JP2003344026A - 中空翼検査方法、及び中空翼検査用コンピュータプログラム - Google Patents

中空翼検査方法、及び中空翼検査用コンピュータプログラム

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JP2003344026A
JP2003344026A JP2002152724A JP2002152724A JP2003344026A JP 2003344026 A JP2003344026 A JP 2003344026A JP 2002152724 A JP2002152724 A JP 2002152724A JP 2002152724 A JP2002152724 A JP 2002152724A JP 2003344026 A JP2003344026 A JP 2003344026A
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blade
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hollow
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JP2002152724A
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English (en)
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Takeyuki Tsuruta
健之 鶴田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空翼の所望の位置の断面形状、肉厚、及び
加工による減肉量を、検査し評価することを可能にする
ための技術を提供する。 【解決手段】 本発明による中空翼検査方法は、鋳造に
よって成型される中空翼の検査方法である。当該中空翼
検査方法は、(a)鋳造のときに、中空翼が有する空洞
を形成するために使用される中子の外表面の3次元形状
を示す中子サーフェスモデルを生成する工程(S03)
と、(b)中空翼(1)に加工を施す工程(S06、S
08)と、(c)前記加工の後、中空翼のうちの検査部
分の3次元形状を計測して、検査部分(1c)の3次元
形状を示す検査部分サーフェスモデルを生成する工程
(S10)と、(d)前記検査部分サーフェスモデルと
前記中子サーフェスモデルとに基づいて、前記加工の後
の前記中空翼(1)の断面形状、及び/又は、前記中空
翼(1)の肉厚を算出する工程(S11、S12)とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空翼検査方法に
関する。本発明は、特に、ガスタービン等に使用される
中空翼の断面形状や肉厚を検査する中空翼検査方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンの翼には、その内部に冷媒
を通過するための冷媒通路が設けられた中空翼が広く使
用される。冷媒通路を設けられた中空翼は、高温環境で
の使用が可能であり、ガスタービンの高出力化、高効率
化に有用である。
【0003】中空翼の信頼性の確保のためには、中空翼
の表面から、キズ等の欠陥が排除される必要がある。こ
のため、中空翼の製造工程の過程では、表面における欠
陥の有無が検査され、欠陥が発見されたときには、研削
加工によりその欠陥が存在する部分が除去される。この
ような欠陥を除去する研削加工は、手入れと呼ばれるこ
とがある。
【0004】その一方で、中空翼は、強度確保の為に必
要な肉厚が確保されている必要がある。従って、中空翼
は、その断面形状や肉厚が正確に検査され、評価される
ことが望まれる。手入れが行われた中空翼は、手入れが
行われた部分の肉厚が薄く、従って、断面形状や肉厚が
正確に検査される必要性が大きい。
【0005】中空翼を断面形状や肉厚を検査する方法と
して、超音波計測法やストックゲージを用いた計測法が
知られている。超音波計測法では、超音波を中空翼に入
射し,入射した超音波の反射を用いて肉厚が計測され
る。ストックゲージを用いた計測法では、中空翼が有す
べき形状に加工されたストックゲージが中空翼に押し当
てられ、ストックゲージと中空翼との間の隙間を目視観
察することによって中空翼の断面形状が検査される。
【0006】しかし、これらの計測法を用いて多数の位
