JP2003339658A - 体脂肪測定装置 - Google Patents

体脂肪測定装置

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JP2003339658A JP2002157773A JP2002157773A JP2003339658A JP 2003339658 A JP2003339658 A JP 2003339658A JP 2002157773 A JP2002157773 A JP 2002157773A JP 2002157773 A JP2002157773 A JP 2002157773A JP 2003339658 A JP2003339658 A JP 2003339658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インピーダンスCT法によって、測定部位断面
における脂肪分布を十分な精度と分解能で画像化し、そ
の画像から体脂肪量を推定することのできる、比較的簡
易で且つ小規模な体脂肪測定装置を提供する。 【解決手段】測定部位の外周上に配置した複数の電極1
のうち、順次選択される2つの電極間に電流を印加し、
残りの電極の電位もしくは電極間の電位差を測定する生
体インピーダンス測定手段2と、測定値に基づいて測定
部位の断面上の導電率分布を算出し、算出された導電率
分布を画像化する導電率分布算出手段4と、得られた画
像を表示する表示手段6とを備え、印加電流の周波数が
350kHz以上10MHz以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インピーダンスCT
法によって測定部位断面の体脂肪分布を画像化し、体脂
肪量を測定する体脂肪測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内に蓄積される脂肪は、その蓄積部
位から、皮下脂肪と内臓脂肪とに大別される。このうち
特に内臓脂肪の蓄積は、糖尿病、高血圧、高脂血症とい
った疾病の誘発因子となることが最近の研究で判明し、
健康の維持、増進のために内臓脂肪量の管理の重要性が
認識されている。
【0003】測定部位断面の脂肪分布を画像化し、皮下
脂肪量と内臓脂肪量のそれぞれを分けて測定可能な装置
にはX線CT、MRI等が知られている。しかしなが
ら、これらの装置は極めて高価で、しかも装置の維持管
理に費用と手間がかかり、また隔離された部屋と広い設
置床面積を必要とし、比較的大規模な装置になる。した
がって、一般人が健康管理のために日常的に使用するに
は適していない。
【0004】また、両手間あるいは両足間の電気インピ
ーダンスを測定し、身長や体重等の補助データとから体
脂肪量を算出する体脂肪計が市販されているが、これら
は体全体の総脂肪量を推定するものであり、皮下脂肪量
と内臓脂肪量を分離して求めることはできない。また、
体脂肪量の計測においても、個人による筋肉の発達度合
の差や体内水分量の日内変動によって大きな測定誤差が
発生するといった問題を有している。
【0005】また、超音波を応用した体脂肪測定装置は、
体表に近い皮下脂肪の厚みを測定するには充分であるも
のの、体内の深部に存在する内臓脂肪を、実用上充分な
精度でとらえることは測定原理上困難である。
【0006】測定部位断面での導電率分布を比較的簡易
な装置で画像化する方法としてインピーダンスCT法が
知られており、本発明者らはこのインピーダンスCT法
を体脂肪測定に応用することに着目した。インピーダン
スCT法は、測定部位に電流を流し、その外周表面上に誘
起された電位分布から測定部位断面での導電率分布を推
定する技術で、特許1591662号、特許1730650号などにそ
の記載がある。また、測定した電位分布から導電率分布
の画像を構成する方法として、米国特許US4617939又はC
lin.Phys.Physiol.Meas. vol.11 SUPPL.A pp.45-46(199
0)に記載のBack Projection Method、米国特許US453964
0又はAppl.Opt., vol.24 pp.3985-3992(1985)に記載のD
ouble Constraint Method、米国特許US5465730又はJ.Ph
ys.D vol.24,pp.1911-1916(1991)に記載のSpectrum Exp
ansion Method、IEEE Trans. Biomedical Eng. vol.34
pp.843-852(1987)に記載のMarquardt Method 等が知ら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インピーダンスCT法では、構成した導電率分布画像の
精度や分解能が不充分であり、医学の分野などでの本格
的な実用化には至っていない。特に、主な測定対象とす
る腹部は、断面サイズが大きくかつ脂肪分布が複雑なこ
ともあり、十分な精度と信頼性を持った断面画像は得ら
れていない。また、従来のインピーダンスCT法では多
くの場合、測定部位断面の輪郭形状を円あるいは楕円で
近似しているが、そのような近似も十分な精度と信頼性
を持った断面画像を得られない一因と考えられる。
