JP2003342046A - 合せガラスおよびそれを用いた車両 - Google Patents

合せガラスおよびそれを用いた車両

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JP2003342046A
JP2003342046A JP2002151103A JP2002151103A JP2003342046A JP 2003342046 A JP2003342046 A JP 2003342046A JP 2002151103 A JP2002151103 A JP 2002151103A JP 2002151103 A JP2002151103 A JP 2002151103A JP 2003342046 A JP2003342046 A JP 2003342046A
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film
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laminated
transmittance
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JP2002151103A
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Hiroaki Miura
宏明 三浦
Hiroki Nagayama
啓樹 永山
Hiroaki Harada
宏昭 原田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光線透過率を高く維持するとともに、断
熱効果に優れる合わせガラスを提供する。 【解決手段】 少なくとも2枚以上のガラスを積層した
合せガラスにおいて、その中間膜に日射反射率が10%
以上の反射膜を有し、2枚以上の積層ガラスが日射透過
率で5%以上の差を持ち、かつ、熱源側に高透過率、反
対側に低透過率のガラスを積層したことを特徴とする合
せガラス、およびそれを用いた車両。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にウィンドシー
ルド等の車両用窓材ならびに船舶や航空機等の窓ガラス
等に有用な熱線反射断熱機能を持つ合わせガラス、およ
びそれを用いた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車輌用ガラスを通して車内に流入
する太陽輻射エネルギーを遮蔽し、車内の温度上昇、冷
房負荷を低減させる目的の各種熱線遮蔽ガラスが車両に
採用されており、それに関する特許が出願されている。
【0003】その中の1種類で、例えば、特開平7−1
87727号公報には紫外線照射に対する接着力の低下
が少ない熱線合わせガラスの記載があり、熱線反射膜と
中間膜との間にFe−Ni−Cr合金酸化物膜またはC
r酸化物膜を介在せしめた熱線反射合わせガラスが開示
されている。
【0004】さらに、特開平11−157881号公報
には、ガラス基板上に銀層を少なくとも一層介在させ
て、被膜を多層に形成してなる積層体において、銀層の
直下層に酸化亜鉛層を、銀層の直上層には亜鉛または亜
鉛を主成分とした保護金属層を成膜してなる低放射ガラ
ス積層体が記載されている。
【0005】この他、ガラス板面で反射させ、熱線の透
過を遮断して室内の温度上昇を防ぎ、又室内の冷房負荷
を低減させる熱線反射ガラスが知られている。かかる熱
線反射ガラスとして、ガラス板表面に金、銀、銅、アル
ミニウム等の金属被膜を被着したものや、ガラス板表面
に酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン、酸
化錫等の金属酸化物被膜を被着したものが知られてい
る。しかし、いずれも可視光線透過率が低く、また可視
光線反射率が高いため、自動車用に対しては不適と考え
られる。可視光線透過率を高めるために金属被膜や金属
酸化物被膜の膜厚を薄くすることも可能であるが、この
場合には充分な熱線反射性能が得られなくなる。
【0006】特に、自動車用のフロントガラスにおいて
は、規格のため窓ガラスの可視光線透過率が70%以上
要求され、これを満足する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここまでに挙げられた
熱線反射、吸収に類する機能を持つガラスは、車室内の
温熱感低減のために成されたものである。これらのガラ