置で断面形状や肉厚を計測することは、多大な労力を必
要とする。このため、中空翼の検査では、限定された数
の位置でしか断面形状や肉厚が計測されておらず、所望
の位置における断面形状や肉厚の確認ができないのが現
状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中空
翼の所望の位置の断面形状、肉厚、及び加工による減肉
量を、検査し評価することを可能にするための技術を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下に、[発明の実施の
形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決す
るための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特
許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載と
の対応関係を明らかにするために付加されている。但
し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記
載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならな
い。
【0009】本発明による中空翼検査方法は、鋳造によ
って成型される中空翼(1)の検査方法である。当該中
空翼検査方法は、上記の目的を達成するために、(a)
鋳造のときに、中空翼(1)が有する空洞(2)を形成
するために使用される中子(3)の外表面の3次元形状
を示す中子サーフェスモデルを生成する工程(S02)
と、(b)中空翼(1)に加工を施す工程(S06、S
08)と、(c)前記加工の後、中空翼(1)のうちの
検査部分(1b)の3次元形状を計測して、検査部分
(1b)の3次元形状を示す検査部分サーフェスモデル
を生成する工程(S10)と、(d)前記検査部分サー
フェスモデルと前記中子サーフェスモデルとに基づい
て、前記加工の後の中空翼(1)の断面形状、及び/又
は、中空翼(1)の肉厚を算出する工程(S11、S1
2)とを備えている。サーフェスモデルは、面の上にあ
る任意の位置の座標を示す情報を有している。中子サー
フェスモデルと検査部分サーフェスモデルとを使用して
中空翼(1)の断面形状及び/又は肉厚を算出する本実
施の形態の中空翼検査方法は、中空翼1の所望の位置の
減肉量、断面形状及び肉厚の評価が可能である。
【0010】当該中空翼検査方法は、更に、(e)前記
(b)工程(S06、S08)の前に、中空翼(1)の
外表面の3次元形状を示す翼表面サーフェスモデルを取
得する工程(S03)と、(f)前記(b)工程の前
に、超音波計測により、前記中空翼(1)の複数の点に
おける前記中空翼(1)の肉厚を計測する工程(S0
4)と、(h)前記超音波計測によって計測された前記
中空翼(1)の肉厚から、前記翼表面サーフェスモデル
によって示される前記中空翼(1)の外表面と、前記中
子サーフェスモデルによって示される前記中空翼(1)
の内表面との相対位置を同定する工程(S04)とを備
え、前記加工の後の前記中空翼(1)の断面形状と肉厚
とは、前記翼表面サーフェスモデルと、前記相対位置
と、前記検査部分サーフェスモデルと、前記中子サーフ
ェスモデルとに基づいて算出されることが好ましい。
【0011】当該中空翼検査方法は、更に、(i)前記
翼表面サーフェスモデルと、前記検査部分サーフェスデ
ータとから、前記加工によって減肉された減肉量を算出
する工程(S11)を備えていることが好ましい。
【0012】前記翼表面サーフェスモデルと、前記中子
サーフェスモデルと、前記検査部分サーフェスモデルと
の取得は、光学式走査器(11)を使用して行われるこ
とが好ましい。光学式走査器(11)としては、3次元
レーザ計測装置やCCDが例示される。
【0013】本発明による中空翼検査用コンピュータプ
ログラムは、鋳造によって成型される中空翼(1)の検
査に使用される中空翼検査用コンピュータプログラムで
ある。当該中空翼検査用コンピュータプログラムは、
(j)前記鋳造のときに、前記中空翼(1)が有する空
洞(2)を形成するために使用される中子(3)の外表
面の3次元形状を示す中子サーフェスモデルを作成する
ステップと、(k)前記中空翼(1)に加工がなされた
後、前記中空翼(1)のうちの検査部分の前記加工後の
3次元形状を示す検査部分サーフェスモデルを作成する
