JP2003340565A - 鋳造体強化方法、およびそれに使用される工具 - Google Patents

鋳造体強化方法、およびそれに使用される工具

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JP2003340565A JP2002150184A JP2002150184A JP2003340565A JP 2003340565 A JP2003340565 A JP 2003340565A JP 2002150184 A JP2002150184 A JP 2002150184A JP 2002150184 A JP2002150184 A JP 2002150184A JP 2003340565 A JP2003340565 A JP 2003340565A
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貴志 野寄
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造体に生じる鋳造欠陥を良好に補修するこ
とができる鋳造体強化方法を提供する。 【解決手段】 円筒形状のボア部(2)を有する鋳造体
(10)を製造する際に、当該ボア部(2)を規定する
ボア壁面の元となる初期面(20a)に生じた鋳造欠陥
を補修するための方法であって、前記初期面(20a)
に対して、摺接部を有する工具の当該摺接部を圧接させ
つつ摺動させて、当該初期面(20a)の金属組織を塑
性流動させることによって、前記初期面(20a)より
退避する溝部(31)と当該溝部(31)に隣接して前
記初期面(20a)より突き出る突条部(32)とから
なる連続凹凸形状面(3)を形成するための塑性流動工
程と、前記連続凹凸形状面(3)において、金属組織の
塑性流動が生じた深さ範囲内で前記溝部(31)よりも
深部までを切削除去することによって、仕上面を形成す
るための仕上工程と、を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳物に生ずるひけ
巣やピンホールあるいはブローホールなどといった鋳造
欠陥を補修または低減(以下、補修と低減とを総括的に
「補修」という)するための鋳造体強化方法、および、
それに使用するための工具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車や自動二輪車などのエンジ
ンの軽量化を図るべく、アルミニウム材料によりエンジ
ンのシリンダブロックを鋳造成形する手法が採用される
場合がある。アルミニウム材料の金属強度は低いので、
その場合には、シリンダボアの耐摩耗性を向上させるた
めに、この内壁面に耐摩耗層を形成する必要がある。
【0003】たとえば、耐摩耗層は、円筒形状を呈した
鉄系金属製のライナをシリンダブロックに圧入するか、
あるいは、このライナをシリンダブロックの鋳造成形の
際に予め組み込むことにより形成される。このようなラ
イナは、シリンダブロックに埋設される際に適度な強度
を必要とするため、その肉厚が比較的厚く(約3mm程
度)される。そのため、このような耐摩耗層を有するシ
リンダブロックにおいては、重量増加となるばかりでな
く、冷却効率が悪くなってしまい、エンジン冷却用の水
路を余分に形成したり、これに付随して冷却ポンプを大
型化する必要があり、コスト的に不利となってしまう。
【0004】また、たとえば、耐摩耗層は、クロムを含
有する金属などをシリンダボアの内壁面にメッキ加工す
ることにより形成される。このような場合では、メッキ
液を廃棄処理しなければならず、また、クロムが廃棄ガ
ス中に入り込むため、環境問題を引き起こす可能性があ
る。
【0005】そこで、近年においては、プラズマ溶射法
によりシリンダボアの内壁に鉄系金属を溶着させること
によって耐摩耗層を形成する技術が注目されている。こ
の方法によれば、耐摩耗層の形成は、シリンダボアの内
壁面を切削加工により削り出した後に行われ、耐摩耗層
は、鉄系金属の粉末体を加熱しつつシリンダボアの内壁
面に吹き付けることによって形成される。このような耐
摩耗層は、鉄系金属がシリンダボアの内壁面に溶着した
形態をとり、その厚みが比較的薄く(0.1mm程度)
されうる。したがって、この方法によれば、上述した種
々の問題を解消することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリン
ダブロックは、鋳物であるがゆえに、その形成の際に、
ピンホールやブローホールなどの欠陥が生じてしまう。
また、アルミニウム材料による鋳物は、凝固時のひけが
大きく、ひけ巣が生じ易い。これらの鋳造欠陥は、シリ
ンダブロックの表面だけでなくその内部にも生じる。そ
のため、プラズマ溶射に先立って削り加工しても、シリ
ンダボアの内壁面に鋳造欠陥が露出してしまう。
【0007】このような場合、シリンダボアの内壁面に
対して、プラズマ溶射法により耐摩耗層を形成する際
に、鋳造欠陥内において溶射金属が分断したり、溶射金
属膜が鋳造欠陥を覆いきれずに、この鋳造欠陥が孔とし
て残ってしまう。その結果、シリンダボアの内壁に要求
される平滑性や強度要件を充足することができないこと
が多い。
【0008】鋳造欠陥に起因するこのような不具合を解
消するための手法の一つとして、熱硬化性樹脂により鋳
造欠陥を塞ぐ鋳造体強化方法が知られている。具体的に
は、この方法においては、欠陥補修が必要な鋳造物ない
し製品が、熱硬化性樹脂を主成分とする含浸液に一旦浸
漬された後、乾燥炉にて加熱乾燥されることにより、含
浸液に含まれていた樹脂成分が硬化させられる。これに
より、鋳造欠陥が熱硬化性樹脂により塞がれる。
【0009】しかしながら、このような方法は、樹脂を
用いるため、熱や機械的衝撃を受けるシリンダボアの内
壁面の補修に適用するのは困難である。また、この方法
は、樹脂含浸、加熱乾燥の工程追加により、製造工程全
体が複雑化してしまう。
【0010】本発明はこのような事情のもとで考え出さ
れたものであって、鋳造体に生じる鋳造欠陥を良好に補
修することができる鋳造体強化方法、および、それに使
用される工具を提供することを目的とする。
【0011】
【発明の開示】上記課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0012】すなわち、本願発明の第1の側面により提
供される鋳造体強化方法は、円筒形状のボア部を有する
鋳造体を製造する際に、当該ボア部を規定するボア壁面
の元となる初期面に生じた鋳造欠陥を補修するためのも
のであって、前記初期面に対して、摺接部を有する工具
の当該摺接部を圧接させつつ摺動させて、当該初期面の
金属組織を塑性流動させることによって、前記初期面よ
り退避する溝部と当該溝部に隣接して前記初期面より突
き出る突条部とからなる連続凹凸形状面を形成するため
の塑性流動工程と、前記連続凹凸形状面において、金属
組織の塑性流動が生じた深さ範囲内で前記溝部よりも深
部までを切削除去することによって、仕上面を形成する
ための仕上工程と、を含むことを特徴としている。
【0013】本発明によれば、前記ボア壁面(鋳造体の
表面)は、金属組織の塑性流動が生じた結果として形成
された面(前記連続凹凸形状面)がそのまま最終面とさ
れたものではなく、前記仕上面として削り出されたもの
である。ここで、前記塑性流動工程において、鋳造体
は、前記溝部および突条部が形成されるレベルまで積極
的に金属組織が塑性流動させられるので、鋳造体におい
て、表面から比較的深い範囲を、金属組織が塑性流動し
た部分とすることができる。前記仕上面は、前記連続凹
凸形状面において、金属組織の塑性流動が生じた深さ範
囲内で溝部よりも深部までを切削除去したものであるた
め、金属組織が塑性流動した部分が仕上面に露出しう
る。したがって、鋳造体における金属組織が塑性流動し
た部分では、鋳造欠陥が押しつぶされて消滅した状態と
なっているため、前記仕上面として、鋳造欠陥が露出す
るのを防止した平滑なものとすることができる。その結
果、ボア壁面に対してプラズマ溶射法などにより溶射金
属膜を形成する場合、この膜に対して平滑性および強度
要件の両方を同時に満足させることができる。
【0014】ところで、特開2000−336465号
公報と特開2001−259824号公報には、鋳造体
の表面に対して塑性流動加工を施すことにより、鋳造欠
陥を補修する技術が開示されているが、これらの公報に
おいては、塑性流動加工により生じた面が最終面とされ
ているため、鋳造体の表面を平滑にすることができな
い。これに対し、本発明では、上述したように、塑性流
動により生じた凹凸面をさらに溝部よりも深い仕上面ま
で削り出すので、これを平滑にすることができる。ま
た、前記した公報の方法では、塑性流動により生じた面
がそのまま最終面となるため、その最終面が不当に凹凸
