JP2003339705A - 超音波画像処理装置 - Google Patents

超音波画像処理装置

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JP2003339705A JP2002154519A JP2002154519A JP2003339705A JP 2003339705 A JP2003339705 A JP 2003339705A JP 2002154519 A JP2002154519 A JP 2002154519A JP 2002154519 A JP2002154519 A JP 2002154519A JP 2003339705 A JP2003339705 A JP 2003339705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波画像において、腫瘍と実質臓器とが同
程度のエコーデータを生じ、それらを超音波画像上にて
区別しにくい。 【解決手段】 統計演算部50は対象エコーデータを含
むカーネルを設定し、当該カーネル内の複数のエコーデ
ータに対し、平均値M及び標準偏差Sを定める。乗算係
数選択部54は、M及びSの組み合わせに応じて乗算係
数を選択し、乗算部56は対象エコーデータごとに選択
された乗算係数を、当該対象エコーデータに乗じ、変換
エコーデータを生成し出力する。この変換エコーデータ
を用いて超音波画像を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波ビームによ
り走査された空間にて得られたエコーデータから超音波
画像を生成する超音波画像処理装置に関し、関心部位の
識別を容易とすることに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置は、超音波ビームの走査
により、走査面上や三次元空間に配置されたサンプリン
グ点でのエコーデータを取得する。この二次元的、又は
三次元的に配置されたエコーデータ(エコーデータ空
間)から超音波画像が生成される。例えば、エコーデー
タ空間が二次元、すなわち面である場合には、その面に
沿ったBモード画像等の断層画像を生成することができ
る。また、エコーデータ空間が三次元である場合には、
ボリュームレンダリング(Volume Rendering)法などを
用いて三次元画像を生成することができる。
【0003】例えば、Bモード画像では、画素近傍の数
点でのエコーデータを加重平均した補間値に応じて画素
値が定められる。また、三次元画像の生成においては、
その画像の各画素に対応して互いに平行な複数の視線が
設定され、各視線に沿ったエコーデータを用いて所定の
累積演算を行い、画素値が求められる。このように、従
来の超音波画像では、エコー信号の振幅情報であるエコ
ーデータに応じてその画素値が定められる。すなわち、
基本的にエコーデータ、又は平均演算に基づく補間値や
積算演算に基づく値が画素値とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超音波画像は、生体内
部の組織構造を可視化する目的で幅広く用いられてい
る。その目的の1つに肝臓などの実質臓器内に生じ得る
腫瘍の診断がある。この診断では、Bモード画像や三次
元画像により腫瘍の広がり具合を観察しながら、その良
悪性が判断される。
【0005】ここで、エコー信号は生体内の音響インピ
ーダンスが相異する境界で発生するが、腫瘍と実質臓器
とでは音響インピーダンスの相違が比較的小さく、その
境界では大きなエコーデータが生じない場合がある。そ
のため、エコーデータの大きさに応じて画素値を定めて
超音波画像を形成する従来の画像処理では、腫瘍と実質
臓器とでの画素値の差が小さく、それらを画像上で明確
に識別することが難しいという問題点があった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、異なる組織領域間で音響インピーダンスの
差異が小さい場合においても、それら組織領域を容易に
識別可能な超音波画像が得られる超音波画像処理装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る超音波画像
処理装置は、エコーデータ空間内の各エコーデータを対
象エコーデータとして、その対象エコーデータごとに、
当該対象エコーデータを含む標本空間を設定する標本空
間設定手段と、前記対象エコーデータごとに、前記標本
空間内の複数のエコーデータを用いて、互いに異なる性
質を持った複数の統計量からなる統計量セットを求める
統計演算手段と、前記統計量セットに基づいて変換関数