ステップと、(l)前記検査部分サーフェスモデルと前
記中子サーフェスモデルとに基づいて、前記加工の後の
前記中空翼(1)の断面形状、及び/又は、前記中空翼
(1)の肉厚を算出する工程とをコンピュータ(12)
に実行させる。
【0014】当該中空翼検査用コンピュータプログラム
は、更に、(m)前記加工の前の前記中空翼(1)の外
表面の3次元形状を示す翼表面サーフェスモデルを取得
するステップと、(n)前記超音波計測によって計測さ
れた前記中空翼(1)の肉厚から、前記翼表面サーフェ
スモデルによって示される前記中空翼(1)の外表面
と、前記中子サーフェスモデルによって示される前記中
空翼(1)の内表面との相対位置を同定するステップと
をコンピュータ(12)に実行させ、前記加工の後の前
記中空翼(1)の断面形状と肉厚とは、前記翼表面サー
フェスモデルと、前記相対位置と、前記検査部分サーフ
ェスモデルと、前記中子サーフェスモデルとに基づいて
算出されることが好ましい
【0015】当該中空翼検査用コンピュータプログラム
は、更に、(o)前記翼表面サーフェスモデルと、前記
検査部分サーフェスデータとから、前記加工によって減
肉された減肉量を算出するステップをコンピュータ(1
2)に実行させることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明による中空翼検査方法の実施の一形態を説明す
る。
【0017】図2は、本実施の形態において検査される
中空翼1の形状を示す。中空翼1は、その内部に空洞2
が設けられている。空洞2は、中空翼1を冷却する冷媒
が通過する冷媒通路として使用される。
【0018】図3は、本実施の形態で使用される中空翼
検査装置10を示す。中空翼検査装置10は、3次元レ
ーザ計測装置11とコンピュータ12とを備えている。
3次元レーザ計測装置11は、レーザ光を走査しながら
照射して物体の外表面の3次元形状(立体的形状)を計
測する装置である。3次元レーザ計測装置11のように
光学的に物体の3次元形状を測定する光学式走査器は、
物体の内部の構造は計測できないものの、物体の外表面
の位置の座標を短時間で計測可能である。3次元レーザ
計測装置11の代わりに、CCD(Charge Coupled Dev
ice)のような他の光学式走査器が使用されることが可
能である。
【0019】コンピュータ12は、インターフェース1
2a、記憶装置12b、入力装置12c、表示装置12
d、及びCPU12eを含む。インターフェース12a
は、3次元レーザ計測装置11とコンピュータ12との
間の通信機能を提供する。記憶装置12bは、中空翼1
の検査のために必要な演算のワークエリアとして使用さ
れる。更に記憶装置12bは、中空翼1の検査のために
使用される中空翼検査用コンピュータプログラムを保存
する。入力装置12c及び表示装置12dは、コンピュ
ータ12とオペレータとの間のマン−マシンインターフ
ェースである。CPU12eは、記憶装置12bに保存
されている中空翼検査用コンピュータプログラムに従っ
て、中空翼1の検査の過程で行われる演算を実行する。
【0020】図1は、このような中空翼1を製造し、更
に、本発明の実施の一形態の中空翼検査方法によって検
査する過程を示すフローチャートである。まず、鋳造に
よって、中空翼1が成型される(ステップS01)。中
空翼1の鋳造では、図2に示されているように、中空翼
1の外表面の形状を規定する主型とは別に、空洞2の形
状に対応した形状を有する中子3が鋳型として使用され
る。中空翼1の空洞2の形状は、中子3の形状と実質的
に一致する。
【0021】続いて図1に示されているように、中空翼
1と中子3とのそれぞれの外表面の3次元形状が測定さ
れる(ステップS02)。3次元形状の測定は、3次元
レーザ計測装置11によって行われる。図3を参照し
て、3次元レーザ計測装置11によって、中空翼1の外
表面上の多数の点の座標が計測され、その点の座標を示
す翼点群データ13がコンピュータ12に送られる。更
に、3次元レーザ計測装置11によって、中子3の外表
面上の多数の点の座標が計測され、その点の座標を示す
中子点群データ14がコンピュータ12に送られる。コ
ンピュータ12のインターフェース12aは、翼点群デ
ータ13と中子点群データ14とを受けとって、記憶装
置12bに保存する。
【0022】続いて、図1に示されているように、中空
翼1と中子3との外表面の3次元形状を示すサーフェス