【0008】また、測定対象が心臓や肺などの動的な動
きのある臓器であれば、米国特許US5746214のように、
その動的挙動に伴う大きなインピーダンス変化をとら
え、インピーダンスCT法によってある程度の精度で断
面画像を得ることができる。しかしながら、測定対象と
する脂肪には動的な動きがないため、その方法を適用す
ることはできない。
【0009】本発明は、インピーダンスCT法によっ
て、測定部位断面における脂肪分布を十分な精度と分解
能で画像化し、その画像から体脂肪量を推定することの
できる、比較的簡易で且つ小規模な体脂肪測定装置を提
供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の体脂肪測定装置は、測定部位の外周上に配
置した複数の電極と、複数の電極のうち、順次選択され
る2つの電極間に電流を印加し、残りの電極の電位もし
くは電極間の電位差を測定する生体インピーダンス測定
手段と、測定値に基づいて測定部位の断面上の導電率分
布を算出し、算出された導電率分布を画像化する導電率
分布算出手段と、得られた画像を表示する表示手段とを
備えた体脂肪測定装置において、印加電流の周波数が3
50kHz以上10MHz以下である。
【0011】また、測定部位の外周上に配置した複数の
電極と、複数の電極のうち、順次選択される2つの電極
間に電流を印加し、残りの電極の電位もしくは電極間の
電位差を測定する生体インピーダンス測定手段と、測定
値に基づいて前記測定部位の断面上の導電率分布を算出
し、算出された導電率分布を画像化する導電率分布算出
手段と、得られた画像を表示する表示手段とを備えた体
脂肪測定装置において、導電率分布算出手段は、断面内
の導電率と断面に垂直な方向の導電率との異方性に基づ
いて導電率分布の画像化を行う。
【0012】また、これらの体脂肪測定装置に、測定部
位の外周上に配置した複数の電極の位置を検出すること
により測定部位の断面の輪郭情報を測定する輪郭情報測
定手段を設け、導電率分布算出手段が、輪郭情報測定手
段で測定された測定部位の断面の輪郭情報と測定値とに
基づいて導電率分布の画像化を行うことによって、性能
がいっそう向上する。
【0013】なお、本明細書中では表現の簡単のため、
測定部位断面上の導電率分布という表現をとるが、電流
は測定部位断面上だけではなくその周囲にも三次元的に
広がって流れるため、本発明によってえられる導電率分
布は必然的に測定断面近傍の導電率分布を空間平均した
分布画像になり、測定部位断面上の導電率分布という定
義もそのような平均分布を意味するものとする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0015】(第1の実施形態)図1は本発明の第1の
実施形態の体脂肪測定装置を示す構成図である。体脂肪
測定装置は、被測定体の外周表面上に配置する複数の電
極を有する電極群1と、複数の電極のうち順次選択され
る二つの電極間に電流を流し、残りの電極の電位もしく
は電極間の電位差を測定する生体インピーダンス測定手
段2と、電極の位置から被測定体の輪郭情報を計測する
輪郭情報測定手段3と、測定された電位または電位差お
よび輪郭情報とから被測定体の測定部位断面上の導電率
分布を求める導電率分布算出手段4と、得られた導電率
分布に基づいて脂肪とそれ以外の組織(筋肉、骨、臓器等)
とを判別する脂肪判別手段5と、その判別結果に基づい
て脂肪分布を表示する表示手段6とからなる。また、本
発明の体脂肪測定装置には、脂肪判別手段5による判別
結果に基づいて被測定体の体脂肪量、体脂肪率、内臓脂
肪量、皮下脂肪量を算出する脂肪量算出手段7を設けて
もよい。
【0016】本発明の第1の実施形態における体脂肪測
定方法について説明する。被測定体の測定部位の外周表
面上に電極群1の複数の電極を接触させ、生体インピー
ダンス測定手段2が複数の電極のうち順次選択される二
つの電極間に電流を流し、残りの電極の電位もしくは電
極間の電位差を測定する。同時に、輪郭情報測定手段3
が被測定体の外周表面上に配置された電極の位置を計測
し、その計測値から被測定体の輪郭情報を算出する。導
電率分布算出手段4は、測定された電位または電位差お
よび輪郭情報とから、被測定体の測定部位断面上の導電
率分布を数値計算により算出し、脂肪判別手段5は得ら
れた導電率分布に基づいて脂肪とそれ以外の組織(筋肉、
骨、臓器等)とを判別する。表示手段6は、導電率分布算
出手段4で得られた測定部位断面における導電率分布あ
るいは脂肪判別手段5の判別結果に基づき求めた脂肪分
布を画像として表示する。また、脂肪量算出手段7は前
記判別結果に基づいて被測定体の体脂肪量、体脂肪率、
内臓脂肪量、皮下脂肪量を算出し、算出結果は表示手段
6に数値として表示される。
【0017】電極群1はたとえば図2に示すような平面
図を有する構造をとることができる。リング状の支持板
51上に、複数のエアシリンダ54がリングの中心を向
いて固定され、エアシリンダ54のロッド54aの先端
には電極53が配置されている。被測定体50は支持板
51の開閉部52を開くことによって支持板51の中心
部に入り込み、開閉部52を閉じた後、測定に供され
る。被測定体表面への電極53の接触は、エアシリンダ