を選択し、当該変換関数により前記対象エコーデータを
変換して変換エコーデータを生成するエコーデータ変換
手段と、前記変換エコーデータを用いて超音波画像を生
成する画像生成手段とを有する。
【0008】本発明によれば、対象エコーデータに対応
した標本空間内の複数のエコーデータから得られる統計
量セットに応じて変換関数が選択される。そして、各対
象エコーデータに対して選択された変換関数で当該対象
エコーデータを変換して変換エコーデータが生成され
る。例えば、ある2つの対象エコーデータが同じ値であ
っても、統計量セットを構成する統計量の値がそれら対
象エコーデータで相違する場合には、互いに異なる変換
関数が割り当てられ、互いに異なる変換エコーデータが
得られる。変換関数は、識別したい組織の統計的性質に
対応してあらかじめ定められる。このように、識別した
い組織間でのエコーデータの相違が小さい場合であって
も、比較的大きな差異を有する変換エコーデータを用い
て画素値が定められ、超音波画像が生成される。
【0009】本発明の好適な態様は、前記変換関数が、
前記統計量セットに基づいて選択された重み付け係数を
乗じる演算である超音波画像処理装置である。
【0010】本発明の他の好適な態様は、前記統計量セ
ットを構成する複数の統計量がそれぞれ、所定の互いに
異なる次数nを有するn次積率である超音波画像処理装
置である。
【0011】本発明の別の好適な態様は、前記n次積率
が、前記標本空間内の前記エコーデータの平均及び分散
である超音波画像処理装置である。
【0012】本発明のさらに別の好適な態様は、前記標
本空間が、中央部に前記対象エコーデータを有する超音
波画像処理装置である。
【0013】他の本発明に係る超音波画像処理装置は、
三次元空間に配列された各ボクセルでのエコーデータに
対し、視線に沿った演算を行い、前記視線に対応する画
素の画素値を求めるものであって、前記各ボクセルを対
象ボクセルとして、その対象ボクセルごとに、当該対象
ボクセルを含み前記視線方向に一列に並んだ複数のボク
セルからなる標本空間を設定する標本空間設定手段と、
前記対象ボクセルごとに、前記標本空間内の複数のボク
セルのエコーデータを用いて、互いに異なる性質を持っ
た複数の統計量からなる統計量セットを求める統計演算
手段と、前記統計量セットに基づいて変換関数を選択
し、当該変換関数により前記対象ボクセルのエコーデー
タを変換して変換エコーデータを生成するエコーデータ
変換手段と、前記変換エコーデータを用いて前記画素値
を求め超音波画像を生成する画像生成手段とを有する。
【0014】この場合にはエコーデータ空間は三次元空
間であり、その中に設定される複数の視線に沿って画素
値を定める演算が行われる。本発明によれば、その視線
に沿って並んだエコーデータ列の一部分が標本空間とさ
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態である超
音波診断装置について図面を参照して説明する。本装置
は、三次元空間にてエコーデータを取得し、視線に沿っ
てレンダリング処理を行い三次元画像を生成し表示する
ことができる。
【0016】図1は、エコーデータが得られる三次元空
間と、視線及び投影面と、複数の統計量が求められる標
本空間であるカーネルとを示す模式図である。
【0017】エコーデータが得られる三次元空間2はボ
クセルに分割され、各ボクセルにエコーデータが割り付
けられる。また、三次元空間2には、投影面4に形成さ
れる画像の各画素6に対応して平行な視線8が複数本、
設定される。各ボクセルを対象ボクセルとして、その対
象ボクセルごとにカーネル10が設定される。カーネル
10は、例えば、高さ、幅、奥行き方向にそれぞれボク
セルがNx,Ny,Nz個並んだ直方体形状であり、奥
行き方向zが視線方向に一致する。カーネル10は、統
計量を算出するために複数のボクセルを内包し、また一
般にはカーネル10は、そのうちの所定位置、例えば中
央のボクセルが対象ボクセルとなるように設定される。
以下の説明では、処理を簡単とするためにNx=Ny=
1、すなわち、カーネル10は視線8に沿って一列に並
んだ複数個のボクセルで構成されるものとする。
【0018】カーネル10内の複数のエコーデータか
ら、互いに異なる性質を持った複数の統計量からなる統
計量セットが求められる。そして、あらかじめ用意され
た複数の変換関数のいずれかが、統計量セットに基づい
て選択され、対象ボクセルのエコーデータはその選択さ
れた変換関数により変換され、変換エコーデータが生成
される。
【0019】三次元画像のレンダリングでは、視線に沿
ったレイキャスティング等の演算処理により画素6の画
素値が決定される。この画素値を求める演算処理では通