モデルがCPU12eによって作成される(ステップS
03)。サーフェスモデルとは、3次元CAD(Comput
er Aided Design)で広く一般に使用されるモデルの一
種である。翼点群データ13から中空翼1の外表面の3
次元形状を示す翼外表面サーフェスモデルが作成され、
中子点群データ14から中子の外表面の3次元形状を示
す中子サーフェスモデルが作成される。これらのサーフ
ェスモデルは、ポリゴンと曲面関数とのいずれで表現さ
れることも可能である。
【0023】中子サーフェスモデルは、中空翼1の空洞
2の表面(中空翼1の内表面)の3次元形状に対応して
おり、以後のプロセスでは、中子サーフェスモデルが、
中空翼1の内表面の3次元形状を示す翼内表面サーフェ
スモデルとして使用される。
【0024】続いて、超音波測定器(図示されない)を
用いた超音波測定によって中空翼1の複数の位置の肉厚
が計測され、更に、測定された肉厚に基づいて、翼外表
面サーフェスモデルと翼内表面サーフェスモデルとの位
置関係が同定される(ステップS04)。ここでいう中
空翼1の肉厚とは、中空翼1の内表面と、中空翼1の外
表面との距離を意味する。翼外表面サーフェスモデルと
翼内表面サーフェスモデルとは、それぞれ、中空翼1の
外表面及び内表面の形状を示しているが、これらのサー
フェスモデルには、その位置関係を示すデータは含まれ
ていない。このため、中空翼1の複数の点の肉厚から、
翼外表面サーフェスモデルと翼内表面サーフェスモデル
との位置関係を同定する。
【0025】より詳細には、オペレータは、超音波測定
器を用いて、中空翼1の複数の位置の肉厚を計測し、そ
の肉厚を入力装置12aによってコンピュータ12に入
力する。入力された肉厚に基づいて、コンピュータ12
のCPU12eは、翼外表面サーフェスモデルと翼内表
面サーフェスモデルとの位置関係を同定する。
【0026】翼外表面サーフェスモデルと翼内表面サー
フェスモデルとの位置関係は、それらの相対位置によっ
て表わされ、ステップS04では、その相対位置が決定
される。翼外表面サーフェスモデルと翼内表面サーフェ
スモデルとの相対位置の決定は、最小2乗法のような最
尤法を用いて行われる。
【0027】続いて、翼外表面サーフェスモデルと、翼
内表面サーフェスモデルと、ステップS04で定められ
たそれらの相対位置とから、中空翼1全体の3次元形状
を示す基準翼サーフェスモデルが作成される(ステップ
S05)。ステップS04で定められた相対位置が、基
準翼サーフェスモデルの作成に使用されることにより、
中空翼1の鋳造のときの中子3の倒れを考慮した正確な
基準翼サーフェスモデルの作成が可能である。作成され
た基準翼サーフェスモデルは、記憶装置12bに登録さ
れる。
【0028】続いて、中空翼1の外表面の研磨が行われ
る(ステップS06)。
【0029】続いて、中空翼1の外表面における、キズ
等の欠陥の有無が検査される(ステップS07)。図2
に示されているように、中空翼1の外表面にキズ等の欠
陥1aが存在する場合、その欠陥1aが研削加工によっ
て除去される(ステップS08)。既述のように、欠陥
部分を除去する研削加工は、手入れと呼ばれる。
【0030】続いて、中空翼1の外表面のうちの任意の
部分が、検査部分1bとして定められ、その検査部分の
3次元形状が3次元レーザ計測装置11によって計測さ
れる(ステップS09)。手入れが行われた場合には、
手入れが行われた部分が検査部分1bとして選択され
る。計測された検査部分1bの表面上にある多数の点の
座標が3次元レーザ計測装置11によって計測され、図
1に示されているように、検査部分1bの表面上の点の
座標を示す検査部分点群データ15がコンピュータ12
に送られる。
【0031】続いて、検査部分点群データ15から、中
空翼1の検査部分の3次元形状を示す検査部分サーフェ
スモデルが作成される(ステップS10)。検査部分サ
ーフェスモデルの作成は、コンピュータ12のCPU1
2eによって行われる。更に、基準翼サーフェスモデル
と検査部分サーフェスモデルとのフィッティングがCP
U12eによって行われ、基準翼サーフェスモデルと検
査部分サーフェスモデルとの相対位置が同定される(ス
テップS10)。
【0032】続いて、基準翼サーフェスモデルと検査部
分サーフェスモデルと、ステップS10で同定されたそ
れらの相対位置から、ステップS06の研磨工程、及び
ステップS08の手入れ工程による、中空翼1の肉厚の
減肉量が算出される(ステップS11)。減肉量の算出
