減するものである。
【0085】ネットワーク上に接続された3種類の装置
(マスタサーバMS、バックアップサーバBS1〜BS
(m−1),クライアント計算機C1〜Cn)から成り
立つ計算機システムでは、従来より、各計算機の状態変
異(ネットワークの通信路異常も含む)を確認するため
に、図11に示すように、計算機の状態変異(通信路異
常)検知のためのハートビート信号を送受信して相互診
断を行っている。
【0086】また、図12に示すように、クライアント
からマスタサーバMSにデータ更新依頼があると、マス
タサーバMSは自データベースDB1のデータを更新し
た後、マスタサーバMSからバックアップサーバBS1
〜BS(m−1)に対してデータベース更新指示を送信
する。バックアップサーバBS1〜BS(m−1)は更
新指示を受信すると、自データベースDB2〜DBmの
データを更新した後、各々データ送達確認のために、マ
スタサーバMSに対して返信を行う。その結果、上記返
信毎にネットワークに通信負荷が加わる。本実施の形態
は、これらのネットワークに加わる通信負荷を軽減する
ことを目的とする。
【0087】図13はこの発明の実施の形態6によるデ
ータベースバックアップシステムの構成を示すブロック
図である。
【0088】図において、データベースDB1を有する
計算機S1、データベースDB2を有する計算機S2、
・・・、データベースDBmを有する計算機Sm(m≧
3)が、共通のネットワーク(この例では、A系LAN
及びB系LAN)に接続されている。そして、データベ
ースDB1を有する計算機S1がマスタサーバMSとし
て、データベースDB2を有する計算機S2がバックア
ップサーバBS1として、データベースDBmを有する
計算機SmがバックアップサーバBS(m−1)として
機能している。また、クライアント計算機C1,・・・,C
nも、上記共通のネットワーク(A系LAN及びB系L
AN)に接続されている。
【0089】サーバ側の計算機S1,・・・,Smは、デー
タベース管理部を備えている。このデータベース管理部
は、それぞれ自データベースの整合性を管理する機能を
有し、データ読み出しの受け付け、データ更新の受け付
け、並びに、マスタサーバの場合はデータ更新時におい
てマスタサーバ及びバックアップサーバへの書き込み制
御を行う。
【0090】また、計算機S1,・・・,Sm上に、変更マ
スタ管理部を備える。この変更マスタ管理部は、変更マ
スタ機能を有する。変更マスタ機能は、データベースの
整合性を管理するデータベース管理機能と連携を取り、
計算機の役割であるマスタサーバとバックアップサーバ
の機能の割り振りを行う。更に、変更マスタ管理部は、
各計算機S1,・・・,Smが有するヘルスチェック機構
(I’m alive機構等)に対してハートビートを
送信し、各計算機の異常をその返信の有無で判断する機
能を有している。
【0091】本実施の形態では、図13に示すように、
バックアップサーバからマスタサーバへの送達確認にハ
ートビートを利用して、ネットワークの通信負荷を軽減
するものである。また、マスタサーバMSからバックア
ップサーバBS1〜BS(m−1)へのデータ更新は、
ネットワーク上の通信量を軽減するために、差分のみの
更新を実施する。
【0092】次に、本実施の形態によるハートビートを
利用したデータ更新の順を、図14のフローチャートに
より説明する。
【0093】(1)マスタサーバMSのデータベース管
理部は、クライアント計算機からのデータ更新の依頼が
あると、自データベースDB1のデータを更新した後、
データ更新処理の成功(ステータスOK)/失敗(ステ
ータスNG)をACK1によりクライアント計算機に返
信する。 (2)また、マスタサーバMSのデータベース管理部
は、バックアップサーバBS1〜BS(m−1)に対し
てデータ更新を依頼する。そして、この更新指示の後、
これに対する送達確認の返信は受け付けない。 (3)バックアップサーバBS1〜BS(m−1)のデ
ータ管理部は、マスタサーバMSからの更新依頼を受け
付けた後、そのデータ更新処理の成功(ステータスO
K)/失敗(ステータスNG)の結果を、自装置内の領
域にステータス履歴として記録する。 (4)マスタサーバMSの変更マスタ管理部は、ハート
ビートをバックアップサーバBS1〜BS(m−1)の
各計算機及びクライアント計算機に向けて発信する。 (5)上記ハートビートを受けて、クライアント計算機
は自身のヘルスチェック機構により状態変異がないか検
出し状態変異がなければ、マスタサーバMSの変更マス
タ管理部に対して返信する。また、バックアップサーバ
BS1〜BS(m−1)は、上記ハートビートを受けて
自身のヘルスチェック機構により状態変異がないか検出
し、前回のハートビート後に記録したステータス履歴を
含めて返信する。 (6)マスタサーバMSの変更マスタ管理部は、全計算
機からのハートビート返信を受けて、クライアント計算
機からの返信であれば、状態変異情報のみに着目する。
また、バックアップサーバBS1〜BS(m−1)から
の返信であれば状態変異情報のほかに、ステータス履歴
をチェックする。この場合、あるバックアップサーバの
更新が失敗があれば、データ更新の再送を行う。 (7)上記状態変異情報において、通信路に問題を見つ
けたら、次回のデータ送信時にアクセスルートの変更
(たとえばA系からB系への変更)を行う。
【0094】以上のように実施の形態6によれば、デー
タ更新依頼に対するバックアップサーバからマスタサー
バへのデータ送達確認を、マスタサーバからバックアッ
プサーバへ送信する状態異変検出用のハートビートの返
信時に、一緒に返信するようにしたので、データ送達確
認の送受信回数を軽減でき、ネットワーク通信負荷を低
減できる。
【0095】また、マスタサーバからバックアップサー
バへのデータ更新をデータの差分のみ実施するようにし
たので、データ送信量を軽減することができ、ネットワ