54に空気圧をかけてロッド54aを伸長し、電極53
を被測定体表面に押し付けることにより行う。測定部位
をたとえば人体腹部とする場合には、被験者を支持板5
1の中心に立位で静止させ、支持板51の高さを被験者
の臍高位に合わせることにより被験者の腹部外周上に電
極を配置する。
【0018】電極53の数は、測定部位の種類や大きさ
に応じて適宜選択することができる。たとえば人体腹部
を測定部位とする場合には、典型的にはその数を16〜
64個とすることができる。これらの電極53は通常同
一平面上(同一高さ)に配置するが、電極53の数が多
い場合には、高さを何段階かに分けて配置することもで
きる。1つのロッド54aの先端に複数個の電極53を
配置してもよい。
【0019】電極53は被測定体50の表面に適当な圧
力で接触させることが好ましい。十分な電気的接触が確
保できる程度に圧力は強くなくてはならないが、一方で
被測定体50の外周形状を大きく変形させるほど強い圧
力は好ましくない。このような圧力制御を可能にするた
め、エアシリンダ54は水平に設置した際の静摩擦抵抗
が100gf以下であることが好ましい。そのようなエ
アシリンダ54として、たとえば米国AIRPOT社のAIRPEL
を使用することができる。電極53と被測定体50表面
との接触を良好にするため、ロッド54aに対して電極
53の向きが可変になるように、電極53とロッド54
aとの接続部を回転可能な構造にしてもよい。あるいは
また、電極53が被測定体50表面に吸着可能な吸引構
造としてもよい。電極53の材質としては、合成樹脂に
金属めっきを施したもの、金属や導電性樹脂などを使用
することができる。また、接触抵抗を低減するため、被
測定体50と電極53との接触面に導電性の液体やゲ
ル、クリームを塗布したり、シート状の導電性ゲルや導
電性の液体を含んだ軟らかな多孔体を挟むことができ
る。導電性の液体として、たとえば、水道水、化粧水や
食塩水などのイオンを含んだ水があげられる。
【0020】生体インピーダンス測定手段2は、たとえ
ば図3のような構成をとることができる。コンピュータ
61により制御された発振器62は、正弦波を発生して
定電流回路63に信号を送り、定電流回路63は、コン
ピュータ61により順次切り替えられるスイッチ群64
を介して被測定体である生体に定電流を印加する。印加
する電流量は通常0.3〜3.0mArmsとすることがで
きる。
【0021】定電流回路63から印加する電流の周波数
は350kHz以上10MHz以下であることが好ましく、4
00kHz以上3MHz以下であることが更に好ましい。本発
明者らは、測定部位断面の導電率分布を画像化する精度
と分解能が、印加電流の周波数に応じてどのように変化
するかを検討した結果、インピーダンスCT法で通常使
用される50kHz〜100kHzの周波数では脂肪分布の画
像化精度が低く、周波数が350kHz以上のとき、特
に400kHz以上のときに画像化の精度と分解能が向
上することを見出した。350kHz以上の周波数にお
いて生体組織の導電率の異方性が小さくなることもその
一因と考えられる。また、周波数が上記上限値よりも大
きくなると、被測定体50を介さずに電極間を電流信号
が流れるようになり、画像化の精度と分解能が低下す
る。
【0022】米国特許US5746214には、9.6kHz〜
1228.8kHzの周波数を用いて心臓や肺の分布を
画像化した例があるが、心拍に伴うインピーダンスの動
的変化の周波数依存性と呼吸に伴う同じ変化の周波数依
存性との差を幅広い周波数範囲で検出するために広範な
周波数を使用したものであり、上記特許には、動的な変
動のない脂肪分布を画像化した試みはなく、したがって
また、脂肪分布の画像化にとって350kHz以上が好
ましいという示唆も無い。
【0023】定電流回路63による被測定体50への電
流印加方法としては、図4に示すように、電流印加用電
極の一方の電極65aを接地し、他方の電極65bに信
号源63aから信号電圧を印加する方法や、図5に示す
ように、ゼロ電位(接地電位)を中心に、大きさが同じ
で符号が反対の電位を信号源63a,63bから2つの
出力端子に発生する平衡出力型の定電流回路を用いる方
法がある。図4に示す方法は電気回路の構成が簡単にな
るという利点があるが、差動増幅器66のCMRR(同
相電圧除去比)の有限性に起因する電圧測定誤差を発生
しやすいという欠点を有する。差動増幅器66のCMR
R(同相電圧除去比)の有限性に起因する電圧測定誤差
を抑制するという観点からは、図5に示す電流印加方法
が好ましい。
【0024】被測定体表面で発生した電位は、電極65
を通して差動増幅器66で増幅され、その出力信号がマ
ルチプレクサ67を通ってバンドパスフィルタ(帯域通
過フィルタ)68に導かれる。このとき、電極65から
来る電気信号は非常に微弱であり、差動増幅器66の入
力インピーダンスを高くしなければならないため、電極
65から差動増幅器66までの電線の距離を30cm以
内として、外部から電線に飛来するノイズ量を極小化す
ることが好ましい。バンドパスフィルタ68を通過した
信号は、位相検出型アンプ69に導かれ、移相器71か
らのタイミング信号を用いて正弦波発振器62と同一位
相の成分(実部)と90度位相の遅れた成分(虚部)に