は、CPU12eによって行われる。
【0033】続いて、CPU12eは、検査部分サーフ
ェスモデルに示された加工後の中空翼1の形状を表示装
置12dに表示する(ステップS12)。CPU12e
は、オペレータによって入力装置12cになされた操作
に応じて、加工後の中空翼1の表面形状の表示、又は、
中空翼1の断面形状の表示を行う。中空翼1の表面形状
が表示されるときには、減肉量に応じて、中空翼1の表
面の色が変化される。これにより、減肉量の分布の把握
が容易になる。
【0034】中空翼1の断面形状の表示には、既述の翼
外表面サーフェスモデルと翼内表面サーフェスモデル
と、検査部分サーフェスモデルとが使用される。翼内表
面サーフェスモデルは、中空翼1の内表面の形状を示
し、翼外表面サーフェスモデルと検査部分サーフェスモ
デルとは、中空翼1の外表面の形状を示している。これ
らのサーフェスモデルから中空翼1の断面形状が算出さ
れ、表示される。
【0035】中空翼1の断面形状が表示されていると
き、オペレータによって入力装置12cに所定の操作が
なされると、CPU12eは、オペレータが入力装置1
2cを用いて指示した位置の肉厚を、翼内表面サーフェ
スモデルと検査部分サーフェスモデルとに基づいて算出
し、表示装置12dに表示する。中空翼1の断面形状と
肉厚との表示により、加工後の肉厚の検査及び評価が容
易化される。
【0036】以上に説明されたCPU12eの動作は、
記憶装置12bに保存されている中空翼検査用コンピュ
ータプログラムに従って実行される。
【0037】本実施の形態の中空翼検査方法では、中空
翼1及び中子3の外表面の3次元形状が、3次元レーザ
測定装置11のような光学的走査器を用いて計測され、
中空翼1、及び中子3の外表面の3次元形状を示すサー
フェスモデルが作成される。更に、研磨加工や手入れ後
の中空翼1の3次元形状を示すサーフェスモデルが作成
される。これらのサーフェスモデルを用いて、中空翼1
の加工による減肉量、並びに、中空翼1の断面形状及び
肉厚が算出され、評価される。サーフェスモデルは、面
の上にある任意の位置の座標を示す情報を有している。
従って、本実施の形態の中空翼検査方法は、中空翼1の
所望の位置の減肉量、断面形状及び肉厚の評価が可能で
ある。
【0038】本実施の形態において、翼外表面サーフェ
スモデル及び中子サーフェスモデルは、それぞれ、翼点
群データ13、及び中子点群データ14に基づいて作成
されるが、翼外表面サーフェスモデルとして、中空翼1
の設計のときに作成される中空翼1の外表面のCADサ
ーフェスデータが使用され得る。同様に、中子サーフェ
スモデルとして、中空翼1の内表面のCADサーフェス
データが使用され得る。CADサーフェスデータの使用
は、検査に必要な労力の削減の点で好ましい。ただし、
これらのCADサーフェスデータが使用される場合で
も、中空翼1の鋳造のときの中子3の倒れを補正するた
めに、超音波計測によって計測された肉厚に基づいて、
これらのCADサーフェスデータの位置関係の同定が行
われることが好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明により、中空翼の所望の位置の断
面形状、肉厚、及び加工による減肉量を、検査し評価す
ることを可能にするための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による中空翼検査方法の実施の
一形態を示すフローチャートである。
【図2】図2は、検査される中空翼1、及び中子3の構
造を示す。
【図3】図3は、本発明による中空翼検査方法で使用さ
れる中空翼検査装置10を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:中空翼 2:空洞 3:中子 10:中空翼検査装置 11:3次元レーザ計測装置 12:コンピュータ 13:翼点群データ 14:中子点群データ 15:検査部分点群データ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01B 11/06 G01B 11/24 A K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造によって成型される中空翼の検査方
    法であって、 (a)前記鋳造のときに、前記中空翼が有する空洞を形
    成するために使用される中子の外表面の3次元形状を示