ーク通信負荷を低減できる。
【0096】なお、上記実施の形態6のみならず、上記
実施の形態1〜5においても、マスタサーバからバック
アップサーバへのデータ更新をデータの差分のみ実施す
ることが好ましい。この場合も、データ送信量を軽減す
ることができ、ネットワーク通信負荷を低減できる。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、マスタサーバ
のデータベースに存在するデータを、複数のバックアッ
プサーバに分割して格納するようにしたので、バックア
ップサーバ側のデータ等価にかかる計算機の書込み負荷
を軽減することができる。
【0098】請求項2の発明によれば、上記マスタサー
バ及び上記バックアップサーバにデータベース管理部を
設置し、各々のデータベース管理部が、複数のバックア
ップサーバへの分割バックアップを制御するようにした
ので、マスタサーバ側はこの分割バックアップ方式の全
体を制御・意識する必要がなく、マスタサーバの計算機
にかかる負荷が軽減される。
【0099】請求項3の発明によれば、上記マスタサー
バに異常が発見された場合、複数のバックアップサーバ
のうち1台が新マスタサーバに昇格するようにしたの
で、マスタサーバに昇格するバックアップサーバは、正
しい保管データのうち分割された残りのデータを透過す
れば良いので、その分、バックアップサーバの計算機に
かかる負荷が軽減される。
【0100】請求項4の発明によれば、新マスタサーバ
に昇格したデータベース管理部が、昇格後初めてのデー
タ更新時に、該当するバックアップサーバのデータベー
ス管理部に対して更新/データ送信命令を発行し、当該
バックアップサーバのデータベース管理部がデータ更新
を実施すると共に、新マスタサーバに対して更新データ
を送信するようにしたので、新マスタサーバの計算機に
かかる負荷が軽減される。
【0101】請求項5の発明によれば、昇格した新マス
タサーバの他のバックアップサーバのデータベースに分
割して格納されているデータはそのままとし、新マスタ
サーバのデータベース管理部が、残りのバックアップサ
ーバのデータベースの整合性を管理するようにしたの
で、データ等価時の負荷が軽減される。
【0102】請求項6の発明によれば、バックアップサ
ーバのデータ復旧の必要がある場合、他のバックアップ
サーバからデータ復旧を実施するようにしたので、マス
タサーバの通常業務に差し障りなく、バックアップサー
バのデータを正常な状態に戻すことができる。
【0103】請求項7の発明によれば、マスタサーバ、
バックアップサーバ、並びにクライアント計算機が有す
るシステム構成情報の格納形態を可変長にして、動的に
システム構成を変更するようにしたので、システム稼動
中に各計算機を停止することなく計算機等の増減が可能
となる。
【0104】請求項8の発明によれば、マスタサーバが
配布するデータに、少なくとも配布リストを記述したヘ
ッダ情報を付加してブロードキャストにより送信し、配
布されたバックアップサーバ並びにクライアント計算機
が、上記ヘッダ情報を確認して配布データを取捨選択す
るようにしたので、送信側と受信側の両方の計算機に送
受信にかかる負荷を均等に分けることとができる。
【0105】請求項9の発明によれば、データ更新依頼
に対するバックアップサーバからマスタサーバへのデー
タ送達確認を、マスタサーバからバックアップサーバへ
送信する状態異変検出用のハートビートの返信時に、一
緒に返信するようにしたので、データ送達確認の送受信
回数を軽減でき、ネットワーク通信負荷を低減できる。
【0106】請求項10の発明によれば、マスタサーバ
からバックアップサーバへのデータ更新をデータの差分
のみ実施するようにしたので、データ送信量を軽減する
ことができ、ネットワーク通信負荷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるデータベース
バックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による分割バックア
ップの例を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1のデータベースバッ
クアップシステムにおけるデータ更新時の処理を示すフ
ローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態2におけるバックアッ
プサーバのマスタサーバ昇格後の処理を示すフローチャ
ートである。
【図5】 この発明の実施の形態2の変形例におけるバ
ックアップサーバのマスタサーバ昇格後の処理を示すフ
ローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態3によるデータベース
バックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態3におけるバックアッ
プサーバの保管データの復旧処理を示すフローチャート
である。
【図8】 この発明の実施の形態4によるデータベース
バックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態4における計算機追加
処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態5による配布データ
の送受信の流れを示すフローチャートである。
【図11】 従来のデータベースバックアップシステム
におけるハートビートの送受信を示す図である。
【図12】 従来のデータベースバックアップシステム
におけるデータ更新を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態6によるデータベー
スバックアップシステムの構成を示すブロック図であ
る。
【図14】 この発明の実施の形態6によるハートビー
