JP2003339883A - 低周波治療用弾力ストッキング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波治療と圧迫療法は単独に行われるだけ
で、同時に行われていない。弾力ストッキングを用いて
の圧迫療法と低周波治療器による低周波治療が同時に行
える弾力ストッキングをつくるのが目的である。 【解決手段】 導電性接着剤を用い、弾力ストッキング
の布地を導電ゴムで上下にサンドイッチ状に貼り合わ
せ、外部より皮膚へ直接低周波が流れるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、弾力ストッキン
グに留置式導電体（電極）を設置したものである。

【０００２】

【従来の技術】低周波治療とは電極を用い、皮膚の上か
ら患部の神経線維にきわめて微弱な低電流パルスを流
し、患部の筋肉をリズミカルに刺激し、筋肉の収縮作用
を起こし、筋肉のマッサージ効果を促進し、静脈血やリ
ンパ液の流れを増加させることにより筋肉の疲労やこり
を改善することである。弾力ストッキングによる圧迫療
法とは、足首の圧迫圧がもっとも高く、上に行くほど圧
迫圧が低くなる段階的圧迫法に基づいて作られたストッ
キングを着用することである。弾力ストッキングを着用
すると筋肉は圧迫され、表面の静脈（表在静脈）の径が
細くなり、血液の流れが速くなり、足全体の静脈還流は
促進される。また、圧迫により毛細血管の径が細くなり
血液とリンパ液の濾過と再吸収が促進される。足首の圧
迫圧が２４ヘクトパスカルの弾力ストッキングは深部静
脈血栓の予防、足の疲れの改善に使用され、４０ヘクト
パスカル前後のものは下肢静脈瘤の予防と治療に、５０
ヘクトパスカル以上のものは上肢ならび下肢のリンパ浮
腫の治療と緩和に使用される。上記の低周波治療（動
的）と圧迫療法（静的）は単独に行われているだけで、
同時には行われていない。同時に行われることによる相
乗（複合）効果により、筋肉の収縮・弛緩と外部からの
圧迫による筋ポンプ作用が向上し、静脈血の還流が促進
することは認められている。しかし、低周波治療用電極
をストッキングの内側に取り付けることの困難性のため
同時に双方を実施するのは不可能であった。その困難性
とは下記のとおりである。 − 電極端子ならび電極が厚いため、着用が困難になる
とともに、圧迫は不均一になる。電極によって皮膚を傷
つける。 − 着用後に、弾力ストッキングの中に手を入れて電極
粘着剤表面の剥離紙を剥がすことは困難である。剥離紙
を剥がした後に弾力ストッキングの着用を試みても、粘
着剤が皮膚にくっつき着用が難しく、電極が脱落するこ
とがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するため、弾力ストッキングに穴を開け、導電性接
着剤を使用し、弾力ストッキングの布地を導電性ゴムで
サンドイッチ状に上下に重ね合わせたもので、弾力スト
ッキングに導電体を貼り合わせ、弾力ストッキング外側
より皮膚への導電性が得られることを課題として研究を
すすめた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】皮膚面に導電性のゲルま
たは粘着剤の使用を避けるため、高導電性ゴムを使用し
た。導電性ゴムは生体親和性（医療用）を有したもの
で、圧迫をかけた状態で、皮膚面に十分な湿気を保持で
きるものである。高導電性接着剤で弾力ストッキングの
布地を浸潤し、弾力ストッキングの布地をサンドイッチ
状に上下に重ね合わせて導電ゴムを弾力ストッキングの
布地に貼り合わせた。導電性ゴムにはシリコンを含む伸
縮性の高いものを使用し、接着剤もシリコンを含む伸縮
性の高いものを使用した。これにより、弾力ストッキン
グ着用時に弾力ストッキングの布地（糸）が導電体から
脱落することが防げ、導電ゴム部の圧迫圧も弾力ストッ
キングの繊維部の圧迫圧と変わらなかった。乾燥肌の患
者の場合、導電ゴムと皮膚の間に湿気が発生するのに時
間がかかるため、予備的措置として導電体（電極）の中
心にゲル注入穴および皮膚との接着面にゲルポケットを
設置した。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明を実施するため、最初は弾
力ストッキングに穴を開け弾力ストッキングの布地を導
電性接着剤で浸潤し、上下の導電性ゴムでサンドイッチ
状に重ね合わせた。当初１ｍｍの厚さの導電性ゴムを使
用したが、皮膚に違和感を認めたため、０．５ｍｍのも
のを使用した。結果は良好で、ゲルを使用することな
く、低周波治療と圧迫療法は同時に行えた。ゲルポケッ
トを作成するには、受けて側（ストッキングの内側）の
板に突起をつけ、押して側（ストッキングの外側）は外
部端子挿入部を半空にした平板を使用した。ゲル注入穴
は円筒状ポンチ（中空のもの）を導電体に打ち付けて作
成した。本発明は以上のような構成であるため、圧迫に
より導電体と皮膚接触面に十部な湿気が保持でき、ゲル
又は粘着剤が皮膚に直接接触することなく、低周波治療
と圧迫療法が同時にかつ効果的に行うことができる。

【０００６】

【発明の効果】本発明は以上のような構成だから、低周
波治療によっての筋肉の収縮・弛緩と圧迫療法による静
脈への圧迫による相乗効果により筋肉のポンプ作用が促
進され、静脈血ならびリンパ液の還流は促進される。ま
た、ゲル又は粘着剤が皮膚に接触しないため、不快感は
ない。静脈還流は促進されるため、次の分野に適応でき
る。上肢・下肢リンパ浮腫の治療と改善、術後深部静脈
血栓予防、下肢静脈瘤の予防と緩和、浮腫の緩和、むく
みと疲れの緩和。なお、本発明による製品は洗濯による
再使用が可能なため、経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】低周波用導電体（電極）留置箇所と下肢用弾力
ストッキングの形状

【図２】留置式低周波導電体（電極）の断面図（外部棒
状端子を使用する）

【図３】下肢への低周波治療と圧迫療法の適応図

【図４】上肢への低周波治療と圧迫療法の適応図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 導電体（電極）を弾力ストッキングの布
   地に留置したため、弾力ストッキング着用中に外部棒状
   端子を弾力ストッキングの外側に装着し、圧迫療法と低
   周波治療が同時に行える弾力ストッキング。
2. 【請求項２】 皮膚に接触する導電ゴムは弾力ストッキ
   ングにより皮膚に押し付けられる（外部密閉圧迫）。そ
   のため、接触面に湿気が保持され導電性が向上し、皮膚
   との接触面に導電性粘着剤又は導電性ゲルを必要としな
   い導電体（電極）。