分解された後、直流電圧信号に変換される。最後に、そ
の直流電圧信号が直流電圧計(DC電圧計)70によっ
てA/D(アナログ/デジタル)変換され、コンピュー
タ61に取り込まれる。
【0025】これらの操作をマルチプレクサ67の接点
を移動させて繰り返し、すべての差動増幅器66からの
出力信号を計測する。さらに、スイッチ群64を順次切
り替えて別の電極間に電流を流し、差動増幅器66から
の出力信号を同様にして計測する。
【0026】被測定体50に電流を印加する際の電流印
加用電極65は被測定体50の外周上に配置した電極か
ら適宜選択できるが、通常、隣接する二つの電極または
間に一つ電極を挟んで近接する二つの電極などを被測定
体50の全周にわたって選択する。測定した電位差の絶
対値が小さく、ノイズの影響が大きい場合には、間によ
り多くの電極を挟んだ二つの電極を選択してもよい。測
定電位差が大きくなり、ノイズの影響が低減する。ま
た、被測定体50の中心付近の脂肪量をより正確に求め
るために、被測定体50を挟んで略対向する二つの電極
を電流印加用電極に選択してもよい。被測定体50の外
周上に発生する電位分布は、電流印加用電極以外の電極
を用いて、隣接する電極間の電位差(電圧)を測定する
ことによって求めることができる。あるいは、いずれか
一つの電極の電位又は接地電位を基準電位として、その
基準電位と各電極との間の電位差を測定することによっ
て求めてもよい。
【0027】輪郭情報測定手段3はエアシリンダ54に
付加されたセンサ54bとコンピュータとから構成され
る。すなわち、エアシリンダ54にはロッド54aが駆
出された量に応じた電気信号を出力するセンサ54bが
取り付けられており、コンピュータは、ロッド54aが
完全に引き込まれた時の電極の位置情報とセンサ54b
によって検出されたロッド54aの駆出量情報とから、
被測定体50に押しつけられた電極53の位置を計算す
る。すべてのエアシリンダ54における電極53の位置
を検知することにより、被測定体50の輪郭形状が得ら
れる。また、得られた輪郭形状から、腹部におけるウエ
スト周囲長のような測定部位断面の外周長あるいは測定
部位断面の長軸方向の幅や短軸方向の幅あるいは測定部
位断面の断面積などを求めることもできる。
【0028】インピーダンスCT法で導電率分布を導出
する際に必要な輪郭情報には、測定部位断面の輪郭形状
と輪郭上の電極の配置位置の二つがあるが、本実施例の
輪郭情報測定手段3は断面の輪郭形状を電極の配置位置
から決定する。この方法は、電極53の数が多く、測定
部位断面の外周上に密に電極が配置されている場合に特
に有効で、簡便に輪郭形状を決定することができる。本
実施例の方法に限らず、測定部位断面の輪郭形状は反射
型のレーザ式(光学式)変位センサや反射型の超音波式
変位センサなどを利用して別に測定してもよいし、これ
らの測定値と電極の位置情報とを合わせた情報から求め
てもよい。
【0029】従来のインピーダンスCT法では多くの場
合、測定部位断面の輪郭形状を円あるいは楕円で近似し
ていたが、人体腹部のような複雑な脂肪分布を画像化す
るためにはそのような近似法では精度が不十分であるこ
とが本発明者らの検討により明らかになった。本発明で
は体脂肪測定装置に輪郭情報測定手段を組込むことによ
って、正確な画像化が初めて可能になったものである。
【0030】導電率分布算出手段4はコンピュータおよ
びそのコンピュータに組み込まれたソフトウエアからな
り、ソフトウエアは以下のアルゴリズムに従って導電率
分布を算出する。
【0031】まず、輪郭情報測定手段3によって求めら
れた測定部位断面の輪郭形状ならびに測定部位外周上に
配置された電極53の位置情報は、コンピュータ61に
入力され、被測定体50と同一の輪郭形状を有する仮想
モデル面がコンピュータ61内に形成される。次に、仮
想モデル面上に初期値として適当な導電率分布を与え、
生体インピーダンス測定手段2による測定と同様の電極
間に同様の電流を流したとき、仮想モデル面外周上に発
生する電位分布を有限要素法などによって計算する。算
出した電位分布を、生体インピーダンス測定手段2で実
際の被測定体50に対して測定された電位差(実測値)
と比較し、両者の差(残差)が小さくなるように、仮想
モデル面上の導電率分布を修正する。導電率分布を修正
した仮想モデル面に対して、同様にして外周の電位分布
を計算し、実測値と再度比較する。残差が所定の設定値
以下になるまであるいは残差が一定値に収束するまでこ
れらの操作を反復し、仮想モデル面上に測定部位断面と
同一の導電率分布を再現する。
【0032】上記のアルゴリズムにおいて、二次元的な
仮想モデル面の代わりに、図6に示すような、長手方向
に同一の断面形状を有する三次元的な仮想モデル体72
を用いることもできる。これによりモデルが実際の被測
定体50の立体形状に近づくため、導電率分布の画像化
の精度が向上する。仮想モデル体72の長手方向断面の
輪郭は被測定体50の輪郭情報と同一とし、全ての断面
上で同一の導電率分布を有するものとする。この仮想モ
デル体72の一つの断面(測定部位断面73)外周から
電流を印加し、断面上および断面近傍を流れる電流によ
って該断面外周上に形成される電位分布を有限要素法な
どによって計算する。