とならない程度までしか塑性流動させることができず、
鋳造体における金属組織が塑性流動する範囲は、鋳造体
の表面から比較的浅くならざるえを得ず、鋳造欠陥が鋳
造体の表面に残ってしまう可能性がある。すなわち、鋳
造体に対する鋳造欠陥の補修が不充分となりうる。これ
に対して、本発明においては、上述したように、後に仕
上加工をすることを前提にしているから、鋳造体に対し
て、前記溝部および突条部が形成されるレベルまで塑性
流動を積極的に起こさせて、鋳造体における金属組織が
塑性流動する範囲を比較的深くすることができる。した
がって、鋳造体に対する鋳造欠陥の補修を充分なものと
することができる。
【0015】なお、本発明の方法の対象となる鋳造体と
しては、アルミニウム製に限定されないが、製品の軽量
化や塑性流動の生じ易さを考慮すると、アルミニウム製
又はアルミニウム合金製であるのが好ましい。
【0016】この鋳造体強化方法においては、たとえ
ば、前記塑性流動工程の前に、前記初期面を削り出すた
めの前工程を行ってもよい。
【0017】前記塑性流動工程では、たとえば、前記連
続凹凸形状面は、円筒形状の前記ボア部のボア軸心の方
向に前記溝部および前記突条部が交互に連続して並ぶよ
うに形成される。この場合、各溝部および各突条部は、
完全なリング状であってもよいし、ネジ山やネジ溝のよ
うに螺旋状であってもよい。
【0018】前記塑性流動工程では、たとえば、前記溝
部は、前記初期面に対して0.15〜0.40mmの深
さまで形成される。
【0019】前記仕上工程は、たとえば、前記連続凹凸
形状面から前記突条部を切削除去することによって第1
仕上面を形成するための第1仕上工程(粗仕上工程)
と、前記第1仕上面をさらに切削することによって第2
仕上面を形成するための第2仕上工程(最終仕上工程)
とを含んでいる。
【0020】前記第1仕上面は、たとえば、前記溝部か
ら0〜0.20mmの深さにて削り出される。また、前
記第2仕上面は、たとえば、前記第1仕上面から0.0
5〜0.10mmの深さにて削り出される。
【0021】前記工具としては、たとえば、一の工具軸
心に対して平行となるように延設されかつ当該工具軸心
からそれぞれ等距離に設けられた複数の摺接部を有し、
各摺接部が、前記工具軸心に対して平行に並べられた複
数の山形刃を有するように形成されたものが用いられ
る。
【0022】なお、前記工具における山形刃の材質は限
定されないが、補修対象の鋳造体の材質よりも硬い材質
で構成されているのが好ましい。たとえば、鋳造体がア
ルミニウム製の場合、前記工具としては、前記山形刃が
鋼製であるものとする。
【0023】前記塑性流動工程は、たとえば、前記初期
面で規定される孔部内で前記ボア軸心と前記工具軸心と
が平行となるように前記工具を配設し、かつ、当該工具
を前記工具軸心回りに自転させることによって、前記初
期面に対して前記複数の摺接部を圧接させつつ摺動させ
ることによって行われる。
【0024】前記塑性流動工程は、たとえば、前記ボア
軸心を公転軸として、前記摺接部が前記初期面に対して
圧接しつつ摺動することが可能な軌道で前記工具を公転
させることによって行われる。前記工具は、たとえば、
前記自転の方向と前記公転の方向とは同一となるように
操作される。但し、自転と公転の回転方向を逆にしても
よい。
【0025】前記工具としては、たとえば、前記山形刃
の頂部が丸みの付いた形状を有するものが用いられる。
【0026】前記工具としては、たとえば、前記山形刃
の山高さが、0.3〜0.8mmであるものが用いられ
る。
【0027】前記工具としては、たとえば、前記工具軸
心に対して周方向に離隔した2〜8の摺接部を有するも
のが用いられる。但し、この数は限定的でない。
【0028】本願発明の第2の側面により提供される工
具は、鋳造体の表面における金属組織を塑性流動させる
ための工具であって、一の工具軸心に対して平行となる
ように延設されかつ当該工具軸心からそれぞれ等距離に
設けられた複数の摺接部の各々が前記工具軸心に対して
平行に並べられた複数の山形刃を有することを特徴とし
ている。
【0029】前記山形刃の頂部は、たとえば、丸みの付
いた形状を有している。
【0030】前記山形刃の山高さは、たとえば、0.3
〜0.8mmとされる。
【0031】前記工具は、たとえば、前記工具軸心に対
して周方向に離隔した2〜8の摺接部を有している。こ
の数が限定的にないのは、先に述べたとおりである。