スは、走行時においては、ガラスの外表面は気流による
熱交換が起き、熱が奪われるため、熱線吸収機能を持つ
フィルムを中間膜として用いるもの、反射膜を用いるも
の等でも、ある程度の断熱機能を持つことになる。しか
し、中間膜に熱吸収、熱反射機能を有する膜を用いてい
るがために、反射、吸収された日射のエネルギーがガラ
ス自体に吸収されてしまうという問題がある。それがゆ
えに、吸収されたエネルギーが遠赤外線として車室内に
放射され、その結果、車室内が温まることとなる。停車
時にはさらに、車室外面の気流が走行時に比較して著し
く小さいこともあり、車室内への遠赤外線の放射がより
顕著になる。乗車直後には、乗員にあまりにも過酷な温
熱環境を強いることになってしまう。
【0008】このような課題を解決するべく、本発明者
らは車両の停車時に着目した。停車時にはガラスの温度
が高温でそれよりも車室内、外気の順で温度が低くなる
ため、都合、どちらの面にも遠赤外線が放射される。こ
れを室外側へ積極的に反射、放射する手法を鋭意検討し
た結果、停車時、走行時ともに、車室内への熱の侵入を
大きく防ぐことができる以下の発明を考案するに至っ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、その解
決手段、即ち本発明は、少なくとも2枚以上のガラスを
積層した合せガラスにおいて、その中間膜に日射反射率
が10%以上の反射膜を有し、2枚以上の積層ガラスが
日射透過率で5%以上の差を持ち、かつ、熱源側に高透
過率、反対側に低透過率のガラスを積層したことを特徴
とする合せガラスである。
【0010】
【発明の効果】表1に示すように、本発明の実施例にお
いては、可視光透過率が70.0%以上と高い値を示す
にもかかわらず、裏面温度は大きく低下した。これら
は、車内の断熱効果に優れるため乗員の居住性を快適に
するばかりか、冷房負荷を低減することができるので、
燃費の低減、CO2の削減にも大いに貢献するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に述べ
る。
【0012】本発明はまず、合せガラスを新規な構成、
少なくとも2枚以上のガラスを積層した合せガラスにお
いて、その中間膜に日射反射率が10%以上の反射膜を
有し、2枚以上の積層ガラスが日射透過率で5%以上の
差を持ち、かつ、熱源側に高透過率、反対側に低透過率
のガラスを積層することにより、車室内への熱の侵入を
防ぎ、温度の上昇を低減することを可能とした。
【0013】この組み合わせにおいて、中間膜として
は、日射反射率が10%以上の反射膜を用いることが必
要である。この範囲の反射膜を用いることで、大きな反
射性能を得ることを可能とし、温度の上昇を防ぐことが
可能となる。
【0014】中間膜の日射反射率は、10%以上が必要
であるが、好ましくは10〜65%とすることで、可視
光透過率を70%以上にしつつ、日射の影響を効率よく
抑えることができる。65%以上となると、可視光透過
率が70%以下となってしまうため本発明としては使用
できないが、規制等の問題が無いものには使用できる。
【0015】日射反射率が10%以上の反射膜を用いる
場合、熱源側に上述の高透過率ガラス、反対側に低透過
率ガラスを用いることによって、熱源側へ反射された日
射がガラスに吸収されるのを抑え、かつ、吸収を抑える
ことで車室内側への赤外線の放射を抑制するので、温度
の上昇を防ぐことができる。
【0016】本発明の中に記載している日射反射率(R
e)、日射透過率(Te)、可視光反射率(Rv)、可
視光透過率(Tv)の値は、JIS R3106に準じ
て、測定されたものである。
【0017】これらのガラスは、一般に用いられるガラ
スを適用することができる。無論、透明な無色または着
色ガラスであってかまわない。例えばクリアーガラス、
グリーンガラス、ブロンズガラス、グレーガラス、ブル
ーガラス、UVカット断熱ガラス、熱線吸収ガラス、強
化ガラス等も、上述の条件を満たす範囲の組み合わせで
採用可能である。
【0018】なお、合せガラスを構成する高透過率、低
透過率のガラス板とも、合せガラスとした際の可視光線
透過率の損失が少ない様に1.5mm〜5mm程度のガ
ラス板を使用するのが好ましいが、ここでは特に限定は
行わない。また、複数枚のガラス板のそれぞれの厚さ
は、同じであっても異なっていてもかまわない。複数枚
のガラス板の厚さが同じ場合、各ガラス板の厚さは1.
7〜3mmの範囲が好ましい。複数枚のガラス板の厚さ
が異なる場合、薄い方のガラス板の厚さは1.2〜2.