トを利用したデータ更新を示すフローチャートである。
【図15】 従来例1によるデータベースバックアップ
システムの構成を示すブロック図である。
【図16】 従来例2によるバックアップサーバの復旧
方式に示すブロック図である。
【符号の説明】
MS マスタサーバ、BS1〜BS(m−1) バック
アップサーバ、DB1〜DBm データベース、C1〜
Cn クライアント計算機、S1〜Sm 計算機は、E
1〜Em データベース管理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 15/177 G06F 15/177 682L Fターム(参考) 5B045 DD17 DD18 JJ02 JJ26 JJ42 JJ43 5B082 DA02 DC05 GB06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタサーバ、バックアップサーバ、並
    びにクライアント計算機が共通のネットワークに接続さ
    れた計算機システムであって、 上記バックアップサーバが、複数台存在し、 上記マスタサーバ及び上記バックアップサーバが、各自
    データベースと、そのデータベースの整合性を管理する
    データベース管理部を備え、 上記マスタサーバのデータベースの保管データを、上記
    複数のバックアップサーバのデータベースに分割して格
    納することを特徴とするデータベースバックアップシス
    テム。
  2. 【請求項2】 上記マスタサーバのデータベース管理部
    が、データ更新時に、該当するバックアップサーバのデ
    ータベース管理部に対して更新命令を発行し、当該バッ
    クアップサーバのデータベース管理部が自データベース
    のデータ更新を実施し、上記マスタサーバに対してデー
    タ更新結果を返信することを特徴とする請求項1に記載
    のデータベースバックアップシステム。
  3. 【請求項3】 上記マスタサーバに異常が発見された場
    合、複数のバックアップサーバのうち1台が新マスタサ
    ーバに昇格することを特徴とする請求項1に記載のデー
    タベースバックアップシステム。
  4. 【請求項4】 上記新マスタサーバに昇格したデータベ
    ース管理部が、昇格後初めてのデータ更新時に、該当す
    るバックアップサーバのデータベース管理部に対して更
    新/データ送信命令を発行し、当該バックアップサーバ
    のデータベース管理部がデータ更新を実施すると共に、
    新マスタサーバに対して更新データを送信することを特
    徴とする請求項3に記載のデータベースバックアップシ
    ステム。
  5. 【請求項5】 上記昇格した新マスタサーバの他のバッ
    クアップサーバのデータベースに分割して格納されてい
    るデータはそのままとし、新マスタサーバのデータベー
    ス管理部が、残りのバックアップサーバのデータベース
    の整合性を管理することを特徴とする請求項3に記載の
    データベースバックアップシステム。
  6. 【請求項6】 マスタサーバ、バックアップサーバ、並
    びにクライアント計算機が共通のネットワークに接続さ
    れた計算機システムであって、 上記マスタサーバ及び上記バックアップサーバが、各自
    データベースを備え、 上記バックアップサーバが複数台存在して、上記マスタ
    サーバの保管データの全データをそれぞれ格納し、 上記バックアップサーバのデータベースの保管データの
    復旧の必要がある場合、他のバックアップサーバからデ
    ータ復旧を実施するようにしたことを特徴とするデータ
    ベースバックアップシステム。
  7. 【請求項7】 マスタサーバ、バックアップサーバ、並
    びにクライアント計算機が共通のネットワークに接続さ
    れた計算機システムであって、 上記マスタサーバ、バックアップサーバ、並びにクライ
    アント計算機が有するシステム構成情報の格納形態を、
    可変長にして動的にシステム構成を変更するようにした
    ことを特徴とするデータベースバックアップシステム。
  8. 【請求項8】 マスタサーバ、バックアップサーバ、並
    びにクライアント計算機が共通のネットワークに接続さ
    れた計算機システムであって、 上記マスタサーバが配布するデータに、少なくとも配布
    リストを記述したヘッダ情報を付加してブロードキャス
    トにより送信し、配布された上記バックアップサーバ並
    びにクライアント計算機は、上記ヘッダ情報を確認した
    後、上記配布データを取捨選択するようにしたことを特
    徴とするデータベースバックアップシステム。
  9. 【請求項9】 マスタサーバ、バックアップサーバ、並
    びにクライアント計算機が共通のネットワークに接続さ
    れた計算機システムであって、 上記マスタサーバ及び上記バックアップサーバが、各自
    データベースを備え、 上記マスタサーバから上記バックアップサーバへのデー
    タ更新依頼に対する、上記バックアップサーバから上記
    マスタサーバへのデータ送達確認を、上記マスタサーバ
    から上記バックアップサーバへ送信する状態異変検出用
    のハートビートの返信時に、一緒に返信することを特徴
    とするデータベースバックアップシステム。
  10. 【請求項10】 上記マスタサーバから上記バックアッ
    プサーバへのデータ更新は、データの差分のみの更新を
    行うことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか
    1項に記載のデータベースバックアップシステム。
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