【0032】本願発明の第3の側面により提供される鋳
造体強化方法は、鋳造体の表面に生じる鋳造欠陥を補修
するためのものであって、前記鋳造体の初期の表面であ
る初期面に対して、摺接部を有する工具の当該摺接部を
圧接させつつ摺動させて、当該鋳造体表面の金属組織に
塑性流動を生じさせることによって、前記初期面より退
避する溝部と当該溝部に隣接して前記初期面より突き出
る突条部とからなる連続凹凸形状面を形成するための塑
性流動工程と、前記連続凹凸形状面において、金属組織
の塑性流動が生じた深さ範囲内で前記溝部よりも深部ま
でを切削除去することによって、仕上面を形成するため
の仕上工程と、を含むことを特徴としている。
【0033】本願発明のその他の特徴および利点につい
ては、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明
らかになるであろう。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0035】図1は、鋳造体の一例を示す切り欠き斜視
図、図2は、図1の鋳造体を製造する際に形成される中
間体を示す切り欠き斜視図である。図3、図5および図
7は、本願発明に係る鋳造体強化方法を説明するための
図である。図4(a)は、本願発明に係る工具の一例を
示す側面図、図4(b)は、図4(a)の平面図であ
る。図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図であって、図
6(a)は、加工初期の様子を示し、図6(b)は、加
工後の様子を示す。また、図8は、図7のVIII-VIII線
に沿う拡大断面図、図9は、図7のIX-IX線に沿う拡大
断面図である。
【0036】図1に示す鋳造体1は、自動車や自動二輪
車などに搭載されるエンジンのシリンダブロックとして
形成されたものであって、エンジンのピストンが収容さ
れる円筒状のボア部2を有している。このシリンダブロ
ック1は、エンジンの軽量化を図るべく、本実施形態で
は、アルミニウム材料により形成されている。アルミニ
ウム材料は、一般に、耐摩耗性が低いので、このシリン
ダブロック1には、エンジンに組み込まれる際に、ピス
トンとの間の摩擦によってボア部2を規定するボア壁面
2aの表面が摩耗してしまうのを防止するために、ボア
壁面2aを覆う耐摩耗層9が設けられる。
【0037】このような耐摩耗層9は、鉄系金属によ
り、0.1mm程度の厚さに形成され、その形成の際に
は、たとえば、プラズマ溶射法が用いられる。この方法
によれば、上記鉄系金属の粉末体が加熱されつつボア壁
面2aに対して吹き付けられ、これにより、鉄系金属が
ボア壁面2aに溶着して耐摩耗層9が形成される。
【0038】上記シリンダブロック1を形成する際に
は、まず、当初は寸法調整のされていないボア部2を有
するシリンダブロック中間体10を鋳造により成形す
る。ボア部2は、図2に示すように、その内壁面が、ボ
ア壁面2aの元となる初期面20aとして、円筒内面状
に形成されており、その当初の内径が、ボア部2の最終
の内径よりもたとえば0.4mm〜1.4mm程度小さ
くなるように設定されている。シリンダブロック中間体
10は、鋳造成形されるがゆえに、ひけ巣やピンホール
あるいはブローホールなどといった、気泡状の欠陥(鋳
造欠陥)29を有している。このような鋳造欠陥29
は、シリンダブロック中間体10の各所に生じており、
その一部には、初期面20aの表面に露出しているもの
もある。
【0039】次に、初期面20a近傍に生じた鋳造欠陥
29を補修する。この作業は、以下に説明する鋳造体強
化方法により行われ、その結果として、寸法調整された
ボア壁面2aが形成される。
【0040】すなわち、この鋳造体強化方法では、ま
ず、図3に示す連続凹凸形状面3を形成するための塑性
流動工程を行う。連続凹凸形状面3は、上記初期面20
aより退避する溝部31と当該溝部31に隣接して前記
初期面20aより突き出る突条部32とからなり、ボア
部2の軸心(ボア軸心)21が延びる方向に溝部31お
よび突条部32が交互に連続して並ぶように形成されて
いる。この連続凹凸形状面3は、初期面20aの金属組
織を塑性流動させることにより形成されたものであり、
その形成に際しては、たとえば、図4(a)および図4
(b)に示す工具7が使用される。
【0041】この工具7は、全体として円柱形状とされ
た作用部7aを有しており、その軸心(工具軸心)71