5mm、かつ、厚い方のガラス板の厚さは2〜5mmの
範囲が好ましい。
【0019】次に、本発明の合せガラスにおいて、その
中間膜に用いる反射膜が、多層光学干渉フィルムである
ことが好適である。
【0020】多層光学干渉フィルムを用いることで、複
数又は多重の連続的高次可視光線反射を抑えることがで
きる。本フィルムは、赤外領域において広いバンド幅に
わたって赤外線を反射すること、可視光線に対して実質
的に透明であること、及び造形しうるか又は積層してか
ら造形して種々の有用な物品を作製しうること、なども
含めた多くの所望の特性を有する改良された多層光学干
渉フィルムである。このフィルムの反射の原理は、異な
る屈折率を有する層からの繰り返し、材料の個々の層厚
さと屈折率によって発現するものである。
【0021】本フィルムは主に樹脂から構成されてい
る。使用される樹脂は、主に熱可塑性樹脂で、スチレ
ン、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、ポリカ
ーボネート、ポリブタジエン、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート、テトラメチレングリコールエーテルの熱
可塑性ポリウレタン等が好適である。上記モノマーから
得られるコポリマーや他のポリマーも有用であり、例え
ば、スチレンとメチルメタクリレートのコポリマー、ス
チレンとアクリロニトリルのコポリマー、及びスチレン
とブタジエンのコポリマーなどがある。他のコポリマー
としては、4,4−チオジフェノールとビスフェノール
Aとのコポリカーボネート、及びグルテルイミドとメチ
ルメタクリレートとのコポリマーなどがある。
【0022】これらの中でも、ポリエステルが好適で、
例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PB
N)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブ
チレンイソフタレート(PBI)、ポリεカプローラー
クトン(PCL)等のほか、PETのエチレングリコー
ル成分を他の異なるグリコール成分で置換したもの(例
えば、ポリヘキサメチレンテレフタレート(PH
T))、またはテレフタル酸成分を他の異なる2塩基酸
成分で置換したもの(ポリヘキサメチレンイソフタレー
ト(PHI)、ポリヘキサメチレンナフタレート(PH
N))等を用いることができる。
【0023】これらの樹脂を適宜、所望の反射性能が得
られるように積層し、反射フィルムとして用いる。
【0024】例えば、第1層はポリスチレン、第2層は
スチレンとメチルメタクリレートとのコポリマー、そし
て第3層はポリメチルメタクリレートを用いる、といっ
たことである。
【0025】これらによって得られる光学干渉フィルム
は、ラジオ、テレビ、GPS、ETC(自動料金収受シ
ステム)、VICS(道路交通情報通信システム)、キ
ーレスエントリシステム等の赤外線や電波信号の送受信
のためのアンテナを設置するような場合も、これらのシ
ステムに用いる波長の電波を阻害することなく、対応が
可能である。
【0026】次に、本発明の合せガラスにおいて、その
中間膜に用いる反射膜が、金属蒸着フィルムであること
もまた好適である。
【0027】この反射膜を構成する金属には、一般の金
属類を用いることができる。その中でもアルミニウム、
銀、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタン、およびこれ
らの酸化物が好適である。また、これらの金属にその他
の添加成分を加え、光学的、化学的、機械的な性質を改
善したものでもかまわない。
【0028】これらの金属、金属酸化物を樹脂フィルム
上に蒸着し、反射膜として用いることで、任意の熱線反
射性能の合せガラスを得ることができる。ここでいう、
樹脂フィルムとは、上述と同様の一般的に用いられる熱
可塑性樹脂からなるフィルムを意味している。その中で
も、本発明の合せガラスに用いられる熱線反射膜を蒸着
するフィルムとしては、透明性が高く、可撓性に富み、
破れ難く、加工しやすく、熱線反射膜が連続的に高速度
で形成しやすく、かつ、耐候性、化学的安定性の高いポ
リエチレンテレフタレート樹脂を用いたポリエステルフ
ィルムが好適で、厚さ10μm〜150μmのものがよ
り好ましい。
【0029】本発明に用いられる熱線反射被膜をポリエ