    す中子サーフェスモデルを生成する工程と、 (b)前記中空翼に加工を施す工程と、 (c)前記加工の後、前記中空翼のうちの検査部分の3
    次元形状を計測して、前記検査部分の3次元形状を示す
    検査部分サーフェスモデルを生成する工程と、 (d)前記検査部分サーフェスモデルと前記中子サーフ
    ェスモデルとに基づいて、前記加工の後の前記中空翼の
    断面形状、及び/又は、前記中空翼の肉厚を算出する工
    程とを備えた中空翼検査方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中空翼検査方法におい
    て、 更に、 (e)前記(b)工程の前に、前記中空翼の外表面の3
    次元形状を示す翼表面サーフェスモデルを取得する工程
    と、 (f)前記(b)工程の前に、超音波計測により、前記
    中空翼の複数の点における前記中空翼の肉厚を計測する
    工程と、 (h)前記超音波計測によって計測された前記中空翼の
    肉厚から、前記翼表面サーフェスモデルによって示され
    る前記中空翼の外表面と、前記中子サーフェスモデルに
    よって示される前記中空翼の内表面との相対位置を同定
    する工程とを備え、 前記加工の後の前記中空翼の断面形状と肉厚とは、前記
    翼表面サーフェスモデルと、前記相対位置と、前記検査
    部分サーフェスモデルと、前記中子サーフェスモデルと
    に基づいて算出される中空翼検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の中空翼検査方法におい
    て、 更に、(i)前記翼表面サーフェスモデルと、前記検査
    部分サーフェスデータとから、前記加工によって減肉さ
    れた減肉量を算出する工程を備えた中空翼検査方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の中空翼検査方法におい
    て、 前記翼表面サーフェスモデルと、前記中子サーフェスモ
    デルと、前記検査部分サーフェスモデルとの取得は、光
    学式走査器を使用して行われる中空翼検査方法。
  5. 【請求項5】 鋳造によって成型される中空翼の検査に
    使用される中空翼検査用コンピュータプログラムであっ
    て、 (j)前記鋳造のときに、前記中空翼が有する空洞を形
    成するために使用される中子の外表面の3次元形状を示
    す中子サーフェスモデルを生成するステップと、 (k)前記中空翼に加工がなされた後、前記中空翼のう
    ちの検査部分の前記加工後の3次元形状を示す検査部分
    サーフェスモデルを生成するステップと、 (l)前記検査部分サーフェスモデルと前記中子サーフ
    ェスモデルとに基づいて、前記加工の後の前記中空翼の
    断面形状、及び/又は、前記中空翼の肉厚を算出するス
    テップとをコンピュータに実行させる中空翼検査用コン
    ピュータプログラム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の中空翼検査用コンピュ
    ータプログラムにおいて、 更に、 (m)前記加工の前の前記中空翼の外表面の3次元形状
    を示す翼表面サーフェスモデルを生成するステップと、 (n)超音波計測によって計測された前記中空翼の肉厚
    から、前記翼表面サーフェスモデルによって示される前
    記中空翼の外表面と、前記中子サーフェスモデルによっ
    て示される前記中空翼の内表面との相対位置を同定する
    ステップとを前記コンピュータに実行させ、 前記加工の後の前記中空翼の断面形状と肉厚とは、前記
    翼表面サーフェスモデルと、前記相対位置と、前記検査
    部分サーフェスモデルと、前記中子サーフェスモデルと
    に基づいて算出される中空翼検査用コンピュータプログ
    ラム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の中空翼検査用コンピュ
    ータプログラムにおいて、 更に、 (o)前記翼表面サーフェスモデルと、前記検査部分サ
    ーフェスデータとから、前記加工によって減肉された減
    肉量を算出するステップを前記コンピュータに実行させ
    る中空翼検査用コンピュータプログラム。
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