を中心として回転操作される。作用部7aには、工具軸
心71に対して平行となるように延設されるとともに工
具軸心71からそれぞれ等距離で周方向に等間隔に設け
られた複数の摺接部72が形成されている。各摺接部7
2は、後述するようにして、初期面20aの金属組織を
圧縮および塑性流動させるための部分であって、このよ
うな金属組織の圧縮および塑性流動が比較的広範囲にわ
たって生じるように、複数の山形刃73を有している。
この工具7において、複数の山形刃73は、各摺接部7
2に対して工具軸心71と平行に並ぶように設けられて
おり、そのそれぞれは、その山高さhがたとえば0.3
mm〜0.8mmとなるように形成されている。また、
各山形刃73は、初期面20aの金属組織における塑性
流動が円滑かつ均一に起り易いように、その頂部73a
が丸みの付いた形状とされている。
【0042】このような工具7は、図5に示すように、
ボア部2内において、工具軸心71がボア軸心21と平
行となり、かつ、ボア軸心21と初期面20aとの間の
距離よりも、ボア軸心21と山形刃73の頂部73aと
の間の最大距離が長くなるように配置される。この工具
7は、作用部7aの直径がボア部2の内径よりも小とさ
れており、工具軸心71を中心として回転(自転)させ
られるだけでなく、ボア軸心21を中心として回動(公
転)させられる。これにより、工具7の各山形刃73
が、初期面20aに対して圧接しつつ摺動し、工具7を
所定の速度で公転させながら自転させることによって、
溝部31および突条部32が形成される。この後、工具
7の作用部7aにおける工具軸心方向の長さがボア部2
におけるボア軸心方向の長さよりも短い場合、工具7を
ボア部2内においてボア軸心方向に移動させて、さらに
工具7の回転(自転・公転)操作を行うという一連の作
業を繰り返すことによって、初期面20aの全域にわた
って溝部31および突条部32を形成することができ
る。その結果、連続凹凸形状面3が形成される(図
3)。
【0043】より詳細には、工具7の各山形刃73が初
期面20aに対して圧接しつつ摺動する初期の段階にお
いて、初期面20aにおける山形刃73が当接する領域
は、図6(a)に示すように、金属組織が圧縮されつつ
窪むとともに、圧縮された金属組織の一部が塑性流動し
て山形刃73の刃面に沿って盛り上がっていく。その
後、各山形刃73の初期面20aに対する圧接・摺動が
進行すると、図6(b)に示すように、初期面20aに
おける金属組織が圧縮される領域および金属組織が塑性
流動する領域が拡大していく。これにより、窪んだ部分
が深くかつ広くなることによって溝部31が形成される
一方、盛り上がった部分も増大し、これが工具7におけ
る各山形刃73の間の空間に収容されていくことによっ
て突条部32が形成される(但し、突条部32が各山形
刃73の間の空間を完全に占有しなくともよい)。そし
て、これら溝部31および突条部32が初期面20aの
全域にわたって設けられることによって連続凹凸形状面
3が形成される。
【0044】このようにして形成された連続凹凸形状面
3において、溝部31の底からある程度の深さ範囲にあ
りかつ周方向全域にわたる領域、および突条部32の内
部の領域(以下、これらの領域を総じて「表層」とい
う)3aは、圧縮された金属組織あるいは塑性流動した
金属組織により形成されたものとなりうる。また、圧縮
された金属組織および塑性流動した金属組織は、密とな
っており、その内部の鋳造欠陥29が押しつぶされて消
滅した状態(図6(a)および図6(b)における符号
29′を参照)となっている。したがって、連続凹凸形
状面3は、上記表層3a内に鋳造欠陥がない状態となる
ように形成される。換言すれば、この塑性流動工程は、
鋳造欠陥が存在しない表層3aを有する連続凹凸形状面
3を形成するための工程である。
【0045】なお、この塑性流動工程においては、工具
7を回転させる際に、自転の方向と公転の方向が同一と
なるように操作して、自転と公転とが相互に妨げ合わな
いようにしている。これにより、初期面20aに対する
金属組織の圧縮および塑性流動の工程を円滑に行えるよ
うにしている。
【0046】また、上記工具7は、図4(b)に示すよ
うに、4つの摺接部72を有するものとされているが、
工具7としては、工具軸心71に対して周方向に離間し
た2〜8の摺接部72を有するものが好ましい。すなわ
ち、工具7の作用部7aは、平面視において、多角形状
