JP2003342696A - 医療用ガイドワイヤ芯材及びその製造方法並びに医療用ガイドワイヤ - Google Patents
医療用ガイドワイヤ芯材及びその製造方法並びに医療用ガイドワイヤInfo
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Abstract
ク伝達性に優れたガイドワイヤ芯材を提供すること。 【解決手段】重量%で、C:0.08%以下、Si:
3.0〜5.0%、Mn:3.0%以下、Ni:4.0
〜12.0%、Cr:12.0〜24.0%、Mo:
0.9〜2.0%、Cu:0.5〜2.0%、残部が鉄
及び不可避的不純物からなることを特徴とし、また上記
成分組成の線材を用いた医療用ガイドワイヤ芯材の製造
方法であって、加工度を90%以上とする最終伸線加工
と、100〜600℃での最終低温熱処理工程とを含む
ことを特徴とする
Description
とする血管、消化管、気管、その他体腔(以下、要治療
管という)内に導入する細い管状のカテーテルを案内す
るのに用いる医療用ガイドワイヤ芯材(以下、芯材とも
いう)及びその製造方法並びにその芯材を用いた医療用
ガイドワイヤ(以下、ガイドワイヤともいう)に関す
る。
操作によって要治療管内にスムーズに挿入できて、カテ
ーテルを目的部位に正確に案内導入できることである。
このため、ガイドワイヤに用いる芯材には、挿入部が複
雑に蛇行する要治療管に対応し、かつ要治療管の内壁を
傷つけることなく挿入し得る形態順応性を備え、これに
続く導入部が手元での微妙な操作量でも挿入部に正確に
伝達するトルク伝達性を備えていることが要求されてい
る。上記トルク伝達性とは、微妙な手元操作量を先端部
に(挿入部)正確に伝達し得る特性を意味し、トルク伝
達性に優れるとは、伝達可能トルクおよびねじり剛性が
高いことを意味する。
ものがあるが、一般的には、所定長さの芯材の周囲を合
成樹脂で被覆したものと、所定長さの芯材の周囲をコイ
ルスプリングで被包したものとがある。そして、芯材に
はガイドワイヤとしての挿入部分に柔軟性を付与するた
め、次第に断面積が減少する先細形状に形成されてい
る。先細形状に加工されていない導入部の線径は、0.
3mm前後が一般的である。
線も用いられるが、ステンレス鋼線が従来から一般的に
用いられている。というのは、ステンレス鋼線は耐腐食
性に優れ、しかもNi−Ti系合金に比べ引張強度を高
くすることができるのでトルク伝達性に優れているから
である。
技術の発達に応じて、より細い分岐血管に対しても適用
できるよう、より細いガイドワイヤ(芯材径:0.2〜
0.3mm程度)が求められるように成ってきた。この
細径ガイドワイヤは、患者への負担を大きく軽減するこ
ともできる。
ヤの性能として必須のトルク伝達性が問題となる。この
要求にステンレス鋼線は対応できない。というのは、細
径でかつ従来と同等のトルク伝達性を得ようとした場
合、芯材の引張強度を上げることが必要となるが、現在
使用されているステンレス鋼線(SUS304等)で
は、現状の引張強度(2700MPa程度)が製造上の
限界であるからである。ステンレス鋼線の引張強度を限
度以上に高くすると、靭性が低下し、これが鋼線の製造
における生産性を低下させるばかりか、ガイドワイヤと
しての性能にも悪影響を与える。
アノ線を用いることも考えられる。硬鋼線やピアノ線
は、3000MPa以上の引張強度を得ることができる
ので、細径化しても、ガイドワイヤに必要なトルク伝達
性が得られる。しかし、上記硬鋼線やピアノ線は耐腐食
性が非常に低い、すなわち錆びやすいという欠点を有し
ている。芯材の表面には合成樹脂等の被膜を塗布すると
はいえ、錆は生体に対し悪影響を及ぼすものであり、錆
びやすい芯材を使用したガイドワイヤは、使用に際して
細心の注意が要求されるとともに、管理上の問題が発生
する。
みてなされたものであって、その目的は、耐食性に優れ
ることは勿論のこと細径でもトルク伝達性に優れたガイ
ドワイヤ芯材を提供することにある。
に、本発明の医療用ガイドワイヤ芯材は、重量%で、
C:0.08%以下、Si:3.0〜5.0%、Mn:
3.0%以下、Ni:4.0〜12.0%、Cr:1
2.0〜24.0%、Mo:0.9〜2.0%、Cu:
0.5〜2.0%、残部が鉄及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする。
製造方法は、重量%で、C:0.08%以下、Si:
3.0〜5.0%、Mn:3.0%以下、Ni:4.0
〜12.0%、Cr:12.0〜24.0%、Mo:
0.9〜2.0%、Cu:0.5〜2.0%、残部が鉄
及び不可避的不純物からなる線材を用いた医療用ガイド
ワイヤ芯材の製造方法であって、加工度を95%以上と
する最終伸線加工と、100〜600℃での最終低温熱
処理工程とを含むことを特徴とする。
ワイヤ芯材の化学組成を限定した理由について説明す
る。 C:Cは不要な元素であるばかりでなく、含有量が高く
なって0.08%を越えると靭性が低下する。よってC
の含有量は0.08%以下とする。 Si:本発明で最も重要な元素であり、このSiの働き
によって素材の引張強度を増加させ、ガイドワイヤの芯
材としてのトルク伝達性を向上させるものである。この