【0033】残差としては、測定部位断面73の外周上
の各測定点における電位差(あるいは電位)の実測値と
計算値の差の二乗和が典型的には使用されるが、外周上
の電位変化の小さい領域の感度をあげるために、前記実
測値と計算値の対数の差の二乗和を使用することもでき
る。
【0034】残差を極小化するための反復計算手法に
は、Marquardt法、Back Projection法、Spectrum Expan
sion法、Double Constraint 法等を使用することができ
る。従来のMarquardt 法では、残差と感度マトリックス
とから導電率の修正量を求める連立方程式において、そ
の対角成分に追加する定数αを反復計算ごとに変化(減
少)させるが、本発明においては、何回かの反復計算の
間はαの値を一定値にとどめる改良Marquardt法を用い
ることも有効である。αの値がある程度まで小さくなる
と、算出した導電率分布にノイズが現れるので、それを
反復計算終了の目安とすることもできる。得られた導電
率分布の画像は適宜、空間フィルタを使ってノイズを削
除する。本改良法によると、測定された電位差(実測
値)のノイズの影響をあまり受けずに正しい導電率分布
に行き着くことができ、また、US5465730の特許技術(S
pectrum Expansion法)と同等の効果を少ない計算時間
でえられるという利点がある。
【0035】生体インピーダンス測定手段2で測定した
複数の電位差データを用いて、被測定体50の測定部位
外周上で電極53が配置されていない位置の電位を、内
挿あるいは外挿によって推定する操作を前記アルゴリズ
ムに付加してもよい。推定した電位あるいは電位差を複
数用意し、これらを実測された電位差データに加えるこ
とによって測定データの数を見かけ上増やし、導電率分
布の画像化の精度や分解能を向上させることができる。
この方法によれば、たとえば32個の電極を有する測定
系によって、64個の電極を配した測定を近似すること
ができる。
【0036】脂肪判別手段5はコンピュータで構成さ
れ、導電率分布算出手段4によりえられた導電率分布画
像の中で所定のしきい値以下の導電率を有する領域を脂
肪領域と判定し、それ以外の領域を非脂肪域と判定す
る。このとき、しきい値を複数個設け、脂肪とそれ以外
の組織との判別だけではなく、体内に存在する水(高導
電率の物質)やガス(低導電率の物質)、骨などの領域
を判定することもできる。さらに、脂肪判別手段5は、
しきい値で判定した脂肪領域と非脂肪領域との境界線に
対して、生体組織学的に予想される脂肪分布を参考にし
て丸めなどの補正処理を施し、より自然な脂肪領域を求
めるようにしてもよい。
【0037】表示手段6は、液晶表示素子やブラウン管
表示素子等の画像表示素子あるいは紙、フィルム等の印
刷媒体への印刷機器を用いることができる。画像表示素
子の画面あるいは印刷機器の印刷媒体上には、算出した
導電率分布画像や脂肪分布画像を表示したり、被験者の
プロフィールなどの入力データや算出した体脂肪量など
の出力データの数値および文字情報を表示することがで
きる。導電率分布画像は、導電率の大きさに応じて配色
を変えるカラー表示や、表示色の濃淡を変える濃淡表
示、表示模様を変える模様表示等によって表せばよい。
【0038】脂肪量算出手段7は、コンピューターで構
成される。輪郭情報測定手段3で測定された測定部位断
面上において、脂肪判別手段5で脂肪と判定された領域
の面積を算出し、測定部位断面での脂肪断面積を計算す
る。あるいは脂肪断面積と測定部位断面の全断面積との
比を求めたり、この比の値から被測定体全体の体脂肪率
を推定することもできる。また、測定部位が腹部である
場合、脂肪判別手段5で脂肪と判定された領域のうち腹
部断面の外周に接している領域を皮下脂肪と判定し、そ
の領域の面積を皮下脂肪面積として求めたり、皮下脂肪
以外の腹部断面内部に存在している脂肪を内臓脂肪と判
定し、内臓脂肪面積を求めることができる。
【0039】本発明の第1の実施形態の体脂肪測定装置
によって測定した、人体腹部断面での導電率分布画像8
1と脂肪分布画像82の例をそれそれ図7と図8に示
す。図7は濃淡表示で表してあり、濃度が濃いほど導電
率が大きい。また、図8において白色は脂肪領域、黒色
は非脂肪領域を表す。外周に接する脂肪領域が皮下脂
肪、内部の脂肪領域が内臓脂肪である。このとき、被測
定体50に印加した交流電流の周波数は500kHzと
し、電流量は1mArmsとした。また、腹部外周上に
配置する電極数は32とし、測定された電位差データを
内挿および外挿して仮想的に64個の電極を配した際の
測定データを近似的に再現して導電率分布画像の導出に
使用した。また、残差を極小化するための反復計算は、
三次元的な仮想モデル体72を使用し、改良Marquardt
法で行った。
【0040】(比較例1)比較例1の体脂肪測定装置
は、被測定体50に印加する交流電流の周波数を100
kHzおよび300kHzとする以外は第1の実施形態
と同様にして構成した。図9及び図10は、それぞれ周
波数100kHz及び300kHzの電流を第1の実施
形態と同一の被測定体50に印加して求めた人体腹部断
面での導電率分布画像83,84である。なお、それ以
外の条件は図7の導電率分布画像81の作成時に使用し