常、エコーデータが視線方向の位置(深さ)に応じて重
み付けされ、視線方向に積算される。本装置では、この
画素値を求める演算は変換エコーデータを用いて行われ
る。すなわち、画素値には、積算処理における深さに応
じた重み付けとは別に、上述の統計量セットに応じた変
換がさらに加味され反映される。
【0020】図2は、本発明の実施形態である超音波診
断装置の概略のブロック構成図である。超音波探触子2
0は、例えばリニアアレイ型の超音波振動子を有し、そ
の超音波振動子を電子走査(リニア走査、セクタ走査)
することによって、走査面が形成される。この走査面を
当該面の法線方向へ例えば機械的に走査することによっ
て、三次元空間でのエコーデータが取得される。ここ
で、超音波探触子20の機械的な走査は図示しない駆動
部によって行われている。
【0021】送受信部22は超音波探触子20に対して
送信信号を供給すると共に、超音波探触子20から出力
された受信信号を処理するものである。その送受信部2
2は受信信号をデジタル信号(エコーデータ)に変換し
た後に、データメモリ部24へ出力する。
【0022】データメモリ部24は、次に説明する前処
理部26での処理で用いられるエコーデータを一時的に
保持するためのメモリであり、例えば三次元のエコーデ
ータ空間を格納可能に構成される。
【0023】前処理部26は、エコーデータから、上述
した変換エコーデータを求める処理を行う。その詳細は
後述する。
【0024】カーネルサイズ発生部28は、ユーザがト
ラックボール等の入力機器30を操作して指定した値N
を受けて、これをカーネルの透視線方向のサイズNzと
して前処理部26に設定する。すなわちNz=Nに設定
される。
【0025】濃度変換部32は、基本的には輝度反転処
理を行う。例えば、血管はエコー強度がかなり小さく、
そのまま表示すると、画像上暗くなり見にくい。また、
単純に、エコーデータを増倍する変換ではノイズまで増
幅される。そこで、そのようなエコーデータが小さい部
分に関心がある場合に、濃度変換部32は、所定の基準
レベルEsを用いて、例えば次式で表される処理を行
い、エコーデータの大小関係を反転させる。ここで、E
oは前処理部26から出力された変換エコーデータ、Er
は反転処理後のエコーデータを表す。
【0026】
【数1】 Er = Es−Eo ………(1) 三次元データメモリ部34は、濃度変換部32から出力
される反転処理後のエコーデータを保持するためのメモ
リであり、三次元のエコーデータ空間を格納可能に構成
される。
【0027】三次元データレンダリング演算部36は、
三次元データメモリ部34に格納されたエコーデータを
用いて、各視線に対するレイキャスティング処理等のレ
ンダリング処理を行って、当該視線に対応する画素値を
算出する。
【0028】フレームバッファメモリ38は、三次元デ
ータレンダリング演算部36で算出された各画素値を格
納する。その結果、フレームバッファメモリ38には、
1枚分の三次元画像の画像データが格納される。
【0029】フレームバッファメモリ38から読み出さ
れた画像データは表示部40に表示される。
【0030】以上、各部の動作は制御部42により制御
される。例えば、制御部42は送受信部22に対して送
信同期信号、またデータメモリ部24にはエコーデータ
の読み出し/書き込みを制御するR/W信号を供給す
る。また、制御部42は、データメモリ部24からのエ
コーデータの読み出し動作に同期して、前処理部26の
内部動作のタイミング制御を行う。さらに、制御部42
は、三次元データメモリ部34に三次元のエコーデータ
空間に対応するデータが格納されると、三次元データレ
ンダリング演算部36に対して演算開始信号を与える。
【0031】次に、本発明の主要な特徴を有する前処理
部26をより詳細に説明する。図3が、前処理部26の
ブロック構成図である。制御部42は、データメモリ部
24から視線に沿って順次、エコーデータを読み出す。
このエコーデータが前処理部26の統計演算部50及び
遅延時間部52に入力される。
【0032】統計演算部50は、処理対象とされるエコ
ーデータ(対象エコーデータ)に対して、カーネルサイ
ズ発生部28により指定されるサイズのカーネルを設定
する。ここではカーネルは視線に沿って一列に並ぶN個
のエコーデータであり、対象エコーデータがその中央に
位置するように設定される。統計演算部50は、互いに
異なる複数の統計量として、カーネル内に含まれるN個
のエコーデータについて次数の異なるn次積率を計算
し、それらを統計量セットとして出力する。ここでは統
計量セットを構成するn次積率として、平均値M(次数
n=1に相当)及び標準偏差値S(次数n=2に相当)