ステルフィルム表面に形成するに当つては、一般に真空
蒸着法が用いられる。
【0030】真空蒸着法による場合の一例について示す
と、まず真空槽を1〜7×10-3Paにして、蒸着物質
を加熱しつつ20〜80℃程度のポリエステルフィルム
上に所定の厚みに蒸着させる。
【0031】この他、真空蒸着法の代りにスパッタリン
グ法あるいはイオンプレーティング法も用いることがで
きる。あるいは、無電解メッキ法、C.U.D法あるい
はC.L.D法によって行うこともできる。
【0032】また、蒸着膜の膜厚は、10%以上の日射
反射率を付与させるために、厚さを任意に変化させるこ
とができる。一般的には、8×10-2μm〜15×10
-2μmの範囲が好適であるが特に限定は行わない。
【0033】この様にして得られた熱線反射プラスチッ
クフィルムの化学的、機械的耐久性の向上のため、合せ
ガラスの積層を容易にするために、上記熱線反射プラス
チックフィルムは2枚のポリビニルブチラール、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等からなる中間膜間に挾まれる
ことも可能である。そして、この可撓性積層体を上述の
2枚のガラス板間に挾んで圧着して合せガラスを得るこ
ともできるがここでは特に限定は行わない。
【0034】なお、これらの金属、金属酸化物の膜は、
1層あるいは2層以上の多層でも差し支えない。例え
ば、銀層が1層の場合には、ガラス基板側から第1層と
して酸化錫と酸化亜鉛からなる層、第2層として銀層、
第3層として亜鉛あるいは亜鉛を主成分とした層、第4
層として酸化亜鉛アルミニウム、酸化錫及び酸化亜鉛か
らなる層等を積層してなってもかまわない。また、銀の
層が第1層、第3層に積層される等、おなじ金属層が繰
り返し出てきてもかまわない。
【0035】このような積層膜とすることで、蒸着膜で
も光干渉効果を得ることができ、可視光線透過率を増大
させることができる。
【0036】また、これらの蒸着膜、フィルムによるも
の、直接ガラスに付着させるもののどちらにおいても、
ラジオ、テレビ、GPS、ETC(自動料金収受システ
ム)、VICS(道路交通情報通信システム)、キーレ
スエントリシステム等の赤外線や電波信号の送受信のた
めのアンテナを設置するような場合も、蒸着時にアンテ
ナ部分をマスキング等により容易に膜抜きすることがで
きるので、十分対応可能である。
【0037】また、これらの上述の中間膜には、日射反
射率を阻害しない範囲で、各種の機能性粒子を含んでい
てもかまわない。例えば、赤外線遮蔽性微粒子としてS
n、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、C
o、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、T
a、W、V、Moの金属、酸化物、窒化物、硫化物、ま
たはこれらにSbもしくはFをドープしたドープ物から
なる微粒子、Sbがドープされた酸化錫(ATO)微粒
子とITO微粒子等が挙げられる。これらの微粒子を単
独でまたは複合物として含んでもかまわない。
【0038】次に、本発明の合せガラスにおいて、その
中間膜に用いる反射膜が、熱源側ガラスの裏面側に金属
および/または金属酸化物が蒸着された膜であることも
可能である。
【0039】上述の金属、金属酸化物を直接、ガラスの
裏面に蒸着することで膜を形成し、同等の性能をえるこ
とも可能である。この場合、蒸着膜の厚さを換えること
で所望の熱線反射率が得られるよう制御することができ
る。
【0040】この時、膜を形成する面は、熱源側、反対
側のどちらのガラスでも、積層される際に積層厚さ方向
に対して内側になる面に形成する。この面に形成するこ
とで、蒸着膜の耐久性も満足させることが可能である。
【0041】次に、本発明の合せガラスにおいて、金属
蒸着、金属酸化物蒸着を行っていない段階での、もしく
はフィルムを用いる場合、積層されるガラスのうちの少
なくとも2枚の日射透過率の差が5〜50%であること
が必要である。
【0042】これは、日射透過率に差をもたせること
で、熱源側のガラスに熱線を吸収させないようにするた
めに行う。日射透過率の差を本範囲内にすることで、熱
線反射、断熱の効果を最大限に引き出すことができる。
また、5%未満の場合には、差が小さいため、熱源側ガ
ラスの吸収が大きく、性能が大きく向上しない。50%
を超えると、反対側ガラスの面での吸収が大きくなって