た条件と同じである。
【0041】図7と図9、図10を比較すると、図7の
導電率分布画像81が、腹部断面における脂肪ならびに
筋肉の分布を、対称性と連続性とにおいて、正しく画像
化していることがわかる。
【0042】このように第1の実施形態の体脂肪測定装
置によれば、インピーダンスCT法において、印加電流
の周波数を350kHz以上10MHz以下としたの
で、測定部位断面における脂肪分布を十分な精度と分解
能で画像化することができる。このため、その画像から
体脂肪量を推定することができ、比較的簡易で且つ小規
模な体脂肪測定装置を提供することができる。特に、脂
肪分布の複雑な腹部の場合には、その効果はさらに大と
なる。
【0043】また、導電率分布算出手段4は、輪郭情報
測定手段3で測定された測定部位の断面の輪郭情報と測
定値とに基づいて導電率分布の画像化を行うので、性能
がいっそう向上する。
【0044】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態の体脂肪測定装置について説明する。図11は
本発明の第2の実施形態の体脂肪測定装置を示す構成図
である。第2の実施形態の体脂肪測定装置は、生体イン
ピーダンス測定手段2aが、被測定体50に印加する交
流電流の周波数を3kHz〜10MHzとし、導電率分
布算出手段4aが、測定部位断面内の導電率と断面に垂
直な方向の導電率との異方性を考慮して導電率分布を画
像化することを特徴とする。これら以外の図11に示す
構成は、図1に示す第1の実施形態の体脂肪測定装置と
同様に構成されるものとし、同一部分には同一符号を付
すものとする。
【0045】導電率分布あるいは脂肪分布の画像化の精
度を低下させる要因の一つに、筋肉をはじめとする生体
組織の導電率異方性がある。とはいっても導電率異方性
を考慮すると、画像化に要する計算量が大幅に増加する
ため、従来のインピーダンスCT法では導電率をただ一
つのスカラーとして扱い、その異方性を無視してきた。
第1の実施形態で使用した350kHz以上の交流電流
に対しては、生体組織の導電率の異方性が小さくなり、
それを無視することもできるが、一般の周波数を考える
場合には、導電率の異方性を考慮して脂肪分布画像の導
出精度の改善を行うことが望まれる。
【0046】しかしながら、導電率の異方性を通常の方
法で考慮すると、6つの独立成分を有する導電率テンソ
ルを導電率分布算出手段4の中のアルゴリズムで扱うこ
とになり、膨大な計算量を要し、現実的ではない。何ら
かの簡略化した取り扱い方法を考案することが必要とな
る。
【0047】本発明者らは、実質上十分な精度で導電率
の異方性を考慮できる、以下のような簡易手法を見い出
した。すなわち、測定部位断面に平行な方向の導電率テ
ンソルの対角成分σx(面内電気伝導度)と測定部位断
面に垂直な方向の導電率テンソルの対角成分σzの二つ
の量によって測定部位断面での導電率を記述する。さら
に、計算の簡略化と反復計算における収束性の向上のた
めσxとσzとの間に一定の関数関係を導入し、同時にこ
の関数によって、導電率が大きい筋肉では異方性が大き
く、導電率の小さい脂肪では異方性がないことを記述す
る。そのためにはたとえば以下のような関数を使用する
と便利である。すなわち、二つのしきい値σ1とσ2(た
だし、σ12)を用意し、脂肪の領域σx1のとき
にはσzx、筋肉の領域σx2のときにはσz=κσx
(κは正の定数)とし、その中間の領域σ1≦σx≦σ2
においては両式を滑らかに結ぶ単調増加な関数を選ぶ。
筋肉の筋繊維が測定部位断面とほぼ垂直に走っている場
合は、σzxとなることが生体組織学的にわかってお
り、異方性パラメータκはκ>1となる。このような関
数関係の導入によって、しきい値σ1以上の導電率(面
内電気伝導度)を有する領域に対して導電率の異方性が
考慮される。このため、導電率分布算出手段4aは、し
きい値以下の導電率を有する前記断面上の領域に対して
は、前記断面内の導電率と前記断面に垂直な方向の導電
率とが等しいとして導電率分布の画像化を行う。
【0048】導電率分布算出手段4aでは上記の導電率
異方性を取り入れた以下のアルゴリズムに従って導電率
分布を算出する。
【0049】まず、第1の実施形態と同様にして図6に
示すような仮想モデル体72をコンピュータ61内に形
成し、仮想モデル体72全体に初期値として上記の異方
性を考慮した導電率分布(σx, σz)を与える。このと
き、測定部位断面73と平行なすべての断面において導
電率分布は同一とする。次に、生体インピーダンス測定
手段2aによる測定と同様の電極間に同様の電流を流し
たとき、仮想モデル体72の測定部位断面73上および
断面近傍を流れる電流によって測定部位断面外周上に発
生する電位分布を有限要素法などによって計算する。算
出した電位分布を、生体インピーダンス測定手段2aで
実際の被測定体50に対して測定された電位差(実測
値)と比較し、両者の差(残差)が小さくなるように、
仮想モデル体72の導電率分布を修正する。導電率分布
を修正した仮想モデル体72に対して、同様にして測定
部位断面73外周の電位分布を計算し、実測値と再度比
較する。残差が所定の設定値以下になるまであるいは残
差が一定値に収束するまでこれらの操作を反復し、仮想