が計算される。
【0033】乗算係数選択部54は、統計演算部50か
ら与えられる統計量セットに基づいて、乗算係数を選択
する。例えば、乗算係数選択部54は、平均値Mと標準
偏差値Sとをパラメータとし、乗算係数を割り当てる二
次元のテーブルであり、例えばメモリを用いて構成され
る。
【0034】乗算部56は、遅延時間部52から順次出
力されるエコーデータに、乗算係数選択部54にて選択
された乗算係数を乗じて、その乗算結果を出力する。こ
の出力が前処理部26の出力である変換エコーデータと
なる。なお、本装置において、前処理部26に入力され
たエコーデータに対する変換関数は、入力データに係数
を乗じた値を求めるものであり、乗算係数選択部54が
その係数を選択することにより、当該変換関数が具体的
に選択されることとなる。
【0035】遅延時間部52は、統計演算部50及び乗
算係数選択部54での処理時間に応じた遅延を発生させ
る。すなわち、乗算部56では、遅延時間部52から入
力されるエコーデータに、当該エコーデータを対象エコ
ーデータとして統計演算部50及び乗算係数選択部54
にて決定された乗算係数が乗じられる。
【0036】図4は、統計演算部50の概略のブロック
構成図である。統計演算部50は、データメモリ部24
から入力されたエコーデータを順次、シフトレジスタ6
0に入力する。入力されたエコーデータはシフトレジス
タ60内を順送りされる。シフトレジスタ60に保持さ
れる所定個数のエコーデータのうち、カーネルサイズで
指定されたN個の連続するデータ(e1,e2,…,eN
と表す)が、平均演算部62及び標準偏差演算部64に
読み出されて、それらN個のエコーデータに基づいて平
均値M及び標準偏差値Sが計算される。平均演算部62
は、シフトレジスタ60から読み出されたエコーデータ
を加算回路70で合計した後、この合計値を除算回路7
2にて加算されたデータ数Nで除算して、次式で表され
る平均値Mを出力する。
【0037】
【数2】 標準偏差演算部64では、シフトレジスタ60から読み
出されたデータそれぞれが合成回路80にて平均値Mを
減算された後、その差分値が乗算回路82にて二乗され
る。さらに、それら各二乗値を加算回路84で合計し、
この合計値を除算回路86にてデータ数Nで除算した
後、平方根演算回路88にて平方根を求め、次式で表さ
れる標準偏差値Sを出力する。
【0038】
【数3】 なお、標準偏差値Sとして、次式で表される簡易計算式
による値を求めるように標準偏差演算部64を構成して
もよい。
【0039】
【数4】 図5は、乗算係数選択部54での処理の一例を説明する
模式図である。この図は、乗算係数選択部54を、平均
値Mと標準偏差値Sとをパラメータとした二次元のルッ
クアップテーブル(LUT)90として構成した場合の
当該テーブルの概念図でもある。ここで、平均値M及び
標準偏差値Sそれぞれは複数の範囲に区分され、それら
M及びSの範囲に基づいてM−S平面が格子状に区分さ
れる。図5に示す例では、M及びSそれぞれが2つの範
囲に区分され、M−S平面が4つの格子領域92-1〜9
2-4に区分される。これら各格子領域92-1〜92-4に
それぞれ乗算係数が設定される。ちなみに、この例で
は、Mは値“110”を境界として2つの範囲に区分さ
れ、Sは値“50”を境界として2つの範囲に区分され
ている。
【0040】図5は、例えば、肝臓などの実質臓器内に
生じた腫瘍及び血管を他の部位と識別容易に表示する場
合に対応している。腫瘍は、実質臓器と同様、比較的大
きな平均値Mを生じる点で類似するが、実質臓器より大
きな標準偏差値Sとなるといった差異を有し得る。この
場合には、実質臓器に設定されたカーネルから得られる
統計量セットは、Mが大きくSが小さい領域92-1に属
し、一方、腫瘍は当該領域92-1よりSが大きな領域9
2-2に属すると考えられる。よって、領域92-1に設定
される乗算係数“1”に対し、腫瘍に対応する領域92
-2には相対的に小さい乗算係数“0.5”が設定され
る。
【0041】もう1つの関心部位である血管の内部は血
液であり、これは一様な液体であるので、実質臓器に比
べて平均値Mが小さくなり、また標準偏差値Sは実質臓
器と程度の小さな値を取る。つまり、血管が占める領域
に設定されたカーネルから得られる統計量セットは、
M,S共に小さい領域92-3に属すると考えられる。よ
って、領域92-1に設定される乗算係数“1”に対し、
血管に対応する領域92-3には相対的に小さい乗算係数
“0”が設定される。
【0042】また領域92-4も実質臓器以外の部位が属
すると考えられ、領域92-1に設定される乗算係数
“1”よりも相対的に小さい乗算係数、例えば“0.