しまうため、室内側からの熱の吸収をおこない、乗車時
には乗員に向かって赤外線を放射してしまうこととな
り、不快感を及ぼす。
【0043】次に、本発明の合せガラスにおいて、金属
蒸着、金属酸化物蒸着を行っていない段階での、もしく
はフィルムを用いる場合、その積層される熱源側のガラ
スの日射透過率が50〜100%であることが好まし
い。
【0044】熱源側のガラスの日射透過率を上記範囲と
することで、積層した反射膜や、蒸着した金属膜、金属
酸化物膜の性能を十分に活かすことができる。50%未
満になると、ガラス自体の日射吸収率が大きくなってし
まうため、結局、ガラスから放射される遠赤外線が車室
内を暖めることとなる。
【0045】次に、本発明の合せガラスにおいて、その
積層されたガラスの可視光透過率が30%〜80%であ
ることが好ましい。この範囲とすることで、車室内から
ガラスを通した外部情報を得ることができる。
【0046】次に、本発明の合せガラスを、フロント、
サイド、リアのいずれか一ヶ所、または全部に用いるこ
とは有効である。
【0047】車両に用いることは、本発明の課題解決と
して非常に好適である。これらの部位に用いることで、
車室内の温度環境は大きく改善される。
【0048】フロントガラスには規格上、可視光透過率
が70%以上のものしか用いることができないが、70
%以下のものは、リアガラス、リアサイドガラスに用い
るのに好適な例である。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0050】(実施例1)熱源側ガラスとして、厚さ2
mmの透明フロートガラス(Te:87.7、Tv9
0.6)を、中間層として厚さ44μmの干渉反射膜
(Re:16.2、Rv:4.7、Te:57.8、T
v:78.8)を、反対側ガラスとして厚さ2mmのグ
リーンガラス(Te:63.5、Tv:85.3)を積
層し、300mm角に切り出して、評価用の合せガラス
を得た。
【0051】(実施例2)充分に洗浄され乾燥されたポ
リエステルフィルム(厚さ25μm、縦50cm、横1
00cm)を真空蒸着装置の真空槽内へ配した後、室内
を1.5×10-3Paの真空度に保持し、上記フィルム
の温度を50℃に保持する。真空槽内には蒸発源ボード
を設置し、アルミニウムの粉末を入れた。
【0052】まず、アルミニウムを1300℃に加熱
し、1×10-2μm/secの蒸着速度でアルミニウム
の蒸着を行い、10μmの厚みのアルミニウム被膜をポ
リエステルフィルム面に形成した。
【0053】この蒸着表面を熱源側ガラス側にし、反射
膜として用い、その他は実施例1と同様にし、合せガラ
スを得た。
【0054】(実施例3)反対側ガラスとして厚さ2m
mのUV断熱ガラス(Te:57.3、Tv:80.
6)を用いた以外は、実施例1と同様にし、合せガラス
を得た。
【0055】(実施例4)反射膜を実施例2と同等のも
のを用いた以外は、実施例3と同様にし、合せガラスを
得た。
【0056】(実施例5)熱源側ガラスとして、厚さ2
mmのグリーンガラス(Te:63.5、Tv85.
3)を用いた以外は、実施例3と同様にし、合せガラス
を得た。
【0057】(実施例6)反射膜を実施例2と同等のも
のを用いた以外は、実施例5と同様にし、合せガラスを
得た。
【0058】(実施例7)充分に洗浄され乾燥された透
明フロートガラス(厚さ2mm、縦50cm、横50c
m)を真空蒸着装置の真空槽内へ配した後、室内を1.
5×10-3Paの真空度に保持し、上記ガラスの温度を
50℃に保持する。真空槽内には蒸発源ボードを設置
し、アルミニウムの粉末を入れた。
【0059】まず、アルミニウムを1300℃に加熱
し、1×10-2μm/secの蒸着速度でアルミニウム
の蒸着を行い、10μmの厚みのアルミニウム被膜をガ
ラス面に形成した。
【0060】このガラスを熱源側ガラス、反射膜とし、
蒸着面を積層する内側として用いた以外は、実施例1と
同様にし、合せガラスを得た。
【0061】(実施例8)熱源側ガラス、反射膜に実施
例7と同様のガラスを用い、反対側ガラスにUV断熱ガ
ラスを用いた以外は、実施例1と同様にし、合せガラス
を得た。
【0062】(実施例9)蒸着膜を付ける熱源側ガラス
を、グリーンガラスとした以外は、実施例8と同様に
し、合せガラスを得た。
【0063】(実施例10)反対側ガラスとして厚さ2
mmの熱線吸収ガラス(Te:52.1、Tv:75.