モデル体72上に、実際の被測定体50の測定部位断面
と同一の導電率分布を再現する。
【0050】導電率の修正量を求める際に使用する感度
マトリックスは、たとえば文献IEEETrans.BioMedical E
ng.Vol.18,pp.38-41(1971)に記載の方法を、異方的な導
電率を有する仮想モデル体72に応用して求めればよ
い。前記文献には、等方的な導電率を有する物体に対す
る感度マトリックスの一般形が求められており、それに
よると感度SはSmnk=∂Vmn/∂σ=−∫(E
mk・Enk)dvと表される。ここで、添字mとnは
いずれも電極のペアに付けた指標であり、添字kは有限
要素法の計算において仮想モデル体72を複数の要素
(領域)に分割したときの各要素を表す指標である。ま
た、Vmnは電極ペアm間に単位電流を印加したとき電
極ペアn間に発生する電位差を表し、σは要素kでの
導電率である。Emkは電極ペアm間に単位電流を流し
たとき要素kに発生する電場ベクトル、Enkは電極ペ
アn間に単位電流を流したとき要素kに発生する電場ベ
クトルであり、Emk・Enkはベクトルの内積を、積
分は要素k内での体積積分を表す。感度マトリックスS
mnkは導電率σがわずかに変化したときの電位差V
mnの変化率を表す。感度マトリックスに関する前記の
表式を、異方的な導電率を有する仮想モデル体72に応
用すると、感度マトリックスはSmnk=∂V mn/∂
σkx=−∫(Emkx×Enkx+Emky×E
nky+Emkz×Enkz×∂σkz/∂σkx)d
vとなる。ここで、測定部位断面と平行にx軸とy軸を
とり、測定部位断面と垂直にz軸をとった。σkxは要
素kにおける面内電気伝導度σであり、σkzは要素
kにおける、測定部位断面と垂直な方向の導電率テンソ
ルの対角成分σである。また、電場ベクトルE
nkの各成分をEmk=(Emkx,Emky,E
mkz)およびEnk=(Enkx,Enky,E
nkz)と表した。上式の体積積分を実行して計算した
感度マトリックスSmnkを用いることにより従来の方
法にしたがって、導電率分布の修正量を求めることがで
きる。
【0051】本発明の第2の実施形態の体脂肪測定装置
によって測定した、人体腹部断面での導電率分布画像に
おいて、アルゴリズムの中で使用する異方性パラメータ
κの値を変化させたとき、最終残差(相対値)がどのよ
うに変化するかを計算した例を図11に示す。最終残差
が小さいほど、腹部断面外周上で実測した電位分布と仮
想モデル体72で計算した電位分布の一致がよく、より
正確に、被測定体50の測定部位断面での導電率分布を
仮想モデル体72上で再現できていることを表す。な
お、電位差測定や画像化等の条件は図7の導電率分布画
像の作成時に使用した条件と同じである。被測定体50
に印加する交流電流の周波数が100kHzのときには
κ≒2.2において、300kHzのときにはκ≒2に
おいて最終残差が極小になり、導電率の異方性を考慮す
ることが画像化の精度の向上に有効であることがわか
る。一方、交流電流の周波数が500kHzのとき極小
値はκ=1.4付近にあり、異方性の考慮はやはり有効
だがその効果は相対的に小さくなる。
【0052】本発明の第1の実施形態および第2の実施
形態において、複数の周波数の電流で測定を行って、そ
れらの測定結果を比較することにより、測定結果の信頼
性を高めることもできる。
【0053】また、生体インピーダンス測定手段2ある
いは2aによって測定された生体インピーダンスと輪郭
情報測定手段3によって測定された測定部位断面の外周
長とを用いて、導電率分布の画像化を経由せずに直接、
測定部位断面の皮下脂肪量あるいは内臓脂肪量あるいは
それらの和を推定する機能を付加してもよい。
【0054】本発明は被測定体50として人体の腹部は
勿論、大腿部や上腕部などへの適用も可能である。ま
た、被測定体50は人体に限定されることなく、豚、牛
等の動物、マグロ等の魚類であっても良く、これらの測
定部位断面の脂肪分布や脂肪量を求めることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、インピーダンスCT法
によって、測定部位断面における脂肪分布を十分な精度
と分解能で画像化し、その画像から体脂肪量を推定する
ことのできる、比較的簡易で且つ小規模な体脂肪測定装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の体脂肪測定装置を示
す構成図。
【図2】第1の実施形態の電極群の平面図。
【図3】第1の実施形態の生体インピーダンス測定手段
の構成図。
【図4】被測定体への電流印加方法の一例を示す図。
【図5】被測定体への電流印加方法の他の一例を示す
図。
【図6】長手方向に同一の断面形状を有する三次元的な
仮想モデル体を示す図。
【図7】第1の実施形態の体脂肪測定装置によって測定
した、人体腹部断面での導電率分布画像の例を示す図。
【図8】第1の実施形態の体脂肪測定装置によって測定
した、人体腹部断面での脂肪分布画像の例を示す図。
【図9】周波数100kHzの電流を第1の実施形態と
同一の被測定体に印加して求めた人体腹部断面での導電
率分布画像の例を示す図。
【図10】周波数300kHzの電流を第1の実施形態