とされるのが好ましい。このような工具7によれば、山
形刃73は、初期面20aに対して適度な入射角で断続
的に当るので、金属組織の圧縮および塑性流動を良好に
生じさせることができる。特に、6個の山形刃73を周
方向等間隔に設ける場合には、金属組織の圧縮および塑
性流動を良好に生じさせ易いことを本発明者は実験的に
確認している。
【0047】図6(a)に示すように、上記塑性流動工
程においては、具体的に、溝部31の深さが初期面20
aに対して0.15mm〜0.40mmとなるようにし
て連続凹凸形状面3を形成しており、これにより、表層
3aの深さdが溝部31の底から0.1mm〜0.35
mmの範囲にわたる領域とされる。
【0048】この鋳造体強化方法では、上記した塑性流
動工程に次いで、仕上面を削り出すための仕上工程が行
われる。この仕上工程は、上記連続凹凸形状面3の表層
3a、すなわち、金属組織の圧縮および塑性流動が生じ
た領域を、塑性流動が生じた深さ範囲内で溝部31の底
よりも深部までを切削することによって、ボア壁面2a
となる仕上面を形成するための工程である。この鋳造体
強化方法において、仕上工程は、図8に示すように、連
続凹凸形状面3から突条部32を切削除去することによ
って第1仕上面4を形成するための第1仕上工程(粗仕
上工程)と、図9に示すように、この第1仕上面4をさ
らに切削することによってボア壁面2aとしての第2仕
上面5を形成するための第2仕上工程(最終仕上工程)
とを含んでいる。なお、この仕上工程では、第1仕上工
程および第2仕上工程を経て、連続凹凸形状面3におけ
る上記表層3aの深さ範囲よりも浅い部分が除去される
ようにして、連続凹凸形状面3を切削する。すなわち、
ボア壁面2aは、シリンダブロック中間体10において
金属組織を圧縮および塑性流動させた領域を露出させた
ものである。
【0049】この仕上工程は、たとえば、2種類の刃具
(第1刃具81および第2刃具82)を有する公知の装
置を用いて行うことができる。このような装置では、図
7に示すように、第1刃具81は、連続凹凸形状面3が
形成されたシリンダブロック中間体10のボア部2内に
おいて、連続凹凸形状面3に当接するように固定されて
いる。この装置を駆動して、第1刃具81を、ボア部2
に対してボア軸心21の回りに相対的に回転させること
によって、連続凹凸形状面3を切削することができる。
このとき、図8に示すように、溝部31の底からたとえ
ば0〜0.2mmの深さ(d1)まで連続凹凸形状面3
を切削することによって、連続凹凸形状面3から突条部
32が切削除去され第1仕上面4が形成される。
【0050】一方、第2刃具82は、図7に示すよう
に、シリンダブロック中間体10′のボア部2内におい
て、連続凹凸形状面3(第1仕上面4)に対して当接す
る位置と離間する位置との間で往復移動可能に支持され
ている。この第2刃具82は、第1刃具81が連続凹凸
形状面3を切削しているときには、連続凹凸形状面3か
ら離間した位置に配置されており、第1刃具81が第1
仕上面4を形成し終えた後に第1仕上面4に当接するよ
うに移動させられる。この状態において、第2刃具82
を、ボア部2に対してボア軸心21の回りに相対的に回
転させることによって、第1仕上面4を切削することが
できる。このとき、図9に示すように、第1仕上面4
を、たとえば0.05mm〜0.10mmの深さ
(d2)まで切削することによって、第2仕上面5が形
成される。このようにして、第1仕上工程および第2仕
上工程が効率的に行われる。
【0051】次に、上記金属欠陥補修方法の作用を説明
する。
【0052】上記塑性流動工程において、シリンダブロ
ック中間体10には、図3に示すように、溝部31およ
び突条部32からなる連続凹凸形状面3が形成される。
上述したように、溝部31および突条部32は、ボア部
2の初期面20aの金属組織を圧縮および塑性流動させ
ることにより形成されたものであるため、連続凹凸形状
面3の表層3a、すなわち、連続凹凸形状面3における
溝部31の底から0.10mm〜0.35mmの深さ範
囲にありかつ周方向全域にわたる領域と、突条部32の
内部の領域とにおいては、図6(a)および図6(b)
に示すように、鋳造欠陥が押しつぶされて消滅した状態
となる。このような連続凹凸形状面3は、上記仕上工程
において切削されることによって、第1仕上面4、およ
びボア壁面2aとなる第2仕上面5とされる。第1仕上
面4は、図8に示すように、溝部31の底から0〜0.