5)を用いた以外は、実施例1と同様にし、合せガラス
を得た。
【0064】(実施例11)反対側ガラスとして厚さ2
mmの熱線吸収ガラス(Te:52.1、Tv:75.
5)を用いた以外は、実施例4と同様にし、合せガラス
を得た。
【0065】(実施例12)熱源側ガラスとしてグリー
ンガラスを用いた以外は、実施例10と同様にし、合せ
ガラスを得た。
【0066】(実施例13)熱源側ガラスとしてグリー
ンガラスを用いた以外は、実施例11と同様にし、合せ
ガラスを得た。
【0067】(実施例14)熱源側ガラスとして熱線吸
収ガラスを用いた以外は、実施例3と同様にし、合せガ
ラスを得た。
【0068】(比較例1)熱源側ガラスとしてグリーン
ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にし、合せガラ
スを得た。
【0069】(比較例2)熱源側ガラスとしてグリーン
ガラスを用いた以外は、実施例2と同様にし、合せガラ
スを得た。
【0070】(比較例3)熱源側ガラスとしてグリーン
ガラスを、中間層として厚さ25μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム(Re:5.8、Rv:4.8、
Te:88.1、Tv:88.1)を、反対側ガラスと
して透明フロートガラスを積層し、合せガラスを得た。
【0071】(比較例4)熱源側ガラスとして透明フロ
ートガラスを、中間層として厚さ25μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(Re:5.8、Rv:4.
8、Te:88.1、Tv:88.1)を、反対側ガラ
スとしてグリーンガラスを積層し、合せガラスを得た。
【0072】(比較例5)熱源側ガラスとして透明フロ
ートガラスを用いた以外は、比較例3と同様にし、合せ
ガラスを得た。
【0073】(比較例6)熱源側ガラスとしてUV断熱
ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にし、合せガラ
スを得た。
【0074】(比較例7)熱源側ガラスとしてUV断熱
ガラスを用いた以外は、実施例2と同様にし、合せガラ
スを得た。
【0075】次に、本発明、および従来例を概略図を用
いて説明する。
【0076】図1は本発明の一具体例に係る合せガラス
の横断面図を示す。図1において、合せガラス1は、多
層干渉反射フィルム2を、反対側ガラス4より可視光透
過率(Te)が5%以上大きい熱源側ガラス3と、反対
側ガラス4により挟むことにより構成されている。
【0077】図2は本発明の一具体例に係る合せガラス
の横断面図を示す。図2において、プラスチックフィル
ム5は、ポリエステルフィルムの熱源側ガラス3に対す
る面に金属蒸着を行って得たものである。合せガラス1
は、このプラスチックフィルム5を反対側ガラス4より
可視光透過率(Te)が5%以上大きい熱源側ガラス3
と、反対側ガラス4により挟むことにより構成されてい
る。
【0078】図3は本発明の一具体例に係る合せガラス
の横断面図を示す。図3において、熱源側ガラス3は、
反対側ガラス4より可視光透過率(Te)が5%以上大
きい熱源側ガラス3の反対側ガラスに対する面に金属蒸
着を行い、金属蒸着膜7を形成したである。合せガラス
1は、この金属蒸着膜7を挟むように熱源側ガラス3、
反対側ガラス4を積層することにより構成されている。
【0079】図4は従来例の一具体例に係る合せガラス
の横断面図を示す。図4において、合せガラス1は、多
層干渉反射フィルム2を、熱源側ガラス3bと、反対側
ガラス4により挟むことにより構成されている。ここ
で、熱源側ガラス3bは、反対側ガラス4より可視光透
過率(Te)が5%未満、もしくは熱源側ガラスの可視
光透過率の小さいものである。
【0080】図5は、本発明に係る車両8を示したもの
であり、フロントガラス、サイドガラス、リアガラスに
合せガラス1を用いた構成になっている。
【0081】(評価方法)得られた熱線反射断熱合わせ
ガラスについて下記の測定、評価を行なった。
【0082】(測定および評価方法)(光学特性)可視
光透過率(Tv)、可視光反射率(Rv)、ならびに日
射透過率(Te)、日射反射率(Re)についてJIS
R 3106に準拠し、分光光度計(日立製U−40
00)を用いて測定した。
【0083】(温熱特性)図6は合せガラスを透過した
日射が裏面空間をどのくらい暖めるかを評価する温熱評
価装置10の概略図を示す。光源に人工太陽灯11を用