充分なる引張強度を得るためには、3.0%以上の含有
量が必要であるが、5.0%を越えると靭性が低下し、
冷間加工性が低下する。よって、Siの含有量の範囲は
3.0〜5.0%とする。 Mn:脱酸脱硫剤として添加され、靭性を向上させる作
用がある。しかし、3.0%を越えると冷間加工性を低
下させる。よって、Mn含有量は、3.0%以下とす
る。 Ni:耐食性を向上する目的で添加されるが、過剰にな
ると伸線加工性が低下する。よって、Ni含有量の範囲
は、4.0〜12.0%とする。 Cr:基地に固溶して耐食性を向上させる。このため少
なくとも12.0%以上添加する必要があるが、24.
0%を越えると冷間加工性が低下する。よって、Cr含
有量は12.0〜24.0%とする。 Mo:基地を強化し、靭性を向上させるとともに耐食性
を向上させる。このため、0.9%以上必要であるが、
2.0%を越えると、逆に靭性が低下する。また、Mo
は高価であるためコスト高となる。よって、Mo含有量
は0.9〜2.0%とする。 Cu:耐食性を向上させる元素である。このため、0.
5%以上必要であるが、2.0%を越えると引張強度が
低下する。よって、Cuの含有量は0.5〜2.0%と
する。
工程で製造される。すなわち、上記成分組成で線径5.
5mm程度の線材を製造し、この線材に溶体化処理、伸
線加工を繰り返して、線径1.0mm程度の中間線材を
製造し、この中間線材に最終の溶体化処理を施したの
ち、加工度90%以上で所望の線径(0.2〜0.3m
m程度)まで最終伸線加工を行う。この芯材を100〜
600℃で低温熱処理することによって、本発明に係る
引張強度が3000MPa以上の芯材を製造することが
できる。
前あるいは後に真直加工を施すのが好ましい。というの
は、ガイドワイヤは高い真直性を必要とするが、最終伸
線工程で芯材に高い真直性を付与するのは難しく、また
最終の熱処理で真直性の改善は図れるが、低温のためそ
の効果が小さいからである。真直加工は、ローラ矯正法
やロータリ矯正法等がある。これらローラ矯正加工やロ
ータリ矯正加工では、ワイヤに歪みが発生するが、これ
ら歪みは低温熱処理で取り去ることができるので、真直
加工は低温熱処理前に行う方が、より好ましい。
以上としたのは、それ未満では必要な引張強度が得られ
ないからで、さらに最終低温熱処理の温度を100〜6
00℃としたのは、この範囲外の温度では、やはり必要
な引張強度が得られないからである。
1(a)あるいは図1(b)に示すような構造のガイド
ワイヤに用いることができる。図1(a)に示すガイド
ワイヤ1は、所定長さの芯材2の周囲を合成樹脂3で被
覆したもので、図1(b)に示すガイドワイヤ4は、所
定長さの芯材5の周囲をコイルスプリング6で被包した
ものである。そして、どちらのガイドワイヤも、芯材2
と5にはガイドワイヤとしての挿入部分に柔軟性を付与
するため、挿入部2aと5aは次第に断面積が減少する
先細形状に形成して成る。
とすることで、耐食性に優れ、かつ3000MPa以上
の高強度となるので、細径化しても、ガイドワイヤに必
要なトルク伝達性を得ることができる。しかも、線径が
従来のものより細くできるので、先端部分をより先細形
状にすることができ、よって先端部の柔軟性をより向上
させることもできる。このガイドワイヤ芯材を用いたガ
イドワイヤは、複雑に蛇行する、より細い分岐血管等に
適用でき、しかも患者への負担を低減できる。
ドワイヤの概略断面図である。 (b)本発明のガイドワイヤ芯材を用いた別のガイドワ
イヤの概略断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.08%以下、Si:
3.0〜5.0%、Mn:3.0%以下、Ni:4.0
〜12.0%、Cr:12.0〜24.0%、Mo:
0.9〜2.0%、Cu:0.5〜2.0%、残部が鉄
及び不可避的不純物からなることを特徴とする医療用ガ
イドワイヤ芯材。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.08%以下、Si:
3.0〜5.0%、Mn:3.0%以下、Ni:4.0
〜12.0%、Cr:12.0〜24.0%、Mo:
0.9〜2.0%、Cu:0.5〜2.0%、残部が鉄
及び不可避的不純物からなる線材を用いた医療用ガイド
ワイヤ芯材の製造方法であって、加工度を90%以上と
する最終伸線加工と、100〜600℃での最終低温熱
処理工程とを含むことを特徴とする医療用ガイドワイヤ
芯材の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ芯
材を用いたガイドワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151353A JP2003342696A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 医療用ガイドワイヤ芯材及びその製造方法並びに医療用ガイドワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151353A JP2003342696A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 医療用ガイドワイヤ芯材及びその製造方法並びに医療用ガイドワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342696A true JP2003342696A (ja) | 2003-12-03 |