5”が設定される。
【0043】以上のように腫瘍及び血管が属する領域9
2-2,92-3に、実質臓器が属する領域92-1より小さ
い乗算係数を割り当てることにより、前処理部26から
出力される変換エコーデータは、実質臓器より腫瘍、血
管において比較的小さな値を取り得る。しかし、濃度変
換部32での反転処理により、三次元データメモリ部3
4に格納される値は、実質臓器より腫瘍、血管において
比較的大きな値となり、画像上で関心部位である腫瘍及
び臓器が実質臓器より明るく表示される。
【0044】なお、標準偏差値Sが大きい領域92-2に
属する部位ではエコーデータの標準偏差、すなわちばら
つきが大きいが、その領域92-2の乗算係数を領域92
-1の乗算係数より小さくすることで、そのエコーデータ
のばらつきの幅が圧縮がされる。これにより領域92-2
に属する関心部位である腫瘍が、ざらつきの低減された
見やすい画質で表示される。また、領域92-3に関して
は、大きな乗算係数をエコーデータに乗じて直接、明る
い輝度値に対応した変換エコーデータを生成すると、ノ
イズまでも増幅されてしまい画質が劣化する。これに対
して、小さい乗算係数を乗じた後、反転して明るい輝度
値に対応するデータを生成する本装置の構成は、関心部
位である血管が明るいだけでなく、ノイズの少ない良好
な画質で表示される。
【0045】図6は、上述した前処理部26の処理フロ
ー図である。ユーザはトラックボール等の入力機器30
を操作してカーネルサイズを指定する(S100)。統
計演算部50は、各視線に対する初期状態として、その
視線に沿ったエコーデータ列の先頭にカーネルを位置さ
せる(S105)。統計演算部50は、設定したカーネ
ル内のエコーデータの平均値M及び標準偏差値Sを計算
する(S110)。得られたM及びSに基づいて、乗算
係数選択部54は1つの乗算係数を選択する。遅延時間
部52は、乗算係数選択部54からの乗算係数の出力タ
イミングに合わせて、その乗算係数に対応するカーネル
内の対象エコーデータを乗算部56へ出力する。乗算部
56では、この対象エコーデータと乗算係数とが乗じら
れる(S115)。その乗算結果が変換エコーデータと
して前処理部26から出力される(S120)。
【0046】統計演算部50は視線に沿ってカーネルを
順に移動させ(S125)、上記ステップS110〜S
120が繰り返される。カーネルがある視線の終わりま
で移動すると(S130)、視線を移動させ(S13
5)、以上のステップS105〜S130が全ての視線
について繰り返される(S140)。
【0047】図7は、前処理部26及び濃度変換部32
での処理例を示すエコーデータの模式図である。図にお
いて、縦軸がデータ値E、横軸が視線上での位置を表
す。図7(a)は、データメモリ部24から読み出され
るエコーデータを表し、実質臓器に対応し、エコーデー
タのばらつきが比較的小さい(例えばS=40の)実質
臓器区間200、腫瘍に対応し、エコーデータのばらつ
きが比較的大きい(例えばS=80の)腫瘍区間202
及び、血管に対応し、エコーデータが小さい血管区間2
04を含んでいる。ここで、実質臓器区間200と腫瘍
区間202とはエコーデータの平均値が同程度(例えば
それぞれM=120,100)である。
【0048】図7(b)は、図5に示す乗算係数を乗じ
て得られた前処理部26の出力でのエコーデータ
((1)式におけるEo)を表す。前処理部26での変
換により、腫瘍区間202の平均値は実質臓器区間20
0の半分程度(例えばM=50)となる。また腫瘍区間
202でのエコーデータのばらつきが半分に低減される
(例えばS=40となる)。血管区間204のエコーデ
ータは0とされる。
【0049】前処理部26の出力に対し、濃度変換部3
2は、実質臓器区間200でのエコーデータの平均値付
近に設定する基準レベルEs(図7(b)の水平の点線
210)に基づいて(1)式による反転演算を行い、
(1)式におけるErを出力する。図7(c)は、濃度
変換部32の出力値Erを表す。反転することにより、
実質臓器区間200より腫瘍区間202及び血管区間2
04でのデータが大きくなり、これを用いて関心部位の
腫瘍及び血管が明るく見やすく表示される。
【0050】
【発明の効果】本発明の超音波画像処理装置によれば、
エコーデータそのものでは区別しにくい被検体内の異な
る領域が、それら領域でのエコーデータの統計量セット
の相違に基づいて、超音波画像上にて識別容易に表示さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エコーデータが得られる三次元空間と、視線