20mmの深さ(d1)にて削り出されたものとされて
おり、かつ、第2仕上面5は、図9に示すように、第1
仕上面4から0.05〜0.10mmの深さ(d2)に
て削り出されたものとされているので、第2仕上面5
は、溝部31の底から0.05〜0.30mmの深さ
(d1+d2)にて削り出されたものとなる。すなわち、
ボア壁面2aは、上述したように、シリンダブロック中
間体10において金属組織を圧縮および塑性流動させた
領域を露出させたものとなる。したがって、全域にわた
って鋳造欠陥が露出しないようにして、ボア壁面2aを
形成することができる。
【0053】その結果、プラズマ溶射法などにより、ボ
ア壁面2aに対して鉄系金属を溶着させた耐摩耗層9を
形成する際には、従来例のように、鋳造欠陥内において
溶射金属層が分断されたり、溶射金属膜が鋳造欠陥を覆
いきれずにこの鋳造欠陥が孔として残るのを防止するこ
とができる。
【0054】なお、上記した実施の形態では、シリンダ
ブロック中間体10を鋳造した際に設けられたボア部2
の内壁面が初期面20aとされているが、鋳造直後にお
いてボア部2の内壁面に比較的大きな凹凸がある場合な
どでは、上記塑性流動工程の前に、ボア部2の内壁面を
切削することによって初期面20aを形成するための前
工程を設けてもよい。このようにすれば、初期面20a
をほぼ円筒内面状とすることができ、連続凹凸形状面3
を形成する際に、工具7を初期面20aに対して一様な
押圧力で圧接させることができる。したがって、上記表
層3aを溝部31の底から均一な深さ範囲に形成するこ
とができる。その結果、全域にわたって鋳造欠陥が露出
していないボア壁面2aを確実に形成することができ
る。
【0055】もちろん、本願発明は、上述した実施形態
に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した
事項の範囲内でのあらゆる設計変更はすべて本願発明の
範囲に含まれる。たとえば、上記実施の形態によれば、
鋳造体1は、シリンダブロックとされているが、これに
限ることはなく、たとえば、トランスミッションケース
などに形成されたベアリング嵌入孔など、他の鋳造体と
されていてもよい。また、補修対象となる面は必ずしも
円筒面でなくともよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳造体の一例を示す切り欠き斜視図である。
【図2】図1の鋳造体を製造する際に形成される中間体
を示す切り欠き斜視図である。
【図3】本願発明に係る鋳造体強化方法を説明するため
の切り欠き斜視図である。
【図4】(a)は、本願発明に係る工具の一例を示す側
面図、(b)は、(a)の平面図である。
【図5】本願発明に係る鋳造体強化方法を説明するため
の概略平面図である。
【図6】図5のVI-VI線に沿う断面図であって、(a)
は、加工初期の様子を示し、(b)は、加工後の様子を
示す。
【図7】本願発明に係る鋳造体強化方法を説明するため
の概略平面図である。
【図8】図7のVIII-VIII線に沿う拡大断面図である。
【図9】図7のIX-IX線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック(鋳造体) 2 ボア部 2a ボア壁面 3 連続凹凸形状面 4 第1仕上面 5 第2仕上面 7 工具 20a 初期面 21 ボア軸心 31 溝部 32 突条面 71 工具軸心 72 摺接部 73 山形刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小柳津 貴道 愛知県豊橋市賀茂町字神山3−12 オーエ スジー株式会社豊橋工場内 Fターム(参考) 3G024 AA22 FA00 GA01 GA16 HA07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状のボア部を有する鋳造体を製造
    する際に、当該ボア部を規定するボア壁面の元となる初
    期面に生じた鋳造欠陥を補修または低減するための方法
    であって、 前記初期面に対して、摺接部を有する工具の当該摺接部
    を圧接させつつ摺動させて、当該初期面の金属組織を塑
    性流動させることによって、前記初期面より退避する溝
    部と当該溝部に隣接して前記初期面より突き出る突条部
    とからなる連続凹凸形状面を形成するための塑性流動工
    程と、 前記連続凹凸形状面において、金属組織の塑性流動が生