Family
ID=29768973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002151353A Pending JP2003342696A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 医療用ガイドワイヤ芯材及びその製造方法並びに医療用ガイドワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003342696A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009172229A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Kanai Hiroaki | ガイドワイヤ用芯、この芯の製造方法及びこの芯を用いた医療用ガイドワイヤ |
JP2009195372A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Kanai Hiroaki | ガイドワイヤ用芯及びこの芯の評価方法 |
EP2298488A1 (en) | 2009-09-17 | 2011-03-23 | PatentStra Co. Ltd. | A medical guide wire, a method of making the same, an assembly of balloon catheter and guiding catheter combined with the medical guide wire, an assembly of microcatheter and guiding catheter combined with the medical guide wire |
JP2012075532A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Patentstra Co Ltd | 医療用ガイドワイヤと、その製造方法、及び医療用ガイドワイヤとマイクロカテーテル又はバルーンカテーテルとガイディングカテーテルとの組立体 |
-
2002
- 2002-05-24 JP JP2002151353A patent/JP2003342696A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009172229A (ja) * | 2008-01-25 | 2009-08-06 | Kanai Hiroaki | ガイドワイヤ用芯、この芯の製造方法及びこの芯を用いた医療用ガイドワイヤ |
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EP2298488A1 (en) | 2009-09-17 | 2011-03-23 | PatentStra Co. Ltd. | A medical guide wire, a method of making the same, an assembly of balloon catheter and guiding catheter combined with the medical guide wire, an assembly of microcatheter and guiding catheter combined with the medical guide wire |
JP2011062344A (ja) * | 2009-09-17 | 2011-03-31 | Patentstra Co Ltd | 医療用ガイドワイヤと、その製造方法、及び医療用ガイドワイヤとマイクロカテーテル、又はバルーンカテーテルとガイディングカテーテルとの組立体 |
US8211039B2 (en) | 2009-09-17 | 2012-07-03 | Patentstra Co., Ltd. | Medical guide wire, a method of making the same, an assembly of balloon catheter and guiding catheter combined with the medical guide wire, an assembly of microcatheter and guiding catheter combined with the medical guide wire |
JP2012075532A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Patentstra Co Ltd | 医療用ガイドワイヤと、その製造方法、及び医療用ガイドワイヤとマイクロカテーテル又はバルーンカテーテルとガイディングカテーテルとの組立体 |
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