及び投影面と、複数の統計量が求められる標本空間であ
るカーネルとを示す模式図である。
【図2】 本発明の実施形態である超音波診断装置の概
略のブロック構成図である。
【図3】 前処理部の概略のブロック構成図である。
【図4】 統計演算部の概略のブロック構成図である。
【図5】 乗算係数選択部での処理の一例を説明する模
式図である。
【図6】 前処理部での処理の概略のフロー図である。
【図7】 前処理部及び濃度変換部での処理例を示すエ
コーデータの模式図である。
【符号の説明】
20 超音波探触子、22 送受信部、24 データメ
モリ部、26 前処理部、28 カーネルサイズ発生
部、30 入力機器、32 濃度変換部、34三次元デ
ータメモリ部、36 三次元データレンダリング演算
部、38 フレームバッファメモリ、40 表示部、5
0 統計演算部、52 遅延時間部、54乗算係数選択
部、56 乗算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C301 BB13 EE11 EE20 JB29 JB32 JC07 JC20 KK17 KK30 LL03 LL04 5B057 AA07 BA05 BA24 BA26 CA08 CA12 CA16 CB08 CB13 CB16 CC01 CD14 CE11 CH08 CH11 CH18 DA08 DA16 DB03 DB09 DC01 DC22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エコーデータ空間内の各エコーデータを
    対象エコーデータとして、その対象エコーデータごと
    に、当該対象エコーデータを含む標本空間を設定する標
    本空間設定手段と、 前記対象エコーデータごとに、前記標本空間内の複数の
    エコーデータを用いて、互いに異なる性質を持った複数
    の統計量からなる統計量セットを求める統計演算手段
    と、 前記統計量セットに基づいて変換関数を選択し、当該変
    換関数により前記対象エコーデータを変換して変換エコ
    ーデータを生成するエコーデータ変換手段と、 前記変換エコーデータを用いて超音波画像を生成する画
    像生成手段と、 を有することを特徴とする超音波画像処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超音波画像処理装置にお
    いて、 前記変換関数は、前記統計量セットに基づいて選択され
    た重み付け係数を乗じる演算であることを特徴とする超
    音波画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の超音波画
    像処理装置において、 前記統計量セットを構成する複数の統計量はそれぞれ、
    所定の互いに異なる次数nを有するn次積率であること
    を特徴とする超音波画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の超音波画像処理装置にお
    いて、 前記n次積率は、前記標本空間内の前記エコーデータの
    平均及び分散であることを特徴とする超音波画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1つに
    記載の超音波画像処理装置において、 前記標本空間は、中央部に前記対象エコーデータを有す
    ることを特徴とする超音波画像処理装置。
  6. 【請求項6】 三次元空間に配列された各ボクセルでの
    エコーデータに対し、視線に沿った演算を行い、前記視
    線に対応する画素の画素値を求める超音波画像処理装置
    において、 前記各ボクセルを対象ボクセルとして、その対象ボクセ
    ルごとに、当該対象ボクセルを含み前記視線方向に一列
    に並んだ複数のボクセルからなる標本空間を設定する標
    本空間設定手段と、 前記対象ボクセルごとに、前記標本空間内の複数のボク
    セルのエコーデータを用いて、互いに異なる性質を持っ
    た複数の統計量からなる統計量セットを求める統計演算
    手段と、 前記統計量セットに基づいて変換関数を選択し、当該変
    換関数により前記対象ボクセルのエコーデータを変換し
    て変換エコーデータを生成するエコーデータ変換手段
    と、 前記変換エコーデータを用いて前記画素値を求め超音波
    画像を生成する画像生成手段と、 を有することを特徴とする超音波画像処理装置。
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