い、停車時を模すために風除け12を設置し、サンプル
の裏面空間を確保するために発泡スチロール槽13にサ
ンプルとなる合せガラス1をふたをするかたちで固定し
た。サンプルの裏面表面温度15と裏面空間温度16の
位置の温度をK型熱電対で測定した。なお、評価装置の
外気温は35℃とし、太陽灯照射開始2時間後の温度を
結果として用いた。
【0084】得られた結果を表1に示す。温熱特性とし
て裏面空気温度が比較例1と比較して、15℃以上温度
が低下したものは◎、低下幅が15℃未満、5℃以上で
あったものは○、5℃未満の低下もしくは1℃未満の上
昇であったものは△、1℃以上上昇したものは×で示し
た。
【0085】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の合わせガラスの一例を示す概略断面
図である。
【図2】 本発明の合わせガラスの一例を示す概略断面
図である。
【図3】 本発明の合わせガラスの一例を示す概略断面
図である。
【図4】 従来の合せガラスの一例を示す概略断面図で
ある。
【図5】 本発明の合せガラスを適用した車両の一例を
示す概略図である。
【図6】 温熱評価装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…合せガラス 2…多層干渉反射フィルム 3…熱源側ガラス 4…反対側ガラス 5…プラスチックフィルム 6…金属蒸着膜 7…金属蒸着膜 8…車両 10…温熱性能評価装置 11…人工太陽灯 12…風除け筒 13…発泡スチロール槽 14…キャビティ 15…裏面表面温度測定位置 16…裏面空間温度測定位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 宏昭 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4G061 AA04 AA21 AA29 BA02 CA02 CB03 CB16 CD02 CD12 CD18 DA01 DA09 DA10 DA14 DA23 DA38

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2枚以上のガラスを積層した
    合せガラスにおいて、その中間膜に日射反射率が10%
    以上の反射膜を有し、2枚以上の積層ガラスが日射透過
    率で5%以上の差を持ち、かつ、熱源側に高透過率、反
    対側に低透過率のガラスを積層したことを特徴とする合
    せガラス。
  2. 【請求項2】 請求項1項に記載の合せガラスにおい
    て、前記中間膜に用いる反射膜が、多層光学干渉フィル
    ムであることを特徴とする合せガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1項に記載の合せガラスにおい
    て、前記中間膜に用いる反射膜が、金属蒸着フィルムで
    あることを特徴とする合せガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1項に記載の合せガラスにおい
    て、前記中間膜に用いる反射膜が、熱源側ガラスの裏面
    側に金属および/または金属酸化物が蒸着された膜であ
    ることを特徴とする合わせガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3項のいずれか1項に記載
    の合せガラスにおいて、その積層されるガラスの、可視
    光透過率、または日射透過率の差が5〜50%であるこ
    とを特徴とする合せガラス。
  6. 【請求項6】 請求項5項に記載の合せガラスにおい
    て、その積層される熱源側のガラスの可視光透過率が5
    0〜100%であることを特徴とする合せガラス。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6項のいずれか1項に記載
    の合せガラスにおいて、その積層されたガラスの可視光
    透過率が30%〜80%であることを特徴とする合せガ
    ラス。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7項のいずれか1項に記載
    の合せガラスを、フロント、サイド、リアのいずれか一
    ヶ所、または全部に用いたことを特徴とする車両。
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