と同一の被測定体に印加して求めた人体腹部断面での導
電率分布画像の例を示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態の体脂肪測定装置を
示す構成図。
【図12】異方性パラメータの値を変化させたとき、最
終残差がどのように変化するかを計算した例を示す図。
【符号の説明】
1…電極群、2…生体インピーダンス測定手段、3…輪
郭情報測定手段、4…導電率分布算出手段、5…脂肪判
別手段、6…表示手段、50…被測定体、51…支持
板、52…開閉部、53…電極、54…エアシリンダ、
61…コンピュータ、62…正弦波発振器、63…定電
流回路、64…スイッチ群、65…電極、66…差動増
幅器、67…マルチプレクサ、68…バンドパスフィル
タ、69…位相検出型アンプ(ロックインアンプ)、7
0…DC電圧計、71…移相器、72…仮想モデル体、
73…測定部位断面、81,83,84…導電率分布画
像、82…脂肪分布画像。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 恩田 智彦 東京都墨田区文花2丁目1−3 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 木村 毅 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C027 AA06 CC00 DD05 EE01 EE03 EE05 FF01 FF02 GG00 GG09 GG15 HH13 KK00 KK01 KK03 4C038 VA03 VB28 VC20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定部位の外周上に配置した複数の電極
    と、 前記複数の電極のうち、順次選択される2つの電極間に
    電流を印加し、残りの電極の電位もしくは電極間の電位
    差を測定する生体インピーダンス測定手段と、 測定値に基づいて前記測定部位の断面上の導電率分布を
    算出し、算出された導電率分布を画像化する導電率分布
    算出手段と、 得られた画像を表示する表示手段と、を備えた体脂肪測
    定装置において、 前記印加電流の周波数が350kHz以上10MHz以
    下である体脂肪測定装置。
  2. 【請求項2】 測定部位の外周上に配置した複数の電極
    と、 前記複数の電極のうち、順次選択される2つの電極間に
    電流を印加し、残りの電極の電位もしくは電極間の電位
    差を測定する生体インピーダンス測定手段と、 測定値に基づいて前記測定部位の断面上の導電率分布を
    算出し、算出された導電率分布を画像化する導電率分布
    算出手段と、 得られた画像を表示する表示手段と、を備えた体脂肪測
    定装置において、 前記導電率分布算出手段は、前記断面内の導電率と前記
    断面に垂直な方向の導電率との異方性に基づいて前記導
    電率分布の画像化を行う体脂肪測定装置。
  3. 【請求項3】 前記導電率分布算出手段は、所定のしき
    い値以下の導電率を有する前記断面上の領域に対して
    は、前記断面内の導電率と前記断面に垂直な方向の導電
    率とが等しいとして前記導電率分布の画像化を行う請求
    項2に記載の体脂肪測定装置。
  4. 【請求項4】 前記測定部位の外周上に配置した前記複
    数の電極の位置を検出することにより、前記測定部位の
    断面の輪郭情報を測定する輪郭情報測定手段を有し、 前記導電率分布算出手段は、前記輪郭情報測定手段で測
    定された前記測定部位の断面の輪郭情報と前記測定値と
    に基づいて前記導電率分布の画像化を行う請求項1乃至
    請求項3のいずれか1項に記載の体脂肪測定装置。
  5. 【請求項5】 前記測定部位が腹部であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の体脂
    肪測定装置。
  6. 【請求項6】 前記導電率分布をしきい値と比較するこ
    とにより、脂肪とそれ以外の組織を判別する脂肪判別手
    段を有する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載
    の体脂肪測定装置。
  7. 【請求項7】 前記脂肪判別手段による判別結果に基づ
    いて、前記測定部位断面での脂肪面積を算出する脂肪量
    算出手段を有する請求項6に記載の体脂肪測定装置。
  8. 【請求項8】 前記脂肪量算出手段は、前記脂肪面積か
    ら被測定体の体脂肪率を算出することを特徴とする請求
    項7に記載の体脂肪測定装置。
  9. 【請求項9】 前記導電率分布をしきい値と比較するこ
    とにより、脂肪とそれ以外の組織を判別する脂肪判別手
    段と、 前記脂肪判別手段により判別された脂肪の存在位置から
    脂肪を内臓脂肪と皮下脂肪に分類し、内臓脂肪面積と皮
    下脂肪面積を算出する脂肪量算出手段と、を有する請求
    項5に記載の体脂肪測定装置。
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