    じた深さ範囲内で前記溝部よりも深部までを切削除去す
    ることによって、仕上面を形成するための仕上工程と、
    を含むことを特徴とする、鋳造体強化方法。
  2. 【請求項2】 前記塑性流動工程の前に、前記初期面を
    削り出すための前工程を更に含む、請求項1に記載の鋳
    造体強化方法。
  3. 【請求項3】 前記塑性流動工程では、前記連続凹凸形
    状面は、円筒形状の前記ボア部のボア軸心の方向に前記
    溝部および前記突条部が交互に連続して並ぶように形成
    される、請求項1または2に記載の鋳造体強化方法。
  4. 【請求項4】 前記塑性流動工程では、前記溝部は、前
    記初期面に対して0.15〜0.40mmの深さまで形
    成される、請求項1から3のいずれか1つに記載の鋳造
    体強化方法。
  5. 【請求項5】 前記仕上工程は、前記連続凹凸形状面か
    ら前記突条部を切削除去することによって第1仕上面を
    形成するための第1仕上工程と、前記第1仕上面をさら
    に切削することによって第2仕上面を形成するための第
    2仕上工程とを含む、請求項1から4のいずれか1つに
    記載の鋳造体強化方法。
  6. 【請求項6】 前記第1仕上面は、前記溝部から0〜
    0.20mmの深さにて削り出される、請求項5に記載
    の鋳造体強化方法。
  7. 【請求項7】 前記第2仕上面は、前記第1仕上面から
    0.05〜0.10mmの深さにて削り出される、請求
    項6に記載の鋳造体強化方法。
  8. 【請求項8】 前記工具は、一の工具軸心に対して平行
    となるように延設されかつ当該工具軸心からそれぞれ等
    距離に設けられた複数の摺接部を有しており、 各摺接部は、前記工具軸心に対して平行に並べられた複
    数の山形刃を有する、請求項1から7のいずれか1つに
    記載の鋳造体強化方法。
  9. 【請求項9】 前記塑性流動工程では、前記初期面で規
    定される孔部内で前記ボア軸心と前記工具軸心とが平行
    となるように前記工具を配設し、かつ、当該工具を前記
    工具軸心回りに自転させることによって、前記初期面に
    対して前記複数の摺接部を圧接させつつ摺動させる、請
    求項8に記載の鋳造体強化方法。
  10. 【請求項10】 前記塑性流動工程では、前記ボア軸心
    を公転軸として、前記摺接部が前記初期面に対して圧接
    しつつ摺動することが可能な軌道で前記工具を公転させ
    る、請求項8または9に記載の鋳造体強化方法。
  11. 【請求項11】 前記山形刃の頂部は、丸みの付いた形
    状を有する、請求項8から10のいずれか1つに記載の
    鋳造体強化方法。
  12. 【請求項12】 前記山形刃の山高さは、0.3〜0.
    8mmである、請求項8から11のいずれか1つに記載
    の鋳造体強化方法。
  13. 【請求項13】 鋳造体の表面における金属組織を塑性
    流動させるための工具であって、 一の工具軸心に対して平行となるように延設されかつ当
    該工具軸心からそれぞれ等距離に設けられた複数の摺接
    部の各々が前記工具軸心に対して平行に並べられた複数
    の山形刃を有することを特徴とする、工具。
  14. 【請求項14】 前記山形刃の頂部は、丸みの付いた形
    状を有する、請求項13に記載の工具。
  15. 【請求項15】 前記山形刃の山高さは、0.3〜0.
    8mmである、請求項13または14に記載の工具。
  16. 【請求項16】 鋳造体の表面に生じる鋳造欠陥を補修
    または低減するための方法であって、 前記鋳造体の初期の表面である初期面に対して、摺接部
    を有する工具の当該摺接部を圧接させつつ摺動させて、
    当該鋳造体表面の金属組織に塑性流動を生じさせること
    によって、前記初期面より退避する溝部と当該溝部に隣
    接して前記初期面より突き出る突条部とからなる連続凹
    凸形状面を形成するための塑性流動工程と、 前記連続凹凸形状面において、金属組織の塑性流動が生
    じた深さ範囲内で前記溝部よりも深部までを切削除去す
    ることによって、仕上面を形成するための仕上工程と、
    を含むことを特徴とする、鋳造体強化方法。
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